第141回:プロ雀士インタビュー 勝又 健志  インタビュアー:白鳥 翔

第32期鳳凰位決定戦。
最終局面、最強位にして鳳凰位だった前田直哉との一騎打ちを制して、勝又健志が見事鳳凰位という冠を手にした。

岡田茂プロ主催の祝勝会にて。

100

白鳥「勝又さんホントにおめでとうございます!」

勝又「ありがとうー。」

白鳥「いやー遂にきましたねー。」

勝又「そ、そうかなw」

白鳥「前回の敗戦から1年、またこの舞台に戻ってきて闘った訳ですけどどうでしたか?」

勝又「んー。別の放送でも言ったかもしれないけど、戻ってこれたのがA1リーグという、長いリーグ戦を1年戦い抜いてこれたっていうのが少し自信になった部分はあるかな。」

白鳥「なるほど。ちなみにA2リーグからA1リーグへはどの位かかったんでしたっけ?」

勝又「確か8年いたはず。」

白鳥「8年!!?(この人で8年か、、、)」

勝又「凄く長いように感じるかもしれないけど、それを苦労に感じたことはないよ。自分の弱いところを修正していく期間というか。。。」

白鳥「ストレートに聞きますけど、麻雀プロをやめたいとか少しでも思ったことはないんですか?」

勝又「ないよ(きっぱり。)」

勝又さんらしい躊躇のない返答に少し嬉しくなった。

100

白鳥「前回の決定戦の惨敗から何か作戦というか、考えが変わったところはありました?」

勝又「惨敗って(笑)16回戦の戦い方はきちんと考えて試合に臨んだつもりだよ。」

白鳥「どんな風に?」

勝又「16回もやったらラスになることも当然あるから、その時なるべく小さいラスで抑えるようには心がけてた。去年は勝つためにはポイント増やさなきゃっていう焦りから、ムキになって無謀な攻めが多かったと思う。」

白鳥「なるほど。精神的にも成長したな、ということですかね」

勝又「かもね。リーグ戦での課題の1つに、負けている時にズルズルといってしまう所を修正したいっていうのもあったしね。そういう所もうまくいったのかなと。」

白鳥「じゃぁ今期の決定戦で、一番印象に残っている局ってどこですか。」

勝又「んー、最終日の東2局かなー。リーチいっても三色狙っていてもアガれてたのに唯一アガれない手順を踏んだ局。」

白鳥「え?アガれなかった局ですか?アガれなかった手順踏んだ局が一番印象に残ってるってなんか不思議ですね。普通、難解な手をうまく纏めてアガって、これが優勝に近づきましたーみたいな感じだと思うんですけど。なんでその局なんですか?」

勝又「悔しいじゃん。」

白鳥「え?(優勝したんだよねこの人、、、今祝勝会だよね??)」

勝又「え?」

優勝から少し時間が経っていたとはいえ、もう反省に入っていました。こんな所も勝又さんらしい。
そしてお酒が入ってきた僕は、個人的に聞きたかったことをインタビューという名目で聞いてみることにした。

白鳥「ちょっとまたストレートな質問しますが。」

勝又「なんだい?」

白鳥「自分の麻雀がつまらないと思うことってありますか?見ていてあまり派手さはないじゃないですか、積み重ねで勝つというか。もっと派手なタイプの人の方が映像対局では人気でやすかったりすると思うんですね。なんかそれで魅せる為にどーしようとか、そういう苦悩的なことありました?」

勝又「つまらないとは思うよ。こういう方が喜ばれるだろうっていうのも何となく分かるんだけどね。でも苦悩はないかな。野球で言えば、ホームランバッターも必要だけど、小技の技術を持つ選手も必要な訳で。」

白鳥「ふむふむ」

勝又「むしろ、もちろん勉強はしているけど、流れを読んで凄いプレーをするっていうのがまだまだ下手な訳だから、自分の中のどちらかというと得意な理の部分で間違えられないっていうプレッシャーはあるかな。」

白鳥「なるほど」

勝又「相手の手牌が読めないことが敗因になった試合とかは、自分の存在価値はないなと落ち込むこともあるよ。。。」

さすが鳳凰位!!反省の度合いがすさまじい。。。

100
対局前に精神を集中させている勝又さん。

白鳥「今後の目標を教えて下さい!あと若手に向けて何か下さい!」

勝又「月並みだけど、鳳凰位になれたことで多くのシードをもらえる訳で、そこできちんと結果を残すこと。あとは自分の麻雀に全く満足できないので強くなること。若手に向けてはなんか偉そうで言い辛いなー。」

白鳥「偉いんだからいいんですよ!どんだけ謙虚なんですか!じゃぁ麻雀業界での目標を教えて下さい。最終地点的な。」

勝又「麻雀って強さが測れない部分が多いけど、誰が見ても強いって思って貰える様な打ち手になることかな!その為にはもっと勉強しないとなー。」

想像しただけで果てしないが、勝又はどんな努力をしたとか特に何も語ろうとはしない。
それが当たり前だと思っているから。
日本プロ麻雀連盟チャンネルが始まってから、メディアでの露出が多くなってきた勝又の実況、解説を聞いているだけでその洞察力や雀力が分かる。
「麻雀IQ220」これは勝又につけられているキャッチコピーだ。
IQ220というと一見、麻雀の天才の様に聞こえるキャッチコピーだが、私はこれは努力が産み出した賜物であるということを知っている。
鳳凰位を戴冠したことで、これからもっともっと露出が増え、勝又自身の麻雀を目にすることができると思うと、同じ麻雀プロでありながら私は嬉しくてたまらない。

祝勝会もそろそろお開きかという所で、お祝いに駆けつけた宮内こずえプロが口を開く。

宮内「2次会はどうしようか?今日はかっちゃんのお祝いだから、かっちゃんのやりたいことをやろう!」

勝又「それ聞かれたら麻雀に決まってんじゃん!」

これが鳳凰位である。

プロ雀士インタビュー/第141回:プロ雀士インタビュー 勝又 健志  インタビュアー:白鳥 翔

第32期鳳凰位決定戦。
最終局面、最強位にして鳳凰位だった前田直哉との一騎打ちを制して、勝又健志が見事鳳凰位という冠を手にした。
岡田茂プロ主催の祝勝会にて。
100
白鳥「勝又さんホントにおめでとうございます!」
勝又「ありがとうー。」
白鳥「いやー遂にきましたねー。」
勝又「そ、そうかなw」
白鳥「前回の敗戦から1年、またこの舞台に戻ってきて闘った訳ですけどどうでしたか?」
勝又「んー。別の放送でも言ったかもしれないけど、戻ってこれたのがA1リーグという、長いリーグ戦を1年戦い抜いてこれたっていうのが少し自信になった部分はあるかな。」
白鳥「なるほど。ちなみにA2リーグからA1リーグへはどの位かかったんでしたっけ?」
勝又「確か8年いたはず。」
白鳥「8年!!?(この人で8年か、、、)」
勝又「凄く長いように感じるかもしれないけど、それを苦労に感じたことはないよ。自分の弱いところを修正していく期間というか。。。」
白鳥「ストレートに聞きますけど、麻雀プロをやめたいとか少しでも思ったことはないんですか?」
勝又「ないよ(きっぱり。)」
勝又さんらしい躊躇のない返答に少し嬉しくなった。
100
白鳥「前回の決定戦の惨敗から何か作戦というか、考えが変わったところはありました?」
勝又「惨敗って(笑)16回戦の戦い方はきちんと考えて試合に臨んだつもりだよ。」
白鳥「どんな風に?」
勝又「16回もやったらラスになることも当然あるから、その時なるべく小さいラスで抑えるようには心がけてた。去年は勝つためにはポイント増やさなきゃっていう焦りから、ムキになって無謀な攻めが多かったと思う。」
白鳥「なるほど。精神的にも成長したな、ということですかね」
勝又「かもね。リーグ戦での課題の1つに、負けている時にズルズルといってしまう所を修正したいっていうのもあったしね。そういう所もうまくいったのかなと。」
白鳥「じゃぁ今期の決定戦で、一番印象に残っている局ってどこですか。」
勝又「んー、最終日の東2局かなー。リーチいっても三色狙っていてもアガれてたのに唯一アガれない手順を踏んだ局。」

白鳥「え?アガれなかった局ですか?アガれなかった手順踏んだ局が一番印象に残ってるってなんか不思議ですね。普通、難解な手をうまく纏めてアガって、これが優勝に近づきましたーみたいな感じだと思うんですけど。なんでその局なんですか?」
勝又「悔しいじゃん。」
白鳥「え?(優勝したんだよねこの人、、、今祝勝会だよね??)」
勝又「え?」
優勝から少し時間が経っていたとはいえ、もう反省に入っていました。こんな所も勝又さんらしい。
そしてお酒が入ってきた僕は、個人的に聞きたかったことをインタビューという名目で聞いてみることにした。
白鳥「ちょっとまたストレートな質問しますが。」
勝又「なんだい?」
白鳥「自分の麻雀がつまらないと思うことってありますか?見ていてあまり派手さはないじゃないですか、積み重ねで勝つというか。もっと派手なタイプの人の方が映像対局では人気でやすかったりすると思うんですね。なんかそれで魅せる為にどーしようとか、そういう苦悩的なことありました?」
勝又「つまらないとは思うよ。こういう方が喜ばれるだろうっていうのも何となく分かるんだけどね。でも苦悩はないかな。野球で言えば、ホームランバッターも必要だけど、小技の技術を持つ選手も必要な訳で。」
白鳥「ふむふむ」
勝又「むしろ、もちろん勉強はしているけど、流れを読んで凄いプレーをするっていうのがまだまだ下手な訳だから、自分の中のどちらかというと得意な理の部分で間違えられないっていうプレッシャーはあるかな。」
白鳥「なるほど」
勝又「相手の手牌が読めないことが敗因になった試合とかは、自分の存在価値はないなと落ち込むこともあるよ。。。」
さすが鳳凰位!!反省の度合いがすさまじい。。。
100
対局前に精神を集中させている勝又さん。
白鳥「今後の目標を教えて下さい!あと若手に向けて何か下さい!」
勝又「月並みだけど、鳳凰位になれたことで多くのシードをもらえる訳で、そこできちんと結果を残すこと。あとは自分の麻雀に全く満足できないので強くなること。若手に向けてはなんか偉そうで言い辛いなー。」
白鳥「偉いんだからいいんですよ!どんだけ謙虚なんですか!じゃぁ麻雀業界での目標を教えて下さい。最終地点的な。」
勝又「麻雀って強さが測れない部分が多いけど、誰が見ても強いって思って貰える様な打ち手になることかな!その為にはもっと勉強しないとなー。」
想像しただけで果てしないが、勝又はどんな努力をしたとか特に何も語ろうとはしない。
それが当たり前だと思っているから。
日本プロ麻雀連盟チャンネルが始まってから、メディアでの露出が多くなってきた勝又の実況、解説を聞いているだけでその洞察力や雀力が分かる。
「麻雀IQ220」これは勝又につけられているキャッチコピーだ。
IQ220というと一見、麻雀の天才の様に聞こえるキャッチコピーだが、私はこれは努力が産み出した賜物であるということを知っている。
鳳凰位を戴冠したことで、これからもっともっと露出が増え、勝又自身の麻雀を目にすることができると思うと、同じ麻雀プロでありながら私は嬉しくてたまらない。
祝勝会もそろそろお開きかという所で、お祝いに駆けつけた宮内こずえプロが口を開く。
宮内「2次会はどうしようか?今日はかっちゃんのお祝いだから、かっちゃんのやりたいことをやろう!」
勝又「それ聞かれたら麻雀に決まってんじゃん!」
これが鳳凰位である。

第108回『確率の向こう側へ④』 瀬戸熊 直樹

皆さんこんにちは。
今回は「サインの見つけ方」について、お話ししたいと思います。

麻雀=戦(いくさ)と考えるなら、劣勢の時にも必ず一度や二度のチャンスは落ちているはずです。
そのきっかけをどう見つけ、どう生かすかで、その後の展開が変わるものです。

先日終わったばかりのタイトル戦、グランプリМAXに、非常に解りやすい場面があったので、その時の状況を検証しながら進めて行きたいと思います。

グランプリМAX2回戦 南3局の場面。
1回戦をプラスで終えた灘プロでしたが、2回戦は、南2局に5,200を放銃して、一万点台の1沈みに。
面前の捲り合いに何度か敗れて、迎えた場面の配牌です。

西家 灘
配牌
一万二万五索七索七索八索九索二筒二筒八筒北白発  ツモ四筒  ドラ二筒

状況を考えれば、意外と戦えそうな手牌。
ツモ四筒六万五索四万五万 と来て以下の手牌に変化します。

四万五万六万五索五索七索七索八索九索二筒二筒四筒発

そして六巡目、親の捨てた七索にポンをかけます。
この七索に声をかけられる人が何人いるでしょうか?
僕は普段から、体勢が上がった時には、自らは鳴くなと常日頃言っています。
しかし、状況が悪いと考えたなら、工夫することも必要です。

この手牌、本来なら

四万五万六万五索五索七索七索八索八索九索二筒二筒二筒

このくらいの最終形にしたいでしょう。
親のない状況であと2局、連盟Aルールなら、満貫、跳満をそろえて、何とか30,000点の原点近くにしたいところ。
しかし、灘さんは、この状態ならマックスの手牌には育たない事を感じているから、あえて「1翻、落とし」をしたのです。
大事なのはここです。

状態が良いなら1翻上げて見て、悪いなら1翻下げるを見ることです。

七索ポンして打九索とし、七万三万を引き入れ、再び五索をポンして、以下のテンパイとします。

三万四万五万六万七万二筒二筒  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き

フリテンでしたが、すぐに五万をツモり、1,000・2,000として「キッカケ」を掴みます。
持ち点を20,000点弱として、むかえたオーラスに、四暗刻をツモり、この半荘を1人沈みから1人浮きにしてしまったのです。

この2局、いやこの半荘の結果を、たまたまと見るか、灘さんの魔法と見るかによって、麻雀観は変わります。
僕はこの工夫をプロフェッショナルの「技」と観ます。

オーラスに点数を合わせに行くのは、とても大事な作業ですし、当たり前の行動です。
でも、その選択肢を増やす為の最大限の努力は、東1局からするべきと考えます。

そしてこの四暗刻をたまたまと考える人は、こう考えて頂ければ、少し必然に思えるかもしれません。
南3局に、灘さんが動かなかった場合は、親のテンパイ連荘の可能性が高いものでした。
そうすると、次局の牌山は南3局1本場のものとなり、まったく違うストーリになります。

「戦(いくさ)」である以上、リーチや仕掛け、無筋を切る、全ての行為に戦う気持ちがしっかりあれば、それは賞賛に値します。
しかし、一発をただ消すとか、逃げ回り危険のない所だけ前に出るという麻雀は、戦っていないと思うのです。

勇気ある撤退や、自軍の兵(牌)をいたわる為の「stay」ならOK。
しかし、その場限りの損得だけのシステムは、僕の中ではNGです。
将軍として、兵の信頼を得て、共に潔く戦うことが大事だと信じております。

Capter4  荒正義プロの場合

第28期鳳凰位決定戦 2回戦 東4局 2本場

100

体勢の上がった僕の親リーチを受け、荒さんはすぐアタリ牌の三万をつかみますが、打一筒として回ります。
この辺りは名手荒さんなら当たり前ですが、驚くのは次の場面

同局11巡目

100

右田さんの打九索を見て、失点を覚悟で打八筒とし、強引に親を落とします。
もちろん、荒さんの計画通りの打牌です。
上り調子の親が落ちたのは痛かったのですが、僕の心は嬉しくて踊っていました。
「あの、荒正義が敵として認めてくれた」
戦うにふさわしいと思ってもらえた事が、何よりの勲章になった1局です。
長丁場の20回戦の2回戦での出来事だけに、本当に嬉しかったシーンです。
そして、さすが精密機械の通り名を持つ荒さんです。
僕はこの後、荒さんの筋書き通り、ズブズブと失点を繰り返すのでした。

次回は、体勢による、鳴きと面前のバランスの考察を書きたいと思います。
乞うご期待。

上級/第108回『確率の向こう側へ④』 瀬戸熊 直樹

皆さんこんにちは。
今回は「サインの見つけ方」について、お話ししたいと思います。
麻雀=戦(いくさ)と考えるなら、劣勢の時にも必ず一度や二度のチャンスは落ちているはずです。
そのきっかけをどう見つけ、どう生かすかで、その後の展開が変わるものです。
先日終わったばかりのタイトル戦、グランプリМAXに、非常に解りやすい場面があったので、その時の状況を検証しながら進めて行きたいと思います。
グランプリМAX2回戦 南3局の場面。
1回戦をプラスで終えた灘プロでしたが、2回戦は、南2局に5,200を放銃して、一万点台の1沈みに。
面前の捲り合いに何度か敗れて、迎えた場面の配牌です。
西家 灘
配牌
一万二万五索七索七索八索九索二筒二筒八筒北白発  ツモ四筒  ドラ二筒
状況を考えれば、意外と戦えそうな手牌。
ツモ四筒六万五索四万五万 と来て以下の手牌に変化します。
四万五万六万五索五索七索七索八索九索二筒二筒四筒発
そして六巡目、親の捨てた七索にポンをかけます。
この七索に声をかけられる人が何人いるでしょうか?
僕は普段から、体勢が上がった時には、自らは鳴くなと常日頃言っています。
しかし、状況が悪いと考えたなら、工夫することも必要です。
この手牌、本来なら
四万五万六万五索五索七索七索八索八索九索二筒二筒二筒
このくらいの最終形にしたいでしょう。
親のない状況であと2局、連盟Aルールなら、満貫、跳満をそろえて、何とか30,000点の原点近くにしたいところ。
しかし、灘さんは、この状態ならマックスの手牌には育たない事を感じているから、あえて「1翻、落とし」をしたのです。
大事なのはここです。
状態が良いなら1翻上げて見て、悪いなら1翻下げるを見ることです。
七索ポンして打九索とし、七万三万を引き入れ、再び五索をポンして、以下のテンパイとします。
三万四万五万六万七万二筒二筒  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き
フリテンでしたが、すぐに五万をツモり、1,000・2,000として「キッカケ」を掴みます。
持ち点を20,000点弱として、むかえたオーラスに、四暗刻をツモり、この半荘を1人沈みから1人浮きにしてしまったのです。
この2局、いやこの半荘の結果を、たまたまと見るか、灘さんの魔法と見るかによって、麻雀観は変わります。
僕はこの工夫をプロフェッショナルの「技」と観ます。
オーラスに点数を合わせに行くのは、とても大事な作業ですし、当たり前の行動です。
でも、その選択肢を増やす為の最大限の努力は、東1局からするべきと考えます。
そしてこの四暗刻をたまたまと考える人は、こう考えて頂ければ、少し必然に思えるかもしれません。
南3局に、灘さんが動かなかった場合は、親のテンパイ連荘の可能性が高いものでした。
そうすると、次局の牌山は南3局1本場のものとなり、まったく違うストーリになります。
「戦(いくさ)」である以上、リーチや仕掛け、無筋を切る、全ての行為に戦う気持ちがしっかりあれば、それは賞賛に値します。
しかし、一発をただ消すとか、逃げ回り危険のない所だけ前に出るという麻雀は、戦っていないと思うのです。
勇気ある撤退や、自軍の兵(牌)をいたわる為の「stay」ならOK。
しかし、その場限りの損得だけのシステムは、僕の中ではNGです。
将軍として、兵の信頼を得て、共に潔く戦うことが大事だと信じております。
Capter4  荒正義プロの場合
第28期鳳凰位決定戦 2回戦 東4局 2本場
100
体勢の上がった僕の親リーチを受け、荒さんはすぐアタリ牌の三万をつかみますが、打一筒として回ります。
この辺りは名手荒さんなら当たり前ですが、驚くのは次の場面
同局11巡目
100
右田さんの打九索を見て、失点を覚悟で打八筒とし、強引に親を落とします。
もちろん、荒さんの計画通りの打牌です。
上り調子の親が落ちたのは痛かったのですが、僕の心は嬉しくて踊っていました。
「あの、荒正義が敵として認めてくれた」
戦うにふさわしいと思ってもらえた事が、何よりの勲章になった1局です。
長丁場の20回戦の2回戦での出来事だけに、本当に嬉しかったシーンです。
そして、さすが精密機械の通り名を持つ荒さんです。
僕はこの後、荒さんの筋書き通り、ズブズブと失点を繰り返すのでした。
次回は、体勢による、鳴きと面前のバランスの考察を書きたいと思います。
乞うご期待。

第6期麻雀グランプリ MAXベスト8 B卓レポート 小車 祥

100

 

野方祐介vsHIRO柴田vs柴田吉和vsダンプ大橋

奇しくも十段戦の決勝メンバーの内3名とHIRO柴田というカード。
野方とダンプにとっては現十段位の柴田吉和への雪辱戦。
決定戦とは違いトーナメントなのでシステムも戦い方も全く違ってくるのは当然だが、十段位決定戦の時のイメージを自然と持ってしまうのは致し方ないだろう。
決勝進出のチケットを手に入れるのはこの中の2名。

 

1回戦(起家から、野方・HIRO・柴田・ダンプ)

東2局、野方が以下の手牌をヤミテンでツモアガリ。

一万一万五万五万九万九万二索二索西西北発発  ツモ北  ドラ発

2,000・4,000。

東3局、野方がアグレッシブに動く。

一万二万五万四索五索五索一筒一筒四筒白発中中  ドラ八筒

ここから五索をポン。さらに白を重ねた後、一筒をポン。

五万六万白白発中中  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き

この手牌に発をツモってマンズのターツを切っていく。
そして親の柴田がピンフテンパイ。

二万三万四万七万八万九万三索三索七索八索九索四筒五筒白

テンパイしたことでここまで引きつけていた白を河に置く。
当然野方は仕掛けて発中のシャンポン待ち。なんと12,000のテンパイまで手牌が成長した。
しかし野方のこの手牌は開けられることなく、野方が柴田のアガリ牌である三筒をツモ切って局が終了。
柴田は1,500のアガリ。野方は少なくとも流局でもいいから手牌を開けたかったところか。
なぜならこの12,000テンパイを見せられたら、次局以降に同じような仕掛けを入れた野方に対しての警戒度は少なからず上がるだろうからだ。

東4局、柴田が以下のテンパイ。

二万三万四万五万六万六万七万七万六索七索八索三筒三筒  ドラ七万

ツモがぐんぐん伸びて労せずテンパイしたかと思ったら、ヤミテンを選択してすぐに五万ツモ。
五万をツモればヤミテンでも跳満になる。これは本人も気持ちがいいアガリだろう。
3,000・6,000。

オーラスを迎えた時にはHIROがトップ目、僅か200点差で野方が2着目。
3着を受け入れラス回避を目的とした仕掛けを柴田が入れ、上家のHIROも特に絞ったりする理由もなく2フーロ目のチーを入れ難なくテンパイ。

四万五万六万二索三索六筒六筒  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  ポン白白白  ドラ東

1,000をダンプからアガって1回戦終了。

1回戦成績
HIRO+14.9P 野方+10.7P 柴田▲9.1P ダンプ▲16.5P

 

2回戦(起家から、ダンプ・野方・HIRO・柴田)

東4局2本場、柴田の親番。
2回戦の東場は大物手が飛び出すこともなく、小さな点棒の動きで局が進んでいた。
テンパイ料や供託のリーチ棒などを含め、点棒を稼いでいた柴田は41,400点持ちのトップ目。
他三者は2万点台で凌いでいた。
配牌時には重たく時間がかかりそうな手牌だったHIROのツモが噛み合い、9巡目には以下のテンパイが入る。

一索二索三索四索四索四索八索九索発発発中中  ドラ六索

この時のダンプの手牌。

四万六万五索六索七索一筒三筒三筒六筒七筒八筒西西  ツモ四索

持ってきた四索七索を入れ替えただけ。それだけで8,000の放銃となったダンプ。
腹を括って勝負に出た時に打つ8,000よりも、心構えができていない分メンタルダメージの大きい放銃に見える。

南1局、13,400点持ちのラス目で南場の親番を迎えたダンプは、1回戦もラスでかなり苦しい状況。
とにかく親番の維持が最優先事項だと言わんばかりにダンプは仕掛けを入れる。

五索六索七索西  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  チー二索 左向き三索 上向き四索 上向き  ポン中中中  ドラ西

2枚切れのドラ単騎待ちで5,800テンパイだが、ドラで打たなければ1,500でしかなさそう。
ドラ以外はおそらく何でも押されるので、子の3者はドラ以外は全て通してアガリに来そうな局面。
当然ダンプ自身もわかっているが、取れる方法がそれしかなかったという印象だった。
ところが、役なしのテンパイを入れていた柴田がうっかり西をツモ切ってしまう。
ここまでかなり調子悪そうだったダンプだったが、こういうアガリで浮上のきっかけを与えてしまう可能性は十分にある。

南2局2本場、ダンプは親の連チャンによる加点はできなかったが、この局も仕掛けを入れていく。

二索三索六索七索八索白白発中中  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き  ドラ二索

さらに1シャンテンの野方から出た白をポンしてダンプ一索四索待ちで7,700テンパイ。
そしてダンプのテンパイ打牌である発をHIROも仕掛けてテンパイ。

一万一万一万三万四万五万五万七万八万九万  ポン発発発

こちらはアガれば5,200の手。2巡後、HIROはダンプのアガリ牌である四索を掴む。
ソウズのホンイツでこの四索で放銃すれば7,700という打点は想像に容易い。
少し考えたが、HIROはここでテンパイを崩して四索を止めた。HIROが仕掛けなければダンプがツモと言っていた牌を食い取って止めたのである。
そしてその次の野方のツモ。以下の手牌。

五万六万七万一索一索三索五索六索七索八索九索南南  ツモ五索

ここで打一索とした野方。ダンプへ手痛い7,700は8,300の放銃となってしまう。
テンパイから放銃回避したHIRO、親とはいえ1シャンテンから放銃となってしまった野方。
点数状況もトータルポイントも違う2人を比較したとしても比較しきれないところもあるのだが、受けに定評がある野方だけに、この放銃はかなり珍しく見えた。

南3局、ダンプがリーチをかける。

四万五万六万一索二索二索三索三索六筒七筒八筒白白  リーチ  ドラ四筒

柴田と野方に押し上げられる形で勢いに乗ってきたダンプ。ここはきっちり一索でツモ。
1,000・2,000のアガリで持ち点原点復帰。
そのまま浮きをキープして、トップまでは届かなかったものの2着で2回戦を終える。
トップで逃げ切ったのは柴田。これによりトータルポイントの動きはかなり小さいものとなる。

2回戦成績
柴田+12.4P ダンプ+4.4P HIRO▲5.3P 野方▲11.5P

2回戦終了時
HIRO+9.6P 柴田+3.3P 野方▲0.8P ダンプ▲12.1P

 

3回戦(起家から、野方・ダンプ・HIRO・柴田)

東4局、親の柴田が7巡でテンパイする。

二索二索七索七索八索八索南南西北北発中中  ドラ発

ここで面白いのが柴田の選択。ドラの発単騎待ちではなく、西単騎待ちにして発切りリーチ。
それまでの柴田の河はマンズとピンズの中張牌を連打していてかなり派手な河となっていた。
西にしても簡単に出る牌とは思えなかったが、実際は山にある枚数は西が3枚で発が1枚。待ち取りとして枚数的には西待ちが正解の局面だった。
しかしこの発を野方がすかさずポン。以下のテンパイとなる。

二万三万五万六万七万五索五索三筒四筒五筒  ポン発発発

ここはどちらが勝つか勝負所となったが、柴田が一万をツモ切って野方への7,700放銃。
もし柴田が発単騎を選択してリーチを打っていたらどうなっていたか……。
結果はわからないし、発単騎待ちにするのが正しいということもないが、少なくとも発を鳴いての野方のアガリはなかっただけに柴田本人に悔やまれる気持ちがなければいいのだが。
勝負がけの柴田のリーチだったが、ここは裏目の結果となってしまった。

南2局2本場、南家のHIROがダブ南から仕掛けていき以下のテンパイ。

三索三索六索七索八索七筒八筒  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ポン南南南  ドラ八筒

道中、八筒を持ってきてシャンポン待ちへの待ち変えもできる局面もあったが八筒はツモ切りとしたHIRO。この八筒でさらに切りやすくなったか、野方は以下のテンパイから放銃となった。

一万一万一万三万三万三万一索三索三筒三筒七筒八筒九筒  ツモ六筒  打九筒

三暗刻やリャンメン変化に期待したヤミテンだったが、即リーチとした場合HIROが八筒をツモ切ったかどうか気になるところでもあった。HIRO、3,900は4,500のアガリ。

南3局、野方が動いてテンパイ。

一索一索九筒九筒白白白  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  チー八索 左向き七索 上向き九索 上向き  ドラ発

発がドラで仕掛けのインパクトは強めだったが、しばらくして発を野方がツモ切ったことで少し安心できる状況となったか。そして柴田が以下のテンパイ。

三万三万五万四索四索六索六索四筒四筒五筒五筒発中  ツモ発  打五万

ひとまず中単騎に受けた柴田だったが、この中は野方の仕掛けに対して出てきにくい牌。
次の巡目に持ってきた八万待ちに受け変え、中を切ってリーチを打つ。確かに柴田の河には九万七万五万と切られていて八万は盲点に見えそう。
同じ巡目のダンプの手牌。

一万二万三万四万六万七万八万一索二索三索九索九索中  ツモ九万

柴田が中を切ってリーチしたことで、ダンプは目立たずテンパイを取れる。
すぐにHIROが柴田の現物である五万を切ってダンプのアガリ。
柴田は七対子ドラドラの待ち選択が裏目になるケースが続いてしまう。

南4局、柴田は1人沈みで12,800点持ちで迎えた親番。
この親番でなんとか少しでもポイントを取り返したいところ。柴田テンパイしてリーチを打っていく。

一万二万三万四万四万七万八万九万五索六索七索八索九索  リーチ  ドラ五索

これに対して38,700点持ちのトップ目のHIROがテンパイから押し返していく。

七万八万九万七索九索一筒二筒三筒七筒八筒九筒西西

ここから危ない牌を数枚連打。この動きを見てダンプと野方は大人しく見に回る。
決着がつかないまま局が終盤に差し掛かったところ、HIROが七索を掴んでシャンポン待ちに変えて放銃回避。この辺りはさすがといったところ。次に持ってきた危険牌を抱え、テンパイも崩す結果に。
柴田は一人テンパイで流局となった。

南4局1本場、野方は30,500点持ちの3着目。
ここは浮きをキープして次に行きたいところ。3巡目に入れた以下のテンパイ。

一万二万三万四万五万六万四索四索六索七索八索四筒六筒  ドラ北

ヤミテンに構える野方。役なしテンパイとはいえ、この形ではリーチは打てない。リーチ棒を出すと一瞬持ち点が原点を割ってしまうというのも一つの大事な要素だろう。
ヤミテンにしたことで野方の手牌はどんどん変化していく。
四索ツモで打六筒六索ツモで打四筒。この3面張になった時点でリーチを打つ選択もあるかと思ったがヤミテン続行。さらに四万をツモってタンヤオ変化。九索以外は出アガリができる形となった。
そして次にツモってきたのがドラの東。ここで東単騎に受けてリーチを打つ。

二万三万四万四万五万六万四索四索四索六索七索八索東  リーチ

これをツモればトップまで届くというところまで手牌が発展。浮きでよしとする選択肢もあったが、ここは強くトップを狙いに行く。
柴田も仕掛けてテンパイを入れる。

七万七万一筒三筒五筒六筒七筒  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  ポン白白白

ここは柴田が二筒をツモって粘り強さを見せる。500は600オールで連チャンに成功。

南4局2本場、HIROがテンパイ一番乗り。

七万九万五索六索七索九索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ九索

野方もリーチに対してうまく立ち回り、数巡後テンパイして追っかけリーチ。

二万三万四万四万五万六万六万七万三索四索五索六筒六筒  リーチ

野方のリーチ宣言牌をダンプが仕掛けてテンパイを入れる。3件テンパイの痺れる展開。

五索五索二筒三筒四筒六筒七筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  ポン白白白

この仕掛けで野方がツモる予定だった五万をダンプが掴み放銃。
3,900は4,500。
柴田は手痛い1人沈みのラスとなる。

3回戦成績
HIRO+14.1P 野方+7.4P ダンプ+1.9P 柴田▲23.4P

3回戦終了時
HIRO+23.7P 野方+6.6P ダンプ▲10.2P 柴田▲20.1P

 

4回戦(起家から、柴田・HIRO・ダンプ・野方)

東2局、ダンプが先制リーチ。

一万二万三万七万八万二索三索四索四筒四筒東東東  リーチ  ドラ北

柴田も追いつく。

一索二索三索四索五索五索六索六索南南南中中  リーチ

待ちがダンプの現物であったが、出ていく牌がドラの北ということもあってか、追っかけリーチで真っ向勝負。
ダンプ、リーチ後に東の暗カンを入れる。しばらくして柴田が九万を掴んでダンプへ4,500の放銃となる。

東3局、柴田に苦しい展開が続いていて、他3名の三つ巴となるかという雰囲気になってきた。
しかし柴田もそうはさせるかと食らいつく。
まずは野方がかなり1巡目から積極的に仕掛けていく。これは野方の常套手段。

五万六万八万九万七索八索北  ポン南南南  ポン東東東  ドラ八索

結果的には仕掛けによって手牌とツモが噛み合った柴田、浅い巡目でテンパイしてリーチを打つ。

六万七万三索四索五索六索七索八索二筒二筒五筒六筒七筒  リーチ

野方、しばらくしてテンパイしたところ。

五万六万七万八万五索六索七索八索  ポン南南南  ポン東東東

どちらもリーチに対しては危険牌。ならばドラでアガった時に高くなる方を選択したくなる。
自然と五万が切り出され柴田への7,700の放銃となる。

東4局、HIROが気持ちの良い入り目でテンパイ。そのままリーチ。

三万四万五万六万七万一索四索五索九索九索三筒四筒五筒  ツモ三索  打一索 左向き  ドラ四索

トータルポイントからしても、これを高目でツモるとなると一抜けするというイメージ。
「決めてやる」という気持ちがHIROの表情からも窺えた。その気持ちに応えるかのようにあっさり高目の五万ツモ。
3,000・6,000のアガリ。
野方は痛い親っ被りとなり、持ち点が18,900点に。

南3局3本場、ダンプ33,000点持ちで迎えた親番。
ツモが伸びて先制リーチを打つ。

三万四万五万三索三索二筒三筒三筒四筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ八筒

ダンプ本人も手応え十分といったところか。ここで4,000オールツモると一気にトップまで躍り出る。
リーチを打ってすぐ、野方もテンパイ。

七万八万九万四索六索七索八索二筒二筒七筒八筒九筒南  ツモ九索

野方、ここはヤミテンを選択する。
実は山の残り枚数は五筒が2枚だけだったダンプの待ち。野方の待ちの五索は3枚残っていた。
ダンプが五索を掴んで野方へ5,200の放銃となる。

南4局、24,900点持ちでオーラスの親番を迎えた。
野方、自分の型での闘牌。

八索八索五筒六筒七筒七筒七筒  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ポン中中中  ドラ二筒

このテンパイから六筒をツモってトイトイに変化。
六筒を柴田から打ち取って7,700のアガリ。
野方、持ち点原点復帰に成功。

南4局1本場、ダンプがテンパイ。

七万七万二索二索五索六索三筒三筒四筒五筒南南南  ツモ七索  ドラ一万

ダンプは25,900点持ち。1本場あるので1,000・2,000をツモれば原点復帰する状況だった。
ここは素直に三筒を切ってリーチと踏み切る。
実はこのシャンポン待ちは4枚全て山の中。あっさりツモアガリとなる未来も想像されたが……。
親の野方が七を掴んだ後、しばらくしてテンパイする。

七万三索四索五索六索七索七索八索九索五筒六筒七筒中  ツモ中

さすがにここはテンパイを取って七放銃かと思ったが、打九索として放銃回避。
この辺りに野方の強さを感じる。32,600点持ちの親。仮にダンプが1,000・2,000をツモっても原点は残るが、放銃すると原点を割ってしまう。
状況によって回避できた放銃なのだろうが、そういう繊細なバランスの時の押し引きを野方は間違えない。
そして柴田が追っかけリーチを打つ。

二万四万四万五万六万八万八万二索三索四索四筒五筒六筒  ツモ五万  打二万 左向き

タンヤオのみのテンパイからリャンメン変化してピンフと高目イーペーコーがつくリーチ。
ほどなくして六万をツモった柴田。
2,000・4,000は2,100・4,100のアガリ。
この親っ被りで野方は原点割れての終了となる。
やられっぱなしじゃないのが柴田の強さなのか。

4回戦成績
HIRO+27.6P 野方▲2.5P 柴田▲9.9P ダンプ▲15.2P

4回戦終了時
HIRO+51.3P 野方+4.1P ダンプ▲25.4P 柴田▲30.0P

 

5回戦(起家から、柴田・HIRO・野方・ダンプ)

HIROはほぼ勝ち上がりが決定。
野方をダンプと柴田が追いかけるという状況となった。
ターゲットとなる野方、逃げ切るのは楽な戦いではない最終戦。

東3局、柴田が先制リーチを打つ。

三万四万五万三索四索四索五索五索五索四筒五筒発発  ツモ発  打四索 左向き  ドラ八筒

ダンプにもチャンス手が入っていて以下の手牌。

二万三万四万二索二索二索三索三索四索二筒三筒六筒八筒

四筒が柴田の河に2枚切られていて、3枚目の四筒がダンプの上家の野方から切られる。
巡目もまずまず深くなってきており、3枚目ならば仕掛けるのも自然に見えた。
しかしダンプ、ここはグッとこらえてスルーした。確かに打点が欲しい状況でもあり、面前で仕上がれば跳満まで見える手牌。
ダンプ本人は知り得ないが、実は結果的にはこの四筒をチーしておくと、次巡⑦をツモっていた。
ここは我慢したことが結果的に裏目となってしまう。
柴田もアガれず流局となった。

東4局2本場、柴田にチャンス手が入る。

二万四万七万八万八万三索三索四索二筒三筒中中中  ドラ中

親のダンプ、先にテンパイを入れてリーチを打つ。

二万三万四万六万六万七万四索四索五索五索六筒七筒八筒  ツモ六索  打七万 左向き

柴田は三万を引き入れ、さらにダンプのツモ切った一筒をチーして以下のテンパイ。

二万三万四万七万八万三索三索中中中  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き

どちらが野方への挑戦権を得るかという勝負に見えたが、ここは柴田に軍配が上がる。
九万をツモって2,000・3,900は2,200・4,100と供託のリーチ棒3本付き。
大事なところでの勝負強さに定評がある柴田。
チャンスに強いというのは誰もが羨むスキルである。野球で言うならば長嶋茂雄タイプか?

南1局1本場、親番の柴田が仕掛けていく。

一万一万七万八万九万一筒三筒  チー八索 左向き七索 上向き九索 上向き  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き  ドラ三万

これをソウズのホンイツ模様だったダンプから二筒でロン。
ピンズはかなり場に切られていて切られやすい牌だった。
5,800は6,100。
このアガリでトータルポイントは野方を逆転した柴田。

南3局1本場、親の野方は31,300点持ちで浮きキープは勝ち上がりへの絶対条件となりつつあった。
15巡目、HIROがテンパイを入れる。

一万一万三万四万五万三索四索五索六索七索八索三筒四筒  ドラ六索

山に五筒が2枚残っていて、誰も五筒を使えずツモ切りそうな状況だった。
掴んだ人がHIROにやられる。そんな状況。
次巡、HIROがツモ切った三万を野方が仕掛けてテンパイ。

七万八万九万二索二索四索五索七索八索九索南  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  打南

野方もテンパイはしておきたい。野方の切った南を柴田がポン。

八万九万一索一索一索二索三索六索七筒七筒八筒  ポン南南南  打八万 上向き

その直後、HIROが五筒をツモ。2,000・4,000は2,100・4,100のアガリとなる。
形式テンパイを取らなければ、野方が五筒を掴んでおそらくツモ切りとなっていたので、7,700の放銃だった。
どちらにしても野方にはきつい結果でしかないが、まだマシな方になった。

南4局点数状況。
野方27,200 ダンプ9,700 柴田52,100 HIRO31,000
現状、柴田が野方を2.8P上回っているのでこのまま終われば柴田の勝ち上がり。
野方は配給原点の30,000点以上に戻せれば勝ち上がりという条件。
ダンプは最後の親番で連チャン必須となっていた。
このオーラス、柴田の手牌が軽い。

一万一万六万七万七万八万六索七索八索四筒四筒五筒五筒  ツモ六筒  ドラ三万

10巡目、役ありのテンパイ。次巡に③をツモって決着となった。
400・700のアガリ。
見事な逆転劇となった。

5回戦成績
柴田+31.6P HIRO+4.6P 野方▲7.2P ダンプ▲29.0P

5回戦終了時
HIRO+55.9P 柴田+1.6P 野方▲3.1P ダンプ▲54.4P

 

決勝勝ち上がり
HIRO柴田 柴田吉和

ここはダブル柴田での勝ち上がりとなった。
HIRO柴田、改名してから一度も負けていないという。
そのままの勢いでタイトル獲得となるか。
柴田は十段位と二冠に挑戦することとなる。
決勝メンバーの中で今期二冠に挑戦するのは柴田のみ。

これで決勝メンバーが決定!

和久津晶vs灘麻太郎vsHIRO柴田vs柴田吉和

ゲームのイニシアティヴを取るタイプの和久津と灘。
じっくり構え好機を待つタイプのHIROと柴田。
2015年度の締め括りとなる試合でどういう戦いを見せてくれるのか、楽しみなカードとなった。

ベスト16からベスト8まで実況とレポートを担当させてもらい、決勝でも実況をさせてもらうこととなる私だが、今回観てきて思うことがある。
勝負の分かれ目というのは本当に紙一重で、一つ違えば勝者と敗者は簡単に入れ替わる。
その細部まで理論やインスピレーションや思いを乗せ、選手は牌を切っていく。
全身全霊で戦う姿は誰もが美しく、同時に激しく嫉妬する。
このレポートが掲載される頃には決勝は終わっているかもしれないが、決勝の熱い戦いをどうぞ見逃さないでほしい。

最後にレポートを読んでくださった方々、ありがとうございました。

グランプリ レポート/第6期麻雀グランプリ MAXベスト8 B卓レポート 小車 祥

100

 
野方祐介vsHIRO柴田vs柴田吉和vsダンプ大橋
奇しくも十段戦の決勝メンバーの内3名とHIRO柴田というカード。
野方とダンプにとっては現十段位の柴田吉和への雪辱戦。
決定戦とは違いトーナメントなのでシステムも戦い方も全く違ってくるのは当然だが、十段位決定戦の時のイメージを自然と持ってしまうのは致し方ないだろう。
決勝進出のチケットを手に入れるのはこの中の2名。
 
1回戦(起家から、野方・HIRO・柴田・ダンプ)
東2局、野方が以下の手牌をヤミテンでツモアガリ。
一万一万五万五万九万九万二索二索西西北発発  ツモ北  ドラ発
2,000・4,000。
東3局、野方がアグレッシブに動く。
一万二万五万四索五索五索一筒一筒四筒白発中中  ドラ八筒
ここから五索をポン。さらに白を重ねた後、一筒をポン。
五万六万白白発中中  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き
この手牌に発をツモってマンズのターツを切っていく。
そして親の柴田がピンフテンパイ。
二万三万四万七万八万九万三索三索七索八索九索四筒五筒白
テンパイしたことでここまで引きつけていた白を河に置く。
当然野方は仕掛けて発中のシャンポン待ち。なんと12,000のテンパイまで手牌が成長した。
しかし野方のこの手牌は開けられることなく、野方が柴田のアガリ牌である三筒をツモ切って局が終了。
柴田は1,500のアガリ。野方は少なくとも流局でもいいから手牌を開けたかったところか。
なぜならこの12,000テンパイを見せられたら、次局以降に同じような仕掛けを入れた野方に対しての警戒度は少なからず上がるだろうからだ。
東4局、柴田が以下のテンパイ。
二万三万四万五万六万六万七万七万六索七索八索三筒三筒  ドラ七万
ツモがぐんぐん伸びて労せずテンパイしたかと思ったら、ヤミテンを選択してすぐに五万ツモ。
五万をツモればヤミテンでも跳満になる。これは本人も気持ちがいいアガリだろう。
3,000・6,000。
オーラスを迎えた時にはHIROがトップ目、僅か200点差で野方が2着目。
3着を受け入れラス回避を目的とした仕掛けを柴田が入れ、上家のHIROも特に絞ったりする理由もなく2フーロ目のチーを入れ難なくテンパイ。
四万五万六万二索三索六筒六筒  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  ポン白白白  ドラ東
1,000をダンプからアガって1回戦終了。
1回戦成績
HIRO+14.9P 野方+10.7P 柴田▲9.1P ダンプ▲16.5P
 
2回戦(起家から、ダンプ・野方・HIRO・柴田)
東4局2本場、柴田の親番。
2回戦の東場は大物手が飛び出すこともなく、小さな点棒の動きで局が進んでいた。
テンパイ料や供託のリーチ棒などを含め、点棒を稼いでいた柴田は41,400点持ちのトップ目。
他三者は2万点台で凌いでいた。
配牌時には重たく時間がかかりそうな手牌だったHIROのツモが噛み合い、9巡目には以下のテンパイが入る。
一索二索三索四索四索四索八索九索発発発中中  ドラ六索
この時のダンプの手牌。
四万六万五索六索七索一筒三筒三筒六筒七筒八筒西西  ツモ四索
持ってきた四索七索を入れ替えただけ。それだけで8,000の放銃となったダンプ。
腹を括って勝負に出た時に打つ8,000よりも、心構えができていない分メンタルダメージの大きい放銃に見える。
南1局、13,400点持ちのラス目で南場の親番を迎えたダンプは、1回戦もラスでかなり苦しい状況。
とにかく親番の維持が最優先事項だと言わんばかりにダンプは仕掛けを入れる。
五索六索七索西  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  チー二索 左向き三索 上向き四索 上向き  ポン中中中  ドラ西
2枚切れのドラ単騎待ちで5,800テンパイだが、ドラで打たなければ1,500でしかなさそう。
ドラ以外はおそらく何でも押されるので、子の3者はドラ以外は全て通してアガリに来そうな局面。
当然ダンプ自身もわかっているが、取れる方法がそれしかなかったという印象だった。
ところが、役なしのテンパイを入れていた柴田がうっかり西をツモ切ってしまう。
ここまでかなり調子悪そうだったダンプだったが、こういうアガリで浮上のきっかけを与えてしまう可能性は十分にある。
南2局2本場、ダンプは親の連チャンによる加点はできなかったが、この局も仕掛けを入れていく。
二索三索六索七索八索白白発中中  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き  ドラ二索
さらに1シャンテンの野方から出た白をポンしてダンプ一索四索待ちで7,700テンパイ。
そしてダンプのテンパイ打牌である発をHIROも仕掛けてテンパイ。
一万一万一万三万四万五万五万七万八万九万  ポン発発発
こちらはアガれば5,200の手。2巡後、HIROはダンプのアガリ牌である四索を掴む。
ソウズのホンイツでこの四索で放銃すれば7,700という打点は想像に容易い。
少し考えたが、HIROはここでテンパイを崩して四索を止めた。HIROが仕掛けなければダンプがツモと言っていた牌を食い取って止めたのである。
そしてその次の野方のツモ。以下の手牌。
五万六万七万一索一索三索五索六索七索八索九索南南  ツモ五索
ここで打一索とした野方。ダンプへ手痛い7,700は8,300の放銃となってしまう。
テンパイから放銃回避したHIRO、親とはいえ1シャンテンから放銃となってしまった野方。
点数状況もトータルポイントも違う2人を比較したとしても比較しきれないところもあるのだが、受けに定評がある野方だけに、この放銃はかなり珍しく見えた。
南3局、ダンプがリーチをかける。
四万五万六万一索二索二索三索三索六筒七筒八筒白白  リーチ  ドラ四筒
柴田と野方に押し上げられる形で勢いに乗ってきたダンプ。ここはきっちり一索でツモ。
1,000・2,000のアガリで持ち点原点復帰。
そのまま浮きをキープして、トップまでは届かなかったものの2着で2回戦を終える。
トップで逃げ切ったのは柴田。これによりトータルポイントの動きはかなり小さいものとなる。
2回戦成績
柴田+12.4P ダンプ+4.4P HIRO▲5.3P 野方▲11.5P
2回戦終了時
HIRO+9.6P 柴田+3.3P 野方▲0.8P ダンプ▲12.1P
 
3回戦(起家から、野方・ダンプ・HIRO・柴田)
東4局、親の柴田が7巡でテンパイする。
二索二索七索七索八索八索南南西北北発中中  ドラ発
ここで面白いのが柴田の選択。ドラの発単騎待ちではなく、西単騎待ちにして発切りリーチ。
それまでの柴田の河はマンズとピンズの中張牌を連打していてかなり派手な河となっていた。
西にしても簡単に出る牌とは思えなかったが、実際は山にある枚数は西が3枚で発が1枚。待ち取りとして枚数的には西待ちが正解の局面だった。
しかしこの発を野方がすかさずポン。以下のテンパイとなる。
二万三万五万六万七万五索五索三筒四筒五筒  ポン発発発
ここはどちらが勝つか勝負所となったが、柴田が一万をツモ切って野方への7,700放銃。
もし柴田が発単騎を選択してリーチを打っていたらどうなっていたか……。
結果はわからないし、発単騎待ちにするのが正しいということもないが、少なくとも発を鳴いての野方のアガリはなかっただけに柴田本人に悔やまれる気持ちがなければいいのだが。
勝負がけの柴田のリーチだったが、ここは裏目の結果となってしまった。
南2局2本場、南家のHIROがダブ南から仕掛けていき以下のテンパイ。
三索三索六索七索八索七筒八筒  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ポン南南南  ドラ八筒
道中、八筒を持ってきてシャンポン待ちへの待ち変えもできる局面もあったが八筒はツモ切りとしたHIRO。この八筒でさらに切りやすくなったか、野方は以下のテンパイから放銃となった。
一万一万一万三万三万三万一索三索三筒三筒七筒八筒九筒  ツモ六筒  打九筒
三暗刻やリャンメン変化に期待したヤミテンだったが、即リーチとした場合HIROが八筒をツモ切ったかどうか気になるところでもあった。HIRO、3,900は4,500のアガリ。
南3局、野方が動いてテンパイ。
一索一索九筒九筒白白白  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  チー八索 左向き七索 上向き九索 上向き  ドラ発
発がドラで仕掛けのインパクトは強めだったが、しばらくして発を野方がツモ切ったことで少し安心できる状況となったか。そして柴田が以下のテンパイ。
三万三万五万四索四索六索六索四筒四筒五筒五筒発中  ツモ発  打五万
ひとまず中単騎に受けた柴田だったが、この中は野方の仕掛けに対して出てきにくい牌。
次の巡目に持ってきた八万待ちに受け変え、中を切ってリーチを打つ。確かに柴田の河には九万七万五万と切られていて八万は盲点に見えそう。
同じ巡目のダンプの手牌。
一万二万三万四万六万七万八万一索二索三索九索九索中  ツモ九万
柴田が中を切ってリーチしたことで、ダンプは目立たずテンパイを取れる。
すぐにHIROが柴田の現物である五万を切ってダンプのアガリ。
柴田は七対子ドラドラの待ち選択が裏目になるケースが続いてしまう。
南4局、柴田は1人沈みで12,800点持ちで迎えた親番。
この親番でなんとか少しでもポイントを取り返したいところ。柴田テンパイしてリーチを打っていく。
一万二万三万四万四万七万八万九万五索六索七索八索九索  リーチ  ドラ五索
これに対して38,700点持ちのトップ目のHIROがテンパイから押し返していく。
七万八万九万七索九索一筒二筒三筒七筒八筒九筒西西
ここから危ない牌を数枚連打。この動きを見てダンプと野方は大人しく見に回る。
決着がつかないまま局が終盤に差し掛かったところ、HIROが七索を掴んでシャンポン待ちに変えて放銃回避。この辺りはさすがといったところ。次に持ってきた危険牌を抱え、テンパイも崩す結果に。
柴田は一人テンパイで流局となった。
南4局1本場、野方は30,500点持ちの3着目。
ここは浮きをキープして次に行きたいところ。3巡目に入れた以下のテンパイ。
一万二万三万四万五万六万四索四索六索七索八索四筒六筒  ドラ北
ヤミテンに構える野方。役なしテンパイとはいえ、この形ではリーチは打てない。リーチ棒を出すと一瞬持ち点が原点を割ってしまうというのも一つの大事な要素だろう。
ヤミテンにしたことで野方の手牌はどんどん変化していく。
四索ツモで打六筒六索ツモで打四筒。この3面張になった時点でリーチを打つ選択もあるかと思ったがヤミテン続行。さらに四万をツモってタンヤオ変化。九索以外は出アガリができる形となった。
そして次にツモってきたのがドラの東。ここで東単騎に受けてリーチを打つ。
二万三万四万四万五万六万四索四索四索六索七索八索東  リーチ
これをツモればトップまで届くというところまで手牌が発展。浮きでよしとする選択肢もあったが、ここは強くトップを狙いに行く。
柴田も仕掛けてテンパイを入れる。
七万七万一筒三筒五筒六筒七筒  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  ポン白白白
ここは柴田が二筒をツモって粘り強さを見せる。500は600オールで連チャンに成功。
南4局2本場、HIROがテンパイ一番乗り。
七万九万五索六索七索九索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ九索
野方もリーチに対してうまく立ち回り、数巡後テンパイして追っかけリーチ。
二万三万四万四万五万六万六万七万三索四索五索六筒六筒  リーチ
野方のリーチ宣言牌をダンプが仕掛けてテンパイを入れる。3件テンパイの痺れる展開。
五索五索二筒三筒四筒六筒七筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  ポン白白白
この仕掛けで野方がツモる予定だった五万をダンプが掴み放銃。
3,900は4,500。
柴田は手痛い1人沈みのラスとなる。
3回戦成績
HIRO+14.1P 野方+7.4P ダンプ+1.9P 柴田▲23.4P
3回戦終了時
HIRO+23.7P 野方+6.6P ダンプ▲10.2P 柴田▲20.1P
 
4回戦(起家から、柴田・HIRO・ダンプ・野方)
東2局、ダンプが先制リーチ。
一万二万三万七万八万二索三索四索四筒四筒東東東  リーチ  ドラ北
柴田も追いつく。
一索二索三索四索五索五索六索六索南南南中中  リーチ
待ちがダンプの現物であったが、出ていく牌がドラの北ということもあってか、追っかけリーチで真っ向勝負。
ダンプ、リーチ後に東の暗カンを入れる。しばらくして柴田が九万を掴んでダンプへ4,500の放銃となる。
東3局、柴田に苦しい展開が続いていて、他3名の三つ巴となるかという雰囲気になってきた。
しかし柴田もそうはさせるかと食らいつく。
まずは野方がかなり1巡目から積極的に仕掛けていく。これは野方の常套手段。
五万六万八万九万七索八索北  ポン南南南  ポン東東東  ドラ八索
結果的には仕掛けによって手牌とツモが噛み合った柴田、浅い巡目でテンパイしてリーチを打つ。
六万七万三索四索五索六索七索八索二筒二筒五筒六筒七筒  リーチ
野方、しばらくしてテンパイしたところ。
五万六万七万八万五索六索七索八索  ポン南南南  ポン東東東
どちらもリーチに対しては危険牌。ならばドラでアガった時に高くなる方を選択したくなる。
自然と五万が切り出され柴田への7,700の放銃となる。
東4局、HIROが気持ちの良い入り目でテンパイ。そのままリーチ。
三万四万五万六万七万一索四索五索九索九索三筒四筒五筒  ツモ三索  打一索 左向き  ドラ四索
トータルポイントからしても、これを高目でツモるとなると一抜けするというイメージ。
「決めてやる」という気持ちがHIROの表情からも窺えた。その気持ちに応えるかのようにあっさり高目の五万ツモ。
3,000・6,000のアガリ。
野方は痛い親っ被りとなり、持ち点が18,900点に。
南3局3本場、ダンプ33,000点持ちで迎えた親番。
ツモが伸びて先制リーチを打つ。
三万四万五万三索三索二筒三筒三筒四筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ八筒
ダンプ本人も手応え十分といったところか。ここで4,000オールツモると一気にトップまで躍り出る。
リーチを打ってすぐ、野方もテンパイ。
七万八万九万四索六索七索八索二筒二筒七筒八筒九筒南  ツモ九索
野方、ここはヤミテンを選択する。
実は山の残り枚数は五筒が2枚だけだったダンプの待ち。野方の待ちの五索は3枚残っていた。
ダンプが五索を掴んで野方へ5,200の放銃となる。
南4局、24,900点持ちでオーラスの親番を迎えた。
野方、自分の型での闘牌。
八索八索五筒六筒七筒七筒七筒  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ポン中中中  ドラ二筒
このテンパイから六筒をツモってトイトイに変化。
六筒を柴田から打ち取って7,700のアガリ。
野方、持ち点原点復帰に成功。
南4局1本場、ダンプがテンパイ。
七万七万二索二索五索六索三筒三筒四筒五筒南南南  ツモ七索  ドラ一万
ダンプは25,900点持ち。1本場あるので1,000・2,000をツモれば原点復帰する状況だった。
ここは素直に三筒を切ってリーチと踏み切る。
実はこのシャンポン待ちは4枚全て山の中。あっさりツモアガリとなる未来も想像されたが……。
親の野方が七を掴んだ後、しばらくしてテンパイする。
七万三索四索五索六索七索七索八索九索五筒六筒七筒中  ツモ中
さすがにここはテンパイを取って七放銃かと思ったが、打九索として放銃回避。
この辺りに野方の強さを感じる。32,600点持ちの親。仮にダンプが1,000・2,000をツモっても原点は残るが、放銃すると原点を割ってしまう。
状況によって回避できた放銃なのだろうが、そういう繊細なバランスの時の押し引きを野方は間違えない。
そして柴田が追っかけリーチを打つ。
二万四万四万五万六万八万八万二索三索四索四筒五筒六筒  ツモ五万  打二万 左向き
タンヤオのみのテンパイからリャンメン変化してピンフと高目イーペーコーがつくリーチ。
ほどなくして六万をツモった柴田。
2,000・4,000は2,100・4,100のアガリ。
この親っ被りで野方は原点割れての終了となる。
やられっぱなしじゃないのが柴田の強さなのか。
4回戦成績
HIRO+27.6P 野方▲2.5P 柴田▲9.9P ダンプ▲15.2P
4回戦終了時
HIRO+51.3P 野方+4.1P ダンプ▲25.4P 柴田▲30.0P
 
5回戦(起家から、柴田・HIRO・野方・ダンプ)
HIROはほぼ勝ち上がりが決定。
野方をダンプと柴田が追いかけるという状況となった。
ターゲットとなる野方、逃げ切るのは楽な戦いではない最終戦。
東3局、柴田が先制リーチを打つ。
三万四万五万三索四索四索五索五索五索四筒五筒発発  ツモ発  打四索 左向き  ドラ八筒
ダンプにもチャンス手が入っていて以下の手牌。
二万三万四万二索二索二索三索三索四索二筒三筒六筒八筒
四筒が柴田の河に2枚切られていて、3枚目の四筒がダンプの上家の野方から切られる。
巡目もまずまず深くなってきており、3枚目ならば仕掛けるのも自然に見えた。
しかしダンプ、ここはグッとこらえてスルーした。確かに打点が欲しい状況でもあり、面前で仕上がれば跳満まで見える手牌。
ダンプ本人は知り得ないが、実は結果的にはこの四筒をチーしておくと、次巡⑦をツモっていた。
ここは我慢したことが結果的に裏目となってしまう。
柴田もアガれず流局となった。
東4局2本場、柴田にチャンス手が入る。
二万四万七万八万八万三索三索四索二筒三筒中中中  ドラ中
親のダンプ、先にテンパイを入れてリーチを打つ。
二万三万四万六万六万七万四索四索五索五索六筒七筒八筒  ツモ六索  打七万 左向き
柴田は三万を引き入れ、さらにダンプのツモ切った一筒をチーして以下のテンパイ。
二万三万四万七万八万三索三索中中中  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き
どちらが野方への挑戦権を得るかという勝負に見えたが、ここは柴田に軍配が上がる。
九万をツモって2,000・3,900は2,200・4,100と供託のリーチ棒3本付き。
大事なところでの勝負強さに定評がある柴田。
チャンスに強いというのは誰もが羨むスキルである。野球で言うならば長嶋茂雄タイプか?
南1局1本場、親番の柴田が仕掛けていく。
一万一万七万八万九万一筒三筒  チー八索 左向き七索 上向き九索 上向き  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き  ドラ三万
これをソウズのホンイツ模様だったダンプから二筒でロン。
ピンズはかなり場に切られていて切られやすい牌だった。
5,800は6,100。
このアガリでトータルポイントは野方を逆転した柴田。
南3局1本場、親の野方は31,300点持ちで浮きキープは勝ち上がりへの絶対条件となりつつあった。
15巡目、HIROがテンパイを入れる。
一万一万三万四万五万三索四索五索六索七索八索三筒四筒  ドラ六索
山に五筒が2枚残っていて、誰も五筒を使えずツモ切りそうな状況だった。
掴んだ人がHIROにやられる。そんな状況。
次巡、HIROがツモ切った三万を野方が仕掛けてテンパイ。
七万八万九万二索二索四索五索七索八索九索南  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  打南
野方もテンパイはしておきたい。野方の切った南を柴田がポン。
八万九万一索一索一索二索三索六索七筒七筒八筒  ポン南南南  打八万 上向き
その直後、HIROが五筒をツモ。2,000・4,000は2,100・4,100のアガリとなる。
形式テンパイを取らなければ、野方が五筒を掴んでおそらくツモ切りとなっていたので、7,700の放銃だった。
どちらにしても野方にはきつい結果でしかないが、まだマシな方になった。
南4局点数状況。
野方27,200 ダンプ9,700 柴田52,100 HIRO31,000
現状、柴田が野方を2.8P上回っているのでこのまま終われば柴田の勝ち上がり。
野方は配給原点の30,000点以上に戻せれば勝ち上がりという条件。
ダンプは最後の親番で連チャン必須となっていた。
このオーラス、柴田の手牌が軽い。
一万一万六万七万七万八万六索七索八索四筒四筒五筒五筒  ツモ六筒  ドラ三万
10巡目、役ありのテンパイ。次巡に③をツモって決着となった。
400・700のアガリ。
見事な逆転劇となった。
5回戦成績
柴田+31.6P HIRO+4.6P 野方▲7.2P ダンプ▲29.0P
5回戦終了時
HIRO+55.9P 柴田+1.6P 野方▲3.1P ダンプ▲54.4P
 
決勝勝ち上がり
HIRO柴田 柴田吉和
ここはダブル柴田での勝ち上がりとなった。
HIRO柴田、改名してから一度も負けていないという。
そのままの勢いでタイトル獲得となるか。
柴田は十段位と二冠に挑戦することとなる。
決勝メンバーの中で今期二冠に挑戦するのは柴田のみ。
これで決勝メンバーが決定!
和久津晶vs灘麻太郎vsHIRO柴田vs柴田吉和
ゲームのイニシアティヴを取るタイプの和久津と灘。
じっくり構え好機を待つタイプのHIROと柴田。
2015年度の締め括りとなる試合でどういう戦いを見せてくれるのか、楽しみなカードとなった。
ベスト16からベスト8まで実況とレポートを担当させてもらい、決勝でも実況をさせてもらうこととなる私だが、今回観てきて思うことがある。
勝負の分かれ目というのは本当に紙一重で、一つ違えば勝者と敗者は簡単に入れ替わる。
その細部まで理論やインスピレーションや思いを乗せ、選手は牌を切っていく。
全身全霊で戦う姿は誰もが美しく、同時に激しく嫉妬する。
このレポートが掲載される頃には決勝は終わっているかもしれないが、決勝の熱い戦いをどうぞ見逃さないでほしい。
最後にレポートを読んでくださった方々、ありがとうございました。

第110回リレーエッセイ:大亀 あすか

みなさん、こんにちは。
日本プロ麻雀連盟30期生、大亀あすかです。

あまり文章を書くのが得意ではないので、読みづらかったらごめんなさい。
声優としてわたしを知っている方、プロ雀士としてわたしを知っている方、わたしの事を知らない方に、もっと私の事を知ってほしく、コラムを書いてみました♪
すこし長いですが・・・最後までおつきあい頂けると嬉しいです。

 

― 麻雀との出会い。

麻雀との出会いは某麻雀アニメに出演したのがキッカケでした。
休みの日はパチンコ、スロット、家でゲームなんてざらなくらい一人遊びの達人でした。
わたし、友達が少ないので・・・笑。

そんなわたしが、麻雀のような人と遊ぶゲームにはなかなか触れる機会もありませんでした。
ですが、出演しているのは麻雀アニメ。キャラに近づくという意味でも麻雀のことをもっと知りたいと思いました。

アニメのアフレコ後、みんなが麻雀の勉強会をしていたので参加したり、そのうち麻雀という共通の趣味でみんなとプライベートでも集まるようになっていました。
友達、と呼んでいいのかな?仲間が増えて、嬉しかったなぁ・・・。

点数はおろか、役もわからない所からスタート!
最初に覚えた役は国士無双、最後に覚えた役はピンフです。
ピンフは字牌が頭になるのが怖かったから、なかなか覚えられなかったのです。
ここだけ聞くと、おいおい、大丈夫か・・・って思いますね。
安心してください!覚えました!笑

 

― プロを目指すまで

プロになる前、1度だけ映像の仕事で打たせて頂く機会がありました。
緊張したけど、楽しかったのです。
もっとお仕事で麻雀打てたら楽しいなぁ・・・なんていつしか思うようになり・・・。
でも、現実はそんなに甘くありません。
わたしなんて、麻雀が打てる声優といっても2番煎じ、3番煎じなのです。
他に打てる方は沢山います。
知名度だって、そんなにありません。

正直、悩みました。
諦めるべきかなぁとも思いました。

丁度その頃、「麻雀格闘倶楽部」で遊んだり、「麻雀最強戦」を見ていたわたしは、麻雀プロという存在を意識するようになっていました。
可能性を感じたのです!
気づけば、どちらにも出たいなぁ、そう思うようになりました。
思うのは簡単!でも、出演したり、プロになるのは簡単な事ではありません。

そして、致命的な事に気づいたのです。

そう、わたしはあまり頭が良くありませんでした。
計算も苦手で、物を覚えるのも苦手、集中力もない。

なりたい、って思うのは簡単だけど・・・本当になれるかな・・・。不安がよぎりました。
でも、やるだけやってみないとわからない!やらずに後悔するより、やって反省しよう!
どこから出てきたのかわからないポジティブ思考でプロになることを決意しました。

 

― いざ、道場へ!

プロ麻雀団体といっても、色々なところがあります。
わたしは麻雀格闘倶楽部で遊んでいたので、日本プロ麻雀連盟の扉を叩きました。
連盟には「道場」というところがあります。ここでは競技ルールで麻雀を打つことができます。
わたしはフリー雀荘に行ったことがなかったので、道場の扉を叩くのも緊張しました。
ですが、プロの皆さんやお客さんが優しく・・・緊張はあっという間にとけていきました。
その後も道場に行ったり、仲間たちと頻繁に麻雀会をしながら、少しずつ、少しずつ、麻雀を覚えていき、いよいよプロ試験の季節がやってきました。

正直言うと・・・ギリギリまで受けるか悩みました。
わたしは声優です。声優の仕事が入ればリーグ戦にも定期的に出ることはできません。
麻雀のプロになるといっても、声優の仕事と両立できなければ本末転倒なのです。
でも、やらない後悔よりやる後悔の方がどんな結末になっても納得がいく!!と思い、覚悟を決めて応募しました!

試験はみなさんと同じように1次試験、2次試験、3次試験を半年かけて受けました。
プロ雀士には養成施設などありません。
この半年間でプロ雀士の素質を見られるだけでなく、同時にプロとしての在り方も教わりました。
プロ雀士とは、麻雀が打てればそれでいい、というわけではないのです。
こんなに丁寧に教えてくださるとは思わなかったので、ビックリしましたが、それがのちのち役に立つのですから、教わって良かったなぁと今でも思っています。

 

― 日本プロ麻雀連盟の一員へ

結果は・・・なんとかギリギリ・・・一番下のEリーグ合格を頂きました。
わたしを合格にするか不合格にするか最後まで悩まれたと思います・・・。

連盟に入り、会長と話す機会ができました。
わたしの実力じゃまだTV対局の仕事はさせられない。ハッキリ言われました。
でも、これは「そんな実力でプロとしてTV対局をしたら恥をかくよ」という事だったのだと思います。
素人だったらいいかもしれません。ですが、連盟員になったからにはプロです。プロ雀士としての麻雀を打たなければなりません。正直、プレッシャーでした。

でも、わたしは打つためにプロになったのだから、そのくらいの覚悟はあるだろう!と自分に言い聞かせ、奮闘する日々を過ごしました。

連盟に入り約1年。プロ雀士になって、初めてのお仕事を頂きました。
打ち手ではなく、MCのお仕事。プロ雀士というより、声優に近いお仕事でした。
声優というお仕事がこのような形で繋がるとは思っておらず、とても嬉しかったです。
プロ雀士だけど、声優。どちらのお仕事も、出来ることがわたしの幸せでした!
ただ、MCというのはあまり得意な分野ではなかったので不安でしたが、やれるだけやろう!やらない後悔よりやって反省だ!という思いでさせて頂きました。

この時、実況、解説も目の前で見させて頂きました。
TVでは見たことがあったけど、実際目の前で見るというのは自分がそのとき思った疑問なども聞けて、贅沢だなぁ・・・なんて思いながら。(笑)

視聴してくださるみなさんには色々な方がいらっしゃると思います。
麻雀番組が大好きな方、なんとなく見てみた方、麻雀のことはよくわからないけど見ている方。
麻雀に関して、大切な事は先輩が言ってくださる。
わたしにできることは、より多くの皆さんに楽しんでもらう事。
恥をかいてもいいから聞けることは聞こう!なんて思いながら実況席でご一緒させて頂きました。
麻雀番組のMCは声優として、プロ雀士として、とても勉強になりました!

そして・・・
ついに、その時はやってきたのです。

 

― 思い描いてた未来の先へ

連盟に入って約1年半。麻雀番組「てんパイQUEEN」のオファーを頂いたのです。
MCではなく、打ち手として。会長の言葉がよぎり、今の私の雀力で打っても大丈夫なのかな・・・と悩みましたが、やるだけやってみよう!と出演させて頂くことにしました。

前回映像対局した時は声優として。今回はプロ雀士として。
以前とは確実に違う目線で麻雀をしている自分がそこには居ました。
当然だよね・・・昔は点数もあまりわかってなかったんだから・・・。

その時に比べたら確実に成長したと思います。(してないとおかしいよね。笑)
ですが、プロ雀士としてはまだまだ未熟です。失敗や選択ミスも沢山します。それでも、やっぱり、プロになって良かった。
会長の思いも、定期的に勉強会を開いてくださり麻雀を教えてくれるプロの方々も。
連盟だからこそ、こんなに成長できたんだろうなぁと思うのです。
そして、きっと、これからも成長していける。そう思っています。

プロになりたいきっかけの一つだった麻雀格闘倶楽部。
わたしは最新作に参戦させて頂いています。ひとつ、またひとつ、夢が叶いました。

夢って、叶ったら終わりじゃないと思うの。次の夢に繋ぐための通過点にすぎない。
だからこそ、わたしは次の夢に向かって歩いて行かないとね。

麻雀を覚えたきっかけから、今の私まで。
ざっくりになってしまいましたが、書いてみました。
麻雀も人生も夢も、全てに共通することは、挑戦する心と諦めない心。
そして、私に関わって下さる全ての皆さんに感謝する心。
いつも応援してくださり、本当にありがとうございます。

まだまだ知らない事沢山あるし、毎日が勉強だけど・・・。
声優として、プロ雀士として。
これからも、みなさんと一緒に成長していければいいなと思っています。

長くなってしまいましたが、
最後まで読んで下さりありがとうございました!

これからも、どうぞよろしくお願いします!

大亀 あすか

※編集部
日本プロ麻雀連盟ホームページ「リレーエッセィ」のコーナーは今回を持ちまして一旦終了とさせていただきます。
新年度4月からは新企画がスタートする予定ですのでお楽しみに!!

リレーエッセィ/第110回リレーエッセイ:大亀 あすか

みなさん、こんにちは。
日本プロ麻雀連盟30期生、大亀あすかです。
あまり文章を書くのが得意ではないので、読みづらかったらごめんなさい。
声優としてわたしを知っている方、プロ雀士としてわたしを知っている方、わたしの事を知らない方に、もっと私の事を知ってほしく、コラムを書いてみました♪
すこし長いですが・・・最後までおつきあい頂けると嬉しいです。
 
― 麻雀との出会い。
麻雀との出会いは某麻雀アニメに出演したのがキッカケでした。
休みの日はパチンコ、スロット、家でゲームなんてざらなくらい一人遊びの達人でした。
わたし、友達が少ないので・・・笑。
そんなわたしが、麻雀のような人と遊ぶゲームにはなかなか触れる機会もありませんでした。
ですが、出演しているのは麻雀アニメ。キャラに近づくという意味でも麻雀のことをもっと知りたいと思いました。
アニメのアフレコ後、みんなが麻雀の勉強会をしていたので参加したり、そのうち麻雀という共通の趣味でみんなとプライベートでも集まるようになっていました。
友達、と呼んでいいのかな?仲間が増えて、嬉しかったなぁ・・・。
点数はおろか、役もわからない所からスタート!
最初に覚えた役は国士無双、最後に覚えた役はピンフです。
ピンフは字牌が頭になるのが怖かったから、なかなか覚えられなかったのです。
ここだけ聞くと、おいおい、大丈夫か・・・って思いますね。
安心してください!覚えました!笑
 
― プロを目指すまで
プロになる前、1度だけ映像の仕事で打たせて頂く機会がありました。
緊張したけど、楽しかったのです。
もっとお仕事で麻雀打てたら楽しいなぁ・・・なんていつしか思うようになり・・・。
でも、現実はそんなに甘くありません。
わたしなんて、麻雀が打てる声優といっても2番煎じ、3番煎じなのです。
他に打てる方は沢山います。
知名度だって、そんなにありません。
正直、悩みました。
諦めるべきかなぁとも思いました。
丁度その頃、「麻雀格闘倶楽部」で遊んだり、「麻雀最強戦」を見ていたわたしは、麻雀プロという存在を意識するようになっていました。
可能性を感じたのです!
気づけば、どちらにも出たいなぁ、そう思うようになりました。
思うのは簡単!でも、出演したり、プロになるのは簡単な事ではありません。
そして、致命的な事に気づいたのです。
そう、わたしはあまり頭が良くありませんでした。
計算も苦手で、物を覚えるのも苦手、集中力もない。
なりたい、って思うのは簡単だけど・・・本当になれるかな・・・。不安がよぎりました。
でも、やるだけやってみないとわからない!やらずに後悔するより、やって反省しよう!
どこから出てきたのかわからないポジティブ思考でプロになることを決意しました。
 
― いざ、道場へ!
プロ麻雀団体といっても、色々なところがあります。
わたしは麻雀格闘倶楽部で遊んでいたので、日本プロ麻雀連盟の扉を叩きました。
連盟には「道場」というところがあります。ここでは競技ルールで麻雀を打つことができます。
わたしはフリー雀荘に行ったことがなかったので、道場の扉を叩くのも緊張しました。
ですが、プロの皆さんやお客さんが優しく・・・緊張はあっという間にとけていきました。
その後も道場に行ったり、仲間たちと頻繁に麻雀会をしながら、少しずつ、少しずつ、麻雀を覚えていき、いよいよプロ試験の季節がやってきました。
正直言うと・・・ギリギリまで受けるか悩みました。
わたしは声優です。声優の仕事が入ればリーグ戦にも定期的に出ることはできません。
麻雀のプロになるといっても、声優の仕事と両立できなければ本末転倒なのです。
でも、やらない後悔よりやる後悔の方がどんな結末になっても納得がいく!!と思い、覚悟を決めて応募しました!
試験はみなさんと同じように1次試験、2次試験、3次試験を半年かけて受けました。
プロ雀士には養成施設などありません。
この半年間でプロ雀士の素質を見られるだけでなく、同時にプロとしての在り方も教わりました。
プロ雀士とは、麻雀が打てればそれでいい、というわけではないのです。
こんなに丁寧に教えてくださるとは思わなかったので、ビックリしましたが、それがのちのち役に立つのですから、教わって良かったなぁと今でも思っています。
 
― 日本プロ麻雀連盟の一員へ
結果は・・・なんとかギリギリ・・・一番下のEリーグ合格を頂きました。
わたしを合格にするか不合格にするか最後まで悩まれたと思います・・・。
連盟に入り、会長と話す機会ができました。
わたしの実力じゃまだTV対局の仕事はさせられない。ハッキリ言われました。
でも、これは「そんな実力でプロとしてTV対局をしたら恥をかくよ」という事だったのだと思います。
素人だったらいいかもしれません。ですが、連盟員になったからにはプロです。プロ雀士としての麻雀を打たなければなりません。正直、プレッシャーでした。
でも、わたしは打つためにプロになったのだから、そのくらいの覚悟はあるだろう!と自分に言い聞かせ、奮闘する日々を過ごしました。
連盟に入り約1年。プロ雀士になって、初めてのお仕事を頂きました。
打ち手ではなく、MCのお仕事。プロ雀士というより、声優に近いお仕事でした。
声優というお仕事がこのような形で繋がるとは思っておらず、とても嬉しかったです。
プロ雀士だけど、声優。どちらのお仕事も、出来ることがわたしの幸せでした!
ただ、MCというのはあまり得意な分野ではなかったので不安でしたが、やれるだけやろう!やらない後悔よりやって反省だ!という思いでさせて頂きました。
この時、実況、解説も目の前で見させて頂きました。
TVでは見たことがあったけど、実際目の前で見るというのは自分がそのとき思った疑問なども聞けて、贅沢だなぁ・・・なんて思いながら。(笑)
視聴してくださるみなさんには色々な方がいらっしゃると思います。
麻雀番組が大好きな方、なんとなく見てみた方、麻雀のことはよくわからないけど見ている方。
麻雀に関して、大切な事は先輩が言ってくださる。
わたしにできることは、より多くの皆さんに楽しんでもらう事。
恥をかいてもいいから聞けることは聞こう!なんて思いながら実況席でご一緒させて頂きました。
麻雀番組のMCは声優として、プロ雀士として、とても勉強になりました!
そして・・・
ついに、その時はやってきたのです。
 
― 思い描いてた未来の先へ
連盟に入って約1年半。麻雀番組「てんパイQUEEN」のオファーを頂いたのです。
MCではなく、打ち手として。会長の言葉がよぎり、今の私の雀力で打っても大丈夫なのかな・・・と悩みましたが、やるだけやってみよう!と出演させて頂くことにしました。
前回映像対局した時は声優として。今回はプロ雀士として。
以前とは確実に違う目線で麻雀をしている自分がそこには居ました。
当然だよね・・・昔は点数もあまりわかってなかったんだから・・・。
その時に比べたら確実に成長したと思います。(してないとおかしいよね。笑)
ですが、プロ雀士としてはまだまだ未熟です。失敗や選択ミスも沢山します。それでも、やっぱり、プロになって良かった。
会長の思いも、定期的に勉強会を開いてくださり麻雀を教えてくれるプロの方々も。
連盟だからこそ、こんなに成長できたんだろうなぁと思うのです。
そして、きっと、これからも成長していける。そう思っています。
プロになりたいきっかけの一つだった麻雀格闘倶楽部。
わたしは最新作に参戦させて頂いています。ひとつ、またひとつ、夢が叶いました。
夢って、叶ったら終わりじゃないと思うの。次の夢に繋ぐための通過点にすぎない。
だからこそ、わたしは次の夢に向かって歩いて行かないとね。
麻雀を覚えたきっかけから、今の私まで。
ざっくりになってしまいましたが、書いてみました。
麻雀も人生も夢も、全てに共通することは、挑戦する心と諦めない心。
そして、私に関わって下さる全ての皆さんに感謝する心。
いつも応援してくださり、本当にありがとうございます。
まだまだ知らない事沢山あるし、毎日が勉強だけど・・・。
声優として、プロ雀士として。
これからも、みなさんと一緒に成長していければいいなと思っています。
長くなってしまいましたが、
最後まで読んで下さりありがとうございました!
これからも、どうぞよろしくお願いします!
大亀 あすか
※編集部
日本プロ麻雀連盟ホームページ「リレーエッセィ」のコーナーは今回を持ちまして一旦終了とさせていただきます。
新年度4月からは新企画がスタートする予定ですのでお楽しみに!!

第6期麻雀グランプリ MAXベスト8 A卓レポート 小車 祥

灘麻太郎vs古川孝次vs和久津晶vs白鳥翔

灘と古川は仕掛けを多用するタイプの打ち手であるが、和久津や白鳥も手数は多い方である。
つまりは、かなりの空中戦が見られるのではないかと予想されるメンバーの対戦。
これは普段の映像対局ではなかなか見られない対局になるだろう。

100

 

1回戦(起家から、灘・和久津・古川・白鳥)

東4局、親番の白鳥が最後のツモでテンパイして、ドラを切っていく。

四万五万六万六万七万八万三索四索五索四筒五筒八筒八筒  ドラ一筒

先にテンパイを入れていた灘が、ハイテイ牌をツモってきて以下の手牌。

二索二索二索三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  ツモ六索

テンパイを取るならば、六索をツモ切るか三筒を切るかの選択。
6単騎に受け変え三筒を切って白鳥への放銃。ホウテイもついて5,800。

南1局1本場。
灘がここはメンゼンでテンパイを入れる。

一万二万三万二索三索一筒二筒三筒四筒五筒六筒北北  リーチ  ドラ二万

灘は仕掛けの多い選手だが、決まり手はメンゼンで仕上げてくると解説席で藤崎が言った矢先のことであった。
すぐに1をツモり、6,000は6,100オール。このアガリで一気にトップに躍り出た灘が、そのリードを守り切り1回戦終了。

1回戦成績
灘+30.3P 古川▲6.0P 白鳥▲8.4P 和久津▲16.9P

 

2回戦(起家から、白鳥・和久津・古川・灘)

この2回戦は和久津の独壇場となった。

東1局

二万三万四万五万六万七万三索三索五索六索二筒三筒四筒  リーチ  ロン七索  ドラ八万

3,900のアガリ。

東2局

二万三万四万二索四索八索八索六筒七筒八筒  ポン東東東  ロン三索  ドラ二万

5,800のアガリ。

東4局1本場

二筒二筒発発  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ポン西西西  ツモ発  ドラ中

2,000・4,000は2,100・4,100のアガリ。

南2局

三索四索五索三筒四筒七筒八筒八筒八筒九筒中中中  ロン二筒  ドラ八筒

12,000のアガリ。

南2局1本場

二万二万四万四万八万八万二索二索九筒九筒東白  リーチ  ロン白  ドラ九筒

12,000は12,300のアガリ。

南3局

七万七万七索七索二筒二筒四筒四筒七筒七筒八筒八筒南  ロン南  ドラ六万

1,600のアガリ。
これでもかというくらいにアガリ倒した和久津。
76,000点の大きなトップで1回戦のビハインドを一気に解消し、さらにトータルトップに躍り出るという結果に。

2回戦成績
和久津+58.0P 灘▲6.1P 白鳥▲8.2P 古川▲32.8P

2回戦終了時
和久津+41.1P 灘+24.2P 白鳥▲16.6P 古川▲49.7P

 

3回戦(起家から、灘・白鳥・和久津・古川)

ここで突き放されると完全に追う立場になってしまう白鳥。
3回戦は派手なアガリはないものの、小刻みに得点を重ねていく。
南4局1本場には白鳥が1人浮きの状況。
アガれば1人浮きのトップになれるこの局で、しっかりアガリを決めた白鳥。

一索三索二筒二筒五筒六筒七筒  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン白白白  ロン二索  ドラ東

1,000は1,300。トータルポイントの差を詰めていく。

3回戦成績
白鳥+21.1P 灘▲2.1P 和久津▲4.2P 古川▲14.8P

3回戦終了時
和久津+36.9P 灘+22.1P 白鳥+4.5P 古川▲64.5P

 

4回戦(起家から、古川・白鳥・灘・和久津)

トータルトップの和久津がこの4回戦もトップでオーラスを迎える。
こうなると、白鳥と灘の点差がどうなるのかに注目が集まるところ。

白鳥が22,300点持ちの3着目、灘が22,200点持ちのラス目という状況。
白鳥は、最低でも灘よりも上の着順で終わりたいところだったが……

一万二万三万六万七万八万三索四索五索九索発発発  ツモ九索  ドラ三筒

ここでアガったのは灘。700・1,300のアガリ。
追う白鳥にきつい条件を叩きつけた。

4回戦成績
和久津+15.3P 灘▲9.1P 白鳥▲16.4P 古川+10.2P

4回戦終了時
和久津+52.2P 灘+13.0P 白鳥▲11.9P 古川▲54.3P

 

5回戦(起家から、白鳥・和久津・古川・灘)

この最終戦、白鳥は灘との点差24.9Pを捲る戦い。
白鳥、自分の型にうまくハメてゲーム展開していく。
少しずつ点差を縮め、オーラスには順位点を含めると灘を捲っていた。

38,000点持ちでトップ目の白鳥。23,600点持ちでラス目の灘。
オーラスの親は灘。この親番を落とせば白鳥の勝ち上がりというところまできていた。
この南4局、先にテンパイを入れたのは灘。

三万四万六万六万三索四索五索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ドラ六筒

現状、白鳥がトータルポイントが上だとはいえ、灘は持ち点を原点復帰すると白鳥にとっては一気に苦しくなる状況だった。
あくまで白鳥がトップで灘がラスという現状、白鳥が上というだけなのだ。

だから灘は、当然このピンフドラ1の手はリーチを打ってくるだろうと思っていた。
2,600オールをアガれば持ち点原点復帰となる。2,900をヤミテンでアガったとしてもさほど点数状況は良くならない。リーチをしないという発想はなかったと言っても過言ではないくらいだった。

しかし灘はここでヤミテンを選択。しばらくして白鳥がリーチを打つ。

一万二万三万五万六万七万四索五索六索三筒三筒七筒九筒  リーチ

このリーチを受けても灘はなおヤミテンを続行。
後に灘が教えてくれたのだが、この時の心境は「一度ヤミテンで確実にアガってから、リズムを作らなきゃならなかった」とのこと。
凄いと思わされるのは、この追い込まれた状況でもなお余裕のある心構えだというところだ。
実は白鳥がリーチをした時点で、白鳥の待ちである八筒は牌山には残っていなかった。
アガリが生まれるならば灘にしか生まれないところだったが、ここは流局となる。

南4局1本場、白鳥は苦しい配牌。
古川はまともにアガリには来ないような状況。
和久津も自身の勝ち上がりはほぼ確定しているので、自然とアガリになるような時以外は、まともに手組をしない可能性がある。
それを考えれば、白鳥は自力で灘の親を落とさなければならないのだが、手牌に助けてもらえない。
灘はとにかく親番維持が最優先事項。仕掛けを入れてテンパイ。直後にあっさりツモ。

六万七万八万四索四索五筒六筒  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン白白白  ツモ四筒  ドラ二索

500は600オール。このアガリで最終戦の着順が2着になった灘は、この瞬間白鳥を捲り返す。

南4局2本場、灘がテンパイ。

一万二万三万四万五万六万三索三索四索四索八筒八筒八筒  ドラ九索

ヤミテンを選択した灘が、この後白鳥の切る四索をポンして打一万とする。その後、二万をツモって二万三索のシャンポン待ちに待ち変え。
白鳥は七対子の1シャンテンだったが、結局テンパイしないまま流局となる。

現状は灘の方がトータルポイントが上なので、灘がノーテンと言えば灘の勝ち上がりとなるものの、白鳥がテンパイしていた場合はそのテンパイ料で白鳥が上になるため、灘は手牌を開けてテンパイ宣言をせざるを得ない。

南4局3本場、さきほどのテンパイ料の収入で、灘は30,900点持ちとなった。
これにより、白鳥の条件は2,300点以上の灘からの直撃か1,000・2,000以上のツモアガリとなった。

白鳥の手牌はタンヤオに伸びていく。

二万二万四万五万六万七万八万三索四索四筒五筒六筒七筒  ツモ四筒  ドラ九索

ここで白鳥の手が止まる。リーチツモタンヤオでオッケーだが、リーチツモピンフではダメ。
そうなるとマンズの3面張は、本来の価値よりは下がってしまう。
四筒ツモ切りか、八万あたりを切るかなどと考えながら見ていたが、白鳥の選択は四索切り。
この選択がどう出るか、その結果を見る前に灘がテンパイ。次の巡目にすぐにツモアガリ。

二万三万四万五万五万六索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ツモ七索

1,000は1,300オール。これは白鳥へ今までよりもかなりきつい条件を突き付けるアガリ。

南4局4本場、白鳥の条件は4,500点以上の灘からの直撃か、跳満ツモ。
白鳥の手牌はどうやっても跳満を作れるような手には見えなかった。
灘は以下のテンパイを入れていたが、流局すればノーテンと伏せるだけとなっていた。

五筒六筒六筒七筒七筒東東  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ドラ五索

白鳥から出た八筒をロン。さらにダメ押しのアガリ。2,900は4,100。

南4局5本場の白鳥の条件は跳満直撃、三倍満ツモとなる。
役満ツモ条件をクリアした選手も最近いたので絶対無理とは言わないが、こうなってはもはや奇跡レベル。
白鳥からすると掴みかけた決勝行きのチケットが、少しずつ遠ざかっていったという感覚だろうか。
この局は流局し、灘は手牌を伏せて終了。

5回戦成績
灘+16.9P 白鳥+5.5P 古川▲8.8P 和久津▲13.6P

5回戦終了時
和久津+38.6P 灘+29.9P 白鳥▲6.4P 古川▲63.1P

決勝勝ち上がり
和久津晶 灘麻太郎

数えきれないほどのタイトルを持つ灘が、その数を1つ増やすのか。
和久津、女流プロ初の麻雀グランプリMAX優勝となるか。
激戦必至の決勝も見逃せないのである。

グランプリ レポート/第6期麻雀グランプリ MAXベスト8 A卓レポート 小車 祥

灘麻太郎vs古川孝次vs和久津晶vs白鳥翔
灘と古川は仕掛けを多用するタイプの打ち手であるが、和久津や白鳥も手数は多い方である。
つまりは、かなりの空中戦が見られるのではないかと予想されるメンバーの対戦。
これは普段の映像対局ではなかなか見られない対局になるだろう。

100

 
1回戦(起家から、灘・和久津・古川・白鳥)
東4局、親番の白鳥が最後のツモでテンパイして、ドラを切っていく。
四万五万六万六万七万八万三索四索五索四筒五筒八筒八筒  ドラ一筒
先にテンパイを入れていた灘が、ハイテイ牌をツモってきて以下の手牌。
二索二索二索三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  ツモ六索
テンパイを取るならば、六索をツモ切るか三筒を切るかの選択。
6単騎に受け変え三筒を切って白鳥への放銃。ホウテイもついて5,800。
南1局1本場。
灘がここはメンゼンでテンパイを入れる。
一万二万三万二索三索一筒二筒三筒四筒五筒六筒北北  リーチ  ドラ二万
灘は仕掛けの多い選手だが、決まり手はメンゼンで仕上げてくると解説席で藤崎が言った矢先のことであった。
すぐに1をツモり、6,000は6,100オール。このアガリで一気にトップに躍り出た灘が、そのリードを守り切り1回戦終了。
1回戦成績
灘+30.3P 古川▲6.0P 白鳥▲8.4P 和久津▲16.9P
 
2回戦(起家から、白鳥・和久津・古川・灘)
この2回戦は和久津の独壇場となった。
東1局
二万三万四万五万六万七万三索三索五索六索二筒三筒四筒  リーチ  ロン七索  ドラ八万
3,900のアガリ。
東2局
二万三万四万二索四索八索八索六筒七筒八筒  ポン東東東  ロン三索  ドラ二万
5,800のアガリ。
東4局1本場
二筒二筒発発  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ポン西西西  ツモ発  ドラ中
2,000・4,000は2,100・4,100のアガリ。
南2局
三索四索五索三筒四筒七筒八筒八筒八筒九筒中中中  ロン二筒  ドラ八筒
12,000のアガリ。
南2局1本場
二万二万四万四万八万八万二索二索九筒九筒東白  リーチ  ロン白  ドラ九筒
12,000は12,300のアガリ。
南3局
七万七万七索七索二筒二筒四筒四筒七筒七筒八筒八筒南  ロン南  ドラ六万
1,600のアガリ。
これでもかというくらいにアガリ倒した和久津。
76,000点の大きなトップで1回戦のビハインドを一気に解消し、さらにトータルトップに躍り出るという結果に。
2回戦成績
和久津+58.0P 灘▲6.1P 白鳥▲8.2P 古川▲32.8P
2回戦終了時
和久津+41.1P 灘+24.2P 白鳥▲16.6P 古川▲49.7P
 
3回戦(起家から、灘・白鳥・和久津・古川)
ここで突き放されると完全に追う立場になってしまう白鳥。
3回戦は派手なアガリはないものの、小刻みに得点を重ねていく。
南4局1本場には白鳥が1人浮きの状況。
アガれば1人浮きのトップになれるこの局で、しっかりアガリを決めた白鳥。
一索三索二筒二筒五筒六筒七筒  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン白白白  ロン二索  ドラ東
1,000は1,300。トータルポイントの差を詰めていく。
3回戦成績
白鳥+21.1P 灘▲2.1P 和久津▲4.2P 古川▲14.8P
3回戦終了時
和久津+36.9P 灘+22.1P 白鳥+4.5P 古川▲64.5P
 
4回戦(起家から、古川・白鳥・灘・和久津)
トータルトップの和久津がこの4回戦もトップでオーラスを迎える。
こうなると、白鳥と灘の点差がどうなるのかに注目が集まるところ。
白鳥が22,300点持ちの3着目、灘が22,200点持ちのラス目という状況。
白鳥は、最低でも灘よりも上の着順で終わりたいところだったが……
一万二万三万六万七万八万三索四索五索九索発発発  ツモ九索  ドラ三筒
ここでアガったのは灘。700・1,300のアガリ。
追う白鳥にきつい条件を叩きつけた。
4回戦成績
和久津+15.3P 灘▲9.1P 白鳥▲16.4P 古川+10.2P
4回戦終了時
和久津+52.2P 灘+13.0P 白鳥▲11.9P 古川▲54.3P
 
5回戦(起家から、白鳥・和久津・古川・灘)
この最終戦、白鳥は灘との点差24.9Pを捲る戦い。
白鳥、自分の型にうまくハメてゲーム展開していく。
少しずつ点差を縮め、オーラスには順位点を含めると灘を捲っていた。
38,000点持ちでトップ目の白鳥。23,600点持ちでラス目の灘。
オーラスの親は灘。この親番を落とせば白鳥の勝ち上がりというところまできていた。
この南4局、先にテンパイを入れたのは灘。
三万四万六万六万三索四索五索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ドラ六筒
現状、白鳥がトータルポイントが上だとはいえ、灘は持ち点を原点復帰すると白鳥にとっては一気に苦しくなる状況だった。
あくまで白鳥がトップで灘がラスという現状、白鳥が上というだけなのだ。
だから灘は、当然このピンフドラ1の手はリーチを打ってくるだろうと思っていた。
2,600オールをアガれば持ち点原点復帰となる。2,900をヤミテンでアガったとしてもさほど点数状況は良くならない。リーチをしないという発想はなかったと言っても過言ではないくらいだった。
しかし灘はここでヤミテンを選択。しばらくして白鳥がリーチを打つ。
一万二万三万五万六万七万四索五索六索三筒三筒七筒九筒  リーチ
このリーチを受けても灘はなおヤミテンを続行。
後に灘が教えてくれたのだが、この時の心境は「一度ヤミテンで確実にアガってから、リズムを作らなきゃならなかった」とのこと。
凄いと思わされるのは、この追い込まれた状況でもなお余裕のある心構えだというところだ。
実は白鳥がリーチをした時点で、白鳥の待ちである八筒は牌山には残っていなかった。
アガリが生まれるならば灘にしか生まれないところだったが、ここは流局となる。
南4局1本場、白鳥は苦しい配牌。
古川はまともにアガリには来ないような状況。
和久津も自身の勝ち上がりはほぼ確定しているので、自然とアガリになるような時以外は、まともに手組をしない可能性がある。
それを考えれば、白鳥は自力で灘の親を落とさなければならないのだが、手牌に助けてもらえない。
灘はとにかく親番維持が最優先事項。仕掛けを入れてテンパイ。直後にあっさりツモ。
六万七万八万四索四索五筒六筒  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン白白白  ツモ四筒  ドラ二索
500は600オール。このアガリで最終戦の着順が2着になった灘は、この瞬間白鳥を捲り返す。
南4局2本場、灘がテンパイ。
一万二万三万四万五万六万三索三索四索四索八筒八筒八筒  ドラ九索
ヤミテンを選択した灘が、この後白鳥の切る四索をポンして打一万とする。その後、二万をツモって二万三索のシャンポン待ちに待ち変え。
白鳥は七対子の1シャンテンだったが、結局テンパイしないまま流局となる。
現状は灘の方がトータルポイントが上なので、灘がノーテンと言えば灘の勝ち上がりとなるものの、白鳥がテンパイしていた場合はそのテンパイ料で白鳥が上になるため、灘は手牌を開けてテンパイ宣言をせざるを得ない。
南4局3本場、さきほどのテンパイ料の収入で、灘は30,900点持ちとなった。
これにより、白鳥の条件は2,300点以上の灘からの直撃か1,000・2,000以上のツモアガリとなった。
白鳥の手牌はタンヤオに伸びていく。
二万二万四万五万六万七万八万三索四索四筒五筒六筒七筒  ツモ四筒  ドラ九索
ここで白鳥の手が止まる。リーチツモタンヤオでオッケーだが、リーチツモピンフではダメ。
そうなるとマンズの3面張は、本来の価値よりは下がってしまう。
四筒ツモ切りか、八万あたりを切るかなどと考えながら見ていたが、白鳥の選択は四索切り。
この選択がどう出るか、その結果を見る前に灘がテンパイ。次の巡目にすぐにツモアガリ。
二万三万四万五万五万六索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ツモ七索
1,000は1,300オール。これは白鳥へ今までよりもかなりきつい条件を突き付けるアガリ。
南4局4本場、白鳥の条件は4,500点以上の灘からの直撃か、跳満ツモ。
白鳥の手牌はどうやっても跳満を作れるような手には見えなかった。
灘は以下のテンパイを入れていたが、流局すればノーテンと伏せるだけとなっていた。
五筒六筒六筒七筒七筒東東  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ドラ五索
白鳥から出た八筒をロン。さらにダメ押しのアガリ。2,900は4,100。
南4局5本場の白鳥の条件は跳満直撃、三倍満ツモとなる。
役満ツモ条件をクリアした選手も最近いたので絶対無理とは言わないが、こうなってはもはや奇跡レベル。
白鳥からすると掴みかけた決勝行きのチケットが、少しずつ遠ざかっていったという感覚だろうか。
この局は流局し、灘は手牌を伏せて終了。
5回戦成績
灘+16.9P 白鳥+5.5P 古川▲8.8P 和久津▲13.6P
5回戦終了時
和久津+38.6P 灘+29.9P 白鳥▲6.4P 古川▲63.1P
決勝勝ち上がり
和久津晶 灘麻太郎
数えきれないほどのタイトルを持つ灘が、その数を1つ増やすのか。
和久津、女流プロ初の麻雀グランプリMAX優勝となるか。
激戦必至の決勝も見逃せないのである。

第8期 広島プロアマリーグ 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節 合計
1 木村 尚二 プロ 47.9 29.9 23.6 11.5 ▲ 6.5 64.9 171.3
2 弥益 翔 一般 38.7 ▲ 37.9 46.6 19.6 ▲ 11.0 14.5 70.5
3 松木 宏之 プロ 25.2 ▲ 14.8 52.2 ▲ 9.7 ▲ 8.8 15.0 59.1
4 神門 直樹 一般 ▲ 15.1 24.5 3.8 ▲ 26.9 80.7 ▲ 11.5 55.5
5 清水 真志郎 プロ ▲ 11.1 39.2 ▲ 75.9 23.0 ▲ 8.1 56.1 23.2
6 永見 岳明 一般 ▲ 14.5 5.5 12.4 68.5 7.4 ▲ 67.9 11.4
7 粟田 マツヨ 一般 8.2 28.3 ▲ 9.2 ▲ 12.3 26.3 ▲ 73.2 ▲ 31.9
8 桑原 貴嗣 一般 ▲ 27.9 ▲ 4.8 ▲ 18.9 23.4 ▲ 40.5 ▲ 13.6 ▲ 82.3
9 井筒 弘至 一般 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 69.4 6.0 ▲ 60.0 ▲ 164.6
10 豊田 浩史 一般 ▲ 33.6 ▲ 15.8 ▲ 6.7 ▲ 31.9 ▲ 39.1 ▲ 60.0 ▲ 187.1
11 井上 真孝 プロ ▲ 40.9 ▲ 56.1 ▲ 27.9 ▲ 83.9 ▲ 34.5 13.7 ▲ 229.6
12 沼田 秀一 一般 43.9 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 256.1
13 沖山 宏 一般 34.8 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 265.2
14 谷口 直也 一般 ▲ 3.2 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 303.2
15 橋本 康孝 一般 ▲ 4.9 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 304.9
16 尾形 大吾 一般 ▲ 7.5 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 307.5
17 麻生 益美 一般 ▲ 61.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 361.0

広島リーグ 成績表/第8期 広島プロアマリーグ 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節 合計
1 木村 尚二 プロ 47.9 29.9 23.6 11.5 ▲ 6.5 64.9 171.3
2 弥益 翔 一般 38.7 ▲ 37.9 46.6 19.6 ▲ 11.0 14.5 70.5
3 松木 宏之 プロ 25.2 ▲ 14.8 52.2 ▲ 9.7 ▲ 8.8 15.0 59.1
4 神門 直樹 一般 ▲ 15.1 24.5 3.8 ▲ 26.9 80.7 ▲ 11.5 55.5
5 清水 真志郎 プロ ▲ 11.1 39.2 ▲ 75.9 23.0 ▲ 8.1 56.1 23.2
6 永見 岳明 一般 ▲ 14.5 5.5 12.4 68.5 7.4 ▲ 67.9 11.4
7 粟田 マツヨ 一般 8.2 28.3 ▲ 9.2 ▲ 12.3 26.3 ▲ 73.2 ▲ 31.9
8 桑原 貴嗣 一般 ▲ 27.9 ▲ 4.8 ▲ 18.9 23.4 ▲ 40.5 ▲ 13.6 ▲ 82.3
9 井筒 弘至 一般 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 69.4 6.0 ▲ 60.0 ▲ 164.6
10 豊田 浩史 一般 ▲ 33.6 ▲ 15.8 ▲ 6.7 ▲ 31.9 ▲ 39.1 ▲ 60.0 ▲ 187.1
11 井上 真孝 プロ ▲ 40.9 ▲ 56.1 ▲ 27.9 ▲ 83.9 ▲ 34.5 13.7 ▲ 229.6
12 沼田 秀一 一般 43.9 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 256.1
13 沖山 宏 一般 34.8 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 265.2
14 谷口 直也 一般 ▲ 3.2 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 303.2
15 橋本 康孝 一般 ▲ 4.9 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 304.9
16 尾形 大吾 一般 ▲ 7.5 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 307.5
17 麻生 益美 一般 ▲ 61.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 60.0 ▲ 361.0

第14回日本オープン優勝は 山口大和!

優勝:山口大和 準優勝:小山 直樹(最高位戦) 第3位:松崎 真也さん(一般) 第4位:坂本 大志(最高位戦)

100

連盟インフォメーション/第14回日本オープン優勝は 山口大和!

優勝:山口大和 準優勝:小山 直樹(最高位戦) 第3位:松崎 真也さん(一般) 第4位:坂本 大志(最高位戦)

100

第6期麻雀グランプリ MAXベスト16 D卓レポート 小車 祥

前原雄大……モンド名人戦優勝。十段戦ベスト16進出。二次予選からの勝ち上がり。
前田直哉……現最強位。鳳凰位決定戦準優勝。ベスト16シード。
白鳥翔……現麻雀マスターズ。ベスト16シード。
ダンプ大橋……十段位決定戦進出。麻雀マスターズベスト16。二次予選からの勝ち上がり。
A1リーガー2名、A2リーガー2名。
顔ぶれだけなら鳳凰戦で見慣れているかもしれないが、このメンバーでトーナメントを戦うとなるとまた意味合いが違ってくる。普段のリーグ戦では見せない戦術や駆け引きも出てくるだろう。
私は対局前からワクワクしていた。

100

1回戦(起家から、ダンプ・前原・前田・白鳥)

序盤は緩やかな点棒の動き。
派手な打ち合いなどはなく、対戦相手のロン牌を掴んで一度テンパイを崩して形を変えてテンパイし直すなどの、じっくりした対局内容が多く見られた。
そのまま東場は終了。
南1局1本場、白鳥が先制リーチを打つ。

四万五万六万七万二索二索三索三索四索四索六索七索八索  リーチ  ドラ一筒

前原が追いついてリーチ。

三万四万六万七万八万三索四索五索六索七索八索中中  リーチ

しかしここは白鳥が四万をツモって決着。一旦白鳥が抜け出す形となった。
2,000・3,900。

大きな手をアガったわけではないが、テンパイ料や供託のリーチ棒などの収入も含めて点棒を集め、また失点も最小限に抑えていた前原。
南3局4本場、供託のリーチ棒が1本出ている状況で以下の手を前原が白鳥からアガると、オーラスには前原がトップ目に立っていた。

五万六万七万二索二索二索三索三索二筒三筒四筒六筒八筒  ロン七筒  ドラ一索

1,300は2,200。

南4局、親は白鳥。
前原37,900点。白鳥36,300点。ダンプ30,900点。前田14,900点。
ダンプが12巡目にリーチを打つ。

五索五索七索八索九索二筒二筒七筒七筒七筒北北北  リーチ  ドラ南

リーチ棒を出すことで一時的に持ち点が29,900点となってしまうので、リーチ判断が難しいところだったが、ダンプはリーチしてツモってトップになれる方を選択した。
リーチをして流局してテンパイ料の収入があれば、再度原点復帰はするという計算もあっただろう。
確かにこの点数状況では、ダンプのリーチに前原と白鳥は押しにくい。
リーチをかけた時点で1枚山に残っていたダンプのアガリ牌である二筒は前田がツモって前田はオリ。
親の白鳥も一度テンパイはするものの、ドラの南は打てずテンパイを崩した。
流局となり、ダンプはテンパイ料で再度原点復帰。
前田は1人沈みのラスで苦しいスタートとなった。

1回戦成績
前原+14.9P 白鳥+8.3P ダンプ+3.9P 前田▲28.1P

 

2回戦(起家から、前田・白鳥・前原・ダンプ)

東1局、白鳥がリーチ。

一索二索三索三索四索五索三筒四筒五筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ三索

リーチ宣言牌の六索を仕掛けた前原、以下のテンパイ。

二万三万四万六万八万八索八索六筒七筒八筒  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き

前原、掴んだ六筒も強い意志で河に切るが、これは白鳥への放銃となる。
7,700。

南1局、白鳥が以下の手牌からドラの南を切っていく。

三万五万六万六万三索五索五索六索七索三筒四筒五筒南  ツモ七万  ドラ南

この南をダンプがポン。

三万三万五万六万二筒二筒三筒八筒八筒八筒  ポン南南南

その後は無駄ヅモなしで一筒四万とツモ。2,000・3,900。
親っ被りの前田、2回戦の親番もなくなりかなり辛い展開。

南4局には白鳥がドラ暗刻のリーチ。

二万四万六索六索六索一筒二筒三筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ六索

しかしこの三万は前田が4枚手の中で使っていて、前田自身もテンパイして流局となった。
ダンプはこのノーテン罰符で白鳥とトップが入れ替わる。

2回戦成績
白鳥+11.5P ダンプ+5.9P 前田▲6.3P 前原▲12.1P

2回戦終了時
白鳥+19.8P ダンプ+9.8P 前原+2.8P 前田▲34.4P

 

3回戦(起家から、前田・前原・白鳥・ダンプ)

東3局、親の白鳥がリーチ。

二万三万四万六万七万八万三索四索四索五索六索八索八索  リーチ  ドラ三筒

リーチを受けてすぐ、ダンプがテンパイを入れる。

五万五万五万六万六万八万八万一筒一筒三筒東北北  ツモ東

ここで五万を切ってヤミテンに構えたダンプ。
ヤミテンプッシュを数巡続けたダンプ、掴んだ五索をツモ切って放銃。5,800。

東4局4本場、前原が先制リーチ。

四万五万一索一索四索五索六索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ドラ一筒

高目三色のピンフリーチ。ここで前田が追いついてリーチを打つ。

五万六万七万四索五索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ

前田はここまで配牌やツモに恵まれず、参戦すらなかなかさせてもらえないような状況が続いていた。
ドラのない出アガリで3,900の手でも、こういうところで競り勝って勢いをつけたいところだろう。
しかし無情にも、前田が海底牌で三万を掴む。
高目ではないものの、この3,900放銃は数字よりも精神的にダメージが大きいように思えた。

このまま白鳥と前原が浮きで終わるかと思われた3回戦であったが、南4局の親番でダンプが連チャンしてそのままトップを取る。
ダンプを沈め、自身がトップで3回戦を終えたかった前原だが苦しい結果。
それ以上に苦しいのは前田。ここでの1人沈みラスにより、残り2回戦を大きなトップで2連勝するのが必須となってしまった。

3回戦成績
ダンプ+16.7P 前原+6.5P 白鳥+1.6P 前田▲24.8P

3回戦終了時
ダンプ+26.5P 白鳥+21.4P 前原+9.3P 前田▲59.2P

 

4回戦(起家から、前原・前田・ダンプ・白鳥)

南2局、親の前田にチャンス手が入る。

一索二索三索四索五索五索七索八索九索九索東西西  ドラ九筒

しかし白鳥が軽快に仕掛けていき、あっという間に高目7,700のテンパイ。

三万四万三索四索五索九筒九筒  ポン白白白  ポン四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き

さらに前原もリーチを打ってくる。

六万六万八万八万二索七索七索四筒四筒八筒八筒北北  リーチ

これがリーグ戦の第1節ならば、前田ならオリを選択したのかもしれない。
2件相手に後手を踏まされていて、1局単位で見ればいくら親とはいえ見合わない参戦に思える。
しかしここまでの戦いでもかなりチャンスは少なく、このチャンス手を捨てれば次いつチャンス手が入るのか。
そんな悠長な構えを取っている余裕はないじゃないか。
真相は定かではないが、そんな風に前田は思ったのだろうか。
自分のアガリだけを見るならば自然と出ていく二万で、白鳥へ3,900の放銃。

4回戦は白鳥がトップ。ダンプもオーラスにタンヤオのみをアガリ、きっちり30,000点復帰して終了。
これではっきりと逃げる者と追う者に二分化される形となった。

4回戦成績
白鳥+17.4P ダンプ+5.5P 前田▲7.3P 前原▲15.6P

4回戦終了時
白鳥+38.8P ダンプ+32.0P 前原▲6.3P 前田▲66.5P

 

5回戦(起家から、ダンプ・前田・前原・白鳥)

東3局、前原の親リーチ。

二万三万四万六万七万八万七索八索一筒一筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ七筒

6,000オールをツモれば一気に誰が勝つかわからなくなるところだが、ここはアガれず。
南3局の前原の親番も白鳥にかわされ終了。
最終戦はダンプがトップを取り、白鳥と共に勝ち上がりを決めた。

5回戦成績
ダンプ+15.2P 白鳥+4.1P 前原▲6.7P 前田▲20.4P

5回戦終了時
ダンプ+47.2P 白鳥+42.9P 前原▲13.0P 前田▲86.9P

見事ベスト8へ勝ち上がりを決めたのはダンプ白鳥
前原と前田はここで散るという結果。

「負けるということは弱いということでしょう」
これは対局後の前原のセリフ。
負けたということを真摯に受け止め、早くも反省点を自身で探しているその姿は、数々の実績を残してきたトッププロのセリフとは思えなかった。
この姿勢は見習わなければならないと改めてその凄さを感じる言葉だった。

ダンプは十段位決定戦で負けてしまった悔しさを語り、タイトル獲得への熱意を聞かせてくれた。
白鳥も同様、二冠達成に向けて気合十分だ。

これでベスト16の対局が全卓終了。
ベスト8の卓組は以下の通りとなった。

A卓:灘麻太郎vs古川孝次vs和久津晶vs白鳥翔
B卓:HIRO柴田vsダンプ大橋vs野方祐介vs柴田吉和

いよいよ決勝メンバーを決める戦いへ。

グランプリ レポート/第6期麻雀グランプリ MAXベスト16 D卓レポート 小車 祥

前原雄大……モンド名人戦優勝。十段戦ベスト16進出。二次予選からの勝ち上がり。
前田直哉……現最強位。鳳凰位決定戦準優勝。ベスト16シード。
白鳥翔……現麻雀マスターズ。ベスト16シード。
ダンプ大橋……十段位決定戦進出。麻雀マスターズベスト16。二次予選からの勝ち上がり。
A1リーガー2名、A2リーガー2名。
顔ぶれだけなら鳳凰戦で見慣れているかもしれないが、このメンバーでトーナメントを戦うとなるとまた意味合いが違ってくる。普段のリーグ戦では見せない戦術や駆け引きも出てくるだろう。
私は対局前からワクワクしていた。

100

1回戦(起家から、ダンプ・前原・前田・白鳥)
序盤は緩やかな点棒の動き。
派手な打ち合いなどはなく、対戦相手のロン牌を掴んで一度テンパイを崩して形を変えてテンパイし直すなどの、じっくりした対局内容が多く見られた。
そのまま東場は終了。
南1局1本場、白鳥が先制リーチを打つ。
四万五万六万七万二索二索三索三索四索四索六索七索八索  リーチ  ドラ一筒
前原が追いついてリーチ。
三万四万六万七万八万三索四索五索六索七索八索中中  リーチ
しかしここは白鳥が四万をツモって決着。一旦白鳥が抜け出す形となった。
2,000・3,900。
大きな手をアガったわけではないが、テンパイ料や供託のリーチ棒などの収入も含めて点棒を集め、また失点も最小限に抑えていた前原。
南3局4本場、供託のリーチ棒が1本出ている状況で以下の手を前原が白鳥からアガると、オーラスには前原がトップ目に立っていた。
五万六万七万二索二索二索三索三索二筒三筒四筒六筒八筒  ロン七筒  ドラ一索
1,300は2,200。
南4局、親は白鳥。
前原37,900点。白鳥36,300点。ダンプ30,900点。前田14,900点。
ダンプが12巡目にリーチを打つ。
五索五索七索八索九索二筒二筒七筒七筒七筒北北北  リーチ  ドラ南
リーチ棒を出すことで一時的に持ち点が29,900点となってしまうので、リーチ判断が難しいところだったが、ダンプはリーチしてツモってトップになれる方を選択した。
リーチをして流局してテンパイ料の収入があれば、再度原点復帰はするという計算もあっただろう。
確かにこの点数状況では、ダンプのリーチに前原と白鳥は押しにくい。
リーチをかけた時点で1枚山に残っていたダンプのアガリ牌である二筒は前田がツモって前田はオリ。
親の白鳥も一度テンパイはするものの、ドラの南は打てずテンパイを崩した。
流局となり、ダンプはテンパイ料で再度原点復帰。
前田は1人沈みのラスで苦しいスタートとなった。
1回戦成績
前原+14.9P 白鳥+8.3P ダンプ+3.9P 前田▲28.1P
 
2回戦(起家から、前田・白鳥・前原・ダンプ)
東1局、白鳥がリーチ。
一索二索三索三索四索五索三筒四筒五筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ三索
リーチ宣言牌の六索を仕掛けた前原、以下のテンパイ。
二万三万四万六万八万八索八索六筒七筒八筒  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き
前原、掴んだ六筒も強い意志で河に切るが、これは白鳥への放銃となる。
7,700。
南1局、白鳥が以下の手牌からドラの南を切っていく。
三万五万六万六万三索五索五索六索七索三筒四筒五筒南  ツモ七万  ドラ南
この南をダンプがポン。
三万三万五万六万二筒二筒三筒八筒八筒八筒  ポン南南南
その後は無駄ヅモなしで一筒四万とツモ。2,000・3,900。
親っ被りの前田、2回戦の親番もなくなりかなり辛い展開。
南4局には白鳥がドラ暗刻のリーチ。
二万四万六索六索六索一筒二筒三筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ六索
しかしこの三万は前田が4枚手の中で使っていて、前田自身もテンパイして流局となった。
ダンプはこのノーテン罰符で白鳥とトップが入れ替わる。
2回戦成績
白鳥+11.5P ダンプ+5.9P 前田▲6.3P 前原▲12.1P
2回戦終了時
白鳥+19.8P ダンプ+9.8P 前原+2.8P 前田▲34.4P
 
3回戦(起家から、前田・前原・白鳥・ダンプ)
東3局、親の白鳥がリーチ。
二万三万四万六万七万八万三索四索四索五索六索八索八索  リーチ  ドラ三筒
リーチを受けてすぐ、ダンプがテンパイを入れる。
五万五万五万六万六万八万八万一筒一筒三筒東北北  ツモ東
ここで五万を切ってヤミテンに構えたダンプ。
ヤミテンプッシュを数巡続けたダンプ、掴んだ五索をツモ切って放銃。5,800。
東4局4本場、前原が先制リーチ。
四万五万一索一索四索五索六索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ドラ一筒
高目三色のピンフリーチ。ここで前田が追いついてリーチを打つ。
五万六万七万四索五索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ
前田はここまで配牌やツモに恵まれず、参戦すらなかなかさせてもらえないような状況が続いていた。
ドラのない出アガリで3,900の手でも、こういうところで競り勝って勢いをつけたいところだろう。
しかし無情にも、前田が海底牌で三万を掴む。
高目ではないものの、この3,900放銃は数字よりも精神的にダメージが大きいように思えた。
このまま白鳥と前原が浮きで終わるかと思われた3回戦であったが、南4局の親番でダンプが連チャンしてそのままトップを取る。
ダンプを沈め、自身がトップで3回戦を終えたかった前原だが苦しい結果。
それ以上に苦しいのは前田。ここでの1人沈みラスにより、残り2回戦を大きなトップで2連勝するのが必須となってしまった。
3回戦成績
ダンプ+16.7P 前原+6.5P 白鳥+1.6P 前田▲24.8P
3回戦終了時
ダンプ+26.5P 白鳥+21.4P 前原+9.3P 前田▲59.2P
 
4回戦(起家から、前原・前田・ダンプ・白鳥)
南2局、親の前田にチャンス手が入る。
一索二索三索四索五索五索七索八索九索九索東西西  ドラ九筒
しかし白鳥が軽快に仕掛けていき、あっという間に高目7,700のテンパイ。
三万四万三索四索五索九筒九筒  ポン白白白  ポン四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き
さらに前原もリーチを打ってくる。
六万六万八万八万二索七索七索四筒四筒八筒八筒北北  リーチ
これがリーグ戦の第1節ならば、前田ならオリを選択したのかもしれない。
2件相手に後手を踏まされていて、1局単位で見ればいくら親とはいえ見合わない参戦に思える。
しかしここまでの戦いでもかなりチャンスは少なく、このチャンス手を捨てれば次いつチャンス手が入るのか。
そんな悠長な構えを取っている余裕はないじゃないか。
真相は定かではないが、そんな風に前田は思ったのだろうか。
自分のアガリだけを見るならば自然と出ていく二万で、白鳥へ3,900の放銃。
4回戦は白鳥がトップ。ダンプもオーラスにタンヤオのみをアガリ、きっちり30,000点復帰して終了。
これではっきりと逃げる者と追う者に二分化される形となった。
4回戦成績
白鳥+17.4P ダンプ+5.5P 前田▲7.3P 前原▲15.6P
4回戦終了時
白鳥+38.8P ダンプ+32.0P 前原▲6.3P 前田▲66.5P
 
5回戦(起家から、ダンプ・前田・前原・白鳥)
東3局、前原の親リーチ。
二万三万四万六万七万八万七索八索一筒一筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ七筒
6,000オールをツモれば一気に誰が勝つかわからなくなるところだが、ここはアガれず。
南3局の前原の親番も白鳥にかわされ終了。
最終戦はダンプがトップを取り、白鳥と共に勝ち上がりを決めた。
5回戦成績
ダンプ+15.2P 白鳥+4.1P 前原▲6.7P 前田▲20.4P
5回戦終了時
ダンプ+47.2P 白鳥+42.9P 前原▲13.0P 前田▲86.9P
見事ベスト8へ勝ち上がりを決めたのはダンプ白鳥
前原と前田はここで散るという結果。
「負けるということは弱いということでしょう」
これは対局後の前原のセリフ。
負けたということを真摯に受け止め、早くも反省点を自身で探しているその姿は、数々の実績を残してきたトッププロのセリフとは思えなかった。
この姿勢は見習わなければならないと改めてその凄さを感じる言葉だった。
ダンプは十段位決定戦で負けてしまった悔しさを語り、タイトル獲得への熱意を聞かせてくれた。
白鳥も同様、二冠達成に向けて気合十分だ。
これでベスト16の対局が全卓終了。
ベスト8の卓組は以下の通りとなった。
A卓:灘麻太郎vs古川孝次vs和久津晶vs白鳥翔
B卓:HIRO柴田vsダンプ大橋vs野方祐介vs柴田吉和
いよいよ決勝メンバーを決める戦いへ。

第27期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグレポート:大滝聡

つい、この間新年を迎えたばかりの感覚でいましたが、もうすでに2月。
今年度における前期戦となる、第27期中部プロリーグが開幕しました。
私自身にとっても初のAリーグでの戦い、決してワンチャンスを物にした訳ではないこの舞台。
何度も壁にぶち当たりながらも、やっと手にしたAリーグでの対局にいつも以上に気持ちが高ぶるのを感じました。

第1節の組み合わせは以下の通り。
1卓 小野、村瀬、三戸、日下
2卓 森下、杉浦、杉村、伊藤
3卓 佐藤、朝岡、寺戸、大滝

1卓 いきなり三戸が1,1,2,1の+108.2Pと大爆発。
対局前、三戸が「ここ5年くらい、優勝していないので、今期は優勝するべく、まずは決勝に残りたい。」と力強く宣言するのを聞いた。
過去、何度もAリーグでの優勝経験があり、私が連盟に入った当初から一度も降級する事なく、Aリーグで闘い続ける実力者。
三戸にとってもこれ以上ないスタートが切れたのは間違いないであろう。

2卓 伊藤、森下、杉浦がポイントを分け合う感じで対局終了。
注目すべきは一人マイナスを背負う事になった杉村。
静岡支部の望月支部長も一目を置くほどの彼がマルCのラスを2回も引いている。
彼の持ち味は、正確な手順と絶妙な大局観であると私は思っている。
そして競技麻雀における熱意には、何度も感心させられた記憶がある。
杉村が今日の敗戦を踏まえて、来期以降どのように立て直し巻き返してくれるかが、不気味であり楽しみでもある。
ぜひ注目したい存在だ。

3卓 Aリーグにおける紅一点、佐藤が卓内トップとなる+39.9Pで締めくくった
対局後、佐藤は「私は押す事しかできないから。」と語っていたのが印象的だった。
自分の長所である攻撃力をこの日は幾度となく見せつけられた。
当たり前の事だが麻雀において押す(危険牌を切る)という行為は勇気がいるもの。
自分の手牌の進行具合や他家の動向、打点、場況、持ち点などの様々な判断材料が必要な中、彼女は自分のスタイルを貫いた印象だ。
今日のように、しっかりと腕を振る麻雀を打つ事が出来れば、前期に続いての決勝進出も見えてくるのではなかろうか。

私はと言うと今日は自分の麻雀を打つ事が出来なかったし、逆に打たせてもらえなかった。
結果的にAリーグの洗礼を浴びた訳だが、まだ戦いは始まったばかり。
自分の中での反省点も多くあり、もう少しマイナスを抑える事が出来たのでは?という思いが強い。いつも思うのだが敗戦から何を学び、修正していくのかその都度、課題は残る。それをクリアして、次節以降の対局に強い気持ちで臨みたいと心に誓った。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 三戸 亮祐 108.2 108.2
2 佐藤 あいり 39.9 39.9
3 杉浦 貴紀 23.7 23.7
4 朝岡 祐 23.2 23.2
5 伊藤 鉄也 22.4 22.4
6 森下 剛任 18.6 18.6
7 菅野 直 13.2 13.2
8 寺戸 孝志 ▲ 3.5 ▲ 3.5
9 村瀬 寛光 ▲ 14.4 ▲ 14.4
10 小野 雅峻 ▲ 29.0 ▲ 29.0
11 土岐 雄太 ▲ 58.4 ▲ 58.4
12 大滝 聡 ▲ 59.6 ▲ 59.6
13 杉村 泰治 ▲ 64.7 ▲ 64.7
14 日下 健司 ▲ 65.8 ▲ 65.8
15 山神 達也 ▲ 82.3 ▲ 82.3

 

Bリーグ:林俊宏

第27期中部プロリーグが開幕した。
Aリーグ16名Bリーグ16名Cリーグ23名と大人数となる。
今回は全体で55名の参加者となる。中部本部も大所帯となりベテランから若手までスター性を持ったプロが台頭してきた。
第39期王位を獲得した森下剛任。第19期麻雀マスターズを獲得した樋口新。第28期十段戦4位三戸亮祐。
第13回野口恭一郎賞受賞した池沢麻奈美。鳳凰位戦で元A2リーガー鈴木基芳。

このように昨今の中部本部所属のプロ達が全国でも所狭しと活躍している。これだけで、中部プロリーグに参加出来る意義を感じられる。
だが、その中でも郡を抜いて強烈な実績を誇る男がいる。第16、17、18期鳳凰位戦を3連覇した雄、古川孝次である。

大小様々なタイトル戦の決勝進出は数知れず。そして今まさに第32期鳳凰位戦の決定戦を戦っている。
そんなトッププロとの真剣な対局チャンスは、このプロ業界にいても早々ありえない。中部プロリーグでは古川はBリーグにいる。今期私にとっては、最も対局を楽しみにしている1つである。

私は、13年前に日本プロ麻雀連盟の門を叩いた。
それから私は、古川のもとで麻雀を学び、古川の言葉で中部プロリーグへの参戦を決めた。
「中部本部をもっと良くしたい。刺激がいる。マンネリ化を防ぐために君が必要だ。」
しゃべり下手な古川らしい言葉だが、思いは十分伝わってきた。
私に何が出来るかは分からないが、敬愛する古川の気持ちと私の思いもぶつけていこうと思う。
若手に対して気になるのは服装の乱れだ。個性的な格好と、だらしがない格好は違う。映像配信が増えた今、だらしがない格好を一般のかたに見せるべきではない。
厳しい言い方をさせて頂いたが、運営をしている先輩プロに対しても見学に来て頂いた一般の方に対しても失礼だと痛感してもらいたいのだ。
そこを良く肝に銘じて見られる側という意識を持って対局に望んでもらいたい。
そして出るからには圧勝というのが目標。

Bリーグの皆さん、御覚悟を。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 安藤 大貴 53.7 53.7
2 山本 拓哉 41.3 41.3
3 鈴木 雄介 27.6 27.6
4 浅野 文雅 17.0 17.0
5 金平 裕樹 15.8 15.8
6 木村 東平 7.2 7.2
7 牛尾 信之 2.7 2.7
8 中谷 彰吾 ▲ 0.1 ▲ 0.1
9 青山 大 ▲ 1.9 ▲ 1.9
10 林 俊宏 ▲ 4.3 ▲ 4.3
11 加藤 泰史 ▲ 5.6 ▲ 5.6
12 古川 孝次 ▲ 13.5 ▲ 13.5
13 太田 峻也 ▲ 44.1 ▲ 44.1
14 大町 篤志 ▲ 56.0 ▲ 56.0
15 越川 清一 ▲ 81.6 ▲ 81.6
16 掛水 洋徳 ▲ 129.2 ▲ 129.2

 

Cリーグ:都築友和

はじめまして、今期のCリーグのレポートを担当させていただくことになりました30期生の都築友和です。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが、半年間お付き合い頂ければ幸いです。

春の陽気が待ち遠しい今日此の頃、第27期中部プロリーグが始まった。
第1節は全選手の挨拶から始まる。皆それぞれの目標にむけて、誰もがより良いスタートを切りたいと思っているため、冗談交じりの言葉の中にも各人その想いが込められていた
私自身もその1人であり、過去のリーグ戦では押し引きの判断を誤り大きくマイナスし、掴みかけていた昇級のチャンスを逃すことが幾度かあったため、今期は技術面だけではなく、精神的にも強く良い麻雀を打ち続けたいと考えている。

今期Cリーグは、23名によって3つの昇級枠をかけて戦う。
その中で、今期この中部本部に移籍してきた高橋に対局前に今の気持ちを尋ねたところ、

高橋「地元で心機一転頑張ります。」
「目標はAリーグで活躍する佐藤あいりさんみたいになることです。」と話してくれた。

目指すべき姿を見据えている者からは、強い気持ちがひしひしと伝わってきた。
彼女との会話により、私にこれから一緒に活動する仲間を歓迎し応援する気持ちとともに、新たなライバルに対し負けられない気持ちを確認することができた。
もちろん他の選手も万全の準備で、3つしかない席を狙い今日に臨んでいるはずで、各選手の熱い想いが込められ半年に渡る戦いが開幕した。

さて、第1節の結果はというと、四暗刻をアガるなどと+102.2Pと大きくポイントを稼いだ長谷川が暫定首位となり、そして同卓でありながら共にオールプラスした大西・高橋が好調な滑り出しを見せた。
私はというと、1半荘目にトップをとり+27.1Pと大きくポイントを稼げたが、2半荘目以降は4着・4着・3着と、終わってみれば▲12.3Pでマイナススタートとなってしまった。
門前重視の私は型にはまれば良いのだが、局面に合わない自己都合によるワガママな打牌によって、稼げたポイントを逃がしていると感じることがある。それが今節の敗因の1つであり今課題としている部分でもある。
次節以降は、局面を見定めて取りこぼさないようにしていきたい。

Cリーグは降級がなく、全員が上を向いて戦うリーグということもあるからか、毎期ボーダーが高い。全5節で最低でも+120Pは欲しいところである。
まだ緒戦、ポイント上位者はさらにリードを広げようと試みるであろうが、自身を含め、再び昇級への道を目指す者たちがたくさんいる次節からは、さらに熱い戦いとなっていくことが予想される。
最後まで戦い抜けるように、まずは来月に向けてしっかり鍛錬していきたいと思う。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 長谷川 弘 102.2 102.2
2 大西 義則 95.2 95.2
3 高橋 侑希 54.0 54.0
4 岡田 智和 43.2 43.2
5 若松 正和 36.4 36.4
6 原田 知彦 35.6 35.6
7 鈴木 淳 29.7 29.7
8 大高坂 松城 8.3 8.3
9 太田 充 ▲ 3.2 ▲ 3.2
10 富村 つぐみ ▲ 3.8 ▲ 3.8
11 清水 哲也 ▲ 6.9 ▲ 6.9
12 鈴木 基芳 ▲ 9.0 ▲ 9.0
13 花井 香央理 ▲ 9.5 ▲ 9.5
14 三谷 卓也 ▲ 10.8 ▲ 10.8
15 都築 友和 ▲ 12.3 ▲ 12.3
16 河合 慎悟 ▲ 12.8 ▲ 12.8
17 山本 美文 ▲ 16.9 ▲ 16.9
18 斎藤 寛生 ▲ 23.6 ▲ 23.6
19 岡本 丈司 ▲ 35.2 ▲ 35.2
20 堤 文吾 ▲ 50.6 ▲ 50.6
21 永井 ゆうま ▲ 57.2 ▲ 57.2
22 家田 みゆき ▲ 76.6 ▲ 76.6
23 池沢 麻奈美 ▲ 80.2 ▲ 80.2

中部プロリーグ レポート/第27期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグレポート:大滝聡
つい、この間新年を迎えたばかりの感覚でいましたが、もうすでに2月。
今年度における前期戦となる、第27期中部プロリーグが開幕しました。
私自身にとっても初のAリーグでの戦い、決してワンチャンスを物にした訳ではないこの舞台。
何度も壁にぶち当たりながらも、やっと手にしたAリーグでの対局にいつも以上に気持ちが高ぶるのを感じました。
第1節の組み合わせは以下の通り。
1卓 小野、村瀬、三戸、日下
2卓 森下、杉浦、杉村、伊藤
3卓 佐藤、朝岡、寺戸、大滝
1卓 いきなり三戸が1,1,2,1の+108.2Pと大爆発。
対局前、三戸が「ここ5年くらい、優勝していないので、今期は優勝するべく、まずは決勝に残りたい。」と力強く宣言するのを聞いた。
過去、何度もAリーグでの優勝経験があり、私が連盟に入った当初から一度も降級する事なく、Aリーグで闘い続ける実力者。
三戸にとってもこれ以上ないスタートが切れたのは間違いないであろう。
2卓 伊藤、森下、杉浦がポイントを分け合う感じで対局終了。
注目すべきは一人マイナスを背負う事になった杉村。
静岡支部の望月支部長も一目を置くほどの彼がマルCのラスを2回も引いている。
彼の持ち味は、正確な手順と絶妙な大局観であると私は思っている。
そして競技麻雀における熱意には、何度も感心させられた記憶がある。
杉村が今日の敗戦を踏まえて、来期以降どのように立て直し巻き返してくれるかが、不気味であり楽しみでもある。
ぜひ注目したい存在だ。
3卓 Aリーグにおける紅一点、佐藤が卓内トップとなる+39.9Pで締めくくった
対局後、佐藤は「私は押す事しかできないから。」と語っていたのが印象的だった。
自分の長所である攻撃力をこの日は幾度となく見せつけられた。
当たり前の事だが麻雀において押す(危険牌を切る)という行為は勇気がいるもの。
自分の手牌の進行具合や他家の動向、打点、場況、持ち点などの様々な判断材料が必要な中、彼女は自分のスタイルを貫いた印象だ。
今日のように、しっかりと腕を振る麻雀を打つ事が出来れば、前期に続いての決勝進出も見えてくるのではなかろうか。
私はと言うと今日は自分の麻雀を打つ事が出来なかったし、逆に打たせてもらえなかった。
結果的にAリーグの洗礼を浴びた訳だが、まだ戦いは始まったばかり。
自分の中での反省点も多くあり、もう少しマイナスを抑える事が出来たのでは?という思いが強い。いつも思うのだが敗戦から何を学び、修正していくのかその都度、課題は残る。それをクリアして、次節以降の対局に強い気持ちで臨みたいと心に誓った。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 三戸 亮祐 108.2 108.2
2 佐藤 あいり 39.9 39.9
3 杉浦 貴紀 23.7 23.7
4 朝岡 祐 23.2 23.2
5 伊藤 鉄也 22.4 22.4
6 森下 剛任 18.6 18.6
7 菅野 直 13.2 13.2
8 寺戸 孝志 ▲ 3.5 ▲ 3.5
9 村瀬 寛光 ▲ 14.4 ▲ 14.4
10 小野 雅峻 ▲ 29.0 ▲ 29.0
11 土岐 雄太 ▲ 58.4 ▲ 58.4
12 大滝 聡 ▲ 59.6 ▲ 59.6
13 杉村 泰治 ▲ 64.7 ▲ 64.7
14 日下 健司 ▲ 65.8 ▲ 65.8
15 山神 達也 ▲ 82.3 ▲ 82.3

 
Bリーグ:林俊宏
第27期中部プロリーグが開幕した。
Aリーグ16名Bリーグ16名Cリーグ23名と大人数となる。
今回は全体で55名の参加者となる。中部本部も大所帯となりベテランから若手までスター性を持ったプロが台頭してきた。
第39期王位を獲得した森下剛任。第19期麻雀マスターズを獲得した樋口新。第28期十段戦4位三戸亮祐。
第13回野口恭一郎賞受賞した池沢麻奈美。鳳凰位戦で元A2リーガー鈴木基芳。
このように昨今の中部本部所属のプロ達が全国でも所狭しと活躍している。これだけで、中部プロリーグに参加出来る意義を感じられる。
だが、その中でも郡を抜いて強烈な実績を誇る男がいる。第16、17、18期鳳凰位戦を3連覇した雄、古川孝次である。
大小様々なタイトル戦の決勝進出は数知れず。そして今まさに第32期鳳凰位戦の決定戦を戦っている。
そんなトッププロとの真剣な対局チャンスは、このプロ業界にいても早々ありえない。中部プロリーグでは古川はBリーグにいる。今期私にとっては、最も対局を楽しみにしている1つである。
私は、13年前に日本プロ麻雀連盟の門を叩いた。
それから私は、古川のもとで麻雀を学び、古川の言葉で中部プロリーグへの参戦を決めた。
「中部本部をもっと良くしたい。刺激がいる。マンネリ化を防ぐために君が必要だ。」
しゃべり下手な古川らしい言葉だが、思いは十分伝わってきた。
私に何が出来るかは分からないが、敬愛する古川の気持ちと私の思いもぶつけていこうと思う。
若手に対して気になるのは服装の乱れだ。個性的な格好と、だらしがない格好は違う。映像配信が増えた今、だらしがない格好を一般のかたに見せるべきではない。
厳しい言い方をさせて頂いたが、運営をしている先輩プロに対しても見学に来て頂いた一般の方に対しても失礼だと痛感してもらいたいのだ。
そこを良く肝に銘じて見られる側という意識を持って対局に望んでもらいたい。
そして出るからには圧勝というのが目標。
Bリーグの皆さん、御覚悟を。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 安藤 大貴 53.7 53.7
2 山本 拓哉 41.3 41.3
3 鈴木 雄介 27.6 27.6
4 浅野 文雅 17.0 17.0
5 金平 裕樹 15.8 15.8
6 木村 東平 7.2 7.2
7 牛尾 信之 2.7 2.7
8 中谷 彰吾 ▲ 0.1 ▲ 0.1
9 青山 大 ▲ 1.9 ▲ 1.9
10 林 俊宏 ▲ 4.3 ▲ 4.3
11 加藤 泰史 ▲ 5.6 ▲ 5.6
12 古川 孝次 ▲ 13.5 ▲ 13.5
13 太田 峻也 ▲ 44.1 ▲ 44.1
14 大町 篤志 ▲ 56.0 ▲ 56.0
15 越川 清一 ▲ 81.6 ▲ 81.6
16 掛水 洋徳 ▲ 129.2 ▲ 129.2

 
Cリーグ:都築友和
はじめまして、今期のCリーグのレポートを担当させていただくことになりました30期生の都築友和です。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが、半年間お付き合い頂ければ幸いです。
春の陽気が待ち遠しい今日此の頃、第27期中部プロリーグが始まった。
第1節は全選手の挨拶から始まる。皆それぞれの目標にむけて、誰もがより良いスタートを切りたいと思っているため、冗談交じりの言葉の中にも各人その想いが込められていた
私自身もその1人であり、過去のリーグ戦では押し引きの判断を誤り大きくマイナスし、掴みかけていた昇級のチャンスを逃すことが幾度かあったため、今期は技術面だけではなく、精神的にも強く良い麻雀を打ち続けたいと考えている。
今期Cリーグは、23名によって3つの昇級枠をかけて戦う。
その中で、今期この中部本部に移籍してきた高橋に対局前に今の気持ちを尋ねたところ、
高橋「地元で心機一転頑張ります。」
「目標はAリーグで活躍する佐藤あいりさんみたいになることです。」と話してくれた。
目指すべき姿を見据えている者からは、強い気持ちがひしひしと伝わってきた。
彼女との会話により、私にこれから一緒に活動する仲間を歓迎し応援する気持ちとともに、新たなライバルに対し負けられない気持ちを確認することができた。
もちろん他の選手も万全の準備で、3つしかない席を狙い今日に臨んでいるはずで、各選手の熱い想いが込められ半年に渡る戦いが開幕した。
さて、第1節の結果はというと、四暗刻をアガるなどと+102.2Pと大きくポイントを稼いだ長谷川が暫定首位となり、そして同卓でありながら共にオールプラスした大西・高橋が好調な滑り出しを見せた。
私はというと、1半荘目にトップをとり+27.1Pと大きくポイントを稼げたが、2半荘目以降は4着・4着・3着と、終わってみれば▲12.3Pでマイナススタートとなってしまった。
門前重視の私は型にはまれば良いのだが、局面に合わない自己都合によるワガママな打牌によって、稼げたポイントを逃がしていると感じることがある。それが今節の敗因の1つであり今課題としている部分でもある。
次節以降は、局面を見定めて取りこぼさないようにしていきたい。
Cリーグは降級がなく、全員が上を向いて戦うリーグということもあるからか、毎期ボーダーが高い。全5節で最低でも+120Pは欲しいところである。
まだ緒戦、ポイント上位者はさらにリードを広げようと試みるであろうが、自身を含め、再び昇級への道を目指す者たちがたくさんいる次節からは、さらに熱い戦いとなっていくことが予想される。
最後まで戦い抜けるように、まずは来月に向けてしっかり鍛錬していきたいと思う。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 長谷川 弘 102.2 102.2
2 大西 義則 95.2 95.2
3 高橋 侑希 54.0 54.0
4 岡田 智和 43.2 43.2
5 若松 正和 36.4 36.4
6 原田 知彦 35.6 35.6
7 鈴木 淳 29.7 29.7
8 大高坂 松城 8.3 8.3
9 太田 充 ▲ 3.2 ▲ 3.2
10 富村 つぐみ ▲ 3.8 ▲ 3.8
11 清水 哲也 ▲ 6.9 ▲ 6.9
12 鈴木 基芳 ▲ 9.0 ▲ 9.0
13 花井 香央理 ▲ 9.5 ▲ 9.5
14 三谷 卓也 ▲ 10.8 ▲ 10.8
15 都築 友和 ▲ 12.3 ▲ 12.3
16 河合 慎悟 ▲ 12.8 ▲ 12.8
17 山本 美文 ▲ 16.9 ▲ 16.9
18 斎藤 寛生 ▲ 23.6 ▲ 23.6
19 岡本 丈司 ▲ 35.2 ▲ 35.2
20 堤 文吾 ▲ 50.6 ▲ 50.6
21 永井 ゆうま ▲ 57.2 ▲ 57.2
22 家田 みゆき ▲ 76.6 ▲ 76.6
23 池沢 麻奈美 ▲ 80.2 ▲ 80.2

第6期麻雀グランプリ MAXベスト16 C卓レポート 小車 祥

鳳凰位決定戦進出、十段戦ベスト8進出、麻雀マスターズベスト8進出と素晴らしい成績を残しているが、数多くのタイトルを何度も獲得している本人にとってはこれくらいは当然か……瀬戸熊直樹。
十段位決定戦準優勝、王位戦ベスト28などの好成績でポイントランキング2位。ベスト16シード出場の藤崎智。
B1リーグ優勝で来期から貴重な女流Aリーガーになる和久津晶。
最終戦オーラスに国士無双を成就させて十段位に輝いたのは記憶に新しい柴田吉和。
この卓もまたかなりの豪華メンバーとなった。

100

1回戦(起家から、柴田・藤崎・和久津・瀬戸熊)

東1局1本場、和久津が藤崎の切った第一打から仕掛けていく。

一万三万三万四万一索二索九索一筒南西西  ポン東東東  ドラ南

手牌を見てもらえばわかると思うが、ドラ表示牌で2枚目の東とはいえ、かなり積極的な仕掛け。
ドラの重なり、チャンタ、ホンイツなどの可能性は残っていて、西のトイツがあるのでいざとなったら迂回できるという目論見だろう。この手牌で仕掛けを入れる選手は少ないように思う。

三万四万西西  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ポン南南南  ポン東東東  ツモ二万

3,000・6,000は3,100・6,100。
この結果はうまく行き過ぎなのかもしれない。
十分な形の1シャンテンからドラを切った瀬戸熊。
ピンフテンパイで二万を切った藤崎。
それぞれが自然と切った牌を仕掛けアガリへと繋がった。
しかしこのアガリを生んだのは1巡目の東ポン。
アガリへの積極性が和久津の強さの原点なのである。

南1局、親の柴田が10巡目にリーチ。

二万三万四万七万八万九万五索六索七索一筒一筒三筒五筒  リーチ  ドラ一筒

ドラドラで役なしの手、リーチを打つのは当然なのかもしれないが、周囲をオロしたいという意図も強かったのかもしれない。
オリてもらって流局での連荘オッケー。ツモれたら万々歳と。
その柴田の計算を狂わせたのは和久津。

四万五万六万六万七万一索二索三索四索四索一筒二筒三筒

柴田のリーチの直後にテンパイした和久津は、無スジの五索を押してヤミテンを選択。
その後も六筒五筒九万と無スジを連打。そしてドラそばの三筒で手が止まる。結局はこの三筒も押すのだが、親の現物待ちでもないのにヤミテンにした理由はここにある。最後の最後まで全部押しますというわけではないと判断したのだ。
次の巡目、八万をツモ。
700・1,300のアガリ。

南3局、瀬戸熊にチャンス手が入る。

七万七万九万一索一索三索三索四索四索五索三筒三筒三筒  ドラ三筒

ここまでは我慢の展開で、失点を最小限に抑えているという印象だけに、この手を決めれば一気にゲームの中心となるかというところ。
親の和久津は仕掛けてすでにテンパイを入れていた。

四索四索七索八索九索四筒五筒五筒六筒七筒  ポン東東東

次にテンパイしたのは柴田。

三万三万三万五索六索七索三筒四筒六筒六筒六筒七筒八筒

32,800点持ちの2着目の柴田。トップの和久津とは5,200点差でリーチを打てば出アガリでもトップと並ぶというところだが、柴田はヤミテンを選択した。
全5回戦のトーナメント。攻めて高得点を狙いに来るのではなく、堅実にアガれる可能性を高めて失点を減らすスタンス。仕掛けている親の和久津の河にピンズが1枚も切られていないので、自分の待ちが苦しいと考えたのかもしれない。
リーチを打つか打たないかどちらがより良い選択かはわからないが、少なくともこの局面でヤミテンを選択できるというのは柴田の懐の深さが窺える。柴田の強さはこういうところにあるのではないか。
結果は瀬戸熊がテンパイに至る前に柴田のツモアガリ。
1,000・2,000で柴田が和久津を捲りトップ目に立つ。

オーラスはソウズのホンイツで3フーロした藤崎の1人テンパイ。
柴田がそのままトップを取る。

1回戦成績
柴田+13.8P 和久津+9.0P 藤崎▲7.6P 瀬戸熊▲15.2P

 

2回戦(起家から、柴田・瀬戸熊・藤崎・和久津)

東1局、柴田の親リーチ。

四万五万七万七万五索六索七索七索八索九索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ七万

三色ドラ1のカン六万テンパイからうまくドラを重ねてピンフドラドラのリーチ。
三をツモ。4,000オール。

南1局、また柴田の親番。

一万三万四万四万六万六万七索七索七索九索九索八筒八筒西  ドラ七索

まだメンツ手も追いたくなる七対子の1シャンテン。
メンツ手も見るなら一万西を切りたいところか。
柴田はここで七対子に決めるドラ切りを選択。
次巡、一万を重ねて西単騎待ちで七対子テンパイ。ちなみに1シャンテンの時に西を切っていると藤崎のポンが入りそうだった。以下藤崎の手牌。

一万三万七索八索九索二筒三筒四筒西西白白中

実は柴田はあそこでドラを切らないとこのテンパイには至らなかったのである。
さらに次巡、今切られた中をツモって待ち変え。西を切ると藤崎がポン。
藤崎から出てくる牌は……そう、中である。

一万一万四万四万六万六万七索七索九索九索八筒八筒中  ロン中

9,600。柴田の判断と局面がうまく噛み合う。
2回戦も続けてトップの柴田が2連勝。
和久津もしぶとく浮きの2着で終わり、早くも並びができる。

2回戦成績
柴田+35.6P 和久津+8.4P 瀬戸熊▲10.7P 藤崎▲33.3P

2回戦終了時
柴田+49.4P 和久津+17.4P 瀬戸熊▲25.9P 藤崎▲40.9P

 

3回戦(起家から、柴田・瀬戸熊・和久津・藤崎)

追う立場の瀬戸熊・藤崎からすれば、ターゲットとなったのは和久津。
ここで和久津に得点されるとかなり厳しい戦いを強いられることとなるのだが……。
東1局、和久津がテンパイ。

三万四万五万七万七万三索四索五索二筒三筒四筒七筒七筒  ドラ七筒

ここからさらに五筒二筒を入れ替え三色に変化。
ほどなくして七筒をツモ。
3,000・6,000。
追う2人に厳しい条件を突き付ける。

東2局、親の瀬戸熊が5巡目にテンパイ。

三万五万六万七万八万二索二索三索四索四索七索八索九索  ツモ一索  ドラ八万

ヤミテンに構えてマンズの変化を待つか、三万を切ってテンパイ取らずとしてソウズの変化も見るか。
そのどちらでもなく、瀬戸熊は二索切りリーチという選択。

柴田が1巡目に2枚立て続けに切られた発をポンしていて、その柴田に好きに打たせないためという意図もあるか。
実際にその距離感は正しく、この時の柴田の手は全く戦える形ではなかったし、和久津も藤崎も同様だった。
瀬戸熊はリーチ後に自身がすぐにツモ切った六万三索を見てどう思っていたのか。
明確な意志やビジョンを持ってした選択でも、結果がついてくるとは限らないのが麻雀なのか。

数巡も過ぎた頃には、和久津がチーしてテンパイを入れていた。

五万六万七万四索五索六索六索六索三筒四筒  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き

瀬戸熊が五筒を掴んでリーチをかわされてしまう。

東4局1本場、瀬戸熊がリーチ。

六万七万八万四索四索六索七索八索二筒三筒四筒中中  リーチ  ドラ八万

三索を切ってシャンポン待ちを選んでのリーチ。
この待ち選択が和久津の中トイツ落としをきっちり捕らえる。
5,200。このアガリが浮上のきっかけになるか。

続いて南1局、さらに瀬戸熊がアガる。

三万四万五万七万七万二筒二筒三筒三筒四筒四筒七筒八筒  リーチ  ツモ九筒  ドラ一索

1,300・2,600。
そして迎えた南2局、瀬戸熊の親番。
ここは瀬戸熊ファンならば期待せざるを得ない局。

二万二万三万四万四万三索四索四索五索七筒七筒南南  ドラ七筒

期待に応えるようにドラドラのチャンス手を入れる瀬戸熊。
役牌の南が出ればポンしてテンパイが取れるが、メンツ手も七対子も見れる難しい手牌。
六万はツモ切り。二索をツモって選択の局面だが五索と入れ替える。二万をツモって四万を切る。
南も出ないまま、結局はテンパイできないまま流局してしまう。

南3局1本場、親の和久津が早い巡目から仕掛けていく。

二索二索三索四索五索西西  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン東東東  ドラ三万

和久津はピンズのリャンメンターツを手出ししていて、ソウズの一色手であろうことは明確だったが、上家の瀬戸熊は絞るか被せるかで、強く出る方を選んだ。
この和久津のテンパイに、役なしテンパイしていた柴田が西をツモ切って放銃する。
5,800は6,100。

このアガリで3回戦トップ目になった和久津。
対して柴田はこの放銃で13,300点持ちのラス目。
ターゲットが柴田に変わったかという局面。

続く南3局2本場も和久津がアガリ、一気に突き放していく。

二万三万四万五万六万七万二索三索四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ツモ一索  ドラ三索

2,600は2,800オール。
オーラス親の藤崎、粘りを見せるも原点復帰までは届かず。
瀬戸熊も一時はトップ目だったもののなんとか原点を守るという結果に。

3回戦成績
和久津+29.4P 瀬戸熊+4.4P 藤崎▲10.4P 柴田▲23.4P

3回戦終了時
和久津+46.8P 柴田+26.0P 瀬戸熊▲21.5P 藤崎▲51.3P

 

4回戦(起家から、藤崎・瀬戸熊・和久津・柴田)

無情にも、和久津と柴田がアガリを重ねるという展開。
点差が広がっていく。

南1局、大きくマイナスしている藤崎にとっては絶対に簡単には落とせない親番。
藤崎の第一打の発を和久津がポン。3巡目には西をポンしてあっという間にテンパイ。

七万八万九万一索一索六索七索  ポン西西西  ポン発発発  ドラ四筒

ここに柴田も参戦。2つ仕掛けてテンパイを取る。

二万三万四万四筒四筒八筒八筒  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き

この時の藤崎の手牌は以下の通り。

二万二万二万八万八万九万四索五索五索二筒三筒南南

かなり厳しい状況。しかしなんとかテンパイまで辿り着く。

二万二万二万八万八万九万九万五索五索二筒三筒南南  ツモ二筒  打二万 上向き

数巡後、藤崎は和久津の当たり牌である五索を掴む。七対子テンパイで自身ですでに2枚使っている牌。ここで放銃かと思った矢先のことだった。
藤崎、ここでテンパイを崩して三筒切り。五索を使い切ってトイトイでの復活にシフトチェンジしていく。
しかしさらに数巡後、今度は八索を掴まされた藤崎。
これではもう五索を止めた意味がない。八索単騎での七対子でリーチ宣言をし、五索を切って和久津へ放銃。

確かに五索は和久津にも柴田にもかなり切りづらい牌。
しかしこの局面において、絶対に落としたくない親番で一度止めてテンパイを崩したということがとてつもない選択なのだ。
『藤崎智が藤崎智たる所以』
私はそんな言葉を発していた。劣勢の試合の中で見せた、藤崎の計り知れない強さ。それを垣間見た瞬間だった。
この後藤崎は7,700を柴田からアガリ、4回戦をトップで終える。
しかし追いかける2人も持ち点原点を割らず、点差はあまり埋まらないという結果。

4回戦成績
藤崎+21.1P 和久津+9.6P 柴田+1.0P 瀬戸熊▲31.7P

4回戦終了時
和久津+56.4P 柴田+27.0P 藤崎▲30.2P 瀬戸熊▲53.2P

 

5回戦(起家から、柴田・藤崎・和久津・瀬戸熊)

大きな点棒の動きもないまま、藤崎の親番は落ちてしまった。
南3局、オーラスに親番が残っている瀬戸熊が意地を見せる。

一筒二筒四筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ三筒  ドラ三索

4,000・8,000。
南4局、瀬戸熊の親番。
倍満からの大逆転劇に期待するファンも少なくはなかったと思うが、あっさり柴田がツモって決着となった。

一索二索三索五索六索七索八索八索八索五筒六筒白白  ツモ七筒  ドラ白

1,000・2,000。

5回戦成績
瀬戸熊+24.6P 柴田+4.3P 藤崎▲8.6P 和久津▲20.3P

5回戦終了時
和久津+36.1P 柴田+31.3P 瀬戸熊▲28.6P 藤崎▲38.8P

見事ベスト8へ勝ち上がりを決めたのは和久津柴田
そして惜しくも敗退となってしまったのはA1リーガーの瀬戸熊と藤崎。

対局を終えた後は、惜しくも敗退となってしまった2名を実況席に呼んでお話を聞いた後、続けて勝ち上がりの選手2名にお話を聞くという流れになっている。
毎対局後、やはりその2つの空気感は全然違うものになる。
しかし、この日の瀬戸熊と藤崎の雰囲気はとても明るく、非常に驚かされた。

どんな質問にも気さくに答え、笑いを交えながらのインタビューとなった。
麻雀プロは長時間全神経を研ぎ澄まし、プライドをかけて戦っている。
負ければ当然ものすごく悔しい。例外はない。
「負けた試合でも応援してくれた人がいる」
そんな人たちに向けて暗い顔は見せられないのだと瀬戸熊は言う。藤崎も同様だろう。

ここに私における最大限の尊敬の念をぶつける。
麻雀プロとはなんなのか。改めて考えさせられる瞬間であった。

そしてA1リーガー2名を見事打ち倒しベスト8へと駒を進めた和久津と柴田。
和久津、初のG1タイトル獲得となるか。柴田、十段位と二冠達成なるか。
乞うご期待!

グランプリ レポート/第6期麻雀グランプリ MAXベスト16 C卓レポート 小車 祥

鳳凰位決定戦進出、十段戦ベスト8進出、麻雀マスターズベスト8進出と素晴らしい成績を残しているが、数多くのタイトルを何度も獲得している本人にとってはこれくらいは当然か……瀬戸熊直樹。
十段位決定戦準優勝、王位戦ベスト28などの好成績でポイントランキング2位。ベスト16シード出場の藤崎智。
B1リーグ優勝で来期から貴重な女流Aリーガーになる和久津晶。
最終戦オーラスに国士無双を成就させて十段位に輝いたのは記憶に新しい柴田吉和。
この卓もまたかなりの豪華メンバーとなった。

100

1回戦(起家から、柴田・藤崎・和久津・瀬戸熊)
東1局1本場、和久津が藤崎の切った第一打から仕掛けていく。
一万三万三万四万一索二索九索一筒南西西  ポン東東東  ドラ南
手牌を見てもらえばわかると思うが、ドラ表示牌で2枚目の東とはいえ、かなり積極的な仕掛け。
ドラの重なり、チャンタ、ホンイツなどの可能性は残っていて、西のトイツがあるのでいざとなったら迂回できるという目論見だろう。この手牌で仕掛けを入れる選手は少ないように思う。
三万四万西西  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ポン南南南  ポン東東東  ツモ二万
3,000・6,000は3,100・6,100。
この結果はうまく行き過ぎなのかもしれない。
十分な形の1シャンテンからドラを切った瀬戸熊。
ピンフテンパイで二万を切った藤崎。
それぞれが自然と切った牌を仕掛けアガリへと繋がった。
しかしこのアガリを生んだのは1巡目の東ポン。
アガリへの積極性が和久津の強さの原点なのである。
南1局、親の柴田が10巡目にリーチ。
二万三万四万七万八万九万五索六索七索一筒一筒三筒五筒  リーチ  ドラ一筒
ドラドラで役なしの手、リーチを打つのは当然なのかもしれないが、周囲をオロしたいという意図も強かったのかもしれない。
オリてもらって流局での連荘オッケー。ツモれたら万々歳と。
その柴田の計算を狂わせたのは和久津。
四万五万六万六万七万一索二索三索四索四索一筒二筒三筒
柴田のリーチの直後にテンパイした和久津は、無スジの五索を押してヤミテンを選択。
その後も六筒五筒九万と無スジを連打。そしてドラそばの三筒で手が止まる。結局はこの三筒も押すのだが、親の現物待ちでもないのにヤミテンにした理由はここにある。最後の最後まで全部押しますというわけではないと判断したのだ。
次の巡目、八万をツモ。
700・1,300のアガリ。
南3局、瀬戸熊にチャンス手が入る。
七万七万九万一索一索三索三索四索四索五索三筒三筒三筒  ドラ三筒
ここまでは我慢の展開で、失点を最小限に抑えているという印象だけに、この手を決めれば一気にゲームの中心となるかというところ。
親の和久津は仕掛けてすでにテンパイを入れていた。
四索四索七索八索九索四筒五筒五筒六筒七筒  ポン東東東
次にテンパイしたのは柴田。
三万三万三万五索六索七索三筒四筒六筒六筒六筒七筒八筒
32,800点持ちの2着目の柴田。トップの和久津とは5,200点差でリーチを打てば出アガリでもトップと並ぶというところだが、柴田はヤミテンを選択した。
全5回戦のトーナメント。攻めて高得点を狙いに来るのではなく、堅実にアガれる可能性を高めて失点を減らすスタンス。仕掛けている親の和久津の河にピンズが1枚も切られていないので、自分の待ちが苦しいと考えたのかもしれない。
リーチを打つか打たないかどちらがより良い選択かはわからないが、少なくともこの局面でヤミテンを選択できるというのは柴田の懐の深さが窺える。柴田の強さはこういうところにあるのではないか。
結果は瀬戸熊がテンパイに至る前に柴田のツモアガリ。
1,000・2,000で柴田が和久津を捲りトップ目に立つ。
オーラスはソウズのホンイツで3フーロした藤崎の1人テンパイ。
柴田がそのままトップを取る。
1回戦成績
柴田+13.8P 和久津+9.0P 藤崎▲7.6P 瀬戸熊▲15.2P
 
2回戦(起家から、柴田・瀬戸熊・藤崎・和久津)
東1局、柴田の親リーチ。
四万五万七万七万五索六索七索七索八索九索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ七万
三色ドラ1のカン六万テンパイからうまくドラを重ねてピンフドラドラのリーチ。
三をツモ。4,000オール。
南1局、また柴田の親番。
一万三万四万四万六万六万七索七索七索九索九索八筒八筒西  ドラ七索
まだメンツ手も追いたくなる七対子の1シャンテン。
メンツ手も見るなら一万西を切りたいところか。
柴田はここで七対子に決めるドラ切りを選択。
次巡、一万を重ねて西単騎待ちで七対子テンパイ。ちなみに1シャンテンの時に西を切っていると藤崎のポンが入りそうだった。以下藤崎の手牌。
一万三万七索八索九索二筒三筒四筒西西白白中
実は柴田はあそこでドラを切らないとこのテンパイには至らなかったのである。
さらに次巡、今切られた中をツモって待ち変え。西を切ると藤崎がポン。
藤崎から出てくる牌は……そう、中である。
一万一万四万四万六万六万七索七索九索九索八筒八筒中  ロン中
9,600。柴田の判断と局面がうまく噛み合う。
2回戦も続けてトップの柴田が2連勝。
和久津もしぶとく浮きの2着で終わり、早くも並びができる。
2回戦成績
柴田+35.6P 和久津+8.4P 瀬戸熊▲10.7P 藤崎▲33.3P
2回戦終了時
柴田+49.4P 和久津+17.4P 瀬戸熊▲25.9P 藤崎▲40.9P
 
3回戦(起家から、柴田・瀬戸熊・和久津・藤崎)
追う立場の瀬戸熊・藤崎からすれば、ターゲットとなったのは和久津。
ここで和久津に得点されるとかなり厳しい戦いを強いられることとなるのだが……。
東1局、和久津がテンパイ。
三万四万五万七万七万三索四索五索二筒三筒四筒七筒七筒  ドラ七筒
ここからさらに五筒二筒を入れ替え三色に変化。
ほどなくして七筒をツモ。
3,000・6,000。
追う2人に厳しい条件を突き付ける。
東2局、親の瀬戸熊が5巡目にテンパイ。
三万五万六万七万八万二索二索三索四索四索七索八索九索  ツモ一索  ドラ八万
ヤミテンに構えてマンズの変化を待つか、三万を切ってテンパイ取らずとしてソウズの変化も見るか。
そのどちらでもなく、瀬戸熊は二索切りリーチという選択。
柴田が1巡目に2枚立て続けに切られた発をポンしていて、その柴田に好きに打たせないためという意図もあるか。
実際にその距離感は正しく、この時の柴田の手は全く戦える形ではなかったし、和久津も藤崎も同様だった。
瀬戸熊はリーチ後に自身がすぐにツモ切った六万三索を見てどう思っていたのか。
明確な意志やビジョンを持ってした選択でも、結果がついてくるとは限らないのが麻雀なのか。
数巡も過ぎた頃には、和久津がチーしてテンパイを入れていた。
五万六万七万四索五索六索六索六索三筒四筒  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き
瀬戸熊が五筒を掴んでリーチをかわされてしまう。
東4局1本場、瀬戸熊がリーチ。
六万七万八万四索四索六索七索八索二筒三筒四筒中中  リーチ  ドラ八万
三索を切ってシャンポン待ちを選んでのリーチ。
この待ち選択が和久津の中トイツ落としをきっちり捕らえる。
5,200。このアガリが浮上のきっかけになるか。
続いて南1局、さらに瀬戸熊がアガる。
三万四万五万七万七万二筒二筒三筒三筒四筒四筒七筒八筒  リーチ  ツモ九筒  ドラ一索
1,300・2,600。
そして迎えた南2局、瀬戸熊の親番。
ここは瀬戸熊ファンならば期待せざるを得ない局。
二万二万三万四万四万三索四索四索五索七筒七筒南南  ドラ七筒
期待に応えるようにドラドラのチャンス手を入れる瀬戸熊。
役牌の南が出ればポンしてテンパイが取れるが、メンツ手も七対子も見れる難しい手牌。
六万はツモ切り。二索をツモって選択の局面だが五索と入れ替える。二万をツモって四万を切る。
南も出ないまま、結局はテンパイできないまま流局してしまう。
南3局1本場、親の和久津が早い巡目から仕掛けていく。
二索二索三索四索五索西西  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン東東東  ドラ三万
和久津はピンズのリャンメンターツを手出ししていて、ソウズの一色手であろうことは明確だったが、上家の瀬戸熊は絞るか被せるかで、強く出る方を選んだ。
この和久津のテンパイに、役なしテンパイしていた柴田が西をツモ切って放銃する。
5,800は6,100。
このアガリで3回戦トップ目になった和久津。
対して柴田はこの放銃で13,300点持ちのラス目。
ターゲットが柴田に変わったかという局面。
続く南3局2本場も和久津がアガリ、一気に突き放していく。
二万三万四万五万六万七万二索三索四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ツモ一索  ドラ三索
2,600は2,800オール。
オーラス親の藤崎、粘りを見せるも原点復帰までは届かず。
瀬戸熊も一時はトップ目だったもののなんとか原点を守るという結果に。
3回戦成績
和久津+29.4P 瀬戸熊+4.4P 藤崎▲10.4P 柴田▲23.4P
3回戦終了時
和久津+46.8P 柴田+26.0P 瀬戸熊▲21.5P 藤崎▲51.3P
 
4回戦(起家から、藤崎・瀬戸熊・和久津・柴田)
無情にも、和久津と柴田がアガリを重ねるという展開。
点差が広がっていく。
南1局、大きくマイナスしている藤崎にとっては絶対に簡単には落とせない親番。
藤崎の第一打の発を和久津がポン。3巡目には西をポンしてあっという間にテンパイ。
七万八万九万一索一索六索七索  ポン西西西  ポン発発発  ドラ四筒
ここに柴田も参戦。2つ仕掛けてテンパイを取る。
二万三万四万四筒四筒八筒八筒  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き
この時の藤崎の手牌は以下の通り。
二万二万二万八万八万九万四索五索五索二筒三筒南南
かなり厳しい状況。しかしなんとかテンパイまで辿り着く。
二万二万二万八万八万九万九万五索五索二筒三筒南南  ツモ二筒  打二万 上向き
数巡後、藤崎は和久津の当たり牌である五索を掴む。七対子テンパイで自身ですでに2枚使っている牌。ここで放銃かと思った矢先のことだった。
藤崎、ここでテンパイを崩して三筒切り。五索を使い切ってトイトイでの復活にシフトチェンジしていく。
しかしさらに数巡後、今度は八索を掴まされた藤崎。
これではもう五索を止めた意味がない。八索単騎での七対子でリーチ宣言をし、五索を切って和久津へ放銃。
確かに五索は和久津にも柴田にもかなり切りづらい牌。
しかしこの局面において、絶対に落としたくない親番で一度止めてテンパイを崩したということがとてつもない選択なのだ。
『藤崎智が藤崎智たる所以』
私はそんな言葉を発していた。劣勢の試合の中で見せた、藤崎の計り知れない強さ。それを垣間見た瞬間だった。
この後藤崎は7,700を柴田からアガリ、4回戦をトップで終える。
しかし追いかける2人も持ち点原点を割らず、点差はあまり埋まらないという結果。
4回戦成績
藤崎+21.1P 和久津+9.6P 柴田+1.0P 瀬戸熊▲31.7P
4回戦終了時
和久津+56.4P 柴田+27.0P 藤崎▲30.2P 瀬戸熊▲53.2P
 
5回戦(起家から、柴田・藤崎・和久津・瀬戸熊)
大きな点棒の動きもないまま、藤崎の親番は落ちてしまった。
南3局、オーラスに親番が残っている瀬戸熊が意地を見せる。
一筒二筒四筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ三筒  ドラ三索
4,000・8,000。
南4局、瀬戸熊の親番。
倍満からの大逆転劇に期待するファンも少なくはなかったと思うが、あっさり柴田がツモって決着となった。
一索二索三索五索六索七索八索八索八索五筒六筒白白  ツモ七筒  ドラ白
1,000・2,000。
5回戦成績
瀬戸熊+24.6P 柴田+4.3P 藤崎▲8.6P 和久津▲20.3P
5回戦終了時
和久津+36.1P 柴田+31.3P 瀬戸熊▲28.6P 藤崎▲38.8P
見事ベスト8へ勝ち上がりを決めたのは和久津柴田
そして惜しくも敗退となってしまったのはA1リーガーの瀬戸熊と藤崎。
対局を終えた後は、惜しくも敗退となってしまった2名を実況席に呼んでお話を聞いた後、続けて勝ち上がりの選手2名にお話を聞くという流れになっている。
毎対局後、やはりその2つの空気感は全然違うものになる。
しかし、この日の瀬戸熊と藤崎の雰囲気はとても明るく、非常に驚かされた。
どんな質問にも気さくに答え、笑いを交えながらのインタビューとなった。
麻雀プロは長時間全神経を研ぎ澄まし、プライドをかけて戦っている。
負ければ当然ものすごく悔しい。例外はない。
「負けた試合でも応援してくれた人がいる」
そんな人たちに向けて暗い顔は見せられないのだと瀬戸熊は言う。藤崎も同様だろう。
ここに私における最大限の尊敬の念をぶつける。
麻雀プロとはなんなのか。改めて考えさせられる瞬間であった。
そしてA1リーガー2名を見事打ち倒しベスト8へと駒を進めた和久津と柴田。
和久津、初のG1タイトル獲得となるか。柴田、十段位と二冠達成なるか。
乞うご期待!