広島リーグ レポート

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第1期(後期) 広島リーグ決勝レポート

2013/05/17
執筆:沖田 賢一


来期からは全6節、通算成績で優勝者を決めるため、今回が最後の決勝戦となる。
決勝進出者は広島支部長清水。今回も安定感のある成績で決勝に残った。
ディフェンディング制度はないが、チャンピオンとして決勝に残ったのはさすがの一言に尽きる。

前回に引き続き決勝進出とした蒼山。
前回の悔しさを忘れず研鑽を重ねた結果と言えるだろう。
今回こそは優勝するという熱い意気込みが感じられる。

初出場となった荻巣。門前重視で腰の重い打ち手だ。
少々荒削りな面はあるが、決める所はきちんと決めてくる。
蒼山と同期であり、彼のアフロ頭という風貌は広島支部のマスコットとして慕われている。

同じく初出場の谷本。
鳴きを多く駆使するスタイルは清水と近いか。
自分にアガリがあると判断した時の踏み込みは随一。
時に危険牌ですら通して攻める雀風は他の3者には無いセンスがある。

 

1回戦(起家から、清水・谷本・蒼山・荻巣)

東1局、親の清水がダブ東トイツにドラ面子完成と好配牌。

二万七万九万三索五索九索一筒二筒三筒三筒九筒東東西  ドラ二筒

これを5巡目に仕上げてのリーチ。
前回と同じく清水の発声で幕を開けた。

七万八万九万三索四索五索一筒二筒二筒三筒三筒東東  リーチ

一人旅かと思いきや、配牌で4トイツだった荻巣が残りツモ1回で大物手のテンパイ。

五万五万五万四索四索五索五索八索八索八索二筒中中  ツモ中

清水のリーチにドラは危ないところだが打二筒でリーチ。
結果、次巡のツモで一筒を掴んでしまい清水に12,000の放銃。
結果論ではあるが、清水以外から出アガリが期待できない以上、残り1回のツモに賭けるならば、次の危険牌ツモの可能性に備えヤミテンでテンパイ取りという選択肢もあったか。

続く1本場、清水の爆発力を知る同卓者は親を落としたいところ。
しかしながら、今回もテンパイ一番乗りは清水。

三索四索五索三筒三筒三筒五筒五筒白白  ポン東東東  ドラ二筒

谷本がホンイツで押し返し、1シャンテンまでこぎつけるも、清水が白をツモって2,600は2,700オールと加点する。更に連荘を続けたい清水だが、東2局は互いに牽制しあって全員ノーテンで流局。

東2局3本場、次のアガリは蒼山だった。

三万三万五万六万七万五筒六筒  チー七索八索九索  ポン白白白  ツモ七筒  ドラ三万

14巡目と遅いテンパイだったが谷本のリーチ直後のツモアガリ。
東3局、南家の荻巣の配牌が2シャンテン。

一万三万七万八万九万六索六索六索七索九索六筒七筒  ドラ九索

第一ツモで絶好の八索、第二ツモで七筒をツモり即リーチ。これに蒼山が一発で刺さり2,600。
東4局、親を引いた荻巣の配牌が良い。

二万三万五万五万六万一索七索八索九索三筒八筒東東東  ドラ七索

他の3者の配牌は、

清水
一万一万七万七万一索二索五索三筒七筒八筒九筒白発

谷本
二万四万八万一索三索二筒四筒六筒七筒西北発中

蒼山
三万三万六万八万四索五索六索六索一筒六筒七筒八筒南

勝負になりそうなのは蒼山か。
前局2,600をアガったとは言え、持ち点が15,600の荻巣、ここはなんとかアガリたいところだがツモが利かずテンパイは7巡目。

一万二万三万五万五万六万八万七索八索九索東東東

場にマンズが高い事もあり、慎重にヤミに構えるが直後8巡目に蒼山が追いつく。

三万三万六万八万四索五索六索八索八索八索六筒七筒八筒

奇しくも同じカン七万。こちらもヤミ。
どちらかのアガリかと思われたが9巡目、清水が少考の末打東
卓上に緊張が走る。大方の予想通り次巡清水からリーチ。

一万一万一万七万七万四索五索六筒七筒八筒九筒九筒九筒  リーチ

これに蒼山が放銃し1,600。荻巣の7,700を蹴る大きいアガリとなった。
南1局、ここまで我慢をしてきた谷本が先制。

四万五万六万五索六索七索二筒三筒四筒六筒八筒中中  ドラ西

ここから1巡ツモ切りを挟んでの四筒空切りリーチ。
456の三色、中での仕掛けも利く形であるため、ヤミ続行の打ち手もいるだろうが、このリーチが功を奏し清水からの1,300となる。

南2局、蒼山が4巡目にピンフドラドラの1シャンテンにこぎつけ、5巡目にこの形。

三万四万四万五万八万七索八索九索六筒六筒七筒八筒九筒  ドラ六筒

反撃の糸口となるかと思われたが、この局は蒼山から南を鳴いた親の谷本がまたも清水から2900の直取り。
続く1本場は蒼山の速攻が決まり400・800は500・900。

南南西西四筒四筒四筒  チー五万三万四万  ポン白白白  ツモ西  ドラ中

九種九牌での流局を挟み南3局1本場。
ドラトイツやドラ面子含みの2シャンテンなど、好配牌を取り続けているがテンパイからアガリまでが遠い荻巣。今回もダブ南と白を叩き満貫のテンパイを入れるが、これも谷本に同テンを引き負けてしまう。
500・1,000は600・1,100。

オーラスを迎えて点数は親から順に、

荻巣 14,500
清水 46,100
谷本 29,700
蒼山 29,700

4者とも思惑はあるだろうが谷本、蒼山が同じ点数。
清水の1人浮きは避けたい、出来るならば自分が浮く事が出来れば、といったところか。

しかしアガリを焦ったか、谷本にミスが出てしまう。

五万六万七万四索五索七索八索三筒七筒八筒八筒八筒九筒  ツモ中  ドラ中

ここから中を打ち蒼山に鳴かれてしまう。
もう形が決まっており、重なる前に切るという考えもあるのだろうが、自分でも中を重ねれば使える形である事を考えると、ドラの中はテンパイ打牌でも遅くはなかった。
結果は、蒼山が7,700を谷本から出アガリ。

九万九万六筒七筒  チー一索二索三索  ポン三万三万三万  ポン中中中  ロン五筒

谷本は、今後このミスを引きずらず修正して戦っていく事が肝要となる。

1回戦成績
清水+24.1P  蒼山+11.4P  谷本▲12.0P  荻巣▲23.5P

 

2回戦(起家から、蒼山・谷本・清水・荻巣)

東1局、決勝卓に残った全員に言える事だが、ミスを犯しても修正し戦える形に持っていける力を持っている。
谷本は先ほどのミスをどう受け止めてどう対処するのか。
その谷本、配牌で4トイツから8巡目に先制のリーチ。

一万二万二万五索五索二筒二筒三筒三筒五筒五筒九筒九筒  リーチ  ドラ二筒

捨牌が、四万三万六万七索三索南中二索リーチ

こう怪しいが、自風の西を暗刻にし攻めたい形になった清水が捕まって8,000放銃となった。
東2局、前回の放銃を物ともせず先制リーチを打つ清水。
直後に谷本がメンピンドラ1で追っかけリーチとするが直後に捕まり、リーチのみの1,300が移動。

東3局、中暗刻の好配牌をもらった蒼山がわずか4巡目にリーチ。

七万八万九万二筒三筒五筒六筒七筒九筒九筒中中中  リーチ  ドラ二筒

これには誰も向かえる形になっておらず、8巡目に2,000・3,900のツモアガリ。

東4局、北ポン、中ポン、中加カンと攻める清水。
ここに親の荻巣がリーチでかぶせていくが流局。
続く1本場、連荘を果たした親の荻巣が10巡目にリーチ、一発ツモ。

一万二万三万六万六万七万七万八万四索四索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ八万  ドラ二筒

ここに来て初めて手応えのあるアガリを手に出来たか。
2本場は谷本が好形リーチで先制。

二万三万四万五万六万二索三索四索九索九索二筒二筒二筒  リーチ  ドラ三万

これを受けたラス目の清水、仮テンからのツモアガリ。

六万八万一索一索三索三索三索七索八索九索七筒八筒九筒  ツモ七万

こういった相手のリーチを仮テンで潰せるのは大きい。
南1局、東3局以来ガードを上げていた蒼山が12巡目という深い巡目からリーチ、一発ツモ。

二万三万四万一索二索三索六索六索六筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ六索  ドラ四万

選択にも迷いが無く、よく山が読めている印象だ。
続く1本場もドラを暗刻にし、清水からこのアガリで浮きを磐石とする。

二万三万四万五万五万五万四索四索四索五索  ポン八万八万八万  ロン三索  ドラ四索

2本場では3者がぶつかる。
親の蒼山はマンズのチンイツへ、西家の清水はピンズのホンイツ、
谷本はリーチと捨牌2段目で一気に場が動き出す。蒼山はリーチ後の谷本の八万をポン。

三万三万四万四万四万五万六万七万九万九万 ポン八万八万八万 ドラ六索

谷本は9巡目にリーチ。

谷本
二万二万四万五万六万二索二索四索五索六索七筒八筒九筒  リーチ

清水は9巡目に場に生牌の東を押してこの形。

一筒三筒三筒三筒五筒六筒七筒  チー六筒七筒八筒  ポン中中中

手牌に詰まった荻巣が選んだ打牌は一筒だった。
清水が3,900は4,500の加点でこの局を制する。

南2局、まだ攻めの手を緩めない蒼山。
第一ツモで1シャンテンになった七万トイツを4巡目に仕上げてリーチでさらに加点を狙う。

一万一万六万六万八索一筒一筒六筒六筒北北白白  リーチ  ドラ八索

ここで楽をさせないのは荻巣。

四万四万四万六万七万八万七索七索三筒四筒六筒七筒八筒

これで6巡目に追っかけリーチを打ちツモアガリ。
初戦ラスだった荻巣。簡単には決めさせない気概を感じる。

南3局、ここで踏ん張りたい親番の清水。
しかしテンパイ直後に谷本に放銃し親番を落とされてしまう。

二万四万六索六索三筒四筒五筒  チー二索三索四索  暗カン牌の背六筒六筒牌の背  ロン三万  ドラ五索

南4局、1人沈みは避けたい清水と浮いておきたい谷本の一騎討ちとなった。
清水は9巡目にリーチ。

二万二万四万五万五索七索八索五筒六筒七筒東東東  ツモ六万  五索切りリーチ  ドラ七筒

1巡間に合わされる形となった谷本。

二索二索二索六索七索中中  ポン西西西  ポン北北北

この一巡間に合ったという事実がどう影響するのか見ものだったが、開かれたのは谷本の手だった。

二索二索二索六索七索中中  ポン西西西  ポン北北北  ツモ五索

このアガリによって、清水は痛い1人沈みとなり、折り返しを迎える。

2回戦成績
蒼山+24.8P  荻巣+5.8P  谷本+2.5P  清水▲33.1P

2回戦終了時
蒼山+36.2P  清水▲9.0P  谷本▲9.5P  荻巣▲17.7P

 

3回戦(起家から清水、谷本、荻巣、蒼山)

東1局は蒼山の1人ノーテン、
続く1本場は、親の清水と谷本の2人テンパイと重たい立ち上がりになった3回戦。
2本場、2連続でノーテンとなった蒼山が5巡目リーチ、荻巣から先制のアガリ。

一万二万三万四索五索六索一筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン五筒  ドラ七万

東2局、ここまで攻め手にあぐねている荻巣に早いテンパイが入る。
5巡目にリーチ、7巡目に南を暗カンしこの形。

二万三万四万七索七索七索五筒六筒東東  暗カン牌の背南南牌の背  ドラ東

ドラも見えておらず、70符以上が確定しているためオリを選択した蒼山と清水。
全員から出ない形になったが、親番で役無しの形テンを保っていた谷本が15巡目に放銃してしまう。
親番維持したいがために焦りが出たか。
まだ南場の親番もある事も考えればここは堪えて欲しかった。

東3局、役無しも含め4人にテンパイが入る。
役ありだった清水と谷本が競った末に勝ったのは谷本の5,200。

二索三索四索八索八索七筒八筒九筒中中  加カン東東東東  ロン中  ドラ四索

東4局、失点を挽回したい清水がカン七筒を引き入れて10巡目にリーチ。

七万八万九万七索八索九索六筒七筒八筒南南発発  リーチ  ドラ九索

実はこの局8巡目に先制のテンパイを入れていた親番の蒼山。

一万一万八万九万一索二索三索二筒三筒四筒六筒七筒八筒

清水のリーチを受けた後一筒九筒と立て続けに引き入れ、最終形になった蒼山が追っかけリーチ。
谷本も直後リーチで参加するが清水が七万を掴み軍配は蒼山に上がる。

一万一万八万九万一索二索三索一筒二筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン七万

5,200、12,000に含めリーチ棒と立て続けに失点してしまった清水。
心境は量りかねるがこれくらいで折れてしまう支部長ではない。

続く1本場では荻巣が手筋の妙を見せる。4巡目にこの形。

三万三万五万六万六万三索三索三索七索一筒一筒四筒五筒  ツモ七索  ドラ一筒

次に切るつもりの七索が重なって色々な可能性が見える形。
早い巡目という事もあり、関連牌も場に見えておらず他家の手牌も想像し難い。
七対子と四暗刻を逃さない五万切りか、縦に固定する四筒五筒切りか。
少考した後荻巣が選択したのは六万
その後、六筒ツモ打三万八索ツモ打三万一筒をツモり八索切りリーチで最終形がこの形。

五万六万三索三索三索七索七索一筒一筒一筒四筒五筒六筒

これに親番の蒼山が捕まり、値千金の8,000直取りとなった。
南1局も荻巣から4巡目にリーチの発声。

七万八万九万一索二索三索七索八索五筒六筒七筒九筒九筒  リーチ  ドラ九万

ドラ表示牌の八万を引き入れた好感触のリーチだ。
捨牌に九索が1枚、蒼山の手に六索が2枚、谷本の手に九索が1枚と山に4枚のリーチ。
これが蒼山に六索六索九索と立て続けに流れて残り1枚に。
しかし荻巣が流局間際のラスト1回のツモでラス牌の九索をツモアガリ。
このアガリで荻巣は最終戦優勝争いに絡んでくるだろうと確信した。

南2局、タンヤオ系の好配牌が入った清水が攻めに出る。
6巡目に親番の谷本が足止めの役無しリーチを打つが、ものともせずドラを切っての追っかけリーチ。
これに谷本が捕まり7,700放銃となってしまう。

六万七万二索二索三索四索五索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン五万  ドラ四索

南3局は、蒼山が軽く2,000点を清水からアガリ親番を得て、蒼山の長い親番が始まる。
オーラス、谷本がわずか2巡目にリーチ。

七万八万九万一索一索一索二筒三筒七筒八筒九筒発発  リーチ  ドラ九索

直後一索を暗カンし、高目満貫の形になったが荻巣の一筒切りに対して、手を開けたのは蒼山だった。

二索三索四索七索八索九索二筒二筒三筒三筒四筒七筒七筒  ロン一筒

谷本にとっては痛恨の頭ハネ。
開けられる事のなかった谷本の手牌だが、
ロンの発生が重なった事実、頭ハネとなった事実を荻巣と蒼山はどう受け止めたか。

続く1本場、逃げたい荻巣、追いたい蒼山。
思うようにツモが伸びない荻巣に対し、蒼山の手牌は9巡目に六万をツモり万全の形に。

二万三万五万五万六万七万七万三索四索五索五索六索北  ツモ六万  ドラ九索

しかしこの形から動かず13巡目に四万をチーしてテンパイ。
五索を谷本から1,500は1,800のアガリ。

2本場、5巡目にドラの五筒をツモりピンフドラ三索のテンパイが入った蒼山。

五索六索七索七索八索九索三筒四筒五筒五筒五筒七筒八筒  ドラ五筒

ここでのピンフドラ3をリーチか否かは意見が分かれるだろう。
蒼山はリーチを選択したが、それは決して楽になりたいからという思考放棄のリーチではない。
テンパイ時点で、他家に7枚持たれていたこのリーチは空振りに終わってしまったが、
「ヤミテンならアガれた」と言うのはそれこそ結果論である。
こういう場面では各々今まで自分の打ってきた、学んできた麻雀に基づいて選択しているものだ。
結果論以外で正解不正解があるはずも無い。

3本場では、ドラを暗刻にした清水が蒼山の連荘を終わらせるため、最終戦に望みをつなげるため6巡目にリーチを打ってくる。

三万四万五万一索一索四索四索四索一筒二筒三筒五筒六筒  リーチ  ドラ四索

13巡目、親番をまだ続けるつもりの蒼山に岐路が訪れる。

三万三万三索一筒一筒三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ツモ三索

清水のリーチの現物は八筒があり、オリる事も選択肢として存在する。
満貫までなら着順も順位点も変わらず、ならばと打三筒を選択してテンパイをキープする蒼山。
しかし17巡目にはドラをツモ。跳満に放銃すれば着順も順位点も清水に逆転されてしまう。
このドラで放銃すれば跳満の可能性も高い。長考に入る蒼山。
ここではオリを選択するかと思ったが長考の末に導き出した結論はドラのツモ切り。
歯を食い縛ってもう一度の連荘を目指すがこの局を制したのは荻巣だった。

四万四万九万五筒五筒九筒九筒東東北北発発  ツモ九万

蒼山がドラを通した17巡目、またもラスト1回でのツモアガリ。
意地があるのは蒼山だけではない。
このアガリでトップを決めた荻巣、蒼山との差を縮めて最終戦に挑む。

3回戦成績
荻巣+30.7P  蒼山+12.2P  清水▲18.7P  谷本▲24.2P

3回戦終了時
蒼山+48.4P  荻巣+13.0P  清水▲27.7P  谷本▲33.7P

 

4回戦(起家から荻巣、清水、谷本、蒼山)

最終戦東1局、1つも親番を無駄にしたくない荻巣だが、3巡目に1シャンテンになってから手牌が動かない。
ドラ含みのホンイツで仕掛けた谷本の1人テンパイ。

東2局1本場、局を回していきたい蒼山、4巡目の東を仕掛けて6巡目にこの形に。

六万七万四索五索六索南西西北北  ポン東東東  ドラ九筒

役満が必要な局面ではないが見ている立場からすれば見たいものではある。
しかし南を重ねる前に北を叩いて南切り、清水から1,000は1,300のアガリ。

東3局、蒼山の6巡目がこの形。

一万一万三万七万七万八万一索二索三索三索一筒二筒三筒  ツモ二索  ドラ五索

仕掛けで手役を確定させる事の出来る形、となれば打一万もあるが守備、最終形を考えての打三万
ここから一索を引き入れ一番距離の近い荻巣からヤミテンで満貫を討ち取る。
優勝を手元に手繰り寄せる大きなアガリだ。

一万一万七万八万一索一索二索二索三索三索一筒二筒三筒  ロン九万

東4局、3巡目という速さで蒼山にテンパイが入るが7巡目に谷本のリーチで撤退。
ここに荻巣が飛び込んでしまう。

四万五万二索三索三索四索四索五索六索六索五筒六筒七筒  リーチ  ロン六万  ドラ七索

南1局、荻巣の最後の親番。
そこそこの配牌はもらうもののツモが利かない展開の多い荻巣。
今回も苦戦はしたが配牌から一切動かないドラターツを嫌いテンパイに辿り着きリーチ。
しかしこれが流局となり清水との2人テンパイ。

続く2本場も1シャンテンまで辿り着くが谷本の1,000・2,000のアガリで一気に苦境に立たされてしまう。
南2局、優勝にはここで連荘し続けるしかない清水。
10巡目にリーチを打つが、これは競り負けて荻巣に蹴られて空振りに終わってしまう。

二万三万四万六万六万六索七索五筒六筒七筒  チー八筒六筒七筒  ロン八索  ドラ六筒

南3局、清水と同じく連荘が絶対条件の谷本。
アガリに結びつきはしなかったがリーチからの連荘で1本場。
続く1本場では仕掛けを駆使してテンパイを入れるも荻巣に連荘を阻まれる。

三万四万五万一索一索八索九索七筒八筒九筒  チー七万八万九万  ロン七索  ドラ八筒

ついに迎えたオーラス、事実上蒼山と荻巣の一騎討ちである。
荻巣の条件は蒼山からの直撃なら三倍満以上、ツモなら役満以上と厳しい。
蒼山は流局で手牌を伏せるのみ。実質役満のツモアガリ条件となる。
荻巣の配牌は、

一万四万六万七万一筒六筒九筒西北北発発中  ドラ六万

第一ツモは九索。八種十牌となった手牌でここから本線になる役満はほぼ1つ。
執念で必要牌を引き入れ、15巡目。

一万一索九索一筒九筒東南西北発発中中  ツモ九万

優勝の為の条件は整った。残りツモは2回。
祈るような気持ちで牌をツモるが、無常にも最後のツモはドラの六万
河に安全牌の北を並べる荻巣の表情に落胆は見受けられない。
今自分の打てる麻雀を全て出す事が出来たのだろう。

流局後、清水以外の手牌が開かれる事は無く、広島リーグ第2期のチャンピオンが誕生した。

4回戦成績
谷本+17.4P  蒼山+7.7P  清水▲8.8P  荻巣▲16.3P

最終成績
蒼山+56.1P  荻巣▲3.3P  谷本▲16.3P  清水▲36.5P

 

全体を通じて配牌、ツモが常に飛び抜けている者は見当たらなかった。
ミスの無い者が抜ける展開であり、我慢比べの様相も呈していたように思う。
俗に言う水を張った洗面器から先に顔を上げた者の負け、というやつだ。
その我慢比べに耐える精神力を今日まで蒼山が養ってきたという事なのだろう。

ツモが活きているかではなく、ツモを活かしきれているかどうか。
これが麻雀における腕ではないかと私は思う。
ツモを活かす為の麻雀をどう打てるか、どこまで麻雀に真摯に向き合えるか。
決勝戦の結果は、この半年間一番真摯に牌に向かってきたのが蒼山だという事の証左に思えた。
ひたむきに牌と向き合う蒼山の姿は、私だけではなく同卓者、観戦者の全員にその大切さを伝えたのではないだろうか。

蒼山の目標はまだ先、遥か高みにある。
我々連盟員の誰もが夢見る最高峰のタイトルである。

プロ試験の日、
「鳳凰位を取ります」
そう言った蒼山の目に宿っていた光。
その光はその言葉が決して冗談ではない事を雄弁に物語っていた。
蒼山はこれからも血の滲むような努力を重ねて、栄光への階段を駆け上っていくだろう。
我々は蒼山の仲間として、時にライバルとして。
互いに研鑽を積み、共に高みを目指していくのだ。
そう思わせてくれる仲間を持った事を、心から誇りに思う。

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左から 支部長:清水真志郎、優勝:蒼山秀佑、プレゼンテーター:伊藤優孝