第21期 本戦レポート

masters21_01

2012年4月28日(土)、東京新橋にて麻雀マスターズ本戦が開催された。
「麻雀マスターズ」は今回で21期目となり、プロ連盟主催プロアマオープンのタイトル戦である。
そしてプロ連盟主催のタイトル戦では数少ない、一発裏ドラが適用となるルールが特徴といえる。

私はプロ予選で敗退となったが、この本戦に参加するのも容易ではない。

大まかに、プロで実績のある者や特別枠(大会の特典等)を除き以下の予選を勝ち上がる必要がある。
各団体のプロ:プロ予選一次、プロ予選二次
アマ:アマチュアA級予選または東京予選や地区予選

会場には、プロとして数年経つ私でも緊張する顔ぶればかりである。

プロ連盟からは、
灘麻太郎、小島武夫、伊藤優孝、森山茂和、前原雄大、沢崎誠、古川孝次
藤原隆弘、朝武雅晴、藤崎智、望月雅継、石渡正志、右田勇一郎、柴田弘幸
ダンプ大橋、近藤久晴、板川和俊、仁平宣明、山井弘、山田浩之、勝又健志
猿川真寿、四柳弘樹、中村毅、吉田直、白鳥翔、老月孝紀、金子貴之、吉田幸雄
滝沢和典、佐々木寿人、内川幸太郎、今里之彦、杉浦勘介、堀内正人…等。

masters21_02
灘 麻太郎
masters21_03
小島 武夫
masters21_04
荒 正義
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伊藤 優孝
masters21_06
森山 茂和
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瀬戸熊 直樹
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板川 和俊
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藤崎 智
masters21_09
望月 雅継
masters21_10
古川 孝次
masters21_16
朝武 雅晴
masters21_14
滝沢 和典
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佐々木 寿人
masters21_24
内川 幸太郎

連盟女流プロからは、
二階堂亜樹、稲森英子、斉藤智子、黒沢咲、仲田加南、優木美智、北野由実
蒼井ゆりか、和久津晶、魚谷侑未、小島優、山口笑子、安田麻里菜
赤荻めぐみ、筒井久美子…等。

masters21_12
稲森 英子
masters21_17
二階堂 亜樹
masters21_19
和久津 晶
masters21_18
黒沢 咲
masters21_21
優木 美智
masters21_20
蒼井 ゆりか

他団体からは、

五十嵐毅、鈴木たろう、金太賢、宮崎和樹、石井阿依…等
日本プロ麻雀協会から17名。

村上淳、水巻渉、平賀聡彦、石井一馬、石井あや…等
最高位戦日本プロ麻雀協会から19名。

また、一般参加は53名となった。

麻雀マスターズ本戦のシステムは、まず半荘4回戦を行い合計得点がプラスの者のみ勝ち上がりとなり、次に得点持ち越しのまま5回戦目を行う。
(5回戦の会場収容人数をオーバーすると、得点がプラスでも敗退となる場合がある)
そして5回戦終了時、合計得点上位52名がトーナメント進出となる。

また特典として、本戦1位の選手はベスト16トーナメントへ繰り上げ進出になるとともに、副賞として全自動麻雀卓が贈られる。
他にも本戦上位者には副賞があり、得点に余裕のある選手も最終戦まで果敢に攻めるだろう。
また、一般の中で本戦最上位の方にはベストアマ賞として旅行券が贈られる。

今回の4回戦終了時の52位は+38.0ポイント。
例年の傾向から5回戦終了時にはボーダーラインが上がるため、最低でも40ポイント台は欲しいところだ。

半荘トップ目でありながら、長考の末勝負をかけたリーチを敢行する柴田弘幸。
6,000オールを決めるも、まだ足りないとばかりに加点に向かう山井弘。
多くの選手が5回戦の結果次第であり、手に力が入っているのが分かる。

masters21_12
柴田 弘幸
25
山井 弘

5回戦終了時、1位となったのはプロ連盟の岡田茂プロ!!
普段からの麻雀に対する姿勢の良さが結果に繋がったのだろう。
本人のコメントでは、プロ予選で課題が多く残る麻雀だったようだが、
プロ一次予選からの通過は見事であり、ベスト16トーナメントからの戦いに注目したい。

そして本戦勝ち上がり52名は+50ポイント以上必要な結果となり、これは各選手の予想を超えていたようだ。
必死で戦い、+40ポイント台後半で涙を呑んだ選手も何名かいた。

勝ち上がり52名から繰り上がりとなった1名を除いた51名は余韻に浸る間もない。
以下5名を加えた56名でトーナメント1回戦がすぐに開始となる。

前年度決勝進出者:樋口新、西川淳、泉亮多
現鳳凰位:荒正義
現十段位:瀬戸熊直樹

masters21_27
西川 淳
masters21_28
泉 亮多

トーナメント1回戦は予選順位により決定した組み合わせ4名で、同一メンバーのまま半荘2回を戦い上位2名が勝ち上がりとなる。
注目選手はやはり現鳳凰位の荒正義と、現十段位の瀬戸熊直樹だろう。
5回戦を勝ち上がった選手と比べ、エンジンのかかっていないシード選手はすぐに敗退となってしまうケースも多い。
しかも、瀬戸熊は早朝から本戦の運営をこなし、体力の消費も激しい。

その注目の荒正義、東1局、西家の手牌。

二万二万九万九万一筒一筒一筒四筒四筒四筒五索五索北 ドラ三万

ドラはなく、北は生牌となる。
中盤に親から五索切りリーチが入り、九万が親リーチの現物且つ一発もなくなると考えた私はつい「ポン」と思ったが、荒は鳴かずに五索切りとしていく。
確かに北家のホンイツ気配、残る形や打点、多くの要素があり東1局から鳴いてまで進める手ではないかもしれない。
この結果は、北家が2,000,4,000のツモアガリとなるが、荒はこの後も落ち着いた麻雀で2連勝を収め、堂々と翌日のトーナメント2回戦へ名乗り出た。

そして瀬戸熊直樹の卓は、プロ連盟九州本部の藤岡治之が1半荘目に大きなトップで勝ち上がり濃厚となる。
2位通過を狙う瀬戸熊は、常にライバルとの点差を意識した押し引きで、もう1枚の切符を手に入れた。

また個人的に注目したのは、滝沢和典と山井弘の対戦。
滝沢は冷静な局面読み、山井は18,000放銃してもすぐに18,000をアガる攻撃力を武器に戦い、勝負はオーラスアガった方が勝ち上がりとなる接戦。
2人共にテンパイが入るが、山井に軍配が上がり滝沢はここで敗退となってしまった。

その他、グランプリMAXの覇者、勝又健志や第19期マスターズチャンピオン樋口新等、多くの注目選手もここで敗退となった。

masters21_26
勝又 健志
masters21_15
樋口 新

トーナメント2回戦へ勝の勝ち上がり者28名、組み合わせは以下。

1卓:鈴木優(最高位戦) vs 平田孝章(連盟) vs 太田昌樹(連盟) vs
高沢智(連盟)

2卓:石井一馬(最高位戦) vs 綱川降晃(協会) vs 柴田弘幸(連盟) vs
大和田篤史(連盟)

3卓:泉亮多(連盟) vs 浅井裕介(最高位戦) vs 上村宣久(連盟) vs
内川幸太郎(連盟)

4卓:荒正義(連盟) vs 船木伸一さん(一般) vs 古川孝次(連盟) vs
海谷善之さん(一般)

5卓:藤岡治之(連盟) vs 山井弘(連盟) vs 杉村泰治(連盟) vs コウ(協会)

6卓:金太賢(協会) vs 有馬浩さん(一般) vs 瀬戸熊直樹(連盟) vs
小車祥(連盟)

7卓:稲森英子(連盟) vs 斉藤智子(連盟) vs 加藤晋平(連盟) vs
沖野立矢(最高位戦)

9半荘にもなる長い戦いは、翌日すぐに行われる。
その戦いを制した者のみ決勝戦へ駒を進めることができる。

(文中敬称略)

麻雀マスターズ レポート/第21期 本戦レポート

masters21_01
2012年4月28日(土)、東京新橋にて麻雀マスターズ本戦が開催された。
「麻雀マスターズ」は今回で21期目となり、プロ連盟主催プロアマオープンのタイトル戦である。
そしてプロ連盟主催のタイトル戦では数少ない、一発裏ドラが適用となるルールが特徴といえる。
私はプロ予選で敗退となったが、この本戦に参加するのも容易ではない。
大まかに、プロで実績のある者や特別枠(大会の特典等)を除き以下の予選を勝ち上がる必要がある。
各団体のプロ:プロ予選一次、プロ予選二次
アマ:アマチュアA級予選または東京予選や地区予選
会場には、プロとして数年経つ私でも緊張する顔ぶればかりである。
プロ連盟からは、
灘麻太郎、小島武夫、伊藤優孝、森山茂和、前原雄大、沢崎誠、古川孝次
藤原隆弘、朝武雅晴、藤崎智、望月雅継、石渡正志、右田勇一郎、柴田弘幸
ダンプ大橋、近藤久晴、板川和俊、仁平宣明、山井弘、山田浩之、勝又健志
猿川真寿、四柳弘樹、中村毅、吉田直、白鳥翔、老月孝紀、金子貴之、吉田幸雄
滝沢和典、佐々木寿人、内川幸太郎、今里之彦、杉浦勘介、堀内正人…等。

masters21_02
灘 麻太郎
masters21_03
小島 武夫
masters21_04
荒 正義
masters21_05
伊藤 優孝
masters21_06
森山 茂和
masters21_08
瀬戸熊 直樹
masters21_07
板川 和俊
masters21_11
藤崎 智
masters21_09
望月 雅継
masters21_10
古川 孝次
masters21_16
朝武 雅晴
masters21_14
滝沢 和典
masters21_23
佐々木 寿人
masters21_24
内川 幸太郎

連盟女流プロからは、
二階堂亜樹、稲森英子、斉藤智子、黒沢咲、仲田加南、優木美智、北野由実
蒼井ゆりか、和久津晶、魚谷侑未、小島優、山口笑子、安田麻里菜
赤荻めぐみ、筒井久美子…等。

masters21_12
稲森 英子
masters21_17
二階堂 亜樹
masters21_19
和久津 晶
masters21_18
黒沢 咲
masters21_21
優木 美智
masters21_20
蒼井 ゆりか

他団体からは、
五十嵐毅、鈴木たろう、金太賢、宮崎和樹、石井阿依…等
日本プロ麻雀協会から17名。
村上淳、水巻渉、平賀聡彦、石井一馬、石井あや…等
最高位戦日本プロ麻雀協会から19名。
また、一般参加は53名となった。
麻雀マスターズ本戦のシステムは、まず半荘4回戦を行い合計得点がプラスの者のみ勝ち上がりとなり、次に得点持ち越しのまま5回戦目を行う。
(5回戦の会場収容人数をオーバーすると、得点がプラスでも敗退となる場合がある)
そして5回戦終了時、合計得点上位52名がトーナメント進出となる。
また特典として、本戦1位の選手はベスト16トーナメントへ繰り上げ進出になるとともに、副賞として全自動麻雀卓が贈られる。
他にも本戦上位者には副賞があり、得点に余裕のある選手も最終戦まで果敢に攻めるだろう。
また、一般の中で本戦最上位の方にはベストアマ賞として旅行券が贈られる。
今回の4回戦終了時の52位は+38.0ポイント。
例年の傾向から5回戦終了時にはボーダーラインが上がるため、最低でも40ポイント台は欲しいところだ。
半荘トップ目でありながら、長考の末勝負をかけたリーチを敢行する柴田弘幸。
6,000オールを決めるも、まだ足りないとばかりに加点に向かう山井弘。
多くの選手が5回戦の結果次第であり、手に力が入っているのが分かる。

masters21_12
柴田 弘幸
25
山井 弘

5回戦終了時、1位となったのはプロ連盟の岡田茂プロ!!
普段からの麻雀に対する姿勢の良さが結果に繋がったのだろう。
本人のコメントでは、プロ予選で課題が多く残る麻雀だったようだが、
プロ一次予選からの通過は見事であり、ベスト16トーナメントからの戦いに注目したい。
そして本戦勝ち上がり52名は+50ポイント以上必要な結果となり、これは各選手の予想を超えていたようだ。
必死で戦い、+40ポイント台後半で涙を呑んだ選手も何名かいた。
勝ち上がり52名から繰り上がりとなった1名を除いた51名は余韻に浸る間もない。
以下5名を加えた56名でトーナメント1回戦がすぐに開始となる。
前年度決勝進出者:樋口新、西川淳、泉亮多
現鳳凰位:荒正義
現十段位:瀬戸熊直樹

masters21_27
西川 淳
masters21_28
泉 亮多

トーナメント1回戦は予選順位により決定した組み合わせ4名で、同一メンバーのまま半荘2回を戦い上位2名が勝ち上がりとなる。
注目選手はやはり現鳳凰位の荒正義と、現十段位の瀬戸熊直樹だろう。
5回戦を勝ち上がった選手と比べ、エンジンのかかっていないシード選手はすぐに敗退となってしまうケースも多い。
しかも、瀬戸熊は早朝から本戦の運営をこなし、体力の消費も激しい。
その注目の荒正義、東1局、西家の手牌。
二万二万九万九万一筒一筒一筒四筒四筒四筒五索五索北 ドラ三万
ドラはなく、北は生牌となる。
中盤に親から五索切りリーチが入り、九万が親リーチの現物且つ一発もなくなると考えた私はつい「ポン」と思ったが、荒は鳴かずに五索切りとしていく。
確かに北家のホンイツ気配、残る形や打点、多くの要素があり東1局から鳴いてまで進める手ではないかもしれない。
この結果は、北家が2,000,4,000のツモアガリとなるが、荒はこの後も落ち着いた麻雀で2連勝を収め、堂々と翌日のトーナメント2回戦へ名乗り出た。
そして瀬戸熊直樹の卓は、プロ連盟九州本部の藤岡治之が1半荘目に大きなトップで勝ち上がり濃厚となる。
2位通過を狙う瀬戸熊は、常にライバルとの点差を意識した押し引きで、もう1枚の切符を手に入れた。
また個人的に注目したのは、滝沢和典と山井弘の対戦。
滝沢は冷静な局面読み、山井は18,000放銃してもすぐに18,000をアガる攻撃力を武器に戦い、勝負はオーラスアガった方が勝ち上がりとなる接戦。
2人共にテンパイが入るが、山井に軍配が上がり滝沢はここで敗退となってしまった。
その他、グランプリMAXの覇者、勝又健志や第19期マスターズチャンピオン樋口新等、多くの注目選手もここで敗退となった。

masters21_26
勝又 健志
masters21_15
樋口 新

トーナメント2回戦へ勝の勝ち上がり者28名、組み合わせは以下。
1卓:鈴木優(最高位戦) vs 平田孝章(連盟) vs 太田昌樹(連盟) vs
高沢智(連盟)
2卓:石井一馬(最高位戦) vs 綱川降晃(協会) vs 柴田弘幸(連盟) vs
大和田篤史(連盟)
3卓:泉亮多(連盟) vs 浅井裕介(最高位戦) vs 上村宣久(連盟) vs
内川幸太郎(連盟)
4卓:荒正義(連盟) vs 船木伸一さん(一般) vs 古川孝次(連盟) vs
海谷善之さん(一般)
5卓:藤岡治之(連盟) vs 山井弘(連盟) vs 杉村泰治(連盟) vs コウ(協会)
6卓:金太賢(協会) vs 有馬浩さん(一般) vs 瀬戸熊直樹(連盟) vs
小車祥(連盟)
7卓:稲森英子(連盟) vs 斉藤智子(連盟) vs 加藤晋平(連盟) vs
沖野立矢(最高位戦)
9半荘にもなる長い戦いは、翌日すぐに行われる。
その戦いを制した者のみ決勝戦へ駒を進めることができる。
(文中敬称略)

何を切る?2012年5月

Aリーグと各リーグのプロに出題して、解答を比較し、
各リーグのプロがその一打を深く解説し、掘り下げていくコーナーである。

問題作成者:山田 浩之(六段)
nanikirugraph_201205

日本プロ麻雀連盟Aルール(一発、裏ドラ、カンドラ無し。12P加減方式)
東1局、東家。西家からリーチが入ったところです。

Aリーグ
nanikirugraph_201205

Bリーグ
nanikirugraph_201205

Aリーググラフ
六索切り 12人、八万切り 8人、七索切り 2人、七筒切り 1人

Bリーググラフ
六索切り 7人、八万切り 5人、七索切り 2人、九筒切り 2人、七筒切り 1人

【Aリーグ回答】

六索切り
板川和俊 遠藤啓太 老月貴紀 金子貴行 近藤久春 白鳥翔 ダンプ大橋 中村毅 古川孝次 右田勇一郎 望月雅継 四柳弘樹

・古川孝次(AⅡ)
西家のリーチは四索七索待ちがあり得るので現物の六索をおとなしく切る。
一通確定の九万引きのカン八筒待ちは現物で、他家からこぼれるかもしれないからヤミテン。
安目の三万六万引きはリーチを打つ。

八万切り
伊藤優孝 勝又健志 黒沢咲 猿川真寿 柴田弘幸 朝武雅晴 仁平宣明 前原雄大 山井弘 吉田直

七索切り
荒正義 沢崎誠

・荒正義(AⅠ)
親なので強気に手広く構えます。
一通は崩れる公算大。五索八索八筒はいい待ちに見える。
カン八筒テンパイなら追いかけリーチを打つ。

七筒切り
二階堂亜樹

・二階堂亜樹(AⅡ)
かなり悩ましい牌姿ですが、打牌候補は七筒九筒六索七索一万八万。この中でリーチがかかってなかったら切るのは自分なら八万
まあ、現実はリーチが入っているので、マンズ以外になるでしょうから、裏目がまだ痛くないピンズを払っていきます。
比較的切りやすく裏目の八筒は現物なのと、ドラそばを切るのが嫌なのと、ソーズの下をケアするためです。
また、ピンズの下ケアで打九筒もありますが、攻める意味では九筒の重なりが期待できるのと、守る意味ではカン七筒は無さそう。
三筒六筒九筒待ちはあるかもしれないので七筒から切ります。

【Bリーグ回答】

六索切り
内川幸太郎 太田昌樹 杉浦勘介 鈴木雄介 西島一彦 麓征生 吉沢康次

・内川幸太郎(B1)
これ僕の牌姿じゃないですか!王位戦決勝開局のものです。
西家の滝沢さんからリーチが入ったのですが、全て勝負するつもりでした。
打牌候補は六索八万あたりで、待ちがカン八筒になってもぶつけにいくつもりでした。
一番手広い現物の六索を切って、マンズの一通になれば最高だなと思いました。
結果は、テンパイ打牌の八万が南家に放銃になりました。

八万切り
岩井健太 佐々木寿人 仲田加南 藤島健二郎 柚木正仁

・佐々木寿人(B1)
狙いはマンズの一通だが、ここでは雀頭を固定せず、ストレートにカン八筒が埋まるか、
ピンズが雀頭に潰れてくれればよいという構えをとりたい。
捨て牌の状況からカン八筒受けは良く映るので、三万六万が先埋まりでも即リーチする。
九万引きだけはヤミテンとして、六筒引きのピンフ変化を待ちたい。
八万後のドラ引きは再度八万を切ってのドラ固定とする。

七索切り
滝沢和典 松崎良文 吉田幸雄

・滝沢和典(B1)
王位戦決勝の内川プロの手牌ですね。ちなみにリーチをかけたのが私です。
牌譜を見て「打六索はリスクも無くて無難だけど、ちょっと弱いかな」なんて話しました。
確かにリーチはタンピン形の捨て牌模様で怖いけど、まずは自分の手牌を優先しなければならない。
親でもあるし、勝負手と言って良い手恰好です。
一通もありますが、自然に狙えるのはタンピン形ではないかと思います。
このような場面では、「とりあえず」という考えが頭をよぎると無難な牌に手をかけてしまいます。
強い気持ちで勝負打牌を選択するべきだと思います。

九筒切り
斉藤等 西岡慎泰

七筒切り
刀川昌浩

何を切る?/何を切る?2012年5月

Aリーグと各リーグのプロに出題して、解答を比較し、
各リーグのプロがその一打を深く解説し、掘り下げていくコーナーである。

問題作成者:山田 浩之(六段)
nanikirugraph_201205

日本プロ麻雀連盟Aルール(一発、裏ドラ、カンドラ無し。12P加減方式)
東1局、東家。西家からリーチが入ったところです。
Aリーグ
nanikirugraph_201205
Bリーグ
nanikirugraph_201205
Aリーググラフ
六索切り 12人、八万切り 8人、七索切り 2人、七筒切り 1人
Bリーググラフ
六索切り 7人、八万切り 5人、七索切り 2人、九筒切り 2人、七筒切り 1人

【Aリーグ回答】

六索切り
板川和俊 遠藤啓太 老月貴紀 金子貴行 近藤久春 白鳥翔 ダンプ大橋 中村毅 古川孝次 右田勇一郎 望月雅継 四柳弘樹
・古川孝次(AⅡ)
西家のリーチは四索七索待ちがあり得るので現物の六索をおとなしく切る。
一通確定の九万引きのカン八筒待ちは現物で、他家からこぼれるかもしれないからヤミテン。
安目の三万六万引きはリーチを打つ。
八万切り
伊藤優孝 勝又健志 黒沢咲 猿川真寿 柴田弘幸 朝武雅晴 仁平宣明 前原雄大 山井弘 吉田直
七索切り
荒正義 沢崎誠
・荒正義(AⅠ)
親なので強気に手広く構えます。
一通は崩れる公算大。五索八索八筒はいい待ちに見える。
カン八筒テンパイなら追いかけリーチを打つ。
七筒切り
二階堂亜樹
・二階堂亜樹(AⅡ)
かなり悩ましい牌姿ですが、打牌候補は七筒九筒六索七索一万八万。この中でリーチがかかってなかったら切るのは自分なら八万
まあ、現実はリーチが入っているので、マンズ以外になるでしょうから、裏目がまだ痛くないピンズを払っていきます。
比較的切りやすく裏目の八筒は現物なのと、ドラそばを切るのが嫌なのと、ソーズの下をケアするためです。
また、ピンズの下ケアで打九筒もありますが、攻める意味では九筒の重なりが期待できるのと、守る意味ではカン七筒は無さそう。
三筒六筒九筒待ちはあるかもしれないので七筒から切ります。

【Bリーグ回答】

六索切り
内川幸太郎 太田昌樹 杉浦勘介 鈴木雄介 西島一彦 麓征生 吉沢康次
・内川幸太郎(B1)
これ僕の牌姿じゃないですか!王位戦決勝開局のものです。
西家の滝沢さんからリーチが入ったのですが、全て勝負するつもりでした。
打牌候補は六索八万あたりで、待ちがカン八筒になってもぶつけにいくつもりでした。
一番手広い現物の六索を切って、マンズの一通になれば最高だなと思いました。
結果は、テンパイ打牌の八万が南家に放銃になりました。
八万切り
岩井健太 佐々木寿人 仲田加南 藤島健二郎 柚木正仁
・佐々木寿人(B1)
狙いはマンズの一通だが、ここでは雀頭を固定せず、ストレートにカン八筒が埋まるか、
ピンズが雀頭に潰れてくれればよいという構えをとりたい。
捨て牌の状況からカン八筒受けは良く映るので、三万六万が先埋まりでも即リーチする。
九万引きだけはヤミテンとして、六筒引きのピンフ変化を待ちたい。
八万後のドラ引きは再度八万を切ってのドラ固定とする。
七索切り
滝沢和典 松崎良文 吉田幸雄
・滝沢和典(B1)
王位戦決勝の内川プロの手牌ですね。ちなみにリーチをかけたのが私です。
牌譜を見て「打六索はリスクも無くて無難だけど、ちょっと弱いかな」なんて話しました。
確かにリーチはタンピン形の捨て牌模様で怖いけど、まずは自分の手牌を優先しなければならない。
親でもあるし、勝負手と言って良い手恰好です。
一通もありますが、自然に狙えるのはタンピン形ではないかと思います。
このような場面では、「とりあえず」という考えが頭をよぎると無難な牌に手をかけてしまいます。
強い気持ちで勝負打牌を選択するべきだと思います。
九筒切り
斉藤等 西岡慎泰
七筒切り
刀川昌浩

創立30周年を迎えてのご挨拶

灘麻太郎灘会長

『創立30周年を迎えて』

おかげさまで日本プロ麻雀連盟は、本年をもちまして創立30周年を迎えることができました。
これもひとえに麻雀を愛し、私たちプロ麻雀連盟を支援してくださった皆様のおかげだと深く感謝しております。

ただ、私たちはこの記念すべき年を素直に喜べない状況にあります。
未曾有の規模で起こった東日本大震災によって多くの尊い命が奪われ、
今もなお、恐怖に脅えながら苦しい避難生活を送っていらっしゃる方が多い、という事実は、私たちの心を強く痛めつけます。
私たち日本プロ麻雀連盟は、今後、活動費の一部を義援金にあてるなど、さまざまな形で被災された方々を応援していきたいと思っております。

聞けば、被災された方々の中にも麻雀をお好きな方が多数いらっしゃるといいます。
1日も早く皆様が、笑顔で麻雀を楽しめる日が来るのを祈っております。

私たち創立30周年を迎えた日本プロ麻雀連盟も、より一層精進し、皆様に愛される団体としてがんばっていきます。
被災地の皆さん、どうか、心を強く持って、がんばってください。

小島武夫灘会長

記念コラム 『30年を振り返って』

日本プロ麻雀連盟を創ってから、もう30年になるのか。
プロの団体を作ろうと思ったのは、阿佐田先生と作っていた新選組を解散した頃である。

当時、アマチュアの団体がいくつかあった。
そのころ団体として全国で活躍していたのは、初代の会長が菊池寛だった日本麻雀連盟という団体だった。
私も一時はこの連盟の会員になっていた。というのは、当時私が働いていた麻雀荘が、「アイウエオ」というお店で、隅の一角をその団体の道場として貸していたからだ。
普段は3、4卓しか立たないが、月に1度の月例会は100卓のテーブルが満卓になった。

しかし私は、アマチュアの団体には興味がなかった。職業としてやっていけるプロの団体を創りたかった。
プロの団体を立ち上げるといっても簡単ではない。私1人ではどうにもならない。
そこで当時、麻雀用具販売で有名な「かきぬま」の社長に協力してもらうようにお願いして、
さらに、その頃四谷の組合長だった染谷さん、副組合長の大竹さんの両名にも応援してもらい、
赤坂で発足式を開いたのが始まりだった。そのときに集まったのが今の一期生だ。

立ち上げるのも大変だが、また維持していくのがそれ以上に大変である。
今の幹部連中は頭の痛いことばかりだった。

苦しくとも途中でやめたと、とてもじぁないが言えない。いろんなイベントも考えていかないといけない。
方法は幾つかあるだろうが、スポンサーがついて、賞金がもらえる大会が組めればそれにこしたことはない。
だが、最初からそう簡単にスポンサーがつくわけはない。
打ち手として魅力がないと、スポンサーになるとは言ってくれない。

例えば、会社をつくるにしても資金があれば誰でも作ることは出来るが、問題は会社を維持していくことが出来るかどうかである。
日本プロ麻雀連盟も似た様に、苦しい時代があったのだ。

しかし、今の連盟を見ていると、よくここまできたなと感心をする。私など、何も大した事はしていないと思う。
これからも連盟が続くかぎり、幹部の人は苦労がたえないだろうし、様々な問題も起きると思うが頑張ってもらいたいと思う。
所帯が大きくなれば大きくなるほど大変だと思うが、次の世代に麻雀道を伝えることは日本プロ麻雀連盟の使命なのだ。

私がこんな偉そうなことを言っていいのかと思うが、これからも全員が一丸となって連盟を盛り上げて行ければと思う。
最近は若い人も育って来た。将来は大いに期待できるだろう。

麻雀ファンの方々へ、これからも日本プロ麻雀連盟の応援をよろしくお願いします。

特集企画/創立30周年を迎えてのご挨拶

灘麻太郎灘会長

『創立30周年を迎えて』

おかげさまで日本プロ麻雀連盟は、本年をもちまして創立30周年を迎えることができました。
これもひとえに麻雀を愛し、私たちプロ麻雀連盟を支援してくださった皆様のおかげだと深く感謝しております。
ただ、私たちはこの記念すべき年を素直に喜べない状況にあります。
未曾有の規模で起こった東日本大震災によって多くの尊い命が奪われ、
今もなお、恐怖に脅えながら苦しい避難生活を送っていらっしゃる方が多い、という事実は、私たちの心を強く痛めつけます。
私たち日本プロ麻雀連盟は、今後、活動費の一部を義援金にあてるなど、さまざまな形で被災された方々を応援していきたいと思っております。
聞けば、被災された方々の中にも麻雀をお好きな方が多数いらっしゃるといいます。
1日も早く皆様が、笑顔で麻雀を楽しめる日が来るのを祈っております。
私たち創立30周年を迎えた日本プロ麻雀連盟も、より一層精進し、皆様に愛される団体としてがんばっていきます。
被災地の皆さん、どうか、心を強く持って、がんばってください。
小島武夫灘会長

記念コラム 『30年を振り返って』

日本プロ麻雀連盟を創ってから、もう30年になるのか。
プロの団体を作ろうと思ったのは、阿佐田先生と作っていた新選組を解散した頃である。
当時、アマチュアの団体がいくつかあった。
そのころ団体として全国で活躍していたのは、初代の会長が菊池寛だった日本麻雀連盟という団体だった。
私も一時はこの連盟の会員になっていた。というのは、当時私が働いていた麻雀荘が、「アイウエオ」というお店で、隅の一角をその団体の道場として貸していたからだ。
普段は3、4卓しか立たないが、月に1度の月例会は100卓のテーブルが満卓になった。
しかし私は、アマチュアの団体には興味がなかった。職業としてやっていけるプロの団体を創りたかった。
プロの団体を立ち上げるといっても簡単ではない。私1人ではどうにもならない。
そこで当時、麻雀用具販売で有名な「かきぬま」の社長に協力してもらうようにお願いして、
さらに、その頃四谷の組合長だった染谷さん、副組合長の大竹さんの両名にも応援してもらい、
赤坂で発足式を開いたのが始まりだった。そのときに集まったのが今の一期生だ。
立ち上げるのも大変だが、また維持していくのがそれ以上に大変である。
今の幹部連中は頭の痛いことばかりだった。
苦しくとも途中でやめたと、とてもじぁないが言えない。いろんなイベントも考えていかないといけない。
方法は幾つかあるだろうが、スポンサーがついて、賞金がもらえる大会が組めればそれにこしたことはない。
だが、最初からそう簡単にスポンサーがつくわけはない。
打ち手として魅力がないと、スポンサーになるとは言ってくれない。
例えば、会社をつくるにしても資金があれば誰でも作ることは出来るが、問題は会社を維持していくことが出来るかどうかである。
日本プロ麻雀連盟も似た様に、苦しい時代があったのだ。
しかし、今の連盟を見ていると、よくここまできたなと感心をする。私など、何も大した事はしていないと思う。
これからも連盟が続くかぎり、幹部の人は苦労がたえないだろうし、様々な問題も起きると思うが頑張ってもらいたいと思う。
所帯が大きくなれば大きくなるほど大変だと思うが、次の世代に麻雀道を伝えることは日本プロ麻雀連盟の使命なのだ。
私がこんな偉そうなことを言っていいのかと思うが、これからも全員が一丸となって連盟を盛り上げて行ければと思う。
最近は若い人も育って来た。将来は大いに期待できるだろう。
麻雀ファンの方々へ、これからも日本プロ麻雀連盟の応援をよろしくお願いします。

第21期麻雀マスターズ 優勝は石井 一馬!

優勝:石井 一馬(最高位戦)
準優勝:平田 孝章  第3位:高沢 智  第4位:浅井 裕介(最高位戦)

・本戦レポート ・トーナメントレポート ・決勝観戦記
会場:じゃん亭Nobu ⇒開催概要

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連盟インフォメーション/第21期麻雀マスターズ 優勝は石井 一馬!

優勝:石井 一馬(最高位戦)
準優勝:平田 孝章  第3位:高沢 智  第4位:浅井 裕介(最高位戦)

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