九州プロリーグ レポート

九州プロリーグ レポート/第14期九州プロリーグ A・B・Cリーグ 第3節レポート

Aリーグレポート:中尾多門
A卓(中尾×福田×青木×大和田×柴田)
B卓(小車×新谷×塚本×浜上)
C卓(小川×藤原×西原×安東)
今年からAリーグに昇級しました中尾です。
第2節終了時、+97.8Pで暫定トップにいるのですが、もちろんこのまま走れるほど九州リーグは甘くもなく、自分からみても麻雀に対して勤勉家が多いAリーグ。
舐めているわけではないのですが、それでも自分の麻雀がどこまで通用するのかを試してみたく、スタイルを何と言われても実戦の中で進化していこうと、今現在戦っているのであります。
そんな心境の中、(5人打ちなので)私にとっては本日初戦の2回戦目、南3局。
各家の持ち点が、東家(私):42,300、南家(大和田):32,000、西家(柴田):22,000、北家(福田):22,700。
私の配牌が、
二万三万三万七万七万五索七索八索一筒一筒六筒八筒中中  ドラ中
ドラ2枚のチャンス手である。ここはトップ目だが、通年という長いスパンのAリーグ、高い打点、親番、等々の状況判断ゆえ、基本的にオリない姿勢という攻撃力重視のスタイルを意識した。
そこに大和田が中切りリーチ。その時の牌姿がこれだ。
六万六万六万四索五索六索五筒六筒七筒東東南中  ツモ南
自分はもちろん最初の意識通りに中を仕掛け五索を切って前に出るが、後ほど柴田が四筒をポンする。
親のドラポン、大和田のリーチに対して前へ出てき、捨て牌等から間違いなくチンイツだと推測できた。
さらに柴田は大和田から七筒八筒九筒でチーする。ここで推測は確信となりおのおの鉄火場へ。
ここで自分にテンパイできる牌をツモる。
二万三万三万七万七万六索七索八索一筒一筒  ポン中中中  ツモ四万
三万をきれば七万一筒のシャンポン待ち。
だが一筒はもうない。七万は1枚切れ。三万は大和田に対して無筋。
ここで自分の立場の状況を鋭く見直す。自分は42,000点のトップ目、大和田は32,000点でリーチ、柴田はチンイツの満貫以上ほぼ確定。冷静に考え出した答えは一筒のトイツ落としだった。
理由は、まず最高のケースは1人浮きの大きいトップである。ここでそれが見える状況。もし真っ直ぐマンズを切って勝負して大和田に放銃してしまうとよくて2人浮きトップ、もしくはトップすら危うくなるかもしれない。
一筒に関して、もちろん柴田には危険である。しかし逆転の発想である。もしも柴田の待ちが二筒三筒の形ならば、四筒ポンしていて、一筒は2枚切れなのでアガリはほぼ皆無。
ならば押さえれば??自分の残り1枚のシャンポンが勝つ??
いや、むしろ大和田がアガリきる可能性が濃厚になる。しかも大和田は第2節終了時トータル2位。走らせるのはとてもいやだった。
現在柴田は第2節終了時、大きくマイナスしている。ここで一筒切りでマンズにくっつける1シャンテン戻しは逆に消極的か?いや、マンズがいいすごく場況!
上家の青木はじっと我慢している。ピンズはおそらく青木からはでない。真新しい字牌もでない。青木もきついはずだ。マンズなら出てくる可能性が高い。チーできればマンズのリャンメンに一瞬で変わる。
この結果は、一筒で8,000を放銃してしまう。放銃する可能性は想定していたが後悔はない。
そして2回戦は3人浮きの2着となる。イメージから言うなら、最高のケースから考えると4番手の結果。
自分の卓の今節の結果は、柴田が卓内トップで終わる。そして私は卓内最下位となる…
やはり、麻雀は面白い。その後の流れを左右する序盤の重要な1局だった。
別卓はというと、B卓の結果は、
浜上+3.3P 新谷+62.0P 塚本▲67.5P 小車+2.2P
新谷が走っているのを浜上が積極的に仕掛けで崩しているように見えた。それぐらい新谷はミスもなく手に恵まれ、浜上の揺さぶりがなければもっと叩いていてもいいぐらいの内容だった。
浜上の仕掛けはブラフまではないが、積極的な攻めが周りにいろんな意識をさせる。新谷が当たり牌でない牌で回ったりオリたりを余儀なくさせられる局面を2回ほど目の当たりにした。
C卓の結果は、
小川▲5.3P 西原+71.4P 藤原+19.2P 安東▲85.3P
さすが西原である。2期前にBリーグから昇級し、昨期は危なげなく決勝に進出した西原。もともと様々な麻雀を経験している西原の底力はまだまだこれからも伸びていきそうな気配である。現皇帝位である藤原も崩れない。
新人の自分がAリーグに来て思ったのは、誰と戦ってもドラマがかなりある。様々なレベルの高い麻雀経験者と対局し、競技麻雀の面白さにこれから浸かるのだろうと思っています。
まだまだ先は長い…
これからも頑張ります!
第4節組み合わせ予定
A卓(西原×安東×小車×青木×中尾)
B卓(藤原×新谷×塚本×大和田)
C卓(小川×浜上×柴田×福田)
(組み合わせは都合により変更になることもあります)
Aリーグ

順位 名前

1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 西原 亨 1.8 39.7 71.4 112.9 1
2 新谷 翔平 ▲ 30.9 62.8 62.0 93.9 2
3 青木 胤道 35.8 4.6 21.9 62.3 3
4 大和田 篤史 40.3 27.3 ▲ 14.1 53.5 4
5 中尾 多門 16.7 81.1 ▲ 51.8 46.0 5
6 藤原 英司 ▲ 2.7 13.6 19.2 30.1 6
7 浜上 文吾 31.6 ▲ 8.8 3.3 26.1 7
8 小車 祥 ▲ 2.5 18.1 2.2 17.8 8
9 柴田 祐一朗 ▲ 18.0 ▲ 36.3 61.5 7.2 9
10 小川 善章 ▲ 6.7 ▲ 33.3 ▲ 5.3 ▲ 45.3 10
11 塚本 将之 15.6 ▲ 81.0 ▲ 67.5 ▲ 132.9 11
12 福田 正道 ▲ 38.1 ▲ 66.9 ▲ 37.5 ▲ 142.5 12
13 安東 裕允 ▲ 63.9 ▲ 21.9 ▲ 85.3 ▲ 171.1 13

Bリーグレポート:服部学
A卓(氷室×服部×宮崎×川崎)
B卓(藤原×福田×鶴×石原×榎田)
C卓(名倉×矢野×佐藤×藤井×伊東)
D卓(菊池×古本×安永×中島)
全5節開催のBリーグで折り返し地点である今節、各自ポイントを出来るだけ上乗せして上位グループに陣取っておきたいところ。
A卓
第2節終了時4位の氷室がいる卓だ。他者3人は氷室を牽制しながら自分のポイントを伸ばしたいところ。
1回戦、氷室は目立った放銃は無かったがポイントを削られ、1人沈みのラス。
迎えた2回戦南2局。東家:服部、持ち点40,000。
早い巡目で南家、氷室からリーチが入る。親番中の私はそのリーチを受けて回りながら局を進めることとなる。終盤、残り2巡を残したところで三筒はフリテン待ちではあるが九万を切れば以下のテンパイになる。
一万二万三万七万八万九万九万四索四索四筒五筒七筒八筒九筒
宮崎が41,000のトップ目。私は親番中ということもあり連荘したい気持ちに駆られ、九万を1枚だけ勝負する決断をするが、氷室より『ロン!』の声が掛かる。やはり甘い打牌はさせてはもらえない。覚悟はしていたが、予想の点数よりもはるかに上をいく16,000点の放銃…
七万七万八万八万九万一索一索七索八索九索七筒八筒九筒
私にとっては猛省すべき点でありターニングポイントになり得た打牌だったことは間違いない。
以後、1日を通して下降線を辿ることとなってしまう。
氷室は次局、局に入る前に手が震えていた。この大きなアガリをきっかけに苦しかった1回戦を拭い去り『さあ、ここからだ!』と自分を奮い立たせたに違いない。
B卓
第2節終了時首位の藤原は3回戦南2局、南家。2人のリーチを受けて以下の牌姿。
二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒  チー四筒五筒六筒
リーチ者に対して真っ向勝負を挑む形。ほどなくして六筒をツモり2,000・4,000。自分で3枚使いの六筒をいとも簡単にツモってくる辺りは状態の良さがうかがえる。
この日も4回戦ともきっちりプラスでまとめて+64.2Pの卓内トップ。
C卓
名倉は第2節を終えた帰り道、満面の笑みでこう語ってくれた。
『約1年ぶりにリーグ戦で大きなポイントを叩けました。』
この言葉のなかに含まれる意味合いは、彼の中でとても深いことなのだと取って感じられた。昨年、名倉はAリーグで▲331.3Pという記録的な大敗を喫し、Bリーグへの降級となった。
『最近、麻雀をするのが恐いんです。』と嘆いていた時期もあった。
再浮上へのきっかけを見つけ出し、名倉は自分を変えようと努力している。彼の長所であるテンポのいい摸打と踏み込みの深さに磨きが掛かってきているようにも見える。
4回戦、東2局1本場、東家:名倉。
六万六万六万四索四索六索七索八索四筒四筒五筒六筒七筒  ドラ四索
この形でテンパイ。三筒五筒八筒を持ってきたら打四筒のリーチまで考えていたようだが、ここはダイレクトに四筒をツモって3,900は4,000オールのアガリ。牌の寄り具合といい調子の良さが覗える。
続く2本場、以下の配牌。上々の配牌である。
一万一万二万五万五万五万七万八万九万九万五筒八筒東発  ドラ一万
ここから2巡目に、南家から切られた九万をポンして以下の形。
一万一万二万五万五万五万七万八万八筒東発  ポン九万九万九万
はたしてどうだろうか?
九万はドラ表示牌に1枚使われておりラス牌であることには間違いないが、残された七万八万の面子構成を考えればこの九は鳴くべきものではないと私は考える。折角の好調を維持している状況で、この鳴きに少し先急いでいるようにも見えた。
巡目も進んで、上家から切られた三万をかろうじて鳴けるものの、テンパイしたのはアガリには程遠いと言っていいほどのドラ単騎の一万待ち。
一万五万五万五万六万七万八万  チー一万二万三万  ポン九万九万九万
流局となってしまった。これだけの配牌をもらってテンパイ料をもらっただけの流局というのはどこか寂しい感じがした。
D卓
時間の制限により今回、この卓の観戦は叶わなかったが、第2節終了時2位の菊池は+33.5Pのポイントを上乗せすることに成功した。
そしてもう1人、この卓には注目するべき人物がいる。古本だ。古本は今節、卓内トップの+43.5P。3節目までのトータルポイントを+78.1Pまで伸ばしてきた。
見る限り、攻め派の打ち手で荒々しさは残るが、要所でのアガリを確実に手中に入れているイメージがある。虎視眈眈と昇級へのイスを狙っているのではなかろうか?
3節を終えて、上位3人(藤原・名倉・菊池)が+100P超えの抜きんでた存在になってしまった。今後はこの3者を中心に展開が回っていくのは間違いないだろう。
第2集団に属する者はこの3者との距離感を保ちながら最終節を迎えた際に、交わし切れるポジション作りに専念しなければならない。
次のリーグ戦開催日まで各々、テーマを持って鍛錬することにしよう!
Bリーグ

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 藤原 琢 プロ 4.0 105.2 64.2 173.4
2 名倉 徹 プロ 0.7 73.7 69.9 144.3
3 菊池 豪 プロ 116.4 ▲ 27.8 33.5 122.1
4 古本 和宏 プロ 2.1 32.5 43.5 78.1
5 藤井 崇勝 アマ 59.8 ▲ 20.6 16.1 55.3
6 川崎 行広 プロ ▲ 18.2 41.7 4.1 27.6
7 石原 忠道 アマ ▲ 3.0 ▲ 11.3 37.4 23.1
8 宮崎 皓之介 プロ 18.9 ▲ 13.6 16.9 22.2
9 服部 学 プロ 33.3 ▲ 29.3 15.1 19.1
10 鶴 浩昭 プロ 22.4 ▲ 22.1 17.3 17.6
11 氷室 哀華 プロ ▲ 2.0 50.5 ▲ 36.1 12.4
12 矢野 拓郎 プロ ▲ 63.0 42.2 8.8 ▲ 12.0
13 伊東 宏倫 プロ ▲ 39.4 22.1 ▲ 27.9 ▲ 45.2
14 安永 敏郎 アマ ▲ 55.0 2.8 4.6 ▲ 47.6
15 福田 譲二 プロ 31.9 ▲ 15.5 ▲ 74.2 ▲ 57.8
16 佐藤 健治 プロ ▲ 1.2 2.2 ▲ 86.9 ▲ 85.9
17 藤岡 治之 プロ 5.2 ▲ 58.7 ▲ 100.0 ▲ 153.5
18 榎田 賢二郎 プロ ▲ 92.3 ▲ 36.5 ▲ 44.7 ▲ 173.5
19 中島 行泰 アマ ▲ 40.9 ▲ 70.9 ▲ 81.6 ▲ 193.4

Cリーグレポート:哀川斗南
A卓(弘中×西川×陣野×高末)
B卓(水町×公文×樋口×山本秋桜里)
C卓(哀河×山本江利香×濱田×進)
D卓(藤瀬×北島×松尾×相本×吉田)
E卓(河野×高野×原×下山×松本)
九州リーグ参戦のみなさん、小雨の降る中お疲れ様でした。
今日は4人打ちでしたのであまり他の卓を見ることができませんでしたが、対局が終わった後、まだ終わっていなかった卓のオーラスでのこと。
ドラが一筒で、親はドラを持っていなかったのですが、軽いピンフになりそうな感じでした。
ところが南家が八万をポン、自分ならドラトイツのトイトイ仕掛けならキツいなと思ったので、親がどう打つのか興味を持って見ていました。
七筒七筒八筒とあるところを七筒八筒と決め打ちしました。
自分ならピンフ手からトイツ手に移行しますが、その方はおそらくそのままピンフ手で行こうと思ったのでしょう。
しかしその後、一筒を引いて一筒が浮いている形…
テンパイしたら打つのかなと思っていたのですが、西家よりリーチも入り、その後南家がタンヤオのアガリ。自分の感覚がずれていたのが情けなく思いました。
ただ、親も相手の仕掛けの最高打点を考えたら、両面固定も仕方なかったのではないのかなと思いました。
麻雀は見えない手を想像して押し引きや手組みを考えていくものだと思います。
自分もまだまだですが、九州の発展の為、そして自分自身の為一緒に精進していきましょう。
Cリーグ

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 相本 長武 アマ 54.0 99.5 39.3 192.8
2 原 宙史 アマ 115.2 49.1 ▲ 22.8 141.5
3 弘中 栄司 アマ 122.3 ▲ 10.1 ▲ 6.5 105.7
4 下山 哲也 プロ 73.3 ▲ 22.7 36.6 87.2
5 水町 慎一 プロ ▲ 17.4 42.4 49.0 74.0
6 山本 江利香 プロ 30.1 22.2 21.0 73.3
7 樋口 徹 プロ 65.8 29.6 ▲ 43.4 52.0
8 陣野 良貴 プロ 5.3 21.5 8.8 35.6
9 北島 勇輝 プロ 9.6 24.6 ▲ 9.7 24.5
10 公文 寛明 アマ ▲ 31.5 9.2 28.1 5.8
11 松尾 樹宏 プロ 7.8 ▲ 9.9 2.9 0.8
12 西川 舞 プロ 15.4 ▲ 22.4 ▲ 3.2 ▲ 10.2
13 濱田 貴幸 アマ ▲ 50.0 10.0 28.9 ▲ 11.1
14 高野 翔太 アマ 10.8 ▲ 4.9 ▲ 32.3 ▲ 26.4
15 進 栄二 プロ ▲ 4.9 27.3 ▲ 69.0 ▲ 46.6
16 藤瀬 恒介 アマ 7.6 0.6 ▲ 67.1 ▲ 58.9
17 吉田 彩乃 アマ ▲ 27.5 ▲ 16.2 ▲ 26.4 ▲ 70.1
18 河野 みのり プロ 9.0 ▲ 51.3 ▲ 35.4 ▲ 77.7
19 流水 聖人 プロ 3.7 11.9 ▲ 100.0 ▲ 84.4
20 高末 丈永  アマ ▲ 65.3 ▲ 20.7 0.9 ▲ 85.1
21 哀河 斗南 プロ ▲ 54.8 ▲ 78.1 19.1 ▲ 113.8
22 松本 路也 アマ ▲ 121.2 ▲ 32.0 33.9 ▲ 119.3
23 山本 秋桜里 プロ ▲ 58.7 ▲ 29.2 ▲ 33.7 ▲ 121.6
24 友保 美香里 プロ ▲ 93.7 ▲ 73.4 ▲ 100.0 ▲ 267.1

皇帝位戦進出ライン、昇降級ライン:順位枠内に表示