麻雀格闘倶楽部「最強軍の宴」レポート 石田 亜沙己

昨年12月14日に麻雀格闘倶楽部 頂の陣 投票選抜戦2014プロ雀士戦国時代
「最強軍の宴」が、日本プロ麻雀連盟の夏目坂スタジオから生放送で行われました。

今回レポートを務めさせていただきます、石田亜沙己です。
よろしくお願い致します。

まずは「最強軍の宴」とはどんなイベントなのか簡単に説明させていただきます。

「麻雀格闘倶楽部 頂の陣」投票選抜戦2014プロ雀士戦国時代で、2,705,949ポイントで見事、最強軍となった高宮まりプロ将軍。
そして最強軍となったユーザーの方の中から16名と、
「麻雀格闘倶楽部 頂の陣」に出演中のプロ雀士7名が生放送で対決するという、素敵なイベントなのです!!

対局のシステムは東風戦で、プロは4半荘、ユーザーの方々は2半荘行った後、トータルスコア上位2名ずつが決勝に進出!!
決勝戦は1半荘。
そして見事頂点に立ったユーザーは、高宮プロ将軍から素敵なプレゼントが貰えるというのです!!
ずっと応援してきた将軍から、愛用品を譲り受けるなんてとても嬉しいですよね!!

それでは参加選手の紹介をしたいと思います。
まずは参加将軍から、

100

灘麻太郎プロ

100

小島武夫プロ

100

森山茂和プロ

100

ガースプロ

100

二階堂瑠美プロ

100

和泉由希子プロ

100

高宮まりプロ

100

石田亜沙己プロ

ユーザー代表
タツダンスさん
ばんばんさん
ブリスベンさん
だい!さん
ごだいご○さん
MEMIさん
NASHさん
たかひぃーさん
ペロCUPさん
マミタスさん
TATSUさん
8304さん
りらくまさん
びしゃもんさん

急遽、欠員のためユーザーが15名になったので、山井弘プロが参加することになりました。

100

山井弘プロ

そして解説には佐々木寿人プロ。
司会は東城りおプロ、投票選抜戦を上位で終えた豪華な顔ぶれです!!
これはユーザーの方も私も緊張ですね。

100

生放送では、1回戦毎に1卓の配信を行いました。
私も決勝に残るべく対局に挑みましたが、決勝進出はできませんでした。
ユーザーの方と麻雀が一緒にできたことが嬉しくて心はずっとウキウキでした♪

なんと決勝に残ったユーザーのお2人は予選の配信卓の東1局から大きなアガリを連発していたのです!!
そして決勝に残ったのはこの4名。

100

森山茂和プロ

100

和泉由希子プロ

100

びしゃもんさん

100

ペロCUPさん

予選配信卓の東1局で4,000オールツモからスタートしたびしゃもんさん。
そして予選卓東1局で4,000・8,000ツモからスタートしたペロCUPさん。
この二人に森山茂和プロと和泉由希子プロ。
どんな対局になるのか…。

決勝戦東1局、最初のアガリを見せたのは森山プロでした。
そしてその後も森山プロは、高め大三元のテンパイ、ツモリ四暗刻のリーチなど1半荘の間にたくさん魅せてくださいました!!
とてもかっこいいです。

その森山プロからオーラス満貫を直撃し、総合優勝まであと一歩と迫りましたが惜しくも2位はペロCUPさん。
しかし、ユーザー代表の中では見事大逆転で1位に輝き、高宮将軍より素敵なプレゼンが手渡されました!!
おめでとうございます★!

100

本当に決勝戦、白熱した戦いで見ていてとても面白かったです。
まだ見ていない方にはぜひ見ていただきたいです!!

この他にもバージョンアップした、麻雀格闘倶楽部「彩の華」の素敵な衣装の紹介や、森山茂和会長の一言で急遽行われたエキシビジョンマッチなど見所は満載でした★!

高宮まり将軍、二階堂瑠美将軍、和泉由紀子将軍、東城りお将軍で行われたエキシビジョンでは最強将軍、高宮まりプロが強さを見せ、見事頂点に立ちました!!
高宮まり将軍の真後ろではユーザーの皆様が見守っていて、なんだか素敵だなぁっと感動してしまいました。

100

私はというと、急遽実況を勤めさせていただいたのですが、初めてのことで全然上手くできなかったので、また1つ課題ができました!勉強してきます!!
解説席では、森山茂和会長と佐々木寿人プロが今回の選抜戦について語るなど、対局以外でも見所は満載でした!!

100

この「最強軍の宴」の模様は現在、こちらからご視聴頂けます。

それではここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!!
また麻雀格闘倶楽部「彩の華」でお会いしましょう♪

プロ雀士コラム/麻雀格闘倶楽部「最強軍の宴」レポート 石田 亜沙己

昨年12月14日に麻雀格闘倶楽部 頂の陣 投票選抜戦2014プロ雀士戦国時代
「最強軍の宴」が、日本プロ麻雀連盟の夏目坂スタジオから生放送で行われました。
今回レポートを務めさせていただきます、石田亜沙己です。
よろしくお願い致します。
まずは「最強軍の宴」とはどんなイベントなのか簡単に説明させていただきます。
「麻雀格闘倶楽部 頂の陣」投票選抜戦2014プロ雀士戦国時代で、2,705,949ポイントで見事、最強軍となった高宮まりプロ将軍。
そして最強軍となったユーザーの方の中から16名と、
「麻雀格闘倶楽部 頂の陣」に出演中のプロ雀士7名が生放送で対決するという、素敵なイベントなのです!!
対局のシステムは東風戦で、プロは4半荘、ユーザーの方々は2半荘行った後、トータルスコア上位2名ずつが決勝に進出!!
決勝戦は1半荘。
そして見事頂点に立ったユーザーは、高宮プロ将軍から素敵なプレゼントが貰えるというのです!!
ずっと応援してきた将軍から、愛用品を譲り受けるなんてとても嬉しいですよね!!
それでは参加選手の紹介をしたいと思います。
まずは参加将軍から、

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灘麻太郎プロ

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小島武夫プロ

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森山茂和プロ

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ガースプロ

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二階堂瑠美プロ

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和泉由希子プロ

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高宮まりプロ

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石田亜沙己プロ

ユーザー代表
タツダンスさん
ばんばんさん
ブリスベンさん
だい!さん
ごだいご○さん
MEMIさん
NASHさん
たかひぃーさん
ペロCUPさん
マミタスさん
TATSUさん
8304さん
りらくまさん
びしゃもんさん
急遽、欠員のためユーザーが15名になったので、山井弘プロが参加することになりました。

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山井弘プロ

そして解説には佐々木寿人プロ。
司会は東城りおプロ、投票選抜戦を上位で終えた豪華な顔ぶれです!!
これはユーザーの方も私も緊張ですね。

100

生放送では、1回戦毎に1卓の配信を行いました。
私も決勝に残るべく対局に挑みましたが、決勝進出はできませんでした。
ユーザーの方と麻雀が一緒にできたことが嬉しくて心はずっとウキウキでした♪
なんと決勝に残ったユーザーのお2人は予選の配信卓の東1局から大きなアガリを連発していたのです!!
そして決勝に残ったのはこの4名。

100

森山茂和プロ

100

和泉由希子プロ

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びしゃもんさん

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ペロCUPさん

予選配信卓の東1局で4,000オールツモからスタートしたびしゃもんさん。
そして予選卓東1局で4,000・8,000ツモからスタートしたペロCUPさん。
この二人に森山茂和プロと和泉由希子プロ。
どんな対局になるのか…。
決勝戦東1局、最初のアガリを見せたのは森山プロでした。
そしてその後も森山プロは、高め大三元のテンパイ、ツモリ四暗刻のリーチなど1半荘の間にたくさん魅せてくださいました!!
とてもかっこいいです。
その森山プロからオーラス満貫を直撃し、総合優勝まであと一歩と迫りましたが惜しくも2位はペロCUPさん。
しかし、ユーザー代表の中では見事大逆転で1位に輝き、高宮将軍より素敵なプレゼンが手渡されました!!
おめでとうございます★!

100

本当に決勝戦、白熱した戦いで見ていてとても面白かったです。
まだ見ていない方にはぜひ見ていただきたいです!!
この他にもバージョンアップした、麻雀格闘倶楽部「彩の華」の素敵な衣装の紹介や、森山茂和会長の一言で急遽行われたエキシビジョンマッチなど見所は満載でした★!
高宮まり将軍、二階堂瑠美将軍、和泉由紀子将軍、東城りお将軍で行われたエキシビジョンでは最強将軍、高宮まりプロが強さを見せ、見事頂点に立ちました!!
高宮まり将軍の真後ろではユーザーの皆様が見守っていて、なんだか素敵だなぁっと感動してしまいました。

100

私はというと、急遽実況を勤めさせていただいたのですが、初めてのことで全然上手くできなかったので、また1つ課題ができました!勉強してきます!!
解説席では、森山茂和会長と佐々木寿人プロが今回の選抜戦について語るなど、対局以外でも見所は満載でした!!

100

この「最強軍の宴」の模様は現在、こちらからご視聴頂けます。
それではここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!!
また麻雀格闘倶楽部「彩の華」でお会いしましょう♪

第17期特別昇級リーグ 決勝レポート 土井悟

2014年12月23日、連盟四ツ谷道場にて第17期特昇リーグの決勝が行われた。

特昇リーグの参加資格は各リーグの昇級者やタイトル戦の成績優秀者に与えられる。
特昇リーグで優勝して、その期のリーグ戦でもプラスで終わればB2リーグに昇級できる。

強くなりたい、早く上で打ちたいと思っている人間にとっては参加して当然のリーグである。

特昇リーグが通常のリーグ戦と大きく異なるのは下記の点である。

・成績下位者は途中で失格
・残った上位で決勝が行われる
・決勝はそれまでのポイント持越し

数か月争った後に、ポイント持越しで決勝を行うというのは麻雀の大会ではかなり珍しいのではないか。

過去には優勝がほぼ確定している決勝もあった。
100ポイント近くあった差を追いついた決勝もあった。

今回の決勝進出メンバーの準決勝終了時の成績は以下の通りである。
(決勝は5半荘で上位から抜番となる)

ケネス 徳田(+200.4P D1)
吾妻 さおり(+194.2P C2)
越野 智紀(+101.7P C3)
福光 聖雄(+100.0P C1)
久山 浩司(+72.6P D1)

連盟のAルールで打つ場合、100ポイント差を4半荘でひっくり返すのは非常に厳しい。
ただ、100ポイント差の上位が2人いる場合どうなるのか。

上位のケネス、吾妻は共に前に出るタイプである。
福光は現在C1なので優勝以外意味がない。
越野と久山は3位でも意味がある。序盤は流石にトップを狙うだろうが、2位・3位狙いに切り替える局面はあるのか。

序盤からいつもと異なる選択を迫られる。
条件に合った打ち方をするのか。
普段の打ち方を貫くのか。

1回戦(起家から、福光・越野・吾妻・久山)抜番:ケネス

序盤は軽い探り合い、そして場が動く。

東3局、親の吾妻が7巡目リーチ。

六万七万八万三索四索二筒三筒四筒六筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ツモ五索  ドラ九索

2,600オール。

東3局1本場、再び親の吾妻が13巡目リーチ。

一万二万三万四万四万四万一索三索一筒二筒三筒七筒七筒  リーチ  ツモ二索  ドラ中

3,900は4,000オール。
抜番のケネスを焦らせ、100ポイント差を逆転すると息巻いていた同卓者3名の心をへし折るには十分なアガリ。

南4局、53,500点持ちの吾妻だが、まだまだ足りない。
2着目の越野が30,500点と30,000点を越えているのが気に入らない。

吾妻の9巡目。

二筒二筒二筒四筒五筒六筒六筒発発中  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ドラ一万

しかしここまで手が入らなかった福光がそれを許さない。

一万二万三万四万五万六万発発中中  ポン西西西  ドラ一万

吾妻が六筒の周りを持ってきたらどうするのか見ていたが、ドラの一万を持ってきてオリ。
越野が2,000点をアガリ、吾妻の1人浮きは何とか阻止。

1回戦成績
吾妻+29.5P 越野+6.5P 久山▲14.9P 福光▲21.1P

1回戦終了時のトータル
吾妻+223.7P ケネス+200.4P 越野+108.2P 福光+78.9P 久山+57.7P

2回戦(起家から、福光・越野・久山・ケネス)抜番:吾妻 

東1局
1回戦ラスだった起親の福光、ここで点数を稼がずにいつ稼ぐと仕掛ける。
三索五索三筒五筒六筒六筒東東東発  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ドラ発

テンパイ一番乗りは越野。

八万八万九万九万一索一索八索八索四筒四筒北北発  ドラ発

そして久山が13巡目に追いつく。

三万四万五万二索三索四索四索五索六筒七筒八筒発発  リーチ  ドラ発

前に行くしかない福光が三索の放銃。久山が5,200をアガった。

東4局、ケネスがリーチ海底ツモで2,000オール。
東4局1本場、発のみで500は600オールをアガる。
会心のアガリではないが大きなアガリのためには必要な連荘。

東4局2本場、北家久山の6巡目、

四索四索五索八索九索三筒六筒七筒八筒南南白白  ドラ九索

上家から出た七索を久山は仕掛けた。
私も普段だったら仕掛ける手だが、現在のポイント差を考えると迷ってしまう局面だ。

そしてドラの九索が下家に流れた。久山の次巡ツモは白。程なくして2,000は2,600のアガリ。
仕掛けなかった場合にどうなったかは分からないが、このアガリで一番得をしたのは抜番の吾妻だと思った。

などと分かったフリをしている間に、久山は南1局6,400、南4局8,000とアガってこの半荘トップに。

2回戦成績
久山+33.6P ケネス+10.7P 越野▲12.6P 福光▲31.7P

2回戦終了時のトータル
吾妻+223.7P ケネス+211.1P 越野+95.6P 久山+91.3P 福光+47.2P

3回戦(起家から、吾妻・久山・ケネス・福光)抜番:越野

東3局
配牌の時点で親のケネスは中が暗刻のピンズのホンイツ、福光はドラ含みのマンズのホンイツが見えた。

そこに吾妻が三索ポン、八索ポンときたのでソーズに染めているのかと思っていた7巡目、

四万五万六索六索二筒三筒四筒  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ロン六万  ドラ七万

1,000点のアガリ。
吾妻は1回戦、字牌を1鳴きすれば簡単にアガれる所を何度かスルーしていた。
今回の仕掛けを見て3回戦でギアを変えてきたのだと思った。

しかし決勝終了後に吾妻に聞いたら、理由は「ケネスさんの親だから」だった。
当面の敵は決まっているのだから、決勝の打ち方としては当然なのかもしれない。

当然な打ち方かもしれないが、恐らく対局前から決めていて、現役タイトルホルダーだからこそ実行できたのだと思った。
少なくとも他家にとって今後の吾妻の仕掛けへの対応を難しくさせるアガリだった。

南2局7本場
もう後がない久山が意地の連荘。
しびれを切らしたのか、6巡目にケネスがらしくないチー。

一索一索三索四索二筒三筒四筒六筒六筒南  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ドラ二万

12巡目に自力で二索をツモってなんとか1人テンパイ。
流石に場が重たくなってきた。

南3局8本場
ポイントがいくらあっても足りない福光の5巡目。

二万三万九万一索二索二索三索三索二筒三筒四筒七筒九筒  ツモ八筒  ドラ五索

ここから打二索。これは流石に無理だろうと思ってみていたが自力で一筒一万をツモって9巡目にリーチ。
一方こちらも点棒募集中の久山。

二万四万六万七万八万五索五索五索七索七索六筒六筒六筒  ツモ九万  ドラ五索

二万六万が現物なら振り替えてリーチの選択もあったが、どちらも危険。
結果は福光のアガリ。

一万二万三万九万一索二索三索一筒二筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン九万  ドラ五索

12,000は14,400。追い込まれているからこそ生まれた手順だった。

南4局、ここから福光の時代到来かと思ったが、吾妻がケネスから上がってラス抜け。

3回戦成績
福光+30.4P 久山▲4.9P 吾妻▲7.0P ケネス▲18.5P

3回戦終了時のトータル
吾妻+216.7 ケネス+192.6 越野+95.6 久山+86.4 福光+77.6

4回戦(起家から、ケネス・越野・吾妻・久山)抜番:福光

小さなアガリが続いて東場は終了。

南2局1本場
親の越野が終盤にリーチ。

二万三万四万五万六万七万五索六索三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ北

6,000は6,100オールをツモ。

南2局2本場
親の越野が7巡目に再びリーチ。

五万五万六万六万七万七万二索三索七索八索九索一筒一筒  リーチ  ドラ一筒

安全牌のないケネスがこのリーチに四索を打ってしまう。

オーラスを迎えた時点の点棒は
越野62,200 久山25,200 吾妻20,300 ケネス11,300

南4局1本場
吾妻が8巡目にリーチ。

二万三万四万四万五万六万七索七索一筒二筒三筒東東  リーチ  ドラ東

リーチ棒が出て満貫出アガリでもラス抜けになるケネスだったが、七索を掴んでしまい放銃。
1半荘を残して決着はついたように思えた。

4回戦の最終結果は
越野+44.2P 吾妻▲4.2P 久山▲7.8P ケネス▲32.2P

4回戦までのトータル
吾妻+212.5P ケネス+160.4P 越野+139.8P 久山+78.6P 福光77.6P

ケネスは優勝が遠くなっただけでなく、2着も危なくなってきた。

5回戦(起家から、ケネス・越野・福光・吾妻)抜番:久山

最終戦は連盟の決めに従いここまでトータルトップ目の吾妻はラス親。
トータル2着目のケネスは起親となる。

東3局
親で連荘するしかない福光がリーチをかけるも、ケネスが一歩も引かずに跳満ツモ。

三筒三筒五筒六筒六筒八筒八筒東東北北発発  ツモ五筒  ドラ九万

南1局1本場
7巡目に吾妻が九万をポン、9巡目の手牌。

三索四索四索六索六索白白中中中  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ドラ西

吾妻の上家である福光は、この仕掛けに対して何も切れなくなり、比較的通りそうな五索を打つ。
吾妻はこの手を1,300で終わらせる気はなくスルー。
五索を鳴けば簡単にケネスの親を終わらせることができた。
ラス親でアガリ止めができないことによる難しい選択。

ただ、ケネスに連荘されて困るのは吾妻だけでなかった。
越野のアガリによって、ケネスの最後の親番は流れた。

南3局1本場
ケネスがオーラスに希望を繋ぐリーチ。

三万四万二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒北北  リーチ  ドラ五筒

吾妻もこれに追いつく。

三万四万六万七万八万五索六索七索五筒五筒六筒七筒八筒  ドラ五筒

吾妻はヤミだが、ここが勝負所と危ない牌も止める気はない。

さらにテンパイしていた越野が

五万五万六万七万八万四索五索六索二筒二筒二筒三筒四筒  リーチ  ドラ五筒

ここから六万をツモ、八万切リーチ。
ここで吾妻は六万をツモってオリ。2人テンパイで流局。

オーラスを迎えた時点での点棒状況は
ケネス38,300 福光37,400 吾妻21,400、越野20.900 供託2,000

ケネスの逆転条件は、吾妻から満貫直撃か跳満ツモ。7,700直撃では足りない。

南4局2本場
吾妻は配牌からオリ。ケネスは条件へと手を進める。越野、福光は国士狙い。
河が非常に分かりにくい。

終盤、吾妻は安全牌が無くなる。
国士狙いがいて、ヤオチュウ牌が打てない。
数巡前に通った五索を頼りに八索を打つ。

そして次のケネスのツモ。

三万四万五万六万七万二索二索六索七索五筒六筒七筒八筒  ツモ八万  ドラ二万

五索は既に4枚切れていて、吾妻が直前に切った八索も4枚目だった。
もし1巡早くテンパイしてもリーチが必要なので吾妻から出ることはなかったと思う。

傍から見る分には終始盤石な展開を続けてきた吾妻だったが、かなり追い詰められていた。
そしてケネスにしてみれば追い詰めていたが捕まえることができなかった八索だった。

これで終了と思っていたが、越野がテンパイ。

九万一索九索一筒九筒東東南西北白発中  ドラ西

ツモだと2着、吾妻から直撃なら優勝だったがこちらもアガリに届かず。

5回戦の最終結果は
ケネス+17.8 福光+9.9 越野▲11.6 吾妻▲18.1 供託+2.0P

トータル
吾妻+194.4 ケネス+178.2 越野+128.2 福光+87.5 久山+78.6P

久山「決勝は初めてだったが、(ポイント差があったため)選択肢が少なく厳しかった。色々な戦い方があるのだと勉強になった。」

福光「7節までにもっと差を詰めないといけなかった。」

越野「最後の国士はアガリたかった。第7節で頑張って決勝に残ったが遅かった。次に特昇に参加することがあったら逆の立場で決勝に挑みたい。」

ケネス「力負け。経験不足だった。勝てるチャンスはあった。」

吾妻「嬉しい。5節に役満をアガると6節にケネスさんが役満をアガるなど、なかなか突き放せなくて苦しかった。特に6節に同卓した藤原プロ(8人打ち、12人打ちで1人欠場になると立会の藤原プロが打つ)が強くて厳しかった。」

「藤原プロと同卓して苦しむ。」というのは特昇リーグあるあるなので、今後特昇リーグに参加する人は覚えておいてほしい。

第17期特別昇級リーグが終わった。
しかし、特昇で結果を残しても、プロリーグでマイナスだったら意味がない。
優勝した吾妻をはじめ、2位のケネス、3位の越野はプロリーグ4節終了時点で成績がマイナスである。
特昇リーグの決勝が勝たなくてはいけない時なら、今期の最終節も勝たなくてはいけない時である。

ハードルは少しずつ高くなっていく。
そしてそれは自ら望んで挑んでいることだ。

観戦記者として対局を見ることで麻雀の面白さ、難しさを普段とは異なる視点から考えることになった。
対局者は決勝の経験を今後に活かすと思うが、私も今回感じた事を今後の打ち方に活かしていきたいと思う。

特別昇級リーグ 決勝観戦記/第17期特別昇級リーグ 決勝レポート 土井悟

2014年12月23日、連盟四ツ谷道場にて第17期特昇リーグの決勝が行われた。
特昇リーグの参加資格は各リーグの昇級者やタイトル戦の成績優秀者に与えられる。
特昇リーグで優勝して、その期のリーグ戦でもプラスで終わればB2リーグに昇級できる。
強くなりたい、早く上で打ちたいと思っている人間にとっては参加して当然のリーグである。
特昇リーグが通常のリーグ戦と大きく異なるのは下記の点である。
・成績下位者は途中で失格
・残った上位で決勝が行われる
・決勝はそれまでのポイント持越し
数か月争った後に、ポイント持越しで決勝を行うというのは麻雀の大会ではかなり珍しいのではないか。
過去には優勝がほぼ確定している決勝もあった。
100ポイント近くあった差を追いついた決勝もあった。
今回の決勝進出メンバーの準決勝終了時の成績は以下の通りである。
(決勝は5半荘で上位から抜番となる)
ケネス 徳田(+200.4P D1)
吾妻 さおり(+194.2P C2)
越野 智紀(+101.7P C3)
福光 聖雄(+100.0P C1)
久山 浩司(+72.6P D1)
連盟のAルールで打つ場合、100ポイント差を4半荘でひっくり返すのは非常に厳しい。
ただ、100ポイント差の上位が2人いる場合どうなるのか。
上位のケネス、吾妻は共に前に出るタイプである。
福光は現在C1なので優勝以外意味がない。
越野と久山は3位でも意味がある。序盤は流石にトップを狙うだろうが、2位・3位狙いに切り替える局面はあるのか。
序盤からいつもと異なる選択を迫られる。
条件に合った打ち方をするのか。
普段の打ち方を貫くのか。
1回戦(起家から、福光・越野・吾妻・久山)抜番:ケネス
序盤は軽い探り合い、そして場が動く。
東3局、親の吾妻が7巡目リーチ。
六万七万八万三索四索二筒三筒四筒六筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ツモ五索  ドラ九索
2,600オール。
東3局1本場、再び親の吾妻が13巡目リーチ。
一万二万三万四万四万四万一索三索一筒二筒三筒七筒七筒  リーチ  ツモ二索  ドラ中
3,900は4,000オール。
抜番のケネスを焦らせ、100ポイント差を逆転すると息巻いていた同卓者3名の心をへし折るには十分なアガリ。
南4局、53,500点持ちの吾妻だが、まだまだ足りない。
2着目の越野が30,500点と30,000点を越えているのが気に入らない。
吾妻の9巡目。
二筒二筒二筒四筒五筒六筒六筒発発中  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ドラ一万
しかしここまで手が入らなかった福光がそれを許さない。
一万二万三万四万五万六万発発中中  ポン西西西  ドラ一万
吾妻が六筒の周りを持ってきたらどうするのか見ていたが、ドラの一万を持ってきてオリ。
越野が2,000点をアガリ、吾妻の1人浮きは何とか阻止。
1回戦成績
吾妻+29.5P 越野+6.5P 久山▲14.9P 福光▲21.1P
1回戦終了時のトータル
吾妻+223.7P ケネス+200.4P 越野+108.2P 福光+78.9P 久山+57.7P
2回戦(起家から、福光・越野・久山・ケネス)抜番:吾妻 
東1局
1回戦ラスだった起親の福光、ここで点数を稼がずにいつ稼ぐと仕掛ける。
三索五索三筒五筒六筒六筒東東東発  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ドラ発
テンパイ一番乗りは越野。
八万八万九万九万一索一索八索八索四筒四筒北北発  ドラ発
そして久山が13巡目に追いつく。
三万四万五万二索三索四索四索五索六筒七筒八筒発発  リーチ  ドラ発
前に行くしかない福光が三索の放銃。久山が5,200をアガった。
東4局、ケネスがリーチ海底ツモで2,000オール。
東4局1本場、発のみで500は600オールをアガる。
会心のアガリではないが大きなアガリのためには必要な連荘。
東4局2本場、北家久山の6巡目、
四索四索五索八索九索三筒六筒七筒八筒南南白白  ドラ九索
上家から出た七索を久山は仕掛けた。
私も普段だったら仕掛ける手だが、現在のポイント差を考えると迷ってしまう局面だ。
そしてドラの九索が下家に流れた。久山の次巡ツモは白。程なくして2,000は2,600のアガリ。
仕掛けなかった場合にどうなったかは分からないが、このアガリで一番得をしたのは抜番の吾妻だと思った。
などと分かったフリをしている間に、久山は南1局6,400、南4局8,000とアガってこの半荘トップに。
2回戦成績
久山+33.6P ケネス+10.7P 越野▲12.6P 福光▲31.7P
2回戦終了時のトータル
吾妻+223.7P ケネス+211.1P 越野+95.6P 久山+91.3P 福光+47.2P
3回戦(起家から、吾妻・久山・ケネス・福光)抜番:越野
東3局
配牌の時点で親のケネスは中が暗刻のピンズのホンイツ、福光はドラ含みのマンズのホンイツが見えた。
そこに吾妻が三索ポン、八索ポンときたのでソーズに染めているのかと思っていた7巡目、
四万五万六索六索二筒三筒四筒  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ロン六万  ドラ七万
1,000点のアガリ。
吾妻は1回戦、字牌を1鳴きすれば簡単にアガれる所を何度かスルーしていた。
今回の仕掛けを見て3回戦でギアを変えてきたのだと思った。
しかし決勝終了後に吾妻に聞いたら、理由は「ケネスさんの親だから」だった。
当面の敵は決まっているのだから、決勝の打ち方としては当然なのかもしれない。
当然な打ち方かもしれないが、恐らく対局前から決めていて、現役タイトルホルダーだからこそ実行できたのだと思った。
少なくとも他家にとって今後の吾妻の仕掛けへの対応を難しくさせるアガリだった。
南2局7本場
もう後がない久山が意地の連荘。
しびれを切らしたのか、6巡目にケネスがらしくないチー。
一索一索三索四索二筒三筒四筒六筒六筒南  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ドラ二万
12巡目に自力で二索をツモってなんとか1人テンパイ。
流石に場が重たくなってきた。
南3局8本場
ポイントがいくらあっても足りない福光の5巡目。
二万三万九万一索二索二索三索三索二筒三筒四筒七筒九筒  ツモ八筒  ドラ五索
ここから打二索。これは流石に無理だろうと思ってみていたが自力で一筒一万をツモって9巡目にリーチ。
一方こちらも点棒募集中の久山。
二万四万六万七万八万五索五索五索七索七索六筒六筒六筒  ツモ九万  ドラ五索
二万六万が現物なら振り替えてリーチの選択もあったが、どちらも危険。
結果は福光のアガリ。
一万二万三万九万一索二索三索一筒二筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン九万  ドラ五索
12,000は14,400。追い込まれているからこそ生まれた手順だった。
南4局、ここから福光の時代到来かと思ったが、吾妻がケネスから上がってラス抜け。
3回戦成績
福光+30.4P 久山▲4.9P 吾妻▲7.0P ケネス▲18.5P
3回戦終了時のトータル
吾妻+216.7 ケネス+192.6 越野+95.6 久山+86.4 福光+77.6
4回戦(起家から、ケネス・越野・吾妻・久山)抜番:福光
小さなアガリが続いて東場は終了。
南2局1本場
親の越野が終盤にリーチ。
二万三万四万五万六万七万五索六索三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ北
6,000は6,100オールをツモ。
南2局2本場
親の越野が7巡目に再びリーチ。
五万五万六万六万七万七万二索三索七索八索九索一筒一筒  リーチ  ドラ一筒
安全牌のないケネスがこのリーチに四索を打ってしまう。
オーラスを迎えた時点の点棒は
越野62,200 久山25,200 吾妻20,300 ケネス11,300
南4局1本場
吾妻が8巡目にリーチ。
二万三万四万四万五万六万七索七索一筒二筒三筒東東  リーチ  ドラ東
リーチ棒が出て満貫出アガリでもラス抜けになるケネスだったが、七索を掴んでしまい放銃。
1半荘を残して決着はついたように思えた。
4回戦の最終結果は
越野+44.2P 吾妻▲4.2P 久山▲7.8P ケネス▲32.2P
4回戦までのトータル
吾妻+212.5P ケネス+160.4P 越野+139.8P 久山+78.6P 福光77.6P
ケネスは優勝が遠くなっただけでなく、2着も危なくなってきた。
5回戦(起家から、ケネス・越野・福光・吾妻)抜番:久山
最終戦は連盟の決めに従いここまでトータルトップ目の吾妻はラス親。
トータル2着目のケネスは起親となる。
東3局
親で連荘するしかない福光がリーチをかけるも、ケネスが一歩も引かずに跳満ツモ。
三筒三筒五筒六筒六筒八筒八筒東東北北発発  ツモ五筒  ドラ九万
南1局1本場
7巡目に吾妻が九万をポン、9巡目の手牌。
三索四索四索六索六索白白中中中  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ドラ西
吾妻の上家である福光は、この仕掛けに対して何も切れなくなり、比較的通りそうな五索を打つ。
吾妻はこの手を1,300で終わらせる気はなくスルー。
五索を鳴けば簡単にケネスの親を終わらせることができた。
ラス親でアガリ止めができないことによる難しい選択。
ただ、ケネスに連荘されて困るのは吾妻だけでなかった。
越野のアガリによって、ケネスの最後の親番は流れた。
南3局1本場
ケネスがオーラスに希望を繋ぐリーチ。
三万四万二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒北北  リーチ  ドラ五筒
吾妻もこれに追いつく。
三万四万六万七万八万五索六索七索五筒五筒六筒七筒八筒  ドラ五筒
吾妻はヤミだが、ここが勝負所と危ない牌も止める気はない。
さらにテンパイしていた越野が
五万五万六万七万八万四索五索六索二筒二筒二筒三筒四筒  リーチ  ドラ五筒
ここから六万をツモ、八万切リーチ。
ここで吾妻は六万をツモってオリ。2人テンパイで流局。
オーラスを迎えた時点での点棒状況は
ケネス38,300 福光37,400 吾妻21,400、越野20.900 供託2,000
ケネスの逆転条件は、吾妻から満貫直撃か跳満ツモ。7,700直撃では足りない。
南4局2本場
吾妻は配牌からオリ。ケネスは条件へと手を進める。越野、福光は国士狙い。
河が非常に分かりにくい。
終盤、吾妻は安全牌が無くなる。
国士狙いがいて、ヤオチュウ牌が打てない。
数巡前に通った五索を頼りに八索を打つ。
そして次のケネスのツモ。
三万四万五万六万七万二索二索六索七索五筒六筒七筒八筒  ツモ八万  ドラ二万
五索は既に4枚切れていて、吾妻が直前に切った八索も4枚目だった。
もし1巡早くテンパイしてもリーチが必要なので吾妻から出ることはなかったと思う。
傍から見る分には終始盤石な展開を続けてきた吾妻だったが、かなり追い詰められていた。
そしてケネスにしてみれば追い詰めていたが捕まえることができなかった八索だった。
これで終了と思っていたが、越野がテンパイ。
九万一索九索一筒九筒東東南西北白発中  ドラ西
ツモだと2着、吾妻から直撃なら優勝だったがこちらもアガリに届かず。
5回戦の最終結果は
ケネス+17.8 福光+9.9 越野▲11.6 吾妻▲18.1 供託+2.0P
トータル
吾妻+194.4 ケネス+178.2 越野+128.2 福光+87.5 久山+78.6P
久山「決勝は初めてだったが、(ポイント差があったため)選択肢が少なく厳しかった。色々な戦い方があるのだと勉強になった。」
福光「7節までにもっと差を詰めないといけなかった。」
越野「最後の国士はアガリたかった。第7節で頑張って決勝に残ったが遅かった。次に特昇に参加することがあったら逆の立場で決勝に挑みたい。」
ケネス「力負け。経験不足だった。勝てるチャンスはあった。」
吾妻「嬉しい。5節に役満をアガると6節にケネスさんが役満をアガるなど、なかなか突き放せなくて苦しかった。特に6節に同卓した藤原プロ(8人打ち、12人打ちで1人欠場になると立会の藤原プロが打つ)が強くて厳しかった。」
「藤原プロと同卓して苦しむ。」というのは特昇リーグあるあるなので、今後特昇リーグに参加する人は覚えておいてほしい。
第17期特別昇級リーグが終わった。
しかし、特昇で結果を残しても、プロリーグでマイナスだったら意味がない。
優勝した吾妻をはじめ、2位のケネス、3位の越野はプロリーグ4節終了時点で成績がマイナスである。
特昇リーグの決勝が勝たなくてはいけない時なら、今期の最終節も勝たなくてはいけない時である。
ハードルは少しずつ高くなっていく。
そしてそれは自ら望んで挑んでいることだ。
観戦記者として対局を見ることで麻雀の面白さ、難しさを普段とは異なる視点から考えることになった。
対局者は決勝の経験を今後に活かすと思うが、私も今回感じた事を今後の打ち方に活かしていきたいと思う。

第40期王位戦 決勝観戦記 後編 前原 雄大

4回戦(起家から清原、五十嵐、荒、矢島)

東1局、東家、清原配牌

一万二万三万三万二索二索三索三索四索五索六索七索八索八筒  ドラ一筒

この牌姿から清原はマンズ1面子を払い切り、アガリこそかなわなかったが、最終形をこの形まで持って行った。

二索三索四索五索六索八索八索  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ドラ一筒

なかなかに大きな構えに私には映った。

東2局、南家、荒手牌

九万九万六索七索二筒三筒四筒五筒六筒八筒九筒南南  ツモ五索  ドラ二索

荒はノータイムで打八筒とある意味自然な構えを見せた。
「メンゼンの荒ちゃん」と、最近森山会長が呼ぶように、荒自身もその部分には拘っていた。
ならば打南の選択もあったように私は見ていた。

実戦では、荒がツモ七筒でテンパイが入る。

九万九万五索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒南南

仮に荒が5巡目に打南と構えていたら、

九万九万五索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒

このテンパイが入る。
当然の如く、荒はリーチを打っていただろう。

荒捨牌
八万 上向き中三筒 上向き三索 上向き南九索 上向き南北

恐らく、この河になっていただろう。
その時点での清原の手牌。

二万二万二万三万四万六万七万一筒二筒二筒六筒七筒七筒

清原には荒の受け牌が1枚もないのである。
清原捨牌
西中北九索 上向き八索 上向き中一筒 上向き

実際は、全く別の形で荒のアガリで収束するのであるが、もし荒が今局かわし手ではなく、勝負手を意識していたならば、清原の一筒の放銃で終わっていたように思える。
今局は大きな1つの分岐点だったように思えてならない。

100

 

■清原の愚直力
その後、場は小場で進み、南1局を迎えた。
親の清原に大物手、しかも特大の化け物手がわずか6巡目に入る。

六索二筒二筒三筒三筒五筒六筒六筒七筒七筒七筒八筒九筒  ツモ三筒

捨牌
一万 上向き三索 上向き六万 上向き九万 上向き八索 上向き

清原は静かに卓上に六索を置き、ヤミテンに構えた。
私ならば自分の河との相関関係と現時点でのトータルラスというポジション、出アガリ時の順位点を考えて問題なくリーチを打つ。
勿論、リーチを打つことが唯一の正解とは思ってはいない。私はそうするというだけの事である。
結果は、清原のドラである五筒のツモアガり。

二筒二筒三筒三筒三筒五筒六筒六筒七筒七筒七筒八筒九筒  ツモ五筒

「ツモ。8.000オール。」

100

 

静かな、そして重い発声が卓上に響き渡った。
清原のアガリ手を見た、荒の独特の笑顔と五十嵐の目を丸く大きく見開き、清原のアガリ手を見つめ続ける表情が印象的であった。

仮にリーチを打っていれば12,000オールだった。
相手に与えるインパクト、衝撃波は、王位戦のような短期戦では、リーグ戦などの長期戦とは違い、一撃で勝負は決まると私は考えている。

それにしても大きな、大きなアガリであることには相違ない。
ただ、この事はあくまでも結果論にしか過ぎず、当の清原はその部分も全て織り込んだ上でヤミテンを選択したのだと思われる。
なんにしろ清原は、全5戦を通じ、
フーロ回数3回
リーチ回数2回
アガリ回数7回
と、愚直なまでに己のフォームに拘ったものと推察される。
そして清原は、3人沈みにするとともに、トータルトップに躍り出て4回戦を終了した。

4回戦について、後日清原はこう述べている。
「食事をとり、気持ちをリフレッシュさせようとしましたが、トップ目から2ラスで最下位に落ちた事実から、なかなか前向きな気持ちにはなれませんでした。自分とトッププロとの差を痛感していました。荒プロ、矢島プロには捌きで勝てる気はしないので、本手を決める方針で行こうと決めました。印象に残っているのは東1局、好配牌、思いきってチンイツに行きましたが、思ったほどツモが効かず、矢島プロに先制リーチを打たれる。その宣言牌の一索を半ば迷いながら仕掛けました。リーチじゃなければ仕掛けなかった可能性が高かったですが、後がない気持ちから攻めました。結果は、五十嵐プロのアガリ。そこに自分のアガリ牌の四索が暗刻であること、メンゼンなら別の形のテンパイが入った可能性があること、失敗したと痛感しました。この半荘は南1局に簡単なチンイツをアガってトップに立てましたが、実力の足りない自分が運だけでトップ目に立ち、恥ずかしい気持ちばかりでした。」

4回戦成績
清原+37.6P  荒▲7.1P  矢島▲12.3P  五十嵐▲18.2P

4回戦終了時
清原+20.7P  荒+12.1P  矢島▲3.3P  五十嵐▲29.5P

 

最終戦(起家から荒、矢島、五十嵐、清原)

東1局、親の荒に5巡目に先行リーチが入る。
100

ご覧のとおり、荒の待ち牌は4枚山に生きていた。
そこに、荒の現物待ちにもかかわらず、矢島より追撃の追いかけリーチが入る。
13巡目、矢島手牌

六万七万八万二索二索四索四索五索五索六索二筒三筒四筒  リーチ  ドラ七筒

これは明確なる矢島の意志の表れと言ってよいリーチである。
2人の挟撃にあったのが、トータルトップを走る清原だった。
清原はノータイムで矢島のロン牌である六索をツモ切った。
このアガリは、矢島にとっては望外の大きなアガリであり、清原にとってはやはり大きな負荷のかかる矢島のアガリでもあった。
これで、微差ながらも矢島がトータルトップに立った瞬間である。

100

 

そして迎えた南3局。
荒より7巡目にリーチが入る。

荒、手牌。

一万二万三万三万四万五万六万七万八万二索三索八筒八筒  リーチ  ドラ一万

そして、後が無い五十嵐が最後の親番で荒のロン牌である四索を打ち出した。

100

 

五十嵐手牌

三万八万八万四索五索五索九索一筒一筒六筒六筒南南中  打四索 上向き  ドラ一万

「ロン、3,900」

荒の低く、澄みきった声である。
私はこの荒のアガリを見て、正直荒の優勝を疑わなかった。
このアガリで荒と矢島の点差は、7.2ポイント荒が上になってしまった。
Aルールの7.2ポイント差は決勝を経験してみると解ることだが、果てしなく大きい。
また、相手は荒である。こういう局面で逆転された記憶を私は未だ、見た記憶が無い。

荒自身も後にこう語っていた。
「このアガリで優勝は8分方掌中に入れたものだと思っていたヨ。」

ところが現実は小説より奇なりと言うように、相手は矢島ではなく清原だった。
この時点の荒と清原の点差が26.7ポイントである。
オーラス清原に手が入る。

南4局、秀逸だったのは親の清原の4巡目の打一万である。

一万一万二万三万四万六万七万八万九万二索三索八索五筒六筒  打一万 上向き  ドラ八索

次巡、天の恵みのドラであるツモ八索
ここでも清原は秀逸な一打を放つ。

一万二万三万四万六万七万八万九万二索三索八索八索五筒六筒  ドラ八索

五筒である。
この土壇場の局面で、打五筒と構えられる打ち手が何人いるだろうか。
この打五筒こそ、清原の生命線でもある。愚直力であり、根である。

清原はこの一局に己の全生命を懸けたのである。欲しいのは4,000オールではなく、6,000オールであり、王位である。
出アガリなどまるで望んでいない一打。
そして8巡目、待ち望んでいた四索が清原の手元に訪れた。

一万二万三万四万六万七万八万九万二索三索四索八索八索  リーチ  ドラ八索

12巡目、裏目と呼ぶべき四筒をツモった瞬間、私は清原の表情を伺った。
そこには全くと言っていいほど、表情の変化は見受けられなかった。
その表情の裏側には、打五筒とした時からツモ四筒の可能性を覚悟した男の顔が存在していただけである。

そして男は数巡後、静かに愛でるように卓上に五万を静かに置いた。
25期に連盟に入会し、6年間耐え忍び最下位リーグとも呼べるD3リーグに所属する清原継光という男が王位の栄冠を勝ち取った瞬間であった。

最終戦成績
矢島+14.1P  清原+4.4P  荒▲4.3P  五十嵐▲14.2P

最終戦終了時
清原+25.1P  矢島+10.8P  荒+7.8P  五十嵐▲43.7P

「今回、運よく初タイトルをとることができましたが、スタートラインに立ったばかりだと思います。重い扉がやっと少しギシリと音がした程度だと思っていますので、全ては今後の自分にかかっていると感じています。僕は手組みのスピードが遅く後手をとるので、自分の読みを生かして後手から攻め返すことができなければ通用しません。そして、決勝の舞台では読みに自信がないと怖くて何も打ち出せなくなることを痛感しました。その怖さを克服するためにも、自分の読みの精度を上げること、様々な技術の精度を上げることの必要性を痛感しました。精進します。」

私は清原に勝因を尋ねるとこう答えた。
「勝因と言われるととても難しいです。自分としては敗北に近いものを実感してたので、たまたまな勝利という感じが強いです。特にオーラスで荒プロが打った八万は強烈で、荒プロが優勝すべき瞬間でした。数日経った今でこそなおさら、あの局面で勝負してくる荒プロの凄さをより実感しています。強いて言えば、僕は最後は腹をくくって負けを覚悟していた。オーラスは、目の前の損得ではなく、自分の存在を賭けるような麻雀を打てました。「負けて悔いなし」そんな気持ちが心の片隅にありました。そんな気持ちが麻雀の女神に気に入られたのか、最期の最期に僕に微笑んでくれました。

『素直に今ある未熟な自分をぶつけることができたこと』

そんな開き直りが麻雀の女神の目に止まった。そういう気がします。
勝因と言うには抽象的すぎるかもしれませんが、ただただ愚直に麻雀と向き合えたことが、結果につながったのかな?などと考えています。」

全対局終了後、私と荒正義さんとインタビューを兼ねて清原君を打ち上げの席に誘った。
清原は王位という栄冠を勝ち取ったことよりも、荒正義という打ち手と戦えたことを至福の喜びだと語っていた。
そして自分のような弱い男が、王位になったことを恥じるように詫び続けていた。

荒さんは幾度となく詫び続ける清原に満面の笑みでこう告げた。
「あなたが勝ったことに対して胸を張ってくれないと、負けた私はどうすればいいんだ。」
シャイな荒さんらしい祝福の言葉であった。

実は二十年ほど前、私が初の鳳凰の栄冠を手にしたときも、清原と同様申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
あの時も荒さんは河岸を何度も変え、翌日の昼まで飲み明かし私の勝利を祝って下さった。
そしてその時も荒さんは勝利を衒(てら)う私を励ますように叱ってくださった。
その時の光景が清原君を祝う酒の中で頭の中をフラッシュバックさせていた。
小さな居酒屋に清原君を祝いたいという友人達が集った。
皆が皆、清原君の不器用さと謙虚さを祝う良い宴だった。

 

■Be Strong
私も家に帰り、清原継光という男がなぜ王位を獲得したのか考えてみた。
やはり皆と同じように、彼の勝因は天運と、己の弱さを知り尽くした鈍感力、どこまでも頭を下げ続けられる、根にあると思う。
言葉を変えるならば、愚直力、誠実さと言ってもいい。
そこに多くの友人たちは彼に魅かれ、勝利の女神までも魅かれたのだろう。

強い打ち手なぞ存在しないと私は思っている。
強く在ろうとする打ち手と、どこかでその事を忘れてしまう打ち手が存在するだけだと私は考える。

私は常々思っていることがある。
運の扉というものがあるとしたならば、その扉は叩き続けていくと徐々に開かれていくものではなく、それでも諦める事なく開かない扉を叩き続けていくとある日突然開くものだと考えている。

清原継光君、おめでとう。
あなたは王位という名の運の扉を君の力で開けたのだよ。
どうか今の気持ちを忘れず、また次なる運の扉を開けて欲しいと切に願うばかりである。

100

 

最後に、度重なるインタビューに答えてくださった4名の選手の皆様には心より御礼申し上げる。

王位戦 決勝観戦記/第40期王位戦 決勝観戦記 後編 前原 雄大

4回戦(起家から清原、五十嵐、荒、矢島)
東1局、東家、清原配牌
一万二万三万三万二索二索三索三索四索五索六索七索八索八筒  ドラ一筒
この牌姿から清原はマンズ1面子を払い切り、アガリこそかなわなかったが、最終形をこの形まで持って行った。
二索三索四索五索六索八索八索  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ドラ一筒
なかなかに大きな構えに私には映った。
東2局、南家、荒手牌
九万九万六索七索二筒三筒四筒五筒六筒八筒九筒南南  ツモ五索  ドラ二索
荒はノータイムで打八筒とある意味自然な構えを見せた。
「メンゼンの荒ちゃん」と、最近森山会長が呼ぶように、荒自身もその部分には拘っていた。
ならば打南の選択もあったように私は見ていた。
実戦では、荒がツモ七筒でテンパイが入る。
九万九万五索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒南南
仮に荒が5巡目に打南と構えていたら、
九万九万五索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒
このテンパイが入る。
当然の如く、荒はリーチを打っていただろう。
荒捨牌
八万 上向き中三筒 上向き三索 上向き南九索 上向き南北
恐らく、この河になっていただろう。
その時点での清原の手牌。
二万二万二万三万四万六万七万一筒二筒二筒六筒七筒七筒
清原には荒の受け牌が1枚もないのである。
清原捨牌
西中北九索 上向き八索 上向き中一筒 上向き
実際は、全く別の形で荒のアガリで収束するのであるが、もし荒が今局かわし手ではなく、勝負手を意識していたならば、清原の一筒の放銃で終わっていたように思える。
今局は大きな1つの分岐点だったように思えてならない。
100
 
■清原の愚直力
その後、場は小場で進み、南1局を迎えた。
親の清原に大物手、しかも特大の化け物手がわずか6巡目に入る。
六索二筒二筒三筒三筒五筒六筒六筒七筒七筒七筒八筒九筒  ツモ三筒
捨牌
一万 上向き三索 上向き六万 上向き九万 上向き八索 上向き
清原は静かに卓上に六索を置き、ヤミテンに構えた。
私ならば自分の河との相関関係と現時点でのトータルラスというポジション、出アガリ時の順位点を考えて問題なくリーチを打つ。
勿論、リーチを打つことが唯一の正解とは思ってはいない。私はそうするというだけの事である。
結果は、清原のドラである五筒のツモアガり。
二筒二筒三筒三筒三筒五筒六筒六筒七筒七筒七筒八筒九筒  ツモ五筒
「ツモ。8.000オール。」
100
 
静かな、そして重い発声が卓上に響き渡った。
清原のアガリ手を見た、荒の独特の笑顔と五十嵐の目を丸く大きく見開き、清原のアガリ手を見つめ続ける表情が印象的であった。
仮にリーチを打っていれば12,000オールだった。
相手に与えるインパクト、衝撃波は、王位戦のような短期戦では、リーグ戦などの長期戦とは違い、一撃で勝負は決まると私は考えている。
それにしても大きな、大きなアガリであることには相違ない。
ただ、この事はあくまでも結果論にしか過ぎず、当の清原はその部分も全て織り込んだ上でヤミテンを選択したのだと思われる。
なんにしろ清原は、全5戦を通じ、
フーロ回数3回
リーチ回数2回
アガリ回数7回
と、愚直なまでに己のフォームに拘ったものと推察される。
そして清原は、3人沈みにするとともに、トータルトップに躍り出て4回戦を終了した。
4回戦について、後日清原はこう述べている。
「食事をとり、気持ちをリフレッシュさせようとしましたが、トップ目から2ラスで最下位に落ちた事実から、なかなか前向きな気持ちにはなれませんでした。自分とトッププロとの差を痛感していました。荒プロ、矢島プロには捌きで勝てる気はしないので、本手を決める方針で行こうと決めました。印象に残っているのは東1局、好配牌、思いきってチンイツに行きましたが、思ったほどツモが効かず、矢島プロに先制リーチを打たれる。その宣言牌の一索を半ば迷いながら仕掛けました。リーチじゃなければ仕掛けなかった可能性が高かったですが、後がない気持ちから攻めました。結果は、五十嵐プロのアガリ。そこに自分のアガリ牌の四索が暗刻であること、メンゼンなら別の形のテンパイが入った可能性があること、失敗したと痛感しました。この半荘は南1局に簡単なチンイツをアガってトップに立てましたが、実力の足りない自分が運だけでトップ目に立ち、恥ずかしい気持ちばかりでした。」
4回戦成績
清原+37.6P  荒▲7.1P  矢島▲12.3P  五十嵐▲18.2P
4回戦終了時
清原+20.7P  荒+12.1P  矢島▲3.3P  五十嵐▲29.5P
 
最終戦(起家から荒、矢島、五十嵐、清原)
東1局、親の荒に5巡目に先行リーチが入る。
100
ご覧のとおり、荒の待ち牌は4枚山に生きていた。
そこに、荒の現物待ちにもかかわらず、矢島より追撃の追いかけリーチが入る。
13巡目、矢島手牌
六万七万八万二索二索四索四索五索五索六索二筒三筒四筒  リーチ  ドラ七筒
これは明確なる矢島の意志の表れと言ってよいリーチである。
2人の挟撃にあったのが、トータルトップを走る清原だった。
清原はノータイムで矢島のロン牌である六索をツモ切った。
このアガリは、矢島にとっては望外の大きなアガリであり、清原にとってはやはり大きな負荷のかかる矢島のアガリでもあった。
これで、微差ながらも矢島がトータルトップに立った瞬間である。
100
 
そして迎えた南3局。
荒より7巡目にリーチが入る。
荒、手牌。
一万二万三万三万四万五万六万七万八万二索三索八筒八筒  リーチ  ドラ一万
そして、後が無い五十嵐が最後の親番で荒のロン牌である四索を打ち出した。
100
 
五十嵐手牌
三万八万八万四索五索五索九索一筒一筒六筒六筒南南中  打四索 上向き  ドラ一万
「ロン、3,900」
荒の低く、澄みきった声である。
私はこの荒のアガリを見て、正直荒の優勝を疑わなかった。
このアガリで荒と矢島の点差は、7.2ポイント荒が上になってしまった。
Aルールの7.2ポイント差は決勝を経験してみると解ることだが、果てしなく大きい。
また、相手は荒である。こういう局面で逆転された記憶を私は未だ、見た記憶が無い。
荒自身も後にこう語っていた。
「このアガリで優勝は8分方掌中に入れたものだと思っていたヨ。」
ところが現実は小説より奇なりと言うように、相手は矢島ではなく清原だった。
この時点の荒と清原の点差が26.7ポイントである。
オーラス清原に手が入る。
南4局、秀逸だったのは親の清原の4巡目の打一万である。
一万一万二万三万四万六万七万八万九万二索三索八索五筒六筒  打一万 上向き  ドラ八索
次巡、天の恵みのドラであるツモ八索
ここでも清原は秀逸な一打を放つ。
一万二万三万四万六万七万八万九万二索三索八索八索五筒六筒  ドラ八索
五筒である。
この土壇場の局面で、打五筒と構えられる打ち手が何人いるだろうか。
この打五筒こそ、清原の生命線でもある。愚直力であり、根である。
清原はこの一局に己の全生命を懸けたのである。欲しいのは4,000オールではなく、6,000オールであり、王位である。
出アガリなどまるで望んでいない一打。
そして8巡目、待ち望んでいた四索が清原の手元に訪れた。
一万二万三万四万六万七万八万九万二索三索四索八索八索  リーチ  ドラ八索
12巡目、裏目と呼ぶべき四筒をツモった瞬間、私は清原の表情を伺った。
そこには全くと言っていいほど、表情の変化は見受けられなかった。
その表情の裏側には、打五筒とした時からツモ四筒の可能性を覚悟した男の顔が存在していただけである。
そして男は数巡後、静かに愛でるように卓上に五万を静かに置いた。
25期に連盟に入会し、6年間耐え忍び最下位リーグとも呼べるD3リーグに所属する清原継光という男が王位の栄冠を勝ち取った瞬間であった。
最終戦成績
矢島+14.1P  清原+4.4P  荒▲4.3P  五十嵐▲14.2P
最終戦終了時
清原+25.1P  矢島+10.8P  荒+7.8P  五十嵐▲43.7P
「今回、運よく初タイトルをとることができましたが、スタートラインに立ったばかりだと思います。重い扉がやっと少しギシリと音がした程度だと思っていますので、全ては今後の自分にかかっていると感じています。僕は手組みのスピードが遅く後手をとるので、自分の読みを生かして後手から攻め返すことができなければ通用しません。そして、決勝の舞台では読みに自信がないと怖くて何も打ち出せなくなることを痛感しました。その怖さを克服するためにも、自分の読みの精度を上げること、様々な技術の精度を上げることの必要性を痛感しました。精進します。」
私は清原に勝因を尋ねるとこう答えた。
「勝因と言われるととても難しいです。自分としては敗北に近いものを実感してたので、たまたまな勝利という感じが強いです。特にオーラスで荒プロが打った八万は強烈で、荒プロが優勝すべき瞬間でした。数日経った今でこそなおさら、あの局面で勝負してくる荒プロの凄さをより実感しています。強いて言えば、僕は最後は腹をくくって負けを覚悟していた。オーラスは、目の前の損得ではなく、自分の存在を賭けるような麻雀を打てました。「負けて悔いなし」そんな気持ちが心の片隅にありました。そんな気持ちが麻雀の女神に気に入られたのか、最期の最期に僕に微笑んでくれました。
『素直に今ある未熟な自分をぶつけることができたこと』
そんな開き直りが麻雀の女神の目に止まった。そういう気がします。
勝因と言うには抽象的すぎるかもしれませんが、ただただ愚直に麻雀と向き合えたことが、結果につながったのかな?などと考えています。」
全対局終了後、私と荒正義さんとインタビューを兼ねて清原君を打ち上げの席に誘った。
清原は王位という栄冠を勝ち取ったことよりも、荒正義という打ち手と戦えたことを至福の喜びだと語っていた。
そして自分のような弱い男が、王位になったことを恥じるように詫び続けていた。
荒さんは幾度となく詫び続ける清原に満面の笑みでこう告げた。
「あなたが勝ったことに対して胸を張ってくれないと、負けた私はどうすればいいんだ。」
シャイな荒さんらしい祝福の言葉であった。
実は二十年ほど前、私が初の鳳凰の栄冠を手にしたときも、清原と同様申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
あの時も荒さんは河岸を何度も変え、翌日の昼まで飲み明かし私の勝利を祝って下さった。
そしてその時も荒さんは勝利を衒(てら)う私を励ますように叱ってくださった。
その時の光景が清原君を祝う酒の中で頭の中をフラッシュバックさせていた。
小さな居酒屋に清原君を祝いたいという友人達が集った。
皆が皆、清原君の不器用さと謙虚さを祝う良い宴だった。
 
■Be Strong
私も家に帰り、清原継光という男がなぜ王位を獲得したのか考えてみた。
やはり皆と同じように、彼の勝因は天運と、己の弱さを知り尽くした鈍感力、どこまでも頭を下げ続けられる、根にあると思う。
言葉を変えるならば、愚直力、誠実さと言ってもいい。
そこに多くの友人たちは彼に魅かれ、勝利の女神までも魅かれたのだろう。
強い打ち手なぞ存在しないと私は思っている。
強く在ろうとする打ち手と、どこかでその事を忘れてしまう打ち手が存在するだけだと私は考える。
私は常々思っていることがある。
運の扉というものがあるとしたならば、その扉は叩き続けていくと徐々に開かれていくものではなく、それでも諦める事なく開かない扉を叩き続けていくとある日突然開くものだと考えている。
清原継光君、おめでとう。
あなたは王位という名の運の扉を君の力で開けたのだよ。
どうか今の気持ちを忘れず、また次なる運の扉を開けて欲しいと切に願うばかりである。
100
 
最後に、度重なるインタビューに答えてくださった4名の選手の皆様には心より御礼申し上げる。

何を切る?fromロン2 2015年1月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東1局西家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)
※下家は八万をチーして打九筒  六万をチーして打西

プロ

七索切り・・・42人
六筒切り・・・5人
七筒切り・・・4人
六索切り・・・3人

 

ロン2ユーザー

七索切り・・・44.9%
七筒切り・・・21.7%
四筒切り・・・18.2%
六索切り・・・7.6%
六筒切り・・・4.1%
五筒切り・・・1.6%
三万切り・・・1%
四万切り・・・1%

 

プロ解答(50音順)

七索切り

會津卓哉
五索八索の残り枚数を考え、七対子を見つつマンズを横に伸びるようにする(マンズの受けをつくっておく)。」

鮎川卓
「良い手だがすでに13巡目。高打点でアガリ切れるとしたら、二万五万引きか七対子しかないと思います。」

荒正義
「対子場なので七対子ドラ2が本線。この後、二万五万はチーテンに取らない。」

井出一寛
「上家は手が進んでいない。下家は456の三色か一通を考慮する。一通で四筒七筒待ちの場合、ドラドラはないため七対子で勝負できる。もう一つの候補は六索七索。下家に対してのリスクは同程度だが、対面の親が発をツモ切り、八索五索と手出しでピンズに寄せている可能性があるため、ここに対して七筒が打てない。以上より、オリ気味に打七索。その後の展開により六索を落とす。万が一、下家に六索七索で当たっても2,000or3,900まで。」

井出康平
「下家がマンズで打ちたくないので。二度受け(二万五万)の1シャンテンキープでテンパイすれば打六筒。ピンズが伸びれば打六索。」

伊藤優孝
「七対子は嫌いだけど仕方がないかな?次のツモ次第ではメンツ手に?」

魚谷侑未
二万五万引きのメンツ手と七対子の両天秤にします。五索八索にもあまり魅力がないので。」

内川幸太郎
「北家がマンズホンイツで2フーロテンパイな感じです。東1局でこの手牌ですから勝負したいですね。打七索としておいて、七対子かマンズの2メンツを目指します。二万三万四万五万を引いたらドラを打ってテンパイに取りますが、二万五万引き以外はリーチはしません。」

太田昌樹
「テンパイチャンスが一番多い形に。七対子以外のテンパイで打六筒も。」

ガース
「もうマンズは切りたくない。とりあえず六筒を入れてピンズが伸びたら六索を落としてもいい。二万五万引いたらリーチ!三万四万引いたらテンパイは取るけどリーチはしない。」

河井保国
「下家にマンズを切りたくないので。七対子を見ながら。」

木戸僚之
「終盤で巡目的にも、下家のマンズ仕掛けに対してもマンズには手をかけづらいので、打七索として、一番広く安全な1シャンテンに受けます(五索八索が残り3枚ということも考慮して)。」

紺野真太郎
「マンズ、ピンズが打ちづらく、七索すら通るとは限らないが、他に切る牌もないので。」

櫻井秀樹
「ツモ切りしたいが、残った形もそれほどアガリに近いとはいえないので様子見で。親と上家の動きを見つつ、すんなりテンパイすればドラ切り。」

佐々木寿人
「一応七対子狙いで。ただ上家から二万五万が出たときはチーしてドラ切り。次に引く牌によっては即七筒切りとする。」

佐山竜介
「拾えそうな五索八索も捨て難いが、打点、リスク等総合的に考慮して七索切りの方が良さそう。」

柴田弘幸
「ある程度押し切れそうな場況と見るが、様子見の打七索とする。テンパイが入れば押し切る!」

菅原千瑛
「1シャンテンをキープしつつ、下家に対応して自分がテンパイするまでこれ以上危険そうなマンズは打ち出さない構え。六筒がドラでなかったら六筒を切ってソーズの受け入れを残したいが、対面や上家にピンズが高いことからも打七索。」

鈴木雄介
「七対子とマンズのリャンメンに固定。伸びれば四暗刻も視野に。」

瀬戸熊直樹
「七対子とマンズに手をかけない手牌にする。」

ダンプ大橋
「下家にマンズが切れないので、残りで考えます。五索八索入って三万四万のシャンポンも弱いので、七対子と二万五万引きで勝負できる七索切り。」

手塚紗掬
「マンズがちょっときびしそうですが、メンツ手と七対子を見て。」

童瞳
「場に比較的ソーズが切りやすいため、七索切りから場合によっては六索を落とす手順とする。下家は染め手と見て、マンズには手をかけない。五索八索が5枚切れということもあり、七索を切って(リャンメンを固定するのは見送る)、六筒周りに変化があれば、雀頭の六索を落とし、マンズは二万三万四万五万の引きでテンパイの形を目指す。」

永井卓也
「ソーズ以外は切れない場況なので、ひとまず七対子を見て七索を切ります。」

中村毅
「七対子の1シャンテンに取り、ツモによっては四暗刻を見て、手が進行しなければ六索の対子落としで受けに回る。」

奈良圭純
「真っ直ぐアガリに向かうならドラ切りだが、ぎりぎりまで七対子の可能性も残したい。」

浜上文吾
「七対子テンパイを逃がしたくないので打七索。タンヤオイーペーコーか七対子狙い。二万五万ツモだと打六筒でヤミテンを選択します。」

羽山真生
七索が場に2枚切れていて六索は山にいそうな感じ。二万五万引きとか、ツモり三暗刻テンパイならドラを勝負。七対子の目も残して打七索。」

平尾昌邦
五索八索は場に5枚出ており、ドラを切る程の受けではないため、対子系を見つつ、二万五万が先に埋まったらドラを打つ。」

福光聖雄
「ドラを切ってまで五索八索の受けを残したいとは思わない。五索八索六索を引いて、メンゼンでテンパイすればドラを切る予定。」

藤島健二郎
「タテヨコ両天秤の手組み。二万五万引きはドラ勝負予定ではあるが、オリも想定。」

古橋崇志
「下家のマンズ仕掛けをケアしながら手を進める。五索八索を引いても三万四万のシャンポンでは勝負にならないので、せめて二万五万のイーペーコーか七対子を見る。」

本田朋広
「七対子、または二万五万引き以外はあきらめる。巡目は深いけどテンパイしたらリーチ打ちます。」

前原雄大
「タテと二万五万を見て。」

松崎良文
五索八索を引いての三万四万並びシャンポン形を見切り、四筒五筒を引いての七対子ドラ2を逃がさぬように。」

三戸亮祐
「七対子を狙うが、二万五万が入ればドラを切ってリーチする。」

宮内こずえ
「巡目が深いので目一杯には受けず、ツモや牌の通り具合でテンパイも目指せる七索切り。七対子や二万五万引きを見ながら。」

森下剛任
「七対子を見ながら。マックスリャンペーコーまで見る。」

安村浩司
五索八索を引いた三万四万待ちはアガリが薄い。二万五万を引いた時はテンパイを取りヤミテン。七対子とリャンペーコーに受けられるように打七索。」

山田浩之
「七対子とタンヤオイーペーコーを見て。」

柚木正仁
「七対子とメンツ手両方を見て打七索とする。」

四柳弘樹
五索八索がきびしい受けということもあり、七対子と二万五万を引いた時にイーペーコーで勝負したい。」

 

六筒切り

安秉参
「特別六筒が危険には見えない。シャンテン数を落とさずにアガリに向かう。」

老月貴紀
「マンズをタテ引きした時の五索八索テンパイは魅力的。ドラを2枚活かした七対子の1シャンテンに受けても形がきびしい。場況的にドラは怖い牌ではなさそうなので、手広い1シャンテンに受ける。」

小車祥
「下家のホンイツにマンズを2種類も切りたくない。先に五索八索をツモっても、二万五万ツモに対応できるテンパイになるので、マンズを使い切れる形で手を進める。」

鈴木秀幸
「最終形はできれば五索八索でリーチを打ちたい。三万四万ポンも有り。」

森山茂和
「七対子は見ないで二万五万引きを狙う。三万四万が暗刻になれば五索八索待ちとする。五索八索が先ならば、その後二万五万引き変化に期待。」

 

七筒切り

白鳥翔
「七対子1シャンテンは外せないのでドラを切ることはない。マンズ受けは期待できない、切りたくないので、とりあえず七筒を切ります。」

須浦正裕
「ドラが出て行かない形で、七対子本線のメンツ手考慮。」

武田裕希
「下家のマンズ染めに三万四万は切りたくないが、二万五万の待ちになっても戦いづらい。七対子を本線に、三万四万などは鳴いていく。」

山井弘
五索八索が入っての三万四万待ちは下家がマンズということもあり、アガリまではないと見る。もしこの手にアガリがあるならば、二万五万引き、もしくは七対子になった時だろう。二万五万がそれほど悪くなければ、ドラであろうとも六筒切りだが、やはり下家がマンズの染め手ということで、七対子の保険をかける。」

 

六索切り

勝又健志
「ドラ2のチャンス手ではあるが、残ったターツが弱く、アガリはきびしい。比較的安全なソーズを払っていく。」

滝沢和典
「親にも気配有り(1枚切れの発を打っている)。アガリまでは難しいので慎重に。」

西川淳
「難しい・・・アガリたい手だが、アガリのイメージがない。前巡通ったとはいえ、北家手出しの後、九万を押した東家も不気味。マンズが出て行かず、五索八索あるいはマンズ待ちになった時のみ勝負だが、ちょっとオリ気味に。」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2015年1月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東1局西家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)
※下家は八万をチーして打九筒  六万をチーして打西
プロ

七索切り・・・42人
六筒切り・・・5人
七筒切り・・・4人
六索切り・・・3人
 
ロン2ユーザー

七索切り・・・44.9%
七筒切り・・・21.7%
四筒切り・・・18.2%
六索切り・・・7.6%
六筒切り・・・4.1%
五筒切り・・・1.6%
三万切り・・・1%
四万切り・・・1%
 
プロ解答(50音順)
七索切り
會津卓哉
五索八索の残り枚数を考え、七対子を見つつマンズを横に伸びるようにする(マンズの受けをつくっておく)。」
鮎川卓
「良い手だがすでに13巡目。高打点でアガリ切れるとしたら、二万五万引きか七対子しかないと思います。」
荒正義
「対子場なので七対子ドラ2が本線。この後、二万五万はチーテンに取らない。」
井出一寛
「上家は手が進んでいない。下家は456の三色か一通を考慮する。一通で四筒七筒待ちの場合、ドラドラはないため七対子で勝負できる。もう一つの候補は六索七索。下家に対してのリスクは同程度だが、対面の親が発をツモ切り、八索五索と手出しでピンズに寄せている可能性があるため、ここに対して七筒が打てない。以上より、オリ気味に打七索。その後の展開により六索を落とす。万が一、下家に六索七索で当たっても2,000or3,900まで。」
井出康平
「下家がマンズで打ちたくないので。二度受け(二万五万)の1シャンテンキープでテンパイすれば打六筒。ピンズが伸びれば打六索。」
伊藤優孝
「七対子は嫌いだけど仕方がないかな?次のツモ次第ではメンツ手に?」
魚谷侑未
二万五万引きのメンツ手と七対子の両天秤にします。五索八索にもあまり魅力がないので。」
内川幸太郎
「北家がマンズホンイツで2フーロテンパイな感じです。東1局でこの手牌ですから勝負したいですね。打七索としておいて、七対子かマンズの2メンツを目指します。二万三万四万五万を引いたらドラを打ってテンパイに取りますが、二万五万引き以外はリーチはしません。」
太田昌樹
「テンパイチャンスが一番多い形に。七対子以外のテンパイで打六筒も。」
ガース
「もうマンズは切りたくない。とりあえず六筒を入れてピンズが伸びたら六索を落としてもいい。二万五万引いたらリーチ!三万四万引いたらテンパイは取るけどリーチはしない。」
河井保国
「下家にマンズを切りたくないので。七対子を見ながら。」
木戸僚之
「終盤で巡目的にも、下家のマンズ仕掛けに対してもマンズには手をかけづらいので、打七索として、一番広く安全な1シャンテンに受けます(五索八索が残り3枚ということも考慮して)。」
紺野真太郎
「マンズ、ピンズが打ちづらく、七索すら通るとは限らないが、他に切る牌もないので。」
櫻井秀樹
「ツモ切りしたいが、残った形もそれほどアガリに近いとはいえないので様子見で。親と上家の動きを見つつ、すんなりテンパイすればドラ切り。」
佐々木寿人
「一応七対子狙いで。ただ上家から二万五万が出たときはチーしてドラ切り。次に引く牌によっては即七筒切りとする。」
佐山竜介
「拾えそうな五索八索も捨て難いが、打点、リスク等総合的に考慮して七索切りの方が良さそう。」
柴田弘幸
「ある程度押し切れそうな場況と見るが、様子見の打七索とする。テンパイが入れば押し切る!」
菅原千瑛
「1シャンテンをキープしつつ、下家に対応して自分がテンパイするまでこれ以上危険そうなマンズは打ち出さない構え。六筒がドラでなかったら六筒を切ってソーズの受け入れを残したいが、対面や上家にピンズが高いことからも打七索。」
鈴木雄介
「七対子とマンズのリャンメンに固定。伸びれば四暗刻も視野に。」
瀬戸熊直樹
「七対子とマンズに手をかけない手牌にする。」
ダンプ大橋
「下家にマンズが切れないので、残りで考えます。五索八索入って三万四万のシャンポンも弱いので、七対子と二万五万引きで勝負できる七索切り。」
手塚紗掬
「マンズがちょっときびしそうですが、メンツ手と七対子を見て。」
童瞳
「場に比較的ソーズが切りやすいため、七索切りから場合によっては六索を落とす手順とする。下家は染め手と見て、マンズには手をかけない。五索八索が5枚切れということもあり、七索を切って(リャンメンを固定するのは見送る)、六筒周りに変化があれば、雀頭の六索を落とし、マンズは二万三万四万五万の引きでテンパイの形を目指す。」
永井卓也
「ソーズ以外は切れない場況なので、ひとまず七対子を見て七索を切ります。」
中村毅
「七対子の1シャンテンに取り、ツモによっては四暗刻を見て、手が進行しなければ六索の対子落としで受けに回る。」
奈良圭純
「真っ直ぐアガリに向かうならドラ切りだが、ぎりぎりまで七対子の可能性も残したい。」
浜上文吾
「七対子テンパイを逃がしたくないので打七索。タンヤオイーペーコーか七対子狙い。二万五万ツモだと打六筒でヤミテンを選択します。」
羽山真生
七索が場に2枚切れていて六索は山にいそうな感じ。二万五万引きとか、ツモり三暗刻テンパイならドラを勝負。七対子の目も残して打七索。」
平尾昌邦
五索八索は場に5枚出ており、ドラを切る程の受けではないため、対子系を見つつ、二万五万が先に埋まったらドラを打つ。」
福光聖雄
「ドラを切ってまで五索八索の受けを残したいとは思わない。五索八索六索を引いて、メンゼンでテンパイすればドラを切る予定。」
藤島健二郎
「タテヨコ両天秤の手組み。二万五万引きはドラ勝負予定ではあるが、オリも想定。」
古橋崇志
「下家のマンズ仕掛けをケアしながら手を進める。五索八索を引いても三万四万のシャンポンでは勝負にならないので、せめて二万五万のイーペーコーか七対子を見る。」
本田朋広
「七対子、または二万五万引き以外はあきらめる。巡目は深いけどテンパイしたらリーチ打ちます。」
前原雄大
「タテと二万五万を見て。」
松崎良文
五索八索を引いての三万四万並びシャンポン形を見切り、四筒五筒を引いての七対子ドラ2を逃がさぬように。」
三戸亮祐
「七対子を狙うが、二万五万が入ればドラを切ってリーチする。」
宮内こずえ
「巡目が深いので目一杯には受けず、ツモや牌の通り具合でテンパイも目指せる七索切り。七対子や二万五万引きを見ながら。」
森下剛任
「七対子を見ながら。マックスリャンペーコーまで見る。」
安村浩司
五索八索を引いた三万四万待ちはアガリが薄い。二万五万を引いた時はテンパイを取りヤミテン。七対子とリャンペーコーに受けられるように打七索。」
山田浩之
「七対子とタンヤオイーペーコーを見て。」
柚木正仁
「七対子とメンツ手両方を見て打七索とする。」
四柳弘樹
五索八索がきびしい受けということもあり、七対子と二万五万を引いた時にイーペーコーで勝負したい。」
 
六筒切り
安秉参
「特別六筒が危険には見えない。シャンテン数を落とさずにアガリに向かう。」
老月貴紀
「マンズをタテ引きした時の五索八索テンパイは魅力的。ドラを2枚活かした七対子の1シャンテンに受けても形がきびしい。場況的にドラは怖い牌ではなさそうなので、手広い1シャンテンに受ける。」
小車祥
「下家のホンイツにマンズを2種類も切りたくない。先に五索八索をツモっても、二万五万ツモに対応できるテンパイになるので、マンズを使い切れる形で手を進める。」
鈴木秀幸
「最終形はできれば五索八索でリーチを打ちたい。三万四万ポンも有り。」
森山茂和
「七対子は見ないで二万五万引きを狙う。三万四万が暗刻になれば五索八索待ちとする。五索八索が先ならば、その後二万五万引き変化に期待。」
 
七筒切り
白鳥翔
「七対子1シャンテンは外せないのでドラを切ることはない。マンズ受けは期待できない、切りたくないので、とりあえず七筒を切ります。」
須浦正裕
「ドラが出て行かない形で、七対子本線のメンツ手考慮。」
武田裕希
「下家のマンズ染めに三万四万は切りたくないが、二万五万の待ちになっても戦いづらい。七対子を本線に、三万四万などは鳴いていく。」
山井弘
五索八索が入っての三万四万待ちは下家がマンズということもあり、アガリまではないと見る。もしこの手にアガリがあるならば、二万五万引き、もしくは七対子になった時だろう。二万五万がそれほど悪くなければ、ドラであろうとも六筒切りだが、やはり下家がマンズの染め手ということで、七対子の保険をかける。」
 
六索切り
勝又健志
「ドラ2のチャンス手ではあるが、残ったターツが弱く、アガリはきびしい。比較的安全なソーズを払っていく。」
滝沢和典
「親にも気配有り(1枚切れの発を打っている)。アガリまでは難しいので慎重に。」
西川淳
「難しい・・・アガリたい手だが、アガリのイメージがない。前巡通ったとはいえ、北家手出しの後、九万を押した東家も不気味。マンズが出て行かず、五索八索あるいはマンズ待ちになった時のみ勝負だが、ちょっとオリ気味に。」

第24期中部プロリーグ 最終節レポート

Aリーグ(執筆:長谷川 弘)

襟を立て師走の街を足早に歩く人々。今年もあとわずかで旧年と呼ばれる。
年の瀬を迎え、第24期中部プロリーグ最終節の対局が行われた。
各者とも自身の置かれた立場、可能性を見据えた最高の対局を見せてくれたに違いない。

前期は決勝卓まで駒を進めた私だが、今期を終え浅薄な理解ではあるものの、また1つ麻雀の奥深さに触れた気がして戦慄した。
ふがいない成績で終わってしまったが、対戦した各対局者には心より感謝の意を表したい。

最終節を終えて、各々胸に去来する思いも様々だろう。だが、今なすべきは自身の通った道を振り返ることではない。
成績の振るわなかった者は悔やみ、上位入賞を果たした者はある一定の優越感に浸っているかもしれない。
しかし、己を高みに向ける道のりはまだまだ果てしないということを忘れてはならない。

それぞれ反省点はあるだろう。だが、無価値な後悔からは何も生まれない。
もちろん同じ過ちを繰り返さぬよう、自身を客観的に見つめ直して反省し、それを次につなげていくという努力は省略できない作業だろう。
それでもやはり、弱点消去にひたむきになるよりは美点追加に心血を注ぐべきだと私は思う。
そのほうが、後悔と反省に従う、または抗い続けるより建設的だからだ。

いくら理路整然と考えようとも、克服したはずの弱点はまた新たな反省を伴って幾度も息を吹き返してくる。
その都度ネガティブな作業に労力を費やさなければならない。果たしてそれが有意義な行為と言えるだろうか。
競技者として弱点を克服しようとする試みは必要不可欠ではあるものの、それは単なる消却作業であって経験則としては何も残らない。
経験則の蓄積、美点追加とは即ち、自身にとって以後有利になりうる引き出しの数を増やすことだ。
弱点消去にやっきになり、ただただ他者の発信した新しい情報、戦術を鵜呑みにし、そこから得た根拠のない自信を拠り所に不釣り合いな成果のみを渇望する。
その無機質な心構えから普遍的な価値を得ることなど到底困難だ。
結果は自力とは異なり二次派生的な産物である。
経験則に裏打ちされた戦術を各自で脚色し、そこからあらゆる場面に即した最適な着想を得る。
その力を備えることこそ真の実力と呼べるのではないだろうか。
結果は時間とともに色あせていくだろう。しかし経験則は進化こそすれ老いることはないはずだ。

第24期中部プロリーグはすべての対局が終了した。
私の最後の対戦者であった3名に今期を総括していただいたのでご紹介しよう。

伊藤「3期連続決勝卓進出を目標に臨みましたが、気持ちとは裏腹に消極的な麻雀を打ってしまったなと感じています。3節目まではほぼイメージ通りでしたが、それでも勝負所で勝ちきれなかったという悔しさは残ります。消極的な麻雀は自分のスタイルではないと再認識できたので、来期は普段のフォームを取り戻したいと思います。」

毛受「私も連期決勝卓進出を目指しました。4節目までは大きく伸ばせるチャンスを探りながら対局に臨んでいましたが、他家のテンパイ気配を察知できずに無用な放銃をしてしまったりと、少し前のめりになりすぎた感は否めません。いかなる状況下でも常に自分のフォームを堅持する精神力を鍛えるという課題は残りましたが、この経験は1つの財産になったと思います。」

太田「Aリーグに昇級してからは万全の体調で対局できるよう自己管理には特に気を使うようになりましたが、今期の対局は全体的にやや集中力を欠いてしまいました。先制されたらどのように対応するかという細かい配慮も十分ではなかったと思います。この結果を糧にさらに研鑽に励みたいと思います。」

麻雀に必勝法は存在するのだろうか。
確率論が現実性を証明しつつある昨今であっても、氾濫する情報の中、いまだ誰しも様々な角度から手さぐりでその答えを探し求めている。
その答えはいつ明らかになるかわからない。いや、永久に明らかにならないのかもしれない。
しかし、いつまでも探究心だけは失ってはならない。
それを見つけ出す力は個々の内面に宿っているということを忘れないでほしい。
たとえそこに出口が見えなくとも、強い精神力でそれを追い求め続けなければならないのは競技者の宿命でもあるからだ。

大切なのは、ある瞬間に自分の麻雀人生を振り返ったとき、そこにどのような光景が広がるかということだ。
その時ようやく自身の競技者としての真の姿が明らかになるだろう。

読みづらい点も多々あったかとは思いますが、半年間お付き合いいただきましてありがとうございました。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 寺戸 孝志 36.7 11.1 57.5 44.2 21.9 171.4
2 樋口 新 7.1 57.3 41.1 ▲ 38.7 32.0 98.8
3 森下 剛任 8.0 15.1 82.8 14.0 ▲ 44.2 75.7
4 日下 健司 ▲ 5.8 9.6 13.5 44.6 0.9 62.8
5 佐藤 あいり 10.5 13.7 ▲ 32.0 38.4 24.6 55.2
6 太田 充 15.5 8.2 22.7 ▲ 19.7 ▲ 8.2 18.5
7 三戸 亮祐 46.9 ▲ 27.7 ▲ 39.1 ▲ 9.3 23.7 ▲ 5.5
8 村瀬 寛光 23.9 9.3 ▲ 43.8 ▲ 18.4 15.6 ▲ 13.4
9 掛水 洋徳 ▲ 41.7 13.3 ▲ 13.1 14.0 11.3 ▲ 16.2
10 土岐 雄太 ▲ 47.5 26.6 ▲ 4.5 ▲ 37.8 37.2 ▲ 26.0
11 杉村 泰治 43.4 ▲ 45.3 2.4 28.1 ▲ 61.2 ▲ 32.6
12 櫛田 利太 ▲ 12.4 ▲ 34.4 29.7 27.5 ▲ 43.9 ▲ 33.5
13 伊藤 鉄也 7.2 9.1 ▲ 9.3 ▲ 34.0 ▲ 19.2 ▲ 46.2
14 毛受 俊 ▲ 41.4 8.9 ▲ 39.2 ▲ 16.9 28.7 ▲ 59.9
15 杉浦 貴紀 43.1 ▲ 31.5 ▲ 89.3 ▲ 16.6 ▲ 17.9 ▲ 112.2
16 長谷川 弘 ▲ 94.5 ▲ 44.3 0.6 ▲ 20.4 ▲ 1.3 ▲ 159.9

 

Bリーグ(執筆:山神 達也)
約半年にわたる戦いも最終節となり、昇級・降級争いもいよいよ大詰めである。

私は今期のレポートを担当させていただき、自分の考え、各節の反省、目標に到達する手段などを、はっきりと文章にすることによって改めて確認し、実行することが出来たと思う。
初めてレポートを書かせていただいたので、拙い文章になってしまったかもしれませんが、今回の最終節まで精一杯書かせていただきます。

今期のBリーグ最終節は、大変な混戦模様である。
第4節を終えて暫定首位の牛尾を除いて、2位山神から8位朝岡までが約40P差の中にひしめき合う展開である。昇級できる枠は僅か2つ。熾烈な昇級争いが口火を切った。

牛尾+125.9P 葛山+51.6P 朝岡+35.3P 鈴木(雄)▲64.9P
こちらは暫定首位の牛尾のいる卓組。(ポイントは4節終了時点のもの)
山神+77.4P 越川+44.6P 安藤+38.3P 山本▲50.8P
こちらは暫定2位の山神のいる卓組である。
牛尾以外はポイントを伸ばしにくるので、降級争いをしている鈴木(雄)・山本にとっては厳しい卓組みか。
昇級を狙う葛山・朝岡・越川・安藤にとっては、昇級枠にいる選手が卓内にいるので、ポイントを直接奪って逆転するチャンスである。

ではその混戦模様のBリーグ、結果はどうであったか。
時系列を最終半荘スタート時まで進める。
最終の半荘に臨む上位陣各自のポイントは以下のとおり。
1位牛尾+123.2P 2位山神+100.4P 3位越川+80.2P 4位葛山+72.6P 5位菅野+55.3P
6位朝岡+55.0P
大外から菅野がポイントを大きく伸ばしているが、1位・2位が別卓なので、昇級ボーダーまで65,000点近いトップが必要な分、厳しいか。
越川は同じ卓の山神をトータルポイントで逆転すれば昇級がぐっと近づく。
葛山・朝岡も、同じ卓の牛尾を逆転できれば一番良いが、逆転しなくても、ポイントを上乗せすれば山神の卓の結果次第では昇級のチャンスがある。

最終半荘、自分に手が入ったこともあり有利に局を進めて迎えた南3局。私は45,900点持ちのトップ目であったが、ここが最後の勝負どころ、越川の最後の親番である。
私と越川は前期のCリーグでも昇級争いをしており、最後の半荘で私は越川に逆転され、越川2位、山神3位という順位でBリーグに昇級してきている。
現状の点差は開いていても、親は親。前期の苦い思いを繰り返さないよう、その日一番の集中でこの山場を越えようという想いであった。
結果としては、降級を避けるために早く局を進めたい山本の仕掛けに対して、私が1,000点の放銃をして越川の親が流れ、自分が親番のオーラスを迎えてトップで終了することが出来た。

別卓ではオーラス、昇級の可能性を残すには跳満ツモか朝岡から7,700点以上の直撃が必要な葛山の手牌

二万三万四万六万七万八万三索三索六索八索六筒七筒八筒  ツモ七索  ドラ五索

ここから打二万とし、条件をクリアするリーチをかける。
次巡二万をツモって3,000・6,000。
葛山の昇級に対する気持ちのこもった跳満ツモであった。

全ての対局が終了し、結果は1位山神、2位牛尾、3位葛山、4位朝岡となった。
別卓の結果もあり、私は優勝することが出来たが、今期のBリーグでの対局と結果を、来期初挑戦となるAリーグで戦う自信に出来ればと思う。

最後になるが、私は来期、Aリーグの卓につくのが楽しみでしょうがない。

約半年間、最後までレポートにお付き合い頂き、ありがとうございました。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山神 達也 27.5 52.3 40.1 ▲ 42.5 50.0 127.4
2 牛尾 信之 89.8 15.8 12.3 8.0 ▲ 1.6 124.3
3 葛山 英樹 ▲ 11.8 34.6 26.9 1.9 31.7 83.3
4 朝岡 祐 13.6 34.5 ▲ 6.2 ▲ 6.6 45.6 80.9
5 菅野 直 ▲ 16.3 ▲ 7.1 ▲ 39.3 13.5 110.7 61.5
6 中西 栄二 ▲ 4.7 21.9 ▲ 4.7 35.4 13.3 61.2
7 越川 清一 59.6 29.8 ▲ 3.1 ▲ 41.7 16.4 61.0
8 古川 孝次 2.6 2.5 5.4 ▲ 40.7 55.4 25.2
9 安藤 大貴 31.6 ▲ 31.3 72.9 ▲ 34.9 ▲ 39.6 ▲ 1.3
10 原田 知彦 ▲ 24.4 ▲ 2.1 9.7 53.7 ▲ 78.6 ▲ 41.7
11 山本 拓哉 ▲ 87.7 ▲ 13.2 41.3 8.8 ▲ 26.8 ▲ 77.6
12 大滝 聡 42.3 ▲ 66.0 ▲ 19.1 ▲ 22.3 ▲ 14.3 ▲ 79.4
13 木村 東平 ▲ 48.8 ▲ 14.3 ▲ 37.8 26.3 ▲ 8.0 ▲ 82.6
14 中谷 彰吾 23.8 ▲ 35.8 ▲ 47.4 20.1 ▲ 45.4 ▲ 84.7
15 鈴木 基芳 ▲ 39.5 ▲ 25.1 ▲ 60.4 20.2 ▲ 33.1 ▲ 137.9
16 鈴木 雄介 ▲ 57.6 3.5 9.4 ▲ 20.2 ▲ 115.7 ▲ 180.6

 

Cリーグ(執筆:池沢 麻奈美)

月日が経つのは早いもので今年も残りあとわずか、中部プロリーグもいよいよ最終節を迎える事となりました。
私は現在▲113.1P、さすがに今期は昇級が厳しい条件となってしまったので、今節は少しでも来期に生かせるような麻雀を打つ事を意識して対局に臨みました。

Cリーグの昇級枠は上位3名。前節までは都築、大高坂、河合が昇級ラインにおり、河合の+102.7Pがボーダーラインとなっていた。
最終節、上位陣の直接対決となり、それぞれが昇級を意識した戦いが行われる。その風景は熱気に包まれており緊張感が漂った。
刻一刻と時が経ち気づけば残すところ最後の1半荘。私は一部始終を目の当たりにし、皆、1局、一打一打に強い想いが込められ真剣な面持ちだった。
そして最後の残り1卓となった。そこにはたくさんの観戦者に囲まれ、私もそこで観戦をしていたのだが、もし私がその卓に入っていたなら緊張で固まってしまいそうだった。
しかし、それぞれの選手がしっかりとした意思を持って麻雀に集中していた。
そんな中オーラスの親番で大町が粘った打ち回しで2位通過の小野をまくってわずか2,100点差でCリーグトップ通過となった。
そして3位通過となったのは河合。以上3名が来期からのBリーグへの昇級チケットを手に入れた。改めましておめでとうございます。

私自身はと言うと、Cリーグは降級もないので、この日は落ち着いてのびのびと対局することができ、+54.2Pと中々良い成績で終える事ができました。
ほんとは昇級争いをしてその内容を伝えられれば良かったのですが…。

長いようであっという間に過ぎてしまいましたが、約半年間、拙い文章にお付き合い頂きありがとうございました。
私としてはすごく良い経験をする事ができました。
来期はもっと自分らしい麻雀が打てるように今以上に励んでいきたいと思います。
これからも宜しくお願い致します。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 大町 篤志 ▲ 15.2 48.3 48.2 ▲ 24.5 89.7 146.5
2 小野 雅峻 ▲ 25.8 28.6 14.2 80.8 46.6 144.4
3 河合 慎悟 56.4 75.8 ▲ 31.0 1.5 24.0 126.7
4 大高坂 松城 98.9 18.4 ▲ 1.5 10.4 ▲ 31.5 94.7
5 中山 千鶴 26.0 ▲ 47.4 66.7 ▲ 25.6 19.0 38.7
6 鈴木 淳 ▲ 41.8 41.3 39.9 ▲ 20.0 ▲ 1.3 18.1
7 都築 友和 102.0 ▲ 7.7 18.9 24.2 ▲ 135.0 2.4
8 清水 哲也 ▲ 21.5 ▲ 2.8 ▲ 2.7 30.2 ▲ 11.5 ▲ 8.3
9 加藤 泰史 39.5 23.7 7.4 ▲ 74.0 ▲ 18.1 ▲ 21.5
10 太田 峻也 14.1 ▲ 31.9 ▲ 28.4 ▲ 31.7 54.0 ▲ 23.9
11 若松 正和 72.4 ▲ 150.0 4.9 71.4 ▲ 32.5 ▲ 33.8
12 大西 義則 ▲ 44.7 ▲ 52.0 ▲ 9.9 ▲ 13.2 66.7 ▲ 53.1
13 池沢 麻奈美 ▲ 78.4 19.9 ▲ 43.6 ▲ 11.0 54.2 ▲ 58.9
14 岡本 丈司 27.5 ▲ 10.1 ▲ 33.0 ▲ 19.1 ▲ 24.6 ▲ 59.3
15 浅野 文雅 ▲ 37.9 ▲ 49.4 35.3 ▲ 41.2 22.5 ▲ 70.7
16 上田 利華 ▲ 18.0 ▲ 7.7 5.8 45.1 ▲ 100.0 ▲ 74.8
17 斎藤 寛生 ▲ 71.0 ▲ 29.3 21.3 ▲ 7.3 ▲ 4.6 ▲ 90.9
18 角谷 和幸 ▲ 100.0 18.3 ▲ 51.5 ▲ 100.0 ▲ 83.6 ▲ 316.8
19 家田 みゆき ▲ 83.5 ▲ 38.0 ▲ 62.0 ▲ 100.0 ▲ 34.0 ▲ 317.5

中部プロリーグ レポート/第24期中部プロリーグ 最終節レポート

Aリーグ(執筆:長谷川 弘)
襟を立て師走の街を足早に歩く人々。今年もあとわずかで旧年と呼ばれる。
年の瀬を迎え、第24期中部プロリーグ最終節の対局が行われた。
各者とも自身の置かれた立場、可能性を見据えた最高の対局を見せてくれたに違いない。
前期は決勝卓まで駒を進めた私だが、今期を終え浅薄な理解ではあるものの、また1つ麻雀の奥深さに触れた気がして戦慄した。
ふがいない成績で終わってしまったが、対戦した各対局者には心より感謝の意を表したい。
最終節を終えて、各々胸に去来する思いも様々だろう。だが、今なすべきは自身の通った道を振り返ることではない。
成績の振るわなかった者は悔やみ、上位入賞を果たした者はある一定の優越感に浸っているかもしれない。
しかし、己を高みに向ける道のりはまだまだ果てしないということを忘れてはならない。
それぞれ反省点はあるだろう。だが、無価値な後悔からは何も生まれない。
もちろん同じ過ちを繰り返さぬよう、自身を客観的に見つめ直して反省し、それを次につなげていくという努力は省略できない作業だろう。
それでもやはり、弱点消去にひたむきになるよりは美点追加に心血を注ぐべきだと私は思う。
そのほうが、後悔と反省に従う、または抗い続けるより建設的だからだ。
いくら理路整然と考えようとも、克服したはずの弱点はまた新たな反省を伴って幾度も息を吹き返してくる。
その都度ネガティブな作業に労力を費やさなければならない。果たしてそれが有意義な行為と言えるだろうか。
競技者として弱点を克服しようとする試みは必要不可欠ではあるものの、それは単なる消却作業であって経験則としては何も残らない。
経験則の蓄積、美点追加とは即ち、自身にとって以後有利になりうる引き出しの数を増やすことだ。
弱点消去にやっきになり、ただただ他者の発信した新しい情報、戦術を鵜呑みにし、そこから得た根拠のない自信を拠り所に不釣り合いな成果のみを渇望する。
その無機質な心構えから普遍的な価値を得ることなど到底困難だ。
結果は自力とは異なり二次派生的な産物である。
経験則に裏打ちされた戦術を各自で脚色し、そこからあらゆる場面に即した最適な着想を得る。
その力を備えることこそ真の実力と呼べるのではないだろうか。
結果は時間とともに色あせていくだろう。しかし経験則は進化こそすれ老いることはないはずだ。
第24期中部プロリーグはすべての対局が終了した。
私の最後の対戦者であった3名に今期を総括していただいたのでご紹介しよう。
伊藤「3期連続決勝卓進出を目標に臨みましたが、気持ちとは裏腹に消極的な麻雀を打ってしまったなと感じています。3節目まではほぼイメージ通りでしたが、それでも勝負所で勝ちきれなかったという悔しさは残ります。消極的な麻雀は自分のスタイルではないと再認識できたので、来期は普段のフォームを取り戻したいと思います。」
毛受「私も連期決勝卓進出を目指しました。4節目までは大きく伸ばせるチャンスを探りながら対局に臨んでいましたが、他家のテンパイ気配を察知できずに無用な放銃をしてしまったりと、少し前のめりになりすぎた感は否めません。いかなる状況下でも常に自分のフォームを堅持する精神力を鍛えるという課題は残りましたが、この経験は1つの財産になったと思います。」
太田「Aリーグに昇級してからは万全の体調で対局できるよう自己管理には特に気を使うようになりましたが、今期の対局は全体的にやや集中力を欠いてしまいました。先制されたらどのように対応するかという細かい配慮も十分ではなかったと思います。この結果を糧にさらに研鑽に励みたいと思います。」
麻雀に必勝法は存在するのだろうか。
確率論が現実性を証明しつつある昨今であっても、氾濫する情報の中、いまだ誰しも様々な角度から手さぐりでその答えを探し求めている。
その答えはいつ明らかになるかわからない。いや、永久に明らかにならないのかもしれない。
しかし、いつまでも探究心だけは失ってはならない。
それを見つけ出す力は個々の内面に宿っているということを忘れないでほしい。
たとえそこに出口が見えなくとも、強い精神力でそれを追い求め続けなければならないのは競技者の宿命でもあるからだ。
大切なのは、ある瞬間に自分の麻雀人生を振り返ったとき、そこにどのような光景が広がるかということだ。
その時ようやく自身の競技者としての真の姿が明らかになるだろう。
読みづらい点も多々あったかとは思いますが、半年間お付き合いいただきましてありがとうございました。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 寺戸 孝志 36.7 11.1 57.5 44.2 21.9 171.4
2 樋口 新 7.1 57.3 41.1 ▲ 38.7 32.0 98.8
3 森下 剛任 8.0 15.1 82.8 14.0 ▲ 44.2 75.7
4 日下 健司 ▲ 5.8 9.6 13.5 44.6 0.9 62.8
5 佐藤 あいり 10.5 13.7 ▲ 32.0 38.4 24.6 55.2
6 太田 充 15.5 8.2 22.7 ▲ 19.7 ▲ 8.2 18.5
7 三戸 亮祐 46.9 ▲ 27.7 ▲ 39.1 ▲ 9.3 23.7 ▲ 5.5
8 村瀬 寛光 23.9 9.3 ▲ 43.8 ▲ 18.4 15.6 ▲ 13.4
9 掛水 洋徳 ▲ 41.7 13.3 ▲ 13.1 14.0 11.3 ▲ 16.2
10 土岐 雄太 ▲ 47.5 26.6 ▲ 4.5 ▲ 37.8 37.2 ▲ 26.0
11 杉村 泰治 43.4 ▲ 45.3 2.4 28.1 ▲ 61.2 ▲ 32.6
12 櫛田 利太 ▲ 12.4 ▲ 34.4 29.7 27.5 ▲ 43.9 ▲ 33.5
13 伊藤 鉄也 7.2 9.1 ▲ 9.3 ▲ 34.0 ▲ 19.2 ▲ 46.2
14 毛受 俊 ▲ 41.4 8.9 ▲ 39.2 ▲ 16.9 28.7 ▲ 59.9
15 杉浦 貴紀 43.1 ▲ 31.5 ▲ 89.3 ▲ 16.6 ▲ 17.9 ▲ 112.2
16 長谷川 弘 ▲ 94.5 ▲ 44.3 0.6 ▲ 20.4 ▲ 1.3 ▲ 159.9

 
Bリーグ(執筆:山神 達也)
約半年にわたる戦いも最終節となり、昇級・降級争いもいよいよ大詰めである。
私は今期のレポートを担当させていただき、自分の考え、各節の反省、目標に到達する手段などを、はっきりと文章にすることによって改めて確認し、実行することが出来たと思う。
初めてレポートを書かせていただいたので、拙い文章になってしまったかもしれませんが、今回の最終節まで精一杯書かせていただきます。
今期のBリーグ最終節は、大変な混戦模様である。
第4節を終えて暫定首位の牛尾を除いて、2位山神から8位朝岡までが約40P差の中にひしめき合う展開である。昇級できる枠は僅か2つ。熾烈な昇級争いが口火を切った。
牛尾+125.9P 葛山+51.6P 朝岡+35.3P 鈴木(雄)▲64.9P
こちらは暫定首位の牛尾のいる卓組。(ポイントは4節終了時点のもの)
山神+77.4P 越川+44.6P 安藤+38.3P 山本▲50.8P
こちらは暫定2位の山神のいる卓組である。
牛尾以外はポイントを伸ばしにくるので、降級争いをしている鈴木(雄)・山本にとっては厳しい卓組みか。
昇級を狙う葛山・朝岡・越川・安藤にとっては、昇級枠にいる選手が卓内にいるので、ポイントを直接奪って逆転するチャンスである。
ではその混戦模様のBリーグ、結果はどうであったか。
時系列を最終半荘スタート時まで進める。
最終の半荘に臨む上位陣各自のポイントは以下のとおり。
1位牛尾+123.2P 2位山神+100.4P 3位越川+80.2P 4位葛山+72.6P 5位菅野+55.3P
6位朝岡+55.0P
大外から菅野がポイントを大きく伸ばしているが、1位・2位が別卓なので、昇級ボーダーまで65,000点近いトップが必要な分、厳しいか。
越川は同じ卓の山神をトータルポイントで逆転すれば昇級がぐっと近づく。
葛山・朝岡も、同じ卓の牛尾を逆転できれば一番良いが、逆転しなくても、ポイントを上乗せすれば山神の卓の結果次第では昇級のチャンスがある。
最終半荘、自分に手が入ったこともあり有利に局を進めて迎えた南3局。私は45,900点持ちのトップ目であったが、ここが最後の勝負どころ、越川の最後の親番である。
私と越川は前期のCリーグでも昇級争いをしており、最後の半荘で私は越川に逆転され、越川2位、山神3位という順位でBリーグに昇級してきている。
現状の点差は開いていても、親は親。前期の苦い思いを繰り返さないよう、その日一番の集中でこの山場を越えようという想いであった。
結果としては、降級を避けるために早く局を進めたい山本の仕掛けに対して、私が1,000点の放銃をして越川の親が流れ、自分が親番のオーラスを迎えてトップで終了することが出来た。
別卓ではオーラス、昇級の可能性を残すには跳満ツモか朝岡から7,700点以上の直撃が必要な葛山の手牌
二万三万四万六万七万八万三索三索六索八索六筒七筒八筒  ツモ七索  ドラ五索
ここから打二万とし、条件をクリアするリーチをかける。
次巡二万をツモって3,000・6,000。
葛山の昇級に対する気持ちのこもった跳満ツモであった。
全ての対局が終了し、結果は1位山神、2位牛尾、3位葛山、4位朝岡となった。
別卓の結果もあり、私は優勝することが出来たが、今期のBリーグでの対局と結果を、来期初挑戦となるAリーグで戦う自信に出来ればと思う。
最後になるが、私は来期、Aリーグの卓につくのが楽しみでしょうがない。
約半年間、最後までレポートにお付き合い頂き、ありがとうございました。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山神 達也 27.5 52.3 40.1 ▲ 42.5 50.0 127.4
2 牛尾 信之 89.8 15.8 12.3 8.0 ▲ 1.6 124.3
3 葛山 英樹 ▲ 11.8 34.6 26.9 1.9 31.7 83.3
4 朝岡 祐 13.6 34.5 ▲ 6.2 ▲ 6.6 45.6 80.9
5 菅野 直 ▲ 16.3 ▲ 7.1 ▲ 39.3 13.5 110.7 61.5
6 中西 栄二 ▲ 4.7 21.9 ▲ 4.7 35.4 13.3 61.2
7 越川 清一 59.6 29.8 ▲ 3.1 ▲ 41.7 16.4 61.0
8 古川 孝次 2.6 2.5 5.4 ▲ 40.7 55.4 25.2
9 安藤 大貴 31.6 ▲ 31.3 72.9 ▲ 34.9 ▲ 39.6 ▲ 1.3
10 原田 知彦 ▲ 24.4 ▲ 2.1 9.7 53.7 ▲ 78.6 ▲ 41.7
11 山本 拓哉 ▲ 87.7 ▲ 13.2 41.3 8.8 ▲ 26.8 ▲ 77.6
12 大滝 聡 42.3 ▲ 66.0 ▲ 19.1 ▲ 22.3 ▲ 14.3 ▲ 79.4
13 木村 東平 ▲ 48.8 ▲ 14.3 ▲ 37.8 26.3 ▲ 8.0 ▲ 82.6
14 中谷 彰吾 23.8 ▲ 35.8 ▲ 47.4 20.1 ▲ 45.4 ▲ 84.7
15 鈴木 基芳 ▲ 39.5 ▲ 25.1 ▲ 60.4 20.2 ▲ 33.1 ▲ 137.9
16 鈴木 雄介 ▲ 57.6 3.5 9.4 ▲ 20.2 ▲ 115.7 ▲ 180.6

 
Cリーグ(執筆:池沢 麻奈美)
月日が経つのは早いもので今年も残りあとわずか、中部プロリーグもいよいよ最終節を迎える事となりました。
私は現在▲113.1P、さすがに今期は昇級が厳しい条件となってしまったので、今節は少しでも来期に生かせるような麻雀を打つ事を意識して対局に臨みました。
Cリーグの昇級枠は上位3名。前節までは都築、大高坂、河合が昇級ラインにおり、河合の+102.7Pがボーダーラインとなっていた。
最終節、上位陣の直接対決となり、それぞれが昇級を意識した戦いが行われる。その風景は熱気に包まれており緊張感が漂った。
刻一刻と時が経ち気づけば残すところ最後の1半荘。私は一部始終を目の当たりにし、皆、1局、一打一打に強い想いが込められ真剣な面持ちだった。
そして最後の残り1卓となった。そこにはたくさんの観戦者に囲まれ、私もそこで観戦をしていたのだが、もし私がその卓に入っていたなら緊張で固まってしまいそうだった。
しかし、それぞれの選手がしっかりとした意思を持って麻雀に集中していた。
そんな中オーラスの親番で大町が粘った打ち回しで2位通過の小野をまくってわずか2,100点差でCリーグトップ通過となった。
そして3位通過となったのは河合。以上3名が来期からのBリーグへの昇級チケットを手に入れた。改めましておめでとうございます。
私自身はと言うと、Cリーグは降級もないので、この日は落ち着いてのびのびと対局することができ、+54.2Pと中々良い成績で終える事ができました。
ほんとは昇級争いをしてその内容を伝えられれば良かったのですが…。
長いようであっという間に過ぎてしまいましたが、約半年間、拙い文章にお付き合い頂きありがとうございました。
私としてはすごく良い経験をする事ができました。
来期はもっと自分らしい麻雀が打てるように今以上に励んでいきたいと思います。
これからも宜しくお願い致します。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 大町 篤志 ▲ 15.2 48.3 48.2 ▲ 24.5 89.7 146.5
2 小野 雅峻 ▲ 25.8 28.6 14.2 80.8 46.6 144.4
3 河合 慎悟 56.4 75.8 ▲ 31.0 1.5 24.0 126.7
4 大高坂 松城 98.9 18.4 ▲ 1.5 10.4 ▲ 31.5 94.7
5 中山 千鶴 26.0 ▲ 47.4 66.7 ▲ 25.6 19.0 38.7
6 鈴木 淳 ▲ 41.8 41.3 39.9 ▲ 20.0 ▲ 1.3 18.1
7 都築 友和 102.0 ▲ 7.7 18.9 24.2 ▲ 135.0 2.4
8 清水 哲也 ▲ 21.5 ▲ 2.8 ▲ 2.7 30.2 ▲ 11.5 ▲ 8.3
9 加藤 泰史 39.5 23.7 7.4 ▲ 74.0 ▲ 18.1 ▲ 21.5
10 太田 峻也 14.1 ▲ 31.9 ▲ 28.4 ▲ 31.7 54.0 ▲ 23.9
11 若松 正和 72.4 ▲ 150.0 4.9 71.4 ▲ 32.5 ▲ 33.8
12 大西 義則 ▲ 44.7 ▲ 52.0 ▲ 9.9 ▲ 13.2 66.7 ▲ 53.1
13 池沢 麻奈美 ▲ 78.4 19.9 ▲ 43.6 ▲ 11.0 54.2 ▲ 58.9
14 岡本 丈司 27.5 ▲ 10.1 ▲ 33.0 ▲ 19.1 ▲ 24.6 ▲ 59.3
15 浅野 文雅 ▲ 37.9 ▲ 49.4 35.3 ▲ 41.2 22.5 ▲ 70.7
16 上田 利華 ▲ 18.0 ▲ 7.7 5.8 45.1 ▲ 100.0 ▲ 74.8
17 斎藤 寛生 ▲ 71.0 ▲ 29.3 21.3 ▲ 7.3 ▲ 4.6 ▲ 90.9
18 角谷 和幸 ▲ 100.0 18.3 ▲ 51.5 ▲ 100.0 ▲ 83.6 ▲ 316.8
19 家田 みゆき ▲ 83.5 ▲ 38.0 ▲ 62.0 ▲ 100.0 ▲ 34.0 ▲ 317.5

第23回静岡リーグ決勝観戦記

去る8月17日(日)、第23回静岡リーグ決勝戦が行われた。

静岡リーグは予選5節、計20半荘を戦い、上位5名が決勝進出となる。
また、予選通過順に 1位通過+40.0P 2位通過+30.0P 3位通過+20.0P 4位通過+10.0P 5位通過+0.0P この通過ポイントが加算される。
決勝戦は全6回戦行われ、5回戦終了時にポイント最下位の者はここで敗退となる。

栄えある決勝の舞台に勝ち進んできたのは、この5名。

1位通過 竹内 仁さん
(一般 第20・21回静岡リーグ優勝)
一般で最高の成績を残している決勝戦の常連。
そして、今回の優勝候補筆頭。
コメント「あまり周りを気にしないで、自分の麻雀が打てれば良い。」

2位通過 田中 良典さん
(一般 初出場)
予選では2度のベストスコアを叩き出す破壊力を見せた。
初の決勝の舞台となるが緊張に打ち勝ち、予選で見せた破壊力を再現してもらいたい。
コメント「みなさん強くて経験もあるので、気持ちで負けないようにがんばりたい。」

3位通過 舟橋 晃さん
(一般 第10回静岡リーグ優勝)
予選では最終節に役満をアガリここ一番の勝負強さを見せた。
過去に優勝経験もあり、決勝での気負いは無いようにうかがえる。
コメント「いつも通りの麻雀が打ちたい。」

4位通過 平野敬悟プロ
(静岡支部 初出場)
今期プロデビューしていきなり、D3リーグ昇級と静岡リーグ決勝進出と結果を残す。
アガリ出したら止まらなくなるタイプなだけに、いかに早く自分の時間帯を作れるかがポイントになる。
コメント「決勝戦ということを意識しないで、普段通り打ちたい。」

5位通過 鷲見 隼人プロ
(静岡支部 第13回 静岡リーグ優勝)
通過ポイントは+0.0Pとなるが、強烈な爆発力を持っているだけに一気に首位へ躍り出ることも予想される。
コメント「せっかくのチャンスなのでモノにしたい。対戦相手が良いので、良い決勝戦をお見せします。」

(以下敬称略)

1回戦(起家から、田中・平野・鷲見・舟橋)抜け番:竹内

東1局は舟橋の1人テンパイ、東2局は鷲見の1人テンパイと、2局続けて流局となる静かな立ち上がり。
初アガリは東3局2本場。
舟橋が7巡目リーチ。

一万一万七万七万八万八万九万九万七索八索九索二筒三筒  リーチ  ドラ西

いきなりのチャンス手だったが、すぐに親の鷲見から四筒が出て3,900は4,500のアガリとなった。
南場に入ると緊張がほぐれてきたのか、全員の摸打が早くなってくる。

南1局は流局、南2局1本場、舟橋に本手が入る。

二万三万四万九索九索一筒三筒東東東  暗カン牌の背南南牌の背  ツモ二筒  ドラ東

この2,000・4,000をアガリ一歩抜けだした

南3局、親の鷲見が先制リーチをするも、平野が300・500をツモアガリ。

南4局、舟橋がテンパイで1本積むが、1本場はノーテンで流局。
1回戦は、チャンスを確実にものにした舟橋の1人浮きとなった。

1回戦成績
田中▲14.9P 平野▲4.4P 鷲見▲7.5P 舟橋+25.8P

1回戦終了時
舟橋+45.8P 竹内+40.0P 田中+15.1P 平野+5.6P 鷲見▲7.5P

2回戦はいよいよ予選1位通過の竹内登場。

 

2回戦(起家から、竹内・平野・鷲見・田中)抜け番:舟橋

東2局2本場、本日アガリの無い鷲見にチャンス手が入る。10巡目、ホンイツ・七対子のテンパイ。

四筒四筒五筒五筒八筒八筒九筒九筒東東発発中  ドラ七索

しかし、今日の鷲見は簡単にはアガらせてもらえない。
15巡目に竹内のピンフに放銃。

東3局、平野に本手が入り8巡目リーチ。

二万三万一索二索三索一筒二筒三筒四筒四筒白白白  リーチ  ドラ四筒

1回戦にポイントを減らしてしまった平野、ここは何としてもアガリたいところ。
しかし、ここでも竹内が300・500をツモアガリ、チャンス手を巧みに捌く。

二万三万四万四索五索六索二筒二筒五筒五筒  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ツモ五筒

この連続のアガリで竹内に流れが傾くかと思われたが、南1局2本場まで流局が続く。
そして南2局3本場、竹内にホンイツ・七対子のテンパイが入る。

一索一索五索五索七索七索八索八索九索九索南南中  ドラ三索

竹内のアガリかと思われたが、先ほどチャンス手を潰された親の平野が、お返しとばかりに1,000は1,300オールをツモ。
南2局4本場、勢いに乗ってさらに加点を狙う平野は

三索四索五索七索七索四筒五筒六筒六筒七筒  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  ドラ西

このテンパイを入れる。しかし、今度は竹内がアガリ返す。

四索五索六索六索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒西西  ツモ七筒  ドラ西

この1,300・2,600は1,700・3,000をアガリ、竹内がトップ目に立つ。

ここで竹内が大きなトップを取ると、予選通過ポイント+40.0Pがあることから早くも優勝が見えてくる。
それだけに他の3人は竹内の独走をなんとかして阻止したい。

南3局、親の鷲見に待望の初アガリが出る。

一万二万三万七万八万北北北白白  ポン発発発  ロン六万  ドラ西

この7,700をトップ目の竹内からアガる。
このアガリで全員の点差がほとんど無くなりオーラスを迎える。

得点状況は 竹内29,000 平野29,600 鷲見29,500 田中30,900 供託1,000
日本プロ麻雀連盟のAルールは順位点が少なく設定されているが、1人浮きなら+12.0Pが加算される。
静岡リーグの決勝戦は6回戦の短期決戦だけに、この順位点は大きな加点になる。

南4局3本場、競技麻雀では珍しく4人全員がアガリに向かい、3人にテンパイが入る。

田中
四万四万四索四索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ドラ三索

竹内
六筒七筒白白  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン南南南

鷲見
五万五万一索二索三索三索四索六索七索八索  ポン発発発

そして、この競り合いを征したのは竹内。八筒をツモリ1人浮きとなり優勝に向けて大きく前進した。

2回戦成績
竹内+14.9P 平野▲4.2P 鷲見▲9.3P 田中▲1.4P

2回戦終了時
竹内+54.9P 舟橋+45.8P  田中+13.7P 平野+1.4P 鷲見▲16.8P

 

3回戦(起家から、平野・竹内・鷲見・舟橋)抜け番:田中

東1局、1回戦で1人浮きの舟橋が抜け番から戻り、いきなりチャンス手が入る。

配牌
二万六万七万八万一索二索六索七索七筒八筒九筒西西  ドラ一索

この配牌からドラを重ねて2巡目リーチ。

六万七万八万一索一索六索七索七筒八筒九筒西西西  リーチ  ツモ五索

この2,000・3,900をアッサリと6巡目にツモアガる。
このアガリから、舟橋の状態がかなり良いように感じられる。

東2局、6巡目に先制リーチをしたのは鷲見。

三万三万四万五万六万三索四索五索二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ六万

3メンチャンの待ちだが、今日の鷲見は本当にアガリが遠かった。
ツモ切りが続いている間に親の竹内に追い付かれ、アタリ牌を掴み痛恨の12,000の放銃となる。

二索三索四索六索六索六索七索七索八索九索  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ロン七索

東2局1本場、竹内の独走を許すわけにはいかないと、好調の舟橋が七対子・ドラドラをテンパイ。
しっかりとヤミテンに構え、竹内から四索を召し捕る。

四索五索五索七索七索三筒三筒四筒四筒五筒五筒七筒七筒  ロン四索  ドラ四筒

東3局、前局8,300を放銃した竹内から5巡目リーチが入る。

四索五索一筒二筒三筒三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ドラ東

これを鷲見からアガり7,700の収入。
親の鷲見はトータルラスということもあり若干前のめりになっていた感はあるが、こんな不調な鷲見を見るのは初めてだった。

3回戦成績
平野+1.8P 竹内+6.7P 鷲見▲29.6P 舟橋+21.1P

3回戦終了時
舟橋+66.9P 竹内+61.6P 田中+13.7P 平野+3.2P 鷲見▲46.4P

 

4回戦(起家から、竹内・舟橋・平野・田中)抜け番:鷲見

まだ4回戦だが、田中と平野はトップとこれ以上ポイント差が開いてしまうと優勝が厳しくなるだけに、何としても大きめのプラスにしたいところだ。
特に平野は5回戦目が抜け番だけに苦しい状況。
東2局、その平野が意地を見せる。

三万四万四万五万五万二索二索二索四索四索  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ツモ三万  ドラ三万

ドラの三万をハイテイでツモり2,000・3,900。

東3局、親の平野はここで勢いを付けたいところだが、舟橋から先制リーチが入る。

三万四万五万七万七万一筒二筒三筒四筒五筒九筒九筒九筒  リーチ  ドラ七万

しかし、平野はこのリーチに対し冷静に対応し六筒単騎をツモアガる。

八万八万八万三索四索五索六索七索八索六筒  チー五万 左向き三万 上向き四万 上向き  ツモ六筒  ドラ七万

連続でアガリをものにするが、今日の平野は勢いに乗り切れない。
東3局1本場、竹内が1,300は1,600をアガり平野の親が終わる。

東4局、田中の親番。5巡目から積極的に仕掛ける。

二万六万七万八万九万四索四索八索九索八筒九筒南南  ドラ八万

ここから七索をチー。これをしっかりとアガリきる。

七万八万九万四索四索八筒九筒  ポン南南南  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き  ツモ七筒  ドラ八万

普段、田中が5巡目からこの仕掛けをするのは、あまり見たことが無い。田中も勝負に出てきている。

東4局1本場、田中が2,000は2,100オールをツモリ、平野をかわしトップ目に立つ。

南場に入ってからも田中は加点を続け、南2局終了時の得点状況は下記となる。
竹内 23,100
舟橋 11,500
平野 37,200
田中 48,200
トータルポイント3番手・4番手の2人が得点を伸ばし決勝戦を盛り上げて行く。

南3局、親は平野。この親でさらに加点したいところだったが、竹内の一撃がでる。

竹内配牌
一万二万七万一索四索二筒三筒七筒八筒南南北北  ドラ七万

これを10巡目には

一万二万二万七万七万一索一索二筒二筒二筒南南南

四暗刻1シャンテンに育てる。11巡目一索をポンして次巡七万を力強くツモり4,000・8,000。
平野は痛恨の8,000を被り原点を割ってしまい、優勝争いから後退してしまう。

トータルポイントトップの舟橋は大きな放銃は無かったものの、1度もアガリが無く▲30.9P。
竹内が優勝へ向け一歩リードする展開となった。

4回戦成績
竹内+15.6P 舟橋▲30.9P 平野▲5.2P 田中+20.5P

4回戦終了時
竹内+77.2P 舟橋+36.0P 田中+34.2P 平野▲2.0P 鷲見▲46.4P

 

5回戦(起家から、田中・鷲見・舟橋・竹内)抜け番:平野

この5回戦が終わった時点でトータルポイント最下位が敗退となる。
現在首位の竹内が2位に30P以上の差を付けていることから、ここで竹内がトップを取るとほぼ優勝が決まってしまう。
これは他の対局者全員も同じ事を考えていたと思う。

5回戦に入り全員の手牌が重くなる。
初アガリは南1局4本場、竹内。

六万六万六万七万七万八万八万九万南南  ポン北北北  ロン九万  ドラ二万

この3,900は5,100を田中からアガる。

南2局、舟橋にチャンス手が入る。

二万四万六万六万七万二索四索五索二筒四筒六筒六筒七筒  ドラ二筒

この配牌を6巡目にタンヤオ・ピンフ・三色・ドラ2に仕上げ鷲見からアガる。

四万五万六万四索五索六索二筒二筒四筒五筒六筒六筒七筒  ロン五筒

南3局、舟橋の1人テンパイ。
南3局1本場、テンパイ一番乗りは舟橋。

三万四万五万三索三索三索五索五索七筒七筒  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ドラ七筒

ここから高目の七筒をツモリ4,000は4,100オール。反撃の狼煙を上げる。
南3局2本場、舟橋・竹内の2人テンパイ。
南3局3本場、舟橋11巡目にリーチ。

二万三万四万六万七万九万九万六索七索八索一筒二筒三筒  リーチ  ドラ九万

同巡に竹内もテンパイを入れ無筋の牌を勝負していく。

三索三索六筒七筒七筒八筒八筒東東東西西西

勝負どころだ!!

見ているこちらにも力が入る。
数巡ツモ切りが続き舟橋から「ロンッ!」 の声。
竹内から11,600は12,500をアガリ、トータルトップに躍り出る。

5回戦成績
田中▲6.9P 鷲見▲35.6P 舟橋+57.5P 竹内▲15.0P

5回戦終了時
舟橋+93.5P 竹内+62.2P 田中+27.3P 平野▲2.0P 鷲見▲82.0P ※鷲見:規定により敗退

 

6回戦(起家から、竹内・田中・平野・舟橋)
泣いても笑ってもこの6回戦が最後。
席順は東からトータルポイント2・3・4・1の順で座る。

東1局、平野が竹内から2,000をアガる。
東2局、舟橋の配牌

一万二万四万五万六万二索七索九索四筒七筒八筒南南  ドラ九索

この配牌から、三万六筒とツモり2巡目テンパイ。
5巡目にピンフに変わり竹内からアガる。

東3局、田中からリーチが入る。

五万六万七万九万九万九万七索八索九索北北中中  リーチ  ドラ九索

田中のトータルポイントからして、このリーチが安い筈が無い。
他の3人は丁寧にオリて田中の1人テンパイ。

東4局、最後の親番を前にアガリが欲しい竹内に好配牌が入る。

三万四万一索三索八索二筒二筒五筒六筒九筒白白白  ドラ七万

この手をきっちりと7巡目にツモアガリ最後の親番を迎える。

三万四万五万一索三索二筒二筒五筒六筒七筒白白白  ツモ二索

南1局、この親が落ちると苦しくなる竹内、10巡目にテンパイしてリーチを打つ。

五万六万五索六索七索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ一筒

しかし結果は流局。竹内の1人テンパイ。
南1局1本場、

竹内配牌
一万四万六万八万九万四索七索八索九索一筒四筒南北白  ドラ一万

ここから、一万八索西七索七索七万五筒一索二筒とツモりこの1シャンテンになる。

一万一万六万七万八万七索七索七索八索八索九索四筒五筒

次のツモは四筒。竹内の手が止まった。
この時六索が田中の河に1枚、九索が舟橋の河に2枚並んでいる。
小考のあと竹内が選択したのは打九索。タテの勢いを感じ取ったのだろう。
そして田中からリーチが入る。

二万三万四万六万七万二索三索四索五索五索二筒三筒四筒  リーチ

次巡の竹内のツモは六筒。追いかけリーチをかける。

一万一万六万七万八万七索七索七索八索八索四筒五筒六筒  リーチ

竹内の次巡のツモは九索。竹内はどう感じただろう。
麻雀に〔たら・れば〕は無いが、小考した時に打四筒七索を選択していれば、九索をツモり4,000オール、リーチをかけた場合は6,000オールになっていた。
この局の結末は流局。

南1局2本場、舟橋が捌きにいく。

四万七万七万三索五索五索六索七索八筒八筒南発中  ドラ五筒

ここから2巡目に七万を積極的にポン。8巡目にテンパイを入れ2番手竹内の親を落とす値千金のツモアガリ。優勝へ向け大きく前進した。

五索五索六索七索八筒八筒八筒  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ツモ八索

ここまでの得点状況は、
竹内 32,800
田中 29,200
平野 27,200
舟橋 30,800

南2局、竹内が8巡目にリーチを打つ。

四万五万六万五索七索二筒三筒四筒八筒八筒北北北  リーチ  ドラ六索

もう親が残っていない竹内。是が非でもアガリたいところだが、なかなかツモれない。
親の田中も15巡目にテンパイするが結果は流局。田中・竹内の2人テンパイ。

南2局1本場、舟橋に6巡目テンパイが入り平野から出アガリ。

二万三万四万七万八万四索五索六索八索八索四筒五筒六筒  ロン六万  ドラ西

南3局、竹内にチャンス手が入る。

配牌 六万三筒三筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒三索東南  ドラ八索

10巡目にテンパイしてリーチを打つ。

三筒三筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒南南  リーチ

しかし、11巡目「ツモ」の声は舟橋。

七万八万二索三索四索五索六索七索二筒三筒四筒八筒八筒  ツモ六万

残すは南4局のみとなった。

ここまでの得点状況は下記となる。
竹内 31,600
田中 30,000
平野 21,100
舟橋 37,300

現在の得点をトータルポイントに加算すると下記となる。
舟橋 +108.8P
竹内 +66.8P
田中 +28.3P
平野 ▲22.9P

竹内が舟橋を逆転するには、倍満ツモか三倍満直撃。
(静岡リーグの規定では、同点の場合は予選通過順位の上のほうが上位となる。)

南4局、竹内配牌

一万二万七万八万九万二索四索二筒二筒四筒五筒八筒発  ドラ三筒

倍満を目指し手を組んで行くが、竹内の手が開かれることは最後まで無かった…。
そして、舟橋がそっと手牌を伏せ、優勝者が決まった。
会場から自然と拍手が沸き起こる。
これは、優勝者を称えるだけのものでは無く、素晴らしい決勝戦を見せてくれた選手全員へ向けられたものだったに違いない。

最終成績
1位 舟橋+108.8P 2位 竹内+66.8P 3位 田中+28.3P 4位 平野▲22.9P 5位 鷲見▲82.0P

舟橋さんおめでとうございました。
また、素晴らしい決勝戦を見せてくれた対局者の皆様、本当にありがとうございました。

静岡プロリーグ レポート/第23回静岡リーグ決勝観戦記

去る8月17日(日)、第23回静岡リーグ決勝戦が行われた。
静岡リーグは予選5節、計20半荘を戦い、上位5名が決勝進出となる。
また、予選通過順に 1位通過+40.0P 2位通過+30.0P 3位通過+20.0P 4位通過+10.0P 5位通過+0.0P この通過ポイントが加算される。
決勝戦は全6回戦行われ、5回戦終了時にポイント最下位の者はここで敗退となる。
栄えある決勝の舞台に勝ち進んできたのは、この5名。
1位通過 竹内 仁さん
(一般 第20・21回静岡リーグ優勝)
一般で最高の成績を残している決勝戦の常連。
そして、今回の優勝候補筆頭。
コメント「あまり周りを気にしないで、自分の麻雀が打てれば良い。」
2位通過 田中 良典さん
(一般 初出場)
予選では2度のベストスコアを叩き出す破壊力を見せた。
初の決勝の舞台となるが緊張に打ち勝ち、予選で見せた破壊力を再現してもらいたい。
コメント「みなさん強くて経験もあるので、気持ちで負けないようにがんばりたい。」
3位通過 舟橋 晃さん
(一般 第10回静岡リーグ優勝)
予選では最終節に役満をアガリここ一番の勝負強さを見せた。
過去に優勝経験もあり、決勝での気負いは無いようにうかがえる。
コメント「いつも通りの麻雀が打ちたい。」
4位通過 平野敬悟プロ
(静岡支部 初出場)
今期プロデビューしていきなり、D3リーグ昇級と静岡リーグ決勝進出と結果を残す。
アガリ出したら止まらなくなるタイプなだけに、いかに早く自分の時間帯を作れるかがポイントになる。
コメント「決勝戦ということを意識しないで、普段通り打ちたい。」
5位通過 鷲見 隼人プロ
(静岡支部 第13回 静岡リーグ優勝)
通過ポイントは+0.0Pとなるが、強烈な爆発力を持っているだけに一気に首位へ躍り出ることも予想される。
コメント「せっかくのチャンスなのでモノにしたい。対戦相手が良いので、良い決勝戦をお見せします。」
(以下敬称略)
1回戦(起家から、田中・平野・鷲見・舟橋)抜け番:竹内
東1局は舟橋の1人テンパイ、東2局は鷲見の1人テンパイと、2局続けて流局となる静かな立ち上がり。
初アガリは東3局2本場。
舟橋が7巡目リーチ。
一万一万七万七万八万八万九万九万七索八索九索二筒三筒  リーチ  ドラ西
いきなりのチャンス手だったが、すぐに親の鷲見から四筒が出て3,900は4,500のアガリとなった。
南場に入ると緊張がほぐれてきたのか、全員の摸打が早くなってくる。
南1局は流局、南2局1本場、舟橋に本手が入る。
二万三万四万九索九索一筒三筒東東東  暗カン牌の背南南牌の背  ツモ二筒  ドラ東
この2,000・4,000をアガリ一歩抜けだした
南3局、親の鷲見が先制リーチをするも、平野が300・500をツモアガリ。
南4局、舟橋がテンパイで1本積むが、1本場はノーテンで流局。
1回戦は、チャンスを確実にものにした舟橋の1人浮きとなった。
1回戦成績
田中▲14.9P 平野▲4.4P 鷲見▲7.5P 舟橋+25.8P
1回戦終了時
舟橋+45.8P 竹内+40.0P 田中+15.1P 平野+5.6P 鷲見▲7.5P
2回戦はいよいよ予選1位通過の竹内登場。
 
2回戦(起家から、竹内・平野・鷲見・田中)抜け番:舟橋
東2局2本場、本日アガリの無い鷲見にチャンス手が入る。10巡目、ホンイツ・七対子のテンパイ。
四筒四筒五筒五筒八筒八筒九筒九筒東東発発中  ドラ七索
しかし、今日の鷲見は簡単にはアガらせてもらえない。
15巡目に竹内のピンフに放銃。
東3局、平野に本手が入り8巡目リーチ。
二万三万一索二索三索一筒二筒三筒四筒四筒白白白  リーチ  ドラ四筒
1回戦にポイントを減らしてしまった平野、ここは何としてもアガリたいところ。
しかし、ここでも竹内が300・500をツモアガリ、チャンス手を巧みに捌く。
二万三万四万四索五索六索二筒二筒五筒五筒  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ツモ五筒
この連続のアガリで竹内に流れが傾くかと思われたが、南1局2本場まで流局が続く。
そして南2局3本場、竹内にホンイツ・七対子のテンパイが入る。
一索一索五索五索七索七索八索八索九索九索南南中  ドラ三索
竹内のアガリかと思われたが、先ほどチャンス手を潰された親の平野が、お返しとばかりに1,000は1,300オールをツモ。
南2局4本場、勢いに乗ってさらに加点を狙う平野は
三索四索五索七索七索四筒五筒六筒六筒七筒  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  ドラ西
このテンパイを入れる。しかし、今度は竹内がアガリ返す。
四索五索六索六索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒西西  ツモ七筒  ドラ西
この1,300・2,600は1,700・3,000をアガリ、竹内がトップ目に立つ。
ここで竹内が大きなトップを取ると、予選通過ポイント+40.0Pがあることから早くも優勝が見えてくる。
それだけに他の3人は竹内の独走をなんとかして阻止したい。
南3局、親の鷲見に待望の初アガリが出る。
一万二万三万七万八万北北北白白  ポン発発発  ロン六万  ドラ西
この7,700をトップ目の竹内からアガる。
このアガリで全員の点差がほとんど無くなりオーラスを迎える。
得点状況は 竹内29,000 平野29,600 鷲見29,500 田中30,900 供託1,000
日本プロ麻雀連盟のAルールは順位点が少なく設定されているが、1人浮きなら+12.0Pが加算される。
静岡リーグの決勝戦は6回戦の短期決戦だけに、この順位点は大きな加点になる。
南4局3本場、競技麻雀では珍しく4人全員がアガリに向かい、3人にテンパイが入る。
田中
四万四万四索四索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ドラ三索
竹内
六筒七筒白白  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン南南南
鷲見
五万五万一索二索三索三索四索六索七索八索  ポン発発発
そして、この競り合いを征したのは竹内。八筒をツモリ1人浮きとなり優勝に向けて大きく前進した。
2回戦成績
竹内+14.9P 平野▲4.2P 鷲見▲9.3P 田中▲1.4P
2回戦終了時
竹内+54.9P 舟橋+45.8P  田中+13.7P 平野+1.4P 鷲見▲16.8P
 
3回戦(起家から、平野・竹内・鷲見・舟橋)抜け番:田中
東1局、1回戦で1人浮きの舟橋が抜け番から戻り、いきなりチャンス手が入る。
配牌
二万六万七万八万一索二索六索七索七筒八筒九筒西西  ドラ一索
この配牌からドラを重ねて2巡目リーチ。
六万七万八万一索一索六索七索七筒八筒九筒西西西  リーチ  ツモ五索
この2,000・3,900をアッサリと6巡目にツモアガる。
このアガリから、舟橋の状態がかなり良いように感じられる。
東2局、6巡目に先制リーチをしたのは鷲見。
三万三万四万五万六万三索四索五索二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ六万
3メンチャンの待ちだが、今日の鷲見は本当にアガリが遠かった。
ツモ切りが続いている間に親の竹内に追い付かれ、アタリ牌を掴み痛恨の12,000の放銃となる。
二索三索四索六索六索六索七索七索八索九索  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ロン七索
東2局1本場、竹内の独走を許すわけにはいかないと、好調の舟橋が七対子・ドラドラをテンパイ。
しっかりとヤミテンに構え、竹内から四索を召し捕る。
四索五索五索七索七索三筒三筒四筒四筒五筒五筒七筒七筒  ロン四索  ドラ四筒
東3局、前局8,300を放銃した竹内から5巡目リーチが入る。
四索五索一筒二筒三筒三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ドラ東
これを鷲見からアガり7,700の収入。
親の鷲見はトータルラスということもあり若干前のめりになっていた感はあるが、こんな不調な鷲見を見るのは初めてだった。
3回戦成績
平野+1.8P 竹内+6.7P 鷲見▲29.6P 舟橋+21.1P
3回戦終了時
舟橋+66.9P 竹内+61.6P 田中+13.7P 平野+3.2P 鷲見▲46.4P
 
4回戦(起家から、竹内・舟橋・平野・田中)抜け番:鷲見
まだ4回戦だが、田中と平野はトップとこれ以上ポイント差が開いてしまうと優勝が厳しくなるだけに、何としても大きめのプラスにしたいところだ。
特に平野は5回戦目が抜け番だけに苦しい状況。
東2局、その平野が意地を見せる。
三万四万四万五万五万二索二索二索四索四索  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ツモ三万  ドラ三万
ドラの三万をハイテイでツモり2,000・3,900。
東3局、親の平野はここで勢いを付けたいところだが、舟橋から先制リーチが入る。
三万四万五万七万七万一筒二筒三筒四筒五筒九筒九筒九筒  リーチ  ドラ七万
しかし、平野はこのリーチに対し冷静に対応し六筒単騎をツモアガる。
八万八万八万三索四索五索六索七索八索六筒  チー五万 左向き三万 上向き四万 上向き  ツモ六筒  ドラ七万
連続でアガリをものにするが、今日の平野は勢いに乗り切れない。
東3局1本場、竹内が1,300は1,600をアガり平野の親が終わる。
東4局、田中の親番。5巡目から積極的に仕掛ける。
二万六万七万八万九万四索四索八索九索八筒九筒南南  ドラ八万
ここから七索をチー。これをしっかりとアガリきる。
七万八万九万四索四索八筒九筒  ポン南南南  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き  ツモ七筒  ドラ八万
普段、田中が5巡目からこの仕掛けをするのは、あまり見たことが無い。田中も勝負に出てきている。
東4局1本場、田中が2,000は2,100オールをツモリ、平野をかわしトップ目に立つ。
南場に入ってからも田中は加点を続け、南2局終了時の得点状況は下記となる。
竹内 23,100
舟橋 11,500
平野 37,200
田中 48,200
トータルポイント3番手・4番手の2人が得点を伸ばし決勝戦を盛り上げて行く。
南3局、親は平野。この親でさらに加点したいところだったが、竹内の一撃がでる。
竹内配牌
一万二万七万一索四索二筒三筒七筒八筒南南北北  ドラ七万
これを10巡目には
一万二万二万七万七万一索一索二筒二筒二筒南南南
四暗刻1シャンテンに育てる。11巡目一索をポンして次巡七万を力強くツモり4,000・8,000。
平野は痛恨の8,000を被り原点を割ってしまい、優勝争いから後退してしまう。
トータルポイントトップの舟橋は大きな放銃は無かったものの、1度もアガリが無く▲30.9P。
竹内が優勝へ向け一歩リードする展開となった。
4回戦成績
竹内+15.6P 舟橋▲30.9P 平野▲5.2P 田中+20.5P
4回戦終了時
竹内+77.2P 舟橋+36.0P 田中+34.2P 平野▲2.0P 鷲見▲46.4P
 
5回戦(起家から、田中・鷲見・舟橋・竹内)抜け番:平野
この5回戦が終わった時点でトータルポイント最下位が敗退となる。
現在首位の竹内が2位に30P以上の差を付けていることから、ここで竹内がトップを取るとほぼ優勝が決まってしまう。
これは他の対局者全員も同じ事を考えていたと思う。
5回戦に入り全員の手牌が重くなる。
初アガリは南1局4本場、竹内。
六万六万六万七万七万八万八万九万南南  ポン北北北  ロン九万  ドラ二万
この3,900は5,100を田中からアガる。
南2局、舟橋にチャンス手が入る。
二万四万六万六万七万二索四索五索二筒四筒六筒六筒七筒  ドラ二筒
この配牌を6巡目にタンヤオ・ピンフ・三色・ドラ2に仕上げ鷲見からアガる。
四万五万六万四索五索六索二筒二筒四筒五筒六筒六筒七筒  ロン五筒
南3局、舟橋の1人テンパイ。
南3局1本場、テンパイ一番乗りは舟橋。
三万四万五万三索三索三索五索五索七筒七筒  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ドラ七筒
ここから高目の七筒をツモリ4,000は4,100オール。反撃の狼煙を上げる。
南3局2本場、舟橋・竹内の2人テンパイ。
南3局3本場、舟橋11巡目にリーチ。
二万三万四万六万七万九万九万六索七索八索一筒二筒三筒  リーチ  ドラ九万
同巡に竹内もテンパイを入れ無筋の牌を勝負していく。
三索三索六筒七筒七筒八筒八筒東東東西西西
勝負どころだ!!
見ているこちらにも力が入る。
数巡ツモ切りが続き舟橋から「ロンッ!」 の声。
竹内から11,600は12,500をアガリ、トータルトップに躍り出る。
5回戦成績
田中▲6.9P 鷲見▲35.6P 舟橋+57.5P 竹内▲15.0P
5回戦終了時
舟橋+93.5P 竹内+62.2P 田中+27.3P 平野▲2.0P 鷲見▲82.0P ※鷲見:規定により敗退
 
6回戦(起家から、竹内・田中・平野・舟橋)
泣いても笑ってもこの6回戦が最後。
席順は東からトータルポイント2・3・4・1の順で座る。
東1局、平野が竹内から2,000をアガる。
東2局、舟橋の配牌
一万二万四万五万六万二索七索九索四筒七筒八筒南南  ドラ九索
この配牌から、三万六筒とツモり2巡目テンパイ。
5巡目にピンフに変わり竹内からアガる。
東3局、田中からリーチが入る。
五万六万七万九万九万九万七索八索九索北北中中  リーチ  ドラ九索
田中のトータルポイントからして、このリーチが安い筈が無い。
他の3人は丁寧にオリて田中の1人テンパイ。
東4局、最後の親番を前にアガリが欲しい竹内に好配牌が入る。
三万四万一索三索八索二筒二筒五筒六筒九筒白白白  ドラ七万
この手をきっちりと7巡目にツモアガリ最後の親番を迎える。
三万四万五万一索三索二筒二筒五筒六筒七筒白白白  ツモ二索
南1局、この親が落ちると苦しくなる竹内、10巡目にテンパイしてリーチを打つ。
五万六万五索六索七索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ一筒
しかし結果は流局。竹内の1人テンパイ。
南1局1本場、
竹内配牌
一万四万六万八万九万四索七索八索九索一筒四筒南北白  ドラ一万
ここから、一万八索西七索七索七万五筒一索二筒とツモりこの1シャンテンになる。
一万一万六万七万八万七索七索七索八索八索九索四筒五筒
次のツモは四筒。竹内の手が止まった。
この時六索が田中の河に1枚、九索が舟橋の河に2枚並んでいる。
小考のあと竹内が選択したのは打九索。タテの勢いを感じ取ったのだろう。
そして田中からリーチが入る。
二万三万四万六万七万二索三索四索五索五索二筒三筒四筒  リーチ
次巡の竹内のツモは六筒。追いかけリーチをかける。
一万一万六万七万八万七索七索七索八索八索四筒五筒六筒  リーチ
竹内の次巡のツモは九索。竹内はどう感じただろう。
麻雀に〔たら・れば〕は無いが、小考した時に打四筒七索を選択していれば、九索をツモり4,000オール、リーチをかけた場合は6,000オールになっていた。
この局の結末は流局。
南1局2本場、舟橋が捌きにいく。
四万七万七万三索五索五索六索七索八筒八筒南発中  ドラ五筒
ここから2巡目に七万を積極的にポン。8巡目にテンパイを入れ2番手竹内の親を落とす値千金のツモアガリ。優勝へ向け大きく前進した。
五索五索六索七索八筒八筒八筒  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ツモ八索
ここまでの得点状況は、
竹内 32,800
田中 29,200
平野 27,200
舟橋 30,800
南2局、竹内が8巡目にリーチを打つ。
四万五万六万五索七索二筒三筒四筒八筒八筒北北北  リーチ  ドラ六索
もう親が残っていない竹内。是が非でもアガリたいところだが、なかなかツモれない。
親の田中も15巡目にテンパイするが結果は流局。田中・竹内の2人テンパイ。
南2局1本場、舟橋に6巡目テンパイが入り平野から出アガリ。
二万三万四万七万八万四索五索六索八索八索四筒五筒六筒  ロン六万  ドラ西
南3局、竹内にチャンス手が入る。
配牌 六万三筒三筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒三索東南  ドラ八索
10巡目にテンパイしてリーチを打つ。
三筒三筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒南南  リーチ
しかし、11巡目「ツモ」の声は舟橋。
七万八万二索三索四索五索六索七索二筒三筒四筒八筒八筒  ツモ六万
残すは南4局のみとなった。
ここまでの得点状況は下記となる。
竹内 31,600
田中 30,000
平野 21,100
舟橋 37,300
現在の得点をトータルポイントに加算すると下記となる。
舟橋 +108.8P
竹内 +66.8P
田中 +28.3P
平野 ▲22.9P
竹内が舟橋を逆転するには、倍満ツモか三倍満直撃。
(静岡リーグの規定では、同点の場合は予選通過順位の上のほうが上位となる。)
南4局、竹内配牌
一万二万七万八万九万二索四索二筒二筒四筒五筒八筒発  ドラ三筒
倍満を目指し手を組んで行くが、竹内の手が開かれることは最後まで無かった…。
そして、舟橋がそっと手牌を伏せ、優勝者が決まった。
会場から自然と拍手が沸き起こる。
これは、優勝者を称えるだけのものでは無く、素晴らしい決勝戦を見せてくれた選手全員へ向けられたものだったに違いない。
最終成績
1位 舟橋+108.8P 2位 竹内+66.8P 3位 田中+28.3P 4位 平野▲22.9P 5位 鷲見▲82.0P
舟橋さんおめでとうございました。
また、素晴らしい決勝戦を見せてくれた対局者の皆様、本当にありがとうございました。

第10期静岡プロリーグ第8節レポート

今節で第8節になる静岡プロリーグ。
最終節を合わせて2節分となり、今節で決勝卓へ進める可能性が残るか消えるかの勝負所となります。

今節の組み合わせ
1卓
岡本プロ(1位)、平野プロ(9位)、鈴木秀プロ(13位)、石原プロ(17位)
2卓
鷲見プロ(4位)、越川プロ(8位)、鈴木雅人プロ(10位)、杉村プロ(15位)
3卓
土屋プロ(7位)、坪井プロ(12位)、渡辺プロ(14位)、京平プロ(16位)
4卓
長内プロ(5位)、鈴木郁プロ(3位)、私(6位)、太田プロ(11位)
※()内は7節終了時までの総合順位。

7節終了時点では4位の鷲見プロが+94,2Pで5位の長内プロが+21,5Pと大きく離れており、上位4人が抜きん出た状態となっている。
しかし今節の成績と別日の結果を合わせることで大きく結果が変わることとなった。

結果から言うと、
別日対局の結果により2位であった望月支部長が大きく順位を落とし2位から8位まで後退。
1卓では岡本プロが1人浮きとなる卓内トップで+35,7Pと加点し1人だけ+200Pオーバーと最終節を前に勝負を付けたと言っていいでしょう。

さらに今節もプラスでまとめた鷲見プロと同着の2位につけたのはなんと長内プロです。
今節はマイナスで終わるも別日対局で大きくプラスを叩いて+111,0Pと決勝戦への椅子へと手を伸ばします。
そして4位に入ったのは、こちらも別日対局で得点を重ねた越川プロで+59,3Pです。

そして4卓で太田プロが一人浮きの+81,2Pを叩き出し、上位の鈴木郁プロは▲76,6Pと大きく後退させながら+48,4Pの5位にまで上がって来ました。
前回の覇者がここにきて最終節に望みを繋ぎます。

という結果で、上位にいた望月支部長と鈴木郁プロの代わりに、別日対局でポイントを叩いた長内プロと越川プロが上位に浮上、続いて太田プロという順位になりました。

私は太田プロと同卓したのですが、同じように稼いだ点数を持った状態での試合運びに雲泥の差があり、私がもたもたしている間に太田プロが稼ぎ、太田プロが点数を持ったときには、今度はこちらがと攻めても太田プロの牙城は崩れませんでした。前回覇者の力と自分の力不足がよくわかった対局でした。

最終節を前に、さらに別日対局が消化されますので、最終節開始までにはさらに順位に変動が出ると思われます。

岡本プロの1位が揺るがないとして、残り3席となった決勝戦への椅子を誰が勝ち取ることになるのでしょうか。
最終節にどうぞご期待ください。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 岡本 和也 8.6 44.9 ▲ 1.4 13.8 ▲ 1.7 45.1 57.7 35.7 202.7
2 長内 真実 19.9 72.5 ▲ 11.4 0.0 29.2 0.0 3.7 ▲ 2.9 111.0
3 鷲見 隼人 31.2 ▲ 38.5 58.1 33.2 ▲ 10.6 ▲ 3.2 23.8 17.0 111.0
4 鈴木 郁孝 5.6 ▲ 6.8 21.1 ▲ 23.8 66.8 43.7 42.7 ▲ 76.6 72.7
5 太田 昌樹 ▲ 26.4 0.9 8.4 20.2 13.1 ▲ 49.0 0.0 81.2 48.4
6 土屋 幸弘 19.6 0.0 2.7 ▲ 20.4 26.3 21.4 ▲ 41.3 28.0 36.3
7 越川 清一 ▲ 2.2 61.2 44.3 8.0 ▲ 44.5 ▲ 2.3 ▲ 26.9 ▲ 5.2 32.4
8 望月 雅継 83.6 ▲ 32.1 ▲ 71.4 ▲ 2.5 2.3 38.4 0.0 0.0 18.3
9 平野 敬悟 ▲ 47.9 24.0 58.2 ▲ 16.3 35.1 ▲ 25.9 ▲ 20.1 ▲ 3.6 3.5
10 杉村 泰治 ▲ 44.3 8.7 ▲ 48.4 6.1 ▲ 19.5 35.7 ▲ 10.8 30.0 ▲ 42.5
11 徳永 翔 2.5 10.6 56.9 ▲ 26.6 13.6 ▲ 39.0 ▲ 67.6 ▲ 1.7 ▲ 51.3
12 京平 遥 ▲ 5.9 0.0 ▲ 12.5 4.8 ▲ 26.0 ▲ 57.6 ▲ 21.8 53.6 ▲ 65.4
13 鈴木 秀幸 12.4 ▲ 3.4 ▲ 6.5 6.5 ▲ 29.2 6.5 ▲ 33.5 ▲ 29.8 ▲ 77.0
14 坪井 哲也 26.7 ▲ 53.5 ▲ 17.4 ▲ 7.2 36.9 ▲ 22.9 ▲ 27.9 ▲ 23.7 ▲ 89.0
15 石原 将樹 ▲ 63.2 ▲ 17.0 ▲ 64.0 ▲ 5.6 ▲ 0.1 29.9 19.8 ▲ 2.3 ▲ 102.5
16 鈴木 雅人 42.9 ▲ 29.3 ▲ 53.9 27.3 ▲ 39.9 ▲ 62.3 20.4 ▲ 41.8 ▲ 136.6
17 渡辺 洋巳 ▲ 44.2 59.4 ▲ 35.2 ▲ 17.5 ▲ 37.7 0.0 7.1 ▲ 77.9 ▲ 146.0

静岡プロリーグ レポート/第10期静岡プロリーグ第8節レポート

今節で第8節になる静岡プロリーグ。
最終節を合わせて2節分となり、今節で決勝卓へ進める可能性が残るか消えるかの勝負所となります。
今節の組み合わせ
1卓
岡本プロ(1位)、平野プロ(9位)、鈴木秀プロ(13位)、石原プロ(17位)
2卓
鷲見プロ(4位)、越川プロ(8位)、鈴木雅人プロ(10位)、杉村プロ(15位)
3卓
土屋プロ(7位)、坪井プロ(12位)、渡辺プロ(14位)、京平プロ(16位)
4卓
長内プロ(5位)、鈴木郁プロ(3位)、私(6位)、太田プロ(11位)
※()内は7節終了時までの総合順位。
7節終了時点では4位の鷲見プロが+94,2Pで5位の長内プロが+21,5Pと大きく離れており、上位4人が抜きん出た状態となっている。
しかし今節の成績と別日の結果を合わせることで大きく結果が変わることとなった。
結果から言うと、
別日対局の結果により2位であった望月支部長が大きく順位を落とし2位から8位まで後退。
1卓では岡本プロが1人浮きとなる卓内トップで+35,7Pと加点し1人だけ+200Pオーバーと最終節を前に勝負を付けたと言っていいでしょう。
さらに今節もプラスでまとめた鷲見プロと同着の2位につけたのはなんと長内プロです。
今節はマイナスで終わるも別日対局で大きくプラスを叩いて+111,0Pと決勝戦への椅子へと手を伸ばします。
そして4位に入ったのは、こちらも別日対局で得点を重ねた越川プロで+59,3Pです。
そして4卓で太田プロが一人浮きの+81,2Pを叩き出し、上位の鈴木郁プロは▲76,6Pと大きく後退させながら+48,4Pの5位にまで上がって来ました。
前回の覇者がここにきて最終節に望みを繋ぎます。
という結果で、上位にいた望月支部長と鈴木郁プロの代わりに、別日対局でポイントを叩いた長内プロと越川プロが上位に浮上、続いて太田プロという順位になりました。
私は太田プロと同卓したのですが、同じように稼いだ点数を持った状態での試合運びに雲泥の差があり、私がもたもたしている間に太田プロが稼ぎ、太田プロが点数を持ったときには、今度はこちらがと攻めても太田プロの牙城は崩れませんでした。前回覇者の力と自分の力不足がよくわかった対局でした。
最終節を前に、さらに別日対局が消化されますので、最終節開始までにはさらに順位に変動が出ると思われます。
岡本プロの1位が揺るがないとして、残り3席となった決勝戦への椅子を誰が勝ち取ることになるのでしょうか。
最終節にどうぞご期待ください。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 岡本 和也 8.6 44.9 ▲ 1.4 13.8 ▲ 1.7 45.1 57.7 35.7 202.7
2 長内 真実 19.9 72.5 ▲ 11.4 0.0 29.2 0.0 3.7 ▲ 2.9 111.0
3 鷲見 隼人 31.2 ▲ 38.5 58.1 33.2 ▲ 10.6 ▲ 3.2 23.8 17.0 111.0
4 鈴木 郁孝 5.6 ▲ 6.8 21.1 ▲ 23.8 66.8 43.7 42.7 ▲ 76.6 72.7
5 太田 昌樹 ▲ 26.4 0.9 8.4 20.2 13.1 ▲ 49.0 0.0 81.2 48.4
6 土屋 幸弘 19.6 0.0 2.7 ▲ 20.4 26.3 21.4 ▲ 41.3 28.0 36.3
7 越川 清一 ▲ 2.2 61.2 44.3 8.0 ▲ 44.5 ▲ 2.3 ▲ 26.9 ▲ 5.2 32.4
8 望月 雅継 83.6 ▲ 32.1 ▲ 71.4 ▲ 2.5 2.3 38.4 0.0 0.0 18.3
9 平野 敬悟 ▲ 47.9 24.0 58.2 ▲ 16.3 35.1 ▲ 25.9 ▲ 20.1 ▲ 3.6 3.5
10 杉村 泰治 ▲ 44.3 8.7 ▲ 48.4 6.1 ▲ 19.5 35.7 ▲ 10.8 30.0 ▲ 42.5
11 徳永 翔 2.5 10.6 56.9 ▲ 26.6 13.6 ▲ 39.0 ▲ 67.6 ▲ 1.7 ▲ 51.3
12 京平 遥 ▲ 5.9 0.0 ▲ 12.5 4.8 ▲ 26.0 ▲ 57.6 ▲ 21.8 53.6 ▲ 65.4
13 鈴木 秀幸 12.4 ▲ 3.4 ▲ 6.5 6.5 ▲ 29.2 6.5 ▲ 33.5 ▲ 29.8 ▲ 77.0
14 坪井 哲也 26.7 ▲ 53.5 ▲ 17.4 ▲ 7.2 36.9 ▲ 22.9 ▲ 27.9 ▲ 23.7 ▲ 89.0
15 石原 将樹 ▲ 63.2 ▲ 17.0 ▲ 64.0 ▲ 5.6 ▲ 0.1 29.9 19.8 ▲ 2.3 ▲ 102.5
16 鈴木 雅人 42.9 ▲ 29.3 ▲ 53.9 27.3 ▲ 39.9 ▲ 62.3 20.4 ▲ 41.8 ▲ 136.6
17 渡辺 洋巳 ▲ 44.2 59.4 ▲ 35.2 ▲ 17.5 ▲ 37.7 0.0 7.1 ▲ 77.9 ▲ 146.0

第24回静岡リーグ(プロアマ混合)第3節レポート

去る11月16日、静岡リーグ第3節が行われた。
11月は旧暦で「霜月」と呼ばれ、霜が降る月の意味があるらしいが、この日の静岡は14℃を越える冬を感じさせない暖かさとなった。

静岡リーグは折り返し地点に入り、各選手のさまざまな思惑が入り混じりながら熱戦が繰り広げられた。
その中で暫定首位に立ったのは、太田昌樹プロ。今節も安定した戦いでポイントを伸ばした。
太田プロの美しい手組みは観戦している者を魅了する。
私がアマチュア時代に初めて太田プロの麻雀を見た時、「こんな美しい麻雀を打つ人がいるのか!」と鳥肌が立ったのを覚えている。

続いて2位に着けているのは岡本和也プロ。3節連続でのプラスで、2位に浮上して来た。
ここ最近の岡本プロの静岡での活躍は目覚しいものがあり、静岡プロリーグでは首位に立っている。
本人は、のんき系雀士として売り出しているが、対局中の彼にそんな雰囲気はまったく感じられない。

3位に着けているのは一般参加の北島武浩さん。
ベスト8の中にプロが7名となり、残り2節の戦い方が難しくなってくると考えられるが、決勝進出・優勝に向けて引き続き頑張って頂きたい。

そして4位は鈴木雅人プロ。
鈴木プロの爆発力は凄く、残りの2節でこれがでると首位通過も視野に入ってくる。もちろん本人も、それを狙っていると考えられる。

折り返しの3節が終了した時点で、首位が+112Pと上位陣は団子状態となった。
静岡リーグは残りあと2節。
寒さはよりいっそう厳しくなってくるが、リーグ戦の方は熱い戦いが続きそうである。

静岡プロリーグ レポート/第24回静岡リーグ(プロアマ混合)第3節レポート

去る11月16日、静岡リーグ第3節が行われた。
11月は旧暦で「霜月」と呼ばれ、霜が降る月の意味があるらしいが、この日の静岡は14℃を越える冬を感じさせない暖かさとなった。
静岡リーグは折り返し地点に入り、各選手のさまざまな思惑が入り混じりながら熱戦が繰り広げられた。
その中で暫定首位に立ったのは、太田昌樹プロ。今節も安定した戦いでポイントを伸ばした。
太田プロの美しい手組みは観戦している者を魅了する。
私がアマチュア時代に初めて太田プロの麻雀を見た時、「こんな美しい麻雀を打つ人がいるのか!」と鳥肌が立ったのを覚えている。
続いて2位に着けているのは岡本和也プロ。3節連続でのプラスで、2位に浮上して来た。
ここ最近の岡本プロの静岡での活躍は目覚しいものがあり、静岡プロリーグでは首位に立っている。
本人は、のんき系雀士として売り出しているが、対局中の彼にそんな雰囲気はまったく感じられない。
3位に着けているのは一般参加の北島武浩さん。
ベスト8の中にプロが7名となり、残り2節の戦い方が難しくなってくると考えられるが、決勝進出・優勝に向けて引き続き頑張って頂きたい。
そして4位は鈴木雅人プロ。
鈴木プロの爆発力は凄く、残りの2節でこれがでると首位通過も視野に入ってくる。もちろん本人も、それを狙っていると考えられる。
折り返しの3節が終了した時点で、首位が+112Pと上位陣は団子状態となった。
静岡リーグは残りあと2節。
寒さはよりいっそう厳しくなってくるが、リーグ戦の方は熱い戦いが続きそうである。