鳳凰の部屋

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「~重圧~」 吉田 直

2019/10/31
執筆:吉田 直


微差ながらトータルトップで初日を終えた初の鳳凰位決定戦。時折息苦しさはあったものの、思ったより緊張せずに普段通り打てた。
そして、連盟入会当初より目指して来た頂点の戦いに、心も弾みとても楽しかった。
2日目も同様に、自分らしい麻雀を打ち、この舞台を楽しもうと決め会場に向かった。

2日目の初戦は、初日不調だった柴田が序盤から積極的に攻めて行く。しかし自分も早々に勝負手が入って来た。

東3局ドラ一索
9巡目に以下の手牌

二万三万四万一索二索三索四索五索六索二筒三筒四筒五筒  ツモ七索

ドラの一索を切って、タンヤオ高め三色のヤミテンも薄っすらと脳裏をよぎった。
ただ、初戦の最初の勝負手だったので、打点MAXをみてドラの一索ツモで跳満を引きに行こうと思い、五筒切りリーチに踏み込んだ。
終盤、前原が追いかけリーチときて、いきなり最初の勝負所。

前原
四万五万六万一索一索四索五索六索五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ

2人とも、高め三色の勝負手だったが、決着はつかず流局。
そして、今でも何が正しいのかわからない次局。

東4局親 供託2
7巡目に以下の手牌

五万六万一索一索三索四索五索七索七索八索九索西西  ツモ二索  ドラ西

七索切りが手広いのは当然わかるが、下家の前原が仕掛けを入れていて、かなり鳴かれそうだと思っている事。
ここまでツモが順調に伸びて来ている事。
そして、八索九索引きで五万六万を払い、ホンイツへ移行しようということから打一索を選択。

この時の前原の手牌。

六万六万五索五索六索八索六筒中中中  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き

この後六索四索と引き入れ

六万六万四索五索五索六索六索中中中  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き

四万を引いた自分は絶好のタイミングで前原に七索放銃となった。
打点こそ安いものの手出し牌とアガリ形を見て、さっきのタイミングで七索を切っていたなら間に合っていたのは明白。さらに、鳴かれたら柴田がツモ切った七万を引きテンパイしていたこともわかったので、放銃した打点こそ安かったものの少しぐらついた。
気持ちの整理がつかないまま、それ以降何も出来ずこの半荘は3着で終わる。

休憩中、頭の中はさっきの局の事でいっぱいだった。普段は同じ様な事が起きても、自分の選択に自信を持っているので全く気にしないのだが、やはり鳳凰位決定戦という舞台だからか、考え過ぎてしまった事を反省した。
あの局の自分の選択があってようが間違っていようが、それが今の自分の実力。反省するなら帰ってからにしようと自分に言い聞かせ次戦に臨んだ。

鳳凰位決定戦の休憩時間は、牌譜解説があるのでリーグ戦の倍以上の時間がある。これまでは休憩時間が長くて、早く始めたいなあとか思っていたが、この時ほど休憩時間が長くて助かった事はないだろう。

気を取り直して行こうと臨んだ6回戦は、東1局2本場4巡目に、ツモり四暗刻のテンパイ。

ドラ八索 西家

四万四万五万五万八万八万八万六索六索六索東白白  ツモ四万

東切りリーチ。自分は出アガリたくないので、ツモり四暗刻はほとんどリーチをする。
中盤、ドラを2枚使ったイーシャンテンの勝又から白が打ち出され12,000をアガる。
まだまだツキはあるようだ。

そしてその勢いはとまらずに次局。

東2局 6巡目

四万五万六万三索四索六索四筒五筒五筒六筒六筒七筒南  ツモ五索  ドラ南

打点と巡目を考え打三索のヤミテンに構える。
そして9巡目に前原からリーチが入る。

一索二索三索四索五索六索八索九索九索九索五筒六筒七筒  リーチ

一発目に四筒を持ってきたが、スライドで七筒を切り南単騎のままに受けた。
どちらが正解かはわからないが、自分は万が一の南で放銃したくないのと、ドラの南を切って他家に楽をさせたくないので、このまま最後までドラの南単騎で行こうと思っていた。
だったらリーチして出アガリ跳満にすればいいじゃないかと思う方もいると思うが、リーチが1人と2人では他家の対応も変わってくる。もちろん相手は柴田、勝又なので自分がヤミテンで押しているのは明白だから出てくるとは思っていないが、自分がリーチしたことで仕掛けられるのが一番困る。
現状、自分が当たり牌を掴む流れだとは思っていないし、アガれそうな感覚があるのに、仕掛けが入るとツモ牌がずれるので途端に難しくなる。
その仕掛けを入れられるかもと考えると、自分はヤミテンの一択。そして前原が南を掴み8,000をアガる。

後で映像を見返すと、この局は柴田が本当に上手く回ってくれたので自分がアガる事が出来た。
やはり読みの精度の高さは本当に凄いと改めて思い知らされた。

そしてこの半荘は柴田に捲られ2着で終了。それでもメンタルは正常に戻り戦うことが出来ていたので満足だったが、次の7回戦の親番でまたしても痛恨のミスをやってしまう。

7回戦 
東2局2本場ドラ一筒

東1局に7,700、親番を迎え2,000、1,500は1,800と3局連続でアガリ点数も40,000点を超えていた。
その2本場で、10巡目に柴田から、11巡目に前原からリーチが入る。

柴田
三万四万五万三索四索一筒二筒三筒三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ

前原
二万二万六万六万七万七万一筒七筒七筒南南北北  リーチ

2人からリーチが入り自分は以下の形。

五万六万六索七索八索九索九索一筒二筒三筒四筒五筒中  ツモ四筒

イーシャンテンだったが、ここで簡単に安牌の九索に手を掛けてしまった。今思えばなんで連荘してる親で、生牌の中ぐらい切れなかったんだろうと本当に後悔している。確かに前原の河が七対子っぽくて、ホンイツもあるかもなとは思っていたのだが、それでも目をつぶって勝負していく事をこれまで散々教わってきた。それを実行出来なかったのは、ここでトータルトップになり、点数を減らしたくないという気持ちや、現状のライバルである前原に直撃は打ちたくないという思いからだったのだろう。経験不足も去ることながら、これが今の自分の実力だ。

無常にも次のツモは七万で、当然の事ながら柴田から六筒のアガリを逃し(四筒が通っていれば)直後に前原から柴田が3,900は4,500をアガる。
その瞬間、テンパイ打牌の四筒は通っていたと思い、アガリ逃しを確信。

しかしここはしっかりと自分の未熟さを反省し、引きずらないでトップを取ると、8回戦も好調を持続したまま連勝で大きくポイントを伸ばした。

2日目終了時

吉田 +74.9P
前原 +13.8P
勝又 ▲31.5P
柴田 ▲57.2P

ここまで8回戦を終え、4トップとかなりツキも味方してくれているが、自分で思っていたよりもしっかりと戦えている。
反省点も多々あるが、今自分が出来る事を精一杯やり、このまま連盟の最高峰である鳳凰位を目指そうと心に誓った。