鳳凰の部屋

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「終焉」 前田 直哉

2015/12/30
執筆:前田 直哉


最終日も残り2戦となった。藤崎プロとのポイント差は45.9P…残り2戦となるとこの程度の差なんて有ってないようなものだ。
ただ焦って普段の麻雀が打てなくなることだけはしたくない。ここまで来たらあとは精神力だ。

14回戦終了時
前田直哉+90.9P 藤崎智+45.0P 勝又健志▲36.0P 瀬戸熊直樹▲99.9P

15回戦(起家から前田、藤崎、瀬戸熊、勝又)

東1局いきなりの化け物配牌!!

一万九万一索三索四索五索五索四筒四筒四筒五筒八筒東発  ドラ四筒

配牌ドラ3♪キターーーーー!!って気持ちを顔に出さずに進めると、4巡目には更にドラの四筒を持ってきて超ご機嫌!
しかし、6巡目に瀬戸熊プロからリーチが入り後手をふむ…
もちろんオリる気も無いのでまっすぐ行くが、テンパイすらすることなく、瀬戸熊プロのアガリとなった。

その後は、勝又プロが2,000・3,900をツモり局面をリードしていく。
そして迎えた東4局7巡目に手牌はこうなった。

一万一万一万二万三万四万五万五万七万八万九万一筒二筒九筒  ドラ西

一旦九筒を切ってテンパイとするが、もちろん目指すはチンイツだ。
次巡、上家から出た三万をチーして、2巡後に出てきた一万をポンしてテンパイにこぎつける。

マチの二万五万はこの時点で山に4枚!
誰も向ってこないだろうと思っていると、瀬戸熊プロに三万を押される…
もちろんテンパイなのだろうが、こうなれば二万も止まらないだろうと思っていたら次巡四筒をツモられてしまう。

三索三索三筒五筒五筒六筒七筒八筒八筒八筒北北北  ツモ四筒  ドラ西

私にとってはかなり痛かったが、ここを押し切れる瀬戸熊プロもやはり凄いと思った。
それでもまだ藤崎プロのほうが持ち点は下であったし、かなり苦しんでいるように見えたので焦りは無かった。

が、しかーし!南2局、藤崎プロの親番で10巡目にツモ!その時ツモる手つきはいつもと違っていた…
開けられた手は漢数字ばかりの手。
目をそらしたくなるようなアガリなのであまり憶えていない(笑)牌譜見たらこんな感じでした!

一万一万一万三万三万三万四万五万五万五万六万六万八万  ツモ七万  ドラ四筒

四暗刻まであるかという、いきなりの6,000オール!!そんな流れでしたっけ?(汗)
これで一気にトップ目まで持ち点を伸ばし、私がラス目になってしまう…

見ているほうはこれで面白くなったと思っただろうが、こっちのダメージは計り知れなかった。
そして南3局13巡目に、親の瀬戸熊プロから先制リーチが入り、それを受けて私の手牌がこうなる。

二万三万六万七万七万二索三索四索七索八索九索二筒四筒  ツモ四万  ドラ一筒

三色のテンパイだが、マチの三筒はすでに2枚切れており、捨て牌からして瀬戸熊プロも使っていそうな三筒である。
テンパイを取れば無筋の六万を切らなければならない。自分に問いかける…山にあっても1枚だろう、行くべきか引くべきか。
高打点にして相手にぶつけていくのが自分のスタイル!この半荘はラスを受け入れよう。そう決めて六万を切りリーチとした。

とりあえずは通った。そして残りも少なくなってきたところで、私の切った一索を藤崎プロがポンしてホンイツのテンパイを入れる…
この鳳凰戦、今まで何度私のアガリ牌を食い取られたであろう?しかし、たまには良いことをしてくれることもあった!

瀬戸熊プロへ放銃となる四万を食い下げてくれたのである。
もちろんこの時の私は知るはずも無いのだが、テンパイで開けられた2人の手を見て藤崎プロは何を思っただろうか?

そして1本場、また瀬戸熊プロからリーチが入る。12巡目に私もテンパイが入り、タンヤオだけなのでヤミテンにしていると、すぐさま勝又プロからも追いかけリーチ。
そして15巡目に五万を持ってきて高目三色のテンパイになった。
だが切らなければならないのは、ドラそばの八万…でもさっきラスは受け入れたはずだ!そう自分に言い聞かせて追いかけリーチをし、結果はすぐに出た。

四万四万五万六万七万五索六索七索八索八索八索六筒七筒  リーチ  ロン五筒  ドラ九万

高目が出て供託リーチ棒も込みで13,300の大きなアガリとなった。
後で牌譜を見ると、私のマチは山に1枚だけで、瀬戸熊プロのマチは3枚、勝又プロのマチは跳満になる高目が3枚も残っていた。
この鳳凰戦、2人が不調であったことを物語るシーンであったように思う。

このアガリで私もなんとか浮きにまわり、オーラスには7,700をアガって奇跡的にもトップでこの半荘を終えることが出来た。

15回戦成績
前田直哉+20.4P 藤崎智+11.1P 勝又健志▲10.0P 瀬戸熊直樹▲21.5P

15回戦終了時
前田直哉+111.3P 藤崎智+56.1P 勝又健志▲46.0P 瀬戸熊直樹▲121.4P

ついにここまで辿り着いた。
残り1戦…ただそう簡単には勝たせてはくれないであろう。55.2P差がとても少なく感じた。

最終戦(起家から藤崎、勝又、瀬戸熊、、前田)

100

日本プロ麻雀連盟 決勝戦オーラス座順規定

知っている人も多いとは思うが、日本プロ麻雀連盟のルールでは最終戦はポイントによって座り順が決まっており私がラス親となる。
東2局までは想定内で局は進むが、東3局で藤崎プロの7,700が飛び出す。

四索五索六索七索七索南南  ポン東東東  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ロン七索  ドラ四索

これでもまだ優位は変わらないが、顔には出さずともやはり焦るものである。
私の親も流れ南1局、この藤崎プロの親番だけはなんとしてでも流したいところである。

5巡目に役牌を仕掛けて早くもテンパイ。しかし…なかなか出てこない。
8巡目には藤崎プロからリーチが入り、ツモ切りリーチだったためマチは良くないと思ったが結局流局。
そして次局では、藤崎プロがピンフのみではあるが、供託も合わせて6,100点を加点する。

長い…とにかく長く感じた。もちろんまだリードはしているが、とてもそんな気にはなれなかった。
なんとか3本場は自力で局を進めることは出来たが、ラス前の瀬戸熊プロの親が終わらない。
もう何時間この半荘をやっているのだろう…そんな気持ちになっていた。

そして迎えた南3局4本場、私もなんとかテンパイを入れ流局かと思っていると、ハイテイで藤崎プロが止まる!
手つきですぐにツモったとわかった。アガるかどうか…その選択であろう。そして迷った末に手牌は開けられた。

三万三万三万四万五万六万一索一索二索三索三索白白  ツモ二索  ドラ北

既に2枚切れだったのでさすがにリーチにはいけなかったのだろう。しかしこれで8,200を加点していよいよ長かった戦いもオーラスを迎えた。
藤崎プロが46,600点、私が23,700点、トータルを合わせると藤崎プロは跳満ツモ条件である。
競技ルールでは、なかなか跳満を作るのは難しいのはご存じの通りであろう。
しかし藤崎プロの手から3巡目にドラの四索が打ち出される。

この時私も正直目を疑った!えっ?どういうこと?私も普通に手を進めながら、藤崎プロの一挙手一投足に目を配る。
捨て牌を見てもどんな形になっているのか全く分からないまま局は進み、15巡目についに藤崎プロからリーチが入った!!!

私もテンパイを入れていたが、現物以外を持ってきたところでオリを選択。
後はただ藤崎プロのツモるその手に注目するしかなかった…

残り3回。初めての鳳凰戦、ここまで自分なりに良く戦ったと思う…後は天に全てを託した。
1回…2回…そしてハイテイ…藤崎プロは最後のツモを河に置いた。生きた心地がしなかった。
今までで1番長く感じた3巡であったであろう。流局し、開かれた手はこうであった。

七万八万九万一索二索三索七索九索七筒八筒九筒九筒九筒  リーチ  ドラ四索

流石だと思った。こうして長い戦いはついに幕を閉じた。

最終戦成績
藤崎智+26.6P 瀬戸熊直樹+5.1P 前田直哉▲11.3P 勝又健志▲21.4P +1.0P

最終戦終了時
前田直哉100.0P 藤崎智+82.7P 勝又健志▲67.4P 瀬戸熊直樹▲116.3P +1.0P

終わっても喜びは湧いてこなかった。ただただ疲れた。これでゆっくりと休めることが嬉しかったしホッとした。
終わってみればポイントはちょうど100.0。100点満点であったかと言えば決してそう言えない内容であったと思う。
15年前に日本プロ麻雀連盟の門を叩き、ずっとここを目標にやってきた。
鳳凰位…なってみてわかったことは、この言葉の重みと責任であった。
そしてここがゴールでは無いことを認識した。

次回予告
「出陣」

追伸
いよいよリーグ戦も残り1節となりました!これが掲載される頃には終わっているかもしれませんが…とても楽しみです!
そして重要なお知らせがあります!
この鳳凰の部屋を書いていたら何故かポイントが合っていません(笑)前回の終わった時のポイントと今回の始まりのポイントが違うんです!
どこかで足し算間違えました(汗)お正月休みに算数のドリルやってから来年の鳳凰戦にのぞみます!すんません!
※編集部で修正しました