第21回静岡リーグ 決勝戦観戦記

2013年9月1日。
第21回静岡リーグ決勝戦当日。
今日、静岡リーグの歴史に新たな1ページが刻まれる。

静岡リーグ決勝戦は、予選通過順に、1位+40P、2位+30P、3位+20P、4位+10P 、5位+0Pとアドバンテージが与えられる。
全6回戦行われ、5回戦終了時にポイント最下位の者が敗退となり(各1回抜け番)、最終1回戦を行い、トータルポイントがトップの者が優勝となる。

まず、ここでは選手紹介に加え、決勝直前の選手たちのコメントを紹介しよう。

1位通過 一般参加 竹内仁さん
(過去6回参戦、5回決勝進出、優勝1回)

過去の実績、今回の成績をご覧いただければお分かりいただけると思うが、驚異的な実績を持つ。
麻雀というゲームの性質上、考えられないほどの実績だ。
アマチュア屈指の実力者であり、前回静岡リーグでは念願の初優勝を果たした。
麻雀のスタイルは、かなり攻撃的な部類に属するだろう。手数も多く、打点も高い。
しかし、攻撃力ばかりに目が行きがちだが、非常に繊細な一面を持つ打ち手である。
静岡リーグ初の連覇を目指す。

竹内さん「周りがどうかというより、自分を信じて自分の麻雀を打ち切る。」

2位通過 中部本部 12期生 杉村泰治プロ
(過去14回参戦、5回決勝進出、優勝0回)

静岡リーグではもうお馴染みと言っていいだろう。常に高順位に着ける安定感はさすがの一言。
手数は多く、先手を取るスピード重視の打ち手。牌理に強く、正確な手順で先手を取り、リーチも多い印象だ。杉村プロの強さは、これに加え守備力にある。不本意な放銃が少なく失点が少ない。そのため、粘り強くしぶとい。
2位通過ということで、+30Pのアドバンテージは杉村プロにとって非常に大きく作用するだろう。

杉村プロ「5回目の決勝。確率で言えば5回に1回は優勝できる。強敵揃いだが、優勝目指してがんばります。」

3位通過 一般参加 萩原孝亮さん
(初参加、初出場)

堂々の初参加初出場。5節を戦い抜き、決勝進出を果たしたが、その実力は未知数。
ダークホース的な存在になるだろう。全5節の成績を見てみると、爆発力もあり、大きくマイナスしない安定感もある優れた打ち手であることが分かる。
おそらくかなりの緊張感を持ってこの日を迎えたことだろう。是非、気負うことなく自分の麻雀を打ち、全力を出し切ってほしい。

萩原さん「気持ちで負けないように打ちたい。竹内さんと石津さんをマークしたい。」

4位通過 一般参加 石津寿人さん
(過去18回参戦4回決勝進出、優勝1回)

ご存知の方もいらっしゃるだろう。元連盟Bリーガー。その実力はアマチュアとなった今でも健在。ここでこのようなことを書くのは適切ではないかもしれないが、石津さんのプロになったばかりのころの実力はかなり低かったという話を聞く。
それが、Bリーガーにまでなり、地方リーグでも優勝と実績を残した。おそらく、ここまで成長するのには、計り知れない努力をしてきたことだろう。その時、培われたものが現役を離れた今でも残っている。
プロで優勝、アマでも優勝という偉業を目指す。

石津さん「戦略として、面子、心理を見て役牌絡みの仕掛けは積極的にする。」

5位通過 一般参加 坂本彰光さん
(過去3回参戦、1回決勝進出、優勝0回)

競技麻雀の経験がまだ少ないが、3回目の参加で決勝に進出したのはお見事。
麻雀に対し、非常に熱心に取り組む姿勢が、我々から見ても魅力的である。
麻雀のスタイルとしては、場をかき回すようなことはほとんどなく、自分の手牌に素直に打つタイプだろう。
そのため、勢いに乗り、手が入り始めたときは脅威となる。
その持ち前の力強さで戦い抜いてほしい。

坂本さん「残れると思っていなかったので、自分の麻雀が打てれば・・・」

以上5名による戦いとなる。プロ1名、アマチュア4名の構図となったが、プロ1名というのも今回が初。
これは、アマチュアの方々のレベル向上を意味すると同時に、プロとアマチュアのレベルの僅少化も同時に意味する。
これは、この先麻雀プロが本当のプロフェッショナルとなり行くためには、重く受け止めなければならないし、より一層自覚と覚悟を持たなければならない。
(以下文章中敬称略)

1回戦(起家から石津、萩原、杉村、坂本)抜け番:竹内

いざ、開局。
東1局0本場。
それぞれの配牌を見渡す。杉村が少し抜けているか。
そこに、先手を取って仕掛けたのは親番の石津。白のポンテンなのだが、待ちはフリテン。
しかし、この仕掛けで相手を対応させる結果となり、700オールのアガリとなる。
親番の仕掛け、開局したばかりで慎重になることなど心理面の駆け引きを考えた石津らしさが早くも出た1局だった。

続く東1局1本場。
石津の連荘も想定できたが、この局も杉村の手が良い。ドラ暗刻のテンパイが入り、リーチ。

二万三万三万四万五万七万七万七万七索七索七索三筒三筒  ドラ七索

しかし、萩原がタンヤオのみの1,300でかわす。
杉村は二局連続で手が入っていたが、実らず。これを本人はどう捉え、どう対処するか。

ここまで大きな点棒の動きがないまま、南場に突入。

流局が続き、南1局3本場。
親番・石津。

三万四万五万六万一索一索二索二索三索五索六索七索六筒八筒 打一索  ドラ四万

数巡後、

二万三万四万五万六万二索二索五索六索七索六筒七筒八筒  ドラ四万

このテンパイでリーチ。ほぼ理想通りのテンパイだろう。
そこに南家の萩原が追いかけリーチ。
このリーチ合戦は石津が七万をツモリ、4,000オールと石津に軍配が上がる。
ここでついに大きく点棒が動いた。

南1局4本場。
坂本に待望の初リーチが掛かる。

一万一万三万四万五万七万八万九万七索八索九索八筒九筒  リーチ

三色の5,200のリーチ。そこに萩原が応戦し、仕掛ける。
しかし、この仕掛けが利したのは、石津だった。
石津が萩原の仕掛けにより、追いつき、慎重にヤミテンを選択し、2,900は4,100のアガリ。
この辺りも非常に落ち着いている。

南1局6本場。
ここでは、石津が先手を取る。

四万八万八万三索四索五索六索七索八索九索二筒三筒四筒  ツモ六万  ドラ三索

このテンパイ。一通にも両面にもならず決して嬉しい形ではなくテンパイ取らずも十分にあり得る。
しかし、石津はテンパイを取り、ヤミテン。
その後、ツモ二万で迷わず六万切りリーチ。連荘している親のリーチに他家は直線的には向かえない。
流局となったが、石津にとっては思い通りの結果となっただろう。
こういった心理面をうまく活用し、自分のペースを作り上げていく。

南1局7本場。
やはり石津の配牌が良い。しかし、萩原がピンフドラ1の先制リーチをかける。
石津の親番を落としに行くならヤミにするのもありだが・・・
次巡、石津もテンパイ。ヤミテンにし、ドラと振り代わりリーチに出る。そして一発ツモ。
2,600は3,300オールと大きく加点する。

南1局9本場。
石津は2巡目にピンフの1シャンテン。流れというものには賛否両論あるだろうが、そういったものを感じさせられる。石津はずっと抱えていたドラを重ね、ドラのポンテンをとる。しかし、このドラを打ち出したのは杉村。杉村のスタイル、信頼度から考えて、ほぼテンパイと言える。
ここは、2人の勝負。石津が勝つと思えてならなかったが、杉村がメンホンの2,000・4,000をツモリ、長い石津の親が終わる。

この後、杉村は、持ち前の粘り強さでテンパイとアガリを重ね、石津に喰らい付き、杉村も5万点弱の2着につける。
2時間20分にも及ぶ1回戦が終わった。ここまで長引いた半荘は記憶にない。
これも決勝戦ならではの緊張感や気持ちが作り出すものだろう。

1回戦成績
石津+35.9P 杉村+23.8P 坂本▲26.3P 萩原▲33.4P

一回戦終了時
杉村+53.4P 石津+45.9P 竹内+40.0P 萩原▲13.4P 坂本▲26.3P

2回戦(起家から竹内、石津、杉村、坂本)抜け番:萩原

連覇を狙う竹内が起家。注目の東1局0本場。
竹内は丁寧に手を進め、リャンペーコーの1シャンテン。石津も七対子の1シャンテン。
「ツモ。」それは、どちらでもなく坂本の声だった。

一筒二筒三筒五筒六筒七筒七筒八筒南南白白白  ツモ九筒

メンホンの2,000・4,000。
1回戦思うように戦えず、大きなミスを犯したわけではないが、非常に苦しいスタートとなった坂本。
少しこのアガリで緊張が和らぐこととなっただろう。
しかし、坂本は続く東2局に竹内に2,000の放銃。東3局にも石津に1,300の放銃と他家のアタリ牌が自然と出る苦しい展開が続く。

迎えた東4局、坂本の親番。
ダブ東ポンテンの5,800のテンパイが入るも流局。
守備力の高い3人相手ではそう簡単にはアガらせてもらえない。
しかし、東4局1本場。
11巡目、

五万六万一索二索三索四索四索四索二筒三筒四筒北北  ドラ北

坂本はこのテンパイを入れ、リーチ。これをきっちりツモリ3,900は4,000オール。

東4局2本場。

一万六万九万二索五索六索六索五筒七筒東東北中中  ドラ一索

坂本は東中がトイツの配牌。役牌が鳴ければといったところだが・・・
北を重ね、北ポンから入った坂本。これで役牌は出にくくなったが、このポンで東を食い取りテンパイ。

一索二索六索六索六索東東東中中  ポン北北北

そこに坂本が切った二筒を杉村がポン。杉村のツモは中一索。つまり、ポンが入らなければ、

一索六索六索六索東東東中中中  ポン北北北  ツモ一索

こうなり三倍満のアガリとなっていた。
しかし、坂本は三索を力強く引き寄せ、4,000は4,200オールとなり、6万点オーバーとなった。

東4局3本場。
坂本は3巡目にダブ東ポン。

一万二万二万三万三万四索四筒五筒六筒七筒  ポン東東東  ドラ一万

一万も鳴け、

一万二万三万四筒五筒六筒七筒  ポン東東東  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き

この11,600のテンパイ。ダブ東一万を鳴かせた杉村はテンパイであるが、イーペーコーのみのカンチャン待ち。そして坂本に飛び込んだのは石津。痛い放銃となった。
しかし、この放銃には石津らしい読みがあり、5,800に見えたのもあるが、この四筒七筒は両面待ちには当たらない。四筒七筒の両面はしっかりと否定できる要素があっての放銃。決して淡白な放銃ではなかった。

東4局5本場は坂本、

一索一索一索二索二索五索五索五索六索六索六索八索中

チンイツと四暗刻の1シャンテン。
竹内は、

三索四索五索六索七索南南西西西北北北

ここは竹内が慎重にヤミテンにし、2,0004,000をツモ。こういったところにも、竹内の繊細さが光る。
手牌だけで言えばリーチを打ちたくなる。だが、連荘している坂本の親番、さらに親の坂本とソウズでぶつかっていることなど、ヤミに構える理由は様々ある。このような局面や場況を正確に判断する能力がアガリの正確さに繋がるのだろう。

南2局2本場。
5巡目に坂本にリーチが掛かる。

四万五万六万六万一筒一筒一筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒 ドラ二筒

二筒三筒を引けば一通にもなるこの形。少しもったいないように思えた。
このリーチに黙っていなかったのが竹内。8巡目に、

八万八万五索六索七索七索八索九索二筒二筒二筒五筒五筒

ドラ暗刻のリーチ。そして、坂本が竹内に放銃という形で竹内に軍配が上がった。

南3局0本場。
ここまでアガリがつかず、苦しい杉村。しかし、4巡目に最速でテンパイが入る。

五万六万七万九万九万四索五索六索三筒四筒四筒四筒五筒  ドラ五索

ここは、当然の如くヤミテン。そして、六筒を引き四筒切りリーチ。
しかし、ここにリーチを被せたのは石津だ。その手は、

一万二万二万二万三万六万七万八万八索八索八索六筒七筒

ここは石津が500・1,000をツモり、万事休す。
最終局にも石津は、坂本から8,000を出アガリ3着に浮上。
杉村にとっては痛恨のラスとなってしまったのだ。

2回戦成績
坂本+32.5P 竹内+12.4P 石津▲19.9P 杉村▲25.0P

2回戦終了時
竹内+52.4P 杉村+28.8P 石津+26.0P 坂本+6.2P 萩原▲13.4P

3回戦(起家から石津、萩原、竹内、坂本)抜け番:杉村

東1局0本場。
親番石津の配牌。

五万七万九万九万七索七索九索三筒四筒東東白白  ドラ三万

この配牌からマンズのホンイツへ。東白を仕掛け、以下のテンパイ。

二万三万五万六万七万九万九万  ポン東東東  ポン白白白

東白を鳴かせた萩原は、

一万一万二万三万四万四万五万三索四索五索三筒四筒五筒

この高め三色のリーチ。十分本手のリーチと言えるだろう。
しかし、注目すべきは、白を鳴かせたところにある。この白、萩原はトイツ落としであった。

一万一万二万三万四万四万五万三索四索五索四筒五筒白白

結果論となってしまうが、この打牌選択が石津の4,000オールを生んだ。
萩原にとっては痛恨の1局になってしまったに違いない。

南1局0本場。
アガリを重ね、迎えた石津の親番。
すぐに役牌が2つトイツのドラ暗刻の1シャンテンとなり、南をポンしテンパイ。

四万五万六万九万九万九万六索六索東東  ポン南南南  ドラ九万

坂本から12,000をアガリ、7万点オーバーとなる。
またも連荘かと思われたが、次局は萩原が1,000でかわし石津の親が落ちた。

しかし、南2局0本場でも、石津が1,000、南3局0本場でも2,600、南4局0本場でも1,300をアガるのだが、石津の相手との距離感や場況判断、局面判断が非常に正確に捉えられている。安くアガるべきときはきっちり安くアガリ、打点を追うときはきっちり仕上げる。石津のペースが崩れることはなく、完全に石津の半荘となった。

3回戦成績
石津+58.3P 竹内▲3.1P 坂本▲25.0P 萩原▲31.2P

3回戦終了時
石津+84.3P 竹内+49.3P 杉村+28.8P 坂本▲18.8P 萩原▲44.6P

4回戦(起家から杉村、坂本、竹内、萩原)抜け番:石津

トータルトップ目の石津が抜け番。竹内、杉村はなんとか喰らいつき、石津の独走状態にさせるわけにはいかない。むしろ、石津にプレッシャーを与えられることが望ましい。
坂本、萩原は優勝するためには、段々と後がなくなってきた。なんとしてでもプラスし、次に繋げる戦いをしたいところだろう。

まずは、東1局0本場、北家の萩原が先制リーチを打つ。

四万五万六万一索二索二筒二筒二筒五筒六筒七筒北北 ドラ三索

自風の北が雀頭であるが、即リーチ。そして親番の杉村が追いつく。

九万九万三索四索四索五索六索三筒四筒五筒八筒八筒八筒

萩原のアガリ牌である三索を引いてのテンパイ。杉村に分があると思われたが、萩原が三索ツモ。
続く東2局でも、萩原が竹内から2,000をアガる。
萩原としては、2局連続でアガリがつき、感触としては悪くないだろう。

しかし、東3局0本場。
萩原、痛恨の8,000の放銃。相手は杉村。
健闘してはいるのだが、相手は決勝戦だけあって実力者揃い。萩原もかなりの苦戦を強いられている。

南2局0本場。
竹内に本手が入る。

三万四万五万三索四索五索七索七索五筒五筒六筒六筒七筒  ドラ五筒

竹内はヤミテンに構える。竹内の印象からするとリーチを打ち、3,000・6,000を引きに行くイメージが強い。もちろんこの手をリーチすることもあるだろう。しかし、この半荘、自分にまだアガリがなく、状態は決して良くない。竹内は自分の手だけではなく、多くの判断材料を元に選択でき、さらにその精度も高い。
この局も杉村からきっちり出アガるところはさすがの一言だ。

南4局1本場。
萩原に、最後のチャンスが訪れる。
杉村から、

一索一索三索四索五索六索七索八索三筒五筒九筒九筒九筒  ドラ一索

このリーチが掛かるも、萩原も追いつく。

七万九万西西  チー六万 左向き四万 上向き五万 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン白白白

しかし、ここは萩原が四筒を掴み、5,200の放銃。
萩原にとっては、この放銃が事実上の終戦になってしまった。

4回戦成績
竹内+14.2P 坂本+8.7P 杉村▲4.6P 萩原▲18.3P

4回戦終了時
石津+84.3P 竹内+63.5P 杉村+24.2P 坂本▲10.1P 萩原▲62.9P

5回戦(起家から石津、萩原、杉村、竹内)抜け番:坂本

5回戦終了時にトータルポイント最下位の者はここで敗退となるため、萩原はこの半荘で坂本より上に行かなければほぼ敗退となる。
また最終戦に向け、他の者もどこに照準を合わせた戦い方をするのかが重要となる。
もちろん少しでもポイントを伸ばしたいところだが、大事なのは6回戦を終えたときのトータルポイントである。最終的にポイントがトップになればよいのだ。

東1局0本場。
親番の石津は早々にドラを重ね、積極的に仕掛けていく。六万八万をポン、二索チーでテンパイ。

二索二索六筒七筒  チー五索 左向き三索 上向き四索 上向き  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  ドラ二索

これをツモり、2,000オール。

東1局1本場も石津が先手を取る。6巡目に、

四索五索六索七索八索九索二筒二筒六筒七筒白白白  ドラ二万

もちろんリーチ。全局と同じ五筒八筒待ち。これも難なくツモり、2,000は2,100オール。
抜け番を終えても、石津の勢いはそのままだ。

700オール、2回の流局で親を繋いだ杉村東3局3本場。7巡目にリーチ。

三三四五④④④677889  ドラ一

四索単騎でテンパイしているところから三万を引きリーチをしたのだが、この時すでに三万は竹内のアガリ牌。
結果は流局となったが、杉村の粘りがジワジワと周りを苦しめはじめている。

東3局4本場。
ついに杉村に待望のアガリが生まれる。
14巡目、1シャンテンから時間は掛かったが、リーチ。

四万四万五万六万七万三索四索五索三筒四筒中中中  ドラ六万

このリーチを一発でツモり、3,900は4,300のアガリ。

東3局5本場。
杉村がここでも、

四万五万六万三索三索四索五索一筒二筒三筒四筒五筒六筒  ドラ三万

高め三色のリーチ。しかし、先にテンパイをしていた石津が、500・1,000は1,000・1,500をアガリ、杉村の親番が落ちる。

東4局0本場。
親番竹内、ここまで我慢を続けてきたが、8巡目に本手のテンパイが入る。

三万四万五万六万六万三索四索五索二筒三筒三筒四筒五筒  ドラ三万

出来合い三色のテンパイ。ヤミテンでも、11,600、ツモ四筒なら6,000オールの手、竹内はノータイムでリーチ。
配牌からのツモが利いていたこと、入り目四筒とそこにも感触があったのだろう。ただ、ここまでの過程でヤミにしたほうが、最良ではないかとも思ったが、本人も闇雲にリーチを打ったわけではない。結果から述べると流局に終わる。ここで重要なのは、空振りに終わったことを失敗とするのか、この結果を踏まえ、次にどう生かすか、である。このことを後悔し、後に引きずるようなら竹内の優勝はないだろう。

東4局1本場。
前局を踏まえてか、堅く3,900は4,200を石津からアガる。
東4局2本場は、竹内、杉村の2軒テンパイで流局するのだが、石津はドラ2のメンツ手の1シャンテンから七対子の1シャンテンにし、放銃を回避。繊細な洞察力もさすがの一言。
続く東4局3本場は、竹内が石津から、1,500は2,400をアガリ、連荘するも次局大きなアガリがないまま、親が落ちる。
親番を継続させる力は、やはり優れているが、本手が決まらないのは、まだ本調子ではないのだろう。

南1局1本場。
杉村は4巡目に、リーチドラ1のテンパイ。1,300・2,600をツモり、着実なアガリで点数を加算していく。
これが杉村のスタイル、持ち味でもある。

南4局0本場。
親番竹内2巡目にリーチが掛かる。

二万三万三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒四筒四筒  ドラ二万

原点を割っているオーラスの親番で、2巡目にこのテンパイが入るのは偶然ではないと私は考える。
これまでの過程、すべての局において、アガリが付かなくても、放銃に終わったとしても、それらが間違いではなかったことの証明である。
そして、この局面では非常に大きな2,600オールのアガリとなった。

南4局1本場。
竹内は、カン二筒、カン四筒のテンパイをすべてヤミにし、イーペーコーのテンパイに手変わりしてここではじめてリーチに踏み切る。

四万五万六万五索五索七索八索九索五筒五筒六筒七筒七筒  ドラ五筒

石津も高め三色のテンパイで追いかけるが、竹内は、石津から12,000は12,300のアガリとなる。
石津を追いかける立場が一転、一気にトータルトップ目に立った。
さらに、次局、杉村から、2,900は3,500のアガリでこの半荘もトップ目で終えた。

5回戦成績
竹内+31.0P 杉村+18.0P 石津▲12.9P 萩原▲38.1P

5回戦終了時
竹内+94.5P 石津+71.4P 杉村+42.2P 坂本▲10.1P 萩原▲99.0P

最終6回戦(起家から石津、杉村、坂本、竹内)

この6回戦の終了とともに、第21回静岡リーグの優勝者が決まる。
麻雀は何が起こるかわからない。誰もが最後まで戦い抜くであろう。
そして、最後の闘牌が始まった。

東場は、静かに局が進んでいく。それぞれ得失点は、もちろんあるものの勝負を揺るがすような展開ではない。
そして、南場に突入。石津としては最後の親番。ここが、一番の勝負どころとなるだろう。

南1局0本場。
竹内が役牌の白を鳴き、先手を取る。竹内としては石津の親番を落としたい気持ちは強い。
ただし、闇雲に親を落としに行った仕掛けではなく、ドラ2で形も悪くない自然な仕掛けである。
しかし、7巡目に杉村にリーチが入る。

五万六万七万六索七索一筒二筒三筒北北北中中  ドラ七万

11巡目、親の石津も追いつく。

四万五万五索五索四筒五筒六筒七筒八筒九筒南南南

14巡目、石津がツモり、2,000オール。
ここから石津の連荘が始まる。

南1局1本場。
竹内、8巡目、七対子テンパイ。
杉村、14巡目、メンホン七対子テンパイ。
竹内、杉村にアガリがつくことなく、石津も17巡目にやっとの思いでテンパイを果たす。
もう流局間近、非常に大きなテンパイである。石津は役なしのカン二万待ちのテンパイ。
石津の最後のツモ。そのとき、卓上に静かに置かれたのは4枚目の二万だった。
石津に流れが傾いている、そう感じさせるアガリであった。

南1局2本場。
石津の手が良くなっていくのが、手に取るようにわかる。
2巡目に、

一万二万三万三万四万五万七万八万七索八索九索五筒六筒

この1シャンテンになる。そして、ツモ八索。石津は打七索とし、次巡、ツモ六万で難なくテンパイし即リーチ。
12巡目、七筒をツモり、2,600は2,800オール。
このアガリで石津が暫定トップになった。

南1局3本場。
杉村が10巡目に、先制リーチ。

六万六万五索六索七索二筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒  ドラ四筒

このリーチを受け、竹内は現物の九索を切る。しかし、下家の石津はソウズに染めている。
この九索を石津がポンし、八索を引き入れチンイツをテンパイ。

四索四索六索六索八索八索八索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き

17巡目、石津が四索ツモ。4,000は4,300オール。リーチ者の現物とはいえ、竹内の九索が石津のこのアガリを生んだ。さらに言えば、杉村のリーチも引き金になっている。
完全に石津のペースと言える。

南1局4本場。
今度は石津が3巡目に南を仕掛け先手をとる。この時すでに1シャンテン。
しかし、ここからテンパイを果たしたのは11巡目。
10巡目には、杉村からメンタンピンドラ1のリーチをもらう。だが、この局を制したのも石津だ。
杉村から2,900は4,100のアガリ。
次局、親番が落ちたが、ここ一番での勝負強さ、連荘する力には正直驚かされた。

南2局2本場。
杉村が持ち前のしぶとさで繋いだ親番。
竹内がドラ2の七対子をテンパイ。杉村もピンフのテンパイを果たす。
流局目前の17巡目、ピンフの両面のテンパイを、シャンポン待ちにし、これが、竹内に放銃。
一見、疑問に思うが、これは、直前に筋になった牌と無筋の牌との比較。決勝戦後、杉村に話を伺ったが、どちらも通ると思ったが、より通りやすい方を切ったとのことだった。
たしかに、竹内の河は、七対子にも、外よりの手にも見えにくい河であった。
杉村の繊細さが仇となってしまった。
竹内としては大きなアガリだろう。

南3局0本場、石津が坂本に3,900の放銃。次局、坂本が竹内に3,900は4,200の放銃でついにオーラスを迎えた。
このときのポイントは、竹内+100.7P、石津+98.6P、杉村+15.0P、坂本▲16.3P。
竹内と石津の戦いとなった。その差、僅か2.1P。
アガリ止めがないルールでこの点差が意味すること、それは竹内がノーテンと牌を伏せることができないこと。
仮に石津がテンパイしていると、ノーテン罰符で順位が入れ替わってしまう。
つまり、必ずしもポイントが上な竹内が有利ではないということだ。

南4局0本場。
竹内の配牌。

六万一索三索四索六索七索八索六筒七筒八筒九筒東北白

石津の配牌。

四万五万六万五索七索九索一筒二筒四筒四筒五筒九筒北

どちらも優劣つけ難いが、配牌では竹内が勝るか。
先にテンパイを果たしたのは竹内。10巡目、

五万六万二索三索四索六索七索八索七筒八筒九筒白白  ドラ九筒

石津も8巡目に1シャンテンとなったがテンパイせず、竹内の1人テンパイで流局。
これで、次局竹内はノーテンを宣告できる。

南4局1本場。
竹内が少し有利になったように思えるが、石津は1,000、2,000で捲くれる状況だ。
竹内もまだ、ギリギリまでアガリに向かうだろう。

竹内の配牌。

四万六万七万七万一索三索二筒三筒五筒六筒九筒東南白

石津の配牌。

一万三万三万一索三索六索一筒一筒四筒八筒西北白

石津はこの配牌からテンパイを果たしたのは実に15巡目のことだった。

一万三万三万二索三索四索五索六索七索四筒四筒六筒七筒八筒  ドラ七筒

ここからタンヤオを捨てて、さらに二万の3枚切れが目に見えているところで打三万のリーチ。
残り1枚が山にいる絶対の自信がなければ打てない。
実際、残り1枚は山にいた。石津がリーチを打ったその巡目までは・・・
無情にもその二万は竹内の手の中に入っていった。
そして、竹内の2連覇が決まった。
石津は、12巡目、ツモ六万のところでこの一万三万に手を掛けられていれば、満貫をツモり、優勝していた。
アガリはあったのだ。

紙一重の闘いがそこにはあった。最後の最後まで手に汗握る戦いを見せてくれた対局者に感謝したい。
竹内さん、静岡リーグ始まって以来の2連覇という快挙、優勝本当におめでとうございます。

そして、対局者の皆様、感動をありがとう。
私の文章で少しでも、この決勝戦の素晴らしさ、静岡リーグの熱気、麻雀の魅力が伝われば幸いです。

静岡プロリーグ レポート/第21回静岡リーグ 決勝戦観戦記

2013年9月1日。
第21回静岡リーグ決勝戦当日。
今日、静岡リーグの歴史に新たな1ページが刻まれる。
静岡リーグ決勝戦は、予選通過順に、1位+40P、2位+30P、3位+20P、4位+10P 、5位+0Pとアドバンテージが与えられる。
全6回戦行われ、5回戦終了時にポイント最下位の者が敗退となり(各1回抜け番)、最終1回戦を行い、トータルポイントがトップの者が優勝となる。
まず、ここでは選手紹介に加え、決勝直前の選手たちのコメントを紹介しよう。
1位通過 一般参加 竹内仁さん
(過去6回参戦、5回決勝進出、優勝1回)
過去の実績、今回の成績をご覧いただければお分かりいただけると思うが、驚異的な実績を持つ。
麻雀というゲームの性質上、考えられないほどの実績だ。
アマチュア屈指の実力者であり、前回静岡リーグでは念願の初優勝を果たした。
麻雀のスタイルは、かなり攻撃的な部類に属するだろう。手数も多く、打点も高い。
しかし、攻撃力ばかりに目が行きがちだが、非常に繊細な一面を持つ打ち手である。
静岡リーグ初の連覇を目指す。
竹内さん「周りがどうかというより、自分を信じて自分の麻雀を打ち切る。」
2位通過 中部本部 12期生 杉村泰治プロ
(過去14回参戦、5回決勝進出、優勝0回)
静岡リーグではもうお馴染みと言っていいだろう。常に高順位に着ける安定感はさすがの一言。
手数は多く、先手を取るスピード重視の打ち手。牌理に強く、正確な手順で先手を取り、リーチも多い印象だ。杉村プロの強さは、これに加え守備力にある。不本意な放銃が少なく失点が少ない。そのため、粘り強くしぶとい。
2位通過ということで、+30Pのアドバンテージは杉村プロにとって非常に大きく作用するだろう。
杉村プロ「5回目の決勝。確率で言えば5回に1回は優勝できる。強敵揃いだが、優勝目指してがんばります。」
3位通過 一般参加 萩原孝亮さん
(初参加、初出場)
堂々の初参加初出場。5節を戦い抜き、決勝進出を果たしたが、その実力は未知数。
ダークホース的な存在になるだろう。全5節の成績を見てみると、爆発力もあり、大きくマイナスしない安定感もある優れた打ち手であることが分かる。
おそらくかなりの緊張感を持ってこの日を迎えたことだろう。是非、気負うことなく自分の麻雀を打ち、全力を出し切ってほしい。
萩原さん「気持ちで負けないように打ちたい。竹内さんと石津さんをマークしたい。」
4位通過 一般参加 石津寿人さん
(過去18回参戦4回決勝進出、優勝1回)
ご存知の方もいらっしゃるだろう。元連盟Bリーガー。その実力はアマチュアとなった今でも健在。ここでこのようなことを書くのは適切ではないかもしれないが、石津さんのプロになったばかりのころの実力はかなり低かったという話を聞く。
それが、Bリーガーにまでなり、地方リーグでも優勝と実績を残した。おそらく、ここまで成長するのには、計り知れない努力をしてきたことだろう。その時、培われたものが現役を離れた今でも残っている。
プロで優勝、アマでも優勝という偉業を目指す。
石津さん「戦略として、面子、心理を見て役牌絡みの仕掛けは積極的にする。」
5位通過 一般参加 坂本彰光さん
(過去3回参戦、1回決勝進出、優勝0回)
競技麻雀の経験がまだ少ないが、3回目の参加で決勝に進出したのはお見事。
麻雀に対し、非常に熱心に取り組む姿勢が、我々から見ても魅力的である。
麻雀のスタイルとしては、場をかき回すようなことはほとんどなく、自分の手牌に素直に打つタイプだろう。
そのため、勢いに乗り、手が入り始めたときは脅威となる。
その持ち前の力強さで戦い抜いてほしい。
坂本さん「残れると思っていなかったので、自分の麻雀が打てれば・・・」
以上5名による戦いとなる。プロ1名、アマチュア4名の構図となったが、プロ1名というのも今回が初。
これは、アマチュアの方々のレベル向上を意味すると同時に、プロとアマチュアのレベルの僅少化も同時に意味する。
これは、この先麻雀プロが本当のプロフェッショナルとなり行くためには、重く受け止めなければならないし、より一層自覚と覚悟を持たなければならない。
(以下文章中敬称略)
1回戦(起家から石津、萩原、杉村、坂本)抜け番:竹内
いざ、開局。
東1局0本場。
それぞれの配牌を見渡す。杉村が少し抜けているか。
そこに、先手を取って仕掛けたのは親番の石津。白のポンテンなのだが、待ちはフリテン。
しかし、この仕掛けで相手を対応させる結果となり、700オールのアガリとなる。
親番の仕掛け、開局したばかりで慎重になることなど心理面の駆け引きを考えた石津らしさが早くも出た1局だった。
続く東1局1本場。
石津の連荘も想定できたが、この局も杉村の手が良い。ドラ暗刻のテンパイが入り、リーチ。
二万三万三万四万五万七万七万七万七索七索七索三筒三筒  ドラ七索
しかし、萩原がタンヤオのみの1,300でかわす。
杉村は二局連続で手が入っていたが、実らず。これを本人はどう捉え、どう対処するか。
ここまで大きな点棒の動きがないまま、南場に突入。
流局が続き、南1局3本場。
親番・石津。
三万四万五万六万一索一索二索二索三索五索六索七索六筒八筒 打一索  ドラ四万
数巡後、
二万三万四万五万六万二索二索五索六索七索六筒七筒八筒  ドラ四万
このテンパイでリーチ。ほぼ理想通りのテンパイだろう。
そこに南家の萩原が追いかけリーチ。
このリーチ合戦は石津が七万をツモリ、4,000オールと石津に軍配が上がる。
ここでついに大きく点棒が動いた。
南1局4本場。
坂本に待望の初リーチが掛かる。
一万一万三万四万五万七万八万九万七索八索九索八筒九筒  リーチ
三色の5,200のリーチ。そこに萩原が応戦し、仕掛ける。
しかし、この仕掛けが利したのは、石津だった。
石津が萩原の仕掛けにより、追いつき、慎重にヤミテンを選択し、2,900は4,100のアガリ。
この辺りも非常に落ち着いている。
南1局6本場。
ここでは、石津が先手を取る。
四万八万八万三索四索五索六索七索八索九索二筒三筒四筒  ツモ六万  ドラ三索
このテンパイ。一通にも両面にもならず決して嬉しい形ではなくテンパイ取らずも十分にあり得る。
しかし、石津はテンパイを取り、ヤミテン。
その後、ツモ二万で迷わず六万切りリーチ。連荘している親のリーチに他家は直線的には向かえない。
流局となったが、石津にとっては思い通りの結果となっただろう。
こういった心理面をうまく活用し、自分のペースを作り上げていく。
南1局7本場。
やはり石津の配牌が良い。しかし、萩原がピンフドラ1の先制リーチをかける。
石津の親番を落としに行くならヤミにするのもありだが・・・
次巡、石津もテンパイ。ヤミテンにし、ドラと振り代わりリーチに出る。そして一発ツモ。
2,600は3,300オールと大きく加点する。
南1局9本場。
石津は2巡目にピンフの1シャンテン。流れというものには賛否両論あるだろうが、そういったものを感じさせられる。石津はずっと抱えていたドラを重ね、ドラのポンテンをとる。しかし、このドラを打ち出したのは杉村。杉村のスタイル、信頼度から考えて、ほぼテンパイと言える。
ここは、2人の勝負。石津が勝つと思えてならなかったが、杉村がメンホンの2,000・4,000をツモリ、長い石津の親が終わる。
この後、杉村は、持ち前の粘り強さでテンパイとアガリを重ね、石津に喰らい付き、杉村も5万点弱の2着につける。
2時間20分にも及ぶ1回戦が終わった。ここまで長引いた半荘は記憶にない。
これも決勝戦ならではの緊張感や気持ちが作り出すものだろう。
1回戦成績
石津+35.9P 杉村+23.8P 坂本▲26.3P 萩原▲33.4P
一回戦終了時
杉村+53.4P 石津+45.9P 竹内+40.0P 萩原▲13.4P 坂本▲26.3P
2回戦(起家から竹内、石津、杉村、坂本)抜け番:萩原
連覇を狙う竹内が起家。注目の東1局0本場。
竹内は丁寧に手を進め、リャンペーコーの1シャンテン。石津も七対子の1シャンテン。
「ツモ。」それは、どちらでもなく坂本の声だった。
一筒二筒三筒五筒六筒七筒七筒八筒南南白白白  ツモ九筒
メンホンの2,000・4,000。
1回戦思うように戦えず、大きなミスを犯したわけではないが、非常に苦しいスタートとなった坂本。
少しこのアガリで緊張が和らぐこととなっただろう。
しかし、坂本は続く東2局に竹内に2,000の放銃。東3局にも石津に1,300の放銃と他家のアタリ牌が自然と出る苦しい展開が続く。
迎えた東4局、坂本の親番。
ダブ東ポンテンの5,800のテンパイが入るも流局。
守備力の高い3人相手ではそう簡単にはアガらせてもらえない。
しかし、東4局1本場。
11巡目、
五万六万一索二索三索四索四索四索二筒三筒四筒北北  ドラ北
坂本はこのテンパイを入れ、リーチ。これをきっちりツモリ3,900は4,000オール。
東4局2本場。
一万六万九万二索五索六索六索五筒七筒東東北中中  ドラ一索
坂本は東中がトイツの配牌。役牌が鳴ければといったところだが・・・
北を重ね、北ポンから入った坂本。これで役牌は出にくくなったが、このポンで東を食い取りテンパイ。
一索二索六索六索六索東東東中中  ポン北北北
そこに坂本が切った二筒を杉村がポン。杉村のツモは中一索。つまり、ポンが入らなければ、
一索六索六索六索東東東中中中  ポン北北北  ツモ一索
こうなり三倍満のアガリとなっていた。
しかし、坂本は三索を力強く引き寄せ、4,000は4,200オールとなり、6万点オーバーとなった。
東4局3本場。
坂本は3巡目にダブ東ポン。
一万二万二万三万三万四索四筒五筒六筒七筒  ポン東東東  ドラ一万
一万も鳴け、
一万二万三万四筒五筒六筒七筒  ポン東東東  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き
この11,600のテンパイ。ダブ東一万を鳴かせた杉村はテンパイであるが、イーペーコーのみのカンチャン待ち。そして坂本に飛び込んだのは石津。痛い放銃となった。
しかし、この放銃には石津らしい読みがあり、5,800に見えたのもあるが、この四筒七筒は両面待ちには当たらない。四筒七筒の両面はしっかりと否定できる要素があっての放銃。決して淡白な放銃ではなかった。
東4局5本場は坂本、
一索一索一索二索二索五索五索五索六索六索六索八索中
チンイツと四暗刻の1シャンテン。
竹内は、
三索四索五索六索七索南南西西西北北北
ここは竹内が慎重にヤミテンにし、2,0004,000をツモ。こういったところにも、竹内の繊細さが光る。
手牌だけで言えばリーチを打ちたくなる。だが、連荘している坂本の親番、さらに親の坂本とソウズでぶつかっていることなど、ヤミに構える理由は様々ある。このような局面や場況を正確に判断する能力がアガリの正確さに繋がるのだろう。
南2局2本場。
5巡目に坂本にリーチが掛かる。
四万五万六万六万一筒一筒一筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒 ドラ二筒
二筒三筒を引けば一通にもなるこの形。少しもったいないように思えた。
このリーチに黙っていなかったのが竹内。8巡目に、
八万八万五索六索七索七索八索九索二筒二筒二筒五筒五筒
ドラ暗刻のリーチ。そして、坂本が竹内に放銃という形で竹内に軍配が上がった。
南3局0本場。
ここまでアガリがつかず、苦しい杉村。しかし、4巡目に最速でテンパイが入る。
五万六万七万九万九万四索五索六索三筒四筒四筒四筒五筒  ドラ五索
ここは、当然の如くヤミテン。そして、六筒を引き四筒切りリーチ。
しかし、ここにリーチを被せたのは石津だ。その手は、
一万二万二万二万三万六万七万八万八索八索八索六筒七筒
ここは石津が500・1,000をツモり、万事休す。
最終局にも石津は、坂本から8,000を出アガリ3着に浮上。
杉村にとっては痛恨のラスとなってしまったのだ。
2回戦成績
坂本+32.5P 竹内+12.4P 石津▲19.9P 杉村▲25.0P
2回戦終了時
竹内+52.4P 杉村+28.8P 石津+26.0P 坂本+6.2P 萩原▲13.4P
3回戦(起家から石津、萩原、竹内、坂本)抜け番:杉村
東1局0本場。
親番石津の配牌。
五万七万九万九万七索七索九索三筒四筒東東白白  ドラ三万
この配牌からマンズのホンイツへ。東白を仕掛け、以下のテンパイ。
二万三万五万六万七万九万九万  ポン東東東  ポン白白白
東白を鳴かせた萩原は、
一万一万二万三万四万四万五万三索四索五索三筒四筒五筒
この高め三色のリーチ。十分本手のリーチと言えるだろう。
しかし、注目すべきは、白を鳴かせたところにある。この白、萩原はトイツ落としであった。
一万一万二万三万四万四万五万三索四索五索四筒五筒白白
結果論となってしまうが、この打牌選択が石津の4,000オールを生んだ。
萩原にとっては痛恨の1局になってしまったに違いない。
南1局0本場。
アガリを重ね、迎えた石津の親番。
すぐに役牌が2つトイツのドラ暗刻の1シャンテンとなり、南をポンしテンパイ。
四万五万六万九万九万九万六索六索東東  ポン南南南  ドラ九万
坂本から12,000をアガリ、7万点オーバーとなる。
またも連荘かと思われたが、次局は萩原が1,000でかわし石津の親が落ちた。
しかし、南2局0本場でも、石津が1,000、南3局0本場でも2,600、南4局0本場でも1,300をアガるのだが、石津の相手との距離感や場況判断、局面判断が非常に正確に捉えられている。安くアガるべきときはきっちり安くアガリ、打点を追うときはきっちり仕上げる。石津のペースが崩れることはなく、完全に石津の半荘となった。
3回戦成績
石津+58.3P 竹内▲3.1P 坂本▲25.0P 萩原▲31.2P
3回戦終了時
石津+84.3P 竹内+49.3P 杉村+28.8P 坂本▲18.8P 萩原▲44.6P
4回戦(起家から杉村、坂本、竹内、萩原)抜け番:石津
トータルトップ目の石津が抜け番。竹内、杉村はなんとか喰らいつき、石津の独走状態にさせるわけにはいかない。むしろ、石津にプレッシャーを与えられることが望ましい。
坂本、萩原は優勝するためには、段々と後がなくなってきた。なんとしてでもプラスし、次に繋げる戦いをしたいところだろう。
まずは、東1局0本場、北家の萩原が先制リーチを打つ。
四万五万六万一索二索二筒二筒二筒五筒六筒七筒北北 ドラ三索
自風の北が雀頭であるが、即リーチ。そして親番の杉村が追いつく。
九万九万三索四索四索五索六索三筒四筒五筒八筒八筒八筒
萩原のアガリ牌である三索を引いてのテンパイ。杉村に分があると思われたが、萩原が三索ツモ。
続く東2局でも、萩原が竹内から2,000をアガる。
萩原としては、2局連続でアガリがつき、感触としては悪くないだろう。
しかし、東3局0本場。
萩原、痛恨の8,000の放銃。相手は杉村。
健闘してはいるのだが、相手は決勝戦だけあって実力者揃い。萩原もかなりの苦戦を強いられている。
南2局0本場。
竹内に本手が入る。
三万四万五万三索四索五索七索七索五筒五筒六筒六筒七筒  ドラ五筒
竹内はヤミテンに構える。竹内の印象からするとリーチを打ち、3,000・6,000を引きに行くイメージが強い。もちろんこの手をリーチすることもあるだろう。しかし、この半荘、自分にまだアガリがなく、状態は決して良くない。竹内は自分の手だけではなく、多くの判断材料を元に選択でき、さらにその精度も高い。
この局も杉村からきっちり出アガるところはさすがの一言だ。
南4局1本場。
萩原に、最後のチャンスが訪れる。
杉村から、
一索一索三索四索五索六索七索八索三筒五筒九筒九筒九筒  ドラ一索
このリーチが掛かるも、萩原も追いつく。
七万九万西西  チー六万 左向き四万 上向き五万 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン白白白
しかし、ここは萩原が四筒を掴み、5,200の放銃。
萩原にとっては、この放銃が事実上の終戦になってしまった。
4回戦成績
竹内+14.2P 坂本+8.7P 杉村▲4.6P 萩原▲18.3P
4回戦終了時
石津+84.3P 竹内+63.5P 杉村+24.2P 坂本▲10.1P 萩原▲62.9P
5回戦(起家から石津、萩原、杉村、竹内)抜け番:坂本
5回戦終了時にトータルポイント最下位の者はここで敗退となるため、萩原はこの半荘で坂本より上に行かなければほぼ敗退となる。
また最終戦に向け、他の者もどこに照準を合わせた戦い方をするのかが重要となる。
もちろん少しでもポイントを伸ばしたいところだが、大事なのは6回戦を終えたときのトータルポイントである。最終的にポイントがトップになればよいのだ。
東1局0本場。
親番の石津は早々にドラを重ね、積極的に仕掛けていく。六万八万をポン、二索チーでテンパイ。
二索二索六筒七筒  チー五索 左向き三索 上向き四索 上向き  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  ドラ二索
これをツモり、2,000オール。
東1局1本場も石津が先手を取る。6巡目に、
四索五索六索七索八索九索二筒二筒六筒七筒白白白  ドラ二万
もちろんリーチ。全局と同じ五筒八筒待ち。これも難なくツモり、2,000は2,100オール。
抜け番を終えても、石津の勢いはそのままだ。
700オール、2回の流局で親を繋いだ杉村東3局3本場。7巡目にリーチ。
三三四五④④④677889  ドラ一
四索単騎でテンパイしているところから三万を引きリーチをしたのだが、この時すでに三万は竹内のアガリ牌。
結果は流局となったが、杉村の粘りがジワジワと周りを苦しめはじめている。
東3局4本場。
ついに杉村に待望のアガリが生まれる。
14巡目、1シャンテンから時間は掛かったが、リーチ。
四万四万五万六万七万三索四索五索三筒四筒中中中  ドラ六万
このリーチを一発でツモり、3,900は4,300のアガリ。
東3局5本場。
杉村がここでも、
四万五万六万三索三索四索五索一筒二筒三筒四筒五筒六筒  ドラ三万
高め三色のリーチ。しかし、先にテンパイをしていた石津が、500・1,000は1,000・1,500をアガリ、杉村の親番が落ちる。
東4局0本場。
親番竹内、ここまで我慢を続けてきたが、8巡目に本手のテンパイが入る。
三万四万五万六万六万三索四索五索二筒三筒三筒四筒五筒  ドラ三万
出来合い三色のテンパイ。ヤミテンでも、11,600、ツモ四筒なら6,000オールの手、竹内はノータイムでリーチ。
配牌からのツモが利いていたこと、入り目四筒とそこにも感触があったのだろう。ただ、ここまでの過程でヤミにしたほうが、最良ではないかとも思ったが、本人も闇雲にリーチを打ったわけではない。結果から述べると流局に終わる。ここで重要なのは、空振りに終わったことを失敗とするのか、この結果を踏まえ、次にどう生かすか、である。このことを後悔し、後に引きずるようなら竹内の優勝はないだろう。
東4局1本場。
前局を踏まえてか、堅く3,900は4,200を石津からアガる。
東4局2本場は、竹内、杉村の2軒テンパイで流局するのだが、石津はドラ2のメンツ手の1シャンテンから七対子の1シャンテンにし、放銃を回避。繊細な洞察力もさすがの一言。
続く東4局3本場は、竹内が石津から、1,500は2,400をアガリ、連荘するも次局大きなアガリがないまま、親が落ちる。
親番を継続させる力は、やはり優れているが、本手が決まらないのは、まだ本調子ではないのだろう。
南1局1本場。
杉村は4巡目に、リーチドラ1のテンパイ。1,300・2,600をツモり、着実なアガリで点数を加算していく。
これが杉村のスタイル、持ち味でもある。
南4局0本場。
親番竹内2巡目にリーチが掛かる。
二万三万三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒四筒四筒  ドラ二万
原点を割っているオーラスの親番で、2巡目にこのテンパイが入るのは偶然ではないと私は考える。
これまでの過程、すべての局において、アガリが付かなくても、放銃に終わったとしても、それらが間違いではなかったことの証明である。
そして、この局面では非常に大きな2,600オールのアガリとなった。
南4局1本場。
竹内は、カン二筒、カン四筒のテンパイをすべてヤミにし、イーペーコーのテンパイに手変わりしてここではじめてリーチに踏み切る。
四万五万六万五索五索七索八索九索五筒五筒六筒七筒七筒  ドラ五筒
石津も高め三色のテンパイで追いかけるが、竹内は、石津から12,000は12,300のアガリとなる。
石津を追いかける立場が一転、一気にトータルトップ目に立った。
さらに、次局、杉村から、2,900は3,500のアガリでこの半荘もトップ目で終えた。
5回戦成績
竹内+31.0P 杉村+18.0P 石津▲12.9P 萩原▲38.1P
5回戦終了時
竹内+94.5P 石津+71.4P 杉村+42.2P 坂本▲10.1P 萩原▲99.0P
最終6回戦(起家から石津、杉村、坂本、竹内)
この6回戦の終了とともに、第21回静岡リーグの優勝者が決まる。
麻雀は何が起こるかわからない。誰もが最後まで戦い抜くであろう。
そして、最後の闘牌が始まった。
東場は、静かに局が進んでいく。それぞれ得失点は、もちろんあるものの勝負を揺るがすような展開ではない。
そして、南場に突入。石津としては最後の親番。ここが、一番の勝負どころとなるだろう。
南1局0本場。
竹内が役牌の白を鳴き、先手を取る。竹内としては石津の親番を落としたい気持ちは強い。
ただし、闇雲に親を落としに行った仕掛けではなく、ドラ2で形も悪くない自然な仕掛けである。
しかし、7巡目に杉村にリーチが入る。
五万六万七万六索七索一筒二筒三筒北北北中中  ドラ七万
11巡目、親の石津も追いつく。
四万五万五索五索四筒五筒六筒七筒八筒九筒南南南
14巡目、石津がツモり、2,000オール。
ここから石津の連荘が始まる。
南1局1本場。
竹内、8巡目、七対子テンパイ。
杉村、14巡目、メンホン七対子テンパイ。
竹内、杉村にアガリがつくことなく、石津も17巡目にやっとの思いでテンパイを果たす。
もう流局間近、非常に大きなテンパイである。石津は役なしのカン二万待ちのテンパイ。
石津の最後のツモ。そのとき、卓上に静かに置かれたのは4枚目の二万だった。
石津に流れが傾いている、そう感じさせるアガリであった。
南1局2本場。
石津の手が良くなっていくのが、手に取るようにわかる。
2巡目に、
一万二万三万三万四万五万七万八万七索八索九索五筒六筒
この1シャンテンになる。そして、ツモ八索。石津は打七索とし、次巡、ツモ六万で難なくテンパイし即リーチ。
12巡目、七筒をツモり、2,600は2,800オール。
このアガリで石津が暫定トップになった。
南1局3本場。
杉村が10巡目に、先制リーチ。
六万六万五索六索七索二筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒  ドラ四筒
このリーチを受け、竹内は現物の九索を切る。しかし、下家の石津はソウズに染めている。
この九索を石津がポンし、八索を引き入れチンイツをテンパイ。
四索四索六索六索八索八索八索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き
17巡目、石津が四索ツモ。4,000は4,300オール。リーチ者の現物とはいえ、竹内の九索が石津のこのアガリを生んだ。さらに言えば、杉村のリーチも引き金になっている。
完全に石津のペースと言える。
南1局4本場。
今度は石津が3巡目に南を仕掛け先手をとる。この時すでに1シャンテン。
しかし、ここからテンパイを果たしたのは11巡目。
10巡目には、杉村からメンタンピンドラ1のリーチをもらう。だが、この局を制したのも石津だ。
杉村から2,900は4,100のアガリ。
次局、親番が落ちたが、ここ一番での勝負強さ、連荘する力には正直驚かされた。
南2局2本場。
杉村が持ち前のしぶとさで繋いだ親番。
竹内がドラ2の七対子をテンパイ。杉村もピンフのテンパイを果たす。
流局目前の17巡目、ピンフの両面のテンパイを、シャンポン待ちにし、これが、竹内に放銃。
一見、疑問に思うが、これは、直前に筋になった牌と無筋の牌との比較。決勝戦後、杉村に話を伺ったが、どちらも通ると思ったが、より通りやすい方を切ったとのことだった。
たしかに、竹内の河は、七対子にも、外よりの手にも見えにくい河であった。
杉村の繊細さが仇となってしまった。
竹内としては大きなアガリだろう。
南3局0本場、石津が坂本に3,900の放銃。次局、坂本が竹内に3,900は4,200の放銃でついにオーラスを迎えた。
このときのポイントは、竹内+100.7P、石津+98.6P、杉村+15.0P、坂本▲16.3P。
竹内と石津の戦いとなった。その差、僅か2.1P。
アガリ止めがないルールでこの点差が意味すること、それは竹内がノーテンと牌を伏せることができないこと。
仮に石津がテンパイしていると、ノーテン罰符で順位が入れ替わってしまう。
つまり、必ずしもポイントが上な竹内が有利ではないということだ。
南4局0本場。
竹内の配牌。
六万一索三索四索六索七索八索六筒七筒八筒九筒東北白
石津の配牌。
四万五万六万五索七索九索一筒二筒四筒四筒五筒九筒北
どちらも優劣つけ難いが、配牌では竹内が勝るか。
先にテンパイを果たしたのは竹内。10巡目、
五万六万二索三索四索六索七索八索七筒八筒九筒白白  ドラ九筒
石津も8巡目に1シャンテンとなったがテンパイせず、竹内の1人テンパイで流局。
これで、次局竹内はノーテンを宣告できる。
南4局1本場。
竹内が少し有利になったように思えるが、石津は1,000、2,000で捲くれる状況だ。
竹内もまだ、ギリギリまでアガリに向かうだろう。
竹内の配牌。
四万六万七万七万一索三索二筒三筒五筒六筒九筒東南白
石津の配牌。
一万三万三万一索三索六索一筒一筒四筒八筒西北白
石津はこの配牌からテンパイを果たしたのは実に15巡目のことだった。
一万三万三万二索三索四索五索六索七索四筒四筒六筒七筒八筒  ドラ七筒
ここからタンヤオを捨てて、さらに二万の3枚切れが目に見えているところで打三万のリーチ。
残り1枚が山にいる絶対の自信がなければ打てない。
実際、残り1枚は山にいた。石津がリーチを打ったその巡目までは・・・
無情にもその二万は竹内の手の中に入っていった。
そして、竹内の2連覇が決まった。
石津は、12巡目、ツモ六万のところでこの一万三万に手を掛けられていれば、満貫をツモり、優勝していた。
アガリはあったのだ。
紙一重の闘いがそこにはあった。最後の最後まで手に汗握る戦いを見せてくれた対局者に感謝したい。
竹内さん、静岡リーグ始まって以来の2連覇という快挙、優勝本当におめでとうございます。
そして、対局者の皆様、感動をありがとう。
私の文章で少しでも、この決勝戦の素晴らしさ、静岡リーグの熱気、麻雀の魅力が伝われば幸いです。

第8期女流桜花 プレーオフレポート

11月25、27日の2日間。女流桜花のプレーオフが行われた。
「女流桜花」という女流リーグはA、B、Cの3つのリーグで構成されており、今期の参加人数は76名。
※プロリーグ(鳳凰戦)と同じく、一発裏ドラなしの日本プロ麻雀連盟Aルール
女流桜花等、タイトル戦ページはこちら

半荘4回×5節で昇降級が決まり、Aリーグのみ、5節消化後に上位8名による半荘4回のプレーオフが行われる。

女流桜花Aリーグ 5節終了時成績(上位8名)

oui38_a_03
吾妻 さおり
+170.1P
oui38_a_08
和久津 晶
+129.0P
oui38_a_03
安田 麻里菜
+66.4P
oui38_a_03
内田 美乃里
+49.3P
oui38_a_03
黒沢 咲
+44.0P
oui38_a_08
仲田 加南
+43.0P
oui38_a_03
清水 香織
+26.2P
oui38_a_03
古谷 知美
▲1.4P

現女流桜花 魚谷侑未への挑戦権利を得ることができるのは上位3名。
A卓 和久津(2位)、内田(4位)、仲田(6位)、古谷(8位)
B卓 吾妻(1位)、安田(3位)、黒沢(5位)、古谷(7位)

今期より、日本プロ麻雀連盟チャンネル(※チャンネルリンク)での配信も始まったため、選手のモチベーションも高まっていることであろう。

A卓 2013/11/25

和久津+129.0P 内田+49.3P 仲田+43.0P 古谷▲1.4P

規定により、A卓の対局を先に消化するため、B卓の対局者はA卓のポイントを踏まえて打つことができる。トータルポイント首位の吾妻が頭一つ抜けているため、実質2席を争うかたちとなりそうだ。
和久津のテーマは現状のポイント維持。内田、仲田、古谷の3名は、同卓の和久津か、トータル3位の安田がターゲットとなる。

1回戦は古谷が好発進。

五万六万七万四索四索三筒三筒四筒四筒五筒五筒白白  リーチ  ロン白  ドラ四索

オーラスまでトップを走るが、なかなか和久津の親番を流すことができない。
和久津は粘り強く親番をキープし、ついに決定打が飛び出す。
南4局3本場

一索二索三索七索七索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒白  リーチ  ツモ白  ドラ白

約38,000点持ちで迎えたオーラス。
これまでのトータルポイントを利用して、守りきる手段もあるが、和久津は早々に勝負に出て勝利。
あっさりと決定戦進出を決めた。

1回戦で2着だった古谷、さらにポイントを伸ばすべくリーチをかける。

七万三索三索五索五索五筒五筒西西白白発発  リーチ  ドラ七万

しかし、このときドラ七万は親の仲田に3枚。
11巡目に追いついた仲田はもちろん追いかけリーチで、2巡後にツモアガリ。

一万二万三万七万七万七万八索八索三筒四筒六筒七筒八筒  ツモ五筒

仲田の親が流れ、局面は東4局。このまま押し切りたい仲田だが、親番の内田が立ちはだかる。
東4局

二万二万五万六万七万三筒三筒四筒四筒五筒八筒八筒八筒  リーチ  ツモ二筒  ドラ五筒

七万九万七索八索九索二筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ  ロン八万  ドラ二筒

八万八万三索三索三索東東  ポン西西西  ポン八筒 左向き八筒 上向き八筒 上向き  ロン東  ドラ六索

持ち点を66,900点まで伸ばす。
さらに南場では、

一万二万三万五万六万六万六万七万六索八索二筒三筒四筒  リーチ  ロン七索  ドラ八索

南家でこの2,600をアガリ、オーラスの親番。

六万六万二索二索三索四索五索白白白  ポン三索 上向き三索 左向き三索 上向き  ロン二索  ドラ白

これを仲田からアガリ、一気に卓内2位を確定させた。
ポイントを伸ばした和久津は、進出確定と言って良いだろう。
現状3位の内田は後開催の卓に目標とされてしまうが、ひとまず決定戦進出に望みを繋いだ。

B卓 2013/11/27
吾妻+170.1P  安田+66.4P  黒沢+44.0P  清水+26.2P  (※3位内田+91.8P)

西家、安田の2,000・3,900からスタート。

六万六万六万三索三索四索五索六索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ三筒

現状3位の内田は、91.8ポイントで終了している。このアガリで、目標に大きく近づいた。
清水、黒沢も、安田と同様、ターゲットは内田のポイントとなる。
東2局、親番の黒沢が12巡目に八筒をチーテンに取る。

四万四万四万五万六万四索五索東東東  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ドラ四万

すると、次巡に北家・清水から三索で出アガリとなる。
上家の清水は、

三万一索二索三索五索六索七索九索四筒五筒六筒七筒七筒  ツモ三索

この三索をツモ切りの放銃であった。王者清水に焦りが感じられる。
黒沢が仕掛けた八筒は、場に3枚目ということもあり、かなりの危険信号が出ている場面である。
この放銃はかなりの痛手となったであろう。
まだ序盤ではあるが、3枠目の争いは、安田、黒沢となることが予想される。

トータルポイントでは圧倒的に有利な吾妻だが、序盤から役ありのリーチをバンバン飛ばしていく。
万が一を心配し過ぎて消極的になるよりはマシだが、例えば

南南西西二筒三筒四筒四筒四筒四筒五筒五筒五筒  ドラ九索

西家、吾妻の捨て牌

七万 上向き五万 上向き三万 上向き五索 上向き九万 上向き中北発

こんな手牌でも先制リーチと出ていく、超攻撃スタイルだ。

対象的なのは、安田。この手牌から

一万二万三万四万四万七万八万九万六索八索八索七筒八筒九筒

吾妻のリーチを受けて、中抜いてオリ。吾妻の捨て牌は一色手、またはトイツ手の可能性が高い。
また打六索として、789三色か一通への手変わり待ち、または、ひとまず打四万として、一通の変化を待つ手もある。こちらは吾妻とは逆に消極的とも取れるが、どちらも自分のフォームを崩さずに打つという意識を持ってのことであろう。

今回のような条件戦の戦い方としては正しいとは言えないが、決勝戦を意識して打っている様子が見られる。
この局は吾妻が南をツモアガリ、3,000・6,000となった。

1回戦南3局、3巡目の黒沢の手牌

四万六万六万七万八万五索六索六索七索八索三筒八筒八筒  ツモ八万  ドラ四筒

北家・黒沢は、ここから打四万とすると、12巡目にテンパイが入る。

六万六万七万八万八万五索六索六索七索七索八索八筒八筒

リーチをかけて吾妻から出アガリ。打点力に比重を置いた一打だ。
現在のポイント状況を踏まえると、スピードより打点を重視して打牌を選択する場面が増えてくる。
ポイント上位のものは選択が自由な分、有利なのだ。

このリーチを受けて、親番の安田はドラ2七対子のテンパイを外して、オリに回っていた。
慎重な安田と、攻撃的な打牌で切り込む吾妻。対称的なスタイルが絡み合う部分が多く見られる。

この後、一瞬吾妻が捕まりかけた場面があったが、攻めの姿勢は崩さずに、攻撃によって局をリードし続ける。
黒沢、清水は常に一歩及ばず、吾妻、安田の前残りでプレーオフ最終節は終了となった。

現女流桜花、魚谷侑未に挑む3名が決定した。
各選手のコメント

1位通過 和久津晶
「またこのステージに帰ってくることができました!
去年の雪辱を晴らすべく、魚谷プロに挑戦出来ることをとても嬉しく思っています。
麻雀なので何が起こるかは分かりませんが、全力をもってすれば絶対にかなわない相手ばかりでは無い!
と、強気で行こうと思います。応援よろしくお願いいたします!」

2位通過 吾妻さおり
「21期生吾妻さおりです。実績ある3名に対しどう打てば勝てるか?3件立直に囲まれた!さて何を切るか?先制リーチに押してる人が居るから回ろうなどと、早くも日々闘牌イメージを膨らましております。
最近はニコニコ生中継により過程も観て頂けますので、緊張する半面、自分らしい麻雀をお見せした上で結果を出したいと当日が楽しみでもあります。
①怒涛の攻め
②危険牌を使い切ってのテンパイ、アガリ
③しっかり絞る、オリる
この3点を場況に合わせて緩急つけて打てるよう、心がけます。
頑張りますので応援よろしくお願いします。」

3位通過 安田麻里菜
「8年前、プロ入りしたその年に創設されたのが女流桜花でした。
新人の私は幸運にも決勝に進出。しかし、実力不足のため何も出来ずに敗退しました。
そして今年、またこの舞台に戻ってきました。女流桜花こそ、私の麻雀プロとしての原点。
8年前のリベンジをはたしたいと思っています。」

放送は、新年1月13日から 全12回戦、3日間に渡ってお届けします!
女流プロの熱き戦いをお見逃しなく!!

1月13日(月祝)初日配信はこちら!
1月18日(土)2日目配信はこちら!
1月25日(土)最終日ページが出来次第リンクします

日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちら!

女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第8期女流桜花 プレーオフレポート

11月25、27日の2日間。女流桜花のプレーオフが行われた。
「女流桜花」という女流リーグはA、B、Cの3つのリーグで構成されており、今期の参加人数は76名。
※プロリーグ(鳳凰戦)と同じく、一発裏ドラなしの日本プロ麻雀連盟Aルール
女流桜花等、タイトル戦ページはこちら
半荘4回×5節で昇降級が決まり、Aリーグのみ、5節消化後に上位8名による半荘4回のプレーオフが行われる。
女流桜花Aリーグ 5節終了時成績(上位8名)

oui38_a_03
吾妻 さおり
+170.1P
oui38_a_08
和久津 晶
+129.0P
oui38_a_03
安田 麻里菜
+66.4P
oui38_a_03
内田 美乃里
+49.3P
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黒沢 咲
+44.0P
oui38_a_08
仲田 加南
+43.0P
oui38_a_03
清水 香織
+26.2P
oui38_a_03
古谷 知美
▲1.4P

現女流桜花 魚谷侑未への挑戦権利を得ることができるのは上位3名。
A卓 和久津(2位)、内田(4位)、仲田(6位)、古谷(8位)
B卓 吾妻(1位)、安田(3位)、黒沢(5位)、古谷(7位)
今期より、日本プロ麻雀連盟チャンネル(※チャンネルリンク)での配信も始まったため、選手のモチベーションも高まっていることであろう。
A卓 2013/11/25
和久津+129.0P 内田+49.3P 仲田+43.0P 古谷▲1.4P
規定により、A卓の対局を先に消化するため、B卓の対局者はA卓のポイントを踏まえて打つことができる。トータルポイント首位の吾妻が頭一つ抜けているため、実質2席を争うかたちとなりそうだ。
和久津のテーマは現状のポイント維持。内田、仲田、古谷の3名は、同卓の和久津か、トータル3位の安田がターゲットとなる。
1回戦は古谷が好発進。
五万六万七万四索四索三筒三筒四筒四筒五筒五筒白白  リーチ  ロン白  ドラ四索
オーラスまでトップを走るが、なかなか和久津の親番を流すことができない。
和久津は粘り強く親番をキープし、ついに決定打が飛び出す。
南4局3本場
一索二索三索七索七索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒白  リーチ  ツモ白  ドラ白
約38,000点持ちで迎えたオーラス。
これまでのトータルポイントを利用して、守りきる手段もあるが、和久津は早々に勝負に出て勝利。
あっさりと決定戦進出を決めた。
1回戦で2着だった古谷、さらにポイントを伸ばすべくリーチをかける。
七万三索三索五索五索五筒五筒西西白白発発  リーチ  ドラ七万
しかし、このときドラ七万は親の仲田に3枚。
11巡目に追いついた仲田はもちろん追いかけリーチで、2巡後にツモアガリ。
一万二万三万七万七万七万八索八索三筒四筒六筒七筒八筒  ツモ五筒
仲田の親が流れ、局面は東4局。このまま押し切りたい仲田だが、親番の内田が立ちはだかる。
東4局
二万二万五万六万七万三筒三筒四筒四筒五筒八筒八筒八筒  リーチ  ツモ二筒  ドラ五筒
七万九万七索八索九索二筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ  ロン八万  ドラ二筒
八万八万三索三索三索東東  ポン西西西  ポン八筒 左向き八筒 上向き八筒 上向き  ロン東  ドラ六索
持ち点を66,900点まで伸ばす。
さらに南場では、
一万二万三万五万六万六万六万七万六索八索二筒三筒四筒  リーチ  ロン七索  ドラ八索
南家でこの2,600をアガリ、オーラスの親番。
六万六万二索二索三索四索五索白白白  ポン三索 上向き三索 左向き三索 上向き  ロン二索  ドラ白
これを仲田からアガリ、一気に卓内2位を確定させた。
ポイントを伸ばした和久津は、進出確定と言って良いだろう。
現状3位の内田は後開催の卓に目標とされてしまうが、ひとまず決定戦進出に望みを繋いだ。
B卓 2013/11/27
吾妻+170.1P  安田+66.4P  黒沢+44.0P  清水+26.2P  (※3位内田+91.8P)
西家、安田の2,000・3,900からスタート。
六万六万六万三索三索四索五索六索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ三筒
現状3位の内田は、91.8ポイントで終了している。このアガリで、目標に大きく近づいた。
清水、黒沢も、安田と同様、ターゲットは内田のポイントとなる。
東2局、親番の黒沢が12巡目に八筒をチーテンに取る。
四万四万四万五万六万四索五索東東東  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ドラ四万
すると、次巡に北家・清水から三索で出アガリとなる。
上家の清水は、
三万一索二索三索五索六索七索九索四筒五筒六筒七筒七筒  ツモ三索
この三索をツモ切りの放銃であった。王者清水に焦りが感じられる。
黒沢が仕掛けた八筒は、場に3枚目ということもあり、かなりの危険信号が出ている場面である。
この放銃はかなりの痛手となったであろう。
まだ序盤ではあるが、3枠目の争いは、安田、黒沢となることが予想される。
トータルポイントでは圧倒的に有利な吾妻だが、序盤から役ありのリーチをバンバン飛ばしていく。
万が一を心配し過ぎて消極的になるよりはマシだが、例えば
南南西西二筒三筒四筒四筒四筒四筒五筒五筒五筒  ドラ九索
西家、吾妻の捨て牌
七万 上向き五万 上向き三万 上向き五索 上向き九万 上向き中北発
こんな手牌でも先制リーチと出ていく、超攻撃スタイルだ。
対象的なのは、安田。この手牌から
一万二万三万四万四万七万八万九万六索八索八索七筒八筒九筒
吾妻のリーチを受けて、中抜いてオリ。吾妻の捨て牌は一色手、またはトイツ手の可能性が高い。
また打六索として、789三色か一通への手変わり待ち、または、ひとまず打四万として、一通の変化を待つ手もある。こちらは吾妻とは逆に消極的とも取れるが、どちらも自分のフォームを崩さずに打つという意識を持ってのことであろう。
今回のような条件戦の戦い方としては正しいとは言えないが、決勝戦を意識して打っている様子が見られる。
この局は吾妻が南をツモアガリ、3,000・6,000となった。
1回戦南3局、3巡目の黒沢の手牌
四万六万六万七万八万五索六索六索七索八索三筒八筒八筒  ツモ八万  ドラ四筒
北家・黒沢は、ここから打四万とすると、12巡目にテンパイが入る。
六万六万七万八万八万五索六索六索七索七索八索八筒八筒
リーチをかけて吾妻から出アガリ。打点力に比重を置いた一打だ。
現在のポイント状況を踏まえると、スピードより打点を重視して打牌を選択する場面が増えてくる。
ポイント上位のものは選択が自由な分、有利なのだ。
このリーチを受けて、親番の安田はドラ2七対子のテンパイを外して、オリに回っていた。
慎重な安田と、攻撃的な打牌で切り込む吾妻。対称的なスタイルが絡み合う部分が多く見られる。
この後、一瞬吾妻が捕まりかけた場面があったが、攻めの姿勢は崩さずに、攻撃によって局をリードし続ける。
黒沢、清水は常に一歩及ばず、吾妻、安田の前残りでプレーオフ最終節は終了となった。
現女流桜花、魚谷侑未に挑む3名が決定した。
各選手のコメント
1位通過 和久津晶
「またこのステージに帰ってくることができました!
去年の雪辱を晴らすべく、魚谷プロに挑戦出来ることをとても嬉しく思っています。
麻雀なので何が起こるかは分かりませんが、全力をもってすれば絶対にかなわない相手ばかりでは無い!
と、強気で行こうと思います。応援よろしくお願いいたします!」
2位通過 吾妻さおり
「21期生吾妻さおりです。実績ある3名に対しどう打てば勝てるか?3件立直に囲まれた!さて何を切るか?先制リーチに押してる人が居るから回ろうなどと、早くも日々闘牌イメージを膨らましております。
最近はニコニコ生中継により過程も観て頂けますので、緊張する半面、自分らしい麻雀をお見せした上で結果を出したいと当日が楽しみでもあります。
①怒涛の攻め
②危険牌を使い切ってのテンパイ、アガリ
③しっかり絞る、オリる
この3点を場況に合わせて緩急つけて打てるよう、心がけます。
頑張りますので応援よろしくお願いします。」
3位通過 安田麻里菜
「8年前、プロ入りしたその年に創設されたのが女流桜花でした。
新人の私は幸運にも決勝に進出。しかし、実力不足のため何も出来ずに敗退しました。
そして今年、またこの舞台に戻ってきました。女流桜花こそ、私の麻雀プロとしての原点。
8年前のリベンジをはたしたいと思っています。」
放送は、新年1月13日から 全12回戦、3日間に渡ってお届けします!
女流プロの熱き戦いをお見逃しなく!!
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1月18日(土)2日目配信はこちら!
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第22回静岡リーグ(プロアマ混合) 第4節レポート

冬が訪れ、厳しい寒さの中、静岡リーグの会場内は熱気に包まれている。
第22回静岡リーグも第4節となり、大詰めを迎えてきた。
この日を終えた時点での暫定順位が、最終節の卓組みに関係するため、そこも見所となる。

まず注目は、今節安定した戦いを見せ、暫定2位につけているのは、中部本部越川プロ。
攻撃力には定評があり、それに加え今節は安定感もある。十分に決勝進出の可能性を感じる。
但し、越川プロはもう一節対局を残しているため、そこでの結果も大きく関わってくる。

続いて、暫定3位は、鮎川プロ。この日、マイナスを最低限に抑え、好位置をキープした。
大きく勝つことも大事だが、負けを最小限に抑えることも同様に大切な要素となる。
大崩れしない鮎川プロの強さが、安定した結果を生んでいる。今期も期待が持てそうだ。

以下、渡辺プロ、徳永プロと続くが、1位から12位まで60P程度のポイント差しかない混戦となっている。望月プロ、佐藤あいりプロも好位置に付けている。

最終節は暫定順位による周り順で卓組みされる。
現状のポイントがアドバンテージになることは間違いないが、決勝に進むのは誰か、まったく予想が付かない。

1節で100P勝つこともあれば、50P程度の差は半荘1回で入れ替わる可能性もある。
最後まで目が離せない戦いが見られそうだ。

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 土本 伸之 一般 67.6 ▲ 2.3 59.1 1.5 125.9
2 越川 清一 プロ 76.4 15.8 0.0 30.2 122.4
3 鮎川 卓 プロ 17.4 26.8 74.7 ▲ 1.6 117.3
4 佐藤 あいり プロ ▲ 24.6 88.8 53.5 ▲ 3.2 114.5
5 中 寿文 一般 ▲ 66.4 1.1 148.7 31.1 114.5
6 関根 秀介 一般 ▲ 2.4 32.9 4.7 72.6 107.8
7 小塚 旭 一般 ▲ 4.8

7.5 70.5 27.6 100.8
8 松井 和志 一般 15.9 60.3 ▲ 42.1 51.3 85.4
9 徳永 翔 プロ 2.4 27.4 78.1 ▲ 28.6 79.3
10 土屋 幸弘 一般 56.0 13.9 ▲ 18.2 22.2 73.9
11 田中 良典 一般 ▲ 45.0 61.5 4.5 45.9 66.9
12 望月 雅継 プロ 17.7 17.4 27.5 0.0 62.6
13 平野 敬悟 一般 4.2 ▲ 3.4 50.1 0.3 51.2
14 北島 武浩 一般 12.1 ▲ 3.7 ▲ 30.2 58.6 36.8
15 岡本 和也 プロ 21.5 2.2 3.3 ▲ 0.8 26.2
16 渡辺 洋巳 プロ ▲ 57.7 0.0 99.0 ▲ 17.9 23.4
17 徳山 雄生 一般 24.9 ▲ 48.3 ▲ 2.9 42.7 16.4
18 堀 孔明 一般 ▲ 48.6 35.6 ▲ 10.7 38.1 14.4
19 松本 千昭 一般 0.0 19.8 26.7 ▲ 32.4 14.1
20 井上 快勝 一般 54.1 ▲ 25.3 ▲ 16.7 0.0 12.1
21 坪井 哲也 プロ ▲ 46.4 8.0 23.6 26.4 11.6
22 白井 健夫 一般 40.5 1.3 14.5 ▲ 46.1 10.2
23 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1 36.4 15.5 ▲ 34.6 10.2
24 平田 拓也 一般 27.8 ▲ 0.7 ▲ 17.5 ▲ 0.5 9.1
25 森田 皓太 一般 72.5 ▲ 24.4 19.3 ▲ 59.5 7.9
26 高橋 孝基 一般 55.2 ▲ 14.5 ▲ 47.5 12.5 5.7
27 平岡 理恵 プロ ▲ 20.5 ▲ 22.7 ▲ 44.7 87.9 0.0
28 杉村 泰治 プロ 0.0 ▲ 12.9 31.5 ▲ 19.5 ▲ 0.9
29 石原 将樹 プロ 28.0 0.9 ▲ 1.7 ▲ 30.3 ▲ 3.1
30 太田 昌樹 プロ ▲ 32.6 ▲ 5.0 ▲ 10.5 39.7 ▲ 8.4
31 坂本 彰光 一般 ▲ 35.4 36.8 8.8 ▲ 25.7 ▲ 15.5
32 鈴木 雅人 プロ ▲ 67.4 29.2 31.9 ▲ 24.2 ▲ 30.5
33 鈴木 郁孝 プロ ▲ 28.7 62.2 ▲ 21.2 ▲ 47.6 ▲ 35.3
34 朝比奈 諒 プロ ▲ 7.9 ▲ 60.1 32.1 0.0 ▲ 35.9
35 浜田 修 一般 ▲ 26.1 0.0 0.0 ▲ 14.6 ▲ 40.7
36 福井 弘人 一般 ▲ 15.0 2.5 ▲ 38.2 1.1 ▲ 49.6
37 竹内 仁 一般 13.4 ▲ 6.6 ▲ 41.1 ▲ 18.9 ▲ 53.2
38 伊藤 真 一般 ▲ 18.7 0.0 ▲ 37.7 ▲ 9.0 ▲ 65.4
39 釣谷 慶次 一般 ▲ 8.5 25.1 ▲ 49.2 ▲ 35.7 ▲ 68.3
40 舟橋 晃 一般 ▲ 32.2 2.9 ▲ 52.1 0.0 ▲ 81.4
41 本田 真之 一般 ▲ 0.4 ▲ 10.6 ▲ 48.9 ▲ 36.2 ▲ 96.1
42 鷲見 隼人 プロ ▲ 36.8 0.7 ▲ 37.8 ▲ 38.4 ▲ 112.3
43 大橋 義一 一般 ▲ 63.1 ▲ 92.8 33.7 7.7 ▲ 114.5
44 村瀬 光佳 一般 ▲ 42.2 ▲ 47.7 0.0 ▲ 26.5 ▲ 116.4
45 源馬 健太 一般 ▲ 42.7 ▲ 7.4 ▲ 72.0 ▲ 37.6 ▲ 159.7
46 冨永 直弘  一般 ▲ 73.9 ▲ 89.0 ▲ 49.3 0.0 ▲ 212.2
47 大須賀隆秀 一般 ▲ 155.3 ▲ 74.9 6.1 1.2 ▲ 222.9

静岡プロリーグ レポート/第22回静岡リーグ(プロアマ混合) 第4節レポート

冬が訪れ、厳しい寒さの中、静岡リーグの会場内は熱気に包まれている。
第22回静岡リーグも第4節となり、大詰めを迎えてきた。
この日を終えた時点での暫定順位が、最終節の卓組みに関係するため、そこも見所となる。
まず注目は、今節安定した戦いを見せ、暫定2位につけているのは、中部本部越川プロ。
攻撃力には定評があり、それに加え今節は安定感もある。十分に決勝進出の可能性を感じる。
但し、越川プロはもう一節対局を残しているため、そこでの結果も大きく関わってくる。
続いて、暫定3位は、鮎川プロ。この日、マイナスを最低限に抑え、好位置をキープした。
大きく勝つことも大事だが、負けを最小限に抑えることも同様に大切な要素となる。
大崩れしない鮎川プロの強さが、安定した結果を生んでいる。今期も期待が持てそうだ。
以下、渡辺プロ、徳永プロと続くが、1位から12位まで60P程度のポイント差しかない混戦となっている。望月プロ、佐藤あいりプロも好位置に付けている。
最終節は暫定順位による周り順で卓組みされる。
現状のポイントがアドバンテージになることは間違いないが、決勝に進むのは誰か、まったく予想が付かない。
1節で100P勝つこともあれば、50P程度の差は半荘1回で入れ替わる可能性もある。
最後まで目が離せない戦いが見られそうだ。

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 土本 伸之 一般 67.6 ▲ 2.3 59.1 1.5 125.9
2 越川 清一 プロ 76.4 15.8 0.0 30.2 122.4
3 鮎川 卓 プロ 17.4 26.8 74.7 ▲ 1.6 117.3
4 佐藤 あいり プロ ▲ 24.6 88.8 53.5 ▲ 3.2 114.5
5 中 寿文 一般 ▲ 66.4 1.1 148.7 31.1 114.5
6 関根 秀介 一般 ▲ 2.4 32.9 4.7 72.6 107.8
7 小塚 旭 一般 ▲ 4.8 7.5 70.5 27.6 100.8
8 松井 和志 一般 15.9 60.3 ▲ 42.1 51.3 85.4
9 徳永 翔 プロ 2.4 27.4 78.1 ▲ 28.6 79.3
10 土屋 幸弘 一般 56.0 13.9 ▲ 18.2 22.2 73.9
11 田中 良典 一般 ▲ 45.0 61.5 4.5 45.9 66.9
12 望月 雅継 プロ 17.7 17.4 27.5 0.0 62.6
13 平野 敬悟 一般 4.2 ▲ 3.4 50.1 0.3 51.2
14 北島 武浩 一般 12.1 ▲ 3.7 ▲ 30.2 58.6 36.8
15 岡本 和也 プロ 21.5 2.2 3.3 ▲ 0.8 26.2
16 渡辺 洋巳 プロ ▲ 57.7 0.0 99.0 ▲ 17.9 23.4
17 徳山 雄生 一般 24.9 ▲ 48.3 ▲ 2.9 42.7 16.4
18 堀 孔明 一般 ▲ 48.6 35.6 ▲ 10.7 38.1 14.4
19 松本 千昭 一般 0.0 19.8 26.7 ▲ 32.4 14.1
20 井上 快勝 一般 54.1 ▲ 25.3 ▲ 16.7 0.0 12.1
21 坪井 哲也 プロ ▲ 46.4 8.0 23.6 26.4 11.6
22 白井 健夫 一般 40.5 1.3 14.5 ▲ 46.1 10.2
23 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1 36.4 15.5 ▲ 34.6 10.2
24 平田 拓也 一般 27.8 ▲ 0.7 ▲ 17.5 ▲ 0.5 9.1
25 森田 皓太 一般 72.5 ▲ 24.4 19.3 ▲ 59.5 7.9
26 高橋 孝基 一般 55.2 ▲ 14.5 ▲ 47.5 12.5 5.7
27 平岡 理恵 プロ ▲ 20.5 ▲ 22.7 ▲ 44.7 87.9 0.0
28 杉村 泰治 プロ 0.0 ▲ 12.9 31.5 ▲ 19.5 ▲ 0.9
29 石原 将樹 プロ 28.0 0.9 ▲ 1.7 ▲ 30.3 ▲ 3.1
30 太田 昌樹 プロ ▲ 32.6 ▲ 5.0 ▲ 10.5 39.7 ▲ 8.4
31 坂本 彰光 一般 ▲ 35.4 36.8 8.8 ▲ 25.7 ▲ 15.5
32 鈴木 雅人 プロ ▲ 67.4 29.2 31.9 ▲ 24.2 ▲ 30.5
33 鈴木 郁孝 プロ ▲ 28.7 62.2 ▲ 21.2 ▲ 47.6 ▲ 35.3
34 朝比奈 諒 プロ ▲ 7.9 ▲ 60.1 32.1 0.0 ▲ 35.9
35 浜田 修 一般 ▲ 26.1 0.0 0.0 ▲ 14.6 ▲ 40.7
36 福井 弘人 一般 ▲ 15.0 2.5 ▲ 38.2 1.1 ▲ 49.6
37 竹内 仁 一般 13.4 ▲ 6.6 ▲ 41.1 ▲ 18.9 ▲ 53.2
38 伊藤 真 一般 ▲ 18.7 0.0 ▲ 37.7 ▲ 9.0 ▲ 65.4
39 釣谷 慶次 一般 ▲ 8.5 25.1 ▲ 49.2 ▲ 35.7 ▲ 68.3
40 舟橋 晃 一般 ▲ 32.2 2.9 ▲ 52.1 0.0 ▲ 81.4
41 本田 真之 一般 ▲ 0.4 ▲ 10.6 ▲ 48.9 ▲ 36.2 ▲ 96.1
42 鷲見 隼人 プロ ▲ 36.8 0.7 ▲ 37.8 ▲ 38.4 ▲ 112.3
43 大橋 義一 一般 ▲ 63.1 ▲ 92.8 33.7 7.7 ▲ 114.5
44 村瀬 光佳 一般 ▲ 42.2 ▲ 47.7 0.0 ▲ 26.5 ▲ 116.4
45 源馬 健太 一般 ▲ 42.7 ▲ 7.4 ▲ 72.0 ▲ 37.6 ▲ 159.7
46 冨永 直弘  一般 ▲ 73.9 ▲ 89.0 ▲ 49.3 0.0 ▲ 212.2
47 大須賀隆秀 一般 ▲ 155.3 ▲ 74.9 6.1 1.2 ▲ 222.9

第9期 静岡プロリーグ 第9節レポート

街を歩けばジングルベルの曲が聞かれる12月、静岡プロリーグ第9節が行われた。
今節がほとんどの支部員にとって今年最後の公式戦となる。
来年に繋げる為にも、良い形で締めくくりたいと誰もが思っているだろう。
また第9節は、ポイントの回り順で行われた為か、いつもとは少し違う雰囲気が会場を包んだ。
いつも以上の緊張感の中、対局が開始された。

1卓
鷲見×石原×鮎川×徳永
この卓の注目は、首位を走る鷲見のポイントを削り、石原・鮎川が最終節に望みを繋げるか。
しかし勝ち頭は、徳永。
鷲見も展開に恵まれプラスで終えた。
石原・鮎川共に前に出て戦い続けたが、一歩及ばず優勝争いから遠のいてしまった。

2卓
太田×杉村×渡辺×平岡
現在2位の太田は、首位まで約30P。
今節で、一気にひっくり返したい。
杉村も、少し大きめのプラスで優勝圏内に入る為、自然と力が入る。
しかしこの卓も勝ったのは、渡辺・平岡。
どうしても勝ちたかった、太田・杉村は共にマイナスしてしまった。
杉村は優勝が難しくなってしまったが、太田はまだ首位との差は約50P。
攻撃重視、門前手役派しかも最終節は直接対決なので、十分にチャンスはある。

3卓
鈴木秀×鈴木郁×越川×坪井
この卓は、4位の鈴木秀・5位の鈴木郁がどこまでポイントを伸ばし首位との差を縮めて最終節を迎えるかがポイント。
たがこの卓も勝ったのは坪井。
他の3人を沈めて1人浮きで今節を終えた。
鈴木秀は暫定4位、3位の望月支部長の最終節の別日対局が決定しているため、最終節の上位卓が決定した。
暫定5位の鈴木郁は、6位の朝比奈の別日対局の結果待ち。
直接対決か否かは、最終節とても重要なだけに、朝比奈の結果が気になるところ。

今節は、前述したようポイントの回り順で行われたのだが、何と各卓でポイント最下位の者が揃ってプラスで終えた。
この結果は、優勝が難しくなった者もしっかりと意識をもって自分の麻雀を打ち切ったからであろう。

私には難しいことはまだわからないが、「皆が高い意識で対局に臨む」この一点が、良い対局・良い麻雀を生むのだと思う。
今後の麻雀界、延いては静岡支部の発展の為に、常に高い意識をもって対局に臨んでほしいと思う。

静岡プロリーグもいよいよ大詰め。
どんなドラマが待っているのだろうか。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 鷲見 隼人 51.8 ▲ 2.8 ▲ 10.3 60.0 ▲ 51.6 73.4 84.6 0.8 18.9 224.8
2 太田 昌樹 99.0 ▲ 4.0 36.2 15.1 ▲ 12.0 ▲ 0.6 ▲ 6.9 55.2 ▲ 5.7 176.3
3 望月 雅継 33.3 3.2 ▲ 64.3 13.0 ▲ 30.4 71.8 49.6 40.4 116.6
4 鈴木 秀幸 0.8 72.5 8.3 28.1 38.5 24.4 4.6 ▲ 70.3 ▲ 26.3 80.6
5 鈴木 郁孝 52.7 ▲ 12.6 53.2 ▲ 17.4 ▲ 37.3 54.8 ▲ 43.6 35.9 ▲ 9.6 76.1
6 朝比奈 諒 ▲ 3.5 ▲ 5.1 38.4 ▲ 52.1 34.2 ▲ 20.6 27.8 51.7 70.8
7 杉村 泰治 ▲ 20.2 ▲ 26.1 34.3 ▲ 11.8 17.8 ▲ 31.4 127.7 ▲ 29.9 ▲ 26.6 33.8
8 石原 将樹 40.4 24.2 ▲ 9.5 ▲ 9.4 40.3 44.3 ▲ 19.0 ▲ 68.6 ▲ 22.2 20.5
9 渡辺 洋巳 ▲ 31.0 ▲ 7.4 ▲ 6.9 54.9 90.9 0.0 ▲ 72.2 ▲ 30.3 12.7 10.7
10 鮎川 卓 ▲ 2.4 ▲ 38.5 4.1 ▲ 33.2 ▲ 1.6 46.6 9.2 14.3 ▲ 18.5 ▲ 20.0
11 坪井 哲也 ▲ 0.4 ▲ 1.2 ▲ 25.3 1.2 ▲ 24.2 ▲ 29.5 ▲ 6.0 ▲ 13.0 31.3 ▲ 67.1
12 越川 清一 ▲ 23.0 ▲ 54.8 57.6 ▲ 4.0 ▲ 28.6 ▲ 10.9 ▲ 25.1 ▲ 16.4 ▲ 105.2
13 長内 真実 ▲ 73.6 ▲ 58.7 ▲ 4.8 ▲ 6.9 5.2 0.0 0.7 22.7 ▲ 115.4
14 岡本 和也 0.0 34.7 ▲ 22.8 ▲ 61.8 ▲ 12.8 ▲ 47.5 ▲ 25.1 18.2 ▲ 117.1
15 徳永 翔 11.4 25.9 ▲ 52.5 ▲ 44.8 ▲ 26.6 ▲ 50.3 ▲ 11.9 1.9 21.8 ▲ 125.1
16 平岡 理恵 ▲ 43.2 ▲ 13.7 ▲ 5.4 33.4 ▲ 44.3 ▲ 25.4 30.4 ▲ 76.8 19.6 ▲ 125.4
17 鈴木 雅人 ▲ 0.6 ▲ 43.5 ▲ 38.2 45.5 ▲ 10.1 ▲ 106.6 ▲ 77.2 46.8 ▲ 183.9

静岡プロリーグ レポート/第9期 静岡プロリーグ 第9節レポート

街を歩けばジングルベルの曲が聞かれる12月、静岡プロリーグ第9節が行われた。
今節がほとんどの支部員にとって今年最後の公式戦となる。
来年に繋げる為にも、良い形で締めくくりたいと誰もが思っているだろう。
また第9節は、ポイントの回り順で行われた為か、いつもとは少し違う雰囲気が会場を包んだ。
いつも以上の緊張感の中、対局が開始された。
1卓
鷲見×石原×鮎川×徳永
この卓の注目は、首位を走る鷲見のポイントを削り、石原・鮎川が最終節に望みを繋げるか。
しかし勝ち頭は、徳永。
鷲見も展開に恵まれプラスで終えた。
石原・鮎川共に前に出て戦い続けたが、一歩及ばず優勝争いから遠のいてしまった。
2卓
太田×杉村×渡辺×平岡
現在2位の太田は、首位まで約30P。
今節で、一気にひっくり返したい。
杉村も、少し大きめのプラスで優勝圏内に入る為、自然と力が入る。
しかしこの卓も勝ったのは、渡辺・平岡。
どうしても勝ちたかった、太田・杉村は共にマイナスしてしまった。
杉村は優勝が難しくなってしまったが、太田はまだ首位との差は約50P。
攻撃重視、門前手役派しかも最終節は直接対決なので、十分にチャンスはある。
3卓
鈴木秀×鈴木郁×越川×坪井
この卓は、4位の鈴木秀・5位の鈴木郁がどこまでポイントを伸ばし首位との差を縮めて最終節を迎えるかがポイント。
たがこの卓も勝ったのは坪井。
他の3人を沈めて1人浮きで今節を終えた。
鈴木秀は暫定4位、3位の望月支部長の最終節の別日対局が決定しているため、最終節の上位卓が決定した。
暫定5位の鈴木郁は、6位の朝比奈の別日対局の結果待ち。
直接対決か否かは、最終節とても重要なだけに、朝比奈の結果が気になるところ。
今節は、前述したようポイントの回り順で行われたのだが、何と各卓でポイント最下位の者が揃ってプラスで終えた。
この結果は、優勝が難しくなった者もしっかりと意識をもって自分の麻雀を打ち切ったからであろう。
私には難しいことはまだわからないが、「皆が高い意識で対局に臨む」この一点が、良い対局・良い麻雀を生むのだと思う。
今後の麻雀界、延いては静岡支部の発展の為に、常に高い意識をもって対局に臨んでほしいと思う。
静岡プロリーグもいよいよ大詰め。
どんなドラマが待っているのだろうか。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 鷲見 隼人 51.8 ▲ 2.8 ▲ 10.3 60.0 ▲ 51.6 73.4 84.6 0.8 18.9 224.8
2 太田 昌樹 99.0 ▲ 4.0 36.2 15.1 ▲ 12.0 ▲ 0.6 ▲ 6.9 55.2 ▲ 5.7 176.3
3 望月 雅継 33.3 3.2 ▲ 64.3 13.0 ▲ 30.4 71.8 49.6 40.4 116.6
4 鈴木 秀幸 0.8 72.5 8.3 28.1 38.5 24.4 4.6 ▲ 70.3 ▲ 26.3 80.6
5 鈴木 郁孝 52.7 ▲ 12.6 53.2 ▲ 17.4 ▲ 37.3 54.8 ▲ 43.6 35.9 ▲ 9.6 76.1
6 朝比奈 諒 ▲ 3.5 ▲ 5.1 38.4 ▲ 52.1 34.2 ▲ 20.6 27.8 51.7 70.8
7 杉村 泰治 ▲ 20.2 ▲ 26.1 34.3 ▲ 11.8 17.8 ▲ 31.4 127.7 ▲ 29.9 ▲ 26.6 33.8
8 石原 将樹 40.4 24.2 ▲ 9.5 ▲ 9.4 40.3 44.3 ▲ 19.0 ▲ 68.6 ▲ 22.2 20.5
9 渡辺 洋巳 ▲ 31.0 ▲ 7.4 ▲ 6.9 54.9 90.9 0.0 ▲ 72.2 ▲ 30.3 12.7 10.7
10 鮎川 卓 ▲ 2.4 ▲ 38.5 4.1 ▲ 33.2 ▲ 1.6 46.6 9.2 14.3 ▲ 18.5 ▲ 20.0
11 坪井 哲也 ▲ 0.4 ▲ 1.2 ▲ 25.3 1.2 ▲ 24.2 ▲ 29.5 ▲ 6.0 ▲ 13.0 31.3 ▲ 67.1
12 越川 清一 ▲ 23.0 ▲ 54.8 57.6 ▲ 4.0 ▲ 28.6 ▲ 10.9 ▲ 25.1 ▲ 16.4 ▲ 105.2
13 長内 真実 ▲ 73.6 ▲ 58.7 ▲ 4.8 ▲ 6.9 5.2 0.0 0.7 22.7 ▲ 115.4
14 岡本 和也 0.0 34.7 ▲ 22.8 ▲ 61.8 ▲ 12.8 ▲ 47.5 ▲ 25.1 18.2 ▲ 117.1
15 徳永 翔 11.4 25.9 ▲ 52.5 ▲ 44.8 ▲ 26.6 ▲ 50.3 ▲ 11.9 1.9 21.8 ▲ 125.1
16 平岡 理恵 ▲ 43.2 ▲ 13.7 ▲ 5.4 33.4 ▲ 44.3 ▲ 25.4 30.4 ▲ 76.8 19.6 ▲ 125.4
17 鈴木 雅人 ▲ 0.6 ▲ 43.5 ▲ 38.2 45.5 ▲ 10.1 ▲ 106.6 ▲ 77.2 46.8 ▲ 183.9

第39期王位戦 決勝観戦記

第39期王位戦決勝観戦記:猿川真寿

2013年12.1。夏目坂スタジオで王位戦決勝が行われた。
今年から、準決勝よりニコニコ生放送で配信されることになった。
映像になった時、普段と同じよう打ちきれるかどうかが、大きなカギになるだろう。
そういう意味では、若手プロや一般の方たちには厳しい戦いになるだろうなと思っていた。

ここで抜け番システムについて説明しておこう。
準決勝の通過順に好きな抜け番を選ぶことが出来る。
5位通過者は失礼かもしれないが余り物ということになる。
私が知る限りでは、集中力の持続や疲労の関係もあり3回戦抜け番を選ぶ人が多いように感じる。
そのあとは4、2、1、5の順になることが多い。
5は他者が敗退ボーダーを合わせることができるので、少しだけ不利になる。
なので、今回の森下は珍しい選択をしたと言えるだろう。

それでは、見事決勝に残ったメンバーを通過順位順に紹介したい。

森下剛任
22期生 中部本部所属
今回がニコ生は初
抜け番は1回戦
oui38_a_01

伊藤康宏さん(一般)
ロン2ではクラピカのハンドルネームでプレイしており、今年のインターネット選手権では、
決勝で、前原雄大、二階堂亜樹、安田麻里菜の強豪プロを倒し王者になった。
また、ロン2カップsummerでも決勝に残っている。
抜け番は4回戦
oui38_a_01

穴澤義則さん(一般)
地方予選からの勝ち上がり。
本戦ではベストアマを獲得。
今回が王位戦初挑戦で、決勝まで勝ちあがりは大変素晴らしい事だと思う。
抜け番は3回戦
oui38_a_01

杉浦勘介
20期生 東京本部所属
第9期 野口賞受賞
抜け番は2回戦
oui38_a_01

手塚紗掬
28期生
第1期 女流雀王
抜け番は5回戦
oui38_a_01

映像慣れという部分では、杉浦>手塚>伊藤>森下=穴澤という事になる。
ただ、その点が必ずしも良い方向にでるとは限らないので、実際のところはどういう出方をするのか、打ち手の性格の所為が大きいかも知れない。とはいえ、場慣れしている方が有利に思える。

ちなみに、私が出始めの頃は、相手の進行速度が分かりにくく、リズムが掴みづらくなった記憶がある。
一方、凡ミスは減ったというメリットもあった。

それにしても攻めっ気の強い面子が揃ったものだなと思う。
決勝まではトーナメントと違い、ボーダー戦なのでご覧の通りのような面々になりやすいのだと思う。
杉浦は最近、守備型から攻撃型にシフトチェンジをしたのが良かったのだろう。

決勝のシステムは5回戦を1回抜け番で1人4回戦を打ち、1人敗退者が決定。
その後残りの4人で2回戦打って優勝を決める。

oui38_a_01

1回戦
(起家から、杉浦、手塚、穴澤、伊藤 抜け番・森下)

4者とも好配牌で前日の勢いを維持しているように思える。
親の杉浦の配牌は

一万八万三索三索四索五索六索五筒五筒東北白白中  ドラ一索

この手が9巡目にうまくまとまりリーチ。

三索三索四索四索五索五筒六筒七筒白白白中中  リーチ

高めをツモって4,000オールの好スタートを切った。
私は1局で何が決まるわけではないが、杉浦のこの日の出来は良さそうだなと感じた。
配牌の時点で、あわよくばホンイツぐらいに仕上げようと考えていたと思う。
このような手で悩むことは、白の処理の仕方である。
1枚目から鳴くのか、二鳴きにするのか、正解がないだけに誰でも悩むところだと思う。
ホンイツこそ崩れてしまったが、ツモが利いて悩みなくいける時は好調だと私は考える。
それ以降も、あとはとりあえず自然に進めてゆけばいいのである。

ただ、実際は頭では分かっているつもりでも、体が反応しなくなるのが決勝の舞台である。
これは経験したことのある人でしか分からない感覚ではある。
視聴者の皆さんもそのような点も考慮して温かい目で見て欲しいと願います。

oui38_a_01

これは東2局の終局図。
伊藤さんの打ち方が冴えた1局だった。7巡目に高め追求でドラ受けを残して、六索七索タ―ツを外している。
これが上手くいき、手塚から5,200のアガリとなった。
リーチを躱されてしまった杉浦の待ちは、山に6枚残っており、もし伊藤さんがアガリ優先に手を進めていたらどうなっていたのだろうか?と個人的には興味がある所だ。

この後は流局がほぼなく、激しい攻め合いが続いた。
1回戦を制したのは穴澤さん。オーラスに親のリーチをうまく躱してトップへ。
捲くられた杉浦は加点できなかった事を、どう考えているのだろうと私は思った。

1回戦終了時
穴澤+15.9P  杉浦+11.4P  伊藤▲8.3P  手塚▲19.0P

2回戦
(起家から、手塚、伊藤、穴澤、森下 抜け番・杉浦)

1回戦を森下は控え室でずっと観戦していた。個々の調子を分析していたのだろうと見受ける。
森下とは、彼がプロ入りした当時から静岡リーグに出ていたこともあり面識はあった。
麻雀は思い切りが良い高打点型である。私の昔の麻雀によく似ていた。

攻める回数が多い分、展開が向かなくなると大いに苦しくなることも当然ある。
昨日の麻雀の調子が継続していれば、良い方向に進みそうだなと思っていた。
あとは、優勝というプレッシャーに打ち勝てるかどうか。これがなかなか難しい。
静岡リーグでも、決勝では持ち味が出しきれてなかった。
そのような事があるから、GⅠタイトルの優勝は厳しいとも感取した。

oui38_a_01

東1局 終局図である。手塚には悪いが、この放銃は酷いと感じてしまう。
1回戦4着だったので、挽回したい気持ちはよく分かる。ましてや親番。
テンパイを維持したいのだろう。

しかし、それでもここはオリるべきだったと思う。
なぜならば、ホンイツ模様の森下が八筒のトイツ落としを入れている。
この時点で、ほぼホンイツかホンイツトイトイの二択であると考えられるからである。

普段からこの牌を切ってしまうとは思ってはいないが、挽回したいからこその粘りを見せて欲しかった。
一方、穴澤さんは13巡目にカン三索のテンパイが入るが、生牌の中が切れずに回っている。
穴澤さんは手数が多いが、無理はしない麻雀だった印象を準決勝の時に感じた。
スタイルの違いはあるが、負けていたとしても穴澤さんはきっと切らないなと思って観ていた。
開始前に「凄く緊張しています。」と言っていたが、麻雀のメンタルは相当強いと分析する。
oui38_a_01

このあとも手塚は、東2局に伊藤さんに11,600を、南2局に森下に12,000を放銃。
早い仕掛けのテンパイと早いリーチだったので、放銃は仕方ないと思ったが、
ここで手塚の王位戦は終わったと言ってしまっても過言ではない。
もう冷静さは取り戻せないぐらい精神的にダメージを受けていると推察する。

この観戦記がHPに掲載される頃には、プロクイーンの優勝者が決まっているだろう。
今回は惨敗で幕を閉じてしまったが、決勝という舞台の良い経験になったと思う。
これを糧にして気負わずこれからも頑張って欲しい。

結果は、穴澤さんが南3局の親番で詰め寄り、3人が40,000点以上に一時なったが、
次局、伊藤さんから5,200をアガった森下が微差のトップを獲る。

2回戦成績
森下+25.7P  穴澤+18.6P  伊藤+3.4P  手塚▲47.7P

2回戦終了時
穴澤+34.5P  森下+25.7P  杉浦+11.4P  伊藤▲4.9P  手塚▲66.7P

3回戦
(起家から手塚、伊藤、森下、杉浦、抜け番、穴澤)

ここでトータル暫定1位の穴澤さんが抜け番となった。
直接対決は、差を一気に詰めるチャンスではあるが、その日の好調者と勝負するのにはリスクが相当高い。
追いかける立場の杉浦、伊藤さんは勢い的に番手につけたいところ。
特に伊藤さんは、まだトップとそこまで差はないが、次が抜け番だという点、森下がポイントを伸ばした時に、2人を躱さなければならない。よって、ここは浮きにまわらないと苦しくなると推測する。

東1局は、森下が手塚から8,000出アガリのスタート。
東2局は伊藤さんが2,600オール、1,000オールとアガリ、トップ目に立つ。
抜け番から戻ってきた杉浦は、2人の速度に付いて行けていないように見えた。

そして南1局に杉浦が捕まってしまう。
杉浦の手牌は7巡目に1シャンテンになり、次巡。

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ここでタンヤオに振り替わり、満貫級が狙える手になった。
ここは九万切りが普通だと思う。杉浦も九万切りを選んだ。
座っていないと分からないかもしれないが、私ならば中を先切りしたかもしれない。
と言うのは、森下、伊藤さんに比べて速度が負けていて、尚且つ2人の捨て牌が変則的だという点がある。
加えて九万は、森下の現物で伊藤さんにも通りそうなので、逆手順で踏み込んで行くも悪くないと感じる。
親の手塚が来た場合だけは怖いが、現状の敵は手塚以外なので考えないようにしても好ましいと思う。

気にかかる一方の森下の牌姿は

二万二万二万三万三万四万五万五万六万三筒西中中

鳴かれたかどうかは分からないが、ここで切ったらどうなっていただろうか?
この局の結果は、森下がこの後有効牌を引き入れ、ドラが重なった杉浦の中を捕えて8,000のアガリとなった。しかし、ここから杉浦は粘りを見せて、森下から8,000をアガリ返し、次局も2,000・4,000をアガリ。
オーラスは伊藤さんがアガリ、トップを獲った。

3回戦成績
伊藤+14.5P  森下+7.5P  杉浦+5.3P  手塚▲27.3P

3回戦終了時
穴澤+34.5P  森下+33.2P  杉浦+16.7P  伊藤+9.6P  手塚▲94.0P

4回戦
(起家から、杉浦、手塚、穴澤、森下、抜け番・伊藤)

伊藤さんがトップを獲ったことにより、上位陣は混戦になってしまった。
抜け番の伊藤さんとしては、上に抜けられるよりは、杉浦、手塚に頑張ってもらいたいところであろう。
この半荘になってようやく手塚がアガリ始めた。
手塚は、約10万点のトップを獲らない限り敗退となるので、現実的にはほぼ不可能な状態。
また、3者も手塚がアガる分には体制に影響ないので手塚とは戦わず。
手塚の有利な方向に進んでしまうだろう。

思い通りに手塚が加点して、東3局には55,000点までになった。
東4局に親の森下は手塚から1,500をアガると、次局4,000オールのアガリ。

六万六万九万九万四索四索四索二筒三筒四筒八筒八筒八筒  リーチ  ツモ六万  ドラ五筒

出アガリだと2,000か2,400しかなかったので、非常に大きいツモアガリとなった。
森下の好調加減が伺える1局だった。
このまま、森下が手塚も捲くるかと思ったが、穴澤さんが苦しいところから2,000.4,000をアガリ。

三筒四筒七筒八筒九筒発発中中中  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ツモ二筒

穴澤さんは本当に良い意味でしぶとさを持っているなと思わされる局面がいくつもあった。
独特の感性が織り成す所業と言えると思う。
所業とは書いているが、褒め言葉として受け取って頂きたい。

局はこのまま進み、手塚のトップで終了となった。

4回戦成績
手塚+19.7P  森下+10.5P  穴澤▲7.2P  杉浦▲24.0P

4回戦終了時
森下+43.7P  穴澤+27.3P  伊藤+9.6P  杉浦▲7.3P  手塚▲74.3P

5回戦
(起家から穴澤、杉浦、伊藤、森下 抜け番、手塚)

この5回戦目で、1人敗退者が出てしまうのだが、ほぼ手塚で確定していると思われる。
事実上、この5回戦から同面子で3回勝負ということになる。

4回戦を終えてトータルがマイナスになってしまった杉浦が気になる。
点数的にというよりは、前回の4回戦、全く戦えていなかったことである。
手が入らなければ、いくら攻撃型といっても攻めることはできないのは致し方ないと思うのだが、攻める姿勢でこじ開けていくのが攻撃型で1番必要な部分だと思う。
このまま、普通に見ているだけでは優勝は厳しいだろうなと思った。

東1局、伊藤さんから10巡目にリーチが入ると、親の穴澤さんにも12巡目にテンパイが入る。

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ここは現物の一万を切った好形になったら勝負かな?と思った。
しかし、次巡は二万をリリース、その後三万を打って1面子おとした後に比較的通りそうな牌を選び、森下の1人ノーテンで終局した。私は素直に関心してしまった。

正解、不正解はない局面だと感じるが、親番だという事を考慮するとなかなかできないものである。
ましてや、決勝の舞台ということも考えると余計にである。

次局は、穴澤さんがリーチを打つが森下と杉浦もしぶとくテンパイした。
3本場、この局が私の中では1つの分岐点だったように思える。
6巡目に杉浦がポンテンをとる。

五索五索六索六索七索七索四筒五筒西西  ポン東東東  ドラ四筒

10巡目に出た森下の七万を穴澤さんがポン。
供託も3本有り、この局面も賛否両論あるところだが、結果から述べてしまうと、穴澤さんが杉浦に放銃という形で終局となった。

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どちらにしても杉浦の待ちは6枚生きで、アガリは堅かったとは思うが、最終戦に向けての態勢作りとして見てしまうと、我慢していた2人だけにこの後の命運が分かれた1局になりそうだなと思った。
これで杉浦が生き返り、親でこそ加点出来なかったが東3局では穴澤さんから7,700の出アガリでトップ目に立った。

二万三万四万五万六万七万八万九万三索三索二筒三筒四筒  ロン一万  ドラ七筒

この後は四者の凌ぎあいが続き、杉浦が1人浮きの初トップを奪取。

5回戦成績
杉浦+22.3P  森下▲1.1P  伊藤▲7.5P  穴澤▲14.7P

5回戦終了時
森下+42.6P  杉浦15.0P  穴澤+12.6P  伊藤+2.1P  手塚▲74.3P(途中敗退)

6回戦
(起家から、伊藤、森下、穴澤、杉浦)

暫定4位の伊藤さんとトップの森下のポイント差が約40P。
伊藤さんが森下を沈めて60,000点程のトップを獲れば、一気に首位まで抜ける状況なので、かなりの接戦だと言えるだろう。
そしてこの半荘は、最後まで誰がトップをとるのか分からないぐらいめまぐるしく点棒が動いた。

まず、東2局

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11巡目に三色ドラ1をテンパイしていた杉浦が、九万をもってきて追いかけリーチ。
ハイテイも付いて、3,000・6,000のアガリになった。
森下がリーチを打っていなかったら、自分からみて八万のワンチャンスとはいえ、良くない待ちなのでヤミテンだった可能性もあるだろう。5回戦から展開も向いてきた気がした。

このまま、杉浦が一気に走るのかなと思ったが、東3局に伊藤さんが1,300・2,600をツモると、次局、杉浦からタンヤオドラ3の8,000の出アガリでトップ目に立つ。
その後は、森下と穴澤さんがテンパイ料で加点をしていき、徐々に平たくなっていく。

南2局2本場

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この局が杉浦の敗因になってしまったのだと私は思う。
7巡目に九筒を引きいれて1シャンテンになる。

一万一万二万四万六万七万八万六索四筒四筒五筒七筒八筒  ツモ九筒  ドラ六万

手順としては四筒切りは良い。しかし、この局のテーマは親落としである。
このまま森下にラスを押しつけた方が適切である。

下家の伊藤さんが二索をポンから仕掛けている。タンヤオドラドラ等も考えられなくもない。
だが、五筒七筒三筒の手出しからホンイツやトイトイが濃厚のような気がする。
なので2人でプレッシャーをかけて戦うほうが有利に感じる。

よってここは打六索
難しいところだが六索切りのほうがテンパイ速度は早くなる。
私ならそう構えてテンパイ即リーで勝負したいと考える。

仮に、伊藤さんに放銃になってしまったとしても森下にアガられるよりはまだ良いと思えるからである。
杉浦は9巡目に六筒を引き入れヤミテンを選択。そして、ドラをもってきてリーチ。

リーチを打つなら、カン三万でのほうがドラから遠い分、待ちの選択としては良い。
カン五万にするなら、捨て牌から五万が良いという理由が1つもないと思うのでヤミテンにしたい。
この局の結末は、全体牌譜の通りである。予想以上にひどい結果となってしまった。

オーラスは

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森下がフリテンなのでシャンポンに受けた瞬間、穴澤さんのテンパイ打牌でアガリとなった。
展開がまた、森下の方に向いてきたなと感じた。

6回戦成績
伊藤+11.6P  森下+4.4P  杉浦+1.1P  穴澤▲17.1P

6回戦終了時
森下+47.0P  杉浦+16.1P  伊藤+13.7P  穴澤▲4.5P

7回戦
(起家から、杉浦、伊藤、穴澤、森下)

連盟規定により、ラス親はトータルトップ目の森下になる。
基本的に私の場合だが、追いかける立場の時はトップ3着条件と、トップ2着条件を考えるようにしている。

例えば、杉浦のケースなら、トップ3着条件は順位点が12詰まるので、19,000点差つければ優勝となる。
トップ2着条件は27,000点差つければ勝ち。

今回は、森下が1人抜けているだけなので、穴澤さんの条件も比較的簡単な方である。
1位と2位が抜けていて、もう少し点数差がある場合は2人躱さなければならないので、
並びも必要になってしまうので複雑になる。

東1局に、杉浦が伊藤さんから5,800、1本場では12,000を穴澤さんからアガって森下との差を1,000点まで詰める。

2本場は

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杉浦が穴澤さんに3,900の放銃。この放銃を皆さんならどう見るだろうか?
もったいないと感じる人が多いと思う。私もそう感じた。

しかし、杉浦の気持ちも良く分かる。
杉浦としては態勢が上がってきたから、より自然にまっすぐと打とうと思ったのだ。
守備型から攻撃型に変更した杉浦。
シフトチェンジしたからこそ、ここまで登りつめてきたのだと感じ取っている。

ただ、態勢攻撃型としては当たり前ながら未熟だと思う。
場数が足りないから致し方ない部分だと見做している。
麻雀は瞬間の勝負の時に勝敗を決めるのは、比較的にスタイルの完成度で決着が付いてしまう事が多いように覚える。お互いに完成度が高い場合には、技術で決着が付く。
私はこう考えている。

東2局 1本場

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森下が穴澤さんに8,000の放銃。この放銃は、先ほどの杉浦の放銃とは意味合いが大分違う。
森下はプロ入りした当時から知っているが、スタイルは変わっていなかったと記憶している。
精度をあげて頑張っているのだと思う。

この局、森下も穴澤さんがホンイツだということにも当然気づいていたはず。

ならば何故か?悪く言うと楽をしたかったかも知れない。
決勝というものは独特の苦しさがある。これは経験した者でしか分からないものだと回顧する。

優勝が見えた時に半端でないプレッシャーが圧し掛かってくる。
相手ではなく、その見えない圧力に屈したのだと思う。
能力ではなく慣れなので、ある程度登り詰めれば形は色々でも誰もが経験することだと考える。

そのあとは、森下がアガると杉浦がアガリを繰り返し迎えたオーラス。
杉浦が38,300、森下が27,000持ち。
杉浦は現状7.6ポイント負けているので、森下が親なので1,300・2,600条件もしくは7,700の出アガリ条件。

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結果は、伊藤さんが穴澤さんから5,200のアガリで幕を閉じ森下が第39期王位になった。
えっ?と思った視聴者の方も大勢いると思う。これも麻雀である。

私が考えるに、伊藤さんは最後までこの決勝を自分らしく楽しみたかったのだと。
この決勝を期に、伊藤さんは今までよりさらに麻雀を好きになっただろう。
杉浦も対局後にオーラスについての不満など1つも漏らしてはいない。

勝った森下も祝勝会の場では、「最終半荘、フラフラになってしまってよく分かりませんでした。」
と語っていた。

タイトルを1つしか獲っていない私がいうのも失礼かも知れないが、
「森下おめでとう。ここからがスタートだから。」

これは祝勝会の時に、私が森下に投げかけた言葉。
負けても反省、勝っても反省である。
森下の今後が楽しみでしょうがない私がいる。
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王位戦 決勝観戦記/第39期王位戦 決勝観戦記

第39期王位戦決勝観戦記:猿川真寿
2013年12.1。夏目坂スタジオで王位戦決勝が行われた。
今年から、準決勝よりニコニコ生放送で配信されることになった。
映像になった時、普段と同じよう打ちきれるかどうかが、大きなカギになるだろう。
そういう意味では、若手プロや一般の方たちには厳しい戦いになるだろうなと思っていた。
ここで抜け番システムについて説明しておこう。
準決勝の通過順に好きな抜け番を選ぶことが出来る。
5位通過者は失礼かもしれないが余り物ということになる。
私が知る限りでは、集中力の持続や疲労の関係もあり3回戦抜け番を選ぶ人が多いように感じる。
そのあとは4、2、1、5の順になることが多い。
5は他者が敗退ボーダーを合わせることができるので、少しだけ不利になる。
なので、今回の森下は珍しい選択をしたと言えるだろう。
それでは、見事決勝に残ったメンバーを通過順位順に紹介したい。
森下剛任
22期生 中部本部所属
今回がニコ生は初
抜け番は1回戦
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伊藤康宏さん(一般)
ロン2ではクラピカのハンドルネームでプレイしており、今年のインターネット選手権では、
決勝で、前原雄大、二階堂亜樹、安田麻里菜の強豪プロを倒し王者になった。
また、ロン2カップsummerでも決勝に残っている。
抜け番は4回戦
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穴澤義則さん(一般)
地方予選からの勝ち上がり。
本戦ではベストアマを獲得。
今回が王位戦初挑戦で、決勝まで勝ちあがりは大変素晴らしい事だと思う。
抜け番は3回戦
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杉浦勘介
20期生 東京本部所属
第9期 野口賞受賞
抜け番は2回戦
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手塚紗掬
28期生
第1期 女流雀王
抜け番は5回戦
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映像慣れという部分では、杉浦>手塚>伊藤>森下=穴澤という事になる。
ただ、その点が必ずしも良い方向にでるとは限らないので、実際のところはどういう出方をするのか、打ち手の性格の所為が大きいかも知れない。とはいえ、場慣れしている方が有利に思える。
ちなみに、私が出始めの頃は、相手の進行速度が分かりにくく、リズムが掴みづらくなった記憶がある。
一方、凡ミスは減ったというメリットもあった。
それにしても攻めっ気の強い面子が揃ったものだなと思う。
決勝まではトーナメントと違い、ボーダー戦なのでご覧の通りのような面々になりやすいのだと思う。
杉浦は最近、守備型から攻撃型にシフトチェンジをしたのが良かったのだろう。
決勝のシステムは5回戦を1回抜け番で1人4回戦を打ち、1人敗退者が決定。
その後残りの4人で2回戦打って優勝を決める。
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1回戦
(起家から、杉浦、手塚、穴澤、伊藤 抜け番・森下)
4者とも好配牌で前日の勢いを維持しているように思える。
親の杉浦の配牌は
一万八万三索三索四索五索六索五筒五筒東北白白中  ドラ一索
この手が9巡目にうまくまとまりリーチ。
三索三索四索四索五索五筒六筒七筒白白白中中  リーチ
高めをツモって4,000オールの好スタートを切った。
私は1局で何が決まるわけではないが、杉浦のこの日の出来は良さそうだなと感じた。
配牌の時点で、あわよくばホンイツぐらいに仕上げようと考えていたと思う。
このような手で悩むことは、白の処理の仕方である。
1枚目から鳴くのか、二鳴きにするのか、正解がないだけに誰でも悩むところだと思う。
ホンイツこそ崩れてしまったが、ツモが利いて悩みなくいける時は好調だと私は考える。
それ以降も、あとはとりあえず自然に進めてゆけばいいのである。
ただ、実際は頭では分かっているつもりでも、体が反応しなくなるのが決勝の舞台である。
これは経験したことのある人でしか分からない感覚ではある。
視聴者の皆さんもそのような点も考慮して温かい目で見て欲しいと願います。
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これは東2局の終局図。
伊藤さんの打ち方が冴えた1局だった。7巡目に高め追求でドラ受けを残して、六索七索タ―ツを外している。
これが上手くいき、手塚から5,200のアガリとなった。
リーチを躱されてしまった杉浦の待ちは、山に6枚残っており、もし伊藤さんがアガリ優先に手を進めていたらどうなっていたのだろうか?と個人的には興味がある所だ。
この後は流局がほぼなく、激しい攻め合いが続いた。
1回戦を制したのは穴澤さん。オーラスに親のリーチをうまく躱してトップへ。
捲くられた杉浦は加点できなかった事を、どう考えているのだろうと私は思った。
1回戦終了時
穴澤+15.9P  杉浦+11.4P  伊藤▲8.3P  手塚▲19.0P
2回戦
(起家から、手塚、伊藤、穴澤、森下 抜け番・杉浦)
1回戦を森下は控え室でずっと観戦していた。個々の調子を分析していたのだろうと見受ける。
森下とは、彼がプロ入りした当時から静岡リーグに出ていたこともあり面識はあった。
麻雀は思い切りが良い高打点型である。私の昔の麻雀によく似ていた。
攻める回数が多い分、展開が向かなくなると大いに苦しくなることも当然ある。
昨日の麻雀の調子が継続していれば、良い方向に進みそうだなと思っていた。
あとは、優勝というプレッシャーに打ち勝てるかどうか。これがなかなか難しい。
静岡リーグでも、決勝では持ち味が出しきれてなかった。
そのような事があるから、GⅠタイトルの優勝は厳しいとも感取した。
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東1局 終局図である。手塚には悪いが、この放銃は酷いと感じてしまう。
1回戦4着だったので、挽回したい気持ちはよく分かる。ましてや親番。
テンパイを維持したいのだろう。
しかし、それでもここはオリるべきだったと思う。
なぜならば、ホンイツ模様の森下が八筒のトイツ落としを入れている。
この時点で、ほぼホンイツかホンイツトイトイの二択であると考えられるからである。
普段からこの牌を切ってしまうとは思ってはいないが、挽回したいからこその粘りを見せて欲しかった。
一方、穴澤さんは13巡目にカン三索のテンパイが入るが、生牌の中が切れずに回っている。
穴澤さんは手数が多いが、無理はしない麻雀だった印象を準決勝の時に感じた。
スタイルの違いはあるが、負けていたとしても穴澤さんはきっと切らないなと思って観ていた。
開始前に「凄く緊張しています。」と言っていたが、麻雀のメンタルは相当強いと分析する。
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このあとも手塚は、東2局に伊藤さんに11,600を、南2局に森下に12,000を放銃。
早い仕掛けのテンパイと早いリーチだったので、放銃は仕方ないと思ったが、
ここで手塚の王位戦は終わったと言ってしまっても過言ではない。
もう冷静さは取り戻せないぐらい精神的にダメージを受けていると推察する。
この観戦記がHPに掲載される頃には、プロクイーンの優勝者が決まっているだろう。
今回は惨敗で幕を閉じてしまったが、決勝という舞台の良い経験になったと思う。
これを糧にして気負わずこれからも頑張って欲しい。
結果は、穴澤さんが南3局の親番で詰め寄り、3人が40,000点以上に一時なったが、
次局、伊藤さんから5,200をアガった森下が微差のトップを獲る。
2回戦成績
森下+25.7P  穴澤+18.6P  伊藤+3.4P  手塚▲47.7P
2回戦終了時
穴澤+34.5P  森下+25.7P  杉浦+11.4P  伊藤▲4.9P  手塚▲66.7P
3回戦
(起家から手塚、伊藤、森下、杉浦、抜け番、穴澤)
ここでトータル暫定1位の穴澤さんが抜け番となった。
直接対決は、差を一気に詰めるチャンスではあるが、その日の好調者と勝負するのにはリスクが相当高い。
追いかける立場の杉浦、伊藤さんは勢い的に番手につけたいところ。
特に伊藤さんは、まだトップとそこまで差はないが、次が抜け番だという点、森下がポイントを伸ばした時に、2人を躱さなければならない。よって、ここは浮きにまわらないと苦しくなると推測する。
東1局は、森下が手塚から8,000出アガリのスタート。
東2局は伊藤さんが2,600オール、1,000オールとアガリ、トップ目に立つ。
抜け番から戻ってきた杉浦は、2人の速度に付いて行けていないように見えた。
そして南1局に杉浦が捕まってしまう。
杉浦の手牌は7巡目に1シャンテンになり、次巡。
oui38_a_01
ここでタンヤオに振り替わり、満貫級が狙える手になった。
ここは九万切りが普通だと思う。杉浦も九万切りを選んだ。
座っていないと分からないかもしれないが、私ならば中を先切りしたかもしれない。
と言うのは、森下、伊藤さんに比べて速度が負けていて、尚且つ2人の捨て牌が変則的だという点がある。
加えて九万は、森下の現物で伊藤さんにも通りそうなので、逆手順で踏み込んで行くも悪くないと感じる。
親の手塚が来た場合だけは怖いが、現状の敵は手塚以外なので考えないようにしても好ましいと思う。
気にかかる一方の森下の牌姿は
二万二万二万三万三万四万五万五万六万三筒西中中
鳴かれたかどうかは分からないが、ここで切ったらどうなっていただろうか?
この局の結果は、森下がこの後有効牌を引き入れ、ドラが重なった杉浦の中を捕えて8,000のアガリとなった。しかし、ここから杉浦は粘りを見せて、森下から8,000をアガリ返し、次局も2,000・4,000をアガリ。
オーラスは伊藤さんがアガリ、トップを獲った。
3回戦成績
伊藤+14.5P  森下+7.5P  杉浦+5.3P  手塚▲27.3P
3回戦終了時
穴澤+34.5P  森下+33.2P  杉浦+16.7P  伊藤+9.6P  手塚▲94.0P
4回戦
(起家から、杉浦、手塚、穴澤、森下、抜け番・伊藤)
伊藤さんがトップを獲ったことにより、上位陣は混戦になってしまった。
抜け番の伊藤さんとしては、上に抜けられるよりは、杉浦、手塚に頑張ってもらいたいところであろう。
この半荘になってようやく手塚がアガリ始めた。
手塚は、約10万点のトップを獲らない限り敗退となるので、現実的にはほぼ不可能な状態。
また、3者も手塚がアガる分には体制に影響ないので手塚とは戦わず。
手塚の有利な方向に進んでしまうだろう。
思い通りに手塚が加点して、東3局には55,000点までになった。
東4局に親の森下は手塚から1,500をアガると、次局4,000オールのアガリ。
六万六万九万九万四索四索四索二筒三筒四筒八筒八筒八筒  リーチ  ツモ六万  ドラ五筒
出アガリだと2,000か2,400しかなかったので、非常に大きいツモアガリとなった。
森下の好調加減が伺える1局だった。
このまま、森下が手塚も捲くるかと思ったが、穴澤さんが苦しいところから2,000.4,000をアガリ。
三筒四筒七筒八筒九筒発発中中中  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ツモ二筒
穴澤さんは本当に良い意味でしぶとさを持っているなと思わされる局面がいくつもあった。
独特の感性が織り成す所業と言えると思う。
所業とは書いているが、褒め言葉として受け取って頂きたい。
局はこのまま進み、手塚のトップで終了となった。
4回戦成績
手塚+19.7P  森下+10.5P  穴澤▲7.2P  杉浦▲24.0P
4回戦終了時
森下+43.7P  穴澤+27.3P  伊藤+9.6P  杉浦▲7.3P  手塚▲74.3P
5回戦
(起家から穴澤、杉浦、伊藤、森下 抜け番、手塚)
この5回戦目で、1人敗退者が出てしまうのだが、ほぼ手塚で確定していると思われる。
事実上、この5回戦から同面子で3回勝負ということになる。
4回戦を終えてトータルがマイナスになってしまった杉浦が気になる。
点数的にというよりは、前回の4回戦、全く戦えていなかったことである。
手が入らなければ、いくら攻撃型といっても攻めることはできないのは致し方ないと思うのだが、攻める姿勢でこじ開けていくのが攻撃型で1番必要な部分だと思う。
このまま、普通に見ているだけでは優勝は厳しいだろうなと思った。
東1局、伊藤さんから10巡目にリーチが入ると、親の穴澤さんにも12巡目にテンパイが入る。
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ここは現物の一万を切った好形になったら勝負かな?と思った。
しかし、次巡は二万をリリース、その後三万を打って1面子おとした後に比較的通りそうな牌を選び、森下の1人ノーテンで終局した。私は素直に関心してしまった。
正解、不正解はない局面だと感じるが、親番だという事を考慮するとなかなかできないものである。
ましてや、決勝の舞台ということも考えると余計にである。
次局は、穴澤さんがリーチを打つが森下と杉浦もしぶとくテンパイした。
3本場、この局が私の中では1つの分岐点だったように思える。
6巡目に杉浦がポンテンをとる。
五索五索六索六索七索七索四筒五筒西西  ポン東東東  ドラ四筒
10巡目に出た森下の七万を穴澤さんがポン。
供託も3本有り、この局面も賛否両論あるところだが、結果から述べてしまうと、穴澤さんが杉浦に放銃という形で終局となった。
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どちらにしても杉浦の待ちは6枚生きで、アガリは堅かったとは思うが、最終戦に向けての態勢作りとして見てしまうと、我慢していた2人だけにこの後の命運が分かれた1局になりそうだなと思った。
これで杉浦が生き返り、親でこそ加点出来なかったが東3局では穴澤さんから7,700の出アガリでトップ目に立った。
二万三万四万五万六万七万八万九万三索三索二筒三筒四筒  ロン一万  ドラ七筒
この後は四者の凌ぎあいが続き、杉浦が1人浮きの初トップを奪取。
5回戦成績
杉浦+22.3P  森下▲1.1P  伊藤▲7.5P  穴澤▲14.7P
5回戦終了時
森下+42.6P  杉浦15.0P  穴澤+12.6P  伊藤+2.1P  手塚▲74.3P(途中敗退)
6回戦
(起家から、伊藤、森下、穴澤、杉浦)
暫定4位の伊藤さんとトップの森下のポイント差が約40P。
伊藤さんが森下を沈めて60,000点程のトップを獲れば、一気に首位まで抜ける状況なので、かなりの接戦だと言えるだろう。
そしてこの半荘は、最後まで誰がトップをとるのか分からないぐらいめまぐるしく点棒が動いた。
まず、東2局
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11巡目に三色ドラ1をテンパイしていた杉浦が、九万をもってきて追いかけリーチ。
ハイテイも付いて、3,000・6,000のアガリになった。
森下がリーチを打っていなかったら、自分からみて八万のワンチャンスとはいえ、良くない待ちなのでヤミテンだった可能性もあるだろう。5回戦から展開も向いてきた気がした。
このまま、杉浦が一気に走るのかなと思ったが、東3局に伊藤さんが1,300・2,600をツモると、次局、杉浦からタンヤオドラ3の8,000の出アガリでトップ目に立つ。
その後は、森下と穴澤さんがテンパイ料で加点をしていき、徐々に平たくなっていく。
南2局2本場
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この局が杉浦の敗因になってしまったのだと私は思う。
7巡目に九筒を引きいれて1シャンテンになる。
一万一万二万四万六万七万八万六索四筒四筒五筒七筒八筒  ツモ九筒  ドラ六万
手順としては四筒切りは良い。しかし、この局のテーマは親落としである。
このまま森下にラスを押しつけた方が適切である。
下家の伊藤さんが二索をポンから仕掛けている。タンヤオドラドラ等も考えられなくもない。
だが、五筒七筒三筒の手出しからホンイツやトイトイが濃厚のような気がする。
なので2人でプレッシャーをかけて戦うほうが有利に感じる。
よってここは打六索
難しいところだが六索切りのほうがテンパイ速度は早くなる。
私ならそう構えてテンパイ即リーで勝負したいと考える。
仮に、伊藤さんに放銃になってしまったとしても森下にアガられるよりはまだ良いと思えるからである。
杉浦は9巡目に六筒を引き入れヤミテンを選択。そして、ドラをもってきてリーチ。
リーチを打つなら、カン三万でのほうがドラから遠い分、待ちの選択としては良い。
カン五万にするなら、捨て牌から五万が良いという理由が1つもないと思うのでヤミテンにしたい。
この局の結末は、全体牌譜の通りである。予想以上にひどい結果となってしまった。
オーラスは
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森下がフリテンなのでシャンポンに受けた瞬間、穴澤さんのテンパイ打牌でアガリとなった。
展開がまた、森下の方に向いてきたなと感じた。
6回戦成績
伊藤+11.6P  森下+4.4P  杉浦+1.1P  穴澤▲17.1P
6回戦終了時
森下+47.0P  杉浦+16.1P  伊藤+13.7P  穴澤▲4.5P
7回戦
(起家から、杉浦、伊藤、穴澤、森下)
連盟規定により、ラス親はトータルトップ目の森下になる。
基本的に私の場合だが、追いかける立場の時はトップ3着条件と、トップ2着条件を考えるようにしている。
例えば、杉浦のケースなら、トップ3着条件は順位点が12詰まるので、19,000点差つければ優勝となる。
トップ2着条件は27,000点差つければ勝ち。
今回は、森下が1人抜けているだけなので、穴澤さんの条件も比較的簡単な方である。
1位と2位が抜けていて、もう少し点数差がある場合は2人躱さなければならないので、
並びも必要になってしまうので複雑になる。
東1局に、杉浦が伊藤さんから5,800、1本場では12,000を穴澤さんからアガって森下との差を1,000点まで詰める。
2本場は
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杉浦が穴澤さんに3,900の放銃。この放銃を皆さんならどう見るだろうか?
もったいないと感じる人が多いと思う。私もそう感じた。
しかし、杉浦の気持ちも良く分かる。
杉浦としては態勢が上がってきたから、より自然にまっすぐと打とうと思ったのだ。
守備型から攻撃型に変更した杉浦。
シフトチェンジしたからこそ、ここまで登りつめてきたのだと感じ取っている。
ただ、態勢攻撃型としては当たり前ながら未熟だと思う。
場数が足りないから致し方ない部分だと見做している。
麻雀は瞬間の勝負の時に勝敗を決めるのは、比較的にスタイルの完成度で決着が付いてしまう事が多いように覚える。お互いに完成度が高い場合には、技術で決着が付く。
私はこう考えている。
東2局 1本場
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森下が穴澤さんに8,000の放銃。この放銃は、先ほどの杉浦の放銃とは意味合いが大分違う。
森下はプロ入りした当時から知っているが、スタイルは変わっていなかったと記憶している。
精度をあげて頑張っているのだと思う。
この局、森下も穴澤さんがホンイツだということにも当然気づいていたはず。
ならば何故か?悪く言うと楽をしたかったかも知れない。
決勝というものは独特の苦しさがある。これは経験した者でしか分からないものだと回顧する。
優勝が見えた時に半端でないプレッシャーが圧し掛かってくる。
相手ではなく、その見えない圧力に屈したのだと思う。
能力ではなく慣れなので、ある程度登り詰めれば形は色々でも誰もが経験することだと考える。
そのあとは、森下がアガると杉浦がアガリを繰り返し迎えたオーラス。
杉浦が38,300、森下が27,000持ち。
杉浦は現状7.6ポイント負けているので、森下が親なので1,300・2,600条件もしくは7,700の出アガリ条件。
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結果は、伊藤さんが穴澤さんから5,200のアガリで幕を閉じ森下が第39期王位になった。
えっ?と思った視聴者の方も大勢いると思う。これも麻雀である。
私が考えるに、伊藤さんは最後までこの決勝を自分らしく楽しみたかったのだと。
この決勝を期に、伊藤さんは今までよりさらに麻雀を好きになっただろう。
杉浦も対局後にオーラスについての不満など1つも漏らしてはいない。
勝った森下も祝勝会の場では、「最終半荘、フラフラになってしまってよく分かりませんでした。」
と語っていた。
タイトルを1つしか獲っていない私がいうのも失礼かも知れないが、
「森下おめでとう。ここからがスタートだから。」
これは祝勝会の時に、私が森下に投げかけた言葉。
負けても反省、勝っても反省である。
森下の今後が楽しみでしょうがない私がいる。
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第8期女流桜花 優勝者予想

正解者の中から抽選で1名の方に、第8期女流桜花獲得後の直筆サインをプレゼント致します。
また、応募された方の中から抽選で2名の方に、女流桜花決勝進出プロ寄せ書きサインをプレゼント致します。

応募方法:優勝すると思われるプロを記載し、こちら からご応募ください。

※1メールアドレスに対し、1応募とさせて頂きます。
※1メールアドレスより複数の応募があった場合、最後に応募されたもののみ受け付けられます。

なお当選者の発表は賞品の発送を以って代えさせて頂きます。

締め切り:2013年1月12日(金)

番号 名前 プロフィール 伊藤 勝又 亜樹 小車 高宮
1

魚谷侑未
25期生 三段
現女流桜花

ロン2プロフィールはこちら

2

和久津晶
23期生 三段
第9期プロクイーン決定戦  優勝

 ロン2プロフィールはこちら

3

安田麻里菜
23期生 三段
第10期プロクイーン決定戦  優勝

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4

吾妻さおり
21期生 三段
 
ロン2プロフィールはこちら

決定戦進出者

現女流桜花:魚谷侑未
 1位通過:和久津晶
 2位通過:吾妻さおり
 3位通過:安田麻里菜

予想者コメント

荒正義

ボクには安定度では魚谷、打撃戦では和久津のイメージがあります。
勝負がどう展開するかわかりませんが、対応型の魚谷が本命。
勝つことも大事ですが、視聴者に「流石プロ…」と感動を与える自分を見せてほしい。

 
◎ 魚谷侑未
〇 和久津晶

伊藤優孝

ここ数年、魚谷の勝負運の強さと執念をみせつけられると、本命にせざるを得ない。
ここは最強戦の雪辱を果たすとみます。
このメンバーで唯一無冠の吾妻だが、キャリアは十分。勝ちたい気持が一番強いのは吾妻だろう。

◎ 魚谷侑未
○ 吾妻さおり

勝又健志

昨年の決定戦での2人の優勝争いは、今でもしっかりと記憶に残る壮絶なものであった。
その大熱戦を勝ち切った経験は、今年訪れる勝負どころでも大きくプラスとなるであろう。
よって本命に魚谷。対抗には昨年惜しくも準優勝の和久津。
昨年の最終戦で見せたあの攻撃力は、間違いなく他3者の脅威となっているであろう。

◎ 魚谷侑未
○ 和久津晶

二階堂亜樹

今回本命は和久津晶。
前回の対戦で魚谷に敗北しているので雪辱を晴らすため、今回も気合い充分で挑むでしょう。怖いです。
対抗は魚谷。勝ちに対する執念は相当のもの。どちらも甲乙つけがたいんですけどね。

◎ 和久津晶
○ 魚谷侑未

小車祥

総合力ではやはり魚谷さん。攻守ともに隙がなく、桜花連覇は伊達じゃない。
史上初の桜花3連覇を成し遂げるイメージを浮かべるのは必然。
対抗に安田さん。和久津さんの超攻撃麻雀も捨てがたいが、安田さんの繊細な麻雀でのリスク回避、
かつ要所での鋭いアガリで優勝争いに絡むと予想。

◎ 魚谷侑未
○ 安田麻里菜

高宮まり

まず本命は、親友だからという色眼鏡なしで女流桜花連覇・現女流桜花の魚谷侑未プロ。
魚谷プロの状況判断や局まわしの知識、そして技術は周囲からの評価も高く、タイトル戦決勝という場
においてかなり有利なのではないかと思います。
そして対抗に予想するのは、歴代プロクイーンのお2人で迷いましたが、圧倒的攻撃力で知られる
第9期プロクイーン和久津晶プロ。和久津プロといえば、昨年の女流桜花決定戦での魚谷プロとの激闘を
覚えている方も多いのではないでしょうか。先日の第11期プロクイーン決定戦でも猛烈な追い上げを魅せました。
そして、守備型と言われ安定した雀力に定評のある第10期プロクイーン安田麻里奈プロ、
そしてタイトル戦放送では初登場となる吾妻さおりプロがどのように戦うのか。
白熱の闘いを期待して、放送を楽しみに待ちましょう!私もとても楽しみです!

◎ 魚谷侑未
○ 和久津晶

女流プロリーグ(女流桜花) 成績表/第8期女流桜花 優勝者予想

正解者の中から抽選で1名の方に、第8期女流桜花獲得後の直筆サインをプレゼント致します。
また、応募された方の中から抽選で2名の方に、女流桜花決勝進出プロ寄せ書きサインをプレゼント致します。
応募方法:優勝すると思われるプロを記載し、こちら からご応募ください。
※1メールアドレスに対し、1応募とさせて頂きます。
※1メールアドレスより複数の応募があった場合、最後に応募されたもののみ受け付けられます。
なお当選者の発表は賞品の発送を以って代えさせて頂きます。
締め切り:2013年1月12日(金)

番号 名前 プロフィール 伊藤 勝又 亜樹 小車 高宮
1

魚谷侑未
25期生 三段
現女流桜花

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2

和久津晶
23期生 三段
第9期プロクイーン決定戦  優勝
 ロン2プロフィールはこちら
3

安田麻里菜
23期生 三段
第10期プロクイーン決定戦  優勝

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4

吾妻さおり
21期生 三段
 
ロン2プロフィールはこちら

決定戦進出者
現女流桜花:魚谷侑未
 1位通過:和久津晶
 2位通過:吾妻さおり
 3位通過:安田麻里菜

予想者コメント

荒正義

ボクには安定度では魚谷、打撃戦では和久津のイメージがあります。
勝負がどう展開するかわかりませんが、対応型の魚谷が本命。
勝つことも大事ですが、視聴者に「流石プロ…」と感動を与える自分を見せてほしい。
 
◎ 魚谷侑未
〇 和久津晶

伊藤優孝

ここ数年、魚谷の勝負運の強さと執念をみせつけられると、本命にせざるを得ない。
ここは最強戦の雪辱を果たすとみます。
このメンバーで唯一無冠の吾妻だが、キャリアは十分。勝ちたい気持が一番強いのは吾妻だろう。
◎ 魚谷侑未
○ 吾妻さおり

勝又健志

昨年の決定戦での2人の優勝争いは、今でもしっかりと記憶に残る壮絶なものであった。
その大熱戦を勝ち切った経験は、今年訪れる勝負どころでも大きくプラスとなるであろう。
よって本命に魚谷。対抗には昨年惜しくも準優勝の和久津。
昨年の最終戦で見せたあの攻撃力は、間違いなく他3者の脅威となっているであろう。
◎ 魚谷侑未
○ 和久津晶

二階堂亜樹

今回本命は和久津晶。
前回の対戦で魚谷に敗北しているので雪辱を晴らすため、今回も気合い充分で挑むでしょう。怖いです。
対抗は魚谷。勝ちに対する執念は相当のもの。どちらも甲乙つけがたいんですけどね。
◎ 和久津晶
○ 魚谷侑未

小車祥

総合力ではやはり魚谷さん。攻守ともに隙がなく、桜花連覇は伊達じゃない。
史上初の桜花3連覇を成し遂げるイメージを浮かべるのは必然。
対抗に安田さん。和久津さんの超攻撃麻雀も捨てがたいが、安田さんの繊細な麻雀でのリスク回避、
かつ要所での鋭いアガリで優勝争いに絡むと予想。
◎ 魚谷侑未
○ 安田麻里菜

高宮まり

まず本命は、親友だからという色眼鏡なしで女流桜花連覇・現女流桜花の魚谷侑未プロ。
魚谷プロの状況判断や局まわしの知識、そして技術は周囲からの評価も高く、タイトル戦決勝という場
においてかなり有利なのではないかと思います。
そして対抗に予想するのは、歴代プロクイーンのお2人で迷いましたが、圧倒的攻撃力で知られる
第9期プロクイーン和久津晶プロ。和久津プロといえば、昨年の女流桜花決定戦での魚谷プロとの激闘を
覚えている方も多いのではないでしょうか。先日の第11期プロクイーン決定戦でも猛烈な追い上げを魅せました。
そして、守備型と言われ安定した雀力に定評のある第10期プロクイーン安田麻里奈プロ、
そしてタイトル戦放送では初登場となる吾妻さおりプロがどのように戦うのか。
白熱の闘いを期待して、放送を楽しみに待ちましょう!私もとても楽しみです!
◎ 魚谷侑未
○ 和久津晶

第9期 静岡プロリーグ 第8節レポート

日増しに寒さの加わってくる11月の折、静岡プロリーグ第8節が行われた。
第9節は、ポイントの回り順で行われるため1つでも順位を上げたいところ。
いつも以上に会場は熱気に包まれた。

この日は、静岡支部の誇る上位リーガーが本領発揮!
まずはB2リーグ所属の太田プロ。
元々3位と好位置につけていたが、そこからポイントを伸ばし+182.0Pで2位に着けた。
対局前
「今日は、今のところ首位の鷲見プロ(私)と同卓したい。」
と言っていた。
この言葉を聞いた私は、背筋の凍る思いがした。
おそらくこの言葉は、私を見下した発言ではなく、太田プロの静岡リーグ制覇に向けての強い思いからの言葉だと私は受け取った。
そして、その言葉は現実となり私と同卓。
その差を約20Pとした。
残り2節、完全に射程圏内である。

そしてもう1人は、A1リーグ所属の望月支部長。
別日対局と今節で大きくポイントを伸ばし、一気に3位まで浮上。
現在首位の私からしたら「一番嫌な人が上がってきた!」というのが、正直な感想である。
首位までのポイント差は約90Pと少し離れているが、望月支部長の攻撃力と残り2節という事を考えると、簡単に届く位置である。

年間を通して行われる、静岡プロリーグも残すところ後2節となった。
上位争いは更にヒートアップしてきた。
来節そして最終節と熱い闘いが期待できそうだ。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 鷲見 隼人 51.8 ▲ 2.8 ▲ 10.3 60.0 ▲ 51.6 73.4 84.6 0.8 224.8
2 太田 昌樹 99.0 ▲ 4.0 36.2 15.1 ▲ 12.0 ▲ 0.6 ▲ 6.9 55.2 176.3
3 望月 雅継 33.3 3.2 ▲ 64.3 13.0 ▲ 30.4 71.8 49.6 40.4 116.6
4 鈴木 秀幸 0.8 72.5 8.3 28.1 38.5 24.4 4.6 ▲ 70.3   80.6
5 鈴木 郁孝 52.7 ▲ 12.6 53.2 ▲ 17.4 ▲ 37.3 54.8 ▲ 43.6 35.9   76.1
6 朝比奈 諒 ▲ 3.5 ▲ 5.1 38.4 ▲ 52.1 34.2 ▲ 20.6 27.8 51.7 70.8
7 杉村 泰治 ▲ 20.2 ▲ 26.1 34.3 ▲ 11.8 17.8 ▲ 31.4 127.7 ▲ 29.9   33.8
8 石原 将樹 40.4 24.2 ▲ 9.5 ▲ 9.4 40.3 44.3 ▲ 19.0 ▲ 68.6 20.5
9 渡辺 洋巳 ▲ 31.0 ▲ 7.4 ▲ 6.9 54.9 90.9 0.0 ▲ 72.2 ▲ 30.3 10.7
10 鮎川 卓 ▲ 2.4 ▲ 38.5 4.1 ▲ 33.2 ▲ 1.6 46.6 9.2 14.3 ▲ 20.0
11 坪井 哲也 ▲ 0.4 ▲ 1.2 ▲ 25.3 1.2 ▲ 24.2 ▲ 29.5 ▲ 6.0 ▲ 13.0 ▲ 67.1
12 越川 清一 ▲ 23.0 ▲ 54.8 57.6 ▲ 4.0 ▲ 28.6 ▲ 10.9 ▲ 25.1 ▲ 105.2
13 長内 真実 ▲ 73.6 ▲ 58.7 ▲ 4.8 ▲ 6.9 5.2 0.0 0.7 22.7 ▲ 115.4
14 岡本 和也 0.0 34.7 ▲ 22.8 ▲ 61.8 ▲ 12.8 ▲ 47.5 ▲ 25.1 18.2 ▲ 117.1
15 徳永 翔 11.4 25.9 ▲ 52.5 ▲ 44.8 ▲ 26.6 ▲ 50.3 ▲ 11.9 1.9 ▲ 125.1
16 平岡 理恵 ▲ 43.2 ▲ 13.7 ▲ 5.4 33.4 ▲ 44.3 ▲ 25.4 30.4 ▲ 76.8 ▲ 125.4
17 鈴木 雅人 ▲ 0.6 ▲ 43.5 ▲ 38.2 45.5 ▲ 10.1 ▲ 106.6 ▲ 77.2 46.8 ▲ 183.9

静岡プロリーグ レポート/第9期 静岡プロリーグ 第8節レポート

日増しに寒さの加わってくる11月の折、静岡プロリーグ第8節が行われた。
第9節は、ポイントの回り順で行われるため1つでも順位を上げたいところ。
いつも以上に会場は熱気に包まれた。
この日は、静岡支部の誇る上位リーガーが本領発揮!
まずはB2リーグ所属の太田プロ。
元々3位と好位置につけていたが、そこからポイントを伸ばし+182.0Pで2位に着けた。
対局前
「今日は、今のところ首位の鷲見プロ(私)と同卓したい。」
と言っていた。
この言葉を聞いた私は、背筋の凍る思いがした。
おそらくこの言葉は、私を見下した発言ではなく、太田プロの静岡リーグ制覇に向けての強い思いからの言葉だと私は受け取った。
そして、その言葉は現実となり私と同卓。
その差を約20Pとした。
残り2節、完全に射程圏内である。
そしてもう1人は、A1リーグ所属の望月支部長。
別日対局と今節で大きくポイントを伸ばし、一気に3位まで浮上。
現在首位の私からしたら「一番嫌な人が上がってきた!」というのが、正直な感想である。
首位までのポイント差は約90Pと少し離れているが、望月支部長の攻撃力と残り2節という事を考えると、簡単に届く位置である。
年間を通して行われる、静岡プロリーグも残すところ後2節となった。
上位争いは更にヒートアップしてきた。
来節そして最終節と熱い闘いが期待できそうだ。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 鷲見 隼人 51.8 ▲ 2.8 ▲ 10.3 60.0 ▲ 51.6 73.4 84.6 0.8 224.8
2 太田 昌樹 99.0 ▲ 4.0 36.2 15.1 ▲ 12.0 ▲ 0.6 ▲ 6.9 55.2 176.3
3 望月 雅継 33.3 3.2 ▲ 64.3 13.0 ▲ 30.4 71.8 49.6 40.4 116.6
4 鈴木 秀幸 0.8 72.5 8.3 28.1 38.5 24.4 4.6 ▲ 70.3   80.6
5 鈴木 郁孝 52.7 ▲ 12.6 53.2 ▲ 17.4 ▲ 37.3 54.8 ▲ 43.6 35.9   76.1
6 朝比奈 諒 ▲ 3.5 ▲ 5.1 38.4 ▲ 52.1 34.2 ▲ 20.6 27.8 51.7 70.8
7 杉村 泰治 ▲ 20.2 ▲ 26.1 34.3 ▲ 11.8 17.8 ▲ 31.4 127.7 ▲ 29.9   33.8
8 石原 将樹 40.4 24.2 ▲ 9.5 ▲ 9.4 40.3 44.3 ▲ 19.0 ▲ 68.6 20.5
9 渡辺 洋巳 ▲ 31.0 ▲ 7.4 ▲ 6.9 54.9 90.9 0.0 ▲ 72.2 ▲ 30.3 10.7
10 鮎川 卓 ▲ 2.4 ▲ 38.5 4.1 ▲ 33.2 ▲ 1.6 46.6 9.2 14.3 ▲ 20.0
11 坪井 哲也 ▲ 0.4 ▲ 1.2 ▲ 25.3 1.2 ▲ 24.2 ▲ 29.5 ▲ 6.0 ▲ 13.0 ▲ 67.1
12 越川 清一 ▲ 23.0 ▲ 54.8 57.6 ▲ 4.0 ▲ 28.6 ▲ 10.9 ▲ 25.1 ▲ 105.2
13 長内 真実 ▲ 73.6 ▲ 58.7 ▲ 4.8 ▲ 6.9 5.2 0.0 0.7 22.7 ▲ 115.4
14 岡本 和也 0.0 34.7 ▲ 22.8 ▲ 61.8 ▲ 12.8 ▲ 47.5 ▲ 25.1 18.2 ▲ 117.1
15 徳永 翔 11.4 25.9 ▲ 52.5 ▲ 44.8 ▲ 26.6 ▲ 50.3 ▲ 11.9 1.9 ▲ 125.1
16 平岡 理恵 ▲ 43.2 ▲ 13.7 ▲ 5.4 33.4 ▲ 44.3 ▲ 25.4 30.4 ▲ 76.8 ▲ 125.4
17 鈴木 雅人 ▲ 0.6 ▲ 43.5 ▲ 38.2 45.5 ▲ 10.1 ▲ 106.6 ▲ 77.2 46.8 ▲ 183.9

第29期鳳凰戦の軌跡~奪還~

いよいよ最終日の朝をむかえた。
ここまでのポイントは、15回戦終了時、

瀬戸熊+92.4P  前原▲0.4P  荒▲33.6P  藤崎▲60.4P  供託2.0P

数字上は圧倒的に優勢に思える。
でも昨年、荒さんに150P引き離されていた僕が、半荘3回で40P差まで詰めた例もある。
あの荒さんですら、僕に詰められたのだ。
追ってくる3人の力を考えると、楽に逃げ切れるとは思わない。

僕はいつも家を出る90分前に起きる。
会場の最寄り駅には60分前に着くようにしている。
この日もそうしていた。

朝食に30分を費やす。
メニューは、珈琲、フルーツヨーグルト、サラダ、ソーセージ、食パン1枚か、フランスパン2切れ。
妻は僕が半分寝ているのを知っているので、マシンガントークで無理やり目覚めさせようとしてくる。
「一口最低20回は噛まないとね」
「ゆっくり食べて」
「ポロポロこぼさないよ!」
「そろそろお湯(風呂)ためようか?」
僕はいつものように「はい」を繰り返すばかり。たいして聞いてはいない。
その後、30分かけて風呂に入る。
入浴中、目も覚めて、鼻歌を歌っていると、「はーい、何?」と声をかけてくる。
あまりの音痴に、呼んでいるように聞こえるらしい。

その後30分で身支度を済ませ、家を出る。
この日も、いつも通り妻に注文をつけた。
「絶対、一打たりとも見逃さず、見ていてね」
「はいはい。行ってらっしゃい」
窓から見送る妻に、いつも違う一発芸をしてから駅に向かう。(道行く人は何事かと思うだろう)
ちなみに、今までで一番ウケたのは、朝のスポーツニュースを見て真似した、浅田真央さんのトリプルアクセルだった。

見送った後の、妻の慌てぶりが目に浮かぶ。
2時間後に、10時間の視聴を強要されている為、家事を全部終えなければならない。
なぜ、妻にそうさせるようになったのかは、自分でも解らない。
多分、一種の精神安定剤なのだろうなと思う。
妻も、最近は慣れたようで、僕の「ありえない」暴牌の時にも、笑うくらいの余裕を持てるようになっていた。

実家では、親父もパソコンの前に張り付いていた。
毎回、僕の試合を楽しみにしているようだ。
最近実家へ行くと、試合の話ばかりになる。
なぜか親父は、僕の先輩を全て「先生」をつけて呼ぶ。
「荒先生」「前原先生」など。

おふくろは、とてもじゃないが見てられないらしい。
「あたしが見ると、負けそうで見てられない」と言って、未だにほとんど見たことがない。
他にも親友やファンや大勢の人が、今日の一戦を見ている。
「最後、笑って終わりたい」
この一念で会場に向かった。

16回戦、17回戦、18回戦と無難にまとめた。
ポイントは、
瀬戸熊+147.2P 前原▲13.9P 藤崎▲61.2P 荒▲74.1P 供託2.0P

残りあと2回で、2位・前原さんとは160P差。
会場のスタッフはもちろん、選手にも「終わった」の空気が流れた。

僕も少しだけ安堵した。本当に少しだけ。
休憩時間中、いつも人を寄せ付けない雰囲気を醸し出す僕が、珍しく少しだけ後輩と軽口をかわした。
後輩「今日は帰しませんよ」
瀬戸熊「いやあ、朝までには帰るよ」

勝利の女神にそっぽを向かれたのか、僕が浅はかだったのか、
この後起こる展開は、おそらく誰も予想してなかっただろう。

その頃実家では、親父がおふくろに、
「もう絶対安心だから、たまには見なよ」と言っていた。

家では妻が、たまった疲労からの、少しの解放と安心感に、うたた寝をしそうになっていた。

19回戦、観戦記で寿人が、この時の現場の様子をこう書き記している。
「心なしか、選手の模打が軽くなったように見えた。それまでの出だしとは、どこか雰囲気が違う。前原の1巡回しリーチ。そして戦前ほぼやることはないと言っていた藤崎の、七対子ドラタンキリーチ。ここまで来て追う側も、ようやく肩の荷が下りたのだろうか。濁流が突如、清流に変わったかのような印象を与える。」

今考えても、勝負事とは恐ろしいなと思う。
廻りが、あまりの大差に気が緩むのはしょうがないとしても、ゴールテープを切るまで、今までと同じ気持ちで打ち続けなければいけない人間が、1人だけいる。それが僕だ。

もちろん緊張感もあるし、必死でやっている。
ただ1つだけ、東場に今までと違う考えをしていた。
「早く終わらせたい」と。

逃げ出したい気持ちは、常に押し殺していた。
そしていつも「まくられる」不安を抱きながら戦っていた。
でも、この時の僕の感情は浅はかだった。「局をまわす」事ばかり考えていた。
その考えが、間違っていた事に気付いた時、永遠に動かない時間となってしまっていた。

そして東4局の前原さんの親番。
今まできちんと戦っていたからこそ、落とせていた親番。
その姿勢を失った僕には、この親番を落とす力が残っていなかった。

東4局1本場
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東4局2本場
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東4局3本場
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東4局4本場
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瀬戸熊持ち点3,200、前原持ち点69,300。
流れは完全に失っていたが、前原さんに直接放銃はしていなかった。
息を殺して、親を落とすチャンスを待った。

そして5本場。

東4局5本場
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僕と藤崎さんで、親落としに行った。
「流れ」を認識しているが故に、覚悟もあった。
しかし、初めての直撃。前原さんの顔をみた。鬼の形相だった。
本気でまくりに来ている。長い付き合いだが、初めて見る顔だった。

東4局6本場
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東4局7本場
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2度目の直撃。
値段はまったく関係ない。
地面が揺れていた。
天井が揺れていた。
顔から血の気が引いていった。

東4局8本場
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立会人に19回戦開始前のポイントを聞いていた。
あまりのリードにポイントを全く頭に入れていなかった。

ざっと計算すると、まだ僕の方が40Pくらい上だった。
40Pと言えば、半荘1回でひっくり返るポイント差だった。
「マジか。たった1時間前は、もう勝った気だったよな。これでまくられたら、俺、立ち直れるかな。
歴史に一生残るよな。世紀の逆転劇って・・・・」
本当にこんな事を思っていた。

東4局9本場
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この頃実家では、おふくろが「やっぱり見るんじゃなかった。私が見ると碌な事がない」
と、パソコンから離れて行ったらしい。

東4局10本場
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ようやく落とした。もう怖くて顔を上げる事ができなかった。
麻雀の女神に何度もあやまっていた。
南場でなんとか持ち直し、生涯忘れる事が出来ない19回戦は終わった。

19回戦終了時
瀬戸熊+99.2P  前原+36.7P  藤崎▲57.2P  荒▲80・7P  供託2.0P

最終戦、無事に終えた僕は、再び山頂の景色を見る事ができた。
達成感とも解放感とも違う、言葉に出来ない脱力状態だった。

祝賀会を終えて、家路に着いた。
部屋は明るかったが、何となくピンポンを鳴らさず鍵で開けた。
案の定妻は、こたつに伏せた状態で寝ていた。
テーブルの上に、かかって来た電話の相手とメッセージが書かれていた。
携帯にも多くのメッセージを頂いていた。
「ただいま」
「おかえりなさい、ご苦労様でした」
「珈琲ちょうだい」
「かしこまり!あのね、試合が終わったらすぐお父さまから電話があって・・・・・」

いつものマシンガントークをBGMに、いつもの珈琲を飲み、祝いのメッセージを読みながら、少しずつ勝利を実感していった。

僕は本当に恵まれている。
才能やお金があるわけではないが、沢山の僕の師と呼べる人に囲まれてここまで来た。
そして、本気で応援してくれるファンの方もいてくれる。
本当に幸せ者だと思う。

その全ての人に感謝の気持ちを持って、これからも歩んで行きます。

戦って勝ち続けることが、不器用な僕ができる、唯一の恩返しだから。

これまで本当にありがとうございました。心から感謝しております。
まだまだ未熟な僕ですが、これからもどうぞ宜しくお願い致します。

第29期鳳凰位 瀬戸熊直樹

鳳凰の部屋/第29期鳳凰戦の軌跡~奪還~

いよいよ最終日の朝をむかえた。
ここまでのポイントは、15回戦終了時、
瀬戸熊+92.4P  前原▲0.4P  荒▲33.6P  藤崎▲60.4P  供託2.0P
数字上は圧倒的に優勢に思える。
でも昨年、荒さんに150P引き離されていた僕が、半荘3回で40P差まで詰めた例もある。
あの荒さんですら、僕に詰められたのだ。
追ってくる3人の力を考えると、楽に逃げ切れるとは思わない。
僕はいつも家を出る90分前に起きる。
会場の最寄り駅には60分前に着くようにしている。
この日もそうしていた。
朝食に30分を費やす。
メニューは、珈琲、フルーツヨーグルト、サラダ、ソーセージ、食パン1枚か、フランスパン2切れ。
妻は僕が半分寝ているのを知っているので、マシンガントークで無理やり目覚めさせようとしてくる。
「一口最低20回は噛まないとね」
「ゆっくり食べて」
「ポロポロこぼさないよ!」
「そろそろお湯(風呂)ためようか?」
僕はいつものように「はい」を繰り返すばかり。たいして聞いてはいない。
その後、30分かけて風呂に入る。
入浴中、目も覚めて、鼻歌を歌っていると、「はーい、何?」と声をかけてくる。
あまりの音痴に、呼んでいるように聞こえるらしい。
その後30分で身支度を済ませ、家を出る。
この日も、いつも通り妻に注文をつけた。
「絶対、一打たりとも見逃さず、見ていてね」
「はいはい。行ってらっしゃい」
窓から見送る妻に、いつも違う一発芸をしてから駅に向かう。(道行く人は何事かと思うだろう)
ちなみに、今までで一番ウケたのは、朝のスポーツニュースを見て真似した、浅田真央さんのトリプルアクセルだった。
見送った後の、妻の慌てぶりが目に浮かぶ。
2時間後に、10時間の視聴を強要されている為、家事を全部終えなければならない。
なぜ、妻にそうさせるようになったのかは、自分でも解らない。
多分、一種の精神安定剤なのだろうなと思う。
妻も、最近は慣れたようで、僕の「ありえない」暴牌の時にも、笑うくらいの余裕を持てるようになっていた。
実家では、親父もパソコンの前に張り付いていた。
毎回、僕の試合を楽しみにしているようだ。
最近実家へ行くと、試合の話ばかりになる。
なぜか親父は、僕の先輩を全て「先生」をつけて呼ぶ。
「荒先生」「前原先生」など。
おふくろは、とてもじゃないが見てられないらしい。
「あたしが見ると、負けそうで見てられない」と言って、未だにほとんど見たことがない。
他にも親友やファンや大勢の人が、今日の一戦を見ている。
「最後、笑って終わりたい」
この一念で会場に向かった。
16回戦、17回戦、18回戦と無難にまとめた。
ポイントは、
瀬戸熊+147.2P 前原▲13.9P 藤崎▲61.2P 荒▲74.1P 供託2.0P
残りあと2回で、2位・前原さんとは160P差。
会場のスタッフはもちろん、選手にも「終わった」の空気が流れた。
僕も少しだけ安堵した。本当に少しだけ。
休憩時間中、いつも人を寄せ付けない雰囲気を醸し出す僕が、珍しく少しだけ後輩と軽口をかわした。
後輩「今日は帰しませんよ」
瀬戸熊「いやあ、朝までには帰るよ」
勝利の女神にそっぽを向かれたのか、僕が浅はかだったのか、
この後起こる展開は、おそらく誰も予想してなかっただろう。
その頃実家では、親父がおふくろに、
「もう絶対安心だから、たまには見なよ」と言っていた。
家では妻が、たまった疲労からの、少しの解放と安心感に、うたた寝をしそうになっていた。
19回戦、観戦記で寿人が、この時の現場の様子をこう書き記している。
「心なしか、選手の模打が軽くなったように見えた。それまでの出だしとは、どこか雰囲気が違う。前原の1巡回しリーチ。そして戦前ほぼやることはないと言っていた藤崎の、七対子ドラタンキリーチ。ここまで来て追う側も、ようやく肩の荷が下りたのだろうか。濁流が突如、清流に変わったかのような印象を与える。」
今考えても、勝負事とは恐ろしいなと思う。
廻りが、あまりの大差に気が緩むのはしょうがないとしても、ゴールテープを切るまで、今までと同じ気持ちで打ち続けなければいけない人間が、1人だけいる。それが僕だ。
もちろん緊張感もあるし、必死でやっている。
ただ1つだけ、東場に今までと違う考えをしていた。
「早く終わらせたい」と。
逃げ出したい気持ちは、常に押し殺していた。
そしていつも「まくられる」不安を抱きながら戦っていた。
でも、この時の僕の感情は浅はかだった。「局をまわす」事ばかり考えていた。
その考えが、間違っていた事に気付いた時、永遠に動かない時間となってしまっていた。
そして東4局の前原さんの親番。
今まできちんと戦っていたからこそ、落とせていた親番。
その姿勢を失った僕には、この親番を落とす力が残っていなかった。
東4局1本場
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東4局2本場
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東4局3本場
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東4局4本場
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瀬戸熊持ち点3,200、前原持ち点69,300。
流れは完全に失っていたが、前原さんに直接放銃はしていなかった。
息を殺して、親を落とすチャンスを待った。
そして5本場。
東4局5本場
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僕と藤崎さんで、親落としに行った。
「流れ」を認識しているが故に、覚悟もあった。
しかし、初めての直撃。前原さんの顔をみた。鬼の形相だった。
本気でまくりに来ている。長い付き合いだが、初めて見る顔だった。
東4局6本場
oui38_a_02
 
東4局7本場
oui38_a_02
2度目の直撃。
値段はまったく関係ない。
地面が揺れていた。
天井が揺れていた。
顔から血の気が引いていった。
東4局8本場
oui38_a_02
立会人に19回戦開始前のポイントを聞いていた。
あまりのリードにポイントを全く頭に入れていなかった。
ざっと計算すると、まだ僕の方が40Pくらい上だった。
40Pと言えば、半荘1回でひっくり返るポイント差だった。
「マジか。たった1時間前は、もう勝った気だったよな。これでまくられたら、俺、立ち直れるかな。
歴史に一生残るよな。世紀の逆転劇って・・・・」
本当にこんな事を思っていた。
東4局9本場
oui38_a_02
この頃実家では、おふくろが「やっぱり見るんじゃなかった。私が見ると碌な事がない」
と、パソコンから離れて行ったらしい。
東4局10本場
oui38_a_02
ようやく落とした。もう怖くて顔を上げる事ができなかった。
麻雀の女神に何度もあやまっていた。
南場でなんとか持ち直し、生涯忘れる事が出来ない19回戦は終わった。
19回戦終了時
瀬戸熊+99.2P  前原+36.7P  藤崎▲57.2P  荒▲80・7P  供託2.0P
最終戦、無事に終えた僕は、再び山頂の景色を見る事ができた。
達成感とも解放感とも違う、言葉に出来ない脱力状態だった。
祝賀会を終えて、家路に着いた。
部屋は明るかったが、何となくピンポンを鳴らさず鍵で開けた。
案の定妻は、こたつに伏せた状態で寝ていた。
テーブルの上に、かかって来た電話の相手とメッセージが書かれていた。
携帯にも多くのメッセージを頂いていた。
「ただいま」
「おかえりなさい、ご苦労様でした」
「珈琲ちょうだい」
「かしこまり!あのね、試合が終わったらすぐお父さまから電話があって・・・・・」
いつものマシンガントークをBGMに、いつもの珈琲を飲み、祝いのメッセージを読みながら、少しずつ勝利を実感していった。
僕は本当に恵まれている。
才能やお金があるわけではないが、沢山の僕の師と呼べる人に囲まれてここまで来た。
そして、本気で応援してくれるファンの方もいてくれる。
本当に幸せ者だと思う。
その全ての人に感謝の気持ちを持って、これからも歩んで行きます。
戦って勝ち続けることが、不器用な僕ができる、唯一の恩返しだから。
これまで本当にありがとうございました。心から感謝しております。
まだまだ未熟な僕ですが、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
第29期鳳凰位 瀬戸熊直樹

天空麻雀13 男性大会決勝レポート

皆さんこんにちわ緻密な仕事師藤原隆弘です。
私が初めて出場させていただいたのが天空麻雀6でした。
珍しい、森山会長との同点優勝を達成し、そのご褒美で天空麻雀7にも連続出場させて貰ったのですが、
東場で、荒プロに18,000点を放銃した猿川プロに、ラスを押しつけられ無念の敗退。

暫くお呼びがかからなかったのですが、久しぶりに出番が回ってきました。
次も出場チャンスを得るためには、結果を出さねばならない。
気合を入れて臨んだ1回戦は余裕の2着通過(ラスだけ敗退、トップは即決勝へ)

続く準決勝の対戦相手は、小島先生、森山会長、荒副会長と、超大御所ばかり。
天空麻雀の相手はいつでも濃い面子なのですが、小島(77歳)森山(62歳)荒(61歳)僕(57歳)・・・・
な~んだ皆私よりお年寄りばかりではないか!私もおっさんだが、まだ還暦前、パワー負けもスピード負けも無いから(たぶん)何とか2着以上には残りそうじゃないかシメシメ・・
(注)これはネタです本音ではありません。

北家スタートの私は東初に

八万 上向き二万 上向き八万 上向き三筒 上向き九索 上向き五索 上向き東この河でリーチ。

手牌は

二万三万四万五万六万七万八万九万一索二索三索八索八索

高目一万で、起親の荒さんから満貫をアガリ幸先良いスタート。
ところが東2局に森山会長が、

七索八索九索二筒三筒西西  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン東東東  ドラ一索  ツモ一筒

あっさりとこの6,000オール。

「まあ2着でもいいから・・」と思ったら、東4局、南家の私に好配牌。
123の三色完成で4巡目九万切りリーチ(カン八万待ちのヤミテンも考えたが赤五万があるので)

一万二万三万六万七万一索二索三索一筒二筒三筒東東  ドラ八索

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「これをアガって勝ち残り決まりだな」な~んて少しでも思った私が浅はかでした。
なかなかアガれないまま、11巡目に親の小島先生が追いかけリーチ。

二索三索四索五索五索赤五索六索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ

小島先生は一索を切っていてフリテンでしたが、一発でツモって6,000オール!
私はあっという間に3着落ち、「なんじゃこのお爺ちゃん達(失礼)のパワーは!」

こうなったら、最後の切り札として用意していた秘策を使うしかない。
天空麻雀にはオーラスの親のアガリやめがあります。
ラス親の私は、この後頭を低くして余計な失点を避け、オーラスの一撃に賭ける作戦に切り替えました。

迎えたラス親の配牌は、期待以上の好配牌ですんなりと先制リーチ。

六万七万六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ西

時間はかかったが五万をツモって私も6,000オール(ウラ七索
高目の八万ならトップでアガリやめできたのですが、森山会長は抜いたけど小島先生に僅かに届かず、もう1局やらねばなりません。6,000オールでトップになる点差にしておくべきだった・・2回はアガれないだろう・・{嫌な予感は当たります}
案の定、次の配牌は最悪のバラバラで森山会長にアガられて逆転負け。
これで次の出番はいつになるやら・・・(涙)

決勝卓では、1回戦でトップを取った灘名誉会長と滝沢七段が待ち受けます。
これまで11回出場して一度も優勝の無いタッキーは、今回のチャンスに賭ける意気込みが前面に表れていました。
タッキーから見れば相手3人の平均年齢は70歳以上、最初から若さで飛ばす心算だったのでしょうか。
(以下敬称略)

決勝は半荘2回戦。
1回戦東1局、西家の滝沢が

二筒三筒四筒五筒赤五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒西西  ロン西

この満貫をヤミテンで森山から出アガリ、この後も慎重に放銃を避け、順調に追加点を重ねます。
南3局の親番では

一索二索三索七索七索七索二筒二筒四筒赤五筒六筒白白  リーチ  ツモ二筒  ドラ九万  裏八筒

2,600オール

三索四索五索赤五索六索七索八索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ八索  ドラ東  裏白

2,000オール

とたたみ掛け、持ち点を60,900点と伸ばし、3本場でも9巡目にダメ押しのリーチを打つ。

四万四万四索四索六索六索八索六筒六筒八筒八筒西西  リーチ  ドラ二万  カンドラ東

場にソーズの上は全体的に安く、八索は1枚切れているだけで誰も持ってなくて使えなさそうだった。
(実際に山に2枚残り)
ところが、2着目の小島とラス目の森山が黙っていなかった。
親リーチにも怯まずに攻め返してきたのです。

ダブ南をポンしていた小島は、南を加カンし四筒ポンで満貫テンパイ。

三筒三筒三筒五筒六筒七筒九筒  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  加カン南南南南

森山も追い付いて気合満々のアトミックリーチ!

一万一万二万三万三万一索二索三索七筒八筒九筒中中  リーチ

まったくうちのお年寄り達は逞しい。
滝沢は、余裕の先制リーチだったはずが、場は一蝕即発の勝負所と急変した。

さあ、滝沢がダメ押しのアガリを決めて悲願の初優勝へ大きく前進するのか?
小島が捲るのか?それとも森山が大逆転の狼煙を上げるのか?

滝沢が終盤にツモった運命の牌は八索か?九筒か?二万か?
この先は本編の放送でお愉しみ下さい・・・。

放送予定は番組特設ページよりご確認ください

「エンタメ~テレ」HPはこちら  番組紹介はこちら

特集企画/天空麻雀13 男性大会決勝レポート

皆さんこんにちわ緻密な仕事師藤原隆弘です。
私が初めて出場させていただいたのが天空麻雀6でした。
珍しい、森山会長との同点優勝を達成し、そのご褒美で天空麻雀7にも連続出場させて貰ったのですが、
東場で、荒プロに18,000点を放銃した猿川プロに、ラスを押しつけられ無念の敗退。
暫くお呼びがかからなかったのですが、久しぶりに出番が回ってきました。
次も出場チャンスを得るためには、結果を出さねばならない。
気合を入れて臨んだ1回戦は余裕の2着通過(ラスだけ敗退、トップは即決勝へ)
続く準決勝の対戦相手は、小島先生、森山会長、荒副会長と、超大御所ばかり。
天空麻雀の相手はいつでも濃い面子なのですが、小島(77歳)森山(62歳)荒(61歳)僕(57歳)・・・・
な~んだ皆私よりお年寄りばかりではないか!私もおっさんだが、まだ還暦前、パワー負けもスピード負けも無いから(たぶん)何とか2着以上には残りそうじゃないかシメシメ・・
(注)これはネタです本音ではありません。
北家スタートの私は東初に
八万 上向き二万 上向き八万 上向き三筒 上向き九索 上向き五索 上向き東この河でリーチ。
手牌は
二万三万四万五万六万七万八万九万一索二索三索八索八索
高目一万で、起親の荒さんから満貫をアガリ幸先良いスタート。
ところが東2局に森山会長が、
七索八索九索二筒三筒西西  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン東東東  ドラ一索  ツモ一筒
あっさりとこの6,000オール。
「まあ2着でもいいから・・」と思ったら、東4局、南家の私に好配牌。
123の三色完成で4巡目九万切りリーチ(カン八万待ちのヤミテンも考えたが赤五万があるので)
一万二万三万六万七万一索二索三索一筒二筒三筒東東  ドラ八索
oui38_a_02
「これをアガって勝ち残り決まりだな」な~んて少しでも思った私が浅はかでした。
なかなかアガれないまま、11巡目に親の小島先生が追いかけリーチ。
二索三索四索五索五索赤五索六索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ
小島先生は一索を切っていてフリテンでしたが、一発でツモって6,000オール!
私はあっという間に3着落ち、「なんじゃこのお爺ちゃん達(失礼)のパワーは!」
こうなったら、最後の切り札として用意していた秘策を使うしかない。
天空麻雀にはオーラスの親のアガリやめがあります。
ラス親の私は、この後頭を低くして余計な失点を避け、オーラスの一撃に賭ける作戦に切り替えました。
迎えたラス親の配牌は、期待以上の好配牌ですんなりと先制リーチ。
六万七万六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ西
時間はかかったが五万をツモって私も6,000オール(ウラ七索
高目の八万ならトップでアガリやめできたのですが、森山会長は抜いたけど小島先生に僅かに届かず、もう1局やらねばなりません。6,000オールでトップになる点差にしておくべきだった・・2回はアガれないだろう・・{嫌な予感は当たります}
案の定、次の配牌は最悪のバラバラで森山会長にアガられて逆転負け。
これで次の出番はいつになるやら・・・(涙)
決勝卓では、1回戦でトップを取った灘名誉会長と滝沢七段が待ち受けます。
これまで11回出場して一度も優勝の無いタッキーは、今回のチャンスに賭ける意気込みが前面に表れていました。
タッキーから見れば相手3人の平均年齢は70歳以上、最初から若さで飛ばす心算だったのでしょうか。
(以下敬称略)
決勝は半荘2回戦。
1回戦東1局、西家の滝沢が
二筒三筒四筒五筒赤五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒西西  ロン西
この満貫をヤミテンで森山から出アガリ、この後も慎重に放銃を避け、順調に追加点を重ねます。
南3局の親番では
一索二索三索七索七索七索二筒二筒四筒赤五筒六筒白白  リーチ  ツモ二筒  ドラ九万  裏八筒
2,600オール
三索四索五索赤五索六索七索八索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ八索  ドラ東  裏白
2,000オール
とたたみ掛け、持ち点を60,900点と伸ばし、3本場でも9巡目にダメ押しのリーチを打つ。
四万四万四索四索六索六索八索六筒六筒八筒八筒西西  リーチ  ドラ二万  カンドラ東
場にソーズの上は全体的に安く、八索は1枚切れているだけで誰も持ってなくて使えなさそうだった。
(実際に山に2枚残り)
ところが、2着目の小島とラス目の森山が黙っていなかった。
親リーチにも怯まずに攻め返してきたのです。
ダブ南をポンしていた小島は、南を加カンし四筒ポンで満貫テンパイ。
三筒三筒三筒五筒六筒七筒九筒  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  加カン南南南南
森山も追い付いて気合満々のアトミックリーチ!
一万一万二万三万三万一索二索三索七筒八筒九筒中中  リーチ
まったくうちのお年寄り達は逞しい。
滝沢は、余裕の先制リーチだったはずが、場は一蝕即発の勝負所と急変した。
さあ、滝沢がダメ押しのアガリを決めて悲願の初優勝へ大きく前進するのか?
小島が捲るのか?それとも森山が大逆転の狼煙を上げるのか?
滝沢が終盤にツモった運命の牌は八索か?九筒か?二万か?
この先は本編の放送でお愉しみ下さい・・・。

放送予定は番組特設ページよりご確認ください

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第30期プロリーグ A2 最終節レポート

9ヶ月間に渡るA2リーグがいよいよ最終節を迎える。
今年度の最終節は、『日本プロ麻雀連盟チャンネル』が始まった関係から、対局日が下位卓から順に行われることとなった。

組み合わせは対局順に、

9位・黒沢(▲40.3P)×10位・仁平(▲61.7P)×11位・滝沢(▲81.2P)×12位・金子(▲194.9P)×13位・山田(▲260.6P)

5位・四柳(+80.7P)×6位・山井(▲7.6P)×7位・佐々木(▲17.4P)8位・刀川(▲33.9P)

1位・勝又(+239.3P)×2位・前田(+137.1P)×3位・白鳥(+124.5P)×4位・石渡(+100.4P)

まずは各卓の注目点から。
下位グループではやはり降級争いに注目したいところなのだが、降級ボーダーを争う滝沢と金子の点差が113.7P。いくら直接対決とはいえ、この点差はあまりにも大きい。しかもこの卓は5人打ちの為、金子と滝沢の直接対決は僅か半荘3回。滝沢の守備力を考えてみても、さすがに金子にとっては苦しい1日となりそうだ。

中位グループでは、1人ポイントを持った四柳がどこまでポイントを伸ばせるかに注目が集まる。5位・四柳と2位・前田との差は56.5P。上位陣にプレッシャーを掛ける為には最低でも70Pオーバーのプラスが求められるところ。しかし残りの3人がそう簡単に自由に打たせるはずもなく、四柳には大きな壁が立ちはだかるのではないか。

そして上位グループは単純明快。
首位の勝又が1人抜け出している為、実質の昇級枠は後1つ。
前田、白鳥、石渡の3人のうち、最上位に位置することが昇級の条件となる。また、前週に対局を終えている四柳のポイントが分かるだけに、四柳が加点したとしても3人にとってはわかりやすい戦いになりそうだ。

まずは最初に行なわれた下位グループの対局を振り返ってみよう。
1回戦、仁平の猛攻に巻き込まれた滝沢は少し大きめのマイナスを喫し3着。
対する金子は、粘り込みプラスを堅守。この結果、滝沢と金子のポイントは22.4P縮まり、91.3P差。
この時点では、まだまだ滝沢絶対有利だと誰もが感じていたはずだ。しかし、この後金子の逆襲が始まる。

滝沢が抜け番の2回戦、東3局の親番で大ブレーク。
1人浮きの大トップで+33.4P。滝沢との差57.9P。

そして今日2度目の直接対決。東1局から滝沢と金子がぶつかり合う。
東1局、滝沢、勝負を決めるべく渾身のヤミテンが入る。

七万八万九万三筒四筒五筒六筒七筒八筒白白中中  ドラ中

金子は親番。滝沢がこの手をツモれば、この2人の決着は8割方決まるだろう。
金子が放銃したとなれば滝沢の勝利は決定的だ。
金子の手中には中が1枚。そして金子がポンの発声。中を切ればテンパイなのだが…

金子絶体絶命!ニコ生をご覧になっていた皆さんはきっとそう感じていただろう。
しかし…金子は中を切らなかった。
丁寧にリャンメンターツを払い、放銃を回避。するとこの動きで、滝沢がツモるはずの白が流れ流局。
滝沢にとっては絶好のチャンスを、金子が自身のファインプレーによって食い止めると、親が流れた東2局、滝沢の親番で今度は金子にチャンスが訪れる。

東2局、金子7巡目、金子は迷わずリーチを放つと、

三索四索五索六索六索四筒五筒六筒西西西北北  リーチ  ツモ北  ドラ六筒

高めの自風北を引きアガリ、大きな2,000・4,000。
滝沢に親カブリさせた金子は、このプラスを最後まで守りきり2着をキープ。
逆に滝沢は、このマイナスが重く圧し掛かり痛恨のラス。

これで滝沢と金子の差は34.4P差。
4回戦は金子が抜け番、滝沢との直接対決は最終戦のみとなった。

滝沢としては、金子が抜け番の4回戦をプラスで終えればかなり優位に最終戦を戦える。滝沢もそれは十分に理解しているはずなのだが…他の3者がそう簡単に滝沢を楽にさせないだろう。そう思いながら観戦していると、予想通りにここまでで一番重い展開に。滝沢も容易に顔を上げてしまうわけにはいかない為、終始我慢の展開に。

結果、滝沢は▲2.1Pながら痛恨のラス。
金子との差を24.3P差と、最終戦まで降級枠の行方がわからなくなってしまった。

得点状況をおさらいすると、金子と滝沢がトップラスだった場合、8,400点差で金子が滝沢を上回る。1人浮きであれば6,400点差でOK。トップ3着でも12,400点差でOKということは、かなり現実的な条件差だという事がわかるだろう。

とはいっても、滝沢が絶対有利であることは変わりがない。
滝沢はプラスであれば、金子の条件はかなり厳しくなるのだから。

それぞれの思惑がぶつかりながら、最終戦が始まった。
東1局、いきなり勝負局が訪れる。

親番の金子、4巡目にしていきなり逆転条件を満たす七対子ドラ単騎リーチを放つ。
ツモればもちろん一気に滝沢を逆転だ。

このリーチを受けた滝沢。この日ここまで慎重に歩を進めてきた滝沢が、初めて金子に対し勝負を挑む。
白をポンし、自風の北もポン。一歩も引く気配がない。そして勝負が決まる瞬間が訪れる。

四索五索六索六索七索八索九索  ポン北北北  ポン白白白  ツモ九索  ドラ四筒

普段冷静に対局しているように見える滝沢だが、この時ばかりは顔が紅潮しているように見えたのは気のせいだろうか。金子は千載一遇のチャンスを逃し、滝沢にとっては値千金のアガリをモノにした瞬間、滝沢の残留が確定したのだ。

毎年苦しい残留争いとなるA2リーグだが、今年も最終節まで白熱した戦いを見ることができた。
残留する者と降級したものでは天と地ほどの差があるが、これも勝負の世界に生きる者達の宿命であろう。今期悔しい思いをした選手の、来期の活躍を期待したいものだ。

続いて昇級争いに。
中位グループの注目は四柳がどれだけポイントを伸ばし、上位陣にプレッシャーをかけられるかに焦点が集まった。

四柳が目標とする2位・前田のポイントを上回るには約60P。
最低でも70P以上の上積みをしてプレッシャーを掛けたいところだ。

一口に70Pといっても、この数字をクリアするのはなかなか難しい。
順位点で2万点加点したとしても、素点で5万点以上加点しなければならず、大ブレークの半荘を作り上げなければならない。それと同じくらいに大切な事はマイナスしない事。苦しい時間でも我慢を重ねて失点を減らすことが、浮上のきっかけを掴むことになるのだから。

以上を踏まえると、大きな加点を積み重ねる為には初戦の入り方が非常に大事になってくる。初戦を丁寧に入るか、もしくはエンジン全開で入るか、その辺りは各自の考え方になるわけだが…

そういった意味でも注目した1回戦だったが、上手く戦いに入れたのは佐々木であり、刀川だった。四柳は2人の勢いに押されたのか終始劣勢で、大きくポイントを減らす結果となってしまった。

初戦に大きく沈んでしまった四柳は、2回戦、4回戦とトップを取るものの、ポイントの上積みは21.6P止まり。僅かに石渡のポイントを上回り暫定4位に浮上したものの、A1昇級には極めて厳しい状況で上位卓の結果を待つこととなった。

この結果を受けて、上位グループはどう戦うのか?
四柳がポイントを伸ばせなかった為、焦点は前田のポイントを巡った戦いになることが対局前から予想された。

そして始まった1回戦。
前田を追いかける立場の白鳥が攻める。が、思い通りにポイントを伸ばすことは出来ない。
それでもその姿勢が功を奏したか、前田を抑え込むことには成功し、オーラス1本番を迎えた段階で、石渡36,000、白鳥32,700、勝又28,400、前田22,900。
白鳥としては、このまま前田を抑えてラスにして終えることが出来れば前田に並び、さらにトップに浮上すれば一歩リードとなる大事な局面。

そんな中、ラス目の前田がリーチ。白鳥も同巡テンパイを果たすが…白鳥の選択は勝負を決めに行くリーチ。
しかしその宣言牌は無情にも前田の当たり牌。

三万四万二索三索四索六索七索八索四筒四筒  暗カン牌の背発発牌の背  リーチ  ロン五万

このアガリで、白鳥は原点を割って3着に後退。前田はラスを受け入れたものの、当面のライバルである白鳥のポイントを削ることになったため一安心。
これで漁夫の利を得たのが石渡。
見る人によっては消極的とも取れるほどの慎重な打牌を繰り返し、原点をキープしていたことがプラスに作用した形となった石渡。恐らく石渡の心中は、最終戦までに捲れるポジションに位置することが先決で、ここが勝負所ではないと考えていたのではないか。これがここまで積み重ねてきた石渡の経験値なのだろう。

結果、前田がポイントを減らし石渡の1人浮きで終わったため、前田+126.8P、白鳥+119.4P、石渡+118.4Pと3人が横並びで2回戦を迎えることとなった。

2回戦、勝負を掛ける3人がぶつかる。
東2局、微妙な手順でアガリを逃す形になってしまった白鳥がリーチを放つと、そこに潜んでいたのがトータルトップの勝又。石渡が白鳥の現物であるドラの九索を切ると、

二万二万八万八万二索二索九索一筒一筒四筒四筒五筒五筒  ロン九索  ドラ九索

この放銃で石渡が一歩後退。
前田の1,300オールを挟んだ東3局1本場、先程痛恨の放銃をした石渡がヤミで白鳥から7,700は8,000を召し取り、先程の放銃を帳消しに。

三万四万五万五万六万一索一索二索二索三索三索三筒三筒  ロン四万  ドラ三筒

放銃した白鳥は七万が雀頭の二万五万待ち。
この放銃で白鳥は集中力が切れてしまったか、続く東4局に痛恨のミスが出る。
白鳥9巡目、

一万二万三万三索三索三索四索四索三筒四筒五筒北北  ドラ北

この手をヤミに構える。10巡目ツモ五筒で打四索としテンパイを外すと、13巡目、ツモってきたのは無情にもドラの北。アガリ逃しが目に見える形となってしまった白鳥は、そのまま二筒五筒待ちでリーチを宣言する。当然流局。

このミスを引きずってしまったのか、南1局2本場、前田のリーチに突っ込んでしまった白鳥。

二万二万八索八索八索二筒二筒二筒四筒四筒七筒七筒七筒  リーチ  ロン四筒  ドラ四索

山にまだ残っていただけに、白鳥が放銃しなければ結果はどうなっていたかわからないが、事実上この放銃によって白鳥の戦いに幕が降りてしまった。

スタイルチェンジして臨んだ今期の白鳥の安定感は、勝又の陰に隠れながらも十分に持ち味を発揮していた。Aリーグ最年少である白鳥はこの悔しさと経験をバネに、来期の活躍に期待したいところだ。

これで事実上前田と石渡の争いになった。
石渡はオーラス、

一万二万三万五万六万七万七索八索九索二筒三筒六筒六筒  リーチ  ロン一筒  ドラ六筒

この7,700を勝又からアガリ、2着を死守。
この結果、前田+153.3P、石渡+130.7Pと22.6P差。残す半荘は後2回。

迎えた3回戦、白鳥のリーチを受けた前田が勝又の8,000に飛び込むと、東4局、親番の石渡が、

七万七万二索三索四索五索六索六索七索七索  暗カン牌の背二万 上向き二万 上向き牌の背  リーチ  ツモ八索  ドラ白

2,600オールを引きアガリ、ついに前田を交わしトータル2位に浮上する。
さらに1300オールと加点し、前田を突き離しにかかる石渡。
しかし前田も黙ってはいない。南1局に1,500をアガって迎えた南1局1本場、

五万五万六万七万八万三索四索四索五索五索六索六筒七筒  ロン五筒  ドラ五万

価値ある11,600は11,900をアガリ、ラスを回避。
最終戦を迎え、石渡+150.1P、前田+145.0Pと、僅か5.1P差で残り半荘1回を戦う事となった。

これだけポイント差が詰まれば単純明快。
ほぼ着順勝負で順位が決定することになるのだ。
前田は南家、石渡は西家でゲームが開始される。

東1局、いきなりゲームが動く。
全員に手が入り、開局から手がぶつかり合う事が予想されたが、当たり牌を掴んでしまったのは暫定2位に浮上したばかりの石渡。親の白鳥に12,000を打ち上げ万事休す。

一万一万二万二万三万三万七筒九筒西西発発発  ロン八筒  ドラ七万

この放銃で前田が有利になったかと思えば、まだ勝負はわからない。
石渡→前田の1,500の移動があった次局、今度は前田が石渡に、

三索三索五索六索七索八索八索八索四筒五筒六筒発発  リーチ  ロン発  ドラ七索

5,200は5,500の放銃でまたもや僅差に。
しかし東3局、石渡の親番で勝又が、

一筒一筒一筒三筒三筒三筒八筒八筒南南  ポン中中中  ツモ八筒  ドラ南

4,000・8,000を引きアガリ石渡が親カブリ。
そして南1局1本場、勝利を決定付けるアガリが生まれる。

一万一万一索二索二索三索三索一筒一筒一筒二筒二筒二筒  ロン一索  ドラ一索

この6,400は6,700で前田が一気に石渡を引き離した。
追いかける石渡も、南2局に1,300・2,600を引きアガリ、オーラス2,000・4,000ツモで逆転する所まで追い上げた。さらにオーラス、条件を満たすリーチを放ったものの結果は流局。勝又の優勝、前田の2位で、この2人が来期のA1リーグ昇級の切符を手に入れた。

最後まで追い上げた石渡の粘りは、さすが元A1リーガーといったところか。
来期は念願のA1復帰に向け、今期以上のパフォーマンスを期待したい。

2位昇級は前田。
後半の追い込みは見事としか言いようがない。また私個人としても同郷ということもあり、ぜひA1の舞台で戦ってみたいと思っていただけに、前田との対戦はとても楽しみでもある。

そして優勝した勝又。
安定感は群を抜いており、完全優勝といっても過言ではない力強さに、昇級一期目での鳳凰位決定戦進出も十分に可能であろう。A1でどういった戦い方をするのか、今からワクワクしているファンも多いのではないか。

9回に渡りお伝えしてきたA2リーグレポートもこれが最終回となりました。
拙い文章にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
また、文字数を大幅にオーバーしてしまっているにも関わらず校正して頂いたHP編集部の皆様にも感謝致します。
来期もどうかAリーグの戦いを『日本プロ麻雀連盟チャンネル』でご覧いただきます様、よろしくお願いいたします。皆さん、良いお年を。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第30期プロリーグ A2 最終節レポート

9ヶ月間に渡るA2リーグがいよいよ最終節を迎える。
今年度の最終節は、『日本プロ麻雀連盟チャンネル』が始まった関係から、対局日が下位卓から順に行われることとなった。
組み合わせは対局順に、
9位・黒沢(▲40.3P)×10位・仁平(▲61.7P)×11位・滝沢(▲81.2P)×12位・金子(▲194.9P)×13位・山田(▲260.6P)
5位・四柳(+80.7P)×6位・山井(▲7.6P)×7位・佐々木(▲17.4P)8位・刀川(▲33.9P)
1位・勝又(+239.3P)×2位・前田(+137.1P)×3位・白鳥(+124.5P)×4位・石渡(+100.4P)
まずは各卓の注目点から。
下位グループではやはり降級争いに注目したいところなのだが、降級ボーダーを争う滝沢と金子の点差が113.7P。いくら直接対決とはいえ、この点差はあまりにも大きい。しかもこの卓は5人打ちの為、金子と滝沢の直接対決は僅か半荘3回。滝沢の守備力を考えてみても、さすがに金子にとっては苦しい1日となりそうだ。
中位グループでは、1人ポイントを持った四柳がどこまでポイントを伸ばせるかに注目が集まる。5位・四柳と2位・前田との差は56.5P。上位陣にプレッシャーを掛ける為には最低でも70Pオーバーのプラスが求められるところ。しかし残りの3人がそう簡単に自由に打たせるはずもなく、四柳には大きな壁が立ちはだかるのではないか。
そして上位グループは単純明快。
首位の勝又が1人抜け出している為、実質の昇級枠は後1つ。
前田、白鳥、石渡の3人のうち、最上位に位置することが昇級の条件となる。また、前週に対局を終えている四柳のポイントが分かるだけに、四柳が加点したとしても3人にとってはわかりやすい戦いになりそうだ。
まずは最初に行なわれた下位グループの対局を振り返ってみよう。
1回戦、仁平の猛攻に巻き込まれた滝沢は少し大きめのマイナスを喫し3着。
対する金子は、粘り込みプラスを堅守。この結果、滝沢と金子のポイントは22.4P縮まり、91.3P差。
この時点では、まだまだ滝沢絶対有利だと誰もが感じていたはずだ。しかし、この後金子の逆襲が始まる。
滝沢が抜け番の2回戦、東3局の親番で大ブレーク。
1人浮きの大トップで+33.4P。滝沢との差57.9P。
そして今日2度目の直接対決。東1局から滝沢と金子がぶつかり合う。
東1局、滝沢、勝負を決めるべく渾身のヤミテンが入る。
七万八万九万三筒四筒五筒六筒七筒八筒白白中中  ドラ中
金子は親番。滝沢がこの手をツモれば、この2人の決着は8割方決まるだろう。
金子が放銃したとなれば滝沢の勝利は決定的だ。
金子の手中には中が1枚。そして金子がポンの発声。中を切ればテンパイなのだが…
金子絶体絶命!ニコ生をご覧になっていた皆さんはきっとそう感じていただろう。
しかし…金子は中を切らなかった。
丁寧にリャンメンターツを払い、放銃を回避。するとこの動きで、滝沢がツモるはずの白が流れ流局。
滝沢にとっては絶好のチャンスを、金子が自身のファインプレーによって食い止めると、親が流れた東2局、滝沢の親番で今度は金子にチャンスが訪れる。
東2局、金子7巡目、金子は迷わずリーチを放つと、
三索四索五索六索六索四筒五筒六筒西西西北北  リーチ  ツモ北  ドラ六筒
高めの自風北を引きアガリ、大きな2,000・4,000。
滝沢に親カブリさせた金子は、このプラスを最後まで守りきり2着をキープ。
逆に滝沢は、このマイナスが重く圧し掛かり痛恨のラス。
これで滝沢と金子の差は34.4P差。
4回戦は金子が抜け番、滝沢との直接対決は最終戦のみとなった。
滝沢としては、金子が抜け番の4回戦をプラスで終えればかなり優位に最終戦を戦える。滝沢もそれは十分に理解しているはずなのだが…他の3者がそう簡単に滝沢を楽にさせないだろう。そう思いながら観戦していると、予想通りにここまでで一番重い展開に。滝沢も容易に顔を上げてしまうわけにはいかない為、終始我慢の展開に。
結果、滝沢は▲2.1Pながら痛恨のラス。
金子との差を24.3P差と、最終戦まで降級枠の行方がわからなくなってしまった。
得点状況をおさらいすると、金子と滝沢がトップラスだった場合、8,400点差で金子が滝沢を上回る。1人浮きであれば6,400点差でOK。トップ3着でも12,400点差でOKということは、かなり現実的な条件差だという事がわかるだろう。
とはいっても、滝沢が絶対有利であることは変わりがない。
滝沢はプラスであれば、金子の条件はかなり厳しくなるのだから。
それぞれの思惑がぶつかりながら、最終戦が始まった。
東1局、いきなり勝負局が訪れる。
親番の金子、4巡目にしていきなり逆転条件を満たす七対子ドラ単騎リーチを放つ。
ツモればもちろん一気に滝沢を逆転だ。
このリーチを受けた滝沢。この日ここまで慎重に歩を進めてきた滝沢が、初めて金子に対し勝負を挑む。
白をポンし、自風の北もポン。一歩も引く気配がない。そして勝負が決まる瞬間が訪れる。
四索五索六索六索七索八索九索  ポン北北北  ポン白白白  ツモ九索  ドラ四筒
普段冷静に対局しているように見える滝沢だが、この時ばかりは顔が紅潮しているように見えたのは気のせいだろうか。金子は千載一遇のチャンスを逃し、滝沢にとっては値千金のアガリをモノにした瞬間、滝沢の残留が確定したのだ。
毎年苦しい残留争いとなるA2リーグだが、今年も最終節まで白熱した戦いを見ることができた。
残留する者と降級したものでは天と地ほどの差があるが、これも勝負の世界に生きる者達の宿命であろう。今期悔しい思いをした選手の、来期の活躍を期待したいものだ。
続いて昇級争いに。
中位グループの注目は四柳がどれだけポイントを伸ばし、上位陣にプレッシャーをかけられるかに焦点が集まった。
四柳が目標とする2位・前田のポイントを上回るには約60P。
最低でも70P以上の上積みをしてプレッシャーを掛けたいところだ。
一口に70Pといっても、この数字をクリアするのはなかなか難しい。
順位点で2万点加点したとしても、素点で5万点以上加点しなければならず、大ブレークの半荘を作り上げなければならない。それと同じくらいに大切な事はマイナスしない事。苦しい時間でも我慢を重ねて失点を減らすことが、浮上のきっかけを掴むことになるのだから。
以上を踏まえると、大きな加点を積み重ねる為には初戦の入り方が非常に大事になってくる。初戦を丁寧に入るか、もしくはエンジン全開で入るか、その辺りは各自の考え方になるわけだが…
そういった意味でも注目した1回戦だったが、上手く戦いに入れたのは佐々木であり、刀川だった。四柳は2人の勢いに押されたのか終始劣勢で、大きくポイントを減らす結果となってしまった。
初戦に大きく沈んでしまった四柳は、2回戦、4回戦とトップを取るものの、ポイントの上積みは21.6P止まり。僅かに石渡のポイントを上回り暫定4位に浮上したものの、A1昇級には極めて厳しい状況で上位卓の結果を待つこととなった。
この結果を受けて、上位グループはどう戦うのか?
四柳がポイントを伸ばせなかった為、焦点は前田のポイントを巡った戦いになることが対局前から予想された。
そして始まった1回戦。
前田を追いかける立場の白鳥が攻める。が、思い通りにポイントを伸ばすことは出来ない。
それでもその姿勢が功を奏したか、前田を抑え込むことには成功し、オーラス1本番を迎えた段階で、石渡36,000、白鳥32,700、勝又28,400、前田22,900。
白鳥としては、このまま前田を抑えてラスにして終えることが出来れば前田に並び、さらにトップに浮上すれば一歩リードとなる大事な局面。
そんな中、ラス目の前田がリーチ。白鳥も同巡テンパイを果たすが…白鳥の選択は勝負を決めに行くリーチ。
しかしその宣言牌は無情にも前田の当たり牌。
三万四万二索三索四索六索七索八索四筒四筒  暗カン牌の背発発牌の背  リーチ  ロン五万
このアガリで、白鳥は原点を割って3着に後退。前田はラスを受け入れたものの、当面のライバルである白鳥のポイントを削ることになったため一安心。
これで漁夫の利を得たのが石渡。
見る人によっては消極的とも取れるほどの慎重な打牌を繰り返し、原点をキープしていたことがプラスに作用した形となった石渡。恐らく石渡の心中は、最終戦までに捲れるポジションに位置することが先決で、ここが勝負所ではないと考えていたのではないか。これがここまで積み重ねてきた石渡の経験値なのだろう。
結果、前田がポイントを減らし石渡の1人浮きで終わったため、前田+126.8P、白鳥+119.4P、石渡+118.4Pと3人が横並びで2回戦を迎えることとなった。
2回戦、勝負を掛ける3人がぶつかる。
東2局、微妙な手順でアガリを逃す形になってしまった白鳥がリーチを放つと、そこに潜んでいたのがトータルトップの勝又。石渡が白鳥の現物であるドラの九索を切ると、
二万二万八万八万二索二索九索一筒一筒四筒四筒五筒五筒  ロン九索  ドラ九索
この放銃で石渡が一歩後退。
前田の1,300オールを挟んだ東3局1本場、先程痛恨の放銃をした石渡がヤミで白鳥から7,700は8,000を召し取り、先程の放銃を帳消しに。
三万四万五万五万六万一索一索二索二索三索三索三筒三筒  ロン四万  ドラ三筒
放銃した白鳥は七万が雀頭の二万五万待ち。
この放銃で白鳥は集中力が切れてしまったか、続く東4局に痛恨のミスが出る。
白鳥9巡目、
一万二万三万三索三索三索四索四索三筒四筒五筒北北  ドラ北
この手をヤミに構える。10巡目ツモ五筒で打四索としテンパイを外すと、13巡目、ツモってきたのは無情にもドラの北。アガリ逃しが目に見える形となってしまった白鳥は、そのまま二筒五筒待ちでリーチを宣言する。当然流局。
このミスを引きずってしまったのか、南1局2本場、前田のリーチに突っ込んでしまった白鳥。
二万二万八索八索八索二筒二筒二筒四筒四筒七筒七筒七筒  リーチ  ロン四筒  ドラ四索
山にまだ残っていただけに、白鳥が放銃しなければ結果はどうなっていたかわからないが、事実上この放銃によって白鳥の戦いに幕が降りてしまった。
スタイルチェンジして臨んだ今期の白鳥の安定感は、勝又の陰に隠れながらも十分に持ち味を発揮していた。Aリーグ最年少である白鳥はこの悔しさと経験をバネに、来期の活躍に期待したいところだ。
これで事実上前田と石渡の争いになった。
石渡はオーラス、
一万二万三万五万六万七万七索八索九索二筒三筒六筒六筒  リーチ  ロン一筒  ドラ六筒
この7,700を勝又からアガリ、2着を死守。
この結果、前田+153.3P、石渡+130.7Pと22.6P差。残す半荘は後2回。
迎えた3回戦、白鳥のリーチを受けた前田が勝又の8,000に飛び込むと、東4局、親番の石渡が、
七万七万二索三索四索五索六索六索七索七索  暗カン牌の背二万 上向き二万 上向き牌の背  リーチ  ツモ八索  ドラ白
2,600オールを引きアガリ、ついに前田を交わしトータル2位に浮上する。
さらに1300オールと加点し、前田を突き離しにかかる石渡。
しかし前田も黙ってはいない。南1局に1,500をアガって迎えた南1局1本場、
五万五万六万七万八万三索四索四索五索五索六索六筒七筒  ロン五筒  ドラ五万
価値ある11,600は11,900をアガリ、ラスを回避。
最終戦を迎え、石渡+150.1P、前田+145.0Pと、僅か5.1P差で残り半荘1回を戦う事となった。
これだけポイント差が詰まれば単純明快。
ほぼ着順勝負で順位が決定することになるのだ。
前田は南家、石渡は西家でゲームが開始される。
東1局、いきなりゲームが動く。
全員に手が入り、開局から手がぶつかり合う事が予想されたが、当たり牌を掴んでしまったのは暫定2位に浮上したばかりの石渡。親の白鳥に12,000を打ち上げ万事休す。
一万一万二万二万三万三万七筒九筒西西発発発  ロン八筒  ドラ七万
この放銃で前田が有利になったかと思えば、まだ勝負はわからない。
石渡→前田の1,500の移動があった次局、今度は前田が石渡に、
三索三索五索六索七索八索八索八索四筒五筒六筒発発  リーチ  ロン発  ドラ七索
5,200は5,500の放銃でまたもや僅差に。
しかし東3局、石渡の親番で勝又が、
一筒一筒一筒三筒三筒三筒八筒八筒南南  ポン中中中  ツモ八筒  ドラ南
4,000・8,000を引きアガリ石渡が親カブリ。
そして南1局1本場、勝利を決定付けるアガリが生まれる。
一万一万一索二索二索三索三索一筒一筒一筒二筒二筒二筒  ロン一索  ドラ一索
この6,400は6,700で前田が一気に石渡を引き離した。
追いかける石渡も、南2局に1,300・2,600を引きアガリ、オーラス2,000・4,000ツモで逆転する所まで追い上げた。さらにオーラス、条件を満たすリーチを放ったものの結果は流局。勝又の優勝、前田の2位で、この2人が来期のA1リーグ昇級の切符を手に入れた。
最後まで追い上げた石渡の粘りは、さすが元A1リーガーといったところか。
来期は念願のA1復帰に向け、今期以上のパフォーマンスを期待したい。
2位昇級は前田。
後半の追い込みは見事としか言いようがない。また私個人としても同郷ということもあり、ぜひA1の舞台で戦ってみたいと思っていただけに、前田との対戦はとても楽しみでもある。
そして優勝した勝又。
安定感は群を抜いており、完全優勝といっても過言ではない力強さに、昇級一期目での鳳凰位決定戦進出も十分に可能であろう。A1でどういった戦い方をするのか、今からワクワクしているファンも多いのではないか。
9回に渡りお伝えしてきたA2リーグレポートもこれが最終回となりました。
拙い文章にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
また、文字数を大幅にオーバーしてしまっているにも関わらず校正して頂いたHP編集部の皆様にも感謝致します。
来期もどうかAリーグの戦いを『日本プロ麻雀連盟チャンネル』でご覧いただきます様、よろしくお願いいたします。皆さん、良いお年を。