何を切る?2012年12月

Aリーグと各リーグのプロに出題して、解答を比較し、
各リーグのプロがその一打を深く解説し、掘り下げていくコーナーである。

問題作成者:山田 浩之(六段)
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東南戦リーチバトルルール(一発、裏ドラ、カンドラ有り、赤有り)
南1局南家、ドラ發。  色の濃くなった牌はツモ切りです。

Aリーグ
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Cリーグ
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Aリーググラフ
三筒切り 13人、七索切り 7人、八万切り 4人、七筒切り 4人、

Cリーググラフ
三筒切り 37人、七索切り 24人、三万切り 10人、七筒切り 3人、八万切り 3人、四万切り 1人、

Aリーグ回答

三筒切り

荒正義 石渡正志 板川和俊 老月貴紀 金子貴行

近藤久春 沢崎誠 柴田弘幸 ダンプ大橋 仁平宣明

藤崎智 山井弘 四柳弘樹

・四柳弘樹(AⅡ)

愚形2つ残りの1シャンテンで、巡目も早くどれを切っても受け入れ枚数が変わらないので、

どちらかの赤5が重なった場合に、両方の赤が使える最高形に構えることが出来るように三筒を切ります。

また、カンチャンが先に埋まれば、一旦赤5タンキに受けてから、マンズの好形変化を待って、

メンタンピン赤くらいになるのが理想だと考えます。完全に主導権を握っている状況なので、あとは速度と打点の折り合いをつけるだけ。

七索切り

黒沢咲 猿川真寿 瀬戸熊直樹 中村毅 二階堂亜樹

古川孝次 前原雄大

・瀬戸熊直樹(現十段位)

ピンズ部分が不確定すぎるので、カン四筒カン六筒に決めることはリスクが大きい。

同じ理由で、カン六索にもそこまで確証がないので、一番赤を最大限に活かせて、その後のツモに対応できる七索切りとしたい。

こうしておいて、ピンズ部分やその後の牌の残り枚数などを見ることにより対処したい。

 

八万切り
伊藤優孝 望月雅継 朝武雅晴 吉田直

七筒切り

勝又健志 白鳥翔 右田勇一郎 山田浩之

 

Cリーグ回答

三筒切り

鮎川卓 荒牧冬樹 安藤友一 伊賀則夫 石井良樹

石橋薫 井出一寛 大場篤 長内真美 小田悟志

菅野直 木戸僚之 客野直 小松武蔵 紺野真太郎

桜井紘己 佐山竜介 末続ヒロトシ 角屋保人 関島義基

高沢智 高橋信夫 林俊宏 日吉辰哉 福光聖雄

堀内正人 増田隆一 松下佳正 水澤明彦 水戸亮祐

宮川裕行 安村浩司 優木美智 柚木正仁 横井玲巳

吉田求 渡部稔

・高橋信夫(CⅢ)

チャンス手なのでメンゼンを基本に仕上げる。567の三色が確定したらリーチを打つのを前提として三筒を切る。
カン六索六筒引きなら三万切りテンパイとらず、ツモ七索七筒はツモ切りでテンパイとらず。
ツモ五索五筒はテンパイをとりヤミテン。
三万切りの場合、カン六索六筒両方を先に引いたら二万五万八万のノベタンでリーチ。
一万四万八万を引いて三色のカン六索六筒が残ったらリーチ。
二万五万七万を引いた場合はヤミテンにする。

七索切り

蒼井ゆりか 石川正明 石原将樹 和泉由希子 井出康平

伊藤大輔 江森豊 太田優介 大竹昌之 河井保国

こごまさとし 鈴木郁孝 仲田加南 濱平光郎 羽山真生

樋口新 一井慎也 藤井すみれ 古橋崇志 村中崇

室伏理麻 森下剛任 和久津晶 王政芳

三万切り

安東裕允 大川哲哉 加藤博巳 楠木一郎 ジャガー真鍋

田中隆次 樋口洋輔 北條恵美 三田不二夫 宮内こずえ

・ジャガー真鍋(CⅢ)

マンズで3メンツできているけど、雀頭がないのでマンズで2メンツ1雀頭、ソーズで1メンツ、ピンズで1メンツを目指します。

567の三色をねらいつつ、赤を使い切っていきたいのでソーズとピンズには手をかけないです。

最高形のメンタン三色赤赤になればいいのですが、なかなか思い通りにいかないのが麻雀ですね。

七筒切り

魚谷侑未 永井卓也 元木伸明

八万切り

今井一 奈良圭純 須長正和

四万切り

竹島庸至

 

何を切る?/何を切る?2012年12月

Aリーグと各リーグのプロに出題して、解答を比較し、
各リーグのプロがその一打を深く解説し、掘り下げていくコーナーである。

問題作成者:山田 浩之(六段)
nanikirugraph_201212_smpwidth280_ktaiwidth240

東南戦リーチバトルルール(一発、裏ドラ、カンドラ有り、赤有り)
南1局南家、ドラ發。  色の濃くなった牌はツモ切りです。
Aリーグ
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Cリーグ
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Aリーググラフ
三筒切り 13人、七索切り 7人、八万切り 4人、七筒切り 4人、
Cリーググラフ
三筒切り 37人、七索切り 24人、三万切り 10人、七筒切り 3人、八万切り 3人、四万切り 1人、

Aリーグ回答

三筒切り
荒正義 石渡正志 板川和俊 老月貴紀 金子貴行
近藤久春 沢崎誠 柴田弘幸 ダンプ大橋 仁平宣明
藤崎智 山井弘 四柳弘樹
・四柳弘樹(AⅡ)
愚形2つ残りの1シャンテンで、巡目も早くどれを切っても受け入れ枚数が変わらないので、
どちらかの赤5が重なった場合に、両方の赤が使える最高形に構えることが出来るように三筒を切ります。
また、カンチャンが先に埋まれば、一旦赤5タンキに受けてから、マンズの好形変化を待って、
メンタンピン赤くらいになるのが理想だと考えます。完全に主導権を握っている状況なので、あとは速度と打点の折り合いをつけるだけ。
七索切り
黒沢咲 猿川真寿 瀬戸熊直樹 中村毅 二階堂亜樹
古川孝次 前原雄大
・瀬戸熊直樹(現十段位)
ピンズ部分が不確定すぎるので、カン四筒カン六筒に決めることはリスクが大きい。
同じ理由で、カン六索にもそこまで確証がないので、一番赤を最大限に活かせて、その後のツモに対応できる七索切りとしたい。
こうしておいて、ピンズ部分やその後の牌の残り枚数などを見ることにより対処したい。
 
八万切り
伊藤優孝 望月雅継 朝武雅晴 吉田直
七筒切り
勝又健志 白鳥翔 右田勇一郎 山田浩之
 

Cリーグ回答

三筒切り
鮎川卓 荒牧冬樹 安藤友一 伊賀則夫 石井良樹
石橋薫 井出一寛 大場篤 長内真美 小田悟志
菅野直 木戸僚之 客野直 小松武蔵 紺野真太郎
桜井紘己 佐山竜介 末続ヒロトシ 角屋保人 関島義基
高沢智 高橋信夫 林俊宏 日吉辰哉 福光聖雄
堀内正人 増田隆一 松下佳正 水澤明彦 水戸亮祐
宮川裕行 安村浩司 優木美智 柚木正仁 横井玲巳
吉田求 渡部稔
・高橋信夫(CⅢ)
チャンス手なのでメンゼンを基本に仕上げる。567の三色が確定したらリーチを打つのを前提として三筒を切る。
カン六索六筒引きなら三万切りテンパイとらず、ツモ七索七筒はツモ切りでテンパイとらず。
ツモ五索五筒はテンパイをとりヤミテン。
三万切りの場合、カン六索六筒両方を先に引いたら二万五万八万のノベタンでリーチ。
一万四万八万を引いて三色のカン六索六筒が残ったらリーチ。
二万五万七万を引いた場合はヤミテンにする。
七索切り
蒼井ゆりか 石川正明 石原将樹 和泉由希子 井出康平
伊藤大輔 江森豊 太田優介 大竹昌之 河井保国
こごまさとし 鈴木郁孝 仲田加南 濱平光郎 羽山真生
樋口新 一井慎也 藤井すみれ 古橋崇志 村中崇
室伏理麻 森下剛任 和久津晶 王政芳
三万切り
安東裕允 大川哲哉 加藤博巳 楠木一郎 ジャガー真鍋
田中隆次 樋口洋輔 北條恵美 三田不二夫 宮内こずえ
・ジャガー真鍋(CⅢ)
マンズで3メンツできているけど、雀頭がないのでマンズで2メンツ1雀頭、ソーズで1メンツ、ピンズで1メンツを目指します。
567の三色をねらいつつ、赤を使い切っていきたいのでソーズとピンズには手をかけないです。
最高形のメンタン三色赤赤になればいいのですが、なかなか思い通りにいかないのが麻雀ですね。
七筒切り
魚谷侑未 永井卓也 元木伸明
八万切り
今井一 奈良圭純 須長正和
四万切り
竹島庸至
 

第38期王位戦 準決勝レポート

去る11月24日、王位戦準決勝が新橋のじゃん亭で行われた。

外の寒さとは裏腹に、先週の厳しい王位戦A級決勝を勝ち上がってきた猛者達の集結によって、
会場は熱気に包まれていた。
本日のシステムは全6回戦を行い、上位5名が翌日の決勝戦への切符を手にする事ができる。
(5回戦終了時に下位4名敗退)

38_semi_17

準決勝進出者※予選通過順に掲載

38_semi_16
瀬戸熊直樹(連盟)
38_semi_04
阿賀寿直(協会)
38_semi_10
船木伸一(一般)
38_semi_12
宮岡宏樹(一般)
38_semi_03
奈良圭純(連盟)
38_semi_14
斎藤桂史(連盟)
38_semi_02
筒井久美子(連盟)
38_semi_07
山井弘(連盟)
38_semi_08
浜上文吾(連盟)
38_semi_01
二見大輔(協会)
38_semi_11
犬見武史(連盟)
38_semi_05
小島武夫(連盟)
38_semi_15
安達紘文(連盟)
38_semi_09
若林伸一(一般)
38_semi_06
板川和俊(連盟)
38_semi_13
山田優駿(連盟)

予選通過順
瀬戸熊直樹(連盟)、阿賀寿直(協会)、船木伸一(一般)、宮岡宏樹(一般)、
奈良圭純(連盟)、斎藤桂史(連盟)、筒井久美子(連盟)、山井弘(連盟)
浜上文吾(連盟)、二見大輔(協会)、犬見武史(連盟)、小島武夫(連盟)
安達紘文(連盟)、若林伸一(一般)、板川和俊(連盟)、山田優駿(連盟)

1回戦

1卓[瀬戸熊 浜上 奈良 安達]

まずは、現十段位の瀬戸熊直樹の初戦に注目である。
A級決勝では楽に勝ち上がりを決めた瀬戸熊だったが、今日はテンパイすると自然と当たり牌が押し出される。親番では早い段階で1シャンテンになるも、なかなかテンパイせず他の者がアガるなど、調子がいまいちのようだ。
それでも最後には立て直し勝ちあがってくる強さを持っているので心配は皆無であろう。

そして、この卓には私が注目している選手がもう1人いる。
今年の十段戦ファイナリストの浜上文吾だ。
王位戦本戦の最終戦で同卓したのだが、4回戦までのポイントは11Pぐらいで最終半荘で20,000点しかない。
残り5分のコールがかかり、できて残り2局。ここで4,000、8,000をツモアガリまずは2着に浮上。
しかし、ボーダーまではまだ跳満ツモかトップ目からの満貫直撃が必須。遂に打ち掛け終了のコールが掛かる。
すると、浜上から気合のリーチが入る。一発でツモアガった浜上の手は、何と四暗刻!!
浜上は2局で48,000点を稼ぎ、なんなく本戦を通過し、当たり前のようにA級決勝も勝ち上がった。
そんな浜上を注目せずにはいられない。否、王位を獲るのではないかとさえ思ってしまう。

その浜上、南2局、東家・浜上

四万五万六万二索二索六索七索二筒三筒四筒七筒七筒七筒 リーチ ドラ六索

30,700からこのリーチをツモアガリ、40,000越えのトップ。
決勝に向けて快調に飛ばす。

3卓[板川 犬見 船木 筒井]

3卓では南2局、こちらもA級決勝の好調を維持している船木さんが40,000持ちから、

五万六万七万一筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒九筒 リーチ ドラ九万

これを七筒で引きアガリ、終わってみれば3人の連盟員を相手に、50,000越えの1人浮きのトップをもぎ取る。

1回戦成績
1卓
浜上文吾+20.0P 奈良圭純+15.8P 安達紘文▲6.2P 瀬戸熊直樹▲29.6P

2卓
二見大輔+27.3P 阿賀寿直+13.1P 若林伸一▲9.0P 斎藤桂史▲31.4P

3卓
船木伸一+34.5P 板川和俊▲3.4P 犬見武史▲11.8P 筒井久美子▲19.3P

4卓
山田優駿+20.8P 宮岡宏樹+5.0P 小島武夫▲7.2P 山井弘▲18.6P

2回戦

3卓 [若林(▲9.0P) 船木(+34.5P) 山井(▲18.6P) 浜上(+20.0P)
1回戦が終了し、トータル1位の船木さん。2年連続ベストアマを獲得した若林さん。
最近では、すっかりお馴染みとなったオフェンスマスター・山井に、
面前で仕上げた手に破壊力のある浜上と、打撃戦が予想される3卓に注目!

まずは山井が8,000、7,700と快調に点棒を積み重ねていく。

南1局1本場、東家・若林。 まずは山井の先制リーチ。

六万七万八万一索二索三索九索九索一筒二筒三筒南南 リーチ ドラ三筒

ここに浜上が立ち向かい、最後は暗刻のドラを勝負してリーチ。

五万六万二索三索四索三筒三筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  リーチ

数巡後、山井が四万を掴み、浜上に7,700は8,000を放銃する。
しかし、オフェンスマスター・山井の底力はここから。
南2局、山井が6巡目リーチ。

四万五万六万七万八万九万七索八索七筒八筒九筒白白 リーチ ドラ六万

このリーチに、浜上が九索で捕まり8,000を返上してしまう。
南4局、このまま山井がトップで終了するかと思われたが、
ここまでじっと我慢を重ねてきた船木さんからリーチ。

一万一万五万六万七万一筒二筒三筒五筒六筒六筒七筒七筒 リーチ ドラ五筒

トップになる高目の五筒を引きアガリこれで2連勝!
決勝の椅子がすぐそこまで見えて来た。

2回戦成績( )内は2回戦終了時
1卓
山田優駿+13.1P(+33.9P)斎藤圭史+7.4P(▲24.0P)犬見武史▲8.1P(▲19.9P)瀬戸熊直樹▲12.4P(▲42.0P)

2卓
阿賀寿直+21.6P(+34.7P)奈良圭純+12.9P(+28.7P)板川和俊▲13.2P(▲16.6P)小島武夫▲21.3P(▲28.5P)

3卓
船木伸一+16.6P(+51.1P)山井弘+10.9P(▲7.7P)若林伸一+2.5P(▲6.5P)浜上文吾▲30.0P(▲10.0P)

4卓
筒井久美子+20.2P(+0.9P)二見大輔▲2.9P(24.4P)宮岡宏樹▲5.5P(▲0.5P)安達紘文▲11.8P(▲18.0P)

3回戦

3卓 [奈良(+28.7P)二見(+24.4P)山田(+33.9P)船木(+51.1P)]

この卓は1位、3位、4位、5位の上位陣の対決なので、ここでトップを獲った者は大きく決勝に近づくだろう。

東4局、東家・船木。
ここまで小場の展開で進んできたが、船木さんが9巡目に渾身のリーチ!

三万五万五万五万三索四索五索三筒四筒五筒八筒八筒八筒 リーチ ドラ九索

四万の出アガリ若しくは、ツモなら一歩抜け出せるだけに、ここは是が非でもアガリたいところ。
しかし、結果は山田から三万で3,900の出アガリ。
ひとまず1人浮きのトップになれはしたが、果たして心境はいかがなものだろうか?

東4局1本場、東家・船木。

前局、親の船木さんに放銃した山田が先制リーチ。

一万一万一万三万四万五万四索五索六索八索八索三筒五筒 リーチ ドラ四筒

この四筒をサクッと引きアガリ、1,300・2,600で、今度は山田が1人浮きとなり、
トップが目まぐるしく変わる展開。
南2局3本場、東家・二見。親の二見が序盤にリーチを放つ。

二万三万四万七万七万七万四筒五筒 暗カン牌の背七索七索牌の背 リーチ ドラ二万

数巡後、六筒をツモり4,300オールで、この混戦から大きく抜け出す。
南2局5本場、東家・二見。 二見が早くからヤミ7,700のテンパイをしている中、

一万二万三万五万六万七万一索一索五索七索五筒六筒七筒 ドラ一万

奈良も仕掛けて満貫のテンパイ。

三索四索五索五索六索七索七索 ポン二索二索二索 ポン九索九索九索

ここに山田も追いつき、3メンチャンのリーチで勝負にでる。

三万四万五万六万七万四索五索六索四筒四筒 暗カン牌の背白白牌の背 リーチ

ここで二見にアガられれば、完全な独壇場になるだろう。
奈良、山田はアガった方がとりあえず2着に。
そして、この3者のめくり合いは、奈良が四索をツモり浮きの2着を確保して終了。
一方、ここまで2連勝していた山田、船木さんは共に3着、4着と少しポイント減らしてしまい、上位は混戦模様に。
そんな中1人大きく抜け出す者が。

2卓 [犬見(▲19.9P)阿賀(+34.7P)山井(▲7.7P)安達(▲18.0P)]

東1局、東家・犬見。親の犬見がホンイツの仕掛け。

二万三万四万五万五万北北 ポン東東東 ポン南南南 ドラ一筒

ここへ、トータル2位の阿賀が北で12,000を献上する。
不用意な放銃にも見えるが、この攻撃的な姿勢が阿賀の持ち味なのだろう。

東3局1本場、東家・山井。親番の山井が先制のリーチ。

二万二万一索二索三索三索三索三索三筒五筒七筒八筒九筒 リーチ ドラ四筒

ここへ阿賀が追いかけリーチ。

二筒三筒四筒六筒六筒七筒八筒五索六索六索七索七索八索 リーチ

阿賀が高目の六筒をツモり2,000、4,000。
これを皮切りに阿賀は点棒を積み重ねていく。
南2局、東家・阿賀。

六万六万七万八万九万五索六索六索七索七索七筒七筒七筒 リーチ ドラ七筒

八索ツモで4,000オールなど、東1局に12,000を放銃したが、終わってみれば50,000点近いトップをとり、
トータルトップに躍り出る!決勝の椅子はほぼ1つ決定したか!?

3回戦成績( )内は3回戦終了時

1卓
筒井久美子+13.6P(+14.5P)若林伸一+9.3P(+2.8P)小島武夫▲7.3P(▲35.8P)瀬戸熊直樹▲15.6P(▲57.6P)

2卓
阿賀寿直+27.8P(+62.5P)犬見武史+18.7P(▲1.2P)山井弘▲21.2P(▲28.9P)安達紘文▲25.3P(▲43.3P)

3卓
二見大輔+17.8P(+42.2P)奈良圭純+4.3P(+33.0P)山田優駿▲6.7P(+27.2P)船木伸一▲16.4P(+34.7P)

4卓
宮岡宏樹+27.6P(+27.1P)板川和俊▲1.8P(▲18.4P)浜上文吾▲6.8P(▲16.8P)斎藤桂史▲19.0P(▲43.0P)

4回戦

1卓 [板川(▲18.4P)二見(+42.2P)瀬戸熊(▲57.6P)山井(▲28.9P)]
トータル2位の二見の前に立ちはだかるのは、もう後が無くなった現十段位・瀬戸熊、
現最強位・板川、A2リーガーの山井と、この会場で最も盛り上がりそうな卓となった。

大きく動いたのは東3局。
東3局、東家・瀬戸熊。西家の板川が3巡目リーチ。

一万二万三万七万八万九万一索一索七索八索九索一筒二筒 リーチ ドラ一万

この三筒をツモり3,000、6,000で大きくリードする。
南1局1本場、東家・板川。南家の二見から先制リーチが入る。

四万五万六万四索五索六索二筒三筒四筒七筒八筒東東 リーチ  ドラ八筒

このリーチ後に、山井が九万ポン、一万ポンと仕掛け、

九索九索六筒六筒九筒九筒九筒 ポン一万一万一万 ポン九万九万九万

このテンパイ。そして高目の九索を引きアガリ2,000・4,000。
南2局、東家・二見。南家の瀬戸熊に、本日一番の見せ場がやってくる。
15巡目と終盤のテンパイだが、

西西北北 ポン白白白 ポン東東東 ポン南南南 ドラ八索

連盟ではダブル役満は無いが、字一色小四喜のテンパイ!!
ざわざわざわと、効果音が聞こえてきそうな中、固唾を飲んで見守っていた。
しかし、無情にも終局間際に役無しテンパイをしていた親の二見に北が流れ、
瀬戸熊直樹の王位戦はここで幕を閉じることとなった。

南3局、東家・瀬戸熊。北家の二見が、

三万四万五万八万八万八万三索二筒三筒四筒八筒八筒八筒 ドラ三索

このドラ単騎をツモり、2,000・4,000で3人浮きの2着に浮上し終局。

4回戦成績( )内は4回戦終了時

1卓
板川和俊+18.3P(▲0.1P)二見大輔+8.2P(+50.4P)山井弘+1.2P(▲27.7P)瀬戸熊直樹▲27.7P(▲85.3P)

2卓
筒井久美子+13.8P(+28.3P)阿賀寿直+9.1P(+71.6P)山田優駿▲6.6P(+20.6P)浜上文吾▲16.3P(▲33.1P)

3卓
斎藤桂史+11.2P(▲31.8P)安達紘文+11.2P(▲32.1P)船木伸一▲6.1P(+28.6P)小島武夫▲16.3P(▲52.1P)

4卓
宮岡宏樹+25.2P(52.3P)若林伸一+8.9P(+11.7P)奈良圭純▲9.6P(+23.4P)犬見武史▲24.5P(▲25.7P)

5回戦

ここで下位4名が敗退となる。現在の順位は以下の通り。

1位:阿賀寿直+71.6P
2位:宮岡宏樹+52.3P
3位:二見大輔+50.4P
4位:船木伸一+28.6P
5位:筒井久美子+28.3P
6位:奈良圭純+23.4P
7位:山田優駿+20.6P
8位:若林伸一+11.7P
9位:板川和俊▲0.1P
10位:犬見武史▲25.7P
11位:山井弘▲27.7P
12位:斎藤桂史▲31.8P
13位:安達紘文▲32.1P
14位:浜上文吾▲33.1P
15位:小島武夫▲52.1P
16位:瀬戸熊直樹▲85.3P

上位の者はなるべくポイントを叩いて最終戦を楽に迎えたいであろうし、下位にいる者も大きめの2連勝で決勝へ行けるチャンスがあるだけに、ここは是が非でも敗退は逃れたいところ。
各々の思惑を尻目に5回戦が開始された。

2卓 [斎藤(▲31.8P)山井(▲27.7P)奈良(+23.4P)筒井(28.3P)]
決勝へ向けて浮きが欲しい5位・筒井、6位・奈良、逆に浮かなければ敗退が決定してしまう、
11位・山井、12位・斎藤。

まずは東1局。親の斎藤が奈良から9,600をアガリ上々の滑り出し。

東1局2本場、東家・斎藤。
北家の筒井がタンヤオの仕掛けで2フーロしてドラの五筒を切る。

斎藤
二万三万四万六万七万八万一筒三筒五筒五筒六筒北北 ツモ七万 ドラ五筒

斎藤は小考後五筒を切りだす。
確かに七万は筒井に危険かもしれないが、100%当たると絞れる牌でもなく、打ってもほぼ千点。
まして連荘している親で、この手格好なら七万を切る方が自然だと思うし、
決勝へ向けて、最後のチャンスかもしれないし、この態勢を落とす方が嫌な気がする。
南家の山井が、この五筒をタンヤオドラ1のチーテンにとり、次巡ツモ切った牌は四筒
それは斎藤の目にもはっきりと映っている。果たしてこの時の心境はいかがなものだったであろう?
数巡後、筒井が三万をツモって300・500。
斎藤があそこで七万を切り、四筒を引き入れリーチとしていたら、別の展開が待っていたはずだ。

当然のように、次局は斎藤が、筒井のタンヤオドラ3の7,700に飛び込み、
ここで斎藤の敗退がほぼ決定する。

南1局、東家・斎藤。南家の山井が先制リーチ

四索四索四索八索八索二筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒 リーチ ドラ九万

ここへ親の斎藤が追いかけリーチを打つ。

二万三万四万七万八万九万二索四索五筒五筒五筒東東 リーチ

この三筒を山井がツモアガリ2,000・3,900でトップ目に立つ。
最近こういうリーチをアガる山井をよく目にするが、
それは、場況や相手の手牌読みに優れているからこそ、成せる業(精度の高さ)なのだと思う。

南4局、東家・筒井。3巡目、山井。

七万七万八万一索二索三索四索五索六索六索七索七索八索 ツモ六万 ドラ六万

小考の末、打一索。親の筒井が以下の形で仕掛ける。

四万四万五索六索四筒五筒六筒七筒八筒八筒 ポン東東東

ここへラス目の奈良からリーチが入る。

六万八万八万三筒三筒四筒四筒八筒八筒九筒九筒北北 リーチ

これをアガれば、浮きにまわる奈良だが、数巡後、八索をツモ切ると山井からロンの声が!

五万六万七万二索二索三索四索五索六索六索七索七索八索 ロン八索

山井はこの7,700をアガリ最終戦に一縷の望みを繋げた。

5回戦成績( )内は5回戦終了時

1卓
宮岡宏樹+28.4P(+80.7P)瀬戸熊直樹▲1.8P(▲87.1P)船木伸一▲7.7P(+20.9P)阿賀寿直▲18.9P(+52.7P)

2卓
山井弘+22.5P(▲5.2P)筒井久美子+9.2P(+37.5P)斎藤桂史▲7.2P(▲39.0P)奈良圭純▲24.5P(▲1.1P)

3卓
犬見武史+18.0P(▲7.7P)二見大輔+7.5P(+57.9P)小島武夫▲5.6P(▲57.7P)浜上文吾▲19.9P(▲53.0P)

4卓
安達紘文+21.4P(▲10.7P)若林伸一+15.1P(+26.8P)板川和俊▲7.1P(▲7.2P)山田優駿▲29.4P(▲8.8P)

5回戦が終了し以下4名が敗退。

なんと「ミスター麻雀」小島武夫や現十段位瀬戸熊直樹がまさかの敗退。
私が本命視していた浜上もここで散る事に。

13位 斎藤桂史「初めてここまで来ましたが内容が全然駄目だったので一から修業しなおします。」
14位 浜上文吾「自分らしく打てたので悔いは無いです。」
15位 小島武夫「今日は全然駄目だったよ。こんな日もあるよな。」
16位 瀬戸熊直樹「仕掛けに対しての対応が遅れました。」

いよいよ泣いても笑っても残り1回。
6回戦が始まる前の順位は以下の通り。

1位:宮岡宏樹+80.7P
2位:二見大輔+57.9P
3位:阿賀寿直+52.7P
4位:筒井久美子+37.5P
5位:若林伸一+26.8P
(ここまでがボーダーライン)
6位:船木伸一+20.9P
7位:奈良圭純▲1.1P
8位:山井弘▲5.2P
9位:板川和俊▲7.2P
10位:犬見武史▲7.7P
11位:山田優駿▲8.8P
12位:安達紘文▲10.7P

6回戦

1卓[船木(+20.9P)安達(▲10.7P)奈良(▲1.1P)宮岡(+80.7P)]
決勝が確定している宮岡さん以外は、どうしてもトップが欲しいところ。
序盤は小場で進む。

東3局、東家・奈良。まずは西家の船木さんがリーチ

一万二万三万九万九万一筒二筒三筒三筒五筒五索六索七索 リーチ ドラ九万

そこへ親の奈良も追いかけリーチを打つ。

三万五万五万六万七万八万八万三索四索五索三筒四筒五筒 リーチ

どちらも打点十分で、アガれば決勝の舞台がぐっと近づいて来るだけに、一牌一牌ツモる手に力が入る。
しかし、2人の戦いは決着がつかず流局。

東4局、東家・宮岡。トータル12位でスタートした安達が、
親の宮岡さんのリーチに追いかけリーチを打ち、宮岡さんから5,200を直撃すると次局も、
南1局、東家・船木。

安達
二万三万四万六万七万八万五索六索七索八索九索三筒三筒 リーチ ドラ九索

ホウテイで7,700をアガリ僅かな臨みを繋げる。
南4局2本場、東家・宮岡。トップ目の安達だが、推測されるボーダーには役満1つ足りない状況。
しかし中盤、安達に待望のテンパイが入る。

一筒 一筒一筒二筒二筒二筒四筒四筒五筒五筒五筒白白 ドラ三索

アガったら決勝の椅子が見える役満なんて、人生でもそう何度も体験できないだろう。
しかし、安達の手元で牌が舞いあがる事は無かった。
ここで役満テンパイを入れる事ができるようになったのも安達の力であり、
アガリまで結び付けられなかったのも、また安達の力ということだろう。

宮岡さんは歴代王位の安定した戦いを見せ、難なく1位通過。
また、ボーダー上にいた船木さんは、浮きの3着でトータル+21.9P。
別卓の結果を待つことになるが惜しくも届かず。

6位 船木伸一「ここまで来られて良かったです。」
8位 安達紘文「力不足です。」
12位 奈良圭純「だらしなかったです。」

2卓[山田(▲8.8P)二見(+57.9P)山井(▲5.2P)若林(+26.8P)]

南1局、東家・山田。

若林
二索二索二索四索四索五索六索七索四筒五筒五筒六筒六筒 ドラ五筒

この手を冷静にヤミに構え、七筒で5,200をアガリ浮きの2着になる。
正直、決勝までのポイントは、別卓の人も絡んでくるので難しいが、
浮いていなければ可能性はゼロなので、最低でもこのまま終わりたいであろう。

南3局、東家・山井。

山田
一万二万三万七索八索九索白白中中 加カン九万九万九万九万 ドラ九万

山田が、オーラスに条件が残る白をツモアガリ3,000・6,000。
オーラスは、山田が若林さんを捲るには跳満ツモ条件だったが、残念ながら手が入らずここで敗退となる。
この時点で二見は通過確定。若林さんは+34.2Pで、別卓の結果待ちとなったが見事5位通過。

7位 山田優駿「決勝まで残ったら、中部のみんなが応援に来てくれると言ってくれていたので、
みんなにその姿をみせることができなくて残念です。」
11位 山井弘「全体的に手が入らなくて、前に出る局面が少なかったので、後半チャンス伺っていたのですが
駄目でした。また来年。」

3卓[犬見(▲7.7P)板川(▲7.2P)筒井(+37.5P)阿賀(+52.7P)]
阿賀、筒井は浮いていれば確定。板川、犬見は大きめのトップ条件と非常にわかりやすい戦い。
そんな中、板川が序盤から8,000、2,900、2,300とアガリ快調に飛ばして行く。

そして、渾身の勝負局。東4局、東家・阿賀。

板川
五索五索七索七索 加カン発発発発 ポン三索三索三索 暗カン牌の背白白牌の背 ドラ七索

この手をアガれば35P付近まで浮き、同卓2人を交わすので、決勝に向け是が非でもアガリたいところ。
しかし、最後の勝負手となったこの手は流局してしまい、板川の敗退が決まってしまった。
一方、要所要所を丁寧に打ちまわしながら、点棒を積み重ねていた筒井が、
終わってみれば1人浮きのトップをとり決勝確定!

9位 板川和俊「出直します。」
10位 犬見武史「来年頑張ります。」

6回戦終了成績

1卓
安達紘文+16.2P(+5.5P)宮岡宏樹+4.9P(+85.6P)船木伸一+1.0P(+21.9P)奈良圭純▲23.1P(▲24.2P)

2卓
山田優駿+21.9P(+13.1P)若林伸一+7.4P(+34.2P)二見大輔▲11.6P(+46.3P)山井弘▲17.7P(▲22.9P)

3卓
筒井久美子+19.0P(+56.5P)板川和俊▲2.8P(▲10.0P)阿賀寿直▲5.0P(+47.7P)犬見武史▲13.2P(▲20.9P)

遂に、明日の決勝を戦う5名が決定する!

1位通過:宮岡宏樹
「もう一度、王位を獲れるように頑張ります。」

2位通過:阿賀寿直
「自分の麻雀を打ち切ります。」

3位通過:筒井久美子
「明日は勝って泣きたいです。」

4位通過:二見大輔
「まさか私が連盟のタイトル戦の決勝の椅子に座る日が来るとは夢にも思いませんでした。」

5位通過:若林伸一
「平常心で自分の麻雀を打ち切りたいと思います。」

打撃戦が予想される明日の決勝戦!
果たして第38期王位の栄冠に輝くのは誰か!?

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王位戦 レポート/第38期王位戦 準決勝レポート

去る11月24日、王位戦準決勝が新橋のじゃん亭で行われた。
外の寒さとは裏腹に、先週の厳しい王位戦A級決勝を勝ち上がってきた猛者達の集結によって、
会場は熱気に包まれていた。
本日のシステムは全6回戦を行い、上位5名が翌日の決勝戦への切符を手にする事ができる。
(5回戦終了時に下位4名敗退)
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準決勝進出者※予選通過順に掲載

38_semi_16
瀬戸熊直樹(連盟)
38_semi_04
阿賀寿直(協会)
38_semi_10
船木伸一(一般)
38_semi_12
宮岡宏樹(一般)
38_semi_03
奈良圭純(連盟)
38_semi_14
斎藤桂史(連盟)
38_semi_02
筒井久美子(連盟)
38_semi_07
山井弘(連盟)
38_semi_08
浜上文吾(連盟)
38_semi_01
二見大輔(協会)
38_semi_11
犬見武史(連盟)
38_semi_05
小島武夫(連盟)
38_semi_15
安達紘文(連盟)
38_semi_09
若林伸一(一般)
38_semi_06
板川和俊(連盟)
38_semi_13
山田優駿(連盟)

予選通過順
瀬戸熊直樹(連盟)、阿賀寿直(協会)、船木伸一(一般)、宮岡宏樹(一般)、
奈良圭純(連盟)、斎藤桂史(連盟)、筒井久美子(連盟)、山井弘(連盟)
浜上文吾(連盟)、二見大輔(協会)、犬見武史(連盟)、小島武夫(連盟)
安達紘文(連盟)、若林伸一(一般)、板川和俊(連盟)、山田優駿(連盟)

1回戦

1卓[瀬戸熊 浜上 奈良 安達]
まずは、現十段位の瀬戸熊直樹の初戦に注目である。
A級決勝では楽に勝ち上がりを決めた瀬戸熊だったが、今日はテンパイすると自然と当たり牌が押し出される。親番では早い段階で1シャンテンになるも、なかなかテンパイせず他の者がアガるなど、調子がいまいちのようだ。
それでも最後には立て直し勝ちあがってくる強さを持っているので心配は皆無であろう。
そして、この卓には私が注目している選手がもう1人いる。
今年の十段戦ファイナリストの浜上文吾だ。
王位戦本戦の最終戦で同卓したのだが、4回戦までのポイントは11Pぐらいで最終半荘で20,000点しかない。
残り5分のコールがかかり、できて残り2局。ここで4,000、8,000をツモアガリまずは2着に浮上。
しかし、ボーダーまではまだ跳満ツモかトップ目からの満貫直撃が必須。遂に打ち掛け終了のコールが掛かる。
すると、浜上から気合のリーチが入る。一発でツモアガった浜上の手は、何と四暗刻!!
浜上は2局で48,000点を稼ぎ、なんなく本戦を通過し、当たり前のようにA級決勝も勝ち上がった。
そんな浜上を注目せずにはいられない。否、王位を獲るのではないかとさえ思ってしまう。
その浜上、南2局、東家・浜上
四万五万六万二索二索六索七索二筒三筒四筒七筒七筒七筒 リーチ ドラ六索
30,700からこのリーチをツモアガリ、40,000越えのトップ。
決勝に向けて快調に飛ばす。
3卓[板川 犬見 船木 筒井]
3卓では南2局、こちらもA級決勝の好調を維持している船木さんが40,000持ちから、
五万六万七万一筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒九筒 リーチ ドラ九万
これを七筒で引きアガリ、終わってみれば3人の連盟員を相手に、50,000越えの1人浮きのトップをもぎ取る。
1回戦成績
1卓
浜上文吾+20.0P 奈良圭純+15.8P 安達紘文▲6.2P 瀬戸熊直樹▲29.6P
2卓
二見大輔+27.3P 阿賀寿直+13.1P 若林伸一▲9.0P 斎藤桂史▲31.4P
3卓
船木伸一+34.5P 板川和俊▲3.4P 犬見武史▲11.8P 筒井久美子▲19.3P
4卓
山田優駿+20.8P 宮岡宏樹+5.0P 小島武夫▲7.2P 山井弘▲18.6P

2回戦

3卓 [若林(▲9.0P) 船木(+34.5P) 山井(▲18.6P) 浜上(+20.0P)
1回戦が終了し、トータル1位の船木さん。2年連続ベストアマを獲得した若林さん。
最近では、すっかりお馴染みとなったオフェンスマスター・山井に、
面前で仕上げた手に破壊力のある浜上と、打撃戦が予想される3卓に注目!
まずは山井が8,000、7,700と快調に点棒を積み重ねていく。
南1局1本場、東家・若林。 まずは山井の先制リーチ。
六万七万八万一索二索三索九索九索一筒二筒三筒南南 リーチ ドラ三筒
ここに浜上が立ち向かい、最後は暗刻のドラを勝負してリーチ。
五万六万二索三索四索三筒三筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  リーチ
数巡後、山井が四万を掴み、浜上に7,700は8,000を放銃する。
しかし、オフェンスマスター・山井の底力はここから。
南2局、山井が6巡目リーチ。
四万五万六万七万八万九万七索八索七筒八筒九筒白白 リーチ ドラ六万
このリーチに、浜上が九索で捕まり8,000を返上してしまう。
南4局、このまま山井がトップで終了するかと思われたが、
ここまでじっと我慢を重ねてきた船木さんからリーチ。
一万一万五万六万七万一筒二筒三筒五筒六筒六筒七筒七筒 リーチ ドラ五筒
トップになる高目の五筒を引きアガリこれで2連勝!
決勝の椅子がすぐそこまで見えて来た。
2回戦成績( )内は2回戦終了時
1卓
山田優駿+13.1P(+33.9P)斎藤圭史+7.4P(▲24.0P)犬見武史▲8.1P(▲19.9P)瀬戸熊直樹▲12.4P(▲42.0P)
2卓
阿賀寿直+21.6P(+34.7P)奈良圭純+12.9P(+28.7P)板川和俊▲13.2P(▲16.6P)小島武夫▲21.3P(▲28.5P)
3卓
船木伸一+16.6P(+51.1P)山井弘+10.9P(▲7.7P)若林伸一+2.5P(▲6.5P)浜上文吾▲30.0P(▲10.0P)
4卓
筒井久美子+20.2P(+0.9P)二見大輔▲2.9P(24.4P)宮岡宏樹▲5.5P(▲0.5P)安達紘文▲11.8P(▲18.0P)

3回戦

3卓 [奈良(+28.7P)二見(+24.4P)山田(+33.9P)船木(+51.1P)]
この卓は1位、3位、4位、5位の上位陣の対決なので、ここでトップを獲った者は大きく決勝に近づくだろう。
東4局、東家・船木。
ここまで小場の展開で進んできたが、船木さんが9巡目に渾身のリーチ!
三万五万五万五万三索四索五索三筒四筒五筒八筒八筒八筒 リーチ ドラ九索
四万の出アガリ若しくは、ツモなら一歩抜け出せるだけに、ここは是が非でもアガリたいところ。
しかし、結果は山田から三万で3,900の出アガリ。
ひとまず1人浮きのトップになれはしたが、果たして心境はいかがなものだろうか?
東4局1本場、東家・船木。
前局、親の船木さんに放銃した山田が先制リーチ。
一万一万一万三万四万五万四索五索六索八索八索三筒五筒 リーチ ドラ四筒
この四筒をサクッと引きアガリ、1,300・2,600で、今度は山田が1人浮きとなり、
トップが目まぐるしく変わる展開。
南2局3本場、東家・二見。親の二見が序盤にリーチを放つ。
二万三万四万七万七万七万四筒五筒 暗カン牌の背七索七索牌の背 リーチ ドラ二万
数巡後、六筒をツモり4,300オールで、この混戦から大きく抜け出す。
南2局5本場、東家・二見。 二見が早くからヤミ7,700のテンパイをしている中、
一万二万三万五万六万七万一索一索五索七索五筒六筒七筒 ドラ一万
奈良も仕掛けて満貫のテンパイ。
三索四索五索五索六索七索七索 ポン二索二索二索 ポン九索九索九索
ここに山田も追いつき、3メンチャンのリーチで勝負にでる。
三万四万五万六万七万四索五索六索四筒四筒 暗カン牌の背白白牌の背 リーチ
ここで二見にアガられれば、完全な独壇場になるだろう。
奈良、山田はアガった方がとりあえず2着に。
そして、この3者のめくり合いは、奈良が四索をツモり浮きの2着を確保して終了。
一方、ここまで2連勝していた山田、船木さんは共に3着、4着と少しポイント減らしてしまい、上位は混戦模様に。
そんな中1人大きく抜け出す者が。
2卓 [犬見(▲19.9P)阿賀(+34.7P)山井(▲7.7P)安達(▲18.0P)]
東1局、東家・犬見。親の犬見がホンイツの仕掛け。
二万三万四万五万五万北北 ポン東東東 ポン南南南 ドラ一筒
ここへ、トータル2位の阿賀が北で12,000を献上する。
不用意な放銃にも見えるが、この攻撃的な姿勢が阿賀の持ち味なのだろう。
東3局1本場、東家・山井。親番の山井が先制のリーチ。
二万二万一索二索三索三索三索三索三筒五筒七筒八筒九筒 リーチ ドラ四筒
ここへ阿賀が追いかけリーチ。
二筒三筒四筒六筒六筒七筒八筒五索六索六索七索七索八索 リーチ
阿賀が高目の六筒をツモり2,000、4,000。
これを皮切りに阿賀は点棒を積み重ねていく。
南2局、東家・阿賀。
六万六万七万八万九万五索六索六索七索七索七筒七筒七筒 リーチ ドラ七筒
八索ツモで4,000オールなど、東1局に12,000を放銃したが、終わってみれば50,000点近いトップをとり、
トータルトップに躍り出る!決勝の椅子はほぼ1つ決定したか!?
3回戦成績( )内は3回戦終了時
1卓
筒井久美子+13.6P(+14.5P)若林伸一+9.3P(+2.8P)小島武夫▲7.3P(▲35.8P)瀬戸熊直樹▲15.6P(▲57.6P)
2卓
阿賀寿直+27.8P(+62.5P)犬見武史+18.7P(▲1.2P)山井弘▲21.2P(▲28.9P)安達紘文▲25.3P(▲43.3P)
3卓
二見大輔+17.8P(+42.2P)奈良圭純+4.3P(+33.0P)山田優駿▲6.7P(+27.2P)船木伸一▲16.4P(+34.7P)
4卓
宮岡宏樹+27.6P(+27.1P)板川和俊▲1.8P(▲18.4P)浜上文吾▲6.8P(▲16.8P)斎藤桂史▲19.0P(▲43.0P)

4回戦

1卓 [板川(▲18.4P)二見(+42.2P)瀬戸熊(▲57.6P)山井(▲28.9P)]
トータル2位の二見の前に立ちはだかるのは、もう後が無くなった現十段位・瀬戸熊、
現最強位・板川、A2リーガーの山井と、この会場で最も盛り上がりそうな卓となった。
大きく動いたのは東3局。
東3局、東家・瀬戸熊。西家の板川が3巡目リーチ。
一万二万三万七万八万九万一索一索七索八索九索一筒二筒 リーチ ドラ一万
この三筒をツモり3,000、6,000で大きくリードする。
南1局1本場、東家・板川。南家の二見から先制リーチが入る。
四万五万六万四索五索六索二筒三筒四筒七筒八筒東東 リーチ  ドラ八筒
このリーチ後に、山井が九万ポン、一万ポンと仕掛け、
九索九索六筒六筒九筒九筒九筒 ポン一万一万一万 ポン九万九万九万
このテンパイ。そして高目の九索を引きアガリ2,000・4,000。
南2局、東家・二見。南家の瀬戸熊に、本日一番の見せ場がやってくる。
15巡目と終盤のテンパイだが、
西西北北 ポン白白白 ポン東東東 ポン南南南 ドラ八索
連盟ではダブル役満は無いが、字一色小四喜のテンパイ!!
ざわざわざわと、効果音が聞こえてきそうな中、固唾を飲んで見守っていた。
しかし、無情にも終局間際に役無しテンパイをしていた親の二見に北が流れ、
瀬戸熊直樹の王位戦はここで幕を閉じることとなった。
南3局、東家・瀬戸熊。北家の二見が、
三万四万五万八万八万八万三索二筒三筒四筒八筒八筒八筒 ドラ三索
このドラ単騎をツモり、2,000・4,000で3人浮きの2着に浮上し終局。
4回戦成績( )内は4回戦終了時
1卓
板川和俊+18.3P(▲0.1P)二見大輔+8.2P(+50.4P)山井弘+1.2P(▲27.7P)瀬戸熊直樹▲27.7P(▲85.3P)
2卓
筒井久美子+13.8P(+28.3P)阿賀寿直+9.1P(+71.6P)山田優駿▲6.6P(+20.6P)浜上文吾▲16.3P(▲33.1P)
3卓
斎藤桂史+11.2P(▲31.8P)安達紘文+11.2P(▲32.1P)船木伸一▲6.1P(+28.6P)小島武夫▲16.3P(▲52.1P)
4卓
宮岡宏樹+25.2P(52.3P)若林伸一+8.9P(+11.7P)奈良圭純▲9.6P(+23.4P)犬見武史▲24.5P(▲25.7P)

5回戦

ここで下位4名が敗退となる。現在の順位は以下の通り。
1位:阿賀寿直+71.6P
2位:宮岡宏樹+52.3P
3位:二見大輔+50.4P
4位:船木伸一+28.6P
5位:筒井久美子+28.3P
6位:奈良圭純+23.4P
7位:山田優駿+20.6P
8位:若林伸一+11.7P
9位:板川和俊▲0.1P
10位:犬見武史▲25.7P
11位:山井弘▲27.7P
12位:斎藤桂史▲31.8P
13位:安達紘文▲32.1P
14位:浜上文吾▲33.1P
15位:小島武夫▲52.1P
16位:瀬戸熊直樹▲85.3P
上位の者はなるべくポイントを叩いて最終戦を楽に迎えたいであろうし、下位にいる者も大きめの2連勝で決勝へ行けるチャンスがあるだけに、ここは是が非でも敗退は逃れたいところ。
各々の思惑を尻目に5回戦が開始された。
2卓 [斎藤(▲31.8P)山井(▲27.7P)奈良(+23.4P)筒井(28.3P)]
決勝へ向けて浮きが欲しい5位・筒井、6位・奈良、逆に浮かなければ敗退が決定してしまう、
11位・山井、12位・斎藤。
まずは東1局。親の斎藤が奈良から9,600をアガリ上々の滑り出し。
東1局2本場、東家・斎藤。
北家の筒井がタンヤオの仕掛けで2フーロしてドラの五筒を切る。
斎藤
二万三万四万六万七万八万一筒三筒五筒五筒六筒北北 ツモ七万 ドラ五筒
斎藤は小考後五筒を切りだす。
確かに七万は筒井に危険かもしれないが、100%当たると絞れる牌でもなく、打ってもほぼ千点。
まして連荘している親で、この手格好なら七万を切る方が自然だと思うし、
決勝へ向けて、最後のチャンスかもしれないし、この態勢を落とす方が嫌な気がする。
南家の山井が、この五筒をタンヤオドラ1のチーテンにとり、次巡ツモ切った牌は四筒
それは斎藤の目にもはっきりと映っている。果たしてこの時の心境はいかがなものだったであろう?
数巡後、筒井が三万をツモって300・500。
斎藤があそこで七万を切り、四筒を引き入れリーチとしていたら、別の展開が待っていたはずだ。
当然のように、次局は斎藤が、筒井のタンヤオドラ3の7,700に飛び込み、
ここで斎藤の敗退がほぼ決定する。
南1局、東家・斎藤。南家の山井が先制リーチ
四索四索四索八索八索二筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒 リーチ ドラ九万
ここへ親の斎藤が追いかけリーチを打つ。
二万三万四万七万八万九万二索四索五筒五筒五筒東東 リーチ
この三筒を山井がツモアガリ2,000・3,900でトップ目に立つ。
最近こういうリーチをアガる山井をよく目にするが、
それは、場況や相手の手牌読みに優れているからこそ、成せる業(精度の高さ)なのだと思う。
南4局、東家・筒井。3巡目、山井。
七万七万八万一索二索三索四索五索六索六索七索七索八索 ツモ六万 ドラ六万
小考の末、打一索。親の筒井が以下の形で仕掛ける。
四万四万五索六索四筒五筒六筒七筒八筒八筒 ポン東東東
ここへラス目の奈良からリーチが入る。
六万八万八万三筒三筒四筒四筒八筒八筒九筒九筒北北 リーチ
これをアガれば、浮きにまわる奈良だが、数巡後、八索をツモ切ると山井からロンの声が!
五万六万七万二索二索三索四索五索六索六索七索七索八索 ロン八索
山井はこの7,700をアガリ最終戦に一縷の望みを繋げた。
5回戦成績( )内は5回戦終了時
1卓
宮岡宏樹+28.4P(+80.7P)瀬戸熊直樹▲1.8P(▲87.1P)船木伸一▲7.7P(+20.9P)阿賀寿直▲18.9P(+52.7P)
2卓
山井弘+22.5P(▲5.2P)筒井久美子+9.2P(+37.5P)斎藤桂史▲7.2P(▲39.0P)奈良圭純▲24.5P(▲1.1P)
3卓
犬見武史+18.0P(▲7.7P)二見大輔+7.5P(+57.9P)小島武夫▲5.6P(▲57.7P)浜上文吾▲19.9P(▲53.0P)
4卓
安達紘文+21.4P(▲10.7P)若林伸一+15.1P(+26.8P)板川和俊▲7.1P(▲7.2P)山田優駿▲29.4P(▲8.8P)

5回戦が終了し以下4名が敗退。

なんと「ミスター麻雀」小島武夫や現十段位瀬戸熊直樹がまさかの敗退。
私が本命視していた浜上もここで散る事に。
13位 斎藤桂史「初めてここまで来ましたが内容が全然駄目だったので一から修業しなおします。」
14位 浜上文吾「自分らしく打てたので悔いは無いです。」
15位 小島武夫「今日は全然駄目だったよ。こんな日もあるよな。」
16位 瀬戸熊直樹「仕掛けに対しての対応が遅れました。」
いよいよ泣いても笑っても残り1回。
6回戦が始まる前の順位は以下の通り。
1位:宮岡宏樹+80.7P
2位:二見大輔+57.9P
3位:阿賀寿直+52.7P
4位:筒井久美子+37.5P
5位:若林伸一+26.8P
(ここまでがボーダーライン)
6位:船木伸一+20.9P
7位:奈良圭純▲1.1P
8位:山井弘▲5.2P
9位:板川和俊▲7.2P
10位:犬見武史▲7.7P
11位:山田優駿▲8.8P
12位:安達紘文▲10.7P

6回戦

1卓[船木(+20.9P)安達(▲10.7P)奈良(▲1.1P)宮岡(+80.7P)]
決勝が確定している宮岡さん以外は、どうしてもトップが欲しいところ。
序盤は小場で進む。
東3局、東家・奈良。まずは西家の船木さんがリーチ
一万二万三万九万九万一筒二筒三筒三筒五筒五索六索七索 リーチ ドラ九万
そこへ親の奈良も追いかけリーチを打つ。
三万五万五万六万七万八万八万三索四索五索三筒四筒五筒 リーチ
どちらも打点十分で、アガれば決勝の舞台がぐっと近づいて来るだけに、一牌一牌ツモる手に力が入る。
しかし、2人の戦いは決着がつかず流局。
東4局、東家・宮岡。トータル12位でスタートした安達が、
親の宮岡さんのリーチに追いかけリーチを打ち、宮岡さんから5,200を直撃すると次局も、
南1局、東家・船木。
安達
二万三万四万六万七万八万五索六索七索八索九索三筒三筒 リーチ ドラ九索
ホウテイで7,700をアガリ僅かな臨みを繋げる。
南4局2本場、東家・宮岡。トップ目の安達だが、推測されるボーダーには役満1つ足りない状況。
しかし中盤、安達に待望のテンパイが入る。
一筒 一筒一筒二筒二筒二筒四筒四筒五筒五筒五筒白白 ドラ三索
アガったら決勝の椅子が見える役満なんて、人生でもそう何度も体験できないだろう。
しかし、安達の手元で牌が舞いあがる事は無かった。
ここで役満テンパイを入れる事ができるようになったのも安達の力であり、
アガリまで結び付けられなかったのも、また安達の力ということだろう。
宮岡さんは歴代王位の安定した戦いを見せ、難なく1位通過。
また、ボーダー上にいた船木さんは、浮きの3着でトータル+21.9P。
別卓の結果を待つことになるが惜しくも届かず。
6位 船木伸一「ここまで来られて良かったです。」
8位 安達紘文「力不足です。」
12位 奈良圭純「だらしなかったです。」
2卓[山田(▲8.8P)二見(+57.9P)山井(▲5.2P)若林(+26.8P)]
南1局、東家・山田。
若林
二索二索二索四索四索五索六索七索四筒五筒五筒六筒六筒 ドラ五筒
この手を冷静にヤミに構え、七筒で5,200をアガリ浮きの2着になる。
正直、決勝までのポイントは、別卓の人も絡んでくるので難しいが、
浮いていなければ可能性はゼロなので、最低でもこのまま終わりたいであろう。
南3局、東家・山井。
山田
一万二万三万七索八索九索白白中中 加カン九万九万九万九万 ドラ九万
山田が、オーラスに条件が残る白をツモアガリ3,000・6,000。
オーラスは、山田が若林さんを捲るには跳満ツモ条件だったが、残念ながら手が入らずここで敗退となる。
この時点で二見は通過確定。若林さんは+34.2Pで、別卓の結果待ちとなったが見事5位通過。
7位 山田優駿「決勝まで残ったら、中部のみんなが応援に来てくれると言ってくれていたので、
みんなにその姿をみせることができなくて残念です。」
11位 山井弘「全体的に手が入らなくて、前に出る局面が少なかったので、後半チャンス伺っていたのですが
駄目でした。また来年。」
3卓[犬見(▲7.7P)板川(▲7.2P)筒井(+37.5P)阿賀(+52.7P)]
阿賀、筒井は浮いていれば確定。板川、犬見は大きめのトップ条件と非常にわかりやすい戦い。
そんな中、板川が序盤から8,000、2,900、2,300とアガリ快調に飛ばして行く。
そして、渾身の勝負局。東4局、東家・阿賀。
板川
五索五索七索七索 加カン発発発発 ポン三索三索三索 暗カン牌の背白白牌の背 ドラ七索
この手をアガれば35P付近まで浮き、同卓2人を交わすので、決勝に向け是が非でもアガリたいところ。
しかし、最後の勝負手となったこの手は流局してしまい、板川の敗退が決まってしまった。
一方、要所要所を丁寧に打ちまわしながら、点棒を積み重ねていた筒井が、
終わってみれば1人浮きのトップをとり決勝確定!
9位 板川和俊「出直します。」
10位 犬見武史「来年頑張ります。」
6回戦終了成績
1卓
安達紘文+16.2P(+5.5P)宮岡宏樹+4.9P(+85.6P)船木伸一+1.0P(+21.9P)奈良圭純▲23.1P(▲24.2P)
2卓
山田優駿+21.9P(+13.1P)若林伸一+7.4P(+34.2P)二見大輔▲11.6P(+46.3P)山井弘▲17.7P(▲22.9P)
3卓
筒井久美子+19.0P(+56.5P)板川和俊▲2.8P(▲10.0P)阿賀寿直▲5.0P(+47.7P)犬見武史▲13.2P(▲20.9P)

遂に、明日の決勝を戦う5名が決定する!

1位通過:宮岡宏樹
「もう一度、王位を獲れるように頑張ります。」
2位通過:阿賀寿直
「自分の麻雀を打ち切ります。」
3位通過:筒井久美子
「明日は勝って泣きたいです。」
4位通過:二見大輔
「まさか私が連盟のタイトル戦の決勝の椅子に座る日が来るとは夢にも思いませんでした。」
5位通過:若林伸一
「平常心で自分の麻雀を打ち切りたいと思います。」
打撃戦が予想される明日の決勝戦!
果たして第38期王位の栄冠に輝くのは誰か!?
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第1期 宇都宮リーグ 決勝観戦記

決勝戦1回戦(起家から、渡辺・黒木・谷口・中津)

面前でジックリと手を育む渡辺、黒木、谷口。対して中津は積極的に鳴きを入れて主導権を握りに行く。
今回のこの並び。中津の上家は過去連盟に所属していた谷口。お互いの持ち味のぶつかり合いが見どころか。

東1局、渡辺の500オールからスタート。
1本場、早速リーチ合戦が見ることができる。先制、渡辺。7巡目。

四万五万六万一索二索三索四索五索六索東東白白 リーチ ドラ一万

開始早々リードするチャンスを得た渡辺は力が入る。
追い掛けるのは谷口。勝負する時は真っ直ぐ押す迫力がある。

一万二万三万四万五万六万八万八万五索六索四筒五筒六筒 リーチ

安目ではあるが、親のリーチをくじくカウンターパンチ。技と力を華麗に魅せる。
谷口が渡辺より3,900は4,200。
東2局は中津らしい速攻の400・700。東3局、

三万四万六万七万八万五索五索三筒四筒五筒六筒七筒八筒 ツモ二万 ドラ五索

この手を開いたのは渡辺。
私の主観になってしまうが、この手、渡辺は普段はリーチをしているのではないか…と感じた。
たとえ空振ったとしても、強振が渡辺の武器だったはずだから。
決勝という舞台、どうしても確実にアガリたいという気持ちの表れか。
その選択、またはその選択が導いた結果はさほど気にすることではないと思う。
ただ、もし普段と同じ選択をしていなかったとした時に、仮に普段通りの打ち方ができていたのなら…と、脳裏によぎってしまう事。
リーチしていたら跳満だったナ…と。渡辺がそうでないことを祈っていた。
ともかくとして、トップ目に立ったことは事実。

東4局、中津のリーチに安牌が尽きた渡辺が飛び込む。打点は2,000点。渡辺は安堵の表情を浮かべていた。
ここまで毎局、点棒の出し入れがある渡辺。満貫をアガっても、なくなるときはすぐになくなる。
比較的失点が多いということは自覚しているだろう。それだけに東3局の話の続き、やはり攻撃に力を注ぐことが重要だと思う。攻撃は最大の防御なり。
渡辺がほんの一瞬、おそらく無意識にホッと息をついたことに私は気付いてしまった。
決勝の舞台、その重圧、緊張感、空気で伝わってくる。

東4局1本場、「俺もいるぞ、忘れるな」まるでそう言わんばかりに黒木は牌を倒す。

四万五万六万一索一索三筒四筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒 ツモ五筒 ドラ一索

このアガリは実に黒木らしい。
派手さはないが、堅実な打ち回しは18歳のそれとは到底思えないほど。
内に秘める闘志とでも表現すればいいのだろうか。
辛いときにも辛い顔一つ見せず、見せるときには静かに確かな存在感を示してくる。
仮に身近な環境で麻雀のライバルだったとしたら最もコワイ存在になるのはこの手のタイプ。
勝気の強い麻雀を打つ私とは対照的で、実はこの日最も印象に残ったプレイヤーはこの黒木だった。

南2局、谷口が中津から2,000は2,600。
南3局、ヤミでピンフドラ1をテンパイしていた黒木が渡辺のテンパイ打牌を捕らえる。
南4局、渡辺も負けずに黒木を直撃。この3,900で逆転してトップで1回戦を終了した。

1回戦成績
渡辺+14.7P 黒木+6.2P 谷口▲5.5P 中津▲15.4P

1回戦は持ち味をなかなか出させてもらえなかった中津が終始苦しい展開を強いられた。
やはり谷口、経験を活かした守備力で中津を封じた感はあるが、なかなか攻めきれずに不本意なマイナスポイント。
大きなポイントを叩いた選手がいなかったことは幸いだったことだろう。
渡辺、一歩リードできたことで渡辺らしい麻雀を打てるといいのだが。

2回戦 (起家から、渡辺・中津・谷口・黒木)

東1局、1回戦では鬱憤が溜まっていたことであろう中津が反撃の狼煙をあげる。

一万一万七万八万九万三索四索四筒五筒六筒七筒八筒九筒 リーチ ドラ七万

鳴いてテンパイを入れた渡辺が五索を掴んでしまい3,900の放銃。
東3局、谷口の親を徹底的に流しにかかるは中津、渡辺。
渡辺が中津より1,600。この時の谷口の配牌は、

一万二万三万四万五万六万七万三索四索四筒八筒西北発 ドラ三索

ジックリ手を育てれば6,000オールも見られそうなこの手を、他家に対応しながらも進めていく手順は流石の一言。
谷口は腰の重い麻雀を一貫して魅せる。
その豊富な経験が驚異だということを感覚でわかっているのか、他家同士が協力して潰しにくる。

東4局、

三万四万二索三索三索四索四索五筒五筒五筒 チー二筒三筒四筒 ドラ六万

中津らしいと言えば中津らしい仕掛け…なのだが、ここまで整った素材を鳴いてしまうのはさすがに辛い。
テーマが黒木の親落とし。わからなくはないのだが。結果、黒木にテンパイが入り、リーチ。

三万三万四万五万七万八万九万三索四索五索七索八索九索 リーチ

このリーチに中津は八万を掴み撤退。
黒木は、あとはのんびり山との勝負。ツモ筋にいた六万をツモり2,600オール。
仕掛けは飛躍的にスピードは上がるが、引換えに打点と守備力を失う。
今回のケースのように、反撃されて引きさがるのであれば、長い目で見てそもそも仕掛けを入れるべきではないと思っている。
仕掛けたことによりテンパイさせ、アガリを演出した時に生まれる負のエネルギーはなかなか払拭することができない。
無かったはずのアガリがそこに生まれてしまうのだから当たり前。
また、こういった説得力のない部分を周りの人間に見せることにもメリットはないように思う。
結果を残したとしても、周りが素直に結果を認めることが難しくなること、ここで見せる甘さが先々で隙に繋がること。
その場凌ぎはいつか綻びるのが定めなのであれば、失敗に繋がったとしても一貫性を示すことの方が遥かに価値がある。
失敗は省みれば修正ができるが、傷となれば痕が残るのは麻雀に限ったことではない。

東4局1本場、黒木の親を流しに掛かる中津、渡辺。
さきほどの谷口の親の時もそうだったが、この2人、意外と小心者なのかもしれない。
展開に左右され、動きが軽くなるのは焦っている証拠のように思える。
逆に黒木は、そんな状況でも安定感がある。場をよく見てその場にふさわしい打牌をする。
辛いときもグッとこらえ、最後まで諦めない忍耐力と、ダメだと決めたらスパッと手を引く潔さがある。

南2局1本場、
中津
二万三万四万六万七万八万九万九万二索三索四筒五筒六筒 リーチ ツモ四索 ドラ六万

2,600は2,700オール。
南3局3本場、谷口1,500は2,400を黒木から。
中津のリーチに親の谷口が押し放銃。2,600は3,800。
南4局、谷口が1,000・2,000。このアガリで黒木も30,000点を割る。
中津は1,000点払い、3ポイント儲けの嬉しい1人浮き。

2回戦成績
中津+22.1P 黒木▲1.6P 谷口▲4.2P 渡辺▲16.3P

2回戦終了時
中津+6.7P 黒木4.6P 渡辺▲1.6P 谷口▲9.7P

3回戦 (起家から、渡辺・中津・黒木・谷口)

東1局、中津の1,000・2,000。
東2局、中津

四万四万四索五索六索七索八索九索一筒二筒三筒五筒七筒 リーチ ツモ六筒 ドラ一筒

中津はこの手を即リーチ。迷うような仕草が一切ないというよりも、どちらかというと自信があるように。
これが実はとても重要だと思っている。人間だから、心が何らかの形で表に出てしまうもの。
それは発声の大きさやトーン、打牌の強さや早さ、表情、目線。

それを感じ取って打点や待ちの善し悪しの『読み』を入れているのだが、彼は思い切りがいいものだから読みが一切通用しない。
彼がその点を意識しているかは別としても、場況や独自の判断基準があるのかこの待ちに自信があってリーチをしているのだと見受けられるが、その精度が著しく高い。実際に、リーチを打った時点で山に3枚。
自信に満ち大胆に打つ様からは、よく研究しているのだろうなとも感じる。
この手に限ったことではないが、この決勝戦で何が何でも勝つ!という意志の強さが最も感じ取れるのも中津のように思う。

東2局1本場、わずか3巡で、

一索一索二索二索 ポン九索九索九索 ポン南南南 ポン発発発 ドラ四索

このテンパイを入れるは西家・谷口。しかし中津もテンパイ、力強くリーチと宣言。だが宣言牌は二索だった。
東3局、やはり中津は勝利に対する執念が強い。先の放銃などまったくダメージがないようだ、ここもリーチ。
しかし黒木が700オール。

東3局2本場、1、2回戦で我慢し続けてきた谷口が、

二万二万二万五万六万七万四索四索四索白白中中 リーチ ドラ七万

ツモれば一気にトータルトップに躍り出るところ。
黒木もダブ東ドラ1のテンパイを入れるが、中を掴んでしまい止まらない。
東4局、

六万七万九万九万七索八索九索一筒二筒三筒五筒五筒白 ツモ九万 ドラ一筒

これをリーチするのは流れに乗った感のある東家・谷口。
宣言牌の白をカン!!と発声する渡辺。ヤミでカン二万待ちだった。
大明槓でアガリに結びつくはずの二万を自ら食い流してしまい、更に谷口に2,000オールをツモらせてしまう。

東4局1本場、黒木が北白と仕掛け中津から2,000をアガる。
このアガリは一見、谷口の親を流した意味のあるアガリに見える。が、しかし谷口は1人浮きで大きくトップを走っているのだ。
軽いアガリで谷口の親を流すことが、谷口を楽にさせるということも知って欲しい。
実際にホンイツの目を残しドッシリと手組みをしていれば、2,000・3,900にたどり着いている。
そうそうにターツを決め、河に1メンツ置いてしまった。
この場面で谷口が連チャンすることに焦ったのだろうか。これまで腰の重い麻雀を見せていただけに少し悔やまれる。

南1局、あくまでも目指すは優勝のみ!中津は積極的にリーチ。ツモって1,300・2,600。
南2局、ここも黒木が鳴いて1,000アガリ。
南3局、中津、ガムシャラに追い掛けたい場面で好材料。

三万六万七万八万九万二筒九筒九筒北北発発 ドラ北

しかし、ここから九筒をポンしてしまう。これは大抵失敗する仕掛け。
まずドラの北は鳴けるはずがないし、発なら鳴けるかなと思っているのであれば感覚を改めた方がいい。
うまくまとまれば倍満まであるような手を満貫までの手にしては涙が出てしまう。
跳満の手は跳満、倍満の手は倍満でアガって欲しい。特急列車にも利用要項がある。
二筒を谷口がポン。サッと流されてしまった。利用要項をしっかりと守る谷口に乗車権が渡ったようだ。

南4局は中津の仕掛けで400・700。

3回戦成績
谷口+24.1P 中津+5.9P 黒木▲11.8P 渡辺▲18.2P

3回戦終了時
谷口+14.4P 中津+12.6P 黒木▲7.2P 渡辺▲19.8P

4回戦 (起家から、中津・黒木・谷口・渡辺)

東1局、早速東家中津が仕掛ける。九筒をポン、打東
しかし中津の手は半ば無理鳴きに近い、カンチャンペンチャン3つ残しのチャンタ。
谷口もドラの四万、続いて二万とポンし、中津以上に恐い存在になった。
しかし渡辺が屈することなくリーチし700,1,300をツモ。

東2局、中津のリーチに谷口が2,000点放銃。
東3局、黒木が4巡目に、

一万三万五万六万二索七索八索九索一筒二筒三筒中中 ドラ中

この牌姿になり絶好のチャンス。
しかしすぐに親の渡辺からリーチが入る。

二万三万四万七万七万三索四索五索六索七索八索二筒三筒 リーチ

しかしアガったのはこの2人ではなかった。
1シャンテンの黒木から仕掛け、谷口も参戦。
ジュンチャン三色を中津からアガる。

東4局、黒木が7巡目にリーチ。

一万三万六万七万八万三索四索五索八索八索六筒七筒八筒 ドラ二万

渡辺が追い掛ける。

一万三万四万五万六万七索八索九索北北北中中

2件リーチに谷口はしっかりとオリる。
中津は丁寧に危険牌を処理しながら廻りに廻ってテンパイ。

二万二万三万四万五万二索二索五索六索六索七索七索八索

中津のハイテイは3人が待ち望んだ二万だった。
目先のアガリを拾いに行った感のある黒木、渡辺。
黒木は四万五万と引けば、渡辺は七万八万と引いていたのだから、神様が2人を見捨てていたわけではないように思えた。
ただ、自分の苦しさ故に楽をしてしまった結果、神様は試練を与えたのかもしれない。
逆に中津は、いくらでも仕掛けて簡単にアガれそうでも仕掛けずに我慢することを貫いた。
ハイテイツモはオマケのプレゼント、神様は中津に味方した。

南1局、ここでも神様は中津を後押しする。
谷口の一打めの九万をチーするアグレッシブな仕掛け。
更に中をポン、九万をポンでテンパイ。
チャンタにしか見えない河で、牌姿がこうだ。

一筒一筒四筒六筒 ポン九万九万九万 ポン中中中 チー七万八万九万 ドラ一筒

五筒は既に2枚切れ。谷口の手に1枚。残り1枚が山に眠る。
それが不思議かな、七対子ドラドラの1シャンテンの黒木の元へ。
先に五筒を切っていた黒木は1シャンテン維持のため、ツモ切り。痛い痛い5,800の放銃。

南1局1本場、5,800を打ってしまった黒木、なんとしてでも取り返したい気持ちのこもったリーチを打つ。

五万六万二索三索四索一筒二筒三筒六筒七筒八筒北北 リーチ ドラ二索

しかしこの場面ではよほどの手が入らない限りは周りは対応するだけ。
オリる者、廻る者、それぞれが黒木の「テンパイしましたよ」の合図にしっかり応える。
黒木は山との勝負。自分のツモ筋には残念ながらいなかった。

南2局2本場、

二万三万四万七万八万九万三索四索五索五索三筒五筒七筒 ツモ四筒 ドラ九万

今度こそアガリたい黒木のリーチ。これに谷口が追いつきリーチと発声。
しかし宣言牌が黒木の当たりの五索だった。

このあたりが麻雀の難しいところだと思った。
谷口は半端な手では親のリーチにぶつけたりはしない。しかし先制が入っている以上、自由に打牌はできない。しかし点をかき集めなければ優勝は遠いまま。
今、手が届きそうなアガリを拾いに行くか、それとも今後入るかどうかもわからない手が入ってくれると信じ待つのか。
安全な道を行くか、険しい道を行くか、どの道を選ぼうが目的地に繋がっているかどうかは一歩踏み出してからでないとわからない。
蓋を開けなければ結果は見られない、やり直しもきかない。巻き戻すことのできない時間の旅、一度切りの人生もまた同じだろう。
だからこそ、だからこそ強く訴えたい。
たとえ失敗したとしても、最低な結果を招いたとしても、後悔のない選択をしなくてはならない。前を歩いて進んで行くには。
谷口は一切乱れずに優しく点を支払った。覚悟の選択に、感動すらした。
幸いまだ傷は浅い、崖から落ちたわけではない。倒れても倒れても立ち上がる、男の目をしていた。

南2局3本場、その谷口に早くもチャンスが訪れる。ヤミテンを選択。

三万四万五万七万三索四索五索六筒七筒八筒南南南 ドラ七万

すると同巡に中津がリーチ。

八万九万三索三索三索五索六索七索七索八索九索六筒七筒八筒 リーチ

中津はここまで来ると一切攻めの姿勢を崩さない。中津は中津の腹のくくり方がある。
16巡で渡辺も追い付きリーチ、望みを繋げるか。

二万三万四万七万七万七万二索二索四索六索六筒七筒八筒 リーチ

しかし誰にもアガリが巡ることはなかった、黒木の1人ノーテン。
南3局4本場、

三万四万五万六万七万八万六索八索六筒七筒八筒南南 ドラ一万

リーチの発声は親の渡辺。
しかしテンパイしていた黒木に放銃。

一万一万三万四万 チー四索五索六索 チー二筒三筒四筒 ポン白白白 ロン二万

中津はこのアガリを見ても落ち着いている。
南4局、配牌が絶望的な谷口。
何としてでも次に繋げたい、その執念叶って最後の最後にテンパイする。
谷口、渡辺、黒木のテンパイ。

南4局1本場、またしても谷口の配牌は悪い。3ターツと1雀頭、4シャンテン。

二万二万三索四索五索七索八索三筒四筒四筒五筒五筒六筒 ドラ五筒

リーチをしたのは黒木。黒木の条件は役満もしくは三倍満直撃条件。
現実的にかなり難しいことは確かだった。そうなれば怖いのは親の谷口の連チャンだけ。
それを把握している中津が黒木の当たりを放銃する。
こうして第1期宇都宮リーグの優勝者が決まった。

4回戦成績
黒木+19.6P 中津+9.0P 渡辺▲11.4P 谷口▲17.2P

4回戦終了
中津+21.6P 黒木12.4P 谷口▲2.8P 渡辺▲31.2P

北関東プロリーグ レポート/第1期 宇都宮リーグ 決勝観戦記

決勝戦1回戦(起家から、渡辺・黒木・谷口・中津)
面前でジックリと手を育む渡辺、黒木、谷口。対して中津は積極的に鳴きを入れて主導権を握りに行く。
今回のこの並び。中津の上家は過去連盟に所属していた谷口。お互いの持ち味のぶつかり合いが見どころか。
東1局、渡辺の500オールからスタート。
1本場、早速リーチ合戦が見ることができる。先制、渡辺。7巡目。
四万五万六万一索二索三索四索五索六索東東白白 リーチ ドラ一万
開始早々リードするチャンスを得た渡辺は力が入る。
追い掛けるのは谷口。勝負する時は真っ直ぐ押す迫力がある。
一万二万三万四万五万六万八万八万五索六索四筒五筒六筒 リーチ
安目ではあるが、親のリーチをくじくカウンターパンチ。技と力を華麗に魅せる。
谷口が渡辺より3,900は4,200。
東2局は中津らしい速攻の400・700。東3局、
三万四万六万七万八万五索五索三筒四筒五筒六筒七筒八筒 ツモ二万 ドラ五索
この手を開いたのは渡辺。
私の主観になってしまうが、この手、渡辺は普段はリーチをしているのではないか…と感じた。
たとえ空振ったとしても、強振が渡辺の武器だったはずだから。
決勝という舞台、どうしても確実にアガリたいという気持ちの表れか。
その選択、またはその選択が導いた結果はさほど気にすることではないと思う。
ただ、もし普段と同じ選択をしていなかったとした時に、仮に普段通りの打ち方ができていたのなら…と、脳裏によぎってしまう事。
リーチしていたら跳満だったナ…と。渡辺がそうでないことを祈っていた。
ともかくとして、トップ目に立ったことは事実。
東4局、中津のリーチに安牌が尽きた渡辺が飛び込む。打点は2,000点。渡辺は安堵の表情を浮かべていた。
ここまで毎局、点棒の出し入れがある渡辺。満貫をアガっても、なくなるときはすぐになくなる。
比較的失点が多いということは自覚しているだろう。それだけに東3局の話の続き、やはり攻撃に力を注ぐことが重要だと思う。攻撃は最大の防御なり。
渡辺がほんの一瞬、おそらく無意識にホッと息をついたことに私は気付いてしまった。
決勝の舞台、その重圧、緊張感、空気で伝わってくる。
東4局1本場、「俺もいるぞ、忘れるな」まるでそう言わんばかりに黒木は牌を倒す。
四万五万六万一索一索三筒四筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒 ツモ五筒 ドラ一索
このアガリは実に黒木らしい。
派手さはないが、堅実な打ち回しは18歳のそれとは到底思えないほど。
内に秘める闘志とでも表現すればいいのだろうか。
辛いときにも辛い顔一つ見せず、見せるときには静かに確かな存在感を示してくる。
仮に身近な環境で麻雀のライバルだったとしたら最もコワイ存在になるのはこの手のタイプ。
勝気の強い麻雀を打つ私とは対照的で、実はこの日最も印象に残ったプレイヤーはこの黒木だった。
南2局、谷口が中津から2,000は2,600。
南3局、ヤミでピンフドラ1をテンパイしていた黒木が渡辺のテンパイ打牌を捕らえる。
南4局、渡辺も負けずに黒木を直撃。この3,900で逆転してトップで1回戦を終了した。
1回戦成績
渡辺+14.7P 黒木+6.2P 谷口▲5.5P 中津▲15.4P
1回戦は持ち味をなかなか出させてもらえなかった中津が終始苦しい展開を強いられた。
やはり谷口、経験を活かした守備力で中津を封じた感はあるが、なかなか攻めきれずに不本意なマイナスポイント。
大きなポイントを叩いた選手がいなかったことは幸いだったことだろう。
渡辺、一歩リードできたことで渡辺らしい麻雀を打てるといいのだが。
2回戦 (起家から、渡辺・中津・谷口・黒木)
東1局、1回戦では鬱憤が溜まっていたことであろう中津が反撃の狼煙をあげる。
一万一万七万八万九万三索四索四筒五筒六筒七筒八筒九筒 リーチ ドラ七万
鳴いてテンパイを入れた渡辺が五索を掴んでしまい3,900の放銃。
東3局、谷口の親を徹底的に流しにかかるは中津、渡辺。
渡辺が中津より1,600。この時の谷口の配牌は、
一万二万三万四万五万六万七万三索四索四筒八筒西北発 ドラ三索
ジックリ手を育てれば6,000オールも見られそうなこの手を、他家に対応しながらも進めていく手順は流石の一言。
谷口は腰の重い麻雀を一貫して魅せる。
その豊富な経験が驚異だということを感覚でわかっているのか、他家同士が協力して潰しにくる。
東4局、
三万四万二索三索三索四索四索五筒五筒五筒 チー二筒三筒四筒 ドラ六万
中津らしいと言えば中津らしい仕掛け…なのだが、ここまで整った素材を鳴いてしまうのはさすがに辛い。
テーマが黒木の親落とし。わからなくはないのだが。結果、黒木にテンパイが入り、リーチ。
三万三万四万五万七万八万九万三索四索五索七索八索九索 リーチ
このリーチに中津は八万を掴み撤退。
黒木は、あとはのんびり山との勝負。ツモ筋にいた六万をツモり2,600オール。
仕掛けは飛躍的にスピードは上がるが、引換えに打点と守備力を失う。
今回のケースのように、反撃されて引きさがるのであれば、長い目で見てそもそも仕掛けを入れるべきではないと思っている。
仕掛けたことによりテンパイさせ、アガリを演出した時に生まれる負のエネルギーはなかなか払拭することができない。
無かったはずのアガリがそこに生まれてしまうのだから当たり前。
また、こういった説得力のない部分を周りの人間に見せることにもメリットはないように思う。
結果を残したとしても、周りが素直に結果を認めることが難しくなること、ここで見せる甘さが先々で隙に繋がること。
その場凌ぎはいつか綻びるのが定めなのであれば、失敗に繋がったとしても一貫性を示すことの方が遥かに価値がある。
失敗は省みれば修正ができるが、傷となれば痕が残るのは麻雀に限ったことではない。
東4局1本場、黒木の親を流しに掛かる中津、渡辺。
さきほどの谷口の親の時もそうだったが、この2人、意外と小心者なのかもしれない。
展開に左右され、動きが軽くなるのは焦っている証拠のように思える。
逆に黒木は、そんな状況でも安定感がある。場をよく見てその場にふさわしい打牌をする。
辛いときもグッとこらえ、最後まで諦めない忍耐力と、ダメだと決めたらスパッと手を引く潔さがある。
南2局1本場、
中津
二万三万四万六万七万八万九万九万二索三索四筒五筒六筒 リーチ ツモ四索 ドラ六万
2,600は2,700オール。
南3局3本場、谷口1,500は2,400を黒木から。
中津のリーチに親の谷口が押し放銃。2,600は3,800。
南4局、谷口が1,000・2,000。このアガリで黒木も30,000点を割る。
中津は1,000点払い、3ポイント儲けの嬉しい1人浮き。
2回戦成績
中津+22.1P 黒木▲1.6P 谷口▲4.2P 渡辺▲16.3P
2回戦終了時
中津+6.7P 黒木4.6P 渡辺▲1.6P 谷口▲9.7P
3回戦 (起家から、渡辺・中津・黒木・谷口)
東1局、中津の1,000・2,000。
東2局、中津
四万四万四索五索六索七索八索九索一筒二筒三筒五筒七筒 リーチ ツモ六筒 ドラ一筒
中津はこの手を即リーチ。迷うような仕草が一切ないというよりも、どちらかというと自信があるように。
これが実はとても重要だと思っている。人間だから、心が何らかの形で表に出てしまうもの。
それは発声の大きさやトーン、打牌の強さや早さ、表情、目線。
それを感じ取って打点や待ちの善し悪しの『読み』を入れているのだが、彼は思い切りがいいものだから読みが一切通用しない。
彼がその点を意識しているかは別としても、場況や独自の判断基準があるのかこの待ちに自信があってリーチをしているのだと見受けられるが、その精度が著しく高い。実際に、リーチを打った時点で山に3枚。
自信に満ち大胆に打つ様からは、よく研究しているのだろうなとも感じる。
この手に限ったことではないが、この決勝戦で何が何でも勝つ!という意志の強さが最も感じ取れるのも中津のように思う。
東2局1本場、わずか3巡で、
一索一索二索二索 ポン九索九索九索 ポン南南南 ポン発発発 ドラ四索
このテンパイを入れるは西家・谷口。しかし中津もテンパイ、力強くリーチと宣言。だが宣言牌は二索だった。
東3局、やはり中津は勝利に対する執念が強い。先の放銃などまったくダメージがないようだ、ここもリーチ。
しかし黒木が700オール。
東3局2本場、1、2回戦で我慢し続けてきた谷口が、
二万二万二万五万六万七万四索四索四索白白中中 リーチ ドラ七万
ツモれば一気にトータルトップに躍り出るところ。
黒木もダブ東ドラ1のテンパイを入れるが、中を掴んでしまい止まらない。
東4局、
六万七万九万九万七索八索九索一筒二筒三筒五筒五筒白 ツモ九万 ドラ一筒
これをリーチするのは流れに乗った感のある東家・谷口。
宣言牌の白をカン!!と発声する渡辺。ヤミでカン二万待ちだった。
大明槓でアガリに結びつくはずの二万を自ら食い流してしまい、更に谷口に2,000オールをツモらせてしまう。
東4局1本場、黒木が北白と仕掛け中津から2,000をアガる。
このアガリは一見、谷口の親を流した意味のあるアガリに見える。が、しかし谷口は1人浮きで大きくトップを走っているのだ。
軽いアガリで谷口の親を流すことが、谷口を楽にさせるということも知って欲しい。
実際にホンイツの目を残しドッシリと手組みをしていれば、2,000・3,900にたどり着いている。
そうそうにターツを決め、河に1メンツ置いてしまった。
この場面で谷口が連チャンすることに焦ったのだろうか。これまで腰の重い麻雀を見せていただけに少し悔やまれる。
南1局、あくまでも目指すは優勝のみ!中津は積極的にリーチ。ツモって1,300・2,600。
南2局、ここも黒木が鳴いて1,000アガリ。
南3局、中津、ガムシャラに追い掛けたい場面で好材料。
三万六万七万八万九万二筒九筒九筒北北発発 ドラ北
しかし、ここから九筒をポンしてしまう。これは大抵失敗する仕掛け。
まずドラの北は鳴けるはずがないし、発なら鳴けるかなと思っているのであれば感覚を改めた方がいい。
うまくまとまれば倍満まであるような手を満貫までの手にしては涙が出てしまう。
跳満の手は跳満、倍満の手は倍満でアガって欲しい。特急列車にも利用要項がある。
二筒を谷口がポン。サッと流されてしまった。利用要項をしっかりと守る谷口に乗車権が渡ったようだ。
南4局は中津の仕掛けで400・700。
3回戦成績
谷口+24.1P 中津+5.9P 黒木▲11.8P 渡辺▲18.2P
3回戦終了時
谷口+14.4P 中津+12.6P 黒木▲7.2P 渡辺▲19.8P
4回戦 (起家から、中津・黒木・谷口・渡辺)
東1局、早速東家中津が仕掛ける。九筒をポン、打東
しかし中津の手は半ば無理鳴きに近い、カンチャンペンチャン3つ残しのチャンタ。
谷口もドラの四万、続いて二万とポンし、中津以上に恐い存在になった。
しかし渡辺が屈することなくリーチし700,1,300をツモ。
東2局、中津のリーチに谷口が2,000点放銃。
東3局、黒木が4巡目に、
一万三万五万六万二索七索八索九索一筒二筒三筒中中 ドラ中
この牌姿になり絶好のチャンス。
しかしすぐに親の渡辺からリーチが入る。
二万三万四万七万七万三索四索五索六索七索八索二筒三筒 リーチ
しかしアガったのはこの2人ではなかった。
1シャンテンの黒木から仕掛け、谷口も参戦。
ジュンチャン三色を中津からアガる。
東4局、黒木が7巡目にリーチ。
一万三万六万七万八万三索四索五索八索八索六筒七筒八筒 ドラ二万
渡辺が追い掛ける。
一万三万四万五万六万七索八索九索北北北中中
2件リーチに谷口はしっかりとオリる。
中津は丁寧に危険牌を処理しながら廻りに廻ってテンパイ。
二万二万三万四万五万二索二索五索六索六索七索七索八索
中津のハイテイは3人が待ち望んだ二万だった。
目先のアガリを拾いに行った感のある黒木、渡辺。
黒木は四万五万と引けば、渡辺は七万八万と引いていたのだから、神様が2人を見捨てていたわけではないように思えた。
ただ、自分の苦しさ故に楽をしてしまった結果、神様は試練を与えたのかもしれない。
逆に中津は、いくらでも仕掛けて簡単にアガれそうでも仕掛けずに我慢することを貫いた。
ハイテイツモはオマケのプレゼント、神様は中津に味方した。
南1局、ここでも神様は中津を後押しする。
谷口の一打めの九万をチーするアグレッシブな仕掛け。
更に中をポン、九万をポンでテンパイ。
チャンタにしか見えない河で、牌姿がこうだ。
一筒一筒四筒六筒 ポン九万九万九万 ポン中中中 チー七万八万九万 ドラ一筒
五筒は既に2枚切れ。谷口の手に1枚。残り1枚が山に眠る。
それが不思議かな、七対子ドラドラの1シャンテンの黒木の元へ。
先に五筒を切っていた黒木は1シャンテン維持のため、ツモ切り。痛い痛い5,800の放銃。
南1局1本場、5,800を打ってしまった黒木、なんとしてでも取り返したい気持ちのこもったリーチを打つ。
五万六万二索三索四索一筒二筒三筒六筒七筒八筒北北 リーチ ドラ二索
しかしこの場面ではよほどの手が入らない限りは周りは対応するだけ。
オリる者、廻る者、それぞれが黒木の「テンパイしましたよ」の合図にしっかり応える。
黒木は山との勝負。自分のツモ筋には残念ながらいなかった。
南2局2本場、
二万三万四万七万八万九万三索四索五索五索三筒五筒七筒 ツモ四筒 ドラ九万
今度こそアガリたい黒木のリーチ。これに谷口が追いつきリーチと発声。
しかし宣言牌が黒木の当たりの五索だった。
このあたりが麻雀の難しいところだと思った。
谷口は半端な手では親のリーチにぶつけたりはしない。しかし先制が入っている以上、自由に打牌はできない。しかし点をかき集めなければ優勝は遠いまま。
今、手が届きそうなアガリを拾いに行くか、それとも今後入るかどうかもわからない手が入ってくれると信じ待つのか。
安全な道を行くか、険しい道を行くか、どの道を選ぼうが目的地に繋がっているかどうかは一歩踏み出してからでないとわからない。
蓋を開けなければ結果は見られない、やり直しもきかない。巻き戻すことのできない時間の旅、一度切りの人生もまた同じだろう。
だからこそ、だからこそ強く訴えたい。
たとえ失敗したとしても、最低な結果を招いたとしても、後悔のない選択をしなくてはならない。前を歩いて進んで行くには。
谷口は一切乱れずに優しく点を支払った。覚悟の選択に、感動すらした。
幸いまだ傷は浅い、崖から落ちたわけではない。倒れても倒れても立ち上がる、男の目をしていた。
南2局3本場、その谷口に早くもチャンスが訪れる。ヤミテンを選択。
三万四万五万七万三索四索五索六筒七筒八筒南南南 ドラ七万
すると同巡に中津がリーチ。
八万九万三索三索三索五索六索七索七索八索九索六筒七筒八筒 リーチ
中津はここまで来ると一切攻めの姿勢を崩さない。中津は中津の腹のくくり方がある。
16巡で渡辺も追い付きリーチ、望みを繋げるか。
二万三万四万七万七万七万二索二索四索六索六筒七筒八筒 リーチ
しかし誰にもアガリが巡ることはなかった、黒木の1人ノーテン。
南3局4本場、
三万四万五万六万七万八万六索八索六筒七筒八筒南南 ドラ一万
リーチの発声は親の渡辺。
しかしテンパイしていた黒木に放銃。
一万一万三万四万 チー四索五索六索 チー二筒三筒四筒 ポン白白白 ロン二万
中津はこのアガリを見ても落ち着いている。
南4局、配牌が絶望的な谷口。
何としてでも次に繋げたい、その執念叶って最後の最後にテンパイする。
谷口、渡辺、黒木のテンパイ。
南4局1本場、またしても谷口の配牌は悪い。3ターツと1雀頭、4シャンテン。
二万二万三索四索五索七索八索三筒四筒四筒五筒五筒六筒 ドラ五筒
リーチをしたのは黒木。黒木の条件は役満もしくは三倍満直撃条件。
現実的にかなり難しいことは確かだった。そうなれば怖いのは親の谷口の連チャンだけ。
それを把握している中津が黒木の当たりを放銃する。
こうして第1期宇都宮リーグの優勝者が決まった。
4回戦成績
黒木+19.6P 中津+9.0P 渡辺▲11.4P 谷口▲17.2P
4回戦終了
中津+21.6P 黒木12.4P 谷口▲2.8P 渡辺▲31.2P

第1期宇都宮リーグ(プロアマ混合) 準決勝レポート

北関東宇都宮リーグ準決勝・決勝レポート

2012年4月、北関東リーグが第7期を迎えると共に北関東支部は新たに宇都宮リーグを開催した。
半年間のリーグの上位8名が抽選により2つの卓に分かれ2回戦の準決勝を戦い、上位2名が決勝に駒を進める。

まず予選の通過順位の順に選手紹介を。

1位通過 日本プロ麻雀連盟 鈴木翔悟プロ
宇都宮リーグの会場となっている麻雀店に常勤している。
独特な感性と積極的な攻撃が武器。鳳凰位戦プロリーグ前期を昇級した好調子をキープ。

2位通過 日本プロ麻雀連盟 後藤隆プロ
経験則と独自のシステムに基づき、時に繊細に時に豪快な麻雀を打つ。
卓外では表情豊かだが、一度卓に入れば感情の漏れないポーカーフェイス。

3位通過 アマチュア 谷口佳之
過去、日本プロ麻雀連盟に所属していた経歴を持つ。
雀風は受け主体の守備型。
「謙虚に場を乱すことのないように心掛けます。」

4位通過 アマチュア 中津真吾
強い精神力をもって粘り強い麻雀を打つ彼は23歳。
鈴木プロとは同年代で「鈴木プロには負けないように!」とコメント。

5位通過 アマチュア 桑原俊之
雀歴30年のベテラン。今回の選手の中では最年長。
しかし柔軟な感性を持ち仲間たちと麻雀談義をする姿が印象的。
「優勝を狙っていきます!!」

6位通過 アマチュア 松村孝
自身の雀風をバランス対応型と説明する通り、場をよく捉えている。
予選5節を全てプラスでまとめており、高い雀力が伺い知れる。
「自分の持つ力を出し切って楽しんで打ちます。」

7位通過 アマチュア 渡辺健史
高打点を心掛けた麻雀を打つ。型にハマると怖い存在だ。
予選で繰り出した驚異的な威力を発揮できるか。
「なるべく放銃しないように楽しく打ちたい。」

8位通過 アマチュア 黒木聡太
最年少。18歳にして安定感抜群の麻雀を見せる。
守備重視だが、ここぞという場面での思い切りのいい麻雀は力強い。
「経験では劣るが食らいついていきたい。」

準決勝の卓組

A卓:鈴木、松村、渡辺、中津。
鈴木、中津の同年代対決。
攻撃型の3人を相手に松村がどう戦うか。

B卓:後藤、桑原、谷口、黒木。
対局前のコメント通り、黒木にとっては経験の差に苦しみそうなメンツとなった。
後藤、桑原、谷口の技の前に、黒木は食らいついていけるのか。

準決勝は採譜を取らずに観戦記者1人で記事を書かなくてはいけないために、ダイジェストをお送りすることになりますがどうかご容赦頂きたい。

1回戦 A卓(起家から、中津・松村・鈴木・渡辺)

東1局,起家・中津の配牌。

二万三万七万七万二索四索四索五索七索八索三筒八筒白発 ドラ二万

ドラのリャンメンターツと、ターツ候補になりそうな中張牌も多く、1回戦目の起家としては悪くない配牌だ。
先手は鈴木。

二万三万四万四索五索九索九索六筒七筒八筒白白白 リーチ

続いて松村が追いかけた。

五万六万六万七万七万二索三索四索七筒八筒九筒東東 リーチ

前述した配牌を受けた中津も、

一万二万三万七万七万四索四索五索五索六索六索五筒六筒

このテンパイをヤミで押している。軍配は鈴木。松村より出アガる。
松村はリーグ戦のときだったとしてもリーチか。
泣いても笑ってもこの二索回戦で二索名が勝ち上がるトーナメント。
ドラのない松村の手は高め安めはあれど、本手ではない。
相手のリーチを成就させないためのリーチなのだとすれば危険度が高すぎるし、勝ちに対する意志は見えるがこれで勝負が決まるような手や状況ではない。
実際、5,200の失点となったが、5,200で済んで良かったと捉えるべきだろう。とはいえ、これが後に響くこととなる。

東2局、東家・松村7巡目。

三万三万六万七万八万西西 ポン南南南 チー一万二万三万  ドラ四筒

一応のテンパイだが、待ちも打点も悪い。
先ほどの失点さえなければ、もっとジックリと松村は育てただろう。
気の焦りで動いた麻雀に、追い風は吹かない。

中津
三万四万一筒一筒二筒三筒四筒 ポン九筒九筒九筒 ポン発発発 ツモ五万

500・1,000のアガリだが、途中で7,700のテンパイを崩しこの形にした。
実際に松村のアガリを防いでいる。
反撃のキッカケを与えないこのアガリは松村に重く伸し掛かる。
逆に、中津が目先の打点に手を伸ばしていたら…。
地味に見えるかもしれないが、打点以上に大きな価値のあるアガリである。

…一方、B卓は…

1回戦 B卓(起家から、桑原・後藤・谷口・黒木)

ロン。という声と共に手を倒したのは谷口と桑原。
アタマハネで親の谷口のアガリとなったその手はタンピンドラ3。
後藤から12,300、これが東3局だった。

続く東3局2本場も、谷口が仕掛けを駆使して2,900は3,500をアガる。
東3局3本場、桑原が颯爽と動く。

六筒七筒八筒北北発発 ポン東東東 ポン南南南 ドラ三筒

しかしアガリは後藤。ツモドラ一索
そこからは得点に余裕のできた谷口が危なげなく進めてゆく。
大きな失点をした後藤、イマイチアガリに結びつかない桑原、手に恵まれない黒木。
3人の我慢比べになるかと思われた南1局1本場。

二万二万二万四万五万五万六万七万二索二索二索三筒三筒 リーチ ツモ五万 ドラ五索

この2,600オールを引く。
南1局2本場、桑原が積極的に仕掛ける。

二索二索六筒六筒 ポン六万六万六万 ポン八索八索八索 ポン二筒二筒二筒 ドラ六筒

高め18,000のテンパイを入れるが、後藤も負けじと応戦する。

七筒八筒九筒九筒 チー七万八万九万 ポン白白白 ポン中中中 ロン九筒

桑原が掴み放銃となったが、手に汗握るぶつかり合いであった。
形成は大きく動くことなく1回戦が終了。

B卓1回戦成績
谷口+20.3P 桑原+5.7P 黒木▲10.1P 後藤▲15.9P

ここで再びA卓へ戻す。
南1局、対局の随所で中津は仕掛けを入れ展開を作ってゆく。
鳴きが増えれば下家に手が入るとよくいう。ここでもまさにそうなった。

松村
四万五万六万四索五索六索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒 リーチ ドラ二筒

これに渡辺が飛び込んでしまう。
松村は息を吹き返したが、渡辺は逆に厳しい展開を強いられることに。

南2局、中津が仕掛けてテンパイすると渡辺がリーチ。
その時、中津の牌姿が、

二万四万四万五万六万四索四索五索六索七索 加カン南南南南 ドラ一万

ツモ一万で打七索
ツモ七万で打四索
ツモ一万で打七万

一万一万二万四万四万五万六万四索五索六索 加カン南南南南

再びカン三万でテンパイ復帰し、その三万を見事にツモる。
山にマンズが多く眠っていることはわかっていたそうだ。
制度の高い山読み、上手く回してアガリ切る中津のセンスが垣間見えた1局だった。

南4局、北家。鈴木。

九索九索九索南北北北発発発 ポン三索三索三索 ドラ九筒

この倍満テンパイ。河はかなり派手になっている。が、ここに渡辺がリーチで一騎打ちに。
鈴木が放つ牌にロンの声が掛かる。

一万二万二万六万六万一索一索一筒一筒五筒五筒西西 リーチ ロン一万

4,800の失点になってしまったが、点を支払う鈴木の姿に感心した。
16,000のアガリが目前にあった。それにも関わらず打牌はいたって力まず通常通り。
ロン、と声が掛かり点を申告されるなり「ハイ」と支払う。
30,000点を割り、逆境に立たされるもその顔色には何ら変化がない。
何も考えてないわけではあるまい。内心、希望と絶望に心を揺るがしたことだろうが…。

A卓1回戦成績
中津+20.6P 松村▲1.5P 渡辺▲6.9P 鈴木▲12.2P

2回戦 A卓(起家から、渡辺・鈴木・松村・中津)

東1局、中津の仕掛けから渡辺がテンパイしタンヤオをアガる。
東1局1本場、1回戦で1人浮きだったためか仕掛けが更に軽快になった中津。
ここも仕掛けて渡辺にテンパイを入れさせ。

一万二万三万五索五索二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒七筒 ツモ一筒 ドラ六筒

このアガリを演出してしまうこととなる。
東1局は2本場、3本場、4本場と渡辺がアガリ続け60,000点を持った。
どの局も誰かが動き、グッと面前で手を育てた渡辺がアガリを拾い続けた。
逆に、中津が12,000点持ちになり1回戦の+20.6Pを全て放出する形になり、松村と鈴木とほぼ並んだ。
この3人のうち1人が決勝へと駒を進めることになるだろう。
実質、この時点でほぼ渡辺の決勝進出が決まった。

以降、中津が自らのスタンスを決して崩さず仕掛けとアガリに向かう姿勢を緩ますことなく攻め続け、得点失点を繰り返す。
オーラスまで中津と渡辺がアガリを手にし、2回戦は終了した。

2回戦成績
渡辺+51.3P 中津▲13.1P 松村▲16.3P 鈴木▲21.9P
2回戦合計
渡辺+44.4P 中津+7.5P 松村▲17.8P 鈴木▲34.1P

A卓からは渡辺、中津が勝ち上がり。

2回戦 B卓(起家から、後藤・桑原・谷口・黒木)

東1局、全員テンパイで始まる。
東1局1本場、後藤が仕掛ける。

二万三万九万九万四索五索六索 チー四万五万六万 チー四筒五筒六筒 ドラ九万

これにツモ九万でツモ切り。
これが桑原に放銃となってしまった。
東2局、桑原。

三万四万五万六万六万三索四索五索五索六索七索三筒四筒 ドラ四筒

このテンパイにこぎつけるが谷口に交わされる。
桑原はこのように堅実にしっかりと手を組むが、なかなかアガリに結びつかない。

南1局、ここでやっと桑原にアガリが訪れる。

六万六万五筒五筒六筒六筒七筒 ポン南南南 ポン八筒八筒八筒 ツモ四筒 ドラ六万

この2,000・3,900で暫定トータルトップに立つ。南2局、

三万四万六万七万八万九万九万四索五索六索  ポン南南南 ドラ三万

南家・谷口が決めに行くも、後藤からリーチが入る。

二万三万四万五万六万七万二索三索四索六索六索六索七索 リーチ

このリーチに谷口は九万をトイツ落としで回ることを余儀なくされる。
その間に後藤が八索をツモり、2,000・4,000。

南4局、オーラスが始まった時点では谷口、後藤、桑原で2つのイスを懸け争っていたが、黒木は最後の最後まで諦めていなかった。
黒木が、

二万三万四万五万六万八万八万五索六索七索二筒三筒四筒 ドラ七万

この手をリーチすれば全員撤退し流局。
南4局1本場、

二万三万四万四索四索四索六筒六筒七筒八筒発発発 ドラ六筒

この手をヤミでツモり4,100オール。
南4局2本場、

三万四万三索四索五索八索八索五筒六筒七筒 ポン東東東  ドラ八索

これもツモって2,200オールとし、たった3局で3人を出し抜いた。
大接戦の2回戦が終了。

2回戦成績
黒木+19.0P 後藤+11.9P 桑原▲8.8P 谷口▲22.1P

2回戦合計
黒木+8.9P 谷口▲1.8P 桑原▲3.1P 後藤▲4.0P

B卓からは大接戦の末、黒木、谷口が決勝へ。

こうして決勝の選手が揃った。

谷口
「謙虚に、場を壊さぬように」

渡辺
「良くも悪くも、謙虚に頑張る」

中津
「落ち着いて、自らの麻雀を」

黒木
「4回戦、チャンスが来るのを待ち諦めずに戦う」

 

北関東プロリーグ レポート/第1期宇都宮リーグ(プロアマ混合) 準決勝レポート

北関東宇都宮リーグ準決勝・決勝レポート
2012年4月、北関東リーグが第7期を迎えると共に北関東支部は新たに宇都宮リーグを開催した。
半年間のリーグの上位8名が抽選により2つの卓に分かれ2回戦の準決勝を戦い、上位2名が決勝に駒を進める。
まず予選の通過順位の順に選手紹介を。
1位通過 日本プロ麻雀連盟 鈴木翔悟プロ
宇都宮リーグの会場となっている麻雀店に常勤している。
独特な感性と積極的な攻撃が武器。鳳凰位戦プロリーグ前期を昇級した好調子をキープ。
2位通過 日本プロ麻雀連盟 後藤隆プロ
経験則と独自のシステムに基づき、時に繊細に時に豪快な麻雀を打つ。
卓外では表情豊かだが、一度卓に入れば感情の漏れないポーカーフェイス。
3位通過 アマチュア 谷口佳之
過去、日本プロ麻雀連盟に所属していた経歴を持つ。
雀風は受け主体の守備型。
「謙虚に場を乱すことのないように心掛けます。」
4位通過 アマチュア 中津真吾
強い精神力をもって粘り強い麻雀を打つ彼は23歳。
鈴木プロとは同年代で「鈴木プロには負けないように!」とコメント。
5位通過 アマチュア 桑原俊之
雀歴30年のベテラン。今回の選手の中では最年長。
しかし柔軟な感性を持ち仲間たちと麻雀談義をする姿が印象的。
「優勝を狙っていきます!!」
6位通過 アマチュア 松村孝
自身の雀風をバランス対応型と説明する通り、場をよく捉えている。
予選5節を全てプラスでまとめており、高い雀力が伺い知れる。
「自分の持つ力を出し切って楽しんで打ちます。」
7位通過 アマチュア 渡辺健史
高打点を心掛けた麻雀を打つ。型にハマると怖い存在だ。
予選で繰り出した驚異的な威力を発揮できるか。
「なるべく放銃しないように楽しく打ちたい。」
8位通過 アマチュア 黒木聡太
最年少。18歳にして安定感抜群の麻雀を見せる。
守備重視だが、ここぞという場面での思い切りのいい麻雀は力強い。
「経験では劣るが食らいついていきたい。」
準決勝の卓組
A卓:鈴木、松村、渡辺、中津。
鈴木、中津の同年代対決。
攻撃型の3人を相手に松村がどう戦うか。
B卓:後藤、桑原、谷口、黒木。
対局前のコメント通り、黒木にとっては経験の差に苦しみそうなメンツとなった。
後藤、桑原、谷口の技の前に、黒木は食らいついていけるのか。
準決勝は採譜を取らずに観戦記者1人で記事を書かなくてはいけないために、ダイジェストをお送りすることになりますがどうかご容赦頂きたい。
1回戦 A卓(起家から、中津・松村・鈴木・渡辺)
東1局,起家・中津の配牌。
二万三万七万七万二索四索四索五索七索八索三筒八筒白発 ドラ二万
ドラのリャンメンターツと、ターツ候補になりそうな中張牌も多く、1回戦目の起家としては悪くない配牌だ。
先手は鈴木。
二万三万四万四索五索九索九索六筒七筒八筒白白白 リーチ
続いて松村が追いかけた。
五万六万六万七万七万二索三索四索七筒八筒九筒東東 リーチ
前述した配牌を受けた中津も、
一万二万三万七万七万四索四索五索五索六索六索五筒六筒
このテンパイをヤミで押している。軍配は鈴木。松村より出アガる。
松村はリーグ戦のときだったとしてもリーチか。
泣いても笑ってもこの二索回戦で二索名が勝ち上がるトーナメント。
ドラのない松村の手は高め安めはあれど、本手ではない。
相手のリーチを成就させないためのリーチなのだとすれば危険度が高すぎるし、勝ちに対する意志は見えるがこれで勝負が決まるような手や状況ではない。
実際、5,200の失点となったが、5,200で済んで良かったと捉えるべきだろう。とはいえ、これが後に響くこととなる。
東2局、東家・松村7巡目。
三万三万六万七万八万西西 ポン南南南 チー一万二万三万  ドラ四筒
一応のテンパイだが、待ちも打点も悪い。
先ほどの失点さえなければ、もっとジックリと松村は育てただろう。
気の焦りで動いた麻雀に、追い風は吹かない。
中津
三万四万一筒一筒二筒三筒四筒 ポン九筒九筒九筒 ポン発発発 ツモ五万
500・1,000のアガリだが、途中で7,700のテンパイを崩しこの形にした。
実際に松村のアガリを防いでいる。
反撃のキッカケを与えないこのアガリは松村に重く伸し掛かる。
逆に、中津が目先の打点に手を伸ばしていたら…。
地味に見えるかもしれないが、打点以上に大きな価値のあるアガリである。
…一方、B卓は…
1回戦 B卓(起家から、桑原・後藤・谷口・黒木)
ロン。という声と共に手を倒したのは谷口と桑原。
アタマハネで親の谷口のアガリとなったその手はタンピンドラ3。
後藤から12,300、これが東3局だった。
続く東3局2本場も、谷口が仕掛けを駆使して2,900は3,500をアガる。
東3局3本場、桑原が颯爽と動く。
六筒七筒八筒北北発発 ポン東東東 ポン南南南 ドラ三筒
しかしアガリは後藤。ツモドラ一索
そこからは得点に余裕のできた谷口が危なげなく進めてゆく。
大きな失点をした後藤、イマイチアガリに結びつかない桑原、手に恵まれない黒木。
3人の我慢比べになるかと思われた南1局1本場。
二万二万二万四万五万五万六万七万二索二索二索三筒三筒 リーチ ツモ五万 ドラ五索
この2,600オールを引く。
南1局2本場、桑原が積極的に仕掛ける。
二索二索六筒六筒 ポン六万六万六万 ポン八索八索八索 ポン二筒二筒二筒 ドラ六筒
高め18,000のテンパイを入れるが、後藤も負けじと応戦する。
七筒八筒九筒九筒 チー七万八万九万 ポン白白白 ポン中中中 ロン九筒
桑原が掴み放銃となったが、手に汗握るぶつかり合いであった。
形成は大きく動くことなく1回戦が終了。
B卓1回戦成績
谷口+20.3P 桑原+5.7P 黒木▲10.1P 後藤▲15.9P
ここで再びA卓へ戻す。
南1局、対局の随所で中津は仕掛けを入れ展開を作ってゆく。
鳴きが増えれば下家に手が入るとよくいう。ここでもまさにそうなった。
松村
四万五万六万四索五索六索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒 リーチ ドラ二筒
これに渡辺が飛び込んでしまう。
松村は息を吹き返したが、渡辺は逆に厳しい展開を強いられることに。
南2局、中津が仕掛けてテンパイすると渡辺がリーチ。
その時、中津の牌姿が、
二万四万四万五万六万四索四索五索六索七索 加カン南南南南 ドラ一万
ツモ一万で打七索
ツモ七万で打四索
ツモ一万で打七万
一万一万二万四万四万五万六万四索五索六索 加カン南南南南
再びカン三万でテンパイ復帰し、その三万を見事にツモる。
山にマンズが多く眠っていることはわかっていたそうだ。
制度の高い山読み、上手く回してアガリ切る中津のセンスが垣間見えた1局だった。
南4局、北家。鈴木。
九索九索九索南北北北発発発 ポン三索三索三索 ドラ九筒
この倍満テンパイ。河はかなり派手になっている。が、ここに渡辺がリーチで一騎打ちに。
鈴木が放つ牌にロンの声が掛かる。
一万二万二万六万六万一索一索一筒一筒五筒五筒西西 リーチ ロン一万
4,800の失点になってしまったが、点を支払う鈴木の姿に感心した。
16,000のアガリが目前にあった。それにも関わらず打牌はいたって力まず通常通り。
ロン、と声が掛かり点を申告されるなり「ハイ」と支払う。
30,000点を割り、逆境に立たされるもその顔色には何ら変化がない。
何も考えてないわけではあるまい。内心、希望と絶望に心を揺るがしたことだろうが…。
A卓1回戦成績
中津+20.6P 松村▲1.5P 渡辺▲6.9P 鈴木▲12.2P
2回戦 A卓(起家から、渡辺・鈴木・松村・中津)
東1局、中津の仕掛けから渡辺がテンパイしタンヤオをアガる。
東1局1本場、1回戦で1人浮きだったためか仕掛けが更に軽快になった中津。
ここも仕掛けて渡辺にテンパイを入れさせ。
一万二万三万五索五索二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒七筒 ツモ一筒 ドラ六筒
このアガリを演出してしまうこととなる。
東1局は2本場、3本場、4本場と渡辺がアガリ続け60,000点を持った。
どの局も誰かが動き、グッと面前で手を育てた渡辺がアガリを拾い続けた。
逆に、中津が12,000点持ちになり1回戦の+20.6Pを全て放出する形になり、松村と鈴木とほぼ並んだ。
この3人のうち1人が決勝へと駒を進めることになるだろう。
実質、この時点でほぼ渡辺の決勝進出が決まった。
以降、中津が自らのスタンスを決して崩さず仕掛けとアガリに向かう姿勢を緩ますことなく攻め続け、得点失点を繰り返す。
オーラスまで中津と渡辺がアガリを手にし、2回戦は終了した。
2回戦成績
渡辺+51.3P 中津▲13.1P 松村▲16.3P 鈴木▲21.9P
2回戦合計
渡辺+44.4P 中津+7.5P 松村▲17.8P 鈴木▲34.1P
A卓からは渡辺、中津が勝ち上がり。
2回戦 B卓(起家から、後藤・桑原・谷口・黒木)
東1局、全員テンパイで始まる。
東1局1本場、後藤が仕掛ける。
二万三万九万九万四索五索六索 チー四万五万六万 チー四筒五筒六筒 ドラ九万
これにツモ九万でツモ切り。
これが桑原に放銃となってしまった。
東2局、桑原。
三万四万五万六万六万三索四索五索五索六索七索三筒四筒 ドラ四筒
このテンパイにこぎつけるが谷口に交わされる。
桑原はこのように堅実にしっかりと手を組むが、なかなかアガリに結びつかない。
南1局、ここでやっと桑原にアガリが訪れる。
六万六万五筒五筒六筒六筒七筒 ポン南南南 ポン八筒八筒八筒 ツモ四筒 ドラ六万
この2,000・3,900で暫定トータルトップに立つ。南2局、
三万四万六万七万八万九万九万四索五索六索  ポン南南南 ドラ三万
南家・谷口が決めに行くも、後藤からリーチが入る。
二万三万四万五万六万七万二索三索四索六索六索六索七索 リーチ
このリーチに谷口は九万をトイツ落としで回ることを余儀なくされる。
その間に後藤が八索をツモり、2,000・4,000。
南4局、オーラスが始まった時点では谷口、後藤、桑原で2つのイスを懸け争っていたが、黒木は最後の最後まで諦めていなかった。
黒木が、
二万三万四万五万六万八万八万五索六索七索二筒三筒四筒 ドラ七万
この手をリーチすれば全員撤退し流局。
南4局1本場、
二万三万四万四索四索四索六筒六筒七筒八筒発発発 ドラ六筒
この手をヤミでツモり4,100オール。
南4局2本場、
三万四万三索四索五索八索八索五筒六筒七筒 ポン東東東  ドラ八索
これもツモって2,200オールとし、たった3局で3人を出し抜いた。
大接戦の2回戦が終了。
2回戦成績
黒木+19.0P 後藤+11.9P 桑原▲8.8P 谷口▲22.1P
2回戦合計
黒木+8.9P 谷口▲1.8P 桑原▲3.1P 後藤▲4.0P
B卓からは大接戦の末、黒木、谷口が決勝へ。
こうして決勝の選手が揃った。
谷口
「謙虚に、場を壊さぬように」
渡辺
「良くも悪くも、謙虚に頑張る」
中津
「落ち着いて、自らの麻雀を」
黒木
「4回戦、チャンスが来るのを待ち諦めずに戦う」
 

第13期九州プロリーグ A・B・Cリーグ 第8節レポート

Aリーグレポート:福田正道

A卓(藤原×東谷×浜上×新谷)
B卓(小車×安東×福田×柿元)
C卓(西原×青木×塚本×J真鍋×名倉)

今回の九州Aリーグ第8節のレポートは、九州Aリーグに在籍して2期目、一度も上位に食い込むことなく、
下位で苦しんでいる福田が担当させていただくことになりました。
まずはじめに、地方リーグではありますが、このページをクリックしてくださった目の前の貴方様に感謝したいと思います。

九州Aリーグもいよいよ終盤戦、今節を入れて残り3節と相成りました。
野球で言えば、丁度7回、ラッキーセブンに突入し、『さぁ、ここからが正念場!』と、
地元ファンから熱いエールと共に、澄み渡る夜空にカラフルな風船が舞う場面でしょう!

前節までの上位陣のポイントを見てみると、
1位 西原 196.2P
2位 藤原 150.0P
3位 青木  84.0P
4位 小車  66.7P
5位 浜上  61.3P
6位 塚本  57.1P
7位 東谷  42.0P
8位 真鍋  12.0P

と、まぁ大混戦。決勝の椅子は4席用意されている為、40半荘闘い終えた時に4位であればいいのだから、
1位の西原が走ってようが、上位陣にはあまり関係のないところです。
そして残り2節(9節目、最終節)は共に上位から4名ずつで卓を囲むシステムになっています。
ということは、次の9節目を4位で終わるのと5位で終わるのでは戦い方が少なからず変わってくるのは、
対戦する相手の順位がまるで違うのでお解かりいただけるでしょう。

同様に、8位と9位ではもっと違います。
今節を8位で終了したプレイヤーは、次節9節を5位~7位のプレイヤーと対局することになります。
勿論、ポイントは卓内で一番少ないポイントなので果敢に攻めることが予想されます。
降級の心配がさほどない以上、ブレーキを壊しスピードのリミッターはカットだ!となるでしょう。

逆に、9位で迎えてしまったプレイヤーは、他の対局者が10位~最下位とあっては、
きっと降級圏を脱出する為の下位2名のなりふり構わぬ攻めを受ける場面が多くなること必死。
(ホントは俺だって最後の勝負に出たいのに、コイツ等がむしゃらに攻めてきやがるっ!)となるでしょう。

■A卓
A卓は藤原が地道に加点。2年連続決勝を狙う東谷、昨年度の皇帝位・浜上も苦しいながらにもプラスで終えた。
逆にマイナスを全て背負った新谷は、降級争いが激化し、後が無くなった。
新谷の不調を不思議がるものもいて、私もその1人であるが、プレッシャーの大きさはそれを乗り越えた時の大きさに比例する。
降級というマイナス要素のプレッシャーではあるが、最後まで諦めない姿を見せて欲しい。
その姿こそ、新谷自身が誇れる姿だと私は思う。

■B卓
B卓は1、2回戦と安東が主導権を握る。
その脇で、私と柿元が何とか捌きつつ安東の勢いと止めようとするが、なかなか止まらない。
小車は1、2回戦と苦しい展開が続き、個人的には小車に大人しくしてもらっておくのが一番良いと思っていたのだが・・・。
何と4回戦にそれまで我慢していた小車が急遽走り出す。
そして、そのまま3回戦までに背負った負債を完済し、微増ながらプラスまで持っていってしまった。
このプラスは、小車にとって残りの2節を闘う上で、とても大きなプラスと言える。
これはあくまで私の主観であるが、今節の小車は麻雀が変化していると思っている。
勿論、1年目より2年目、2年目より3年目と上達していることには違いないが、1つ大きく麻雀の対しての捉え方が変化しているように思うのだ。
以前より深く考え、今までとは違った一打、違う選択をしているような気がする。
勿論良い意味でだ。こうなってくると、小車は今以上に恐ろしい存在に成長すると思っている。

■C卓
C卓は、依然西原が好調をキープしていて、軽々と?+50Pオーバーをした。
この卓ではもう1人の大きなプラスをしたのが塚本だ。そして今節も名倉はマイナスしてしまう。
名倉とは、同じ26期生でいかなる時も良きライバルとして一緒に取り組んできた。
麻雀での議論は勿論、麻雀以外の事でも時には、兄貴分として裸の会話をしてきた。
そういうひいき目な部分を差し引いても、名倉が他のAリーガーより著しく劣っているとは全く思わない。
現在のAリーガーの中では最年少だが、私は年齢関係なく彼の麻雀に対する考え方や姿勢を尊敬している。
だから結果が出ていなくても堂々としていればいい。私が言いたいのはただそれだけである。

今一度、順位とポイントに目を通して頂けますでしょうか?
今節を終了しても尚、上位陣は団子状態!
7位の東谷までは誰が決勝に残っても全くおかしくありません。
何とか8位に入ることが出来た安東は次の9節が正念場、ここでポイントを叩くということ、それ即ち当面の敵から直接ポイントを奪うということなので、
上下100ポイントの変動もありえます。
ずばり来節の見所は、この安東がいる5位~8位までの卓がメインとなるでしょう。

ここでひとつ、今節の成績をある側面からご覧頂きたいと思います。
下の数字は、左から着順回数と順位点の獲得ポイント、平均着順を数値で表したものです。

名前  着順回数   総計順位点  平均着順
西原 (11.15. 3. 3)  +104   @1.938
藤原 (12. 5.10. 5)   +41   @2.25
塚本 (10. 6. 7. 9)  +18    @2.469
青木 (11. 8. 5. 8)  +28    @2.313
浜上 (11. 7. 4. 10)  +32    @2.406
小車 (10. 9. 4. 9) +20    @2.375
東谷 ( 7.10. 9. 6)  +12    @2.438
安東 ( 8. 6. 7.11) ▲18    @2.656
真鍋 ( 9. 9. 5. 9) ▲13    @2.438
福田 ( 3.12.13. 4) ▲27    @2.563
柿元 ( 4. 7.12. 9) ▲56    @2.813
新谷 ( 3. 6.14. 9) ▲74    @2.906
名倉 ( 5. 4.11.12)  ▲71     @2.975

これだけをピックアップしてもはっきりしたことはなかなかわからないですが、西原の圧倒的な調子の良さがまずわかります。
西原と私は第7節で今節初めて対局しましたが、1回戦、2回戦は私や名倉に展開が向いていたにも関わらず、
危険な放銃を避け、ジッと堪えていたかと思うと、少しずつ参加する局面を増やし3回戦、4回戦では気付けば、
西原を中心に局面が展開しているような状態にさせられてしまいました。
以前の西原は、その日の最初の調子が悪かったらその日1日は終始大人しい。もしくは、突っ張ってきてもアガリまでの精度の低さが伺えた。
しかし、第7節で対局した西原は、【試合運びの上手さ】や【手が入った時の腹の括り方】が以前とはまるで違っていたのが正直なところです。
最後のアガリの待ち部分(私はフィニッシュラインと呼んでいますが)にも西原のハッキリとした意図が感じられた。
個人的にではありますが、西原は決勝の最終半荘まで絡んでくると思っています。

青木と浜上は各々が目指している内容、成績になっているのではないかと思います。
青木も浜上も共通する部分があって、それは【本手が入った時の腹の括り方】が素晴らしい点。
浜上は去年のグランプリMAXの出場をもぎ取り、今年の十段戦決勝と闘ったステージの高さからもレベルアップしているのがわかります。
注目すべきは青木のほうで、今年の青木はメリハリが以前と全く違います。
メンバーの中でも最年長で多くを語らない青木ですが、少しずつ青木の中で自分の麻雀をどのように表現していけばいいのか、
その具現化能力が備わってきたのでは?と私は思っています。

続いては真鍋。
私の方が成績も悪く、後輩でもありますがあえて言わせていただくと、真鍋の成績で▲59.6はちょっといただけない。
これは明らかに無駄な放銃が多いということではないでしょうか。
これまで真鍋は、皇帝位もプロアマ混合リーグも優勝経験があり、麻雀に対する姿勢も流石九州1期生だけある皆のお手本となるような素晴らしい打ち手であります。
私自身、幾度となく中央のタイトル戦や九州の決勝戦で真鍋の闘う背中に憧れと尊敬の念を抱き、「いつか、追いつき追い越したい。」と思ってきました。
当然、麻雀の性質上自分の思うように行かないことの方が多いですが、今節の真鍋は過去を振り返っても一番真鍋らしくない真鍋だと思っています。
真鍋のいちファンとしては、研ぎ澄まされた爪を持つ、ジャガー真鍋の復活を心から願っています。

■最後は私自身のこと。
今期もまた不甲斐ない成績が続き、「なかなか上手くいかないなぁ。」と心でつぶやくこともあります。

月1回の一番大事な日である対局の日が近づくと、心の扉を不安がノックします。
1週間前ぐらいから永遠と小さな音で心をノックしていますが、いよいよ対局の日となるとあまり考えないようにします。
そして奮わない成績と引き換えにノックの音は消えていきます。読まれている皆さんはお気づきかもしれませんが、不安の正体は何を隠そう私の努力不足なんですよね。
心の闇に潜む不安を払拭出来るだけの努力をしてない。努力を怠るから自信がつかず、不安が心を襲う。
この事実に当の本人は気付いているにも関わらず、「トントン。大丈夫かい?トントン。大丈夫かい?」とノックをされても気付かない振りをする。
これではいつまでたっても成長するわけがないし、成績を残せるはずもない。
麻雀の稽古不足を忙しいことを理由に言い訳をしたり、勉強に向かう気持ちが入らないと何か別の理由をつけて言い訳にする。
どうやら私は自分が成りたいプロ像とは真逆の道を進んでいるようです。最悪なのは、それを知りながらに直さないこと。
暖かい言葉をかけてくださる方々の感謝も勿論ですが、何より自分の為にもう一度袖を正し、麻雀と向き合い、
1つ1つ積み重ねていけるように努力していきたいと思います。

長くなりましたが、最後までお付き合いして頂き、ありがとうございました。
それでは第9節の結果もお楽しみに!

第9節組み合わせ予定
A卓(西原×塚本×浜上×東谷)
B卓(藤原×青木×小車×安東)
C卓(J真鍋×福田×柿元×新谷×名倉)
(組み合わせは都合により変更になることもあります)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 西原 亨 15.1 15.0 60.1 32.4 ▲ 10.4 11.3 72.7 51.1 247.3 1
2 藤原 英司 16.4 32.3 ▲ 8.6 5.8 143.4 ▲ 73.3 34.0 28.9 178.9 2
3 塚本 将之 53.2 21.3 1.2 ▲ 43.8 ▲ 22.5 18.9 28.8 49.8 106.9 3
4 青木 胤道 ▲ 3.5 3.3 ▲ 17.9 19.2 44.0 40.3 ▲ 1.4 ▲ 1.3 82.7 4
5 浜上 文吾 30.9 ▲ 84.7 ▲ 38.7 ▲ 10.6 98.6 75.7 ▲ 9.9 19.0 80.3 5
6 小車 祥 19.3 ▲ 22.7 15.3 22.9 ▲ 126.8 119.7 39.0 4.8 71.5 6
7 東谷 達矢 ▲ 35.2 ▲ 12.0 44.9 30.3 ▲ 42.1 72.7 ▲ 16.6 15.5 57.5 7
8 安東 裕允 31.1 20.1 ▲ 16.2 2.0 23.1 ▲ 112.2 ▲ 39.5 38.9 ▲ 52.7 8
9 ジャガー真鍋 ▲ 5.8 62.5 110.0 ▲ 13.9 ▲ 25.0 ▲ 82.9 ▲ 32.9 ▲ 71.6 ▲ 59.6 9
10 福田 正道 4.7 ▲ 2.0 ▲ 46.9 1.7 ▲ 25.9 ▲ 16.1 11.6 ▲ 16.2 ▲ 89.1 10
11 柿元 裕介 ▲ 42.7 ▲ 55.4 ▲ 33.6 ▲ 23.8 16.3 8.6 14.0 ▲ 27.5 ▲ 144.1 11
12 新谷 翔平 ▲ 63.8 10.1 ▲ 39.7 20.1 ▲ 46.9 ▲ 4.1 ▲ 52.1 ▲ 63.4 ▲ 239.8 12
13 名倉 徹 ▲ 19.7 7.2 ▲ 29.9 ▲ 42.3 ▲ 25.8 ▲ 58.6 ▲ 67.7 ▲ 28.0 ▲ 264.8 13

Bリーグレポート:藤岡治之

A卓(藤井×氷室×矢野×石原×大和田)
B卓(貴田×安永×榎田×流水×中島)
C卓(小川×服部×樋口×川崎)
D卓(錦辺×福田×藤岡×菊池)

今回レポートを担当する藤岡です。よろしくお願いいたします。
今節は1回戦3着、2回戦4着、3回戦4着とかなり厳しい展開です。
3回戦を終わり、▲48.6P。
レポートを書かないといけないのに何も書くことがない…ありえません。
と、いうことで4回戦は頑張りましたよ。

東3局

三万四万五万六万七万八万六索七索五筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ五万

安めながら7,700のロンアガリ。

東4局

三万四万四万五万五万六索六索七索七索八索八索五筒五筒  リーチ  ドラ北

安めながらハイテイツモで3,000・6,000。

南2局、ドラが中中が暗刻で仕掛けて7,700のロンアガリ。

4回戦でトップを取れ、失点を少し挽回できました。
残り2節、全力で戦います!

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 貴田 純一 アマ 33.2 18.0 29.3 80.5
2 大和田 篤史 プロ 41.1 62.7 ▲ 23.7 80.1
3 錦辺 卓三 アマ 20.1 ▲ 2.9 41.5 58.7
4 石原 忠道 アマ ▲ 12.5 20.2 20.6 28.3
5 安永 敏郎 アマ ▲ 19.1 ▲ 13.8 58.3 25.4
6 服部 学 プロ 14.8 9.2 ▲ 18.7 5.3
7 小川 善章 プロ 11.6 2.8 ▲ 10.5 3.9
8 菊池 豪 プロ ▲ 7.7 ▲ 7.9 17.4 1.8
9 樋口 徹 プロ 17.4 ▲ 44.1 26.3 ▲ 0.4
10 榎田 賢二郎 プロ ▲ 50.0 51.6 ▲ 5.2 ▲ 3.6
11 川崎 行広 プロ 2.7 ▲ 12.0 2.9 ▲ 6.4
12 藤岡 治之 プロ ▲ 11.4 26.8 ▲ 32.4 ▲ 17.0
13 氷室 哀華 プロ 10.7 ▲ 53.7 21.9 ▲ 21.1
14 藤原 琢 プロ 31.0 ▲ 8.3 ▲ 50.0 ▲ 27.3
15 福田 譲二 プロ ▲ 35.9 20.7 ▲ 26.5 ▲ 41.7
16 藤井 崇勝 アマ ▲ 10.5 12.9 ▲ 44.4 ▲ 42.0
17 中島 行泰 アマ 13.2 0.0 ▲ 56.7 ▲ 43.5
18 矢野 拓郎 プロ ▲ 63.9 ▲ 33.6 5.6 ▲ 91.9
19 流水 聖人 プロ ▲ 55.8 ▲ 48.6 ▲ 25.7 ▲ 130.1

Cリーグレポート:麻生征吾

A卓(伊東×麻生×山本光男×河野晃大×友保)
B卓(山本江利香×和田×河野みのり×田中)
C卓(松尾×佐藤×原×西川)
D卓(濱田×水町×吉田×松本)
E卓(古本×公文×北島×進)
F卓(宮崎×山本秋桜里×鶴×陣野)

今回Cリーグのレポートを担当させていただきます麻生です。
よろしくお願いします。

冬がやってきた。
吐く息が白くなってくれば、それはリーグ戦の終盤を意味し、終わりが近づいた証である。
昇級したい。上のリーグで戦いたい。誰もがそう思い、マフラーを首に巻く。

今節、最もポイントを叩いたのは、前節まで総合トップの伊東である。伊東は圧巻の5連勝を飾り、今期最も昇級に近い1人となった。
和田、水町も安定した戦いを見せ、きっちりポイントを重ねた。上位陣が強い。

私がよく知るあるAリーガーが「麻雀はメンタルで決まる」と言った。
メンタルは打牌選択を決め、打牌選択は結果に直結する。
打牌選択を間違えた分だけ、昇級から一歩遠ざかってしまうだろう。
こういったポイント持ち越しのリーグ戦は、前半でポイントを叩き、後半をいかに冷静に戦えるかが鍵である。
だからこそ上位陣は強い。3人とも、ポイントを持たせたら離さないしっかりした打ち手だ。

そうはいっても、ミスは誰しも起こりうる。
残りの27人は、彼らよりもミスを少なくし、その隙をつくしかない。
あと僅か2節。次節は勝負の後期4節である。昇級できるか否かの境界線はここだろう。
テーマはいかに冷静に戦えるか。いかにミスを減らせるか。そしていかに自分の麻雀を打てるか。
私はこの 3つを胸に抱き、次節を迎えたいと思う。

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 伊東 宏倫 プロ 68.5 44.9 82.4 195.8
2 和田 久 アマ 45.5 53.8 48.4 147.7
3 水町 慎一 プロ 23.4 44.8 37.7 105.9
4 佐藤 健治 プロ 113.9 ▲ 21.8 ▲ 12.9 79.2
5 鶴 浩昭 プロ 48.1 ▲ 3.9 33.7 77.9
6 古本 和宏 アマ 21.9 35.7 ▲ 2.4 55.2
7 宮崎 皓之介 アマ ▲ 42.9 71.6 18.4 47.1
8 進 栄二 アマ 66.4 ▲ 38.4 11.0 39.0
9 松尾 樹宏 プロ 21.6 ▲ 18.3 29.8 33.1
10 原 宙史 アマ ▲ 14.3 30.5 1.9 18.1
11 麻生 征吾 プロ 3.2 10.3 ▲ 12.6 0.9
12 松本 路也 アマ 47.4 ▲ 22.8 ▲ 24.5 0.1
13 山本 光男 アマ ▲ 24.1 34.7 ▲ 12.1 ▲ 1.5
14 筒井 久美子 プロ 87.4 ▲ 39.3 ▲ 50.0 ▲ 1.9
15 吉田 雄紀 アマ 21.9 ▲ 19.7 ▲ 5.4 ▲ 3.2
16 河野 みのり プロ 25.9 ▲ 10.5 ▲ 37.9 ▲ 22.5
17 山本 江利香 プロ ▲ 41.3 46.8 ▲ 37.5 ▲ 32.0
18 北島 勇輝 プロ ▲ 70.3 27.5 2.0 ▲ 40.8
19 公文 寛明 アマ ▲ 47.7 34.9 ▲ 31.6 ▲ 44.4
20 田中 哲也 アマ ▲ 31.0 ▲ 48.0 27.0 ▲ 52.0
21 山本 秋桜里 アマ 10.3 ▲ 38.7 ▲ 25.9 ▲ 54.3
22 濱田 貴幸 アマ ▲ 71.7 17.3 ▲ 7.8 ▲ 62.2
23 陣野 良貴 アマ ▲ 12.7 ▲ 5.8 ▲ 46.2 ▲ 64.7
24 西川 舞 プロ ▲ 28.6 ▲ 32.2 ▲ 18.8 ▲ 79.6
25 下山 哲也 プロ ▲ 42.8 ▲ 3.7 ▲ 100.0 ▲ 146.5
26 友保 美香里 アマ ▲ 41.4 ▲ 91.1 ▲ 22.0 ▲ 154.5
27 河野 晃大 アマ ▲ 64.0 ▲ 61.3 ▲ 35.7 ▲ 161.0
28 平田 裕貴 アマ ▲ 32.0 ▲ 18.3 ▲ 150.0 ▲ 200.3

皇帝位戦進出ライン、昇降級ライン:順位枠内に表示

九州プロリーグ レポート/第13期九州プロリーグ A・B・Cリーグ 第8節レポート

Aリーグレポート:福田正道
A卓(藤原×東谷×浜上×新谷)
B卓(小車×安東×福田×柿元)
C卓(西原×青木×塚本×J真鍋×名倉)
今回の九州Aリーグ第8節のレポートは、九州Aリーグに在籍して2期目、一度も上位に食い込むことなく、
下位で苦しんでいる福田が担当させていただくことになりました。
まずはじめに、地方リーグではありますが、このページをクリックしてくださった目の前の貴方様に感謝したいと思います。
九州Aリーグもいよいよ終盤戦、今節を入れて残り3節と相成りました。
野球で言えば、丁度7回、ラッキーセブンに突入し、『さぁ、ここからが正念場!』と、
地元ファンから熱いエールと共に、澄み渡る夜空にカラフルな風船が舞う場面でしょう!
前節までの上位陣のポイントを見てみると、
1位 西原 196.2P
2位 藤原 150.0P
3位 青木  84.0P
4位 小車  66.7P
5位 浜上  61.3P
6位 塚本  57.1P
7位 東谷  42.0P
8位 真鍋  12.0P
と、まぁ大混戦。決勝の椅子は4席用意されている為、40半荘闘い終えた時に4位であればいいのだから、
1位の西原が走ってようが、上位陣にはあまり関係のないところです。
そして残り2節(9節目、最終節)は共に上位から4名ずつで卓を囲むシステムになっています。
ということは、次の9節目を4位で終わるのと5位で終わるのでは戦い方が少なからず変わってくるのは、
対戦する相手の順位がまるで違うのでお解かりいただけるでしょう。
同様に、8位と9位ではもっと違います。
今節を8位で終了したプレイヤーは、次節9節を5位~7位のプレイヤーと対局することになります。
勿論、ポイントは卓内で一番少ないポイントなので果敢に攻めることが予想されます。
降級の心配がさほどない以上、ブレーキを壊しスピードのリミッターはカットだ!となるでしょう。
逆に、9位で迎えてしまったプレイヤーは、他の対局者が10位~最下位とあっては、
きっと降級圏を脱出する為の下位2名のなりふり構わぬ攻めを受ける場面が多くなること必死。
(ホントは俺だって最後の勝負に出たいのに、コイツ等がむしゃらに攻めてきやがるっ!)となるでしょう。
■A卓
A卓は藤原が地道に加点。2年連続決勝を狙う東谷、昨年度の皇帝位・浜上も苦しいながらにもプラスで終えた。
逆にマイナスを全て背負った新谷は、降級争いが激化し、後が無くなった。
新谷の不調を不思議がるものもいて、私もその1人であるが、プレッシャーの大きさはそれを乗り越えた時の大きさに比例する。
降級というマイナス要素のプレッシャーではあるが、最後まで諦めない姿を見せて欲しい。
その姿こそ、新谷自身が誇れる姿だと私は思う。
■B卓
B卓は1、2回戦と安東が主導権を握る。
その脇で、私と柿元が何とか捌きつつ安東の勢いと止めようとするが、なかなか止まらない。
小車は1、2回戦と苦しい展開が続き、個人的には小車に大人しくしてもらっておくのが一番良いと思っていたのだが・・・。
何と4回戦にそれまで我慢していた小車が急遽走り出す。
そして、そのまま3回戦までに背負った負債を完済し、微増ながらプラスまで持っていってしまった。
このプラスは、小車にとって残りの2節を闘う上で、とても大きなプラスと言える。
これはあくまで私の主観であるが、今節の小車は麻雀が変化していると思っている。
勿論、1年目より2年目、2年目より3年目と上達していることには違いないが、1つ大きく麻雀の対しての捉え方が変化しているように思うのだ。
以前より深く考え、今までとは違った一打、違う選択をしているような気がする。
勿論良い意味でだ。こうなってくると、小車は今以上に恐ろしい存在に成長すると思っている。
■C卓
C卓は、依然西原が好調をキープしていて、軽々と?+50Pオーバーをした。
この卓ではもう1人の大きなプラスをしたのが塚本だ。そして今節も名倉はマイナスしてしまう。
名倉とは、同じ26期生でいかなる時も良きライバルとして一緒に取り組んできた。
麻雀での議論は勿論、麻雀以外の事でも時には、兄貴分として裸の会話をしてきた。
そういうひいき目な部分を差し引いても、名倉が他のAリーガーより著しく劣っているとは全く思わない。
現在のAリーガーの中では最年少だが、私は年齢関係なく彼の麻雀に対する考え方や姿勢を尊敬している。
だから結果が出ていなくても堂々としていればいい。私が言いたいのはただそれだけである。
今一度、順位とポイントに目を通して頂けますでしょうか?
今節を終了しても尚、上位陣は団子状態!
7位の東谷までは誰が決勝に残っても全くおかしくありません。
何とか8位に入ることが出来た安東は次の9節が正念場、ここでポイントを叩くということ、それ即ち当面の敵から直接ポイントを奪うということなので、
上下100ポイントの変動もありえます。
ずばり来節の見所は、この安東がいる5位~8位までの卓がメインとなるでしょう。
ここでひとつ、今節の成績をある側面からご覧頂きたいと思います。
下の数字は、左から着順回数と順位点の獲得ポイント、平均着順を数値で表したものです。
名前  着順回数   総計順位点  平均着順
西原 (11.15. 3. 3)  +104   @1.938
藤原 (12. 5.10. 5)   +41   @2.25
塚本 (10. 6. 7. 9)  +18    @2.469
青木 (11. 8. 5. 8)  +28    @2.313
浜上 (11. 7. 4. 10)  +32    @2.406
小車 (10. 9. 4. 9) +20    @2.375
東谷 ( 7.10. 9. 6)  +12    @2.438
安東 ( 8. 6. 7.11) ▲18    @2.656
真鍋 ( 9. 9. 5. 9) ▲13    @2.438
福田 ( 3.12.13. 4) ▲27    @2.563
柿元 ( 4. 7.12. 9) ▲56    @2.813
新谷 ( 3. 6.14. 9) ▲74    @2.906
名倉 ( 5. 4.11.12)  ▲71     @2.975
これだけをピックアップしてもはっきりしたことはなかなかわからないですが、西原の圧倒的な調子の良さがまずわかります。
西原と私は第7節で今節初めて対局しましたが、1回戦、2回戦は私や名倉に展開が向いていたにも関わらず、
危険な放銃を避け、ジッと堪えていたかと思うと、少しずつ参加する局面を増やし3回戦、4回戦では気付けば、
西原を中心に局面が展開しているような状態にさせられてしまいました。
以前の西原は、その日の最初の調子が悪かったらその日1日は終始大人しい。もしくは、突っ張ってきてもアガリまでの精度の低さが伺えた。
しかし、第7節で対局した西原は、【試合運びの上手さ】や【手が入った時の腹の括り方】が以前とはまるで違っていたのが正直なところです。
最後のアガリの待ち部分(私はフィニッシュラインと呼んでいますが)にも西原のハッキリとした意図が感じられた。
個人的にではありますが、西原は決勝の最終半荘まで絡んでくると思っています。
青木と浜上は各々が目指している内容、成績になっているのではないかと思います。
青木も浜上も共通する部分があって、それは【本手が入った時の腹の括り方】が素晴らしい点。
浜上は去年のグランプリMAXの出場をもぎ取り、今年の十段戦決勝と闘ったステージの高さからもレベルアップしているのがわかります。
注目すべきは青木のほうで、今年の青木はメリハリが以前と全く違います。
メンバーの中でも最年長で多くを語らない青木ですが、少しずつ青木の中で自分の麻雀をどのように表現していけばいいのか、
その具現化能力が備わってきたのでは?と私は思っています。
続いては真鍋。
私の方が成績も悪く、後輩でもありますがあえて言わせていただくと、真鍋の成績で▲59.6はちょっといただけない。
これは明らかに無駄な放銃が多いということではないでしょうか。
これまで真鍋は、皇帝位もプロアマ混合リーグも優勝経験があり、麻雀に対する姿勢も流石九州1期生だけある皆のお手本となるような素晴らしい打ち手であります。
私自身、幾度となく中央のタイトル戦や九州の決勝戦で真鍋の闘う背中に憧れと尊敬の念を抱き、「いつか、追いつき追い越したい。」と思ってきました。
当然、麻雀の性質上自分の思うように行かないことの方が多いですが、今節の真鍋は過去を振り返っても一番真鍋らしくない真鍋だと思っています。
真鍋のいちファンとしては、研ぎ澄まされた爪を持つ、ジャガー真鍋の復活を心から願っています。
■最後は私自身のこと。
今期もまた不甲斐ない成績が続き、「なかなか上手くいかないなぁ。」と心でつぶやくこともあります。
月1回の一番大事な日である対局の日が近づくと、心の扉を不安がノックします。
1週間前ぐらいから永遠と小さな音で心をノックしていますが、いよいよ対局の日となるとあまり考えないようにします。
そして奮わない成績と引き換えにノックの音は消えていきます。読まれている皆さんはお気づきかもしれませんが、不安の正体は何を隠そう私の努力不足なんですよね。
心の闇に潜む不安を払拭出来るだけの努力をしてない。努力を怠るから自信がつかず、不安が心を襲う。
この事実に当の本人は気付いているにも関わらず、「トントン。大丈夫かい?トントン。大丈夫かい?」とノックをされても気付かない振りをする。
これではいつまでたっても成長するわけがないし、成績を残せるはずもない。
麻雀の稽古不足を忙しいことを理由に言い訳をしたり、勉強に向かう気持ちが入らないと何か別の理由をつけて言い訳にする。
どうやら私は自分が成りたいプロ像とは真逆の道を進んでいるようです。最悪なのは、それを知りながらに直さないこと。
暖かい言葉をかけてくださる方々の感謝も勿論ですが、何より自分の為にもう一度袖を正し、麻雀と向き合い、
1つ1つ積み重ねていけるように努力していきたいと思います。
長くなりましたが、最後までお付き合いして頂き、ありがとうございました。
それでは第9節の結果もお楽しみに!
第9節組み合わせ予定
A卓(西原×塚本×浜上×東谷)
B卓(藤原×青木×小車×安東)
C卓(J真鍋×福田×柿元×新谷×名倉)
(組み合わせは都合により変更になることもあります)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 西原 亨 15.1 15.0 60.1 32.4 ▲ 10.4 11.3 72.7 51.1 247.3 1
2 藤原 英司 16.4 32.3 ▲ 8.6 5.8 143.4 ▲ 73.3 34.0 28.9 178.9 2
3 塚本 将之 53.2 21.3 1.2 ▲ 43.8 ▲ 22.5 18.9 28.8 49.8 106.9 3
4 青木 胤道 ▲ 3.5 3.3 ▲ 17.9 19.2 44.0 40.3 ▲ 1.4 ▲ 1.3 82.7 4
5 浜上 文吾 30.9 ▲ 84.7 ▲ 38.7 ▲ 10.6 98.6 75.7 ▲ 9.9 19.0 80.3 5
6 小車 祥 19.3 ▲ 22.7 15.3 22.9 ▲ 126.8 119.7 39.0 4.8 71.5 6
7 東谷 達矢 ▲ 35.2 ▲ 12.0 44.9 30.3 ▲ 42.1 72.7 ▲ 16.6 15.5 57.5 7
8 安東 裕允 31.1 20.1 ▲ 16.2 2.0 23.1 ▲ 112.2 ▲ 39.5 38.9 ▲ 52.7 8
9 ジャガー真鍋 ▲ 5.8 62.5 110.0 ▲ 13.9 ▲ 25.0 ▲ 82.9 ▲ 32.9 ▲ 71.6 ▲ 59.6 9
10 福田 正道 4.7 ▲ 2.0 ▲ 46.9 1.7 ▲ 25.9 ▲ 16.1 11.6 ▲ 16.2 ▲ 89.1 10
11 柿元 裕介 ▲ 42.7 ▲ 55.4 ▲ 33.6 ▲ 23.8 16.3 8.6 14.0 ▲ 27.5 ▲ 144.1 11
12 新谷 翔平 ▲ 63.8 10.1 ▲ 39.7 20.1 ▲ 46.9 ▲ 4.1 ▲ 52.1 ▲ 63.4 ▲ 239.8 12
13 名倉 徹 ▲ 19.7 7.2 ▲ 29.9 ▲ 42.3 ▲ 25.8 ▲ 58.6 ▲ 67.7 ▲ 28.0 ▲ 264.8 13

Bリーグレポート:藤岡治之
A卓(藤井×氷室×矢野×石原×大和田)
B卓(貴田×安永×榎田×流水×中島)
C卓(小川×服部×樋口×川崎)
D卓(錦辺×福田×藤岡×菊池)
今回レポートを担当する藤岡です。よろしくお願いいたします。
今節は1回戦3着、2回戦4着、3回戦4着とかなり厳しい展開です。
3回戦を終わり、▲48.6P。
レポートを書かないといけないのに何も書くことがない…ありえません。
と、いうことで4回戦は頑張りましたよ。
東3局
三万四万五万六万七万八万六索七索五筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ五万
安めながら7,700のロンアガリ。
東4局
三万四万四万五万五万六索六索七索七索八索八索五筒五筒  リーチ  ドラ北
安めながらハイテイツモで3,000・6,000。
南2局、ドラが中中が暗刻で仕掛けて7,700のロンアガリ。
4回戦でトップを取れ、失点を少し挽回できました。
残り2節、全力で戦います!

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 貴田 純一 アマ 33.2 18.0 29.3 80.5
2 大和田 篤史 プロ 41.1 62.7 ▲ 23.7 80.1
3 錦辺 卓三 アマ 20.1 ▲ 2.9 41.5 58.7
4 石原 忠道 アマ ▲ 12.5 20.2 20.6 28.3
5 安永 敏郎 アマ ▲ 19.1 ▲ 13.8 58.3 25.4
6 服部 学 プロ 14.8 9.2 ▲ 18.7 5.3
7 小川 善章 プロ 11.6 2.8 ▲ 10.5 3.9
8 菊池 豪 プロ ▲ 7.7 ▲ 7.9 17.4 1.8
9 樋口 徹 プロ 17.4 ▲ 44.1 26.3 ▲ 0.4
10 榎田 賢二郎 プロ ▲ 50.0 51.6 ▲ 5.2 ▲ 3.6
11 川崎 行広 プロ 2.7 ▲ 12.0 2.9 ▲ 6.4
12 藤岡 治之 プロ ▲ 11.4 26.8 ▲ 32.4 ▲ 17.0
13 氷室 哀華 プロ 10.7 ▲ 53.7 21.9 ▲ 21.1
14 藤原 琢 プロ 31.0 ▲ 8.3 ▲ 50.0 ▲ 27.3
15 福田 譲二 プロ ▲ 35.9 20.7 ▲ 26.5 ▲ 41.7
16 藤井 崇勝 アマ ▲ 10.5 12.9 ▲ 44.4 ▲ 42.0
17 中島 行泰 アマ 13.2 0.0 ▲ 56.7 ▲ 43.5
18 矢野 拓郎 プロ ▲ 63.9 ▲ 33.6 5.6 ▲ 91.9
19 流水 聖人 プロ ▲ 55.8 ▲ 48.6 ▲ 25.7 ▲ 130.1

Cリーグレポート:麻生征吾
A卓(伊東×麻生×山本光男×河野晃大×友保)
B卓(山本江利香×和田×河野みのり×田中)
C卓(松尾×佐藤×原×西川)
D卓(濱田×水町×吉田×松本)
E卓(古本×公文×北島×進)
F卓(宮崎×山本秋桜里×鶴×陣野)
今回Cリーグのレポートを担当させていただきます麻生です。
よろしくお願いします。
冬がやってきた。
吐く息が白くなってくれば、それはリーグ戦の終盤を意味し、終わりが近づいた証である。
昇級したい。上のリーグで戦いたい。誰もがそう思い、マフラーを首に巻く。
今節、最もポイントを叩いたのは、前節まで総合トップの伊東である。伊東は圧巻の5連勝を飾り、今期最も昇級に近い1人となった。
和田、水町も安定した戦いを見せ、きっちりポイントを重ねた。上位陣が強い。
私がよく知るあるAリーガーが「麻雀はメンタルで決まる」と言った。
メンタルは打牌選択を決め、打牌選択は結果に直結する。
打牌選択を間違えた分だけ、昇級から一歩遠ざかってしまうだろう。
こういったポイント持ち越しのリーグ戦は、前半でポイントを叩き、後半をいかに冷静に戦えるかが鍵である。
だからこそ上位陣は強い。3人とも、ポイントを持たせたら離さないしっかりした打ち手だ。
そうはいっても、ミスは誰しも起こりうる。
残りの27人は、彼らよりもミスを少なくし、その隙をつくしかない。
あと僅か2節。次節は勝負の後期4節である。昇級できるか否かの境界線はここだろう。
テーマはいかに冷静に戦えるか。いかにミスを減らせるか。そしていかに自分の麻雀を打てるか。
私はこの 3つを胸に抱き、次節を迎えたいと思う。

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 伊東 宏倫 プロ 68.5 44.9 82.4 195.8
2 和田 久 アマ 45.5 53.8 48.4 147.7
3 水町 慎一 プロ 23.4 44.8 37.7 105.9
4 佐藤 健治 プロ 113.9 ▲ 21.8 ▲ 12.9 79.2
5 鶴 浩昭 プロ 48.1 ▲ 3.9 33.7 77.9
6 古本 和宏 アマ 21.9 35.7 ▲ 2.4 55.2
7 宮崎 皓之介 アマ ▲ 42.9 71.6 18.4 47.1
8 進 栄二 アマ 66.4 ▲ 38.4 11.0 39.0
9 松尾 樹宏 プロ 21.6 ▲ 18.3 29.8 33.1
10 原 宙史 アマ ▲ 14.3 30.5 1.9 18.1
11 麻生 征吾 プロ 3.2 10.3 ▲ 12.6 0.9
12 松本 路也 アマ 47.4 ▲ 22.8 ▲ 24.5 0.1
13 山本 光男 アマ ▲ 24.1 34.7 ▲ 12.1 ▲ 1.5
14 筒井 久美子 プロ 87.4 ▲ 39.3 ▲ 50.0 ▲ 1.9
15 吉田 雄紀 アマ 21.9 ▲ 19.7 ▲ 5.4 ▲ 3.2
16 河野 みのり プロ 25.9 ▲ 10.5 ▲ 37.9 ▲ 22.5
17 山本 江利香 プロ ▲ 41.3 46.8 ▲ 37.5 ▲ 32.0
18 北島 勇輝 プロ ▲ 70.3 27.5 2.0 ▲ 40.8
19 公文 寛明 アマ ▲ 47.7 34.9 ▲ 31.6 ▲ 44.4
20 田中 哲也 アマ ▲ 31.0 ▲ 48.0 27.0 ▲ 52.0
21 山本 秋桜里 アマ 10.3 ▲ 38.7 ▲ 25.9 ▲ 54.3
22 濱田 貴幸 アマ ▲ 71.7 17.3 ▲ 7.8 ▲ 62.2
23 陣野 良貴 アマ ▲ 12.7 ▲ 5.8 ▲ 46.2 ▲ 64.7
24 西川 舞 プロ ▲ 28.6 ▲ 32.2 ▲ 18.8 ▲ 79.6
25 下山 哲也 プロ ▲ 42.8 ▲ 3.7 ▲ 100.0 ▲ 146.5
26 友保 美香里 アマ ▲ 41.4 ▲ 91.1 ▲ 22.0 ▲ 154.5
27 河野 晃大 アマ ▲ 64.0 ▲ 61.3 ▲ 35.7 ▲ 161.0
28 平田 裕貴 アマ ▲ 32.0 ▲ 18.3 ▲ 150.0 ▲ 200.3

皇帝位戦進出ライン、昇降級ライン:順位枠内に表示

『サプライズ』

では前回に続き、瀬戸熊の八万白打ちの謎の検証に入ります。

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どちらも一瞬の間でしたが、瀬戸熊が考えたことは確かです。目線が手に落ちたから間違いありません。
ボクは勝負の最中は、相手3人の視線を追い、それも推理の材料にします。目の条件反射や輝きには、嘘がないので当たる確率は相当高いと見ます。
瀬戸熊が13巡目に、ドラの四筒を掴んだときの手牌はこう。

四万四万四万六万八万六筒六筒  ポン一万 上向き一万 上向き一万 左向き  ポン西西西 ツモ四筒

途中三万を切らず六筒を落としてマンズに染める手順もありましたが、ボクの親落としを優先したのです。
それはそれで間違いではありません。瀬戸熊はトップ目で、相手のボクが沈んでいますから、オヤ落としをかける手は当然のことです。

瀬戸熊から見れば、ボクの両面の鳴きはタンヤオのドラドラかドラ3枚の仕掛けと見ていますから、だからこのドラは打てない。
手牌も染め手でないので、手が安いという弱みがあります。なので、ここは受けに回り打八万
受けと攻め…知らぬ間に立場が逆転していたのです。あの一瞬の間は、これだったのです。

この後、ボクが二万を打ち出した時の手牌はこうです。
二万は瀬戸熊に対しては強い牌です。

六万七万八万四筒四筒四筒南南南白  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き

そして河がこう。

西一筒 上向き北八筒 上向き中八索 上向き
三索 上向き一索 上向き九索 上向き九索 上向き東九筒 下向き
二万 上向き

瀬戸熊の八万切りの後の二万ですから、強打です。
麻雀には伏せられた手牌と未知のツモがありますから、読みや推理が外れることも間々あります。それがこの局です。

しかし、そこで読みの限界を悟りあきらめてはいけない。大事なのはそこから先です。
それには日常の鍛錬で、読みと推理の精度を高める努力をすること、これが大事なのです。

瀬戸熊は1巡凌いでも、次の安全牌がないから苦しい展開が続きます。そして最後のツモで白
瀬戸熊の決断は、ボクの手を食いタンと呼んだ以上、白を切るべきと考えたに違いありません。
これが2度目の間だったのです。

自分が信じた読みの継続の一打ですから、一貫性のある正しい姿勢といえます。
これは責められない放銃でしょう。

hououi_03_09_01_smpwidth290_ktaiwidth240

前回、瀬戸熊の精気が消えた…と述べましたが、本当にボクにはそう見え感じたのです。
(このシリーズの瀬戸熊は終わった―)
これはボクだけでなく、対局者も見ているすべてのプロも感じたはずです。
ところがこの後、瀬戸熊は1,000・2,000をツモり、次のラス親でこれをアガリます。

hououi_03_09_02_smpwidth290_ktaiwidth240

これが、瀬戸熊の根性であり精神力なのでしょう。再びボクを沈めてトップに返り咲いたのです。
驚きました。これが2度目のサプライズ。そして1本場、3度目の驚きがこれです。

hououi_03_09_03_smpwidth290_ktaiwidth240

12巡目に右田のリーチを受けます。ボクは浮くことがこの局のテーマですから、すぐに引くわけにはいかない。
押しながら引きながら打っていたら、結果がコレです。

hououi_03_09_04_smpwidth290_ktaiwidth240

牌姿も受けも変わりましたが、うまくアガれたのは自分でも驚きです。これもサプライズでしょう。
この時、ボクは初めて優勝を意識しました。

このシリーズを振り返れば、ボクはオーラスに強かった印象があります。
麻雀はアガリも打ち込みも、連動します。けれど、サプライズも連動するとは思いもしませんでした。
そしてその驚きは、視聴者にきっと感動を与えることでしょう。

しかしこの日、瀬戸熊の踏ん張りもここまでした。
彼は14回戦にラスを引きます。

hououi_03_09_05_smpwidth290_ktaiwidth240

続く15回戦でもラスを食らいます。

hououi_03_09_06_smpwidth290_ktaiwidth240

あの瀬戸熊が…冴えない。やはり白打ちで、体に毒が回っているのだと思いました。
これで3日目が終了。そして総合得点がこうです。

荒+99.2P  右田+48.9P  瀬戸熊▲57.8P  望月▲90.3P

この時点でボクの見立ては、望月は圏外。瀬戸熊もほぼ圏外。
ボクの理想は、瀬戸熊に最終日までに80Pの差をつけることでしたから、目的は達したといえます。
いや、デキすぎかも知れません。

明日は右田と一騎打ちになる、と予想しました。
ボクにとっては理想の展開です。

ところがその予想に反し、最終日は思わぬ方向へと麻雀が動いたのです。
(以下次号)

鳳凰の部屋/『サプライズ』

では前回に続き、瀬戸熊の八万白打ちの謎の検証に入ります。
hououi_03_08_06_smpwidth290_ktaiwidth240
どちらも一瞬の間でしたが、瀬戸熊が考えたことは確かです。目線が手に落ちたから間違いありません。
ボクは勝負の最中は、相手3人の視線を追い、それも推理の材料にします。目の条件反射や輝きには、嘘がないので当たる確率は相当高いと見ます。
瀬戸熊が13巡目に、ドラの四筒を掴んだときの手牌はこう。
四万四万四万六万八万六筒六筒  ポン一万 上向き一万 上向き一万 左向き  ポン西西西 ツモ四筒
途中三万を切らず六筒を落としてマンズに染める手順もありましたが、ボクの親落としを優先したのです。
それはそれで間違いではありません。瀬戸熊はトップ目で、相手のボクが沈んでいますから、オヤ落としをかける手は当然のことです。
瀬戸熊から見れば、ボクの両面の鳴きはタンヤオのドラドラかドラ3枚の仕掛けと見ていますから、だからこのドラは打てない。
手牌も染め手でないので、手が安いという弱みがあります。なので、ここは受けに回り打八万
受けと攻め…知らぬ間に立場が逆転していたのです。あの一瞬の間は、これだったのです。
この後、ボクが二万を打ち出した時の手牌はこうです。
二万は瀬戸熊に対しては強い牌です。
六万七万八万四筒四筒四筒南南南白  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き
そして河がこう。
西一筒 上向き北八筒 上向き中八索 上向き
三索 上向き一索 上向き九索 上向き九索 上向き東九筒 下向き
二万 上向き
瀬戸熊の八万切りの後の二万ですから、強打です。
麻雀には伏せられた手牌と未知のツモがありますから、読みや推理が外れることも間々あります。それがこの局です。
しかし、そこで読みの限界を悟りあきらめてはいけない。大事なのはそこから先です。
それには日常の鍛錬で、読みと推理の精度を高める努力をすること、これが大事なのです。
瀬戸熊は1巡凌いでも、次の安全牌がないから苦しい展開が続きます。そして最後のツモで白
瀬戸熊の決断は、ボクの手を食いタンと呼んだ以上、白を切るべきと考えたに違いありません。
これが2度目の間だったのです。
自分が信じた読みの継続の一打ですから、一貫性のある正しい姿勢といえます。
これは責められない放銃でしょう。
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前回、瀬戸熊の精気が消えた…と述べましたが、本当にボクにはそう見え感じたのです。
(このシリーズの瀬戸熊は終わった―)
これはボクだけでなく、対局者も見ているすべてのプロも感じたはずです。
ところがこの後、瀬戸熊は1,000・2,000をツモり、次のラス親でこれをアガリます。
hououi_03_09_02_smpwidth290_ktaiwidth240
これが、瀬戸熊の根性であり精神力なのでしょう。再びボクを沈めてトップに返り咲いたのです。
驚きました。これが2度目のサプライズ。そして1本場、3度目の驚きがこれです。
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12巡目に右田のリーチを受けます。ボクは浮くことがこの局のテーマですから、すぐに引くわけにはいかない。
押しながら引きながら打っていたら、結果がコレです。
hououi_03_09_04_smpwidth290_ktaiwidth240
牌姿も受けも変わりましたが、うまくアガれたのは自分でも驚きです。これもサプライズでしょう。
この時、ボクは初めて優勝を意識しました。
このシリーズを振り返れば、ボクはオーラスに強かった印象があります。
麻雀はアガリも打ち込みも、連動します。けれど、サプライズも連動するとは思いもしませんでした。
そしてその驚きは、視聴者にきっと感動を与えることでしょう。
しかしこの日、瀬戸熊の踏ん張りもここまでした。
彼は14回戦にラスを引きます。
hououi_03_09_05_smpwidth290_ktaiwidth240
続く15回戦でもラスを食らいます。
hououi_03_09_06_smpwidth290_ktaiwidth240
あの瀬戸熊が…冴えない。やはり白打ちで、体に毒が回っているのだと思いました。
これで3日目が終了。そして総合得点がこうです。
荒+99.2P  右田+48.9P  瀬戸熊▲57.8P  望月▲90.3P
この時点でボクの見立ては、望月は圏外。瀬戸熊もほぼ圏外。
ボクの理想は、瀬戸熊に最終日までに80Pの差をつけることでしたから、目的は達したといえます。
いや、デキすぎかも知れません。
明日は右田と一騎打ちになる、と予想しました。
ボクにとっては理想の展開です。
ところがその予想に反し、最終日は思わぬ方向へと麻雀が動いたのです。
(以下次号)

第11期 太閤位C2リーグ 後期第3節レポート

長かった酷暑もすっかり影をひそめ、冬の到来を感じさせる今日この頃ですが、関西プロリーグではまだまだ熱い戦いが繰り広げられております。
A卓の主役は赤木。今の赤木には勢いがあります。王位戦のプロ予選惜しくも本戦行きは逃しましたが、決勝までコマを進めました。
そして前節大きくプラスに終え、本日も絶好調で対局を終えました。そ
の好調を予感させるような局がありました。
第2戦の東4局、南家の赤木は七索を切ってダブルリーチをかけて一発でツモリアガリました。

七万八万九万四索五索五索六索七索九筒九筒南南南 ダブルリーチ  ツモ三索

競技ルールには一発という役はありませんが、2,000・3,900をたったの2巡で手に入れてこの半荘をプラスで終えました。
そして第3戦、赤木の快進撃が始まる。

東1局はダブ東ドラ2の3,900オール、東4局はリーチドラ3の8,000、南1局は発ドラ3の3,900オールと高打点のアガリを連発。
ドラの破壊力を改めて実感した半荘となり、赤木は1人浮きの大トップを手にします。
私が抜け番だった第5戦も、1人浮きのトップを手にして昇級争いに頭角をあらわしました。

B卓6回戦(山本、森元、木下、長野)
5回戦まで木下が絶好調で、迎えた第6回戦、私は山本と森元の間で観戦致しました。
東場は小場で進み、南1局、山本と森元の手がぶつかり合います。
山本はピンズ、森元はソーズの一色手に走ります。
結局、ピンズと字牌を掴んで森元はオリ、山本が1,300オールを手にしますが、押し引きがしっかりされているから今期好調なのかなと感じました。

その後、テンパイは入るが脇にアガられ、南3局では好形の跳満の1シャンテンも、親の木下に流されと波に乗り切れない森元であったが、
その1本場、大チャンス手がやってきます。

配牌
一万二万三万四万五万六万六万七万八万九万三筒四筒発

三万六万九万二筒五筒発がくればダブルリーチのチャンスではあるが、ダブルリーチをかけるのは六万ツモの時だけと森元は述懐していました。
私なら撥ツモでもダブルリーチをかけてそうです。この手が以下のように変化してテンパイに、

一万一万二万三万三万四万四万五万六万六万七万七万八万 ロン八万

本日絶好調の木下から16,000を手にして4連勝に待ったをかけました。
競技ルールで倍満は大きいです。このひとアガリでラスからトップに躍り出ました。
森元は今節あまり調子よくなかったそうですが、スコアは落とさず首位戦線にとどまりました。

今期もあと2節。レポートを書いている私も勝負の行方がどうなるか非常に楽しみになってきました。
残り2節も選手の皆様の奮闘に期待をしたいです。

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 6 節 7 節 8 節 9 節 10 節 合計 順位
1 赤木 由実 ▲ 50.3 63.8 78.8 92.3 1
2 森元 直哉 35.5 54.3 ▲ 2.8 87 2
3 木下 恭子 24.3 ▲ 23.4 67.5 68.4 3
4 山本 善嗣 40.4 14.9 7.6 62.9 4
5 中山 千鶴 ▲ 19.1 37 ▲ 3.1 14.8 5
6 高瀬 真濃 69.4 ▲ 4.1 ▲ 65.5 ▲ 0.2 6
7 森下 恭好 34.6 ▲ 19.2 ▲ 48.7 ▲ 33.3 7
8 西村 友和 31.6 ▲ 43.3 ▲ 35.8 ▲ 47.5 8
9 永田 知也 ▲ 41.1 38.3 ▲ 46.5 ▲ 49.3 9
10 長野 恵美 ▲ 83.6 ▲ 36.5 22.9 ▲ 97.2 10
11 吉本 卓矢 ▲ 42.7 ▲ 102.8 25.6 ▲ 119.9 11

関西プロリーグ レポート/第11期 太閤位C2リーグ 後期第3節レポート

長かった酷暑もすっかり影をひそめ、冬の到来を感じさせる今日この頃ですが、関西プロリーグではまだまだ熱い戦いが繰り広げられております。
A卓の主役は赤木。今の赤木には勢いがあります。王位戦のプロ予選惜しくも本戦行きは逃しましたが、決勝までコマを進めました。
そして前節大きくプラスに終え、本日も絶好調で対局を終えました。そ
の好調を予感させるような局がありました。
第2戦の東4局、南家の赤木は七索を切ってダブルリーチをかけて一発でツモリアガリました。
七万八万九万四索五索五索六索七索九筒九筒南南南 ダブルリーチ  ツモ三索
競技ルールには一発という役はありませんが、2,000・3,900をたったの2巡で手に入れてこの半荘をプラスで終えました。
そして第3戦、赤木の快進撃が始まる。
東1局はダブ東ドラ2の3,900オール、東4局はリーチドラ3の8,000、南1局は発ドラ3の3,900オールと高打点のアガリを連発。
ドラの破壊力を改めて実感した半荘となり、赤木は1人浮きの大トップを手にします。
私が抜け番だった第5戦も、1人浮きのトップを手にして昇級争いに頭角をあらわしました。
B卓6回戦(山本、森元、木下、長野)
5回戦まで木下が絶好調で、迎えた第6回戦、私は山本と森元の間で観戦致しました。
東場は小場で進み、南1局、山本と森元の手がぶつかり合います。
山本はピンズ、森元はソーズの一色手に走ります。
結局、ピンズと字牌を掴んで森元はオリ、山本が1,300オールを手にしますが、押し引きがしっかりされているから今期好調なのかなと感じました。
その後、テンパイは入るが脇にアガられ、南3局では好形の跳満の1シャンテンも、親の木下に流されと波に乗り切れない森元であったが、
その1本場、大チャンス手がやってきます。
配牌
一万二万三万四万五万六万六万七万八万九万三筒四筒発
三万六万九万二筒五筒発がくればダブルリーチのチャンスではあるが、ダブルリーチをかけるのは六万ツモの時だけと森元は述懐していました。
私なら撥ツモでもダブルリーチをかけてそうです。この手が以下のように変化してテンパイに、
一万一万二万三万三万四万四万五万六万六万七万七万八万 ロン八万
本日絶好調の木下から16,000を手にして4連勝に待ったをかけました。
競技ルールで倍満は大きいです。このひとアガリでラスからトップに躍り出ました。
森元は今節あまり調子よくなかったそうですが、スコアは落とさず首位戦線にとどまりました。
今期もあと2節。レポートを書いている私も勝負の行方がどうなるか非常に楽しみになってきました。
残り2節も選手の皆様の奮闘に期待をしたいです。

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 6 節 7 節 8 節 9 節 10 節 合計 順位
1 赤木 由実 ▲ 50.3 63.8 78.8 92.3 1
2 森元 直哉 35.5 54.3 ▲ 2.8 87 2
3 木下 恭子 24.3 ▲ 23.4 67.5 68.4 3
4 山本 善嗣 40.4 14.9 7.6 62.9 4
5 中山 千鶴 ▲ 19.1 37 ▲ 3.1 14.8 5
6 高瀬 真濃 69.4 ▲ 4.1 ▲ 65.5 ▲ 0.2 6
7 森下 恭好 34.6 ▲ 19.2 ▲ 48.7 ▲ 33.3 7
8 西村 友和 31.6 ▲ 43.3 ▲ 35.8 ▲ 47.5 8
9 永田 知也 ▲ 41.1 38.3 ▲ 46.5 ▲ 49.3 9
10 長野 恵美 ▲ 83.6 ▲ 36.5 22.9 ▲ 97.2 10
11 吉本 卓矢 ▲ 42.7 ▲ 102.8 25.6 ▲ 119.9 11

第11期 太閤位C1リーグ 後期第3節レポート

気がつけば3節目、残りの節のことも考えると、その場の点棒だけではなく、ポイントを持っている者をマークする必要がありそうだ。
1卓 中野・後藤・藤原・原田
2卓 中安・山中・上村・丸山
3卓 高柳・山室・宮田・三好
4卓 近野・谷上・田村・大橋

近野とは何度か同卓しているが、非常に手役技巧派で今節では決定的なアガリをいくつか見せてくれた
東1局、ツモ山も中盤に差し掛かった時、近野がリーチ。
数巡後、五筒を出アガリ12,000のアガリとなった。

二万二万二万三筒三筒三筒五筒五筒九筒九筒西西西 リーチ  ロン五筒  ドラ三万

その後も、

一万二万三万一筒二筒一索二索三索九索九索西西西 ツモ三筒

この3,000・6,000を決め、手役の絡んだ高いアガリが続いた。

1卓では、対局者全員が手役を狙う者同士になったため、軽いアガリがほとんど無く高い場となった。
また、しっかり手を作ってくるので筋も追いにくく苦しい対局となる。
放銃が少なく安定した成績を出している親の中野に、早い巡目でこのようなテンパイが入ったが、これをヤミテンに構える

五万六万七万一筒二筒二筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒九筒

そこに、藤原からのリーチが入り、その後、中野が七筒ツモの1,300オールとなった。
対局後に聞いたが、リーチが入らなければフリテンリーチに行く覚悟だったという。
やはり目先のアガリも大切ではあるが、1つ1つのチャンスを存分に活かし打点を叩く姿勢が大切なのだと魅せられた。

2卓では、前節不調だった上村が大きくポイントを叩くこととなった。
4回戦南2局、親・上村。
既に72,100点持ちで4本場積んでおり、一向に勢いは衰えない

三筒四筒四筒四索四索六索七索  ポン中中中 ポン南南南 ドラ南

この動きに対して丸山が西を仕掛ける。
そして数巡後、七筒をツモアガリ400・700でかわす。
親は12,000点の手だが、これに怯まず前に出た丸山の判断は素晴らしいものである。

3卓では前節好調だった三好、宮田が苦しい展開となった。
4回戦、南2局2本場、親・高柳。
場に動きが入り宮田の手が急成長し、5巡目に力強くリーチを打つ

二万二万三万三万三万東東東西西北北北 リーチ ドラ二索

しかし、数巡後に掴んだ二筒が高柳への放銃となり7,700は8,300となる。

二筒二筒五筒六筒六筒六筒七筒発発発 ポン一筒

その後、高柳がリーチをして3,900は4,200オールを決める。

二筒二筒二筒一索二索三索四索五索六索八索九索北北 リーチ ツモ七索

これで団子状態に変わった。
今節では上位者が痛いマイナスをつけてしまう展開となり、首位争いをより激化することになってきた。
残り2節、まだ各自、昇級や残留を狙える距離。一片の悔いも残らないよう全力で戦って欲しいと思う。

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 上村 政雄 33.1 ▲ 14.1 98.7 117.7
2 中野 孝治 25.3 ▲ 12.7 65.7 78.3
3 中安 武尊 11.1 14.6 28.2 53.9
4 大橋 慶一郎 49.3 ▲ 1.0 2.2 50.5
5 後藤 俊孝 6.7 53.4 ▲ 30.5 29.6
6 宮田 豊夢 31.6 14.8 ▲ 17.8 28.6
7 三好 直幸 ▲ 9.2 50.1 ▲ 14.0 26.9
8 丸山 直 42 13 ▲ 44.8 10.2
9 谷上 脩平 ▲ 49.4 36.4 10.8 ▲ 2.2
10 原田 潤次 19.6 ▲ 24.8 ▲ 5.1 ▲ 10.3
11 高柳 将史 ▲ 32.1 ▲ 40.9 30.5 ▲ 42.5
12 近野 弥生 ▲ 75.4 ▲ 13.5 20.7 ▲ 68.2
13 田村 豊 32.4 ▲ 89.4 ▲ 33.7 ▲ 90.7
14 山室 太二 ▲ 83.0 ▲ 24.6 1.3 ▲ 106.3
15 山中 翼 ▲ 39.9 7.9 ▲ 82.1 ▲ 114.1
16 藤原 仙三 ▲ 82.1 ▲ 9.2 ▲ 30.1 ▲ 121.4

関西プロリーグ レポート/第11期 太閤位C1リーグ 後期第3節レポート

気がつけば3節目、残りの節のことも考えると、その場の点棒だけではなく、ポイントを持っている者をマークする必要がありそうだ。
1卓 中野・後藤・藤原・原田
2卓 中安・山中・上村・丸山
3卓 高柳・山室・宮田・三好
4卓 近野・谷上・田村・大橋
近野とは何度か同卓しているが、非常に手役技巧派で今節では決定的なアガリをいくつか見せてくれた
東1局、ツモ山も中盤に差し掛かった時、近野がリーチ。
数巡後、五筒を出アガリ12,000のアガリとなった。
二万二万二万三筒三筒三筒五筒五筒九筒九筒西西西 リーチ  ロン五筒  ドラ三万
その後も、
一万二万三万一筒二筒一索二索三索九索九索西西西 ツモ三筒
この3,000・6,000を決め、手役の絡んだ高いアガリが続いた。
1卓では、対局者全員が手役を狙う者同士になったため、軽いアガリがほとんど無く高い場となった。
また、しっかり手を作ってくるので筋も追いにくく苦しい対局となる。
放銃が少なく安定した成績を出している親の中野に、早い巡目でこのようなテンパイが入ったが、これをヤミテンに構える
五万六万七万一筒二筒二筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒九筒
そこに、藤原からのリーチが入り、その後、中野が七筒ツモの1,300オールとなった。
対局後に聞いたが、リーチが入らなければフリテンリーチに行く覚悟だったという。
やはり目先のアガリも大切ではあるが、1つ1つのチャンスを存分に活かし打点を叩く姿勢が大切なのだと魅せられた。
2卓では、前節不調だった上村が大きくポイントを叩くこととなった。
4回戦南2局、親・上村。
既に72,100点持ちで4本場積んでおり、一向に勢いは衰えない
三筒四筒四筒四索四索六索七索  ポン中中中 ポン南南南 ドラ南
この動きに対して丸山が西を仕掛ける。
そして数巡後、七筒をツモアガリ400・700でかわす。
親は12,000点の手だが、これに怯まず前に出た丸山の判断は素晴らしいものである。
3卓では前節好調だった三好、宮田が苦しい展開となった。
4回戦、南2局2本場、親・高柳。
場に動きが入り宮田の手が急成長し、5巡目に力強くリーチを打つ
二万二万三万三万三万東東東西西北北北 リーチ ドラ二索
しかし、数巡後に掴んだ二筒が高柳への放銃となり7,700は8,300となる。
二筒二筒五筒六筒六筒六筒七筒発発発 ポン一筒
その後、高柳がリーチをして3,900は4,200オールを決める。
二筒二筒二筒一索二索三索四索五索六索八索九索北北 リーチ ツモ七索
これで団子状態に変わった。
今節では上位者が痛いマイナスをつけてしまう展開となり、首位争いをより激化することになってきた。
残り2節、まだ各自、昇級や残留を狙える距離。一片の悔いも残らないよう全力で戦って欲しいと思う。

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 上村 政雄 33.1 ▲ 14.1 98.7 117.7
2 中野 孝治 25.3 ▲ 12.7 65.7 78.3
3 中安 武尊 11.1 14.6 28.2 53.9
4 大橋 慶一郎 49.3 ▲ 1.0 2.2 50.5
5 後藤 俊孝 6.7 53.4 ▲ 30.5 29.6
6 宮田 豊夢 31.6 14.8 ▲ 17.8 28.6
7 三好 直幸 ▲ 9.2 50.1 ▲ 14.0 26.9
8 丸山 直 42 13 ▲ 44.8 10.2
9 谷上 脩平 ▲ 49.4 36.4 10.8 ▲ 2.2
10 原田 潤次 19.6 ▲ 24.8 ▲ 5.1 ▲ 10.3
11 高柳 将史 ▲ 32.1 ▲ 40.9 30.5 ▲ 42.5
12 近野 弥生 ▲ 75.4 ▲ 13.5 20.7 ▲ 68.2
13 田村 豊 32.4 ▲ 89.4 ▲ 33.7 ▲ 90.7
14 山室 太二 ▲ 83.0 ▲ 24.6 1.3 ▲ 106.3
15 山中 翼 ▲ 39.9 7.9 ▲ 82.1 ▲ 114.1
16 藤原 仙三 ▲ 82.1 ▲ 9.2 ▲ 30.1 ▲ 121.4

第11期 太閤位Bリーグ 第8節レポート

第8節の対局者は以下のとおり。昇級・降級争いのため各々が勝負掛けをする。
1卓:西原・掛樋・冨田・筒井
2卓:勝間・原田・辻本・近野・延原
3卓:堀・坂本・米川・大森

4卓
1回戦東2局、西原が親番で攻める。

二索三索四索五索六索七索八索九索一万二万三万二筒二筒 リーチ ツモ一索 ドラ一筒

この4,000オールをアガリ大きくリードする。
しかし、西原の連荘を止めた掛樋が手数で他家を圧倒し、

六索七索八索四筒五筒五筒六筒六筒八筒八筒七万八万九万 ツモ七筒 ドラ六筒

これをアガリ、西原を捲りトップを取る。

3回戦南2局、筒井が先制のリーチ。

一万四万四万七万七万三索三索六索六索南南白白  リーチ  ドラ二筒

リーチ後に、ツモ切りの二筒をポンした掛樋が、

八筒九筒七索八索九索七万八万九万東東 ポン二筒二筒二筒 ツモ七筒

これをアガリ3回戦もトップ。

4回戦南4局、得点状況は以下のとおり。

冨田:37,600 西原:34,400 掛樋:26,300 筒井:21,700

西原
一万一万三万四万一筒二筒三筒三筒四筒五筒七索八索九索  ドラ八万

掛樋
五索六索六索七索八索五筒五筒二万三万四万五万六万七万  リーチ

筒井
四索五索六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒八万八万  リーチ

筒井はツモって逆転、掛樋はあがればプラス、それぞれ条件を満たすオーラス。
結果は流局となったが、西原がノーテンの冨田を逆転した。
筒井は昇級争いから一歩後退したか…

2卓
2回戦、1回戦をプラスで終えた原田が好調なところを見せる。

一万二万三万三万四万五万五万六万七万八万九万北北 ロン七万

辻本からアガリ勢いに乗る。

南3局1本場、辻本、近野も反撃を見せたいところ。

近野
八万八万三筒三筒四筒四筒五筒五筒四索五索 暗カン牌の背七筒七筒牌の背 ドラ七筒

辻本
三索三索四索五索五索 ポン七索七索七索 ポン九索九索九索 ポン中中中 打四索

このテンパイ合戦の中を、恐れずかいくぐってアガったのが原田。

一万二万三万四万四筒五筒六筒南南南 チー四索三索五索  ロン一万

1、2回戦連続のプラスでトータルトップとなる。

3回戦、ここまで活躍の場がなかった勝間だが、

一万二万三万二筒三筒西西発発発中中中 ツモ一筒 ドラ西

これを決めて存在感を見せる。

4回戦、延原が5巡目までに風牌を2つ叩いて不穏な空気が走る。
7巡目、近野に初牌の北が流れてきて、これを警戒すると、親の勝間からもリーチが入った。
手を見れば、ドラの一万が2枚含まれる好形だったが、枚数差だけで勝負が決まらないのが麻雀の面白いところである。
先に手牌を開いたのが延原。

一万一万一索一索一索北北 ポン東東東 ポン中中中 ロン北 ドラ一万

まさかの倍満に、ここでは勝間が痛恨の打ちこみとなった。さらには、

近野
一万二万三万七万七万七万東東西西西中中 ツモ東

このツモで点数を削りとられるなど、勝間にとっては辛い戦いが続く。

5回戦、ここまで目立ったアガリのなかった辻本だったが、安いアガリを目指さないだけに、決めた時の打点は高い。

一筒一筒一筒三索 ポン中中中 ポン西西西 ポン五筒五筒五筒 ツモ三索  ドラ三索

この跳満を決め、最終戦で巻き返し、大きなマイナスを抑えた。

3卓
3回戦までは上位の2名を抑えて、坂本が1人浮きのダントツ状態であったが、4回戦の南場で米川が意地を見せる。

六筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒 ポン西西西 ポン中中中 ツモ六筒

二万九万九万九万四筒五筒六筒北北北 ポン南南南 ツモ二万

さらに親番で、2,600オール、1,300オールなど連荘し、終わってみれば南場だけのアガリで6万点オーバー。
トータルをプラスにまとめ、リーグトップに更に拍車をかけた。
そして、あと2節果たして上位は変わるのか?

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 米川 基紀 ▲ 12.6 8.6 91.3 ▲ 16.3 32.2 71.2 17.8 36.1 228.3 1
2 勝間 伸生 10.7 64.8 27.1 38.2 92.2 ▲ 23.3 ▲ 29.1 ▲ 26.3 154.3 2
3 掛樋 忠雄 ▲ 23.3 43.1 ▲ 45.5 31.8 6.2 48.7 48.8 30.6 140.4 3
4 辻本 翔哉 10.3 23.4 11.4 ▲ 14.2 24.5 48.5 44.5 ▲ 16.4 132.0 4
5 筒井 宏晶 43.4 ▲ 34.0 ▲ 16.2 37.8 15.3 44.8 43.3 ▲ 47.8 86.6 5
6 堀  昭義 ▲ 50.1 65.9 40.7 23.1 ▲ 16.5 27.2 22.9 ▲ 59.9 53.3 6
7 富田 淳一 31.3 37.2 32.0 ▲ 51.8 ▲ 16.3 ▲ 47.7 ▲ 3.7 26.9 7.9 7
8 原田 保正 ▲ 12.1 ▲ 12.8 ▲ 40.8 29.6 32.9 51.1 ▲ 58.6 10.0 ▲ 0.7 8
9 坂本 誠裕 ▲ 7.1 56.3 ▲ 27.0 ▲ 4.0 6.7 6.9 ▲ 50.8 11.6 ▲ 7.4 9
10 西原 佳隆 ▲ 4.8 ▲ 24.3 ▲ 21.6 8.5 ▲ 19.2 ▲ 18.9 30.7 ▲ 12.7 ▲ 62.3 10
11 近野理智男 19.5 ▲ 57.3 ▲ 24.2 ▲ 56.3 4.0 ▲ 8.2 ▲ 37.1 49.2 ▲ 110.4 11
12 大森孝太郎 ▲ 25.4 ▲ 109.2 34.2 ▲ 2.4 ▲ 59.8 ▲ 81.5 24.6 12.2 ▲ 207.3 12
13 延原 明美 ▲ 6.4 ▲ 36.3 8.2 3.2 ▲ 32.4 ▲ 120.5 ▲ 53.3 ▲ 16.5 ▲ 254.0 13

関西プロリーグ レポート/第11期 太閤位Bリーグ 第8節レポート

第8節の対局者は以下のとおり。昇級・降級争いのため各々が勝負掛けをする。
1卓:西原・掛樋・冨田・筒井
2卓:勝間・原田・辻本・近野・延原
3卓:堀・坂本・米川・大森
4卓
1回戦東2局、西原が親番で攻める。
二索三索四索五索六索七索八索九索一万二万三万二筒二筒 リーチ ツモ一索 ドラ一筒
この4,000オールをアガリ大きくリードする。
しかし、西原の連荘を止めた掛樋が手数で他家を圧倒し、
六索七索八索四筒五筒五筒六筒六筒八筒八筒七万八万九万 ツモ七筒 ドラ六筒
これをアガリ、西原を捲りトップを取る。
3回戦南2局、筒井が先制のリーチ。
一万四万四万七万七万三索三索六索六索南南白白  リーチ  ドラ二筒
リーチ後に、ツモ切りの二筒をポンした掛樋が、
八筒九筒七索八索九索七万八万九万東東 ポン二筒二筒二筒 ツモ七筒
これをアガリ3回戦もトップ。
4回戦南4局、得点状況は以下のとおり。
冨田:37,600 西原:34,400 掛樋:26,300 筒井:21,700
西原
一万一万三万四万一筒二筒三筒三筒四筒五筒七索八索九索  ドラ八万
掛樋
五索六索六索七索八索五筒五筒二万三万四万五万六万七万  リーチ
筒井
四索五索六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒八万八万  リーチ
筒井はツモって逆転、掛樋はあがればプラス、それぞれ条件を満たすオーラス。
結果は流局となったが、西原がノーテンの冨田を逆転した。
筒井は昇級争いから一歩後退したか…
2卓
2回戦、1回戦をプラスで終えた原田が好調なところを見せる。
一万二万三万三万四万五万五万六万七万八万九万北北 ロン七万
辻本からアガリ勢いに乗る。
南3局1本場、辻本、近野も反撃を見せたいところ。
近野
八万八万三筒三筒四筒四筒五筒五筒四索五索 暗カン牌の背七筒七筒牌の背 ドラ七筒
辻本
三索三索四索五索五索 ポン七索七索七索 ポン九索九索九索 ポン中中中 打四索
このテンパイ合戦の中を、恐れずかいくぐってアガったのが原田。
一万二万三万四万四筒五筒六筒南南南 チー四索三索五索  ロン一万
1、2回戦連続のプラスでトータルトップとなる。
3回戦、ここまで活躍の場がなかった勝間だが、
一万二万三万二筒三筒西西発発発中中中 ツモ一筒 ドラ西
これを決めて存在感を見せる。
4回戦、延原が5巡目までに風牌を2つ叩いて不穏な空気が走る。
7巡目、近野に初牌の北が流れてきて、これを警戒すると、親の勝間からもリーチが入った。
手を見れば、ドラの一万が2枚含まれる好形だったが、枚数差だけで勝負が決まらないのが麻雀の面白いところである。
先に手牌を開いたのが延原。
一万一万一索一索一索北北 ポン東東東 ポン中中中 ロン北 ドラ一万
まさかの倍満に、ここでは勝間が痛恨の打ちこみとなった。さらには、
近野
一万二万三万七万七万七万東東西西西中中 ツモ東
このツモで点数を削りとられるなど、勝間にとっては辛い戦いが続く。
5回戦、ここまで目立ったアガリのなかった辻本だったが、安いアガリを目指さないだけに、決めた時の打点は高い。
一筒一筒一筒三索 ポン中中中 ポン西西西 ポン五筒五筒五筒 ツモ三索  ドラ三索
この跳満を決め、最終戦で巻き返し、大きなマイナスを抑えた。
3卓
3回戦までは上位の2名を抑えて、坂本が1人浮きのダントツ状態であったが、4回戦の南場で米川が意地を見せる。
六筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒 ポン西西西 ポン中中中 ツモ六筒
二万九万九万九万四筒五筒六筒北北北 ポン南南南 ツモ二万
さらに親番で、2,600オール、1,300オールなど連荘し、終わってみれば南場だけのアガリで6万点オーバー。
トータルをプラスにまとめ、リーグトップに更に拍車をかけた。
そして、あと2節果たして上位は変わるのか?

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 米川 基紀 ▲ 12.6 8.6 91.3 ▲ 16.3 32.2 71.2 17.8 36.1 228.3 1
2 勝間 伸生 10.7 64.8 27.1 38.2 92.2 ▲ 23.3 ▲ 29.1 ▲ 26.3 154.3 2
3 掛樋 忠雄 ▲ 23.3 43.1 ▲ 45.5 31.8 6.2 48.7 48.8 30.6 140.4 3
4 辻本 翔哉 10.3 23.4 11.4 ▲ 14.2 24.5 48.5 44.5 ▲ 16.4 132.0 4
5 筒井 宏晶 43.4 ▲ 34.0 ▲ 16.2 37.8 15.3 44.8 43.3 ▲ 47.8 86.6 5
6 堀  昭義 ▲ 50.1 65.9 40.7 23.1 ▲ 16.5 27.2 22.9 ▲ 59.9 53.3 6
7 富田 淳一 31.3 37.2 32.0 ▲ 51.8 ▲ 16.3 ▲ 47.7 ▲ 3.7 26.9 7.9 7
8 原田 保正 ▲ 12.1 ▲ 12.8 ▲ 40.8 29.6 32.9 51.1 ▲ 58.6 10.0 ▲ 0.7 8
9 坂本 誠裕 ▲ 7.1 56.3 ▲ 27.0 ▲ 4.0 6.7 6.9 ▲ 50.8 11.6 ▲ 7.4 9
10 西原 佳隆 ▲ 4.8 ▲ 24.3 ▲ 21.6 8.5 ▲ 19.2 ▲ 18.9 30.7 ▲ 12.7 ▲ 62.3 10
11 近野理智男 19.5 ▲ 57.3 ▲ 24.2 ▲ 56.3 4.0 ▲ 8.2 ▲ 37.1 49.2 ▲ 110.4 11
12 大森孝太郎 ▲ 25.4 ▲ 109.2 34.2 ▲ 2.4 ▲ 59.8 ▲ 81.5 24.6 12.2 ▲ 207.3 12
13 延原 明美 ▲ 6.4 ▲ 36.3 8.2 3.2 ▲ 32.4 ▲ 120.5 ▲ 53.3 ▲ 16.5 ▲ 254.0 13

第11期 太閤位Aリーグ 第8節レポート

とうとう今月より11月。ほんのちょっと前まであんなに暑かったのが嘘のように、肌寒い季節となってきた。
そして、関西プロリーグ戦も残すところ3節。終盤戦に突入である。

1卓(花岡、貫上、仁科、横山、上村)
リーグ戦の上位者である、貫上、花岡ともに卓内ワンツーでプラスとなり、貫禄を見せつける形となった。
特に貫上は、積極的な麻雀を見せこの何節かで一気にポイントを伸ばし、8節までのトータルもトップに躍り出た。

2卓(中田、玉木、佐々木、中川、藤川、岡崎)
1回戦、玉木の大連荘により70,000点トップ。
これにより、大荒れになるかと思われたが、終わってみれば中田が+58.9Pとし、卓内トップで一気に上位に食い込んだ。
今回は、中田の要所でのアガリが効果的で、卓内をリードしていたように思う。
私もチャンス手が何度か入ったものの、同じ待ちのテンパイを何度も引き負ける結果となった。
特に印象の残ったのが、1,300オールを親番で引きアガったあとの1本場。
今日の私は、親番で連荘がほとんどでなく、ポイントをプラスできずにいた中での下記のテンパイ。

九万九万一筒二筒三筒五筒六筒七筒四索五索 ポン発 ドラ九万

序盤のテンパイで、もらったも同然と思っていたが、私が鳴きを入れたあとの中田のツモアガリ。

一万二万三万四万五万六万七万八万九万五索七索八筒八筒 ツモ六索

同じ待ちの六索を引き負け2,000・3,900の親被り。本日は、これで完敗といったところである。
自分自身、暗雲漂う今節の内容であったが、気持ちを入れ替え次節に臨みたい。
上位3位までの決勝の切符をかけた勝負は、まだまだ厳しいものとなりそうだ。

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 6 節 7 節 8 節 9 節 10 節 合計 順位
1 貫上 洋志 53.7 ▲ 11.5 1.5 10.5 ▲ 11.6 40.4 62.6 52.7 198.3 1
2 岡崎 有 3.8 80.9 38 33.7 ▲ 2.0 15 15.9 ▲ 21.7 163.6 2
3 中田 一幸 ▲ 52.4 34 ▲ 21.7 22.8 41.4 17.3 4.8 58.9 105.1 3
4 花岡 章生 31.1 30.4 14.7 ▲ 17.7 ▲ 29.7 6.6 37.9 29.3 102.6 4
5 藤川 議次 ▲ 29.2 ▲ 13.4 89.3 50.5 9.8 ▲ 13.6 ▲ 47.1 ▲ 2.1 44.2 5
6 玉木 章司 ▲ 31.5 ▲ 90.0 14.7 0.2 4.9 77 29 ▲ 5.2 ▲ 0.9 6
7 中川 保 48.6 ▲ 9.1 ▲ 38.4 1.8 54.2 ▲ 101.4 25 8 ▲ 11.3 7
8 仁科 健一郎 30.2 ▲ 20.0 ▲ 8.0 ▲ 30.5 3.8 31.4 ▲ 55.6 ▲ 24.3 ▲ 73.0 8
9 佐々木 亮 1.9 21.2 9 28.6 ▲ 21.4 ▲ 79.3 ▲ 49.5 ▲ 37.9 ▲ 127.4 9
10 横山 毅 ▲ 54.3 ▲ 21.3 ▲ 59.1 ▲ 49.6 15.4 25.6 ▲ 2.6 ▲ 21.0 ▲ 166.9 10
11 上村 宜久 ▲ 45.6 ▲ 7.1 ▲ 8.3 ▲ 38.8 ▲ 37.7 ▲ 19.0 ▲ 21.4 ▲ 36.7 ▲ 214.6 11

関西プロリーグ レポート/第11期 太閤位Aリーグ 第8節レポート

とうとう今月より11月。ほんのちょっと前まであんなに暑かったのが嘘のように、肌寒い季節となってきた。
そして、関西プロリーグ戦も残すところ3節。終盤戦に突入である。
1卓(花岡、貫上、仁科、横山、上村)
リーグ戦の上位者である、貫上、花岡ともに卓内ワンツーでプラスとなり、貫禄を見せつける形となった。
特に貫上は、積極的な麻雀を見せこの何節かで一気にポイントを伸ばし、8節までのトータルもトップに躍り出た。
2卓(中田、玉木、佐々木、中川、藤川、岡崎)
1回戦、玉木の大連荘により70,000点トップ。
これにより、大荒れになるかと思われたが、終わってみれば中田が+58.9Pとし、卓内トップで一気に上位に食い込んだ。
今回は、中田の要所でのアガリが効果的で、卓内をリードしていたように思う。
私もチャンス手が何度か入ったものの、同じ待ちのテンパイを何度も引き負ける結果となった。
特に印象の残ったのが、1,300オールを親番で引きアガったあとの1本場。
今日の私は、親番で連荘がほとんどでなく、ポイントをプラスできずにいた中での下記のテンパイ。
九万九万一筒二筒三筒五筒六筒七筒四索五索 ポン発 ドラ九万
序盤のテンパイで、もらったも同然と思っていたが、私が鳴きを入れたあとの中田のツモアガリ。
一万二万三万四万五万六万七万八万九万五索七索八筒八筒 ツモ六索
同じ待ちの六索を引き負け2,000・3,900の親被り。本日は、これで完敗といったところである。
自分自身、暗雲漂う今節の内容であったが、気持ちを入れ替え次節に臨みたい。
上位3位までの決勝の切符をかけた勝負は、まだまだ厳しいものとなりそうだ。

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 6 節 7 節 8 節 9 節 10 節 合計 順位
1 貫上 洋志 53.7 ▲ 11.5 1.5 10.5 ▲ 11.6 40.4 62.6 52.7 198.3 1
2 岡崎 有 3.8 80.9 38 33.7 ▲ 2.0 15 15.9 ▲ 21.7 163.6 2
3 中田 一幸 ▲ 52.4 34 ▲ 21.7 22.8 41.4 17.3 4.8 58.9 105.1 3
4 花岡 章生 31.1 30.4 14.7 ▲ 17.7 ▲ 29.7 6.6 37.9 29.3 102.6 4
5 藤川 議次 ▲ 29.2 ▲ 13.4 89.3 50.5 9.8 ▲ 13.6 ▲ 47.1 ▲ 2.1 44.2 5
6 玉木 章司 ▲ 31.5 ▲ 90.0 14.7 0.2 4.9 77 29 ▲ 5.2 ▲ 0.9 6
7 中川 保 48.6 ▲ 9.1 ▲ 38.4 1.8 54.2 ▲ 101.4 25 8 ▲ 11.3 7
8 仁科 健一郎 30.2 ▲ 20.0 ▲ 8.0 ▲ 30.5 3.8 31.4 ▲ 55.6 ▲ 24.3 ▲ 73.0 8
9 佐々木 亮 1.9 21.2 9 28.6 ▲ 21.4 ▲ 79.3 ▲ 49.5 ▲ 37.9 ▲ 127.4 9
10 横山 毅 ▲ 54.3 ▲ 21.3 ▲ 59.1 ▲ 49.6 15.4 25.6 ▲ 2.6 ▲ 21.0 ▲ 166.9 10
11 上村 宜久 ▲ 45.6 ▲ 7.1 ▲ 8.3 ▲ 38.8 ▲ 37.7 ▲ 19.0 ▲ 21.4 ▲ 36.7 ▲ 214.6 11