上級/第115回『~考えるべきものは~』 前原雄大

東1局西家5巡目
三万四万六万七万二索三索四索六索七索八索八筒八筒八筒  ツモ五万  ドラ八筒
絶好の五万をツモりテンパイである。
ただ、問題は親から5巡目にリーチが入っていることである。
捨牌は、
東西一万 上向き四筒 上向き九筒 上向き
西以外は全て手出しである。
絶好のツモ五万と記したが、実際は既に親からリーチが入っている以上、マチの選択をしなければならない為、絶好かどうかは微妙である。
殊に最終手出しの九筒をどう考えるか。私は気息を整え打八筒として追いかけリーチを打つ。
このことが正しいかどうかは解らない。ただ、私はそうするというだけの事である。
大切なことは気息を整えるということにあると思っている。ひとつは放銃する覚悟と、もうひとつは次局の戦い方である。このことは若い頃から変わっていないように思う。
プロリーグであれ、稽古であれ、ルールが何であれ同じである。
二万二万四万五万六万一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒九筒
こんな放銃もしたこともある。
 
リーチ後六万を掴み
一万二万三万四万五万七万八万九万二索二索五筒六筒七筒
こういう放銃もしたことがある。
おそらくではあるが、親のリーチ宣言牌が九筒である以上、八筒だけは打たない方が多いように思われる。それも正しいと思う。
正しいという言葉そのものが色々あって良いのではないかとも考える。
上手く行ったケースも沢山ある。
一万二万三万五万六万七万八万九万二索三索四索七筒七筒
一万二万三万四万五万七万八万九万二索三索四索九筒九筒
他にも様々な事があった。
実際は、図の牌姿から何を打つかではなく、大切なことは次局に何をすべきか考えることにあると思う。
「リーチを打った時に何を考えているの?」
佐々木寿人さんに尋ねてみた。
「腹が減っている時は麻雀が終わったら何を食べようか考えています!」
尋ねる相手を間違えたようである。
「原稿に書いて良いかな」
「モチロンです」
勉強会の折り若手数人に尋ねてみた。
「ツモれ!」
そう考えている人が多かった。
「麻雀を打っている時は考えることが多いので、リーチを打ったあとは脳を休ませる為に何も考えません」
訊いてみないと解らないものだなと感じた。
実戦では私はあまり考えていない。一番考えているのはリーチを打った時である。
ツモアガリのケース、出アガリ、何処から出アガるか、放銃、相手のツモアガリ、流局等色々あるが、それらの起こった後の事、次局以降の戦い方を考える大切な時間である。
恐らく一番頭を使っていると思う。
「そういえば、前原さんて、放銃した後ゴチャゴチャやって何となく原点復帰しますよね」
棒が呟く。
「ゴチャゴチャって、他に表現の仕方があるでしょう」
話が逸れた。
冒頭の図から放銃になった場合、一番困るのは役無しドラ3のような配牌が来たときである。
昔ならば、第一打からドラを打ち出した。今は嫌々テンパイに向かうが、本当は配牌からオリたいのが本音である。
昔から言われた言葉であるが、
「通れば勝負牌、放銃すれば暴牌」
少なくとも八筒で当たれば大ダメージを負うわけである。
表現はおかしいかもしれないが、骨折して相手と五分に戦うには無理がある。
まずやるべきことは傷を癒す時間である。少なくとも親には向かわない。膝を抱えてじっとしているのが一番である。
ところが、何も考えず配牌を取ると手牌が良かったりすれば前に向かいたくなる。
そして、またもや親とぶつかったりすれば致命傷になりかねない。その日一日をたった東1局でダメにしてしまうことになる。
勿論、麻雀に絶対は無い。逆に勝負牌となった場合、二万五万八万を引きアガれば徹底的に攻め込む。
出アガリの場合は放銃者は無視する。上手く南家でアガリを拾えれば、親番は先行リーチ者がいても自分の手に忠実に打って行くだけである。
これは簡単なことである。
先日のプロリーグで最も後悔したのは図である。
4回戦 南3局 南家
三万三万五万四索四索六索六索七索七索八索八索六筒七筒  ドラ五筒
この牌姿から上家から出た四万を動かなかったことである。
インタビューでもコメントした通り、3回戦に自分で悪くしてしまい、4回戦はラスを覚悟していた。
ただ、ラスを引くにしても引き方がある。仕舞い方という言葉に置き換えても良い。
ここでワンチャンスではあるが、四万を仕掛けていれば五筒八筒はアガれていた。逆に仕掛けを入れなかったために、古川、藤崎にテンパイを入れさせてしまい、挙句の果てに放銃を招いた。
九万九万一索一索九索九索一筒東東西西発発
藤崎へのホンロウ七対子への放銃である。これは、今局に入る前の覚悟なり、状況判断をきちんと決めていなかったミスである。
ここを凌いでも迎えた親番で良くなったかどうかは疑わしい。それでも、あるか、ないか解らない1本の細い糸を手繰り寄せられる可能性はあったように思える。それを全て無為にしてしまったのも普段の鍛錬が足りない、もしくは疎かにしている証左に他ならない。
自戒の意味を込めてお読みの方々に伝えたい。
仕舞い方__何の仕事であれ、道であれ、これほど大切なものはないように考えている。

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

 

【王位戦準決勝進出者決定】

 

100

 

A級決勝観戦レポートを担当したのは蒼山秀佑。

 

100
100

 

ふたりとも初のベスト16。

 

100

 

こちらは字数制限で書き切れなかったのだろうか?
負けて悔しいはずだけど、何か余裕が見え隠れしていますね!

準決勝は11/26日本プロ麻雀連盟チャンネルにて配信!

 


放送ページはこちら

  • 放送予定 11/27 13:00~第42期王位戦~決勝戦~


放送ページはこちら


放送ページはこちら

 

 

【女流桜花】
 
第11期の決勝メンバーは、
宮内こずえ(現女流桜花)
魚谷侑未・仲田加南・松岡千晶(通過順)
以上の4名に決定した!

11月23日水曜日には、Aリーグの入れ替え戦も開催される。
吾妻さおり(Aリーグ15位)
稲岡ミカ(Bリーグ5位)
井上美里(Bリーグ6位)
土田小緒里(Cリーグ1位)
半荘4回戦でトータルポイント1位が来期Aリーグで戦う権利を得る。

第11期女流桜花~入れ替え戦

 

 

【モンジャラ】

 

100
100

 

ニコ生は気軽にコメントができる。先日のタキヒサバトルで「公私混同久春」(近藤久春プロの名前を使った佐々木寿人プロのギャグ)と言ったら、A1の対局で早速それが流れた。
おそらく近日中に井出康平プロが登場する機会があったら。
「モンジャラ」だの「進化したか?」だの流れてしまうことであろう。
佐々木、猿川、両氏には責任を感じてほしいものだ。

それにしても今年は結婚、妊娠など、おめでたいニュースが続出した。さすがに年内は打ち止めか?それとも更なる報告があるのか。

未婚女性の3人に1人は結婚報告にイラッときているというデータがあるそうだが、皆さんはどうだろうか?フッフッフ…

 

 

【麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー】

 

100

 

上手く書けたのは自分の力ではなく「ある方」のおかげ、と謙虚な姿勢を忘れない日吉辰哉。
先日後編がホームページにアップされた。

第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー
~前編~
~後編~

前編より明るく、軽いタッチで仕上がっているのは、こちらの方が良く喋るメンバーだったからであろう。

これを読むと、麻雀プロ団体日本一決定戦の感動が蘇ってくる。日吉辰哉も相当な覚悟を持って執筆に臨んだことだろう。

私Mr.Xはこんな適当なものを書いているのが恥ずかしくなる。
ただ、これはこれで辛いということを皆さんには伝えたい、わかってほしい。

大体、好きでこんなもん書いてるわけじゃない。

「匿名なんだから好きな事書けば?」

 

100

 

この言葉に乗せられて踊っているだけなんだ。

私は毎週その罪悪感に苛まされているのである。

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
【王位戦準決勝進出者決定】
 

100

 
A級決勝観戦レポートを担当したのは蒼山秀佑。
 

100
100

 
ふたりとも初のベスト16。
 

100

 
こちらは字数制限で書き切れなかったのだろうか?
負けて悔しいはずだけど、何か余裕が見え隠れしていますね!
準決勝は11/26日本プロ麻雀連盟チャンネルにて配信!
 


放送ページはこちら

  • 放送予定 11/27 13:00~第42期王位戦~決勝戦~


放送ページはこちら

放送ページはこちら
 
 
【女流桜花】
 
第11期の決勝メンバーは、
宮内こずえ(現女流桜花)
魚谷侑未・仲田加南・松岡千晶(通過順)
以上の4名に決定した!
11月23日水曜日には、Aリーグの入れ替え戦も開催される。
吾妻さおり(Aリーグ15位)
稲岡ミカ(Bリーグ5位)
井上美里(Bリーグ6位)
土田小緒里(Cリーグ1位)
半荘4回戦でトータルポイント1位が来期Aリーグで戦う権利を得る。
第11期女流桜花~入れ替え戦
 
 
【モンジャラ】
 

100
100

 
ニコ生は気軽にコメントができる。先日のタキヒサバトルで「公私混同久春」(近藤久春プロの名前を使った佐々木寿人プロのギャグ)と言ったら、A1の対局で早速それが流れた。
おそらく近日中に井出康平プロが登場する機会があったら。
「モンジャラ」だの「進化したか?」だの流れてしまうことであろう。
佐々木、猿川、両氏には責任を感じてほしいものだ。
それにしても今年は結婚、妊娠など、おめでたいニュースが続出した。さすがに年内は打ち止めか?それとも更なる報告があるのか。
未婚女性の3人に1人は結婚報告にイラッときているというデータがあるそうだが、皆さんはどうだろうか?フッフッフ…
 
 
【麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー】
 

100

 
上手く書けたのは自分の力ではなく「ある方」のおかげ、と謙虚な姿勢を忘れない日吉辰哉。
先日後編がホームページにアップされた。
第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー
~前編~
~後編~
前編より明るく、軽いタッチで仕上がっているのは、こちらの方が良く喋るメンバーだったからであろう。
これを読むと、麻雀プロ団体日本一決定戦の感動が蘇ってくる。日吉辰哉も相当な覚悟を持って執筆に臨んだことだろう。
私Mr.Xはこんな適当なものを書いているのが恥ずかしくなる。
ただ、これはこれで辛いということを皆さんには伝えたい、わかってほしい。
大体、好きでこんなもん書いてるわけじゃない。
「匿名なんだから好きな事書けば?」
 

100

 
この言葉に乗せられて踊っているだけなんだ。
私は毎週その罪悪感に苛まされているのである。

第28期中部プロリーグ 第3節レポート

Aリーグ:日下健司

第3節、折り返し地点である。私の対戦相手は古川、森下、朝岡。第2節を終えて古川は1位、森下は3位、私は4位。仕掛けの多い古川、朝岡に対して森下は面前指向である。前者の2人に乗っかって早い展開に持ち込んで森下を置き去りにするような形にしたほうが良い結果が出るかもしれないと考えていたが……。

1回戦、朝岡が東2局の親番でアガリを重ね頭一つ抜け出す。古川と森下は朝岡を追いかけて少しずつ点棒を戻していく。逆に私は3人に押されっぱなしで何もできない。
そうこうしているうちに1人沈みで迎えた南3局、私にテンパイが入った。そしてあっさりとツモった。四暗刻。このアガリでこの半荘は私がトップ。もちろん嬉しい。
しかしこの半荘を打ち終わったところで私は不安しか感じていなかった。私の目線では他の3人がとても冴えていたからである。そして麻雀というのは嫌な予感だけはよく当たる。

2回戦、3回戦は古川のトップ。前節大勝した時の良い感触をそのまま持ち込めていたのだろう、実にテンポ良くアガリを重ねてくる。そしてここが古川の怖いところなのだが、常に打点がこちらの想像より高い。
1回戦を4着で終わった古川だったが、この連勝であっという間にポイントを戻した。

4回戦、トップを取ったのは朝岡。そう、私の天敵朝岡である。とにかくやりづらいのだ。
朝岡がリーチ、仕掛け、ドラ切りなどの目立つアクションを起こすと私がそれに気を取られて他者にやられる。私に良い手が入ると朝岡にはもっと早くて良い手が入っている。
だいたいいつもこんな調子である。そんな朝岡だが、打ち込まないように気を遣いながらも大事な局面でアガリを物にし、この半荘のトップとこの日の卓内トップまでさらっていった。

森下はノートップながら▲0.6P。耐えてこうなったのではなく戦いまくってこうなったというかんじであった。よく古川と手がぶつかっていたが、失点しても親番で高い手を作ってアガリきってくるところが本当に強かった。親番で強い人間は麻雀が強いのだ。

各々が持ち味を発揮する中、私はいいとこなしの3連続ラス、嫌な予感的中である。1回戦の貯金を吐き出すどころか▲42.3Pとめり込んでしまった。役満をアガっていなかったらと思うとゾッとする数字である。
振り返ってみると私以外の3人は局の決着がつく瞬間まで戦っていたが、私はそんな3人に追い込まれて早々に手じまいという事が何度もあった。戦っている3人と戦えていない私、こんな結果が出るのも必然だろう。これで私は8位まで順位を下げてしまった。

全体を見渡すと下位はやや開きがあるが、元々上位にいた者たちのポイントが伸びず真ん中あたりにつけていた者たちが突き上げてきたため上位陣はかなりの混戦状態になっている。
そしてその中にはBリーグからの昇級者である安藤、林の名前もある。あと2節残っているがこの様子だと最後の最後まで決勝枠をめぐっての争いはもつれるのではないだろうか。私も今節は蹴落とされたが、もう一度上位に食い込めるようしっかりと準備をして次節の対局に臨むつもりである。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 古川 孝次 9.7 96.5 ▲ 5.0 101.2
2 伊藤 鉄也 52.1 46.4 ▲ 19.2 79.3
3 林 俊宏 ▲ 28.3 11.9 83.2 66.8
4 森下 剛任 32.4 31.7 ▲ 0.6 63.5
5 寺戸 孝志 ▲ 2.9 42.3 14.7 54.1
6 安藤 大貴 ▲ 2.3 54.5 ▲ 5.1 47.1
7 佐藤 あいり 17.0 ▲ 25.5 38.0 29.5
8 日下 健司 25.5 34.4 ▲ 42.3 17.6
9 朝岡 祐 ▲ 7.0 ▲ 9.0 27.9 11.9
10 小野 雅峻 ▲ 42.5 10.1 30.7 ▲ 1.7
11 土岐 雄太 ▲ 6.9 ▲ 48.2 36.8 ▲ 18.3
12 杉村 泰治 41.2 ▲ 33.6 ▲ 29.0 ▲ 21.4
13 三戸 亮祐 ▲ 47.2 ▲ 23.0 19.4 ▲ 50.8
14 大滝 聡 ▲ 16.8 10.7 ▲ 70.9 ▲ 77.0
15 村瀬 寛光 ▲ 3.7 ▲ 85.9 ▲ 8.4 ▲ 98.0
16 杉浦 貴紀 ▲ 70.3 ▲ 117.3 ▲ 92.2 ▲ 279.8

 

Bリーグ:富村つぐみ

今期折り返しとなる中部プロリーグ第3節。
2節終わった時点での私のポイントは+37.5で現状6位。
昇級圏外ではありますが、ポイントがプラスしていたこともあり今節も特に明確な目標は作らずの対局でした。とはいえ、今節の結果次第で4節目・5節目に大きな影響を与えることになる重要な1節であると思います。
麻雀でいうところの南入といった感覚に近い気がする。現状の私をそれに例えるなら、東場でうまく加点をし原点以上を持って南入。ラス前、オーラスを余裕を持って迎えるために大きな失点は避けたいが、トップを目指すなら更に加点もしていきたいといったところか。

今節は、うまく4節目5節目に繋いでいけるかの大事な1節となりました。
対局者は、原田(+58.5)、加藤(+48.8)、金平(▲10.6)
今回も全員が初対局でした。現在3位の原田と4位の加藤、そして卓内唯一マイナスの金平。金平にとっては上位者しかいないので、相手のポイントを削りながら自分は加点していき全体の順位を逆転するチャンス。原田、加藤、富村の3人は極力失点は避けたいところだろうが、今節でさらに加点してのちの戦いを少しでも有利に迎えたい気持ちも大きいだろう。

1回戦目、原田の起家でスタートした。
東2局に金平が富村から12,000をアガリ早々に1人抜けた状態になった。マンズの染め手をしていたとはいえドラを鳴かせてしまい、軽くアガリを作る形になってしまった。
その後、私も満貫をツモり返し何とか2着目まで追い上げたが、オーラス金平がリャンペーコーをツモアガリ終了した。金平の1人浮きトップスタートとなった。

この日のイメージは全体的に流局が少なく常にアガリが発生していた。2回戦も派手な手格好こそ少ないが、全体が確実にアガって局を進める流れとなった。1人出遅れた原田がほとんど何もできず、一人沈みの4着で終了した。
3回戦は、序盤から富村が満貫をツモアガリ、その後も勝負手を確実に決め5万点を超える1人浮きトップで終わった。
4回戦またもや金平が確実にアガリを続け、この日2度目の1人浮きトップで終了した。
最終戦は本当に苦しい展開が多く我慢する場面がほとんどだった。その中で最小のマイナスで抑えられた半荘だったかなと思う。

結果は、2回の1人浮きトップを取った金平が卓内1位の+57.P1、続いて富村が+31.9P、加藤▲30.8P、原田▲60.2Pとなった。金平は一気にプラスに転じ、原田は自身のポイントをすべて削る形となってしまった。

全体の順位としては、1位富村(+69.4P)、2位清水(+60.4P)、3位牛尾(+56.0P)、4位金平(46.5P)となった。
なんと私が1位でした。同卓の金平も4位に躍り出た。とはいえ1位のポイントが70を切っていてボーダーが低いので次節以降何が起きてもおかしくない状況。上位陣はまだまだ油断ができない。

さて、続く第4節、ここからが本当の闘いかもしれない。
この順位、ポイントを踏まえ皆がどんな戦いをするのか。
私自身もとても楽しみな1節となりそうです。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 富村 つぐみ 29.4 8.1 31.9 69.4
2 清水 哲也 36.0 8.9 15.5 60.4
3 牛尾 信之 42.4 50.7 ▲ 37.1 56.0
4 金平 裕樹 21.5 ▲ 32.1 57.1 46.5
5 青山 大 ▲ 27.5 53.4 9.8 35.7
6 越川 清一 8.3 71.1 ▲ 51.6 27.8
7 大西 義則 4.0 1.3 13.7 19.0
8 加藤 泰史 31.6 17.2 ▲ 30.8 18.0
9 山本 拓哉 27.3 ▲ 6.1 ▲ 11.3 9.9
10 原田 知彦 ▲ 54.7 113.2 ▲ 60.2 ▲ 1.7
11 木村 東平 ▲ 13.0 5.1 ▲ 32.4 ▲ 40.3
12 河合 慎悟 11.1 ▲ 47.9 ▲ 7.9 ▲ 44.7
13 長谷川 弘 ▲ 15.0 ▲ 43.6 11.8 ▲ 46.8
14 中谷 彰吾 13.5 ▲ 69.7 5.5 ▲ 50.7
15 太田 峻也 ▲ 81.1 ▲ 52.7 63.3 ▲ 70.5
16 岡田 智和 ▲ 37.8 ▲ 96.9 ▲ 0.3 ▲ 135.0

 

Cリーグ:山本美文

夏の暑さも過ぎ去り、日中でも涼しい風が吹き秋を感じさせる陽気の中、折り返しとなる中部プロリーグ第3節が開幕しました。
この辺りから昇級のボーダーを気にしていきたいが、毎期+100Pを越えるポイントとなるのでそろそろ地盤を固めていかないと残りの2節が苦しい戦いとなるのは見えている。

今節調子が良かったのは32期生の若手永井、勢いのある麻雀で3回戦以外の全てをトップで終わらせベテランプロ達を抑え込む形となり、今回の結果でトータルでプラスに浮上した。この勢いで最終節まで駆け上がれば彼も昇級争いに参戦してくるだろう。
こちらも若手の31期生の堤、加点は大きく、失点は最小限に抑えた安定した戦いを見せ、前節までの結果と合わせ更にポイントを上乗せし上位陣を追いかけていく。

そしてベテランの大高坂。卓内では跳満、倍満の頻発する高打点の打ち合いとなっていたがその中でも落ち着いた戦いを見せ卓内を制し、全ての半荘の成績をプラスで終わらせた。
大高坂と同卓の大町もトータルをプラスで終えた。彼らも昇級争いの内の1人であることは間違いない。

全体的に見ると激しい浮き沈みはなく終わったものの、上位陣下位陣との差は徐々に開きつつある。しかし最終節まで油断できない。今節ではいなかったが僅か1節で+100Pを超えるポイントを叩きあっさり昇級していく猛者もいるので最後まで気を抜かず頑張っていこうと思う。

自身は本当に最終節に弱い。
昇級ボーダーに乗っている時もあればボーダーぎりぎりのこともある。しかし最終節ではほぼ毎回マイナスの成績を出してしまい昇級を逃している。

最終節での同卓者の気迫に負けてしまうのか、自身が意気込みすぎていつも通りの麻雀ができなくなっているのか、また別の要因があるのだろうかと悩んでいたところ、ある先輩プロが一番の敗因は相手によるものより自分自身によるものが多い、と語ってくれた。

自分の悩んでいた内容も、上記のように自身の精神力の問題であるところばかりであった。
平常心を保とうと思いながら対局に臨んでいたが、それを考えている時点で焦っているのだ。

プレッシャーに弱いのは麻雀という競技において致命的だ。ここ一番で戦うことができなくなってしまう。経験を重ねるごとに精神力は培われていると思いたいがまだまだ気が弱いのかもしれない。少々図太く試合に臨める様、自分に自信を持って鍛錬を積み重ねていこうと思う。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 掛水 洋徳 81.2 73.9 ▲ 18.8 136.3
2 池沢 麻奈美 12.1 75.0 38.1 125.2
3 大町 篤志 26.8 36.3 8.2 71.3
4 岡本 丈司 4.3 37.0 24.8 66.1
5 堤 文吾 ▲ 22.5 32.1 46.4 56.0
6 大高坂 松城 12.2 4.0 33.3 49.5
7 鈴木 淳 7.1 24.0 2.4 33.5
8 山本 美文 2.6 ▲ 4.6 19.2 17.2
9 永井 ゆうま 0.6 ▲ 39.0 41.9 3.5
10 鈴木 基芳 42.5 ▲ 0.2 ▲ 51.0 ▲ 8.7
11 太田 充 ▲ 30.1 6.7 5.1 ▲ 18.3
12 三谷 卓也 32.8 ▲ 15.9 ▲ 43.8 ▲ 26.9
13 浅野 文雅 ▲ 2.9 ▲ 31.3 3.2 ▲ 31.0
14 若松 正和 12.2 ▲ 51.8 5.9 ▲ 33.7
15 斎藤 寛生 ▲ 63.2 6.3 ▲ 9.3 ▲ 66.2
16 高橋 侑希 ▲ 26.8 16.2 ▲ 63.3 ▲ 73.9
17 都築 友和 11.3 ▲ 95.4 ▲ 2.8 ▲ 86.9
18 家田 みゆき ▲ 45.6 ▲ 79.3 7.0 ▲ 117.9
19 花井 香央理 ▲ 55.6 ▲ 16.0 ▲ 46.5 ▲ 118.1

中部プロリーグ レポート/第28期中部プロリーグ 第3節レポート

Aリーグ:日下健司
第3節、折り返し地点である。私の対戦相手は古川、森下、朝岡。第2節を終えて古川は1位、森下は3位、私は4位。仕掛けの多い古川、朝岡に対して森下は面前指向である。前者の2人に乗っかって早い展開に持ち込んで森下を置き去りにするような形にしたほうが良い結果が出るかもしれないと考えていたが……。
1回戦、朝岡が東2局の親番でアガリを重ね頭一つ抜け出す。古川と森下は朝岡を追いかけて少しずつ点棒を戻していく。逆に私は3人に押されっぱなしで何もできない。
そうこうしているうちに1人沈みで迎えた南3局、私にテンパイが入った。そしてあっさりとツモった。四暗刻。このアガリでこの半荘は私がトップ。もちろん嬉しい。
しかしこの半荘を打ち終わったところで私は不安しか感じていなかった。私の目線では他の3人がとても冴えていたからである。そして麻雀というのは嫌な予感だけはよく当たる。
2回戦、3回戦は古川のトップ。前節大勝した時の良い感触をそのまま持ち込めていたのだろう、実にテンポ良くアガリを重ねてくる。そしてここが古川の怖いところなのだが、常に打点がこちらの想像より高い。
1回戦を4着で終わった古川だったが、この連勝であっという間にポイントを戻した。
4回戦、トップを取ったのは朝岡。そう、私の天敵朝岡である。とにかくやりづらいのだ。
朝岡がリーチ、仕掛け、ドラ切りなどの目立つアクションを起こすと私がそれに気を取られて他者にやられる。私に良い手が入ると朝岡にはもっと早くて良い手が入っている。
だいたいいつもこんな調子である。そんな朝岡だが、打ち込まないように気を遣いながらも大事な局面でアガリを物にし、この半荘のトップとこの日の卓内トップまでさらっていった。
森下はノートップながら▲0.6P。耐えてこうなったのではなく戦いまくってこうなったというかんじであった。よく古川と手がぶつかっていたが、失点しても親番で高い手を作ってアガリきってくるところが本当に強かった。親番で強い人間は麻雀が強いのだ。
各々が持ち味を発揮する中、私はいいとこなしの3連続ラス、嫌な予感的中である。1回戦の貯金を吐き出すどころか▲42.3Pとめり込んでしまった。役満をアガっていなかったらと思うとゾッとする数字である。
振り返ってみると私以外の3人は局の決着がつく瞬間まで戦っていたが、私はそんな3人に追い込まれて早々に手じまいという事が何度もあった。戦っている3人と戦えていない私、こんな結果が出るのも必然だろう。これで私は8位まで順位を下げてしまった。
全体を見渡すと下位はやや開きがあるが、元々上位にいた者たちのポイントが伸びず真ん中あたりにつけていた者たちが突き上げてきたため上位陣はかなりの混戦状態になっている。
そしてその中にはBリーグからの昇級者である安藤、林の名前もある。あと2節残っているがこの様子だと最後の最後まで決勝枠をめぐっての争いはもつれるのではないだろうか。私も今節は蹴落とされたが、もう一度上位に食い込めるようしっかりと準備をして次節の対局に臨むつもりである。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 古川 孝次 9.7 96.5 ▲ 5.0 101.2
2 伊藤 鉄也 52.1 46.4 ▲ 19.2 79.3
3 林 俊宏 ▲ 28.3 11.9 83.2 66.8
4 森下 剛任 32.4 31.7 ▲ 0.6 63.5
5 寺戸 孝志 ▲ 2.9 42.3 14.7 54.1
6 安藤 大貴 ▲ 2.3 54.5 ▲ 5.1 47.1
7 佐藤 あいり 17.0 ▲ 25.5 38.0 29.5
8 日下 健司 25.5 34.4 ▲ 42.3 17.6
9 朝岡 祐 ▲ 7.0 ▲ 9.0 27.9 11.9
10 小野 雅峻 ▲ 42.5 10.1 30.7 ▲ 1.7
11 土岐 雄太 ▲ 6.9 ▲ 48.2 36.8 ▲ 18.3
12 杉村 泰治 41.2 ▲ 33.6 ▲ 29.0 ▲ 21.4
13 三戸 亮祐 ▲ 47.2 ▲ 23.0 19.4 ▲ 50.8
14 大滝 聡 ▲ 16.8 10.7 ▲ 70.9 ▲ 77.0
15 村瀬 寛光 ▲ 3.7 ▲ 85.9 ▲ 8.4 ▲ 98.0
16 杉浦 貴紀 ▲ 70.3 ▲ 117.3 ▲ 92.2 ▲ 279.8

 
Bリーグ:富村つぐみ
今期折り返しとなる中部プロリーグ第3節。
2節終わった時点での私のポイントは+37.5で現状6位。
昇級圏外ではありますが、ポイントがプラスしていたこともあり今節も特に明確な目標は作らずの対局でした。とはいえ、今節の結果次第で4節目・5節目に大きな影響を与えることになる重要な1節であると思います。
麻雀でいうところの南入といった感覚に近い気がする。現状の私をそれに例えるなら、東場でうまく加点をし原点以上を持って南入。ラス前、オーラスを余裕を持って迎えるために大きな失点は避けたいが、トップを目指すなら更に加点もしていきたいといったところか。
今節は、うまく4節目5節目に繋いでいけるかの大事な1節となりました。
対局者は、原田(+58.5)、加藤(+48.8)、金平(▲10.6)
今回も全員が初対局でした。現在3位の原田と4位の加藤、そして卓内唯一マイナスの金平。金平にとっては上位者しかいないので、相手のポイントを削りながら自分は加点していき全体の順位を逆転するチャンス。原田、加藤、富村の3人は極力失点は避けたいところだろうが、今節でさらに加点してのちの戦いを少しでも有利に迎えたい気持ちも大きいだろう。
1回戦目、原田の起家でスタートした。
東2局に金平が富村から12,000をアガリ早々に1人抜けた状態になった。マンズの染め手をしていたとはいえドラを鳴かせてしまい、軽くアガリを作る形になってしまった。
その後、私も満貫をツモり返し何とか2着目まで追い上げたが、オーラス金平がリャンペーコーをツモアガリ終了した。金平の1人浮きトップスタートとなった。
この日のイメージは全体的に流局が少なく常にアガリが発生していた。2回戦も派手な手格好こそ少ないが、全体が確実にアガって局を進める流れとなった。1人出遅れた原田がほとんど何もできず、一人沈みの4着で終了した。
3回戦は、序盤から富村が満貫をツモアガリ、その後も勝負手を確実に決め5万点を超える1人浮きトップで終わった。
4回戦またもや金平が確実にアガリを続け、この日2度目の1人浮きトップで終了した。
最終戦は本当に苦しい展開が多く我慢する場面がほとんどだった。その中で最小のマイナスで抑えられた半荘だったかなと思う。
結果は、2回の1人浮きトップを取った金平が卓内1位の+57.P1、続いて富村が+31.9P、加藤▲30.8P、原田▲60.2Pとなった。金平は一気にプラスに転じ、原田は自身のポイントをすべて削る形となってしまった。
全体の順位としては、1位富村(+69.4P)、2位清水(+60.4P)、3位牛尾(+56.0P)、4位金平(46.5P)となった。
なんと私が1位でした。同卓の金平も4位に躍り出た。とはいえ1位のポイントが70を切っていてボーダーが低いので次節以降何が起きてもおかしくない状況。上位陣はまだまだ油断ができない。
さて、続く第4節、ここからが本当の闘いかもしれない。
この順位、ポイントを踏まえ皆がどんな戦いをするのか。
私自身もとても楽しみな1節となりそうです。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 富村 つぐみ 29.4 8.1 31.9 69.4
2 清水 哲也 36.0 8.9 15.5 60.4
3 牛尾 信之 42.4 50.7 ▲ 37.1 56.0
4 金平 裕樹 21.5 ▲ 32.1 57.1 46.5
5 青山 大 ▲ 27.5 53.4 9.8 35.7
6 越川 清一 8.3 71.1 ▲ 51.6 27.8
7 大西 義則 4.0 1.3 13.7 19.0
8 加藤 泰史 31.6 17.2 ▲ 30.8 18.0
9 山本 拓哉 27.3 ▲ 6.1 ▲ 11.3 9.9
10 原田 知彦 ▲ 54.7 113.2 ▲ 60.2 ▲ 1.7
11 木村 東平 ▲ 13.0 5.1 ▲ 32.4 ▲ 40.3
12 河合 慎悟 11.1 ▲ 47.9 ▲ 7.9 ▲ 44.7
13 長谷川 弘 ▲ 15.0 ▲ 43.6 11.8 ▲ 46.8
14 中谷 彰吾 13.5 ▲ 69.7 5.5 ▲ 50.7
15 太田 峻也 ▲ 81.1 ▲ 52.7 63.3 ▲ 70.5
16 岡田 智和 ▲ 37.8 ▲ 96.9 ▲ 0.3 ▲ 135.0

 
Cリーグ:山本美文
夏の暑さも過ぎ去り、日中でも涼しい風が吹き秋を感じさせる陽気の中、折り返しとなる中部プロリーグ第3節が開幕しました。
この辺りから昇級のボーダーを気にしていきたいが、毎期+100Pを越えるポイントとなるのでそろそろ地盤を固めていかないと残りの2節が苦しい戦いとなるのは見えている。
今節調子が良かったのは32期生の若手永井、勢いのある麻雀で3回戦以外の全てをトップで終わらせベテランプロ達を抑え込む形となり、今回の結果でトータルでプラスに浮上した。この勢いで最終節まで駆け上がれば彼も昇級争いに参戦してくるだろう。
こちらも若手の31期生の堤、加点は大きく、失点は最小限に抑えた安定した戦いを見せ、前節までの結果と合わせ更にポイントを上乗せし上位陣を追いかけていく。
そしてベテランの大高坂。卓内では跳満、倍満の頻発する高打点の打ち合いとなっていたがその中でも落ち着いた戦いを見せ卓内を制し、全ての半荘の成績をプラスで終わらせた。
大高坂と同卓の大町もトータルをプラスで終えた。彼らも昇級争いの内の1人であることは間違いない。
全体的に見ると激しい浮き沈みはなく終わったものの、上位陣下位陣との差は徐々に開きつつある。しかし最終節まで油断できない。今節ではいなかったが僅か1節で+100Pを超えるポイントを叩きあっさり昇級していく猛者もいるので最後まで気を抜かず頑張っていこうと思う。
自身は本当に最終節に弱い。
昇級ボーダーに乗っている時もあればボーダーぎりぎりのこともある。しかし最終節ではほぼ毎回マイナスの成績を出してしまい昇級を逃している。
最終節での同卓者の気迫に負けてしまうのか、自身が意気込みすぎていつも通りの麻雀ができなくなっているのか、また別の要因があるのだろうかと悩んでいたところ、ある先輩プロが一番の敗因は相手によるものより自分自身によるものが多い、と語ってくれた。
自分の悩んでいた内容も、上記のように自身の精神力の問題であるところばかりであった。
平常心を保とうと思いながら対局に臨んでいたが、それを考えている時点で焦っているのだ。
プレッシャーに弱いのは麻雀という競技において致命的だ。ここ一番で戦うことができなくなってしまう。経験を重ねるごとに精神力は培われていると思いたいがまだまだ気が弱いのかもしれない。少々図太く試合に臨める様、自分に自信を持って鍛錬を積み重ねていこうと思う。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 掛水 洋徳 81.2 73.9 ▲ 18.8 136.3
2 池沢 麻奈美 12.1 75.0 38.1 125.2
3 大町 篤志 26.8 36.3 8.2 71.3
4 岡本 丈司 4.3 37.0 24.8 66.1
5 堤 文吾 ▲ 22.5 32.1 46.4 56.0
6 大高坂 松城 12.2 4.0 33.3 49.5
7 鈴木 淳 7.1 24.0 2.4 33.5
8 山本 美文 2.6 ▲ 4.6 19.2 17.2
9 永井 ゆうま 0.6 ▲ 39.0 41.9 3.5
10 鈴木 基芳 42.5 ▲ 0.2 ▲ 51.0 ▲ 8.7
11 太田 充 ▲ 30.1 6.7 5.1 ▲ 18.3
12 三谷 卓也 32.8 ▲ 15.9 ▲ 43.8 ▲ 26.9
13 浅野 文雅 ▲ 2.9 ▲ 31.3 3.2 ▲ 31.0
14 若松 正和 12.2 ▲ 51.8 5.9 ▲ 33.7
15 斎藤 寛生 ▲ 63.2 6.3 ▲ 9.3 ▲ 66.2
16 高橋 侑希 ▲ 26.8 16.2 ▲ 63.3 ▲ 73.9
17 都築 友和 11.3 ▲ 95.4 ▲ 2.8 ▲ 86.9
18 家田 みゆき ▲ 45.6 ▲ 79.3 7.0 ▲ 117.9
19 花井 香央理 ▲ 55.6 ▲ 16.0 ▲ 46.5 ▲ 118.1

第6回北海道プロトーナメントレポート:加藤晋平

今回で6回目となる北海道プロトーナメントのレポートを担当させていただくことになりました27期生の加藤晋平と申します!
みなさん最後まで温かい目で読んでいただけると嬉しいです!

北海道プロトーナメントとは??

当団体のG1タイトル「十段位戦」のシステムに近づけた北海道本部の大会です。
基本的には「各卓2位まで通過できる」戦いになるのですが参加人数の調整などでプレーオフの戦いもあります。

・初~三段戦

・四~五段戦

・六段戦

・決勝戦

という流れとなっており毎年数々のドラマが生まれています。
私は、北海道プロトーナメントの第1回大会を優勝したのですが、この大会のおかげで「勝つ喜び」というのを教えていただきました。
今年は一体どんなドラマが待ち受けているのだろうか?

初~三段戦

4回戦行い上位4名が勝ち上がり
出場選手は以下の通り。

池田太郎(32期生)
佐藤賢忠(29期生)
吉木輝(27期生)
加藤晋平(27期生)

終始安定した池田が3回戦を終えて早くもほぼ当確となっており残り2つのイスを誰が勝ちとるかは最終戦次第となった。
後がない加藤、佐藤が積極的に攻めてトータル2番手の吉木を苦しめる展開に、吉木も最終局に条件付きのリーチを打つもアガる事が出来ず無念の敗退となった。

初~三段戦 勝ち上がり

池田太郎、佐藤賢忠、加藤晋平

四~五段戦

3回戦行い各卓1位が通過、2~3位までが別卓の2~3着と得点を持ちこさない1回戦のプレーオフを行い1位が通過するシステムとなっている。

出場選手は以下の通り。

三盃志(19期生)
三盃貴之(19期生)
浦山祐輔(21期生)
真光祐尚(24期生)
石田雅人(26期生)
加藤晋平(27期生)
佐藤賢忠(29期生)
池田太郎(32期生)

1卓の卓組は

三盃貴之
真光祐尚
佐藤賢忠
池田太郎

周りを寄せつけない圧倒的な強さで真光が3連勝をして次のステージへと勝ち進む結果となった。
三盃(貴)、池田がプレーオフへと進出。

2卓の卓組は

三盃志
浦山祐輔
石田雅人
加藤晋平

最終戦まで誰が勝つか全くわからない大混戦となったがこの戦いを制したのが石田であった。
トータル2番手で最終戦を戦っていた石田だったが首位を走っていた三盃を早々と捕まえ、最後は落ち着いたゲーム運びで勝利を勝ち取った。
浦山、加藤がプレーオフ進出。

プレーオフ

三盃貴之
浦山祐輔
加藤晋平
池田太郎

開局すぐにスタートダッシュを決めた池田であったがその独走を許さないのが浦山であった。
加藤から7,700をアガリその後も浦山が主導権を握りゲームメイクをする。
三盃(貴)も苦しいながらの戦いが続いていたが、南2局の加藤との一騎打ちに見事勝利して原点付近まで点棒が回復。
オーラスを迎え三つ巴の戦いか?誰もがそう思ったがついに加藤が最後の親番でアガリ始める。
連荘を重ねあと1アガリで浦山を捕まえる所まで昇るもあと1アガリが生まれず浦山が逃げ切りとなった。

六段戦

4回戦行い各卓2位まで通過することが出来る。
ここに第5回の優勝者の西野拓也がシード選手として登場。

出場選手は以下の通り

前田富志男(7期生)
続木舜英(6期生)
野々川博之(6期生)
村上良(6期生)
西野拓也(11期生)前年度優勝者
浦山祐輔(21期生)
真光祐尚(24期生)
石田雅人(26期生)

1卓の卓組は

野々川博之
続木舜英
西野拓也
石田雅人

開局、アガることはできなかったものの西野が終盤に

一索二索三索三索四索四索五索六索南南南白白  ドラ二索

この形で流局。
先日行われた第50期北海道プロリーグの優勝者でもある西野は開局から大物手を他家にテンパイとして見せる。
テンパイは遅かったがドラの二索をツモれば6,000オールまである。
アガる事はできなかったものの存在感は十分にアピール出来たのではないだろうか。
点棒が大きく動いたのは東3局、石田の親番9巡目にリーチ。

三万四万五万六万七万八万一索一索二索三索四索六索七索  リーチ  ドラ一索

数巡後に五索をツモり4,000オール。
すでに一戦こなし肩が温まっているように見えるアガリであった。
石田に対し今回が初戦となる続木、野々川、西野はその後どう戦っていくのだろうか。
1回戦が終わってみると西野、石田が同着のトップ。続木が粘りの戦いを見せなんとか浮きにまわる。
東1局以降目立つ場面があまりなかった西野であったが同着の1位まで上がってきた。
状態が悪い中での戦い方、相手との駆け引きが非常に上手い。

「夫れ必勝の術、合変の形は機に在るなり」

あの有名な軍師である諸葛亮公明の名言である。
必勝の鍵や変化への対応はひとえに機(チャンス)をとらえるかにかかっている。
まさに西野は麻雀界の諸葛亮公明なのだ。

1回戦終了 
西野+9.0P 石田+9.0P 続木+2.1P 野々川▲20.1P

1回戦目にラスを引いた野々川であったが開局の2人テンパイで親を連荘、1本場には西野から2,000→2,300をアガる。
親は流れたものの東2局1本場に観戦者も驚く匠なチートイツをツモアガリ臨戦態勢が整ったかにみえたが
軍師の西野、1戦こなし肩が温まっている石田、粘り強さをみせる続木
3人が野々川の独走を許さない戦いとなり終わってみると野々川が1回戦と同様4着をとってしまう結果となった。

2回戦終了 
西野+13.1P 石田+5.7P 続木+1.5P 野々川▲20.3P

トータル
(西野+22.1P 石田+14.7P 続木+3.6P 野々川▲40.4P)

1、2回戦に粘っていた続木が開局に1,300・2,600をツモアガって3回戦がスタートした。
その後も続木が加点していく中、南1局、11巡目に続木から出た九索をポンしてチンイツのテンパイ。

一索二索二索二索四索五索六索六索七索八索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ドラ七筒

続木が次巡に一索を捨て8.000点を石田に放銃してしまう。

この半荘を制したのは石田であった
オーラス、石田の手牌が急激に成長して9巡目に大物手をテンパイ

三筒四筒五筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒東東中中  ドラ四筒

12巡目に高目の中をツモり3.000・6.000。
このアガリでぐっと勝ち上がりに近づいたことは間違いないであろう。

3回戦終了  
石田+25.7P 続木+11.5P 西野▲13.3P 野々川▲23.9P

トータル(石田+40.4P 続木+15.1P 西野+8.8P 野々川▲64.3P)

4回戦
野々川は大トップ条件となる。
続木を追う西野が序盤からリードをする展開となったが最後まで何が起こるかわからないオーラスになりドラ六万
西野はこのオーラスを凌げば勝ち上がり
続木は2.000・3.900のツモアガリ、西野から5.200以上の出アガリが条件となる。
配牌があまり良くなかった続木だったが、絶好のドラの六万が埋まり12巡目に力強く「リーチ」。

二万三万五万六万七万五索五索五索八筒八筒中中中  リーチ

緊迫した空気が流れる中、決着をつけたのは一万をツモった続木だった。
このアガリで石田、続木が決勝へとコマを進めた。

トータル(石田+33.1P 続木+29.9P 西野+14.8P 野々川▲77.8P)

2卓の卓組は

前田富志男
村上良
浦山祐輔
真光祐尚

前田本部長がプレイヤーとして出る大会は年に数回しかないのだが、打ち手としてのレベルは非常に高く、見えている情報量の多さは群を抜いている。
1回戦 東1局 

五万五万四索五索六索一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ四万

前田が6巡目にこの形でリーチを打つも流局してしまう。
アガれはしなかったが、やる気に満ち溢れた前田の開局からのリーチは他家にも伝わったのではないかと思う。

東3局、北家の真光が7巡目にリーチ。

七万七万五索六索七索二筒三筒三筒四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒

すぐにドラの五筒を引き当て2,000・4,000。
このアガリで火が点いた真光が、怒涛のアガリを見せて1回戦トップを勝ち取った。
四~五段戦を圧倒的な強さで勝ち上がりを決めただけあってここでも勢いに乗っている。

1回戦終了 
真光+16.9P 村上▲7.0P 前田▲14.1P 浦山▲15.8P

2回戦
ここまで見せ場があまりなかった村上であったが、
東2局 西家 わずか5巡目にして

一筒一筒二筒二筒三筒三筒五筒六筒六筒七筒七筒南南  ドラ三万 テンパイ

6巡目に八筒を捨てた浦山から8,000をアガる。
迎えた親番でも連荘が止まらず50,000点を一気に超える。
村上の連荘を止めたのが前田であった3,900→5,100を村上からアガリ、独走態勢にストップをかけた。
南場に入り真光が粘り強さをみせて浮きの2着をキープ。
浦山は1回戦と同様我慢が続く半荘となってしまった。

2回戦終了 
村上+17.6P 真光+6.7P 前田▲4.8P 浦山▲19.5P

トータル(真光+23.6P 村上+10.6P 前田▲18.9P 浦山▲35.3P)

3回戦
3回戦は、真光の強さだけが印象に残った一戦であった。
他家を寄せつけず1人浮きのトップをとり、早くも当確で残り1つのイスを3人で争う形となった。
浦山はなんとか2着をキープしたが1、2回戦の4着でのポイントが大きい。
3回戦目で大きめの4着を取ってしまった村上、前田も最後の一戦に望みをかける。

3回戦終了 
真光+30.2P 浦山▲2.2P 前田▲6.8P 村上▲21.2P

トータル(真光+53.8P 村上▲10.6P 前田▲25.7P 浦山▲37.5P)

4回戦
ついに今まで我慢に我慢を重ねて戦ってきた浦山がアガリを連続させる。
東1局 北家 

三万四万四万五万五万六万七索七索二筒三筒四筒六筒七筒  リーチ  ドラ六万

このリーチを前田からアガリ7.700。

続く東2局 西家、ドラの六万を気持ち良く引きリーチ。

五万六万七万二索三索九索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ六万

1を掴んでしまった前田がまたしても浦山に失点してしまう。ついに浦山が前線してきた。その後も加点を続ける浦山。
オーラスになり村上は1,000・2,000のツモアガリ、浦山から3,900以上の出アガリ条件となった。
誰もがこの2人の戦いだと思っていたが、前田が13巡目に渾身のテンパイ。

二索二索二索三索三索三索七索七索西西白白白

ツモれば勝ち上がりだが、出アガリは浦山からしかできない。息を呑んだこの局は流局。
ここを凌いだ浦山が、真光と共に勝ち上がりを決めた。

4回戦終了 
浦山+25.0P 真光+4.3P 村上▲8.8P 前田▲20.5P

トータル(真光+58.1P 浦山▲12.5P 村上▲19.4P 前田▲46.2P)

決勝戦

100

続木舜英 六段
(6期生)

持ち前の粘り強さで六段戦を勝利した。
長年培ってきた麻雀の経験を若手にどう披露していくか楽しみである。
「粘り強く戦えば勝機は必ずあるよ。」
ベテランの打ち手が決勝の舞台でどんな戦いを披露するのであろうか。

100

浦山祐輔 四段
(21期生)

ご存知「サマーカッパー」
先日行われたプロリーグの決勝で西野に敗退し準優勝となってしまったがここぞという場面で力を発揮してくる。
「厳しい戦いになるのは間違いないね。」
浦山らしくない消極的なコメントを残してくれたのだが、ここぞという時に力を発揮する選手なので最後まで目が離せない。

100

真光祐尚 四段
(24期生)

牌の魔術師
仕掛けのエキスパート、相手との間合いの取り方が非常に上手い選手である。
ここまで圧倒的な強さで他家を寄せつけずに勝ち上がってきた。
「オレ、勝つでしょ!?」
インタビューでも力強いコメントを残してくれた。

100

石田雅人 四段
(26期生)

最北の雀士
面前高打点流の打ち手「石田リーチ」という北海道では知る人ぞ知る強い武器を持っている。
四~五、五~六段戦では、ここぞという勝負所をしっかりと制して勝ち上がってきた。
「勝つのは、オレだって!」
私にも力強くコメントをいただけた。

1回戦

まず大きく走り出したのは真光だった。

東1局 2本場 

五万六万六万七万七万八万二筒三筒四筒六筒七筒七筒七筒  ドラ四筒

リーチを打ちすぐさま五筒をツモり2,000・4,000の2本場。
四~五段戦、六段戦を凄まじい強さで勝ち進んできただけあってこの大舞台でもその勢いを見せつけるようなアガリ。
次局も真光が続木から1,000点をアガリ。

東3局 真光の親番 
牌の魔術師が本領を発揮する局となる。

親番の真光の配牌が

三万四万四万六万八万八万九万九万七索八索三筒八筒南北  ドラ一万

第一打を三筒として、続木が一打目に捨てた九万をポンして打八筒

三万四万四万六万八万八万七索八索南北  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

一体この形からどれくらいの打ち手が九万をポンすることができるのだろう?
牌に魔法をかけた真光が9巡目には

四万四万四万八万八万南南北北北  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

こんな大物手へと進化させ11巡目に南をツモリ6,000オールを引く。
真光がこのアガリで飛び抜けた。

その後も真光の勢いは留まることはなく南1局にも2,000・4,000をツモリ60,000点を超える。
真光の1人舞台となり1回戦目を1人浮きで終えて絶好のスタートとなった。

1回戦終了 
真光+46.1P 石田▲1.9P 続木▲18.2P 浦山▲26.0P

2回戦目

ここまで我慢に我慢を重ねたサマーカッパー浦山がついに動き出す。

東4局 南家、2巡目に五筒をチーして、次巡にドラの白を重ね、打七索をしてホンイツへ。

八索二筒四筒東東東南南白白  チー五筒 左向き四筒 上向き六筒 上向き  ドラ白
 
すぐ南をポンして高速の12,000のテンパイ。

三筒四筒東東東白白  チー五筒 左向き四筒 上向き六筒 上向き  ポン南南南

石田が二筒を掴み浦山に失点してしまう。石田にとって手痛い失点となってしまってのだが、サマーカッパー浦山の手牌がまさかこんな大物手になっているとは予想もできなかっただろう。
「ここから浦山の時間となる。」同卓者、観戦者がそう思ったが、そこに待ったをかけてきたのが続木であった。
細かいアガリを積み重ね、南3局の親番で連荘を重ねついに浦山を抑えトップまで登りつめた。
続木は反撃のチャンスをずっと伺っていたのだ。この半荘を制した続木が1回戦のマイナスを帳消しにして、トータルトップの真光にプレッシャーをかける。

2回戦終了 
続木+19.5P 浦山+10.2P 真光▲8.5P 石田▲22.2P

トータル(真光+37.6P 続木+1.3P 浦山▲15.8P 石田▲24.1P)

3回戦
開局から前回トップの続木がアガリ先制を決めるも、2回戦目から完全に息を吹き返した浦山がそれを止めにかかる。
続木、浦山2人の細かい攻防が続いたが東4局  親番の真光が14巡目に西をツモリ4,000オールを引きトップに踊り出る。

六索六索六索七索八索西西  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ポン発発発  ドラ五索

1本場となりドラ西
早々と動きを入れる続木であったが、石田が無駄なく有効牌を引き絶好の一索を引き8巡目に大物手をテンパイ。

一索二索二索三索三索四索五索六索七索八索八索九索北北

だが選択が難しい。ソーズが全体的に安く誰もソーズは止まらない。
石田のテンパイ打牌は八索となるのだがここでリーチを打つのか、それとも場況が良いヤミテンを選択するのか。
現在トータル首位の真光が親番であり是が非でも真光にプレッシャーをかけていきたい所でもある。
石田の選択はヤミテン。

たしかにここまでの石田の展開は非常に悪い。だが石田のリーチは場に緊張感をもたらせることは間違いない。
ここをリーチとして高目ツモの4,000・8,000まで描いて欲しかったと私は思ったが、打ち手にしか感じることができない対局感は必ずある。
結果は浦山が7を捨て5,200→5,500のアガリとなった。
南1局に入り親番の続木が2,600オールを引き真光との着順を変え最後まで点棒を守り切った続木が連勝。
続木に1着を取られてしまったものの真光も浮きの2着で終え最終戦を迎える。

3回戦終了 
続木+26.2P 真光+5.8P 石田▲9.4P 浦山▲22.6P

トータル(真光+43.4P 続木+27.5P 石田▲33.5P 浦山▲38.4P)

ついに最終戦
開局真光は七対子をツモアガリ先制を取る。
東2局 浦山の親番は6巡目リーチ

一万一万五索六索七索一筒一筒七筒八筒九筒白白白  リーチ  ドラ五万

この親リーチに真っ向勝負をしたのが続木。
8巡目に追いつき勝負のリーチ。

三万四万五万六万七万八万八索八索六筒七筒八筒八筒八筒  リーチ

勝負がついたのは13巡目。続木が親との真っ向勝負に勝ち五筒をツモリ2,000・3,900。
このアガリで更に混戦。

東4局 真光の親番で続木が4巡目にリーチ。

九万九万二索二索二索七索七索七索一筒一筒六筒七筒八筒  リーチ

このアガリを決められると親の真光はその後きつい戦いになることは間違いない。
「頼む、ツモらないでくれ…。」真光の心の声が私には聞こえたような気がする。
真光の願いが叶ったのか、この局は続木の1人テンパイで終わることとなる。
最後の最後まで誰が勝つのか目が全く離せない展開になってきた。

南1局 1本場 続木の親番は1人テンパイ。
続く2本場、続木は好配牌から5巡目にテンパイをしてノータイムでリーチを打つ。

一索二索三索四索四索一筒一筒二筒三筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ一索

真光も臨戦態勢に入るも、7巡目に二筒をツモった続木が3,900→4,100オール。
3本場になり真光が4巡目にリーチ。

六万六万六万二索三索一筒二筒三筒八筒八筒西西西  リーチ  ドラ四索

このリーチに追いついたのは浦山7巡目にリーチ。

四万四万四索六索六索一筒一筒五筒五筒七筒七筒北北  リーチ

ツモ!!この戦いを制したのは浦山だった3,000・6,000→3,300・6,300をアガリ最後の親番に望みをかける。

南2局、先ほどの真光とのめくり合いに勝った浦山が7巡目にリーチ。

一万二万三万九万九万九万一索二索一筒二筒三筒西西  リーチ  ドラ七索

この手をハイテイ間際にツモって6,000オール。
ついに浦山も上位争いに加わってきた。

1本場ドラ七索、先制を取ったのは親の浦山であった8巡目にリーチ、アガる事はできなかったがこの親番は絶対に落とすことができない。
次局も先手を取る浦山は9巡目にリーチをするも、そこに待ったをかけたのは続木であった。
浦山と真っ向勝負をして浦山から3,900→4,500を打ちとる。

最終局に入り真光は続木から5,200以上の出アガリか2,000・3,900のツモアガリ。
続木はこの局を凌げば優勝

第6回北海道プロトーナメントを優勝したのは続木。
真光は条件を作ることができず続木が逃げ切った。
こうして幕を閉じた北海道プロトーナメントだった。

最後までしっかり打ちきった石田はさすがの一言であったし、浦山の追い上げも凄まじいの一言だった。
粘り強さと長年の経験測から生まれる続木の戦い方は私には到底真似することは出来ないのだが、ベテラン勢の強さの秘密が今回のレポートを通じて直接肌に感じることが出来た。
私達若手は今よりもっともっと謙虚に牌と向き合わなければいけない。近道というのは決してなく地道に積み上げていくしかないのだから。

最後になりますが
続木さん!本当におめでとうございます!!

北海道プロリーグ 成績表/第6回北海道プロトーナメントレポート:加藤晋平

今回で6回目となる北海道プロトーナメントのレポートを担当させていただくことになりました27期生の加藤晋平と申します!
みなさん最後まで温かい目で読んでいただけると嬉しいです!
北海道プロトーナメントとは??
当団体のG1タイトル「十段位戦」のシステムに近づけた北海道本部の大会です。
基本的には「各卓2位まで通過できる」戦いになるのですが参加人数の調整などでプレーオフの戦いもあります。
・初~三段戦
・四~五段戦
・六段戦
・決勝戦
という流れとなっており毎年数々のドラマが生まれています。
私は、北海道プロトーナメントの第1回大会を優勝したのですが、この大会のおかげで「勝つ喜び」というのを教えていただきました。
今年は一体どんなドラマが待ち受けているのだろうか?
初~三段戦
4回戦行い上位4名が勝ち上がり
出場選手は以下の通り。
池田太郎(32期生)
佐藤賢忠(29期生)
吉木輝(27期生)
加藤晋平(27期生)
終始安定した池田が3回戦を終えて早くもほぼ当確となっており残り2つのイスを誰が勝ちとるかは最終戦次第となった。
後がない加藤、佐藤が積極的に攻めてトータル2番手の吉木を苦しめる展開に、吉木も最終局に条件付きのリーチを打つもアガる事が出来ず無念の敗退となった。
初~三段戦 勝ち上がり
池田太郎、佐藤賢忠、加藤晋平
四~五段戦
3回戦行い各卓1位が通過、2~3位までが別卓の2~3着と得点を持ちこさない1回戦のプレーオフを行い1位が通過するシステムとなっている。
出場選手は以下の通り。
三盃志(19期生)
三盃貴之(19期生)
浦山祐輔(21期生)
真光祐尚(24期生)
石田雅人(26期生)
加藤晋平(27期生)
佐藤賢忠(29期生)
池田太郎(32期生)
1卓の卓組は
三盃貴之
真光祐尚
佐藤賢忠
池田太郎
周りを寄せつけない圧倒的な強さで真光が3連勝をして次のステージへと勝ち進む結果となった。
三盃(貴)、池田がプレーオフへと進出。
2卓の卓組は
三盃志
浦山祐輔
石田雅人
加藤晋平
最終戦まで誰が勝つか全くわからない大混戦となったがこの戦いを制したのが石田であった。
トータル2番手で最終戦を戦っていた石田だったが首位を走っていた三盃を早々と捕まえ、最後は落ち着いたゲーム運びで勝利を勝ち取った。
浦山、加藤がプレーオフ進出。
プレーオフ
三盃貴之
浦山祐輔
加藤晋平
池田太郎
開局すぐにスタートダッシュを決めた池田であったがその独走を許さないのが浦山であった。
加藤から7,700をアガリその後も浦山が主導権を握りゲームメイクをする。
三盃(貴)も苦しいながらの戦いが続いていたが、南2局の加藤との一騎打ちに見事勝利して原点付近まで点棒が回復。
オーラスを迎え三つ巴の戦いか?誰もがそう思ったがついに加藤が最後の親番でアガリ始める。
連荘を重ねあと1アガリで浦山を捕まえる所まで昇るもあと1アガリが生まれず浦山が逃げ切りとなった。
六段戦
4回戦行い各卓2位まで通過することが出来る。
ここに第5回の優勝者の西野拓也がシード選手として登場。
出場選手は以下の通り
前田富志男(7期生)
続木舜英(6期生)
野々川博之(6期生)
村上良(6期生)
西野拓也(11期生)前年度優勝者
浦山祐輔(21期生)
真光祐尚(24期生)
石田雅人(26期生)
1卓の卓組は
野々川博之
続木舜英
西野拓也
石田雅人
開局、アガることはできなかったものの西野が終盤に
一索二索三索三索四索四索五索六索南南南白白  ドラ二索
この形で流局。
先日行われた第50期北海道プロリーグの優勝者でもある西野は開局から大物手を他家にテンパイとして見せる。
テンパイは遅かったがドラの二索をツモれば6,000オールまである。
アガる事はできなかったものの存在感は十分にアピール出来たのではないだろうか。
点棒が大きく動いたのは東3局、石田の親番9巡目にリーチ。
三万四万五万六万七万八万一索一索二索三索四索六索七索  リーチ  ドラ一索
数巡後に五索をツモり4,000オール。
すでに一戦こなし肩が温まっているように見えるアガリであった。
石田に対し今回が初戦となる続木、野々川、西野はその後どう戦っていくのだろうか。
1回戦が終わってみると西野、石田が同着のトップ。続木が粘りの戦いを見せなんとか浮きにまわる。
東1局以降目立つ場面があまりなかった西野であったが同着の1位まで上がってきた。
状態が悪い中での戦い方、相手との駆け引きが非常に上手い。
「夫れ必勝の術、合変の形は機に在るなり」
あの有名な軍師である諸葛亮公明の名言である。
必勝の鍵や変化への対応はひとえに機(チャンス)をとらえるかにかかっている。
まさに西野は麻雀界の諸葛亮公明なのだ。
1回戦終了 
西野+9.0P 石田+9.0P 続木+2.1P 野々川▲20.1P
1回戦目にラスを引いた野々川であったが開局の2人テンパイで親を連荘、1本場には西野から2,000→2,300をアガる。
親は流れたものの東2局1本場に観戦者も驚く匠なチートイツをツモアガリ臨戦態勢が整ったかにみえたが
軍師の西野、1戦こなし肩が温まっている石田、粘り強さをみせる続木
3人が野々川の独走を許さない戦いとなり終わってみると野々川が1回戦と同様4着をとってしまう結果となった。
2回戦終了 
西野+13.1P 石田+5.7P 続木+1.5P 野々川▲20.3P
トータル
(西野+22.1P 石田+14.7P 続木+3.6P 野々川▲40.4P)
1、2回戦に粘っていた続木が開局に1,300・2,600をツモアガって3回戦がスタートした。
その後も続木が加点していく中、南1局、11巡目に続木から出た九索をポンしてチンイツのテンパイ。
一索二索二索二索四索五索六索六索七索八索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ドラ七筒
続木が次巡に一索を捨て8.000点を石田に放銃してしまう。
この半荘を制したのは石田であった
オーラス、石田の手牌が急激に成長して9巡目に大物手をテンパイ
三筒四筒五筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒東東中中  ドラ四筒
12巡目に高目の中をツモり3.000・6.000。
このアガリでぐっと勝ち上がりに近づいたことは間違いないであろう。
3回戦終了  
石田+25.7P 続木+11.5P 西野▲13.3P 野々川▲23.9P
トータル(石田+40.4P 続木+15.1P 西野+8.8P 野々川▲64.3P)
4回戦
野々川は大トップ条件となる。
続木を追う西野が序盤からリードをする展開となったが最後まで何が起こるかわからないオーラスになりドラ六万
西野はこのオーラスを凌げば勝ち上がり
続木は2.000・3.900のツモアガリ、西野から5.200以上の出アガリが条件となる。
配牌があまり良くなかった続木だったが、絶好のドラの六万が埋まり12巡目に力強く「リーチ」。
二万三万五万六万七万五索五索五索八筒八筒中中中  リーチ
緊迫した空気が流れる中、決着をつけたのは一万をツモった続木だった。
このアガリで石田、続木が決勝へとコマを進めた。
トータル(石田+33.1P 続木+29.9P 西野+14.8P 野々川▲77.8P)
2卓の卓組は
前田富志男
村上良
浦山祐輔
真光祐尚
前田本部長がプレイヤーとして出る大会は年に数回しかないのだが、打ち手としてのレベルは非常に高く、見えている情報量の多さは群を抜いている。
1回戦 東1局 
五万五万四索五索六索一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ四万
前田が6巡目にこの形でリーチを打つも流局してしまう。
アガれはしなかったが、やる気に満ち溢れた前田の開局からのリーチは他家にも伝わったのではないかと思う。
東3局、北家の真光が7巡目にリーチ。
七万七万五索六索七索二筒三筒三筒四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒
すぐにドラの五筒を引き当て2,000・4,000。
このアガリで火が点いた真光が、怒涛のアガリを見せて1回戦トップを勝ち取った。
四~五段戦を圧倒的な強さで勝ち上がりを決めただけあってここでも勢いに乗っている。
1回戦終了 
真光+16.9P 村上▲7.0P 前田▲14.1P 浦山▲15.8P
2回戦
ここまで見せ場があまりなかった村上であったが、
東2局 西家 わずか5巡目にして
一筒一筒二筒二筒三筒三筒五筒六筒六筒七筒七筒南南  ドラ三万 テンパイ
6巡目に八筒を捨てた浦山から8,000をアガる。
迎えた親番でも連荘が止まらず50,000点を一気に超える。
村上の連荘を止めたのが前田であった3,900→5,100を村上からアガリ、独走態勢にストップをかけた。
南場に入り真光が粘り強さをみせて浮きの2着をキープ。
浦山は1回戦と同様我慢が続く半荘となってしまった。
2回戦終了 
村上+17.6P 真光+6.7P 前田▲4.8P 浦山▲19.5P
トータル(真光+23.6P 村上+10.6P 前田▲18.9P 浦山▲35.3P)
3回戦
3回戦は、真光の強さだけが印象に残った一戦であった。
他家を寄せつけず1人浮きのトップをとり、早くも当確で残り1つのイスを3人で争う形となった。
浦山はなんとか2着をキープしたが1、2回戦の4着でのポイントが大きい。
3回戦目で大きめの4着を取ってしまった村上、前田も最後の一戦に望みをかける。
3回戦終了 
真光+30.2P 浦山▲2.2P 前田▲6.8P 村上▲21.2P
トータル(真光+53.8P 村上▲10.6P 前田▲25.7P 浦山▲37.5P)
4回戦
ついに今まで我慢に我慢を重ねて戦ってきた浦山がアガリを連続させる。
東1局 北家 
三万四万四万五万五万六万七索七索二筒三筒四筒六筒七筒  リーチ  ドラ六万
このリーチを前田からアガリ7.700。
続く東2局 西家、ドラの六万を気持ち良く引きリーチ。
五万六万七万二索三索九索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ六万
1を掴んでしまった前田がまたしても浦山に失点してしまう。ついに浦山が前線してきた。その後も加点を続ける浦山。
オーラスになり村上は1,000・2,000のツモアガリ、浦山から3,900以上の出アガリ条件となった。
誰もがこの2人の戦いだと思っていたが、前田が13巡目に渾身のテンパイ。
二索二索二索三索三索三索七索七索西西白白白
ツモれば勝ち上がりだが、出アガリは浦山からしかできない。息を呑んだこの局は流局。
ここを凌いだ浦山が、真光と共に勝ち上がりを決めた。
4回戦終了 
浦山+25.0P 真光+4.3P 村上▲8.8P 前田▲20.5P
トータル(真光+58.1P 浦山▲12.5P 村上▲19.4P 前田▲46.2P)
決勝戦
100
続木舜英 六段
(6期生)
持ち前の粘り強さで六段戦を勝利した。
長年培ってきた麻雀の経験を若手にどう披露していくか楽しみである。
「粘り強く戦えば勝機は必ずあるよ。」
ベテランの打ち手が決勝の舞台でどんな戦いを披露するのであろうか。
100
浦山祐輔 四段
(21期生)
ご存知「サマーカッパー」
先日行われたプロリーグの決勝で西野に敗退し準優勝となってしまったがここぞという場面で力を発揮してくる。
「厳しい戦いになるのは間違いないね。」
浦山らしくない消極的なコメントを残してくれたのだが、ここぞという時に力を発揮する選手なので最後まで目が離せない。
100
真光祐尚 四段
(24期生)
牌の魔術師
仕掛けのエキスパート、相手との間合いの取り方が非常に上手い選手である。
ここまで圧倒的な強さで他家を寄せつけずに勝ち上がってきた。
「オレ、勝つでしょ!?」
インタビューでも力強いコメントを残してくれた。
100
石田雅人 四段
(26期生)
最北の雀士
面前高打点流の打ち手「石田リーチ」という北海道では知る人ぞ知る強い武器を持っている。
四~五、五~六段戦では、ここぞという勝負所をしっかりと制して勝ち上がってきた。
「勝つのは、オレだって!」
私にも力強くコメントをいただけた。
1回戦
まず大きく走り出したのは真光だった。
東1局 2本場 
五万六万六万七万七万八万二筒三筒四筒六筒七筒七筒七筒  ドラ四筒
リーチを打ちすぐさま五筒をツモり2,000・4,000の2本場。
四~五段戦、六段戦を凄まじい強さで勝ち進んできただけあってこの大舞台でもその勢いを見せつけるようなアガリ。
次局も真光が続木から1,000点をアガリ。
東3局 真光の親番 
牌の魔術師が本領を発揮する局となる。
親番の真光の配牌が
三万四万四万六万八万八万九万九万七索八索三筒八筒南北  ドラ一万
第一打を三筒として、続木が一打目に捨てた九万をポンして打八筒
三万四万四万六万八万八万七索八索南北  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き
一体この形からどれくらいの打ち手が九万をポンすることができるのだろう?
牌に魔法をかけた真光が9巡目には
四万四万四万八万八万南南北北北  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き
こんな大物手へと進化させ11巡目に南をツモリ6,000オールを引く。
真光がこのアガリで飛び抜けた。
その後も真光の勢いは留まることはなく南1局にも2,000・4,000をツモリ60,000点を超える。
真光の1人舞台となり1回戦目を1人浮きで終えて絶好のスタートとなった。
1回戦終了 
真光+46.1P 石田▲1.9P 続木▲18.2P 浦山▲26.0P
2回戦目
ここまで我慢に我慢を重ねたサマーカッパー浦山がついに動き出す。
東4局 南家、2巡目に五筒をチーして、次巡にドラの白を重ね、打七索をしてホンイツへ。
八索二筒四筒東東東南南白白  チー五筒 左向き四筒 上向き六筒 上向き  ドラ白
 
すぐ南をポンして高速の12,000のテンパイ。
三筒四筒東東東白白  チー五筒 左向き四筒 上向き六筒 上向き  ポン南南南
石田が二筒を掴み浦山に失点してしまう。石田にとって手痛い失点となってしまってのだが、サマーカッパー浦山の手牌がまさかこんな大物手になっているとは予想もできなかっただろう。
「ここから浦山の時間となる。」同卓者、観戦者がそう思ったが、そこに待ったをかけてきたのが続木であった。
細かいアガリを積み重ね、南3局の親番で連荘を重ねついに浦山を抑えトップまで登りつめた。
続木は反撃のチャンスをずっと伺っていたのだ。この半荘を制した続木が1回戦のマイナスを帳消しにして、トータルトップの真光にプレッシャーをかける。
2回戦終了 
続木+19.5P 浦山+10.2P 真光▲8.5P 石田▲22.2P
トータル(真光+37.6P 続木+1.3P 浦山▲15.8P 石田▲24.1P)
3回戦
開局から前回トップの続木がアガリ先制を決めるも、2回戦目から完全に息を吹き返した浦山がそれを止めにかかる。
続木、浦山2人の細かい攻防が続いたが東4局  親番の真光が14巡目に西をツモリ4,000オールを引きトップに踊り出る。
六索六索六索七索八索西西  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ポン発発発  ドラ五索
1本場となりドラ西
早々と動きを入れる続木であったが、石田が無駄なく有効牌を引き絶好の一索を引き8巡目に大物手をテンパイ。
一索二索二索三索三索四索五索六索七索八索八索九索北北
だが選択が難しい。ソーズが全体的に安く誰もソーズは止まらない。
石田のテンパイ打牌は八索となるのだがここでリーチを打つのか、それとも場況が良いヤミテンを選択するのか。
現在トータル首位の真光が親番であり是が非でも真光にプレッシャーをかけていきたい所でもある。
石田の選択はヤミテン。
たしかにここまでの石田の展開は非常に悪い。だが石田のリーチは場に緊張感をもたらせることは間違いない。
ここをリーチとして高目ツモの4,000・8,000まで描いて欲しかったと私は思ったが、打ち手にしか感じることができない対局感は必ずある。
結果は浦山が7を捨て5,200→5,500のアガリとなった。
南1局に入り親番の続木が2,600オールを引き真光との着順を変え最後まで点棒を守り切った続木が連勝。
続木に1着を取られてしまったものの真光も浮きの2着で終え最終戦を迎える。
3回戦終了 
続木+26.2P 真光+5.8P 石田▲9.4P 浦山▲22.6P
トータル(真光+43.4P 続木+27.5P 石田▲33.5P 浦山▲38.4P)
ついに最終戦
開局真光は七対子をツモアガリ先制を取る。
東2局 浦山の親番は6巡目リーチ
一万一万五索六索七索一筒一筒七筒八筒九筒白白白  リーチ  ドラ五万
この親リーチに真っ向勝負をしたのが続木。
8巡目に追いつき勝負のリーチ。
三万四万五万六万七万八万八索八索六筒七筒八筒八筒八筒  リーチ
勝負がついたのは13巡目。続木が親との真っ向勝負に勝ち五筒をツモリ2,000・3,900。
このアガリで更に混戦。
東4局 真光の親番で続木が4巡目にリーチ。
九万九万二索二索二索七索七索七索一筒一筒六筒七筒八筒  リーチ
このアガリを決められると親の真光はその後きつい戦いになることは間違いない。
「頼む、ツモらないでくれ…。」真光の心の声が私には聞こえたような気がする。
真光の願いが叶ったのか、この局は続木の1人テンパイで終わることとなる。
最後の最後まで誰が勝つのか目が全く離せない展開になってきた。
南1局 1本場 続木の親番は1人テンパイ。
続く2本場、続木は好配牌から5巡目にテンパイをしてノータイムでリーチを打つ。
一索二索三索四索四索一筒一筒二筒三筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ一索
真光も臨戦態勢に入るも、7巡目に二筒をツモった続木が3,900→4,100オール。
3本場になり真光が4巡目にリーチ。
六万六万六万二索三索一筒二筒三筒八筒八筒西西西  リーチ  ドラ四索
このリーチに追いついたのは浦山7巡目にリーチ。
四万四万四索六索六索一筒一筒五筒五筒七筒七筒北北  リーチ
ツモ!!この戦いを制したのは浦山だった3,000・6,000→3,300・6,300をアガリ最後の親番に望みをかける。
南2局、先ほどの真光とのめくり合いに勝った浦山が7巡目にリーチ。
一万二万三万九万九万九万一索二索一筒二筒三筒西西  リーチ  ドラ七索
この手をハイテイ間際にツモって6,000オール。
ついに浦山も上位争いに加わってきた。
1本場ドラ七索、先制を取ったのは親の浦山であった8巡目にリーチ、アガる事はできなかったがこの親番は絶対に落とすことができない。
次局も先手を取る浦山は9巡目にリーチをするも、そこに待ったをかけたのは続木であった。
浦山と真っ向勝負をして浦山から3,900→4,500を打ちとる。
最終局に入り真光は続木から5,200以上の出アガリか2,000・3,900のツモアガリ。
続木はこの局を凌げば優勝
第6回北海道プロトーナメントを優勝したのは続木。
真光は条件を作ることができず続木が逃げ切った。
こうして幕を閉じた北海道プロトーナメントだった。
最後までしっかり打ちきった石田はさすがの一言であったし、浦山の追い上げも凄まじいの一言だった。
粘り強さと長年の経験測から生まれる続木の戦い方は私には到底真似することは出来ないのだが、ベテラン勢の強さの秘密が今回のレポートを通じて直接肌に感じることが出来た。
私達若手は今よりもっともっと謙虚に牌と向き合わなければいけない。近道というのは決してなく地道に積み上げていくしかないのだから。
最後になりますが
続木さん!本当におめでとうございます!!

「パチスロ麻雀格闘倶楽部2発表会レポート」 中山 奈々美

皆さんこんにちは♪中山奈々美です。
今回は皆さんお待ちかね!大好評のあのパチスロ機の新作がついに出ちゃうんです!!その新作情報を持ってきましたよ~(∩´∀`)∩その機種はモチロン・・

「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」だッ!!!

「パチスロ麻雀格闘倶楽部」といえば、2014年の良台オブザイヤーにノミネートされ、現在でもホールで打つことのできる現行機種でございます。息の長い機種ですね♪広く皆さんに愛され続けているこのパチスロ機の新作ときけば、一パチスロファンである私も打つのがとっても楽しみです!
先日この大注目機種のプレス発表会が行われました。私も参加してきたので、前作に引き続き私が「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」の魅力をお伝えしたいと思います(*’ω’*)

 

1【正統継承×伝統強化】


「パチスロ麻雀格闘倶楽部」では日本プロ麻雀連盟監修の「リアル対局システム」にこだわっていましたね。その伝統は今作でももちろん継承。さ・ら・に!!今回は「滝沢プロ七段、勝又プロ六段、(鳳凰位)」の作成の牌譜データも追加し、牌譜データは2倍に!より、麻雀要素が強化されリアルな大局観をお楽しみいただけます(*’▽’)
そして小役で手牌がすすむシステムはそのままに「俺の強運」ゾーンを搭載し、ゾーン中はレア小役の確率が大幅アップします!!ワクワク感がさらに増しているなんて嬉しいですね♪

 

2【登場プロ雀士も増員】


完璧なまでの美貌とスタイルを兼ねそろえた「東城りおプロ」、新世代のアイドルプロ雀士として注目の「石田亜沙己プロ」など、人気プロ雀士7名が新たに参戦です!←プロモーションムービーのウケウリ|:3ミ
より「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」を艶やかに彩ってくれること間違いなしですね!この上述の二人は前作から人気のあのチャンスゾーン「バカンスモード」にも登場しておりますよ!!

 

3【バカンスモード×温泉モード×ときめきモード】


水着を着てバーベキューをしたり、海辺でキャッキャウフフして満貫を目指すあのチャンスゾーン「バカンスモード」は今作でもモチロン継承!(笑)私「中山奈々美」と「高宮まりプロ」は前作同様バカンスに行くとして、上述の「東城りおプロ」「石田亜沙己プロ」そして「小笠原奈央プロ」も一緒にバカンスモードしております!!前回よりも演出増量しておりますのでたーっぷりじーっくり水着をお楽しみいただけると思います(*´з`)
そしてこの5人は新たな搭載モード「温泉モード」にも登場しております。「温泉モード」は跳満以上&和了期待度50パーセント以上の激熱モード!!このゾーンに突入したらWで嬉しいですね♪
「ときめきモード」ではART中の上乗せ特化ゾーン突入チャンス!この5人に加え「二階堂瑠美プロ」「二階堂亜樹プロ」が参戦しより豪華なメンバーに(●´ω`●)「ときめきモード」でデートをして、デートが成功すれば「ゲーム数上乗せ」or「黄龍RUSH」or「雀豪乱舞」に突入できるわけです。特化ゾーンには入りたいけど、それ以上にデートで「楽しかった!」って言われたいゾ~~!(笑)

 

4【上乗せ特化ゾーンもパワーアップ】


「ときめきモード」や「巨匠バトル」に成功したら、今度は大量上乗せの「雀豪乱舞」に期待しましょう!!「雀豪乱舞」は本機最強の上乗せ特化ゾーン。リプレイで手牌がすすみ、リプレイで和了。80パーセントループで敗北するまで何度でも上乗せすることができます!!これは一度体感してみたい!!!

 

5【tumo☆tumo】


そして最後に。バカンスモードの5人でART中に流れる曲を歌わせていただきました!前作の撮影中に「ART中の曲とか歌ってみたいんですけど。。!夢なんですけど。。!」
とこぼしたところ、なんとGOサインがでまして私たちの曲を作っていただきました!前回森山さんの「Foo♪」しかなかったもんね(笑)ユニット名は「tumo☆tumo」といいます。ノリノリで麻雀も絡めた素敵な曲なので皆さんもぜひホールで聴いてみてください!私たちのこと応援してね(*ノωノ)
※tumo☆tumoとしての活動の予定は未定。

 

駆け足で「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」の説明をしてきましたが、この機種の魅力皆さんにお伝えできたでしょうか。百聞は一見に如かず。12月中旬から全国のホールで楽しめますので、この楽しさをぜひ体験してみてください(*’ω’*)

試打会で十分楽しんだ私もまだまだ物足りないかも。。見てない演出やゾーンも制覇したいし、私もホールで打つっきゃないですな!!!
KPEホームページにて私たちの試打動画もご覧いただけますので予習してから打ってみるのもオススメです!
「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」に乞うご期待!!!
Coming soon…

 

【編集部追記】

パチスロ麻雀格闘倶楽部2の発表会が9月30日に行われました。
出演者の中から、小島武夫プロ、森山茂和会長、山井弘プロ、二階堂姉妹、高宮まりプロ、東城りおプロ、中山奈々美プロ、小笠原奈央プロといった豪華なメンバーが出演。
パチスロ機の紹介やフォトセッション、トークセッションなどもあり、最後はお客様の試打タイムで終了となりました。
発売は12月予定。みなさんお楽しみに♪
c Konami Amusement -c KPE

 

100
100
100
100
100
100
100
100
100

プロ雀士コラム/「パチスロ麻雀格闘倶楽部2発表会レポート」 中山 奈々美

皆さんこんにちは♪中山奈々美です。
今回は皆さんお待ちかね!大好評のあのパチスロ機の新作がついに出ちゃうんです!!その新作情報を持ってきましたよ~(∩´∀`)∩その機種はモチロン・・
「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」だッ!!!
「パチスロ麻雀格闘倶楽部」といえば、2014年の良台オブザイヤーにノミネートされ、現在でもホールで打つことのできる現行機種でございます。息の長い機種ですね♪広く皆さんに愛され続けているこのパチスロ機の新作ときけば、一パチスロファンである私も打つのがとっても楽しみです!
先日この大注目機種のプレス発表会が行われました。私も参加してきたので、前作に引き続き私が「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」の魅力をお伝えしたいと思います(*’ω’*)
 
1【正統継承×伝統強化】

「パチスロ麻雀格闘倶楽部」では日本プロ麻雀連盟監修の「リアル対局システム」にこだわっていましたね。その伝統は今作でももちろん継承。さ・ら・に!!今回は「滝沢プロ七段、勝又プロ六段、(鳳凰位)」の作成の牌譜データも追加し、牌譜データは2倍に!より、麻雀要素が強化されリアルな大局観をお楽しみいただけます(*’▽’)
そして小役で手牌がすすむシステムはそのままに「俺の強運」ゾーンを搭載し、ゾーン中はレア小役の確率が大幅アップします!!ワクワク感がさらに増しているなんて嬉しいですね♪
 
2【登場プロ雀士も増員】

完璧なまでの美貌とスタイルを兼ねそろえた「東城りおプロ」、新世代のアイドルプロ雀士として注目の「石田亜沙己プロ」など、人気プロ雀士7名が新たに参戦です!←プロモーションムービーのウケウリ|:3ミ
より「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」を艶やかに彩ってくれること間違いなしですね!この上述の二人は前作から人気のあのチャンスゾーン「バカンスモード」にも登場しておりますよ!!
 
3【バカンスモード×温泉モード×ときめきモード】

水着を着てバーベキューをしたり、海辺でキャッキャウフフして満貫を目指すあのチャンスゾーン「バカンスモード」は今作でもモチロン継承!(笑)私「中山奈々美」と「高宮まりプロ」は前作同様バカンスに行くとして、上述の「東城りおプロ」「石田亜沙己プロ」そして「小笠原奈央プロ」も一緒にバカンスモードしております!!前回よりも演出増量しておりますのでたーっぷりじーっくり水着をお楽しみいただけると思います(*´з`)
そしてこの5人は新たな搭載モード「温泉モード」にも登場しております。「温泉モード」は跳満以上&和了期待度50パーセント以上の激熱モード!!このゾーンに突入したらWで嬉しいですね♪
「ときめきモード」ではART中の上乗せ特化ゾーン突入チャンス!この5人に加え「二階堂瑠美プロ」「二階堂亜樹プロ」が参戦しより豪華なメンバーに(●´ω`●)「ときめきモード」でデートをして、デートが成功すれば「ゲーム数上乗せ」or「黄龍RUSH」or「雀豪乱舞」に突入できるわけです。特化ゾーンには入りたいけど、それ以上にデートで「楽しかった!」って言われたいゾ~~!(笑)
 
4【上乗せ特化ゾーンもパワーアップ】

「ときめきモード」や「巨匠バトル」に成功したら、今度は大量上乗せの「雀豪乱舞」に期待しましょう!!「雀豪乱舞」は本機最強の上乗せ特化ゾーン。リプレイで手牌がすすみ、リプレイで和了。80パーセントループで敗北するまで何度でも上乗せすることができます!!これは一度体感してみたい!!!
 
5【tumo☆tumo】

そして最後に。バカンスモードの5人でART中に流れる曲を歌わせていただきました!前作の撮影中に「ART中の曲とか歌ってみたいんですけど。。!夢なんですけど。。!」
とこぼしたところ、なんとGOサインがでまして私たちの曲を作っていただきました!前回森山さんの「Foo♪」しかなかったもんね(笑)ユニット名は「tumo☆tumo」といいます。ノリノリで麻雀も絡めた素敵な曲なので皆さんもぜひホールで聴いてみてください!私たちのこと応援してね(*ノωノ)
※tumo☆tumoとしての活動の予定は未定。
 
駆け足で「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」の説明をしてきましたが、この機種の魅力皆さんにお伝えできたでしょうか。百聞は一見に如かず。12月中旬から全国のホールで楽しめますので、この楽しさをぜひ体験してみてください(*’ω’*)
試打会で十分楽しんだ私もまだまだ物足りないかも。。見てない演出やゾーンも制覇したいし、私もホールで打つっきゃないですな!!!
KPEホームページにて私たちの試打動画もご覧いただけますので予習してから打ってみるのもオススメです!
「パチスロ麻雀格闘倶楽部2」に乞うご期待!!!
Coming soon…
 
【編集部追記】
パチスロ麻雀格闘倶楽部2の発表会が9月30日に行われました。
出演者の中から、小島武夫プロ、森山茂和会長、山井弘プロ、二階堂姉妹、高宮まりプロ、東城りおプロ、中山奈々美プロ、小笠原奈央プロといった豪華なメンバーが出演。
パチスロ機の紹介やフォトセッション、トークセッションなどもあり、最後はお客様の試打タイムで終了となりました。
発売は12月予定。みなさんお楽しみに♪
c Konami Amusement -c KPE
 

100
100
100
100
100
100
100
100
100

第152回:プロ雀士インタビュー 二階堂 亜樹  インタビュアー:優月 みか

「二階堂亜樹」

日本で一番有名な女流プロは?と聞かれたら、この方を答える方も多いのではないでしょうか。

人ひとりの人生を変えるような影響力をも及ぼすこの方!だって私もそのひとりなのです。
私は二階堂亜樹さんを知らなかったら、プロを目指してなかったかもしれない。きっといまこうして記事を書くことも無かったでしょう。

私にプロになりたい!と思わせてくれた人。充実した毎日が送れるのは5年前、偶然にも二階堂亜樹さんを知り、憧れたから。

あぁ、5年前の私にドヤ顔で報告したい、あなた亜樹さんのインタビュー記事を書くんだよって。
そうです、今回二階堂亜樹プロの、女流モンド杯優勝インタビューを書かせていただくことになりました!
日本プロ麻雀連盟30期生、優月みかです。初めてのインタビューが憧れの亜樹さん!!
不慣れですが、亜樹さんのお言葉をしっかりお伝えしていきたいと思います!

その前にまずは女流モンド杯の説明をおさらい。

「人気の高い女流雀士の中でもタイトルを保持し、実力も兼ね備えたトッププロだけを集めた真剣対局番組。計12名の女流雀士による意地とプライドをかけた熱い戦いを放送!
予選は各自が4回を打ち(予選全12戦)、総合点の上位8名が準決勝卓に進出(4名が予選敗退)。
準決勝は点数を持ち越して各自1戦(準決勝全2戦)対戦し、総合点の上位4名が決勝へ進出。
決勝は予選の点数を持ち越さずリセットして対戦。決勝対局2回戦を行い優勝者が決定。」ホームページより。

12名で予選4回戦

上位8名準決勝1回戦(ポイント持ち越し)

上位4名で決勝2回戦(ポイントリセット)

ポイント持ち越しの5回戦と、決勝は2回戦勝負です。人気も実績もあるプロ同志の対局。これはみんなが釘付けになるわけだ。うむ。

それでは、インタビュースタートです!

10月某日カフェで亜樹さんを待つ。
なんといいましょうか…高校生の時に憧れの先輩と初めてデート出来るようなそんな緊張感と高揚感。
ドキドキしながら待つと、人の流れの中に亜樹さんの姿が!

デート…じゃなくて!インタビューです!

優月「では、本日は宜しくお願いします!」

亜樹「宜しくお願いします。」

優月「この度は女流モンド杯優勝、おめでとうございます!」

亜樹「ありがとうございます。」

優月「出場13回目、うち5回の決勝を経て、なんと初の優勝ということですが、優勝してどんな気持ちでしたか?」

亜樹「そうですね、そもそも13回も出てたんですね(笑)一度産休でお休みした時以外は、たぶん全部出てると思うんですけど、女流モンド杯第1回目から出させてもらってて、決勝も何回か残って、でも決勝には行くけど良いとこ無し、みたいな感じがずっと続いてて…。」

優月「私も意外でした。」

亜樹「はい、でも1回だけ決勝2回勝負で、1回戦目にトップをとって優勝できなかった回があったんですね。だいたい1戦目トップをとるとかなり有利になるんで…歴代の優勝した方も1戦目トップをとってそのままの勢いで優勝する事が多くて。まくってトップは半々くらいかな?だから、1戦目トップをとれば、ほぼ50%くらい優勝できるみたいな感じのを逃してしまい…。そこから、あんまり決勝にも残れなくなって。さらに予選落ちのシステムみたいのが出来てから、すぐに落ちて…で、なんていうか、その落ちた時にそもそも戻れないと思っていたので…」

{亜樹さんにもそう思う時があるのか、きっと亜樹さんすらもそう思ってしまうくらい辛かったんだろうなぁ…。}

亜樹「それを経ての優勝だったので、自分的には相当山あり谷ありの中やっと取れたかな、みたいな。出ている回数の割には、勝率的なものが低すぎて…縁が無いのかなと思ってしまっていました。」

優月「13回目の初優勝って聞いてびっくりしました。」

亜樹「しかも、前回から12人になったけど、その前まで8人だったので。その8分の1をここまで取れないのかと。結構きついなーと思いましたね。」

優月「今までの、厳しい時間を払拭して、今回優勝されたということですが、何か変えたところとか、変わったところとかってありますか?」

亜樹「予選に関しては、2年連続落ちはまずいなと思っていて…立場的にもとか色々考えてて…。」

{立場…そうか、亜樹さんクラスになると、自分だけの事じゃないんだ。常に連盟の看板を背負っている意識があるんだ。というか、私とか若手も、全てのプロにそういう意識って必要なんだろうな。本当は。}

亜樹「で、予選落ちをしないようにというのを意識してずっとやってきたんですね。最初は。」

【この予選というのは、冒頭で説明した、12名で始まり、4回戦終了時に下位4名が敗退するということ】

亜樹「4回やって下位4名が予選落ちするんだけど、そこまでは堪えて、そこからは全部行こうと思ってたの。もう最初から決めてて。とにかく、予選落ちしないことをまず目標にしたんで、予選落ちさえしなければ、決勝狙える位置にはだいたい残っているので。最後その準決勝で勝負をかけようというイメージで1回戦目から場を回したという感じでした。」

優月「なるほど、最初は予選落ちしないよう固く打ってたんですね!そして準決勝からはかなりアグレシッブに戦っているように見えて、いままでの亜樹さんと違うような、そんな気がしました。」

亜樹「そうですね、決勝戦は全部行こうと思ってたので。もちろん、手牌がついてくればっていうのもあったんですけど、かなり手が入っていたので。ほとんどオリて無いと思う、決勝の2回戦は」

{最初は予選で落ちないように、そして予選を通過したらあとは決勝を見据えて切り替える、亜樹さんが言うとサクッと頭に入ってくるがこれってすごく大変な事だと思う。普通はできるだけいっぱい得点稼いで予選を通過したいと思うはず。}

優月「そうですね!その決勝戦、色々と聞きたい事があるんですけど…優勝後の馬場さんとの放送のインタビューで、『地獄を見た』って仰っていたのは一体どういう意味でしょうか?」

亜樹「あぁ、それはですね。今仕事で、パチンコ屋さんの仕事が結構多くて、パチンコ屋さんのお客さんが8割くらい『モンド見てます!』『麻雀見てます!』って声をかけてくれるんですね。でも、予選落ちしたあとって、『チャレンジマッチ頑張ってください!』に変わるんですね。それが、なんていうか、プレッシャーとまではいかないけど、声をかけてもらう言葉が違うだけでこんなに印象が違うんだなぁと…。」

優月「なるほど…チャレンジマッチに出る事自体が、亜樹さんにとってはなかなか無い事ですもんね」

亜樹「しかも、その予選落ちした時が、国士無双を放銃して終わったんですけど、国士無双を打ったのは自分のその打ち方も明白に悪かったわけで。」

優月「明白に悪かったというのは?」

亜樹「その最終戦の時にドラ単騎でリーチしたんですけど、それの手順も悪かったし、待ちも悪かったし、結果も悪かったし、さらにトータルの結果も悪かったしっていうので…。声をかけてもらう度にその光景を思い出してしまって…。所謂フラッシュバックってやつですね。それが結構きつくて…。まぁなんというか、チャレンジマッチが始まるまでも嫌だったし、あんまり勝てる気もしてなかったし、メンタル的にきつかったですね。ていうのが、地獄でした。」

{自分の非を認めて、そこで何度も悔やむ。そうして、次の舞台で挽回する。反省して、実行する。これって簡単そうですごく難しい。誰だって嫌な事、辛い事は思い出したくない。それを真摯に受け止め、次でしっかりと結果を出す。麻雀だけじゃなくて、人生においてとっても大事な事。こういう強さも今の亜樹さんを作り上げている重要な要素なんだなぁ…}

優月「でもその地獄を乗り越えたからには、決勝はいけるって思いました?」

亜樹「まぁ、そうですね、その勢い的な物とかは。あとその予選の打ち方も落ちないように打ってたけどもうちょっとアグレシッブにいってたら、加点も出来たなぁと思うので。勢い的な、いけるんじゃないかなってものはうっすら。チャレンジマッチを勝てた時に、今回は勝てるんじゃないかって。第六感的な。」

優月「さすがです!では、決勝での見どころや、決め手になったところはどこだと思いますか?」

亜樹「んー、なんだろう…終始攻めていたからなぁ。1回戦目トップとったあとの、2回戦目の東2局の親番で、普段字牌とかの暗カンとか明カンとかはほとんどしないんですね。ベースが受けとかオリとかもあるので、4枚目切っちゃったりするんですけど。それをカンしたんですよ。」

優月「びっくりました。」

{1回戦トップを取り、2回戦もトップ目。普通は逃げ切る事を考える場面だが、そこでさらに攻めに回る姿勢。解説陣の馬場プロも驚いていたように見えるが、そんな亜樹さんのカンだ、必ず理由がある。}

亜樹「本当はしたくなかったんですけど…、決勝2回とも全部攻めるって決めてたんですね。その決め事に対してカンをしないことは、攻めるという決めに反するなって思って。もちろんその自分の感覚的な事とかも色々あって、あのカンをする時に割と長考したと思うんですけど。」

優月「そうですね、場況とかを考えてたのかと思いましたが…」

亜樹「あの長考の時間は色々想いを振り返っていました。場の状況とかじゃなくて、想いの再確認というか…それで親番だし、1回戦目トップとって勝てなかったその決勝もあったわけだし。これでここでカンしなかったら、その攻めるって気持ちとかも削げ落ちるんじゃないかと思ってとか…色々な葛藤があってのカンだったんですね。」

優月「そういう考えだったんですね!納得です!」

亜樹「で、結果6,000オールをつもるんですけど、その手順とかも私的には全然悪くなかったなと思って。読みもそこそこ当たってたんで、その局が結構決め手になったんじゃないかなと。その6,000オールで気持ちにもかなり余裕が出来ましたね。」

優月「そうですね、1回戦目トップだったとはいえ、あのアガリが無かったら、オーラスの黒沢プロの巻き返しも厳しく感じたかもしれませんね。」

亜樹「そうですね、点棒の壁で押し返せるかどうかとかもまた変わってくるので。。あそこで6,000オールをツモってなかったら、その後の周りの展開も変わってきたかなって。」

優月「なるほど」

亜樹「オーラスも最後まで攻めてたんですけど、その全ての線が繋がらないといけないんで。」

{そっか…麻雀を1つの線として捉えているんだなぁ。だから、ぶれない亜樹さんの麻雀は見ている方も気持ちがいいんだろうなぁ。。}

優月「1回戦東2局のタンヤオのカン三索で先制リーチをした局がありましたね。対局後ナビゲーターの馬場さんにも聞かれていましたが、あれはどういったリーチだったのでしょうか?亜樹さん、あんまり役ありのカンチャンのリーチを打たなそうかなーって思って見てました。」

亜樹「決勝は打ち慣れている相手だったので、相手の様子を探るっていうよりは、自分の状態、様子を探るっていうようなリーチだったんですね。打点とかじゃなくて。」

優月「なるほど、自分の感覚を探るための先制リーチだったのですね!結果3件リーチになって、高宮プロの放銃になったわけですが、その状態とか感触的にはどう感じるものなのでしょうか?」

亜樹「でも自分が愚形のリーチを打って、自分が振り込まなかったので。やっぱり、先手を打って追いつかれて、自分が放銃するというのが一番良くないと思っているので。まぁ感触は可もなく不可もなくみたいな。」

優月「次は1回戦オーラスの事です。オーラストップ目の親番で、2着目の高宮プロとは1万点差ほど。東バックで仕掛けて、テンパイをとりましたよね。流局したとき、トップ目からの連チャンか、トップで終局するか選べた場面です。亜樹さんは少し悩んで伏せたんですけどあの時はどういう思考だったのでしょうか?」

亜樹「トップをとらないと意味は無いと思ってたので、さらなる加点をしたいところだけど私の麻雀のタイプからすると、稼げる時は稼げて、それが持続できないタイプなので。」

優月「そうなんですか、そういうイメージって無かったです!」

亜樹「片山先生のドトッパーって漫画知ってます?笑」

優月「??すみません、わからないです笑」

亜樹「んーーーー…それで例えるとすごくわかりやすいんですけど、縦ドトッパーと、横ドトッパーっていうのがあって、、笑」

優月「????」

亜樹「縦ドトッパーは、1半荘で10万点とか稼いで、横ドトッパーは、4万点のトップを何半荘も続けるんですよ」

優月「あー!なるほど!!1回で稼ぐか、何回かかけて稼ぐか的な感じですかね」

亜樹「タイプでいうと、私は縦ドトッパーなので。」

優月「1回でたくさん加点するタイプですか。」

亜樹「そう、でも今回は決勝2回戦なので横ドトッパーにしないとなって。」

優月「よこどとっぱー…」

{初めて聞くけどすごい使いやすい言葉だなぁ…}

亜樹「そこで連荘し続けることは可能だけど加点し続ける事は微妙かなと。なので、一旦終わらせて、その勢いを次の2回戦へもっていきたかったんで終わらせたんです。」

優月「横ドトッパーにするために!」

亜樹「あとは純粋にまくられたら嫌っていうのもありますけど。」

優月「高宮プロの満貫ツモでトップをまくられる点差でしたもんね。」

亜樹「そうですね。高宮プロにまくられると、けっこう勝つの厳しいなっていうのがあったんで。次の半荘で。」

優月「あ、じゃあ高宮プロが2着目だからっていうのもあったんですか?」

亜樹「まぁ、そうですね。んーでも相手が誰でもそうですけど、割と1回戦トップ取ることには執着してました。結局、2回戦勝負は、1回戦目の着順で2回戦目にやる事が決まってしまうので。」

優月「ちょっと笑いながら、伏せていたのが可愛かったです。笑」

亜樹「あはは、まぁ、やりたい気持ちもありましたからね。リーグ戦なら間違いなく続行するじゃないですか?けどシステムの事を考えると伏せた方が無難かなと。」

優月「目標はトップって事ですね!では2回戦目、決勝最終戦のオーラスはどうでした?1回戦も1位、ポイント持ち越しの2回戦目もダントツの1位でのオーラスなので、かなり有利な状況でしたが、ラス親の黒沢さんの連荘が続いていました。」

亜樹「まぁ、黒沢さんに親満2発くらい打っても大丈夫だったし、自分で終わらせにいくしかないので。かなり攻めてましたね。で、手牌は悪くないのにアガれない局が2~3局続いて、黒沢さんに親満を放銃するんですけど。」

優月「そうでしたね…。」

亜樹「その時とかも、アガれないでくすぶっている時って、1回大きい放銃をすると、その後軽い手がアガれるっていう、、なんていうか自分の経験則みたいのがあって。」

優月「そうなんですか!!」(メモメモ)

亜樹「えぇ、それで当たってもいいと思って。いやたぶん打ったら親満くらいかなって思って打ったんですけど。」

優月「すごい、それでも攻めたんですね!」

亜樹「でも打たないと自分がアガれないって思ってたんで。そこで放銃するのは仕方ないって思って。次に繋がる放銃に、なりそうだなって。」

{決勝戦のオーラスという場面で、経験則をもとに親満覚悟で前に出るってすごい。とりあえずオリちゃう人も多い中、幾度となく、実践を積んだから亜樹さんだからこそ出来る攻め}

優月「そしてまったくその経験則の通り次の局でアガリましたよね!」

亜樹「そうですね、でも次の局、自分が高い手を張ったらアガれないかなって思ってたんです。安い手が入ったらたぶんアガれるだろうなって、そんな感覚でした。こればっかりは、自分の感覚のお話なので説明しずらいのですが…」

優月「そういうものなんですね…!」

亜樹「なので12,000点放銃したときもなんとも思ってなかったですね。ふーんみたいな」

優月「かっこよすぎる…!」

亜樹「まぁ、黒沢プロもアガリやめ出来ない立場だったんで。局数はまだあるなって。あとは自分がずっと前に出ていたので。また経験則ですが、ずっと前に攻めている人がアガリやすいような気がして。とにかくずっと攻めたので。いままでは、相手のガソリン切れを待ったりっていう戦い方が多かったので、もちろんそれで勝ったのもありますけど。リーグ戦とか、ゲスト先での麻雀も。そうした方が勝てると思うときもある。でも、女流モンド杯のシステムに関しては、攻めた方が良いと思って。普段の麻雀とは全然違う打ち方になったかなと思います。」

{こんな短い質問にここまで深く答えてくださるなんて…!考えてる事がすごすぎる!}

しばし談笑していただいて。

優月「女流桜花の方はどうでしょうか?」

亜樹「…女流桜花ねぇ、そう。女流モンドを優勝してから、ガタッと崩れてしまって。」

優月「え、そうなんですか」

亜樹「モンドの決勝まで、女流桜花2位だったんですけど。マイナス40Pや70Pとかで負けてしまって。たぶん、そのモンドの決勝を集中して、意識しずきて、女流桜花の方でバランスを崩してしまっていたんですね。まぁ、それは多少は覚悟してたんですけど、自分の中で切り替えられるかなと思ってたんですけど。甘かったなぁと…。そんなに切り替えられなかったです。で、Aルールの方に影響がでて。きつかったなぁ。今回はプレーオフには残れるかもしれないけど、決勝は厳しいかな。立て直せなかったんです。」

優月「気持ちが…ですか?」

亜樹「うん、メンタルかな?割とその、さっき線でつなげる麻雀にしようって言ってたんだけど。自分の麻雀は点で繋げることが多くてね。ちょっと線で繋げることを意識しすぎて、桜花で崩れてしまったの。大きいタイトル戦の決勝とかで集中とか意識しすぎると影響がでるよね。」

優月「そうなんですか…」

亜樹「例えばこのまえ、団体対抗戦の決勝があったじゃない?」

優月「はい!連盟が優勝しましたね!」

亜樹「そう、でも、活躍した選手の中で何人も崩れた人もいたので。猿川さん、瀬戸熊さん…。たぶんその人達ももちろん、リーグ戦をおざなりにしたわけじゃないんだけど、団体対抗戦に意識を集中しすぎてて…。ちょっとしたぬけがら状態になったり。団体対抗戦だと一発裏ありでAルールに影響がでたり。まぁ、そうだろうね。やっぱり崩れるだろうなって。大事だけど、やっぱりうまく切り替えないと。うまく切り替えられる人はすごいと思う。うっちー(内川プロ)とか、上手だよね。団体対抗戦の方であんなに活躍してたのに、あんまり崩れなくて。いやたぶん、実際は崩れていたんだろうけど、やってる途中に立て直してた。すごいと思う、私はそれが出来なかった。でも終わった事もそんなに引きずらない方なので、桜花の方もまた次頑張ろうと。今期は。(笑)まぁまだプレーオフもあるし。」

優月「亜樹さんの活躍、まだまだ見たいですね!」

麻雀についての有難いお話を聞かせてもらったところで、皆様知りたいでしょう?亜樹さん私生活!聞いちゃいました!

優月「娘さんの話とか聞いちゃってもいいですか?」

亜樹「いいですよ!」

優月「やっぱり可愛いですか?」

亜樹「可愛いですよ、生きがいです。やっぱり仕事とかも、子供がいるから頑張れる。でも仕事で子供と一緒にいられない時間も多いから…難しいですね。」

優月「お子さんを産んでから、麻雀変わったりしましたか?」

亜樹「んー、やっぱり弱くなりましたね。麻雀打つ時間も相当減ったし。あとは人間的に仕方がないんだと思うんだけど、子どもが出来ると、人間的に色々もっていかれるんですね。栄養素とか。笑」

優月「あぁ!自分の 持ってるもの とか?」

亜樹「たとえば、忘れっぽくなったりとか記憶力が相当悪くなりましたね。あとは、なんだろうな。割り切りが良くなったことが麻雀に悪い影響を及ぼす事もあったり。麻雀にある種の粘りが無くなったりとか。麻雀って結構感情のコントロールに向いてると思うんですよ。麻雀する事によって鍛えられる部分があったり。子育ても似たように、鍛えられる事があって。ある程度自分の感情をコントロールしないと、例えば子供にいちいち腹を立てたり怒っても仕方ないと思うんで。自分の感情をうまくコントロールしながら、躾とか教育をしないといけないんですね。だから、自制心、みたいのは育つと思うんですよ。けどその、自制しすぎて達観しちゃうみたいな。積極的にぐいぐい参加できなかったり。そういうのは、麻雀にとって良い部分でもあり悪い部分でもあると思うんです。だから、勝負どころの見極めとかもやっぱり鈍くなったかなって。感覚的に。総合的に考えると麻雀はやっぱり弱くなったかって思うんですけど。身体能力的な部分ですよね。それって。」

{ハッ、結局麻雀の質問をしてしまった…!!}

優月「最近、ママ雀士も増えているので、亜樹さんから何かアドバイスあればお願いします!」

亜樹「いやぁアドバイス欲しいくらいっすね!笑」

優月「笑」

亜樹「いやでも子供産むと子どもにつききっきりになるので、そういう時に麻雀が多少おざなりになるそれは仕方ないと思うんです。言っても麻雀プロも人間ですし、女流プロは1人の女性なので。そういうところで男はずるいな、羨ましいなって思ったり。男が子育てしなくていいとかじゃなくて。やっぱり密度が男より女の方が濃いと思う。脳内をしめる割合っていうのがあるとすると、やっぱり麻雀の割外が少なくなると思う。人としてはそうあるべきだと思うけど、麻雀プロとしてはどうなんだろう。」

優月「なかなか両立するのは難しいですね。」

亜樹「んー、、両立するのは無理なんじゃないかなと思うんです。相反するものだから。どっちも大事だけど、そんなに器用な方じゃないから。周りの協力があってですね。自分がやりたいことを貫けるのって。環境的にはすごく恵まれてると思うので。でも全ての女流プロがそういうわけじゃないので。きっと大変だと思う。何かを得るには何かを諦めなきゃいけないというのは的を得ているかと思います。」

{自分の人生が自分だけのものじゃなくなるんだもんなぁ…子育てだけでも、すごく大変だって言うのにプロとしてもしっかりと活躍している亜樹さん。聞かれた事に対して、綺麗事を並べたりしないで、しっかりと本当の気持ちを話してくれる亜樹さん。もう亜樹さんってほんとすごいなー…。}

優月「ところで、麻雀格闘倶楽部2のスロットが出ますね!」

亜樹「でますね。」

優月「夏目坂スタジオに台があったんですけど、打ってみたらいきなり当たってビックリしました!」

亜樹「あれはデモ機なので常に同じ演出ですよ」

優月「私強いと思ったら全然違ったんですね!」笑

亜樹「そうです。」笑

優月「今回の、パチスロ麻雀格闘倶楽部2の見どころはどうでしょうか?」

亜樹「参戦プロが増えましたね!あとは、モードの追加もされています。」

優月「なるほど、それは楽しみですね!」

優月「いつごろから導入ですか?」

亜樹「一応12月の半ばまでにはホールに設置される予定ですね。」

優月「私も、昔からスロットが好きなんですけど、なかなかスロット好きの中でも自分が出演してる台がホールにあるって経験をした人っていないと思うんですね。ホールでどういう気持ちになりますか?!」(ワクワク)

亜樹「まぁ私は私の事がそんなに好きじゃないんで、打っていても私の事はあんまり見てないです笑」

優月「そうなんですか?!」

亜樹「他の人が出ている方が面白いかな。知ってる人が面白い顔してるとかそういう方が楽しいかな。今だと麻雀格闘倶楽部の1の方が稼働してるので、自分が来店イベントとかで置いてくれて、通りがかると、あぁ、出てるよねって。笑」

優月「あぁ、ですか。笑」

亜樹「でもスロットの台に出るのは3台目なので、まぁ、、」

優月「慣れっこですか!」

亜樹「いやいや笑」

優月「早く打ちたいですね!」

優月「最後に、今後モンド出場、優勝を目指す若手プロに向けてメッセージがあればお願いします!」

亜樹「昔よりはモンドに出るチャンスとかが若手にも広がってきたので、どっかでそのワンチャンスをものにしないと、と思う。もちろん麻雀の力をあげることも大切だけど積極的に人目につくように色んなところに出て、自分をいろんな人に見てもらって、顔を売って。出場権利をかけた対局とかもあるのでね。女流モンドに関してはルックスとかも関係ないので、麻雀のスキルアップ、ジャン力アップ、積極的に自分を売るセルフプロデュース。ひとつひとつのチャンスを見逃さないところだと思います。」

優月「ありがとうございます!」

{すっごい良いこと聞けたなぁ…。}

優月「ほんとに今日は1日ありがとうございました!!!」

亜樹「いやいや、なんかたいした事答えてないけど大丈夫ですか?」

優月「いやいや、むしろ私の拙い質問が申し訳ないです。でも素晴らしい答えを沢山ありがとうございました!」

亜樹「インタビュー記事楽しみにしてますね」

優月「は、、はい!!」

亜樹さん本当に、女流モンド杯優勝おめでとうございます!

 

100

 

プロとして、女性として、人間としてずっと憧れの存在。
5年前より、さらにその気持ちは増していくばかり。
これからの活躍も、ずっとずっと応援しています!

 

100
100

プロ雀士インタビュー/第152回:プロ雀士インタビュー 二階堂 亜樹  インタビュアー:優月 みか

「二階堂亜樹」
日本で一番有名な女流プロは?と聞かれたら、この方を答える方も多いのではないでしょうか。
人ひとりの人生を変えるような影響力をも及ぼすこの方!だって私もそのひとりなのです。
私は二階堂亜樹さんを知らなかったら、プロを目指してなかったかもしれない。きっといまこうして記事を書くことも無かったでしょう。
私にプロになりたい!と思わせてくれた人。充実した毎日が送れるのは5年前、偶然にも二階堂亜樹さんを知り、憧れたから。
あぁ、5年前の私にドヤ顔で報告したい、あなた亜樹さんのインタビュー記事を書くんだよって。
そうです、今回二階堂亜樹プロの、女流モンド杯優勝インタビューを書かせていただくことになりました!
日本プロ麻雀連盟30期生、優月みかです。初めてのインタビューが憧れの亜樹さん!!
不慣れですが、亜樹さんのお言葉をしっかりお伝えしていきたいと思います!
その前にまずは女流モンド杯の説明をおさらい。
「人気の高い女流雀士の中でもタイトルを保持し、実力も兼ね備えたトッププロだけを集めた真剣対局番組。計12名の女流雀士による意地とプライドをかけた熱い戦いを放送!
予選は各自が4回を打ち(予選全12戦)、総合点の上位8名が準決勝卓に進出(4名が予選敗退)。
準決勝は点数を持ち越して各自1戦(準決勝全2戦)対戦し、総合点の上位4名が決勝へ進出。
決勝は予選の点数を持ち越さずリセットして対戦。決勝対局2回戦を行い優勝者が決定。」ホームページより。
12名で予選4回戦

上位8名準決勝1回戦(ポイント持ち越し)

上位4名で決勝2回戦(ポイントリセット)
ポイント持ち越しの5回戦と、決勝は2回戦勝負です。人気も実績もあるプロ同志の対局。これはみんなが釘付けになるわけだ。うむ。
それでは、インタビュースタートです!
10月某日カフェで亜樹さんを待つ。
なんといいましょうか…高校生の時に憧れの先輩と初めてデート出来るようなそんな緊張感と高揚感。
ドキドキしながら待つと、人の流れの中に亜樹さんの姿が!
デート…じゃなくて!インタビューです!
優月「では、本日は宜しくお願いします!」
亜樹「宜しくお願いします。」
優月「この度は女流モンド杯優勝、おめでとうございます!」
亜樹「ありがとうございます。」
優月「出場13回目、うち5回の決勝を経て、なんと初の優勝ということですが、優勝してどんな気持ちでしたか?」
亜樹「そうですね、そもそも13回も出てたんですね(笑)一度産休でお休みした時以外は、たぶん全部出てると思うんですけど、女流モンド杯第1回目から出させてもらってて、決勝も何回か残って、でも決勝には行くけど良いとこ無し、みたいな感じがずっと続いてて…。」
優月「私も意外でした。」
亜樹「はい、でも1回だけ決勝2回勝負で、1回戦目にトップをとって優勝できなかった回があったんですね。だいたい1戦目トップをとるとかなり有利になるんで…歴代の優勝した方も1戦目トップをとってそのままの勢いで優勝する事が多くて。まくってトップは半々くらいかな?だから、1戦目トップをとれば、ほぼ50%くらい優勝できるみたいな感じのを逃してしまい…。そこから、あんまり決勝にも残れなくなって。さらに予選落ちのシステムみたいのが出来てから、すぐに落ちて…で、なんていうか、その落ちた時にそもそも戻れないと思っていたので…」
{亜樹さんにもそう思う時があるのか、きっと亜樹さんすらもそう思ってしまうくらい辛かったんだろうなぁ…。}
亜樹「それを経ての優勝だったので、自分的には相当山あり谷ありの中やっと取れたかな、みたいな。出ている回数の割には、勝率的なものが低すぎて…縁が無いのかなと思ってしまっていました。」
優月「13回目の初優勝って聞いてびっくりしました。」
亜樹「しかも、前回から12人になったけど、その前まで8人だったので。その8分の1をここまで取れないのかと。結構きついなーと思いましたね。」
優月「今までの、厳しい時間を払拭して、今回優勝されたということですが、何か変えたところとか、変わったところとかってありますか?」
亜樹「予選に関しては、2年連続落ちはまずいなと思っていて…立場的にもとか色々考えてて…。」
{立場…そうか、亜樹さんクラスになると、自分だけの事じゃないんだ。常に連盟の看板を背負っている意識があるんだ。というか、私とか若手も、全てのプロにそういう意識って必要なんだろうな。本当は。}
亜樹「で、予選落ちをしないようにというのを意識してずっとやってきたんですね。最初は。」
【この予選というのは、冒頭で説明した、12名で始まり、4回戦終了時に下位4名が敗退するということ】
亜樹「4回やって下位4名が予選落ちするんだけど、そこまでは堪えて、そこからは全部行こうと思ってたの。もう最初から決めてて。とにかく、予選落ちしないことをまず目標にしたんで、予選落ちさえしなければ、決勝狙える位置にはだいたい残っているので。最後その準決勝で勝負をかけようというイメージで1回戦目から場を回したという感じでした。」
優月「なるほど、最初は予選落ちしないよう固く打ってたんですね!そして準決勝からはかなりアグレシッブに戦っているように見えて、いままでの亜樹さんと違うような、そんな気がしました。」
亜樹「そうですね、決勝戦は全部行こうと思ってたので。もちろん、手牌がついてくればっていうのもあったんですけど、かなり手が入っていたので。ほとんどオリて無いと思う、決勝の2回戦は」
{最初は予選で落ちないように、そして予選を通過したらあとは決勝を見据えて切り替える、亜樹さんが言うとサクッと頭に入ってくるがこれってすごく大変な事だと思う。普通はできるだけいっぱい得点稼いで予選を通過したいと思うはず。}
優月「そうですね!その決勝戦、色々と聞きたい事があるんですけど…優勝後の馬場さんとの放送のインタビューで、『地獄を見た』って仰っていたのは一体どういう意味でしょうか?」
亜樹「あぁ、それはですね。今仕事で、パチンコ屋さんの仕事が結構多くて、パチンコ屋さんのお客さんが8割くらい『モンド見てます!』『麻雀見てます!』って声をかけてくれるんですね。でも、予選落ちしたあとって、『チャレンジマッチ頑張ってください!』に変わるんですね。それが、なんていうか、プレッシャーとまではいかないけど、声をかけてもらう言葉が違うだけでこんなに印象が違うんだなぁと…。」
優月「なるほど…チャレンジマッチに出る事自体が、亜樹さんにとってはなかなか無い事ですもんね」
亜樹「しかも、その予選落ちした時が、国士無双を放銃して終わったんですけど、国士無双を打ったのは自分のその打ち方も明白に悪かったわけで。」
優月「明白に悪かったというのは?」
亜樹「その最終戦の時にドラ単騎でリーチしたんですけど、それの手順も悪かったし、待ちも悪かったし、結果も悪かったし、さらにトータルの結果も悪かったしっていうので…。声をかけてもらう度にその光景を思い出してしまって…。所謂フラッシュバックってやつですね。それが結構きつくて…。まぁなんというか、チャレンジマッチが始まるまでも嫌だったし、あんまり勝てる気もしてなかったし、メンタル的にきつかったですね。ていうのが、地獄でした。」
{自分の非を認めて、そこで何度も悔やむ。そうして、次の舞台で挽回する。反省して、実行する。これって簡単そうですごく難しい。誰だって嫌な事、辛い事は思い出したくない。それを真摯に受け止め、次でしっかりと結果を出す。麻雀だけじゃなくて、人生においてとっても大事な事。こういう強さも今の亜樹さんを作り上げている重要な要素なんだなぁ…}
優月「でもその地獄を乗り越えたからには、決勝はいけるって思いました?」
亜樹「まぁ、そうですね、その勢い的な物とかは。あとその予選の打ち方も落ちないように打ってたけどもうちょっとアグレシッブにいってたら、加点も出来たなぁと思うので。勢い的な、いけるんじゃないかなってものはうっすら。チャレンジマッチを勝てた時に、今回は勝てるんじゃないかって。第六感的な。」
優月「さすがです!では、決勝での見どころや、決め手になったところはどこだと思いますか?」
亜樹「んー、なんだろう…終始攻めていたからなぁ。1回戦目トップとったあとの、2回戦目の東2局の親番で、普段字牌とかの暗カンとか明カンとかはほとんどしないんですね。ベースが受けとかオリとかもあるので、4枚目切っちゃったりするんですけど。それをカンしたんですよ。」
優月「びっくりました。」
{1回戦トップを取り、2回戦もトップ目。普通は逃げ切る事を考える場面だが、そこでさらに攻めに回る姿勢。解説陣の馬場プロも驚いていたように見えるが、そんな亜樹さんのカンだ、必ず理由がある。}
亜樹「本当はしたくなかったんですけど…、決勝2回とも全部攻めるって決めてたんですね。その決め事に対してカンをしないことは、攻めるという決めに反するなって思って。もちろんその自分の感覚的な事とかも色々あって、あのカンをする時に割と長考したと思うんですけど。」
優月「そうですね、場況とかを考えてたのかと思いましたが…」
亜樹「あの長考の時間は色々想いを振り返っていました。場の状況とかじゃなくて、想いの再確認というか…それで親番だし、1回戦目トップとって勝てなかったその決勝もあったわけだし。これでここでカンしなかったら、その攻めるって気持ちとかも削げ落ちるんじゃないかと思ってとか…色々な葛藤があってのカンだったんですね。」
優月「そういう考えだったんですね!納得です!」
亜樹「で、結果6,000オールをつもるんですけど、その手順とかも私的には全然悪くなかったなと思って。読みもそこそこ当たってたんで、その局が結構決め手になったんじゃないかなと。その6,000オールで気持ちにもかなり余裕が出来ましたね。」
優月「そうですね、1回戦目トップだったとはいえ、あのアガリが無かったら、オーラスの黒沢プロの巻き返しも厳しく感じたかもしれませんね。」
亜樹「そうですね、点棒の壁で押し返せるかどうかとかもまた変わってくるので。。あそこで6,000オールをツモってなかったら、その後の周りの展開も変わってきたかなって。」
優月「なるほど」
亜樹「オーラスも最後まで攻めてたんですけど、その全ての線が繋がらないといけないんで。」
{そっか…麻雀を1つの線として捉えているんだなぁ。だから、ぶれない亜樹さんの麻雀は見ている方も気持ちがいいんだろうなぁ。。}
優月「1回戦東2局のタンヤオのカン三索で先制リーチをした局がありましたね。対局後ナビゲーターの馬場さんにも聞かれていましたが、あれはどういったリーチだったのでしょうか?亜樹さん、あんまり役ありのカンチャンのリーチを打たなそうかなーって思って見てました。」
亜樹「決勝は打ち慣れている相手だったので、相手の様子を探るっていうよりは、自分の状態、様子を探るっていうようなリーチだったんですね。打点とかじゃなくて。」
優月「なるほど、自分の感覚を探るための先制リーチだったのですね!結果3件リーチになって、高宮プロの放銃になったわけですが、その状態とか感触的にはどう感じるものなのでしょうか?」
亜樹「でも自分が愚形のリーチを打って、自分が振り込まなかったので。やっぱり、先手を打って追いつかれて、自分が放銃するというのが一番良くないと思っているので。まぁ感触は可もなく不可もなくみたいな。」
優月「次は1回戦オーラスの事です。オーラストップ目の親番で、2着目の高宮プロとは1万点差ほど。東バックで仕掛けて、テンパイをとりましたよね。流局したとき、トップ目からの連チャンか、トップで終局するか選べた場面です。亜樹さんは少し悩んで伏せたんですけどあの時はどういう思考だったのでしょうか?」
亜樹「トップをとらないと意味は無いと思ってたので、さらなる加点をしたいところだけど私の麻雀のタイプからすると、稼げる時は稼げて、それが持続できないタイプなので。」
優月「そうなんですか、そういうイメージって無かったです!」
亜樹「片山先生のドトッパーって漫画知ってます?笑」
優月「??すみません、わからないです笑」
亜樹「んーーーー…それで例えるとすごくわかりやすいんですけど、縦ドトッパーと、横ドトッパーっていうのがあって、、笑」
優月「????」
亜樹「縦ドトッパーは、1半荘で10万点とか稼いで、横ドトッパーは、4万点のトップを何半荘も続けるんですよ」
優月「あー!なるほど!!1回で稼ぐか、何回かかけて稼ぐか的な感じですかね」
亜樹「タイプでいうと、私は縦ドトッパーなので。」
優月「1回でたくさん加点するタイプですか。」
亜樹「そう、でも今回は決勝2回戦なので横ドトッパーにしないとなって。」
優月「よこどとっぱー…」
{初めて聞くけどすごい使いやすい言葉だなぁ…}
亜樹「そこで連荘し続けることは可能だけど加点し続ける事は微妙かなと。なので、一旦終わらせて、その勢いを次の2回戦へもっていきたかったんで終わらせたんです。」
優月「横ドトッパーにするために!」
亜樹「あとは純粋にまくられたら嫌っていうのもありますけど。」
優月「高宮プロの満貫ツモでトップをまくられる点差でしたもんね。」
亜樹「そうですね。高宮プロにまくられると、けっこう勝つの厳しいなっていうのがあったんで。次の半荘で。」
優月「あ、じゃあ高宮プロが2着目だからっていうのもあったんですか?」
亜樹「まぁ、そうですね。んーでも相手が誰でもそうですけど、割と1回戦トップ取ることには執着してました。結局、2回戦勝負は、1回戦目の着順で2回戦目にやる事が決まってしまうので。」
優月「ちょっと笑いながら、伏せていたのが可愛かったです。笑」
亜樹「あはは、まぁ、やりたい気持ちもありましたからね。リーグ戦なら間違いなく続行するじゃないですか?けどシステムの事を考えると伏せた方が無難かなと。」
優月「目標はトップって事ですね!では2回戦目、決勝最終戦のオーラスはどうでした?1回戦も1位、ポイント持ち越しの2回戦目もダントツの1位でのオーラスなので、かなり有利な状況でしたが、ラス親の黒沢さんの連荘が続いていました。」
亜樹「まぁ、黒沢さんに親満2発くらい打っても大丈夫だったし、自分で終わらせにいくしかないので。かなり攻めてましたね。で、手牌は悪くないのにアガれない局が2~3局続いて、黒沢さんに親満を放銃するんですけど。」
優月「そうでしたね…。」
亜樹「その時とかも、アガれないでくすぶっている時って、1回大きい放銃をすると、その後軽い手がアガれるっていう、、なんていうか自分の経験則みたいのがあって。」
優月「そうなんですか!!」(メモメモ)
亜樹「えぇ、それで当たってもいいと思って。いやたぶん打ったら親満くらいかなって思って打ったんですけど。」
優月「すごい、それでも攻めたんですね!」
亜樹「でも打たないと自分がアガれないって思ってたんで。そこで放銃するのは仕方ないって思って。次に繋がる放銃に、なりそうだなって。」
{決勝戦のオーラスという場面で、経験則をもとに親満覚悟で前に出るってすごい。とりあえずオリちゃう人も多い中、幾度となく、実践を積んだから亜樹さんだからこそ出来る攻め}
優月「そしてまったくその経験則の通り次の局でアガリましたよね!」
亜樹「そうですね、でも次の局、自分が高い手を張ったらアガれないかなって思ってたんです。安い手が入ったらたぶんアガれるだろうなって、そんな感覚でした。こればっかりは、自分の感覚のお話なので説明しずらいのですが…」
優月「そういうものなんですね…!」
亜樹「なので12,000点放銃したときもなんとも思ってなかったですね。ふーんみたいな」
優月「かっこよすぎる…!」
亜樹「まぁ、黒沢プロもアガリやめ出来ない立場だったんで。局数はまだあるなって。あとは自分がずっと前に出ていたので。また経験則ですが、ずっと前に攻めている人がアガリやすいような気がして。とにかくずっと攻めたので。いままでは、相手のガソリン切れを待ったりっていう戦い方が多かったので、もちろんそれで勝ったのもありますけど。リーグ戦とか、ゲスト先での麻雀も。そうした方が勝てると思うときもある。でも、女流モンド杯のシステムに関しては、攻めた方が良いと思って。普段の麻雀とは全然違う打ち方になったかなと思います。」
{こんな短い質問にここまで深く答えてくださるなんて…!考えてる事がすごすぎる!}
しばし談笑していただいて。
優月「女流桜花の方はどうでしょうか?」
亜樹「…女流桜花ねぇ、そう。女流モンドを優勝してから、ガタッと崩れてしまって。」
優月「え、そうなんですか」
亜樹「モンドの決勝まで、女流桜花2位だったんですけど。マイナス40Pや70Pとかで負けてしまって。たぶん、そのモンドの決勝を集中して、意識しずきて、女流桜花の方でバランスを崩してしまっていたんですね。まぁ、それは多少は覚悟してたんですけど、自分の中で切り替えられるかなと思ってたんですけど。甘かったなぁと…。そんなに切り替えられなかったです。で、Aルールの方に影響がでて。きつかったなぁ。今回はプレーオフには残れるかもしれないけど、決勝は厳しいかな。立て直せなかったんです。」
優月「気持ちが…ですか?」
亜樹「うん、メンタルかな?割とその、さっき線でつなげる麻雀にしようって言ってたんだけど。自分の麻雀は点で繋げることが多くてね。ちょっと線で繋げることを意識しすぎて、桜花で崩れてしまったの。大きいタイトル戦の決勝とかで集中とか意識しすぎると影響がでるよね。」
優月「そうなんですか…」
亜樹「例えばこのまえ、団体対抗戦の決勝があったじゃない?」
優月「はい!連盟が優勝しましたね!」
亜樹「そう、でも、活躍した選手の中で何人も崩れた人もいたので。猿川さん、瀬戸熊さん…。たぶんその人達ももちろん、リーグ戦をおざなりにしたわけじゃないんだけど、団体対抗戦に意識を集中しすぎてて…。ちょっとしたぬけがら状態になったり。団体対抗戦だと一発裏ありでAルールに影響がでたり。まぁ、そうだろうね。やっぱり崩れるだろうなって。大事だけど、やっぱりうまく切り替えないと。うまく切り替えられる人はすごいと思う。うっちー(内川プロ)とか、上手だよね。団体対抗戦の方であんなに活躍してたのに、あんまり崩れなくて。いやたぶん、実際は崩れていたんだろうけど、やってる途中に立て直してた。すごいと思う、私はそれが出来なかった。でも終わった事もそんなに引きずらない方なので、桜花の方もまた次頑張ろうと。今期は。(笑)まぁまだプレーオフもあるし。」
優月「亜樹さんの活躍、まだまだ見たいですね!」
麻雀についての有難いお話を聞かせてもらったところで、皆様知りたいでしょう?亜樹さん私生活!聞いちゃいました!
優月「娘さんの話とか聞いちゃってもいいですか?」
亜樹「いいですよ!」
優月「やっぱり可愛いですか?」
亜樹「可愛いですよ、生きがいです。やっぱり仕事とかも、子供がいるから頑張れる。でも仕事で子供と一緒にいられない時間も多いから…難しいですね。」
優月「お子さんを産んでから、麻雀変わったりしましたか?」
亜樹「んー、やっぱり弱くなりましたね。麻雀打つ時間も相当減ったし。あとは人間的に仕方がないんだと思うんだけど、子どもが出来ると、人間的に色々もっていかれるんですね。栄養素とか。笑」
優月「あぁ!自分の 持ってるもの とか?」
亜樹「たとえば、忘れっぽくなったりとか記憶力が相当悪くなりましたね。あとは、なんだろうな。割り切りが良くなったことが麻雀に悪い影響を及ぼす事もあったり。麻雀にある種の粘りが無くなったりとか。麻雀って結構感情のコントロールに向いてると思うんですよ。麻雀する事によって鍛えられる部分があったり。子育ても似たように、鍛えられる事があって。ある程度自分の感情をコントロールしないと、例えば子供にいちいち腹を立てたり怒っても仕方ないと思うんで。自分の感情をうまくコントロールしながら、躾とか教育をしないといけないんですね。だから、自制心、みたいのは育つと思うんですよ。けどその、自制しすぎて達観しちゃうみたいな。積極的にぐいぐい参加できなかったり。そういうのは、麻雀にとって良い部分でもあり悪い部分でもあると思うんです。だから、勝負どころの見極めとかもやっぱり鈍くなったかなって。感覚的に。総合的に考えると麻雀はやっぱり弱くなったかって思うんですけど。身体能力的な部分ですよね。それって。」
{ハッ、結局麻雀の質問をしてしまった…!!}
優月「最近、ママ雀士も増えているので、亜樹さんから何かアドバイスあればお願いします!」
亜樹「いやぁアドバイス欲しいくらいっすね!笑」
優月「笑」
亜樹「いやでも子供産むと子どもにつききっきりになるので、そういう時に麻雀が多少おざなりになるそれは仕方ないと思うんです。言っても麻雀プロも人間ですし、女流プロは1人の女性なので。そういうところで男はずるいな、羨ましいなって思ったり。男が子育てしなくていいとかじゃなくて。やっぱり密度が男より女の方が濃いと思う。脳内をしめる割合っていうのがあるとすると、やっぱり麻雀の割外が少なくなると思う。人としてはそうあるべきだと思うけど、麻雀プロとしてはどうなんだろう。」
優月「なかなか両立するのは難しいですね。」
亜樹「んー、、両立するのは無理なんじゃないかなと思うんです。相反するものだから。どっちも大事だけど、そんなに器用な方じゃないから。周りの協力があってですね。自分がやりたいことを貫けるのって。環境的にはすごく恵まれてると思うので。でも全ての女流プロがそういうわけじゃないので。きっと大変だと思う。何かを得るには何かを諦めなきゃいけないというのは的を得ているかと思います。」
{自分の人生が自分だけのものじゃなくなるんだもんなぁ…子育てだけでも、すごく大変だって言うのにプロとしてもしっかりと活躍している亜樹さん。聞かれた事に対して、綺麗事を並べたりしないで、しっかりと本当の気持ちを話してくれる亜樹さん。もう亜樹さんってほんとすごいなー…。}
優月「ところで、麻雀格闘倶楽部2のスロットが出ますね!」
亜樹「でますね。」
優月「夏目坂スタジオに台があったんですけど、打ってみたらいきなり当たってビックリしました!」
亜樹「あれはデモ機なので常に同じ演出ですよ」
優月「私強いと思ったら全然違ったんですね!」笑
亜樹「そうです。」笑
優月「今回の、パチスロ麻雀格闘倶楽部2の見どころはどうでしょうか?」
亜樹「参戦プロが増えましたね!あとは、モードの追加もされています。」
優月「なるほど、それは楽しみですね!」
優月「いつごろから導入ですか?」
亜樹「一応12月の半ばまでにはホールに設置される予定ですね。」
優月「私も、昔からスロットが好きなんですけど、なかなかスロット好きの中でも自分が出演してる台がホールにあるって経験をした人っていないと思うんですね。ホールでどういう気持ちになりますか?!」(ワクワク)
亜樹「まぁ私は私の事がそんなに好きじゃないんで、打っていても私の事はあんまり見てないです笑」
優月「そうなんですか?!」
亜樹「他の人が出ている方が面白いかな。知ってる人が面白い顔してるとかそういう方が楽しいかな。今だと麻雀格闘倶楽部の1の方が稼働してるので、自分が来店イベントとかで置いてくれて、通りがかると、あぁ、出てるよねって。笑」
優月「あぁ、ですか。笑」
亜樹「でもスロットの台に出るのは3台目なので、まぁ、、」
優月「慣れっこですか!」
亜樹「いやいや笑」
優月「早く打ちたいですね!」
優月「最後に、今後モンド出場、優勝を目指す若手プロに向けてメッセージがあればお願いします!」
亜樹「昔よりはモンドに出るチャンスとかが若手にも広がってきたので、どっかでそのワンチャンスをものにしないと、と思う。もちろん麻雀の力をあげることも大切だけど積極的に人目につくように色んなところに出て、自分をいろんな人に見てもらって、顔を売って。出場権利をかけた対局とかもあるのでね。女流モンドに関してはルックスとかも関係ないので、麻雀のスキルアップ、ジャン力アップ、積極的に自分を売るセルフプロデュース。ひとつひとつのチャンスを見逃さないところだと思います。」
優月「ありがとうございます!」
{すっごい良いこと聞けたなぁ…。}
優月「ほんとに今日は1日ありがとうございました!!!」
亜樹「いやいや、なんかたいした事答えてないけど大丈夫ですか?」
優月「いやいや、むしろ私の拙い質問が申し訳ないです。でも素晴らしい答えを沢山ありがとうございました!」
亜樹「インタビュー記事楽しみにしてますね」
優月「は、、はい!!」
亜樹さん本当に、女流モンド杯優勝おめでとうございます!
 

100

 
プロとして、女性として、人間としてずっと憧れの存在。
5年前より、さらにその気持ちは増していくばかり。
これからの活躍も、ずっとずっと応援しています!
 

100
100

第151回:第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー ~後編~

第1節 3回戦 南4局1本場
親 白鳥

四索六索七索七索八索九索三筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ七筒  ドラ四筒

突然ですが皆さんは何を切りますか?
状況は以下の通りだが、部分的な局面でお伝えすることをご了承いただきたい。

時間打ち切りが迫っており、場合によっては今局で打ち切りになる可能性も考えられる。
持ち点は、東家白鳥17,100、南家5,500、西家66,700、北家30,700。

7巡目に南家からリーチ。更に8巡目に北家が仕掛ける。丁寧に廻った白鳥が12巡目に追いつき、上記の手牌となった。
関連牌は八索が場に2枚切れ。一索四索七索は全て無筋。白鳥の目からは六索が3枚見えており七索はワンチャンス。長考の末、白鳥は打七索のヤミテンを選択した。
この選択に対し佐々木と白鳥の意見がぶつかる。

佐々木の言い分
「言いたくないけど、そこまでの手順は素晴らしかった。リーチ者のアタリ牌を止めて追いついたのよ。それなのに最後の最後に七索切ってヤミテンにしたの。この先、あと何節、何回戦残っていると思ってるんだよ。そんな考えの麻雀では勝ちきれない。負けてもいいから四索切ってリーチで攻めてけって言ったのよ。自分なら八索が4枚見えてても四索切ってリーチするね」

白鳥の言い分
「僕は七索切りのバランスで自分自身を保てると思ってた。リーチ者の序盤に六索が切られていて四索の危険度の方が断然高い。12,000アガッても2着にはならないし、リーチ者に放銃すればラス落ちする可能性はかなり高い。団体戦だからこそ、最終的にはオリても良いと思ってた。僕は良い意味で大きくは浮かないかもしれないけど大崩れはしない。その代わり最終的なポイントはしっかり伸ばして結果は出す」

佐々木「本当に屁理屈が多いな!」

白鳥「いや、技術的な話なの!」

いつでもそうだ。今回のインタビューでも麻雀の話になると私からの質問は遥か彼方に置き去りになる。
お互いの本音をぶつけ合う若手同士の熱い麻雀談義。それを先輩が微笑ましく見守る。
こんな掛け合いは、切磋琢磨する日本プロ麻雀連盟では日常の光景なのである。
それは時に先輩・後輩の垣根を超えて行われる。

私はふっと思った。連盟員には見慣れたこの光景こそが、先輩から後輩に対しての日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史の引き継ぎを担っているのではないかと。
若手の疑問に対して真摯な姿勢で受け止め、的確なアドバイスをしてくれる。上記の局面にて、両者に生じた意見の相違も同様であろう。
それぞれが今日まで、多くのアドバイスを基に築き上げてきた己の技術と精神力。どちらが正しいかはそれぞれが判断することだ。

しかし、明日には佐々木が白鳥の手法を、白鳥が佐々木の手法を実践しているのかもしれないのだ。
試行錯誤し、アドバイスを求める。この繰り返しの中でそれぞれが成長し、個の力が伸びていく。
今大会の優勝は、そんな中から生まれたものなのかもしれない。

 

【藤崎さん何日目振り返りたいですか】

 

100

 

10月某日 14:25 四ッ谷

日吉「それではインタビューを始めたいと思います。これは団体と個人の成績表です。これがあれば当時のことを思い出しやすいかなと」

佐々木「お、ありがとう。気が利くな」

一同「キャプテン!何節目を振り返りますか?(笑)」

チーム連盟、キャプテン藤崎。
藤崎は今大会では絶不調。個人成績で32人中、30位という成績だった。

藤崎「振り返る必要ないでしょ…」

 

【当然かな】

 

日吉「まずは選抜された時の意気込みを聞かせてください」

藤崎「とにかく大事な対局が多いなと。ありがたいですよ」

日吉「藤崎さんのキャプテン任命のタイミングは?」

藤崎「決起集会の時だね。その時点では会長の、例のコメントは聞いてなかったんだよね」

日吉「会長のコメントを聞いた後の心境は?」

藤崎「それは想像を絶しますよ。大会開催日(8月10日)から3ヵ月くらい経つよね。プレッシャーが大きくて、今でも体調悪いよ。だって会長は自分が言ったコメントを撤回するような人じゃないでしょ」

(そういえば瀬戸熊さんは、会長はスマートで頑固なお父さんのようなイメージの人だって言ってたな)

藤崎「もし4位になったら会長が辞めるでしょ。それなのに、チームのキャプテンがそのまま居座れないよね。負けた時は引退で責任取るしかないかなって。それぐらいのことは考えてましたね」

(自身が背負うものの大きさを自覚した、藤崎さんなりの覚悟なんだろうな)

前田「そしたら次のキャプテンを誰もやらなくなりますよ」

藤崎「引退は言い過ぎだけど、頭丸めるくらいはするよね。そしたら当然メンバー全員坊主じゃない。これは必然だよ。だけどこれを前例にすると、今後のキャプテンいなくなるからな…」

佐々木「(坊主に)しないよ!冗談顔だけにしてよ!」

(寿人さんの坊主…見てみたいな…)

日吉「前田さんはいかがでしたか?」

前田「選ばれたことは本当に光栄ですね。今大会は本当に注目度が高かったよね」

(前田さんの坊主も…見てみたいな…)

インターネットの普及により、多くの大会が開催されている。
しかし視聴者の方が何を求めているのかは、蓋を開けてみないとわからない部分が多いことも事実。
そういった意味では、更なる麻雀業界発展の余地は十分に残されているのだろう。

前田「日刊スポーツの1ページ使って宣伝されてたし、視聴者数が半端じゃなかったよね」

日吉「放送媒体もAbemaTVということが大きかったですか」

前田「団体対抗戦っていうコンテンツも素晴らしいけど、AbemaTVっていうのは大きいね。視聴者数20万人超えてたもの」

日吉「寿人さんは?」

佐々木「ルールとこれまでの対外成績を考えたら、メンバーには選んでもらえると思ってましたよ」

(さすが佐々木寿人。自信の塊だ)

日吉「選抜された時の感想は?」

佐々木「当然かなと」

(気持ちが良いほどの即答!もう少し突っ込んで聞いてみよう…)

日吉「8人の中でメディアの露出は一番多いですが、鳳凰戦のリーグは一番下。更に選抜されなかった連盟員の中にはリーグ上位者の方が沢山います。その中で選抜された感想は?」

佐々木「場慣れ感は誰よりもあると思う。だから持ってる力は一番発揮できるはずですよ。ステージにも慣れてるしね。自信だけは人一倍ありますから」

前田「その部分はみんな認めてるし納得じゃないかな」

日吉「白鳥さんは?」

白鳥「リザーバー2人(HIRO柴田、山田浩之)の方が総合力で言えば僕より上だと思う。ただ最近の対外成績が悪くないこと、場慣れしてきたこと。あとはマスターズ連覇が大きな選出理由だと思います」

前田「マスターズ連覇が大きかったよね。勝ち方も良かったし」

白鳥「連覇じゃなかったら選ばれてなかったと思います」

日吉「連覇されたマスターズに近いルールでしたが、自信はありましたか?」

白鳥「とても得意なルールだと思います。連盟員はAルール特化の方が多いと思う。ただこのルールであれば他の連盟員の方よりは向いているかなと…」

佐々木「おいおいおい!俺がモンド杯と天空麻雀で何回優勝したか知ってるのかよ!」

前田「翔ちゃんは知らないと思うけど、僕は現最強位なんだよね」

藤崎「僕は日本オープン連覇したことがあるんだよなぁ。確か3回優勝してたかなぁ」

(あーあ、生意気なこと言うから…白鳥、坊主にしてきなさい!)

 

【勝負に行く機会もなかった】

 

日吉「今大会はチーム戦でしたが、対局を行う上で意識したことはありますか?」

佐々木「暗黙の役割はあったよね。こいつにはポイント伸ばして欲しいとか、逆にポイントまとめてほしいとかさ。僕が期待されていたことは出来たかな」

佐々木は個人成績第6位。今大会でもその攻撃力を存分に見せつけた。個人成績で上位を維持し続け、ポイントを伸ばすことによってチームを牽引し続けた。

日吉「ご自身が期待されていたことに応えることができたと」

佐々木「キャプテンがマイナスしても僕がそれを補填しましたからね。大変でしたよ(笑)」

藤崎「こらこらこら」

佐々木「ポイント伸ばす人がいないと勝てないわけですよ。若い僕らがポイント伸ばして、もし藤崎さんが調子悪い場合は僕らで補おうと。そういう意識はありましたよ」

藤崎「僕と瀬戸熊で話した時にね、ポイントゲッターは寿人、猿川、白鳥の3人だろうと。サルちゃんと翔ちゃんは器用さもあるからポイントをまとめることも出来るけど、細かいことは言わずに気楽に打たせてポイント伸ばしてもらおうと思ったのね。寿人は器用なタイプじゃないから何言っても無駄。好きにやらせとけって」

佐々木「ハハハ」

藤崎「勝又は大将という大きなプレッシャーの中で戦うことになる。軽いことは言えないよ、信じてるしね。年寄3人(藤崎、瀬戸熊、前田)と器用なウッチーでポイントまとめようって話してたね。結果的にはウッチーが一番ブレイクして、前田が調子崩したよね」

佐々木「初日良かったのに失速しましたよね」

前田「そうだね。全く手が入らなかったね」

前田は第1節終了時に個人成績で首位。スタートダッシュに大きく貢献する。しかしそれ以降は失速し、最終的には28位という不本意な成績で終えた。

日吉「前田さんは普段の麻雀との違いはあったんですか?」

前田「初日は普段通りの麻雀をしてましたね。ただ第2節から着順を意識してたかな。団体戦ってことを早い段階で意識し過ぎてしまったかもしれない。その時から対抗してくるであろうチームを想定して、見逃しをしたんだよね」

日吉「なるほど」

前田「その半荘の結果は良かったけど、その後は全く手が入らなくなった。勝負に行く機会もなかった。今考えるとやるにしても早すぎた。ライバルチームを意識し過ぎたね。もう少し普段通りやればよかったよ。今大会の反省点かな。順位も大事だけど、ポイントは最終的にみんなが伸ばしてくれるだろうし」

どこかで聞いたことのある話だと思った。あの時の瀬戸熊の言葉だ。
『勝又がリーチをした瞬間は良し!と思ったよ。さすが勝又、緻密に計算してるなって。ただ、ポイントはリード出来ても勢いを失うリーチにも見える』(前半グループインタビューより抜粋)
今回は『リーチ』が『見逃し』に変わってはいるが、あの時の瀬戸熊の言葉が脳裏をよぎった。

佐々木「そういえば、白鳥に散々文句を言った一局があるんですよ」

白鳥「僕は今でも正しいと思ってるけどね」

そして冒頭の掛け合いが始まったのである。

佐々木「何回言っても、白鳥の理論でぐちゃぐちゃいうのよ。屁理屈が多くて!」

白鳥「いや屁理屈じゃないから、技術的な話だから!」

前田「なんかユーミンと喋りまShow?みたいになってるな…」

 

100

 

【それすらどうでもよかった】

 

日吉「ご自身の成績は気になりましたか?」

白鳥「チームが勝てればどっちでもよかった。団体戦とはいえ個人成績上位なら今後の活動範囲が広がるかもしれない。だけど今回はそれすらどうでもよかった。最終日はトップを捨ててもライバルチームを抑えましたね」

佐々木「上位にいた方が目立つから意識はしてたけど、最終日だけは白鳥と同じですね。自分の成績はどうでもいいって」

前田「僕はチームの成績を優先してましたね。たださっき言った通りライバルチームとの着順を早くから意識しすぎたかな。それが反省点」

藤崎「僕は最初から調子が悪すぎた。今大会は個人的に数字を伸ばすことは難しいだろうと。そうなるとライバルチームを抑えに行くよね。個人戦であれば何とかしようとするんだけどね」

(勝又さんが、藤崎さんはポイント競ってた最高位戦との成績はすごく良かったって言ってたな。藤崎さんは自身の調子も踏まえ戦い方を選択してたんだ)

日吉「他団体で強いと思った方は?」

藤崎「平賀さん。(平賀聡彦プロ、最高位戦日本プロ麻雀協会)団体と個人の両方優勝できたら気持ち良いから、内川に個人優勝してもらいたかったね」

白鳥「水巻さん。(水巻渉プロ、最高戦日本プロ麻雀協会)対局を見た時も強いと思いましたが、実際に対局して更に強いと思いましたね」

前田「たろうさんと達也さん。(鈴木たろうプロ、鈴木達也プロ、日本プロ麻雀協会)たろうさんと対局して10本場積まれましたね」

佐々木「僕は昔から相手の評価をしても意味がないと思ってるんですよ」

白鳥「寿人さんは相手の実力を評価することも出来ないからなぁ(笑)」

(お、白鳥の反撃だ。白鳥頑張れー)

佐々木「相手を評価するより、自分の麻雀に自信を持つことに専念してたよね」

(寿人さん無視するんかーい!)

 

【一生忘れない光景】

 

日吉「寿人さんお待たせしました。地和の話いきましょうか」

佐々木「やっときたか!」

日吉「第1節、最初の半荘。早々に12,000放銃。いつもの寿人さんらしい立ち上がりでした(笑)」

前田「その通り!」

佐々木「ハハハ。やかましいわ」

日吉「そこについては視聴者も連盟員も心配していなかったんじゃないかなと思うんですが」

佐々木「初戦のラスはマズいと思ってたけど、焦ったりはしてなかったね」

白鳥「むしろ僕は安心しましたよ。いつもの寿人さんだなって。あと僕もラス取ることに不安はなくなりましたね」

佐々木「そこ大事なんだよ」

前田「確かに。誰かが調子悪いと逆にホッとすることない?自分だけじゃないんだって」

一同「あるある」

日吉「一発目の半荘で地和をもって来れるのは、先ほどの選抜された理由にも繋がってくるのかなと」

佐々木「でしょうね」

白鳥「僕は後ろで全部見てたんですよ。地和の前局がメンタンピンの二索五索八索待ち。このリーチをかわされて、厳しいかなって。そしたら次局の配牌でテンパイしてるのよ!この人やベーなって。やベーって思いましたよ。何単騎でリーチ行くのかなって。さすがに六筒よりはいい待ちになるだろうと思ってね。そしたらツモ六筒ですよ!やベーこの人って!あれは一生忘れない光景だと思います」

(白鳥の興奮具合から当時の雰囲気がビンビンに伝わってくるな)

佐々木「あのリーチがアガれたらトップまであるかなって思ってたから悔しかったよ。それで次局の配牌取ってる途中に卓がトラブったのよ。その瞬間、張り詰めた緊張感が途切れたのかな。対局者全員フワッとした感じがしたんだよね」

日吉「ええ」

佐々木「僕もフワッとしてたのかもしれない。配牌取り終えて、七対子テンパイしてるなぁ。ドラトイツだからダブリーで12,000かぁ。なんか待ちごろの牌が来ないかなって思ってた。そしたら六筒ですよ。地和は3回目だったんだけど、あの舞台で出たことにはビックリしたね」

白鳥「凄かったですよ!だけどあれをこの目で全部見てた僕も持ってるなって。歴史の証人だよね!」

佐々木「白鳥は共同作業ですねとかいうんだよ。ふざけんじゃねーよ!」

白鳥「僕は今まで寿人さんに勝ってほしいと思ったことなんてないんだけど、あの時は心底勝ってほしいと思ってた」

(これが本音なんだろうな。普段はバチバチのライバル関係なのに、そんな相手を心底応援する。ここに団体戦ならではの新たな一面が伺えるな)

佐々木「僕はあんまり役満でないでしょ。だから卓のトラブル直してる時に、これYouTubeかなー、視聴者の方は盛り上がってるかなーとか考えてましたね」

この発言からも分かる通り、佐々木は飄々とした男である。
普段から闘志や気合があまり表面に出ないタイプだと思う。
そんな佐々木が六筒をツモッた時に牌を卓に叩きつけた。お世辞にもマナーが良いとは言えないだろう。
しかし私には初めて垣間見た佐々木の気合の表れであり、それほどまでにこの大会に賭ける気持ちが強かったのだと感じた。

佐々木「ファンの方から、今でも地和のことは言われますよ。何度も言われてると思いますが、地和おめでとうございますって」

日吉「ありがたいですね。そのように言われてどう思いますか」

佐々木「いかにも私ですと。あの地和をアガッたのは私で間違いありませんと」

 

100

 

白鳥「やっぱりこの人ダメだわ…」

 

【みんなに任せるしかなかった】

 

日吉「第3節終了時に第3位と後退しましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか?」

佐々木「3位に落ちた時は会長が一番気を使ってくれたかな。すぐに反省会と決起会を開いてくれて。選手の気持ちを盛り上げてくれましたね」

白鳥「でもみんなの気持ちは揺れてはなかったですね」

藤崎「空気は良く無かったけどね。僕は個人成績で足を引っ張ってたから何にも言えないよね。調子悪い自分が攻めようとするともっとひどい結果になってしまう。みんなに任せるしかなかった。7人頑張ってくれって」

佐々木「あれだけ情けない成績を叩き出してたのに、悲壮感を漂わせてなかったよ。常に我々の気持ちを上げてくれた」

藤崎「僕は大会開催中、みんなに言い続けてたことがあってね」

日吉「なんと言ってたんですか?」

藤崎「お前ら俺のためだけにポイント稼いで来いって(笑)」

(みんなをリラックスさせるための発言。これが藤崎流の鼓舞の仕方なんだな)

藤崎「日吉も考えてみればわかると思うけど、あのチームのキャプテンは俺じゃないんだよ。実質のキャプテンは瀬戸熊。みんなに声かけて若手を鼓舞してたよね。瀬戸熊の行動は普段通りなんだよ。そこで僕がキャプテンだからって、みんなを鼓舞するのはおかしいじゃん。瀬戸熊がその役をやってくれるなら俺はそっちじゃない方をやろうって」

(まさに阿吽の呼吸。その役こそが普段の藤崎さんなんですよね)

藤崎「でもね、第1節、後半グループの1回戦終了時に悲壮感が出たんだよ。前半グループの4人(佐々木、前田、白鳥、猿川)がロケットスタートを決めてくれてたのね」

前田「猿川、白鳥、寿人の3人は自信もってやってましたよ。最近の若い子は凄いな、羨ましいなって(笑)緊張もなさそうだったし。第1節があの4人で良かったなと思いますね」

(猿川は緊張してたらしいですよ(笑))

佐々木「前半で170ポイント近く広げてましたからね」

藤崎「俺たちも頑張るぞって。後半は鳳凰位経験者が3人いるんだよ。翔ちゃんは後半4人(藤崎、瀬戸熊、勝又、内川)の方が強いから安心だって」

日吉「ええ」

藤崎「それでね意気揚々と出て行って、内川だけ3着で鳳凰位経験者3人は4着。最初の半荘でトータルポイント逆転されるわけよ。団体戦って怖いなって。半荘1回、僅か1時間でこんなにポイント変わるんだって。4人共、1回戦終わった時は動けなかったよ。その後、3人が頑張って全部取り返してくれた。僕はダメだったけどね(笑)」

 

【会長からお守りをもらってる】

 

日吉「会長のコメントはプレッシャーになりましたか?」

佐々木「会長からは沢山激励してもらいましたね。会長は4位になったら辞めると言ってましたが僕は優勝しか見てなかった」

白鳥「プレイヤーとして活動したい連盟員がほとんどなんですよ。でも誰かがその部分で尽力してくれないと、そのステージすら存在しない。会長はその部分をすごくフォローしてくれる。本当に感謝してます」

前田「会長と話すようになったのは最近で、グランプリ(第4期グランプリMAX)取った後からですね。最近は近づけば近づくほど会長の偉大さに気付きますよね。激励のメールが来た時はビックリしましたよ」

藤崎「さっきも言ったけど会長のあのコメント以来、会長の名前が出るたびにプレッシャー感じてたよね。寿人は優勝しか見てないって言ってるけど僕にはそんな余裕なかったね。第1節のスタートダッシュでリードしてからは優勝しか考えてなかったけど」

日吉「今大会は選抜選手8名、リザーバー2名の計10名で行動していたんですか?」

藤崎「いや違う。会長が総監督、黒木と山井が裏方をやってくれた。基本的にはこの13人で行動してましたね」

日吉「リザーバーの2人は皆さんにとってどのような存在でしたか?」

佐々木「気を使ってくれましたね。なんか欲しいものあったら言ってくれって。柴田さんは僕より先輩なんですけどね」

日吉「山井さんと黒木さんは?」

藤崎「コーチであり、引率員だね。黒木は会場の都合上対局を見れなかったんだけど、山井はずっと対局を見てたんだよね。チーム全員の良い時も、悪い時もずっと。それって自分が対局してる時よりも辛かったりすると思うんだ。今大会で一番疲れたのは山井だろうね」

前田「優勝するって信じてくれてただろうけど、会長と山井さん黒木さんが一番プレッシャーかかってたかもしれないですね」

白鳥「対局前に山井さんが全員にお守りくれたんですよ。すごく感動しましたね。団体愛ですよ。それで1回戦、地和ですよ!必然ですよ。あって然るべき地和!」

佐々木「山井さんが世界チャンピオンになった時、会長からお守りをもらってるんですよね。そういう経緯もあったと思うよ」

多くの連盟員が知る由もなかった舞台裏。
これこそが、戦いに参じることが叶わなかった山井からチームへのメッセージなんだろう。
日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史。その新たな側面を垣間見た瞬間だった。

 

100
100

 

 

【このチームを率いて優勝したんだよな】

 

日吉「今大会中、チームのムードはいかがでしたか?」

白鳥「キャプテン藤崎さん、副キャプテン瀬戸熊さん、大将勝又さんという布陣でしたよね」

藤崎「あとの5人はヒラだね」

佐々木「冗談顔だけにしろよ!ヒラの方が頑張ってんじゃねーか!」

藤崎「やっぱり平社員が頑張らないと会社は成り立たないから」

佐々木「こんな会社やだわ。日吉もわかるでしょ、今の発言聞いて」

(仲良いことはわかりますよ)

藤崎「翔ちゃんがいじられ役として完璧だったね」

前田「ところで翔ちゃんは何であんな格好してたの?」

第1節、白鳥はサスペンダーに蝶ネクタイという格好で登場したのである。

佐々木「あれ見て偉いなって思ったよ。でも漫才師みたいな格好だったな(笑)」

藤崎「だって漫才師だもんね」

前田「M-1と勘違いしてたんでしょ?」

佐々木「麻雀で目立てないから格好で目立とうとしたんだよな」

白鳥「麻雀で目立てないっていうか…ビジュアル的にも目立った方がいいんですよ!」

(話が全然進まない…)

日吉「白鳥さんは、対局内容で普段と変化させたことはありましたか?」

佐々木「変化?出来ない!出来ない!出来ない!」

白鳥「出来ないじゃねーよ!やってたわ!」

藤崎「ボイスレコーダーの容量が心配だから翔ちゃんの話はもういいや」

(やっぱり進まない…)

日吉「寿人さんは普段から一匹狼な感じがありますが今回の団体戦はいかがでしたか?」

藤崎「友達いないだけでしょ(笑)」

佐々木「うるさいよ!僕はポイント稼ぐしかないよね。野球で言えば一番バッターだよ。一発目のあれでみんなの士気が高まったかなって思ってましたね」

前田「キャプテン、士気は高まりましたか?」

藤崎「すぐ12,000放銃だもんね」

佐々木「そこじゃねーよ!」

日吉「前田さんは年長グループでしたが」

前田「若い子がのびのびできるように努めるだけだよね。チームのムードは良かったと思うよ。互いに信頼してるから。キャプテン以外は心配してなかったよ(笑)」

佐々木「そうそう。キャプテンはやる前から不安だったもん」

藤崎「日吉、これ記事として使いやすい話題だと思うけど、頼む使わないでね」

日吉「(笑)キャプテンは?」

藤崎「チームメイトに感謝だよね」

佐々木「そうだろうね30位なんだから(笑)」

藤崎「個人成績は散々だったけど、第1回大会の優勝チームのキャプテンっていう一番美味しい立場をやらせてもらったわけじゃない。キャプテンとしての責任感があるから、喜んだり、嬉しいって気持ちになれる立場ではなかった。今でも嬉しいって気持ちにはなれないんだよね。ホッとした気持ちしか出ない。ただもう少し経てば、第1回大会でこのチームを率いて優勝したんだよなって誇りには思えるだろうね」

優勝という結果に対する、喜び以上の安堵感。そのプレッシャーは想像を絶する。
私は今回のインタビュー前に瀬戸熊からある話を耳にしていた。
藤崎が、あの藤崎が瀬戸熊の前だけではあるが、語気を強め、普段では到底想像できない言葉遣いでチームの在り方を強く口にしていたと。
瀬戸熊は、初めて見る藤崎のその表情に団体戦に賭ける闘争心と、プレッシャーを感じ取っていた。
そんな藤崎は闘争心はそのままに、プレッシャーはしっかり受け止め、悲壮感は一切出さず、良いムードを作り続けた。
これこそが藤崎のキャプテンシーなのだ。

日吉「キャプテンからチーム連盟に対して一言お願いできますか」

藤崎「本当に感謝しかない。ただ僕も含めてみんなもすぐに自分個人の戦いに戻っていくからね。いつまでも浮かれてはいられないよ。僕もすぐ十段戦だったしね」

前田「大会開催中から十段戦にシフトチェンジしてたんじゃないの(笑)」

佐々木「成績によく表れてるよ!もうちょっと気合入れてほしかったよ!」

(厳しいなぁ。藤崎さんは大変だったのに…)

日吉「最年少として臨んだ白鳥さんからは、チーム連盟はどう見えましたか?」

白鳥「頼もしい!」

藤崎「翔ちゃんは自分が目立ちたいだけだからね(笑)」

(藤崎さんも厳しい!)

白鳥「いや普段は目立ちたいですけど、今回はそんな気持ちはなかったですね。あれから毎朝起きた時に、勝てて良かったなって思いますね。僕は感銘した記事があると部屋の壁に貼るんですが、近代麻雀の寿人さんの記事を張りましたね」

佐々木「お、それは良い話だな。良い心がけだぞ」

藤崎「日吉、録音停止ってこのボタン」

(寿人さんは自分の良い話だけには敏感に食いつくよなぁ)

日吉「最終戦の途中で泣いた理由は?」

白鳥「プレッシャーは全然ないと思ってたんですよね。ただ起きたら体調悪くて、会場着いたら気持ち悪くなって吐いちゃったんですよね。それぐらいプレッシャーがすごくて。優勝が近づくにつれて感極まりましたね。勝又さんには沢山声かけてもらったし」

日吉「なんて声かけてもらったんですか?」

白鳥「僕は最終節の1戦目でラスになったんです。その時に勝又さんが、取り返すから大丈夫だよって。そこで9万点トップですよ。感動しましたよ」

 

100

 

頼もしい先輩たちに手を引かれ、最高の栄誉を手にした白鳥。
将来、後輩の手を引いていく頼もしい男になるのだろう。
涙する彼を見た時、今回の経験を糧に連盟の中枢を担って行くことは間違いないだろうと確信した。

藤崎「感動したよね。勝又の9万点は大きかったよ。もちろんチーム7人の力もね。最終節を3位で迎えて、7人で追いついて勝又の9万点で突き放したって感じかな。僕はあんまり活躍できなかったけど(笑)」

佐々木「追いついたのはチーム6人の力ね(笑)」

 

【600人のチームだった】

 

日吉「ファン、それから連盟員の反応はいかがでしたか?」

佐々木「開催中はどこに行っても団体戦の話題で持ち切りでしたよ」

前田「本当にありがいたなと。連盟を応援してくれるってことは、連盟の誰かが好きとか、連盟チャンネルが好きってことだから。連盟チャンネルを好きで見てくれる人たちのためにも勝たないといけないって思いましたね」

藤崎「応援の声は凄いよ。単純に考えて普段の十倍くらいになるんだから。これまで寿人を応援してくれてた方たちも藤崎頑張れってなるわけだからね」

(瀬戸熊さんのファンが普段はライバルの勝又さんを心底応援してたって言ってたな)

藤崎「連盟員は遠慮してるのか、あまり声をかけてこなかったね。ただ終わった後の盛り上がりは半端じゃなかった。こんなに応援してくれてたのかって。麻雀は個人競技じゃない。選抜メンバーに自分の名前がなくて悔しい思いをしている連盟員も沢山いたと思う。それでも連盟が勝った時にあれだけ喜んでくれたのは嬉しかった。その時に8人だけのチームじゃなかったんだなって。チーム連盟は600人のチームだったんだなって思いましたね」

 

100

 

 

以下は私の個人的見解であり誤解を恐れず記させていただく。

今回のメンバー選考に異論があった連盟員がいたかもしれない。
しかし、その戦いを見て、感じて、共に戦っている気持ちになっていったであろう。
8人の激闘はそれほどまでにファンと連盟員のために心身を削った戦いであった。
先輩と仲間と後輩。日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史。それは、多くの辛い経験とほんの少しの良かった出来事を胸に宿した連盟員で形成されている。

佐々木「キャプテンいい話しますね。でも成績悪いのに、こんないい話を書いたらダメだよ」

前田「日吉君、今の話はカットね。バッサリと」

白鳥「そうだね。いらない、いらない」

藤崎「日吉、今の話で原稿半分書けるでしょ。あとは下っ端の話で何とかなるよね」

佐々木「でもね応援してくれてた方も絶対疲れたと思いますよ。お疲れさまでしたって言いたいですよ」

一同「今のもカットね!」

 

【力で這い上がってくるしかない】

 

日吉「伝統と歴史の継承者である若い連盟員に向けてメッセージをお願いします」

白鳥「僕も含めて僕より下の世代が弱すぎる。このままだと勝てなくなる時も来ると思う。僕は今回、連盟には強い先輩が沢山いて、その教えが正しいことを証明したかった。これからもそれを証明できるように稽古を積んで出番に備えてほしいです」

佐々木「連盟は僕が入会した時から武闘派集団だった。僕自身その歴史と伝統を引き継いでいきたいし、後輩たちにも引き継いでほしい。もっと戦う麻雀を打ってほしいなと。最近はギラギラした奴がいないでしょ。そういうやつが沢山出てきてほしい。例えば20代で団体対抗戦やったらどこが勝つかわからないですよ。やっぱりそれを圧倒できるくらいの若手が出てきてくれたらいいなと」

前田「団体戦では普段のライバルがチームメイト。だからこそ、その力を信頼できた。若い子たちも上のステージで戦うためには、力で這い上がってくるしかない。そこには必ず努力が必要なので絶対に天下を取ってやるってくらいの気持ちで臨んでほしいなと思います」

藤崎「団体戦優勝の気持ちは個人のタイトルをいくら取っても味わえないもの。連盟は人数も多いしレジェンドと言われる怪物が沢山いる。先輩たちが圧倒的に強い団体で名前が売れたら、どこに出て戦っても十分に渡り合える。この連盟にいて活動していることを誇りに、幸せに思ってほしい。名前が売れるとこまで活躍できればいつかメンバーに選ばれます。僕と同じ気持ちを味わってほしいな」

日吉「次回の団体戦のではどのような方が選ばれるのでしょうか?」

佐々木「キャプテン以外でしょ!」

藤崎「寿人と翔ちゃんは次回も選ばれるかもしれないね」

佐々木「でも白鳥は屁理屈が多い!」

白鳥「技術論だから!」

前田「だからユーミンと喋りまShow?みたいになってるって!」

 

【日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史を守るべく】

 

16:25

日吉「今日はありがとうございました」

一同「おつかれー」

白鳥「そうだ!あの局面、僕は正しいと思ってますよ!」

佐々木「だから軟弱なんだよ!」

藤崎前田「仲が良いなぁ…」

大きなプレッシャーの中で連盟員であることの誇りを胸に、藤崎は藤崎であり続けた。
柔和な表情、穏やかな人柄。周囲に気を使わせない立ち振る舞い。若手に好きなことを言わせる器量。
チームに対しそんな心遣いがあったからこそ、チームメイトもキャプテンを支え続けたのだろう。
そのことが今回のインタビューから伝われば幸いである。

チーム連盟13人は最高の結果を届けてくれた。
その壮絶な戦いにおいて、我々600人の連盟員もチームの支えになれたと信じたい。

連盟の誇りと、その看板を守り抜いたチーム連盟。
戦いを終えた直後、興奮が冷めないのか、選手は対局中さながらの強張った表情。
しかし時間と共に緊張感から徐々に解放され、普段の表情に戻った瞬間があった。
それを象徴する写真がある。

(みんな良い顔してるわ。これがヒーローの素顔なんだな)

100

この晴れやかな笑顔の裏には我々の知られざる沢山の激闘と人間ドラマが隠されていた。
そしてヒーローたちは既にそれぞれの戦場に戻り、日々精進し己の研鑽を怠らない。
そして600人の連盟員も今回の結果に刺激を受け、活躍を夢見て動き出していることであろう。

日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史を守るべく、第2回麻雀プロ団体日本一決定戦に向けて。

プロ雀士インタビュー/第151回:第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー ~後編~

第1節 3回戦 南4局1本場
親 白鳥
四索六索七索七索八索九索三筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ七筒  ドラ四筒
突然ですが皆さんは何を切りますか?
状況は以下の通りだが、部分的な局面でお伝えすることをご了承いただきたい。
時間打ち切りが迫っており、場合によっては今局で打ち切りになる可能性も考えられる。
持ち点は、東家白鳥17,100、南家5,500、西家66,700、北家30,700。
7巡目に南家からリーチ。更に8巡目に北家が仕掛ける。丁寧に廻った白鳥が12巡目に追いつき、上記の手牌となった。
関連牌は八索が場に2枚切れ。一索四索七索は全て無筋。白鳥の目からは六索が3枚見えており七索はワンチャンス。長考の末、白鳥は打七索のヤミテンを選択した。
この選択に対し佐々木と白鳥の意見がぶつかる。
佐々木の言い分
「言いたくないけど、そこまでの手順は素晴らしかった。リーチ者のアタリ牌を止めて追いついたのよ。それなのに最後の最後に七索切ってヤミテンにしたの。この先、あと何節、何回戦残っていると思ってるんだよ。そんな考えの麻雀では勝ちきれない。負けてもいいから四索切ってリーチで攻めてけって言ったのよ。自分なら八索が4枚見えてても四索切ってリーチするね」
白鳥の言い分
「僕は七索切りのバランスで自分自身を保てると思ってた。リーチ者の序盤に六索が切られていて四索の危険度の方が断然高い。12,000アガッても2着にはならないし、リーチ者に放銃すればラス落ちする可能性はかなり高い。団体戦だからこそ、最終的にはオリても良いと思ってた。僕は良い意味で大きくは浮かないかもしれないけど大崩れはしない。その代わり最終的なポイントはしっかり伸ばして結果は出す」
佐々木「本当に屁理屈が多いな!」
白鳥「いや、技術的な話なの!」
いつでもそうだ。今回のインタビューでも麻雀の話になると私からの質問は遥か彼方に置き去りになる。
お互いの本音をぶつけ合う若手同士の熱い麻雀談義。それを先輩が微笑ましく見守る。
こんな掛け合いは、切磋琢磨する日本プロ麻雀連盟では日常の光景なのである。
それは時に先輩・後輩の垣根を超えて行われる。
私はふっと思った。連盟員には見慣れたこの光景こそが、先輩から後輩に対しての日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史の引き継ぎを担っているのではないかと。
若手の疑問に対して真摯な姿勢で受け止め、的確なアドバイスをしてくれる。上記の局面にて、両者に生じた意見の相違も同様であろう。
それぞれが今日まで、多くのアドバイスを基に築き上げてきた己の技術と精神力。どちらが正しいかはそれぞれが判断することだ。
しかし、明日には佐々木が白鳥の手法を、白鳥が佐々木の手法を実践しているのかもしれないのだ。
試行錯誤し、アドバイスを求める。この繰り返しの中でそれぞれが成長し、個の力が伸びていく。
今大会の優勝は、そんな中から生まれたものなのかもしれない。
 
【藤崎さん何日目振り返りたいですか】
 

100

 
10月某日 14:25 四ッ谷
日吉「それではインタビューを始めたいと思います。これは団体と個人の成績表です。これがあれば当時のことを思い出しやすいかなと」
佐々木「お、ありがとう。気が利くな」
一同「キャプテン!何節目を振り返りますか?(笑)」
チーム連盟、キャプテン藤崎。
藤崎は今大会では絶不調。個人成績で32人中、30位という成績だった。
藤崎「振り返る必要ないでしょ…」
 
【当然かな】
 
日吉「まずは選抜された時の意気込みを聞かせてください」
藤崎「とにかく大事な対局が多いなと。ありがたいですよ」
日吉「藤崎さんのキャプテン任命のタイミングは?」
藤崎「決起集会の時だね。その時点では会長の、例のコメントは聞いてなかったんだよね」
日吉「会長のコメントを聞いた後の心境は?」
藤崎「それは想像を絶しますよ。大会開催日(8月10日)から3ヵ月くらい経つよね。プレッシャーが大きくて、今でも体調悪いよ。だって会長は自分が言ったコメントを撤回するような人じゃないでしょ」
(そういえば瀬戸熊さんは、会長はスマートで頑固なお父さんのようなイメージの人だって言ってたな)
藤崎「もし4位になったら会長が辞めるでしょ。それなのに、チームのキャプテンがそのまま居座れないよね。負けた時は引退で責任取るしかないかなって。それぐらいのことは考えてましたね」
(自身が背負うものの大きさを自覚した、藤崎さんなりの覚悟なんだろうな)
前田「そしたら次のキャプテンを誰もやらなくなりますよ」
藤崎「引退は言い過ぎだけど、頭丸めるくらいはするよね。そしたら当然メンバー全員坊主じゃない。これは必然だよ。だけどこれを前例にすると、今後のキャプテンいなくなるからな…」
佐々木「(坊主に)しないよ!冗談顔だけにしてよ!」
(寿人さんの坊主…見てみたいな…)
日吉「前田さんはいかがでしたか?」
前田「選ばれたことは本当に光栄ですね。今大会は本当に注目度が高かったよね」
(前田さんの坊主も…見てみたいな…)
インターネットの普及により、多くの大会が開催されている。
しかし視聴者の方が何を求めているのかは、蓋を開けてみないとわからない部分が多いことも事実。
そういった意味では、更なる麻雀業界発展の余地は十分に残されているのだろう。
前田「日刊スポーツの1ページ使って宣伝されてたし、視聴者数が半端じゃなかったよね」
日吉「放送媒体もAbemaTVということが大きかったですか」
前田「団体対抗戦っていうコンテンツも素晴らしいけど、AbemaTVっていうのは大きいね。視聴者数20万人超えてたもの」
日吉「寿人さんは?」
佐々木「ルールとこれまでの対外成績を考えたら、メンバーには選んでもらえると思ってましたよ」
(さすが佐々木寿人。自信の塊だ)
日吉「選抜された時の感想は?」
佐々木「当然かなと」
(気持ちが良いほどの即答!もう少し突っ込んで聞いてみよう…)
日吉「8人の中でメディアの露出は一番多いですが、鳳凰戦のリーグは一番下。更に選抜されなかった連盟員の中にはリーグ上位者の方が沢山います。その中で選抜された感想は?」
佐々木「場慣れ感は誰よりもあると思う。だから持ってる力は一番発揮できるはずですよ。ステージにも慣れてるしね。自信だけは人一倍ありますから」
前田「その部分はみんな認めてるし納得じゃないかな」
日吉「白鳥さんは?」
白鳥「リザーバー2人(HIRO柴田、山田浩之)の方が総合力で言えば僕より上だと思う。ただ最近の対外成績が悪くないこと、場慣れしてきたこと。あとはマスターズ連覇が大きな選出理由だと思います」
前田「マスターズ連覇が大きかったよね。勝ち方も良かったし」
白鳥「連覇じゃなかったら選ばれてなかったと思います」
日吉「連覇されたマスターズに近いルールでしたが、自信はありましたか?」
白鳥「とても得意なルールだと思います。連盟員はAルール特化の方が多いと思う。ただこのルールであれば他の連盟員の方よりは向いているかなと…」
佐々木「おいおいおい!俺がモンド杯と天空麻雀で何回優勝したか知ってるのかよ!」
前田「翔ちゃんは知らないと思うけど、僕は現最強位なんだよね」
藤崎「僕は日本オープン連覇したことがあるんだよなぁ。確か3回優勝してたかなぁ」
(あーあ、生意気なこと言うから…白鳥、坊主にしてきなさい!)
 
【勝負に行く機会もなかった】
 
日吉「今大会はチーム戦でしたが、対局を行う上で意識したことはありますか?」
佐々木「暗黙の役割はあったよね。こいつにはポイント伸ばして欲しいとか、逆にポイントまとめてほしいとかさ。僕が期待されていたことは出来たかな」
佐々木は個人成績第6位。今大会でもその攻撃力を存分に見せつけた。個人成績で上位を維持し続け、ポイントを伸ばすことによってチームを牽引し続けた。
日吉「ご自身が期待されていたことに応えることができたと」
佐々木「キャプテンがマイナスしても僕がそれを補填しましたからね。大変でしたよ(笑)」
藤崎「こらこらこら」
佐々木「ポイント伸ばす人がいないと勝てないわけですよ。若い僕らがポイント伸ばして、もし藤崎さんが調子悪い場合は僕らで補おうと。そういう意識はありましたよ」
藤崎「僕と瀬戸熊で話した時にね、ポイントゲッターは寿人、猿川、白鳥の3人だろうと。サルちゃんと翔ちゃんは器用さもあるからポイントをまとめることも出来るけど、細かいことは言わずに気楽に打たせてポイント伸ばしてもらおうと思ったのね。寿人は器用なタイプじゃないから何言っても無駄。好きにやらせとけって」
佐々木「ハハハ」
藤崎「勝又は大将という大きなプレッシャーの中で戦うことになる。軽いことは言えないよ、信じてるしね。年寄3人(藤崎、瀬戸熊、前田)と器用なウッチーでポイントまとめようって話してたね。結果的にはウッチーが一番ブレイクして、前田が調子崩したよね」
佐々木「初日良かったのに失速しましたよね」
前田「そうだね。全く手が入らなかったね」
前田は第1節終了時に個人成績で首位。スタートダッシュに大きく貢献する。しかしそれ以降は失速し、最終的には28位という不本意な成績で終えた。
日吉「前田さんは普段の麻雀との違いはあったんですか?」
前田「初日は普段通りの麻雀をしてましたね。ただ第2節から着順を意識してたかな。団体戦ってことを早い段階で意識し過ぎてしまったかもしれない。その時から対抗してくるであろうチームを想定して、見逃しをしたんだよね」
日吉「なるほど」
前田「その半荘の結果は良かったけど、その後は全く手が入らなくなった。勝負に行く機会もなかった。今考えるとやるにしても早すぎた。ライバルチームを意識し過ぎたね。もう少し普段通りやればよかったよ。今大会の反省点かな。順位も大事だけど、ポイントは最終的にみんなが伸ばしてくれるだろうし」
どこかで聞いたことのある話だと思った。あの時の瀬戸熊の言葉だ。
『勝又がリーチをした瞬間は良し!と思ったよ。さすが勝又、緻密に計算してるなって。ただ、ポイントはリード出来ても勢いを失うリーチにも見える』(前半グループインタビューより抜粋)
今回は『リーチ』が『見逃し』に変わってはいるが、あの時の瀬戸熊の言葉が脳裏をよぎった。
佐々木「そういえば、白鳥に散々文句を言った一局があるんですよ」
白鳥「僕は今でも正しいと思ってるけどね」
そして冒頭の掛け合いが始まったのである。
佐々木「何回言っても、白鳥の理論でぐちゃぐちゃいうのよ。屁理屈が多くて!」
白鳥「いや屁理屈じゃないから、技術的な話だから!」
前田「なんかユーミンと喋りまShow?みたいになってるな…」
 
100
 
【それすらどうでもよかった】
 
日吉「ご自身の成績は気になりましたか?」
白鳥「チームが勝てればどっちでもよかった。団体戦とはいえ個人成績上位なら今後の活動範囲が広がるかもしれない。だけど今回はそれすらどうでもよかった。最終日はトップを捨ててもライバルチームを抑えましたね」
佐々木「上位にいた方が目立つから意識はしてたけど、最終日だけは白鳥と同じですね。自分の成績はどうでもいいって」
前田「僕はチームの成績を優先してましたね。たださっき言った通りライバルチームとの着順を早くから意識しすぎたかな。それが反省点」
藤崎「僕は最初から調子が悪すぎた。今大会は個人的に数字を伸ばすことは難しいだろうと。そうなるとライバルチームを抑えに行くよね。個人戦であれば何とかしようとするんだけどね」
(勝又さんが、藤崎さんはポイント競ってた最高位戦との成績はすごく良かったって言ってたな。藤崎さんは自身の調子も踏まえ戦い方を選択してたんだ)
日吉「他団体で強いと思った方は?」
藤崎「平賀さん。(平賀聡彦プロ、最高位戦日本プロ麻雀協会)団体と個人の両方優勝できたら気持ち良いから、内川に個人優勝してもらいたかったね」
白鳥「水巻さん。(水巻渉プロ、最高戦日本プロ麻雀協会)対局を見た時も強いと思いましたが、実際に対局して更に強いと思いましたね」
前田「たろうさんと達也さん。(鈴木たろうプロ、鈴木達也プロ、日本プロ麻雀協会)たろうさんと対局して10本場積まれましたね」
佐々木「僕は昔から相手の評価をしても意味がないと思ってるんですよ」
白鳥「寿人さんは相手の実力を評価することも出来ないからなぁ(笑)」
(お、白鳥の反撃だ。白鳥頑張れー)
佐々木「相手を評価するより、自分の麻雀に自信を持つことに専念してたよね」
(寿人さん無視するんかーい!)
 
【一生忘れない光景】
 
日吉「寿人さんお待たせしました。地和の話いきましょうか」
佐々木「やっときたか!」
日吉「第1節、最初の半荘。早々に12,000放銃。いつもの寿人さんらしい立ち上がりでした(笑)」
前田「その通り!」
佐々木「ハハハ。やかましいわ」
日吉「そこについては視聴者も連盟員も心配していなかったんじゃないかなと思うんですが」
佐々木「初戦のラスはマズいと思ってたけど、焦ったりはしてなかったね」
白鳥「むしろ僕は安心しましたよ。いつもの寿人さんだなって。あと僕もラス取ることに不安はなくなりましたね」
佐々木「そこ大事なんだよ」
前田「確かに。誰かが調子悪いと逆にホッとすることない?自分だけじゃないんだって」
一同「あるある」
日吉「一発目の半荘で地和をもって来れるのは、先ほどの選抜された理由にも繋がってくるのかなと」
佐々木「でしょうね」
白鳥「僕は後ろで全部見てたんですよ。地和の前局がメンタンピンの二索五索八索待ち。このリーチをかわされて、厳しいかなって。そしたら次局の配牌でテンパイしてるのよ!この人やベーなって。やベーって思いましたよ。何単騎でリーチ行くのかなって。さすがに六筒よりはいい待ちになるだろうと思ってね。そしたらツモ六筒ですよ!やベーこの人って!あれは一生忘れない光景だと思います」
(白鳥の興奮具合から当時の雰囲気がビンビンに伝わってくるな)
佐々木「あのリーチがアガれたらトップまであるかなって思ってたから悔しかったよ。それで次局の配牌取ってる途中に卓がトラブったのよ。その瞬間、張り詰めた緊張感が途切れたのかな。対局者全員フワッとした感じがしたんだよね」
日吉「ええ」
佐々木「僕もフワッとしてたのかもしれない。配牌取り終えて、七対子テンパイしてるなぁ。ドラトイツだからダブリーで12,000かぁ。なんか待ちごろの牌が来ないかなって思ってた。そしたら六筒ですよ。地和は3回目だったんだけど、あの舞台で出たことにはビックリしたね」
白鳥「凄かったですよ!だけどあれをこの目で全部見てた僕も持ってるなって。歴史の証人だよね!」
佐々木「白鳥は共同作業ですねとかいうんだよ。ふざけんじゃねーよ!」
白鳥「僕は今まで寿人さんに勝ってほしいと思ったことなんてないんだけど、あの時は心底勝ってほしいと思ってた」
(これが本音なんだろうな。普段はバチバチのライバル関係なのに、そんな相手を心底応援する。ここに団体戦ならではの新たな一面が伺えるな)
佐々木「僕はあんまり役満でないでしょ。だから卓のトラブル直してる時に、これYouTubeかなー、視聴者の方は盛り上がってるかなーとか考えてましたね」
この発言からも分かる通り、佐々木は飄々とした男である。
普段から闘志や気合があまり表面に出ないタイプだと思う。
そんな佐々木が六筒をツモッた時に牌を卓に叩きつけた。お世辞にもマナーが良いとは言えないだろう。
しかし私には初めて垣間見た佐々木の気合の表れであり、それほどまでにこの大会に賭ける気持ちが強かったのだと感じた。
佐々木「ファンの方から、今でも地和のことは言われますよ。何度も言われてると思いますが、地和おめでとうございますって」
日吉「ありがたいですね。そのように言われてどう思いますか」
佐々木「いかにも私ですと。あの地和をアガッたのは私で間違いありませんと」
 
100
 
白鳥「やっぱりこの人ダメだわ…」
 
【みんなに任せるしかなかった】
 
日吉「第3節終了時に第3位と後退しましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか?」
佐々木「3位に落ちた時は会長が一番気を使ってくれたかな。すぐに反省会と決起会を開いてくれて。選手の気持ちを盛り上げてくれましたね」
白鳥「でもみんなの気持ちは揺れてはなかったですね」
藤崎「空気は良く無かったけどね。僕は個人成績で足を引っ張ってたから何にも言えないよね。調子悪い自分が攻めようとするともっとひどい結果になってしまう。みんなに任せるしかなかった。7人頑張ってくれって」
佐々木「あれだけ情けない成績を叩き出してたのに、悲壮感を漂わせてなかったよ。常に我々の気持ちを上げてくれた」
藤崎「僕は大会開催中、みんなに言い続けてたことがあってね」
日吉「なんと言ってたんですか?」
藤崎「お前ら俺のためだけにポイント稼いで来いって(笑)」
(みんなをリラックスさせるための発言。これが藤崎流の鼓舞の仕方なんだな)
藤崎「日吉も考えてみればわかると思うけど、あのチームのキャプテンは俺じゃないんだよ。実質のキャプテンは瀬戸熊。みんなに声かけて若手を鼓舞してたよね。瀬戸熊の行動は普段通りなんだよ。そこで僕がキャプテンだからって、みんなを鼓舞するのはおかしいじゃん。瀬戸熊がその役をやってくれるなら俺はそっちじゃない方をやろうって」
(まさに阿吽の呼吸。その役こそが普段の藤崎さんなんですよね)
藤崎「でもね、第1節、後半グループの1回戦終了時に悲壮感が出たんだよ。前半グループの4人(佐々木、前田、白鳥、猿川)がロケットスタートを決めてくれてたのね」
前田「猿川、白鳥、寿人の3人は自信もってやってましたよ。最近の若い子は凄いな、羨ましいなって(笑)緊張もなさそうだったし。第1節があの4人で良かったなと思いますね」
(猿川は緊張してたらしいですよ(笑))
佐々木「前半で170ポイント近く広げてましたからね」
藤崎「俺たちも頑張るぞって。後半は鳳凰位経験者が3人いるんだよ。翔ちゃんは後半4人(藤崎、瀬戸熊、勝又、内川)の方が強いから安心だって」
日吉「ええ」
藤崎「それでね意気揚々と出て行って、内川だけ3着で鳳凰位経験者3人は4着。最初の半荘でトータルポイント逆転されるわけよ。団体戦って怖いなって。半荘1回、僅か1時間でこんなにポイント変わるんだって。4人共、1回戦終わった時は動けなかったよ。その後、3人が頑張って全部取り返してくれた。僕はダメだったけどね(笑)」
 
【会長からお守りをもらってる】
 
日吉「会長のコメントはプレッシャーになりましたか?」
佐々木「会長からは沢山激励してもらいましたね。会長は4位になったら辞めると言ってましたが僕は優勝しか見てなかった」
白鳥「プレイヤーとして活動したい連盟員がほとんどなんですよ。でも誰かがその部分で尽力してくれないと、そのステージすら存在しない。会長はその部分をすごくフォローしてくれる。本当に感謝してます」
前田「会長と話すようになったのは最近で、グランプリ(第4期グランプリMAX)取った後からですね。最近は近づけば近づくほど会長の偉大さに気付きますよね。激励のメールが来た時はビックリしましたよ」
藤崎「さっきも言ったけど会長のあのコメント以来、会長の名前が出るたびにプレッシャー感じてたよね。寿人は優勝しか見てないって言ってるけど僕にはそんな余裕なかったね。第1節のスタートダッシュでリードしてからは優勝しか考えてなかったけど」
日吉「今大会は選抜選手8名、リザーバー2名の計10名で行動していたんですか?」
藤崎「いや違う。会長が総監督、黒木と山井が裏方をやってくれた。基本的にはこの13人で行動してましたね」
日吉「リザーバーの2人は皆さんにとってどのような存在でしたか?」
佐々木「気を使ってくれましたね。なんか欲しいものあったら言ってくれって。柴田さんは僕より先輩なんですけどね」
日吉「山井さんと黒木さんは?」
藤崎「コーチであり、引率員だね。黒木は会場の都合上対局を見れなかったんだけど、山井はずっと対局を見てたんだよね。チーム全員の良い時も、悪い時もずっと。それって自分が対局してる時よりも辛かったりすると思うんだ。今大会で一番疲れたのは山井だろうね」
前田「優勝するって信じてくれてただろうけど、会長と山井さん黒木さんが一番プレッシャーかかってたかもしれないですね」
白鳥「対局前に山井さんが全員にお守りくれたんですよ。すごく感動しましたね。団体愛ですよ。それで1回戦、地和ですよ!必然ですよ。あって然るべき地和!」
佐々木「山井さんが世界チャンピオンになった時、会長からお守りをもらってるんですよね。そういう経緯もあったと思うよ」
多くの連盟員が知る由もなかった舞台裏。
これこそが、戦いに参じることが叶わなかった山井からチームへのメッセージなんだろう。
日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史。その新たな側面を垣間見た瞬間だった。
 

100
100

 
 
【このチームを率いて優勝したんだよな】
 
日吉「今大会中、チームのムードはいかがでしたか?」
白鳥「キャプテン藤崎さん、副キャプテン瀬戸熊さん、大将勝又さんという布陣でしたよね」
藤崎「あとの5人はヒラだね」
佐々木「冗談顔だけにしろよ!ヒラの方が頑張ってんじゃねーか!」
藤崎「やっぱり平社員が頑張らないと会社は成り立たないから」
佐々木「こんな会社やだわ。日吉もわかるでしょ、今の発言聞いて」
(仲良いことはわかりますよ)
藤崎「翔ちゃんがいじられ役として完璧だったね」
前田「ところで翔ちゃんは何であんな格好してたの?」
第1節、白鳥はサスペンダーに蝶ネクタイという格好で登場したのである。
佐々木「あれ見て偉いなって思ったよ。でも漫才師みたいな格好だったな(笑)」
藤崎「だって漫才師だもんね」
前田「M-1と勘違いしてたんでしょ?」
佐々木「麻雀で目立てないから格好で目立とうとしたんだよな」
白鳥「麻雀で目立てないっていうか…ビジュアル的にも目立った方がいいんですよ!」
(話が全然進まない…)
日吉「白鳥さんは、対局内容で普段と変化させたことはありましたか?」
佐々木「変化?出来ない!出来ない!出来ない!」
白鳥「出来ないじゃねーよ!やってたわ!」
藤崎「ボイスレコーダーの容量が心配だから翔ちゃんの話はもういいや」
(やっぱり進まない…)
日吉「寿人さんは普段から一匹狼な感じがありますが今回の団体戦はいかがでしたか?」
藤崎「友達いないだけでしょ(笑)」
佐々木「うるさいよ!僕はポイント稼ぐしかないよね。野球で言えば一番バッターだよ。一発目のあれでみんなの士気が高まったかなって思ってましたね」
前田「キャプテン、士気は高まりましたか?」
藤崎「すぐ12,000放銃だもんね」
佐々木「そこじゃねーよ!」
日吉「前田さんは年長グループでしたが」
前田「若い子がのびのびできるように努めるだけだよね。チームのムードは良かったと思うよ。互いに信頼してるから。キャプテン以外は心配してなかったよ(笑)」
佐々木「そうそう。キャプテンはやる前から不安だったもん」
藤崎「日吉、これ記事として使いやすい話題だと思うけど、頼む使わないでね」
日吉「(笑)キャプテンは?」
藤崎「チームメイトに感謝だよね」
佐々木「そうだろうね30位なんだから(笑)」
藤崎「個人成績は散々だったけど、第1回大会の優勝チームのキャプテンっていう一番美味しい立場をやらせてもらったわけじゃない。キャプテンとしての責任感があるから、喜んだり、嬉しいって気持ちになれる立場ではなかった。今でも嬉しいって気持ちにはなれないんだよね。ホッとした気持ちしか出ない。ただもう少し経てば、第1回大会でこのチームを率いて優勝したんだよなって誇りには思えるだろうね」
優勝という結果に対する、喜び以上の安堵感。そのプレッシャーは想像を絶する。
私は今回のインタビュー前に瀬戸熊からある話を耳にしていた。
藤崎が、あの藤崎が瀬戸熊の前だけではあるが、語気を強め、普段では到底想像できない言葉遣いでチームの在り方を強く口にしていたと。
瀬戸熊は、初めて見る藤崎のその表情に団体戦に賭ける闘争心と、プレッシャーを感じ取っていた。
そんな藤崎は闘争心はそのままに、プレッシャーはしっかり受け止め、悲壮感は一切出さず、良いムードを作り続けた。
これこそが藤崎のキャプテンシーなのだ。
日吉「キャプテンからチーム連盟に対して一言お願いできますか」
藤崎「本当に感謝しかない。ただ僕も含めてみんなもすぐに自分個人の戦いに戻っていくからね。いつまでも浮かれてはいられないよ。僕もすぐ十段戦だったしね」
前田「大会開催中から十段戦にシフトチェンジしてたんじゃないの(笑)」
佐々木「成績によく表れてるよ!もうちょっと気合入れてほしかったよ!」
(厳しいなぁ。藤崎さんは大変だったのに…)
日吉「最年少として臨んだ白鳥さんからは、チーム連盟はどう見えましたか?」
白鳥「頼もしい!」
藤崎「翔ちゃんは自分が目立ちたいだけだからね(笑)」
(藤崎さんも厳しい!)
白鳥「いや普段は目立ちたいですけど、今回はそんな気持ちはなかったですね。あれから毎朝起きた時に、勝てて良かったなって思いますね。僕は感銘した記事があると部屋の壁に貼るんですが、近代麻雀の寿人さんの記事を張りましたね」
佐々木「お、それは良い話だな。良い心がけだぞ」
藤崎「日吉、録音停止ってこのボタン」
(寿人さんは自分の良い話だけには敏感に食いつくよなぁ)
日吉「最終戦の途中で泣いた理由は?」
白鳥「プレッシャーは全然ないと思ってたんですよね。ただ起きたら体調悪くて、会場着いたら気持ち悪くなって吐いちゃったんですよね。それぐらいプレッシャーがすごくて。優勝が近づくにつれて感極まりましたね。勝又さんには沢山声かけてもらったし」
日吉「なんて声かけてもらったんですか?」
白鳥「僕は最終節の1戦目でラスになったんです。その時に勝又さんが、取り返すから大丈夫だよって。そこで9万点トップですよ。感動しましたよ」
 
100
 
頼もしい先輩たちに手を引かれ、最高の栄誉を手にした白鳥。
将来、後輩の手を引いていく頼もしい男になるのだろう。
涙する彼を見た時、今回の経験を糧に連盟の中枢を担って行くことは間違いないだろうと確信した。
藤崎「感動したよね。勝又の9万点は大きかったよ。もちろんチーム7人の力もね。最終節を3位で迎えて、7人で追いついて勝又の9万点で突き放したって感じかな。僕はあんまり活躍できなかったけど(笑)」
佐々木「追いついたのはチーム6人の力ね(笑)」
 
【600人のチームだった】
 
日吉「ファン、それから連盟員の反応はいかがでしたか?」
佐々木「開催中はどこに行っても団体戦の話題で持ち切りでしたよ」
前田「本当にありがいたなと。連盟を応援してくれるってことは、連盟の誰かが好きとか、連盟チャンネルが好きってことだから。連盟チャンネルを好きで見てくれる人たちのためにも勝たないといけないって思いましたね」
藤崎「応援の声は凄いよ。単純に考えて普段の十倍くらいになるんだから。これまで寿人を応援してくれてた方たちも藤崎頑張れってなるわけだからね」
(瀬戸熊さんのファンが普段はライバルの勝又さんを心底応援してたって言ってたな)
藤崎「連盟員は遠慮してるのか、あまり声をかけてこなかったね。ただ終わった後の盛り上がりは半端じゃなかった。こんなに応援してくれてたのかって。麻雀は個人競技じゃない。選抜メンバーに自分の名前がなくて悔しい思いをしている連盟員も沢山いたと思う。それでも連盟が勝った時にあれだけ喜んでくれたのは嬉しかった。その時に8人だけのチームじゃなかったんだなって。チーム連盟は600人のチームだったんだなって思いましたね」
 
100
 
 
以下は私の個人的見解であり誤解を恐れず記させていただく。
今回のメンバー選考に異論があった連盟員がいたかもしれない。
しかし、その戦いを見て、感じて、共に戦っている気持ちになっていったであろう。
8人の激闘はそれほどまでにファンと連盟員のために心身を削った戦いであった。
先輩と仲間と後輩。日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史。それは、多くの辛い経験とほんの少しの良かった出来事を胸に宿した連盟員で形成されている。
佐々木「キャプテンいい話しますね。でも成績悪いのに、こんないい話を書いたらダメだよ」
前田「日吉君、今の話はカットね。バッサリと」
白鳥「そうだね。いらない、いらない」
藤崎「日吉、今の話で原稿半分書けるでしょ。あとは下っ端の話で何とかなるよね」
佐々木「でもね応援してくれてた方も絶対疲れたと思いますよ。お疲れさまでしたって言いたいですよ」
一同「今のもカットね!」
 
【力で這い上がってくるしかない】
 
日吉「伝統と歴史の継承者である若い連盟員に向けてメッセージをお願いします」
白鳥「僕も含めて僕より下の世代が弱すぎる。このままだと勝てなくなる時も来ると思う。僕は今回、連盟には強い先輩が沢山いて、その教えが正しいことを証明したかった。これからもそれを証明できるように稽古を積んで出番に備えてほしいです」
佐々木「連盟は僕が入会した時から武闘派集団だった。僕自身その歴史と伝統を引き継いでいきたいし、後輩たちにも引き継いでほしい。もっと戦う麻雀を打ってほしいなと。最近はギラギラした奴がいないでしょ。そういうやつが沢山出てきてほしい。例えば20代で団体対抗戦やったらどこが勝つかわからないですよ。やっぱりそれを圧倒できるくらいの若手が出てきてくれたらいいなと」
前田「団体戦では普段のライバルがチームメイト。だからこそ、その力を信頼できた。若い子たちも上のステージで戦うためには、力で這い上がってくるしかない。そこには必ず努力が必要なので絶対に天下を取ってやるってくらいの気持ちで臨んでほしいなと思います」
藤崎「団体戦優勝の気持ちは個人のタイトルをいくら取っても味わえないもの。連盟は人数も多いしレジェンドと言われる怪物が沢山いる。先輩たちが圧倒的に強い団体で名前が売れたら、どこに出て戦っても十分に渡り合える。この連盟にいて活動していることを誇りに、幸せに思ってほしい。名前が売れるとこまで活躍できればいつかメンバーに選ばれます。僕と同じ気持ちを味わってほしいな」
日吉「次回の団体戦のではどのような方が選ばれるのでしょうか?」
佐々木「キャプテン以外でしょ!」
藤崎「寿人と翔ちゃんは次回も選ばれるかもしれないね」
佐々木「でも白鳥は屁理屈が多い!」
白鳥「技術論だから!」
前田「だからユーミンと喋りまShow?みたいになってるって!」
 
【日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史を守るべく】
 
16:25
日吉「今日はありがとうございました」
一同「おつかれー」
白鳥「そうだ!あの局面、僕は正しいと思ってますよ!」
佐々木「だから軟弱なんだよ!」
藤崎前田「仲が良いなぁ…」
大きなプレッシャーの中で連盟員であることの誇りを胸に、藤崎は藤崎であり続けた。
柔和な表情、穏やかな人柄。周囲に気を使わせない立ち振る舞い。若手に好きなことを言わせる器量。
チームに対しそんな心遣いがあったからこそ、チームメイトもキャプテンを支え続けたのだろう。
そのことが今回のインタビューから伝われば幸いである。
チーム連盟13人は最高の結果を届けてくれた。
その壮絶な戦いにおいて、我々600人の連盟員もチームの支えになれたと信じたい。
連盟の誇りと、その看板を守り抜いたチーム連盟。
戦いを終えた直後、興奮が冷めないのか、選手は対局中さながらの強張った表情。
しかし時間と共に緊張感から徐々に解放され、普段の表情に戻った瞬間があった。
それを象徴する写真がある。
(みんな良い顔してるわ。これがヒーローの素顔なんだな)

100

この晴れやかな笑顔の裏には我々の知られざる沢山の激闘と人間ドラマが隠されていた。
そしてヒーローたちは既にそれぞれの戦場に戻り、日々精進し己の研鑽を怠らない。
そして600人の連盟員も今回の結果に刺激を受け、活躍を夢見て動き出していることであろう。
日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史を守るべく、第2回麻雀プロ団体日本一決定戦に向けて。

中級/第118回:中級講座『番外編 サイバーエージェントカップ2016』 古橋 崇志

麻雀ファンの皆様いかがお過ごしでしょうか。古橋崇志です。
さて、
次回は「手役派の守備」についてお話したいと思います。
前回の中級講座でこんな事を書いていた奴がいたのを覚えていますか?
と、言う事で今回はサイバーエージェントカップ2016を題材にお話したいと思います。
「また嘘かよ」
「謝罪」
「勝又と交代求ム」
などと言われてしまいそうですが「手役派の守備」についてはまた次回に・・・
10/8(土)サイバーエージェントカップ2016会場にて
梶本さん「古橋の雀風は?」
古橋「門前手役派です!キリッ」
白鳥「門前派って言ってる人で強い人見たことないんだけどwww」
・・・まずは白鳥の先制攻撃。勝負は既に始まっていたのです。
そして本番開始。
サイバーエージェントカップ2016は抽選を行い、1番を引いた選手から予選A・B卓の何家に座るか選択できるのです。
1番は石井一馬さん。B卓の北家を選択。2番は私でA卓の西家を選択しました。
そして3番を引いた白鳥。
白鳥「A卓の北家でお願いします!」
司会の小山さん「それは何故ですか!?」
白鳥「石井さんより古橋さんの方が勝てそうだからです!」
(こ、こいつやるな・・・冷静な選択だぜ)
対局前に精神的ダメージを負わされながらも何とか持ちこたえ、予選A卓スタート。
東1局、私にかなりの好配牌が入ります。
2巡目にこちらの形。
 
100
 
西家の2巡目でドラは西。ここで私は五索を切ります。
一万四万引きでのシャンポンリーチや三索引きのピンフ変化、ドラの西重なりを見ての一打です。
この五索を切った後(しまった!)と反省しました。
序盤は跳満(打点>効率)
中盤は満貫(打点=効率)
終盤はアガリ若しくはテンパイ(打点<効率)
と言った具合に除々に手役を見切っていくことが大事なのです。
前回の中級講座でこんな事を書いていました。
まだ序盤なのに目先の1シャンテンに拘って、高打点を見切ってしまうのは手役派失格です。
ここは打一筒として最低リーチピンフイーペーコーを目指すのが手役派の麻雀かな、と。
結果はソウズでもう1メンツ完成し、ヤミテンならば恐らく一万四万でのアガリがありました。
そして迎えた東3局の親番。4巡目にダブ東が暗刻になりこの形。
 
100
 
場には関連牌では九万九索が1枚切れ。打牌候補としては二筒六筒五万九索あたりでしょうか?
さて、皆さんは何を切りますか?
この何切るに正解はありません。
自分がどの様な最終形を描いているかによって打牌が変わります。
さあ、それではこの4つの打牌候補のメリットとデメリットを考えてみましょう。
 
二筒
メリット
678の三色を見つつ、最終形が好形になりやすい。
デメリット
テンパイまでの牌効率、テンパイ直後の出アガリ確率が一番劣る。
 
六筒
メリット
マンズ、ソウズのノベタンが雀頭になった時の即リーチで出アガリが期待できる。
デメリット
ピンズの横の変化が無くなる。打点の向上がこれ以上見込めなくなる。
 
五万
メリット
678の三色を見つつ、ピンズの選択を先延ばしにでき、現時点で一番強い最終形69が残る。
デメリット
一番良形になりやすいマンズの伸びが無くなってしまう。
 
九索
メリット
678の三色を見つつ、ピンズ・マンズに良形を求める事ができる。
デメリット
現時点で一番強い最終形で待てなくなってしまう。
 
この様にすべての打牌の意味をしっかりと理解する事が非常に重要です。
実戦ではここまで時間を使うことはできませんから、何回も練習して「慣れる」事が大切なのです。
さて、私は何を切ったでしょうか?
・・・・そうです二筒です!
手役派なので三色は追いたいですし、
門前派なのでリーチを打ってツモアガリを目指したいですから、ここは三色と好形が残る打二筒としました。
そして2巡後、六索が雀頭になり、テンパイ。
 
100
 
場には八筒が1枚切れ。
私の選択は打五万、テンパイ取りのヤミテン。
数巡後にツモ八筒でカン七筒への待ち変えをすると、直後下家の白鳥から打五筒
(こ、こいつ俺の待ちを一点読みしてたのか・・・)
そして白鳥からリーチが入り、私も追っかけるものの白鳥の当たり牌を掴んで放銃となりました。
この局に関しては後日、先輩方からアドバイスを頂きました。
「2着勝ち上がりのシステムで親リーチに向かい難いから即リーチの方が良い」
スタイルに拘りすぎて、ルール・システムへの対応がまだまだの1局でした。反省!
その後は拮抗した展開でしたが、オーラスに矢島さん、日向さんとの2着争いを何とか制して決勝へ。
決勝戦も拮抗した展開が続き、南2局。
私の最後の親番、8巡目でドラは二万です。
 
100
 
切るのは六索ですがリーチの選択に迷いますよね。
ちなみに他家の捨て牌は
 
100
100
100
 
皆さんの選択はどうでしょうか?
どうしても親満クラスのアガリが欲しい局面です。リーチして裏を乗せたいです・・が!
私の選択は・・・ヤミテン!
四索七索が決して良い待ちには見えませんし、何より三色への変化があります。ここは手役派としての最大の見せ場!とばかりに人生で最もこのままアガリたくないヤミテンを選択しました。
結果は・・・七筒引きの四筒切り、そして五万を引き入れての七索切りリーチで八万をツモ。
4,000オールの大きなアガリでトップ目に。
その後は苦しみながらも何とか逃げ切り、最強戦ファイナルへの切符を手にする事ができました。
ファイナルはB卓。阿部孝則さんと茅森早香さん、雀王との戦いです。
ここで良い報告ができるように精一杯戦ってきます。
応援よろしくお願いします!
それではまた次回お会いいたしましょう。

第15期北陸リーグ 第2節レポート

第2節の注目の卓は藤本、濱平、恵比須さん、山元さんの卓。
第1節、怒涛の4連続トップで100ポイント超えで、首位スタートの藤本。
これにもう1人のプロ、濱平がどう対決していくのか?そして、このプロ2人を相手に恵比須さんと山元さんが、どう打ち進めていくのか?

1回戦、藤本がまたしてもトップを奪う。
藤本はこれで第1節から5連続トップであり、未だ2着さえない状態。この連勝は何処まで続くのか?

2回戦、南2局
藤本が濱平よりソウズのメンチンをアガる。このまま開幕6連勝を果たすのか?
逆に、1回戦ラスだった濱平にとっては苦しい状況に立たされての、親番を迎える。
濱平にとってはここが正念場である。

◯濱平光朗(第22期生、血液型О型、好きな手役タンヤオ、三色同順)
見た目は温厚で大人しいタイプに見えるが、私の個人的主観で言えば、実は内面には熱く激しく、強い意思の固さを持ち合わせているのではないだろうか?
彼は現在、北陸支部で鳳凰位戦参戦のために、毎月富山から通っている。
「毎月通う…。」一言で言うけれど、地方から継続して毎月参加するというのは、並大抵の根性では出来ないものと思っている。
今でこそ北陸新幹線での往復だが、その前は電車の乗り継ぎで、往復7時間以上をかけて、半荘4回戦闘うために毎月通い続ける。
そして、それはもう十年にも渡って行っている…。
私自身も、昔々金沢より毎月鳳凰位戦に10年以上通わさせて頂いた経験があり、地方在住の選手の1人として、その大変さは充分に分かるつもりである。
彼は間違いなく、太い一本芯の通った男なのであろう。

話が逸れたが、南3局、濱平の親番で役満の手が出没する!
南3局、11巡目、南家藤本の手牌

一万一万二筒二筒六筒六筒東東東南南白中中  ドラ二索

ここで藤本の選択は、テンパイトラズの打白東を切って七対子のテンパイを取る選択。または、白を切って四暗刻やトイトイを目指す選択。どちらも間違いではなく、正解もまた1つではない。
勿論、得点状況、場況等で、答えは変わるのだけど、私自身一番大切なのは、詰まる所その場その場の「感性」が、どちらを選ぶのか、というところに尽きるのではないか?
藤本の手牌にダブ南中の役牌が2つトイツである事、そして、前局メンチンをアガリ、第1節から主役をつとめている勢いを考えてのテンパイトラズだったのだろうか?

するとダブ南ポン→打一万。そして中までポン出来て→打一万

二筒二筒六筒六筒東東東  ポン中中中  ポン南南南

あっという間にダブ南中ホンイツトイトイの跳満テンパイとなる。この流れは、またしても藤本のアガリか?
しかしこの鳴きで、濱平に超弩級のテンパイが入る。

一筒一筒一筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒白  ツモ三筒

白
一筒一筒一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒

二筒四筒五筒七筒八筒マチの五メンチャンで、二筒だとなんと「九連宝燈」!!
二筒は藤本2枚持ちのマチハイでもあるが、山にもあと2枚眠っている。果たして、どちらの手に二筒が、勝利の女神が微笑むのか!?
結果論だが、藤本が白待ちで七対子のテンパイを取っていれば、濱平の白を捉えていたのも一つの事実であり、その因果か、今度はここから藤本にアタリ牌が忍び寄る。

藤本ツモ七筒…。
ここはノータイムで六筒を切った藤本。跳満から満貫に点数は落ちるが、サラッと両面に受けるあたり、流石に打ち込んでいる証。
結果、ギリギリで濱平へのアタリを回避する。

しかし藤本ツモ六筒→打六筒(空切り)
この六筒が先に来てくれれば跳満のアガリだったのだが、少しずつ藤本の勢いが削がれてきている感じがする。
そして、またまた藤本にアタリ牌の四筒がやって来る。これをツモ切り、濱平は安めながら藤本から前局のメンチン振り込みを、同じくメンチンでお返しする、という壮絶な打ち合いの2局となった。

2回戦は藤本の連勝を止めた濱平がトップを取り、このまま濱平のペースで進むかと思われたが、ここから山元さんが奮起し、最終的にも卓内トップの50ポイント強を叩き出した。
2人のプロを相手に流石であり、今大会の一般参加の方の台風の目になる予感を感じさせた。

他の卓に目を向けると、優勝経験者の光岡さんと押川さんが、それぞれポイントを少し伸ばし、光岡さんは2位、押川さんは4位と、第1節からの順位をキープ。
前期決勝進出された小泉さんも50ポイント近くプラスして、3位に浮上した。

私が決勝に残るとすれば、必ずこの3人の誰かと闘う事になると思う。
さて、前回のレポートで「優勝宣言」した私ですが、今節は40ポイント近くプラスし、総合首位に浮上。
順風満帆にも聞こえるが、局所局所でミスもあり、やはりまだまだ消化不良の1日でもあった。

1回戦、オーラス
高出さん33,900
窪田さん32,600
荒谷29,700
浦田23,800

南2局に、顔を上げたような不味い仕掛けから、高出さんに満貫を振り込み、自業自得のラス目で迎えたオーラス。
何故か?お化け配牌から、すぐにポンポンと鳴けて、4巡目にして下記のテンパイ。

五万五万五万南南中中  ポン北北北  ポン発発発  ドラ二万

そう簡単にアガれるとは思わなかったが、巡目も早いのでツモにかける、もしくはオーラスなので勝負牌として万が一出てくるかもしれないのでは?
そこへ5巡目、親の窪田さんからリーチがかかる。これはかなりの「伸るか反るか」状態。

親リーは怖いが、逆に言えば親からこぼれる可能性もある。無論行くしかない。ドラまたぎの四万、そしてドラ二万まで勝負!幸運にも通る…。
結果は、荒谷から中が出て、ラス目からのトップ浮上となった。
普通、こうなればこの後は自分の時間になっても良さそうだが、この日の私はここからニの矢が繰り出せない。

3回戦終了時で▲0.2ポイント、4回戦に入っても苦しい状態が続く。
しかし、東4局に森田さんの親リー宣言牌四が、私のヤミテンのピンフ一通ドラ1の高目満貫のアガリとなり、ここから今度こそは私の時間が始まる。

南1局の親番で、12,000、5,800、12,000と立て続けにアガる。
そして4本場、7巡目で

一筒二筒三筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒東北北発

「もう、この手も貰った!」
そう思いながら10巡目に六筒、11巡目に五筒を引き、

一筒二筒三筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒北北

ヤミテンに構える。高目の四筒をツモれば8,000オールだ。四筒は場に1枚も顔を見せていない。
他家3人は、こちらを警戒しながらの獏打で、誰もテンパイしているようには感じない。
ツモるのは時間の問題、しかも高目である事は間違いない…。
しかし、世の中はそんなに甘くはなく、ここは流局となる。
結局7本場まで積み、この4回戦の大トップが効いて、本日トータルポイントも伸ばし、首位に立つ事が出来た。
しかし、まだまだミスも多く、結果仕上げの段階において、どうしても積み上げ不足となっている。
次節までに課題を調整し、この首位をしっかりとキープし、このまま優勝出来るように頑張りたいと思います。
第3節も、各選手の熱き闘いをご期待下さい!

北陸リーグ レポート/第15期北陸リーグ 第2節レポート

第2節の注目の卓は藤本、濱平、恵比須さん、山元さんの卓。
第1節、怒涛の4連続トップで100ポイント超えで、首位スタートの藤本。
これにもう1人のプロ、濱平がどう対決していくのか?そして、このプロ2人を相手に恵比須さんと山元さんが、どう打ち進めていくのか?
1回戦、藤本がまたしてもトップを奪う。
藤本はこれで第1節から5連続トップであり、未だ2着さえない状態。この連勝は何処まで続くのか?
2回戦、南2局
藤本が濱平よりソウズのメンチンをアガる。このまま開幕6連勝を果たすのか?
逆に、1回戦ラスだった濱平にとっては苦しい状況に立たされての、親番を迎える。
濱平にとってはここが正念場である。
◯濱平光朗(第22期生、血液型О型、好きな手役タンヤオ、三色同順)
見た目は温厚で大人しいタイプに見えるが、私の個人的主観で言えば、実は内面には熱く激しく、強い意思の固さを持ち合わせているのではないだろうか?
彼は現在、北陸支部で鳳凰位戦参戦のために、毎月富山から通っている。
「毎月通う…。」一言で言うけれど、地方から継続して毎月参加するというのは、並大抵の根性では出来ないものと思っている。
今でこそ北陸新幹線での往復だが、その前は電車の乗り継ぎで、往復7時間以上をかけて、半荘4回戦闘うために毎月通い続ける。
そして、それはもう十年にも渡って行っている…。
私自身も、昔々金沢より毎月鳳凰位戦に10年以上通わさせて頂いた経験があり、地方在住の選手の1人として、その大変さは充分に分かるつもりである。
彼は間違いなく、太い一本芯の通った男なのであろう。
話が逸れたが、南3局、濱平の親番で役満の手が出没する!
南3局、11巡目、南家藤本の手牌
一万一万二筒二筒六筒六筒東東東南南白中中  ドラ二索
ここで藤本の選択は、テンパイトラズの打白東を切って七対子のテンパイを取る選択。または、白を切って四暗刻やトイトイを目指す選択。どちらも間違いではなく、正解もまた1つではない。
勿論、得点状況、場況等で、答えは変わるのだけど、私自身一番大切なのは、詰まる所その場その場の「感性」が、どちらを選ぶのか、というところに尽きるのではないか?
藤本の手牌にダブ南中の役牌が2つトイツである事、そして、前局メンチンをアガリ、第1節から主役をつとめている勢いを考えてのテンパイトラズだったのだろうか?
するとダブ南ポン→打一万。そして中までポン出来て→打一万
二筒二筒六筒六筒東東東  ポン中中中  ポン南南南
あっという間にダブ南中ホンイツトイトイの跳満テンパイとなる。この流れは、またしても藤本のアガリか?
しかしこの鳴きで、濱平に超弩級のテンパイが入る。
一筒一筒一筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒白  ツモ三筒
白
一筒一筒一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒
二筒四筒五筒七筒八筒マチの五メンチャンで、二筒だとなんと「九連宝燈」!!
二筒は藤本2枚持ちのマチハイでもあるが、山にもあと2枚眠っている。果たして、どちらの手に二筒が、勝利の女神が微笑むのか!?
結果論だが、藤本が白待ちで七対子のテンパイを取っていれば、濱平の白を捉えていたのも一つの事実であり、その因果か、今度はここから藤本にアタリ牌が忍び寄る。
藤本ツモ七筒…。
ここはノータイムで六筒を切った藤本。跳満から満貫に点数は落ちるが、サラッと両面に受けるあたり、流石に打ち込んでいる証。
結果、ギリギリで濱平へのアタリを回避する。
しかし藤本ツモ六筒→打六筒(空切り)
この六筒が先に来てくれれば跳満のアガリだったのだが、少しずつ藤本の勢いが削がれてきている感じがする。
そして、またまた藤本にアタリ牌の四筒がやって来る。これをツモ切り、濱平は安めながら藤本から前局のメンチン振り込みを、同じくメンチンでお返しする、という壮絶な打ち合いの2局となった。
2回戦は藤本の連勝を止めた濱平がトップを取り、このまま濱平のペースで進むかと思われたが、ここから山元さんが奮起し、最終的にも卓内トップの50ポイント強を叩き出した。
2人のプロを相手に流石であり、今大会の一般参加の方の台風の目になる予感を感じさせた。
他の卓に目を向けると、優勝経験者の光岡さんと押川さんが、それぞれポイントを少し伸ばし、光岡さんは2位、押川さんは4位と、第1節からの順位をキープ。
前期決勝進出された小泉さんも50ポイント近くプラスして、3位に浮上した。
私が決勝に残るとすれば、必ずこの3人の誰かと闘う事になると思う。
さて、前回のレポートで「優勝宣言」した私ですが、今節は40ポイント近くプラスし、総合首位に浮上。
順風満帆にも聞こえるが、局所局所でミスもあり、やはりまだまだ消化不良の1日でもあった。
1回戦、オーラス
高出さん33,900
窪田さん32,600
荒谷29,700
浦田23,800
南2局に、顔を上げたような不味い仕掛けから、高出さんに満貫を振り込み、自業自得のラス目で迎えたオーラス。
何故か?お化け配牌から、すぐにポンポンと鳴けて、4巡目にして下記のテンパイ。
五万五万五万南南中中  ポン北北北  ポン発発発  ドラ二万
そう簡単にアガれるとは思わなかったが、巡目も早いのでツモにかける、もしくはオーラスなので勝負牌として万が一出てくるかもしれないのでは?
そこへ5巡目、親の窪田さんからリーチがかかる。これはかなりの「伸るか反るか」状態。
親リーは怖いが、逆に言えば親からこぼれる可能性もある。無論行くしかない。ドラまたぎの四万、そしてドラ二万まで勝負!幸運にも通る…。
結果は、荒谷から中が出て、ラス目からのトップ浮上となった。
普通、こうなればこの後は自分の時間になっても良さそうだが、この日の私はここからニの矢が繰り出せない。
3回戦終了時で▲0.2ポイント、4回戦に入っても苦しい状態が続く。
しかし、東4局に森田さんの親リー宣言牌四が、私のヤミテンのピンフ一通ドラ1の高目満貫のアガリとなり、ここから今度こそは私の時間が始まる。
南1局の親番で、12,000、5,800、12,000と立て続けにアガる。
そして4本場、7巡目で
一筒二筒三筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒東北北発
「もう、この手も貰った!」
そう思いながら10巡目に六筒、11巡目に五筒を引き、
一筒二筒三筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒北北
ヤミテンに構える。高目の四筒をツモれば8,000オールだ。四筒は場に1枚も顔を見せていない。
他家3人は、こちらを警戒しながらの獏打で、誰もテンパイしているようには感じない。
ツモるのは時間の問題、しかも高目である事は間違いない…。
しかし、世の中はそんなに甘くはなく、ここは流局となる。
結局7本場まで積み、この4回戦の大トップが効いて、本日トータルポイントも伸ばし、首位に立つ事が出来た。
しかし、まだまだミスも多く、結果仕上げの段階において、どうしても積み上げ不足となっている。
次節までに課題を調整し、この首位をしっかりとキープし、このまま優勝出来るように頑張りたいと思います。
第3節も、各選手の熱き闘いをご期待下さい!

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

 

【女流プロ雀士ガチバトル開催中!】

 

KONAMI麻雀格闘倶楽部にて「女流プロ雀士ガチバトル」が開催中だ。

 

100
100
100

 

ゲーム機には女流プロのコメント、対局数などが表示されている。
投票選抜戦同様、好きなプロにベットするも良し、最近の調子を見て勝ちそうなプロにベットするのも手だ。

 

100

 

最近の調子はこんな感じで、ゲームセンターで確認できるぞ。

 

【第42期王位戦】

 

100

 

この写真を見て、対局内容が頭に浮かぶであろうか。
そう、最終戦オーラスで山田学が初タイトルを逃した第41期王位戦だ。王位を獲得したのは最高位戦日本プロ麻雀協会 石井一馬であった。
今年はどんなドラマが待ち受けているのであろうか?
日本プロ麻雀連盟チャンネルでは準決勝の模様からお届けする。

第42期王位戦~準決勝~
放送予定 11/26 12:00~

第42期王位戦~決勝戦~
放送予定 11/27 13:00~

 

【女流桜花決定戦】

 

今週水曜日プレーオフB卓を終えると、女流桜花の決定戦メンバーが確定する。
先週のA卓では魚谷侑未が決定戦への出場権利をほぼ手中に収めた。

 

第10期女流桜花
宮内 こずえ
出身地(愛媛)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 魚谷 侑未(新潟) ▲ 56.8 35.1 17.7 19.3 76.8 37.9 66.6 196.6
2 仲田 加南(神奈川) 60.7 ▲ 0.1 52.1 ▲ 0.4 40.6 ▲ 17.2 135.7
3 松岡 千晶(東京) ▲ 34.8 ▲ 6.5 44.2 3.7 76.9 23.3 106.8
4 斉藤 理絵(東京) ▲ 4.3 ▲ 3.7 10.7 28.2 ▲ 51.7 54.0 33.2
5 美波 智子(埼玉) 39.6 22.9 ▲ 33.6 ▲ 19.2 35.1 ▲ 39.3 20.7 26.2
6 武石 絵里(東京) 33.2 37.4 ▲ 41.2 8.1 ▲ 39.9 8.2 5.8
7 二階堂 亜樹 (神奈川) 64.1 ▲ 10.8 61.7 ▲ 27.1 ▲ 42.0 ▲ 11.1 ▲ 49.1 ▲ 14.3
8 清水 香織(栃木) 30.7 ▲ 27.5 ▲ 19.6 ▲ 19.3 56.4 ▲ 0.1 ▲ 38.2 ▲ 17.6
9 石田 亜沙己(愛知) 12.2 13.9 32.4 11.2 ▲ 4.5 ▲ 0.4 64.8
10 朝霧 千裕(三重) ▲ 3.8 ▲ 25.4 ▲ 22.1 2.4 12.8 34.9 ▲ 1.2
11 童瞳(上海) 8.4 ▲ 4.0 ▲ 7.9 58.9 ▲ 38.4 ▲ 28.5 ▲ 11.5
12 内田 美乃里(神奈川) ▲ 3.6 ▲ 31.3 0.0 ▲ 49.8 7.6 58.9 ▲ 18.2
13 二階堂 瑠美(神奈川) ▲ 77.4 29.8 ▲ 45.2 30.4 10.2 32.9 ▲ 19.3
14 優木 美智(福岡) ▲ 36.5 6.5 47.7 23.8 ▲ 21.2 ▲ 46.5 ▲ 26.2
15 吾妻 さおり(東京) 5.9 ▲ 39.6 ▲ 1.9 0.9 29.3 ▲ 22.9 ▲ 28.3
16 中川 由佳梨(大阪) 20.5 4.5 ▲ 10.9 ▲ 41.1 ▲ 0.7 ▲ 5.5 ▲ 33.2
17 澤村 明日華(栃木) ▲ 19.5 23.1 ▲ 29.2 47.3 ▲ 18.3 ▲ 63.3 ▲ 59.9
18 藤井 すみれ(埼玉) ▲ 12.6 ▲ 11.9 ▲ 20.2 10.4 ▲ 31.5 ▲ 27.7 ▲ 93.5
19 平岡 理恵(静岡) ▲ 65.0 20.6 ▲ 23.1 ▲ 37.1 ▲ 16.9 9.4 ▲ 112.1
20 和久津 晶(東京) 38.0 ▲ 35.0 ▲ 12.6 ▲ 52.6 ▲ 82.6 ▲ 2.0 ▲ 146.8

 

仲田加南、松岡千晶の2名がかなり優位に立っているが、斉藤理絵、武石絵里もまだまだ可能性は十分だ。

第11期女流桜花~AリーグプレーオフB卓~
放送予定 11/16 17:00~

 

【A1経験者の安定感】

 

荒正義がポイントを伸ばす中、またひと味違った大味な打法で視聴者を魅了するのがともたけ雅晴だ。

『今度からA2に降級することを降臨と呼ぼう』
『ともさんはA2に夢を浸透させにきた』
『デジタル、オカルト、ドリーム』

寄せられるコメントからもともたけに対する期待が伝わってくる。
他にA2リーグ在籍中のA1経験者は藤原隆弘、山田浩之、猿川真寿、ダンプ大橋。
山田以下はA1在籍期間が短いが「降級」に遠い存在である面々なのは気のせいではないだろう。

 

【対局スピードについて】

 

やはり視聴者の方々に楽しんでもらう、観ていただいているといった感覚は忘れてはいけない。その上で勝たなければならないのだが、その域に達するまでには時間を要する。
本人にとっての自然が視聴者にとって心地よいものになるのがベストで、それは意識的にトレーニングを積まなければ身につくことはない。

映像にならない場面では、いくら打牌スピードが速くても相手に迷惑をかけることはないが、画面越しに見る人はスイッチングの画面を見ているため、極端に速い対局は辛いものがある。

 

100

 

先日のB1セレクトは、かなりの速度で見る方も大変であったことかと思うが、立会人の瀬戸熊直樹がそれを止めることはなかった。
B1リーグの配信卓以外は、別会場で開催している。
番組としての対局ではなく、あくまで同条件のものを中継することが公平であると判断したのだ。
今回のように視聴者より選手を優先すれば、対局の質は高まるかもしれないが、選手一人一人が見られているという意識を高めていくべきではないだろうか。

 

【連盟・痛ツイート撲滅委員会】

 

このツイートは痛い、痛すぎる。
なんか鼻につくんだよな。
プロとしてどうなの?
また自慢?

などなど、連盟員のツイートは痛々しさを増している。そんなツイートを撲滅するため、ついに委員会が結成された。

近日公開予定。

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
【女流プロ雀士ガチバトル開催中!】
 
KONAMI麻雀格闘倶楽部にて「女流プロ雀士ガチバトル」が開催中だ。
 

100
100
100

 
ゲーム機には女流プロのコメント、対局数などが表示されている。
投票選抜戦同様、好きなプロにベットするも良し、最近の調子を見て勝ちそうなプロにベットするのも手だ。
 

100

 
最近の調子はこんな感じで、ゲームセンターで確認できるぞ。
 
【第42期王位戦】
 

100

 
この写真を見て、対局内容が頭に浮かぶであろうか。
そう、最終戦オーラスで山田学が初タイトルを逃した第41期王位戦だ。王位を獲得したのは最高位戦日本プロ麻雀協会 石井一馬であった。
今年はどんなドラマが待ち受けているのであろうか?
日本プロ麻雀連盟チャンネルでは準決勝の模様からお届けする。
第42期王位戦~準決勝~
放送予定 11/26 12:00~
第42期王位戦~決勝戦~
放送予定 11/27 13:00~
 
【女流桜花決定戦】
 
今週水曜日プレーオフB卓を終えると、女流桜花の決定戦メンバーが確定する。
先週のA卓では魚谷侑未が決定戦への出場権利をほぼ手中に収めた。
 

第10期女流桜花
宮内 こずえ
出身地(愛媛)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 魚谷 侑未(新潟) ▲ 56.8 35.1 17.7 19.3 76.8 37.9 66.6 196.6
2 仲田 加南(神奈川) 60.7 ▲ 0.1 52.1 ▲ 0.4 40.6 ▲ 17.2 135.7
3 松岡 千晶(東京) ▲ 34.8 ▲ 6.5 44.2 3.7 76.9 23.3 106.8
4 斉藤 理絵(東京) ▲ 4.3 ▲ 3.7 10.7 28.2 ▲ 51.7 54.0 33.2
5 美波 智子(埼玉) 39.6 22.9 ▲ 33.6 ▲ 19.2 35.1 ▲ 39.3 20.7 26.2
6 武石 絵里(東京) 33.2 37.4 ▲ 41.2 8.1 ▲ 39.9 8.2 5.8
7 二階堂 亜樹 (神奈川) 64.1 ▲ 10.8 61.7 ▲ 27.1 ▲ 42.0 ▲ 11.1 ▲ 49.1 ▲ 14.3
8 清水 香織(栃木) 30.7 ▲ 27.5 ▲ 19.6 ▲ 19.3 56.4 ▲ 0.1 ▲ 38.2 ▲ 17.6
9 石田 亜沙己(愛知) 12.2 13.9 32.4 11.2 ▲ 4.5 ▲ 0.4 64.8
10 朝霧 千裕(三重) ▲ 3.8 ▲ 25.4 ▲ 22.1 2.4 12.8 34.9 ▲ 1.2
11 童瞳(上海) 8.4 ▲ 4.0 ▲ 7.9 58.9 ▲ 38.4 ▲ 28.5 ▲ 11.5
12 内田 美乃里(神奈川) ▲ 3.6 ▲ 31.3 0.0 ▲ 49.8 7.6 58.9 ▲ 18.2
13 二階堂 瑠美(神奈川) ▲ 77.4 29.8 ▲ 45.2 30.4 10.2 32.9 ▲ 19.3
14 優木 美智(福岡) ▲ 36.5 6.5 47.7 23.8 ▲ 21.2 ▲ 46.5 ▲ 26.2
15 吾妻 さおり(東京) 5.9 ▲ 39.6 ▲ 1.9 0.9 29.3 ▲ 22.9 ▲ 28.3
16 中川 由佳梨(大阪) 20.5 4.5 ▲ 10.9 ▲ 41.1 ▲ 0.7 ▲ 5.5 ▲ 33.2
17 澤村 明日華(栃木) ▲ 19.5 23.1 ▲ 29.2 47.3 ▲ 18.3 ▲ 63.3 ▲ 59.9
18 藤井 すみれ(埼玉) ▲ 12.6 ▲ 11.9 ▲ 20.2 10.4 ▲ 31.5 ▲ 27.7 ▲ 93.5
19 平岡 理恵(静岡) ▲ 65.0 20.6 ▲ 23.1 ▲ 37.1 ▲ 16.9 9.4 ▲ 112.1
20 和久津 晶(東京) 38.0 ▲ 35.0 ▲ 12.6 ▲ 52.6 ▲ 82.6 ▲ 2.0 ▲ 146.8

 
仲田加南、松岡千晶の2名がかなり優位に立っているが、斉藤理絵、武石絵里もまだまだ可能性は十分だ。
第11期女流桜花~AリーグプレーオフB卓~
放送予定 11/16 17:00~
 
【A1経験者の安定感】
 
荒正義がポイントを伸ばす中、またひと味違った大味な打法で視聴者を魅了するのがともたけ雅晴だ。
『今度からA2に降級することを降臨と呼ぼう』
『ともさんはA2に夢を浸透させにきた』
『デジタル、オカルト、ドリーム』
寄せられるコメントからもともたけに対する期待が伝わってくる。
他にA2リーグ在籍中のA1経験者は藤原隆弘、山田浩之、猿川真寿、ダンプ大橋。
山田以下はA1在籍期間が短いが「降級」に遠い存在である面々なのは気のせいではないだろう。
 
【対局スピードについて】
 
やはり視聴者の方々に楽しんでもらう、観ていただいているといった感覚は忘れてはいけない。その上で勝たなければならないのだが、その域に達するまでには時間を要する。
本人にとっての自然が視聴者にとって心地よいものになるのがベストで、それは意識的にトレーニングを積まなければ身につくことはない。
映像にならない場面では、いくら打牌スピードが速くても相手に迷惑をかけることはないが、画面越しに見る人はスイッチングの画面を見ているため、極端に速い対局は辛いものがある。
 

100

 
先日のB1セレクトは、かなりの速度で見る方も大変であったことかと思うが、立会人の瀬戸熊直樹がそれを止めることはなかった。
B1リーグの配信卓以外は、別会場で開催している。
番組としての対局ではなく、あくまで同条件のものを中継することが公平であると判断したのだ。
今回のように視聴者より選手を優先すれば、対局の質は高まるかもしれないが、選手一人一人が見られているという意識を高めていくべきではないだろうか。
 
【連盟・痛ツイート撲滅委員会】
 
このツイートは痛い、痛すぎる。
なんか鼻につくんだよな。
プロとしてどうなの?
また自慢?
などなど、連盟員のツイートは痛々しさを増している。そんなツイートを撲滅するため、ついに委員会が結成された。
近日公開予定。

天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 決勝レポート:ケネス徳田

100

 

~天鳳位2vs連盟プロ2の決勝~

 

5vs5で始まった『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』。しかし予選終了段階で連盟プロ側の前田・勝又両プロが敗退。天鳳勢が上位をほぼ独占するなど、連盟プロ側にとって苦しい戦いが続いていたが、なんとかプレーオフで瀬戸熊プロ、藤崎プロの2人が奮闘し決勝に駒を進めることができた。

プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 ASAPIN(初代天鳳位) 129.2 77.5 ▲ 2.7 204.0
2 瀬戸熊直樹 16.7 24.8 86.1 127.6
3 藤崎智 19.6 59.9 18.2 97.7
4 独歩(三代目天鳳位) 100.3 3.4 ▲ 16.8 86.9
5 就活生@川村軍団(九代目天鳳位) 58.0 ▲ 6.9 22.2 73.3
6 佐々木寿人 92.6 ▲ 95.4 63.3 60.5
7 かにマジン(八代目天鳳位) 35.8 25.4 ▲ 82.8 ▲ 21.6
8 すずめクレイジー(四代目天鳳位) 93.0 ▲ 88.7 ▲ 87.5 ▲ 83.2

 

天鳳位側は予選序盤から首位をキープし続けたASAPINさん、そしてプレーオフ最終戦で瀬戸熊・藤崎両プロの猛攻に耐えきった独歩さんが決勝に。
天鳳ルール特有の順位点(+50、+20、±0、▲70)から、この決勝戦も当然ながら「ラス回避」が至上命題だが、直接対決であることから勝負所の見極めも重要。これまで以上の熾烈な戦いとなるであろう。

 

 

~通算2回の天鳳位!?~

 

初代天鳳位のASAPINさん。つい先ごろ、2度目の天鳳位を獲得したという。

 

100

 

どういうことかというと、別アカウントで1からやり直し、第11代天鳳位になったのである。雀力はもちろん、数千ゲームという膨大な時間も要求される天鳳位。しかも「わざわざもう1度」というモチベーションも考慮すると、おそらく他の誰にも真似できず、まさに偉業としか言いようがない。
1回戦東1局10巡目、ASAPINさんにテンパイが入る。

 

100

 

六索を切ってヤミテン。すると12巡目、南家・独歩さんからリーチが入る。

三万四万五万二索二索二索二筒三筒四筒六筒六筒東東  ドラ六筒

東とドラの六筒とのシャンポン待ち。このリーチを受けてASAPINさん、現物の六万西をツモ切って15巡目にツモ三万

 

100

 

直前に下家の瀬戸熊プロが三万を切っておりリーチには安全牌。だがASAPINさんはこの三万を止め、打一万とした。
なぜならこの時の場の状況が次の通り。

[東家・瀬戸熊]
西南白一筒 下向き九筒 下向き白
東五索 上向き三索 上向き三索 上向き九万 上向き六索 上向き
八索 上向き三万 上向き

[南家・独歩]
中西六索 上向き五万 上向き六万 上向き五索 上向き
四筒 上向き八筒 上向き三筒 上向き八筒 上向き八索 上向き三索 左向き
二万 上向き一索 上向き

[西家・藤崎]
一索 上向き九索 上向き九筒 上向き中一索 上向き八索 上向き
南中南四索 上向き三筒 上向き赤五索 上向き
二万 上向き四万 上向き

直前の藤崎プロの打四万に反応して止めた三万なのである。ここまでなら普通の守備的な打ち手でも行えるかもしれない。
だが次巡、再び一万ではなく1枚切れの発をツモ切り。17巡目の瀬戸熊プロの打一万に「ポン」の声。
つまり1度自分で切った一万を鳴き戻し、打三万でテンパイを取った。なぜなら、警戒していた藤崎プロが*北のトイツ落としをしたので三万が大丈夫になったという判断なのである。
三万でやめたならば発でもやめて一万のアンコ落としがほとんどの打ち手の選択なのだが…一旦退いても、形式テンパイの可能性をギリギリまで残す、こうしたストイックさが天鳳位を獲るための必要条件なのであろう。

 

 

~天鳳位随一の攻撃力~

 

東4局の親番で6000オールをアガるASAPINさん。

九万九万二索三索四索七索八索九索四筒五筒赤五筒六筒七筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ五筒  裏発
このアガリで6万点を超える。一方独歩さんは13200点のラス目だが…

 

100

 

南2局の親番で持ち前の攻撃力を発揮する。0本場でASAPINさんから12000の直撃。
 
四万四万五万六万七万三索四索三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン二索  ドラ二筒  裏白

1本場で2600オール。
 
一万一万五万六万七万八万九万四索五索六索七索八索九索  リーチ  ツモ四万  ドラ四索  裏九筒

2本場で2600オールとこれでASAPINさんとほぼ並び。
 
八万八万三索四索赤五索七索八索北北北  ポン南南南  ツモ六索  ドラ六索七筒

そして3本場で6000オール!

 

100

 

4本場でダメ押しの7700をASAPINさんから。
 
二万四万二索三索四索四筒四筒赤五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン三万  ドラ東  裏四索

圧倒的な力押しで1回戦は独歩さんが制した。

 

 

~苦しい立場の連盟プロ勢~

 

ASAPINさん、独歩さんが快調に飛ばす一方、連盟プロ勢の苦戦が続く。
1回戦、オーラスでは瀬戸熊プロが3面チャン待ちをヤミテンでラス抜けがやっと。

 

100

 

3回戦もチートイツ・赤をヤミテンでアガって3着浮上。

 

100

 

どちらもリーチを打っていれば2着まで狙えるほどの点差であったが「2着:+20、3着:±0、4着:▲70」という順位点の考え、確実にラス抜けを選んだのかもしれない。

 

100

 

しかし本来の瀬戸熊プロの麻雀と比べると、「ラス回避」に縛られすぎた感もある。数字の上では正しい選択なのだろうが…。

そして、非常に苦しい立場に追い込まれたのが藤崎プロ。

 

100

 

1戦目、2戦目と連続ラス。3戦目で2着になったものの、2・1・1着のASAPINさんを逆転するのは事実上不可能な数字となった。

 

 

~最終戦の決まり手~

 

最終戦をむかえてのトータルポイントは
ASAPIN+143.1
瀬戸熊直樹  +2.2
独歩 ▲3.7
藤崎智   ▲143.1

瀬戸熊プロ、独歩さんと150P弱差をつけているASAPINさん。「3万点のトップラス」で逆転されるだけに、数字ほどダントツ状態とはいいがたい。とはいえ「ラス回避」さえすれば事実上逆転は不可能となる。

何度も書いたことだが「ラス回避」は「放銃回避」ではない。多少放銃のリスクを負ってでも貯金を作る、これが「ラス回避」戦法である。
この最終戦、東4局11巡目で東家・ASAPINさんが先制リーチ。

 

100

 

九筒六万のシャンポン待ち。手格好と巡目を考えるとヤミテンにする打ち手も多いだろう。しかも瀬戸熊プロが五索 左向き四索 上向き六索 上向きで仕掛けいる局面。独歩さんもタンピン三色のイーシャンテン。
直撃されるリスクはもちろんあるが、こちらは現状テンパイ+親番。対し相手はイーシャンテン、という手牌進行まで読み切ってのリーチなのである。
すると結果は一発で九筒ツモ。

六万六万三索四索五索一筒二筒三筒三筒四筒赤五筒九筒九筒  リーチ  一発ツモ九筒  ドラ中  裏六万

さらに裏ドラが六万で6000オール。最良の選択が最高の結果を生んだ。

[最終結果]
ASAPIN:+219.5
独歩    : +22.3
瀬戸熊   : +2.3
藤崎    :▲244.1

 

100

 

『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』はASAPINさんの優勝で幕が閉じた。ルールがルールだけにやはり天鳳勢に一日の長があったと思われる結果となった。

しかし12月より『天鳳位vs.連盟プロ 2nd season』が開催される。ルールはなんと一発裏ドラ無し、いわゆる「プロ連盟Aルール」での対戦となる。
天鳳位の5名はそのまま、連盟プロ側は佐々木寿人に替わってなんと前原雄大プロが参戦決定。

 

100

 

天鳳勢がAルールに対応できるか? 連盟プロが地の利を得てリベンジできるか? 注目の戦いはまだまだ続く。

特集企画/天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 決勝レポート:ケネス徳田

100

 
~天鳳位2vs連盟プロ2の決勝~
 
5vs5で始まった『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』。しかし予選終了段階で連盟プロ側の前田・勝又両プロが敗退。天鳳勢が上位をほぼ独占するなど、連盟プロ側にとって苦しい戦いが続いていたが、なんとかプレーオフで瀬戸熊プロ、藤崎プロの2人が奮闘し決勝に駒を進めることができた。
プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 ASAPIN(初代天鳳位) 129.2 77.5 ▲ 2.7 204.0
2 瀬戸熊直樹 16.7 24.8 86.1 127.6
3 藤崎智 19.6 59.9 18.2 97.7
4 独歩(三代目天鳳位) 100.3 3.4 ▲ 16.8 86.9
5 就活生@川村軍団(九代目天鳳位) 58.0 ▲ 6.9 22.2 73.3
6 佐々木寿人 92.6 ▲ 95.4 63.3 60.5
7 かにマジン(八代目天鳳位) 35.8 25.4 ▲ 82.8 ▲ 21.6
8 すずめクレイジー(四代目天鳳位) 93.0 ▲ 88.7 ▲ 87.5 ▲ 83.2

 
天鳳位側は予選序盤から首位をキープし続けたASAPINさん、そしてプレーオフ最終戦で瀬戸熊・藤崎両プロの猛攻に耐えきった独歩さんが決勝に。
天鳳ルール特有の順位点(+50、+20、±0、▲70)から、この決勝戦も当然ながら「ラス回避」が至上命題だが、直接対決であることから勝負所の見極めも重要。これまで以上の熾烈な戦いとなるであろう。
 
 
~通算2回の天鳳位!?~
 
初代天鳳位のASAPINさん。つい先ごろ、2度目の天鳳位を獲得したという。
 
100
 
どういうことかというと、別アカウントで1からやり直し、第11代天鳳位になったのである。雀力はもちろん、数千ゲームという膨大な時間も要求される天鳳位。しかも「わざわざもう1度」というモチベーションも考慮すると、おそらく他の誰にも真似できず、まさに偉業としか言いようがない。
1回戦東1局10巡目、ASAPINさんにテンパイが入る。
 
100
 
六索を切ってヤミテン。すると12巡目、南家・独歩さんからリーチが入る。
三万四万五万二索二索二索二筒三筒四筒六筒六筒東東  ドラ六筒
東とドラの六筒とのシャンポン待ち。このリーチを受けてASAPINさん、現物の六万西をツモ切って15巡目にツモ三万
 
100
 
直前に下家の瀬戸熊プロが三万を切っておりリーチには安全牌。だがASAPINさんはこの三万を止め、打一万とした。
なぜならこの時の場の状況が次の通り。
[東家・瀬戸熊]
西南白一筒 下向き九筒 下向き白
東五索 上向き三索 上向き三索 上向き九万 上向き六索 上向き
八索 上向き三万 上向き
[南家・独歩]
中西六索 上向き五万 上向き六万 上向き五索 上向き
四筒 上向き八筒 上向き三筒 上向き八筒 上向き八索 上向き三索 左向き
二万 上向き一索 上向き
[西家・藤崎]
一索 上向き九索 上向き九筒 上向き中一索 上向き八索 上向き
南中南四索 上向き三筒 上向き赤五索 上向き
二万 上向き四万 上向き
直前の藤崎プロの打四万に反応して止めた三万なのである。ここまでなら普通の守備的な打ち手でも行えるかもしれない。
だが次巡、再び一万ではなく1枚切れの発をツモ切り。17巡目の瀬戸熊プロの打一万に「ポン」の声。
つまり1度自分で切った一万を鳴き戻し、打三万でテンパイを取った。なぜなら、警戒していた藤崎プロが*北のトイツ落としをしたので三万が大丈夫になったという判断なのである。
三万でやめたならば発でもやめて一万のアンコ落としがほとんどの打ち手の選択なのだが…一旦退いても、形式テンパイの可能性をギリギリまで残す、こうしたストイックさが天鳳位を獲るための必要条件なのであろう。
 
 
~天鳳位随一の攻撃力~
 
東4局の親番で6000オールをアガるASAPINさん。
九万九万二索三索四索七索八索九索四筒五筒赤五筒六筒七筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ五筒  裏発
このアガリで6万点を超える。一方独歩さんは13200点のラス目だが…
 
100
 
南2局の親番で持ち前の攻撃力を発揮する。0本場でASAPINさんから12000の直撃。
 
四万四万五万六万七万三索四索三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン二索  ドラ二筒  裏白
1本場で2600オール。
 
一万一万五万六万七万八万九万四索五索六索七索八索九索  リーチ  ツモ四万  ドラ四索  裏九筒
2本場で2600オールとこれでASAPINさんとほぼ並び。
 
八万八万三索四索赤五索七索八索北北北  ポン南南南  ツモ六索  ドラ六索七筒
そして3本場で6000オール!
 
100
 
4本場でダメ押しの7700をASAPINさんから。
 
二万四万二索三索四索四筒四筒赤五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン三万  ドラ東  裏四索
圧倒的な力押しで1回戦は独歩さんが制した。
 
 
~苦しい立場の連盟プロ勢~
 
ASAPINさん、独歩さんが快調に飛ばす一方、連盟プロ勢の苦戦が続く。
1回戦、オーラスでは瀬戸熊プロが3面チャン待ちをヤミテンでラス抜けがやっと。
 
100
 
3回戦もチートイツ・赤をヤミテンでアガって3着浮上。
 
100
 
どちらもリーチを打っていれば2着まで狙えるほどの点差であったが「2着:+20、3着:±0、4着:▲70」という順位点の考え、確実にラス抜けを選んだのかもしれない。
 
100
 
しかし本来の瀬戸熊プロの麻雀と比べると、「ラス回避」に縛られすぎた感もある。数字の上では正しい選択なのだろうが…。
そして、非常に苦しい立場に追い込まれたのが藤崎プロ。
 
100
 
1戦目、2戦目と連続ラス。3戦目で2着になったものの、2・1・1着のASAPINさんを逆転するのは事実上不可能な数字となった。
 
 
~最終戦の決まり手~
 
最終戦をむかえてのトータルポイントは
ASAPIN+143.1
瀬戸熊直樹  +2.2
独歩 ▲3.7
藤崎智   ▲143.1
瀬戸熊プロ、独歩さんと150P弱差をつけているASAPINさん。「3万点のトップラス」で逆転されるだけに、数字ほどダントツ状態とはいいがたい。とはいえ「ラス回避」さえすれば事実上逆転は不可能となる。
何度も書いたことだが「ラス回避」は「放銃回避」ではない。多少放銃のリスクを負ってでも貯金を作る、これが「ラス回避」戦法である。
この最終戦、東4局11巡目で東家・ASAPINさんが先制リーチ。
 
100
 
九筒六万のシャンポン待ち。手格好と巡目を考えるとヤミテンにする打ち手も多いだろう。しかも瀬戸熊プロが五索 左向き四索 上向き六索 上向きで仕掛けいる局面。独歩さんもタンピン三色のイーシャンテン。
直撃されるリスクはもちろんあるが、こちらは現状テンパイ+親番。対し相手はイーシャンテン、という手牌進行まで読み切ってのリーチなのである。
すると結果は一発で九筒ツモ。
六万六万三索四索五索一筒二筒三筒三筒四筒赤五筒九筒九筒  リーチ  一発ツモ九筒  ドラ中  裏六万
さらに裏ドラが六万で6000オール。最良の選択が最高の結果を生んだ。
[最終結果]
ASAPIN:+219.5
独歩    : +22.3
瀬戸熊   : +2.3
藤崎    :▲244.1
 
100
 
『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』はASAPINさんの優勝で幕が閉じた。ルールがルールだけにやはり天鳳勢に一日の長があったと思われる結果となった。
しかし12月より『天鳳位vs.連盟プロ 2nd season』が開催される。ルールはなんと一発裏ドラ無し、いわゆる「プロ連盟Aルール」での対戦となる。
天鳳位の5名はそのまま、連盟プロ側は佐々木寿人に替わってなんと前原雄大プロが参戦決定。
 
100
 
天鳳勢がAルールに対応できるか? 連盟プロが地の利を得てリベンジできるか? 注目の戦いはまだまだ続く。