第1期皓王戦 ベスト8 B卓レポート

皓王戦は、インターネット麻雀「天鳳」が新設したタイトル戦。日本プロ麻雀連盟が協賛していて、プロのみ出場可能。5次予選まではインターネットで対局し、ベスト8からは連盟夏目坂スタジオでの対局となる。

 

 

ベスト8のB卓は奇しくも連盟員4名の対決となった。

澤谷諒(さわやりょう)
日本プロ麻雀連盟35期生
第8期WRCベスト16
第1期若獅子戦3位

 

 

石川遼(いしかわりょう)
日本プロ麻雀連盟34期生
4代目天鳳位 すずめクレイジー

 

 

岡本和也(おかもとかずや)
日本プロ麻雀連盟27期生
第27期新人王戦 優勝

 

 

宮澤太佑(みやざわだいすけ)
日本プロ麻雀連盟35期生
第1期若獅子戦 ベスト16

 

 

1回戦、スタートダッシュを決めたのは澤谷。ドラ雀頭のカン四万を積極的にリーチし5,200をアガると、次局の親番一筒四筒七筒で追っかけリーチを打ち岡本から12,000(+1,000)。
南場の親でも4,000オールをツモって磐石のトップ。

 

 

振り込んだ岡本は南1局にリーチ。宮澤が東五筒のシャンポンで追っかけリーチに出る。二筒は山になく、東1枚分宮澤が有利だったが、岡本がラス牌の五筒をツモって高め三色の3,000・6,000(+1,000)。

 

 

岡本の跳満で窮地に立たされた石川が親番で白トイトイ、60符3飜の4,000オールを決め、各者一歩も譲らない1回戦2着争いは石川に軍配。

 

 

2回戦も全員が大物手をアガる打撃戦となるが、1番大きな手をテンパイしたのは南1局1本場、親番の岡本。

 

 

発をポンしてシャンポンテンパイ。
白なら大三元48,000。
四筒ロンは18,000、ツモなら三暗刻がつくので8,000オールだ。
しかし、終盤に四索をツモ切ると澤谷からロンの声。大物手を空振った岡本は痛恨の2ラスとなってしまう。

2回戦トップを決めたのは南2局の宮澤。ツモが伸び、カン四索、ドラ八索と引いてリーチ。高めの四万ツモで裏がなくても6,000オール。

 

 

3回戦に岡本と石川の明暗を分けた1局。岡本はチンイツ。一筒切りなら二筒三筒待ちで上への変化も待てるが、岡本は一通イーペーコーも完成のペン三筒を最終形と決めてリーチに出る。

チンイツリーチに勝負を挑んだのは親番でドラ二索ポンの石川。12,000(+1,000)をアガリ、瞬間宮澤をかわしてトータル2位となるが、ここから石川にとって地獄の親番祭りが開催される。

 

 

宮澤 6,000オール
メンピンツモ三色イーペーコー

宮澤 6,000オール(+1,300)
リーチツモハイテイドラドラ裏

岡本 6,000オール
メンタンピンツモドラドラ

岡本 4,000オール(+300)
リーチツモドラ裏

さらに3回戦4着に居た澤谷までも2,600オールツモ。澤谷は3回戦も2着に滑り込みに成功。

澤谷諒 +56.9P
宮澤太佑 +50.4P
石川遼 ▲23.3P (宮澤まで73.7P)
岡本和也 ▲85.0P (宮澤まで135.4P)

WRCルールは1着順で10ポイントなので、トップラスで30ポイント。
仮に自分トップ宮澤ラスで計算しても石川は43,700差、岡本は105,400差をつけなくてはいけない。

澤谷も宮澤より着順が下ならターゲットになるので、アガれる時はアガって局を進めて行く。東4局1本場、序盤にリャンメンテンパイでリーチに踏み切るとツモって裏ドラ4枚の跳満ツモ。
澤谷に逃げられ、宮澤と3着順差をつけるのも難しくなった石川と岡本。それでも2人が諦めない姿勢を見せてくれたのが南3局5本場。

 

 

まずは岡本がピンフテンパイで石川から放たれた九万を見逃し。石川と共に加点を続けるのが目標なのでテンパイは入れたが、ピンフのみをアガって1番喜ぶのは石川の親を蹴りたい宮澤だろう。捲りたい相手に楽をさせたら自分の勝利はない。

一方見逃された親番石川はドラ暗刻の三筒六筒テンパイを入れる。12,000だが、岡本からアガると宮澤の着順が1つ上がる。実質2,000点になってしまうため六筒を見逃し。2人がかりで宮澤を捉えに行く。

だがここで宮澤が六筒ポン。さらに五筒チーでテンパイを入れる。
この瞬間澤谷の手の内から六筒がこぼれるか、宮澤が掴む可能性も十分あったが、先に岡本から三筒が放たれる。ポンされて大幅に待ちの枚数が減ったのと、宮澤が2フーロでアガリに来た事を受け止めて石川はロンをかけた。
石川はその後4,000オール(+1,800)ツモ、さらにツモ逆転のテンパイまで入れたが、澤谷のヤミテン8,000(+2,100)のアタり牌を掴んでしまい親落ち。6時間半を超える激闘が終わった。

 

 

 

 

第1期皓王戦決勝進出の4名が決定。
浅井堂岐(協会)
保里瑛子(麻将連合)
澤谷諒
宮澤太佑

決勝戦は5/9(日)17:00開始。
初代皓王位を決める戦い。劇戦必至です。

(文:編集部)

第1期皓王戦 ベスト8 A卓レポート

第1期皓王戦ベスト8A卓レポート

 

 

4回戦で上位2名が決勝進出となるベスト8A卓。

出場選手は、保里瑛子(麻将連合)・りんのなお(日本プロ麻雀協会)・浅井堂岐(日本プロ麻雀協会)・小車祥の4名でした。

 

 

1回戦から大暴れの浅井は、保里のリーチに一発でドラの白を切って倍満の放銃をするも

 

 

やられたらやりかえす倍満返しで戦線復帰。
オーラスに満貫を放銃して1回戦こそ3着でしたが、その後も暴れ続けた浅井は、1次予選で見せた5連勝の爆発力をここでも見せます。
連勝を決めた浅井がほぼ通過のポジションへと行き、最終戦は保里とりんのの2番手争いに絞られました。

 

 

追いかけるりんのが、道中の選択を間違えずソーズの変化を捕らえ、白ドラ3で2,000・4,000をアガって保里をかわすと

 

 

りんのとの2軒リーチに競り勝った保里が、700・1,300で再逆転とシーソーゲームでオーラスに突入。

 

 

最終戦の南4局1本場、親のりんのに6巡目リーチが入ります。
これには完全に参ってしまった保里でしたが、その早すぎるリーチは思わぬ展開を呼びます。

 

 

運命の悪戯か、道中で親の現物を何も引けずに、安全牌を蓄えることが出来なかったトータル1位の浅井にタンヤオのテンパイが入ります。
オリるのは難しい手になり、浅井も「押したくないんだけど」といった表情で、無筋の五筒をプッシュ。
この五筒で卓内に緊張が走りますが、保里が浅井に打っていいのは1,000点まで。
とても放銃できる点差ではなく、もうこうなると祈るしかありません。

 

 

結果はりんのが六万を掴んで、浅井のアガリ。

この結果、ベスト8A卓からは浅井堂岐・保里瑛子の2名が決勝進出を決めました。

<最終結果>
浅井+31.9P 保里+26.3P りんの▲14.1P 小車▲44.1P

(文:越野智紀)

第38期鳳凰戦B1Select前期第2節レポート

今回のセレクト卓はこの4名。

開局は藤原の親リーチに勝負し5,800を放銃した前原だったが、東2局に九万をポンして2,000・4,000(+900)をアガる。

 

 

東4局には2の三色同刻の7,700を決めて1回戦1人浮きの大トップ。

 

 

2回戦は藤原がドラ2枚の手をメンゼンで仕上げて2,000・4,000。
南場の親でもドラ2枚使いの2,600オール(+600)を決めてトップを取った。

要所に大物手ツモを決めていた井出はここまでわずかなマイナス。一方の猿川は2ラスで▲72.4Pと厳しく、暫定最下位となっていた。

3回戦、井出の先制リーチは二筒五筒待ち。猿川は二筒五筒八筒待ちで追いつくが、前原が掴んだ二筒は井出の上家優先。

猿川次局ピンフ高め純チャンテンパイ。安めのドラは打点的に不満でリーチと行きたくなりそうだが、猿川はヤミテンとし、高めの九筒を捉えて満貫のアガリ。

 

 

井出は45,300点持ちトップ目の南3局1本場に七筒チーでテンパイ。

 

 

その後五索六索に待ち変えた所でリャンメンテンパイの前原から高めの五索が出て5,200(+300)のアガリで3回戦トップ。

4回戦の勝負局は東4局4本場。
猿川がドラ引きテンパイ。ペン三万待ちリーチ。これを受けた前原はアタり牌を重ねて七対子ドラ単騎テンパイ、1巡後にツモ切りリーチで捲り合い勝負に出る。

 

 

互いに山に1枚ずつの勝負は前原が入り目の三万を掴んでしまい、猿川に放銃。4回戦は猿川が大トップとなった。

 

 

結果は前原の1人浮き。総合2位までポイントを伸ばした。猿川は2回戦を終えて最下位だったが、3・4回戦で7人を抜き9位で終えた。

 

 

B1首位は変わらず柴田吉和。2位以下は混戦。最下位も▲53.6Pで残り3節。下剋上も十分あり得るポイント差におさまった。

次回B1リーグSelectは6/5(土)13時開始予定。
対局者は櫻井秀樹VS増田隆一VS二階堂亜樹VS前原雄大。

こちらも是非ご覧ください。

(文:編集部)

第219回:プロ雀士インタビュー 伊達朱里紗  インタビュアー:襟川麻衣子

2021年、季節は春。
今年初めて開催となった≪桜蕾戦≫
これは、麻雀界ニューヒロインの誕生を願うべく作られた連盟の新タイトル。
参加資格は30歳未満の女流連盟員であること。

その決勝戦が行なわれた3月29日。
この日、芯が強くて、負けず嫌いで、努力家で、気になったことは追求しないと気がすまない、
ちょっと人見知りで、好きなことにはド真っすぐな、とても可愛い声のニューヒロインが誕生した。

伊達朱里紗。
声優であり、麻雀プロ。
第1期 桜蕾戦の優勝者である。

 

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今回インタビューを担当させていただく第32期生の襟川麻衣子です、インタビューは初挑戦!
伝わりづらい部分もあると思いますが、どうぞよろしくお願いします。

伊達、改めて桜蕾戦優勝おめでとう!!
放送卓じゃない時も、チラッと映る伊達の姿を観てドキドキしてたよー。
私と伊達プロは「えりかわ」「だて」とお互いの名前を中学生男子のように名字で呼び合っている。

伊達『ありがとうー!ほんと嬉しい!!』

 

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プロになって2年目の終わりに勝ち獲ったこのタイトル。
2年目でタイトル獲得ってホントすごいことだ。
伊達との出会いは、アニメやゲーム業界の人が集まる麻雀大会で会ったのが最初だった。

伊達『あの時は私まだプロじゃなかったもんね』

そのあとも、声優の仕事が終わった後や休みの日に麻雀を1日中打っている伊達の姿を見かけることがあった。
麻雀に出会ったのは、高校3年生くらいの時に放送されていたアニメの『咲‐Saki‐』の影響だそうだ。

伊達『まだその時は麻雀よくわからなかったんだけど、私のおじいちゃんも麻雀する人だったからぼんやり教えてもらったりしてたんだ。でもガッツリやるようになったのは、大阪から上京してきて声優の養成所仲間みんなとハマってからなんだよね。そのタイミングでアニメ『咲』の全国編のオーディションがきたんだけど、あまりに麻雀が好き過ぎてオーディションの時も麻雀大好きトークしてた(笑)』

そこからプロになるぞ!ってどうして思ったの?

伊達『まだプロになる前に麻雀店に打ちに行ってたんだけど、その時待ち席にいた人たちがずーーーーっと麻雀の話しをしてて、放っておくと永久に語ってるなってくらい。え、、麻雀てそんなに喋ることあるんだ…議論を重ねるものなんだ…って衝撃を受けたんだよね。私多少なり麻雀知ってるつもりだったけど、実際なんにもわかってないんだって思ったら俄然興味が沸いて!どんどんのめりこんでいっちゃって。それと同時に、真剣に麻雀に向き合ってるっていう気持ちを「プロ」になることで示したかったんだよね。といっても結果を出さなきゃなんだけど!』

その結果を出すチャンスが巡ってきた今回の≪桜蕾戦≫
この発表がされたときはみんな衝撃だったよね。

伊達『電車の中でうおぉおおおおおお!ってなってた(笑)
20代の女流プロは人数が少なくてすごくチャンスだなって思ったけど、自分も29歳でラストチャンスだったから、その1回を絶対にものにしたいなーってフツフツしてたよ』

わ、私もフツフツしたかったなぁ…
審査員推薦枠でベスト16の切符を手にした伊達は、オーラスアガリ勝負を何とか制し、ベスト8に駒を進めた。
ベスト8の1回戦目でいきなり箱下(▲48.1P)スタートになっちゃったよね…その時は焦りとかあった?

伊達『うーん、でもそんな大変じゃないっしょ!って思ってて、思ったより落ち着いてたかな』

1回戦目とはいえハートが強い!
そして3回戦目の南4局2本場 親番。

 

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ドラの三筒をポンしていったん役なしテンパイからの・・・

 

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嶺上ドラ4ツモアガリ!!!
コメントも、駅のホームにいた私も沸いた!!!

伊達『私カッコよー!(笑)嬉しかったなぁ~…嬉しかったなぁ~(2回目)あそこは自分でも3.40回観直したね。まゆちゃんがチー出し六万で、五万八万四万七万の危険性が高いなと思ってたんだけど、そのあと自分で七万を通しちゃったから、五万八万だけは打たない構えにしようと思ってたんだよね。だからもし三万四万出た時はポンするつもりはなくて、発のポンして打四万三万六万にとろうと思ってた』

これによって最終戦に入るころにはポイントを+16.5Pにまで追い上げ、無事にベスト8を通過。
そしてとうとう迎えた決勝戦。

 

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自分なりにはこの日までどんな準備してたの?

伊達『仲間内にセットの協力してもらって、トーナメント・2着抜け・決勝それぞれの練習をしてきたよ。プロになってすぐにWRCの決勝で全然戦えなかった自覚があって悔しくて、とにかく弱気だったんだよね、ほんと。1位しか意味ないってわかっていたけどわかってなくて。次決勝あったときはもっとしっかり腕振りたいし、状況にあった戦いをしたいってすごく思ってた!』

はじまった決勝戦。東1局からみこちゃんの…

伊達『8,000オール!開幕から衝撃だったなー今日は辛い日なんだなって思った(笑)』

東3局でまず最初のアガリが生まれたね。

伊達『うん、内田さんから直撃で最初のアガリを決められて、ほんとあれは目を覚まさせてもらえるような、ホっとしたし、気持ちを繋ぐ意味でも嬉しいアガリだった』

2回戦目のオーラス怒涛の連荘で3着目からトップまでのぼりつめ、3回戦目東1局1本場跳満のツモアガリ。
ここで僅差の早川を一度かわす。
そこで迎えた南2局ライバル早川の親番。

 

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ドラの白を重ねて1シャンテン。
と、ここで8巡目早川から先制リーチが入る。

 

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一瞬ポイントを見てオリる判断をしたけど、もし直後三万入って三筒六筒九筒のテンパイが入ってたらどうしてた?

伊達『うーーーーん、わかんないよね正直。。でも、今までの決勝での経験とか仲間内の練習で重点的にやったのは、この局面でこの人には絶対打っちゃダメとか、この局面は絶対いくべきとか、ポイント状況と局面把握の練習をしてもらったの。だから、対ライバルの親リーチ1発目っていうのが大きかったから、多分あの日の私はいかないと思う。押さない練習もしてたから、テンパイしててもいってなかったら…いぃなぁ…いぃなぁ…(笑)』

 

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色々な決勝卓を経験してきたからこそ、そういうグッと我慢する鍛錬も積んできたんだね。
5万点オーバーのトップで3回戦目を終えてとうとう最終戦。
ここからがまた長かったね。

伊達『長かった…始まってから何時間経ってるのか自分でもわからなくって、集中を切らしたくないけど頭が回らなくなってるなって感じた時もあったよ。中田さんの連荘もかなり精神的にきてたし』

自分の中で決め手になったのはやっぱり…

伊達『ふふふ、間二索ね』

 

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最終戦東4局 伊達の親番。ライバル早川から先制リーチが入っていた。

伊達『もうね、オリる気満々だったのよ、やっぱり早川さんのリーチだから。なのに三色確定のテンパイが入っちゃって、しかもテンパイ打牌が現物で相当ヤミテンかなって思ったんだけど、もう正直当時の心境を振り返ると、もう最後は気合い!みたいなところがあった(笑)オーラス親番あったっていうのも勇気になって、これ決まったら決め手だし、ダメだったら南場頑張るーって思って、決勝だ戦うぞ‼ってマジ気合いだった』

その気合いが実り、ここで内田から12,000点をアガリ、文字通りこれが決定打となる。
オーラスは全員ノーテンで手牌が伏せられ、ここで第1期桜蕾戦の幕が閉じた。
この時画面に映し出された伊達は一口水を飲んだ後、唇をグッと噛み締めつつホッとしたような笑顔がこぼれていた。
それは私が初めて見る伊達の表情だった。

 

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めっちゃ良い顔してる。
タイトル獲得は正直悔しいけど、この表情見たらこっちまで胸がギュっとなるよ!!おめでとう!!!

第1期 桜蕾戦優勝。
きっとみんなの心に強く印象に残る第1期の優勝。
プロになって2年であっという間に駆け上がってきたニューヒロイン。
でもそこには、たくさんの努力と麻雀への熱い気持ちがこめられていることを私は知っている。
桜の蕾はまだ開きはじめたばかりである。
芯が強くて、負けず嫌いで、努力家で、気になったことは追求しないと気がすまない、ちょっと人見知りで、好きなことにはド真っすぐな、とても可愛い声のこのヒロインがこれから一体どんなストーリーを歩んでいくのか…
それはまた別のお話で。

第29期麻雀マスターズ 決勝レポート

~大打撃戦の応酬!~

5/2(日)第29期麻雀マスターズ決勝戦が行われた。
システムはWRCルール(一発・裏ドラあり)で半荘5回戦を行いトータルポイント1位が優勝者となる。
今期決勝に残ったのは以下の4名。

二見大輔(日本プロ麻雀協会) 第38期王位戦優勝者

 

 

沢村侑樹(一般)

 

 

福田大志(最高位戦日本プロ麻雀協会)

 

 

真光祐尚 第28期マスターズ優勝者

 

 

実況:伊達朱里紗
解説:佐々木寿人 勝又健志

 

 

連覇を狙う真光。王位戦に続きマスターズを狙う二見に対し、新人の福田、一般から参加の沢村さんがぶつかって行く構図か?
立会人・山田浩之の合図で1回戦が開始された。

まず先制したのは福田。親の沢村さんからリーチ・ドラ3の8,000をアガると、勢いは止まらず次局も三暗刻を一発ツモ。
更に裏ドラを4つ乗せて4,000・8,000。いきなりの大量リードに成功する。

この半荘の主役は福田かと思われたがそこから各者の反撃が凄かった。

南1局1,300オールをツモった沢村さんが、僅か5巡目にしてこのテンパイ。

 

 

発・メンホン・一気通貫の18,000。
これに飛び込んでしまったのがテンパイが入っていた二見。

沢村さんはこの18,000に加え、2,600は2,800オールをアガリ60,000付近の大トップ目に。
だが、1一回戦を制したのは15,000付近まで削られていた真光。

親の沢村さんの追いかけリーチを振り切り、力強くドラを一発ツモ。
3,000・6,000は3,300・6,300で点数を戻すと、オーラスの親番でまたしても一発ツモの6,000オール。

福田・沢村の大量リードを捲ってのトップ奪取。大打撃戦を制し連覇に向け視界良好のスタートとなった。

真光・沢村・福田・二見の並びで1回戦が終了。

2回戦

1回戦苦しい展開だった二見が3,000・6,000をツモりトップ目に。
局は進みオーラスとなる。

現状の順位は二見・沢村・福田・真光と二見にとって理想的な並びであった。しかしラス目真光に大物手の配牌が入る。
発さらに中も鳴けて白単騎12,000のテンパイが入った。

そこにぶつけたのが福田。三色のペン七筒リーチ。まさに決勝戦ならではのリーチと言えよう。直ぐに当たり牌を掴む真光だが四筒七筒に待ち変えして3,000・6,000のツモアガリに成功する。
二見・真光・沢村・福田の並びで2回戦が終了した。

3回戦
衝撃的だったのが東1局。ドラ七万暗刻の福田のリーチに対し、沢村さんと真光が仕掛けて応戦する。
2人とも奇しくも七万待ちであった。そのドラを持ってきたのが福田。暗カンで放銃を免れると新ドラが何と七万更に勢いそのままリンシャンツモ。

リーチ・ツモ・リンシャンカイホウ・ドラ9の3倍満  

 

  

親かぶりがまたしても二見。二見は1日通してかなり展開が厳しかった様に思える。

更に追加点を重ねる福田。
しかし今度はオーラスの親沢村さんに超がつく大物手が入った。
様々な選択がある中、最終的に選んだのは2枚切れの単騎リーチ。
出アガリ24,000だ。 

 

 

しかしここは二見の追いかけリーチに放銃となり、福田・真光・二見・沢村の並びで3回戦が終了となった。

4回戦
真光対福田の様相が強くなってきた4回戦。二見・沢村の両名は並びを作りつつ自身がトップを取りたい所。
二見トップ目で向かえた南3局。福田のリーチに親二見が仕掛けて応戦。真光も粘ってテンパイを入れた、しかし次のツモで長考。
5枚中3枚が当たり牌という大ピンチ。悩みぬいて出した一打は、皮肉にも福田の当たり牌であった。

お互いにとって大きな8,000の直撃となり福田が真光に41.1Pの差を付けて最終戦を迎える事になる。

最終戦
粛々と局が進んでいき気づけば南1局になっていた。福田の持ち点は30,000点を越えており、福田優勝の雰囲気が漂う。
しかし壮絶な打撃の応酬となったこの決勝戦。最後の一山が福田に襲い掛かるのであった。

沢村さんが真光から当たり牌を見逃し福田から執念の8,000直撃。これで優勝が分からなくなった。福田がラス目になった事により、この時点で真光・福田の差が10P圏内に入る。

そして迎えたオーラス各者の優勝条件は。

福田ノーテンOK。
真光2,000・4,000ツモか6,400直撃。
二見、役満ツモか福田から3倍満。
沢村さんはダブル役満直撃。福田が親なのでほぼ1局勝負である。

真光に条件を満たしたテンパイが入った。ツモアガりOKだが出アガリは届かない。

当たり牌は山に1枚。リーチすれば直撃条件を満たすが、真光はヤミテンを選択。
そして最後に手変わりを果たすと勝負リーチといった。

 

 

ツモは1回。山には三索計2枚残されている。
最後のツモに力を込める真光。しかし最後のツモは隣の八索であった。

第29期麻雀マスターズ優勝者は福田大志に決まった。 

 

 

プロ2年目とは思えない堂々の麻雀だったのでは無いだろうか。
また常に戦いあう選手の姿が印象的な決勝戦だった。

一般参加の沢村さんも慣れない放送対局の中、素晴らしい振る舞いを見せてくれたと思う。
来年はコロナウイルスも収まり更なる参加者が増えることを願いたい。
30期の決勝はどんなドラマが待つのだろうか?。

 

 

(文:船木伸一)

第29期麻雀マスターズ ベスト8レポート

ベスト8A卓に出場した選手は

 

 

岡田智和・二見大輔(協会)・近藤久春・沢村侑樹さん(一般)の4名。
ベスト8は半荘3回勝負で上位2名が決勝に進出となるシステム。
1回戦東4局1本場。
トップ目の沢村さんが2フーロしたホンイツのテンパイが入る中、近藤にタンヤオのテンパイが入ります。

 

 

現状の打点を上げる五索切りリーチや三色変化も見ながらの二索切りヤミテンもありますが、ここで近藤は五索切りヤミテンの慎重策を選択。

 

 

続けて二見にもテンパイ。
こちらはピンフに受けずにシャンポンリーチを選択すると、それが見事に決まって一発ツモの4,100オール。
このアガリを切っ掛けに7万点を超えた二見は、初戦でトップ2回分のプラスを叩き出して決勝進出の1つ目の枠を確保しました。

残る1枠を賭けた3人の争いは沢村さんが躍動。

 

 

2回戦の東3局にメンゼンのチンイツをアガリ、まず近藤を落し

 

 

南1局。
ドラ暗刻で目一杯に受けたい手で、七筒を先に切る手順。

 

 

これが功を奏して岡田から八筒で満貫の直撃に成功。

追い詰められた岡田は2回戦オーラスにドラ暗刻でリーチを打つも

 

 

沢村さんが押し切ってトップ。
追いかける2人に止めを刺す完璧な試合運びで、二見と沢村さんが大きく抜け出し2回戦で勝負を決定づけ、ベスト8A卓からの決勝進出は二見・沢村さんの2名に決まりました。

<A卓最終結果>
二見+77.7P 沢村+38.6P 岡田▲51.4P 近藤▲65.9P

 

ベスト8B卓に出場した選手は

 

 

福田大志(最高位戦)・瀬戸熊直樹・真光祐尚・しーらさん(一般)の4名。

1回戦でトップを取った福田が終始攻め続けてリードする展開となり、そこを追いかける2番手争いで瀬戸熊と真光の間で火花が散るも

 

 

2回戦の南4局1本場。
瀬戸熊が真光から跳満を出アガリ、大きく差が開きます。
60ポイント以上離され残り1戦になり勝負あったかと思われましたが、マスターズ連覇を諦めない真光は粘りを見せます。

 

 

最終戦の東1局。
真光は親のしーらさんから出た一万を見逃して流局し、しーらさんの親が連荘となると

 

 

続く1本場で親のしーらさんとの2軒リーチをドラ単騎で制し、跳満のツモアガリ。

 

 

勢いに乗った真光は瀬戸熊から満貫の直撃に成功し、あっという間に2人の差が無くなり大接戦のまま最終戦のオーラスに突入します。
真光から1,500点をアガった瀬戸熊が3.6ポイントリードして迎えた南4局の1本場。

 

 

真光にピンフのテンパイが入ります。
真光の条件は700・1,300以上のツモアガリか、瀬戸熊から1,600以上の直撃。他からの出アガリは瀬戸熊の着順が上ってしまうため、倍満以上が必要と少し複雑な条件になっていました。

このピンフのみをヤミテンにした場合、逆転の条件を満たすことが出来ません。
またリーチ棒を出すと流局時のテンパイノーテンで逆転出来なくなり、瀬戸熊がオリることも充分考えられます。
その場合、この五筒八筒のツモアガリに賭けれるか?
この時、山に残った五筒八筒八筒が1枚だけでした。
真光はほとんど迷わずにヤミテンを選択すると

 

 

タンヤオに手替わり、瀬戸熊から最後の八筒を出アガリ。
ベスト8B卓からの決勝進出は福田・真光の2名に決まりました。

<B卓最終結果>
福田+22.1P 真光+1.7P 瀬戸熊+0.7P しーら▲24.5P

(文:越野智紀)

巣鴨本部道場 2021年4月度プロアマオープン大会成績表 4月度最終結果(※プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 山田樹 16 279.8
2 シマカタ 26 269.5
3 金山二郎 37 268.1
4 厚地 28 228.8
5 後藤竜司 31 228.6
6 藤原隆弘 42 228
7 藤次祐紀 64 193.4
8 岡本浩一 58 177.7
9 かずちゃん 16 175.9
10 小泉忠 20 173.3
11 丹野賢一 27 169.8
12 稲熊勝明 39 168.4
13 しーら 28 168.3
14 かずや☆雀アカ 44 159.4
15 西角健二 48 154.6
16 岡ちゃん 55 149.8
17 茶谷正人 24 146.3
18 有田将之 29 144.5
19 中村 68 113.4
20 立岩知朗 42 108.8
21 山部正人 16 68
22 グリーンマン 23 63.1
23 のりさん 31 63
24 テツ 18 55.2
25 内山えみ 23 54.8
26 熱田真也 19 49
27 加藤恵美子 37 32.9
28 Andy-San 16 21
29 福永雄介 16 16.2
30 井出博幸 32 14.8
31 蛇ノ目誠司 16 10.5
32 松本裕也 16 0.6

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 加藤恵美子 16 209.5
2 前原由紀子 13 151.4
3 中村 25 114.1
4 野坂卓矢 11 102.9
5 松村祐輔 12 89.7
6 かずや☆雀アカ 10 79.6
7 くまっち 15 78.5
8 森 雅彦 9 64
9 岡ちゃん 24 62.3
10 井出博幸 12 60.8
11 極楽7 10 60.7
12 ポロリ 22 54.8
13 丹野賢一 19 50.1
14 西部健寛 18 43.4
15 市川幹人 18 43.3
16 ケンタ 8 39.2
17 立岩知朗 16 36
18 岡本浩一 17 29.9
19 藤原隆弘 17 28.1
20 中谷あずさ 9 26
21 山田樹 16 22.6
22 山田浩之 10 22.2
23 茶谷正人 16 12.4
24 藤次祐紀 19 10.5

 

 

 

 
道場ポイントランキング

順位 名前 7WRC 7公式 8WRC 8公式 9WRC 9公式 10WRC 10公式 11~12 合計
1 中村健二 400 0 400 0 140 0 0 0 0 940
2 シマカタ 0 0 190 0 400 0 300 0 0 890
3 山田樹 0 29.25 120 28.75 120 75 400 25.25 0 798.25
4 藤原隆弘 120 29.75 96 47.5 190 47.5 180 28 0 738.75
5 加藤恵美子 81 0 170 0 250 42.5 95 100 0 738.5
6 稲熊勝明 200 0 300 0 114 0 119 0 0 733
7 中村 170 29.5 140 29.25 150 35 112 62.5 0 728.25
8 丹野賢一 101 100 200 30 112 30 120 29.5 0 722.5
9 藤次祐紀 118 45 98 100 83 37.5 170 24.5 0 676
10 後藤竜司 190 0 117 0 69 62.5 190 23.75 0 652.25
11 金山二郎 117 0 160 0 117 0 250 0 0 644
12 市川幹人 115 50 115 50 170 29.75 80 29 0 638.75
13 松村祐輔 300 0 150 0 119 0 0 47.5 0 616.5
14 立岩知朗 97 30 113 37.5 160 25.25 111 28.5 0 602.25
15 厚地 94 0 116 0 115 0 200 0 0 525
16 小泉忠 112 0 180 0 86 0 140 0 0 518
17 岡ちゃん 113 0 99 28 87 28 115 37.5 0 507.5
18 西角健二 160 0 112 0 111 0 116 0 0 499
19 前原由紀子 92 35 114 62.5 80 29.25 0 75 0 487.75
20 くまっち 0 0 0 0 300 50 82 42.5 0 474.5
21 大野剛史 82 0 87 29.5 200 28.75 0 23 0 450.25
22 きのぴー 250 0 119 0 78 0 0 0 0 447
23 岡本浩一 95 0 0 0 118 40 160 28.25 0 441.25
24 しーら 119 0 85 0 79 0 118 0 0 401
25 井出博幸 116 0 86 0 71 0 92 35 0 400
26 山部正人 99 0 93 0 101 0 101 0 0 394
27 木本一郎 86 0 100 0 96 0 85 0 0 367
28 かずや☆雀アカ 87 0 0 0 92 0 117 45 0 341
29 テツ 140 0 101 0 0 0 98 0 0 339
30 かずちゃん 0 0 0 0 99 29.5 150 20.25 0 298.75
31 Andy-San 114 0 0 0 81 0 94 0 0 289
32 櫻井邦俊 0 0 0 0 95 100 84 0 0 279
33 宇田美有紀 0 37.5 0 28.25 93 24.75 81 0 0 264.5
34 福永雄介 93 0 0 0 73 0 93 0 0 259
35 もぐ 96 0 94 0 64 0 0 0 0 254
36 堀浩一 0 0 250 0 0 0 0 0 0 250
37 茶谷正人 111 0 0 0 0 0 114 24.75 0 249.75
38 ひれろんみ 150 0 0 75 0 0 0 23.5 0 248.5
39 齋藤麻衣子 73 0 95 0 0 0 73 0 0 241
40 橋場美恵子 0 0 92 0 68 0 79 0 0 239
41 蛇ノ目誠司 79 0 0 0 72 0 87 0 0 238
42 くまお 71 75 0 40 0 28.25 0 21 0 235.25
43 加藤はるみ 84 0 0 0 65 0 78 0 0 227
44 グリーンマン 0 0 0 29 98 0 100 0 0 227
45 有田将之 85 0 0 0 0 0 113 20 0 218
46 ケンタ 0 0 0 0 180 0 0 28.75 0 208.75
47 カオリンゴ 100 0 97 0 0 0 0 0 0 197
48 小林泰士 98 0 0 0 0 0 83 0 0 181
49 大和 180 0 0 0 0 0 0 0 0 180
50 松本裕也 0 0 0 0 94 0 86 0 0 180

第38期鳳凰戦A2リーグ第2節A卓レポート

伊藤優孝、変幻自在の麻雀で卓内トップ!A2リーグ第2節A卓

5月4日、A2リーグ第2節A卓が放送され、伊藤優孝が仕掛けを多用した麻雀で卓内トップの成績を叩き出した。

対局メンバーは伊藤優孝、一井慎也、内川幸太郎、仁平宣明。

 

 

対局が始まり存在感を表したのは伊藤のプレー。
初戦の東1局親番から鳴きを駆使して4本場まで積むと、東2局には既に40分が経過。通常の麻雀であれば1局あたり5分もあれば終わるものであるが、これは伊藤のプレーが周りにプレッシャーを与え、考えさせた影響もあるだろう。
ここで4万点を超えた伊藤は「エンジン」が温まったと見たか、手を緩めることなくメンタンピンツモの1,300・2,600や…

 

 

役役ホンイツチャンタの8,000と得点を伸ばし、

 

 

1回戦は53,700の大トップ!前回インタビューで「ぶっ壊れだよ」と話していたエンジンの復調を見せた。

伊藤は2回戦でも3フーロしての形式テンパイがあったかと思えば、

 

 

満を持して伊藤らしい高目11,600のヤミテンが炸裂!

 

 

2回戦にして+60P近くの得点を叩き、前節の借金を大部分返済した。

 

 

アンケートで選ばれる対局後のインタビューも大人気で前回から連続の登場。「みんな鳴けば反応するタイプだから、それを見越して鳴いてみた」と対人戦略込みでの戦い方だったとコメント。次節以降の戦いにも期待が高まるところだ。
1日を終えてのトータルポイントは以下の通り。

 

 

 

卓内トップは伊藤。他3者を均等に抑えての気持ち良い勝利となった。
一井は3回戦オーラスに役牌を鳴いたドラ暗刻の手をアガリきりトップを奪取。
内川は仁平とともに3回戦目までは終始展開が悪くマイナスを重ねるも、4回戦目にメンタンツモドラの3,900オールのリードを活かして1人浮きトップ。なんとかマイナスを半減させて次節へ繋げた。
仁平は前節同様、大振りの麻雀でチャンスを伺うも、得意の展開に持ち込めず。打点力を活かし、どこかで爆発的にプラスする節を作りたいところだ。

A2リーグ次回の放送は5/11(火)。
対局者は、石渡正志、明石定家、白鳥翔、古橋崇志。
解説は藤島健二郎。次回も是非ご視聴ください!

(文・浜野太陽)

第38期鳳凰戦A1リーグ第2節B卓レポート

【第38期鳳凰戦A1リーグ第2節B卓 沢崎が降級ゾーン脱出】

 

 

本日の対局者は

藤崎智
沢崎誠
古川孝次
黒沢咲

 

 

1節目に同卓だった古川、黒沢、藤崎は3名とも少しプラス。引き分けで第2ラウンドに突入。
沢崎は初節を▲61.3Pと大きなマイナスを背負っての登場。今日は是非ともプラスして立て直しをはかりたい。

1回戦。まずは北家藤崎が発北ホンイツの8,300。

 

 

これに続くのは黒沢。親番でタンヤオドラ3のヤミテン。12,000のアガリ。

 

 

連続放銃となってしまった古川。ヤミテンで黒沢の親を流して迎え、この手をメンゼンで仕上げてヤミテン。

 

 

黒沢のリーチ宣言牌七万を捉えて12,000を取り返す。
確定三色のシャンポンに受けず、四万の5,800が不服とリーチに行かず。仕掛けの大胆さが注目されがちな古川だが、一つ一つの選択は丁寧である。

1回戦はオーラスに1,600・3,200をツモった黒沢がトップ。

気分良くトップを取った黒沢だが、2回戦以降は厳しい状況が続く。

東3局 古川に5,200

一万四万五万六万一索二索三索四索五索六索七索八索九索 ドラ四万

南1局 藤崎に9,600

一万一万二万二万三万七万七万九万九万五索五索六索六索 ドラ一万

2回大物手を放銃してしまった黒沢。一番苦しんだのは南1局1本場 ドラ三索

 

 

親番藤崎が四索ポン打七筒

沢崎は一万をポン打九万

ここで黒沢が手詰まる。沢崎は三万四万六万七万待ちなのでマンズは全て当たり牌。
もし、親番藤崎にドラ色のチンイツに放銃すると18,000濃厚なのでソウズも選べない。
黒沢は打三万とし、8,300放銃となってしまう。

2回戦はトップ目だった古川が、オーラス親番で早々にオリを選択。沢崎が3,900の仕掛け、黒沢がチャンタでドラ北単騎リーチ、藤崎はツモり四暗刻のヤミテンだったが、脇移動で古川トップ。1回戦1人沈みのマイナスを返却してプラス域に。

3回戦で興味深かったのは南2局。沢崎がテンパイ。八万を切ればイーペーコー三万六万のシャンポン。五索を切れば七対子ドラドラ単騎待ちとなる。沢崎は時間を費やし後者を選ぶが、それを見た古川はフリテン3メンチャンのテンパイからドラの三万をノータイムでツモ切り。たとえドラは通ると感じたとしても切れるだろうか?古川のあっさりオリるかと思えばギリギリを行く押し引きは観ていて本当に魅力的だ。

 

 

結果は沢崎が待ち変えして七対子ドラドラをアガリ切るが、古川にドラを通されたのは悔しかっただろう。
ちなみにこの局、黒沢のアタり牌五索が沢崎から、藤崎のアタり牌七索が古川から打たれている。

 

 

共にリーチに行かないのが自然な牌姿。決して失策とは思わないが、アタり牌を打たれたのも事実。この牌の後先などはやはり映像で見るのが面白い。目に見えないと言われている「運」「流れ」と呼ばれる揺蕩うものがはっきり感じ取れる一局なので、観ていない方はこの局だけでも是非ご覧頂きたい。

「流れ」を掴んだ沢崎は強い。藤崎の先制リーチに対応して四索五索落としで粘って一通テンパイ。

 

 

最後にフリテンのピンフに受け変える選択もあったがツモ切りとし、藤崎のハイテイ五筒で7,700(+1,300)のアガリ。

沢崎は3回戦トップ。4回戦2着と大きなプラスで対局を終えた。

 

 

4回戦南1局、藤崎はドラ対子のチャンス手でツモ切った一筒で黒沢に11,600(+600)の放銃。このアガリで4回戦1人沈みだった黒沢がトップまで。藤崎はかわりに1人沈みとなってしまった。

 

 

沢崎が卓内トップで降級ゾーン脱出に成功。脇移動が多くアガれない始まりだったにも関わらず、1・2回戦をプラスで乗り切ると、後半一気に主役となった。
サーフィン古川も健在。放銃が続いた序盤を仕掛け控えめで耐えると、その後は上手くまとめて本日プラスになった。
黒沢は4回戦途中1人沈みからトップまで行き、今日のマイナスを半分に抑えたと言ったところ。
一番マイナスしてしまったのは藤崎。途中までの凌ぎは流石だったが、後半の2ラスが響いた。

 

 

次回A1は5/12(水)17:00開始予定。
吉田直
勝又健志
HIRO柴田
杉浦勘介

こちらも是非ご覧ください。

(文:編集部)

第16期女流桜花Aリーグ第1節D卓レポート

第1節D卓に出場した選手は魚谷侑未・古谷知美・美波智子・武石絵里の4名。

前年度は女流桜花として決定戦から登場するも川原舞子に敗れ、今期は1年ぶりのリーグ戦となった古谷。
1回戦の東場と南場で合わせて7連荘してトップを奪い好スタートを切ります。
勢いそのままに2回戦も親の連荘に成功すると、東2局4本場。

 

 

ピンフイーペーコードラ1高めタンヤオの六索九索待ちをヤミテンにします。
序盤に白東と切って手が良さそうな西家美波の捨て牌に六索があり、ヤミテンにしていれば出アガリが狙えそうな状況。

 

 

同巡にツモリ四暗刻をテンパイをした美波もヤミテンを選択。
もし美波がこれをリーチしていると

 

 

すぐに武石から六索が出ていた可能性は高そうでしたが、美波のヤミテン選択により武石は北切り。
この北を対面の魚谷がポンして形式テンパイを入れると、

 

 

次に古谷がツモるはずだった九索が美波の元にやってきて四暗刻のツモアガリ。
それまで好調だった古谷は、続く東3局で魚谷との2軒リーチに負けて12,000を放銃し、たった2局で30,000点近くを放出することになりました。

その後も堅守高打点重視の美波は、副露率0%というセレブ麻雀を超えた、石油王麻雀で第1節を終えて全体1位に立ちました。

序盤から展開に乗り切れずマイナスしていた魚谷と武石は、4回戦の南1局

 

 

魚谷は武石の切った五万に対し、自身の打点アップと武石のハイテイをズラす大明カンを選択。

 

 

この大明カンでドラの六筒が喰い流れて武石のツモアガリ。
苦しんでいた2人にとっての分岐点になりました。

 

 

これで全選手が第1節を消化。
例年立ち上がりに苦労する魚谷は、今期も後方からのスタートとなりました。

<第1節D卓最終結果>
美波+63.2P 古谷▲2.8P 武石▲15.1P 魚谷▲45.3P

(文:越野智紀)

第38期鳳凰戦A1リーグ第2節A卓レポート

【第38期鳳凰戦A1リーグ第2節A卓 前田が大きくプラス】

 

 

本日の対局者は
前田直哉
吉田直
近藤久春
西川淳

 

 

吉田は今日が1節目。
他3名は2節目となる。

 

 

前田が音も立てずにラッコ砲を装填。わずか5巡目のメンホンイーペーコーに飛び込んでしまったのは近藤。

次局の主役は吉田。何と2巡目リーチがこの手牌。

 

 

西川の第一打は九万。跳満放銃の牌を1巡間に合わせていた形だ。結果は六万で満貫放銃するのだが、九万を先に処理出来たのは不幸中の幸い。

前田、吉田の高打点を目指す手組みは近藤と西川も十分予想していたと思うが、こんなに巡目が早いとは。

前田は南場の親でも12,000、4,100オールのアガリ。
南3局には吉田がツモり四暗刻のリーチを打つが、残念ながら流局。

 

 

2回戦東3局1本場。ドラのペン三筒を引いた前田は気分良くリーチ。

 

 

これを止めたのは西川。
同巡に七対子ドラ単騎で追っかけリーチに出ると、前田が再びドラを持って来てしまい満貫放銃。前田の引きの強さを逆手に取った西川の反撃が決まった。

その後、西川は純チャンをツモると、南3局にはメンホン三暗刻のヤミテンを前田から討ち取り。西川らしいアガリを連発してトップ。
それでも前田はオーラス全員ノーテンで30,000ぴったりの2着。一番苦しい2回戦をプラスで切り抜けたのは大きい。

3回戦の最初の山場は南1局。先制役なしテンパイを入れた親番の近藤。前田の高め三色リーチを受け、タイミングを見計らったツモ切りリーチ。切れのある3,900をアガってトップ目となるが、南3局に西川が近藤から5,800を直撃。超接戦でオーラスへ。

 

 

ドラドラ七対子を9巡目にテンパイしていた西川は八筒待ちでヤミテンとしていたが、八索引きで待ち変え。これが同じくドラドラの近藤に7,700の放銃となってしまう。

4回戦は吉田がトップ目でオーラスを迎えるが、前田が3,900(+300)を直撃で逆転トップ。

 

 

前田が快勝。今期は勝負する局面が目立ち、昨年より攻撃力が増している。
吉田は自身の勝ちパターンではないながらもプラスをキープ。

 

 

前田が2節連続でプラス、トータル+126.1Pで暫定首位。
A1に上がってからずっと好調だった西川が、▲99.3Pと今期は苦しい。第38期は正念場である。

5/5(水)の対局者は
藤崎智
沢崎誠
古川孝次
黒沢咲

藤崎、古川、黒沢は2節連続の同卓。ここに次回は沢崎が入る形だ。こちらも注目の組み合わせである。

第38期鳳凰戦A1リーグ第1節C卓レポート

 

第1節C卓の出場選手は藤崎智・紺野真太郎・黒沢咲・古川孝次の4名。
このうち昨年休場していた、古川孝次と黒沢咲、決定戦からの登場だった藤崎智の3名は、リーグ戦に1年ぶりの参加ということもあり、より注目が集まりました。

 

 

1回戦東1局、A1デビュー戦の黒沢にいきなりの大物手。
ソーズのホンイツに向かうのが庶民の感覚ですが、

 

 

セレブな黒沢はソーズを一面子並べて場に出た中にもどこ吹く風の四暗刻狙い。
この異常事態は藤崎が防いで静かなスタートになります。

 

 

東2局は紺野に大物手が入り、冷静に九索のトイツ落としを選択して六索のポンテンを取るも

 

 

なんとこの鳴きで藤崎に発中が流れてしまいます。
世が世なら大三元・四暗刻のダブル役満というツモの並び、紺野の上手い選択が結果、裏目に出てしまいました。
この怪物手を逃してしまった紺野は、1回戦で1人沈みの4着。

 

 

ここから苦しい日になった紺野、ギリギリの放銃回避などでかなり失点を抑えましたが、最初の4着が響いて▲36.3Pで第1節を終えました。

この日、一番躍動していたのは古川。
特に興味深かったのが4回戦の南1局

 

 

3巡目に出たカン二索をチーしてペンチャンとカンチャンとくっつきの3シャンテン。
古川得意のドラが1・9字牌の時に多く見られる遠めの仕掛けです。
メンゼンでは厳しそうな手でドラを1枚持っていて周りからは高く見える可能性を消さず、さらには他家3人とも押しづらい点数という、サーフィン打法の発動条件が多く揃った完璧な状況。

 

 

そんなブラフ気味かと思っていた仕掛けが、南チャンタドラ2の11,600点のアガリになります。

続いて南1局の1本場

 

 

古川は八索を切らずに二筒ツモ切り。
この時、仕掛けていた黒沢が五索八索待ちでテンパイしています。
すぐに藤崎からも一筒四筒待ちのリーチが入り、

 

 

五索八索を吸収して三万六万テンパイ。

五万を引いてフリテンシャンポン待ちに変化。

一筒を吸収し放銃を回避しながらテンパイ維持。

 

 

最後に四筒を掴んでのオリ。
うねる波に逆らわず華麗なライディングです。

一方で、脚をあまり使わずに一撃で決めるタイプの黒沢は4回戦の南4局、

 

 

三筒六筒待ちでテンパイをしていた古川が、紺野のリーチにオリた直後、黒沢は三筒を切っての追いかけリーチを打ちます。
これをツモアガった黒沢はA1リーグ初トップ。

静の黒沢と動の古川の対称的な対決は形勢互角で第一ラウンドを終えました。

 

 

<C卓最終結果>
古川+16.6P 黒沢+10.2P 藤崎+9.5P 紺野▲36.3P

(文:越野智紀)