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鳳凰の部屋

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~鳳凰戦初日①~ 藤崎 智

2014/10/24
執筆:藤崎 智


プロの麻雀打ちでは、よく攻撃型・守備型の評価をされるし、自己分析もする。
しかし、上位のリーグで戦うプロ達の攻撃力が弱いはずはないし、守備力がゼロなんて事があるはずもない。

では、なぜこんな評価や自己分析が必要なのかといえば、対局を見てくれるファンの方々へのアピールに他ならないような気がする。

厳密に言ってしまえば、当然全員攻める時は攻める、守る時は守るバランス型である。
しかし、それではファンの方々に伝わらない。
それでわかり易く攻撃型と守備型の2つにわけているのだと思う。

私自信は、連盟チャンネルができる前までは、対応型と勝手な型を作って自己分析していた。
守備型といえば暗くて地味なイメージだったので、守備型とは言いたくなかったというのが理由である。
しかし、対応型ではいまいちファンの方々に伝わらないので、今は堂々と胸を張って守備型と答えるようにしている。

白鳥プロに「地味界の星」なんて言われて、最初はちょっとイラッとしたが、最近は心地よささえ感じるようになった。ただ一言だけ言っておきたい。「あなたほど地味ではありませんから」。

また、世界のムッシュ山井プロからは、最近かなり攻撃的にスタイルチェンジしているのでは、と言われるが、守備型といっても、昔からけして振り込みの少ないタイプではない。振り込みよりもキー牌を鳴かせる方がより嫌いというのがスタイルなので、絞りに関して厳しく打つケースが多い分、切り遅れての振り込みなどは結構多いタイプであり、とりあえずリーチしとけば、だいたいオリてくれると思われるのが非常に嫌いなタイプである。ただ、山井プロにも一言言っておきたい。「あなたほど何でもは切りませんから」。

まあ、このへんの話は戦術の話になってしまうのでまたの機会に。

さて、前置きが長くなってしまったが本題へ。
今回はいつもより真面目なまえがきだった。あくまで「いつもより」ですけどね。

鳳凰位決定戦の初日の1回戦。2局続けての仕掛け倒れから、とりあえず少しの間仕掛けは封印する。
しかし、とにかく初日はツイていた。4戦でドラのトイツが何回あっただろう。
とにかくそれくらい良い状態だった。

普通、自己評価というものは少し辛めになるのだろうが、それを加味したしても、自分でも異常と思えるような状態だった。

初日の最終戦、4回戦で超特大のブレークをしたのだが、もしこれが自分が観戦者の立場であれば、もともと良かった状態を丁寧に育てて、最後に完全に仕上げたと思えるのかもしれないが、自分の事となるとさすがにただ、ひたすらツイていたとしか思えない。

荒プロの観戦記でも少し牌譜が載っていたと思うので、ここでは初日解説されていた森山会長に酷評された3か所の反省と言い訳をかねてとりあげておきます。

1回戦浮きの2着で向かえた2回戦東2局

 

100

 

前巡、下家の沢崎プロから六索のポンがはいった直後である。
ちなみに、東1局は2本場までいっているので、これが2回戦の4局目である。
ここまで沢崎プロは、伊藤プロと同じくかなり苦しそうである。

沢崎プロは、私がデビュー当時から大変お世話になった方で、よく観戦して勉強させてもらった打ち手である。沢崎プロの麻雀なら、プロ連盟で一番知っていると自負している。
不調時の沢崎プロは、我慢するケースよりも、仕掛けなどを多用して、自力で局面打開を目指すケースが多いタイプである。なのでいろいろ考えられるのだが、同じく不調の伊藤プロの東場の親番である。アグレッシブな仕掛けは考えづらい。従って、おそらくドラの東が暗刻での好形の1シャンテンが有力で、ポンテンまである可能性も少しだけある。とこういう読みであった。

実際は、ポンテンまで入っているので、少しズレてはいたが大体ピントは合っていた。
沢崎プロの六索のポンで、三索を伊藤プロにツモ切りされているので、食い流されがわかった直後のペン三索の役なしテンパイである事と、沢崎プロの上家で好形1シャンテンと読んだ事により、役なしテンパイからマンズの上とピンズ全般を下ろしたくはなかった事、そして自分自身の好調を意識していたために、ベタオリだけはない事、この3つの理由から打二索でのテンパイとらずを選択した。

しかし、次のツモが三索・・・。そこでの会長の評価は「意味がわからない。いったんテンパイだけでもいれるのが普通でしょ。状態がいいんだから。逆に、二索で当たったら目もあてられないでしょ。」とあきれられる始末。
結果は、沢崎プロのツモアガりをゆるす事となった。

勿論、賛否両論どちらもあるだろうし、賛否両論あるのがわかり切っている状況で、ここまでダメだしできるのも会長だけであろう。自分も、直後のタイムシフトを見た後は、自分にもそれなりの理由もあったし、好調ゆえにアガリを目指しての振り込みは全く気にしていなっかたので、結果は裏目でも、打二索に後悔はしてはいなかった。

しかし、鳳凰位になってみてあらためて振り返ってみれば、この局面、絶対王者といわれる瀬戸熊プロなら間違いなく300・500をツモっていたと思う。

知り合いの将棋のプロの方にこんなことを言われたことがある。
「緩手は咎められて初めて緩手になる。咎められなければただの好手になる。緩手を咎められるのがプロ。」と。

沢崎プロの好形1シャンテンからの六索ポンは、結果的に緩手だったのだろう。
それを咎められなかった自分の打ち方が悪かったと今なら思える。
今後、もし同じ局面に出会えたのなら、300・500のツモアガリで捌くと自信を持って言い切れるわけではないし、まだそこまでの強さはないだろう。ただ、こうして反省出来るようになっただけでも、鳳凰位になって成長できたと思えるような気がする。

そう考えると、勝って更に成長できるチャンスが大きくなった連盟チャンネルの存在は、自分達プロにとって、とても貴重なんだとあらためて実感できる。

あとの2つは、大ブレークした4回戦からなのだが、これは次回とさせてもらう。
その2局も、会長から強烈なダメだしを頂くのだが、直後の感想は「会長もしかして俺の事嫌い?」と思うほど理解できなかったのだが、少し時間がたってようやく理解できるようになった話です。
乞うご期待。