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プロ雀士インタビュー

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第116回:櫻井 秀樹 インタビュアー:西岡 慎泰
「麻雀プロ全員がライバル・・・」

2014/11/27
インタビュアー:西岡 慎泰


西岡「インタビュー僕なんかで良かったんですか?」

櫻井「同い年だし、対局ずっと見てくれたからね。」

西岡「え…ええ、櫻井さんの良いところも微妙なところも精一杯書きます。」

(リアルタイムで観戦したのが最終日だけなのは、とりあえず黙っていよう。【汗】)

『十段位』
日本プロ麻雀連盟の一員である私からは非常に重く、また遠い響きだ。
今回は、先日第31期十段位を獲得した櫻井秀樹プロのインタビューです。
インタビュアーは私、西岡慎泰が努めます。

西岡「面と向かって言うのは初めてですね。十段位おめでとうございます。」

櫻井「ありがとう。精神面で揺れずに打てたのが良かったよ。」

西岡「そうですか~?最終戦6,000オールで瀬戸熊さんに離された時は、心折れたような表情でしたよ。」

櫻井「瀬戸熊さんの表情には勝てないよ。ホントいい顔するよね瀬戸熊さんは。」

(早速だが、この話の流れで最終戦の話を聞こう)

西岡「東1局2本場、順位状況がなければ、鳴かない可能性も高い櫻井さんの中ポンで、すぐに瀬戸熊さんがテンパイ、間もなく6,000オールでしたが、失敗した感覚はありませんでした?」

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櫻井「局を進めるのが基本的に自分1人だから、普段鳴かない牌を鳴くのも手段としてはアリだと思った。結果6,000オールになっても仕方ないかなって。でも手牌が開かれた瞬間は、そんなに点数高いのかよ!って思ったよ。」

西岡「僕だったらもう半泣きになってそうです。ここ一番で何てことしたんだよ俺~みたいな。そこが精神力の違いでしょうね。そして東4局の親番では、ドラの八万単騎をツモって3,900オールで再逆転、完全にドヤ顔してましたよ。って言うか、顔を撮る気満々のカメラワークでしたよね。最後の1巡、ツモってもツモらなくても良い絵になるぞ~みたいな。」

櫻井「ウソだ?ドヤ顔なんかしてないって。そうそう、タイムシフトで見たけど確かに顔は狙われてたよね。」

(どうしても最終戦の話になってしまうので、他の局も聞かないと)

西岡「11回戦東4局の親番で、カン五索をツモった2,600オールも会心のアガリだったと思いますが、やっぱり感触ありました?瀬戸熊さんも櫻井さんも、自然な手順でテンパイ即リーチ、ただ瀬戸熊さんは配牌から持っているドラが使い切れませんでしたけどね。」

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櫻井「イメージ通りのテンパイだから、ノータイムでリーチできた。実は、これ引けたら勝てるかもって過ったと思う。それより、さっきから高い手をアガった局ばっかり聞いてるけど、本来のスタイルで戦えた理想的な半荘は4回戦目なんだけど。」

西岡「4回戦って1日目最後の半荘ですよね。どうなりましたっけ?」

櫻井「オーラス瀬戸さんが、高めイーペーコーで柴田さんから2,600アガってトップになった半荘。」

西岡「いまいち覚えてないです。。。(実はリアルタイムで観戦していないから記憶が薄い)櫻井さんは何アガリましたっけ?」

櫻井「鳴いて1,000点とか2回アガっただけだよ。」(実際には300・500と1,300)

西岡「それなのに本来のスタイルなんですか??しかもトップじゃないし。」

櫻井「仕掛けの選択肢がある手は好きだし、点数的に接戦だと集中力が高まる気がするんだよね。大トップの時とかに、真っ直ぐ手を進めて8,000点放銃したら、冷静に打ってれば回避できた余計な放銃だと感じる事がある。放銃してもトップだからって、余計に8ポイント減らしちゃダメじゃん。あの半荘は勝負手といえるものが全然入らなかったのに、軽い手だけでもしっかりアガって失点は少なく、結果プラスできたのが相当デカい。」

西岡「確か、鳴いてオリた局もありましたよね。」(南2局)

櫻井「仕掛けていても守備は考える方だと思うよ。」

(あとは心境について聞こうかな)

西岡「最終日まではどんな気持ちで迎えてました?常に優勝が見える位置でしたが。」

櫻井「2日目から最終日までの1週間はしんどかった。毎日十段戦の夢を見たよ。でも、最終日の朝はスッキリしてたな~。今日は勝てそうだなって、まぁいつもの感じ。」(笑

西岡「例の調子乗りキャラですね。実際終わった瞬間はどうでしたか?」

櫻井「月並みな回答になるけど、ホッとした以外の言葉が当てはまらないなぁ。ただ、対局の最中は不思議にも辛いとか熱いといった感情は終始湧いてこなかったね。」

西岡「確かに、麻雀も感情的になった面はなかったように見えました。その冷静さがいい方向に働いて結果に繋がったんでしょうね。」

この辺りで少し話を止め食事にする。
櫻井プロと食事する時は、賑やかな店でビールといったケースが多く、洒落た焼肉屋へ一緒に来たのは初めてだ。
まぁ、ここでもビールは2人とも変わらずだが。

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西岡「そろそろ櫻井ファンのために、十段戦以外の話も聞かせてもらおうと思うのですが。」

櫻井「実はリレーエッセィも同時期にアップされる予定でさ、内容被らないように頼むね。」

西岡「じゃあ、こっちでは簡単な質問攻めだけにします。最近ハマっている事は何ですか?」

櫻井「子供と遊ぶ事だよ。休日はだいたい一緒に遊んでる。」

西岡「連盟チャンネルの番組でも、パパキャラが定着しつつありますよね。僕も子供ができたら見習いたいです。じゃあ、ライバルと思う麻雀プロはいますか?」

櫻井「麻雀プロ全員がライバルかな。」

西岡「え~模範解答とかじゃなくて、本当のところお願いしますよ!!」

櫻井「他でも言ってるしホントに思ってるよ。麻雀プロなら全員タイトル獲れる可能性あるし、自分が対局する可能性もあるから。」

西岡「分かりました、そういう事にしておきますよ~。仕事に家族にと大忙しですが、麻雀はどれくらい打っていますか?」

櫻井「だいたい月に200半荘くらいかな~。ほぼ毎日打ってるよ。」

西岡「いつ寝てるんですか?って思いますよ。最後にファンの方にメッセージをお願いします。」

櫻井「皆さんの応援していたプロに勝ってしまいゴメンなさい。でも、この結果も麻雀ですから。これから1年間は今まで以上に鍛えて、来年は圧勝するのでよろしくお願いします!!」

(櫻井ファンへのメッセージのつもりだったんだけど、例の調子乗りキャラをやらせてあげよう)

櫻井プロは番組等ではこんな感じだが、普段は謙虚で周囲にも気を配れる人だ。
私の考えでは、これらの発言は自分を鼓舞するもので、良い興奮状態で戦えるようにしたり自分を追い込んだりするものではないかと思える。

西岡「ありがとうございました。今日は、帰って麻雀か子供さんと寝るかどちらかですか?」

櫻井「実は明日、子供の運動会なんだよね。でも何処か遊びに行くならいいよ。」

そんな言葉が出てくるとは、本当にタフという言葉がピッタリだ。

順序が逆になってしまったが、私と櫻井プロとは連盟行事の運営等、裏方の仕事を一緒にする事が多々あり、今のように仲良く話せるようになった。
私より以前からそういった仕事をこなしていた櫻井プロは、今でも生放送で“麻雀マシーン1号”(以前出ていたTV番組での黒子役)とコメントをもらう事がある。
ただし、今後は“十段位”のコメントの方が圧倒的に多くなるのは間違いない。

麻雀プロとして活躍できるチャンスも圧倒的に増え、十段位として今以上に魅力的な麻雀が要求されるかもしれない。
麻雀に家族に、これからもっと大忙しになるけれど、持ち前のタフさで全てHAPPYにしちゃって下さい!!

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