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鳳凰の部屋

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「決勝戦までの軌跡」 前田 直哉

2015/04/28
執筆:前田 直哉


正直、自分には分不相応だと思っているが、自分なりに書いてみよう思う。
つたない文章ですが、1年間のお付き合いよろしくお願いします。

鳳凰位になる前は、きっと頂から見る景色はさぞかし気持ち良いに違いないと思っていた。
実際はどうか?全く違っていた。なった瞬間から初めてわかる鳳凰位の重責である。

なにはともあれ、部屋に入ってみることにしよう!
まずは消臭スプレー!
部屋は綺麗に片付いているが、何か落ちている。
・・・忍術書と書かれている・・・なんだろう?ポイッ!(笑)

初めてのA1リーグ。ここに上がるまでがとにかく長かった。
夏目坂にスタジオが出来、その場所で去年の1月にはA1への昇級をかけた戦いをしていた。
オーラス流局すれば昇級、ツモられれば残留である。そしてなんとか昇級出来た。

その後グランプリへの挑戦権を手にし、勝とうとかそういう思いは二の次で、A1の人達と戦えるいいチャンスだと思った。
出来るだけ勝ち抜いて、多くの情報を得たいのと、どこまで自分のスタイルが通用するのかを確かめたかった。

グランプリを終え、リーグ戦も中盤を迎えるころには、ある程度戦える感触を得ていた。
しかし、戦えるかどうかが目標ではなく、まずは決定戦の椅子を手中に出来るかどうかである。

第8節を終えた時には上位につけていたが、第9節にやらかしてしまう・・・
全く我慢が出来ていない。
相手に合わせてスタイルを変えてみようと試みて、まんまと悪い方に出てしまう。

しかし、これで戦い方がハッキリとした。自分の麻雀を貫こう!
そして迎えた最終節、相手は沢崎プロ、古川プロ、近藤プロである。
特に緊張も気負いも無い。これでダメなら仕方ないくらいの気持ちで戦いに入れた。

あれは10年近く前だろうか・・・順調に昇級を重ね、王位戦の決勝に出た後くらいだろうか?
リーグ戦の会場で沢崎プロが私にむかって「早く上がって来いよ」そう言ってくれた。
今まで話をさせてもらったことも無いし、面識も無いので少し驚いたが、最初は誰かと勘違いしているのでは?そう思っていた。

しかし、それから会う度に同じ言葉をかけてくれる。勘違いではなかった。
期待してくれていたのだろうか?もちろん仮に私が上がってきても負けないという自信もあっての言葉だろうが、いずれにしろ尊敬している人から声をかけてもらうのは本当に嬉しく思う。

それは私がBリーグを行ったり来たりして苦しんでる時にも続いた。
自分が情けなかったし、申し訳ない気持ちだった。そして時は経ち、やっとここまで辿り着いた。
最終節の控室で沢崎プロが「A1楽しいだろ?」その問いに「はい楽しいです!」純粋にそう思えた。
「早く上がって来いって、もう10年近く言い続けてるもんな」
ずっと憶えてくれていたことが本当に嬉しかった・・・少し目頭が熱くなった。

今までの言葉がなかったら、プロを辞めてしまっていたかもしれない。
その言葉が支えとなり、やっと同じ舞台で戦える!とにかく最終戦を一緒に戦えることを嬉しく思った。

上位4人の最終卓が残っている以上、ここで決定戦に残れるのは良くて1人だろう。
目指すはトータル+80Pを目標にした。
最低でも2位の勝又プロの上をいかないと厳しいだろう。

3回戦を終えて、私が若干のリードという形になっていた。
どうなろうと次が最後の半荘である。
序盤、沢崎プロが見事なアガリをする。そして私もそれを追いかける。
なんて楽しいんだろう!この時はすべてを忘れ、ただただ麻雀の楽しさ、そして今という時を幸せに思いながら戦っていた。
結果はたまたまである。

しかし、最低限の目標はクリア出来た。
すべてを終え+66.5ポイントとなり、若干ではあるが2位まで躍り出ることが出来た。
あとは最終卓次第である。

最終卓スタート前までのトータルは、
瀬戸熊プロ+144.1P 私+66.5P 勝又プロ+63.4P ともたけプロ+44.7P
沢崎プロ+35.8P 荒プロ+27.9Pとなっていた。

最終卓の試合当日、私は普段通り仕事を終え、家に帰ってすぐさま状況を確認した。
ちょうど見たのが3回戦が始まった時だったが、正直驚いた。

ずっと首位にいた瀬戸熊プロが、かなりの不調でボーダーライン付近まできていたのである。
代わりに、ともたけプロと勝又プロがポイントを重ね、現在私は4番手というところだった。
展開的には最悪である。

そこからは一進一退でもう誰を応援したらいいのかさえわからない状況だ。
見ていることしか出来ない私にとっては、とにかく落ち着かない。

3回戦が終わり、見事な押し引きを見せた勝又プロが1人ほぼ当確といったところで、残り1戦でどうなるかはまったく予想すら出来なかった。

3回戦終了時
勝又プロ+100.3P 瀬戸熊プロ+75.3P ともたけプロ+68.2P 私66.5P

この最終戦は見た人全てが興奮したであろうが、その中で1番騒がしく見ていたのは間違いなく私だろう(笑)
この場を借りて隣人の人達にお詫びします。

そしてついに結果が出た。
私はかろうじて決定戦に残れたのであった。

決まった瞬間だけは嬉しかった。が、そこから今までに味わったことのない緊張が押し寄せる。
鳳凰位決定戦・・・まずはこの場に立つことを目標に15年間やってきた。でも実際自分が立つと決まった時からその重大さを感じた。

相手は現鳳凰位の藤崎プロ、一緒にA1に上がってきた勝又プロ、そして誰もがその強さを認める瀬戸熊プロ。

果たして自分が対等に戦えるのか?リーグ戦とはまったく別物の世界なのか?不安ばかりよぎる。
まずはこの緊張と不安をゼロにする作業から取り掛かろう。
こちらはあくまで挑戦者だ。とにかく今持っている力を全て発揮出来るように万全を期した。

つづく

次回予告!(激熱)
遂に決定戦突入だよ!

追伸
ついに今年もリーグ戦が開幕した。私は参加出来ません・・・。寂しい。
まるで気持ちは麻雀界のニートです(泣)
そして鳳凰の部屋のかなり前の私の写真・・・もっと他になかっただろうか?