中部プロリーグ レポート

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第31期中部プロリーグ 第6節レポート

2018/09/03
執筆:A・B:村瀬 寛光
C・D:長谷川 弘


●Aリーグ(執筆:村瀬 寛光)

今期A・Bリーグのレポートを担当させて頂きます23期生の村瀬寛光です。拙い文章になるかもしれませんが、半年間どうぞ宜しくお願い致します。

いよいよ第31期中部プロリーグ6節目を迎え、後半戦突入である。
第1節の組み合わせは下記の通りとなった。
1卓 伊藤・森下・朝岡・加藤
2卓 三戸・都築・日下・古川
3卓 山本(拓)・土岐・小野・杉村

1卓
注目選手は現在首位で2度優勝経験を持つ伊藤。最近の成績でも非常に安定しており、見ていてもミスも少なく、しっかりアガリをものにしている。その言葉の通り1回戦目から積極的に仕掛けては2,900、続くリーチで7,700出アガリと順調に点棒を増やしていく。
南場では森下との一騎打ちとなったが接戦を制したのはやはり伊藤だった。
続く2回戦も伊藤の勢いは止まらず、森下、朝岡、加藤が苦戦を強いられ1人浮きのトップを取る。このまま独走態勢に入るかと思われたが、4回戦で手痛い1人沈みを引かされ+22.2Pで終了。それでも卓内トップで終えたあたりはさすがである。

2卓
前期優勝者で鳳凰位戦A1所属の古川と、共にAリーグ優勝経験を持つ三戸・日下に挑む形となったのは今期よりAリーグ入りした都築。
都築は30期生なのだが、同期や後輩選手の中では最速で昇級した若手の注目選手の1人。
ベテラン選手相手に果たして結果はいかに。

1回戦目は都築・日下・古川でアガリを積み重ね、三戸が1人置いてきぼりの状態となる。
ほぼアガリがない苦しい状況だったが、なんとか2回戦目で三戸も奮起しトップを取ることに成功した。

そんな三戸がトップを決定づけた1局(3,000、6,000)がこちら。
南2局

二索二索九索九索九索一筒一筒北北北  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ドラ北

二索を力強く引き上げた様は1回戦目のうっぷんを晴らすかのようなツモに見えた。

3回戦目のオーラス、トップ目は日下で3着目の古川の仕掛けが印象的だった。
南4局 西家 古川26,600

二万三万四万五万五万三筒三筒  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  ポン西西西  ドラ二万

ドラが1枚しかない形から仕掛けテンパイも、ドラを立て続けに引き2,000、4,000のアガリで2着に浮上。古川らしい打ち方でさすがの一言である。

3回戦目まで日下が1着、2着、1着とオールプラスにまとめ、独壇場かと思われたが4回戦目で事件が起きる。
東1局起家 都築

一筒一筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒西西西  ドラ西

終盤だったがこの手をヤミで四筒ツモ。破壊力十分の8,000オールを引きアガる。
さらに続く1本場、

三万四万五万三索四索五索八索八索二筒四筒六筒七筒八筒

この形から手応え十分の五筒を引き即リーチ。
これは当然の如く高目の三筒を引き上げ6,000オール。
なんと2局で42,000点を叩いて最後の最後で勝負を制した。しかしその後、三戸が四暗刻をツモアガリしたことでマイナスを最小限に抑えることに成功、日下はさらに大きなマイナスを押しつけられる結果となり4回戦だけでそれまでの貯金をすべてはき出してしまった。
1局の親さえあれば希望はいくらでもあると改めて思い知らされた場面である。

3卓
こちらは優勝経験のある小野・山本(拓)・杉村とAリーグ8年目を迎えた土岐との戦い。
1・2回戦まで土岐、小野の2人でポイントを分け合う形だったが、3回戦目を制したのは小野。山本(拓)も2回戦目から調子を上げて最終的には小野もかわし卓内トップについた。結果的には土岐・杉村がマイナスを分け合い終了。
杉村はこれで暫定16位の降級圏内と残り4節あるとは言え、今期は4人が降級対象のためポイント的にもかなり厳しい立ち位置になってしまった。しかし杉村は第30期の静岡リーグ(プロアマ混合)において、最終戦だけでトップと100P以上差があったのをひっくり返し、優勝を果たした地力を持つ選手なので今後に期待したい。

残り4節、熾烈な戦いはより一層激しくなっていくと予想される。
決勝に向けて前だけを見る者、まずは残留圏内脱出を試みる者、現在置かれている自分の状況に応じて冷静かつ慎重に選択していかなければならない。
今回の結果のように可能性は無限大にあると同時に、一歩間違えば一気に奈落の底へ突き落とされる場合もある。
その時いかに場況を見極め、正確な押し引きと手組みを出来るかが今後のカギとなろう。
「プロ」としてどれだけ結果を示せるか。次節も刮目して待て。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 伊藤 鉄也 15.6 ▲ 33.6 ▲ 19.6 90.7 63.2 22.2 138.5
2 小野 雅峻 73.1 32.5 3.8 12.4 ▲ 41.7 20.2 100.3
3 掛水 洋徳 ▲ 8.9 ▲ 3.5 39.7 54.1 ▲ 1.9 0.0 79.5
4 土岐 雄太 17.8 21.3 15.7 ▲ 11.0 32.4 ▲ 15.3 60.9
5 三戸 亮祐 5.4 3.3 5.3 33.1 34.3 ▲ 23.6 57.8
6 林 俊宏 13.3 11.7 ▲ 12.3 ▲ 5.2 3.1 0.0 10.6
7 山本 拓哉 ▲ 86.7 19.8 ▲ 19.7 44.7 21.5 22.4 2.0
8 日下 健司 ▲ 40.1 ▲ 5.0 30.3 ▲ 7.4 20.0 2.1 ▲ 0.1
9 森下 剛任 ▲ 7.4 18.6 ▲ 30.2 16.0 ▲ 8.7 ▲ 9.7 ▲ 21.4
10 都築 友和 ▲ 14.2 5.8 2.8 ▲ 0.3 ▲ 63.9 40.6 ▲ 29.2
11 加藤 泰史 16.2 ▲ 25.5 45.0 ▲ 38.1 ▲ 17.4 ▲ 24.1 ▲ 43.9
12 朝岡 祐 22.1 ▲ 27.1 ▲ 25.3 ▲ 37.8 6.2 11.6 ▲ 50.3
13 清水 哲也 ▲ 9.0 ▲ 25.5 20.1 ▲ 4.2 ▲ 32.8 0.0 ▲ 51.4
14 古川 孝次 ▲ 2.0 26.3 ▲ 52.8 ▲ 79.1 59.2 ▲ 20.1 ▲ 68.5
15 寺戸 孝志 35.7 ▲ 18.6 23.6 ▲ 48.7 ▲ 64.9 0.0 ▲ 72.9
16 杉村 泰治 ▲ 30.9 ▲ 3.5 ▲ 27.4 ▲ 39.2 ▲ 28.6 ▲ 27.3 ▲ 156.9

 

 

●Bリーグ(執筆:村瀬 寛光)

日々続く酷暑の中、そんな暑さにも動じない選手達の闘志みなぎる場、第31期後期のBリーグが開幕した。
第30期よりAリーグが通年制となったため、今期の昇級を逃すと参加が1年先伸びしてしまうので、是が非でも昇級を決めたいところだろう。

それでは結果を順に見ていこう。
5卓は元Aリーガーの青山・佐藤両名に加え、前期Cリーグから昇級を果たした大町・太田の対戦となった。結果は卓内トップ大町の今節暫定2位で+52.5P。そして青山がオールプラスで終え+39.1P。青山に関しては前期惜しくも3位で昇級を逃したが、さすがの安定感で結果を残した。

続いて6卓。田村・中谷・木村・安藤の戦い。
注目選手はやはり実力は誰もが認める中部本部長でもある木村。ベテラン対若手3人の戦いだったが、安藤が5万点以上のトップを2回取り、終始3万点を越える点数をキープし+78.0Pを叩いて暫定首位の座に君臨した。

そして7卓。昇級組の大滝・堤と金平・富村の構図だ。
序盤から態勢の良い金平が、1着、3着、1着と3回戦までオールプラスにまとめ、卓内トップを死守した。逆に大滝は実力を十分兼ね備えている選手なのだが、今日は端から見ても苦しい展開ばかり押しつけられており、私ならここまで耐え凌いでマイナスを抑えられるかは正直厳しいだろう。

最後は8卓。こちらも前期Cリーグより1位昇級を果たした岡田を、大橋・高橋・斉藤が迎え撃つ形だ。これまでの経験則を踏まえ昇級組と対戦する場合、相手の打ち方や雀風などの情報が少ないため、つい慎重になり相手より出遅れてしまう事があるのだが、ここは前期Bリーグ在籍のプロに軍配が挙がる。1人沈みの手痛い洗礼を浴びる結果となってしまった。
ここでは斉藤が2回戦目に6万点オーバーの特大トップを取り暫定3位につけた。
終了後、岡田から少し話しを聞く機会があったのだが、今回の結果をしっかり受け止めて次を見据えて話す姿勢は、私も見習わなければならないと切に感じた。

第1節は終わったばかりだが、Bリーグは残り4節しか残っていない。
もちろん選手達は最良な結果を残すため、すでに次節に向けて準備をしているだろうが、今節の結果が今後の大きな指標になることは間違いないはずだ。
敗者はもちろんのこと、勝者といえども修正点は常にある。そこへ真摯に向き合い追求していくことがさらなる勝利を呼び込む近道だと私は信じる。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 安藤 大貴 78.0 78.0
2 大町 篤志 52.5 52.5
3 斎藤 寛生 44.1 44.1
4 青山 大 39.1 39.1
5 金平 裕樹 32.3 32.3
6 高橋 侑希 21.5 21.5
7 大橋 幸正 11.5 11.5
8 堤 文吾 4.0 4.0
9 富村 つぐみ 0.2 0.2
10 田村 良介 ▲ 19.1 ▲ 19.1
11 佐藤あいり ▲ 24.5 ▲ 24.5
12 中谷 彰吾 ▲ 28.9 ▲ 28.9
13 木村 東平 ▲ 30.0 ▲ 30.0
14 大滝 聡 ▲ 36.5 ▲ 36.5
15 太田 充 ▲ 68.1 ▲ 68.1
16 岡田 智和 ▲ 77.1 ▲ 77.1

 

 

●Cリーグ(執筆:長谷川 弘)

炎昼、第31期中部プロリーグ後期Cリーグ第1節が行われた。

昇級した若手、降級したある程度経験豊富な者、前期からの残留者、それらが混在するCリーグは、戦国乱世の様相を呈したある種特有の雰囲気を感じる。

言うまでもなく、昇級した若手は己の実力を確認する作業に追われるだろう。
鈴木涼太は牌効率、フーロを有効に使ってのテンパイ最優先を意識したが、絞りの厳しさに窮屈さを感じ、日高は手探りではあったものの全力で臨むも、思い通りの麻雀が打てない、いや打たせてもらえなかったと感じたようだ。
山本美文は、守備に偏りすぎたかつてのスタイルを修正したことが前期昇級の一因と捉え、これがどこまで通用するか見極め、成長の糧になればと語った。

しかし、降級、残留者は様々なジレンマを抱えて対局に臨んだに違いない。
残留に甘んじるつもりはさらさらない。経験、ある程度の実績、日々の姿勢と努力、それでも容易に伴わない歯がゆい成績と結果。
偶然とも思われるプレーに心が揺さぶられ、正攻法という言葉に疑念が湧く。
それでも、頭を抱えている暇はない。正着か否かを常に正確に見極める努力を怠れば、この混戦を抜け出すことは到底困難だ。
肯定と否定、自身の中に湧き上がるこの2つの言葉に振り回されることなく、それでも揺れない根拠ある安定した指針を定着させることが、今後の成績を占うカギとなるに違いない。

昇級者で唯一Aリーグ経験者の鈴木雄介は牌捌き、方針決定に淀みがない。
局面を詳細に記憶して、既に圧力が有効に働く場面や、展開上、相手を楽にさせない施策も構築済みのようだ。決して安泰とは言えないまでも、今節の着実なスコアがその繊細な観察力を裏付けているといえるだろう。
彼がジレンマを感じるとすれば、一局一局の些細なでき事にではなく、第5節終了時の最終結果にのみではないだろうか。
この手練れを相手にするのは容易ではないはずだ。

目まぐるしく移り変わる局面を瞬時に読み取り、手牌の伸びに安易に蓋をせず熟考し、的確に対応する。これらは当然のことながら上位入賞には必須の作業である。
また、成長途上の者は正確で瞬発力のある優れた判断力をも養わなければならない。

競技プロとして常に繊細に、また丁寧に構えることは誰しも真剣に心掛けていることだろう。
しかし、大きな果実を得るためには時には目の覚めるような大胆さも必要ではなかろうか。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 越川 清一 69.4 69.4
2 大高坂 松城 38.0 38.0
3 若松 正和 35.5 35.5
4 太田 峻也 35.3 35.3
5 岡本 丈司 33.4 33.4
6 池沢 麻奈美 19.5 19.5
7 鈴木 雄介 16.2 16.2
8 日高 志穂 15.2 15.2
9 杉浦 貴紀 11.6 11.6
10 浅野 文雅 ▲ 6.0 ▲ 6.0
11 原田 知彦 ▲ 25.6 ▲ 25.6
12 鈴木 涼太 ▲ 43.1 ▲ 43.1
13 大西 義則 ▲ 45.7 ▲ 45.7
14 河合 慎悟 ▲ 46.0 ▲ 46.0
15 山本 美文 ▲ 46.9 ▲ 46.9
16 蓮池 浩太 ▲ 65.8 ▲ 65.8

 

 

●Dリーグ(執筆:長谷川 弘)

猛暑冷めやらぬ中、第31期中部プロリーグ後期Dリーグが開幕した。
前期Cリーグから降級した者、昨年プロとして己の技術を研鑽すべく門をたたいた者、それぞれ思い入れに幾分かの違いはあれど、昇級を目指して慎重に第1節に臨んだはずだ。

4リーグ制の中部プロリーグにおいて、Dリーグは唯一降級を考慮する必要のないリーグだ。
それは即ち、戦略上の様々な試みを存分に試行できる場であるともいえよう。
特に初々しい若手の面々はセオリーに囚われない思い切った対局を心掛け、何か1つでも強い感触を得てほしい。
セオリーとは先人が培った経験則からはじき出された、対戦上やや、もしくは局面によっては有用に働くと思われる確率論だ。もちろん、意図的にセオリーを無視することは精神的に少々負担のかかる行為であり、ときには望外の結果に晒されることもあるだろう。
しかし昨今、麻雀以外の様々な分野においてセオリーに囚われず、新たな試みによって成功を収めた例は数知れない。麻雀という競技もまだまだその範疇にあり、例外ではないはずだ。

人に行動を促す言葉にはお国柄があるらしい。ある国では「あなたはこれをやればヒーローになれますよ」、他方「これはルールですから」、日本では「これはみんなやってることですよ」だそうだ。
和をもって他者と調和することは、広範囲の社会生活では、ある意味必要不可欠なことだ。
しかし、卓上ではルールとマナーの確実な許容範囲内であれば、不協和音も1つの立派な戦術である。
他者の目にひたすら縛られ、いつまでもセオリーと評価に比重を置いていては、強力で安定した実力を備えるには程遠いだろう。

後藤は配牌、ツモ牌から常に思慮深く牌の声を聴き、その手牌がどこに向かおうとしているのか探っているという。馬鹿げた話と本人ははにかむが、それもある意味、セオリーに囚われない1つのスタイルだ。
羽川からは他者の評価より、自身がどうしたいのかという安定した方向性を感じる。「トップ通過で昇級したい」という本人談からも強い意志が汲み取れ、対局中の行動と一致する。

両者とも細かいミスは否めないが、今はそれでいい。
しかしやはり、自ら競技プロの道に進んだ以上、ときには最低限の正確な判断を求められる時もある。
セオリーと自己のスタイルの狭間でもがき、たとえ右往左往しようと、どれだけ自身を成長させられるか安易に見限らないでほしい。
己を高めようという強い意志さえあれば、まだまだ何色にも染まる。

Dリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 菅野 直 50.7 50.7
2 山田 まさとし 43.1 43.1
3 近藤 美香 34.8 34.8
4 後藤 咲 1.7 1.7
5 鈴木 基芳 ▲ 1.1 ▲ 1.1
6 羽川 えりか ▲ 6.1 ▲ 6.1
7 家田 みゆき ▲ 9.5 ▲ 9.5
8 加来 千香子 ▲ 25.1 ▲ 25.1
9 鈴木 淳 ▲ 29.2 ▲ 29.2
10 奥 潤次 ▲ 79.3 ▲ 79.3