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王位戦 レポート

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第44期王位戦準決勝レポート 

2018/12/14
執筆:大和


会場:夏目坂スタジオ

 

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11月24日、A級決勝から勝ち進んだ15名に43期王位、野方祐介を加えた計16名で準決勝が行われた。

準決勝を戦う選手を紹介しておこう。
野方祐介(第43期王位・日本プロ麻雀連盟)
坂井秀隆(最高位戦日本プロ麻雀協会)
柚花ゆうり(日本プロ麻雀協会)
鵜飼基史(一般)
前原雄大(以下日本プロ麻雀連盟)
近藤久春
HIRO柴田
魚谷侑未
森下剛任
羽山真生
清水香織
日高志穂
菊田政俊
後藤正博
浜野太陽
木原翼

準決勝のシステムは、以下の通り総当たりで5回戦を戦い、下位8名が敗退。上位8名でポイントを持ち越し1回戦。トータルポイント上位4名が決勝進出となる。

 

☆1回戦

A卓(HIRO柴田、坂井、近藤、浜野)

浜野が新人らしく元気いっぱいの麻雀で局面をリードする。
HIRO柴田と共に加点をし、坂井、近藤を寄せ付けなかった。

浜野+26.5P HIRO柴田+14.9P 坂井▲16.9P 近藤▲24.5P

B卓(前原、日高、森下、菊田)

鳳凰位前原が強い。繊細かつ大胆で隙の無い麻雀に日高、菊田は押されているように見えた。
反面、森下はかなり表情からもギラギラしたものが見えて2回戦以降も楽しみな結果となった。

前原+19.1P 森下+12.9P 菊田▲6.5P 日高▲25.5P

C卓(柚花、木原、羽山、鵜飼)

元王位羽山が爆発する。自分のペースに持ち込むと、門前主体の高打点でたたみ掛ける展開。対して鵜飼は補欠からの繰り上がりであるが、本人が一番ビックリしていたようで、まだ地に足がついていないようにみえた。木原、柚花はオーラス前にしっかりと浮きにまわった。

羽山+27.9P 柚花+3.6P 木原+1.1P 鵜飼▲32.6P

D卓(野方、清水、魚谷、後藤)

現王位野方がトップを取る。独特の感性と読みから生まれる仕掛け。今期も健在なのか?
魚谷、後藤もしっかり対応して浮きにまわる。清水の特徴である「攻め」なのだが1回戦はペースを掴めぬまま1人沈みとなってしまう。

野方+14.7P 魚谷+8.3P 後藤+1.1P 清水▲24.1P

 

☆2回戦

A卓(近藤、魚谷、木原、森下)

開局からペースを握ったのは魚谷。
南3局、魚谷が高め三色のリーチを打つと静かに無筋を切っていくのは近藤。国士無双のテンパイ。さらにそれを受け苦痛の表情ながらも押していく木原、なんと2人のアガリ牌を抑えてツモリ四暗刻のリーチ。軍配は安めながらも魚谷のツモ。

魚谷+25.1P 近藤+12.0P 森下▲10.1P 木原▲28.0P

B卓(HIRO柴田、日高、柚花、清水)

清水が魅せる。
東場は4者探り合いのような展開だったが、攻撃の手を緩めない清水が徐々に加点していく。南場では柚花の親リーチに対して無筋を切り飛ばしていくも手が止まった。
四暗刻単騎のテンパイ。待ちは地獄の東か無筋の七か。清水の選択は東。この局は柚花が6,000オールをツモるも清水の強気の選択が光った。

清水+17.0P 柚花+6.7P 日高▲7.9P HIRO柴田▲15.8P

C卓(前原、坂井、羽山、後藤)

ここでも前原は安定のトップ。
仕掛けも変幻自在で、場況の良い中張牌の単騎待ちなどのアガリをモノにしたりと、全てが自分のプラン通りに進んでいるようにみえた。
1回戦好調の羽山、2戦続けてしっかり我慢をした後藤が浮きに回り、坂井は苦しい1人沈みとなった。

前原+15.8P 羽山+9.1P 後藤+3.7P 坂井▲28.6P

D卓(野方、浜野、菊田、鵜飼)

菊田、浜野が局面をリードする。
逆に野方、鵜飼もただ我慢するのではなく、何とかこじ開けようとするもそれが逆に菊田に手を入れてしまっている印象。こうなると真っ向勝負だと中々大勢は変わらない。
野方にとっては想定内の展開だが菊田の試合巧者ぶりが光った1戦となった。

菊田+27.2P 浜野+9.5P 鵜飼▲13.7P 野方▲23.0P

 

☆3回戦

A卓(近藤、柚花、菊田、後藤)

鳳凰戦A1リーグの強さを近藤が見せつける。要所で効果的かつ打点も付いてくるアガリをものにして南入時にはトップを決めた。2着争いは柚花と菊田。南3局、柚花の親リーチを掻い潜り2,000・3,900を決めてしっかりと浮きに回った。後藤はこれまで我慢の麻雀だったが苦しい4着となった。

近藤+27.2P 菊田+13.8P 柚花▲12.8P 後藤▲28.2P

B卓(日高、魚谷、坂井、鵜飼)

魚谷の調子が良い。開局、高め三色のリーチをしっかりと坂井から打ち取る。ここでは割と手数の多い坂井が、魚谷の攻めの煽りを受ける形になり、坂井のもとにロン牌が集まってくる苦しい展開。日高、鵜飼も原点近くまで戻すのが精一杯だった。

魚谷+32.4P 鵜飼▲1.8P 日高▲4.8P 坂井▲25.8P

C卓(羽山、清水、森下、浜野)

歴代王位3人に新人の浜野が挑む構図。
これまで気合いに牌がついて来ない森下だったが、相手が踏み込みの深い清水と羽山なら別。
土俵でしっかりとぶつかり合って勝負を制すれば森下のペース。大きな1人浮き。
浜野は良く耐えたか。

森下+24.2P 羽山▲1.2P 浜野▲7.6P 清水▲15.4P

D卓(野方、HIRO柴田、木原、前原)

ここまで我慢の木原に痛恨の放銃が出てしまう。HIRO柴田のドラ3先制リーチを受け、役なしのリャンメンテンパイが入る。ヤミを選択すると当たり牌をHIRO柴田に打たれ次巡はHIRO柴田のロン牌を掴む。麻雀は難しい。これが止まれば、もうワンチャンスあったかもしれないと思うのは酷か。HIRO柴田はオーラスにもポンテンの12,000を5巡で野方から打ち取り大きなトップ。

HIRO柴田+38.5P 前原+7.0P 木原▲20.7P 野方▲24.8P

 

☆4回戦

A卓(近藤、前原、清水、鵜飼)

一貫して攻撃の手を緩めない清水。放銃しても前に出る姿は美しい。しかし今回は苦しい結果となった。
道中は前原、近藤の一騎打ちかと思われたが、そこに割って入ったのは鵜飼。先制リーチを受けながらもドラ含みのトイトイを引きアガリ、そこからペースを掴み嬉しいトップ。

鵜飼+21.8P 近藤+6.5P 前原+4.4P 清水▲32.7P

B卓(日高、浜野、木原、後藤)

新人の日高、浜野、木原が北陸のベテラン後藤にどのように戦うのか。
ここは同じ北陸の木原が洗礼を浴びる。じっくり手を作り切り込んでくる後藤の攻撃をいなしきるのは至難。後藤にとってはやっと我慢が身を結ぶ展開となった。
日高、浜野も浮きに回り次戦に期待が持てる内容であった。

後藤+17.1P 浜野+9.6P 日高2.6P 木原▲29.3P

C卓(羽山、魚谷、菊田、HIRO柴田)

この準決勝、好調に見える4人が揃った。
故に4者共に必然的に手が入る。仕掛け、メンゼン共にバランスよくアガリをものにしたのは魚谷、菊田だった。HIRO柴田は手が見えているのと、自身の手が良いことでかなり押し引きが難しく、羽山もオーラスで親のドラ3リーチを打つも、魚谷に仕掛けでアガリ牌を喰い取られかわされる苦しい結果となった。

菊田+21.6P 魚谷+17.5P HIRO柴田▲16.6P 羽山▲22.5P

D卓(野方、森下、坂井、柚花)

坂井、野方はポイント的にもトップが欲しい。森下は大きくマイナスしなければという中で、トータル▲2.5Pの柚花は自分らしく打てていたのではないだろうか。1回戦のような気持ちで理想的な展開を自ら作る。南入するとほぼ1人突き抜けてそのままトップで終えた。

柚花+35.2P 野方▲5.1P 坂井▲9.2P 森下▲20.9P

 

☆5回戦
放送卓(野方、近藤、羽山、日高)

鍔迫り合いのような展開で野方、日高がオーラス逃げ切りを図るが羽山が遠いピンズの仕掛け。自力でテンパイできるか、厳しいようであれば親の日高に牌を下す選択もあった。最終手番まで1人もテンパイを入れてない中、自力テンパイを目指した羽山が最後にテンパイして大きな3,000点を得る。これによって近藤は逆に苦しい1人沈みとなった。

※5回戦の結果は以下の通り
A卓
森下+17.3P 後藤+9.3P HIRO柴田▲4.4P 鵜飼▲22.4P

B卓
前原+11.1P 浜野+5.7P 柚花▲6.1P 魚谷▲10.7P

C卓
清水+37.9P 菊田▲6.4P 木原▲12.9P 坂井▲18.6P

9位以下の8名がここで敗退となる。

 

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☆6回戦

A卓(2位前原+57.4P、3位菊田+49.7P、6位森下+23.4P、7位HIRO柴田+16.6P)

東場は前原のペース。ポイントが有利とはいえ戦う事を止めない。追いかける立場の森下、HIRO柴田のリーチもものともせず被せていく。そしてしっかり結果を出す所が前原。この卓内でトータルトップならほぼ勝ち上がり濃厚な為、ターゲットは自然と菊田になる。
HIRO柴田は親番で小刻みに連荘をして何とかしようとするのだが、森下の満貫ツモで厳しい状況に。
逆に、並びが出来て菊田をラスのままにし、加点していけば勝ち上がりの見える森下にチャンスが訪れる。

 

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リーチの時点で6枚残りはさすがにアガリかと思われたが、菊田が粘り強く最後の七索を森下から打ち取り浮きに回った。

 

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前原は勝ち上がり濃厚、菊田、森下はB卓の結果次第となった。

前原+14.5P(+71.9P)森下+6.3P(+29.7P)菊田+1.2P(+50.9P)HIRO柴田▲22.0P(▲5.4P)

B卓(1位魚谷+72.6P、4位浜野+43.7P、5位柚花+26.6P、8位羽山+14.8P)

B卓はA卓のポイントを見ながら進められる分、若干有利か?
序盤は浜野と柚花がペースを握る。いくつか難しい分岐がある中、アガリをモノにしていく。
柚花、親番で更に加点を目指そうとドラ単騎のタンヤオでテンパイするも魚谷に痛恨の放銃をしてしまう。

 

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こうなると魚谷の勝ち上がりは当確ランプか。
浜野と柚花の熾烈な2着争いとなるかと思いきや、オーラスは魚谷も満貫放銃ができないポイントまで追い詰められ柚花も逆転の手を作る。
しかしこの戦いに終止符を打ったのは浜野。最後は自力で勝ち上がりをモノにした。

浜野+21.0P(+64.7P)柚花+4.8P(+31.4P)羽山▲10.4P(+4.4P)魚谷▲15.4P(+57.2P)

 

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こうして決勝メンバーが出揃った。
第44期王位に輝くのは・・
鳳凰位前原か?現タイトル2冠の魚谷か?東北チャンピオンの菊田か?新星の浜野か?