プロ雀士インタビュー

プロ雀士インタビュー/第83回:中山 奈々美

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編集部「中山奈々美のプロ雀士インタビューをお願いします。」
紺野「『あいよ』って言いたいところだが、中山って『ななみん』とかって呼ばれているあの娘でしょ?絵的に大丈夫?傍から見たら○○○と○○○○(自主規制)みたいに見えないか。」
編集部「逆に面白いかなと思いまして・・」
そりゃ、見ているほうは面白いだろうよ。だけど、こっちはなあ、若い女の子と2人きりなんて・・
編集部「それじゃ、よろしくお願いしまーす。」
紺野「あ、はい・・」
ま、結局断れないんだけどね・・さて、それにしても困ったぞ。
中山とはまともに話したことは無いし、共通の話題なんて見つからない。
どうやってインタビューを成り立たせようか・・
ま、まずは敵情視察だな・・

とある日、仕事終わりに電車に揺られ、その日中山が出勤している店に向かう。
都心から少し外れた駅でおり、特に場所を確認するわけでもなく、ふらふら。気分は途中下車の旅である。
程なくし、目的の店を発見。ドアを開ける。

中山「いらっしゃいませえぇぇ」

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お仕事中の中山奈々美プロ
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麻雀格闘倶楽部対局の合間に

と卓に入っていた中山が迎えてくれた。
店の方に事情を話し、写真を数枚。そして、対局。
ここは先輩としての威厳を掛けて負けられないところ。
東1局に満貫で先制したが、中山も徐々に巻き返し、南1局の中山の親。
先制リーチが入る。数巡後、こちらも役無しドラ3のテンパイで追っかけ。しかし・・
中山「ロン。7,700。」
紺野「あ、はい・・」
威厳は吹き飛ばされた・・・
中山が卓を抜けた後、お客さんが次々にやってくる。この店のゴールデンタイムのようだ。

中山「いらっしゃいませえ。あ、○○さんお久しぶりぃ。」
「あー私に会いにきたんでしょぉ」

と来店する1人1人に声をかける。
その間には各卓回って飲み物聞いたり、声かけたりと、よく気が付き、よく動く。
なるほど、人気が出るのも分かる気がする・・
所と日は変わり、インタビュー当日・・

中山「えー、私ちょっと納得できないです。心外です。」

のっけからちょっとお怒りモードの中山。これは「キャラ」について話し始めた時の1コマ。
中山は大抵「ほんわか」とか「天然」とか表現される。
間違っても「いかつい」とかそのもの「こわい」とか表現される誰かさんとは大違いだ。
中山「私、本当はもっとしっかりしてるんです」
紺野「はあ・・血液型何型?」
中山「A型です(きっぱり)」
紺野「じゃあ何型に見えるって言われる?」
中山「うーん、O型・・」
紺野「なんでか分かる?」
中山「時間にルーズだからですか?」
紺野「その通り(児玉清風)まあ、そう見られるのはしょうがないんじゃないの。でもいいキャラだと思うよ」
中山「ホントですか?紺野さんは何型ですか?」
(テーブル上の空いた皿を重ねて片付ける私・・)
紺野「これ見て分からない?」
中山「あ、A型ですか。でも私そういう片付けとかしたことないや・・」
紺野「だからA型に見られないんじゃないの?」
中山「そっかー(笑)」
紺野「(笑)」
傍から見れば漫才のようだ。この会話だけでも周りの見方は間違ってないだろう・・
さて次は中山のルーツを聞いてみる。
紺野「出身は?」
中山「長野県です。内川さん(内川幸太郎)と同じ。」
紺野「おー、なんか聞いたことある気がする。で、大学行くために上京したの?」
中山「そうです」
紺野「ふーん。で、肝心の麻雀との出会いは?」
中山「私、大学で放送部だったんですよ。」
紺野「へー、まさかアナウンサーとか?」
中山「(笑)まあ、そういう練習も多少はしましたけど、裏方とか番組制作とかに興味があって」
紺野「そこからどうして麻雀に?」
中山「部室に行くと麻雀してるんですよ。(笑)そこで覚えて、覚えるとやりたくなるから麻雀荘でバイトしだして、でも、最初のお店では立ち番メインで打てないからお店変えて、と・・色々なお店を経験して今に至るです」
紺野「大分はしょったな(笑)」
中山「はしょりました(笑)」
話はそのアマチュア時代から、プロ受験の話へ・・
紺野「そういえば、アマチュアの時から麻雀雑誌とかで活動していたよね?」
中山「はい。人づてにこういうのあるからと誘われて、やるようになって、それで新聞のお仕事とかもさせていただいて、結構色々していました。」
紺野「それがなぜプロに?」
中山「この世界でやっていくと決めて、どうせやるならプロになったほうがいいかなと。
最初に誘ってくれた人には反対されましたけど、当時、同じような活動をしていた雪菜ちゃん(白河雪菜)がプロ試験受けるっていうから一緒に受けちゃえって(笑)」

紺野「で、ウチを・・」
中山「はい。プロになるなら連盟って決めてましたから(キッパリ)」
最近の話題へ・・
紺野「最近はどう?そういえば、インターネット麻雀日本選手権のベスト8に残ってるんだって?」
中山「あれ、チョー焦ったんですよ。オーラスの条件計算間に合わなくて。
途中までは把握できてたんですけど、南3局の亜樹さん(二階堂亜樹)の6,000オールでわからなくなっちゃって・・」

紺野「で、南4局は染めにいっちゃったの?」
中山「はい・・満貫アガれば大丈夫だろうと思って・・」
この時、実際の順位点込みのポイントは、
中山が+104で1位、以下二階堂(亜樹)+99、清水+94、藤崎▲299となっており、中山はアガればOKであった。(100点が1ポイント)
紺野「まあこれもいい経験じゃないの。こういうのを1回経験すれば、次はちゃんと出来るようにと練習もするでしょ。
それに勝ち残れたってことはもっと胸を張っていいと思うよ 」
中山「はい。ありがとうございます。ベテランの方達よりはネット麻雀世代だと思いますので、優勝目指して頑張ります。」
紺野「リアルの調子はどうなの?」
中山「リーグ戦はイマイチですね・・・女流桜花も・・・でも、今年のプロクイーンは絶対勝ちたいです」
紺野「なんで?」
中山「去年筒井さん(筒井久美子)に負けたんですよ・・でその筒井さんも勝てはしなかったけど、2日目とかすごかったじゃないですか。
そしたら、負けたことがすごく悔しく感じて・・」

紺野「そういう欲は良いことだと思うよ。後は実現する実力と・・
お、そうすると、今年の秋くらいには中山二冠(インターネット麻雀日本選手権、プロクイーン)とお呼びしなければいけませんな・・」
中山「はい。(笑)その時はまたインタビューをよろしくお願いします」
紺野「(笑)了解。期待しないで待ってるよ」
中山「期待くらいしてください(笑)」
紺野「(笑)」

約2時間、終始和やかで笑いが絶えないインタビューであった。
それは中山の人柄がそうさせるのだろうし、それが中山の魅力なのであろう。

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(このインタビューは2012年6月現在のものです)