北陸リーグ レポート

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第20期北陸プロアマリーグ 第4節レポート

2019/07/12
執筆:里木 祐介


麻雀は残酷な頭脳ゲームだ

ポーカー、チェス、将棋など麻雀と同じく思考力、判断力などを限られた時間で競う種目にはギブアップの権利がある。
オリンピック競技であり氷上のチェスと呼ばれるカーリングでも、大差がつくと劣勢のチームは敗北を認めコールドゲームが成立する。

勝敗が決まった後も最後まで戦い続けることは、その勝負を穢す行為ととられる。

しかし、麻雀はどういう状況になろうとも最後まで戦い続けなければならない。
タイトル戦の決勝で親が落ち、優勝はおろか1つの順位を上げる可能性すら絶たれた者は、何を思ってそこに座り続ければいいのだろうか。

それは競技麻雀における残酷な一面であり、いまだに明確な解決策はない。

6/16(日)、北陸プロアマ混合リーグの第4節がおこなわれた。

4節を終えると残すは最終節だけだ。
思いの強さには差があっても参加者たちは皆、決勝を目指して戦ってきたはずだ。

だが、残念ながらこの日で参加者の半数の者はその望みが絶たれる。

最終節は、上位同士、下位同士で卓が組まれるためボーダーが上がることはあっても下がることがほとんどない。
1位から8位までの卓でほとんどの決勝メンバーがきまる。
現実的に可能性が残るのは12位までだろう。13位から16位の卓から決勝に進んだら奇跡的だ。
 
下位からなんとか可能性を残したい者、中位から上を目指すもの、上位からさらに安泰のポジションを築きたい者。
それぞれの思いが交錯し激しい戦いが繰り広げられた。

4節を終え、首位に立ったのはリーグ戦常連の小泉さん。ここまでマイナスをせず堅実に156.4Pを積み上げてきた。
気を抜ける差はではないが現時点で最も決勝卓、そして優勝に近いのは彼だろう。

2位には新人の阿戸、1~4節まで堅調なポイント推移でプロ最上位につけた。決勝卓、そしてその先の小島武夫杯帝王戦を見据えモチベーションは高く、いい緊張状態を保っている。

3位は久保さん。山元さんとの上位対決を圧勝で制し決勝卓へ名乗りをあげた。
2節まで苦しい位置だったが3、4節で180P以上荒稼ぎして駆け上がってきた。最終節にも注目したい。

4位には木戸。+23.9Pとしボーダーラインに浮上。その中で印象的な1局。

4回戦南1局 南家 11巡目 ドラ二筒 3着目

一万一万三万四万五万七索八索九索二筒四筒五筒発発発

先行リーチと親の仕掛けに挟まれた中、上のテンパイが入る。

リーチの現物には三筒六筒があり、場ゼロのドラは相当にきつい牌だ。
しかし、迷わずドラを切りリーチ。

一万一万三万四万五万七索八索九索四筒五筒発発発  リーチ  一発ツモ六筒  裏四万

満貫のアガリとなった。

当たり前の選択かもしれない。プロ以外でもこう打つプレイヤーがほとんどだろう。
しかし、ドラの比重が大きい連盟公式ルールに慣れているものほどこの選択ができない。

実際これが連盟公式ルールなら木戸の選択も別なものになった可能性が高い。
木戸の対応力、雀力の高さが垣間見える1局だった。

そして前節まで首位に立っていた私だが、大きくポイントを減らし決勝圏外の5位まで後退してしまった。

敗着となった1局を振り返りたい。

3回戦南1局 ドラ三索

東家梅本  4,000 
南家里木  23,000
西家藤田さん64,000 
北家浦田  29,000

この点棒状況の中、10巡目

二索二索二索五索六索三筒三筒三筒七筒七筒  ポン南南南

制限時間は10分を切り、私は焦りから七筒をポンしてトイトイに受けてしまう。結果はすぐに梅本からリーチが入り七対子ドラ単騎ツモ裏裏の8,000オールを引かれることになった。

結局この半荘ラスで終えることになる。

結果論で敗着と言っているわけではない。この強引に打点を上げる仕掛けは大局観に欠けている。
これが5巡目以内なら悪手とまでは言えない。しかし、巡目、必ず攻めて来る親、現在自分が持っているトータルポイント、
あらゆる要素を考慮するとこの局面は確実に親を落とし、ラスを確定させた上で2着を争うのが正しいだろう。

麻雀は1回単位の戦いも、このリーグ戦のように20回を通して争う戦いもリードした者が圧倒的に有利になる。
私は今回そのアドバンテージをいかす戦い方ができなかった。
単純に経験不足なのだろう。

ただ、意気消沈しているわけではなくその逆だ。
最終節に勝てばいいだけだ。4連勝だとか役満だとか非現実的な縛りはない。卓内で最上位に立てれば確実に、2位でもおそらく大丈夫だろう。

今から最終節が待ち遠しい。

麻雀は、明確な目標、現実的な条件を追って最後まで戦うことができる時

至高の頭脳ゲームになるのだから。