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特別昇級リーグ 決勝観戦記

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第22期特別昇級リーグ 決勝レポート 奈良 圭純

2017/10/05
執筆:奈良 圭純


出場条件・参加資格
4大タイトル出場、40歳未満、プロリーグ、タイトル戦成績優秀者
昇級条件
リーグ戦で欠場、休場がなく、プラスの成績を収める事。
優勝・B2昇級
準優勝・C1昇級
3位・C2昇級

今期この特別昇級リーグに参加したのは12名。
7節終了時での成績上位4名で決勝4回戦を行う。

 

藤井崇勝
D3リーグ 25歳 O型 32期
落ち着いて麻雀が打てるように頑張ります。

 

上田直樹
C3リーグ 33歳 A型 32期前期
いつも通りやります!

 

平野良栄
D1リーグ 39歳と11ヶ月 A型 30期後期
本当に最後のチャンスなので、全力を尽くします。

 

中村慎吾
C1リーグ 32歳 A型 27期
優勝しか意味がないので、ポイントは厳しいですが叩きに行きます!

7節終了時点でのポイントが、
藤井+152.3P
上田+96.0P
平野+75.4P
中村+37.7P

中村は優勝しか昇級がないため、点差を考えると戦い方が難しいところ。
藤井、上田、平野の3者はもちろん優勝を狙ってくるであろうが、ポイント状況によっては、2位狙い、3位狙いに切り替えてくることが予想される。

 

1回戦 起家から 上田・平野・中村・藤井

東1局は中村が上田の仕掛けの対応し、平野からピンフで1,000点のアガリ。

東2局 ドラ八万

藤井が3巡目でこの牌姿。

七万八万一筒二筒二筒六筒七筒八筒白白発中中

3巡目に上田から発が切られた次巡、藤井のツモが発、打七万とし一気にホンイツへ。
6、8巡目に中発と鳴け、高め大三元のテンパイ。

二筒二筒六筒七筒八筒白白  ポン発発発  ポン中中中

すぐに二筒をツモり、3,000・6,000。
安めながらも最高クラスのスタート。

東3局 ドラ七筒

平野が3巡目リーチ。藤井の2巡目捨て牌に発

二万三万四万二索三索四索四索五索六索七筒八筒九筒発

数巡後にツモり、1,000・2,000。

南1局 ドラ六万

今度は中村が4巡目に、七対子ドラ2の南単騎でリーチ。藤井の1巡目捨て牌に南
結果は流局。自分の素点が大事なのはもちろんだが、優勝には藤井の点棒を削ることも重要で、2者共に藤井の捨て牌に待ちを合わせてきている。

南2局
中村

四万五万一索一索二索三索四索三筒四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ五索

中村がピンフのみのテンパイから高め三色の牌と振り替わりリーチ。
上田も3フーロでテンパイ、平野も追いかけリーチを打つが、中村が2,000・4,000。

南3局 ドラ発

好感触のアガリで親を持ってきた中村。
5巡目にポンテンに取れる南が出るがスルー。
すぐに自身で暗刻にし、高め6,000オールのリーチ。

八万八万八万三筒四筒五筒七筒七筒南南南白白

上田も仕掛けて応戦。

四万五万六万七万八万九万二索三索発発  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き

この仕掛けで、中村にはわからなかったことだが、アガリ牌の七筒が流れる。
上田も危険牌を掴み、中村の1人テンパイで流局。

南4局 ドラ四筒

藤井 29,700
上田 26,100
平野 25,600
中村 38,600

中村以外の3者は浮きまですぐの点棒状況だけに、アガリが欲しい。

藤井手牌

五万七万八万九万一索三索五索六索七索七索九索九索九索四筒

捨て牌

藤井 一筒 上向き西五万 上向き八筒 上向き
上田 二万 上向き九万 上向き九筒 上向き二万 上向き
平野 九万 上向き九万 上向き九筒 上向き二筒 上向き
中村 一万 上向き二万 上向き六万 上向き七万 上向き

場況は圧倒的にマンズが良さそうに見える。
藤井の選択はドラの四筒
これが上手くいき、1,300オールのアガリで点棒を原点まで戻す。
次局は中村が捌き、トップを確定させて終局。

1回戦成績
中村+12.6P 藤井+7.9P 平野▲7.2P 上田▲13.3P

1回戦終了時トータル
藤井+160.2P 上田+82.7P 平野+68.2P 中村+50.3P

 

 

2回戦 起家から 中村・上田・藤井・平野

東2局 ドラ五万

上田と藤井の手がぶつかる。
藤井が早々に二つ仕掛けてのテンパイ。
藤井

一索一索五索五索五索東東  ポン発発発  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き

上田は1シャンテンまでは速かったものの、なかなかテンパイが入らず苦しかったが、終盤に藤井から七筒が鳴けテンパイ。

上田

五万五万五万七万七万七万二索二索五筒六筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き

中村、平野はオリ気配があり、藤井からはドラが見えてなかっただけに、オリる選択肢もあったかと思うが、藤井はリードのあるうちに勝負。
七万の大明カン後、七筒も勝負し、12,000の放銃。

東3局 ドラ四索

平野がドラこそないものの、高め三色のリーチ。

平野

一万二万三万五万六万三索三索五索六索七索五筒六筒七筒  リーチ

藤井も連荘狙いで仕掛けを入れるが、これが裏目になり、平野が2,000・4,000。

南3局 ドラ南

藤井が初打にドラを切ると、2巡目もドラの南をツモ切り。
すぐにリーチを打つが、中村、上田に押し切られ、3人テンパイでの流局。
藤井はまだ十分にリードがあるのだが、12,000の放銃から精神状態が不安定になり、迷いや焦りが出てきているように見える。

中村は大きなアガリこそないのだが要所でのアガリが続き、オーラスもヤミテンのピンフドラ1をアガリ、連続トップ。
藤井が大きなラスをとったためまだポイント差があるが、他3者にとっては嬉しい並びとなった。

2回戦成績
中村+20.4P 上田+16.2P 平野▲8.2P 藤井▲28.4P

2回戦終了時トータル
藤井+131.8P 上田+98.9P 中村+70.7P 平野+60.0P

 

 

3回戦 起家から 上田・中村・藤井・平野

東1局は藤井が400・700。
東2局は上田が藤井から1000点のアガリ。

東3局 ドラ二筒

平野

三万五万二索三索四索四索五索二筒二筒三筒四筒七筒七筒  ツモ六索

理想形はドラを2枚使ったタンピンイーペーコーや、234の三色だが、平野は即リーチ。
場況はマンズがかなり安く、四万がリーチの時点で山に4枚残り。
これが好判断となり、ソウズのホンイツをテンパイしていた中村が四万を掴み、平野が5,200のアガリ。

東4局 ドラ七万

藤井が先制リーチ。

三万四万五万七万八万九万一索二索三索四筒四筒五筒六筒

平野がすぐに追いつき、追いかけリーチ。

四万五万六万四索五索六索六索六索二筒三筒三筒四筒四筒  リーチ

上田がマンズのホンイツで仕掛け返しテンパイを入れるが、平野が掴んでいた七筒を喰い下げてオリ。
対局者にはわからなかったことだが、こうなるとチャンスは平野に。
藤井が五筒を掴み、平野が5,800のアガリ。

藤井がヤミテンを選択していればおそらく、上田か中村からすぐに2,000点のアガリで終局していたように思う。
一発裏ドラのない公式ルールにおいて、子方でのピンフドラ1の手をリーチするかしないかは難しいところではある。ツモアガリした時の5,200点は魅力的であるし、相手の手牌進行を遅らせるなどのメリットもあるが、リーチを掛けていなければ出アガリできていたであろう牌が止められるなど、デメリットも小さくない。

特に、今局はトータルラス目の平野の親であり、点数状況的に、ある程度はまっすぐ攻めてくることが予想できる。決して、リーチを掛けることが悪いわけではないが、点数状況や場況、心理状況等を考慮した場合、ヤミテンの方が得策だったように思う。

藤井がこのまま沈むと最終戦、優勝者がわからなくなる点棒状況ではあったが、次局、藤井に勝負手が入る。

5巡目

一万三万四万四万五万七万五索六索一筒二筒三筒七筒八筒  ツモ六筒  ドラ四万

一万七万の選択が難しかったが、次巡のツモが四万
すぐにこれに飛び込んだのが中村。 ピンフドラ3の7,700で、手痛い放銃となった。

南1局
上田がタンヤオドラ1の1,000オール、続く1本場はリーチツモの1,000は1,100オールと連続のツモアガリ。ここから南場は上田の独壇場。

南1局 2本場

五万六万七万八万八万三索四索五索四筒五筒六筒七筒八筒  ツモ六筒  ドラ五索

4,000は4,200オールのアガリ。

南1局 3本場

上田捨て牌 ドラ五万

九万 上向き西九筒 上向き九索 上向き一索 上向き白
南南

南はトイツ落としである。上田の手牌の見えない場所で観戦していたのだが、このリーチはタンヤオピンフ形の、形も十分なのを予想するのは難しくない。

二万三万三万四万五万五万六万七万五索五索三筒四筒五筒  ツモ四万

高めツモで6,000は6,300オール。
2局で藤井を抜き去り、突き放してしまった。

南1局 4本場

中村がタンヤオドラ2のテンパイをしていた藤井からリーチピンフ三色をアガリ、上田の親落としに成功するが、

南2局 ドラ九筒
上田リーチ

一索一索五索六索七索八索九索一筒二筒三筒発発発  リーチ  ツモ四索

1,000・2,000のツモアガリ。
南3局は6巡目にツモ七対子の800・1,600。
南4局は5巡でピンフツモドラ1の700・1,300と上田の連続のアガリ。
7万点越えのトップでトータル首位となる。

3回戦成績
上田+52.0P 平野+7.2P 中村▲27.1P 藤井▲32.1P

3回戦終了時トータル
上田+150.9P 藤井+99.7P 平野+67.2P 中村+43.6P

 

 

4回戦 起家から 藤井・平野・中村・上田
東1局 平野が1枚目の中のポンテンで藤井から1,000点のアガリ。
東2局 藤井がドラを重ね、七対子でリーチ宣言するも、テンパイ打牌が上田の1,300に捕まる。

東3局 ドラ五筒
上田

三万三万六万七万八万四索四索四索五筒五筒六筒六筒七筒

最終戦は終始、局回しに専念するかと思っていたが、上田はリーチを選択。
高めの七筒を一発でツモり、このアガリで勝ちをさらに盤石なものにした。

南2局 ドラ発
上田

一万一万一万二万三万三万四万五万六万七万六索六索六索発

発切りリーチ?三万切りのヤミテン?
上田の選択は三万切りリーチ。
結果は流局となったが、この圧倒的な攻撃力こそが上田の強み。

南4局 ドラ九索
藤井20,300 平野21,000 中村33,700 上田45,000

上田、藤井のトータル着順はほぼ変わらないが、平野、中村のトータルポイント差はわずかに2.9P平野が上。
平野は3位でも昇級権があるため、なんとかテンパイまでもちこみ1人テンパイで流局。

4回戦成績
上田+22.0P 中村+6.7P 平野▲10.0P 藤井▲18.7P

最終戦終了時
上田+172.9P 藤井+81.0P 平野+57.2P 中村+50.3P

十段戦でも活躍した上田だが、本場所の鳳凰戦ではポイントを大きくマイナスしたため、昇級権利はなくなり、C3残留。
2位の藤井はD3からC1へ、3位の平野はD1からC2へ昇級となる。