文字サイズを小さくする 文字サイズを元に戻す 文字サイズを大きくする

プロ雀士インタビュー

一覧

第135回:プロ雀士インタビュー 前田 直哉  インタビュアー:山脇 千文美
「麻雀が一番強いのは、誰だ!!!!!」

2016/01/21
インタビュアー:山脇 千文美


 

「麻雀が一番強いのは、誰だ!!!!!」

麻雀最強戦2015ファイナルが、先日12月15日に行われた。
私は最強戦ガールズ2015東日本担当として、予選1回戦から決勝戦までの全5試合を、スタジオ内で観戦した。
麻雀の試合を観て、涙が出そうになったのは初めてのことだった。

そんな、感動的でドラマチックな、麻雀界最高峰のビッグタイトルを手にしたのは、私の大好きな前田直哉プロ。
そして、私の最強戦ガールズ2015としての最後のお仕事が、この、前田プロへの優勝インタビューとなる。

前田プロはここ最近たて続けにタイトルを獲っているので、多方面でインタビューを受けており、既に聞かれてしまっている質問も多い。
特に麻雀最強戦関連の記事では、ネット上だけに留まらず、新聞の一面や、近代麻雀の巻頭カラーなどにも取り上げられている。

私だけに聞き出せる何かを、前田プロのまだ知られていない魅力を、少しでも多く、読者の方々に伝えられれば良いなと思う。

12月26日都内某所

山脇「改めまして、麻雀最強戦優勝おめでとうございます。」

前田「ありがとう。あ、写真撮る?酔っぱらう前に!笑」

まだ最初の一杯すらテーブルに運ばれていないのに、いきなり写真撮影。

山脇「ふふふ。なんか証明写真みたいですけど良いですか?」

前田「えー?じゃあ角度つける?」

山脇「お、良いですねぇ!良い感じです!!・・・はい!OKでーす!」

100
100

前田プロは、明るくてノリが良くて、とっても面白い。
コントのような写真撮影会がちょうど終わった頃にビールが運ばれてきたので、乾杯をした。

山脇「前田さん最近よく色んな所でインタビューされてて、もう聞かれちゃってることも多いと思ったので、私、自分のブログで、前田さんに聞いて欲しいことって言うのを募集してきました。色々あったんですけどー、気になったのが、『途中で牌の切り方が変わるのは何でですか?』」

前田「それ俺も見たんだけど、変わってるかな??」

前田プロは、私のブログの記事についた皆からのコメントを見てくれていた。

山脇「うーん。あんまり気にしたことなかったです。なんか、一定のゆっくり目のペースで打っているようなイメージはあります。」

前田「そうそう、それは敢えてそうしてるんだよね。」

山脇「何でですか?」

前田「どうしても考えちゃう時あるでしょ?そう言う時にも常に一定のペースで打牌したいって言うのと、あとは、相手のスピードに合わせるんじゃなくて、自分のペースで打ちたいからかなぁ。」

山脇「なるほどー。・・・前田さん喋るスピード早すぎてメモ追いつかないから、もうメモ取るのやめます。笑」

こんなにマシンガントークなのに、何故、打牌はゆっくりにできるのか、謎である。
ボイスレコーダーで撮った声は、通常再生のはずなのに、コマ送りをして聞いているような速さだった。
私も大概早口な方だが、前田プロはそのはるか上をゆく。

山脇「ワイプで顔を映されてるのって意識してますか?」

前田「あれ油断できないよね。笑 前はツモ番くるまでは少し油断できたけど、最近はいつカメラに抜かれてるか分からないからね。」

山脇「親番は常に油断禁物ですよねー。笑 前田さんって話してみると凄く面白くて表情豊かですけど、あそこに映ってる時は結構無表情と言うか・・・」

前田「淡々と打ってるでしょ?」

山脇「あ、はい。それです。」

前田「麻雀って、打ってる時は、全てが情報になっちゃうから。そう言う情報を相手に与えないためにそうしてる。」

山脇「あと前田さんって姿勢悪いですよね。笑 いや、姿勢が悪いと言うか、こう、斜めになってると言うか?」

前田「あのねー、斜に構えてるんだよね!わざとやってるの。」

山脇「わざとだったんですね!!」

前田「まあ猫背は猫背だけどね。笑 斜めに座ってるのはどうしてかと言うと、後ろのカメラが手牌を映しやすいようにしてる。『あ、今の手が邪魔だったかな。』とか、そう言う余計なことを考えたくないんだよね。麻雀に集中したいから、なるべく映しやすいように、敢えてそうしてるよ。」

山脇「確かに、私、採譜もやることあるんですけど、前田さんの手牌って採りやすいです。麻雀が映像で流れる時代だからこそ、そう言った配慮も大事なことなんですね。」

前田「昔は理牌すらしてなかったけどね。笑」

視聴者に見やすい麻雀を心がけることによって、自分の集中力の妨げになることも排除できるなんて、一石二鳥!

前田「そう言えば山脇さんってファイナルの当日どこにいたの?」

山脇「私はWINS部屋って言う部屋で、【裏】実況解説みたいなのに参加してました。DVDでしか聞けない、副音声での実況、解説です。皆でワイワイ応援しながら、普通に最強戦を楽しんでました。笑」

前田「あー!それ控室の隣の部屋だったから、休憩中に声聞こえてきてたわー。笑 あの部屋にいたんだね。」

山脇「でもそのちょっと騒がしい部屋の隣で、寝てたって聞きましたよ?笑」

予選は全部で4卓。A、B、C、D卓と言う順番で、行われた。歴代の優勝者は、立て続けに試合できるためか、D卓から優勝した人が多いようだ。
前田プロは1番最初のA卓で、かなり早い時間に決勝進出を決め、空き時間が5時間以上あった。

前田「うん。1回戦終わった後に時間が結構空くから、寝てた。散歩とかもしたしねー。B卓は全部観たんだけどね。凄い面白い戦いだったから、力入ってぐったりしちゃって、このままC、Dって観てたら決勝の体力持たないなって思って外に出たよ。」

山脇「外に出てどこ行ったんですか?」

前田「あんまり遠く行くと呼ばれた時戻って来れないから、本当にスタジオの周り。紅葉の写真とか撮っちゃった。武道館でマッチのコンサートのリハーサルやっててさー。ギンギラギンにさりげなくとか聞こえてきてめっちゃテンションあがったよ。笑」

空き時間の過ごし方も自分なりに考えて、リラックスして過ごせたそうだ。WINS部屋は、リーチやテンパイ、アガリなどがある度に相当盛り上がっていたと思うが、あの部屋の隣室で眠っていたと言うのには驚いた。(うるさい声の主は私です、すいません。笑)

山脇「前田さんって対局の前に麻雀格闘倶楽部の三麻打ってるってよく聞くんですけど、本当に毎回打ってるんですか?」

前田「うん。だいたい打ってるね。三麻しかやらないんだけどね。ロン2もいつも三麻ばっかりやってるから、ゲストの時は四麻に入ることが多いかも。」

山脇「調整みたいな感じなんですね。今回の最強戦の前も、勿論打ったんですか?」

前田「前日、撮影とかで結構時間遅くなっちゃったんだけど、いつも通りの決めている回数を打ったよ。」

山脇「そう言うのって、もし時間無くてできなかった時とかって、『あー・・・昨日、麻雀格闘倶楽部やれなかったから負けちゃったのかなぁ』的な感じになりません?」

前田「そうそうそう。そうなるじゃん。よくさ、ゲン担ぎ的なやつあるじゃん。そう言うの気になる人は、できるだけやっといた方が良い。『あの時やらなかったな。』って1つ考えることがまず、集中力の邪魔になるから。対局と全く関係のない、プライベート的なことでもね。ファイナルの時は、そう言う気持ちの作り方みたいなものは、よくできていた方だと思うよ。」

あの時、道端に落ちていた缶を拾わなかった。あの時、困っていたおばあちゃんを助けなかった。・・・そんな日常の些細な出来事でも、対局中に気になってしまいそうなことは全部終わらせておくそうだ。

山脇「そう言えば今日何してたんですか?」

前田「セット。笑」

山脇「え、セットとかよくやるんですか?」

前田「んーん。全然。ほとんどやらないよ。」

山脇「そうですよね。あんまりイメージがないです。笑 あ、私、持ち物検査やろうかと思ってたんですよねー。それこそちょっとゲン担ぎ的な。『最強位は、こんなものを持ち歩いている!!!君も今日から持ち歩こう!!!』みたいな感じで。」

前田「持ち物かー。特にないな。マスクとタバコくらい。」

山脇「そうなんですねー・・・。ちなみに、それは?」

私は前田プロの横にある大きな紙袋を指さした。

前田「あー、これは貰い物。さっきセットしてたって言ったでしょ?そのメンツの中に、N君って言う連盟員の子がいて。その子の、彼女から。知ってる?N君。」

山脇「あ、はい。知ってますけど・・・彼女から???」

前田「そうそう。応援してくれてるんだよね。その彼女、麻雀プロとかじゃないし、もはや麻雀のルールすら分からないらしいんだけど。でも連盟チャンネルは観るらしくてねー。ただ、俺の麻雀って、そんな感情こもった打牌とかしないし、表情とかも変えないようにしてるし、麻雀全く分からない人が観て何が面白いんだろう・・・笑」

麻雀のルールが全く分からない人のことも、麻雀の対局動画で魅了してしまう前田プロ。
まさに、麻雀のプロフェッショナルである。

山脇「よし!じゃあ最後に!前田さんに聞いて欲しいことシリーズの中から・・・『好きな女流プロは誰ですか?』!!!!!!!」

前田「んー・・・そう言うのはちょっと・・・。」

山脇「まあいいや!私ってことにしておきます!笑」

前田「おい!笑」

山脇「・・・記事できたら一度見せた方が良いですか?」

前田「是非そうして。山脇さんは不安過ぎる。笑」

山脇「ふふふ。」

良い感じに酔っぱらってきたのでこの辺で。

このインタビュー記事がHPにアップされている頃にはもう始まっているかもしれないが、次に私が前田プロと会うのはおそらく鳳凰位戦の決勝戦の時だ。私は採譜係として運営のお手伝いをする。
その時はまた、ワイプに映った、淡々と麻雀を打つ前田プロの姿を観ることになる。
ビール片手に早口で話す、表情豊かな前田プロと同一人物とは到底思えないが、このONとOFFが、本当に魅力的だ。

100
100

第32期鳳凰位決定戦~初日~
1/30 14:00~

前田直哉vs瀬戸熊直樹vs勝又健志vs古川孝次

実況:山井弘
1・2回戦解説:沢崎誠・滝沢和典
3・4回戦解説:荒正義・猿川真寿
牌譜解説:白鳥翔