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プロ雀士インタビュー

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第26期新人王戦優勝記念インタビュー:嶋村泰之
「主戦場はプロリーグだからね ・・・」

2012/09/30
インタビュアー:飯島 翔


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ある夜の事、携帯電話に嶋村プロからの着信が。
その瞬間、おっ新人王のインタビューかと心の中で思い「はい、よろこんで」という言葉を瞬時に用意していた。

なぜかインタビューは、僕か文章を書くのが上手なナナミン(中山奈々美プロ)に回ってくるという変な自信があった。
(こんな所に自信持っていてもしょうがないんですけどね・・)

嶋村「あのさー新人王戦のインタビューやってもらえるかな?」

{ほいきた}

飯島「ナナミンじゃなくて僕で良かったんですか?{一応聞いとく}」
嶋村「いやさーナナミンは人気女流プロで知名度も高いじゃん?そうすると俺よりナナミンが目立つ記事になっちゃうからさ」

{・・・聞かなきゃ良かった!}

そんなわけで、この度は知名度も文章力も思いっきり低い(というかほぼ皆無…)同期の飯島翔が慣れないインタビュアーをやらせて頂きます。
同期で既にチャンピオンズリーグと新人王のタイトルを獲得している嶋村プロの、人柄や麻雀に対する思いなどを、
精一杯皆さんにお伝え出来る様頑張りますので、拙い文章ですが最後までお付き合い下さいます様、宜しくお願い致します。

プロリーグ後、新宿の行きつけのバーで嶋村プロ達と合流。

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知恵の輪が楽しく、この笑顔!
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一日二杯の酒を飲む

飯島「お疲れ様で~す、リーグ戦どうでした?」
嶋村「プラス4.0P」
飯島「新人王取っても相変わらずリーグ戦は微妙なんですね!」

{てか、なんか人数いっぱいいるんだけど、ちゃんとインタビュー出来んのかな!}
※結局、別日に2人だけで再インタビューやりました・・・

店内に入り、まずはいつものレッドブルウォッカでかんぱ~い!

飯島「じゃあインタビュー始めますね。嶋村さんはチャンピオンズリーグ取ってるんで、その時と内容が被らないようにとの事なんですが、
前回は自己紹介的なものがなかったんで、まずはそこからいきますか!」
嶋村「嶋村泰之です。30歳で出身は神奈川県の横須賀で26期生です。ってなんか照れるね」
飯島「では早速、新人王戦の事について聞いていきましょうかね?優勝から数日が経ちましたが、どういった気分で過ごせましたか?」
嶋村「あげぽよだよ。優勝当日から翌日にかけておめでとうメールがたくさんきて素直に嬉しかった。
Facebookも友達申請が増えてきています。使い方よくわかってなくて放置しがちだけど…」

{30歳になってあげぽよって・・・そういやずっとFacebookの友達申請するの忘れてた!}

飯島「予選、またまた去年に引き続き80Pオーバーという数字を叩き出していましたけど、感触的にはどうでしたか?
ちらっと覗きに行った時は、仕掛けて2枚持たれているドラの8単騎マチでさすがにキツいと思ったら、
最後の1枚を1巡でツモる所を見せつけられ、相変わらず太いな~と思いましたよ!」
嶋村「そうだね、予選は全体的に手が入っていたしツキもあったね!そういえば6万点越えの2着なんてのもあったよ!」
飯島「そこから順調にポイントを伸ばし、またまた去年に続き130Pオーバーという驚異的な数字で予選を突破したわけですが、
今年こそはといった、緊張みたいなものはなかったんですか?」
嶋村「特に意識したり緊張したりっていうのはなかったかな?まぁ思った事はといえば、2年連続で決勝戦のPC採譜を変わってもらって、
小田さん(PC採譜班のリーダーである小田悟志プロ)を困らせちゃったかなってくらいかな?」

{え、そこ!?}

※PC採譜とは、連盟独自のパソコンを使った採譜方法により、決定戦など大きな対局の牌譜を採っており、
嶋村プロはプレーヤーとしてだけでなく、競技の運営の仕事にも携わっている。

嶋村「そういえば、去年は三四郎君(大庭プロ)。今年は自分で、新人PC採譜班の2人が優勝している流れから来年は澤村さんかな?
澤村さんにプレッシャー掛けるために、これ書いといて!」

{話しが逸れましたが新人王戦に戻って・・・というか、周りにみんないるから本当に話しがよく逸れる。
特に決勝戦の場面の話しになると、あーだこーだと麻雀の話しが始まりインタビューが全然進まない・・・ }

飯島「決勝を戦うにあたり、心構えとかはありましたか?」
嶋村「心構えはあったよ。予選の打ち方を決勝でも通そうと思った。遠い仕掛けをしない、安い手成りを組まない、この2つ。
去年は、予選では通せたのにいざ決勝になると、目先のシャンテン数にとらわれて、リズムを崩し結果、押し引きの変な麻雀になっちゃったからね。
今年はそれだけはしたくなかった。」

飯島「決勝戦、まず起親で11,600をアガった後、満貫クラスがバンバン飛び交う荒れ場になりましたが、
決勝戦であれだけのギャラリーの前で、2連続で満貫の放銃とかけっこうメンタルにガツンときません?
今回アガったり放銃したりが、とても多かった印象なんですが、場面場面での心境の変化とか聞きたいですね。」
嶋村「その時は何ともないと思っていたけど、今考えると動揺していたかな。
放銃してしまったものは仕方ないし、アドバンテージが無くなって原点付近に戻っただけと自分に言い聞かせ切り替えて打ちました。」

飯島「決め手になったかなと思う局はありますか?」
嶋村「南2局の親で、カン七のリーチタンヤオイーペーコー3,900オールをツモった時が一番手応えあったかな?」
飯島「あれは確かに山にもろ残っていたので、見ているこっちもグッと熱くなって力が入りましたよ!ツモれ~ツモれ~って後ろで念力飛ばしていました!
そして次局の配牌、ピンフが見えるドラ2のチャンス手で一気に追いつくか?と思いましたけど、本人の感触的にはどうでしたか?」
嶋村「長く麻雀打っていると、これ絶対ツモれるって感覚あるでしょ?これもそういう感じ。後で牌譜見たら空テンだったんだけどね!!」
飯島「続く南3局、偶然にも去年の決勝で四暗刻をツモった局と同じ局で、ツモり四暗刻の1シャンテンになりましたね!?」
嶋村「それは打っている時にも思った!結局ドラの三引きでツモり四暗刻にはならなかったけど、跳満ツモのリーチが打てたし感触は悪くなかったよ!」
飯島「そしてオーラス。配牌は決してよくなく、実は親の菅原プロが早そうな配牌でしたが、やっぱり焦りとかはあったんじゃないですか?」
嶋村「タイトル戦の決勝において、最終戦の配牌ってそれまでの過程へのある種の答えが出される場面だと言われているよね?
この配牌を見たときは、これが自分への答えなのかなと思った。
だからこの配牌を受け入れ、条件を満たし、アガることだけを考えクリアな気持ちで打てたよ。」

飯島「今回の決勝戦、点棒の出入りも激しく見ているこっちはいろんな場面で終始ハラハラさせられましたけど、
最後は無事にツモッてくれてホントに良かったです!改めて優勝おめでとうございました!こっからはプライベートの話しをしましょう!」

{プライベートのお話し}

飯島「嶋村さんって特技がピアノっていう話しを聞いたんですけど、それって完全にこのインタビュー用に作られた小ネタですよね?
だって、とてもそんな風に見えないですもん!それと、実はおぼっちゃん育ちだったなんて絶対信じられません!!」
嶋村「中学から大学まで私立で、中学受験の勉強と並行してピアノと水泳も習ってたとか、いわゆるお坊ちゃんな幼少期を過ごしたよ。
だからかな、洗練された品の良さみたいなのがついつい出ちゃうよね!」

飯島「・・・・・・・。嶋村さんって色黒いし、酒の飲み過ぎで痛風になるくらいだし{あ、自分も両方当てはまる・・・}、
ぶっちゃけ、初めて研修で会った時の第一印象は、悪徳不動産かなんかの類の人かと思いましたよ!」
嶋村「ちょっとそれひどくない !そういえば去年痛風で新人王戦出たね!あの時はあまりの痛さにホントに欠場しようと思ったけど、
準優勝出来て、無理して出て良かったなって思ったっけ!ゲン担ぎに会場の近くのコンビニで、今年もまた包帯買おうかと思ったよ!」

飯島「痛風はホント風が当たるだけで痛いって大げさじゃないですよね。僕も5年くらい前、麻雀中に痛風になって3階の雀荘だったんですけど、
担いで下りてもらって、1週間くらい松葉杖でしたもん!お互い健康管理には注意しましょう!なんか痛風の話しで無駄に盛り上がっちゃいましたね!
そういえば気付いたんですけど、嶋村さんって3年連続で8月決勝残っていますよね!さすが黒いだけあって夏に強いんですね!」
嶋村「黒いのは関係ないと思うけど、そういえばそうだね!」
飯島「では最後に、今後の目標と、なんかアピールしておきたい事とかあればどうぞ。」
嶋村「リーグ戦で結果を残すこと。主戦場はプロリーグだからね。次で6期目、さすがに昇級したいよ。
今までわりと堅く打っていたんだけど、昇級ラインまで届かないプラスで終わることが多かったんだ。
それで、方針を変えて去年の後期はとことん前に出てみたら、押した牌がことごとく掴まって卓上のサンドバッグ。
逆鳳凰位(D3リーグの最下位)になっちゃった。
笑い話じゃなく、このままじゃ歴代の新人王やチャンピオンズリーグ優勝者に申し訳ないしホント頑張らなきゃ。」

同期で唯一のタイトルホルダーであり、今回2つ目の栄冠に輝いた嶋村プロ。
いつも後輩年下関係なく、優しく積極的に接してくれる彼の周りには自然と人が集まってくる。
そんな人間性と、ここ一番での勝負強さを持った彼は、これからも麻雀に真摯に取り組みもっともっと強くなり、
高く険しい壁である、夢のG1タイトルにも将来手が届くのではないかと期待させてくれる。

そんな彼に負けない様に、もっともっと頑張らなくてはと大いに刺激された1日だった。

最後に一言。

「今期こそはD3から昇級してくださいね!!!」