第33期十段戦決勝 二日目観戦記 荒 正義

100

 

(勝負の明暗)
 
第5戦はダンプが抜け番。親は上田で順に・櫻井・藤崎・柴田の並び。
嵐の前の静けさという言葉があるが、立ち上がりは本当にそうだった。

開局は、70符1ハン2,400の櫻井のツモアガリでスタート。

次が櫻井の親番。藤崎に4巡目、絶好のカン三索が入りテンパイ。

七万七万八万八万九万二索三索四索四筒五筒六筒南南  ドラ三筒

南は自風だからピンフにはならない。なのに、ヤミテン。すぐに九万が出てアガる。このヤミテンに視聴者は違和感を持ったかもしれないが、これが一発・裏なしのAルールの打ち方である。
どうせ出るのは六万より先に九万の方である。アガリ逃しの可能性は少ない。それよりドラとの手変わりを待ったのだ。仮に三筒引き、こうなれば理想形。

七万七万八万八万九万二索三索四索三筒四筒五筒南南

これならリーチで、高めツモで満貫相当が見込める。まして親は、今のライバル櫻井だ。その前に九万が出て1,300の親落としでも、今はそれでよしとする。これが沈着冷静な藤崎の判断である。もちろんテンパイ即リーチで、打点は低いがスピード打法もある。どちらを取るかは打ち手の、雀風の問題である。
しかし、次の藤崎の親番は不思議だった。11巡目に四万を入れてテンパイ。

四万四万四万二索三索四索六索六索七索七索八索五筒五筒

これもヤミテンなのである。確かに藤崎の河にソーズは高いが、場には五索が1枚出ているだけだった。普通ならリーチをかけ八索を引きにかけ、3,900オールを狙うところだ。なのに、これもヤミテン。
そしてすぐに下家の柴田からツモ切りの八索が出て3,900のアガリ。
これが謎である。

 

100

 

解説の瀬戸熊はリーチをかけるという。私もリーチだ。しかし、リーチをかけたなら五索八索はこの時点で残り2枚。リーチなら、柴田も打たないから残り1枚。アガリできたかどうかわからない。反撃にあって蹴られたかもしれない。
後日、藤崎が語る。

「リーチかヤミテンか迷った時、私はヤミテンに構える。いやな予感の時もそう。それが私の型なのです―」

そして1本場。
藤崎に早いヤミテンがまたまた入る。7巡目でこの仕上がりだ。

一万一万一万二万三万七万八万四索五索六索二筒三筒四筒  ドラ一万

この時、南家の柴田がピンズの染め手で仕掛けていた。だからヤミテン、これは解かる。運悪く上田が九万を掴んで11,600の放銃。さっきの手をアガリできなければ、このアガリもなかったことになる。

(またヤミテンかよ…)
これが、闇夜でバッサリの忍法・背中切り。これに打った相手がたまらない。腹の中では文句も出る。

 

100

 

上田(五右衛殿、ヤミテンばかりとは卑怯でござる。それがお主の武士道か!)
藤崎(手前は武士ではござらぬ、伊賀の忍び者。フン、武士道だと…たわけたことを。戦は正面切って戦うばかりが能ではない。いかにして勝つかが大事なのじゃ)
上田(ケッ!)

2本場。藤崎は流局で親権確保。

3本場。今度は、怒った侍大将の上田から満貫のダブルリーチが入る。

三万三万八万九万四索五索六索四筒五筒六筒白白白  リーチ  ドラ九万

これも藤崎にうまくかわされる。

 

100

 

3,900点の3本場。いや点棒ではない。点棒よりも大事な親番を守ったことに価値がある。

4本場。こうなると藤崎の勢いが止まらない。だが、その彼が9巡目に珍しく考えた。

一索一索三索五索六索六索六索七索八索九索二筒三筒四筒  ツモ七索  ドラ白

カン四索待ちのところに七索を引いたのだ。7巡目に八索を切っているからチンイチまでは見ないとしても、私なら一索切りで、カン二索に受ける。しかし、藤崎の打牌は七索だった。
そして1巡後のツモが二索である。私なら、ここで500オールのツモだ。藤崎は、間髪を入れずにリーチだ。さっきの思考の間は、ここまで考えてのことだった。

(じゃあ、リーチをかけるよ)と藤崎。
これが声に出さないが、卓上の牌の会話である。好調の親なだけに場に一瞬、緊張が走る。そして即ツモ。

 

100

 

一通の高め、しかも振りテンの4,000点オールだ。やりたい放題で皆、唖然となる。
この半チャンは藤崎が主導権を取り、完全に勝負ありだ。この後、多少の点棒の動きがあったもののこの半チャンの結末はこうだ。

藤崎71,900 櫻井28,500 上田10,900 柴田8,700

これでトップ走者の藤崎は+110.4P。次点の櫻井が+44.3P。66.1Pの差ができたのである。

第6戦は点棒に大きな動きはなかった。オーラスで沈んでいたのは柴田と藤崎だ。藤崎の持ち点は25,200でラス目。櫻井にとっては反撃のチャンスだ。しかし、11巡目に藤崎のリーチかかる。

三万三万三索四索五索七索八索九索二筒三筒四筒発発  リーチ  ドラ四筒

ここで安全パイに窮したダンプの発が捕まる。
これで藤崎は浮きの2着を確保。トップは櫻井だがこの半チャン、それほど差は詰まらなかった。

6回戦までの総合得点。

藤崎 +115.4P
櫻井 +54.2P
上田 ▲36.3P
ダンプ▲59.8P
柴田 ▲74.5P
(供託1.0P)

 

7回戦
ここまでの展開は、トップ走者の藤崎が大きくリード。それを追う2番手の櫻井のマッチレースか。その差61,2P。まだわからない。櫻井が大きく浮いて藤崎が沈めば、トップとラスで並ぶ点差だ。
いや、鉄壁の守り誇る藤崎に大きなラスを食らわせるのは困難だとしても、沈めることはできる。そのとき、自分が2度トップ取ればいいのだ。チャンスは十分ある。櫻井はそう考えたはずである。

一方の藤崎はどうか。攻守のバランスは取れている。勝負の組み立ても思い通りだ。今の風は自分に吹いている。ならばこの風に乗って飛んでいよう。今は羽を休める時だ。向かい風が来たら、また羽ばたけばいいのだ。

櫻井にそのチャンスが来た。

 

100

 

上家は染め手で、おそらくピンズ。なぜなら、ソーズがこれだけ自分の手にあれば、残りはピンズだろう。そして、下家は、第一打のドラ切りから国士狙いは歴然。藤崎の手は河から見る限り、遅そうだ。
当然、櫻井はこの五万を逃さない。チーだ。そして10巡目、藤崎が出した五索にポンテンをかけた。

 

100

 

(これで出来た、後は下家の上田と2人で三筒六筒を引けばいいのだ…)
と、思ったはずである。
もちろん藤崎だって、ただで五索を鳴かせたわけではない。カン五筒のテンパイを張っていたのだ。そこに来たのがこれである。

 

100

 

何も考えずに打つなら九筒である。しかし、上家は国士無双だ。テンパイの気配が漂う。当たれば32,000だ。
ここで藤崎には3つの選択肢がある。1つは完全撤退の安全策。次が九筒切り。そして、国士放銃だけは避ける六筒切りである。ただしこの六筒は櫻井の危険牌でもある。親の手は、八索九索が手出しだからドラ2の可能性が高いのだ。
少しの間があって、藤崎が選んだのは九筒だった。

仮に上田が国士無双を張っていたとしても、この九筒がロン牌とは限らない。相手は不調、そしてこちらは上昇気流に乗った好調者だ。運の差は歴然だし、今の自分にロン牌が浮くはずがない。大事なことはここで危険牌を止めることより、日和ってアガリを逃すことだ。だから九筒切りで前に出る。これが藤崎の態勢論である。

 

100

 

案の定だ。上田は国士の南待ちを打北でテンパイ。三色高めの二筒は、3巡後櫻井が掴んだ。この一局がこの日のハイライト、『勝負の明暗』である。
ここで藤崎は、またしても忍法雲隠れでトップをもぎ取り、櫻井をラスに沈めた。次から五右衛門殿を「名人」と呼ばねばなるまい。

 

第8戦は櫻井が抜け番。
 
100

 

ここも藤崎はオーラスで決め、浮きの2着を確保した。この夜、櫻井は麻雀で脳が覚醒し眠れなかったはずだ。彼はそのとき何を考えていたのであろうか―。

二日目終了時成績

藤崎智 +137.1P
櫻井秀樹 +38.0P
上田直樹 ▲49.5P
柴田吉和 ▲53.2P
ダンプ大橋 ▲73.4P

十段戦 決勝観戦記/第33期十段戦決勝 二日目観戦記 荒 正義

100
 
(勝負の明暗)
 
第5戦はダンプが抜け番。親は上田で順に・櫻井・藤崎・柴田の並び。
嵐の前の静けさという言葉があるが、立ち上がりは本当にそうだった。
開局は、70符1ハン2,400の櫻井のツモアガリでスタート。
次が櫻井の親番。藤崎に4巡目、絶好のカン三索が入りテンパイ。
七万七万八万八万九万二索三索四索四筒五筒六筒南南  ドラ三筒
南は自風だからピンフにはならない。なのに、ヤミテン。すぐに九万が出てアガる。このヤミテンに視聴者は違和感を持ったかもしれないが、これが一発・裏なしのAルールの打ち方である。
どうせ出るのは六万より先に九万の方である。アガリ逃しの可能性は少ない。それよりドラとの手変わりを待ったのだ。仮に三筒引き、こうなれば理想形。
七万七万八万八万九万二索三索四索三筒四筒五筒南南
これならリーチで、高めツモで満貫相当が見込める。まして親は、今のライバル櫻井だ。その前に九万が出て1,300の親落としでも、今はそれでよしとする。これが沈着冷静な藤崎の判断である。もちろんテンパイ即リーチで、打点は低いがスピード打法もある。どちらを取るかは打ち手の、雀風の問題である。
しかし、次の藤崎の親番は不思議だった。11巡目に四万を入れてテンパイ。
四万四万四万二索三索四索六索六索七索七索八索五筒五筒
これもヤミテンなのである。確かに藤崎の河にソーズは高いが、場には五索が1枚出ているだけだった。普通ならリーチをかけ八索を引きにかけ、3,900オールを狙うところだ。なのに、これもヤミテン。
そしてすぐに下家の柴田からツモ切りの八索が出て3,900のアガリ。
これが謎である。
 
100
 
解説の瀬戸熊はリーチをかけるという。私もリーチだ。しかし、リーチをかけたなら五索八索はこの時点で残り2枚。リーチなら、柴田も打たないから残り1枚。アガリできたかどうかわからない。反撃にあって蹴られたかもしれない。
後日、藤崎が語る。
「リーチかヤミテンか迷った時、私はヤミテンに構える。いやな予感の時もそう。それが私の型なのです―」
そして1本場。
藤崎に早いヤミテンがまたまた入る。7巡目でこの仕上がりだ。
一万一万一万二万三万七万八万四索五索六索二筒三筒四筒  ドラ一万
この時、南家の柴田がピンズの染め手で仕掛けていた。だからヤミテン、これは解かる。運悪く上田が九万を掴んで11,600の放銃。さっきの手をアガリできなければ、このアガリもなかったことになる。
(またヤミテンかよ…)
これが、闇夜でバッサリの忍法・背中切り。これに打った相手がたまらない。腹の中では文句も出る。
 
100
 
上田(五右衛殿、ヤミテンばかりとは卑怯でござる。それがお主の武士道か!)
藤崎(手前は武士ではござらぬ、伊賀の忍び者。フン、武士道だと…たわけたことを。戦は正面切って戦うばかりが能ではない。いかにして勝つかが大事なのじゃ)
上田(ケッ!)
2本場。藤崎は流局で親権確保。
3本場。今度は、怒った侍大将の上田から満貫のダブルリーチが入る。
三万三万八万九万四索五索六索四筒五筒六筒白白白  リーチ  ドラ九万
これも藤崎にうまくかわされる。
 
100
 
3,900点の3本場。いや点棒ではない。点棒よりも大事な親番を守ったことに価値がある。
4本場。こうなると藤崎の勢いが止まらない。だが、その彼が9巡目に珍しく考えた。
一索一索三索五索六索六索六索七索八索九索二筒三筒四筒  ツモ七索  ドラ白
カン四索待ちのところに七索を引いたのだ。7巡目に八索を切っているからチンイチまでは見ないとしても、私なら一索切りで、カン二索に受ける。しかし、藤崎の打牌は七索だった。
そして1巡後のツモが二索である。私なら、ここで500オールのツモだ。藤崎は、間髪を入れずにリーチだ。さっきの思考の間は、ここまで考えてのことだった。
(じゃあ、リーチをかけるよ)と藤崎。
これが声に出さないが、卓上の牌の会話である。好調の親なだけに場に一瞬、緊張が走る。そして即ツモ。
 
100
 
一通の高め、しかも振りテンの4,000点オールだ。やりたい放題で皆、唖然となる。
この半チャンは藤崎が主導権を取り、完全に勝負ありだ。この後、多少の点棒の動きがあったもののこの半チャンの結末はこうだ。
藤崎71,900 櫻井28,500 上田10,900 柴田8,700
これでトップ走者の藤崎は+110.4P。次点の櫻井が+44.3P。66.1Pの差ができたのである。
第6戦は点棒に大きな動きはなかった。オーラスで沈んでいたのは柴田と藤崎だ。藤崎の持ち点は25,200でラス目。櫻井にとっては反撃のチャンスだ。しかし、11巡目に藤崎のリーチかかる。
三万三万三索四索五索七索八索九索二筒三筒四筒発発  リーチ  ドラ四筒
ここで安全パイに窮したダンプの発が捕まる。
これで藤崎は浮きの2着を確保。トップは櫻井だがこの半チャン、それほど差は詰まらなかった。
6回戦までの総合得点。
藤崎 +115.4P
櫻井 +54.2P
上田 ▲36.3P
ダンプ▲59.8P
柴田 ▲74.5P
(供託1.0P)
 
7回戦
ここまでの展開は、トップ走者の藤崎が大きくリード。それを追う2番手の櫻井のマッチレースか。その差61,2P。まだわからない。櫻井が大きく浮いて藤崎が沈めば、トップとラスで並ぶ点差だ。
いや、鉄壁の守り誇る藤崎に大きなラスを食らわせるのは困難だとしても、沈めることはできる。そのとき、自分が2度トップ取ればいいのだ。チャンスは十分ある。櫻井はそう考えたはずである。
一方の藤崎はどうか。攻守のバランスは取れている。勝負の組み立ても思い通りだ。今の風は自分に吹いている。ならばこの風に乗って飛んでいよう。今は羽を休める時だ。向かい風が来たら、また羽ばたけばいいのだ。
櫻井にそのチャンスが来た。
 
100
 
上家は染め手で、おそらくピンズ。なぜなら、ソーズがこれだけ自分の手にあれば、残りはピンズだろう。そして、下家は、第一打のドラ切りから国士狙いは歴然。藤崎の手は河から見る限り、遅そうだ。
当然、櫻井はこの五万を逃さない。チーだ。そして10巡目、藤崎が出した五索にポンテンをかけた。
 
100
 
(これで出来た、後は下家の上田と2人で三筒六筒を引けばいいのだ…)
と、思ったはずである。
もちろん藤崎だって、ただで五索を鳴かせたわけではない。カン五筒のテンパイを張っていたのだ。そこに来たのがこれである。
 
100
 
何も考えずに打つなら九筒である。しかし、上家は国士無双だ。テンパイの気配が漂う。当たれば32,000だ。
ここで藤崎には3つの選択肢がある。1つは完全撤退の安全策。次が九筒切り。そして、国士放銃だけは避ける六筒切りである。ただしこの六筒は櫻井の危険牌でもある。親の手は、八索九索が手出しだからドラ2の可能性が高いのだ。
少しの間があって、藤崎が選んだのは九筒だった。
仮に上田が国士無双を張っていたとしても、この九筒がロン牌とは限らない。相手は不調、そしてこちらは上昇気流に乗った好調者だ。運の差は歴然だし、今の自分にロン牌が浮くはずがない。大事なことはここで危険牌を止めることより、日和ってアガリを逃すことだ。だから九筒切りで前に出る。これが藤崎の態勢論である。
 
100
 
案の定だ。上田は国士の南待ちを打北でテンパイ。三色高めの二筒は、3巡後櫻井が掴んだ。この一局がこの日のハイライト、『勝負の明暗』である。
ここで藤崎は、またしても忍法雲隠れでトップをもぎ取り、櫻井をラスに沈めた。次から五右衛門殿を「名人」と呼ばねばなるまい。
 
第8戦は櫻井が抜け番。
 
100
 
ここも藤崎はオーラスで決め、浮きの2着を確保した。この夜、櫻井は麻雀で脳が覚醒し眠れなかったはずだ。彼はそのとき何を考えていたのであろうか―。
二日目終了時成績

藤崎智 +137.1P
櫻井秀樹 +38.0P
上田直樹 ▲49.5P
柴田吉和 ▲53.2P
ダンプ大橋 ▲73.4P

第149回:第30期新人王戦優勝特別インタビュー 藤井 崇勝  インタビュアー:浜上 文吾

「新人王が関門海峡を越えた!」

新人王戦とは日本プロ麻雀連盟在籍3年目までの選手が出場できるタイトル戦。
入会してはじめに目標とするタイトル戦で、地方所属の若手選手にとっては東京で対局できる数少ないチャンスの場である。
夏真っ盛りの8月28日、第30期新人王戦が行われ、九州本部所属の藤井崇勝が優勝し「新人王」の称号はついに関門海峡を越えることになった。
3年前の第22期マスターズで当時九州本部所属であった小車祥が九州に初タイトルを持ち帰って以来の快挙達成であった。

今回のインタビューは九州本部所属の浜上文吾が行います。
まずはプロフィールから

 

100

 

藤井崇勝(32期生)1992年7月17日生まれ24歳
アマ時代から九州本部主催のリーグ戦、タイトル戦に出場していて優秀な成績でプロ入り。
普段は福岡市から100キロほど離れた北九州市で美容師として働いている。

インタビュー会場は福岡市内のモツ鍋専門店。
一緒に新人王戦に出場していた吉田彩乃、同期の上田稜、副島さきこも同席してくれた。

 

100

 

全員「まずは藤井くん新人王おめでとう!」

藤井「ありがとうございます!」

浜上「さっそくだけど新人王戦を振り返ってみてどう?」

藤井「プロ連盟に入会して新人王になることが目標だったので素直に嬉しいです。夏目坂スタジオでの配信対局も初めてでしたし緊張しっぱなしでした。」

浜上「対局前の選手紹介のインタビューでは全然緊張しているようには思えなかったけど?」

藤井「とにかく今思っていることを喋ろうと必死でした。インタビューがあったおかげで対局には落ち着いて入り込めました。」

 

100

タイムシフトを視聴しながら

 

浜上「1回戦は起家スタートでなかなかの好配牌!」

 

100

 

■1回戦(起家から、藤井・林・中川・弘中)
東1局0本場、4巡目

三万三万四万七万七万八万六索八索八索三筒四筒八筒八筒  ツモ八万  打三筒  ドラ八万

浜上「難しい手牌だけどリャンメンを捨てるとは少し驚いた~」

藤井「ここ最近、仕掛けを多用しすぎて自分の中でバランスが崩れて九州リーグの成績がさっぱりだったので、成績の良かった頃を思い出してメンゼンで押し通せるようなスタイルにするために七対子狙いで三筒を選択しました」

7巡目には

三万三万四万七万七万八万八万六索八索八索八筒八筒南  ツモ南  打四万

こうなり狙い通りの七対子ドラ2の9,600テンパイ。

藤井「とりあえずの仮テンでしたがいまいち良い選択ができなくて・・・その後も東4局にツモり四暗刻のテンパイをするも五筒で放銃になって苦しい展開でした。なかなかアガリに結びつきませんでしたが積極的に攻められたので2回戦目以降は落ち着いてまっすぐ攻めようと思いました。」

その後は2回戦、3回戦と2連勝して最終戦を迎える。

■3回戦終了時
林+36.1P 藤井+26.0P 弘中+3.4P 中川▲65.5P

浜上「最終戦、首位の林と10.1Pの差で迎えたわけだけど、どういう心境だった?」

藤井「東1局の親で逆転できるくらいに攻めようと思いました。」

■4回戦(起家から藤井・弘中・中川・林)
東1局0本場、6巡目

一万二万三万七万八万二索三索三索一筒二筒七筒八筒九筒  ツモ三筒  打二索 左向き

5巡目に三万をツモ、6巡目に絶好のドラ三筒をツモり先制リーチ。

浜上「あまり配牌はぱっとしなかったけどツモが良かったよね~」

藤井「そうですね!テンパイしたらどの待ちになってもリーチするつもりでした。2巡続けてペンチャンをツモれて感触は良かったですね。」

終盤に六をツモで2,600オール。

浜上「南1局2本場の七対子ツモの1,600オールが観戦して一番すごいと思ったけど?」

 

南1局2本場、供託+1.0

 

100

 

南家、弘中のリーチ宣言牌のドラ発を北家、林がポンテン。

藤井「一番苦しい局面でしたね。林さんにアガられると不利な状況になるので勝負どころだと思って踏み込もうとは思いました。ギリギリまでテンパイする可能性を残せたのが良かったですね。一筒ツモは出来過ぎです。」

浜上「次の局のタンヤオリャンペーコーが決定打になったわけだね。」

南1局3本場

藤井
六万六万七万七万八万八万五索五索六索七索七索六筒六筒  ロン六索  ドラ五万

藤井「ポイント的にはだいぶリードしましたが、林さんの最後の親があるので最後まで集中できたと思います。」

浜上「オーラス見事にアガリ優勝と!」

藤井「はい、最後の最後に上手く手牌とツモが合ってくれて嬉しかったです。」

浜上「当日観戦していた私達もうれしかったよ~それでは目標のひとつであった新人王にはなれたけど今後の目標はなにかある?」

藤井「そうですね、今回の新人王優勝でマスターズ、十段戦、王位戦、グランプリMAXとシードをいただけたので、良い結果が残せるように頑張りたいですね。来年から鳳凰位戦にも出場できるようにしたいです。」

浜上「へ~プロリーグに出場する予定なのね。結構大変だよ~私なんか15年通ってるから慣れたけどね(笑)」

藤井「はい!全てに出場したいと思いまして。」

浜上「そうだよね、九州リーグや他の大会にも全部出場していたよね。ちなみに九州リーグには4年前から出場しているけど、最初はプロテストを受ける感じでもなかったよね。」

藤井「そうですね。」

浜上「受験してみようと思ったきっかけとかあったの?」

藤井「QGP山口の決勝で浜上さん安東さんとの対局がきっかけでしたね。あの時オーラスまで全員にチャンスがあって」

浜上「藤井君も私も安ちゃんも負けたのよね(泣)」

藤井「あの時の対局が何というか、しびれて楽しかったのがきっかけですね。」

浜上「そう言ってもらえると嬉しいね!今後も九州で競技麻雀の普及をしながら藤井君みたいな良い人材を発掘したいね。」

 

100

 

※QGPとは九州本部主催のプロアマ混合のワンデータイトル戦、九州の各地方都市(福岡、大分、山口)で開催している(日本プロ麻雀Aルール)。

藤井「言い忘れましたけど、自分もプロ連盟の先輩方のように多くの方に対戦して面白かったと思われるような選手になりたいですね。その最初として10月29日のロン2ファン感謝祭in福岡に出場して、まずは自分のことを知ってもらいたいです。今ロン2のプロIDを取れるように毎日プレイしています。」

浜上「10月29日までにはユーザーの皆様と対局できるようにしましょう。あとまたタイトルが関門海峡を越えるように、選手全員で頑張らないとね!」

10月29日(土)にはロン2ファン感謝祭in福岡~第23回リアル麻雀大会~。
ゲストプロとして東京本部からは森山会長、小島プロ、滝沢プロ、高宮プロ、手塚プロ、魚谷プロと豪華ゲストで開催されます。
九州本部からも新人王の藤井をはじめ多数出場いたします。ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。

最後となりましたが、藤井崇勝は今後九州本部を背負って立つ選手です。
皆様応援よろしくお願いいたします。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。

プロ雀士インタビュー/第149回:第30期新人王戦優勝特別インタビュー 藤井 崇勝  インタビュアー:浜上 文吾

「新人王が関門海峡を越えた!」
新人王戦とは日本プロ麻雀連盟在籍3年目までの選手が出場できるタイトル戦。
入会してはじめに目標とするタイトル戦で、地方所属の若手選手にとっては東京で対局できる数少ないチャンスの場である。
夏真っ盛りの8月28日、第30期新人王戦が行われ、九州本部所属の藤井崇勝が優勝し「新人王」の称号はついに関門海峡を越えることになった。
3年前の第22期マスターズで当時九州本部所属であった小車祥が九州に初タイトルを持ち帰って以来の快挙達成であった。
今回のインタビューは九州本部所属の浜上文吾が行います。
まずはプロフィールから
 

100

 
藤井崇勝(32期生)1992年7月17日生まれ24歳
アマ時代から九州本部主催のリーグ戦、タイトル戦に出場していて優秀な成績でプロ入り。
普段は福岡市から100キロほど離れた北九州市で美容師として働いている。
インタビュー会場は福岡市内のモツ鍋専門店。
一緒に新人王戦に出場していた吉田彩乃、同期の上田稜、副島さきこも同席してくれた。
 

100

 
全員「まずは藤井くん新人王おめでとう!」
藤井「ありがとうございます!」
浜上「さっそくだけど新人王戦を振り返ってみてどう?」
藤井「プロ連盟に入会して新人王になることが目標だったので素直に嬉しいです。夏目坂スタジオでの配信対局も初めてでしたし緊張しっぱなしでした。」
浜上「対局前の選手紹介のインタビューでは全然緊張しているようには思えなかったけど?」
藤井「とにかく今思っていることを喋ろうと必死でした。インタビューがあったおかげで対局には落ち着いて入り込めました。」
 

100

タイムシフトを視聴しながら

 
浜上「1回戦は起家スタートでなかなかの好配牌!」
 

100

 
■1回戦(起家から、藤井・林・中川・弘中)
東1局0本場、4巡目
三万三万四万七万七万八万六索八索八索三筒四筒八筒八筒  ツモ八万  打三筒  ドラ八万
浜上「難しい手牌だけどリャンメンを捨てるとは少し驚いた~」
藤井「ここ最近、仕掛けを多用しすぎて自分の中でバランスが崩れて九州リーグの成績がさっぱりだったので、成績の良かった頃を思い出してメンゼンで押し通せるようなスタイルにするために七対子狙いで三筒を選択しました」
7巡目には
三万三万四万七万七万八万八万六索八索八索八筒八筒南  ツモ南  打四万
こうなり狙い通りの七対子ドラ2の9,600テンパイ。
藤井「とりあえずの仮テンでしたがいまいち良い選択ができなくて・・・その後も東4局にツモり四暗刻のテンパイをするも五筒で放銃になって苦しい展開でした。なかなかアガリに結びつきませんでしたが積極的に攻められたので2回戦目以降は落ち着いてまっすぐ攻めようと思いました。」
その後は2回戦、3回戦と2連勝して最終戦を迎える。
■3回戦終了時
林+36.1P 藤井+26.0P 弘中+3.4P 中川▲65.5P
浜上「最終戦、首位の林と10.1Pの差で迎えたわけだけど、どういう心境だった?」
藤井「東1局の親で逆転できるくらいに攻めようと思いました。」
■4回戦(起家から藤井・弘中・中川・林)
東1局0本場、6巡目
一万二万三万七万八万二索三索三索一筒二筒七筒八筒九筒  ツモ三筒  打二索 左向き
5巡目に三万をツモ、6巡目に絶好のドラ三筒をツモり先制リーチ。
浜上「あまり配牌はぱっとしなかったけどツモが良かったよね~」
藤井「そうですね!テンパイしたらどの待ちになってもリーチするつもりでした。2巡続けてペンチャンをツモれて感触は良かったですね。」
終盤に六をツモで2,600オール。
浜上「南1局2本場の七対子ツモの1,600オールが観戦して一番すごいと思ったけど?」
 
南1局2本場、供託+1.0
 

100

 
南家、弘中のリーチ宣言牌のドラ発を北家、林がポンテン。
藤井「一番苦しい局面でしたね。林さんにアガられると不利な状況になるので勝負どころだと思って踏み込もうとは思いました。ギリギリまでテンパイする可能性を残せたのが良かったですね。一筒ツモは出来過ぎです。」
浜上「次の局のタンヤオリャンペーコーが決定打になったわけだね。」
南1局3本場
藤井
六万六万七万七万八万八万五索五索六索七索七索六筒六筒  ロン六索  ドラ五万
藤井「ポイント的にはだいぶリードしましたが、林さんの最後の親があるので最後まで集中できたと思います。」
浜上「オーラス見事にアガリ優勝と!」
藤井「はい、最後の最後に上手く手牌とツモが合ってくれて嬉しかったです。」
浜上「当日観戦していた私達もうれしかったよ~それでは目標のひとつであった新人王にはなれたけど今後の目標はなにかある?」
藤井「そうですね、今回の新人王優勝でマスターズ、十段戦、王位戦、グランプリMAXとシードをいただけたので、良い結果が残せるように頑張りたいですね。来年から鳳凰位戦にも出場できるようにしたいです。」
浜上「へ~プロリーグに出場する予定なのね。結構大変だよ~私なんか15年通ってるから慣れたけどね(笑)」
藤井「はい!全てに出場したいと思いまして。」
浜上「そうだよね、九州リーグや他の大会にも全部出場していたよね。ちなみに九州リーグには4年前から出場しているけど、最初はプロテストを受ける感じでもなかったよね。」
藤井「そうですね。」
浜上「受験してみようと思ったきっかけとかあったの?」
藤井「QGP山口の決勝で浜上さん安東さんとの対局がきっかけでしたね。あの時オーラスまで全員にチャンスがあって」
浜上「藤井君も私も安ちゃんも負けたのよね(泣)」
藤井「あの時の対局が何というか、しびれて楽しかったのがきっかけですね。」
浜上「そう言ってもらえると嬉しいね!今後も九州で競技麻雀の普及をしながら藤井君みたいな良い人材を発掘したいね。」
 

100

 
※QGPとは九州本部主催のプロアマ混合のワンデータイトル戦、九州の各地方都市(福岡、大分、山口)で開催している(日本プロ麻雀Aルール)。
藤井「言い忘れましたけど、自分もプロ連盟の先輩方のように多くの方に対戦して面白かったと思われるような選手になりたいですね。その最初として10月29日のロン2ファン感謝祭in福岡に出場して、まずは自分のことを知ってもらいたいです。今ロン2のプロIDを取れるように毎日プレイしています。」
浜上「10月29日までにはユーザーの皆様と対局できるようにしましょう。あとまたタイトルが関門海峡を越えるように、選手全員で頑張らないとね!」
10月29日(土)にはロン2ファン感謝祭in福岡~第23回リアル麻雀大会~。
ゲストプロとして東京本部からは森山会長、小島プロ、滝沢プロ、高宮プロ、手塚プロ、魚谷プロと豪華ゲストで開催されます。
九州本部からも新人王の藤井をはじめ多数出場いたします。ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。
最後となりましたが、藤井崇勝は今後九州本部を背負って立つ選手です。
皆様応援よろしくお願いいたします。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。

第14期プロクイーンベスト8A卓レポート 日吉 辰哉

100

 

茅森早香(最高位戦日本プロ麻雀協会)
和久津昌
大里奈美
二階堂瑠美

童瞳の頭上に輝いた第13期プロクイーンの栄冠。
『天才』『アマゾネス』『東北の新星』『天衣無縫』を向こうに回し、その頂点に輝いた。

運命の導きか、神様の悪戯か。
第14期プロクイーンベスト8A卓では昨年の決定戦で涙した者達の対局。
リベンジの舞台に立てるのは2名。

 

1回戦(起家から大里・茅森・和久津・瑠美)

去年の決勝メンバー。緊張とは程遠い雰囲気。
東1局、先制攻撃は和久津。16巡目のテンパイを茅森から8,000。

二万三万四万五万六万三索三索五索六索七索二筒三筒四筒  ロン四万  ドラ三索

巡目も深く七対子1シャンテン。茅森らしくない放銃に感じた。
東2局の茅森の親を速攻で流した瑠美。さらに東3局では2,000・4,000。

三万四万五万六万七万八万五索六索七索一筒二筒中中  ツモ三筒  ドラ中

瑠美の攻撃は止まらない。東4局、迎えた親番で5,800の加点。瑠美の仕掛けと和久津のリーチに挟まれた大里は痛恨の放銃。3局連続のアガリとなった瑠美は持ち点が45,000点を超え、好調さが伺える。
次局1本場でも4者1シャンテンのなか最初のテンパイは瑠美。

七万八万八万九万九万八索九索七筒七筒七筒西西西  ツモ七索  ドラ六万

捨牌、ドラ表示牌を含めて、五万が3枚、七万八万九万が1枚ずつ捨てられている。
瑠美はノータイムで打七万としツモリ三暗刻でリーチ。

同巡、北家の和久津が以下の大物手テンパイ。

三万三万六万六万六万二索三索五索六索六索七索七索四筒  ツモ五索  打四筒

瑠美の河には四索が放たれておりここはヤミテンを選択。
そんな瑠美の一発ツモはドラの六万。選択が裏目に出る。
決着は13巡目。軍配は和久津。四索を手元に引き寄せ瑠美を逆転。

ここまで元気がないのが大里と茅森。特に『天才』と謳われる茅森。このまま黙っているはずがない。

南1局、親の大里は連荘をテーマとし、速攻を試みるも茅森が仕掛けて1,000。茅森の手牌はメンゼンであれば満貫クラスまで見えたがここは素早く対応。

南2局、親は茅森。11巡目に親番の無くなった大里がドラ単騎のリーチ。

五万六万七万一索二索三索九索一筒二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九索

中を仕掛けていた茅森がリーチ宣言牌の発を仕掛けて追いつく。

六索六索八索九索五筒六筒七筒  ポン発発発  ポン中中中

数巡後、大里の河に七索が放たれる。前局に続き今局も大里の前に茅森が立ちはだかる。
2局連続のアガリで持ち点を回復した茅森であるが、和久津、瑠美の背中はまだ遠い。
しかし和久津、瑠美も迫ってくる茅森に対し焦りがあったかもしれない。

次局、和久津は早々に仕掛けて7巡目にテンパイ。当然茅森は黙っていない。8巡目に以下の牌姿から発進。

一索三索五索五索六索六索六索六索八索六筒七筒発発  ドラ発

五索ポン、打六筒。次巡、瑠美が七対子テンパイ。しかし茅森のツモは驚異的。発一索とツモリテンパイ。
3者のめくり合い。アガリをその手に掴み茅森の親を流したい。その気持ちが牌を河に放たせる。
大里同様、瑠美の河に放たれたのは七索。瑠美の表情は一切変わらないものの、現実はこの18,000で茅森は一気にトップ目に躍り出る。
しかし『アマゾネス』『天衣無縫』も日本プロ麻雀連盟のど真ん中を歩いてきた実力者。行く道は譲れない。

次局、瑠美が和久津から8,000。この回復力。絵に描いたような乱打戦はまだ終わらない。
和久津とトップ目茅森の差はおおよそ10,000点。迎えた南3局、親和久津。淀みなく仕上げたこの手牌。

三万四万六万七万二索二索三索六索七索八索四筒五筒六筒  ツモ五万  打三索 左向き  ドラ七索

リーチでツモリ、裏ドラ1枚の6,000オール。何度目の逆転劇か。和久津のトップで終了。と、ならないのが筋書きのないドラマ。
この1回戦、主役はやはり『天才』。

次局7巡目、茅森は七対子1シャンテン。

八万八万八索八索二筒二筒五筒五筒七筒九筒白中中  ドラ八索

1枚目の中には見向きもせず。次巡ドラの八索を暗刻にすると、ここから発進。五筒二筒と仕掛けテンパイ。

八万八万八索八索八索中中  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き

この仕掛けに対し瑠美が安手、愚形のリーチ。勝ちへの執念を見せる。
次巡、メンホン1シャンテンとなった親の和久津。2着目につける茅森との差はおおよそ15,000点。打牌候補も危険牌。
前局、ここまでの乱打戦に終止符を打つような6,000オール。ここでの撤退は常識的な判断。茅森の仕掛け、瑠美のリーチに対し、その道を譲る。
『アマゾネス』が背中を見せた瞬間だった。その直後、茅森が手元で中を躍らせた。

オーラス、何度目かの逆転劇を狙う和久津のダブルリーチ。
しかし、茅森が『アマゾネス』のお株を奪う真っ向勝負でアガリをもぎ取った。

 

100

 

1回戦終了時
茅森+39.4P 和久津+21.3P 瑠美▲16.3P 大里▲44.4P

 

2回戦(起家から大里・茅森・瑠美・和久津)

第13期プロクイーン決定戦。恋い焦がれた華やかな舞台。
優勝を決める放銃。苦い経験。辛い過去。その全てを胸に今期もベスト8まで進出してきた。
4者がリベンジを誓う中、彼女の想いは3者とは違ったものだったかもしれない。

大里奈美。
名実ともに3者とは大きな差があることは彼女自身が一番感じていることだろう。
それでも大里はベスト8A卓の全5回戦で2度のトップを手にする。

1回戦でその実力を存分に発揮した茅森が2回戦もゲームを引っ張る。
挽回を目論む大里の前に何度も立ちふさがる。手負いの者に強者はチャンスを与えない。2回の親番はどちらも一局で流された。

南3局1本場、ここまでの持ち点は

大里27,600 茅森37,200 瑠美26,700 和久津27,500 供託1,000

大物手を何度も潰されながらも、耐えに耐えてきた大里。4巡目に以下のテンパイ。

一万三万六万七万一索二索三索五索六索七索九索九索五筒  ツモ八万  打五筒 左向き  ドラ五索

大里はノータイムでリーチを選択。お世辞にも満足感のあるテンパイとは言えない。ピンフが崩れ、三色の渡りも遠くなるツモ八万
だからこそ即リーチは当然の選択かもしれない。

しかし、その画面越しからは大里の勝ちへの執念を感じずにはいられなかった。
7巡目に二万を引き当てた大里。裏ドラ1枚の大きな2,100・4,100。
リーチ、ツモ、ドラ、ウラ。不格好な手牌かもしれない。視聴者には華やかな手役を見せたいだろう。
それでも決定戦の席は譲れない。

 

100

 

2回戦成績
大里+25.5P 茅森+10.1P 和久津▲9.6P 瑠美▲26.0P

2回戦終了時
茅森+49.5P 和久津+11.7P 大里▲18.9P 瑠美▲42.3P

 

3回戦(起家から大里・瑠美・茅森・和久津)

『天衣無縫』
瑠美のキャッチコピーとなっているこの言葉。これを地で行く麻雀スタイルと人物像。華やかな手役と、豊かな表情で視聴者からの支持も高い。

そんな彼女は第11期のプロクイーンに輝く。12、13期は決定戦に進出したもののどちらも5位という成績で幕を閉じた。

決勝戦の椅子を譲れないのは彼女も同様。しかし、ここまで3着、4着と厳しい展開。この3回戦で連帯に絡めないようだと黄色信号点滅となる。

点棒移動も穏やかに、迎えた東4局1本場。4巡目に瑠美が七対子テンパイ。待ちごろの牌を待ってヤミテンに構える。
8巡目、親の和久津がリーチ。

八万八万二索三索三索四索一筒二筒三筒七筒七筒九筒九筒  ツモ八筒  打三索 左向き  ドラ四索

不運にも前巡、瑠美は八筒単騎に待ちを変えていた。一発目のツモは無筋の九筒。瑠美の手が止まる。

ポイントをリードされ追いかける立場。放銃は致命傷になりかねないが、和久津に引き離されるのも本意ではない。
アガリ逃がしの恐怖。ここまで瑠美の対局を多く目にしてきた私はどちらかを切ってテンパイは維持するであろうと思っていた。
八筒九筒か…

瑠美が導き出した答えは勇気ある撤退。
結果は2巡後に和久津のツモアガリ、4,000オール。
追う立場の瑠美にとっては大きなビハインド。しかし、ここで勝負を急がなかった瑠美に神様が微笑む。

次局、瑠美は高め三色の先制リーチを安目ながらツモアガリ500・1,000。
そして迎えた南1局。大物手が炸裂する。

5巡目、親の大里が三色確定のテンパイ。

六万七万八万二索六索七索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  ドラ七万

好形変化を期待してヤミテンに構える。出アガリでも7,700、ヤミテンでも十分な打点。
次巡、場に安い一万単騎に待ち変え。

そして9巡目、配牌からホンイツ狙いの瑠美が追いつく。

五索七索八索八索九索九索白白発発中東東  ツモ七索  打五索

しかし、このままでは終わらない。次巡、更に強烈な手牌変化。

七索七索八索八索九索九索白白発発中東東  ツモ発  打中

高目出アガリ倍満の手牌をノータイムでリーチ。そして、ここまでヤミテンを貫いてきた大里がツモ切りで追っかけリーチ。
和久津、茅森はオリを選択。勝負は2人のめくり合いとなる。決着は16巡目。

大里の河には力なく白が置かれた。

 

100

 

二階堂瑠美。
決勝戦に向け茅森、和久津に一気に詰め寄る。

 

3回戦成績
瑠美+30.4P 和久津+17.0P 茅森▲14.6P 大里▲32.8P

3回戦終了時
茅森+34.9P 和久津+28.7P 瑠美▲11.9P 大里▲51.7P

 

4回戦(起家から和久津・茅森・大里・瑠美)

3回戦でトップを取り追い上げムードの瑠美。
東2局、大里のリーチに真っ向勝負で追っかけリーチ。

西家 瑠美
三万三万五万六万七万七万九万三索七索八索九索七筒八筒  ツモ八万  打三索 左向き  ドラ一万

ラス牌の八万を引いてテンパイ。そしてラス牌の九筒をつもアガリ2,000・4,000。

瑠美の猛追。茅森、和久津も黙ってはいられないだろう。
南2局、親番の落ちた和久津が以下の配牌。

六万四索三筒八筒九筒東西北北白白発発  ドラ一索

1巡目から発を果敢に仕掛ける。西白と引き込み1シャンテン。
7巡目に親の茅森がリーチ。

一万二万三万三万四万五万二筒三筒四筒四筒五筒八筒八筒  リーチ  ドラ一索

このリーチに対して受けた瑠美が北のトイツ落とし。これを和久津が仕掛けてテンパイ。

八筒九筒西西白白白  ポン発発発  ポン北北北

両者のめくり合い。そんな中、大里が手詰まり。ワンチャンスを選択し、和久津に対し痛恨の放銃。
この放銃で大里が大きく後退。それでも親番が残っている大里。どこまで踏ん張れるか。

3者の激しい睨み合い。親番大里への放銃は即脱落という状況も味方したか。大里は苦しい手牌が続くも粘り続ける。
南3局3本場、瑠美が仕掛けてテンパイの中、大里が追いつく。

三万三万六万七万八万五索六索五筒六筒七筒  暗カン牌の背三筒 上向き三筒 上向き牌の背  リーチ  ドラ六索五筒

やっと手にした大物手。これを見事に引き当てた。大里が粘りを見せ、この4回戦で再びトップで終了。
4者がトータル順位と逆の着順で終了し争いは更に混沌としていく。

 

4回戦成績
大里+30.3P 瑠美+8.6P 和久津▲13.3P 茅森▲25.6P

4回戦終了時
和久津+15.4P 茅森+9.3P 瑠美▲3.3P 大里▲21.4P

 

5回戦(起家から茅森・大里・和久津・瑠美)

大混戦で迎えた5回戦。昨年のリベンジを果たすために負けられない一戦となる。

まずは瑠美が先制、東2局5巡目。

一万一万六索七索八索四筒五筒六筒七筒八筒中中中  リーチ  ドラ二万

このリーチに対し茅森が真っすぐ押し返す。これが瑠美への一発放銃。裏ドラ1枚の8,000。
『天才』いよいよ追い込まれる。瑠美にとっては当面のライバル茅森からの大きなアガリ。

しかし、瑠美に大きな落とし穴。更に加点を目論む瑠美。親番、和久津の仕掛けに飛び込んでしまう。

二万三万四索五索六索一筒二筒三筒中中  明カン東東東東  ロン四万  ドラ三万七筒

瑠美は対局後、この放銃を敗着と語った。これ以降、瑠美が戦線に戻ってくることはなかった。
和久津は更に次局、通過を決定的にする6,000オールのツモアガリ。

 

100

 

これで茅森、大里の一騎打。まずは大里。東3局2本場。

七万七万一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒南南  リーチ

これを瑠美から出アガる。裏ドラ1枚の8,000。追い込まれていく茅森。
迎えた南1局の親番。この時点でトータル順位は大里に逆転されている。

大里が果敢に仕掛け茅森の親を流しに行く。しかし茅森は苦しいところから押し返し、安手ながらアガリをもぎ取り連荘。
そして南1局1本場5巡目。

一万二万二万二万二索四索四索四索六索七索五筒五筒五筒  ドラ南

この手牌に五筒をツモリ、暗カン。リンシャンから一万を引き込む。この局のテーマをしっかりと見据えノータイムでリーチ。これが山に8枚残り。
2巡後に引き当てる。決勝進出を決める大きな4,100オール。
その後、大里は最後まで喰らいつくも茅森の壁を破ることは出来なかった。

 

5回戦成績
和久津+39.5 大里+13.6P 茅森▲11.2P 瑠美▲41.9P

5回戦終了時
和久津+54.9P 茅森▲1.9P 瑠美▲45.2P 大里▲7.8P

 

決定戦進出
和久津昌 茅森早香

4者がそれぞれの想いを抱き臨んだこの一戦。
大里、瑠美は敗れたものの、その存在感を十分に見せつけた。
和久津、茅森がリベンジの舞台への進出を決めた。

プロクイーン決定戦 レポート/第14期プロクイーンベスト8A卓レポート 日吉 辰哉

100
 
茅森早香(最高位戦日本プロ麻雀協会)
和久津昌
大里奈美
二階堂瑠美
童瞳の頭上に輝いた第13期プロクイーンの栄冠。
『天才』『アマゾネス』『東北の新星』『天衣無縫』を向こうに回し、その頂点に輝いた。
運命の導きか、神様の悪戯か。
第14期プロクイーンベスト8A卓では昨年の決定戦で涙した者達の対局。
リベンジの舞台に立てるのは2名。
 
1回戦(起家から大里・茅森・和久津・瑠美)
去年の決勝メンバー。緊張とは程遠い雰囲気。
東1局、先制攻撃は和久津。16巡目のテンパイを茅森から8,000。
二万三万四万五万六万三索三索五索六索七索二筒三筒四筒  ロン四万  ドラ三索
巡目も深く七対子1シャンテン。茅森らしくない放銃に感じた。
東2局の茅森の親を速攻で流した瑠美。さらに東3局では2,000・4,000。
三万四万五万六万七万八万五索六索七索一筒二筒中中  ツモ三筒  ドラ中
瑠美の攻撃は止まらない。東4局、迎えた親番で5,800の加点。瑠美の仕掛けと和久津のリーチに挟まれた大里は痛恨の放銃。3局連続のアガリとなった瑠美は持ち点が45,000点を超え、好調さが伺える。
次局1本場でも4者1シャンテンのなか最初のテンパイは瑠美。
七万八万八万九万九万八索九索七筒七筒七筒西西西  ツモ七索  ドラ六万
捨牌、ドラ表示牌を含めて、五万が3枚、七万八万九万が1枚ずつ捨てられている。
瑠美はノータイムで打七万としツモリ三暗刻でリーチ。
同巡、北家の和久津が以下の大物手テンパイ。
三万三万六万六万六万二索三索五索六索六索七索七索四筒  ツモ五索  打四筒
瑠美の河には四索が放たれておりここはヤミテンを選択。
そんな瑠美の一発ツモはドラの六万。選択が裏目に出る。
決着は13巡目。軍配は和久津。四索を手元に引き寄せ瑠美を逆転。
ここまで元気がないのが大里と茅森。特に『天才』と謳われる茅森。このまま黙っているはずがない。
南1局、親の大里は連荘をテーマとし、速攻を試みるも茅森が仕掛けて1,000。茅森の手牌はメンゼンであれば満貫クラスまで見えたがここは素早く対応。
南2局、親は茅森。11巡目に親番の無くなった大里がドラ単騎のリーチ。
五万六万七万一索二索三索九索一筒二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九索
中を仕掛けていた茅森がリーチ宣言牌の発を仕掛けて追いつく。
六索六索八索九索五筒六筒七筒  ポン発発発  ポン中中中
数巡後、大里の河に七索が放たれる。前局に続き今局も大里の前に茅森が立ちはだかる。
2局連続のアガリで持ち点を回復した茅森であるが、和久津、瑠美の背中はまだ遠い。
しかし和久津、瑠美も迫ってくる茅森に対し焦りがあったかもしれない。
次局、和久津は早々に仕掛けて7巡目にテンパイ。当然茅森は黙っていない。8巡目に以下の牌姿から発進。
一索三索五索五索六索六索六索六索八索六筒七筒発発  ドラ発
五索ポン、打六筒。次巡、瑠美が七対子テンパイ。しかし茅森のツモは驚異的。発一索とツモリテンパイ。
3者のめくり合い。アガリをその手に掴み茅森の親を流したい。その気持ちが牌を河に放たせる。
大里同様、瑠美の河に放たれたのは七索。瑠美の表情は一切変わらないものの、現実はこの18,000で茅森は一気にトップ目に躍り出る。
しかし『アマゾネス』『天衣無縫』も日本プロ麻雀連盟のど真ん中を歩いてきた実力者。行く道は譲れない。
次局、瑠美が和久津から8,000。この回復力。絵に描いたような乱打戦はまだ終わらない。
和久津とトップ目茅森の差はおおよそ10,000点。迎えた南3局、親和久津。淀みなく仕上げたこの手牌。
三万四万六万七万二索二索三索六索七索八索四筒五筒六筒  ツモ五万  打三索 左向き  ドラ七索
リーチでツモリ、裏ドラ1枚の6,000オール。何度目の逆転劇か。和久津のトップで終了。と、ならないのが筋書きのないドラマ。
この1回戦、主役はやはり『天才』。
次局7巡目、茅森は七対子1シャンテン。
八万八万八索八索二筒二筒五筒五筒七筒九筒白中中  ドラ八索
1枚目の中には見向きもせず。次巡ドラの八索を暗刻にすると、ここから発進。五筒二筒と仕掛けテンパイ。
八万八万八索八索八索中中  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き
この仕掛けに対し瑠美が安手、愚形のリーチ。勝ちへの執念を見せる。
次巡、メンホン1シャンテンとなった親の和久津。2着目につける茅森との差はおおよそ15,000点。打牌候補も危険牌。
前局、ここまでの乱打戦に終止符を打つような6,000オール。ここでの撤退は常識的な判断。茅森の仕掛け、瑠美のリーチに対し、その道を譲る。
『アマゾネス』が背中を見せた瞬間だった。その直後、茅森が手元で中を躍らせた。
オーラス、何度目かの逆転劇を狙う和久津のダブルリーチ。
しかし、茅森が『アマゾネス』のお株を奪う真っ向勝負でアガリをもぎ取った。
 
100
 
1回戦終了時
茅森+39.4P 和久津+21.3P 瑠美▲16.3P 大里▲44.4P
 
2回戦(起家から大里・茅森・瑠美・和久津)
第13期プロクイーン決定戦。恋い焦がれた華やかな舞台。
優勝を決める放銃。苦い経験。辛い過去。その全てを胸に今期もベスト8まで進出してきた。
4者がリベンジを誓う中、彼女の想いは3者とは違ったものだったかもしれない。
大里奈美。
名実ともに3者とは大きな差があることは彼女自身が一番感じていることだろう。
それでも大里はベスト8A卓の全5回戦で2度のトップを手にする。
1回戦でその実力を存分に発揮した茅森が2回戦もゲームを引っ張る。
挽回を目論む大里の前に何度も立ちふさがる。手負いの者に強者はチャンスを与えない。2回の親番はどちらも一局で流された。
南3局1本場、ここまでの持ち点は
大里27,600 茅森37,200 瑠美26,700 和久津27,500 供託1,000
大物手を何度も潰されながらも、耐えに耐えてきた大里。4巡目に以下のテンパイ。
一万三万六万七万一索二索三索五索六索七索九索九索五筒  ツモ八万  打五筒 左向き  ドラ五索
大里はノータイムでリーチを選択。お世辞にも満足感のあるテンパイとは言えない。ピンフが崩れ、三色の渡りも遠くなるツモ八万
だからこそ即リーチは当然の選択かもしれない。
しかし、その画面越しからは大里の勝ちへの執念を感じずにはいられなかった。
7巡目に二万を引き当てた大里。裏ドラ1枚の大きな2,100・4,100。
リーチ、ツモ、ドラ、ウラ。不格好な手牌かもしれない。視聴者には華やかな手役を見せたいだろう。
それでも決定戦の席は譲れない。
 
100
 
2回戦成績
大里+25.5P 茅森+10.1P 和久津▲9.6P 瑠美▲26.0P
2回戦終了時
茅森+49.5P 和久津+11.7P 大里▲18.9P 瑠美▲42.3P
 
3回戦(起家から大里・瑠美・茅森・和久津)
『天衣無縫』
瑠美のキャッチコピーとなっているこの言葉。これを地で行く麻雀スタイルと人物像。華やかな手役と、豊かな表情で視聴者からの支持も高い。
そんな彼女は第11期のプロクイーンに輝く。12、13期は決定戦に進出したもののどちらも5位という成績で幕を閉じた。
決勝戦の椅子を譲れないのは彼女も同様。しかし、ここまで3着、4着と厳しい展開。この3回戦で連帯に絡めないようだと黄色信号点滅となる。
点棒移動も穏やかに、迎えた東4局1本場。4巡目に瑠美が七対子テンパイ。待ちごろの牌を待ってヤミテンに構える。
8巡目、親の和久津がリーチ。
八万八万二索三索三索四索一筒二筒三筒七筒七筒九筒九筒  ツモ八筒  打三索 左向き  ドラ四索
不運にも前巡、瑠美は八筒単騎に待ちを変えていた。一発目のツモは無筋の九筒。瑠美の手が止まる。
ポイントをリードされ追いかける立場。放銃は致命傷になりかねないが、和久津に引き離されるのも本意ではない。
アガリ逃がしの恐怖。ここまで瑠美の対局を多く目にしてきた私はどちらかを切ってテンパイは維持するであろうと思っていた。
八筒九筒か…
瑠美が導き出した答えは勇気ある撤退。
結果は2巡後に和久津のツモアガリ、4,000オール。
追う立場の瑠美にとっては大きなビハインド。しかし、ここで勝負を急がなかった瑠美に神様が微笑む。
次局、瑠美は高め三色の先制リーチを安目ながらツモアガリ500・1,000。
そして迎えた南1局。大物手が炸裂する。
5巡目、親の大里が三色確定のテンパイ。
六万七万八万二索六索七索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  ドラ七万
好形変化を期待してヤミテンに構える。出アガリでも7,700、ヤミテンでも十分な打点。
次巡、場に安い一万単騎に待ち変え。
そして9巡目、配牌からホンイツ狙いの瑠美が追いつく。
五索七索八索八索九索九索白白発発中東東  ツモ七索  打五索
しかし、このままでは終わらない。次巡、更に強烈な手牌変化。
七索七索八索八索九索九索白白発発中東東  ツモ発  打中
高目出アガリ倍満の手牌をノータイムでリーチ。そして、ここまでヤミテンを貫いてきた大里がツモ切りで追っかけリーチ。
和久津、茅森はオリを選択。勝負は2人のめくり合いとなる。決着は16巡目。
大里の河には力なく白が置かれた。
 
100
 
二階堂瑠美。
決勝戦に向け茅森、和久津に一気に詰め寄る。
 
3回戦成績
瑠美+30.4P 和久津+17.0P 茅森▲14.6P 大里▲32.8P
3回戦終了時
茅森+34.9P 和久津+28.7P 瑠美▲11.9P 大里▲51.7P
 
4回戦(起家から和久津・茅森・大里・瑠美)
3回戦でトップを取り追い上げムードの瑠美。
東2局、大里のリーチに真っ向勝負で追っかけリーチ。
西家 瑠美
三万三万五万六万七万七万九万三索七索八索九索七筒八筒  ツモ八万  打三索 左向き  ドラ一万
ラス牌の八万を引いてテンパイ。そしてラス牌の九筒をつもアガリ2,000・4,000。
瑠美の猛追。茅森、和久津も黙ってはいられないだろう。
南2局、親番の落ちた和久津が以下の配牌。
六万四索三筒八筒九筒東西北北白白発発  ドラ一索
1巡目から発を果敢に仕掛ける。西白と引き込み1シャンテン。
7巡目に親の茅森がリーチ。
一万二万三万三万四万五万二筒三筒四筒四筒五筒八筒八筒  リーチ  ドラ一索
このリーチに対して受けた瑠美が北のトイツ落とし。これを和久津が仕掛けてテンパイ。
八筒九筒西西白白白  ポン発発発  ポン北北北
両者のめくり合い。そんな中、大里が手詰まり。ワンチャンスを選択し、和久津に対し痛恨の放銃。
この放銃で大里が大きく後退。それでも親番が残っている大里。どこまで踏ん張れるか。
3者の激しい睨み合い。親番大里への放銃は即脱落という状況も味方したか。大里は苦しい手牌が続くも粘り続ける。
南3局3本場、瑠美が仕掛けてテンパイの中、大里が追いつく。
三万三万六万七万八万五索六索五筒六筒七筒  暗カン牌の背三筒 上向き三筒 上向き牌の背  リーチ  ドラ六索五筒
やっと手にした大物手。これを見事に引き当てた。大里が粘りを見せ、この4回戦で再びトップで終了。
4者がトータル順位と逆の着順で終了し争いは更に混沌としていく。
 
4回戦成績
大里+30.3P 瑠美+8.6P 和久津▲13.3P 茅森▲25.6P
4回戦終了時
和久津+15.4P 茅森+9.3P 瑠美▲3.3P 大里▲21.4P
 
5回戦(起家から茅森・大里・和久津・瑠美)
大混戦で迎えた5回戦。昨年のリベンジを果たすために負けられない一戦となる。
まずは瑠美が先制、東2局5巡目。
一万一万六索七索八索四筒五筒六筒七筒八筒中中中  リーチ  ドラ二万
このリーチに対し茅森が真っすぐ押し返す。これが瑠美への一発放銃。裏ドラ1枚の8,000。
『天才』いよいよ追い込まれる。瑠美にとっては当面のライバル茅森からの大きなアガリ。
しかし、瑠美に大きな落とし穴。更に加点を目論む瑠美。親番、和久津の仕掛けに飛び込んでしまう。
二万三万四索五索六索一筒二筒三筒中中  明カン東東東東  ロン四万  ドラ三万七筒
瑠美は対局後、この放銃を敗着と語った。これ以降、瑠美が戦線に戻ってくることはなかった。
和久津は更に次局、通過を決定的にする6,000オールのツモアガリ。
 
100
 
これで茅森、大里の一騎打。まずは大里。東3局2本場。
七万七万一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒南南  リーチ
これを瑠美から出アガる。裏ドラ1枚の8,000。追い込まれていく茅森。
迎えた南1局の親番。この時点でトータル順位は大里に逆転されている。
大里が果敢に仕掛け茅森の親を流しに行く。しかし茅森は苦しいところから押し返し、安手ながらアガリをもぎ取り連荘。
そして南1局1本場5巡目。
一万二万二万二万二索四索四索四索六索七索五筒五筒五筒  ドラ南
この手牌に五筒をツモリ、暗カン。リンシャンから一万を引き込む。この局のテーマをしっかりと見据えノータイムでリーチ。これが山に8枚残り。
2巡後に引き当てる。決勝進出を決める大きな4,100オール。
その後、大里は最後まで喰らいつくも茅森の壁を破ることは出来なかった。
 
5回戦成績
和久津+39.5 大里+13.6P 茅森▲11.2P 瑠美▲41.9P
5回戦終了時
和久津+54.9P 茅森▲1.9P 瑠美▲45.2P 大里▲7.8P
 
決定戦進出
和久津昌 茅森早香
4者がそれぞれの想いを抱き臨んだこの一戦。
大里、瑠美は敗れたものの、その存在感を十分に見せつけた。
和久津、茅森がリベンジの舞台への進出を決めた。

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

【プロリーグ後期第2節終了】

●B2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 魚谷 侑未 23.4 39.1 62.5
2 金子 貴行 25.5 30.4 55.9
3 中村 慎吾 ▲ 20.6 72.7 52.1
4 東谷 達矢 87.1 ▲ 54.9 32.2
5 森下 剛任 ▲ 35.0 62.9 27.9
6 武田 裕希 ▲ 4.1 26.5 22.4
7 齋藤 桂史 39.4 ▲ 23.5 15.9
8 永井 卓也 ▲ 16.5 20.6 4.1
9 鈴木 秀幸 ▲ 20.0 16.2 ▲ 3.8
10 奈良 圭純 ▲ 4.3 ▲ 3.0 ▲ 7.3
11 刀川 昌浩 ▲ 28.9 ▲ 1.8 ▲ 30.7
12 小川 尚哉 44.2 ▲ 80.5 ▲ 36.3
13 越野 智紀 14.8 ▲ 52.3 ▲ 37.5
14 西島 一彦 ▲ 6.2 ▲ 36.6 ▲ 42.8
15 齋藤 豪 ▲ 54.9 0.1 ▲ 54.8
16 黒木 真生 ▲ 45.9 ▲ 18.9 ▲ 64.8

昇級者 4名 (青字で表示)     降級者 6名 (赤字で表示)
※降級者は都合により(休場者や退会者が出たりなど)残留となる場合があります
昇降級ライン:順位枠内に表示

 

魚谷がきた。先日の女流桜花でも、後がないところから一気にトータル2位まで浮上した魚谷が、B2リーグでは首位に浮上した。
麻雀プロ団体日本一決定戦でも、選手の候補者として名前が挙がっていたほど評価は高い。
2位にはA1経験者である金子、3位にはV7達成の中村、4位には先日惜しくも最強戦ファイナルを逃した東谷、ワレポン優勝者森下など、実力者が上位に位置している。

 

 

100

B1首位を走る魚谷侑未(右)

 

 

●B1リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 藤島 健二郎 51.3 13.1 64.4
2 鮎川 卓 ▲ 7.9 57.8 49.9
3 四柳 弘樹 41.4 ▲ 4.4 37.0
4 黒沢 咲 63.8 ▲ 27.5 36.3
5 浜上 文吾 49.7 ▲ 17.6 32.1
6 安村 浩司 ▲ 25.0 55.9 30.9
7 滝沢 和典 51.1 ▲ 35.8 15.3
8 一井 慎也 ▲ 97.3 100.6 3.3
9 二階堂 亜樹 55.3 ▲ 62.9 ▲ 7.6
10 山井 弘 ▲ 10.4 ▲ 0.6 ▲ 11.0
11 藤本 哲也 ▲ 23.7 11.4 ▲ 12.3
12 河井 保国 ▲ 25.1 2.3 ▲ 22.8
13 寺尾 威一郎 ▲ 81.5 44.6 ▲ 36.9
14 安 秉参 19.6 ▲ 77.9 ▲ 58.3
15 佐々木 寿人 14.8 ▲ 84.8 ▲ 70.0
16 上村 慎太郎 ▲ 78.1 ▲ 4.2 ▲ 82.3

昇級者 2名 (青字で表示)     降級者 6名 (赤字で表示)
※降級者は都合により(休場者や退会者が出たりなど)残留となる場合があります
昇降級ライン:順位枠内に表示

 

上位陣が崩れ、ポイントをキープした藤島健二郎が首位。
同卓の一井が国士無双を含む大爆発で、100ポイント超えの成績を叩きだした中でのプラスポイントである。
B1select(配信卓)では鮎川卓が57ポイントを稼ぎ2位に浮上。
佐々木寿人は手痛い-84ポイントで15位に転落してしまった。

 

100

 

解説の古橋は嬉しそうだった。頑張れひさちゃん!

他リーグの成績はこちらから

A1 A2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

 

【チャンピオンズリーグ改め】

 

JPML WRCリーグ

WRCルール(world reach championship)
第1回はパリで開催され、今後も世界各地で開催予定の世界大会ルールが採用されたため、名称もこのように変更された。
麻雀はローカルルールが多く、日本国内でもルールの統一が成されていないのが、入り口を狭くしている要因でもある。
今後は世界の麻雀業界を引っ張っていく意味でも、このリーグの価値を高めていくことは大切なことではないだろうか。

 

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 合計
1 小笠原奈央 115.2 115.2
2 菊原 真人 29.2 76.2 105.4
3 山田 浩之 99.5 99.5
4 山井 弘 88.9 88.9
5 中村 毅 82.8 82.8
6 西岡 慎泰 82.1 82.1
7 藤本 修二 73.7 73.7
8 新谷 翔平 65.9 65.9
9 志多木 健 13.2 50.2 63.4
10 田中 史孝 53.3 53.3
11 岡田 茂 52.7 52.7
12 藤井 すみれ 52.6 52.6
13 吉田 直 41.7 41.7
14 三浦 大輔 38.6 38.6
15 美波 智子 34.1 4.3 38.4
16 齋藤 豪 37.9 37.9
17 土井 悟 ▲ 57.0 92.0 35.0
18 童瞳 33.3 33.3
19 西島 一彦 11.7 21.6 33.3
20 石立 岳大 32.8 32.8
21 石川 正明 30.2 30.2
22 中 寿文 ▲ 12.7 40.8 28.1
23 井出 一寛 25.1 25.1
24 安村 浩司 16.2 5.8 22.0
25 上田 直樹 21.7 21.7
26 蒼山 秀佑 21.6 21.6
27 藤本 哲也 59.6 ▲ 38.9 20.7
28 東城りお 17.0 17.0
29 鹿島 文太 15.4 15.4
30 福島 和也 14.3 14.3
31 清原 継光 14.2 14.2
32 松本 裕也 14.1 14.1
33 中野 妙子 13.7 13.7
34 羽山 真生 11.6 11.6
35 小車 祥 7.4 7.4
36 相沢 かおる 6.3 6.3
37 阿部 謙一 ▲ 0.7 ▲ 0.7
38 黒木 真生 ▲ 1.6 ▲ 1.6
39 楠原 游 ▲ 3.0 ▲ 3.0
40 一井 慎也 ▲ 3.1 ▲ 3.1
41 太田 優介 ▲ 5.2 ▲ 5.2
42 仲田 加南 ▲ 6.8 ▲ 6.8
43 元木伸明 ▲ 10.8 ▲ 10.8
44 杉浦 勘介 ▲ 2.5 ▲ 14.3 4.6 ▲ 12.2
45 沢崎 誠 ▲ 56.7 44.4 ▲ 12.3
46 末続 ヒロトシ ▲ 13.1 ▲ 13.1
47 ケネス徳田 ▲ 14.0 ▲ 14.0
48 森岡 貞臣 ▲ 14.3 ▲ 14.3
49 伊賀 則夫 ▲ 44.5 26.9 ▲ 17.6
50 鮎川 卓 ▲ 18.4 ▲ 18.4
51 厚谷 昇汰 ▲ 19.3 ▲ 19.3
52 蓮沼 友樹 ▲ 21.5 ▲ 21.5
53 岡田 直之 ▲ 22.2 ▲ 22.2
54 三田 晋也 ▲ 30.0 ▲ 30.0
55 増田 隆一 ▲ 35.6 ▲ 35.6
56 樋口 徹 ▲ 40.6 ▲ 40.6
57 紺野 真太郎 ▲ 41.6 ▲ 41.6
58 森下 剛任 ▲ 42.6 ▲ 42.6
59 福光 聖雄 ▲ 45.4 ▲ 45.4
60 吉野 敦志 ▲ 49.1 ▲ 49.1
61 鳥越 真仁 ▲ 61.8 ▲ 61.8
62 伏見 誠一郎 ▲ 64.8 ▲ 64.8
63 菅原 千瑛 ▲ 70.2 ▲ 70.2
64 真鍋 明広 ▲ 70.9 ▲ 70.9
65 西田 修 ▲ 72.8 ▲ 72.8
66 小松 武蔵 ▲ 77.8 ▲ 77.8
67 青山 めぐみ ▲ 79.7 ▲ 79.7
68 大鹿糠 文也 ▲ 52.3 ▲ 28.8 ▲ 81.1
69 野方 祐介 28.0 ▲ 115.0 ▲ 87.0
70 戸井田 清光 ▲ 95.0 ▲ 95.0
71 古橋 崇志 ▲ 93.1 ▲ 20.8 ▲ 113.9
72 三好 直幸 ▲ 46.7 ▲ 116.2 敗退
100

 

奈良圭純の打ち筋をチェックする小笠原奈央(現在WRCリーグ首位)

 

【十段戦決勝最終日】

 

100

 

8度目の十段戦決勝進出となる藤崎が独走態勢。波乱が待ち受けている可能性があるのか、鮮やかにウイニングランを決められてしまうのか。
残り回数とポイント差を踏まえたとき、かなり優位に立っている藤崎の立ち回りにも注目だ。

 


放送ページはこちら

 

初日観戦記はこちら(執筆:荒正義)

 

【ロン2カップ2016Autumn】

 

10/9(日)
ロン2カップ2016Autumn

今回は三人麻雀での開催だ。
先週の連盟weeklyでもお伝えしたように、MC大庭三四郎の特別昇級リーグがあるため、今回変わりにMCを務めるのは”噛みマジン”こと日吉辰哉。

今回は日吉辰哉が噛んだ回数に応じて、視聴者の皆さんにプレゼントが用意されるとか?
配信をご期待ください!

 

【掃除をサボる男】

 

100
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先輩方がスタジオの掃除をしているというのに、ベンチに座って動かない大庭三四郎。
ついにはWRC初代チャンピオンに見つかってしまったが、笑ってごまかしたらなんとかなった。

 

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プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
【プロリーグ後期第2節終了】
●B2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 魚谷 侑未 23.4 39.1 62.5
2 金子 貴行 25.5 30.4 55.9
3 中村 慎吾 ▲ 20.6 72.7 52.1
4 東谷 達矢 87.1 ▲ 54.9 32.2
5 森下 剛任 ▲ 35.0 62.9 27.9
6 武田 裕希 ▲ 4.1 26.5 22.4
7 齋藤 桂史 39.4 ▲ 23.5 15.9
8 永井 卓也 ▲ 16.5 20.6 4.1
9 鈴木 秀幸 ▲ 20.0 16.2 ▲ 3.8
10 奈良 圭純 ▲ 4.3 ▲ 3.0 ▲ 7.3
11 刀川 昌浩 ▲ 28.9 ▲ 1.8 ▲ 30.7
12 小川 尚哉 44.2 ▲ 80.5 ▲ 36.3
13 越野 智紀 14.8 ▲ 52.3 ▲ 37.5
14 西島 一彦 ▲ 6.2 ▲ 36.6 ▲ 42.8
15 齋藤 豪 ▲ 54.9 0.1 ▲ 54.8
16 黒木 真生 ▲ 45.9 ▲ 18.9 ▲ 64.8

昇級者 4名 (青字で表示)     降級者 6名 (赤字で表示)
※降級者は都合により(休場者や退会者が出たりなど)残留となる場合があります
昇降級ライン:順位枠内に表示
 
魚谷がきた。先日の女流桜花でも、後がないところから一気にトータル2位まで浮上した魚谷が、B2リーグでは首位に浮上した。
麻雀プロ団体日本一決定戦でも、選手の候補者として名前が挙がっていたほど評価は高い。
2位にはA1経験者である金子、3位にはV7達成の中村、4位には先日惜しくも最強戦ファイナルを逃した東谷、ワレポン優勝者森下など、実力者が上位に位置している。
 
 

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B1首位を走る魚谷侑未(右)

 
 
●B1リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 藤島 健二郎 51.3 13.1 64.4
2 鮎川 卓 ▲ 7.9 57.8 49.9
3 四柳 弘樹 41.4 ▲ 4.4 37.0
4 黒沢 咲 63.8 ▲ 27.5 36.3
5 浜上 文吾 49.7 ▲ 17.6 32.1
6 安村 浩司 ▲ 25.0 55.9 30.9
7 滝沢 和典 51.1 ▲ 35.8 15.3
8 一井 慎也 ▲ 97.3 100.6 3.3
9 二階堂 亜樹 55.3 ▲ 62.9 ▲ 7.6
10 山井 弘 ▲ 10.4 ▲ 0.6 ▲ 11.0
11 藤本 哲也 ▲ 23.7 11.4 ▲ 12.3
12 河井 保国 ▲ 25.1 2.3 ▲ 22.8
13 寺尾 威一郎 ▲ 81.5 44.6 ▲ 36.9
14 安 秉参 19.6 ▲ 77.9 ▲ 58.3
15 佐々木 寿人 14.8 ▲ 84.8 ▲ 70.0
16 上村 慎太郎 ▲ 78.1 ▲ 4.2 ▲ 82.3

昇級者 2名 (青字で表示)     降級者 6名 (赤字で表示)
※降級者は都合により(休場者や退会者が出たりなど)残留となる場合があります
昇降級ライン:順位枠内に表示
 
上位陣が崩れ、ポイントをキープした藤島健二郎が首位。
同卓の一井が国士無双を含む大爆発で、100ポイント超えの成績を叩きだした中でのプラスポイントである。
B1select(配信卓)では鮎川卓が57ポイントを稼ぎ2位に浮上。
佐々木寿人は手痛い-84ポイントで15位に転落してしまった。
 

100

 
解説の古橋は嬉しそうだった。頑張れひさちゃん!
他リーグの成績はこちらから

A1 A2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

 
【チャンピオンズリーグ改め】
 
JPML WRCリーグ
WRCルール(world reach championship)
第1回はパリで開催され、今後も世界各地で開催予定の世界大会ルールが採用されたため、名称もこのように変更された。
麻雀はローカルルールが多く、日本国内でもルールの統一が成されていないのが、入り口を狭くしている要因でもある。
今後は世界の麻雀業界を引っ張っていく意味でも、このリーグの価値を高めていくことは大切なことではないだろうか。
 

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 合計
1 小笠原奈央 115.2 115.2
2 菊原 真人 29.2 76.2 105.4
3 山田 浩之 99.5 99.5
4 山井 弘 88.9 88.9
5 中村 毅 82.8 82.8
6 西岡 慎泰 82.1 82.1
7 藤本 修二 73.7 73.7
8 新谷 翔平 65.9 65.9
9 志多木 健 13.2 50.2 63.4
10 田中 史孝 53.3 53.3
11 岡田 茂 52.7 52.7
12 藤井 すみれ 52.6 52.6
13 吉田 直 41.7 41.7
14 三浦 大輔 38.6 38.6
15 美波 智子 34.1 4.3 38.4
16 齋藤 豪 37.9 37.9
17 土井 悟 ▲ 57.0 92.0 35.0
18 童瞳 33.3 33.3
19 西島 一彦 11.7 21.6 33.3
20 石立 岳大 32.8 32.8
21 石川 正明 30.2 30.2
22 中 寿文 ▲ 12.7 40.8 28.1
23 井出 一寛 25.1 25.1
24 安村 浩司 16.2 5.8 22.0
25 上田 直樹 21.7 21.7
26 蒼山 秀佑 21.6 21.6
27 藤本 哲也 59.6 ▲ 38.9 20.7
28 東城りお 17.0 17.0
29 鹿島 文太 15.4 15.4
30 福島 和也 14.3 14.3
31 清原 継光 14.2 14.2
32 松本 裕也 14.1 14.1
33 中野 妙子 13.7 13.7
34 羽山 真生 11.6 11.6
35 小車 祥 7.4 7.4
36 相沢 かおる 6.3 6.3
37 阿部 謙一 ▲ 0.7 ▲ 0.7
38 黒木 真生 ▲ 1.6 ▲ 1.6
39 楠原 游 ▲ 3.0 ▲ 3.0
40 一井 慎也 ▲ 3.1 ▲ 3.1
41 太田 優介 ▲ 5.2 ▲ 5.2
42 仲田 加南 ▲ 6.8 ▲ 6.8
43 元木伸明 ▲ 10.8 ▲ 10.8
44 杉浦 勘介 ▲ 2.5 ▲ 14.3 4.6 ▲ 12.2
45 沢崎 誠 ▲ 56.7 44.4 ▲ 12.3
46 末続 ヒロトシ ▲ 13.1 ▲ 13.1
47 ケネス徳田 ▲ 14.0 ▲ 14.0
48 森岡 貞臣 ▲ 14.3 ▲ 14.3
49 伊賀 則夫 ▲ 44.5 26.9 ▲ 17.6
50 鮎川 卓 ▲ 18.4 ▲ 18.4
51 厚谷 昇汰 ▲ 19.3 ▲ 19.3
52 蓮沼 友樹 ▲ 21.5 ▲ 21.5
53 岡田 直之 ▲ 22.2 ▲ 22.2
54 三田 晋也 ▲ 30.0 ▲ 30.0
55 増田 隆一 ▲ 35.6 ▲ 35.6
56 樋口 徹 ▲ 40.6 ▲ 40.6
57 紺野 真太郎 ▲ 41.6 ▲ 41.6
58 森下 剛任 ▲ 42.6 ▲ 42.6
59 福光 聖雄 ▲ 45.4 ▲ 45.4
60 吉野 敦志 ▲ 49.1 ▲ 49.1
61 鳥越 真仁 ▲ 61.8 ▲ 61.8
62 伏見 誠一郎 ▲ 64.8 ▲ 64.8
63 菅原 千瑛 ▲ 70.2 ▲ 70.2
64 真鍋 明広 ▲ 70.9 ▲ 70.9
65 西田 修 ▲ 72.8 ▲ 72.8
66 小松 武蔵 ▲ 77.8 ▲ 77.8
67 青山 めぐみ ▲ 79.7 ▲ 79.7
68 大鹿糠 文也 ▲ 52.3 ▲ 28.8 ▲ 81.1
69 野方 祐介 28.0 ▲ 115.0 ▲ 87.0
70 戸井田 清光 ▲ 95.0 ▲ 95.0
71 古橋 崇志 ▲ 93.1 ▲ 20.8 ▲ 113.9
72 三好 直幸 ▲ 46.7 ▲ 116.2 敗退
100

 
奈良圭純の打ち筋をチェックする小笠原奈央(現在WRCリーグ首位)
 
【十段戦決勝最終日】
 

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8度目の十段戦決勝進出となる藤崎が独走態勢。波乱が待ち受けている可能性があるのか、鮮やかにウイニングランを決められてしまうのか。
残り回数とポイント差を踏まえたとき、かなり優位に立っている藤崎の立ち回りにも注目だ。
 


放送ページはこちら
 
初日観戦記はこちら(執筆:荒正義)
 
【ロン2カップ2016Autumn】
 
10/9(日)
ロン2カップ2016Autumn
今回は三人麻雀での開催だ。
先週の連盟weeklyでもお伝えしたように、MC大庭三四郎の特別昇級リーグがあるため、今回変わりにMCを務めるのは”噛みマジン”こと日吉辰哉。
今回は日吉辰哉が噛んだ回数に応じて、視聴者の皆さんにプレゼントが用意されるとか?
配信をご期待ください!
 
【掃除をサボる男】
 

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先輩方がスタジオの掃除をしているというのに、ベンチに座って動かない大庭三四郎。
ついにはWRC初代チャンピオンに見つかってしまったが、笑ってごまかしたらなんとかなった。
 

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第28期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグ:土岐雄太

今回レポートを担当します第25期生土岐雄太です。拙い文節ですが、宜しくお願い致します。
オリンピックや甲子園大会の影響で世間が興奮と感動で沸き上がる最も熱い夏、
第28期中部プロリーグ第1節がスタートした。私自身、前期はオールマイナスと非常に悔しい思いと結果を残した大会に終わってしまった為、いつも以上に気合いが入り、対局に臨んだ。

今回の組み合わせは以下の通り。
1卓 古川・三戸・杉村・村瀬
2卓 伊藤・朝岡・大滝・林
3卓 森下・佐藤・土岐・小野

注目すべきは数々の実績を残し、鳳凰位3連覇という偉業を成し遂げた古川。
さらに前期のBリーグ最終節に112ポイントを叩き出し、Aリーグに怒涛の勢いで駆け上がった林。この勢いを止めようとAリーグの実力者達が立ちはだかる熱い戦いとなった。

1卓
1回戦から大物手こそないものの安定したアガリを重ねる杉村が好調をアピール。失点もなく、終盤まで安定した戦いを展開し、卓内トップの+41.2Pといいスタートを切った。隙がない印象の杉村。来期以降も崩すのは容易ではないだろう。1回戦2着だった村瀬自身も今日の戦いの手ごたえを感じていた矢先、2回戦に古川が12,000を出アガリ、場況を変えた。チャンスをものにした古川がこの後も丁寧に局を進め、+9.7Pで終えた。この安定感はさすがである。

2卓
怒涛の快進撃を見せた林の前に優勝経験2度の実力者伊藤が立ちはだかる。
展開をものにし、終わってみれば、3人沈みの+52.1Pと総合トップに立った。
どんな劣勢からでも逆転する爆発力は私が一番脅威に感じている存在だ。
来節以降も皆からの標的になることは間違いないだろう。

3卓
前期決勝戦進出者である森下・第26期優勝の小野が同卓したこの卓では、終盤まで森下が危なげなくアガリを重ね、+32.4Pと安定した展開を見せる。自分自身もリーチ合戦を制することが多く、手ごたえを感じていたが、中盤から佐藤が親番でアガリを重ね、持ち前の爆発力を発揮。
終わってみれば+17.0Pと序盤の展開を覆し、プラスにまとめてきた。

優勝経験者の小野・三戸にとっては手痛いマイナススタートとなったが、まだ始まったばかりの戦い。必ず機を狙って駆け上がってくるだろう。
来節も熱い戦いになるリーグ戦。どんな展開が待ち受けているのか楽しみである。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 伊藤 鉄也 52.1 52.1
2 杉村 泰治 41.2 41.2
3 森下 剛任 32.4 32.4
4 日下 健司 25.5 25.5
5 佐藤 あいり 17.0 17.0
6 古川 孝次 9.7 9.7
7 安藤 大貴 ▲ 2.3 ▲ 2.3
8 寺戸 孝志 ▲ 2.9 ▲ 2.9
9 村瀬 寛光 ▲ 3.7 ▲ 3.7
10 土岐 雄太 ▲ 6.9 ▲ 6.9
11 朝岡 祐 ▲ 7.0 ▲ 7.0
12 大滝 聡 ▲ 16.8 ▲ 16.8
13 林 俊宏 ▲ 28.3 ▲ 28.3
14 小野 雅峻 ▲ 42.5 ▲ 42.5
15 三戸 亮祐 ▲ 47.2 ▲ 47.2
16 杉浦 貴紀 ▲ 70.3 ▲ 70.3

 

Bリーグ:富村つぐみ

今期Bリーグのレポートを担当させていただきます27期生の富村つぐみです。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが、半年間お付き合い頂ければ幸いです。

個人的には中部に移籍して2年目となる今リーグ。初参加となった第26期中部プロリーグでは惜しくも次点で昇級を逃してしまったが、前期、晴れて2位で昇級することができた。
麻雀プロになって7年目を迎えるが、数ある対局の中で私が『プロ』として麻雀を充実して戦えるのが、『タイトル戦の決勝』と『昇級を賭けたリーグ戦の最終節』だ。
普段どの対局においてもあまり緊張することがないのだが、このときだけは今でも手が震えてしまうぐらいの緊張と妙な高揚感に襲われる。
もちろん悔しい結果になることもあるのが勝負の世界。その分結果を出せた時の喜びはとても大きなものになる。その戦いに少しでも参加できるように、今期も半年間邁進していきたいと思う。

さて、今期のBリーグは7名の昇級者を迎えて開幕となった。前期とはかなりメンツも変わり最終節までの戦い方が楽しみだ。私自身も対局をしたことがない方も多いので1節の中で相手を見極めて戦わなければならない。

第1節の対戦相手は、木村、青山、河合。
いきなり中部の本部長である大ベテラン木村との対戦となった。
麻雀の経験値だけで言えば天と地ほどの差があるが、怯まずに戦いに挑みたいと思う。
2人目もベテラン勢に含まれるであろう青山。
中部への移籍にあたって個人的にもかなりお世話になった人物だ。麻雀は面前重視で押しが強いイメージ。爆発力がありそうだ。
3人目は今期共にCリーグからの昇級を手にした河合。昇級者のなかで私が唯一ポイントで負けた人。
つまり前期1位昇級している。麻雀こそ分からないがかなり注意すべき人物ではある。
そんなメンバーでのスタートとなった。

緊張の1回戦目。
南2局、親番の木村が6万点を超え独走状態になると思ったが、オーラス親番の私も必死に喰らいつき4万点を超える2着でなんとか終えることができた。
河合も浮きはしなかったが最低限の失点で抑えることができたと思う。
青山はいきなり箱下スタートとなり苦しい幕開けとなった。

2回戦目。
終始小さい場で進み点数の動きがほとんど無くオーラスを迎えた。
南4局0本場 ドラ中

東家 青山 32,200
南家 富村 27,300
西家 木村 28,300
北家 河合 32,200

木村、富村はなんとか浮きで終わらせたい局面。逆に青山、河合はこのまま終わらせるか1人浮きで終えられたら最高な場面であろう。やはり局面的にドラが安くなる。河合、青山にサクッとドラの中を切られてしまった。
どうにか手を進めようにも何ともならない手牌のなか3トイツ目に、切られても大事に取っておいたドラの中が重なった。こうなると簡単。七対子一直線。序盤から中盤はトイツになりやすそうな1.9字牌を残しつつ終盤は下家の木村に鳴かれないようにケアしながら進めた。
そして最後のツモ番でなんとかテンパイ。
私の1人テンパイで流局となり、木村の1人沈みで終えた。とても大きなプラスポイントになったと思う。

3回戦目は青山のトップで終えた。
1回戦目と違い、2回戦、3回戦はそれぞれがかなり守備重視で打っていたように思う。
巻き返したい青山、逃げたい木村、富村、加点はしたいが失点も避けたい河合。
条件こそまだないものの今後の戦いのために少しでもプラスしておくことが大事になる。
そして共にマイナスだった青山、河合が1着、2着となり加点する形となった。

そして4回戦。
まだノートップだったので最後になんとかトップが欲しい場面。
親番で順調に加点していき私のトップで終わった。
この日は全体的に場もよく見え押し引きの場面でうまく立ち回りができていたと思う。
個人的にはとても良いスタートをきることができた。

4回戦目のポイントがそのままプラスになる形となり全体では4位となった。
他は、牛尾+42.4P、清水+36.0P、加藤+31.6Pで好スタートとなった。
清水とは2期連続で昇級争いをしているので個人的に注目している1人だ。
首位牛尾との対戦経験はないが、前期次点で昇級を逃しているので今期こそはと強く思っているであろう。
まだ1節が終わったばかり。
次節以降どんな戦いになるのか。お楽しみに。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 牛尾 信之 42.4 42.4
2 清水 哲也 36.0 36.0
3 加藤 泰史 31.6 31.6
4 富村 つぐみ 29.4 29.4
5 山本 拓哉 27.3 27.3
6 金平 裕樹 21.5 21.5
7 中谷 彰吾 13.5 13.5
8 河合 慎悟 11.1 11.1
9 越川 清一 8.3 8.3
10 大西 義則 4.0 4.0
11 木村 東平 ▲ 13.0 ▲ 13.0
12 長谷川 弘 ▲ 15.0 ▲ 15.0
13 青山 大 ▲ 27.5 ▲ 27.5
14 岡田 智和 ▲ 37.8 ▲ 37.8
15 原田 知彦 ▲ 54.7 ▲ 54.7
16 太田 峻也 ▲ 81.1 ▲ 81.1

 

Cリーグ:山本美文

8月も半ば、まだまだ暑さが厳しい中、第28期中部プロリーグが開幕しました。

今期のCリーグのレポートを担当させていただく事になりました28期生の山本美文です。
レポートを初めて担当させていただきますので拙い文章となるかもしれませんが一生懸命やらせていただきますので、半年間どうぞよろしくお願い致します。

私自身、中部本部に移籍してから今回で4度目のCリーグの参加となりますが、前期27期の中部プロリーグの最終節ではこれまでのプロ活動の中で自己最悪のスコアを記録してしまい非常に情けない結果を残してしまいました。
最終節ではマイナススコアを記録することが多々あり、最終節での戦い方、精神面の保ち方が毎回上手く出来ていないことを痛感しているので今期は余裕を持って戦いに臨めるよう昇級に向けてスコアを伸ばしていこうと思います。

前回の試合を引きずるまいと挑んだ1回戦目。
前期からの新人永井の東場親番、座順は私が永井の上家でした。
永井が絶好調であり、対して私は手の入らない状況であった為、前に出ることができず抑えの麻雀に徹しました。他の2人も何とか永井の親を流そうと動いていましたが止めることができず、永井が50,000点を越える1人浮きとなってしまいました。
私自身アガリもなく放銃もない3着でしたが、この永井の親番、私にもっと場況を読む力があり放銃を恐れず、安手でアガろうとしているどちらかの2人に放銃することができれば失点を最小限に抑えられたかもしれません。

放銃を恐れすぎた自身の精神面の弱さを飲み込み、2回戦目は何とかオーラスを制し、全ての試合で1試合の加点失点が10,000点以内に収まり静かな第1節となりました。しかし、前回の情けない対局から振り返るとトータルでは+2.6Pと僅かではありますがこれを大きな前進として次節以降も挑んで行きたいと思います。

第1節全体での結果は掛水が+81.2Pと頭1つ抜け、初戦から四暗刻をアガった鈴木基が+42.5P、鈴木基と同卓の三谷が+32.8Pとベテラン勢が上位を占め実力を見せ付けられるスタートとなりました。
毎期昇級のボーダーが100を越えてくるCリーグ、最終節ではノーマークの者からの脅威の追い上げがあったりと一切油断ができないので最後まで戦える精神力を培っていこうと思います。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 掛水 洋徳 81.2 81.2
2 鈴木 基芳 42.5 42.5
3 三谷 卓也 32.8 32.8
4 大町 篤志 26.8 26.8
5 若松 正和 12.2 12.2
6 大高坂 松城 12.2 12.2
7 池沢 麻奈美 12.1 12.1
8 都築 友和 11.3 11.3
9 鈴木 淳 7.1 7.1
10 岡本 丈司 4.3 4.3
11 山本 美文 2.6 2.6
12 永井 ゆうま 0.6 0.6
13 浅野 文雅 ▲ 2.9 ▲ 2.9
14 堤 文吾 ▲ 22.5 ▲ 22.5
15 高橋 侑希 ▲ 26.8 ▲ 26.8
16 太田 充 ▲ 30.1 ▲ 30.1
17 家田 みゆき ▲ 45.6 ▲ 45.6
18 花井 香央理 ▲ 55.6 ▲ 55.6
19 斎藤 寛生 ▲ 63.2 ▲ 63.2

中部プロリーグ レポート/第28期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグ:土岐雄太
今回レポートを担当します第25期生土岐雄太です。拙い文節ですが、宜しくお願い致します。
オリンピックや甲子園大会の影響で世間が興奮と感動で沸き上がる最も熱い夏、
第28期中部プロリーグ第1節がスタートした。私自身、前期はオールマイナスと非常に悔しい思いと結果を残した大会に終わってしまった為、いつも以上に気合いが入り、対局に臨んだ。
今回の組み合わせは以下の通り。
1卓 古川・三戸・杉村・村瀬
2卓 伊藤・朝岡・大滝・林
3卓 森下・佐藤・土岐・小野
注目すべきは数々の実績を残し、鳳凰位3連覇という偉業を成し遂げた古川。
さらに前期のBリーグ最終節に112ポイントを叩き出し、Aリーグに怒涛の勢いで駆け上がった林。この勢いを止めようとAリーグの実力者達が立ちはだかる熱い戦いとなった。
1卓
1回戦から大物手こそないものの安定したアガリを重ねる杉村が好調をアピール。失点もなく、終盤まで安定した戦いを展開し、卓内トップの+41.2Pといいスタートを切った。隙がない印象の杉村。来期以降も崩すのは容易ではないだろう。1回戦2着だった村瀬自身も今日の戦いの手ごたえを感じていた矢先、2回戦に古川が12,000を出アガリ、場況を変えた。チャンスをものにした古川がこの後も丁寧に局を進め、+9.7Pで終えた。この安定感はさすがである。
2卓
怒涛の快進撃を見せた林の前に優勝経験2度の実力者伊藤が立ちはだかる。
展開をものにし、終わってみれば、3人沈みの+52.1Pと総合トップに立った。
どんな劣勢からでも逆転する爆発力は私が一番脅威に感じている存在だ。
来節以降も皆からの標的になることは間違いないだろう。
3卓
前期決勝戦進出者である森下・第26期優勝の小野が同卓したこの卓では、終盤まで森下が危なげなくアガリを重ね、+32.4Pと安定した展開を見せる。自分自身もリーチ合戦を制することが多く、手ごたえを感じていたが、中盤から佐藤が親番でアガリを重ね、持ち前の爆発力を発揮。
終わってみれば+17.0Pと序盤の展開を覆し、プラスにまとめてきた。
優勝経験者の小野・三戸にとっては手痛いマイナススタートとなったが、まだ始まったばかりの戦い。必ず機を狙って駆け上がってくるだろう。
来節も熱い戦いになるリーグ戦。どんな展開が待ち受けているのか楽しみである。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 伊藤 鉄也 52.1 52.1
2 杉村 泰治 41.2 41.2
3 森下 剛任 32.4 32.4
4 日下 健司 25.5 25.5
5 佐藤 あいり 17.0 17.0
6 古川 孝次 9.7 9.7
7 安藤 大貴 ▲ 2.3 ▲ 2.3
8 寺戸 孝志 ▲ 2.9 ▲ 2.9
9 村瀬 寛光 ▲ 3.7 ▲ 3.7
10 土岐 雄太 ▲ 6.9 ▲ 6.9
11 朝岡 祐 ▲ 7.0 ▲ 7.0
12 大滝 聡 ▲ 16.8 ▲ 16.8
13 林 俊宏 ▲ 28.3 ▲ 28.3
14 小野 雅峻 ▲ 42.5 ▲ 42.5
15 三戸 亮祐 ▲ 47.2 ▲ 47.2
16 杉浦 貴紀 ▲ 70.3 ▲ 70.3

 
Bリーグ:富村つぐみ
今期Bリーグのレポートを担当させていただきます27期生の富村つぐみです。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが、半年間お付き合い頂ければ幸いです。
個人的には中部に移籍して2年目となる今リーグ。初参加となった第26期中部プロリーグでは惜しくも次点で昇級を逃してしまったが、前期、晴れて2位で昇級することができた。
麻雀プロになって7年目を迎えるが、数ある対局の中で私が『プロ』として麻雀を充実して戦えるのが、『タイトル戦の決勝』と『昇級を賭けたリーグ戦の最終節』だ。
普段どの対局においてもあまり緊張することがないのだが、このときだけは今でも手が震えてしまうぐらいの緊張と妙な高揚感に襲われる。
もちろん悔しい結果になることもあるのが勝負の世界。その分結果を出せた時の喜びはとても大きなものになる。その戦いに少しでも参加できるように、今期も半年間邁進していきたいと思う。
さて、今期のBリーグは7名の昇級者を迎えて開幕となった。前期とはかなりメンツも変わり最終節までの戦い方が楽しみだ。私自身も対局をしたことがない方も多いので1節の中で相手を見極めて戦わなければならない。
第1節の対戦相手は、木村、青山、河合。
いきなり中部の本部長である大ベテラン木村との対戦となった。
麻雀の経験値だけで言えば天と地ほどの差があるが、怯まずに戦いに挑みたいと思う。
2人目もベテラン勢に含まれるであろう青山。
中部への移籍にあたって個人的にもかなりお世話になった人物だ。麻雀は面前重視で押しが強いイメージ。爆発力がありそうだ。
3人目は今期共にCリーグからの昇級を手にした河合。昇級者のなかで私が唯一ポイントで負けた人。
つまり前期1位昇級している。麻雀こそ分からないがかなり注意すべき人物ではある。
そんなメンバーでのスタートとなった。
緊張の1回戦目。
南2局、親番の木村が6万点を超え独走状態になると思ったが、オーラス親番の私も必死に喰らいつき4万点を超える2着でなんとか終えることができた。
河合も浮きはしなかったが最低限の失点で抑えることができたと思う。
青山はいきなり箱下スタートとなり苦しい幕開けとなった。
2回戦目。
終始小さい場で進み点数の動きがほとんど無くオーラスを迎えた。
南4局0本場 ドラ中
東家 青山 32,200
南家 富村 27,300
西家 木村 28,300
北家 河合 32,200
木村、富村はなんとか浮きで終わらせたい局面。逆に青山、河合はこのまま終わらせるか1人浮きで終えられたら最高な場面であろう。やはり局面的にドラが安くなる。河合、青山にサクッとドラの中を切られてしまった。
どうにか手を進めようにも何ともならない手牌のなか3トイツ目に、切られても大事に取っておいたドラの中が重なった。こうなると簡単。七対子一直線。序盤から中盤はトイツになりやすそうな1.9字牌を残しつつ終盤は下家の木村に鳴かれないようにケアしながら進めた。
そして最後のツモ番でなんとかテンパイ。
私の1人テンパイで流局となり、木村の1人沈みで終えた。とても大きなプラスポイントになったと思う。
3回戦目は青山のトップで終えた。
1回戦目と違い、2回戦、3回戦はそれぞれがかなり守備重視で打っていたように思う。
巻き返したい青山、逃げたい木村、富村、加点はしたいが失点も避けたい河合。
条件こそまだないものの今後の戦いのために少しでもプラスしておくことが大事になる。
そして共にマイナスだった青山、河合が1着、2着となり加点する形となった。
そして4回戦。
まだノートップだったので最後になんとかトップが欲しい場面。
親番で順調に加点していき私のトップで終わった。
この日は全体的に場もよく見え押し引きの場面でうまく立ち回りができていたと思う。
個人的にはとても良いスタートをきることができた。
4回戦目のポイントがそのままプラスになる形となり全体では4位となった。
他は、牛尾+42.4P、清水+36.0P、加藤+31.6Pで好スタートとなった。
清水とは2期連続で昇級争いをしているので個人的に注目している1人だ。
首位牛尾との対戦経験はないが、前期次点で昇級を逃しているので今期こそはと強く思っているであろう。
まだ1節が終わったばかり。
次節以降どんな戦いになるのか。お楽しみに。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 牛尾 信之 42.4 42.4
2 清水 哲也 36.0 36.0
3 加藤 泰史 31.6 31.6
4 富村 つぐみ 29.4 29.4
5 山本 拓哉 27.3 27.3
6 金平 裕樹 21.5 21.5
7 中谷 彰吾 13.5 13.5
8 河合 慎悟 11.1 11.1
9 越川 清一 8.3 8.3
10 大西 義則 4.0 4.0
11 木村 東平 ▲ 13.0 ▲ 13.0
12 長谷川 弘 ▲ 15.0 ▲ 15.0
13 青山 大 ▲ 27.5 ▲ 27.5
14 岡田 智和 ▲ 37.8 ▲ 37.8
15 原田 知彦 ▲ 54.7 ▲ 54.7
16 太田 峻也 ▲ 81.1 ▲ 81.1

 
Cリーグ:山本美文
8月も半ば、まだまだ暑さが厳しい中、第28期中部プロリーグが開幕しました。
今期のCリーグのレポートを担当させていただく事になりました28期生の山本美文です。
レポートを初めて担当させていただきますので拙い文章となるかもしれませんが一生懸命やらせていただきますので、半年間どうぞよろしくお願い致します。
私自身、中部本部に移籍してから今回で4度目のCリーグの参加となりますが、前期27期の中部プロリーグの最終節ではこれまでのプロ活動の中で自己最悪のスコアを記録してしまい非常に情けない結果を残してしまいました。
最終節ではマイナススコアを記録することが多々あり、最終節での戦い方、精神面の保ち方が毎回上手く出来ていないことを痛感しているので今期は余裕を持って戦いに臨めるよう昇級に向けてスコアを伸ばしていこうと思います。
前回の試合を引きずるまいと挑んだ1回戦目。
前期からの新人永井の東場親番、座順は私が永井の上家でした。
永井が絶好調であり、対して私は手の入らない状況であった為、前に出ることができず抑えの麻雀に徹しました。他の2人も何とか永井の親を流そうと動いていましたが止めることができず、永井が50,000点を越える1人浮きとなってしまいました。
私自身アガリもなく放銃もない3着でしたが、この永井の親番、私にもっと場況を読む力があり放銃を恐れず、安手でアガろうとしているどちらかの2人に放銃することができれば失点を最小限に抑えられたかもしれません。
放銃を恐れすぎた自身の精神面の弱さを飲み込み、2回戦目は何とかオーラスを制し、全ての試合で1試合の加点失点が10,000点以内に収まり静かな第1節となりました。しかし、前回の情けない対局から振り返るとトータルでは+2.6Pと僅かではありますがこれを大きな前進として次節以降も挑んで行きたいと思います。
第1節全体での結果は掛水が+81.2Pと頭1つ抜け、初戦から四暗刻をアガった鈴木基が+42.5P、鈴木基と同卓の三谷が+32.8Pとベテラン勢が上位を占め実力を見せ付けられるスタートとなりました。
毎期昇級のボーダーが100を越えてくるCリーグ、最終節ではノーマークの者からの脅威の追い上げがあったりと一切油断ができないので最後まで戦える精神力を培っていこうと思います。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 掛水 洋徳 81.2 81.2
2 鈴木 基芳 42.5 42.5
3 三谷 卓也 32.8 32.8
4 大町 篤志 26.8 26.8
5 若松 正和 12.2 12.2
6 大高坂 松城 12.2 12.2
7 池沢 麻奈美 12.1 12.1
8 都築 友和 11.3 11.3
9 鈴木 淳 7.1 7.1
10 岡本 丈司 4.3 4.3
11 山本 美文 2.6 2.6
12 永井 ゆうま 0.6 0.6
13 浅野 文雅 ▲ 2.9 ▲ 2.9
14 堤 文吾 ▲ 22.5 ▲ 22.5
15 高橋 侑希 ▲ 26.8 ▲ 26.8
16 太田 充 ▲ 30.1 ▲ 30.1
17 家田 みゆき ▲ 45.6 ▲ 45.6
18 花井 香央理 ▲ 55.6 ▲ 55.6
19 斎藤 寛生 ▲ 63.2 ▲ 63.2

第12期静岡プロリーグ 第4、5節レポート

第4節レポート

7月17日。生憎な空模様。
然し、気温は高く、水槽の中で金魚が元気に泳いでいる。
もう、長い間泳いでいないのをふと思い出した。プールにでも行きたい気分だ。

1卓 望月雅継×杉村泰治×平岡理恵×平野敬悟

平野の下克上だ。信頼度が高い相手ほど、ギリギリまで踏み込めるのだろう。バランス感覚に優れている選手だと私は思う。
第2節に大きな負債を抱えたが、この面子相手にプラスしたことで自信も取り戻しただろう。終盤の追い上げに期待する。

平野+58.7P 望月+4.3P 平岡▲25.4P 杉村▲37.6P

2卓 鈴木秀幸×山本拓哉×越川清一×渡辺洋巳

山本の1人舞台。同系格上の鈴木秀を打ち負かし、大きなプラスを得た。良くも悪くも傍若無人。
我が道をずんずん進んでいく山本の後姿を追いかける事になりそうだ。

山本+77.0P 越川▲4.1P 鈴木秀▲31.6P 渡辺▲41.3P

3卓 土屋幸弘×京平遥×島崎涼×鈴木雅人

土屋、島崎、鈴木雅が三人で大暴れ。
静観していた京平が一回戦、二回戦と連続で大きなラスを引き受け、二回で▲40Pオーバーするが、なんとか踏みとどまる。
土の中から引きずり出され、大火傷を負ったミミズになった気分だった。

土屋+29.9P 鈴木雅▲0.1P 島崎▲1.9 P 京平▲27.9P

4卓 中寿文×鷲見隼人×岡本和也×足立純哉

打牌で対応させる中、局の終盤に強い鷲見、岡本。
自然と局の進行が重くなり、足立の得意な速度戦法も効きにくい。
マイナスを最小限に留めた足立の健闘が伝わってくる。

岡本+41.9P 足立▲3.5P 鷲見▲9.8P 中▲28.6P

中盤にさしかかり、トータルポイントを意識して麻雀の内容も変化している。
様々な事が変わっていったとしても、変わらないものの為に精一杯歩いていく。
振り返った時、後悔しないように。

 

第5節レポート

葉月。痛いくらいに日差しが降り注ぎ、川の水面がキラキラと輝いていて、暑さで汗が滲むのが気持ちいい。
深緑がそよぐ。木陰がとても心地よくて、なんだか少し嬉しい気分になる。
蝉が鳴き喚き草の良い匂いがする。大好きな夏も終わりを迎える。

1卓 太田昌樹×平岡理恵×京平遥×岡本和也

この日、平岡の意地が見えたような気がした。女王のように華麗にアガリ、相手を蹂躙する魅惑のサウスポー。
太田、岡本が勇者のように果敢に挑むが、伏兵京平が横槍を入れ、行く手を阻む。

太田▲12.3P 平岡+31.9P 京平+0.3P 岡本▲19.9P

2卓

越川清一×杉村泰治×中寿文×都築友和

最近調子を上げている都築。初参加で午後のプロアマリーグに決勝進出を果たした。
モチベーションも高く、後半の追い上げが怖い選手の1人だ。
都築を打ち崩そうと進撃する中、越川を上手く捕まえた杉村。

都築+27.6P 杉村+14.7P 越川▲9.8P 中▲34.5P

3卓 鈴木雅人×渡辺洋巳×土屋幸弘×鷲見隼人×平野敬悟

土屋が今回もポイントを叩き、トータルが+100Pを超え、堂々2位に躍り出た。
話を聞いたところ配牌が良かったらしい。きっと家康くんの加護なのだろう。
海道一の弓取りになる日も近いのではないだろうか。

土屋+44.8P 渡辺+14.9P 鈴木雅▲15.4P 平野▲15.7P 鷲見▲30.6P

?越えてゆく遙か夏も 渡る川の流れも
いつか変わって いつか忘れて 同じ思い守れずいる?

リーグ戦も半分が終了した。
麻雀も、道も、幾つもの分岐点がある。
人それぞれの最終目的地点に到達出来れば良いな、と思う。

静岡プロリーグ レポート/第12期静岡プロリーグ 第4、5節レポート

第4節レポート
7月17日。生憎な空模様。
然し、気温は高く、水槽の中で金魚が元気に泳いでいる。
もう、長い間泳いでいないのをふと思い出した。プールにでも行きたい気分だ。
1卓 望月雅継×杉村泰治×平岡理恵×平野敬悟
平野の下克上だ。信頼度が高い相手ほど、ギリギリまで踏み込めるのだろう。バランス感覚に優れている選手だと私は思う。
第2節に大きな負債を抱えたが、この面子相手にプラスしたことで自信も取り戻しただろう。終盤の追い上げに期待する。
平野+58.7P 望月+4.3P 平岡▲25.4P 杉村▲37.6P
2卓 鈴木秀幸×山本拓哉×越川清一×渡辺洋巳
山本の1人舞台。同系格上の鈴木秀を打ち負かし、大きなプラスを得た。良くも悪くも傍若無人。
我が道をずんずん進んでいく山本の後姿を追いかける事になりそうだ。
山本+77.0P 越川▲4.1P 鈴木秀▲31.6P 渡辺▲41.3P
3卓 土屋幸弘×京平遥×島崎涼×鈴木雅人
土屋、島崎、鈴木雅が三人で大暴れ。
静観していた京平が一回戦、二回戦と連続で大きなラスを引き受け、二回で▲40Pオーバーするが、なんとか踏みとどまる。
土の中から引きずり出され、大火傷を負ったミミズになった気分だった。
土屋+29.9P 鈴木雅▲0.1P 島崎▲1.9 P 京平▲27.9P
4卓 中寿文×鷲見隼人×岡本和也×足立純哉
打牌で対応させる中、局の終盤に強い鷲見、岡本。
自然と局の進行が重くなり、足立の得意な速度戦法も効きにくい。
マイナスを最小限に留めた足立の健闘が伝わってくる。
岡本+41.9P 足立▲3.5P 鷲見▲9.8P 中▲28.6P
中盤にさしかかり、トータルポイントを意識して麻雀の内容も変化している。
様々な事が変わっていったとしても、変わらないものの為に精一杯歩いていく。
振り返った時、後悔しないように。
 
第5節レポート
葉月。痛いくらいに日差しが降り注ぎ、川の水面がキラキラと輝いていて、暑さで汗が滲むのが気持ちいい。
深緑がそよぐ。木陰がとても心地よくて、なんだか少し嬉しい気分になる。
蝉が鳴き喚き草の良い匂いがする。大好きな夏も終わりを迎える。
1卓 太田昌樹×平岡理恵×京平遥×岡本和也
この日、平岡の意地が見えたような気がした。女王のように華麗にアガリ、相手を蹂躙する魅惑のサウスポー。
太田、岡本が勇者のように果敢に挑むが、伏兵京平が横槍を入れ、行く手を阻む。
太田▲12.3P 平岡+31.9P 京平+0.3P 岡本▲19.9P
2卓
越川清一×杉村泰治×中寿文×都築友和
最近調子を上げている都築。初参加で午後のプロアマリーグに決勝進出を果たした。
モチベーションも高く、後半の追い上げが怖い選手の1人だ。
都築を打ち崩そうと進撃する中、越川を上手く捕まえた杉村。
都築+27.6P 杉村+14.7P 越川▲9.8P 中▲34.5P
3卓 鈴木雅人×渡辺洋巳×土屋幸弘×鷲見隼人×平野敬悟
土屋が今回もポイントを叩き、トータルが+100Pを超え、堂々2位に躍り出た。
話を聞いたところ配牌が良かったらしい。きっと家康くんの加護なのだろう。
海道一の弓取りになる日も近いのではないだろうか。
土屋+44.8P 渡辺+14.9P 鈴木雅▲15.4P 平野▲15.7P 鷲見▲30.6P
?越えてゆく遙か夏も 渡る川の流れも
いつか変わって いつか忘れて 同じ思い守れずいる?
リーグ戦も半分が終了した。
麻雀も、道も、幾つもの分岐点がある。
人それぞれの最終目的地点に到達出来れば良いな、と思う。

第148回:第30期チャンピオンズリーグ優勝特別インタビュー 庄田 祐生  インタビュアー:松岡 千晶

庄田祐生 プロフィール
1995年2月28日生まれの32期生
石川県輪島市出身
身長 163cm
体重  78キロ
血液型 A型
好きな食べ物 肉全般、ポテトフライ
嫌いな食べ物 きのこ類、刺身、オクラ

ちなみに彼女募集中だそう。
簡単に庄田という人物を説明させていただくと、
よく食べよく笑い、人の愛情をいっぱいに受けすくすく育った素敵なぽっちゃり・・・・それが庄田である。

松岡「庄田優勝おめでとう!」

庄田「ありがとー!!まだ実感ないけど本当にうれしいよ!」

松岡「インタビュアーに選んでくれてありがとう!文章書くのは上手じゃないけど庄田のことみんなに伝えられるよう頑張るね。」

庄田「俺が選んだんじゃなくて、「今回のインタビュアーは松岡千晶さんに依頼しようと思っています。」って運営の方から連絡きたよ。えっ、いやどっちにしてもちーぼーに頼むつもりだったしさ(慌て気味)」

100

そんな話をしていると、お店のスタッフさんがたくさん集まってきた。庄田も私自身もびっくり。
そうだ、サプライズを準備していたのだ。
インタビューしようと約束をしていた日、こっそりお店を予約してお花とケーキを出してもらうよう頼んでいたのであった。
スタッフの方に「そうだボーイ優勝おめでとうございます!」(電話予約でうまく通じていなかったのか、「しょうだ」が「そうだ」で伝わっていた。)
といわれると、庄田は嬉しかったのかびっくりしたのか泣きはじめてしまった。
それをみて私までもらい泣きをしてしまい最初から泣きはじめてしまった私たち。

あれ・・・このまま今日インタビューできるのかな・・・と少し不安な気持ちになったのは私だけではなかったであろう。(笑)

100

チャンピオンズリーグ準決勝が終わったとき、電話がかかってきた。

庄田「ちーぼー勝ったよ!明日とうとう夢だったテレビ対局にでられる!!」

予選をトップ通過した庄田は見事、ベスト8も突破し決勝進出を決めたのだ。

松岡「わーーーおめでとう!すげーーー。あ、でもおめでとうはまだ早いね。明日頑張ってね。」

私は、庄田を弟のように思っていた。
庄田との出会いは、庄田がまだ高校2年生のころであった。

100

写真は初めて出会ったときに記念に撮った写真。

庄田と私は、私のブログを通じて仲良くなったのだ。
そのころの庄田はまだ石川県に住んでいる普通の高校生だった。

「高校卒業したらちーぼーの働いている麻雀店に遊びに行くね!」

そう言うと、高校を卒業すると石川から本当に会いに来てくれのだ。
麻雀店で麻雀をするのが初めてだった庄田は、ずっと手が震えていた。すごい緊張していたようだった。

麻雀が終わってから話しもいっぱいした。
庄田は言った。

「俺、麻雀プロになりたいんだ。だから東京で就職して麻雀プロを目指すね。」と。

そしてその2年後本当に私たちと同じ日本プロ麻雀連盟の麻雀プロになったのだ。

1半荘目

東1局 北家

八万六索七索七索二筒三筒五筒六筒七筒九筒東東西  ドラ六万

この牌姿から2枚目の東もスルー。
庄田と打つ機会の多かった私は、普段であれば鳴いているイメージがあった。
この庄田の選択は緊張して、まだ麻雀に入れていない気がした。

しかし、南2局庄田は大きく捌きに行った。

南2局 西家

二万三万三万七万七万九万九索九索一筒六筒東西西  ドラ六索

この配牌から親番柴田プロの第一打の西を勢いよくポンした。

松岡「一打目から元気にポンっていったね!柴田プロの親番だから意識してたの?さっきまでとは別人みたい。」

庄田「このままだと半荘なんにもしないで終わってしまう感じがしたんだよね。だから声を出したかったし、声がだせてよかったかな。」

この局は庄田が

二万三万四万七万七万九索九索二筒二筒二筒  ポン西西西

九索で柴田プロから1,300点をアガる形となった。
解説の紺野真太郎プロも「人が変わったように打ち方が強気になってきたね。麻雀に入り込めている」と解説していた。

そのあとも庄田の強気な攻めが続いた。積極的に仕掛け、リーチをしていったのだ。

紺野真太郎プロは「今のは気持ちが打たせたリーチだね。強い気持ちが伝わってくる。勝ち切ってやるっていうね 。」と解説をしている。

松岡「優勝を意識した瞬間ってあった?」

庄田「うーん、4半荘目の親番でドラ東東バックがうまくいった局かな。」

4半荘目 東4局 1本場

五万六万七万七万八万六索九索九索一筒一筒二筒東東  ドラ東

という手から九万をチー。チンイツをテンパった柴田プロから東がこぼれる。
その東をポンして11,600点をアガリきった。

全5回戦、56局中18局アガリを魅せた庄田は見ている人たちに大きな印象を与えただろう。
確率でいうとおおよそ3局に1局は庄田がアガッているということになる。驚きの数字である。
それと同時に局を重ねていく中で成長をしていく庄田を感じさせたことと思う。

庄田がまだプロになる前のことだ。
私が最強戦ガールを務めていたとき、最強戦の決勝を観戦しに会場に来ている庄田の姿があった。

「森山会長に質問しよう!」というミニコーナーになり、庄田が小さく手を挙げていた。

私はすかさず庄田のところにマイクを持っていった。

庄田「僕はプロ連盟に入りたいです。今麻雀界にとって必要な人材はどんな人ですか?」

森山会長「地元、仲間内で麻雀が強いとかでなく、本当に納得する麻雀を打ち、能力の高い人。プロの世界は簡単じゃない。麻雀以外のすべても頑張れるような人材かな。」

生放送がCMに入った時、森山会長は舞台を降り庄田のところに会いに来てくれ、握手をし「頑張ってね。」と声をかけてくれた。
庄田はこの出来事がとても印象に残り「プロ連盟の試験を受ける。」と決意したのである。
この時の様子は、日本プロ麻雀連盟の第三次テストの時に流された。

庄田が嬉しそうに「ねーねーこないだの最強戦の質問コーナーがね、三次テストで流れたんだよ!ねーすごくない?!♪」と言っていたのはついこないだのことだ。

松岡「今後の目標は?」

庄田「ずっと石川県から連盟チャンネルを見ていて出るのが憧れだった。テレビ対局に出て、僕の麻雀をもっと見てもらいたい。先輩たちにも恩返ししたい」

優勝した時、実況を務めていた山口大和プロに「優勝した感想をどうぞ。」と言われたとき庄田は「今回優勝できたのは先輩たちが支えてくれたおかげです。」と言っていた。
庄田の声は途中から涙声になり、何と言っていたのかよく聞き取れなかった・・・(笑)

庄田は高校卒業し東京で就職して2年間はプロになることを怖がっていた。

庄田「仕事との両立ができるか不安だし、せっかくプロになるのであればタイトル戦も全部でたい、リーグ戦だけでるなんて嫌だ。それに受けるのであれば一発で絶対合格したい!って思っていたんだよね。そんなことを考えていたらもう2年もたってしまっていて・・・。

先輩の大和田篤史プロに相談したんだ。そしたら、

(やってみなきゃわからないよ。せっかく麻雀プロになりたくて東京に就職しに来たんでしょ?もし何かあったら助けてあげるからさ。)と、背中を押してもらえて。それがあったから、今の僕があるんだ。」

庄田「悩んだ時、苦しい時、辛い時、いつも先輩たちが話を聞いてくれて助けてくれた。実は僕リーグ戦せっかくD3スタートだったのに降級しちゃったんだ。それが悔しくて悔しくて、泣きそうで・・・最終節、心配して観戦しにきてくれていて大和田先輩の顔を見たとき、もう涙止まらなくて泣いちゃった・・・。」

「だれか知らないけどこないだ会場で泣いている人がいたよ。相当悔しかったんだろうね」

と観戦をしにいった人からたまたま話を聞いていたが、これは庄田のことだったんだ。

100

写真はインタビューにも同行してもらった大和田篤史プロ。

リーグ戦が終わると、仲よくしてくれている先輩たちと飲みに行くのが普段の流れになっていた庄田は、この日も居酒屋に向かった。

しかし「お前は今日帰りな」と先輩に告げられた。

庄田はそのまま漫画喫茶にいき、ロン2をひたすら泣きそうになりながら打ち続けていた。
そしていろいろ1人になって冷静に考えた。
いつも助けてもらっているばかりじゃ駄目だ。いつかは先輩たちに恩返しをしなきゃ。

決勝の日、私はツイッターとニコ生を駆使し時間の許す限り庄田の戦いを見守り続けた。
庄田は蝶ネクタイをつけていた。
私が庄田のプロ合格記念に、お祝いとしてあげたものだ。

ネクタイをあんまり持っていないっていっていたし、ぽっちゃりには蝶ネクタイが似合うかなと思ってあげたのだ。

100

とっても似合っていたね。

庄田は、最初の半荘からポイントを伸ばし続け圧倒的ポイントを叩き出し優勝したのである。
プロになってからまだ半年しか経たない庄田が気負わず立派に戦い、優勝という最高の結果を残して、最後のチャンピオンズリーグは幕を閉じたのであった。

庄田はとても明るい性格で、人懐っこく、よくいじられるキャラだ。
たくさんの先輩たちに愛情をもらい、きっとここまで大きくなったんだと、私は庄田をみていてそう思っていた。
でもそれは、庄田が魅力的で人を引き付ける力のある人間だから、周りの人がこうやって集まってきて庄田に優しく接してくれるのだと思う。

体も気づけば二回りか三回りくらい大きくなっている。
ここ2年近く、庄田はダイエットするダイエットするといいつつ、ご飯をおかわりまでしているので、ここの忍耐力ももう少しは鍛えていただきたいところでもあるが・・・。(笑)

庄田祐生
今回プロになって半年でタイトルホルダーになり、これはプロ連盟の中での最短記録。
そして現最年少タイトルホルダー。
これからも注目していきたい人物であり、今日本プロ麻雀連盟で一番みんなに愛されているプロなのかもしれない。

100
100

プロ雀士インタビュー/第148回:第30期チャンピオンズリーグ優勝特別インタビュー 庄田 祐生  インタビュアー:松岡 千晶

庄田祐生 プロフィール
1995年2月28日生まれの32期生
石川県輪島市出身
身長 163cm
体重  78キロ
血液型 A型
好きな食べ物 肉全般、ポテトフライ
嫌いな食べ物 きのこ類、刺身、オクラ
ちなみに彼女募集中だそう。
簡単に庄田という人物を説明させていただくと、
よく食べよく笑い、人の愛情をいっぱいに受けすくすく育った素敵なぽっちゃり・・・・それが庄田である。
松岡「庄田優勝おめでとう!」
庄田「ありがとー!!まだ実感ないけど本当にうれしいよ!」
松岡「インタビュアーに選んでくれてありがとう!文章書くのは上手じゃないけど庄田のことみんなに伝えられるよう頑張るね。」
庄田「俺が選んだんじゃなくて、「今回のインタビュアーは松岡千晶さんに依頼しようと思っています。」って運営の方から連絡きたよ。えっ、いやどっちにしてもちーぼーに頼むつもりだったしさ(慌て気味)」

100

そんな話をしていると、お店のスタッフさんがたくさん集まってきた。庄田も私自身もびっくり。
そうだ、サプライズを準備していたのだ。
インタビューしようと約束をしていた日、こっそりお店を予約してお花とケーキを出してもらうよう頼んでいたのであった。
スタッフの方に「そうだボーイ優勝おめでとうございます!」(電話予約でうまく通じていなかったのか、「しょうだ」が「そうだ」で伝わっていた。)
といわれると、庄田は嬉しかったのかびっくりしたのか泣きはじめてしまった。
それをみて私までもらい泣きをしてしまい最初から泣きはじめてしまった私たち。
あれ・・・このまま今日インタビューできるのかな・・・と少し不安な気持ちになったのは私だけではなかったであろう。(笑)

100

チャンピオンズリーグ準決勝が終わったとき、電話がかかってきた。
庄田「ちーぼー勝ったよ!明日とうとう夢だったテレビ対局にでられる!!」
予選をトップ通過した庄田は見事、ベスト8も突破し決勝進出を決めたのだ。
松岡「わーーーおめでとう!すげーーー。あ、でもおめでとうはまだ早いね。明日頑張ってね。」
私は、庄田を弟のように思っていた。
庄田との出会いは、庄田がまだ高校2年生のころであった。

100

写真は初めて出会ったときに記念に撮った写真。
庄田と私は、私のブログを通じて仲良くなったのだ。
そのころの庄田はまだ石川県に住んでいる普通の高校生だった。
「高校卒業したらちーぼーの働いている麻雀店に遊びに行くね!」
そう言うと、高校を卒業すると石川から本当に会いに来てくれのだ。
麻雀店で麻雀をするのが初めてだった庄田は、ずっと手が震えていた。すごい緊張していたようだった。
麻雀が終わってから話しもいっぱいした。
庄田は言った。
「俺、麻雀プロになりたいんだ。だから東京で就職して麻雀プロを目指すね。」と。
そしてその2年後本当に私たちと同じ日本プロ麻雀連盟の麻雀プロになったのだ。
1半荘目
東1局 北家
八万六索七索七索二筒三筒五筒六筒七筒九筒東東西  ドラ六万
この牌姿から2枚目の東もスルー。
庄田と打つ機会の多かった私は、普段であれば鳴いているイメージがあった。
この庄田の選択は緊張して、まだ麻雀に入れていない気がした。
しかし、南2局庄田は大きく捌きに行った。
南2局 西家
二万三万三万七万七万九万九索九索一筒六筒東西西  ドラ六索
この配牌から親番柴田プロの第一打の西を勢いよくポンした。
松岡「一打目から元気にポンっていったね!柴田プロの親番だから意識してたの?さっきまでとは別人みたい。」
庄田「このままだと半荘なんにもしないで終わってしまう感じがしたんだよね。だから声を出したかったし、声がだせてよかったかな。」
この局は庄田が
二万三万四万七万七万九索九索二筒二筒二筒  ポン西西西
九索で柴田プロから1,300点をアガる形となった。
解説の紺野真太郎プロも「人が変わったように打ち方が強気になってきたね。麻雀に入り込めている」と解説していた。
そのあとも庄田の強気な攻めが続いた。積極的に仕掛け、リーチをしていったのだ。
紺野真太郎プロは「今のは気持ちが打たせたリーチだね。強い気持ちが伝わってくる。勝ち切ってやるっていうね 。」と解説をしている。
松岡「優勝を意識した瞬間ってあった?」
庄田「うーん、4半荘目の親番でドラ東東バックがうまくいった局かな。」
4半荘目 東4局 1本場
五万六万七万七万八万六索九索九索一筒一筒二筒東東  ドラ東
という手から九万をチー。チンイツをテンパった柴田プロから東がこぼれる。
その東をポンして11,600点をアガリきった。
全5回戦、56局中18局アガリを魅せた庄田は見ている人たちに大きな印象を与えただろう。
確率でいうとおおよそ3局に1局は庄田がアガッているということになる。驚きの数字である。
それと同時に局を重ねていく中で成長をしていく庄田を感じさせたことと思う。
庄田がまだプロになる前のことだ。
私が最強戦ガールを務めていたとき、最強戦の決勝を観戦しに会場に来ている庄田の姿があった。
「森山会長に質問しよう!」というミニコーナーになり、庄田が小さく手を挙げていた。
私はすかさず庄田のところにマイクを持っていった。
庄田「僕はプロ連盟に入りたいです。今麻雀界にとって必要な人材はどんな人ですか?」
森山会長「地元、仲間内で麻雀が強いとかでなく、本当に納得する麻雀を打ち、能力の高い人。プロの世界は簡単じゃない。麻雀以外のすべても頑張れるような人材かな。」
生放送がCMに入った時、森山会長は舞台を降り庄田のところに会いに来てくれ、握手をし「頑張ってね。」と声をかけてくれた。
庄田はこの出来事がとても印象に残り「プロ連盟の試験を受ける。」と決意したのである。
この時の様子は、日本プロ麻雀連盟の第三次テストの時に流された。

庄田が嬉しそうに「ねーねーこないだの最強戦の質問コーナーがね、三次テストで流れたんだよ!ねーすごくない?!♪」と言っていたのはついこないだのことだ。
松岡「今後の目標は?」
庄田「ずっと石川県から連盟チャンネルを見ていて出るのが憧れだった。テレビ対局に出て、僕の麻雀をもっと見てもらいたい。先輩たちにも恩返ししたい」
優勝した時、実況を務めていた山口大和プロに「優勝した感想をどうぞ。」と言われたとき庄田は「今回優勝できたのは先輩たちが支えてくれたおかげです。」と言っていた。
庄田の声は途中から涙声になり、何と言っていたのかよく聞き取れなかった・・・(笑)
庄田は高校卒業し東京で就職して2年間はプロになることを怖がっていた。
庄田「仕事との両立ができるか不安だし、せっかくプロになるのであればタイトル戦も全部でたい、リーグ戦だけでるなんて嫌だ。それに受けるのであれば一発で絶対合格したい!って思っていたんだよね。そんなことを考えていたらもう2年もたってしまっていて・・・。
先輩の大和田篤史プロに相談したんだ。そしたら、
(やってみなきゃわからないよ。せっかく麻雀プロになりたくて東京に就職しに来たんでしょ?もし何かあったら助けてあげるからさ。)と、背中を押してもらえて。それがあったから、今の僕があるんだ。」
庄田「悩んだ時、苦しい時、辛い時、いつも先輩たちが話を聞いてくれて助けてくれた。実は僕リーグ戦せっかくD3スタートだったのに降級しちゃったんだ。それが悔しくて悔しくて、泣きそうで・・・最終節、心配して観戦しにきてくれていて大和田先輩の顔を見たとき、もう涙止まらなくて泣いちゃった・・・。」
「だれか知らないけどこないだ会場で泣いている人がいたよ。相当悔しかったんだろうね」
と観戦をしにいった人からたまたま話を聞いていたが、これは庄田のことだったんだ。

100

写真はインタビューにも同行してもらった大和田篤史プロ。
リーグ戦が終わると、仲よくしてくれている先輩たちと飲みに行くのが普段の流れになっていた庄田は、この日も居酒屋に向かった。
しかし「お前は今日帰りな」と先輩に告げられた。
庄田はそのまま漫画喫茶にいき、ロン2をひたすら泣きそうになりながら打ち続けていた。
そしていろいろ1人になって冷静に考えた。
いつも助けてもらっているばかりじゃ駄目だ。いつかは先輩たちに恩返しをしなきゃ。
決勝の日、私はツイッターとニコ生を駆使し時間の許す限り庄田の戦いを見守り続けた。
庄田は蝶ネクタイをつけていた。
私が庄田のプロ合格記念に、お祝いとしてあげたものだ。
ネクタイをあんまり持っていないっていっていたし、ぽっちゃりには蝶ネクタイが似合うかなと思ってあげたのだ。

100

とっても似合っていたね。
庄田は、最初の半荘からポイントを伸ばし続け圧倒的ポイントを叩き出し優勝したのである。
プロになってからまだ半年しか経たない庄田が気負わず立派に戦い、優勝という最高の結果を残して、最後のチャンピオンズリーグは幕を閉じたのであった。
庄田はとても明るい性格で、人懐っこく、よくいじられるキャラだ。
たくさんの先輩たちに愛情をもらい、きっとここまで大きくなったんだと、私は庄田をみていてそう思っていた。
でもそれは、庄田が魅力的で人を引き付ける力のある人間だから、周りの人がこうやって集まってきて庄田に優しく接してくれるのだと思う。
体も気づけば二回りか三回りくらい大きくなっている。
ここ2年近く、庄田はダイエットするダイエットするといいつつ、ご飯をおかわりまでしているので、ここの忍耐力ももう少しは鍛えていただきたいところでもあるが・・・。(笑)
庄田祐生
今回プロになって半年でタイトルホルダーになり、これはプロ連盟の中での最短記録。
そして現最年少タイトルホルダー。
これからも注目していきたい人物であり、今日本プロ麻雀連盟で一番みんなに愛されているプロなのかもしれない。

100
100

第14期プロクイーンベスト16D卓 吉田 直

ベスト16最後の卓となったD卓。その顔ぶれ、まずは現女流桜花の宮内こずえ。

昨年プロクイーン決勝進出、第11期プロクイーン、第17期プロ最強位の二階堂瑠美。

天空への道で優勝し、天空麻雀やレディース麻雀グランプリなどメディアでも活躍中の井上絵美子。

昨年もプロクイーンベスト16に進出したがそこで涙をのんだ高田麻衣子の4名。

瑠美、宮内の先輩実力者に井上、高田の新勢力がどう反撃していくか。
この2人も相当の力を秘めていると思われるので、非常に面白い展開が予想される。

100

1回戦
起家から宮内、瑠美、高田、井上

東3局1本場 親高田

まださほど点差が動いていない東3局、井上にドラ暗刻の勝負手が入りノータイムでリーチを放つ。

井上
六万七万八万二索三索六索六索六索三筒四筒五筒六筒六筒  リーチ  ドラ六索

しかしその前から既にヤミテンが入っていた瑠美に悩ましいツモが。

瑠美
一筒二筒三筒五筒六筒七筒七筒七筒八筒九筒九筒中中  ツモ中

各選手の河は

親高田
八万 上向き四万 上向き三万 上向き八万 上向き六筒 上向き二筒 上向き
二筒 上向き中八索 上向き南

井上
一万 上向き一万 上向き九万 上向き四万 上向き九索 上向き六万 上向き
南四筒 上向き七索 左向き

宮内
四筒 上向き三万 上向き二万 上向き五筒 上向き北発
白九索 上向き六万 上向き九万 上向き

瑠美
四索 上向き発五万 上向き一索 上向き四索 上向き二万 上向き
一万 上向き七万 上向き三索 上向き

場況的には瑠美にとってファーストテンパイの八筒は待ちごろだが、九筒を勝負すれば現物の四筒で12,000の大物手。
ただ瑠美が井上に無筋の九筒を切れば、脇の2人がリーチの現物を打つ保証は薄くなる。
この時瑠美は筋の七筒切りで六筒九筒待ちを選択。瑠美も井上もお互い初めての大物手であり、試合を自分のペースに持ってゆく上で是が非でも成就させたいところだろう。
果たしてどちらがアガるのか、瑠美の選択は正しかったのか?!…

と考えさせられる間もなく、親の高田が九筒をサクッと河に捨て、瑠美が8,000を直撃。

親高田の手は、

一索一索二索四索五索五索六索東西西北北北  ツモ九筒

この2シャンテン。
確かにこの半荘のトップを決めるほどの大物手になる可能性を秘めてはいる。
だが、九筒は2人に通っておらず、さらに瑠美の捨て牌が明らかなピンズの染め手。
その瑠美が筋とはいえ七筒を切り出しているので、ここはぐっと堪えて欲しかった。
一方、ドラ暗刻の勝負手をアガリ切れなかった井上の心境はいかに?

東4局親井上

13巡目に以下の牌姿

二万三万四万一索一索三索三索四索九索九索東東発  ツモ東  ドラ発

シャンテンになりここでドラの発をリリース。すると西家の瑠美が迷わずポンをする。
井上が次巡九索を引きリーチ。そして瑠美もその巡目にチーテンが入りまたもや2人の闘いになる。

井上
二万三万四万一索一索三索四索九索九索九索東東東  リーチ

瑠美 
一万三万九万九万一筒二筒三筒  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ポン発発発

今度は井上に軍配があがりハイテイで五索をツモって4,000オール。
このアガリを見て、今日の彼女にはツキも味方しているし、普段以上に強気な攻めが出来ているので、勝ち上がりの一人になるのではないかと予想した。

しかし高田も黙ってはいない。

南3局 親高田

四万五万三索四索五索一筒二筒三筒三筒四筒五筒発発  リーチ

高めの三筒五索と引き入れ絶好の感触でリーチを打った高田は一発で高めの三万を引き込み6,000オールで一人抜け出す。

南4局2本場

10巡目

瑠美
三万四万四万七万七万一筒一筒一筒二筒三筒四筒南南  ツモ南  ドラ一筒

ここで彼女は三万を切ってツモり三暗刻のリーチを打つ。
だが、アガれば2着の宮内がしっかりと瑠美のリーチに押し切り、1,000点をアガって2着を死守。

1回戦から非常に見応えのある闘いであった。

ドラ暗刻で跳満ツモ2着の状況で二万五万待ちが悪いわけでもないのに、何故瑠美がわざわざツモり三暗刻にしたのか違和感があったのだが、 即座に納得がいった。
下家の高田が役牌を1つ仕掛けており、恐らく高田に四万七万は当たり、もしくはテンパイを入れさせてしまうとふんだのであろう。
その読みは流石というべきで、実際高田は以下の牌姿。

高田
五万六万七万八万九万五索五索七筒八筒西  ポン白白白

瑠美が四万を切ってリーチしたならば、一発も消え安牌を切ってテンパイ出来るのだから鳴いたであろう。
しかし、この瑠美の見事な考察とは裏腹に、もし彼女が四万切りを選択し高田がチーしていたのなら、即二万をツモアガって3,000・6,000。
ラス目から僥倖の逆転2着となっていた。
このように麻雀とは、一打一打の取捨選択の重要性もさることながら、必ずしもその判断が結果に反映するとは限らないものなのだと改めて痛感させられた。

1回戦終了 時
高田+28.4P
宮内+7.6P
井上▲4.3P
瑠美▲31.7P

2回戦は、初戦ラスを引かされた瑠美が手役派のお手本ともいうべき素晴らしい手順で終始魅了し、トップを奪い4者混戦。

2回戦終了時
井上+6.4P
宮内+6.1P
瑠美▲4.9P
高田▲7.6P

3回戦起家から井上 宮内 瑠美 高田

僅差のトータルトップ目で、この半荘も45,800点持ちでトップを維持し続ける井上。

東3局4本場 親瑠美
井上が残り1巡で以下の牌姿

三万四万五万六万七万八万九万四索五索三筒四筒五筒六筒  ツモ白  ドラ白

この白をツモ切り、宮内に12,000の放銃。

宮内

九万九万一筒一筒九筒九筒東東西西白中中  ロン白

状況は、親の瑠美がドラの白を3巡前に切っており、その後北家の宮内の二万をチーしてテンパイ模様。
高田は受けに回っているよう。
北家の宮内の捨て牌は一見国士に見えなくもないのだが、一万が場に4枚見えていたためそれは否定出来る。
そんな中親の瑠美に危険そうな二万を切っているため恐らく宮内にもテンパイが入っている。
国士を匂わす捨て牌から想像出来る手役といえば、真っ先に七対子が思い浮かぶ。
次にチャンタ。
レアケースで四暗刻といった所だろう。

井上には将来性もあり、今よりもっ と強くなってもらいたいと願っているのであえて辛口で記すが、もしあの時宮内のテンパイ気配に気付いていなかったのであれば少し私が買いかぶり過ぎていただけだし、分かっていて切ったのだとしても、自分はシャンテンで残り1巡。切るに見合う牌とは思えない。
平常時彼女がどれだけ慎重で丁寧に麻雀を打ち、このような暴牌を切らないのか知っている。
前述した通り、今日は前に出よう、攻めようと強い気持ちで打っていることも凄くわかる。
普段守備を重視している人間が強気の麻雀を打つ事はどれだけ勇気がいることか。
ただ、この一打だけは前傾姿勢に見えてしまい、とてももったいなかったなと感じた。
今後この局のことをしっかり思い起こし、井上の麻雀の抽斗を更に増やして くれればと切に願う。

3回戦も瑠美がトップを捉え、勝ち上がりに王手をかける。

3回戦終了時
ルミ+31.3P
井上+11.8P
宮内▲9.5P
高田▲33.6P

4回戦 起家から 井上 瑠美 宮内 高田

ここまでずっと我慢の麻雀を続けしていた宮内が、遂に現女流桜花の実力を発揮!

東1局に2,600、東2局に2,000・4,000をアガリトップ目で迎えた南2局の親番、まずは2,000オールをツモアガる。

南3局1本場

宮内46,800
瑠美30,900
井上23,500
高田18,800

瑠美より着順を上げたい井上が、ドラ2枚のリーチを放つ。

七万七万七万二索四索五索六索七索九索九索五筒六筒七筒  ドラ九索

親で仕掛けていた宮内もこのリーチにすぐに追いつき真っ向勝負。

宮内
一索一索二索二索三索三索北北白白  ポン中中中

終盤にドラの九索を持って来るもノータイムでこれをツモ切り。
結果、流局となるが現在46,800持っており、リーチをしてきたのは当面のライバル。
トーナメントの戦い方としてこれはどうなのかと問われれば、確かに頷けないかもしれない。
同じような局面で振り込みマシーンかとなじられた事もなきにしもあらずであろう。
しかし、正にこれこそが宮内の強さの秘訣なのだと思う。
ここが勝負所と捉えたら、最後まできっちり攻め続け、他者の追従を許さない。
(意外と手役派なことも知っているつもりなのだが 笑)

この九索を通し得たことにより、この後長い長~いこずえタイムが始まるのだ。

南3局2本場

この手をしっかりアガリラス親を持ってきてこの半荘は是が非でもトップを取りたい高田が先制リーチ。

高田

三万四万五万三索四索五索九索九索四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ五索

そこへまだまだ足りないと言わんばかりの宮内が追いかけリーチを打つ。

宮内

二万二万五索六索七索三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒  リーチ

この勝敗は、高田が二筒を掴み宮内が12,600を加点。
その後も4,300オール、1人テンパイ、2人テンパイと連荘し、この半荘80,000点近い点棒を掻き集め、断トツでほぼ決勝への通過を手中に収めた。

4回戦終了時
宮内+53.2P
瑠美+29.8P
井上▲8.1P
高田▲74.9P

5回戦 起家 から高田 宮内 瑠美 井上

宮内はほぼ通過確定、高田はかなり厳しい状況、焦点は瑠美と井上の次点争いに。

東3局 親瑠美

10巡目まずは親で瑠美がピンフの先制リーチ。

瑠美
五万六万五索五索五索六索七索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  ドラ四万

13巡目

井上
四万五万七万七万一索一索二索二索七索七索八筒八筒中  ツモ四万

腹をくくって1枚切れの中で追っかけリーチを放つ。
この時点で瑠美の待ちは0枚、井上の待ちは残り2枚。
観戦している側としても手に汗を握る直接対決最後の勝負所は、高田に中が1枚流れ、もう1枚は王牌に眠っていた。

南2局 親宮内

宮内43,600
高田33,000
瑠美22,000
井上21,400

最終戦開始時の瑠美と井上の差は37.9P、なのでトップラスなら8,000点、2着ラスなら18,000点の差をつければ井上は勝ち上がることが出来る。
捲る立場として現在の並びは絶好の位置。

7巡目井上

二万三万四万六万七万八万四索七索三筒三筒三筒四筒四筒  ツモ二索  ドラ四万

このテンパイを七索切りのヤミに構える。
リーチしてツモれば満貫なので、ここでリーチを選択する人も少なくはないのではないか。
しかしこの時井上は、きっとこんな手が後何回入るかわからない、もしツモってしまったらフリテンリーチをかけようと考えていたのだと思う。

12巡目、ついに二筒を引き入れタンヤオ三色としリーチに打って出る。
この瞬間、最終戦のこのような展開が後押ししてなのか、彼女の麻雀に心を打たれたのか、手に汗握っている自分がいた。
だが、井上の手元に三索が来る事はなく敢えなく流局。

最終局は宮内がアガリ、プロクイーンD卓の白熱した闘いは幕を閉じた。
終わって見れば実力、経験共に豊富な瑠美、宮内の勝ち上がりとなったわけだが、井上、高田も要所要所で彼女達なりの精一杯の麻雀を魅せた。
だからこの対局が素晴らしいものになったのだと思う。
瑠美、宮内にはこの後の戦いでも今日の様な重く力強い麻雀を打ち、プロクイーンのティアラを目指してもらいたい。
そして今回健闘及ばす敗退した井上、高田には、今日の日の悔しさを生かし、来年こそは決勝の舞台に立てるよう更なる精進を積んで欲しい。

プロクイーン決定戦 レポート/第14期プロクイーンベスト16D卓 吉田 直

ベスト16最後の卓となったD卓。その顔ぶれ、まずは現女流桜花の宮内こずえ。
昨年プロクイーン決勝進出、第11期プロクイーン、第17期プロ最強位の二階堂瑠美。
天空への道で優勝し、天空麻雀やレディース麻雀グランプリなどメディアでも活躍中の井上絵美子。
昨年もプロクイーンベスト16に進出したがそこで涙をのんだ高田麻衣子の4名。
瑠美、宮内の先輩実力者に井上、高田の新勢力がどう反撃していくか。
この2人も相当の力を秘めていると思われるので、非常に面白い展開が予想される。
100
1回戦
起家から宮内、瑠美、高田、井上
東3局1本場 親高田
まださほど点差が動いていない東3局、井上にドラ暗刻の勝負手が入りノータイムでリーチを放つ。
井上
六万七万八万二索三索六索六索六索三筒四筒五筒六筒六筒  リーチ  ドラ六索
しかしその前から既にヤミテンが入っていた瑠美に悩ましいツモが。
瑠美
一筒二筒三筒五筒六筒七筒七筒七筒八筒九筒九筒中中  ツモ中
各選手の河は
親高田
八万 上向き四万 上向き三万 上向き八万 上向き六筒 上向き二筒 上向き
二筒 上向き中八索 上向き南
井上
一万 上向き一万 上向き九万 上向き四万 上向き九索 上向き六万 上向き
南四筒 上向き七索 左向き
宮内
四筒 上向き三万 上向き二万 上向き五筒 上向き北発
白九索 上向き六万 上向き九万 上向き
瑠美
四索 上向き発五万 上向き一索 上向き四索 上向き二万 上向き
一万 上向き七万 上向き三索 上向き
場況的には瑠美にとってファーストテンパイの八筒は待ちごろだが、九筒を勝負すれば現物の四筒で12,000の大物手。
ただ瑠美が井上に無筋の九筒を切れば、脇の2人がリーチの現物を打つ保証は薄くなる。
この時瑠美は筋の七筒切りで六筒九筒待ちを選択。瑠美も井上もお互い初めての大物手であり、試合を自分のペースに持ってゆく上で是が非でも成就させたいところだろう。
果たしてどちらがアガるのか、瑠美の選択は正しかったのか?!…
と考えさせられる間もなく、親の高田が九筒をサクッと河に捨て、瑠美が8,000を直撃。
親高田の手は、
一索一索二索四索五索五索六索東西西北北北  ツモ九筒
この2シャンテン。
確かにこの半荘のトップを決めるほどの大物手になる可能性を秘めてはいる。
だが、九筒は2人に通っておらず、さらに瑠美の捨て牌が明らかなピンズの染め手。
その瑠美が筋とはいえ七筒を切り出しているので、ここはぐっと堪えて欲しかった。
一方、ドラ暗刻の勝負手をアガリ切れなかった井上の心境はいかに?
東4局親井上
13巡目に以下の牌姿
二万三万四万一索一索三索三索四索九索九索東東発  ツモ東  ドラ発
シャンテンになりここでドラの発をリリース。すると西家の瑠美が迷わずポンをする。
井上が次巡九索を引きリーチ。そして瑠美もその巡目にチーテンが入りまたもや2人の闘いになる。
井上
二万三万四万一索一索三索四索九索九索九索東東東  リーチ
瑠美 
一万三万九万九万一筒二筒三筒  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ポン発発発
今度は井上に軍配があがりハイテイで五索をツモって4,000オール。
このアガリを見て、今日の彼女にはツキも味方しているし、普段以上に強気な攻めが出来ているので、勝ち上がりの一人になるのではないかと予想した。
しかし高田も黙ってはいない。
南3局 親高田
四万五万三索四索五索一筒二筒三筒三筒四筒五筒発発  リーチ
高めの三筒五索と引き入れ絶好の感触でリーチを打った高田は一発で高めの三万を引き込み6,000オールで一人抜け出す。
南4局2本場
10巡目
瑠美
三万四万四万七万七万一筒一筒一筒二筒三筒四筒南南  ツモ南  ドラ一筒
ここで彼女は三万を切ってツモり三暗刻のリーチを打つ。
だが、アガれば2着の宮内がしっかりと瑠美のリーチに押し切り、1,000点をアガって2着を死守。
1回戦から非常に見応えのある闘いであった。
ドラ暗刻で跳満ツモ2着の状況で二万五万待ちが悪いわけでもないのに、何故瑠美がわざわざツモり三暗刻にしたのか違和感があったのだが、 即座に納得がいった。
下家の高田が役牌を1つ仕掛けており、恐らく高田に四万七万は当たり、もしくはテンパイを入れさせてしまうとふんだのであろう。
その読みは流石というべきで、実際高田は以下の牌姿。
高田
五万六万七万八万九万五索五索七筒八筒西  ポン白白白
瑠美が四万を切ってリーチしたならば、一発も消え安牌を切ってテンパイ出来るのだから鳴いたであろう。
しかし、この瑠美の見事な考察とは裏腹に、もし彼女が四万切りを選択し高田がチーしていたのなら、即二万をツモアガって3,000・6,000。
ラス目から僥倖の逆転2着となっていた。
このように麻雀とは、一打一打の取捨選択の重要性もさることながら、必ずしもその判断が結果に反映するとは限らないものなのだと改めて痛感させられた。
1回戦終了 時
高田+28.4P
宮内+7.6P
井上▲4.3P
瑠美▲31.7P
2回戦は、初戦ラスを引かされた瑠美が手役派のお手本ともいうべき素晴らしい手順で終始魅了し、トップを奪い4者混戦。
2回戦終了時
井上+6.4P
宮内+6.1P
瑠美▲4.9P
高田▲7.6P
3回戦起家から井上 宮内 瑠美 高田
僅差のトータルトップ目で、この半荘も45,800点持ちでトップを維持し続ける井上。
東3局4本場 親瑠美
井上が残り1巡で以下の牌姿
三万四万五万六万七万八万九万四索五索三筒四筒五筒六筒  ツモ白  ドラ白
この白をツモ切り、宮内に12,000の放銃。
宮内
九万九万一筒一筒九筒九筒東東西西白中中  ロン白
状況は、親の瑠美がドラの白を3巡前に切っており、その後北家の宮内の二万をチーしてテンパイ模様。
高田は受けに回っているよう。
北家の宮内の捨て牌は一見国士に見えなくもないのだが、一万が場に4枚見えていたためそれは否定出来る。
そんな中親の瑠美に危険そうな二万を切っているため恐らく宮内にもテンパイが入っている。
国士を匂わす捨て牌から想像出来る手役といえば、真っ先に七対子が思い浮かぶ。
次にチャンタ。
レアケースで四暗刻といった所だろう。
井上には将来性もあり、今よりもっ と強くなってもらいたいと願っているのであえて辛口で記すが、もしあの時宮内のテンパイ気配に気付いていなかったのであれば少し私が買いかぶり過ぎていただけだし、分かっていて切ったのだとしても、自分はシャンテンで残り1巡。切るに見合う牌とは思えない。
平常時彼女がどれだけ慎重で丁寧に麻雀を打ち、このような暴牌を切らないのか知っている。
前述した通り、今日は前に出よう、攻めようと強い気持ちで打っていることも凄くわかる。
普段守備を重視している人間が強気の麻雀を打つ事はどれだけ勇気がいることか。
ただ、この一打だけは前傾姿勢に見えてしまい、とてももったいなかったなと感じた。
今後この局のことをしっかり思い起こし、井上の麻雀の抽斗を更に増やして くれればと切に願う。
3回戦も瑠美がトップを捉え、勝ち上がりに王手をかける。
3回戦終了時
ルミ+31.3P
井上+11.8P
宮内▲9.5P
高田▲33.6P
4回戦 起家から 井上 瑠美 宮内 高田
ここまでずっと我慢の麻雀を続けしていた宮内が、遂に現女流桜花の実力を発揮!
東1局に2,600、東2局に2,000・4,000をアガリトップ目で迎えた南2局の親番、まずは2,000オールをツモアガる。
南3局1本場
宮内46,800
瑠美30,900
井上23,500
高田18,800
瑠美より着順を上げたい井上が、ドラ2枚のリーチを放つ。
七万七万七万二索四索五索六索七索九索九索五筒六筒七筒  ドラ九索
親で仕掛けていた宮内もこのリーチにすぐに追いつき真っ向勝負。
宮内
一索一索二索二索三索三索北北白白  ポン中中中
終盤にドラの九索を持って来るもノータイムでこれをツモ切り。
結果、流局となるが現在46,800持っており、リーチをしてきたのは当面のライバル。
トーナメントの戦い方としてこれはどうなのかと問われれば、確かに頷けないかもしれない。
同じような局面で振り込みマシーンかとなじられた事もなきにしもあらずであろう。
しかし、正にこれこそが宮内の強さの秘訣なのだと思う。
ここが勝負所と捉えたら、最後まできっちり攻め続け、他者の追従を許さない。
(意外と手役派なことも知っているつもりなのだが 笑)
この九索を通し得たことにより、この後長い長~いこずえタイムが始まるのだ。
南3局2本場
この手をしっかりアガリラス親を持ってきてこの半荘は是が非でもトップを取りたい高田が先制リーチ。
高田
三万四万五万三索四索五索九索九索四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ五索
そこへまだまだ足りないと言わんばかりの宮内が追いかけリーチを打つ。
宮内
二万二万五索六索七索三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒  リーチ
この勝敗は、高田が二筒を掴み宮内が12,600を加点。
その後も4,300オール、1人テンパイ、2人テンパイと連荘し、この半荘80,000点近い点棒を掻き集め、断トツでほぼ決勝への通過を手中に収めた。
4回戦終了時
宮内+53.2P
瑠美+29.8P
井上▲8.1P
高田▲74.9P
5回戦 起家 から高田 宮内 瑠美 井上
宮内はほぼ通過確定、高田はかなり厳しい状況、焦点は瑠美と井上の次点争いに。
東3局 親瑠美
10巡目まずは親で瑠美がピンフの先制リーチ。
瑠美
五万六万五索五索五索六索七索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  ドラ四万
13巡目
井上
四万五万七万七万一索一索二索二索七索七索八筒八筒中  ツモ四万
腹をくくって1枚切れの中で追っかけリーチを放つ。
この時点で瑠美の待ちは0枚、井上の待ちは残り2枚。
観戦している側としても手に汗を握る直接対決最後の勝負所は、高田に中が1枚流れ、もう1枚は王牌に眠っていた。
南2局 親宮内
宮内43,600
高田33,000
瑠美22,000
井上21,400
最終戦開始時の瑠美と井上の差は37.9P、なのでトップラスなら8,000点、2着ラスなら18,000点の差をつければ井上は勝ち上がることが出来る。
捲る立場として現在の並びは絶好の位置。
7巡目井上
二万三万四万六万七万八万四索七索三筒三筒三筒四筒四筒  ツモ二索  ドラ四万
このテンパイを七索切りのヤミに構える。
リーチしてツモれば満貫なので、ここでリーチを選択する人も少なくはないのではないか。
しかしこの時井上は、きっとこんな手が後何回入るかわからない、もしツモってしまったらフリテンリーチをかけようと考えていたのだと思う。
12巡目、ついに二筒を引き入れタンヤオ三色としリーチに打って出る。
この瞬間、最終戦のこのような展開が後押ししてなのか、彼女の麻雀に心を打たれたのか、手に汗握っている自分がいた。
だが、井上の手元に三索が来る事はなく敢えなく流局。
最終局は宮内がアガリ、プロクイーンD卓の白熱した闘いは幕を閉じた。
終わって見れば実力、経験共に豊富な瑠美、宮内の勝ち上がりとなったわけだが、井上、高田も要所要所で彼女達なりの精一杯の麻雀を魅せた。
だからこの対局が素晴らしいものになったのだと思う。
瑠美、宮内にはこの後の戦いでも今日の様な重く力強い麻雀を打ち、プロクイーンのティアラを目指してもらいたい。
そして今回健闘及ばす敗退した井上、高田には、今日の日の悔しさを生かし、来年こそは決勝の舞台に立てるよう更なる精進を積んで欲しい。

第33期十段戦決勝 初日観戦記 荒 正義

(相性)

「十段戦」は「鳳凰戦」に次ぐ、プロ連盟のビッグタイトルである。
これを獲得すると、その年の近代麻雀の「最強戦」のファイナルにシードされる。麻雀モンドTVの出場チャンスもある。50歳以下なら「モンド杯」で、50歳以上なら「名人戦」である。
この人気番組はリピートを入れてその視聴者数は、1,000万人になるというからテレビの電波力は絶大である。一夜にしてそのプロの名は、全国に知れ渡るのだ。他のタイトル戦でシードされる。
だからこの「十段戦」は…獲るかとらないで天地の差となるのだ。誰だって、これを獲得したい気持ちはある。しかし、道のりは遠く厳しい。また、選手とタイトルには相性がある。これが奇妙にあるのだ。

十段戦男と言えば、剛腕・前原雄大である。通算5期で、これは異常ともいえる相性の良さだ。しかし、相性の良さなら第16期・十段の藤崎智も負けてはいない。
20年前の新人の時、彼は下からずっと勝ち上がり14期・十段戦の決勝まで進んでいたのだ。そして、今日で十段戦の決勝進出は8度目という。獲得は一度だがこれも異常な数字。強さは絶対だが、ここまでくれば相性としか言えない。

そして前期と同じく決定戦進出者はシードの柴田吉和、櫻井秀樹、藤崎智、ダンプ大橋。この顔触れも前年と同じ。ダンプも櫻井も十段戦に縁がある。そしてもう1人が初段戦からどんどん勝ち上がり、12のハードルを飛び越えてきた上田直樹だ。これがダークホースで台風の目となりそうだ。

 

100

 

 

1回戦

出親は櫻井で順に柴田・ダンプ・藤崎の並び(抜け番・上田)。
東1局。まず、最初に仕掛けたのが親の櫻井だ。
中のポンで手の内がこう。ここで東が鳴けたら打点は十分。

四万五万六索六索七索一筒二筒三筒東東  ポン中中中  ドラ八索

しかし、先にテンパイを入れたのは藤崎だ。

一万三万四万五万六万一索二索三索八索八索三筒四筒五筒

これで入り目がカンチャンの四筒である。入り目に手応えがある。
ドラが雀頭だから即リーチもあるが、好形を求めてしっかりヤミテン。

次の藤崎のツモが六筒で手が止まる。

一万三万四万五万六万一索二索三索八索八索三筒四筒五筒  ツモ六筒

華麗さを求めるなら一万切りで、マンズとピンズの両方の伸びを見る。それが普通の応手だ。だが、藤崎はそのままの仮テンを選択。テンパイを外し、二万ツモのアガリ逃しを嫌ったのだ。
しかし、ここで柴田のリーチが入る。

九万 上向き西中七万 上向き四索 上向き一万 上向き
六筒 上向き四筒 左向き

そして手牌はこう。

二万二万五万六万七万五索六索七索七索八索九索発発

ドラがあるから、発を引けば満貫相当の手だ。

だが、次の藤崎のツモが二筒で嫌な予感。無筋だがツモ切る。
柴田のリーチの指示牌は四筒だが、仮にあそこで一万を切りピンズの3面チャンのテンパイならこうだ。

四万五万六万一索二索三索八索八索二筒三筒四筒五筒六筒

藤崎は現物待ちでも、場の状況から追いかけリーチをかけていたに違いない。強い牌を打てばどうせテンパイはバレル。ならばリーチで打点を上げ、一気にめくり勝負に持ち込むのだ。

柴田の次のツモが東
この東に親の櫻井にポンテンが入る。
そして次に柴田の切った牌が七筒だった―。

麻雀にタラレバはないが、藤崎が仮にあのとき一万に手をかけていたならこの七筒で7,700を打ち取っていたのである。
そんなことは藤崎とて一瞬で感じたはずだ。沈着冷静な藤崎でも、ここは少なからず動揺が走ったことだろう。

この初めの一局、アガリを制したのは櫻井だ。
 
100

 

四万五万六索六索一筒二筒三筒  ポン東東東  ポン中中中  ツモ三万

リーチ棒と2,000オールで幸先のいいスタートを切った。打点もあるしアガリの一番手だから、櫻井は今日の手応えを十分感じたはずだ。だが、その櫻井に待ったをかけたのがダンプだ。1本場は、この手でダンプがリーチ。

三万三万三万五万六万七万七索八索三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ五万

そして、高めの六索を櫻井から打ち取る。これを巷ではデバサイという。出場所最高の意味である。ダンプは気分がよかったはずだ。一方、櫻井はこの打ち込みに一抹の不安を感じたに違いない。
もちろん、たった2局で勝負は決まらない。麻雀は山あり谷ありだ。道中は東海道のように長いのだ。

東3局はダンプの親番。ドラ東

流局間際に櫻井がドラの東を重ねてテンパイ。

八万八万九万一索一索一筒一筒四筒四筒七筒七筒東東

これにノーテンのダンプが飛び込む。九万は山越しで、良い待ちだったから仕方がなかったとしても、痛いのは6,400の失点である。ここからダンプが一気に崩れる。櫻井は、今日の調子がよく見える。

東4局は、親の藤崎から抑え込みのリーチが入る。

一万二万三万七万七万九万九万九万六索七索八索六筒八筒  ドラ一索

相手に圧力をかけ手を曲げさせ、降ろせば成功。
ツモなら御の字、流局でも連チャンで結構の腹である。いわば<チーム・がらくた>門外不出の技とされるが、今では誰もが知っている。
安手でくそ待ち。これで相手のチャンス手をつぶそうというのだ。

これが勝負のかけ引きだ。これを精度高く使えるかどうかが、打ち手の力量である。コツとしては親番のときで、こちらに勢いがあって相手が恐れる状況に限る。でなければ反撃にあってこちらがピンチを招く。

結果は思惑通り、藤崎の1人テンパイで流局。
(しめしめ、うまくいった…)
と、藤崎はそう思ったかどうか。黒い腹を見せるようで、私には恥ずかしくて使えない。

1本場は、櫻井のリーチを藤崎が追いかけて即ヅモ。
1,300オールと安いが、大事なのは点棒より親権確保にあるのだ。
続く2本場は、10巡目に櫻井のリーチが入る。

白発七筒 上向き一筒 上向き二索 上向き七筒 上向き
発六万 上向き八万 上向き三万 左向き

このとき藤崎の手がこう。

一万二万三万四万五万六万七万八万八万六筒七筒東東  ツモ東

ドラの二筒は無いが、そんなこと知るかだ。
一万を切って、横に曲げ追いかける。藤崎は自信満々でこう思ったはずだ。
(よし、この局はもらった。2回の連チャン、そしてダブル風の東の絶好の引き。風は自分に吹いている―)

出て7,700、ツモなら3,900オールだ。しかし、これが思いのほか長引いた。藤崎の最後のツモに力が入る。だめだ、力なくその七索を切るとこれに櫻井からロンの声。

一万一万二万三万四万五索六索二筒二筒二筒四筒四筒四筒

ドラの二筒が暗刻で8,000と600の放銃。
藤崎は…
(痛ッ、タタタ!)である。

場は乱打戦の荒れ場だが、ここからがダンプにとっては棘の道だった。

南1局は、リーチの柴田に突っ張って5,200の打ち込み。
南2局は柴田の親番。

一索二索三索一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西  ドラ九万

ダンプがこの手でリーチをかけたが、アガったのは柴田4,000オールだ。
 
100

 

九万九万七索七索九索一筒一筒六筒六筒 八筒八筒中中  ツモ九索

1本場は九種九牌。
2本場は、ダンプが親の柴田に1,500の放銃。
3本場は、10巡目にダンプが三筒を切ると、櫻井の手がサッと倒れた。

一筒二筒二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒九筒九筒九筒

愕然となるダンプ。
早いメンチンで、これでダンプが箱下500点。ロン牌がダンプに集まりだした、要注意だ。

 

100

 

南3局は、ダンプが櫻井にヤミテン3,900の放銃。
そして南4局の親番で、藤崎の会心の一発が出た。

一万二万三万八万九万一筒二筒三筒七筒八筒九筒東東  ツモ七万

入り目が一万七万は即ツモで、気持ちのいいアガリだった。これで藤崎の溜飲が下がった。あとは無難に流れて、四者の成績がこうだ。

1回戦成績
櫻井+31.9P 藤崎+13.2P 柴田+7.3P ダンプ▲52.4P

休憩の合間、藤崎が紫煙を吐きながらつぶやいた。
(どうも、櫻井との相性が悪いな。俺とやるときだけ…なぜか強い…)
そうだ、麻雀にはタイトルと同じで人との相性もあるのだ―。

 

2回戦

出親が櫻井で順に柴田・ダンプ・上田。(抜け番・藤崎)

さあ、いよいよ上田直樹の登場である。段位はまだ初段だが、彼は東京立川市の出で、1984生まれの32歳だ。趣味は水泳とサーフィンだと云う。顔が浅黒く端正なのはそのためか。この生命力と真面目さがあれば、五段昇るのも時間の問題であろう。
解説の瀬戸熊が云う。
「上田が予選と同様、あの気持ちの良い麻雀を打てば、この決勝戦は面白くなる…」
そういえば下の名が、瀬戸熊と同じ「直樹」なのも気になるところ。

東1局は、7巡目にダンプにリーチが入る。入り目が五筒でドラが四万である。

五万六万一索二索三索五索五索七索八索九索五筒六筒七筒

この時ダンプの心中はこうだ。
(コニャロー、もう許さんぞー)
大きく沈んだダンプには、もう後がないのだ。しかし、解説の沢崎は云う。
「この半チャンの大橋は、トップを狙うより浮きに持っていくことが大事―」

態勢が悪いときこそ我慢が大事で、まずツキの回復を図り話はそれからだというのだ。ホップ、ステップジャンプである。流石に練達者は言うことが違う。

このリーチに向かっていたのが、自風の南二筒をポンした柴田である。柴田のほうがテンパイは1巡早かった。

四万四万六万七万七筒八筒九筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 左向き  ポン南南南

そして、ここに七万を掴んだ柴田は六万切りで放銃を回避し、同じテンパイに取る。粘った親の櫻井も、16巡目に追いついた。

四万五万六万六索六索四筒五筒六筒東東中中中

こんな東でぶち込んだらたまらない。
(ダンプ、危し!)
と思ったら、次に引いたダンプのツモがドラの四万だった。
5,200のツモアガリ。見ていた者は、ホッと胸をなでおろす。

1回戦と違って今度は回りが早い。短打戦で早くも南場に入る。
ダンプにとっては、うれしい展開か。
しかしここで櫻井の一発が出た。

二万三万四万五万六万七万八万八万七索七索六筒七筒八筒  ドラ七万

この手を、リーチをかけて八万のツモで3,900オールだ。この時点で4人の持ち点はこうだ。

櫻井36,900 柴田30,200 ダンプ30,700 上田22,200

大丈夫だ、ダンプはまだかろうじて浮いている。

しかし、次の1本場は悲劇だった。
櫻井はドラドラの七対子をヤミで張る。

三万三万五万五万八万八万九万一索一索五索五索三筒三筒  ドラ三筒

九万はいい待ちで仕方がない。これに飛び込んでしまうのが、今日のダンプだ。9,600と300の放銃。抜け番の藤崎もつらい観戦である。
チャンネルのコメントも自然とダンプの応援が多くなる。人気者は得である。

2本場は流局で、ダンプと櫻井のテンパイだ。

3本場は自風の西をダンプがポン。
途中、上田のリーチが入ったがダンプが引き勝つ。

五万六万七万四索五索六索二筒二筒四筒四筒  ポン西西西  ツモ二筒

どうということのないアガリに見えるが、この西がドラなのである。
2,000・3,900の3本場だからこれは大きい。これでダンプは、2,100点の浮きに回る。
しかし、南2局は櫻井の仮テンに掴まり2,600の放銃。

三万四万五万五万五万六万六万七万七万二索三索四索三筒

どうも今日の櫻井は、ダンプに相性がいいようだ。

次がダンプの親番。9巡目にリーチをかけるダンプ。

六万七万八万一索一索三索四索五索六索七索六筒七筒八筒  ドラ八索

ドラが八索だから高目を引けば6,000オールだ。しかし、その八索は河に1枚出ていて櫻井の手に暗刻だ。

三万五万六万六万八索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒

相性が悪いから心配したが、無事五索ツモって1,300オールだ。

次も上田から、ダンプがアガって4,800と1本場の収入。
2本場は上田が柴田から3,200と2本場を打ち取る。

そしてオーラス。この時点でダンプは持ち点が38.5Pの2着目だ。
トップは櫻井でラスが上田である。
ここから上田が頑張った。

一万二万四万四万四万中中五索六索七索六筒七筒八筒  ドラ三万

この手を、リーチをかけて力ずくでドラを引きあがる。
まずは2,000オールだ。
次が圧巻。

一万一万一万八万九万九索九索九索七筒八筒九筒発発  ドラ発

この手を7巡目で仕上げ、同巡トップ目の櫻井から闇テンで打ち取る。チャンタ・ドラドラで12,000と300だ。

 

100

 

「これが、ミラクル上田の追い上げですよ!」
と瀬戸熊の解説。上田は夢中だが、このとき一番喜んだのは、抜け番の藤崎ではなかったか。
次の3本場は、柴田の一人聴牌で幕。小さめながらトップをと取れたダンプも、ホッとしたに違いない。

これが2回戦までの総合得点である。

櫻井33.1P 藤崎+13.2 上田+5.1 柴田▲13.1P ダンプ▲38.9P

差は詰まり、この点棒ならまだ途中経過に過ぎない。

 

3回戦

出親は上田で順に櫻井・ダンプ・藤崎の並び。上田の上家が藤崎なら、1枚目は鳴けても、2枚目から絞りがきつくなるのを上田は知っているであろうか―。

点棒が大きく動いたのは、東2局からだ。
親の櫻井が13巡目にリーチ。

一万二万三万一索二索三索五索七索七索七索一筒二筒三筒  リーチ  ドラ九筒

入り目が三筒だから期待が持てる。しかし皆、鉄壁のガードで出もしなければツモリもしない。そして南家のダンプにハイテイが回って小考。
現物がないのだ。三索が切れて八索が4枚出ている。だから六索を選んだ。しかしこれが、運悪くズドンと命中。
麻雀ではよくある出来事だが、ハイテイの12,000はこたえる。重く入るボディブローだ。息が詰まる。やっぱり今日のダンプの天敵は、櫻井のようである。

続く1本場は、上田が頑張った。ドラ七索
自風の北一筒鳴いて、まだ1シャンテン。

二索三索七索七索五筒六筒西  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ポン北北北

ここからが順風満帆。
まずドラの七索を引き、打西
次に五筒を重ねて六筒切り。そして楽々と一索ツモである。
2,000・3,900の1本場…これが持っている男の違いか。

あとは単打の応酬。

東4局は、親の藤崎が頑張った。藤崎にしては珍しい手牌4枚の3フーロ。
ダブ東を鳴いて、七筒の2度鳴きである。

六万七万九万九万  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ポン東東東

ダンプからドラドラのリーチが入ったが、ドラの五万を先に引いてリーチ棒込みの2,000オールだ。

続く1本場は藤崎の先制リーチだ。2巡目の東切りに、上げ潮の藤崎の高さが見える。
一筒 上向き東四万 上向き三索 上向き八万 左向き
この河で手牌がこう。

四万五万六万七万七万四索五索五索六索六索五筒六筒七筒  ドラ六筒

入り目は、三色崩れの安目の七筒である。これでも四索をツモったら6,000オールだ。
この怖い親のリーチに果敢に挑んだのが上田だ。7巡目に追いかけリーチだ。

六万六万六索七索八索二筒二筒二筒七筒八筒九筒発発  リーチ

勇敢だが、見方を変えれば無謀に見える。しかし、これが今の上田の良さなのかもしれない。
発は1枚残りで、四索七索は脇に流れたが3枚残りだ。しかし、乗っている男は掴まない。藤崎がやっと引いて、4,000オールの1本場だ。

2本場は、上田が千点のポンテンで親落としにかかる。怖い親は早く蹴るのが大事。その鳴きでドラの白を暗刻にし、追いついた櫻井が闇テンに構える。

六万七万八万一索二索三索四索四筒五筒六筒白白白

ここに上田が四索を飛び込んで、櫻井に8,000と600を献上する。
後は小場で流れて終了。
トップは藤崎で、2着が微差の櫻井。3着の上田とラスのダンプが大きく沈んだ。そして総合トータルがこうだ。

3回戦終了時
櫻井+46.8P 藤崎+36.0P 上田▲8.7P 柴田▲13.4P ダンプ▲61.7P 供託1.0P

 

4回戦

この第4戦が初日の最終回。抜け番は藤崎の天敵、櫻井だ。
始まる前の2人の会話が面白い。
藤崎「最終回は、ここで観ていくンだろ―」
櫻井「いや、お先に失礼します!」
藤崎「観ていけよ、ハラハラ・ドキドキさせてやるから!」
櫻井「それが疲れますので、帰ります」

本当に現場での抜け番の観戦は、結構疲れる。今日のように藤崎と櫻井が競りとなった場合はなおさらである。観戦していても自分が参戦しているのと同じ気分だ。相手に親満でもアガられたら、どっと疲れが出てくる。6,000オールなら気が遠くなる。

親は柴田で、順にダンプ・上田・藤崎の並び。

東1局。ドラ一索
8巡目、上田が仕掛ける。ドラそばの二索をチーだ。

五索五索五索六索八索八索八索白白発  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き

八筒 上向き八万 上向き北五筒 上向き三万 上向き六万 上向き
九索 上向き

この河で本命はソーズの染め手。
この鳴きで藤崎にテンパイが入る。

三万四万五万七万八万九万一索一索四索五索六索白白

ドラが一索なのでリーチかどうか迷う場面だが、ヤミテンを選択。
受けが両方とも、仕掛けた上田とかぶっているためであろう。
聴牌直前に二索を鳴かれ、一索を使いこなされたこともヤミテンの理由の1つだ。
ここでリーチを打てば、柴田とダンプに浮いた白は止められる可能性がある。上田に白が浮いていたならどのみち出る。ここは5,200で十分と考える。これが、藤崎の読みと大局観の明るさである。
 
100

 

上田のツモが面白い。

五索五索五索六索八索八索八索白白発  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ツモ八索

七索が河に3枚出ていたから八索の暗カンもあったが、発切りでテンパイを選んだ。そのラス牌の七索を柴田が掴んで5,200の放銃。

このとき親の柴田の手は、ずっとこうだった。

二万三万五万六万七万一索二索一筒二筒三筒五筒六筒六筒

あのとき上田の二索チーで、下げられたのが絶好の三索だったのである。
それならば柴田の手はこうなり、

二万三万五万六万七万一索二索三索一筒二筒三筒六筒六筒

上田のアガリより先にダンプが掴む一万で、11,600をアガっていたのだ。アガリを逃せば次に来るのはピンチだ。もちろん、この因果関係を対戦者は知る由もない。
後は小場で流れて藤崎の親番。

東1局1本場。3巡目、藤崎の手。

三万四万五万五万六万八万五索八索九索四筒四筒東西発  ドラ四万

ここから西切ると西家のダンプが動いた。ダンプはマンズの染め手に走ったが、遠い仕掛け。この鳴きで藤崎の手が一気に締まる。
まず、ドラの四万。次が辺七索。そしてイペーコの三万である。

三万三万四万四万五万五万六万八万五索七索八索九索四筒四筒

テンパイ取りもあったがダンプの河にマンズが高いため、打八万とテンパイ外し。

10巡目にテンパイを組む藤崎。

三万三万四万四万五万五万七索八索九索四筒四筒六筒八筒

ここに打ち上げたのが柴田だった。7,700とリーチ棒と300の収入。
これで藤崎がトップに立つ。

南2局はダンプが親番。ドラ五索
ここは上田がリーチで満貫をツモル。

二万三万五万六万七万五索五索二筒三筒四筒五筒五筒五筒  ツモ四万

辛かったのは親かぶりのダンプだ。

南3局。ドラ九万
しかし、そのダンプもこの満貫ツモ。ホッと一息ついた。

二索三索四索六索六索七索八索九索九万九万四筒五筒六筒  ツモ九万

南4局。最後は、藤崎の怖いラス親。ここにも、もう1つのドラマがあった。
藤崎の手、ドラが暗刻で5巡目である。誰もがずるい手と言った。

一万一万一万四万四万七索七索七索三筒三筒七筒七筒八筒  ドラ七索

引きがよければ、親の四暗刻まで見える手だ。
この後、七筒鳴いてテンパイをとる。これに飛び込んだのがトップ目の上田で、手痛い放銃。

1本場は、藤崎がダンプに打って(2000と300)終局。
藤崎は…しっかり、鬼(櫻井)の居ぬ間に洗濯である。
先行した藤崎と櫻井は有利だが、まだ100P差なら逆転可能。親の役満だってあるのだ。麻雀は次に何が起こるかわからない。さあ、次は目が離せない!

4回戦までの総合得点。

藤崎+56.5P 櫻井+46.8P 上田▲14.2P 柴田▲40.0P ダンプ▲50.1P 供託1.0P

十段戦 決勝観戦記/第33期十段戦決勝 初日観戦記 荒 正義

(相性)
「十段戦」は「鳳凰戦」に次ぐ、プロ連盟のビッグタイトルである。
これを獲得すると、その年の近代麻雀の「最強戦」のファイナルにシードされる。麻雀モンドTVの出場チャンスもある。50歳以下なら「モンド杯」で、50歳以上なら「名人戦」である。
この人気番組はリピートを入れてその視聴者数は、1,000万人になるというからテレビの電波力は絶大である。一夜にしてそのプロの名は、全国に知れ渡るのだ。他のタイトル戦でシードされる。
だからこの「十段戦」は…獲るかとらないで天地の差となるのだ。誰だって、これを獲得したい気持ちはある。しかし、道のりは遠く厳しい。また、選手とタイトルには相性がある。これが奇妙にあるのだ。
十段戦男と言えば、剛腕・前原雄大である。通算5期で、これは異常ともいえる相性の良さだ。しかし、相性の良さなら第16期・十段の藤崎智も負けてはいない。
20年前の新人の時、彼は下からずっと勝ち上がり14期・十段戦の決勝まで進んでいたのだ。そして、今日で十段戦の決勝進出は8度目という。獲得は一度だがこれも異常な数字。強さは絶対だが、ここまでくれば相性としか言えない。
そして前期と同じく決定戦進出者はシードの柴田吉和、櫻井秀樹、藤崎智、ダンプ大橋。この顔触れも前年と同じ。ダンプも櫻井も十段戦に縁がある。そしてもう1人が初段戦からどんどん勝ち上がり、12のハードルを飛び越えてきた上田直樹だ。これがダークホースで台風の目となりそうだ。
 
100
 
 
1回戦
出親は櫻井で順に柴田・ダンプ・藤崎の並び(抜け番・上田)。
東1局。まず、最初に仕掛けたのが親の櫻井だ。
中のポンで手の内がこう。ここで東が鳴けたら打点は十分。
四万五万六索六索七索一筒二筒三筒東東  ポン中中中  ドラ八索
しかし、先にテンパイを入れたのは藤崎だ。
一万三万四万五万六万一索二索三索八索八索三筒四筒五筒
これで入り目がカンチャンの四筒である。入り目に手応えがある。
ドラが雀頭だから即リーチもあるが、好形を求めてしっかりヤミテン。
次の藤崎のツモが六筒で手が止まる。
一万三万四万五万六万一索二索三索八索八索三筒四筒五筒  ツモ六筒
華麗さを求めるなら一万切りで、マンズとピンズの両方の伸びを見る。それが普通の応手だ。だが、藤崎はそのままの仮テンを選択。テンパイを外し、二万ツモのアガリ逃しを嫌ったのだ。
しかし、ここで柴田のリーチが入る。
九万 上向き西中七万 上向き四索 上向き一万 上向き
六筒 上向き四筒 左向き
そして手牌はこう。
二万二万五万六万七万五索六索七索七索八索九索発発
ドラがあるから、発を引けば満貫相当の手だ。
だが、次の藤崎のツモが二筒で嫌な予感。無筋だがツモ切る。
柴田のリーチの指示牌は四筒だが、仮にあそこで一万を切りピンズの3面チャンのテンパイならこうだ。
四万五万六万一索二索三索八索八索二筒三筒四筒五筒六筒
藤崎は現物待ちでも、場の状況から追いかけリーチをかけていたに違いない。強い牌を打てばどうせテンパイはバレル。ならばリーチで打点を上げ、一気にめくり勝負に持ち込むのだ。
柴田の次のツモが東
この東に親の櫻井にポンテンが入る。
そして次に柴田の切った牌が七筒だった―。
麻雀にタラレバはないが、藤崎が仮にあのとき一万に手をかけていたならこの七筒で7,700を打ち取っていたのである。
そんなことは藤崎とて一瞬で感じたはずだ。沈着冷静な藤崎でも、ここは少なからず動揺が走ったことだろう。
この初めの一局、アガリを制したのは櫻井だ。
 
100
 
四万五万六索六索一筒二筒三筒  ポン東東東  ポン中中中  ツモ三万
リーチ棒と2,000オールで幸先のいいスタートを切った。打点もあるしアガリの一番手だから、櫻井は今日の手応えを十分感じたはずだ。だが、その櫻井に待ったをかけたのがダンプだ。1本場は、この手でダンプがリーチ。
三万三万三万五万六万七万七索八索三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ五万
そして、高めの六索を櫻井から打ち取る。これを巷ではデバサイという。出場所最高の意味である。ダンプは気分がよかったはずだ。一方、櫻井はこの打ち込みに一抹の不安を感じたに違いない。
もちろん、たった2局で勝負は決まらない。麻雀は山あり谷ありだ。道中は東海道のように長いのだ。
東3局はダンプの親番。ドラ東
流局間際に櫻井がドラの東を重ねてテンパイ。
八万八万九万一索一索一筒一筒四筒四筒七筒七筒東東
これにノーテンのダンプが飛び込む。九万は山越しで、良い待ちだったから仕方がなかったとしても、痛いのは6,400の失点である。ここからダンプが一気に崩れる。櫻井は、今日の調子がよく見える。
東4局は、親の藤崎から抑え込みのリーチが入る。
一万二万三万七万七万九万九万九万六索七索八索六筒八筒  ドラ一索
相手に圧力をかけ手を曲げさせ、降ろせば成功。
ツモなら御の字、流局でも連チャンで結構の腹である。いわば<チーム・がらくた>門外不出の技とされるが、今では誰もが知っている。
安手でくそ待ち。これで相手のチャンス手をつぶそうというのだ。
これが勝負のかけ引きだ。これを精度高く使えるかどうかが、打ち手の力量である。コツとしては親番のときで、こちらに勢いがあって相手が恐れる状況に限る。でなければ反撃にあってこちらがピンチを招く。
結果は思惑通り、藤崎の1人テンパイで流局。
(しめしめ、うまくいった…)
と、藤崎はそう思ったかどうか。黒い腹を見せるようで、私には恥ずかしくて使えない。
1本場は、櫻井のリーチを藤崎が追いかけて即ヅモ。
1,300オールと安いが、大事なのは点棒より親権確保にあるのだ。
続く2本場は、10巡目に櫻井のリーチが入る。
白発七筒 上向き一筒 上向き二索 上向き七筒 上向き
発六万 上向き八万 上向き三万 左向き
このとき藤崎の手がこう。
一万二万三万四万五万六万七万八万八万六筒七筒東東  ツモ東
ドラの二筒は無いが、そんなこと知るかだ。
一万を切って、横に曲げ追いかける。藤崎は自信満々でこう思ったはずだ。
(よし、この局はもらった。2回の連チャン、そしてダブル風の東の絶好の引き。風は自分に吹いている―)
出て7,700、ツモなら3,900オールだ。しかし、これが思いのほか長引いた。藤崎の最後のツモに力が入る。だめだ、力なくその七索を切るとこれに櫻井からロンの声。
一万一万二万三万四万五索六索二筒二筒二筒四筒四筒四筒
ドラの二筒が暗刻で8,000と600の放銃。
藤崎は…
(痛ッ、タタタ!)である。
場は乱打戦の荒れ場だが、ここからがダンプにとっては棘の道だった。
南1局は、リーチの柴田に突っ張って5,200の打ち込み。
南2局は柴田の親番。
一索二索三索一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西  ドラ九万
ダンプがこの手でリーチをかけたが、アガったのは柴田4,000オールだ。
 
100
 
九万九万七索七索九索一筒一筒六筒六筒 八筒八筒中中  ツモ九索
1本場は九種九牌。
2本場は、ダンプが親の柴田に1,500の放銃。
3本場は、10巡目にダンプが三筒を切ると、櫻井の手がサッと倒れた。
一筒二筒二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒九筒九筒九筒
愕然となるダンプ。
早いメンチンで、これでダンプが箱下500点。ロン牌がダンプに集まりだした、要注意だ。
 
100
 
南3局は、ダンプが櫻井にヤミテン3,900の放銃。
そして南4局の親番で、藤崎の会心の一発が出た。
一万二万三万八万九万一筒二筒三筒七筒八筒九筒東東  ツモ七万
入り目が一万七万は即ツモで、気持ちのいいアガリだった。これで藤崎の溜飲が下がった。あとは無難に流れて、四者の成績がこうだ。
1回戦成績
櫻井+31.9P 藤崎+13.2P 柴田+7.3P ダンプ▲52.4P
休憩の合間、藤崎が紫煙を吐きながらつぶやいた。
(どうも、櫻井との相性が悪いな。俺とやるときだけ…なぜか強い…)
そうだ、麻雀にはタイトルと同じで人との相性もあるのだ―。
 
2回戦
出親が櫻井で順に柴田・ダンプ・上田。(抜け番・藤崎)
さあ、いよいよ上田直樹の登場である。段位はまだ初段だが、彼は東京立川市の出で、1984生まれの32歳だ。趣味は水泳とサーフィンだと云う。顔が浅黒く端正なのはそのためか。この生命力と真面目さがあれば、五段昇るのも時間の問題であろう。
解説の瀬戸熊が云う。
「上田が予選と同様、あの気持ちの良い麻雀を打てば、この決勝戦は面白くなる…」
そういえば下の名が、瀬戸熊と同じ「直樹」なのも気になるところ。
東1局は、7巡目にダンプにリーチが入る。入り目が五筒でドラが四万である。
五万六万一索二索三索五索五索七索八索九索五筒六筒七筒
この時ダンプの心中はこうだ。
(コニャロー、もう許さんぞー)
大きく沈んだダンプには、もう後がないのだ。しかし、解説の沢崎は云う。
「この半チャンの大橋は、トップを狙うより浮きに持っていくことが大事―」
態勢が悪いときこそ我慢が大事で、まずツキの回復を図り話はそれからだというのだ。ホップ、ステップジャンプである。流石に練達者は言うことが違う。
このリーチに向かっていたのが、自風の南二筒をポンした柴田である。柴田のほうがテンパイは1巡早かった。
四万四万六万七万七筒八筒九筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 左向き  ポン南南南
そして、ここに七万を掴んだ柴田は六万切りで放銃を回避し、同じテンパイに取る。粘った親の櫻井も、16巡目に追いついた。
四万五万六万六索六索四筒五筒六筒東東中中中
こんな東でぶち込んだらたまらない。
(ダンプ、危し!)
と思ったら、次に引いたダンプのツモがドラの四万だった。
5,200のツモアガリ。見ていた者は、ホッと胸をなでおろす。
1回戦と違って今度は回りが早い。短打戦で早くも南場に入る。
ダンプにとっては、うれしい展開か。
しかしここで櫻井の一発が出た。
二万三万四万五万六万七万八万八万七索七索六筒七筒八筒  ドラ七万
この手を、リーチをかけて八万のツモで3,900オールだ。この時点で4人の持ち点はこうだ。
櫻井36,900 柴田30,200 ダンプ30,700 上田22,200
大丈夫だ、ダンプはまだかろうじて浮いている。
しかし、次の1本場は悲劇だった。
櫻井はドラドラの七対子をヤミで張る。
三万三万五万五万八万八万九万一索一索五索五索三筒三筒  ドラ三筒
九万はいい待ちで仕方がない。これに飛び込んでしまうのが、今日のダンプだ。9,600と300の放銃。抜け番の藤崎もつらい観戦である。
チャンネルのコメントも自然とダンプの応援が多くなる。人気者は得である。
2本場は流局で、ダンプと櫻井のテンパイだ。
3本場は自風の西をダンプがポン。
途中、上田のリーチが入ったがダンプが引き勝つ。
五万六万七万四索五索六索二筒二筒四筒四筒  ポン西西西  ツモ二筒
どうということのないアガリに見えるが、この西がドラなのである。
2,000・3,900の3本場だからこれは大きい。これでダンプは、2,100点の浮きに回る。
しかし、南2局は櫻井の仮テンに掴まり2,600の放銃。
三万四万五万五万五万六万六万七万七万二索三索四索三筒
どうも今日の櫻井は、ダンプに相性がいいようだ。
次がダンプの親番。9巡目にリーチをかけるダンプ。
六万七万八万一索一索三索四索五索六索七索六筒七筒八筒  ドラ八索
ドラが八索だから高目を引けば6,000オールだ。しかし、その八索は河に1枚出ていて櫻井の手に暗刻だ。
三万五万六万六万八索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒
相性が悪いから心配したが、無事五索ツモって1,300オールだ。
次も上田から、ダンプがアガって4,800と1本場の収入。
2本場は上田が柴田から3,200と2本場を打ち取る。
そしてオーラス。この時点でダンプは持ち点が38.5Pの2着目だ。
トップは櫻井でラスが上田である。
ここから上田が頑張った。
一万二万四万四万四万中中五索六索七索六筒七筒八筒  ドラ三万
この手を、リーチをかけて力ずくでドラを引きあがる。
まずは2,000オールだ。
次が圧巻。
一万一万一万八万九万九索九索九索七筒八筒九筒発発  ドラ発
この手を7巡目で仕上げ、同巡トップ目の櫻井から闇テンで打ち取る。チャンタ・ドラドラで12,000と300だ。
 
100
 
「これが、ミラクル上田の追い上げですよ!」
と瀬戸熊の解説。上田は夢中だが、このとき一番喜んだのは、抜け番の藤崎ではなかったか。
次の3本場は、柴田の一人聴牌で幕。小さめながらトップをと取れたダンプも、ホッとしたに違いない。
これが2回戦までの総合得点である。
櫻井33.1P 藤崎+13.2 上田+5.1 柴田▲13.1P ダンプ▲38.9P
差は詰まり、この点棒ならまだ途中経過に過ぎない。
 
3回戦
出親は上田で順に櫻井・ダンプ・藤崎の並び。上田の上家が藤崎なら、1枚目は鳴けても、2枚目から絞りがきつくなるのを上田は知っているであろうか―。
点棒が大きく動いたのは、東2局からだ。
親の櫻井が13巡目にリーチ。
一万二万三万一索二索三索五索七索七索七索一筒二筒三筒  リーチ  ドラ九筒
入り目が三筒だから期待が持てる。しかし皆、鉄壁のガードで出もしなければツモリもしない。そして南家のダンプにハイテイが回って小考。
現物がないのだ。三索が切れて八索が4枚出ている。だから六索を選んだ。しかしこれが、運悪くズドンと命中。
麻雀ではよくある出来事だが、ハイテイの12,000はこたえる。重く入るボディブローだ。息が詰まる。やっぱり今日のダンプの天敵は、櫻井のようである。
続く1本場は、上田が頑張った。ドラ七索
自風の北一筒鳴いて、まだ1シャンテン。
二索三索七索七索五筒六筒西  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ポン北北北
ここからが順風満帆。
まずドラの七索を引き、打西
次に五筒を重ねて六筒切り。そして楽々と一索ツモである。
2,000・3,900の1本場…これが持っている男の違いか。
あとは単打の応酬。
東4局は、親の藤崎が頑張った。藤崎にしては珍しい手牌4枚の3フーロ。
ダブ東を鳴いて、七筒の2度鳴きである。
六万七万九万九万  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ポン東東東
ダンプからドラドラのリーチが入ったが、ドラの五万を先に引いてリーチ棒込みの2,000オールだ。
続く1本場は藤崎の先制リーチだ。2巡目の東切りに、上げ潮の藤崎の高さが見える。
一筒 上向き東四万 上向き三索 上向き八万 左向き
この河で手牌がこう。
四万五万六万七万七万四索五索五索六索六索五筒六筒七筒  ドラ六筒
入り目は、三色崩れの安目の七筒である。これでも四索をツモったら6,000オールだ。
この怖い親のリーチに果敢に挑んだのが上田だ。7巡目に追いかけリーチだ。
六万六万六索七索八索二筒二筒二筒七筒八筒九筒発発  リーチ
勇敢だが、見方を変えれば無謀に見える。しかし、これが今の上田の良さなのかもしれない。
発は1枚残りで、四索七索は脇に流れたが3枚残りだ。しかし、乗っている男は掴まない。藤崎がやっと引いて、4,000オールの1本場だ。
2本場は、上田が千点のポンテンで親落としにかかる。怖い親は早く蹴るのが大事。その鳴きでドラの白を暗刻にし、追いついた櫻井が闇テンに構える。
六万七万八万一索二索三索四索四筒五筒六筒白白白
ここに上田が四索を飛び込んで、櫻井に8,000と600を献上する。
後は小場で流れて終了。
トップは藤崎で、2着が微差の櫻井。3着の上田とラスのダンプが大きく沈んだ。そして総合トータルがこうだ。
3回戦終了時
櫻井+46.8P 藤崎+36.0P 上田▲8.7P 柴田▲13.4P ダンプ▲61.7P 供託1.0P
 
4回戦
この第4戦が初日の最終回。抜け番は藤崎の天敵、櫻井だ。
始まる前の2人の会話が面白い。
藤崎「最終回は、ここで観ていくンだろ―」
櫻井「いや、お先に失礼します!」
藤崎「観ていけよ、ハラハラ・ドキドキさせてやるから!」
櫻井「それが疲れますので、帰ります」
本当に現場での抜け番の観戦は、結構疲れる。今日のように藤崎と櫻井が競りとなった場合はなおさらである。観戦していても自分が参戦しているのと同じ気分だ。相手に親満でもアガられたら、どっと疲れが出てくる。6,000オールなら気が遠くなる。
親は柴田で、順にダンプ・上田・藤崎の並び。
東1局。ドラ一索
8巡目、上田が仕掛ける。ドラそばの二索をチーだ。
五索五索五索六索八索八索八索白白発  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き
八筒 上向き八万 上向き北五筒 上向き三万 上向き六万 上向き
九索 上向き
この河で本命はソーズの染め手。
この鳴きで藤崎にテンパイが入る。
三万四万五万七万八万九万一索一索四索五索六索白白
ドラが一索なのでリーチかどうか迷う場面だが、ヤミテンを選択。
受けが両方とも、仕掛けた上田とかぶっているためであろう。
聴牌直前に二索を鳴かれ、一索を使いこなされたこともヤミテンの理由の1つだ。
ここでリーチを打てば、柴田とダンプに浮いた白は止められる可能性がある。上田に白が浮いていたならどのみち出る。ここは5,200で十分と考える。これが、藤崎の読みと大局観の明るさである。
 
100
 
上田のツモが面白い。
五索五索五索六索八索八索八索白白発  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ツモ八索
七索が河に3枚出ていたから八索の暗カンもあったが、発切りでテンパイを選んだ。そのラス牌の七索を柴田が掴んで5,200の放銃。
このとき親の柴田の手は、ずっとこうだった。
二万三万五万六万七万一索二索一筒二筒三筒五筒六筒六筒
あのとき上田の二索チーで、下げられたのが絶好の三索だったのである。
それならば柴田の手はこうなり、
二万三万五万六万七万一索二索三索一筒二筒三筒六筒六筒
上田のアガリより先にダンプが掴む一万で、11,600をアガっていたのだ。アガリを逃せば次に来るのはピンチだ。もちろん、この因果関係を対戦者は知る由もない。
後は小場で流れて藤崎の親番。
東1局1本場。3巡目、藤崎の手。
三万四万五万五万六万八万五索八索九索四筒四筒東西発  ドラ四万
ここから西切ると西家のダンプが動いた。ダンプはマンズの染め手に走ったが、遠い仕掛け。この鳴きで藤崎の手が一気に締まる。
まず、ドラの四万。次が辺七索。そしてイペーコの三万である。
三万三万四万四万五万五万六万八万五索七索八索九索四筒四筒
テンパイ取りもあったがダンプの河にマンズが高いため、打八万とテンパイ外し。
10巡目にテンパイを組む藤崎。
三万三万四万四万五万五万七索八索九索四筒四筒六筒八筒
ここに打ち上げたのが柴田だった。7,700とリーチ棒と300の収入。
これで藤崎がトップに立つ。
南2局はダンプが親番。ドラ五索
ここは上田がリーチで満貫をツモル。
二万三万五万六万七万五索五索二筒三筒四筒五筒五筒五筒  ツモ四万
辛かったのは親かぶりのダンプだ。
南3局。ドラ九万
しかし、そのダンプもこの満貫ツモ。ホッと一息ついた。
二索三索四索六索六索七索八索九索九万九万四筒五筒六筒  ツモ九万
南4局。最後は、藤崎の怖いラス親。ここにも、もう1つのドラマがあった。
藤崎の手、ドラが暗刻で5巡目である。誰もがずるい手と言った。
一万一万一万四万四万七索七索七索三筒三筒七筒七筒八筒  ドラ七索
引きがよければ、親の四暗刻まで見える手だ。
この後、七筒鳴いてテンパイをとる。これに飛び込んだのがトップ目の上田で、手痛い放銃。
1本場は、藤崎がダンプに打って(2000と300)終局。
藤崎は…しっかり、鬼(櫻井)の居ぬ間に洗濯である。
先行した藤崎と櫻井は有利だが、まだ100P差なら逆転可能。親の役満だってあるのだ。麻雀は次に何が起こるかわからない。さあ、次は目が離せない!
4回戦までの総合得点。
藤崎+56.5P 櫻井+46.8P 上田▲14.2P 柴田▲40.0P ダンプ▲50.1P 供託1.0P

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

【決勝メンバー決定】

 

100

 

◇天鳳位vs.連盟プロ 1stseason
ASAPINvs.瀬戸熊直樹vs.藤崎智vs.独歩

決勝戦は10/23日本プロ麻雀連盟チャンネルにて配信!

 

◇プロクイーン決定戦

 

100

 

決勝戦は10/15、22、29、3日間に渡って配信予定!

 

【十段位決定戦】
 
2日目を終え、ポイントは以下のようになっている。

藤崎智 +137.1P
櫻井秀樹 +38.0P
上田直樹 ▲49.5P
柴田吉和 ▲53.2P
ダンプ大橋 ▲73.4P

ここのところ、何となく不調ムードの藤崎であったが、他を圧倒してリードを広げている。
しかし、タイトル戦決勝は最終日に波乱があることも少なくはない。
残り4回戦、最後まで目が離せない。
最終日は10/8配信だ!

 

【麻雀プロ団体日本一決定戦】
 
9/25(日)
麻雀プロ団体日本一決定戦

 

100

 

128半荘に渡る闘いを制し、日本プロ麻雀連盟が優勝となった!
みんな嬉しそうだ!
今でもSNSは「麻雀プロ団体日本一決定戦」の話題で盛り上がっている。

終わったら終わったで、もう少し回数が多ければ…なんて意見も聞こえてくるが、一体何半荘にすればいいんや!?
残り回数が少なくなるほど、トップを走るチームに対するマークは厳しくなる。
首位のチームに不利になるような打牌がハマればトップチームは後退するが、仕掛けた方も失速してしまう。そして、漁夫の利を得てまた新たなチームが戦線に加わる。
そうこうやっているうちに、脱落していくチームが出てくる。
順位に並びができれば、それに対する策が打たれる。多分長くやればやるほど、上と下の差は広がり、2チームの一騎打ちになるんじゃないかな!

ともかく、おめでとう連盟!ありがとう連盟!

(閉会式だけを見て感動したような気持ちになる奴はいねえかー
誰か出場してるかも知らない奴はいねえかー)

 

【今月のB1リーグselect】
 
今回セレクトされたのはこの卓!
浜上文吾vs.佐々木寿人vs.寺尾威一郎vs.鮎川卓

解説は……?

100

ついにきました。この方。
「強い者が勝ち、弱い者が負ける。ただそれだけのことだ…」

 

【ニューチャンピオンズリーグ】
 
なんだこの投げやりなネーミングは!?とおもったらお尻に(仮)がついていた。良かった。
どうやら「WRC」を使った名称が採用されるようだ。情報を待て!

 

【特昇リーグ第一節】

 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 合計
1 蛯原 朗 53.9 53.9
2 上田 直樹 46.1 46.1
3 小島 広宣 40.4 40.4
4 新谷 翔平 28.0 28.0
5 山田 学武 23.6 23.6
6 小松 武蔵 21.5 21.5
7 泉 亮多 14.2 14.2
8 蒼山 秀佑 9.0 9.0
9 田代 航太郎 6.6 6.6
10 北條 恵美 ▲ 0.1 ▲ 0.1
11 相場 雄大 ▲ 2.0 ▲ 2.0
12 林 潤一郎 ▲ 13.9 ▲ 13.9
13 犬見 武史 ▲ 14.4 ▲ 14.4
14 久山 浩司 ▲ 20.7 ▲ 20.7
15 手塚 紗掬 ▲ 29.6 ▲ 29.6
16 谷岡 育夫 ▲ 38.0 ▲ 38.0
17 庄田 祐生 ▲ 54.0 ▲ 54.0
18 大庭 三四郎 ▲ 73.6 ▲ 73.6

 

30期のチャンピオンズリーグで死闘を繰り広げた「能登の狂犬」こと庄田祐生と大庭三四郎が、ここでは熾烈な最下位争いを繰り広げている。

 

100

 

10/9(日)日本プロ麻雀チャンネルにて、ロン2カップautumnが開催される。
当日は、この特別昇級リーグが開催となるため、今回MCの座に三四郎はいない。
変わりにMCを務めるのはこの男。

 

100

ワンツー!

100

イヤホイ!

 

【合いの手】
 
ワンツーイヤホイ!

息の合った様子が写真からも伝わると思う。
これはカラオケの合間などに入れる合いの手だが、実況でおなじみの日吉辰哉が考案したものだ。
速い曲なら若干食い気味に、逆に遅い曲なら一拍置いて、というように非常に万能な合いの手なのである。

 

100

イヤホイ!

 

そこに無理やりカットインしたのは石川県出身の若手プロだ。
「能登の狂犬って元々オレですよ!オレ!」
何を言っているのかはわからないが、写りたかったようだ。
とにかく、万能な合いの手「ワンツーイヤホイ」忘年会シーズンには持ってこいだ。

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
【決勝メンバー決定】
 

100

 
◇天鳳位vs.連盟プロ 1stseason
ASAPINvs.瀬戸熊直樹vs.藤崎智vs.独歩
決勝戦は10/23日本プロ麻雀連盟チャンネルにて配信!
 
◇プロクイーン決定戦
 

100

 
決勝戦は10/15、22、29、3日間に渡って配信予定!
 
【十段位決定戦】
 
2日目を終え、ポイントは以下のようになっている。

藤崎智 +137.1P
櫻井秀樹 +38.0P
上田直樹 ▲49.5P
柴田吉和 ▲53.2P
ダンプ大橋 ▲73.4P

ここのところ、何となく不調ムードの藤崎であったが、他を圧倒してリードを広げている。
しかし、タイトル戦決勝は最終日に波乱があることも少なくはない。
残り4回戦、最後まで目が離せない。
最終日は10/8配信だ!
 
【麻雀プロ団体日本一決定戦】
 
9/25(日)
麻雀プロ団体日本一決定戦
 

100

 
128半荘に渡る闘いを制し、日本プロ麻雀連盟が優勝となった!
みんな嬉しそうだ!
今でもSNSは「麻雀プロ団体日本一決定戦」の話題で盛り上がっている。
終わったら終わったで、もう少し回数が多ければ…なんて意見も聞こえてくるが、一体何半荘にすればいいんや!?
残り回数が少なくなるほど、トップを走るチームに対するマークは厳しくなる。
首位のチームに不利になるような打牌がハマればトップチームは後退するが、仕掛けた方も失速してしまう。そして、漁夫の利を得てまた新たなチームが戦線に加わる。
そうこうやっているうちに、脱落していくチームが出てくる。
順位に並びができれば、それに対する策が打たれる。多分長くやればやるほど、上と下の差は広がり、2チームの一騎打ちになるんじゃないかな!
ともかく、おめでとう連盟!ありがとう連盟!
(閉会式だけを見て感動したような気持ちになる奴はいねえかー
誰か出場してるかも知らない奴はいねえかー)
 
【今月のB1リーグselect】
 
今回セレクトされたのはこの卓!
浜上文吾vs.佐々木寿人vs.寺尾威一郎vs.鮎川卓
解説は……?

100

ついにきました。この方。
「強い者が勝ち、弱い者が負ける。ただそれだけのことだ…」
 
【ニューチャンピオンズリーグ】
 
なんだこの投げやりなネーミングは!?とおもったらお尻に(仮)がついていた。良かった。
どうやら「WRC」を使った名称が採用されるようだ。情報を待て!
 
【特昇リーグ第一節】
 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 合計
1 蛯原 朗 53.9 53.9
2 上田 直樹 46.1 46.1
3 小島 広宣 40.4 40.4
4 新谷 翔平 28.0 28.0
5 山田 学武 23.6 23.6
6 小松 武蔵 21.5 21.5
7 泉 亮多 14.2 14.2
8 蒼山 秀佑 9.0 9.0
9 田代 航太郎 6.6 6.6
10 北條 恵美 ▲ 0.1 ▲ 0.1
11 相場 雄大 ▲ 2.0 ▲ 2.0
12 林 潤一郎 ▲ 13.9 ▲ 13.9
13 犬見 武史 ▲ 14.4 ▲ 14.4
14 久山 浩司 ▲ 20.7 ▲ 20.7
15 手塚 紗掬 ▲ 29.6 ▲ 29.6
16 谷岡 育夫 ▲ 38.0 ▲ 38.0
17 庄田 祐生 ▲ 54.0 ▲ 54.0
18 大庭 三四郎 ▲ 73.6 ▲ 73.6

 
30期のチャンピオンズリーグで死闘を繰り広げた「能登の狂犬」こと庄田祐生と大庭三四郎が、ここでは熾烈な最下位争いを繰り広げている。
 

100

 
10/9(日)日本プロ麻雀チャンネルにて、ロン2カップautumnが開催される。
当日は、この特別昇級リーグが開催となるため、今回MCの座に三四郎はいない。
変わりにMCを務めるのはこの男。
 

100

ワンツー!

100

イヤホイ!

 
【合いの手】
 
ワンツーイヤホイ!
息の合った様子が写真からも伝わると思う。
これはカラオケの合間などに入れる合いの手だが、実況でおなじみの日吉辰哉が考案したものだ。
速い曲なら若干食い気味に、逆に遅い曲なら一拍置いて、というように非常に万能な合いの手なのである。
 

100

イヤホイ!

 
そこに無理やりカットインしたのは石川県出身の若手プロだ。
「能登の狂犬って元々オレですよ!オレ!」
何を言っているのかはわからないが、写りたかったようだ。
とにかく、万能な合いの手「ワンツーイヤホイ」忘年会シーズンには持ってこいだ。