2月、四国を制した平石洋輔が全国地方プロの頂点に昇り詰めた瞬間、多くの支部員、リーグ参加者が称賛の拍手を贈った。…と同時に、こう思ったはずだ。
「俺も(私も)、あの場所に立ちたい」とーー。
第5期を迎えた四国プロリーグは、まさに変革の時。
新たにリーグ名を「海皇位戦」とし、優勝者は「海皇」の称号(=海皇位)を得る。
また、これまで数多くの舞台で活躍してきた宮内こずえ支部長の初参戦が決定し、参加者たちは気が引き締まる思いだろう。
「四国プロリーグ海皇位戦」はA・Bの2階層リーグ制。Aリーグは上位4名が決勝進出、下位5名が降級。Bリーグは半期5節毎に2名ずつ昇級となる。今期は、A・Bともに17名が鎬を削ることとなった。
〈Aリーグ〉
開幕ダッシュに成功したのは、2期連続の決勝2位で誰よりも戴冠を切望している渡邊亮。地方プロに詳しい方には〝セピア渡邊〟のほうがピンとくるかもしれない。
渡邊はトップ3回・2着1回と最高のスタートを切ったのだが、それよりも反省すべき点を口にした。
「親のリーチにアツくなってしまい、7700を放銃した局がありました。ポイントの無い状況では、取り返しのつかないことになるので、まだまだ冷静になりきれていないと痛感しました」(渡邊)
昨期は「小四喜・字一色」の64000点をはじめ、役満を何度も和了っている渡邊だが、自身の課題を克服できれば、より怖い存在となるだろう。
暫定2位は、リーグ分けでAに滑り込み、昨期もギリギリで残留した久保隆徳。前出の渡邊と同卓ながら、連対を分け合う形で大きくポイントを積み上げた。
「3回戦、南場の親番で慎重に打てたおかげで連荘ができ、6万点のトップに。今回は平石P・櫛橋P・渡邊Pと対局者全員が決勝経験者というなか、大幅プラスのスタートを切ることができました」(久保)
暫定3位はBリーグから昇級した濱田将司、同4位は例年安定した成績を収めている西村和貴となった。
開幕戦の未消化は、抜け節の宮内こずえ、別日対局(5月16日予定)の長尾浩平・松本京也・根越英斗・宗雪靖弘と、競技・プライベートを問わず、麻雀経験値の高い選手が多く残っている。
そして、まさかの後方発進となった昨期優勝の平石が、見事〝全員抜き〟をやってのけるのか、注目したい。
Aリーグ
〈Bリーグ〉
Aリーグ昇級に向けて首位に立ったのは、〝全国で働く雀荘店員〟のキャッチフレーズで知られている水都(みなと)まりん。昨期は惜しくも次点で昇級を逃している。今節の記憶に残った1局として、彼女は下記の牌姿を挙げた。












ツモ
「巡目は中盤過ぎ、ドラは無し、
は2枚切れ。このテンパイでのリーチ判断、とくに
・
筒の選択が非常に難しかったです」(水都)
水都は
切りリーチとし、
をツモった。
入会3期目だが、プロクイーンや新設のコスモビューティーカップでベスト16と躍進を見せている有望株。一打一打の悩みや経験を、今後の武器にしていきたい。
今期デビューを迎えた新人は、川奥修二・宮本義章・畑谷翔大の3名。緊張する開幕戦を全員がプラスで終えられたことは、もしかしたら本人たち以上に、プロテスト担当者が安堵したかもしれない。
なかでも川奥は、トップ3回(ラス1回)と好調な滑り出し。
「誤ロンの和了り放棄(※)をやらかしてからも、崩れることなく無難にまとめることができました。とにかく大きなマイナスを引かないように、小さなプラスを積み重ねていきたいです」
※今期より倒牌前の誤ロンは和了り放棄(ルール改定)
52歳の新人は、数年後に大舞台で遅咲きの花を開くことができるか?
Bリーグ
昨期は四国支部にとって、飛躍のシーズンとなった。
山宮雅之 「第5期 鸞和戦」ベスト8
西村和貴 「第50期 王位戦」決勝4位
平石洋輔 「地方チャンピオンシップ2026」優勝
まだ四国にプロの土壌が無かったころ、支部設立に関わった者たちが強い想いを込めて蒔いた種が、いま芽吹き始めた。
(文:松本京也)