第120回:プロ雀士インタビュー 吾妻 さおり インタビュアー:山脇 千文美

2015年1月31日第9期女流桜花決勝最終日。
私は連盟スタジオに12時半入りし、アタリメを食べていた。
黒木さんやケネ徳さんに、緊張感がなさすぎると笑われながら、決勝戦の始まるときを待った。

あたかも自分が選手であるかのように書いてみたが、勿論私は出場選手ではなく・・・サブコントロール室での採譜係。
女流桜花の最終日は生で対局が見たい!と、自ら志願した。

結果は見事な逆転で吾妻さおりプロの優勝。
女流桜花2連覇が決まり、吾妻プロ格好良かったなぁー、皆素敵だったなぁー、私もいつかあの決勝の舞台に立ちたいなぁー、と心躍らせ、モチベーションあげあげ状態で帰宅。

翌日。連盟ホームページの運営から一通のメールが届いた。
「女流桜花を優勝されました、吾妻プロのインタビューを山脇プロにお願いしたいのですがいかがでしょうか?」

え?私?

不思議な気持ちのままインタビュアーのお仕事を引き受け、吾妻プロと日程を調整し、会える日が決定。
その日はお昼にちーぼーこと松岡千晶プロと会う約束をしていたので、ちーぼーも連れて行くことに!

『女流桜花優勝インタビュー』という名の、
桜花様とちーちゃんずのコラボレーションが実現したのです!!^^

100

◎吾妻プロ・プチ情報
・お酒がまったく飲めない
・海鮮料理が苦手

と、言うわけで・・・
都内某中華料理店にて。

松岡「何飲みますか?」

吾妻「お酒飲めないのでピンクグレープフルーツジュースでお願いします。あ、氷抜きで!2人は確かお酒大好きなんだよね?飲んでも良いよ^^」

山脇「ちーぼーは?ビール?」

松岡「うん、ビール。」

山脇「私は酔っぱらうと困るから・・・」

吾妻「酔っぱらうの?じゃあ2杯までね!^^」

山脇「と・・とりあえずウーロンハイにします。笑」
(インタビューしっかりやり終えたら、ビール飲もう!!)

山脇・松岡「改めまして!女流桜花2連覇おめでとうございまーす!!」(かんぱーい!)

山脇「インタビュー初めてで何聞けば良いかあんまり分からないんです・・・。とりあえず1回戦から12回戦までの吾妻プロの手牌の最終形と点棒の移動状況とか全部メモしてきました!!」
(持ち前の真面目さをとりあえずアピール笑)

吾妻「山脇プロの目線で聞きたいこと自由に聞いてくれれば、足りないところは補足するから大丈夫だよ。」
(うぅ・・・優しい・・・涙)

山脇「それでは・・・昨年は挑戦者として、今年は現女流桜花として決勝に臨んだわけですが、気持ちの面などで違いはありましたか?」

吾妻「うん、全く違うね。」(即答)

吾妻「昨年は、大きいタイトル戦の決勝が初めてで、自分だけ優勝経験が無かった。だから、優勝する可能性を少しでも上げることを考えてシュミレーションをしたの。それが、4人の中で、先攻をとること。Aルールだから、打点も作って。和久津さんが、3人の中で一番攻撃に比重を置いた麻雀で来るだろうと分析して、彼女よりさらに攻める。そう決めて行ったの。」

山脇「今年はどうだったんですか?」

吾妻「今年も全く同じメンバーが勝ち上がりだったから、絶対にもう1回勝たないと。これは第8期女流桜花の優勝に本当の価値があるのかを証明する戦いなんだって思ったの。そして、もう1年リーグ戦をやっても、またこの3人がくるんだ。本当に力のあるメンバーなんだって嬉しい気持ちと同時に、昨年一番細かく研究した相手だったから、対策にすぐに入ることが出来たよ。とはいえ分析の結果、自分が優勝出来る勝算は2割程度だと思ったから、当日までに足りないものを補ってどれだけ勝算を上げられるかの戦いだったね。そして初日最初の2半荘は、3人の麻雀がどう変わっているかを確認するためにも全部しっかり対応すると決めたの。例え丁寧に慎重に入った事で自分がマイナスになってしまったとしてもね。」

シュミレーションとか、対策とか。
なんだか・・・とっても・・・すごい!!!!!!!!
上に行くには、私たちが今考えていることの何10倍も何100倍も、色んなことを考えなくちゃいけないんだ・・・。

さあ、ここで、こちらのコーナーに移ります!

100

女流桜花Cリーグを抜け出し、来期からBリーグデビューをするちーちゃんず。
しかし、桜花の仕組みも、Bリーグの人数も、何も知らなかったのです!!ひぇー!!!

吾妻「仕組みはちゃんと覚えておいた方が良いよ!女流桜花はねー・・・・」

ちーちゃんず、吾妻プロからの説明を受け、女流桜花の仕組みを学ぶ。

吾妻「もう昇級が決まって結構経つのに、Bリーグの全人数も昇級人数もボーダーも知らないのー?はい、今調べて調べて!」

ちーちゃんず、ちーぼーの携帯検索で、Bリーグの人数とボーダーを調べる。

吾妻「昇級ラインのボーダーと今までの自分が叩けたポイントを比較して、今から何を補足しなきゃいけないか考えるんだよ。」

吾妻プロは、対戦した相手の名前などは必ずメモを取っていて、牌姿も端から端まで、しっかり覚えている。
情報量や研究量の圧倒的な差に、驚愕しっぱなしだった。

女流桜花への道のりは、遠く険しいね。ね、ちーぼー・・・。
(巻き添えにしてごめん。笑)

ミニコーナー終わり!

 

インタビューに戻ります。

山脇「決勝期間はどんなことを考えていたんですか?」

吾妻「昨年は常に牌姿とか場況を想像して頭の中をぐるぐるしていたよ。それも今思い返すと苦しい場面ばかり。リーチを受けて安全牌が無いとか、何を切れば良いのか迷っちゃう場面とか。でも今年は準備の質が良かったから、自分の目指している麻雀を打てれば良いって言う前向きな気持ちで卓に向かえたよ。」

山脇「優勝者予想とかって見たりしますか?今回は魚谷さんと和久津さんに票が偏ってましたが・・・」

吾妻「見るよー!予想する側の立場から見ても、タイトル戦に住む魔物というか、打ち手にかかるプレッシャーみたいのを感じ取るから、場数を踏んでいる人に多く票が集まるのは当たり前のことだよね。あんまり気にしないけど、皆の予想をはずしてやるー!とは思ったかな^^」

必死でメモを取り続けていた私。ふと顔を上げると、対面には・・・黙々とビールを飲んでいるちーぼーの姿が。笑

吾妻「ちーぼー暇だよね。ごめんね。何か聞きたいことある?」

松岡「えーっと、じゃあ、連盟の女流プロの皆さんへ。みたいなのお願いします^^」

山脇「なんか良いね!手紙風にしよう!」

吾妻「ちょっと待って、考える・・・笑」

吾妻「プロ連盟を選んでくれてありがとうございます。若くて綺麗で・・・、そんな、人生の一番大事な時期に麻雀で頑張っていくってことはとっても勇気のいることだと思います。色々な選択肢の中から麻雀を選んでくれた事がとても嬉しくて、私に出来る事なら何でも力になりたいと思います。時には普段優しい先輩プロから厳しい指導をいただいたり、つらい敗退を経験したりもするでしょう。楽しいことばかりではないかもしれないけれど、麻雀を好きって気持ちを忘れないでいてほしいです。そして、壁にぶつかった時には、一生懸命、自分がどうなりたいかとか、どうやったら勝てるのかを考えてみて下さい。これからも、麻雀で活躍したり、麻雀講師を目指す女流プロがたくさん増えて、一緒に麻雀界を盛り上げて行けたら良いなと思います^^」

何かにつまずいてしまった時は、この言葉を思い出そう。
吾妻プロが「これは秘密のノートだから見せないよー!」と言って隠した小さなノートには、きっと麻雀の戦略のほかにも、こういった自分のあり方なんかが記されているのかもしれないな・・・(予想だけど。笑)

吾妻「ところで、なんかすごい硬いインタビューの記事になっちゃいそうだけど大丈夫?!」

山脇「いや、私も実は思ってました。ちょっとプライベートとかも聞いておいて良いですか?」

吾妻「いいよー^^じゃあ、真面目な質問も終わったし、千文美ちゃんもそろそろビール頼もうか♪」
(やっとビールにありつけた・・・。幸せだ!!!笑)

吾妻「まず休みの日は、にゃんこに起こされて1日が始まりまーす。」

山脇「趣味とかありますか?」

吾妻「昔はスポーツしたり、ドライブしたり、アウトドア派だったんだけどー、最近はご飯作るのとかが一番楽しいかな!」

山脇「得意料理は何ですか?」

吾妻「評判が良いのはクリームシチューとチキン南蛮とビビン麺。調味料も作ったりするよ!」

松岡「あ!料理上手なひとは麻雀上手ってこないだ聞きました!!」

吾妻「友達とのウィンドーショッピングも好きだけど、服は必ず1人で買いに行くよ!2人は?誰かと一緒にお買い物に行ったりする?」

松岡「こないだー、ちゃんちーぬと2人でマルキュー行ったんですけど、はぐれてー、もういっかってなってメールで『もう解散ねー。』ってやってそのままバイバイしました。笑」

吾妻「えー、すごい!!何それ!!え?仲悪いの?!笑」

山脇「いや、多分私が自分勝手なんです。」

松岡「なんか現地解散してもこの子なら怒らなさそうだからいっかー、ってなったー。笑」

吾妻「それと同じ事態になったことないから全然よくわかんないけど、そんな風になったら、この人はそう言う人だって対応するしかないよね。笑」

山脇・松岡「対応!!!!wwwwwwwwwwww」

吾妻「最強の対応型目指してるから!笑」

この時点で、合間合間にちーぼーの「あ、ビール2つ下さーい!」が×3回ぐらい録音されていた私のボイスレコーダー。
この後も、趣味トークや恋愛トーク、麻雀トークが続くのですが・・・

吾妻プロの「ねえ!そろそろこれ消さない!?」の一言でボイスレコーダーの電源をプッツンしたので・・・
あとのことはご想像にお任せします。笑

ちーぼー、インタビュー付き合ってくれてありがとう^^
頑張って一緒にAリーグ上がろうね!!
吾妻プロにも、「はやく、おいでおいで!」って言ってもらえました!

研究・反省を重ね、女流桜花2連覇を成し遂げても尚進化し続ける吾妻プロに、追いつける日はやってくるのだろうか・・・。

吾妻「道場での放銃も、プロクイーンでの反省も、特別昇級リーグで一半荘で120ポイントを叩いた経験も・・・。意味のない麻雀は1つもなかった。1年間のすべての対局が、女流桜花の優勝に繋がっていた。最終半荘の12回戦は無心で戦った。最後まで諦めずに、丁寧に、親番を大切に・・・本当にドラマチックだよね、麻雀って。」

100

プロ雀士インタビュー/第120回:プロ雀士インタビュー 吾妻 さおり インタビュアー:山脇 千文美

2015年1月31日第9期女流桜花決勝最終日。
私は連盟スタジオに12時半入りし、アタリメを食べていた。
黒木さんやケネ徳さんに、緊張感がなさすぎると笑われながら、決勝戦の始まるときを待った。
あたかも自分が選手であるかのように書いてみたが、勿論私は出場選手ではなく・・・サブコントロール室での採譜係。
女流桜花の最終日は生で対局が見たい!と、自ら志願した。
結果は見事な逆転で吾妻さおりプロの優勝。
女流桜花2連覇が決まり、吾妻プロ格好良かったなぁー、皆素敵だったなぁー、私もいつかあの決勝の舞台に立ちたいなぁー、と心躍らせ、モチベーションあげあげ状態で帰宅。
翌日。連盟ホームページの運営から一通のメールが届いた。
「女流桜花を優勝されました、吾妻プロのインタビューを山脇プロにお願いしたいのですがいかがでしょうか?」
え?私?
不思議な気持ちのままインタビュアーのお仕事を引き受け、吾妻プロと日程を調整し、会える日が決定。
その日はお昼にちーぼーこと松岡千晶プロと会う約束をしていたので、ちーぼーも連れて行くことに!
『女流桜花優勝インタビュー』という名の、
桜花様とちーちゃんずのコラボレーションが実現したのです!!^^

100

◎吾妻プロ・プチ情報
・お酒がまったく飲めない
・海鮮料理が苦手
と、言うわけで・・・
都内某中華料理店にて。
松岡「何飲みますか?」
吾妻「お酒飲めないのでピンクグレープフルーツジュースでお願いします。あ、氷抜きで!2人は確かお酒大好きなんだよね?飲んでも良いよ^^」
山脇「ちーぼーは?ビール?」
松岡「うん、ビール。」
山脇「私は酔っぱらうと困るから・・・」
吾妻「酔っぱらうの?じゃあ2杯までね!^^」
山脇「と・・とりあえずウーロンハイにします。笑」
(インタビューしっかりやり終えたら、ビール飲もう!!)
山脇・松岡「改めまして!女流桜花2連覇おめでとうございまーす!!」(かんぱーい!)
山脇「インタビュー初めてで何聞けば良いかあんまり分からないんです・・・。とりあえず1回戦から12回戦までの吾妻プロの手牌の最終形と点棒の移動状況とか全部メモしてきました!!」
(持ち前の真面目さをとりあえずアピール笑)
吾妻「山脇プロの目線で聞きたいこと自由に聞いてくれれば、足りないところは補足するから大丈夫だよ。」
(うぅ・・・優しい・・・涙)
山脇「それでは・・・昨年は挑戦者として、今年は現女流桜花として決勝に臨んだわけですが、気持ちの面などで違いはありましたか?」
吾妻「うん、全く違うね。」(即答)
吾妻「昨年は、大きいタイトル戦の決勝が初めてで、自分だけ優勝経験が無かった。だから、優勝する可能性を少しでも上げることを考えてシュミレーションをしたの。それが、4人の中で、先攻をとること。Aルールだから、打点も作って。和久津さんが、3人の中で一番攻撃に比重を置いた麻雀で来るだろうと分析して、彼女よりさらに攻める。そう決めて行ったの。」
山脇「今年はどうだったんですか?」
吾妻「今年も全く同じメンバーが勝ち上がりだったから、絶対にもう1回勝たないと。これは第8期女流桜花の優勝に本当の価値があるのかを証明する戦いなんだって思ったの。そして、もう1年リーグ戦をやっても、またこの3人がくるんだ。本当に力のあるメンバーなんだって嬉しい気持ちと同時に、昨年一番細かく研究した相手だったから、対策にすぐに入ることが出来たよ。とはいえ分析の結果、自分が優勝出来る勝算は2割程度だと思ったから、当日までに足りないものを補ってどれだけ勝算を上げられるかの戦いだったね。そして初日最初の2半荘は、3人の麻雀がどう変わっているかを確認するためにも全部しっかり対応すると決めたの。例え丁寧に慎重に入った事で自分がマイナスになってしまったとしてもね。」
シュミレーションとか、対策とか。
なんだか・・・とっても・・・すごい!!!!!!!!
上に行くには、私たちが今考えていることの何10倍も何100倍も、色んなことを考えなくちゃいけないんだ・・・。
さあ、ここで、こちらのコーナーに移ります!

100

女流桜花Cリーグを抜け出し、来期からBリーグデビューをするちーちゃんず。
しかし、桜花の仕組みも、Bリーグの人数も、何も知らなかったのです!!ひぇー!!!
吾妻「仕組みはちゃんと覚えておいた方が良いよ!女流桜花はねー・・・・」
ちーちゃんず、吾妻プロからの説明を受け、女流桜花の仕組みを学ぶ。
吾妻「もう昇級が決まって結構経つのに、Bリーグの全人数も昇級人数もボーダーも知らないのー?はい、今調べて調べて!」
ちーちゃんず、ちーぼーの携帯検索で、Bリーグの人数とボーダーを調べる。
吾妻「昇級ラインのボーダーと今までの自分が叩けたポイントを比較して、今から何を補足しなきゃいけないか考えるんだよ。」
吾妻プロは、対戦した相手の名前などは必ずメモを取っていて、牌姿も端から端まで、しっかり覚えている。
情報量や研究量の圧倒的な差に、驚愕しっぱなしだった。
女流桜花への道のりは、遠く険しいね。ね、ちーぼー・・・。
(巻き添えにしてごめん。笑)
ミニコーナー終わり!
 
インタビューに戻ります。
山脇「決勝期間はどんなことを考えていたんですか?」
吾妻「昨年は常に牌姿とか場況を想像して頭の中をぐるぐるしていたよ。それも今思い返すと苦しい場面ばかり。リーチを受けて安全牌が無いとか、何を切れば良いのか迷っちゃう場面とか。でも今年は準備の質が良かったから、自分の目指している麻雀を打てれば良いって言う前向きな気持ちで卓に向かえたよ。」
山脇「優勝者予想とかって見たりしますか?今回は魚谷さんと和久津さんに票が偏ってましたが・・・」
吾妻「見るよー!予想する側の立場から見ても、タイトル戦に住む魔物というか、打ち手にかかるプレッシャーみたいのを感じ取るから、場数を踏んでいる人に多く票が集まるのは当たり前のことだよね。あんまり気にしないけど、皆の予想をはずしてやるー!とは思ったかな^^」
必死でメモを取り続けていた私。ふと顔を上げると、対面には・・・黙々とビールを飲んでいるちーぼーの姿が。笑
吾妻「ちーぼー暇だよね。ごめんね。何か聞きたいことある?」
松岡「えーっと、じゃあ、連盟の女流プロの皆さんへ。みたいなのお願いします^^」
山脇「なんか良いね!手紙風にしよう!」
吾妻「ちょっと待って、考える・・・笑」
吾妻「プロ連盟を選んでくれてありがとうございます。若くて綺麗で・・・、そんな、人生の一番大事な時期に麻雀で頑張っていくってことはとっても勇気のいることだと思います。色々な選択肢の中から麻雀を選んでくれた事がとても嬉しくて、私に出来る事なら何でも力になりたいと思います。時には普段優しい先輩プロから厳しい指導をいただいたり、つらい敗退を経験したりもするでしょう。楽しいことばかりではないかもしれないけれど、麻雀を好きって気持ちを忘れないでいてほしいです。そして、壁にぶつかった時には、一生懸命、自分がどうなりたいかとか、どうやったら勝てるのかを考えてみて下さい。これからも、麻雀で活躍したり、麻雀講師を目指す女流プロがたくさん増えて、一緒に麻雀界を盛り上げて行けたら良いなと思います^^」
何かにつまずいてしまった時は、この言葉を思い出そう。
吾妻プロが「これは秘密のノートだから見せないよー!」と言って隠した小さなノートには、きっと麻雀の戦略のほかにも、こういった自分のあり方なんかが記されているのかもしれないな・・・(予想だけど。笑)
吾妻「ところで、なんかすごい硬いインタビューの記事になっちゃいそうだけど大丈夫?!」
山脇「いや、私も実は思ってました。ちょっとプライベートとかも聞いておいて良いですか?」
吾妻「いいよー^^じゃあ、真面目な質問も終わったし、千文美ちゃんもそろそろビール頼もうか♪」
(やっとビールにありつけた・・・。幸せだ!!!笑)
吾妻「まず休みの日は、にゃんこに起こされて1日が始まりまーす。」
山脇「趣味とかありますか?」
吾妻「昔はスポーツしたり、ドライブしたり、アウトドア派だったんだけどー、最近はご飯作るのとかが一番楽しいかな!」
山脇「得意料理は何ですか?」
吾妻「評判が良いのはクリームシチューとチキン南蛮とビビン麺。調味料も作ったりするよ!」
松岡「あ!料理上手なひとは麻雀上手ってこないだ聞きました!!」
吾妻「友達とのウィンドーショッピングも好きだけど、服は必ず1人で買いに行くよ!2人は?誰かと一緒にお買い物に行ったりする?」
松岡「こないだー、ちゃんちーぬと2人でマルキュー行ったんですけど、はぐれてー、もういっかってなってメールで『もう解散ねー。』ってやってそのままバイバイしました。笑」
吾妻「えー、すごい!!何それ!!え?仲悪いの?!笑」
山脇「いや、多分私が自分勝手なんです。」
松岡「なんか現地解散してもこの子なら怒らなさそうだからいっかー、ってなったー。笑」
吾妻「それと同じ事態になったことないから全然よくわかんないけど、そんな風になったら、この人はそう言う人だって対応するしかないよね。笑」
山脇・松岡「対応!!!!wwwwwwwwwwww」
吾妻「最強の対応型目指してるから!笑」
この時点で、合間合間にちーぼーの「あ、ビール2つ下さーい!」が×3回ぐらい録音されていた私のボイスレコーダー。
この後も、趣味トークや恋愛トーク、麻雀トークが続くのですが・・・
吾妻プロの「ねえ!そろそろこれ消さない!?」の一言でボイスレコーダーの電源をプッツンしたので・・・
あとのことはご想像にお任せします。笑
ちーぼー、インタビュー付き合ってくれてありがとう^^
頑張って一緒にAリーグ上がろうね!!
吾妻プロにも、「はやく、おいでおいで!」って言ってもらえました!
研究・反省を重ね、女流桜花2連覇を成し遂げても尚進化し続ける吾妻プロに、追いつける日はやってくるのだろうか・・・。
吾妻「道場での放銃も、プロクイーンでの反省も、特別昇級リーグで一半荘で120ポイントを叩いた経験も・・・。意味のない麻雀は1つもなかった。1年間のすべての対局が、女流桜花の優勝に繋がっていた。最終半荘の12回戦は無心で戦った。最後まで諦めずに、丁寧に、親番を大切に・・・本当にドラマチックだよね、麻雀って。」

100

第31期鳳凰位決定戦観戦記二日目 前原 雄大

 

100

 

5回戦(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)

まず、いつものように黙想する勝又、首をやや斜めに構え宙を見つめる前田。
目をしっかり見開く藤崎、右手を肩にあて軽く首を振る瀬戸熊、それぞれに異なった姿で対局開始の合図を待つ。

東1局
100

 

終盤、瀬戸熊の仕掛けに合わせ、形式テンパイをとる親の勝又。
この局、注目すべきは、瀬戸熊が前田から打ち出された13巡目の六索を仕掛けなかった腰の重さだろう。
流石である。

瀬戸熊

三万三万四万八万九万二索三索四索七索八索中中中  ドラ九万

上澄みを掬うようなテンパイには意味がないと考えたのだろう。
そして1本場。

100

 

勝又の11,600対、前田の7,700の戦いは、前田に軍配が上がる。
残り枚数5枚対5枚の戦いは、今後の戦いを占うには意味のあるリーチ対決であったように思える。

「ヤミテンに構え前田さんのリーチを受け、五万との振り替えがあった分だけ、即リーチを打たない手段もあったように思います。」

勝又はそう語っていたが、やはりここは5,800を拾いに行くのではなく、リーチを打つべき局面のように思える。
鳳凰位は拾いに行くモノではなく、勝ち取る姿勢が必要だと私は思うからである。

東2局

西家・藤崎手牌

一万二万三万七索九索一筒二筒三筒南南  ポン発発発  ツモ八索  ドラ二索

北家・勝又手牌
一万一万三索四索五索六索七索北北北  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ドラ二索

やはりこの局の藤崎のアガリは、勝又にとっては、藤崎のアガリ形が見えている分だけ嫌なアガリであり、藤崎にとっては好感触のアガリである。
前局の放銃と言い、こういう時こそ勝又にとって、忍耐が求められる時間帯であることが間違いないように思う。

藤崎はこう語っている
「東1局1人ノーテンから始まり昨日の今日で不安だらけのスタート。東2局、発の2鳴きでドラなしのカンチャンの2,000点テンパイ。瀬戸熊プロと勝又プロにも仕掛けが入っているので撤退準備万全。撤退の手順を確認しながらツモりにいくとテンパイ即で自分のアガリ牌がそこに。正直『ん?』って感じでした。」

東4局4本場
100

勝又の仕掛けが2フーロ入る。

一索一索五索六索七索東白発  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き  チー五索 左向き六索 上向き七索 上向き  打発  ドラ三万

この仕掛けもトータルトップを競っている勝又には似合わないように思っていた。
また、本来の勝又はこういう仕掛けの少ない打ち手だと思っている。、
この時の藤崎の手牌の伸びが素晴らしい。

藤崎配牌
二万三万六万六万八万一索四索六索七索八筒九筒南北中  ドラ三万

この配牌が、
二万三万六万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  ドラ三万

この形まで持っていくのはやはり藤崎の構想力であり麻雀力である。
100

「ロン11,600は12,800。」
藤崎には珍しく声高の発声だった。

このアガリは藤崎が入れたテンパイではなく、勝又が入れさせたテンパイと考えるのは酷だろうか。
瀬戸熊にとっては、勝又の仕掛けに注視していただけ、エアポケットに入ったような放銃である。

藤崎の8巡目の打八索、その後の打四索をどう捉えるかが今局のキーポイントだろう。
それだけ仕掛けるということは先を読み込んでいくと難しい行為なのである。

続く次局も、藤崎は2,600は3,100オールを軽々と引きアガる。
次局も勝又が精力的に1枚目の東から仕掛ける。

二万二万六万六万七万二筒七筒七筒七筒発発  ポン東東東  打二筒  ドラ二筒

1局面における最善手を選ぶ能力は勝又は連盟の中でも間違いなくトップレベルである。
しかし、全体から1局面を捉えるならば、今局に至るまでの勝又の一連の仕掛けは微妙に映る。
これを記している今、瀬戸熊からリーチが入り、ラス牌の四筒で勝又が放銃に至った。

瀬戸熊
五万五万五万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒  ドラ二筒

勝又
二万二万六万七万八万七筒七筒七筒発発  ポン東東東  ツモ切り四筒  ドラ二筒

ここは歯を食い縛り打七万としてほしかった。
ただ勝又の立場に立って考えてみれば、東を仕掛けた以上、全て立ち向かうだけの覚悟があったということなのだろう。
「かっちゃん、早く気持ちを立て直してくれ」
私は心の中で呟いていた。

次局も、藤崎の勝又に対する仕掛けに完全に対応しきった見事なツモアガリである。

南1局
100

アガリ点としては低いのだが、この対応力は藤崎の真骨頂である。

そう願った南2局、今半荘トップをひた走る藤崎が2フーロした瞬間に勝又のツモアガリ。
このアガリは勝又にとってうれしいアガリだろう。
100

 

七万八万二索三索四索八索八索一筒二筒三筒南南南  ツモ六万  ドラ八索

価値あるアガリのように私には思えた。

南3局
軌道修正を図るべく、藤崎がリーチを打つ。

四万五万六万四索五索五索六索七索二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ東

トップ目の今の藤崎には誰も立ち向かえないことを知ってのリーチである。
アガれてもアガれなくてもどちらでもいいリーチなのである。
大事なのは瀬戸熊の親を速やかに終わらせ、次局の藤崎自身への親番につなげる為の布石のリーチなのである。

そして迎えた親番でリーチを打つ。
一発目で七索を引きアガる。

三万四万五万六万六万五索六索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ二筒

藤崎の描いたストーリー通りに全ての事が運ぶ。
このために藤崎は耐え忍んでいたのである。

前田
「東1局1本場で勝又プロとのドラドラピンフ対決を制し、今日も好調かと思ったが、そこから藤崎プロの怒涛の攻撃が始まる。しかし焦りはなく、ついに来たか・・といった感じであった。藤崎プロがダントツで迎えたオーラス2本場、瀬戸熊プロからのリーチが入る。藤崎プロがかなり押している。自分の手もタンピン三色のテンパイを果たすが、2人に危ない無筋の三筒…高目でアガれば浮きにまわるが、普段の自分ならオリを選択していたと思う。しかし形で押し出されるように三筒を切る。たまたま通ったから問題無いが、当たれば敗着になりかねない一打だと思う。危なっかしい麻雀に、こんなんじゃダメだと反省する一打でした。5回戦目で印象に残ったのはこの局でした。」

前田はこの半荘をこのように振り返っていた。

100

 

藤崎
「東3局1本場の瀬戸熊プロの親リーチ。自分は手詰まり。掴めば即放銃の九索タンキを掴まず。これも好感触でした。こうなれば次の親番は全力勝負と思っていたので、あの11,600点は大きかったです。東場の親が落ちて南場はゼロからの再出発のつもりでいたのですが、南1局の400・700のツモアガリと南2局で八筒六筒と立て続けに鳴けたおかげで、勝又プロへの放銃回避で更に好感触を得たので、南4局2本場も2シャンテンから攻撃あるのみでいけました。この半荘がもしかしたら18年のプロ活動の中で一番の内容かもしれません。」

たしかに、藤崎の言う通り、素晴らしい半荘だったように思う。
私などもタイトル戦、普段の稽古を含め、1年間のうちで、今日は良かったナと思える日、思える半荘は幾つかしかない。
それが、普段謙虚で、尚且つ、多数のタイトルを獲得している藤崎が18年のプロ活動の中でのベストと言える半荘に、この鳳凰戦という大舞台で巡り合えたことは藤崎は幸せ者と言える。

勿論、藤崎の力あってのものなのだが。
麻雀ファンの方には連盟チャンネルで、是非ご覧いただきたい。

5回戦成績
藤崎+43.0P 前田▲6.6P 瀬戸熊▲10.3P 勝又▲26.1P

5回戦終了時
前田+43.7P 勝又+23.2P 藤崎▲5.0P 瀬戸熊▲61.9P

 

6回戦(起家から、勝又、藤崎、前田、瀬戸熊)

対局開始前、藤崎の会話が滑らかになった。
「1回トップを取る人が2連勝することになっているんでしょ?今回の鳳凰戦は!」
だまって微笑んでいる瀬戸熊の表情が印象的に思った。

東2局1本場
藤崎が宣言通り今局速いテンパイから残りツモ1回を確認し、リーチを打った。

四万五万三索三索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  暗カン牌の背六索 上向き六索 上向き牌の背  ドラ三索

【リーチ、ツモ、ハイテイ、タンヤオ、ドラ2】の6,000オールを狙ったものである。
6,000オールの為ならば、リーチ棒の1本2本惜しまない、鳳凰位を勝ち取る姿勢が打たせたリーチである。

ヤミテンの時点から前田がツモ三万で手止まり、ドラトイツを持ちながらも頭を下げ続けている。
これも前田らしい我慢強さである。この瞬間に今局を捨てられる打ち手が何人いるのだろうか。
それだけ前田が局面が見えているということなのだろう。

六万三索三索四索五索七索七索東西西北白中  ツモ三万  打白  ドラ三索

東3局1本場
その前田が親番で、渾身のリーチを打つ。

四万四万三索四索五索二筒三筒四筒四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ドラ二筒

これを流局間際に引きアガる。
3,900オールは4,000オールの大きなツモアガリである。

藤崎
「初日の約100ポイントの差と5回戦目があまりに好感触だったために、結果大きなラスになる事になったとしても、この半荘は全力でトップを取りに行くつもりでいました。今決定戦で一番の勝負所と思っていました。東3局1本場。親であるトータルトップの前田プロの10巡目リーチが掛った時、自分はさほど好形ではないドラもない1シャンテン。フラットな状態ならほぼ戦わない手牌。しかし、前述した通りの気持ちだったので真っすぐ戦うつもりでした。でも前田プロの下家の瀬戸熊プロの打四索をみて、安全牌は四索の1枚しかなかったのですが、瀬戸熊プロと前田プロの勝負に水を差す結果になるのを嫌って四索を抜きました。瀬戸熊プロのまわった気配を感じた時『まずい!』と思い、自分のアガリ逃しを見て『しまった!』と思いました。せめて流局してくれという願いもむなしく、前田プロに最後のツモで3,900オール。初日のマイナスをほぼ取り返してポイント的には2日目は大きくプラス。しかしこの局の失着のせいで’勢い値’でいえばすでにマイナスに転じたと思いました。なので、今日の残りの2半荘と半分は全力で我慢して、3日目以降に勝負権を残そうと考えました。この局を境に前田プロの’勢い値’は増すばかり。手も足もでませんでしたが、我ながらよくまとめたと思っています。」

そして東3局2本場
100

勝又十八番の七対子に前田が藤崎から打ち出された三筒に見向きもせず、面前で仕上げ追いかけリーチを打つ。
前田に理があるように映ったが、アガったのは捌きに入った藤崎である。
さすが自ら忍者と名乗るだけのことはある。勝又のアガリ牌である二索をツモアガった。

仮に前田が三筒を仕掛けたら、前田の勝又への放銃で終わっていた。
仮の話をしても仕方がない。
なぜならば、こういう局面において前田が捌きにかけることが無いからである。

そしてこの半荘を締めくくったのは、藤崎の12,000点のツモアガリであった。
見事と言うしかないが、藤崎の2連勝とは叶わず、前田が3勝目をあげた。

藤崎配牌
二万三万八万九万二筒八筒東西西北北発中  ドラ六筒

藤崎最終形
二万二万二万北北中中  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン西西西  ツモ中  ドラ六筒

6回戦成績
前田+26.4P 藤崎+7.0P 瀬戸熊▲10.0P 勝又▲23.4P

6回戦終了時
前田+70.1P 藤崎+2.0P 勝又▲0.2P 瀬戸熊▲71.9P

 

7回戦(起家から、瀬戸熊、勝又、前田、藤崎)

休憩時間に、瀬戸熊がスタジオの中にある手洗いで歯を磨いている光景が印象的だった。
藤原隆弘に尋ねたところ、
「セトちゃんは窮地に追い込まれるといつも歯磨きをしているんだよ。」
たしかに。歯磨きに関わらず瀬戸熊は休憩時間を利用し、あらゆる準備をして対局に臨んでいる。
例えば対局の折り瀬戸熊は、必ず自前の運動靴を用意してくる。
この事に限らず、あらゆる工夫をして対局に臨む姿勢は、誰より群を抜いていることは間違いがない事実である。

南1局
親の瀬戸熊の1オクターブ高いリーチの発声が4巡目に入る。

一万二万三万二索三索四索五索六索一筒二筒三筒西西  ドラ四索

「ツモ、6,000オール。」
100
今回のシリーズ始まって以来の瀬戸熊の咆哮である。
ここから瀬戸熊の時間帯が始まるのかと思わせたが、次局勝又が手堅くまとめきり、藤崎より8,000点を出アガる。

勝又配牌
八万八索一筒一筒一筒四筒七筒七筒八筒西西北発  ドラ西

勝又最終形
一万三万七索八索九索七筒八筒九筒西西  暗カン牌の背一筒 上向き一筒 上向き牌の背  ロン二万  ドラ西

配牌からこの形にまとめアガリ切るのは流石は勝又である。

南2局
前田に13巡目にリーチが入り、瀬戸熊がノータイムで六筒を放銃。
この時の瀬戸熊の表情、表現しづらいのだが、固く閉ざされた口元が窄まり、目が異様に輝きを放っていた。

100
100
100
100

―――――なぜここでロン牌を掴むのだ!
私には瀬戸熊の眼光がそう叫んでいるように映った。

前田
四万五万六万八万八万二索三索四索一筒二筒三筒七筒八筒  リーチ  ドラ八万

瀬戸熊
一万一万二万二万三万三万五万六万八万八万六索八索八索  ツモ切り六筒

南4局
親の藤崎から絶好のドラの五索を暗刻にしたリーチが入る。

一索二索三索五索五索五索二筒二筒四筒四筒五筒五筒六筒  ドラ五索

そのリーチに今まで鉄壁のガードを誇っていた前田が飛び込む。
追う側にとっては、このアガリが実質順位点を入れると、32,000点、この役満分の価値あるアガリである。

前田
「藤崎プロの親番で藤崎プロからリーチが入る。安全牌が尽き手詰まりではあるのだが、結局三筒で12,000の放銃となってしまう。リーチ前の一筒手だしがあるので三筒切りはやはり甘かったように思う。この流れだと、最後は勝又プロにまくられてラスだろうなと思っていたが、最後は瀬戸熊プロのツモアガリでなんとか3着で切り抜けられた。ラスでなかったことで、まだ大丈夫!と強く思えた局でした。」

藤崎
「前田プロから12,000。いやーびっくりしました。」
短いコメントである。その短いコメントの中に前田に対する敬意の気持ちが込められているのである。

そして1本場は瀬戸熊が自力でツモアガリ、今シリーズ1勝目をあげる。
そして勝又は本日3連続ラスである。
技術力、目に見える部分が全てであるならば、勝又は間違いなく屈指の打ち手である。
その勝又にして3連続ラスを取るということは、それほど鳳凰戦と言うステージが高いということの証左である。

100

7回戦成績
瀬戸熊+31.9P 藤崎+9.0P 前田▲17.3P 勝又▲23.6P

7回戦終了時
前田+52.8P 藤崎+11.0P 勝又▲23.8P 瀬戸熊▲40.0P

 

8回戦(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)

にこやかに談笑する3人の中に、緊張感を漂わせた表情で卓に着く瀬戸熊が印象的だった。
瀬戸熊が卓に着くと皆もその緊張感が移ったかのように戦う姿勢に入っていった。
人それぞれ休憩の間に気持ちの作り方は違うということである。

東1局
藤崎、勝又の仕掛けが飛び交う中、ラス牌のドラを引きアガる前田。

五万五万六万六万七万七万六索六索七索七索八筒八筒北  ツモ北  ドラ北

前田と言う男は、休憩時間を利用し気持ちの切り替えを計るのが本当に上手いのである。
これも大切なひとつの能力なのである。
前半荘、藤崎に放銃した12,000点の傷は癒えているようだ。
もしくは、前田がそんな放銃もあることも織り込み済みだったのかもしれない。

100

藤崎
「2フーロから三筒六筒九筒ではなく北のドラタンキに受けたのですが、誰も強く来ている雰囲気ではなかったので、みんなで1枚ずつ掴んでいるようなドラを切って周りを楽にすることを嫌った結果なので、前田プロにドラタンキの2,000・4,000をツモられるという最悪の結果でしたが『しょうがないかな』という感じです。」

東3局
藤崎が仕掛ける。
本人に尋ねてみないと解らないが、藤崎の仕掛けのほとんどの時が瀬戸熊が親の時である。
瀬戸熊のスコアが纏まらない要因の1つに、藤崎による瀬戸熊の親番つぶしがあることだと思う。
藤崎ほど瀬戸熊の連荘力を味わった打ち手はこのメンバーの中にはいない。
藤崎が連覇を考えた時、瀬戸熊の親には連荘させないことが第一条件に入っていたのかも知れない。
そう考えていくと藤崎の仕掛けは得心が行く。

東4局
100

前田
一万一万一万三索四索一筒一筒三筒五筒五筒七筒東発  ツモ発 打七筒  ドラ五索

前田
「下家の瀬戸熊プロがホンイツ模様の仕掛けを入れている。捨て牌にはマンズと一索が切られており、ピンズのホンイツに見える。が、少し違和感も感じていた。リーグ戦でもたまにやることがあるが、5巡目に探りの七筒切りをしてみた。ピンズのホンイツなら急所であるであろうし、鳴かれて手が進んでも藤崎プロが親なのでツモられるのもOKという気持ちである。そして七筒を切ってみての反応、動作、目線等を確認し、ピンズのホンイツでない可能性が高いと確信する。こうなれば何も鳴かせはしない。鳴かせていれば結果はどうなっていたかわからないが、自分のアンテナと感覚が間違っていないと確信出来た1局でした。」

南2局
前田、価値のある1,000オールのツモアガリ。

五万六万七万三索四索七索七索四筒五筒六筒  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  ツモ五索  ドラ五万

そして1本場、前田3巡目にリーチを入れる。
11巡目に軽々と七索をツモアガる。

三万四万五万六万七万八万五索六索一筒一筒西西西  リーチ  ツモ七索  ドラ八万

静かに、そして確実に前田のメーターが上がっていく。
持ち点が45,300をマークしている。
現時点での2着目に位置する藤崎との差が70ポイントまで広がった。

そして南2局3本場。
11巡目に前田がリーチ。
下位のリーグを観戦していると、リードしている者が守り、失点を犯した者が攻めるおかしな光景を目にすることがあるが、逆なのである。
ベースはリードしている者は点差を広げることを意識すべきであり、失点をしたものは静かに深く潜行すべきものなのである。
今局は流局。みな何をすべきか分かっているのである。

続く4本場。
今局前田は、2枚目の白も動いていない。
仮に動いていたら、結果として2,600オールをツモっていたが、ここまでメーターを伸ばした以上、動かないのも前田流なのだろう。

三索三索三索五索七索一筒一筒五筒六筒七筒  ポン白白白  ドラ一筒  ツモ六索

100

 

打ち手が自分のカタチで打てなくなった時を前田は恐れているのだろう。
オーラスも前田が締めくくる。

六万七万八万九万九万四筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ロン六筒  ドラ九万

前田、これで価値ある4勝目をあげる。

100

 

藤崎
「2日目は4回とも浮きでトータルをプラスまで戻したのですが、とにかく’ツキ’は誰よりもあったのに自分の失着のせいで’勢い’をうしなってしまったことが何よりも悔やまれます。自分にとってはここから1週間空くという幸運を活かして前田プロに食らいついていきたいと思います。」

勝又
「5回戦、東3局
100

藤崎さんの手牌を完全に読み間違い、七対子をアガリ逃ししてしまいました。河が変則になっていることもあり、1シャンテンで南を切るべきであったと思います。この局以降、局面を打開しようと仕掛けを多用しましたが、状況が悪くなりつつあるからこそ我慢すべきだったと思います。そして6回戦以降、あきらかに状況が悪くなった後に、勝負局を作ることができなかったことが自分の力のなさであると思います。1局単位でこれというより、全体的に戦い方が悪かったと思いこのようになってしまいました。」

瀬戸熊
「7回戦でトップを取ったものの、あとが続かないのが、今回の決定戦を象徴しているようでした。特に、調子が上がってきたと錯覚して、ラス前に前田さんに放銃した六筒などは、反省しかありません。苦戦の原因は、我慢の欠如と勝負勘のズレだと思います。8回戦の親番の三索六索リーチなどを空ぶった時に、ひどい疲労を覚えた時点が、今回の決定戦を物語ってるように思います。後半戦はリミットに押し潰されないよう何処まで我慢出来るかの勝負になると思ってます。」

8回戦成績
前田+25.9P 藤崎+4.5P 勝又▲10.9P 瀬戸熊▲19.5P

8回戦終了時
前田+78.7P 藤崎+15.5P 勝又▲34.7P 瀬戸熊▲59.5P

プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記/第31期鳳凰位決定戦観戦記二日目 前原 雄大

 

100

 
5回戦(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)
まず、いつものように黙想する勝又、首をやや斜めに構え宙を見つめる前田。
目をしっかり見開く藤崎、右手を肩にあて軽く首を振る瀬戸熊、それぞれに異なった姿で対局開始の合図を待つ。
東1局
100
 
終盤、瀬戸熊の仕掛けに合わせ、形式テンパイをとる親の勝又。
この局、注目すべきは、瀬戸熊が前田から打ち出された13巡目の六索を仕掛けなかった腰の重さだろう。
流石である。
瀬戸熊
三万三万四万八万九万二索三索四索七索八索中中中  ドラ九万
上澄みを掬うようなテンパイには意味がないと考えたのだろう。
そして1本場。
100
 
勝又の11,600対、前田の7,700の戦いは、前田に軍配が上がる。
残り枚数5枚対5枚の戦いは、今後の戦いを占うには意味のあるリーチ対決であったように思える。
「ヤミテンに構え前田さんのリーチを受け、五万との振り替えがあった分だけ、即リーチを打たない手段もあったように思います。」
勝又はそう語っていたが、やはりここは5,800を拾いに行くのではなく、リーチを打つべき局面のように思える。
鳳凰位は拾いに行くモノではなく、勝ち取る姿勢が必要だと私は思うからである。
東2局
西家・藤崎手牌
一万二万三万七索九索一筒二筒三筒南南  ポン発発発  ツモ八索  ドラ二索
北家・勝又手牌
一万一万三索四索五索六索七索北北北  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ドラ二索
やはりこの局の藤崎のアガリは、勝又にとっては、藤崎のアガリ形が見えている分だけ嫌なアガリであり、藤崎にとっては好感触のアガリである。
前局の放銃と言い、こういう時こそ勝又にとって、忍耐が求められる時間帯であることが間違いないように思う。
藤崎はこう語っている
「東1局1人ノーテンから始まり昨日の今日で不安だらけのスタート。東2局、発の2鳴きでドラなしのカンチャンの2,000点テンパイ。瀬戸熊プロと勝又プロにも仕掛けが入っているので撤退準備万全。撤退の手順を確認しながらツモりにいくとテンパイ即で自分のアガリ牌がそこに。正直『ん?』って感じでした。」
東4局4本場
100
勝又の仕掛けが2フーロ入る。
一索一索五索六索七索東白発  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き  チー五索 左向き六索 上向き七索 上向き  打発  ドラ三万
この仕掛けもトータルトップを競っている勝又には似合わないように思っていた。
また、本来の勝又はこういう仕掛けの少ない打ち手だと思っている。、
この時の藤崎の手牌の伸びが素晴らしい。
藤崎配牌
二万三万六万六万八万一索四索六索七索八筒九筒南北中  ドラ三万
この配牌が、
二万三万六万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  ドラ三万
この形まで持っていくのはやはり藤崎の構想力であり麻雀力である。
100
「ロン11,600は12,800。」
藤崎には珍しく声高の発声だった。
このアガリは藤崎が入れたテンパイではなく、勝又が入れさせたテンパイと考えるのは酷だろうか。
瀬戸熊にとっては、勝又の仕掛けに注視していただけ、エアポケットに入ったような放銃である。
藤崎の8巡目の打八索、その後の打四索をどう捉えるかが今局のキーポイントだろう。
それだけ仕掛けるということは先を読み込んでいくと難しい行為なのである。
続く次局も、藤崎は2,600は3,100オールを軽々と引きアガる。
次局も勝又が精力的に1枚目の東から仕掛ける。
二万二万六万六万七万二筒七筒七筒七筒発発  ポン東東東  打二筒  ドラ二筒
1局面における最善手を選ぶ能力は勝又は連盟の中でも間違いなくトップレベルである。
しかし、全体から1局面を捉えるならば、今局に至るまでの勝又の一連の仕掛けは微妙に映る。
これを記している今、瀬戸熊からリーチが入り、ラス牌の四筒で勝又が放銃に至った。
瀬戸熊
五万五万五万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒  ドラ二筒
勝又
二万二万六万七万八万七筒七筒七筒発発  ポン東東東  ツモ切り四筒  ドラ二筒
ここは歯を食い縛り打七万としてほしかった。
ただ勝又の立場に立って考えてみれば、東を仕掛けた以上、全て立ち向かうだけの覚悟があったということなのだろう。
「かっちゃん、早く気持ちを立て直してくれ」
私は心の中で呟いていた。
次局も、藤崎の勝又に対する仕掛けに完全に対応しきった見事なツモアガリである。
南1局
100
アガリ点としては低いのだが、この対応力は藤崎の真骨頂である。
そう願った南2局、今半荘トップをひた走る藤崎が2フーロした瞬間に勝又のツモアガリ。
このアガリは勝又にとってうれしいアガリだろう。
100
 
七万八万二索三索四索八索八索一筒二筒三筒南南南  ツモ六万  ドラ八索
価値あるアガリのように私には思えた。
南3局
軌道修正を図るべく、藤崎がリーチを打つ。
四万五万六万四索五索五索六索七索二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ東
トップ目の今の藤崎には誰も立ち向かえないことを知ってのリーチである。
アガれてもアガれなくてもどちらでもいいリーチなのである。
大事なのは瀬戸熊の親を速やかに終わらせ、次局の藤崎自身への親番につなげる為の布石のリーチなのである。
そして迎えた親番でリーチを打つ。
一発目で七索を引きアガる。
三万四万五万六万六万五索六索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ二筒
藤崎の描いたストーリー通りに全ての事が運ぶ。
このために藤崎は耐え忍んでいたのである。
前田
「東1局1本場で勝又プロとのドラドラピンフ対決を制し、今日も好調かと思ったが、そこから藤崎プロの怒涛の攻撃が始まる。しかし焦りはなく、ついに来たか・・といった感じであった。藤崎プロがダントツで迎えたオーラス2本場、瀬戸熊プロからのリーチが入る。藤崎プロがかなり押している。自分の手もタンピン三色のテンパイを果たすが、2人に危ない無筋の三筒…高目でアガれば浮きにまわるが、普段の自分ならオリを選択していたと思う。しかし形で押し出されるように三筒を切る。たまたま通ったから問題無いが、当たれば敗着になりかねない一打だと思う。危なっかしい麻雀に、こんなんじゃダメだと反省する一打でした。5回戦目で印象に残ったのはこの局でした。」
前田はこの半荘をこのように振り返っていた。
100
 
藤崎
「東3局1本場の瀬戸熊プロの親リーチ。自分は手詰まり。掴めば即放銃の九索タンキを掴まず。これも好感触でした。こうなれば次の親番は全力勝負と思っていたので、あの11,600点は大きかったです。東場の親が落ちて南場はゼロからの再出発のつもりでいたのですが、南1局の400・700のツモアガリと南2局で八筒六筒と立て続けに鳴けたおかげで、勝又プロへの放銃回避で更に好感触を得たので、南4局2本場も2シャンテンから攻撃あるのみでいけました。この半荘がもしかしたら18年のプロ活動の中で一番の内容かもしれません。」
たしかに、藤崎の言う通り、素晴らしい半荘だったように思う。
私などもタイトル戦、普段の稽古を含め、1年間のうちで、今日は良かったナと思える日、思える半荘は幾つかしかない。
それが、普段謙虚で、尚且つ、多数のタイトルを獲得している藤崎が18年のプロ活動の中でのベストと言える半荘に、この鳳凰戦という大舞台で巡り合えたことは藤崎は幸せ者と言える。
勿論、藤崎の力あってのものなのだが。
麻雀ファンの方には連盟チャンネルで、是非ご覧いただきたい。
5回戦成績
藤崎+43.0P 前田▲6.6P 瀬戸熊▲10.3P 勝又▲26.1P
5回戦終了時
前田+43.7P 勝又+23.2P 藤崎▲5.0P 瀬戸熊▲61.9P
 
6回戦(起家から、勝又、藤崎、前田、瀬戸熊)
対局開始前、藤崎の会話が滑らかになった。
「1回トップを取る人が2連勝することになっているんでしょ?今回の鳳凰戦は!」
だまって微笑んでいる瀬戸熊の表情が印象的に思った。
東2局1本場
藤崎が宣言通り今局速いテンパイから残りツモ1回を確認し、リーチを打った。
四万五万三索三索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  暗カン牌の背六索 上向き六索 上向き牌の背  ドラ三索
【リーチ、ツモ、ハイテイ、タンヤオ、ドラ2】の6,000オールを狙ったものである。
6,000オールの為ならば、リーチ棒の1本2本惜しまない、鳳凰位を勝ち取る姿勢が打たせたリーチである。
ヤミテンの時点から前田がツモ三万で手止まり、ドラトイツを持ちながらも頭を下げ続けている。
これも前田らしい我慢強さである。この瞬間に今局を捨てられる打ち手が何人いるのだろうか。
それだけ前田が局面が見えているということなのだろう。
六万三索三索四索五索七索七索東西西北白中  ツモ三万  打白  ドラ三索
東3局1本場
その前田が親番で、渾身のリーチを打つ。
四万四万三索四索五索二筒三筒四筒四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ドラ二筒
これを流局間際に引きアガる。
3,900オールは4,000オールの大きなツモアガリである。
藤崎
「初日の約100ポイントの差と5回戦目があまりに好感触だったために、結果大きなラスになる事になったとしても、この半荘は全力でトップを取りに行くつもりでいました。今決定戦で一番の勝負所と思っていました。東3局1本場。親であるトータルトップの前田プロの10巡目リーチが掛った時、自分はさほど好形ではないドラもない1シャンテン。フラットな状態ならほぼ戦わない手牌。しかし、前述した通りの気持ちだったので真っすぐ戦うつもりでした。でも前田プロの下家の瀬戸熊プロの打四索をみて、安全牌は四索の1枚しかなかったのですが、瀬戸熊プロと前田プロの勝負に水を差す結果になるのを嫌って四索を抜きました。瀬戸熊プロのまわった気配を感じた時『まずい!』と思い、自分のアガリ逃しを見て『しまった!』と思いました。せめて流局してくれという願いもむなしく、前田プロに最後のツモで3,900オール。初日のマイナスをほぼ取り返してポイント的には2日目は大きくプラス。しかしこの局の失着のせいで’勢い値’でいえばすでにマイナスに転じたと思いました。なので、今日の残りの2半荘と半分は全力で我慢して、3日目以降に勝負権を残そうと考えました。この局を境に前田プロの’勢い値’は増すばかり。手も足もでませんでしたが、我ながらよくまとめたと思っています。」
そして東3局2本場
100
勝又十八番の七対子に前田が藤崎から打ち出された三筒に見向きもせず、面前で仕上げ追いかけリーチを打つ。
前田に理があるように映ったが、アガったのは捌きに入った藤崎である。
さすが自ら忍者と名乗るだけのことはある。勝又のアガリ牌である二索をツモアガった。
仮に前田が三筒を仕掛けたら、前田の勝又への放銃で終わっていた。
仮の話をしても仕方がない。
なぜならば、こういう局面において前田が捌きにかけることが無いからである。
そしてこの半荘を締めくくったのは、藤崎の12,000点のツモアガリであった。
見事と言うしかないが、藤崎の2連勝とは叶わず、前田が3勝目をあげた。
藤崎配牌
二万三万八万九万二筒八筒東西西北北発中  ドラ六筒
藤崎最終形
二万二万二万北北中中  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン西西西  ツモ中  ドラ六筒
6回戦成績
前田+26.4P 藤崎+7.0P 瀬戸熊▲10.0P 勝又▲23.4P
6回戦終了時
前田+70.1P 藤崎+2.0P 勝又▲0.2P 瀬戸熊▲71.9P
 
7回戦(起家から、瀬戸熊、勝又、前田、藤崎)
休憩時間に、瀬戸熊がスタジオの中にある手洗いで歯を磨いている光景が印象的だった。
藤原隆弘に尋ねたところ、
「セトちゃんは窮地に追い込まれるといつも歯磨きをしているんだよ。」
たしかに。歯磨きに関わらず瀬戸熊は休憩時間を利用し、あらゆる準備をして対局に臨んでいる。
例えば対局の折り瀬戸熊は、必ず自前の運動靴を用意してくる。
この事に限らず、あらゆる工夫をして対局に臨む姿勢は、誰より群を抜いていることは間違いがない事実である。
南1局
親の瀬戸熊の1オクターブ高いリーチの発声が4巡目に入る。
一万二万三万二索三索四索五索六索一筒二筒三筒西西  ドラ四索
「ツモ、6,000オール。」
100
今回のシリーズ始まって以来の瀬戸熊の咆哮である。
ここから瀬戸熊の時間帯が始まるのかと思わせたが、次局勝又が手堅くまとめきり、藤崎より8,000点を出アガる。
勝又配牌
八万八索一筒一筒一筒四筒七筒七筒八筒西西北発  ドラ西
勝又最終形
一万三万七索八索九索七筒八筒九筒西西  暗カン牌の背一筒 上向き一筒 上向き牌の背  ロン二万  ドラ西
配牌からこの形にまとめアガリ切るのは流石は勝又である。
南2局
前田に13巡目にリーチが入り、瀬戸熊がノータイムで六筒を放銃。
この時の瀬戸熊の表情、表現しづらいのだが、固く閉ざされた口元が窄まり、目が異様に輝きを放っていた。

100
100
100
100

―――――なぜここでロン牌を掴むのだ!
私には瀬戸熊の眼光がそう叫んでいるように映った。
前田
四万五万六万八万八万二索三索四索一筒二筒三筒七筒八筒  リーチ  ドラ八万
瀬戸熊
一万一万二万二万三万三万五万六万八万八万六索八索八索  ツモ切り六筒
南4局
親の藤崎から絶好のドラの五索を暗刻にしたリーチが入る。
一索二索三索五索五索五索二筒二筒四筒四筒五筒五筒六筒  ドラ五索
そのリーチに今まで鉄壁のガードを誇っていた前田が飛び込む。
追う側にとっては、このアガリが実質順位点を入れると、32,000点、この役満分の価値あるアガリである。
前田
「藤崎プロの親番で藤崎プロからリーチが入る。安全牌が尽き手詰まりではあるのだが、結局三筒で12,000の放銃となってしまう。リーチ前の一筒手だしがあるので三筒切りはやはり甘かったように思う。この流れだと、最後は勝又プロにまくられてラスだろうなと思っていたが、最後は瀬戸熊プロのツモアガリでなんとか3着で切り抜けられた。ラスでなかったことで、まだ大丈夫!と強く思えた局でした。」
藤崎
「前田プロから12,000。いやーびっくりしました。」
短いコメントである。その短いコメントの中に前田に対する敬意の気持ちが込められているのである。
そして1本場は瀬戸熊が自力でツモアガリ、今シリーズ1勝目をあげる。
そして勝又は本日3連続ラスである。
技術力、目に見える部分が全てであるならば、勝又は間違いなく屈指の打ち手である。
その勝又にして3連続ラスを取るということは、それほど鳳凰戦と言うステージが高いということの証左である。
100
7回戦成績
瀬戸熊+31.9P 藤崎+9.0P 前田▲17.3P 勝又▲23.6P
7回戦終了時
前田+52.8P 藤崎+11.0P 勝又▲23.8P 瀬戸熊▲40.0P
 
8回戦(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)
にこやかに談笑する3人の中に、緊張感を漂わせた表情で卓に着く瀬戸熊が印象的だった。
瀬戸熊が卓に着くと皆もその緊張感が移ったかのように戦う姿勢に入っていった。
人それぞれ休憩の間に気持ちの作り方は違うということである。
東1局
藤崎、勝又の仕掛けが飛び交う中、ラス牌のドラを引きアガる前田。
五万五万六万六万七万七万六索六索七索七索八筒八筒北  ツモ北  ドラ北
前田と言う男は、休憩時間を利用し気持ちの切り替えを計るのが本当に上手いのである。
これも大切なひとつの能力なのである。
前半荘、藤崎に放銃した12,000点の傷は癒えているようだ。
もしくは、前田がそんな放銃もあることも織り込み済みだったのかもしれない。
100
藤崎
「2フーロから三筒六筒九筒ではなく北のドラタンキに受けたのですが、誰も強く来ている雰囲気ではなかったので、みんなで1枚ずつ掴んでいるようなドラを切って周りを楽にすることを嫌った結果なので、前田プロにドラタンキの2,000・4,000をツモられるという最悪の結果でしたが『しょうがないかな』という感じです。」
東3局
藤崎が仕掛ける。
本人に尋ねてみないと解らないが、藤崎の仕掛けのほとんどの時が瀬戸熊が親の時である。
瀬戸熊のスコアが纏まらない要因の1つに、藤崎による瀬戸熊の親番つぶしがあることだと思う。
藤崎ほど瀬戸熊の連荘力を味わった打ち手はこのメンバーの中にはいない。
藤崎が連覇を考えた時、瀬戸熊の親には連荘させないことが第一条件に入っていたのかも知れない。
そう考えていくと藤崎の仕掛けは得心が行く。
東4局
100
前田
一万一万一万三索四索一筒一筒三筒五筒五筒七筒東発  ツモ発 打七筒  ドラ五索
前田
「下家の瀬戸熊プロがホンイツ模様の仕掛けを入れている。捨て牌にはマンズと一索が切られており、ピンズのホンイツに見える。が、少し違和感も感じていた。リーグ戦でもたまにやることがあるが、5巡目に探りの七筒切りをしてみた。ピンズのホンイツなら急所であるであろうし、鳴かれて手が進んでも藤崎プロが親なのでツモられるのもOKという気持ちである。そして七筒を切ってみての反応、動作、目線等を確認し、ピンズのホンイツでない可能性が高いと確信する。こうなれば何も鳴かせはしない。鳴かせていれば結果はどうなっていたかわからないが、自分のアンテナと感覚が間違っていないと確信出来た1局でした。」
南2局
前田、価値のある1,000オールのツモアガリ。
五万六万七万三索四索七索七索四筒五筒六筒  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  ツモ五索  ドラ五万
そして1本場、前田3巡目にリーチを入れる。
11巡目に軽々と七索をツモアガる。
三万四万五万六万七万八万五索六索一筒一筒西西西  リーチ  ツモ七索  ドラ八万
静かに、そして確実に前田のメーターが上がっていく。
持ち点が45,300をマークしている。
現時点での2着目に位置する藤崎との差が70ポイントまで広がった。
そして南2局3本場。
11巡目に前田がリーチ。
下位のリーグを観戦していると、リードしている者が守り、失点を犯した者が攻めるおかしな光景を目にすることがあるが、逆なのである。
ベースはリードしている者は点差を広げることを意識すべきであり、失点をしたものは静かに深く潜行すべきものなのである。
今局は流局。みな何をすべきか分かっているのである。
続く4本場。
今局前田は、2枚目の白も動いていない。
仮に動いていたら、結果として2,600オールをツモっていたが、ここまでメーターを伸ばした以上、動かないのも前田流なのだろう。
三索三索三索五索七索一筒一筒五筒六筒七筒  ポン白白白  ドラ一筒  ツモ六索
100
 
打ち手が自分のカタチで打てなくなった時を前田は恐れているのだろう。
オーラスも前田が締めくくる。
六万七万八万九万九万四筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ロン六筒  ドラ九万
前田、これで価値ある4勝目をあげる。
100
 
藤崎
「2日目は4回とも浮きでトータルをプラスまで戻したのですが、とにかく’ツキ’は誰よりもあったのに自分の失着のせいで’勢い’をうしなってしまったことが何よりも悔やまれます。自分にとってはここから1週間空くという幸運を活かして前田プロに食らいついていきたいと思います。」
勝又
「5回戦、東3局
100
藤崎さんの手牌を完全に読み間違い、七対子をアガリ逃ししてしまいました。河が変則になっていることもあり、1シャンテンで南を切るべきであったと思います。この局以降、局面を打開しようと仕掛けを多用しましたが、状況が悪くなりつつあるからこそ我慢すべきだったと思います。そして6回戦以降、あきらかに状況が悪くなった後に、勝負局を作ることができなかったことが自分の力のなさであると思います。1局単位でこれというより、全体的に戦い方が悪かったと思いこのようになってしまいました。」
瀬戸熊
「7回戦でトップを取ったものの、あとが続かないのが、今回の決定戦を象徴しているようでした。特に、調子が上がってきたと錯覚して、ラス前に前田さんに放銃した六筒などは、反省しかありません。苦戦の原因は、我慢の欠如と勝負勘のズレだと思います。8回戦の親番の三索六索リーチなどを空ぶった時に、ひどい疲労を覚えた時点が、今回の決定戦を物語ってるように思います。後半戦はリミットに押し潰されないよう何処まで我慢出来るかの勝負になると思ってます。」
8回戦成績
前田+25.9P 藤崎+4.5P 勝又▲10.9P 瀬戸熊▲19.5P
8回戦終了時
前田+78.7P 藤崎+15.5P 勝又▲34.7P 瀬戸熊▲59.5P

第27期チャンピオンズリーグ 決勝観戦記 柴田 弘幸

今回で27期目となるチャンピオンズリーグ。
リーグの境を越えて、上位&下位リーグ者が戦うタイトルである。

前期より映像配信での対局となったため、若手プロ達は多くのベテラン勢に打ち勝ち、自分の実力をアピールするには絶好の場である。
そして優勝者には、年度末に行われるタイトル戦、麻雀グランプリMAXの出場権も与えられる。

今回観戦記を努めるのは、チャンピオンズリーグ決勝経験は2回あるが、優勝経験は未だにない柴田弘幸が担当させて頂きます。

メンバーは以下の4名
100
客野直(きゃくのなおき)
B型
23期生
四段
B2リーグ所属
「初のタイトル戦決勝ですが普段どうり打てるように頑張ります!」

 

100
ケネス徳田(ケネスとくだ)
B型
29期生
初段
D1リーグ所属
「先のグランプリMAX優勝までの通過点として挑みます!」

 

100
安達紘文(あだちひろふみ)
AB型
27期生
2段
D2リーグ所属
「獲らなきゃ意味が無いので獲ります!」

 

100
吉野敦志(よしのあつし)
A型
26期生
2段
D3リーグ所属
「お世話になった先輩達に優勝という形で恩返しがしたいです!」

 

タイトル戦の決勝はみな初挑戦となる映像対局の経験などではケネス・吉野は経験豊富な分有利か?
今メンバーでは格上となる客野の経験が生きるか?それとも安達が意地で勝ちきるかといったところ。

100

 

1回戦
起家から、ケネス 客野 安達 吉野
開局の東1局ドラ一索

全体的に字牌が重い局となる。
13巡目に客野がテンパイ。南家ではあるが落ち着いて白狙いのヤミテン選択。

100

続いて14巡目、吉野にこのテンパイが入る。選択は色々あるがドラ一索も見越しての打七筒のリーチ。

100

客野はこのリーチ後すぐに高めの二索を掴み、西白共に1枚きれではあるが、ケアしての現物白のトイツ落とし。
これが最善の結果となり、

二万三万四万五万六万七万二索三筒四筒五筒西西西

これで再びテンパイ。

「印象付け」僕はこの言葉が好きである。
解説ではないのであえて自分ならばとして書くが、吉野の手牌であれば、打牌選択はどちらになるかわからないが、どちらにしてもヤミテンの構えであろう。

一索,四索のアガリに価値を感じなく、二索でアガるならリーチがいらないというのが一点と、この手牌をリーチをせずに例えアガれず流局して見せることで「甘い牌は咎めますよ」と、いずれ訪れる苦しいときの駆け引きで、ヤミテンの印象を与えておくことが長い戦いで有利に働くことが多いからだ。
逆に、吉野のこの手がもしドラが八筒で、倍満を引きにいくリーチならたいしたもので、相手に与える印象は大きくなる。

結果は客野の嫌なテンパイ形を見せられる。
ただ吉野が開局だからという理由で打ったリーチであるなら、この客野のテンパイを見て今後の対応をしっかり調整しなくてはと思う。

東2局1本場、親の客野へのケアか、皆がオリ気配。
客野もそれを感じとったのか、ハイテイでドラの中を打ち1人テンパイ。

一万二万三万四索五索二筒二筒四筒五筒六筒  暗カン牌の背白白牌の背  ドラ中

客野の場を見る対局観も優秀だが、子方にも問題アリと記す。

東2局2本場、客野の序盤の手牌だが、

四万四万六万一索一索二索五索七索七索三筒六筒東発中  ドラ六索

二筒の1枚切れを見たのと、七対子などを見て打三筒としている。
これはまだ進行が不安残りで、目一杯は保留しているというのが理解できるが、次ツモのドラ六索で解説の内川プロも言っていたが、広げての字牌を切り飛ばして欲しかった。
さきほどのドラ中切りの意味を考えて欲しく、客野に敗因があるとすればここと記した。
ケネスと安達の猛攻に阻まれケネスから安達に6,400は7,000。

100

南1局2本場、供託2,000。
我慢が続いた吉野。ここで今半荘勝負と見たのであろう、北家で積極的にトイトイ含みで白をポンして最高形まできてツモに力が入る。

五万五万九万九万九万四索四索四索六索六索  ポン白白白  ドラ八万

100

結果は、ケネス気合の2,000は2,200オール

一万一万三万四万五万六万八万五索六索七索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ七万

100

南1局3本場、安達の気持ち負けが見れる。

二万三万四万二索四索六索三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒白  ドラ八筒

11巡目に率先して打七筒として白を絞りつつソーズで決めようとする。
白で間を測ろうとしているのであろう。

別にこれがどうとは思わないが、3巡目に自身が切っている三を持ってきて四筒の中抜きをしている。
七筒を率先して打っている以上、意地を張ってでもこの三万をツモ切ってほしい。

南2局4本場、親の客野ひとアガリ欲しいと見てうまいヤミテン。

四万五万六万六万七万九万九万三索四索四索五索五索六索  ツモ五万  ドラ五索

2,600は3,000オールとする。

南2局5本場、親の客野に大物手が入る。

一万一万二万二万三万三万三万四万五万四索四索五索六索  ドラ三万

ヤミテンの18,000が入るも、ここはケネスが阻止。

三万四万五万一索一索三索四索五索七索八索九索六筒七筒

客野からケネスに2,000は3,500。
南4局、安達に苦しい満貫のテンパイが入るが、

三万四万四万五万五万六万七万七万南南  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ドラ七万

客野がアガリきり1人浮き。

100

1回戦成績
客野+25.8P ケネス▲3.4P 安達▲8.2P 吉野▲14.2P

 

2回戦
起家から、客野 吉野 ケネス 安達

東1局ドラ一、吉野が見事な手順で一通テンパイ。

100

しょうがないことだが、南家なので南の保険をかけた九索残しが若干傷になるが、これを安達から5,200のアガリ。

東2局、放銃した安達も、自身を奮い起こすようにポンの声を出す。
打点は劣るが、

四万五万六万六万八万五索六索七索八筒八筒  ポン西西西  ツモ七万  ドラ四万

東4局、西家・吉野のこのリーチ。

100

しかし、吉野が自身の手牌と合わせれば、最後の牌となる五筒を客野へ1,300の放銃。

100

南1局1本場、親の客野は、直前に4枚目の二筒を打たれたので迷うことなく打二筒でのカン三筒リーチ。

一万二万三万四索四索四索七索八索九索一筒一筒二筒四筒  ツモ三筒  ドラ九索

これをツモアガる。
カンチャンとシャンポンの選択に迷いがないよう、場に正解がでているので間違えようがなく、先ほどのアガリといい良い状態であるとみる。

南2局、2回戦もトップを走る客野に、筆者は逃げの意識に隙が見えた気がする。
今まで役牌を丁寧に打っていた客野が、特にまとまってもいない形からオタ風を残しての発の打ち出し。
親の吉野にチャンス手が入る

二索三索四索三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ドラ五筒

ヤミテンで狙いたかったが、巡目が間に合わずチーしてのテンパイ。
一歩間違えれば客野は放銃だったことに気付く。
このテンパイ形をみて早い段階で油断が消えそうだなと思った。

南3局、ケネス渾身のリーチ。

100

吉野はヤミテンで構える。

100

客野も勝負所とみて押し切りここを制す。

100

南4局は、客野1人テンパイで、なんとそれにより2人が沈み連続1人浮きとなる。

2回戦終了時トータル
客野+50.7P ケネス▲6.0 吉野▲16.8P 安達▲27.9P

 

3回戦
起家から、客野 ケネス 吉野 安達

東1局、連勝の客野の親を牽制する意味で、ケネスが客野の親落としで執拗に仕掛ける。

ケネス
一万二万五万五万  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン白白白  ドラ六筒

そして吉野・安達もリーチ

吉野
一万二万三万四索四索四索三筒四筒六筒六筒八筒八筒八筒  リーチ

安達
三万四万六万七万八万九万九万一索二索三索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ二万

安達の1.300・2,600のアガリとなる
客野に麻雀をさせないという3者の意識が見える1局となった。

東3局、客野も自分のペースを掴もうとこのアガリがきまる。

100

打点こそないものの場況をよくみて正解を引く。
選択を間違わせる打牌を3者ができればと思ったが?難しいところか。

3回戦は客野のプラスを減らせることに成功する。

3回戦終了時のトータル
客野+39.0P ケネス+0.4P 安達▲6.5P 吉野▲33.9P

 

4回戦
起家から、吉野 客野 ケネス 安達

東2局2本場、客野が2連続テンパイからの1,300は1,500オールで加点する。

六万七万八万七索九索三筒三筒  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン東東東  ツモ八索

東3局、客野さらに突き放しに行きリーチ。

100

親のケネスもここは直撃のチャンスとみてのタンヤオの追いかけリーチ。

100

結果は、非常に痛い六筒での放銃となってしまったが、これを責めることはできない。
正直、選手としてここに自分が座って冷静に判断できるか?直撃すればチャンス、放銃すれば遠のく、そんな計算よりも、ケネスはリーチと客野に襲いかかろうと体で打ったのであろう。

4回戦目は本日3度目の客野1人浮き。

4回戦終了時トータル
客野+73.6P ケネス▲10.1P 安達▲13.1P 吉野▲51.4P

 

5回戦
起家から、ケネス 安達 吉野 客野

5回戦は、ケネスが5万点まで点数を伸ばすが失速し、オーラスは役満をツモられても大丈夫な位置を客野が維持し終局。
1回戦から終始安定感があった客野。
また、アガれるとみるや勝負どころはしっかり押してアガリきる優勝にふさわしい麻雀であった。
おめでとうございます客野プロ!

100

JPML WRCリーグ 決勝観戦記/第27期チャンピオンズリーグ 決勝観戦記 柴田 弘幸

今回で27期目となるチャンピオンズリーグ。
リーグの境を越えて、上位&下位リーグ者が戦うタイトルである。
前期より映像配信での対局となったため、若手プロ達は多くのベテラン勢に打ち勝ち、自分の実力をアピールするには絶好の場である。
そして優勝者には、年度末に行われるタイトル戦、麻雀グランプリMAXの出場権も与えられる。
今回観戦記を努めるのは、チャンピオンズリーグ決勝経験は2回あるが、優勝経験は未だにない柴田弘幸が担当させて頂きます。
メンバーは以下の4名
100
客野直(きゃくのなおき)
B型
23期生
四段
B2リーグ所属
「初のタイトル戦決勝ですが普段どうり打てるように頑張ります!」
 
100
ケネス徳田(ケネスとくだ)
B型
29期生
初段
D1リーグ所属
「先のグランプリMAX優勝までの通過点として挑みます!」
 
100
安達紘文(あだちひろふみ)
AB型
27期生
2段
D2リーグ所属
「獲らなきゃ意味が無いので獲ります!」
 
100
吉野敦志(よしのあつし)
A型
26期生
2段
D3リーグ所属
「お世話になった先輩達に優勝という形で恩返しがしたいです!」
 
タイトル戦の決勝はみな初挑戦となる映像対局の経験などではケネス・吉野は経験豊富な分有利か?
今メンバーでは格上となる客野の経験が生きるか?それとも安達が意地で勝ちきるかといったところ。
100
 
1回戦
起家から、ケネス 客野 安達 吉野
開局の東1局ドラ一索
全体的に字牌が重い局となる。
13巡目に客野がテンパイ。南家ではあるが落ち着いて白狙いのヤミテン選択。
100
続いて14巡目、吉野にこのテンパイが入る。選択は色々あるがドラ一索も見越しての打七筒のリーチ。
100
客野はこのリーチ後すぐに高めの二索を掴み、西白共に1枚きれではあるが、ケアしての現物白のトイツ落とし。
これが最善の結果となり、
二万三万四万五万六万七万二索三筒四筒五筒西西西
これで再びテンパイ。
「印象付け」僕はこの言葉が好きである。
解説ではないのであえて自分ならばとして書くが、吉野の手牌であれば、打牌選択はどちらになるかわからないが、どちらにしてもヤミテンの構えであろう。
一索,四索のアガリに価値を感じなく、二索でアガるならリーチがいらないというのが一点と、この手牌をリーチをせずに例えアガれず流局して見せることで「甘い牌は咎めますよ」と、いずれ訪れる苦しいときの駆け引きで、ヤミテンの印象を与えておくことが長い戦いで有利に働くことが多いからだ。
逆に、吉野のこの手がもしドラが八筒で、倍満を引きにいくリーチならたいしたもので、相手に与える印象は大きくなる。
結果は客野の嫌なテンパイ形を見せられる。
ただ吉野が開局だからという理由で打ったリーチであるなら、この客野のテンパイを見て今後の対応をしっかり調整しなくてはと思う。
東2局1本場、親の客野へのケアか、皆がオリ気配。
客野もそれを感じとったのか、ハイテイでドラの中を打ち1人テンパイ。
一万二万三万四索五索二筒二筒四筒五筒六筒  暗カン牌の背白白牌の背  ドラ中
客野の場を見る対局観も優秀だが、子方にも問題アリと記す。
東2局2本場、客野の序盤の手牌だが、
四万四万六万一索一索二索五索七索七索三筒六筒東発中  ドラ六索
二筒の1枚切れを見たのと、七対子などを見て打三筒としている。
これはまだ進行が不安残りで、目一杯は保留しているというのが理解できるが、次ツモのドラ六索で解説の内川プロも言っていたが、広げての字牌を切り飛ばして欲しかった。
さきほどのドラ中切りの意味を考えて欲しく、客野に敗因があるとすればここと記した。
ケネスと安達の猛攻に阻まれケネスから安達に6,400は7,000。
100
南1局2本場、供託2,000。
我慢が続いた吉野。ここで今半荘勝負と見たのであろう、北家で積極的にトイトイ含みで白をポンして最高形まできてツモに力が入る。
五万五万九万九万九万四索四索四索六索六索  ポン白白白  ドラ八万
100
結果は、ケネス気合の2,000は2,200オール
一万一万三万四万五万六万八万五索六索七索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ七万
100
南1局3本場、安達の気持ち負けが見れる。
二万三万四万二索四索六索三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒白  ドラ八筒
11巡目に率先して打七筒として白を絞りつつソーズで決めようとする。
白で間を測ろうとしているのであろう。
別にこれがどうとは思わないが、3巡目に自身が切っている三を持ってきて四筒の中抜きをしている。
七筒を率先して打っている以上、意地を張ってでもこの三万をツモ切ってほしい。
南2局4本場、親の客野ひとアガリ欲しいと見てうまいヤミテン。
四万五万六万六万七万九万九万三索四索四索五索五索六索  ツモ五万  ドラ五索
2,600は3,000オールとする。
南2局5本場、親の客野に大物手が入る。
一万一万二万二万三万三万三万四万五万四索四索五索六索  ドラ三万
ヤミテンの18,000が入るも、ここはケネスが阻止。
三万四万五万一索一索三索四索五索七索八索九索六筒七筒
客野からケネスに2,000は3,500。
南4局、安達に苦しい満貫のテンパイが入るが、
三万四万四万五万五万六万七万七万南南  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ドラ七万
客野がアガリきり1人浮き。
100
1回戦成績
客野+25.8P ケネス▲3.4P 安達▲8.2P 吉野▲14.2P
 
2回戦
起家から、客野 吉野 ケネス 安達
東1局ドラ一、吉野が見事な手順で一通テンパイ。
100
しょうがないことだが、南家なので南の保険をかけた九索残しが若干傷になるが、これを安達から5,200のアガリ。
東2局、放銃した安達も、自身を奮い起こすようにポンの声を出す。
打点は劣るが、
四万五万六万六万八万五索六索七索八筒八筒  ポン西西西  ツモ七万  ドラ四万
東4局、西家・吉野のこのリーチ。
100
しかし、吉野が自身の手牌と合わせれば、最後の牌となる五筒を客野へ1,300の放銃。
100
南1局1本場、親の客野は、直前に4枚目の二筒を打たれたので迷うことなく打二筒でのカン三筒リーチ。
一万二万三万四索四索四索七索八索九索一筒一筒二筒四筒  ツモ三筒  ドラ九索
これをツモアガる。
カンチャンとシャンポンの選択に迷いがないよう、場に正解がでているので間違えようがなく、先ほどのアガリといい良い状態であるとみる。
南2局、2回戦もトップを走る客野に、筆者は逃げの意識に隙が見えた気がする。
今まで役牌を丁寧に打っていた客野が、特にまとまってもいない形からオタ風を残しての発の打ち出し。
親の吉野にチャンス手が入る
二索三索四索三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ドラ五筒
ヤミテンで狙いたかったが、巡目が間に合わずチーしてのテンパイ。
一歩間違えれば客野は放銃だったことに気付く。
このテンパイ形をみて早い段階で油断が消えそうだなと思った。
南3局、ケネス渾身のリーチ。
100
吉野はヤミテンで構える。
100
客野も勝負所とみて押し切りここを制す。
100
南4局は、客野1人テンパイで、なんとそれにより2人が沈み連続1人浮きとなる。
2回戦終了時トータル
客野+50.7P ケネス▲6.0 吉野▲16.8P 安達▲27.9P
 
3回戦
起家から、客野 ケネス 吉野 安達
東1局、連勝の客野の親を牽制する意味で、ケネスが客野の親落としで執拗に仕掛ける。
ケネス
一万二万五万五万  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン白白白  ドラ六筒
そして吉野・安達もリーチ
吉野
一万二万三万四索四索四索三筒四筒六筒六筒八筒八筒八筒  リーチ
安達
三万四万六万七万八万九万九万一索二索三索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ二万
安達の1.300・2,600のアガリとなる
客野に麻雀をさせないという3者の意識が見える1局となった。
東3局、客野も自分のペースを掴もうとこのアガリがきまる。
100
打点こそないものの場況をよくみて正解を引く。
選択を間違わせる打牌を3者ができればと思ったが?難しいところか。
3回戦は客野のプラスを減らせることに成功する。
3回戦終了時のトータル
客野+39.0P ケネス+0.4P 安達▲6.5P 吉野▲33.9P
 
4回戦
起家から、吉野 客野 ケネス 安達
東2局2本場、客野が2連続テンパイからの1,300は1,500オールで加点する。
六万七万八万七索九索三筒三筒  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン東東東  ツモ八索
東3局、客野さらに突き放しに行きリーチ。
100
親のケネスもここは直撃のチャンスとみてのタンヤオの追いかけリーチ。
100
結果は、非常に痛い六筒での放銃となってしまったが、これを責めることはできない。
正直、選手としてここに自分が座って冷静に判断できるか?直撃すればチャンス、放銃すれば遠のく、そんな計算よりも、ケネスはリーチと客野に襲いかかろうと体で打ったのであろう。
4回戦目は本日3度目の客野1人浮き。
4回戦終了時トータル
客野+73.6P ケネス▲10.1P 安達▲13.1P 吉野▲51.4P
 
5回戦
起家から、ケネス 安達 吉野 客野
5回戦は、ケネスが5万点まで点数を伸ばすが失速し、オーラスは役満をツモられても大丈夫な位置を客野が維持し終局。
1回戦から終始安定感があった客野。
また、アガれるとみるや勝負どころはしっかり押してアガリきる優勝にふさわしい麻雀であった。
おめでとうございます客野プロ!
100

第9期女流桜花決定戦 最終日観戦記 櫻井秀樹

2日目終了時成績

安田麻里菜 +79.8P
吾妻さおり +21.0P
和久津晶  ▲23.0P
魚谷侑未  ▲77.8P

5回戦から8回戦までを5連勝でトータルトップを独走する安田。
解説の藤崎鳳凰位も言っていたが、タイトル戦の決勝で5連勝は聞いた事がない。
これが新しい安田の麻雀なのか?

しかし、追う3人も簡単には逃がしてくれないだろう。最終局が近づくごとにプレッシャーが増して行くのか?
それとも最終局を待たずして勝負を決めてしまうのか?

4人にとって最終戦の初戦は大きな意味を持つ。

100

 

9回戦 (起家から、和久津・安田・魚谷・吾妻)
東1局 オヤの安田は2局連続でテンパイを入れるも、和久津がうまく立ち回りアガリを阻止。

3者からすれば安田の加点だけはなるべく阻止したい。
しかし最終日も安田のバランスは変わらず、受ける局はしっかり受け、先手を取れば間違わず加点する。
余程の事がなければここから点棒を引き出すのは困難か。
ところが3人の執念が通じたか、東4局に事件を起こす。

東4局 東家・吾妻

一万二万三万九万九万九万一索二索三索一筒二筒北北  ロン三筒  ドラ北

放銃は安田、三筒は絶テンとはいえ、すでに16巡目。
自分もシャンテンだが、下家の魚谷の仕掛けに受けてフリテン含みの愚形。
ここは七万を中抜きでもよかったか。

しかし状況はオーラスでさらに激変する。

オーラス1本場 東家・吾妻 10巡目

四万五万六万七万八万五索五索五索一筒一筒六筒七筒八筒  ドラ七筒

45,200持ちからこのリーチ。しかし三万はフリテン宣言牌は七索とかなり微妙。
2,000オールは悪くは無いが、九万は3枚切れという事も加味すると少し危険な気がするが。

結果は、安田のドラ単騎七対子リーチに放銃。原点復帰させてしまうという3者にとって最悪の結果に。

100

9回戦成績
魚谷侑未+19.1P 吾妻さおり+8.9P 安田麻里菜+2.8P 和久津晶▲30.8P

9回戦終了時
安田麻里奈+82.6P 吾妻さおり+29.9P 和久津晶▲53.8P 魚谷侑未▲58.7P

 

10回戦 (起家から、和久津・吾妻・魚谷・安田)
和久津、魚谷としてはもう3連勝が条件。1局たりとも落とせないし、特にオヤ番が重要となってくる。
逆に安田は、9回戦の道中で縮まった点差を思い出せば、やはり残り2回となった時点で80ポイントは差をつけておきたい。
ここでトップをとればほぼ当確か。

一番フラットな状況で打てるのは吾妻であろう。
だが、9回戦のオーラスがあまりに痛い。引きずっていなければよいが・・・

東場の安田は、先程のオーラスのアガリが相当気分良かったのか、もしくは勝利を確信できたのか序盤から積極的に加点、後のない和久津、魚谷も利用し、吾妻をラスを押しつけようとする。

しかし、平常心を取り戻していた吾妻は勝負手をオヤの魚谷から出アガる。
東3局 北家・吾妻

三索四索五索六索七索八索九索  ポン東東東  ポン中中中  ロン三索  ドラ一筒

魚谷もこれをツモアガればまだわからないという勝負リーチであった。

五万五万三索三索五索五索一筒一筒三筒三筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ一筒

仕掛けている吾妻に対して牽制の意味もあったかもしれないが、さすがに枚数的に分が悪すぎた。
本来ならダマテンの選択肢もある手牌だが、点数状況を考えるといたしかたないだろう。

これで吾妻は原点復帰で少しほっとでき、あとは安田の点棒をいかに削るか、であったが。
南1局1本場 北家・安田

一万二万三万七万七万八万八万九万九万一索二索七筒七筒  ロン三索  ドラ七筒

魚谷から5,200の出アガリ。これがわずか6巡目である。
痛いのは魚谷だけではなく追いかける吾妻もだろう。

10回戦は目論見通りか、再度安田がトップ。
吾妻も浮いてはいるものの、安田の押し引きの秀逸さ、安定感を見せつけられ、正直点差以上の差を感じた9、10回戦では無かっただろうか。

10回戦成績
安田麻里菜+24.2P 吾妻さおり+9.9P 魚谷侑未▲14.0P 和久津晶▲20.1P

10回戦終了時
安田麻里奈+106.8P 吾妻さおり+39.8P 魚谷侑未▲72.7P 和久津晶▲73.9P

 

11回戦 (起家から、魚谷・和久津・安田・吾妻)
2半荘を残してポイント的にはおおよそ安田、吾妻の一騎打ち。
しかし、別室で観ていた私は、吾妻には申し訳ないが優勝はほぼ安田で決まりだと思っていた。
まだまだ私自身が麻雀をわかっていない事の再認識でもあり、全く情けないのだが、それだけ安田の出来が良すぎたのだ。

2半荘で60ポイント差はありえない事ではない。が、今日安田が大きなラスを引く事は想像できなかった。

事実11回戦も何事もなく進んでいく。なんせ吾妻はテンパイを全てと言っていいくらいリーチしなければならない。
1回空振るごとに安田の優勝が近づいていく。

しかし、3人にも意地がある。
魚谷、和久津も満貫のツモアガリをみせ

東3局 西家・魚谷
100

一万二万三万三万四万五万三索四索五索八索八索七筒八筒  ツモ九筒  ドラ八索

南1局 和久津
100

二万二万二万三万四万五索六索七索八筒八筒  暗カン牌の背三筒 上向き三筒 上向き牌の背  リンシャンツモ二万  ドラ八筒

小さいながらもようやく安田にラスを押しつける事ができた。
しかし、ラスを引いたものの、安田に失着は無かったように見える。

このまま逃げ切るか?
長い最終戦が始まる。

11回戦成績
魚谷侑未+13.8P 吾妻さおり+6.6P 和久津晶▲7.7P 安田麻里菜▲12.7P

11回戦終了時
安田麻里奈+94.1P 吾妻さおり+46.4P 魚谷侑未▲58.9P 和久津晶▲81.6P

 

最終12回戦 (起家から、吾妻・魚谷・和久津・安田)
魚谷、和久津は積極的に局を潰しに来ないと考えると、キーはもちろん吾妻の2回のオヤ番。
これをどう安田が流すかというところが最終戦のポイントであろう。

規定により起家は吾妻。
早いテンパイが続けて入り、打点は無いものの流局とツモアガリで加点。
当然3者は後手を踏むと前に出てこない。

2本場、安田が仕掛けてアガりきり、桜花へ向けまずは山をひとつ越える。

二万三万七万七万六索七索八索五筒六筒七筒  ポン中中中  ロン一万  ドラ一索

そして最後の山、南1局吾妻のオヤ。ここを越えれば安田は初の女流桜花戴冠のカウントダウンだ。
吾妻36,000点持ちトップ目  安田26,300点の3着
現段階でのトータル 吾妻60.4P  安田86.4P
並びには6,000オールか12,000の直撃。

南1局 東家・吾妻

四万五万六万四索五索三筒三筒三筒五筒五筒  暗カン牌の背西西牌の背  リンシャンツモ六索  ドラ五索

3,900オール

南1局1本場

六万六万二索三索四索七索八索九索六筒六筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き

1人テンパイ

南1局2本場

二万三万四万五万七万三索三索一筒一筒二筒二筒三筒三筒  ツモ六万  ドラ一筒

3,900は4,100オール

100

これが現女流桜花の力か。
あまりにも高い最後の山を、ついに安田は登りきることができなかった。

結局5本場まで続いた吾妻のオヤ、積み上げた点棒は7万点オーバー。
まさにストロングスタイル(王道)のゲーム展開。最終半荘だけで勝負を決めてしまった。

12回戦成績
吾妻さおり+40.9P 和久津晶+22.2P 安田麻里菜▲21.5P 魚谷侑未▲41.6P

最終成績
吾妻さおり+87.3P 安田麻里奈+72.6P 和久津晶▲59.4P 魚谷侑未▲100.5P

 

【対局を終えて】
魚谷は最終日の前に、すでに優勝の可能性は厳しいものだった。
しかし応援してくれるファンがいる以上、諦める事は許されなかった。
苦しかっただろうし、長い1日だっただろう。
しかし本当に最後まで諦めず、かつ試合を壊さないように打っている姿には本物のプロとしての力を感じた。
来年こそは優勝争いの中でその力をみせてほしい。

今期の和久津はプロクイーンの激戦後という事もあり、少し前へ出る気迫というものが薄れていないか心配であった。
最終戦になってやっと和久津らしい麻雀をみせてもらい、ファンの方も少しは安心したところもあったのではないだろうか?
来年、まずはプロクイーンの連覇、そしてまた桜花にも挑んでほしい。

今回、私は最終日のみ何度も動画や牌譜を見返した。
どうしても安田の敗因が見つけられなかったからだ。
本人にもいろいろ聞いてみたが、しっくりとした答えは出ていない。
麻雀だから、と言ってしまえばそれまでなのだが、こんな悔しい負け方はなかなか無いだろう。

最終戦の役無しテンパイのヤミテンも、いつも通りの安田で、あれをヤミテンにしてきたからこそこの位置にいる。
が、それでももしかしたら、あれをリーチに行き、オーラスをヤミテンにするのが決勝戦なのかもしれない。
結果論のみ議論するのは愚かである。ただ、結果しか意味の無い世界であり、結果のみを欲するのがこの決勝戦であることもまた事実。
安田にはこの難問をクリアして、また挑戦してほしい。

最終戦の吾妻はまさに圧巻であった。
挑戦者の攻撃を受けるだけ受けて、最後に逆転勝ち。
これが王道、と思わせるスタイルで、まさに桜花の名にふさわしい美しく力強い麻雀であった。
道中かなり心揺れるような放銃もあったが、吾妻の表情は変わる事はなかった。
最後まで自身の勝利を疑わず、牌に真摯であったからであろう。
2連覇は本当に素晴らしい。来年も一層女流のトップとして活躍してもらいたい。

最後に。
初日観戦記の冒頭で、各選手の鳳凰戦リーグの成績を記しておいた。
彼女達に「もっとも欲しいタイトルは?」と尋ねると間違いなく「鳳凰位」と返ってくるだろう。
昨今女性の麻雀プロのレベルは格段にあがっている。人数比の関係もあるが、もはや必ずしも男性優位な競技ではない。
彼女達の中からいつか鳳凰位にチャレンジする選手が必ず現れるだろうと確信している。

また、今回2年連続同じ面子での決勝であったが、近年はこの4人の誰かが決勝に顔を並べているといった状況だ。
他の女流プロはこの現実をもっと真摯に受け止めてほしい。
プロとしての価値観は人それぞれと書いた。
そう思っていてもやはりプロにはプロであってもらいたいというのが本音だ。

来期は女流桜花Aリーグも全卓配信が決まっている。

誰が吾妻に挑戦するのか?
熱い戦いを期待したい。

100

女流プロリーグ(女流桜花) 決勝観戦記/第9期女流桜花決定戦 最終日観戦記 櫻井秀樹

2日目終了時成績
安田麻里菜 +79.8P
吾妻さおり +21.0P
和久津晶  ▲23.0P
魚谷侑未  ▲77.8P
5回戦から8回戦までを5連勝でトータルトップを独走する安田。
解説の藤崎鳳凰位も言っていたが、タイトル戦の決勝で5連勝は聞いた事がない。
これが新しい安田の麻雀なのか?
しかし、追う3人も簡単には逃がしてくれないだろう。最終局が近づくごとにプレッシャーが増して行くのか?
それとも最終局を待たずして勝負を決めてしまうのか?
4人にとって最終戦の初戦は大きな意味を持つ。

100

 
9回戦 (起家から、和久津・安田・魚谷・吾妻)
東1局 オヤの安田は2局連続でテンパイを入れるも、和久津がうまく立ち回りアガリを阻止。
3者からすれば安田の加点だけはなるべく阻止したい。
しかし最終日も安田のバランスは変わらず、受ける局はしっかり受け、先手を取れば間違わず加点する。
余程の事がなければここから点棒を引き出すのは困難か。
ところが3人の執念が通じたか、東4局に事件を起こす。
東4局 東家・吾妻
一万二万三万九万九万九万一索二索三索一筒二筒北北  ロン三筒  ドラ北
放銃は安田、三筒は絶テンとはいえ、すでに16巡目。
自分もシャンテンだが、下家の魚谷の仕掛けに受けてフリテン含みの愚形。
ここは七万を中抜きでもよかったか。
しかし状況はオーラスでさらに激変する。
オーラス1本場 東家・吾妻 10巡目
四万五万六万七万八万五索五索五索一筒一筒六筒七筒八筒  ドラ七筒
45,200持ちからこのリーチ。しかし三万はフリテン宣言牌は七索とかなり微妙。
2,000オールは悪くは無いが、九万は3枚切れという事も加味すると少し危険な気がするが。
結果は、安田のドラ単騎七対子リーチに放銃。原点復帰させてしまうという3者にとって最悪の結果に。
100
9回戦成績
魚谷侑未+19.1P 吾妻さおり+8.9P 安田麻里菜+2.8P 和久津晶▲30.8P
9回戦終了時
安田麻里奈+82.6P 吾妻さおり+29.9P 和久津晶▲53.8P 魚谷侑未▲58.7P
 
10回戦 (起家から、和久津・吾妻・魚谷・安田)
和久津、魚谷としてはもう3連勝が条件。1局たりとも落とせないし、特にオヤ番が重要となってくる。
逆に安田は、9回戦の道中で縮まった点差を思い出せば、やはり残り2回となった時点で80ポイントは差をつけておきたい。
ここでトップをとればほぼ当確か。
一番フラットな状況で打てるのは吾妻であろう。
だが、9回戦のオーラスがあまりに痛い。引きずっていなければよいが・・・
東場の安田は、先程のオーラスのアガリが相当気分良かったのか、もしくは勝利を確信できたのか序盤から積極的に加点、後のない和久津、魚谷も利用し、吾妻をラスを押しつけようとする。
しかし、平常心を取り戻していた吾妻は勝負手をオヤの魚谷から出アガる。
東3局 北家・吾妻
三索四索五索六索七索八索九索  ポン東東東  ポン中中中  ロン三索  ドラ一筒
魚谷もこれをツモアガればまだわからないという勝負リーチであった。
五万五万三索三索五索五索一筒一筒三筒三筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ一筒
仕掛けている吾妻に対して牽制の意味もあったかもしれないが、さすがに枚数的に分が悪すぎた。
本来ならダマテンの選択肢もある手牌だが、点数状況を考えるといたしかたないだろう。
これで吾妻は原点復帰で少しほっとでき、あとは安田の点棒をいかに削るか、であったが。
南1局1本場 北家・安田
一万二万三万七万七万八万八万九万九万一索二索七筒七筒  ロン三索  ドラ七筒
魚谷から5,200の出アガリ。これがわずか6巡目である。
痛いのは魚谷だけではなく追いかける吾妻もだろう。
10回戦は目論見通りか、再度安田がトップ。
吾妻も浮いてはいるものの、安田の押し引きの秀逸さ、安定感を見せつけられ、正直点差以上の差を感じた9、10回戦では無かっただろうか。
10回戦成績
安田麻里菜+24.2P 吾妻さおり+9.9P 魚谷侑未▲14.0P 和久津晶▲20.1P
10回戦終了時
安田麻里奈+106.8P 吾妻さおり+39.8P 魚谷侑未▲72.7P 和久津晶▲73.9P
 
11回戦 (起家から、魚谷・和久津・安田・吾妻)
2半荘を残してポイント的にはおおよそ安田、吾妻の一騎打ち。
しかし、別室で観ていた私は、吾妻には申し訳ないが優勝はほぼ安田で決まりだと思っていた。
まだまだ私自身が麻雀をわかっていない事の再認識でもあり、全く情けないのだが、それだけ安田の出来が良すぎたのだ。
2半荘で60ポイント差はありえない事ではない。が、今日安田が大きなラスを引く事は想像できなかった。
事実11回戦も何事もなく進んでいく。なんせ吾妻はテンパイを全てと言っていいくらいリーチしなければならない。
1回空振るごとに安田の優勝が近づいていく。
しかし、3人にも意地がある。
魚谷、和久津も満貫のツモアガリをみせ
東3局 西家・魚谷
100
一万二万三万三万四万五万三索四索五索八索八索七筒八筒  ツモ九筒  ドラ八索
南1局 和久津
100
二万二万二万三万四万五索六索七索八筒八筒  暗カン牌の背三筒 上向き三筒 上向き牌の背  リンシャンツモ二万  ドラ八筒
小さいながらもようやく安田にラスを押しつける事ができた。
しかし、ラスを引いたものの、安田に失着は無かったように見える。
このまま逃げ切るか?
長い最終戦が始まる。
11回戦成績
魚谷侑未+13.8P 吾妻さおり+6.6P 和久津晶▲7.7P 安田麻里菜▲12.7P
11回戦終了時
安田麻里奈+94.1P 吾妻さおり+46.4P 魚谷侑未▲58.9P 和久津晶▲81.6P
 
最終12回戦 (起家から、吾妻・魚谷・和久津・安田)
魚谷、和久津は積極的に局を潰しに来ないと考えると、キーはもちろん吾妻の2回のオヤ番。
これをどう安田が流すかというところが最終戦のポイントであろう。
規定により起家は吾妻。
早いテンパイが続けて入り、打点は無いものの流局とツモアガリで加点。
当然3者は後手を踏むと前に出てこない。
2本場、安田が仕掛けてアガりきり、桜花へ向けまずは山をひとつ越える。
二万三万七万七万六索七索八索五筒六筒七筒  ポン中中中  ロン一万  ドラ一索
そして最後の山、南1局吾妻のオヤ。ここを越えれば安田は初の女流桜花戴冠のカウントダウンだ。
吾妻36,000点持ちトップ目  安田26,300点の3着
現段階でのトータル 吾妻60.4P  安田86.4P
並びには6,000オールか12,000の直撃。
南1局 東家・吾妻
四万五万六万四索五索三筒三筒三筒五筒五筒  暗カン牌の背西西牌の背  リンシャンツモ六索  ドラ五索
3,900オール
南1局1本場
六万六万二索三索四索七索八索九索六筒六筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き
1人テンパイ
南1局2本場
二万三万四万五万七万三索三索一筒一筒二筒二筒三筒三筒  ツモ六万  ドラ一筒
3,900は4,100オール
100
これが現女流桜花の力か。
あまりにも高い最後の山を、ついに安田は登りきることができなかった。
結局5本場まで続いた吾妻のオヤ、積み上げた点棒は7万点オーバー。
まさにストロングスタイル(王道)のゲーム展開。最終半荘だけで勝負を決めてしまった。
12回戦成績
吾妻さおり+40.9P 和久津晶+22.2P 安田麻里菜▲21.5P 魚谷侑未▲41.6P
最終成績
吾妻さおり+87.3P 安田麻里奈+72.6P 和久津晶▲59.4P 魚谷侑未▲100.5P
 
【対局を終えて】
魚谷は最終日の前に、すでに優勝の可能性は厳しいものだった。
しかし応援してくれるファンがいる以上、諦める事は許されなかった。
苦しかっただろうし、長い1日だっただろう。
しかし本当に最後まで諦めず、かつ試合を壊さないように打っている姿には本物のプロとしての力を感じた。
来年こそは優勝争いの中でその力をみせてほしい。
今期の和久津はプロクイーンの激戦後という事もあり、少し前へ出る気迫というものが薄れていないか心配であった。
最終戦になってやっと和久津らしい麻雀をみせてもらい、ファンの方も少しは安心したところもあったのではないだろうか?
来年、まずはプロクイーンの連覇、そしてまた桜花にも挑んでほしい。
今回、私は最終日のみ何度も動画や牌譜を見返した。
どうしても安田の敗因が見つけられなかったからだ。
本人にもいろいろ聞いてみたが、しっくりとした答えは出ていない。
麻雀だから、と言ってしまえばそれまでなのだが、こんな悔しい負け方はなかなか無いだろう。
最終戦の役無しテンパイのヤミテンも、いつも通りの安田で、あれをヤミテンにしてきたからこそこの位置にいる。
が、それでももしかしたら、あれをリーチに行き、オーラスをヤミテンにするのが決勝戦なのかもしれない。
結果論のみ議論するのは愚かである。ただ、結果しか意味の無い世界であり、結果のみを欲するのがこの決勝戦であることもまた事実。
安田にはこの難問をクリアして、また挑戦してほしい。
最終戦の吾妻はまさに圧巻であった。
挑戦者の攻撃を受けるだけ受けて、最後に逆転勝ち。
これが王道、と思わせるスタイルで、まさに桜花の名にふさわしい美しく力強い麻雀であった。
道中かなり心揺れるような放銃もあったが、吾妻の表情は変わる事はなかった。
最後まで自身の勝利を疑わず、牌に真摯であったからであろう。
2連覇は本当に素晴らしい。来年も一層女流のトップとして活躍してもらいたい。
最後に。
初日観戦記の冒頭で、各選手の鳳凰戦リーグの成績を記しておいた。
彼女達に「もっとも欲しいタイトルは?」と尋ねると間違いなく「鳳凰位」と返ってくるだろう。
昨今女性の麻雀プロのレベルは格段にあがっている。人数比の関係もあるが、もはや必ずしも男性優位な競技ではない。
彼女達の中からいつか鳳凰位にチャレンジする選手が必ず現れるだろうと確信している。
また、今回2年連続同じ面子での決勝であったが、近年はこの4人の誰かが決勝に顔を並べているといった状況だ。
他の女流プロはこの現実をもっと真摯に受け止めてほしい。
プロとしての価値観は人それぞれと書いた。
そう思っていてもやはりプロにはプロであってもらいたいというのが本音だ。
来期は女流桜花Aリーグも全卓配信が決まっている。
誰が吾妻に挑戦するのか?
熱い戦いを期待したい。

100

第24期中部プロリーグ 決勝レポート 三戸 亮祐

年が明けたのは、つい昨日のように感じてしまうが、もう1月も半分以上過ぎてしまっている。
自分は、日々に追われ時間だけが過ぎて何も成長していないな。とふと思う。

だが、第24期中部プロリーグの決勝には着実に成長していると感じられるメンバーがそろった。
決勝に向けての意気込みを通過順に紹介していこう。

寺戸孝志(四段)
第17期中部プロリーグ優勝
『観戦者に楽しんでもらえるような決勝のメンバーになったので、その中で優勝できると良いなと思います。』
鳳凰戦にも参加している寺戸は、やや目立たないが樋口・森下よりもキャリアは長い。
ここで優勝してアピールしたいところだ。

樋口新(四段)
第19期麻雀マスターズ優勝
『平常心で臨みます。中部プロリーグの決勝は初めてとなりますが、マスターズも初決勝で優勝できたので、今回も優勝できると思います。』
かつてシンデレラボーイと言われた樋口も、久々の決勝である。
もう一度、輝きを見たいと思う。

森下剛任(四段)
第39期王位優勝
『自然体で臨みます。いつも通り力強い麻雀をします。』
破竹の勢いとはこのような状態なのだなと思う。
今現在中部本部で最も強いと断言できる。

日下健司(二段)
第21期中部プロリーグ優勝
『自分も含め、皆麻雀店で働いてる選手との対戦になったので、楽しみにしています。』
シンプルな麻雀を打つ。重い手組みをする他の打ち手が牽制しあえば、勝つ可能性もあると対局前に私と杉村プロとで話していたが、どうなるだろうか。

今決勝は、連盟のタイトルホルダー2名VS中部プロリーグ優勝者2名による構図となった。

1回戦(起家から寺戸・森下・日下・樋口)

東1局
起親の寺戸のホンツ仕掛けに対して、押す樋口に受ける森下。
真逆の反応を見せる2人。
樋口は生牌を2枚押すも、放銃牌だけは打たず寺戸の1人テンパイ。

東1局1本場
初アガリを決めたのは日下。
リーチ・ツモ・ドラ1の1,000・2,000だが、手役を意識せずに両面ならリーチ。
これが日下の持ち味である。

東2局
日下とは対照的に手役を追う、親の森下の456の三色リーチ。

四万五万六万七万七万四索六索一筒一筒一筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九索

七対子のテンパイを入れた寺戸に、こちらもテンパイを入れた樋口が森下の現物のドラで放銃。皆闘う意思が感じられる。

東3局
樋口、三色が見えたが手替わり前にカンチャンをツモ。500・1,000。

南2局
ようやく森下がアガリ、全員にアガリが生まれた。
これで、皆緊張がほぐれるだろう。

南2局1本場
連荘で弾みを付けたい森下であったが、好配牌に恵まれた樋口の2,000・4,000ツモ。

初戦は南3局4局と加点した寺戸のトップとなった。

1回戦成績
寺戸+22.4P 樋口+8.5P 森下▲22.7P 日下▲8.2P

 

2回戦(起家から日下・寺戸・森下・樋口)

1回戦の結果を受けて、各々自分の状態がどの程度か掴めたであろうか。

日下起親で1,300オール、1,000オールをアガるもその後の東場は静かに流れていく。
南場も誰も決定打の出ないまま、軽い手の応酬で、終わってみれば日下のトップ。
1回戦でプラスだった2人がマイナス、マイナスだった2人がプラスと未だ勝負の行方は見えてこない。

2回戦成績
寺戸▲10.0P 樋口▲15.9P 森下+4.9P 日下+21.0P

2回戦終了時
寺戸+12.4P 樋口▲7.4P 森下▲17.8P 日下+12.8P

 

3回戦(起家から日下・樋口・森下・寺戸)

東1局
暫定最下位となっている森下

五万六万一索二索三索四索六索二筒三筒三筒四筒五筒発  ドラ二筒

この好配牌から、五索二筒と引き込み4巡目でリーチを打ち即ツモの2,000・4,000。
ようやく森下の出番かと思われた。

東2局
その森下3巡目に自風の南をポンしてこの形。

一万一万四索五索五索五索七索九索西西  ポン南南南  ドラ三万

ようやく9巡目に一万を鳴いてテンパイを入れるもその瞬間、寺戸にも大物手のテンパイが入った。

四万四万四万五万五万六索六索四筒四筒四筒六筒六筒六筒  リーチ

森下も七索を引き込みトイトイのテンパイ。

五索五索五索七索七索西西  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン南南南

河にはどちらの待ちも出ておらず、両者ツモに力が入るが引きアガったのは寺戸。
短期戦での役満ツモアガリはもちろん優勝に大きく近づく。しかし、逆に安堵感か押し引きを狂わす可能性も否めない。

東3局
大物手が全く出なかった2回戦とは打って変わり、今度は日下が樋口から12,000。
樋口は早くも持ち点が0に。

東4局
高め一気通貫の先制リーチを打つ森下に日下がドラ暗刻のリーチで追いかけ8,000。
続いて南1局では2,600オールと一時は寺戸・日下とも5万点オーバーとなり両者とも大きなプラスとなった。

3回戦成績
寺戸+45.1P 樋口▲45.5P 森下▲21.2P 日下+21.6P

3回戦終了時
寺戸+57.5P 樋口▲52.9P 森下▲39.0P 日下+34.4P

 

4回戦(起家から寺戸・日下・樋口・森下)

あと残り2回。樋口・森下は大きな2連勝が必要となってくる。
だが南1局では
寺戸31,600点
日下29,800点
樋口30,000点
森下28,600点

それぞれが牽制しあってほぼフラットで南入り。

それでも南3局の親番で樋口がドラ単騎をツモり意地の初トップ。

八万三索四索五索五索六索七索九索九索九索二筒三筒四筒  ドラ八万

ここでも浮き2着となった日下がトップに躍り出た。

4回戦成績
寺戸▲19.5P 樋口+18.7P 森下▲7.2P 日下+8.0P

4回戦終了時
寺戸+38.0P 樋口▲34.2P 森下▲46.2P 日下+42.4P

 

5回戦(起家から寺戸・森下・日下・樋口)
この点差からの逆転は現実的には難しいかもしれないが、最終戦は何が起こるかわからない。
俄然タイトルホルダー2人に注目が集まる。

東1局1本場
樋口2枚目の中をポンテン。

五索五索五索二筒三筒四筒五筒六筒白白  ポン中中中

前局、1人ノーテンの森下がドラ待ちでリーチ。

二万二万二万三万四万五万五万六万七万一筒一筒一筒西  リーチ  ドラ西

次いで親の寺戸が八索を切って跳満のテンパイ。

一索二索三索三索三索四索六索七索八索九索  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き

森下の現物待ちとなった。

ドラをつかんだ樋口だが、躊躇いもなくツモ切り。
ポンテン3面張を入れた以上は、責められない。

ドラトイツ以上の両面待ちかと思ったとのことだが、これを止めると森下の現物で、寺戸にとっても四索のワンチャンスかつ中スジの五索を打って決定打になっていたかもしれない。

東4局
27,400点とはいえ最下位になっている日下。

一索一索三索四索五索六索八索八索九索九索二筒白中  ドラ二万

ここから積極的に八索をポン。九索も鳴き七索を引き込んで

一索一索三索四索五索六索七索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き

このテンパイ。

あっさり二索を引きアガリトップ目へ。

さて残り1周。
今度は寺戸の番。

東発発発  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン西西西  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ドラ五万

この7,700を森下からアガリ寺戸36,400点、日下35,400点と再逆転。

南1局1本場
寺戸7巡目に先制リーチ。

二万二万二万三万三万四万四万五万七索八索九索東東  ドラ一筒

ここはなんとしてもアガリたかったが、2枚目の中をポンした樋口にツモられ、2位に転落。

一索二索三索六索七索一筒一筒四筒五筒六筒  ポン中中中  ツモ八索

残り3局わずかな差であったが縮まることなく日下の優勝となった。

5回戦成績
寺戸+2.7P 樋口+14.1P 森下▲22.0P 日下+5.2P

5回戦終了時
寺戸+40.7P 樋口▲20.1P 森下▲68.2P 日下+47.6P

闘いの終わった後のコメントを紹介しよう。

4位:森下剛任
『次、もう一度決勝に乗れるように頑張ります。』
特に目立ったミスも見当たらず、この敗戦は致し方ない印象を受けた。

3位:樋口新
『負けはしましたが、次回は優勝します。』
とこちらも言葉少なであった。どのような状況でもブレない打ち方をする樋口も、追い詰められてからはミスが垣間見えた。

準優勝:寺戸孝志
『役満をツモって優勝出来なかったのは情けないです。ただ、見ている人には楽しんでもらえたのではないかと思います。』
全体的に淡泊に見えた今回の決勝で、大いに見せ場を作ってくれたのは素晴らしい。
勢いに乗ることも大事だが、若干最後に詰めの甘さが出たかも知れない。

優勝:日下健司
『今までで一番疲れた決勝でした。いつ出ても決勝は楽しいです。』
対局姿勢・摸打ともまだまだ未熟な面があり、課題は多い。
中部プロリーグの優勝者として、タイトル戦に出る機会も増えるので、アドバイスを真摯に受け止め改善して行って欲しい。
しかし、この相手に勝ち切ったのは見事だと言いたい。

100

前列左より:日下健司、木村本部長
後列左より:樋口新、寺戸孝志、森下剛任

中部プロリーグ レポート/第24期中部プロリーグ 決勝レポート 三戸 亮祐

年が明けたのは、つい昨日のように感じてしまうが、もう1月も半分以上過ぎてしまっている。
自分は、日々に追われ時間だけが過ぎて何も成長していないな。とふと思う。
だが、第24期中部プロリーグの決勝には着実に成長していると感じられるメンバーがそろった。
決勝に向けての意気込みを通過順に紹介していこう。
寺戸孝志(四段)
第17期中部プロリーグ優勝
『観戦者に楽しんでもらえるような決勝のメンバーになったので、その中で優勝できると良いなと思います。』
鳳凰戦にも参加している寺戸は、やや目立たないが樋口・森下よりもキャリアは長い。
ここで優勝してアピールしたいところだ。
樋口新(四段)
第19期麻雀マスターズ優勝
『平常心で臨みます。中部プロリーグの決勝は初めてとなりますが、マスターズも初決勝で優勝できたので、今回も優勝できると思います。』
かつてシンデレラボーイと言われた樋口も、久々の決勝である。
もう一度、輝きを見たいと思う。
森下剛任(四段)
第39期王位優勝
『自然体で臨みます。いつも通り力強い麻雀をします。』
破竹の勢いとはこのような状態なのだなと思う。
今現在中部本部で最も強いと断言できる。
日下健司(二段)
第21期中部プロリーグ優勝
『自分も含め、皆麻雀店で働いてる選手との対戦になったので、楽しみにしています。』
シンプルな麻雀を打つ。重い手組みをする他の打ち手が牽制しあえば、勝つ可能性もあると対局前に私と杉村プロとで話していたが、どうなるだろうか。
今決勝は、連盟のタイトルホルダー2名VS中部プロリーグ優勝者2名による構図となった。
1回戦(起家から寺戸・森下・日下・樋口)
東1局
起親の寺戸のホンツ仕掛けに対して、押す樋口に受ける森下。
真逆の反応を見せる2人。
樋口は生牌を2枚押すも、放銃牌だけは打たず寺戸の1人テンパイ。
東1局1本場
初アガリを決めたのは日下。
リーチ・ツモ・ドラ1の1,000・2,000だが、手役を意識せずに両面ならリーチ。
これが日下の持ち味である。
東2局
日下とは対照的に手役を追う、親の森下の456の三色リーチ。
四万五万六万七万七万四索六索一筒一筒一筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九索
七対子のテンパイを入れた寺戸に、こちらもテンパイを入れた樋口が森下の現物のドラで放銃。皆闘う意思が感じられる。
東3局
樋口、三色が見えたが手替わり前にカンチャンをツモ。500・1,000。
南2局
ようやく森下がアガリ、全員にアガリが生まれた。
これで、皆緊張がほぐれるだろう。
南2局1本場
連荘で弾みを付けたい森下であったが、好配牌に恵まれた樋口の2,000・4,000ツモ。
初戦は南3局4局と加点した寺戸のトップとなった。
1回戦成績
寺戸+22.4P 樋口+8.5P 森下▲22.7P 日下▲8.2P
 
2回戦(起家から日下・寺戸・森下・樋口)
1回戦の結果を受けて、各々自分の状態がどの程度か掴めたであろうか。
日下起親で1,300オール、1,000オールをアガるもその後の東場は静かに流れていく。
南場も誰も決定打の出ないまま、軽い手の応酬で、終わってみれば日下のトップ。
1回戦でプラスだった2人がマイナス、マイナスだった2人がプラスと未だ勝負の行方は見えてこない。
2回戦成績
寺戸▲10.0P 樋口▲15.9P 森下+4.9P 日下+21.0P
2回戦終了時
寺戸+12.4P 樋口▲7.4P 森下▲17.8P 日下+12.8P
 
3回戦(起家から日下・樋口・森下・寺戸)
東1局
暫定最下位となっている森下
五万六万一索二索三索四索六索二筒三筒三筒四筒五筒発  ドラ二筒
この好配牌から、五索二筒と引き込み4巡目でリーチを打ち即ツモの2,000・4,000。
ようやく森下の出番かと思われた。
東2局
その森下3巡目に自風の南をポンしてこの形。
一万一万四索五索五索五索七索九索西西  ポン南南南  ドラ三万
ようやく9巡目に一万を鳴いてテンパイを入れるもその瞬間、寺戸にも大物手のテンパイが入った。
四万四万四万五万五万六索六索四筒四筒四筒六筒六筒六筒  リーチ
森下も七索を引き込みトイトイのテンパイ。
五索五索五索七索七索西西  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン南南南
河にはどちらの待ちも出ておらず、両者ツモに力が入るが引きアガったのは寺戸。
短期戦での役満ツモアガリはもちろん優勝に大きく近づく。しかし、逆に安堵感か押し引きを狂わす可能性も否めない。
東3局
大物手が全く出なかった2回戦とは打って変わり、今度は日下が樋口から12,000。
樋口は早くも持ち点が0に。
東4局
高め一気通貫の先制リーチを打つ森下に日下がドラ暗刻のリーチで追いかけ8,000。
続いて南1局では2,600オールと一時は寺戸・日下とも5万点オーバーとなり両者とも大きなプラスとなった。
3回戦成績
寺戸+45.1P 樋口▲45.5P 森下▲21.2P 日下+21.6P
3回戦終了時
寺戸+57.5P 樋口▲52.9P 森下▲39.0P 日下+34.4P
 
4回戦(起家から寺戸・日下・樋口・森下)
あと残り2回。樋口・森下は大きな2連勝が必要となってくる。
だが南1局では
寺戸31,600点
日下29,800点
樋口30,000点
森下28,600点
それぞれが牽制しあってほぼフラットで南入り。
それでも南3局の親番で樋口がドラ単騎をツモり意地の初トップ。
八万三索四索五索五索六索七索九索九索九索二筒三筒四筒  ドラ八万
ここでも浮き2着となった日下がトップに躍り出た。
4回戦成績
寺戸▲19.5P 樋口+18.7P 森下▲7.2P 日下+8.0P
4回戦終了時
寺戸+38.0P 樋口▲34.2P 森下▲46.2P 日下+42.4P
 
5回戦(起家から寺戸・森下・日下・樋口)
この点差からの逆転は現実的には難しいかもしれないが、最終戦は何が起こるかわからない。
俄然タイトルホルダー2人に注目が集まる。
東1局1本場
樋口2枚目の中をポンテン。
五索五索五索二筒三筒四筒五筒六筒白白  ポン中中中
前局、1人ノーテンの森下がドラ待ちでリーチ。
二万二万二万三万四万五万五万六万七万一筒一筒一筒西  リーチ  ドラ西
次いで親の寺戸が八索を切って跳満のテンパイ。
一索二索三索三索三索四索六索七索八索九索  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き
森下の現物待ちとなった。
ドラをつかんだ樋口だが、躊躇いもなくツモ切り。
ポンテン3面張を入れた以上は、責められない。
ドラトイツ以上の両面待ちかと思ったとのことだが、これを止めると森下の現物で、寺戸にとっても四索のワンチャンスかつ中スジの五索を打って決定打になっていたかもしれない。
東4局
27,400点とはいえ最下位になっている日下。
一索一索三索四索五索六索八索八索九索九索二筒白中  ドラ二万
ここから積極的に八索をポン。九索も鳴き七索を引き込んで
一索一索三索四索五索六索七索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き
このテンパイ。
あっさり二索を引きアガリトップ目へ。
さて残り1周。
今度は寺戸の番。
東発発発  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン西西西  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ドラ五万
この7,700を森下からアガリ寺戸36,400点、日下35,400点と再逆転。
南1局1本場
寺戸7巡目に先制リーチ。
二万二万二万三万三万四万四万五万七索八索九索東東  ドラ一筒
ここはなんとしてもアガリたかったが、2枚目の中をポンした樋口にツモられ、2位に転落。
一索二索三索六索七索一筒一筒四筒五筒六筒  ポン中中中  ツモ八索
残り3局わずかな差であったが縮まることなく日下の優勝となった。
5回戦成績
寺戸+2.7P 樋口+14.1P 森下▲22.0P 日下+5.2P
5回戦終了時
寺戸+40.7P 樋口▲20.1P 森下▲68.2P 日下+47.6P
闘いの終わった後のコメントを紹介しよう。
4位:森下剛任
『次、もう一度決勝に乗れるように頑張ります。』
特に目立ったミスも見当たらず、この敗戦は致し方ない印象を受けた。
3位:樋口新
『負けはしましたが、次回は優勝します。』
とこちらも言葉少なであった。どのような状況でもブレない打ち方をする樋口も、追い詰められてからはミスが垣間見えた。
準優勝:寺戸孝志
『役満をツモって優勝出来なかったのは情けないです。ただ、見ている人には楽しんでもらえたのではないかと思います。』
全体的に淡泊に見えた今回の決勝で、大いに見せ場を作ってくれたのは素晴らしい。
勢いに乗ることも大事だが、若干最後に詰めの甘さが出たかも知れない。
優勝:日下健司
『今までで一番疲れた決勝でした。いつ出ても決勝は楽しいです。』
対局姿勢・摸打ともまだまだ未熟な面があり、課題は多い。
中部プロリーグの優勝者として、タイトル戦に出る機会も増えるので、アドバイスを真摯に受け止め改善して行って欲しい。
しかし、この相手に勝ち切ったのは見事だと言いたい。
100
前列左より:日下健司、木村本部長
後列左より:樋口新、寺戸孝志、森下剛任

第4期第2回さかえ杯 9/12(土)

日本プロ麻雀連盟からは、
宮内こずえ、和泉由希子、和久津晶、安田麻里菜、東城りお、月江いくこ
七瀬真実、斎藤麻衣子、川原舞子、中野妙子、優月みか、古川彩乃
の12名が参加!

解説   :佐々木寿人 山井弘
決勝解説:前原雄大

連盟インフォメーション/第4期第2回さかえ杯 9/12(土)

日本プロ麻雀連盟からは、
宮内こずえ、和泉由希子、和久津晶、安田麻里菜、東城りお、月江いくこ
七瀬真実、斎藤麻衣子、川原舞子、中野妙子、優月みか、古川彩乃
の12名が参加!
解説   :佐々木寿人 山井弘
決勝解説:前原雄大

第31期鳳凰位決定戦観戦記初日 前原 雄大

第31期鳳凰戦 初日
2月7日、いよいよ、日本プロ麻雀連盟の頂点を競う第31期鳳凰戦が始まった。

「全てのタイトル戦の中でも格別なものだと思う。少なくとも他のタイトルを2つ獲得する以上の価値があると思う。」
そう語るのは連盟の生きる伝説とも呼ぶべき荒正義さんである。
私も同じように思う。

私に鳳凰戦の観戦記のオファーが来たのが12月のことだった。
元々観戦記者になりたくて連盟に入会した部分もあり快諾させていただいた。

私の叔父が囲碁の観戦記者をやっていたが、
「とにかく、現場できちんと取材すること、テレビの放映されない部分を伝えることが全てと言ってもいい」
叔父は常々そう言っていた。

その言葉を思い出し、今回も現場であるスタジオに足を運び、対局者に簡単なアンケートと取材する旨の手紙を書いて渡した。
対局者にはさぞかし煩わしいことだろうと思う。
それはやはり、休憩時間等には次の戦いに備え、心の準備、集中に傾けたいからである。
私も同じ立場にある以上、細心の敬意と心配りをさせていただいた。
いずれにしても、映像に映らない部分を中心にお読みの方には伝えていきたいと思う。
まずは選手紹介。

100

藤崎智
生年月日:昭和43年1月25日(47歳)
連盟在籍年数:18年
A1リーグ在籍年数:5年
獲得タイトル:十段位、麻雀グランプリ、日本オープン(3回)
タイトル戦に臨むとき心掛けていること:自然体で
麻雀のスタイル:守備型
ファンの方へメッセージ
「去年はみなさんの応援のおかげで実力以上の麻雀が打てたと思っています。今年は昨年の恩返しのつもりで頑張ります。よろしくお願いします。」

 

100

勝又健志
生年月日:昭和56年3月15日(33歳)
連盟在籍年数:14年
A1リーグ在籍年数:1年
獲得タイトル:麻雀グランプリMAX
タイトル戦に臨むとき心掛けていること:いつも通りの麻雀
麻雀のスタイル:守備型?
勝又はアンケート用紙に記しながら、私に尋ねた。
「僕って何型なのでしょうか?」私にはそんな勝又が微笑ましく映った。

 

100

前田直哉
生年月日:昭和47年(43歳)
連盟在籍年数:14年
A1リーグ在籍年数:1年
獲得タイトル:麻雀グランプリMAX
タイトル戦に臨むとき心掛けていること:気持ちのもっていきかた、冷静さを保つこと
麻雀のスタイル:高打点を目指した重い一撃
ファンの方へメッセージ
「応援して下さる人の為、そして自分の為、最高の舞台で、最高の麻雀を目指します。」

 

100

瀬戸熊直樹
生年月日:昭和45年8月27日(44歳)
連盟在籍年数:17年
A1リーグ在籍年数:10年
獲得タイトル:十段位(3回)、鳳凰位(3回)、他
タイトル戦に臨むとき心掛けていること:体調を整え、戦いに挑める身体にする。
麻雀のスタイル:攻撃型ですが、自分の時間帯を作りにいくスタイル
ファンの方へメッセージ
「やはり鳳凰位は僕にとって特別なものです。全てを卓上に捧げるつもりで戦い抜きます。」

こう記すとわかることだが、50代以上の打ち手がいない。
ここ十年ではめずらしいことである。

プロリーグは今日にいたるまで様々なかたちを変えてきた。
鳳凰戦という名前に変わりデフェンデイング制になったのは1992年度の第10期からである。
それまではプロリーグであり、決勝戦もなかったり、あっても予選の得点持越しだったりした。

この時のメンバーが安藤満{故人}荒正義、沢崎誠、前原雄大。
最年長の安藤満が44歳で、最年少の私が36歳であった。
安藤、荒は当時すでに偉大な実績を残し、沢崎、私は他のタイトルは持っていても初挑戦だった。
構図としては今回の鳳凰戦を彷彿させる。
ちなみに、この時は半荘、1日6回の4日間で計24回戦だった。

控室に赴くと、現鳳凰位である藤崎が近寄る。
「一番緊張しているのは、私だと思います。何しろ、失冠するかどうか掛かっていますから、、、」
「後輩達は可愛い、本当に可愛く思っている分だけ、簡単には勝たせてはいけないと思っています」
私は正直、藤崎のこの言葉に驚いた。
これほど熱く語る藤崎を見たことがないからである。
そして、一プレイヤーではなく、公人の発言だからである。

勝又健志
「昨日は2秒で就寝できました」
この2秒と語る部分が勝又らしい。
充分な戦闘態勢を作り上げてきたということだろう。

瀬戸熊直樹
「多分、一番リラックスしているのはボクだとおもいます」
この男が劇的な四暗刻をオーラスにツモリあげ、私への挑戦権を獲った時、一番うれしく思ったのは私であり、テンションがあがったのを良く覚えている。
そして、アッツサリ鳳凰位を戴冠したときに瀬戸熊に私はこう告げた。
「貴方は向こう10年で、5回は鳳凰位に就くと思う」
瀬戸熊直樹という打ち手は、それだけの逸材である。
そして、6連続決定戦進出というのはやはり、偉業と言わざるを得ない。

前田直哉
「ここ1週間、冷静であることだけに勤めました」
何をどう過ごしたとか、語らず、『冷静』の二文字をこの後、幾たびも前田は口にしている。
いずれにしても素晴らしい戦いが繰り広げられることは間違いなさそうである。

100

1回戦
(起家から、瀬戸熊、勝又、藤崎、前田)

対局直前の光景
目をつぶる瀬戸熊、勝又。一点を見つめ続ける藤崎、前田の両極端な表情が印象的である。

前田は開始前をこう語っている。
「いよいよ鳳凰戦開幕である。昔から夢にまでみた舞台。決まった後の数日は緊張も感じたが、当日は至って平静でスタジオ入り出来ました。卓に着き、瀬戸熊プロから気迫を感じ、勝又プロは何秒間か眼を閉じていた。藤崎プロは平静を装ってはいたが一番緊張しているように感じた。当の私は普段とほぼ同じであった。皆より背負うモノが少ないからだろうか?それとも鈍感なだけか・・・。しかし始まってみないと本当に普段通りなのかはわからない。」

藤原隆弘審判長
「では、対局を開始してください」
この合図と共に眼を見開く4者。戦いが始まった。

100

東1局9巡目、藤崎にリーチが入る。

三万三万五万六万七万一索二索三索五索六索二筒二筒二筒  リーチ  ドラ二筒

リーチ後、藤崎の指が僅かに震えている。{本人はまるで意識していなかったと語っていた}
初めて見る藤崎の光景である。

結果は流局なのだが、親番である瀬戸熊は立ち向かって行くかと思っていたが、いきなり現物を抜いたことは意外だった。
だが、これも瀬戸熊がシミュレートしてきたことなのだろう。

勝又は今局に関してこう述べている。
「対局時は藤崎さんに気配があったこと、勢いを掴むアガリをしたいと思っていたことから白を仕掛けなかったのですが、戦う姿勢として白を仕掛けるべきだったかと」
藤崎は藤崎で
「あれは下目の三色の手順があったように思えます」
そう語っていた。

確かに三色だけに拘れば藤崎の手筋ならば可能かとも思うが、難しい手順を踏まねばならない。
そして東1局ドラ3リーチはアガれず流局。

「この時点での自分の考え方は2通り。手なりでドラ3のリーチで1人テンパイならツキはあるかもという考え方と、いきなりのドラ3リーチのからぶりで先行き不安という考え方。なので、次の局、前田プロのピンズ気配にも1シャンテンからごり押し。8巡目1シャンテンがテンパイせず流局でかなり先行き不安を感じたのを覚えています。ここからとりあえず早目のリーチからのツモアガリがほしいとだけ考えていました。なので1、2回戦は意識してリーチを多用していました。」
藤崎はこうも語っている。

瀬戸熊
「東1局、藤崎さんのリーチを受けて、真っ直ぐ行っていれば、アガリがあったかもしれないし、放銃にまわっていたかもしれない。ただ、藤崎さんの手が高いのと、自分の中で、GOサインが出なかったのと、僕のウイークポイントである守備をしっかりするべきときはしようと思ったからでした。」
そう語っていた。

いずれにしても、コメントが集中したということは、それだけ、開局に意味があり、それぞれに重い1局であったことは間違いないことである。

東3局2本場

一万二万三万三万五万七万八万九万六索七索八索五筒五筒  ツモ四万  ドラ一万

前田が500・1,000は700・1,200のアガリで収束した。

今局は前田が8巡目にカン四万の役なしテンパイを入れたのだが、9巡目に勝又が三筒六筒九筒待ちのテンパイが入る。

三索四索四索五索五索六索三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ一万

10巡目に、勝又・藤崎と続けざまに四万が打ち出され、これで残り1枚になったと見ている瞬間に、役なしテンパイの前田がラス牌の四万を引きアガる。
これは点数以上に大きいアガリである。

他3人の対局者からも四万が3枚並んでいたことは確認できる。
本当に良いカタチで前田は親番を迎えた。
私が対局者であったならば前田の親番は細心の注意を払う。

このアガリに関して前田はこう語っている。
「序盤は誰にもアガリの出ない静かな立ち上がり。初アガリは自分でした。点数こそ500・1,000は700・1,200と安いものの、緊張も無い、ちゃんと地に足が着いている。今日はしっかりと戦えると思った局でした。」
前田もやはり私と同様の考えをもたらせた1局である。

―――――前田の構想力と感性
東4局、親・前田

配牌
二万三万四万五万七万八万八万八万九万一索一索四索六索二筒  ドラ南

前田の初打、二打と、一索のトイツ落としから入っている。
ピンフ一通と三色、チンイツを見据えた好手である。
そして瀬戸熊から打ち出された二万を仕掛ける。

三万四万五万七万八万八万八万九万四索六索二筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  打六索 上向き

この二万は中々動けないものだ。これが前田の持っている感性である。
普段腰の重い前田が仕掛けるということは、脳よりも身体が反応したものだろう。
そしてわずか5巡目には

二万三万四万四万五万七万八万八万八万九万  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き

このテンパイが入る。
同巡、瀬戸熊から六万が打ち出される。
親の12,000の成就である。

前田にとっては会心のアガリであり、瀬戸熊にとっては手痛い放銃である。
これだから麻雀は怖い。

東4局1本場、親番の前田が絶好のカン三索を引き込み、9巡目にリーチが入る。

五万六万六万七万七万七万八万九万二索三索四索六筒六筒  リーチ  ドラ二索

そして今度は勝又より出アガる。
勝又もこの形にしてしまった以上、打八万は至当な放銃である。

二万三万四万四万六万八万四索五索六索八索八索四筒五筒六筒  打八万  ドラ二索

この時点で前田の持ち点が50,000点オーバーの53,700点。
さらに得点を伸ばすかに思えたが、次局、前田は勝又を意識し、早い段階でオリを選択。
結果は、勝又のリーチが中盤過ぎに入り500・1,000のツモアガリ。
それだけ前田は場が良く見えていたのだろう。

南1局、藤崎より6巡目にリーチが入る。

一万一万一索二索三索四索五索六索八索九索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ三万

ここに飛び込んだのが親番の瀬戸熊。

四万五万六万三索三索四索四索七索二筒二筒二筒五筒六筒七筒  打七索  ドラ三万

これは状態を考えれば瀬戸熊らしく無いと映ったのは私だけだろうか。
東1局はフラットな状態で受けきったのに、今局は悪い状態でありながら攻めに転じている。
このアンバランスさはどこから来るのだろう。

一局面から最善手を打つのではなく、プロセスから最善手を打ち出すのがフォームの瀬戸熊だけに微妙な一打ではある。
瀬戸熊だからこそどこまでも頭を下げて欲しかったというのは酷な注文であろうか?

「初日の後悔は2つ。藤崎さんに打ったペン七索シーンと、前田さんの早いチンイツに打ったシーン。今回の決定戦では、進化したスタイルで戦おうと決めて挑んだのだから、2つの放銃はあってはならないものだったと思う。親番のブレークは、子方でしっかり戦ったときのご褒美という考えなのだから、とにかくギリギリの我慢をして、兵隊(牌)たちを気持ち良く戦わせてあげなければいけないと反省しています。」
瀬戸熊自身もこのように述べている。

100

南2局1本場、前田のテンパイ崩しが妙手である。

五万六万七万八万九万六索六索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ツモ七筒  ドラ七筒

この形から打九万と構えられる打ち手が何人いるのだろうか。

五万六万七万六索六索三筒四筒五筒五筒六筒七筒七筒八筒

この3,900は中々にアガれるものではない。
前田だからこそアガれた牌姿であることは間違いないと言えるだろう。

そして、勝又のリーチを受けながらも、前田を常に視野から外さない藤崎も相当落ち着いている。
勝又のリーチが入った瞬間、楽をして打六筒としなかった。

100
個人的には勝又が八索タンキで受けた時の接し方を見てみたかった。
当日前田は、今局について四万七万が場に出ていたら二筒は押さないつもりでいたと語っている。
道理である。

1回戦成績
前田+37.2P 藤崎+4.3P 勝又▲12.9P 瀬戸熊▲28.6P  

 

2回戦
(起家から、藤崎、勝又、瀬戸熊、前田)

―――――藤崎の切り込み

東2局2本場

藤崎
二万三万四万五万五万三索五索六索六索七索三筒四筒五筒  ツモ八万  ドラ八万

藤崎は6巡目、ドラである八万をこの牌姿から打ってまで、1,000点のアガリに拘った。
それほど今局が勝又の時間帯になることを恐れていたのである。
何が何でもアガリ切りたい1局だったのだろう。
こんな藤崎を私は初めて見た。

東4局2本場

100

藤崎10巡目リーチ

三万四万五万五索五索七索八索二筒二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒

1巡前の前田の牌姿であるが、

六万六万七万二索三索四索六索六索七索八索三筒五筒五筒  ツモ五筒

流局するも、前田の選択は正しかった。
ただし、1シャンテン時点の前田の選択が難しい。

六万六万七万二索三索四索六索六索七索八索三筒五筒五筒  ツモ五筒

ここで、一索を先に打っている分だけ、打六索もあったように思える。
それにしても先手を取られた以上、相手の待ちに合わせきる前田の能力は高いと言わざるを得ない。
藤崎は前田のドラの暗槓を見てさぞかし肝を冷やしたことだろう。

続く3本場は、前田の仕掛けから始まり、そこに向かって真っ向から勝負に挑む勝又。

二万三万一筒一筒二筒二筒三筒三筒七筒七筒中中中  ドラ八万

私ならテーマを前田の親落としにするためヤミテンに構える。
ここでリーチを打つのは若さの特権であり、勝又らしい勝負の挑み方である。

そして結果は、前田が東を引き込み、勝又から打ち出された六筒を捕える。
「ロン、7,700は8,000」
前田にとっては大きなアドバンテージである。

この局に関して勝又はこう語っている。
「手組が悪く、4巡目に九万を切るべきであったと思います。そうなれば、四万を直前に打たれたこともありホンイツになったかもしれません。さらにテンパイをとったとしても、どこまでもヤミテンにすべき局面にもかかわらず、打点あるアガリがしたいという欲からの情けないリーチだったと思います。特に1回戦で白を仕掛けなかったことを考えると、戦い方に一貫性がありませんでした。」

続く4本場、前田の麻雀に対する誠実さが実った1局である。
10巡目に藤崎より先行リーチが入る。

100

五万六万七万一索一索三索五索六索七索七索八索九索八筒

次巡、前田はこの牌姿からテンパイ取らずの打一索と構える。保留の一打である。
そして、結末のホウテイの出アガリは、点数以上に対局者に与えるダメージは大きいように思えた。

「10巡目に、下家の藤崎プロからリーチが入った局面。リーチを受けて12巡目に、

五万六万七万一索一索一索三索五索六索七索七索八索九索八筒

こうなり、藤崎プロのリーチなので打点があるか、待ちが好形かのどちらかであるのはほぼ間違いない状況。オリるのは簡単で、なんとか戦いたいとは思っていたのですが、ドラまたぎの八筒を切って二索三索待ちの追っかけは無謀ですし、三索切って一旦八筒タンキに受けるのもバランス的に違う感じがしました。捨牌は少し変則的でしたが、四索持ってきての3面張かドラ七筒持ってきての両面待ちにしてリーチにぶつけたいと思い、通ってはないが暗刻の一索を切ってどちらにも受けることが出来るようにしました。自分の中では、八筒切りよりも三索切りよりもより強くいくが為の一索切りでした。結果的には理想の形にはなりませんでしたけど、テンパイまで持っていけた手応えを感じた良い1局だったと思います。ホウテイでアガれたのはたまたまですが、この1局が次局の4,000オールに繋がったと感じています。」
前田自身もこのように語っている。

12巡目に前田よりリーチが入る。

五万六万七万一索一索四索四索四索三筒三筒三筒六筒七筒  リーチ  ドラ四索

「ツモ、4,000は4,500オール。」
山に残っている待ちの最後の五筒を手繰り寄せる前田。
6本場は勝又のリーチで流局。

南3局1本場、親の瀬戸熊が4巡目にテンパイ。

二万三万四万七万七万七万八索八索八索四筒七筒八筒九筒  ドラ八索

瀬戸熊は懐深く、打発から四筒タンキへ、そしてツモ六索へと変化するもヤミテン続行。
最後は10巡目にツモ九万でリーチを打つも、前田の音無しヤミテンに藤崎が放銃。
たしかに場面の空気は圧倒的に瀬戸熊がテンパイオーラを出していた。
その分だけ、影に潜んでいた前田にテンパイ気配は全くと言っていいほど感じられなかったのは紛れもない事実である。

それにしてもアガリ系が発タンキの1種類しかなかった瀬戸熊には辛い展開である。
それでも瀬戸熊はオーラス、前田より5,200点をアガリ沈みながらも2着に纏める。

まだ2回戦とはいえ、ポイント的には前田が鳳凰位に王手をかけていることは紛れもない事実である。
通常であれば、優勝のボーダーは半荘回数×8ポイントであると思っているからである。
簡単に記せば、16回戦×8=128ポイントと言うことである。

100

―――――

2回戦成績
前田+36.8P 瀬戸熊▲4.2P 藤崎▲11.3P  勝又▲21.3P

2回戦終了時
前田+74.0P 藤崎▲7.0P 瀬戸熊▲32.8P 勝又▲34.2P

 

3回戦
(起家から、藤崎、瀬戸熊、前田、勝又)

東2局1本場、2巡目

一万三万五万六万七万七索七索三筒四筒南南白発

前田にしてはめずらしく生牌の南を1枚目から仕掛ける。

一万五万六万七万七索七索三筒四筒白白  ポン南南南

7巡目、この形から1枚目の二筒をスルーする。落ち着いたプレーである。
そして、2枚目の五筒をしかけ、軽々と白を引きアガる。
2,000・4,000のツモアガリである。

そして迎えた親番で

七万八万一索二索三索四索五索七索八索九索一筒二筒北  ツモ三筒

普通ならばこの牌姿からは、打北と構えるのが自然のように思われるが、前田は一通を見切りチャンタを視野に入れた打五索と構える。
良し悪しは別として、前田らしい一打であることは相違ない。

その後二索をとらえ損なうも、一索を重ね藤崎からの六万を捕まえる。
独特の手筋を踏みながらも、アガリに結び付ける前田に展開の理を感じさせた。

東4局1本場について前田はこう語っている。
「1、2回戦目とまさかの順調な出だしに少し戸惑いつつも途中まではしっかりと戦えていた。 1シャンテンから2枚目の発を仕掛けて、手広い1シャンテンに取る。普段ではたぶん仕掛けないかもしれない。が、ここはリーチをしたくなかった為鳴いてしまう…。結果、瀬戸熊プロへの7,700放銃。しかし自分の中ではあまり後悔していなかった。」

たしかに、1シャンテンから1シャンテンにしかならない前田の仕掛けを咎める声もあったようだが、前田の言葉を考えるならば理にはかなっているように思う。
この部分に関しては、それぞれの考え方があっていいように思う。

100

着目すべき点は、7巡目に上家の瀬戸熊から打ち出されている一筒を仕掛けなかったことである。
ここはマンズの受けの選択が難しい以上、結果は悪く出たが仕掛けなかった前田の気持ちも理解できる。

―――――前田の後悔

南3局1本場

五万五万六万六万六万七万五索六索四筒五筒六筒北北  ツモ三筒  ドラ一万

前田はこの手牌から打北と構えているが、私の目からは不自然な一打に映った。
さらに12巡目、対面から打ち出された六万を仕掛けたことが、前田を研究している私にとっては驚き以外の何物でもなかった。

五万五万六万七万四索五索六索三筒四筒五筒六筒  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  打六筒

たしかにテンパイなのではあるが、前田らしくない軽い仕掛けに思えてならなかった。
持ち点を加味すればそのことははっきり言い切ってもいいように思える。

この仕掛けで、勝又に絶好と思われる二万を引き込まさせテンパイを入れさせてしまう
麻雀はかように正直なゲームなのである。誰かがミスをすれば誰かに理が動く。

勝又手牌
一万三万四万五万五索五索六索発発発中中中  ツモ二万  ドラ一万

また称えるべきは、最後までドラである一万を持ち続けた勝又の力である。
前田は勝又のロン牌である三万をツモったとき、少考に沈んだ。
結果として三万を打ってしまうのだが、この三万が僅かでも指に止まるというところが、前田の感性が潜んでいるということだろう。

今局に関して前田はこう語っている。
「それよりも悪かったのが南3局1本場、自分の親番での1シャンテンからの六万ポンである。四万七万が薄くなった為、北をトイツ落としして2シャンテンに戻したまでは良かったのだが、ツモが効いていたにも関わらず、親番維持だけの為に思わず仕掛けてしまった。これにより勝又プロにテンパイを入れさせ、危険に感じたにも関わらず三万で6,400の放銃となった。案の定、オーラスで藤崎プロに放銃してラスになる。この局が1番の印象に残る局でした。」

南4局

100

南家・藤崎
六万六万三索三索九索九索五筒五筒西北北発発  リーチ  ドラ南

北家・前田
四索六索二筒三筒四筒六筒七筒七筒南西西西発中  打西

麻雀と言うゲームは本当に微細な所で勝負は決まる。
前田自身が述べているように、南3局1本場の僅かなミスとも呼べない軽い仕掛けが、好調を維持していた前田がまさかのラスにまで落とし込んでしまったと私は解釈する。
ただ称えるべき部分があるとすれば、藤崎の河を見ればわかるように、この河が七対子とは思えないことである。
それだけ藤崎が丁寧に仕上げきった七対子である。

3回戦成績
勝又+25.4P 瀬戸熊▲2.7P 藤崎▲8.7P 前田▲14.0P

3回戦終了時
前田+60.0P 勝又▲8.8P 藤崎▲15.7P 瀬戸熊▲35.5P

 

4回戦
(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)

開始前、初めて目をつむり自分の世界に入ろうとする瀬戸熊の表情が印象的だった。

100

東1局、勝又、瀬戸熊の一騎打ちの局面かと思われたが、藤崎の光るプレー。
どれだけこの男は局面が見えているのだろうと思わずにはいられない。
フリテンの五万を引きアガる。本当に大きな300・500のアガリである。

瀬戸熊も以下の牌姿から、細心の注意を払い打三万とし狭く構えるも、実らず。

二万二万二万三万四万八万八万  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ツモ四万  ドラ七索

東4局、瀬戸熊2巡目テンパイ。

一万三万一索二索三索四索五索六索七索七索五筒六筒七筒  ドラ北

これを瀬戸熊らしくヤミテンに構え、7巡目にツモ九索、打七索のテンパイ取らず。
そして最終形を、

一万一万一索二索三索四索五索六索七索九索五筒六筒七筒  リーチ

この形に持っていくのが、今の瀬戸熊の麻雀のカタチなのだろう。
これに放銃したのが藤崎。

藤崎はこう語っている。
「前局いい形でツモアガった以上、真っ直ぐ打ち抜くつもりでしたが、この八索がつかまるということは今日は僕の日ではないと思いました。」

藤崎
一万三万二索三索四索一筒一筒一筒七筒七筒九筒北北  打八索

南1局、勝又が6,000オールを引きアガる。
今半荘、手牌には恵まれたもののアガリには結びつかなかった勝又にとっては、大きなアガリである。
この瞬間、2回戦終了時、前田との点差が100P以上あったのがわずか34Pほどとなった。

続く1本場も2,000は2,100オールをツモアガリ、25P差となる。

勝又
二万三万四万六万七万八万七索七索六筒六筒六筒六筒七筒  ツモ八筒

このツモアガリで苦しくなったのは前田ではなく、瀬戸熊と見る。
トータルのポイントが▲50P弱。初日とはいえ、最下位に位置するのはやはり苦しいものがあると考える。
それをわかっているかのように次局、ヤミテンピンフをテンパイしていた藤崎より出アガリ自分の位置取りをキッチリ図る。

この男の一番の強みは常に、今、何をすべきか理解し、行動に移せることである。
このアガリでこの半荘2着目に位置づけた。
そして苦しくなったのはテンパイしながらもアガリに結びつかない藤崎である。
次局も勝又のリーチに前田のヤミテン。

南2局、北家・勝又

三万三万三索三索三索四索五索六索四筒五筒六筒発発  リーチ  ドラ六筒

東家・前田

一万二万三万六万七万五索六索七索四筒五筒六筒九筒九筒  ロン五万

前田のヤミテンに放銃するや、次局も前田の速いヤミテン七対子に飛び込む。

南2局1本場、東家・前田

二万二万三万三万四万六万六万五索五索八筒八筒南南  ロン四万  ドラ七筒

この辺り、藤崎に落ち度があったわけではなく、前田のいぶし銀のヤミテンを評価すべき所だろう。

―――――勝又の Count Down

南2局2本場、勝又が9巡目にテンパイし、次巡、六筒で跳満をツモアガる。

三万四万五万六索七索七索七索八索五筒六筒七筒七筒八筒  ツモ六筒  ドラ七索

これで前田、勝又の差が15P弱となった。

南3局、勝又が3フーロして2,000・4,000をツモアガリ、前田との差が僅か5.0Pでオーラスを迎える。

西家・勝又
二万二万二索二索  チー五万 左向き六万 上向き七万 上向き  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ポン西西西  ツモ二万  ドラ二万

南4局、オーラスも勝又が十八番の七対子をキッチリとツモアガリ、前田とその差わずか1.0Pで初日を終了する。
「勝又の時間帯の入り方が、ボクには良く解らないんですよ」
後日、瀬戸熊はそう語っていたのが印象的だった。

4回戦成績
勝又+58.1P 前田▲9.7P 瀬戸熊▲16.1P 藤崎▲32.3P

4回戦終了時
前田+50.3P 勝又+49.3P 藤崎▲48.0P 瀬戸熊▲51.6P

 

初日を振り返って
前田
「3回戦のミスは自分の弱さだと思います。ただ冷静さだけは失わないように明日も戦います。初日としては悪くはなかったと思います。3回戦目を反省して、ここは落ち着いてドッシリと打とうと思いながら入りました。 勝又プロが好調で、とにかくこの半荘は我慢がテーマ。自分から崩れることのないよーにと打ちました。初日終わって自分の1人浮きよりも、勝又プロが浮いて2人浮きになったほうが、今後も戦い易いのでは?と思ってもいたので、とにかく自分から不用意な放銃だけはしないようにと落ち着いて打てたと思います。」

瀬戸熊
「これだけ我慢をしていたのだから、自分の時間帯になったら絶対許さないゾ」
瀬戸熊の本音が覗えたコメントではある。

藤崎
「とりあえず今日の事は置いておいて、明日はポイントを±0ラインには持っていきたいと思います。」

勝又
「1、2回戦に関してはコメントした通りで、3回戦 、4回戦は自分なりに及第点はある内容だったかと思います。」

いずれにしても初日が終わっただけの事である。
2日目以降に、さらなる頂点を極めるプロの凌ぎ合いが繰り返されることは必至である。

プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記/第31期鳳凰位決定戦観戦記初日 前原 雄大

第31期鳳凰戦 初日
2月7日、いよいよ、日本プロ麻雀連盟の頂点を競う第31期鳳凰戦が始まった。
「全てのタイトル戦の中でも格別なものだと思う。少なくとも他のタイトルを2つ獲得する以上の価値があると思う。」
そう語るのは連盟の生きる伝説とも呼ぶべき荒正義さんである。
私も同じように思う。
私に鳳凰戦の観戦記のオファーが来たのが12月のことだった。
元々観戦記者になりたくて連盟に入会した部分もあり快諾させていただいた。
私の叔父が囲碁の観戦記者をやっていたが、
「とにかく、現場できちんと取材すること、テレビの放映されない部分を伝えることが全てと言ってもいい」
叔父は常々そう言っていた。
その言葉を思い出し、今回も現場であるスタジオに足を運び、対局者に簡単なアンケートと取材する旨の手紙を書いて渡した。
対局者にはさぞかし煩わしいことだろうと思う。
それはやはり、休憩時間等には次の戦いに備え、心の準備、集中に傾けたいからである。
私も同じ立場にある以上、細心の敬意と心配りをさせていただいた。
いずれにしても、映像に映らない部分を中心にお読みの方には伝えていきたいと思う。
まずは選手紹介。
100
藤崎智
生年月日:昭和43年1月25日(47歳)
連盟在籍年数:18年
A1リーグ在籍年数:5年
獲得タイトル:十段位、麻雀グランプリ、日本オープン(3回)
タイトル戦に臨むとき心掛けていること:自然体で
麻雀のスタイル:守備型
ファンの方へメッセージ
「去年はみなさんの応援のおかげで実力以上の麻雀が打てたと思っています。今年は昨年の恩返しのつもりで頑張ります。よろしくお願いします。」
 
100
勝又健志
生年月日:昭和56年3月15日(33歳)
連盟在籍年数:14年
A1リーグ在籍年数:1年
獲得タイトル:麻雀グランプリMAX
タイトル戦に臨むとき心掛けていること:いつも通りの麻雀
麻雀のスタイル:守備型?
勝又はアンケート用紙に記しながら、私に尋ねた。
「僕って何型なのでしょうか?」私にはそんな勝又が微笑ましく映った。
 
100
前田直哉
生年月日:昭和47年(43歳)
連盟在籍年数:14年
A1リーグ在籍年数:1年
獲得タイトル:麻雀グランプリMAX
タイトル戦に臨むとき心掛けていること:気持ちのもっていきかた、冷静さを保つこと
麻雀のスタイル:高打点を目指した重い一撃
ファンの方へメッセージ
「応援して下さる人の為、そして自分の為、最高の舞台で、最高の麻雀を目指します。」
 
100
瀬戸熊直樹
生年月日:昭和45年8月27日(44歳)
連盟在籍年数:17年
A1リーグ在籍年数:10年
獲得タイトル:十段位(3回)、鳳凰位(3回)、他
タイトル戦に臨むとき心掛けていること:体調を整え、戦いに挑める身体にする。
麻雀のスタイル:攻撃型ですが、自分の時間帯を作りにいくスタイル
ファンの方へメッセージ
「やはり鳳凰位は僕にとって特別なものです。全てを卓上に捧げるつもりで戦い抜きます。」
こう記すとわかることだが、50代以上の打ち手がいない。
ここ十年ではめずらしいことである。
プロリーグは今日にいたるまで様々なかたちを変えてきた。
鳳凰戦という名前に変わりデフェンデイング制になったのは1992年度の第10期からである。
それまではプロリーグであり、決勝戦もなかったり、あっても予選の得点持越しだったりした。
この時のメンバーが安藤満{故人}荒正義、沢崎誠、前原雄大。
最年長の安藤満が44歳で、最年少の私が36歳であった。
安藤、荒は当時すでに偉大な実績を残し、沢崎、私は他のタイトルは持っていても初挑戦だった。
構図としては今回の鳳凰戦を彷彿させる。
ちなみに、この時は半荘、1日6回の4日間で計24回戦だった。
控室に赴くと、現鳳凰位である藤崎が近寄る。
「一番緊張しているのは、私だと思います。何しろ、失冠するかどうか掛かっていますから、、、」
「後輩達は可愛い、本当に可愛く思っている分だけ、簡単には勝たせてはいけないと思っています」
私は正直、藤崎のこの言葉に驚いた。
これほど熱く語る藤崎を見たことがないからである。
そして、一プレイヤーではなく、公人の発言だからである。
勝又健志
「昨日は2秒で就寝できました」
この2秒と語る部分が勝又らしい。
充分な戦闘態勢を作り上げてきたということだろう。
瀬戸熊直樹
「多分、一番リラックスしているのはボクだとおもいます」
この男が劇的な四暗刻をオーラスにツモリあげ、私への挑戦権を獲った時、一番うれしく思ったのは私であり、テンションがあがったのを良く覚えている。
そして、アッツサリ鳳凰位を戴冠したときに瀬戸熊に私はこう告げた。
「貴方は向こう10年で、5回は鳳凰位に就くと思う」
瀬戸熊直樹という打ち手は、それだけの逸材である。
そして、6連続決定戦進出というのはやはり、偉業と言わざるを得ない。
前田直哉
「ここ1週間、冷静であることだけに勤めました」
何をどう過ごしたとか、語らず、『冷静』の二文字をこの後、幾たびも前田は口にしている。
いずれにしても素晴らしい戦いが繰り広げられることは間違いなさそうである。
100
1回戦
(起家から、瀬戸熊、勝又、藤崎、前田)
対局直前の光景
目をつぶる瀬戸熊、勝又。一点を見つめ続ける藤崎、前田の両極端な表情が印象的である。
前田は開始前をこう語っている。
「いよいよ鳳凰戦開幕である。昔から夢にまでみた舞台。決まった後の数日は緊張も感じたが、当日は至って平静でスタジオ入り出来ました。卓に着き、瀬戸熊プロから気迫を感じ、勝又プロは何秒間か眼を閉じていた。藤崎プロは平静を装ってはいたが一番緊張しているように感じた。当の私は普段とほぼ同じであった。皆より背負うモノが少ないからだろうか?それとも鈍感なだけか・・・。しかし始まってみないと本当に普段通りなのかはわからない。」
藤原隆弘審判長
「では、対局を開始してください」
この合図と共に眼を見開く4者。戦いが始まった。
100
東1局9巡目、藤崎にリーチが入る。
三万三万五万六万七万一索二索三索五索六索二筒二筒二筒  リーチ  ドラ二筒
リーチ後、藤崎の指が僅かに震えている。{本人はまるで意識していなかったと語っていた}
初めて見る藤崎の光景である。
結果は流局なのだが、親番である瀬戸熊は立ち向かって行くかと思っていたが、いきなり現物を抜いたことは意外だった。
だが、これも瀬戸熊がシミュレートしてきたことなのだろう。
勝又は今局に関してこう述べている。
「対局時は藤崎さんに気配があったこと、勢いを掴むアガリをしたいと思っていたことから白を仕掛けなかったのですが、戦う姿勢として白を仕掛けるべきだったかと」
藤崎は藤崎で
「あれは下目の三色の手順があったように思えます」
そう語っていた。
確かに三色だけに拘れば藤崎の手筋ならば可能かとも思うが、難しい手順を踏まねばならない。
そして東1局ドラ3リーチはアガれず流局。
「この時点での自分の考え方は2通り。手なりでドラ3のリーチで1人テンパイならツキはあるかもという考え方と、いきなりのドラ3リーチのからぶりで先行き不安という考え方。なので、次の局、前田プロのピンズ気配にも1シャンテンからごり押し。8巡目1シャンテンがテンパイせず流局でかなり先行き不安を感じたのを覚えています。ここからとりあえず早目のリーチからのツモアガリがほしいとだけ考えていました。なので1、2回戦は意識してリーチを多用していました。」
藤崎はこうも語っている。
瀬戸熊
「東1局、藤崎さんのリーチを受けて、真っ直ぐ行っていれば、アガリがあったかもしれないし、放銃にまわっていたかもしれない。ただ、藤崎さんの手が高いのと、自分の中で、GOサインが出なかったのと、僕のウイークポイントである守備をしっかりするべきときはしようと思ったからでした。」
そう語っていた。
いずれにしても、コメントが集中したということは、それだけ、開局に意味があり、それぞれに重い1局であったことは間違いないことである。
東3局2本場
一万二万三万三万五万七万八万九万六索七索八索五筒五筒  ツモ四万  ドラ一万
前田が500・1,000は700・1,200のアガリで収束した。
今局は前田が8巡目にカン四万の役なしテンパイを入れたのだが、9巡目に勝又が三筒六筒九筒待ちのテンパイが入る。
三索四索四索五索五索六索三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ一万
10巡目に、勝又・藤崎と続けざまに四万が打ち出され、これで残り1枚になったと見ている瞬間に、役なしテンパイの前田がラス牌の四万を引きアガる。
これは点数以上に大きいアガリである。
他3人の対局者からも四万が3枚並んでいたことは確認できる。
本当に良いカタチで前田は親番を迎えた。
私が対局者であったならば前田の親番は細心の注意を払う。
このアガリに関して前田はこう語っている。
「序盤は誰にもアガリの出ない静かな立ち上がり。初アガリは自分でした。点数こそ500・1,000は700・1,200と安いものの、緊張も無い、ちゃんと地に足が着いている。今日はしっかりと戦えると思った局でした。」
前田もやはり私と同様の考えをもたらせた1局である。
―――――前田の構想力と感性
東4局、親・前田
配牌
二万三万四万五万七万八万八万八万九万一索一索四索六索二筒  ドラ南
前田の初打、二打と、一索のトイツ落としから入っている。
ピンフ一通と三色、チンイツを見据えた好手である。
そして瀬戸熊から打ち出された二万を仕掛ける。
三万四万五万七万八万八万八万九万四索六索二筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  打六索 上向き
この二万は中々動けないものだ。これが前田の持っている感性である。
普段腰の重い前田が仕掛けるということは、脳よりも身体が反応したものだろう。
そしてわずか5巡目には
二万三万四万四万五万七万八万八万八万九万  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き
このテンパイが入る。
同巡、瀬戸熊から六万が打ち出される。
親の12,000の成就である。
前田にとっては会心のアガリであり、瀬戸熊にとっては手痛い放銃である。
これだから麻雀は怖い。
東4局1本場、親番の前田が絶好のカン三索を引き込み、9巡目にリーチが入る。
五万六万六万七万七万七万八万九万二索三索四索六筒六筒  リーチ  ドラ二索
そして今度は勝又より出アガる。
勝又もこの形にしてしまった以上、打八万は至当な放銃である。
二万三万四万四万六万八万四索五索六索八索八索四筒五筒六筒  打八万  ドラ二索
この時点で前田の持ち点が50,000点オーバーの53,700点。
さらに得点を伸ばすかに思えたが、次局、前田は勝又を意識し、早い段階でオリを選択。
結果は、勝又のリーチが中盤過ぎに入り500・1,000のツモアガリ。
それだけ前田は場が良く見えていたのだろう。
南1局、藤崎より6巡目にリーチが入る。
一万一万一索二索三索四索五索六索八索九索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ三万
ここに飛び込んだのが親番の瀬戸熊。
四万五万六万三索三索四索四索七索二筒二筒二筒五筒六筒七筒  打七索  ドラ三万
これは状態を考えれば瀬戸熊らしく無いと映ったのは私だけだろうか。
東1局はフラットな状態で受けきったのに、今局は悪い状態でありながら攻めに転じている。
このアンバランスさはどこから来るのだろう。
一局面から最善手を打つのではなく、プロセスから最善手を打ち出すのがフォームの瀬戸熊だけに微妙な一打ではある。
瀬戸熊だからこそどこまでも頭を下げて欲しかったというのは酷な注文であろうか?
「初日の後悔は2つ。藤崎さんに打ったペン七索シーンと、前田さんの早いチンイツに打ったシーン。今回の決定戦では、進化したスタイルで戦おうと決めて挑んだのだから、2つの放銃はあってはならないものだったと思う。親番のブレークは、子方でしっかり戦ったときのご褒美という考えなのだから、とにかくギリギリの我慢をして、兵隊(牌)たちを気持ち良く戦わせてあげなければいけないと反省しています。」
瀬戸熊自身もこのように述べている。
100
南2局1本場、前田のテンパイ崩しが妙手である。
五万六万七万八万九万六索六索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ツモ七筒  ドラ七筒
この形から打九万と構えられる打ち手が何人いるのだろうか。
五万六万七万六索六索三筒四筒五筒五筒六筒七筒七筒八筒
この3,900は中々にアガれるものではない。
前田だからこそアガれた牌姿であることは間違いないと言えるだろう。
そして、勝又のリーチを受けながらも、前田を常に視野から外さない藤崎も相当落ち着いている。
勝又のリーチが入った瞬間、楽をして打六筒としなかった。
100
個人的には勝又が八索タンキで受けた時の接し方を見てみたかった。
当日前田は、今局について四万七万が場に出ていたら二筒は押さないつもりでいたと語っている。
道理である。
1回戦成績
前田+37.2P 藤崎+4.3P 勝又▲12.9P 瀬戸熊▲28.6P  
 
2回戦
(起家から、藤崎、勝又、瀬戸熊、前田)
―――――藤崎の切り込み
東2局2本場
藤崎
二万三万四万五万五万三索五索六索六索七索三筒四筒五筒  ツモ八万  ドラ八万
藤崎は6巡目、ドラである八万をこの牌姿から打ってまで、1,000点のアガリに拘った。
それほど今局が勝又の時間帯になることを恐れていたのである。
何が何でもアガリ切りたい1局だったのだろう。
こんな藤崎を私は初めて見た。
東4局2本場
100
藤崎10巡目リーチ
三万四万五万五索五索七索八索二筒二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒
1巡前の前田の牌姿であるが、
六万六万七万二索三索四索六索六索七索八索三筒五筒五筒  ツモ五筒
流局するも、前田の選択は正しかった。
ただし、1シャンテン時点の前田の選択が難しい。
六万六万七万二索三索四索六索六索七索八索三筒五筒五筒  ツモ五筒
ここで、一索を先に打っている分だけ、打六索もあったように思える。
それにしても先手を取られた以上、相手の待ちに合わせきる前田の能力は高いと言わざるを得ない。
藤崎は前田のドラの暗槓を見てさぞかし肝を冷やしたことだろう。
続く3本場は、前田の仕掛けから始まり、そこに向かって真っ向から勝負に挑む勝又。
二万三万一筒一筒二筒二筒三筒三筒七筒七筒中中中  ドラ八万
私ならテーマを前田の親落としにするためヤミテンに構える。
ここでリーチを打つのは若さの特権であり、勝又らしい勝負の挑み方である。
そして結果は、前田が東を引き込み、勝又から打ち出された六筒を捕える。
「ロン、7,700は8,000」
前田にとっては大きなアドバンテージである。
この局に関して勝又はこう語っている。
「手組が悪く、4巡目に九万を切るべきであったと思います。そうなれば、四万を直前に打たれたこともありホンイツになったかもしれません。さらにテンパイをとったとしても、どこまでもヤミテンにすべき局面にもかかわらず、打点あるアガリがしたいという欲からの情けないリーチだったと思います。特に1回戦で白を仕掛けなかったことを考えると、戦い方に一貫性がありませんでした。」
続く4本場、前田の麻雀に対する誠実さが実った1局である。
10巡目に藤崎より先行リーチが入る。
100
五万六万七万一索一索三索五索六索七索七索八索九索八筒
次巡、前田はこの牌姿からテンパイ取らずの打一索と構える。保留の一打である。
そして、結末のホウテイの出アガリは、点数以上に対局者に与えるダメージは大きいように思えた。
「10巡目に、下家の藤崎プロからリーチが入った局面。リーチを受けて12巡目に、
五万六万七万一索一索一索三索五索六索七索七索八索九索八筒
こうなり、藤崎プロのリーチなので打点があるか、待ちが好形かのどちらかであるのはほぼ間違いない状況。オリるのは簡単で、なんとか戦いたいとは思っていたのですが、ドラまたぎの八筒を切って二索三索待ちの追っかけは無謀ですし、三索切って一旦八筒タンキに受けるのもバランス的に違う感じがしました。捨牌は少し変則的でしたが、四索持ってきての3面張かドラ七筒持ってきての両面待ちにしてリーチにぶつけたいと思い、通ってはないが暗刻の一索を切ってどちらにも受けることが出来るようにしました。自分の中では、八筒切りよりも三索切りよりもより強くいくが為の一索切りでした。結果的には理想の形にはなりませんでしたけど、テンパイまで持っていけた手応えを感じた良い1局だったと思います。ホウテイでアガれたのはたまたまですが、この1局が次局の4,000オールに繋がったと感じています。」
前田自身もこのように語っている。
12巡目に前田よりリーチが入る。
五万六万七万一索一索四索四索四索三筒三筒三筒六筒七筒  リーチ  ドラ四索
「ツモ、4,000は4,500オール。」
山に残っている待ちの最後の五筒を手繰り寄せる前田。
6本場は勝又のリーチで流局。
南3局1本場、親の瀬戸熊が4巡目にテンパイ。
二万三万四万七万七万七万八索八索八索四筒七筒八筒九筒  ドラ八索
瀬戸熊は懐深く、打発から四筒タンキへ、そしてツモ六索へと変化するもヤミテン続行。
最後は10巡目にツモ九万でリーチを打つも、前田の音無しヤミテンに藤崎が放銃。
たしかに場面の空気は圧倒的に瀬戸熊がテンパイオーラを出していた。
その分だけ、影に潜んでいた前田にテンパイ気配は全くと言っていいほど感じられなかったのは紛れもない事実である。
それにしてもアガリ系が発タンキの1種類しかなかった瀬戸熊には辛い展開である。
それでも瀬戸熊はオーラス、前田より5,200点をアガリ沈みながらも2着に纏める。
まだ2回戦とはいえ、ポイント的には前田が鳳凰位に王手をかけていることは紛れもない事実である。
通常であれば、優勝のボーダーは半荘回数×8ポイントであると思っているからである。
簡単に記せば、16回戦×8=128ポイントと言うことである。
100
―――――
2回戦成績
前田+36.8P 瀬戸熊▲4.2P 藤崎▲11.3P  勝又▲21.3P
2回戦終了時
前田+74.0P 藤崎▲7.0P 瀬戸熊▲32.8P 勝又▲34.2P
 
3回戦
(起家から、藤崎、瀬戸熊、前田、勝又)
東2局1本場、2巡目
一万三万五万六万七万七索七索三筒四筒南南白発
前田にしてはめずらしく生牌の南を1枚目から仕掛ける。
一万五万六万七万七索七索三筒四筒白白  ポン南南南
7巡目、この形から1枚目の二筒をスルーする。落ち着いたプレーである。
そして、2枚目の五筒をしかけ、軽々と白を引きアガる。
2,000・4,000のツモアガリである。
そして迎えた親番で
七万八万一索二索三索四索五索七索八索九索一筒二筒北  ツモ三筒
普通ならばこの牌姿からは、打北と構えるのが自然のように思われるが、前田は一通を見切りチャンタを視野に入れた打五索と構える。
良し悪しは別として、前田らしい一打であることは相違ない。
その後二索をとらえ損なうも、一索を重ね藤崎からの六万を捕まえる。
独特の手筋を踏みながらも、アガリに結び付ける前田に展開の理を感じさせた。
東4局1本場について前田はこう語っている。
「1、2回戦目とまさかの順調な出だしに少し戸惑いつつも途中まではしっかりと戦えていた。 1シャンテンから2枚目の発を仕掛けて、手広い1シャンテンに取る。普段ではたぶん仕掛けないかもしれない。が、ここはリーチをしたくなかった為鳴いてしまう…。結果、瀬戸熊プロへの7,700放銃。しかし自分の中ではあまり後悔していなかった。」
たしかに、1シャンテンから1シャンテンにしかならない前田の仕掛けを咎める声もあったようだが、前田の言葉を考えるならば理にはかなっているように思う。
この部分に関しては、それぞれの考え方があっていいように思う。
100
着目すべき点は、7巡目に上家の瀬戸熊から打ち出されている一筒を仕掛けなかったことである。
ここはマンズの受けの選択が難しい以上、結果は悪く出たが仕掛けなかった前田の気持ちも理解できる。
―――――前田の後悔
南3局1本場
五万五万六万六万六万七万五索六索四筒五筒六筒北北  ツモ三筒  ドラ一万
前田はこの手牌から打北と構えているが、私の目からは不自然な一打に映った。
さらに12巡目、対面から打ち出された六万を仕掛けたことが、前田を研究している私にとっては驚き以外の何物でもなかった。
五万五万六万七万四索五索六索三筒四筒五筒六筒  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  打六筒
たしかにテンパイなのではあるが、前田らしくない軽い仕掛けに思えてならなかった。
持ち点を加味すればそのことははっきり言い切ってもいいように思える。
この仕掛けで、勝又に絶好と思われる二万を引き込まさせテンパイを入れさせてしまう
麻雀はかように正直なゲームなのである。誰かがミスをすれば誰かに理が動く。
勝又手牌
一万三万四万五万五索五索六索発発発中中中  ツモ二万  ドラ一万
また称えるべきは、最後までドラである一万を持ち続けた勝又の力である。
前田は勝又のロン牌である三万をツモったとき、少考に沈んだ。
結果として三万を打ってしまうのだが、この三万が僅かでも指に止まるというところが、前田の感性が潜んでいるということだろう。
今局に関して前田はこう語っている。
「それよりも悪かったのが南3局1本場、自分の親番での1シャンテンからの六万ポンである。四万七万が薄くなった為、北をトイツ落としして2シャンテンに戻したまでは良かったのだが、ツモが効いていたにも関わらず、親番維持だけの為に思わず仕掛けてしまった。これにより勝又プロにテンパイを入れさせ、危険に感じたにも関わらず三万で6,400の放銃となった。案の定、オーラスで藤崎プロに放銃してラスになる。この局が1番の印象に残る局でした。」
南4局
100
南家・藤崎
六万六万三索三索九索九索五筒五筒西北北発発  リーチ  ドラ南
北家・前田
四索六索二筒三筒四筒六筒七筒七筒南西西西発中  打西
麻雀と言うゲームは本当に微細な所で勝負は決まる。
前田自身が述べているように、南3局1本場の僅かなミスとも呼べない軽い仕掛けが、好調を維持していた前田がまさかのラスにまで落とし込んでしまったと私は解釈する。
ただ称えるべき部分があるとすれば、藤崎の河を見ればわかるように、この河が七対子とは思えないことである。
それだけ藤崎が丁寧に仕上げきった七対子である。
3回戦成績
勝又+25.4P 瀬戸熊▲2.7P 藤崎▲8.7P 前田▲14.0P
3回戦終了時
前田+60.0P 勝又▲8.8P 藤崎▲15.7P 瀬戸熊▲35.5P
 
4回戦
(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)
開始前、初めて目をつむり自分の世界に入ろうとする瀬戸熊の表情が印象的だった。
100
東1局、勝又、瀬戸熊の一騎打ちの局面かと思われたが、藤崎の光るプレー。
どれだけこの男は局面が見えているのだろうと思わずにはいられない。
フリテンの五万を引きアガる。本当に大きな300・500のアガリである。
瀬戸熊も以下の牌姿から、細心の注意を払い打三万とし狭く構えるも、実らず。
二万二万二万三万四万八万八万  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ツモ四万  ドラ七索
東4局、瀬戸熊2巡目テンパイ。
一万三万一索二索三索四索五索六索七索七索五筒六筒七筒  ドラ北
これを瀬戸熊らしくヤミテンに構え、7巡目にツモ九索、打七索のテンパイ取らず。
そして最終形を、
一万一万一索二索三索四索五索六索七索九索五筒六筒七筒  リーチ
この形に持っていくのが、今の瀬戸熊の麻雀のカタチなのだろう。
これに放銃したのが藤崎。
藤崎はこう語っている。
「前局いい形でツモアガった以上、真っ直ぐ打ち抜くつもりでしたが、この八索がつかまるということは今日は僕の日ではないと思いました。」
藤崎
一万三万二索三索四索一筒一筒一筒七筒七筒九筒北北  打八索
南1局、勝又が6,000オールを引きアガる。
今半荘、手牌には恵まれたもののアガリには結びつかなかった勝又にとっては、大きなアガリである。
この瞬間、2回戦終了時、前田との点差が100P以上あったのがわずか34Pほどとなった。
続く1本場も2,000は2,100オールをツモアガリ、25P差となる。
勝又
二万三万四万六万七万八万七索七索六筒六筒六筒六筒七筒  ツモ八筒
このツモアガリで苦しくなったのは前田ではなく、瀬戸熊と見る。
トータルのポイントが▲50P弱。初日とはいえ、最下位に位置するのはやはり苦しいものがあると考える。
それをわかっているかのように次局、ヤミテンピンフをテンパイしていた藤崎より出アガリ自分の位置取りをキッチリ図る。
この男の一番の強みは常に、今、何をすべきか理解し、行動に移せることである。
このアガリでこの半荘2着目に位置づけた。
そして苦しくなったのはテンパイしながらもアガリに結びつかない藤崎である。
次局も勝又のリーチに前田のヤミテン。
南2局、北家・勝又
三万三万三索三索三索四索五索六索四筒五筒六筒発発  リーチ  ドラ六筒
東家・前田
一万二万三万六万七万五索六索七索四筒五筒六筒九筒九筒  ロン五万
前田のヤミテンに放銃するや、次局も前田の速いヤミテン七対子に飛び込む。
南2局1本場、東家・前田
二万二万三万三万四万六万六万五索五索八筒八筒南南  ロン四万  ドラ七筒
この辺り、藤崎に落ち度があったわけではなく、前田のいぶし銀のヤミテンを評価すべき所だろう。
―――――勝又の Count Down
南2局2本場、勝又が9巡目にテンパイし、次巡、六筒で跳満をツモアガる。
三万四万五万六索七索七索七索八索五筒六筒七筒七筒八筒  ツモ六筒  ドラ七索
これで前田、勝又の差が15P弱となった。
南3局、勝又が3フーロして2,000・4,000をツモアガリ、前田との差が僅か5.0Pでオーラスを迎える。
西家・勝又
二万二万二索二索  チー五万 左向き六万 上向き七万 上向き  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ポン西西西  ツモ二万  ドラ二万
南4局、オーラスも勝又が十八番の七対子をキッチリとツモアガリ、前田とその差わずか1.0Pで初日を終了する。
「勝又の時間帯の入り方が、ボクには良く解らないんですよ」
後日、瀬戸熊はそう語っていたのが印象的だった。
4回戦成績
勝又+58.1P 前田▲9.7P 瀬戸熊▲16.1P 藤崎▲32.3P
4回戦終了時
前田+50.3P 勝又+49.3P 藤崎▲48.0P 瀬戸熊▲51.6P
 
初日を振り返って
前田
「3回戦のミスは自分の弱さだと思います。ただ冷静さだけは失わないように明日も戦います。初日としては悪くはなかったと思います。3回戦目を反省して、ここは落ち着いてドッシリと打とうと思いながら入りました。 勝又プロが好調で、とにかくこの半荘は我慢がテーマ。自分から崩れることのないよーにと打ちました。初日終わって自分の1人浮きよりも、勝又プロが浮いて2人浮きになったほうが、今後も戦い易いのでは?と思ってもいたので、とにかく自分から不用意な放銃だけはしないようにと落ち着いて打てたと思います。」
瀬戸熊
「これだけ我慢をしていたのだから、自分の時間帯になったら絶対許さないゾ」
瀬戸熊の本音が覗えたコメントではある。
藤崎
「とりあえず今日の事は置いておいて、明日はポイントを±0ラインには持っていきたいと思います。」
勝又
「1、2回戦に関してはコメントした通りで、3回戦 、4回戦は自分なりに及第点はある内容だったかと思います。」
いずれにしても初日が終わっただけの事である。
2日目以降に、さらなる頂点を極めるプロの凌ぎ合いが繰り返されることは必至である。

第10期静岡プロリーグ最終節レポート

ついに迎えることとなった第10期静岡プロリーグ最終節。
決勝戦に残るには上位4人に入らなければいけません。総合ポイントの多寡は関係なく、上位4人に入れば決勝戦へと駒を進められます。

最終節の対戦卓
1卓
岡本和也(1位、+202.7P)
土屋幸弘(6位、+28.2P)
太田昌樹(7位、+11.4P)
徳永翔(12位、▲51.3P)

2卓
鷲見隼人(2位、+111.0P)
越川清一(5位、+32.4P)
望月雅継(8位、+8.7P)
杉村泰治(11位、+42.5P)

3卓
長内真実(3位、+105.7P)
鈴木郁孝(4位、+72.7P)
平野敬悟(9位、+3.5P)
京平遥(10位、▲35.7P)

4卓
鈴木秀幸(13位、▲77.0P)
坪井哲也(14位、▲89.0P)
石原将樹(15位、▲102.5P)
渡辺洋巳(16位、▲115.7P)
鈴木雅人(17位、▲136.6P)
となります。

1位である岡本和也プロはほとんど通過間違いなしと見て、残る3席を争うことになりました。
4位は鈴木郁孝プロの+72.7Pですが誰かが大きく稼げばひっくり返る点差なのでまだ誰が勝ち上がるかは分かりませんでした。
そして結果は、
1位、岡本和也プロ +199.5P
2位、長内真実プロ +123.6P
3位、鷲見隼人プロ +102.2P
4位、越川清一プロ +71.4P
となり、以上の4人に決定しました。
京平遥プロが驚異の+96.7Pを叩き出すもわずかに足りず、鈴木郁孝プロもポイントを減らしてしまい、+39.0P稼いだ越川清一プロが4位に滑り込みました。

岡本和也プロ
○今日の対局について
ポイントのアドバンテージがあり、無理をする局面も少なく良かったです。
○決勝への意気込み
静岡では初の決勝進出なので首位の勢いで優勝まで駆け抜けたいと思います。

長内真実プロ
○今日の対局について
追われることが多いですが下手をうたなければ大丈夫だと思っていました。
鈴木郁孝プロの調子が悪そうなので助かりました。
○決勝への意気込み
麻雀を始めた時の気持ちを持って攻めていたら結果が出てきたので決勝も攻めて勝ちたいと思います。

鷲見隼人プロ
○今日の対局について
今日はきつかったです。同卓の越川さんの腹の座り方は見習うべき点だなと思いました。ひどい放銃があったのでそれをなくしたいと思いました。
○決勝への意気込み
自然に打って自然に勝ちます。

越川清一プロ
○今日の対局について
今日、鈴木郁孝プロと40P離れていて、自分なりに稽古してきたのが結果として出せたから決勝に残れたのだと思います。
○決勝への意気込み
10回戦と長い決勝戦は経験にないので今から楽しみです。

いったい誰が優勝するのか、決勝戦もどうぞご期待ください。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 岡本 和也 8.6 44.9 ▲ 1.4 13.8 ▲ 1.7 45.1 57.7 35.7 ▲ 3.2 199.5
2 長内 真実 19.9 72.5 ▲ 11.4 ▲ 49.8 29.2 44.5 3.7 ▲ 2.9 17.9 123.6
3 鷲見 隼人 31.2 ▲ 38.5 58.1 33.2 ▲ 10.6 ▲ 3.2 23.8 17.0 ▲ 8.8 102.2
4 越川 清一 ▲ 2.2 61.2 44.3 8.0 ▲ 44.5 ▲ 2.3 ▲ 26.9 ▲ 5.2 39.0 71.4
5 京平 遥 ▲ 5.9 29.7 ▲ 12.5 4.8 ▲ 26.0 ▲ 57.6 ▲ 21.8 53.6 96.7 61.0
6 土屋 幸弘 19.6 ▲ 8.1 2.7 ▲ 20.4 26.3 21.4 ▲ 41.3 28.0 7.6 35.8
7 鈴木 郁孝 5.6 ▲ 6.8 21.1 ▲ 23.8 66.8 43.7 42.7 ▲ 76.6 ▲ 57.2 15.5
8 望月 雅継 83.6 ▲ 32.1 ▲ 71.4 ▲ 2.5 2.3 38.4 ▲ 10.2 0.6 ▲ 28.9 ▲ 20.2
9 太田 昌樹 ▲ 26.4 0.9 8.4 20.2 13.1 ▲ 49.0 ▲ 37.0 81.2 ▲ 36.9 ▲ 25.5
10 鈴木 秀幸 12.4 ▲ 3.4 ▲ 6.5 6.5 ▲ 29.2 6.5 ▲ 33.5 ▲ 29.8 47.5 ▲ 29.5
11 徳永 翔 2.5 10.6 56.9 ▲ 26.6 13.6 ▲ 39.0 ▲ 67.6 ▲ 1.7 12.5 ▲ 38.8
12 杉村 泰治 ▲ 44.3 8.7 ▲ 48.4 6.1 ▲ 19.5 35.7 ▲ 10.8 30.0 ▲ 1.3 ▲ 43.8
13 平野 敬悟 ▲ 47.9 24.0 58.2 ▲ 16.3 35.1 ▲ 25.9 ▲ 20.1 ▲ 3.6 ▲ 57.4 ▲ 53.9
14 坪井 哲也 26.7 ▲ 53.5 ▲ 17.4 ▲ 7.2 36.9 ▲ 22.9 ▲ 27.9 ▲ 23.7 1.4 ▲ 87.6
15 渡辺 洋巳 ▲ 44.2 59.4 ▲ 35.2 ▲ 17.5 ▲ 37.7 30.3 7.1 ▲ 77.9 ▲ 2.7 ▲ 118.4
16 石原 将樹 ▲ 63.2 ▲ 17.0 ▲ 64.0 ▲ 5.6 ▲ 0.1 29.9 19.8 ▲ 2.3 ▲ 27.3 ▲ 129.8
17 鈴木 雅人 42.9 ▲ 29.3 ▲ 53.9 27.3 ▲ 39.9 ▲ 62.3 20.4 ▲ 41.8 ▲ 18.9 ▲ 155.5

静岡プロリーグ レポート/第10期静岡プロリーグ最終節レポート

ついに迎えることとなった第10期静岡プロリーグ最終節。
決勝戦に残るには上位4人に入らなければいけません。総合ポイントの多寡は関係なく、上位4人に入れば決勝戦へと駒を進められます。
最終節の対戦卓
1卓
岡本和也(1位、+202.7P)
土屋幸弘(6位、+28.2P)
太田昌樹(7位、+11.4P)
徳永翔(12位、▲51.3P)
2卓
鷲見隼人(2位、+111.0P)
越川清一(5位、+32.4P)
望月雅継(8位、+8.7P)
杉村泰治(11位、+42.5P)
3卓
長内真実(3位、+105.7P)
鈴木郁孝(4位、+72.7P)
平野敬悟(9位、+3.5P)
京平遥(10位、▲35.7P)
4卓
鈴木秀幸(13位、▲77.0P)
坪井哲也(14位、▲89.0P)
石原将樹(15位、▲102.5P)
渡辺洋巳(16位、▲115.7P)
鈴木雅人(17位、▲136.6P)
となります。
1位である岡本和也プロはほとんど通過間違いなしと見て、残る3席を争うことになりました。
4位は鈴木郁孝プロの+72.7Pですが誰かが大きく稼げばひっくり返る点差なのでまだ誰が勝ち上がるかは分かりませんでした。
そして結果は、
1位、岡本和也プロ +199.5P
2位、長内真実プロ +123.6P
3位、鷲見隼人プロ +102.2P
4位、越川清一プロ +71.4P
となり、以上の4人に決定しました。
京平遥プロが驚異の+96.7Pを叩き出すもわずかに足りず、鈴木郁孝プロもポイントを減らしてしまい、+39.0P稼いだ越川清一プロが4位に滑り込みました。
岡本和也プロ
○今日の対局について
ポイントのアドバンテージがあり、無理をする局面も少なく良かったです。
○決勝への意気込み
静岡では初の決勝進出なので首位の勢いで優勝まで駆け抜けたいと思います。
長内真実プロ
○今日の対局について
追われることが多いですが下手をうたなければ大丈夫だと思っていました。
鈴木郁孝プロの調子が悪そうなので助かりました。
○決勝への意気込み
麻雀を始めた時の気持ちを持って攻めていたら結果が出てきたので決勝も攻めて勝ちたいと思います。
鷲見隼人プロ
○今日の対局について
今日はきつかったです。同卓の越川さんの腹の座り方は見習うべき点だなと思いました。ひどい放銃があったのでそれをなくしたいと思いました。
○決勝への意気込み
自然に打って自然に勝ちます。
越川清一プロ
○今日の対局について
今日、鈴木郁孝プロと40P離れていて、自分なりに稽古してきたのが結果として出せたから決勝に残れたのだと思います。
○決勝への意気込み
10回戦と長い決勝戦は経験にないので今から楽しみです。
いったい誰が優勝するのか、決勝戦もどうぞご期待ください。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 岡本 和也 8.6 44.9 ▲ 1.4 13.8 ▲ 1.7 45.1 57.7 35.7 ▲ 3.2 199.5
2 長内 真実 19.9 72.5 ▲ 11.4 ▲ 49.8 29.2 44.5 3.7 ▲ 2.9 17.9 123.6
3 鷲見 隼人 31.2 ▲ 38.5 58.1 33.2 ▲ 10.6 ▲ 3.2 23.8 17.0 ▲ 8.8 102.2
4 越川 清一 ▲ 2.2 61.2 44.3 8.0 ▲ 44.5 ▲ 2.3 ▲ 26.9 ▲ 5.2 39.0 71.4
5 京平 遥 ▲ 5.9 29.7 ▲ 12.5 4.8 ▲ 26.0 ▲ 57.6 ▲ 21.8 53.6 96.7 61.0
6 土屋 幸弘 19.6 ▲ 8.1 2.7 ▲ 20.4 26.3 21.4 ▲ 41.3 28.0 7.6 35.8
7 鈴木 郁孝 5.6 ▲ 6.8 21.1 ▲ 23.8 66.8 43.7 42.7 ▲ 76.6 ▲ 57.2 15.5
8 望月 雅継 83.6 ▲ 32.1 ▲ 71.4 ▲ 2.5 2.3 38.4 ▲ 10.2 0.6 ▲ 28.9 ▲ 20.2
9 太田 昌樹 ▲ 26.4 0.9 8.4 20.2 13.1 ▲ 49.0 ▲ 37.0 81.2 ▲ 36.9 ▲ 25.5
10 鈴木 秀幸 12.4 ▲ 3.4 ▲ 6.5 6.5 ▲ 29.2 6.5 ▲ 33.5 ▲ 29.8 47.5 ▲ 29.5
11 徳永 翔 2.5 10.6 56.9 ▲ 26.6 13.6 ▲ 39.0 ▲ 67.6 ▲ 1.7 12.5 ▲ 38.8
12 杉村 泰治 ▲ 44.3 8.7 ▲ 48.4 6.1 ▲ 19.5 35.7 ▲ 10.8 30.0 ▲ 1.3 ▲ 43.8
13 平野 敬悟 ▲ 47.9 24.0 58.2 ▲ 16.3 35.1 ▲ 25.9 ▲ 20.1 ▲ 3.6 ▲ 57.4 ▲ 53.9
14 坪井 哲也 26.7 ▲ 53.5 ▲ 17.4 ▲ 7.2 36.9 ▲ 22.9 ▲ 27.9 ▲ 23.7 1.4 ▲ 87.6
15 渡辺 洋巳 ▲ 44.2 59.4 ▲ 35.2 ▲ 17.5 ▲ 37.7 30.3 7.1 ▲ 77.9 ▲ 2.7 ▲ 118.4
16 石原 将樹 ▲ 63.2 ▲ 17.0 ▲ 64.0 ▲ 5.6 ▲ 0.1 29.9 19.8 ▲ 2.3 ▲ 27.3 ▲ 129.8
17 鈴木 雅人 42.9 ▲ 29.3 ▲ 53.9 27.3 ▲ 39.9 ▲ 62.3 20.4 ▲ 41.8 ▲ 18.9 ▲ 155.5

第24期中部プロリーグ 決勝成績表

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 小計
1 日下 健司 ▲ 8.2 21.0 21.6 8.0 5.2 47.6
2 寺戸 孝志 22.4 ▲ 10.0 45.1 ▲ 19.5 2.7 40.7
3 樋口 新 8.5 ▲ 15.9 ▲ 45.5 18.7 14.1 ▲ 20.1
4 森下 剛任 ▲ 22.7 4.9 ▲ 21.2 ▲ 7.2 ▲ 22.0 ▲ 68.2

中部プロリーグ 成績表/第24期中部プロリーグ 決勝成績表

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 小計
1 日下 健司 ▲ 8.2 21.0 21.6 8.0 5.2 47.6
2 寺戸 孝志 22.4 ▲ 10.0 45.1 ▲ 19.5 2.7 40.7
3 樋口 新 8.5 ▲ 15.9 ▲ 45.5 18.7 14.1 ▲ 20.1
4 森下 剛任 ▲ 22.7 4.9 ▲ 21.2 ▲ 7.2 ▲ 22.0 ▲ 68.2

第97回:山脇 千文美

100

「人生とはあらゆる二択の集大成である」

実家でぽけーーーっとアニメを見ていた時に(確か、銀魂?)、この言葉に巡り会いました。

私は、どうしようもない分かれ道のその先に、険しい山があったとすれば、「山びこさん、やっほー!!」って叫ぶだろうし、急な川があったとしても「お魚さんいるかなー?」ってはしゃげるような女の子に育ったと思います。

自己紹介が遅れました。
初めまして、日本プロ麻雀連盟29期前期生の、山脇千文美です。

先日、ロン2ブログでも自己紹介をさせて頂いたので、そちらも良ければ読んで下さいね!
王位戦で優勝して見事第40期王位に輝いた清原継光プロからバトンを受け取りました^^清原プロ、王位戦優勝おめでとうございます&バトンありがとうございます。

いつもお酒で酔って迷惑をかけたり、解説で騒いで迷惑をかけたり、敬語を使えなくて迷惑をかけたり・・・
連盟の先輩方には迷惑をかけっぱなしですが、本当に優しくして頂いてます。
そして今回、このバトンが渡ってきて・・・皆さんさぞかし不安かとは思いますが、少しの間、見守っていて下さい。

えーっと、まずは私の性格のお話から。
自分の性格を一言で表すとしたら、「真面目」かな。友達にもよく言われます。
どのくらい真面目かって言うと、このリレーエッセィを書くお仕事を頂いてすぐに、連盟のホームページで読める過去約100人分のリレーエッセィを全部読み返して、更に「エッセィ」の意味も調べちゃうくらい!!ね?実は結構真面目でしょ?

エッセィの意味は、日本語に直すと、「随筆」。見聞したことや、心に浮かんだことなどを、自由な形式で書いた文章。だって!

自由かー・・・。良い言葉ー・・・。

ってことで、勝手な解釈ですが自由を許されたので、自由な感じで書いていきたいと思います^^

随筆ってことは徒然草とか枕草子みたいなもんだよね!!私は平成の、清少納言!!さあ!!皆一緒に!!1192作ろう鎌倉幕府!!!(最近の教科書では1185年に変わったみたい!時代は変わるねー笑)

そんな鎌倉幕府成立から、800年以上の月日が流れ・・・笑
2009年4月、弱冠19歳の時に、大学進学を理由に上京してきました。

人生初の1人暮らし!ラーメン、お茶漬け、納豆パスタのヘビーローテーション!小腹が空いたらキュウリ!もやし炒め!うす焼きせんべい!!
当時は100円すらケチって、1駅くらいなら電車には乗らずに歩く、時間があるときは3駅でも歩く!と言う方針で生活していました。
お金が無かったと言うよりは、お金を使う習慣があんまり無かったのだと思います。

あの頃、ラーメン屋さんに行っても、「醤油ラーメン」しか頼まなかったのに対して、今では「ネギラーメンにメンマトッピング、味濃いめ。あ、チャーシュー抜きにしてもらっても良いですか?」くらいは贅沢したり我儘を言ったりするようになりました。

麻雀を覚えたのは、はっきりとは覚えていないのですが、小学生の頃!
私の家族は、お正月になるといつも紅白歌合戦を見ながら麻雀をしていました。
喰いタン無し、後付無しのルールで、何故か東北戦!(多分北海道だから?)
ダブ北のことを、「ぺっぺー」と呼んでいました。
その頃、私は歌手になるのが夢で、「こうやって皆が麻雀をしながら見る紅白歌合戦に、いつか出るんだ!!」と思っていたのですが・・・あれ?なんかおかしいなぁ?笑

私が麻雀のプロになろうと決めたのは大学4年生のときでしたが、実は大学2年生の時にはアイドルオーディションを受けたこともあるし、大学3年生の時には芸能事務所に所属して、ボーカルになるためのレッスンやピアノのレッスンを受けていたこともありました。
当時は今より10kg以上痩せてて、可愛かったんだから!!笑

歌は趣味程度にしか歌わなくなってしまいましたが、機会があったらまたライブとかやりたいなーって思ってます^^
そして最近は麻雀一色生活にも慣れてきたので、去年からナレーションスクールに月に3回程度通っています。

色んなことに興味があって好奇心旺盛な私・・・。
長所は楽観的なところと、何でもやってみよう!って思って挑戦するところ!
スーパーポジティブ!!
麻雀になんとかこの長所を生かせないかと日々模索中であります。

さてさて、そんなこんなで、次の4月で連盟に入って3年目になりますが、なんと!今回!!

麻雀格闘倶楽部~彩の華~に新規参戦させて頂けることになりました^^

プロ試験に受かったとき、友人に「ねえ、あれ出るの?あれ!ゲームセンターのチャイナ服のやつ!!」と聞かれました。
(きっと麻雀のイメージが、麻雀格闘倶楽部と、チャイナ服だったのでしょう。)

私は、「んー、ゆくゆくはね。」と答えました。

そのゆくゆくが、こんなに早く訪れるなんて、思ってはいませんでしたが・・・
麻雀格闘倶楽部に参戦することは、私の1つの目標だったので、素直に嬉しかったです。

ゲームの中の、自分の「ポン!」「チー!」の声があまりにもうるさくて、いつもそわそわしながら隣のおじさん(お兄さん?)のことをチラチラ気にしてプレイしているのですが、今のところ、誰にも声をかけられたことはありません。

もっとこう・・・「あ、山脇さんですよね?」的なの無いのかな?ねえねえ。無いの??笑

これからも麻雀で有名になれるように、日々頑張っていきたいと思います!

色んな二択があったけど、私は自分の選んだ道を後悔したことはありません。
白か黒か、右か左か、どちらかを選ぶことって凄く難しいことで、グレーや真ん中を選ぶことが楽だったりするけれど、自分の人生を作り上げていく二択!いや、三択かな?四択かも?!
これからも絶対間違いたくないし、仮に間違ってしまっても、その中から楽しいこととか幸せなこととかを探していけるような自分でいたいな!

そう、つまりは!

イケメンと、結婚したいなぁー・・・!!!!

さて、ふざけてる場合ではないですね。笑
そろそろお別れのお時間です。
徒然なるままの、平成徒然草にお付き合い頂き、ありがとうございました。
なんか自分の話ばっかりになっちゃったなー。
「私って普通の真面目な良い子だから!!みなさん、お友達になりましょー^^」ってことが伝わってればOKです!!
ちょっと詐欺っぽいけど・・・笑

それでは、次のバトンは第27期チャンピオンズリーグで圧勝した客野直プロに渡したいと思います!
客野さんとは、とっても仲良し!麻雀のことを聞くと、機械のように返信してくれるの!
名前は直って書いて、なおきって読むらしいよ!どーでもいいね!笑
客野さん、よろしくお願いします!

リレーエッセィ/第97回:山脇 千文美

100

「人生とはあらゆる二択の集大成である」
実家でぽけーーーっとアニメを見ていた時に(確か、銀魂?)、この言葉に巡り会いました。
私は、どうしようもない分かれ道のその先に、険しい山があったとすれば、「山びこさん、やっほー!!」って叫ぶだろうし、急な川があったとしても「お魚さんいるかなー?」ってはしゃげるような女の子に育ったと思います。
自己紹介が遅れました。
初めまして、日本プロ麻雀連盟29期前期生の、山脇千文美です。
先日、ロン2ブログでも自己紹介をさせて頂いたので、そちらも良ければ読んで下さいね!
王位戦で優勝して見事第40期王位に輝いた清原継光プロからバトンを受け取りました^^清原プロ、王位戦優勝おめでとうございます&バトンありがとうございます。
いつもお酒で酔って迷惑をかけたり、解説で騒いで迷惑をかけたり、敬語を使えなくて迷惑をかけたり・・・
連盟の先輩方には迷惑をかけっぱなしですが、本当に優しくして頂いてます。
そして今回、このバトンが渡ってきて・・・皆さんさぞかし不安かとは思いますが、少しの間、見守っていて下さい。
えーっと、まずは私の性格のお話から。
自分の性格を一言で表すとしたら、「真面目」かな。友達にもよく言われます。
どのくらい真面目かって言うと、このリレーエッセィを書くお仕事を頂いてすぐに、連盟のホームページで読める過去約100人分のリレーエッセィを全部読み返して、更に「エッセィ」の意味も調べちゃうくらい!!ね?実は結構真面目でしょ?
エッセィの意味は、日本語に直すと、「随筆」。見聞したことや、心に浮かんだことなどを、自由な形式で書いた文章。だって!
自由かー・・・。良い言葉ー・・・。
ってことで、勝手な解釈ですが自由を許されたので、自由な感じで書いていきたいと思います^^
随筆ってことは徒然草とか枕草子みたいなもんだよね!!私は平成の、清少納言!!さあ!!皆一緒に!!1192作ろう鎌倉幕府!!!(最近の教科書では1185年に変わったみたい!時代は変わるねー笑)
そんな鎌倉幕府成立から、800年以上の月日が流れ・・・笑
2009年4月、弱冠19歳の時に、大学進学を理由に上京してきました。
人生初の1人暮らし!ラーメン、お茶漬け、納豆パスタのヘビーローテーション!小腹が空いたらキュウリ!もやし炒め!うす焼きせんべい!!
当時は100円すらケチって、1駅くらいなら電車には乗らずに歩く、時間があるときは3駅でも歩く!と言う方針で生活していました。
お金が無かったと言うよりは、お金を使う習慣があんまり無かったのだと思います。
あの頃、ラーメン屋さんに行っても、「醤油ラーメン」しか頼まなかったのに対して、今では「ネギラーメンにメンマトッピング、味濃いめ。あ、チャーシュー抜きにしてもらっても良いですか?」くらいは贅沢したり我儘を言ったりするようになりました。
麻雀を覚えたのは、はっきりとは覚えていないのですが、小学生の頃!
私の家族は、お正月になるといつも紅白歌合戦を見ながら麻雀をしていました。
喰いタン無し、後付無しのルールで、何故か東北戦!(多分北海道だから?)
ダブ北のことを、「ぺっぺー」と呼んでいました。
その頃、私は歌手になるのが夢で、「こうやって皆が麻雀をしながら見る紅白歌合戦に、いつか出るんだ!!」と思っていたのですが・・・あれ?なんかおかしいなぁ?笑
私が麻雀のプロになろうと決めたのは大学4年生のときでしたが、実は大学2年生の時にはアイドルオーディションを受けたこともあるし、大学3年生の時には芸能事務所に所属して、ボーカルになるためのレッスンやピアノのレッスンを受けていたこともありました。
当時は今より10kg以上痩せてて、可愛かったんだから!!笑
歌は趣味程度にしか歌わなくなってしまいましたが、機会があったらまたライブとかやりたいなーって思ってます^^
そして最近は麻雀一色生活にも慣れてきたので、去年からナレーションスクールに月に3回程度通っています。
色んなことに興味があって好奇心旺盛な私・・・。
長所は楽観的なところと、何でもやってみよう!って思って挑戦するところ!
スーパーポジティブ!!
麻雀になんとかこの長所を生かせないかと日々模索中であります。
さてさて、そんなこんなで、次の4月で連盟に入って3年目になりますが、なんと!今回!!
麻雀格闘倶楽部~彩の華~に新規参戦させて頂けることになりました^^
プロ試験に受かったとき、友人に「ねえ、あれ出るの?あれ!ゲームセンターのチャイナ服のやつ!!」と聞かれました。
(きっと麻雀のイメージが、麻雀格闘倶楽部と、チャイナ服だったのでしょう。)
私は、「んー、ゆくゆくはね。」と答えました。
そのゆくゆくが、こんなに早く訪れるなんて、思ってはいませんでしたが・・・
麻雀格闘倶楽部に参戦することは、私の1つの目標だったので、素直に嬉しかったです。
ゲームの中の、自分の「ポン!」「チー!」の声があまりにもうるさくて、いつもそわそわしながら隣のおじさん(お兄さん?)のことをチラチラ気にしてプレイしているのですが、今のところ、誰にも声をかけられたことはありません。
もっとこう・・・「あ、山脇さんですよね?」的なの無いのかな?ねえねえ。無いの??笑
これからも麻雀で有名になれるように、日々頑張っていきたいと思います!
色んな二択があったけど、私は自分の選んだ道を後悔したことはありません。
白か黒か、右か左か、どちらかを選ぶことって凄く難しいことで、グレーや真ん中を選ぶことが楽だったりするけれど、自分の人生を作り上げていく二択!いや、三択かな?四択かも?!
これからも絶対間違いたくないし、仮に間違ってしまっても、その中から楽しいこととか幸せなこととかを探していけるような自分でいたいな!
そう、つまりは!
イケメンと、結婚したいなぁー・・・!!!!
さて、ふざけてる場合ではないですね。笑
そろそろお別れのお時間です。
徒然なるままの、平成徒然草にお付き合い頂き、ありがとうございました。
なんか自分の話ばっかりになっちゃったなー。
「私って普通の真面目な良い子だから!!みなさん、お友達になりましょー^^」ってことが伝わってればOKです!!
ちょっと詐欺っぽいけど・・・笑
それでは、次のバトンは第27期チャンピオンズリーグで圧勝した客野直プロに渡したいと思います!
客野さんとは、とっても仲良し!麻雀のことを聞くと、機械のように返信してくれるの!
名前は直って書いて、なおきって読むらしいよ!どーでもいいね!笑
客野さん、よろしくお願いします!