関西プロリーグ レポート

関西プロリーグ レポート/第15期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第3節レポート

Aリーグ第3節:坂本誠裕
梅雨入りが宣言されている中、関西プロリーグ第3節が行われました。
A1卓(上村・花岡・佐々木貫上)
太閤位決定戦常連の花岡、貫上がしっかりポイントを重ねて、総合2位4位の好位置をキープ。
花岡の安定感の凄さ、この人がトータルマイナスになる事が想像できません。
A2卓(西原・辻本・米川・森下)
ぶっちぎり1位の辻本が更にポイントを伸ばすのかが注目のポイントです。
トータル+192.4P、誰が土をつけるのか?
スルスルとプラスを重ねてトータルもプラスになった米川こちらも安定感は流石です。
自分と一緒に昇級した森下もプラスを叩き出し、トータル3位と大活躍。
A3卓(勝間・坂本・藤川・仁科)
トータルマイナスの勝間、坂本、仁科がどう戦うかが注目でした。
東1局からこの卓の乱打戦の開幕でした。
染め手の仁科に対して親の勝間が全ツッパ、そんな2人に対して甘い打牌を打った坂本の七万に対して「16,000」の仁科からの声、さらに南3局仁科から「8,000・16,000」 の声、四暗刻でした。
そのままのフィニッシュの大きなプラス+58.4P
2半荘目、起家の坂本が、1,300オール、2,700オールとアガリますが、2本場、勝間が一万ポンからの、チンイツドラ3の倍満をツモアガリ、親の連荘を一蹴しました。
3半荘目は藤川の巧みな卓回しからしっかり1位をキープ。
終わってみれば、前回太閤位決定戦出場の仁科が大きなプラスを叩き、マイナスを19.9Pとし、これから上位に絡む勢いを見せつけました。
少しずつプラスとマイナスがはっきりしてきた中、個々がどう戦うか楽しみです。
 
Bリーグ第3節:吉田圭吾
1卓(山室・宮田・中安・掛樋)
2卓(松永・高谷・吉本・上村)
3卓(吉田哲・中川・城・原田)
4卓(吉田圭・山中・稲岡・筒井)
4卓4回戦東2局
筒井
一万二万三万一索三索七索八索九索一筒一筒一筒二筒三筒  ロン二索
先行リーチの吉田の現物二索で山中からロン。このアガリを含め、要所でアガリを重ねた筒井が+36.0Pで4卓の卓内トップでした。
1卓は宮田が+61.7P
2卓は上村が+66.6P
3卓は中川が+20.1Pでそれぞれ卓内トップを制しました。
Bリーグは山中が先行して首位にいるものの、2位以下は団子状態になっています。その日の一局で変わりそうな順位です。
まだまだ3節なので、今後どうなるかもちろんわかりません。ここからがおもしろくなりそうです。
 
Cリーグ第3節:伊原達矢
一番熱くなったのは1卓。(大橋・丸山・秋山・伊原・後藤)
首位の大橋に20P差で追う3位の丸山との直接対局でした。
逃げる大橋が順調な滑り出しで2着、1着と28P加算して、丸山との差45Pと広げました。
しかし、わからないものですね?何が大橋にあったのか、冷静さを欠いてしまいました。
と、言うより丸山に手が入ってきました。
ガラリと変わって一気に50P奪取すれば、大橋は▲33.3Pと放心状態に。
こうなれば、4回戦は丸山の独走となって、70P差をつけ首位に躍り出ました。
それでも▲18.9Pで終わらせた大橋は2位。気を取り直して次は頑張るでしょう。
2人の影に隠れてしまったが秋山は59.2Pを稼いでプラスに転じて、上位を伺います。
後藤と伊原は声無しの厄日となってしまいました。が、この先奮起してくると思います。
4卓では2位だった川上も苦しい1日でした。持ち点半分を放出してしまいました。
後2節、彼もまた、頑張ってくるでしょう。
 
C2リーグ第2節:鎌田周平
夏至も過ぎ、周りでは蝉の声がちらほらと聞こえ始め、6月が終盤に差し掛かり、それと同時に夏も本番を迎えようとしています。
さて、この6月を意味する「水無月」という表現にどこか違和感がないでしょうか。6月といえば、梅雨の時期です。どちらかといえば水があるイメージの方が強いのですが。実はこれは私達が住む地上ではなく、天に視点を向けた表現であるという話を聞いた事があります。なるほど、地上に降り頻る雨が天から水を奪う。結果、天に水が無くなる月ということで「水無月」となったということでしょう。このように一方にものが溢れれば、一方にはそのものが無くなる。ごく自然のことですね。
何かが「ある」場合、即座にそこに注意を払うことは容易いですが、「ない」ということに注意を払うにはやや時間を要する場合があります。そして、「ない」ということは時として、「ある」ということと等価的に、極めて重要な情報をもたらす場合があるのです。
顕著な例が以下の実戦で看取できます。
4回戦 南3局(起家から、小咲・稲垣・鎌田・獅坂)
5巡目、鎌田(東家)の手配
三万五万二索三索四索一筒二筒三筒五筒五筒六筒東東  ドラ二筒
ここで6巡目にカン四万を引き入れて六筒切りでリーチ。数巡前に獅坂が中の1鳴きで仕掛けている状態。
東は場に1枚切れ。ピンズが安く、四筒六筒が場に3枚出ており、五筒のツモアガリも期待できる状態でした。
前局、鎌田はジリ貧で22,300点持ちの状態からリーチ・七対子・ドラドラをツモって(2本場)34,900点に浮上しました。
この時点で獅坂と僅差であるものの暫定トップに躍り出ます。
この勢いに乗り勝負所と観てリーチをし、攻勢に出たのですが…。
暫くすると、河の異変に気付きました。三元牌が全く姿を見せません。
11巡目、神様からの贈り物。生牌の発をツモります。致し方なく河に切るや否や獅坂から素敵な「ロン!」の発声です。
「小さい方であって!」の願い虚しく、大三元の放銃と相成りました。
「ある」筈のものが「ない」ように見えても、どこかに「ある」というのは摂理です。そのメッセージに気付くのが「ある」場合に比して時間差を伴うものであるにしろ、重要なことを訴えかけていることがしばしばあります。目に見えないことからでも、目に見えることと同じように大切な情報を読み取ろうとする姿勢は麻雀に限らず、心掛けたいものですね。