ロン2ファン感謝祭in大阪~第19回リアル麻雀大会~ 大久保 朋美

みなさんこんにちは。
日本プロ麻雀連盟29期生
関西本部の大久保朋美です( ^ω^ )

先日、11月16日にロン2ファン感謝祭in大阪が大和という雀荘で開催されました!
本当は10月13日に開催予定だったのですが、台風が本州を直撃したので中止になってしまいました…

急遽中止になったので残念に思い、私は台風の影響で外にも出れず家でロン2をしていたのですが、後日再開のお知らせがあり、無事に11月16日に再開催されました\(^o^)/

急遽の決定にも関わらず、たくさんのロン2のユーザーの方々や日本プロ麻雀連盟のプロが関西に大集結しました。

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まず、朝東京から新幹線で関西にいらした東京本部のプロからご紹介します。

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続いてホームグラウンドである関西本部のプロをご紹介します。

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まず始めに開会式で森山会長からのご挨拶がありました。

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私は今回が初めての大会参加で、とても緊張していたのですが、顔なじみの方々や、いつもロン2で同卓させてもらった方、チャットで仲良くなった方など、みなさんに声を掛けて頂けて楽しく麻雀をすることが出来ました。

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大会のルールは、一発裏ドラ槓ドラ槓裏あり、赤ドラなしでロン2道場とほぼ同じルールでした。
東風戦が3戦、東南戦が2戦の計5戦の成績で競います。

卓割りはランダムで、同じ方と当たらないように割り振られており、たくさんのプロの方々と麻雀が打てるようになっていました。

跳満、満賞と役満賞というのがあり、アガったらオリジナルステッカーが貰えました。
私も跳満アガったらステッカー貰えるかなっとか思ったのですが、貰えませんでした(笑)
ステッカー欲しかった…
ちなみに、私はメンゼンチンイツがアガれたので跳満はクリアしたのですが、役満は出来ませんでした。

参加者には1人2枚サイン色紙が配られ、みなさん好きなプロからサインをもらっていました。

5戦を終えて、表彰式の前に当日参加されたプロの自己紹介とトークがありました。

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トークは中川由佳梨プロから始まり、関西ということで中川プロの
「関西のプロがトークで一発芸してくれます」という振りで、たくさんの人がいる前で、誰も一発芸なんて出来る訳もなく、最後に私の番…

私は一発芸でふなっしーのモノマネをしました(笑)
ウケは狙えませんでしたが…

そしてマイクは東京の方に回り、宮内こずえプロが一発芸しました。
さすが宮内プロ!会場は爆笑の渦でした。

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そしてマイクは振り出しに戻り一発芸の振りをした中川プロが責任を持って一発芸をするはめになりました。

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アンパンマンのモノマネではなく、ドラえもんのモノマネをしてくれました。

そして、集計が終わったところで表彰式に移行しました。

優勝はマサりょうさんでした。おめでとうございます( ´ ▽ ` )ノ

そしてプロ1位、全体で2位はなんと中川プロでした。
中川プロは、前回、関西で行われたファン感謝祭でも2位だったそうで、さすが関西で無敵の中川プロでした。

1位:マサりょうさん
2位:中川由佳梨プロ
3位:フリこみんさん
4位:吉田哲史プロ
5位:能登雀翁さん
6位:ウィズウィズさん
7位:ハンサム王子さん
8位:黒子
9位:きのっぴさん
10位:hijk712さん
以下省略…

入賞者のみなさんありがとうおめでとうございました。

私も初参加してみて、次も参加したいと思えるほど楽しい大会でした。
ということで、今回参加できなかった方も、優勝できなかった方も、日程や場所の都合が悪かった方も、
大会は関西だけでなく、名古屋でも東京でも毎年行われていますので、次回の参加お待ちしております( ^ω^ )

最後までご盛況いただきありがとうございました。
またロン2でお会いしましょう。

リアル麻雀大会/ロン2ファン感謝祭in大阪~第19回リアル麻雀大会~ 大久保 朋美

みなさんこんにちは。
日本プロ麻雀連盟29期生
関西本部の大久保朋美です( ^ω^ )
先日、11月16日にロン2ファン感謝祭in大阪が大和という雀荘で開催されました!
本当は10月13日に開催予定だったのですが、台風が本州を直撃したので中止になってしまいました…
急遽中止になったので残念に思い、私は台風の影響で外にも出れず家でロン2をしていたのですが、後日再開のお知らせがあり、無事に11月16日に再開催されました\(^o^)/
急遽の決定にも関わらず、たくさんのロン2のユーザーの方々や日本プロ麻雀連盟のプロが関西に大集結しました。

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まず、朝東京から新幹線で関西にいらした東京本部のプロからご紹介します。

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続いてホームグラウンドである関西本部のプロをご紹介します。

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まず始めに開会式で森山会長からのご挨拶がありました。

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私は今回が初めての大会参加で、とても緊張していたのですが、顔なじみの方々や、いつもロン2で同卓させてもらった方、チャットで仲良くなった方など、みなさんに声を掛けて頂けて楽しく麻雀をすることが出来ました。

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大会のルールは、一発裏ドラ槓ドラ槓裏あり、赤ドラなしでロン2道場とほぼ同じルールでした。
東風戦が3戦、東南戦が2戦の計5戦の成績で競います。
卓割りはランダムで、同じ方と当たらないように割り振られており、たくさんのプロの方々と麻雀が打てるようになっていました。
跳満、満賞と役満賞というのがあり、アガったらオリジナルステッカーが貰えました。
私も跳満アガったらステッカー貰えるかなっとか思ったのですが、貰えませんでした(笑)
ステッカー欲しかった…
ちなみに、私はメンゼンチンイツがアガれたので跳満はクリアしたのですが、役満は出来ませんでした。
参加者には1人2枚サイン色紙が配られ、みなさん好きなプロからサインをもらっていました。
5戦を終えて、表彰式の前に当日参加されたプロの自己紹介とトークがありました。

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トークは中川由佳梨プロから始まり、関西ということで中川プロの
「関西のプロがトークで一発芸してくれます」という振りで、たくさんの人がいる前で、誰も一発芸なんて出来る訳もなく、最後に私の番…
私は一発芸でふなっしーのモノマネをしました(笑)
ウケは狙えませんでしたが…
そしてマイクは東京の方に回り、宮内こずえプロが一発芸しました。
さすが宮内プロ!会場は爆笑の渦でした。

100

そしてマイクは振り出しに戻り一発芸の振りをした中川プロが責任を持って一発芸をするはめになりました。

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アンパンマンのモノマネではなく、ドラえもんのモノマネをしてくれました。
そして、集計が終わったところで表彰式に移行しました。
優勝はマサりょうさんでした。おめでとうございます( ´ ▽ ` )ノ
そしてプロ1位、全体で2位はなんと中川プロでした。
中川プロは、前回、関西で行われたファン感謝祭でも2位だったそうで、さすが関西で無敵の中川プロでした。
1位:マサりょうさん
2位:中川由佳梨プロ
3位:フリこみんさん
4位:吉田哲史プロ
5位:能登雀翁さん
6位:ウィズウィズさん
7位:ハンサム王子さん
8位:黒子
9位:きのっぴさん
10位:hijk712さん
以下省略…
入賞者のみなさんありがとうおめでとうございました。
私も初参加してみて、次も参加したいと思えるほど楽しい大会でした。
ということで、今回参加できなかった方も、優勝できなかった方も、日程や場所の都合が悪かった方も、
大会は関西だけでなく、名古屋でも東京でも毎年行われていますので、次回の参加お待ちしております( ^ω^ )
最後までご盛況いただきありがとうございました。
またロン2でお会いしましょう。

第9期女流桜花 Aリーグ プレーオフ終了時成績表

 B C

第9期女流桜花決定戦メンバー決定!

吾妻 さおり vs 魚谷 侑未 vs 和久津 晶 vs 安田 麻里菜

第9期女流桜花決勝初日 :1月17日(土)

第9期女流桜花決勝二日日:1月24日(土)

第9期女流桜花決勝最終日:1月31日(土)

 

第8期女流桜花
吾妻 さおり
出身地(東京)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 魚谷 侑未(新潟) ▲ 14.1 105.1 83.6 44.3 ▲ 25.7 ▲ 1.9 89.7 281.0
2 和久津 晶(東京) ▲ 26.0 40.3 ▲ 71.7 102.3 6.6 1.5 88.9 141.9
3 安田 麻里菜(秋田) 63.8 ▲ 21.4 52.3 12.7 36.7 ▲ 44.4 3.1 102.8
4 和泉 由希子(東京) 38.6 ▲ 73.6 59.1 48.1 14.9 34.4 ▲ 25.3 96.2
5 仲田 加南(神奈川) 15.8 15.4 63.6 24.7 ▲ 47.2 ▲ 10.0 16.0 78.3
6 二階堂 亜樹 (神奈川) 18.4 ▲ 29.0 51.5 ▲ 17.5 44.6 25.3 ▲ 49.9 43.4
7 清水 香織(栃木) 20.7 ▲ 76.5 22.3 14.3 ▲ 23.0 71.3 ▲ 13.7 15.4
8 斉藤 理絵(東京) 17.3 ▲ 4.3 2.8 17.1 43.7 ▲ 30.4 ▲ 108.8 ▲ 62.6
順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
9 内田 美乃里(神奈川) 34.1 13.6 ▲ 53.4 ▲ 5.1 ▲ 47.1 44.8 ▲ 13.1
10 二階堂 瑠美(神奈川) 19.0 ▲ 0.8 1.0 ▲ 48.2 49.0 ▲ 59.8 ▲ 39.8
11 朝霧 千裕(三重) ▲ 89.4 41.9 ▲ 31.9 ▲ 33.8 42.9 26.7 ▲ 43.6
12 黒沢 咲(東京) 22.3 31.9 ▲ 84.2 57.1 ▲ 41.3 ▲ 30.0 ▲ 44.2
13 美波 智子(埼玉) 30.2 ▲ 27.3 ▲ 38.2 ▲ 34.1 ▲ 16.8 39.4 ▲ 46.8
14 小宮山 一美(神奈川) 14.7 ▲ 7.3 ▲ 63.5 ▲ 43.3 ▲ 10.4 60.7 ▲ 49.1
15 古谷 知美(東京) ▲ 4.6 ▲ 47.2 37.1 ▲ 23.9 ▲ 16.7 ▲ 32.3 ▲ 87.6
16 南里 はるみ(東京) ▲ 26.7 12.7 11.8 ▲ 12.9 ▲ 49.1 ▲ 26.6 ▲ 90.8
17 中山 千鶴(愛知) ▲ 66.1 ▲ 11.5 ▲ 78.7 ▲ 0.4 35.4 ▲ 7.7 ▲ 129.0
18 武石 絵里(東京) ▲ 25.0 2.7 ▲ 16.1 ▲ 6.7 ▲ 33.6 ▲ 63.0 ▲ 141.7

女流プロリーグ(女流桜花) 成績表/第9期女流桜花 Aリーグ プレーオフ終了時成績表

 B C

第9期女流桜花決定戦メンバー決定!
吾妻 さおり vs 魚谷 侑未 vs 和久津 晶 vs 安田 麻里菜
第9期女流桜花決勝初日 :1月17日(土)
第9期女流桜花決勝二日日:1月24日(土)
第9期女流桜花決勝最終日:1月31日(土)
 

第8期女流桜花
吾妻 さおり
出身地(東京)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 魚谷 侑未(新潟) ▲ 14.1 105.1 83.6 44.3 ▲ 25.7 ▲ 1.9 89.7 281.0
2 和久津 晶(東京) ▲ 26.0 40.3 ▲ 71.7 102.3 6.6 1.5 88.9 141.9
3 安田 麻里菜(秋田) 63.8 ▲ 21.4 52.3 12.7 36.7 ▲ 44.4 3.1 102.8
4 和泉 由希子(東京) 38.6 ▲ 73.6 59.1 48.1 14.9 34.4 ▲ 25.3 96.2
5 仲田 加南(神奈川) 15.8 15.4 63.6 24.7 ▲ 47.2 ▲ 10.0 16.0 78.3
6 二階堂 亜樹 (神奈川) 18.4 ▲ 29.0 51.5 ▲ 17.5 44.6 25.3 ▲ 49.9 43.4
7 清水 香織(栃木) 20.7 ▲ 76.5 22.3 14.3 ▲ 23.0 71.3 ▲ 13.7 15.4
8 斉藤 理絵(東京) 17.3 ▲ 4.3 2.8 17.1 43.7 ▲ 30.4 ▲ 108.8 ▲ 62.6
順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
9 内田 美乃里(神奈川) 34.1 13.6 ▲ 53.4 ▲ 5.1 ▲ 47.1 44.8 ▲ 13.1
10 二階堂 瑠美(神奈川) 19.0 ▲ 0.8 1.0 ▲ 48.2 49.0 ▲ 59.8 ▲ 39.8
11 朝霧 千裕(三重) ▲ 89.4 41.9 ▲ 31.9 ▲ 33.8 42.9 26.7 ▲ 43.6
12 黒沢 咲(東京) 22.3 31.9 ▲ 84.2 57.1 ▲ 41.3 ▲ 30.0 ▲ 44.2
13 美波 智子(埼玉) 30.2 ▲ 27.3 ▲ 38.2 ▲ 34.1 ▲ 16.8 39.4 ▲ 46.8
14 小宮山 一美(神奈川) 14.7 ▲ 7.3 ▲ 63.5 ▲ 43.3 ▲ 10.4 60.7 ▲ 49.1
15 古谷 知美(東京) ▲ 4.6 ▲ 47.2 37.1 ▲ 23.9 ▲ 16.7 ▲ 32.3 ▲ 87.6
16 南里 はるみ(東京) ▲ 26.7 12.7 11.8 ▲ 12.9 ▲ 49.1 ▲ 26.6 ▲ 90.8
17 中山 千鶴(愛知) ▲ 66.1 ▲ 11.5 ▲ 78.7 ▲ 0.4 35.4 ▲ 7.7 ▲ 129.0
18 武石 絵里(東京) ▲ 25.0 2.7 ▲ 16.1 ▲ 6.7 ▲ 33.6 ▲ 63.0 ▲ 141.7

第116回:櫻井 秀樹 インタビュアー:西岡 慎泰

西岡「インタビュー僕なんかで良かったんですか?」

櫻井「同い年だし、対局ずっと見てくれたからね。」

西岡「え…ええ、櫻井さんの良いところも微妙なところも精一杯書きます。」

(リアルタイムで観戦したのが最終日だけなのは、とりあえず黙っていよう。【汗】)

『十段位』
日本プロ麻雀連盟の一員である私からは非常に重く、また遠い響きだ。
今回は、先日第31期十段位を獲得した櫻井秀樹プロのインタビューです。
インタビュアーは私、西岡慎泰が努めます。

西岡「面と向かって言うのは初めてですね。十段位おめでとうございます。」

櫻井「ありがとう。精神面で揺れずに打てたのが良かったよ。」

西岡「そうですか~?最終戦6,000オールで瀬戸熊さんに離された時は、心折れたような表情でしたよ。」

櫻井「瀬戸熊さんの表情には勝てないよ。ホントいい顔するよね瀬戸熊さんは。」

(早速だが、この話の流れで最終戦の話を聞こう)

西岡「東1局2本場、順位状況がなければ、鳴かない可能性も高い櫻井さんの中ポンで、すぐに瀬戸熊さんがテンパイ、間もなく6,000オールでしたが、失敗した感覚はありませんでした?」

100

櫻井「局を進めるのが基本的に自分1人だから、普段鳴かない牌を鳴くのも手段としてはアリだと思った。結果6,000オールになっても仕方ないかなって。でも手牌が開かれた瞬間は、そんなに点数高いのかよ!って思ったよ。」

西岡「僕だったらもう半泣きになってそうです。ここ一番で何てことしたんだよ俺~みたいな。そこが精神力の違いでしょうね。そして東4局の親番では、ドラの八万単騎をツモって3,900オールで再逆転、完全にドヤ顔してましたよ。って言うか、顔を撮る気満々のカメラワークでしたよね。最後の1巡、ツモってもツモらなくても良い絵になるぞ~みたいな。」

櫻井「ウソだ?ドヤ顔なんかしてないって。そうそう、タイムシフトで見たけど確かに顔は狙われてたよね。」

(どうしても最終戦の話になってしまうので、他の局も聞かないと)

西岡「11回戦東4局の親番で、カン五索をツモった2,600オールも会心のアガリだったと思いますが、やっぱり感触ありました?瀬戸熊さんも櫻井さんも、自然な手順でテンパイ即リーチ、ただ瀬戸熊さんは配牌から持っているドラが使い切れませんでしたけどね。」

100

櫻井「イメージ通りのテンパイだから、ノータイムでリーチできた。実は、これ引けたら勝てるかもって過ったと思う。それより、さっきから高い手をアガった局ばっかり聞いてるけど、本来のスタイルで戦えた理想的な半荘は4回戦目なんだけど。」

西岡「4回戦って1日目最後の半荘ですよね。どうなりましたっけ?」

櫻井「オーラス瀬戸さんが、高めイーペーコーで柴田さんから2,600アガってトップになった半荘。」

西岡「いまいち覚えてないです。。。(実はリアルタイムで観戦していないから記憶が薄い)櫻井さんは何アガリましたっけ?」

櫻井「鳴いて1,000点とか2回アガっただけだよ。」(実際には300・500と1,300)

西岡「それなのに本来のスタイルなんですか??しかもトップじゃないし。」

櫻井「仕掛けの選択肢がある手は好きだし、点数的に接戦だと集中力が高まる気がするんだよね。大トップの時とかに、真っ直ぐ手を進めて8,000点放銃したら、冷静に打ってれば回避できた余計な放銃だと感じる事がある。放銃してもトップだからって、余計に8ポイント減らしちゃダメじゃん。あの半荘は勝負手といえるものが全然入らなかったのに、軽い手だけでもしっかりアガって失点は少なく、結果プラスできたのが相当デカい。」

西岡「確か、鳴いてオリた局もありましたよね。」(南2局)

櫻井「仕掛けていても守備は考える方だと思うよ。」

(あとは心境について聞こうかな)

西岡「最終日まではどんな気持ちで迎えてました?常に優勝が見える位置でしたが。」

櫻井「2日目から最終日までの1週間はしんどかった。毎日十段戦の夢を見たよ。でも、最終日の朝はスッキリしてたな~。今日は勝てそうだなって、まぁいつもの感じ。」(笑

西岡「例の調子乗りキャラですね。実際終わった瞬間はどうでしたか?」

櫻井「月並みな回答になるけど、ホッとした以外の言葉が当てはまらないなぁ。ただ、対局の最中は不思議にも辛いとか熱いといった感情は終始湧いてこなかったね。」

西岡「確かに、麻雀も感情的になった面はなかったように見えました。その冷静さがいい方向に働いて結果に繋がったんでしょうね。」

この辺りで少し話を止め食事にする。
櫻井プロと食事する時は、賑やかな店でビールといったケースが多く、洒落た焼肉屋へ一緒に来たのは初めてだ。
まぁ、ここでもビールは2人とも変わらずだが。

100
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西岡「そろそろ櫻井ファンのために、十段戦以外の話も聞かせてもらおうと思うのですが。」

櫻井「実はリレーエッセィも同時期にアップされる予定でさ、内容被らないように頼むね。」

西岡「じゃあ、こっちでは簡単な質問攻めだけにします。最近ハマっている事は何ですか?」

櫻井「子供と遊ぶ事だよ。休日はだいたい一緒に遊んでる。」

西岡「連盟チャンネルの番組でも、パパキャラが定着しつつありますよね。僕も子供ができたら見習いたいです。じゃあ、ライバルと思う麻雀プロはいますか?」

櫻井「麻雀プロ全員がライバルかな。」

西岡「え~模範解答とかじゃなくて、本当のところお願いしますよ!!」

櫻井「他でも言ってるしホントに思ってるよ。麻雀プロなら全員タイトル獲れる可能性あるし、自分が対局する可能性もあるから。」

西岡「分かりました、そういう事にしておきますよ~。仕事に家族にと大忙しですが、麻雀はどれくらい打っていますか?」

櫻井「だいたい月に200半荘くらいかな~。ほぼ毎日打ってるよ。」

西岡「いつ寝てるんですか?って思いますよ。最後にファンの方にメッセージをお願いします。」

櫻井「皆さんの応援していたプロに勝ってしまいゴメンなさい。でも、この結果も麻雀ですから。これから1年間は今まで以上に鍛えて、来年は圧勝するのでよろしくお願いします!!」

(櫻井ファンへのメッセージのつもりだったんだけど、例の調子乗りキャラをやらせてあげよう)

櫻井プロは番組等ではこんな感じだが、普段は謙虚で周囲にも気を配れる人だ。
私の考えでは、これらの発言は自分を鼓舞するもので、良い興奮状態で戦えるようにしたり自分を追い込んだりするものではないかと思える。

西岡「ありがとうございました。今日は、帰って麻雀か子供さんと寝るかどちらかですか?」

櫻井「実は明日、子供の運動会なんだよね。でも何処か遊びに行くならいいよ。」

そんな言葉が出てくるとは、本当にタフという言葉がピッタリだ。

順序が逆になってしまったが、私と櫻井プロとは連盟行事の運営等、裏方の仕事を一緒にする事が多々あり、今のように仲良く話せるようになった。
私より以前からそういった仕事をこなしていた櫻井プロは、今でも生放送で“麻雀マシーン1号”(以前出ていたTV番組での黒子役)とコメントをもらう事がある。
ただし、今後は“十段位”のコメントの方が圧倒的に多くなるのは間違いない。

麻雀プロとして活躍できるチャンスも圧倒的に増え、十段位として今以上に魅力的な麻雀が要求されるかもしれない。
麻雀に家族に、これからもっと大忙しになるけれど、持ち前のタフさで全てHAPPYにしちゃって下さい!!

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プロ雀士インタビュー/第116回:櫻井 秀樹 インタビュアー:西岡 慎泰

西岡「インタビュー僕なんかで良かったんですか?」
櫻井「同い年だし、対局ずっと見てくれたからね。」
西岡「え…ええ、櫻井さんの良いところも微妙なところも精一杯書きます。」
(リアルタイムで観戦したのが最終日だけなのは、とりあえず黙っていよう。【汗】)
『十段位』
日本プロ麻雀連盟の一員である私からは非常に重く、また遠い響きだ。
今回は、先日第31期十段位を獲得した櫻井秀樹プロのインタビューです。
インタビュアーは私、西岡慎泰が努めます。
西岡「面と向かって言うのは初めてですね。十段位おめでとうございます。」
櫻井「ありがとう。精神面で揺れずに打てたのが良かったよ。」
西岡「そうですか~?最終戦6,000オールで瀬戸熊さんに離された時は、心折れたような表情でしたよ。」
櫻井「瀬戸熊さんの表情には勝てないよ。ホントいい顔するよね瀬戸熊さんは。」
(早速だが、この話の流れで最終戦の話を聞こう)
西岡「東1局2本場、順位状況がなければ、鳴かない可能性も高い櫻井さんの中ポンで、すぐに瀬戸熊さんがテンパイ、間もなく6,000オールでしたが、失敗した感覚はありませんでした?」
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櫻井「局を進めるのが基本的に自分1人だから、普段鳴かない牌を鳴くのも手段としてはアリだと思った。結果6,000オールになっても仕方ないかなって。でも手牌が開かれた瞬間は、そんなに点数高いのかよ!って思ったよ。」
西岡「僕だったらもう半泣きになってそうです。ここ一番で何てことしたんだよ俺~みたいな。そこが精神力の違いでしょうね。そして東4局の親番では、ドラの八万単騎をツモって3,900オールで再逆転、完全にドヤ顔してましたよ。って言うか、顔を撮る気満々のカメラワークでしたよね。最後の1巡、ツモってもツモらなくても良い絵になるぞ~みたいな。」
櫻井「ウソだ?ドヤ顔なんかしてないって。そうそう、タイムシフトで見たけど確かに顔は狙われてたよね。」
(どうしても最終戦の話になってしまうので、他の局も聞かないと)
西岡「11回戦東4局の親番で、カン五索をツモった2,600オールも会心のアガリだったと思いますが、やっぱり感触ありました?瀬戸熊さんも櫻井さんも、自然な手順でテンパイ即リーチ、ただ瀬戸熊さんは配牌から持っているドラが使い切れませんでしたけどね。」
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櫻井「イメージ通りのテンパイだから、ノータイムでリーチできた。実は、これ引けたら勝てるかもって過ったと思う。それより、さっきから高い手をアガった局ばっかり聞いてるけど、本来のスタイルで戦えた理想的な半荘は4回戦目なんだけど。」
西岡「4回戦って1日目最後の半荘ですよね。どうなりましたっけ?」
櫻井「オーラス瀬戸さんが、高めイーペーコーで柴田さんから2,600アガってトップになった半荘。」
西岡「いまいち覚えてないです。。。(実はリアルタイムで観戦していないから記憶が薄い)櫻井さんは何アガリましたっけ?」
櫻井「鳴いて1,000点とか2回アガっただけだよ。」(実際には300・500と1,300)
西岡「それなのに本来のスタイルなんですか??しかもトップじゃないし。」
櫻井「仕掛けの選択肢がある手は好きだし、点数的に接戦だと集中力が高まる気がするんだよね。大トップの時とかに、真っ直ぐ手を進めて8,000点放銃したら、冷静に打ってれば回避できた余計な放銃だと感じる事がある。放銃してもトップだからって、余計に8ポイント減らしちゃダメじゃん。あの半荘は勝負手といえるものが全然入らなかったのに、軽い手だけでもしっかりアガって失点は少なく、結果プラスできたのが相当デカい。」
西岡「確か、鳴いてオリた局もありましたよね。」(南2局)
櫻井「仕掛けていても守備は考える方だと思うよ。」
(あとは心境について聞こうかな)
西岡「最終日まではどんな気持ちで迎えてました?常に優勝が見える位置でしたが。」
櫻井「2日目から最終日までの1週間はしんどかった。毎日十段戦の夢を見たよ。でも、最終日の朝はスッキリしてたな~。今日は勝てそうだなって、まぁいつもの感じ。」(笑
西岡「例の調子乗りキャラですね。実際終わった瞬間はどうでしたか?」
櫻井「月並みな回答になるけど、ホッとした以外の言葉が当てはまらないなぁ。ただ、対局の最中は不思議にも辛いとか熱いといった感情は終始湧いてこなかったね。」
西岡「確かに、麻雀も感情的になった面はなかったように見えました。その冷静さがいい方向に働いて結果に繋がったんでしょうね。」
この辺りで少し話を止め食事にする。
櫻井プロと食事する時は、賑やかな店でビールといったケースが多く、洒落た焼肉屋へ一緒に来たのは初めてだ。
まぁ、ここでもビールは2人とも変わらずだが。

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西岡「そろそろ櫻井ファンのために、十段戦以外の話も聞かせてもらおうと思うのですが。」
櫻井「実はリレーエッセィも同時期にアップされる予定でさ、内容被らないように頼むね。」
西岡「じゃあ、こっちでは簡単な質問攻めだけにします。最近ハマっている事は何ですか?」
櫻井「子供と遊ぶ事だよ。休日はだいたい一緒に遊んでる。」
西岡「連盟チャンネルの番組でも、パパキャラが定着しつつありますよね。僕も子供ができたら見習いたいです。じゃあ、ライバルと思う麻雀プロはいますか?」
櫻井「麻雀プロ全員がライバルかな。」
西岡「え~模範解答とかじゃなくて、本当のところお願いしますよ!!」
櫻井「他でも言ってるしホントに思ってるよ。麻雀プロなら全員タイトル獲れる可能性あるし、自分が対局する可能性もあるから。」
西岡「分かりました、そういう事にしておきますよ~。仕事に家族にと大忙しですが、麻雀はどれくらい打っていますか?」
櫻井「だいたい月に200半荘くらいかな~。ほぼ毎日打ってるよ。」
西岡「いつ寝てるんですか?って思いますよ。最後にファンの方にメッセージをお願いします。」
櫻井「皆さんの応援していたプロに勝ってしまいゴメンなさい。でも、この結果も麻雀ですから。これから1年間は今まで以上に鍛えて、来年は圧勝するのでよろしくお願いします!!」
(櫻井ファンへのメッセージのつもりだったんだけど、例の調子乗りキャラをやらせてあげよう)
櫻井プロは番組等ではこんな感じだが、普段は謙虚で周囲にも気を配れる人だ。
私の考えでは、これらの発言は自分を鼓舞するもので、良い興奮状態で戦えるようにしたり自分を追い込んだりするものではないかと思える。
西岡「ありがとうございました。今日は、帰って麻雀か子供さんと寝るかどちらかですか?」
櫻井「実は明日、子供の運動会なんだよね。でも何処か遊びに行くならいいよ。」
そんな言葉が出てくるとは、本当にタフという言葉がピッタリだ。
順序が逆になってしまったが、私と櫻井プロとは連盟行事の運営等、裏方の仕事を一緒にする事が多々あり、今のように仲良く話せるようになった。
私より以前からそういった仕事をこなしていた櫻井プロは、今でも生放送で“麻雀マシーン1号”(以前出ていたTV番組での黒子役)とコメントをもらう事がある。
ただし、今後は“十段位”のコメントの方が圧倒的に多くなるのは間違いない。
麻雀プロとして活躍できるチャンスも圧倒的に増え、十段位として今以上に魅力的な麻雀が要求されるかもしれない。
麻雀に家族に、これからもっと大忙しになるけれど、持ち前のタフさで全てHAPPYにしちゃって下さい!!
100

第31期A2リーグ第8節レポート 仁平 宣明

今期のリーグ戦も早や7節が終了した。
ここまでの自分の順位は5位。前半3節を首位で迎えたが、ここ4節はマイナスを少しずつ重ね今節マイナスするようだと下を見なくてはならない位置まで来ていた。

今期のリーグ戦を通して初戦の入りが悪すぎる。
7節中4回初戦ラスであった。
そこで今節は、初戦の入りを意識して望みたいと思っていた。

その初戦、東4局に親で西単騎の七対子をツモアガってトップ目に立つものの、南1局に二階堂亜樹に6,000オールをツモられ終わってみたらマイナスの2着。
着順こそ2着ではあるが、今節も微妙なスタートとなった。

2回戦もオーラスまでわずかな浮きで迎えたが、終わってみたら沈みの3着で、マイナスは小さいものの2連続でマイナス。

9節終わって4位以内にいなくてはまず昇級は厳しい。
もう1つの卓では、7節まで4位につけていた紺野がマイナスをしていたので、4位以内に入るチャンスは残るが、これ以上、上位陣と離れると厳しくなると思いながら3回戦を迎えた。

その3回戦の次の局が1日を通して一番悔いの残る局となった。

3回戦東1局 東家3巡目

八万八万三索四索五索六索八索八索三筒五筒六筒七筒八筒  ツモ四索  ドラ五筒

「何切る」ならおそらく三筒八索に別れて次に八筒あたりかと思う。
僕は普段ならこの手は絶対にメンゼンに構えたいいので少しでも仕掛けたくなる形は残さない。
よって、2シャンテンくらいの気持ちで八索を選ぶ。

だけど、この時は特に焦りがあった訳ではないが、先手を取りたい気持ちと4位のボーダーが低い事が頭を過ぎり、決着の早そうな三筒を選んでしまった。結果は直ぐにでた。

次巡、すぐに四筒を引きそこから手は止まってしまった。
この局の結果は、四柳の先制リーチを追いかけた山井のアガリ。

4巡目リーチをかけていたらどうなっていたかは分からないが、山井の選択次第では二索五索が出ていたし、出なくても山にはまだ残っていた。

この手について、後に柴田に聞いてみた

「ドラが五筒じゃなければ八索だよね。難しいがアタマ振り替わりとカン四筒がネックとみて三筒切りそうだね。何手か先を見て打点をとるならカン四筒残すべきだったのかもね。仁平さんなら。何を切るかよりもそれが仁平さんの型だよね。」

確かにそうである。
自分のスタイルを崩した打牌は見事に咎められ、この後自分にとって悪い結果をもたらす。
山井の七対ドラドラに打ち、オーラス亜樹の2巡目テンパイの親のツモリ四暗刻リーチに放銃する。

どちらも仕方のない放銃にみえるが、このような結果をもたらしたのは、やはりらしくない打牌をした東1局に原因があったのではないか。

この後のオーラス、満貫をツモりどうにかこの回を同点3、4着にして最終戦トップをとって持ちこたえる事が出来たが、解説と実況のともたけと山田からも、らしくない焦った仕掛けがあったと言われた。

自分では気持ちは焦っていないと思っていたが、少なからず心のどこかで4位のボーダーを気にしながら打っていたのではないかと反省させられた。

昇級への道は蜘蛛の糸のように細くなったがまだ諦めた訳ではない。
残り2節に全身全霊を尽くす。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A2リーグ第8節レポート 仁平 宣明

今期のリーグ戦も早や7節が終了した。
ここまでの自分の順位は5位。前半3節を首位で迎えたが、ここ4節はマイナスを少しずつ重ね今節マイナスするようだと下を見なくてはならない位置まで来ていた。
今期のリーグ戦を通して初戦の入りが悪すぎる。
7節中4回初戦ラスであった。
そこで今節は、初戦の入りを意識して望みたいと思っていた。
その初戦、東4局に親で西単騎の七対子をツモアガってトップ目に立つものの、南1局に二階堂亜樹に6,000オールをツモられ終わってみたらマイナスの2着。
着順こそ2着ではあるが、今節も微妙なスタートとなった。
2回戦もオーラスまでわずかな浮きで迎えたが、終わってみたら沈みの3着で、マイナスは小さいものの2連続でマイナス。
9節終わって4位以内にいなくてはまず昇級は厳しい。
もう1つの卓では、7節まで4位につけていた紺野がマイナスをしていたので、4位以内に入るチャンスは残るが、これ以上、上位陣と離れると厳しくなると思いながら3回戦を迎えた。
その3回戦の次の局が1日を通して一番悔いの残る局となった。
3回戦東1局 東家3巡目
八万八万三索四索五索六索八索八索三筒五筒六筒七筒八筒  ツモ四索  ドラ五筒
「何切る」ならおそらく三筒八索に別れて次に八筒あたりかと思う。
僕は普段ならこの手は絶対にメンゼンに構えたいいので少しでも仕掛けたくなる形は残さない。
よって、2シャンテンくらいの気持ちで八索を選ぶ。
だけど、この時は特に焦りがあった訳ではないが、先手を取りたい気持ちと4位のボーダーが低い事が頭を過ぎり、決着の早そうな三筒を選んでしまった。結果は直ぐにでた。
次巡、すぐに四筒を引きそこから手は止まってしまった。
この局の結果は、四柳の先制リーチを追いかけた山井のアガリ。
4巡目リーチをかけていたらどうなっていたかは分からないが、山井の選択次第では二索五索が出ていたし、出なくても山にはまだ残っていた。
この手について、後に柴田に聞いてみた
「ドラが五筒じゃなければ八索だよね。難しいがアタマ振り替わりとカン四筒がネックとみて三筒切りそうだね。何手か先を見て打点をとるならカン四筒残すべきだったのかもね。仁平さんなら。何を切るかよりもそれが仁平さんの型だよね。」
確かにそうである。
自分のスタイルを崩した打牌は見事に咎められ、この後自分にとって悪い結果をもたらす。
山井の七対ドラドラに打ち、オーラス亜樹の2巡目テンパイの親のツモリ四暗刻リーチに放銃する。
どちらも仕方のない放銃にみえるが、このような結果をもたらしたのは、やはりらしくない打牌をした東1局に原因があったのではないか。
この後のオーラス、満貫をツモりどうにかこの回を同点3、4着にして最終戦トップをとって持ちこたえる事が出来たが、解説と実況のともたけと山田からも、らしくない焦った仕掛けがあったと言われた。
自分では気持ちは焦っていないと思っていたが、少なからず心のどこかで4位のボーダーを気にしながら打っていたのではないかと反省させられた。
昇級への道は蜘蛛の糸のように細くなったがまだ諦めた訳ではない。
残り2節に全身全霊を尽くす。

第11期北陸リーグ 第3節レポート

長い北陸の冬を前にした束の間の秋。
短い間の風情を惜しむかのような陽気の中、今節の北陸リーグは実施された。

第3節は、リーグ戦にしては滅多に見受けられない程大きくスコアが乱高下する結果となった。
各々の好不調の差が大きかったこと、プロアマ混合故の乱打戦、そしてこの節を自らの勝負駆けと課して激しくぶつかり合った結果等、複数の要因が絡みあう中で、順位こそ大きな変動はないものの、上位陣はかつて無いほどの混戦の様相を呈している。

ただ1人準決勝進出を確実にしているのは、100P超の圧勝で2位以下を大きく引き離した志多木さん。
50P以上浮いてほぼ仕上がった局面からの四暗刻単騎でダメを押し、一足早く準決勝~決勝を見据える権利を手中にしている。

そして2位以下が大混戦。抜けていた首位の木戸と2位の私荒谷が大きくスコアを崩し、勝負駆けを制した中位の面々が一気に割って入った結果、2位から8位までは30P弱。4位からボーダー切れの9位までに至っては10Pの中にひしめき合う、かつて無い団子状態に。

また、今節+26.6Pの中西さんが8位から9位にと、十分浮いたにもかかわらず圏外に押し出されるという珍事も発生している。聞く分には笑い話なのだが、本人は次節に秘める思いも大きいだろう。

勿論、10位以下の面々も可能性は十分。勝負所を制して最終節に望みを繋いだ窪田さん、久保さん(久保さんは王位戦北陸予選の優勝者でもある)、小泉さん、北川さん等もその勢いのままに駆け上がりたいところだろう。
後藤もこのままで終わるはずがない。最後にはしっかりと帳尻を合わせてくるに違いない。
前節の激励が効いたか、ここで気を吐いた安城も再度の意地を見せたい。

客観的に見ても、2位の平澤さん以下は一切気を抜けない状況は変わらない。
下のラインは15位の北川さんまでは、大トップまで行かなくとも十分にチャンスはある。
最終節も、当確者のみや目の無い方のみの卓は無く、全ての卓で緊張感の有る試合が行われることになるだろう。
特に注目したいのはマスターズ3位の中西さん、今年の王位戦北陸予選を制した久保さん、そして実力十分の後藤。9位、11位、12位の卓か。この3者のスコアによって準決勝へのボーダーが決定されると言っても過言ではない。

私も、木戸と共に混戦のまっただ中におり、両者次第では準決勝に誰もプロが残れない事態になりかねない。
予期せぬプレッシャーも背負うこととなったが、楽しむ気持ち、学ぶ気持ちを忘れること無く次節に臨みたいと思う。

最終節はスコアを守りに来る者、イチかバチかの勝負に打って出る者。その思いと戦法も様々だろう。
私も、立ち位置としては守りの麻雀が強いられる局面だが、たとえ愚直と言われようと通常通りの、或いは通常以上の打撃の雀風を貫き、周囲に、そして己に恥じぬ麻雀を打ち切りたいと思う。

順位 名前 プロ/ 一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 志多木 健 一般 74.0 ▲ 6.7 105.4   172.7
2 平澤 憲一 一般 ▲ 14.0 38.3 52.3   76.6
3 光岡 大幸 一般 34.5 ▲ 10.8 45.5   69.2
4 木戸 僚之 プロ 33.7 78.7 ▲ 52.8   59.6
5 荒谷 誠 プロ 27.3 73.7 ▲ 43.8   57.2
6 木下 玄基 一般 0.9 35.3 18.1   54.3
7 森田 繁基 一般 25.4 ▲ 13.9 42.4   53.9
8 栗野 健翔 一般 42.2 0.4 6.9   49.5
9 中西 正行 一般 15.5 7.3 26.6   49.4
10 窪田 一彦 一般 ▲ 8.4 15.6 26.7   33.9
11 後藤 正博 プロ 42.4 ▲ 21.8 10.3   30.9
12 久保 智央 一般 24.8 ▲ 49.8 33.6   8.6
13 押川 憲一 一般 ▲ 24.5 ▲ 25.5 54.7   4.7
14 小泉 陽平 一般 ▲ 6.5 ▲ 39.7 40.5   ▲ 5.7
15 北川 光 一般 ▲ 45.0 13.5 24.2   ▲ 7.3
16 吉野 敦志 プロ 26.7 ▲ 25.2 ▲ 33.2   ▲ 31.7
17 山川 眞一郎 一般 ▲ 18.6 32.1 ▲ 53.8   ▲ 40.3
18 安城 るい プロ ▲ 82.1 ▲ 4.4 37.7   ▲ 48.8
19 森田 有一 一般 ▲ 8.3 ▲ 37.6 ▲ 7.4   ▲ 53.3
20 飯田 輝雄 一般 ▲ 40.8 ▲ 5.9 ▲ 12.4   ▲ 59.1
21 小川 洋輔 一般 9.9 3.2 ▲ 83.5   ▲ 70.4
22 濱平 光朗 プロ ▲ 23.4 ▲ 55.8 ▲ 43.3   ▲ 122.5
23 吉田 葵 一般 ▲ 28.6 ▲ 9.0 ▲ 85.8   ▲ 123.4
24 恵比須 均 一般 ▲ 60.1 5.0 ▲ 139.9   ▲ 195.0

北陸リーグ レポート/第11期北陸リーグ 第3節レポート

長い北陸の冬を前にした束の間の秋。
短い間の風情を惜しむかのような陽気の中、今節の北陸リーグは実施された。
第3節は、リーグ戦にしては滅多に見受けられない程大きくスコアが乱高下する結果となった。
各々の好不調の差が大きかったこと、プロアマ混合故の乱打戦、そしてこの節を自らの勝負駆けと課して激しくぶつかり合った結果等、複数の要因が絡みあう中で、順位こそ大きな変動はないものの、上位陣はかつて無いほどの混戦の様相を呈している。
ただ1人準決勝進出を確実にしているのは、100P超の圧勝で2位以下を大きく引き離した志多木さん。
50P以上浮いてほぼ仕上がった局面からの四暗刻単騎でダメを押し、一足早く準決勝~決勝を見据える権利を手中にしている。
そして2位以下が大混戦。抜けていた首位の木戸と2位の私荒谷が大きくスコアを崩し、勝負駆けを制した中位の面々が一気に割って入った結果、2位から8位までは30P弱。4位からボーダー切れの9位までに至っては10Pの中にひしめき合う、かつて無い団子状態に。
また、今節+26.6Pの中西さんが8位から9位にと、十分浮いたにもかかわらず圏外に押し出されるという珍事も発生している。聞く分には笑い話なのだが、本人は次節に秘める思いも大きいだろう。
勿論、10位以下の面々も可能性は十分。勝負所を制して最終節に望みを繋いだ窪田さん、久保さん(久保さんは王位戦北陸予選の優勝者でもある)、小泉さん、北川さん等もその勢いのままに駆け上がりたいところだろう。
後藤もこのままで終わるはずがない。最後にはしっかりと帳尻を合わせてくるに違いない。
前節の激励が効いたか、ここで気を吐いた安城も再度の意地を見せたい。
客観的に見ても、2位の平澤さん以下は一切気を抜けない状況は変わらない。
下のラインは15位の北川さんまでは、大トップまで行かなくとも十分にチャンスはある。
最終節も、当確者のみや目の無い方のみの卓は無く、全ての卓で緊張感の有る試合が行われることになるだろう。
特に注目したいのはマスターズ3位の中西さん、今年の王位戦北陸予選を制した久保さん、そして実力十分の後藤。9位、11位、12位の卓か。この3者のスコアによって準決勝へのボーダーが決定されると言っても過言ではない。
私も、木戸と共に混戦のまっただ中におり、両者次第では準決勝に誰もプロが残れない事態になりかねない。
予期せぬプレッシャーも背負うこととなったが、楽しむ気持ち、学ぶ気持ちを忘れること無く次節に臨みたいと思う。
最終節はスコアを守りに来る者、イチかバチかの勝負に打って出る者。その思いと戦法も様々だろう。
私も、立ち位置としては守りの麻雀が強いられる局面だが、たとえ愚直と言われようと通常通りの、或いは通常以上の打撃の雀風を貫き、周囲に、そして己に恥じぬ麻雀を打ち切りたいと思う。

順位 名前 プロ/ 一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 志多木 健 一般 74.0 ▲ 6.7 105.4   172.7
2 平澤 憲一 一般 ▲ 14.0 38.3 52.3   76.6
3 光岡 大幸 一般 34.5 ▲ 10.8 45.5   69.2
4 木戸 僚之 プロ 33.7 78.7 ▲ 52.8   59.6
5 荒谷 誠 プロ 27.3 73.7 ▲ 43.8   57.2
6 木下 玄基 一般 0.9 35.3 18.1   54.3
7 森田 繁基 一般 25.4 ▲ 13.9 42.4   53.9
8 栗野 健翔 一般 42.2 0.4 6.9   49.5
9 中西 正行 一般 15.5 7.3 26.6   49.4
10 窪田 一彦 一般 ▲ 8.4 15.6 26.7   33.9
11 後藤 正博 プロ 42.4 ▲ 21.8 10.3   30.9
12 久保 智央 一般 24.8 ▲ 49.8 33.6   8.6
13 押川 憲一 一般 ▲ 24.5 ▲ 25.5 54.7   4.7
14 小泉 陽平 一般 ▲ 6.5 ▲ 39.7 40.5   ▲ 5.7
15 北川 光 一般 ▲ 45.0 13.5 24.2   ▲ 7.3
16 吉野 敦志 プロ 26.7 ▲ 25.2 ▲ 33.2   ▲ 31.7
17 山川 眞一郎 一般 ▲ 18.6 32.1 ▲ 53.8   ▲ 40.3
18 安城 るい プロ ▲ 82.1 ▲ 4.4 37.7   ▲ 48.8
19 森田 有一 一般 ▲ 8.3 ▲ 37.6 ▲ 7.4   ▲ 53.3
20 飯田 輝雄 一般 ▲ 40.8 ▲ 5.9 ▲ 12.4   ▲ 59.1
21 小川 洋輔 一般 9.9 3.2 ▲ 83.5   ▲ 70.4
22 濱平 光朗 プロ ▲ 23.4 ▲ 55.8 ▲ 43.3   ▲ 122.5
23 吉田 葵 一般 ▲ 28.6 ▲ 9.0 ▲ 85.8   ▲ 123.4
24 恵比須 均 一般 ▲ 60.1 5.0 ▲ 139.9   ▲ 195.0

第31期A1リーグ第8節レポート 柴田 弘幸

今まで無かったのが不思議ではあるが、プロとして15年目、A1は7年目の今期、自身初の降級争いを経験している。

長い麻雀人生で一度落ちるのは怖くは無い。
そこでまた勝ち上がってくるほどの実力が無ければ、これからもA1では通用しないだろう。
なので、自分のフォームを崩さずに、しっかり勝ちしっかり負けるこれで行こうと思っている。

そんな気持ちで入った第8節。

開局の親で近藤が、この2,000オールをツモアガリ。

八万九万五索五索六索六索七索七索九索九索七筒八筒九筒  リーチ  ツモ七万

続く1本場、ドラ3で私がこのアガリ。
,
四万五万五万五万七万八万九万二索三索四索二筒三筒四筒  リーチ ロン三万

東3局、私が親でチャンスであったが、

一筒一筒六筒六筒八筒八筒東南南発発中中  ドラ二万

近藤が

一万二万三万五万五万三索三索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  ツモ五万

500・1,000のアガリ。
私は、自分や相手を好調、不調と判断することがあるのだが、大抵自分は不調と感じるスタートが多いものだと思っている。

近藤は開局ツモアガリ、私はロンアガリ、親のチャンスは近藤に負ける。
近藤からすれば、仮テンパイの500・1,000は不満であるだろうが、私はこれらをみて近藤が好調マークになる。

そして南1局、親は近藤、私はここから南を打つ。

三万七万二索四索六索六索七索七索二筒五筒六筒九筒九筒南  ドラ四索

雑?といわれれば雑であろうが、役牌を打ち出してめいいっぱい手牌は伸ばすのも大事だと思っている。

そこから望月がダブ南の2鳴きが入る。考えられるとすれば、形が不十分か望月の雀風からすれば手が良すぎてギリギリまで動かないのどちらかであろう。

自分の浅はかな想定で向かって行くと、痛い目をみるのは十分思い知らされているので、油断はしない。ただ、最初に南を切り出した自分が起こした現状に、どこまで切り込めるかであろう。

結果は、近藤の1人ノーテン。
私の最終形が

二万三万四万二索三索四索六索六索七索七索八索五筒五筒

テンパイは遅かったのだが、これを開けれたのは大きいと感じた。。
理由は、相手にこのテンパイがどう見えたかということと、近藤のノーテンということ。
これらが自分にとってプラスに影響すると思ったからである。好調の意識。

そして、その意識は自分の麻雀を甘えさせてしまう。
1回戦目はトップの2回戦

東1局、望月の親リーチに、ドラを切って追いかけ3,900のアガリ。

四万五万六万三索四索七索八索九索四筒五筒六筒八筒八筒  ロン五索  ドラ八索

南1局、またしても望月の親で、

四万五万六万八万八索九索九索一筒三筒八筒九筒南中  ツモ九万  ドラ五筒

西家の私が第一ツモ九万。この手がわずか6巡で三色のツモアガリ。

四万五万六万八万九万七索八索九索三筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ七万

浮き足立っていたのであろう。
南3局、親は私である。

四万五万五万七万八万九万一筒一筒五筒六筒七筒南南  ツモ七万  ドラ中

ドラも無いこの手、普段だったら一筒が牽制を兼ねた選択。
私はここから七万五万と打ち出して
望月へ16,000放銃。

一万一万二万二万三万三万四万五万五万六万七万八万九万  ロン五万

決して望月も良いわけではないのが牌姿にあらわれている。
ポイント的に余裕のない私が、余裕を見せた甘えである。
そしてそれを咎めて教えてくれる。

悔しい気持ちを次に生かせるよう地面に足をつけていこう。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A1リーグ第8節レポート 柴田 弘幸

今まで無かったのが不思議ではあるが、プロとして15年目、A1は7年目の今期、自身初の降級争いを経験している。
長い麻雀人生で一度落ちるのは怖くは無い。
そこでまた勝ち上がってくるほどの実力が無ければ、これからもA1では通用しないだろう。
なので、自分のフォームを崩さずに、しっかり勝ちしっかり負けるこれで行こうと思っている。
そんな気持ちで入った第8節。
開局の親で近藤が、この2,000オールをツモアガリ。
八万九万五索五索六索六索七索七索九索九索七筒八筒九筒  リーチ  ツモ七万
続く1本場、ドラ3で私がこのアガリ。
,
四万五万五万五万七万八万九万二索三索四索二筒三筒四筒  リーチ ロン三万
東3局、私が親でチャンスであったが、
一筒一筒六筒六筒八筒八筒東南南発発中中  ドラ二万
近藤が
一万二万三万五万五万三索三索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  ツモ五万
500・1,000のアガリ。
私は、自分や相手を好調、不調と判断することがあるのだが、大抵自分は不調と感じるスタートが多いものだと思っている。
近藤は開局ツモアガリ、私はロンアガリ、親のチャンスは近藤に負ける。
近藤からすれば、仮テンパイの500・1,000は不満であるだろうが、私はこれらをみて近藤が好調マークになる。
そして南1局、親は近藤、私はここから南を打つ。
三万七万二索四索六索六索七索七索二筒五筒六筒九筒九筒南  ドラ四索
雑?といわれれば雑であろうが、役牌を打ち出してめいいっぱい手牌は伸ばすのも大事だと思っている。
そこから望月がダブ南の2鳴きが入る。考えられるとすれば、形が不十分か望月の雀風からすれば手が良すぎてギリギリまで動かないのどちらかであろう。
自分の浅はかな想定で向かって行くと、痛い目をみるのは十分思い知らされているので、油断はしない。ただ、最初に南を切り出した自分が起こした現状に、どこまで切り込めるかであろう。
結果は、近藤の1人ノーテン。
私の最終形が
二万三万四万二索三索四索六索六索七索七索八索五筒五筒
テンパイは遅かったのだが、これを開けれたのは大きいと感じた。。
理由は、相手にこのテンパイがどう見えたかということと、近藤のノーテンということ。
これらが自分にとってプラスに影響すると思ったからである。好調の意識。
そして、その意識は自分の麻雀を甘えさせてしまう。
1回戦目はトップの2回戦
東1局、望月の親リーチに、ドラを切って追いかけ3,900のアガリ。
四万五万六万三索四索七索八索九索四筒五筒六筒八筒八筒  ロン五索  ドラ八索
南1局、またしても望月の親で、
四万五万六万八万八索九索九索一筒三筒八筒九筒南中  ツモ九万  ドラ五筒
西家の私が第一ツモ九万。この手がわずか6巡で三色のツモアガリ。
四万五万六万八万九万七索八索九索三筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ七万
浮き足立っていたのであろう。
南3局、親は私である。
四万五万五万七万八万九万一筒一筒五筒六筒七筒南南  ツモ七万  ドラ中
ドラも無いこの手、普段だったら一筒が牽制を兼ねた選択。
私はここから七万五万と打ち出して
望月へ16,000放銃。
一万一万二万二万三万三万四万五万五万六万七万八万九万  ロン五万
決して望月も良いわけではないのが牌姿にあらわれている。
ポイント的に余裕のない私が、余裕を見せた甘えである。
そしてそれを咎めて教えてくれる。
悔しい気持ちを次に生かせるよう地面に足をつけていこう。

第31期十段戦決勝 最終日観戦記 勝又 健志

100

2日目終了時のポイントは
櫻井+56.1P
藤崎+42.2P
瀬戸熊▲8.5P
柴田▲20.8P
前原▲90.0P

トータル首位を走る櫻井は、初日2日目ととにかくバランスの良さが際立っていた。
打点の見込める手牌ではしっかりと手役を狙い高打点のアガリをものにし、それ以外の局ではスピードを重視し捌きにかけるか、確実に受けに回るという麻雀で確実にポイントを積み重ねている。

残り4回戦。ここからは相手4者だけでなく、ゴールに近付けば近付くほど増していくプレッシャーとも戦わなければならない。その中でいかに自分の麻雀が貫けるかということも見どころとなる。

 

9回戦(起家から、藤崎、櫻井、瀬戸熊、柴田、抜け番:前原)

藤崎1人テンパイ、櫻井1人テンパイで迎えた東2局1本場2巡目。
柴田が1枚目の発を仕掛ける。

四万七万四索八索一筒二筒四筒五筒五筒六筒白  ポン発発発  打八索  ドラ六万

ホンイツの可能性はあるものの、打点は安くアガリにも遠い仕掛けである。
これはここまでの柴田には見られない仕掛けであった。
1局単位で考えるならば、私には損な仕掛けに見える。

これは、ここまでの相手の対応から戦略的に得と考えた仕掛けなのか、76.9P差が打たせた仕掛けなのか、櫻井の親番だけは自由に打たせないといったものなのか。その答えはわからないが、ただ1つ柴田は戦い方を変えてきた。

結果は、櫻井、瀬戸熊の2人テンパイ。
東2局2本場。アガリはないものの連続でテンパイ連荘を果たした櫻井に好配牌が入る。

二万三万四万七万三索四索四索六索七索二筒三筒四筒北  ドラ発

この後、八万五索と引き4巡目にリーチにいく。
すぐに九万をツモアガリ1,300は1,500オール。
4巡目ということで高打点を狙っての七万八万切りや四索切りも考えられたが、手堅くアガリを取りにいった。
櫻井はこれまで通り、スピード、打点、最終形からバランス良く折り合いをつけていく戦い方だ。
東2局3本場。6巡目に柴田がリーチ、

三万四万五万六万七万八万三索四索六索七索八索七筒七筒  ドラ西

このリーチを受けた藤崎が11巡目に

四万六万六万七万八万五索六索七索東東東西西

このテンパイを入れるが、アガリは瀬戸熊。
途中、

二万三万四万五万三索四索五索五索二筒二筒三筒四筒四筒五筒

この難解な選択もあったが見事最速かつ高打点のアガリをものにした。

三万四万五万三索四索五索五索七索二筒二筒三筒四筒五筒  ロン六索

東4局2本場。親の柴田が仕掛けを入れる。

二万三万三万三万四万六万八万三索四索五筒五筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  打二万  ドラ九筒

やはり、この3日目の戦いに向けて用意してきた作戦のようだ。

100

この仕掛けを受けた瀬戸熊。

四万六万一索一索三索四索五索七索八索三筒四筒七筒八筒九筒

ここから、六万を切るも五万を引くと七索八索を払っていく。
そして、待望の三万を引くとリーチにいく。
柴田はオリを選択。

今局は瀬戸熊がハイテイで二筒を引き当て、2,000・4,000のアガリ。
その瀬戸熊は、南1局でも3,900をアガる。
南2局は瀬戸熊の1人テンパイ。

そして、南3局1本場瀬戸熊の親番。
4巡目、柴田がまたしても仕掛けていく。

六万七万八万二索三索三索六索六索七索五筒東  ポン白白白  打東  ドラ中

ここまで柴田の仕掛けは、局が終盤までもつれオリに回される展開が続いている。
しかし、自分の用意してきた作戦を簡単には変えず貫いていく。
5巡目、瀬戸熊に

三万五万五万六万七万七索八索九索三筒四筒五筒七筒七筒

このテンパイが入るとヤミテンで攻め抜いていく。
11巡目、七万を引くとイーペーコーに受けてリーチにいく。

このリーチに藤崎がドラ2で無筋を押す。
これで難しくなったのは柴田。2人に挟まれ安全牌に窮し中筋の六万切り。
これが瀬戸熊に3,900の放銃となった。

ここまで柴田の作戦はことごとく裏目に出てしまう。
やはり、柴田の最大の持ち味は序盤から終盤までを見据えた手組みでの高打点のアガリであるだけに、他3者が戦いやすくなっているように見える。

一方瀬戸熊。初日2日目には得意の連荘モードに入りそうな局面での仕掛けで崩れ、ポイントを伸ばしきれずにいたが、3日目になり瀬戸熊らしさ全開の攻めを見せている。
南3局2本場では、

七万七万七万八万九万一索二索七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ツモ三索

同3本場は

三万四万六万七万八万一索一索五索六索七索三筒四筒五筒  リーチ  ロン五万  ドラ七索

遂に、クマクマタイムが発動。この親番で櫻井との64P程の差を一気に詰めた。

100

9回戦結果
瀬戸熊+47.6P  櫻井▲8.7P  柴田▲11.2P  藤崎▲27.7P

9回戦終了時
櫻井+47.4P  瀬戸熊+39.1P  藤崎+14.5P  柴田▲32.0P  前原▲90.0P

 

10回戦(起家から、柴田、藤崎、前原、瀬戸熊、抜け番:櫻井)

この10回戦が終わった段階で5位のものが敗退となる。
現在4位の柴田と5位・前原の差は58P差。

前原、何とかこの差を逆転しようと必死に攻めるものの、その差はあまりに大きかった。
これまで5度の十段位獲得の前原は10回戦で敗退となった。

100

この半荘のトップは藤崎。
東2局に

一万一万一万七万九万中中  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ポン発発発  ロン八万  ドラ六索

東2局2本場では

四万四万九万九万九索九索九索三筒三筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ九万  ドラ九索

これをアガると、その後はしっかりとリードを守り切った。

9回戦では、瀬戸熊の猛攻の前にラスとなり優勝争いから一歩後退したかに見えたが、見事ワンチャンスをものにした。
瀬戸熊も、一時11,200持ちのラス目となるが、勝負所でのヤミテンがピタリと決まり、踏みとどまった。

一万二万三万一索二索三索六索七索一筒二筒三筒九筒九筒  ロン八索  ドラ六索

この時、親の藤崎にはツモり四暗刻のテンパイが入っていただけに、瀬戸熊がリーチにいっていると決定打が生まれていたかもしれない。

100

10回戦結果
藤崎+27.1P  柴田+4.8P  瀬戸熊▲13.9P  前原▲18.0P

10回戦終了時
櫻井+47.4P  藤崎+41.6P  瀬戸熊+25.2P  柴田▲27.2P  前原▲108.0P

 

11回戦(起家から、柴田、瀬戸熊、藤崎、櫻井)

櫻井、藤崎、瀬戸熊はできればトップがほしいが、まずは離されずについていくことが重要であろう。
柴田は、大きな2連勝が必要になる。そんな中で始まった11回戦。まず抜け出したのは櫻井。
東4局7巡目、瀬戸熊から先行リーチが入る。

五万六万七万二索四索五索六索六索八索八索八索七筒七筒  ツモ七筒 打二索 左向き  ドラ二索

8巡目、櫻井にもテンパイが入る

一万二万三万八万八万二索三索四索四索東南南南  ツモ六索

カン五索と追いかけづらい待ちではあるが、ここは勝負とリーチにいく。
結果は、櫻井が五索をツモ。大きな大きな2,600オールのアガリとなった。
100
まず最初のポイントは4巡目。櫻井は

一万一万三万八万八万二索三索四索四索六筒東南南南

ここから六筒切りとした。狙いとしては、ダブ東のくっつきと、ドラがらみのイーペーコー、そして縦の手牌ということである。この選択が見事であった。手順で東を切っていたならば、おそらくカン七筒待ちでのリーチとなり瀬戸熊に軍配があがっていたであろう。序盤の捨て牌からメンツになりそうな色を見極め、ギリギリまで打点を求めていく対局観が生んだアガリであった。

また、8巡目のリーチ判断も素晴らしかった。
瀬戸熊が7巡目にドラ切りリーチならば、打点が高いか待ちがかなり優秀であるということは容易に想像できる。
その中でも、ここが勝負とリーチに踏み切った。
決勝戦で優勝を掴みとるには、どこかでリスクを負って勝負しなければならない。
まさに櫻井の強さが凝縮されたアガリといえるであろう。

東4局1本場。櫻井はさらに勝負を決めにいくべく攻める。

五万六万六万七万八万一索一索三索四索五索六索七索五筒六筒  ドラ六万

ここから櫻井は八万切り。7巡目、七筒を引くと理想的なテンパイでリーチ。
櫻井がリードを広げるかに見えたが、このリーチを後のない柴田がかわす。

二万二万三万三万四万二索二索四筒五筒六筒白白白  ロン一万

柴田はポイント差を考えるとリーチにいきたい手牌ではあったが、ここは櫻井の連荘阻止のため、グッとこらえヤミテンを選択。勝ちたいから、差を縮めたいからリーチではなく、勝ちたいからこそのヤミテンであった。
まだ櫻井も抜け出せない。
南1局1本場。柴田が

一万二万四万五万六万二索三索四索四筒四筒  暗カン牌の背東東牌の背  リーチ  ツモ三万  ドラ発

この3,900は4,000オールをアガリ、3者のポイント差が一気に詰まってきた。
南2局。遂に櫻井が抜け出す。
櫻井、7巡目に七索をチーして1シャンテン

一索一索一索二索三索三索四索六索六索中  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き  ドラ東

この仕掛けを受けて瀬戸熊、

一万二万六万五索六索七索四筒六筒六筒六筒東中中  ツモ六索

この六索をツモ切る。アガリにかけるならソウズ以外にターツを求めたい局面ではあるが、瀬戸熊の手牌にはドラの東が孤立している。万一この六索を仕掛けられたなら手残りしている東が厳しく勝負にいきづらい。ならばここは四筒六万を選択するのが瀬戸熊のバランスであると思うが、ここは自らのアガリを最優先に手牌を進めた。
この六索を櫻井がポンしてテンパイ

一索一索一索二索三索三索四索  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き

この清一色にドラが重なった柴田が飛び込む。

三万四万五万五万六万八万八万八万二索東南南西  ツモ東  打二索

まだまだ加点の欲しい柴田は、高打点が見込める1シャンテンなだけに勝負にいったが手痛い放銃となった。
1シャンテンで二索を切るとこの先のソウズはほぼツモ切りになってしまう。櫻井がまだノーテンの可能性もあるからこその二索切りであるが、柴田は放銃が即致命傷となるポイントなだけに、受けに回る選択もあったであろう。
このアガリが決め手となり11回戦は櫻井のトップとなった。

100

11回戦結果
櫻井+14.7P  柴田+8.1P  瀬戸熊+4.7P  藤崎▲27.5P

11回戦終了時
櫻井+62.1P  瀬戸熊+32.9P  藤崎+14.1P  柴田▲22.1P

 

最終12回戦(起家から、瀬戸熊、藤崎、柴田、櫻井)

東1局、瀬戸熊が櫻井から直撃。

三索三索四索四索五索五索一筒二筒三筒八筒九筒北北  ロン七筒  ドラ二万

東1局1本場は、瀬戸熊が2,000は2,100オール。
そして、東2局2本場。これ以上の連荘は許したくない櫻井が仕掛ける。

三万五万七万六索八索三筒五筒七筒九筒九筒九筒中中  ドラ八索  ポン中  打三筒

状況的に、藤崎、柴田が瀬戸熊の親を捌きにいくとは考えづらい。
ここは自分でアガリに向かった。また、柴田の捨て牌が国士模様なことも大きな要因であった。
櫻井は形が悪いながらも、瀬戸熊に打ちやすい牌を残しつつアガリ切れるターツを探していく。
しかし、瀬戸熊からツモの声。その手牌は

二万二万五万五万五索五索七索七索八索八索二筒二筒三筒  ツモ三筒

難しい単騎選択を正解し、素晴らしい6,000オール。

100

なんとこのアガリで瞬間櫻井を逆転する。流れを重んじ、自身が攻めれる局面まで我慢を続け、勢いを掴んだと見たらメンゼンで高打点のアガリをものにする。これはまさに、瀬戸熊の勝ちパターンであり、この麻雀で十段位三連覇を成し遂げている。この勝負所である最終12回戦で絶対王者と呼ばれるその力を存分に見せつけた。
しかし、櫻井もこのまま引き下がるわけがない。
東4局2本場に

六万七万八万一索二索三索五索六索二筒三筒四筒七筒七筒  ツモ四索  ドラ五万

これをアガリ、その差は約10ポイント。まだまだ勝負の行方はわからない。
東4局3本場11巡目。

四万五万六万八万四索五索六索七索八索九索四筒四筒四筒  ドラ八万

櫻井がリーチにいく。456の三色やタンヤオへの変化もあるが、もう形ではない。櫻井の気持ちが全面に表れてるリーチである。瀬戸熊もこのリーチにベタオリせずにアガリを目指す。両者気持ちのこもった戦いが続く。
そして最終手番、櫻井が八万を引き寄せた。

これで再び櫻井が10ポイント程のリードを築く。
南1局、瀬戸熊はこの親で再びの逆転を目指すが、ここも櫻井がアガリ切る。

二索二索五筒五筒八筒八筒九筒九筒南南北発発  ロン北  ドラ一索

そして、オーラス。瀬戸熊の条件は倍満のツモアガリか、跳満の直撃。
櫻井は第一打からオリを選択。瀬戸熊の手牌に注目が集まる。
9巡目、

九万二筒四筒五筒五筒八筒東東南南北北発  ツモ四筒  ドラ二筒

条件を満たす1シャンテンとなる。
しかし、瀬戸熊の想いも届かずここまで。
18巡目瀬戸熊が九万をツモ切り、4者が手牌を伏せ櫻井の優勝が決まった。

12回戦結果
瀬戸熊+26.8P  櫻井+20.1P  藤崎▲19.3P  柴田▲27.6P

最終成績
櫻井+82.2P  瀬戸熊+59.7P  藤崎▲5.2P  柴田▲49.7P  前原▲108.0P

 

優勝した櫻井は「これでやっと麻雀プロとしてのスタートラインに立てた。今後のシードももらえるのでそこでは、結果だけではなく良い麻雀も意識して取り組んでいきます。」と。

櫻井は今十段位決定戦では、内容よりも結果にこだわっていたとも話してくれたが、12回戦を通じて最もぶれることなく自分の麻雀を貫いていた。

その、手牌の見切りの鋭さであったり、勝負所の見極めであったりは、戦いを見守る多くのファンの方々に感動を与えたであろう。

もうじき行われる王位戦や、年度末に行われる麻雀グランプリMAXでも、櫻井の活躍に注目である。

100

十段戦 決勝観戦記/第31期十段戦決勝 最終日観戦記 勝又 健志

100
2日目終了時のポイントは
櫻井+56.1P
藤崎+42.2P
瀬戸熊▲8.5P
柴田▲20.8P
前原▲90.0P
トータル首位を走る櫻井は、初日2日目ととにかくバランスの良さが際立っていた。
打点の見込める手牌ではしっかりと手役を狙い高打点のアガリをものにし、それ以外の局ではスピードを重視し捌きにかけるか、確実に受けに回るという麻雀で確実にポイントを積み重ねている。
残り4回戦。ここからは相手4者だけでなく、ゴールに近付けば近付くほど増していくプレッシャーとも戦わなければならない。その中でいかに自分の麻雀が貫けるかということも見どころとなる。
 
9回戦(起家から、藤崎、櫻井、瀬戸熊、柴田、抜け番:前原)
藤崎1人テンパイ、櫻井1人テンパイで迎えた東2局1本場2巡目。
柴田が1枚目の発を仕掛ける。
四万七万四索八索一筒二筒四筒五筒五筒六筒白  ポン発発発  打八索  ドラ六万
ホンイツの可能性はあるものの、打点は安くアガリにも遠い仕掛けである。
これはここまでの柴田には見られない仕掛けであった。
1局単位で考えるならば、私には損な仕掛けに見える。
これは、ここまでの相手の対応から戦略的に得と考えた仕掛けなのか、76.9P差が打たせた仕掛けなのか、櫻井の親番だけは自由に打たせないといったものなのか。その答えはわからないが、ただ1つ柴田は戦い方を変えてきた。
結果は、櫻井、瀬戸熊の2人テンパイ。
東2局2本場。アガリはないものの連続でテンパイ連荘を果たした櫻井に好配牌が入る。
二万三万四万七万三索四索四索六索七索二筒三筒四筒北  ドラ発
この後、八万五索と引き4巡目にリーチにいく。
すぐに九万をツモアガリ1,300は1,500オール。
4巡目ということで高打点を狙っての七万八万切りや四索切りも考えられたが、手堅くアガリを取りにいった。
櫻井はこれまで通り、スピード、打点、最終形からバランス良く折り合いをつけていく戦い方だ。
東2局3本場。6巡目に柴田がリーチ、
三万四万五万六万七万八万三索四索六索七索八索七筒七筒  ドラ西
このリーチを受けた藤崎が11巡目に
四万六万六万七万八万五索六索七索東東東西西
このテンパイを入れるが、アガリは瀬戸熊。
途中、
二万三万四万五万三索四索五索五索二筒二筒三筒四筒四筒五筒
この難解な選択もあったが見事最速かつ高打点のアガリをものにした。
三万四万五万三索四索五索五索七索二筒二筒三筒四筒五筒  ロン六索
東4局2本場。親の柴田が仕掛けを入れる。
二万三万三万三万四万六万八万三索四索五筒五筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  打二万  ドラ九筒
やはり、この3日目の戦いに向けて用意してきた作戦のようだ。
100
この仕掛けを受けた瀬戸熊。
四万六万一索一索三索四索五索七索八索三筒四筒七筒八筒九筒
ここから、六万を切るも五万を引くと七索八索を払っていく。
そして、待望の三万を引くとリーチにいく。
柴田はオリを選択。
今局は瀬戸熊がハイテイで二筒を引き当て、2,000・4,000のアガリ。
その瀬戸熊は、南1局でも3,900をアガる。
南2局は瀬戸熊の1人テンパイ。
そして、南3局1本場瀬戸熊の親番。
4巡目、柴田がまたしても仕掛けていく。
六万七万八万二索三索三索六索六索七索五筒東  ポン白白白  打東  ドラ中
ここまで柴田の仕掛けは、局が終盤までもつれオリに回される展開が続いている。
しかし、自分の用意してきた作戦を簡単には変えず貫いていく。
5巡目、瀬戸熊に
三万五万五万六万七万七索八索九索三筒四筒五筒七筒七筒
このテンパイが入るとヤミテンで攻め抜いていく。
11巡目、七万を引くとイーペーコーに受けてリーチにいく。
このリーチに藤崎がドラ2で無筋を押す。
これで難しくなったのは柴田。2人に挟まれ安全牌に窮し中筋の六万切り。
これが瀬戸熊に3,900の放銃となった。
ここまで柴田の作戦はことごとく裏目に出てしまう。
やはり、柴田の最大の持ち味は序盤から終盤までを見据えた手組みでの高打点のアガリであるだけに、他3者が戦いやすくなっているように見える。
一方瀬戸熊。初日2日目には得意の連荘モードに入りそうな局面での仕掛けで崩れ、ポイントを伸ばしきれずにいたが、3日目になり瀬戸熊らしさ全開の攻めを見せている。
南3局2本場では、
七万七万七万八万九万一索二索七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ツモ三索
同3本場は
三万四万六万七万八万一索一索五索六索七索三筒四筒五筒  リーチ  ロン五万  ドラ七索
遂に、クマクマタイムが発動。この親番で櫻井との64P程の差を一気に詰めた。
100
9回戦結果
瀬戸熊+47.6P  櫻井▲8.7P  柴田▲11.2P  藤崎▲27.7P
9回戦終了時
櫻井+47.4P  瀬戸熊+39.1P  藤崎+14.5P  柴田▲32.0P  前原▲90.0P
 
10回戦(起家から、柴田、藤崎、前原、瀬戸熊、抜け番:櫻井)
この10回戦が終わった段階で5位のものが敗退となる。
現在4位の柴田と5位・前原の差は58P差。
前原、何とかこの差を逆転しようと必死に攻めるものの、その差はあまりに大きかった。
これまで5度の十段位獲得の前原は10回戦で敗退となった。
100
この半荘のトップは藤崎。
東2局に
一万一万一万七万九万中中  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ポン発発発  ロン八万  ドラ六索
東2局2本場では
四万四万九万九万九索九索九索三筒三筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ九万  ドラ九索
これをアガると、その後はしっかりとリードを守り切った。
9回戦では、瀬戸熊の猛攻の前にラスとなり優勝争いから一歩後退したかに見えたが、見事ワンチャンスをものにした。
瀬戸熊も、一時11,200持ちのラス目となるが、勝負所でのヤミテンがピタリと決まり、踏みとどまった。
一万二万三万一索二索三索六索七索一筒二筒三筒九筒九筒  ロン八索  ドラ六索
この時、親の藤崎にはツモり四暗刻のテンパイが入っていただけに、瀬戸熊がリーチにいっていると決定打が生まれていたかもしれない。
100
10回戦結果
藤崎+27.1P  柴田+4.8P  瀬戸熊▲13.9P  前原▲18.0P
10回戦終了時
櫻井+47.4P  藤崎+41.6P  瀬戸熊+25.2P  柴田▲27.2P  前原▲108.0P
 
11回戦(起家から、柴田、瀬戸熊、藤崎、櫻井)
櫻井、藤崎、瀬戸熊はできればトップがほしいが、まずは離されずについていくことが重要であろう。
柴田は、大きな2連勝が必要になる。そんな中で始まった11回戦。まず抜け出したのは櫻井。
東4局7巡目、瀬戸熊から先行リーチが入る。
五万六万七万二索四索五索六索六索八索八索八索七筒七筒  ツモ七筒 打二索 左向き  ドラ二索
8巡目、櫻井にもテンパイが入る
一万二万三万八万八万二索三索四索四索東南南南  ツモ六索
カン五索と追いかけづらい待ちではあるが、ここは勝負とリーチにいく。
結果は、櫻井が五索をツモ。大きな大きな2,600オールのアガリとなった。
100
まず最初のポイントは4巡目。櫻井は
一万一万三万八万八万二索三索四索四索六筒東南南南
ここから六筒切りとした。狙いとしては、ダブ東のくっつきと、ドラがらみのイーペーコー、そして縦の手牌ということである。この選択が見事であった。手順で東を切っていたならば、おそらくカン七筒待ちでのリーチとなり瀬戸熊に軍配があがっていたであろう。序盤の捨て牌からメンツになりそうな色を見極め、ギリギリまで打点を求めていく対局観が生んだアガリであった。
また、8巡目のリーチ判断も素晴らしかった。
瀬戸熊が7巡目にドラ切りリーチならば、打点が高いか待ちがかなり優秀であるということは容易に想像できる。
その中でも、ここが勝負とリーチに踏み切った。
決勝戦で優勝を掴みとるには、どこかでリスクを負って勝負しなければならない。
まさに櫻井の強さが凝縮されたアガリといえるであろう。
東4局1本場。櫻井はさらに勝負を決めにいくべく攻める。
五万六万六万七万八万一索一索三索四索五索六索七索五筒六筒  ドラ六万
ここから櫻井は八万切り。7巡目、七筒を引くと理想的なテンパイでリーチ。
櫻井がリードを広げるかに見えたが、このリーチを後のない柴田がかわす。
二万二万三万三万四万二索二索四筒五筒六筒白白白  ロン一万
柴田はポイント差を考えるとリーチにいきたい手牌ではあったが、ここは櫻井の連荘阻止のため、グッとこらえヤミテンを選択。勝ちたいから、差を縮めたいからリーチではなく、勝ちたいからこそのヤミテンであった。
まだ櫻井も抜け出せない。
南1局1本場。柴田が
一万二万四万五万六万二索三索四索四筒四筒  暗カン牌の背東東牌の背  リーチ  ツモ三万  ドラ発
この3,900は4,000オールをアガリ、3者のポイント差が一気に詰まってきた。
南2局。遂に櫻井が抜け出す。
櫻井、7巡目に七索をチーして1シャンテン
一索一索一索二索三索三索四索六索六索中  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き  ドラ東
この仕掛けを受けて瀬戸熊、
一万二万六万五索六索七索四筒六筒六筒六筒東中中  ツモ六索
この六索をツモ切る。アガリにかけるならソウズ以外にターツを求めたい局面ではあるが、瀬戸熊の手牌にはドラの東が孤立している。万一この六索を仕掛けられたなら手残りしている東が厳しく勝負にいきづらい。ならばここは四筒六万を選択するのが瀬戸熊のバランスであると思うが、ここは自らのアガリを最優先に手牌を進めた。
この六索を櫻井がポンしてテンパイ
一索一索一索二索三索三索四索  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き
この清一色にドラが重なった柴田が飛び込む。
三万四万五万五万六万八万八万八万二索東南南西  ツモ東  打二索
まだまだ加点の欲しい柴田は、高打点が見込める1シャンテンなだけに勝負にいったが手痛い放銃となった。
1シャンテンで二索を切るとこの先のソウズはほぼツモ切りになってしまう。櫻井がまだノーテンの可能性もあるからこその二索切りであるが、柴田は放銃が即致命傷となるポイントなだけに、受けに回る選択もあったであろう。
このアガリが決め手となり11回戦は櫻井のトップとなった。
100
11回戦結果
櫻井+14.7P  柴田+8.1P  瀬戸熊+4.7P  藤崎▲27.5P
11回戦終了時
櫻井+62.1P  瀬戸熊+32.9P  藤崎+14.1P  柴田▲22.1P
 
最終12回戦(起家から、瀬戸熊、藤崎、柴田、櫻井)
東1局、瀬戸熊が櫻井から直撃。
三索三索四索四索五索五索一筒二筒三筒八筒九筒北北  ロン七筒  ドラ二万
東1局1本場は、瀬戸熊が2,000は2,100オール。
そして、東2局2本場。これ以上の連荘は許したくない櫻井が仕掛ける。
三万五万七万六索八索三筒五筒七筒九筒九筒九筒中中  ドラ八索  ポン中  打三筒
状況的に、藤崎、柴田が瀬戸熊の親を捌きにいくとは考えづらい。
ここは自分でアガリに向かった。また、柴田の捨て牌が国士模様なことも大きな要因であった。
櫻井は形が悪いながらも、瀬戸熊に打ちやすい牌を残しつつアガリ切れるターツを探していく。
しかし、瀬戸熊からツモの声。その手牌は
二万二万五万五万五索五索七索七索八索八索二筒二筒三筒  ツモ三筒
難しい単騎選択を正解し、素晴らしい6,000オール。
100
なんとこのアガリで瞬間櫻井を逆転する。流れを重んじ、自身が攻めれる局面まで我慢を続け、勢いを掴んだと見たらメンゼンで高打点のアガリをものにする。これはまさに、瀬戸熊の勝ちパターンであり、この麻雀で十段位三連覇を成し遂げている。この勝負所である最終12回戦で絶対王者と呼ばれるその力を存分に見せつけた。
しかし、櫻井もこのまま引き下がるわけがない。
東4局2本場に
六万七万八万一索二索三索五索六索二筒三筒四筒七筒七筒  ツモ四索  ドラ五万
これをアガリ、その差は約10ポイント。まだまだ勝負の行方はわからない。
東4局3本場11巡目。
四万五万六万八万四索五索六索七索八索九索四筒四筒四筒  ドラ八万
櫻井がリーチにいく。456の三色やタンヤオへの変化もあるが、もう形ではない。櫻井の気持ちが全面に表れてるリーチである。瀬戸熊もこのリーチにベタオリせずにアガリを目指す。両者気持ちのこもった戦いが続く。
そして最終手番、櫻井が八万を引き寄せた。
これで再び櫻井が10ポイント程のリードを築く。
南1局、瀬戸熊はこの親で再びの逆転を目指すが、ここも櫻井がアガリ切る。
二索二索五筒五筒八筒八筒九筒九筒南南北発発  ロン北  ドラ一索
そして、オーラス。瀬戸熊の条件は倍満のツモアガリか、跳満の直撃。
櫻井は第一打からオリを選択。瀬戸熊の手牌に注目が集まる。
9巡目、
九万二筒四筒五筒五筒八筒東東南南北北発  ツモ四筒  ドラ二筒
条件を満たす1シャンテンとなる。
しかし、瀬戸熊の想いも届かずここまで。
18巡目瀬戸熊が九万をツモ切り、4者が手牌を伏せ櫻井の優勝が決まった。
12回戦結果
瀬戸熊+26.8P  櫻井+20.1P  藤崎▲19.3P  柴田▲27.6P
最終成績
櫻井+82.2P  瀬戸熊+59.7P  藤崎▲5.2P  柴田▲49.7P  前原▲108.0P
 
優勝した櫻井は「これでやっと麻雀プロとしてのスタートラインに立てた。今後のシードももらえるのでそこでは、結果だけではなく良い麻雀も意識して取り組んでいきます。」と。
櫻井は今十段位決定戦では、内容よりも結果にこだわっていたとも話してくれたが、12回戦を通じて最もぶれることなく自分の麻雀を貫いていた。
その、手牌の見切りの鋭さであったり、勝負所の見極めであったりは、戦いを見守る多くのファンの方々に感動を与えたであろう。
もうじき行われる王位戦や、年度末に行われる麻雀グランプリMAXでも、櫻井の活躍に注目である。
100

第115回:天空麻雀16女性大会優勝特別インタビュー 和久津 晶 インタビュアー:小車 祥

某日、私のもとへメールが届いた。
いろんな人のインタビューレポートを読んでいる人なら知っているだろうが、インタビューのオファーはほとんどの場合メールで来る。

「天空麻雀16の女性大会で和久津さんが優勝されました。
今回、そのインタビュアーを小車君にお願いしたいのですがいかがでしょうか?」

もちろん断る理由はないので快諾。
和久津さんに日程確認の連絡を取り、B2リーグの対局後に時間を取ろうということに決定。
ちょうど私と和久津プロは同じB2リーグで戦う選手であり、偶然にもその日は同卓だった。
自分にないものをたくさん持っている和久津プロに対して、私自身、強い興味を以前から持っていた。
インタビューの前に実際に牌を交え、その強さを目の当たりにし、和久津晶という選手に対する興味がさらに倍増したことはとても良かったように思う。

対局を終え、会場近くのお寿司屋さんへ。
落ち着く間もないまま、インタビューを始めることに。

100

小車 「対局お疲れ様でした!そして天空麻雀、優勝おめでとうございます!」

和久津「ありがとう!小車君もおつかれさまー!」

小車 「いやあ、僕なんかがインタビュアーですみません」

和久津「そんなことないよ!インタビュアーってのは今注目の人がやるんだからね!よかったね!」

そういうことで選ばれたのではないとは思うが、こういう言葉の1つ1つに優しさが詰まっているのはさすがだなと思う。

小車 「早速ですが、天空麻雀決勝の話をしていきましょう!」

和久津「いいよー。なんでも聞いて」

小車 「決勝、全部見させてもらいました。まず思ったのが、スタイルを崩さないのがすごいなあと。東場で和久津さんが1人でアガり続けて70,300点持ち。2着の亜樹さんと5万点近く離れるんですけど、それでも安全牌を残したりせずに字牌と端牌から切り出して、自分のアガリを最優先に打つスタイル。“超攻撃アマゾネス”は伊達じゃないなと何度も思わされました」

和久津「うーん、でもやりすぎ感はあったけどね(笑)」

小車 「え、そうなんですか?(笑)」

和久津「東1局の五索暗カンなんかやりすぎだよね!だって形悪いんだもん!それだけ気負ってたのかな?」

東1局 

赤五万七万五索赤五索五索五索一筒二筒三筒三筒四筒六筒八筒  ツモ一筒  ドラ三筒

この手牌から五索を暗カン。
その後、和久津プロは以下の手牌になり、七対子ドラ4のテンパイだった和泉から出アガリ。

赤五万七万一筒一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒  暗カン牌の背赤五索 上向き五索 上向き牌の背  リーチ  ロン六万 

小車 「和久津さんでもやりすぎって思うこととかあるんですか?」

和久津「あたしがやることはいつも大体やりすぎなんだよ。例えば今日だってさ……」

インタビューした日のリーグ戦の対局内容の会話になる。
インタビューには関係ないので割愛するが、あのリーチやりすぎだよねとかそういう話。
和久津プロのやりすぎだという自分の闘牌には、掘り下げていくときちんと選択に見合う理由が用意されていて、確かに見方によってはやりすぎなのかもしれないけど、これだけ理由が揃っていればアリだよねというような結論に達するものばかりだった。

小車 「話を戻して……天空麻雀の決勝で、勝ちを確信したのはどこだったんですか?」

和久津「実はあたしの中でターニングポイントは東2局なんだよ」

小車 「随分早いですね」

和久津「ドラドラ七対子の1シャンテンをメンツ手に戻したんだけどさ、あれアガった時、今日はこのままいこうって思ったんだよね」

東2局 

赤五万六万一索一索二索二索八索八索四筒五筒五筒八筒八筒  ツモ一索  ドラ八索

ここから和久津プロは打八筒とし、以下の最終形でリーチ。

赤五万六万七万一索一索一索八索八索四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ

三筒をツモ。2,000・4,000のアガリとなる。

小車 「1シャンテンを2シャンテンに戻したやつですね」

和久津「こういう手でメンツ手に移行した瞬間に、七対子ならすぐにテンパイだったツモをしちゃう時とかあるじゃない?」

小車 「あー、ありますあります」

和久津「そうなると、やってることがズレてるなーとか思っちゃうんだけど、この時は違ったの。自分の構想通りにツモが来て、あっという間にメンツ手でテンパイしてアガれちゃったからね」

小車 「それで、今日はこのままいける!と思えたわけですね」

東3局 

和久津プロは5巡目テンパイ。

四万五万六万五索六索三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ西

宮内プロがリーチに対して仕掛け返し無スジを連打。宮内プロの手牌は大三元1シャンテンまで伸びるも、そこで和久津プロが七索をツモり6,000オールが炸裂。

小車 「東3局はヤミテンという選択肢はありましたか?」

和久津「あれね、ヤミテンでもよかったよね」

小車 「リーチと踏み切った理由は?」

和久津「それまでの感触が良かったのと、今までの負けのせいかな」

小車 「今までの負け?」

和久津「近いのではマスターズの決勝だけど、他にもプロクイーンとか女流桜花とかさ、いつもいいところで勝ち切れないんだよね。みんなはあたしの後半の守備の甘さを指摘したりするんだけど、牌譜や動画を全部見返してみると、気付いたことがあるの」

小車 「ほほう、なんでしょう?」

和久津「あたしね、序盤の方が手が入ってる。序盤に攻め切れてないんじゃないかなって思うようになったの」

小車 「なるほど。取れるところで取り切ってないから、後半で苦労してるってことですか?」

和久津「そうそう。自分のいい時間っていつ来るかわからないでしょ。だから点数持ってるから無理する必要もないと思うようなところでも、攻めの姿勢を忘れないように意識を変えたんだよね。逆に今までは、そこで下手に守っちゃったから、負けてきたんじゃないかなって。もちろん守備の甘さもあるんだけど、短所を補うことよりも長所を伸ばした方がいいって思ってる。短所を補うことも大事だけど、長所がすごい勝ってれば色々カバーできちゃうじゃん。ほら、ぽっちゃりした子でも、すげーおっぱいがおっきかったらさ、なんとかなっちゃうじゃん!!」

小車 「ちょっ!なんとかなっちゃうって……(笑)」

和久津「まあ例えはアレだけど(笑)。結局さ、麻雀って突き詰めたら守備が一番難しいわけじゃん。守備を語れるほど、あたしはまだ麻雀を積んでないわけですよ。だったら、今は攻撃でまかなっちゃえばいいかなって。それでいけるところまでいってみて、どうにもならなくなった時に、歳とって『あー昔こういうの放銃したよな』とか、そういう引き出しが増えてればいいかなって思う」

小車 「なるほどー!ただ単純に“超攻撃”というスタイルを守ってるというわけではなく、色々な試行錯誤がある上でのスタイルだったわけですね」

和久津晶という人間は、とても繊細な人間だと私は思っている。
それを本人に伝えると「あたしはガサツで有名なんだけどね」なんて茶化して見せるのだが、それすら相手への気遣いと謙遜からの言葉だとわかる。

和久津プロと言えば“超攻撃”という言葉がすぐに浮かぶ。
これは和久津プロの麻雀を知っている者からすれば共通項であろう。
しかしその“超攻撃”を作り上げている土台は、とても繊細で少しの情報も見落とさない洞察力と、今まで辛酸を舐めさせられた経験の悔しさから成り立っている。

100

小車 「今後の目標はありますか?」

和久津「天空麻雀の決勝でできたことを、タイトル戦の決勝でやってみたい」

小車 「近いところではプロクイーンと女流桜花ですかね。それから王位戦」

和久津「そうだね。一番チャンスが大きいのはプロクイーンかな。だけど全部のタイトル戦で決勝を目指すよ。そしてそこで新しい和久津の麻雀を思いっきりやりたい」

小車 「それを見たい人もたくさんいると思います。頑張ってください」

対局の内容も聞けたし、今後の目標も聞けた。
あとは聞いたことをまとめればなんとか形になりそうだ。
私がそんなことを考えていた頃、インタビューとは関係ないところで話した和久津プロの言葉が印象的だったので、それを最後に書かせてもらおうと思う。

和久津「人はね、傷ついた分だけ優しくなれるんだよ。優しくなれて強くなれる。毎回毎回必死で戦って、負けて悔しくて後悔して反省して、今度こそはってまた挑戦したのにまた負けて……。何度も傷ついて、そうやって強くなっていくんだよ。だからね、ちゃんと負けを噛み締めてる私達は強い」

これを聞いた時、和久津プロの強さの根源のようなものを垣間見た気がした。
そしてセリフの端々に見せる些細な優しさや、無作為に心の隙を突くような一見馴れ馴れしいけど悪い気がしない言葉も、痛みを知っている人間だからこそ生み出せる配慮のある言葉なのだった。

この文章を読んでくれた人。
決勝の舞台などで戦う和久津プロを見ることがあったら、少しだけでいいので思い出して欲しい。
その強さは、それ以上に大きな傷や痛みを抱えた証なのだということを。

“超攻撃アマゾネス”和久津晶。
前線で戦うことの痛みも恐怖も知る彼女は、とても強い。

100

プロ雀士インタビュー/第115回:天空麻雀16女性大会優勝特別インタビュー 和久津 晶 インタビュアー:小車 祥

某日、私のもとへメールが届いた。
いろんな人のインタビューレポートを読んでいる人なら知っているだろうが、インタビューのオファーはほとんどの場合メールで来る。
「天空麻雀16の女性大会で和久津さんが優勝されました。
今回、そのインタビュアーを小車君にお願いしたいのですがいかがでしょうか?」
もちろん断る理由はないので快諾。
和久津さんに日程確認の連絡を取り、B2リーグの対局後に時間を取ろうということに決定。
ちょうど私と和久津プロは同じB2リーグで戦う選手であり、偶然にもその日は同卓だった。
自分にないものをたくさん持っている和久津プロに対して、私自身、強い興味を以前から持っていた。
インタビューの前に実際に牌を交え、その強さを目の当たりにし、和久津晶という選手に対する興味がさらに倍増したことはとても良かったように思う。
対局を終え、会場近くのお寿司屋さんへ。
落ち着く間もないまま、インタビューを始めることに。
100
小車 「対局お疲れ様でした!そして天空麻雀、優勝おめでとうございます!」
和久津「ありがとう!小車君もおつかれさまー!」
小車 「いやあ、僕なんかがインタビュアーですみません」
和久津「そんなことないよ!インタビュアーってのは今注目の人がやるんだからね!よかったね!」
そういうことで選ばれたのではないとは思うが、こういう言葉の1つ1つに優しさが詰まっているのはさすがだなと思う。
小車 「早速ですが、天空麻雀決勝の話をしていきましょう!」
和久津「いいよー。なんでも聞いて」
小車 「決勝、全部見させてもらいました。まず思ったのが、スタイルを崩さないのがすごいなあと。東場で和久津さんが1人でアガり続けて70,300点持ち。2着の亜樹さんと5万点近く離れるんですけど、それでも安全牌を残したりせずに字牌と端牌から切り出して、自分のアガリを最優先に打つスタイル。“超攻撃アマゾネス”は伊達じゃないなと何度も思わされました」
和久津「うーん、でもやりすぎ感はあったけどね(笑)」
小車 「え、そうなんですか?(笑)」
和久津「東1局の五索暗カンなんかやりすぎだよね!だって形悪いんだもん!それだけ気負ってたのかな?」
東1局 
赤五万七万五索赤五索五索五索一筒二筒三筒三筒四筒六筒八筒  ツモ一筒  ドラ三筒
この手牌から五索を暗カン。
その後、和久津プロは以下の手牌になり、七対子ドラ4のテンパイだった和泉から出アガリ。
赤五万七万一筒一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒  暗カン牌の背赤五索 上向き五索 上向き牌の背  リーチ  ロン六万 
小車 「和久津さんでもやりすぎって思うこととかあるんですか?」
和久津「あたしがやることはいつも大体やりすぎなんだよ。例えば今日だってさ……」
インタビューした日のリーグ戦の対局内容の会話になる。
インタビューには関係ないので割愛するが、あのリーチやりすぎだよねとかそういう話。
和久津プロのやりすぎだという自分の闘牌には、掘り下げていくときちんと選択に見合う理由が用意されていて、確かに見方によってはやりすぎなのかもしれないけど、これだけ理由が揃っていればアリだよねというような結論に達するものばかりだった。
小車 「話を戻して……天空麻雀の決勝で、勝ちを確信したのはどこだったんですか?」
和久津「実はあたしの中でターニングポイントは東2局なんだよ」
小車 「随分早いですね」
和久津「ドラドラ七対子の1シャンテンをメンツ手に戻したんだけどさ、あれアガった時、今日はこのままいこうって思ったんだよね」
東2局 
赤五万六万一索一索二索二索八索八索四筒五筒五筒八筒八筒  ツモ一索  ドラ八索
ここから和久津プロは打八筒とし、以下の最終形でリーチ。
赤五万六万七万一索一索一索八索八索四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ
三筒をツモ。2,000・4,000のアガリとなる。
小車 「1シャンテンを2シャンテンに戻したやつですね」
和久津「こういう手でメンツ手に移行した瞬間に、七対子ならすぐにテンパイだったツモをしちゃう時とかあるじゃない?」
小車 「あー、ありますあります」
和久津「そうなると、やってることがズレてるなーとか思っちゃうんだけど、この時は違ったの。自分の構想通りにツモが来て、あっという間にメンツ手でテンパイしてアガれちゃったからね」
小車 「それで、今日はこのままいける!と思えたわけですね」
東3局 
和久津プロは5巡目テンパイ。
四万五万六万五索六索三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ西
宮内プロがリーチに対して仕掛け返し無スジを連打。宮内プロの手牌は大三元1シャンテンまで伸びるも、そこで和久津プロが七索をツモり6,000オールが炸裂。
小車 「東3局はヤミテンという選択肢はありましたか?」
和久津「あれね、ヤミテンでもよかったよね」
小車 「リーチと踏み切った理由は?」
和久津「それまでの感触が良かったのと、今までの負けのせいかな」
小車 「今までの負け?」
和久津「近いのではマスターズの決勝だけど、他にもプロクイーンとか女流桜花とかさ、いつもいいところで勝ち切れないんだよね。みんなはあたしの後半の守備の甘さを指摘したりするんだけど、牌譜や動画を全部見返してみると、気付いたことがあるの」
小車 「ほほう、なんでしょう?」
和久津「あたしね、序盤の方が手が入ってる。序盤に攻め切れてないんじゃないかなって思うようになったの」
小車 「なるほど。取れるところで取り切ってないから、後半で苦労してるってことですか?」
和久津「そうそう。自分のいい時間っていつ来るかわからないでしょ。だから点数持ってるから無理する必要もないと思うようなところでも、攻めの姿勢を忘れないように意識を変えたんだよね。逆に今までは、そこで下手に守っちゃったから、負けてきたんじゃないかなって。もちろん守備の甘さもあるんだけど、短所を補うことよりも長所を伸ばした方がいいって思ってる。短所を補うことも大事だけど、長所がすごい勝ってれば色々カバーできちゃうじゃん。ほら、ぽっちゃりした子でも、すげーおっぱいがおっきかったらさ、なんとかなっちゃうじゃん!!」
小車 「ちょっ!なんとかなっちゃうって……(笑)」
和久津「まあ例えはアレだけど(笑)。結局さ、麻雀って突き詰めたら守備が一番難しいわけじゃん。守備を語れるほど、あたしはまだ麻雀を積んでないわけですよ。だったら、今は攻撃でまかなっちゃえばいいかなって。それでいけるところまでいってみて、どうにもならなくなった時に、歳とって『あー昔こういうの放銃したよな』とか、そういう引き出しが増えてればいいかなって思う」
小車 「なるほどー!ただ単純に“超攻撃”というスタイルを守ってるというわけではなく、色々な試行錯誤がある上でのスタイルだったわけですね」
和久津晶という人間は、とても繊細な人間だと私は思っている。
それを本人に伝えると「あたしはガサツで有名なんだけどね」なんて茶化して見せるのだが、それすら相手への気遣いと謙遜からの言葉だとわかる。
和久津プロと言えば“超攻撃”という言葉がすぐに浮かぶ。
これは和久津プロの麻雀を知っている者からすれば共通項であろう。
しかしその“超攻撃”を作り上げている土台は、とても繊細で少しの情報も見落とさない洞察力と、今まで辛酸を舐めさせられた経験の悔しさから成り立っている。
100
小車 「今後の目標はありますか?」
和久津「天空麻雀の決勝でできたことを、タイトル戦の決勝でやってみたい」
小車 「近いところではプロクイーンと女流桜花ですかね。それから王位戦」
和久津「そうだね。一番チャンスが大きいのはプロクイーンかな。だけど全部のタイトル戦で決勝を目指すよ。そしてそこで新しい和久津の麻雀を思いっきりやりたい」
小車 「それを見たい人もたくさんいると思います。頑張ってください」
対局の内容も聞けたし、今後の目標も聞けた。
あとは聞いたことをまとめればなんとか形になりそうだ。
私がそんなことを考えていた頃、インタビューとは関係ないところで話した和久津プロの言葉が印象的だったので、それを最後に書かせてもらおうと思う。
和久津「人はね、傷ついた分だけ優しくなれるんだよ。優しくなれて強くなれる。毎回毎回必死で戦って、負けて悔しくて後悔して反省して、今度こそはってまた挑戦したのにまた負けて……。何度も傷ついて、そうやって強くなっていくんだよ。だからね、ちゃんと負けを噛み締めてる私達は強い」
これを聞いた時、和久津プロの強さの根源のようなものを垣間見た気がした。
そしてセリフの端々に見せる些細な優しさや、無作為に心の隙を突くような一見馴れ馴れしいけど悪い気がしない言葉も、痛みを知っている人間だからこそ生み出せる配慮のある言葉なのだった。
この文章を読んでくれた人。
決勝の舞台などで戦う和久津プロを見ることがあったら、少しだけでいいので思い出して欲しい。
その強さは、それ以上に大きな傷や痛みを抱えた証なのだということを。
“超攻撃アマゾネス”和久津晶。
前線で戦うことの痛みも恐怖も知る彼女は、とても強い。
100

第95回『サバキの神髄』 荒 正義

① 点と線

通常、サバキとは相手のチャンス手を安手で蹴る打ち方をいう。
開局早々の東場で、流れも運も手探り状態のとき親からリーチがかかる。

一筒 上向き西八索 上向き中二筒 上向き二万 上向き三索 上向き五筒 左向き(親の河)

この時、南家の手牌がこうだ。

三万四万二索三索四索七索七索二筒四筒六筒中中中ドラ九索

ここでチーテンに構えて現物の二万を狙い、親の攻めを交わそうとする、これがサバキである。

しかし、打ち方は人それぞれである。親が高い手とは限らない。
自分は面前で進めれば(234)の三色があるからと、踏ん張って鳴かない人もいる。
正々堂々と渡り合う。三筒二万で決まれば高打点だし、この後の戦いは有利に運べると考える。

前者のチーテン組が8割としたなら、後者の面前組は2割か。
ただ私が思うに、後者は負け組である。
では、チーテンが勝ち組かというとそうではない。問題は鳴いた後の戦い方にあるのだ。

チーテンにかけたらマチは現物だしめくり勝負でオール突っ張り、これは負け組である。
無筋を掴んだら、すぐに国際安全牌の中を切り手仕舞いにかかる。これもやはり負け組である。

押しても負けるし引いても負ける、それが麻雀である。
大事なのは、押し引きのバランスとその精度なのだ。

 

100

私のサバキはこうだ。まず親の手の推理である。
親は勝負手と見る。一発・裏ドラ麻雀なら、打てば親満は覚悟だ。
その理由は3巡目の八索切りにある。

ドラそばの八索が速く切られるときは、ドラを固定する八索九索九索からの八索切りがある。これが第一候補。次が、七索八索八索からのドラ受けに対応する、好牌先打の八索切りがある。これが第二候補。
ここで八索を切るからには、他のメンツが好形で構成されていることを意味する。
したがって、この場合も親の手は早いし高いと見るのが正しい読みだ。

「単なる浮き牌の場合もある」こう反論する人も居るだろう。
いやそれはありえない。八索を残して次に七索を引けばドラ受けに対応できるから八索中二万より後に切られるはずである。これが親の手に対する私の推理だ。

したがってここは緊急事態だ。
この手は親からテンパイ宣言が入った以上、不自由な三色など狙っている場合ではない。
だからチーテンに取る。
ソバテンで危険牌の六筒を使いこなし、現物の二万で張るなら十分と見る。
ソバテンとは最終打牌をまたぐマチのことである。

では、親の危険牌とは何か。ドラの九索はシャンポン待ちがあるからもちろん切らない。
親の捨て牌からソーズの八索三索の裏筋となる四索七索も切らない。
そして、ソバテンで一度使いこなした三筒六筒九筒の筋も切らない。
ここを掴めばすみやかにオリに廻る。

ソバテンなら四筒七筒も同じく危険という人もいる。しかし、親の河には一筒二筒がある。
この時、私の頭に真っ先に浮かぶのは、この一筒二筒四筒五筒五筒メンツである。
ここからの不要牌整理の手順を踏めば、親の河には一筒二筒五筒が自然に間隔を置きながら並ぶことになる。だから四筒七筒マチより三筒六筒が本線と考える。

また、親はすでに仮テンで五筒七筒の形のときもある。
ここに八筒を引き、両面の好形となっての五筒切りリーチもあるから、九筒は危険牌の範疇に入る。
ここまでが瞬間に感じる読みである。

無筋は四筒七筒とマンズの三万九万だが( 一万は切るし、他のソーズも切る )、これを切るか切らないかは、私は盲牌の感触で決める。嫌な予感がしたときはすみやかにオリ、感じなければ勝負と前に出る。
盲牌の感触とは、人の五感を使った予知能力である。使えるものは何でも使うのが、私の流儀なのだ。

ただしこの感性は、精度を高めるために日常の鍛錬で磨いておく必要がある。
親が3巡目に八索を切ったとき何を感じたかが大事で、後は瞬間の判断と決断だ。
ここまでが「点」のサバキである。

※ただこの時、親と南家の共通の安全牌があるのに出来たメンツの中から二万を抜いて来る打ち手は要注意だ。親の勝負手とサバキ手の両方を透視していたから、その打ち手は一流である。

ルールが違えばサバキも変わる。
ある日の研究会(*一発、裏ドラなしの競技ルール)。

1回戦の東1局は、私が出親でリーチをかけた。この時、下家の女流が追いかけリーチをかけてきて、私から満貫をアガった。私はいい手だったが、運は美人に味方したのである。
私はリーチ棒を入れて9,000点の失点をし、そして次の局である。

8巡目、私(北家)にテンパイが入った。

一万一万一万一索二索三索四索五索五索二筒三筒四筒九筒ツモ六索ドラ九筒

八筒は南家と北家の河に1枚ずつ切られ、ドラの九筒は初物である。
一目九筒は浮きやすくよい待ちに見えるが、ドラの指示牌を入れると八筒が3枚見えているから九筒は他家にトイツか暗刻で持たれている可能性が大である。

自信はなかったが、失点挽回のためリーチをかけた。
すると、すかさず親の女流が追いかけリーチを打ってきた。
この時、私は8割方…負けを覚悟した。麻雀は流れだ。放銃もアガリも連動するからである。

しかし、奇跡が起こった。3巡後、女流が九筒を掴んだのだ。
研究会では一局終わるごとに手牌を開け、打ち方に疑問があれば聞くことができる。
また先輩は後輩に正しい打ち方を指摘することもある。
この時、開けられた女流の手はこうだった。

一索一索四索五索七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒七筒

この手を見て、相手は唖然となった。滝沢、勝又はA級プロだ。
この手がピンフのノミ手で仕上がった以上、この手はどこまで行ってもサバキ手なのだ。
先制リーチがいて、勢いが大差であってもやっぱりヤミテンである。
そして、ドラを掴んだときだけ回るか、手仕舞いにするのかがこの場面の正しい応手である。
これが点と点をつないだ「線」のサバキである。

当然、その指摘が女流に入る。
彼女は、この手がヤミテンであることは百も承知だった。そして聞いた。

「一発、裏ありルールでもヤミテンですか?」
「いや、その場合は即リーチです」いつも控えめな滝沢が答えた。

ルールによって、サバキ手が攻め手に変化するときがある。この場合の流れがそうだ。
これでも一発で裏が乗れば親満である。

彼女はこの日のすぐ後に、一発、裏ありの試合があった。
調整のため、あえて一発・裏ありを想定し、そう打ったというのだ。
女流は手塚紗掬で、その探究心は流石である。

もちろん、親から先に先制リーチが入っていたなら私は向わない。
勝ち負けが8対2の勝負をするほど愚かではない。
となれば、親が先制リーチならドラの九筒は指をくわえて見るハメになる。
競技ルールでも親が正しいサバキなら、構えはヤミテンだし九筒は止められたことになる。

そうなれば、この一局の結末がどうなっていたか分からない。
九筒を重ねられ反撃を受けたかもしれないし、流局だったかも知れない。

このように、点と点のサバキをつなぎ合わせると一本の線なる。
そうするとサバキにふくらみが出て強さが増すのだ。
だがこれは、サバキのほんの序の口にすぎない。

以下次号

上級/第95回『サバキの神髄』 荒 正義

① 点と線
通常、サバキとは相手のチャンス手を安手で蹴る打ち方をいう。
開局早々の東場で、流れも運も手探り状態のとき親からリーチがかかる。
一筒 上向き西八索 上向き中二筒 上向き二万 上向き三索 上向き五筒 左向き(親の河)
この時、南家の手牌がこうだ。
三万四万二索三索四索七索七索二筒四筒六筒中中中ドラ九索
ここでチーテンに構えて現物の二万を狙い、親の攻めを交わそうとする、これがサバキである。
しかし、打ち方は人それぞれである。親が高い手とは限らない。
自分は面前で進めれば(234)の三色があるからと、踏ん張って鳴かない人もいる。
正々堂々と渡り合う。三筒二万で決まれば高打点だし、この後の戦いは有利に運べると考える。
前者のチーテン組が8割としたなら、後者の面前組は2割か。
ただ私が思うに、後者は負け組である。
では、チーテンが勝ち組かというとそうではない。問題は鳴いた後の戦い方にあるのだ。
チーテンにかけたらマチは現物だしめくり勝負でオール突っ張り、これは負け組である。
無筋を掴んだら、すぐに国際安全牌の中を切り手仕舞いにかかる。これもやはり負け組である。
押しても負けるし引いても負ける、それが麻雀である。
大事なのは、押し引きのバランスとその精度なのだ。
 
100
私のサバキはこうだ。まず親の手の推理である。
親は勝負手と見る。一発・裏ドラ麻雀なら、打てば親満は覚悟だ。
その理由は3巡目の八索切りにある。
ドラそばの八索が速く切られるときは、ドラを固定する八索九索九索からの八索切りがある。これが第一候補。次が、七索八索八索からのドラ受けに対応する、好牌先打の八索切りがある。これが第二候補。
ここで八索を切るからには、他のメンツが好形で構成されていることを意味する。
したがって、この場合も親の手は早いし高いと見るのが正しい読みだ。
「単なる浮き牌の場合もある」こう反論する人も居るだろう。
いやそれはありえない。八索を残して次に七索を引けばドラ受けに対応できるから八索中二万より後に切られるはずである。これが親の手に対する私の推理だ。
したがってここは緊急事態だ。
この手は親からテンパイ宣言が入った以上、不自由な三色など狙っている場合ではない。
だからチーテンに取る。
ソバテンで危険牌の六筒を使いこなし、現物の二万で張るなら十分と見る。
ソバテンとは最終打牌をまたぐマチのことである。
では、親の危険牌とは何か。ドラの九索はシャンポン待ちがあるからもちろん切らない。
親の捨て牌からソーズの八索三索の裏筋となる四索七索も切らない。
そして、ソバテンで一度使いこなした三筒六筒九筒の筋も切らない。
ここを掴めばすみやかにオリに廻る。
ソバテンなら四筒七筒も同じく危険という人もいる。しかし、親の河には一筒二筒がある。
この時、私の頭に真っ先に浮かぶのは、この一筒二筒四筒五筒五筒メンツである。
ここからの不要牌整理の手順を踏めば、親の河には一筒二筒五筒が自然に間隔を置きながら並ぶことになる。だから四筒七筒マチより三筒六筒が本線と考える。
また、親はすでに仮テンで五筒七筒の形のときもある。
ここに八筒を引き、両面の好形となっての五筒切りリーチもあるから、九筒は危険牌の範疇に入る。
ここまでが瞬間に感じる読みである。
無筋は四筒七筒とマンズの三万九万だが( 一万は切るし、他のソーズも切る )、これを切るか切らないかは、私は盲牌の感触で決める。嫌な予感がしたときはすみやかにオリ、感じなければ勝負と前に出る。
盲牌の感触とは、人の五感を使った予知能力である。使えるものは何でも使うのが、私の流儀なのだ。
ただしこの感性は、精度を高めるために日常の鍛錬で磨いておく必要がある。
親が3巡目に八索を切ったとき何を感じたかが大事で、後は瞬間の判断と決断だ。
ここまでが「点」のサバキである。
※ただこの時、親と南家の共通の安全牌があるのに出来たメンツの中から二万を抜いて来る打ち手は要注意だ。親の勝負手とサバキ手の両方を透視していたから、その打ち手は一流である。
ルールが違えばサバキも変わる。
ある日の研究会(*一発、裏ドラなしの競技ルール)。
1回戦の東1局は、私が出親でリーチをかけた。この時、下家の女流が追いかけリーチをかけてきて、私から満貫をアガった。私はいい手だったが、運は美人に味方したのである。
私はリーチ棒を入れて9,000点の失点をし、そして次の局である。
8巡目、私(北家)にテンパイが入った。
一万一万一万一索二索三索四索五索五索二筒三筒四筒九筒ツモ六索ドラ九筒
八筒は南家と北家の河に1枚ずつ切られ、ドラの九筒は初物である。
一目九筒は浮きやすくよい待ちに見えるが、ドラの指示牌を入れると八筒が3枚見えているから九筒は他家にトイツか暗刻で持たれている可能性が大である。
自信はなかったが、失点挽回のためリーチをかけた。
すると、すかさず親の女流が追いかけリーチを打ってきた。
この時、私は8割方…負けを覚悟した。麻雀は流れだ。放銃もアガリも連動するからである。
しかし、奇跡が起こった。3巡後、女流が九筒を掴んだのだ。
研究会では一局終わるごとに手牌を開け、打ち方に疑問があれば聞くことができる。
また先輩は後輩に正しい打ち方を指摘することもある。
この時、開けられた女流の手はこうだった。
一索一索四索五索七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒七筒
この手を見て、相手は唖然となった。滝沢、勝又はA級プロだ。
この手がピンフのノミ手で仕上がった以上、この手はどこまで行ってもサバキ手なのだ。
先制リーチがいて、勢いが大差であってもやっぱりヤミテンである。
そして、ドラを掴んだときだけ回るか、手仕舞いにするのかがこの場面の正しい応手である。
これが点と点をつないだ「線」のサバキである。
当然、その指摘が女流に入る。
彼女は、この手がヤミテンであることは百も承知だった。そして聞いた。
「一発、裏ありルールでもヤミテンですか?」
「いや、その場合は即リーチです」いつも控えめな滝沢が答えた。
ルールによって、サバキ手が攻め手に変化するときがある。この場合の流れがそうだ。
これでも一発で裏が乗れば親満である。
彼女はこの日のすぐ後に、一発、裏ありの試合があった。
調整のため、あえて一発・裏ありを想定し、そう打ったというのだ。
女流は手塚紗掬で、その探究心は流石である。
もちろん、親から先に先制リーチが入っていたなら私は向わない。
勝ち負けが8対2の勝負をするほど愚かではない。
となれば、親が先制リーチならドラの九筒は指をくわえて見るハメになる。
競技ルールでも親が正しいサバキなら、構えはヤミテンだし九筒は止められたことになる。
そうなれば、この一局の結末がどうなっていたか分からない。
九筒を重ねられ反撃を受けたかもしれないし、流局だったかも知れない。
このように、点と点のサバキをつなぎ合わせると一本の線なる。
そうするとサバキにふくらみが出て強さが増すのだ。
だがこれは、サバキのほんの序の口にすぎない。
以下次号

第31期A1リーグ第8節レポート 瀬戸熊 直樹

麻雀を覚えて、28年くらいが経とうとしている。
16歳で始めて、27歳でプロ入りし、34歳でAⅠリーグ入りした。

現在AⅠリーグ9年目。麻雀人生の3分の一を最高峰リーグで過ごしている。
こんなに幸せなことはない。だけどもう1人の自分が僕に問いかける

「何で君は麻雀に人生の大半を注ぎ込んでいるの?」と。

昔コラムで、「失った物が大きすぎて、引き返せなくなった」と、書いたことがあった。
その時は本当に食べていくのさえ大変な時代で、本心からそう応えていた。
では、少しはゆとりの出てきた今ならどう応えるのか、もちろんそんなに贅沢が出来るような暮らしになったわけではないが、何とか普通に生活できるくらいにはなった。

今の僕ならこう応える。
「生活の為というのはもちろんだけど、夢中になっている理由を述べるのなら、それは麻雀の真相、真実を探る為かもしれない。そしてそれは究明できたとしても、それを同意し理解してくれる人がいない限り、真実とは言えないし、正解なのかさえもわからない。だけど、永久に分からない可能性があるから、なおいっそう追い求めてしまうのだ。僕はその真理を自分自身で確かめたいから、毎日毎日あきもせず牌と戦っているのです。」と。

連盟Aルールだけに関して言わせえてもらえば、今僕は六合目くらいまで登って来れたのではないかと思う。山頂は果てしなく遠いのだと言われれば、そうだよなという思いと、いや、あと5年以内に到達できる可能性もあるのでは、とも思っている。
もちろんそこは結局自分の頑張り次第なのだが、

そんな想いを胸に抱いて臨んだ第8節。
1回戦、南1局、1本場、北家・古川さんが以下の捨て牌でリーチ。

八筒 上向き西一筒 上向き南白中三筒 左向き  ドラ中

ドラの中を切って、三筒ツモ切りのリーチの場面。持ち点はまだ全員ほとんど動いていない。
数巡後、僕も追いつく。

五万五万一索一索一索七索八索八索九索九索五筒六筒七筒

そこに持ってきたのは二筒三筒は場に3枚見えている。
読むポイントは3つ。

1、ドラ中を宣言牌にしなかった理由と、次巡ツモ切りリーチに踏み切ったのはなぜか。
2、手牌の値段。
3、マチ。

まずドラを切ってリーチにしなかったのは解りやすい。鳴かれるかどうかによって、ヤミテンかリーチかの選択をした事。次にリーチを宣言したのであれば、当然一役は前もってあったと考えられる。
リーチのみだけは否定される。

次に値段。ここが難しい。メンタンピンか、ピンフ系の高目安目が存在する手牌なのか、
2,000点から7,700までありえる場面。

次にマチ。三筒は場に3枚見えているが、古川さんの三筒はツモ切り牌。
僕はこの二筒を持ってきた時、かなりの確率で当たることが予想できていた。
しかし、感じたのにもかかわらずツモ切っていた。
開けられた手牌は

一万一万二万三万四万七万八万九万二索三索四索三筒四筒  ロン二筒

様々な「読み」を入れたにも関わらず、テンパイだからとか、スタイルだからとか、くだらない理由をつけて放銃していた。
むごい放銃である。

最悪の失点。

僕の中で理解している麻雀なら、当然この半荘はラスになる。
南場の親番も手牌は入らない。そうでなければ、30年近く費やした麻雀の真理が崩れる。
結果は納得のラス。いや引くべきして引いたラス。

貯金はあったが、この放銃を挽回するのに、残りの3回を費やしてしまった。
この日は、プラス15ポイントとした。

ゲームプランからいけば、プラスする事がもっとも大きな目標だっただけに御の字だったが、1回戦の二筒打ちだけは、今期の大きな目標である「致命傷を負わない」から大きく外れるものであったのは反省しなくてはならない。

残り2節。
鳳凰位決定戦という場所は、本当に胃が痛くなる場所であると同時に、「経験」を積ませてもらうにはこれ以上ない場所でもある。

もちろんまた行って戦いたい気持ちは強い。
だけど、しっかり自分の中で鍛えようと決めた課題はクリアして、また登頂に挑みたい。
結果にはこだわるが、そこにも充分に気を付けて残り8半荘戦います。

皆さまのご声援が、本当に力になっております。ほんとうにありがとうございます。
これからも宜しくお願いいたします。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A1リーグ第8節レポート 瀬戸熊 直樹

麻雀を覚えて、28年くらいが経とうとしている。
16歳で始めて、27歳でプロ入りし、34歳でAⅠリーグ入りした。
現在AⅠリーグ9年目。麻雀人生の3分の一を最高峰リーグで過ごしている。
こんなに幸せなことはない。だけどもう1人の自分が僕に問いかける
「何で君は麻雀に人生の大半を注ぎ込んでいるの?」と。
昔コラムで、「失った物が大きすぎて、引き返せなくなった」と、書いたことがあった。
その時は本当に食べていくのさえ大変な時代で、本心からそう応えていた。
では、少しはゆとりの出てきた今ならどう応えるのか、もちろんそんなに贅沢が出来るような暮らしになったわけではないが、何とか普通に生活できるくらいにはなった。
今の僕ならこう応える。
「生活の為というのはもちろんだけど、夢中になっている理由を述べるのなら、それは麻雀の真相、真実を探る為かもしれない。そしてそれは究明できたとしても、それを同意し理解してくれる人がいない限り、真実とは言えないし、正解なのかさえもわからない。だけど、永久に分からない可能性があるから、なおいっそう追い求めてしまうのだ。僕はその真理を自分自身で確かめたいから、毎日毎日あきもせず牌と戦っているのです。」と。
連盟Aルールだけに関して言わせえてもらえば、今僕は六合目くらいまで登って来れたのではないかと思う。山頂は果てしなく遠いのだと言われれば、そうだよなという思いと、いや、あと5年以内に到達できる可能性もあるのでは、とも思っている。
もちろんそこは結局自分の頑張り次第なのだが、
そんな想いを胸に抱いて臨んだ第8節。
1回戦、南1局、1本場、北家・古川さんが以下の捨て牌でリーチ。
八筒 上向き西一筒 上向き南白中三筒 左向き  ドラ中
ドラの中を切って、三筒ツモ切りのリーチの場面。持ち点はまだ全員ほとんど動いていない。
数巡後、僕も追いつく。
五万五万一索一索一索七索八索八索九索九索五筒六筒七筒
そこに持ってきたのは二筒三筒は場に3枚見えている。
読むポイントは3つ。
1、ドラ中を宣言牌にしなかった理由と、次巡ツモ切りリーチに踏み切ったのはなぜか。
2、手牌の値段。
3、マチ。
まずドラを切ってリーチにしなかったのは解りやすい。鳴かれるかどうかによって、ヤミテンかリーチかの選択をした事。次にリーチを宣言したのであれば、当然一役は前もってあったと考えられる。
リーチのみだけは否定される。
次に値段。ここが難しい。メンタンピンか、ピンフ系の高目安目が存在する手牌なのか、
2,000点から7,700までありえる場面。
次にマチ。三筒は場に3枚見えているが、古川さんの三筒はツモ切り牌。
僕はこの二筒を持ってきた時、かなりの確率で当たることが予想できていた。
しかし、感じたのにもかかわらずツモ切っていた。
開けられた手牌は
一万一万二万三万四万七万八万九万二索三索四索三筒四筒  ロン二筒
様々な「読み」を入れたにも関わらず、テンパイだからとか、スタイルだからとか、くだらない理由をつけて放銃していた。
むごい放銃である。
最悪の失点。
僕の中で理解している麻雀なら、当然この半荘はラスになる。
南場の親番も手牌は入らない。そうでなければ、30年近く費やした麻雀の真理が崩れる。
結果は納得のラス。いや引くべきして引いたラス。
貯金はあったが、この放銃を挽回するのに、残りの3回を費やしてしまった。
この日は、プラス15ポイントとした。
ゲームプランからいけば、プラスする事がもっとも大きな目標だっただけに御の字だったが、1回戦の二筒打ちだけは、今期の大きな目標である「致命傷を負わない」から大きく外れるものであったのは反省しなくてはならない。
残り2節。
鳳凰位決定戦という場所は、本当に胃が痛くなる場所であると同時に、「経験」を積ませてもらうにはこれ以上ない場所でもある。
もちろんまた行って戦いたい気持ちは強い。
だけど、しっかり自分の中で鍛えようと決めた課題はクリアして、また登頂に挑みたい。
結果にはこだわるが、そこにも充分に気を付けて残り8半荘戦います。
皆さまのご声援が、本当に力になっております。ほんとうにありがとうございます。
これからも宜しくお願いいたします。