第179回:プロ雀士インタビュー 前原 雄大  インタビュアー:紺野 真太郎

前原「まずは、A1昇級おめでとう」

紺野「・・ありがとうございます」

 

100

 

本来ならこちらから言うべきセリフを先に言われてしまった。これは前原の鳳凰位戦連覇のインタビューである。だが、そんな気遣いが前原らしい。

前原は見た目に似合わず相手のことを常に気遣う。このインタビューを行う場所を決めるにも

前原「何か食べたいものは?」

紺野「いえ、特に・・」

前原「そんなこと言わずに何かあるでしょう」

紺野「いえ、特に・・」

そんなやりとりが何度もあった。「ああ、昔から変わらないな・・」と思った。「じゃあ、あのパスタ屋さんに行こうか・・」そこは当時連盟新聞の編集会議後にみんなで行っていた店。まだあるだろうか・・
インタビューは夏目坂スタジオにて行うこととした。12時待ち合わせだったが、午前中の仕事が押して、スタジオ到着はギリギリになりそうだった。

{前原さんはもう来ているだろうな・・}

時間前であるが、そう感じていた。スタジオに着くとやはり前原はもう待っていた。

紺野「申し訳ありません」

前原「遅れたわけではないから・・でも紺野が時間までに来ないといよいよ事故かなと思ってしまうよ・・」

前原「昔、灘さんと待ち合わせした時に早めにいってもいつも灘さんが待っていらっしゃって、これはと、30分前に行ったら、それでもいらっしゃるんだよ。それじゃあと40分前に行ったら、ようやく先に着くことが出来た。ああ、灘さんは30分前にいらっしゃるのだと。それからは最低30分前にを心掛けてるよ。」

紺野「そうですね。自分もそういうタイプですけど、やはり何かがあったときに30分あればと思うので。」

前原「そういうことなんだろうね。」

 

100

 

前原「これは、あまり拾われてなかったんだけど・・」

紺野「はい。」

前原「最終戦の南2局、内川の親でリーチを受けて・・瀬戸君が五筒を押して・・」

紺野「この場面ですね」

 

100

 
 

100

 

(瀬戸熊は西単騎の七対子テンパイ)

前原「西を打つのは簡単なんだよ。でもプライドがそうさせなかった。」

紺野「プライドですか・・」

前原「損得だけ考えたら打った方が得なんだろうけどね。プロとして・・というよりも麻雀打ちとしてのプライドがそうさせなかった。」

紺野「残り3局で親の内川からリーチ。それに対して当面の相手ではない瀬戸熊さんが押す。リーチにこない瀬戸熊さんならば、親の現物待ちの可能性が十分。確かに局消化を考えても、西で切り抜けたくなる場面ですね。」

前原「でも、私はそれをやっては勝負で勝ったとは言えない気がするんだ。」

紺野「では、力が足りずに西で放銃してしまうのは?」

前原「それは話が別さ。待ちが読み筋にあるのに打つのは勝負に反することかなと思う。変則手だし、西だけは打つまいと思ってたよ。」

紺野「試合に勝って勝負に負けるみたいな・・。西を打つ方が簡単ですけどね。」

前原「そう。簡単なんだよ。簡単だからこそ、チームガラクタはそれをやらない。確かに方法論としてはアリかも知れないけれど、そこに麻雀の本質は無いように思う。西が読めたとしてそれを打つのは私では無いから。だから、私なんかは麻雀プロではなくて麻雀打ちなんだろうね・・」

麻雀打ちという言葉はすっかり聞かなくなった様な気がするが、連盟の先輩方を見ているとそういう言葉を感じずにはいられない。

13回戦東1局の話題に・・

前原「それにしてもあれはまいったな・・」

紺野「あの五万ですか。」

前原「そう。指で触った瞬間に九万だなって。そう思って切ってしまった。ロンと言われた時は何が何だかよくわからなかった。」

紺野「上に乗せて確認してないんですか?」

前原「あれは視聴者が見やすいようにするのであって、目線は河や相手の表情だから。誤ポンもして、本当に対局者に申し訳ないと思っているけど、そういうのが加齢ということなんだろうね。」

前原「鳳凰位にしてもお借りしているという意識が強くてね。テーブルゲームで60過ぎの人間がトップなんてあり得ないから。」

紺野「新陳代謝の無い世界は滅びる。前原さんがよく仰る言葉ですね。」

鳳凰戦が始まる前、いや、正確に言うと去年鳳凰位に復冠したときから、前原は「連覇は無いよ」と言っていた。勿論、自信が無いとか、手を抜くとかそういう意味ではなく、還暦を過ぎた自分がトップでいいのだろうかという葛藤にも似た思いからである。

前原「2日目が終わった後、黒木君に誘われて伊集院静さんの所に行ったの。2次会にも伊集院さんに誘われて行ったんだけど、伊集院さんに「どうなんだ」と聞かれ、引き際も考えてますよと、勝つ意義も見当たらないように感じてと答えたんだ。そうしたら伊集院さんに「高い壁であれ」と言われ、また会長にも同じような事を言われてね。」

紺野「高い壁ですか・・(高すぎやろ・・)」

前原「それがモチベーションになったかな・・」

紺野「そんな中、鳳凰戦に向けての準備はどうしていたのですか?」

前原「大体2か月くらい前から、公式ルールは勿論だけど、三人麻雀を打ち込んでいったよ。」

紺野「サンマですか・・」

前原「サンマの方が流れがわかりやすいから。我慢すべきとこは徹底して我慢して、攻める時にも徹底して攻めるみたいな。」

紺野「どれくらいの頻度で打ちこんでいたのですか?」

前原「暇さえあれば」

紺野「普段は大体週1、2のペースで公式ルールのセットとかをやっていたじゃないですか。それが通常時だとすると、調整時は・・」

前原「暇さえあれば」

紺野「セットしてサンマしてみたいな・・」

前原「そうだね」

最近の若手は打荘数が減少傾向にあると思う。情報が溢れているので収集しやすく、技が覚えやすいからであろうか。

前原「今回のメンバーがって事じゃないけど、みんなうまいんだよね。技というか・・」

紺野「そうですね。麻雀を勝負ではなく、ゲームとして捉えているというか・・」

前原「でも技は技でしかないから。技で勝負は決まらないって。さっきのプライドの話にも通じるんだけど、例えばね、色々な映像対局を見ているけど、解説がここは前原打ち(放銃)に行きますかね。みたいな事を言ってるの。そうした方が得かも知れないけど、こっちはその局12,000放銃も覚悟で前に出てるんだよね。全然捉え方が違うんだなと。やっぱ解説は難しいんだなと。」

紺野「前原さんの戦い方はある意味異端に思われています。」

前原「そうなんだろうね。ある時期「ゲーム」という言葉をよく使っていたけども、何か違うような気がして・・」

紺野「前原さんにゲームは似合いません。似合うのは勝負です。」

前原「そうなんだろうね(笑)だから、やっぱり麻雀プロではなく麻雀打ちなんだろうと」

パソコンを前にしても殆どいじらずに話込んでしまう。麻雀の話なのだけど、牌姿は全然出てこない。でも、いつも前原と話す時はこんな感じである。録音はしているが、インタビューしている感覚はとうに忘れている。

紺野「せっかくパソコンを用意してもらったのに、1局しか見ていないので、もう少しいいですか。最終戦オーラスなんですが・・」

オーラス、最終手番で前原の長考が入った。見たことがないほどの長考。放銃すれば負け。しなくても次にツモられたら、やっぱり負け。見ていたこっちからは「六索が打たれてしまうのではないか。」とも思わせた場面。

紺野「六索を打たなかったこともそうなんですが、あれは多分、前原さんが、全ての麻雀において一番時間を掛けた一打だったのではないかと思いまして。」

前原「そうみたいだね。」

 

100

 

前原「この八万に間があったんだよね。だからマンズのメンツがあるのかと。」

 

100

 

HIRO柴田の8巡目手出しの八万を指している。前原はこの局ノーテンと手を伏せれば連覇。一方の柴田は満貫直撃か跳満ツモで悲願の鳳凰位となる。

前原「なぜ八万で考えるのかなと。四万六万八万ってあるのかな。マンズの一通のカン五万もあるのかなと。だから、9巡目の五万が打てなかったんだ。」

紺野「ではここから実質的にはオリに向かったと。」

前原「そう。ここからオリに向かったね。」

紺野「そして、11巡目に柴田からリーチが入るのですが、この時は柴田の手をどのように考えていましたか?」

前原「ドラ切りリーチだけど、ドラ頭の一通か三色だと思っていたよ。」

紺野「七対子は考えなかったんですか?」

前原「やっぱり八万で考えたってことはメンツ手なんだよ。」

紺野「七対子は消せたと?」

前原「いや。完全に消せたわけではないけど、メンツ手よりは薄いかと。」

リーチを受けた段階で安全牌は5枚。流局までには2枚足りない。途中二万を引いてあと1枚。しかし、その1枚が引けぬまま最後のツモ・・

前原「これは勘違いしてる人もいたみたいだけど、仮に四索が4枚見えていても六索は打たないんだよ。一通か三色と思っているから。元々五万でやめてるぐらいだから。123の三色は無いから、正直三索北の選択だったよ。」

紺野「そこで八万があったので北の選択になったと・・」

前原「そういうことだね。」

そろそろ時間となり・・

前原「これは言っておきたいことなんだけど・・まだ譲る気はないから」

紺野「奪い取れと」

前原「そう。奪い取ってくれ。みんな本気で取り組んで奪い取って欲しいよ。去年、瀬戸君が観戦記で書いていたけど、前原さんはヒールであって欲しいって。でもヒールって強くないとだめだからね。」

紺野「前原さんにはヒールが似合っていると思いますよ。風体的にも・・(笑)」

前原「風体はオマエには言われたくないわ(笑)」

録音しつつの3時間もあっというまに過ぎた。正直書ける話、書けない話は半々といったところであった。

前原「じゃあパスタ食べに行こうか。」

紺野「ごちそうになります。」

17年ぶりに訪れたパスタ屋は今も当時のまま営業していた。不思議なことにメニューを見ると、何を好んで注文していたのかすぐに記憶が蘇る。しかし、ただ1つ残念なのは伝える為の写真を撮ることを完全に忘れていたことであった・・

 

100

 

プロ雀士インタビュー/第179回:プロ雀士インタビュー 前原 雄大  インタビュアー:紺野 真太郎

前原「まずは、A1昇級おめでとう」
紺野「・・ありがとうございます」
 
100
 
本来ならこちらから言うべきセリフを先に言われてしまった。これは前原の鳳凰位戦連覇のインタビューである。だが、そんな気遣いが前原らしい。
前原は見た目に似合わず相手のことを常に気遣う。このインタビューを行う場所を決めるにも
前原「何か食べたいものは?」
紺野「いえ、特に・・」
前原「そんなこと言わずに何かあるでしょう」
紺野「いえ、特に・・」
そんなやりとりが何度もあった。「ああ、昔から変わらないな・・」と思った。「じゃあ、あのパスタ屋さんに行こうか・・」そこは当時連盟新聞の編集会議後にみんなで行っていた店。まだあるだろうか・・
インタビューは夏目坂スタジオにて行うこととした。12時待ち合わせだったが、午前中の仕事が押して、スタジオ到着はギリギリになりそうだった。
{前原さんはもう来ているだろうな・・}
時間前であるが、そう感じていた。スタジオに着くとやはり前原はもう待っていた。
紺野「申し訳ありません」
前原「遅れたわけではないから・・でも紺野が時間までに来ないといよいよ事故かなと思ってしまうよ・・」
前原「昔、灘さんと待ち合わせした時に早めにいってもいつも灘さんが待っていらっしゃって、これはと、30分前に行ったら、それでもいらっしゃるんだよ。それじゃあと40分前に行ったら、ようやく先に着くことが出来た。ああ、灘さんは30分前にいらっしゃるのだと。それからは最低30分前にを心掛けてるよ。」
紺野「そうですね。自分もそういうタイプですけど、やはり何かがあったときに30分あればと思うので。」
前原「そういうことなんだろうね。」
 
100
 
前原「これは、あまり拾われてなかったんだけど・・」
紺野「はい。」
前原「最終戦の南2局、内川の親でリーチを受けて・・瀬戸君が五筒を押して・・」
紺野「この場面ですね」
 
100
 
 
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(瀬戸熊は西単騎の七対子テンパイ)
前原「西を打つのは簡単なんだよ。でもプライドがそうさせなかった。」
紺野「プライドですか・・」
前原「損得だけ考えたら打った方が得なんだろうけどね。プロとして・・というよりも麻雀打ちとしてのプライドがそうさせなかった。」
紺野「残り3局で親の内川からリーチ。それに対して当面の相手ではない瀬戸熊さんが押す。リーチにこない瀬戸熊さんならば、親の現物待ちの可能性が十分。確かに局消化を考えても、西で切り抜けたくなる場面ですね。」
前原「でも、私はそれをやっては勝負で勝ったとは言えない気がするんだ。」
紺野「では、力が足りずに西で放銃してしまうのは?」
前原「それは話が別さ。待ちが読み筋にあるのに打つのは勝負に反することかなと思う。変則手だし、西だけは打つまいと思ってたよ。」
紺野「試合に勝って勝負に負けるみたいな・・。西を打つ方が簡単ですけどね。」
前原「そう。簡単なんだよ。簡単だからこそ、チームガラクタはそれをやらない。確かに方法論としてはアリかも知れないけれど、そこに麻雀の本質は無いように思う。西が読めたとしてそれを打つのは私では無いから。だから、私なんかは麻雀プロではなくて麻雀打ちなんだろうね・・」
麻雀打ちという言葉はすっかり聞かなくなった様な気がするが、連盟の先輩方を見ているとそういう言葉を感じずにはいられない。
13回戦東1局の話題に・・
前原「それにしてもあれはまいったな・・」
紺野「あの五万ですか。」
前原「そう。指で触った瞬間に九万だなって。そう思って切ってしまった。ロンと言われた時は何が何だかよくわからなかった。」
紺野「上に乗せて確認してないんですか?」
前原「あれは視聴者が見やすいようにするのであって、目線は河や相手の表情だから。誤ポンもして、本当に対局者に申し訳ないと思っているけど、そういうのが加齢ということなんだろうね。」
前原「鳳凰位にしてもお借りしているという意識が強くてね。テーブルゲームで60過ぎの人間がトップなんてあり得ないから。」
紺野「新陳代謝の無い世界は滅びる。前原さんがよく仰る言葉ですね。」
鳳凰戦が始まる前、いや、正確に言うと去年鳳凰位に復冠したときから、前原は「連覇は無いよ」と言っていた。勿論、自信が無いとか、手を抜くとかそういう意味ではなく、還暦を過ぎた自分がトップでいいのだろうかという葛藤にも似た思いからである。
前原「2日目が終わった後、黒木君に誘われて伊集院静さんの所に行ったの。2次会にも伊集院さんに誘われて行ったんだけど、伊集院さんに「どうなんだ」と聞かれ、引き際も考えてますよと、勝つ意義も見当たらないように感じてと答えたんだ。そうしたら伊集院さんに「高い壁であれ」と言われ、また会長にも同じような事を言われてね。」
紺野「高い壁ですか・・(高すぎやろ・・)」
前原「それがモチベーションになったかな・・」
紺野「そんな中、鳳凰戦に向けての準備はどうしていたのですか?」
前原「大体2か月くらい前から、公式ルールは勿論だけど、三人麻雀を打ち込んでいったよ。」
紺野「サンマですか・・」
前原「サンマの方が流れがわかりやすいから。我慢すべきとこは徹底して我慢して、攻める時にも徹底して攻めるみたいな。」
紺野「どれくらいの頻度で打ちこんでいたのですか?」
前原「暇さえあれば」
紺野「普段は大体週1、2のペースで公式ルールのセットとかをやっていたじゃないですか。それが通常時だとすると、調整時は・・」
前原「暇さえあれば」
紺野「セットしてサンマしてみたいな・・」
前原「そうだね」
最近の若手は打荘数が減少傾向にあると思う。情報が溢れているので収集しやすく、技が覚えやすいからであろうか。
前原「今回のメンバーがって事じゃないけど、みんなうまいんだよね。技というか・・」
紺野「そうですね。麻雀を勝負ではなく、ゲームとして捉えているというか・・」
前原「でも技は技でしかないから。技で勝負は決まらないって。さっきのプライドの話にも通じるんだけど、例えばね、色々な映像対局を見ているけど、解説がここは前原打ち(放銃)に行きますかね。みたいな事を言ってるの。そうした方が得かも知れないけど、こっちはその局12,000放銃も覚悟で前に出てるんだよね。全然捉え方が違うんだなと。やっぱ解説は難しいんだなと。」
紺野「前原さんの戦い方はある意味異端に思われています。」
前原「そうなんだろうね。ある時期「ゲーム」という言葉をよく使っていたけども、何か違うような気がして・・」
紺野「前原さんにゲームは似合いません。似合うのは勝負です。」
前原「そうなんだろうね(笑)だから、やっぱり麻雀プロではなく麻雀打ちなんだろうと」
パソコンを前にしても殆どいじらずに話込んでしまう。麻雀の話なのだけど、牌姿は全然出てこない。でも、いつも前原と話す時はこんな感じである。録音はしているが、インタビューしている感覚はとうに忘れている。
紺野「せっかくパソコンを用意してもらったのに、1局しか見ていないので、もう少しいいですか。最終戦オーラスなんですが・・」
オーラス、最終手番で前原の長考が入った。見たことがないほどの長考。放銃すれば負け。しなくても次にツモられたら、やっぱり負け。見ていたこっちからは「六索が打たれてしまうのではないか。」とも思わせた場面。
紺野「六索を打たなかったこともそうなんですが、あれは多分、前原さんが、全ての麻雀において一番時間を掛けた一打だったのではないかと思いまして。」
前原「そうみたいだね。」
 
100
 
前原「この八万に間があったんだよね。だからマンズのメンツがあるのかと。」
 
100
 
HIRO柴田の8巡目手出しの八万を指している。前原はこの局ノーテンと手を伏せれば連覇。一方の柴田は満貫直撃か跳満ツモで悲願の鳳凰位となる。
前原「なぜ八万で考えるのかなと。四万六万八万ってあるのかな。マンズの一通のカン五万もあるのかなと。だから、9巡目の五万が打てなかったんだ。」
紺野「ではここから実質的にはオリに向かったと。」
前原「そう。ここからオリに向かったね。」
紺野「そして、11巡目に柴田からリーチが入るのですが、この時は柴田の手をどのように考えていましたか?」
前原「ドラ切りリーチだけど、ドラ頭の一通か三色だと思っていたよ。」
紺野「七対子は考えなかったんですか?」
前原「やっぱり八万で考えたってことはメンツ手なんだよ。」
紺野「七対子は消せたと?」
前原「いや。完全に消せたわけではないけど、メンツ手よりは薄いかと。」
リーチを受けた段階で安全牌は5枚。流局までには2枚足りない。途中二万を引いてあと1枚。しかし、その1枚が引けぬまま最後のツモ・・
前原「これは勘違いしてる人もいたみたいだけど、仮に四索が4枚見えていても六索は打たないんだよ。一通か三色と思っているから。元々五万でやめてるぐらいだから。123の三色は無いから、正直三索北の選択だったよ。」
紺野「そこで八万があったので北の選択になったと・・」
前原「そういうことだね。」
そろそろ時間となり・・
前原「これは言っておきたいことなんだけど・・まだ譲る気はないから」
紺野「奪い取れと」
前原「そう。奪い取ってくれ。みんな本気で取り組んで奪い取って欲しいよ。去年、瀬戸君が観戦記で書いていたけど、前原さんはヒールであって欲しいって。でもヒールって強くないとだめだからね。」
紺野「前原さんにはヒールが似合っていると思いますよ。風体的にも・・(笑)」
前原「風体はオマエには言われたくないわ(笑)」
録音しつつの3時間もあっというまに過ぎた。正直書ける話、書けない話は半々といったところであった。
前原「じゃあパスタ食べに行こうか。」
紺野「ごちそうになります。」
17年ぶりに訪れたパスタ屋は今も当時のまま営業していた。不思議なことにメニューを見ると、何を好んで注文していたのかすぐに記憶が蘇る。しかし、ただ1つ残念なのは伝える為の写真を撮ることを完全に忘れていたことであった・・
 
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第12期女流桜花決定戦 最終日観戦記 吾妻 さおり

「束の間の空位」

 

100

 

女流桜花はディフェンディング制のため、現桜花は1年間リーグ戦がない。連盟チャンネルで熱い闘牌を観ていると戦いの外に居るような寂しさすら感じる事がある。同時に、この中で最も充実した3名が自分に挑んでくると気合いも入る。
だが優勝カップを持って初日の会場に来た瞬間、現女流桜花としての日々は過去になる。今も現桜花といえど気持ちはカップを返却した瞬間からチャレンジャーだ。
果たして、物言わず佇むこの優勝カップ。今年は誰を待っているのか?

 

100

 

 

9回戦(起家から、仲田・魚谷・石田・内田)

東1局 親 仲田 ドラ七筒

「守備型に必要なもの」

親の仲田が先制リーチ
七万引きテンパイ。チャンタ三色までは伸びなかったが、親なら良し。
先に三索六索でピンフテンパイの石田。

三万四万五万一索二索三索四索五索五索六索七索四筒四筒  ツモ発

親リーチに発を切れず四筒で回るが、押せれば仲田が六索を掴んでいた。このアガリ逃しに暗雲低迷の予感がしてしまう。
一方、真っ向勝負を挑んだのは内田。タンヤオドラドラのテンパイから3,900の放銃。

 

100

 

結果は振りだが、これは良いと感じた。親リーチしただけで全員オリてくれるほど楽な事はない。後手でも反撃するぞという姿勢を見せてくれた。

 

100

 

東1局2本場 親仲田 ドラ五筒

仲田親番継続中。2枚目とはいえ中の後付けで一万からポン。

三筒五筒西西  ポン中中中  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ドラ五筒

3フーロでドラ表示牌で2枚見えのカン四筒。苦しい形は十分承知。西五筒引きはトイトイに受け変えられる。西ポンのドラの裸単騎もあるか!?
ここでツモ切った九筒が内田の5,200に掴まる。先程の失点以上は戻って来た。

三索四索五索五筒五筒七筒八筒南南南  ポン北北北  ドラ五筒

「苦難の道」

東3局 親石田 ドラ八万

石田がダブ東ポンで愚形残りの1シャンテン。
ここで上家魚谷のリーチを受ける。

 

100

 

宣言牌の六筒をチーすればテンパイ。打六万でドラの八万単騎が打点的には魅力か。
しかし石田は六筒を鳴かず。数巡後に生牌の南をツモ切り5,200を放銃。打牌選択はツモに委ねたいか、オリる気は無かったようだ。

 

100

 

アガリ逃し、テンパイ取らずで放銃と苦しい石田。次は仲田の二副露にピンズをぶつけて九筒切り。いざポンされると八筒が打ち切れなくなり、八索でオリ打ち。揺れがはっきり見て取れる。
早めに立て直さないと優勝争いに絡めなくなってしまう。この回はラスでも、気持ちを整えて10回戦には平常心で戦う石田を観たい。

「魚谷、内田のトップ争い」

石田からの5,200を機に着実にアガリを重ねる魚谷。

南1局 親仲田 ドラ一索

四万五万六万一索二索二索三索三索四筒五筒六筒発発  リーチ  ツモ四索

安めながらツモって42,100点に。

南3局2本場 親石田 ドラ東

内田は南家。現在32,300持ち。オーラスの親が残っているが、このままでは魚谷はアガリトップ。トータル首位の仲田も32,600と浮きをキープしている。ラス目の石田も今回は終わらせに来るだろう。オーラス親は伸び伸びやらせてもらえそうにない。
ならばこの局はスピードも打点も必要。仕掛けてドラ単騎に受け1,300-2,600をツモアガリ。供託も入ってトップが見えてきた。

三万四万五万六筒七筒八筒東白白白  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ツモ東

南4局 親 内田 ドラ八万

魚谷が仕掛けて終わらせに来ている。この局内田は最速でリーチを打つ手順を踏みたかったのだろう。好形変化を見込める四索四筒四万を全て切り、直線的な手組でカンチャンのドラ待ちリーチ。

五万五万五万七万九万二索二索四索五索六索三筒四筒五筒

流局で1人テンパイ。
持ち点は41,100点、これで魚谷と同点だ。

南4局1本場 親 内田 ドラ南

再びアガリ競争。
内田にとってオリる局ではない。手牌をパンパンに膨らませアガリ一直線、六万で魚谷に放銃となった。

二万二万四万五万三索四索五索七筒八筒九筒  ポン白白白

9回戦のトップはオーラスに競り勝った魚谷。2着に内田。30,100で3着の仲田までが浮き。

 

100

 

 

10回戦(起家から、石田・魚谷・内田・仲田)

「皆で引き出した七万

東1局1本場 親 石田 ドラ六索

二万三万四万六万七万八万四索四索六索七索八索三筒四筒  ドラ六索

内田がメンタンピンドラで先制リーチ。仲田とは僅か11.2ポイント差。アガれば瞬間逆転の手だ。

追いついたのは魚谷。三色ドラ2。

六万八万五索六索六索七索七索八索六筒七筒八筒東東

上目の三色を決め打って2巡目に四万を切っている。絶好の待ちで場もマンズが安いが、七万は内田の現物。オリ打ちの可能性を下げないためにヤミテン。
しかし親の石田が七筒ポンで攻め返す。魚谷にとっては内田の河を凝視して通る牌を選んでほしい局なのに、無スジをゴリ押されて安牌が増えては不都合。ツモ切りリーチに踏み切った。

さて、困ったのは仲田だ。誰が本手なのか非常にわかりにくい。
内田は先制リーチ。一番素直に河を読んで良さそうだ。マンズは通りそう、ピンズは切りづらい。ソーズならドラ跨ぎの五索八索、宣言牌跨ぎの二索五索か。
石田はポンして南トイツ落とし。テンパイかは微妙。親権維持の安手もあるが、リーチに向かった以上ドラを固めた可能性も考慮しなければ。
魚谷はツモ切りリーチ。役あり?本手?狙い目の待ち?安手?最終手出し三索は関連牌か?河は変則的だが後出しの牌を見ると七対子ではなさそう。となると安手ではなく手役絡みが濃厚か。
仲田の切り番はあと2回。2人にスジで1人に現物の七万は自身が対子でシャンポン待ちはない。もしこれが通れば流局まで凌げる。七万しかないか。

 

100

 

仲田から皆で引き出した七万は魚谷に満貫。仲田はラス目に転落。ここから伝説の大接戦が始まる。

10回戦東1局1本場終了時(※10回戦の順位点込み)

仲田+7.1P 魚谷+5.1P 内田+3.2P 石田▲15.4P

(※注意)上記にはまだ未確定な順位点も計上されている。仲田は10回戦終了時に30,000点以上に復帰出来るかは、今決定戦の大きな見所だ。

「魚谷、首位に立つ!」

東2局 親魚谷 ドラ七筒

石田が北高め三色ドラのリーチ。

五万六万七万五索六索七索五筒六筒西西北北北  リーチ  ツモ四筒  ドラ七筒

安めだが1,000・2,000のツモアガリ。少ないインターバルできっちり気持ちを切り替えて来た!

 

100

 

東3局 親内田 ドラ七万

しかし石田の試練はまだ終わらない。早い魚谷のヤミテンタンヤオドラ3に飛び込む!

二万三万四万四万六万七万七万七万三索三索六筒七筒八筒  ドラ七万

10回戦東3局終了時(順位点込み)
魚谷+15.1P 仲田+6.1P 内田+3.2P 石田▲24.4P

魚谷が遂にトータル首位に立つ!全員ごぼう抜きの首位浮上は想像以上に難しい。しかし、細く狭い針の穴を貫くかの如く、ここ一番でやってみせた。このまま振り切っての優勝も十分ありえる。

「気迫のぶつかり合い」

東4局、親の仲田は1,000オールツモで食らいつく。微差ながら3着浮上。

東4局1本場 親 仲田 ドラ五索

今度は仲田が先制リーチ!
メンタンピンドラ。出アガリ11,600、ツモれば親満。超ド級の勝負手だ。
石田もテンパイを入れている。南中ドラの3,900、ツモれば1,300・2,600。ここは全面対決か。
さらに追いついたのは内田。ここは勝負所。無スジを叩き切って追っかけリーチ!

 

100

 

気迫のぶつかり合い。観ていて心躍る素晴らしい対局だ。

内田の決意に牌が応えた。仲田が五筒を掴んでしまう。
内田、トータル2位に浮上。

東4局1本場終了時(順位点込み)
魚谷+14.1P 内田+8.1P 仲田+5.2P 石田▲27.4P

「歴史的大接戦」

史上類を見ない接戦。石田は少し引き離されてしまっている。何とか加点したい南場の親番。

南1局 親石田 ドラ八筒

二索二索六索七索八索九索七筒八筒九筒白白発中中

配牌1シャンテン。チャンタ・三元役が見える大物手だが、受け入れは狭い。役牌はポンせざるを得ないか。二索がトイツだと安くなる可能性があるので1枚外すか、三元役を見切って5.800アガリ率を上げる発切りも面白いが、石田は素直に六索切り。1枚目の二索が出るが、2,900ポンテンは見送り。石田もこの手格好なら最低3ハンは欲しいと考えたようだ。白を引き入れ中二索のシャンポンでリーチを打った。

 

100

 

魚谷はツモり三暗刻のテンパイ。石田の明らかな変則手を警戒してか、ヤミテンにしていた。そして持ってきたのは自身で切っている二索五索が石田の河にあるがどうみても平凡なリャンメン待ちではない。スジの二索は危険牌だが、止めれば今局はほぼオリ。勝負を選んで9,600を放銃した。

魚谷が石田に放銃し、仲田が首位に再浮上。上下の差はさらに詰まっていく。
南1局終了時(順位点込み)
仲田+5.2P 内田+5.1P 魚谷+0.5P 石田▲10.8P

南1局1本場も、親の石田が1,100オールをツモり連荘。
続く2本場が大きな分岐点となった。

「幻の6,200オール」

加速した石田をさすがに止めたい。そんな思いもあったのか。子の3者が動き出す。

まずは内田がペン七筒をチー。

七索九索一筒三筒三筒五筒六筒西中中  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き

一気通貫、ピンズのホンイツ、中の後付けと役は何とか付きそうだが、内田にしては珍しい遠い仕掛けだ。

続いて、魚谷が発ポン。

二万二万八万八万五索五索南西白中  ポン発発発

1ハン確定。トイトイも見える。魚谷なら当然のポンか。
立て続けに二万八万もポン出来た。

そして仲田。

四筒五筒七筒八筒八筒八筒東南北中  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き

ピンズのホンイツで一気通貫含みだが、字牌は4種バラバラ。仲田ならこのくらい遠くても鳴くか。
内田と仲田は動いたものの、各者の仕掛けを警戒してオリ気味、4センチの魚谷はまだ1シャンテン。
3者が牽制し合えば、必ず親石田の反撃リーチが来る!

四万四万四万五万四索六索七索八索九索四筒五筒六筒六筒  ツモ白

…はずだったが、何と石田は白を打たず四索切り。次巡は最もツモりたくない五索。そして六万

四万四万四万五万四索五索六索七索八索九索四筒五筒六筒  ツモ六万  ドラ五筒

この6,200オールをアガリ逃してしまう。

 

100
100

 

結果、魚谷の1人テンパイで流局。
次局、石田はピンフツモドラをアガリトップ目をキープするが、悪い予感がする。石田にとって悪い事と言えば、
①トップを他家に取られる事
②仲田が浮きに回る事である。

南2局3本場終了時(順位点込み)
仲田+2.1P 内田+2.0P 石田▲0.9P 魚谷▲3.2P

 

100

 

「10回戦の行方」

南4局 親 仲田 ドラ東

オーラス、内田は24,800持ち。5,200をアガれば浮きにまわり、仲田が1人沈み。その条件を満たした手組でリーチを打つ。

一万二万三万一索二索六索七索八索一筒二筒三筒九筒九筒  リーチ

仲田はノーテンでもラス。さらに魚谷もアガリに来ている。
絶体絶命の状況でも丁寧に回る。安全にテンパイ取りは無理だと判断すると終局間際にチーして形式テンパイ、1牌だけ無スジを押して親権を維持した。

発のみ600オールをアガって繋いだ2本場。

一万一万二万二万三万三万四万四万四万九索九索七筒七筒  ロン七筒  ドラ三万

イーペーコードラ2で浮きに。

南4局2本場終了時(順位点込み)
仲田+25.2P 魚谷+4.1P 石田▲11.5P 内田▲17.8P

首位と最下位のポイントが5.3Pまで縮まった10回戦も仲田が30,000を超えただけでこんなに開いた。

3本場は魚谷がテンパイを維持しながらピンフドラの3メンチャンに手変わり。ツモれば仲田を沈める手になったのでリーチ選択もあったが、着実にヤミテンでアガった。2着に石田。浮きの3着に仲田となった。

 

100

 

 

11回戦(起家から、内田・魚谷・仲田・石田)

東1局 親 内田 ドラ八万

「私に行かせてください」

残り2回。ここでトップを取って最終戦に繋げたい。皆そう思っていたはずだ。親の内田はホンイツで仕掛けて加点・連荘を狙う。6巡目に石田からリーチが飛んで来たが、怯む事など出来ない。3フーロして何とか追いつくが、石田は軽々と北をツモりあげる。リーチツモ三暗刻ドラドラの3,000・6,000。

 

100

 

東2局 親 魚谷 ドラ五筒

東2局も石田が先制リーチ。親は絶対手放したくない魚谷も東ポンで追いつくが、ここもツモるのは石田。リーチタンヤオツモドラ。2,000・4,000。

八万八万三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒  暗カン牌の背七索 上向き七索 上向き牌の背  リーチ  ツモ二筒

「仲田さんを追う役目は私に行かせてください!」と言わんばかりの力強い攻め。たった2局で持ち点は50,000点になり、石田が首位に立った。

11回戦 東2局終了時(順位点込み)
石田+20.5P 仲田+19.2P 魚谷▲5.9P 内田▲33.8P

「攻撃と守備のバランス」

親番を迎えた仲田、まずはリーチのみの2,000をアガリ弾みをつける。

 

100

 

東3局 1本場 親 仲田 ドラ七万

ペン七索をチーした石田の手は2,000の二筒五筒待ち。仲田にもメンゼンで大きな手を被せる姿が見たかったが、鳴くのがマジョリティとも思う。石田も打点よりこの親を蹴る事を優先した。
しかし仲田のリーチが来る。無スジの一万を勝負し、高め123三色を放銃してしまう。

 

100

 

攻撃型なら真っ直ぐに一万切り、守備型なら中の暗刻落としの局面。終始守備寄りに見受けられた石田が、親の仲田に2,000点で勝負を挑んだのは意外だった。

石田は南3局3本場にも満貫をアガリ再び仲田に迫ったが、後一歩届かなかった。
11回戦は仲田がトップ、2着に石田。内田と魚谷はかなり厳しい条件戦となってしまった。

 

100

 

 

12回戦(起家から、石田・魚谷・内田・仲田)

いよいよ最終戦。
仲田との差は
石田▲44.2P
魚谷▲70.5P
内田▲81.3P

10回戦途中ではあんなに僅差だったのに、今は仲田が遠い。優勝するにはとにかく仲田を沈めなければならない。公式ルールの順位点は最大で20P。仲田が30,000を超えたら2番手の石田でも役満以上の点棒差が必要になる。

「高打点の打ち合い」

東1局 1本場 親 石田 ドラ西

1,500をアガって連荘した石田は、一筒待ち七対子テンパイ。魚谷は123三色確定リーチ。西家内田は自風でドラの西をポンして四万七万。3者激突の結果は内田のアガリ。石田は痛い放銃で1回目の親を落とす。

東2局 1本場 親 魚谷 ドラ四万

内田から5,800をアガった魚谷。今局もピンフドラの三万六万九万で先制リーチ。優勝するには直撃かツモアガリが欲しいところだが…。

二筒二筒三筒三筒七筒七筒八筒八筒南南北中中  ロン北

魚谷が持って来た北は石田のメンホン七対子のアタリ牌。石田同様痛い親落ちとなってしまう。

東3局 親 内田 ドラ四万

ツモれば2,600オールのカン七索で内田が先制。石田は高め234の二索五索で追いつくも二索は内田の現物かつ残り1牌しかない。リーチ宣言は出来ず五索ツモで1,000・2,000。素点をとにかく伸ばす方針なのか、直撃を狙う作戦なのか。石田の中で戦略がまとまってないのかも知れない。

仲田は29,000持ち。3者が手役を作って攻めてもなかなかダメージを与えられない。

「まさかの直撃でチャンス」

東4局 親 仲田 ドラ五索

親の仲田が好配牌だったが、6巡目に先にテンパイを果たしていたのは魚谷。

 

100

 

ドラが雀頭で一手変わり234のピンフ形。ヤミテンにして一索四索が振り変われば跳満、その後六万をツモアガリなら倍満まである。仮に先に六万九万ツモなら一索切りフリテンリーチもある。ただ、仲田の親で手を捏ねるのは隙にもなり得る。自分の親番も1回残っている。タンヤオは不確定。先に欲しい四索はよりによってドラ表示牌。四索より待ち牌の六万九万の方が多い。悩んだ結果、魚谷はピンフドラドラでリーチ宣言。ツモれば4,000を仲田に被せられる。もし脇から出てもアガって南場勝負だ。

仲田はオリ。そう思った観戦者は少なくないと思う。しかし、跳満まで見える好形1シャンテンの仲田は無スジを勝負。次に裏スジの六万まで押して魚谷に7,700を放銃した。

 

100

 

「行くか?オリるか?」

最終戦の仲田はここまで失点こそないが戦いの外だった。親番を迎え、やっとドラ含みタンピン形の綺麗な配牌をもらう。そこに魚谷からの小考リーチ。ポイントを考えれば安手愚形はないだろう。本手リャンメン以上ならあんなに悩まない。そうなると、本手愚形か。ヤミテン手変わりを考えたか。
手には2つ現物がある。しかし、愚形までケアするならスジも打ちたくない。最短3巡後には手詰まる。
ならばまっすぐ、は理に適っているとも言える。

さらに仲田には、この手でオリたらダメだという意図もあったらしい。オリたら手が落ちると思うか思わないは人それぞれだ。ただ、打つべき牌を打てない人間には次も打てない。逃げ回る麻雀は手を崩しアガリから遠ざかる。だいたいその先にあるのは他家のアガリだ。

仲田は逃げを嫌い戦う事を選んだが、結果は最悪。かくして3者のチャンスは広がり、仲田にはピンチが訪れた。この選択が正しいかどうかは、12回戦の結果が出ればわかる。

南1局。石田最後の親番。形式テンパイで連荘し、1本場には1,100オールをツモ。仲田にあと4.3ポイントと肉迫する。

南2局 2本場 親 石田 ドラ南

仲田の放銃で着順の並びが出来て一番恩恵を受けたのは石田。一気に畳み掛けて、仲田が苦しむ条件を押し付けたい所だ。
8巡目。厳しい配牌だったがツモが効いて1シャンテン。

一万二万三万三万五万六万八万八万九万二筒三筒四筒南  ツモ三万

最も広いのは南切りだがドラである。石田は八万切りとした。一気通貫を見ながらテンパイすればドラを放つか。

13巡目に四万をツモってテンパイ。石田の手が止まる。目立つドラ切りテンパイだからリーチか?役あり愚形だから丁寧にヤミテンか?

 

100

 

何と石田は四筒切りのメンツ抜き。ドラを打たず、そして1シャンテンで粘りもしなかった。本人のツイッターに、

「(前略)親が落ちたとしてもこの点差なら大丈夫って思いがあった。ここでもしも役満に打ったら…(後略)」

とあった。おそらくこの局の事だろう。
公式ルールで高打点のアガリにはかなりの確率で字牌が絡む。役満を意識すればなおさらだ。魚谷、内田は共に変則的な河で国士無双、小四喜は石田から見て否定出来ない。常に丁寧な石田だからこそ打てなかった。何度も素晴らしいアガリと我慢強さを見せてくれた。いくつかの勝負所の押し引きがどれか1つ違えば、優勝は十分あったように思う。

結果は仲田の1人テンパイで流局。石田はおよそ満貫ツモアガリの条件を残して親を手放し、残り3局に託した。
1シャンテンで放銃した仲田。テンパイでオリた石田。あまりに対照的な麻雀が凄く印象に残った。

南2局。魚谷最後の親番だ。

 

100

 

前局より強く役満を意識させられる内田の仕掛け。安手はあり得ない。客風の東からのポンも本物の気配がする。仮に小四喜まではなくてもドラの北を持っている可能性は極めて高い。しかし、魚谷は打った。やはりポンされる。死ぬほど怖いに違いない。だが、優勝するには行くしかない。
1,500をアガって次局。魚谷は中をポンして全力。石田は高め満貫のリーチを打つ。

 

100

 

石田、仲田の2人テンパイで流局。仲田は3着目に浮上する。魚谷は親流れ、内田の連荘に期待しつつ役満手を狙う。

四万の行方」

南3局。内田最後の親番。渾身の力を振り絞って美しいテンパイを組み、迷わずリーチを打つ。リーチタンヤオピンフ高め三色。四万ツモなら親の跳満だ。

五万六万六万七万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九万

魚谷は連荘歓迎だが、自ら振っては条件がより厳しくなるのでこの局はオリだろう。来るなら条件を満たした石田だ。そして仲田の手牌はドラ暗刻でこの形。

五万六万七万九万九万九万五索五索六索一筒二筒北北  ツモ八万  ドラ九万

1シャンテンキープなら五万八万だが、とりあえず北をトイツ落とし。

六万七万八万九万九万九万五索五索二筒三筒四筒北北北  ドラ九万

相手は親だから妥当な判断だが、もしまっすぐならこの満貫をアガれていた。それでも再びテンパイ。無スジの六索を勝負して役なしカン四万七万は山にはなくなったので内田と完全に同テン。ツモ山には2枚生きている。

 

100

 

仲田の手に四万が踊る!34,700点まで復帰。残るは1局、自身の親番を残すのみ。2番手の石田でも三倍満もしくは役満のツモか直撃が優勝条件。

オーラスは全員ノーテンで流局。

 

100

 

優勝は仲田加南。
2連覇、3度目の女流桜花に輝いた。

「平たい場を作り、出来たら自身がアガる」

観ていて感じた勝因は2つ。

①なるべく平たい場を作るための判断と実行力。
4人が素直に打つ場況を仲田は懸命に作り続けた。皆に優勝の条件があったからこそ途中での脇移動が多かった。昨年の桜花決勝に似た勝ち方だった。

②常に舞台の真ん中で戦い抜いた事。
時にはそのために自らが振りに回ることすらあった。昨年11回戦オーラスで振った満貫は結果論な側面もあったが、今年はより作為的に感じた。

誰もがなるべく平たい場を心掛けるが、それは他家が先行した時の話であって、第1希望は自身がぶっちぎる事だろう。仲田の麻雀はその優先順位が逆で、平たい場を作り、出来れば自身がアガる。だったように見えた。
首位を走りながら、時には交わされながら。常に冷静に戦う姿はとても格好良く、そして強かった。場況判断の正確さとメンタルの強靭さを見せ付けた。

仲田に話を聞くと「相手を見て麻雀打っているので、毎回打ち方は変わります。最終的には自分と戦う麻雀が強いと思いますが、私はまだそこまで行けてないです。」とのコメント。これが完成形ではなく、「自分の麻雀はこうです」とは言いたくないという。今後どう進化し、どんな麻雀を魅せてくれるのか注目だ。

 

100

 

女流プロリーグ(女流桜花) 決勝観戦記/第12期女流桜花決定戦 最終日観戦記 吾妻 さおり

「束の間の空位」
 
100
 
女流桜花はディフェンディング制のため、現桜花は1年間リーグ戦がない。連盟チャンネルで熱い闘牌を観ていると戦いの外に居るような寂しさすら感じる事がある。同時に、この中で最も充実した3名が自分に挑んでくると気合いも入る。
だが優勝カップを持って初日の会場に来た瞬間、現女流桜花としての日々は過去になる。今も現桜花といえど気持ちはカップを返却した瞬間からチャレンジャーだ。
果たして、物言わず佇むこの優勝カップ。今年は誰を待っているのか?
 
100
 
 
9回戦(起家から、仲田・魚谷・石田・内田)
東1局 親 仲田 ドラ七筒
「守備型に必要なもの」
親の仲田が先制リーチ
七万引きテンパイ。チャンタ三色までは伸びなかったが、親なら良し。
先に三索六索でピンフテンパイの石田。
三万四万五万一索二索三索四索五索五索六索七索四筒四筒  ツモ発
親リーチに発を切れず四筒で回るが、押せれば仲田が六索を掴んでいた。このアガリ逃しに暗雲低迷の予感がしてしまう。
一方、真っ向勝負を挑んだのは内田。タンヤオドラドラのテンパイから3,900の放銃。
 
100
 
結果は振りだが、これは良いと感じた。親リーチしただけで全員オリてくれるほど楽な事はない。後手でも反撃するぞという姿勢を見せてくれた。
 
100
 
東1局2本場 親仲田 ドラ五筒
仲田親番継続中。2枚目とはいえ中の後付けで一万からポン。
三筒五筒西西  ポン中中中  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ドラ五筒
3フーロでドラ表示牌で2枚見えのカン四筒。苦しい形は十分承知。西五筒引きはトイトイに受け変えられる。西ポンのドラの裸単騎もあるか!?
ここでツモ切った九筒が内田の5,200に掴まる。先程の失点以上は戻って来た。
三索四索五索五筒五筒七筒八筒南南南  ポン北北北  ドラ五筒
「苦難の道」
東3局 親石田 ドラ八万
石田がダブ東ポンで愚形残りの1シャンテン。
ここで上家魚谷のリーチを受ける。
 
100
 
宣言牌の六筒をチーすればテンパイ。打六万でドラの八万単騎が打点的には魅力か。
しかし石田は六筒を鳴かず。数巡後に生牌の南をツモ切り5,200を放銃。打牌選択はツモに委ねたいか、オリる気は無かったようだ。
 
100
 
アガリ逃し、テンパイ取らずで放銃と苦しい石田。次は仲田の二副露にピンズをぶつけて九筒切り。いざポンされると八筒が打ち切れなくなり、八索でオリ打ち。揺れがはっきり見て取れる。
早めに立て直さないと優勝争いに絡めなくなってしまう。この回はラスでも、気持ちを整えて10回戦には平常心で戦う石田を観たい。
「魚谷、内田のトップ争い」
石田からの5,200を機に着実にアガリを重ねる魚谷。
南1局 親仲田 ドラ一索
四万五万六万一索二索二索三索三索四筒五筒六筒発発  リーチ  ツモ四索
安めながらツモって42,100点に。
南3局2本場 親石田 ドラ東
内田は南家。現在32,300持ち。オーラスの親が残っているが、このままでは魚谷はアガリトップ。トータル首位の仲田も32,600と浮きをキープしている。ラス目の石田も今回は終わらせに来るだろう。オーラス親は伸び伸びやらせてもらえそうにない。
ならばこの局はスピードも打点も必要。仕掛けてドラ単騎に受け1,300-2,600をツモアガリ。供託も入ってトップが見えてきた。
三万四万五万六筒七筒八筒東白白白  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ツモ東
南4局 親 内田 ドラ八万
魚谷が仕掛けて終わらせに来ている。この局内田は最速でリーチを打つ手順を踏みたかったのだろう。好形変化を見込める四索四筒四万を全て切り、直線的な手組でカンチャンのドラ待ちリーチ。
五万五万五万七万九万二索二索四索五索六索三筒四筒五筒
流局で1人テンパイ。
持ち点は41,100点、これで魚谷と同点だ。
南4局1本場 親 内田 ドラ南
再びアガリ競争。
内田にとってオリる局ではない。手牌をパンパンに膨らませアガリ一直線、六万で魚谷に放銃となった。
二万二万四万五万三索四索五索七筒八筒九筒  ポン白白白
9回戦のトップはオーラスに競り勝った魚谷。2着に内田。30,100で3着の仲田までが浮き。
 
100
 
 
10回戦(起家から、石田・魚谷・内田・仲田)
「皆で引き出した七万
東1局1本場 親 石田 ドラ六索
二万三万四万六万七万八万四索四索六索七索八索三筒四筒  ドラ六索
内田がメンタンピンドラで先制リーチ。仲田とは僅か11.2ポイント差。アガれば瞬間逆転の手だ。
追いついたのは魚谷。三色ドラ2。
六万八万五索六索六索七索七索八索六筒七筒八筒東東
上目の三色を決め打って2巡目に四万を切っている。絶好の待ちで場もマンズが安いが、七万は内田の現物。オリ打ちの可能性を下げないためにヤミテン。
しかし親の石田が七筒ポンで攻め返す。魚谷にとっては内田の河を凝視して通る牌を選んでほしい局なのに、無スジをゴリ押されて安牌が増えては不都合。ツモ切りリーチに踏み切った。
さて、困ったのは仲田だ。誰が本手なのか非常にわかりにくい。
内田は先制リーチ。一番素直に河を読んで良さそうだ。マンズは通りそう、ピンズは切りづらい。ソーズならドラ跨ぎの五索八索、宣言牌跨ぎの二索五索か。
石田はポンして南トイツ落とし。テンパイかは微妙。親権維持の安手もあるが、リーチに向かった以上ドラを固めた可能性も考慮しなければ。
魚谷はツモ切りリーチ。役あり?本手?狙い目の待ち?安手?最終手出し三索は関連牌か?河は変則的だが後出しの牌を見ると七対子ではなさそう。となると安手ではなく手役絡みが濃厚か。
仲田の切り番はあと2回。2人にスジで1人に現物の七万は自身が対子でシャンポン待ちはない。もしこれが通れば流局まで凌げる。七万しかないか。
 
100
 
仲田から皆で引き出した七万は魚谷に満貫。仲田はラス目に転落。ここから伝説の大接戦が始まる。
10回戦東1局1本場終了時(※10回戦の順位点込み)
仲田+7.1P 魚谷+5.1P 内田+3.2P 石田▲15.4P
(※注意)上記にはまだ未確定な順位点も計上されている。仲田は10回戦終了時に30,000点以上に復帰出来るかは、今決定戦の大きな見所だ。
「魚谷、首位に立つ!」
東2局 親魚谷 ドラ七筒
石田が北高め三色ドラのリーチ。
五万六万七万五索六索七索五筒六筒西西北北北  リーチ  ツモ四筒  ドラ七筒
安めだが1,000・2,000のツモアガリ。少ないインターバルできっちり気持ちを切り替えて来た!
 
100
 
東3局 親内田 ドラ七万
しかし石田の試練はまだ終わらない。早い魚谷のヤミテンタンヤオドラ3に飛び込む!
二万三万四万四万六万七万七万七万三索三索六筒七筒八筒  ドラ七万
10回戦東3局終了時(順位点込み)
魚谷+15.1P 仲田+6.1P 内田+3.2P 石田▲24.4P
魚谷が遂にトータル首位に立つ!全員ごぼう抜きの首位浮上は想像以上に難しい。しかし、細く狭い針の穴を貫くかの如く、ここ一番でやってみせた。このまま振り切っての優勝も十分ありえる。
「気迫のぶつかり合い」
東4局、親の仲田は1,000オールツモで食らいつく。微差ながら3着浮上。
東4局1本場 親 仲田 ドラ五索
今度は仲田が先制リーチ!
メンタンピンドラ。出アガリ11,600、ツモれば親満。超ド級の勝負手だ。
石田もテンパイを入れている。南中ドラの3,900、ツモれば1,300・2,600。ここは全面対決か。
さらに追いついたのは内田。ここは勝負所。無スジを叩き切って追っかけリーチ!
 
100
 
気迫のぶつかり合い。観ていて心躍る素晴らしい対局だ。
内田の決意に牌が応えた。仲田が五筒を掴んでしまう。
内田、トータル2位に浮上。
東4局1本場終了時(順位点込み)
魚谷+14.1P 内田+8.1P 仲田+5.2P 石田▲27.4P
「歴史的大接戦」
史上類を見ない接戦。石田は少し引き離されてしまっている。何とか加点したい南場の親番。
南1局 親石田 ドラ八筒
二索二索六索七索八索九索七筒八筒九筒白白発中中
配牌1シャンテン。チャンタ・三元役が見える大物手だが、受け入れは狭い。役牌はポンせざるを得ないか。二索がトイツだと安くなる可能性があるので1枚外すか、三元役を見切って5.800アガリ率を上げる発切りも面白いが、石田は素直に六索切り。1枚目の二索が出るが、2,900ポンテンは見送り。石田もこの手格好なら最低3ハンは欲しいと考えたようだ。白を引き入れ中二索のシャンポンでリーチを打った。
 
100
 
魚谷はツモり三暗刻のテンパイ。石田の明らかな変則手を警戒してか、ヤミテンにしていた。そして持ってきたのは自身で切っている二索五索が石田の河にあるがどうみても平凡なリャンメン待ちではない。スジの二索は危険牌だが、止めれば今局はほぼオリ。勝負を選んで9,600を放銃した。
魚谷が石田に放銃し、仲田が首位に再浮上。上下の差はさらに詰まっていく。
南1局終了時(順位点込み)
仲田+5.2P 内田+5.1P 魚谷+0.5P 石田▲10.8P
南1局1本場も、親の石田が1,100オールをツモり連荘。
続く2本場が大きな分岐点となった。
「幻の6,200オール」
加速した石田をさすがに止めたい。そんな思いもあったのか。子の3者が動き出す。
まずは内田がペン七筒をチー。
七索九索一筒三筒三筒五筒六筒西中中  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き
一気通貫、ピンズのホンイツ、中の後付けと役は何とか付きそうだが、内田にしては珍しい遠い仕掛けだ。
続いて、魚谷が発ポン。
二万二万八万八万五索五索南西白中  ポン発発発
1ハン確定。トイトイも見える。魚谷なら当然のポンか。
立て続けに二万八万もポン出来た。
そして仲田。
四筒五筒七筒八筒八筒八筒東南北中  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き
ピンズのホンイツで一気通貫含みだが、字牌は4種バラバラ。仲田ならこのくらい遠くても鳴くか。
内田と仲田は動いたものの、各者の仕掛けを警戒してオリ気味、4センチの魚谷はまだ1シャンテン。
3者が牽制し合えば、必ず親石田の反撃リーチが来る!
四万四万四万五万四索六索七索八索九索四筒五筒六筒六筒  ツモ白
…はずだったが、何と石田は白を打たず四索切り。次巡は最もツモりたくない五索。そして六万
四万四万四万五万四索五索六索七索八索九索四筒五筒六筒  ツモ六万  ドラ五筒
この6,200オールをアガリ逃してしまう。
 
100
100
 
結果、魚谷の1人テンパイで流局。
次局、石田はピンフツモドラをアガリトップ目をキープするが、悪い予感がする。石田にとって悪い事と言えば、
①トップを他家に取られる事
②仲田が浮きに回る事である。
南2局3本場終了時(順位点込み)
仲田+2.1P 内田+2.0P 石田▲0.9P 魚谷▲3.2P
 
100
 
「10回戦の行方」
南4局 親 仲田 ドラ東
オーラス、内田は24,800持ち。5,200をアガれば浮きにまわり、仲田が1人沈み。その条件を満たした手組でリーチを打つ。
一万二万三万一索二索六索七索八索一筒二筒三筒九筒九筒  リーチ
仲田はノーテンでもラス。さらに魚谷もアガリに来ている。
絶体絶命の状況でも丁寧に回る。安全にテンパイ取りは無理だと判断すると終局間際にチーして形式テンパイ、1牌だけ無スジを押して親権を維持した。
発のみ600オールをアガって繋いだ2本場。
一万一万二万二万三万三万四万四万四万九索九索七筒七筒  ロン七筒  ドラ三万
イーペーコードラ2で浮きに。
南4局2本場終了時(順位点込み)
仲田+25.2P 魚谷+4.1P 石田▲11.5P 内田▲17.8P
首位と最下位のポイントが5.3Pまで縮まった10回戦も仲田が30,000を超えただけでこんなに開いた。
3本場は魚谷がテンパイを維持しながらピンフドラの3メンチャンに手変わり。ツモれば仲田を沈める手になったのでリーチ選択もあったが、着実にヤミテンでアガった。2着に石田。浮きの3着に仲田となった。
 
100
 
 
11回戦(起家から、内田・魚谷・仲田・石田)
東1局 親 内田 ドラ八万
「私に行かせてください」
残り2回。ここでトップを取って最終戦に繋げたい。皆そう思っていたはずだ。親の内田はホンイツで仕掛けて加点・連荘を狙う。6巡目に石田からリーチが飛んで来たが、怯む事など出来ない。3フーロして何とか追いつくが、石田は軽々と北をツモりあげる。リーチツモ三暗刻ドラドラの3,000・6,000。
 
100
 
東2局 親 魚谷 ドラ五筒
東2局も石田が先制リーチ。親は絶対手放したくない魚谷も東ポンで追いつくが、ここもツモるのは石田。リーチタンヤオツモドラ。2,000・4,000。
八万八万三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒  暗カン牌の背七索 上向き七索 上向き牌の背  リーチ  ツモ二筒
「仲田さんを追う役目は私に行かせてください!」と言わんばかりの力強い攻め。たった2局で持ち点は50,000点になり、石田が首位に立った。
11回戦 東2局終了時(順位点込み)
石田+20.5P 仲田+19.2P 魚谷▲5.9P 内田▲33.8P
「攻撃と守備のバランス」
親番を迎えた仲田、まずはリーチのみの2,000をアガリ弾みをつける。
 
100
 
東3局 1本場 親 仲田 ドラ七万
ペン七索をチーした石田の手は2,000の二筒五筒待ち。仲田にもメンゼンで大きな手を被せる姿が見たかったが、鳴くのがマジョリティとも思う。石田も打点よりこの親を蹴る事を優先した。
しかし仲田のリーチが来る。無スジの一万を勝負し、高め123三色を放銃してしまう。
 
100
 
攻撃型なら真っ直ぐに一万切り、守備型なら中の暗刻落としの局面。終始守備寄りに見受けられた石田が、親の仲田に2,000点で勝負を挑んだのは意外だった。
石田は南3局3本場にも満貫をアガリ再び仲田に迫ったが、後一歩届かなかった。
11回戦は仲田がトップ、2着に石田。内田と魚谷はかなり厳しい条件戦となってしまった。
 
100
 
 
12回戦(起家から、石田・魚谷・内田・仲田)
いよいよ最終戦。
仲田との差は
石田▲44.2P
魚谷▲70.5P
内田▲81.3P
10回戦途中ではあんなに僅差だったのに、今は仲田が遠い。優勝するにはとにかく仲田を沈めなければならない。公式ルールの順位点は最大で20P。仲田が30,000を超えたら2番手の石田でも役満以上の点棒差が必要になる。
「高打点の打ち合い」
東1局 1本場 親 石田 ドラ西
1,500をアガって連荘した石田は、一筒待ち七対子テンパイ。魚谷は123三色確定リーチ。西家内田は自風でドラの西をポンして四万七万。3者激突の結果は内田のアガリ。石田は痛い放銃で1回目の親を落とす。
東2局 1本場 親 魚谷 ドラ四万
内田から5,800をアガった魚谷。今局もピンフドラの三万六万九万で先制リーチ。優勝するには直撃かツモアガリが欲しいところだが…。
二筒二筒三筒三筒七筒七筒八筒八筒南南北中中  ロン北
魚谷が持って来た北は石田のメンホン七対子のアタリ牌。石田同様痛い親落ちとなってしまう。
東3局 親 内田 ドラ四万
ツモれば2,600オールのカン七索で内田が先制。石田は高め234の二索五索で追いつくも二索は内田の現物かつ残り1牌しかない。リーチ宣言は出来ず五索ツモで1,000・2,000。素点をとにかく伸ばす方針なのか、直撃を狙う作戦なのか。石田の中で戦略がまとまってないのかも知れない。
仲田は29,000持ち。3者が手役を作って攻めてもなかなかダメージを与えられない。
「まさかの直撃でチャンス」
東4局 親 仲田 ドラ五索
親の仲田が好配牌だったが、6巡目に先にテンパイを果たしていたのは魚谷。
 
100
 
ドラが雀頭で一手変わり234のピンフ形。ヤミテンにして一索四索が振り変われば跳満、その後六万をツモアガリなら倍満まである。仮に先に六万九万ツモなら一索切りフリテンリーチもある。ただ、仲田の親で手を捏ねるのは隙にもなり得る。自分の親番も1回残っている。タンヤオは不確定。先に欲しい四索はよりによってドラ表示牌。四索より待ち牌の六万九万の方が多い。悩んだ結果、魚谷はピンフドラドラでリーチ宣言。ツモれば4,000を仲田に被せられる。もし脇から出てもアガって南場勝負だ。
仲田はオリ。そう思った観戦者は少なくないと思う。しかし、跳満まで見える好形1シャンテンの仲田は無スジを勝負。次に裏スジの六万まで押して魚谷に7,700を放銃した。
 
100
 
「行くか?オリるか?」
最終戦の仲田はここまで失点こそないが戦いの外だった。親番を迎え、やっとドラ含みタンピン形の綺麗な配牌をもらう。そこに魚谷からの小考リーチ。ポイントを考えれば安手愚形はないだろう。本手リャンメン以上ならあんなに悩まない。そうなると、本手愚形か。ヤミテン手変わりを考えたか。
手には2つ現物がある。しかし、愚形までケアするならスジも打ちたくない。最短3巡後には手詰まる。
ならばまっすぐ、は理に適っているとも言える。
さらに仲田には、この手でオリたらダメだという意図もあったらしい。オリたら手が落ちると思うか思わないは人それぞれだ。ただ、打つべき牌を打てない人間には次も打てない。逃げ回る麻雀は手を崩しアガリから遠ざかる。だいたいその先にあるのは他家のアガリだ。
仲田は逃げを嫌い戦う事を選んだが、結果は最悪。かくして3者のチャンスは広がり、仲田にはピンチが訪れた。この選択が正しいかどうかは、12回戦の結果が出ればわかる。
南1局。石田最後の親番。形式テンパイで連荘し、1本場には1,100オールをツモ。仲田にあと4.3ポイントと肉迫する。
南2局 2本場 親 石田 ドラ南
仲田の放銃で着順の並びが出来て一番恩恵を受けたのは石田。一気に畳み掛けて、仲田が苦しむ条件を押し付けたい所だ。
8巡目。厳しい配牌だったがツモが効いて1シャンテン。
一万二万三万三万五万六万八万八万九万二筒三筒四筒南  ツモ三万
最も広いのは南切りだがドラである。石田は八万切りとした。一気通貫を見ながらテンパイすればドラを放つか。
13巡目に四万をツモってテンパイ。石田の手が止まる。目立つドラ切りテンパイだからリーチか?役あり愚形だから丁寧にヤミテンか?
 
100
 
何と石田は四筒切りのメンツ抜き。ドラを打たず、そして1シャンテンで粘りもしなかった。本人のツイッターに、
「(前略)親が落ちたとしてもこの点差なら大丈夫って思いがあった。ここでもしも役満に打ったら…(後略)」
とあった。おそらくこの局の事だろう。
公式ルールで高打点のアガリにはかなりの確率で字牌が絡む。役満を意識すればなおさらだ。魚谷、内田は共に変則的な河で国士無双、小四喜は石田から見て否定出来ない。常に丁寧な石田だからこそ打てなかった。何度も素晴らしいアガリと我慢強さを見せてくれた。いくつかの勝負所の押し引きがどれか1つ違えば、優勝は十分あったように思う。
結果は仲田の1人テンパイで流局。石田はおよそ満貫ツモアガリの条件を残して親を手放し、残り3局に託した。
1シャンテンで放銃した仲田。テンパイでオリた石田。あまりに対照的な麻雀が凄く印象に残った。
南2局。魚谷最後の親番だ。
 
100
 
前局より強く役満を意識させられる内田の仕掛け。安手はあり得ない。客風の東からのポンも本物の気配がする。仮に小四喜まではなくてもドラの北を持っている可能性は極めて高い。しかし、魚谷は打った。やはりポンされる。死ぬほど怖いに違いない。だが、優勝するには行くしかない。
1,500をアガって次局。魚谷は中をポンして全力。石田は高め満貫のリーチを打つ。
 
100
 
石田、仲田の2人テンパイで流局。仲田は3着目に浮上する。魚谷は親流れ、内田の連荘に期待しつつ役満手を狙う。
四万の行方」
南3局。内田最後の親番。渾身の力を振り絞って美しいテンパイを組み、迷わずリーチを打つ。リーチタンヤオピンフ高め三色。四万ツモなら親の跳満だ。
五万六万六万七万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九万
魚谷は連荘歓迎だが、自ら振っては条件がより厳しくなるのでこの局はオリだろう。来るなら条件を満たした石田だ。そして仲田の手牌はドラ暗刻でこの形。
五万六万七万九万九万九万五索五索六索一筒二筒北北  ツモ八万  ドラ九万
1シャンテンキープなら五万八万だが、とりあえず北をトイツ落とし。
六万七万八万九万九万九万五索五索二筒三筒四筒北北北  ドラ九万
相手は親だから妥当な判断だが、もしまっすぐならこの満貫をアガれていた。それでも再びテンパイ。無スジの六索を勝負して役なしカン四万七万は山にはなくなったので内田と完全に同テン。ツモ山には2枚生きている。
 
100
 
仲田の手に四万が踊る!34,700点まで復帰。残るは1局、自身の親番を残すのみ。2番手の石田でも三倍満もしくは役満のツモか直撃が優勝条件。
オーラスは全員ノーテンで流局。
 
100
 
優勝は仲田加南。
2連覇、3度目の女流桜花に輝いた。
「平たい場を作り、出来たら自身がアガる」
観ていて感じた勝因は2つ。
①なるべく平たい場を作るための判断と実行力。
4人が素直に打つ場況を仲田は懸命に作り続けた。皆に優勝の条件があったからこそ途中での脇移動が多かった。昨年の桜花決勝に似た勝ち方だった。
②常に舞台の真ん中で戦い抜いた事。
時にはそのために自らが振りに回ることすらあった。昨年11回戦オーラスで振った満貫は結果論な側面もあったが、今年はより作為的に感じた。
誰もがなるべく平たい場を心掛けるが、それは他家が先行した時の話であって、第1希望は自身がぶっちぎる事だろう。仲田の麻雀はその優先順位が逆で、平たい場を作り、出来れば自身がアガる。だったように見えた。
首位を走りながら、時には交わされながら。常に冷静に戦う姿はとても格好良く、そして強かった。場況判断の正確さとメンタルの強靭さを見せ付けた。
仲田に話を聞くと「相手を見て麻雀打っているので、毎回打ち方は変わります。最終的には自分と戦う麻雀が強いと思いますが、私はまだそこまで行けてないです。」とのコメント。これが完成形ではなく、「自分の麻雀はこうです」とは言いたくないという。今後どう進化し、どんな麻雀を魅せてくれるのか注目だ。
 
100
 

何を切る?fromロン2 2018年3月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答を、グラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東2局1本場南家

 

プロ

七筒切り・・・22人
八筒切り・・・9人
七索切り・・・2人

 

 

ロン2ユーザー

七筒切り・・・49.7%
八筒切り・・・40.6%
二索切り・・・6.9%
七索切り・・・2.3%
八索切り・・・0.6%

 

 

プロ解答(50音順)

 

七筒切り

蒼山秀佑
「ドラが入ればリーチ。ソーズを持ってくればチンイツへ。」

吾妻さおり
「七対子の1シャンテンでもあるが、2枚切れの七筒切り。六筒九筒先埋まりはテンパイを取るが、ソーズ引きはチンイツも見る。」

鮎川卓
「先に二索九筒を引いたら、そのままリーチします。その他のソーズを引いた場合は、チンイツへ移行します。」

魚谷侑未
「だいたいチンイツに行きます。次巡九筒を引かない限り、七筒連打します。」

小車祥
「チンイツ本線で進めます。二索九筒ツモはリーチします。ツモ六筒はヤミテン。五索はピンズを切っていきます。」

客野直
「ドラ受けを固定しつつ、行けそうだったらチンイツに渡る。」

清原継光
「七対子のみのテンパイはいらない。チンイツを狙いつつ、先に九筒が入った時のみリーチを打ちます。六筒はツモ切ります。」

ケネス徳田
「染め準備。しかし無理はせずに、次の親番にかける。」

刀川昌浩
「ソーズの一色手を狙いながら、九筒引きの時だけ折り合いをつける。」

ダンプ大橋
「点数無いのでチンイツに。ドラツモだけはリーチ。」

ともたけ雅晴
「さすがにこの手牌だと、8,000以上のアガリにしたい。九筒を引いたらテンパイは取るが、リーチはしたくない。もう1枚六筒九筒を持ってきてから、イーペーコーを確定させてリーチ!」

仲田加南
「本来中東も持って七筒七筒と落としていきたい。ソーズにまっしぐら。」

中村慎吾
「チンイツまで見て。二索引きだけはリーチ。」

西岡慎泰
「チンイツを目指すため内側から切っていくが、九筒引きならテンパイを取る。」

浜上文吾
「テンパイには取らずに、ドラツモやイーペーコー、チンイツ狙いで高打点を目指します。」

藤島健二郎
「ソーズにしたいが、ドラ引きは妥協ライン。七筒から外す。」

藤本哲也
二索六筒九筒ツモはリーチ。それ以外のソーズはチンイツへ。」

古橋崇志
「チンイツ本線で。六筒九筒を引いた時は二索五索でリーチ。」

古本和弘
「ソーズのチンイツを目指します。打八筒でリャンペーコーもありますが、物足りない気がします。」

松崎良文
「チンイツを狙いつつ、六筒九筒を引いたら二索五索テンパイ取り。」

森下剛任
「ドラが固まってそうではあるが、打七筒からチンイツに渡る予定。」

吉沢康次
「ソーズへの渡りを考えながら、ドラ受けを残します。」

 

 

八筒切り

井出一寛
「とりあえずテンパイ取り。一気通貫、リャンペーコーへの渡りを打つ。二索を引いた場合は、打九索として八索単騎に取り、ヤミテンでドラを待つ。」

上村慎太郎
「点棒が無いため、高打点狙い。チンイツを念頭に、ドラ引きの際は七対子ドラドラも考えつつ。」

奈良圭純
「とりあえずテンパイに取るが、ソーズをツモってきたら七筒を切ります。」

一井慎也
「メンゼンは一気通貫かリャンペーコー。一索二索六索七索八索は仕掛けてチンイツへ。」

藤崎智
「ドラ受けはなくなりますが、リャンペーコーからソーズのチンイツまで見る。」

前原雄大
「待ちは取ります。ただ、開局役満放銃という現実を考えれば、どこからか攻めの手が上がった時にはオリを前提とする。もちろん、ツモ六索はアガリます。」

安村浩司
「巡目と天秤にかけながら、チンイツ、リャンペーコー、一気通貫への渡りを見る。」

柚木正仁
「ソーズは場に対して高いが、リャンペーコー、一気通貫への変化を見て打八筒を選択。一索八索九索いずれもリーチをかけるが、二索をすぐに持ってくれば七筒落とし。11~12巡目なら七対子ヤミテンとする。」

四柳弘樹
「チンイツを見つつ、巡目が深くなったら一気通貫orリャンペーコーで妥協します。」

 

 

七索切り

蛯原朗
「一気通貫とイーペーコーの両天秤の打七索とします。ツモ四索だけは打点が低くなるが、それ以外は打点がそれなりにありバランスが良い。」

中川基輝
「一気通貫またはイーペーコー、ピンフ、ドラのリーチを目指します。次局の親番に向け、少しでも加点する狙い。」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2018年3月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答を、グラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介
ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東2局1本場南家

 
プロ

七筒切り・・・22人
八筒切り・・・9人
七索切り・・・2人
 
 
ロン2ユーザー

七筒切り・・・49.7%
八筒切り・・・40.6%
二索切り・・・6.9%
七索切り・・・2.3%
八索切り・・・0.6%
 
 
プロ解答(50音順)
 
七筒切り
蒼山秀佑
「ドラが入ればリーチ。ソーズを持ってくればチンイツへ。」
吾妻さおり
「七対子の1シャンテンでもあるが、2枚切れの七筒切り。六筒九筒先埋まりはテンパイを取るが、ソーズ引きはチンイツも見る。」
鮎川卓
「先に二索九筒を引いたら、そのままリーチします。その他のソーズを引いた場合は、チンイツへ移行します。」
魚谷侑未
「だいたいチンイツに行きます。次巡九筒を引かない限り、七筒連打します。」
小車祥
「チンイツ本線で進めます。二索九筒ツモはリーチします。ツモ六筒はヤミテン。五索はピンズを切っていきます。」
客野直
「ドラ受けを固定しつつ、行けそうだったらチンイツに渡る。」
清原継光
「七対子のみのテンパイはいらない。チンイツを狙いつつ、先に九筒が入った時のみリーチを打ちます。六筒はツモ切ります。」
ケネス徳田
「染め準備。しかし無理はせずに、次の親番にかける。」
刀川昌浩
「ソーズの一色手を狙いながら、九筒引きの時だけ折り合いをつける。」
ダンプ大橋
「点数無いのでチンイツに。ドラツモだけはリーチ。」
ともたけ雅晴
「さすがにこの手牌だと、8,000以上のアガリにしたい。九筒を引いたらテンパイは取るが、リーチはしたくない。もう1枚六筒九筒を持ってきてから、イーペーコーを確定させてリーチ!」
仲田加南
「本来中東も持って七筒七筒と落としていきたい。ソーズにまっしぐら。」
中村慎吾
「チンイツまで見て。二索引きだけはリーチ。」
西岡慎泰
「チンイツを目指すため内側から切っていくが、九筒引きならテンパイを取る。」
浜上文吾
「テンパイには取らずに、ドラツモやイーペーコー、チンイツ狙いで高打点を目指します。」
藤島健二郎
「ソーズにしたいが、ドラ引きは妥協ライン。七筒から外す。」
藤本哲也
二索六筒九筒ツモはリーチ。それ以外のソーズはチンイツへ。」
古橋崇志
「チンイツ本線で。六筒九筒を引いた時は二索五索でリーチ。」
古本和弘
「ソーズのチンイツを目指します。打八筒でリャンペーコーもありますが、物足りない気がします。」
松崎良文
「チンイツを狙いつつ、六筒九筒を引いたら二索五索テンパイ取り。」
森下剛任
「ドラが固まってそうではあるが、打七筒からチンイツに渡る予定。」
吉沢康次
「ソーズへの渡りを考えながら、ドラ受けを残します。」
 
 
八筒切り
井出一寛
「とりあえずテンパイ取り。一気通貫、リャンペーコーへの渡りを打つ。二索を引いた場合は、打九索として八索単騎に取り、ヤミテンでドラを待つ。」
上村慎太郎
「点棒が無いため、高打点狙い。チンイツを念頭に、ドラ引きの際は七対子ドラドラも考えつつ。」
奈良圭純
「とりあえずテンパイに取るが、ソーズをツモってきたら七筒を切ります。」
一井慎也
「メンゼンは一気通貫かリャンペーコー。一索二索六索七索八索は仕掛けてチンイツへ。」
藤崎智
「ドラ受けはなくなりますが、リャンペーコーからソーズのチンイツまで見る。」
前原雄大
「待ちは取ります。ただ、開局役満放銃という現実を考えれば、どこからか攻めの手が上がった時にはオリを前提とする。もちろん、ツモ六索はアガリます。」
安村浩司
「巡目と天秤にかけながら、チンイツ、リャンペーコー、一気通貫への渡りを見る。」
柚木正仁
「ソーズは場に対して高いが、リャンペーコー、一気通貫への変化を見て打八筒を選択。一索八索九索いずれもリーチをかけるが、二索をすぐに持ってくれば七筒落とし。11~12巡目なら七対子ヤミテンとする。」
四柳弘樹
「チンイツを見つつ、巡目が深くなったら一気通貫orリャンペーコーで妥協します。」
 
 
七索切り
蛯原朗
「一気通貫とイーペーコーの両天秤の打七索とします。ツモ四索だけは打点が低くなるが、それ以外は打点がそれなりにありバランスが良い。」
中川基輝
「一気通貫またはイーペーコー、ピンフ、ドラのリーチを目指します。次局の親番に向け、少しでも加点する狙い。」

第8期麻雀グランプリMAX一次トーナメント

第8期麻雀グランプリMAX一次トーナメント

2018年3月3日(土)、第8期麻雀グランプリMAX一次トーナメントが行われた。
A卓からE卓の20名で行われた。5半荘行い、上位2名が勝ち上がりとなり、翌日行われる二次トーナメントへと進む。

A卓
gpmax2012
(左から)青山めぐみ vs 四柳弘樹 vs 森山茂和 vs 柴田吉和

【最終戦終了時成績】
柴田+27.6
森山+10.0
青山△3.7
四柳△33.9

1位通過:柴田吉和
2位通過:森山茂和

B卓
gpmax2012
(左から)近藤久春 vs 伊藤優孝 vs 上田直樹 vs 麓征生

【最終戦終了時成績】
伊藤+32.0
近藤+23.2
上田△5.1
麓△50.1

1位通過:伊藤優孝
2位通過:近藤久春

C卓
gpmax2012
(左から)松崎良文 vs 鷲見隼人 vs 山田浩之 vs 和久津晶

【最終戦終了時成績】
和久津+51.2
山田+33.8
松崎△26.2
鷲見△58.8

1位通過:和久津晶
2位通過:山田浩之

D卓
gpmax2012
(左から)勝又健志 vs 古川孝次 vs 山下将浩 vs 藤原隆弘

【最終戦終了時成績】
古川+9.5
勝又+9.0
山下△1.7
藤原△16.8

1位通過:古川孝次
2位通過:勝又健志

E卓
gpmax2012
(左から)太田優介 vs 吉田直 vs 小林正和 vs 中川基輝

【最終戦終了時成績】
太田+36.1
中川△2.4
吉田△13.1
鷲見△58.8

1位通過:太田優介
2位通過:中川基輝

以上の結果によって、二次トーナメントの卓組みが決定した。

【麻雀グランプリMAX二次トーナメント組み合わせ】
A卓 灘麻太郎、魚谷侑未、柴田吉和、山田浩之
B卓 仲田加南、奈良圭純、森山茂和、古川孝次
C卓 西嶋ゆかり、仁平宣明、伊藤優孝、勝又健志
D卓 沢崎誠、HIRO柴田、近藤久春、太田優介
E卓 内川幸太郎、山井弘、和久津晶、中川基輝

グランプリ レポート/第8期麻雀グランプリMAX一次トーナメント

第8期麻雀グランプリMAX一次トーナメント
2018年3月3日(土)、第8期麻雀グランプリMAX一次トーナメントが行われた。
A卓からE卓の20名で行われた。5半荘行い、上位2名が勝ち上がりとなり、翌日行われる二次トーナメントへと進む。
A卓
gpmax2012
(左から)青山めぐみ vs 四柳弘樹 vs 森山茂和 vs 柴田吉和
【最終戦終了時成績】
柴田+27.6
森山+10.0
青山△3.7
四柳△33.9
1位通過:柴田吉和
2位通過:森山茂和
B卓
gpmax2012
(左から)近藤久春 vs 伊藤優孝 vs 上田直樹 vs 麓征生
【最終戦終了時成績】
伊藤+32.0
近藤+23.2
上田△5.1
麓△50.1
1位通過:伊藤優孝
2位通過:近藤久春
C卓
gpmax2012
(左から)松崎良文 vs 鷲見隼人 vs 山田浩之 vs 和久津晶
【最終戦終了時成績】
和久津+51.2
山田+33.8
松崎△26.2
鷲見△58.8
1位通過:和久津晶
2位通過:山田浩之
D卓
gpmax2012
(左から)勝又健志 vs 古川孝次 vs 山下将浩 vs 藤原隆弘
【最終戦終了時成績】
古川+9.5
勝又+9.0
山下△1.7
藤原△16.8
1位通過:古川孝次
2位通過:勝又健志
E卓
gpmax2012
(左から)太田優介 vs 吉田直 vs 小林正和 vs 中川基輝
【最終戦終了時成績】
太田+36.1
中川△2.4
吉田△13.1
鷲見△58.8
1位通過:太田優介
2位通過:中川基輝
以上の結果によって、二次トーナメントの卓組みが決定した。
【麻雀グランプリMAX二次トーナメント組み合わせ】
A卓 灘麻太郎、魚谷侑未、柴田吉和、山田浩之
B卓 仲田加南、奈良圭純、森山茂和、古川孝次
C卓 西嶋ゆかり、仁平宣明、伊藤優孝、勝又健志
D卓 沢崎誠、HIRO柴田、近藤久春、太田優介
E卓 内川幸太郎、山井弘、和久津晶、中川基輝

第31期中部プロリーグ 第1節レポート

●Aリーグ:小野雅峻

先日、1月24日に第30期中部プロリーグ決勝戦が行われた。第30期より決勝戦が放送対局となり、どなたでも気軽に観戦が可能となった。出場者は全員に優勝経験があるベテラン揃いとなり、非常に見ごたえのある激戦となった。是非一度ご覧になって頂きたい対局であったと思う。その混戦となった決勝戦を制したのは、日本プロ麻雀連盟の最高峰、鳳凰戦A1リーグで活躍している古川孝次。第33・34期鳳凰位決定戦を連覇した前原雄大などと並び、尊敬し、目標とする大先輩である。いずれ同じ舞台に立つ事を目指し、努力をしていかなければならないと感じた。

2月、中部プロリーグの開幕月である。今回、レポートを書かせて頂くことになりました、中部本部29期生小野雅峻です。お付き合いよろしくお願いします。

今期で第31期となる中部プロリーグであるが、今期よりAリーグが全10節の通年制となった。とはいえ第1節に臨む姿勢としては今までとあまり変わる事はないだろう。第1節目から降級や残留を意識して対局に挑むような選手はAリーグにはいない。目指すは1年後の決勝卓、そして優勝である。当然、わたしの目標もそこである。第26期に決勝に残り、優勝という結果を残すことが出来たが、内容に関しては満足といえるものではなく、それ以降は決勝卓に残れていない。

第1節目の組み合わせは前節の結果より以下の通りとなった。
1卓 古川・山本(拓)・小野・伊藤
2卓 寺戸・日下・林・掛水
3卓 三戸・清水・土岐・都築
4卓 杉村・森下・朝岡・加藤

やはり気になるのは昇級組である加藤、都築であろうか。特に都築はCリーグからの連続昇級である。ベテランであればあるほど打ち慣れた相手の場合、打ち手の得意な戦術に対し手順を変化させていくものである。ところが初対局となるとそうはいかない。相手の打ち筋を見ようと慎重になることで後手を引いてしまい、相手のペースに呑まれてしまうという事は麻雀においてはよくあることである。

本日の結果としては、1卓以外は比較的大きく動くことなく終了した。残りの3卓では3回戦終了時で卓内トップだった者が4回戦で大きく沈むという結果になった。これは対局者がマークすべき相手を見極め、意識した上で対局した結果だろう。

今期より10節の長丁場となるAリーグ。これからどのような展開になっていくのか楽しみである。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 小野 雅峻 73.1 73.1
2 寺戸 孝志 35.7 35.7
3 朝岡 祐 22.1 22.1
4 土岐 雄太 17.8 17.8
5 加藤 泰史 16.2 16.2
6 伊藤 鉄也 15.6 15.6
7 林 俊宏 13.3 13.3
8 三戸 亮祐 5.4 5.4
9 古川 孝次 ▲ 2.0 ▲ 2.0
10 森下 剛任 ▲ 7.4 ▲ 7.4
11 掛水 洋徳 ▲ 8.9 ▲ 8.9
12 清水 哲也 ▲ 9.0 ▲ 9.0
13 都築 友和 ▲ 14.2 ▲ 14.2
14 杉村 泰治 ▲ 30.9 ▲ 30.9
15 日下 健司 ▲ 40.1 ▲ 40.1
16 山本 拓哉 ▲ 86.7 ▲ 86.7

 

●Bリーグ:安藤大貴

第31期中部プロリーグ、Bリーグのレポートを担当します28期生安藤大貴です。
半年間お付き合い頂ければ幸いです。

麻雀経験者なら経験した事があるであろう、調子の悪い日。
何故マイナスをしまうのか、勝ち続ける事はできないのであろうか。
麻雀は目に見えない所があるため、運要素がどうしても絡んできてしまう。
マイナスをしてしまう日があるのは、仕方ない事なのだろう。
では、調子の悪い日の立て直し方はどのようにしたらいいのか。
調子によって打ち方を変えるという事は、自分のフォームを崩す事になると、否定派の人も多いであろう。しかし麻雀という競技の永遠のテーマではないだろうか。
レポートと共に、今回このテーマについても各選手、どの様な手法を取っているのか聴いていきたい。

まず結果から見ていこう。
越川+61.4Pと良いスタートを切った、来節以降もまだまだポイントを伸ばす意気込みで対局に臨んでくるであろう、目が離せない選手である。

長谷川+29.9Pと卓内トップ。内容は4着、1着、2着、1着。1回戦4着後の盛り返しが見事であった。2回戦のチャンタ系の仕掛けが起点になった様に感じた。

金平+25.0P、2回戦時点で+60P越えであったがそこは大西、独走を許さなかった。
その大西も+15.3Pとまとめ上げた。

村瀬・斎藤は苦しいスタートとなった。2節目以降の盛り返しに期待したい。

私自身は▲33.7Pと痛恨のスタートとなってしまった。
1回戦から鳴く、鳴かない、の選択に結果間違ってしまって空回りしてしまっていた。
そこを踏まえて、2回戦以降に挑まなければいけなかった様に思える。
ならばどうしたら良かったのか。
この様な時は動かざること山の如し、のスタイルを意識していた。
安全に反撃のチャンスを伺うスタイルである、果たしてこの手法で良いのであろうか。
選手の数だけ考え方がある、来節以降他の選手の考え方を聴いていきたい。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 越川 清一 61.4 61.4
2 長谷川 弘 29.9 29.9
3 金平 裕樹 25.0 25.0
4 佐藤あいり 24.1 24.1
5 木村 東平 20.9 20.9
6 大西 義則 15.3 15.3
7 中谷 彰吾 7.6 7.6
8 青山 大 0.0 0.0
9 富村 つぐみ 0.0 0.0
10 牛尾 信之 0.0 0.0
11 大橋 幸正 0.0 0.0
12 田村 良介 ▲ 16.7 ▲ 16.7
13 高橋 侑希 ▲ 17.1 ▲ 17.1
14 安藤 大貴 ▲ 33.7 ▲ 33.7
15 斎藤 寛生 ▲ 47.9 ▲ 47.9
16 村瀬 寛光 ▲ 68.8 ▲ 68.8

 

●Cリーグ:原田知彦

Cリーグのレポートを担当します28期生の原田知彦です。拙い文章になるとは思いますが、半年間お付き合いいただければ幸いです。

中部プロリーグでは、リーグ参加者の増員のため今期からDリーグが新設された。これまではCリーグが最も下位のリーグであったため、降級を恐れることなく攻めに重点に置き、ポイントを叩けるときに叩くという意識を持って対局に臨んでいた者が多かったと思われる。しかし今期からは、降級が存在するためにそうはいかない。不調時にいかにマイナスを抑えられるかということも問われる。

昇級ボーダーは今まではおおよそプラス100ポイント前後なので、5節終了時にその数字に変化があるのか興味深いところである。

私の第1節の対局者は岡本・太田(峻)・蓮池であった。1回戦から蓮池は状態の良さを感じさせた。アガる手には、手役がある時よりもドラがある時が多かったし、役牌を一鳴きし1,000点でアガる時は他者からリーチが来ても危険牌を掴まずにツモれるというような状態であった。逆に良くなさそうだったのが太田で、攻めたつもりではないのに放銃になってしまうと感じられる局がしばしば見られた。その中間が岡本と私であったと思う。1回戦は太田の1人沈みで終了。

その状況が一変したのが2回戦。東場の太田の親番で、私は北家であった。0本場の流局間際での出来事。全員テンパイが濃厚で、私にハイテイが回ってきた。ツモってきた牌は、太田以外の2人には通りそう。太田に対しては両面待ちなら残りスジが数本のうちの1本という危険牌。ここでこう考えた。1人ノーテンなら▲3,000点だが、ドラは太田が1枚しか持って無いだろうから仮に太田に放銃になっても2,900点だろう。運良く通れば無失点で済むと。

結果、放銃になり予想どおりの2,900点の失点であった。が、1局という点で見れば2,900点だが、それがかなり太い線になってしまった。その後、太田は親番を6本まで積み、点棒は5万点近くまで伸ばした。当然トップで終了。私はというとその局以降、放銃牌が押し寄せ勝負手はアガれず、1人沈みのラスになってしまった。完全に勢いを太田に献上してしまった1局だと感じている。

その後3回戦、4回戦丁寧に打ったつもりではあったが体勢は立て直せず、大きなマイナスとなってしまった。
逆に状態の良さを維持できたのは蓮池で、仕掛けやリーチ判断が局面と合致していため、崩れる感じが無かった。まだ1節ではあるが暫定の1位もうなずける。
私は今日の1打を心に刻み、反省し、2節以降に活かしていきたい。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 蓮池 浩太 61.8 61.8
2 鈴木 基芳 55.1 55.1
3 若松 正和 32.3 32.3
4 杉浦 貴紀 22.4 22.4
5 大高坂 松城 4.4 4.4
6 河合 慎悟 1.7 1.7
7 岡本 丈司 0.2 0.2
8 大滝 聡 ▲ 2.0 ▲ 2.0
9 鈴木 淳 ▲ 2.4 ▲ 2.4
10 太田 峻也 ▲ 6.3 ▲ 6.3
11 堤 文吾 ▲ 11.3 ▲ 11.3
12 岡田 智和 ▲ 13.8 ▲ 13.8
13 大町 篤志 ▲ 18.2 ▲ 18.2
14 太田 充 ▲ 18.5 ▲ 18.5
15 花井 香央理 ▲ 50.7 ▲ 50.7
16 原田 知彦 ▲ 55.7 ▲ 55.7

 

●Dリーグ:浅野文雅

まだまだ寒波の続く中、第31期中部プロリーグが開幕した。
今期は新たに9人の新人が加わり、60人以上の大所帯になりDリーグが新設された。

ただ、中部プロリーグのDリーグでも第13回野口恭一郎賞受賞した池沢麻奈美や中部プロリーグ唯一の連覇を果たした鈴木雄介がいる。
同卓した新人たちはさぞ緊張したであろう。

中部プロリーグでは不調だが対局者は警戒するであろう。

ただ、降級がないため昇級のみを目指して戦える。

その強みを活かし新人には強くあたってもらいたい。

最後に、私自身のことですが、本手がなかなか決まらない苦しい展開でしたが、要所で運良く加点でき初節としては悪くなかったと感じます。
ただ、切ってから気づくミスはあり、反省すべき点である。

今回得た反省を活かし、第2節良い結果を残せる様に頑張りたいと思います。

Dリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木 雄介 45.3 45.3
2 近藤 美香 14.2 14.2
3 後藤 咲 11.6 11.6
4 吉川 裕太 11.4 11.4
5 池沢 麻奈美 0.0 0.0
6 奥 潤次 0.0 0.0
7 鈴木 涼太 0.0 0.0
8 日高 志穂 0.0 0.0
9 羽川 えりか 0.0 0.0
10 加来 千香子 ▲ 3.3 ▲ 3.3
11 浅野 文雅 ▲ 10.9 ▲ 10.9
12 山本 美文 ▲ 12.1 ▲ 12.1
13 鷲津 槙一 ▲ 24.3 ▲ 24.3
14 家田 みゆき ▲ 31.9 ▲ 31.9

中部プロリーグ レポート/第31期中部プロリーグ 第1節レポート

●Aリーグ:小野雅峻
先日、1月24日に第30期中部プロリーグ決勝戦が行われた。第30期より決勝戦が放送対局となり、どなたでも気軽に観戦が可能となった。出場者は全員に優勝経験があるベテラン揃いとなり、非常に見ごたえのある激戦となった。是非一度ご覧になって頂きたい対局であったと思う。その混戦となった決勝戦を制したのは、日本プロ麻雀連盟の最高峰、鳳凰戦A1リーグで活躍している古川孝次。第33・34期鳳凰位決定戦を連覇した前原雄大などと並び、尊敬し、目標とする大先輩である。いずれ同じ舞台に立つ事を目指し、努力をしていかなければならないと感じた。
2月、中部プロリーグの開幕月である。今回、レポートを書かせて頂くことになりました、中部本部29期生小野雅峻です。お付き合いよろしくお願いします。
今期で第31期となる中部プロリーグであるが、今期よりAリーグが全10節の通年制となった。とはいえ第1節に臨む姿勢としては今までとあまり変わる事はないだろう。第1節目から降級や残留を意識して対局に挑むような選手はAリーグにはいない。目指すは1年後の決勝卓、そして優勝である。当然、わたしの目標もそこである。第26期に決勝に残り、優勝という結果を残すことが出来たが、内容に関しては満足といえるものではなく、それ以降は決勝卓に残れていない。
第1節目の組み合わせは前節の結果より以下の通りとなった。
1卓 古川・山本(拓)・小野・伊藤
2卓 寺戸・日下・林・掛水
3卓 三戸・清水・土岐・都築
4卓 杉村・森下・朝岡・加藤
やはり気になるのは昇級組である加藤、都築であろうか。特に都築はCリーグからの連続昇級である。ベテランであればあるほど打ち慣れた相手の場合、打ち手の得意な戦術に対し手順を変化させていくものである。ところが初対局となるとそうはいかない。相手の打ち筋を見ようと慎重になることで後手を引いてしまい、相手のペースに呑まれてしまうという事は麻雀においてはよくあることである。
本日の結果としては、1卓以外は比較的大きく動くことなく終了した。残りの3卓では3回戦終了時で卓内トップだった者が4回戦で大きく沈むという結果になった。これは対局者がマークすべき相手を見極め、意識した上で対局した結果だろう。
今期より10節の長丁場となるAリーグ。これからどのような展開になっていくのか楽しみである。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 小野 雅峻 73.1 73.1
2 寺戸 孝志 35.7 35.7
3 朝岡 祐 22.1 22.1
4 土岐 雄太 17.8 17.8
5 加藤 泰史 16.2 16.2
6 伊藤 鉄也 15.6 15.6
7 林 俊宏 13.3 13.3
8 三戸 亮祐 5.4 5.4
9 古川 孝次 ▲ 2.0 ▲ 2.0
10 森下 剛任 ▲ 7.4 ▲ 7.4
11 掛水 洋徳 ▲ 8.9 ▲ 8.9
12 清水 哲也 ▲ 9.0 ▲ 9.0
13 都築 友和 ▲ 14.2 ▲ 14.2
14 杉村 泰治 ▲ 30.9 ▲ 30.9
15 日下 健司 ▲ 40.1 ▲ 40.1
16 山本 拓哉 ▲ 86.7 ▲ 86.7

 
●Bリーグ:安藤大貴
第31期中部プロリーグ、Bリーグのレポートを担当します28期生安藤大貴です。
半年間お付き合い頂ければ幸いです。
麻雀経験者なら経験した事があるであろう、調子の悪い日。
何故マイナスをしまうのか、勝ち続ける事はできないのであろうか。
麻雀は目に見えない所があるため、運要素がどうしても絡んできてしまう。
マイナスをしてしまう日があるのは、仕方ない事なのだろう。
では、調子の悪い日の立て直し方はどのようにしたらいいのか。
調子によって打ち方を変えるという事は、自分のフォームを崩す事になると、否定派の人も多いであろう。しかし麻雀という競技の永遠のテーマではないだろうか。
レポートと共に、今回このテーマについても各選手、どの様な手法を取っているのか聴いていきたい。
まず結果から見ていこう。
越川+61.4Pと良いスタートを切った、来節以降もまだまだポイントを伸ばす意気込みで対局に臨んでくるであろう、目が離せない選手である。
長谷川+29.9Pと卓内トップ。内容は4着、1着、2着、1着。1回戦4着後の盛り返しが見事であった。2回戦のチャンタ系の仕掛けが起点になった様に感じた。
金平+25.0P、2回戦時点で+60P越えであったがそこは大西、独走を許さなかった。
その大西も+15.3Pとまとめ上げた。
村瀬・斎藤は苦しいスタートとなった。2節目以降の盛り返しに期待したい。
私自身は▲33.7Pと痛恨のスタートとなってしまった。
1回戦から鳴く、鳴かない、の選択に結果間違ってしまって空回りしてしまっていた。
そこを踏まえて、2回戦以降に挑まなければいけなかった様に思える。
ならばどうしたら良かったのか。
この様な時は動かざること山の如し、のスタイルを意識していた。
安全に反撃のチャンスを伺うスタイルである、果たしてこの手法で良いのであろうか。
選手の数だけ考え方がある、来節以降他の選手の考え方を聴いていきたい。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 越川 清一 61.4 61.4
2 長谷川 弘 29.9 29.9
3 金平 裕樹 25.0 25.0
4 佐藤あいり 24.1 24.1
5 木村 東平 20.9 20.9
6 大西 義則 15.3 15.3
7 中谷 彰吾 7.6 7.6
8 青山 大 0.0 0.0
9 富村 つぐみ 0.0 0.0
10 牛尾 信之 0.0 0.0
11 大橋 幸正 0.0 0.0
12 田村 良介 ▲ 16.7 ▲ 16.7
13 高橋 侑希 ▲ 17.1 ▲ 17.1
14 安藤 大貴 ▲ 33.7 ▲ 33.7
15 斎藤 寛生 ▲ 47.9 ▲ 47.9
16 村瀬 寛光 ▲ 68.8 ▲ 68.8

 
●Cリーグ:原田知彦
Cリーグのレポートを担当します28期生の原田知彦です。拙い文章になるとは思いますが、半年間お付き合いいただければ幸いです。
中部プロリーグでは、リーグ参加者の増員のため今期からDリーグが新設された。これまではCリーグが最も下位のリーグであったため、降級を恐れることなく攻めに重点に置き、ポイントを叩けるときに叩くという意識を持って対局に臨んでいた者が多かったと思われる。しかし今期からは、降級が存在するためにそうはいかない。不調時にいかにマイナスを抑えられるかということも問われる。
昇級ボーダーは今まではおおよそプラス100ポイント前後なので、5節終了時にその数字に変化があるのか興味深いところである。
私の第1節の対局者は岡本・太田(峻)・蓮池であった。1回戦から蓮池は状態の良さを感じさせた。アガる手には、手役がある時よりもドラがある時が多かったし、役牌を一鳴きし1,000点でアガる時は他者からリーチが来ても危険牌を掴まずにツモれるというような状態であった。逆に良くなさそうだったのが太田で、攻めたつもりではないのに放銃になってしまうと感じられる局がしばしば見られた。その中間が岡本と私であったと思う。1回戦は太田の1人沈みで終了。
その状況が一変したのが2回戦。東場の太田の親番で、私は北家であった。0本場の流局間際での出来事。全員テンパイが濃厚で、私にハイテイが回ってきた。ツモってきた牌は、太田以外の2人には通りそう。太田に対しては両面待ちなら残りスジが数本のうちの1本という危険牌。ここでこう考えた。1人ノーテンなら▲3,000点だが、ドラは太田が1枚しか持って無いだろうから仮に太田に放銃になっても2,900点だろう。運良く通れば無失点で済むと。
結果、放銃になり予想どおりの2,900点の失点であった。が、1局という点で見れば2,900点だが、それがかなり太い線になってしまった。その後、太田は親番を6本まで積み、点棒は5万点近くまで伸ばした。当然トップで終了。私はというとその局以降、放銃牌が押し寄せ勝負手はアガれず、1人沈みのラスになってしまった。完全に勢いを太田に献上してしまった1局だと感じている。
その後3回戦、4回戦丁寧に打ったつもりではあったが体勢は立て直せず、大きなマイナスとなってしまった。
逆に状態の良さを維持できたのは蓮池で、仕掛けやリーチ判断が局面と合致していため、崩れる感じが無かった。まだ1節ではあるが暫定の1位もうなずける。
私は今日の1打を心に刻み、反省し、2節以降に活かしていきたい。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 蓮池 浩太 61.8 61.8
2 鈴木 基芳 55.1 55.1
3 若松 正和 32.3 32.3
4 杉浦 貴紀 22.4 22.4
5 大高坂 松城 4.4 4.4
6 河合 慎悟 1.7 1.7
7 岡本 丈司 0.2 0.2
8 大滝 聡 ▲ 2.0 ▲ 2.0
9 鈴木 淳 ▲ 2.4 ▲ 2.4
10 太田 峻也 ▲ 6.3 ▲ 6.3
11 堤 文吾 ▲ 11.3 ▲ 11.3
12 岡田 智和 ▲ 13.8 ▲ 13.8
13 大町 篤志 ▲ 18.2 ▲ 18.2
14 太田 充 ▲ 18.5 ▲ 18.5
15 花井 香央理 ▲ 50.7 ▲ 50.7
16 原田 知彦 ▲ 55.7 ▲ 55.7

 
●Dリーグ:浅野文雅
まだまだ寒波の続く中、第31期中部プロリーグが開幕した。
今期は新たに9人の新人が加わり、60人以上の大所帯になりDリーグが新設された。
ただ、中部プロリーグのDリーグでも第13回野口恭一郎賞受賞した池沢麻奈美や中部プロリーグ唯一の連覇を果たした鈴木雄介がいる。
同卓した新人たちはさぞ緊張したであろう。
中部プロリーグでは不調だが対局者は警戒するであろう。
ただ、降級がないため昇級のみを目指して戦える。
その強みを活かし新人には強くあたってもらいたい。
最後に、私自身のことですが、本手がなかなか決まらない苦しい展開でしたが、要所で運良く加点でき初節としては悪くなかったと感じます。
ただ、切ってから気づくミスはあり、反省すべき点である。
今回得た反省を活かし、第2節良い結果を残せる様に頑張りたいと思います。
Dリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木 雄介 45.3 45.3
2 近藤 美香 14.2 14.2
3 後藤 咲 11.6 11.6
4 吉川 裕太 11.4 11.4
5 池沢 麻奈美 0.0 0.0
6 奥 潤次 0.0 0.0
7 鈴木 涼太 0.0 0.0
8 日高 志穂 0.0 0.0
9 羽川 えりか 0.0 0.0
10 加来 千香子 ▲ 3.3 ▲ 3.3
11 浅野 文雅 ▲ 10.9 ▲ 10.9
12 山本 美文 ▲ 12.1 ▲ 12.1
13 鷲津 槙一 ▲ 24.3 ▲ 24.3
14 家田 みゆき ▲ 31.9 ▲ 31.9

第178回:プロ雀士インタビュー 佐々木 寿人  インタビュアー:蛯原 朗

【出会い】

 

クリスマスで街が賑わう中、世界の終わりを何度となく照らしてきたような水銀灯の前を一人寂しく歩いていると、ふとある歌詞が頭に浮かんだ。

『夢は見るんじゃなくて叶えるものだ…って誰かが言ってたな、そんなのどっちでもいい、いま目の前のチャンスつかむの』

翌日、目が覚め携帯電話を手に取ると、編集部からメールが届いていた。
内容は佐々木寿人プロの天空麻雀19優勝インタビューをお願いしたいと言うものだった。
私は二つ返事で承諾し、机の中に大切にしまっていた青いファイルを取り出し読み返した。

 

100
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10年以上前のものである。当時、近代麻雀で連載されていた、寿人さんがプロになる前の姿を描いた「激突」と言う漫画を、私は1ページずつ綺麗にファイリングしていたのだ。
これが私と佐々木寿人プロとの初めての出会いであり、この時から私は寿人さんの大ファンである。

連盟チャンネル、モンドTV、近代麻雀などでその活躍をずっと見てきたため、寿人さんからのインタビューの日程調整の返信を待つ間は、まるで片想いの相手からの返信を待っているかのようにドキドキした。
インタビュー記事を作成するにあたり、実際に対話していた時の音声を後から聞いてみたときも、その声のうわずり方から、いかに自分が興奮していたのかに気付き、顔から火が出る思いがした。

インタビュー当日、場所は連盟スタジオだったのだが、出だしから緊張しまくっていた私に寿人さんは冷蔵庫を開けながらこう言った。

「まあ、りんごジュースでも飲めよ。」

この冗談に「自宅かよ!」と突っ込むことなど出来るわけもなかったが、その気遣いで気持ちが和み、スムーズにインタビューを開始することができた。

 

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【最終形のイメージ】

 

蛯原「早速ですが、今回の対局でマークしていたプロはいますか?」

寿人「意識する人は森山会長だよ。ここで優勝されると差が3つになっちゃうからね。負けられないよ。」

テレビ対局での優勝回数は数知れず。
この天空麻雀でも第1回大会から出場し続け、勿論何度も優勝をしている寿人プロ。
しかし、それ以上に多くの優勝を、森山会長がしているのだ。

 

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東1局

蛯原「この手牌からペン三索を嫌いましたが、待ちが弱いからですか?南切る人も多そうですが。」

寿人「そうだね、ペン三索がイヤだったことと、赤五索を切りたくないからね。赤五索を使い切る最終形をイメージして、アタマ探しが優先って感じだね。最終形、南単騎でもいいしね。」

この『単騎でもいいしね』という言葉を聞いたとき、ある記事を思い出し懐かしくなった。
内容は、以下のようなものだ。

T氏が初めてS氏と対戦したときのことである。
中盤過ぎ、S氏がリーチと発声。周りは皆オリ、流局後S氏が広げた手牌を見て、T氏は衝撃を受けるのであった。

T氏「えっ・・・・・。」

待ちが何の脈絡も無さそうな七筒単騎だったからだ。

S氏「六筒単騎だったなー。」

T氏「・・・・・・・・。」

T氏は言葉を失った。

もうお分かりかとは思うが、このT氏は滝沢和典プロ、S氏は佐々木寿人プロである。
おそらくこの記事は10年ほど前に読んだものであったので、寿人プロはこの当時から超愚形リーチを極めていたと言うことになる。

 

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東1局の手牌の話に戻るが、結局この局は先に南が重なり、まんまとアタマ探しに成功した寿人プロ。
開局早々イメージ通りの4,000オールをアガリ、好調な滑り出しとなった。

 

 

【東風戦時代】

 

100

 

東2局

寿人「ここで打点が欲しい場合は八筒切る人もいるかもね。ただ、これは別にドラの五筒が出て行ってしまっても良いと思っていたよ。四筒入ってくれれば自然にドラも使えるしね。」

寿人プロは、一番ロスの少ない、赤五索切りを選択。

蛯原「この局は、打点よりも最終形の良さとアガリ易さ優先の手組をしていると言うことですか?」

寿人「そうね、今リードしてるからね。点数が無いときは、赤五索残して八筒切りそうだけどね。」

蛯原「赤牌の話をしていると、寿人さんの東風戦時代を思い出しますよ。天空麻雀のルールは、打ち方的に東風戦に近いものはありますか?できれば勝つ秘訣みたいなものも教えて下さい。」

寿人「だいたい同じだね。割と序盤に手を広げられるときは、好調を意識しているときだし、安全牌を持つときは誰かをマークしているようなことはあるよね。基本は手をブクブクにしている方が僕は勝てると思っているよ。」

蛯原「そうなんですね。」

寿人「安全牌を残したがってターツの失敗とかするのは、気持ちの弱さだよね。昔はあまりなかったなぁ。アガることに必死だったからね。リーチ入っても危険牌バンバン切ってたしね。」

蛯原「攻める姿勢に関してはだいぶ変わったんですね。」

寿人「だいぶ変わったよ。」

蛯原「今はガンガン切ってますもんね。」

寿人「おいっ、人の話聞いてるのか!(笑)」

蛯原「すいません。(笑)」

 

 

【近代麻雀で漫画のモデル】

 

蛯原「寿人さんと言えば近代麻雀で漫画のモデルにもなっていましたが、お店で働いていたときの成績(平均順位)は相当良かったんじゃないですか?」

寿人「2.2位だね。」

蛯原「えっ?そんなに良かったんですか?」

寿人「そうね。メンバーのときはしっかり成績つけてたからね。」

蛯原(神様、仏様、寿人様・・・。)

寿人「東風戦を打っていれば字牌の残し方重ね方と、タンヤオはどうやったって上手くなるよ。麻雀勝つには重要な要素だからね。競技ルールから入った人は、打点を作ること、手役を作ることは上手かもしれないけど、アガリ方が上手かどうかはまた別だよね。赤あり麻雀はアガリ回数が大事だからね。」

 

 

【鉄のメンタル】

 

100

 

東3局

蛯原「この放銃は何か思ったことはありましたか?」

寿人「あーやられたなって思ったよ。受け間違いもあるし、放銃になっているからマークすべきは小島先生かなって感じだね。」

蛯原「今見ても三万打ちますかね?」

寿人「打つかもねー?うん、打ちそうな感じするわ。言うても絶対的に正解は出せないからね。失敗したら失敗であきらめるしかないよね。」

(さすがだなー・・・。)

この局はアガリを逃した上、放銃となり厳しい状況に立たされてしまった。それにも関わらず、揺れない心の強さ・・・これがまさに寿人プロの強さの所以『鉄のメンタル』なのだ。
これがタイトル獲得やテレビ対局などで数多くの優勝に繋がっているのではないだろうか。

実際に寿人プロのメンタル面の強さは荒正義プロの本にも紹介されている。

 

麻雀進化論
荒 正義/著

佐々木寿人という男

14図 南3局 東家 11巡目

四万四万二索四索六索七索七索五筒五筒赤五筒六筒七筒八筒  ツモ六索  ドラ四索

14図は南3局、11巡目の東家の手だ。

東家は前局6,000オールを引いて、ラスから一躍トップに踊り出たところである。
現状7,000点の浮きで二番手の北家とは一万点差。
つまり、もうひとアガリでトップがほぼ確定する状況なのだ。となれば鳴いて5,800点のアガリでもよしである。
ではこのとき、あなたなら何を切るだろう。
東家は一瞬ためらいながらも二索を切った。
この東家こそが佐々木寿人プロである。寿人と書いてヒサトと読む。

確かにヒサトの攻めは日本刀のように鋭い切れ味がする。
さらに、ツモって切る打牌のスピードも群を抜いている。
打牌の速さは強さに通じるのである。
しかしそんなヒサトもこのときだけは間違えた。
鳴いて5,800点でもOKなら、この形は七索切りが本手なのである。
これなら手の内のソーズは二索四索六索六索七索の形に分けられる。
ドラを生かして三索が鳴ける分、手が広く二索切りより七索切りが勝るのである。

もちろん、この手で三暗刻を狙うなど論外である。
案の定、ヒサトの次のツモが三索でこの一局の大事なアガリを逃した。
さらにトップもまくられたのである。

ヒサトも人間、また麻雀は正直なものである。
だが、彼のもう一つの強さは、それでも揺れない心の強さだ。
闘いの姿勢はもう次の半荘に向いているのだ。
失投を一番感じているのは彼自信のはずである。
しかし勝負の途中の反省は、視野を狭くし思考能力の低下につながる。
反省なんか後だ、である。この気合がいいのだ。

 

 

【打点をMAXに・・・】

 

100

 

東4局

蛯原「手役派の寿人さんが五万切るのは珍しいですね。」

寿人「これ大きかったな。狭く受けざるをえなかった。やっぱり意識が先生に向いてるから打点をMAXにできなかったって感じだね。この局ポイントだね。」

 

100

 

五万残しの場合、ピンフ三色赤ドラのテンパイ)

蛯原「ちなみに五万残してた場合、打点はあるのですがリーチしますか?」

寿人「リーチだね。ただ手役のこと一切考えなければ、リーチ宣言牌を字牌にした方が動かれるかどうかわからないから理想的だよね。」

 

 

【七対子は安全牌を】

 

100

 

2回戦目 東2局1本場

蛯原「細かい話にはなりますが、この手牌の一索九万の比較についてお聞きしたいのですが・・・。」

寿人「親が九万を切っているから一索を切るね。七対子をやるときは、傾向として自分の都合の良い牌だけを残さず、安全牌を残したがるかな。点数があったりすると違うかもしれないけど、リードしていてあと1半荘であまり大きな放銃をしたくない状況だから九万は場に2枚出ているけど、持っておく。これがドラ2枚あれば話は変わるけどね。」

 

100

 

この局は、親の小島先生から先制リーチが入ると、森山会長からも追っかけリーチが入った。寿人プロは2件リーチと苦しい中、上手く回りながらテンパイをとることができたのだが、最終的に親の小島先生に7,700の放銃となる。

蛯原「放銃となってしまった七万は凄く良い待ちになっていますね。」

寿人「感想戦でも言ったけど良い待ちなんだよ。これはやられたね。」

蛯原「これで現状トップ目が小島先生になりましたが心境の変化はありましたか?」

寿人「劣勢になってるから今度はちゃんとアガリ返していかないといけないと思ったよ。」

 

 

【ミラクル的なアガリ】

 

100

 

2回戦目 南3局

寿人「白は有り難かったね。一発での出アガリになったからね。タンヤオをつけたかったんだけど、結果的には受けの気持ちで残した白が重なって・・・」

 

100

 

蛯原「この形から白を切る人もいるので、人によってはアガれない形でしたね。」

寿人「小島先生の仕掛けあってのアガリだね。 本来の手順だとここで白打つかもしれない。麻雀ってミラクル的なアガリが出た時には結構優勝することがある。手順通りに打ったとしても必ずしもアガれるとは限らないからね。」

 

 

【電光石火】

 

100

 

2回戦目 南4局

2回戦オーラス、アガれば優勝の条件だ。
寿人プロは、東風戦で磨いたスピード主体の麻雀を活かし、電光石火のごとく積極的に捌きに向かい、5度目の優勝となった。

寿人プロ、改めて優勝おめでとうございます。
次回の天空麻雀を連覇し、現6度優勝の森山会長に並ぶことができるのか?
はたまた別の強者達が優勝するのであろうか。
白熱した戦いが、今から待ち遠しい。

蛯原「寿人さんが、初めてテレビ対局に出たのは、萩原さんと対局した番組ですよね?あの時に、初めて寿人さんがどんな顔をしている人なのかを知りました。」

寿人「そうそうそう。なんでも知ってるね。」

蛯原「初めてのテレビ対局は緊張しましたか?」

寿人「だいぶ・・・」
(寿人さんも緊張とかするのか)

寿人「いや、しなかったな。」

蛯原「さ、さすがです。。」

寿人「蛯原って・・・本当に、俺のファンなんだな。(笑)」

 

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プロ雀士インタビュー/第178回:プロ雀士インタビュー 佐々木 寿人  インタビュアー:蛯原 朗

【出会い】
 
クリスマスで街が賑わう中、世界の終わりを何度となく照らしてきたような水銀灯の前を一人寂しく歩いていると、ふとある歌詞が頭に浮かんだ。
『夢は見るんじゃなくて叶えるものだ…って誰かが言ってたな、そんなのどっちでもいい、いま目の前のチャンスつかむの』
翌日、目が覚め携帯電話を手に取ると、編集部からメールが届いていた。
内容は佐々木寿人プロの天空麻雀19優勝インタビューをお願いしたいと言うものだった。
私は二つ返事で承諾し、机の中に大切にしまっていた青いファイルを取り出し読み返した。
 
100
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10年以上前のものである。当時、近代麻雀で連載されていた、寿人さんがプロになる前の姿を描いた「激突」と言う漫画を、私は1ページずつ綺麗にファイリングしていたのだ。
これが私と佐々木寿人プロとの初めての出会いであり、この時から私は寿人さんの大ファンである。
連盟チャンネル、モンドTV、近代麻雀などでその活躍をずっと見てきたため、寿人さんからのインタビューの日程調整の返信を待つ間は、まるで片想いの相手からの返信を待っているかのようにドキドキした。
インタビュー記事を作成するにあたり、実際に対話していた時の音声を後から聞いてみたときも、その声のうわずり方から、いかに自分が興奮していたのかに気付き、顔から火が出る思いがした。
インタビュー当日、場所は連盟スタジオだったのだが、出だしから緊張しまくっていた私に寿人さんは冷蔵庫を開けながらこう言った。
「まあ、りんごジュースでも飲めよ。」
この冗談に「自宅かよ!」と突っ込むことなど出来るわけもなかったが、その気遣いで気持ちが和み、スムーズにインタビューを開始することができた。
 
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【最終形のイメージ】
 
蛯原「早速ですが、今回の対局でマークしていたプロはいますか?」
寿人「意識する人は森山会長だよ。ここで優勝されると差が3つになっちゃうからね。負けられないよ。」
テレビ対局での優勝回数は数知れず。
この天空麻雀でも第1回大会から出場し続け、勿論何度も優勝をしている寿人プロ。
しかし、それ以上に多くの優勝を、森山会長がしているのだ。
 
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東1局
蛯原「この手牌からペン三索を嫌いましたが、待ちが弱いからですか?南切る人も多そうですが。」
寿人「そうだね、ペン三索がイヤだったことと、赤五索を切りたくないからね。赤五索を使い切る最終形をイメージして、アタマ探しが優先って感じだね。最終形、南単騎でもいいしね。」
この『単騎でもいいしね』という言葉を聞いたとき、ある記事を思い出し懐かしくなった。
内容は、以下のようなものだ。
T氏が初めてS氏と対戦したときのことである。
中盤過ぎ、S氏がリーチと発声。周りは皆オリ、流局後S氏が広げた手牌を見て、T氏は衝撃を受けるのであった。
T氏「えっ・・・・・。」
待ちが何の脈絡も無さそうな七筒単騎だったからだ。
S氏「六筒単騎だったなー。」
T氏「・・・・・・・・。」
T氏は言葉を失った。
もうお分かりかとは思うが、このT氏は滝沢和典プロ、S氏は佐々木寿人プロである。
おそらくこの記事は10年ほど前に読んだものであったので、寿人プロはこの当時から超愚形リーチを極めていたと言うことになる。
 
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東1局の手牌の話に戻るが、結局この局は先に南が重なり、まんまとアタマ探しに成功した寿人プロ。
開局早々イメージ通りの4,000オールをアガリ、好調な滑り出しとなった。
 
 
【東風戦時代】
 
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東2局
寿人「ここで打点が欲しい場合は八筒切る人もいるかもね。ただ、これは別にドラの五筒が出て行ってしまっても良いと思っていたよ。四筒入ってくれれば自然にドラも使えるしね。」
寿人プロは、一番ロスの少ない、赤五索切りを選択。
蛯原「この局は、打点よりも最終形の良さとアガリ易さ優先の手組をしていると言うことですか?」
寿人「そうね、今リードしてるからね。点数が無いときは、赤五索残して八筒切りそうだけどね。」
蛯原「赤牌の話をしていると、寿人さんの東風戦時代を思い出しますよ。天空麻雀のルールは、打ち方的に東風戦に近いものはありますか?できれば勝つ秘訣みたいなものも教えて下さい。」
寿人「だいたい同じだね。割と序盤に手を広げられるときは、好調を意識しているときだし、安全牌を持つときは誰かをマークしているようなことはあるよね。基本は手をブクブクにしている方が僕は勝てると思っているよ。」
蛯原「そうなんですね。」
寿人「安全牌を残したがってターツの失敗とかするのは、気持ちの弱さだよね。昔はあまりなかったなぁ。アガることに必死だったからね。リーチ入っても危険牌バンバン切ってたしね。」
蛯原「攻める姿勢に関してはだいぶ変わったんですね。」
寿人「だいぶ変わったよ。」
蛯原「今はガンガン切ってますもんね。」
寿人「おいっ、人の話聞いてるのか!(笑)」
蛯原「すいません。(笑)」
 
 
【近代麻雀で漫画のモデル】
 
蛯原「寿人さんと言えば近代麻雀で漫画のモデルにもなっていましたが、お店で働いていたときの成績(平均順位)は相当良かったんじゃないですか?」
寿人「2.2位だね。」
蛯原「えっ?そんなに良かったんですか?」
寿人「そうね。メンバーのときはしっかり成績つけてたからね。」
蛯原(神様、仏様、寿人様・・・。)
寿人「東風戦を打っていれば字牌の残し方重ね方と、タンヤオはどうやったって上手くなるよ。麻雀勝つには重要な要素だからね。競技ルールから入った人は、打点を作ること、手役を作ることは上手かもしれないけど、アガリ方が上手かどうかはまた別だよね。赤あり麻雀はアガリ回数が大事だからね。」
 
 
【鉄のメンタル】
 
100
 
東3局
蛯原「この放銃は何か思ったことはありましたか?」
寿人「あーやられたなって思ったよ。受け間違いもあるし、放銃になっているからマークすべきは小島先生かなって感じだね。」
蛯原「今見ても三万打ちますかね?」
寿人「打つかもねー?うん、打ちそうな感じするわ。言うても絶対的に正解は出せないからね。失敗したら失敗であきらめるしかないよね。」
(さすがだなー・・・。)
この局はアガリを逃した上、放銃となり厳しい状況に立たされてしまった。それにも関わらず、揺れない心の強さ・・・これがまさに寿人プロの強さの所以『鉄のメンタル』なのだ。
これがタイトル獲得やテレビ対局などで数多くの優勝に繋がっているのではないだろうか。
実際に寿人プロのメンタル面の強さは荒正義プロの本にも紹介されている。
 
麻雀進化論
荒 正義/著
佐々木寿人という男
14図 南3局 東家 11巡目
四万四万二索四索六索七索七索五筒五筒赤五筒六筒七筒八筒  ツモ六索  ドラ四索
14図は南3局、11巡目の東家の手だ。
東家は前局6,000オールを引いて、ラスから一躍トップに踊り出たところである。
現状7,000点の浮きで二番手の北家とは一万点差。
つまり、もうひとアガリでトップがほぼ確定する状況なのだ。となれば鳴いて5,800点のアガリでもよしである。
ではこのとき、あなたなら何を切るだろう。
東家は一瞬ためらいながらも二索を切った。
この東家こそが佐々木寿人プロである。寿人と書いてヒサトと読む。
確かにヒサトの攻めは日本刀のように鋭い切れ味がする。
さらに、ツモって切る打牌のスピードも群を抜いている。
打牌の速さは強さに通じるのである。
しかしそんなヒサトもこのときだけは間違えた。
鳴いて5,800点でもOKなら、この形は七索切りが本手なのである。
これなら手の内のソーズは二索四索六索六索七索の形に分けられる。
ドラを生かして三索が鳴ける分、手が広く二索切りより七索切りが勝るのである。
もちろん、この手で三暗刻を狙うなど論外である。
案の定、ヒサトの次のツモが三索でこの一局の大事なアガリを逃した。
さらにトップもまくられたのである。
ヒサトも人間、また麻雀は正直なものである。
だが、彼のもう一つの強さは、それでも揺れない心の強さだ。
闘いの姿勢はもう次の半荘に向いているのだ。
失投を一番感じているのは彼自信のはずである。
しかし勝負の途中の反省は、視野を狭くし思考能力の低下につながる。
反省なんか後だ、である。この気合がいいのだ。
 
 
【打点をMAXに・・・】
 
100
 
東4局
蛯原「手役派の寿人さんが五万切るのは珍しいですね。」
寿人「これ大きかったな。狭く受けざるをえなかった。やっぱり意識が先生に向いてるから打点をMAXにできなかったって感じだね。この局ポイントだね。」
 
100
 
五万残しの場合、ピンフ三色赤ドラのテンパイ)
蛯原「ちなみに五万残してた場合、打点はあるのですがリーチしますか?」
寿人「リーチだね。ただ手役のこと一切考えなければ、リーチ宣言牌を字牌にした方が動かれるかどうかわからないから理想的だよね。」
 
 
【七対子は安全牌を】
 
100
 
2回戦目 東2局1本場
蛯原「細かい話にはなりますが、この手牌の一索九万の比較についてお聞きしたいのですが・・・。」
寿人「親が九万を切っているから一索を切るね。七対子をやるときは、傾向として自分の都合の良い牌だけを残さず、安全牌を残したがるかな。点数があったりすると違うかもしれないけど、リードしていてあと1半荘であまり大きな放銃をしたくない状況だから九万は場に2枚出ているけど、持っておく。これがドラ2枚あれば話は変わるけどね。」
 
100
 
この局は、親の小島先生から先制リーチが入ると、森山会長からも追っかけリーチが入った。寿人プロは2件リーチと苦しい中、上手く回りながらテンパイをとることができたのだが、最終的に親の小島先生に7,700の放銃となる。
蛯原「放銃となってしまった七万は凄く良い待ちになっていますね。」
寿人「感想戦でも言ったけど良い待ちなんだよ。これはやられたね。」
蛯原「これで現状トップ目が小島先生になりましたが心境の変化はありましたか?」
寿人「劣勢になってるから今度はちゃんとアガリ返していかないといけないと思ったよ。」
 
 
【ミラクル的なアガリ】
 
100
 
2回戦目 南3局
寿人「白は有り難かったね。一発での出アガリになったからね。タンヤオをつけたかったんだけど、結果的には受けの気持ちで残した白が重なって・・・」
 
100
 
蛯原「この形から白を切る人もいるので、人によってはアガれない形でしたね。」
寿人「小島先生の仕掛けあってのアガリだね。 本来の手順だとここで白打つかもしれない。麻雀ってミラクル的なアガリが出た時には結構優勝することがある。手順通りに打ったとしても必ずしもアガれるとは限らないからね。」
 
 
【電光石火】
 
100
 
2回戦目 南4局
2回戦オーラス、アガれば優勝の条件だ。
寿人プロは、東風戦で磨いたスピード主体の麻雀を活かし、電光石火のごとく積極的に捌きに向かい、5度目の優勝となった。
寿人プロ、改めて優勝おめでとうございます。
次回の天空麻雀を連覇し、現6度優勝の森山会長に並ぶことができるのか?
はたまた別の強者達が優勝するのであろうか。
白熱した戦いが、今から待ち遠しい。
蛯原「寿人さんが、初めてテレビ対局に出たのは、萩原さんと対局した番組ですよね?あの時に、初めて寿人さんがどんな顔をしている人なのかを知りました。」
寿人「そうそうそう。なんでも知ってるね。」
蛯原「初めてのテレビ対局は緊張しましたか?」
寿人「だいぶ・・・」
(寿人さんも緊張とかするのか)
寿人「いや、しなかったな。」
蛯原「さ、さすがです。。」
寿人「蛯原って・・・本当に、俺のファンなんだな。(笑)」
 
100
 

巣鴨本部道場 2月度プロアマオープン大会成績表(最終成績)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 成績 道場ポイント
1 山田浩之 344.3 400
2 藤原隆弘 292.9 300
3 立岩知朗 287.5 250
4 藤次祐紀 255.7 200
5 シマカタ 244.4 190
6 ケンタ 239.3 180
7 金山 215.0 170
8 西角健二 202.4 160
9 ミヤ 173.1 150
10 内山和義 157.1 140
11 ソウ 143.8 120
12 客野直 141.3 119
13 塚田悠介 128.3 118
14 厚谷昇汰 125.7 117
15 住吉聡 102.8 116
16 丹野賢一 99.2 115
17 宮田良昭 95.8 114
18 稲熊勝明 93.5 113
19 太田久雄 88.2 112
20 篠田拓郎 80.4 111
21 カズ 78.0 101
22 木本一郎 68.3 100
23 青木保則 60.6 99
24 中野秀士 47.8 98
25 野瀬守康 43.6 97
26 平田信子 41.9 96
27 安藤翔 39.5 95
28 岡本英樹 32.4 94
29 Andy-San 15.3 93
30 小林大地 14.0 92
31 中村 3.1 87
32 齋藤麻衣子 ▲ 5.9 86
33 小笠原和彦 ▲ 7.0 85
34 厚地 ▲ 16.3 84
35 金丸大地 ▲ 20.1 83
36 高城雅史 ▲ 29.5 82
37 くまお ▲ 54.6 81
38 佐藤好子 ▲ 61.0 80
39 斎藤桂史 ▲ 62.1 79
40 新谷翔平 ▲ 83.9 78
41 小林泰士 ▲ 99.1 73
42 光瀬 ▲ 120.2 72

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 成績 道場ポイント
1 シマカタ 157.0 100
2 半沢 99.0 75
3 小林泰士 98.4 62.5
4 小林大地 84.6 50
5 藤本修二 69.7 47.5
6 青木保則 54.1 45
7 厚地 52.5 42.5
8 江田源太郎 51.8 40
9 カワカミ 40.2 37.5
10 植村和彦 33.2 35
11 ケンタ 17.1 30
12 柴田秀昭 14.4 29.75
13 市川幹人 6.8 29.5
14 くまお 3.6 29.25
15 毘沙門 0.9 29
16 ソウ 0.9 28.75
17 中村 ▲ 10.6 28.5
18 七色の極楽鳥 ▲ 22.9 28.25
19 高城雅史 ▲ 35.7 28
20 小笠原和彦 ▲ 86.8 27.75

 

道場ポイントランキング

順位 名前 道場ポイント
1 山田浩之 400
2 藤原隆弘 300
3 シマカタ 290
4 立岩知朗 250
5 ケンタ 210
6 藤次祐紀 200
7 金山 170
8 西角健二 160
9 ミヤ 150
10 ソウ 148.75
11 青木保則 144
12 小林大地 142
13 内山和義 140
14 小林泰士 135.5
15 厚地 126.5
16 客野直 119
17 塚田悠介 118
18 厚谷昇汰 117
19 住吉聡 116
20 中村 115.5
21 丹野賢一 115
22 宮田良昭 114
23 稲熊勝明 113
24 小笠原和彦 112.75
25 太田久雄 112
26 篠田拓郎 111
27 くまお 110.25
28 高城雅史 110
29 カズ 101
30 木本一郎 100
31 中野秀士 98
32 野瀬守康 97
33 平田信子 96
34 安藤翔 95
35 岡本英樹 94
36 Andy-San 93
37 齋藤麻衣子 86
38 金丸大地 83
39 佐藤好子 80
40 斎藤桂史 79
41 新谷翔平 78
42 半沢 75
43 光瀬 72
44 江田源太郎 40
45 カワカミ 37.5
46 植村和彦 35
47 柴田秀昭 29.75
48 市川幹人 29.5
49 毘沙門 29
50 七色の極楽鳥 28.25

成績表/巣鴨本部道場 2月度プロアマオープン大会成績表(最終成績)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 成績 道場ポイント
1 山田浩之 344.3 400
2 藤原隆弘 292.9 300
3 立岩知朗 287.5 250
4 藤次祐紀 255.7 200
5 シマカタ 244.4 190
6 ケンタ 239.3 180
7 金山 215.0 170
8 西角健二 202.4 160
9 ミヤ 173.1 150
10 内山和義 157.1 140
11 ソウ 143.8 120
12 客野直 141.3 119
13 塚田悠介 128.3 118
14 厚谷昇汰 125.7 117
15 住吉聡 102.8 116
16 丹野賢一 99.2 115
17 宮田良昭 95.8 114
18 稲熊勝明 93.5 113
19 太田久雄 88.2 112
20 篠田拓郎 80.4 111
21 カズ 78.0 101
22 木本一郎 68.3 100
23 青木保則 60.6 99
24 中野秀士 47.8 98
25 野瀬守康 43.6 97
26 平田信子 41.9 96
27 安藤翔 39.5 95
28 岡本英樹 32.4 94
29 Andy-San 15.3 93
30 小林大地 14.0 92
31 中村 3.1 87
32 齋藤麻衣子 ▲ 5.9 86
33 小笠原和彦 ▲ 7.0 85
34 厚地 ▲ 16.3 84
35 金丸大地 ▲ 20.1 83
36 高城雅史 ▲ 29.5 82
37 くまお ▲ 54.6 81
38 佐藤好子 ▲ 61.0 80
39 斎藤桂史 ▲ 62.1 79
40 新谷翔平 ▲ 83.9 78
41 小林泰士 ▲ 99.1 73
42 光瀬 ▲ 120.2 72

 
 
公式ルール(連続8戦)

順位 名前 成績 道場ポイント
1 シマカタ 157.0 100
2 半沢 99.0 75
3 小林泰士 98.4 62.5
4 小林大地 84.6 50
5 藤本修二 69.7 47.5
6 青木保則 54.1 45
7 厚地 52.5 42.5
8 江田源太郎 51.8 40
9 カワカミ 40.2 37.5
10 植村和彦 33.2 35
11 ケンタ 17.1 30
12 柴田秀昭 14.4 29.75
13 市川幹人 6.8 29.5
14 くまお 3.6 29.25
15 毘沙門 0.9 29
16 ソウ 0.9 28.75
17 中村 ▲ 10.6 28.5
18 七色の極楽鳥 ▲ 22.9 28.25
19 高城雅史 ▲ 35.7 28
20 小笠原和彦 ▲ 86.8 27.75

 
道場ポイントランキング

順位 名前 道場ポイント
1 山田浩之 400
2 藤原隆弘 300
3 シマカタ 290
4 立岩知朗 250
5 ケンタ 210
6 藤次祐紀 200
7 金山 170
8 西角健二 160
9 ミヤ 150
10 ソウ 148.75
11 青木保則 144
12 小林大地 142
13 内山和義 140
14 小林泰士 135.5
15 厚地 126.5
16 客野直 119
17 塚田悠介 118
18 厚谷昇汰 117
19 住吉聡 116
20 中村 115.5
21 丹野賢一 115
22 宮田良昭 114
23 稲熊勝明 113
24 小笠原和彦 112.75
25 太田久雄 112
26 篠田拓郎 111
27 くまお 110.25
28 高城雅史 110
29 カズ 101
30 木本一郎 100
31 中野秀士 98
32 野瀬守康 97
33 平田信子 96
34 安藤翔 95
35 岡本英樹 94
36 Andy-San 93
37 齋藤麻衣子 86
38 金丸大地 83
39 佐藤好子 80
40 斎藤桂史 79
41 新谷翔平 78
42 半沢 75
43 光瀬 72
44 江田源太郎 40
45 カワカミ 37.5
46 植村和彦 35
47 柴田秀昭 29.75
48 市川幹人 29.5
49 毘沙門 29
50 七色の極楽鳥 28.25

第5期関西覇皇トーナメント 決勝成績表

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
優勝 貫上 洋志 35.4 ▲ 17.6 ▲ 13.8 22.8 26.8
2 藤川 議次 ▲ 17.0 18.4 11.5 4.9 17.8
3 花岡 章生 ▲ 7.2 11.8 ▲ 5.1 2.0 1.5
4 稲岡 ミカ ▲ 11.2 ▲ 12.6 7.4 ▲ 29.7 ▲ 46.1

関西プロリーグ 成績表/第5期関西覇皇トーナメント 決勝成績表

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
優勝 貫上 洋志 35.4 ▲ 17.6 ▲ 13.8 22.8 26.8
2 藤川 議次 ▲ 17.0 18.4 11.5 4.9 17.8
3 花岡 章生 ▲ 7.2 11.8 ▲ 5.1 2.0 1.5
4 稲岡 ミカ ▲ 11.2 ▲ 12.6 7.4 ▲ 29.7 ▲ 46.1

第16期北関東プロアマ混合リーグ  最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 小林 晃 一般   49.3 83.3 15.8 54.3 51.7       254.4
2 重原 聡 プロ   25.6 32.8 52.4       25.1 ▲ 17.1 118.8
3 後藤 隆 プロ 39.8   ▲ 27.5 19.3 ▲ 1.4     8.2 28.9 67.3
4 富澤 潤也 一般 68.7 ▲ 104.8 97.7         4.7 ▲ 20.0 46.3
5 須長 正和 プロ ▲ 93.2   ▲ 24.2 59.0 15.4 ▲ 24.1 105.0     37.9
6 吉田 幸雄 プロ 18.7     ▲ 2.9 4.1     18.1 ▲ 27.6 10.4
7 渡部 正 一般 ▲ 85.3   ▲ 1.4   19.2     ▲ 38.0 114.9 9.4
8 西嶋 ゆかり プロ ▲ 11.3   43.3 ▲ 70.6 23.1 24.4       8.9
9 新 大地 プロ 54.2 12.3     ▲ 34.2 ▲ 52.0 ▲ 33.7     ▲ 53.4
10 木暮 智貴 プロ 21.4 ▲ 62.6 ▲ 23.2       ▲ 9.7 ▲ 10.7   ▲ 84.8
11 吉田 貴裕 一般 ▲ 31.7     ▲ 4.2     ▲ 63.6 ▲ 65.3 34.8 ▲ 130.0
12 入沢 憲史 一般 ▲ 55.2 3.9 ▲ 118.4         56.9 ▲ 36.1 ▲ 148.9
13 福田 栄司 一般 ▲ 6.0 41.2 ▲ 64.4 ▲ 68.8 ▲ 81.5       ▲ 77.8 ▲ 257.3

北関東プロリーグ 成績表/第16期北関東プロアマ混合リーグ  最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 小林 晃 一般   49.3 83.3 15.8 54.3 51.7       254.4
2 重原 聡 プロ   25.6 32.8 52.4       25.1 ▲ 17.1 118.8
3 後藤 隆 プロ 39.8   ▲ 27.5 19.3 ▲ 1.4     8.2 28.9 67.3
4 富澤 潤也 一般 68.7 ▲ 104.8 97.7         4.7 ▲ 20.0 46.3
5 須長 正和 プロ ▲ 93.2   ▲ 24.2 59.0 15.4 ▲ 24.1 105.0     37.9
6 吉田 幸雄 プロ 18.7     ▲ 2.9 4.1     18.1 ▲ 27.6 10.4
7 渡部 正 一般 ▲ 85.3   ▲ 1.4   19.2     ▲ 38.0 114.9 9.4
8 西嶋 ゆかり プロ ▲ 11.3   43.3 ▲ 70.6 23.1 24.4       8.9
9 新 大地 プロ 54.2 12.3     ▲ 34.2 ▲ 52.0 ▲ 33.7     ▲ 53.4
10 木暮 智貴 プロ 21.4 ▲ 62.6 ▲ 23.2       ▲ 9.7 ▲ 10.7   ▲ 84.8
11 吉田 貴裕 一般 ▲ 31.7     ▲ 4.2     ▲ 63.6 ▲ 65.3 34.8 ▲ 130.0
12 入沢 憲史 一般 ▲ 55.2 3.9 ▲ 118.4         56.9 ▲ 36.1 ▲ 148.9
13 福田 栄司 一般 ▲ 6.0 41.2 ▲ 64.4 ▲ 68.8 ▲ 81.5       ▲ 77.8 ▲ 257.3