王位戦 レポート

第44期王位戦A級決勝レポート 

第44期王位戦A級決勝レポート:ケネス徳田

11月18日(日)有楽町『絹江荘』前日のA級本戦を勝ち上がった60名。そして歴代王位、前年度決勝進出者、鳳凰位・十段位といったシード者16名を含めた76名でA級決勝が行われた。
100
●A級本戦勝ち上がり者

★プロ連盟東京本部(24名)

藤本哲也 蒼木翔子 魚谷侑未 宮崎皓之介
平野良栄 三浦智博 白鳥翔 黒沢咲
和久津晶 石田亜沙己 赤司美奈子 木島甲太郎
石渡正志 古橋崇志 高田翔 内田美乃里
客野直 石川正明 浜野太陽 HIRO柴田
奈良圭純 瀬戸熊直樹 近藤久春 天音まこと

★プロ連盟地方本部・支部(16名)

(中部本部)

木村東平 大橋幸正 日高志穂 岡田智和
伊藤鉄也 近藤美香

(北海道本部)

浦山祐輔 山屋洋平

(東北本部)

菊田政俊

(北陸支部)

木原翼 藤本鉄也 志多木健 後藤正博

(関西本部)

横山毅 坂本誠祐

(九州本部)

浜上文吾

●他プロ団体(11名)

(最高位戦)

坂井秀隆プロ 桐生美也子プロ 品川直プロ 沖野立矢プロ

 

(プロ協会)

江崎文朗プロ 仲林圭プロ 阿賀寿直プロ 松崎真也プロ
柚花ゆうりプロ りんのなおプロ

 

(RMU)

樽原和人プロ

●一般(9名)

 

半沢優一さん 小林晃さん 平川香織さん 田中哲也さん
吉田信之さん 村松朋広さん 鵜飼基史さん 今井朗さん
青木保則さん

●A級決勝シード者(16名)
100
第5・29期王位:荒正義(連盟)

100
第22・23期王位:羽山真生(連盟)

100
第27期王位:清水香織(連盟)

100
第32・33期王位:滝沢和典(連盟)

100
第34期王位:ダンプ大橋(連盟)

100
第36期王位:井出一寛(連盟)

100
第38期王位:二見大輔(協会)

100
第39期王位:森下剛任(連盟)

100
第40期王位:清原継光(連盟)

100
第41期王位:石井一馬(最高位戦)

100
第42期王位:樋口徹(連盟)

100
前年度決勝進出:段谷昭夫(一般)

100
前年度決勝進出:太田優介(連盟)

100
前年度決勝進出:山井弘(連盟)

100
現鳳凰位:前原雄大(連盟)

100
現十段位:内川幸太郎(連盟)

例年までは72名だったこのA級決勝。しかしA級本戦人数の参加人数が例年より20名増えたことにより、A級決勝もその分人数が増えて76名の参加になった。しかし準決勝進出者が15名というのは変わらず。つまり例年に比べると若干ではあるが倍率的には厳しくなったといえる。

このA級決勝→準決勝というシステムは比較的新しく1998年から導入された。それまでは72名のA級決勝で上位4名が決勝進出者、という非常に厳しい関門であった(※昔はA級決勝16名→決勝4名であったが、いつ頃の変遷かは確認できず)。

このA級決勝のシステムは半荘が進むにつれて下位○○名が敗退していく、いわゆる「サバイバル戦」である。
・4回戦終了時、下位24名敗退(52名勝ち上がり)
・5回戦終了時、下位12名敗退(40名勝ち上がり)
・6回戦終了時、下位12名敗退(28名勝ち上がり)
・7回戦終了時、28名中上位15名準決勝進出

さてここでA級本戦出場者の構成比に注目したい。
連盟本部、連盟地方、他団体、一般、シードと分けてみた(一般、他団体もシード者はシードに含めた)
100
A級本戦での統計を取っていないため判断付かないが、連盟本部が30%、連盟地方20%と過半数がプロ連盟。元々の参加数も多く、土壌としているルールもプロ連盟公式ルールであるため、例年この数字に近い構成比にはなるかと予想される。
そして5、6、最終7回戦進出の人数比にも注目してもらいたい。

 

B76 B52 B40 B28
連盟本部 31.6% 28.8% 30.0% 32.1%
連盟地方 21.1% 19.2% 20.0% 14.3%
他団体 14.5% 13.5% 10.0% 10.7%
一般 11.8% 11.5% 12.5% 10.7%
シード 21.1% 26.9% 27.5% 32.1%

やはり歴代王位、決勝進出者を含むシード組の強さが光っている。やはりこのシステムでの戦い方を熟知しているのか、ここまで16名中現状勝ち残りは9名と、50%を超える残存率である。
ちなみに連盟本部は24名中9名。一般は9名中3名となっており、一応残像率は30%を超えている。苦戦しているのは連盟地方と他団体。連盟地方は15名中4名。他団体は11名中3名と30%を下回る。

100
さて最終7回戦、ベスト28からベスト15に絞られる最終半荘。ここで半数近くが敗退なる。ほぼ直接対決であり、基本的に「卓内トータル2位でポイントを上積み」が基本的な通過条件である。
●1卓:近藤久春(1位)vs奈良圭純(14位)vs高田翔(15位)vs井出一寛(28位)
100
この日は近藤の「7,700」「8,000」の声が10分おきに会場内に響き渡るほど大物手を連発して現状トータル1位。そして最終戦も手を緩めることなくボーダー付近の奈良・高田を力でねじ伏せる。
100
超ゴキゲンスマイル!

100

これだけ勝てば笑みもこぼれると。
●2卓:浜野太陽(2位)vs荒正義(13位)vs森下剛任(16位)vs後藤正博(27位)
100
現状27位、つまり下から2番目だった後藤が大爆発。なんと55,000点オーバーで15人抜きの12位で準決勝に進出。歴代王位・森下もポイントを伸ばし、今季デビューのEリーガー・浜野もここまでの貯金を活かしてこの卓からは3者が準決勝進出。
●3卓:坂井秀隆(3位)vs前原雄大(12位)vs菊田正俊(17位)vs二見大輔(26位)
100
こちらはボーダー付近の前原・菊田が浮き、坂井もラスながらここまでの貯金で3者が勝ち上がり。
●4卓:魚谷侑未(4位)vs柚花ゆうり(11位)vs和久津晶(18位)vs樋口徹(25位)
100
最後まで小場で進む。となるとやはり有利なのはトータル上位の魚谷・柚花、がそのまま穏便に勝ち上がりとなる。
●5卓:羽山真生(5位)vs吉田信之(10位)vs青木保則(19位)vs阿賀寿直(24位)
100
歴代王位・羽山が最終戦も安定して浮き。そして唯一の一般勝ち上がりとなった青木さん。
●6卓:日高志穂(6位)vs黒沢咲(9位)vs鵜飼基史(20位)vs客野直(23位)
100
現新人王・日高が最終戦も5万点トップでこの卓からは日高1人が準決勝進出。浮き2着で終えた鵜飼さんは…次点に泣く。開始前9位だった黒沢も1万点のラスで無念の敗退。
●7卓:HIRO柴田(7位)vs清水香織(8位)vs木原翼(21位)vs段谷昭夫(22位)
100
7位開始のHIRO柴田が道中1万点を割り敗退危機だったが、若干持ち直して逃げ切り。木原が4万点オーバーのトップ、清水もしっかり浮いて3人勝ち上がり。

B76 B52 B40 B28 B15
連盟本部 31.6% 28.8% 30.0% 32.1% 26.7%
連盟地方 21.1% 19.2% 20.0% 14.3% 26.7%
他団体 14.5% 13.5% 10.0% 10.7% 13.3%
一般 11.8% 11.5% 12.5% 10.7% 6.7%
シード 21.1% 26.9% 27.5% 32.1% 26.7%

ベスト28→ベスト15にかけて連盟地方の躍進が見られる。それもそのはず、ベスト28で残ってた4人が全員勝ち上がったからである。
以上勝ち上がり15名に前年度王位・野方祐介を加えた16名で準決勝が行われる。戦いの構図としてはAリーガー4名、連盟地方4名、歴代王位4名、新人1名、他団体2名、一般1名となった。