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特別昇級リーグ 決勝観戦記

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第27期特別昇級リーグ 決勝レポート 阿久津 翔太

2020/02/06
執筆:阿久津 翔太


鳳凰位決定戦が行われている中、若手麻雀プロにとってとてつもなく熱い戦いである特別昇級リーグの決勝戦が行われた。
鳳凰位になるには、A1リーグまで昇級しなければならず、その道のりは果てしなく長い道のりであるが、それをジャンプアップできるのがこの特別昇級リーグである。
主に、リーグ戦での上位の昇級や、タイトル戦で決勝に残るなどの活躍をした選手に資格が与えられ、1位になるとB2リーグ、2位になるとC1リーグ、3位になるとC2リーグに昇級できる。
ただし、今回は暫定首位である今泉がリーグ戦でマイナスし、特別昇級の権利を失ってしまったが、優勝すれば来期の特別昇級リーグに参加する権利が得られるので、優勝して来期に望みを繋げたいところである。

今回決勝に残ったのは以下の5名である。※カッコ内は所属リーグ

今泉誠一  +210.0P (C2)
瀬下勝也  +145.3 P (D1→C3)
松田彩花  +81.5P (D2)
宮崎皓之介 +73.9P (C1)
浜野太陽  +70.8P (D2)

瀬下は優勝を目指しつつ、状況次第で2位死守。宮崎は、C1リーグにいるため優勝以外昇級できないので優勝を目指したい。松田、浜野は3位を狙いつつ大きくプラスしたら2位以上を狙いたい。

 

【1回戦】(起家から宮崎・瀬下・松田・浜野)
流局と安手でゆっくりと局が進む中、宮崎が仕掛けを駆使して点数を稼いでいく。

東3局に瀬下がドラトイツの3面張リーチをかけてツモり、2,000・3,900のアガリ。

・東4局 ドラ五筒
親番の浜野が好配牌をもらって、3巡目で以下の形に。

二万三万四万五万五万五万七万五索七索一筒一筒四筒五筒  ツモ六索

七万を切ってのリーチがシンプルだが、浜野はまだ3巡目ということで打一筒を選択。
たしかにここは満貫クラスが欲しいところである。

同巡、ここまでかなり厳しい手牌続きだった松田も勝負手に。

四索八索八索八索二筒三筒四筒五筒六筒六筒白白白

優秀なくっつきの1シャンテンだが、先にテンパイしたのは浜野。

二万三万四万五万五万五万六万七万五索六索七索四筒五筒  リーチ

テンパイ外しからリーチが打てて、後はアガれるかどうか...と思ったのも束の間。
すぐに松田にもテンパイが入るが、持ってきたのは七筒

四索六筒も両無筋だが、後の変化と、リーチ宣言牌が八筒であること(浮き牌で持っていた)を加味して打四索
引いた牌次第では六筒が出るかもしれない...と思っていたらそのまま松田が六筒をツモって1,300・2,600のアガリに。

さっきまで熱に満ちていた浜野の目は、すぐそこにあるが手の届かない六筒を見つめていた。

・南1局 ドラ二万
南家の瀬下に好配牌。

二万二万三万五万八万八万五索八索八索三筒五筒八筒南南

2巡目でダブ南をポンして満貫に向かって一直線。
だが、先にテンパイしたのは8巡目に宮崎。

一万二万三万四万五万六万五索六索六筒七筒八筒白白  リーチ

瀬下もすぐに追いつく。

二万二万三万四万五万六万八索八索一筒三筒  ポン南南南  ツモ八索

宮崎の河に九万があるので六万をプッシュ。
浜野、松田もそこそこ整った手が入っていたが、さすがに危険な状況でやむなくオリに。
宮崎と瀬下の勝負となり、11巡目に宮崎が四索をツモって2,000オールのアガリ。

南1局1本場は松田がヤミテンを入れて、9巡目に浜野から1,000は1,300のアガリ。

・南2局 ドラ七索
親番の瀬下が第一打に一索を切ったものの、ソウズが伸びてホンイツへ。

12巡目に南をポンして、

四索五索五索六索六索七索八索北中中  ポン南南南

この1シャンテンに。
宮崎がすかさずカン四万をチー。

三索四索二筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒六筒  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き

15巡目で瀬下が八索を引いて、中八索待ちのテンパイを入れる。
宮崎が中を引いてツモ切り。瀬下への12,000の放銃となった。

最終手出しが北であること、第一打が一索であること、これらを加味すると中を止めるのは難しい。
しかし、地道に加点してきた宮崎にとっては大きな痛手となってしまった。

・南2局1本場 ドラ四筒
親番の連荘力を意識しているという瀬下が7巡目に先制リーチを打つ。

九万九万二索二索三索三索四索四索五索六索七索三筒五筒  リーチ

すぐに四筒をツモって、3,900は4,000オールの大きい追加点を決める。
抜け番の今泉の心拍数が上がる...

・南2局2本場 ドラ白
松田が2巡目に早くもテンパイ。

一万二万三万七万八万八万八万九万二筒三筒四筒五筒七筒

次巡五筒を引いて七筒を切るも、ここからなかなか変化せず、その間に瀬下が発をポン。
11巡目でようやく松田が九万を引いて打八万で役有りに。
その後、瀬下の手牌が以下の形に。

四万四万四万五万五万六万九万九万五筒六筒白  ポン発発発

ここから瀬下はドラの白を切り、その白を浜野がポンするも、瀬下が九万ポン打六万でテンパイし、七筒をツモって700は900オールのアガリでさらに連荘。

・南3局3本場 ドラ六万
この局も瀬下は積極的に前に出ていき、11巡目でこの手牌。

二万三万四万六万八万八万二筒三筒四筒八筒九筒  ポン東東東

ドラの六万を切ってペン七筒のテンパイ。この六万を松田がチー。

五万五万五万六万六万四索三筒五筒六筒六筒  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き

四索を重ねて打三筒
四筒をチーしてテンパイ。

五万五万五万六万六万四索四索  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き

どちらも自分から1枚ずつ見えていて苦しい待ちだが、今までの我慢が報われるかのような四索ツモで2,000・3,900は2,300・4,200のアガリに。

・南3局 ドラ七万
宮崎が3巡目でドラを暗刻にしてリーチをかける。

二万三万四万七万七万七万三索三索七索九索六筒七筒八筒  リーチ

あまりにも早い勝負手。

自分が一番早いと思っていたらリーチが来てしまった浜野。

二万三万五万五万三索四索五索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒

当然ペン七索を落としていき、宮崎への8,000の放銃に。
浜野はこの半荘あまりにも苦しく、3,400点まで点棒を減らしてしまった。
しかし、オーラスの親番を迎えた浜野の目はまだ死んではいなかった。

・南4局 ドラ東
親番の浜野が3巡目で以下の形に。

三万五万六万七万三索五索七索八索九索一筒一筒三筒四筒五筒

足止めリーチに逃げはしない。浜野は自分を信じて打六万
瀬下が二索を二連打していて、カン四索がほんのちょっぴり良いこと、31,400点持ちの松田に対して、流局だと条件を押し付けられないが、3,900オールをツモれば一応浮くための条件を押し付けられること。
この2つが浜野の背中を後押しし、魂の一打に応えるように10巡目に四索を引いてリーチ。

おそらくプロになった当時の浜野はテンパイしてすぐにリーチをしていたと思う。
公式ルールをたくさん打ち、研究して、迷いながら今の麻雀になった。

「見ててくれ...これが進化した俺の麻雀だ...」

リーチ発声にそんな思いが込められているような気がしてならなかった。

13巡目、浜野はそっと四万を手元に置いた。
東場での悔しさを晴らす、3,900オール。

南4局1本場は宮崎がドラドラの先制リーチ。
安全牌が無くなった松田が5,200は5,500の放銃となった。

1回戦結果
瀬下:+37.0P 宮崎:▲3.1P 松田:▲11.0P 浜野:▲22.9P

トータル
今泉:+210.0P 瀬下:+182.3P 宮崎:+70.8P 松田:+70.5P 浜野:+47.9P

瀬下が今泉に大きく迫る。浜野はラスを引いてしまったものの、3,900オールをアガったのが大きく、差はそこまで開かずに済んだ。

 

 

【2回戦】(起家から今泉・浜野・松田・宮崎)
・東1局 ドラ三筒
松田が序盤に2フーロでテンパイを入れる。

四万四万二索二索中中中  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き

ドラがトイツの宮崎は果敢に役牌を押していく。
だがこの男も黙っていない。10巡目に今泉がテンパイ。

五万五万五万一索三索四索五索五索六索七索八索九索八筒八筒

五索を切って一気通貫のリーチに。

松田が八万を加カンし、宮崎も追いついてリーチに。

三索四索六索七索八索三筒三筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  リーチ

いきなり全員の勝負手が激突。

軍配が上がったのは松田。
二索をツモって、1,600・3,200のアガリとなった。

・東2局 ドラ六筒
序盤で親番の浜野が中を暗カン。

公式ルールにおいて役牌の暗カンはかなり迫力がある。
6巡目で宮崎がテンパイ。

二万三万四万六万七万八万五索六索七索三筒四筒四筒東東

二筒五筒が2枚見えていて、宮崎は三筒を切ってのリーチを選択した。
親の中カンは怖いが、ポイント状況的にヤミにしている余裕も無い。
このリーチに対しうまくまわってテンパイを入れたのが今泉。

四万五万二索三索四索六索七索八索五筒六筒七筒七筒七筒

六万が宮崎の現物でヤミに。そして親番の浜野もまたヤミテンを入れる。

三万四万五万二索三索六筒六筒八筒八筒八筒  暗カン牌の背中中牌の背

またしても手がぶつかりあったなか、アガったのは宮崎。

東をツモって1,000・2,000のアガリ。

東3局は浜野2フーロしてホンイツのテンパイ。すぐに1,000・2,000のツモとなった。

・東4局 ドラ三万
この局も浜野は軽快に仕掛けていく。

一万三万五万六万七筒八筒東  ポン南南南  ポン発発発

ここに二万を引いて打七筒としホンイツへ。
しかし、最初にテンパイしたのは配牌で789の三色が完成していた松田。

二万三万四万七万八万九万二索七索八索九索七筒八筒九筒

一筒を引いて一筒待ちに。
浜野は五万を引いて五万をポンして打六万とし、東待ちのテンパイに。
すぐに東をツモって、2,000・4,000のアガリに。

・南1局 ドラ二万
ここまで手は作れているも、アガリに辿りつけてない今泉の親番。
配牌からトイツであった発をスルーしてリーチに辿り着く。

三索三索三索六索七索八索一筒二筒三筒八筒八筒発発  リーチ

手詰まった浜野から発が出て3,900のアガリに。
落ち着いた発スルーが光った。

・南1局1本場 ドラ六筒
3巡目に浜野がテンパイ。

二万三万四万六万七万八万一索二索三筒五筒六筒七筒八筒八筒

浜野は一索を切ってテンパイを外す。

五万を引いて打二索五索を引いて三筒

どんどん形は良くなるが、そうこうしているうちに全員が1シャンテンに。
最初にテンパイしたのは親番の今泉。

二万三万四万四万五万六万二索三索四索七索七索七筒八筒  リーチ

浜野も追いつく。

二万三万四万五万六万七万三索五索五筒六筒七筒八筒八筒

四索が今泉の現物でヤミを選択。
すぐに浜野が四索をツモって1,000・2,000は1,100・2,100。

・南2局 ドラ九万
1回戦とは変わって調子の良い浜野の親番。

そんな浜野にあっさりと6巡目リーチが入る。

一万二万三万四万五万九万九万三索四索五索七筒七筒七筒  リーチ

七筒を暗カンし、三万をツモって4,000オールのアガリに。
1回戦のマイナスを取り返した。

南2局1本場 ドラ九万
親番浜野に好配牌。

一万二万三万六万二索三索七索八索九索一筒三筒北発発

チャンタ三色の1シャンテン。打北
3巡目に五万を引いてツモ切り。リャンメン落としを見せることに。

それを見た松田は、安全牌を抱えるか少考するが、強気に安全牌を切っていく。
その強気に呼応するかのようにスイスイと手牌が進んでいき、ピンフのテンパイを入れるが、ここでドラをトイツにしていた浜野が九万をポン。

一万二万三万二索三索七索八索九索発発  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

さらに発を引いて三索を切るが、これが松田への1,000は1,300の放銃となった。

・南3局 ドラ七万
9巡目に松田が先制リーチ。

二万二万九万九万九万四索五索六索七索八索九索三筒三筒  リーチ

五万を先に切っていて、リーチ宣言牌が六筒なのでどちらも引っかかっている。
序盤で中を仕掛けていた浜野に勝負手が入る。

一万一万二万三万三万四万四万五万六万七万  ポン中中中

しかし、またしても松田が浜野の勝負手をかわす。
今泉から2,000のアガリ。

南3局1本場は松田がリーチをかけ、今泉のリーチと浜野の仕掛けをかわし、今泉から2,000は2,300をアガってさらに連荘。

・南3局2本場 ドラ南
浜野が自風の北をポンして中盤にテンパイを入れる。

三万四万一索二索三索五索五索  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン北北北

そして浜野がツモ切ったドラの南を親番の松田がポン。
さらに南を加カンしてついに浜野に追いつく。

六万六万一筒二筒三筒五筒六筒  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き  加カン南南南南

一歩も引かなかった浜野が松田から1,000は1,600のアガリ。

・南4局 ドラ五万
ここまで耐えてきた宮崎に親番で好配牌が来るも、最初にリーチしたのは浜野。

四万五万六万三索四索五索五索六索七索二筒二筒六筒七筒  リーチ

宮崎も必死に食らいつきテンパイを入れるが、浜野に7,700の放銃となってしまった。

2回戦結果
浜野:+37.8P 松田:+7.3P 宮崎:▲20.4P 今泉:▲24.7P

トータル
今泉:+185.3P 瀬下:+182.3P 浜野:+85.7P 松田:+77.8P 宮崎:+50.4P

1回戦苦しんだ浜野がトータル3位に。

 

 

【3回戦】(起家から瀬下・宮崎・今泉・浜野)
東1局はドラの中が暗刻の浜野が2つ鳴いて宮崎から7,700のアガリ。
東2局は瀬下が先制リーチを打ち、宮崎から3,200のアガリ。

・東3局ドラ中
まずは宮崎が2フーロでテンパイを入れる。

二索三索四索四筒四筒四筒五筒  チー五索 左向き四索 上向き六索 上向き  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き

しかし、親番の今泉も追いついてリーチに。

三万四万四万五万五万五索六索七索七筒七筒八筒八筒八筒  リーチ

リーチ宣言牌のドラの中を瀬下がポンしてテンパイ。

一万一万三万四万五万四索五索六索七索八索  ポン中中中

瀬下が六万で今泉に3,900の放銃。

・東3局1本場 ドラ八万
最初にテンパイしたのは浜野。

六万七万七万八万八万九万六索七索八索八索五筒六筒七筒

直前に八索が切られていて、より良い待ちを探すことに。
1枚切れの字牌も3種あり、それらを引いてもリーチするだろう。

7巡目に宮崎が動く。

三万三万一索一索三索五索五索五索二筒三筒四筒中中

ここから一索をポンして中バックのテンパイ。
これを見た浜野はツモ切りリーチをするも、すぐに宮崎が中をツモって400・700は500・800のアガリに。
宮崎の状況判断が光った。

・東4局 ドラ七索
2回戦では落ち着いた打ち回しを見せた今泉が、この局は積極的に3フーロ。

五索五索九筒九筒  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き  ポン中中中

ここに浜野が追いつく。

二万三万四万七万七万四索五索三筒四筒五筒  暗カン牌の背六筒 上向き六筒 上向き牌の背  リーチ

さらにすぐ宮崎もリーチ。

二万三万四万二索三索四索八索九索二筒三筒四筒九筒九筒  リーチ

一瞬テンパイを入れた瀬下がオリ、今泉はドラの七索を引いてノーチャンスの打九筒
浜野、宮崎の2人テンパイで流局。

・東4局1本場 供託2 ドラ三万
最初にテンパイしたのは今泉。

一万二万三万二索二索四索五索三筒四筒五筒  ポン東東東

供託を回収できれば大きいが、ここに宮崎が追いついてリーチ。

二万三万四万五万六万七索八索九索一筒二筒三筒西西  リーチ

瀬下も仕掛けてテンパイを入れるが四万を掴んでオリに。

事前インタビューで、大胆に攻め、丁寧にオリたいと語っていた瀬下。
1回戦では大胆な攻めで大きく加点したが、ここでは丁寧な守りで失点を抑える。

宮崎が七万をツモって、1,000・2,000は1,200・2,200のアガリ。

南1局 ドラ三筒
宮崎が七対子の1シャンテンから上手くメンツ手に渡ってリーチ。

四万四万四万四索五索六索八索八索六筒七筒七筒八筒八筒  リーチ

六筒をツモって2,000・3,900のアガリに。
丁寧な手順で大きなアガリをものにした。

南2局 ドラ二筒
浜野がピンズ、瀬下がマンズに染めている中、今泉がリーチ。

三万三万一索一索三索三索五索五索八索八索九索六筒六筒  リーチ

しかし、瀬下が1,300・2,600をアガリきる。

六万七万九万九万九万北北中中中  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  ツモ五万

南3局は再び、浜野のホンイツが再び炸裂。
2,000・4,000のツモアガリで大きくリード。

南4局は、今泉のリーチに瀬下がギリギリまで粘るも押しきれず、今泉の1人テンパイで終局。

3回戦結果
浜野:+16.3P 宮崎:+5.0P 瀬下:▲8.5P 今泉:▲13.8P

トータル
瀬下:+173.8 今泉:+171.5P 浜野:+102.0P 松田:77.8P 宮崎:+55.4P

ついに瀬下が今泉を逆転した。

 

 

【4回戦】(起家から浜野・瀬下・松田・今泉)
流局を挟みながら進んでいき、大きく動いたのが東4局。

東4局1本場 ドラ九万
瀬下が中盤でかなりの勝負手に。

一万三万九万九万一筒二筒三筒八筒九筒九筒中中中

カン二万をチーして打九筒とし、ペン七筒のテンパイ。
ここに松田が7,700は,8000の放銃。
対局後、戒め日記と書かれた松田のnoteにはこの放銃が取り上げられていた。

おそらく1回戦に同じ状況になったら松田は七筒を切らなかったと思う。
自分の人生を変えることになるかもしれないこの戦いで、ずっと我慢の展開が続き、じわじわと離されていく差を感じ、その焦りがこの1牌を打ち出してしまったのだと思う。
プレッシャーの恐ろしさが結果に出た1局となった。

南1局は親番の浜野が打点にかなりこだわり、3,900オールの大きなアガリをものにする。

南1局1本場 ドラ二索
11巡目で2つ仕掛けた瀬下がテンパイ。

三索四索五索六索七索九索九索  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  ポン中中中

松田も追いつき、リーチをかける。

五万六万七万八万八万八万二索三索五索六索七索六筒六筒  リーチ

瀬下が五索をツモって2,000・3,900は2,100・4,000のアガリ。

南2局は浜野のリャンメンターツ落としに対応して、役無しのヤミテンを入れていた今泉が300・500のツモ。

南3局 ドラ南
浜野が一索ポンから仕掛け、そこに対し親番の松田はドラの南を切り、手を進めていく。
もうこの親番は落とせない...そんな思いが通じ、15巡目にリーチ。

六万六万七万七万八万八万四索五索五索六索七索二筒二筒  リーチ

巡目は遅いが場況が良く、三索六索は山に4枚。
しかし、残り3回のツモでそのチャンスを掴むことはできず、1人テンパイで流局。

南3局1本場 供託1 ドラ一索
前局は勝負手が空振りに終わった松田の配牌。

四万一索一索一索四索四索五索六索八索一筒一筒四筒北北

配牌でドラが暗刻。今度こそものにしたい。
高鳴る心臓の鼓動を抑えるようにゆっくりと八索を切った。

松田は2枚目の北をポンして、ホンイツへ路線変更。
これが上手くいき、2フーロして2枚切れの東タンキのテンパイを入れる。

一索一索一索四索五索六索東  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き  ポン北北北

さらに六索を引いて打東三索六索待ちに。
しかし、その前からテンパイを入れていた浜野が同じくテンパイを入れた瀬下から1,300は1,600をアガる。

手役作りに命をかけているという松田。
この2局はそんな松田が魂で作り上げた大きなチャンスだったが、あと一歩...アガリには届かなかった。

南4局は親番の今泉がヤミテンを入れ、浜野から3,900のアガリ。

南4局1本場は浜野が仕掛けて松田から1,000は1,300をアガって終局。

4回戦結果
瀬下:+17.8P 浜野:+9.2P 今泉:+3.3P 松田:▲30.3P

トータル
瀬下:+191.6P 今泉:+174.8P 浜野:+111.2P 宮崎:+55.4P 松田:+47.5P

 

 

【5回戦】(起家から今泉・宮崎・松田・瀬下)
東場は小さいアガリと流局で進んでいき、あっという間に南場へ。

勝負が動いたのは南1局2本場 供託3 ドラ三索
中盤で瀬下がドラ暗刻のヤミテンを入れる。

三索三索三索六索七索八索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒

アガれば優勝はほぼ確定するといっても過言ではない。
しかし、そこに宮崎が追いつく。

二万二万二万六万七万八万六索七索二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ

瀬下にやってきたのは二筒
当然3面張変化で打八索としたが、これが宮崎へ8,000は8,600の放銃となってしまった。
ここまでいくつもの勝負手を決めてきた瀬下だったが最後に試練が訪れる。

・南2局 ドラ一筒
7巡目で親番の宮崎がリーチ。

二万三万四万八万八万八万六索七索八索四筒五筒七筒七筒  リーチ

松田がテンパイ。

五万三索四索五索六索八索一筒二筒三筒三筒三筒三筒六筒六筒

無筋の五万を押してヤミに。
瀬下も続けてテンパイ。

一万二万三万四索四索一筒二筒四筒五筒六筒  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き

松田、六筒を引いて八索切りリーチ。2人の欲しい三筒六筒を使い切った。
数巡後、松田は三索をツモって1,300・2,600のアガリとなった。

三索四索五索六索一筒二筒三筒三筒三筒三筒六筒六筒六筒  ツモ三索

南3局は親番の松田が先制リーチを入れ、1,000オールのツモアガリ。

南3局1本場 ドラ三筒
親番の松田が6巡目にまたも先制リーチ。

三万四万四万五万五万六万七索八索三筒三筒三筒八筒八筒  リーチ

六索をツモれば6,000は6,100オールの超勝負手。
しかし、今泉が粘る。

一万二万五万六万四索五索五索六索六索七索九筒九筒九筒  ツモ西

10巡目で生牌の西を引いた今泉は現物の打一万
そして次巡で七万を引き、西を押して二万タンキのテンパイを取った。
次の今泉のツモは二万。400・700は500・800のアガリとなった。

松田は4回戦で苦しい思いをしてなお、またこの5回戦でも苦汁を飲む展開となってしまった。
麻雀という競技の残酷さに内心泣き崩れていたかもしれない。

それぞれが様々な思いを抱え、ついに最終戦のオーラスを迎える。

・南4局 ドラ中
現状、瀬下は今泉まで2.7P必要で、親番でアガリやめがないことを考えると、できるだけポイント差をつけて、どこかでノーテンで伏せる必要がある。

つまり、実質で最低でも6.7P差分を稼ぐ必要がある。
今泉は当然、アガれば優勝。

先にテンパイを入れたのは今泉。

五万六万七万四索四索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒七筒

次巡の瀬下の手牌が以下の形。

二万二万四万四万五万六索七索一筒三筒四筒五筒六筒六筒  ツモ五筒

2枚切れの打四万。テンパイまではまだ時間がかかりそうだが追いつけるか...

ツモ三万、打一筒
ポン二万、打五筒でついに追いつく。

三万四万五万六索七索三筒四筒五筒六筒六筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き

そこに瀬下は六索を引いて手が止まる。

安全度では七索のほうが安全である。
しかし、瀬下は自身のコンセプトである大胆な攻めを貫き、六索のツモ切りを選択。

今泉のアガリで優勝が決まった。

5回戦結果
宮崎:+18.6P 松田:+9.9P 今泉:+1.0P 瀬下:▲29.5P

トータル
今泉:+175.8P 瀬下:+162.1P  浜野:+111.2P 宮崎:+74.0P 松田:+57.4P

優勝した今泉はリーグ戦でマイナスしたため特別昇級することはできないが、来期また特別昇級リーグに出場する権利を獲得した。
2位の瀬下はC1リーグに昇級、3位の浜野はC2リーグに昇級した。

それぞれ様々な思いが残った特別昇級リーグだったが、やはりこういう場での戦いはいろんな思いが激突し、いろんなドラマが誕生する。
今日戦った5人がこれからどう活躍していくか、来年の特別昇級リーグは誰が勝ち残るのか。

これから生まれるドラマを楽しみにせずにはいられない。