「麻雀プロ団体日本一決定戦」 勝又 健志

鳳凰の部屋

9月25日。 麻雀プロ団体日本一決定戦の最終節。まさに「日本一のプロ団体」が決まる日である。
連盟は、第2節までは首位を走っていたものの、第3節に最高位戦・協会に逆転され、3番手からの戦いとなる。
ただ、ポイントは1卓のトップラスで逆転できるほどの僅差であった。それだけに、ポイントが2倍となる大将戦は、絶対に負けられない。
午後16時、これまでの麻雀人生で最大の緊張感に包まれた対局が開始された。

東1局。配牌は苦しかったが、ツモに恵まれドラ2七対子をテンパイする。RMUの阿部さんよりリーチが入るも「ここは絶対に引かない!」とツモ切り追いかけリーチに踏み切った。

実は対局前に最も悩み、心を決めるまでに時間をかけたのが、このようなリーチを打つかどうか、である。
加点は信頼できる仲間に任せ、自分はポイントをまとめにいくべきではないか?そのためには無理な勝負はせずに、有利な局面だけ戦うべきではないか?と。
細かい技術面での優劣はすぐに答えが出たのだが、この大きな方向性は決め切れずに時間ばかりが過ぎてゆく。
するとある日、私が何の相談をしたわけでもないのに、瀬戸熊が声を掛けてくれる。
「勝又は色んなことを気にせずに思いきりやればいいよ。」と。
でも、私は内心「気にしないとか、無理ですよ…。」と思っていた。
するとその心を見透かしたかのように「じゃあ、みんなで300ポイントのアドバンテージをとって最終戦につなぐから。それなら大丈夫でしょ。」と。
その時ふと「本当に300ポイント差で最終戦になりそうだな。」という予感がし、気持ちが楽になったことを覚えている。

そして、対局当日の昼。集合場所に行くと森山会長が1人1人選手にお守りを渡してくれる。
私には、「いつも通りでいいんだぞ。任せた。」と一言。
この激励で私の心に覚悟ができた。

自分が今期鳳凰位を獲得できた理由は、攻める時にしっかりと攻め切れたこと。そして、その攻めが空振りに終わったとしても、その後しっかりとチャンスまで我慢できたことにあると思う。だからこそ今日もその戦い方を貫くべきだ、と。

自らが選んだ、そして仲間が後押ししてくれた道をまっすぐに進むための、ツモ切り追いかけリーチである。
結局は、さらに追いかけリーチを放ってきた協会の木原さんの跳満ツモアガリとなるのだが、この時の私には焦りは全くなく、むしろ、並びができたことで戦いやすくなるなと冷静に考えていた。
そして、運命の東2局。かなり苦しい配牌。アガリは絶望的と考え、いかに相手にプレッシャーをかけ連荘を掴み取るかということに思考を巡らせる。
しかし状況が一変する。すっと東が打ち出されたのであった。自身の牌姿を考えると仕掛けないのが普段のバランスであるが、ここはポンを選択した。この東が勝負形になって打ち出されたものであれば、仕掛けは裏目にでる可能性が高いであろう。しかし、私はこの東は戦略的に打ち出されたものであり、仕掛けることでチャンスが生まれるのではないかと考えた。
そして、すぐに北も打ち出された。いよいよ決断の時である。これを仕掛けたら後には引けない。この親番で大きな失点をするようだと、この半荘が3、4着で終わってしまう公算が高い。
この時、ほんの一瞬の事であるが、「この局を失敗したら、この後は守りに徹しよう。もう一局、勝負に出てみよう。」と思った。
この北をポンした後

三万五万五万六索七索一筒二筒  ポン北北北  ポン東東東  ドラ二筒

この形になると阿部さんよりリーチが入る。そして、私のツモは四万。ここで考える。
形に拘らず、真っ直ぐに突き進むなら五万切り。最終形を強くしにいくのならリスクは高いが一筒切り。ひとまず様子見をするなら現物の六索切り。
ここでの選択は五万切り。正直怖さもあった。だが、勝負の1局と決めた以上まっすぐに突き進もうと。
この後は、本当に幸運に恵まれツモ二筒八索ときて4,000オールのアガリとなった。

今でも昨日のことのように覚えている。この時の私の頭の中は、いたって冷静ですぐに次局に何をすべきかに集中できていた。
しかし、体は手が震えてきていた。これがプロ団体の日本一を決める戦いの重みなのだなと。その戦いに出場できていることに、プレッシャーと同じくらいの喜びを感じていた。

そして、この後は今の勢いを失わないようにシンプルに攻め続けていった。後半はアガリを逃した場面もあり課題は残したが、9万点近い、ポイント以上に精神的にも有利になれるトップを取ることができた。

1回戦が終了し、仲間たちのところに戻った時、寿人さんの俺もやってやるという気迫。
白鳥の残り2回任せてくださいという自信に満ち溢れた表情。
前田さんの…あれ前田さんはいつもと変わらなかったかも笑
そして、森山会長にかけてもらった「いい麻雀だった。」という言葉。
どれもが、次の半荘へ向かう気持ちを奮い立たせてくれた。

2回戦目はトップ。3回戦目はラスでいよいよ最終戦を迎える。この時のポイント差は367ポイント。
瀬戸熊が言葉にし、仲間たちが必死に作ってくれたアドバンテージ。絶対に負けるわけにいかない最終戦が始まる。
東1局。近藤さんの仕掛けにより、よもやの大三元を警戒したため手組がブレる。そこに阿部さんからリーチがかかり吸い込まれるように18,000の放銃。
この放銃は心のどこかに逃げの気持ちがあった自分に喝が入った。

連盟チャンネルができた当初から、多くのタイトル戦で実況に指名していただき、何度も見てきた決勝の最終戦。逃げ腰の麻雀ではどんなリードも捕まる可能性がある。
「しっかりと戦って1度アガリをもぎ取ろう。そうすれば優勝だ。」
そう思い次局以降に臨んだ。

自ら苦しくしてしまった東場を耐え、南場に入るとスッと手が入る。

三索三索三索四筒五筒六筒七筒八筒九筒北北発発  ツモ発

このアガリで優勝を確信した。

そして、23時過ぎ。プロ連盟が日本一へと輝いた。
1人がみんなのために。みんなが1人のために。最高のチームワークで、全員で掴み取った日本一。これまでの麻雀人生で一番の喜びであった。この舞台に選手の1人として立てたことを誇りに思う。
明日からはこの仲間たちがまたライバルとなるかと思うと、いつまでも喜びに浸ってはいられないのだが。

本来ならば鳳凰の部屋では、第32期鳳凰戦についてお話させていただこうと考えていましたが、私にとってとても大きな大会であり、読んでくださる皆様に私たちがどんな想いで戦っていたのかをお伝えしたく麻雀プロ団体日本一決定戦について書かせていただきました。私たちのインタビューもホームページにありますのでそちらも是非読んでみてください!
次回こそは鳳凰戦を振り返っていきたいと思います。

第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー 前編

鳳凰の部屋/「麻雀プロ団体日本一決定戦」 勝又 健志

鳳凰の部屋
9月25日。 麻雀プロ団体日本一決定戦の最終節。まさに「日本一のプロ団体」が決まる日である。
連盟は、第2節までは首位を走っていたものの、第3節に最高位戦・協会に逆転され、3番手からの戦いとなる。
ただ、ポイントは1卓のトップラスで逆転できるほどの僅差であった。それだけに、ポイントが2倍となる大将戦は、絶対に負けられない。
午後16時、これまでの麻雀人生で最大の緊張感に包まれた対局が開始された。
東1局。配牌は苦しかったが、ツモに恵まれドラ2七対子をテンパイする。RMUの阿部さんよりリーチが入るも「ここは絶対に引かない!」とツモ切り追いかけリーチに踏み切った。
実は対局前に最も悩み、心を決めるまでに時間をかけたのが、このようなリーチを打つかどうか、である。
加点は信頼できる仲間に任せ、自分はポイントをまとめにいくべきではないか?そのためには無理な勝負はせずに、有利な局面だけ戦うべきではないか?と。
細かい技術面での優劣はすぐに答えが出たのだが、この大きな方向性は決め切れずに時間ばかりが過ぎてゆく。
するとある日、私が何の相談をしたわけでもないのに、瀬戸熊が声を掛けてくれる。
「勝又は色んなことを気にせずに思いきりやればいいよ。」と。
でも、私は内心「気にしないとか、無理ですよ…。」と思っていた。
するとその心を見透かしたかのように「じゃあ、みんなで300ポイントのアドバンテージをとって最終戦につなぐから。それなら大丈夫でしょ。」と。
その時ふと「本当に300ポイント差で最終戦になりそうだな。」という予感がし、気持ちが楽になったことを覚えている。
そして、対局当日の昼。集合場所に行くと森山会長が1人1人選手にお守りを渡してくれる。
私には、「いつも通りでいいんだぞ。任せた。」と一言。
この激励で私の心に覚悟ができた。
自分が今期鳳凰位を獲得できた理由は、攻める時にしっかりと攻め切れたこと。そして、その攻めが空振りに終わったとしても、その後しっかりとチャンスまで我慢できたことにあると思う。だからこそ今日もその戦い方を貫くべきだ、と。
自らが選んだ、そして仲間が後押ししてくれた道をまっすぐに進むための、ツモ切り追いかけリーチである。
結局は、さらに追いかけリーチを放ってきた協会の木原さんの跳満ツモアガリとなるのだが、この時の私には焦りは全くなく、むしろ、並びができたことで戦いやすくなるなと冷静に考えていた。
そして、運命の東2局。かなり苦しい配牌。アガリは絶望的と考え、いかに相手にプレッシャーをかけ連荘を掴み取るかということに思考を巡らせる。
しかし状況が一変する。すっと東が打ち出されたのであった。自身の牌姿を考えると仕掛けないのが普段のバランスであるが、ここはポンを選択した。この東が勝負形になって打ち出されたものであれば、仕掛けは裏目にでる可能性が高いであろう。しかし、私はこの東は戦略的に打ち出されたものであり、仕掛けることでチャンスが生まれるのではないかと考えた。
そして、すぐに北も打ち出された。いよいよ決断の時である。これを仕掛けたら後には引けない。この親番で大きな失点をするようだと、この半荘が3、4着で終わってしまう公算が高い。
この時、ほんの一瞬の事であるが、「この局を失敗したら、この後は守りに徹しよう。もう一局、勝負に出てみよう。」と思った。
この北をポンした後
三万五万五万六索七索一筒二筒  ポン北北北  ポン東東東  ドラ二筒
この形になると阿部さんよりリーチが入る。そして、私のツモは四万。ここで考える。
形に拘らず、真っ直ぐに突き進むなら五万切り。最終形を強くしにいくのならリスクは高いが一筒切り。ひとまず様子見をするなら現物の六索切り。
ここでの選択は五万切り。正直怖さもあった。だが、勝負の1局と決めた以上まっすぐに突き進もうと。
この後は、本当に幸運に恵まれツモ二筒八索ときて4,000オールのアガリとなった。
今でも昨日のことのように覚えている。この時の私の頭の中は、いたって冷静ですぐに次局に何をすべきかに集中できていた。
しかし、体は手が震えてきていた。これがプロ団体の日本一を決める戦いの重みなのだなと。その戦いに出場できていることに、プレッシャーと同じくらいの喜びを感じていた。
そして、この後は今の勢いを失わないようにシンプルに攻め続けていった。後半はアガリを逃した場面もあり課題は残したが、9万点近い、ポイント以上に精神的にも有利になれるトップを取ることができた。
1回戦が終了し、仲間たちのところに戻った時、寿人さんの俺もやってやるという気迫。
白鳥の残り2回任せてくださいという自信に満ち溢れた表情。
前田さんの…あれ前田さんはいつもと変わらなかったかも笑
そして、森山会長にかけてもらった「いい麻雀だった。」という言葉。
どれもが、次の半荘へ向かう気持ちを奮い立たせてくれた。
2回戦目はトップ。3回戦目はラスでいよいよ最終戦を迎える。この時のポイント差は367ポイント。
瀬戸熊が言葉にし、仲間たちが必死に作ってくれたアドバンテージ。絶対に負けるわけにいかない最終戦が始まる。
東1局。近藤さんの仕掛けにより、よもやの大三元を警戒したため手組がブレる。そこに阿部さんからリーチがかかり吸い込まれるように18,000の放銃。
この放銃は心のどこかに逃げの気持ちがあった自分に喝が入った。
連盟チャンネルができた当初から、多くのタイトル戦で実況に指名していただき、何度も見てきた決勝の最終戦。逃げ腰の麻雀ではどんなリードも捕まる可能性がある。
「しっかりと戦って1度アガリをもぎ取ろう。そうすれば優勝だ。」
そう思い次局以降に臨んだ。
自ら苦しくしてしまった東場を耐え、南場に入るとスッと手が入る。
三索三索三索四筒五筒六筒七筒八筒九筒北北発発  ツモ発
このアガリで優勝を確信した。
そして、23時過ぎ。プロ連盟が日本一へと輝いた。
1人がみんなのために。みんなが1人のために。最高のチームワークで、全員で掴み取った日本一。これまでの麻雀人生で一番の喜びであった。この舞台に選手の1人として立てたことを誇りに思う。
明日からはこの仲間たちがまたライバルとなるかと思うと、いつまでも喜びに浸ってはいられないのだが。
本来ならば鳳凰の部屋では、第32期鳳凰戦についてお話させていただこうと考えていましたが、私にとってとても大きな大会であり、読んでくださる皆様に私たちがどんな想いで戦っていたのかをお伝えしたく麻雀プロ団体日本一決定戦について書かせていただきました。私たちのインタビューもホームページにありますのでそちらも是非読んでみてください!
次回こそは鳳凰戦を振り返っていきたいと思います。
第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー 前編

第14期プロクイーン決定戦初日観戦記 紺野 真太郎

全12回戦からなる決定戦。昨年までは6戦×2日間であったが、今年度より4戦×3日間に変更となった。5名の選手により抜け番で2回り10半荘行い、最下位が敗退となり、ポイント持ち越しで2回戦。トータルポイント最上位者がプロクイーンの称号を得る。全体を通してのシステムに変わりが無いが、抜け番選択に微妙な影響が出る。連続して戦いたい者、バランス良く休憩を入れたい者、考え方はそれぞれであろうが、1日4回戦制の為、2、3回戦目の抜け番はどうしても嫌われるであろう。

抜け番選択の決定方法であるが、先ず予備抽選を行い1~5番までの順番を決め、1番から順に選択していく。

予備抽選、前年プロクイーンの童瞳、最初に引いたのはなんと5番。自動的に残り物の抜け番となる。残り物にあるのは福なのか、それとも・・
次はA卓1位通過の和久津。いい数字に越したことはないだろうが、引いたのは3番。以下B卓1位西嶋が2番、A卓2位茅森が1番。B卓2位宮内が4番となった。

 

 

100

茅森早香 最高位戦日本プロ麻雀協会所属 5月4日生まれ B型
女流最高位や女流モンド杯優勝経験もある「天才」茅森。このプロクイーンは3年連続の決定戦進出。和久津とのライバル対決は今回も最注目となる。そんな「天才」が選んだ抜け番は5番目であった。

「朝はゆっくりしたいので・・」

アンケートにはそう答えたが、気合が入った初日に4戦打ち、2日目は対戦相手の戦いを見ながら遅めに会場入り出来る5番目は選手にとって理想であろう。

 

 

100

西嶋ゆかり 日本プロ麻雀連盟北関東支部所属 1月3日生まれ AB型
普段は教室など麻雀プロとしての活動の他、音楽活動も並行して行う西嶋。ここまでプロとしての実績はまだゼロに等しい。

「プロになる前からテレビやゲームで見ていた方たちとの決定戦。せっかくの大舞台なので楽しめたら素敵だなと思います。」

と答えた。人前での音楽活動が舞台度胸として活かし、どれだけ落ち着いて打てるかがポイントであろうか。西嶋が選択したのは1番目であった。

「本当は5番が良かったんですけど、間が空くのが苦手なので」

との回答。豊富な経験を持つ者達の戦い方を見てから入れるのは西嶋にとって良い抜け番のように思える。

 

 

100

和久津晶 日本プロ麻雀連盟東京本部所属 2月17日生まれ O型
茅森が3年連続の決定戦ならば「アマゾネス」和久津は6年連続の決定戦進出。戴冠2回とこのプロクイーン決定戦に抜群の相性と強さを持つ和久津。女流戦にだけ強いのではなくA2リーグでも上位を走る姿を見れば真の実力者であることは一目瞭然だ。

「まだ午前中なので・・」

と2番目を選択したが、午前中?(対局開始は14時。2回戦は15時頃)と?が付くがこれは和久津特有の言い回し。自らのキャラクターを踏まえたリップサービスか。

 

 

100

宮内こずえ 日本プロ麻雀連盟東京本部所属 3月28日生まれ O型
涙の女流桜花から約10か月。2冠に向けて決定戦に駒を進めてきた宮内。ベスト8での戦い方は現女流桜花の名に恥じない見事な戦いぶりであった。武器のスピードに加え、打点、押し引きのバランスも精度を上げている。

残りは3番目と4番目だが、3戦連続で戦える4番目が残っていたのは宮内にとってラッキーであったか。勿論、選択したのは4番目。

 

 

100

童瞳 日本プロ麻雀連盟東京本部所属 12月24日生まれ A型
和久津と茅森の一騎打ちかと思われた昨年のプロクイーン決定戦最終戦。フリテンリーチの6,000オールを力強くツモり、初タイトルを引き寄せた童瞳。プロクイーンとして過ごした1年の経験は童瞳をどう成長させたのだろうか。成長するための貪欲さは誰にも負けない。

「去年と同じ挑戦者の気持ちで臨みます」

予備抽選で5番を引いてしまったので選択の余地は無い。

「特に希望は無かったので」

と、3番目の抜け番にもさほど気にする様子もなかった。

抜け番順
①西嶋 ②和久津 ③童瞳 ④宮内 ⑤茅森

 

100

 

1回戦 起家より 宮内 和久津 茅森 童瞳

東1局、和久津が先制リーチ。

四万五万六万二索二索三索四索四索五筒六筒七筒七筒七筒  リーチ  ドラ三筒

四索が自分から3枚見え。それを狙ってのカン三索リーチ。・・いや違う気がする。戦いのゴングを鳴らす、姿勢が打たせたリーチか。
対する親宮内。以下の手牌から六索を平然とツモ切り。

二万二万七万八万六索七索八索三筒三筒四筒六筒七筒八筒

こちらも戦う気マンマンだ。いきなり火花散る展開。全部押す宮内は和久津のツモ切った二万をポンしてテンパイ。しかし、お互いのアガリ牌は脇へ流れて流局。
続く1本場、今度は宮内が先制リーチ。

二万三万五索六索七索一筒二筒三筒七筒七筒  暗カン牌の背四筒 上向き四筒 上向き牌の背  リーチ  ドラ七筒六筒

カンドラが増えてのリーチ。一発。裏ドラありのBルールならではの緊張感が走る。暗カン入りのリーチはそれだけでプレッシャーとなる。
ツモって先制したいところであったが、実らずここも流局。親は続くが手応え的にはどうか。2本場にもリーチを打つがまたもや流局。3本場は童瞳のリーチを和久津が捉え3,900+4,900(供託、積み場)大きな加点を出来ないまま親と自らが出したリーチ棒を持っていかれてしまった。

東場は毎局誰からかリーチが入る展開。その数なんと12本。Bルールという事を考慮しても多い。それだけ格選手が戦っているという証なのだろう。

東4局も茅森がリーチ。

四万五万二索三索三索三索四索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  リーチ  ドラ八索

先制であること、好形であること、打点が伴うことからも当然のリーチか。しかし、和久津の一発目の打牌が無スジの九万

 

100

 

茅森からしたら「気持ち悪い」もしくはそれ以上の「ヤバイ」と感じさせるには十分な打牌であったろう。
和久津の手牌は

一万二万三万七万九万七索八索九索七筒八筒九筒南南

カン八万のチャンタ三色。この時点の残り枚数は2対2であったが、茅森にとっては痛恨の一撃を受ける結果となってしまった。
自分に勢いがあると思えばどこまでも攻める和久津。南1局1本場、童瞳が以下の捨て牌でリーチ。

東七筒 上向き白九筒 上向き二筒 上向き(全て手出し)

対する和久津はこのリーチに八筒中西八索と全て押しカン三筒のテンパイ。

一万二万三万二索三索三索四索四索五索二筒四筒五筒五筒  ドラ四筒

ここではリーチは打たなかったが、二索を引きイーペーコーに変わると五索も通し、三筒ツモアガリで1,000・2,000をものにする。この局までに童瞳は先制愚形リーチを何本か見せていたので、ドラ周り以外は押すつもりであったのかもしれないが、理屈で解っていても、やり遂げるのは難しい。和久津の強さが目立った1局である。

圧巻であったのが南3局。状況は以下の通り。

 

100

 

ソーズのホンイツ気配の親茅森に対し、打三索五筒七筒待ちリーチを打つ。上家であることに加え、四索が3枚見えており、ペン三索に気を取られる場面だが、保留の打七筒とはせずに勝負。次のツモは六筒。保留の打七筒としていたとしても、打三索でリーチを選択しなかったとしても、この六筒ツモで五筒五筒六筒七筒五筒八筒待ちに受けるであろうから、13巡目のツモ七筒は虚しくツモ切りすることになっていたであろう。だが、和久津は逃さず満貫をアガリ切った。

1回戦終了
和久津+37.0P 宮内▲0.7P 茅森▲12.9P 童瞳▲23.9P (西嶋±0)

 

2回戦 起家より 茅森 宮内 西嶋 童瞳

ここから登場の西嶋。既に1戦を終え、肩が温まっている猛者たちを相手にどう戦うのか。東1局7巡目西嶋テンパイ。

四万五万七万五索六索七索八索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  ツモ三万  ドラ北

八索が2枚切られているが、ここは先制でもあり、五索八索のべ単リーチを打ってもおかしくないところ。だが、西嶋はそうはせず、打八索七万単騎ヤミテンに構える。三色を見ての選択であろうが、1回戦のリーチの多さを見た後では異質に映る。西嶋は自らの雀風を打点重視の攻撃型と答えた。この選択はその言葉通りではあるが、リスクも大きい。初っ端から裏目が出た時にその後焦らないかの不安もある。

間が悪い事に次巡のツモが八索。「リーチを打っていたら・・」の思いがよぎる。それでも、テンパイの入っていた童瞳から七万がツモ切られ事なきを得た。多分緊張はあるであろう。その緊張感をどこまでコントロール出来るかが大事である。

東3局1本場、西嶋の親番、7巡目にリーチ。

七万七万七万二索三索六索七索八索八索八索二筒三筒四筒  ドラ六索

素直に進め、素直にリーチ。ある意味理想的な展開。そして高目の四索ツモで4,000オール。アガリを得る事で落ち着けるか。
だが相手も簡単に抜け出させてくれるほど優しくは無い。東4局、茅森の先制リーチを受けるも親の童瞳が追いかける。

三万四万六万六万一索二索三索四索五索六索七索八索九索  ドラ二索

一気通貫完成の勝負リーチ。これを茅森から捉えて12,000。西嶋に追いつく。
南1局3本場8巡目南家の宮内。ここまでは受け気味に進めてきたが、この局は手が伸びた。

三万四索四索五索六索七索九索二筒三筒四筒七筒八筒八筒  ツモ四索  ドラ三筒

ここは打九索としてタンヤオでマンズとピンズに受けを求める。11巡目ツモ九筒。おそらく想定していたテンパイ形では最悪の形。それでも三万単騎に受けて変化を待つ。13巡目引いたのは八索。フリテンだが、三索六索九索五索八索の5面張だ。迷わずリーチを打った。親の茅森から追いかけリーチを受けるも、八索を一発ツモ。2,000・4,000のアガリで反撃の狼煙を上げた。

親番を迎えた宮内。2,900をアガった後の1本場、積極的に仕掛けてテンパイ。

五万六万一筒一筒一筒南南  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン白白白  ドラ西

南家西嶋がドラを仕掛けて追いつく。

九万九万四索五索六索五筒六筒七筒発発  ポン西西西

発バックの形だが、親の仕掛けも入り、鳴いた西も2枚目なので必然の仕掛けか。
親の宮内は一筒をツモると果敢に暗カン(新ドラ六筒)引く気は全くない。
ここまで苦しい戦いの茅森。それでも闘争心は失っていない。2人に対してリーチでぶつけに行った。

二万二万二万三万四万五万六万七万六索七索八索五筒六筒  ドラ西六筒

これをものにして浮上のきっかけを掴めるか。
直後の宮内。

 

100

 

この六万ツモで手が止ま・・・らなかった。ほぼノータイムで打五万。高目に受けて真っ向勝負。茅森が直後に七万を掴んだ時には嫌な空気が流れたが、それでも押し切り南をツモって4,000オール。西嶋、童瞳を逆転しトップ目に立った。
続く2本場も攻める手を緩めない。七対子をテンパイすると即リーチ。

四万四万八万八万一索一索八索八索五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ドラ一索

五筒が2枚切られており宮内から七筒はノーチャンス。実際に山に3枚生きており、6,000オール、8,000オールまで狙ってのリーチである。
童瞳も粘ってテンパイ。待ちは宮内と同じ七筒待ち。

五万五万五万八万八万六索七索八索六筒六筒七筒八筒八筒

その後五万を暗カン。新ドラが四索となりドラが増えた。この時の茅森。実は童瞳より1巡早くテンパイしていた。

六万六万四索四索五索五索七索七索一筒一筒八筒北北  ドラ一索四索

宮内を躱す為のヤミテンであったが、ドラが増えたことで勝負手に変化。リーチを放った。しかし、八筒は残り1枚七筒は2枚。茅森が掴んだのは七筒。2人から同時にロンの声。上家は親の宮内。裏ドラ八索が乗り18,000。宮内にとっても茅森にとっても大きい1局となった。

3本場でも宮内が2,600オールを決め、持ち点を80,000点近くまで増やす。次局ようやく童瞳が満貫をツモり宮内の親を落としたが、宮内の押し引きの精度の高さを見せつけた数局となった。

南3局5巡目南家童瞳から見た図

 

100

 

親の西嶋から打たれた八索を仕掛けますか?
答えは無いと思う。各自の考え方で変わると思う。童瞳はスルー。ただ、西嶋が次巡八万ツモ切りを見た時、童瞳は「失敗したかな」と頭によぎったようだ。そこで少し焦ったのか2枚目の八索を動いてしまう。間に合い損ねたものを間に合わせに行くといいことはあまりないように思える。麻雀に限ったことではないが・・

西嶋からリーチ。一発目は五万、西嶋の捨て牌には八万があり、通ればアガれるように思えるが、その「れば」が怖い。5,800の放銃で済んだのは幸いであったろう。
色々あったこの2回戦だが、まだ終わらない。オーラス1本場、親童瞳の配牌

三万四万五万八万九万二索三索四索四索四索九索三筒六筒九筒  ドラ二万

比較的軽い手。上手くいけば三色か。9巡目ドラも引き手が伸びてきた。

二万三万四万四万五万五万五万二索三索四索四索四索六筒

13巡目南家茅森リーチ。その時の童瞳すでにテンパイ。

二万二万三万四万四万五万五万五万三索三索四索四索四索

「もしかして・・」15巡目に二万を引いた時には確信めいたものがあったそうだ。
18巡目、童瞳最後のツモ

「ツモ」

 

100

 

この2回戦、戦い方としてほぼ思い通りに進めたはずの宮内が軽く天を仰いだのが印象的であった。

2回戦終了
童瞳+68.0P 宮内+26.1P 西嶋▲9.9P 茅森▲84.2P

トータルポイント
童瞳+44.1P 和久津+37.0P 宮内+25.4P 西嶋▲9.9P 茅森▲96.6P

 

3回戦 起家から 茅森 宮内 西嶋 和久津

和久津が抜け番から戻り、東1局から3局連続で仕掛けを入れる。アガリまでには結びつかないものの、ここまでの全体的な面前、リーチ主体の重い戦いからスピード感のある戦いに空気が変わる。
東3局そんな和久津がリーチに出た。それを受けての親西嶋。

 

100

 

五万を勝負するのは良いと思う。ただ、リーチはやりすぎに思えた。役アリ、4枚見え、ドラまたぎと理由はいくつもあるが、一番はこれが後手であるということ。勝負をかけなければいけない場面であれば別だが、勝負処はまだ先であろう。しかし、それなりの失点をしてしまうと致命傷になってしまう可能性はある。結果西嶋が八筒で8,000の放銃となるのだが、リーチさえ打たなければ止めていたであろうと思えるだけに勿体無い気がした。

南2局、親番宮内。この3回戦も決して無理をせずチャンスを伺い進行させてきたが、親番ではしっかりものにして2,600オール。

一索二索三索四索七索八索九索  ポン西西西  ポン中中中  ツモ四索  ドラ八筒

このワンチャンスをものにした宮内がオーラスをトップ目で迎えた。

オーラス親番和久津、7巡目、当たり前のようにリーチ。

七万八万九万三索四索四索五索六索二筒二筒北北北  リーチ  ドラ二索

西嶋の手も育っていた。10巡目にはチーテンを入れた。

四万四万五万七万二索二索二索三索四索五索  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き

ドラが3枚になってからのチーテン。焦って動いていたら和久津のアガリになっていたであろう。このめくり合いは西嶋に軍配。トップには届かなかったが、8,000放銃で崩れかけたのを踏みとどまった。

3回戦終了
宮内+20.6P 西嶋+10.1P 和久津▲6.9P 茅森▲23.8P

トータルポイント
宮内+46.0P 童瞳+44.1P 和久津+30.1P 西嶋+0.2P 茅森▲120.4P

 

4回戦 起家から 西嶋 茅森 和久津 童瞳

東1局、和久津の手の伸びがいい。9巡目メンチン1シャンテン

一万三万五万五万五万六万六万六万七万九万九万九万中  ドラ九索

対する童瞳11巡目、七対子テンパイ。

四万四万七万七万八索八索九索五筒五筒九筒九筒発発

この時のテンパイ打牌五万。和久津がこれをポンしてカン二万テンパイ。

一万三万五万六万六万六万七万九万九万九万  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ドラ九索

親の西嶋のツモはドラの九索。行く手でもなく、まだ安全牌があったが、和久津の捨て牌に目がいってしまったのだろう。九索をツモ切りしてしまう。
その後、東場に大きな動きは無く南入。南1局2本場6巡目、茅森リーチ。

二万二万六万七万八万五索六索六索七索七索八索六筒七筒  リーチ  ドラ五索

もう何度目の勝負リーチだろうか。今日打ったリーチはことごとく潰されてきた。それでも丁寧に手を作りリーチを打った。
7巡目童瞳追いかけリーチ。

一万二万三万五万六万七万六索七索七索八索九索五筒五筒  リーチ

これは茅森の不調に乗じた追いかけリーチか。ただ、童瞳が想像した茅森の手牌はもう少し安い手であったろうが。
親の西嶋も強い牌を打たずにテンパイ。

三万四万七万八万九万三索四索五索三筒四筒五筒八筒八筒

茅森の河に五万、童瞳の河には二万がある。ここも茅森のリーチは成就しないのだろうか・・
アガリ牌を手元に引き寄せたのは茅森であった。高目の八筒で3,000・6,000。起死回生のアガリで一気にトップ目に立った。

南3局、和久津の親、あと2局凌げばトップが取れる。茅森、七対子1シャンテン。

四万四万九万九万七索七索八索八索九索九筒九筒東南  ツモ六万  ドラ北

後の安全度と重なり易さを考慮して打六万を選択。至って正当な打牌である。しかし・・
西嶋が手を倒した。

 

100

 

罠はどこに潜んでいるかわからないが、何もここでとも思う。あと一歩のところでトップには届かなかった。茅森にとっては悪夢のような対局が終わった。

4回戦終了
西嶋+22.4P 童瞳+10.9P 和久津▲10.3P 茅森▲23.0P

トータルポイント
童瞳+55.0P 宮内+46.0P 西嶋+22.6P 和久津+19.8P 茅森▲143.4P

茅森がこのような形で初日を終えるとは誰も予想出来なかったであろう。麻雀という競技の怖さを見せつけられた結果とも言えよう。一方、上位4者は半荘1回でどうとでも転ぶ点差である。茅森もこのまま終わるとは思えず、2日目の戦いにも要注目である。

プロクイーン決定戦 決勝観戦記/第14期プロクイーン決定戦初日観戦記 紺野 真太郎

全12回戦からなる決定戦。昨年までは6戦×2日間であったが、今年度より4戦×3日間に変更となった。5名の選手により抜け番で2回り10半荘行い、最下位が敗退となり、ポイント持ち越しで2回戦。トータルポイント最上位者がプロクイーンの称号を得る。全体を通してのシステムに変わりが無いが、抜け番選択に微妙な影響が出る。連続して戦いたい者、バランス良く休憩を入れたい者、考え方はそれぞれであろうが、1日4回戦制の為、2、3回戦目の抜け番はどうしても嫌われるであろう。
抜け番選択の決定方法であるが、先ず予備抽選を行い1~5番までの順番を決め、1番から順に選択していく。
予備抽選、前年プロクイーンの童瞳、最初に引いたのはなんと5番。自動的に残り物の抜け番となる。残り物にあるのは福なのか、それとも・・
次はA卓1位通過の和久津。いい数字に越したことはないだろうが、引いたのは3番。以下B卓1位西嶋が2番、A卓2位茅森が1番。B卓2位宮内が4番となった。
 
 
100
茅森早香 最高位戦日本プロ麻雀協会所属 5月4日生まれ B型
女流最高位や女流モンド杯優勝経験もある「天才」茅森。このプロクイーンは3年連続の決定戦進出。和久津とのライバル対決は今回も最注目となる。そんな「天才」が選んだ抜け番は5番目であった。
「朝はゆっくりしたいので・・」
アンケートにはそう答えたが、気合が入った初日に4戦打ち、2日目は対戦相手の戦いを見ながら遅めに会場入り出来る5番目は選手にとって理想であろう。
 
 
100
西嶋ゆかり 日本プロ麻雀連盟北関東支部所属 1月3日生まれ AB型
普段は教室など麻雀プロとしての活動の他、音楽活動も並行して行う西嶋。ここまでプロとしての実績はまだゼロに等しい。
「プロになる前からテレビやゲームで見ていた方たちとの決定戦。せっかくの大舞台なので楽しめたら素敵だなと思います。」
と答えた。人前での音楽活動が舞台度胸として活かし、どれだけ落ち着いて打てるかがポイントであろうか。西嶋が選択したのは1番目であった。
「本当は5番が良かったんですけど、間が空くのが苦手なので」
との回答。豊富な経験を持つ者達の戦い方を見てから入れるのは西嶋にとって良い抜け番のように思える。
 
 
100
和久津晶 日本プロ麻雀連盟東京本部所属 2月17日生まれ O型
茅森が3年連続の決定戦ならば「アマゾネス」和久津は6年連続の決定戦進出。戴冠2回とこのプロクイーン決定戦に抜群の相性と強さを持つ和久津。女流戦にだけ強いのではなくA2リーグでも上位を走る姿を見れば真の実力者であることは一目瞭然だ。
「まだ午前中なので・・」
と2番目を選択したが、午前中?(対局開始は14時。2回戦は15時頃)と?が付くがこれは和久津特有の言い回し。自らのキャラクターを踏まえたリップサービスか。
 
 
100
宮内こずえ 日本プロ麻雀連盟東京本部所属 3月28日生まれ O型
涙の女流桜花から約10か月。2冠に向けて決定戦に駒を進めてきた宮内。ベスト8での戦い方は現女流桜花の名に恥じない見事な戦いぶりであった。武器のスピードに加え、打点、押し引きのバランスも精度を上げている。
残りは3番目と4番目だが、3戦連続で戦える4番目が残っていたのは宮内にとってラッキーであったか。勿論、選択したのは4番目。
 
 
100
童瞳 日本プロ麻雀連盟東京本部所属 12月24日生まれ A型
和久津と茅森の一騎打ちかと思われた昨年のプロクイーン決定戦最終戦。フリテンリーチの6,000オールを力強くツモり、初タイトルを引き寄せた童瞳。プロクイーンとして過ごした1年の経験は童瞳をどう成長させたのだろうか。成長するための貪欲さは誰にも負けない。
「去年と同じ挑戦者の気持ちで臨みます」
予備抽選で5番を引いてしまったので選択の余地は無い。
「特に希望は無かったので」
と、3番目の抜け番にもさほど気にする様子もなかった。
抜け番順
①西嶋 ②和久津 ③童瞳 ④宮内 ⑤茅森
 
100
 
1回戦 起家より 宮内 和久津 茅森 童瞳
東1局、和久津が先制リーチ。
四万五万六万二索二索三索四索四索五筒六筒七筒七筒七筒  リーチ  ドラ三筒
四索が自分から3枚見え。それを狙ってのカン三索リーチ。・・いや違う気がする。戦いのゴングを鳴らす、姿勢が打たせたリーチか。
対する親宮内。以下の手牌から六索を平然とツモ切り。
二万二万七万八万六索七索八索三筒三筒四筒六筒七筒八筒
こちらも戦う気マンマンだ。いきなり火花散る展開。全部押す宮内は和久津のツモ切った二万をポンしてテンパイ。しかし、お互いのアガリ牌は脇へ流れて流局。
続く1本場、今度は宮内が先制リーチ。
二万三万五索六索七索一筒二筒三筒七筒七筒  暗カン牌の背四筒 上向き四筒 上向き牌の背  リーチ  ドラ七筒六筒
カンドラが増えてのリーチ。一発。裏ドラありのBルールならではの緊張感が走る。暗カン入りのリーチはそれだけでプレッシャーとなる。
ツモって先制したいところであったが、実らずここも流局。親は続くが手応え的にはどうか。2本場にもリーチを打つがまたもや流局。3本場は童瞳のリーチを和久津が捉え3,900+4,900(供託、積み場)大きな加点を出来ないまま親と自らが出したリーチ棒を持っていかれてしまった。
東場は毎局誰からかリーチが入る展開。その数なんと12本。Bルールという事を考慮しても多い。それだけ格選手が戦っているという証なのだろう。
東4局も茅森がリーチ。
四万五万二索三索三索三索四索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  リーチ  ドラ八索
先制であること、好形であること、打点が伴うことからも当然のリーチか。しかし、和久津の一発目の打牌が無スジの九万
 
100
 
茅森からしたら「気持ち悪い」もしくはそれ以上の「ヤバイ」と感じさせるには十分な打牌であったろう。
和久津の手牌は
一万二万三万七万九万七索八索九索七筒八筒九筒南南
カン八万のチャンタ三色。この時点の残り枚数は2対2であったが、茅森にとっては痛恨の一撃を受ける結果となってしまった。
自分に勢いがあると思えばどこまでも攻める和久津。南1局1本場、童瞳が以下の捨て牌でリーチ。
東七筒 上向き白九筒 上向き二筒 上向き(全て手出し)
対する和久津はこのリーチに八筒中西八索と全て押しカン三筒のテンパイ。
一万二万三万二索三索三索四索四索五索二筒四筒五筒五筒  ドラ四筒
ここではリーチは打たなかったが、二索を引きイーペーコーに変わると五索も通し、三筒ツモアガリで1,000・2,000をものにする。この局までに童瞳は先制愚形リーチを何本か見せていたので、ドラ周り以外は押すつもりであったのかもしれないが、理屈で解っていても、やり遂げるのは難しい。和久津の強さが目立った1局である。
圧巻であったのが南3局。状況は以下の通り。
 
100
 
ソーズのホンイツ気配の親茅森に対し、打三索五筒七筒待ちリーチを打つ。上家であることに加え、四索が3枚見えており、ペン三索に気を取られる場面だが、保留の打七筒とはせずに勝負。次のツモは六筒。保留の打七筒としていたとしても、打三索でリーチを選択しなかったとしても、この六筒ツモで五筒五筒六筒七筒五筒八筒待ちに受けるであろうから、13巡目のツモ七筒は虚しくツモ切りすることになっていたであろう。だが、和久津は逃さず満貫をアガリ切った。
1回戦終了
和久津+37.0P 宮内▲0.7P 茅森▲12.9P 童瞳▲23.9P (西嶋±0)
 
2回戦 起家より 茅森 宮内 西嶋 童瞳
ここから登場の西嶋。既に1戦を終え、肩が温まっている猛者たちを相手にどう戦うのか。東1局7巡目西嶋テンパイ。
四万五万七万五索六索七索八索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  ツモ三万  ドラ北
八索が2枚切られているが、ここは先制でもあり、五索八索のべ単リーチを打ってもおかしくないところ。だが、西嶋はそうはせず、打八索七万単騎ヤミテンに構える。三色を見ての選択であろうが、1回戦のリーチの多さを見た後では異質に映る。西嶋は自らの雀風を打点重視の攻撃型と答えた。この選択はその言葉通りではあるが、リスクも大きい。初っ端から裏目が出た時にその後焦らないかの不安もある。
間が悪い事に次巡のツモが八索。「リーチを打っていたら・・」の思いがよぎる。それでも、テンパイの入っていた童瞳から七万がツモ切られ事なきを得た。多分緊張はあるであろう。その緊張感をどこまでコントロール出来るかが大事である。
東3局1本場、西嶋の親番、7巡目にリーチ。
七万七万七万二索三索六索七索八索八索八索二筒三筒四筒  ドラ六索
素直に進め、素直にリーチ。ある意味理想的な展開。そして高目の四索ツモで4,000オール。アガリを得る事で落ち着けるか。
だが相手も簡単に抜け出させてくれるほど優しくは無い。東4局、茅森の先制リーチを受けるも親の童瞳が追いかける。
三万四万六万六万一索二索三索四索五索六索七索八索九索  ドラ二索
一気通貫完成の勝負リーチ。これを茅森から捉えて12,000。西嶋に追いつく。
南1局3本場8巡目南家の宮内。ここまでは受け気味に進めてきたが、この局は手が伸びた。
三万四索四索五索六索七索九索二筒三筒四筒七筒八筒八筒  ツモ四索  ドラ三筒
ここは打九索としてタンヤオでマンズとピンズに受けを求める。11巡目ツモ九筒。おそらく想定していたテンパイ形では最悪の形。それでも三万単騎に受けて変化を待つ。13巡目引いたのは八索。フリテンだが、三索六索九索五索八索の5面張だ。迷わずリーチを打った。親の茅森から追いかけリーチを受けるも、八索を一発ツモ。2,000・4,000のアガリで反撃の狼煙を上げた。
親番を迎えた宮内。2,900をアガった後の1本場、積極的に仕掛けてテンパイ。
五万六万一筒一筒一筒南南  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン白白白  ドラ西
南家西嶋がドラを仕掛けて追いつく。
九万九万四索五索六索五筒六筒七筒発発  ポン西西西
発バックの形だが、親の仕掛けも入り、鳴いた西も2枚目なので必然の仕掛けか。
親の宮内は一筒をツモると果敢に暗カン(新ドラ六筒)引く気は全くない。
ここまで苦しい戦いの茅森。それでも闘争心は失っていない。2人に対してリーチでぶつけに行った。
二万二万二万三万四万五万六万七万六索七索八索五筒六筒  ドラ西六筒
これをものにして浮上のきっかけを掴めるか。
直後の宮内。
 
100
 
この六万ツモで手が止ま・・・らなかった。ほぼノータイムで打五万。高目に受けて真っ向勝負。茅森が直後に七万を掴んだ時には嫌な空気が流れたが、それでも押し切り南をツモって4,000オール。西嶋、童瞳を逆転しトップ目に立った。
続く2本場も攻める手を緩めない。七対子をテンパイすると即リーチ。
四万四万八万八万一索一索八索八索五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ドラ一索
五筒が2枚切られており宮内から七筒はノーチャンス。実際に山に3枚生きており、6,000オール、8,000オールまで狙ってのリーチである。
童瞳も粘ってテンパイ。待ちは宮内と同じ七筒待ち。
五万五万五万八万八万六索七索八索六筒六筒七筒八筒八筒
その後五万を暗カン。新ドラが四索となりドラが増えた。この時の茅森。実は童瞳より1巡早くテンパイしていた。
六万六万四索四索五索五索七索七索一筒一筒八筒北北  ドラ一索四索
宮内を躱す為のヤミテンであったが、ドラが増えたことで勝負手に変化。リーチを放った。しかし、八筒は残り1枚七筒は2枚。茅森が掴んだのは七筒。2人から同時にロンの声。上家は親の宮内。裏ドラ八索が乗り18,000。宮内にとっても茅森にとっても大きい1局となった。
3本場でも宮内が2,600オールを決め、持ち点を80,000点近くまで増やす。次局ようやく童瞳が満貫をツモり宮内の親を落としたが、宮内の押し引きの精度の高さを見せつけた数局となった。
南3局5巡目南家童瞳から見た図
 
100
 
親の西嶋から打たれた八索を仕掛けますか?
答えは無いと思う。各自の考え方で変わると思う。童瞳はスルー。ただ、西嶋が次巡八万ツモ切りを見た時、童瞳は「失敗したかな」と頭によぎったようだ。そこで少し焦ったのか2枚目の八索を動いてしまう。間に合い損ねたものを間に合わせに行くといいことはあまりないように思える。麻雀に限ったことではないが・・
西嶋からリーチ。一発目は五万、西嶋の捨て牌には八万があり、通ればアガれるように思えるが、その「れば」が怖い。5,800の放銃で済んだのは幸いであったろう。
色々あったこの2回戦だが、まだ終わらない。オーラス1本場、親童瞳の配牌
三万四万五万八万九万二索三索四索四索四索九索三筒六筒九筒  ドラ二万
比較的軽い手。上手くいけば三色か。9巡目ドラも引き手が伸びてきた。
二万三万四万四万五万五万五万二索三索四索四索四索六筒
13巡目南家茅森リーチ。その時の童瞳すでにテンパイ。
二万二万三万四万四万五万五万五万三索三索四索四索四索
「もしかして・・」15巡目に二万を引いた時には確信めいたものがあったそうだ。
18巡目、童瞳最後のツモ
「ツモ」
 
100
 
この2回戦、戦い方としてほぼ思い通りに進めたはずの宮内が軽く天を仰いだのが印象的であった。
2回戦終了
童瞳+68.0P 宮内+26.1P 西嶋▲9.9P 茅森▲84.2P
トータルポイント
童瞳+44.1P 和久津+37.0P 宮内+25.4P 西嶋▲9.9P 茅森▲96.6P
 
3回戦 起家から 茅森 宮内 西嶋 和久津
和久津が抜け番から戻り、東1局から3局連続で仕掛けを入れる。アガリまでには結びつかないものの、ここまでの全体的な面前、リーチ主体の重い戦いからスピード感のある戦いに空気が変わる。
東3局そんな和久津がリーチに出た。それを受けての親西嶋。
 
100
 
五万を勝負するのは良いと思う。ただ、リーチはやりすぎに思えた。役アリ、4枚見え、ドラまたぎと理由はいくつもあるが、一番はこれが後手であるということ。勝負をかけなければいけない場面であれば別だが、勝負処はまだ先であろう。しかし、それなりの失点をしてしまうと致命傷になってしまう可能性はある。結果西嶋が八筒で8,000の放銃となるのだが、リーチさえ打たなければ止めていたであろうと思えるだけに勿体無い気がした。
南2局、親番宮内。この3回戦も決して無理をせずチャンスを伺い進行させてきたが、親番ではしっかりものにして2,600オール。
一索二索三索四索七索八索九索  ポン西西西  ポン中中中  ツモ四索  ドラ八筒
このワンチャンスをものにした宮内がオーラスをトップ目で迎えた。
オーラス親番和久津、7巡目、当たり前のようにリーチ。
七万八万九万三索四索四索五索六索二筒二筒北北北  リーチ  ドラ二索
西嶋の手も育っていた。10巡目にはチーテンを入れた。
四万四万五万七万二索二索二索三索四索五索  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き
ドラが3枚になってからのチーテン。焦って動いていたら和久津のアガリになっていたであろう。このめくり合いは西嶋に軍配。トップには届かなかったが、8,000放銃で崩れかけたのを踏みとどまった。
3回戦終了
宮内+20.6P 西嶋+10.1P 和久津▲6.9P 茅森▲23.8P
トータルポイント
宮内+46.0P 童瞳+44.1P 和久津+30.1P 西嶋+0.2P 茅森▲120.4P
 
4回戦 起家から 西嶋 茅森 和久津 童瞳
東1局、和久津の手の伸びがいい。9巡目メンチン1シャンテン
一万三万五万五万五万六万六万六万七万九万九万九万中  ドラ九索
対する童瞳11巡目、七対子テンパイ。
四万四万七万七万八索八索九索五筒五筒九筒九筒発発
この時のテンパイ打牌五万。和久津がこれをポンしてカン二万テンパイ。
一万三万五万六万六万六万七万九万九万九万  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ドラ九索
親の西嶋のツモはドラの九索。行く手でもなく、まだ安全牌があったが、和久津の捨て牌に目がいってしまったのだろう。九索をツモ切りしてしまう。
その後、東場に大きな動きは無く南入。南1局2本場6巡目、茅森リーチ。
二万二万六万七万八万五索六索六索七索七索八索六筒七筒  リーチ  ドラ五索
もう何度目の勝負リーチだろうか。今日打ったリーチはことごとく潰されてきた。それでも丁寧に手を作りリーチを打った。
7巡目童瞳追いかけリーチ。
一万二万三万五万六万七万六索七索七索八索九索五筒五筒  リーチ
これは茅森の不調に乗じた追いかけリーチか。ただ、童瞳が想像した茅森の手牌はもう少し安い手であったろうが。
親の西嶋も強い牌を打たずにテンパイ。
三万四万七万八万九万三索四索五索三筒四筒五筒八筒八筒
茅森の河に五万、童瞳の河には二万がある。ここも茅森のリーチは成就しないのだろうか・・
アガリ牌を手元に引き寄せたのは茅森であった。高目の八筒で3,000・6,000。起死回生のアガリで一気にトップ目に立った。
南3局、和久津の親、あと2局凌げばトップが取れる。茅森、七対子1シャンテン。
四万四万九万九万七索七索八索八索九索九筒九筒東南  ツモ六万  ドラ北
後の安全度と重なり易さを考慮して打六万を選択。至って正当な打牌である。しかし・・
西嶋が手を倒した。
 
100
 
罠はどこに潜んでいるかわからないが、何もここでとも思う。あと一歩のところでトップには届かなかった。茅森にとっては悪夢のような対局が終わった。
4回戦終了
西嶋+22.4P 童瞳+10.9P 和久津▲10.3P 茅森▲23.0P
トータルポイント
童瞳+55.0P 宮内+46.0P 西嶋+22.6P 和久津+19.8P 茅森▲143.4P
茅森がこのような形で初日を終えるとは誰も予想出来なかったであろう。麻雀という競技の怖さを見せつけられた結果とも言えよう。一方、上位4者は半荘1回でどうとでも転ぶ点差である。茅森もこのまま終わるとは思えず、2日目の戦いにも要注目である。

第27回静岡リーグ(プロアマ混合)決勝レポート

2016年8月28日。
一段と日差しが強く残暑の厳しいこの日、第27回静岡リーグの決勝が行われた。

決勝ではそれぞれ1位+40P・2位+30P・3位+20P・4位+10Pの順位ポイントが与えられる。全6回戦が行われ、5回戦終了時(各1回抜け番)にポイント最下位の者が敗退となり、最終1回戦を行い、トータルポイントがトップの者が優勝となる。

まずは、簡単な選手紹介と決勝直前の各選手の意気込みを載せたいと思う。

 

1位通過 本田真之さん(一般参加)
(初出場)

今回唯一の一般参加者での決勝進出となった本田さん。初の決勝進出となる今回はこれまでの思いをぶつけて気持ちのこもった良い麻雀を見せてくれるであろう。1位通過のアドバンテージを生かし、プロ4名を相手にどのように戦うか楽しみである。

本田さん「いつも通り自分の実力を出し切れるように頑張ります。」

 

2位通過 都築友和プロ(中部本部)
(初出場)

今回が初の静岡リーグ出場でありながらいきなりの決勝進出。バランスの良い手組みからの高打点の一撃が彼の持ち味であろう。決勝という舞台が初めてであるため、緊張から縮こまった打牌をしないことがポイントか。

都築プロ「自分は挑戦者だということを忘れずに優勝を狙って頑張ります。」

 

3位通過 望月雅継プロ(静岡支部)
(優勝2回)

第11回以来と久しぶりの決勝進出となった望月プロ。実力は言わずと知れており、他者の注意が自然と集まることだろう。他の選手の執拗なマークも考えられるが、数々の舞台をくぐり抜けてきた経験は誰にも負けない。跳満ベースといわれる高打点の手組を今回も期待したい。

望月プロ「とにかく本気で勝ちに行きます。内容と結果の伴った麻雀をして、他の決勝進出者に差を見せつけます。」

 

4位通過 鈴木秀幸プロ(静岡支部)
(優勝1回)

鳴きを多彩に使い分け攻めの手数が多いタイプであり、相手との距離感を図るのにも長けている選手。今回も主導権を取りに来ることが予想され、他者は鈴木プロのペースに流されないように注意である。

鈴木プロ「難しいことは考えず、ポイント差も気にせず普段通りやるだけ。最近は勉強の成果も出ているので自信もってやります。」

 

5位通過 岡本和也プロ(静岡支部)
(2度目の決勝進出)

5位通過ということで、1位通過の選手とは40P差があるが、岡本プロの実力や実績を見れば跳ね返すことは難しいことではない。追いかける立場となるわけだが、精神面も強く、大胆な攻めを期待できるだろう。

岡本プロ「5位通過ということでまずは最終6回戦を戦えるように進めていく。しっかり戦っていければ結果は後からついてくると思います。」

以上の5名の戦いとなる。
どの選手も強い気持ちで決勝に向けてきていることが窺えた。各々が納得のいく麻雀を打ってほしいと心から応援していた。

(以下文章中敬称略)

 

1回戦(起家から鈴木、本田、岡本、望月、抜け番:都築)

東1局
まずは先手を鈴木が取る。

三万四万五万七万八万九万五索六索五筒六筒七筒九筒九筒  ドラ九万

6巡目に鈴木が先制リーチ。9巡目に望月が四索で放銃。鈴木が5,800で良いスタート切った。この時の望月の手牌。

二万三万四万五万六万六万六万六万二索三索四索五索四筒

タンヤオ・ピンフ・三色などの高打点が見える手牌。リーチに対して四索は相当の危険牌。決勝にかける強い気持ちが打点を見据えた強い打牌を生んでいた。

東1局1本場

今度は望月が9巡目に先制リーチ。

一万二万三万六万六万一索二索三索七索八索一筒二筒三筒  ドラ発

次巡、鈴木が九索のツモ切りで望月への7,700の放銃。この2局で鈴木と望月は自分の調子をどのように捉えるのか。

東2局

望月が積極的に仕掛ける。7巡目に三索をポン。9巡目に中をポン。この時点で1シャンテン。

三万三万五索六索三筒三筒西  ポン中中中  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き  ドラ七筒

こういった望月の遠い仕掛けはあまり見ない。しかし、この仕掛けにより鈴木にテンパイが入りリーチ。14巡目にツモ。

三万四万五万二索二索四索五索六索七索八索九索七筒八筒  ツモ九筒

鈴木が1,300・2,600で再びトップ目に。望月の仕掛けは裏目となったか。

東3局

望月が9巡目にテンパイ。

四万五万六万三索三索六索七索八索三筒五筒発発発  ドラ発

次巡、三筒を引いて手変わり。

四万五万六万三索三索六索七索八索三筒三筒発発発

この選択が功を奏し8,000の出アガリ。鈴木と望月の2人のペースで1回戦は南入。

南1局

岡本が10巡目にリーチ。

二万三万四万五万六万七万二索四索八索八索二筒三筒四筒  ドラ発

岡本は前局に300・500をアガっており、良い感触はあったかもわからないがここは流局。

南3局

親番の岡本が仕掛けていく。

五万五万六万七万八万四索五索二筒三筒四筒  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ドラ五万

この仕掛けによって本田にテンパイが入りリーチ。

二万二万二万五万六万七万八万二筒三筒四筒四筒五筒六筒

しかし本田が三索をつかんでしまい、岡本が5,800。岡本の仕掛けが上手くいった形となった。

南4局2本場

鈴木が1巡目から仕掛けていく。
役牌をポンして7巡目にテンパイ。すぐに岡本から2,000点を出アガリ。安定した試合運びの鈴木がトップ、望月が浮きの2着で1回戦終了。

1回戦成績
鈴木+17.1P 望月+11.8P 岡本▲9.6P 本田▲19.3P

1回戦終了時
望月+31.8P 都築+30.0P 鈴木+27.1P 本田+20.7P 岡本▲9.6P

 

2回戦(起家から鈴木、本田、岡本、都築、抜け番:望月)

1回戦抜け番となった都築はこれが初戦となる。
1回戦を見て、どのように戦っていくのか注目である。

東2局

東1局は岡本が7,700の出アガリ。迎えた東2局、岡本は9巡目に四暗刻の1シャンテンとなる。

一万一万一万七万八万八万二索二索八索八索八索中中  ドラ九筒

ここで本田が切った1枚目の二索をスルー。大物手を目指していくが、13巡目に親番の本田にテンパイが入る。15巡目に岡本が放銃。

四万五万六万九万九万三索四索五索七筒九筒東東東  ロン八筒  ドラ九筒

1回戦、アガリの無かった本田が7,700と2回戦は良い立ち上がりを見せる。

東2局2本場

6巡目に岡本が1枚目の中をポンしてテンパイ。

三万四万五万八索八索六筒七筒発発発  ポン中中中  ドラ八索

岡本が都築からの放銃で8,000のアガリ。このアガリで波に乗ったのか親番となった東3局に700オール、1,300オール、2,600オールと順調に加点をして50,000点を超える。

東4局

7巡目、鈴木。

一万二万三万一索一索二筒二筒三筒三筒九筒九筒北北  ツモ二索  ドラ五万

七対子の1シャンテンではあるが、チャンタ・三色なども見える手牌。鈴木は打三筒.すると次巡ツモ三索。打二筒としてメンツ手の1シャンテン。2巡後にはツモ一筒で打一索リーチ。

一万二万三万一索二索三索一筒二筒三筒九筒九筒北北

ヤミテンにしていると本田から北が出ていたかもしれない。このテンパイ形を見て本田は何を感じ、流局という結果から鈴木は何を感じるのか。しかしアガリには結びつかなくとも素晴らしい手組みではあった。

南1局

岡本のペースで進んでいく2回戦。親番の鈴木の6巡目のリーチに都築が5,800を放銃し、岡本、本田、鈴木の3人浮きとなる。都築にとっては非常に厳しい展開となった。

南1局1本場

苦しい立場に立たされた都築。

一万三万五万六万七万八万六索八索八索八索七筒七筒八筒  ドラ四筒

この形から4巡目にツモ四筒一万。すると8巡目ドラ四筒を重ねて打六索。次巡にツモ九筒七筒リーチ。

三万五万六万七万八万八索八索八索四筒四筒七筒八筒九筒

両面変化しやすい形ではあり、私はヤミテンにしてしまいそうだが、この判断が良く、15巡目に四万ツモ。都築の強い意志の感じられる1局だったと思う。

しかし、岡本のペースが崩れることはなく、2回戦は岡本が54,100点の1人浮きのトップで終了。

2回戦成績
岡本+36.1P 本田▲4.6P 鈴木▲4.6P 都築▲26.9P

2回戦終了時
望月+31.8P 岡本+26.5P 鈴木+22.5P 本田+16.1P 都築+3.1P

 

3回戦(起家から岡本、鈴木、都築、望月、抜け番:本田)

東1局

10巡目、鈴木。

二万三万三万二索三索三索四索二筒二筒三筒三筒三筒四筒  ドラ二筒

234の三色などもみえるが鈴木は二筒をポン。打三索としてタンヤオ・ドラ3のアガリを見る。2巡後、ツモ五筒、打二万として16巡目にツモ六筒で2,000・3,900。鈴木の鳴きが光る1局となった。

東3局

鈴木の配牌。

四万八万九万九万一索五索七索八索九索二筒二筒七筒九筒  ドラ白

789の三色が見える好配牌。1巡目のツモ五索で面子候補が決まり、打九万。順調にツモが伸びて6巡目にリーチ。

八万九万五索五索七索八索九索二筒二筒二筒七筒八筒九筒

その時の鈴木の河が九万一索五万七筒五万四万。変則手濃厚であったが、すぐに他家から七万が打たれて5,200のアガリ。仕掛けのみならず、メンゼンでの手組みでも魅せていく

南3局

ここまであまり良いところの無かった都築。親番だが良い配牌とはいえない。

一万五万六万八万八万九索一筒一筒二筒四筒七筒東北中  ドラ東

8巡目、ここまで好調の鈴木からリーチ。

三万三万九万九万八索八索東南南北北発発

その時の都築の手牌。

五万六万六万八万八万一筒四筒四筒五筒六筒七筒東東

すぐに東が暗刻となり無筋の一筒を切る。。

9巡目
五万六万六万八万八万四筒四筒五筒六筒七筒東東東  ツモ四筒

五万六万も無筋。八万はリーチ者の現物。長考の末、都築は打六万。三暗刻での8,000オールも見えるところであり、四万七万が山にいるとも限らない。五万六万のどちらかが鈴木の当たり牌かもしれない。非常に難しい局面である。

次巡、意を決してリーチに踏み切る。2巡後に力強く七万をツモった。

五万六万八万八万四筒四筒四筒五筒六筒七筒東東東  ツモ七万

この6,000オールでトップに浮上。都築はこの半荘を1人浮きで終えることができた。

3回戦成績
都築+21.4P 岡本▲1.8P 鈴木▲6.2P 望月▲13.4P

3回戦終了時
岡本+24.7P 都築+24.5P 望月+18.4P 鈴木+16.3P 本田+16.1P

 

4回戦(起家から岡本、望月、本田、都築、抜け番:鈴木)

1位から5位の差が8.6Pしかない非常に均衡した戦いとなった。ここから誰が抜け出すか全くわからない見ごたえのある試合になった。

東1局

親番の岡本、13巡目にテンパイ。

一万二万三万四万四万四万一索二索三索一筒二筒東東  ドラ中

ヤミテンに構えると先にリーチをかけていた望月が三筒を放銃。リーチをかけていれば、などと考えるとキリがないがこういった判断が上手くいっている日は調子の良い日だと私は思う。

東4局1本場

小場で進んでいたこの半荘、28,100点持ちながらラス目の望月が6巡目にリーチ。一発で三筒をツモ。

五索六索七索一筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒南南  ツモ三筒  ドラ一索

日本プロ麻雀連盟のAルールは一発が無いが、このような手役が絡んでいるカンチャンやペンチャン待ちを一発でツモった時ほど気持ちの良いものは無いように感じる。望月の2,000・3,900で一気に1人浮きのトップに。

南2局

4回戦に入ってここまでアガリの無かった本田が5巡目に動く。

一万二万二万五万六万六万七万九万九万南中  ポン白白白  ドラ八索

中とすると2巡後に南ツモ。

一万二万二万五万六万六万七万九万九万南  ポン白白白  ツモ南

この手から打六万としてトイトイを見切る。次巡ツモ九万、ノータイムで打一万。2巡後あっさりとツモ二万で1,600・3,200。本田は最速のアガリ手順をあっさりと選びきった。

二万二万五万六万七万九万九万九万南南  ポン白白白  ツモ二万

この後も小場で進んだ4回戦は望月がトップで終了。本田、岡本と続き、都築は1人沈みのラスで苦しい展開となった。

4回戦成績
望月+12.9P 本田+4.6P 岡本+2.3P 都築▲19.8P

4回戦終了時
望月+31.3P 岡本+27.0P 本田+20.7P 鈴木+16.3P 都築+4.7P

 

5回戦(起家から鈴木、都築、望月、本田、抜け番:岡本)

静岡リーグの決勝はこの5回戦を終えた時点でポイント最下位のものは一足早く敗退となってしまう。最終6回戦に進むためにどの選手も全力を尽くして戦うのは間違いない。

東3局3本場

4回戦を終えてトータルトップ、5回戦も1,600、2,600オール、3,900オールと順調に加点していく望月。ここでも勝負手が入る。時間がかかりながらも16巡目にようやくテンパイ。

一万一万二万三万六万六万七万七万八万八万南白白  ドラ南  ツモ二万

南はドラであり生牌。簡単に切ることのできる牌ではない。望月は迷うことなく打三万とした。しかし、最後のツモで無情にも三万を持ってきてしまう。南は誰にも当たるどころか鳴かれることもない牌だった。
これをアガリ逃しと捉えるか否かは個人差があると思う。ドラで生牌の南を絶対に切らないと決めていればアガリ逃しにはならない。望月はそのようなタイプであると思う。しかし、この局が1つのポイントになったように思える。

東3局4本場

望月の連荘が続くなか、鈴木が3巡目に積極的に仕掛ける。

二万四万四万一索一索三索六索五筒東発発中中  ドラ一索

この手牌から三万をチー。打東とすると続いて中発をポン。ツモ五筒で打六索としてあっという間にテンパイ。望月が五筒を放銃してしまう。

一索一索五筒五筒  ポン発発発  ポン中中中  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ロン五筒

7,700という打点も勿論のこと、トータルトップ目の望月からアガって望月の親番を落とす大きなアガリとなった。

東4局

前局は放銃に回った望月。しかしすぐに望月の反撃。14巡目にテンパイ。

二万三万四万六万三索三索三索二筒三筒三筒四筒五筒七筒  ツモ四筒  ドラ五筒

打六として七筒単騎のヤミテンに構えると、ほぼノータイムでのツモ切りが続く。そしてハイテイで七筒をツモ。2,000・3,900とする。

二万三万四万三索三索三索二筒三筒三筒四筒四筒五筒七筒  ツモ七筒

この時、親番の本田の手牌。

二万三万四万六万七万八万二筒二筒五筒六筒  チー四索 上向き五索 上向き六索 上向き

相手の当たり牌を止めつつのアガリ。望月の読みの鋭さはさすがである。

南4局1本場

この後は、望月と本田に交互にアガリがうまれる展開。
ここでラス目の都築。
敗退しない条件は鈴木から満貫を直撃するか跳満ツモ。

しかし、先手を取りに来たのは鈴木だった。

五万五万一索二索四索四索五索六索八索六筒六筒南南  ドラ白

この手牌から3巡目に南をポン。六筒のトイツ落としをすると、6巡目にテンパイが入る。

五万五万一索二索四索五索六索七索八索九索  ポン南南南

なんとかして次に繋げたい都築も追いつこうとはするが間に合わず。鈴木がツモ三索の1,000・2,000で5回戦が終了。

この瞬間、都築の敗退が決まった。初の決勝ということで難しい部分もあったとは思うが、最後まで丁寧でキレのある麻雀を魅せてくれた。

5回戦成績
望月+32.5P 本田+5.5P 鈴木▲9.1P 都築▲28.9P

5回戦終了時
望月+63.8P 岡本+27.0P 本田+26.2P 鈴木+7.2P 都築▲24.2P(敗退)

 

6回戦(起家から岡本、本田、鈴木、望月)

最終6回戦は、トータルポイント2位、3位、4位、1位の順に東家、南家、西家、北家の並びとなる。

白熱した試合もいよいよクライマックスを迎える。

東2局2本場

東1局、東1局1本場、東2局2本場と流局が続く慎重なスタートとなった6回戦。最初に動き出したのはやはりというのか、鈴木であった。

三索三索一筒二筒二筒四筒七筒南南西北白白  ドラ三万

3巡目にポン南とすると、すぐに南を加カン。このカンで七筒をツモると5巡目に白、9巡目に七筒のポンとしてテンパイ。

三索三索二筒二筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ポン白白白  加カン南南南南

岡本から三索の出アガリ。8,000で先手を取ることに成功した。

東3局

最初にテンパイが入ったのは岡本。

三索四索五索七索七索七索八索九索九索九索五筒六筒七筒  ドラ五索

この手でリーチを打つが、親の鈴木がすぐに追いかけリーチ。

五万五万五万五索五索六索六索六索二筒二筒三筒四筒五筒

次巡、鈴木が力強く五索をツモ。圧巻の8,000オールである。観客も思わず声を漏らしてしまう。

この瞬間、トータルトップが鈴木に変わった。

南1局

岡本は最後の親番。なんとしても連荘をしたいところである。しかし、他の選手は局回しをしたいところ。望月が積極的に仕掛ける。

二万三万四万三索六筒九筒九筒  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ポン中中中  ドラ四万

5巡目で早くも2フーロ。10巡目にテンパイ。

一万二万二万三万四万九筒九筒  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ポン中中中

すると11巡目に今度は本田からリーチ。

二万三万四万二筒二筒三筒四筒五筒五筒六筒南南南

望月も回りながら進めていくが本田に七筒で8,000の放銃。

南2局

今度は鈴木が積極的に仕掛ける。時間は掛かったが12巡目にテンパイ。

五万六万七万七筒八筒白白  チー一筒 上向き二筒 上向き三筒 上向き  ポン中中中  ドラ二索

遅れて親の本田も16巡目にテンパイ。

五索五索三筒四筒五筒五筒七筒東東東  チー七筒 上向き八筒 上向き九筒 上向き

ここで18巡目に本田は九筒をツモる。テンパイ維持には五筒九筒切りだが両方とも鈴木には通っていない。悩んだ末、本田は九筒を切る。鈴木へ1,000の放銃。本田の親番も終わった。

南4局3本場

南3局に親番の鈴木が7,700、2,600オールでリードを広げる。2本場をなんとか望月の1人テンパイで流して迎えた南4局。この時点でのトータルポイントは以下の通り。

鈴木+69.1P 望月+44.1P 本田+8.4P 岡本+0.6P

現実的には鈴木と望月の一騎打ちとなった。
この局、北家の鈴木に好配牌が来る。

二万四万七万四索五索二筒三筒四筒五筒六筒七筒北北  ドラ一万

一方、望月の配牌。

一万一万二万三万六万九万二索二索三索六筒白発中中

1面子あるが鈴木と比べると劣る配牌。
鈴木は2巡目にテンパイ。

二万四万四索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒北北

両面変化や北のポンや暗刻への変化を見てヤミテン。6巡目に望月から北が放たれポン。

四万四索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ポン北北北

すると望月からリーチの声が。

一万二万三万四万五万六万二索三索四索白白中中

8巡目に鈴木が中をつかむ。これをツモ切りして7,700の放銃。
2人のポイント差は5.8Pに縮まった。

南4局4本場

この局も先手を取るのは鈴木。

一万二万三万四万四万四万七万八万九万五筒六筒東東  ドラ二万

この手で6巡目にリーチ。四筒七筒待ち。一方その時の望月の手牌。

一万一万八万四索四索四索五索七索七索六筒六筒七筒七筒

七対子の1シャンテン。この後、ツモ一筒五索とした後、10巡目に七筒ツモ

一万一万八万四索四索四索七索七索一筒六筒六筒七筒七筒  ツモ七筒

当たり牌である七筒。少考ののち、切ったのは八万。七対子ではなく、ツモり四暗刻に構えて七筒を使い切る道を選んだ。次巡、望月のツモは七索。ツモり四暗刻テンパイである。

一万一万四索四索四索七索七索七索六筒六筒七筒七筒七筒

選手と観客の緊張感から独特の空気に包まれる会場。

2巡後、望月がツモってきたのは四筒。望月はリーチをしていないので手を変えられる。七筒を暗刻で持っているので当たる可能性はある程度考慮しているだろう。
それでもこのテンパイ形で戦い抜くことを決意していたのか、望月はノータイムで四筒をツモ切る。
鈴木が発するロンの声が響く。鈴木の優勝が決まった。

6回戦成績
鈴木+57.1P 望月▲12.9P 本田▲17.8P 岡本▲26.4P

最終ポイント
鈴木+64.3P 望月+50.9P 本田+8.4P 岡本+0.6P 途中敗退:都築

第27回静岡リーグは鈴木秀幸プロの優勝で幕を閉じた。どの選手においてもそれぞれの持ち味を出し、最後まで強い気持ちで戦ったからこそ、見ごたえのある決勝となった。

決勝進出者の皆様、お疲れさまでした。
そして鈴木プロ、本当におめでとうございます。

静岡プロリーグ 決勝観戦記/第27回静岡リーグ(プロアマ混合)決勝レポート

2016年8月28日。
一段と日差しが強く残暑の厳しいこの日、第27回静岡リーグの決勝が行われた。
決勝ではそれぞれ1位+40P・2位+30P・3位+20P・4位+10Pの順位ポイントが与えられる。全6回戦が行われ、5回戦終了時(各1回抜け番)にポイント最下位の者が敗退となり、最終1回戦を行い、トータルポイントがトップの者が優勝となる。
まずは、簡単な選手紹介と決勝直前の各選手の意気込みを載せたいと思う。
 
1位通過 本田真之さん(一般参加)
(初出場)
今回唯一の一般参加者での決勝進出となった本田さん。初の決勝進出となる今回はこれまでの思いをぶつけて気持ちのこもった良い麻雀を見せてくれるであろう。1位通過のアドバンテージを生かし、プロ4名を相手にどのように戦うか楽しみである。
本田さん「いつも通り自分の実力を出し切れるように頑張ります。」
 
2位通過 都築友和プロ(中部本部)
(初出場)
今回が初の静岡リーグ出場でありながらいきなりの決勝進出。バランスの良い手組みからの高打点の一撃が彼の持ち味であろう。決勝という舞台が初めてであるため、緊張から縮こまった打牌をしないことがポイントか。
都築プロ「自分は挑戦者だということを忘れずに優勝を狙って頑張ります。」
 
3位通過 望月雅継プロ(静岡支部)
(優勝2回)
第11回以来と久しぶりの決勝進出となった望月プロ。実力は言わずと知れており、他者の注意が自然と集まることだろう。他の選手の執拗なマークも考えられるが、数々の舞台をくぐり抜けてきた経験は誰にも負けない。跳満ベースといわれる高打点の手組を今回も期待したい。
望月プロ「とにかく本気で勝ちに行きます。内容と結果の伴った麻雀をして、他の決勝進出者に差を見せつけます。」
 
4位通過 鈴木秀幸プロ(静岡支部)
(優勝1回)
鳴きを多彩に使い分け攻めの手数が多いタイプであり、相手との距離感を図るのにも長けている選手。今回も主導権を取りに来ることが予想され、他者は鈴木プロのペースに流されないように注意である。
鈴木プロ「難しいことは考えず、ポイント差も気にせず普段通りやるだけ。最近は勉強の成果も出ているので自信もってやります。」
 
5位通過 岡本和也プロ(静岡支部)
(2度目の決勝進出)
5位通過ということで、1位通過の選手とは40P差があるが、岡本プロの実力や実績を見れば跳ね返すことは難しいことではない。追いかける立場となるわけだが、精神面も強く、大胆な攻めを期待できるだろう。
岡本プロ「5位通過ということでまずは最終6回戦を戦えるように進めていく。しっかり戦っていければ結果は後からついてくると思います。」
以上の5名の戦いとなる。
どの選手も強い気持ちで決勝に向けてきていることが窺えた。各々が納得のいく麻雀を打ってほしいと心から応援していた。
(以下文章中敬称略)
 
1回戦(起家から鈴木、本田、岡本、望月、抜け番:都築)
東1局
まずは先手を鈴木が取る。
三万四万五万七万八万九万五索六索五筒六筒七筒九筒九筒  ドラ九万
6巡目に鈴木が先制リーチ。9巡目に望月が四索で放銃。鈴木が5,800で良いスタート切った。この時の望月の手牌。
二万三万四万五万六万六万六万六万二索三索四索五索四筒
タンヤオ・ピンフ・三色などの高打点が見える手牌。リーチに対して四索は相当の危険牌。決勝にかける強い気持ちが打点を見据えた強い打牌を生んでいた。
東1局1本場
今度は望月が9巡目に先制リーチ。
一万二万三万六万六万一索二索三索七索八索一筒二筒三筒  ドラ発
次巡、鈴木が九索のツモ切りで望月への7,700の放銃。この2局で鈴木と望月は自分の調子をどのように捉えるのか。
東2局
望月が積極的に仕掛ける。7巡目に三索をポン。9巡目に中をポン。この時点で1シャンテン。
三万三万五索六索三筒三筒西  ポン中中中  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き  ドラ七筒
こういった望月の遠い仕掛けはあまり見ない。しかし、この仕掛けにより鈴木にテンパイが入りリーチ。14巡目にツモ。
三万四万五万二索二索四索五索六索七索八索九索七筒八筒  ツモ九筒
鈴木が1,300・2,600で再びトップ目に。望月の仕掛けは裏目となったか。
東3局
望月が9巡目にテンパイ。
四万五万六万三索三索六索七索八索三筒五筒発発発  ドラ発
次巡、三筒を引いて手変わり。
四万五万六万三索三索六索七索八索三筒三筒発発発
この選択が功を奏し8,000の出アガリ。鈴木と望月の2人のペースで1回戦は南入。
南1局
岡本が10巡目にリーチ。
二万三万四万五万六万七万二索四索八索八索二筒三筒四筒  ドラ発
岡本は前局に300・500をアガっており、良い感触はあったかもわからないがここは流局。
南3局
親番の岡本が仕掛けていく。
五万五万六万七万八万四索五索二筒三筒四筒  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ドラ五万
この仕掛けによって本田にテンパイが入りリーチ。
二万二万二万五万六万七万八万二筒三筒四筒四筒五筒六筒
しかし本田が三索をつかんでしまい、岡本が5,800。岡本の仕掛けが上手くいった形となった。
南4局2本場
鈴木が1巡目から仕掛けていく。
役牌をポンして7巡目にテンパイ。すぐに岡本から2,000点を出アガリ。安定した試合運びの鈴木がトップ、望月が浮きの2着で1回戦終了。
1回戦成績
鈴木+17.1P 望月+11.8P 岡本▲9.6P 本田▲19.3P
1回戦終了時
望月+31.8P 都築+30.0P 鈴木+27.1P 本田+20.7P 岡本▲9.6P
 
2回戦(起家から鈴木、本田、岡本、都築、抜け番:望月)
1回戦抜け番となった都築はこれが初戦となる。
1回戦を見て、どのように戦っていくのか注目である。
東2局
東1局は岡本が7,700の出アガリ。迎えた東2局、岡本は9巡目に四暗刻の1シャンテンとなる。
一万一万一万七万八万八万二索二索八索八索八索中中  ドラ九筒
ここで本田が切った1枚目の二索をスルー。大物手を目指していくが、13巡目に親番の本田にテンパイが入る。15巡目に岡本が放銃。
四万五万六万九万九万三索四索五索七筒九筒東東東  ロン八筒  ドラ九筒
1回戦、アガリの無かった本田が7,700と2回戦は良い立ち上がりを見せる。
東2局2本場
6巡目に岡本が1枚目の中をポンしてテンパイ。
三万四万五万八索八索六筒七筒発発発  ポン中中中  ドラ八索
岡本が都築からの放銃で8,000のアガリ。このアガリで波に乗ったのか親番となった東3局に700オール、1,300オール、2,600オールと順調に加点をして50,000点を超える。
東4局
7巡目、鈴木。
一万二万三万一索一索二筒二筒三筒三筒九筒九筒北北  ツモ二索  ドラ五万
七対子の1シャンテンではあるが、チャンタ・三色なども見える手牌。鈴木は打三筒.すると次巡ツモ三索。打二筒としてメンツ手の1シャンテン。2巡後にはツモ一筒で打一索リーチ。
一万二万三万一索二索三索一筒二筒三筒九筒九筒北北
ヤミテンにしていると本田から北が出ていたかもしれない。このテンパイ形を見て本田は何を感じ、流局という結果から鈴木は何を感じるのか。しかしアガリには結びつかなくとも素晴らしい手組みではあった。
南1局
岡本のペースで進んでいく2回戦。親番の鈴木の6巡目のリーチに都築が5,800を放銃し、岡本、本田、鈴木の3人浮きとなる。都築にとっては非常に厳しい展開となった。
南1局1本場
苦しい立場に立たされた都築。
一万三万五万六万七万八万六索八索八索八索七筒七筒八筒  ドラ四筒
この形から4巡目にツモ四筒一万。すると8巡目ドラ四筒を重ねて打六索。次巡にツモ九筒七筒リーチ。
三万五万六万七万八万八索八索八索四筒四筒七筒八筒九筒
両面変化しやすい形ではあり、私はヤミテンにしてしまいそうだが、この判断が良く、15巡目に四万ツモ。都築の強い意志の感じられる1局だったと思う。
しかし、岡本のペースが崩れることはなく、2回戦は岡本が54,100点の1人浮きのトップで終了。
2回戦成績
岡本+36.1P 本田▲4.6P 鈴木▲4.6P 都築▲26.9P
2回戦終了時
望月+31.8P 岡本+26.5P 鈴木+22.5P 本田+16.1P 都築+3.1P
 
3回戦(起家から岡本、鈴木、都築、望月、抜け番:本田)
東1局
10巡目、鈴木。
二万三万三万二索三索三索四索二筒二筒三筒三筒三筒四筒  ドラ二筒
234の三色などもみえるが鈴木は二筒をポン。打三索としてタンヤオ・ドラ3のアガリを見る。2巡後、ツモ五筒、打二万として16巡目にツモ六筒で2,000・3,900。鈴木の鳴きが光る1局となった。
東3局
鈴木の配牌。
四万八万九万九万一索五索七索八索九索二筒二筒七筒九筒  ドラ白
789の三色が見える好配牌。1巡目のツモ五索で面子候補が決まり、打九万。順調にツモが伸びて6巡目にリーチ。
八万九万五索五索七索八索九索二筒二筒二筒七筒八筒九筒
その時の鈴木の河が九万一索五万七筒五万四万。変則手濃厚であったが、すぐに他家から七万が打たれて5,200のアガリ。仕掛けのみならず、メンゼンでの手組みでも魅せていく
南3局
ここまであまり良いところの無かった都築。親番だが良い配牌とはいえない。
一万五万六万八万八万九索一筒一筒二筒四筒七筒東北中  ドラ東
8巡目、ここまで好調の鈴木からリーチ。
三万三万九万九万八索八索東南南北北発発
その時の都築の手牌。
五万六万六万八万八万一筒四筒四筒五筒六筒七筒東東
すぐに東が暗刻となり無筋の一筒を切る。。
9巡目
五万六万六万八万八万四筒四筒五筒六筒七筒東東東  ツモ四筒
五万六万も無筋。八万はリーチ者の現物。長考の末、都築は打六万。三暗刻での8,000オールも見えるところであり、四万七万が山にいるとも限らない。五万六万のどちらかが鈴木の当たり牌かもしれない。非常に難しい局面である。
次巡、意を決してリーチに踏み切る。2巡後に力強く七万をツモった。
五万六万八万八万四筒四筒四筒五筒六筒七筒東東東  ツモ七万
この6,000オールでトップに浮上。都築はこの半荘を1人浮きで終えることができた。
3回戦成績
都築+21.4P 岡本▲1.8P 鈴木▲6.2P 望月▲13.4P
3回戦終了時
岡本+24.7P 都築+24.5P 望月+18.4P 鈴木+16.3P 本田+16.1P
 
4回戦(起家から岡本、望月、本田、都築、抜け番:鈴木)
1位から5位の差が8.6Pしかない非常に均衡した戦いとなった。ここから誰が抜け出すか全くわからない見ごたえのある試合になった。
東1局
親番の岡本、13巡目にテンパイ。
一万二万三万四万四万四万一索二索三索一筒二筒東東  ドラ中
ヤミテンに構えると先にリーチをかけていた望月が三筒を放銃。リーチをかけていれば、などと考えるとキリがないがこういった判断が上手くいっている日は調子の良い日だと私は思う。
東4局1本場
小場で進んでいたこの半荘、28,100点持ちながらラス目の望月が6巡目にリーチ。一発で三筒をツモ。
五索六索七索一筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒南南  ツモ三筒  ドラ一索
日本プロ麻雀連盟のAルールは一発が無いが、このような手役が絡んでいるカンチャンやペンチャン待ちを一発でツモった時ほど気持ちの良いものは無いように感じる。望月の2,000・3,900で一気に1人浮きのトップに。
南2局
4回戦に入ってここまでアガリの無かった本田が5巡目に動く。
一万二万二万五万六万六万七万九万九万南中  ポン白白白  ドラ八索
中とすると2巡後に南ツモ。
一万二万二万五万六万六万七万九万九万南  ポン白白白  ツモ南
この手から打六万としてトイトイを見切る。次巡ツモ九万、ノータイムで打一万。2巡後あっさりとツモ二万で1,600・3,200。本田は最速のアガリ手順をあっさりと選びきった。
二万二万五万六万七万九万九万九万南南  ポン白白白  ツモ二万
この後も小場で進んだ4回戦は望月がトップで終了。本田、岡本と続き、都築は1人沈みのラスで苦しい展開となった。
4回戦成績
望月+12.9P 本田+4.6P 岡本+2.3P 都築▲19.8P
4回戦終了時
望月+31.3P 岡本+27.0P 本田+20.7P 鈴木+16.3P 都築+4.7P
 
5回戦(起家から鈴木、都築、望月、本田、抜け番:岡本)
静岡リーグの決勝はこの5回戦を終えた時点でポイント最下位のものは一足早く敗退となってしまう。最終6回戦に進むためにどの選手も全力を尽くして戦うのは間違いない。
東3局3本場
4回戦を終えてトータルトップ、5回戦も1,600、2,600オール、3,900オールと順調に加点していく望月。ここでも勝負手が入る。時間がかかりながらも16巡目にようやくテンパイ。
一万一万二万三万六万六万七万七万八万八万南白白  ドラ南  ツモ二万
南はドラであり生牌。簡単に切ることのできる牌ではない。望月は迷うことなく打三万とした。しかし、最後のツモで無情にも三万を持ってきてしまう。南は誰にも当たるどころか鳴かれることもない牌だった。
これをアガリ逃しと捉えるか否かは個人差があると思う。ドラで生牌の南を絶対に切らないと決めていればアガリ逃しにはならない。望月はそのようなタイプであると思う。しかし、この局が1つのポイントになったように思える。
東3局4本場
望月の連荘が続くなか、鈴木が3巡目に積極的に仕掛ける。
二万四万四万一索一索三索六索五筒東発発中中  ドラ一索
この手牌から三万をチー。打東とすると続いて中発をポン。ツモ五筒で打六索としてあっという間にテンパイ。望月が五筒を放銃してしまう。
一索一索五筒五筒  ポン発発発  ポン中中中  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ロン五筒
7,700という打点も勿論のこと、トータルトップ目の望月からアガって望月の親番を落とす大きなアガリとなった。
東4局
前局は放銃に回った望月。しかしすぐに望月の反撃。14巡目にテンパイ。
二万三万四万六万三索三索三索二筒三筒三筒四筒五筒七筒  ツモ四筒  ドラ五筒
打六として七筒単騎のヤミテンに構えると、ほぼノータイムでのツモ切りが続く。そしてハイテイで七筒をツモ。2,000・3,900とする。
二万三万四万三索三索三索二筒三筒三筒四筒四筒五筒七筒  ツモ七筒
この時、親番の本田の手牌。
二万三万四万六万七万八万二筒二筒五筒六筒  チー四索 上向き五索 上向き六索 上向き
相手の当たり牌を止めつつのアガリ。望月の読みの鋭さはさすがである。
南4局1本場
この後は、望月と本田に交互にアガリがうまれる展開。
ここでラス目の都築。
敗退しない条件は鈴木から満貫を直撃するか跳満ツモ。
しかし、先手を取りに来たのは鈴木だった。
五万五万一索二索四索四索五索六索八索六筒六筒南南  ドラ白
この手牌から3巡目に南をポン。六筒のトイツ落としをすると、6巡目にテンパイが入る。
五万五万一索二索四索五索六索七索八索九索  ポン南南南
なんとかして次に繋げたい都築も追いつこうとはするが間に合わず。鈴木がツモ三索の1,000・2,000で5回戦が終了。
この瞬間、都築の敗退が決まった。初の決勝ということで難しい部分もあったとは思うが、最後まで丁寧でキレのある麻雀を魅せてくれた。
5回戦成績
望月+32.5P 本田+5.5P 鈴木▲9.1P 都築▲28.9P
5回戦終了時
望月+63.8P 岡本+27.0P 本田+26.2P 鈴木+7.2P 都築▲24.2P(敗退)
 
6回戦(起家から岡本、本田、鈴木、望月)
最終6回戦は、トータルポイント2位、3位、4位、1位の順に東家、南家、西家、北家の並びとなる。
白熱した試合もいよいよクライマックスを迎える。
東2局2本場
東1局、東1局1本場、東2局2本場と流局が続く慎重なスタートとなった6回戦。最初に動き出したのはやはりというのか、鈴木であった。
三索三索一筒二筒二筒四筒七筒南南西北白白  ドラ三万
3巡目にポン南とすると、すぐに南を加カン。このカンで七筒をツモると5巡目に白、9巡目に七筒のポンとしてテンパイ。
三索三索二筒二筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ポン白白白  加カン南南南南
岡本から三索の出アガリ。8,000で先手を取ることに成功した。
東3局
最初にテンパイが入ったのは岡本。
三索四索五索七索七索七索八索九索九索九索五筒六筒七筒  ドラ五索
この手でリーチを打つが、親の鈴木がすぐに追いかけリーチ。
五万五万五万五索五索六索六索六索二筒二筒三筒四筒五筒
次巡、鈴木が力強く五索をツモ。圧巻の8,000オールである。観客も思わず声を漏らしてしまう。
この瞬間、トータルトップが鈴木に変わった。
南1局
岡本は最後の親番。なんとしても連荘をしたいところである。しかし、他の選手は局回しをしたいところ。望月が積極的に仕掛ける。
二万三万四万三索六筒九筒九筒  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ポン中中中  ドラ四万
5巡目で早くも2フーロ。10巡目にテンパイ。
一万二万二万三万四万九筒九筒  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ポン中中中
すると11巡目に今度は本田からリーチ。
二万三万四万二筒二筒三筒四筒五筒五筒六筒南南南
望月も回りながら進めていくが本田に七筒で8,000の放銃。
南2局
今度は鈴木が積極的に仕掛ける。時間は掛かったが12巡目にテンパイ。
五万六万七万七筒八筒白白  チー一筒 上向き二筒 上向き三筒 上向き  ポン中中中  ドラ二索
遅れて親の本田も16巡目にテンパイ。
五索五索三筒四筒五筒五筒七筒東東東  チー七筒 上向き八筒 上向き九筒 上向き
ここで18巡目に本田は九筒をツモる。テンパイ維持には五筒九筒切りだが両方とも鈴木には通っていない。悩んだ末、本田は九筒を切る。鈴木へ1,000の放銃。本田の親番も終わった。
南4局3本場
南3局に親番の鈴木が7,700、2,600オールでリードを広げる。2本場をなんとか望月の1人テンパイで流して迎えた南4局。この時点でのトータルポイントは以下の通り。
鈴木+69.1P 望月+44.1P 本田+8.4P 岡本+0.6P
現実的には鈴木と望月の一騎打ちとなった。
この局、北家の鈴木に好配牌が来る。
二万四万七万四索五索二筒三筒四筒五筒六筒七筒北北  ドラ一万
一方、望月の配牌。
一万一万二万三万六万九万二索二索三索六筒白発中中
1面子あるが鈴木と比べると劣る配牌。
鈴木は2巡目にテンパイ。
二万四万四索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒北北
両面変化や北のポンや暗刻への変化を見てヤミテン。6巡目に望月から北が放たれポン。
四万四索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ポン北北北
すると望月からリーチの声が。
一万二万三万四万五万六万二索三索四索白白中中
8巡目に鈴木が中をつかむ。これをツモ切りして7,700の放銃。
2人のポイント差は5.8Pに縮まった。
南4局4本場
この局も先手を取るのは鈴木。
一万二万三万四万四万四万七万八万九万五筒六筒東東  ドラ二万
この手で6巡目にリーチ。四筒七筒待ち。一方その時の望月の手牌。
一万一万八万四索四索四索五索七索七索六筒六筒七筒七筒
七対子の1シャンテン。この後、ツモ一筒五索とした後、10巡目に七筒ツモ
一万一万八万四索四索四索七索七索一筒六筒六筒七筒七筒  ツモ七筒
当たり牌である七筒。少考ののち、切ったのは八万。七対子ではなく、ツモり四暗刻に構えて七筒を使い切る道を選んだ。次巡、望月のツモは七索。ツモり四暗刻テンパイである。
一万一万四索四索四索七索七索七索六筒六筒七筒七筒七筒
選手と観客の緊張感から独特の空気に包まれる会場。
2巡後、望月がツモってきたのは四筒。望月はリーチをしていないので手を変えられる。七筒を暗刻で持っているので当たる可能性はある程度考慮しているだろう。
それでもこのテンパイ形で戦い抜くことを決意していたのか、望月はノータイムで四筒をツモ切る。
鈴木が発するロンの声が響く。鈴木の優勝が決まった。
6回戦成績
鈴木+57.1P 望月▲12.9P 本田▲17.8P 岡本▲26.4P
最終ポイント
鈴木+64.3P 望月+50.9P 本田+8.4P 岡本+0.6P 途中敗退:都築
第27回静岡リーグは鈴木秀幸プロの優勝で幕を閉じた。どの選手においてもそれぞれの持ち味を出し、最後まで強い気持ちで戦ったからこそ、見ごたえのある決勝となった。
決勝進出者の皆様、お疲れさまでした。
そして鈴木プロ、本当におめでとうございます。

ロン2カップ2016Autumnレポート ダンプ 大橋

2016年10月某日。夏目坂スタジオにてロン2カップ2016autumnが開催されました。

季節毎に行われるロン2カップも今年最後の開催になりました。
もちろん知らない方はいないと思いますが、念のためこのレポートを読む前にどんな大会なのかをおさらいしておきましょう。

●ロン2カップとは
日本プロ麻雀連盟公認のインターネット麻雀サイト「ロン2」がプロデュースする麻雀対局番組です。
この大会に参加するのはプロ雀士だけではなく、ロン2一般ユーザーさんも大会に参加していただきます。

●ユーザーさんが大会に参加する方法は
ロン2のサイト内で行われる予選大会で見事勝ち抜くと参加することが出来ます。
その大会は随時ロン2のホームページで告知されます。

●大会のシステムは
ユーザー代表3名とプロ雀士9名の計12名の大会です。
今回ロン2カップautumnは3人麻雀で行われますので、常に1人が抜け番となる4人で打つ3人麻雀です。
A卓、B卓、C卓の3卓に分かれ、A卓には1名、B卓には2名ユーザー代表の方が入り戦います。C卓はプロ4名の戦いです。
それぞれの卓のトップ者は無条件で決勝戦に進出となり、2着の方は決勝進出をかけた敗者復活戦に進みます。敗者復活戦でトップを取ると決勝卓に進むことができます。
この敗者復活戦に進むもう1人は、各卓の3位になった3名の中で、視聴者がもう一度対局をみたいと思われるプレイヤーに投票してもらうアンケートを取り、最も得票数の多かった方が進みます。

●今大会のルール
3人麻雀となり、ピンズとソーズに赤が1枚ずつ
切り上げ満貫は無し。飛び終了はありませんが、南場が終了しても60分経過していない場合は西場に入ります。
それ以降は60分経つまで局は進み60分経過した時点で残り1局というシステムです。
ただし、南場の時点で60分が経過した場合は、通常通り南4局終了時に対局も終了します。

 

【A卓】
 
100

起家から高宮まりプロ、宮内こずえプロ、Shimaさん、二階堂亜樹プロ
ユーザーのShimaさんは、年に数回ロン2のイベントであるリアル麻雀大会やファン感謝祭にもご参加いただいている中々ヘビーなロン2ユーザーさんです。

三麻の醍醐味はなんといっても高打点の応酬!
東1局は高宮プロの11,600点からスタート!

一筒一筒四筒四筒赤五筒五筒六筒七筒八筒九筒  ポン中中中  ロン三筒  ドラ六索

放銃してしまったShimaさんも、ドラが4枚からの放銃につき致し方ないところ。

1本場は二階堂プロがメンゼンでタンヤオドラ2をツモって3,900オール
※ロン2カップの3麻は親でも子でもツモれば均等の支払いになります。

さらに東2局は親の宮内プロが三麻では珍しいチャンタドラ5の9,000オール!

九万九万一筒一筒七筒八筒九筒  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  カン九索 上向き九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ツモ九万  ドラ一索一筒

さらに1本場、今度はユーザーのShimaさんがメンホン七対子をツモりアガって開局の失点を取り戻します。
わずか4局で満貫以上クラスのアガリが4回と乱打戦の様相となってきました。

そんな中、この対局を制したのは…南場の親番で連荘した二階堂プロ!
高宮プロの大三元テンパイを掻い潜っての満貫ツモはお見事でした!
以下、2着は宮内プロ、3着は高宮プロ、4着はShimaさん。

 

【B卓】
 
100

起家から前原雄大プロ、アルさん、藤崎智プロ、kaz-kunさん
アルさんは前回のロン2カップ2016summer覇者!特にシードがあったわけではなく、今回も予選を勝ち上がっての参戦です!
そしてkaz-kunさんも、7月に開催されたインターネット麻雀日本選手権にて、決勝に進出するほどの強豪ユーザー。以上の2名が登場となりました。

開局、親の前原プロのリーチを掻い潜ってアルさんがタンピンツモドラ2の4,000オールをツモ!
さらに親番でもアガリ、連覇へむけて視界良好でしょうか。

しかしこれは3人麻雀。そして相手は閻魔と忍者にインターネット麻雀決勝メンバー。そうは問屋がおろしません。
忍者が満貫をツモり返し、kaz-kunさんも親番で連荘、極め付けは閻魔が南場の親で

一筒二筒二筒二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒八筒九筒  ツモ七筒  ドラ四索

こんな倍満(12,000オール)をツモるなど、気が付けばアルさんは4着目を押し付けられて終了。

最終局、上位3名が非常に僅差の状況に。
kaz-kunさん51,800、閻魔45,500、忍者39,500
供託リーチ棒に3本場とアガった人がトップになりそうな状況ですが、制したのはkaz-kunさんでした!

四索五索六索三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒九筒中中中  ドラ六筒  ロン九筒

放銃してしまった閻魔様が忍者より下になり3着。忍者は忍んで敗者復活戦に向かいます。

 

【C卓】
 
100

起家から猿川真寿プロ、佐々木寿人プロ、勝又建志プロ、前田直哉プロ
先日行われた麻雀プロ団体日本一決定戦メンバーが勢ぞろいとなりました。

こちらはやや一方的な展開に。開局から点棒を集めた勝又プロが東3局の親番で

一筒一筒一筒二筒二筒三筒四筒赤五筒五筒六筒七筒八筒九筒  ロン七筒  ドラ四索

こんな跳満を8巡目に前田プロから出アガって断トツ模様。2着目に60,000点差近くをつけました。

追いかけたい残りの3名ですが、佐々木プロがまずピンフ高めイーペーコーをリーチして一発高めツモの満貫から、次局3巡目ドラ1ペン七索待ちテンパイを即ガラリー。

二索三索四索四索五索六索八索九索六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ  ドラ八筒

6巡目に何事もなかった様に七索をツモる様子は解説のがらくた総帥様「強し」の一言。
それでも勝又プロの牙城を破るまでにはいかず、2着で終了。3着には猿川プロ、4着は前田プロとなりました。

【敗者復活戦の前に】
各卓3着はアンケートを行い、1位の方が敗者復活戦に参加できます。
高宮プロ、前原プロ、猿川プロの3名が該当でしたが結果は…

3位の猿川プロは早々に司会の日吉プロが発表し退場。
高宮プロと前原プロの一騎打ちとなりましたが、半ば諦めの前原プロを日吉プロが発表まで引っ張る引っ張る。

しかし勝ったのはやっぱり高宮プロ。日吉プロは前原プロに蹴りを喰らってましたがこれは自業自得でしょう。

 

【敗者復活戦】
 
100

起家から藤崎プロ、佐々木プロ、高宮プロ、宮内プロ。

4者譲らぬ一進一退の攻防が続いたまま時間切れとなり残り2局に。
※制限時間ルールなので最低60分は対局を行う為南場が早く終わると西場になります。
西3局1本場の時点での持ち点は以下の通りに

高宮53,500、藤崎50,800、佐々木46,600、宮内9,100
宮内プロは、前局高宮プロに親の満貫を放銃してしまい、残念ながらこの局役満がほぼ最低条件に。
※最終局は最下位の選手が自動で抜けます

この局は親の高宮プロと佐々木プロの2人テンパイで最終局に。
高宮プロ、藤崎プロ、佐々木プロはわずか数千点の間にひしめき合う超接戦。
オーラス、藤崎プロはピンズ、佐々木プロはソーズに寄せ、6巡目にして藤崎プロが早くもこの1シャンテン。

一筒三筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒九筒九筒九筒西西  ドラ二索

藤崎プロと高宮プロの点差はわずか4,200点なのでメンゼンならアガればOK、西が役牌なので西を仕掛ても5,200なので条件を満たします。
2巡後、五筒を引きいれてカン二筒待ちの6,400テンパイに。カン二筒は山に残り2枚あります。

しかし高宮プロも次巡

二索三索三索四索八索八索四筒赤五筒五筒六筒六筒八筒八筒  ドラ二索

この1シャンテンから八索を仕掛けて四筒七筒待ちのテンパイに。こちらは山に残るは4枚。
藤崎プロが四筒を掴むも待ち変えをして二筒五筒八筒待ちに変更するも、ソーズの仕掛けをしていた佐々木プロが七筒を掴み高宮プロに放銃。

決勝には高宮プロが勝ち上がりました。

 

【決勝戦】
 
100

決勝戦に勝ち上がったのは予選A卓から二階堂亜樹プロ、kaz-kunさん、勝又健志プロ、そして先ほどの敗者復活戦を勝ち上がった高宮まりプロになります。

起家はkaz-kunさん、以下勝又プロ、高宮プロ、二階堂プロとなります。

先手を取ったのは高宮プロ。
二階堂プロよりリーチ一発七対子赤裏2をアガって跳満で先行。

次局はkaz-kunさんに大チャンス!13巡目に国士無双のテンパイが!場には2枚切れており、残り2枚はまだ山に!!
しかし勝負は無情。仕掛けを入れていた二階堂プロに4枚目の四索で放銃に。

三索三索三索四索四索中中  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  カン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ロン四索  ドラ一万四索

枚数的にはkaz-kunさんが有利だっただけに非常に残念な結果となってしまいました。
このアガリで気を良くしたのか、二階堂プロは次局の親番で跳満の9,000オール、3,200オールツモとトップ目に立ちますが、そうはさせじと高宮プロが七対子の倍満をツモアガリトップを取り返します。

勝又プロとkaz-kunさんは女流2人の勢いに巻き込まれ、中々浮上の糸口を見つける事ができません。

そのまま局は進み、最終局は西場が終わって戻って東場になりました。
現在のトップ目は高宮プロの76,200、次いで二階堂プロの48,300、勝又プロの20,700。kaz-kunさんは残念ながら現在ラス目の為、抜け番となりました。

親は勝又プロなので、勝又プロの条件は役満ツモまたは三倍満直撃。二階堂プロの条件は三倍満ツモまたは倍満直撃。
1局勝負となると、高得点の出やすい三麻とはいえかなり厳しい条件です。

しかしテンパイは高宮プロが一番乗り。
このまま決まってしまうかと思いましたが、残りツモ2回の二階堂プロがこの手牌。

一索一索三索三索四索四索四索五索六索六索七索七索七索八索  ドラ九索

七索を切ればチンイツテンパイになりますが、点数が足りない為、テンパイ拒否の打一索

そして次巡ツモったのはドラの九索

一索三索三索四索四索四索五索六索六索七索七索七索八索九索  ドラ九索

一索を切って五索八索待ちのリーチを打ちました!五索を一発でツモれば裏ドラを見ずに逆転となる1手ですが、何と山に残る五索八索は示し合わせたかの様に赤五索が1枚のみ。

二階堂プロの最終ツモに力が入ります。

そしてツモってきたのは…。

まさかまさかの赤五索!!
リーチ一発ツモイーペーコーチンイツ赤ドラの三倍満で優勝を手繰り寄せたのでした!

 

100

 

さあ、次回のロン2カップ2017winterは2017年1月8日に開催予定となりますが、こちらへの出場権をかけた予選大会が11月下旬に開催予定となっております。
今回は放送を見ていたあなたがトッププロとの対局を行っているかもしれません!

興味のある方はロン2へ!!!

その他イベント/ロン2カップ2016Autumnレポート ダンプ 大橋

2016年10月某日。夏目坂スタジオにてロン2カップ2016autumnが開催されました。
季節毎に行われるロン2カップも今年最後の開催になりました。
もちろん知らない方はいないと思いますが、念のためこのレポートを読む前にどんな大会なのかをおさらいしておきましょう。
●ロン2カップとは
日本プロ麻雀連盟公認のインターネット麻雀サイト「ロン2」がプロデュースする麻雀対局番組です。
この大会に参加するのはプロ雀士だけではなく、ロン2一般ユーザーさんも大会に参加していただきます。
●ユーザーさんが大会に参加する方法は
ロン2のサイト内で行われる予選大会で見事勝ち抜くと参加することが出来ます。
その大会は随時ロン2のホームページで告知されます。
●大会のシステムは
ユーザー代表3名とプロ雀士9名の計12名の大会です。
今回ロン2カップautumnは3人麻雀で行われますので、常に1人が抜け番となる4人で打つ3人麻雀です。
A卓、B卓、C卓の3卓に分かれ、A卓には1名、B卓には2名ユーザー代表の方が入り戦います。C卓はプロ4名の戦いです。
それぞれの卓のトップ者は無条件で決勝戦に進出となり、2着の方は決勝進出をかけた敗者復活戦に進みます。敗者復活戦でトップを取ると決勝卓に進むことができます。
この敗者復活戦に進むもう1人は、各卓の3位になった3名の中で、視聴者がもう一度対局をみたいと思われるプレイヤーに投票してもらうアンケートを取り、最も得票数の多かった方が進みます。
●今大会のルール
3人麻雀となり、ピンズとソーズに赤が1枚ずつ
切り上げ満貫は無し。飛び終了はありませんが、南場が終了しても60分経過していない場合は西場に入ります。
それ以降は60分経つまで局は進み60分経過した時点で残り1局というシステムです。
ただし、南場の時点で60分が経過した場合は、通常通り南4局終了時に対局も終了します。
 
【A卓】
 
100
起家から高宮まりプロ、宮内こずえプロ、Shimaさん、二階堂亜樹プロ
ユーザーのShimaさんは、年に数回ロン2のイベントであるリアル麻雀大会やファン感謝祭にもご参加いただいている中々ヘビーなロン2ユーザーさんです。
三麻の醍醐味はなんといっても高打点の応酬!
東1局は高宮プロの11,600点からスタート!
一筒一筒四筒四筒赤五筒五筒六筒七筒八筒九筒  ポン中中中  ロン三筒  ドラ六索
放銃してしまったShimaさんも、ドラが4枚からの放銃につき致し方ないところ。
1本場は二階堂プロがメンゼンでタンヤオドラ2をツモって3,900オール
※ロン2カップの3麻は親でも子でもツモれば均等の支払いになります。
さらに東2局は親の宮内プロが三麻では珍しいチャンタドラ5の9,000オール!
九万九万一筒一筒七筒八筒九筒  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  カン九索 上向き九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ツモ九万  ドラ一索一筒
さらに1本場、今度はユーザーのShimaさんがメンホン七対子をツモりアガって開局の失点を取り戻します。
わずか4局で満貫以上クラスのアガリが4回と乱打戦の様相となってきました。
そんな中、この対局を制したのは…南場の親番で連荘した二階堂プロ!
高宮プロの大三元テンパイを掻い潜っての満貫ツモはお見事でした!
以下、2着は宮内プロ、3着は高宮プロ、4着はShimaさん。
 
【B卓】
 
100
起家から前原雄大プロ、アルさん、藤崎智プロ、kaz-kunさん
アルさんは前回のロン2カップ2016summer覇者!特にシードがあったわけではなく、今回も予選を勝ち上がっての参戦です!
そしてkaz-kunさんも、7月に開催されたインターネット麻雀日本選手権にて、決勝に進出するほどの強豪ユーザー。以上の2名が登場となりました。
開局、親の前原プロのリーチを掻い潜ってアルさんがタンピンツモドラ2の4,000オールをツモ!
さらに親番でもアガリ、連覇へむけて視界良好でしょうか。
しかしこれは3人麻雀。そして相手は閻魔と忍者にインターネット麻雀決勝メンバー。そうは問屋がおろしません。
忍者が満貫をツモり返し、kaz-kunさんも親番で連荘、極め付けは閻魔が南場の親で
一筒二筒二筒二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒八筒九筒  ツモ七筒  ドラ四索
こんな倍満(12,000オール)をツモるなど、気が付けばアルさんは4着目を押し付けられて終了。
最終局、上位3名が非常に僅差の状況に。
kaz-kunさん51,800、閻魔45,500、忍者39,500
供託リーチ棒に3本場とアガった人がトップになりそうな状況ですが、制したのはkaz-kunさんでした!
四索五索六索三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒九筒中中中  ドラ六筒  ロン九筒
放銃してしまった閻魔様が忍者より下になり3着。忍者は忍んで敗者復活戦に向かいます。
 
【C卓】
 
100
起家から猿川真寿プロ、佐々木寿人プロ、勝又建志プロ、前田直哉プロ
先日行われた麻雀プロ団体日本一決定戦メンバーが勢ぞろいとなりました。
こちらはやや一方的な展開に。開局から点棒を集めた勝又プロが東3局の親番で
一筒一筒一筒二筒二筒三筒四筒赤五筒五筒六筒七筒八筒九筒  ロン七筒  ドラ四索
こんな跳満を8巡目に前田プロから出アガって断トツ模様。2着目に60,000点差近くをつけました。
追いかけたい残りの3名ですが、佐々木プロがまずピンフ高めイーペーコーをリーチして一発高めツモの満貫から、次局3巡目ドラ1ペン七索待ちテンパイを即ガラリー。
二索三索四索四索五索六索八索九索六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ  ドラ八筒
6巡目に何事もなかった様に七索をツモる様子は解説のがらくた総帥様「強し」の一言。
それでも勝又プロの牙城を破るまでにはいかず、2着で終了。3着には猿川プロ、4着は前田プロとなりました。
【敗者復活戦の前に】
各卓3着はアンケートを行い、1位の方が敗者復活戦に参加できます。
高宮プロ、前原プロ、猿川プロの3名が該当でしたが結果は…
3位の猿川プロは早々に司会の日吉プロが発表し退場。
高宮プロと前原プロの一騎打ちとなりましたが、半ば諦めの前原プロを日吉プロが発表まで引っ張る引っ張る。
しかし勝ったのはやっぱり高宮プロ。日吉プロは前原プロに蹴りを喰らってましたがこれは自業自得でしょう。
 
【敗者復活戦】
 
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起家から藤崎プロ、佐々木プロ、高宮プロ、宮内プロ。
4者譲らぬ一進一退の攻防が続いたまま時間切れとなり残り2局に。
※制限時間ルールなので最低60分は対局を行う為南場が早く終わると西場になります。
西3局1本場の時点での持ち点は以下の通りに
高宮53,500、藤崎50,800、佐々木46,600、宮内9,100
宮内プロは、前局高宮プロに親の満貫を放銃してしまい、残念ながらこの局役満がほぼ最低条件に。
※最終局は最下位の選手が自動で抜けます
この局は親の高宮プロと佐々木プロの2人テンパイで最終局に。
高宮プロ、藤崎プロ、佐々木プロはわずか数千点の間にひしめき合う超接戦。
オーラス、藤崎プロはピンズ、佐々木プロはソーズに寄せ、6巡目にして藤崎プロが早くもこの1シャンテン。
一筒三筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒九筒九筒九筒西西  ドラ二索
藤崎プロと高宮プロの点差はわずか4,200点なのでメンゼンならアガればOK、西が役牌なので西を仕掛ても5,200なので条件を満たします。
2巡後、五筒を引きいれてカン二筒待ちの6,400テンパイに。カン二筒は山に残り2枚あります。
しかし高宮プロも次巡
二索三索三索四索八索八索四筒赤五筒五筒六筒六筒八筒八筒  ドラ二索
この1シャンテンから八索を仕掛けて四筒七筒待ちのテンパイに。こちらは山に残るは4枚。
藤崎プロが四筒を掴むも待ち変えをして二筒五筒八筒待ちに変更するも、ソーズの仕掛けをしていた佐々木プロが七筒を掴み高宮プロに放銃。
決勝には高宮プロが勝ち上がりました。
 
【決勝戦】
 
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決勝戦に勝ち上がったのは予選A卓から二階堂亜樹プロ、kaz-kunさん、勝又健志プロ、そして先ほどの敗者復活戦を勝ち上がった高宮まりプロになります。
起家はkaz-kunさん、以下勝又プロ、高宮プロ、二階堂プロとなります。
先手を取ったのは高宮プロ。
二階堂プロよりリーチ一発七対子赤裏2をアガって跳満で先行。
次局はkaz-kunさんに大チャンス!13巡目に国士無双のテンパイが!場には2枚切れており、残り2枚はまだ山に!!
しかし勝負は無情。仕掛けを入れていた二階堂プロに4枚目の四索で放銃に。
三索三索三索四索四索中中  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  カン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ロン四索  ドラ一万四索
枚数的にはkaz-kunさんが有利だっただけに非常に残念な結果となってしまいました。
このアガリで気を良くしたのか、二階堂プロは次局の親番で跳満の9,000オール、3,200オールツモとトップ目に立ちますが、そうはさせじと高宮プロが七対子の倍満をツモアガリトップを取り返します。
勝又プロとkaz-kunさんは女流2人の勢いに巻き込まれ、中々浮上の糸口を見つける事ができません。
そのまま局は進み、最終局は西場が終わって戻って東場になりました。
現在のトップ目は高宮プロの76,200、次いで二階堂プロの48,300、勝又プロの20,700。kaz-kunさんは残念ながら現在ラス目の為、抜け番となりました。
親は勝又プロなので、勝又プロの条件は役満ツモまたは三倍満直撃。二階堂プロの条件は三倍満ツモまたは倍満直撃。
1局勝負となると、高得点の出やすい三麻とはいえかなり厳しい条件です。
しかしテンパイは高宮プロが一番乗り。
このまま決まってしまうかと思いましたが、残りツモ2回の二階堂プロがこの手牌。
一索一索三索三索四索四索四索五索六索六索七索七索七索八索  ドラ九索
七索を切ればチンイツテンパイになりますが、点数が足りない為、テンパイ拒否の打一索
そして次巡ツモったのはドラの九索
一索三索三索四索四索四索五索六索六索七索七索七索八索九索  ドラ九索
一索を切って五索八索待ちのリーチを打ちました!五索を一発でツモれば裏ドラを見ずに逆転となる1手ですが、何と山に残る五索八索は示し合わせたかの様に赤五索が1枚のみ。
二階堂プロの最終ツモに力が入ります。
そしてツモってきたのは…。
まさかまさかの赤五索!!
リーチ一発ツモイーペーコーチンイツ赤ドラの三倍満で優勝を手繰り寄せたのでした!
 
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さあ、次回のロン2カップ2017winterは2017年1月8日に開催予定となりますが、こちらへの出場権をかけた予選大会が11月下旬に開催予定となっております。
今回は放送を見ていたあなたがトッププロとの対局を行っているかもしれません!
興味のある方はロン2へ!!!

第23回ロン2ファン感謝祭レポート 中野 妙子

100

 

2016年8月11日 (木祝) 第23回ロン2感謝祭が開催されました!
今回のレポートは30期生、中野妙子がお送りします。よろしくお願いします!

今年の夏も女流祭り!
私は去年初めて参加させて頂いたので2回目の参加でした。

 

今回の参加プロは

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松岡千晶プロ

100

山脇千文美プロ

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小島優プロ

100

井上絵美子プロ

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川原舞子プロ

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桜川姫子プロ

100

京平遥プロ

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白銀紗希プロ

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大久保朋美プロ

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片倉まちプロ

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西川舞プロ

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中野妙子プロ

 

13卓全てにプロが参加し、ルールはロン2道場ルールで半荘4回戦。 上位の方には賞品があるという大会でした。

今年は浴衣のプロはいませんでしたが、やはり女子が 13 人もいるとそれだけでとっても華やか。
和気あいあいと、大会は和やかな楽しいムードで行われました。

各卓で、対局が終わったらお話したりサインを書いたり一緒に写真を撮ったりと、普段なかなかお会いできないユーザーの皆さんと会ってお話することの出来る楽しい時間でした。
お名前を聞くと、ロン2で同卓したことがあったり、お名前を見かけたことのある方もいて、初めて会うはずなのに初めてじゃないような感覚でした。

今回は成績上位3名の方への賞品以外に、役満賞と、じゃんけん大会で勝った方へのプレゼント企画も!

じゃんけん大会に参加のプロは、、、

なんと私!

2回戦目にその日の最高得点の 103,400 点のトップをとったので、じゃんけん担当に任命されました。
あれよあれよとアガリを重ね、気付いたら10万点オーバーしてました(≧∇≦)こんなことなかなかないことで珍しいですw

 

100

 

中野 VS 参加者の皆さんのじゃんけん大会、最後まで残ってDVDを手にした方は、、、

TOMさん
トライアスロンのDVD3巻セットを獲得おめでとうございます!

役満賞はなんと2人も!
1戦目、2戦目、共に国士無双の役満が出ました!

 

100

 

見事役満をアガッて役満賞を手にしたのは、

CostadelSol さん
ぱぴるすさん

おめでとうございます!

成績上位で女流プロとの写真撮影権を獲得したのは
1位  CostadelSol さん
2位 がくぞうさん
3位 グレート・宗さん

皆さんおめでとうございますo(^▽^)o

大会はとても盛り上がり終了することができました。
皆さんに会えて一緒に麻雀が打てて、私達参加プロも沢山パワーをもらって、楽しい1日になりました。

こうして参加頂いて大会を盛り上げて頂き、本当に感謝でいっぱいです。
ご参加頂き本当にありがとうございました。

皆さんに支えられて、私達は活動出来るのだなと、そして、麻雀は人と人を繋げる素晴らしいゲームだなと感じた1日でした。
普段はなかなか会えなくても、遠くても、私達はみんな麻雀で、ロン2で繋がっています。
同卓だってできちゃいますね!

これからも日本プロ麻雀連盟のプロ達が沢山参戦していきますので、今後ともロン2をよろしくお願いします★
次回のファン感謝祭も楽しみにしていてくださいね!

 

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ファン感謝祭/第23回ロン2ファン感謝祭レポート 中野 妙子

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2016年8月11日 (木祝) 第23回ロン2感謝祭が開催されました!
今回のレポートは30期生、中野妙子がお送りします。よろしくお願いします!
今年の夏も女流祭り!
私は去年初めて参加させて頂いたので2回目の参加でした。
 
今回の参加プロは

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松岡千晶プロ

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山脇千文美プロ

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小島優プロ

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井上絵美子プロ

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川原舞子プロ

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桜川姫子プロ

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京平遥プロ

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白銀紗希プロ

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大久保朋美プロ

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片倉まちプロ

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西川舞プロ

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中野妙子プロ

 
13卓全てにプロが参加し、ルールはロン2道場ルールで半荘4回戦。 上位の方には賞品があるという大会でした。
今年は浴衣のプロはいませんでしたが、やはり女子が 13 人もいるとそれだけでとっても華やか。
和気あいあいと、大会は和やかな楽しいムードで行われました。
各卓で、対局が終わったらお話したりサインを書いたり一緒に写真を撮ったりと、普段なかなかお会いできないユーザーの皆さんと会ってお話することの出来る楽しい時間でした。
お名前を聞くと、ロン2で同卓したことがあったり、お名前を見かけたことのある方もいて、初めて会うはずなのに初めてじゃないような感覚でした。
今回は成績上位3名の方への賞品以外に、役満賞と、じゃんけん大会で勝った方へのプレゼント企画も!
じゃんけん大会に参加のプロは、、、
なんと私!
2回戦目にその日の最高得点の 103,400 点のトップをとったので、じゃんけん担当に任命されました。
あれよあれよとアガリを重ね、気付いたら10万点オーバーしてました(≧∇≦)こんなことなかなかないことで珍しいですw
 

100

 
中野 VS 参加者の皆さんのじゃんけん大会、最後まで残ってDVDを手にした方は、、、
TOMさん
トライアスロンのDVD3巻セットを獲得おめでとうございます!
役満賞はなんと2人も!
1戦目、2戦目、共に国士無双の役満が出ました!
 

100

 
見事役満をアガッて役満賞を手にしたのは、
CostadelSol さん
ぱぴるすさん
おめでとうございます!
成績上位で女流プロとの写真撮影権を獲得したのは
1位  CostadelSol さん
2位 がくぞうさん
3位 グレート・宗さん
皆さんおめでとうございますo(^▽^)o
大会はとても盛り上がり終了することができました。
皆さんに会えて一緒に麻雀が打てて、私達参加プロも沢山パワーをもらって、楽しい1日になりました。
こうして参加頂いて大会を盛り上げて頂き、本当に感謝でいっぱいです。
ご参加頂き本当にありがとうございました。
皆さんに支えられて、私達は活動出来るのだなと、そして、麻雀は人と人を繋げる素晴らしいゲームだなと感じた1日でした。
普段はなかなか会えなくても、遠くても、私達はみんな麻雀で、ロン2で繋がっています。
同卓だってできちゃいますね!
これからも日本プロ麻雀連盟のプロ達が沢山参戦していきますので、今後ともロン2をよろしくお願いします★
次回のファン感謝祭も楽しみにしていてくださいね!
 

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第28回静岡リーグ(プロアマ混合)第1節レポート

9月18日
第28回静岡リーグ開幕。

静岡リーグでは毎回開幕戦の日に参加選手の紹介がある。全員が各々の意気込みやコメントを述べていくのだ。前回の数字を超える、○○さんに勝つ、優勝する…など様々な目標を聞くことができる。

今回の私の目標はずばり、決勝進出である。
前回は中盤まで上位をキープしたが、決勝が現実的だと考え始めた瞬間に目には見えないプレッシャーに押しつぶされ大敗した。

麻雀は精神面が大きく関係する競技である。
元々メンタルの弱い私は自分との戦いに負けてしまった。プロになってから決勝という舞台に進んだことがないため、今回こそは必ず決勝メンバーに残ってやるという気持ちで挑んでいる。

そんな熱い気持ちで臨んだ第1節、私は悪くないスタートを切れたように思える。終始あまり手が入っていなかった印象だったが、他者の手が良く見えており、必要のない放銃を避けて3万点付近をキープすることに徹することができた。1.2.2.3という着順で+20.5Pは満足できる成績ではないが、今後につながる対局ではあったと思う。

第1節は一般参加の松井さんが+105.9Pとトップを独走するような形となった。プロでは午前中に行われている静岡プロリーグでは首位に立っている山本拓哉プロが+52.6Pと静岡リーグでも好調を維持した。前回、初の決勝進出を果たした都築友和プロも+45.2Pと良い滑り出しとなった。

全5節で行われる静岡リーグ。ここから誰が抜け出し、決勝へ進むのか注目していきたいと思う。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 松井 和志 一般 105.9         105.9
2 中野 一男 一般 55.8         55.8
3 山本 拓哉 プロ 52.6         52.6
4 都築 友和 プロ 45.2         45.2
5 足立 純哉 プロ 40.7         40.7
6 渡辺 洋巳 プロ 40.0         40.0
7 堀 孔明 一般 39.4         39.4
8 土屋 幸弘 プロ 38.6         38.6
9 鈴木 郁孝 プロ 38.2         38.2
10 竹内 仁 一般 36.0         36.0
11 中 寿文 プロ 35.7         35.7
12 青嶋 宏樹 一般 31.0         31.0
13 川崎 義之 プロ 25.0         25.0
14 太田 昌樹 プロ 23.2         23.2
15 島﨑 涼 プロ 20.5         20.5
16 鈴木 雅人 プロ 14.9         14.9
17 杉村 泰治 プロ 12.7         12.7
18 松永 誠 一般 6.6         6.6
19 白井 健夫 一般 4.8         4.8
20 舟橋 晃 一般 4.3         4.3
21 京平 遥 プロ 0.0         0.0
22 春田 篤志 一般 0.0         0.0
23 大石 康平 一般 0.0         0.0
24 鈴木 博直 一般 0.0         0.0
25 越川 清一 プロ 0.0         0.0
26 源馬 健太 一般 ▲ 0.7         ▲ 0.7
27 望月 雅継 プロ ▲ 1.0         ▲ 1.0
28 岡本 和也 プロ ▲ 3.6         ▲ 3.6
29 本田 真之 一般 ▲ 5.3         ▲ 5.3
30 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1         ▲ 7.1
31 平野 敬悟 プロ ▲ 13.1         ▲ 13.1
32 蓮池 浩太 一般 ▲ 20.8         ▲ 20.8
33 田中 良典 一般 ▲ 29.1         ▲ 29.1
34 平田 拓也 一般 ▲ 30.4         ▲ 30.4
35 坂本 彰光 一般 ▲ 31.4         ▲ 31.4
36 村瀬 光佳 一般 ▲ 36.9         ▲ 36.9
37 伊藤 真 一般 ▲ 38.6         ▲ 38.6
38 伊藤裕美子 一般 ▲ 44.9         ▲ 44.9
39 鷲見 隼人 プロ ▲ 47.6         ▲ 47.6
40 徳永 翔 プロ ▲ 47.9         ▲ 47.9
41 福井 弘人 一般 ▲ 60.3         ▲ 60.3
42 大口 伸也 一般 ▲ 61.5         ▲ 61.5
43 山内 紀博 一般 ▲ 74.9         ▲ 74.9
44 大橋 義一 一般 ▲ 80.8         ▲ 80.8

静岡プロリーグ レポート/第28回静岡リーグ(プロアマ混合)第1節レポート

9月18日
第28回静岡リーグ開幕。
静岡リーグでは毎回開幕戦の日に参加選手の紹介がある。全員が各々の意気込みやコメントを述べていくのだ。前回の数字を超える、○○さんに勝つ、優勝する…など様々な目標を聞くことができる。
今回の私の目標はずばり、決勝進出である。
前回は中盤まで上位をキープしたが、決勝が現実的だと考え始めた瞬間に目には見えないプレッシャーに押しつぶされ大敗した。
麻雀は精神面が大きく関係する競技である。
元々メンタルの弱い私は自分との戦いに負けてしまった。プロになってから決勝という舞台に進んだことがないため、今回こそは必ず決勝メンバーに残ってやるという気持ちで挑んでいる。
そんな熱い気持ちで臨んだ第1節、私は悪くないスタートを切れたように思える。終始あまり手が入っていなかった印象だったが、他者の手が良く見えており、必要のない放銃を避けて3万点付近をキープすることに徹することができた。1.2.2.3という着順で+20.5Pは満足できる成績ではないが、今後につながる対局ではあったと思う。
第1節は一般参加の松井さんが+105.9Pとトップを独走するような形となった。プロでは午前中に行われている静岡プロリーグでは首位に立っている山本拓哉プロが+52.6Pと静岡リーグでも好調を維持した。前回、初の決勝進出を果たした都築友和プロも+45.2Pと良い滑り出しとなった。
全5節で行われる静岡リーグ。ここから誰が抜け出し、決勝へ進むのか注目していきたいと思う。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 松井 和志 一般 105.9         105.9
2 中野 一男 一般 55.8         55.8
3 山本 拓哉 プロ 52.6         52.6
4 都築 友和 プロ 45.2         45.2
5 足立 純哉 プロ 40.7         40.7
6 渡辺 洋巳 プロ 40.0         40.0
7 堀 孔明 一般 39.4         39.4
8 土屋 幸弘 プロ 38.6         38.6
9 鈴木 郁孝 プロ 38.2         38.2
10 竹内 仁 一般 36.0         36.0
11 中 寿文 プロ 35.7         35.7
12 青嶋 宏樹 一般 31.0         31.0
13 川崎 義之 プロ 25.0         25.0
14 太田 昌樹 プロ 23.2         23.2
15 島﨑 涼 プロ 20.5         20.5
16 鈴木 雅人 プロ 14.9         14.9
17 杉村 泰治 プロ 12.7         12.7
18 松永 誠 一般 6.6         6.6
19 白井 健夫 一般 4.8         4.8
20 舟橋 晃 一般 4.3         4.3
21 京平 遥 プロ 0.0         0.0
22 春田 篤志 一般 0.0         0.0
23 大石 康平 一般 0.0         0.0
24 鈴木 博直 一般 0.0         0.0
25 越川 清一 プロ 0.0         0.0
26 源馬 健太 一般 ▲ 0.7         ▲ 0.7
27 望月 雅継 プロ ▲ 1.0         ▲ 1.0
28 岡本 和也 プロ ▲ 3.6         ▲ 3.6
29 本田 真之 一般 ▲ 5.3         ▲ 5.3
30 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1         ▲ 7.1
31 平野 敬悟 プロ ▲ 13.1         ▲ 13.1
32 蓮池 浩太 一般 ▲ 20.8         ▲ 20.8
33 田中 良典 一般 ▲ 29.1         ▲ 29.1
34 平田 拓也 一般 ▲ 30.4         ▲ 30.4
35 坂本 彰光 一般 ▲ 31.4         ▲ 31.4
36 村瀬 光佳 一般 ▲ 36.9         ▲ 36.9
37 伊藤 真 一般 ▲ 38.6         ▲ 38.6
38 伊藤裕美子 一般 ▲ 44.9         ▲ 44.9
39 鷲見 隼人 プロ ▲ 47.6         ▲ 47.6
40 徳永 翔 プロ ▲ 47.9         ▲ 47.9
41 福井 弘人 一般 ▲ 60.3         ▲ 60.3
42 大口 伸也 一般 ▲ 61.5         ▲ 61.5
43 山内 紀博 一般 ▲ 74.9         ▲ 74.9
44 大橋 義一 一般 ▲ 80.8         ▲ 80.8

第12期静岡プロリーグ 第6節レポート

第12期静岡プロリーグも折り返し地点を経過し、やや縦長のポイント状況となった。
後半戦4節残しているのでそこまでポイントを意識した戦いにはならないだろう。
ただし50ポイント以上のマイナスを抱えた者にとってはこれ以上沈むことの許されない戦いが待っている。

1卓  
望月雅継×鷲見隼人×島崎涼×都築友和

この日は新鋭島崎の独壇場。とにかく手がはいっていた。また、島崎のリーチ攻勢がうまく作用してその好調を維持していた。島崎が果敢に攻め込み大きくポイントを上積みした。
首位望月をマイナスにして自身はトータル2位まで浮上。決勝進出争いに名乗りをあげる結果となった。

望月▲40.1P 鷲見+11.2P 島崎+81.0P 都築▲52.1P

2卓  
鈴木秀幸×杉村泰治×岡本和也×鈴木雅人×平岡理恵

平岡がじっくり手を組み、牌がそれに応える。対して杉村、鈴木雅、岡本は力が入ったのか空回りしている場面が多かったように感じた。
平岡台風が吹き荒れる中、鈴木秀は要所で高打点のアガリを決めて着実にポイントを重ね、決勝進出争いには加わるであろう存在感を見せていた。

鈴木秀+25.8P 杉村▲44.6P 岡本▲1.2P 鈴木雅▲50.8P 平岡+70.8P

3卓
太田昌樹×山本拓哉×平野敬悟×徳永翔

開始前、太田は▲61.6P。太田はこれくらい1節の勝ちで返せるから、と言っていた。
1回戦東1局から太田は11,600点の放銃スタート。最悪のスタートである。だがここから太田は少しずつ攻勢に出て1回戦を浮きでまとめる。
結局、この日の太田は国士無双のアガリを含む大きなプラス。劣勢からの太田の押し引きは本当に舌をまく。本当に1節でほとんどのマイナスを返してしまった。

太田+60.3P 山本+19.8P 平野▲90.3P 徳永+10.2P

4卓   
土屋幸弘×鈴木郁孝×越川清一×足立純哉

トータル最下位だった越川が大爆発。もともと爆発力には定評のある選手。ようやくエンジンに火がついた。
鈴木郁は高打点のテンパイを組むも展開が悪くアガリに結びつがず越川、足立、土屋の展開の早さに一人苦戦してしまう。
だが1人マイナスを背負ってしまったのは足立。この日は得意の速攻もうまく決まらなかった。
特に越川の親番の時に普段のスタンスよりも力が入ってしまい、うまくかわせない形になっていた。

土屋▲9.0P 鈴木郁▲2.1P 越川+70.6P 足立▲59.5P

別日対局
中寿文×京平遥×長内真実×渡辺洋己

今節は各卓1人が大きなプラスを得る形となった。
決勝争いへの勢力図も様変わりといったところだ。まだまだ予断は許されない。

静岡プロリーグ レポート/第12期静岡プロリーグ 第6節レポート

第12期静岡プロリーグも折り返し地点を経過し、やや縦長のポイント状況となった。
後半戦4節残しているのでそこまでポイントを意識した戦いにはならないだろう。
ただし50ポイント以上のマイナスを抱えた者にとってはこれ以上沈むことの許されない戦いが待っている。
1卓  
望月雅継×鷲見隼人×島崎涼×都築友和
この日は新鋭島崎の独壇場。とにかく手がはいっていた。また、島崎のリーチ攻勢がうまく作用してその好調を維持していた。島崎が果敢に攻め込み大きくポイントを上積みした。
首位望月をマイナスにして自身はトータル2位まで浮上。決勝進出争いに名乗りをあげる結果となった。
望月▲40.1P 鷲見+11.2P 島崎+81.0P 都築▲52.1P
2卓  
鈴木秀幸×杉村泰治×岡本和也×鈴木雅人×平岡理恵
平岡がじっくり手を組み、牌がそれに応える。対して杉村、鈴木雅、岡本は力が入ったのか空回りしている場面が多かったように感じた。
平岡台風が吹き荒れる中、鈴木秀は要所で高打点のアガリを決めて着実にポイントを重ね、決勝進出争いには加わるであろう存在感を見せていた。
鈴木秀+25.8P 杉村▲44.6P 岡本▲1.2P 鈴木雅▲50.8P 平岡+70.8P
3卓
太田昌樹×山本拓哉×平野敬悟×徳永翔
開始前、太田は▲61.6P。太田はこれくらい1節の勝ちで返せるから、と言っていた。
1回戦東1局から太田は11,600点の放銃スタート。最悪のスタートである。だがここから太田は少しずつ攻勢に出て1回戦を浮きでまとめる。
結局、この日の太田は国士無双のアガリを含む大きなプラス。劣勢からの太田の押し引きは本当に舌をまく。本当に1節でほとんどのマイナスを返してしまった。
太田+60.3P 山本+19.8P 平野▲90.3P 徳永+10.2P
4卓   
土屋幸弘×鈴木郁孝×越川清一×足立純哉
トータル最下位だった越川が大爆発。もともと爆発力には定評のある選手。ようやくエンジンに火がついた。
鈴木郁は高打点のテンパイを組むも展開が悪くアガリに結びつがず越川、足立、土屋の展開の早さに一人苦戦してしまう。
だが1人マイナスを背負ってしまったのは足立。この日は得意の速攻もうまく決まらなかった。
特に越川の親番の時に普段のスタンスよりも力が入ってしまい、うまくかわせない形になっていた。
土屋▲9.0P 鈴木郁▲2.1P 越川+70.6P 足立▲59.5P
別日対局
中寿文×京平遥×長内真実×渡辺洋己
今節は各卓1人が大きなプラスを得る形となった。
決勝争いへの勢力図も様変わりといったところだ。まだまだ予断は許されない。

サンフランシスコ麻雀大会レポート② ジェン

Day 2
アメリカに行くと一番食べたくなるのは、アメリカの朝食。フレンチトーストに目玉焼き(リャンメン軽く焼いて黄味は柔らかく)、ベーコン、ホットココア

最高!
Perfect!

だけど、朝食を一緒に食べに行く相手がいない。
10時開始の大会まで2時間しかないのに店を探す時間もない。
だから、近くにあったドーナツ屋へコーヒーとドーナツを買いに!
ごめんなさい、ミスタードーナツとは比べ物にならない。
アメリカのドーナツ(クリスピークリームの甘過ぎバージョンではなく)は本当に本当に

最高!
Perfect!

チョコのフロスチングが乗っているケーキドーナツを食べながら荷造りをして大会へUberで向かった。10時開始で9時くらいに到着。
おう!早い!偉いジェン!と思ったら、ほぼ最後に着いたのは私だった(笑)まじかー
でも実際には早いし、いいか。

大会に参加する面子に初めて会った。と言っても、知り合いが多かった!もちろんガースプロは知り合い。
そしてもう1人日本からゲストとして呼ばれたベンジャミン・ボアス(最近は本を2冊出版している。めっちゃめっちゃめっちゃ面白い。私は読んでいないけどめっちゃめっちゃめっちゃ面白い!)はとても仲が良い、付き合いが長い友達だ★

そして、Mahjong NewsというHPを管理しているScott Millerさん、シアトル麻雀のメインメンバーとパリの世界選手権にも来ていたZachary XXさん、シアトル麻雀のセットに参加した時(実家に近いから何回か訪ねたことがある。)に対戦したシェーンズ(Shane ZamoraとShane Rideoutの2人のシェーンだから複数系のシェーンズ)、USPMLのリーダーと今度の世界選手権の主催者であるDavid Bresnickさん等は、久しぶりに会えた。シャイの私は知り合いが多くてとても安心した。

それと今回は、ロスで麻雀団体を作った「ラポン」達に初めて会うことができた!「ラポン」は、ほぼ日本にルーツがある人が集まっていて、ノーレート麻雀をしている。ロスに会場もあって、オフ会などもしているみたい。みんなとても優しい!しかもジェンとガースには日本語で話してくれた。もちろん皆さんは英語も完璧に話せるが、私たちの日本語のレベルも認めてくれてまた感動した。ちなみに「ラポン」という名前は「LA Pride Of Mahjong」を訳して作ったようだ。かっこいい!みんなかっこいいジャケットを着ていて羨ましい!と思った。日本プロ麻雀連盟もお揃いのジャージがあったらいいのになw
実はジェンにも「honorary member」になって、ジャケットを作ってくれると言ってくれた。今度、ロスに行く機会があったらいいな!

 

100

ラポンのメンバー達

100

 

大会だけど、予選は6回戦、8人の準決勝は1回戦、4人の決勝は1回戦で、予選は総合ポイントで決まる。
準決勝からポイントは50%持ち越しになり、ゼロスタートではない。

初日は当然大会でもらったТシャツを着て、1回戦の卓に着席。麻雀というのは、1つの大会での結果で何も判断できないけれど、とりあえずせっかくアメリカまで来たからプロとしていい印象を残したいと思った。

 

100

大会Tシャツ

 

1回戦はほぼハプニング無しで、ラス前に跳満をつもり無事にプラス2着で終わった。プラスだ!この調子でベスト8へ行ければいいなと思ったけれど、隣のテーブルに「Tsumo!フォアサウザンドイーチ!Ron!セブンサウザンドセブンハンドレッド」とうるさく次々上がっているプロがいて集中できなかった。(笑)うそうそ。2回戦はいいこと無し、ラストで終わって昼食の時間にはマイナスの状況だった。ガースはまたまたロン!Tsumo!トップ!で大きくプラスだった。

 

100
100

 

海外の大会のとても楽しいところは、チャリティーイベントとか感謝祭と同じように、役満をアガった人がいたら会場内のみんなが拍手する。麻雀のコミュニティーの絆の強さ、仲の良さ、前向きの態度は明らかだ。

そして2回戦でそのまさかの役満が出た。隣のテーブルに四暗刻単騎待ちの出アガリがあった。皆が拍手して、審判がアガった人の記念写真を撮って、大騒ぎだった。REXXの全自動卓の真ん中のボタンを押して、河の牌を落とした瞬間にアガった人の下家が「捨て牌に三萬あったじゃん!見たよ!」と大騒ぎ!まさか?!フリテンで四暗刻単騎の出アガリ?
結局、記念写真を見て、フリテンの事実を確認してチョンボになった。
残念!もったいない!

 

100

審判のTuvyさん

 

でも役満はいいな?と思いながら2回戦が終わって昼食の休憩に入った。
私は海外の麻雀プレイヤーが大好き。とてもいっぱい麻雀の話をしたいと思っているが、多くのプレイヤーは日本のアニメ・漫画の大ファンで、アニメと漫画の知識が貧しいジェンは話についていけないことが多い。そのため海外の大会に参加すると、とてもシャイになる。昼食はどうしよう?誰か誘ってくれないかな?ガースプロはどうするかな?と1人で悩んで居るところ、ラポンがホテルの向かい側にあったIHOPに誘ってくれた。
IHOP!いよいよ本格的なアメリカの朝食を食べる機会が!喜んでついて行った。

大会の主催者のダニエルさん(愛称ダスケ)も一緒に来た。IHOPはパンケーキ屋のファミリーレストランで子どもの時によく家族と一緒に行った。大好きなフレンチトーストと卵セットを注文して、アメリカで食べたいものリストを制覇し、満足した。

最高!
Perfect!

 

100

主催者のダニエルさん

 

大会に戻って、3回戦ではまたなんとかプラスな2着。だけど4回戦はラストで、結局1日目は大きなマイナスで終わった。ガースプロは大きなプラスだった。
4回戦のプレイが18時頃に終わり全自動卓でフリープレイタイム!数多く手積みで麻雀を打っている皆がこの時間を楽しみにしていた。アメリカ各地から来ている友達とセットをし始めた。
時差ぼけなのか、私はとても気分が悪くて少し仮眠をしてから麻雀をすることにした。けれど、結局フリープレイには参加できなかった。

Day 3
大会の1日目が終わってちゃんと寝たらまた麻雀ができるようになって5回戦はなんと絶好調!
いよいよプロらしく、国士無双を最後の九索でつもった!

 

100

 

大きなトップを取って、大逆転で11位まであがることができた。ベスト8に残るチャンス!6回戦でトップ条件!
大会でワンチャンスだから前に出て勝負!
しかし、何もうまく行かず、対面はデカデカデカの8万点トップで私は3着のちょっとマイナスで予選が終わった。
ガースプロは連続2着で準決勝に通過した!めでたし!

予選が終わったけれど、せっかく遠くまで来た全員は麻雀がしたくてたまらないから大会は続く!
次は7回戦。今回の対面が5万点のトップで他の誰も何もできなかった。少しでも順位をあげたいのにな…

実は予選が終わった後、注目が少し変わった。アメリカの日曜日といえばアメリカンフットボール!大好きなシーホークスの試合がちょうど大会の7回戦の開始時間に始まった!会場のホテルにスポーツバーがあったから7回戦が終わったあと、見に行った。
しかし、バーで座ってテレビで試合を見ることはアメリカではそう簡単ではない。まずは21歳じゃないとバーで座ることができない。年齢は言わなくても21歳の誕生日はとっくに過ぎているとわかるよね?
まずバーテンダーに「身分証明書はありますか?」と聞かれて「はい、あります。そしてコーラをください。」と言ったら「いいけど、21歳じゃないとバーでは座れませんからね。」と言ってきた。
笑いながら年齢を教えたら、期待していた、アメリカの一番好きなところの大驚き★「嘘でしょう?!」と何回もワシントン州の運転免許証を確認していた。
嬉しい!
最高!
Perfect!
アメリカでは20代前半と言っても信じてくれる!

 

100

シーホークスのファン!

 

 

はい、麻雀大会だね。

決勝戦は録画をするからと決勝通過者は少し休憩で、私たちは最後の1回戦が始まった。8回戦で女性が少ない大会なのに、このテーブルは偶然にも女性4人だった!対面のラポンのジュンコさんがとても強かった!5万点トップ!ジェンは3着で報告することなし。

ガースは5?8位の決定戦で無事に勝って、5位で終了した。

アメフトタイム!

スポーツバーに戻った。シーホークスが負けている!

最悪!
Not Perfect!

と思ったけれど、最後の2分で逆転タッチダウン!勝った!わーい!

最高!
Perfect !

シーホークスの勝利を見届けてから会場に戻った。決勝戦が行われている!参加者全員が観戦しているため、直接見られる場所がなく、初めてゆっくり主催者のキラさんと話せた。スペルはKiraだけど、デスノートの影響なのか英語のKiraが言えずに、毎回、日本語の発音で「キラ」と呼んでいた。(キラさんも11月に来日決定!一緒にセットしたいね!)

今回のイベントはPMLの初めての大会で、今までなかったことをいっぱいしようとキラさんとダニエルさんが頑張ってくれた。まずはこのイベントで初めてアメリカで全自動卓のみの大会が開催された。

実はキラさんはプログラミングのプロで、大会の結果のライブレポートとして全ての卓の結果をリアルタイムで投稿することにしていた。そのため、半荘が終わる時に結果を提出してアップするのではなく、アガる度に審判を呼んで点数とアガった人を報告した。この結果はダニエルさんがリアルタイムで更新して、世界どこからでもリアルタイムで全ての大会状況を確認できるようになっていた。このシステムを作るためにキラさんはプライベートの時間を使ってコードを全て自分で書きましたと。
私のツイッターをフォローしている人で、そのリンクを見てくれた人もいるかと思いますが、主催者とスタッフ全員が本当に頑張った!

 

100

主催者のKiraさん

 

決勝戦は全部撮影した。今回、生放送はできなかったけど、後でアップロードするようだ。決勝の面子は、ラポンの野口てっぺいさん、シアトル麻雀のチャーリー・マックドネルさん、USPMLの会長デイビッド・ブレスニックさんとサイモン・フアンさん。

 

100

決勝戦

 

最初から野口さんがテーブルを支配し、その優勝は観戦していた誰もが期待していた。そこでオーラスを迎えて、チャーリーさんの親番。
連荘して、点数を集めて優勝は結局チャーリーさんに!シーホークスと同じく最後の最後まで負けていたのに大逆転だった。シアトルのチームが強い日曜日となった!

 

100

 

実はこの最終戦でもハプニングがあった。計算の間違いで点数の状況が変わってしまった。対戦を録画しているため、先ほどの四暗刻と同じように簡単に確認できると思うよね。しかし判決はそれができない。なぜかというと、フリテン四暗刻の事例は、気付いた時にはまだサイコロを振っていなかった。決勝戦の点数計算の間違いは気付いた時にはもうゲームが進められた状態だったので、ビデオで確認できても遅いという判決だった。

とても論理的な決断だと思った。

優勝が決まったらまたフリープレイが始まり、表彰式の準備が始まった。
私とガースプロはラポンのメンバーとセットをしながら表彰式を見た。

多くの賞品が集まっていた。小さいものでも参加者全員が何かを持ち帰ることができた。これは主に日本プロ麻雀連盟が提供してくれたおかげだ!クリアファイル、ストラップ、DVDなど、世界どこの麻雀プレイヤーでも喜ぶようなグッズをいっぱい提供してくれた。私とジェマプロの会社(そうそう、私は一応社長ですよ)からも麻雀牌、カードセットと麻雀の本を提供した。

 

100

日本プロ麻雀連盟の提供グッズ

100

リーチスピリッツの提供グッズ

 

だが、今回の参加者全員が狙っていたプライズは来年ラスベガスで行われる世界麻雀選手権の参加権だった!チャーリーさん、おめでとうございます!

表彰式が終わったら掃除が始まったにも関わらず、REXXの卓だけでフリープレーが続いた。そこでとても面白いことが…普通のリーチ麻雀の半荘が十分足りたということなのか、今度は「しゃぶしゃぶ麻雀」(英語ではpotluck)というルールで打っていた。この独特なルールの特徴は、ルールがセットしていないこと。各プレイヤーが新しいルールを作ってそれを守りながらいつもの日本式麻雀を打つこと。今回の目立った独特なルールは、加カンでも大明カンでもした場合は手が面前になることと、テンパったらアガリ牌の1つ上の数字でしかアガれないルールだった。例えば23456の形で普通なら1-4-7待ち、なのに2-5-8でしかあがれない。フリテンになることが多いそう(笑)
とても勉強になりそうなルールだと思った。誰か一緒にやってみない?

初めてのパシフィック麻雀リーグの大会では私は順位で結果を出せなかったけれど、大会中の2つの役満のうちの1つ、国士無双をアガったことと、新しい友達がたくさんできた。
2017年の世界麻雀選手権も楽しみだ。

次はラスベガスへ!

 

100

プロ雀士コラム/サンフランシスコ麻雀大会レポート② ジェン

Day 2
アメリカに行くと一番食べたくなるのは、アメリカの朝食。フレンチトーストに目玉焼き(リャンメン軽く焼いて黄味は柔らかく)、ベーコン、ホットココア
最高!
Perfect!
だけど、朝食を一緒に食べに行く相手がいない。
10時開始の大会まで2時間しかないのに店を探す時間もない。
だから、近くにあったドーナツ屋へコーヒーとドーナツを買いに!
ごめんなさい、ミスタードーナツとは比べ物にならない。
アメリカのドーナツ(クリスピークリームの甘過ぎバージョンではなく)は本当に本当に
最高!
Perfect!
チョコのフロスチングが乗っているケーキドーナツを食べながら荷造りをして大会へUberで向かった。10時開始で9時くらいに到着。
おう!早い!偉いジェン!と思ったら、ほぼ最後に着いたのは私だった(笑)まじかー
でも実際には早いし、いいか。
大会に参加する面子に初めて会った。と言っても、知り合いが多かった!もちろんガースプロは知り合い。
そしてもう1人日本からゲストとして呼ばれたベンジャミン・ボアス(最近は本を2冊出版している。めっちゃめっちゃめっちゃ面白い。私は読んでいないけどめっちゃめっちゃめっちゃ面白い!)はとても仲が良い、付き合いが長い友達だ★
そして、Mahjong NewsというHPを管理しているScott Millerさん、シアトル麻雀のメインメンバーとパリの世界選手権にも来ていたZachary XXさん、シアトル麻雀のセットに参加した時(実家に近いから何回か訪ねたことがある。)に対戦したシェーンズ(Shane ZamoraとShane Rideoutの2人のシェーンだから複数系のシェーンズ)、USPMLのリーダーと今度の世界選手権の主催者であるDavid Bresnickさん等は、久しぶりに会えた。シャイの私は知り合いが多くてとても安心した。
それと今回は、ロスで麻雀団体を作った「ラポン」達に初めて会うことができた!「ラポン」は、ほぼ日本にルーツがある人が集まっていて、ノーレート麻雀をしている。ロスに会場もあって、オフ会などもしているみたい。みんなとても優しい!しかもジェンとガースには日本語で話してくれた。もちろん皆さんは英語も完璧に話せるが、私たちの日本語のレベルも認めてくれてまた感動した。ちなみに「ラポン」という名前は「LA Pride Of Mahjong」を訳して作ったようだ。かっこいい!みんなかっこいいジャケットを着ていて羨ましい!と思った。日本プロ麻雀連盟もお揃いのジャージがあったらいいのになw
実はジェンにも「honorary member」になって、ジャケットを作ってくれると言ってくれた。今度、ロスに行く機会があったらいいな!
 

100

ラポンのメンバー達

100

 
大会だけど、予選は6回戦、8人の準決勝は1回戦、4人の決勝は1回戦で、予選は総合ポイントで決まる。
準決勝からポイントは50%持ち越しになり、ゼロスタートではない。
初日は当然大会でもらったТシャツを着て、1回戦の卓に着席。麻雀というのは、1つの大会での結果で何も判断できないけれど、とりあえずせっかくアメリカまで来たからプロとしていい印象を残したいと思った。
 

100

大会Tシャツ

 
1回戦はほぼハプニング無しで、ラス前に跳満をつもり無事にプラス2着で終わった。プラスだ!この調子でベスト8へ行ければいいなと思ったけれど、隣のテーブルに「Tsumo!フォアサウザンドイーチ!Ron!セブンサウザンドセブンハンドレッド」とうるさく次々上がっているプロがいて集中できなかった。(笑)うそうそ。2回戦はいいこと無し、ラストで終わって昼食の時間にはマイナスの状況だった。ガースはまたまたロン!Tsumo!トップ!で大きくプラスだった。
 

100
100

 
海外の大会のとても楽しいところは、チャリティーイベントとか感謝祭と同じように、役満をアガった人がいたら会場内のみんなが拍手する。麻雀のコミュニティーの絆の強さ、仲の良さ、前向きの態度は明らかだ。
そして2回戦でそのまさかの役満が出た。隣のテーブルに四暗刻単騎待ちの出アガリがあった。皆が拍手して、審判がアガった人の記念写真を撮って、大騒ぎだった。REXXの全自動卓の真ん中のボタンを押して、河の牌を落とした瞬間にアガった人の下家が「捨て牌に三萬あったじゃん!見たよ!」と大騒ぎ!まさか?!フリテンで四暗刻単騎の出アガリ?
結局、記念写真を見て、フリテンの事実を確認してチョンボになった。
残念!もったいない!
 

100

審判のTuvyさん

 
でも役満はいいな?と思いながら2回戦が終わって昼食の休憩に入った。
私は海外の麻雀プレイヤーが大好き。とてもいっぱい麻雀の話をしたいと思っているが、多くのプレイヤーは日本のアニメ・漫画の大ファンで、アニメと漫画の知識が貧しいジェンは話についていけないことが多い。そのため海外の大会に参加すると、とてもシャイになる。昼食はどうしよう?誰か誘ってくれないかな?ガースプロはどうするかな?と1人で悩んで居るところ、ラポンがホテルの向かい側にあったIHOPに誘ってくれた。
IHOP!いよいよ本格的なアメリカの朝食を食べる機会が!喜んでついて行った。
大会の主催者のダニエルさん(愛称ダスケ)も一緒に来た。IHOPはパンケーキ屋のファミリーレストランで子どもの時によく家族と一緒に行った。大好きなフレンチトーストと卵セットを注文して、アメリカで食べたいものリストを制覇し、満足した。
最高!
Perfect!
 

100

主催者のダニエルさん

 
大会に戻って、3回戦ではまたなんとかプラスな2着。だけど4回戦はラストで、結局1日目は大きなマイナスで終わった。ガースプロは大きなプラスだった。
4回戦のプレイが18時頃に終わり全自動卓でフリープレイタイム!数多く手積みで麻雀を打っている皆がこの時間を楽しみにしていた。アメリカ各地から来ている友達とセットをし始めた。
時差ぼけなのか、私はとても気分が悪くて少し仮眠をしてから麻雀をすることにした。けれど、結局フリープレイには参加できなかった。
Day 3
大会の1日目が終わってちゃんと寝たらまた麻雀ができるようになって5回戦はなんと絶好調!
いよいよプロらしく、国士無双を最後の九索でつもった!
 

100

 
大きなトップを取って、大逆転で11位まであがることができた。ベスト8に残るチャンス!6回戦でトップ条件!
大会でワンチャンスだから前に出て勝負!
しかし、何もうまく行かず、対面はデカデカデカの8万点トップで私は3着のちょっとマイナスで予選が終わった。
ガースプロは連続2着で準決勝に通過した!めでたし!
予選が終わったけれど、せっかく遠くまで来た全員は麻雀がしたくてたまらないから大会は続く!
次は7回戦。今回の対面が5万点のトップで他の誰も何もできなかった。少しでも順位をあげたいのにな…
実は予選が終わった後、注目が少し変わった。アメリカの日曜日といえばアメリカンフットボール!大好きなシーホークスの試合がちょうど大会の7回戦の開始時間に始まった!会場のホテルにスポーツバーがあったから7回戦が終わったあと、見に行った。
しかし、バーで座ってテレビで試合を見ることはアメリカではそう簡単ではない。まずは21歳じゃないとバーで座ることができない。年齢は言わなくても21歳の誕生日はとっくに過ぎているとわかるよね?
まずバーテンダーに「身分証明書はありますか?」と聞かれて「はい、あります。そしてコーラをください。」と言ったら「いいけど、21歳じゃないとバーでは座れませんからね。」と言ってきた。
笑いながら年齢を教えたら、期待していた、アメリカの一番好きなところの大驚き★「嘘でしょう?!」と何回もワシントン州の運転免許証を確認していた。
嬉しい!
最高!
Perfect!
アメリカでは20代前半と言っても信じてくれる!
 

100

シーホークスのファン!

 
 
はい、麻雀大会だね。
決勝戦は録画をするからと決勝通過者は少し休憩で、私たちは最後の1回戦が始まった。8回戦で女性が少ない大会なのに、このテーブルは偶然にも女性4人だった!対面のラポンのジュンコさんがとても強かった!5万点トップ!ジェンは3着で報告することなし。
ガースは5?8位の決定戦で無事に勝って、5位で終了した。
アメフトタイム!
スポーツバーに戻った。シーホークスが負けている!
最悪!
Not Perfect!
と思ったけれど、最後の2分で逆転タッチダウン!勝った!わーい!
最高!
Perfect !
シーホークスの勝利を見届けてから会場に戻った。決勝戦が行われている!参加者全員が観戦しているため、直接見られる場所がなく、初めてゆっくり主催者のキラさんと話せた。スペルはKiraだけど、デスノートの影響なのか英語のKiraが言えずに、毎回、日本語の発音で「キラ」と呼んでいた。(キラさんも11月に来日決定!一緒にセットしたいね!)
今回のイベントはPMLの初めての大会で、今までなかったことをいっぱいしようとキラさんとダニエルさんが頑張ってくれた。まずはこのイベントで初めてアメリカで全自動卓のみの大会が開催された。
実はキラさんはプログラミングのプロで、大会の結果のライブレポートとして全ての卓の結果をリアルタイムで投稿することにしていた。そのため、半荘が終わる時に結果を提出してアップするのではなく、アガる度に審判を呼んで点数とアガった人を報告した。この結果はダニエルさんがリアルタイムで更新して、世界どこからでもリアルタイムで全ての大会状況を確認できるようになっていた。このシステムを作るためにキラさんはプライベートの時間を使ってコードを全て自分で書きましたと。
私のツイッターをフォローしている人で、そのリンクを見てくれた人もいるかと思いますが、主催者とスタッフ全員が本当に頑張った!
 

100

主催者のKiraさん

 
決勝戦は全部撮影した。今回、生放送はできなかったけど、後でアップロードするようだ。決勝の面子は、ラポンの野口てっぺいさん、シアトル麻雀のチャーリー・マックドネルさん、USPMLの会長デイビッド・ブレスニックさんとサイモン・フアンさん。
 

100

決勝戦

 
最初から野口さんがテーブルを支配し、その優勝は観戦していた誰もが期待していた。そこでオーラスを迎えて、チャーリーさんの親番。
連荘して、点数を集めて優勝は結局チャーリーさんに!シーホークスと同じく最後の最後まで負けていたのに大逆転だった。シアトルのチームが強い日曜日となった!
 

100

 
実はこの最終戦でもハプニングがあった。計算の間違いで点数の状況が変わってしまった。対戦を録画しているため、先ほどの四暗刻と同じように簡単に確認できると思うよね。しかし判決はそれができない。なぜかというと、フリテン四暗刻の事例は、気付いた時にはまだサイコロを振っていなかった。決勝戦の点数計算の間違いは気付いた時にはもうゲームが進められた状態だったので、ビデオで確認できても遅いという判決だった。
とても論理的な決断だと思った。
優勝が決まったらまたフリープレイが始まり、表彰式の準備が始まった。
私とガースプロはラポンのメンバーとセットをしながら表彰式を見た。
多くの賞品が集まっていた。小さいものでも参加者全員が何かを持ち帰ることができた。これは主に日本プロ麻雀連盟が提供してくれたおかげだ!クリアファイル、ストラップ、DVDなど、世界どこの麻雀プレイヤーでも喜ぶようなグッズをいっぱい提供してくれた。私とジェマプロの会社(そうそう、私は一応社長ですよ)からも麻雀牌、カードセットと麻雀の本を提供した。
 

100

日本プロ麻雀連盟の提供グッズ

100

リーチスピリッツの提供グッズ

 
だが、今回の参加者全員が狙っていたプライズは来年ラスベガスで行われる世界麻雀選手権の参加権だった!チャーリーさん、おめでとうございます!
表彰式が終わったら掃除が始まったにも関わらず、REXXの卓だけでフリープレーが続いた。そこでとても面白いことが…普通のリーチ麻雀の半荘が十分足りたということなのか、今度は「しゃぶしゃぶ麻雀」(英語ではpotluck)というルールで打っていた。この独特なルールの特徴は、ルールがセットしていないこと。各プレイヤーが新しいルールを作ってそれを守りながらいつもの日本式麻雀を打つこと。今回の目立った独特なルールは、加カンでも大明カンでもした場合は手が面前になることと、テンパったらアガリ牌の1つ上の数字でしかアガれないルールだった。例えば23456の形で普通なら1-4-7待ち、なのに2-5-8でしかあがれない。フリテンになることが多いそう(笑)
とても勉強になりそうなルールだと思った。誰か一緒にやってみない?
初めてのパシフィック麻雀リーグの大会では私は順位で結果を出せなかったけれど、大会中の2つの役満のうちの1つ、国士無双をアガったことと、新しい友達がたくさんできた。
2017年の世界麻雀選手権も楽しみだ。
次はラスベガスへ!
 

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第150回:第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー ~前編~

麻雀ファンはもちろん、麻雀プロでさえこの日が来ることを待ち望んでいたことだろう。

インターネットの普及により、対局を目にしない日はない。
プロ団体が乱立する昨今、一体どこの団体が一番強いのか。数多の麻雀プロは自身の所属団体が一番強いと確信しているだろう。
最古のプロ団体が設立され30年以上。しかし、これまでそれを決するステージはなかった。

8月10日。各団体の誇りを胸に、集いし32名の猛者。2ヵ月間に及ぶ全128半荘の対局。
絶対王者・日本プロ麻雀連盟という想像を絶するプレッシャーを跳ね除け、堂々の帰還を果たした選ばれし8名。持ち帰ったその看板には傷ひとつなかった。

 

100

 

どこの団体が一番強いのか。その長き論争に終止符を打った激闘と選抜選手の想い。このインタビューではその舞台裏に迫ってみたいと思う。今回はそんな選ばれし8名の内、4名に話を伺った。

 

100

 

 

【そういうのいらないから!】

 

10月某日 9:55 新宿

日吉「おはようございます。今日はよろしくお願いします」

一同「集合時間が早いよ!」

(なんか機嫌悪そうだな…)

日吉「それでは改めまして、インタビューを開始させていただきます」

一同「堅苦しいよ!そういうのいらないから!」

(はーい…)

 

 

【出番が来たなと思ったよ】

 

日吉「選抜選手8名の選出方法を教えてください」

勝又「まずは直近の鳳凰位4名(勝又、前田、藤崎、瀬戸熊)が選ばれて、その後は4名と、会長含めた数名と相談した結果だね」

瀬戸熊「会長は30、40代で勝つことに意味があるって。これからは君たちの時代だから、将来をそして未来を自分たちの手で勝ち取りなさいって」

日吉「なるほど」

瀬戸熊「日本プロ麻雀協会の伊達さんは、連盟が勢いのある若い選手を選抜したこと、更に結果を出したことに驚いていましたね。協会は過去の実績、ネームバリューで選抜した側面があったって」

日吉「ウッチー(内川幸太郎)は今の話聞いてどうかな?」

内川「活躍の場を提供してくれたのはもの凄く嬉しかった。同時に実績がない自分が選ばれた以上、負けることだけは許されないと思いました。自分が結果を出せなくて日本プロ麻雀連盟(※以降、連盟)が負けたら自分のせいだし。それから僕が頑張ることによって若い子に対してモチベーションになると思ったね」

(ウッチーは選抜選考の際、当落線上だったらしいしな。しかも8名の中では一番実績がないわけだ。ある意味では一番プレッシャーを感じていたんだろうな)

日吉「猿川は?」

猿川「出番が来たなと思ったよ。不調もあったんだけど、色々な対局(RTD、天鳳位VS連盟プロ、麻雀日本シリーズ等)で選抜されなかったから。連盟の若手に抜かれている感もあるし、その人たちにも負けられないと思ったね」

「若手に抜かれている感もある」
意外だった。猿川の言葉だとは思えなかった…

私と猿川の付き合いは15年ほどになる。『適当な男』を絵に描いたような男だった。そんな彼とは価値観が合ったり、合わなかったり。何度も衝突し、そして何度も助けられた。
今回の団体戦。私は彼を一番応援していた。そして信じていた。あの時と同じように…

2008年。麻雀マスターズ決勝戦。晴れの舞台での対局。最年少の猿川は孤軍奮闘していた。
しかし3回戦終了時点で2回のラスを押し付けられ、とんでもない劣勢。会場中の誰もが、そして猿川本人でさえも優勝は厳しいと思い始めていたはずだ。
私は今でも確信している。そんな会場の中でただ一人、私だけは彼の優勝を信じて疑わなかった。

前述の通り、最近の猿川は不調だったと思う。最強戦等で活躍はしているが、とても本来の力が発揮できてるとは言い難い。
自分を追い越していく若手を横目に眠れない夜もあったはずだ。その時に見えてきたであろう、自分自身の立ち位置と存在価値。
あの頃と何一つ変わらない風貌。結婚を機に芽生えてきた責任感。画面には『適当な男』とは程遠い、連盟代表としての男が映し出されていた。

(気合入っていたよな。対局中はこれまでで一番良い顔してたよ)

日吉「勝又さんは鳳凰位として臨んだ今大会の心境はいかがでしたか?」

勝又「まずは自分が出来ることをしっかりやろうと。鳳凰位としては、連盟が優勝したとしても自分が負けたら鳳凰位の看板を汚すことになる。これまで鳳凰位を獲得された先輩方にも申し訳ないしね。連盟も勝たなきゃいけないし、自分も勝たなきゃいけない。プレッシャーは他の対局よりもあったよ」

日吉「瀬戸熊さんは過去に鳳凰位3度獲得、絶対王者としての心境はいかがでしたか?」

瀬戸熊「選ばれた以上は自分の役割をしっかりやろうと思ったね。若い子達は勝った時はいいけど、負けた時の喪失感を考えると少しでも良いムード作って対局させなきゃいけないなと思ってたね」

 

100

 

 

【団体戦だけど個人が頑張るしかないんだよ】

 

日吉「大会のルール、システムはどのように決まったのですか?」

瀬戸熊「連盟はルール、システムは全てお任せ。ただ、実力の証明はしたいから対局数、対局者数はなるべく多い方が良かった」

日吉「連盟はリーグ戦でAルール(一発、裏ドラなし)を採用しておりますが、今回はBルール(一発、裏ドラあり)。相手の土俵で対局するわけですがそのあたりについては?」

瀬戸熊「普段AルールでやっているからこそBルールの応用が効くんだよ。協会の鈴木たろうさんは、連盟は手役を絡めた高い手をアガる。ワンパンチが重かったってコメントしてたよね」

(Aルールをやっていることで、常に手役を狙える麻雀が身に付くってことかな?)

日吉「団体戦で勝利するための、チームとしての作戦はありましたか?」

勝又「チームとしては特にないよ。個人それぞれが考えたことが一番良いことだよ。僕個人の考えは調子の良い人がポイント伸ばして、悪い人は抑えるってことかな」

瀬戸熊「ポイントで競っていた最高位戦はマークしたよ。僕は個人レベルで意識したけどチームとしても解っていたこと。打ち合わせ、言葉はなくても全員ね。団体戦だけど個人が頑張るしかないんだよ」

(団体戦とはいえ最後は個の力が大事なんだな。サッカー日本代表の本田選手も言ってた気がする)

内川「僕も同じ。個人的には調子が良かったからポイントは伸ばそうと思った。あと、勝又さんがいてくれることに安心感はあったね。終始心強い言葉を言ってくれたから。任せろって感じがあったね」

猿川「僕個人は調子が良くなかった。ただ、その時のライバルチームは意識して打っていたよね」

瀬戸熊「対戦カードが決まっていたから、複数回当たる相手には最初から強く打って、戦い辛い印象を与えるようにしたね」

勝又「そうですね、序盤は複数回当たる相手からの情報を集めたよ。同時に強い印象も与えたかった。相手が真っすぐな打牌が出来なくなればこっちが有利。初日の10ポイントより、後の1ポイントの方が大事だしね」

 

 

【安心して行け】

 

日吉「ポイント倍で行われる大将戦については?」

瀬戸熊「みんなは勝又に着順勝負の責任は負わせたくなかったはずだよ。やっぱりチーム戦だからね。勝又の功績で勝った時は良いけど、もし負けて勝又が戦犯みたいになるのは本意ではなかったよね」

勝又「自信はあったけどリードはあればあるだけくださいと思っていましたね。瀬戸熊さんが全員で300ポイント差つけてバトン渡すから安心して行けって言ってくれた。そしたら367ポイント差つけてくれたんだよね。ありがとうございますって思ったよ(笑)」

(大将として戦う勝又さんにチーム全員の想いを367ポイント差という形にして託したわけだ)

瀬戸熊「大将戦2回戦のオーラスで、阿部さんを押し上げるリーチあったでしょ。並びは最高だったんだけど、あのリーチに関してはそれ以降(大将戦3、4回戦)の対局に一抹の不安はあったね」

(ん?どういう意味かな?言っている意味がわからないぞ。先輩たちの話はいつも難しいんだよなぁ)

猿川「僕は勝又のリーチは好判断だと思いますね。最終日ってのも大きいかな。自分の勢いも大事だけど、あの日の大将戦は同一メンツでの対局で、相手の心理的にそっちの方が効くかなと思ったし。でも相手が瀬戸熊さんだったらやらないけど」

勝又「瀬戸熊さんと大将戦の対局者とは戦い方が違うからね」

瀬戸熊「僕が教わってきたのは勢いを大事にする麻雀だからね。だからオーラスの阿部さんを押し上げるリーチは怖いんだよね」

(ポイント差で有利になる状況を作りあげたのに、怖いって…)

瀬戸熊「勝又がリーチをした瞬間は良し!と思ったよ。さすが勝又、緻密に計算しているなって。ただ、ポイントはリード出来ても勢いを失うリーチにも見える。1回戦は9万点トップ、2回戦も最高の並び。もちろん勝又はポイントをプラスでまとめると思っていたけど、この後みんながフワッとした気持ちでいるとやられると思って気を引き締めたね」

(総合ポイントを考えたらリーチをした方が得、心理的に相手も嫌がる。ただそれ以上に自分が勢いを失ってしまうことが怖いってことかな?ヤミテンの方が勢いを失わないってことなのか…)

瀬戸熊「勝又は3回戦でラスを引くんだけど、要因はそのリーチにあると思うんだ。観戦していた会長と前原さんも同意見だった」

大将戦の最終戦を残すだけとなり、別会場での対局を終えた瀬戸熊が本会場に戻ってきた。応援に駆け付けていた森山会長、前原と言葉を交わす。
350ポイント以上のリード。連盟の優勢は変わらない。しかし、あれほど好調だった勝又が3回戦で4着となる。その原因は2回戦オーラスのリーチにあると、3者の見解はピタリと一致していた。

内川「僕はリーチを打った方が良いと思っています。対局者に隙がない印象を与えるかなと。ただ、そのリーチが勢いを失速させてしまうことに繋がってくるのかもしれない。僕にはまだ難しいところですね」

勝又「どこでポイント差を広げるかってことですよね。僕は2回戦オーラスでリーチを打ち、理想的な着順でポイント差を広げた。ただ、勢いを重視する先輩方は、僕が1回戦の9万点トップの場面で、僕より攻め込んで12万点のトップを取ってポイント差を広げるんでしょうね」

(話が難しすぎる…あの場面は自然に打ち続けることが良いってことなのかなぁ)

日吉「ポイント大量リードで迎えた4回戦(大将戦は3回戦)でかなりポイント差を詰められましたが、油断や慢心などがあったのでしょうか?」

瀬戸熊「油断や慢心は一切ないよ。でも、あれが若い8名で構成されたメンバーの弱点だと思う。先輩たちから教わっている、勢いを意識した麻雀を打っていれば相手のリーチにも向かって行けるのに、着順を意識して打つから失速したんだと思う」

日吉「ええ」

瀬戸熊「麻雀の流れ、勝負の流れとして見た場合、既に勢いの差があった。だから全員がトップを目指せばいいのに、ここは2着で良いなとか、この団体より着順上ならOKとか、3着でも素点は守るぞとか、そういう思考になった瞬間にやられるわけよ」

(勢いがある時は更に攻める。僕も普段から何度も言われていることだな…)

瀬戸熊「調子が良いんだから攻めれば良いんだよ。勢いを大事にする先輩たちなら、3回戦まで調子が良いんだから、4回戦は当然攻めるよ」

勝又「決めるときに決めに行きますからね」

瀬戸熊「普段教わっていることをしっかり出来たら、勝又の大トップを契機に最後まで加点するこが出来ていたと思うよ」

日吉「最終戦については?」

瀬戸熊「リードはしていたけど、勝負事は最後まで何があるかわからない。もちろん勝又の実力は信じているんだけどね。ただ相手も一流だから何があってもおかしくない。大将戦の1回戦と同じことを相手にやられたらわからなくなるからね。最終戦に関しては、ツモられ続ける展開だけが心配だった。だから1回でもアガれたら優勝できると思ってたよ。あの一万四万ツモッた時に優勝を確信したね」

日吉「実際対局されていた勝又さんの心境は?」

勝又「これで逆転されたら鳳凰位返上して退会だなと(笑)。僕としては一局一局、自分が出来る最善を尽くすだけでしたね」

(顔は笑っていても目は真剣。いつもの勝又さんだな…)

第3節で失速し総合順位3位に後退。最終節のみを残した連盟は厳しい状況に置かれていた。
最終節の大将戦はポイント倍で行われる。チームの勝敗を大きく左右する対局。その1回戦でチームを鼓舞するような9万点の大トップ。更に個人成績も第4位。
現鳳凰位として、その名に恥じぬ獅子奮迅の活躍をみせた。

鳳凰位を獲得し連盟の頂点に上り詰めた勝又。実況者としても連盟内では図抜けた存在である。
私は勝又に麻雀と実況、両方のアドバイスをもらうことが多々ある。そんな時、冗談交じりで

「俺が出来るんだから、誰でもできるよぉ(笑)」
と笑いながら話す。そして直後に、決まって言うセリフがある。

「出来ないってことは努力が足りないよね。やってないだけ」
と真剣な表情で話す。

勝又の発言と実績には、我々の知られざる影の努力に裏打ちされた、自信と誇りが感じられる。

 

100

 

瀬戸熊「とにかく9万点トップが大きかった。こっちの士気は上がったし、相手は戦意喪失したのが分かったから」

内川「そうそう。あれを一発目に持ってきてくれて、やることがより明確になったしね」

 

 

【とにかく元気に】

 

日吉「それぞれチームの一員としての役割はありましたか?」

勝又「キャプテンの藤崎さんがチームの雰囲気を良くしてくれて、副キャプテンの瀬戸熊さんが鼓舞してくれたのは間違いない」

今からおおよそ10年前…
麻雀業界に激震が走った。日本プロ麻雀連盟から、当時のエース格が数名離脱。

次代を担うであろうと目されていた瀬戸熊。これ以降、プレイヤーとしても運営面においても瀬戸熊にかかった負担は想像を絶する。
先輩たちに助けられ、アドバイスをもらい、連盟の屋台骨を支え続けた。そんな中での鳳凰位、十段位の獲得。
その後、その座を譲ることなく連盟のトップに君臨する。瀬戸熊は名実ともに絶対王者の称号を手にした。
今日では若手に対して麻雀プロとしての在り方を、背中で語る兄貴分。

あの日から10年。激動の連盟史の生き字引である瀬戸熊。今大会では連盟の精神的支柱としてチームを支え、鼓舞し続けた。そして、自身の歴史が正しかったことを、団体戦優勝という成績をもって証明した。

内川「2人には阿吽の呼吸があったね」

勝又「瀬戸熊さんが、お前らはいつも通りやれって。ポイントは俺と藤崎さんでまとめるからって言ってくれたんですよ。ホントに心強かったですね」

猿川「俺はまじめにしてたなぁ」

(絶対ウソだな…)

勝又「僕個人は内川、白鳥の2人とは沢山話をしたね。不安があるなら相談乗るし、自慢したいなら聞いてあげるよって。藤崎さん、瀬戸熊さんは年齢も離れているから僕の方が話しやすいだろうし。半荘終了後は意識して話してたね」

内川「僕はとにかく元気に。甘えさせてもらいました」

勝又「藤崎さんの精神力はすごいよ。成績が良くない場合って、普通はどうしようってなるじゃない。でも俺たちのことばっかり考えてくれた」

瀬戸熊「今日も俺に貢げよ、とか言ってたね。俺のマイナスポイント補填しろって(笑)」

内川「そうやって盛り上げてくれた。連盟の成績が落ちてトップの座を明け渡したとき、みんな気分が落ちていたんだけど明るい雰囲気を常に作ってくれましたね」

私は実況、解説の場で藤崎と一緒になることが多々ある。そんな時も、冗談を混ぜつつ笑顔で接してくれる。
放送前に緊張している私は、徐々にリラックスしていくのが実感できる。
藤崎は普段から優しい。若手のことを気にして声をかけてくれる。そんなキャプテンにはみんな頼りたくなるよね!

勝又「今は公式戦の休憩時間って選手同士の会話って禁止でしょ。瀬戸熊さんはそのルールができる前から話しかけにくい雰囲気があったんだよね。もちろん開始前と終わった後は気さくなんだけど。ただ対局が開始すると休憩時間も瀬戸熊さんには話しかけらんねーなみたいな」

(めっちゃわかります!戦闘モードになると、人を寄せ付けない見えない壁を感じます!怖いっす!)

勝又「でも今回は休憩時間に瀬戸熊さんから声をかけてくれたんだよね」

瀬戸熊「サルが初日の1回戦終わった時に瀬戸熊さん話しかけられないモードになっているんでしょって言ってたんだけど全然そんなことなくてね。僕と藤崎さんは良くも悪くも周りに影響を与えちゃうから。悲壮感だけは出さないようにしてたね」

勝又「藤崎さん悲壮感は少しもなかったよね」

日吉「努めてそうしていたんですか?」

瀬戸熊「努めていたわけではないけど、やっぱりそれがチームだよ」

(チームかー、良いなー、球拾いでいいから俺も入りてー)

勝又「でも僕たちが今日ダメだ、とか言うと愚痴聞いてくれましたけどね。すぐ今日ダメだーとか言ってたもんね(笑)」

内川「良いチームだったんですよ」

(ウッチーはチームの一員か、若いのに大したもんだよ。羨ましいぞ!俺も頑張らねーと)

勝又「藤崎さんと瀬戸熊さんは対局終わっても着順とか聞いてこないんだよ。俺たちはそればっか話してたよね。俺と内川なんて聞かれる前に言ってたもん(笑)」

瀬戸熊「それだけ信用していたってことだよ」

勝又「トップ取った時は嬉しいからむしろ聞いてよって思ってたもん(笑)」

瀬戸熊「勝又は調子良かったからキープするのはわかっていたよ。後は調子悪い人をケアするだけだよ」

勝又「トップ取ったから褒められたいのに」

(鳳凰位は意外と子供だな…)

瀬戸熊「日吉がいたら毎回聞いてたよ(笑)」

(ブハッ)

勝又「瀬戸熊さんは何度も有言実行していましたね。麻雀はどんな結果になるかわからないから抽象的なことを言うでしょ。頑張りますとか。でも瀬戸熊さんは言い切るのよ。この半荘トップ取るって。そして取って帰ってくる」

日吉「チームを鼓舞するために敢えて言っていたんですか?」

瀬戸熊「いやそうじゃなくて、みんなを信用してたし、なんとなく気づいた時に言ってたかな」

勝又「瀬戸熊さんがここはトップ取ってくるって言うでしょ、そうすると藤崎さんが俺は小さめのラス取ってくるって言うのよ(笑)」

 

 

【個人成績よりもチーム成績】

 

日吉「他団体で強いと思った方は?」

勝又「たろうさん。(鈴木たろうプロ、日本プロ麻雀協会)」

内川「達也さん。(鈴木達也プロ、日本プロ麻雀協会)」

猿川「水巻さん。(水巻渉プロ、最高戦日本プロ麻雀協会)」

瀬戸熊「佐藤聖誠さん。(最高戦日本プロ麻雀協会)気合入ってたよ。」

猿川「それぞれが対局した時の調子、相性もあるけどね。みんな強かったよ」

日吉「個人の順位、成績は気になりましたか?」

猿川「自分の順位は気にしてないね。大体これぐらいかなとは思っていたけど。あんまり興味なかったかな。もちろん最終成績は見たけど」

(おー意外だな)

勝又「俺は気にしてたな。さっきも言ったけど鳳凰位としての看板もあるし」

瀬戸熊「サルと寿人の成績は常に気にしてた。ふり幅が大きいから。サルが5万点持ちから失速して3着になった時があったんだけど、次の半荘は気にしてたね。無理しちゃうかもしれないから声かけたほうがいいかな、とかね。でもお互いプロだからそこまで心配してなかったけどね」

(猿川はムラがあるし、寿人さんはすぐアレ出しちゃうからな)

猿川「そのあたりは団体戦だから我慢が効きましたね。」

勝又「藤崎さんは自身の成績こそマイナスだけど、ポイント競っていた最高位戦との成績はすごく良かった。並びづくりが上手いよね。ポイントまとめるって、こういうこというんだなって」

内川「自分の名前が上にあったのは気分が良かったね(笑)。でもそれに拘ってはいなかった。個人成績よりもチーム成績。個人成績を伸ばしたくて無理にトップを狙ったりはしなかったね」

瀬戸熊「それが良いほうに転がったかもね。上手く抑えがきいたかもしれないよ。普段トップ狙って、無理して押して着順落とすとかあるじゃない。麻雀のバランスとしてどっちが良いかわからないけど」

内川「俺、団体戦のほうが向いてるかな…」

整った顔立ち、さわやかな立ち振る舞い。そして誰にも劣らない向上心。まだ幼さが残る内川と初めて会ったのは、彼が連盟に入る前だった。長野県在住だった彼は勉強会に足しげく通い、連盟入りを目指していた。既に連盟入りしていた私は、熱心な彼の姿勢に将来性と同時に追い越される危機感を感じた。私はそんな彼に対してどこか斜に構えていた。

それから数年後、私は内川とリーグ戦で何度も対戦した。数多くの麻雀プロ。その中で栄光をつかみ取れるのは、ほんの一握り。明日のヒーローを夢見て切磋琢磨し、時に激しい火花を散らす。
そんな厳しい戦線の中から彼は上に抜け出し、私は埋もれていった。私の感じた危機感は的中した。

そして今大会では、僅か8枠しかないシートを自らの手で掴み取る。個人成績でも連盟最上位の第2位という成績を収め、チームの勝利に大きく貢献した。私の感じた将来性は確かだった。

今大会での内川の活躍は、若手の連盟員にとって刺激になったはずだ。
ウッチーおめでとう。あの日、先輩というだけで斜に構えていた自分が恥ずかしいわ。いつかまたウッチーと戦える日まで頑張るわ。

 

100

 

 

【ホントに信用してるってこと】

 

日吉「他団体と比べて連盟が良かったところは?」

猿川「仲良かったことかな」

内川「総合力!」

勝又「ホントに信用してるってこと。誰が何切って何点放銃しても、あなたがそれ打つならみんな打つでしょって。どうぞ打ってください、みたいな感じかな。だから麻雀の内容について話すことなんて自慢と愚痴(笑)。あの打牌はないでしょ、とかそんな細かい技術的な話は一切なかったよ」

連盟内ではライバル関係であり、競い合っていた相手。だからこそ解り合える相手の実力。その力を疑う余地は一切なかったはずだ。
初めて味方として戦うことになった今大会ではホントに心強かっただろう。

日吉「ちなみに一番自慢していたのは誰ですか?」

勝又「俺かな(笑)。愚痴は藤崎さん」

一同「アハハハ」

瀬戸熊「普段あまり交流のない連盟員が真剣に応援してくれていたね。いい団体だなと思いましたよ」

日吉「大会開催中のファンの反応は?」

内川「2ヵ月でフォロワー数700人増えましたよ!」

瀬戸熊「ファンや身内から、勝又を初めて心底応援したって言われたね。普段は敵同士で戦うからね。勝又は強いから、僕の周りから良い意味で嫌われてるよ(笑)」

勝又「普段は瀬戸熊さんの応援ですもんね。僕も皆さんから今までの何倍も応援してもらった実感がありますね」

瀬戸熊「これまで連盟を応援していた方は、連盟が最強と信じて疑わなかったと思うんだよね。今回の結果でその人達がホッとしてたことが僕もホッとした。その人たちが信じていたことを証明できたって」

(ファンあっての麻雀プロ。何よりの恩返しができたのかな)

 

 

【このメンバーで勝てたのはホントに良かった】

 

日吉「見事優勝という結果でしたが、開催中プレッシャーはありましたか?」

瀬戸熊「鳳凰戦の前夜は眠れなかったけど、今回はみんなを信頼していたから眠れた。緊張は分散されるのかなって。リラックスできてたよ」

内川「断食していました。食えなかったのもあるし、食欲がなかった。高揚していたかもしれないですな」

瀬戸熊「勝又は鳳凰戦と団体戦どっちが緊張した?」

勝又「団体戦ですね。団体戦の方が勝ちたかった。当然鳳凰戦も勝ちたかったけど、負けたら自分が弱いだけだから、また来年挑戦すればいい。だけど今回は負けたら次挑戦すればいいでは済まないから。一回で必ず結果出さなくてはならないと思っていたので何十倍も緊張しましたよ」

猿川「僕もそうだけど、みんな団体戦の方が緊張していたと思うよ」

勝又「周りに勝又は弱いねって言われるのはいくらでも受け入れられる。だけど自分が強いと思っている先輩たちが弱いと言われるのは受け入れられないよ。あんなに強い先輩たちが率いる連盟が、世間から弱いねって思われるのは受け入れらんないもん。しかもそれが自分のせいでそう評価されるんだよ。だって強いんだから、バケモノみたいに。普段は結果も大事だけど、内容の良い麻雀を打つことに充実感はあるんだよね。だけど団体戦はとにかく結果に拘った。ただのバカヅキでもいいから勝ちたいと思った」

(鳳凰位は意外と熱いんだな…)

瀬戸熊「僕はタイプ的に内容の良い麻雀を打つと結果がついてくる。内容がダメだと結果もダメ」

猿川「そういう意味でプレッシャーは普段の倍くらいあったな」

勝又「サルと俺が一番緊張していたよね。2人とも手が震えていたし。配牌ちゃんと取れなかったもん」

猿川「緊張したよね。空気が普段のタイトル戦より重い感じしたな」

 

100

 

(意外な2人が緊張してたんだな。一番緊張しないタイプだと思ってた)

日吉「大会終了後の周りの反応はどうですか?」

瀬戸熊「優勝したことで連盟行事に行きやすいね(笑)。みんな明るいよ。負けていたらどんよりしてたんだろうなと思うと優勝できて良かった」

勝又「みんな褒めてくれるね。おめでとうございますっていうよりは、ありがとうございましたって感じで声かけてくれる」

猿川「もちろん他団体も強いんだけど、戦前から連盟が勝つと信じていた。実際勝ったのはすごいと思う。負けた場合、今後もし第2回がなかったら連盟は弱いで終わっちゃうし。このメンバーで勝てたのはホントに良かった」

内川「嬉しいですね。負けた時はそれを甘んじて受け入れるしかないんだけど」

(連盟員みんな喜んでたもんな、みんなの代表として優勝してくれたんだよなぁ)

 

 

【その言葉で思いっきり戦えましたね】

 

日吉「決起会の開催、更には会長からの激励のメールがあったと伺っていますが」

瀬戸熊「会長から選手それぞれに激励メールがあったんだよね。僕は会長への返信で、4位だったら会長辞めますと言わせてしまったのは情けないですって返信したんだよ。会長は連盟の礎を築き上げたメンバーで臨んだら、優勝しなかったら辞めますって言ったはずだから」

勝又「今の話を聞いて正直恥ずかしいです。4位になったら辞めますっていう会長の言葉で、僕たちは信用されていると思っていましたから」

猿川「でも優勝しなかったら辞めますって会長が言っていたら優勝出来なかったかもね(笑)。正直プレッシャーが大きすぎる。そうでなくても連盟内からのプレッシャーも大きいのに」

(猿川!本音を言い過ぎ!)

勝又「決起会で会長がね、俺は連盟が負けるのが嫌なんじゃない、お前らが自分の麻雀が打てないのが嫌なんだって」

内川「連盟らしく打ってくれと言われてましたね」

勝又「勝ったらお前らの力、負けたら俺のせいだって。そんなわけにはいかないけど、その言葉で思いっきり戦えましたね。ありがたかったですよ」

(会長はホントに熱い人なんだな。喜ぶ時も怒る時もホントに相手と向き合っているし、連盟に対する愛情と麻雀プロ像に対するこだわりは誰よりも強いんだな)

瀬戸熊「決起会の会場は第1節で勝ったこともあって、毎回同じ場所でやったんだ。寿人は地和アガッたから座る場所も同じにさせたよ(笑)」

(寿人さんは運だけの男かな?)

 

 

【日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史】

 

瀬戸熊「今回色々あったけど、寿人の地和も、猿の倍満も、勝又の9万点トップも連盟の伝統と歴史がアガらせたものなんだよ」

内川「先輩たちに教えてもらったことが正しかったことを証明できて良かった。リーグ戦で結果を出せばチャンスが来ることは間違いないですね。でも若い子たちには負けないよ」

猿川「他団体と連盟の実力差なんて同等なんだと思う。先輩たちが築き上げて来たものを崩さないで良かった。安心した気持ちが一番大きいですね」

勝又「先輩たちにはひやひやさせてしまった。もっと僕たち全員で力を付けて頑張ります」

瀬戸熊は大会終了から数日後、連盟員の本場所である鳳凰戦の会場で、麻雀プロ団体日本一決定戦の結果報告と共に、これまでの先輩たちのご指導、連盟員からの応援に感謝の意を述べた。
続けて「今後はこの中から選抜選手が出てくるはずです。これからも日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史である攻めるときは攻める、守るときは守る麻雀を引き継いで、堂々と胸を張って戦えるよう、力を蓄えてください」という言葉で締めた。

 

 

【麻雀界のヒーローだぞー!】

 

12:25

日吉「今日はありがとうございました」

一同「こんだけ時間取ったんだから出来が楽しみだな」

(プレッシャーだな)

一同「仕上がりが不安だよ」

(まぁ確かに…)

一同「頑張ってやって。お疲れさん」

各団体の一流選手が集い行われた麻雀プロ団体日本一決定戦。日本プロ麻雀連盟は見事優勝という成績を収めた。
今日の麻雀業界を取り巻く環境の変化は非常に早く、成長も著しい。同時に選手個人の成長も急速に進んでいる。
他団体の選手は今回の雪辱を胸に、連盟が射止めたその座を虎視眈々と狙っていることだろう。

「他団体とそんなに差があるわけでもないのに天狗になっていると連盟は危ないよ」

実際に対局したものでなければ分からない感覚かもしれないこの言葉。
激戦を演じた対戦相手を敬い、尊敬しているからこその言葉であると思う。
応援席からは無傷に見えたその看板。それは8人が心身ともに傷だらけで守ったものだった。

雑踏の中を歩く4人の後ろを歩いてみた。とんでもないことをしたにもかかわらず、背伸びすることなく周囲の人と変わらない風貌と振る舞い。
卓上で見せた溢れんばかりの闘志。卓を離れている時はそのオーラを解除しているのだろう。
大きなことを成し遂げる人間こそ自分を大きく見せる必要がないのかもしれない。

この行き交う人の中にもヒーローが沢山いるのだろう。それでも道行く人に伝えたかった。叫びたくなった。

この人たちは連盟員の、麻雀界のヒーローだぞー!

プロ雀士インタビュー/第150回:第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー ~前編~

麻雀ファンはもちろん、麻雀プロでさえこの日が来ることを待ち望んでいたことだろう。
インターネットの普及により、対局を目にしない日はない。
プロ団体が乱立する昨今、一体どこの団体が一番強いのか。数多の麻雀プロは自身の所属団体が一番強いと確信しているだろう。
最古のプロ団体が設立され30年以上。しかし、これまでそれを決するステージはなかった。
8月10日。各団体の誇りを胸に、集いし32名の猛者。2ヵ月間に及ぶ全128半荘の対局。
絶対王者・日本プロ麻雀連盟という想像を絶するプレッシャーを跳ね除け、堂々の帰還を果たした選ばれし8名。持ち帰ったその看板には傷ひとつなかった。
 

100

 
どこの団体が一番強いのか。その長き論争に終止符を打った激闘と選抜選手の想い。このインタビューではその舞台裏に迫ってみたいと思う。今回はそんな選ばれし8名の内、4名に話を伺った。
 

100

 
 
【そういうのいらないから!】
 
10月某日 9:55 新宿
日吉「おはようございます。今日はよろしくお願いします」
一同「集合時間が早いよ!」
(なんか機嫌悪そうだな…)
日吉「それでは改めまして、インタビューを開始させていただきます」
一同「堅苦しいよ!そういうのいらないから!」
(はーい…)
 
 
【出番が来たなと思ったよ】
 
日吉「選抜選手8名の選出方法を教えてください」
勝又「まずは直近の鳳凰位4名(勝又、前田、藤崎、瀬戸熊)が選ばれて、その後は4名と、会長含めた数名と相談した結果だね」
瀬戸熊「会長は30、40代で勝つことに意味があるって。これからは君たちの時代だから、将来をそして未来を自分たちの手で勝ち取りなさいって」
日吉「なるほど」
瀬戸熊「日本プロ麻雀協会の伊達さんは、連盟が勢いのある若い選手を選抜したこと、更に結果を出したことに驚いていましたね。協会は過去の実績、ネームバリューで選抜した側面があったって」
日吉「ウッチー(内川幸太郎)は今の話聞いてどうかな?」
内川「活躍の場を提供してくれたのはもの凄く嬉しかった。同時に実績がない自分が選ばれた以上、負けることだけは許されないと思いました。自分が結果を出せなくて日本プロ麻雀連盟(※以降、連盟)が負けたら自分のせいだし。それから僕が頑張ることによって若い子に対してモチベーションになると思ったね」
(ウッチーは選抜選考の際、当落線上だったらしいしな。しかも8名の中では一番実績がないわけだ。ある意味では一番プレッシャーを感じていたんだろうな)
日吉「猿川は?」
猿川「出番が来たなと思ったよ。不調もあったんだけど、色々な対局(RTD、天鳳位VS連盟プロ、麻雀日本シリーズ等)で選抜されなかったから。連盟の若手に抜かれている感もあるし、その人たちにも負けられないと思ったね」
「若手に抜かれている感もある」
意外だった。猿川の言葉だとは思えなかった…
私と猿川の付き合いは15年ほどになる。『適当な男』を絵に描いたような男だった。そんな彼とは価値観が合ったり、合わなかったり。何度も衝突し、そして何度も助けられた。
今回の団体戦。私は彼を一番応援していた。そして信じていた。あの時と同じように…
2008年。麻雀マスターズ決勝戦。晴れの舞台での対局。最年少の猿川は孤軍奮闘していた。
しかし3回戦終了時点で2回のラスを押し付けられ、とんでもない劣勢。会場中の誰もが、そして猿川本人でさえも優勝は厳しいと思い始めていたはずだ。
私は今でも確信している。そんな会場の中でただ一人、私だけは彼の優勝を信じて疑わなかった。
前述の通り、最近の猿川は不調だったと思う。最強戦等で活躍はしているが、とても本来の力が発揮できてるとは言い難い。
自分を追い越していく若手を横目に眠れない夜もあったはずだ。その時に見えてきたであろう、自分自身の立ち位置と存在価値。
あの頃と何一つ変わらない風貌。結婚を機に芽生えてきた責任感。画面には『適当な男』とは程遠い、連盟代表としての男が映し出されていた。
(気合入っていたよな。対局中はこれまでで一番良い顔してたよ)
日吉「勝又さんは鳳凰位として臨んだ今大会の心境はいかがでしたか?」
勝又「まずは自分が出来ることをしっかりやろうと。鳳凰位としては、連盟が優勝したとしても自分が負けたら鳳凰位の看板を汚すことになる。これまで鳳凰位を獲得された先輩方にも申し訳ないしね。連盟も勝たなきゃいけないし、自分も勝たなきゃいけない。プレッシャーは他の対局よりもあったよ」
日吉「瀬戸熊さんは過去に鳳凰位3度獲得、絶対王者としての心境はいかがでしたか?」
瀬戸熊「選ばれた以上は自分の役割をしっかりやろうと思ったね。若い子達は勝った時はいいけど、負けた時の喪失感を考えると少しでも良いムード作って対局させなきゃいけないなと思ってたね」
 

100

 
 
【団体戦だけど個人が頑張るしかないんだよ】
 
日吉「大会のルール、システムはどのように決まったのですか?」
瀬戸熊「連盟はルール、システムは全てお任せ。ただ、実力の証明はしたいから対局数、対局者数はなるべく多い方が良かった」
日吉「連盟はリーグ戦でAルール(一発、裏ドラなし)を採用しておりますが、今回はBルール(一発、裏ドラあり)。相手の土俵で対局するわけですがそのあたりについては?」
瀬戸熊「普段AルールでやっているからこそBルールの応用が効くんだよ。協会の鈴木たろうさんは、連盟は手役を絡めた高い手をアガる。ワンパンチが重かったってコメントしてたよね」
(Aルールをやっていることで、常に手役を狙える麻雀が身に付くってことかな?)
日吉「団体戦で勝利するための、チームとしての作戦はありましたか?」
勝又「チームとしては特にないよ。個人それぞれが考えたことが一番良いことだよ。僕個人の考えは調子の良い人がポイント伸ばして、悪い人は抑えるってことかな」
瀬戸熊「ポイントで競っていた最高位戦はマークしたよ。僕は個人レベルで意識したけどチームとしても解っていたこと。打ち合わせ、言葉はなくても全員ね。団体戦だけど個人が頑張るしかないんだよ」
(団体戦とはいえ最後は個の力が大事なんだな。サッカー日本代表の本田選手も言ってた気がする)
内川「僕も同じ。個人的には調子が良かったからポイントは伸ばそうと思った。あと、勝又さんがいてくれることに安心感はあったね。終始心強い言葉を言ってくれたから。任せろって感じがあったね」
猿川「僕個人は調子が良くなかった。ただ、その時のライバルチームは意識して打っていたよね」
瀬戸熊「対戦カードが決まっていたから、複数回当たる相手には最初から強く打って、戦い辛い印象を与えるようにしたね」
勝又「そうですね、序盤は複数回当たる相手からの情報を集めたよ。同時に強い印象も与えたかった。相手が真っすぐな打牌が出来なくなればこっちが有利。初日の10ポイントより、後の1ポイントの方が大事だしね」
 
 
【安心して行け】
 
日吉「ポイント倍で行われる大将戦については?」
瀬戸熊「みんなは勝又に着順勝負の責任は負わせたくなかったはずだよ。やっぱりチーム戦だからね。勝又の功績で勝った時は良いけど、もし負けて勝又が戦犯みたいになるのは本意ではなかったよね」
勝又「自信はあったけどリードはあればあるだけくださいと思っていましたね。瀬戸熊さんが全員で300ポイント差つけてバトン渡すから安心して行けって言ってくれた。そしたら367ポイント差つけてくれたんだよね。ありがとうございますって思ったよ(笑)」
(大将として戦う勝又さんにチーム全員の想いを367ポイント差という形にして託したわけだ)
瀬戸熊「大将戦2回戦のオーラスで、阿部さんを押し上げるリーチあったでしょ。並びは最高だったんだけど、あのリーチに関してはそれ以降(大将戦3、4回戦)の対局に一抹の不安はあったね」
(ん?どういう意味かな?言っている意味がわからないぞ。先輩たちの話はいつも難しいんだよなぁ)
猿川「僕は勝又のリーチは好判断だと思いますね。最終日ってのも大きいかな。自分の勢いも大事だけど、あの日の大将戦は同一メンツでの対局で、相手の心理的にそっちの方が効くかなと思ったし。でも相手が瀬戸熊さんだったらやらないけど」
勝又「瀬戸熊さんと大将戦の対局者とは戦い方が違うからね」
瀬戸熊「僕が教わってきたのは勢いを大事にする麻雀だからね。だからオーラスの阿部さんを押し上げるリーチは怖いんだよね」
(ポイント差で有利になる状況を作りあげたのに、怖いって…)
瀬戸熊「勝又がリーチをした瞬間は良し!と思ったよ。さすが勝又、緻密に計算しているなって。ただ、ポイントはリード出来ても勢いを失うリーチにも見える。1回戦は9万点トップ、2回戦も最高の並び。もちろん勝又はポイントをプラスでまとめると思っていたけど、この後みんながフワッとした気持ちでいるとやられると思って気を引き締めたね」
(総合ポイントを考えたらリーチをした方が得、心理的に相手も嫌がる。ただそれ以上に自分が勢いを失ってしまうことが怖いってことかな?ヤミテンの方が勢いを失わないってことなのか…)
瀬戸熊「勝又は3回戦でラスを引くんだけど、要因はそのリーチにあると思うんだ。観戦していた会長と前原さんも同意見だった」
大将戦の最終戦を残すだけとなり、別会場での対局を終えた瀬戸熊が本会場に戻ってきた。応援に駆け付けていた森山会長、前原と言葉を交わす。
350ポイント以上のリード。連盟の優勢は変わらない。しかし、あれほど好調だった勝又が3回戦で4着となる。その原因は2回戦オーラスのリーチにあると、3者の見解はピタリと一致していた。
内川「僕はリーチを打った方が良いと思っています。対局者に隙がない印象を与えるかなと。ただ、そのリーチが勢いを失速させてしまうことに繋がってくるのかもしれない。僕にはまだ難しいところですね」
勝又「どこでポイント差を広げるかってことですよね。僕は2回戦オーラスでリーチを打ち、理想的な着順でポイント差を広げた。ただ、勢いを重視する先輩方は、僕が1回戦の9万点トップの場面で、僕より攻め込んで12万点のトップを取ってポイント差を広げるんでしょうね」
(話が難しすぎる…あの場面は自然に打ち続けることが良いってことなのかなぁ)
日吉「ポイント大量リードで迎えた4回戦(大将戦は3回戦)でかなりポイント差を詰められましたが、油断や慢心などがあったのでしょうか?」
瀬戸熊「油断や慢心は一切ないよ。でも、あれが若い8名で構成されたメンバーの弱点だと思う。先輩たちから教わっている、勢いを意識した麻雀を打っていれば相手のリーチにも向かって行けるのに、着順を意識して打つから失速したんだと思う」
日吉「ええ」
瀬戸熊「麻雀の流れ、勝負の流れとして見た場合、既に勢いの差があった。だから全員がトップを目指せばいいのに、ここは2着で良いなとか、この団体より着順上ならOKとか、3着でも素点は守るぞとか、そういう思考になった瞬間にやられるわけよ」
(勢いがある時は更に攻める。僕も普段から何度も言われていることだな…)
瀬戸熊「調子が良いんだから攻めれば良いんだよ。勢いを大事にする先輩たちなら、3回戦まで調子が良いんだから、4回戦は当然攻めるよ」
勝又「決めるときに決めに行きますからね」
瀬戸熊「普段教わっていることをしっかり出来たら、勝又の大トップを契機に最後まで加点するこが出来ていたと思うよ」
日吉「最終戦については?」
瀬戸熊「リードはしていたけど、勝負事は最後まで何があるかわからない。もちろん勝又の実力は信じているんだけどね。ただ相手も一流だから何があってもおかしくない。大将戦の1回戦と同じことを相手にやられたらわからなくなるからね。最終戦に関しては、ツモられ続ける展開だけが心配だった。だから1回でもアガれたら優勝できると思ってたよ。あの一万四万ツモッた時に優勝を確信したね」
日吉「実際対局されていた勝又さんの心境は?」
勝又「これで逆転されたら鳳凰位返上して退会だなと(笑)。僕としては一局一局、自分が出来る最善を尽くすだけでしたね」
(顔は笑っていても目は真剣。いつもの勝又さんだな…)
第3節で失速し総合順位3位に後退。最終節のみを残した連盟は厳しい状況に置かれていた。
最終節の大将戦はポイント倍で行われる。チームの勝敗を大きく左右する対局。その1回戦でチームを鼓舞するような9万点の大トップ。更に個人成績も第4位。
現鳳凰位として、その名に恥じぬ獅子奮迅の活躍をみせた。
鳳凰位を獲得し連盟の頂点に上り詰めた勝又。実況者としても連盟内では図抜けた存在である。
私は勝又に麻雀と実況、両方のアドバイスをもらうことが多々ある。そんな時、冗談交じりで
「俺が出来るんだから、誰でもできるよぉ(笑)」
と笑いながら話す。そして直後に、決まって言うセリフがある。
「出来ないってことは努力が足りないよね。やってないだけ」
と真剣な表情で話す。
勝又の発言と実績には、我々の知られざる影の努力に裏打ちされた、自信と誇りが感じられる。
 

100

 
瀬戸熊「とにかく9万点トップが大きかった。こっちの士気は上がったし、相手は戦意喪失したのが分かったから」
内川「そうそう。あれを一発目に持ってきてくれて、やることがより明確になったしね」
 
 
【とにかく元気に】
 
日吉「それぞれチームの一員としての役割はありましたか?」
勝又「キャプテンの藤崎さんがチームの雰囲気を良くしてくれて、副キャプテンの瀬戸熊さんが鼓舞してくれたのは間違いない」
今からおおよそ10年前…
麻雀業界に激震が走った。日本プロ麻雀連盟から、当時のエース格が数名離脱。
次代を担うであろうと目されていた瀬戸熊。これ以降、プレイヤーとしても運営面においても瀬戸熊にかかった負担は想像を絶する。
先輩たちに助けられ、アドバイスをもらい、連盟の屋台骨を支え続けた。そんな中での鳳凰位、十段位の獲得。
その後、その座を譲ることなく連盟のトップに君臨する。瀬戸熊は名実ともに絶対王者の称号を手にした。
今日では若手に対して麻雀プロとしての在り方を、背中で語る兄貴分。
あの日から10年。激動の連盟史の生き字引である瀬戸熊。今大会では連盟の精神的支柱としてチームを支え、鼓舞し続けた。そして、自身の歴史が正しかったことを、団体戦優勝という成績をもって証明した。
内川「2人には阿吽の呼吸があったね」
勝又「瀬戸熊さんが、お前らはいつも通りやれって。ポイントは俺と藤崎さんでまとめるからって言ってくれたんですよ。ホントに心強かったですね」
猿川「俺はまじめにしてたなぁ」
(絶対ウソだな…)
勝又「僕個人は内川、白鳥の2人とは沢山話をしたね。不安があるなら相談乗るし、自慢したいなら聞いてあげるよって。藤崎さん、瀬戸熊さんは年齢も離れているから僕の方が話しやすいだろうし。半荘終了後は意識して話してたね」
内川「僕はとにかく元気に。甘えさせてもらいました」
勝又「藤崎さんの精神力はすごいよ。成績が良くない場合って、普通はどうしようってなるじゃない。でも俺たちのことばっかり考えてくれた」
瀬戸熊「今日も俺に貢げよ、とか言ってたね。俺のマイナスポイント補填しろって(笑)」
内川「そうやって盛り上げてくれた。連盟の成績が落ちてトップの座を明け渡したとき、みんな気分が落ちていたんだけど明るい雰囲気を常に作ってくれましたね」
私は実況、解説の場で藤崎と一緒になることが多々ある。そんな時も、冗談を混ぜつつ笑顔で接してくれる。
放送前に緊張している私は、徐々にリラックスしていくのが実感できる。
藤崎は普段から優しい。若手のことを気にして声をかけてくれる。そんなキャプテンにはみんな頼りたくなるよね!
勝又「今は公式戦の休憩時間って選手同士の会話って禁止でしょ。瀬戸熊さんはそのルールができる前から話しかけにくい雰囲気があったんだよね。もちろん開始前と終わった後は気さくなんだけど。ただ対局が開始すると休憩時間も瀬戸熊さんには話しかけらんねーなみたいな」
(めっちゃわかります!戦闘モードになると、人を寄せ付けない見えない壁を感じます!怖いっす!)
勝又「でも今回は休憩時間に瀬戸熊さんから声をかけてくれたんだよね」
瀬戸熊「サルが初日の1回戦終わった時に瀬戸熊さん話しかけられないモードになっているんでしょって言ってたんだけど全然そんなことなくてね。僕と藤崎さんは良くも悪くも周りに影響を与えちゃうから。悲壮感だけは出さないようにしてたね」
勝又「藤崎さん悲壮感は少しもなかったよね」
日吉「努めてそうしていたんですか?」
瀬戸熊「努めていたわけではないけど、やっぱりそれがチームだよ」
(チームかー、良いなー、球拾いでいいから俺も入りてー)
勝又「でも僕たちが今日ダメだ、とか言うと愚痴聞いてくれましたけどね。すぐ今日ダメだーとか言ってたもんね(笑)」
内川「良いチームだったんですよ」
(ウッチーはチームの一員か、若いのに大したもんだよ。羨ましいぞ!俺も頑張らねーと)
勝又「藤崎さんと瀬戸熊さんは対局終わっても着順とか聞いてこないんだよ。俺たちはそればっか話してたよね。俺と内川なんて聞かれる前に言ってたもん(笑)」
瀬戸熊「それだけ信用していたってことだよ」
勝又「トップ取った時は嬉しいからむしろ聞いてよって思ってたもん(笑)」
瀬戸熊「勝又は調子良かったからキープするのはわかっていたよ。後は調子悪い人をケアするだけだよ」
勝又「トップ取ったから褒められたいのに」
(鳳凰位は意外と子供だな…)
瀬戸熊「日吉がいたら毎回聞いてたよ(笑)」
(ブハッ)
勝又「瀬戸熊さんは何度も有言実行していましたね。麻雀はどんな結果になるかわからないから抽象的なことを言うでしょ。頑張りますとか。でも瀬戸熊さんは言い切るのよ。この半荘トップ取るって。そして取って帰ってくる」
日吉「チームを鼓舞するために敢えて言っていたんですか?」
瀬戸熊「いやそうじゃなくて、みんなを信用してたし、なんとなく気づいた時に言ってたかな」
勝又「瀬戸熊さんがここはトップ取ってくるって言うでしょ、そうすると藤崎さんが俺は小さめのラス取ってくるって言うのよ(笑)」
 
 
【個人成績よりもチーム成績】
 
日吉「他団体で強いと思った方は?」
勝又「たろうさん。(鈴木たろうプロ、日本プロ麻雀協会)」
内川「達也さん。(鈴木達也プロ、日本プロ麻雀協会)」
猿川「水巻さん。(水巻渉プロ、最高戦日本プロ麻雀協会)」
瀬戸熊「佐藤聖誠さん。(最高戦日本プロ麻雀協会)気合入ってたよ。」
猿川「それぞれが対局した時の調子、相性もあるけどね。みんな強かったよ」
日吉「個人の順位、成績は気になりましたか?」
猿川「自分の順位は気にしてないね。大体これぐらいかなとは思っていたけど。あんまり興味なかったかな。もちろん最終成績は見たけど」
(おー意外だな)
勝又「俺は気にしてたな。さっきも言ったけど鳳凰位としての看板もあるし」
瀬戸熊「サルと寿人の成績は常に気にしてた。ふり幅が大きいから。サルが5万点持ちから失速して3着になった時があったんだけど、次の半荘は気にしてたね。無理しちゃうかもしれないから声かけたほうがいいかな、とかね。でもお互いプロだからそこまで心配してなかったけどね」
(猿川はムラがあるし、寿人さんはすぐアレ出しちゃうからな)
猿川「そのあたりは団体戦だから我慢が効きましたね。」
勝又「藤崎さんは自身の成績こそマイナスだけど、ポイント競っていた最高位戦との成績はすごく良かった。並びづくりが上手いよね。ポイントまとめるって、こういうこというんだなって」
内川「自分の名前が上にあったのは気分が良かったね(笑)。でもそれに拘ってはいなかった。個人成績よりもチーム成績。個人成績を伸ばしたくて無理にトップを狙ったりはしなかったね」
瀬戸熊「それが良いほうに転がったかもね。上手く抑えがきいたかもしれないよ。普段トップ狙って、無理して押して着順落とすとかあるじゃない。麻雀のバランスとしてどっちが良いかわからないけど」
内川「俺、団体戦のほうが向いてるかな…」
整った顔立ち、さわやかな立ち振る舞い。そして誰にも劣らない向上心。まだ幼さが残る内川と初めて会ったのは、彼が連盟に入る前だった。長野県在住だった彼は勉強会に足しげく通い、連盟入りを目指していた。既に連盟入りしていた私は、熱心な彼の姿勢に将来性と同時に追い越される危機感を感じた。私はそんな彼に対してどこか斜に構えていた。
それから数年後、私は内川とリーグ戦で何度も対戦した。数多くの麻雀プロ。その中で栄光をつかみ取れるのは、ほんの一握り。明日のヒーローを夢見て切磋琢磨し、時に激しい火花を散らす。
そんな厳しい戦線の中から彼は上に抜け出し、私は埋もれていった。私の感じた危機感は的中した。
そして今大会では、僅か8枠しかないシートを自らの手で掴み取る。個人成績でも連盟最上位の第2位という成績を収め、チームの勝利に大きく貢献した。私の感じた将来性は確かだった。
今大会での内川の活躍は、若手の連盟員にとって刺激になったはずだ。
ウッチーおめでとう。あの日、先輩というだけで斜に構えていた自分が恥ずかしいわ。いつかまたウッチーと戦える日まで頑張るわ。
 

100

 
 
【ホントに信用してるってこと】
 
日吉「他団体と比べて連盟が良かったところは?」
猿川「仲良かったことかな」
内川「総合力!」
勝又「ホントに信用してるってこと。誰が何切って何点放銃しても、あなたがそれ打つならみんな打つでしょって。どうぞ打ってください、みたいな感じかな。だから麻雀の内容について話すことなんて自慢と愚痴(笑)。あの打牌はないでしょ、とかそんな細かい技術的な話は一切なかったよ」
連盟内ではライバル関係であり、競い合っていた相手。だからこそ解り合える相手の実力。その力を疑う余地は一切なかったはずだ。
初めて味方として戦うことになった今大会ではホントに心強かっただろう。
日吉「ちなみに一番自慢していたのは誰ですか?」
勝又「俺かな(笑)。愚痴は藤崎さん」
一同「アハハハ」
瀬戸熊「普段あまり交流のない連盟員が真剣に応援してくれていたね。いい団体だなと思いましたよ」
日吉「大会開催中のファンの反応は?」
内川「2ヵ月でフォロワー数700人増えましたよ!」
瀬戸熊「ファンや身内から、勝又を初めて心底応援したって言われたね。普段は敵同士で戦うからね。勝又は強いから、僕の周りから良い意味で嫌われてるよ(笑)」
勝又「普段は瀬戸熊さんの応援ですもんね。僕も皆さんから今までの何倍も応援してもらった実感がありますね」
瀬戸熊「これまで連盟を応援していた方は、連盟が最強と信じて疑わなかったと思うんだよね。今回の結果でその人達がホッとしてたことが僕もホッとした。その人たちが信じていたことを証明できたって」
(ファンあっての麻雀プロ。何よりの恩返しができたのかな)
 
 
【このメンバーで勝てたのはホントに良かった】
 
日吉「見事優勝という結果でしたが、開催中プレッシャーはありましたか?」
瀬戸熊「鳳凰戦の前夜は眠れなかったけど、今回はみんなを信頼していたから眠れた。緊張は分散されるのかなって。リラックスできてたよ」
内川「断食していました。食えなかったのもあるし、食欲がなかった。高揚していたかもしれないですな」
瀬戸熊「勝又は鳳凰戦と団体戦どっちが緊張した?」
勝又「団体戦ですね。団体戦の方が勝ちたかった。当然鳳凰戦も勝ちたかったけど、負けたら自分が弱いだけだから、また来年挑戦すればいい。だけど今回は負けたら次挑戦すればいいでは済まないから。一回で必ず結果出さなくてはならないと思っていたので何十倍も緊張しましたよ」
猿川「僕もそうだけど、みんな団体戦の方が緊張していたと思うよ」
勝又「周りに勝又は弱いねって言われるのはいくらでも受け入れられる。だけど自分が強いと思っている先輩たちが弱いと言われるのは受け入れられないよ。あんなに強い先輩たちが率いる連盟が、世間から弱いねって思われるのは受け入れらんないもん。しかもそれが自分のせいでそう評価されるんだよ。だって強いんだから、バケモノみたいに。普段は結果も大事だけど、内容の良い麻雀を打つことに充実感はあるんだよね。だけど団体戦はとにかく結果に拘った。ただのバカヅキでもいいから勝ちたいと思った」
(鳳凰位は意外と熱いんだな…)
瀬戸熊「僕はタイプ的に内容の良い麻雀を打つと結果がついてくる。内容がダメだと結果もダメ」
猿川「そういう意味でプレッシャーは普段の倍くらいあったな」
勝又「サルと俺が一番緊張していたよね。2人とも手が震えていたし。配牌ちゃんと取れなかったもん」
猿川「緊張したよね。空気が普段のタイトル戦より重い感じしたな」
 

100

 
(意外な2人が緊張してたんだな。一番緊張しないタイプだと思ってた)
日吉「大会終了後の周りの反応はどうですか?」
瀬戸熊「優勝したことで連盟行事に行きやすいね(笑)。みんな明るいよ。負けていたらどんよりしてたんだろうなと思うと優勝できて良かった」
勝又「みんな褒めてくれるね。おめでとうございますっていうよりは、ありがとうございましたって感じで声かけてくれる」
猿川「もちろん他団体も強いんだけど、戦前から連盟が勝つと信じていた。実際勝ったのはすごいと思う。負けた場合、今後もし第2回がなかったら連盟は弱いで終わっちゃうし。このメンバーで勝てたのはホントに良かった」
内川「嬉しいですね。負けた時はそれを甘んじて受け入れるしかないんだけど」
(連盟員みんな喜んでたもんな、みんなの代表として優勝してくれたんだよなぁ)
 
 
【その言葉で思いっきり戦えましたね】
 
日吉「決起会の開催、更には会長からの激励のメールがあったと伺っていますが」
瀬戸熊「会長から選手それぞれに激励メールがあったんだよね。僕は会長への返信で、4位だったら会長辞めますと言わせてしまったのは情けないですって返信したんだよ。会長は連盟の礎を築き上げたメンバーで臨んだら、優勝しなかったら辞めますって言ったはずだから」
勝又「今の話を聞いて正直恥ずかしいです。4位になったら辞めますっていう会長の言葉で、僕たちは信用されていると思っていましたから」
猿川「でも優勝しなかったら辞めますって会長が言っていたら優勝出来なかったかもね(笑)。正直プレッシャーが大きすぎる。そうでなくても連盟内からのプレッシャーも大きいのに」
(猿川!本音を言い過ぎ!)
勝又「決起会で会長がね、俺は連盟が負けるのが嫌なんじゃない、お前らが自分の麻雀が打てないのが嫌なんだって」
内川「連盟らしく打ってくれと言われてましたね」
勝又「勝ったらお前らの力、負けたら俺のせいだって。そんなわけにはいかないけど、その言葉で思いっきり戦えましたね。ありがたかったですよ」
(会長はホントに熱い人なんだな。喜ぶ時も怒る時もホントに相手と向き合っているし、連盟に対する愛情と麻雀プロ像に対するこだわりは誰よりも強いんだな)
瀬戸熊「決起会の会場は第1節で勝ったこともあって、毎回同じ場所でやったんだ。寿人は地和アガッたから座る場所も同じにさせたよ(笑)」
(寿人さんは運だけの男かな?)
 
 
【日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史】
 
瀬戸熊「今回色々あったけど、寿人の地和も、猿の倍満も、勝又の9万点トップも連盟の伝統と歴史がアガらせたものなんだよ」
内川「先輩たちに教えてもらったことが正しかったことを証明できて良かった。リーグ戦で結果を出せばチャンスが来ることは間違いないですね。でも若い子たちには負けないよ」
猿川「他団体と連盟の実力差なんて同等なんだと思う。先輩たちが築き上げて来たものを崩さないで良かった。安心した気持ちが一番大きいですね」
勝又「先輩たちにはひやひやさせてしまった。もっと僕たち全員で力を付けて頑張ります」
瀬戸熊は大会終了から数日後、連盟員の本場所である鳳凰戦の会場で、麻雀プロ団体日本一決定戦の結果報告と共に、これまでの先輩たちのご指導、連盟員からの応援に感謝の意を述べた。
続けて「今後はこの中から選抜選手が出てくるはずです。これからも日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史である攻めるときは攻める、守るときは守る麻雀を引き継いで、堂々と胸を張って戦えるよう、力を蓄えてください」という言葉で締めた。
 
 
【麻雀界のヒーローだぞー!】
 
12:25
日吉「今日はありがとうございました」
一同「こんだけ時間取ったんだから出来が楽しみだな」
(プレッシャーだな)
一同「仕上がりが不安だよ」
(まぁ確かに…)
一同「頑張ってやって。お疲れさん」
各団体の一流選手が集い行われた麻雀プロ団体日本一決定戦。日本プロ麻雀連盟は見事優勝という成績を収めた。
今日の麻雀業界を取り巻く環境の変化は非常に早く、成長も著しい。同時に選手個人の成長も急速に進んでいる。
他団体の選手は今回の雪辱を胸に、連盟が射止めたその座を虎視眈々と狙っていることだろう。
「他団体とそんなに差があるわけでもないのに天狗になっていると連盟は危ないよ」
実際に対局したものでなければ分からない感覚かもしれないこの言葉。
激戦を演じた対戦相手を敬い、尊敬しているからこその言葉であると思う。
応援席からは無傷に見えたその看板。それは8人が心身ともに傷だらけで守ったものだった。
雑踏の中を歩く4人の後ろを歩いてみた。とんでもないことをしたにもかかわらず、背伸びすることなく周囲の人と変わらない風貌と振る舞い。
卓上で見せた溢れんばかりの闘志。卓を離れている時はそのオーラを解除しているのだろう。
大きなことを成し遂げる人間こそ自分を大きく見せる必要がないのかもしれない。
この行き交う人の中にもヒーローが沢山いるのだろう。それでも道行く人に伝えたかった。叫びたくなった。
この人たちは連盟員の、麻雀界のヒーローだぞー!

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

【プロクイーン2日目終了】


最終戦でラスに落ちる放銃が悔やまれるが、堂々の攻めっぷりで宮内が首位に立った。

二日目終了時成績

宮内こずえ +81.7P
西嶋ゆかり +40.8P
和久津晶 +32.3P
童瞳 ▲13.1P
茅森早香 ▲141.7P

 

 

【天鳳位vs.連盟プロ決勝戦】

ASAPINさんが優勝!

 

100

 

前評判を裏切ることなくASAPINさんが見事な勝利を収めた。
2nd seasonは連盟Aルールで開催予定。連盟プロの奮起に期待したい。

 

100

 

 

【お行儀】


以前、スマホの使い方が行儀悪い、靴を脱いで足を投げ出す、など行儀の悪い連盟員を紹介したことがあるが、まだまだ行儀が悪いやつがいるという情報が私の元に飛び込んできた。

 

100

話しを聞く態度が悪い(白鳥)

100

麻雀中に靴を脱ぐ(魚谷)

100

上の空(森下荒)

100

泣いたフリ(三田)

100

真面目に台本を読むフリ(勝又)

100

肩を揉ませて登場(白鳥)

100

賄賂を受け取る(日吉)

100

無駄な動きが多い(藤原)

 

不届き者は増えるばかりだ。このまま業界が悪い方向へ行かないよう監視を続けることにする。

 

 

【ファイナリスト古橋の近況】


「いや、もう忘れてましたよ。次の戦いに気持ちは切り替わってます」

サイバーエージェントカップ勝利の余韻に浸り、はしゃぎすぎてじん帯を負傷した古橋崇志だが、聞けば必ずこんな風にすかした回答を返してくる。
こちらとしては、本当に気持ちが切り替わっているのか疑わしい気持ちでいるのだが、なかなか尻尾をつかめずもどかしい。

古橋「山井さん、この焼き方ボクが考えたんですけど、美味しいですよ。食べてみます?」

 

100

 

山井「いや、普通に焼いてよ」

古橋「えー、美味しいんだけどな、サイバー焼き…」
ニヤリと不適な笑みを浮かべ、人の金でご馳走になる肉を山井氏に進める古橋。
まだまだ余韻に浸っている様子… ファイナルが心配だ。

 

100
100

 

「これ凄く運が強い手相なんですよ」
ドヤ顔で全員に手相を自慢する男、古橋崇志。

この浮かれ方はさすがにひくわ。
ファイナルが心配だ。

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

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【プロクイーン2日目終了】

最終戦でラスに落ちる放銃が悔やまれるが、堂々の攻めっぷりで宮内が首位に立った。
二日目終了時成績

宮内こずえ +81.7P
西嶋ゆかり +40.8P
和久津晶 +32.3P
童瞳 ▲13.1P
茅森早香 ▲141.7P

 
 
【天鳳位vs.連盟プロ決勝戦】
ASAPINさんが優勝!
 

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前評判を裏切ることなくASAPINさんが見事な勝利を収めた。
2nd seasonは連盟Aルールで開催予定。連盟プロの奮起に期待したい。
 

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【お行儀】

以前、スマホの使い方が行儀悪い、靴を脱いで足を投げ出す、など行儀の悪い連盟員を紹介したことがあるが、まだまだ行儀が悪いやつがいるという情報が私の元に飛び込んできた。
 

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話しを聞く態度が悪い(白鳥)

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麻雀中に靴を脱ぐ(魚谷)

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上の空(森下荒)

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泣いたフリ(三田)

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真面目に台本を読むフリ(勝又)

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肩を揉ませて登場(白鳥)

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賄賂を受け取る(日吉)

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無駄な動きが多い(藤原)

 
不届き者は増えるばかりだ。このまま業界が悪い方向へ行かないよう監視を続けることにする。
 
 
【ファイナリスト古橋の近況】

「いや、もう忘れてましたよ。次の戦いに気持ちは切り替わってます」
サイバーエージェントカップ勝利の余韻に浸り、はしゃぎすぎてじん帯を負傷した古橋崇志だが、聞けば必ずこんな風にすかした回答を返してくる。
こちらとしては、本当に気持ちが切り替わっているのか疑わしい気持ちでいるのだが、なかなか尻尾をつかめずもどかしい。
古橋「山井さん、この焼き方ボクが考えたんですけど、美味しいですよ。食べてみます?」
 

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山井「いや、普通に焼いてよ」
古橋「えー、美味しいんだけどな、サイバー焼き…」
ニヤリと不適な笑みを浮かべ、人の金でご馳走になる肉を山井氏に進める古橋。
まだまだ余韻に浸っている様子… ファイナルが心配だ。
 

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「これ凄く運が強い手相なんですよ」
ドヤ顔で全員に手相を自慢する男、古橋崇志。
この浮かれ方はさすがにひくわ。
ファイナルが心配だ。