文字サイズを小さくする 文字サイズを元に戻す 文字サイズを大きくする

王位戦 レポート

一覧

第44期王位戦A級本戦レポート 

2018/11/23
執筆:ケネス徳田


100

 

第44期王位戦 主催:日本プロ麻雀連盟

この『王位戦』は麻雀界において、相当重みを持つタイトル戦である
・プロ団体が主催
・オールカマー(一般参加者OK)
・一番歴史がある
・既存している

第1期は1973年、当時は『株式会社かきぬま』という麻雀卓メーカーが主催していた。この頃は今でいう「プロ団体」というものは存在せず、アマチュア麻雀団体が複数存在していた時代である。
大きなタイトル戦としては『週刊大衆』を発行する双葉社が主催する『名人戦』というものがあった。1970年に第1回、つまり王位戦より古くから行われていたのだが、こちらは1999年の30回大会を最後に「現在行われていない」。また出場者は麻雀プロ及び著名人であったため「オールカマーではない」ものであった。
1970年代の麻雀ブームの中、王位戦というオールカマー(第2期より)の、しかも全国規模の大きな大会が設立されたのは、当時の麻雀界として非常に意義あるものだったのではないだろうか。

2018年11月17日、A級本戦の開催日である。 近年ではすっかり「春のマスターズ」「秋の王位戦」というイメージが定着している。だが初期の頃の王位戦は秋から翌年春と、半年以上かけて行われていた。

 

過去はまずC級戦がおこなわれていた。

 

100
[竹書房・近代麻雀昭和1974年10月号より]
 

 

『第2回かきぬま王位戦』のC級戦の参加者リスト(指名は伏せ)である。このC級戦に出場するには、いわゆる各支部大会の月例大会上位者、大会優勝者などが対象であったと思われる。上位16名が次のステージであるB級予選(シード者4名)に進出(勝ち上がり6名)。そしてB級決勝(シード者2名。勝ち上がり4名)→A級予選→A級決勝→決勝戦と気の遠くなる程長い道のりである。

幸い現在ではシード者はA級本戦からだが、ノンシード者はプロはA級予選から。一般参加者も地方予選や、プロと一緒のA級予選からという、1ステージ下からの出場で済む。
100
最近の王位戦システムは、いわゆる「本戦で200名前後が一堂に会し、半荘4回で上位半数で半荘1回。上位55名前後(A級決勝シード者入れて72名)が勝ち上がり」であった。しかし時の流れ、時代の変化もあり、「オオバコ」と呼ばれる40卓~50卓もある雀荘が次々と無くなってきている。

2007年までは王位戦A級本戦会場は八重洲「中信」であったと記憶している。2008年マスターズ本戦会場も中信、そしてその年の秋が新橋「新雀荘」と過去の開催概要に記録が残っている。
「中信」時代も最後の方は本戦出場者が多く、4回戦目までは別会場が使われて5回戦目に中信で合流であった。

2008年からは新橋「新雀荘」をメイン会場として行われ、同じビル内の「白鳩」「ニュー新橋」「岡」、さらには徒歩圏内の「じゃん亭」などを複数の会場を駆使して開催してきた。もちろんこれは「5回戦目で合流」を目的としてきたからである。
 
100
 
ところが今年より、巣鴨「連盟道場」が第2会場となった
 
100
 
プロ連盟内のタイトル戦の中には移動してからの合流を行う場合もあるが、今回の王位戦では完全に別会場として扱い、人数比でA級決勝進出者をそれぞれの会場から出すこととなった。初の試みである。

変化は大事である。前例主義に陥ることが組織、機能を停滞させ低下させる要因である。王位戦も、当時はアマチュア麻雀団体の高段者の戴冠が半ば常識「タイトルを取れるのは40代が」が定説とされていた。しかし、そこに一石を投じたのが第5期王位に就いた…

 
100
「近代麻雀1978年4月号より」
若干25歳の荒正義プロであった。
 
 
王位戦だけでなくほかのタイトル戦でも最年少で34歳、大多数は40代50代での優勝が常であった。そこに20代の、しかもフリーのプロがタイトル戦に勝ったのもこれが初である。
この荒プロの優勝を皮切りに若手プロ集団の台頭、そして初の麻雀プロ団体「日本プロ麻雀連盟」が設立される。
※この時期の「最高位戦」は近代麻雀の主催するタイトル戦でありプロ団体ではない

第9期「かきぬま王位」(※この時期は「かきぬま王位戦」と「近代麻雀王位戦」に分裂)には
 
100
 
「プロ麻雀1982年5月より」
若き日の森山茂和会長が!
 

そして10~13期、前人未到の4連覇(この時期はディフェンディング制)を達成したのが
 
100
 
「麻雀ワールドvol.1より」
灘麻太郎名誉会長である。
 
その後王位戦は「株式会社かきぬま」が撤退し、プロ連盟主催になり今の形に至る。今回はプロ連盟本部、各地方本部・支部、他団体、一般含めて以上総勢240名。A級本戦としてはこれまでの最大の数である。5回戦終了後、上位60名が翌日のA級決勝へと駒を巣進める。

 

●第1会場「新雀荘」「白鳩」「岡」
180名参加:勝ち上がり45名

100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100

5回戦開始時、45位:+27.5P
最終45位:+30.4P

 

●第2会場「連盟道場」
60名参加:勝ち上がり15名

100
100
100
100
100
100

5回戦開始時、15位:+40.5P
最終15位:+30.6P

なんとビックリ、通常最終ボーダーラインは上がるのが常識とされている。しかし第2会場では10近くもボーダーが低下するという逆転現象が起きている。分母が少ないのが理由なのかそれとも…次回、次々回も同じ形態で開催されるならば、その結果も踏まえるべきであろうが、今回はとりあえず「たまたま」と認識するしかない。