北海道プロリーグ 成績表

第5回北海道麻雀サマーカップ レポート:西野拓也

北海道本部で副本部長をしている 西野拓也と申します。
7月17日に行われたサマーカップのレポートを書かせて頂きます。
しばしお付き合い頂けると幸いであります。

さて、海の日にあわせ 北海道本部で毎年行われているサマーカップも今年で5回目を迎えました。
そのシステムは
第1ステージ 東風戦Aルールを4回戦、
第2ステージ Bルール(一発、裏ドラあり)を半荘4回戦、
第3ステージ Aルール(一発、裏ドラなし)を半荘4回戦、
決勝 Aルールを半荘2回戦

Aルール、Bルール、東風戦も交えた各ステージを経てトータルポイントを争う、ワンデーでの開催としては最長の14回戦での対戦。
ごまかしの利かない14回戦、午前9時から夜10時頃までの長丁場であり気力、体力勝負の側面も大きく持ち合わせております。

今年で5回目を迎えますが、第1回の優勝は野々川プロ。
そして、第2回から昨年の第4回まで、なんと3連覇している強者がいる。

18歳で日本プロ麻雀連盟の門を叩いてプロ12年目、年齢的にはまだまだ若いが、近年目覚ましい活躍をみせエースの風格も出てきた、「ミスターサマーカッパー」 浦山祐輔プロ(30歳)だ。
対局開始前、

西野「よーっ、サマーカッパー!今年も勝って4連覇する気かー?もし今年も勝ったら来年はもう誘わないからな!!」と声をかけてみましたが、
浦山「今年も俺が勝たして貰いますから、来年からは浦山杯ですわー!」との返答。
実に生意気な男だが、実際この3連覇は半端ない。

私も第1回から参加しているが、毎年平均16名程の参加人数で、デイフェンディングシードなども無いワンデー大会においての3連覇はまさに偉業、単純確率では1/4080、因みに、もし今年も勝って4連覇なら1/53000である。
前置きも長くなってしまったが、この第5回サマーカップは特にこの前人未到の4連覇を狙う「浦山祐輔プロ」に注目してレポートしてみたいと思う。

先に書いたようにルールの違う3ステージ、合計12回戦、プラス成績上位者による決勝2回戦の戦いなのだが、第1ステージ、浦山プロは例年の如くの好発進とはいかなかった。
各ステージでも順位づけがあり、3回戦を終わり得点上位の第1ステージ成績上位順の1卓進出者は

市川敦士プロ +23.1P
石田雅人プロ +21.7P
真光祐尚プロ +15.4P
野々川博之プロ +14.5P

となったが、浦山プロは3回戦終了時点 ▲15.1P。
早速、4連覇に暗雲が立ち込める。

第1ステージ最終4回戦、決勝卓である1卓の結果は、+3.4Pでトップという僅差の中、石田プロが制し、第1ステージの優勝を決める。

全選手のポイント詳細は別表の通りだが、注目のサマーカッパー浦山の4回戦は・・・・
親番の落ちた東3局、北家 ドラ西にて 

三筒四筒五筒六筒  ポン西西西  ポン発発発  ポン中中中  ツモ六筒

この3,000・6,000を決め、順位点含め26.2Pと東風戦としては大きめのトップをとり、終わってみれば東風戦計+11.1Pの5番手と纏めてきた。

実にしぶとく、やはり生意気な男だ。

第1ステージ結果
優勝 石田雅人プロ+33.1P
2位 市川敦士プロ+29.2P
3位 中村龍太プロ+20.8P
4位 野々川博之プロ+18.0P
5位 浦山祐輔プロ+11.1P

第2ステージ、開始の合図の直後からサマーカッパー浦山の怒涛の和了発声が響き渡る。

第2ステージ、Bルール(一発、裏あり)が始まるや否や、6,000オール、4,100オールとアガリまくる浦山プロ。 
1回戦を+48.9Pと70,000点のトップを決めると、2回戦、3回戦ともトップで3連勝し、第2ステージ3回戦で82.4Pを叩きだす。
毎年の事になってしまっているが、この第2ステージの浦山プロの成績は凄まじい。

第1回 +87.3P(2位)、第2回 +59.8P(2位)、第3回 +113.1P(1位)、
第4回 +36.3P(3位) とこの第2ステージで確実にポイントを稼いでいる。

第2ステージ、1卓進出者
浦山祐輔プロ+82.4P
続木舜英プロ+42.1P
中村龍太プロ+20.0P
吉木 輝プロ+14.1P

ベテラン続木プロが意地を見せ浦山プロを3着に沈めるトップを取るが、結果は

第2ステージ結果
優勝 浦山祐輔プロ+76.0P
2位 続木舜英プロ+61.6P
3位 三盃 志プロ+21.9P
4位 吉木 輝プロ+18.0P

第2ステージを終えた時点で、浦山プロはトータル+87.1P、2位の続木プロに40P近く差をつけあっさりと首位に躍り出る。
何とか浦山プロの4連覇は自分の手で阻止せれば!と思っていたのは私だけではないはず。

残りは第3ステージ、Aルール4回戦プラス決勝の2回戦となった。

第3ステージ1卓進出者
平島誉久プロ+56.3P
真光祐尚プロ+37.8P
浦山祐輔プロ+31.4P
市川敦士プロ+30.4P

またもやポイントを重ね浦山プロが1卓での対局となる。
トータルポイントも120P程に伸ばし、やはりまたこのサマーカップは浦山プロ、前人未到の4連覇を達成してしまうのか?

しかし第3ステージ4回戦、同卓者3名も意地を見せる。

第3ステージ暫定1位の平島プロは、渾身のタンヤオ、ドラ2をハイテイでツモアガリ、トータル60P程の市川プロはオーラスに

二万三万四万七万八万二索三索四索二筒三筒四筒六筒六筒  ドラ三筒 

これを六でツモりあげ3,000・6,000。
浦山プロをラスに沈めたまま大捲りトップを決め、暫定1位の浦山プロになんとか喰らいついていた。

さて、ここまで各ステージ成績上位にも、全く名前の出てきていない私西野だが、せっかくレポートを書かせて頂いているので自分の内容も少しばかり。

過去4回このサマーカップで全くといいほど活躍出来ていない私。
原因はスタートの東風戦にある。どっしり型(?)の自分には得意とは言えないルールではあるが、いつも第1ステージでマイナスを重ねてしまい、マイナスを背負った対局ゆえ、その後のステージにも影響を及ぼす。
しかしながら、当然私も「打倒サマーカッパー」で挑んでおり、今年はまず第1ステージでは±0を目標に戦った。
得意とは言えない「鳴き」をワンアクション早く仕掛け、何とか第1ステージ+7.4Pで纏める事に成功。 
気を良くしていざ第2ステージだったが、気を良くした分攻めの牌が増えたか、これが要所要所で放銃となってしまう。
第2ステージを▲21Pと第1ステージ台無しのマイナス転落だ。
浦山プロの怒涛の加点に奮起し、第3ステージは1卓にこそ座れなかったが、+47.6Pトータル34.0P、なんと暫定4位にて決勝ステージ、決勝卓に座る権利を得る。
しかし、暫定1位の浦山プロのポイント、サマーカッパーの壁は高く立ちはだかっていた。

第3ステージ結果
優勝 平島誉久プロ+49.1P
2位 市川敦士プロ+48.7P
3位 西野拓也プロ+47.6P
4位 真光祐尚プロ+43.0P
(6位 浦山祐輔プロ+15.1P)

第1ステージ~第3ステージ計
決勝ステージ進出者

1卓
浦山祐輔プロ+102.2P
市川敦士プロ+76.9P
中村龍太プロ+36.6P
西野拓也プロ+34.0P

2卓
続木舜英プロ+30.0P
真光祐尚プロ+28.0P
平島誉久プロ+18.5P
三盃 志プロ+17.4P

決勝2回戦は上位8名、順位卓にてこの組み合わせでスタートした。

首位はミスターサマーカッパー浦山。 2位に25.3P差で追いかける市川プロ。
中村プロ以下は可能性としては0ではないが、時間打ちきりありのAルール2回戦ではかなり厳しいポイント差といえる。
勿論、皆諦めてはいないが、実質一騎打ち、そして決勝1回戦で浦山プロの4連覇当確ランプが点く可能性もある。

そしてその決勝1回戦、

東3局 東家・西野 南家・浦山 西家・中村 北家・市川  

東家・西野 6巡目手牌

三索三索四索七索八索東西西北北白白発  ドラ八索  

タイトル戦の決勝、持ちポイントの差なども当然あり、各家の河は特殊なものになる事はよくあるが、6巡目までに字牌がたったの1牌も出ていない。

その後も字牌は鳴けず、数牌は鳴かずで18巡目、

三索三索四索八索東東西西北北白白発  

最期のツモでテンパイ連荘をと祈るも張らず。

ガックリしながらツモ切った後、ハイテイ南家・浦山プロから高々と「ツモ」の発声。

一万一万八索二筒二筒六筒六筒東東北北発発  ツモ八索 

ハイテイにて3,000・6,000のアガリ。

実質これが最終的な決め手となり、この決勝1回戦をトップ、不運もあり市川プロはラス。 
決勝最終戦、浦山プロはほぼ降りに回り、第5回サマーカップを優勝、なんと前人未到の「サマーカップ4連覇」を成し遂げた。

おめでとう!浦山プロ!! 実際この4連覇は凄いという言葉では全然足りない、あり得ないぐらいの偉業であります。

貴方が普段から実は真摯に、実は謙虚に取り組んでいる事を知っています。
だからこそ勝利にも大きな意味があるし、自分が出てない大会は応援したいし勝った時は心から祝福できます。

まだまだ私個人も負けないように頑張りたいですが、次は全国のタイトルを北海道に持ち帰ってきて貰いましょう。

浦山祐輔プロ、サマーカップ4連覇、本当におめでとう!

総合成績

順位 名前 成績
優 勝 浦山 祐輔 112.2
準優勝 市川 敦士 55.1
3 中村 龍太 48.1
4 真光 祐尚 45.6
5 三盃 志 35.4
6 続木 舜英 33.0
7 平島 誉久 32.5
8 西野 拓也 ▲ 18.3
9 佐藤 賢忠 ▲ 3.2
10 石田 雅人 ▲ 4.5
11 吉木 輝 ▲ 50.4
12 野々川 博之 ▲ 54.2
13 村上 良 ▲ 115.3