第128回:プロ雀士インタビュー 魚谷 侑未 インタビュアー:松岡 千晶

【第11回モンド王座決定戦】
村上淳 [第10回モンド王座]
山井弘 [第15回モンド杯]
前原雄大 [第9回名人戦]

そして

魚谷侑未 [第12回女流モンド杯] 

この4名で行われる、半荘4回戦でグランドチャンピオンを決める戦いである。
そこで、これだけのメンバーを相手に魚谷侑未は優勝した。

松岡「モンド王座優勝おめでとうございます」

魚谷「ありがとう~」

松岡「また優勝!!もう。ゆーみんすごすぎます!ちなみにインタビューされるの何回目か知ってますかー?(笑)」

魚谷「えー!?5回目かな?」

松岡「ぶっぶー!7回目です!!どのページみてもゆーみんがいるんです。本当すごい!」

魚谷「いいのかなぁ~。。私のことばっかり書いてもらって、なんか悪い気がしちゃう・・・」

松岡「えー!なに言ってるんですか!みんなゆーみんの話が聞きたいんです!」

魚谷プロが初めて優勝し、インタビューを受けているのが2012年の2月、女流桜花をとった時である。
その日から魚谷プロの勢いはとまらない。

初めて魚谷プロが掲載された2012年から今までに、このプロ連盟のインタビューコーナーでは64回の優勝をものにした方の記事が書かれている。
その中に魚谷プロは今回で7回目の記事。
つまり、65回の記事のうち7回が魚谷プロということになる。

私はインタビュアーをするにあたって、今までの記事に全部改めて目を通した。
初めて女流桜花をとった時の記事から、インタビュアーの人から「目標」を聞かれていたので、書き並べてみた。

「もう1つ何かタイトルをとり、認められる打ち手になりたい。」
「自分のスタイルで勝ち続ける。結果を出し続ける。」
「プロクイーンをとり、女流桜花・モンド杯の三冠を果たしたい。」
「プロクイーンをとりたい。女流の1番になりたい。」
「鳳凰位。男女混合のタイトル戦で結果が欲しい。」

この3年の間に着々と、その目標は大きくなっている。

松岡「改めて、魚谷プロの今の目標ってなんですか?」

魚谷「前回もね、聞かれた時に鳳凰位とりたい!って言ってたんだよね。でもその時C1リーグだったし、まだまだ先だったから、うーんって思ってたけど、今はね、やっとB2リーグになって胸を張って鳳凰位!!って言えるようになった。やっぱり鳳凰位とらないと本当の意味で認められるってことにはならないと思うんだよね。Aリーグには早くいきたい。自分の麻雀が通用するのか試したい。通用しなかったら、努力していきたい。」

松岡「今、B2リーグも首位ですもんね。日本初の女性鳳凰位まであと少し!2年後、魚谷さんがとってる気がします!」

魚谷「ありがとう。そういえばちーぼーの目標って何?」

松岡「私はまず、みんなに認められる打ち手になりたいです。四ツ谷の道場で麻雀をしていて最初の頃は、よく叱られててすごい悔しい思いをしていたんです。でも、3年くらいたった今は時々褒めてもらったりするんです。藤原さんと柴田さんにそんな褒めてもらったりなんて思ってなかったし。すっごい嬉しくて、「そうかなぁー」とかいいながら心の中ではずっとニヤニヤしてました(笑)」

魚谷「へぇー!すごいじゃん!2人に認めてもらえるってすごいよ。私も昔、目標で「認められる打ち手になりたい」っていってたんだけど、その時の私と一緒だね。」

松岡「そうですね。私も魚谷プロと同じように目標が日々進化できるよう頑張ります!いつかは鳳凰位~って言える日がくるのかなぁ・・・。

ところで話は変わるんですが、ネットで少し話題になっていたんですが、衣装が前のモンド王座と似ている白いワンピースを今回も着ていたのは何か意味とかってあるんですか?」

魚谷「うーん。。なんかね私、買い物行って洋服を買うとき「これはモンド王座用!これは女流モンド用!」って思いながら買ってるんだよねー。これで戦いに行くぞーって感じかな。」

松岡「へぇ~、そうなんですね。モンド王座はどういうイメージだったんですか?」

魚谷「モンド王座は、重い雰囲気があって可愛い花柄のワンピースとかじゃなくて、シュッとしたフォーマルな感じで、白のワンピースにしようと思ったんだよね。ちょっとしたゲン担ぎっていうのもあったかな。本当は3、4戦目は同じ形の緑のワンピース着たかったんだけど、背景と同化して顔だけ浮いてるみたいになっちゃうからダメっていわれてさ(笑)」

松岡「私も、テレビ対局の前の日は新しい洋服をいつも買いに行くんですが、衣装で自分をアピールできるのは女の子の特権ですよね。麻雀プロのテレビ対局は、だいたい自分で衣装を決めて自分がその時1番気に入っているお洋服や、ゲンかつぎなど思い入れのある服を着ていると思うので今度から衣装にも注目してもらいたいですね!」

松岡「近代麻雀に書いてあったんですが、[野口賞に出ていた女流プロの9割の尊敬しているプロが、魚谷プロ]って言っていたみたいなんですが、それを知ってどう思いましたか?あ、ちなみに私も魚谷プロって言いました!(笑)」

魚谷「ありがとう!素直に嬉しいです。なんでかなぁ・・・ 一生懸命やってるっぽいからじゃない?なんかね、一生懸命やればこうやってテレビにも今、出させてもらえるっていうパイオニア的な存在になれればいいなって思うの。」

松岡「なるほど!確かに、うらやましいというか、まず魚谷さんのところまで行きたいという気持ちにはすごくなるし、実際にその姿を目の当たりにすると、頑張ろうって気持ちはすごく強くなります。それで、やっぱり一番大事な麻雀のことなんですが、今回魚谷さんの麻雀をたくさん研究してきたのでいっぱい聞いて良いですかー?」

魚谷「あ、うん。いいけどきっと3局くらいしかインタビュー書けないよ(笑)」

松岡「では、我慢して3つにしておきます(笑)。」

★2回戦目 東2局

100

六万七万五索五索六索七索八索四筒六筒八筒八筒八筒白

ここで八万を両面チー。
山井プロが親番でピンズのホンイツをしているのを見て、魚谷プロは捌きにいき両面チー。
そこから五索が出て、ポンして六筒八筒八筒八筒六筒七筒待ちにした。
近代麻雀に魚谷プロの記事が書いてあり、そこには「鳴いた後の守備を大切にしている。鳴き=攻撃ではない。」と書いてあった。
山井プロがホンイツをしているのに、同じ色の待ち。
1,000点が高目2,000点になり待ちは広くなるが、手牌が短くなるというのは守備という話とは反していると思った。

魚谷「これはね、いつも意識していることで、スピードを合わせるじゃないけど、相手の勝負手をアガらせないってことを大事にしてるの。相手との距離感をはかってまだテンパイしてないと思ったから、少しでも広い方にと捌きにいったんだよね。だから変な話、ネット麻雀は正直苦手。相手の雰囲気とか動作とかで、まだ1シャンテンだと分かる時もあるし、そうゆうので読んだりとかもする。例えば自信満々に七筒切ってるのか、間があって切ってるのかでも違うと思うんだよね。」

100

★3回戦目 南3局 前原プロ親番

魚谷プロは続けて、捌き手ではなく本手でぶつけた。

3本場 
魚谷プロ3巡目 

四万九万一索三索七索八索九索九索八筒九筒九筒白白 →混全帯

4本場
魚谷プロ配牌

三万六万九万六索一筒二筒五筒六筒九筒西北発中 →混一色

前原プロの親番
松岡「これ見てて思ったんですが、私が魚谷プロの立場だったら当面の敵である、前原プロの親番を捌きに行きたいと思ったんですよ。でも、両方とも勝負手にしたのは何でですか?」

魚谷「あそこでトップとるのはちょっと遠いけど、この半荘でトップをとれば勝ちは固いなって。前原さんがもし加点してもうちょっと離れてトップをとっても、結局はポイント的に私と前原さんの一騎打ちみたいな感じだったから、素点を稼がれても、サシの勝負になる前原さんよりかは着順を少しでもあげようと思って本手にしたんだよね。決勝戦は逃げてても、よっぽどいい条件じゃないかぎりその条件をクリアするようにみんな目指して打ってくるからいけるときに、少しでも上にいっとかないと。」

私の考えではこの状況での捌き手をした場合

【メリット】 これ以上点数を離されない。
【デメリット】 このままの着順で終わり、次半荘勝負になる。

本手にした場合

【メリット】 しっかりツモって、親っかぶりさせる。
【デメリット】 親の連荘を生みやすく、点数をこれ以上離され次半荘がさらに苦しくなる。

であった。
しかし魚谷プロは、いつか勝負をしなくちゃいけないし、最終戦相手に条件をぶつけたい。条件戦になると1,000点2,000点で流すよりも、グンと点数を突き放して相手に条件をつきつけることが大切だと話していた。
いつかは勝負しなくてはいけないし、魚谷プロの話を聞いてこれはトーナメント戦の戦い方なんだなぁと勉強にりました。

100

★1回戦目 東3局 牌姿

100

字牌の切り順

東北中

松岡「この字牌の切り順ってどんな意味があるんですか?」

魚谷「基本的には自分が行くときはダブ東から切っちゃう。本当は北よりも東の方が自分の手にあって価値があるんだけど、人にも重なったときに価値があるから先に切ったんだよね。」

松岡「じゃあ東中北という順番じゃないんですか?」

魚谷「自分の手でオタ風の北よりも、中が重なった方が嬉しいから。競技ルールの時は、役牌を一鳴きしない傾向があるから、ちょっと手のうちに残しておいてもいいかなって思ったんだよね。」

松岡「なるほど。ダブ東なら一鳴きの確率が高いけど中だったらみんな1翻だから一巡だけでも、攻撃的においといたってことなんですね。」

魚谷「絶対いつもそうではないんだけどね。私、絶対こうするっていう決め事とかは作らないようにしてるんだよね。状況を確実に判断出来なくなるから場況とか状況にブレがあるから、いっつもこうって決めてるとその少しのコトを察知するが出来なくなっちゃうと思うの。」

松岡「勝てるかも?って思った瞬間ってありますか?」

魚谷「最後の最後まで勝ったなんて思えないなー。でも、勝ちに近づいたなって思ったのは、南1局のドラの八筒持ってきてリーチして裏が乗った2,000・4,000かな。あれは本当にめくりながら1枚のれ!って思ったよ。やっぱりあのメンツで勝てるとか決勝戦で勝つっていうのは、どこかで人よりツイていないと勝てないよね。」

松岡「あれ、気持ち良かったですよね!私も見ながら裏のれ!!!って言っちゃいました(笑)。」

松岡「話は変わりますが、私も一度聞きたかったことがあって、魚谷プロの強さの根底にあるものってなんですか?」

魚谷「押すときも、オリる時も一生懸命、常に自分の中の絶対の答えを見つけ出しながら、1牌も間違えずに気迫をもって1牌1牌切るって事かな。後で絶対に後悔しないようにね。」

松岡「1牌間違えるとかなりそのあと変わってきちゃいますもんね。魚谷プロのその情熱は昔から持っていたものなんですか?」

魚谷「私、昔から、自分が取り組んでいるのものでは、なるべく1番になりたいって思ってたんだよね。だから、学生時代も、応援団長とか、生徒会とかもやったことあるし。今はね、やっと人生の中でこれだってものをみつけられたの。これと一緒に生きて行きたいみたいな感じかな?麻雀と出会えて、すごい幸せだなって思うんだよね。私の宝物。熱くっていうわけじゃないけど、やっぱり精一杯取り組まなきゃいけないと思うし、元から負けず嫌いなんだよね。勝つために、そこまでの過程を自分の力を一番納得のいく形まで持っていきたい。結果はどう出るか、麻雀だから勝ったり負けたりするけど、そこまでを全身全霊かけて目指したい。そうじゃないと、あとで後悔もするし、そんな私の麻雀見てても面白くないと思うし。私疲れやすいんだけど、この麻雀終わったら死んでもいいんだから全部の体力使い切れ!って思ってる。絶対集中。絶対間違えんな。全部を見ろ。これ終わったら倒れてもいいんだから。」

私はインタビューの帰り、ずっと魚谷プロの”ある言葉”が頭をグルグルしていた。

実は私、すごい不思議だったんです。
トッププロの方たちが麻雀のために体力づくりでランニングをしていたり、体を鍛えていることが。
確かに私も一生懸命麻雀した日はすごい疲れます。
だからといって倒れたりなんてしないし、麻雀のために体力作りをするのは何でだろう?って思ってました。

でもそういうことじゃないんだなって。
全身全霊を一打一打にかけていたら、それは体力をつけなければ本当に倒れてしまうと思う。
本当のプロっていうのは麻雀の実力だけじゃなく、実力を出し続ける力がないと本当のプロとは言えない。

今回、魚谷プロのお話を聞いていて、改めて自分の甘さや弱さに気が付いた。
タイトル取るとか、先駆者として、後進を引っ張っていくのも、もちろん大事であるが、自分の言葉で、そして行動で私達若手に、プロとして、とても大事な何かを気づかせることも魚谷プロの、プロとしてそして先輩としてとても素晴らしい所であり、皆に尊敬されるというのも、改めて納得してしまった。

私も、いつか魚谷プロのようになれる日がくるのだろうか??
いや、自分で掴み取らなければ駄目だ!

そして、そのために、また、然るべき場所に立つために日々努力をしていこう。
今、頭をグルグルしているこの言葉を、その時に心の底から自信を持って言えるように。

「これ終わったら、倒れてもいいんだから」

100
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プロ雀士インタビュー/第128回:プロ雀士インタビュー 魚谷 侑未 インタビュアー:松岡 千晶

【第11回モンド王座決定戦】
村上淳 [第10回モンド王座]
山井弘 [第15回モンド杯]
前原雄大 [第9回名人戦]
そして
魚谷侑未 [第12回女流モンド杯] 
この4名で行われる、半荘4回戦でグランドチャンピオンを決める戦いである。
そこで、これだけのメンバーを相手に魚谷侑未は優勝した。
松岡「モンド王座優勝おめでとうございます」
魚谷「ありがとう~」
松岡「また優勝!!もう。ゆーみんすごすぎます!ちなみにインタビューされるの何回目か知ってますかー?(笑)」
魚谷「えー!?5回目かな?」
松岡「ぶっぶー!7回目です!!どのページみてもゆーみんがいるんです。本当すごい!」
魚谷「いいのかなぁ~。。私のことばっかり書いてもらって、なんか悪い気がしちゃう・・・」
松岡「えー!なに言ってるんですか!みんなゆーみんの話が聞きたいんです!」
魚谷プロが初めて優勝し、インタビューを受けているのが2012年の2月、女流桜花をとった時である。
その日から魚谷プロの勢いはとまらない。
初めて魚谷プロが掲載された2012年から今までに、このプロ連盟のインタビューコーナーでは64回の優勝をものにした方の記事が書かれている。
その中に魚谷プロは今回で7回目の記事。
つまり、65回の記事のうち7回が魚谷プロということになる。
私はインタビュアーをするにあたって、今までの記事に全部改めて目を通した。
初めて女流桜花をとった時の記事から、インタビュアーの人から「目標」を聞かれていたので、書き並べてみた。
「もう1つ何かタイトルをとり、認められる打ち手になりたい。」
「自分のスタイルで勝ち続ける。結果を出し続ける。」
「プロクイーンをとり、女流桜花・モンド杯の三冠を果たしたい。」
「プロクイーンをとりたい。女流の1番になりたい。」
「鳳凰位。男女混合のタイトル戦で結果が欲しい。」
この3年の間に着々と、その目標は大きくなっている。
松岡「改めて、魚谷プロの今の目標ってなんですか?」
魚谷「前回もね、聞かれた時に鳳凰位とりたい!って言ってたんだよね。でもその時C1リーグだったし、まだまだ先だったから、うーんって思ってたけど、今はね、やっとB2リーグになって胸を張って鳳凰位!!って言えるようになった。やっぱり鳳凰位とらないと本当の意味で認められるってことにはならないと思うんだよね。Aリーグには早くいきたい。自分の麻雀が通用するのか試したい。通用しなかったら、努力していきたい。」
松岡「今、B2リーグも首位ですもんね。日本初の女性鳳凰位まであと少し!2年後、魚谷さんがとってる気がします!」
魚谷「ありがとう。そういえばちーぼーの目標って何?」
松岡「私はまず、みんなに認められる打ち手になりたいです。四ツ谷の道場で麻雀をしていて最初の頃は、よく叱られててすごい悔しい思いをしていたんです。でも、3年くらいたった今は時々褒めてもらったりするんです。藤原さんと柴田さんにそんな褒めてもらったりなんて思ってなかったし。すっごい嬉しくて、「そうかなぁー」とかいいながら心の中ではずっとニヤニヤしてました(笑)」
魚谷「へぇー!すごいじゃん!2人に認めてもらえるってすごいよ。私も昔、目標で「認められる打ち手になりたい」っていってたんだけど、その時の私と一緒だね。」
松岡「そうですね。私も魚谷プロと同じように目標が日々進化できるよう頑張ります!いつかは鳳凰位~って言える日がくるのかなぁ・・・。
ところで話は変わるんですが、ネットで少し話題になっていたんですが、衣装が前のモンド王座と似ている白いワンピースを今回も着ていたのは何か意味とかってあるんですか?」
魚谷「うーん。。なんかね私、買い物行って洋服を買うとき「これはモンド王座用!これは女流モンド用!」って思いながら買ってるんだよねー。これで戦いに行くぞーって感じかな。」
松岡「へぇ~、そうなんですね。モンド王座はどういうイメージだったんですか?」
魚谷「モンド王座は、重い雰囲気があって可愛い花柄のワンピースとかじゃなくて、シュッとしたフォーマルな感じで、白のワンピースにしようと思ったんだよね。ちょっとしたゲン担ぎっていうのもあったかな。本当は3、4戦目は同じ形の緑のワンピース着たかったんだけど、背景と同化して顔だけ浮いてるみたいになっちゃうからダメっていわれてさ(笑)」
松岡「私も、テレビ対局の前の日は新しい洋服をいつも買いに行くんですが、衣装で自分をアピールできるのは女の子の特権ですよね。麻雀プロのテレビ対局は、だいたい自分で衣装を決めて自分がその時1番気に入っているお洋服や、ゲンかつぎなど思い入れのある服を着ていると思うので今度から衣装にも注目してもらいたいですね!」
松岡「近代麻雀に書いてあったんですが、[野口賞に出ていた女流プロの9割の尊敬しているプロが、魚谷プロ]って言っていたみたいなんですが、それを知ってどう思いましたか?あ、ちなみに私も魚谷プロって言いました!(笑)」
魚谷「ありがとう!素直に嬉しいです。なんでかなぁ・・・ 一生懸命やってるっぽいからじゃない?なんかね、一生懸命やればこうやってテレビにも今、出させてもらえるっていうパイオニア的な存在になれればいいなって思うの。」
松岡「なるほど!確かに、うらやましいというか、まず魚谷さんのところまで行きたいという気持ちにはすごくなるし、実際にその姿を目の当たりにすると、頑張ろうって気持ちはすごく強くなります。それで、やっぱり一番大事な麻雀のことなんですが、今回魚谷さんの麻雀をたくさん研究してきたのでいっぱい聞いて良いですかー?」
魚谷「あ、うん。いいけどきっと3局くらいしかインタビュー書けないよ(笑)」
松岡「では、我慢して3つにしておきます(笑)。」
★2回戦目 東2局
100
六万七万五索五索六索七索八索四筒六筒八筒八筒八筒白
ここで八万を両面チー。
山井プロが親番でピンズのホンイツをしているのを見て、魚谷プロは捌きにいき両面チー。
そこから五索が出て、ポンして六筒八筒八筒八筒六筒七筒待ちにした。
近代麻雀に魚谷プロの記事が書いてあり、そこには「鳴いた後の守備を大切にしている。鳴き=攻撃ではない。」と書いてあった。
山井プロがホンイツをしているのに、同じ色の待ち。
1,000点が高目2,000点になり待ちは広くなるが、手牌が短くなるというのは守備という話とは反していると思った。
魚谷「これはね、いつも意識していることで、スピードを合わせるじゃないけど、相手の勝負手をアガらせないってことを大事にしてるの。相手との距離感をはかってまだテンパイしてないと思ったから、少しでも広い方にと捌きにいったんだよね。だから変な話、ネット麻雀は正直苦手。相手の雰囲気とか動作とかで、まだ1シャンテンだと分かる時もあるし、そうゆうので読んだりとかもする。例えば自信満々に七筒切ってるのか、間があって切ってるのかでも違うと思うんだよね。」
100
★3回戦目 南3局 前原プロ親番
魚谷プロは続けて、捌き手ではなく本手でぶつけた。
3本場 
魚谷プロ3巡目 
四万九万一索三索七索八索九索九索八筒九筒九筒白白 →混全帯
4本場
魚谷プロ配牌
三万六万九万六索一筒二筒五筒六筒九筒西北発中 →混一色
前原プロの親番
松岡「これ見てて思ったんですが、私が魚谷プロの立場だったら当面の敵である、前原プロの親番を捌きに行きたいと思ったんですよ。でも、両方とも勝負手にしたのは何でですか?」
魚谷「あそこでトップとるのはちょっと遠いけど、この半荘でトップをとれば勝ちは固いなって。前原さんがもし加点してもうちょっと離れてトップをとっても、結局はポイント的に私と前原さんの一騎打ちみたいな感じだったから、素点を稼がれても、サシの勝負になる前原さんよりかは着順を少しでもあげようと思って本手にしたんだよね。決勝戦は逃げてても、よっぽどいい条件じゃないかぎりその条件をクリアするようにみんな目指して打ってくるからいけるときに、少しでも上にいっとかないと。」
私の考えではこの状況での捌き手をした場合
【メリット】 これ以上点数を離されない。
【デメリット】 このままの着順で終わり、次半荘勝負になる。
本手にした場合
【メリット】 しっかりツモって、親っかぶりさせる。
【デメリット】 親の連荘を生みやすく、点数をこれ以上離され次半荘がさらに苦しくなる。
であった。
しかし魚谷プロは、いつか勝負をしなくちゃいけないし、最終戦相手に条件をぶつけたい。条件戦になると1,000点2,000点で流すよりも、グンと点数を突き放して相手に条件をつきつけることが大切だと話していた。
いつかは勝負しなくてはいけないし、魚谷プロの話を聞いてこれはトーナメント戦の戦い方なんだなぁと勉強にりました。
100
★1回戦目 東3局 牌姿
100
字牌の切り順
東北中
松岡「この字牌の切り順ってどんな意味があるんですか?」
魚谷「基本的には自分が行くときはダブ東から切っちゃう。本当は北よりも東の方が自分の手にあって価値があるんだけど、人にも重なったときに価値があるから先に切ったんだよね。」
松岡「じゃあ東中北という順番じゃないんですか?」
魚谷「自分の手でオタ風の北よりも、中が重なった方が嬉しいから。競技ルールの時は、役牌を一鳴きしない傾向があるから、ちょっと手のうちに残しておいてもいいかなって思ったんだよね。」
松岡「なるほど。ダブ東なら一鳴きの確率が高いけど中だったらみんな1翻だから一巡だけでも、攻撃的においといたってことなんですね。」
魚谷「絶対いつもそうではないんだけどね。私、絶対こうするっていう決め事とかは作らないようにしてるんだよね。状況を確実に判断出来なくなるから場況とか状況にブレがあるから、いっつもこうって決めてるとその少しのコトを察知するが出来なくなっちゃうと思うの。」
松岡「勝てるかも?って思った瞬間ってありますか?」
魚谷「最後の最後まで勝ったなんて思えないなー。でも、勝ちに近づいたなって思ったのは、南1局のドラの八筒持ってきてリーチして裏が乗った2,000・4,000かな。あれは本当にめくりながら1枚のれ!って思ったよ。やっぱりあのメンツで勝てるとか決勝戦で勝つっていうのは、どこかで人よりツイていないと勝てないよね。」
松岡「あれ、気持ち良かったですよね!私も見ながら裏のれ!!!って言っちゃいました(笑)。」
松岡「話は変わりますが、私も一度聞きたかったことがあって、魚谷プロの強さの根底にあるものってなんですか?」
魚谷「押すときも、オリる時も一生懸命、常に自分の中の絶対の答えを見つけ出しながら、1牌も間違えずに気迫をもって1牌1牌切るって事かな。後で絶対に後悔しないようにね。」
松岡「1牌間違えるとかなりそのあと変わってきちゃいますもんね。魚谷プロのその情熱は昔から持っていたものなんですか?」
魚谷「私、昔から、自分が取り組んでいるのものでは、なるべく1番になりたいって思ってたんだよね。だから、学生時代も、応援団長とか、生徒会とかもやったことあるし。今はね、やっと人生の中でこれだってものをみつけられたの。これと一緒に生きて行きたいみたいな感じかな?麻雀と出会えて、すごい幸せだなって思うんだよね。私の宝物。熱くっていうわけじゃないけど、やっぱり精一杯取り組まなきゃいけないと思うし、元から負けず嫌いなんだよね。勝つために、そこまでの過程を自分の力を一番納得のいく形まで持っていきたい。結果はどう出るか、麻雀だから勝ったり負けたりするけど、そこまでを全身全霊かけて目指したい。そうじゃないと、あとで後悔もするし、そんな私の麻雀見てても面白くないと思うし。私疲れやすいんだけど、この麻雀終わったら死んでもいいんだから全部の体力使い切れ!って思ってる。絶対集中。絶対間違えんな。全部を見ろ。これ終わったら倒れてもいいんだから。」
私はインタビューの帰り、ずっと魚谷プロの”ある言葉”が頭をグルグルしていた。
実は私、すごい不思議だったんです。
トッププロの方たちが麻雀のために体力づくりでランニングをしていたり、体を鍛えていることが。
確かに私も一生懸命麻雀した日はすごい疲れます。
だからといって倒れたりなんてしないし、麻雀のために体力作りをするのは何でだろう?って思ってました。
でもそういうことじゃないんだなって。
全身全霊を一打一打にかけていたら、それは体力をつけなければ本当に倒れてしまうと思う。
本当のプロっていうのは麻雀の実力だけじゃなく、実力を出し続ける力がないと本当のプロとは言えない。
今回、魚谷プロのお話を聞いていて、改めて自分の甘さや弱さに気が付いた。
タイトル取るとか、先駆者として、後進を引っ張っていくのも、もちろん大事であるが、自分の言葉で、そして行動で私達若手に、プロとして、とても大事な何かを気づかせることも魚谷プロの、プロとしてそして先輩としてとても素晴らしい所であり、皆に尊敬されるというのも、改めて納得してしまった。
私も、いつか魚谷プロのようになれる日がくるのだろうか??
いや、自分で掴み取らなければ駄目だ!
そして、そのために、また、然るべき場所に立つために日々努力をしていこう。
今、頭をグルグルしているこの言葉を、その時に心の底から自信を持って言えるように。
「これ終わったら、倒れてもいいんだから」

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第32期A1リーグ第4節レポート 仁平 宣明

第32期A1リーグ自戦記:仁平宜明

僕にとって6年ぶりのA1での対局。
ここまで3節を終えてまず最初に感じたのが、当然の事ながらレベルが高い。

わかりやすい一例をあげれば、自分が早い先制リーチをかけられたとしても、一対山になる事はほとんどなく、当り牌はおさえられて終盤にもう1人か2人来る。
みんながそれぞれ自分の型を持っているので、型にはまると止められなくなる。
その事を誰もが理解しているので、自分がそうなった時もなかなか一方的な展開にはさせてくれない。
誰もが人の心理状態を把握しながら打っている。

麻雀という根本的なものは変わらないのだが、この場に座った人は皆、同じ事を感じその違いを思い知らされるだろう。
それが連盟最高峰のA1リーグなのだ。

僕としては久々のA1リーグの感覚に嬉しい気持ちと、この中で結果を出さなければというプレッシャーが交差していた。
ここまで3節を終えてスコアは全てマイナス。
致命傷は受けていないし、対戦相手が強いにしてもどうも調子が出ていない。
踏み込みが浅かったり、放銃の形が悪いのが何度かあった事も、これまでの闘い方にどこか焦りがあったのではないかと思う。

今回の対戦相手は荒、沢崎、勝又。
荒さんには本当に大切な事を教えていただいたり、麻雀を観て学ばせてもらったものは計り知れない。
沢崎さんにも麻雀に留まらず、色々な事をご指導いただいている。
僕にとってお二人は目標であり、いつの日か越えたい高い壁だ。
勝又君は昨年A1に昇級していきなりの決定戦、今期もリーグ戦は好調で上位につけている。
僕自身にとっては、上を目指すかどうかの正念場でもある1節となった。

1回戦の開局は西家スタート、手牌はすごくいい。

三万四万五万二索三索三索四索六索六索六索八索五筒五筒  ドラ四筒

この1シャンテンに4巡目一索を引いて役なしテンパイ。
この後の手牌変化を見て当然のヤミテン。
解説の前田が予想した通り、六筒ツモで五筒切りのテンパイはずしをして直ぐに七筒を引いて役ありに変化。
沢崎から二索が出て開局を制す。
このアガリは、配牌から見れば物足りないがいいアガリだと感じた。

東3局、親番で好配牌をもらう。

東家
二万二万六万六万七万八万九万六索八索東東西発発  ドラ二索

この配牌から第一打に八索を切ると次巡すぐに七索でソウズの面子を並べる。
この事で捨て牌の序盤が派手になってしまっているので、一色を警戒されるのを嫌い、

二万二万六万六万七万八万九万六索東東西発発

この2シャンテンで三万ツモで先に二万を払い、その後、六万が暗刻になった後の三万もツモ切りで、捨て牌でピンズのホンイツに見せるために多少のリスクを覚悟で迷彩を作る。
当然、東発を引けばリーチ。

結果は、四万を引いて最悪の字牌待ち残り。
これは終盤までもつれるなと感じたのも束の間、望外の東ツモ。6,000オール。
かなりいい感触だが、この後が続かないというより続かせてくれないのがA1リーグだ。

南1局で、勝又の先制リーチをうけて、西家の僕の手牌が1シャンテン

四万五万一索六索七索一筒一筒一筒六筒七筒八筒九筒九筒  ドラ八筒

五索八索が薄い事もあり先に五索八索を引けばリーチと考えていた。
すると先に三万を引いてテンパイ。
八索は3枚切れでリーチの勝又のリーチ宣言牌が八索なので使っていそうだ。
一索は通りそうだがリーチしないのなら、行く価値なしとみて一筒の暗刻落としをする。
すぐに勝又が8枚目の五索八索待ちの五索をつかみ失敗してしまったと思ったが、結果は無事流局。
状態が良い時の闘い方としては良くないが、リスクとリターンが見合わないのでこれは良しとした。

オーラスも勝又の仕掛けに対して、手出し六万のトイツ落としをみて八万と何かのシャンポン待ちだと読み、テンパイしたら五万を押すと決めて見事に読み通りとなる。
この1回戦目は良く打てたなと感じたが、2回戦、急に手が重くなりアガリが遠くなる。
2回戦はノーホーラで終局した。

3回戦、ここで僕らしくない鳴きで、ここまで絶不調の荒を復活させてしまう。
供託リーチ棒2本の4本場。

四万五万一索一索六索八索二筒三筒四筒六筒東中中

ここから七索を仕掛けて勝又と荒にメンゼンのテンパイを入れさせてしまった。
この、普段自分ならしない鳴きで今まで不調の荒を復活させてしまったと考える。
このような隙をみせると、全くぬかりないのはさすが荒だ。
3回戦は荒の大きな1人浮きのトップでスコアは4人平たい状態になった。

4回戦、この回は是が非でもプラスしないと、また今節もマイナスしてしまうと頑張るも沢崎の攻めがきつい。
南3局の沢崎の親番を簡単に流せたのは大きいが、オーラスは見事な沢崎の仕掛けによってテンパイ牌を食い流された。

この日の結果はプラス13.0Pで何とかプラスで終えた。
だが今期初のプラス。ここからきっかけを掴めると僕は信じている。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A1リーグ第4節レポート 仁平 宣明

第32期A1リーグ自戦記:仁平宜明
僕にとって6年ぶりのA1での対局。
ここまで3節を終えてまず最初に感じたのが、当然の事ながらレベルが高い。
わかりやすい一例をあげれば、自分が早い先制リーチをかけられたとしても、一対山になる事はほとんどなく、当り牌はおさえられて終盤にもう1人か2人来る。
みんながそれぞれ自分の型を持っているので、型にはまると止められなくなる。
その事を誰もが理解しているので、自分がそうなった時もなかなか一方的な展開にはさせてくれない。
誰もが人の心理状態を把握しながら打っている。
麻雀という根本的なものは変わらないのだが、この場に座った人は皆、同じ事を感じその違いを思い知らされるだろう。
それが連盟最高峰のA1リーグなのだ。
僕としては久々のA1リーグの感覚に嬉しい気持ちと、この中で結果を出さなければというプレッシャーが交差していた。
ここまで3節を終えてスコアは全てマイナス。
致命傷は受けていないし、対戦相手が強いにしてもどうも調子が出ていない。
踏み込みが浅かったり、放銃の形が悪いのが何度かあった事も、これまでの闘い方にどこか焦りがあったのではないかと思う。
今回の対戦相手は荒、沢崎、勝又。
荒さんには本当に大切な事を教えていただいたり、麻雀を観て学ばせてもらったものは計り知れない。
沢崎さんにも麻雀に留まらず、色々な事をご指導いただいている。
僕にとってお二人は目標であり、いつの日か越えたい高い壁だ。
勝又君は昨年A1に昇級していきなりの決定戦、今期もリーグ戦は好調で上位につけている。
僕自身にとっては、上を目指すかどうかの正念場でもある1節となった。
1回戦の開局は西家スタート、手牌はすごくいい。
三万四万五万二索三索三索四索六索六索六索八索五筒五筒  ドラ四筒
この1シャンテンに4巡目一索を引いて役なしテンパイ。
この後の手牌変化を見て当然のヤミテン。
解説の前田が予想した通り、六筒ツモで五筒切りのテンパイはずしをして直ぐに七筒を引いて役ありに変化。
沢崎から二索が出て開局を制す。
このアガリは、配牌から見れば物足りないがいいアガリだと感じた。
東3局、親番で好配牌をもらう。
東家
二万二万六万六万七万八万九万六索八索東東西発発  ドラ二索
この配牌から第一打に八索を切ると次巡すぐに七索でソウズの面子を並べる。
この事で捨て牌の序盤が派手になってしまっているので、一色を警戒されるのを嫌い、
二万二万六万六万七万八万九万六索東東西発発
この2シャンテンで三万ツモで先に二万を払い、その後、六万が暗刻になった後の三万もツモ切りで、捨て牌でピンズのホンイツに見せるために多少のリスクを覚悟で迷彩を作る。
当然、東発を引けばリーチ。
結果は、四万を引いて最悪の字牌待ち残り。
これは終盤までもつれるなと感じたのも束の間、望外の東ツモ。6,000オール。
かなりいい感触だが、この後が続かないというより続かせてくれないのがA1リーグだ。
南1局で、勝又の先制リーチをうけて、西家の僕の手牌が1シャンテン
四万五万一索六索七索一筒一筒一筒六筒七筒八筒九筒九筒  ドラ八筒
五索八索が薄い事もあり先に五索八索を引けばリーチと考えていた。
すると先に三万を引いてテンパイ。
八索は3枚切れでリーチの勝又のリーチ宣言牌が八索なので使っていそうだ。
一索は通りそうだがリーチしないのなら、行く価値なしとみて一筒の暗刻落としをする。
すぐに勝又が8枚目の五索八索待ちの五索をつかみ失敗してしまったと思ったが、結果は無事流局。
状態が良い時の闘い方としては良くないが、リスクとリターンが見合わないのでこれは良しとした。
オーラスも勝又の仕掛けに対して、手出し六万のトイツ落としをみて八万と何かのシャンポン待ちだと読み、テンパイしたら五万を押すと決めて見事に読み通りとなる。
この1回戦目は良く打てたなと感じたが、2回戦、急に手が重くなりアガリが遠くなる。
2回戦はノーホーラで終局した。
3回戦、ここで僕らしくない鳴きで、ここまで絶不調の荒を復活させてしまう。
供託リーチ棒2本の4本場。
四万五万一索一索六索八索二筒三筒四筒六筒東中中
ここから七索を仕掛けて勝又と荒にメンゼンのテンパイを入れさせてしまった。
この、普段自分ならしない鳴きで今まで不調の荒を復活させてしまったと考える。
このような隙をみせると、全くぬかりないのはさすが荒だ。
3回戦は荒の大きな1人浮きのトップでスコアは4人平たい状態になった。
4回戦、この回は是が非でもプラスしないと、また今節もマイナスしてしまうと頑張るも沢崎の攻めがきつい。
南3局の沢崎の親番を簡単に流せたのは大きいが、オーラスは見事な沢崎の仕掛けによってテンパイ牌を食い流された。
この日の結果はプラス13.0Pで何とかプラスで終えた。
だが今期初のプラス。ここからきっかけを掴めると僕は信じている。

第32期十段戦 ベスト16B卓レポート 猿川 真寿

100

十段戦ベスト16B卓進出者は、藤崎智(八段)滝沢和典(七段)山井弘(七段)野方祐介(四段)。

野方って誰。というのが率直な感想だった。
彼について調べていくと、18期生。私と1期しか変わらない。14年目という計算になる。
途中で改名したらしい。旧名を聞くと、12年前ぐらいに会ったことあることを思い出した。
どういう麻雀を打つのかは、記憶になかったが、Twitterで太田がこのようなことを呟いていた。

「連盟で1番仕掛けの多い打ち手です。」

これは非常に興味深い情報だった。
これで展開予想は大体ついたが、誰が勝ち上がるのかは全く予想がつかなかった。
他の3者についてはすでに説明は不要だと思うので、私視点で簡単に書きたいと思う。

藤崎は団体きっての守備型である。野方の仕掛けにどういう対応をするのだろうか?
山井と滝沢が押し返してきたら完全に受ける展開になりそうだ。
その場合、2着勝ち残りのルールだったとしても苦しい戦いになりそう。

滝沢は今、攻めを強化中である。仕掛けに本手をかぶせるのではないかと思われる。

山井は今バランスを崩している感じがする。
それに加えて、多少の空中戦が予想されることを考慮すると、山井の得意な展開になるには野方の動きがプラスに働くか、野方の仕掛けに真っ向勝負でねじ伏せるかということになりそうである。

1回戦、野方が積極的に動いて先手をとっていく。場は軽くなり、小場でどんどん局が進んでいく。
プラスは小さいながらも滝沢の1人浮き。
山井は1人沈みになってもおかしくない状況だっただけに少し安心しただろう。

2回戦は野方に展開が向いてきた。苦しい待ちでもアガリに結びつき、安定感のある卓回しだったと思う。
山井も浮きをキープして混戦になった。

山井の2,600オールで幕を開けた3回戦。そのあとも打点こそないものの着実にアガリを重ねていく。
迎えた南1局。親は山井。6巡目にリーチ。

四万五万六万七万八万九万四索四索七索八索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ二索

ピンフのみのリーチだが待ちも悪くなく、調子の上昇も感じていたのだろう。
しかし、これが最悪な結果を招いてしまう。
ここまで一番苦しかった藤崎がうまくまわし打ち満貫をツモアガる。
この後、山井が日の目を浴びることはなかった。

南4局はトップ目の野方が追っかけリーチで3,900オールをツモリ頭ひとつ抜け出す。

三万三万七万七万七万六索七索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ五索  ドラ三万

1本場は藤崎が軽く捌いて浮きにまわった。
4回戦も野方の勢いは止まらなく1人浮きで当確となった。

最終戦を迎えたときのポイント状況は、
野方+70.3P、滝沢▲2.8P、藤崎▲25.2P、山井▲43.3P

滝沢と藤崎の一騎打ちとなった。
東2局、藤崎が7,700をアガって差をつめる。

続く東3局にアガって滝沢をかわしたが、東4局に滝沢が

四万四万八索八索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四万  ドラ三万 

これをアガッて捲りかえす。
南1局に親の藤崎がつみ、また差をつける。
リーチで突き放そうとしたところに滝沢がドラポンで真っ向勝負。
残り1枚のアガリ牌は滝沢の手に引き寄せられた。

これで、滝沢は浮きにまわり勝負はついたかに見えたが、南2局、藤崎が

一万二万三万四万六万七万八万九万四索五索六索六筒六筒  ツモ五万  ドラ二万

これをアガリ詰め寄ると、南3局に七対子をアガリ捲りかえす。

藤崎が0.3ポイント上で迎えた南4局。
最後は自力で藤崎がアガリベスト8進出を決めた。

ここで今回の戦いを見ての感想を述べたいと思う。
まず、展開として藤崎もそこまで字牌を絞らなかったこともあり、野方にとっては得意の場になった。
冒頭で書いたように、藤崎としては当然の戦術だったかも知れない。
あとは4者とも、ぎりぎりまで押しかなり見応えのある麻雀だったと思う。
なかでも、藤崎はあの苦しい状況を見事に打破する技術はとても勉強になった。

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十段戦 レポート/第32期十段戦 ベスト16B卓レポート 猿川 真寿

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十段戦ベスト16B卓進出者は、藤崎智(八段)滝沢和典(七段)山井弘(七段)野方祐介(四段)。
野方って誰。というのが率直な感想だった。
彼について調べていくと、18期生。私と1期しか変わらない。14年目という計算になる。
途中で改名したらしい。旧名を聞くと、12年前ぐらいに会ったことあることを思い出した。
どういう麻雀を打つのかは、記憶になかったが、Twitterで太田がこのようなことを呟いていた。
「連盟で1番仕掛けの多い打ち手です。」
これは非常に興味深い情報だった。
これで展開予想は大体ついたが、誰が勝ち上がるのかは全く予想がつかなかった。
他の3者についてはすでに説明は不要だと思うので、私視点で簡単に書きたいと思う。
藤崎は団体きっての守備型である。野方の仕掛けにどういう対応をするのだろうか?
山井と滝沢が押し返してきたら完全に受ける展開になりそうだ。
その場合、2着勝ち残りのルールだったとしても苦しい戦いになりそう。
滝沢は今、攻めを強化中である。仕掛けに本手をかぶせるのではないかと思われる。
山井は今バランスを崩している感じがする。
それに加えて、多少の空中戦が予想されることを考慮すると、山井の得意な展開になるには野方の動きがプラスに働くか、野方の仕掛けに真っ向勝負でねじ伏せるかということになりそうである。
1回戦、野方が積極的に動いて先手をとっていく。場は軽くなり、小場でどんどん局が進んでいく。
プラスは小さいながらも滝沢の1人浮き。
山井は1人沈みになってもおかしくない状況だっただけに少し安心しただろう。
2回戦は野方に展開が向いてきた。苦しい待ちでもアガリに結びつき、安定感のある卓回しだったと思う。
山井も浮きをキープして混戦になった。
山井の2,600オールで幕を開けた3回戦。そのあとも打点こそないものの着実にアガリを重ねていく。
迎えた南1局。親は山井。6巡目にリーチ。
四万五万六万七万八万九万四索四索七索八索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ二索
ピンフのみのリーチだが待ちも悪くなく、調子の上昇も感じていたのだろう。
しかし、これが最悪な結果を招いてしまう。
ここまで一番苦しかった藤崎がうまくまわし打ち満貫をツモアガる。
この後、山井が日の目を浴びることはなかった。
南4局はトップ目の野方が追っかけリーチで3,900オールをツモリ頭ひとつ抜け出す。
三万三万七万七万七万六索七索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ五索  ドラ三万
1本場は藤崎が軽く捌いて浮きにまわった。
4回戦も野方の勢いは止まらなく1人浮きで当確となった。
最終戦を迎えたときのポイント状況は、
野方+70.3P、滝沢▲2.8P、藤崎▲25.2P、山井▲43.3P
滝沢と藤崎の一騎打ちとなった。
東2局、藤崎が7,700をアガって差をつめる。
続く東3局にアガって滝沢をかわしたが、東4局に滝沢が
四万四万八索八索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四万  ドラ三万 
これをアガッて捲りかえす。
南1局に親の藤崎がつみ、また差をつける。
リーチで突き放そうとしたところに滝沢がドラポンで真っ向勝負。
残り1枚のアガリ牌は滝沢の手に引き寄せられた。
これで、滝沢は浮きにまわり勝負はついたかに見えたが、南2局、藤崎が
一万二万三万四万六万七万八万九万四索五索六索六筒六筒  ツモ五万  ドラ二万
これをアガリ詰め寄ると、南3局に七対子をアガリ捲りかえす。
藤崎が0.3ポイント上で迎えた南4局。
最後は自力で藤崎がアガリベスト8進出を決めた。
ここで今回の戦いを見ての感想を述べたいと思う。
まず、展開として藤崎もそこまで字牌を絞らなかったこともあり、野方にとっては得意の場になった。
冒頭で書いたように、藤崎としては当然の戦術だったかも知れない。
あとは4者とも、ぎりぎりまで押しかなり見応えのある麻雀だったと思う。
なかでも、藤崎はあの苦しい状況を見事に打破する技術はとても勉強になった。

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ロン2ファン感謝祭in東京~第20回リアル麻雀大会~ 中山 奈々美

2015年6月28日。
今年もロン2リアル麻雀大会の季節がやってまいりました。
いつもモニターを介して一緒に麻雀を打っているユーザーの皆さんと、実際に会ってお話しできて、リアル麻雀を楽しめるこの機会が私は大好きです。

当日は天気にも恵まれ、カラッとした夏空。

 

入ります。

 

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会場に向かう途中こんな歌を思い出しました。

春が過ぎて夏が来たらしい。香具山に白い衣が干してあるから、と爽やかなわかりやすい和歌です。気持ち良いこの日の気候にピッタリ。

今回のレポート担当は26期生屈指の文学少女(!?)中山奈々美が担当します(‘ω’)ノ

まずは開会式。
藤原競技委員長のルール説明があり、そのあとは恒例になっている森山会長のご挨拶です。
厳しい中にもユーモアのある森山会長のトークセンスはこの日も絶好調でした(/・ω・)/

「プロも真剣に打ちます。覚悟して臨んでくださいね」

この一言で私にも気合いが入ります。
真剣に打って、打って、打ちまくって、楽しんじゃうゾ~!!!( `―´)ノ☆

システムは東南戦2回、東風戦4回の計6回でユーザーさんには1回ずつ卓を移動していただきます。全卓にプロがいるので計6人のプロと同卓できるという寸法。
いいなぁ~♪私も移動して色んなプロと麻雀打ちたいなぁ・・・!

勿論今回の大会も連盟を代表するそうそうたるメンバーがユーザーの皆さんを迎え撃ちます!!ベテランの巨匠プロや新鋭プロがずらり。

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女流プロも多数参加しており会場が華やかです(´▽`)

さらに跳満以上、役満をアガると素敵なプレゼントが。ポイント総合上位も目指しつつ、途中にこういったご褒美があるのはモチベーションぐぐっとあがっちゃいますね。

対局の合間にはユーザーの皆さんとお話ししたり、写真撮影したりで楽しい時間を過ごしました。元々緊張しぃな私は何度経験してもサイン頼まれたり写真をお願いされたりするのは慣れなくてソワソワしちゃうんですけどね|:3ミ でへっでへっ

今回参加してすごく思ったのが、ユーザーさんのリアル麻雀の所作がすごく上達しているってことでした!!サイコロを振って配牌をとっていくのも戸惑っている方が多いかなという印象だったのですが、全然そんなことなくて。打牌スピードも格段に上がったように思いました。麻雀の内容もきっとすごく上達しているのでしょうね。普段のロン2もすごく真剣に取り組んでいるのが伝わってきます(●´ω`●)
そうやっていつも向上心をもって麻雀に取り組んでいる方を見るととても嬉しいのと同時に私も頑張らなきゃって背筋が伸びる思いです。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、結果発表へ!

総合優勝はなんと、、、

井上絵美子プロでしたー!!!!!!

すごいですねーおめでとうございます(*^-^*)

今回もプロが大健闘。
続く2位は前原雄大プロ。3位は白鳥翔プロ。4位は紺野真太郎プロ。

総合4位、ユーザーさんの1位は、ほうりんさんでした!

ほうりんさん、おめでとうございます(*^▽^*)
プロとの記念撮影楽しそうでしたね~♪良い写真です!!!

ポイント上位の方、キリ番の方には麻雀トライアスロンや麻雀女子会のDVDやゲームソフト、麻雀本などの豪華景品があるのですが、私が1番気になったのはチームがらくたプレゼンツのTシャツです!笑
「鳴いたらオリるな」「愚形上等」「放銃万歳」
などの名言(迷言!?)が印刷されているTシャツです。

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・・・面白すぎるでしょう。これは欲しいです(‘◇’)ゞ

次回も景品になっているといいなぁ~!ユーザーの皆さんも次回もし景品になっていれば積極的に狙ってみてくださいね!!

これからもロン2を連盟のプロが一丸となっていいコンテンツになっていくいよう精進してまいりますので、ユーザーの皆さんもこれからも変わらぬご愛顧よろしくお願いいたします。

お別れにもう一つ、夏の和歌を。

 

入ります。

 

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夏の夜は短いですから。あっという間に明けてしまう。こんなに夜が短いと月だって西にたどり着くゆとりがあるまい。雲のどのあたりに隠れているのだろうか。という意味です。

もっぱら夜にロン2をプレイする私にとってはこんな情景すごく身近に感じますね。夏の短夜にはぜひロン2をしながら月を想ったりして、一緒に情緒的な夏を過ごしませんか?

それではまた逢う日まで(^^)/

リアル麻雀大会/ロン2ファン感謝祭in東京~第20回リアル麻雀大会~ 中山 奈々美

2015年6月28日。
今年もロン2リアル麻雀大会の季節がやってまいりました。
いつもモニターを介して一緒に麻雀を打っているユーザーの皆さんと、実際に会ってお話しできて、リアル麻雀を楽しめるこの機会が私は大好きです。
当日は天気にも恵まれ、カラッとした夏空。
 
入ります。
 

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会場に向かう途中こんな歌を思い出しました。
春が過ぎて夏が来たらしい。香具山に白い衣が干してあるから、と爽やかなわかりやすい和歌です。気持ち良いこの日の気候にピッタリ。
今回のレポート担当は26期生屈指の文学少女(!?)中山奈々美が担当します(‘ω’)ノ
まずは開会式。
藤原競技委員長のルール説明があり、そのあとは恒例になっている森山会長のご挨拶です。
厳しい中にもユーモアのある森山会長のトークセンスはこの日も絶好調でした(/・ω・)/
「プロも真剣に打ちます。覚悟して臨んでくださいね」
この一言で私にも気合いが入ります。
真剣に打って、打って、打ちまくって、楽しんじゃうゾ~!!!( `―´)ノ☆
システムは東南戦2回、東風戦4回の計6回でユーザーさんには1回ずつ卓を移動していただきます。全卓にプロがいるので計6人のプロと同卓できるという寸法。
いいなぁ~♪私も移動して色んなプロと麻雀打ちたいなぁ・・・!
勿論今回の大会も連盟を代表するそうそうたるメンバーがユーザーの皆さんを迎え撃ちます!!ベテランの巨匠プロや新鋭プロがずらり。

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女流プロも多数参加しており会場が華やかです(´▽`)
さらに跳満以上、役満をアガると素敵なプレゼントが。ポイント総合上位も目指しつつ、途中にこういったご褒美があるのはモチベーションぐぐっとあがっちゃいますね。
対局の合間にはユーザーの皆さんとお話ししたり、写真撮影したりで楽しい時間を過ごしました。元々緊張しぃな私は何度経験してもサイン頼まれたり写真をお願いされたりするのは慣れなくてソワソワしちゃうんですけどね|:3ミ でへっでへっ
今回参加してすごく思ったのが、ユーザーさんのリアル麻雀の所作がすごく上達しているってことでした!!サイコロを振って配牌をとっていくのも戸惑っている方が多いかなという印象だったのですが、全然そんなことなくて。打牌スピードも格段に上がったように思いました。麻雀の内容もきっとすごく上達しているのでしょうね。普段のロン2もすごく真剣に取り組んでいるのが伝わってきます(●´ω`●)
そうやっていつも向上心をもって麻雀に取り組んでいる方を見るととても嬉しいのと同時に私も頑張らなきゃって背筋が伸びる思いです。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、結果発表へ!
総合優勝はなんと、、、
井上絵美子プロでしたー!!!!!!
すごいですねーおめでとうございます(*^-^*)
今回もプロが大健闘。
続く2位は前原雄大プロ。3位は白鳥翔プロ。4位は紺野真太郎プロ。
総合4位、ユーザーさんの1位は、ほうりんさんでした!
ほうりんさん、おめでとうございます(*^▽^*)
プロとの記念撮影楽しそうでしたね~♪良い写真です!!!
ポイント上位の方、キリ番の方には麻雀トライアスロンや麻雀女子会のDVDやゲームソフト、麻雀本などの豪華景品があるのですが、私が1番気になったのはチームがらくたプレゼンツのTシャツです!笑
「鳴いたらオリるな」「愚形上等」「放銃万歳」
などの名言(迷言!?)が印刷されているTシャツです。

100

・・・面白すぎるでしょう。これは欲しいです(‘◇’)ゞ
次回も景品になっているといいなぁ~!ユーザーの皆さんも次回もし景品になっていれば積極的に狙ってみてくださいね!!
これからもロン2を連盟のプロが一丸となっていいコンテンツになっていくいよう精進してまいりますので、ユーザーの皆さんもこれからも変わらぬご愛顧よろしくお願いいたします。
お別れにもう一つ、夏の和歌を。
 
入ります。
 

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夏の夜は短いですから。あっという間に明けてしまう。こんなに夜が短いと月だって西にたどり着くゆとりがあるまい。雲のどのあたりに隠れているのだろうか。という意味です。
もっぱら夜にロン2をプレイする私にとってはこんな情景すごく身近に感じますね。夏の短夜にはぜひロン2をしながら月を想ったりして、一緒に情緒的な夏を過ごしませんか?
それではまた逢う日まで(^^)/

第12期北陸リーグ準決勝~決勝レポート

平成27年7月12日、第12期目となる「北陸最強を決める戦い」北陸リーグの準決勝~決勝戦がバイパスレジャーランド藤江店にて開催された。
北陸リーグは、通過者8名の上位3位までに対してそれぞれ30P、20P、10Pがアドバンテージとして付与され、準決勝3回戦の対局。
上位の4名までがポイントを持ち越して決勝を2回戦行うという仕組み。
8名が残れる為、最終節も消化試合となる者が少なく、また上位陣もアドバンテージは喉から手が出るほど欲するところ。
最終節の最終局まで緊張感を無くさず多くの者がヒリつく戦いが出来たのではないだろうか。

そして準決勝を終えて、決勝進出となったのは以下の4名。
久々湊(くぐみなと)さん(66.1P)、栗野さん(51.2P)、北川さん(34.6P)、濱平(18.7P)
奇しくもリーグ戦の1位~4位がそのまま決勝進出となっており、アドバンテージを十全に用いた立ち回りと、期を通しての状態の良さが際立つ結果となった。

唯一プロで決勝に残った濱平は連勝が必要か。
またしても準決勝にて辛酸を嘗めた私の分まで頑張ってほしいと個人的ながら心の中で応援していた。

リーグ戦の経験は浅いが圧巻の成績で決勝の椅子に座った久々湊さん、栗野さん。
北陸リーグの古参で実力十分の北川さん。点差は縦長ながらも誰が勝ってもおかしくない今期の決勝戦。
各人が他者との点数条件を確認し、静かに勝負は始められた。

1回戦 起家 栗野さん-濱平-北川さん-久々湊さん

先制打は濱平

東1局
三万三万一筒二筒三筒三筒四筒五筒六筒八筒  ポン中中中  ツモ七筒  ドラ三万

全員が平たい配牌ながらも選択のミス無く最短で1,000・2,000をものにし、

東2局
三万四万南南  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ポン白白白  ロン五万  ドラ九索

久々湊さんから5,800。行くしか無い自身の状況を踏まえ、最短かつ打点のあるアガリを連取する。

濱平は富山在住のプロ。現在は鳳凰位戦と北陸リーグを兼任しているが、プロのデビューとしては、実は私と同じ中部プロリーグ。
近年、王位の森下やマスターズの樋口を排出している、地方のリーグでも一目置かれるハイレベルな環境にて私と同時期にプロの門を叩いている。
上記の2名のタイトルホルダーとも、リーグ戦にて鎬を削った間柄である。
ここ暫く一般の方が優勝を続けている北陸リーグ。不甲斐ない他のプロの思いを背負って嗅覚鋭くアガリを拾っていく。

そんな濱平に独走を許さないのは北川さん。

東3局
七万七万七万八万八万六索七索八索三筒四筒中中中  リーチ  ツモ五筒  ドラ四索

残り2枚しか残っていなかった二筒五筒を力強く引き上がり2,600オール
次局濱平の2,600を挟んでからの東4局

東4局

二万三万四万八万八万一索二索三索四索五索六索中中  リーチ ロン中  ドラ八万

押してきた栗野さんからの満貫直撃。
東場は濱平と北川さんのアガリの応酬にて、決勝の場は一気に大混戦の様相を呈してきた。

南場に入り、勝負所と感じたか、本手を躊躇わず横に曲げる濱平。

南1局

五万六万七万八万八万三索四索五索五索六索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ二筒

高めツモでトータルでも肉薄できるこのリーチ。
立ちはだかるのはここまでアガリの無い栗野さん

一万二万三万一索二索三索二筒三筒三筒四筒四筒発発  リーチ

打点こそあるものの、完成形に辿りつけなかった感のある最終形。
両者のめくり合いは栗野さんが四索を掴み安目ながらも3,900の打ち込みにて決着した。

栗野さんは全節を通して抜群の安定感と攻撃力で1節から首位を独走。
本人は自身を「手数の麻雀」と評していたが、本質は押し引きの卓抜さにあると私は感じている。
しかしながら、この決勝という舞台。盤石かと思えたその押し引きが僅かに狂いを生みだしており、結果から言うと彼はポイントを大きく減らして敗者となってしまう。
来期は是非今期見ることの出来なかった「逆境での強さ」を全員に見せつけて欲しい。

続く南2局は北川さんの1,000・2,000。安目引きながらも、この半荘トップに立つ。
北川さんは「柔能く剛を制す」ベテランらしい捌きの上手さと、簡単にはオリない粘り腰で素点を上げていく試合巧者。
決勝は打って変わってリーチ多用の攻撃的麻雀で他者と真っ向から渡り合った。

そして南3局。ここまで静かだった久々湊さんが目を覚ます。

南3局

三万三万四索五索五索六索七索二筒二筒二筒南南南  ツモ三索  ドラ五筒

先に3,900テンパイを入れていた四筒七筒の北川さんに追いつき、1,300・2,600でじわり差を詰める。

そして、振り返れば事実上の決着となったオーラス。
北川さんはアガリトップ。濱平も40,000越えの2着ながらも、次戦の為には2,000以上のアガリで北川さんを制してトップに立ちたい。

中をポンして逃げ切りを図る北川さん。しかし最初のテンパイは濱平に。

南4局

六万七万八万二索三索三索四索五索五索五索四筒五筒六筒  ドラ九索

好形だが一索がフリテンであり、三索四索のツモ条件。引いてくる牌によってフリテン解消、もしくはサクッと引きアガリたいところ。
しかし、勝負を決めるアガリをものにしたのは久々湊さんだった。

一万一万一索一索一索九索九索七筒七筒七筒  ポン西西西  ツモ一万

たった1局で2者を豪快に抜き去る6,000オール。
大いに派手なアガリなのだが実は単純ではなく、七対ドラ2の1シャンテンで濱平の打一索を吹かしており、北川さんの仕掛けでラス牌の七筒一索を引き入れての万全からの西ポンである。
北川さんの鳴きの有無、濱平の1に対するポンの有無など、たらればを言えばきりがないが、勝利の女神が選んだのは久々湊さんの渾身の一撃だった。

これで逆に北川さんと濱平は満貫条件に。続く1本場、濱平がメンホンの1シャンテンまで行くも、久々湊さんがリーチ七対子をホウテイで栗野さんからアガって勝負あり。
総合2着の栗野さんを箱下に落とし、2回戦を待たずして勝負を決める大トップをものにした。

1回戦スコア
久々湊さん(+32.1P)、北川さん(+9.1P)、濱平(+5.0P)、栗野さん(▲46.2P)

総合スコア
久々湊さん(+98.2P)、北川さん(+43.7P)、濱平(+23.7P)、栗野さん(+5.0P)

2回戦 起家 北川さん-濱平-栗野さん-久々湊さん

東1局に濱平が意地の満貫を久々湊さんから直取りするも、見せ場はここまで。最後は久々湊さんが静かに手を伏せ、第12期の北陸リーグの王者が決定した。

久々湊さんは一言で表すなら「剛腕」準決勝で私も2回対戦したのだが、それぞれ国士無双、メンチン親倍をツモられ、力及ばず敗退している。
ブンブンと行く麻雀というわけでもなく、先述の1吹かしであったり、小技で捌く上手さも持ち合わせているのだが、それが霞むほどの豪快なアガリをここぞで決めてくる強さがあった。

「新参者が失礼しました」と照れくさそうに優勝後に話してくれた控えめな口調とのアンバランスが持ち味なのだろうか。
「勝ち負けも大事ですが、プロを交えて麻雀を打つ楽しみを大切にしたい。来期もよろしくお願いします」

競技に臨む姿勢以前の、麻雀を愛する心が何よりの勝因だったのかもしれない。
久々湊さん、本当におめでとうございます。
惜しくも届かなかった北川さん、栗野さんも、来期また決勝の舞台で雪辱を、であろうか。

決勝に残るも・・の濱平。決勝に残れなかった私と本田を含むプロの面々は再度の猛省を。
一般参加の方が強い。ならばこそ一層プロは強さを求められる。プロにとって、タイトル戦は優勝以外認められはしない。来期の奮闘を願います。

最後になりますが、半年間ではありますが、拙いレポートにお付き合い戴き有難うございました。
またいつかお目にかかる事があらば、宜しくお願い致します。

決勝

順位 名前 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
1 久々湊 康雄 66.1 32.1 1.8 100.0
2 北川 光 34.6 9.1 11.9 55.6
3 栗野 健翔 51.2 ▲ 46.2 6.5 11.5
4 濱平 光朗 18.7 5.0 ▲ 20.2 3.5

準決勝

順位 名前 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 合計
1 久々湊 康雄 10 42.9 40.9 ▲ 27.7 66.1
2 栗野 健翔 30 ▲ 2.9 ▲ 9.1 33.2 51.2
3 北川 光 20 ▲ 9.0 ▲ 16.3 39.9 34.6
4 濱平 光朗 29.0 7.3 ▲ 17.6 18.7
5 本田 朋広 ▲ 10.5 24.5 ▲ 16.3 ▲ 2.3
6 荒谷 誠 11.1 ▲ 28.9 10.3 ▲ 7.5
7 久保 智央 ▲ 45.0 4.3 4.1 ▲ 36.6
8 西田 有佑 ▲ 15.6 ▲ 22.7 ▲ 25.9 ▲ 64.2

北陸リーグ レポート/第12期北陸リーグ準決勝~決勝レポート

平成27年7月12日、第12期目となる「北陸最強を決める戦い」北陸リーグの準決勝~決勝戦がバイパスレジャーランド藤江店にて開催された。
北陸リーグは、通過者8名の上位3位までに対してそれぞれ30P、20P、10Pがアドバンテージとして付与され、準決勝3回戦の対局。
上位の4名までがポイントを持ち越して決勝を2回戦行うという仕組み。
8名が残れる為、最終節も消化試合となる者が少なく、また上位陣もアドバンテージは喉から手が出るほど欲するところ。
最終節の最終局まで緊張感を無くさず多くの者がヒリつく戦いが出来たのではないだろうか。
そして準決勝を終えて、決勝進出となったのは以下の4名。
久々湊(くぐみなと)さん(66.1P)、栗野さん(51.2P)、北川さん(34.6P)、濱平(18.7P)
奇しくもリーグ戦の1位~4位がそのまま決勝進出となっており、アドバンテージを十全に用いた立ち回りと、期を通しての状態の良さが際立つ結果となった。
唯一プロで決勝に残った濱平は連勝が必要か。
またしても準決勝にて辛酸を嘗めた私の分まで頑張ってほしいと個人的ながら心の中で応援していた。
リーグ戦の経験は浅いが圧巻の成績で決勝の椅子に座った久々湊さん、栗野さん。
北陸リーグの古参で実力十分の北川さん。点差は縦長ながらも誰が勝ってもおかしくない今期の決勝戦。
各人が他者との点数条件を確認し、静かに勝負は始められた。
1回戦 起家 栗野さん-濱平-北川さん-久々湊さん
先制打は濱平
東1局
三万三万一筒二筒三筒三筒四筒五筒六筒八筒  ポン中中中  ツモ七筒  ドラ三万
全員が平たい配牌ながらも選択のミス無く最短で1,000・2,000をものにし、
東2局
三万四万南南  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ポン白白白  ロン五万  ドラ九索
久々湊さんから5,800。行くしか無い自身の状況を踏まえ、最短かつ打点のあるアガリを連取する。
濱平は富山在住のプロ。現在は鳳凰位戦と北陸リーグを兼任しているが、プロのデビューとしては、実は私と同じ中部プロリーグ。
近年、王位の森下やマスターズの樋口を排出している、地方のリーグでも一目置かれるハイレベルな環境にて私と同時期にプロの門を叩いている。
上記の2名のタイトルホルダーとも、リーグ戦にて鎬を削った間柄である。
ここ暫く一般の方が優勝を続けている北陸リーグ。不甲斐ない他のプロの思いを背負って嗅覚鋭くアガリを拾っていく。
そんな濱平に独走を許さないのは北川さん。
東3局
七万七万七万八万八万六索七索八索三筒四筒中中中  リーチ  ツモ五筒  ドラ四索
残り2枚しか残っていなかった二筒五筒を力強く引き上がり2,600オール
次局濱平の2,600を挟んでからの東4局
東4局
二万三万四万八万八万一索二索三索四索五索六索中中  リーチ ロン中  ドラ八万
押してきた栗野さんからの満貫直撃。
東場は濱平と北川さんのアガリの応酬にて、決勝の場は一気に大混戦の様相を呈してきた。
南場に入り、勝負所と感じたか、本手を躊躇わず横に曲げる濱平。
南1局
五万六万七万八万八万三索四索五索五索六索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ二筒
高めツモでトータルでも肉薄できるこのリーチ。
立ちはだかるのはここまでアガリの無い栗野さん
一万二万三万一索二索三索二筒三筒三筒四筒四筒発発  リーチ
打点こそあるものの、完成形に辿りつけなかった感のある最終形。
両者のめくり合いは栗野さんが四索を掴み安目ながらも3,900の打ち込みにて決着した。
栗野さんは全節を通して抜群の安定感と攻撃力で1節から首位を独走。
本人は自身を「手数の麻雀」と評していたが、本質は押し引きの卓抜さにあると私は感じている。
しかしながら、この決勝という舞台。盤石かと思えたその押し引きが僅かに狂いを生みだしており、結果から言うと彼はポイントを大きく減らして敗者となってしまう。
来期は是非今期見ることの出来なかった「逆境での強さ」を全員に見せつけて欲しい。
続く南2局は北川さんの1,000・2,000。安目引きながらも、この半荘トップに立つ。
北川さんは「柔能く剛を制す」ベテランらしい捌きの上手さと、簡単にはオリない粘り腰で素点を上げていく試合巧者。
決勝は打って変わってリーチ多用の攻撃的麻雀で他者と真っ向から渡り合った。
そして南3局。ここまで静かだった久々湊さんが目を覚ます。
南3局
三万三万四索五索五索六索七索二筒二筒二筒南南南  ツモ三索  ドラ五筒
先に3,900テンパイを入れていた四筒七筒の北川さんに追いつき、1,300・2,600でじわり差を詰める。
そして、振り返れば事実上の決着となったオーラス。
北川さんはアガリトップ。濱平も40,000越えの2着ながらも、次戦の為には2,000以上のアガリで北川さんを制してトップに立ちたい。
中をポンして逃げ切りを図る北川さん。しかし最初のテンパイは濱平に。
南4局
六万七万八万二索三索三索四索五索五索五索四筒五筒六筒  ドラ九索
好形だが一索がフリテンであり、三索四索のツモ条件。引いてくる牌によってフリテン解消、もしくはサクッと引きアガリたいところ。
しかし、勝負を決めるアガリをものにしたのは久々湊さんだった。
一万一万一索一索一索九索九索七筒七筒七筒  ポン西西西  ツモ一万
たった1局で2者を豪快に抜き去る6,000オール。
大いに派手なアガリなのだが実は単純ではなく、七対ドラ2の1シャンテンで濱平の打一索を吹かしており、北川さんの仕掛けでラス牌の七筒一索を引き入れての万全からの西ポンである。
北川さんの鳴きの有無、濱平の1に対するポンの有無など、たらればを言えばきりがないが、勝利の女神が選んだのは久々湊さんの渾身の一撃だった。
これで逆に北川さんと濱平は満貫条件に。続く1本場、濱平がメンホンの1シャンテンまで行くも、久々湊さんがリーチ七対子をホウテイで栗野さんからアガって勝負あり。
総合2着の栗野さんを箱下に落とし、2回戦を待たずして勝負を決める大トップをものにした。
1回戦スコア
久々湊さん(+32.1P)、北川さん(+9.1P)、濱平(+5.0P)、栗野さん(▲46.2P)
総合スコア
久々湊さん(+98.2P)、北川さん(+43.7P)、濱平(+23.7P)、栗野さん(+5.0P)
2回戦 起家 北川さん-濱平-栗野さん-久々湊さん
東1局に濱平が意地の満貫を久々湊さんから直取りするも、見せ場はここまで。最後は久々湊さんが静かに手を伏せ、第12期の北陸リーグの王者が決定した。
久々湊さんは一言で表すなら「剛腕」準決勝で私も2回対戦したのだが、それぞれ国士無双、メンチン親倍をツモられ、力及ばず敗退している。
ブンブンと行く麻雀というわけでもなく、先述の1吹かしであったり、小技で捌く上手さも持ち合わせているのだが、それが霞むほどの豪快なアガリをここぞで決めてくる強さがあった。
「新参者が失礼しました」と照れくさそうに優勝後に話してくれた控えめな口調とのアンバランスが持ち味なのだろうか。
「勝ち負けも大事ですが、プロを交えて麻雀を打つ楽しみを大切にしたい。来期もよろしくお願いします」
競技に臨む姿勢以前の、麻雀を愛する心が何よりの勝因だったのかもしれない。
久々湊さん、本当におめでとうございます。
惜しくも届かなかった北川さん、栗野さんも、来期また決勝の舞台で雪辱を、であろうか。
決勝に残るも・・の濱平。決勝に残れなかった私と本田を含むプロの面々は再度の猛省を。
一般参加の方が強い。ならばこそ一層プロは強さを求められる。プロにとって、タイトル戦は優勝以外認められはしない。来期の奮闘を願います。
最後になりますが、半年間ではありますが、拙いレポートにお付き合い戴き有難うございました。
またいつかお目にかかる事があらば、宜しくお願い致します。
決勝

順位 名前 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
1 久々湊 康雄 66.1 32.1 1.8 100.0
2 北川 光 34.6 9.1 11.9 55.6
3 栗野 健翔 51.2 ▲ 46.2 6.5 11.5
4 濱平 光朗 18.7 5.0 ▲ 20.2 3.5

準決勝

順位 名前 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 合計
1 久々湊 康雄 10 42.9 40.9 ▲ 27.7 66.1
2 栗野 健翔 30 ▲ 2.9 ▲ 9.1 33.2 51.2
3 北川 光 20 ▲ 9.0 ▲ 16.3 39.9 34.6
4 濱平 光朗 29.0 7.3 ▲ 17.6 18.7
5 本田 朋広 ▲ 10.5 24.5 ▲ 16.3 ▲ 2.3
6 荒谷 誠 11.1 ▲ 28.9 10.3 ▲ 7.5
7 久保 智央 ▲ 45.0 4.3 4.1 ▲ 36.6
8 西田 有佑 ▲ 15.6 ▲ 22.7 ▲ 25.9 ▲ 64.2

第25期中部プロリーグ 最終節レポート

Aリーグレポート:牛尾信之

このところずっと雨が降り続き、台風も近づいているとも言われていましたが、今日は久しぶりに晴れ間が覗く週末となりました。
気温も上がり、夏の到来を感じさせるような暑さとなりましたが、それに負けないくらいの熱い戦いが、この名古屋の地で行われていました。

今日は最終節。私の前節までのトータルは+39.5P。決して多いとは言えない数字ですが、辛うじて第4位の位置に踏みとどまっています。
上を見れば、3位に+61.9Pの杉村。2位に+104.6Pの土岐。1位に+134.6Pの寺戸と、3位はまだしも上2人が抜けており、しかも全員別卓なので上を狙うのはちょっと厳しそうです。

それよりも、+22.8Pで5位の杉浦が同卓なので、まずは杉浦に抜かれないようにしつつプラスを守りきるという作戦を取ることにしました。

今回の同卓者は、伊藤、杉浦、山神の3人です。
伊藤と杉浦は、今回が初対戦。山神は、前節のBリーグでの最終節で、私と50P近い差があったのにきっちり捲ってBリーグ優勝の座を奪っていきました。
今期はそんなことにならないように、きっちり借りを返すつもりで対局に挑みました。

そして始まった1回戦。静かな立ち上がりだったのですが、東場の伊藤の親で大連荘が始まります。
私も一度、5,800点を放銃してしまい、持ち点が20,000点を割ろうかというところまで減ってしまいます。

しかし、まだ始まったばかりでもあるしここで焦っては駄目だと、丁寧な打ち回しをすることを心がけ、失点を最小限に抑えて南入することが出来ました。
その我慢が実ったのか、南場の親番で勝負手が入り満貫を二度続けてアガり、持ち点も40,000点を越えるまでに回復しました。
この半荘は結局トップを取るまでには行きませんでしたが、+24.8Pと十分すぎる結果を手にすることが出来ました。

しかし、この結果で少し気が抜けてしまったのかもしれません。
その後、2回戦、3回戦とまるでアガることが出来ず、放銃こそないもののじわじわと点棒を削られてラスを2回引いてしまいます。この時点の今日のトータルは▲9.0P。

さすがに4位からは落ちただろうなと中間発表を見守ったのですが、辛うじてまだ4位の位置を死守していました。
条件としても、今日が始まる前と大して変わりはありません。
しかし杉浦に加え、恐ろしい勢いで猛追してきた伊藤までケアしなくてはいけなくなりました。

そして始まった最後の半荘。
小さな手をツモり合い小場で進んで行き、このまま何事もなく終わってくれと願ったのも束の間、東4局の伊藤の親で本日何度目かという連荘が始まります。
今日の伊藤は本当に連荘が多く、そしてよくツモります。
この時も安めばかりですがとにかくツモって、またもや点棒がじわじわと削られていき、ここで私は焦って痛恨のミスをしてしまいました。
とにかくアガって親を流したいばかりに、切らなくてもいい危険牌をツモ切ってしまい、親の伊藤に12,000を放銃してしまいました。
勝負どころで覚悟を決めて切った牌ではなく、むしろ逃げの姿勢で危険牌を切って放銃してしまったのは、私の未熟の表れだと思います。
普段なら決して切らずに止めていた牌なのですが、じわじわと追い詰められて精神的に参ってしまった結果なのかなとは思います。

その後、なんとか原点まで復帰しようとしましたが、逆に大きな手をツモられて更に点棒は減ってしまい、南場の親も流されてオーラスに国士無双を狙うも伊藤に駄目押しの連荘をされ、最後は流局で幕を閉じました。
こうして、私の初めてのAリーグの戦いは6位という結果に終わりました。

結果だけ見れば初めてにしては頑張ったと言ってくれる人もいるかもしれませんが、私としては決勝の椅子が間近に見えていたこともありとても悔しい結果になってしまいました。
半年を振り返ってみても、悔いの残る一打が数多くあり、課題ばかり残ってしまいました。
しかしそれでも、また来期もAリーグで戦えるということは喜ぶべきことかもしれません。
すぐに課題克服というわけにはいかないでしょうが、少しでも成長した姿を来期でお見せできれば、と思います。
半年間、拙い文章に付き合って頂いてありがとうございました。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 寺戸 孝志 20.2 111.8 ▲ 24.4 27.0 32.8 167.4
2 土岐 雄太 4.6 ▲ 7.2 102.3 4.9 38.3 142.9
3 杉村 泰治 15.1 ▲ 39.1 50.7 35.2 13.6 75.5
4 伊藤 鉄也 22.3 ▲ 9.9 3.5 ▲ 60.4 70.4 25.9
5 日下 健司 40.2 8.5 ▲ 33.4 ▲ 18.8 11.5 8.0
6 牛尾 信之 ▲ 6.0 53.9 ▲ 28.0 19.6 ▲ 38.0 1.5
7 佐藤 あいり 1.4 ▲ 72.2 0.8 42.9 15.8 ▲ 11.3
8 杉浦 貴紀 17.9 ▲ 14.6 ▲ 42.0 61.5 ▲ 40.5 ▲ 17.7
9 掛水 洋徳 ▲ 11.7 ▲ 4.0 ▲ 46.1 ▲ 7.5 44.1 ▲ 25.2
10 樋口 新 ▲ 33.4 25.5 20.5 ▲ 23.5 ▲ 15.3 ▲ 26.2
11 山神 達也 ▲ 3.8 44.8 ▲ 19.5 ▲ 59.3 7.1 ▲ 30.7
12 村瀬 寛光 ▲ 21.0 5.4 15.5 ▲ 18.4 ▲ 15.4 ▲ 33.9
13 森下 剛任 ▲ 7.6 ▲ 19.2 ▲ 38.2 48.8 ▲ 29.0 ▲ 45.2
14 三戸 亮祐 ▲ 72.9 ▲ 58.1 45.1 6.7 16.3 ▲ 62.9
15 太田 充 ▲ 4.0 3.6 ▲ 26.9 ▲ 39.1 ▲ 16.7 ▲ 83.1
16 櫛田 利太 38.7 ▲ 31.2 20.1 ▲ 19.6 ▲ 96.0 ▲ 88.0

 

Bリーグレポート:小野雅峻

梅雨も明け、本当に暑さが厳しくなってきたと感じるようになってきた7月の中旬、最終節となる第5節が始まった。
Bリーグは上位2名が昇級、下位3名が降級となる。今期は第4節が終わった時点で+39.7Pとなっている安藤までが現実的に昇級可能なラインだろうか。
またその次の河合が▲22.4Pでかなり差が開いているため展開次第ではここより下の者は降級ということになるだろう。

もう残り4半荘しかない。全員後悔をしないような麻雀を打って欲しいものである。

最終節では3回戦が終わったところで一度集計となる。
この時点で上位陣が小野+126.6P、越川+118.7P、大滝+107.6P、朝岡+105.8Pとなっていた。
なんと自分を除く3人がここまでで20ポイント以上の上乗せをしてきているという展開になった。
あと1歩で昇級に手が届くので気持ちや集中力が他の選手に比べ高いのはわかるが、ここまでしっかりと結果に出していくというのは素晴らしいことだと思う。
またこの勝負の世界で勝ち残っていくためには持っていなくてはならないことだとも思う。

自分はこの結果を聞いた時に、別卓の選手のことを気にしても仕方がないので、いつも通りの麻雀を打とうと決めて4回戦に臨んだのを覚えている。

それでは最終結果を見てみよう。昇級ボーダー+119.1P、降級ボーダー▲86.5Pとなった。
昇級者は朝岡祐と小野雅峻となった。個人的には展開の苦しい4半荘だったが後悔するような打牌は少なかったため、たとえ昇級できなかったとしても悔いは残らなかっただろう。
今節の目標にしていた自分のスタイルを崩さないように打つということも5節、20半荘を通して達成できたのではないかと思う。
前期、今期連続昇級という信じられない結果に驚いていると同時に、来期Aリーグで闘えるということが今から楽しみでしょうがない。
たとえ1期で降級するようなことになったとしても、悔いが残るような恥ずかしい麻雀だけは打たないようにしたいものである。

最後になりますが半年間、拙い文章であったと思いますがお付き合い頂きありがとございました。
これからもより一層精進していきますので宜しくお願い致します。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 朝岡 祐 5.6 4.2 10.6 65.3 35.7 121.4
2 小野 雅峻 38.5 ▲ 2.4 58.7 29.7 ▲ 5.4 119.1
3 越川 清一 23.2 45.0 22.1 ▲ 5.4 15.7 100.6
4 安藤 大貴 42.8 ▲ 10.6 7.6 ▲ 0.1 47.9 87.6
5 大滝 聡 45.3 32.9 16.7 ▲ 7.5 ▲ 3.7 83.7
6 菅野 直 38.6 4.3 19.2 7.2 ▲ 32.9 36.4
7 河合 慎悟 38.7 ▲ 70.9 35.6 ▲ 25.8 38.5 16.1
8 葛山 英樹 2.7 69.4 ▲ 25.1 ▲ 4.4 ▲ 39.1 3.5
9 古川 孝次 ▲ 54.7 19.8 65.0 19.3 ▲ 50.7 ▲ 1.3
10 大町 篤志 ▲ 34.5 36.5 ▲ 56.6 27.3 ▲ 4.9 ▲ 32.2
11 山本 拓哉 7.7 ▲ 45.8 ▲ 91.4 44.8 48.8 ▲ 35.9
12 中谷 彰吾 ▲ 47.0 ▲ 1.2 ▲ 15.8 5.7 ▲ 9.6 ▲ 67.9
13 木村 東平 ▲ 42.8 ▲ 27.9 13.5 11.5 ▲ 32.4 ▲ 78.1
14 長谷川 弘 ▲ 42.6 16.1 ▲ 5.3 ▲ 38.3 ▲ 16.4 ▲ 86.5
15 原田 知彦 74.3 ▲ 53.2 ▲ 74.4 ▲ 26.2 ▲ 34.3 ▲ 113.8
16 中西 栄二 ▲ 95.8 ▲ 18.2 19.6 ▲ 105.1 39.8 ▲ 159.7

 

Cリーグレポート:浅野文雅

半年間に及ぶリーグ戦が終了した。
Bリーグへの昇級枠は3つ。
第4節終了時で150Pオーバーが3人、次点の4位が95Pと50P以上離された厳しい戦いとなった。

見事1位通過したのは太田(峻)。
第1節、第4節で100P近くのプラスを叩き上位に食い込み、今節も無難に終えCリーグを制した。
彼のはまった時の爆発力はBリーグでも驚異になるだろう。

そして、2位通過の大高坂。
中部プロリーグ決勝経験者でもある大高坂の実力から見れば、この昇級は遅すぎるくらいであろう。

最後に3位通過の金平。
第4節終了時昇級ボーダーの3位鈴木(雄)とは、91.8P差と厳しいポジションながら鈴木(雄)と直接対決で打ち負かし昇級を射止めた。

今期昇級した3人はBリーグ経験者であり活躍も期待できるであろう。
私自身もそこに加われるよう頑張りたいと思う。

最後になりましたが、レポートをご覧いただいた皆様、半年間お付き合いいただきありがとうございました。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 太田 峻也 92.5 5.2 ▲ 38.5 98.4 11.3 168.9
2 大高坂 松城 ▲ 24.1 94.9 41.1 46.6 5.0 163.5
3 金平 裕樹 ▲ 14.7 0.5 38.1 39.0 41.8 104.7
4 鈴木 雄介 28.2 65.8 50.8 9.9 ▲ 66.8 87.9
5 加藤 泰史 37.0 ▲ 41.3 ▲ 30.7 24.7 72.3 62.0
6 山本 美文 81.9 ▲ 28.1 ▲ 28.3 38.4 ▲ 8.0 55.9
7 都築 友和 ▲ 90.2 37.3 ▲ 42.6 126.0 7.6 38.1
8 角谷 和幸 ▲ 12.1 67.0 37.3 2.8 ▲ 86.7 8.3
9 清水 哲也 ▲ 1.0 17.5 ▲ 9.6 ▲ 19.6 10.9 ▲ 1.8
10 浅野 文雅 ▲ 24.7 22.7 15.5 ▲ 4.2 ▲ 20.4 ▲ 11.1
11 大西 義則 ▲ 33.8 42.7 3.6 ▲ 8.5 ▲ 27.9 ▲ 23.9
12 三谷 卓也 28.8 ▲ 21.5 26.3 ▲ 74.0 13.4 ▲ 27.0
13 斎藤 寛生 42.1 ▲ 14.9 ▲ 34.4 9.7 ▲ 34.0 ▲ 31.5
14 家田 みゆき ▲ 45.3 6.3 42.2 ▲ 68.0 15.5 ▲ 49.3
15 池沢 麻奈美 48.0 ▲ 25.5 ▲ 40.9 ▲ 48.4 10.8 ▲ 56.0
16 鈴木 淳 30.1 16.1 ▲ 6.9 ▲ 74.4 ▲ 47.1 ▲ 82.2
17 上田 利華 ▲ 34.9 ▲ 100.0 16.0 21.0 13.0 ▲ 84.9
18 堤 文吾 ▲ 3.9 1.8 ▲ 5.3 ▲ 102.0 22.6 ▲ 86.8
19 若松 正和 ▲ 24.0 ▲ 66.3 ▲ 38.7 21.0 14.2 ▲ 93.8
20 岡本 丈司 ▲ 16.0 ▲ 89.3 14.1 ▲ 38.7 9.5 ▲ 120.4
21 鈴木 基芳 ▲ 34.9 ▲ 45.0 ▲ 11.1 ▲ 42.1 7.2 ▲ 125.9
22 島崎 涼 ▲ 29.0 ▲ 46.9 ▲ 100.0 21.4 ▲ 68.2 ▲ 222.7

中部プロリーグ レポート/第25期中部プロリーグ 最終節レポート

Aリーグレポート:牛尾信之
このところずっと雨が降り続き、台風も近づいているとも言われていましたが、今日は久しぶりに晴れ間が覗く週末となりました。
気温も上がり、夏の到来を感じさせるような暑さとなりましたが、それに負けないくらいの熱い戦いが、この名古屋の地で行われていました。
今日は最終節。私の前節までのトータルは+39.5P。決して多いとは言えない数字ですが、辛うじて第4位の位置に踏みとどまっています。
上を見れば、3位に+61.9Pの杉村。2位に+104.6Pの土岐。1位に+134.6Pの寺戸と、3位はまだしも上2人が抜けており、しかも全員別卓なので上を狙うのはちょっと厳しそうです。
それよりも、+22.8Pで5位の杉浦が同卓なので、まずは杉浦に抜かれないようにしつつプラスを守りきるという作戦を取ることにしました。
今回の同卓者は、伊藤、杉浦、山神の3人です。
伊藤と杉浦は、今回が初対戦。山神は、前節のBリーグでの最終節で、私と50P近い差があったのにきっちり捲ってBリーグ優勝の座を奪っていきました。
今期はそんなことにならないように、きっちり借りを返すつもりで対局に挑みました。
そして始まった1回戦。静かな立ち上がりだったのですが、東場の伊藤の親で大連荘が始まります。
私も一度、5,800点を放銃してしまい、持ち点が20,000点を割ろうかというところまで減ってしまいます。
しかし、まだ始まったばかりでもあるしここで焦っては駄目だと、丁寧な打ち回しをすることを心がけ、失点を最小限に抑えて南入することが出来ました。
その我慢が実ったのか、南場の親番で勝負手が入り満貫を二度続けてアガり、持ち点も40,000点を越えるまでに回復しました。
この半荘は結局トップを取るまでには行きませんでしたが、+24.8Pと十分すぎる結果を手にすることが出来ました。
しかし、この結果で少し気が抜けてしまったのかもしれません。
その後、2回戦、3回戦とまるでアガることが出来ず、放銃こそないもののじわじわと点棒を削られてラスを2回引いてしまいます。この時点の今日のトータルは▲9.0P。
さすがに4位からは落ちただろうなと中間発表を見守ったのですが、辛うじてまだ4位の位置を死守していました。
条件としても、今日が始まる前と大して変わりはありません。
しかし杉浦に加え、恐ろしい勢いで猛追してきた伊藤までケアしなくてはいけなくなりました。
そして始まった最後の半荘。
小さな手をツモり合い小場で進んで行き、このまま何事もなく終わってくれと願ったのも束の間、東4局の伊藤の親で本日何度目かという連荘が始まります。
今日の伊藤は本当に連荘が多く、そしてよくツモります。
この時も安めばかりですがとにかくツモって、またもや点棒がじわじわと削られていき、ここで私は焦って痛恨のミスをしてしまいました。
とにかくアガって親を流したいばかりに、切らなくてもいい危険牌をツモ切ってしまい、親の伊藤に12,000を放銃してしまいました。
勝負どころで覚悟を決めて切った牌ではなく、むしろ逃げの姿勢で危険牌を切って放銃してしまったのは、私の未熟の表れだと思います。
普段なら決して切らずに止めていた牌なのですが、じわじわと追い詰められて精神的に参ってしまった結果なのかなとは思います。
その後、なんとか原点まで復帰しようとしましたが、逆に大きな手をツモられて更に点棒は減ってしまい、南場の親も流されてオーラスに国士無双を狙うも伊藤に駄目押しの連荘をされ、最後は流局で幕を閉じました。
こうして、私の初めてのAリーグの戦いは6位という結果に終わりました。
結果だけ見れば初めてにしては頑張ったと言ってくれる人もいるかもしれませんが、私としては決勝の椅子が間近に見えていたこともありとても悔しい結果になってしまいました。
半年を振り返ってみても、悔いの残る一打が数多くあり、課題ばかり残ってしまいました。
しかしそれでも、また来期もAリーグで戦えるということは喜ぶべきことかもしれません。
すぐに課題克服というわけにはいかないでしょうが、少しでも成長した姿を来期でお見せできれば、と思います。
半年間、拙い文章に付き合って頂いてありがとうございました。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 寺戸 孝志 20.2 111.8 ▲ 24.4 27.0 32.8 167.4
2 土岐 雄太 4.6 ▲ 7.2 102.3 4.9 38.3 142.9
3 杉村 泰治 15.1 ▲ 39.1 50.7 35.2 13.6 75.5
4 伊藤 鉄也 22.3 ▲ 9.9 3.5 ▲ 60.4 70.4 25.9
5 日下 健司 40.2 8.5 ▲ 33.4 ▲ 18.8 11.5 8.0
6 牛尾 信之 ▲ 6.0 53.9 ▲ 28.0 19.6 ▲ 38.0 1.5
7 佐藤 あいり 1.4 ▲ 72.2 0.8 42.9 15.8 ▲ 11.3
8 杉浦 貴紀 17.9 ▲ 14.6 ▲ 42.0 61.5 ▲ 40.5 ▲ 17.7
9 掛水 洋徳 ▲ 11.7 ▲ 4.0 ▲ 46.1 ▲ 7.5 44.1 ▲ 25.2
10 樋口 新 ▲ 33.4 25.5 20.5 ▲ 23.5 ▲ 15.3 ▲ 26.2
11 山神 達也 ▲ 3.8 44.8 ▲ 19.5 ▲ 59.3 7.1 ▲ 30.7
12 村瀬 寛光 ▲ 21.0 5.4 15.5 ▲ 18.4 ▲ 15.4 ▲ 33.9
13 森下 剛任 ▲ 7.6 ▲ 19.2 ▲ 38.2 48.8 ▲ 29.0 ▲ 45.2
14 三戸 亮祐 ▲ 72.9 ▲ 58.1 45.1 6.7 16.3 ▲ 62.9
15 太田 充 ▲ 4.0 3.6 ▲ 26.9 ▲ 39.1 ▲ 16.7 ▲ 83.1
16 櫛田 利太 38.7 ▲ 31.2 20.1 ▲ 19.6 ▲ 96.0 ▲ 88.0

 
Bリーグレポート:小野雅峻
梅雨も明け、本当に暑さが厳しくなってきたと感じるようになってきた7月の中旬、最終節となる第5節が始まった。
Bリーグは上位2名が昇級、下位3名が降級となる。今期は第4節が終わった時点で+39.7Pとなっている安藤までが現実的に昇級可能なラインだろうか。
またその次の河合が▲22.4Pでかなり差が開いているため展開次第ではここより下の者は降級ということになるだろう。
もう残り4半荘しかない。全員後悔をしないような麻雀を打って欲しいものである。
最終節では3回戦が終わったところで一度集計となる。
この時点で上位陣が小野+126.6P、越川+118.7P、大滝+107.6P、朝岡+105.8Pとなっていた。
なんと自分を除く3人がここまでで20ポイント以上の上乗せをしてきているという展開になった。
あと1歩で昇級に手が届くので気持ちや集中力が他の選手に比べ高いのはわかるが、ここまでしっかりと結果に出していくというのは素晴らしいことだと思う。
またこの勝負の世界で勝ち残っていくためには持っていなくてはならないことだとも思う。
自分はこの結果を聞いた時に、別卓の選手のことを気にしても仕方がないので、いつも通りの麻雀を打とうと決めて4回戦に臨んだのを覚えている。
それでは最終結果を見てみよう。昇級ボーダー+119.1P、降級ボーダー▲86.5Pとなった。
昇級者は朝岡祐と小野雅峻となった。個人的には展開の苦しい4半荘だったが後悔するような打牌は少なかったため、たとえ昇級できなかったとしても悔いは残らなかっただろう。
今節の目標にしていた自分のスタイルを崩さないように打つということも5節、20半荘を通して達成できたのではないかと思う。
前期、今期連続昇級という信じられない結果に驚いていると同時に、来期Aリーグで闘えるということが今から楽しみでしょうがない。
たとえ1期で降級するようなことになったとしても、悔いが残るような恥ずかしい麻雀だけは打たないようにしたいものである。
最後になりますが半年間、拙い文章であったと思いますがお付き合い頂きありがとございました。
これからもより一層精進していきますので宜しくお願い致します。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 朝岡 祐 5.6 4.2 10.6 65.3 35.7 121.4
2 小野 雅峻 38.5 ▲ 2.4 58.7 29.7 ▲ 5.4 119.1
3 越川 清一 23.2 45.0 22.1 ▲ 5.4 15.7 100.6
4 安藤 大貴 42.8 ▲ 10.6 7.6 ▲ 0.1 47.9 87.6
5 大滝 聡 45.3 32.9 16.7 ▲ 7.5 ▲ 3.7 83.7
6 菅野 直 38.6 4.3 19.2 7.2 ▲ 32.9 36.4
7 河合 慎悟 38.7 ▲ 70.9 35.6 ▲ 25.8 38.5 16.1
8 葛山 英樹 2.7 69.4 ▲ 25.1 ▲ 4.4 ▲ 39.1 3.5
9 古川 孝次 ▲ 54.7 19.8 65.0 19.3 ▲ 50.7 ▲ 1.3
10 大町 篤志 ▲ 34.5 36.5 ▲ 56.6 27.3 ▲ 4.9 ▲ 32.2
11 山本 拓哉 7.7 ▲ 45.8 ▲ 91.4 44.8 48.8 ▲ 35.9
12 中谷 彰吾 ▲ 47.0 ▲ 1.2 ▲ 15.8 5.7 ▲ 9.6 ▲ 67.9
13 木村 東平 ▲ 42.8 ▲ 27.9 13.5 11.5 ▲ 32.4 ▲ 78.1
14 長谷川 弘 ▲ 42.6 16.1 ▲ 5.3 ▲ 38.3 ▲ 16.4 ▲ 86.5
15 原田 知彦 74.3 ▲ 53.2 ▲ 74.4 ▲ 26.2 ▲ 34.3 ▲ 113.8
16 中西 栄二 ▲ 95.8 ▲ 18.2 19.6 ▲ 105.1 39.8 ▲ 159.7

 
Cリーグレポート:浅野文雅
半年間に及ぶリーグ戦が終了した。
Bリーグへの昇級枠は3つ。
第4節終了時で150Pオーバーが3人、次点の4位が95Pと50P以上離された厳しい戦いとなった。
見事1位通過したのは太田(峻)。
第1節、第4節で100P近くのプラスを叩き上位に食い込み、今節も無難に終えCリーグを制した。
彼のはまった時の爆発力はBリーグでも驚異になるだろう。
そして、2位通過の大高坂。
中部プロリーグ決勝経験者でもある大高坂の実力から見れば、この昇級は遅すぎるくらいであろう。
最後に3位通過の金平。
第4節終了時昇級ボーダーの3位鈴木(雄)とは、91.8P差と厳しいポジションながら鈴木(雄)と直接対決で打ち負かし昇級を射止めた。
今期昇級した3人はBリーグ経験者であり活躍も期待できるであろう。
私自身もそこに加われるよう頑張りたいと思う。
最後になりましたが、レポートをご覧いただいた皆様、半年間お付き合いいただきありがとうございました。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 太田 峻也 92.5 5.2 ▲ 38.5 98.4 11.3 168.9
2 大高坂 松城 ▲ 24.1 94.9 41.1 46.6 5.0 163.5
3 金平 裕樹 ▲ 14.7 0.5 38.1 39.0 41.8 104.7
4 鈴木 雄介 28.2 65.8 50.8 9.9 ▲ 66.8 87.9
5 加藤 泰史 37.0 ▲ 41.3 ▲ 30.7 24.7 72.3 62.0
6 山本 美文 81.9 ▲ 28.1 ▲ 28.3 38.4 ▲ 8.0 55.9
7 都築 友和 ▲ 90.2 37.3 ▲ 42.6 126.0 7.6 38.1
8 角谷 和幸 ▲ 12.1 67.0 37.3 2.8 ▲ 86.7 8.3
9 清水 哲也 ▲ 1.0 17.5 ▲ 9.6 ▲ 19.6 10.9 ▲ 1.8
10 浅野 文雅 ▲ 24.7 22.7 15.5 ▲ 4.2 ▲ 20.4 ▲ 11.1
11 大西 義則 ▲ 33.8 42.7 3.6 ▲ 8.5 ▲ 27.9 ▲ 23.9
12 三谷 卓也 28.8 ▲ 21.5 26.3 ▲ 74.0 13.4 ▲ 27.0
13 斎藤 寛生 42.1 ▲ 14.9 ▲ 34.4 9.7 ▲ 34.0 ▲ 31.5
14 家田 みゆき ▲ 45.3 6.3 42.2 ▲ 68.0 15.5 ▲ 49.3
15 池沢 麻奈美 48.0 ▲ 25.5 ▲ 40.9 ▲ 48.4 10.8 ▲ 56.0
16 鈴木 淳 30.1 16.1 ▲ 6.9 ▲ 74.4 ▲ 47.1 ▲ 82.2
17 上田 利華 ▲ 34.9 ▲ 100.0 16.0 21.0 13.0 ▲ 84.9
18 堤 文吾 ▲ 3.9 1.8 ▲ 5.3 ▲ 102.0 22.6 ▲ 86.8
19 若松 正和 ▲ 24.0 ▲ 66.3 ▲ 38.7 21.0 14.2 ▲ 93.8
20 岡本 丈司 ▲ 16.0 ▲ 89.3 14.1 ▲ 38.7 9.5 ▲ 120.4
21 鈴木 基芳 ▲ 34.9 ▲ 45.0 ▲ 11.1 ▲ 42.1 7.2 ▲ 125.9
22 島崎 涼 ▲ 29.0 ▲ 46.9 ▲ 100.0 21.4 ▲ 68.2 ▲ 222.7

第12期 北陸リーグ 準決勝、決勝成績表

決勝

順位 名前 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
1 久々湊 康雄 66.1 32.1 1.8 100.0
2 北川 光 34.6 9.1 11.9 55.6
3 栗野 健翔 51.2 ▲ 46.2 6.5 11.5
4 濱平 光朗 18.7 5.0 ▲ 20.2 3.5

準決勝

順位 名前 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 合計
1 久々湊 康雄 10 42.9 40.9 ▲ 27.7 66.1
2 栗野 健翔 30 ▲ 2.9 ▲ 9.1 33.2 51.2
3 北川 光 20 ▲ 9.0 ▲ 16.3 39.9 34.6
4 濱平 光朗 29.0 7.3 ▲ 17.6 18.7
5 本田 朋広 ▲ 10.5 24.5 ▲ 16.3 ▲ 2.3
6 荒谷 誠 11.1 ▲ 28.9 10.3 ▲ 7.5
7 久保 智央 ▲ 45.0 4.3 4.1 ▲ 36.6
8 西田 有佑 ▲ 15.6 ▲ 22.7 ▲ 25.9 ▲ 64.2

北陸リーグ 成績表/第12期 北陸リーグ 準決勝、決勝成績表

決勝

順位 名前 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
1 久々湊 康雄 66.1 32.1 1.8 100.0
2 北川 光 34.6 9.1 11.9 55.6
3 栗野 健翔 51.2 ▲ 46.2 6.5 11.5
4 濱平 光朗 18.7 5.0 ▲ 20.2 3.5

準決勝

順位 名前 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 合計
1 久々湊 康雄 10 42.9 40.9 ▲ 27.7 66.1
2 栗野 健翔 30 ▲ 2.9 ▲ 9.1 33.2 51.2
3 北川 光 20 ▲ 9.0 ▲ 16.3 39.9 34.6
4 濱平 光朗 29.0 7.3 ▲ 17.6 18.7
5 本田 朋広 ▲ 10.5 24.5 ▲ 16.3 ▲ 2.3
6 荒谷 誠 11.1 ▲ 28.9 10.3 ▲ 7.5
7 久保 智央 ▲ 45.0 4.3 4.1 ▲ 36.6
8 西田 有佑 ▲ 15.6 ▲ 22.7 ▲ 25.9 ▲ 64.2

第11期静岡プロリーグ 第2,3節レポート

第2節レポート

静岡支部のある浜松市では、毎年ゴールデンウィークに浜松祭りが開催される。
中田島砂丘では朝から凧揚合戦が行われ、夕方になると町内自慢の御殿屋台が一同に集まり浜松の夜を鮮やかに演出する。
観光客は毎年100万人以上訪れ、まさに町中浜松祭り一色となる。

まだ祭りの余韻が残る5月17日、第11期静岡プロリーグ第2節が開催された。

第2節の組み合わせ(敬称略)
1卓
太田昌樹×坪井哲也×山本拓哉×平岡理恵
2卓
岡本和也×杉村泰治×石原将樹×中寿文
3卓
鷲見隼人×鈴木郁孝×長内真実×土屋幸弘
4卓(別日対局)
望月雅継×平野敬悟×徳永翔×鈴木雅人
5卓(別日対局)
鈴木秀幸×京平遥×渡辺洋巳×越川清一

静岡プロリーグは、9節を戦い上位4名が決勝戦へ進出するシステムとなっている。
今節の私の対戦相手は、鷲見隼人・鈴木郁孝・長内真実となる。
私のイメージでは、3人とも攻撃力のある攻め屋という印象が強く、激しい打撃戦の展開になると予想していた。

1回戦が始まると、予想に反して嵐の前の静寂なのか淡々と場が進んでいく。
そして、接戦を征したのは鈴木郁孝。
ラスは長内が22,700点持ちの1人沈みとなった。

2回戦は、私が親番で連荘に成功しトップを取る事ができた。

3回戦は、長内と鷲見が幾度と無くぶつかり合い、ことごとく長内に軍配が上がる。
勢いに乗った長内は、フリテンリーチをあっさりとツモアガるなど、点棒を順調に増やし6万点オーバーの1人浮きとなった。

私は4回戦に入る前、今日の長内には逆らわない方が良いと考えていた。
しかし、東1局にドラ暗刻の誘惑に負けてしまう。
長内から先制リーチが入ったが、ドラ暗刻という理由だけで2シャンテンからまっすぐ前に出てしまい放銃となった。
今まで何度こんな放銃を繰り返してきただろう。
自分の中で、今日の長内とは戦ってはいけないと感じていたなら、受けながら進めて行く選択をするべきだったと反省した。

4回戦はラスになったものの、今期のテーマに掲げている“2万点台のラス”は守ることができ、今節は+11.7Pで終わることができた。

1卓の結果は、太田昌樹が2・1・1・1と3連勝を決め+85.1Pと大きくポイントを伸ばし、2位以下を大きく突き放して首位となった。
静岡リーグ初参加となる中部本部所属の山本拓哉はマイナススタートとなってしまったが、長打力のある選手なだけに今後の巻き返しに期待したい。

2卓の結果は、杉村泰治が1回戦の親番で9本場まで積み上げ、6万点オーバーのトップを決めた。
そして、2回戦以降もポイントを上手にまとめ上げ+73.4P。トータル2位まで浮上した。

まだ第2節が終わったばかりだが、ゲームメイクの上手な太田と杉村がポイントを持ったことを考えると、今後の静岡プロリーグはこの2人を中心に進んで行くことが予想される。

私は現在6位となっており、決勝戦へ勝ち残るにはあと2つ順位を上げる必要がある。
まずは、今節の反省点をしっかりと修正して、第3節に挑みたいと思う。

 

第3節レポート

序盤戦。
この言葉を辞書で引くと、
【囲碁、将棋、チェスなどのゲーム、スポーツや事象において、対局や試合を3分割にしたときの1番始め】
と記されている。
静岡リーグは全9節のため、今節の第3節は序盤戦の最終節ということになる。

第3節の組み合わせ(敬称略)
1卓
望月雅継×太田昌樹×鈴木秀幸×岡本和也
2卓
京平遥×杉村泰治×石原将樹×長内真実
3卓
徳永翔×山本拓哉×渡辺洋巳×越川清一
4卓
中寿文×土屋幸弘×鈴木雅人×平岡理恵
5卓(別日対局)
鷲見隼人×鈴木郁孝×平野敬悟×平岡理恵

1卓は、1回戦・2回戦と鈴木秀幸が連続トップでリードしていく。
3回戦も勢いそのままに加点していくが、首位の太田が立ちはだかり3連勝を阻止する。
4回戦は、最下位の岡本が意地のトップを獲り、今節をプラスでまとめ最下位脱出に成功した。

2卓は、前節2位へ浮上した杉村が今節も絶好調。
1・2・2・1と連帯率100%でまとめた。
また、京平もしっかりとプラスでまとめ上げ6位に浮上してきた。

3卓は、山本が大暴れ。
1回戦に5万点台、4回戦に6万点台の一人浮きトップを決め、+79.2P。5位へと浮上してきた。
試合後、山本に話を聞くことが出来たが、
「終始手が入っていた。展開にも恵まれたが、今日はミスを少なくすることができた。静岡プロリーグは初参加ですが、決勝進出を目標にして戦っていきたい。」
と語ってくれた。

4卓は、3位の鈴木雅人と女流桜花で好調の平岡、新人の中と私の組み合わせ。

私は、序盤戦ということを意識して真っ直ぐに打ち進め、状況が悪いときは無理をせず、頭を下げて我慢して戦うことを今節のテーマに掲げ対局に挑んだ。

1回戦は、中が先手を取り最後まで主導権を握りトップを獲った。
私は、頭を下げて我慢していることしか出来なかったが、2回戦目に親で連荘することができ1人浮きのトップを獲ることが出来た。
続く3回戦も真っ直ぐ攻め連勝することに成功した。
4回戦は、中と鈴木雅が南場の親番で連荘するが、しっかりと頭を下げて最小限の失点で収めることが出来た。
ポイントは、+40.7Pで4位に浮上することが出来たが、ポイントよりもテーマ通りに戦えたことに良い手応えを感じることが出来た。

目の前の目標は、9節終了時に決勝戦へ進出できる上位4名に入ること。
勝ち急いで大振りにならないように、次節も状況の悪い時にはしっかりと頭を下げて戦って行きたいと思う。

第3節が終了し、次節からは中盤戦となる。
各選手ともに、テーマや戦術を変えてくることが予想される。
栄えある決勝の舞台に進出するのは誰なのか。
残り6節、目が離せない戦いが続きそうである。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 太田昌樹 32.7 85.1 17.2 135.0
2 杉村泰治 ▲ 14.4 73.4 63.3 122.3
3 徳永翔 39.3 0.0 25.7 65.0
4 土屋幸弘 10.3 11.7 40.7 62.7
5 山本拓哉 0.0 ▲ 37.0 79.2 42.2
6 京平遥 7.2 0.0 33.9 41.1
7 鈴木秀幸 ▲ 31.6 0.0 65.1 33.5
8 鈴木雅人 41.6 0.0 ▲ 27.6 14.0
9 平野敬悟 10.0 0.0 0.0 10.0
10 中寿文 12.1 ▲ 29.8 14.3 ▲ 3.4
11 鷲見隼人 26.0 ▲ 32.0 0.0 ▲ 6.0
12 鈴木郁孝 ▲ 3.8 ▲ 8.7 0.0 ▲ 12.5
13 長内真実 0.0 29.0 ▲ 47.8 ▲ 18.8
14 渡辺洋巳 0.0 0.0 ▲ 24.6 ▲ 24.6
15 坪井哲也 ▲ 13.4 ▲ 42.9 0.0 ▲ 56.3
16 石原将樹 0.0 ▲ 15.0 ▲ 49.4 ▲ 64.4
17 岡本和也 ▲ 67.5 ▲ 28.6 13.0 ▲ 83.1
18 平岡理恵 ▲ 54.3 ▲ 5.2 ▲ 27.4 ▲ 86.9
19 越川清一 ▲ 10.8 0.0 ▲ 80.3 ▲ 91.1
20 望月雅継 ▲ 4.4 0.0 ▲ 95.3 ▲ 99.7

静岡プロリーグ レポート/第11期静岡プロリーグ 第2,3節レポート

第2節レポート
静岡支部のある浜松市では、毎年ゴールデンウィークに浜松祭りが開催される。
中田島砂丘では朝から凧揚合戦が行われ、夕方になると町内自慢の御殿屋台が一同に集まり浜松の夜を鮮やかに演出する。
観光客は毎年100万人以上訪れ、まさに町中浜松祭り一色となる。
まだ祭りの余韻が残る5月17日、第11期静岡プロリーグ第2節が開催された。
第2節の組み合わせ(敬称略)
1卓
太田昌樹×坪井哲也×山本拓哉×平岡理恵
2卓
岡本和也×杉村泰治×石原将樹×中寿文
3卓
鷲見隼人×鈴木郁孝×長内真実×土屋幸弘
4卓(別日対局)
望月雅継×平野敬悟×徳永翔×鈴木雅人
5卓(別日対局)
鈴木秀幸×京平遥×渡辺洋巳×越川清一
静岡プロリーグは、9節を戦い上位4名が決勝戦へ進出するシステムとなっている。
今節の私の対戦相手は、鷲見隼人・鈴木郁孝・長内真実となる。
私のイメージでは、3人とも攻撃力のある攻め屋という印象が強く、激しい打撃戦の展開になると予想していた。
1回戦が始まると、予想に反して嵐の前の静寂なのか淡々と場が進んでいく。
そして、接戦を征したのは鈴木郁孝。
ラスは長内が22,700点持ちの1人沈みとなった。
2回戦は、私が親番で連荘に成功しトップを取る事ができた。
3回戦は、長内と鷲見が幾度と無くぶつかり合い、ことごとく長内に軍配が上がる。
勢いに乗った長内は、フリテンリーチをあっさりとツモアガるなど、点棒を順調に増やし6万点オーバーの1人浮きとなった。
私は4回戦に入る前、今日の長内には逆らわない方が良いと考えていた。
しかし、東1局にドラ暗刻の誘惑に負けてしまう。
長内から先制リーチが入ったが、ドラ暗刻という理由だけで2シャンテンからまっすぐ前に出てしまい放銃となった。
今まで何度こんな放銃を繰り返してきただろう。
自分の中で、今日の長内とは戦ってはいけないと感じていたなら、受けながら進めて行く選択をするべきだったと反省した。
4回戦はラスになったものの、今期のテーマに掲げている“2万点台のラス”は守ることができ、今節は+11.7Pで終わることができた。
1卓の結果は、太田昌樹が2・1・1・1と3連勝を決め+85.1Pと大きくポイントを伸ばし、2位以下を大きく突き放して首位となった。
静岡リーグ初参加となる中部本部所属の山本拓哉はマイナススタートとなってしまったが、長打力のある選手なだけに今後の巻き返しに期待したい。
2卓の結果は、杉村泰治が1回戦の親番で9本場まで積み上げ、6万点オーバーのトップを決めた。
そして、2回戦以降もポイントを上手にまとめ上げ+73.4P。トータル2位まで浮上した。
まだ第2節が終わったばかりだが、ゲームメイクの上手な太田と杉村がポイントを持ったことを考えると、今後の静岡プロリーグはこの2人を中心に進んで行くことが予想される。
私は現在6位となっており、決勝戦へ勝ち残るにはあと2つ順位を上げる必要がある。
まずは、今節の反省点をしっかりと修正して、第3節に挑みたいと思う。
 
第3節レポート
序盤戦。
この言葉を辞書で引くと、
【囲碁、将棋、チェスなどのゲーム、スポーツや事象において、対局や試合を3分割にしたときの1番始め】
と記されている。
静岡リーグは全9節のため、今節の第3節は序盤戦の最終節ということになる。
第3節の組み合わせ(敬称略)
1卓
望月雅継×太田昌樹×鈴木秀幸×岡本和也
2卓
京平遥×杉村泰治×石原将樹×長内真実
3卓
徳永翔×山本拓哉×渡辺洋巳×越川清一
4卓
中寿文×土屋幸弘×鈴木雅人×平岡理恵
5卓(別日対局)
鷲見隼人×鈴木郁孝×平野敬悟×平岡理恵
1卓は、1回戦・2回戦と鈴木秀幸が連続トップでリードしていく。
3回戦も勢いそのままに加点していくが、首位の太田が立ちはだかり3連勝を阻止する。
4回戦は、最下位の岡本が意地のトップを獲り、今節をプラスでまとめ最下位脱出に成功した。
2卓は、前節2位へ浮上した杉村が今節も絶好調。
1・2・2・1と連帯率100%でまとめた。
また、京平もしっかりとプラスでまとめ上げ6位に浮上してきた。
3卓は、山本が大暴れ。
1回戦に5万点台、4回戦に6万点台の一人浮きトップを決め、+79.2P。5位へと浮上してきた。
試合後、山本に話を聞くことが出来たが、
「終始手が入っていた。展開にも恵まれたが、今日はミスを少なくすることができた。静岡プロリーグは初参加ですが、決勝進出を目標にして戦っていきたい。」
と語ってくれた。
4卓は、3位の鈴木雅人と女流桜花で好調の平岡、新人の中と私の組み合わせ。
私は、序盤戦ということを意識して真っ直ぐに打ち進め、状況が悪いときは無理をせず、頭を下げて我慢して戦うことを今節のテーマに掲げ対局に挑んだ。
1回戦は、中が先手を取り最後まで主導権を握りトップを獲った。
私は、頭を下げて我慢していることしか出来なかったが、2回戦目に親で連荘することができ1人浮きのトップを獲ることが出来た。
続く3回戦も真っ直ぐ攻め連勝することに成功した。
4回戦は、中と鈴木雅が南場の親番で連荘するが、しっかりと頭を下げて最小限の失点で収めることが出来た。
ポイントは、+40.7Pで4位に浮上することが出来たが、ポイントよりもテーマ通りに戦えたことに良い手応えを感じることが出来た。
目の前の目標は、9節終了時に決勝戦へ進出できる上位4名に入ること。
勝ち急いで大振りにならないように、次節も状況の悪い時にはしっかりと頭を下げて戦って行きたいと思う。
第3節が終了し、次節からは中盤戦となる。
各選手ともに、テーマや戦術を変えてくることが予想される。
栄えある決勝の舞台に進出するのは誰なのか。
残り6節、目が離せない戦いが続きそうである。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 太田昌樹 32.7 85.1 17.2 135.0
2 杉村泰治 ▲ 14.4 73.4 63.3 122.3
3 徳永翔 39.3 0.0 25.7 65.0
4 土屋幸弘 10.3 11.7 40.7 62.7
5 山本拓哉 0.0 ▲ 37.0 79.2 42.2
6 京平遥 7.2 0.0 33.9 41.1
7 鈴木秀幸 ▲ 31.6 0.0 65.1 33.5
8 鈴木雅人 41.6 0.0 ▲ 27.6 14.0
9 平野敬悟 10.0 0.0 0.0 10.0
10 中寿文 12.1 ▲ 29.8 14.3 ▲ 3.4
11 鷲見隼人 26.0 ▲ 32.0 0.0 ▲ 6.0
12 鈴木郁孝 ▲ 3.8 ▲ 8.7 0.0 ▲ 12.5
13 長内真実 0.0 29.0 ▲ 47.8 ▲ 18.8
14 渡辺洋巳 0.0 0.0 ▲ 24.6 ▲ 24.6
15 坪井哲也 ▲ 13.4 ▲ 42.9 0.0 ▲ 56.3
16 石原将樹 0.0 ▲ 15.0 ▲ 49.4 ▲ 64.4
17 岡本和也 ▲ 67.5 ▲ 28.6 13.0 ▲ 83.1
18 平岡理恵 ▲ 54.3 ▲ 5.2 ▲ 27.4 ▲ 86.9
19 越川清一 ▲ 10.8 0.0 ▲ 80.3 ▲ 91.1
20 望月雅継 ▲ 4.4 0.0 ▲ 95.3 ▲ 99.7

第25回静岡リーグ(プロアマ混合)第2,3節レポート

静岡リーグ第2節

第2節にして、猛威をふるった者が1人いた。1回戦で親のチンイツ、四暗刻を含む9万点のトップを皮切りに終わってみれば100Pオーバー。
その人物は第1節で首位スタートを決め早くも決勝進出に当確ランプを灯したといっても過言ではないだろう。

舟橋晃さん。過去静岡リーグを2回も制した静岡屈指の一般の方だ。

負けていられないのは当然プロだ。
前回の上位10名はプロ2名、一般8名だったが第2節終了時点でプロ6名、一般4名と状況は一変した。
中でも、前節マイナスながらも国士無双のアガリにより大きくポイントを伸ばした渡辺洋巳プロ。
打点力のある手組みには定評があり、これからポイントを伸ばすのは間違いないだろう。

また、今回の静岡リーグ上位プロは決勝進出経験や優勝経験の無いプロが多く期するものがあるだろう。
首位の舟橋さんを除けば上位のポイントは30ポイント以内。まさに混戦である。

私も現在2位。この道を譲るつもりは無い。
いざ決戦!!である。

 

静岡リーグ第3節

第1節は一般の方の頑張りが非常に目立っていた。
一転、第2節はプロが負けていられないとポイントを伸ばしていた。
混戦に突入した、静岡リーグ。第3節にポイントを伸ばすプロを中心に第4節、第5節がまわるであろうと注目していた。

理由としては、今節ポイントを伸ばしたプロは必ず上位に名を連ねることになり、ポイント的にも気持ち的にも余裕を持って戦えることになる。
そうなれば当然、打牌選択の幅も広がる。プロがその状態になれば崩れるとは考えにくい。

その注目の第3節。混戦から抜け出したプロが2名。
1人は筆者である中寿文。2人目は同日開催のプロリーグでも好調の杉村泰治。

自分自身の分析になってしまうが、私は今節、多少の失点も覚悟して攻撃主体のかまえにしたことが非常にうまく作用した。
そして2位・杉村はもともと守備型の選手。静岡リーグの選手の中でもその能力は傑出している。
前述の通り、ポイント有利になったらまず崩れない。杉村との同卓は対戦者にとっては脅威でしかないであろう。

だが何が起こるかわからないのが麻雀である。筆者も安心など到底できない。
そして何よりも中位、下位グループにも実力者は目白押しだ。
中位グループの押し上げがリーグ戦を加熱させる。

波乱の展開を狙う者たちがこの静岡リーグには幾人も控えている。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 土屋 幸弘 プロ 20.5 26.9 135.7 183.1
2 中 寿文 プロ 45.0 23.9 93.1 162.0
3 杉村 泰治 プロ 7.6 41.8 107.8 157.2
4 舟橋 晃 一般 67.2 100.8 ▲ 39.8 128.2
5 江島 直毅 一般 50.5 ▲ 16.2 53.2 87.5
6 田中 良典 一般 0.0 9.9 66.0 75.9
7 坂本 彰光 一般 ▲ 18.0 33.9 59.8 75.7
8 春田 篤志 一般 50.3 2.8 16.5 69.6
9 徳永 翔 プロ ▲ 3.3 48.3 0.0 45.0
10 本田 真之 一般 ▲ 6.2 22.4 24.5 40.7
11 石原 将樹 プロ 8.1 16.9 13.1 38.1
12 渡辺 洋巳 プロ ▲ 15.9 56.4 ▲ 2.8 37.7
13 平野 敬悟 プロ 29.8 ▲ 7.2 13.3 35.9
14 伊藤 真 一般 4.3 16.4 14.9 35.6
15 鈴木 雅人 プロ ▲ 5.5 17.9 12.4 24.8
16 鈴木 博直 一般 21.3 ▲ 15.1 14.4 20.6
17 福井 弘人 一般 ▲ 6.3 ▲ 8.2 34.2 19.7
18 浜田 修 プロ 14.9 4.5 ▲ 1.5 17.9
19 土本 伸之 一般 25.8 ▲ 24.4 14.5 15.9
20 鈴木 郁孝 プロ 18.9 0.0 ▲ 11.5 7.4
21 源馬 健太 一般 30.3 ▲ 9.9 ▲ 13.6 6.8
22 新谷 洸士 一般 ▲ 4.8 73.1 ▲ 62.7 5.6
23 山本 拓哉 プロ 0.0 40.3 ▲ 36.9 3.4
24 太田 昌樹 プロ ▲ 3.8 ▲ 8.4 14.2 2.0
25 中澤 諒 一般 ▲ 21.7 75.6 ▲ 53.8 0.1
26 白井 健夫 一般 0.0 28.0 ▲ 32.8 ▲ 4.8
27 堀 孔明 一般 19.9 ▲ 21.0 ▲ 12.2 ▲ 13.3
28 鷲見 隼人 プロ 7.2 0.0 ▲ 22.8 ▲ 15.6
29 竹内 仁 一般 ▲ 42.8 ▲ 11.5 21.5 ▲ 32.8
30 山内 紀博 一般 ▲ 47.3 ▲ 18.9 29.9 ▲ 36.3
31 櫻井 竜一郎 一般 ▲ 27.9 0.0 ▲ 9.7 ▲ 37.6
32 山口 幸紀 一般 2.6 ▲ 56.3 10.3 ▲ 43.4
33 小塚 旭 一般 ▲ 68.3 ▲ 26.2 48.2 ▲ 46.3
34 大橋 義一 一般 33.7 ▲ 44.8 ▲ 41.5 ▲ 52.6
35 松永 誠 一般 39.5 ▲ 84.8 ▲ 10.7 ▲ 56.0
36 北島 武浩 一般 ▲ 17.6 ▲ 13.7 ▲ 25.0 ▲ 56.3
37 京平 遥 プロ ▲ 27.5 ▲ 5.1 ▲ 26.4 ▲ 59.0
38 坪井 哲也 プロ ▲ 62.6 33.7 ▲ 36.0 ▲ 64.9
39 岡本 和也 プロ ▲ 69.7 0.0 3.0 ▲ 66.7
40 松岡 佑海 一般 7.4 ▲ 96.4 18.1 ▲ 70.9
41 大須賀隆秀 一般 ▲ 54.9 8.2 ▲ 29.3 ▲ 76.0
42 望月 雅継 プロ 5.1 ▲ 78.0 ▲ 9.3 ▲ 82.2
43 鈴木 秀幸 プロ ▲ 29.5 0.0 ▲ 63.4 ▲ 92.9
44 越川 清一 プロ ▲ 85.8 0.0 ▲ 30.6 ▲ 116.4
45 佐藤 あいり プロ 8.4 ▲ 76.3 ▲ 56.1 ▲ 124.0
46 冨永 直弘 一般 ▲ 34.1 ▲ 85.7 ▲ 77.1 ▲ 196.9

静岡プロリーグ レポート/第25回静岡リーグ(プロアマ混合)第2,3節レポート

静岡リーグ第2節
第2節にして、猛威をふるった者が1人いた。1回戦で親のチンイツ、四暗刻を含む9万点のトップを皮切りに終わってみれば100Pオーバー。
その人物は第1節で首位スタートを決め早くも決勝進出に当確ランプを灯したといっても過言ではないだろう。
舟橋晃さん。過去静岡リーグを2回も制した静岡屈指の一般の方だ。
負けていられないのは当然プロだ。
前回の上位10名はプロ2名、一般8名だったが第2節終了時点でプロ6名、一般4名と状況は一変した。
中でも、前節マイナスながらも国士無双のアガリにより大きくポイントを伸ばした渡辺洋巳プロ。
打点力のある手組みには定評があり、これからポイントを伸ばすのは間違いないだろう。
また、今回の静岡リーグ上位プロは決勝進出経験や優勝経験の無いプロが多く期するものがあるだろう。
首位の舟橋さんを除けば上位のポイントは30ポイント以内。まさに混戦である。
私も現在2位。この道を譲るつもりは無い。
いざ決戦!!である。
 
静岡リーグ第3節
第1節は一般の方の頑張りが非常に目立っていた。
一転、第2節はプロが負けていられないとポイントを伸ばしていた。
混戦に突入した、静岡リーグ。第3節にポイントを伸ばすプロを中心に第4節、第5節がまわるであろうと注目していた。
理由としては、今節ポイントを伸ばしたプロは必ず上位に名を連ねることになり、ポイント的にも気持ち的にも余裕を持って戦えることになる。
そうなれば当然、打牌選択の幅も広がる。プロがその状態になれば崩れるとは考えにくい。
その注目の第3節。混戦から抜け出したプロが2名。
1人は筆者である中寿文。2人目は同日開催のプロリーグでも好調の杉村泰治。
自分自身の分析になってしまうが、私は今節、多少の失点も覚悟して攻撃主体のかまえにしたことが非常にうまく作用した。
そして2位・杉村はもともと守備型の選手。静岡リーグの選手の中でもその能力は傑出している。
前述の通り、ポイント有利になったらまず崩れない。杉村との同卓は対戦者にとっては脅威でしかないであろう。
だが何が起こるかわからないのが麻雀である。筆者も安心など到底できない。
そして何よりも中位、下位グループにも実力者は目白押しだ。
中位グループの押し上げがリーグ戦を加熱させる。
波乱の展開を狙う者たちがこの静岡リーグには幾人も控えている。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 土屋 幸弘 プロ 20.5 26.9 135.7 183.1
2 中 寿文 プロ 45.0 23.9 93.1 162.0
3 杉村 泰治 プロ 7.6 41.8 107.8 157.2
4 舟橋 晃 一般 67.2 100.8 ▲ 39.8 128.2
5 江島 直毅 一般 50.5 ▲ 16.2 53.2 87.5
6 田中 良典 一般 0.0 9.9 66.0 75.9
7 坂本 彰光 一般 ▲ 18.0 33.9 59.8 75.7
8 春田 篤志 一般 50.3 2.8 16.5 69.6
9 徳永 翔 プロ ▲ 3.3 48.3 0.0 45.0
10 本田 真之 一般 ▲ 6.2 22.4 24.5 40.7
11 石原 将樹 プロ 8.1 16.9 13.1 38.1
12 渡辺 洋巳 プロ ▲ 15.9 56.4 ▲ 2.8 37.7
13 平野 敬悟 プロ 29.8 ▲ 7.2 13.3 35.9
14 伊藤 真 一般 4.3 16.4 14.9 35.6
15 鈴木 雅人 プロ ▲ 5.5 17.9 12.4 24.8
16 鈴木 博直 一般 21.3 ▲ 15.1 14.4 20.6
17 福井 弘人 一般 ▲ 6.3 ▲ 8.2 34.2 19.7
18 浜田 修 プロ 14.9 4.5 ▲ 1.5 17.9
19 土本 伸之 一般 25.8 ▲ 24.4 14.5 15.9
20 鈴木 郁孝 プロ 18.9 0.0 ▲ 11.5 7.4
21 源馬 健太 一般 30.3 ▲ 9.9 ▲ 13.6 6.8
22 新谷 洸士 一般 ▲ 4.8 73.1 ▲ 62.7 5.6
23 山本 拓哉 プロ 0.0 40.3 ▲ 36.9 3.4
24 太田 昌樹 プロ ▲ 3.8 ▲ 8.4 14.2 2.0
25 中澤 諒 一般 ▲ 21.7 75.6 ▲ 53.8 0.1
26 白井 健夫 一般 0.0 28.0 ▲ 32.8 ▲ 4.8
27 堀 孔明 一般 19.9 ▲ 21.0 ▲ 12.2 ▲ 13.3
28 鷲見 隼人 プロ 7.2 0.0 ▲ 22.8 ▲ 15.6
29 竹内 仁 一般 ▲ 42.8 ▲ 11.5 21.5 ▲ 32.8
30 山内 紀博 一般 ▲ 47.3 ▲ 18.9 29.9 ▲ 36.3
31 櫻井 竜一郎 一般 ▲ 27.9 0.0 ▲ 9.7 ▲ 37.6
32 山口 幸紀 一般 2.6 ▲ 56.3 10.3 ▲ 43.4
33 小塚 旭 一般 ▲ 68.3 ▲ 26.2 48.2 ▲ 46.3
34 大橋 義一 一般 33.7 ▲ 44.8 ▲ 41.5 ▲ 52.6
35 松永 誠 一般 39.5 ▲ 84.8 ▲ 10.7 ▲ 56.0
36 北島 武浩 一般 ▲ 17.6 ▲ 13.7 ▲ 25.0 ▲ 56.3
37 京平 遥 プロ ▲ 27.5 ▲ 5.1 ▲ 26.4 ▲ 59.0
38 坪井 哲也 プロ ▲ 62.6 33.7 ▲ 36.0 ▲ 64.9
39 岡本 和也 プロ ▲ 69.7 0.0 3.0 ▲ 66.7
40 松岡 佑海 一般 7.4 ▲ 96.4 18.1 ▲ 70.9
41 大須賀隆秀 一般 ▲ 54.9 8.2 ▲ 29.3 ▲ 76.0
42 望月 雅継 プロ 5.1 ▲ 78.0 ▲ 9.3 ▲ 82.2
43 鈴木 秀幸 プロ ▲ 29.5 0.0 ▲ 63.4 ▲ 92.9
44 越川 清一 プロ ▲ 85.8 0.0 ▲ 30.6 ▲ 116.4
45 佐藤 あいり プロ 8.4 ▲ 76.3 ▲ 56.1 ▲ 124.0
46 冨永 直弘 一般 ▲ 34.1 ▲ 85.7 ▲ 77.1 ▲ 196.9

第102回『サバキの神髄⑧ 受けのサバキ』 荒 正義

猫が寝ている。4匹の家猫である。
中には小さな寝息を立てている者もいる。そっと近づくと、顔は寝ているが三角の耳がレーダーのようにこちら側に向く。撫でると薄目を開けこちらを見る。家人と確認すると、また寝る。
人は天井に腹を向けて寝るが、動物の大半はうつ伏せで寝る。これは外敵から身を守るため、という話がある。確かに襲われたとき、逃げるときも反撃もうつ伏せが有利だ。しかし、猫も犬も腹を見せて寝るときがある。それは周りが安全と確信している場合だ。これが防衛本能である。

麻雀にもこれがある。いうならば卓上は戦場で、四角いジャングルである。

それはグランプリMAX(2015年)・決勝3回戦のときだった。
場面は、東1局2本場で瀬戸熊の親番である。決勝は8回戦のスプリント戦だ。これまでの持ち点と成績は次の通りだ。

瀬戸熊(東家) 吾妻 藤崎
東1局2本場 35.4P 28.5P 31.5P 24.5P
2回戦までの成績 (+24.2P) (+6.6P) (▲3.9P) (▲26.9P)

この日、数字が示す通り流れが好調なのが瀬戸熊。不調が藤崎だった。
だが、この半荘を入れて残り6戦である。もちろん、まだ勝負は分らない。このとき私の手は、8巡目でこうだ。ドラは一万である。

四万四万六万七万八万二索三索四索七索七索三筒五筒七筒

ここで私は、上家の瀬戸熊の打牌四筒にチーテンをかけた。鳴いてもシャンポンの愚形で、駄作のテンパイである。
一発、裏無しのAルールでこの鳴きはない。動けば、負ける鳴きである。相手にリーチが入ったらもう行けない。相手が親で、ドラを掴めば万事休すだ。
だが私は、本能で鳴いたのだ。これが猫の耳と同じ、守りの本能だ。考えて鳴いたのではない。直感で動いた、瞬間のひらめきである。

その理由は3つある。
1つ目は、3回戦までのトップ走者が瀬戸熊であること。彼は今、打ち盛りで一番強い時期にある。それでなくても強いのだ。彼が最下位でも、上はマクリがいつ飛んで来るか心配である。なのに、今はトップ走者だ。これが一番目の理由である。

2つ目は、親が2本場で止まっていることだ。浮きは少ないが、怖いのはこの後である。嵐の前の静けさで、猛連荘が起きるのはこういう場面だ。これは、親が瀬戸熊でなくても起きうる現象である。

そして、3番目の理由が親の瀬戸熊の捨て牌である。

三筒 上向き四索 上向き六万 上向き七筒 上向き八索 上向き南
中九万 上向き四筒 上向き

一見、国士無双の河に見えるが、そうでないとしたなら異常である。彼の打牌の音色はいつもと違うし、指先に力が入っていた。これはもう緊急事態である。
だから、体が勝手に反応したのだ。そしてすぐに四万を引いた。

四万四万六万七万八万二索三索四索七索七索??チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き??ツモ四万

このアガリに、私は手応えを感じていた。
普通ならチーテンの後、時間がかかり三万六索を引き3、4巡過ぎて両面になってからアガるものだ。
その間に相手の攻めが飛んでくる。無筋を掴めば、行くべきか引くべきか迷う。それが普通。なのに、チーテンの即ツモである。相手に反撃の狼煙(のろし)を与えないこのアガリは、私の経験値から点は低いが価値あるアガリなのだ。

家に帰り、後でタイムシフトを見て驚いた。このとき瀬戸熊の手は、ここまで仕上がっていたのだ。

一万三万三万三万一索一索一索六索六索六索九筒九筒東

この時点で九筒は山に2枚生きていた。仮にその九筒を引けばこうである。

一万三万三万三万一索一索一索六索六索六索九筒九筒九筒

三万三万三万一索一索一索六索六索六索九筒九筒九筒東

親の四暗刻タンキで、一発で決められる可能性があったのだ。
東は河に1枚出ていた。仕掛けた吾妻の現物だし一万はドラで生牌(ションパイで)ある。どちらに受けるか難しい選択である。
このとき、解説の佐々木寿人は、東で待つだろうと予測した。注意が吾妻に向けば東はノーマークになるからだ。ヒサトもそう受けるに違いない。
後日、このことを瀬戸熊に尋ねると、彼はきっぱりと言った。

東切りリーチです!」

一万三万三万三万一索一索一索六索六索六索九筒九筒九筒??リーチ

この手を最終形と見て、リーチでドラと心中するというのだ。私はそれを聴いて(瀬戸熊らしい決断力だな…)と思った。
リーチなら一万が山深く眠っていたら場合、相手をオロして引き当てる可能性がある。
私なら東切りのヤミテンだ。場が煮詰まっている。それならテンパイした者からドラでもポロリと出てくる可能性がある。それを狙う。
それがダメなら待ち替えである。もちろん、これらの選択に善悪はない。
ヒサトも瀬戸熊も、そして私もそれが打ち手のカラーで雀風なのだ。卓上では、色々な光がぶつかって反発、反射する。だから、勝負に幅ができて面白いのだ。

この半荘には、もう1つの山があった。
南1局1本場。またしても瀬戸熊の親番である。

瀬戸熊 吾妻 藤崎
32.4P 23.7P 45.7P 18.2P

これが、ここまでの持ち点である。私は、いいアガリした割には点棒が伸びなかった。逆に伸びたのは女流の吾妻だ。だが、それはいいとしよう。
この勝負、私が負けるときは、瀬戸熊に優勝されるときだ。本当にそう思っていた。だから、今の私にとって大事なのは、瀬戸熊の距離間だけなのだ。

だが、局面は意外な動きした。ドラは北である。4巡目に西家の吾妻が2枚目の一筒を切ると、これを藤崎が下りポン。彼の河は平凡である。

西東九索 上向き三筒 上向き

私は反射的に彼の顔を見た。彼は、私を避けるかのように横を向いた。目を合わせようとしないのだ。
なぜだ、と思った。こんなとき怖いのは、藤崎の風牌のドラの北である。だがその北もすぐに吾妻から切られ、瀬戸熊からも切られた。となれば残った手役はトイトイで、危険なのは役牌である。

だが、藤崎は北家である。北家は親の上家、だからここで遠い仕掛けのトイトイ志向は不可解に映る。脇のツモを飛ばし親のツモを増やすからだ。
我々の目標は、一番手を走る瀬戸熊なのである。それは藤崎も承知のはずだ。それでも鳴いたのは、それだけ藤崎が追い込まれているということなのか―。
視線を外したのはそれなのか。そうだ、きっとそれに違いない!

このとき、親の瀬戸熊から気配が出た。それは殺気に近かった。
(さっきは許したが、もう許さんぞ!)である。
ここで離されたら万事休す。またしても、警戒警報発令である。

この後、藤崎の手から六万?四万が手から出て来た。

西東九索 上向き三筒 上向き九筒 上向き六万 上向き
四万 上向き

このとき私の手はこうだ。

四万五万五万二索四索四索五索九索三筒五筒八筒南白??ツモ五筒

瀬戸熊の親は蹴らねばならない。千点でいいのだ。しかし、戦いたいが戦えない手だ。
安全牌は山ほどあったが、ここでようやく危険な初物の白を切った。藤崎の援護射撃だ。
こういう白は、早過ぎてもいけないし遅すぎてもいけない。早いと鳴けない場合があるし、遅いと当たる可能性があるからだ。これに藤崎がポンの声。

七索七索七索七筒七筒中中??ポン白白白??ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き

すると案の定、とたんに瀬戸熊からリーチがかかった。

南一索 上向き一万 上向き中二筒 上向き北
発七万 上向き発六筒 左向き

(瀬戸熊の手)
五万六万七万二索三索四索四索五索六索六筒六筒六筒七筒??リーチ

そして2巡後、先にロン牌を掴んだのが瀬戸熊だった。それが中
断然有利な瀬戸熊が、めくり勝負でたった1枚の中に負けたのだ。
四筒の鳴きとこの白切りは『受けのサバキ』である。自分を守るための防御本能だ。

ただし、聞くのは簡単だが使うのは難しい。
大事なのは、勝負の感性と読みの精度だ。読みは力で、感性はレーダーである。これは日常に鍛錬で、ピカピカに磨いておく必要がある。
これが猫の耳である。

上級/第102回『サバキの神髄⑧ 受けのサバキ』 荒 正義

猫が寝ている。4匹の家猫である。
中には小さな寝息を立てている者もいる。そっと近づくと、顔は寝ているが三角の耳がレーダーのようにこちら側に向く。撫でると薄目を開けこちらを見る。家人と確認すると、また寝る。
人は天井に腹を向けて寝るが、動物の大半はうつ伏せで寝る。これは外敵から身を守るため、という話がある。確かに襲われたとき、逃げるときも反撃もうつ伏せが有利だ。しかし、猫も犬も腹を見せて寝るときがある。それは周りが安全と確信している場合だ。これが防衛本能である。
麻雀にもこれがある。いうならば卓上は戦場で、四角いジャングルである。
それはグランプリMAX(2015年)・決勝3回戦のときだった。
場面は、東1局2本場で瀬戸熊の親番である。決勝は8回戦のスプリント戦だ。これまでの持ち点と成績は次の通りだ。

瀬戸熊(東家) 吾妻 藤崎
東1局2本場 35.4P 28.5P 31.5P 24.5P
2回戦までの成績 (+24.2P) (+6.6P) (▲3.9P) (▲26.9P)

この日、数字が示す通り流れが好調なのが瀬戸熊。不調が藤崎だった。
だが、この半荘を入れて残り6戦である。もちろん、まだ勝負は分らない。このとき私の手は、8巡目でこうだ。ドラは一万である。
四万四万六万七万八万二索三索四索七索七索三筒五筒七筒
ここで私は、上家の瀬戸熊の打牌四筒にチーテンをかけた。鳴いてもシャンポンの愚形で、駄作のテンパイである。
一発、裏無しのAルールでこの鳴きはない。動けば、負ける鳴きである。相手にリーチが入ったらもう行けない。相手が親で、ドラを掴めば万事休すだ。
だが私は、本能で鳴いたのだ。これが猫の耳と同じ、守りの本能だ。考えて鳴いたのではない。直感で動いた、瞬間のひらめきである。
その理由は3つある。
1つ目は、3回戦までのトップ走者が瀬戸熊であること。彼は今、打ち盛りで一番強い時期にある。それでなくても強いのだ。彼が最下位でも、上はマクリがいつ飛んで来るか心配である。なのに、今はトップ走者だ。これが一番目の理由である。
2つ目は、親が2本場で止まっていることだ。浮きは少ないが、怖いのはこの後である。嵐の前の静けさで、猛連荘が起きるのはこういう場面だ。これは、親が瀬戸熊でなくても起きうる現象である。
そして、3番目の理由が親の瀬戸熊の捨て牌である。
三筒 上向き四索 上向き六万 上向き七筒 上向き八索 上向き南
中九万 上向き四筒 上向き
一見、国士無双の河に見えるが、そうでないとしたなら異常である。彼の打牌の音色はいつもと違うし、指先に力が入っていた。これはもう緊急事態である。
だから、体が勝手に反応したのだ。そしてすぐに四万を引いた。
四万四万六万七万八万二索三索四索七索七索??チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き??ツモ四万
このアガリに、私は手応えを感じていた。
普通ならチーテンの後、時間がかかり三万六索を引き3、4巡過ぎて両面になってからアガるものだ。
その間に相手の攻めが飛んでくる。無筋を掴めば、行くべきか引くべきか迷う。それが普通。なのに、チーテンの即ツモである。相手に反撃の狼煙(のろし)を与えないこのアガリは、私の経験値から点は低いが価値あるアガリなのだ。
家に帰り、後でタイムシフトを見て驚いた。このとき瀬戸熊の手は、ここまで仕上がっていたのだ。
一万三万三万三万一索一索一索六索六索六索九筒九筒東
この時点で九筒は山に2枚生きていた。仮にその九筒を引けばこうである。
一万三万三万三万一索一索一索六索六索六索九筒九筒九筒
三万三万三万一索一索一索六索六索六索九筒九筒九筒東
親の四暗刻タンキで、一発で決められる可能性があったのだ。
東は河に1枚出ていた。仕掛けた吾妻の現物だし一万はドラで生牌(ションパイで)ある。どちらに受けるか難しい選択である。
このとき、解説の佐々木寿人は、東で待つだろうと予測した。注意が吾妻に向けば東はノーマークになるからだ。ヒサトもそう受けるに違いない。
後日、このことを瀬戸熊に尋ねると、彼はきっぱりと言った。
東切りリーチです!」
一万三万三万三万一索一索一索六索六索六索九筒九筒九筒??リーチ
この手を最終形と見て、リーチでドラと心中するというのだ。私はそれを聴いて(瀬戸熊らしい決断力だな…)と思った。
リーチなら一万が山深く眠っていたら場合、相手をオロして引き当てる可能性がある。
私なら東切りのヤミテンだ。場が煮詰まっている。それならテンパイした者からドラでもポロリと出てくる可能性がある。それを狙う。
それがダメなら待ち替えである。もちろん、これらの選択に善悪はない。
ヒサトも瀬戸熊も、そして私もそれが打ち手のカラーで雀風なのだ。卓上では、色々な光がぶつかって反発、反射する。だから、勝負に幅ができて面白いのだ。
この半荘には、もう1つの山があった。
南1局1本場。またしても瀬戸熊の親番である。

瀬戸熊 吾妻 藤崎
32.4P 23.7P 45.7P 18.2P

これが、ここまでの持ち点である。私は、いいアガリした割には点棒が伸びなかった。逆に伸びたのは女流の吾妻だ。だが、それはいいとしよう。
この勝負、私が負けるときは、瀬戸熊に優勝されるときだ。本当にそう思っていた。だから、今の私にとって大事なのは、瀬戸熊の距離間だけなのだ。
だが、局面は意外な動きした。ドラは北である。4巡目に西家の吾妻が2枚目の一筒を切ると、これを藤崎が下りポン。彼の河は平凡である。
西東九索 上向き三筒 上向き
私は反射的に彼の顔を見た。彼は、私を避けるかのように横を向いた。目を合わせようとしないのだ。
なぜだ、と思った。こんなとき怖いのは、藤崎の風牌のドラの北である。だがその北もすぐに吾妻から切られ、瀬戸熊からも切られた。となれば残った手役はトイトイで、危険なのは役牌である。
だが、藤崎は北家である。北家は親の上家、だからここで遠い仕掛けのトイトイ志向は不可解に映る。脇のツモを飛ばし親のツモを増やすからだ。
我々の目標は、一番手を走る瀬戸熊なのである。それは藤崎も承知のはずだ。それでも鳴いたのは、それだけ藤崎が追い込まれているということなのか―。
視線を外したのはそれなのか。そうだ、きっとそれに違いない!
このとき、親の瀬戸熊から気配が出た。それは殺気に近かった。
(さっきは許したが、もう許さんぞ!)である。
ここで離されたら万事休す。またしても、警戒警報発令である。
この後、藤崎の手から六万?四万が手から出て来た。
西東九索 上向き三筒 上向き九筒 上向き六万 上向き
四万 上向き
このとき私の手はこうだ。
四万五万五万二索四索四索五索九索三筒五筒八筒南白??ツモ五筒
瀬戸熊の親は蹴らねばならない。千点でいいのだ。しかし、戦いたいが戦えない手だ。
安全牌は山ほどあったが、ここでようやく危険な初物の白を切った。藤崎の援護射撃だ。
こういう白は、早過ぎてもいけないし遅すぎてもいけない。早いと鳴けない場合があるし、遅いと当たる可能性があるからだ。これに藤崎がポンの声。
七索七索七索七筒七筒中中??ポン白白白??ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き
すると案の定、とたんに瀬戸熊からリーチがかかった。
南一索 上向き一万 上向き中二筒 上向き北
発七万 上向き発六筒 左向き
(瀬戸熊の手)
五万六万七万二索三索四索四索五索六索六筒六筒六筒七筒??リーチ
そして2巡後、先にロン牌を掴んだのが瀬戸熊だった。それが中
断然有利な瀬戸熊が、めくり勝負でたった1枚の中に負けたのだ。
四筒の鳴きとこの白切りは『受けのサバキ』である。自分を守るための防御本能だ。
ただし、聞くのは簡単だが使うのは難しい。
大事なのは、勝負の感性と読みの精度だ。読みは力で、感性はレーダーである。これは日常に鍛錬で、ピカピカに磨いておく必要がある。
これが猫の耳である。