プロ雀士インタビュー

プロ雀士インタビュー/第96回:魚谷 侑未

皆様こんにちは。白鳥翔です。
約1カ月程前、僕の元に一通のメールが届きました。
「モンド王座優勝の魚谷さんのインタビュアーをお願いしたいのですがいかがでしょうか?」
・・・おい、また勝ったのか。しかもモンド王座って!!ちょっと前に天空麻雀で優勝したインタビュー見たんですけど・・・。
早速ゆーみんに電話してみる。
白鳥「あ、もしもし、私インタビュアーの白鳥といいますが、モンド王座の魚谷さんの携帯でよろしかったでしょうか?」

魚谷「ちょっとーやめてよー(照)」

白鳥「で、いつが空いてるの??」

魚谷「んー・・・ちょっと予定確認してメールします!」

白鳥「了解!!」
とゆう訳で日程を調整して、後日インタビューに行ってきました!
白鳥「すみません、お待たせしましたー。」

魚谷「大丈夫だよー!」

白鳥「喫茶店とかにする?お腹空いてます??」

魚谷「じゃあご飯食べながら話そっかー!」

そして居酒屋に移動。

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お酒を飲む魚谷プロ
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日本酒が好きだそうです

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麻雀格闘倶楽部の撮影現場にて
インタビュアーの白鳥翔プロと魚谷侑未プロ

白鳥「改めて、モンド王座おめでとうございます。」

魚谷「あ、ありがとうございます!」

白鳥「ほんっと凄いね。勝ちまくりじゃん!」

魚谷「いやいや、そんなことないよー(照)」

そう、すぐ照れるんですよね、この人。
 
白鳥「しかし、豪華な対戦メンバーだよね。現王座の前原雄大プロに、モンド杯優勝の滝沢和典プロ、それに名人戦からは、前原プロが優勝でかぶったため、2位になった現最高位の近藤誠一プロ。」

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前原雄大プロ、最高位戦:近藤誠一プロ、魚谷侑未プロ、滝沢和典プロ

魚谷「ほんとよく勝てたと思います。」

白鳥「一応、王座の牌譜は一通り見たんだけど、1、2回戦は相当苦しかったんだね。」

魚谷「すごく苦しかったよ。特に2回戦は長くて、体力的にも相当フラフラだった。結果も1回戦は3着で、2回戦は箱下のラス。」

白鳥「全4回戦だから、相当厳しいのは間違いないよね。3回戦は攻めなきゃいけないけど東3局1本場で近藤プロにリーチ宣言牌で放銃して既に持ち点は5,700点。精神的に挫けなかったの?」

魚谷「挫ける・・・というより優勝に向けてやるしかないって感じかな。私、テレビやニコニコ動画で最近対局させて頂いてよく思うのが、観ている人達に気持ちを伝えたいってゆーのがあって。『私はこんだけ勝ちたいんだぞ』って。勝ちたい気持ちを打牌で伝えたいって思うんだよね。」

聞きました皆さん??めちゃめちゃかっこよくないですか??
 
白鳥「そして3回戦の南場の親番で怒涛の連荘、大き目のトップでこの回を終えて4回戦目に望みが繋がった、と。」

魚谷「うん。」

白鳥「最後劇的な優勝を飾った訳だけど、実際あの瞬間はどうだった?」

魚谷「もうね、凄かった。女流桜花ももちろん嬉しいんだけど、今回の優勝の瞬間だけは忘れられないよ。その前局に、滝沢プロのリーチと近藤プロのリーチに、3人目で追いついてアガれば優勝のリーチしたの。でも結果は滝沢プロに3,900放銃で。次局は跳満条件になっちゃったんだよね。正直もう無理だと思った。」

白鳥「へー、ゆーみんでもそう思うことがあるんだ!?」

魚谷「うーん・・・正直ね、優勝したって結果は凄く嬉しかったよ。でもね、それまでの麻雀の内容が悪かったと自分自身で思ってたから、そんな気持ちになったんだと思う。」

白鳥「確かに牌譜を見てて少しブレを感じる部分はあったかな。でも珍しいね。自分で何かこれが原因かなと思うことはあるの?」

魚谷「うん・・・。体力のなさが原因かと。」

白鳥「あ!なんか最近ランニングしてるって聞いたけどそれでか!」

魚谷「そう!モンド王座もそうなんだけど、この前の十段戦も長い対局でバテちゃって体力が続かなかった。まして王座は人に見せる対局なのに、それが嫌で・・・。だから最近週3回は走る様にしてるよ。」

白鳥「ほんとストイックだよね。」

魚谷「自分が次のステップに登る為にもね。みんながやってることだけやってもだめだと思うんだ。次に行きたいなら辛いこともやらなきゃいけない。」

白鳥「ほんとその通りだと思います。」

魚谷「それにファンの人達の目ってシビアだと思うから。常に全力で麻雀できる状態にしたいよね!」

きっとゆーみんに対するファンの人達の目がシビアなのは、まぎれもなくゆーみんの麻雀に期待しているからだろう。そんなファンの人達の期待を少しでも裏切ってしまったかもしれない、と優勝しても尚、ゆーみんは考えているに違いない。
 
白鳥「ゆーみんさぁ、最初の女流桜花を獲ってから結構時間が経ってるけど、やっぱあの頃と比べて何か変わった?」

魚谷「何もかも違うよ!生活も気持ちの面も全然違う。それに『責任』は増えたかな、と思います。プロとしても、魚谷侑未としても。」

白鳥「そりゃ変わらないはずないか!こっちはタイトルとか獲ったことないんで、ボクよく分かんないんですよー。麻雀はどうなの?」

魚谷「うーん・・・。自分では分かんないなー。でもちょっと変えていきたいなとは思ってる。

白鳥「ん?そうなの?」

魚谷「リーグ戦があんまりいい結果出ていないからさ。自分の麻雀ってよく言えばまとめる麻雀だと思うんだよね。リーグ戦で昇級するには、ちょっと打ち方変えなきゃいけないなっていうのは感じてる。やっぱり目標は鳳凰位だしね!」

白鳥「魚谷ニューバージョン見てみたいね。じゃあ今後の目標は鳳凰位ってことでいいの??」

魚谷「もちろん鳳凰位もだけど、プロクイーンは特に獲りたいかな!後は女流の一番になりたい!」

本人は気づいていないかもしれませんが、目標を言う時いつも以上に声が大きく店内に響き渡っていました。
 
白鳥「じゃぁ最後にファンの方にメッセージをお願いします!」

魚谷「今回は麻雀の内容も悪く未熟な麻雀を皆様にお見せしてしまい、恥ずかしい気持ちでいっぱいです。これからモンド王座というタイトルに相応しい麻雀プロになるべくもっともっと努力を積み重ねていきたいと思います。精一杯頑張りますのでこれからも応援して下さったら嬉しいです。」

白鳥「・・・もっとこう、『魚谷やりました!!』的な感じじゃなくていーの??」

魚谷「いいんですいいんです。ホントに正直な気持ちなので。」

白鳥「分かりました!今日はわざわざありがとうね!」

魚谷「いえいえこちらこそ!でさー、ちょっと麻雀の話なんだけど・・・」

ここから1、2時間麻雀の話になったのは言うまでもない。
結構空いた店内で、大きな声で牌姿や点棒状況を熱く話しだすゆーみん。周りの客や、お店の従業員はどう思っていたのだろう。
不思議と居心地は悪くなかった。
タイトルを獲ったり、プロとしてメディアにたくさん出れば出るほど『責任』は大きく付いてくる。
最近はプロが映像に出る機会も昔と比べ格段に増えた。これからプロに付いてくる『責任』はどんどん大きくなっていくだろう。
後輩ながらも先を歩いている彼女に、プロとしてどうあるべきか、今回のインタビューを通して教えて貰った気がした。
これからも彼女は努力し続けるのだろう。
麻雀プロ『魚谷侑未』である為に。