王位戦 レポート

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第37期 準決勝レポート

2011/12/02
執筆:小川 尚哉


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11月26日、王位戦準決勝が行われた。
険しい道のりを勝ち上がってきた15名に、現王位・井出一寛を加えた16名で、全6回戦を争い、
上位5名が翌日の決勝戦へと駒を進める(5回戦終了時に下位4名敗退)。

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井出 一寛(連盟)
(現王位)
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滝沢 和典(連盟)
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横山 毅(連盟)
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安東 裕允(連盟)
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近藤 久春(連盟)
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羽山 真生(連盟)
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内川 幸太郎(連盟)
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筒井 久美子(連盟)
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高沢 智(連盟)
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宮崎 和樹(協会)
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阿賀 寿直(協会)
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浅井 祐介(最高位戦)
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小山 直樹(最高位戦)
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緒方 剛(一般)
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牧野 卓人(一般)
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澤井 博(一般)

1回戦

1卓(安東、筒井、阿賀、井出)
まずは現王位・井出の立ち上がりに注目。
いきなりの3,900放銃スタートも、東3局、

四万四万八万八万八万四索四索五筒五筒五筒 ポン六万六万六万 ロン四万 ドラ六万

この12,000を阿賀から出アガリ、すぐに失点を挽回。
東4局1本場は、安東、筒井の九州対決。安東の、

四万五万六万八万八万七索八索二筒三筒三筒四筒四筒五筒  ドラ六万

このリーチに筒井が被せ、

六万六万三筒四筒五筒発発 ポン東東東 ポン白白白 ロン発

この8,000は8,300を安東から打ち取る。
しかし、安東も南場の親番で、3,900オールを引きアガリ巻き返す。

五万六万七万一索二索三索四索六索七索八索九索西西 リーチ ツモ五索

オーラス、親の井出がやや不安な手順で進めてしまう。

五万五索六索六索七索二筒三筒七筒七筒七筒南 暗カン牌の背三索三索牌の背  ドラ二筒

ここから打六索、次巡、ツモ二筒で打南、次巡、ツモ八索ツモ切り、次巡、ツモ七索ツモ切り。

…最初の牌姿で打南としておけば、すぐに4,000オールツモアガリだったが、筒井にアガリをさらわれてしまう。
浮き2着と、まずまずのスタートも、胸中穏やかではないだろう。

1回戦成績

1卓
筒井久美子+20.7P  井出一寛+8.5P  安東裕充▲4.5P  阿賀寿直▲24.7P

2卓
滝沢和典+17.9P  宮崎和樹▲1.3P  高沢智▲5.0P  小山直樹▲11.6P

3卓
澤井博+30.8P  緒方剛▲5.7P  牧野卓人▲8.6P  浅井裕介▲16.5P

4卓
近藤久春+13.7P  内川幸太郎+7.3P  羽山真生+4.6P  横山毅▲25.6P

2回戦

2卓(横山、牧野、高沢、阿賀)
序盤から牧野さんが飛ばす!
東2局の親番では、わずか6巡目に倍満確定のこのリーチ。

一万一万五万五万六万六万八万八万北白白発発  ロン北 ドラ六万

大トップをものにする。
これに放銃が、関西のベテラン横山。2ラスとなってしまい、早くも崖っぷち…。

3卓(近藤、滝沢、浅井、筒井)
1回戦で微差ながら、1人浮きトップをものにした滝沢に注目。
東場から展開が悪く、ラス目で南場の親番を迎える。

南2局、親・滝沢。

二万三万六万七万八万一索二索三索五筒六筒七筒西西 リーチ ロン四万 ドラ二索

この5,800のアガリで息を吹き返す。1本場、

一万一万二万二万八索八索四筒四筒七筒七筒南南白 リーチ
ロン白 ドラ六筒

2本場、

一万二万三万五万五万六万六万七万七万九索九索三筒四筒 ロン二筒 ドラ西

3本場、

三万四万五万六万七万二筒三筒四筒七筒七筒五索六索七索 リーチ ツモ二万 ドラ発

アガリを重ね、気付けば、2戦連続の1人浮きトップ。
滝沢の見ている先は、すでに明日の3度目の栄光だけだろうか。

2回戦成績、()はトータルポイント

1卓
宮崎和樹+12.9P(+11.6P)  緒方剛+3.4P(▲2.3P)  羽山真生+1.1P(+5.7P)   井出一寛▲17.4P(▲8.9P)

2卓
牧野卓人+38.8P(+30.2P)  高沢智+10.8P(+5.8P)  阿賀寿直▲18.2P(▲42.9P)  横山毅▲31.4P(▲57.0P)

3卓
滝沢和典+27.4P(+45.3P)  筒井久美子▲1.1P(+19.6P)  近藤久春▲7.9P(+5.8P)  浅井裕介▲18.4P(▲34.9P)

4卓
内川幸太郎+28.4P(+35.7P)  澤井博+8.9P(+39.7P)  小山直樹▲12.3P(▲ 23.9P)  安東裕充▲25.0P(▲29.5P)

3回戦

1卓(澤井、滝沢、横山、井出)
この時点でトータル2位に着けている、一般の澤井さんに注目。
連盟のトッププロ3人を相手に、堂々と攻撃的な麻雀を展開し、場を掌握する。

南1局1本場には、

東東発発 ポン南南南 ポン中中中 ポン北北北

この字一色テンパイ!
惜しくもアガリとはならずも、しっかりとトップを守り、トータルポイントをさらに伸ばした。

3回戦成績

1卓
澤井博+14.7P(+54.4P)  滝沢和典+6.3P(+51.6P)  横山毅+3.3P(▲53.7P)  井出一寛▲25.3P(▲34.2P)(R,1.0)

2卓
近藤久春+15.5P(+21.3P)  緒方剛+6.4P(+4.1P)  高沢智▲6.3P(▲0.5P)  安東裕充▲16.6P(▲46.1P)(R,1.0)

3卓
阿賀寿直+11.8P(▲31.1P)  浅井裕介+6.5P(▲28.4P)  羽山真生+2.9P(+8.6P)  小山直樹▲21.2P(▲45.1P)

4卓
内川+23.3P(+59.0P)  筒井久美子▲3.1P(+16.5P)  牧野卓人▲5.8P(+24.4P)  宮崎和樹▲15.4P(▲3.8P)

4回戦

1卓(近藤、井出、牧野、小山)
牧野さんが好調で、5万点超えのラス前、小山が魅せる。

三万三万五万五万六筒六筒六筒南南南中中中 ツモ五万

この四暗刻ツモで逆転トップ!

2卓(澤井、高沢、羽山、筒井)
ラス親でブレイクした筒井が大きなトップ。
その荒波に呑まれた澤井さんは、大きくポイントを減らしてしまう。

4卓(阿賀、内川、緒方、滝沢)
トータルポイント上位の内川と滝沢のイケメン対決。
東場は小場で進行。
南2局、親、内川が5巡目にこのリーチ。

一万二万三万二索三索四索五索六索一筒二筒三筒西西 リーチ ツモ七索 ドラ五索

入り目が最高のドラ五索である。
安めツモ決着ではあったが、内川の状態は相当良さそうだ。
オーラス、今期の連盟テスト生である、緒方さんがアクロバティックな仕掛けから、

四索四索四索七索七索南南 ポン発発発 ポン九万九万九万
ロン七索  ドラ五筒

この5,200をアガリきり、浮きを確保する。

4回戦成績

1卓
小山直樹+24.4P(▲20.7P)  牧野卓人+8.4P(+32.4P)  近藤久春▲10.0P(+11.3P)  井出一寛▲22.8P(▲57.0P)

2卓
筒井久美子+26.3P(+42.8P)  高沢智+12.8P(+12.3P)  羽山真生▲6.2P(+2.4P)  澤井博▲32.9P(+21.5P)

3卓
宮崎和樹+23.6P(+19.8P)  浅井裕介+8.4P(▲20.0P)  横山▲6.5P(▲60.2P)  安東裕充▲25.5P(▲71.6P)

4卓
内川幸太郎+12.8P(+71.8P)  緒方剛+7.3P(+11.4P)  滝沢和典▲5.2P(+46.4P)  阿賀寿直▲14.9P(▲46.0P)

5回戦

1卓(内川、高沢、浅井、井出)
前に出るしかない井出のポイントを3人で分け合う形となった。
現王位・井出は、まさかの敗退となり、静かに会場を去った。

3卓(筒井、緒方、小山、横山)
筒井との競り合いを制した緒方さんがトップ。
横山は無念の敗退。
「あまりにも不甲斐なかった。また一から、タイトル取れるように頑張ります」

4卓(牧野、羽山、滝沢、安東)
東1局、南家・羽山。

三万三万三万二筒三筒四筒四筒五筒六筒発 ポン東東東 ドラ発

西家・滝沢。

二万三万四万七万八万九万二索三索四索六索七索八索発 リーチ  ツモ発

この王位連覇対決は滝沢に軍配。
東4局1本場、カットラインを逃れるためには、特大トップが必要な親の安東が、

一索一索七索七索七索発発 ポン東東東 ポン二筒二筒二筒 ロン発 ドラ一索

この18,000!これに飛び込んでしまったのが、同じ九州勢の羽山だった。
羽山は一転、カットライン候補に…。
南場は牧野さんのターンになった。
まずは、親番で、タンヤオドラドラの5,800をアガると、続く1本場では、

東 ポン九万九万九万 ポン三筒三筒三筒 ポン中中中 ポン一索一索一索 ツモ東

この裸単騎をツモアガり!
南3局、安東が、3,000、6,000をツモリ意地をみせるも、羽山とともに敗退となってしまった。

安東「場に呑まれて、最初から焦りすぎました…」
羽山「まさか、安ちゃん(安東プロ)にやられるとは…。あとは、同じ九州の筒井プロにがんばってほしいです。」

5回戦成績

1卓
高沢智+13.7P(+26.0P)  浅井裕介+13.7P(▲6.3P)  内川幸太郎+9.1P(+80.9P)  井出一寛▲36.5P(▲93.5P)

2卓
阿賀寿直+25.4P(▲20.6P)  宮崎和樹+12.8P(+32.6P)  澤井博▲8.2P(+13.3P)  近藤久春▲30.0P(▲18.7P)

3卓
緒方剛+16.2P(+27.6P)  筒井久美子+11.7P(+54.5P)  小山直樹▲6.3P(▲27.0P)  横山毅▲21.6P(▲81.8P)

4卓
安東裕充+24.9P(▲46.7P)  牧野卓人+19.3P(+52.1P)  滝沢和典▲12.3P(+34.1P)  羽山真生▲31.9P(▲29.5P)

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6回戦

現状のボーダーが宮崎の+32.6P。
おそらく+35P~40Pくらいが最終ボーダーであろうが、どれくらいのポイントを目指して戦うかは、選手の各々の判断に委ねられる。

1卓(内川、緒方、小山、高沢)
緒方さんが+27.6P、高沢が+26.0P。
内川が安全圈にいるため、2人のトップ争いになりそうだ。

東1局、高沢がリーチ。

三万三万三万四万四万五万五万六万六万九索九索六筒七筒 リーチ ドラ七筒

しかし、緒方さんが掻い潜って、500、1,000のツモアガリ。
このあと、緒方さんがアガリを連発し、6万点オーバーの大トップ!
決勝への切符を確実なものとする。

一方の高沢は、昨年の弟と同じところで、無念の敗退となってしまった。
「最後ちょっと強引に行き過ぎた。我慢が足りない。まだまだですね…。」

2卓(筒井、宮崎、阿賀、澤井)
筒井は現状維持、宮崎は浮き条件、澤井は少し大きなトップが必要か。
阿賀が東場の親で連荘し、意地をみせる!
その煽りを受けた筒井が、なんと15,300のラス目まで追いやられてしまう。
しかし、ここから脅威の復活。

東3局、

三万三万五万六万七万一索二索三索五索六索五筒六筒七筒 リーチ ツモ七索 ドラ三万

東4局、

五万五万六万六万七万七万三索三索五索六索七索四筒五筒 ロン六筒 ドラ五万

この2つの大物手を決め、あっという間にトップ目まで突き抜けてしまった!
これで、安全圈に逆戻り。
オーラス、浮き条件の宮崎が、価千金の1,000、2,000ツモで30,600点フィニッシュ。

六万八万五索五索六索七索八索五筒六筒七筒八筒八筒八筒 リーチ ツモ七万

実は、親のリーチ棒プラスツモ条件という非常に厳しい条件をクリアした宮崎。
これで、トータル+37.2Pとし、別卓の結果に身を任せる立場となった。

3卓(浅井、滝沢、近藤、牧野)
浅井は大トップ、滝沢は浮き条件、牧野さんは現状維持でOK。
最初から浅井が攻める!
東1局2本場、親・浅井リーチ。

三筒三筒四筒五筒六筒四索四索四索七索八索九索中中  ロン中 ドラ三筒

牧野さんから12,000を打ち取る。
東1局3本場、北家・滝沢。

三万四万五万七万八万九万四索五索六索四筒四筒発発 ツモ発 ドラ発

ずいぶんと楽になるアガリを決める。
浅井が得点を伸ばし、6万点オーバー。明日が視界に入る。
オーラス、牧野さんは、跳満ツモ条件を満たしたフリテンリーチを打つが、アガれず…
結果、浅井がトータル+34.1Pとし、別卓の結果次第となるが、わずかに宮崎に及ばず決勝進出をのがす…

「死ぬほど悔しい…」

言葉の通りであろう。
こうして長い1日は終わりを告げ、決勝進出者5名が決定した。

6回戦成績

1卓
緒方剛+46.0P(+73.6P)  内川幸太郎▲2.1P(+78.8P)  高沢智▲17.9P(+8.1P)  小山直樹▲26.0P(▲53.0P)

2卓
筒井久美子+13.2P(+67.7P)  宮崎和樹+4.6P(+37.2P)  澤井博▲4.9P(+8.4P)  阿賀寿直▲12.9P(▲33.5P)

3卓
浅井裕介+40.4P(+34.1P)  滝沢和典+11.9P(+46.0P)  近藤久春▲28.7P(▲47.4P)  牧野卓人▲24.6P(+27.5P)

5位通過:宮崎和樹
「超苦しい展開だったけど、ほんとに最後の七万に尽きる。オレ頑張りました。7年ぶりお久し振りです、頑張ります。」

4位通過:滝沢和典
「今日は良かったです。もっと簡単に残れると思ったけど。明日は若い面子だから負けられないね。絶対勝ちます!」

3位通過:筒井久美子
「ミスもいっぱいあったけど、気持ちで勝ちました!点棒なくても落ち着いて打てたのが良かった。明日は勝って泣きたいです。」

2位通過:緒方剛さん
「最後、トップ条件をクリアできて良かった。今日は展開に恵まれて勝てたけど、明日も自分らしく打てば勝てる!」

1位通過:内川幸太郎
「気持ちで負けないように、全部トップとるつもりでやったよ。明日?…頭しかないでしょ。まぁ気持ちで思いっきりいきます!」

総じて若い決勝メンバーとなった。
明日はどんな決勝になるのだろうか。

(文中敬称略)