鳳凰の部屋

「~最終日~」 藤崎 智

第36期鳳凰位決定戦2日目まで

藤崎+72.7P 古川+55.6P 西川▲45.0P 吉田▲83.3P
残り8半荘

古川プロとの一騎打ちである。3日目は正直、古川プロとの差しか見ていなかった。
3日目の成績は3.4.2.3で18ポイントほどマイナスとなったが、古川プロも22ポイント沈んだためその差はほぼ変わらずとなった。

3日目まで
藤崎+54.6P 古川+33.7P 西川+13.5P 吉田▲101.8P

最終日
3日目にA1一年目の西川プロが2.2.1.1で60ポイント近くプラスして優勝争いに顔をだしてきた。
ただ、自分と古川プロが牽制しあっていた中で自由に打てていた西川プロが、吉田プロとの闘いを制して上がってきた感もあり、2日連続とはなかなかいかないだろうし、少し視野には入れておかなければならないものの、結局は古川プロと競りだと思っていた。この考えが大誤算であった。

13回戦
東2局(吉田28,000、古川32,000、藤崎30,000、西川30,000)

 

100

 

決して手応えがあったわけでないのだが、打点的な理由でリーチを選択。

 

100

 

結果的には最高となったのだが、それほど対局者から気配を感じてなかったはずなのに、東の暗カンから二索にロンの声をかけた西川プロと、自分がこのタイミングでリーチといけばほぼオリるだろうと高を括っていた古川プロのノータイムでの放銃ということは、大切な最終日の入りではかなり感覚はずれていたということになる。実際この局は古川プロがラス牌の二索を掴んだのが14巡目、西川プロのテンパイも14巡目。良いときの自分であれば危なげなくヤミテンで西川プロのテンパイの前に古川プロからツモ切りで3,900のアガリになっていたと思う。数字だけで考えれば大きな7,700かもしれないが、内容が伴っていないので危険な予感のする立ち上がりであった。

ここから、予想外に攻撃的な入りをみせた古川プロに詰め寄られるも、なんとかトップ。
続く14回戦では西川プロの猛攻を受ける形のラスとなった。

14回戦まで
藤崎+43.9P 古川+34.4P 西川+27.9P 吉田▲108.2P

完全に三つ巴戦。もはや西川プロを視界の片隅になどと言ってはいられなくなってしまった。

15回戦
東1局(西川30,000 古川30,000 藤崎30,000 吉田30,000)

 

100

 

西川プロから直撃。

東2局1本場(古川31,000 藤崎38,700 吉田31,000 西川19,300)
西川プロ1人ノーテンを挟んだ1本場。

 

100

 

東2局2本場(古川33,800 藤崎37,700 吉田31,000 西川31,000)

 

100

 

そして、これが今決定戦2度目の勝ったと思った瞬間。
西川プロは、この勝負所の大事な半荘で早くも3度目の引き負け。ツモアガリのタイミングも含めて、手応え抜群のアガリであったし場面もよく見えていた。正直西川プロにはもう追う足は残っていないと思うし、あとは古川プロに引導を渡すだけだと思っていた。

東3局

 

100

 

東4局

 

100

 

南2局

 

100

 

南3局

 

100

 

南4局

 

100

 

見えてもいたし読めてもいた。ただ怒涛のラッシュは止められなかった。
最終戦、今度は西川プロとの着順勝負となるところまで追い詰められた。

15回戦まで
藤崎+56.3P 西川+54.0P 古川+18.8P 吉田▲130.4P

最終戦。トータルトップで迎えた事により、北家スタートとなり若干有利であるものの、勢いでは完全に分が悪い。
自分としては、西川プロの強さに感服しながら最終戦を迎えていた。その西川プロの勢いを止めたのは自分ではなく古川プロ。もはや圏外まで飛ばされたと思っていたのだが、サーフボードにまたがって颯爽と戦線に戻ってきて、東2局の連荘でトータルトップを逆転されてしまう。

東3局(吉田20,100 藤崎25,200 西川18,700 古川56,000)

 

100

 

これで今決定戦3度目の勝ったと思った瞬間。これはさすがに決まったと思った。しかし結局南4局までもつれにもつれた。

とにかく厳しい闘いではあったが2度目の鳳凰位になれた。
この原稿を書いている時点ではまだ防衛戦の相手は決まっていないが、今決定戦での厳しい闘いを勝ちきった経験はきっと活きると思う。

「現鳳凰位」非常に良い響きである。是非もう少し呼ばれていたいものである。そうですねあと10年くらい・・・。

第37期鳳凰位決定戦もきっと面白い闘いになると思う。
大勢の方に喜んでもらえればそれこそがプロ冥利に尽きるというものである。乞うご期待。

一年間読んでいただきありがとうございました。
コロナに負けないようにこれからも頑張っていきますので応援よろしくおねがいします。

 

100