Mr.Yの連盟Weekly!選手名鑑・4コマ漫画

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今年のゴールデンウィークは10連休が確定した。
学生の頃だったら喜び庭駆け回り、こたつで丸くなってテレビゲームでもやっていただろう。
我ら麻雀プロにとっては関係のないことだ。むしろ忙しくなる人も多いだろう。ありがたいことだ。
日本プロ麻雀連盟本部道場でもイベントなどが行われると思うので、普段来れない方もお越しいただけたらと思う。
皆様が充実した10連休を過ごせますように。

それでは先週を振り返っていこう。
 

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【選手名鑑】
3月1日発売の近代麻雀に付録で『麻雀プロ全選手名鑑2019年版』が付いている。
各人の紹介文章が面白く、読み応え十分の1冊となっている。
連盟はCリーグ以上の選手のみ詳しい解説が載っている。
要チェックだ!

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この誤植を色んな人が取り上げ、結果的に山田学武の認知度が上がった。
ツイている男だ。サンフランシスコハリケーン。
 
 
 
 
【連盟漫画 その1】
TwitterでMリーガーに出場しているプロの漫画を良く見る。
色んな角度・観点から物語を描き、その中にいくつもネタを入れ混んでいて、面白いものばかりだ。

Mリーガーは21人だが、連盟員は600人を超える。
つまり、連盟員全員を漫画で使っていいなら一生ネタに困ることはないのではないだろうか。

ということで、描いてみた。
漫画を描くのは初めてなので大目に見てほしい。

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※製作時間3時間

何を切る? 2019年3月

第35期鳳凰位決定戦 13回戦 東1局 南家 吉田直プロ

 

 

 

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

■プロ解答

三筒切り

 

 

■プロの視点
吉田直プロ
「高目の九索が3枚飛んでいて六索もそんなによく見えない、さらにドラが一筒ということを考えると、これがフラットな状態であれば七索を切ると思います。
しかし、最終日を迎えて2番手の勝又プロに約80ポイントのリードがあるので、勝又プロの親番では極力リーチをしないように決めていました。
前述の七索切りだと、ドラの一筒四索が入った時、自分のスタイルでこれは勝負手だからと漢のリーチをしかねない(リーチが間違いという訳ではなく、最終日を迎えるにあたっての自分のテーマに沿っていない)。
そこで、ホンイツを見てヤミテンや仕掛けも可能な打三筒を選びました。
ドラの一筒を引いた時は、場の雰囲気で切るか七対子に向かうか判断するつもりでした。」

■終局図

 

 

 

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第19期北陸プロアマリーグ 決勝レポート

2019年2月17日(日)富山市にて第19期北陸プロアマ混合リーグ決勝戦は行われた。
決勝戦は予選通過順位1位40PP、2位20P、3位10P、4位0Pの持ち点スタートでの半荘4回戦。

決勝戦出場選手紹介と決勝へ向けてのコメント

1位通過 獅坂 祐一プロ +40P(32期生、初段)
「いつも通り打ちます」

2位通過 山元 一成さん +20P(一般)
「初めての決勝進出だが、自分らしく打ちたい」

3位通過 後藤 正博プロ +10P(22期生、三段、第1期北陸リーグ4位)
「決勝進出は第1期北陸プロアマリーグ以来なのでぜひとも優勝したい」

4位通過 窪田 一彦さん 0P(一般、第7期北陸リーグ優勝、第3、10、11期2位)
「虚心坦懐で臨みます。」(虚心坦懐…心にわだかまりがなく平静な心境)

決勝戦初出場の獅坂と山元さん、第17期最強位、第1期北陸プロリーグ優勝、をはじめ多くの戦歴を持つ後藤と北陸リーグ優勝と上位経験を持つ窪田さん。

 

1回戦 起家から獅坂、窪田、山元、後藤
東1局 窪田さんがリーチ、タンヤオ・ドラ1の5,200点を後藤からアガる。
東2局 獅坂が仕掛けてタンヤオ・ドラ3の2,000、3,900のツモ。
東3局 後藤のリーチ。流局。
東4局 窪田さんのリーチ、1,000・2,000ツモ。
東場は上位とのポイントの差を詰めようと窪田さん、後藤が果敢に前に出る。攻撃型の獅坂もそれに応戦する形となった。

南1局 親の獅坂がホンイツ・中・イーペーコーの12,000点を窪田さんからアガリ、獅坂の点数は5万点を超える。

一索一索三索三索四索四索五索七索八索九索中中中  ロン五索

南3局 ドラ六索

一万一万二万二万五万五万八万八万六索六索二筒二筒九筒

窪田さんの6巡目のリーチ。九筒は山にありと読んで勝負に踏み切ったようだ。
しかし、親の山元さんも六筒九筒待ちは勝機ありと、8巡目にリーチ。

二万三万四万五万六万七万三筒三筒六筒七筒七筒八筒八筒

軍配は窪田さんに。リーチ七対子ドラ2の3,100・6,100のツモ。窪田さんはこのアガリで持ち点を30,000点に戻す。

1回戦結果
獅坂+29.8P 窪田+5.4P 山元▲14.5P 後藤▲20.7P

トータルスコア
獅坂+69.8P 山元+5.5P 窪田+5.4P 後藤▲10.7P

 

2回戦 起家から窪田、山元、獅坂、後藤
大きくリードを広げた獅坂。しかしこの独走を3人は止めなくてはいけない。
東3局 山元さんが仕掛けてタンヤオ・ドラ3の7,700点を後藤からアガる。
東4局 獅坂が仕掛けて親の後藤のリーチ宣言牌を捕えて3,900点のアガリ。
1回戦から果敢に攻め続ける攻撃型の後藤。しかし打ち込みに回り苦しい展開が続く。獅坂はリードを広げるべく攻撃の手を緩めない。
南1局 山元さんが獅坂から3,900点をアガる。
獅坂はこの3,900点の放銃で持ち点29,500点となり原点を割る。ここから窪田さんが動き出す。

南2局1本場供託2 ドラ二筒 5巡目

二万二万六万七万八万五索六索六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ七索

窪田さんの500・800と供託2,000点のアガリ。

南3局 ドラ六索

三万三万四万五万六万六万七万八万六筒七筒  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  ツモ八筒

窪田さん、2巡目に二索ポン、5巡目に300・500のツモアガリ。電光石火で獅坂の親を落とす。守備意識の強いバランス型の窪田さん。獅坂が原点を割ったまま2回戦を終わらせる、この仕掛けに窪田さんの意図が感じられる。優勝経験を持つ窪田さんは現時点で最終戦までに獅坂との差をどこまで詰めるのか構想ができているのかもしれない。

南4局 親の後藤の1,000オール。
南4局1本場 山元さんの400・600のツモアガリ。

2回戦結果
山元+17.4P 窪田+8.5P 獅坂▲7.9P 後藤▲18.0P

トータルスコア
獅坂+61.9P 山元+22.9P 窪田+13.9P 後藤▲28.7P

 

3回戦 起家から山元、窪田、獅坂、後藤
獅坂への包囲網は厳しさを増してゆく。

東1局 ドラ七万

一筒二筒九筒九筒東東東  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ポン白白白

親の山元さん、4巡目八筒ポン、8巡目白ポンでテンパイ。

四万五万六万七万七万一筒二筒三筒四筒九筒九筒中中

後藤の手牌。ここへ三筒を持ってきて中を落として回る。アタリ牌の三筒を吸収して3枚目のドラ七万を持ってきてリーチ。

四万五万六万七万七万七万一筒二筒三筒三筒四筒九筒九筒

軍配は17巡目山元さんの三筒ツモ、4,000オール。
山元さんは次局も4,200点をアガリ、持ち点47,200点。

東1局2本場 窪田さんの七対子ドラ2のリーチ。しかし獅坂の2,600+供託1,000点のアガリ。
東2局 獅坂の300・500ツモ。これで獅坂は持ち点を原点に戻す。

東3局 ドラ六筒
7巡目獅坂の手牌

三万三万五万六万七万七万八万七索八索九索二筒三筒六筒  ツモ八筒

獅坂の選択は打七万。その後は→九万西五万東西、この生牌の西を山元さんがポン。六筒東、→東二万八筒八筒を山元さんがポン、四万→打三万リーチ。

二万三万四万六万七万八万七索八索九索二筒三筒六筒六筒

しかし、この宣言牌の三万に山元さんと窪田さんからロンの声。

三万三万二筒二筒四筒四筒四筒  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ポン西西西

頭ハネで山元さんの5,200点のアガリ。攻撃寄りのバランス型の山元さん、親番で前に出てくる獅坂を仕掛けて捕える。獅坂、頭がドラに振り替わり痛恨の放銃。このアガリで現時点でのトータルトップは山元さんに。

南3局 ドラ六万

二万三万四万六万六万四索五索六索七筒八筒九筒白白

7巡目 窪田さんのリーチ。
一方、リーチを受けた8巡目の親獅坂の手牌。

一索二索三索四索五索七索八索七筒八筒八筒八筒九筒白  ツモ六索

白を打ちリーチと行き、窪田さんへ8,000点の放銃。獅坂は包囲網に捕えられてしまった。
南4局 窪田さんは700・1,300のツモ。このアガリで窪田さんの持ち点は30,000点を越え3回戦も加点に成功する。

3回戦結果
山元+31.0P 窪田+6.6P 獅坂▲14.9P 後藤▲22.7P

トータルスコア
山元+53.9P 獅坂+47.0P 窪田+20.5P 後藤▲51.4P

 

最終戦 起家から、獅坂、窪田、後藤、山元
(最終戦はトータルスコア2位、3位、4位、1位の順)
トータルトップの山元さんとの差は、獅坂▲6.9P、窪田さんは▲33.4P、後藤▲105.3P。1回戦終了時最大で64.3Pのリードを持っていた獅坂。幾度も勝負手を決め2回のトップでそれを凌駕した山元さん。2回戦、3回戦と獅坂のスコアにマイナスをつけることで差を詰めてきた窪田さん。ここまで牌が寄らず苦戦を強いられている後藤。各々が優勝への道を切り拓きながら辿り着いた最終決戦が始まった。

東1局 ドラ三索
親の獅坂、3巡目にしてこの形。

四万五万五万六万四索五索六索七索九索九索一筒四筒五筒

その後六筒九索と引きこむ。

四万五万五万六万四索五索六索七索九索九索九索四筒五筒六筒

獅坂は八索が場に2枚切れも五万切りリーチ。後藤からあふれた七索でリーチ・三色7,700点のアガリ。先制打を決めイニシアティブを取る。

東1局1本場 ドラ東
5巡目 後藤のリーチ

三万四万五万八万八万三筒四筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒

対して獅坂はドラ東2枚の手牌から真っ直ぐに無筋を切り飛ばしてゆく。9巡目に獅坂から打ち出された九筒で後藤はリーチ・ピンフの2,300点のアガリ。

東2局 山元さんが発を仕掛けて後藤から2,000点のアガリ。
東3局 窪田さんが親番で前に出る後藤から5,200点のアガリ。

東4局 ドラ八筒
親の山元さんの手は重く全く進まない。
9巡目 獅坂の手牌

一万二万二万三万四万六万六万七万二索二索三索四索八筒  ツモ七筒

獅坂は二索切りを選択。その後すぐに八万四万を引き込みリーチ。

一万二万三万四万四万六万七万八万二索三索四索七筒八筒   ツモ九筒

14巡目九筒ツモで獅坂、リーチ・ツモ・ピンフ・ドラ1の1,300・2,600点のアガリ。
獅坂は持ち点を40,600点とし、トータルトップで南場を迎える。

ここまでの持ち点は獅坂40,600、窪田32,900、後藤16,100、山元30,400。
現在の順位点を含めたトータルスコアは、獅坂+65.6P、山元+55.3P、窪田+26.4P、後藤▲73.3P。

南1局 ドラ五万 親獅坂
4巡目、窪田さんのリーチ。

二万二万一索一索一索一筒二筒三筒南南中中中

獅坂の手牌
二万四万四万七万八万四索五索六索二筒二筒三筒四筒五筒

ここへ南を持ってきてツモ切り。窪田さんへリーチ・ダブ南中の8,000点の打ち込み。
獅坂の最後の親番が終わる。

南2局 ドラ六索 親窪田さん
3巡目、またしても窪田さんのリーチ。

二索三索四索五索六索七索八索九索四筒四筒五筒六筒七筒

親のピンフ・ドラ1、高め一気通貫のリーチ。一索ツモなら6,000オールまである。

二万三万四万四索六索一筒一筒一筒七筒八筒九筒発発

リーチの現物がなく役なしテンパイの獅坂、この手牌に一索を持ってくる。テンパイ維持しそのままツモ切り。窪田さんのリーチ・ピンフ・一気通貫・ドラ1の12,000点の大きなアガリ。窪田さん、2局で獅坂から20,000点をアガる。持ち点を52,900点とし、獅坂をかわし、トータルトップの山元さんまで一気に詰め寄る。

南2局1本場 窪田さんの1,100オール。現時点で山元さんをかわして窪田さんがトータルトップに。

南2局2本場 ドラ八筒
5巡目の親の窪田さんの手牌、三暗刻のテンパイ。

三万四万七万七万七万八索八索八索五筒五筒北北北

ここへ四万を持ってきて、三万切りでトイトイ・三暗刻のテンパイに変化。この三万を獅坂がポン。すぐに窪田さんはツモ切りリーチ。リーチの段階では四万は獅坂に1枚、五筒は山元さんに1枚。途中、四万は後藤の元へ。残り1枚の五筒は山に奥深く眠ったまま流局。3者は窪田さんの開かれた手を見て肝を冷やしただろう…。

南2局3本場供託1 ドラ四筒
序盤に山元さんが二万をポン。つづいて獅坂が山元さんから発白を仕掛ける。獅坂の発の仕掛け後も白中が見えていない。その状況で山元さんが白を打ち出した。攻撃寄りのバランス型の山元さんが前に出たということは中とドラ四筒も持っている可能性が高い。一方、役牌2フーロの獅坂はマンズしか打ち出しておらず一色手ならソウズ、ピンズかは判断しにくい。ドラが四筒のためピンズに寄せているのでは?そう推測したのかもしれない。窪田さんから六索が打ち出された。獅坂の手牌にピンズはなくソウズのホンイツ・白発の8,600点のアガリ。このアガリで獅坂は息を吹き返した。

一索二索三索四索五索東東  ポン白白白  ポン発発発

現状のトータルスコアは、獅坂+51.6P、山元+47.7P、窪田+46.6P、後藤▲75.9P。
1局進むごとに3者の順位が目まぐるしく入れ替わる。

南3局 山元さんのリーチ。一人テンパイで流局。

南4局1本場供託1 親は山元さん。
現在の点数状況は獅坂29,600、窪田47,100、後藤12,500、山元29,800。窪田さんの1人浮きの状況であるが、獅坂、山元さんは何をあがっても浮きに。
現状の順位点込みのトータルスコアは山元+52.7P、獅坂+43.6P、窪田+49.6P、後藤▲76.9P。
親の山元さんは全員ノーテン流局であれば優勝であるが、アガリに向かい1人ノーテンでも伏せられる状況を目指したい。
獅坂は1本場と供託1,000点があるので1,000点をアガリ浮きの2着とすれば優勝。
窪田さんは山元さんと3.1P差で1本場と供託1,000点を加味すると1.8P差。2,000点のアガリ、もしくは山元さんから1,000点のアガリで優勝。
大接戦のオーラス。

ドラ七索
7巡目、最初に仕掛けたのは親の山元さん。窪田さんから打ち出された五万をポン。

五万六万七万二索三索五索五索六索白白  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  打三万

この三万を獅坂がチー。片アガリの中待ちのテンパイ。

九万九万一索二索三索七索八索九索中中  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  打六万

9巡目、窪田さんが獅坂の打った発を仕掛ける。

一万一万二万四索五索一筒一筒五筒六筒七筒  ポン発発発  打二筒

11巡目、山元さん、一索チーで片アガリの白待ちテンパイ。

五万六万七万五索五索白白  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  打六索

12巡目、窪田さんが獅坂の打った一万をポン。三索六索待ちテンパイ。

四索五索一筒一筒五筒六筒七筒  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン発発発  打二万

この時点で白中は2枚ずつ山。

そして13巡目。山元さんの手から河に中が放たれた。

第19期北陸プロアマ混合リーグ決勝戦。その終止符を打ったのは獅坂。
最終戦を終えた獅坂は大きく息を吐いた。苦しく長い戦いの末、やっと安堵の息をこぼすことができたようだ。優勝おめでとうございます。

優勝 獅坂 祐一プロ +53.9P
準優勝 山元 一成さん +47.4P
第3位 窪田 一彦さん +45.6P
第4位 後藤 正博プロ ▲76.9P

出場選手の皆様本当にお疲れ様でした。

 

gpmax2018

 

リーグ戦を第1節から攻め抜き首位を走り続け決勝まで辿り着き、決勝戦も攻め抜く姿勢は変わらず多くの失点を乗り越え不屈の意志で優勝を勝ち取った獅坂プロ。
多くの勝負手を決め勝ち取った2度のトップ。しかし、その裏にはアガリの回数より多い忍耐があったと思います。局面を見極め、幾度の勝負手を決めた山元さん。
局面に合わせて打点を見た手作り、スピードを意識した手作り、山読み、変幻自在に使い分け獅坂プロを追い詰めた窪田さん。
終日牌が寄らず後手に回るも機を窺い勝負手を作り攻め続けた後藤プロ。
個性がぶつかり合う本当に素晴らしい決勝戦でした。レポート担当という形でこの決勝戦に立ち会う事ができた幸運に感謝しています。
このレポートで4名が優勝への道を切り拓く様子を上手く伝えられているか不安ではあります。

リーグ戦は苦難に満ちています。それを乗り越えた先の決勝戦は苦難を乗り越えた者が激しくぶつかりまた苦難を味わいます。しかし、我々はなぜその苦難にあえて挑むのでしょう?その答えは卓上にある、と私は思っています。私も16期の決勝戦を経験し、答えの一端に触れました。決勝戦という頂の卓上に待つ答え。多くの方に感じてほしいと願っています。
2019年3月より第20期北陸プロアマ混合リーグが始まります。
是非、ご期待ください。

拙い文章に最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。
北陸支部33期生 成田 理良

第9期麻雀グランプリMAX二次トーナメント

2/17に開催された麻雀グランプリMAXの二次予選の様子をレポートしたい。
なお、各卓組の前半2名が二次予選からのシード、後半2名が前日の一次予選勝ち上がりの選手となっている。(※ 敬称略・全5回戦で各卓2名勝ち上がり)

1卓:森山茂和・武田裕希・荒正義・客野直

この卓は、大ベテランVS中堅の組み合わせとなった。
もしくは、高打点の森山&武田VS捌きの荒&客野という見方もできるか。
武田は麻雀マスターズでの準優勝があったが、マムシの毒が抜けないのか(優勝は沢崎)リーグ戦はB1、B2を連続降級。この戦いが復活のきっかけとなるか。

 

gpmax2018

 

初戦トップ、2戦目も45,000点のトップ目で迎えた客野。
南4局の親番でこのアガリ。

六万七万八万三索三索四索五索六索六索七索八索六筒七筒  ツモ八筒  ドラ六筒

おしとやかな客野にしては珍しく6,000オールの声が響く。

その後も攻撃の手を緩めず5本場まで積み、70,000点オーバーのトップ。
2回戦で通過を決めてしまった。

2回戦終了時
客野+72.2P、武田▲13.3P、荒▲28.7P、森山▲30.2P

もうひと席の争いも早々に決着が訪れる。

3回戦東2局 武田

六万六万六万八索八索一筒一筒一筒三筒三筒発発発  リーチ  ツモ三筒

この展開では、百戦錬磨の森山・荒でも為す術がない。ここで、敗退となってしまった。

1卓勝ち上がり:武田、客野

 

 

2卓:仲田加南・山田浩之・藤原隆弘・伊藤鉄也

現女流桜花の仲田、1年前はやや不調なのかと筆者は感じていた(それでも女流桜花を防衛するのだが)。
今期は女流桜花圧勝、その他にも先日のWRCで準優勝と充実が伺える。
山田はマスターズ4位、A2リーグは最終節で捲くられ昇級を逃す、とやや悔いが残るシーズンであったか。(十分輝かしい戦績ではあるのだが・・・)
藤原は、A2リーグ6節までマイナスと不調だったが、後半スコアを回復し+33.9Pの8位で終了。
どうやら手牌に恵まれなかっただけで、マイナスを最小限にするようきっちり仕事はしていたようだ。
伊藤は、中部プロリーグを優勝。前期にC1リーグに昇級している。

 

gpmax2018

 

開局は藤原の11,600点、次局は仲田の12,000点。
山田の表情が曇るが、実は両方とも放銃は勝負手だった伊藤。
対照的に伊藤はまだまだ始まったばかりと、元気よく点棒を払うそのポジティブさは勉強になる。

3回戦終了時
仲田+46.4P、山田+12.9P、藤原▲7.7P、伊藤鉄▲51.6P

4回戦、山田が役役ホンイツの11,600点を藤原からアガって勝負あり。

藤原「昨日、今日とトップが遠かった。昨日はノートップでもなんとか通過したけど、そう連日うまくはいかないね」
伊藤「全然アガリに結びつかない日だったね。3回戦で辛うじて浮いて可能性を残すので精一杯だった」

2卓勝ち上がり:山田、仲田

 

 

3卓:黒沢咲・伊藤優孝・近藤久春・ダンプ大橋

十段位決定戦3位、Mリーグでセレブが知れ渡ってしまい吉●家に入ることができない黒沢と
今期もA1リーグで華麗な技しぶとい生命力で視聴者を魅了した伊藤がシードで登場。

 

gpmax2018

 

初戦はダンプがトップ、2戦目、3戦目は黒沢がトップと2人を中心に進む展開。
しかし近藤も勝負所の4戦目を制し、3人勝負の最終戦に持ち込む。

4回戦終了時
黒沢+33.6P、ダンプ+27.5P、近藤+24.0P、伊藤優▲86.1P

最終戦南3局、10,000点を追いかける立場の黒沢、最後の親番4巡目

一万三万二索二索三索一筒二筒三筒発発  暗カン牌の背中中牌の背

今日一番のセレブ手牌となったが、近藤が的確に仕掛けて親落としに成功。
ダンプと共に勝ち上がりを決めた。

3卓勝ち上がり:ダンプ、近藤

 

 

4卓:HIRO柴田・勝又健志・菊田政俊・奈良圭純

鳳凰位決定戦2位、3位のHIRO柴田、勝又が登場。
王位戦準優勝&天翔位(東北プロリーグ)優勝と今季大活躍の菊田と第2回のグランプリ決勝に残ったことがある奈良との組み合わせ。

 

gpmax2018

 

1回戦、HIRO柴田は、オーラス親の菊田に5,800点、オーラス2本場には奈良に8,000+600点の放銃で20,000点の3着。
こういう転落は後々響くなー、本調子じゃないのかなーという筆者の心配は浅はかで、2戦目以降も着実に加点し好位置に。
逆に勝又は、点数状況から不利な勝負を余儀なくされ、早々に脱落するという不遇な展開。

3回戦終了時
菊田+32.2P、奈良+24.2P、HIRO柴田+20.8P、勝又▲77.2P

4回戦、親の奈良の6巡目

三万三万四万五万六万三索四索五索六索七索七索八索八索  リーチ  ドラ三筒

ヤミテンにして二索八索を入れ替えてリーチ。
一通の変化ではなかったが、これでも高めで決まれば抜け出せる会心のアガリとなるはずが、

南家菊田
四索六索七筒八筒九筒南南南西西  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ロン五索

これには奈良もガックリ。

以降、奈良は受けに回ることが増えてしまい、最終戦オーラスもこのテンパイ止まりで敗退となった。

四万四万四万九万九万四索四索四索六筒六筒六筒白白

4卓勝ち上がり:HIRO柴田、菊田

 

 

5卓:佐々木寿人・藤島健二郎・紺野真太郎・西川淳

同世代が揃った5卓。ライバル意識があったりするのだろうか?
最後まで目の離せない展開だった。

 

gpmax2018

 

3回戦終了時
紺野+33.5P、西川+33.2P、藤島▲28.4P、佐々木▲38.3P

上下が分かれて迎えた4回戦、最終戦を現実的な差(約30ポイント差)としたい藤島、佐々木だったが、オーラスはこの点数状況。
(親から)紺野45,100、藤島32,000、西川21,400、佐々木22,500
西川がラス目とはいえ、このままではあまり差が詰まらない。(藤島でも約40ポイント)

しかし、佐々木の一撃が炸裂。

四万五万五索五索六索六索七索七索三筒三筒六筒六筒六筒  ロン三万  ドラ六筒

紺野の親リーチの現物で西川を1人沈みにする値千金の8,000点。
勝負は最終戦に。

4回戦終了時
紺野+55.6P、西川+4.3P、藤島▲26.4P、佐々木▲33.5P

最終戦、東1局は藤島が2,000・4,000を西川に親被りさせると
南1局には6,400をアガリ、西川を逆転。

迎えた南2局、親の藤島の先制リーチ。
牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  リーチ  ドラ九筒

追う立場の西川はアガれば跳満の勝負手。

九万九万三筒三筒三筒九筒九筒  ポン南南南  ポン白白白  ドラ九筒

残り2巡、西川ツモ六筒。大長考。
いやいや、この手牌でオリることなんかない。
この手を逃したら逆転できないかもしれ・・・・打九万!。

藤島の最終ツモは九万!流局。
そして開かれる藤島の手牌。

一万二万三万三索三索四索五索六索五筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ九筒

唖然。

そして次局、中ホンイツドラの2,000・3,900をツモアガリ再逆転。
勝利の女神は西川に微笑んだ。

5卓勝ち上がり:紺野、西川

以上で2次予選勝ち上がりの10名が出揃った。
ベスト16からのシード選手はこちら。
前年度優勝 前原雄大
鳳凰位 吉田直
十段位 内川幸太郎
マスターズ、WRC沢崎誠
王位、日本オープン 魚谷侑未
ポイントランキング1位 藤崎智

組み合わせ
A卓(2/26) 前原、客野、山田、西川
B卓(2/27) 吉田、武田、仲田、紺野
C卓(3/5) 内川、藤崎、ダンプ、菊田
D卓(3/6) 魚谷、沢崎、近藤、HIRO柴田

巣鴨本部道場 2019年2月度プロアマオープン大会成績表 最終結果(プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 丹野賢一 20 326.2
2 うりぽたん 27 300.9
3 しーら 48 272.0
4 齋藤麻衣子 31 253.5
5 黒崎 16 253.5
6 松井直文 16 250.0
7 Andy-San 48 238.5
8 稲熊勝明 38 236.7
9 ナベキヨ 27 218.1
10 ぽいすけ 46 202.1
11 松村祐輔 33 198.1
12 カズ 18 197.3
13 西角健二 46 188.4
14 木本一郎 30 184.0
15 岡野 61 174.9
16 住吉聡 35 170.7
17 20 153.5
18 山田侑輝 48 147.9
19 水野裕来 18 140.2
20 立岩知朗 41 138.0
21 森山茂和 16 136.8
22 藤原隆弘 36 131.4
23 篠田拓郎 46 116.4
24 佐藤妙子 16 111.0
25 ミヤ 21 109.9
26 森 雅彦 18 83.9
27 有田将之 34 83.2
28 太田久雄 24 78.5
29 くまお 18 70.3
30 まどさん 22 69.3
31 小林泰士 42 68.4
32 岡本浩一 19 65.5
33 藤次祐紀 73 60.1
34 中村 64 57.5
35 イガラシ 17 56.7
36 シマカタ 26 56.0
37 松岡光成 24 48.6
38 小泉忠 21 41.9
39 大澤達弘 21 33.7
40 金山 35 30.1
41 山本沙衿 20 25.5
42 塚田悠介 22 25.3
43 松本裕也 21 20.1
44 中谷あずさ 25 19.0

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 立岩知朗 24 157.1
2 ぽいすけ 18 155
3 吉田直 14 137.1
4 石橋和也 10 118.6
5 丹野賢一 15 90.5
6 Andy-San 15 88.6
7 冨田久志 9 76
8 小泉忠 19 71.2
9 小林泰士 18 70.8
10 イガラシ 8 67.8
11 篠田拓郎 14 63.3
12 水野裕来 12 63.1
13 わっしー 10 50.3
14 中谷あずさ 11 50.2
15 くまお 11 43.9
16 もと 12 40.1
17 岡野 14 37.5
18 金山 8 27.4
19 ミヤ 10 26.7
20 極楽7 9 24.6
21 ひろりん 15 22
22 赤岩由美子 8 18.3
23 佐藤妙子 8 8.2
24 藤次祐紀 18 7.5
25 ライ 12 1.8

 

 
道場ポイントランキング

順位 名前 2WRC 2公式 3WRC 3公式 4WRC 4公式 5~7 合計
1 丹野賢一 400 47.5           447.5
2 うりぽたん 300 0           300
3 しーら 250 0           250
4 Andy-San 170 45           215
5 ぽいすけ 140 75           215
6 立岩知朗 111 100           211
7 齋藤麻衣子 200 0           200
8 黒崎 190 0           190
9 松井直文 180 0           180
10 稲熊勝明 160 0           160
11 ナベキヨ 150 0           150
12 岡野 116 28.5           144.5
13 水野裕来 112 29.75           141.75
14 篠田拓郎 99 30           129
15 ミヤ 97 28           125
16 小林泰士 87 37.5           124.5
17 佐藤妙子 98 24.75           122.75
18 くまお 93 29           122
19 小泉忠 80 40           120
20 松村祐輔 120 0           120
21 カズ 119 0           119
22 西角健二 118 0           118
23 イガラシ 83 35           118
24 木本一郎 117 0           117
25 住吉聡 115 0           115
26 114 0           114
27 山田侑輝 113 0           113
28 藤次祐紀 85 24.5           109.5
29 中村 84 23.5           107.5
30 金山 78 28.25           106.25
31 森山茂和 101 0           101
32 藤原隆弘 100 0           100
33 中谷あずさ 70 29.25           99.25
34 森 雅彦 96 0           96
35 有田将之 95 0           95
36 太田久雄 94 0           94
37 まどさん 92 0           92
38 岡本浩一 86 0           86
39 小笠原和彦 59 24           83
40 シマカタ 82 0           82
41 松岡光成 81 0           81
42 大澤達弘 79 0           79
43 山本沙衿 73 0           73
44 塚田悠介 72 0           72
45 松本裕也 71 0           71
46 厚地 69 0           69
47 茶谷正人 68 0           68
48 マイマイ 67 0           67
49 テツ 66 0           66
50 後藤竜也 65 0           65

第192回:天空麻雀20男性大会優勝特別インタビュー 荒 正義  インタビュアー:増田 隆一

第20回と言う記念すべき「天空麻雀」が行われた。表舞台で闘う選手はもちろん、テレビ局関係者や、撮影現場のスタッフ、そして楽しみにしてくださる視聴者の方、全ての人たちの支えで、20回と言う放送回数を迎えられたのであろう。素晴らしいことである。そして、この舞台で優勝したのは荒正義。
早速、荒にアポイントを取り、インタビューを行わせてもらうことになった。

 

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“入り方”

 

増田「まずは優勝おめでとうございます!」

荒 「ありがと!」

増田「早速なんですが決勝のメンツを見て、何を感じましたか?」

荒 「(仕掛けの多い)灘さんが入ってて、真っ直ぐなチームガラクタ(※前原、ヒサト)2人でしょ?やりづらいなと」

増田「少しでも気を抜いたらすぐに置いていかれそうなメンツですもんね」

荒 「前原、ヒサトのリーチには、自分が1シャンテン以上なら打ち抜いちゃおうと思ってたね」

増田「なるほど。そして1回戦、淡々と進み、3着ながら、それ程トップの灘さんと差もなく終わりましたね」

荒 「1回戦目は何もなかったでしょ?原点で3着かよと。まあ見せ場は2回戦だから(笑)」

増田(あっ、1回戦目の話は終わったのね。実に荒さんらしい)

 

 

“風を掴む”

 

増田「なるほど(笑)。そして2回戦」

荒 「どうせトップは絶対だから。その上で灘さんを3着にすれば優勝と。点差も大してないし、どこかで1回噴き切ればいい。リーグ戦不調だからその分、他は全部勝つ気でいるから(笑)」

増田(2回戦目に入る時の心構えを聞こうとしていたのだが、質問する前に答えてくれた。よく場面が見えてて流石です!)

荒 「カン五筒ツモで、ちょっと風(キッカケ)を掴んだかなと」

 

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増田「待ちがドラの表示牌とキツく、三色の手替りもあるなど、ヤミテンにしたくなる要素もありますよね?」

荒 「様子見も兼ねて、親で連荘してる灘さんの押さえ込みに行ったんだよね。どこかで風を掴んで一気に決めないとやられちゃうから」

増田「それが功を奏し、さらに加速する12,000と」

 

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荒 「コッチはもちろん知る由もないんだけど、終わった時にヒサトがなんだよチクショウって言ってたよ(笑)」

増田「向こうからは開いた手を見て、五索が出ない形になったの分かりますからね」

 

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100

 

荒 「そして6,000オールと。95〜97%くらいは決まったと思ったな」

 

 

“感性と葛藤の話”

増田「その次局、アガリ逃しがありましたよね?確かに一筒四筒が4枚切れですが、荒さんは勢いのまま行き切るかなと思ったんですが?」

 

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荒 「ああ、あれね。感覚的には負けないと思ってるんだよ?感性がそう言ってるから。でも、(ほぼそのままで勝ちの状況で)4枚切れで追い掛けて、もし負けたら何を言われるか分からないじゃない?普段の麻雀ならトドメだから行き切るよ。この辺はテレビ対局の葛藤だよね」

増田「それ言っちゃっていいんですか?」

荒 「プロが感性だけでなく、そう言う葛藤とも戦ってるって見てる人が知ったら面白いじゃない?面白ければいいんだよ。あ、今日喋ったことは何書いてもいいからね(笑)」

増田(さすがのサービス精神です…)

 

 

“灘さんへの想い”

 

荒 「その後の灘さんのヤミテンは見事だったな。コッチは点差的に絶対リーチに来ると思ってるから。まさかヤミテンにするとは思わないじゃない」

増田(あ、別の局に移ったのね)

 

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増田「確かに、追う立場があそこでヤミテンはないと思いますよね」

荒 「あの辺りのセンスって言うか、感性っていうか凄いんだよね。小島先生も死んじゃったし、灘さんにはたとえ弱くなっても元気で麻雀を打ってて欲しいな…」

少し話は逸れたが、その後のオーラス勝負、荒は見事にアガリ切り、第20回「天空麻雀」優勝の栄冠を手に入れた。

 

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“プライベートの話”

 

増田「読者の方が、テレビや雑誌などで、荒さんを見かける機会は多いと思うんですが、プライベートでは最近何かありましたか?」

荒 「猫が3匹死んじゃって、まあみんな20歳以上で老衰なんだけど、ときどき落ち込むんだよな…でも、犬のエマが死んだ時が一番落ち込んだな…」

増田「それは辛いですね…」

荒 「キーホルダーにして持ち歩いてるんだよね」

 

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私も数年前、実家の犬を看取ったことがある。老衰とは言え、ペットとの別れは辛いものだ。荒は私との間に流れたしんみりとした雰囲気を感じ取ったのか、イタズラっぽく笑いながら…

荒 「エマは勝又くんに似てるんだよね。ブログで書いたら本人喜んでたよ(笑)」

増田「それ見ました(笑)」

荒 「でもさ、エマが死んだの勝又くんに伝えてないんだよね。気落ちするかもしれないし、勝負前にそんなこと言えないじゃない」

増田(最後は笑い話にして雰囲気を変える気配り。これだけ空気が読めるから、当たり牌も止まる訳だ。それにしても、勝又もまさかこんな所で話題にされるとは思うまい…)

 

 

“高齢者の星”

 

荒 「じゃあそろそろメシ食べようか」

増田「ご一緒させていただきます」

食事中のたわいも無い話のどこから繋がったのかは記憶にないが、荒がふと話したこんな会話が頭に焼き付いている。

荒 「仲間でも、奥さんでも誰でもいい。1人でもいい。応援してくれる人がいるだけで力になり、ファイトが湧く。その人だけは絶対に見てるから、いい麻雀を見せたい。66歳からタイトルを1、2個は取って、まだがんばれるぞという応援歌として、高齢者の人たちにがんばりを与えたい」

どんな世界でも、同年代が一線級でがんばる姿は励みにもなり、がんばりの素となると思う。

 

 

“気配りの人”

 

インタビューの最中、荒は何度も「ボリューム足りた?」(※この内容で必要文字数に達する記事を書くことが可能かという意味)と繰り返していた。後輩が記事を書くにあたり、困らないかを気遣う、実に荒らしい言葉である。

 

 

“荒に向けて”

 

最後になったが、荒が灘に思う気持ちと同じで、私も荒にいつまでも元気で麻雀を打っていて欲しいと切に願う。まだまだ強くいてくださいと、一言だけ我儘を添えて…

『麻雀格闘倶楽部 GRAND MASTER』設置

コナミアミューズメント 愛知県の「木曽川老人いこいの家」に協力

詳細はこちら

第1期雪華王戦 決勝観戦記 楠原 遊

[プロローグ]
去る12月16日、北海道札幌市。
その日、日本プロ麻雀連盟北海道本部のリーグ戦である雪華王戦の最終節が行われていた。

 

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今期からA・B・Cの3リーグに分かれたプロリーグ。
どのリーグでも昇降級を懸けた熱い戦いが繰り広げられていたが、注目はやはりAリーグ。

すでに1位で勝ち上がりを決めた加藤晋平を除く、8名のAリーガーのうち上位の選手のポイントは以下の通り。

2位 浦山祐輔 164.4P
3位 喜多清貴 36.5P
4位 山屋洋平 34.8P
5位 西野拓也 ▲19.4P
6位 石田雅人 ▲28.3P

ここから決定戦に進出できるのは3名。
大きくプラスをしている浦山を除いた喜多から石田までのポイント争いとなる。
はじめは現在上位4人の直接対決、次の1試合ごとにはトータルポイント順で3・4回戦は同じメンバーでの対局となる。

1回戦、逃げる立場の喜多が1着1着、山屋が2着2着を取ると、追う立場の西野は別卓の石田と交代。
昨年度決定戦進出であった石田は3回戦、自身がトップを取り喜多を4着に沈めるも、4回戦はポイントが足らず上位には食い込めなかった。
結果、スタート時のポイントどおり、浦山・山屋・喜多そして1位通過の加藤の4名の決定戦進出が確定した。

おのおのポイントに応じた戦い方をしていた最終節だが、どの選手も決定戦への強い思いを持って試合に臨んでいることがよくわかる対局であった。

そして年が明けた1月30日、いよいよ訪れた決戦の日。選手4名が日本プロ麻雀連盟・夏目坂スタジオに集まった。

第一期雪華王決定戦は22時からの全編無料生放送。
チャンネル初、いや麻雀の生放送番組初かもしれない時間帯からの新しい試みである。
北海道はもちろん、全国の視聴者が見守る中、第一期雪華王を決める戦いの火蓋は切って落とされた。

 

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1回戦(起家から加藤晋平→喜多清貴→山屋洋平→浦山祐輔)※文中全て敬称略

東1局1本場
開局は、親の加藤のリーチに、仕掛けを入れていた浦山が5,800の放銃でのスタート。むかえた1本場

 

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山屋洋平 33期生 AB型 前回である第52期北海道プロリーグ優勝
3位通過で決定戦進出。プロ歴はもっとも浅いものの、雀暦35年と経験値は豊富。
駆け引きを使い、臨機応変に戦う彼の麻雀は「サイコロジー」麻雀と呼ばれる。
対戦相手のみならず、見るものまで翻弄する彼の麻雀は、今回の戦いでも台風の目になるだろう。

注目は4巡目、西家・山屋の手牌。

 

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三万四万四万六万八万二索三索四索六索八索四筒白白  ツモ三筒  ドラ七索

ここから山屋の選択は四万。ここは手役を見て6ブロックに構える。
そして次巡放たれた白をスルー。昨年度、そして最終節で見た山屋であったらまず仕掛けていたのではないかという牌である。

そこに9巡目、テンパイを入れたのは南家・喜多。

五万七万八万三索三索五索六索七索五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ四筒

この雪華王決定戦は、全ての地方プロリーグと同じ、一発裏ドラなしの連盟公式ルールで行われている。
五万を切ればピンフドラ1、リーチもあるか。八万を切ればタンヤオ三色ドラの満貫手、こちらはヤミテンとなりそう。
場には九万が1枚切れのみ、ここで喜多の選択は八万切りヤミテン。じっと六万を待つ。

10巡目、追いついたのは山屋。

三万四万六万六万二索三索四索六索八索二筒三筒四筒南  ツモ七索

トイツの白も落とし、高め三色のタンピンをこちらはリーチ。奇しくも三色対決となったが、ここで場を制したのは山屋。
しっかりと二万をツモアガり、3,000・6,000は3,100・6,100。
ここはメンゼンでしっかりと手を作り大きなアガリとする。

東2局1本場
6巡目、北家・加藤が北をポンしてこの形。

五索五索七索八索一筒一筒三筒三筒六筒六筒  ポン北北北  ツモ五筒  ドラ八索

ここから一筒五索のトイツ落としではなく打六筒。この選択がうまくいきすぐに三筒もポン。
対照的なのは南家の山屋。

三万四万六万八万四索八索四筒四筒七筒八筒九筒南南

5巡目、1枚目の南はスルー。やはり戦い方が変化しているか。そこにテンパイを入れたのは親の喜多。

五万五万二索三索四索六索七索二筒二筒二筒八筒八筒八筒

高めがドラの手。ヤミ・リーチどちらの選択もあるが、五索が2つ仕掛けている加藤の現物であることもありここもヤミテン。
すぐに五索を浦山からアガリ2,000点。冷静に場を見た上での選択、連荘に成功。

東2局3本場
続く親の喜多が発をポンして手を進める。
しかし真っ先にテンパイを入れたのは西家・浦山。

六万六万四筒五筒五筒六筒七筒白白白  チー八索 左向き七索 上向き九索 上向き  ドラ五万

悪い形をさばいてここは親をかわしてゆきたいか。

しかし北家・加藤にもアガリたい手が入っている。

 

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6巡目、ターツの選択となった。
八筒が自身から4枚見えているゆえに九筒の景色も良さそうではあるが、ここで加藤が選んだのは八筒
二筒五筒の二度受けを残したのはこの手の最高打点を見てであろう。

そしてすぐに二筒を引き入れリーチ。テンパイを入れた喜多から二筒を討ち取り8,000は8,900のアガリ。
しっかりと打点を見た選択が型にはまった加藤らしい1局となった。

南1局
2巡目、西家・山屋が仕掛けを入れる。

四万四万五万九万九万五索六筒七筒東東  ポン中中中  ドラ八筒

この日はじめての1鳴き、4万点持ちの加藤の親番であり、メンゼンでの打点向上もあまり無い手であることも大きいか。
そして北家・浦山も2巡目、三筒のポンテン。

七万八万八万九万九万七索七索北北北  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き

ここからすぐに七索もポン、北を暗カン。トイトイ・北の理想的な変化。
その2人の仕掛けを受け親の加藤は一旦迂回。
その間にテンパイを入れていた山屋がツモ400・700。加藤の親番と浦山の勝負手、ともに流した値千金のアガリ。

南4局2本場
各者の持ち点は
加藤39,200 喜多23,600 山屋44,500 浦山11,800

ここまで苦しい展開が続いた親の浦山、ここで復活なるか。
しかし5巡目、山屋が仕掛けを入れる。

三万四万二索四索九索九索六筒七筒八筒発  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ドラ六索

昨年度の戦いではもうずいぶんと視聴者を沸かせた山屋らしい仕掛け。ここからの展開に注目が集まる。
そこに12巡目、親の浦山、

四万五万六索六索一筒二筒三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒

この手をここまでミスなく育てリーチ。ツモ六万で4,000オール。大きく点数を回復した。

しかしその連荘も、3本場、山屋がアガって1回戦を終わらせる。

1回戦結果 山屋+26.9P 加藤+8.9P 浦山▲8.6P 喜多▲27.2P

 

 

2回戦(喜多→浦山→山屋→加藤)

前年度覇者・山屋が1回戦トップを取った。
ゲーム進行が巧みな打ち手であるだけに、追う3者からするとこれ以上のアドバンテージを持たせるわけにはいかない。
各者どのように打ちまわしてゆくのか、注目してゆきたい。

東3局
その山屋の親番、加藤が場風の東から仕掛けてゆく。
そして西家・喜多にはドラ3の手が入る。

 

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7巡目のテンパイ。役なしの、場には切られていない八筒待ち。
この手を一旦ヤミテンとする。ドラ3のアガリたい手だからこそのさらなる変化を見たか。
そして次巡、2枚目の五筒が見えたことを機にリーチに踏み込む。
その宣言牌の中をポンしたのは北家・浦山。

四万五万六万七万八万発発  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  ポン中中中  ドラ七索

1巡後さらに七万をチーしてホンイツのテンパイ。3人がかりで山屋の親に向かってゆく。
このめくりあいを制したのは喜多。ツモって2,000・4,000のアガリ。
1回戦4着スタートであった喜多、ここで反撃の狼煙となるか。

東4局

 

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喜多清貴 28期生 B型 4年連続、5回目の決定戦進出
いわずと知れた北海道本部長。
今期北海道プロリーグでは、決定戦進出が危うくなった8節に4連勝、4位通過を決める。
アンケートの好きな麻雀プロの欄には「セレブ打法MAXの強気のヴィーナス(黒沢咲プロ)」とあるように、公式ルールならではの高打点ベースの手作りと、合間に入れるかわし手のバランスが非常に巧妙な選手。
意外にも北海道プロリーグ優勝経験はなし。悲願の初優勝なるか。

4巡目、喜多の手。

 

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4巡目、ターツはあるもののまだまとまっていない手。
手材料はあるため、ツモが大きく伸びれば純チャンや三色、ドラを使った手も見える。
いったん九万を1枚外して、手牌の成長を見る。

そして前局おとなしかった北家・山屋が5巡目にリャンメンチー。

二万二万三万七万八万七索八索九筒白中中  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ドラ八筒

現状まだメンツの無い手だが、ここも躊躇なく仕掛けてゆく。
山屋の鳴きは、時にアガリではなく他家へのプレッシャーや、自身の手のカモフラージュなど様々な目的がある。
対戦相手はそれは理解しつつも、そのときの仕掛けがどの目的によるものか、対応するものなのか無視するものか、常に選択を迫られる。

7巡目、一番にテンパイを入れたのは西家・浦山。

六万八万八万一索二索三索三索四索五索六索七索八索八筒  ツモ六筒

一通やタンヤオ、ピンフなど様々な変化がある手はセオリーどおりの役なしヤミテン。
10巡目、追いついたのは喜多。

七万八万九万一索一索七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒

高め純チャン3色のピンフドラ1をしっかりとヤミテン。
山屋にもほどなくしてテンパイが入る。

二万二万六索七索八索中中  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き

そして14巡目、最後にテンパイを入れたのは親の加藤。

六万七万九万九万三索四索五索四筒四筒四筒六筒七筒中  ツモ八筒

待望のドラツモであるが、余り牌の中は仕掛けている山屋のアタリ牌。
喜多の大物手も万事休すと思われたが、ここは取らずの九万切り。
事前のアンケートでもこの決定戦を「絶対に負けられない戦い」と語っていた加藤。
親番のテンパイではあるが、他家からのテンパイ気配も濃厚、ここはまだまだ勝負どころではないと踏んだか。

そして局が続いたことにより、アガったのは喜多。

七万八万九万一索一索七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒  ロン九筒

12,000に振り込んだのは役ありテンパイに変化していた浦山。1回戦に引き続き苦しい展開が続く。

 

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浦山祐輔 21期生 A型
2位通過で決定戦進出。第44期北海道プロリーグ優勝、第42期王位戦第3位・第43期王位戦第5位。
3年ぶりの決勝進出を決めた浦山。近年は王位戦での活躍もめざましく、北海道本部を代表する打ち手といえる。
21期入会とプロ歴も長く、公式ルールのお手本ともいえる打点をつけた中終盤でのアガリは同卓者にとって大きな脅威となりうるだろう。

南2局
6巡目、こんどは親の浦山にチャンス手。

二万三万四万五万六万七万五索六索七索四筒四筒五筒七筒  ドラ五万

現在14,000点持ちのラス目。この手をアガればまだまだこの半荘分からない。
しかしここは他家にも動きが入る。

南家・山屋

六索八索西西西中中  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き

このテンパイからさらに中をポンして六索単騎。

北家・喜多

一万二万三索四索五索七筒七筒  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ポン北北北

10巡目、手を開けたのは喜多。山屋からの1,000点のアガリで、浦山の親と大物手は流されてゆく。

南3局1本場
親の山屋が連荘し、原点復帰した1本場。
北家・浦山の手。

 

100

 

(3巡目、南家加藤が一万をリャンメンチー、6巡目にドラも切っている)

加藤の仕掛けには気になる牌であるが、ここは自身の手の成長を見てトイツの白に手をかける。
そして11巡目に待望のテンパイ。

二万四万七万七万五索五索六索七索三筒四筒八筒八筒八筒  ツモ五筒  ドラ五索

三万は場に2枚見えだがここはドラ切りリーチ。
ここまでも苦しい展開の中、常に打点を意識し、自身の納得できる形で攻撃を繰り出す浦山らしい勝負がたちとなった。
このカンチャン待ちをツモって嬉しい2,000・3,900は2,100・4,000。

南4局
喜多の1人浮きで迎えたオーラス、
10巡目、北家・山屋にテンパイ。

三万四万六万六万五索六索七索四筒五筒六筒八筒八筒八筒  ドラ七索

持ち点26,000点、アガれば原点復帰のリーチをかける。
一方、西家・浦山は前巡からテンパイが入っている。

五万五万六万七万八万六索七索八索三筒三筒四筒五筒六筒

自身は21,200点持ち。手変わりも多い形だけにヤミテンに構えていた。
そこに引いてきたのはドラの七索。山屋のリーチ棒が出ていること、そしてこの牌を押すならと追いかけリーチとゆく。
前半戦の最終局となりうる局だけに、両者の指先にも力がこもる。しかし結果は流局。

2回戦は大きな手をアガった喜多の大トップ。

2回戦結果
喜多+28.4P 山屋▲4.5P 加藤▲9.6P 浦山▲16.3P (供託2.0P)

トータル
山屋+22.4P 喜多+1.2P 加藤▲0.7P 浦山▲24.9P (供託2.0P)

 

 

3回戦(加藤→山屋→喜多→浦山)

いよいよ折り返し、トップ→2着の山屋がトータル首位をキープ。
このアドバンテージ、自身が得意とする勝ちパターンにいかに当てはめてゆけるか。

東2局
親の山屋の配牌はかかなりバラバラ。

三万五万八万二索五索九索九索一筒三筒六筒八筒白発中  ドラ中

この手を五索から切り出しゆったり構える。
そして8巡目、ドラを重ねてすぐに九索をポン、その次巡にはこの形。

 

100

 

そこにテンパイを入れた北家・加藤から中が打たれる。

六万七万三索三索六索七索八索七筒七筒北北北中  ツモ五万  打中

ただただ鳴くばかりの打ち手ならここはポンの一手だが、山屋は鳴かず。
自身の手の内にあるターツ、カン二筒一索待ちに自信があったことが大きな理由(逆に言えば中をポンしてからの待ち選択はかなり難しい)であろうか。
ドラが重なったことにより、この手は山屋にとって「(テンパイではなく)アガリに向かって作り上げる」価値のある手に育ったことは間違いない。

しかしテンパイ打牌のドラに声がかからなかったことにより加藤から次巡、ツモ切りリーチが入る。
手変わりを待つ余裕のない局面と見たか。
そして西家・浦山もテンパイ。

二万三万四万六万七万四索五索六索五筒六筒七筒南南

こちらはヤミテン。加藤のリーチに2者が無筋を押している。
そしてついに山屋にテンパイが入る。

一万二万三万一筒三筒中中  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き

14巡目と時間はかかったが、山には二筒が2枚。加藤と浦山の残り枚数は1枚。
見ているこちらからするといつ山屋がアガってもおかしくないように思えたが、ここは3人テンパイで流局となった。
加藤はリーチをかけてすぐ八筒ツモのリャンメン変化のツモがあり、これをとらえているとアガリもあった局面。
開かれた手を見て何を思ったか。

 

100

 

加藤晋平 27期生 B型 第45期北海道プロリーグ優勝
プロリーグ1位でジャンプアップによる決定戦に進出。昨年度準優勝。
30歳と4名の中では最年少の選手であるが、優勝1回、準優勝2回と実績は確か。
はじめての放送対局となる前年度では全力を出しきれなかった後悔もあるだろう。
自身が標榜する「気持ちの良い攻め」をいかに実践できるかが優勝争いの鍵となる。

東4局1本場

ここまで誰の大きなアガリもなく迎えた浦山の親番。
浦山にはドラドラの手から七筒のポンが入っている。それを受け6巡目の南家・加藤。

一万二万二万三万三万五万六万七万二筒三筒四筒四筒南  ツモ六筒

ここから1枚切れの南を残し六筒をツモ切り。
場に安いマンズにターツを絞り、攻守兼用の南残し。それを次巡重ね、リーチとゆく。
この南重ねは加藤の優れたバランスによる結果だろう。これをツモって2,000・3,900の1本場。
ここでようやくらしいアガリがでたといえるか。まだまだ勝負は分からない。

南1局
トータル首位、山屋の親番。六索をツモってこちらの手牌。

 

100

 

ドラの北はオタ風。ホンイツへの変化を見てカン八万のターツ外しの選択をする打ち手も多いだろう。
ここで山屋が選んだのは八索。加藤の河に並ぶ3枚の九万を見た選択。
そして3巡後、

三万四万七万九万三索四索五索五索六索九索九索北北  ツモ二万  ドラ北

ここでもトイツの九索を外して七万九万は温存。すぐに一索を引きより広い形になりツモ二索
自身の構想どおりのカン八万待ちでリーチ。山に2枚残っていた八万をツモ、3,900オールのアガリ。
山読みと、その自身の読みをしっかりと反映した打牌選択で、他家を引き離す。

南2局1本場
西家・浦山に3巡目テンパイ。

二万三万五万六万七万五索六索七索二筒三筒四筒北北  ドラ八索

山屋の親番を流すヤミテンに構えるも一万四万はどんどん山屋の手に吸収されていく。

一万一万一万四万四万四万八索九索七筒七筒中中中

この手でアガられるも、より高い手への変化も、追う3者には苦しい展開。
しかしここで手を開いたのは喜多。

四索四索七索八索九索一筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒九筒  ロン七筒

こちらも連荘を阻止したい加藤からの2,000は2,300で山屋の親番を終わらせる。
しかしアドバンテージを持った山屋はなおさら身軽だ。ここは自身のアガリでトップのまま3回戦を終わらせる。

3回戦結果
山屋+26.7P 浦山▲2.4P 加藤▲9.2P 喜多▲15.1P

トータル
山屋+49.1P 加藤▲9.9P 喜多▲13.9P 浦山▲27.3P(供託2.0P)

 

 

最終戦(加藤→喜多→浦山→山屋)

ついに始まった4回戦。時間は夜中2時半過ぎ。しかしそんな時間でも、生放送の視聴者は少なくない。
山屋が積み上げたポイントはプラス50近く。一体誰が、その牙城に迫るのか。

東1局
雪華王決定戦もまた、プロ連盟のレギュレーションに従い最終戦の座順が決まっている。
起家から、トータル2位→3位→4位→1位。

親の加藤は5巡目以下の手。

 

100

 

ここからのシャンテン数を下げない七万切りを選択。このままテンパイの場合はドラ切りも辞さない構えか。
そしてその3巡後この形。

四万五万五万五索五索八索九索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ツモ五万  ドラ五索

四万を切ってヤミテンとする。そして次巡ツモ五筒。しかし2巡前に四筒をツモ切ってる加藤、少考してツモ切り。
さらに追いうちをかけるようにツモ五索。ペン七索を外さない選択をしたからこそのこのルートであるが、

五万五万五万五索五索四筒四筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒  ツモ五索

5巡目での選択次第では、こんな未来もあったかかもしれない。
実際にはツモ五索八索単騎→白単騎のイーぺーコードラ3のテンパイをヤミテンに構え、その後四索を引きリーチ。

五万五万五万四索五索五索五索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  リーチ

そのリーチを受け、場に2枚切れとなった白は、山屋と浦山の手に1枚づつ。
1度逃したアガリの糸口を再びつかむのはこんなにも難しいことであるのか。
そして15巡目、西家浦山もテンパイ。

八万九万一索二索三索八索九索一筒一筒二筒七筒八筒九筒  ツモ七万

対面の加藤が切ったばかりの七索待ち、この七索は山屋と喜多の手にある。

浦山のテンパイ打牌の二筒はリーチの現物でもあり、河は目立っていない。
ここは浦山の出アガリもあるかと思われたが、2人はしっかりとオリに周り、この七索が場に放たれることは無く2人テンパイで流局。

加藤にとっては選んだ道ゆえ後悔は無いとしても、たらればの先があまりにも大きな結果となってしまう局となった。

南3局
ここまで6,400、7,700と連続してアガリを決めトップ目で迎えた浦山の親番。
加藤と喜多の親は流れた。それにより2人が優勝を目指すにはある程度打点のあるアガリが求められることとなった。
親の浦山にとっては比較的連荘しやすい状況となる。
逆に、ポイントで大きくリードしている山屋にとってはこの親を流してしまえば、優勝がほぼ自身の掌中となる大事な1局。

11巡目、浦山のリーチ。

五万五万六万八万三索四索五索五索六索七索五筒六筒七筒  ドラ六筒

これをツモって3,900オール。山屋とのポイント差はあと27.4ポイント。

南3局2本場さらに浦山が1,300オールをツモってつないだ親番、南家・山屋が2フーロ。
しかしここに12巡目、浦山のリーチ。

四万四万四万五索五索七索七索二筒二筒二筒三筒四筒五筒  ドラ北

すぐに山屋がツモってきたのはアタリ牌の五索

三索三索六索八索六筒七筒八筒  チー八万 左向き六万 上向き七万 上向き  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ツモ五索

ここは冷静にオリ。浦山の親を流せるのはほぼ自身しかいないとは思いつつ、ここはまだ勝負どころではないとの判断か。
事前のアンケートでも山屋は、浦山にペースを奪われないように打ちたいと述べていた。
麻雀とは他者との戦いであると同時に、自身の内面での戦いでもある。
焦る気持ちは一切出さず打つ山屋は、しっかりと勝負に向き合っているように見えた。ここは浦山の1人テンパイで流局。

南3局3本場
6巡目、浦山にテンパイ。

三万四万七万九万九万八索八索八索五筒五筒五筒白白  ツモ白  ドラ二索

ここまでの親番、ずっとリーチをかけてきた浦山であったがここはヤミテン。
役満への手変わりはもちろん、山屋からの直撃もある巡目と待ちであることも大きい。
そして目論見どおり

四万五万五万六万八万八万四索四索六索八索八筒八筒八筒

この手から四索をポンした山屋から9,600は10,500の大きな大きな直撃。
ここまで一切隙を見せて来なかった山屋の、よりによって一番痛い局面での大きな失点となった。

ここでトータルポイント逆転、浦山が山屋の3.2ポイント上に立つ。
今度はその差がわずかながら、山屋が追う立場に。

南3局5本場
前局は浦山のリーチに山屋が粘りこみ2人テンパイで流局。両者のじりじりとした戦いが続く。
5巡目、山屋のリャンメンチー。

三万四万六万四筒五筒八筒八筒八筒西発発  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き  ドラ四索

そして7巡目、再び浦山のリーチ。

八万八万二索三索四索七索八索九索五筒六筒七筒七筒九筒

この局何度も行われたリーチ対仕掛けの対決。しかし立場が逆転した以上、山屋もある程度勝負をかけるか。
そんなことを考える間もなく、山屋の手は開かれる。

 

100

 

発でまわりこんだ上で手にした殊勲の300・500は800・1,000。供託は2,000点。山屋の再逆転の瞬間である。

南4局、4,400点差をまくる条件を作る浦山に逆転のテンパイははいらず流局。
長かった4回戦が終わった。記念すべき第一期雪華王に輝いたのは山屋洋平。

最終戦結果
浦山+50.1P 加藤+8.0P 山屋▲21.9P 喜多▲36.2P

最終結果 優勝 山屋洋平
2位浦山祐輔 3位加藤晋平 4位喜多清貴

[エピローグ]

山屋の優勝が決まった瞬間のこと、彼を囲む3人の選手がいっせいに握手を求め優勝を祝福。

 

100

 

決勝戦での対戦相手が、北海道本部で日ごろ研鑽を積み重ねている仲間に戻った瞬間である。
1年間戦ってきたリーグ戦の集大成、各選手が全身全霊で戦ったからこその非常に美しいフィナーレとなった。

 

100

 

記念すべき第一期雪華王となった山屋には、地方リーグチャンピオンシップへの挑戦権も与えられた。
そこを勝ち抜けばグランプリMAXへの出場も待っている。

ぜひみなさんも、これからの彼の活躍を、楽しみに待っていてほしい。

そして来期の雪華王戦もまもなく開幕となる。
そちらについての最新情報は、こちらをご確認いただけたらと思う。

第9期麻雀グランプリMAX一次トーナメント

2019年2月16日(土)、第9期麻雀グランプリMAX一次トーナメントが開催されました。
その年に活躍した選手達が出場する事を許される、まさに今年度を締めくくるに相応しいタイトル戦です。
巣鴨連盟本部道場勤務でお馴染み?のわたくし松本裕也が今回のレポートを努めさせていただきました。

今年度のグランプリMAX一次トーナメントは巣鴨連盟本部道場にて5卓20名で行われました。

 

100

 

A卓(瀬戸熊vs前田vs紺野vs奈良)

鳳凰位3回、十段位3回等タイトル多数、九段シード枠での出場、卓上の暴君こと瀬戸熊直樹。

第31期鳳凰位、第4期グランプリMAX、そして今期A1リーグに見事復帰、ポイントランキング21位での出場、大陸間弾道ミサイルこと前田直哉。

第15期新人王、A1リーグ所属、ポイントランキング22位での出場、連盟チャンネルではみかじめの愛称でお馴染みの麻雀入道こと紺野真太郎。

第20期麻雀マスターズ、第20回BIG1カップ優勝、ポイントランキング34位での出場、奈良圭純。

A卓はAリーガー3人相手に奈良がどこまで戦えるのか。
その奈良が1、2回戦と2連勝を決めスタートダッシュに成功。さらに3、4回戦目も浮きの2着3着と好調の様子。逆に前田は1回戦こそ浮きの2着だったものの続く2、3、4回戦は1人沈みの連続ラスとかなり苦しい展開。紺野、瀬戸熊は数字をまとめトータルポイントプラスで最終戦を迎える。

4回戦までのトータル
(奈良+38.7P、紺野+24.9P、瀬戸熊+4.9P、前田▲68.5P)

そして最終戦。東4局に動きがあった。親番は瀬戸熊。瀬戸熊にとって通過するためには20P差の紺野、33.8P差の奈良どちらかを交わさなくてはならない大事な親番。しかしそこで紺野が通過に大きく近づくアガリを引き寄せる。

二万二万二万五万六万七万四索五索六筒七筒八筒西西  ツモ六索  ドラ西

北家の紺野がドラの西が雀頭のリーチを打つ。これをしっかりツモアガリ、2,000・3,900の大きなアガリ。瀬戸熊に取っては痛すぎる親っかぶり。

しかし南2局に瀬戸熊が魅せる。

二万三万四万四万五万六万六索七索八索三筒四筒五筒五筒

この二筒五筒テンパイだが二筒が3枚切られているためヤミテンを選択。そしてツモ五筒。ツモアガリかと思われたが追い掛けている状況の瀬戸熊は三筒を切ってフリテンリーチを敢行する。

二万三万四万四万五万六万六索七索八索四筒五筒五筒五筒  ツモ六筒

これを成功させ1,300・2,600のツモアガリ。まだ諦めていない瀬戸熊。

だが続く南3局、南4局と奈良がアガリゲームセット。瀬戸熊は無念の敗退となった。

最終成績
(紺野+43.9P、奈良+26.7P、瀬戸熊+0.2P、前田▲70.8P)

勝ち上がり
1位通過 紺野真太郎
2位通過 奈良圭純

 

100

 

B卓(古川孝次vsダンプ大橋vs菊田政俊vs柴田吉和)

過去には鳳凰位3連覇、第3期のグランプリMAXでは準優勝、九段シード枠での出場、サーフィン打法でお馴染みの古川孝次。

第34期王位、第18期新人王、A2リーグ所属、今期ポイントランキング18位での出場、ダンプ大橋。

第13.14.27期東北天翔位、第44期王位戦準優勝。今期の東北天翔位、王位戦準優勝と目覚しい活躍を見せた菊田政俊。

第32期十段位、第28期新人王、第19回モンド杯優勝、今期ポイントランキング33位での出場、逆転の柴田こと柴田吉和。

こちらのB卓はベテランAリーガー2人に今まさに勢いのある若手2人が挑む。

1回戦目はダンプが50,000点オーバーの大きいトップを取り、このまま勢いに乗るかと思われたが、そこから2、3、4回戦と菊田が3連勝でポイントを大きく伸ばし当確ラインへ。柴田はラスは引かないものの、トータルポイントを若干のマイナスで最終戦に望みを託す。そして古川は1、2、3回戦と3連続でラスを引いてしまい大失速。4回戦目で浮きの2着を取るもののかなり厳しいポイント差に。

4回戦までのトータル
(菊田+64.0P、ダンプ+14.2P、柴田▲11.6P、古川▲67.6P)

そして迎えた最終戦の東4局。親番は古川。古川は通過のためには落とせない親番。だがそこに柴田が立ちはだかる。

四万六万三索三索四索五索六索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ロン五万  ドラ七筒

ダンプを追い掛ける柴田は三色ドラ1でリーチ。そこへ親番の古川が飛び込み8,000の放銃。このアガリで柴田はトップ目に立ちダンプの背中が見えてきた。

オーラス、この半荘トップ目の柴田はダンプから5,200直撃か跳満ツモ条件を満たせば通過だったが無情にも条件をクリアする事は出来ず、親番の古川もノーテンで終了。

最終成績
(菊田+53.2P、ダンプ+21.9P、柴田+10.9P、古川▲88.0P)

勝ち上がり
1位通過 菊田政俊
2位通過 ダンプ大橋

 

100

 

C卓(ともたけ雅晴vs近藤久春vs古橋崇志vs藤原隆弘)

第24期鳳凰位、第2回リーチ麻雀世界選手権優勝、九段シード枠での出場、ともたけ雅晴。

第33期鳳凰位決定戦準優勝、今期ポイントランキング18位での出場、ダンディこと近藤久春。

第8期静岡リーグ優勝、A2リーグ所属、連盟チャンネルではA1リーグでの実況でもお馴染み、今期ポイントランキング24位での出場、三色評論家こと古橋崇志。

第8.16期チャンピオンズリーグ、A2リーグ所属、巣鴨連盟本部道場の道場長、今期ポイントランキング31位での出場、緻密な仕事師こと藤原隆弘。

こちらのC卓は世界チャンピオンともたけに注目が集まるが近藤、藤原もA1リーグで戦っていた事のある実力者。そこへ若手の古橋が挑む。この卓は非常に重たい展開が予想される。

1回戦、2回戦と近藤が連勝。その後4回戦でもトップと近藤が頭一つ抜け出す。藤原も安定感のある戦いを見せトップこそ無いものの着実にプラスを積み上げていく。ともたけは1回戦はラスだったがその後立て直してきた。古橋だけが4回戦まで戦って1度も浮く事が出来ず、置いていかれる苦しい状況。

4回戦までのトータル
(近藤+52.4P、藤原+22.4P、ともたけ▲3.4P、古橋▲71.4P)

近藤はほぼ当確で藤原とともたけ、2者の争いになってきた。南3局迎えた時点での点数状況は
ともたけ33,000点持ちのトップ目、対する藤原は26,300点持ちのラス目と、ともたけが藤原を追い詰める。現状で2.6P差。だが点数の差は少なくまだまだ全く分からない。

そのラス前の南3局、ともたけが先制リーチを打つが親の古橋から追い掛けリーチが入る。そこへ藤原も仕掛けを入れて3者テンパイになるがここは流局。

そして1本場となって次局に、ともたけはヤミテンが入っていた近藤に痛恨の3,900は4,200の放銃をしてしまいトップ目から陥落。

オーラス、追い掛けるともたけは親番。必死にテンパイを入れようとするが中々ツモが効かない。ようやく手が進み1シャンテンになった所で藤原からツモの声が。

四万五万六万六索七索八索五筒五筒七筒八筒九筒九筒九筒  ツモ六筒

テンパイを入れていた藤原が勝ち上がりを決める300・500のツモアガリ。その表情には安堵の色が浮かぶ。接戦を物にした。

最終成績
(近藤+69.7P、藤原+11.5P、ともたけ▲4.7P、古橋▲76.5P)

勝ち上がり
1位通過 近藤久春
2位通過 藤原隆弘

 

100

 

D卓(荒正義vs和久津晶vs伊藤鉄也vs森下剛任)

獲得タイトル多数(鳳凰位、王位、マスターズ、グランプリ等)、九段シード枠での出場、レジェンド荒正義。

第9.12期プロクイーン、A1リーグ所属、ポイントランキング16位での出場、超攻撃的アマゾネスこと和久津晶。

第22.25.31期中部プロリーグ優勝、中部本部所属、今期ポイントランキング24位での出場、伊藤鉄也。

第39期王位、最強戦ファイナル2014準優勝、今期ポイントランキング29位での出場、森下剛任。

D卓はレジェンド荒に攻撃的な3人が挑む。荒はこの3者の攻撃をどう迎え撃つのか。

1回戦目、起家スタートの伊藤が大爆発。東1局に6,000オールを含む連荘に成功。このリードを守り1回戦目は60,000点近いトップを取りその後も着々とプラスを伸ばしていき当確か。ほか3者は4回戦終わり接戦だが和久津が一歩リードしているか?

4回戦までのトータル
(伊藤+67.4P、和久津▲4.7P、荒▲28.3P、森下▲34.4P)

オーラスまでさほど点数の移動はないものの荒が35,200持ちのトップ目に立ち和久津との差を4.4Pまで詰める。

そしてオーラス。親番は森下。供託が2本ある3本場。和久津はアガれば通過、荒は条件はあるものの非常に軽い条件。森下は最後の親番でこの2人より上にいくため連荘が必須。

後が無い親の森下からリーチが入る。

七万八万一索一索一索三索四索五索五索六索七索七筒七筒  リーチ  ロン九万  ドラ一索

ドラ3のリーチ。アガれば通過の和久津もすでに仕掛けてテンパイが入って真っ向勝負の構え。和久津は果敢に勝負していくが、森下のアガリ牌の九万を掴んでしまい森下に痛恨の放銃。12,000は12,900。このアガリで今度は森下が通過ラインへ。和久津は脱落か。

続く4本場。荒と森下の戦いに。


三筒四筒四筒四筒五筒六筒七筒八筒東東  ポン発発発

森下
四万五万六万二索二索五索六索七索五筒六筒  ポン白白白

両者テンパイが入る。だがここで伊藤にもテンパイが入る。

伊藤
七万八万九万三索三索四索四索五索三筒三筒四筒西西西

西家の伊藤はドラの西が暗刻のテンパイが入り打四筒とする。

2人からロンの声が。これを頭ハネで荒のアガリに。3,900は5,100のアガリで森下を0.2P上回り終局。

最終成績
(伊藤+54.8P、荒▲14.0P、森下▲14.2P、和久津▲26.6P)

勝ち上がり
1位通過 伊藤鉄也
2位通過 荒正義

 

100

 

E卓(日高志穂vs高宮まりvs西川淳vs客野直)

第32期新人王、中部本部所属、今期の王位戦でも活躍した期待の新人女流、新人王枠での出場、日高志穂。

第1回女流日本シリーズ優勝、第17期北関東プロリーグ優勝、地方リーグチャンピオンシップ2019優勝枠での出場、高宮まり。

第22期チャンピオンズリーグ、第20期麻雀マスターズ3位、今期ポイントランキング27位での出場、A1リーグ初昇級を決めた西川淳。

第27期チャンピオンズリーグ、A2リーグ所属、今期ポイントランキング27位での出場、客野直。

こちらのE卓は西川、客野のAリーガー、地方リーグチャンピオンシップを強豪相手に力強く制した高宮という3者に新人王フレッシュな日高が挑む。

3回戦までのトータル
(西川+12.7P、客野+9.9P、高宮+0.6P、日高▲23.2P)

3回戦終了時までほぼ横一線。大きく動いたのは4回戦東3局。

親番の客野に大物手が入る。

一万二万三万五万五万東東  ポン白白白  ポン中中中  ドラ五万

これを見事に東をツモアガリ。ダブ東白中。ホンイツ、ドラドラで8,000オールの大きなアガリを決める。このリードをさらに広げ66,000点の1人浮きトップ。

4回戦までのトータル
(客野+58.5P、西川+1.8P、高宮▲22.5P、日高▲37.8P)

客野はほぼ当確。逃げる西川、追い掛ける高宮と日高。

追い掛ける高宮が東3局の親番で3,900オールをアガリトップ目に立つ。そして迎えた南2局。

トップ目高宮は南家でこの手牌

二筒二筒二筒四筒四筒四筒六筒南南南  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ドラ南

この超大物手。高めの六筒ならば三倍満。安めの五筒でも跳満とアガれば通過に大きく近づく。高宮の手にも力が入る。

だがアガったのは客野。ヤミテンのピンフテンパイを入れていた客野が高宮から1,000点のアガリ。西川は命拾いしたか。

最後、オーラスは客野が親なので1局勝負。だがこの局は全員ノーテンでゲームセット。Aリーガー2人が意地を見せた。

最終成績
(客野+61.5P、西川+10.7P、高宮▲4.3P、日高▲67.9P)

以上の結果で翌日の二次トーナメントの組み合わせが決定しました。

A卓 森山茂和、武田裕希、客野直、荒正義

B卓 仲田加南、山田浩之、伊藤鉄也、藤原隆弘

C卓 黒沢咲、伊藤優孝、近藤久春、ダンプ大橋

D卓 HIRO柴田、勝又健志、菊田政俊、奈良圭純

E卓 佐々木寿人、藤島健二郎、紺野真太郎、西川純

二次トーナメントからは森山茂和会長、現女流桜花の仲田加南等が登場する。二次予選の戦いも目が離せない好カードばかり。果たして誰がベスト16へ駒を進めるのか。熱い戦いは明日も続く。