第32期A2リーグ第5節レポート 藤原 隆弘

2回目の自戦記レポートの順番が回ってきた。
気持ち良く大勝ちした開幕戦のレポートは心地よく書けたのだが、今回は今期最低の対局内容だったので筆が重く気が進まない。

しかし、締切も迫りきて仕方なくタイムシフトを見直しながら書くことにしました。
前半戦の折り返しとなる5節目の位置取りで後半の対局日や組み合わせが決まるし、ほぼ並びで2位に着け今期有力な昇級候補と予想する滝沢との対戦ということで、この日の対局は自分では平常心で臨むように心がけていたつもりでしたが、無意識のうちに前がかりになっていたようです。

1回戦東2局、北家の私は猿川の仕掛けを受けつつ14巡目にテンパイ。

三万三万四万五索五索七索七索七索七筒七筒七筒北北  ツモ五万  ドラ五索

不本意ながらフリテンの五万を引き戻してのテンパイだが、ここでリーチ宣言をしてしまった。
残り3巡しかなく、ツモればリーチしてもしなくても跳満、役の無い五索はドラだから出るはずも無く全く無駄なリーチ棒。
私の辞書には、こんなときのリーチは御法度と書いてあるのに・・・滝沢にあっさりかわされ、結局このリーチ棒が祟り1回戦は100点沈みの2着で約6ポイントの損。

緻密で繊細な麻雀をこよなく愛する私は、こんな細かいミスからハートが揺れていく。
負の気持ちを引きずったままの2回戦東1局、滝沢と猿川のホンイツ気配を感じながらも、猿川の仕掛けで掴まされた発を「俺は100年前からテンパイしてるんだ(ピンフのみ)」とツモ切りし滝沢に8,000点放銃。

迎えた親で12,000点をアガれて自分の悪運に感謝するが、この後南場でヒドい事になる。
まず南1局(ドラ三万)親の猿川が遠いタンヤオの仕掛けに出る、中盤に滝沢の切った七筒を大明カン、これで滝沢にリーチが入り、さらに猿川がポンすると滝沢が倍満ツモ!

「サル、何すんネン(怒)」だが、まあ親カブリは猿川で自業自得と自分に言い聞かせるが、次の私の親で白鳥がダブ南ポン、そのまま中盤にもつれ込みツモ切りを続けていた猿川が、やおらリーチで即ツモの跳満!今度は私が親カブリ(涙)

タイムシフトを観ると、私のサイコロの振り方が悪かったのか、猿川に好配牌で序盤早くも贅沢な選択。

一万二万四万五万一索二索三索一筒二筒三筒八筒九筒西西  ドラ二筒

普通は四万五万落としでチャンタ三色だろうが(それなら白鳥が放銃していたはず。)
前局の失敗で捻ってみたのか、猿川の選択は八筒九筒落とし。

直ぐに絶好の三万を引きしばらくはステルスのヤミテン。
七筒をツモ切りし満貫放銃を助かった白鳥は、1シャンテンで六万も発射台だがテンパイせず、滝沢も六万が浮いているのだが切らない(切れよ!)かくして可哀想な私の親カブリとなる。
猿チャン素直にチャンタにしてくれよ~

さらに次親で、ラス目の白鳥が6巡目リーチ(ドラ発
まさか白鳥にまで(汗)・・・空振りしてくれるか安手である事を願いながらオリたが、終盤、哀しくも3,900オールを引かれる(また涙)
なんと3局連続でツモられ14,000点の支払いΣ(゚д゚lll)。

落ち着いて冷静に考えれば、自分のエラーではなく不可抗力のようなツモられ貧乏は、我慢していれば必ずこちらにも一度は手が入る事を長い経験で知っているはずの私、やはりオーラスの滝沢の親番でチャンスは来た。
更に言えば、ダントツの親は下手な事をしない限り手痛い親カブリはしない事も私の中の常識。
しかしまだまだ修行が足りない弱い私は気持ちが揺れていたようで

二万二万六万五索六索七索二筒四筒四筒五筒六筒六筒北  ツモ五索  ドラ五万

この手からドラ引きの跳満しか考えず、北を切らずに五索をツモ切ってしまった。
五索から指が離れる瞬間気がつき、四索六索七索がこない事を願ったが悲しいかな四索六索をツモってしまい満貫ツモでの沈みの2着浮上を逃した(約10ポイント損)

やらかした感満載を引き摺り3回戦も3着。
幸いトップは白鳥で、猿川が私よりも沈んでいたのがせめてもの気休めになったが、4回戦でもまたやらかした(アホや)

東場の親でドラが暗刻なのに、四暗刻や三色同刻を意識しすぎて手なりの6,000点オールを河にカブる。
もう穴があったら入りたいくらいだ。

ダメだし麻雀ならこの日の自己採点は30,000DDPくらいだ。
それでも南場2局の親で4,000点オールがアガれてトップ目になり、この日のマイナスが帳消しになるのかと神に感謝したが、猿川にあっさりと満貫ツモでマクリ返される。

まだ滝沢がラスだったので、これなら大した差はつけられないと気持ちを切り替えたのだが、滝沢はラス前の親でしぶとく粘りラス抜けをするとオーラスで渾身のメンタンピンドラ1をアガリ浮きの2着でフィ二ッシュ!
私はまたしてもマイナス3着で、首位ターンを決めた滝沢に50P以上離されてしまった。

4戦オールマイナスを喰らったのは何年ぶりだろうか?
ラスが無かったので大敗には至らなかったが、内容が悪すぎて悔やまれる対局になってしまった。

滝沢は私が前節終了後のインタビューでも昇級候補にあげたが、実際対戦してみてやはり一番軸がブレていなくて対局姿勢もフォームも素晴らしいく見習いたいくらいだ。

私は前半戦を終えて辛うじて3位に着けているが、上位2人とはやや開き私の真後ろには元A1リーガーの活きのいい若手がひしめいているではないか。
もう少し楽な位置取りで後半戦を迎えたかったが、大変厳しい展開になった。
こうなっては後半の作戦を変更するしかあるまい。

作戦内容はまだ秘密ですが、A1に復帰するためには後半の第6節からギアをトップに上げて戦わねばなるまい。
もし次の対局でマイナスするようなら、昇級を諦めて残留にシフトチェンジしようかと本気で思っている。
ただ、私のギアは古くなって錆もでてきているので、ちゃんと上がるかどうかが心配である。(笑い)

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A2リーグ第5節レポート 藤原 隆弘

2回目の自戦記レポートの順番が回ってきた。
気持ち良く大勝ちした開幕戦のレポートは心地よく書けたのだが、今回は今期最低の対局内容だったので筆が重く気が進まない。
しかし、締切も迫りきて仕方なくタイムシフトを見直しながら書くことにしました。
前半戦の折り返しとなる5節目の位置取りで後半の対局日や組み合わせが決まるし、ほぼ並びで2位に着け今期有力な昇級候補と予想する滝沢との対戦ということで、この日の対局は自分では平常心で臨むように心がけていたつもりでしたが、無意識のうちに前がかりになっていたようです。
1回戦東2局、北家の私は猿川の仕掛けを受けつつ14巡目にテンパイ。
三万三万四万五索五索七索七索七索七筒七筒七筒北北  ツモ五万  ドラ五索
不本意ながらフリテンの五万を引き戻してのテンパイだが、ここでリーチ宣言をしてしまった。
残り3巡しかなく、ツモればリーチしてもしなくても跳満、役の無い五索はドラだから出るはずも無く全く無駄なリーチ棒。
私の辞書には、こんなときのリーチは御法度と書いてあるのに・・・滝沢にあっさりかわされ、結局このリーチ棒が祟り1回戦は100点沈みの2着で約6ポイントの損。
緻密で繊細な麻雀をこよなく愛する私は、こんな細かいミスからハートが揺れていく。
負の気持ちを引きずったままの2回戦東1局、滝沢と猿川のホンイツ気配を感じながらも、猿川の仕掛けで掴まされた発を「俺は100年前からテンパイしてるんだ(ピンフのみ)」とツモ切りし滝沢に8,000点放銃。
迎えた親で12,000点をアガれて自分の悪運に感謝するが、この後南場でヒドい事になる。
まず南1局(ドラ三万)親の猿川が遠いタンヤオの仕掛けに出る、中盤に滝沢の切った七筒を大明カン、これで滝沢にリーチが入り、さらに猿川がポンすると滝沢が倍満ツモ!
「サル、何すんネン(怒)」だが、まあ親カブリは猿川で自業自得と自分に言い聞かせるが、次の私の親で白鳥がダブ南ポン、そのまま中盤にもつれ込みツモ切りを続けていた猿川が、やおらリーチで即ツモの跳満!今度は私が親カブリ(涙)
タイムシフトを観ると、私のサイコロの振り方が悪かったのか、猿川に好配牌で序盤早くも贅沢な選択。
一万二万四万五万一索二索三索一筒二筒三筒八筒九筒西西  ドラ二筒
普通は四万五万落としでチャンタ三色だろうが(それなら白鳥が放銃していたはず。)
前局の失敗で捻ってみたのか、猿川の選択は八筒九筒落とし。
直ぐに絶好の三万を引きしばらくはステルスのヤミテン。
七筒をツモ切りし満貫放銃を助かった白鳥は、1シャンテンで六万も発射台だがテンパイせず、滝沢も六万が浮いているのだが切らない(切れよ!)かくして可哀想な私の親カブリとなる。
猿チャン素直にチャンタにしてくれよ~
さらに次親で、ラス目の白鳥が6巡目リーチ(ドラ発
まさか白鳥にまで(汗)・・・空振りしてくれるか安手である事を願いながらオリたが、終盤、哀しくも3,900オールを引かれる(また涙)
なんと3局連続でツモられ14,000点の支払いΣ(゚д゚lll)。
落ち着いて冷静に考えれば、自分のエラーではなく不可抗力のようなツモられ貧乏は、我慢していれば必ずこちらにも一度は手が入る事を長い経験で知っているはずの私、やはりオーラスの滝沢の親番でチャンスは来た。
更に言えば、ダントツの親は下手な事をしない限り手痛い親カブリはしない事も私の中の常識。
しかしまだまだ修行が足りない弱い私は気持ちが揺れていたようで
二万二万六万五索六索七索二筒四筒四筒五筒六筒六筒北  ツモ五索  ドラ五万
この手からドラ引きの跳満しか考えず、北を切らずに五索をツモ切ってしまった。
五索から指が離れる瞬間気がつき、四索六索七索がこない事を願ったが悲しいかな四索六索をツモってしまい満貫ツモでの沈みの2着浮上を逃した(約10ポイント損)
やらかした感満載を引き摺り3回戦も3着。
幸いトップは白鳥で、猿川が私よりも沈んでいたのがせめてもの気休めになったが、4回戦でもまたやらかした(アホや)
東場の親でドラが暗刻なのに、四暗刻や三色同刻を意識しすぎて手なりの6,000点オールを河にカブる。
もう穴があったら入りたいくらいだ。
ダメだし麻雀ならこの日の自己採点は30,000DDPくらいだ。
それでも南場2局の親で4,000点オールがアガれてトップ目になり、この日のマイナスが帳消しになるのかと神に感謝したが、猿川にあっさりと満貫ツモでマクリ返される。
まだ滝沢がラスだったので、これなら大した差はつけられないと気持ちを切り替えたのだが、滝沢はラス前の親でしぶとく粘りラス抜けをするとオーラスで渾身のメンタンピンドラ1をアガリ浮きの2着でフィ二ッシュ!
私はまたしてもマイナス3着で、首位ターンを決めた滝沢に50P以上離されてしまった。
4戦オールマイナスを喰らったのは何年ぶりだろうか?
ラスが無かったので大敗には至らなかったが、内容が悪すぎて悔やまれる対局になってしまった。
滝沢は私が前節終了後のインタビューでも昇級候補にあげたが、実際対戦してみてやはり一番軸がブレていなくて対局姿勢もフォームも素晴らしいく見習いたいくらいだ。
私は前半戦を終えて辛うじて3位に着けているが、上位2人とはやや開き私の真後ろには元A1リーガーの活きのいい若手がひしめいているではないか。
もう少し楽な位置取りで後半戦を迎えたかったが、大変厳しい展開になった。
こうなっては後半の作戦を変更するしかあるまい。
作戦内容はまだ秘密ですが、A1に復帰するためには後半の第6節からギアをトップに上げて戦わねばなるまい。
もし次の対局でマイナスするようなら、昇級を諦めて残留にシフトチェンジしようかと本気で思っている。
ただ、私のギアは古くなって錆もでてきているので、ちゃんと上がるかどうかが心配である。(笑い)

第32期A1リーグ第6節レポート 荒 正義

「夏目坂裁判」

この日のメンバーは前原・荒・ともたけ・藤崎。
前原と藤崎は上位で、鳳凰決定戦進出に向けて得点を伸ばそうと気合が入っていた。
一方、染め手のともたけと私は降級候補で、ブービーとブービーメーカーである。
2人の腹は、魚のサヨリのように黒かった。

(降級だけはゴメンだ。泥水すすっても、自分だけは生き残るー)

誰だって降級は嫌なのだ。
当然ながら、この上下の対決となれば場が荒れる。
まず、最初に花火を打ち上げたのはともたけだった。
南場4局4本場で4者の持ち点はこうだ。

荒38,300
ともたけ71,300   
藤崎11,300    
前原▲2,500

圧勝である。ともたけは失うものがないから、攻めのエンジンは全開。ブレーキは外してある。そこに飛び込んだのが、まず藤崎である。
公明正大な裁判官の私の眼から見たら、それは交通事故のようなものだった。
ともたけの河が出来過ぎだったのである。これに飛び込んだのが、人をすぐ信じる藤崎だ。
人間はこうして賢くなっていくのだ。

前原の▲2,500は箱下である。しかし、こっちは自業自得である。つまらぬテンパイで、絶好調の親に刃向った報いだ。あとは落ちるだけ。
これがドフトエフスキーの「罪と罰」である。

罪を犯した者は、罰を受けるのだ。麻雀だってそうである。
しかし、例外もたまにある。そのとき、前原の河がこうだった。

五索 上向き七索 上向き三索 上向き六索 上向き三筒 上向き三索 上向き
七筒 上向き二万 上向き三万 上向き二筒 上向き西

西は手出しで、一見、彼の狙いはやけくその国士に見える。だが、無視でいい。ヤツの態勢と運は、ぐじゃぐじゃで見る影もないのだ。
藤崎も当然、前原を無視した。そして南をツモ切る。すると、もぞもぞと前原の大きな熊の手が動いた。

一万九万一索九索一筒九筒東東西北白発中

(ありゃま!)である。
これが例外。前原は積み場とリーチ棒で一気に浮きに回る。
後日、たった1人の生き証人の佐々木寿人が云う。

「あの人は、生命力だけで食っていますから…」

寿人は、前原との付き合いが一番長くいわば身内同然。どこまで本音か分からぬが、このセリフには頷けるものがある。
しかし、見る角度によって前原は自分の犯した罪を…藤崎になすりつけた感がある。これを私たち専門家は…濡れ衣を着せるという。

(なんだ、これは!)と藤崎が叫ぶ。
そうだ、悪いのは前原であって藤崎ではないのだ。しかし、アリバイも証明できずに藤崎は推定有罪の判決。

2回戦。
今度は藤崎自身が動いて証拠を集め、身の潔白を図る。
集めていたのはもちろん、さっきの不吉な風牌である。
9巡目で、この手だ。

二索三索四索五索東南南西西西北北白  ドラ一筒

ここに上家の私から、初牌の北が出るが動かない。
すると同巡、待望の東を引きこんだ。

二索三索四索五索東南南西西西北北白  ツモ東

すると、下家のともたけが東を切る。当然、藤崎がポンで白切り。
すると次に、ともたけが北を掴む。もちろん、この北は止まらない。

三索四索五索南南西西西北北  ポン東東東

この北のスルーが、常人では真似できない。誰だって鳴きたくなるはずだ。鮮やかすぎて称賛に値する。
これは藤崎の無実の叫びを、神が受け入れたかに見えたがどうだろう。

そんなこんなで、この日の結果は以下の通り。

荒+15.0P(▲20.0P) 前原+0.4P ともたけ▲4.6P 藤崎▲30.8P

私のカッコ内の▲20.0Pは、誤チーのチョンボである。
お恥ずかしいが、これは2つの役満の犯罪(失礼!)から比べたら蟻んこのような微罪にすぎない。
お詫びのしるしに、次は私が親の役満を狙ってみよう!

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A1リーグ第6節レポート 荒 正義

「夏目坂裁判」
この日のメンバーは前原・荒・ともたけ・藤崎。
前原と藤崎は上位で、鳳凰決定戦進出に向けて得点を伸ばそうと気合が入っていた。
一方、染め手のともたけと私は降級候補で、ブービーとブービーメーカーである。
2人の腹は、魚のサヨリのように黒かった。
(降級だけはゴメンだ。泥水すすっても、自分だけは生き残るー)
誰だって降級は嫌なのだ。
当然ながら、この上下の対決となれば場が荒れる。
まず、最初に花火を打ち上げたのはともたけだった。
南場4局4本場で4者の持ち点はこうだ。
荒38,300
ともたけ71,300   
藤崎11,300    
前原▲2,500
圧勝である。ともたけは失うものがないから、攻めのエンジンは全開。ブレーキは外してある。そこに飛び込んだのが、まず藤崎である。
公明正大な裁判官の私の眼から見たら、それは交通事故のようなものだった。
ともたけの河が出来過ぎだったのである。これに飛び込んだのが、人をすぐ信じる藤崎だ。
人間はこうして賢くなっていくのだ。
前原の▲2,500は箱下である。しかし、こっちは自業自得である。つまらぬテンパイで、絶好調の親に刃向った報いだ。あとは落ちるだけ。
これがドフトエフスキーの「罪と罰」である。
罪を犯した者は、罰を受けるのだ。麻雀だってそうである。
しかし、例外もたまにある。そのとき、前原の河がこうだった。
五索 上向き七索 上向き三索 上向き六索 上向き三筒 上向き三索 上向き
七筒 上向き二万 上向き三万 上向き二筒 上向き西
西は手出しで、一見、彼の狙いはやけくその国士に見える。だが、無視でいい。ヤツの態勢と運は、ぐじゃぐじゃで見る影もないのだ。
藤崎も当然、前原を無視した。そして南をツモ切る。すると、もぞもぞと前原の大きな熊の手が動いた。
一万九万一索九索一筒九筒東東西北白発中
(ありゃま!)である。
これが例外。前原は積み場とリーチ棒で一気に浮きに回る。
後日、たった1人の生き証人の佐々木寿人が云う。
「あの人は、生命力だけで食っていますから…」
寿人は、前原との付き合いが一番長くいわば身内同然。どこまで本音か分からぬが、このセリフには頷けるものがある。
しかし、見る角度によって前原は自分の犯した罪を…藤崎になすりつけた感がある。これを私たち専門家は…濡れ衣を着せるという。
(なんだ、これは!)と藤崎が叫ぶ。
そうだ、悪いのは前原であって藤崎ではないのだ。しかし、アリバイも証明できずに藤崎は推定有罪の判決。
2回戦。
今度は藤崎自身が動いて証拠を集め、身の潔白を図る。
集めていたのはもちろん、さっきの不吉な風牌である。
9巡目で、この手だ。
二索三索四索五索東南南西西西北北白  ドラ一筒
ここに上家の私から、初牌の北が出るが動かない。
すると同巡、待望の東を引きこんだ。
二索三索四索五索東南南西西西北北白  ツモ東
すると、下家のともたけが東を切る。当然、藤崎がポンで白切り。
すると次に、ともたけが北を掴む。もちろん、この北は止まらない。
三索四索五索南南西西西北北  ポン東東東
この北のスルーが、常人では真似できない。誰だって鳴きたくなるはずだ。鮮やかすぎて称賛に値する。
これは藤崎の無実の叫びを、神が受け入れたかに見えたがどうだろう。
そんなこんなで、この日の結果は以下の通り。
荒+15.0P(▲20.0P) 前原+0.4P ともたけ▲4.6P 藤崎▲30.8P
私のカッコ内の▲20.0Pは、誤チーのチョンボである。
お恥ずかしいが、これは2つの役満の犯罪(失礼!)から比べたら蟻んこのような微罪にすぎない。
お詫びのしるしに、次は私が親の役満を狙ってみよう!

ロン2カップ2015summerレポート 小笠原 奈央

この日は、あいにくのお天気。
ロンロンカップサマーだと言うのに……

なんだか少し肌寒く、もう秋の匂いまで漂いはじめた。
あ。前回私がМCとして出させていただいたロンロンカップも雨だったけ……楽しみにしていた旅行も3日間雨だったけ……
今回は雨女。小笠原奈央がロンロンカップのレポートを書かせていただきます。宜しくお願いいたします。

今回のロン2カップサマー2015は何とニコ生公式放送!!!!!
多くの方々に見守られながらの幕開けです!!

今回のМCコンビは定番となってまいりましたアシスタントダンプ大橋プロに…
新人ホヤホヤ!!30期生!!なんとフォロワー64,000人!!
プリティボイスにプリティフェイス!!本業は言わずと知れた声優さん!!大亀あすかプロがメインМCを務めました。
大亀プロの抑揚の効いた可愛い声に、軽快なトーク!!恒例のダンププロいじりもお手の物!!良いですねー(笑)
そんな笑いがププっと飛び出るような明るい雰囲気から始まったロンロンカップ

あ!ここで軽く今回の大会のルールを説明しておきましょう!!
ロンロンでも人気フロアであります

~東南リーチバトル~
一発裏ドラあり
赤は1枚づつ
アガリやめあり

※今回は、飛び終了は無し

1位は、そのまま決勝戦へ
2位は、準決勝へ
3位は、A~C卓の3着の3名でニコ生視聴者投票で選ばれた1名のみ準決勝へ
4位は、敗退

出場メンバーは今回も超豪華!!!

初戦のA卓を戦うは…

攻めダルマこと佐々木寿人プロ
麻雀バカボンドこと滝沢和典プロ

100

佐々木寿人プロ

100

滝沢和典プロ

そこに立ち向かうはユーザー代表、私と同じ千葉であります、この対局をとても楽しみにしていたという!!

さくらぱんださん!

仙台から来られました、楽天ファン!!

伝説のエースさん

東1局から佐々木プロが場を動かしていき、東2局には2,000・4,000ツモ。
次局もリーチと佐々木プロの独壇場かと思っていたが、伝説のエースさんも配牌9種の苦しいところからの仕掛けで見事2,000.4,000を実らせる。
が、佐々木プロがまたもや浮上!伝説のエースさんのリーチに対してノータイム無筋の赤五筒切りで500.1,000の力強いアガリ。
その後も3,900、3,000・6,000の大物手をアガリ周りとの差を広げていく。

こうなると2着争いが大接戦!
ここで滝沢プロが8,300をアガリ2着に浮上!!

オーラスがなんとも楽しい局でした。
ずっと苦しかったオーラス親番のさくらぱんださん。今まで耐えて耐えてきたので親番を何としてでも連荘してほしいところ。
苦しいところから仕掛けを入れて意地を見せる!ただ、6巡目にして滝沢プロにヤミテン可能のテンパイが入る!
ここに2着滝沢プロとの差6,700点の伝説のエースさんも動きを見せチンイツへ移行!!
なんと3者テンパイ!!これはかなり面白い!!どうなる?どうなる!?

選ばれたのは滝沢プロ。2着で準決勝の切符を手に入れました。
ユーザーさん達は惜しくも3着4着となってはしまいましたが、大物手作り、そして押し引き、我慢我慢、最後まで戦う姿勢!!最後まで楽しい対局をありがとうございました。

そして、2回戦

こちらは女性卓

アマゾネスこと和久津晶プロ
不屈のベビーフェイスこと小笠原奈央プロ

100

和久津晶プロ

100

小笠原奈央プロ

あ。私です(笑)

そして、こちらの方もロンロンカップでは初登場でしょうか?

ミスパーフェクトクイーン
天は二物を与えてしまった!
魅惑の八頭身!!東城りおプロ!!

100

東城りおプロ

そこに立ち向かうは…
ユーザー代表、なんと先祖はリアルに平家の落武者さんらしいです。
その名も、平家の落武者さん

東1局は私の500・1000のアガリから…
なんだか自分の事を自分で書くのは変な感じですね。(笑)

私に手が入る手が入る。
8,000点7,700点4,200点と加点していきます。
そこに立ち向かうは和久津プロ。4,500点、12,300点とアガリを重ねます。

ラス前。なんとも、トップ目の私が競っている2着の和久津プロに8,000放銃。
これは視点がずれすぎていて本当にダメな放銃です。

そして、オーラス。あんなに離れていた点差も気付けば14,200点の跳ツモ圏内。
ここで東城プロは親番!!どうにか粘りたいところ!!2,000オールを引きアガリ本場を積みます。
ここでもっと苦しくなったのは平家の落武者さん。最後は私に役ありテンパイが入り1,300のアガリで終局。

なんと!!麻雀に席は関係ないと言いますが、1回戦2回戦とさくらぱんださん平家の落武者さんが座った席がノーホーラ。
お二人共、終始本当に苦しかった状況。対局が終わった後にお2人が、苦しすぎるだろー!!!1回ぐらいアガリたいよー!!!悔しいなー!!と話しながらも、このリベンジは必ず!と笑顔で言ってくださったことが印象的でした。

さぁ、この後の席に座る荒プロはどうなるのか?!(笑)

C卓
手役アーティストこと森山茂和プロ
北海の荒法師こと荒正義プロ
地獄の門番こと前原雄大プロ
卓上の暴君この瀬戸熊直樹プロ

100

森山茂和プロ

100

荒正義プロ

100

前原雄大プロ

100

瀬戸熊直樹プロ

東1局!!荒プロの親番!!
2巡目にして森山プロからのリーチ!それに対して追いかける!前原プロの追いかけシャンポン!
勝敗はハイテイに…
前原プロが2,000・4,000をツモアガる。
その後も2件リーチに対して荒プロの手牌には当たり牌がなんと8枚!!安牌もない中、耐え流局。
南場に入り、荒プロがトップ目の前原プロから7,700をアガリ、この席初アガリ!!
連荘をする荒プロがホンイツ12,000のテンパイを入れ、くるかー!!!と思いきや、瀬戸熊プロのリーチに一発で当たり牌を持ってきて放銃となってしまう。やはり苦しい。。

南2局もとても見応えのある局。
まず前原プロが鳴きを入れて3面チャンのテンパイを入れる。そこに森山プロからのリーチ。それを追いかける瀬戸熊プロもリーチ!同じ巡目に荒プロもリーチ!!
そこに前原プロが持ってきたのは六筒
これは2人の無筋。オリるとなると出る牌は荒プロへの放銃となる!
ここで長考が入り前原プロが選んだのは真っ直ぐ突き進む打六筒
その後、見事前原プロがツモアガリ1,300オール!!

そして、オーラス!!!
皆さん出ました!アトミックリーチ!!ツモれば16,000オール!!!
役満……見たかったー。
流局となり、最終局も接戦の中ピリオドを決めたのは前原プロ!!
前原プロが1位で決勝通過となりました。

 

100

ここで準決勝の一枠をかけ、視聴者アンケートタイム!!
A卓からはユーザー代表伝説のエースさん
B卓からは東城りおプロ
C卓からは森山茂和プロ

見事視聴者に選ばれたは……

森山茂和プロ!!

先程の熱い闘牌が視聴者の心をグッと掴み、準決勝へと駒を進めます。

準決勝
A卓 滝沢和典プロ
B卓 和久津晶プロ
C卓 瀬戸熊直樹プロ
視聴者投票 森山茂和プロ

ここは、決勝戦残り一枠の出場権を賭けた戦い。

まず親の和久津プロが4,000オール
滝沢プロが2,000・4,000、森山プロが8,000、その後に和久津プロが3,000・6,000、瀬戸熊プロが12,000と高い手が飛び交います。
南場に入り、トップ目の親番和久津プロがまたもや!!
赤五索待ちの七対子をリーチで終盤にツモアガリグッとくる4,000オールで周りとの差を広げていく。

これを止めたのは滝沢プロ。親の和久津プロがホンイツで圧をかけ、テンパイを入れ色を余らす。そこに滝沢プロがその色をぶつけ、選択を誤ることなく見事2,000・4,000のツモアガリ!!
森山プロは親番で3本場を積んで粘るが中々アガリには結びつかず、トップ目の和久津プロに500・1,000で交わされてしまう。
オーラス、森山プロは役満。滝沢プロは跳満直撃。瀬戸熊プロも親番を連荘するのみ。ただ、その差は38,500点!と、皆苦しい状況。

2本場を積んだが、8,000オール18,000直撃で逆転とまだ先は長いか。
ここで瀬戸熊プロが仕上げたのは

五万赤五万八万一索二索三索四索赤五索六索七索八索九索七筒  ツモ九筒  ドラ六索

ヤミテンで満貫が見える手だか、ここはリーチを選択。次巡、心を乱すツモ六筒
トップ目の和久津プロも、ここが勝負と1シャンテンで無筋を連打。この勝負の行方は瀬戸熊プロにとって暗雲かと思った矢先……
最後の八筒をツモ!!ツモった!!裏を……

乗せたーーーーー!!!!
一時は持ち点10,000点以下とラス目にいた瀬戸熊プロが、なんとなんとの大逆転劇!!これにはコメントも大盛り上がり!!いやー湧きましたね!痺れましたね!

はい。これで決勝メンバーが出揃いました!

佐々木寿人プロ
前原雄大プロ
瀬戸熊直樹プロ

そこに私。。。

100

緊張感を周りに撒き散らし始まった決勝戦。
瀬戸熊プロの準決勝での見事な条件を満たす倍満ツモ。

前原プロのフリテンリーチ。
一発ツモ!!

佐々木プロのタンヤオ七対子ドラドラ。これをリーチでツモ!!

やはりプロ。これでこそプロ。
この人ならつもりそう!!ツモってくれる!!観戦者をそう思わせ、その思いを叶えてくれる。見事にアガリに結びつける。感動を与えてくれる。これがプロなんだと思います。

私なりにも、今ある能力をフル回転させ、試行錯誤したつもりだったのですが、私の点棒はどこへやら。
今思い返せば、志向の根本が『恐れ』から来ていたんだと思います。そんな恐れを抱いた気持ちで勝ちたいと思ったことが間違いですね。

私の点棒をかけ……龍と鳳凰と麒麟の大乱闘!!喰うか喰われるかの血戦!!

見事ロンロンカップSUMMER2015
王座に登りつめたのは……

地獄の門番!!
前原雄大プロ!!

100

いやー、本当にこの方は怪物なのかもしれない(失礼)と思ったほどの強さでした。

全ての対局が皆さんのカラーが出ていて見応えのある内容だったんではないかと思います。
見て欲しくない気持ちもあるけど(笑)皆様にレポートだけでは伝えられない名場面が多々ありますので是非是非ご覧下さい!!きっとそこには感動があるから!!

さ!次回のロンロンカップも予選がスタートしております。
連盟チャンネルなどをよくご覧いただいてくれている方々。
『いやー!これ切りだろ!これ押すだろ!!打たないだろ!!』
見てると思うことって沢山ありますよね♪
ただ卓に入り、トッププロの本気の空気を味わうと、見えるものが見えなくなり、見えないものを見ようとしすぎてしまう。
沢山の味わったことない感情が味わえると思います!そして、それはきっと良い経験、思い出に繋がると思います!!

タイムシフトで、あー。あの空気感はこういうことだったのか。正解はこれか!!と見返せちゃう良い時代でもあります。
会場で交わす会話、あの方の素顔。そこもまた楽しみの1つかと思います。

皆で是非是非一緒に歴史を刻んで、麻雀界を盛り上げていきましょう!!
沢山の闘志をロン2出演プロ一同心よりお待ちしております!!

次回のロンロンカップの優勝は貴方の手に!!!

その他イベント/ロン2カップ2015summerレポート 小笠原 奈央

この日は、あいにくのお天気。
ロンロンカップサマーだと言うのに……
なんだか少し肌寒く、もう秋の匂いまで漂いはじめた。
あ。前回私がМCとして出させていただいたロンロンカップも雨だったけ……楽しみにしていた旅行も3日間雨だったけ……
今回は雨女。小笠原奈央がロンロンカップのレポートを書かせていただきます。宜しくお願いいたします。
今回のロン2カップサマー2015は何とニコ生公式放送!!!!!
多くの方々に見守られながらの幕開けです!!
今回のМCコンビは定番となってまいりましたアシスタントダンプ大橋プロに…
新人ホヤホヤ!!30期生!!なんとフォロワー64,000人!!
プリティボイスにプリティフェイス!!本業は言わずと知れた声優さん!!大亀あすかプロがメインМCを務めました。
大亀プロの抑揚の効いた可愛い声に、軽快なトーク!!恒例のダンププロいじりもお手の物!!良いですねー(笑)
そんな笑いがププっと飛び出るような明るい雰囲気から始まったロンロンカップ
あ!ここで軽く今回の大会のルールを説明しておきましょう!!
ロンロンでも人気フロアであります
~東南リーチバトル~
一発裏ドラあり
赤は1枚づつ
アガリやめあり
※今回は、飛び終了は無し
1位は、そのまま決勝戦へ
2位は、準決勝へ
3位は、A~C卓の3着の3名でニコ生視聴者投票で選ばれた1名のみ準決勝へ
4位は、敗退
出場メンバーは今回も超豪華!!!
初戦のA卓を戦うは…
攻めダルマこと佐々木寿人プロ
麻雀バカボンドこと滝沢和典プロ

100

佐々木寿人プロ

100

滝沢和典プロ

そこに立ち向かうはユーザー代表、私と同じ千葉であります、この対局をとても楽しみにしていたという!!
さくらぱんださん!
仙台から来られました、楽天ファン!!
伝説のエースさん
東1局から佐々木プロが場を動かしていき、東2局には2,000・4,000ツモ。
次局もリーチと佐々木プロの独壇場かと思っていたが、伝説のエースさんも配牌9種の苦しいところからの仕掛けで見事2,000.4,000を実らせる。
が、佐々木プロがまたもや浮上!伝説のエースさんのリーチに対してノータイム無筋の赤五筒切りで500.1,000の力強いアガリ。
その後も3,900、3,000・6,000の大物手をアガリ周りとの差を広げていく。
こうなると2着争いが大接戦!
ここで滝沢プロが8,300をアガリ2着に浮上!!
オーラスがなんとも楽しい局でした。
ずっと苦しかったオーラス親番のさくらぱんださん。今まで耐えて耐えてきたので親番を何としてでも連荘してほしいところ。
苦しいところから仕掛けを入れて意地を見せる!ただ、6巡目にして滝沢プロにヤミテン可能のテンパイが入る!
ここに2着滝沢プロとの差6,700点の伝説のエースさんも動きを見せチンイツへ移行!!
なんと3者テンパイ!!これはかなり面白い!!どうなる?どうなる!?
選ばれたのは滝沢プロ。2着で準決勝の切符を手に入れました。
ユーザーさん達は惜しくも3着4着となってはしまいましたが、大物手作り、そして押し引き、我慢我慢、最後まで戦う姿勢!!最後まで楽しい対局をありがとうございました。
そして、2回戦
こちらは女性卓
アマゾネスこと和久津晶プロ
不屈のベビーフェイスこと小笠原奈央プロ

100

和久津晶プロ

100

小笠原奈央プロ

あ。私です(笑)
そして、こちらの方もロンロンカップでは初登場でしょうか?
ミスパーフェクトクイーン
天は二物を与えてしまった!
魅惑の八頭身!!東城りおプロ!!

100

東城りおプロ

そこに立ち向かうは…
ユーザー代表、なんと先祖はリアルに平家の落武者さんらしいです。
その名も、平家の落武者さん
東1局は私の500・1000のアガリから…
なんだか自分の事を自分で書くのは変な感じですね。(笑)
私に手が入る手が入る。
8,000点7,700点4,200点と加点していきます。
そこに立ち向かうは和久津プロ。4,500点、12,300点とアガリを重ねます。
ラス前。なんとも、トップ目の私が競っている2着の和久津プロに8,000放銃。
これは視点がずれすぎていて本当にダメな放銃です。
そして、オーラス。あんなに離れていた点差も気付けば14,200点の跳ツモ圏内。
ここで東城プロは親番!!どうにか粘りたいところ!!2,000オールを引きアガリ本場を積みます。
ここでもっと苦しくなったのは平家の落武者さん。最後は私に役ありテンパイが入り1,300のアガリで終局。
なんと!!麻雀に席は関係ないと言いますが、1回戦2回戦とさくらぱんださん平家の落武者さんが座った席がノーホーラ。
お二人共、終始本当に苦しかった状況。対局が終わった後にお2人が、苦しすぎるだろー!!!1回ぐらいアガリたいよー!!!悔しいなー!!と話しながらも、このリベンジは必ず!と笑顔で言ってくださったことが印象的でした。
さぁ、この後の席に座る荒プロはどうなるのか?!(笑)
C卓
手役アーティストこと森山茂和プロ
北海の荒法師こと荒正義プロ
地獄の門番こと前原雄大プロ
卓上の暴君この瀬戸熊直樹プロ

100

森山茂和プロ

100

荒正義プロ

100

前原雄大プロ

100

瀬戸熊直樹プロ

東1局!!荒プロの親番!!
2巡目にして森山プロからのリーチ!それに対して追いかける!前原プロの追いかけシャンポン!
勝敗はハイテイに…
前原プロが2,000・4,000をツモアガる。
その後も2件リーチに対して荒プロの手牌には当たり牌がなんと8枚!!安牌もない中、耐え流局。
南場に入り、荒プロがトップ目の前原プロから7,700をアガリ、この席初アガリ!!
連荘をする荒プロがホンイツ12,000のテンパイを入れ、くるかー!!!と思いきや、瀬戸熊プロのリーチに一発で当たり牌を持ってきて放銃となってしまう。やはり苦しい。。
南2局もとても見応えのある局。
まず前原プロが鳴きを入れて3面チャンのテンパイを入れる。そこに森山プロからのリーチ。それを追いかける瀬戸熊プロもリーチ!同じ巡目に荒プロもリーチ!!
そこに前原プロが持ってきたのは六筒
これは2人の無筋。オリるとなると出る牌は荒プロへの放銃となる!
ここで長考が入り前原プロが選んだのは真っ直ぐ突き進む打六筒
その後、見事前原プロがツモアガリ1,300オール!!
そして、オーラス!!!
皆さん出ました!アトミックリーチ!!ツモれば16,000オール!!!
役満……見たかったー。
流局となり、最終局も接戦の中ピリオドを決めたのは前原プロ!!
前原プロが1位で決勝通過となりました。
 

100

ここで準決勝の一枠をかけ、視聴者アンケートタイム!!
A卓からはユーザー代表伝説のエースさん
B卓からは東城りおプロ
C卓からは森山茂和プロ
見事視聴者に選ばれたは……
森山茂和プロ!!
先程の熱い闘牌が視聴者の心をグッと掴み、準決勝へと駒を進めます。
準決勝
A卓 滝沢和典プロ
B卓 和久津晶プロ
C卓 瀬戸熊直樹プロ
視聴者投票 森山茂和プロ
ここは、決勝戦残り一枠の出場権を賭けた戦い。
まず親の和久津プロが4,000オール
滝沢プロが2,000・4,000、森山プロが8,000、その後に和久津プロが3,000・6,000、瀬戸熊プロが12,000と高い手が飛び交います。
南場に入り、トップ目の親番和久津プロがまたもや!!
赤五索待ちの七対子をリーチで終盤にツモアガリグッとくる4,000オールで周りとの差を広げていく。
これを止めたのは滝沢プロ。親の和久津プロがホンイツで圧をかけ、テンパイを入れ色を余らす。そこに滝沢プロがその色をぶつけ、選択を誤ることなく見事2,000・4,000のツモアガリ!!
森山プロは親番で3本場を積んで粘るが中々アガリには結びつかず、トップ目の和久津プロに500・1,000で交わされてしまう。
オーラス、森山プロは役満。滝沢プロは跳満直撃。瀬戸熊プロも親番を連荘するのみ。ただ、その差は38,500点!と、皆苦しい状況。
2本場を積んだが、8,000オール18,000直撃で逆転とまだ先は長いか。
ここで瀬戸熊プロが仕上げたのは
五万赤五万八万一索二索三索四索赤五索六索七索八索九索七筒  ツモ九筒  ドラ六索
ヤミテンで満貫が見える手だか、ここはリーチを選択。次巡、心を乱すツモ六筒
トップ目の和久津プロも、ここが勝負と1シャンテンで無筋を連打。この勝負の行方は瀬戸熊プロにとって暗雲かと思った矢先……
最後の八筒をツモ!!ツモった!!裏を……
乗せたーーーーー!!!!
一時は持ち点10,000点以下とラス目にいた瀬戸熊プロが、なんとなんとの大逆転劇!!これにはコメントも大盛り上がり!!いやー湧きましたね!痺れましたね!
はい。これで決勝メンバーが出揃いました!
佐々木寿人プロ
前原雄大プロ
瀬戸熊直樹プロ
そこに私。。。

100

緊張感を周りに撒き散らし始まった決勝戦。
瀬戸熊プロの準決勝での見事な条件を満たす倍満ツモ。
前原プロのフリテンリーチ。
一発ツモ!!
佐々木プロのタンヤオ七対子ドラドラ。これをリーチでツモ!!
やはりプロ。これでこそプロ。
この人ならつもりそう!!ツモってくれる!!観戦者をそう思わせ、その思いを叶えてくれる。見事にアガリに結びつける。感動を与えてくれる。これがプロなんだと思います。
私なりにも、今ある能力をフル回転させ、試行錯誤したつもりだったのですが、私の点棒はどこへやら。
今思い返せば、志向の根本が『恐れ』から来ていたんだと思います。そんな恐れを抱いた気持ちで勝ちたいと思ったことが間違いですね。
私の点棒をかけ……龍と鳳凰と麒麟の大乱闘!!喰うか喰われるかの血戦!!
見事ロンロンカップSUMMER2015
王座に登りつめたのは……
地獄の門番!!
前原雄大プロ!!

100

いやー、本当にこの方は怪物なのかもしれない(失礼)と思ったほどの強さでした。
全ての対局が皆さんのカラーが出ていて見応えのある内容だったんではないかと思います。
見て欲しくない気持ちもあるけど(笑)皆様にレポートだけでは伝えられない名場面が多々ありますので是非是非ご覧下さい!!きっとそこには感動があるから!!
さ!次回のロンロンカップも予選がスタートしております。
連盟チャンネルなどをよくご覧いただいてくれている方々。
『いやー!これ切りだろ!これ押すだろ!!打たないだろ!!』
見てると思うことって沢山ありますよね♪
ただ卓に入り、トッププロの本気の空気を味わうと、見えるものが見えなくなり、見えないものを見ようとしすぎてしまう。
沢山の味わったことない感情が味わえると思います!そして、それはきっと良い経験、思い出に繋がると思います!!
タイムシフトで、あー。あの空気感はこういうことだったのか。正解はこれか!!と見返せちゃう良い時代でもあります。
会場で交わす会話、あの方の素顔。そこもまた楽しみの1つかと思います。
皆で是非是非一緒に歴史を刻んで、麻雀界を盛り上げていきましょう!!
沢山の闘志をロン2出演プロ一同心よりお待ちしております!!
次回のロンロンカップの優勝は貴方の手に!!!

第48期 北海道プロリーグ 第5節成績表

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 最終節 合計
優勝 須賀 智博 22.1 40.7 19.8 59.7 71.7 48.4 262.4
石田 雅人 19.0 ▲ 1.7 4.9 44.3 ▲ 11.0 102.8 158.3
3 浦山 祐輔 34.4 47.6 42.8 79.3 ▲ 80.8 ▲ 5.8 117.5
4 三盃 志 3.0 62.1 13.6 ▲ 22.3 50.6 ▲ 37.2 69.8
5 野々川 博之 ▲ 1.3 29.0 ▲ 37.0 30.6 ▲ 10.1 67.1 78.3
6 平島 誉久 30.2 ▲ 9.7 88.1 ▲ 32.5 30.9 ▲ 42.3 64.7
7 真光 祐尚 22.4 ▲ 52.7 40.9 60.8 ▲ 59.7 32.2 43.9
8 加藤 晋平 48.9 ▲ 20.9 ▲ 4.3 31.8 37.1 ▲ 82.2 10.4
9 喜多 清貴 37.2 ▲ 0.5 18.2 ▲ 18.9 ▲ 21.1 ▲ 5.1
10 市川 敦士 15.8 16.0 ▲ 12.4 ▲ 2.6 ▲ 9.0 ▲ 20.0 ▲ 12.2
11 藤原 洋一 30.2 26.7 ▲ 25.6 ▲ 6.9 ▲ 15.6
12 中村 龍太 ▲ 43.0 ▲ 50.5 16.0 ▲ 27.0 65.0 ▲ 12.1 ▲ 51.6
13 三盃 貴之 4.5 18.3 ▲ 27.4 ▲ 23.1 ▲ 67.7
14 野坂 健一 ▲ 34.2 ▲ 6.9 ▲ 121.1
15 西野 拓也 9.8 ▲ 42.7 ▲ 51.3 ▲ 49.9 9.2 ▲ 3.7 ▲ 128.6
16 村上 良 ▲ 77.8 ▲ 39.8 ▲ 13.1 ▲ 6.2 1.0 ▲ 3.4 ▲ 139.3
17 砂原 裕美子 ▲ 39.3 33.8 ▲ 32.5 ▲ 89.8 ▲ 20.2 ▲ 148.0
18 吉木 輝 ▲ 16.1 15.8 ▲ 67.1 ▲ 61.4 ▲ 50.7 ▲ 179.5
19 佐藤 賢忠 ▲ 63.8 ▲ 85.5 ▲ 20.4 ▲ 209.7

北海道プロリーグ 成績表/第48期 北海道プロリーグ 第5節成績表

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 最終節 合計
優勝 須賀 智博 22.1 40.7 19.8 59.7 71.7 48.4 262.4
石田 雅人 19.0 ▲ 1.7 4.9 44.3 ▲ 11.0 102.8 158.3
3 浦山 祐輔 34.4 47.6 42.8 79.3 ▲ 80.8 ▲ 5.8 117.5
4 三盃 志 3.0 62.1 13.6 ▲ 22.3 50.6 ▲ 37.2 69.8
5 野々川 博之 ▲ 1.3 29.0 ▲ 37.0 30.6 ▲ 10.1 67.1 78.3
6 平島 誉久 30.2 ▲ 9.7 88.1 ▲ 32.5 30.9 ▲ 42.3 64.7
7 真光 祐尚 22.4 ▲ 52.7 40.9 60.8 ▲ 59.7 32.2 43.9
8 加藤 晋平 48.9 ▲ 20.9 ▲ 4.3 31.8 37.1 ▲ 82.2 10.4
9 喜多 清貴 37.2 ▲ 0.5 18.2 ▲ 18.9 ▲ 21.1 ▲ 5.1
10 市川 敦士 15.8 16.0 ▲ 12.4 ▲ 2.6 ▲ 9.0 ▲ 20.0 ▲ 12.2
11 藤原 洋一 30.2 26.7 ▲ 25.6 ▲ 6.9 ▲ 15.6
12 中村 龍太 ▲ 43.0 ▲ 50.5 16.0 ▲ 27.0 65.0 ▲ 12.1 ▲ 51.6
13 三盃 貴之 4.5 18.3 ▲ 27.4 ▲ 23.1 ▲ 67.7
14 野坂 健一 ▲ 34.2 ▲ 6.9 ▲ 121.1
15 西野 拓也 9.8 ▲ 42.7 ▲ 51.3 ▲ 49.9 9.2 ▲ 3.7 ▲ 128.6
16 村上 良 ▲ 77.8 ▲ 39.8 ▲ 13.1 ▲ 6.2 1.0 ▲ 3.4 ▲ 139.3
17 砂原 裕美子 ▲ 39.3 33.8 ▲ 32.5 ▲ 89.8 ▲ 20.2 ▲ 148.0
18 吉木 輝 ▲ 16.1 15.8 ▲ 67.1 ▲ 61.4 ▲ 50.7 ▲ 179.5
19 佐藤 賢忠 ▲ 63.8 ▲ 85.5 ▲ 20.4 ▲ 209.7

第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  決勝戦レポート ケネス徳田

各界の著名人雀豪を一堂に集めた『麻雀トライアスロン雀豪決定戦』。
半年かけて争われた予選、準決勝を終え、いよいよ4名による決勝戦が行われる。
知力・体力・時の運すべてを兼ね備えた打ち手は果たして誰が!?
8月23日に決勝戦が行われました。プロ2名、ゲスト雀豪2名による決勝戦。
まずプロ側からは初の女性決勝進出者、二階堂亜樹プロです。

100

予選、準々決勝、準決勝とすべて1位通過での決勝進出です。
特に4人麻雀での持ち味である、受けながら相手のチャンスを潰すという打ち方を、三人麻雀でも応用しています。
女性初決勝だけではなく女性初優勝も期待されています。

100

昨年からリーチ麻雀世界選手権、モンド杯と優勝している山井弘プロ。
このトライアスロンも勝てば「変則三冠」というやつでしょうか。
大舞台になればなるほど実力を発揮するタイプなだけに、一番の注目株です。

100

そしてゲスト雀豪予選を勝ち抜いたのはTVプロデューサー・中村伸喜さん。
予選では国士無双2回という離れ業で勝ち上がり、準決勝でも大村朋宏さんとのデットヒートを粘り勝っての決勝進出です。
大技はもちろん小技もしっかり兼ね備えた存在と言えます。

100

そしてもう1人のゲスト雀豪代表、現最強位でサイバーエージェント社長・藤田晋さんです。
もちろん最強位に続く「著名人二冠」を狙っていることでしょう。

100

厳しい予選を勝ち上がった4人のこの決勝戦。さて一体どんな麻雀になるのでしょうか?

 

★東風戦(順位点5-15)

東1局1本場、起家・中村さんが東中のシャンポン待ちで先制リーチ。

100

中をツモ、そしてこの中が裏ドラになって6,000オールとなります。
東2局3本場、東家・藤田さんがダブ東暗刻で先制リーチ。

100

ツモれば4,000オールで中村さんを射程に捕えれる位置につけられますが、ここは山井プロが追っかけリーチ、そしてツモアガリ。

二万三万四万五索六索七索二筒三筒四筒七筒八筒南南  リーチ  ツモ六筒  ドラ三万  裏三索

その山井プロが東3局でも満貫のツモアガリ。

100

一万二万三万五万七万六筒七筒八筒九筒九筒九筒西西  ツモ六万  ドラ九筒

オーラスもヤミテン5,800で亜樹プロから。

100

このアガリにより100点差で中村さんをかわしてトップになりました。

東風戦成績
山井+31.8P 中村+21.7P 藤田▲19.0P 亜樹▲34.5P

 

★半荘戦(順位点10-30)

東風戦ラススタートの亜樹が半荘戦で挽回します。東2局1本場7巡目、東家でテンパイが入ります。

100

ドラの七筒を切れば六筒九筒待ちでピンフになりますが、八筒を切って西七筒のシャンポン待ちリーチを選択しました。
この待ち取りが成功。六筒九筒よりも先に西をツモって4,000オール。
同3本場も、中村さんの先制リーチをかいくぐり1,000オールで連荘に成功。

六万七万八万四索六索七索七索三筒四筒五筒  ポン二索 左向き二索 上向き二索 上向き  ツモ五索  ドラ四索

この序盤のアガリで5万点オーバーに。この貯金を守り切って見事亜樹プロが半荘戦を制しました。
2着に食い込んだのは藤田さん。南3局6巡目に

100

六筒でテンパイを外します。が、この後全くと言っていいほどくっつきません。三筒七索という好牌を浮かしているのですが…13巡目に

一万二万三万三万四万五万七索二筒三筒三筒四筒七筒七筒  ツモ三筒  ドラ七筒

渋々テンパイを取り、次巡渋々リーチ。すると16巡目にドラの七筒をツモって満貫のアガリ。
直前に山井プロが追っかけリーチをしてたこともあり、このリーチ棒の分山井プロをかわして2着になったのです。

半荘戦成績
亜樹+44.4P 藤田+13.0P 山井▲8.9P 中村▲48.5P

半荘戦終了時
山井+22.9P 亜樹+9.9P 藤田▲6.0P 中村▲26.8P

 

★三麻戦(50,000点持ち、順位点10-20)

起家から亜樹プロ・藤田さん・中村さん・山井プロの座順、つまりトータル順位が2位・3位・4位・1位の順番です。
決勝戦にふさわしい、均衡したトータルポイント。4位の中村さんでも、山井プロを3着に落とせば2万点差つければ優勝。
誰が勝ってもおかしくありません。

その中村さんが先制パンチ。東1局、リーチ一発ツモで4,000オール(満貫ツモ)のアガリを繰り出します。

100

続く東2局は東家・藤田さんがホンイツ仕掛けで3,900オール(7,800点)のツモアガリ。

トータル3位・4位のゲスト雀豪2人が意地をみせます。三麻戦はいかに親番でアガリを重ねるかが大事になってきます。

もちろんトータルリードしているプロ2人もゲスト雀豪の連荘を許しません。
元々亜樹プロも山井プロも相手に隙を与えない打ち方。三麻戦にも関わら大物手が全くでません。
西入まで誰も一度も6万点に行かず、この時点でトップ目の亜樹プロが56,400という小場の展開がひたすら続いています。

100

ようやく点数が動き出したのが西3局。4巡目に亜樹プロがリーチ。

二索二索二索四索五索六索六索六索七索八索九索白白  ドラ中

メンホンの変則3メンチャンリーチです。中村さんが国士無双狙いで押してきます。この2人に挟まれた山井プロが

100

中村さんの国士無双を警戒したのでしょう。リーチに通っている一筒も暗刻の西も切れず。四索のワンチャンスで三索を切って亜樹プロに12,000の放銃をしてしまいます。

この局を境に三麻戦らしい展開に。
次局東家・山井プロが放銃を取り返す一発ツモで9,000オール(親跳満ツモ)。

三索四索赤五索五索六索六索七索七索三筒三筒赤五筒六筒七筒  ツモ五索  ドラ発  裏八索

これでプロ2人が抜け出す形に。
事実上山井プロと亜樹プロのマッチレースとなります。
追う山井プロを尻目に…

100

返り東1局2本場、親番で亜樹プロが6,000オール(親満貫ツモ)で一歩抜け出します。

オーラス、山井プロは満貫ツモで逆転となります。

100

藤田さんの逆転条件が役満クラス。ということは、亜樹プロも積極的にアガリに向かわなくては山井プロに逆転されてしまいます。
なぜなら四人麻雀と違って三人麻雀での満貫ツモは簡単にできるからです。

ですが、やはり簡単なのは単純にアガること。
アガリ優勝の亜樹プロが白を一鳴き、山井プロがテンパイを入れる前にあっさりツモって優勝となりました。

100

半荘戦終了時
山井+22.9P 亜樹+9.9P 藤田▲6.0P 中村▲26.8P

三麻戦成績
亜樹+44.9P 山井+19.6P 中村▲27.2P 藤田▲37.3P

最終成績
亜樹+54.8P 山井+42.5P 藤田▲43.3P 中村▲54.0P

 

第6回目のトライアスロンにして、初の女性優勝者が誕生しました!

100

優勝 二階堂亜樹

プロ雀士コラム/第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  決勝戦レポート ケネス徳田

各界の著名人雀豪を一堂に集めた『麻雀トライアスロン雀豪決定戦』。
半年かけて争われた予選、準決勝を終え、いよいよ4名による決勝戦が行われる。
知力・体力・時の運すべてを兼ね備えた打ち手は果たして誰が!?
8月23日に決勝戦が行われました。プロ2名、ゲスト雀豪2名による決勝戦。
まずプロ側からは初の女性決勝進出者、二階堂亜樹プロです。

100

予選、準々決勝、準決勝とすべて1位通過での決勝進出です。
特に4人麻雀での持ち味である、受けながら相手のチャンスを潰すという打ち方を、三人麻雀でも応用しています。
女性初決勝だけではなく女性初優勝も期待されています。

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昨年からリーチ麻雀世界選手権、モンド杯と優勝している山井弘プロ。
このトライアスロンも勝てば「変則三冠」というやつでしょうか。
大舞台になればなるほど実力を発揮するタイプなだけに、一番の注目株です。

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そしてゲスト雀豪予選を勝ち抜いたのはTVプロデューサー・中村伸喜さん。
予選では国士無双2回という離れ業で勝ち上がり、準決勝でも大村朋宏さんとのデットヒートを粘り勝っての決勝進出です。
大技はもちろん小技もしっかり兼ね備えた存在と言えます。

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そしてもう1人のゲスト雀豪代表、現最強位でサイバーエージェント社長・藤田晋さんです。
もちろん最強位に続く「著名人二冠」を狙っていることでしょう。

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厳しい予選を勝ち上がった4人のこの決勝戦。さて一体どんな麻雀になるのでしょうか?
 
★東風戦(順位点5-15)
東1局1本場、起家・中村さんが東中のシャンポン待ちで先制リーチ。

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中をツモ、そしてこの中が裏ドラになって6,000オールとなります。
東2局3本場、東家・藤田さんがダブ東暗刻で先制リーチ。

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ツモれば4,000オールで中村さんを射程に捕えれる位置につけられますが、ここは山井プロが追っかけリーチ、そしてツモアガリ。
二万三万四万五索六索七索二筒三筒四筒七筒八筒南南  リーチ  ツモ六筒  ドラ三万  裏三索
その山井プロが東3局でも満貫のツモアガリ。

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一万二万三万五万七万六筒七筒八筒九筒九筒九筒西西  ツモ六万  ドラ九筒
オーラスもヤミテン5,800で亜樹プロから。

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このアガリにより100点差で中村さんをかわしてトップになりました。
東風戦成績
山井+31.8P 中村+21.7P 藤田▲19.0P 亜樹▲34.5P
 
★半荘戦(順位点10-30)
東風戦ラススタートの亜樹が半荘戦で挽回します。東2局1本場7巡目、東家でテンパイが入ります。

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ドラの七筒を切れば六筒九筒待ちでピンフになりますが、八筒を切って西七筒のシャンポン待ちリーチを選択しました。
この待ち取りが成功。六筒九筒よりも先に西をツモって4,000オール。
同3本場も、中村さんの先制リーチをかいくぐり1,000オールで連荘に成功。
六万七万八万四索六索七索七索三筒四筒五筒  ポン二索 左向き二索 上向き二索 上向き  ツモ五索  ドラ四索
この序盤のアガリで5万点オーバーに。この貯金を守り切って見事亜樹プロが半荘戦を制しました。
2着に食い込んだのは藤田さん。南3局6巡目に

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六筒でテンパイを外します。が、この後全くと言っていいほどくっつきません。三筒七索という好牌を浮かしているのですが…13巡目に
一万二万三万三万四万五万七索二筒三筒三筒四筒七筒七筒  ツモ三筒  ドラ七筒
渋々テンパイを取り、次巡渋々リーチ。すると16巡目にドラの七筒をツモって満貫のアガリ。
直前に山井プロが追っかけリーチをしてたこともあり、このリーチ棒の分山井プロをかわして2着になったのです。
半荘戦成績
亜樹+44.4P 藤田+13.0P 山井▲8.9P 中村▲48.5P
半荘戦終了時
山井+22.9P 亜樹+9.9P 藤田▲6.0P 中村▲26.8P
 
★三麻戦(50,000点持ち、順位点10-20)
起家から亜樹プロ・藤田さん・中村さん・山井プロの座順、つまりトータル順位が2位・3位・4位・1位の順番です。
決勝戦にふさわしい、均衡したトータルポイント。4位の中村さんでも、山井プロを3着に落とせば2万点差つければ優勝。
誰が勝ってもおかしくありません。
その中村さんが先制パンチ。東1局、リーチ一発ツモで4,000オール(満貫ツモ)のアガリを繰り出します。

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続く東2局は東家・藤田さんがホンイツ仕掛けで3,900オール(7,800点)のツモアガリ。
トータル3位・4位のゲスト雀豪2人が意地をみせます。三麻戦はいかに親番でアガリを重ねるかが大事になってきます。
もちろんトータルリードしているプロ2人もゲスト雀豪の連荘を許しません。
元々亜樹プロも山井プロも相手に隙を与えない打ち方。三麻戦にも関わら大物手が全くでません。
西入まで誰も一度も6万点に行かず、この時点でトップ目の亜樹プロが56,400という小場の展開がひたすら続いています。

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ようやく点数が動き出したのが西3局。4巡目に亜樹プロがリーチ。
二索二索二索四索五索六索六索六索七索八索九索白白  ドラ中
メンホンの変則3メンチャンリーチです。中村さんが国士無双狙いで押してきます。この2人に挟まれた山井プロが

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中村さんの国士無双を警戒したのでしょう。リーチに通っている一筒も暗刻の西も切れず。四索のワンチャンスで三索を切って亜樹プロに12,000の放銃をしてしまいます。
この局を境に三麻戦らしい展開に。
次局東家・山井プロが放銃を取り返す一発ツモで9,000オール(親跳満ツモ)。
三索四索赤五索五索六索六索七索七索三筒三筒赤五筒六筒七筒  ツモ五索  ドラ発  裏八索
これでプロ2人が抜け出す形に。
事実上山井プロと亜樹プロのマッチレースとなります。
追う山井プロを尻目に…

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返り東1局2本場、親番で亜樹プロが6,000オール(親満貫ツモ)で一歩抜け出します。
オーラス、山井プロは満貫ツモで逆転となります。

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藤田さんの逆転条件が役満クラス。ということは、亜樹プロも積極的にアガリに向かわなくては山井プロに逆転されてしまいます。
なぜなら四人麻雀と違って三人麻雀での満貫ツモは簡単にできるからです。
ですが、やはり簡単なのは単純にアガること。
アガリ優勝の亜樹プロが白を一鳴き、山井プロがテンパイを入れる前にあっさりツモって優勝となりました。

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半荘戦終了時
山井+22.9P 亜樹+9.9P 藤田▲6.0P 中村▲26.8P
三麻戦成績
亜樹+44.9P 山井+19.6P 中村▲27.2P 藤田▲37.3P
最終成績
亜樹+54.8P 山井+42.5P 藤田▲43.3P 中村▲54.0P
 
第6回目のトライアスロンにして、初の女性優勝者が誕生しました!

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優勝 二階堂亜樹

第29期新人王戦 予選レポート 柴田 吉和

2015年8月29日
前夜から降り続く小雨の中、第29期新人王を目指し全国から96名が集結した。

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新人王戦とは、入会3年目までの連盟員のみが参加できるタイトル戦で、予選半荘7回戦を1日で戦い上位4名を決定し、翌日に決勝半荘4回戦にて新人王を決定するシステムとなっている。
決勝4回戦は日本プロ麻雀連盟チャンネルでニコ生放送されるので、若手にとっては自分をアピールできる絶好の場である為、是が非でも決勝に残りたい・優勝したいと思わずにはいられないだろう。

ここで第29期新人王戦のシステムを簡単にまとめてみると、
・参加資格は入会3年目までの連盟員(28~31期生)
・ルールは日本プロ連盟Aルール(一発・裏ドラなし)
・予選4回戦終了時にポイント上位48人が予選5回戦に進出。
予選5回戦、6回戦終了時にそれぞれポイント下位12人が敗退。
予選最終7回戦を24人で行いポイント上位4人が翌日の決勝進出となる。
・予選は得点持越しで各回50分打ち切り。
・決勝戦は予選ポイントリセットし、4回戦で新人王を決定する。

【予選開始】

時計が12時をさした所で、日本プロ麻雀連盟副会長 伊藤優孝プロと競技委員長である藤原隆弘プロの挨拶と合図により予選1回戦が開始された。
早速、会場を回って注目選手達の様子を見てみた。

前年、第28期新人王戦のファイナリスト
1年前の悔しさをバネに、1年間でどれだけ成長したか彼らの戦いに注目したい。

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五反地清一郎プロ

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佐々木啓文プロ

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大野彩乃プロ

3回戦 南4局 親:五反地プロの手牌 28,500点持ち 10巡目

七索八索九索二筒二筒三筒三筒五筒五筒七筒七筒八筒九筒  ツモ六筒  ドラ中

打点はないがオーラスの親で先手が取れ、ひとまず30,000点の浮きを狙った先行リーチを打つと思われたが、選択は打七索のテンパイ取らずで目先の30,000点には見向きもせず、決勝ボーダーを意識して一気にチンイツへ!
多少強引と思えたが、結果は大成功の12,000点のアガリ。

二筒二筒二筒三筒三筒五筒五筒五筒八筒九筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ロン七筒

『必ず決勝の椅子に座るんだ』と、強い意志が表れた打牌選択であった。

現・元最強戦ガールの4名
大久保朋美プロは前々年の第27期新人王戦3位でもある。

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石田亜沙己プロ

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山脇千文美プロ

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菅原千瑛プロ

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大久保朋美プロ

先日行われた、第18期特別昇級リーグで2位となり、鳳凰戦C1リーグ入りを決めたケネス徳田プロ。
こちらも記憶に新しい、第32期十段戦ベスト16で瀬戸熊プロを最終戦オーラスまで追い詰めた高谷圭一プロ。
第25期チャンピオンズリーグ覇者・森岡貞臣プロ。
第28期チャンピオンズリーグで決勝進出を決めている平野良栄プロ。

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ケネス徳田プロ

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高谷圭一プロ

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森岡貞臣プロ

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平野良栄プロ

コナミ麻雀格闘倶楽部で活躍中の女流プロ

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手塚紗掬プロ

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井上絵美子プロ

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七瀬真実プロ

第6期夕刊フジ杯麻雀女王、第13回野口恭一郎賞受賞、現在放送中の第13回女流モンド杯出演とシンデレラストリーを歩み始めた池沢麻奈美プロ。

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池沢麻奈美プロ

3回戦 南1局
西家、七瀬真実プロが7,700点の本手で先行リーチ

二索三索四索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒  ドラ二筒

先行リーチを受け南家、山脇千文美プロの手牌

二万三万四万一索二索三索二筒四筒七筒七筒七筒南南

この役なしテンパイをヤミテン続行。
数巡後に上家から出た四索をノータイムで食い替えチーして役ありに変化させ、すぐにロンアガリ。

二万三万四万二筒四筒七筒七筒七筒南南  チー二索 左向き三索 上向き四索 上向き  ロン三筒

先行リーチが入っている状況で、ノータイムでの決断を見てプレッシャーに負けず自分の麻雀を打てているなと感心した。

予選4回戦の開始前、運営からボーダー発表。
5回戦に進めるのは、参加96中半分の48名。ポイントボーダー目安は±0程。
例年の決勝ボーダーが100ポイント程なので、選手はこの辺りからポイントを叩ける時にどれだけ叩けるかが非常に重要になってくる。

【4回戦終了】
前年ファイナリスト大野彩乃プロ、佐々木啓文プロや、麻雀格闘倶楽部で活躍中の手塚紗掬プロ、菅原千瑛プロ、井上絵美子プロ、七瀬真実プロなどがここで敗戦となった。

手塚紗掬プロ「負けました。プロクイーンがんばります。」
菅原千瑛プロ「沈み2着が2回ありました。ラス親のオーラスでツモられ沈みなど展開が向かなかった。王位戦がんばります。」
優月みかプロ「4回戦まで可能性があったが、残れませんでした。来年またがんばります。」
七瀬真実プロ「3半荘目まで2回しかアガれず苦しかったです。来年もう1回あるのでがんばります!」
井上絵美子プロ「トップ2回のラスラスでした。力及ばずでした。悔しいです。」
ケネス徳田プロ「2回戦から全くアガれなかった。放銃は少なかったんだけどね。」

【5回戦】
開始前に運営からボーダー発表。
6回戦に進めるのは、48名⇒12名カットの36名。ポイントボーダー目安は+10ポイント程。

現在、敗退ボーダー付近の吉田彩乃プロ
オーラス南家

一万一万一万二万三万五万五万七万八万九万西西西  リーチ  ドラ二索

アガれば、通過という手役を作りリーチを打つが無情にも流局。ここで敗退となった。
注目していた、池沢プロ・高谷プロもここで敗退。

池沢麻奈美プロ「所々で弱気が出てしまいました。プロクイーンでリベンジします!」
高谷圭一プロ「気合いが空回りしてしまいました。来季から初めてチャンピオンズリーグに挑戦しようと思っているので、そちらでがんばります。」

※5回戦終了時点ポイント
1位:西嶋ゆかりプロ(+101.3P)
2位:林潤一郎プロ (+95.3P)
3位:中寿文プロ (+81.5P)

【6回戦】
最終予選の7回戦に進めるのは、36名⇒12名カットの24名。ポイントボーダー目安は+37ポイント程。
6回戦開始時には18時を過ぎ、疲れた表情を見せる選手もちらほら。

現在、敗退ボーダー付近の古川彩乃プロ
南1局 南家 24,400点持ち

四万四万二索二索五索五索二筒二筒南北北発発  リーチ  ツモ南  ドラ二筒

終盤に嬉しい3,000・6,000をツモアガリ、通過と思われたが、オーラス前に痛恨の9,600点を放銃してしまいここで敗退。
注目選手、森岡プロもここで敗退となった。

森岡貞臣プロ「新人王戦最後のチャンスでしたが。。。力不足です。」
白銀紗希プロ「3回戦で18,000点のリーチを打って8,000点放銃したのがすべてでした。」

※6回戦終了時点ポイント
1位:西嶋ゆかりプロ(+104.5P)
2位:土屋幸弘プロ (+89.9P)
3位:古本和宏プロ (+82.0P)
4位:永井勝晴プロ (+78.2P)

【最終7回戦】 ※以後敬称略
最終半荘の卓組は以下の通り。

(最終戦開始時の順位/トータルポイント)
[1卓] 西嶋ゆかり(①/104.5P) 瀬下勝也(⑫/59.1P) 石田亜沙己(⑬/56.8P) 平野敬悟(35.5P)
[2卓] 土屋幸弘(②/89.9P) 山脇千文美(⑪/60.8P) 吉田圭吾(⑭/53.5P) 川上直也(35.9P)
[3卓] 古本和宏(③/82.0P) 原佑典(⑩/61.4P) 弘中栄司(⑮/47.4P) 戸部弘次(25.1P)
[4卓] 時田拓和(⑥/67.1P) 平野良栄(⑦/66.7P) 高橋勇(⑱/42.3P) 谷誠之(⑲/41.7P)
[5卓] 林潤一郎(⑤/75.6P) 井上美里(⑧/65.2P) 厚谷昇太(⑰/43.1P) 小野雅峻(⑳/40.2P)
[6卓] 永井勝晴(④/78.2P) 中寿文(⑨/62.9P) 楠原遊(⑯/47.2P) 五反地清一郎(39.5)

【1卓】
平野敬が60,400点持ちでオーラス。
7回戦までトータル1位の西嶋は20,600点の3着目。
西嶋はラス親で500オールをツモるなど粘りを見せるが、原点復帰できずに終了した。

【2卓】
南1局 南家 山脇の手牌

一万一万一万四万五万九万九万九万七索七索七索中中  ツモ三万  ドラ九万

4巡目テンパイであっさり3,000・6,000のツモアガリ。
持ち点を39,600点まで増やすが、次局山脇の親番で土屋が2,000・4,000をアガリ返す。
土屋はこのアガリなどでオーラスを38,400点で迎え、ほぼ通過と思えたが終盤に親の吉田にまさかの9,600放銃!
吉田54,300点 土屋28,800点
オーラス1本場。終盤に土屋が1,600点をアガリ、大きな大きな原点復帰を果たして終了した。

【3卓】
弘中が東1局の親番から怒涛の連荘でアガリを重ね、58,200点持ちで南3局まできたがラス親の原が粘りの連チャン、弘中は点棒を徐々に削られてしまう。
ようやく原の親が落ちオーラス。
南4局 弘中の手牌

三万四万五万六万六万六万八万  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ツモ八万  ドラ東

渾身の3,000・6,000!このアガリで決勝が見えたか!?

【4卓】
高橋が南1局の親番で連荘。1人浮きの49,100点まで加点に成功。
南3局 南家:平野(良)30,300持ちの手牌

六万六万六万九万九万白白  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ポン北北北  ドラ西

このアガリを皮きりに、オーラスの親番で猛連荘。
5本場、持ち点を58,700点まで増やし、まだまだ加点できそうな雰囲気であったが、ここでタイムアップとなった。

【5卓】
南入時 林:42,500点 井上:17,300点
南2局 後のない親番井上の手牌

四万五万六万七万七万五索六索六索七索八索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ四索

高めをツモリ6,000オール。
ここから怒涛のアガリを重ね、自信の親が落ちた時には75,900点まで得点をのばしていた。

【6卓】
東2局 北家:楠原の手牌

八索八索一筒一筒四筒五筒五筒七筒七筒西西発発  ツモ四筒  ドラ西

先行リーチを受けていたが、見事な手順で2,000・4,000。
このアガリを皮きりに、自身の親番で連荘開始。4本場まで積み51,500点まで加点、南2局では3,000・6,000をツモアガリ、決勝が見えたと思われたが!?

【7回戦終了 最終順位】
1位通過:井上美里 (116.7P)
2位通過:平野良栄 (113.4P)
3位通過:弘中栄司 ( 95.1P)
4位通過:土屋幸弘 ( 94.6P)
5位: 西嶋ゆかり(92.1P)

井上・平野・弘中の3者は最終戦で50ポイント強を上乗せする攻撃力を見せつけ通過。
土屋はオーラスの9,600点放銃で敗退かと思われたが、オーラス1本場になんとかかんとか浮きにまわりヒヤヒヤの予選通過。
7回戦開始時トータルトップだった西嶋は、無念の予選敗退となった。

注目選手の山脇、石田、五反地は準決勝での敗退となった。

五反地清一郎プロ「昨年の雪辱を晴らしたかったです。去年の自分より強いと思いやりましたが残念です。」
石田亜沙己プロ「色々と迷う所があったので、勉強してプロクイーンに備えます。」
山脇千文美プロ「最終戦で満貫・跳満とアガったのにダメでした。明日から、新人からベテランになります(笑)」

長き予選が終了し、決勝進出は井上美里プロ、平野良栄プロ、弘中栄司プロ、土屋幸弘プロの4名に決定した。

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翌日の決勝戦は、予選ポイントはリセットされ半荘4回戦でのトータルポイント勝負となる。
決勝戦の模様は、後日掲載される決勝観戦記にてお伝えさせて頂く。

新人王 レポート/第29期新人王戦 予選レポート 柴田 吉和

2015年8月29日
前夜から降り続く小雨の中、第29期新人王を目指し全国から96名が集結した。

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新人王戦とは、入会3年目までの連盟員のみが参加できるタイトル戦で、予選半荘7回戦を1日で戦い上位4名を決定し、翌日に決勝半荘4回戦にて新人王を決定するシステムとなっている。
決勝4回戦は日本プロ麻雀連盟チャンネルでニコ生放送されるので、若手にとっては自分をアピールできる絶好の場である為、是が非でも決勝に残りたい・優勝したいと思わずにはいられないだろう。
ここで第29期新人王戦のシステムを簡単にまとめてみると、
・参加資格は入会3年目までの連盟員(28~31期生)
・ルールは日本プロ連盟Aルール(一発・裏ドラなし)
・予選4回戦終了時にポイント上位48人が予選5回戦に進出。
予選5回戦、6回戦終了時にそれぞれポイント下位12人が敗退。
予選最終7回戦を24人で行いポイント上位4人が翌日の決勝進出となる。
・予選は得点持越しで各回50分打ち切り。
・決勝戦は予選ポイントリセットし、4回戦で新人王を決定する。
【予選開始】
時計が12時をさした所で、日本プロ麻雀連盟副会長 伊藤優孝プロと競技委員長である藤原隆弘プロの挨拶と合図により予選1回戦が開始された。
早速、会場を回って注目選手達の様子を見てみた。
前年、第28期新人王戦のファイナリスト
1年前の悔しさをバネに、1年間でどれだけ成長したか彼らの戦いに注目したい。

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五反地清一郎プロ

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佐々木啓文プロ

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大野彩乃プロ

3回戦 南4局 親:五反地プロの手牌 28,500点持ち 10巡目
七索八索九索二筒二筒三筒三筒五筒五筒七筒七筒八筒九筒  ツモ六筒  ドラ中
打点はないがオーラスの親で先手が取れ、ひとまず30,000点の浮きを狙った先行リーチを打つと思われたが、選択は打七索のテンパイ取らずで目先の30,000点には見向きもせず、決勝ボーダーを意識して一気にチンイツへ!
多少強引と思えたが、結果は大成功の12,000点のアガリ。
二筒二筒二筒三筒三筒五筒五筒五筒八筒九筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ロン七筒
『必ず決勝の椅子に座るんだ』と、強い意志が表れた打牌選択であった。
現・元最強戦ガールの4名
大久保朋美プロは前々年の第27期新人王戦3位でもある。

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石田亜沙己プロ

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山脇千文美プロ

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菅原千瑛プロ

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大久保朋美プロ

先日行われた、第18期特別昇級リーグで2位となり、鳳凰戦C1リーグ入りを決めたケネス徳田プロ。
こちらも記憶に新しい、第32期十段戦ベスト16で瀬戸熊プロを最終戦オーラスまで追い詰めた高谷圭一プロ。
第25期チャンピオンズリーグ覇者・森岡貞臣プロ。
第28期チャンピオンズリーグで決勝進出を決めている平野良栄プロ。

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ケネス徳田プロ

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高谷圭一プロ

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森岡貞臣プロ

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平野良栄プロ

コナミ麻雀格闘倶楽部で活躍中の女流プロ

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手塚紗掬プロ

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井上絵美子プロ

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七瀬真実プロ

第6期夕刊フジ杯麻雀女王、第13回野口恭一郎賞受賞、現在放送中の第13回女流モンド杯出演とシンデレラストリーを歩み始めた池沢麻奈美プロ。

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池沢麻奈美プロ

3回戦 南1局
西家、七瀬真実プロが7,700点の本手で先行リーチ
二索三索四索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒  ドラ二筒
先行リーチを受け南家、山脇千文美プロの手牌
二万三万四万一索二索三索二筒四筒七筒七筒七筒南南
この役なしテンパイをヤミテン続行。
数巡後に上家から出た四索をノータイムで食い替えチーして役ありに変化させ、すぐにロンアガリ。
二万三万四万二筒四筒七筒七筒七筒南南  チー二索 左向き三索 上向き四索 上向き  ロン三筒
先行リーチが入っている状況で、ノータイムでの決断を見てプレッシャーに負けず自分の麻雀を打てているなと感心した。
予選4回戦の開始前、運営からボーダー発表。
5回戦に進めるのは、参加96中半分の48名。ポイントボーダー目安は±0程。
例年の決勝ボーダーが100ポイント程なので、選手はこの辺りからポイントを叩ける時にどれだけ叩けるかが非常に重要になってくる。
【4回戦終了】
前年ファイナリスト大野彩乃プロ、佐々木啓文プロや、麻雀格闘倶楽部で活躍中の手塚紗掬プロ、菅原千瑛プロ、井上絵美子プロ、七瀬真実プロなどがここで敗戦となった。
手塚紗掬プロ「負けました。プロクイーンがんばります。」
菅原千瑛プロ「沈み2着が2回ありました。ラス親のオーラスでツモられ沈みなど展開が向かなかった。王位戦がんばります。」
優月みかプロ「4回戦まで可能性があったが、残れませんでした。来年またがんばります。」
七瀬真実プロ「3半荘目まで2回しかアガれず苦しかったです。来年もう1回あるのでがんばります!」
井上絵美子プロ「トップ2回のラスラスでした。力及ばずでした。悔しいです。」
ケネス徳田プロ「2回戦から全くアガれなかった。放銃は少なかったんだけどね。」
【5回戦】
開始前に運営からボーダー発表。
6回戦に進めるのは、48名⇒12名カットの36名。ポイントボーダー目安は+10ポイント程。
現在、敗退ボーダー付近の吉田彩乃プロ
オーラス南家
一万一万一万二万三万五万五万七万八万九万西西西  リーチ  ドラ二索
アガれば、通過という手役を作りリーチを打つが無情にも流局。ここで敗退となった。
注目していた、池沢プロ・高谷プロもここで敗退。
池沢麻奈美プロ「所々で弱気が出てしまいました。プロクイーンでリベンジします!」
高谷圭一プロ「気合いが空回りしてしまいました。来季から初めてチャンピオンズリーグに挑戦しようと思っているので、そちらでがんばります。」
※5回戦終了時点ポイント
1位:西嶋ゆかりプロ(+101.3P)
2位:林潤一郎プロ (+95.3P)
3位:中寿文プロ (+81.5P)
【6回戦】
最終予選の7回戦に進めるのは、36名⇒12名カットの24名。ポイントボーダー目安は+37ポイント程。
6回戦開始時には18時を過ぎ、疲れた表情を見せる選手もちらほら。
現在、敗退ボーダー付近の古川彩乃プロ
南1局 南家 24,400点持ち
四万四万二索二索五索五索二筒二筒南北北発発  リーチ  ツモ南  ドラ二筒
終盤に嬉しい3,000・6,000をツモアガリ、通過と思われたが、オーラス前に痛恨の9,600点を放銃してしまいここで敗退。
注目選手、森岡プロもここで敗退となった。
森岡貞臣プロ「新人王戦最後のチャンスでしたが。。。力不足です。」
白銀紗希プロ「3回戦で18,000点のリーチを打って8,000点放銃したのがすべてでした。」
※6回戦終了時点ポイント
1位:西嶋ゆかりプロ(+104.5P)
2位:土屋幸弘プロ (+89.9P)
3位:古本和宏プロ (+82.0P)
4位:永井勝晴プロ (+78.2P)
【最終7回戦】 ※以後敬称略
最終半荘の卓組は以下の通り。
(最終戦開始時の順位/トータルポイント)
[1卓] 西嶋ゆかり(①/104.5P) 瀬下勝也(⑫/59.1P) 石田亜沙己(⑬/56.8P) 平野敬悟(35.5P)
[2卓] 土屋幸弘(②/89.9P) 山脇千文美(⑪/60.8P) 吉田圭吾(⑭/53.5P) 川上直也(35.9P)
[3卓] 古本和宏(③/82.0P) 原佑典(⑩/61.4P) 弘中栄司(⑮/47.4P) 戸部弘次(25.1P)
[4卓] 時田拓和(⑥/67.1P) 平野良栄(⑦/66.7P) 高橋勇(⑱/42.3P) 谷誠之(⑲/41.7P)
[5卓] 林潤一郎(⑤/75.6P) 井上美里(⑧/65.2P) 厚谷昇太(⑰/43.1P) 小野雅峻(⑳/40.2P)
[6卓] 永井勝晴(④/78.2P) 中寿文(⑨/62.9P) 楠原遊(⑯/47.2P) 五反地清一郎(39.5)
【1卓】
平野敬が60,400点持ちでオーラス。
7回戦までトータル1位の西嶋は20,600点の3着目。
西嶋はラス親で500オールをツモるなど粘りを見せるが、原点復帰できずに終了した。
【2卓】
南1局 南家 山脇の手牌
一万一万一万四万五万九万九万九万七索七索七索中中  ツモ三万  ドラ九万
4巡目テンパイであっさり3,000・6,000のツモアガリ。
持ち点を39,600点まで増やすが、次局山脇の親番で土屋が2,000・4,000をアガリ返す。
土屋はこのアガリなどでオーラスを38,400点で迎え、ほぼ通過と思えたが終盤に親の吉田にまさかの9,600放銃!
吉田54,300点 土屋28,800点
オーラス1本場。終盤に土屋が1,600点をアガリ、大きな大きな原点復帰を果たして終了した。
【3卓】
弘中が東1局の親番から怒涛の連荘でアガリを重ね、58,200点持ちで南3局まできたがラス親の原が粘りの連チャン、弘中は点棒を徐々に削られてしまう。
ようやく原の親が落ちオーラス。
南4局 弘中の手牌
三万四万五万六万六万六万八万  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ツモ八万  ドラ東
渾身の3,000・6,000!このアガリで決勝が見えたか!?
【4卓】
高橋が南1局の親番で連荘。1人浮きの49,100点まで加点に成功。
南3局 南家:平野(良)30,300持ちの手牌
六万六万六万九万九万白白  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ポン北北北  ドラ西
このアガリを皮きりに、オーラスの親番で猛連荘。
5本場、持ち点を58,700点まで増やし、まだまだ加点できそうな雰囲気であったが、ここでタイムアップとなった。
【5卓】
南入時 林:42,500点 井上:17,300点
南2局 後のない親番井上の手牌
四万五万六万七万七万五索六索六索七索八索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ四索
高めをツモリ6,000オール。
ここから怒涛のアガリを重ね、自信の親が落ちた時には75,900点まで得点をのばしていた。
【6卓】
東2局 北家:楠原の手牌
八索八索一筒一筒四筒五筒五筒七筒七筒西西発発  ツモ四筒  ドラ西
先行リーチを受けていたが、見事な手順で2,000・4,000。
このアガリを皮きりに、自身の親番で連荘開始。4本場まで積み51,500点まで加点、南2局では3,000・6,000をツモアガリ、決勝が見えたと思われたが!?
【7回戦終了 最終順位】
1位通過:井上美里 (116.7P)
2位通過:平野良栄 (113.4P)
3位通過:弘中栄司 ( 95.1P)
4位通過:土屋幸弘 ( 94.6P)
5位: 西嶋ゆかり(92.1P)
井上・平野・弘中の3者は最終戦で50ポイント強を上乗せする攻撃力を見せつけ通過。
土屋はオーラスの9,600点放銃で敗退かと思われたが、オーラス1本場になんとかかんとか浮きにまわりヒヤヒヤの予選通過。
7回戦開始時トータルトップだった西嶋は、無念の予選敗退となった。
注目選手の山脇、石田、五反地は準決勝での敗退となった。
五反地清一郎プロ「昨年の雪辱を晴らしたかったです。去年の自分より強いと思いやりましたが残念です。」
石田亜沙己プロ「色々と迷う所があったので、勉強してプロクイーンに備えます。」
山脇千文美プロ「最終戦で満貫・跳満とアガったのにダメでした。明日から、新人からベテランになります(笑)」
長き予選が終了し、決勝進出は井上美里プロ、平野良栄プロ、弘中栄司プロ、土屋幸弘プロの4名に決定した。

100

翌日の決勝戦は、予選ポイントはリセットされ半荘4回戦でのトータルポイント勝負となる。
決勝戦の模様は、後日掲載される決勝観戦記にてお伝えさせて頂く。

第25期中部プロリーグ 決勝成績表

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 合計
1 伊藤 鉄也 ▲ 17.2 20.7 ▲ 3.3 7.8 39.3 47.3
2 杉村 泰治 ▲ 8.4 4.6 23.9 17.4 ▲ 6.5 31.0
3 寺戸 孝志 28.7 ▲ 20.1 ▲ 13.2 ▲ 9.0 ▲ 16.4 ▲ 30.0
4 土岐 雄太 ▲ 3.1 ▲ 5.2 ▲ 7.4 ▲ 16.2 ▲ 16.4 ▲ 48.3

中部プロリーグ 成績表/第25期中部プロリーグ 決勝成績表

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 合計
1 伊藤 鉄也 ▲ 17.2 20.7 ▲ 3.3 7.8 39.3 47.3
2 杉村 泰治 ▲ 8.4 4.6 23.9 17.4 ▲ 6.5 31.0
3 寺戸 孝志 28.7 ▲ 20.1 ▲ 13.2 ▲ 9.0 ▲ 16.4 ▲ 30.0
4 土岐 雄太 ▲ 3.1 ▲ 5.2 ▲ 7.4 ▲ 16.2 ▲ 16.4 ▲ 48.3

第10期女流桜花第5節レポート 室伏 理麻

女流桜花第5節の対局日は真夏の8月19日。

この日を20人中最下位で迎えた私。
Bリーグ優勝で昇級してきたのに、我ながら不甲斐無さ過ぎる。
手抜きをしていた訳では無いが、自分らしい麻雀を出せず、あまりにも攻めなかった。

今節のテーマは『今日は最低でも+50Pは叩く!』

今日は夏の高校野球準決勝の日でもある。
甲子園で負けたら後が無い高校球児に倣い、全力投球、全力プレーで臨まねば…

今日こそ私の座右の銘でもある『繊細かつ大胆に』の実践。
悔いの残らない対局にしたい。最終節に望みを繋げる良い数字を残したい。
決意を新たにしながらスタジオへ向かった。

もう第5節なので、今日の対戦相手にもそれぞれ対局のテーマがあると思われる。
現在の順位順・敬称略で紹介すると、

斉藤(3位)…普段は物腰柔らかくにこやかで穏やかな人柄。卓に座ると要所要所でしっかりとしたアガリを見せる。
今日崩れなければ、プレーオフに良い位置で残れ、決勝戦の3席のうちのひとつを高確率で入手出来るのでは。

和久津(9位)…ご存知超攻撃型アマゾネス、現プロクイーン。
数年前の第10期プロクイーン決勝戦で、私は同卓した。
それまで大きなビハインドを背負っていた和久津は、1時間以上に及ぶ大連荘をやってのけ、かなりの加点と順位を2つ上げる事に成功。
その攻撃力の凄さに同卓した3人はヘロヘロに。私はその半荘、点棒こそ何とか浮いていたが、思いきり体力を削られた。
ハマると恐怖の存在である。当然上位でのプレーオフ進出をかけて今日も攻め込んで来るだろう。

武石(16位)…クールでポーカーフェイスな印象。しかし闘志を内に秘め、意思のハッキリとした摸打を繰り出す。
降級圏内に居るものの、私よりも大きくポイントが上回っている分、今日浮けば残留も楽に出来そうな位置。
私が残留の望みを繋ぐには、自分が大きくプラスするのはもちろん、この人を浮かせてはならないと思った。

今日私は、現状打破の為に、ハイリスクではあるが、ところどころセオリーを外して打ってみた。

1回戦 6回アガる事が出来、トップが取れた。まずまずの感触。

1回戦成績 
室伏+25.3P 斉藤+4.3P 武石▲7.4P 和久津▲22.2P

2回戦(起家から、武石・和久津・室伏・斉藤)

早速私の脇の甘さが露呈する。

東1局0本場

5巡目、南家の和久津からドラの九筒が切られる。
7巡目、和久津は斉藤から切られた白をポンして以下の手牌。

一万二万二万三万四万五万五万七万九万四索  ポン白白白  ドラ九筒

8巡目、武石から切られた急所の三万を和久津はチーして以下の形でホンイツ白のテンパイ。

二万三万四万五万五万七万九万  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き  ポン白白白

その直後、私は不用意に手バラから八万を手出しで切ってしまう。

和久津から『ロン』の声が掛かる。

・和久津の捨て牌にはマンズは1枚も無し。
・早い巡目でのドラ九筒切り。

以上の情報から、和久津はマンズ待ちのテンパイを入れている可能性が高い。分かりやすい情報だ。
だからマンズは切ってはならないし、真っ向勝負でも無い局面で、何故ケア出来なかったのだろうか…。
一瞬エアポケットに入ったかの様に、私の集中力が途切れた一瞬だった。

やはり私の課題はまず体力。体力が充実していれば、集中力が途切れる事は無いからだ。
同じミスは二度と繰り返さぬ様、肝に命じなければ…。

こんな放銃をした半荘の結果が良い訳が無い。
親被りや勝負打牌負けでずるずると失速。
1回戦のトップをフイにする痛恨のラス。

2回戦成績
和久津+15.5P 斉藤+6.8P 武石▲4.1P 室伏▲18.2P

2回戦終了時
斉藤+11.1P 室伏+7.1P 和久津▲6.7P 武石▲11.5P

3回戦(起家から、斉藤・室伏・和久津・武石)

道中、原点より浮いて2着目だったが、

南4局2本場に親の武石に3,900は4,100オールをアガられ、私の持ち点は27,000になってしまった。

南4局3本場 西家 
9巡目に以下のテンパイ。

四万五万二索三索四索四索五索六索六筒七筒八筒白白  ドラ三万

このままリーチしてもドラの三万でアガるしか原点復帰出来ない。

『絶対に沈みたくない。まだ間に合う』私は少考の後、白のトイツ落とし。

13巡目にフリテンの七万を引き戻して雀頭にし、以下の形でタンピンのテンパイ即リーチ。

四万五万七万七万二索三索四索四索五索六索六筒七筒八筒  リーチ

高めの三万をひいて2,000・4,000は2,300・4,300のツモアガリ。
自分の中では工夫が成功した、会心のアガリである。
これは良い4回戦を迎える為の呼び水となる予感がした。

3回戦成績
武石+17.9P 室伏+9.9P 斉藤▲5.3P 和久津▲22.5P

3回戦終了時
室伏+17.0P 武石+6.4P 斉藤+5.8P 和久津▲29.2P

3回戦のオーラスのアガリが最高の形で構想通りに成功したので、気持ち良く迎えた4回戦。
かなり配牌とツモの良さに助けられ1人浮きのトップ。

調子の良い時は、あまりひねらずに素直に打つ方が結果が良いようだ。

4回戦成績
室伏+33.5P 斉藤▲2.0P 和久津▲10.6P 武石▲20.9P

4回戦終了時
室伏+50.5P 斉藤+3.8P 武石▲14.5P 和久津▲39.8P

ふぅ~。

『今日は最低でも+50Pは叩く!』をギリギリ達成出来た。
首の皮1枚可能性を残せたが、まだまだ残留への道のりは長い。

第5節終了時の順位とポイント

斉藤(3位・+137.7)
和久津(12位・▲13.5)
武石(16位・▲92.0)
室伏(17位・▲106.5)

この原稿を書いている時点で、第5節を打っていない卓があるので、暫定順位に変動があると思われる。
少し順位を上げたとはいえ、まだまだ降級圏内。

泣いても笑っても残り1節。
自分の持てるパフォーマンスを最大限に発揮出来る様、心身共にコンディションを整えて、全力で悔いなく戦いたい。
あとは、結果が付いて来ることを心から祈るのみ。

※注…入稿直前の8月26日に別卓の対局があり、その結果、順位に変動があった。

斉藤(3位→2位)
和久津(12位→13位)

※選手各自、条件が煮詰まって来ている終盤戦なので、解説の為に文章が長くなりました。
最後まで長文にお付き合い戴きありがとうございました。

女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第10期女流桜花第5節レポート 室伏 理麻

女流桜花第5節の対局日は真夏の8月19日。
この日を20人中最下位で迎えた私。
Bリーグ優勝で昇級してきたのに、我ながら不甲斐無さ過ぎる。
手抜きをしていた訳では無いが、自分らしい麻雀を出せず、あまりにも攻めなかった。
今節のテーマは『今日は最低でも+50Pは叩く!』
今日は夏の高校野球準決勝の日でもある。
甲子園で負けたら後が無い高校球児に倣い、全力投球、全力プレーで臨まねば…
今日こそ私の座右の銘でもある『繊細かつ大胆に』の実践。
悔いの残らない対局にしたい。最終節に望みを繋げる良い数字を残したい。
決意を新たにしながらスタジオへ向かった。
もう第5節なので、今日の対戦相手にもそれぞれ対局のテーマがあると思われる。
現在の順位順・敬称略で紹介すると、
斉藤(3位)…普段は物腰柔らかくにこやかで穏やかな人柄。卓に座ると要所要所でしっかりとしたアガリを見せる。
今日崩れなければ、プレーオフに良い位置で残れ、決勝戦の3席のうちのひとつを高確率で入手出来るのでは。
和久津(9位)…ご存知超攻撃型アマゾネス、現プロクイーン。
数年前の第10期プロクイーン決勝戦で、私は同卓した。
それまで大きなビハインドを背負っていた和久津は、1時間以上に及ぶ大連荘をやってのけ、かなりの加点と順位を2つ上げる事に成功。
その攻撃力の凄さに同卓した3人はヘロヘロに。私はその半荘、点棒こそ何とか浮いていたが、思いきり体力を削られた。
ハマると恐怖の存在である。当然上位でのプレーオフ進出をかけて今日も攻め込んで来るだろう。
武石(16位)…クールでポーカーフェイスな印象。しかし闘志を内に秘め、意思のハッキリとした摸打を繰り出す。
降級圏内に居るものの、私よりも大きくポイントが上回っている分、今日浮けば残留も楽に出来そうな位置。
私が残留の望みを繋ぐには、自分が大きくプラスするのはもちろん、この人を浮かせてはならないと思った。
今日私は、現状打破の為に、ハイリスクではあるが、ところどころセオリーを外して打ってみた。
1回戦 6回アガる事が出来、トップが取れた。まずまずの感触。
1回戦成績 
室伏+25.3P 斉藤+4.3P 武石▲7.4P 和久津▲22.2P
2回戦(起家から、武石・和久津・室伏・斉藤)
早速私の脇の甘さが露呈する。
東1局0本場
5巡目、南家の和久津からドラの九筒が切られる。
7巡目、和久津は斉藤から切られた白をポンして以下の手牌。
一万二万二万三万四万五万五万七万九万四索  ポン白白白  ドラ九筒
8巡目、武石から切られた急所の三万を和久津はチーして以下の形でホンイツ白のテンパイ。
二万三万四万五万五万七万九万  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き  ポン白白白
その直後、私は不用意に手バラから八万を手出しで切ってしまう。
和久津から『ロン』の声が掛かる。
・和久津の捨て牌にはマンズは1枚も無し。
・早い巡目でのドラ九筒切り。
以上の情報から、和久津はマンズ待ちのテンパイを入れている可能性が高い。分かりやすい情報だ。
だからマンズは切ってはならないし、真っ向勝負でも無い局面で、何故ケア出来なかったのだろうか…。
一瞬エアポケットに入ったかの様に、私の集中力が途切れた一瞬だった。
やはり私の課題はまず体力。体力が充実していれば、集中力が途切れる事は無いからだ。
同じミスは二度と繰り返さぬ様、肝に命じなければ…。
こんな放銃をした半荘の結果が良い訳が無い。
親被りや勝負打牌負けでずるずると失速。
1回戦のトップをフイにする痛恨のラス。
2回戦成績
和久津+15.5P 斉藤+6.8P 武石▲4.1P 室伏▲18.2P
2回戦終了時
斉藤+11.1P 室伏+7.1P 和久津▲6.7P 武石▲11.5P
3回戦(起家から、斉藤・室伏・和久津・武石)
道中、原点より浮いて2着目だったが、
南4局2本場に親の武石に3,900は4,100オールをアガられ、私の持ち点は27,000になってしまった。
南4局3本場 西家 
9巡目に以下のテンパイ。
四万五万二索三索四索四索五索六索六筒七筒八筒白白  ドラ三万
このままリーチしてもドラの三万でアガるしか原点復帰出来ない。
『絶対に沈みたくない。まだ間に合う』私は少考の後、白のトイツ落とし。
13巡目にフリテンの七万を引き戻して雀頭にし、以下の形でタンピンのテンパイ即リーチ。
四万五万七万七万二索三索四索四索五索六索六筒七筒八筒  リーチ
高めの三万をひいて2,000・4,000は2,300・4,300のツモアガリ。
自分の中では工夫が成功した、会心のアガリである。
これは良い4回戦を迎える為の呼び水となる予感がした。
3回戦成績
武石+17.9P 室伏+9.9P 斉藤▲5.3P 和久津▲22.5P
3回戦終了時
室伏+17.0P 武石+6.4P 斉藤+5.8P 和久津▲29.2P
3回戦のオーラスのアガリが最高の形で構想通りに成功したので、気持ち良く迎えた4回戦。
かなり配牌とツモの良さに助けられ1人浮きのトップ。
調子の良い時は、あまりひねらずに素直に打つ方が結果が良いようだ。
4回戦成績
室伏+33.5P 斉藤▲2.0P 和久津▲10.6P 武石▲20.9P
4回戦終了時
室伏+50.5P 斉藤+3.8P 武石▲14.5P 和久津▲39.8P
ふぅ~。
『今日は最低でも+50Pは叩く!』をギリギリ達成出来た。
首の皮1枚可能性を残せたが、まだまだ残留への道のりは長い。
第5節終了時の順位とポイント
斉藤(3位・+137.7)
和久津(12位・▲13.5)
武石(16位・▲92.0)
室伏(17位・▲106.5)
この原稿を書いている時点で、第5節を打っていない卓があるので、暫定順位に変動があると思われる。
少し順位を上げたとはいえ、まだまだ降級圏内。
泣いても笑っても残り1節。
自分の持てるパフォーマンスを最大限に発揮出来る様、心身共にコンディションを整えて、全力で悔いなく戦いたい。
あとは、結果が付いて来ることを心から祈るのみ。
※注…入稿直前の8月26日に別卓の対局があり、その結果、順位に変動があった。
斉藤(3位→2位)
和久津(12位→13位)
※選手各自、条件が煮詰まって来ている終盤戦なので、解説の為に文章が長くなりました。
最後まで長文にお付き合い戴きありがとうございました。

インターネット麻雀日本選手権2015観戦記 瀬戸熊 直樹

勝負が終わってから、しばらく経って、優勝した水巻渉プロとASAPINさんに印象に残った局を聞いてみた。
予想通り、2人の勝負局は一致していた。それが以下の瞬間である。(以降敬称略)

状況を説明すると、最終戦が始まる前の二人のポイント差は、80.2ポイント。
5,000-15,000の順位点なので、ASAPINが水巻を逆転する為には、トップラスにして、50,200点の差をつけなければいけない。

最終戦開始前には、一番近いASAPINですら、その状況だったので、水巻の勝利を疑う者は誰一人としていなかったであろうが、初代天鳳位の意地か、はたまた大声援の力かASAPINは水巻に逆王手の場面まで漕ぎつけていた。

運命のいたずらか、上家からリーチが入りそこでテンパイのツモ九万
マチは現物の六筒と筋の三筒
ヤミテンでもツモれば同点。ASAPINの目からは、既に4枚見えている。
そしてヤミテンにすれば、4人でツモっているような状況。
解説席の僕もヤミが順当と思っていた。僕の目からは、7枚見えていたのもあるが。

ASAPINの選択も打四万で宣言せず。
しかし麻雀の神様は、粋なはからいをする。ASAPINの次のツモは、三筒
うれしいはずのアガりが、微妙な心境へ変化する。

ASAPINは「リーチをかけていれば・・」と思い、水巻は「並ばれたが、助かった」と思ったそうだ。

ポイント差は、なんと同点。気持ちでは水巻が追い詰められたはずだったが、このツモが両者の明暗をわけていく。
勝負にタラレバは禁物だが、もしASAPINがリーチをかけていれば最低でも6,000オールとなり、逆に13,600点上となっていた。

ここまで危なげなく試合を運んでいた水巻が、ここで見せた唯一微妙な仕掛け。
ここにきて水巻も少し揺れていたかのように思える。
しかし、並ばれたことによって本来の落ち着いた打牌に戻る。

そしてASAPINは、この半荘でようやく真の力を見せ始めていた。
水巻というトッププレイヤーに、この大量リードを許した場面からここまで並んだのだ。
それだけでも賞賛に値する。しかしこのアガリが、ここからオーラスまでのわずかなズレを生じさせたように思えた。

トッププロの意地と初代天鳳位の執念の戦いを振り返りたいと思う。

インターネット麻雀日本選手権も5期を迎え、今期は規模も大きくなり、ハンゲームさんからの参戦と共に、他団体のタイトルホルダーと初代天鳳位にも参加して頂き、ますます大きなタイトル戦になってきた。

激戦を勝ち抜いて見事決勝にコマを進めたのは、
招待選手の水巻渉プロ(最高位戦)とASAPINさん(初代天鳳位)。

そして一般ユーザーから2名。孔明さん(ロン2)とORINZOUさん(ハンゲーム)。

孔明さんは、ネット麻雀歴5年。「気が弱いので後半勝負にしたいです」と答えられたのが、非常に印象的だった。
ORINZOUさんは、ネット麻雀歴8年。名前の通り「オリない」のが信条のようだ。
しかし御本人いわく、「意外とオリるんですよ」と笑って言われた。普段はリアル麻雀のほうを多くプレイされてる実戦派。

意外にも、ネット麻雀歴は、ASAPINさん、ユーザー2名、水巻プロの順。

いよいよ1回戦が始まった。(以降敬称略)
いきなりASAPINが見せる。

リーチを受けて、どうするのか興味深く見ているとあっさり、打八万とし、オリを選択。
しかしこれは主戦場天鳳で培った当たり前の選択と僕をあざ笑うかのように、何とアガりはASAPIN。

天鳳名人戦では何度も見た光景がここでも見られる。
そして次局でも非凡な才能が披露される。

放銃にはなったが、マチの枚数はASAPINの読み通り、打七万が正解。
この辺が麻雀、いや勝負の難しいところ。

アガったORINZOUさんも、東2枚からの仕掛けが上手く行き、滑り出しとしては、上々に見えた。
ここまでを見ると好調ORINZOU、やや不調ASAPINという印象。

そして東4局にもう一組の好不調が見られた。

親でなければ、現物の発五万六万辺りを孔明も選択したはずだろうが、テンパイの誘惑がいざなう。
九筒一万も2枚切れの為、テンパイの為には外しづらいターツ。そこでいかにも通りそうな一万を選択すると、水巻のドラ暗刻に御用となってしまう。

ネット麻雀は普段やらない水巻だが、点棒を積み上げる作業は麻雀界でもトップクラスの打ち手。主導権を握り気分を良くしたはずである。

南1局、最大のライバルASAPINの親番では、供託までごっそり獲る会心のアガり。

このアガリが決定打となり1回戦は水巻、ORINZOU、ASAPIN、孔明の順で終了となる。

休憩時間となり各自がくつろぐなか、ASAPINだけが、牌譜を見直していた。
(ネット麻雀ならすぐに牌譜再生出来る)
それがいい事なのか、悪い事なのかわからないが、僕が「凄いな」と思ったのは事実だ。
その表情からは、「このフィールドでは絶対負けない」という気迫が感じられた。

しかし2回戦も水巻の攻勢は止まらず、1回戦と同じ並びでフィニッシュ。
とにかく隙がない。ツモ切り手出しが全て表示され、時間制限も決勝戦は長く設定されている為、読める打ち手はトコトン読んでくる。この辺りも水巻を安心させているように思える。

3回戦、ようやくASAPIN、孔明が調子を上げてくる。


ORINZOUの会心のリーチも掻い潜り、相性も逆転したかのようなアガリ。
しかしこのASAPINいや、全員の心を折るかのような水巻のアガりが炸裂。

迎えたオーラス。このまま水巻2着だと、もうなにも起こらない場面、孔明が執念のアガリ。

試合を壊さないような素晴らしいアガリで、ようやく水巻を止める。

3回戦終了時成績
水巻+60.7P ASAPIN+16.3P ORINZOU▲13.2P 孔明▲63.8P

休憩となり、やはりASAPINは座ったまま、ずっとPCで牌譜をチェックしていた。

大事な4回戦が始まった。
水巻を追う3者の計算を打ち砕くような水巻のアガリがまたも炸裂する。

水巻の一番の長所は、相手が何をすれば「嫌」か、心理状態を把握し攻撃を続ける所にあると思う。
自分にとってのベストの選択はもちろん、局面に応じて、押しと引きを使い展開を有利にしていく。
この4回戦は、ASAPINとORINZOUに辛く打てばいい。

自分がトップならベストだが、それが出来なければ、2人の上の着順になればいい。
このアガリで水巻のタクトが冴えわたる。
トップは逃すものの見事に並びを作る。

孔明の頑張りも凄かった。道中、水巻がダントツになるも最終戦に臨みを繋ぐ逆転トップを決める。

4回戦終了時成績
水巻+69.8P ASAPIN▲10.4P 孔明▲29.5P ORINZOU▲29.9P

水巻、圧倒的優勢の中、最終戦が始まった。

局面が大きく動いたのが、東2局親ORINZOU

ORINZOUのリーチを受けてASAPINの手牌。
テンパイである。ASAPINの選択は取らずの打四筒
なかなか出来る判断ではない。ASAPINの執念の一打である。
これがこの土壇場で出来るから、彼はここにいると思う。
魂の一打はすぐに結果となり、答えがでる。

水巻を倒すのは俺だとばかりの一撃。
ORINZOU、孔明も負けじとアガリ、水巻がラス目になる。
3人の優勝への素晴らしい闘志。

そして冒頭のシーンへ突入する。

水巻の心情は、僕も経験があるからわかる。おそらくこの展開で負けたら完全な取りこぼしとなり、後を引く敗戦となる事が脳裏をよぎったはずだ。
ASAPINは、三筒をツモるまでは、無心だったはずだ。
2人の心理状態は、冒頭のシーンでは、ASAPINが上のはずだった・・・。

ともかく2人の点数は並んだ。あと2局の時点で。

水巻がインタビューで「手が震えてマウスをクリックするのが困難だった」という事を僕も昨年終盤で経験していた。ついに水巻も極限状況に突入していた。
引き続きASAPINの親番、並んだ両者がせめぎ合う。

なんとも泥臭いリーチである。でもこの場面では美しく感じる。
結果は流局。

実はこの場面にASAPINの苦悩と前局の揺れが少し見れる。この局の配牌。

ASAPINは、九種九牌であった。(ロン2は途中流局あり)

あの局の直後でなければ、すぐに気付いたはずであり、もう一度配牌を取り直したはずである。
この辺りが勝負事の非常に難しいところだ。どんな打ち手も軽いパニックで普段なら侵さないようなミスした事があるはずだ。僕もいくつも経験している。

ともかく戦いは最終局面を迎える。

条件を確認すると、水巻とASAPINの差は、3,000点。供託がある為ASAPINは1,300以上のアガリが必要。孔明が親の為、連荘も考えられる。

運命の配牌。

水巻よりASAPINのほうが、ややいいが、親の孔明も速そうである。

6巡目ASAPINが自風の北を頼りに八索をチー。
一万が暗刻の為、条件は満たしている。おそらくこのチーを咎める人は、あまりいないであろう。
しかしこういう仕掛けが勝利を遠ざけるシーンも良く見かけるのも事実である。

水巻との相対速度なら間違いなく正解である。でも麻雀は4人でやっているから、難しい。

そして数巡後

テンパイ。ASAPIN王手である。水巻に残された道は、北を2枚吸収するか、親のアガリを祈るのみとなってしまった。
ここまでのASAPINのわずかな心の揺れは、僕の杞憂だったかに思えた。

がしかし、

ASAPINに最後の試練が来た。孔明のマチは5枚山。

ニコ生のコメントは、ASAPINの勝利を後押ししている。
そして決着の時が訪れる。

ドラの七万を押したASAPINを僕は賞賛していた。でも今思うとそれは、麻雀の女神が教えてくれた「やめなさい」のサインだったのかもしれない。

最後は水巻が普段は絶対にみられないほど緊張した指先で「リーチ」のボタンをクリックして、熱い戦いの幕を閉じた。

戦いを終えた水巻とASAPINに「感想とネット麻雀とリアル麻雀の違い」を聞いてみた。

水巻「残り1回で80.2Pというのがかなり有利な差をラス前でピッタリ同点に追い付かれていたので、勝ててホッとしたというのが正直なところです。
自分の場合はネット麻雀の経験値が圧倒的に足りないので、リアルと比べて相手のテンパイ気配と手出しツモ切り(ロン2は表示されるのでやりやすい)が非常にわかりづらいです。
それとラグ読み等の技術もリアルにはないものですが、ネットで本当に強くなるためには必要だと思います。」

ASAPIN「最初の2半荘、水巻さんの連勝を許してしまい、3半荘目に2着順差のトップを取れたものの4半荘目にはまた2着順差を付けられてのラス。最終戦ではできる限りのことはやるつもりでしたが、やはりすでに勝敗が決したという思いもありました。その中で偶然にも条件にあった手が入り優勝まで五分五分というところまできたものの、あと一歩が届きませんでした。たらればの局が何個もあり、今でも答えの出ていない局面が山ほどあります。全く手の届かない優勝ではなかっただけに、ただただ悔しい思いでいっぱいでした。麻雀牌を使って牌と牌のメカニズムで会話をするという点はリアルもネットもなにも変わらないと思います。手出しや理牌、仕草の癖などがリアルであるように、ネットにも1シャンテンの微妙な間やテンパイ気配など、ネットでしか伝わらない気配のような情報はあります。ただ、ネットでは画面越しに相手がいますが自分との戦い、卓を囲むと人と人同士の戦いという印象は少しあるかもしれません。」

2人はもちろん、孔明、ORINZOUの両名にも惜しみない拍手を送りたい。

最後に、素晴らしい戦いを観戦できたことを嬉しく思います。
そして、来年もさらに多くの麻雀ファンの皆様に参加していただいて、最高に熱い戦いが出来る事を心から願っております。

日本プロ麻雀連盟  瀬戸熊 直樹

プロ雀士コラム/インターネット麻雀日本選手権2015観戦記 瀬戸熊 直樹

勝負が終わってから、しばらく経って、優勝した水巻渉プロとASAPINさんに印象に残った局を聞いてみた。
予想通り、2人の勝負局は一致していた。それが以下の瞬間である。(以降敬称略)

状況を説明すると、最終戦が始まる前の二人のポイント差は、80.2ポイント。
5,000-15,000の順位点なので、ASAPINが水巻を逆転する為には、トップラスにして、50,200点の差をつけなければいけない。
最終戦開始前には、一番近いASAPINですら、その状況だったので、水巻の勝利を疑う者は誰一人としていなかったであろうが、初代天鳳位の意地か、はたまた大声援の力かASAPINは水巻に逆王手の場面まで漕ぎつけていた。
運命のいたずらか、上家からリーチが入りそこでテンパイのツモ九万
マチは現物の六筒と筋の三筒
ヤミテンでもツモれば同点。ASAPINの目からは、既に4枚見えている。
そしてヤミテンにすれば、4人でツモっているような状況。
解説席の僕もヤミが順当と思っていた。僕の目からは、7枚見えていたのもあるが。
ASAPINの選択も打四万で宣言せず。
しかし麻雀の神様は、粋なはからいをする。ASAPINの次のツモは、三筒
うれしいはずのアガりが、微妙な心境へ変化する。
ASAPINは「リーチをかけていれば・・」と思い、水巻は「並ばれたが、助かった」と思ったそうだ。
ポイント差は、なんと同点。気持ちでは水巻が追い詰められたはずだったが、このツモが両者の明暗をわけていく。
勝負にタラレバは禁物だが、もしASAPINがリーチをかけていれば最低でも6,000オールとなり、逆に13,600点上となっていた。
ここまで危なげなく試合を運んでいた水巻が、ここで見せた唯一微妙な仕掛け。
ここにきて水巻も少し揺れていたかのように思える。
しかし、並ばれたことによって本来の落ち着いた打牌に戻る。
そしてASAPINは、この半荘でようやく真の力を見せ始めていた。
水巻というトッププレイヤーに、この大量リードを許した場面からここまで並んだのだ。
それだけでも賞賛に値する。しかしこのアガリが、ここからオーラスまでのわずかなズレを生じさせたように思えた。
トッププロの意地と初代天鳳位の執念の戦いを振り返りたいと思う。
インターネット麻雀日本選手権も5期を迎え、今期は規模も大きくなり、ハンゲームさんからの参戦と共に、他団体のタイトルホルダーと初代天鳳位にも参加して頂き、ますます大きなタイトル戦になってきた。
激戦を勝ち抜いて見事決勝にコマを進めたのは、
招待選手の水巻渉プロ(最高位戦)とASAPINさん(初代天鳳位)。
そして一般ユーザーから2名。孔明さん(ロン2)とORINZOUさん(ハンゲーム)。
孔明さんは、ネット麻雀歴5年。「気が弱いので後半勝負にしたいです」と答えられたのが、非常に印象的だった。
ORINZOUさんは、ネット麻雀歴8年。名前の通り「オリない」のが信条のようだ。
しかし御本人いわく、「意外とオリるんですよ」と笑って言われた。普段はリアル麻雀のほうを多くプレイされてる実戦派。
意外にも、ネット麻雀歴は、ASAPINさん、ユーザー2名、水巻プロの順。
いよいよ1回戦が始まった。(以降敬称略)
いきなりASAPINが見せる。

リーチを受けて、どうするのか興味深く見ているとあっさり、打八万とし、オリを選択。
しかしこれは主戦場天鳳で培った当たり前の選択と僕をあざ笑うかのように、何とアガりはASAPIN。

天鳳名人戦では何度も見た光景がここでも見られる。
そして次局でも非凡な才能が披露される。

放銃にはなったが、マチの枚数はASAPINの読み通り、打七万が正解。
この辺が麻雀、いや勝負の難しいところ。
アガったORINZOUさんも、東2枚からの仕掛けが上手く行き、滑り出しとしては、上々に見えた。
ここまでを見ると好調ORINZOU、やや不調ASAPINという印象。
そして東4局にもう一組の好不調が見られた。

親でなければ、現物の発五万六万辺りを孔明も選択したはずだろうが、テンパイの誘惑がいざなう。
九筒一万も2枚切れの為、テンパイの為には外しづらいターツ。そこでいかにも通りそうな一万を選択すると、水巻のドラ暗刻に御用となってしまう。
ネット麻雀は普段やらない水巻だが、点棒を積み上げる作業は麻雀界でもトップクラスの打ち手。主導権を握り気分を良くしたはずである。
南1局、最大のライバルASAPINの親番では、供託までごっそり獲る会心のアガり。

このアガリが決定打となり1回戦は水巻、ORINZOU、ASAPIN、孔明の順で終了となる。
休憩時間となり各自がくつろぐなか、ASAPINだけが、牌譜を見直していた。
(ネット麻雀ならすぐに牌譜再生出来る)
それがいい事なのか、悪い事なのかわからないが、僕が「凄いな」と思ったのは事実だ。
その表情からは、「このフィールドでは絶対負けない」という気迫が感じられた。
しかし2回戦も水巻の攻勢は止まらず、1回戦と同じ並びでフィニッシュ。
とにかく隙がない。ツモ切り手出しが全て表示され、時間制限も決勝戦は長く設定されている為、読める打ち手はトコトン読んでくる。この辺りも水巻を安心させているように思える。
3回戦、ようやくASAPIN、孔明が調子を上げてくる。


ORINZOUの会心のリーチも掻い潜り、相性も逆転したかのようなアガリ。
しかしこのASAPINいや、全員の心を折るかのような水巻のアガりが炸裂。

迎えたオーラス。このまま水巻2着だと、もうなにも起こらない場面、孔明が執念のアガリ。

試合を壊さないような素晴らしいアガリで、ようやく水巻を止める。
3回戦終了時成績
水巻+60.7P ASAPIN+16.3P ORINZOU▲13.2P 孔明▲63.8P
休憩となり、やはりASAPINは座ったまま、ずっとPCで牌譜をチェックしていた。
大事な4回戦が始まった。
水巻を追う3者の計算を打ち砕くような水巻のアガリがまたも炸裂する。

水巻の一番の長所は、相手が何をすれば「嫌」か、心理状態を把握し攻撃を続ける所にあると思う。
自分にとってのベストの選択はもちろん、局面に応じて、押しと引きを使い展開を有利にしていく。
この4回戦は、ASAPINとORINZOUに辛く打てばいい。
自分がトップならベストだが、それが出来なければ、2人の上の着順になればいい。
このアガリで水巻のタクトが冴えわたる。
トップは逃すものの見事に並びを作る。

孔明の頑張りも凄かった。道中、水巻がダントツになるも最終戦に臨みを繋ぐ逆転トップを決める。
4回戦終了時成績
水巻+69.8P ASAPIN▲10.4P 孔明▲29.5P ORINZOU▲29.9P
水巻、圧倒的優勢の中、最終戦が始まった。
局面が大きく動いたのが、東2局親ORINZOU

ORINZOUのリーチを受けてASAPINの手牌。
テンパイである。ASAPINの選択は取らずの打四筒
なかなか出来る判断ではない。ASAPINの執念の一打である。
これがこの土壇場で出来るから、彼はここにいると思う。
魂の一打はすぐに結果となり、答えがでる。

水巻を倒すのは俺だとばかりの一撃。
ORINZOU、孔明も負けじとアガリ、水巻がラス目になる。
3人の優勝への素晴らしい闘志。
そして冒頭のシーンへ突入する。
水巻の心情は、僕も経験があるからわかる。おそらくこの展開で負けたら完全な取りこぼしとなり、後を引く敗戦となる事が脳裏をよぎったはずだ。
ASAPINは、三筒をツモるまでは、無心だったはずだ。
2人の心理状態は、冒頭のシーンでは、ASAPINが上のはずだった・・・。
ともかく2人の点数は並んだ。あと2局の時点で。
水巻がインタビューで「手が震えてマウスをクリックするのが困難だった」という事を僕も昨年終盤で経験していた。ついに水巻も極限状況に突入していた。
引き続きASAPINの親番、並んだ両者がせめぎ合う。

なんとも泥臭いリーチである。でもこの場面では美しく感じる。
結果は流局。
実はこの場面にASAPINの苦悩と前局の揺れが少し見れる。この局の配牌。

ASAPINは、九種九牌であった。(ロン2は途中流局あり)
あの局の直後でなければ、すぐに気付いたはずであり、もう一度配牌を取り直したはずである。
この辺りが勝負事の非常に難しいところだ。どんな打ち手も軽いパニックで普段なら侵さないようなミスした事があるはずだ。僕もいくつも経験している。
ともかく戦いは最終局面を迎える。
条件を確認すると、水巻とASAPINの差は、3,000点。供託がある為ASAPINは1,300以上のアガリが必要。孔明が親の為、連荘も考えられる。
運命の配牌。

水巻よりASAPINのほうが、ややいいが、親の孔明も速そうである。

6巡目ASAPINが自風の北を頼りに八索をチー。
一万が暗刻の為、条件は満たしている。おそらくこのチーを咎める人は、あまりいないであろう。
しかしこういう仕掛けが勝利を遠ざけるシーンも良く見かけるのも事実である。
水巻との相対速度なら間違いなく正解である。でも麻雀は4人でやっているから、難しい。
そして数巡後

テンパイ。ASAPIN王手である。水巻に残された道は、北を2枚吸収するか、親のアガリを祈るのみとなってしまった。
ここまでのASAPINのわずかな心の揺れは、僕の杞憂だったかに思えた。
がしかし、

ASAPINに最後の試練が来た。孔明のマチは5枚山。
ニコ生のコメントは、ASAPINの勝利を後押ししている。
そして決着の時が訪れる。

ドラの七万を押したASAPINを僕は賞賛していた。でも今思うとそれは、麻雀の女神が教えてくれた「やめなさい」のサインだったのかもしれない。
最後は水巻が普段は絶対にみられないほど緊張した指先で「リーチ」のボタンをクリックして、熱い戦いの幕を閉じた。
戦いを終えた水巻とASAPINに「感想とネット麻雀とリアル麻雀の違い」を聞いてみた。
水巻「残り1回で80.2Pというのがかなり有利な差をラス前でピッタリ同点に追い付かれていたので、勝ててホッとしたというのが正直なところです。
自分の場合はネット麻雀の経験値が圧倒的に足りないので、リアルと比べて相手のテンパイ気配と手出しツモ切り(ロン2は表示されるのでやりやすい)が非常にわかりづらいです。
それとラグ読み等の技術もリアルにはないものですが、ネットで本当に強くなるためには必要だと思います。」
ASAPIN「最初の2半荘、水巻さんの連勝を許してしまい、3半荘目に2着順差のトップを取れたものの4半荘目にはまた2着順差を付けられてのラス。最終戦ではできる限りのことはやるつもりでしたが、やはりすでに勝敗が決したという思いもありました。その中で偶然にも条件にあった手が入り優勝まで五分五分というところまできたものの、あと一歩が届きませんでした。たらればの局が何個もあり、今でも答えの出ていない局面が山ほどあります。全く手の届かない優勝ではなかっただけに、ただただ悔しい思いでいっぱいでした。麻雀牌を使って牌と牌のメカニズムで会話をするという点はリアルもネットもなにも変わらないと思います。手出しや理牌、仕草の癖などがリアルであるように、ネットにも1シャンテンの微妙な間やテンパイ気配など、ネットでしか伝わらない気配のような情報はあります。ただ、ネットでは画面越しに相手がいますが自分との戦い、卓を囲むと人と人同士の戦いという印象は少しあるかもしれません。」
2人はもちろん、孔明、ORINZOUの両名にも惜しみない拍手を送りたい。
最後に、素晴らしい戦いを観戦できたことを嬉しく思います。
そして、来年もさらに多くの麻雀ファンの皆様に参加していただいて、最高に熱い戦いが出来る事を心から願っております。
日本プロ麻雀連盟  瀬戸熊 直樹

第32期A2リーグ第5節レポート 西岡 慎奏

前半戦最後の対局となる第5節。
「昇級は諦めていない」と強がりを言っているが、一度も降級ラインを脱した事がないのが現実。
考えれば考えるほど戦い方が決まらず、出した答えはカッコつけない事、自分らしく打つ事。
そういった中で、対戦メンバーとなったダンプ、内川、吉田は比較的馴染み深く、普段の自分で対局に臨めたかもしれない。
ポイント的にはこの中で唯一プラスのダンプを寄り切らせず、がっぷり四つで組むことだ。

ところが1回戦目から感覚が付いてこない。
東1局南家、以下の形から北を暗カン。

七索八索九索三筒四筒六筒七筒七筒八筒九筒  暗カン牌の背北北牌の背  ドラ七索

直接のテンパイチャンスは変わらないが、北切りとした方が良形となる可能性は高い。
しかし、北暗カンとしても場に2枚切れの八筒以外はリャンメン系のテンパイとなる。
打点を重視した自分の選択は間違ってはいないだろうが、結果は1,300・2,600ツモアガリの可能性を逃した上に、親のダンプに連荘を許してしまい気持ちを引きずっていた。

南1局では、8巡目ヤミテンで内川がアガる。

五万六万七万三索四索五索五索六索八索八索五筒六筒七筒  ドラ一筒

放銃は親で手を進めたダンプだったが、戦える手になっていない自分でも切った可能性が高く内心ホッとしていた。
内川は8巡目と早いテンパイながら、長考を入れた後の七万切りと捨て牌を考慮すると、タンピン系で手が早いのは十分に考えられる。
引きずった気持ちから、集中力を欠いてしまっていたのだろう。
痛手を負わなかったのはラッキーにすぎない。

ただ展開には恵まれ、何とか1回戦目をプラスで終える事ができた。
そして、休憩を挟んだことで少し落ち着くこともできた。

そのおかげで、2回戦目はなかなかアガリに繋がらないまでも、途中までバランス良く戦えていたと思う。
しかし、リーチ合戦で親の内川に競り負け放銃となると、次局にドラ暗刻となった手牌を打牌選択ミスしてしまう。(最速テンパイを拾えなかった事で冷静さを欠いてしまった)

たまたま次局面前ホンイツ一通をアガる事ができ2回戦目もプラスとなったが、やはり課題は精神面だと認識させられた。

何とか全戦プラスといきたい3回戦目だが、状態は良くなくラスとなってしまう。
しかしその中でも、失点を最小限にできたのは良かった。
特に、南3局で原点復帰には連荘が必須とも言える親番でも、内川のアガリ牌を止めてオリる事ができたのは忍耐力があったと思う。

そして4回戦の東3局、北家の吉田が親の第一打目をポンしたかと思うと、次々と有効牌を引き入れホンイツ小三元をテンパイする。(1フーロのみ)
自分は打点の見込めない手牌で字牌を切り出していかず、冷静に対応できた。(当然の事ではあるが)
結果は吉田の3,000・6,000ツモアガリとなったが、1回戦目の何気ない横移動とは違いテンパイの巡目や打点が予想できており、こういったときは不思議に状態が良くなっていく気がする。

すると直後の東4局、ミスなく6,000オールをアガる事ができ、20戦目にして念願のA2リーグ初トップを取る事ができた。

実は2回戦目のオーラスには、親リーチの現物待ちにも関わらず、浮きの点数からピンフドラ1をリーチしている。(強引にでもA2リーグ初トップが取りたかった)
そういったところ、セオリーを無視してカッコつけず、自分の都合で麻雀できていたのかもしれない。

他の競技のプロプレーヤーも、真剣にプレーしている中で個性や喜怒哀楽があったりする。
“当たり障りのないプレー”を繰り返すのではなく、第6節からの後半はもっと自分らしくプレーして良い戦いをみなさんに見ていただきたい。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A2リーグ第5節レポート 西岡 慎奏

前半戦最後の対局となる第5節。
「昇級は諦めていない」と強がりを言っているが、一度も降級ラインを脱した事がないのが現実。
考えれば考えるほど戦い方が決まらず、出した答えはカッコつけない事、自分らしく打つ事。
そういった中で、対戦メンバーとなったダンプ、内川、吉田は比較的馴染み深く、普段の自分で対局に臨めたかもしれない。
ポイント的にはこの中で唯一プラスのダンプを寄り切らせず、がっぷり四つで組むことだ。
ところが1回戦目から感覚が付いてこない。
東1局南家、以下の形から北を暗カン。
七索八索九索三筒四筒六筒七筒七筒八筒九筒  暗カン牌の背北北牌の背  ドラ七索
直接のテンパイチャンスは変わらないが、北切りとした方が良形となる可能性は高い。
しかし、北暗カンとしても場に2枚切れの八筒以外はリャンメン系のテンパイとなる。
打点を重視した自分の選択は間違ってはいないだろうが、結果は1,300・2,600ツモアガリの可能性を逃した上に、親のダンプに連荘を許してしまい気持ちを引きずっていた。
南1局では、8巡目ヤミテンで内川がアガる。
五万六万七万三索四索五索五索六索八索八索五筒六筒七筒  ドラ一筒
放銃は親で手を進めたダンプだったが、戦える手になっていない自分でも切った可能性が高く内心ホッとしていた。
内川は8巡目と早いテンパイながら、長考を入れた後の七万切りと捨て牌を考慮すると、タンピン系で手が早いのは十分に考えられる。
引きずった気持ちから、集中力を欠いてしまっていたのだろう。
痛手を負わなかったのはラッキーにすぎない。
ただ展開には恵まれ、何とか1回戦目をプラスで終える事ができた。
そして、休憩を挟んだことで少し落ち着くこともできた。
そのおかげで、2回戦目はなかなかアガリに繋がらないまでも、途中までバランス良く戦えていたと思う。
しかし、リーチ合戦で親の内川に競り負け放銃となると、次局にドラ暗刻となった手牌を打牌選択ミスしてしまう。(最速テンパイを拾えなかった事で冷静さを欠いてしまった)
たまたま次局面前ホンイツ一通をアガる事ができ2回戦目もプラスとなったが、やはり課題は精神面だと認識させられた。
何とか全戦プラスといきたい3回戦目だが、状態は良くなくラスとなってしまう。
しかしその中でも、失点を最小限にできたのは良かった。
特に、南3局で原点復帰には連荘が必須とも言える親番でも、内川のアガリ牌を止めてオリる事ができたのは忍耐力があったと思う。
そして4回戦の東3局、北家の吉田が親の第一打目をポンしたかと思うと、次々と有効牌を引き入れホンイツ小三元をテンパイする。(1フーロのみ)
自分は打点の見込めない手牌で字牌を切り出していかず、冷静に対応できた。(当然の事ではあるが)
結果は吉田の3,000・6,000ツモアガリとなったが、1回戦目の何気ない横移動とは違いテンパイの巡目や打点が予想できており、こういったときは不思議に状態が良くなっていく気がする。
すると直後の東4局、ミスなく6,000オールをアガる事ができ、20戦目にして念願のA2リーグ初トップを取る事ができた。
実は2回戦目のオーラスには、親リーチの現物待ちにも関わらず、浮きの点数からピンフドラ1をリーチしている。(強引にでもA2リーグ初トップが取りたかった)
そういったところ、セオリーを無視してカッコつけず、自分の都合で麻雀できていたのかもしれない。
他の競技のプロプレーヤーも、真剣にプレーしている中で個性や喜怒哀楽があったりする。
“当たり障りのないプレー”を繰り返すのではなく、第6節からの後半はもっと自分らしくプレーして良い戦いをみなさんに見ていただきたい。