第30期チャンピオンズリーグ 決勝観戦記 紺野 真太郎

100

 

僅か3週間前には大勢の前で号泣していた・・・らしい。
噂で聞いただけなので本当かどうかはわからないが、多分本当のことなのだろう。
そしてこの時には、画面を通してもっと多くの人の前で違う意味の涙を流すことになるとは思いもしなかったであろう。

決勝戦前日、四谷道場ではファイナリストを決めるトーナメントが行われていた。当然残ることを想定していた私だが、結果は次々点。要するに暇になったのである。やることもないので取材、応援を兼ねて道場へ向かった。

HIRO柴田の調子が良さそうだ。ここまで4連勝らしい。トーナメント参加者はシード者を入れて30名。この30名の段階ですでに本命。今度こその思いは本人が1番強いであろう。
そのHIROであったが、その後は苦戦。準決勝も本当にギリギリの勝ち上がりであった。苦しい中勝ち上がったからこそ本命なのか、それとも引きずってしまうのか。

格上のHIRO相手に1位通過を決めたのは北條恵美。天真爛漫という言葉がぴったりな北条は、1回戦のラスを2連勝ではね返し、第3期女流桜花以来の決勝戦進出を決めた。

準決勝別卓では大庭三四郎が奮闘していた。新人王以降結果が出ず、いつもみんなのイジられ役。それがこの日は頼もしくも見え・・勝負処を制し、戴冠した第25期新人王戦以来の決勝進出。

予選を1位通過しベスト16から出場の庄田祐生。デビューまだ半年の新人で、ここまで目立った実績は無いが、同期の上田直樹が一足先に十段戦決勝進出を決めており負けられないところ。最後まで攻め続けここも堂々の1位通過。

それでは改めて決勝進出者のプロフィールを。

 

北條恵美 16期生 四段 1月1日生まれ O型 ニューヨーク出身
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北條は私と同期であり、1番最初に決勝戦を経験したのも北条であった。その第14期新人王戦は点数持ち越しの決勝戦で、予選のポイントを詰めきれずに3位。後ろで牌譜を採っていたのが懐かしい。数少なくなった同期生。やはり頑張って欲しいと思う。

 

HIRO柴田 17期生 七段 2月16日生まれ A型 神奈川県出身

100

これで何度目の正直だろうか。ここ1年でも第28期チャンピオンリーグ、第6期グランプリMAXと決勝を戦っている。「タイトルに1番近い男」ここでも圧倒的1番人気。なんの偶然か、ここ2回の決勝戦、観戦記担当は私であった。嫌なジンクスを破って初戴冠なるか。

 

大庭三四郎 27期生 三段 8月26日生まれ O型 東京都出身
100

ここでは唯一のタイトルホルダーの大庭。だが本人もそんなことはこれっぽっちも思っていないであろう。意気込みには「普段お世話になっている方々の為に全力で戦います。優勝して、生放送を見ている両親を泣かせたい」と答えた。この世界、勝つことが最大の恩返しとなる。有言実行なるか。

 

庄田祐生 32期生 初段 2月28日生まれ A型 石川県出身
100

麻雀プロになる為に関東で就職先を探し、高校卒業と同時に上京してきた庄田。親御さんから反対された時期もあったようで、上京即受験となったわけではなかった。それでも自らの夢を諦めることなくプロとなった。デビュー期のリーグ戦では降級という結果となってしまったが、巻き返すチャンスを早くも掴んだ。

 

 

1回戦 起家より 北條 HIRO 大庭 庄田

東1局2巡目、HIROから放たれた白を大庭はスルー

五万六万三索四索一筒一筒四筒四筒五筒東西白白  ドラ六万

HIROの切り出しは北白、ある程度手のまとまりを感じられる切り出しなので、仕掛ける手もあるが、大庭はメンゼンを選択。手がまとまれば勝負手としてリーチを打っていくつもりなのだろう。

10巡目、大庭、思惑通りのリーチ(四筒切りリーチ)2,000・3,900を引きに行く。

四万五万六万六索七索八索一筒一筒三筒四筒五筒白白  ドラ六万

1シャンテンまで進めていたHIRO。チーテンを入れ現物待ちで躱しに出る。

六万七万八万二索三索四索三筒五筒七筒七筒  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  ドラ六万

しかし、テンパイ打牌が一筒。大庭のリーチに捕まり2,600の放銃となった。
結果だけ見れば特に気にすることもないのだろうが、普段のHIROであれば動かない気がした。5回戦という短期決戦がそうさせたのか、それとも・・

東3局1本場、HIROは配牌1シャンテン

一索三索三索六索六索七索二筒四筒四筒八筒八筒南南  ドラ八万

ソーズの下が良いと判断し、引いてきた一索を重ねてテンパイ。7単騎としヤミテン。親の大庭、テンパイ打牌の東、ツモ切られた六万を仕掛け追いつく。

五索五索三筒四筒五筒六筒七筒  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ポン東東東  ドラ八万

HIROは大庭のドラ八万ツモ切りを見てリーチに出た。

100

HIROから見ると大庭はドラを持って無いように見え、手役も絡んでなさそうなのでほぼ2,900。自分の待ち七索も大庭は持っておらず、脇はオリ気味なのでわからないが、ソーズは全体的に安く、勝負になるとのリーチか。
大庭の待ち二筒五筒八筒は一見良さそうだが、この時点で既に山には無く勝負あったか。大庭、無スジを押しまくるもHIROの当たり牌七索を掴み3,200は3,500の放銃。HIROに軍配が上がる。HIROのこの辺りの場読みはさすがである。

東4局、南家の北條、残り2巡というところでテンパイを入れる。

五万六万七万二索二索六索七索四筒五筒六筒  ポン南南南  ドラ二索

この時大庭もテンパイを入れていた。

七万八万九万五索六索七索三筒七筒七筒七筒白白白  ドラ二索

一筒が4枚切れていた為、打二筒としての仮テン。掴んだのは八索。北條の最終手出しは四筒で、数巡前に六筒が切られていたため三筒は切りにくかったか、八索ツモ切りとし3,900の放銃となってしまう。勝ちたい気持ちが少し空回りか。

緊張からかここまでいつも以上に慎重になっていた庄田。南1局に

一万二万三万一索二索三索八索八索西西  ポン南南南  ツモ西  ドラ一万

この700・1,300をアガって落ち着いたか、南2局は積極的に仕掛けて出る。

二万三万三万七万七万九万九索九索一筒六筒東西西  ドラ六索

ここから親のHIROの第一打、自風の西をポン。打一筒。通常この形から仕掛けることは少ない。もちろん先手の優位さはあるが、デメリットも多いからである。それでも「ポン」の声が出たということは戦いの舞台に上がりにいくという意思表示であり、仕掛けたからには押し切るつもりであろう。

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庄田にとって一番引きたくは無かったであろうドラの六索。親のHIROは普通ではない手で押している。待ちの七万九索も強くはない。これで放銃したら・・放銃までいかずともポンされたら・・まだ1回戦、ラス親もある。オリても十分トップも狙える・・

それでも庄田は六索をツモ切った。直後HIROのツモ切った9で1,300。方程式には当てはまらないアガリ。HIROはこのアガリ形を見て苦戦を覚悟したのではないだろうか。

南4局、トップ目北條に1,600点差に迫った親の庄田。ドラを頭にしてリーチを掛ける。

五索六索七索八索九索三筒四筒五筒八筒八筒八筒中中  リーチ  ドラ中

勢いそのままにトップを獲ってしまうのか。しかし、大庭が待ったをかけた。

三万四万四万五万五万五索五索一筒一筒東東南南  ツモ三万  ドラ中

大庭はこのアガリでラス抜けに成功。ラスをHIROに押し付ける形となった。格上HIROがラススタートで展開としては面白くなるのか。

1回戦終了
北條+12.8P 庄田+5.4P 大庭▲6.3P HIRO▲11.9P

 

2回戦 起家より HIRO 庄田 大庭 北條

東1局4巡目、大庭は既に1シャンテン

四万五万三索三索三索六索七索七索八索九索白中中  ドラ二万

ここにツモ四索で打五万、ソーズに寄せる。周りの手が伸びてこない中、この手が実り大庭が先制。

三索三索三索四索四索六索七索七索八索八索九索中中  ツモ中  ドラ二万

大庭は続く東2局も400・700をアガリ親番を迎える。そして7巡目にリーチ。

九万九万九万三索三索四索五索六索二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ九万

会心のリーチ。大庭からはわからないが、待ち牌はこの時点で山に6枚残り。ところが・・

HIROが現物の八万を切ると庄田が仕掛ける。

五万六万六万七万九万七索八索九索七筒八筒九筒東東  ドラ九万

ここから七万八万九万でチーして打六万六万は通ってないが四万は大庭の現物。このまま大庭を走らせないため、腹を括る。
この仕掛けにHIROが即反応。大庭の勝負手は一瞬で消え失せてしまった。
大庭の表情に動揺が走る。気持ちはわかるが、ここで感情を出してプラスになることは1つもない。必要なのは歯を食いしばることである。

一方、親リーチを躱し、気を良くした(そこまで余裕はないかもしれないが・・)庄田。次局も1,300・2,600のツモアガリ。

五万六万七万三索三索七索七索七索九索九索九索三筒三筒  ツモ三筒  ドラ四索

ドラ表示牌が三索でHIROの仕掛けも入っている。リーチにいける待ちでも状況でも無かったが、ひょっこり三筒をツモる。まさに「ひょっこり」だが、3者に与えるダメージは点数以上のものであったであろう。

南1局、南家庄田の仕掛け

三万四万五万四索四索一筒二筒六筒八筒北北白白  ドラ八筒

ここから七筒をチーし打北白は1枚切れで形的には苦しい形。しかし七筒は4枚目で、前巡引いたドラの八筒を活かせ、間に合ったとも言える。前に出ている親のHIROから白も鳴け、結末が

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上記の形。注目すべきはHIROと大庭の手牌でお互いが潰しあっている格好。押し切った庄田の胆力も大したものだが、2人が外に振られている感は否めない。

苦しい戦いが続くHIROだったが、南2局2本場、2,000・4,000で踏みとどまる。

二万二万三万三万四万六万七万八万三索四索五索六筒六筒  リーチ  ツモ一万  ドラ六筒

南4局HIROにドラ2枚のチャンス手。

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ドラが東という事を考えれば打七万が妥当であろうか。だがHIROは八筒をツモ切りとした。HIROは五筒四筒をツモ切りした時に既にペン七筒の最終形を想定していたのだろう。七万を切るのは簡単だが、ペン七筒となった時にリーチ宣言牌が八筒ではロンアガリが難しいものになってしまう。HIROらしいといえばHIROらしいが、今日のHIROに展開は微笑まない。

14巡目ドラの東をツモ。打七万とするが・・その後五筒を引き戻し、目論見通りペン七筒でリーチを打つが巡目は深く厳しい。そして最後のツモが六筒・・HIROは空しく河に置くことしか出来なかった。

2回戦終了
庄田+17.2P 大庭+4.0P HIRO▲7.0P 北條▲15.2P 供託1.0P

トータルポイント
庄田+22.6P 大庭▲2.3P 北條▲2.4P HIRO▲18.9P 供託1.0P

 

3回戦 起家より 庄田 大庭 北條 HIRO

東1局、大庭11巡目テンパイ。

三筒三筒三筒五筒六筒七筒八筒西西西発発発  ドラ一万

12巡目、親の庄田がリーチ。直後の大庭

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四筒五筒八筒待ちだが五筒はもう無い。北條が国士無双模様で一筒も無い可能性が十分ある。二筒は1枚はありそうで、四筒八筒はわからない(山に無くても不思議ではないし、多く残っている可能性もある)
大庭は安全性も考慮しツモ切りを選択。この時点で一筒二筒は残り1枚で四筒八筒は残り4枚。正解を導き出したはずであったが、四筒八筒は脇に流れ、庄田が掴んだのは二筒であった。庄田は命拾いだが、大庭はチャンスを掴む事が出来なかった。

命拾いで連荘となった庄田。7巡目でメンホンテンパイ。

一万一万二万二万三万三万四万五万六万七万八万九万西  ドラ白

次巡、五万を少考して切る。気配が出た。庄田にとってこのツモ五万はある意味不運だったが・・

直後のHIROツモ六万

一索一索五索七索七索八索八索九索七筒白  ポン東東東  ツモ六万  ドラ白

まだ1シャンテンと感じているのか、この六万をツモ切る。ということは、庄田にツモ切りが続き、HIROがあと1枚有効牌を引き入れてしまうと、西は止まらないということだ。当然、巡目が深くなり、HIROにアガリが望めなくなれば話は別だが・・
そんな思いも通じず、HIROのツモは三索、そして西。止めることは出来ず18,000の放銃となり、庄田が大きく抜け出す結果となった。

東4局7巡目、庄田先制リーチ。

一万一万二万四万一索二索三索七索八索九索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ一索

待ちに不安はあっても先手という事実を押し付けることに意味があるとリーチ。トータル2番手の大庭がこれに応戦。

七万七万七万三索三索一筒一筒二筒二筒二筒  ポン東東東  ドラ一索

しかし、この段階で残り枚数は3対2で庄田有利。そして、ここは数字通りに庄田に軍配。大庭が三万をツモ切った。庄田が後続を引き離す。

南4局HIROが4,000オールで追い上げるものの、失点を挽回するまでには至らず、大庭の高目三色リーチも安目ツモ。庄田の1人浮きは変わらず、庄田トップで2連勝となった。

3回戦終了
庄田+35.7P 大庭▲7.1P 北條▲11.1P HIRO▲17.5P

トータルポイント
庄田+58.3P 大庭▲9.4P 北條▲13.5P HIRO▲36.4P 供託1.0P

 

4回戦 起家より 大庭 HIRO 北條 庄田

残り2回を残して2番手大庭との差を67.7ポイントとした庄田。野球で言えばマジック1といったところか。
東2局1本場、庄田は北條の仕掛けが入っているものの、怯まずリーチ。

七万七万二索三索一筒二筒二筒三筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ六筒

状況を考えればヤミテンがセオリーだが、ここはリードを守るのではなく広げにきた。その時の北條。

五万五万一索一索四索四索五索東東東  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ドラ六筒

点差を考えれば少しでも打点を上げたいところ。ましてやターゲットの庄田がリーチを打ってきたところだ。三索六索を引けば放銃のピンチであったが、ラス牌の一索を引き入れ追いつく。

五万五万一索一索一索四索四索東東東  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ドラ六筒

これで庄田の待ち一索四索は無くなった。北條の待ちも五万を1枚残すのみ。両者数巡のツモ切り後、決着がついた。最後の五万は庄田の元へ・・

続く東3局は大庭がHIROから7,700をアガリ、トップ目に浮上。庄田追撃の態勢を整える。しかし・・

東4局庄田の親番、大庭、北條はここで親カブリさせ更に点差を詰めたいところ。また場の雰囲気もそれを後押ししていた。

庄田配牌

一万二万三万八万九万一索二索三索四索四索四索六筒西発  ドラ一索

1シャンテン、2巡目リーチ、3巡目ツモ。

一万二万三万八万九万一索二索三索四索四索四索六筒六筒  リーチ  ツモ七万  ドラ一索

庄田にとって嫌な空気が流れ始めていたが、それを自力で吹き飛ばした。次局以下の形から動く。

五万六万七万七万八万六索九索九索一筒一筒二筒東東  チー九万  打六索  ドラ東

六万九万は5枚目であるが、それ以上に回りからしたら気持ちが悪い仕掛け。これに対しHIROがチンイツテンパイから打東

HIRO
二索二索四索四索四索五索六索七索八索九索  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ドラ東

庄田
五万六万七万九索九索一筒一筒  ポン東東東  チー七万 上向き八万 上向き九万 上向き  ドラ東

枚数は互角でも勢いは完全に庄田。手牌を見ても庄田はHIROの危険牌を掴んでも回れるが、HIROの手牌からは難しい。そして、先に掴むのはやはりHIROの方。12,000の放銃となってしまった。

南3局HIROからリーチ。状況からしたら安手のはずがないのだが、手役が限定しづらい。白のトイツ落としと四万一万の手出しがヒントといえばヒントだが・・

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2枚切れのカン六万でテンパイを入れていた庄田。後にこの時は「本当に怖かった」と答えた。現物は四万のみ。抜いても後が続かない。かといって放銃してしまえば後続に捕まえるチャンスが生まれてしまうかもしれない。
庄田は七筒を押した。戦うことを選んだ。次巡八万ツモ。待ちが広がった。更に押せるか・・

「リーチ」

気持ちが打たせたリーチであろう。技術でHIROに勝とうとしても今はまだ太刀打ち出来ないであろう。しかし気持ちだけは負けられない。

HIROの手牌

一万二万三万三万四万四万五万五万六万八万八万九万九万  ドラ六筒

マンズのチンイツ。待ちは八万九万。枚数は互角。
2人のアガリ牌である九万を手牌に引き寄せたのは庄田であった。HIROは何事も無かったかのように静かに手牌を伏せた。
事実上の決着を見た局であった。

4回戦終了
庄田+27.7P 北條+5.0P 大庭+1.5P HIRO▲34.2P

トータルポイント
庄田+86.0P 大庭▲7.9P 北條▲8.5P HIRO▲70.6P 供託1.0P

 

5回戦 起家より 大庭 北條 HIRO 庄田

最初は緊張で縮こまっていた感があったが、局を重ねていくうちに堂々とした戦いぶりで先輩たちを圧倒した。決勝戦でのハートの大切さを教えられた思いである。
終局の時が近づくにつれ、庄田の目は段々真っ赤になっていった。3週間前に流した屈辱の涙とは違う歓喜の涙。それは見ている者にも感動を与えるに十分のものであった。

5回戦終了
大庭+17.7P 庄田+5.8P 北條▲6.5P HIRO▲17.0P

トータルポイント
庄田+91.8P 大庭+9.8P 北條▲15.0P HIRO▲87.6P 供託1.0P

 

庄田は1週間後新人王戦に出場していた。予選最終戦を前に4位につけていた(4位まで決勝進出)東1局に18,000をアガリ決まったかと思わせた。しかし、庄田は敗れた。後ろで見ていたが、攻めるポイントと守るポイントがズレているように見えた。チャンピオンリーグ決勝で見せた踏み込みの深さは鳴りを潜めていた。勝ったことが反対にプレッシャーになっていたのかもしれない。

でも、まだこれからなのだ。デビュー半年であることに変わりはない。自分の為にも、応援してくれる人の為にも、これからが本当の勝負である。

来期よりチャンピオンリーグがリニューアルされることが発表された。一発、裏ドラありとなる。次はどんな選手が出てくるのだろうか。今から楽しみである。

 

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JPML WRCリーグ 決勝観戦記/第30期チャンピオンズリーグ 決勝観戦記 紺野 真太郎

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僅か3週間前には大勢の前で号泣していた・・・らしい。
噂で聞いただけなので本当かどうかはわからないが、多分本当のことなのだろう。
そしてこの時には、画面を通してもっと多くの人の前で違う意味の涙を流すことになるとは思いもしなかったであろう。
決勝戦前日、四谷道場ではファイナリストを決めるトーナメントが行われていた。当然残ることを想定していた私だが、結果は次々点。要するに暇になったのである。やることもないので取材、応援を兼ねて道場へ向かった。
HIRO柴田の調子が良さそうだ。ここまで4連勝らしい。トーナメント参加者はシード者を入れて30名。この30名の段階ですでに本命。今度こその思いは本人が1番強いであろう。
そのHIROであったが、その後は苦戦。準決勝も本当にギリギリの勝ち上がりであった。苦しい中勝ち上がったからこそ本命なのか、それとも引きずってしまうのか。
格上のHIRO相手に1位通過を決めたのは北條恵美。天真爛漫という言葉がぴったりな北条は、1回戦のラスを2連勝ではね返し、第3期女流桜花以来の決勝戦進出を決めた。
準決勝別卓では大庭三四郎が奮闘していた。新人王以降結果が出ず、いつもみんなのイジられ役。それがこの日は頼もしくも見え・・勝負処を制し、戴冠した第25期新人王戦以来の決勝進出。
予選を1位通過しベスト16から出場の庄田祐生。デビューまだ半年の新人で、ここまで目立った実績は無いが、同期の上田直樹が一足先に十段戦決勝進出を決めており負けられないところ。最後まで攻め続けここも堂々の1位通過。
それでは改めて決勝進出者のプロフィールを。
 
北條恵美 16期生 四段 1月1日生まれ O型 ニューヨーク出身
100
北條は私と同期であり、1番最初に決勝戦を経験したのも北条であった。その第14期新人王戦は点数持ち越しの決勝戦で、予選のポイントを詰めきれずに3位。後ろで牌譜を採っていたのが懐かしい。数少なくなった同期生。やはり頑張って欲しいと思う。
 
HIRO柴田 17期生 七段 2月16日生まれ A型 神奈川県出身
100
これで何度目の正直だろうか。ここ1年でも第28期チャンピオンリーグ、第6期グランプリMAXと決勝を戦っている。「タイトルに1番近い男」ここでも圧倒的1番人気。なんの偶然か、ここ2回の決勝戦、観戦記担当は私であった。嫌なジンクスを破って初戴冠なるか。
 
大庭三四郎 27期生 三段 8月26日生まれ O型 東京都出身
100
ここでは唯一のタイトルホルダーの大庭。だが本人もそんなことはこれっぽっちも思っていないであろう。意気込みには「普段お世話になっている方々の為に全力で戦います。優勝して、生放送を見ている両親を泣かせたい」と答えた。この世界、勝つことが最大の恩返しとなる。有言実行なるか。
 
庄田祐生 32期生 初段 2月28日生まれ A型 石川県出身
100
麻雀プロになる為に関東で就職先を探し、高校卒業と同時に上京してきた庄田。親御さんから反対された時期もあったようで、上京即受験となったわけではなかった。それでも自らの夢を諦めることなくプロとなった。デビュー期のリーグ戦では降級という結果となってしまったが、巻き返すチャンスを早くも掴んだ。
 
 
1回戦 起家より 北條 HIRO 大庭 庄田
東1局2巡目、HIROから放たれた白を大庭はスルー
五万六万三索四索一筒一筒四筒四筒五筒東西白白  ドラ六万
HIROの切り出しは北白、ある程度手のまとまりを感じられる切り出しなので、仕掛ける手もあるが、大庭はメンゼンを選択。手がまとまれば勝負手としてリーチを打っていくつもりなのだろう。
10巡目、大庭、思惑通りのリーチ(四筒切りリーチ)2,000・3,900を引きに行く。
四万五万六万六索七索八索一筒一筒三筒四筒五筒白白  ドラ六万
1シャンテンまで進めていたHIRO。チーテンを入れ現物待ちで躱しに出る。
六万七万八万二索三索四索三筒五筒七筒七筒  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  ドラ六万
しかし、テンパイ打牌が一筒。大庭のリーチに捕まり2,600の放銃となった。
結果だけ見れば特に気にすることもないのだろうが、普段のHIROであれば動かない気がした。5回戦という短期決戦がそうさせたのか、それとも・・
東3局1本場、HIROは配牌1シャンテン
一索三索三索六索六索七索二筒四筒四筒八筒八筒南南  ドラ八万
ソーズの下が良いと判断し、引いてきた一索を重ねてテンパイ。7単騎としヤミテン。親の大庭、テンパイ打牌の東、ツモ切られた六万を仕掛け追いつく。
五索五索三筒四筒五筒六筒七筒  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ポン東東東  ドラ八万
HIROは大庭のドラ八万ツモ切りを見てリーチに出た。
100
HIROから見ると大庭はドラを持って無いように見え、手役も絡んでなさそうなのでほぼ2,900。自分の待ち七索も大庭は持っておらず、脇はオリ気味なのでわからないが、ソーズは全体的に安く、勝負になるとのリーチか。
大庭の待ち二筒五筒八筒は一見良さそうだが、この時点で既に山には無く勝負あったか。大庭、無スジを押しまくるもHIROの当たり牌七索を掴み3,200は3,500の放銃。HIROに軍配が上がる。HIROのこの辺りの場読みはさすがである。
東4局、南家の北條、残り2巡というところでテンパイを入れる。
五万六万七万二索二索六索七索四筒五筒六筒  ポン南南南  ドラ二索
この時大庭もテンパイを入れていた。
七万八万九万五索六索七索三筒七筒七筒七筒白白白  ドラ二索
一筒が4枚切れていた為、打二筒としての仮テン。掴んだのは八索。北條の最終手出しは四筒で、数巡前に六筒が切られていたため三筒は切りにくかったか、八索ツモ切りとし3,900の放銃となってしまう。勝ちたい気持ちが少し空回りか。
緊張からかここまでいつも以上に慎重になっていた庄田。南1局に
一万二万三万一索二索三索八索八索西西  ポン南南南  ツモ西  ドラ一万
この700・1,300をアガって落ち着いたか、南2局は積極的に仕掛けて出る。
二万三万三万七万七万九万九索九索一筒六筒東西西  ドラ六索
ここから親のHIROの第一打、自風の西をポン。打一筒。通常この形から仕掛けることは少ない。もちろん先手の優位さはあるが、デメリットも多いからである。それでも「ポン」の声が出たということは戦いの舞台に上がりにいくという意思表示であり、仕掛けたからには押し切るつもりであろう。
100
庄田にとって一番引きたくは無かったであろうドラの六索。親のHIROは普通ではない手で押している。待ちの七万九索も強くはない。これで放銃したら・・放銃までいかずともポンされたら・・まだ1回戦、ラス親もある。オリても十分トップも狙える・・
それでも庄田は六索をツモ切った。直後HIROのツモ切った9で1,300。方程式には当てはまらないアガリ。HIROはこのアガリ形を見て苦戦を覚悟したのではないだろうか。
南4局、トップ目北條に1,600点差に迫った親の庄田。ドラを頭にしてリーチを掛ける。
五索六索七索八索九索三筒四筒五筒八筒八筒八筒中中  リーチ  ドラ中
勢いそのままにトップを獲ってしまうのか。しかし、大庭が待ったをかけた。
三万四万四万五万五万五索五索一筒一筒東東南南  ツモ三万  ドラ中
大庭はこのアガリでラス抜けに成功。ラスをHIROに押し付ける形となった。格上HIROがラススタートで展開としては面白くなるのか。
1回戦終了
北條+12.8P 庄田+5.4P 大庭▲6.3P HIRO▲11.9P
 
2回戦 起家より HIRO 庄田 大庭 北條
東1局4巡目、大庭は既に1シャンテン
四万五万三索三索三索六索七索七索八索九索白中中  ドラ二万
ここにツモ四索で打五万、ソーズに寄せる。周りの手が伸びてこない中、この手が実り大庭が先制。
三索三索三索四索四索六索七索七索八索八索九索中中  ツモ中  ドラ二万
大庭は続く東2局も400・700をアガリ親番を迎える。そして7巡目にリーチ。
九万九万九万三索三索四索五索六索二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ九万
会心のリーチ。大庭からはわからないが、待ち牌はこの時点で山に6枚残り。ところが・・
HIROが現物の八万を切ると庄田が仕掛ける。
五万六万六万七万九万七索八索九索七筒八筒九筒東東  ドラ九万
ここから七万八万九万でチーして打六万六万は通ってないが四万は大庭の現物。このまま大庭を走らせないため、腹を括る。
この仕掛けにHIROが即反応。大庭の勝負手は一瞬で消え失せてしまった。
大庭の表情に動揺が走る。気持ちはわかるが、ここで感情を出してプラスになることは1つもない。必要なのは歯を食いしばることである。
一方、親リーチを躱し、気を良くした(そこまで余裕はないかもしれないが・・)庄田。次局も1,300・2,600のツモアガリ。
五万六万七万三索三索七索七索七索九索九索九索三筒三筒  ツモ三筒  ドラ四索
ドラ表示牌が三索でHIROの仕掛けも入っている。リーチにいける待ちでも状況でも無かったが、ひょっこり三筒をツモる。まさに「ひょっこり」だが、3者に与えるダメージは点数以上のものであったであろう。
南1局、南家庄田の仕掛け
三万四万五万四索四索一筒二筒六筒八筒北北白白  ドラ八筒
ここから七筒をチーし打北白は1枚切れで形的には苦しい形。しかし七筒は4枚目で、前巡引いたドラの八筒を活かせ、間に合ったとも言える。前に出ている親のHIROから白も鳴け、結末が
100
上記の形。注目すべきはHIROと大庭の手牌でお互いが潰しあっている格好。押し切った庄田の胆力も大したものだが、2人が外に振られている感は否めない。
苦しい戦いが続くHIROだったが、南2局2本場、2,000・4,000で踏みとどまる。
二万二万三万三万四万六万七万八万三索四索五索六筒六筒  リーチ  ツモ一万  ドラ六筒
南4局HIROにドラ2枚のチャンス手。
100
ドラが東という事を考えれば打七万が妥当であろうか。だがHIROは八筒をツモ切りとした。HIROは五筒四筒をツモ切りした時に既にペン七筒の最終形を想定していたのだろう。七万を切るのは簡単だが、ペン七筒となった時にリーチ宣言牌が八筒ではロンアガリが難しいものになってしまう。HIROらしいといえばHIROらしいが、今日のHIROに展開は微笑まない。
14巡目ドラの東をツモ。打七万とするが・・その後五筒を引き戻し、目論見通りペン七筒でリーチを打つが巡目は深く厳しい。そして最後のツモが六筒・・HIROは空しく河に置くことしか出来なかった。
2回戦終了
庄田+17.2P 大庭+4.0P HIRO▲7.0P 北條▲15.2P 供託1.0P
トータルポイント
庄田+22.6P 大庭▲2.3P 北條▲2.4P HIRO▲18.9P 供託1.0P
 
3回戦 起家より 庄田 大庭 北條 HIRO
東1局、大庭11巡目テンパイ。
三筒三筒三筒五筒六筒七筒八筒西西西発発発  ドラ一万
12巡目、親の庄田がリーチ。直後の大庭
100
四筒五筒八筒待ちだが五筒はもう無い。北條が国士無双模様で一筒も無い可能性が十分ある。二筒は1枚はありそうで、四筒八筒はわからない(山に無くても不思議ではないし、多く残っている可能性もある)
大庭は安全性も考慮しツモ切りを選択。この時点で一筒二筒は残り1枚で四筒八筒は残り4枚。正解を導き出したはずであったが、四筒八筒は脇に流れ、庄田が掴んだのは二筒であった。庄田は命拾いだが、大庭はチャンスを掴む事が出来なかった。
命拾いで連荘となった庄田。7巡目でメンホンテンパイ。
一万一万二万二万三万三万四万五万六万七万八万九万西  ドラ白
次巡、五万を少考して切る。気配が出た。庄田にとってこのツモ五万はある意味不運だったが・・
直後のHIROツモ六万
一索一索五索七索七索八索八索九索七筒白  ポン東東東  ツモ六万  ドラ白
まだ1シャンテンと感じているのか、この六万をツモ切る。ということは、庄田にツモ切りが続き、HIROがあと1枚有効牌を引き入れてしまうと、西は止まらないということだ。当然、巡目が深くなり、HIROにアガリが望めなくなれば話は別だが・・
そんな思いも通じず、HIROのツモは三索、そして西。止めることは出来ず18,000の放銃となり、庄田が大きく抜け出す結果となった。
東4局7巡目、庄田先制リーチ。
一万一万二万四万一索二索三索七索八索九索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ一索
待ちに不安はあっても先手という事実を押し付けることに意味があるとリーチ。トータル2番手の大庭がこれに応戦。
七万七万七万三索三索一筒一筒二筒二筒二筒  ポン東東東  ドラ一索
しかし、この段階で残り枚数は3対2で庄田有利。そして、ここは数字通りに庄田に軍配。大庭が三万をツモ切った。庄田が後続を引き離す。
南4局HIROが4,000オールで追い上げるものの、失点を挽回するまでには至らず、大庭の高目三色リーチも安目ツモ。庄田の1人浮きは変わらず、庄田トップで2連勝となった。
3回戦終了
庄田+35.7P 大庭▲7.1P 北條▲11.1P HIRO▲17.5P
トータルポイント
庄田+58.3P 大庭▲9.4P 北條▲13.5P HIRO▲36.4P 供託1.0P
 
4回戦 起家より 大庭 HIRO 北條 庄田
残り2回を残して2番手大庭との差を67.7ポイントとした庄田。野球で言えばマジック1といったところか。
東2局1本場、庄田は北條の仕掛けが入っているものの、怯まずリーチ。
七万七万二索三索一筒二筒二筒三筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ六筒
状況を考えればヤミテンがセオリーだが、ここはリードを守るのではなく広げにきた。その時の北條。
五万五万一索一索四索四索五索東東東  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ドラ六筒
点差を考えれば少しでも打点を上げたいところ。ましてやターゲットの庄田がリーチを打ってきたところだ。三索六索を引けば放銃のピンチであったが、ラス牌の一索を引き入れ追いつく。
五万五万一索一索一索四索四索東東東  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ドラ六筒
これで庄田の待ち一索四索は無くなった。北條の待ちも五万を1枚残すのみ。両者数巡のツモ切り後、決着がついた。最後の五万は庄田の元へ・・
続く東3局は大庭がHIROから7,700をアガリ、トップ目に浮上。庄田追撃の態勢を整える。しかし・・
東4局庄田の親番、大庭、北條はここで親カブリさせ更に点差を詰めたいところ。また場の雰囲気もそれを後押ししていた。
庄田配牌
一万二万三万八万九万一索二索三索四索四索四索六筒西発  ドラ一索
1シャンテン、2巡目リーチ、3巡目ツモ。
一万二万三万八万九万一索二索三索四索四索四索六筒六筒  リーチ  ツモ七万  ドラ一索
庄田にとって嫌な空気が流れ始めていたが、それを自力で吹き飛ばした。次局以下の形から動く。
五万六万七万七万八万六索九索九索一筒一筒二筒東東  チー九万  打六索  ドラ東
六万九万は5枚目であるが、それ以上に回りからしたら気持ちが悪い仕掛け。これに対しHIROがチンイツテンパイから打東
HIRO
二索二索四索四索四索五索六索七索八索九索  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ドラ東
庄田
五万六万七万九索九索一筒一筒  ポン東東東  チー七万 上向き八万 上向き九万 上向き  ドラ東
枚数は互角でも勢いは完全に庄田。手牌を見ても庄田はHIROの危険牌を掴んでも回れるが、HIROの手牌からは難しい。そして、先に掴むのはやはりHIROの方。12,000の放銃となってしまった。
南3局HIROからリーチ。状況からしたら安手のはずがないのだが、手役が限定しづらい。白のトイツ落としと四万一万の手出しがヒントといえばヒントだが・・
100
2枚切れのカン六万でテンパイを入れていた庄田。後にこの時は「本当に怖かった」と答えた。現物は四万のみ。抜いても後が続かない。かといって放銃してしまえば後続に捕まえるチャンスが生まれてしまうかもしれない。
庄田は七筒を押した。戦うことを選んだ。次巡八万ツモ。待ちが広がった。更に押せるか・・
「リーチ」
気持ちが打たせたリーチであろう。技術でHIROに勝とうとしても今はまだ太刀打ち出来ないであろう。しかし気持ちだけは負けられない。
HIROの手牌
一万二万三万三万四万四万五万五万六万八万八万九万九万  ドラ六筒
マンズのチンイツ。待ちは八万九万。枚数は互角。
2人のアガリ牌である九万を手牌に引き寄せたのは庄田であった。HIROは何事も無かったかのように静かに手牌を伏せた。
事実上の決着を見た局であった。
4回戦終了
庄田+27.7P 北條+5.0P 大庭+1.5P HIRO▲34.2P
トータルポイント
庄田+86.0P 大庭▲7.9P 北條▲8.5P HIRO▲70.6P 供託1.0P
 
5回戦 起家より 大庭 北條 HIRO 庄田
最初は緊張で縮こまっていた感があったが、局を重ねていくうちに堂々とした戦いぶりで先輩たちを圧倒した。決勝戦でのハートの大切さを教えられた思いである。
終局の時が近づくにつれ、庄田の目は段々真っ赤になっていった。3週間前に流した屈辱の涙とは違う歓喜の涙。それは見ている者にも感動を与えるに十分のものであった。
5回戦終了
大庭+17.7P 庄田+5.8P 北條▲6.5P HIRO▲17.0P
トータルポイント
庄田+91.8P 大庭+9.8P 北條▲15.0P HIRO▲87.6P 供託1.0P
 
庄田は1週間後新人王戦に出場していた。予選最終戦を前に4位につけていた(4位まで決勝進出)東1局に18,000をアガリ決まったかと思わせた。しかし、庄田は敗れた。後ろで見ていたが、攻めるポイントと守るポイントがズレているように見えた。チャンピオンリーグ決勝で見せた踏み込みの深さは鳴りを潜めていた。勝ったことが反対にプレッシャーになっていたのかもしれない。
でも、まだこれからなのだ。デビュー半年であることに変わりはない。自分の為にも、応援してくれる人の為にも、これからが本当の勝負である。
来期よりチャンピオンリーグがリニューアルされることが発表された。一発、裏ドラありとなる。次はどんな選手が出てくるのだろうか。今から楽しみである。
 

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何を切る?fromロン2 2016年9月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
南1局東家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)

 

プロ

七万切り・・・20人
三万切り・・・13人
八筒切り・・・8人
四索切り・・・1人
六筒切り・・・1人

 

ロン2ユーザー

七万切り・・・43.2%
三万切り・・・24.7%
八筒切り・・・12.3%
八索切り・・・11.1%
四索切り・・・3.1%
六筒切り・・・2.5%
六索切り・・・1.9%
四万切り・・・0.6%
六万切り・・・0.6%

 

 

プロ解答(50音順)

 

七万切り

荒正義
七万三万切り。ここでひらめく牌姿はこう。三万四万五万六万七万四索四索六索七索八索六筒七筒八筒。ここまでが打ち手の技量で、何を引き何でアガるかは運である。」

大庭三四郎
「トイツが多い形なのでほぐしていく。678三色狙い。」

岡部光輝
「トップ目との差があるので、678の三色を見たい。マンズは雀頭ではなく、2メンツにしたいので。」

猿川真寿
「巡目も早いので横に広げていく。親でこの牌姿なら基本的に攻めていく。」

清水香織
「678になった時、八万を出やすくするため。」

白鳥翔
「678は狙うが、ピンズが悪くなればマンズ3メンツも想定する。」

瀬戸熊直樹
「三色(678)を見ながら、好形のテンパイを目指す。マンズは二万五万八万の受け入れを固定。南家の現物三万は後にする。」

武石絵里
「タンピン三色を目指しながら打ちます。」

童瞳
「678の三色を見ての一打。ドラにも対応できる形。」

二階堂亜樹
「現状678の三色を見て。上・下の速度が早そうなので危険度の差で七万から。ドラが三索なのと、親なので三色にはそこまでこだわらないです。」

二階堂瑠美
「678の三色。ちょっとズレて456もあり。ドラを引いてのタンピンも視野に入れつつ。」

西川淳
「マンズ2メンツ。ソーズピンズ1メンツ。678か456のタンピン三色を目指します。678に広がりやすい七万から。」

東谷達矢
「678の三色を見つつ自然に進めます。打三万との優劣ですが、打三万の場合、七万が暗刻になった後八万を持ってきた時に変化させられないが、打七万とすれば三万が暗刻になった後でもツモ八万を活かすことができます。。」

平岡理恵
「七対子は見ないで横に伸ばしたい。678や456の三色を視野に入れながら3メンチャンの形を固定させる。」

HIRO柴田
「マンズは2メンツで進行。」

藤井すみれ
「南家の安全牌三万を残して678へ(すぐ三万も切ると思いますが・・・)。仕掛けずに頑張ってリーチしたい!」

藤島健二郎
「本線は678の三色。親番なのでメンツ手の手なりで。」

古橋崇志
「456、678の三色を見つつ手広く。」

山田浩之
「狙いはもちろん678の三色だが、マンズ・ソーズが伸びればピンズを払っていく。マンズの下が安いので、三万ではなく七万。」

 

三万切り

内川幸太郎
「ピンフ形を狙います。678のタンピン三色が理想。」

内田美乃里
「南場の親で連荘したいところ。タンヤオや678の三色を見て手広く。」

紺野真太郎
「トップを追いたい南場の親番。678を目指しつつ、スピードも落とさないように。」

斉藤理絵
「678の三色を見つつ、ドラを持ってきたら三色は見切ってタンヤオへ。」

中川由佳梨
「七対子を見ても良い事なさそうなので。三万切りが一番失敗しなさそう。」

中村慎吾
「一番ロスの少ない打三万で真っ直ぐ打ち抜く。」

西岡慎泰
「親番のため仕掛けも対応できるメンツ手狙い。七万三万の比較は1枚切られているかどうか。。」

羽山真生
「マンズは2メンツ、ソーズで1メンツと雀頭。678の三色も見て1枚切れている三万から切ります。」

日吉辰哉
「456、678の三色を狙いつつ、親番のため、好形残りのポンテン・チーテンであれば、場合によっては仕掛けも。」

藤岡良一
「南場に入って、ここから逆転の麻雀を打ちたいところ。関連牌が少ないので判断材料に乏しいが、三万が1枚切れているので、牌理により三万打ちとしたい。」

前原雄大
「下家が三万を打っているので、タテは見ない。」

三戸亮祐
「678を視野に入れながらも、一発有りのルールのため牌効率重視で。」

和久津晶
「暗刻になりづらく、終盤に待ちが強そう。」

 

八筒切り

魚谷侑未
「まだ形が不安定なので、今後の伸びを残すためにピンズ外し。」

清原継光
「良形を残してカンチャンを外します。マンズで3メンツ構想。五筒引きで三万切ります。」

ダンプ大橋
「不確定な三色よりも形を強くしたいので、ピンズのターツを切ります。」

林俊宏
「下家の三万を残しながらピンズを払い、五索五筒を引いたらアガリを少しだけ考える。そんなに無理しないな!」

福光聖雄
「場に安くなりそうなマンズで3メンツ作る方針。七筒だけはこないで・・・」

美波智子
「トイツ系の手役も意識したい。」

安村浩司
「マンズで3メンツ想定、七対子も見て一旦打八筒五筒を引けばマンズを切って456の三色に移る。」

山井弘
「序盤の各家の捨て牌にマンズが安く、縦ツモにも対応できるよう一旦ピンズを外し、次のツモによって方針を決定する。横に伸びればタンピン系に、縦であれば七対子やトイトイへ。」

 

四索切り

ともたけ雅晴
「456、678の三色を狙いつつ、ドラそばを早めに処理したい。七対子は考えない。親なので最悪は鳴いて連荘狙い。」

 

六筒切り

浜上文吾
「七対子を見ながら、タンヤオイーペーコーを狙います。仕掛けはせずにじっくりと手を進めます。」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2016年9月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介
ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
南1局東家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)

 
プロ

七万切り・・・20人
三万切り・・・13人
八筒切り・・・8人
四索切り・・・1人
六筒切り・・・1人
 
ロン2ユーザー

七万切り・・・43.2%
三万切り・・・24.7%
八筒切り・・・12.3%
八索切り・・・11.1%
四索切り・・・3.1%
六筒切り・・・2.5%
六索切り・・・1.9%
四万切り・・・0.6%
六万切り・・・0.6%
 
 
プロ解答(50音順)
 
七万切り
荒正義
七万三万切り。ここでひらめく牌姿はこう。三万四万五万六万七万四索四索六索七索八索六筒七筒八筒。ここまでが打ち手の技量で、何を引き何でアガるかは運である。」
大庭三四郎
「トイツが多い形なのでほぐしていく。678三色狙い。」
岡部光輝
「トップ目との差があるので、678の三色を見たい。マンズは雀頭ではなく、2メンツにしたいので。」
猿川真寿
「巡目も早いので横に広げていく。親でこの牌姿なら基本的に攻めていく。」
清水香織
「678になった時、八万を出やすくするため。」
白鳥翔
「678は狙うが、ピンズが悪くなればマンズ3メンツも想定する。」
瀬戸熊直樹
「三色(678)を見ながら、好形のテンパイを目指す。マンズは二万五万八万の受け入れを固定。南家の現物三万は後にする。」
武石絵里
「タンピン三色を目指しながら打ちます。」
童瞳
「678の三色を見ての一打。ドラにも対応できる形。」
二階堂亜樹
「現状678の三色を見て。上・下の速度が早そうなので危険度の差で七万から。ドラが三索なのと、親なので三色にはそこまでこだわらないです。」
二階堂瑠美
「678の三色。ちょっとズレて456もあり。ドラを引いてのタンピンも視野に入れつつ。」
西川淳
「マンズ2メンツ。ソーズピンズ1メンツ。678か456のタンピン三色を目指します。678に広がりやすい七万から。」
東谷達矢
「678の三色を見つつ自然に進めます。打三万との優劣ですが、打三万の場合、七万が暗刻になった後八万を持ってきた時に変化させられないが、打七万とすれば三万が暗刻になった後でもツモ八万を活かすことができます。。」
平岡理恵
「七対子は見ないで横に伸ばしたい。678や456の三色を視野に入れながら3メンチャンの形を固定させる。」
HIRO柴田
「マンズは2メンツで進行。」
藤井すみれ
「南家の安全牌三万を残して678へ(すぐ三万も切ると思いますが・・・)。仕掛けずに頑張ってリーチしたい!」
藤島健二郎
「本線は678の三色。親番なのでメンツ手の手なりで。」
古橋崇志
「456、678の三色を見つつ手広く。」
山田浩之
「狙いはもちろん678の三色だが、マンズ・ソーズが伸びればピンズを払っていく。マンズの下が安いので、三万ではなく七万。」
 
三万切り
内川幸太郎
「ピンフ形を狙います。678のタンピン三色が理想。」
内田美乃里
「南場の親で連荘したいところ。タンヤオや678の三色を見て手広く。」
紺野真太郎
「トップを追いたい南場の親番。678を目指しつつ、スピードも落とさないように。」
斉藤理絵
「678の三色を見つつ、ドラを持ってきたら三色は見切ってタンヤオへ。」
中川由佳梨
「七対子を見ても良い事なさそうなので。三万切りが一番失敗しなさそう。」
中村慎吾
「一番ロスの少ない打三万で真っ直ぐ打ち抜く。」
西岡慎泰
「親番のため仕掛けも対応できるメンツ手狙い。七万三万の比較は1枚切られているかどうか。。」
羽山真生
「マンズは2メンツ、ソーズで1メンツと雀頭。678の三色も見て1枚切れている三万から切ります。」
日吉辰哉
「456、678の三色を狙いつつ、親番のため、好形残りのポンテン・チーテンであれば、場合によっては仕掛けも。」
藤岡良一
「南場に入って、ここから逆転の麻雀を打ちたいところ。関連牌が少ないので判断材料に乏しいが、三万が1枚切れているので、牌理により三万打ちとしたい。」
前原雄大
「下家が三万を打っているので、タテは見ない。」
三戸亮祐
「678を視野に入れながらも、一発有りのルールのため牌効率重視で。」
和久津晶
「暗刻になりづらく、終盤に待ちが強そう。」
 
八筒切り
魚谷侑未
「まだ形が不安定なので、今後の伸びを残すためにピンズ外し。」
清原継光
「良形を残してカンチャンを外します。マンズで3メンツ構想。五筒引きで三万切ります。」
ダンプ大橋
「不確定な三色よりも形を強くしたいので、ピンズのターツを切ります。」
林俊宏
「下家の三万を残しながらピンズを払い、五索五筒を引いたらアガリを少しだけ考える。そんなに無理しないな!」
福光聖雄
「場に安くなりそうなマンズで3メンツ作る方針。七筒だけはこないで・・・」
美波智子
「トイツ系の手役も意識したい。」
安村浩司
「マンズで3メンツ想定、七対子も見て一旦打八筒五筒を引けばマンズを切って456の三色に移る。」
山井弘
「序盤の各家の捨て牌にマンズが安く、縦ツモにも対応できるよう一旦ピンズを外し、次のツモによって方針を決定する。横に伸びればタンピン系に、縦であれば七対子やトイトイへ。」
 
四索切り
ともたけ雅晴
「456、678の三色を狙いつつ、ドラそばを早めに処理したい。七対子は考えない。親なので最悪は鳴いて連荘狙い。」
 
六筒切り
浜上文吾
「七対子を見ながら、タンヤオイーペーコーを狙います。仕掛けはせずにじっくりと手を進めます。」

第14期プロクイーンベスト16C卓 猿川 真寿

100

 

出場選手は、足木優(最高位戦)片倉まち(連盟)大里奈美(連盟)安田麻里菜(連盟)。
B卓まで終わって、最高位戦は日向藍子、茅森早香の2人がベスト8を決めている。同じ団体である足木も勝ち上がることができるのか?

 

1回戦(片倉、足木、大里、安田)

東1局、親の片倉が七対子ドラドラのリーチを打つが流局。

1本場、大里が一発ツモの2,000・4,000をアガリ好スタート。

三万四万五万七万八万八万八万八万七索七索五筒五筒五筒  リーチ  ツモ六万  ドラ北  裏七万

南1局に700・1,300をアガった足木が、次局、決め打ちで見事6,000オールを引きアガる。

一万二万三万一索二索三索七索八索九索一筒二筒白白  リーチ  ツモ三筒  ドラ五筒  裏一筒

1本場は、片倉から12,000のアガリでトップを決めたかと思ったが、
南3局、大里が足木から12,000。

五万六万九万九万二索三索四索六索七索八索七筒八筒九筒  リーチ  ロン四万  ドラ三筒  裏九万

足木もこの牌姿だったので後悔はないだろう。

二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒発発発中中

さらに大里は、次局に6,000オールをアガリトップを捲った。

1回戦成績
大里+40.4P 足木+13.1P 安田▲8.9P 片倉▲44.6P

 

2回戦(足木、片倉、大里、安田)

東1局、足木2,600オール。

五万五万四索五索二筒三筒三筒四筒四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ三索  ドラ九索  裏九筒

1本場、4着スタートだった片倉が3,000・6,000。待ちが苦しかっただけに嬉しいアガリとなった。

四万五万六万四索六索七索七索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ツモ五索  ドラ五万  裏白

南2局4本場、大里が足木から8,000のアガリで4着目から2着目に。

六万七万八万六索八索三筒四筒五筒東東南南南  リーチ一発  ロン七索  ドラ一万  裏二筒

南4局、安田が親で細かくアガリ2着になる。

2回戦成績
片倉+37.1P 安田+4.0P 大里▲12.4P 足木▲28.7P

2回戦終了時
大里+28.0P 安田▲4.9P 片倉▲7.5P 足木▲15.6P

 

3回戦(片倉、足木、大里、安田)
東1局、ここまで苦しいながらも凌いでいた安田が、一通で先行リーチを打つが、親の片倉に追いかけられ12,000の放銃。

二万三万四万二索二索四索五索六索七索七索七索三筒四筒  リーチ  ロン五筒  ドラ三万  裏四万

この日の安田は日の目を見ることはなかった。

片倉は1本場、今度は大里から12,000。

二万三万四万四索五索五索六索七索二筒三筒四筒八筒八筒  リーチ  ロン三索  ドラ北  裏五索

さらに東3局、2,000・4,000をつもりダントツになる。
南2局2本場に三色のテンパイをしていた片倉から足木がメンホンの12,000をアガリ2着目になる。

一筒二筒三筒四筒四筒四筒五筒七筒発発中中中  ロン六筒

3回戦成績
片倉+42.5P 足木+14.6P 大里▲18.7P 安田▲38.4P

3回戦終了時
片倉+35.0P 大里+9.3P 足木▲1.0P 安田▲43.3P

 

4回戦(足木、安田、大里、片倉)

残すところあと2半荘。安田以外の3人のうち2者が勝ち上がりになりそうだ。
3回戦大トップをとった片倉が一歩リード。大里と足木も絶妙のバランスで凌いでいる。
この回、片倉は連対できれば勝ち上がりになりそうだ。

東1局、片倉以外の3者がテンパイの状況でアガッたのは親の足木。

二索二索三索四索五索五索六索七索八索八索  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ロン二索  ドラ発

12,000の大きなアガリとなった。

そのあとも足木は順調に点棒を増やしていく。
そして、南1局では4,000オールのアガリで65,000点オーバーに。他者を大きく突き放す。
2着争いを制したのは片倉。南4局に2,600オールが決め手となった。

二万三万四万一索一索二索三索四索六索七索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ八索  ドラ南  裏七索

4回戦成績
足木+45.7P 片倉+12.2P 大里▲14.4P 安田▲43.5P

4回戦終了時
片倉+47.2P 足木+44.7P 大里▲5.1P 安田▲86.8P

 

5回戦(大里、足木、安田、片倉)

二転三転したC卓もいよいよ最終半荘となった。
大里は上位2人とは50Pぐらいの差だが、12,000を直撃できれば順位点も含め難しい点差ではない。
しかしそこは相手2人も重々承知のため、現実はかなり難しいのではないだろうか。

2人も場を流しにくるので、私の予想では75%くらい片倉、足木の勝ち上がりだと思っていた。
しかし東1局、足木、片倉のテンパイをかわして、大里が4,000オール。

一万二万三万七万八万九万二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  一発ツモ五筒  ドラ西  裏九万

一気に差を詰めると、2巡目にドラ単騎待ちリーチ。ラス牌をつもり、裏も乗って8,000オールに。

二万二万五万五万一索一索二索二索五筒五筒六筒白白  リーチ  ツモ六筒  ドラ六筒  裏二万

2局で大里が当確に。足木と片倉の着順勝負となった、

南1局、片倉が1,300・2,600をアガリ足木に迫るが。
南2局1本場、足木が好判断のリーチで2,600オールをツモリ突き放す。

一万一万一万七万八万九万一索二索三索四索四索九筒九筒  リーチ  一発ツモ四索  ドラ三万  裏五万

1本場、片倉が国士をテンパイするが、足木と2人テンパイで流局。
南3局、片倉が2,000・4,000をツモリ5,500点差に。南4局は足木がアガリ勝ち上がりを決めた。

 

勝ち上がり  大里奈美  足木優

プロクイーン決定戦 レポート/第14期プロクイーンベスト16C卓 猿川 真寿

100
 
出場選手は、足木優(最高位戦)片倉まち(連盟)大里奈美(連盟)安田麻里菜(連盟)。
B卓まで終わって、最高位戦は日向藍子、茅森早香の2人がベスト8を決めている。同じ団体である足木も勝ち上がることができるのか?
 
1回戦(片倉、足木、大里、安田)
東1局、親の片倉が七対子ドラドラのリーチを打つが流局。
1本場、大里が一発ツモの2,000・4,000をアガリ好スタート。
三万四万五万七万八万八万八万八万七索七索五筒五筒五筒  リーチ  ツモ六万  ドラ北  裏七万
南1局に700・1,300をアガった足木が、次局、決め打ちで見事6,000オールを引きアガる。
一万二万三万一索二索三索七索八索九索一筒二筒白白  リーチ  ツモ三筒  ドラ五筒  裏一筒
1本場は、片倉から12,000のアガリでトップを決めたかと思ったが、
南3局、大里が足木から12,000。
五万六万九万九万二索三索四索六索七索八索七筒八筒九筒  リーチ  ロン四万  ドラ三筒  裏九万
足木もこの牌姿だったので後悔はないだろう。
二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒発発発中中
さらに大里は、次局に6,000オールをアガリトップを捲った。
1回戦成績
大里+40.4P 足木+13.1P 安田▲8.9P 片倉▲44.6P
 
2回戦(足木、片倉、大里、安田)
東1局、足木2,600オール。
五万五万四索五索二筒三筒三筒四筒四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ三索  ドラ九索  裏九筒
1本場、4着スタートだった片倉が3,000・6,000。待ちが苦しかっただけに嬉しいアガリとなった。
四万五万六万四索六索七索七索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ツモ五索  ドラ五万  裏白
南2局4本場、大里が足木から8,000のアガリで4着目から2着目に。
六万七万八万六索八索三筒四筒五筒東東南南南  リーチ一発  ロン七索  ドラ一万  裏二筒
南4局、安田が親で細かくアガリ2着になる。
2回戦成績
片倉+37.1P 安田+4.0P 大里▲12.4P 足木▲28.7P
2回戦終了時
大里+28.0P 安田▲4.9P 片倉▲7.5P 足木▲15.6P
 
3回戦(片倉、足木、大里、安田)
東1局、ここまで苦しいながらも凌いでいた安田が、一通で先行リーチを打つが、親の片倉に追いかけられ12,000の放銃。
二万三万四万二索二索四索五索六索七索七索七索三筒四筒  リーチ  ロン五筒  ドラ三万  裏四万
この日の安田は日の目を見ることはなかった。
片倉は1本場、今度は大里から12,000。
二万三万四万四索五索五索六索七索二筒三筒四筒八筒八筒  リーチ  ロン三索  ドラ北  裏五索
さらに東3局、2,000・4,000をつもりダントツになる。
南2局2本場に三色のテンパイをしていた片倉から足木がメンホンの12,000をアガリ2着目になる。
一筒二筒三筒四筒四筒四筒五筒七筒発発中中中  ロン六筒
3回戦成績
片倉+42.5P 足木+14.6P 大里▲18.7P 安田▲38.4P
3回戦終了時
片倉+35.0P 大里+9.3P 足木▲1.0P 安田▲43.3P
 
4回戦(足木、安田、大里、片倉)
残すところあと2半荘。安田以外の3人のうち2者が勝ち上がりになりそうだ。
3回戦大トップをとった片倉が一歩リード。大里と足木も絶妙のバランスで凌いでいる。
この回、片倉は連対できれば勝ち上がりになりそうだ。
東1局、片倉以外の3者がテンパイの状況でアガッたのは親の足木。
二索二索三索四索五索五索六索七索八索八索  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ロン二索  ドラ発
12,000の大きなアガリとなった。
そのあとも足木は順調に点棒を増やしていく。
そして、南1局では4,000オールのアガリで65,000点オーバーに。他者を大きく突き放す。
2着争いを制したのは片倉。南4局に2,600オールが決め手となった。
二万三万四万一索一索二索三索四索六索七索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ八索  ドラ南  裏七索
4回戦成績
足木+45.7P 片倉+12.2P 大里▲14.4P 安田▲43.5P
4回戦終了時
片倉+47.2P 足木+44.7P 大里▲5.1P 安田▲86.8P
 
5回戦(大里、足木、安田、片倉)
二転三転したC卓もいよいよ最終半荘となった。
大里は上位2人とは50Pぐらいの差だが、12,000を直撃できれば順位点も含め難しい点差ではない。
しかしそこは相手2人も重々承知のため、現実はかなり難しいのではないだろうか。
2人も場を流しにくるので、私の予想では75%くらい片倉、足木の勝ち上がりだと思っていた。
しかし東1局、足木、片倉のテンパイをかわして、大里が4,000オール。
一万二万三万七万八万九万二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  一発ツモ五筒  ドラ西  裏九万
一気に差を詰めると、2巡目にドラ単騎待ちリーチ。ラス牌をつもり、裏も乗って8,000オールに。
二万二万五万五万一索一索二索二索五筒五筒六筒白白  リーチ  ツモ六筒  ドラ六筒  裏二万
2局で大里が当確に。足木と片倉の着順勝負となった、
南1局、片倉が1,300・2,600をアガリ足木に迫るが。
南2局1本場、足木が好判断のリーチで2,600オールをツモリ突き放す。
一万一万一万七万八万九万一索二索三索四索四索九筒九筒  リーチ  一発ツモ四索  ドラ三万  裏五万
1本場、片倉が国士をテンパイするが、足木と2人テンパイで流局。
南3局、片倉が2,000・4,000をツモリ5,500点差に。南4局は足木がアガリ勝ち上がりを決めた。
 
勝ち上がり  大里奈美  足木優

第14期北陸リーグ 最終節レポート

第5節組み合わせ(敬称略)

1卓木戸プロ×光岡×久々湊×小泉
2卓後藤プロ×安城プロ×窪田×吉田
3卓本田プロ×島×木下×平澤
4卓志多木プロ×押川×北川×森田
5卓濱平プロ×山川×久保×栗野

第14期北陸リーグも最終節を迎えた。このような最終戦では、各自のポイントによって戦い方が全然変わる為、上位者にとってはあまり望まない重い展開になることが多い。
だが決勝ポイントというアドバンテージがある為、対局者全員がポイントを守るというよりもポイントを伸ばしにくる為、誰もが最終局まで緊張感を無くさずにはいられないだろう。

1卓で戦う私の条件は、小泉さんを沈めつつの90ポイント条件というところだろうか。
1回戦▲7.8P、2回戦▲4.4Pと卓内で一番リーチを打つも、ほとんどアガリが取れず沈みの3着が続きます。逆に小泉さんにポイントの加点を許してしまう展開。
3回戦ではようやく+19.2Pと小さいながらもトップを取り最終戦に望みを繋げるものの、最終戦で久々湊さんの親での大連荘からの、南2局でも光岡さんの親リーチを掻い潜り、見事四暗刻ツモアガリ。逆にしたい事をされてしまいました。
その中でも、ポイントをプラスにまとめた小泉さんがトータル+64.0Pで4位通過になりました。

3卓では本田プロが2221と安定感抜群で+68.5Pでトータル+123.4Pで2位通過。最終局には、決勝ポイント一位通過を狙う手組をする余裕もある程、終始落ちついて対局出来たのではないかと思います。

4卓では前回優勝者である押川さんが3回戦終了時点では▲16.2Pながらも、最終戦で1人浮きの大トップで+15.2でトータル+117.0Pとし3位通過を果たしました。

5卓では栗野さんが、親の四暗刻ツモを含む1112で今節+117.1Pでトータル+284.9Pという予選で圧勝の1位通過となりました。

決勝進出者
1位栗野さん+284.9P
2位本田プロ+123.4P
3位押川さん+117.0P
4位小泉さん+64.0P
この4名で決勝戦となりました。

そして7月24日(日)、浦田支部長の激励と共に、上記の4名で第14期北陸リーグ決勝が開始された。今期決勝では予選順位ポイントが以下の通り。
1位栗野+40P
2位本田+20P
3位押川+10P
4位小泉±0P

1回戦
起親から、押川-本田-小泉-栗野

東2局、まずは押川さんが七対子ドラ2をリーチ者である栗野さんからのアガリ。

九万九万一索六索六索三筒三筒九筒九筒西西発発  ロン一索  ドラ六索 6,400 

南1局、本田プロが

三万三万四万五万六万三筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒  ドラ五万

ここからの打六万で栗野さんのヤミテンに捕まる。

二万二万五万五万六万七万七万六索七索八索七筒八筒九筒  ロン六万 5,200

南3局、小泉さんが親で役なしカン二筒リーチ。
さらに本田プロもタンヤオドラ単騎のヤミテンで追いつくも栗野さんが小泉さんからの三筒でロン。

四索四索二筒二筒二筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒八筒八筒  ロン三筒  ドラ八筒 12,000

このタンヤオ三暗刻ドラ3を見て2人はどう思っただろうか。

このまま栗野さんがトップを取り終了。

栗野+21.9P 押川+11.6P 本田▲7.2P 小泉▲26.3P

トータル
栗野+61.9P 押川+21.6P 本田+12.8P 小泉▲26.3P

2回戦
起親から、本田-押川-小泉-栗野

東1局、1回戦ラスを引き、ポイント的にはここから巻き返しを狙う小泉さんがツモアガリ。

四筒五筒六筒七筒八筒発発中中中  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ツモ九筒  ドラ七筒 2,000・4,000 

東3局1本場

三万三万三万二筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒白白  リーチ  ロン七筒  ドラ三万 8,300 

本田プロが勝負手を栗野さんから出アガリ。

南4局1本場

三万四万五万一索二索三索三筒四筒七筒八筒九筒西西  リーチ  ツモ五筒  ドラ三索

本田プロはオーラスでも、トップを逆転する1,300・2,600をツモアガリ。

本田+18.2P 小泉+12.6P 栗野▲7.6P 押川▲23.2P

トータル
栗野+54.3P 本田+31.0P 押川▲1.6P 小泉▲13.7P

3回戦 
起親から、小泉-栗野-押川-本田

東1局

三万四万五万三索四索五索二筒三筒三筒四筒四筒白白  リーチ  ロン五筒  ドラ五索 8,000 

押川さんが小泉さんから8,000のアガリ。

東2局

二万二万三万四万三索四索五索五索六索七索八筒八筒八筒  リーチ  ツモ二万  ドラ二万 3,000・6,000 

続く東3局

一万一万九万九万八索三筒三筒四筒四筒五筒五筒北北  リーチ  ツモ八索  ドラ四筒 3,000・6,000 

この勝負手を2局連続で小泉さんがツモアガリ、上位陣を苦しめる。

南4局1本場
小泉43,400
本田30,000
押川28,900
栗野17,700

この点棒状況の中、栗野さんがヤミテン1,300を押川さんからスルーしツモ500・1,000は600・1,100。
本田プロを沈ませる大きなツモアガリ。このスルーによって、本田プロとの差を6.8P程得した計算になる。

3回戦
小泉+24.8P 本田▲2.1P 押川▲4.7P 栗野▲18.0P

トータル
栗野+36.3P 本田+28.9P 小泉+11.1P 押川▲6.3P

誰もが着順勝負となる接戦なとり、最終戦をむかえる。
並びは規定により

起親から、本田-小泉-押川-栗野

東1局、小泉さんがまずは1,000・2,000のアガリ。

四万五万七万八万九万六索七索八索二筒二筒二筒六筒六筒  リーチ  ツモ三万  ドラ四万

東2局、押川さんが東を仕掛けでテンパイ。

四万四万八万八万八万四筒五筒六筒中中  加カン東東東東  ドラ中

そこに本田プロがリーチでツモアガリ。

三万四万五万五万六万七万六索七索五筒六筒七筒中中  リーチ  ツモ五索 

大きな3,000・6,000。

東3局、本田プロが役無しカン七万テンパイからの七索が栗野さんの仕掛けに捕まる。

二索三索四索五索五索六索八索九索九索九索  チー七索 左向き六索 上向き八索 上向き  ロン七索  ドラ八万 8,000 

東4局、押川さんが勝負手をツモアガリ。

四万五万六万七万八万発発発中中  暗カン牌の背一万 上向き一万 上向き牌の背  リーチ  ツモ九万  ドラ九筒 3,000・6,000 

南3局では押川さんが執念の親の大三元テンパイも流局し、次局は小泉さんが1,000は1,900をアガリ最終局へ。

条件は小泉さん・栗野さんが同点。本田プロが跳満ツモ、倍満出アガリ条件。押川さんが倍満ツモ条件。

なんと本田プロが5巡目でこの形

二万二万二万南西西白白白発発発中 

跳満ツモどころかダブル役満まで見える形。
その中で栗野さんが6巡目リーチを実らせる。

三万四万五万六万七万一索二索三索六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ  ツモ五万

二万がフリテンなだけに、本田プロ有利と思いきや、即座にツモアガリ。

その後1,500は1,800を加点した後、全員ノーテンで決勝は幕を閉じた。

4回戦
小泉+15.5P 栗野+2.3P 押川+5.3P 本田▲23.1P

トータル
優勝=栗野+38.6P
準優勝=小泉+26.6P
3位=本田プロ+5.8P
4位=押川▲1.0P

各自持ち味を生かした対局だったのではないかと思う。誰もが自分のやるべきことをして、このような接戦の美しい対局になった。その中でも冷静に仕掛ける手は仕掛け、アガリをとり、苦しい中でも3回戦の見逃しツモアガリのように、いかに自分に有利になるように立ち回った栗野さんが優勝となった。
前回も予選では圧勝だったのだが、決勝では押川さんに負けたリベンジが出来たのではないだろうか。

優勝者栗野さんコメント
「素直に嬉しいです。決勝戦では一瞬も気の抜けない展開でとても疲れましたが、本当に楽しい対局でした」

最後になりますが、半年間ではありますが、拙いレポートにお付き合い頂き有難うございました。

次回は9月18日(日)金沢にての開催となります。
またいつかお目にかかることがあれば、宜しくお願い致します。

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北陸リーグ レポート/第14期北陸リーグ 最終節レポート

第5節組み合わせ(敬称略)
1卓木戸プロ×光岡×久々湊×小泉
2卓後藤プロ×安城プロ×窪田×吉田
3卓本田プロ×島×木下×平澤
4卓志多木プロ×押川×北川×森田
5卓濱平プロ×山川×久保×栗野
第14期北陸リーグも最終節を迎えた。このような最終戦では、各自のポイントによって戦い方が全然変わる為、上位者にとってはあまり望まない重い展開になることが多い。
だが決勝ポイントというアドバンテージがある為、対局者全員がポイントを守るというよりもポイントを伸ばしにくる為、誰もが最終局まで緊張感を無くさずにはいられないだろう。
1卓で戦う私の条件は、小泉さんを沈めつつの90ポイント条件というところだろうか。
1回戦▲7.8P、2回戦▲4.4Pと卓内で一番リーチを打つも、ほとんどアガリが取れず沈みの3着が続きます。逆に小泉さんにポイントの加点を許してしまう展開。
3回戦ではようやく+19.2Pと小さいながらもトップを取り最終戦に望みを繋げるものの、最終戦で久々湊さんの親での大連荘からの、南2局でも光岡さんの親リーチを掻い潜り、見事四暗刻ツモアガリ。逆にしたい事をされてしまいました。
その中でも、ポイントをプラスにまとめた小泉さんがトータル+64.0Pで4位通過になりました。
3卓では本田プロが2221と安定感抜群で+68.5Pでトータル+123.4Pで2位通過。最終局には、決勝ポイント一位通過を狙う手組をする余裕もある程、終始落ちついて対局出来たのではないかと思います。
4卓では前回優勝者である押川さんが3回戦終了時点では▲16.2Pながらも、最終戦で1人浮きの大トップで+15.2でトータル+117.0Pとし3位通過を果たしました。
5卓では栗野さんが、親の四暗刻ツモを含む1112で今節+117.1Pでトータル+284.9Pという予選で圧勝の1位通過となりました。
決勝進出者
1位栗野さん+284.9P
2位本田プロ+123.4P
3位押川さん+117.0P
4位小泉さん+64.0P
この4名で決勝戦となりました。
そして7月24日(日)、浦田支部長の激励と共に、上記の4名で第14期北陸リーグ決勝が開始された。今期決勝では予選順位ポイントが以下の通り。
1位栗野+40P
2位本田+20P
3位押川+10P
4位小泉±0P
1回戦
起親から、押川-本田-小泉-栗野
東2局、まずは押川さんが七対子ドラ2をリーチ者である栗野さんからのアガリ。
九万九万一索六索六索三筒三筒九筒九筒西西発発  ロン一索  ドラ六索 6,400 
南1局、本田プロが
三万三万四万五万六万三筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒  ドラ五万
ここからの打六万で栗野さんのヤミテンに捕まる。
二万二万五万五万六万七万七万六索七索八索七筒八筒九筒  ロン六万 5,200
南3局、小泉さんが親で役なしカン二筒リーチ。
さらに本田プロもタンヤオドラ単騎のヤミテンで追いつくも栗野さんが小泉さんからの三筒でロン。
四索四索二筒二筒二筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒八筒八筒  ロン三筒  ドラ八筒 12,000
このタンヤオ三暗刻ドラ3を見て2人はどう思っただろうか。
このまま栗野さんがトップを取り終了。
栗野+21.9P 押川+11.6P 本田▲7.2P 小泉▲26.3P
トータル
栗野+61.9P 押川+21.6P 本田+12.8P 小泉▲26.3P
2回戦
起親から、本田-押川-小泉-栗野
東1局、1回戦ラスを引き、ポイント的にはここから巻き返しを狙う小泉さんがツモアガリ。
四筒五筒六筒七筒八筒発発中中中  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ツモ九筒  ドラ七筒 2,000・4,000 
東3局1本場
三万三万三万二筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒白白  リーチ  ロン七筒  ドラ三万 8,300 
本田プロが勝負手を栗野さんから出アガリ。
南4局1本場
三万四万五万一索二索三索三筒四筒七筒八筒九筒西西  リーチ  ツモ五筒  ドラ三索
本田プロはオーラスでも、トップを逆転する1,300・2,600をツモアガリ。
本田+18.2P 小泉+12.6P 栗野▲7.6P 押川▲23.2P
トータル
栗野+54.3P 本田+31.0P 押川▲1.6P 小泉▲13.7P
3回戦 
起親から、小泉-栗野-押川-本田
東1局
三万四万五万三索四索五索二筒三筒三筒四筒四筒白白  リーチ  ロン五筒  ドラ五索 8,000 
押川さんが小泉さんから8,000のアガリ。
東2局
二万二万三万四万三索四索五索五索六索七索八筒八筒八筒  リーチ  ツモ二万  ドラ二万 3,000・6,000 
続く東3局
一万一万九万九万八索三筒三筒四筒四筒五筒五筒北北  リーチ  ツモ八索  ドラ四筒 3,000・6,000 
この勝負手を2局連続で小泉さんがツモアガリ、上位陣を苦しめる。
南4局1本場
小泉43,400
本田30,000
押川28,900
栗野17,700
この点棒状況の中、栗野さんがヤミテン1,300を押川さんからスルーしツモ500・1,000は600・1,100。
本田プロを沈ませる大きなツモアガリ。このスルーによって、本田プロとの差を6.8P程得した計算になる。
3回戦
小泉+24.8P 本田▲2.1P 押川▲4.7P 栗野▲18.0P
トータル
栗野+36.3P 本田+28.9P 小泉+11.1P 押川▲6.3P
誰もが着順勝負となる接戦なとり、最終戦をむかえる。
並びは規定により
起親から、本田-小泉-押川-栗野
東1局、小泉さんがまずは1,000・2,000のアガリ。
四万五万七万八万九万六索七索八索二筒二筒二筒六筒六筒  リーチ  ツモ三万  ドラ四万
東2局、押川さんが東を仕掛けでテンパイ。
四万四万八万八万八万四筒五筒六筒中中  加カン東東東東  ドラ中
そこに本田プロがリーチでツモアガリ。
三万四万五万五万六万七万六索七索五筒六筒七筒中中  リーチ  ツモ五索 
大きな3,000・6,000。
東3局、本田プロが役無しカン七万テンパイからの七索が栗野さんの仕掛けに捕まる。
二索三索四索五索五索六索八索九索九索九索  チー七索 左向き六索 上向き八索 上向き  ロン七索  ドラ八万 8,000 
東4局、押川さんが勝負手をツモアガリ。
四万五万六万七万八万発発発中中  暗カン牌の背一万 上向き一万 上向き牌の背  リーチ  ツモ九万  ドラ九筒 3,000・6,000 
南3局では押川さんが執念の親の大三元テンパイも流局し、次局は小泉さんが1,000は1,900をアガリ最終局へ。
条件は小泉さん・栗野さんが同点。本田プロが跳満ツモ、倍満出アガリ条件。押川さんが倍満ツモ条件。
なんと本田プロが5巡目でこの形
二万二万二万南西西白白白発発発中 
跳満ツモどころかダブル役満まで見える形。
その中で栗野さんが6巡目リーチを実らせる。
三万四万五万六万七万一索二索三索六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ  ツモ五万
二万がフリテンなだけに、本田プロ有利と思いきや、即座にツモアガリ。
その後1,500は1,800を加点した後、全員ノーテンで決勝は幕を閉じた。
4回戦
小泉+15.5P 栗野+2.3P 押川+5.3P 本田▲23.1P
トータル
優勝=栗野+38.6P
準優勝=小泉+26.6P
3位=本田プロ+5.8P
4位=押川▲1.0P
各自持ち味を生かした対局だったのではないかと思う。誰もが自分のやるべきことをして、このような接戦の美しい対局になった。その中でも冷静に仕掛ける手は仕掛け、アガリをとり、苦しい中でも3回戦の見逃しツモアガリのように、いかに自分に有利になるように立ち回った栗野さんが優勝となった。
前回も予選では圧勝だったのだが、決勝では押川さんに負けたリベンジが出来たのではないだろうか。
優勝者栗野さんコメント
「素直に嬉しいです。決勝戦では一瞬も気の抜けない展開でとても疲れましたが、本当に楽しい対局でした」
最後になりますが、半年間ではありますが、拙いレポートにお付き合い頂き有難うございました。
次回は9月18日(日)金沢にての開催となります。
またいつかお目にかかることがあれば、宜しくお願い致します。
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Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

【プロリーグ】

■A1

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 11節 12節 対局消化数 合計
1 前田 直哉(静岡) 32.5 ▲ 26.9 40.0 51.0 7.1 32.7 24/48 136.4
2 近藤 久春(秋田) 49.4 68.7 0.7 ▲ 22.2 24.3 ▲ 30.2 24/48 90.7
3 前原 雄大(東京) 12.6 0.9 ▲ 6.7 24.8 11.1 39.5 24/48 82.2
4 古川 孝次(愛知) 21.8 ▲ 35.0 24.3 67.1 ▲ 31.3 24.7 24/48 71.6
5 沢崎 誠(群馬) 32.4 17.5 ▲ 35.6 2.2 35.7 ▲ 7.5 24/48 44.7
6 藤崎 智(秋田) ▲ 33.9 28.5 ▲ 21.5 ▲ 24.3 6.8 36.6 24/48 ▲ 7.8
7 伊藤 優孝(秋田) 10.0 ▲ 19.7 2.3 ▲ 13.9 8.1 1.6 24/48 ▲ 11.6
8 瀬戸熊 直樹(東京) ▲ 8.5 ▲ 8.5 ▲ 34.0 ▲ 31.8 79.7 ▲ 31.0 24/48 ▲ 34.1
9 仁平 宣明(福岡) ▲ 47.4 8.5 ▲ 29.3 ▲ 15.5 25.3 4.7 24/48 ▲ 53.7
10 HIRO柴田(神奈川) ▲ 29.7 ▲ 69.1 16.8 44.1 ▲ 11.5 ▲ 28.3 24/48 ▲ 77.7
11 石渡 正志(神奈川) ▲ 34.5 49.1 9.0 ▲ 67.6 ▲ 56.4 ▲ 2.8 24/48 ▲ 103.2
12 望月 雅継(静岡) ▲ 4.7 ▲ 14.0 34.0 ▲ 14.9 ▲ 98.9 ▲ 42.0 24/48 ▲ 140.5

 

現在折り返し地点で、最強位前田直哉が首位、近藤久春が2位、前原雄大が3位。
トータルポイントで下位に位置するものは、なんとか浮上しようとし、上位に位置するものはポイントを伸ばそうとする。
そうはさせるかと、周囲はあの手この手を打ってくる。
後半につれ戦いはさらに激化してくることであろう。

 

■A2

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 11節 対局消化数 合計
1 内川 幸太郎(長野) 68.4 ▲ 12.5 78.3 ▲ 11.4 61.9 22.7 24/44 207.4
2 荒 正義(北海道) 27.0 ▲ 26.8 74.7 1.7 59.9 20/44 136.5
3 吉田 直(東京) 17.8 53.6 ▲ 14.6 31.2 44.3 20/44 132.3
4 和久津 晶(東京) 34.8 ▲ 0.3 40.7 55.7 2.9 ▲ 39.8 24/44 94.0
5 藤原 隆弘(福岡) 19.4 48.1 ▲ 12.4 36.1 ▲ 50.7 20/44 40.5
6 ともたけ 雅晴(千葉) ▲ 11.0 32.6 ▲ 8.2 ▲ 32.3 53.9 ▲ 1.9 24/44 33.1
7 西岡 慎秦(岐阜) ▲ 35.4 ▲ 10.8 ▲ 29.1 47.9 ▲ 50.0 66.3 24/44 ▲ 11.1
8 紺野 真太郎(静岡) ▲ 23.8 ▲ 9.0 ▲ 23.4 49.9 ▲ 14.1 20/44 ▲ 20.4
9 山田 浩之(兵庫) 7.8 17.4 ▲ 30.9 22.7 ▲ 46.5 20/44 ▲ 29.5
10 麓 征生(東京) ▲ 45.0 ▲ 8.4 ▲ 24.1 21.5 ▲ 34.2 42.7 24/44 ▲ 47.5
11 杉浦 勘介(愛知) ▲ 32.8 ▲ 3.6 ▲ 46.0 ▲ 4.5 35.2 20/44 ▲ 51.7
12 白鳥 翔(東京) 70.2 ▲ 7.3 ▲ 7.5 ▲ 21.5 ▲ 61.5 ▲ 32.2 24/44 ▲ 59.8
13 猿川 真寿(静岡) ▲ 29.0 5.9 37.6 ▲ 22.8 ▲ 31.6 ▲ 34.2 24/44 ▲ 74.1
14 西川 淳(愛媛) ▲ 32.4 ▲ 53.9 2.0 ▲ 48.6 71.8 ▲ 24.6 24/44 ▲ 85.7
15 ダンプ 大橋(神奈川) ▲ 7.7 ▲ 41.0 ▲ 18.7 ▲ 46.1 24.3 20/44 ▲ 89.2
16 櫻井 秀樹(山口) ▲ 28.3 16.0 ▲ 22.4 ▲ 79.5 ▲ 66.6 20/44 ▲ 180.8

 

前節でも好調な滑り出しを見せた内川幸太郎が首位。2位に荒正義。
衝撃のA1降級直後の荒であるが、周囲の心配をよそに爆発力を見せつけた。
櫻井、ダンプの十段戦決勝メンバーが低迷中。

 

■女流桜花

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 仲田 加南(神奈川) 60.7 ▲ 0.1 52.1 ▲ 0.4 112.3
2 石田 亜沙己(愛知) 12.2 13.9 32.4 11.2 69.7
3 童瞳(上海) 8.4 ▲ 4.0 ▲ 7.9 58.9 55.4
4 二階堂 亜樹 (神奈川) 64.1 ▲ 10.8 61.7 ▲ 27.1 ▲ 42.0 45.9
5 美波 智子(埼玉) 39.6 22.9 ▲ 33.6 ▲ 19.2 35.1 44.8
6 優木 美智(福岡) ▲ 36.5 6.5 47.7 23.8 41.5
7 武石 絵里(東京) 33.2 37.4 ▲ 41.2 8.1 37.5
8 斉藤 理絵(東京) ▲ 4.3 ▲ 3.7 10.7 28.2 30.9
9 澤村 明日華(栃木) ▲ 19.5 23.1 ▲ 29.2 47.3 21.7
10 魚谷 侑未(新潟) ▲ 56.8 35.1 17.7 19.3 15.3
11 松岡 千晶(東京) ▲ 34.8 ▲ 6.5 44.2 3.7 6.6
12 中川 由佳梨(大阪) 20.5 4.5 ▲ 10.9 ▲ 41.1 ▲ 0.7 ▲ 27.7
13 藤井 すみれ(埼玉) ▲ 12.6 ▲ 11.9 ▲ 20.2 10.4 ▲ 34.3
14 吾妻 さおり(東京) 5.9 ▲ 39.6 ▲ 1.9 0.9 ▲ 34.7
15 清水 香織(栃木) 30.7 ▲ 27.5 ▲ 19.6 ▲ 19.3 ▲ 35.7
16 朝霧 千裕(三重) ▲ 3.8 ▲ 25.4 ▲ 22.1 2.4 ▲ 48.9
17 和久津 晶(東京) 38.0 ▲ 35.0 ▲ 12.6 ▲ 52.6 ▲ 62.2
18 二階堂 瑠美(神奈川) ▲ 77.4 29.8 ▲ 45.2 30.4 ▲ 62.4
19 内田 美乃里(神奈川) ▲ 3.6 ▲ 31.3 0.0 ▲ 49.8 7.6 ▲ 77.1
20 平岡 理恵(静岡) ▲ 65.0 20.6 ▲ 23.1 ▲ 37.1 ▲ 104.6

 

首位仲田加南のプレーオフ進出は決定的だが、現在8位の斉藤理絵から残留ボーダー清水香織まで66ポイントほどしか差がないため、まだまだ順位に変動がありそうだ。

日本プロ麻雀連盟チャンネルにて中継中!
月曜日 A1
火曜日 A2
水曜日 女流桜花

ニコ生 連盟チャンネル

FRESH! by AbemaTVチャンネル

 

【プロリーグ後期開幕】
Bリーグ以下は、後期のプロリーグが開幕した。

B1・B2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

前期に引き続いて、後期もB1リーグselectの配信が決定。

山井 弘
佐々木 寿人
安村 浩司
安 秉参

初回の配信卓はこのようなメンバーであったが、B1リーグに所属する選手たちは次どの卓がセレクトされるのか、気になる様子だ。

B1後期の組み合わせ表を見ているのは、前期B2優勝の藤島健二郎。

 

100

 

藤島「あー、これセレクトされずに終わる可能性高いな。どうせならセレクトされたいなあー」

 

100

B1組み合わせ表

 

さて、今期はどの卓がセレクトされるのだろうか?

 

【チャンピオンズリーグがG2に格上げ】


”能登の狂犬”こと庄田祐生が第30期を獲得したチャンピオンズリーグが、G2に格上げとなることが決定した。
鳳凰位、十段位をベスト16シードとし、王位、マスターズをその下のシード、ルールは一発裏ドラ有りの連盟Bルールを採用。
というところまでが、選手に対して発表された。
それに伴い、タイトルの名称も変更となるようだ。

どんな名称が相応しいのだろうか?
よくある、別の業界のタイトル名称からとるパターンだと、タイトル戦としての雰囲気はそれっぽくなるが、目新しさはない。
難しい漢字でカッコ良くしようとすると、どんどん中二病みたいになってくる。
難しい所だ…

 

【天空麻雀18収録中!】


《女性大会》
A卓 二階堂亜樹、童瞳、高宮まり、菅原千瑛
B卓 宮内こずえ、古谷知美、二階堂瑠美、和泉由希子

《男性大会》
A卓 小島武夫、勝又健志、佐々木寿人、井出康平
B卓 森山茂和、瀬戸熊直樹、荒正義、白鳥翔

今回はこのメンバーで収録が行われた。男性大会で全6回の優勝回数を誇る森山会長についで優勝回数4回の佐々木寿人。なんと2人で過去10回も優勝しているのだ。
井出、白鳥の2名はどんな戦いを見せるのか注目である。

 

100
100
100
100

 

中二病と言えば、この方の代名詞のようになっているようだが、この日は最近得意のサスペンダー装備は外していた。
瀬戸熊直樹が何故サスペンダーをしていないのかと聞いたところ、
「今日はメンバー的にちょっと…さすがに…」
と、回答していた。

…のあとに続く言葉はもちろん「失礼ではないかと思う」であろう。

うん、確かに白鳥の卓は強烈だね。
でもそれは、サスペンダーを装着している日の相手にはリスペクト精神がないということも同然だ。
人をおちょくったような姿勢で日々を過ごしているということの現れなのか、それとも顔ぶれを見てハッとなったのか。
次回以降、白鳥の装備に注目すれば、相手への敬意がどれくらいのものなのかわかるのではないだろうか。

ともかく、観戦していた敗退者が口を揃えて凄い対局だった、というくらい素晴らしい、見どころ満載の対局をお見逃しなく!

 

【お便り】
私Mr.X宛に届いた、お便りを紹介しよう。

■お便り①
ペンネーム:土佐の土佐犬さん
先日、第30期のチャンピオンズリーグを獲得した、庄田祐生プロが「能登の狂犬」と書かれていましたが、元々「能登の狂犬」と呼ばれているプロがいませんでしたっけ?

え?いたっけ?

■お便り②
ペンネーム:下町のタッキーさん
モンド杯の出場権も失い、天空麻雀も出場者に名前がありませんでした。最近ではB1selectionくらいしか映像に映らないのですが、どうしたら良いでしょうか?

頑張れ。

■お便り③
ペンネーム:
この画像を見てください。

100

 

3人ずつ左右対称かと思ったら、良く見ると少しずつ目や口のパーツが違っていました。
服だけは左右対称なのが非常に気になります。
いっそ同じか、やはり違う6名にしてほしかったと思います。

担当者にペナルティーを与えておきます。

それではまた来週。

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
【プロリーグ】
■A1

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 11節 12節 対局消化数 合計
1 前田 直哉(静岡) 32.5 ▲ 26.9 40.0 51.0 7.1 32.7 24/48 136.4
2 近藤 久春(秋田) 49.4 68.7 0.7 ▲ 22.2 24.3 ▲ 30.2 24/48 90.7
3 前原 雄大(東京) 12.6 0.9 ▲ 6.7 24.8 11.1 39.5 24/48 82.2
4 古川 孝次(愛知) 21.8 ▲ 35.0 24.3 67.1 ▲ 31.3 24.7 24/48 71.6
5 沢崎 誠(群馬) 32.4 17.5 ▲ 35.6 2.2 35.7 ▲ 7.5 24/48 44.7
6 藤崎 智(秋田) ▲ 33.9 28.5 ▲ 21.5 ▲ 24.3 6.8 36.6 24/48 ▲ 7.8
7 伊藤 優孝(秋田) 10.0 ▲ 19.7 2.3 ▲ 13.9 8.1 1.6 24/48 ▲ 11.6
8 瀬戸熊 直樹(東京) ▲ 8.5 ▲ 8.5 ▲ 34.0 ▲ 31.8 79.7 ▲ 31.0 24/48 ▲ 34.1
9 仁平 宣明(福岡) ▲ 47.4 8.5 ▲ 29.3 ▲ 15.5 25.3 4.7 24/48 ▲ 53.7
10 HIRO柴田(神奈川) ▲ 29.7 ▲ 69.1 16.8 44.1 ▲ 11.5 ▲ 28.3 24/48 ▲ 77.7
11 石渡 正志(神奈川) ▲ 34.5 49.1 9.0 ▲ 67.6 ▲ 56.4 ▲ 2.8 24/48 ▲ 103.2
12 望月 雅継(静岡) ▲ 4.7 ▲ 14.0 34.0 ▲ 14.9 ▲ 98.9 ▲ 42.0 24/48 ▲ 140.5

 
現在折り返し地点で、最強位前田直哉が首位、近藤久春が2位、前原雄大が3位。
トータルポイントで下位に位置するものは、なんとか浮上しようとし、上位に位置するものはポイントを伸ばそうとする。
そうはさせるかと、周囲はあの手この手を打ってくる。
後半につれ戦いはさらに激化してくることであろう。
 
■A2

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 11節 対局消化数 合計
1 内川 幸太郎(長野) 68.4 ▲ 12.5 78.3 ▲ 11.4 61.9 22.7 24/44 207.4
2 荒 正義(北海道) 27.0 ▲ 26.8 74.7 1.7 59.9 20/44 136.5
3 吉田 直(東京) 17.8 53.6 ▲ 14.6 31.2 44.3 20/44 132.3
4 和久津 晶(東京) 34.8 ▲ 0.3 40.7 55.7 2.9 ▲ 39.8 24/44 94.0
5 藤原 隆弘(福岡) 19.4 48.1 ▲ 12.4 36.1 ▲ 50.7 20/44 40.5
6 ともたけ 雅晴(千葉) ▲ 11.0 32.6 ▲ 8.2 ▲ 32.3 53.9 ▲ 1.9 24/44 33.1
7 西岡 慎秦(岐阜) ▲ 35.4 ▲ 10.8 ▲ 29.1 47.9 ▲ 50.0 66.3 24/44 ▲ 11.1
8 紺野 真太郎(静岡) ▲ 23.8 ▲ 9.0 ▲ 23.4 49.9 ▲ 14.1 20/44 ▲ 20.4
9 山田 浩之(兵庫) 7.8 17.4 ▲ 30.9 22.7 ▲ 46.5 20/44 ▲ 29.5
10 麓 征生(東京) ▲ 45.0 ▲ 8.4 ▲ 24.1 21.5 ▲ 34.2 42.7 24/44 ▲ 47.5
11 杉浦 勘介(愛知) ▲ 32.8 ▲ 3.6 ▲ 46.0 ▲ 4.5 35.2 20/44 ▲ 51.7
12 白鳥 翔(東京) 70.2 ▲ 7.3 ▲ 7.5 ▲ 21.5 ▲ 61.5 ▲ 32.2 24/44 ▲ 59.8
13 猿川 真寿(静岡) ▲ 29.0 5.9 37.6 ▲ 22.8 ▲ 31.6 ▲ 34.2 24/44 ▲ 74.1
14 西川 淳(愛媛) ▲ 32.4 ▲ 53.9 2.0 ▲ 48.6 71.8 ▲ 24.6 24/44 ▲ 85.7
15 ダンプ 大橋(神奈川) ▲ 7.7 ▲ 41.0 ▲ 18.7 ▲ 46.1 24.3 20/44 ▲ 89.2
16 櫻井 秀樹(山口) ▲ 28.3 16.0 ▲ 22.4 ▲ 79.5 ▲ 66.6 20/44 ▲ 180.8

 
前節でも好調な滑り出しを見せた内川幸太郎が首位。2位に荒正義。
衝撃のA1降級直後の荒であるが、周囲の心配をよそに爆発力を見せつけた。
櫻井、ダンプの十段戦決勝メンバーが低迷中。
 
■女流桜花

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 仲田 加南(神奈川) 60.7 ▲ 0.1 52.1 ▲ 0.4 112.3
2 石田 亜沙己(愛知) 12.2 13.9 32.4 11.2 69.7
3 童瞳(上海) 8.4 ▲ 4.0 ▲ 7.9 58.9 55.4
4 二階堂 亜樹 (神奈川) 64.1 ▲ 10.8 61.7 ▲ 27.1 ▲ 42.0 45.9
5 美波 智子(埼玉) 39.6 22.9 ▲ 33.6 ▲ 19.2 35.1 44.8
6 優木 美智(福岡) ▲ 36.5 6.5 47.7 23.8 41.5
7 武石 絵里(東京) 33.2 37.4 ▲ 41.2 8.1 37.5
8 斉藤 理絵(東京) ▲ 4.3 ▲ 3.7 10.7 28.2 30.9
9 澤村 明日華(栃木) ▲ 19.5 23.1 ▲ 29.2 47.3 21.7
10 魚谷 侑未(新潟) ▲ 56.8 35.1 17.7 19.3 15.3
11 松岡 千晶(東京) ▲ 34.8 ▲ 6.5 44.2 3.7 6.6
12 中川 由佳梨(大阪) 20.5 4.5 ▲ 10.9 ▲ 41.1 ▲ 0.7 ▲ 27.7
13 藤井 すみれ(埼玉) ▲ 12.6 ▲ 11.9 ▲ 20.2 10.4 ▲ 34.3
14 吾妻 さおり(東京) 5.9 ▲ 39.6 ▲ 1.9 0.9 ▲ 34.7
15 清水 香織(栃木) 30.7 ▲ 27.5 ▲ 19.6 ▲ 19.3 ▲ 35.7
16 朝霧 千裕(三重) ▲ 3.8 ▲ 25.4 ▲ 22.1 2.4 ▲ 48.9
17 和久津 晶(東京) 38.0 ▲ 35.0 ▲ 12.6 ▲ 52.6 ▲ 62.2
18 二階堂 瑠美(神奈川) ▲ 77.4 29.8 ▲ 45.2 30.4 ▲ 62.4
19 内田 美乃里(神奈川) ▲ 3.6 ▲ 31.3 0.0 ▲ 49.8 7.6 ▲ 77.1
20 平岡 理恵(静岡) ▲ 65.0 20.6 ▲ 23.1 ▲ 37.1 ▲ 104.6

 
首位仲田加南のプレーオフ進出は決定的だが、現在8位の斉藤理絵から残留ボーダー清水香織まで66ポイントほどしか差がないため、まだまだ順位に変動がありそうだ。
日本プロ麻雀連盟チャンネルにて中継中!
月曜日 A1
火曜日 A2
水曜日 女流桜花
ニコ生 連盟チャンネル
FRESH! by AbemaTVチャンネル
 
【プロリーグ後期開幕】
Bリーグ以下は、後期のプロリーグが開幕した。

B1・B2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

前期に引き続いて、後期もB1リーグselectの配信が決定。
山井 弘
佐々木 寿人
安村 浩司
安 秉参
初回の配信卓はこのようなメンバーであったが、B1リーグに所属する選手たちは次どの卓がセレクトされるのか、気になる様子だ。
B1後期の組み合わせ表を見ているのは、前期B2優勝の藤島健二郎。
 

100

 
藤島「あー、これセレクトされずに終わる可能性高いな。どうせならセレクトされたいなあー」
 

100

B1組み合わせ表

 
さて、今期はどの卓がセレクトされるのだろうか?
 
【チャンピオンズリーグがG2に格上げ】

”能登の狂犬”こと庄田祐生が第30期を獲得したチャンピオンズリーグが、G2に格上げとなることが決定した。
鳳凰位、十段位をベスト16シードとし、王位、マスターズをその下のシード、ルールは一発裏ドラ有りの連盟Bルールを採用。
というところまでが、選手に対して発表された。
それに伴い、タイトルの名称も変更となるようだ。
どんな名称が相応しいのだろうか?
よくある、別の業界のタイトル名称からとるパターンだと、タイトル戦としての雰囲気はそれっぽくなるが、目新しさはない。
難しい漢字でカッコ良くしようとすると、どんどん中二病みたいになってくる。
難しい所だ…
 
【天空麻雀18収録中!】

《女性大会》
A卓 二階堂亜樹、童瞳、高宮まり、菅原千瑛
B卓 宮内こずえ、古谷知美、二階堂瑠美、和泉由希子
《男性大会》
A卓 小島武夫、勝又健志、佐々木寿人、井出康平
B卓 森山茂和、瀬戸熊直樹、荒正義、白鳥翔
今回はこのメンバーで収録が行われた。男性大会で全6回の優勝回数を誇る森山会長についで優勝回数4回の佐々木寿人。なんと2人で過去10回も優勝しているのだ。
井出、白鳥の2名はどんな戦いを見せるのか注目である。
 

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中二病と言えば、この方の代名詞のようになっているようだが、この日は最近得意のサスペンダー装備は外していた。
瀬戸熊直樹が何故サスペンダーをしていないのかと聞いたところ、
「今日はメンバー的にちょっと…さすがに…」
と、回答していた。
…のあとに続く言葉はもちろん「失礼ではないかと思う」であろう。
うん、確かに白鳥の卓は強烈だね。
でもそれは、サスペンダーを装着している日の相手にはリスペクト精神がないということも同然だ。
人をおちょくったような姿勢で日々を過ごしているということの現れなのか、それとも顔ぶれを見てハッとなったのか。
次回以降、白鳥の装備に注目すれば、相手への敬意がどれくらいのものなのかわかるのではないだろうか。
ともかく、観戦していた敗退者が口を揃えて凄い対局だった、というくらい素晴らしい、見どころ満載の対局をお見逃しなく!
 
【お便り】
私Mr.X宛に届いた、お便りを紹介しよう。
■お便り①
ペンネーム:土佐の土佐犬さん
先日、第30期のチャンピオンズリーグを獲得した、庄田祐生プロが「能登の狂犬」と書かれていましたが、元々「能登の狂犬」と呼ばれているプロがいませんでしたっけ?
え?いたっけ?
■お便り②
ペンネーム:下町のタッキーさん
モンド杯の出場権も失い、天空麻雀も出場者に名前がありませんでした。最近ではB1selectionくらいしか映像に映らないのですが、どうしたら良いでしょうか?
頑張れ。
■お便り③
ペンネーム:
この画像を見てください。

100

 
3人ずつ左右対称かと思ったら、良く見ると少しずつ目や口のパーツが違っていました。
服だけは左右対称なのが非常に気になります。
いっそ同じか、やはり違う6名にしてほしかったと思います。
担当者にペナルティーを与えておきます。
それではまた来週。

第30期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート 蒼山 秀佑

8月20日激しい雷雨の中、チャンピオンズリーグトーナメントが行われた。
今回の予選は参加人数が88人と例年より多く、ボーダーは+45.5と高めであった。

チャンピオンズリーグとは日本プロ麻雀連盟員が参加できるタイトル戦、Aルールで行われる。
予選は半年間で各自20半荘を行い、上位29名がトーナメントへ。
第29期優勝者、予選1位の2名がベスト16へシードされる。
トーナメントは同一メンバーで3回ずつ行い、上位2名の勝ち上がりとなる。

 

【1卓.石立岳大、土井悟、山田学武、古谷知美】

序盤、石立にとっては厳しい展開だったが、東3局に七対子ドラドラをツモ。

三万三万八万八万九万九万二索四索四索八筒八筒白白  ツモ二索  ドラ白

このあがりをきっかけに気づけば3連勝。他を寄せ付けなかった。
もう一つの切符を掴んだのは土井。3回戦の山田との着順勝負を制し、ベスト16へ駒を進めた。

【勝ち上がり 石立、土井】

 

【2卓.藤島健二郎、大庭三四郎、藤原隆弘、北條恵美】

Eリーグ大庭が大金星を挙げる。格上相手に物怖じせず、冷静な試合展開を見せ、難なく1位通過を果たした。
逆に1回戦トップで楽勝ムードかと思われた藤原だったが以降ポイントが伸びず2回戦は24400点のラスが響きここで敗退となった。

【勝ち上がり 大庭、北條】

 

【3卓.安達紘文、鈴木秀幸、ケネス徳田、増田隆一】

打撃系が揃った3卓。1回戦増田が54000点のトップ、2回戦は安達の5万点の1人浮きで迎えた最終戦

2回戦終了時
増田+25.8安達+14.6鈴木▲13.9ケネス▲26.5

オーラス親増田流れ1本場供託1000
持ち点
ケネス46200
安達27900
鈴木24100
増田20800

ケネスは増田から5200直撃か安達から6400直撃、もしくは1000.2000ツモ条件。

9巡目ドラ七西家
一万二万三万四万五万五万九索九索一筒二筒二筒西西
一筒とし、七対子も見つつ進めるも、あがりが遠く敗退となった。

【勝ち上がり 安達、増田】

 

【4卓.HIRO柴田、小町拓也、中村慎吾、清原継光】

A1リーガーHIRO柴田の独壇場だった。開局からあがりを重ね余裕の3連勝。+108のスコアを叩く。
もう1人の勝ち上がりはチャンピオンズリーグを制したこともある中村。ラスを他の2人に押し付けた。

【勝ち上がり HIRO柴田、中村】

 

【5卓.古本知宏、齋藤豪、鮎川卓、眞鍋明広】

1回戦古本の1人浮きで終え2回戦。
平たいまま迎えた南3局親の齋藤と眞鍋がぶつかる。
齋藤
二万三万四万九万九万二索三索五索六索七索九索九索九索  リーチ  ドラ七万
眞鍋
一万二万三万六万七万八万七索八索四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ
眞鍋は高めをツモると一気にトップへ浮上する勝負手。
しかし齋藤が四索をツモり1000オール
次局も齋藤が眞鍋から9600は9900を加点。
オーラス厳しい状況に立たされた眞鍋だったが古本から打たれたドラの南をポンし、すぐさま鮎川から12000。沈みではあるが2着へ浮上した。
2回戦終了時
齋藤+19.8古本+17.3眞鍋▲8.6鮎川▲28.5

3回戦
序盤に齋藤が抜け出し、鮎川は厳しい立ち位置。実質古本と眞鍋の同郷2人の一騎打ちとなった。
26400持ちで浮けば通過の古本だったが、ここは先輩眞鍋に軍配が上がった。

【勝ち上がり 齋藤、眞鍋】

 

【6卓.小車祥、岡田茂、高谷圭一、吉田直】

オーラス、岡田と小車の持ち点が全く同じになった。
親番の小車はやや不利だが、このままの点数で終わればトップ回数の多い小車が通過。
6巡目ドラ四万
小車
六万六万五索七索七索八索九索三筒四筒四筒六筒七筒八筒
岡田
七万九万七索七索八索一筒二筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒
両者一向聴。どちらかがあがるかに見えたが、両者ツモが伸びず、先に通過を決めていた吉田が1000.2000をツモ。岡田が通過となった。

【勝ち上がり 吉田、岡田】

 

【7卓.東谷達矢、西田修、西川淳、田中史孝】

ここでもAリーガーが強かった。西川が2回戦連続で1人浮き。他は三つ巴状態で始まった最終戦4000オールをあがった東谷がそのままリードを保ち勝ち上がりを決めた。

【勝ち上がり 西川、東谷】

 

 

ベスト16

ここから前回王者阿部謙一と予選1位の庄田祐生が加わる。

1回戦

【1卓阿部謙一、吉田直、西川淳、土井悟】

前回王者阿部に早速の試練が訪れた。
8000、12000と放銃を重ね一時箱下▲8000点まで行く。
ベスト16から入るのは気持ち的にもコントロールが難しいのかもしれない。
ここでトップを取ったのは土井。ベスト28では苦しくも、勝ち上がりを決めたことで勢いがついたか。
1回戦順位点含み▲34pの阿部。対するは好調土井とAリーガーの吉田と西川。
残り2回戦で一矢報いることが出来るか。

100

2回戦、阿部が王者の意地を見せる。
東2局の親番を7本場まで積み一挙7万点オーバー。そのまま半荘を終わらせ、Aリーガー2人を箱割れさせ、3回戦でも土井とワンツーフィニッシュ。勝負を決めた。

【勝ち上がり土井、阿部】

 

【2卓.庄田祐生、齋藤豪、北條恵美、東谷達矢】

ここから登場の新人庄田。今回参加者が多かったこともあり、新人はこの庄田のみ。厳しい戦いが予想されたが、8月に爆発的なポイントを叩き出して1位通過となった勢いがあった。

東2局西家ドラ8

四万五万一索二索三索四索五索六索七索八索九索四筒四筒  ツモ三万

東3局南家ドラ七

二筒二筒二筒四筒四筒六筒七筒八筒八筒九筒  チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き  ツモ七筒

立て続けに満貫をツモり大量リード。
この回5万点オーバーのトップを取る。

100

1回戦同様1位2位の庄田と北條がワンツーフィニッシュ。
2人が抜け出したことにより齋藤と東谷は少し厳しいかった。3回戦東谷がトップを取るも2回戦までの差を埋めることはできず、ここで敗退となった。

【勝ち上がり、北條、庄田】

 

【3卓.HIRO柴田、増田隆一、岡田茂、石立岳大】

東3局HIRO柴田が魅せる。
石立の5巡目先制リーチに対して、押し返し14巡目

四万四万三索四索四索五索五索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ツモ三索  ドラ三索

4000.8000!

ベスト28に続きここでもトップを取りゲームを優位に進める。

2回戦
南2局
親番のHIRO柴田が巻き返す先制リーチを打つ。
この局を勝負所と見た増田。無筋を連打。力強く追っかけリーチを打つ。

柴田
二万三万四万一索一索三索四索五索六索七索八索三筒四筒  リーチ  ドラ一筒

増田
三万三万三万一索一索六索七索八索一筒一筒発発発  リーチ

待ちも厳しく、不要にも見えたが一筒をツモるという気持ちがリーチという選択をさせたのかもしれない。

しかしここはHIRO柴田が増田を打ち取る

二万三万四万一索一索三索四索五索六索七索八索三筒四筒  ロン二筒
2900点のあがり
これで浮きに周り、2回戦もプラスかに思えたがオーラス親の石立が牙を剥く。
一万二万三万四万四万一索一索一索四索五索六索四筒五筒  リーチ  ツモ三筒  ドラ一索
この4000オールで一気に1人浮き、
続く1本場でHIRO柴田から5800は6100をあがりHIRO柴田をラスに沈めた。

3回戦は浮いている石立、HIRO柴田がそのまま局を回し勝ち上がりを決めた。

【勝ち上がり石立、HIRO柴田】

 

【4卓.大庭三四郎、安達紘文、中村慎吾、眞鍋明広】

大庭の調子が良い。

東4局南家ドラ北
二万三万三万五万五万八万八万東東南南北北  ロン二万

この12000を終盤に安達からあがる。
打った安達は断?九のみの聴牌。眞鍋からリーチが入っていた。大庭の最終手出しが五万、リーチ者の現物で聴牌維持の打牌だった。
少々焦った放銃にも見えた。
1回戦は大庭がこのままトップを取った。

2回戦も絶好調大庭が止まらなかった。
絶妙な押し引きをみせこの回もトップ。
2位と60ポイント近く離し当確、他3人の争いとなった。

3回戦、中村に大物手が入る。
東2局
一索一索一索二索三索四索五索七索七索八索八索九索九索  ロン六索  ドラ八筒
この16000。打ったのは大庭。8巡目で割と早い段階だったので責めれないであろう。
このまま中村が加点を続け7万点近くのトップを取り、大庭と共に準決勝の切符を掴んだ。

【勝ち上がり中村、大庭】

 

 

ベスト8

【1卓.大庭三四郎、土井悟、石立岳大、庄田祐生】

この日絶妙な安定感を誇っていた大庭が初めて崩れる。
東1局に土井からリーチが入る。
土井
四万五万六万六万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒七筒  リーチ  ドラ六万
それに対して親の大庭
九万九万四索六索八索東東南南南  ポン白白白  ツモ五万
白は2枚目をポンしていて、リーチを受けてこの形は少し厳しい。
今日の大庭を見る限りオリに回るかと思われたが大庭の選択はツモ切り。
8000の放銃となった。

東4局
親番の庄田に勝負手が入る。
五万六万六万六万七万七万七万八万八万九万白白白  ドラ六索
六万は切れていて、九万は2枚切れ。一手変わり四暗刻の聴牌。
ここにラス牌の九万を掴んだ石立が飛び込む。

続く1本場も26は2700オールをあがりそのまま1人浮きのトップ。この日の好調さが伺えた。

1回戦終了時
庄田+42.5土井▲8.2大庭▲10.9石立▲23.4

東1局

1回戦精神的に少し揺らいでいたように思えた大庭だったがここで腹をくくる。

七万八万九万九万九万一索二索三索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ドラ三筒
先制リーチの土井に対して一筒三筒を切ってのリー チ。
カン二筒より待ちがいいと読んだのであろう。この選択が正解。
すぐさま七索をツモり6000オール。

負けじと、石立、土井の両者も加点し庄田をラスにし、最終戦を迎える。

2回戦終了時
庄田+22.8大庭+10.9土井▲4.0石立▲29.7

3回戦
後のない石立。
苦しいながらも聴牌へこぎ着けリーチ
一万一万八万八万九万九万五索五索八索八索五筒五筒発  リーチ  ドラ発
空振りに終わったが正確な山読みを見せた。
そして好機は突然訪れる。
石立
二万三万四万六万七万四索五索六索七索七索五筒六筒七筒  ツモ五万  ドラ七索
東4局にこの3000.6000をツモり45500点の1人浮きに。この時点で大庭をまくる。
しかし、この日の大庭はここでは終わらなかった。
南3局親番大庭
五万五万六万六万九万二索二索七索七索南南西西  リーチ  ドラ三筒
このリーチを受け石立
三万四万七万七万八万八万一索二索三索三筒三筒三筒七筒七筒
絶対に間違えれない局面。打三万を選択。しかし、聴牌をすることは出来ず、15巡目に大庭が九万をツモ。
原点復帰するあがりで勝負あり。
最少失点で抑えた庄田と共に明日の決勝へと進んだ。

【勝ち上がり大庭、庄田】

 

【2卓.HIRO柴田、北條恵美、中村慎吾、阿部謙一】

いきなり北條に大物手が入る。
東1局6巡目北條ドラ北
三索三索三索発中中中  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ポン白白白
いきなりの倍満聴牌。次順に中を持ってくるとアンカン。リンシャンから四索をツモり発をリリース。
三索三索三索四索  暗カン牌の背中中牌の背  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ポン白白白
安めの五索をツモ。
手堅く2000.4000とする。
しかし、その後放銃が続いてしまい、この回北條はラスに。倍満聴牌のまま進めていたらまた違う結果になっていたかもしれない。
1回戦終了時
阿部+27.1HIRO柴田+4.4中村▲11.2北條▲20.3

2回戦
1回戦なんとか浮きで終えることができたHIRO柴田。ここでも流石の安定感を見せる。
この回も厳しいながらもあがりを重ね、34600点の浮きで終える。
この回トップは北條。阿部からチートイドラドラを打ち取るなどして上位陣に食い込み最終戦へ望みをつなぐ。

2回戦終了時
阿部+18.0HIRO柴田+13.0北條▲2.5中村▲28.5

運命の最終戦
東場は平たく終わり南2局
阿部
三索四索八索八索九索九索九索  ポン白白白  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ロン二索
HIRO柴田から5200点のあがり。
HIRO柴田にしては少しらしくない放銃であった。
南3局

中村27700
柴田29200
北條31900
阿部31200

親番は北條
HIRO柴田とラス親の阿部はこの親を落としたいが、手が入らない。
そうこうしているうちに北條が聴牌。
一万二万三万二索三索一筒二筒三筒七筒八筒九筒九筒九筒  リーチ  ドラ八万
一索をツモることができれば余裕になるが、ツモったのは四索
それでも1人浮きのトップ目に立つことに成功する。
1本場は親の北條が1人聴牌。2本場は500は700オール。北條は当確か。
HIRO柴田と阿部は着順勝負
3本場先制したのはHIRO柴田
二万三万四万四索五索六索一筒二筒二筒二筒三筒南南  リーチ  ドラ中
二筒は1枚切れていて南は1枚北條が持っている。流局でも1人聴牌なら大きいと思われた13巡目にHIRO柴田 が渾身のツモ!
大きな1000.2000は1300.2300のあがりとなる。

オーラス親番阿部
HIRO柴田と北條はあがれば決勝。
阿部は連荘が必要。
7巡目HIRO柴田
二万三万三万四万五万六万七万八万九万二索二索二索七筒八筒
から決めに行く打二万のリーチ!
そして12順目、HIRO柴田はそっと九筒を手元に置いた。

【勝ち上がり 北條、HIRO柴田】

 

決勝は以下の面子となった。

大庭三四郎(Eリーグ)
庄田祐生(D3リーグ)
北條恵美(C2リーグ)
HIRO柴田(A1リーグ)

決勝に残れば所属リーグや、年数は関係ない。
どういった決勝になるか楽しみである。

JPML WRCリーグ レポート/第30期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート 蒼山 秀佑

8月20日激しい雷雨の中、チャンピオンズリーグトーナメントが行われた。
今回の予選は参加人数が88人と例年より多く、ボーダーは+45.5と高めであった。
チャンピオンズリーグとは日本プロ麻雀連盟員が参加できるタイトル戦、Aルールで行われる。
予選は半年間で各自20半荘を行い、上位29名がトーナメントへ。
第29期優勝者、予選1位の2名がベスト16へシードされる。
トーナメントは同一メンバーで3回ずつ行い、上位2名の勝ち上がりとなる。
 
【1卓.石立岳大、土井悟、山田学武、古谷知美】
序盤、石立にとっては厳しい展開だったが、東3局に七対子ドラドラをツモ。
三万三万八万八万九万九万二索四索四索八筒八筒白白  ツモ二索  ドラ白
このあがりをきっかけに気づけば3連勝。他を寄せ付けなかった。
もう一つの切符を掴んだのは土井。3回戦の山田との着順勝負を制し、ベスト16へ駒を進めた。
【勝ち上がり 石立、土井】
 
【2卓.藤島健二郎、大庭三四郎、藤原隆弘、北條恵美】
Eリーグ大庭が大金星を挙げる。格上相手に物怖じせず、冷静な試合展開を見せ、難なく1位通過を果たした。
逆に1回戦トップで楽勝ムードかと思われた藤原だったが以降ポイントが伸びず2回戦は24400点のラスが響きここで敗退となった。
【勝ち上がり 大庭、北條】
 
【3卓.安達紘文、鈴木秀幸、ケネス徳田、増田隆一】
打撃系が揃った3卓。1回戦増田が54000点のトップ、2回戦は安達の5万点の1人浮きで迎えた最終戦
2回戦終了時
増田+25.8安達+14.6鈴木▲13.9ケネス▲26.5
オーラス親増田流れ1本場供託1000
持ち点
ケネス46200
安達27900
鈴木24100
増田20800
ケネスは増田から5200直撃か安達から6400直撃、もしくは1000.2000ツモ条件。
9巡目ドラ七西家
一万二万三万四万五万五万九索九索一筒二筒二筒西西
一筒とし、七対子も見つつ進めるも、あがりが遠く敗退となった。
【勝ち上がり 安達、増田】
 
【4卓.HIRO柴田、小町拓也、中村慎吾、清原継光】
A1リーガーHIRO柴田の独壇場だった。開局からあがりを重ね余裕の3連勝。+108のスコアを叩く。
もう1人の勝ち上がりはチャンピオンズリーグを制したこともある中村。ラスを他の2人に押し付けた。
【勝ち上がり HIRO柴田、中村】
 
【5卓.古本知宏、齋藤豪、鮎川卓、眞鍋明広】
1回戦古本の1人浮きで終え2回戦。
平たいまま迎えた南3局親の齋藤と眞鍋がぶつかる。
齋藤
二万三万四万九万九万二索三索五索六索七索九索九索九索  リーチ  ドラ七万
眞鍋
一万二万三万六万七万八万七索八索四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ
眞鍋は高めをツモると一気にトップへ浮上する勝負手。
しかし齋藤が四索をツモり1000オール
次局も齋藤が眞鍋から9600は9900を加点。
オーラス厳しい状況に立たされた眞鍋だったが古本から打たれたドラの南をポンし、すぐさま鮎川から12000。沈みではあるが2着へ浮上した。
2回戦終了時
齋藤+19.8古本+17.3眞鍋▲8.6鮎川▲28.5
3回戦
序盤に齋藤が抜け出し、鮎川は厳しい立ち位置。実質古本と眞鍋の同郷2人の一騎打ちとなった。
26400持ちで浮けば通過の古本だったが、ここは先輩眞鍋に軍配が上がった。
【勝ち上がり 齋藤、眞鍋】
 
【6卓.小車祥、岡田茂、高谷圭一、吉田直】
オーラス、岡田と小車の持ち点が全く同じになった。
親番の小車はやや不利だが、このままの点数で終わればトップ回数の多い小車が通過。
6巡目ドラ四万
小車
六万六万五索七索七索八索九索三筒四筒四筒六筒七筒八筒
岡田
七万九万七索七索八索一筒二筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒
両者一向聴。どちらかがあがるかに見えたが、両者ツモが伸びず、先に通過を決めていた吉田が1000.2000をツモ。岡田が通過となった。
【勝ち上がり 吉田、岡田】
 
【7卓.東谷達矢、西田修、西川淳、田中史孝】
ここでもAリーガーが強かった。西川が2回戦連続で1人浮き。他は三つ巴状態で始まった最終戦4000オールをあがった東谷がそのままリードを保ち勝ち上がりを決めた。
【勝ち上がり 西川、東谷】
 
 
ベスト16
ここから前回王者阿部謙一と予選1位の庄田祐生が加わる。
1回戦
【1卓阿部謙一、吉田直、西川淳、土井悟】
前回王者阿部に早速の試練が訪れた。
8000、12000と放銃を重ね一時箱下▲8000点まで行く。
ベスト16から入るのは気持ち的にもコントロールが難しいのかもしれない。
ここでトップを取ったのは土井。ベスト28では苦しくも、勝ち上がりを決めたことで勢いがついたか。
1回戦順位点含み▲34pの阿部。対するは好調土井とAリーガーの吉田と西川。
残り2回戦で一矢報いることが出来るか。
100
2回戦、阿部が王者の意地を見せる。
東2局の親番を7本場まで積み一挙7万点オーバー。そのまま半荘を終わらせ、Aリーガー2人を箱割れさせ、3回戦でも土井とワンツーフィニッシュ。勝負を決めた。
【勝ち上がり土井、阿部】
 
【2卓.庄田祐生、齋藤豪、北條恵美、東谷達矢】
ここから登場の新人庄田。今回参加者が多かったこともあり、新人はこの庄田のみ。厳しい戦いが予想されたが、8月に爆発的なポイントを叩き出して1位通過となった勢いがあった。
東2局西家ドラ8
四万五万一索二索三索四索五索六索七索八索九索四筒四筒  ツモ三万
東3局南家ドラ七
二筒二筒二筒四筒四筒六筒七筒八筒八筒九筒  チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き  ツモ七筒
立て続けに満貫をツモり大量リード。
この回5万点オーバーのトップを取る。
100
1回戦同様1位2位の庄田と北條がワンツーフィニッシュ。
2人が抜け出したことにより齋藤と東谷は少し厳しいかった。3回戦東谷がトップを取るも2回戦までの差を埋めることはできず、ここで敗退となった。
【勝ち上がり、北條、庄田】
 
【3卓.HIRO柴田、増田隆一、岡田茂、石立岳大】
東3局HIRO柴田が魅せる。
石立の5巡目先制リーチに対して、押し返し14巡目
四万四万三索四索四索五索五索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ツモ三索  ドラ三索
4000.8000!
ベスト28に続きここでもトップを取りゲームを優位に進める。
2回戦
南2局
親番のHIRO柴田が巻き返す先制リーチを打つ。
この局を勝負所と見た増田。無筋を連打。力強く追っかけリーチを打つ。
柴田
二万三万四万一索一索三索四索五索六索七索八索三筒四筒  リーチ  ドラ一筒
増田
三万三万三万一索一索六索七索八索一筒一筒発発発  リーチ
待ちも厳しく、不要にも見えたが一筒をツモるという気持ちがリーチという選択をさせたのかもしれない。
しかしここはHIRO柴田が増田を打ち取る
二万三万四万一索一索三索四索五索六索七索八索三筒四筒  ロン二筒
2900点のあがり
これで浮きに周り、2回戦もプラスかに思えたがオーラス親の石立が牙を剥く。
一万二万三万四万四万一索一索一索四索五索六索四筒五筒  リーチ  ツモ三筒  ドラ一索
この4000オールで一気に1人浮き、
続く1本場でHIRO柴田から5800は6100をあがりHIRO柴田をラスに沈めた。
3回戦は浮いている石立、HIRO柴田がそのまま局を回し勝ち上がりを決めた。
【勝ち上がり石立、HIRO柴田】
 
【4卓.大庭三四郎、安達紘文、中村慎吾、眞鍋明広】
大庭の調子が良い。
東4局南家ドラ北
二万三万三万五万五万八万八万東東南南北北  ロン二万
この12000を終盤に安達からあがる。
打った安達は断?九のみの聴牌。眞鍋からリーチが入っていた。大庭の最終手出しが五万、リーチ者の現物で聴牌維持の打牌だった。
少々焦った放銃にも見えた。
1回戦は大庭がこのままトップを取った。
2回戦も絶好調大庭が止まらなかった。
絶妙な押し引きをみせこの回もトップ。
2位と60ポイント近く離し当確、他3人の争いとなった。
3回戦、中村に大物手が入る。
東2局
一索一索一索二索三索四索五索七索七索八索八索九索九索  ロン六索  ドラ八筒
この16000。打ったのは大庭。8巡目で割と早い段階だったので責めれないであろう。
このまま中村が加点を続け7万点近くのトップを取り、大庭と共に準決勝の切符を掴んだ。
【勝ち上がり中村、大庭】
 
 
ベスト8
【1卓.大庭三四郎、土井悟、石立岳大、庄田祐生】
この日絶妙な安定感を誇っていた大庭が初めて崩れる。
東1局に土井からリーチが入る。
土井
四万五万六万六万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒七筒  リーチ  ドラ六万
それに対して親の大庭
九万九万四索六索八索東東南南南  ポン白白白  ツモ五万
白は2枚目をポンしていて、リーチを受けてこの形は少し厳しい。
今日の大庭を見る限りオリに回るかと思われたが大庭の選択はツモ切り。
8000の放銃となった。
東4局
親番の庄田に勝負手が入る。
五万六万六万六万七万七万七万八万八万九万白白白  ドラ六索
六万は切れていて、九万は2枚切れ。一手変わり四暗刻の聴牌。
ここにラス牌の九万を掴んだ石立が飛び込む。
続く1本場も26は2700オールをあがりそのまま1人浮きのトップ。この日の好調さが伺えた。
1回戦終了時
庄田+42.5土井▲8.2大庭▲10.9石立▲23.4
東1局
1回戦精神的に少し揺らいでいたように思えた大庭だったがここで腹をくくる。
七万八万九万九万九万一索二索三索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ドラ三筒
先制リーチの土井に対して一筒三筒を切ってのリー チ。
カン二筒より待ちがいいと読んだのであろう。この選択が正解。
すぐさま七索をツモり6000オール。
負けじと、石立、土井の両者も加点し庄田をラスにし、最終戦を迎える。
2回戦終了時
庄田+22.8大庭+10.9土井▲4.0石立▲29.7
3回戦
後のない石立。
苦しいながらも聴牌へこぎ着けリーチ
一万一万八万八万九万九万五索五索八索八索五筒五筒発  リーチ  ドラ発
空振りに終わったが正確な山読みを見せた。
そして好機は突然訪れる。
石立
二万三万四万六万七万四索五索六索七索七索五筒六筒七筒  ツモ五万  ドラ七索
東4局にこの3000.6000をツモり45500点の1人浮きに。この時点で大庭をまくる。
しかし、この日の大庭はここでは終わらなかった。
南3局親番大庭
五万五万六万六万九万二索二索七索七索南南西西  リーチ  ドラ三筒
このリーチを受け石立
三万四万七万七万八万八万一索二索三索三筒三筒三筒七筒七筒
絶対に間違えれない局面。打三万を選択。しかし、聴牌をすることは出来ず、15巡目に大庭が九万をツモ。
原点復帰するあがりで勝負あり。
最少失点で抑えた庄田と共に明日の決勝へと進んだ。
【勝ち上がり大庭、庄田】
 
【2卓.HIRO柴田、北條恵美、中村慎吾、阿部謙一】
いきなり北條に大物手が入る。
東1局6巡目北條ドラ北
三索三索三索発中中中  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ポン白白白
いきなりの倍満聴牌。次順に中を持ってくるとアンカン。リンシャンから四索をツモり発をリリース。
三索三索三索四索  暗カン牌の背中中牌の背  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ポン白白白
安めの五索をツモ。
手堅く2000.4000とする。
しかし、その後放銃が続いてしまい、この回北條はラスに。倍満聴牌のまま進めていたらまた違う結果になっていたかもしれない。
1回戦終了時
阿部+27.1HIRO柴田+4.4中村▲11.2北條▲20.3
2回戦
1回戦なんとか浮きで終えることができたHIRO柴田。ここでも流石の安定感を見せる。
この回も厳しいながらもあがりを重ね、34600点の浮きで終える。
この回トップは北條。阿部からチートイドラドラを打ち取るなどして上位陣に食い込み最終戦へ望みをつなぐ。
2回戦終了時
阿部+18.0HIRO柴田+13.0北條▲2.5中村▲28.5
運命の最終戦
東場は平たく終わり南2局
阿部
三索四索八索八索九索九索九索  ポン白白白  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ロン二索
HIRO柴田から5200点のあがり。
HIRO柴田にしては少しらしくない放銃であった。
南3局
中村27700
柴田29200
北條31900
阿部31200
親番は北條
HIRO柴田とラス親の阿部はこの親を落としたいが、手が入らない。
そうこうしているうちに北條が聴牌。
一万二万三万二索三索一筒二筒三筒七筒八筒九筒九筒九筒  リーチ  ドラ八万
一索をツモることができれば余裕になるが、ツモったのは四索
それでも1人浮きのトップ目に立つことに成功する。
1本場は親の北條が1人聴牌。2本場は500は700オール。北條は当確か。
HIRO柴田と阿部は着順勝負
3本場先制したのはHIRO柴田
二万三万四万四索五索六索一筒二筒二筒二筒三筒南南  リーチ  ドラ中
二筒は1枚切れていて南は1枚北條が持っている。流局でも1人聴牌なら大きいと思われた13巡目にHIRO柴田 が渾身のツモ!
大きな1000.2000は1300.2300のあがりとなる。
オーラス親番阿部
HIRO柴田と北條はあがれば決勝。
阿部は連荘が必要。
7巡目HIRO柴田
二万三万三万四万五万六万七万八万九万二索二索二索七筒八筒
から決めに行く打二万のリーチ!
そして12順目、HIRO柴田はそっと九筒を手元に置いた。
【勝ち上がり 北條、HIRO柴田】
 
決勝は以下の面子となった。
大庭三四郎(Eリーグ)
庄田祐生(D3リーグ)
北條恵美(C2リーグ)
HIRO柴田(A1リーグ)
決勝に残れば所属リーグや、年数は関係ない。
どういった決勝になるか楽しみである。

第5期両毛カップ太田リーグ(プロアマ混合) 第5節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 橋本 健 一般 14.9 28.1 21.5 15.8 80.3
2 中津 真吾 プロ ▲ 48.0 37.4 23.3 55.2 67.9
3 森田 雅博 一般 5.2 ▲ 6.5 3.1 64.8 66.6
4 西尾 猛 一般 ▲ 19.4 53.2 39.7 ▲ 7.7 65.8
5 桑原 俊之 一般 13.7 50.2 17.7 ▲ 18.5 63.1
6 北村 祐貴 一般 ▲ 15.2 26.3 38.1 13.9 63.1
7 安達 智 一般 36.9 10.2 ▲ 47.3 60.4 60.2
8 沢崎 誠 プロ ▲ 15.1 19.2 1.5 26.8 23.6 56.0
9 堰合 正治 一般 24.3 ▲ 13.0 24.1 4.0 39.4
10 桧山 拓 一般 ▲ 18.1 37.1 19.0
11 高橋 信夫 プロ 5.9 6.2 8.3 ▲ 13.2 7.2
12 提橋 剛 一般 30.9 9.0 9.6 ▲ 61.3 ▲ 11.8
13 小坂 智徳 一般 33.8 ▲ 28.3 46.2 ▲ 65.0 ▲ 0.6 ▲ 13.9
14 福田 栄司 一般 40.5 ▲ 46.6 1.6 1.6 ▲ 14.6 ▲ 17.5
15 吉田 幸雄 プロ ▲ 17.5 ▲ 20.9 37.3 ▲ 17.3 ▲ 18.4
16 大里 幸弘 一般 21.4 8.8 ▲ 62.4 30.2 ▲ 20.2 ▲ 22.2
17 高沢 雅 プロ ▲ 16.6 4.4 ▲ 7.2 ▲ 9.8 ▲ 29.2
18 和久井 晋哉 一般 ▲ 8.2 14.0 ▲ 43.2 ▲ 37.4
19 国定 功修 一般 ▲ 41.8 ▲ 41.8
20 岩間 寿樹 一般 ▲ 48.4 ▲ 19.4 ▲ 0.4 18.3 ▲ 36.7 ▲ 86.6
21 髙月 章男 一般 6.1 ▲ 60.2 ▲ 48.3 ▲ 16.9 ▲ 119.3
22 桝井 律男 一般 ▲ 13.7 ▲ 33.3 ▲ 33.9 ▲ 39.9 ▲ 120.8

北関東プロリーグ 成績表/第5期両毛カップ太田リーグ(プロアマ混合) 第5節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 橋本 健 一般 14.9 28.1 21.5 15.8 80.3
2 中津 真吾 プロ ▲ 48.0 37.4 23.3 55.2 67.9
3 森田 雅博 一般 5.2 ▲ 6.5 3.1 64.8 66.6
4 西尾 猛 一般 ▲ 19.4 53.2 39.7 ▲ 7.7 65.8
5 桑原 俊之 一般 13.7 50.2 17.7 ▲ 18.5 63.1
6 北村 祐貴 一般 ▲ 15.2 26.3 38.1 13.9 63.1
7 安達 智 一般 36.9 10.2 ▲ 47.3 60.4 60.2
8 沢崎 誠 プロ ▲ 15.1 19.2 1.5 26.8 23.6 56.0
9 堰合 正治 一般 24.3 ▲ 13.0 24.1 4.0 39.4
10 桧山 拓 一般 ▲ 18.1 37.1 19.0
11 高橋 信夫 プロ 5.9 6.2 8.3 ▲ 13.2 7.2
12 提橋 剛 一般 30.9 9.0 9.6 ▲ 61.3 ▲ 11.8
13 小坂 智徳 一般 33.8 ▲ 28.3 46.2 ▲ 65.0 ▲ 0.6 ▲ 13.9
14 福田 栄司 一般 40.5 ▲ 46.6 1.6 1.6 ▲ 14.6 ▲ 17.5
15 吉田 幸雄 プロ ▲ 17.5 ▲ 20.9 37.3 ▲ 17.3 ▲ 18.4
16 大里 幸弘 一般 21.4 8.8 ▲ 62.4 30.2 ▲ 20.2 ▲ 22.2
17 高沢 雅 プロ ▲ 16.6 4.4 ▲ 7.2 ▲ 9.8 ▲ 29.2
18 和久井 晋哉 一般 ▲ 8.2 14.0 ▲ 43.2 ▲ 37.4
19 国定 功修 一般 ▲ 41.8 ▲ 41.8
20 岩間 寿樹 一般 ▲ 48.4 ▲ 19.4 ▲ 0.4 18.3 ▲ 36.7 ▲ 86.6
21 髙月 章男 一般 6.1 ▲ 60.2 ▲ 48.3 ▲ 16.9 ▲ 119.3
22 桝井 律男 一般 ▲ 13.7 ▲ 33.3 ▲ 33.9 ▲ 39.9 ▲ 120.8

第5回北海道麻雀サマーカップ レポート:西野拓也

北海道本部で副本部長をしている 西野拓也と申します。
7月17日に行われたサマーカップのレポートを書かせて頂きます。
しばしお付き合い頂けると幸いであります。

さて、海の日にあわせ 北海道本部で毎年行われているサマーカップも今年で5回目を迎えました。
そのシステムは
第1ステージ 東風戦Aルールを4回戦、
第2ステージ Bルール(一発、裏ドラあり)を半荘4回戦、
第3ステージ Aルール(一発、裏ドラなし)を半荘4回戦、
決勝 Aルールを半荘2回戦

Aルール、Bルール、東風戦も交えた各ステージを経てトータルポイントを争う、ワンデーでの開催としては最長の14回戦での対戦。
ごまかしの利かない14回戦、午前9時から夜10時頃までの長丁場であり気力、体力勝負の側面も大きく持ち合わせております。

今年で5回目を迎えますが、第1回の優勝は野々川プロ。
そして、第2回から昨年の第4回まで、なんと3連覇している強者がいる。

18歳で日本プロ麻雀連盟の門を叩いてプロ12年目、年齢的にはまだまだ若いが、近年目覚ましい活躍をみせエースの風格も出てきた、「ミスターサマーカッパー」 浦山祐輔プロ(30歳)だ。
対局開始前、

西野「よーっ、サマーカッパー!今年も勝って4連覇する気かー?もし今年も勝ったら来年はもう誘わないからな!!」と声をかけてみましたが、
浦山「今年も俺が勝たして貰いますから、来年からは浦山杯ですわー!」との返答。
実に生意気な男だが、実際この3連覇は半端ない。

私も第1回から参加しているが、毎年平均16名程の参加人数で、デイフェンディングシードなども無いワンデー大会においての3連覇はまさに偉業、単純確率では1/4080、因みに、もし今年も勝って4連覇なら1/53000である。
前置きも長くなってしまったが、この第5回サマーカップは特にこの前人未到の4連覇を狙う「浦山祐輔プロ」に注目してレポートしてみたいと思う。

先に書いたようにルールの違う3ステージ、合計12回戦、プラス成績上位者による決勝2回戦の戦いなのだが、第1ステージ、浦山プロは例年の如くの好発進とはいかなかった。
各ステージでも順位づけがあり、3回戦を終わり得点上位の第1ステージ成績上位順の1卓進出者は

市川敦士プロ +23.1P
石田雅人プロ +21.7P
真光祐尚プロ +15.4P
野々川博之プロ +14.5P

となったが、浦山プロは3回戦終了時点 ▲15.1P。
早速、4連覇に暗雲が立ち込める。

第1ステージ最終4回戦、決勝卓である1卓の結果は、+3.4Pでトップという僅差の中、石田プロが制し、第1ステージの優勝を決める。

全選手のポイント詳細は別表の通りだが、注目のサマーカッパー浦山の4回戦は・・・・
親番の落ちた東3局、北家 ドラ西にて 

三筒四筒五筒六筒  ポン西西西  ポン発発発  ポン中中中  ツモ六筒

この3,000・6,000を決め、順位点含め26.2Pと東風戦としては大きめのトップをとり、終わってみれば東風戦計+11.1Pの5番手と纏めてきた。

実にしぶとく、やはり生意気な男だ。

第1ステージ結果
優勝 石田雅人プロ+33.1P
2位 市川敦士プロ+29.2P
3位 中村龍太プロ+20.8P
4位 野々川博之プロ+18.0P
5位 浦山祐輔プロ+11.1P

第2ステージ、開始の合図の直後からサマーカッパー浦山の怒涛の和了発声が響き渡る。

第2ステージ、Bルール(一発、裏あり)が始まるや否や、6,000オール、4,100オールとアガリまくる浦山プロ。 
1回戦を+48.9Pと70,000点のトップを決めると、2回戦、3回戦ともトップで3連勝し、第2ステージ3回戦で82.4Pを叩きだす。
毎年の事になってしまっているが、この第2ステージの浦山プロの成績は凄まじい。

第1回 +87.3P(2位)、第2回 +59.8P(2位)、第3回 +113.1P(1位)、
第4回 +36.3P(3位) とこの第2ステージで確実にポイントを稼いでいる。

第2ステージ、1卓進出者
浦山祐輔プロ+82.4P
続木舜英プロ+42.1P
中村龍太プロ+20.0P
吉木 輝プロ+14.1P

ベテラン続木プロが意地を見せ浦山プロを3着に沈めるトップを取るが、結果は

第2ステージ結果
優勝 浦山祐輔プロ+76.0P
2位 続木舜英プロ+61.6P
3位 三盃 志プロ+21.9P
4位 吉木 輝プロ+18.0P

第2ステージを終えた時点で、浦山プロはトータル+87.1P、2位の続木プロに40P近く差をつけあっさりと首位に躍り出る。
何とか浦山プロの4連覇は自分の手で阻止せれば!と思っていたのは私だけではないはず。

残りは第3ステージ、Aルール4回戦プラス決勝の2回戦となった。

第3ステージ1卓進出者
平島誉久プロ+56.3P
真光祐尚プロ+37.8P
浦山祐輔プロ+31.4P
市川敦士プロ+30.4P

またもやポイントを重ね浦山プロが1卓での対局となる。
トータルポイントも120P程に伸ばし、やはりまたこのサマーカップは浦山プロ、前人未到の4連覇を達成してしまうのか?

しかし第3ステージ4回戦、同卓者3名も意地を見せる。

第3ステージ暫定1位の平島プロは、渾身のタンヤオ、ドラ2をハイテイでツモアガリ、トータル60P程の市川プロはオーラスに

二万三万四万七万八万二索三索四索二筒三筒四筒六筒六筒  ドラ三筒 

これを六でツモりあげ3,000・6,000。
浦山プロをラスに沈めたまま大捲りトップを決め、暫定1位の浦山プロになんとか喰らいついていた。

さて、ここまで各ステージ成績上位にも、全く名前の出てきていない私西野だが、せっかくレポートを書かせて頂いているので自分の内容も少しばかり。

過去4回このサマーカップで全くといいほど活躍出来ていない私。
原因はスタートの東風戦にある。どっしり型(?)の自分には得意とは言えないルールではあるが、いつも第1ステージでマイナスを重ねてしまい、マイナスを背負った対局ゆえ、その後のステージにも影響を及ぼす。
しかしながら、当然私も「打倒サマーカッパー」で挑んでおり、今年はまず第1ステージでは±0を目標に戦った。
得意とは言えない「鳴き」をワンアクション早く仕掛け、何とか第1ステージ+7.4Pで纏める事に成功。 
気を良くしていざ第2ステージだったが、気を良くした分攻めの牌が増えたか、これが要所要所で放銃となってしまう。
第2ステージを▲21Pと第1ステージ台無しのマイナス転落だ。
浦山プロの怒涛の加点に奮起し、第3ステージは1卓にこそ座れなかったが、+47.6Pトータル34.0P、なんと暫定4位にて決勝ステージ、決勝卓に座る権利を得る。
しかし、暫定1位の浦山プロのポイント、サマーカッパーの壁は高く立ちはだかっていた。

第3ステージ結果
優勝 平島誉久プロ+49.1P
2位 市川敦士プロ+48.7P
3位 西野拓也プロ+47.6P
4位 真光祐尚プロ+43.0P
(6位 浦山祐輔プロ+15.1P)

第1ステージ~第3ステージ計
決勝ステージ進出者

1卓
浦山祐輔プロ+102.2P
市川敦士プロ+76.9P
中村龍太プロ+36.6P
西野拓也プロ+34.0P

2卓
続木舜英プロ+30.0P
真光祐尚プロ+28.0P
平島誉久プロ+18.5P
三盃 志プロ+17.4P

決勝2回戦は上位8名、順位卓にてこの組み合わせでスタートした。

首位はミスターサマーカッパー浦山。 2位に25.3P差で追いかける市川プロ。
中村プロ以下は可能性としては0ではないが、時間打ちきりありのAルール2回戦ではかなり厳しいポイント差といえる。
勿論、皆諦めてはいないが、実質一騎打ち、そして決勝1回戦で浦山プロの4連覇当確ランプが点く可能性もある。

そしてその決勝1回戦、

東3局 東家・西野 南家・浦山 西家・中村 北家・市川  

東家・西野 6巡目手牌

三索三索四索七索八索東西西北北白白発  ドラ八索  

タイトル戦の決勝、持ちポイントの差なども当然あり、各家の河は特殊なものになる事はよくあるが、6巡目までに字牌がたったの1牌も出ていない。

その後も字牌は鳴けず、数牌は鳴かずで18巡目、

三索三索四索八索東東西西北北白白発  

最期のツモでテンパイ連荘をと祈るも張らず。

ガックリしながらツモ切った後、ハイテイ南家・浦山プロから高々と「ツモ」の発声。

一万一万八索二筒二筒六筒六筒東東北北発発  ツモ八索 

ハイテイにて3,000・6,000のアガリ。

実質これが最終的な決め手となり、この決勝1回戦をトップ、不運もあり市川プロはラス。 
決勝最終戦、浦山プロはほぼ降りに回り、第5回サマーカップを優勝、なんと前人未到の「サマーカップ4連覇」を成し遂げた。

おめでとう!浦山プロ!! 実際この4連覇は凄いという言葉では全然足りない、あり得ないぐらいの偉業であります。

貴方が普段から実は真摯に、実は謙虚に取り組んでいる事を知っています。
だからこそ勝利にも大きな意味があるし、自分が出てない大会は応援したいし勝った時は心から祝福できます。

まだまだ私個人も負けないように頑張りたいですが、次は全国のタイトルを北海道に持ち帰ってきて貰いましょう。

浦山祐輔プロ、サマーカップ4連覇、本当におめでとう!

総合成績

順位 名前 成績
優 勝 浦山 祐輔 112.2
準優勝 市川 敦士 55.1
3 中村 龍太 48.1
4 真光 祐尚 45.6
5 三盃 志 35.4
6 続木 舜英 33.0
7 平島 誉久 32.5
8 西野 拓也 ▲ 18.3
9 佐藤 賢忠 ▲ 3.2
10 石田 雅人 ▲ 4.5
11 吉木 輝 ▲ 50.4
12 野々川 博之 ▲ 54.2
13 村上 良 ▲ 115.3

北海道プロリーグ 成績表/第5回北海道麻雀サマーカップ レポート:西野拓也

北海道本部で副本部長をしている 西野拓也と申します。
7月17日に行われたサマーカップのレポートを書かせて頂きます。
しばしお付き合い頂けると幸いであります。
さて、海の日にあわせ 北海道本部で毎年行われているサマーカップも今年で5回目を迎えました。
そのシステムは
第1ステージ 東風戦Aルールを4回戦、
第2ステージ Bルール(一発、裏ドラあり)を半荘4回戦、
第3ステージ Aルール(一発、裏ドラなし)を半荘4回戦、
決勝 Aルールを半荘2回戦
Aルール、Bルール、東風戦も交えた各ステージを経てトータルポイントを争う、ワンデーでの開催としては最長の14回戦での対戦。
ごまかしの利かない14回戦、午前9時から夜10時頃までの長丁場であり気力、体力勝負の側面も大きく持ち合わせております。
今年で5回目を迎えますが、第1回の優勝は野々川プロ。
そして、第2回から昨年の第4回まで、なんと3連覇している強者がいる。
18歳で日本プロ麻雀連盟の門を叩いてプロ12年目、年齢的にはまだまだ若いが、近年目覚ましい活躍をみせエースの風格も出てきた、「ミスターサマーカッパー」 浦山祐輔プロ(30歳)だ。
対局開始前、
西野「よーっ、サマーカッパー!今年も勝って4連覇する気かー?もし今年も勝ったら来年はもう誘わないからな!!」と声をかけてみましたが、
浦山「今年も俺が勝たして貰いますから、来年からは浦山杯ですわー!」との返答。
実に生意気な男だが、実際この3連覇は半端ない。
私も第1回から参加しているが、毎年平均16名程の参加人数で、デイフェンディングシードなども無いワンデー大会においての3連覇はまさに偉業、単純確率では1/4080、因みに、もし今年も勝って4連覇なら1/53000である。
前置きも長くなってしまったが、この第5回サマーカップは特にこの前人未到の4連覇を狙う「浦山祐輔プロ」に注目してレポートしてみたいと思う。
先に書いたようにルールの違う3ステージ、合計12回戦、プラス成績上位者による決勝2回戦の戦いなのだが、第1ステージ、浦山プロは例年の如くの好発進とはいかなかった。
各ステージでも順位づけがあり、3回戦を終わり得点上位の第1ステージ成績上位順の1卓進出者は
市川敦士プロ +23.1P
石田雅人プロ +21.7P
真光祐尚プロ +15.4P
野々川博之プロ +14.5P
となったが、浦山プロは3回戦終了時点 ▲15.1P。
早速、4連覇に暗雲が立ち込める。
第1ステージ最終4回戦、決勝卓である1卓の結果は、+3.4Pでトップという僅差の中、石田プロが制し、第1ステージの優勝を決める。
全選手のポイント詳細は別表の通りだが、注目のサマーカッパー浦山の4回戦は・・・・
親番の落ちた東3局、北家 ドラ西にて 
三筒四筒五筒六筒  ポン西西西  ポン発発発  ポン中中中  ツモ六筒
この3,000・6,000を決め、順位点含め26.2Pと東風戦としては大きめのトップをとり、終わってみれば東風戦計+11.1Pの5番手と纏めてきた。
実にしぶとく、やはり生意気な男だ。
第1ステージ結果
優勝 石田雅人プロ+33.1P
2位 市川敦士プロ+29.2P
3位 中村龍太プロ+20.8P
4位 野々川博之プロ+18.0P
5位 浦山祐輔プロ+11.1P
第2ステージ、開始の合図の直後からサマーカッパー浦山の怒涛の和了発声が響き渡る。
第2ステージ、Bルール(一発、裏あり)が始まるや否や、6,000オール、4,100オールとアガリまくる浦山プロ。 
1回戦を+48.9Pと70,000点のトップを決めると、2回戦、3回戦ともトップで3連勝し、第2ステージ3回戦で82.4Pを叩きだす。
毎年の事になってしまっているが、この第2ステージの浦山プロの成績は凄まじい。
第1回 +87.3P(2位)、第2回 +59.8P(2位)、第3回 +113.1P(1位)、
第4回 +36.3P(3位) とこの第2ステージで確実にポイントを稼いでいる。
第2ステージ、1卓進出者
浦山祐輔プロ+82.4P
続木舜英プロ+42.1P
中村龍太プロ+20.0P
吉木 輝プロ+14.1P
ベテラン続木プロが意地を見せ浦山プロを3着に沈めるトップを取るが、結果は
第2ステージ結果
優勝 浦山祐輔プロ+76.0P
2位 続木舜英プロ+61.6P
3位 三盃 志プロ+21.9P
4位 吉木 輝プロ+18.0P
第2ステージを終えた時点で、浦山プロはトータル+87.1P、2位の続木プロに40P近く差をつけあっさりと首位に躍り出る。
何とか浦山プロの4連覇は自分の手で阻止せれば!と思っていたのは私だけではないはず。
残りは第3ステージ、Aルール4回戦プラス決勝の2回戦となった。
第3ステージ1卓進出者
平島誉久プロ+56.3P
真光祐尚プロ+37.8P
浦山祐輔プロ+31.4P
市川敦士プロ+30.4P
またもやポイントを重ね浦山プロが1卓での対局となる。
トータルポイントも120P程に伸ばし、やはりまたこのサマーカップは浦山プロ、前人未到の4連覇を達成してしまうのか?
しかし第3ステージ4回戦、同卓者3名も意地を見せる。
第3ステージ暫定1位の平島プロは、渾身のタンヤオ、ドラ2をハイテイでツモアガリ、トータル60P程の市川プロはオーラスに
二万三万四万七万八万二索三索四索二筒三筒四筒六筒六筒  ドラ三筒 
これを六でツモりあげ3,000・6,000。
浦山プロをラスに沈めたまま大捲りトップを決め、暫定1位の浦山プロになんとか喰らいついていた。
さて、ここまで各ステージ成績上位にも、全く名前の出てきていない私西野だが、せっかくレポートを書かせて頂いているので自分の内容も少しばかり。
過去4回このサマーカップで全くといいほど活躍出来ていない私。
原因はスタートの東風戦にある。どっしり型(?)の自分には得意とは言えないルールではあるが、いつも第1ステージでマイナスを重ねてしまい、マイナスを背負った対局ゆえ、その後のステージにも影響を及ぼす。
しかしながら、当然私も「打倒サマーカッパー」で挑んでおり、今年はまず第1ステージでは±0を目標に戦った。
得意とは言えない「鳴き」をワンアクション早く仕掛け、何とか第1ステージ+7.4Pで纏める事に成功。 
気を良くしていざ第2ステージだったが、気を良くした分攻めの牌が増えたか、これが要所要所で放銃となってしまう。
第2ステージを▲21Pと第1ステージ台無しのマイナス転落だ。
浦山プロの怒涛の加点に奮起し、第3ステージは1卓にこそ座れなかったが、+47.6Pトータル34.0P、なんと暫定4位にて決勝ステージ、決勝卓に座る権利を得る。
しかし、暫定1位の浦山プロのポイント、サマーカッパーの壁は高く立ちはだかっていた。
第3ステージ結果
優勝 平島誉久プロ+49.1P
2位 市川敦士プロ+48.7P
3位 西野拓也プロ+47.6P
4位 真光祐尚プロ+43.0P
(6位 浦山祐輔プロ+15.1P)
第1ステージ~第3ステージ計
決勝ステージ進出者
1卓
浦山祐輔プロ+102.2P
市川敦士プロ+76.9P
中村龍太プロ+36.6P
西野拓也プロ+34.0P
2卓
続木舜英プロ+30.0P
真光祐尚プロ+28.0P
平島誉久プロ+18.5P
三盃 志プロ+17.4P
決勝2回戦は上位8名、順位卓にてこの組み合わせでスタートした。
首位はミスターサマーカッパー浦山。 2位に25.3P差で追いかける市川プロ。
中村プロ以下は可能性としては0ではないが、時間打ちきりありのAルール2回戦ではかなり厳しいポイント差といえる。
勿論、皆諦めてはいないが、実質一騎打ち、そして決勝1回戦で浦山プロの4連覇当確ランプが点く可能性もある。
そしてその決勝1回戦、
東3局 東家・西野 南家・浦山 西家・中村 北家・市川  
東家・西野 6巡目手牌
三索三索四索七索八索東西西北北白白発  ドラ八索  
タイトル戦の決勝、持ちポイントの差なども当然あり、各家の河は特殊なものになる事はよくあるが、6巡目までに字牌がたったの1牌も出ていない。
その後も字牌は鳴けず、数牌は鳴かずで18巡目、
三索三索四索八索東東西西北北白白発  
最期のツモでテンパイ連荘をと祈るも張らず。
ガックリしながらツモ切った後、ハイテイ南家・浦山プロから高々と「ツモ」の発声。
一万一万八索二筒二筒六筒六筒東東北北発発  ツモ八索 
ハイテイにて3,000・6,000のアガリ。
実質これが最終的な決め手となり、この決勝1回戦をトップ、不運もあり市川プロはラス。 
決勝最終戦、浦山プロはほぼ降りに回り、第5回サマーカップを優勝、なんと前人未到の「サマーカップ4連覇」を成し遂げた。
おめでとう!浦山プロ!! 実際この4連覇は凄いという言葉では全然足りない、あり得ないぐらいの偉業であります。
貴方が普段から実は真摯に、実は謙虚に取り組んでいる事を知っています。
だからこそ勝利にも大きな意味があるし、自分が出てない大会は応援したいし勝った時は心から祝福できます。
まだまだ私個人も負けないように頑張りたいですが、次は全国のタイトルを北海道に持ち帰ってきて貰いましょう。
浦山祐輔プロ、サマーカップ4連覇、本当におめでとう!
総合成績

順位 名前 成績
優 勝 浦山 祐輔 112.2
準優勝 市川 敦士 55.1
3 中村 龍太 48.1
4 真光 祐尚 45.6
5 三盃 志 35.4
6 続木 舜英 33.0
7 平島 誉久 32.5
8 西野 拓也 ▲ 18.3
9 佐藤 賢忠 ▲ 3.2
10 石田 雅人 ▲ 4.5
11 吉木 輝 ▲ 50.4
12 野々川 博之 ▲ 54.2
13 村上 良 ▲ 115.3

第14期プロクイーンベスト16B卓 滝沢 和典

100

日向藍子(最高位戦日本プロ麻雀協会)
福島清子(日本プロ麻雀連盟)
山脇千文美(日本プロ麻雀連盟)
和久津晶(日本プロ麻雀連盟)前年度決勝

現在の女流プロで誰が強い?と質問されれば多くの人が和久津の名前をあげる。
これまでの実績はもちろん、昇級したばかりのA2リーグでも堂々たる戦いぶりを見せる和久津は、ここでも圧倒的な力の差を見せつけるのか。

1回戦、起家から山脇、福島、和久津、日向

東1局、13巡目に、日向がツモり四暗刻の手牌でリーチをかける。

五万五万五万六索六索九索九索三筒三筒三筒六筒六筒六筒  リーチ  ドラ九筒

残りツモ1回の和久津が追いかけるも…

二万二万三万三万四万四万六索七索七索七索八索二筒三筒

開局早々、北家、日向の四暗刻が決まる。

五万五万五万六索六索九索九索三筒三筒三筒六筒六筒六筒  ツモ九索

3者に4万点以上の差をつけてトップ目に立つと、さらに南家・日向が、東3局7巡目にドラ暗刻のテンパイ。

四万四万二索三索四筒五筒六筒東東東南南南  ドラ東

同巡、西家の山脇が

一万九万一索九索一筒九筒九筒東西北白発中  ロン南

福島から32,000の出アガリ。
なんと東場で2度目の役満が炸裂した。

このとき山脇の捨て牌はこう。

三筒 上向き七筒 上向き四索 上向き八索 上向き五索 上向き八索 上向き
八万 上向き

配牌で8種9牌の山脇は、5巡目までの捨て牌がすべて手出し。
特に変わった手順を踏んだわけではなく、1枚も字牌を余らせることなく、あっと言う間に国士無双のテンパイとなった。

この局に関して、放銃した福島が山脇のテンパイに気づくか気づかないという話しにはまったく意味がなく、反省点を探す必要もないと思う。

地元の高知県から対局の度に上京し、やっと掴みかけた決勝の大舞台は目前。勝ちたい気持ちが先走ってしまうのが普通だと思うが、ここで必要以上に勝負を急いだり、強引な手を打ち始めては、対局が壊れてしまう。
後は逆転に向けて、いかに基本に忠実に打てるか、というのが麻雀プロとしての義務であり、誇りなのである。
この後、福島に大した見せ場が訪れることはなかったが、しっかりと打ち続けることで、この日の対局を作り上げた。
勝ち負けは最も大事なことではあるが、いい意味での試合作りができるのもまた雀力ではないだろうか。

4回戦
起家から日向(+24.7)、和久津(+17.5)、福島(▲96.3)、山脇(+54.1)

東1局、5巡目、南家 和久津の手牌

三万四万五万六万二索三索三索四索四索五索五索七索九索五筒  ドラ五筒

和久津はここから打二索とした。九索以外が中張牌で、連続形が2つ。なんとも悩ましい手格好である。

《5巡目までの捨て牌》

東家 日向
九索 上向き九筒 上向き一筒 上向き三筒 上向き東

南家 和久津
九筒 上向き白一万 上向き一筒 上向き二索 上向き

西家 福島
一筒 上向き一索 上向き七筒 上向き四筒 上向き三索 上向き

北家 山脇
九索 上向き白西発一筒 上向き

6巡目に六万を重ね、ドラの五筒を打って即リーチ。11巡目に八索をツモって1,000・2,000のツモアガリとなった。
ウンウン唸ってアガリに到達したのではなく、動作がスムーズで打牌に淀みがない、ようやくエンジンがかかったかのような和久津のアガリであった。

そして和久津のアガリは続く。
東4局には、

二万三万四万五万六万二索三索四索一筒二筒三筒七筒七筒  リーチ  ツモ四万  ドラ八筒  裏三索
1,300・2,600のツモアガリ。

南1局

七索九索白白中中中  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  加カン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  ツモ八索  ドラ発  カンドラ中

1シャンテンで四筒を加カンすると、中が新ドラとなって2,000・4,000のアガリ。

南2局の親番では、日向の第一打八筒をチーして1シャンテン。2巡目に二万をチーしてテンパイを入れる。

九万九万九索九索中中中  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  チー八筒 左向き七筒 上向き九筒 上向き

これに対して、西家の山脇がドラの五筒をぶつけて応戦。

山脇手牌
四万五万六万六万六万二索三索三索三索三索四索六索八索

一瞬のけぞるような素振りを見せた和久津であったが、中ツモってノータイムでカンすると、新ドラが九万となり、またしても打点がアップする。
10巡目に日向が和久津と同じ待ち、新ドラの九万タンキでリーチをかける。

五万五万八万八万九万一索一索二筒二筒三筒三筒南南  リーチ

リーチを受けた和久津は七索を引いて小考の後、打九索。どちらもリーチには通っていない牌だ。
次巡にも無筋の二筒を打った和久津は、完全に臨戦態勢。それらを受けた山脇は、両者に危険に見える四筒を引いて二索抜き打ちでオリを選択。

ポイントに差はあるものの、ここまで本当にミスが少ない、言ってしまえば誰が勝ってもおかしくない、誰が勝っても観戦者が納得できるような内容で、対局が進んできた。
野球で例えるなら、投手戦でエラーもないような対局で、プロの対局とはこうあるべき、といったような内容であった。

この次巡の捨て牌がこう

東家 和久津捨牌
四索 上向き東七万 上向き西白四筒 上向き
一筒 上向き八万 上向き七筒 上向き一万 上向き九索 上向き二筒 上向き
九索 上向き

南家 福島捨牌
一万 上向き二索 上向き七万 上向き西六筒 上向き八筒 上向き
一筒 上向き北北三万 上向き九索 上向き五索 上向き

西家 山脇捨牌
南八筒 上向き二万 上向き一索 上向き九筒 上向き五筒 上向き
五筒 上向き一索 上向き六筒 上向き二索 上向き二万 上向き二索 上向き

北家 日向捨牌
二万 上向き北白東白七筒 上向き
二万 上向き発五索 上向き四万 上向き

和久津の九索は2枚とも手出しだ。
間に挟んだ二筒が、日向のリーチを受けての危険牌である以上、前に出ているのは明らか。
2枚目の打九索七索九索六索を引いた九索であると考えるのが妥当だ。
山脇自身も、この和久津の手牌変化は想定していたとは思うが、結局打八索を選択して和久津に放銃となってしまう。

五万六万六万六万三索三索三索三索四索四索六索六索八索四筒

この手牌、リーチをかけた日向に通る牌もなく、かなり選択は難しい。
ただ、リーチをかけた日向に関しては、どこまで読めてもXであるが、和久津の打九索七索九索六索を引いたリャンメン変化の可能性が非常に高い。
例えばカンをしてでも、とにかく八索以外で選択してほしかったというのが、プロとしての要求でもある。
ただひとつ言えるのは、通して一番大きなミスがこの局で、それが敗因となるくらいシビアな対局を、山脇を含め対局者全員が作り上げたということだ。
プロクイーンという冠にふさわしい、素晴らしい対局だった。

勝ち上がりは、日向藍子、和久津晶の2名。

最高位戦のリーグ戦でB1リーグに在籍する日向、そしてベスト16 A卓ではシード選手茅森が危なげなく勝ち上がりを決めたように、こちらの卓では「やはり」というか、万人の予想通り和久津が大きな壁となって立ちはだかった。

プロクイーン決定戦 レポート/第14期プロクイーンベスト16B卓 滝沢 和典

100
日向藍子(最高位戦日本プロ麻雀協会)
福島清子(日本プロ麻雀連盟)
山脇千文美(日本プロ麻雀連盟)
和久津晶(日本プロ麻雀連盟)前年度決勝
現在の女流プロで誰が強い?と質問されれば多くの人が和久津の名前をあげる。
これまでの実績はもちろん、昇級したばかりのA2リーグでも堂々たる戦いぶりを見せる和久津は、ここでも圧倒的な力の差を見せつけるのか。
1回戦、起家から山脇、福島、和久津、日向
東1局、13巡目に、日向がツモり四暗刻の手牌でリーチをかける。
五万五万五万六索六索九索九索三筒三筒三筒六筒六筒六筒  リーチ  ドラ九筒
残りツモ1回の和久津が追いかけるも…
二万二万三万三万四万四万六索七索七索七索八索二筒三筒
開局早々、北家、日向の四暗刻が決まる。
五万五万五万六索六索九索九索三筒三筒三筒六筒六筒六筒  ツモ九索
3者に4万点以上の差をつけてトップ目に立つと、さらに南家・日向が、東3局7巡目にドラ暗刻のテンパイ。
四万四万二索三索四筒五筒六筒東東東南南南  ドラ東
同巡、西家の山脇が
一万九万一索九索一筒九筒九筒東西北白発中  ロン南
福島から32,000の出アガリ。
なんと東場で2度目の役満が炸裂した。
このとき山脇の捨て牌はこう。
三筒 上向き七筒 上向き四索 上向き八索 上向き五索 上向き八索 上向き
八万 上向き
配牌で8種9牌の山脇は、5巡目までの捨て牌がすべて手出し。
特に変わった手順を踏んだわけではなく、1枚も字牌を余らせることなく、あっと言う間に国士無双のテンパイとなった。
この局に関して、放銃した福島が山脇のテンパイに気づくか気づかないという話しにはまったく意味がなく、反省点を探す必要もないと思う。
地元の高知県から対局の度に上京し、やっと掴みかけた決勝の大舞台は目前。勝ちたい気持ちが先走ってしまうのが普通だと思うが、ここで必要以上に勝負を急いだり、強引な手を打ち始めては、対局が壊れてしまう。
後は逆転に向けて、いかに基本に忠実に打てるか、というのが麻雀プロとしての義務であり、誇りなのである。
この後、福島に大した見せ場が訪れることはなかったが、しっかりと打ち続けることで、この日の対局を作り上げた。
勝ち負けは最も大事なことではあるが、いい意味での試合作りができるのもまた雀力ではないだろうか。
4回戦
起家から日向(+24.7)、和久津(+17.5)、福島(▲96.3)、山脇(+54.1)
東1局、5巡目、南家 和久津の手牌
三万四万五万六万二索三索三索四索四索五索五索七索九索五筒  ドラ五筒
和久津はここから打二索とした。九索以外が中張牌で、連続形が2つ。なんとも悩ましい手格好である。
《5巡目までの捨て牌》
東家 日向
九索 上向き九筒 上向き一筒 上向き三筒 上向き東
南家 和久津
九筒 上向き白一万 上向き一筒 上向き二索 上向き
西家 福島
一筒 上向き一索 上向き七筒 上向き四筒 上向き三索 上向き
北家 山脇
九索 上向き白西発一筒 上向き
6巡目に六万を重ね、ドラの五筒を打って即リーチ。11巡目に八索をツモって1,000・2,000のツモアガリとなった。
ウンウン唸ってアガリに到達したのではなく、動作がスムーズで打牌に淀みがない、ようやくエンジンがかかったかのような和久津のアガリであった。
そして和久津のアガリは続く。
東4局には、
二万三万四万五万六万二索三索四索一筒二筒三筒七筒七筒  リーチ  ツモ四万  ドラ八筒  裏三索
1,300・2,600のツモアガリ。
南1局
七索九索白白中中中  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  加カン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  ツモ八索  ドラ発  カンドラ中
1シャンテンで四筒を加カンすると、中が新ドラとなって2,000・4,000のアガリ。
南2局の親番では、日向の第一打八筒をチーして1シャンテン。2巡目に二万をチーしてテンパイを入れる。
九万九万九索九索中中中  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  チー八筒 左向き七筒 上向き九筒 上向き
これに対して、西家の山脇がドラの五筒をぶつけて応戦。
山脇手牌
四万五万六万六万六万二索三索三索三索三索四索六索八索
一瞬のけぞるような素振りを見せた和久津であったが、中ツモってノータイムでカンすると、新ドラが九万となり、またしても打点がアップする。
10巡目に日向が和久津と同じ待ち、新ドラの九万タンキでリーチをかける。
五万五万八万八万九万一索一索二筒二筒三筒三筒南南  リーチ
リーチを受けた和久津は七索を引いて小考の後、打九索。どちらもリーチには通っていない牌だ。
次巡にも無筋の二筒を打った和久津は、完全に臨戦態勢。それらを受けた山脇は、両者に危険に見える四筒を引いて二索抜き打ちでオリを選択。
ポイントに差はあるものの、ここまで本当にミスが少ない、言ってしまえば誰が勝ってもおかしくない、誰が勝っても観戦者が納得できるような内容で、対局が進んできた。
野球で例えるなら、投手戦でエラーもないような対局で、プロの対局とはこうあるべき、といったような内容であった。
この次巡の捨て牌がこう
東家 和久津捨牌
四索 上向き東七万 上向き西白四筒 上向き
一筒 上向き八万 上向き七筒 上向き一万 上向き九索 上向き二筒 上向き
九索 上向き
南家 福島捨牌
一万 上向き二索 上向き七万 上向き西六筒 上向き八筒 上向き
一筒 上向き北北三万 上向き九索 上向き五索 上向き
西家 山脇捨牌
南八筒 上向き二万 上向き一索 上向き九筒 上向き五筒 上向き
五筒 上向き一索 上向き六筒 上向き二索 上向き二万 上向き二索 上向き
北家 日向捨牌
二万 上向き北白東白七筒 上向き
二万 上向き発五索 上向き四万 上向き
和久津の九索は2枚とも手出しだ。
間に挟んだ二筒が、日向のリーチを受けての危険牌である以上、前に出ているのは明らか。
2枚目の打九索七索九索六索を引いた九索であると考えるのが妥当だ。
山脇自身も、この和久津の手牌変化は想定していたとは思うが、結局打八索を選択して和久津に放銃となってしまう。
五万六万六万六万三索三索三索三索四索四索六索六索八索四筒
この手牌、リーチをかけた日向に通る牌もなく、かなり選択は難しい。
ただ、リーチをかけた日向に関しては、どこまで読めてもXであるが、和久津の打九索七索九索六索を引いたリャンメン変化の可能性が非常に高い。
例えばカンをしてでも、とにかく八索以外で選択してほしかったというのが、プロとしての要求でもある。
ただひとつ言えるのは、通して一番大きなミスがこの局で、それが敗因となるくらいシビアな対局を、山脇を含め対局者全員が作り上げたということだ。
プロクイーンという冠にふさわしい、素晴らしい対局だった。
勝ち上がりは、日向藍子、和久津晶の2名。
最高位戦のリーグ戦でB1リーグに在籍する日向、そしてベスト16 A卓ではシード選手茅森が危なげなく勝ち上がりを決めたように、こちらの卓では「やはり」というか、万人の予想通り和久津が大きな壁となって立ちはだかった。

第147回:プロ雀士インタビュー 山井 弘  インタビュアー:小笠原 奈央

100

 

1970年生まれB型
富山県富山市で育ち
兄弟は姉が1人
大好きな漫画:ワンピース、ハンターハンター、みどりのマキバオー
獲得タイトル
第20期チャンピオンズリーグ
第1回リーチ麻雀世界選手権

そして、第5回インターネット麻雀日本選手権 優勝。
ディフェンスマスター、オフェンスマスター両極端の呼び名を持つ男、山井弘。

2016年7月23日土曜日夏目坂スタジオに真剣な面持ちの山井の姿があった。
インターネット麻雀日本選手権決勝。
決勝に残ったメンバーは山井を含めた4名。

苦しい予選を勝ち抜いたユーザー、z512007さん、Kazu-kunさん、そしてマスターズ2連覇中の、日本プロ麻雀連盟白鳥翔。

山井はこのインターネット麻雀日本選手権に意気込んでいた。世界選手権を獲ってから2年間、タイトル戦の決勝戦に残れずにいたからだ。
麻雀トライアスロンやモンド杯、天空麻雀などは決勝に残ったがどれも銀メダル。
麻雀界では優勝しないと皆の記憶に残らない。意味がないんだよ。どうしても優勝したい。負けても後悔しないように準備だけは怠りたくない。

こうインタビューで語る山井。

周りからもその姿勢はストイックと言われ、麻雀で手が入るために普段の生活から心がけるという徹底ぶりだ。深酒、睡眠不足、勉強不足はもってのほか。
今回も、相手の試合を研究して、打ち筋や長所短所を調べ抜き、決勝の自分への約束事を持った。出来ることは何でもした。
ベスト16からは隣の神社へお参りに行き、人のポイ捨ても打算的に進んで拾う。(笑)
前日は荒さんとチキンカツを食べ白鳥を食い、麻雀の事は考えず好きなアニメを見て頭を空っぽにした。

 

1回戦東4局、山井は5巡目絶好のペン三筒を引き入れテンパイ。だが、ピンフドラ1をヤミテンに構えた。
日頃の山井ならリーチではないのか。そんな事を思った方も多いだろう。
その後、高め三色に手変わりしたもののヤミテン継続。そして、出アガリ7,700点。

 

100

 

前局を強く意識する山井の思考が組み込まれたアガリだった。
東1局で良いアガリとなった白鳥。東2局にはその白鳥が仕掛けを入れ、この局が白鳥にとってのキーポイントになりうると、簡単にはアガリに結びつけぬ様、山井の守備が光る。
東3局でも、白鳥との勢いの差はまだあり、自分はまだ白鳥との真っ向勝負は苦しいと感じてのヤミテン。

だが、その後も白鳥が好調に走り1回戦は守りの2着。
確かに山井は苦しく我慢、我慢が強いられる。そんな風に感じた。

2回戦目もアガリに結びついたのはオーラスの1回のみ。

3回戦東1局、ここでどうにか抜けたいところだが、また苦しい。リーチが入り受け気味に打つ。
1人ノーテンで支払いかと思っていたところにテンパイが入る。ツモれば4,000オールが見えることもあり、かなり終盤だが念のためリーチ。するとここで白鳥からハイテイずらしが入り、ようやく山井のアガリに繋がった。2,600オール

 

100

 

ただマスターズ2連覇中の白鳥も、こんなことでへこたれるメンタルの弱さでもなく、次局も先制リーチでアガリをモノにし攻めの姿勢を崩さない。
そして白鳥の親番の東4局でも白鳥からリーチ。山井はチーしてテンパイが取れる手ではあったが本手でぶつける。捌いても、この仕掛けで連荘された時が一番厄介と動かなかった。否か、この後アガリ逃しが見え白鳥連荘。

さっきのアガリ逃しも踏まえて局面を遅くすることに重点を置いた。サンマで培ったという、スリムに構える局もとても大事ということ。
そこで思惑どおりか白鳥からのリーチ。受け気味ではあったが、ここが入れば勝負と山井も食いしばる。リーチ。白鳥から6,400の出アガリとなった。

この後z512007さんに12,000の放銃となった山井は、またもや2着。

4回戦にはトータルラスであったkazu-kunさんが4回戦目のTOPにたつ。
山井は最後着順勝負に持ち込むために、z512007さんより上に行く必要があった。

南1局、山井は字牌を鳴いてホンイツへ。そこにz512007さんからのリーチ。親番白鳥も七対子ドラドラの1シャンテンで攻める。山井もキー牌を鳴きテンパイと追いつく。
山井大きな8,000のツモアガリとなった。

 

100

 

鳴きで入ったリーチだけに嫌ってのはあるけど、ここは腹をくくって攻めた。このアガリは相当嬉しかったと山井は述べた。

 

100

 

Z512007さんより上に行きたいオーラス。その差5,400点。
親番z512007 1本場 供託1本

 

100

 

9巡目で山井にテンパイが入る。タンヤオドラ1。山井はシャンポン待ちを選択しヤミテン。その後二索を引き戻し次はカン三索に受け返した。
この引き戻しはカン三索に受けろってことだと感じたと山井。その後カン三索を見事ひきアガる!これには山井も抑えきれず、よしっ!と声が漏れた。

最終戦
z512007さんとの着順勝負。

Z512007さんの放銃で少し楽になったかと思ったが、やはり予選を勝ち抜いてきたユーザー代表。引き離すまいと、南2局に8,000、南3局に1,300とアガリを重ね、山井より上に立つ。

オーラス山井の条件。
ツモ700・1,300 出アガリ3,900点直撃2,000点。

山井の手はどう見ても苦しく時間もかかりそうだ。ツモも思ったように伸びない。テンパイノーテンでも変わることから、山井は中盤には形式テンパイも辞さない構えで、テンパイ気配を出していくことに標準を変えた。
きっと山井の優勝はかなり苦しかったはず。だが、ここで歯車が噛み合った。山井の優勝への歯車が。
Kazu-kunさん役満条件。大体は手にならずにオリるケースのほうが多いと思うが、ここで役満条件1シャンテンとなる。Kazu-kunも攻める。攻めることにより、形式テンパイすら取るのが苦しいと思えた山井。形式テンパイに向けて鳴きを入れていく。

Z512007さんも1人テンパイなら変わるが2人テンパイならz512007さんの優勝。ここは攻めるkaz-ukunさんを見てか、2人テンパイを願い放銃を避け、オリることを決断した。

結果。山井の1人テンパイ。
山井は今まで息を止めていたかのように、大きく息を吐き、上を見上げた。
そして、選手同士で握手を交わした。山井の表情には笑顔が溢れていた。

 

100
100

 

山井は言った。
一局一局同じ打ち方をするのはプロじゃない。人生が流れているように、運は流れている。僕達はそれにのっかっているだけで、変なことをするとその流れに弾かれる。大前提にデジタルはあって、それを凌駕するのが流れなんだよ。

私にはまだまだ未知ではあるが、人が戦うからこそ気持ちの揺れが打牌選択を変える。所動を変える。空気を変える。その違和感に人が気付き、そこに付け入る。同気してしまう者もいる。騙される者もいる。それが歪みや勢いを作る。普段の生活であるように、麻雀の中にも存在して、それが流れというものに繋がるのではないかと私は思う。

山井に尋ねてみた。次の目標は?

来年に迫った世界選手権WRC。嬉しいことに世界で麻雀が注目されてきた。日本の麻雀の質みたいなのを世界に僕達の手で広めていきたい。
団体対抗戦も今注目を浴びているよね。そこに自分も選手として出て戦いたい。って気持ちが強くあるよ。代表として戦う人達が羨ましいし、自分が出た時このプレッシャーに耐えられるのかとは思う。でもさ、早く自分もそういう所で活躍したいよ。この優勝をきっかけに近づけられたら嬉しいな。
後は、日本プロ麻雀連盟で開催されているチャンピオンズリーグが変わるかもしれない。対外試合が増えてきた今、練習できる場を増やして、もっともっと経験を積んで若手にもガンガン活躍して欲しい。勝たなきゃダメなんだよ!!

これを提案したのが山井自身だそうだ。

山井は個人として戦うバリバリの選手でもあるが、麻雀界の向上のために自分に何が出来るのか、伝えることが出来るのか、それを常日頃から考え実行する団体を引っ張っていく存在でもあるということだ。
山井のその姿を見て、感化される後輩も少なくない。

 

普段の山井をよく知る連盟員に聞いてみた。

山井さんってどんな人?

O氏
根っから真面目で熱いお方。
曲がったことが大嫌い、全てに対して真っ直ぐに向かうその姿は、純一無雑な聖人君子。漢の中の漢である。

M氏
自分が信じたものに突き進む真っ直ぐさが異常。(麻雀も仕事も)
麻雀プロとしての在り方は若手は見習うべき。
こだわりへの執着は半端ない。めちゃくちゃビールを飲み続けるし。最初から最後まで。浮気性など山井の言葉にない。

Y野氏
山井さんって実はいじられキャラなんです!
麻雀中にボヤキ始める事から、【オフェンスマスター】の異名を逆手に【ボヤキマスター】と後輩達にイジられることも。(笑)
山井さんを筆頭に後輩達であいた時に稽古しよう!と出来た【山井牧場】と言うライングループ。世界を制してからは【世界の山井牧場】に格上げ。
今でも世界チャンピオンに稽古をつけてもらいたいと言う後輩達が後を絶たない。
山井さんは麻雀も仕事もメリハリがしっかりしているので、先輩からは信頼され、後輩達に慕われている印象が特に強い人だと思います。更には女流プロからも慕われているとか。あー羨ましい。

 

100

 

これからも、その揺るぎない信じる心、学ぶをことを忘れない探究心、面倒なことも触れて変えようとする向上心、人を認め悪いことを悪いと言える強い気持ち、子供のように笑い喜怒哀楽を表現する純粋無垢さ。
我々はあなたの背中を追っかけて、いつか我々があなたを越えて引っ張っていける存在になりたいから。だからずっと目標であり続けてほしい。

山井さん優勝おめでとうございます。

 

100
100

ビール7杯目

プロ雀士インタビュー/第147回:プロ雀士インタビュー 山井 弘  インタビュアー:小笠原 奈央

100

 
1970年生まれB型
富山県富山市で育ち
兄弟は姉が1人
大好きな漫画:ワンピース、ハンターハンター、みどりのマキバオー
獲得タイトル
第20期チャンピオンズリーグ
第1回リーチ麻雀世界選手権
そして、第5回インターネット麻雀日本選手権 優勝。
ディフェンスマスター、オフェンスマスター両極端の呼び名を持つ男、山井弘。
2016年7月23日土曜日夏目坂スタジオに真剣な面持ちの山井の姿があった。
インターネット麻雀日本選手権決勝。
決勝に残ったメンバーは山井を含めた4名。
苦しい予選を勝ち抜いたユーザー、z512007さん、Kazu-kunさん、そしてマスターズ2連覇中の、日本プロ麻雀連盟白鳥翔。
山井はこのインターネット麻雀日本選手権に意気込んでいた。世界選手権を獲ってから2年間、タイトル戦の決勝戦に残れずにいたからだ。
麻雀トライアスロンやモンド杯、天空麻雀などは決勝に残ったがどれも銀メダル。
麻雀界では優勝しないと皆の記憶に残らない。意味がないんだよ。どうしても優勝したい。負けても後悔しないように準備だけは怠りたくない。
こうインタビューで語る山井。
周りからもその姿勢はストイックと言われ、麻雀で手が入るために普段の生活から心がけるという徹底ぶりだ。深酒、睡眠不足、勉強不足はもってのほか。
今回も、相手の試合を研究して、打ち筋や長所短所を調べ抜き、決勝の自分への約束事を持った。出来ることは何でもした。
ベスト16からは隣の神社へお参りに行き、人のポイ捨ても打算的に進んで拾う。(笑)
前日は荒さんとチキンカツを食べ白鳥を食い、麻雀の事は考えず好きなアニメを見て頭を空っぽにした。
 
1回戦東4局、山井は5巡目絶好のペン三筒を引き入れテンパイ。だが、ピンフドラ1をヤミテンに構えた。
日頃の山井ならリーチではないのか。そんな事を思った方も多いだろう。
その後、高め三色に手変わりしたもののヤミテン継続。そして、出アガリ7,700点。
 
100
 
前局を強く意識する山井の思考が組み込まれたアガリだった。
東1局で良いアガリとなった白鳥。東2局にはその白鳥が仕掛けを入れ、この局が白鳥にとってのキーポイントになりうると、簡単にはアガリに結びつけぬ様、山井の守備が光る。
東3局でも、白鳥との勢いの差はまだあり、自分はまだ白鳥との真っ向勝負は苦しいと感じてのヤミテン。
だが、その後も白鳥が好調に走り1回戦は守りの2着。
確かに山井は苦しく我慢、我慢が強いられる。そんな風に感じた。
2回戦目もアガリに結びついたのはオーラスの1回のみ。
3回戦東1局、ここでどうにか抜けたいところだが、また苦しい。リーチが入り受け気味に打つ。
1人ノーテンで支払いかと思っていたところにテンパイが入る。ツモれば4,000オールが見えることもあり、かなり終盤だが念のためリーチ。するとここで白鳥からハイテイずらしが入り、ようやく山井のアガリに繋がった。2,600オール
 
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ただマスターズ2連覇中の白鳥も、こんなことでへこたれるメンタルの弱さでもなく、次局も先制リーチでアガリをモノにし攻めの姿勢を崩さない。
そして白鳥の親番の東4局でも白鳥からリーチ。山井はチーしてテンパイが取れる手ではあったが本手でぶつける。捌いても、この仕掛けで連荘された時が一番厄介と動かなかった。否か、この後アガリ逃しが見え白鳥連荘。
さっきのアガリ逃しも踏まえて局面を遅くすることに重点を置いた。サンマで培ったという、スリムに構える局もとても大事ということ。
そこで思惑どおりか白鳥からのリーチ。受け気味ではあったが、ここが入れば勝負と山井も食いしばる。リーチ。白鳥から6,400の出アガリとなった。
この後z512007さんに12,000の放銃となった山井は、またもや2着。
4回戦にはトータルラスであったkazu-kunさんが4回戦目のTOPにたつ。
山井は最後着順勝負に持ち込むために、z512007さんより上に行く必要があった。
南1局、山井は字牌を鳴いてホンイツへ。そこにz512007さんからのリーチ。親番白鳥も七対子ドラドラの1シャンテンで攻める。山井もキー牌を鳴きテンパイと追いつく。
山井大きな8,000のツモアガリとなった。
 
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鳴きで入ったリーチだけに嫌ってのはあるけど、ここは腹をくくって攻めた。このアガリは相当嬉しかったと山井は述べた。
 

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Z512007さんより上に行きたいオーラス。その差5,400点。
親番z512007 1本場 供託1本
 
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9巡目で山井にテンパイが入る。タンヤオドラ1。山井はシャンポン待ちを選択しヤミテン。その後二索を引き戻し次はカン三索に受け返した。
この引き戻しはカン三索に受けろってことだと感じたと山井。その後カン三索を見事ひきアガる!これには山井も抑えきれず、よしっ!と声が漏れた。
最終戦
z512007さんとの着順勝負。
Z512007さんの放銃で少し楽になったかと思ったが、やはり予選を勝ち抜いてきたユーザー代表。引き離すまいと、南2局に8,000、南3局に1,300とアガリを重ね、山井より上に立つ。
オーラス山井の条件。
ツモ700・1,300 出アガリ3,900点直撃2,000点。
山井の手はどう見ても苦しく時間もかかりそうだ。ツモも思ったように伸びない。テンパイノーテンでも変わることから、山井は中盤には形式テンパイも辞さない構えで、テンパイ気配を出していくことに標準を変えた。
きっと山井の優勝はかなり苦しかったはず。だが、ここで歯車が噛み合った。山井の優勝への歯車が。
Kazu-kunさん役満条件。大体は手にならずにオリるケースのほうが多いと思うが、ここで役満条件1シャンテンとなる。Kazu-kunも攻める。攻めることにより、形式テンパイすら取るのが苦しいと思えた山井。形式テンパイに向けて鳴きを入れていく。
Z512007さんも1人テンパイなら変わるが2人テンパイならz512007さんの優勝。ここは攻めるkaz-ukunさんを見てか、2人テンパイを願い放銃を避け、オリることを決断した。
結果。山井の1人テンパイ。
山井は今まで息を止めていたかのように、大きく息を吐き、上を見上げた。
そして、選手同士で握手を交わした。山井の表情には笑顔が溢れていた。
 

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山井は言った。
一局一局同じ打ち方をするのはプロじゃない。人生が流れているように、運は流れている。僕達はそれにのっかっているだけで、変なことをするとその流れに弾かれる。大前提にデジタルはあって、それを凌駕するのが流れなんだよ。
私にはまだまだ未知ではあるが、人が戦うからこそ気持ちの揺れが打牌選択を変える。所動を変える。空気を変える。その違和感に人が気付き、そこに付け入る。同気してしまう者もいる。騙される者もいる。それが歪みや勢いを作る。普段の生活であるように、麻雀の中にも存在して、それが流れというものに繋がるのではないかと私は思う。
山井に尋ねてみた。次の目標は?
来年に迫った世界選手権WRC。嬉しいことに世界で麻雀が注目されてきた。日本の麻雀の質みたいなのを世界に僕達の手で広めていきたい。
団体対抗戦も今注目を浴びているよね。そこに自分も選手として出て戦いたい。って気持ちが強くあるよ。代表として戦う人達が羨ましいし、自分が出た時このプレッシャーに耐えられるのかとは思う。でもさ、早く自分もそういう所で活躍したいよ。この優勝をきっかけに近づけられたら嬉しいな。
後は、日本プロ麻雀連盟で開催されているチャンピオンズリーグが変わるかもしれない。対外試合が増えてきた今、練習できる場を増やして、もっともっと経験を積んで若手にもガンガン活躍して欲しい。勝たなきゃダメなんだよ!!

これを提案したのが山井自身だそうだ。
山井は個人として戦うバリバリの選手でもあるが、麻雀界の向上のために自分に何が出来るのか、伝えることが出来るのか、それを常日頃から考え実行する団体を引っ張っていく存在でもあるということだ。
山井のその姿を見て、感化される後輩も少なくない。
 
普段の山井をよく知る連盟員に聞いてみた。
山井さんってどんな人?
O氏
根っから真面目で熱いお方。
曲がったことが大嫌い、全てに対して真っ直ぐに向かうその姿は、純一無雑な聖人君子。漢の中の漢である。
M氏
自分が信じたものに突き進む真っ直ぐさが異常。(麻雀も仕事も)
麻雀プロとしての在り方は若手は見習うべき。
こだわりへの執着は半端ない。めちゃくちゃビールを飲み続けるし。最初から最後まで。浮気性など山井の言葉にない。
Y野氏
山井さんって実はいじられキャラなんです!
麻雀中にボヤキ始める事から、【オフェンスマスター】の異名を逆手に【ボヤキマスター】と後輩達にイジられることも。(笑)
山井さんを筆頭に後輩達であいた時に稽古しよう!と出来た【山井牧場】と言うライングループ。世界を制してからは【世界の山井牧場】に格上げ。
今でも世界チャンピオンに稽古をつけてもらいたいと言う後輩達が後を絶たない。
山井さんは麻雀も仕事もメリハリがしっかりしているので、先輩からは信頼され、後輩達に慕われている印象が特に強い人だと思います。更には女流プロからも慕われているとか。あー羨ましい。
 
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これからも、その揺るぎない信じる心、学ぶをことを忘れない探究心、面倒なことも触れて変えようとする向上心、人を認め悪いことを悪いと言える強い気持ち、子供のように笑い喜怒哀楽を表現する純粋無垢さ。
我々はあなたの背中を追っかけて、いつか我々があなたを越えて引っ張っていける存在になりたいから。だからずっと目標であり続けてほしい。
山井さん優勝おめでとうございます。
 

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ビール7杯目