第38期鳳凰戦A2リーグ第1節A卓レポート

【A2リーグ開幕!復帰組の石渡が好発進】

4月6日、第38期鳳凰戦A2リーグが開幕し、第1節A卓では石渡が卓内トップの好スタートを切った。

A卓の対局者は、伊藤優孝、石渡正志、山田浩之、麓征生。
前期A2で残留争いを生き残った山田・麓、A1から無念の降級となった伊藤、B1を1位で昇級し3期ぶりのA2復帰となった石渡というメンバー。

 

 

先述の通り卓内トップであった石渡は、様々な打点や速度の仕掛けで、常に卓の中心にいるようなプレーを見せた。

1回戦東1局には、9巡目に二索三索四索四索五索六索六索七索七索の形から七索をポンしてタンヤオのテンパイに取ると、高めのドラ七万をツモり1,000オール。

 

 

昨年1年間速報を担当してきた筆者の記憶では、ここでポンテンに取る選手はA2で他に見当たらず、異色の打ち方がどのような展開を呼ぶか楽しみに感じた。
仕掛けが多いことのメリットの1つには、相手からどんな仕掛けか読まれにくいという点がある。つまり、ドラ0枚で鳴いてもドラ3枚で鳴いても同じ対応をしてもらえる場合が出てくるということだ。それが表れたと思われるのがこの1局。

 

 

伊藤が九筒を引き入れ三色のテンパイ。通常であれば迷わずリーチする手牌だが、下家が発をポンして中張牌を多く余らせており、テンパイ打牌であるドラの北を鳴かれた場合は慎重に対応したい場面だ。さらには自身のアガリ牌が仕掛けの現物ということもあり、一旦ヤミテンという選択肢もある局面。しかし伊藤の選択は…

 

 

即リーチ!これを石渡がポンして伊藤から8,000のアガリとなった。

 

 

「このために鳴いてきたんです!」と思ったかどうかはわからないが、スタイルが局面にハマった石渡は終始局面をリード。

 

 

対局後のインタビューでは「B1リーグは自分にとって新鮮な環境で、鍛えられた。今日は優孝さんも山田さんも絞るタイプだから、その中でどれだけ(鳴きを増やして)やれるかやってみたかった。結構いけたから、よしって感じです」と手応えを語った。1日終了時点のトータルポイントは画像の通り。

 

 

石渡好調の中、しっかりとプラスを築いたのは麓。いつも通りそつのない麻雀でラスなしの気持ち良いスタートだが、本人が見せたいという「もふもふタイム」は恐らくまだ出ていない。それが一体どういったものなのか、プレーとともにインタビューでも教えて欲しい。山田は序盤こそ不調を感じさせたが、ピンフツモ一通ドラドラの6,000オールを起点に復活。トータルをプラスにまとめた。
そして1人大きくマイナスを叩いてしまったのは伊藤。

 

 

生放送中のアンケート機能を使った視聴者投票では圧倒的な人気で指名され、インタビュー部屋に。「エンジンぶっ壊れだよ」といつもの人間味だっぷりのぼやきを披露してくれた。次節以降の活躍を多くのファンが待っているだろう。

A2リーグ次回の放送は4/13(火)。
対局者は、仁平宣明、和久津晶、魚谷侑未、古橋崇志。解説は今期からA1リーグ昇級の杉浦勘介。

ぜひご視聴ください!

(文・浜野太陽)

第38期鳳凰戦B1リーグ開幕 セレクト卓レポート

この日のB1リーグSelect対局者は

猿川真寿
西島一彦
二階堂亜樹
三浦大輔

 

 

1回戦は起家西島が1人テンパイの後に3局連続アガリでロケットスタート。
東1局で48,600点持ちになり、そのままトップ。
2着は親番で3,900オール(+900)をツモった三浦。

 

 

2回戦は1回戦1人沈みの猿川がそれまでの劣勢をひっくり返す跳満ツモ。ラス牌の高め三色を引きアガってトップ。

 

 

3回戦の山場はこの局。現状ラス目の三浦が高め234三色のメンタンピンで先制。

 

 

この局の西島。
まずは6巡目に打三万。めいっぱいに受けた自然な一打。

 

 

しかしリーチ後にドラ四万を引く。くっつきで345が見えるが、三万フリテンなので微妙に行きづらい。

しかし唯一勝負しやすいドラ引きでリーチに踏み切り六万ツモで4,100オール(+1,000)のアガリ。

西島3、4回戦で2連勝し、この日4戦3勝を挙げた。

4回戦で浮きの2着となったのは亜樹。ドラ雀頭のイーペーコー。手変わりもあるためヤミテンとし、そのまま出アガリ。

 

 

亜樹にとっては厳しい1日だったが、2、3、3、2着で失点を最小限に留めた。

 

 

卓内トップは西島。全体で3位につける好スタート。

 

 

総合では現十段の柴田吉和が+124.6ポイントを叩いて暫定首位。早くも例年の昇級目標ラインの100ポイントを超え。柴田が残り4節をどのように組み立てるかも興味深い。

次回B1リーグは5/8(土)を予定しています。是非ご覧ください。

(文:編集部)

AKRacing杯予選A卓レポート

【AKRacing杯、予選A卓勝ち上がりは岡田紗佳!】

4月2日、連盟チャンネルにてAKRacing杯予選A卓が放送された。
対局者は二階堂瑠美、黒沢咲、和久津晶、岡田紗佳。

 

 

別卓同様、連盟プロを代表する顔ぶれだ。
AKRacing杯とは、日本プロ麻雀連盟オフィシャルサプライヤーであるテックウインド株式会社がスポンサーとなり開催される大会。
賞金総額は100万円、優勝者には副賞としてAKRacingが送られる。

対局は順位点無しというゲーム性に加え、赤ありということもあり高打点が飛び交う刺激的な展開に。
東1局から瑠美が2,000・4,000で好スタートを切るも…

 

 

和久津も当然のように2,000・4,000。

 

 

さらに南1局で岡田がメンタンピンドラの12,000を黒沢から打ち取ると…

 

 

黒沢が大きく沈んで縦長の展開に。初戦トップは岡田。順位点が無いため、点数を引き継いで2回戦へ。
2回戦は早々に和久津の跳満ツモなどがあり、岡田vs和久津という展開が予想されたが…

さまざまな条件戦を戦ってきた瑠美がその経験値を見せつける。

黒沢の親番でドラカンチャン待ちのリーチをかけるも、黒沢から打たれた当たり牌を見逃し!

 

 

なるべく局数を増やし、チャンスを作りにいく作戦だ。そして1本場、すぐさま結果を出し…

 

 

ツモ清一色三暗刻の4,100・8,100。さらには南1局、四暗刻を成就!

 

 

リーチ後の鬼気迫る表情と、アガッた後の凛とした表情の差が印象的だ。

 

 

このアガリで一旦はトップ目に立った瑠美だったが、南2局では岡田がさらに3,000・6,000。

 

 

逆転に次ぐ逆転の展開を制し、6月17日に控える決勝戦へのチケットを手にした。

 

 

次回予選B卓放送は、4月9日(金)18時~。

対局者は、佐々木寿人、瀬戸熊直樹、勝又健志、紺野真太郎。是非ご視聴ください。

(文・浜野太陽)

何を切る? 2021年4月

第11期麻雀グランプリMAX 4回戦 南4局 西家 本田朋広プロ

 

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■Twitterで実施したアンケートの結果

 

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■プロ解答

二万切り

 

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八万切り

 

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四筒切り

 

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四索切り

 

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二筒切り

 

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■プロの視点

本田朋広プロ
「ポイント状況や沢崎プロの強い捨牌からも当然オリたい局面。これがリーグ戦であれば必ずオリを選択します。しかし連覇をかけた今回の決勝戦は、迷ったら強く押す事を決めて臨んだので、覚悟は決まっていました!1回戦の跳満放銃などもそのような覚悟の上の結果で、引きずることなくトップ目で迎えることができたこの場面、安全牌が減ってきて現物は1枚。他家を無理やり利用した安全そうな候補の牌もなく、四筒も絶対的な安全牌ではないので、押し返しの覚悟を決めました。

一筒が4枚見えている⇒アガリを見るので弱いターツを外したい
⇒手役絡みのカン二筒の待ちがない
☆1シャンテンに受けると打八万前提となり、ドラまたぎで放銃になった場合の失点が大きい
☆さらに押し返しづらい牌がきた場合、二筒二万と切れるのでオリに方向転換する道も残せる

以上のような思考で二筒切りを選択しました。」

 

■終局図

 

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日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちらから
OPENREC 日本プロ麻雀連盟チャンネル
ニコニコ生放送<PC版>

巣鴨本部道場 2021年3月度プロアマオープン大会成績表 3月度最終結果(※プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 シマカタ 25 298.1
2 くまっち 18 294.5
3 加藤恵美子 47 258.3
4 大野剛史 45 213.4
5 藤原隆弘 43 211.2
6 ケンタ 18 203.4
7 市川幹人 35 196.8
8 立岩知朗 34 194
9 中村 75 191.9
10 中村健二 18 168.2
11 山田樹 32 161.5
12 松村祐輔 22 160.2
13 岡本浩一 52 159.5
14 金山二郎 18 157.1
15 森山茂和 17 156.3
16 厚地 21 156
17 稲熊勝明 35 149.8
18 小杉正博 24 139.5
19 丹野賢一 22 121.9
20 西角健二 54 119.7
21 山部正人 16 109.4
22 岩渕信明 18 103.9
23 かずちゃん 32 100
24 グリーンマン 37 50.3
25 鈴木康功 23 45.5
26 木本一郎 28 38.9
27 櫻井邦俊 16 36.9
28 松本裕也 18 35.2
29 宇田美有紀 16 32.7
30 かずや☆雀アカ 30 30
31 岡ちゃん 40 28.8
32 小泉忠 16 25.3
33 三井太介 22 18.6
34 mei 27 5.1
35 藤次祐紀 63 1.2

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 櫻井邦俊 11 126
2 山田樹 10 96.6
3 後藤竜司 13 90.7
4 くまっち 9 89.6
5 藤原隆弘 9 56.4
6 極楽7 8 55.3
7 加藤恵美子 12 53.5
8 岡本浩一 12 53.1
9 藤次祐紀 16 46.9
10 中村 15 38.5
11 丹野賢一 18 37.5
12 市川幹人 13 32
13 かずちゃん 8 30.1
14 前原由紀子 10 27.1
15 西部健寛 8 17.5
16 大野剛史 10 13.3
17 佐藤好子 12 2.7
18 くまお 8 1.8

 

 
道場ポイントランキング

順位 名前 7WRC 7公式 8WRC 8公式 9WRC 9公式 10~12 合計
1 中村健二 400 0 400 0 140 0 0 940
2 稲熊勝明 200 0 300 0 114 0 0 614
3 シマカタ 0 0 190 0 400 0 0 590
4 丹野賢一 101 100 200 30 112 30 0 573
5 松村祐輔 300 0 150 0 119 0 0 569
6 中村 170 29.5 140 29.25 150 35 0 553.75
7 加藤恵美子 81 0 170 0 250 42.5 0 543.5
8 藤原隆弘 120 29.75 96 47.5 190 47.5 0 530.75
9 市川幹人 115 50 115 50 170 29.75 0 529.75
10 藤次祐紀 118 45 98 100 83 37.5 0 481.5
11 立岩知朗 97 30 113 37.5 160 25.25 0 462.75
12 きのぴー 250 0 119 0 78 0 0 447
13 後藤竜司 190 0 117 0 69 62.5 0 438.5
14 大野剛史 82 0 87 29.5 200 28.75 0 427.25
15 前原由紀子 92 35 114 62.5 80 29.25 0 412.75
16 金山二郎 117 0 160 0 117 0 0 394
17 西角健二 160 0 112 0 111 0 0 383
18 小泉忠 112 0 180 0 86 0 0 378
19 山田樹 0 29.25 120 28.75 120 75 0 373
20 岡ちゃん 113 0 99 28 87 28 0 355
21 くまっち 0 0 0 0 300 50 0 350
22 厚地 94 0 116 0 115 0 0 325
23 山部正人 99 0 93 0 101 0 0 293
24 しーら 119 0 85 0 79 0 0 283
25 木本一郎 86 0 100 0 96 0 0 282
26 井出博幸 116 0 86 0 71 0 0 273
27 もぐ 96 0 94 0 64 0 0 254
28 岡本浩一 95 0 0 0 118 40 0 253
29 堀浩一 0 0 250 0 0 0 0 250
30 テツ 140 0 101 0 0 0 0 241
31 ひれろんみ 150 0 0 75 0 0 0 225
32 くまお 71 75 0 40 0 28.25 0 214.25
33 カオリンゴ 100 0 97 0 0 0 0 197
34 Andy-San 114 0 0 0 81 0 0 195
35 櫻井邦俊 0 0 0 0 95 100 0 195
36 宇田美有紀 0 37.5 0 28.25 93 24.75 0 183.5
37 大和 180 0 0 0 0 0 0 180
38 ケンタ 0 0 0 0 180 0 0 180
39 かずや☆雀アカ 87 0 0 0 92 0 0 179
40 齋藤麻衣子 73 0 95 0 0 0 0 168
41 福永雄介 93 0 0 0 73 0 0 166
42 橋場美恵子 0 0 92 0 68 0 0 160
43 ハチロー 72 0 84 0 0 0 0 156
44 蛇ノ目誠司 79 0 0 0 72 0 0 151
45 加藤はるみ 84 0 0 0 65 0 0 149
46 かずちゃん 0 0 0 0 99 29.5 0 128.5
47 極楽7 0 40 0 42.5 0 45 0 127.5
48 グリーンマン 0 0 0 29 98 0 0 127
49 鈴木康功 0 0 0 0 97 25 0 122
50 ふじわら 0 0 118 0 0 0 0 118

第217回:プロ雀士インタビュー 佐々木寿人  インタビュアー:岡田茂

過去最高の激闘であった今年の鳳凰位決定戦。
その戦いを勝ち抜き、第37期鳳凰位を戴冠した佐々木寿人。
今回はその佐々木寿人プロの同期であり、プロになる前からの知人でもある私岡田茂がインタビュアーを務めさせていただきます。

ヒサト氏の地元で待ち合わせて昼ご飯を食べながらのインタビューとなりました。

 

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【まずは決定戦での話。優勝が目前の南2局。親番1回で約90ポイントを逆転され、オーラスに再逆転したときの胸中を聞いてみました】

岡田 「鳳凰位おめでと!今日はよろしくね。お祝いの連絡とか沢山来たんじゃない?」

ヒサト「うむ。LINEが46件くらいきた(嬉しそうに話すヒサト氏)」

岡田 「さすが人気者だよね(笑)決定戦最終日の日、(自分が)珍しく麻雀の仕事だったんだけど、店内でみんなスマホ片手に応援しながら麻雀してたよ」

ヒサト「ありがたい」

岡田 「では早速、決定戦の話を。壮絶な試合だったけど道中はかなり手応えがあったんじゃない?」

ヒサト「そうね。14回戦の南3局の12,000(メンホン、イーペーコー、ドラ2 勝又から)と

 

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オーラスの8,000(ダブ南ドラ2 沢崎から)のアガリでラスからトップになった半荘は大きかったね。」

 

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岡田 「最終戦の東場の進み方も良かったし、全体的な流れも手応えはあったね。けど、南2局で捌きに失敗した。九筒ポンの後、五万をチーしたんだよね。普段は鳴かないと思うんだけど、どっかで気持ちの焦りがあった?」

 

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岡田 「で、そこから沢崎さんの大連荘かー。親の四暗刻ツモられた時は?」

ヒサト「すげー感情だったよ。今までなったことないような感情だった。けどメンタルは保ててた。直近の日本シリーズで、良い位置から国士を放銃しても優勝出来た経験とか、あとは今まで散々負けて負け慣れてたのが良かったよ(笑)簡単にはへこたれないからね。だから沢崎さんとの点差は冷静に把握出来てたよ」

 

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岡田 「すごいなあ。俺ならグラグラになりそうだけど。そしてオーラスの4,000は4,900オール。めちゃめちゃ嬉しいアガリだよね」

 

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ヒサト「まあ、まだ勝ちが決まった訳ではないから安心は出来なかったよね。次局、5.6ポイント差で、ノーテン宣言出来る条件になった。アガリに向かってはいたんだけど、13巡目にオリの選択をした。無事流局したものの、あれはなかなかしびれる1局だったよ」

岡田 「たしかに対局終わった後、見たことない顔してたもんね。げっそり(笑)」

ヒサト「嬉しいは嬉しいんだけど、ほっとした方が大きかったよ」

岡田 「終局した後のあの表情を見て、改めて本当に苦しい戦いだったんだなって思った。純粋に凄いなって感動したよ。ところで表彰式のインタビューの家族の話をしてる時、ちょっとウルウルきてたでしょ?」

ヒサト「きてねーよ!」

 

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【本人はウルウルきていないと照れていますが、ここから普段はあまり話さない、家族の話も聞いてみようと思います】

岡田 「子供達もだいぶ大きくなったんじゃない?」

ヒサト「下が3つで上が小5。最近上の子と桃鉄やってるよ(笑)」

皆様ご存知かと思いますが、ヒサト氏は大の桃鉄好き。20年近くソロプレイを貫いてきました。

岡田 「おー!桃鉄仲間出来て良かったじゃん!仲良しだねー。小5だとパパ嫌がったりとかありそうだけど?」

ヒサト「思春期だから難しいところもあるけど仲良いよ」

岡田 「子供はやっぱりかわいい?」

ヒサト「そりゃかわいいよ」

岡田 「そうだよね!で、嫁さんは?」

ヒサト「嫁?嫁が何?」

岡田 「嫁さんかわいい?」

ヒサト「嫁はそりゃー ごにょごにょ(急にうつむいて照れるヒサト氏)でも、ほんと頑張ってくれてる。ありがてーよ」

岡田 「(笑) 家族が支えになってる?」

ヒサト「そうね。凄くありがたいと思う。麻雀にも影響あるしね」

岡田 「公式ルールの打ち方が変わったのも家族の影響があるの?」

ヒサト「そうね。おっさんから見て何が大きく変わったかね?」

岡田 「言い方難しいけど、ヒサちゃん結構攻めじゃない?今までは普通の人が行かないような微妙な局でも必ず攻めてたじゃない?それが今はほとんどオリになるよね。だけど、ピントがすごく合ってて、アガリ逃がしがほとんどなくて当たり牌掴んでる局がほとんどだよね。前は、放銃してもアガリ返す麻雀、だったと思うし。今はとにかく攻めない局が増えたイメージ」

ヒサト「そうね。昔はとにかく”アガリ逃がしが罪だ”って意識が強すぎて攻めていたんだけど、最近は放銃のリスクを負いたくない気持ちが大きくなってきたんだよね。だから極端に放銃率は減ったと思うよ。まあ、我慢出来るようになったんだよね。だいぶ(笑)」

岡田 「それは何で?」

ヒサト「子供産まれたのがおっきいんじゃない?子育て大変だから我慢覚えたよ。あとはA2時代に昇級逃した経験とかが大きいかもね。ひどい負け方だったしね」

岡田 「でも、ヒサトファンはいきっぷりの良い麻雀観たいんじゃない?」

ヒサト「そうねー。勝てない戦術にはこだわりたくないんだよね。でもやっぱり応援してくれる人、観てくれている人にはスカッとしてもらいたい。攻める時はバッチリ攻めるんで、そこを観て欲しいね」

岡田 「最後に今後のこととかは?」

ヒサト「やっぱりね、今のベテランの人達は凄く強いけど、このままじゃダメだなって思うよね。もっと若手が頑張って活躍して、色々な人達に麻雀を見てもらいたい。それは先輩方が今まで自分達にそうしてくれたから思う訳で、凄くありがたい事だよね。だからそれを引き継いでいかなくてはと思うよ」

【ヒサト氏には内緒で奥様の手塚さんからも一言頂きました】

手塚 「娘が産まれた時は、毎日のように喧嘩して、離婚しようかと思うくらいでした(笑)何度も何度も口酸っぱく言い続けた結果、下の子の時にはあまり喧嘩もなく、何かと気遣ってくれるようになりました。なので、あまりストレスになるようなこともなく、麻雀の結果も出てきて、ついには鳳凰位になれたんじゃないかと思っています。麻雀の事だけではなく、日々の暮らしを大切にしてきた結果だと思うので、これからも家族との時間も大切に丁寧に生きてもらいたいです。私もなるべくストレスを与えないように気持ちよく対局に臨めるようにサポート出来たらと思います。これからも、頑張ってね」

こんな素敵な奥様がいらっしゃったらそりゃあ鳳凰位も取れますよね。

 

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一見とっつきにくくてドライに見えるが、実は仲間思いであり、麻雀ファンにも愛され、周囲のプロにも慕われている、真面目で、麻雀一筋の ”昭和な男 佐々木寿人”
そんな男がついに鳳凰位を獲得して心底嬉しく思った。仲間達が喜んでいるのを見てそれも正直に嬉しかった。それをヒサトに伝えると「そんな気持ちあるからおっさんはあがってこれないんじゃねーか!」とありがたいお叱りを頂戴した。たしかに仲間とはいえ、皆ライバル。悔しい気持ちが無いことは良くないとは思うけれども、それは次回から思う様にするよ。
ヒサちゃん鳳凰位おめでとう!家族仲良く、これからも頑張って下さい!

以上で第37期鳳凰位 佐々木寿人のインタビューを終わります。
私の筆力不足で拙い文章となり、佐々木寿人の魅力を上手く伝えられていないと思います。そこは本当に申し訳なく思います。
皆様これからも佐々木寿人の活躍をご期待頂ければ幸いです。

 

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第16期女流桜花Aリーグ第1節A卓レポート

東3局。
仲田に九蓮宝燈。(10文字)

第16期女流桜花の開幕試合となった第1節A卓で仲田選手が九蓮宝燈をアガリました。
九蓮宝燈は役満の中でも特別なもので、アガった人に不幸が起きるという迷信もあります。
阿佐田哲也の麻雀放浪記の中で、出目徳さんが九蓮宝燈をツモる直前に死んでしまうという有名なシーンがあります。ネタバレすみません。
もちろん実際にはそんな不幸が起きることはなく、アガれたらテンションMAXになる非常に珍しい役満です。
もし放送対局でアガれでもしたら一生の宝物を得たようなもので、元ジャイアンツの槇原投手がミスターパーフェクトと呼ばれ続けていることと近い状況になると思います。

女流桜花の速報でTwitter連盟公式アカウントの中の人を担当していた僕は、この興奮を伝えなくてはと強い責任感を持って考えた結果

『最高の素材に言葉は要らない』

この方法を使っても良いタイミングなのかなと判断し、冒頭のような不自然なぐらい簡潔なツイートに至りました。
どうでしょう?九蓮宝燈のインパクトを無事伝えることは出来たでしょうか?

それとTwitterで少しカッコつけた見せ方をしましたが、実際リアルタイムでは

「あぁぁ内田さんの九筒危ない危ない危ない危ない、いやでも内田さんなら九筒以外を捻りだし続けてもおかしくない。だって内田さんの平均放銃打点って女流桜花Aリーグの中でもズバ抜けて低いし、でも瑠美さんの親リーチの宣言牌が七索だからソーズには触りづらいしヤバいか?これやっぱり出そうだ、いきなりYouTube行き。なんならCM作成始まってそう、ガースの声で『Oh,nine gates!』とか、あ、出た九筒。部谷さんが少し油断してる間に九筒出てる!仲田さんすげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」(240文字)

こんな感じに興奮しながら見てました。

あと『強い責任感を持って考えた結果』の部分は1割ぐらいが真実で、『これさらっとツイートしたほうが面白そうじゃね?』が9割でした。
すみません。

えー、今年の女流桜花Aリーグも面白くなりそうですね。

<第1節A卓最終結果>

仲田+52.2P 吾妻+37.6P 瑠美▲19.1P 伊達▲21.5P 内田▲49.2P

(文:越野智紀)

連盟NEWS

元日本プロ麻雀協会所属で第11期最強位の長村大さんが、日本プロ麻雀連盟に入会しました。
実績などを考慮しC2リーグから、段位は三段でスタートとなります。

日本プロ麻雀連盟では、プロ経験者について、今回のように無試験で入会を認めるケースがあります。
長村さんは4月3日のC2リーグ開幕戦に出場します。

 

【若獅子戦】【桜蕾戦】早くも第2期を今秋開催

29歳以下の選手限定の両タイトル戦が好評のため今年の秋にも開催することになりました。
今後、年に2開催となる予定です。
春はWRCルール、秋は連盟公式ルールです。
賞金はそれぞれ優勝60万円、総額100万円となります。

 

第1期桜蕾戦決勝レポート

【記念すべき第1期桜蕾戦、優勝は伊達朱里紗!】

3月29日、連盟チャンネルにて第1期桜蕾戦決勝戦が放送され、プロ2年目の伊達朱里紗が栄えある初代優勝者となった。
決勝戦を戦ったのは、中田花奈、内田みこ、伊達朱里紗、早川林香の4名。

 

 

まず始めに先制パンチを決めたのは内田。狭く受け高打点を狙った手組みが奏功し…

 

 

このリーチを一発でツモって裏1枚の8,000オール!予選では大連荘から余裕の勝利を決める場面もあった内田。今回も序盤から大量リードかと思われたが、黙っていなかったのは早川・伊達。それぞれ満貫をアガリ返し、東場のうちに内田に並びかける。そして南2局では早川が2回の親満を成就。さらにはドラ表示牌のカンチャン待ちをリーチしてツモり、頭一つ抜け出す展開に。

 

 

初戦トップは早川。2・3回戦は要所をアガリきった伊達が連続トップで優位な立場に。
その一方で高打点が飛び交う展開に我慢が続いたのは中田。決勝全体を通してチャンスを窺う展開が続き、トップの伊達まで150P以上の差をつけられてしまう。
最終戦ではツモれば四暗刻、出アガリでも高目三倍満という大物手をテンパイするも…

 

 

山に1枚の北を引き寄せることはできなかった。
実質早川と伊達の争いとなった最終戦。決着が着いたのは東4局。早川はドラ待ちのペン七筒待ちリーチで先制。

 

 

一方、伊達も安全牌の三索を切れば三色のテンパイという状況に。リーチしてアガれば決め手になるが、逆に振り込みに回っても敗着となり得る局面。

 

 

無難にヤミテンという選択肢もある中、30秒かけて導き出した伊達の選択は…

 

 

リーチ!内田が一発で打ち出した二索を12,000という最高打点で捉え、大勢が決した。南場はそれぞれの親番が長引き2時間以上のロングゲームになるも、ポイントの余裕を生かした伊達が危なげなくウイニングランを果たした。

 

 

 

「優勝がなかなか出来ず応援してくださってる方に悔しい思いをさせてしまったりしたので、応援してくださる方と喜べることを嬉しく思います。これからも応援してもらえたら嬉しいです。」
一度WRCリーグの決勝に残るも、満足いく戦い方ができなかったという伊達。見事その経験を生かし初代優勝者の称号を得ることに成功した。次なる目標は女流桜花戴冠とのことで、是非これからの活躍にもご注目ください。

 

 

(文・浜野太陽)