プロ雀士インタビュー/第171回:第15回女流モンド優勝特別インタビュー 池沢 麻奈美  インタビュアー:高橋 侑希

8月の終わり
「第15回女流モンド杯で池沢プロが優勝されました。その優勝を記念してインタビューを行いたいのですが、お願いできますか?」とメールが届いた。
この時はまだ女流モンド杯は予選が放送されている最中で、まだ結果を知らなかった。
しかし私に驚きはなく、納得、そして喜びの感情だけがあった。
この度インタビュアーを務めさせていただきますのは、池沢麻奈美プロと同じ中部本部所属で同期。29期生の高橋侑希です。
拙い文章ではありますが、彼女の魅力を少しでも多く伝えられればと思います。お付き合い頂きますようよろしくお願いいたします。
9月、名古屋市某所
池沢「お疲れ様―!かんぱーい!」
高橋「まなみちゃん女流モンド杯優勝おめでとー!!」
池沢「あ、そっか!その乾杯だった(笑)ありがとー!」
めずらしくワインなんて飲んじゃって、おしゃれな女子会雰囲気でインタビューは開始。
店員さんも今から麻雀談義が始まるなど思ってもいなかっただろう。
 

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高橋「さてと!麻雀内容について聞きたいことは色々あるんだけど、まずは他のことからにしようか。対局中のまなみちゃんしか知らない人もいるだろうしね。」
池沢「オッケー!」
高橋「今回の決勝戦とか長時間の対局でもまなみちゃんは集中力を切らさないから、とても体力があるなと思うんだけど、スポーツは得意?何かやっていたことはある?」
池沢「体力といえば、小学4年生の時1000メートルの持久走大会で学校内女子1位だったことがあるよ!」
高橋「部活とかは?」
池沢「中学校の時にバレーボール部に所属していて、キャプテンしてました!」
高橋「勝負強さはその頃からあった?」
池沢「部長だったから、エースって言う存在も大事だけど、ここぞと言うときのプレッシャーというところに強くなった気がするよ。プレッシャーには本当は弱いんだけどね。中学3年のときの最後の夏の大会の時に、3セットあって2セット先取の大会で、2セット目で私の学校が1点取ったら勝ちの状態で、私がサーブミスしてセットを落としたの。3セット目前にプレッシャーで号泣しちゃって。そのときコーチの言葉に救われたんだ。キャプテンだから押しつぶされちゃダメだ!って思って、そういうのがいい経験になったかもしれない。その大会は無事優勝!ちなみにその大会では選手宣誓もしたよ!!」
私も昔剣道をやっていた。そのときのことを思い出す。
学生時代の経験は色々な事に生きてくるなと感じる。
高橋「高校時代は?」
池沢「高校は中学で完全燃焼しちゃって、ひたすらアルバイト。そして高校卒業してすぐに麻雀荘に面接へ行って、そこで麻雀を知ったんだ。だから麻雀を覚えたのは18歳の時。」
実は私はその頃お客としてそのお店に通っていて、新しい女の子がスタッフとして入ったことに興奮していたのを覚えている。なんと中部本部の先輩、佐藤あいりプロも少しだけ一緒に勤務したという。そしてその後石田亜沙己プロとも出会うのだけれど、そのときはもちろん皆アマチュア。縁というものはおもしろいものだ。
高橋「最初は麻雀を知らなかったんだよね?麻雀をやってみてどうだった?」
池沢「初めは仕事をやる上での必要なスキルだと思っていたかな。けど、負けず嫌いだからこっそりと練習して。戦術本を読んでみたり、強いって言われるお客さんの後ろ見をしてみたり、勝てるようになりたいなとは思ってがんばったよ。」
高橋「誰かに教わったわけではない?」
池沢「今まで教わったことはないよ。全部自己流なんだよねー。だからこそ、モンドや夕刊フジ杯での解説の方の言葉は、新鮮だし私にとってとても勉強になってる!」
高橋「じゃあいよいよ今回の決勝戦の内容について!聞きたい話はいっぱいあるんだけど、何個か気になった局を挙げていくね。」
池沢「よしっ!」
1回戦目 東1局 東家 12巡目
四万五万八万八万五索七索七索八索九索五筒六筒七筒八筒  ツモ三万  ドラ五索
1巡前に水瀬プロより先制リーチを受けこの形でテンパイ。
池沢は迷うことなく八筒切リーチをした。
高橋「親番っていうのはあるけど、この形で追っかけるのって勇気がいるよね。こわくなかった?」
池沢「決勝戦は気持ちで負けちゃいけないと思っているから、開局、親番でオリる選択肢はほぼない。相手の打点はわからないけど、最初に弱気になっちゃうと、その半荘ずっと弱気になっちゃうから。どんな結果であれ最初なら修復もきくし、中途半端になるくらいならリーチをして打ち取りたい。放銃してもいいの。これは意思表示のリーチ。」
たった2戦しかない決勝戦。放銃に回ればかなり痛いはず。
タイトルをとる人間はやはり気持ちの強さが違うのかと改めて思い知らされる。
高橋「この局は?ツモり四暗刻の局。これは飛ばす?」
池沢「ツモスーの局?これは入れてほしい!!」
1回戦目 東4局 南家 8巡目
二万二万一索一索一索三索三索三索二筒二筒東東東  ドラ発
ツモることは叶わなかったが、池沢はこの局はとても重要な局だったと語った。
池沢「ここでは水瀬さんから直撃できたことが大きかった!水瀬さんの勢いを止めるこができたし、ツモりたいのは山々だったけど、自分の点棒が増えることよりも皆の点棒をフラットにできたことが大切で、1人を走らせておくと周りには条件ができて、条件が生まれるとそのために普段の麻雀と違うことをするようになっちゃう。そうすれば麻雀自体が歪んで、トップはもっと自由になる。フラットな状態なら皆で止めることができるし、自然な場になり、トップに自由にさせない。そういう意味で点数状況が平たくなったのは大きかったし、重要な局だった。」
トップを追う立場で自分が加点することに満足してしまうことも多いだろう。
また一対一に持ち込んでしまおうと考える人もいそうだ。しかしそうなればやはり追う立場のほうが苦しいのである。
彼女はたくさんの経験の中、自分で戦い方を見出しトッププロたちとも戦っている。
いつの間に彼女はこんなに先に進んでいたのだろうと驚き、ともに怖いとも思った。
2回戦 東1局 北家 3巡目
三万四万七万七万八万八万一筒一筒二筒三筒四筒六筒八筒  ツモ五索  ドラ五索
タンヤオを見つつ一気通貫やイーペーコーの可能性は残す打一筒、最終形の強さを見ての打八筒などの選択肢もある中、池沢が選んだ打牌は七万だった。
池沢「この巡目でドラは切らなくて、最終形を想定したときに私の中でマンズ2面子・ピンズ1+雀頭・ソウズ1面子のイメージがあって。そうなるとマンズは3面子いらないのだから二度受け部分はほぐしたい。それに一筒を外して七万七万八万八万の並びシャンポンのテンパイは取りたくないしね。私は結構早めにいらない牌を決めてるんだ。」
高橋「そうなると八筒とかからでもいいのでは?」
池沢「六筒八筒は重なったときに雀頭の一筒と振り替えてタンヤオを狙えるから、先に七万を選んだの。最終形はシンプルに。あと両面ターツを外しておくことで後にそこが残れば待ちとして強くなるし。」
改めて考えてみれば確かに柔軟で、彼女らしい選択だと思った。
結果池沢は3、4巡目に七万八万を落とし、
三万四万五万七万八万五索五索一筒二筒三筒四筒五筒六筒
この形で7巡目リーチ。
誰が九万を止められるだろうか。1回戦目を2着で終えた水瀬プロより8,000点の出アガリとなり池沢がさらにポイントを突き放す結果となった。
他にももっと取り上げたいと思うくらいこの決勝戦は彼女の魅力が溢れるものだった。
今回はその中でも意思が強く出ていた局を挙げたつもりだが、本当はもっと語りたいくらいだ。ぜひ皆さんにも対局を観ていただきたい!
高橋「女流モンド杯は一度予選敗退して、それを含めて3年目だけど、今年はなにか心境の変化はあった?」
池沢「チャレンジマッチで復活した2年目は落ちたくないという気持ちでいっぱいだったけど、今年はそれじゃダメだと思って攻める麻雀を心がけたよ。決勝は失うものも何もないし、気持ちが強い人が勝つと思ったから、最終的にはメンタル勝負!モンドに出ている人は技術が備わっているのは当たり前だから、あとは気持ちの違いだって。メンタルだけは負けないようにと思ってた。今期は予選もずっと水瀬さんに勢いがあって常に中心になっていて、すごく強かったんだよね!負けたくなかった。」
高橋「そういえば清水香織プロが解説でお祓いのことに触れていたけど、効果あったの?(笑)」
池沢「お祓いね!(笑)効果は絶大だったよー!!お祓いについては色々と意見はあるかもしれないんだけど、私にとっては本当に効果が絶大で。モンドはもちろんだけど、他の対局にも効果が出ているなぁと思ったところはあったよーやっぱり麻雀の神様っているんだね!」
麻雀内容から話が変わると真面目な表情から一転。普段の無邪気な彼女に戻る。
 
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(話している最中も食べる手は止めない池沢プロ(笑))
高橋「じゃあ最後にプライベートのこと聞こうかな。」
池沢「ドキッ!(笑)」
高橋「そうだなー。インドア派?アウトドア派?」
池沢「インドア派!お日様苦手―…。雨戸を閉めて寝てて台風の状況に気付かなかったとかもよくある話だし。」
高橋「インドアって言っても何してるの?」
池沢「ゲームしたり、ゲーム実況見たり、テレビ見たり…インドアだね(笑)あ!でも最近、ゴルフ始めたんだ!早くコースデビューしてみたい!インドア派だけど、今も身体を動かすのが嫌いなわけじゃないからね!」
冗談っぽく笑いながらではあったが、プライベートの話をインタビューされるのは恥ずかしいらしく少し照れたように話してくれた。
池沢麻奈美プロが野口恭一郎賞を受賞して2年が経った。
彼女はタイトルホルダーとなってからたくさんのプレッシャーと闘ってきた。普段の明るさからは想像もつかないが、たまに出る弱音はきっと彼女の本音だ。
だが彼女は「麻雀プロとして結果で勝負をしたい」といつも口にしている。彼女の気持ちの強さこそが結果に表れているのだろう。
彼女をプロとして友として近くで見てきた。追いつきたい、追い越したい…そう思う度、彼女はまた一歩先に進んでしまう。
今はそれでいい。壁は大きいほうが良い。
彼女の強さを見てきたからこそ、彼女の素晴らしさを感じ、いつか越えたいと思う。
でも今は友として…
「まなみちゃん、優勝おめでとう!」
心からそう言いたい。
 
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2017年12月度道場ゲスト

[output_h2_image src=”/wp-content/uploads/hl_news_doujou_ll.jpg” alt=”日本プロ麻雀連盟 四ツ谷道場”]

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 12月ゲスト ~道場部~

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ゲスト/2017年12月度道場ゲスト

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 12月ゲスト ~道場部~

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2017年11月度道場ゲスト

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 11月ゲスト ~道場部~

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 11月講師 ~麻雀教室~

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 11月スタッフ ~道場部~

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 11月スタッフ ~麻雀教室~

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ゲスト/2017年11月度道場ゲスト

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 11月ゲスト ~道場部~

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 11月講師 ~麻雀教室~

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 11月スタッフ ~道場部~

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 11月スタッフ ~麻雀教室~

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第170回:第2期WRCリーグ優勝特別インタビュー 中川 基輝  インタビュアー:優月 みか

麻雀プロ3年目ながら第2期WRCリーグ優勝という輝かしいタイトルを手にした中川基輝プロ。

今回は、WRCリーグ実況として、一番近くで見守っていた私優月みかが優勝インタビューをさせていただきました!

さて、みなさん、中川プロの事どこまで知っていますか?

WRCリーグ決勝戦、最終戦ではその新人とは思えぬ落ち着いた打ち筋から、解説の瀬戸熊から
「この麻雀ならどこにでも出せますね。」とのお言葉が出ていました。

ただ、中川プロ自身についてはまだあまり知らない方も多いかと思います。
私も中川プロ本人のことは詳しく知らなかったです。

でもインタビューしてみて、思いました。

中川プロをもっともっと色んなメディアで見てみたい!

努力家で、謙虚なのに芯がある、なによりだれより麻雀が、麻雀プロが大好き!もはやマニアです。麻雀マニア。やばい。

今日はそんな中川プロの魅力を皆さまにお伝えできるよう、一生懸命書いていきますので是非お付き合いください!

まずはプロフィール。

日本プロ麻雀連盟31期生
年齢32歳
血液型A型
誕生日7/16
職業、会社員
出身、東京

さぁ、この簡単なプロフィールに中川プロの魅力を付け足していきましょう!

9月某日
都内の居酒屋にてインタビュー。

夏目坂で何度かお会いしているが、改めてインタビューさせてもらうとなんと腰の低い謙虚な方。
でも、逆にあんまり話すの得意じゃなかったらどうしようかなーとか悩んでいました。
その悩みはボイスレコーダーを開始した途端にふっとぶんですけどね。

さて、インタビュー開始!

まずありがちですがやっぱりこれ!

優月
プロになったきっかけはなんですか?

中川
最初になりたいと思ったのは大学生の時です。
麻雀を本格的に始めたのは大学生のときで、当時すごい強い友達がいてその子がモンドTVを見ていました。そこで初めてプロの麻雀をみました。すごいなと思いました。
当時は森山会長とか荒さんとかの時代だったんですけど、ほんとにすごいなと思って。こんな麻雀があるのかと。
でも当時は大学生だったので、自分強いとか思っちゃう頃じゃないですか?

優月
そうですね、ありますねそういう時期。笑
(なんや、めっちゃ喋ってくれるやん!)

中川
だから、そのころからプロになりたいなって気持ちはありました。
大学卒業のころにプロ試験を受けようと思ったんですけど、でも別の夢があったりして、違う仕事をしていました。
正直、そのころはほぼ麻雀をしてなかったんですけど、ずっとモンドを見たりしてました。
見るのはずっと好きだったんで見続けて、色んなプロをみて、すごいなすごいなって。見るのは楽しくて。

優月
へー。
(見るのがすごい好きなんだ!)

中川
で、そのあと仕事がかなり忙しくなってしまって。月に1、2回くらいしか麻雀をしてなくて。
大学生のころは自分が強いと思ってたのに、次第に自分は弱いなって思いはじめて。もう、プロを目指す気持ちはほぼなくなってました。
大学生のころからそこからいま32歳なんですけど、30歳までただ、みるだけのファンみたいな。
でも1回転職して、仕事がすごい楽になったんですよ。夜勤から昼になって。
おかげで麻雀を打つ時間が少しずつ増えて。そしたらすごく楽しくて。みるのも増やして。そしたらやっぱりプロになってみたくて。
でもプロに”なるのは”簡単だと思うんです。ただプロになってから”強くなる”のが大変だと思ってたんで。それで、プロになってみようと思いました。

優月
じゃあ、最初は俺強いわーから、無理だーってなって、やっぱなりたいってなったわけですね。(私語彙力ないなぁ…)

中川
そうですね。
でも、ちゃんとなろうと思ったのは30歳くらいだったんで。もう観察力とか色々だめになってて。やっぱ大学生の頃のが強いと思ってました。
で、プロテストとか一緒に受かった人とかのほうが全然強いなーーーって。

優月
えーー、謙虚ですねぇ。

中川
で、プロテストが終わる頃に、プロ活動のためにまた転職しました。

優月
また転職したんだ!プロになるために!

突発的にプロになろう!ってなる人も多いと思う。やってみて、挫折する人ももちろん多い世界だと思う。でも色々経験した上でやっぱりやりたいって思えた事って本気で向かい合うんじゃないかなって思う。
ずーっと好きだったものを仕事にする。素敵な事だなぁ。

優月
好きなプロ、目標にしているプロはいますか?

中川
…すんごくいっぱいいるんですよ。

優月
瀬戸熊プロの観戦記にも書いてあったと思うんですけど、その時は荒さんって答えてましたよね?

中川
そうですね、でもあえてあげるなら荒さんで。そのモンドを見てた時に衝撃を受けた方なんです。
荒さん実はその当時モンドで全然勝ってなかったんですよ。でも内容がすごくて。なんでこの内容で勝てないんだろうって。

優月
普通最初のころってとりあえず勝ってる人すげーーってなりがちですよね!

中川
そうなんですよ、でもなんでこの麻雀で勝てないんだろうって思って。
で、荒さんの本とかインタビューとかみて、そりゃ強いわと思って。
自分が体得してるかっていったらまだ出来てないけど、そういうところは意識してやってます。
だから、個人的は色んな好きな方の色んな部分を真似してるんです。すごく伝わりにくいと思いますけど。笑

優月
そうですね笑
みんなまだ中川プロのことをよくしらないから。

中川
そうなんです。ただ自分の色がない人みたいになってるけどからわかりづらいと思うんですけど、色々な場面でこの人の真似をしてるっていうのが自分の中ではあるんです。

優月
プロが、大好きなんですね?

中川
そうです。自団体他団体問わず。
すごい打ち方してる人がいたらその一部とかは真似したりしますね。
去年一昨年は特に、本当に映像対局を見てましたね。1日10時間とか。

優月
いまの若手の中でも、連盟チャンネルをすごーく見てる人ってどれくらいいるのかなって思うんです。仕事とかもあるし。
自分のプライベートな時間を全部麻雀見る時間にあててるっていうのは本当にすごいと思います。勉強熱心。

中川
僕、ほんとに好きなプロが多くて。
10人くらい真似してます。笑

優月
10人?!ちなみに誰ですか?全部教えてほしい笑

中川
荒さん。勝又さん。藤崎さん。前田さん。沢崎さん。白鳥さん。勘助さん。。。
最初は守備的に打っていて、
勘助さん、藤崎さん、前田さんを真似しました。
でも守備が強すぎて、負けてるところを見て、そこに攻撃的な人を真似していれてみたんです。最近の寿人さんとか。

優月
あーー、じゃあほんとに、色んな人の良いところを混ぜてみたいな?

中川
そうです、それの劣化版なんです私。笑

優月
劣化版って笑
いやでも劣化じゃなくて、ほんとに吸収して使いこなしたらやばい人になるじゃないですか。
色んなプロの集大成みたいな。

中川
そうですね、そうなりたいです。
強いプロでも、バランス悪くなっちゃってる時とかもあるじゃないですか?そういう時はこうしたらいいとか。そういうのも映像を見てると勉強になります。
あとは自分で打って強いと思った人はすぐ真似します。
それが沢崎さんです。
WRCの予選なんて、ほんとに色んな強い人と打てて。中でも一番強烈に印象に残ってるのが沢崎さんでした。
ほんとに強くて。沢崎さんだーって意識しすぎちゃったってのもあるんですけどそれにしても強いなーって。もとから打ち方みてて、すごいと思ってたんですけど。

優月
そうなんですね。(すごい分析してるなぁ…)

中川
解説の方とかもよく言われる、この人はこれ切りますねってやつ。あるじゃないですか?
あれ実は私もだいたいわかるんです。

優月
え!すごい!私全然わからないです。

中川
だいたいわかるんですけど、沢崎さんと近藤さんは本当に当てられないんです。
だから、そういうところも真似したいと思いました。

優月
今回の決勝メンツの方の麻雀も研究済みですか?

中川
そうですね、
まぁ、タイプがわかったところで私レベルじゃ対応はできなんですけどね笑
あと、ベスト16で内川さんが解説してくれてたと思うんですけど2位の人に辛く打つってやつ。
あれはまさに、その通りに意識してて。そこは白鳥さんを意識したんです。

 
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この局面、ベスト16の2回戦。
早いリーチを受けながらも下家の佐々木プロへ鳴かれないように丁寧にオリていた。
中川さんしっかりしていると、内川プロがピックアップしていました。
ここのオリ方は白鳥さんを降臨させていたそうです。

中川
ベスト8で白鳥さんに解説してもらえたのもすごく嬉しかったです。白鳥さんの意見が聞けるとおもって。

優月
それは嬉しいですねえ。。

中川
いま真似してると言った人って、すごく上の人だったんですけど同期とか直近の先輩とかでも強いと思ったところは取り入れてます。

優月
たとえば?

中川
松本さんですかね。いまD1です。同期の中では松本さんと相葉さんが出世頭なんです。あとまだD3ですけど江端さんと荒井君!
荒井君は麻雀格闘倶楽部で全国トップ10とかの人なんですよ。だから、そういう麻雀がすごくて。

江端さんは、ポーカーが強いんですよ。だからビジネス的なというか、デジタル的な考え。その辺も強いなーと思ってます。

優月
あー!ポーカー強い人って麻雀も強いイメージ。

中川
押し引きとか、点数とか期待値とか込み込みでやってるんで面白いですね。
だから一見普通の麻雀のプロからすると損かなって見えることも、得に見えてたりするところとかあって、そういう話とか聞くのもすごく楽しいです。

優月
本当に色んな物を取り入れる姿勢があるんですね!

中川
そうですね。だから色んな話も聞いて、いいところだけを吸収しています。

優月
んーーー、面白い!なんだか良いキャッチフレーズつけれそうですね!笑

中川
いや、このスタイル伝わりづらいでしょ?笑

優月
いやいや、なんか自分で、これがいいとかあります?

中川
自分で、、?なんかカッコ良くなくていいんです。コピー雀士みたいなやつでいいんです。

優月
あーー!写輪眼!写輪眼のモトキ!

中川
いやそれじゃめっちゃかっこいいじゃないですか。笑
コピーロボットとかでいいです。

優月
それはちょっとださい笑
ただコピー雀士っていないですね。新しい!

中川
でもまじで伝わらないと思います。見てても。いまここあの人だって。
自分では全部あるんですけど、誰にも伝わらないとおもいます。笑

みんな憧れのプロがいて、真似したり似せてみたりはあると思う。
でも中川さんみたいに堂々と、ここはこの人を真似しました!って言えるって映像を見て研究することに絶対の自信があるから言える事だと思うのです。すごい!

優月
決勝戦の中でも思い入れのある真似はありますか?

中川
あ、でも決勝は場況を意識してるんで、そういう意味では白鳥さんベースでした。

優月
ベースは白鳥さん!

中川
場況にあったことをする、その時の損得でみたいな。
その場況読みを間違えてる場面が自分の中でやらかしちゃってる部分なんです。
白鳥さん、勝又さんとか読みがすごすぎて間違えた時に失敗する場面とかたまーーに見るんですけど。
自分の場合は単純に場況の読み間違いです。一番後悔してるのは2回戦の三色逃したやつとか。

優月
あー123の三色の!!

決勝戦2回戦、東2局。

中川
三色逃しは単純に手順ミスなんですけど、強い心があれば三索六索でリーチにいけたんですが、場況悪いと思ってリーチにいけなくて。やらかし込み込みでオリました。
一番ひどいのは、3回戦で藤島さんに9,600打った局なんですけど。

優月
あー、一発消して鳴いて放銃の?

3回戦東4局
8巡目に親の藤島から七索の暗カンがはいり、

 
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11巡目に近藤からリーチが入る。

 
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次の巡目に暗カンをいれている藤島から2軒目のリーチがはいる。

 
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その宣言牌をチーして二索の放銃。

 
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という場面です。

中川
あれ、藤島さんカンした瞬間にテンパイしてると思ってて。
近藤さんも押してるのわかったから、警戒してたんですけど、どこからオリるかを間違えてて。
2人ともテンパイしてないと思えばもっと危険牌を先に切れたんですけど、カン入った瞬間から完全に受けてるんです。
結局リーチきたときにはもう全部危険牌で。
あれは手組み間違えたんですけど、危険牌を切るのをやめたのが早すぎたのがやらかし、失敗です。すごく反省してます。

優月
なるほど、そういう打牌だったんですね。

 
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中川
カンされてもうマンズの下と上と、近藤さんにソウズ。打てない。で、安全牌候補の東南をここで切っちゃうんです。
そのあと嫌だったマンズの下を打っちゃうんです。
で、藤島さんからリーチがきて仕掛けて一応自分もドラ3のイーシャンテンになるんで。

優月
どうせもう切る牌ない状態ですもんね?

中川
でももっと読めてれば先に打ててる手順もあるんで。三索五索とか。
こういうのを、4回戦のうちに2,3回やらかすんですけど、これが顕著に出てる局です。

優月
瀬戸熊さんも、解説でここは近藤さんに任せてもいいのにねって言ってましたね。

中川
はい、鳴きに関しては全く後悔してないんですけど、そこにいきつくまでの過程がダメすぎて。すごくよくなかったなって。

優月
あー、アガリたいアガリたいからブクブクにするーじゃなくて、早くオリたいオリたいだったんですね。

中川
はい、このバランスすごく後悔してます。めちゃくちゃ読み違えてる。
ベスト16でもベスト8でもやらかしてるんですけどこれが一番やばいです。

優月
視聴者の雰囲気的にも、近藤さんキターみたいなところでしたもんね。
でもそういう思考でやってたんですね。しゃしゃってアガリにいったわけでは無いと。
(しかしミスってひとことで言っても私が考える表面上のミスの話ではなかった!もっと深い意味でのミスだったのか!)

中川
伝わりにくいとおもうんですけど、そうなんです。
あ、あと決勝戦の1回戦目で藤島さんの一筒四筒止めた局とかもあるんですけど

決勝戦1回戦目東2局

 
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優月
あれすごかったですよね、あの巡目で2巡前に通ってた牌なのに。
放銃ですねー、、えっ??!って見てました笑

中川
はい、もうテンパイだと思ってオリました。そのために国士とかやってたんで。
あれは、沢崎さんと、あと久山さんの真似なんです。久山浩司プロ。
久山さんの話とか聞いてるとあれが当たるのは必然なんです。
瀬戸熊さんが解説で国士多いねって言ってたんですけど、自分の雀力だとそうしないと止められないんで、多くなります。

優月
公式ルールとWRCルールはどっちが得意なんですか?

中川
断然公式ルールですね。全然結果が出てないから説得力ないけど笑
裏ドラとか乗られるとキレそうになるし、自分が乗ると申し訳なくなります。笑

優月
申し訳ないんだ笑

中川
でも最終戦始まった時は逆転する気満々だったんです。東1局のリーチ合戦。放銃にならなかったからいけるって思いました。
自分、もってない人なんですよ。今回すごいついてたからアレだけど。
裏ドラとか絶対乗らないし。でも、今回はすごく良かったです。神社にお参りいったせいかな。

優月
でももう持ってる人です。大丈夫です(´・ω・`)

中川
まぁ、そのあとすぐのリーグ戦で上田プロにボコボコにされましたけど笑

優月
逆にもってる人ってどんな人だと思いますか?

中川
タテの手とかアガれる人とか、三暗刻とか。

優月
あー、七対子とか?

中川
いや七対子は違います。ニコにするのは出来るんです。

優月
ショボン(´・ω・`)
でも中川プロってデジタルな部分も兼ね備えてますよね。ハイブリット!

中川
いや、それは白鳥さんです、、笑

優月
そうか…(´・ω・`)

優月
タイトルをとって、まわりの反応とか違いとかありますか?

中川
あんまり、話したことないプロの方からおめでとうって言ってもらえて嬉しかったです。
この前松崎プロからおめでとうって言ってもらえました!ファンの方も、瀬戸熊プロの観戦記とか読んでくれた方とかからも。ほんとによかったです。
ツイッターとかでも。

優月
あの、観戦記!ほんと素敵でしたね!

中川
実は実感はまだなくて、きっとグランプリMAX出られたりとかしたら感動するんだろうなって思います。あと次のWRCはベスト16からなんで、そういう時に実感するんだろうなって。
一番感動したときは、終わってインタビュー待ってる時に藤島プロから握手を求めてもらって。。泣きそうでした。。
あとは、いじられ方が変わりました。もともと、いじられキャラなんですけど、タイトルホルダーだからなぁみたいないじられ方をされます。笑

優月
今後の活動目標は?

中川
やっぱりAリーガーにはなりたいです。
あと実況とか、プロテストの時に褒めてもらえて。それにプロテストの時の論文とかめちゃめちゃよく書けたって思いました!
やりたかった仕事がライターだったんです。
ほんとはサッカーの実況をしたくて、元監督とかが実況するんですけど、それ以外からだとライターからなれるので。

優月
ライターも実況も麻雀プロにあったら強い能力じゃないですか!
映像でインタビューの時とか下向いてることが多いから、てっきり映像系は苦手なのかと思ってました。

中川
はい、映像は苦手です、声だけでお願いします。笑

優月
じゃあ実況、やりましょうよ!
むしろプロに詳しい中川さんの実況めちゃめちゃ聞きたいです!実況してもらいたいし!

中川
そうですね、やってみたいです。

優月
では、どんなプロになりたいですか?

中川
難しいですね、今は真似する側なんで、真似される側になりたいです。

優月
中川プロに憧れてプロになりました!とか言われたらすごい嬉しいですね。

優月
唐突ですけど、趣味は?

中川
めっちゃあります。サッカー観戦、映画、ラーメン、本、漫画、ゲームもします。たぶん全部すごく詳しいです笑

優月
オタク気質なんですね?極めないと気が済まないって大変ですね。休日はその趣味とかを?

中川
あ、でも買い物行ったりライブ行ったり、美術館行ったりもします。

優月
アクティブな面もあるんですね!

そんなわけで、まとめ!

中川プロプロフィール

年齢32歳
血液型A型
誕生日7/16
職業、会社員
出身、東京

プロになったきっかけ
大学生の時にモンドで見たプロに憧れて。

憧れているプロ
いっぱい。語り出したら止まらないレベル。

映像対局をすごく見る。好き。
1週間10時間以上とか見てるころも。

同世代で仲がいいのは?
松本 裕也プロ
相場 雄大プロ
荒井 裕太プロ
江端 隼プロ

スタイルは?
臨機応変。公式ルールは守備型。
色んな人の良いところを取り入れていくスタイル。

今後の活動目標
Aリーガー。実況、ライター、なんでもやります。でも映像は苦手。

趣味
多趣味なのに全部極めがち。
オタク気質。

タイトルをとって変わったこと
いじられ方。

希望のキャッチコピー
コピーロボット

冒頭で、話すの苦手だったらどうしようとか思ってた私おつ。
ボイスレコーダーを聞いてみたら私ほとんど喋ってない。中川さんめっちゃ語る。
しかも中川さんのインタビューなのに、他のプロの名前が常に出てくる。
自分以外のプロのすごさめっちゃ語ってくる。どんだけ好きなの。

書ききれてないけど本当はもっとたくさんのプロの話が出てきます。

でも謙虚。なのに、自分の芯や意見をしっかり持っていました。
それはきっと、努力からの自信だったりなんだろうな。
自信を持って言えるほどの努力をしてきた人物。自分にも厳しいから謙虚。
そして、努力に結果もついてくる”持ってる”人。

まだプロになって3年目です。
ただ30歳でプロになるまでに映像をたくさんみて憧れて、その気持ちも強さのひとつなのでしょう。

そんな中川プロ、もっと世に出て欲しい!みんなに知ってほしい!
きっと、これからも沢山活躍してくれる、その活躍を見たい。
話しているとそんな気持ちになりました。

マニアの彼ならではの観点から、実況も聞いてみたいし、元ライター志望の方の観戦記やレポート、読んでみたいと思いませんか?
もちろん色んなプロの良いところをコピーするという麻雀スタイルも気になっちゃうでしょ?

というわけで是非みなさま、
中川プロを推していきましょう!

中川プロの今後に乞うご期待!
長文を読んでいただきありがとうございました!

プロ雀士インタビュー/第170回:第2期WRCリーグ優勝特別インタビュー 中川 基輝  インタビュアー:優月 みか

麻雀プロ3年目ながら第2期WRCリーグ優勝という輝かしいタイトルを手にした中川基輝プロ。
今回は、WRCリーグ実況として、一番近くで見守っていた私優月みかが優勝インタビューをさせていただきました!
さて、みなさん、中川プロの事どこまで知っていますか?
WRCリーグ決勝戦、最終戦ではその新人とは思えぬ落ち着いた打ち筋から、解説の瀬戸熊から
「この麻雀ならどこにでも出せますね。」とのお言葉が出ていました。
ただ、中川プロ自身についてはまだあまり知らない方も多いかと思います。
私も中川プロ本人のことは詳しく知らなかったです。
でもインタビューしてみて、思いました。
中川プロをもっともっと色んなメディアで見てみたい!
努力家で、謙虚なのに芯がある、なによりだれより麻雀が、麻雀プロが大好き!もはやマニアです。麻雀マニア。やばい。
今日はそんな中川プロの魅力を皆さまにお伝えできるよう、一生懸命書いていきますので是非お付き合いください!
まずはプロフィール。
日本プロ麻雀連盟31期生
年齢32歳
血液型A型
誕生日7/16
職業、会社員
出身、東京
さぁ、この簡単なプロフィールに中川プロの魅力を付け足していきましょう!
9月某日
都内の居酒屋にてインタビュー。
夏目坂で何度かお会いしているが、改めてインタビューさせてもらうとなんと腰の低い謙虚な方。
でも、逆にあんまり話すの得意じゃなかったらどうしようかなーとか悩んでいました。
その悩みはボイスレコーダーを開始した途端にふっとぶんですけどね。
さて、インタビュー開始!
まずありがちですがやっぱりこれ!
優月
プロになったきっかけはなんですか?
中川
最初になりたいと思ったのは大学生の時です。
麻雀を本格的に始めたのは大学生のときで、当時すごい強い友達がいてその子がモンドTVを見ていました。そこで初めてプロの麻雀をみました。すごいなと思いました。
当時は森山会長とか荒さんとかの時代だったんですけど、ほんとにすごいなと思って。こんな麻雀があるのかと。
でも当時は大学生だったので、自分強いとか思っちゃう頃じゃないですか?

優月
そうですね、ありますねそういう時期。笑
(なんや、めっちゃ喋ってくれるやん!)
中川
だから、そのころからプロになりたいなって気持ちはありました。
大学卒業のころにプロ試験を受けようと思ったんですけど、でも別の夢があったりして、違う仕事をしていました。
正直、そのころはほぼ麻雀をしてなかったんですけど、ずっとモンドを見たりしてました。
見るのはずっと好きだったんで見続けて、色んなプロをみて、すごいなすごいなって。見るのは楽しくて。

優月
へー。
(見るのがすごい好きなんだ!)
中川
で、そのあと仕事がかなり忙しくなってしまって。月に1、2回くらいしか麻雀をしてなくて。
大学生のころは自分が強いと思ってたのに、次第に自分は弱いなって思いはじめて。もう、プロを目指す気持ちはほぼなくなってました。
大学生のころからそこからいま32歳なんですけど、30歳までただ、みるだけのファンみたいな。
でも1回転職して、仕事がすごい楽になったんですよ。夜勤から昼になって。
おかげで麻雀を打つ時間が少しずつ増えて。そしたらすごく楽しくて。みるのも増やして。そしたらやっぱりプロになってみたくて。
でもプロに”なるのは”簡単だと思うんです。ただプロになってから”強くなる”のが大変だと思ってたんで。それで、プロになってみようと思いました。

優月
じゃあ、最初は俺強いわーから、無理だーってなって、やっぱなりたいってなったわけですね。(私語彙力ないなぁ…)
中川
そうですね。
でも、ちゃんとなろうと思ったのは30歳くらいだったんで。もう観察力とか色々だめになってて。やっぱ大学生の頃のが強いと思ってました。
で、プロテストとか一緒に受かった人とかのほうが全然強いなーーーって。

優月
えーー、謙虚ですねぇ。
中川
で、プロテストが終わる頃に、プロ活動のためにまた転職しました。

優月
また転職したんだ!プロになるために!
突発的にプロになろう!ってなる人も多いと思う。やってみて、挫折する人ももちろん多い世界だと思う。でも色々経験した上でやっぱりやりたいって思えた事って本気で向かい合うんじゃないかなって思う。
ずーっと好きだったものを仕事にする。素敵な事だなぁ。
優月
好きなプロ、目標にしているプロはいますか?
中川
…すんごくいっぱいいるんですよ。

優月
瀬戸熊プロの観戦記にも書いてあったと思うんですけど、その時は荒さんって答えてましたよね?
中川
そうですね、でもあえてあげるなら荒さんで。そのモンドを見てた時に衝撃を受けた方なんです。
荒さん実はその当時モンドで全然勝ってなかったんですよ。でも内容がすごくて。なんでこの内容で勝てないんだろうって。

優月
普通最初のころってとりあえず勝ってる人すげーーってなりがちですよね!
中川
そうなんですよ、でもなんでこの麻雀で勝てないんだろうって思って。
で、荒さんの本とかインタビューとかみて、そりゃ強いわと思って。
自分が体得してるかっていったらまだ出来てないけど、そういうところは意識してやってます。
だから、個人的は色んな好きな方の色んな部分を真似してるんです。すごく伝わりにくいと思いますけど。笑

優月
そうですね笑
みんなまだ中川プロのことをよくしらないから。
中川
そうなんです。ただ自分の色がない人みたいになってるけどからわかりづらいと思うんですけど、色々な場面でこの人の真似をしてるっていうのが自分の中ではあるんです。

優月
プロが、大好きなんですね?
中川
そうです。自団体他団体問わず。
すごい打ち方してる人がいたらその一部とかは真似したりしますね。
去年一昨年は特に、本当に映像対局を見てましたね。1日10時間とか。

優月
いまの若手の中でも、連盟チャンネルをすごーく見てる人ってどれくらいいるのかなって思うんです。仕事とかもあるし。
自分のプライベートな時間を全部麻雀見る時間にあててるっていうのは本当にすごいと思います。勉強熱心。
中川
僕、ほんとに好きなプロが多くて。
10人くらい真似してます。笑

優月
10人?!ちなみに誰ですか?全部教えてほしい笑
中川
荒さん。勝又さん。藤崎さん。前田さん。沢崎さん。白鳥さん。勘助さん。。。
最初は守備的に打っていて、
勘助さん、藤崎さん、前田さんを真似しました。
でも守備が強すぎて、負けてるところを見て、そこに攻撃的な人を真似していれてみたんです。最近の寿人さんとか。

優月
あーー、じゃあほんとに、色んな人の良いところを混ぜてみたいな?
中川
そうです、それの劣化版なんです私。笑

優月
劣化版って笑
いやでも劣化じゃなくて、ほんとに吸収して使いこなしたらやばい人になるじゃないですか。
色んなプロの集大成みたいな。
中川
そうですね、そうなりたいです。
強いプロでも、バランス悪くなっちゃってる時とかもあるじゃないですか?そういう時はこうしたらいいとか。そういうのも映像を見てると勉強になります。
あとは自分で打って強いと思った人はすぐ真似します。
それが沢崎さんです。
WRCの予選なんて、ほんとに色んな強い人と打てて。中でも一番強烈に印象に残ってるのが沢崎さんでした。
ほんとに強くて。沢崎さんだーって意識しすぎちゃったってのもあるんですけどそれにしても強いなーって。もとから打ち方みてて、すごいと思ってたんですけど。

優月
そうなんですね。(すごい分析してるなぁ…)
中川
解説の方とかもよく言われる、この人はこれ切りますねってやつ。あるじゃないですか?
あれ実は私もだいたいわかるんです。

優月
え!すごい!私全然わからないです。
中川
だいたいわかるんですけど、沢崎さんと近藤さんは本当に当てられないんです。
だから、そういうところも真似したいと思いました。

優月
今回の決勝メンツの方の麻雀も研究済みですか?
中川
そうですね、
まぁ、タイプがわかったところで私レベルじゃ対応はできなんですけどね笑
あと、ベスト16で内川さんが解説してくれてたと思うんですけど2位の人に辛く打つってやつ。
あれはまさに、その通りに意識してて。そこは白鳥さんを意識したんです。

 
100
 
この局面、ベスト16の2回戦。
早いリーチを受けながらも下家の佐々木プロへ鳴かれないように丁寧にオリていた。
中川さんしっかりしていると、内川プロがピックアップしていました。
ここのオリ方は白鳥さんを降臨させていたそうです。
中川
ベスト8で白鳥さんに解説してもらえたのもすごく嬉しかったです。白鳥さんの意見が聞けるとおもって。

優月
それは嬉しいですねえ。。
中川
いま真似してると言った人って、すごく上の人だったんですけど同期とか直近の先輩とかでも強いと思ったところは取り入れてます。

優月
たとえば?
中川
松本さんですかね。いまD1です。同期の中では松本さんと相葉さんが出世頭なんです。あとまだD3ですけど江端さんと荒井君!
荒井君は麻雀格闘倶楽部で全国トップ10とかの人なんですよ。だから、そういう麻雀がすごくて。

江端さんは、ポーカーが強いんですよ。だからビジネス的なというか、デジタル的な考え。その辺も強いなーと思ってます。
優月
あー!ポーカー強い人って麻雀も強いイメージ。
中川
押し引きとか、点数とか期待値とか込み込みでやってるんで面白いですね。
だから一見普通の麻雀のプロからすると損かなって見えることも、得に見えてたりするところとかあって、そういう話とか聞くのもすごく楽しいです。

優月
本当に色んな物を取り入れる姿勢があるんですね!
中川
そうですね。だから色んな話も聞いて、いいところだけを吸収しています。

優月
んーーー、面白い!なんだか良いキャッチフレーズつけれそうですね!笑
中川
いや、このスタイル伝わりづらいでしょ?笑

優月
いやいや、なんか自分で、これがいいとかあります?
中川
自分で、、?なんかカッコ良くなくていいんです。コピー雀士みたいなやつでいいんです。

優月
あーー!写輪眼!写輪眼のモトキ!
中川
いやそれじゃめっちゃかっこいいじゃないですか。笑
コピーロボットとかでいいです。

優月
それはちょっとださい笑
ただコピー雀士っていないですね。新しい!
中川
でもまじで伝わらないと思います。見てても。いまここあの人だって。
自分では全部あるんですけど、誰にも伝わらないとおもいます。笑

みんな憧れのプロがいて、真似したり似せてみたりはあると思う。
でも中川さんみたいに堂々と、ここはこの人を真似しました!って言えるって映像を見て研究することに絶対の自信があるから言える事だと思うのです。すごい!
優月
決勝戦の中でも思い入れのある真似はありますか?
中川
あ、でも決勝は場況を意識してるんで、そういう意味では白鳥さんベースでした。

優月
ベースは白鳥さん!
中川
場況にあったことをする、その時の損得でみたいな。
その場況読みを間違えてる場面が自分の中でやらかしちゃってる部分なんです。
白鳥さん、勝又さんとか読みがすごすぎて間違えた時に失敗する場面とかたまーーに見るんですけど。
自分の場合は単純に場況の読み間違いです。一番後悔してるのは2回戦の三色逃したやつとか。

優月
あー123の三色の!!
決勝戦2回戦、東2局。
中川
三色逃しは単純に手順ミスなんですけど、強い心があれば三索六索でリーチにいけたんですが、場況悪いと思ってリーチにいけなくて。やらかし込み込みでオリました。
一番ひどいのは、3回戦で藤島さんに9,600打った局なんですけど。

優月
あー、一発消して鳴いて放銃の?
3回戦東4局
8巡目に親の藤島から七索の暗カンがはいり、
 
100
 
11巡目に近藤からリーチが入る。
 
100
 
次の巡目に暗カンをいれている藤島から2軒目のリーチがはいる。
 
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その宣言牌をチーして二索の放銃。
 
100
 
という場面です。
中川
あれ、藤島さんカンした瞬間にテンパイしてると思ってて。
近藤さんも押してるのわかったから、警戒してたんですけど、どこからオリるかを間違えてて。
2人ともテンパイしてないと思えばもっと危険牌を先に切れたんですけど、カン入った瞬間から完全に受けてるんです。
結局リーチきたときにはもう全部危険牌で。
あれは手組み間違えたんですけど、危険牌を切るのをやめたのが早すぎたのがやらかし、失敗です。すごく反省してます。

優月
なるほど、そういう打牌だったんですね。
 
100
 
中川
カンされてもうマンズの下と上と、近藤さんにソウズ。打てない。で、安全牌候補の東南をここで切っちゃうんです。
そのあと嫌だったマンズの下を打っちゃうんです。
で、藤島さんからリーチがきて仕掛けて一応自分もドラ3のイーシャンテンになるんで。

優月
どうせもう切る牌ない状態ですもんね?
中川
でももっと読めてれば先に打ててる手順もあるんで。三索五索とか。
こういうのを、4回戦のうちに2,3回やらかすんですけど、これが顕著に出てる局です。

優月
瀬戸熊さんも、解説でここは近藤さんに任せてもいいのにねって言ってましたね。
中川
はい、鳴きに関しては全く後悔してないんですけど、そこにいきつくまでの過程がダメすぎて。すごくよくなかったなって。

優月
あー、アガリたいアガリたいからブクブクにするーじゃなくて、早くオリたいオリたいだったんですね。
中川
はい、このバランスすごく後悔してます。めちゃくちゃ読み違えてる。
ベスト16でもベスト8でもやらかしてるんですけどこれが一番やばいです。

優月
視聴者の雰囲気的にも、近藤さんキターみたいなところでしたもんね。
でもそういう思考でやってたんですね。しゃしゃってアガリにいったわけでは無いと。
(しかしミスってひとことで言っても私が考える表面上のミスの話ではなかった!もっと深い意味でのミスだったのか!)
中川
伝わりにくいとおもうんですけど、そうなんです。
あ、あと決勝戦の1回戦目で藤島さんの一筒四筒止めた局とかもあるんですけど

決勝戦1回戦目東2局
 
100
 
 
100
 
優月
あれすごかったですよね、あの巡目で2巡前に通ってた牌なのに。
放銃ですねー、、えっ??!って見てました笑
中川
はい、もうテンパイだと思ってオリました。そのために国士とかやってたんで。
あれは、沢崎さんと、あと久山さんの真似なんです。久山浩司プロ。
久山さんの話とか聞いてるとあれが当たるのは必然なんです。
瀬戸熊さんが解説で国士多いねって言ってたんですけど、自分の雀力だとそうしないと止められないんで、多くなります。

優月
公式ルールとWRCルールはどっちが得意なんですか?
中川
断然公式ルールですね。全然結果が出てないから説得力ないけど笑
裏ドラとか乗られるとキレそうになるし、自分が乗ると申し訳なくなります。笑

優月
申し訳ないんだ笑
中川
でも最終戦始まった時は逆転する気満々だったんです。東1局のリーチ合戦。放銃にならなかったからいけるって思いました。
自分、もってない人なんですよ。今回すごいついてたからアレだけど。
裏ドラとか絶対乗らないし。でも、今回はすごく良かったです。神社にお参りいったせいかな。

優月
でももう持ってる人です。大丈夫です(´・ω・`)
中川
まぁ、そのあとすぐのリーグ戦で上田プロにボコボコにされましたけど笑

優月
逆にもってる人ってどんな人だと思いますか?
中川
タテの手とかアガれる人とか、三暗刻とか。

優月
あー、七対子とか?
中川
いや七対子は違います。ニコにするのは出来るんです。

優月
ショボン(´・ω・`)
でも中川プロってデジタルな部分も兼ね備えてますよね。ハイブリット!
中川
いや、それは白鳥さんです、、笑

優月
そうか…(´・ω・`)
優月
タイトルをとって、まわりの反応とか違いとかありますか?
中川
あんまり、話したことないプロの方からおめでとうって言ってもらえて嬉しかったです。
この前松崎プロからおめでとうって言ってもらえました!ファンの方も、瀬戸熊プロの観戦記とか読んでくれた方とかからも。ほんとによかったです。
ツイッターとかでも。

優月
あの、観戦記!ほんと素敵でしたね!
中川
実は実感はまだなくて、きっとグランプリMAX出られたりとかしたら感動するんだろうなって思います。あと次のWRCはベスト16からなんで、そういう時に実感するんだろうなって。
一番感動したときは、終わってインタビュー待ってる時に藤島プロから握手を求めてもらって。。泣きそうでした。。
あとは、いじられ方が変わりました。もともと、いじられキャラなんですけど、タイトルホルダーだからなぁみたいないじられ方をされます。笑

優月
今後の活動目標は?
中川
やっぱりAリーガーにはなりたいです。
あと実況とか、プロテストの時に褒めてもらえて。それにプロテストの時の論文とかめちゃめちゃよく書けたって思いました!
やりたかった仕事がライターだったんです。
ほんとはサッカーの実況をしたくて、元監督とかが実況するんですけど、それ以外からだとライターからなれるので。

優月
ライターも実況も麻雀プロにあったら強い能力じゃないですか!
映像でインタビューの時とか下向いてることが多いから、てっきり映像系は苦手なのかと思ってました。
中川
はい、映像は苦手です、声だけでお願いします。笑

優月
じゃあ実況、やりましょうよ!
むしろプロに詳しい中川さんの実況めちゃめちゃ聞きたいです!実況してもらいたいし!
中川
そうですね、やってみたいです。

優月
では、どんなプロになりたいですか?
中川
難しいですね、今は真似する側なんで、真似される側になりたいです。

優月
中川プロに憧れてプロになりました!とか言われたらすごい嬉しいですね。
優月
唐突ですけど、趣味は?
中川
めっちゃあります。サッカー観戦、映画、ラーメン、本、漫画、ゲームもします。たぶん全部すごく詳しいです笑

優月
オタク気質なんですね?極めないと気が済まないって大変ですね。休日はその趣味とかを?
中川
あ、でも買い物行ったりライブ行ったり、美術館行ったりもします。

優月
アクティブな面もあるんですね!
そんなわけで、まとめ!
中川プロプロフィール
年齢32歳
血液型A型
誕生日7/16
職業、会社員
出身、東京
プロになったきっかけ
大学生の時にモンドで見たプロに憧れて。
憧れているプロ
いっぱい。語り出したら止まらないレベル。
映像対局をすごく見る。好き。
1週間10時間以上とか見てるころも。
同世代で仲がいいのは?
松本 裕也プロ
相場 雄大プロ
荒井 裕太プロ
江端 隼プロ
スタイルは?
臨機応変。公式ルールは守備型。
色んな人の良いところを取り入れていくスタイル。
今後の活動目標
Aリーガー。実況、ライター、なんでもやります。でも映像は苦手。
趣味
多趣味なのに全部極めがち。
オタク気質。
タイトルをとって変わったこと
いじられ方。
希望のキャッチコピー
コピーロボット
冒頭で、話すの苦手だったらどうしようとか思ってた私おつ。
ボイスレコーダーを聞いてみたら私ほとんど喋ってない。中川さんめっちゃ語る。
しかも中川さんのインタビューなのに、他のプロの名前が常に出てくる。
自分以外のプロのすごさめっちゃ語ってくる。どんだけ好きなの。
書ききれてないけど本当はもっとたくさんのプロの話が出てきます。
でも謙虚。なのに、自分の芯や意見をしっかり持っていました。
それはきっと、努力からの自信だったりなんだろうな。
自信を持って言えるほどの努力をしてきた人物。自分にも厳しいから謙虚。
そして、努力に結果もついてくる”持ってる”人。
まだプロになって3年目です。
ただ30歳でプロになるまでに映像をたくさんみて憧れて、その気持ちも強さのひとつなのでしょう。
そんな中川プロ、もっと世に出て欲しい!みんなに知ってほしい!
きっと、これからも沢山活躍してくれる、その活躍を見たい。
話しているとそんな気持ちになりました。
マニアの彼ならではの観点から、実況も聞いてみたいし、元ライター志望の方の観戦記やレポート、読んでみたいと思いませんか?
もちろん色んなプロの良いところをコピーするという麻雀スタイルも気になっちゃうでしょ?
というわけで是非みなさま、
中川プロを推していきましょう!
中川プロの今後に乞うご期待!
長文を読んでいただきありがとうございました!

第15期プロクイーン決定戦最終日観戦記 白鳥 翔

9回戦 起家から 山脇 清水 宮内 魚谷

最終日を迎えて先頭を走る西嶋は+126.6P、宮内、清水は200P差で後は大きい4トップ条件だがかなり厳しい。が、10回戦終了時最下位の者はそこで敗退。敗退を免れればほんのわずかな優勝の可能性は残るが、敗退してしまっては優勝できない。どうするのか、と見ていると宮内が東1局からその答えを提示した。

 

100

 

清水から出た2枚目の東を当たらずツモ山にスッと手を伸ばした。
宮内が見ているのは「敗退を避ける」ことではなく「敗退の可能性は上がるが少しでも優勝の可能性を上げる」方だった。確かにこれだけポイント差が開いていると、今抜け番の西嶋だけではなく山脇、魚谷の両者もかわさなくてはならない。その為どうにか2着に清水、他の2人に3着、4着を押し付けたい。そうしないと優勝できない位置まできてしまっているということだ。
残りのアガリ牌一索は山に2枚生きていたがこの局は魚谷がヤミテンで300・500のツモアガリ。
しかし対局を見ている人達に宮内の意志を魅せるには十分な一局だっただろう。

 

100

 

東2局には宮内、3,000・6,000のツモアガリでトップ目に立ちここからというところだったが、この半荘凄かったのは魚谷。

 

100

 

ここから躊躇なく六索をポンすると、1シャンテンの山脇からすぐに東が打たれてこれもポンしてすぐにテンパイ。七万八万と引いてあっというまの4,000オールに仕上げた。
次局は簡単な4,100オールをツモると、次局が圧巻。

 

100

 

終盤リーチのみのこの形で追いかけると清水から一発で討ち取り裏が2枚でまたしても満貫のアガリとなった。
南3局に意地で4本場まで積んだ宮内だったが、南4局ではまたも魚谷が大連荘。
ドラドラの難しい手牌をフリテン含みに受け、見事つツモって正解を導くと裏が3枚乗って6,000オール。

更に、

 

100

 

ラス牌のドラを一発でツモってもう一度親の跳満をアガリ、なんと10本場まで到達。
タンピンドラ1のリーチを打ち今回も決まるかと思ったが、かなり素点を削られていた山脇が満貫をアガリ終了。
なんと80Pあった差を一気に詰め魚谷がトータルトップ目に立った。

 

100

 

9回戦終了
魚谷+92.3P 宮内+5.2P 山脇▲26.6P 清水▲70.9P

9回線終了時
魚谷+139.5P 西嶋+126.6P 山脇+33.0P 宮内▲110.8P 清水▲188.4P

 

10回戦 起家から 魚谷 宮内 西嶋 山脇
西嶋からタンピンドラ1のリーチが入るもまずは山脇がかわして1,000点のアガリ。山脇はこの回を入れて残り3半荘、直接対決とはいえ2人を抜かなければいけない為この様な高い手を潰すアガリは非常に大きい。
東2局、親の宮内からの先制リーチ。他3者は打ってしまえば自分が脱落という状況になりかねない為、非常にいきづらい局面だ。が、そこに魚谷からリーチ。先程の理由からよっぽどの手ではないと親の宮内にはリーチといかないはずである。
そこに対して西嶋。

 

100

 

三万、と1シャンテンからまっすぐぶつけると、ここから六索を打ってのヤミテン選択。次巡九筒を引きアガって400・700。ここが勝負所と感じたか、攻め抜いてきっちりアガリをモノにした。
その後は小さい点棒移動で局が進み、南2局。

 

100

 

魚谷がここからライバル西嶋に5,200の放銃。現物は七索六索がありドラも見えていない。自身の手形と残り巡目、更に山脇もきているということを考えるといつもの魚谷ならあっさりオリを選択していたと思う。3日間を通してファインプレーも多かった魚谷だが、ここでようやくミスらしいミスが出た気がした。
結果的にこの放銃が痛恨となってしまい、西嶋がトップ、魚谷がラスでこの半荘が終わった。
そして、この回抜け番だった清水が途中敗退となった。

 

100

 

10回戦終了
西嶋+20.1P 山脇+6.6P 宮内▲6.3P 魚谷▲20.4P

10回戦終了時
西嶋+146.7P 魚谷+119.1P 山脇+39.6P 宮内▲117.1P 清水▲188.4P

 

11回戦 起家から 西嶋 宮内 魚谷 山脇
東1局、

 

100

 

まずは西嶋が親でピンフの先制リーチを打つと魚谷が追いついて、こちらもピンフのみをヤミテン。
待ちには自信があるが自身の打点が高くなる可能性があること、更に脇からこぼれる可能性もある為ここはしっかりと西嶋の親の流すことを優先した。
そこに山脇が追いついてリーチ。こうなると待ちに自信がある為、躊躇なくツモ切りリーチといった。
結果は裏は乗らないものの西嶋から一発で出て最高の結果に。

東3局は山脇、

 

100

 

魚谷のリーチに三筒一索八万と無筋を連打。宮内から安いはずのないリーチが入るも3人目で追いかけて、宮内からアガリをもぎ取った。

 

100

 

東4局は西嶋が素晴らしかった。

 

100

 

魚谷のリーチにこれ以上加点させまいと、役無しカンチャンテンパイから七索九索と押して三万をツモ。

 

100

 

もう今期のプロクイーンも終盤、3者の好プレーが出る中明暗を分けたのは南1局。

 

100

 

ピンズ、マンズでの手替りもあり役ありながら魚谷はリーチに踏み切った。
タンヤオのみでアガってしまうよりツモって裏ドラが1枚乗ったりすれば西嶋に大ダメージを与えることができる。
サッと流すのはヤミテンだということは百も承知だが、六筒八筒と引いて目に見えたアガリ逃しがあった後宮内から追いかけリーチが入り一発で跳満の放銃になってしまった。これで一気にラス目になった魚谷、その後は挽回することが出来ずラスのまま。山脇はトップを取り最終戦に望みを繋いだ。

11回戦終了
山脇+27.6P 宮内+9.5P 西嶋▲10.5P 魚谷▲26.6P

11回戦終了時
西嶋+136.2P 魚谷+92.5P 山脇+67.2P 宮内▲107.6P

 

最終12回戦 起家から 魚谷 山脇 宮内 西嶋
西嶋と魚谷の差は43.7P。西嶋と山脇の差は69.0P。
1着順で10Pの差がつくので現実的な差だ。

開局の親番でいきなり魚谷が決める。

 

100

 

ファーストテンパイはカン四万のタンヤオ、イーペーコー、ドラ3。ツモれば跳満のテンパイだ。
しかし雀頭の四索をポンして待ち変え。すぐに八万を引きアガって4,000オールのアガリとなった。このあたりの判断は流石だ。

更に次局、山脇の勝負リーチにペン三万のドラ1テンパイで追いつくと迷わずリーチ。一発で山脇から三万が出て裏ドラ1枚でまたも満貫のアガリ。これで一気に西嶋に並んだ。
親で山脇が6,000オール、宮内が山脇から12,000とアガリ、西嶋がラス目に。東3局を迎えた時点では魚谷とのトップラスを決められ西嶋が捲くられていた。
宮内が親番で粘るが3本場、西嶋ドラポンからの値千金の2,000・4,000の引きアガリ!
ここへきて西嶋の判断が更に冴え渡る。

 

100

 

ここからノータイムのドラツモ切り。満貫は喉から手が出る程欲しいが、現状のリードとアガリやすさ、魚谷が親番であることを考えると最善の選択であったように思う。すぐに魚谷から八筒が打たれて3,900のアガリ。
しかし次局、この3日間の対局の中で最大の試練が西嶋を襲う。

 

100

 

魚谷からのリーチに手詰まり。普通は北を打って放銃になるだろう。
実際西嶋も北に手がかかりそうだったが、考え抜いて打九索。これまで磨いてきた自分の感覚を信じ切った。
結果は魚谷がツモって3,000・6,000。しかし放銃していた場合はラス落ちしてしまうので状況は全く異なる。
次局は自らアガって局を進め、最終局ノーテンでそっと手を伏せ西嶋が初のビッグタイトル獲得となった。

12回戦終了
宮内+41.3P 魚谷+13.4P 西嶋▲18.7P 山脇▲38.0P

12戦終了時
西嶋+119.5P 魚谷+105.9P 山脇+29.2P 宮内▲66.3P

今期のプロクイーン全ての対局を見て改めて女流全体のレベルが上がっているなと感じた。完全に私見であるが、細かい技術や牌理などはまだ男子プロの方が上だと思う。しかし、ここ一番の勝負所を的確に捉えて、「打ったら終わり」の様な一牌を打ちだせる強さがタイトルを獲得する女流プロには備わっている様に思える。
しかし感情のコントロールは本当に難しい。恐らく魚谷はかなり前のめりにいこうとこの最終日を戦ったはずだ。だが、半荘1回目でトップ目に立ってからはそれを抑えても良かったかもしれない。10回戦目以降に適度に心のブレーキを踏めなかったことが魚谷の敗因なのではないかと思う。本当に、本当に難しいのだが。
その点、西嶋は優れていたと思う。技術では、清水、宮内、魚谷に及ばないのは百も承知だっただろう。しかしメンタル面での対局の臨み方は1番だったんだろうと思うし、感覚に委ねられる強さもあった。

西嶋は音楽家らしい。勝負にいった時はアガリ、相手のロン牌はとめる。そんな魔法の様な麻雀に「牌の音が聞こえているんじゃないの?」なんて私の周りでは言われていた。その見ている人を惹きつける麻雀をこれからも見せて欲しい。

西嶋さん、初タイトルおめでとうございます!

 

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プロクイーン決定戦 決勝観戦記/第15期プロクイーン決定戦最終日観戦記 白鳥 翔

9回戦 起家から 山脇 清水 宮内 魚谷
最終日を迎えて先頭を走る西嶋は+126.6P、宮内、清水は200P差で後は大きい4トップ条件だがかなり厳しい。が、10回戦終了時最下位の者はそこで敗退。敗退を免れればほんのわずかな優勝の可能性は残るが、敗退してしまっては優勝できない。どうするのか、と見ていると宮内が東1局からその答えを提示した。
 
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清水から出た2枚目の東を当たらずツモ山にスッと手を伸ばした。
宮内が見ているのは「敗退を避ける」ことではなく「敗退の可能性は上がるが少しでも優勝の可能性を上げる」方だった。確かにこれだけポイント差が開いていると、今抜け番の西嶋だけではなく山脇、魚谷の両者もかわさなくてはならない。その為どうにか2着に清水、他の2人に3着、4着を押し付けたい。そうしないと優勝できない位置まできてしまっているということだ。
残りのアガリ牌一索は山に2枚生きていたがこの局は魚谷がヤミテンで300・500のツモアガリ。
しかし対局を見ている人達に宮内の意志を魅せるには十分な一局だっただろう。
 
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東2局には宮内、3,000・6,000のツモアガリでトップ目に立ちここからというところだったが、この半荘凄かったのは魚谷。
 
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ここから躊躇なく六索をポンすると、1シャンテンの山脇からすぐに東が打たれてこれもポンしてすぐにテンパイ。七万八万と引いてあっというまの4,000オールに仕上げた。
次局は簡単な4,100オールをツモると、次局が圧巻。
 
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終盤リーチのみのこの形で追いかけると清水から一発で討ち取り裏が2枚でまたしても満貫のアガリとなった。
南3局に意地で4本場まで積んだ宮内だったが、南4局ではまたも魚谷が大連荘。
ドラドラの難しい手牌をフリテン含みに受け、見事つツモって正解を導くと裏が3枚乗って6,000オール。
更に、
 
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ラス牌のドラを一発でツモってもう一度親の跳満をアガリ、なんと10本場まで到達。
タンピンドラ1のリーチを打ち今回も決まるかと思ったが、かなり素点を削られていた山脇が満貫をアガリ終了。
なんと80Pあった差を一気に詰め魚谷がトータルトップ目に立った。
 
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9回戦終了
魚谷+92.3P 宮内+5.2P 山脇▲26.6P 清水▲70.9P
9回線終了時
魚谷+139.5P 西嶋+126.6P 山脇+33.0P 宮内▲110.8P 清水▲188.4P
 
10回戦 起家から 魚谷 宮内 西嶋 山脇
西嶋からタンピンドラ1のリーチが入るもまずは山脇がかわして1,000点のアガリ。山脇はこの回を入れて残り3半荘、直接対決とはいえ2人を抜かなければいけない為この様な高い手を潰すアガリは非常に大きい。
東2局、親の宮内からの先制リーチ。他3者は打ってしまえば自分が脱落という状況になりかねない為、非常にいきづらい局面だ。が、そこに魚谷からリーチ。先程の理由からよっぽどの手ではないと親の宮内にはリーチといかないはずである。
そこに対して西嶋。
 
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三万、と1シャンテンからまっすぐぶつけると、ここから六索を打ってのヤミテン選択。次巡九筒を引きアガって400・700。ここが勝負所と感じたか、攻め抜いてきっちりアガリをモノにした。
その後は小さい点棒移動で局が進み、南2局。
 
100
 
魚谷がここからライバル西嶋に5,200の放銃。現物は七索六索がありドラも見えていない。自身の手形と残り巡目、更に山脇もきているということを考えるといつもの魚谷ならあっさりオリを選択していたと思う。3日間を通してファインプレーも多かった魚谷だが、ここでようやくミスらしいミスが出た気がした。
結果的にこの放銃が痛恨となってしまい、西嶋がトップ、魚谷がラスでこの半荘が終わった。
そして、この回抜け番だった清水が途中敗退となった。
 
100
 
10回戦終了
西嶋+20.1P 山脇+6.6P 宮内▲6.3P 魚谷▲20.4P
10回戦終了時
西嶋+146.7P 魚谷+119.1P 山脇+39.6P 宮内▲117.1P 清水▲188.4P
 
11回戦 起家から 西嶋 宮内 魚谷 山脇
東1局、
 
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まずは西嶋が親でピンフの先制リーチを打つと魚谷が追いついて、こちらもピンフのみをヤミテン。
待ちには自信があるが自身の打点が高くなる可能性があること、更に脇からこぼれる可能性もある為ここはしっかりと西嶋の親の流すことを優先した。
そこに山脇が追いついてリーチ。こうなると待ちに自信がある為、躊躇なくツモ切りリーチといった。
結果は裏は乗らないものの西嶋から一発で出て最高の結果に。
東3局は山脇、
 
100
 
魚谷のリーチに三筒一索八万と無筋を連打。宮内から安いはずのないリーチが入るも3人目で追いかけて、宮内からアガリをもぎ取った。
 
100
 
東4局は西嶋が素晴らしかった。
 
100
 
魚谷のリーチにこれ以上加点させまいと、役無しカンチャンテンパイから七索九索と押して三万をツモ。
 
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もう今期のプロクイーンも終盤、3者の好プレーが出る中明暗を分けたのは南1局。
 
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ピンズ、マンズでの手替りもあり役ありながら魚谷はリーチに踏み切った。
タンヤオのみでアガってしまうよりツモって裏ドラが1枚乗ったりすれば西嶋に大ダメージを与えることができる。
サッと流すのはヤミテンだということは百も承知だが、六筒八筒と引いて目に見えたアガリ逃しがあった後宮内から追いかけリーチが入り一発で跳満の放銃になってしまった。これで一気にラス目になった魚谷、その後は挽回することが出来ずラスのまま。山脇はトップを取り最終戦に望みを繋いだ。
11回戦終了
山脇+27.6P 宮内+9.5P 西嶋▲10.5P 魚谷▲26.6P
11回戦終了時
西嶋+136.2P 魚谷+92.5P 山脇+67.2P 宮内▲107.6P
 
最終12回戦 起家から 魚谷 山脇 宮内 西嶋
西嶋と魚谷の差は43.7P。西嶋と山脇の差は69.0P。
1着順で10Pの差がつくので現実的な差だ。
開局の親番でいきなり魚谷が決める。
 
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ファーストテンパイはカン四万のタンヤオ、イーペーコー、ドラ3。ツモれば跳満のテンパイだ。
しかし雀頭の四索をポンして待ち変え。すぐに八万を引きアガって4,000オールのアガリとなった。このあたりの判断は流石だ。
更に次局、山脇の勝負リーチにペン三万のドラ1テンパイで追いつくと迷わずリーチ。一発で山脇から三万が出て裏ドラ1枚でまたも満貫のアガリ。これで一気に西嶋に並んだ。
親で山脇が6,000オール、宮内が山脇から12,000とアガリ、西嶋がラス目に。東3局を迎えた時点では魚谷とのトップラスを決められ西嶋が捲くられていた。
宮内が親番で粘るが3本場、西嶋ドラポンからの値千金の2,000・4,000の引きアガリ!
ここへきて西嶋の判断が更に冴え渡る。
 
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ここからノータイムのドラツモ切り。満貫は喉から手が出る程欲しいが、現状のリードとアガリやすさ、魚谷が親番であることを考えると最善の選択であったように思う。すぐに魚谷から八筒が打たれて3,900のアガリ。
しかし次局、この3日間の対局の中で最大の試練が西嶋を襲う。
 
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魚谷からのリーチに手詰まり。普通は北を打って放銃になるだろう。
実際西嶋も北に手がかかりそうだったが、考え抜いて打九索。これまで磨いてきた自分の感覚を信じ切った。
結果は魚谷がツモって3,000・6,000。しかし放銃していた場合はラス落ちしてしまうので状況は全く異なる。
次局は自らアガって局を進め、最終局ノーテンでそっと手を伏せ西嶋が初のビッグタイトル獲得となった。
12回戦終了
宮内+41.3P 魚谷+13.4P 西嶋▲18.7P 山脇▲38.0P
12戦終了時
西嶋+119.5P 魚谷+105.9P 山脇+29.2P 宮内▲66.3P
今期のプロクイーン全ての対局を見て改めて女流全体のレベルが上がっているなと感じた。完全に私見であるが、細かい技術や牌理などはまだ男子プロの方が上だと思う。しかし、ここ一番の勝負所を的確に捉えて、「打ったら終わり」の様な一牌を打ちだせる強さがタイトルを獲得する女流プロには備わっている様に思える。
しかし感情のコントロールは本当に難しい。恐らく魚谷はかなり前のめりにいこうとこの最終日を戦ったはずだ。だが、半荘1回目でトップ目に立ってからはそれを抑えても良かったかもしれない。10回戦目以降に適度に心のブレーキを踏めなかったことが魚谷の敗因なのではないかと思う。本当に、本当に難しいのだが。
その点、西嶋は優れていたと思う。技術では、清水、宮内、魚谷に及ばないのは百も承知だっただろう。しかしメンタル面での対局の臨み方は1番だったんだろうと思うし、感覚に委ねられる強さもあった。
西嶋は音楽家らしい。勝負にいった時はアガリ、相手のロン牌はとめる。そんな魔法の様な麻雀に「牌の音が聞こえているんじゃないの?」なんて私の周りでは言われていた。その見ている人を惹きつける麻雀をこれからも見せて欲しい。
西嶋さん、初タイトルおめでとうございます!
 
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麻雀日本シリーズ2017 決勝レポート 黒木 真生

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何かの試合を見るのは「戦い」が見たいからだと思う。
一生懸命に守ろうとするのも戦いではあるし、必死に逃げるのもまた「戦い」なのかもしれない。
しかし、最も、人間の、特に男性の闘争本能を刺激する「戦い」は「攻撃」だと思う。
守ろうとするのは相手が攻撃してくるからである。逃げるのも同様で、攻撃してくる敵がいなければ逃げる必要はない。
つまり、戦いはすべて「攻撃」から始まるのだ。

しかし、戦いが佳境に入ってきて、優勢な者と劣勢な者の差がハッキリしてくると、両者が攻め合うのではなく、一方が攻め、一方が守るという構図になりがちだ。

麻雀の決勝戦も同様で、ポイント差と残りの局数を考慮して打牌を選ぶようになり、勝っている者は自ずと無難な打牌選択をするようになる。
これが常識的な発想であり、そうやって打つ選手を非難する気はない。
勝つために必死でやっているのだから仕方がないのだ。

でも、である。
かくいう私も、専門外のゲームを観ている時は相当勝手なことを口走っている。

プロ野球で、牽制球ばかり投げる投手がいたら「ランナー誰やと思てんねん、赤星ちゃうぞ、関本やぞ! 早よ投げんかい!」と言ってしまう。
プロ野球の投手が投げる牽制球には色んな意味があるのかもしれない。
盗塁を警戒しているだけではなく、相手のサインを読もうとしていたり、打者との間合いをはかっていたり、自分を落ち着かせようとしていたり。
でも、こっちは素人であり、関係ない。
「面白い」が正義であって「時間ばかりかかるつまらない行為」は「悪」なのである。
それが興業の理屈であり、選手の競技の理屈に沿うか沿わないかは関係ない。

ボクシングも然り。ボクシングは相手を殴り倒すのが目的であって、ポイントを稼ぐためにチョコンとグローブを当てにいく様子を見せられてもつまらない。
たとえそれが高度なテクニックだとしても、目いっぱいの力で殴ってもらわないと面白くないのだ。

サッカーでも、すぐコケてファウルをもらおうとする行為を連発されると興ざめする。
レベルは男性よりも低かったかもしれないが、なでしこジャパンの試合の方が、私のような素人には面白く感じられた。少なくとも、わざとコケるという姑息さはなかったと思う。

とまぁ、このようにややこしく野蛮なオッサンの琴線をキンコンカーンと打ち、うるさい口を黙らせたのが鈴木達也プロの、3回戦オーラスのリーチだった。

八万九万九万九万三索四索五索六索七索八索八索四筒五筒  ツモ二索  ドラ九筒

リャンメンのテンパイなのだから、リーチで良いと言うのは早計。
だが、現状トータル2位の沢崎誠プロからリーチが入っており、しかも、この時点での点数状況は以下である。

1位 鈴木達也 +43.1P
2位 沢崎誠  +16.5P
3位 勝又健志 ▲22.9P
4位 白鳥翔  ▲36.7P

つまり、現状沢崎プロとの差は26.6ポイントで、もし満貫をツモられたとしても、最終戦を前に14.6ポイントが残る。
逆に、ここで失点するとかなりひどい。
実はこの時、3着目の勝又プロとの点差が3.5ポイントしかなく、もしリーチ棒を出して沢崎プロに2,600点以上を放銃すると3着に落ちる。
すると順位点がさらに10ポイント減る。仮にちょうど2,600点を打ち込んだとしたら以下のようになる。

1位 鈴木達也 +29.5P
2位 沢崎誠  +20.1P
3位 勝又健志 ▲12.9P
4位 白鳥翔  ▲36.7P

点差は9.4ポイント。オリて沢崎プロに満貫をツモられたケースと比較すると、約5ポイントの差である。
実際は、沢崎プロはツモれず流局の可能性の方が高いし、打ち込んだら2,600点よりもっと高いかもしれない。
また、たったの5ポイント差だと思うかもしれないが、この5ポイント差は果てしなく大きい。
WRCルールの順位点は5・15で、着順1つにつき1万点の差がつくようになっている。
つまり、14ポイント差なら2着順差が必要だが、9ポイントなら1着順差だけで済んでしまうのである。

こういったことをすべて考えると、追っかけリーチをするには、かなりの勇気が必要である。
だが、鈴木プロはビシっと、ほぼノータイムでリーチを宣言した。
勝つために様子を見ることもできるが、あえて沢崎をKOするため、踏み込んでいったのだ。

負けた時のリスクも大きいが、勝てば一気に突き放すチャンスでもある。
簡単には引きませんよというメッセージにもなり、相手の戦略的選択肢の幅を狭めることにもつながる。

色んな理由があるとは思うが、いずれにせよ、とにかく、観ていて面白い。興奮する。
これが戦いであり、プロの「試合」だと思う。

ポイント的には苦しい状況だった白鳥も意地を見せた。

二万二万三万三万四万四万四万四万一索二索二索三索三索

ピンフリャンペーコーをテンパイし、ヤミテン。
鈴木から直撃してラスにすれば、以下のようになる。

1位 鈴木達也 +24.1P
2位 沢崎誠  +15.5P
3位 勝又健志 ▲12.9P
4位 白鳥翔  ▲26.7P

確かに厳しくはあるが、現状と比較すれば、はるかに逆転優勝が現実的になる。
その「乾坤一擲」を狙ってヤミテンに構えたが、最後の一索を打ち出したのは勝又だった。
ここからだと意味がないので、当然スルー。次に三万をツモってくると四万を暗槓し、今度は四暗刻狙いに切り替えた。
そしてさらに、

二万二万三万三万三万一索二索二索三索三索  暗カン牌の背四万 上向き四万 上向き牌の背  ツモ一筒

一筒をツモったところで断念し、一索を切ってオリ。次に四筒をツモると完全にやめた。
この一筒四筒が沢崎のアタリ牌だった。

五万六万七万五索五索六索七索八索一筒二筒二筒三筒三筒  ドラ九筒八筒

結局、最終戦でもつれにもつれ、優勝したのは沢崎プロだったが、これまた激しい戦いであった。
鈴木プロと沢崎プロの一騎打ちだと決めつけていたが、最後に沢崎プロを脅かしたのは勝又プロだった。
いったい、どれだけ上下左右に蛇行するジェットコースターのようなゲームだったかは、FRESH!で実際にご覧いただきたい。

本当に、掛け値なしに面白いので、最終戦だけでも見ていただきたいのである。

麻雀日本シリーズ/麻雀日本シリーズ2017 決勝レポート 黒木 真生

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何かの試合を見るのは「戦い」が見たいからだと思う。
一生懸命に守ろうとするのも戦いではあるし、必死に逃げるのもまた「戦い」なのかもしれない。
しかし、最も、人間の、特に男性の闘争本能を刺激する「戦い」は「攻撃」だと思う。
守ろうとするのは相手が攻撃してくるからである。逃げるのも同様で、攻撃してくる敵がいなければ逃げる必要はない。
つまり、戦いはすべて「攻撃」から始まるのだ。
しかし、戦いが佳境に入ってきて、優勢な者と劣勢な者の差がハッキリしてくると、両者が攻め合うのではなく、一方が攻め、一方が守るという構図になりがちだ。
麻雀の決勝戦も同様で、ポイント差と残りの局数を考慮して打牌を選ぶようになり、勝っている者は自ずと無難な打牌選択をするようになる。
これが常識的な発想であり、そうやって打つ選手を非難する気はない。
勝つために必死でやっているのだから仕方がないのだ。
でも、である。
かくいう私も、専門外のゲームを観ている時は相当勝手なことを口走っている。
プロ野球で、牽制球ばかり投げる投手がいたら「ランナー誰やと思てんねん、赤星ちゃうぞ、関本やぞ! 早よ投げんかい!」と言ってしまう。
プロ野球の投手が投げる牽制球には色んな意味があるのかもしれない。
盗塁を警戒しているだけではなく、相手のサインを読もうとしていたり、打者との間合いをはかっていたり、自分を落ち着かせようとしていたり。
でも、こっちは素人であり、関係ない。
「面白い」が正義であって「時間ばかりかかるつまらない行為」は「悪」なのである。
それが興業の理屈であり、選手の競技の理屈に沿うか沿わないかは関係ない。
ボクシングも然り。ボクシングは相手を殴り倒すのが目的であって、ポイントを稼ぐためにチョコンとグローブを当てにいく様子を見せられてもつまらない。
たとえそれが高度なテクニックだとしても、目いっぱいの力で殴ってもらわないと面白くないのだ。
サッカーでも、すぐコケてファウルをもらおうとする行為を連発されると興ざめする。
レベルは男性よりも低かったかもしれないが、なでしこジャパンの試合の方が、私のような素人には面白く感じられた。少なくとも、わざとコケるという姑息さはなかったと思う。
とまぁ、このようにややこしく野蛮なオッサンの琴線をキンコンカーンと打ち、うるさい口を黙らせたのが鈴木達也プロの、3回戦オーラスのリーチだった。
八万九万九万九万三索四索五索六索七索八索八索四筒五筒  ツモ二索  ドラ九筒
リャンメンのテンパイなのだから、リーチで良いと言うのは早計。
だが、現状トータル2位の沢崎誠プロからリーチが入っており、しかも、この時点での点数状況は以下である。
1位 鈴木達也 +43.1P
2位 沢崎誠  +16.5P
3位 勝又健志 ▲22.9P
4位 白鳥翔  ▲36.7P
つまり、現状沢崎プロとの差は26.6ポイントで、もし満貫をツモられたとしても、最終戦を前に14.6ポイントが残る。
逆に、ここで失点するとかなりひどい。
実はこの時、3着目の勝又プロとの点差が3.5ポイントしかなく、もしリーチ棒を出して沢崎プロに2,600点以上を放銃すると3着に落ちる。
すると順位点がさらに10ポイント減る。仮にちょうど2,600点を打ち込んだとしたら以下のようになる。
1位 鈴木達也 +29.5P
2位 沢崎誠  +20.1P
3位 勝又健志 ▲12.9P
4位 白鳥翔  ▲36.7P
点差は9.4ポイント。オリて沢崎プロに満貫をツモられたケースと比較すると、約5ポイントの差である。
実際は、沢崎プロはツモれず流局の可能性の方が高いし、打ち込んだら2,600点よりもっと高いかもしれない。
また、たったの5ポイント差だと思うかもしれないが、この5ポイント差は果てしなく大きい。
WRCルールの順位点は5・15で、着順1つにつき1万点の差がつくようになっている。
つまり、14ポイント差なら2着順差が必要だが、9ポイントなら1着順差だけで済んでしまうのである。
こういったことをすべて考えると、追っかけリーチをするには、かなりの勇気が必要である。
だが、鈴木プロはビシっと、ほぼノータイムでリーチを宣言した。
勝つために様子を見ることもできるが、あえて沢崎をKOするため、踏み込んでいったのだ。
負けた時のリスクも大きいが、勝てば一気に突き放すチャンスでもある。
簡単には引きませんよというメッセージにもなり、相手の戦略的選択肢の幅を狭めることにもつながる。
色んな理由があるとは思うが、いずれにせよ、とにかく、観ていて面白い。興奮する。
これが戦いであり、プロの「試合」だと思う。
ポイント的には苦しい状況だった白鳥も意地を見せた。
二万二万三万三万四万四万四万四万一索二索二索三索三索
ピンフリャンペーコーをテンパイし、ヤミテン。
鈴木から直撃してラスにすれば、以下のようになる。
1位 鈴木達也 +24.1P
2位 沢崎誠  +15.5P
3位 勝又健志 ▲12.9P
4位 白鳥翔  ▲26.7P
確かに厳しくはあるが、現状と比較すれば、はるかに逆転優勝が現実的になる。
その「乾坤一擲」を狙ってヤミテンに構えたが、最後の一索を打ち出したのは勝又だった。
ここからだと意味がないので、当然スルー。次に三万をツモってくると四万を暗槓し、今度は四暗刻狙いに切り替えた。
そしてさらに、
二万二万三万三万三万一索二索二索三索三索  暗カン牌の背四万 上向き四万 上向き牌の背  ツモ一筒
一筒をツモったところで断念し、一索を切ってオリ。次に四筒をツモると完全にやめた。
この一筒四筒が沢崎のアタリ牌だった。
五万六万七万五索五索六索七索八索一筒二筒二筒三筒三筒  ドラ九筒八筒
結局、最終戦でもつれにもつれ、優勝したのは沢崎プロだったが、これまた激しい戦いであった。
鈴木プロと沢崎プロの一騎打ちだと決めつけていたが、最後に沢崎プロを脅かしたのは勝又プロだった。
いったい、どれだけ上下左右に蛇行するジェットコースターのようなゲームだったかは、FRESH!で実際にご覧いただきたい。
本当に、掛け値なしに面白いので、最終戦だけでも見ていただきたいのである。

第130回:中級講座『公式ルールで対局してみましょう!』 浜上 文吾

麻雀ファンの皆様こんにちは!
九州本部の浜上です。

日本プロ麻雀連盟道場が巣鴨に移転して3ヶ月目となりました。
福岡在住の私は、リーグ戦やタイトル戦以外で道場にいく機会が作れていませんが、SNSでの皆様の反応を見ていると、麻雀教室、道場ともに大盛況な様子が伝わっています。
競技麻雀に触れ合う方が増えていることは大変嬉しいことです♪
九州地区ではまだ道場のような練習の場を設けることができていませんが、最近では公式ルールに関する質問や問い合わせが増えてきました。
そこで今回は「日本プロ麻雀連盟公式ルール」について私なりにお伝えしたいと思います。

まずはじめに、公式ルールと一般的なルールのおおまかに違う点は
一発、裏ドラ、カンドラなし。
30,000点持ち、30,000点返しで、順位点が浮き沈み方式(1,000点は+1.0P)。
1人浮き 1位+12.0P 2位▲1.0P 3位▲3.0P 4位▲ 8.0P
2人浮き 1位+ 8.0P 2位+4.0P 3位▲4.0P 4位▲ 8.0P
3人浮き 1位+ 8.0P 2位+3.0P 3位+1.0P 4位▲12.0P

私は麻雀店に勤務し、カルチャースクールや公民館等で麻雀教室の講師の仕事もしていますので、一般的なルールでの対局回数自体は結構あります。ただ公式ルールの対局をする回数は比較的少ないので、週1ペースで仲間に集まってもらって練習会を行っています。
練習会終了後には反省会を簡単にするわけですが、その反省会での一コマ。
ルールは日本プロ麻雀連盟公式ルールです。

問題①
東家 43,600点
南家 25.800点
西家 20,400点
北家 30,200点

南4局 南家 25,800点 6巡目

三万四万六万六万七万七万八万二索三索一筒一筒三筒四筒  ツモ四索  ドラ五筒

で何を切りますか?

オーラスをむかえ▲4,200点と現状沈みです。2着目の北家を逆転するのも4,400点の差なので順位アップも同条件です。
反省会では打七万一筒で意見が別れました。

七万切りだと、メリットはシャンテン数を落とさないことです。
ツモ二万だと高めで三色安めでドラとそこそこ打点は期待できます。

二万三万四万六万七万八万二索三索四索一筒一筒三筒四筒

デメリットは三色が崩れるツモ五万だと、リーチをしてドラをツモで原点復帰と少し厳しいように感じます。

三万四万五万六万七万八万二索三索四索一筒一筒三筒四筒

一般的なルールだと手変わりを待たずに積極的にリーチをして、一発や裏ドラの期待値もありますが、公式ルールだと皆無です。

私の選択は一筒切りです。
狙いは234の三色とマンズのイーペーコーです。

二万三万四万六万六万七万八万二索三索四索二筒三筒四筒

こんなテンパイや

三万三万六万六万七万七万八万八万二索三索四索三筒四筒

このような形が理想的でしょうか?
もし仮に234の三色の崩れそうなツモ五万となったとしても

三万四万五万六万六万七万七万八万二索三索四索三筒四筒  

タンピンイーペーコーやドラ引きで打点も期待できることがメリットです。
デメリットはシャンテン数をいったん落とすことです。
私なりにまとめると、打一筒
【デメリット】
・単純にシャンテン数が落ちること
【メリット】
① アガリに対しての期待値をさほど落とさずにアガリ形が増えること
② アガリ形の中の平均打点が上がること
③ ヤミテン選択肢が増えること
上記を見るとメリットが上回っていると考えます。
メリットについて説明を加えるとするならば
① の場合、先に挙げたようにタンピン三色やタンピンイーペーコーの牌姿が増えます。
② については①に挙げたような牌姿が増えるので平均打点が上がります。
③ では①と②の条件が増えるためにヤミテンを選択肢も生まれます。
ここまで説明した上で、ヤミテンのタンピンツモイーペーコーと、メンピンツモドラ1の差が分かりづらいと感じる方もいると思います。
実際私も③の選択肢では悩む状況も増えてくるので、次の問題ではリーチとヤミテンの選択について説明していきます。

問題②
東1局 西家 30,000点 配牌 

二万三万五万七万七万八万一索六索七索二筒西北発  ドラ四万

メンツはありませんがリャンメンターツ3組とそこそこの配牌から
5巡目には以下の牌姿になり

二万三万五万七万七万八万九万一索二索三索六索六索七索

ツモ四万ときた場合、概ね打七索でテンパイを取ることでしょう。

二万三万五万七万七万八万九万一索二索三索六索六索七索  ツモ四万  打七索

ではここでリーチは打ちますか?ほとんどの方が打たないと思います。
理由を挙げると、役なしではあるが手変わりが多い点です。

二万三万四万五万七万七万八万九万一索二索三索六索六索

ではここから何をツモった場合にリーチをするかを考えましょう。

一万四万
八万九万

上記の理由
・ツモ一万は理想形で高め一通、ツモ四万はドラ、ツモ八万九万は高めイーペーコーと打点が見込める。

ではここから何をツモった場合にリーチをしないかを考えましょう。
六索

上記の理由
・待ちは二万五万のノベタンにはなるが打点が見込めない。

公式ルールはリーチの価値は1翻と一般的なルールのように飛躍的に打点アップにはつながらないものです。
打点を上げるためには、手役かドラを絡めることが必要です。
リーチ判断も大事な部分です。
上記のリーチ判断が必ずしも正しいとは言い切れませんが、大事なことは対局での出来事をほんの少し思い出して、後から考察することで雀力アップにつながると考えています。
道場で競技麻雀に触れ合う機会を作ってみるのもいかがでしょうか?

さて次回は仕掛けるタイミングと親リーチが入ったときの局面判断について書いてみたいと思います。
それでは今回はこのあたりで失礼します。

中級/第130回:中級講座『公式ルールで対局してみましょう!』 浜上 文吾

麻雀ファンの皆様こんにちは!
九州本部の浜上です。
日本プロ麻雀連盟道場が巣鴨に移転して3ヶ月目となりました。
福岡在住の私は、リーグ戦やタイトル戦以外で道場にいく機会が作れていませんが、SNSでの皆様の反応を見ていると、麻雀教室、道場ともに大盛況な様子が伝わっています。
競技麻雀に触れ合う方が増えていることは大変嬉しいことです♪
九州地区ではまだ道場のような練習の場を設けることができていませんが、最近では公式ルールに関する質問や問い合わせが増えてきました。
そこで今回は「日本プロ麻雀連盟公式ルール」について私なりにお伝えしたいと思います。
まずはじめに、公式ルールと一般的なルールのおおまかに違う点は
一発、裏ドラ、カンドラなし。
30,000点持ち、30,000点返しで、順位点が浮き沈み方式(1,000点は+1.0P)。
1人浮き 1位+12.0P 2位▲1.0P 3位▲3.0P 4位▲ 8.0P
2人浮き 1位+ 8.0P 2位+4.0P 3位▲4.0P 4位▲ 8.0P
3人浮き 1位+ 8.0P 2位+3.0P 3位+1.0P 4位▲12.0P
私は麻雀店に勤務し、カルチャースクールや公民館等で麻雀教室の講師の仕事もしていますので、一般的なルールでの対局回数自体は結構あります。ただ公式ルールの対局をする回数は比較的少ないので、週1ペースで仲間に集まってもらって練習会を行っています。
練習会終了後には反省会を簡単にするわけですが、その反省会での一コマ。
ルールは日本プロ麻雀連盟公式ルールです。
問題①
東家 43,600点
南家 25.800点
西家 20,400点
北家 30,200点
南4局 南家 25,800点 6巡目
三万四万六万六万七万七万八万二索三索一筒一筒三筒四筒  ツモ四索  ドラ五筒
で何を切りますか?
オーラスをむかえ▲4,200点と現状沈みです。2着目の北家を逆転するのも4,400点の差なので順位アップも同条件です。
反省会では打七万一筒で意見が別れました。
七万切りだと、メリットはシャンテン数を落とさないことです。
ツモ二万だと高めで三色安めでドラとそこそこ打点は期待できます。
二万三万四万六万七万八万二索三索四索一筒一筒三筒四筒
デメリットは三色が崩れるツモ五万だと、リーチをしてドラをツモで原点復帰と少し厳しいように感じます。
三万四万五万六万七万八万二索三索四索一筒一筒三筒四筒
一般的なルールだと手変わりを待たずに積極的にリーチをして、一発や裏ドラの期待値もありますが、公式ルールだと皆無です。
私の選択は一筒切りです。
狙いは234の三色とマンズのイーペーコーです。
二万三万四万六万六万七万八万二索三索四索二筒三筒四筒
こんなテンパイや
三万三万六万六万七万七万八万八万二索三索四索三筒四筒
このような形が理想的でしょうか?
もし仮に234の三色の崩れそうなツモ五万となったとしても
三万四万五万六万六万七万七万八万二索三索四索三筒四筒  
タンピンイーペーコーやドラ引きで打点も期待できることがメリットです。
デメリットはシャンテン数をいったん落とすことです。
私なりにまとめると、打一筒
【デメリット】
・単純にシャンテン数が落ちること
【メリット】
① アガリに対しての期待値をさほど落とさずにアガリ形が増えること
② アガリ形の中の平均打点が上がること
③ ヤミテン選択肢が増えること
上記を見るとメリットが上回っていると考えます。
メリットについて説明を加えるとするならば
① の場合、先に挙げたようにタンピン三色やタンピンイーペーコーの牌姿が増えます。
② については①に挙げたような牌姿が増えるので平均打点が上がります。
③ では①と②の条件が増えるためにヤミテンを選択肢も生まれます。
ここまで説明した上で、ヤミテンのタンピンツモイーペーコーと、メンピンツモドラ1の差が分かりづらいと感じる方もいると思います。
実際私も③の選択肢では悩む状況も増えてくるので、次の問題ではリーチとヤミテンの選択について説明していきます。
問題②
東1局 西家 30,000点 配牌 
二万三万五万七万七万八万一索六索七索二筒西北発  ドラ四万
メンツはありませんがリャンメンターツ3組とそこそこの配牌から
5巡目には以下の牌姿になり
二万三万五万七万七万八万九万一索二索三索六索六索七索
ツモ四万ときた場合、概ね打七索でテンパイを取ることでしょう。
二万三万五万七万七万八万九万一索二索三索六索六索七索  ツモ四万  打七索
ではここでリーチは打ちますか?ほとんどの方が打たないと思います。
理由を挙げると、役なしではあるが手変わりが多い点です。
二万三万四万五万七万七万八万九万一索二索三索六索六索
ではここから何をツモった場合にリーチをするかを考えましょう。
一万四万
八万九万
上記の理由
・ツモ一万は理想形で高め一通、ツモ四万はドラ、ツモ八万九万は高めイーペーコーと打点が見込める。
ではここから何をツモった場合にリーチをしないかを考えましょう。
六索
上記の理由
・待ちは二万五万のノベタンにはなるが打点が見込めない。
公式ルールはリーチの価値は1翻と一般的なルールのように飛躍的に打点アップにはつながらないものです。
打点を上げるためには、手役かドラを絡めることが必要です。
リーチ判断も大事な部分です。
上記のリーチ判断が必ずしも正しいとは言い切れませんが、大事なことは対局での出来事をほんの少し思い出して、後から考察することで雀力アップにつながると考えています。
道場で競技麻雀に触れ合う機会を作ってみるのもいかがでしょうか?
さて次回は仕掛けるタイミングと親リーチが入ったときの局面判断について書いてみたいと思います。
それでは今回はこのあたりで失礼します。

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
 

【ハロウィン】
 
 
今年のハロウィンは幼稚園や、連盟本部道場にグレートタカが現れた。

 

100
100

 

仮面の奥の優しさが子供には伝わるのかもしれないが、仮に私が幼稚園の先生だったらこの男が入ってきた瞬間に警察に通報する。
銃社会なら射殺されても文句は言えない。

 

100

 

こちらは最強戦、極限の攻防で惜しくも敗れた森下剛任。
ハロウィン?なんや?特に普段と変わらへんやん。

 
 
 

【プロリーグ第3節】
 
 

B1・B2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

触って欲しそうな奴ほど触りたくなくなるのが人間の心理。しかし、長い間在籍したEリーグをようやく抜けて、首位に立った原を少しくらい触ってやろうか。

決してEリーグが似合うような雀力ではないんだけど、実に長かった。他にも実力を認められていながらも成績的に低迷している連盟員は数多いが、Eをこれだけ長くやることになるとは本人も思わなかっただろう。

 

100

 

ただ、毎度毎度この「原ポーズ」なるものを見せられて頭おかしくなりそうな連盟員はいるそうです。

 

100

 

写真を見た原とこいつの間に軋轢が生じそうなので、一応モザイクをかけておくとしよう。

ここにも!

 

100

 

うわ、ここにも(>_<)  

100

 
 
 
 

【モンドバトルロイヤル】
 
 
毎年豪華な出場メンバーで盛り上がりをみせる「モンドバトルロイヤル」

 

100

 

今回の出演者は、

 

100

 
 

100

 
 

100

 
 

100

 
 

100

 

今年度の優勝は現在新しいシリーズを放送中のモンド杯チームとなった。

 

100

 

えびちゃんVS福島の将棋対決も!?

 

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【アロマティックトライアスロン】
 
 
グレート巨砲さん、沖ヒカルさん、木村魚拓さんの三名による「”DMM”アロマティックトーク」より「アロマティックトライアスロン」なる企画が生まれた。

 

100

 

トライアスロンの種目はパチンコ、パチスロ、麻雀。

 

100

沖ヒカルさん

100

グレート巨砲さん

100

マリブ鈴木さん

 
 

100

 

麻雀は我らが夏目坂スタジオで収録完了!

 

100

 

森山会長と木村魚拓さんの名刺交換も完了!

 
 
 

【似顔絵】
 
 
巣鴨連盟道場は連日大盛況となっているようだが、瀬戸熊直樹がゲストの日は特にすごい。
先日は、満卓時にトップを取った人全員の似顔絵を瀬戸熊自身が書くというイベントを開催した。

?ちょっと待て。瀬戸熊の書いた一索はこれだが大丈夫なのか?

 

100

 

ちゃっかり似顔絵をゲットした原

「ドーン!」

 

100

 

喪黒福造!?
できることなら、顔はあの超怖い一索にしていただきたかった….
このように、連盟員の参加も増えているようだ。

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

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【ハロウィン】
 
 
今年のハロウィンは幼稚園や、連盟本部道場にグレートタカが現れた。
 

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仮面の奥の優しさが子供には伝わるのかもしれないが、仮に私が幼稚園の先生だったらこの男が入ってきた瞬間に警察に通報する。
銃社会なら射殺されても文句は言えない。
 

100

 
こちらは最強戦、極限の攻防で惜しくも敗れた森下剛任。
ハロウィン?なんや?特に普段と変わらへんやん。
 
 
 
【プロリーグ第3節】
 
 

B1・B2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

触って欲しそうな奴ほど触りたくなくなるのが人間の心理。しかし、長い間在籍したEリーグをようやく抜けて、首位に立った原を少しくらい触ってやろうか。
決してEリーグが似合うような雀力ではないんだけど、実に長かった。他にも実力を認められていながらも成績的に低迷している連盟員は数多いが、Eをこれだけ長くやることになるとは本人も思わなかっただろう。
 

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ただ、毎度毎度この「原ポーズ」なるものを見せられて頭おかしくなりそうな連盟員はいるそうです。
 

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写真を見た原とこいつの間に軋轢が生じそうなので、一応モザイクをかけておくとしよう。
ここにも!
 

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うわ、ここにも(>_<)  

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【モンドバトルロイヤル】
 
 
毎年豪華な出場メンバーで盛り上がりをみせる「モンドバトルロイヤル」
 

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今回の出演者は、
 

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今年度の優勝は現在新しいシリーズを放送中のモンド杯チームとなった。
 

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えびちゃんVS福島の将棋対決も!?
 

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【アロマティックトライアスロン】
 
 
グレート巨砲さん、沖ヒカルさん、木村魚拓さんの三名による「”DMM”アロマティックトーク」より「アロマティックトライアスロン」なる企画が生まれた。
 

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トライアスロンの種目はパチンコ、パチスロ、麻雀。
 

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沖ヒカルさん

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グレート巨砲さん

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マリブ鈴木さん

 
 

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麻雀は我らが夏目坂スタジオで収録完了!
 

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森山会長と木村魚拓さんの名刺交換も完了!
 
 
 
【似顔絵】
 
 
巣鴨連盟道場は連日大盛況となっているようだが、瀬戸熊直樹がゲストの日は特にすごい。
先日は、満卓時にトップを取った人全員の似顔絵を瀬戸熊自身が書くというイベントを開催した。
?ちょっと待て。瀬戸熊の書いた一索はこれだが大丈夫なのか?
 

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ちゃっかり似顔絵をゲットした原
「ドーン!」
 

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喪黒福造!?
できることなら、顔はあの超怖い一索にしていただきたかった….
このように、連盟員の参加も増えているようだ。

第15期プロクイーン決定戦二日目観戦記 白鳥 翔

5回戦 起家から 清水 魚谷 西嶋 山脇

2日目に入って何とか巻き返しを図りたい清水が起家。
しかし魚谷が遠いホンイツでやる気満々で仕掛けて行く。上家の清水も対応しながら何とかテンパイにこぎつけ、その仕掛けにしっかり対応した西嶋もテンパイを入れてアタリ牌の発タンキでテンパイし流局。
繋げた親番だったが、次局は2巡目リーチ。これはどうだろうか。

 

100

 

まだ2巡目、九筒が1枚切れていることを考えると打三索の1シャンテン戻しが本手と思われる。
そんなことは清水は百も承知だろうが、トータルのビハインドからかリーチ宣言。本人は2日目が終わった後このリーチを一番悔いていた。

 

100

 

この局秀逸だったのは魚谷の選択。

 

100

 

山脇の打三筒を見てすかさず一索切りのリーチ。
リーチのみの追いかけというリスクを伴う選択だが、自身の捨て牌と清水の捨て牌から他家のオリ打ちなどを狙った。
次巡。山脇が放銃かと思われたが、西嶋がこの手牌から八万を通したことにより山脇も安全牌が繋がって放銃回避。結果は清水が三筒を掴んで魚谷に放銃となった。
この半荘魚谷はリスクはあるがリターンもある攻め返しで放銃もあったが、南3局で勝負所をしっかりと押して制してきた。

 

100

 

この2人リーチも三筒をチーして超ド級の危険牌の打六万!しっかりと八万を手繰り寄せて1,000・2,000をアガってトップ目を捲った。こういう勝負所を判断早く勝負に行けるのが魚谷の強さだ。

 

100

 

しかし南4局は西嶋がメンホンのツモアガリで西嶋トップで5回戦が終わった。

5回戦終了
西嶋+40.9P 魚谷+25.9P 清水▲20.5P 山脇▲46.3P

5回線終了時
西嶋+82.2P 魚谷+47.7P 山脇+24.5P 宮内▲52.2P 清水▲102.2P

 

6回戦 起家から 西嶋 宮内 清水 山脇

5回戦が終わって全員1回ずつ抜け番があった為、6回戦目から2周目。抜け番を選択できる順番は5回戦終了時の成績の為、西嶋から選択権があった。抜ける順番は6回戦から魚谷、宮内、山脇、西嶋、清水の順番となった。
西嶋が選んだのは9回戦目の抜け番。9回戦目とは最終日の初戦。本日初戦トップで出来も良いので今日は全て打ってしまおうということだろう。

どうにか巻き返したい宮内、清水だが東1局、西嶋、山脇の2人リーチに宮内が押し返してドラポンをいれるもポンテンで打ち出した牌が山脇に捕まり満貫の放銃と苦しい展開。
東3局、親番の清水は攻めたいところではあるが手牌がどうにも追いつかず宮内からのリーチ。それを西嶋が冷静にヤミテンで躱す。尚も攻め続ける清水、宮内だったが悉く西嶋に捕まってしまう。

 

100

 

しかし、この放銃は少々もったいなかったか。薄い四筒七筒の方ならと反応した西嶋は見事だが、これまでこの様なリャンメンチーはしてこなかったのも事実。ほぼ高い手であることは濃厚だったので、冷静な時の宮内であれば自身の手牌的にも止めることができた牌だと思う。

 

100

 

これ以降も西嶋は後がなくなってきている親の清水から加点に成功し、この半荘を終えた。

6回戦終了
西嶋+46.8P 山脇+7.8P 清水▲18.6P 宮内▲36.0P

6回戦終了時
西嶋+129.0P 魚谷+47.7P 山脇+32.3P 宮内▲88.2P 清水▲120.8P

 

7回戦 起家から 魚谷 西嶋 清水 山脇

西嶋がトータル100Pを超えて、何とか追いつきたい3者。しかし3者だけでなく、西嶋もまだまだ加点しようとこの半荘は全員が前に出てかなり点棒移動の多い半荘となった。
そんな中抜け出したのは山脇。東場の親でトップ目からリーチを打ち西嶋からの直撃に成功。

 

100

 

九万を6巡目に打っていて、11巡目の九万手出しリーチ。西嶋はオリていて現物もあったが八万を打ち出して放銃となってしまった。攻め返しを常に狙うのは良いが、この辺りが西嶋の課題となってくる部分だろう。
やはりこれだけ差が広がってタイトルという栄冠が頭にちらついたか、次局も魚谷への放銃でこの半荘ラス目に。
傍目からは相当プレッシャーがかかっている様に見えた。

 

100
100

 

南1局には清水も意地のリーチ!これを引きアガって裏ドラが乗って3,000・6,000。ようやく実ったという感じだ。
南2局も清水がリーチを打つが、今度は魚谷がらしくない放銃で5,200を献上。
これにより40,000点台に山脇、清水10,000点台に魚谷、西嶋となり、どうにか西嶋より着順が上で終わりたい魚谷が満貫をツモるも、西嶋もアガリ返し西嶋が価値ある3着でこの半荘は終了。

7回戦終了
山脇+27.3P 清水+11.3P 西嶋▲12.6P 魚谷▲26.0P

7回戦終了時
西嶋+116.4P 山脇+59.6P 魚谷+21.7P 宮内▲88.2P 清水▲109.5P

 

8回戦 起家から 西嶋 清水 宮内 魚谷
東1局から西嶋が凄い。

 

100

 

親とはいえトータルトップ目。一発で二万を打ち抜いた。ここから五筒をツモると無筋の八索打ち。

 

100

 

この巡目で上家から打たれた七索を見送ると次のツモが七索でここから打四筒で放銃回避のテンパイ取り。
テンパイをいれていた清水の海底牌は発。これを打って西嶋が12,000のアガリとなった。
このアガリは凄すぎる。
清水は本手を入れ続けるも空振り、実った時は宮内からという悪循環。
ここから魚谷が着々と加点していき南4局の親で西嶋を突き放すと、西嶋がこれ以上は加点させまいとタンピンをしっかりヤミテンでアガリ2着キープ。トータルポイント上位と下位の明暗がはっきりと出た半荘だった。

8回戦終了
魚谷+25.5P 西嶋+10.2P 清水▲7.9P 宮内▲27.8P

8回戦終了時
西嶋+126.6P 山脇+59.6P 魚谷+47.2P 宮内▲116.0P 清水▲117.4P

これで2日目が終了。残すは最終日のみとなった。
下位2人はかなり大きい4連勝条件。現実的なポイントの魚谷、山脇が捲るのか、それとも西嶋が逃げ切るのだろうか。

プロクイーン決定戦 決勝観戦記/第15期プロクイーン決定戦二日目観戦記 白鳥 翔

5回戦 起家から 清水 魚谷 西嶋 山脇
2日目に入って何とか巻き返しを図りたい清水が起家。
しかし魚谷が遠いホンイツでやる気満々で仕掛けて行く。上家の清水も対応しながら何とかテンパイにこぎつけ、その仕掛けにしっかり対応した西嶋もテンパイを入れてアタリ牌の発タンキでテンパイし流局。
繋げた親番だったが、次局は2巡目リーチ。これはどうだろうか。
 
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まだ2巡目、九筒が1枚切れていることを考えると打三索の1シャンテン戻しが本手と思われる。
そんなことは清水は百も承知だろうが、トータルのビハインドからかリーチ宣言。本人は2日目が終わった後このリーチを一番悔いていた。
 
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この局秀逸だったのは魚谷の選択。
 
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山脇の打三筒を見てすかさず一索切りのリーチ。
リーチのみの追いかけというリスクを伴う選択だが、自身の捨て牌と清水の捨て牌から他家のオリ打ちなどを狙った。
次巡。山脇が放銃かと思われたが、西嶋がこの手牌から八万を通したことにより山脇も安全牌が繋がって放銃回避。結果は清水が三筒を掴んで魚谷に放銃となった。
この半荘魚谷はリスクはあるがリターンもある攻め返しで放銃もあったが、南3局で勝負所をしっかりと押して制してきた。
 
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この2人リーチも三筒をチーして超ド級の危険牌の打六万!しっかりと八万を手繰り寄せて1,000・2,000をアガってトップ目を捲った。こういう勝負所を判断早く勝負に行けるのが魚谷の強さだ。
 
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しかし南4局は西嶋がメンホンのツモアガリで西嶋トップで5回戦が終わった。
5回戦終了
西嶋+40.9P 魚谷+25.9P 清水▲20.5P 山脇▲46.3P
5回線終了時
西嶋+82.2P 魚谷+47.7P 山脇+24.5P 宮内▲52.2P 清水▲102.2P
 
6回戦 起家から 西嶋 宮内 清水 山脇
5回戦が終わって全員1回ずつ抜け番があった為、6回戦目から2周目。抜け番を選択できる順番は5回戦終了時の成績の為、西嶋から選択権があった。抜ける順番は6回戦から魚谷、宮内、山脇、西嶋、清水の順番となった。
西嶋が選んだのは9回戦目の抜け番。9回戦目とは最終日の初戦。本日初戦トップで出来も良いので今日は全て打ってしまおうということだろう。
どうにか巻き返したい宮内、清水だが東1局、西嶋、山脇の2人リーチに宮内が押し返してドラポンをいれるもポンテンで打ち出した牌が山脇に捕まり満貫の放銃と苦しい展開。
東3局、親番の清水は攻めたいところではあるが手牌がどうにも追いつかず宮内からのリーチ。それを西嶋が冷静にヤミテンで躱す。尚も攻め続ける清水、宮内だったが悉く西嶋に捕まってしまう。
 
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しかし、この放銃は少々もったいなかったか。薄い四筒七筒の方ならと反応した西嶋は見事だが、これまでこの様なリャンメンチーはしてこなかったのも事実。ほぼ高い手であることは濃厚だったので、冷静な時の宮内であれば自身の手牌的にも止めることができた牌だと思う。
 
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これ以降も西嶋は後がなくなってきている親の清水から加点に成功し、この半荘を終えた。
6回戦終了
西嶋+46.8P 山脇+7.8P 清水▲18.6P 宮内▲36.0P
6回戦終了時
西嶋+129.0P 魚谷+47.7P 山脇+32.3P 宮内▲88.2P 清水▲120.8P
 
7回戦 起家から 魚谷 西嶋 清水 山脇
西嶋がトータル100Pを超えて、何とか追いつきたい3者。しかし3者だけでなく、西嶋もまだまだ加点しようとこの半荘は全員が前に出てかなり点棒移動の多い半荘となった。
そんな中抜け出したのは山脇。東場の親でトップ目からリーチを打ち西嶋からの直撃に成功。
 
100
 
九万を6巡目に打っていて、11巡目の九万手出しリーチ。西嶋はオリていて現物もあったが八万を打ち出して放銃となってしまった。攻め返しを常に狙うのは良いが、この辺りが西嶋の課題となってくる部分だろう。
やはりこれだけ差が広がってタイトルという栄冠が頭にちらついたか、次局も魚谷への放銃でこの半荘ラス目に。
傍目からは相当プレッシャーがかかっている様に見えた。
 
100
100
 
南1局には清水も意地のリーチ!これを引きアガって裏ドラが乗って3,000・6,000。ようやく実ったという感じだ。
南2局も清水がリーチを打つが、今度は魚谷がらしくない放銃で5,200を献上。
これにより40,000点台に山脇、清水10,000点台に魚谷、西嶋となり、どうにか西嶋より着順が上で終わりたい魚谷が満貫をツモるも、西嶋もアガリ返し西嶋が価値ある3着でこの半荘は終了。
7回戦終了
山脇+27.3P 清水+11.3P 西嶋▲12.6P 魚谷▲26.0P
7回戦終了時
西嶋+116.4P 山脇+59.6P 魚谷+21.7P 宮内▲88.2P 清水▲109.5P
 
8回戦 起家から 西嶋 清水 宮内 魚谷
東1局から西嶋が凄い。
 
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親とはいえトータルトップ目。一発で二万を打ち抜いた。ここから五筒をツモると無筋の八索打ち。
 
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この巡目で上家から打たれた七索を見送ると次のツモが七索でここから打四筒で放銃回避のテンパイ取り。
テンパイをいれていた清水の海底牌は発。これを打って西嶋が12,000のアガリとなった。
このアガリは凄すぎる。
清水は本手を入れ続けるも空振り、実った時は宮内からという悪循環。
ここから魚谷が着々と加点していき南4局の親で西嶋を突き放すと、西嶋がこれ以上は加点させまいとタンピンをしっかりヤミテンでアガリ2着キープ。トータルポイント上位と下位の明暗がはっきりと出た半荘だった。
8回戦終了
魚谷+25.5P 西嶋+10.2P 清水▲7.9P 宮内▲27.8P
8回戦終了時
西嶋+126.6P 山脇+59.6P 魚谷+47.2P 宮内▲116.0P 清水▲117.4P
これで2日目が終了。残すは最終日のみとなった。
下位2人はかなり大きい4連勝条件。現実的なポイントの魚谷、山脇が捲るのか、それとも西嶋が逃げ切るのだろうか。

第2回リーチ麻雀世界選手権レポート 菅原 千瑛

ネオン輝く”眠らない街”ラスベガス。世界最大の観光都市である。そのラスベガスも、驚くことに100年前の人口はたったの25人だったという。

現在の年間観光客はおよそ5000万人。訪れるのは綺麗な景観やショー、カジノを楽しみ、アメリカンドリームを夢見る人々。

 

100

 
 

100

 

2017年、10月8日。麻雀界史上最もドリームという言葉の似合う日本人が、世界各国の強豪を押し退け、アメリカはラスベガスの地で世界チャンピオンとなる。これはまさにアメリカンドリームといえよう。

しかしこの夢は単なる夢物語ではない。たったひとつの椅子を賭け、世界30ヶ国から集まった者たちによる激闘が繰り広げられた、現実だ。

そうして勝者と敗者の嬉しさや悔しさがおり混ざる中、勝利を手にし続け、たったひとつの椅子に座ることの許された新たな王者が生まれたということは、紛れもない真実である。

日本時間の10月6日午前1時(ラスベガスは10月5日午前9時)、第2回リーチ麻雀世界選手権は幕を開けた。

今大会、日本プロ麻雀連盟からは61名が出場。
(2014年パリで行われた第1回リーチ麻雀世界選手権は、連盟からは40名、全体の出場選手は23ヶ国120名)

参加選手はこちら。

 

100

森山茂和

100

伊藤優孝

 
 

100

前原雄大

100

ともたけ雅晴

 
 

100

藤崎智

100

瀬戸熊直樹

 
 

100

佐々木寿人

100

内川幸太郎

 
 

100

山田浩之

100

白鳥翔

 
 

100

紺野真太郎

100

HIRO柴田

 
 

100

古橋崇志

100

吉田直

 
 

100

山井弘(第1回チャンピオン)

100

井出康平

 
 

100

西島一彦(第1回2位)

100

西川淳(第1回3位)

 
 

100

吉田幸雄

100

柴田吉和

 
 

100

杉浦勘介

100

森下剛任

 
 

100

客野直

100

黒木真生

 
 

100

ガース

100

増田隆一

 
 

100

奈良圭純

100

ケネス徳田

 
 

100

武田裕希

100

中村毅

 
 

100

三戸亮祐

100

清原継光

 
 

100

福光聖雄

100

羽山真生

 
 

100

中村慎吾

100

吉野敦志

 
 

100

蒼山秀佑

100

阿部謙一

 
 

100

伊賀則夫

100

平野良栄

 
 

100

山田学武

100

菊原真人

 
 

100

土屋幸弘

 
 

100

二階堂亜樹

100

宮内こずえ

 
 

100

高宮まり

100

東城りお

 
 

100

魚谷侑未

100

蒼井ゆりか

 
 

100

ジェン

100

小笠原奈央

 
 

100

手塚紗掬

100

山脇千文美

 
 

100

童瞳

100

小島優

 
 

100

内田美乃里

100

赤司美奈子

 
 

100

齋藤麻衣子

100

西川舞

 
 

100

美唔

100

菅原千瑛

 
 

100

ジェマ

 
 

日本プロ麻雀連盟チャンネル運営
三田晋也
大庭三四郎

大会はWRCルール(連盟のWRCルールとの相違点もあるが、概ね同じ。一発裏ドラあり、30,000点持ち30,000点返し、順位点は5,000点,15,000点)である。

ベスト16までは麻雀は手積みで行われる。時間は90分+1局。

オーラス前、持ち点を4者がこのように用紙に書き、それぞれ確認を行う。

 

100

 

点数申告は基本的には英語で。
例えば「1,300・2,600」は、「one thousand three hundred(ワンサウザンドスリーハンドレッド),two thousand six hundred(トゥーサウザンドシックスハンドレッド)」となる。

もしくは、「thirteen hundred(サーティーンハンドレッド),twenty six hundred(トゥエンティシックスハンドレッド)」や、「one three(ワンスリー),two six(トゥーシックス)」でも大体は通じる。

世界各国の勤勉な方々の中には、日本語で点数申告される方も少なくなかった。
「メンピンツモドラダカラー、エットー、イチサンニーロク!」
これには驚かされた。

ちなみに私が満貫は「マンガン」、跳満は「ハネマン」、倍満は「バイマン」、でもほとんど通じるということが分かったのは予選最終日のことであった。

3日間にかけて行われた予選9回戦を勝ち上がったベスト32の選手はこちら。

 

100

 

ベスト32から決勝までは2回戦トーナメントで行われた。

そして、今回からWRCではサイドイベントというものが登場。

敗退した選手達はベスト32、16と同時進行で、赤ありの東風戦大会。

そしてベスト8と同時進行で、交流を図るため各卓に1人ずつ日本人選手を講師として迎えて、終局後倒牌ありで行なう勉強会が行われた。
その様子がこちら。

 

100

 

ベスト16の選手はこちら。

 

100

 

ベスト16のうち、連盟からは11人。

そして、ベスト8の選手はこちら。

 

100

 

決勝に残ったのはともたけ雅晴、中村ゆたか、山田浩之、増田隆一の4名だ。

 

100

 

この時点で中村は世界女性チャンピオンの座を射止める。

決勝の1回戦、自分以外の3人の本手が決まり、厳しい戦いを強いられていた山田のオーラスの親番。トップ目の中村からドラ2のリーチが入る。が、自身も役牌を2つ仕掛けてホンイツのテンパイを果たし、勝負に出る。残り枚数2対1の勝負の軍配は山田。
12,000を中村から直撃でアガリ、ラス目からいっきにトップ目に立つ。

この時点でのポイント
ともたけ35.8P 増田23.5P 中村24.3P 山田36.4P

オーラス1本場、山田が増田に1,000は1,300放銃となり、トップはともたけに。このアガリで増田はラスから3着に。

ともたけと山田は0.7ポイント差であったことから最終戦はほぼ着順勝負となる。増田、中村は自分がトップかつ、素点差や着順差を多少つける必要あり。

新たな世界チャンピオンが誕生する瞬間を見守る人々。パブリックビューイングの会場の様子。

 

100

 
 

100

 

最終戦、東1局2本場、ドラは中
ともたけの配牌はこちら。

一万一万九万二索四索六索七索九索九索一筒五筒七筒九筒東

ともたけの選択は四索
解説も驚くドリーム選択。

連荘中の増田からリーチ、そして増田から放たれたドラの中をポンしてテンパイは中村。

しかしこの局、アガリをものにしたのは2人のどちらかではなく、ともたけ。

一万一万七索八索九索一筒二筒七筒八筒九筒  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ツモ三筒

ポンテンをとり、すぐに三筒のツモアガリとなった。
打点こそ低いものの、価値のあるアガリである。

そして、我らがドリームの真骨頂は南1局。
ともたけの配牌

三万三万三万五万四索五索五索六索一筒三筒四筒五筒南北  ドラ四索

ここからツモ三索で345の三色の1シャンテンになる。

三万三万三万五万三索四索五索五索六索三筒四筒五筒南

一索もツモ切り。
二索なんかひいても安くなっちゃって嬉しくないじゃない!もったいないじゃな~い!”
そんな声が聞こえてきそうな、アメリカンドリーム打法炸裂である。
当然、七筒もツモ切り。

すぐに四万を引き入れ、ドリームヤミテン。

数巡後、ツモ七索で3,000・6,000。

他3者に条件を突きつけることとなる、とても大きなアガリをものにする。

その後、山田は読みの鋭さ、増田は意地と気合いの追い上げをまじまじとみせつけるも、最後は自身でアガリを決め、ともたけがたった1つの世界チャンピオンの椅子を手にした。

麻雀は負けることの方が多いゲームだ。そう書くと語弊があるように思えるが、優勝者以外はチャンピオンにはなれない。そう、チャンピオンになれるのはたった1人だけなのである。

224分の1。世界の頂点に立つということの重圧は想像だにしないほどであろう。
その上で、自身の麻雀を貫き通すということ。それはどんなに困難なことか。

しかし、それをきっちりやってのける者がもし現れたならば、麻雀の神様はおそらくその者に微笑むのであろう。

ベスト16で敗退した山脇千文美と山田学武のインタビュー時、悔しい気持ちを抑え明るく話す山脇の笑顔と山田の真摯な言葉に胸を打たれ、私は気付けば泣いていた。悔しくて、悲しくて、誇らしくて、嬉しくて。

今回、ラスベガスという日本から遠く離れた土地で、長時間の移動の疲れや時差ボケ、環境の違いから体調を崩す者も少なくはなかった。
それでも日本のリーチ麻雀で、日本人の活躍が華々しかったことは、私にとって、とてつもなく誇らしかった。

対照的に、表彰式でも、最後まで、ともたけ雅晴は泣かなかった。
戦いが終わった瞬間から、笑っていたのである。それはもう、とびきりの笑顔だった。

カラッとした空気のラスベガス、アメリカンドリームの勝者には、涙ではなく笑顔がとてもよく似合うのだなと思った。

 

100

 

特集企画/第2回リーチ麻雀世界選手権レポート 菅原 千瑛

ネオン輝く”眠らない街”ラスベガス。世界最大の観光都市である。そのラスベガスも、驚くことに100年前の人口はたったの25人だったという。
現在の年間観光客はおよそ5000万人。訪れるのは綺麗な景観やショー、カジノを楽しみ、アメリカンドリームを夢見る人々。
 

100

 
 

100

 
2017年、10月8日。麻雀界史上最もドリームという言葉の似合う日本人が、世界各国の強豪を押し退け、アメリカはラスベガスの地で世界チャンピオンとなる。これはまさにアメリカンドリームといえよう。
しかしこの夢は単なる夢物語ではない。たったひとつの椅子を賭け、世界30ヶ国から集まった者たちによる激闘が繰り広げられた、現実だ。
そうして勝者と敗者の嬉しさや悔しさがおり混ざる中、勝利を手にし続け、たったひとつの椅子に座ることの許された新たな王者が生まれたということは、紛れもない真実である。
日本時間の10月6日午前1時(ラスベガスは10月5日午前9時)、第2回リーチ麻雀世界選手権は幕を開けた。
今大会、日本プロ麻雀連盟からは61名が出場。
(2014年パリで行われた第1回リーチ麻雀世界選手権は、連盟からは40名、全体の出場選手は23ヶ国120名)
参加選手はこちら。
 

100

森山茂和

100

伊藤優孝

 
 

100

前原雄大

100

ともたけ雅晴

 
 

100

藤崎智

100

瀬戸熊直樹

 
 

100

佐々木寿人

100

内川幸太郎

 
 

100

山田浩之

100

白鳥翔

 
 

100

紺野真太郎

100

HIRO柴田

 
 

100

古橋崇志

100

吉田直

 
 

100

山井弘(第1回チャンピオン)

100

井出康平

 
 

100

西島一彦(第1回2位)

100

西川淳(第1回3位)

 
 

100

吉田幸雄

100

柴田吉和

 
 

100

杉浦勘介

100

森下剛任

 
 

100

客野直

100

黒木真生

 
 

100

ガース

100

増田隆一

 
 

100

奈良圭純

100

ケネス徳田

 
 

100

武田裕希

100

中村毅

 
 

100

三戸亮祐

100

清原継光

 
 

100

福光聖雄

100

羽山真生

 
 

100

中村慎吾

100

吉野敦志

 
 

100

蒼山秀佑

100

阿部謙一

 
 

100

伊賀則夫

100

平野良栄

 
 

100

山田学武

100

菊原真人

 
 

100

土屋幸弘

 
 

100

二階堂亜樹

100

宮内こずえ

 
 

100

高宮まり

100

東城りお

 
 

100

魚谷侑未

100

蒼井ゆりか

 
 

100

ジェン

100

小笠原奈央

 
 

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手塚紗掬

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山脇千文美

 
 

100

童瞳

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小島優

 
 

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内田美乃里

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赤司美奈子

 
 

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齋藤麻衣子

100

西川舞

 
 

100

美唔

100

菅原千瑛

 
 

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ジェマ

 
 
日本プロ麻雀連盟チャンネル運営
三田晋也
大庭三四郎
大会はWRCルール(連盟のWRCルールとの相違点もあるが、概ね同じ。一発裏ドラあり、30,000点持ち30,000点返し、順位点は5,000点,15,000点)である。
ベスト16までは麻雀は手積みで行われる。時間は90分+1局。
オーラス前、持ち点を4者がこのように用紙に書き、それぞれ確認を行う。
 

100

 
点数申告は基本的には英語で。
例えば「1,300・2,600」は、「one thousand three hundred(ワンサウザンドスリーハンドレッド),two thousand six hundred(トゥーサウザンドシックスハンドレッド)」となる。
もしくは、「thirteen hundred(サーティーンハンドレッド),twenty six hundred(トゥエンティシックスハンドレッド)」や、「one three(ワンスリー),two six(トゥーシックス)」でも大体は通じる。
世界各国の勤勉な方々の中には、日本語で点数申告される方も少なくなかった。
「メンピンツモドラダカラー、エットー、イチサンニーロク!」
これには驚かされた。
ちなみに私が満貫は「マンガン」、跳満は「ハネマン」、倍満は「バイマン」、でもほとんど通じるということが分かったのは予選最終日のことであった。
3日間にかけて行われた予選9回戦を勝ち上がったベスト32の選手はこちら。
 

100

 
ベスト32から決勝までは2回戦トーナメントで行われた。
そして、今回からWRCではサイドイベントというものが登場。
敗退した選手達はベスト32、16と同時進行で、赤ありの東風戦大会。
そしてベスト8と同時進行で、交流を図るため各卓に1人ずつ日本人選手を講師として迎えて、終局後倒牌ありで行なう勉強会が行われた。
その様子がこちら。
 

100

 
ベスト16の選手はこちら。
 

100

 
ベスト16のうち、連盟からは11人。
そして、ベスト8の選手はこちら。
 

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決勝に残ったのはともたけ雅晴、中村ゆたか、山田浩之、増田隆一の4名だ。
 

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この時点で中村は世界女性チャンピオンの座を射止める。
決勝の1回戦、自分以外の3人の本手が決まり、厳しい戦いを強いられていた山田のオーラスの親番。トップ目の中村からドラ2のリーチが入る。が、自身も役牌を2つ仕掛けてホンイツのテンパイを果たし、勝負に出る。残り枚数2対1の勝負の軍配は山田。
12,000を中村から直撃でアガリ、ラス目からいっきにトップ目に立つ。
この時点でのポイント
ともたけ35.8P 増田23.5P 中村24.3P 山田36.4P
オーラス1本場、山田が増田に1,000は1,300放銃となり、トップはともたけに。このアガリで増田はラスから3着に。
ともたけと山田は0.7ポイント差であったことから最終戦はほぼ着順勝負となる。増田、中村は自分がトップかつ、素点差や着順差を多少つける必要あり。
新たな世界チャンピオンが誕生する瞬間を見守る人々。パブリックビューイングの会場の様子。
 

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最終戦、東1局2本場、ドラは中
ともたけの配牌はこちら。
一万一万九万二索四索六索七索九索九索一筒五筒七筒九筒東
ともたけの選択は四索
解説も驚くドリーム選択。
連荘中の増田からリーチ、そして増田から放たれたドラの中をポンしてテンパイは中村。
しかしこの局、アガリをものにしたのは2人のどちらかではなく、ともたけ。
一万一万七索八索九索一筒二筒七筒八筒九筒  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ツモ三筒
ポンテンをとり、すぐに三筒のツモアガリとなった。
打点こそ低いものの、価値のあるアガリである。
そして、我らがドリームの真骨頂は南1局。
ともたけの配牌
三万三万三万五万四索五索五索六索一筒三筒四筒五筒南北  ドラ四索
ここからツモ三索で345の三色の1シャンテンになる。
三万三万三万五万三索四索五索五索六索三筒四筒五筒南
一索もツモ切り。
二索なんかひいても安くなっちゃって嬉しくないじゃない!もったいないじゃな~い!”
そんな声が聞こえてきそうな、アメリカンドリーム打法炸裂である。
当然、七筒もツモ切り。
すぐに四万を引き入れ、ドリームヤミテン。
数巡後、ツモ七索で3,000・6,000。
他3者に条件を突きつけることとなる、とても大きなアガリをものにする。
その後、山田は読みの鋭さ、増田は意地と気合いの追い上げをまじまじとみせつけるも、最後は自身でアガリを決め、ともたけがたった1つの世界チャンピオンの椅子を手にした。
麻雀は負けることの方が多いゲームだ。そう書くと語弊があるように思えるが、優勝者以外はチャンピオンにはなれない。そう、チャンピオンになれるのはたった1人だけなのである。
224分の1。世界の頂点に立つということの重圧は想像だにしないほどであろう。
その上で、自身の麻雀を貫き通すということ。それはどんなに困難なことか。
しかし、それをきっちりやってのける者がもし現れたならば、麻雀の神様はおそらくその者に微笑むのであろう。
ベスト16で敗退した山脇千文美と山田学武のインタビュー時、悔しい気持ちを抑え明るく話す山脇の笑顔と山田の真摯な言葉に胸を打たれ、私は気付けば泣いていた。悔しくて、悲しくて、誇らしくて、嬉しくて。
今回、ラスベガスという日本から遠く離れた土地で、長時間の移動の疲れや時差ボケ、環境の違いから体調を崩す者も少なくはなかった。
それでも日本のリーチ麻雀で、日本人の活躍が華々しかったことは、私にとって、とてつもなく誇らしかった。
対照的に、表彰式でも、最後まで、ともたけ雅晴は泣かなかった。
戦いが終わった瞬間から、笑っていたのである。それはもう、とびきりの笑顔だった。
カラッとした空気のラスベガス、アメリカンドリームの勝者には、涙ではなく笑顔がとてもよく似合うのだなと思った。
 

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何を切る?fromロン2 2017年11月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答を、グラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東1局東家

 

プロ

七索切り・・・28人
一万切り・・・2人
九万切り・・・2人
六筒切り・・・1人

 

ロン2ユーザー

七索切り・・・66.1%
一筒切り・・・14%
六筒切り・・・10.5%
九万切り・・・4.1%
一万切り・・・2.9%
三万切り・・・1.2%
九筒切り・・・1.2%

 

 

プロ解答(50音順)

 

七索切り

蒼井ゆりか
「いったんほぐして、ツモ次第で一通、ピンフ、純チャンなどの手役を追いつつ様子を見る。」

和泉由希子
「何かしらの手役を狙って。」

内川幸太郎
「ドラ2に純チャンや一通が見える絶好の配牌。全てを狙って七索切りとします。」

内田美乃里
「純チャン、一通、ピンフを見る。」

勝又健志
七索が暗刻になってのテンパイに価値は無いと考える。純チャンや一通も見つつ柔軟に。」

近藤久春
「純チャンと一通の両にらみ。」

紺野真太郎
「チャンタ、一通を見て。他に切るものが見当たらない気が・・・」

斉藤理絵
「純チャンを見つつ、ドラドラピンフでも良い。」

佐々木寿人
「手役派としては、落とせないものがあるから。」

沢崎誠
「ドラが一筒でなくとも七索切り。純チャンを見る。」

白鳥翔
「一発裏有りとはいえ、1巡目なら積極的に2翻以上の手役を狙っていきたい。純チャン、一通を見て打つ。鳴いて満貫テンパイなどの仕掛けも利く。」

瀬戸熊直樹
「純チャン、ピンズ一通、またはピンズ一色を想定します。」

高宮まり
「七対子はあまり見ない。チャンタや一通などを見つつ。」

滝沢和典
「一通or純チャン狙い。シャンテン数は無視。」

ダンプ大橋
「ドラはもったいないし、トイツを1つほぐします。九万じゃないのは手役を見て。」

ともたけ雅晴
「東1局の配牌なので、自分の手がどこまで伸びるのか見てみたい。ドラが2枚あるので、早くテンパイをしたいとあせると大物手を逃すかもしれないので、純チャンやピンズの一通を見る。」

童瞳
「チャンタ、一通を天秤に。」

二階堂亜樹
「トイツ手は見ずに、純チャン、一通想定で。」

仁平宣明
「配牌だし柔らかく構える。全ての役の可能性を残す。」

HIRO柴田
「先は長いので。」

藤崎智
「他の選択が見当たらないです。」

藤島健二郎
「ドラ2、一通、純チャン全て見る。」

藤原隆弘
「純チャンと一通の天秤。」

麓征生
「純チャンを本線に考え、次にピンズの一通を考えます。」

古橋崇志
「純チャンかピンズの一色を狙って七索を1枚外す。」

前田直哉
「いろんな可能性を消さないために、七索をほぐす。」

美波智子
「純チャンやピンズの一通の可能性を残す。」

山田浩之
「純チャン、一通。まだ天秤をかけるために、1枚七索を浮かせる。」

 

 

一万切り

朝霧千裕
「ドラを2枚使い切れる七対子と、メンツ手でピンズの伸びに期待して両天秤の打一万。」

古川孝次
「目指すはチンイツであるが、次ツモでトイツになったら七対子ドラ2とチンイツの両天秤を計りながらツモに聞く。」

 

 

九万切り

稲岡ミカ
「トイツ3組のため、どこかをほぐしたい。マンズ一万三万は形が弱く不安定。横の伸びはピンズ、ソーズに求め、九万をトイツ落としして、他の部分を雀頭にしていきたい。」

猿川真寿
「親番でドラ2なので、一番広く受ける。」

 

 

六筒切り

林俊宏
「1シャンテンに取る。九万 七索が暗刻になった場合は早い巡目ならリーチを打つ可能性有り。一筒四筒引きなら打七索。ツモ二万なら、七索を外すことも考える。」