北陸プロリーグ レポート

第20期北陸プロアマリーグ 第3節レポート

「麻雀いつまで続けるの?」

麻雀を知らない知人にそう聞かれて言葉に詰まったことがある。

今の時代、見るからにしちめんどくさいそんなゲームをやらなくても手軽に無料で楽しめるゲームはいくらでもある。
大の大人が飽きもせず、膨大な時間を費やし熱中している姿はそれを知らない者にとっては滑稽に見えるかもしれない。

大敗した日には落胆したり不機嫌になったりだ。すねて「もう麻雀やめるわ」と言っては次の日に再び雀荘に向かう。
身近な人に呆れられたとしても仕方がない。

麻雀はある経験をしてしまうと深くのめりこんでしまう。
それは、自分の成長を実感することだ。麻雀の成長は数字に表れ、向上した数字は大きな達成感を与えてくれる。

あいまいな物事が多い世の中、日常の中で自分の成長を実感できる機会は少ない。
成長したい、進化したい、そういった欲求を満たしてくれるのも麻雀の魅力のひとつである。

北陸リーグの参加者たちは、プロはもちろん一般の方々もその「経験」があるだろう。

5/26日、5月としては異常といっていい暑さの中、麻雀に耽溺した31名が集った。

今節、大きく躍進したのは一般参加の2名。

まずはその一1人、山元さん。

1回戦 東4局1本場 南家 ドラ六索

一万一万二万三万四万四万五万六万六索七索三筒四筒五筒 

ラス目の山元さんにピンフドラ1のテンパイが入る。

現在トップ目の親は60,000点のダントツ。下はだんご状態だ。
私なら迷わずにリーチをする。一発や裏が絡めば跳満まで望める手だ。まずはこの手を決めて2着になっておきたい。

しかし、山元さんはヤミテンに構えた。「自分の態勢の悪さを受け入れてヤミにした ドラを引いたらシャンポンで曲げると決めていた」
と後述する。

17巡目 

一万一万二万三万四万四万五万六万六索六索三筒四筒五筒  リーチ  一発ツモ六索  ドラ六索  裏一万

なんとこの手が倍満に化ける。親から同巡に追っかけも入っており、イージーな選択をしていれば放銃になっていたかもしれない。
そうなっているとまったく違う1日となっていただろう。

1回戦、大逆転でトップを取りその後も無双状態。118.4Pを叩き一般参加の最上位につけた。

もう1人は久保さん。

1回戦に四暗刻を決め大トップをとると、3回戦

五万五万六万六万七万七万白白白発発中中  ツモ発

役満よりレアな倍満をアガリ再びの大トップ。この日は1211で106.7Pを積み上げる。
2節まで苦しい位置にいたが大幅にランクアップ。

逆に前節まで首位の南はこの卓で▲72.4Pとなり大きく後退してしまった。

プロで気を吐いたのは後藤。

1回戦 東3局 親 ドラ九索

四万五万六万二索二索六索六索六索二筒二筒二筒八筒八筒  ツモ八筒  4,000オール

次局 1本場  ドラ三万

三万三万四万四万二索三索四索六索六索六索四筒四筒四筒  リーチ  ツモ四万  

8,100オールと立て続けに大物手を決め、70,000点のトップ。その後もポイントを伸ばしこの日+94.1P。
決勝卓が見える位置まで上がってきた。

新人の活躍も目を見張る。阿戸、梅本はこの日もプラスでまとめ、互いに1~3節までオールプラスで4位6位につけた。

最後に私の卓。

里木 藤本 光岡さん 西田さん

今回私は自分のポイントを伸ばし藤本を沈めるというテーマを持って臨んだ。
よりよい条件で決勝卓に座るには、上にいるものを蹴落としていかねばならない。
それが実力者の藤本ならなおさらだ。

1回戦

藤本の3フーロに押し返し、メンチンの12,000を打ち取りラスを引かせる。
結果は里木3着、藤本4着だがまずまずのスタートだ。

2回戦

トップ目で迎えたオーラス、ラス目で親の藤本が6,000オールをツモりラスからトップまで突き抜け2,500の差をつけられる。

1本場3着目からリーチがかかる。しかしここでおとなしくしているわけにはいかない。

リーチに押し返し

一万二万二万三万七万七万七万  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン東東東  ツモ二万

値千金のホンイツのみ700・1,300をツモり、まくりかえすことに成功する。

3回戦は終始優位にゲームを進め藤本と遂にトップラスをきめる。
4回戦は藤本にトップを譲るものの大きめの2着。
結局、卓内の全員を沈め65.6Pのプラスを叩く最高の結果となった。

3節を終え私が首位となった。3回目の出場でやっときたチャンス、目標は当然首位通過。
次節もさらにポイントを伸ばすように戦うだけだ。

プロアマリーグとは関係のない話だが、この日ダブルヘッダーで第3期北陸リーグの第2節があった。
そこでも私は100P以上勝ち首位になった。

きっとツいている時期なのだろう。

この日、2つのリーグ戦の一番上に「里木祐介」の名前が書かれた。 
小さなリーグ戦。しかもただの途中経過だ。
しかし、プロになって日の浅い自分にとってはこんなことでも勲章だ。

ダブルヘッダーを終え心地よい疲労感の中、

「やっぱり麻雀やめられないよな」

そう呟いて帰路についた。