静岡プロリーグ レポート

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第28回静岡リーグ(プロアマ混合)決勝レポート

2017/03/07
執筆:島﨑 涼


2017年1月29日。
この日、第28回静岡リーグの決勝が行われた。

決勝ではそれぞれ1位+40P、2位+30P、3位+20P、4位+10Pの順位ポイントが与えられる。全6回戦が行われ、5回戦終了時(各1回抜け番)にポイント最下位の者が敗退となり、最終1回戦を行い、トータルポイントがトップの者が優勝となる。

まずは、簡単な選手紹介と決勝直前の各選手の意気込みを載せたいと思う。

1位通過 山本拓哉プロ(中部本部)
(初出場)

静岡プロリーグを逆転優勝した山本プロが勢いをそのままに静岡リーグの優勝にも挑む。
鳴きを主体とした攻めで手数が多いタイプであり、主導権を積極的に取りに来るであろう。今回は追われる立場となっており、マークを受ける場面も多くなるとは思うが、持ち味である思い切りの良い麻雀で今回の決勝も戦いをリードしてくるであろう。

山本プロ「静岡プロリーグを優勝することができたので、次は静岡リーグも優勝してのダブルクラウンを目指して頑張ります。」

2位通過 平野敬悟プロ(静岡支部)
(2期ぶり3回目)

今回の決勝メンバーでは唯一静岡リーグの決勝進出経験のある平野プロ。場面を見極める能力や対応力は非常に優れており万能な選手である。
リーグ戦でも安定した戦いを見せており、決勝の舞台でも経験を活かしてペースを作ることができるか。

平野プロ「普段通りに平常心で頑張りたいと思います。」

3位通過 足立純哉プロ(東京本部)
(初出場)
 
プロ1年目にして決勝進出となった足立プロ。足立プロも山本プロと同じく鳴きが多く、手数で勝負する印象で、山本プロとの主導権争いに持ち込むことが予想される。
経験の浅さを気持ちでカバーして場面をリードすることを期待したい。
 
足立プロ「まだ1年目ということで、チャレンジ精神で頑張りたいと思います。」

4位通過 鈴木雅人プロ(静岡支部)
(初出場)
 
プロ15年目の鈴木プロが安定した戦いで悲願の決勝進出を決めた。手数の多い選手が上位通過しているため自身も思い切った攻めが必須となるが、スタイルである門前高打点を貫くことで局面を打開してほしい。

鈴木プロ「初めての決勝ということでとにかく楽しんで頑張りたいと思います。」

5位通過 松井和志さん(一般参加)
(初出場)
 
唯一の一般参加での決勝進出となった松井さん。第1節で+105.9Pを叩くなど、爆発力はかなりのものを持っている。受けの意識も強く、安定感という面では他のプロにも劣っていない印象だ。5位通過ということで、1位通過の選手とは40P差があり、戦い方は難しくなってくるが、持ち味の門前高打点でプロを相手にどのように戦っていくか楽しみである。
 
松井さん「5位通過であり、唯一のアマチュアということでプレッシャーはないので、気楽に頑張ります。」

以上の5名の戦いとなる。
初決勝が4名とフレッシュな顔ぶれとなった今回。どの選手も納得のいく麻雀を打って決勝の舞台を楽しんでほしいと心から思う。

(以下文章中敬称略)

1回戦(起家から山本、鈴木、松井、足立、抜け番:平野)

東1局 まずは各選手の配牌を見ていこう。

親:山本
一万五万五万六万七万七万九万五索七索一筒九筒西白中  ドラ二万

南家:鈴木
三万八万二索六索九索一筒二筒五筒六筒九筒九筒白白

西家:松井
一万二万二万一索四索五索六索一筒三筒四筒西中中

北家:足立
三万三万二索四索六索七索七索九索三筒六筒七筒南西

どの選手もまずまずといったところだろう。
4巡目、まずはドラ2枚の松井が積極的に仕掛ける。

一万二万二万四索四索五索六索一筒三筒四筒西中中 

ここから1枚目の中をポン。徐々に進行していき、11巡目に二筒をチー。

二万二万四索五索六索三筒四筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ポン中中中

二筒を足立から出アガリ、3,900でまずは先制に成功した。

東2局 今度は山本が積極的に仕掛ける。

四万四万五万六万七万一索一索五筒七筒北北白白  ドラ六筒

この手牌から3巡目に北をツモる。ドラ六筒ということで筒子を残す選手も多いとは思うが、山本は五筒切りを選択。5巡目に1枚目の白をポンすると7巡目にあっさりと一索をツモって800・1,600。仕掛けを基本として手数で勝負する山本らしい手組みの1局であった。

東3局1本場 親番の松井の配牌

四万六索七索八索八索九索一筒二筒三筒六筒六筒六筒七筒中  ドラ一筒

好配牌をもらうと4巡目にテンパイが入る。

二万四万六索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒六筒六筒七筒  打九索 左向き

松井はここで九索を切ってリーチとした。タンヤオやピンズの一通、好形変化などを見てヤミテンにする打ち手もいるとは思うが、東1局から見せている積極的な攻めの姿勢をここでも貫いた。しっかりと三万をツモって2,000オール。松井の持ち点は40,000点を超えてきた。

東4局 仕掛けの多い打ち手と言われていた足立が親番であるこの局にようやく最初の仕掛けを入れる。

一万三万四万九万九万二索三索一筒二筒三筒五筒七筒九筒  ドラ五万

ここから6巡目に二万をチーして打四万。純チャン三色へと進めていこうとするが、8巡目に松井からリーチが入る。

五万六万七万七索八索九索三筒四筒東東中中中

ここから足立が親番維持のためにテンパイを目指しつつ華麗に回る。

九万九万二索三索四索一筒二筒三筒五筒七筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き

この牌姿から11巡目に松井の当たり牌である二筒を掴むとソーズを切っていく。ツモ二筒四索、ツモ八索二索、ツモ七索三索とすると今度は五筒を掴んでしまう。

九万九万七索八索一筒二筒二筒三筒五筒七筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ツモ五筒

ここではリーチの現物である九万のトイツ落としで回る。ツモ北九万、ツモ五筒北、ツモ七筒一筒、ツモ七筒三筒で流局。

七索八索二筒二筒五筒五筒五筒七筒七筒七筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き

しっかりと回りきって親番を維持した。このようなプレーの一つ一つが勝敗を分ける場合もある。非常に勉強になった1局であった。

東4局1本場 前局、素晴らしいプレーが光った足立。こうして続けることのできた親番には不思議と手が入るものだ。

五索五索五索六索六索六索七筒八筒九筒南南中中  ドラ八索

この手で12巡目にリーチ。15巡目に中ツモ。ここまで苦しい展開だった足立にとって大きなアガリとなった。
南3局3本場 南場に入ってからここまで大人しくしていた山本が積極的に動く。

四万五万六万一索一索四索五索一筒南南西白白  ドラ一万

ここから3巡目に白をポン。打一筒として1シャンテン。8巡目に一索をポンしてテンパイ。

三万四万五万四索五索南南  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン白白白

足立から三索が放たれて1,000。
オーラスでも山本は仕掛けて300・500をアガる。やはりというのか、アガリ回数では山本が他を圧倒していた。

1回戦は東場で積極的に攻めた松井がトップ。山本も上手く立ち回って浮きの2着を守った。

1回戦1回戦成績
松井+14.0P 山本+7.6P 足立▲5.4P 鈴木▲16.2P

1回戦終了時
山本+47.6P 平野+30.0P 足立+14.6P 松井+14.0P 鈴木▲6.2P

 

 

2回戦(起家から平野、鈴木、松井、山本、抜け番:足立)

1回戦抜け番となった平野はこれが初戦となる。
1回戦を見て、どのように戦っていくのか注目である。

東1局 1回戦ラススタートとなってしまった鈴木から8巡目にリーチが入る。

四万五万二索三索四索四筒五筒六筒七筒八筒九筒西西  リーチ  ドラ七筒

その時の親番の平野の手牌。

二万三万三万六万七万三索六索七索八索二筒四筒五筒五筒

12巡目に三筒をツモると無筋の三索をノータイムで切る。14巡目にリーチ者の鈴木から五筒が放たれるとこれをポン。ここでも迷わず無筋の二万を切ってテンパイを入れると次巡八万ツモ。

三万三万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ツモ八万

500オールのアガリ。初戦の入り方としては強い気持ちで良い入り方ではないか。また、平野はこういった捌き手の使い方が非常に上手な印象がある。

東1局2本場 北家の山本の配牌。

二万一索一索二索三索三索五索六索八索九索六筒六筒中

ここから平野が1巡目に切った一索をいきなりポン。チンイツを目指すと今度は4巡目に上家の松井から打たれた一索をチー。強引な仕掛けに見えるが5巡目にして2フーロで1シャンテン。

三索五索六索六索八索九索中  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き

10巡目に六索を引き入れると12巡目にツモ五索。テンパイを入れて打三索

五索五索六索六索六索八索九索  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き

するとこの三索を松井がポン。松井もソーズの染め手で応戦する。

四索五索六索七索七索九索東東西西西  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き

場には七索が1枚切れ。八索東は生牌。松井は打四索としてカン八索待ちを選択。すると今度はその四索を山本がチー。一通がついて跳満確定。次巡にあっさり七索ツモ。

六索六索八索九索  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き

一見無謀に思える今回の山本の仕掛け。しかし安い仕掛けではなくこういった仕掛けも成功させているのが山本の強さなのではないか。

東3局 ここまであまり良いところのなかった鈴木にドラ3のテンパイが入る

一万二万三万五万六万八万八万八万一索二索三索八索八索  ドラ八万

8巡目にリーチを打つと次巡四万のツモアガリで2,000・4,000。悪い流れを断ち切るアガリ。若手プロが試合を上手く組み立てていくなかでベテランの意地を見ることができた。

南1局 この局は山本が先制リーチ。

三万三万六万七万八万七索七索七索四筒五筒  暗カン牌の背一索 上向き一索 上向き牌の背  ドラ三万

すると12巡目に松井が追いかけリーチ。

四索四索五索五索六索三筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒八筒  リーチ

しかしここは山本が三筒をツモって2,000・4,000。
仕掛けだけではない、こういったリーチ合戦でも山本はあまり負けない印象がある。

この後は小場が続き、大物手を二度ものにした山本がトップで大きくリードする展開となった。

2回戦成績
山本+23.8P 松井+9.3P 鈴木▲12.3P 平野▲20.8P

2回戦終了時
山本+71.4P 松井+23.3P 足立+14.6P 平野+9.2P 鈴木▲18.5P

 

 

3回戦(起家から平野、松井、足立、鈴木、抜け番:山本)

東3局1本場 4巡目にテンパイの平野

五万六万七万七索七索七索二筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒  ドラ三索

この手牌ではヤミテンに構える。手変わりをして11巡目にリーチ。

四万五万六万七索七索七索二筒四筒四筒四筒五筒六筒七筒  リーチ

対する鈴木、13巡目にツモり四暗刻の1シャンテンとなる。

二万二万二万四万四万五万四索四索五索五索三筒三筒三筒

平野の当たり牌である三筒を暗刻で持つというチャンス手。テンパイしないまま17巡目、4枚目の三筒をツモってくる。

二万二万二万四万四万五万四索四索五索五索三筒三筒三筒  ツモ三筒

鈴木はここで三筒を暗カンする。するとツモってきたのは二筒。鈴木は三筒のノーチャンスで二筒を切って2,600の放銃。1、2回戦と苦しい展開となっている鈴木、この局も手痛い放銃となってしまった。

南1局 10巡目、足立

一万二万三万六万七万五索六索七索二筒三筒西発発  ツモ八万  ドラ西

ドラであり生牌の西を切るとテンパイ。ここで足立は発のトイツ落としを選択。西をすでに切れないと感じたのか、もしくは暫定1位の山本との合計ポイントの差を考えたのか、西を使い切るという判断を下した。そして14巡目に待望のドラの西を引いてリーチ。

一万二万三万六万七万八万五索六索七索二筒三筒西西  リーチ

結果は流局ではあったが、こういった足立のプレーこそが優勝を引き寄せると思った。

南2局3本場 3巡目に平野は早くも1シャンテン。

四万八万三索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒白  ツモ三索  ドラ白

ピンズの一通や三色が見える手牌。平野は目一杯に構えてドラの白を打ち出す。するとこの白を鈴木がポンして1シャンテン。

一万二万三万四万六万七万八万九万二索四索  ポン白白白

場が一気に重くなる。7巡目、先にテンパイしたのは鈴木。

二万三万四万六万六万七万八万九万四索五索  ポン白白白

三索六索待ち。遅れて8巡目に平野もテンパイ。

六万八万三索三索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒

平野は強気にリーチを選択。ここまであまり展開の良くない鈴木とのめくり合いならば勝てると踏んだか。結果は平野のツモ。2,000・4,000となった。

南4局 5巡目に足立がリーチ。

四万五万六万二索三索四索四索五索五索六索七索七筒七筒  リーチ  ドラ六万

ヤミテンに構えて3,900点をアガっても浮きに回ることができる。しかし足立はリーチをしてより大きく打点を稼ぐことを選んだ。この小さなアガリを重ねるよりも1回の大きなアガリを求める考えはこの半荘通して統一されていた。結果は六索をツモって2,000・4,000。足立としては戦略が上手くはまったように私には感じ取ることができた。
3回戦はアガリを重ねた平野、足立が浮きで終え、抜け番だった山本の独走に待ったをかける形となった。

平野+20.8P 足立+11.3P 松井▲13.3P 鈴木▲18.8P

3回戦終了時
山本+71.4P 平野+30.0P 足立+25.9P 松井+10.0P 鈴木▲37.3P

 

 

4回戦(起家から平野、足立、山本、松井、抜け番:鈴木)

東1局 暫定トップの山本を誰かが止めることが注目の4回戦。
9巡目、まずは親番の平野がテンパイする。

五万五万四索五索六索七索八索九索四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ東

手変わりを見てかヤミテンに構える。すると、それを知ってか知らずか、同巡に足立がリーチ。

一万二万三万四万四万七万七万七万一索二索三索二筒三筒  リーチ

高め三色同巡の好形リーチである。今度は宣言牌の三万を山本がポンして1シャンテン。

六万七万八万三索三索三筒三筒六筒六筒南  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き

それを見て実はすでにテンパイを入れていた松井がツモ切りリーチ。

四万五万六万七索八索九索五筒五筒七筒八筒九筒東東  リーチ

しかしこのツモ切りリーチが裏目に出たか、松井が四筒を掴んで足立へ1,300の放銃となった。もしも平野や松井が先制リーチを打っていれば、など様々なことを考えさせられる1局となった。

東2局2本場 平野が10巡目に1枚目の発を仕掛ける。その後すぐに両面チーしてあっという間の1,000点のテンパイ。

二万三万五万五万三筒四筒五筒  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン発発発  ドラ一万

これに追いついたのは足立。12巡目にリーチ。

六万七万七万八万九万五索五索五索六索七索八索二筒二筒  リーチ

しかし次巡に足立が四万を掴んでしまい放銃。このように平野と足立が主導権争いをする局面が4回戦から増えたように見えた。

東3局 先制したのはまたもや平野。6巡目にリーチ。

二万三万四万七万七万六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ白

その時点での親番の山本の手牌がこちら。

四万五万六万六万八万三索四索五索六索六索一筒三筒白

カン七万やカン二筒が入るとテンパイではあるがリーチに対してドラで生牌の白を切らなければならない。ここからツモ八筒一筒、ツモ六筒八筒、ツモ八万六万、ツモ白三筒などとして12巡目の手牌がこちら。

四万五万六万八万八万三索四索五索六索六索六筒白白

ここでリーチをかけていた平野から白が切られる。山本は迷わずポンテンを取ると、ラス牌の八万を簡単にツモ。3,900オール。やはりツキは山本にあるのか。

四万五万六万八万八万三索四索五索六索六索  ポン白白白  ツモ八万

東3局1本場 足立の配牌がこちら。

一万四万六万九万五索六索七索一筒一筒三筒八筒西発  ドラ二筒

1メンツあるものの、形が悪く高打点も見込めない手牌。しかし、1巡目と2巡目に連続して自風の北をツモると、迷わずカン五万からチー。

五索六索七索一筒一筒三筒八筒北北発  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き

その後、ツモ七筒三筒、ツモ九筒発で5巡目にあっという間にテンパイ。9巡目に平野から北が打たれて1,000点のアガリ。

五索六索七索一筒一筒七筒八筒九筒北北  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き  ロン北

前局のアガリでこの半荘でもトップ目に立ってしまった山本の親番を意地でも終わらせる足立の気合が見られた。

南1局 この局、松井にチャンス手が入る。まずは配牌。

三万三万四万五万七万八万三筒七筒南南西北白  ドラ白

マンズのホンイツが色濃く見える。この手牌が3巡で大きく育つ。

三万三万四万五万五万六万七万八万南南西白白

5巡目に山本から四万が切られる。松井は迷わずチー。テンパイである。

三万四万五万六万七万八万南南白白  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き

これを見た山本が7巡目に仕掛け返す。

三索四索九索九索六筒六筒六筒九筒西西  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き

次巡、ツモ西九筒となってテンパイ。11巡目に足立から五索が打たれて山本のアガリ。

三索四索九索九索六筒六筒六筒西西西  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き  ロン五索

相手のチャンス手を山本が後から仕掛けてサバく。この決勝で何度も見られた光景である。

南2局2本場 親番で2局連続アガっている足立、この局も11巡目にリーチをかける。

七万八万九万三索四索五索二筒三筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ五筒

それに対して対抗していくのはやはり山本。リーチの現物を切りつつテンパイを維持。しかし足立の切られた五筒で考えてしまう。

三万四万五万六万七万八万六索七索八索三筒四筒四筒五筒

五筒を鳴いてリーチの現物である三万四万を切ってアガリを目指すかどうか考える山本。しばらく悩むが、ここは鳴かずに今のままのテンパイ形を維持することを決意。すると、16巡目にツモってきたのは五万であった。

三万四万五万六万七万八万六索七索八索三筒四筒四筒五筒  ツモ五万

四筒が通って二万五万八万待ちになれば勝ち目があると踏んだ山本は四筒を切る。しかし、四筒は足立に放銃となり11,600。
42,900点持ちのトップ目であった山本だったが、この放銃で2着へ。アガった足立はリードを守ってこの半荘をトップで終えた。

4回戦に入ってから各選手のマークは山本1人に完全に絞られているように見えた。特に平野と足立はいつもに増して仕掛けを増やし山本へ対抗していたように感じた。

4回戦成績
足立+23.4P 山本+6.3P 平野▲8.8P 松井▲20.9P

4回戦終了時
山本+77.7P 足立+49.3P 平野+21.2P 松井▲10.9P 鈴木▲37.3P

 

 

5回戦(起家から平野、足立、山本、鈴木、抜け番:松井)

静岡リーグの決勝はこの5回戦を終えた時点でポイント最下位のものは一足早く敗退となってしまう。最終6回戦は勿論のこと、この5回戦もどの選手も全力で戦うに間違いない。

東2局 優勝を目指すには1局たりとも無駄にはできない鈴木。この局、先制リーチを打つ。

一索二索三索三索四索五索五索六索六索七索二筒三筒四筒  ドラ七索

それに対して押し返すのが親番の足立。13巡目に仕掛けてテンパイを入れる。

四万四万七万八万九万三索四索七索八索九索  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き

この2人の引き合いにも見えた局面。鈴木がハイテイ牌の八筒をツモ切りして流局するかに思えたが、山本からロンの声がかかる。

一万一万五万五万七万七万八万八万八索八索六筒六筒八筒

山本はリーチや親の仕掛けに対して強い牌を極力切らずにしっかりとテンパイを入れていた。山本の3,200のアガリ。

東3局 前局アガって親番を迎えた山本。この局も積極的に仕掛ける。

三万五万六万七万八万二筒東西北北発中中  ドラ二万

この手牌から3巡目にポン中二筒、続く5巡目にポン北西。9巡目にツモ五万発として形が整う。

三万五万五万六万七万八万東  ポン北北北  ポン中中中

11巡目にツモ九万東としてより広い1シャンテンとすると、15巡目にようやくテンパイ。

三万五万五万六万七万八万九万  ツモ八万  ポン北北北  ポン中中中

場には四万七万も1枚切れだが自分で使っているので七万の方が1枚少ない。それでも七万が山にあると読んだか、この場面で山本は打三万とする。そして2巡後にツモアガって2,600オール。こういった選択を確実に正解することが勝利への一歩なのだろう。

五万五万六万七万八万八万九万  ポン北北北  ポン中中中  ツモ七万

東4局 なんとか親番で連荘したい鈴木。11巡目にリーチ。

六万七万八万四索五索六索二筒三筒六筒七筒八筒南南  リーチ  ドラ二筒

このリーチに向かってくるのは平野。リーチの現物やスジの牌を切って安全に進めつつ13巡目に高め一通の追っかけリーチ。

五万五万一索二索三索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ

そして平野が安めではあるが七筒をツモって1,300・2,600。この日の鈴木はこのように先制しても誰かに押し返されてアガリきられてしまうケースが非常に多かったように思える。

南4局2本場 現状5位の鈴木はこの親番で誰かをまくらなければ敗退となってしまう。しかし無情にも2巡目に山本からリーチが入る。

二万二万二万一索二索三索五索六索七索二筒三筒六筒六筒  リーチ  ドラ三万

どうにかして山本のアガリは阻止しなければならない鈴木。なんとか9巡目にテンパイ。

五万六万七万三索四索五索七索八索九索五筒七筒発発

手変わりを見て冷静にヤミテンに構える。しかし鈴木が次巡ツモってきたのは一筒。山本のアガリとなった。

二万二万二万一索二索三索五索六索七索二筒三筒六筒六筒  ロン一筒

山本はこのアガリで4万点超えのトップとなりリードをさらに広げた。
一方この瞬間、鈴木の敗退が決まった。難しい展開ではあったが初の決勝でベテランが最後まで丁寧な麻雀を魅せてくれた。

5回戦成績
山本+21.8P 平野+7.1P 足立+4.1P 鈴木▲33.0P

5回戦終了時
山本+99.5P 足立+53.4P 平野+28.3P 松井▲10.9P 鈴木▲70.3P(敗退)

 

 

6回戦(起家から足立、平野、松井、山本)

最終6回戦は、トータルポイント2位、3位、4位、1位の順に東家、南家、西家、北家の並びとなる。
白熱した試合もいよいよクライマックスである。

南1局 東場は小場で進み山本以外の三者が浮きで迎えた南1局。山本は残りのリードを守り切ろうと普段より一層積極的に動く。

二万二万三万三万六万八万一索三索三索五索一筒三筒五筒  ドラ三索

ここから6巡目に四筒をチーして打一筒、すぐに今度は二万をポンして打五索として1シャンテン。12巡目に七万をチーするとようやくテンパイ。

三万三万三索三索  チー七万 左向き六万 上向き八万 上向き  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き

しかしここで親の足立からリーチが入る。

一万二万三万一索二索四索四索七索八索九索六筒七筒八筒  リーチ

山本はこのリーチを受けて即撤退。足立は最後のツモでアガって2,000オール。このアガリで足立の1人浮きとなる。

南2局2本場 最後の親番が終わり、ある程度の打点を必要とする足立。それでも積極的に仕掛ける姿勢は変わらない。

一万五万一索二索五索六索六索七索二筒五筒西中中  ドラ三索

この手牌から3巡目に平野が切った1枚目の中をポン。ソーズのホンイツを見る。中を加カンするなどして形が整ってくると親番の平野からリーチが入る。

二万二万三万三万四索四索七索七索九索九索一筒五筒五筒  リーチ

平野としては一筒が良く見えるというのもあるだろうが、他家の動きを止めて最後の親番を終わらせないためのリーチという意味合いもあるだろう。しかし足立は押し返してテンパイする。

一索二索三索四索五索六索六索七索八索九索  加カン中中中中

平野が六索を掴んでしまい、足立へ8,000の放銃。足立はこのアガリで山本との差をわずか2.5Pとした。

南3局 一刻も早く局を流したい山本は10巡目にテンパイ。

二万三万四万五万五索六索七索七索二筒二筒六筒七筒八筒  ツモ一万

ピンフのみのテンパイはヤミテンというのがAルールのセオリーとされている。しかし少しでもポイントが欲しい山本は七索切りリーチとする。この判断が正解だったのか、ツモアガリで700・1,300。事実上、山本と足立の一騎打ちとなった。

南4局 第28回静岡リーグ決勝もいよいよ最終戦オーラス。暫定トップの山本と足立の差はわずか5.9P。麻雀の神様が微笑むのはどちらなのか。

出アガリが難しい状況となったこの局、ツモだと1,000・2,000条件。足立は条件に合う手組みをする。そして12巡目にテンパイ。

二万三万四万二索三索四索二筒三筒三筒四筒四筒七筒七筒  ドラ三万

この手だと安めの五筒で出アガリをしても優勝となる。足立は当然のようにヤミテンに構えた。すでに他の3者はオリており、あとは足立がツモることができるかだけとなった。
一回一回ツモる手に力が入る足立。5巡アガることができないままいよいよハイテイ牌。最後のツモにおそるおそる手を伸ばす。より一層ツモに力が入る足立。観客の視線も足立の右手に集まる。しかし最後のツモは一万。足立の一人テンパイで流局、試合終了。観客からは大きな拍手が選手たちに贈られた。

6回戦成績
足立+33.8P 松井▲4.5P 山本▲10.4P 平野▲18.9P

最終ポイント
山本+89.1P 足立+87.2P 平野+9.4P 松井▲15.4P 途中敗退:鈴木

 

 

第28回静岡リーグは山本拓哉プロの優勝で幕を閉じた。
史上初となる静岡プロリーグとのダブルクラウンを見事に達成した。
どの選手においてもそれぞれの持ち味を出し、最後まで強い気持ちで戦ったからこそ、見ごたえのある決勝となった。

決勝進出者の皆様、お疲れさまでした。
そして山本プロ、本当におめでとうございます。