プロ雀士インタビュー

プロ雀士インタビュー/第106回:佐々木 寿人

gpmax2012
『プロ雀士インタビュー』基本的にはタイトル戦で優勝した人がインタビューされるコンテンツである。
連盟ホームページの中でも本コンテンツを楽しみにしている人は多いのではないでしょうか?
それ故に、滅多にインタビューされる機会はないはずなのだが、、、
なんと6回目の登場の佐々木寿人プロです。
(過去のインタビューはこちら)
1回目、岡田茂プロ
2回目、猿川プロ
3回目、杉浦プロ
4回目、蒼井プロ
5回目、滝沢プロ
過去のインタビューとかぶっても仕方がないので、事前に予習。
・・・
『常に勝ちにこだわって臨んでるよ』
『攻めの姿勢を一番大事にしていた』
『押せるだろうっていう感覚があれば後は手に忠実に打つだけ』
『強い意志を持ち強い気持ちで何事もやった方がいい』
『気持ちを強く持つのが自分流だから』
さて、別の一面を垣間見ることができるでしょうか?(汗)
はじまり、はじまり~
 
【ホンイツ評論家のホンイツ】
福光 「『百年に一人の手役派』改め『ホンイツ評論家』のヒサトプロ、まずは勝負を分けたこのアガリから。対局後のプレイバックでも取り上げられましたが、意外な一打でした。」
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佐々木「滝沢はまだテンパっていないと思っていたけど、ここでマンズを切ると、テンパイしたときにもう1枚切ることになる。その時に余ったマンズで放銃になる危険性があるからね。ここで発を切っても、ツモ次第ではまだ戦える形になるでしょ?小島先生を追う2番手だから、親には放銃できない局面と考えてるよ。」
福光 「滝沢さんがテンパイで打四万。それをポンしてカン六万のテンパイになりました。」
佐々木「こうなったら滝沢もテンパイしてるけど全部勝負だよ。」
福光 「先ほどの局面、七万切りはどうですか?」
佐々木「七万を切ると非常にアガリづらくなる(ドラや発は鳴きづらい局面)。ここは打点よりアガリがほしいところ。」
福光 「小島先生から六万を出アガリ、追撃の一手となりました。」
 
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【ホンイツはステーキ??】
福光 「ホンイツ評論家として、バリエーションありますよね?オシャレなやつとか?」
佐々木「オシャレwwwそうだな、翻牌を2つ鳴きたいときはギリギリまで(ホンイチを目指していることを)見せない。逆に翻牌の1つが暗刻のときは、1種類は鳴かせてもらえるから、捨て牌が派手に見えても安牌を重視するね。」
この他にもホンイツの手筋は教わったのだが、、、
佐々木「リーチと翻牌はご飯と味噌汁みたいなものだよね。そして、ホンイチはステーキ。今日のメインディッシュは何かなと思って配牌開くもん。」
福光 「・・・(唖然)」
佐々木「ホンイチは劣勢を跳ね返すよ。自分が劣勢の時に三色や一通とかの手役は成就しないよ。」
ヒサトプロは配牌を見て、どの色のホンイツが一番出来易いか考えるらしい。
さすが評論家の仰ることは違う(汗)
 
【ヒサトプロでも反省を・・・?】
福光 「そういえば番組の優勝インタビューで、負けた反省を活かして・・・とありましたが、具体的には何だったんですか?」
佐々木「天空麻雀13の決勝1回戦目で、6万点のトップから七対子でいい待ちのリーチをするんだけど、森山会長に追っかけられて倍満を放銃した局面があってね。オーラスにも満貫を放銃して結果は3着落ち。山にも生きている待ちで絶好ではあるけど、追っかけられると七対子は弱いよね。」
 
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福光 「って、これは滝沢さんの牌譜じゃないですかw」
佐々木「自分の汚点は見せたくないしな。自他問わず、勝った場面、負けた場面の両方見て分析してるよ。」
福光 「それが2回戦のリーチしない判断につながっているんですね。」
 
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【おじいちゃんから電話事件】
福光 「話は変わりますが、お子さんはいくつになりました?」
佐々木「4歳になったよ。生活はどうしても娘中心になるよね。」
福光 「やっぱり娘さんのエピソードといったらこれですよねw」
(ヒサトプロのツイッターより)
『風呂から上がったら娘が電話を持ってきた。「おじいちゃんからだよ、早く話して。」とか言ってるが、こっちはまだびしょぬれでそれどころじゃない。「少し話してなさい。」と言っても娘は聞かず。「しょーがねーなー、はい」とおざなりな感じで電話に出たら相手は荒さんだった。しびれた…』
佐々木「携帯電話が好きで出ちゃうんだよ・・・」
と困った顔をしていましたが、なんだか嬉しそうな印象も受けました。
 
【私、天空麻雀に初参戦なのですが・・・】
 
佐々木「今日話したことを実践してくれればよろし。対戦する前の事前情報としては最高でしょ?」
天空麻雀15では予選でヒサトプロと私が対戦する組み合わせです。
 
【〆は攻めのヒサトで】

福光 「過去のインタビューを全部見てきたのですが、どれも『攻める姿勢』でブレてなくて笑っちゃいました。」
佐々木「そうだね。戦う姿勢とかメンタルを強くとかは昔から変わらない。若手勉強会を見ていても、序盤で戦える形にしていないのが一番気になるね。みんないいもの(センス)を持っているんだから、自分は戦う姿勢を伝えていきたいよ。」
福光 「耳が痛いです。。」
佐々木「元々がポジティブではあるけど、戦う姿勢を保てるよう鍛えているよ。前原さんからは若いうちに沢山真剣勝負をすべしと言われるけど、まさにその通りだね。」
 
勝負の世界である。対戦する相手に情報を与えない方が得である。
どのくらい聞き出せるかなと緊張していたのだが、そんな心配は全く無用だった。
ここには書ききれなかったのだが、ホンイツをはじめ、勝負を分けた局面や心構えなど、
インタビューのはずがとても贅沢なマンツーマンレッスンになっていた。
佐々木「若手がベテランに勝って活躍しないと、団体が活性化しないしね」
勝ちにはこだわるが、目先の損得ではない、それを体現するような一時であった。
ヒサトプロへの感謝と、期待と、少しばかりのプレッシャーを込めて次の言葉で終わりとしたい。
佐々木「リーグ戦では情けない結果は見せられないね」
A1、A2リーグは全節連盟チャンネルで放送予定です。
ヒサトプロの活躍が見られるはずですよ!