麻雀マスターズ レポート

麻雀マスターズ レポート/第21期 本戦レポート

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2012年4月28日(土)、東京新橋にて麻雀マスターズ本戦が開催された。
「麻雀マスターズ」は今回で21期目となり、プロ連盟主催プロアマオープンのタイトル戦である。
そしてプロ連盟主催のタイトル戦では数少ない、一発裏ドラが適用となるルールが特徴といえる。
私はプロ予選で敗退となったが、この本戦に参加するのも容易ではない。
大まかに、プロで実績のある者や特別枠(大会の特典等)を除き以下の予選を勝ち上がる必要がある。
各団体のプロ:プロ予選一次、プロ予選二次
アマ:アマチュアA級予選または東京予選や地区予選
会場には、プロとして数年経つ私でも緊張する顔ぶればかりである。
プロ連盟からは、
灘麻太郎、小島武夫、伊藤優孝、森山茂和、前原雄大、沢崎誠、古川孝次
藤原隆弘、朝武雅晴、藤崎智、望月雅継、石渡正志、右田勇一郎、柴田弘幸
ダンプ大橋、近藤久晴、板川和俊、仁平宣明、山井弘、山田浩之、勝又健志
猿川真寿、四柳弘樹、中村毅、吉田直、白鳥翔、老月孝紀、金子貴之、吉田幸雄
滝沢和典、佐々木寿人、内川幸太郎、今里之彦、杉浦勘介、堀内正人…等。

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灘 麻太郎
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小島 武夫
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荒 正義
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伊藤 優孝
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森山 茂和
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瀬戸熊 直樹
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板川 和俊
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藤崎 智
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望月 雅継
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古川 孝次
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朝武 雅晴
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滝沢 和典
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佐々木 寿人
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内川 幸太郎

連盟女流プロからは、
二階堂亜樹、稲森英子、斉藤智子、黒沢咲、仲田加南、優木美智、北野由実
蒼井ゆりか、和久津晶、魚谷侑未、小島優、山口笑子、安田麻里菜
赤荻めぐみ、筒井久美子…等。

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稲森 英子
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二階堂 亜樹
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和久津 晶
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黒沢 咲
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優木 美智
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蒼井 ゆりか

他団体からは、
五十嵐毅、鈴木たろう、金太賢、宮崎和樹、石井阿依…等
日本プロ麻雀協会から17名。
村上淳、水巻渉、平賀聡彦、石井一馬、石井あや…等
最高位戦日本プロ麻雀協会から19名。
また、一般参加は53名となった。
麻雀マスターズ本戦のシステムは、まず半荘4回戦を行い合計得点がプラスの者のみ勝ち上がりとなり、次に得点持ち越しのまま5回戦目を行う。
(5回戦の会場収容人数をオーバーすると、得点がプラスでも敗退となる場合がある)
そして5回戦終了時、合計得点上位52名がトーナメント進出となる。
また特典として、本戦1位の選手はベスト16トーナメントへ繰り上げ進出になるとともに、副賞として全自動麻雀卓が贈られる。
他にも本戦上位者には副賞があり、得点に余裕のある選手も最終戦まで果敢に攻めるだろう。
また、一般の中で本戦最上位の方にはベストアマ賞として旅行券が贈られる。
今回の4回戦終了時の52位は+38.0ポイント。
例年の傾向から5回戦終了時にはボーダーラインが上がるため、最低でも40ポイント台は欲しいところだ。
半荘トップ目でありながら、長考の末勝負をかけたリーチを敢行する柴田弘幸。
6,000オールを決めるも、まだ足りないとばかりに加点に向かう山井弘。
多くの選手が5回戦の結果次第であり、手に力が入っているのが分かる。

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柴田 弘幸
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山井 弘

5回戦終了時、1位となったのはプロ連盟の岡田茂プロ!!
普段からの麻雀に対する姿勢の良さが結果に繋がったのだろう。
本人のコメントでは、プロ予選で課題が多く残る麻雀だったようだが、
プロ一次予選からの通過は見事であり、ベスト16トーナメントからの戦いに注目したい。
そして本戦勝ち上がり52名は+50ポイント以上必要な結果となり、これは各選手の予想を超えていたようだ。
必死で戦い、+40ポイント台後半で涙を呑んだ選手も何名かいた。
勝ち上がり52名から繰り上がりとなった1名を除いた51名は余韻に浸る間もない。
以下5名を加えた56名でトーナメント1回戦がすぐに開始となる。
前年度決勝進出者:樋口新、西川淳、泉亮多
現鳳凰位:荒正義
現十段位:瀬戸熊直樹

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西川 淳
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泉 亮多

トーナメント1回戦は予選順位により決定した組み合わせ4名で、同一メンバーのまま半荘2回を戦い上位2名が勝ち上がりとなる。
注目選手はやはり現鳳凰位の荒正義と、現十段位の瀬戸熊直樹だろう。
5回戦を勝ち上がった選手と比べ、エンジンのかかっていないシード選手はすぐに敗退となってしまうケースも多い。
しかも、瀬戸熊は早朝から本戦の運営をこなし、体力の消費も激しい。
その注目の荒正義、東1局、西家の手牌。
二万二万九万九万一筒一筒一筒四筒四筒四筒五索五索北 ドラ三万
ドラはなく、北は生牌となる。
中盤に親から五索切りリーチが入り、九万が親リーチの現物且つ一発もなくなると考えた私はつい「ポン」と思ったが、荒は鳴かずに五索切りとしていく。
確かに北家のホンイツ気配、残る形や打点、多くの要素があり東1局から鳴いてまで進める手ではないかもしれない。
この結果は、北家が2,000,4,000のツモアガリとなるが、荒はこの後も落ち着いた麻雀で2連勝を収め、堂々と翌日のトーナメント2回戦へ名乗り出た。
そして瀬戸熊直樹の卓は、プロ連盟九州本部の藤岡治之が1半荘目に大きなトップで勝ち上がり濃厚となる。
2位通過を狙う瀬戸熊は、常にライバルとの点差を意識した押し引きで、もう1枚の切符を手に入れた。
また個人的に注目したのは、滝沢和典と山井弘の対戦。
滝沢は冷静な局面読み、山井は18,000放銃してもすぐに18,000をアガる攻撃力を武器に戦い、勝負はオーラスアガった方が勝ち上がりとなる接戦。
2人共にテンパイが入るが、山井に軍配が上がり滝沢はここで敗退となってしまった。
その他、グランプリMAXの覇者、勝又健志や第19期マスターズチャンピオン樋口新等、多くの注目選手もここで敗退となった。

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勝又 健志
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樋口 新

トーナメント2回戦へ勝の勝ち上がり者28名、組み合わせは以下。
1卓:鈴木優(最高位戦) vs 平田孝章(連盟) vs 太田昌樹(連盟) vs
高沢智(連盟)
2卓:石井一馬(最高位戦) vs 綱川降晃(協会) vs 柴田弘幸(連盟) vs
大和田篤史(連盟)
3卓:泉亮多(連盟) vs 浅井裕介(最高位戦) vs 上村宣久(連盟) vs
内川幸太郎(連盟)
4卓:荒正義(連盟) vs 船木伸一さん(一般) vs 古川孝次(連盟) vs
海谷善之さん(一般)
5卓:藤岡治之(連盟) vs 山井弘(連盟) vs 杉村泰治(連盟) vs コウ(協会)
6卓:金太賢(協会) vs 有馬浩さん(一般) vs 瀬戸熊直樹(連盟) vs
小車祥(連盟)
7卓:稲森英子(連盟) vs 斉藤智子(連盟) vs 加藤晋平(連盟) vs
沖野立矢(最高位戦)
9半荘にもなる長い戦いは、翌日すぐに行われる。
その戦いを制した者のみ決勝戦へ駒を進めることができる。
(文中敬称略)