桜蕾戦 レポート

第4期桜蕾戦ベスト8B卓レポート

第4期桜蕾戦ベスト8B卓レポート
<スーパールーキー誕生か?新潟からの刺客・加護がまたも快勝で決勝へ。渡部は競り合いを制す>

第4期桜蕾戦ベスト8B卓は、33期入会で先輩格にあたる松田に対し、38期後期(今大会がデビュー戦)の上田・渡部・加護が挑む構図となった。

 

 

最初の勝負所は、2回戦東1局に訪れる。
松田に確定三色の先制三筒六筒待ちリーチ。

 

 

これに親の加護は丁寧に受けながらドラ六筒を暗刻にし、一索四索待ちで追いかけ、松田から四索を仕留め12,000のアガリに。

 

 

松田はドラ受けを意識して道中で六索七索を払ったことが裏目に出て、痛恨のアガリ逃し→放銃に。対局後のインタビューでもこのシーンを悔いた。
逆に1回戦トップだった加護はここから優位に戦いを進める。

東2局は上田と渡部の対決。
親の渡部が放った先制のシャンポンリーチに対し、ドラを暗刻にした上田が追いかけリーチをかけ、渡部から8,000(+1,000)のアガリ。

 

 

このあと渡部が追い上げるも、着実に加点した上田が2回戦トップを取る。

続く3回戦。東2局1本場で親の加護から妙手。
12巡目にテンパイするが、ピンフの3メンチャンではなく、一気通貫確定のカン八筒に受ける。

 

 

この時八筒は山にはなかったが、リーチ後に加護から切られたドラ四万を上田が鳴き、五筒を通す。
加護・上田両者の対応を迫られた渡部は共通安牌がなくなり、筋を追った八筒が加護に捕まる。

 

 

加護「連荘がそこまでいいのかなと。余計な連荘するなら打点作ろうかなと思った」
加護の狙いがズバリとはまり、決勝進出を盤石のものとする。

ただ、ここから渡部はしぶとかった。続く東2局2本場。
序盤で七筒が3枚切れていることを見越して、後から持ってきた八筒単騎リーチをツモアガリ2,000・4,000は2,200・4,200。

 

 

その後加護に8,000を放銃するも、南3局1本場に一筒四筒七筒3メンチャンリーチをツモって浮きを確保。
辛くも浮きを確保し、上田との最終戦直接対決に持ち込む。

最終戦。上田も渡部も小さいアガリを積み重ね、お互いの抜け出しを許さない展開で進んだ。
渡部2.2Pリードで迎えた南3局1本場。
好配牌をもらった渡部が5巡目に二万北シャンポン待ちでテンパイするとリーチに踏み切る。

 

 

渡部にアガられると条件が厳しくなる上田は、仕掛けてタンヤオでテンパイを入れる。

 

 

今回が上田にとって「最初で最後の桜蕾戦」。
ここで勝つために連盟の門を叩き、プロになった以上絶対に引き下がれない。
序盤から続いた、上田vs渡部の直接対決はここでクライマックスを迎えた。

この大勝負、勝ったのは渡部だった。

 

 

ドラ北をツモり、2,000・4,000は2,100・4,100。
このアガリが決め手となった。

オーラス、跳満ツモ条件の上田は七対子ドラ待ちでリーチをかけるがツモれず、決勝進出は加護・渡部に決まった。

 

 

「まだしっかり全部出し切った感じではない」
この日快調に見えた対局後に加護から出た言葉である。

38期後期入会・プロ成り立ての21歳。
10月に行われた龍龍杯2022秋で番組アシスタントを務め、キャラクターも知られ始めたところだが、今回の桜蕾戦ベスト16に続き、ベスト8も快勝で実力は大いにアピールした。
「今度私とも一緒にセットしてください!」
この日解説担当だった仲田加南のこの言葉が最大の賛辞だろう。
新潟は魚谷・滝沢・吉田直など、トッププロを数多く輩出している地。
決勝でスター誕生にふさわしい活躍ができるか注目だ。

 

 

渡部は終始安定した戦いぶりが光った。
受けを重視した結果、放銃に回った局もあったが、大きな失点をしてもブレず、崩れずに戦ったことで最終盤まで勝負圏にとどまり、上田に競り勝った。
ハードな戦いを終えた渡部は疲労の色が隠せなかったが、最後は渡部らしく「勝ちたいです」と決勝を見据えた。

 

 

決勝は連覇を狙う廣岡(2020年入会)に、2022年入会の宮成・渡部・加護が挑む、桜蕾戦にふさわしいフレッシュなメンバーとなった。
また、地方に拠点を置く選手が3人いることも注目である。

決勝は11/25(金)14時に戦いの幕が開く。

解説:二階堂亜樹・和久津晶
実況:大和

第4期桜蕾の座を射止めるの一体誰か?
どうぞご期待下さい。

(文・梅中悠介)