「終焉」 前田 直哉

最終日も残り2戦となった。藤崎プロとのポイント差は45.9P…残り2戦となるとこの程度の差なんて有ってないようなものだ。
ただ焦って普段の麻雀が打てなくなることだけはしたくない。ここまで来たらあとは精神力だ。

14回戦終了時
前田直哉+90.9P 藤崎智+45.0P 勝又健志▲36.0P 瀬戸熊直樹▲99.9P

15回戦(起家から前田、藤崎、瀬戸熊、勝又)

東1局いきなりの化け物配牌!!

一万九万一索三索四索五索五索四筒四筒四筒五筒八筒東発  ドラ四筒

配牌ドラ3♪キターーーーー!!って気持ちを顔に出さずに進めると、4巡目には更にドラの四筒を持ってきて超ご機嫌!
しかし、6巡目に瀬戸熊プロからリーチが入り後手をふむ…
もちろんオリる気も無いのでまっすぐ行くが、テンパイすらすることなく、瀬戸熊プロのアガリとなった。

その後は、勝又プロが2,000・3,900をツモり局面をリードしていく。
そして迎えた東4局7巡目に手牌はこうなった。

一万一万一万二万三万四万五万五万七万八万九万一筒二筒九筒  ドラ西

一旦九筒を切ってテンパイとするが、もちろん目指すはチンイツだ。
次巡、上家から出た三万をチーして、2巡後に出てきた一万をポンしてテンパイにこぎつける。

マチの二万五万はこの時点で山に4枚!
誰も向ってこないだろうと思っていると、瀬戸熊プロに三万を押される…
もちろんテンパイなのだろうが、こうなれば二万も止まらないだろうと思っていたら次巡四筒をツモられてしまう。

三索三索三筒五筒五筒六筒七筒八筒八筒八筒北北北  ツモ四筒  ドラ西

私にとってはかなり痛かったが、ここを押し切れる瀬戸熊プロもやはり凄いと思った。
それでもまだ藤崎プロのほうが持ち点は下であったし、かなり苦しんでいるように見えたので焦りは無かった。

が、しかーし!南2局、藤崎プロの親番で10巡目にツモ!その時ツモる手つきはいつもと違っていた…
開けられた手は漢数字ばかりの手。
目をそらしたくなるようなアガリなのであまり憶えていない(笑)牌譜見たらこんな感じでした!

一万一万一万三万三万三万四万五万五万五万六万六万八万  ツモ七万  ドラ四筒

四暗刻まであるかという、いきなりの6,000オール!!そんな流れでしたっけ?(汗)
これで一気にトップ目まで持ち点を伸ばし、私がラス目になってしまう…

見ているほうはこれで面白くなったと思っただろうが、こっちのダメージは計り知れなかった。
そして南3局13巡目に、親の瀬戸熊プロから先制リーチが入り、それを受けて私の手牌がこうなる。

二万三万六万七万七万二索三索四索七索八索九索二筒四筒  ツモ四万  ドラ一筒

三色のテンパイだが、マチの三筒はすでに2枚切れており、捨て牌からして瀬戸熊プロも使っていそうな三筒である。
テンパイを取れば無筋の六万を切らなければならない。自分に問いかける…山にあっても1枚だろう、行くべきか引くべきか。
高打点にして相手にぶつけていくのが自分のスタイル!この半荘はラスを受け入れよう。そう決めて六万を切りリーチとした。

とりあえずは通った。そして残りも少なくなってきたところで、私の切った一索を藤崎プロがポンしてホンイツのテンパイを入れる…
この鳳凰戦、今まで何度私のアガリ牌を食い取られたであろう?しかし、たまには良いことをしてくれることもあった!

瀬戸熊プロへ放銃となる四万を食い下げてくれたのである。
もちろんこの時の私は知るはずも無いのだが、テンパイで開けられた2人の手を見て藤崎プロは何を思っただろうか?

そして1本場、また瀬戸熊プロからリーチが入る。12巡目に私もテンパイが入り、タンヤオだけなのでヤミテンにしていると、すぐさま勝又プロからも追いかけリーチ。
そして15巡目に五万を持ってきて高目三色のテンパイになった。
だが切らなければならないのは、ドラそばの八万…でもさっきラスは受け入れたはずだ!そう自分に言い聞かせて追いかけリーチをし、結果はすぐに出た。

四万四万五万六万七万五索六索七索八索八索八索六筒七筒  リーチ  ロン五筒  ドラ九万

高目が出て供託リーチ棒も込みで13,300の大きなアガリとなった。
後で牌譜を見ると、私のマチは山に1枚だけで、瀬戸熊プロのマチは3枚、勝又プロのマチは跳満になる高目が3枚も残っていた。
この鳳凰戦、2人が不調であったことを物語るシーンであったように思う。

このアガリで私もなんとか浮きにまわり、オーラスには7,700をアガって奇跡的にもトップでこの半荘を終えることが出来た。

15回戦成績
前田直哉+20.4P 藤崎智+11.1P 勝又健志▲10.0P 瀬戸熊直樹▲21.5P

15回戦終了時
前田直哉+111.3P 藤崎智+56.1P 勝又健志▲46.0P 瀬戸熊直樹▲121.4P

ついにここまで辿り着いた。
残り1戦…ただそう簡単には勝たせてはくれないであろう。55.2P差がとても少なく感じた。

最終戦(起家から藤崎、勝又、瀬戸熊、、前田)

100

日本プロ麻雀連盟 決勝戦オーラス座順規定

知っている人も多いとは思うが、日本プロ麻雀連盟のルールでは最終戦はポイントによって座り順が決まっており私がラス親となる。
東2局までは想定内で局は進むが、東3局で藤崎プロの7,700が飛び出す。

四索五索六索七索七索南南  ポン東東東  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ロン七索  ドラ四索

これでもまだ優位は変わらないが、顔には出さずともやはり焦るものである。
私の親も流れ南1局、この藤崎プロの親番だけはなんとしてでも流したいところである。

5巡目に役牌を仕掛けて早くもテンパイ。しかし…なかなか出てこない。
8巡目には藤崎プロからリーチが入り、ツモ切りリーチだったためマチは良くないと思ったが結局流局。
そして次局では、藤崎プロがピンフのみではあるが、供託も合わせて6,100点を加点する。

長い…とにかく長く感じた。もちろんまだリードはしているが、とてもそんな気にはなれなかった。
なんとか3本場は自力で局を進めることは出来たが、ラス前の瀬戸熊プロの親が終わらない。
もう何時間この半荘をやっているのだろう…そんな気持ちになっていた。

そして迎えた南3局4本場、私もなんとかテンパイを入れ流局かと思っていると、ハイテイで藤崎プロが止まる!
手つきですぐにツモったとわかった。アガるかどうか…その選択であろう。そして迷った末に手牌は開けられた。

三万三万三万四万五万六万一索一索二索三索三索白白  ツモ二索  ドラ北

既に2枚切れだったのでさすがにリーチにはいけなかったのだろう。しかしこれで8,200を加点していよいよ長かった戦いもオーラスを迎えた。
藤崎プロが46,600点、私が23,700点、トータルを合わせると藤崎プロは跳満ツモ条件である。
競技ルールでは、なかなか跳満を作るのは難しいのはご存じの通りであろう。
しかし藤崎プロの手から3巡目にドラの四索が打ち出される。

この時私も正直目を疑った!えっ?どういうこと?私も普通に手を進めながら、藤崎プロの一挙手一投足に目を配る。
捨て牌を見てもどんな形になっているのか全く分からないまま局は進み、15巡目についに藤崎プロからリーチが入った!!!

私もテンパイを入れていたが、現物以外を持ってきたところでオリを選択。
後はただ藤崎プロのツモるその手に注目するしかなかった…

残り3回。初めての鳳凰戦、ここまで自分なりに良く戦ったと思う…後は天に全てを託した。
1回…2回…そしてハイテイ…藤崎プロは最後のツモを河に置いた。生きた心地がしなかった。
今までで1番長く感じた3巡であったであろう。流局し、開かれた手はこうであった。

七万八万九万一索二索三索七索九索七筒八筒九筒九筒九筒  リーチ  ドラ四索

流石だと思った。こうして長い戦いはついに幕を閉じた。

最終戦成績
藤崎智+26.6P 瀬戸熊直樹+5.1P 前田直哉▲11.3P 勝又健志▲21.4P +1.0P

最終戦終了時
前田直哉100.0P 藤崎智+82.7P 勝又健志▲67.4P 瀬戸熊直樹▲116.3P +1.0P

終わっても喜びは湧いてこなかった。ただただ疲れた。これでゆっくりと休めることが嬉しかったしホッとした。
終わってみればポイントはちょうど100.0。100点満点であったかと言えば決してそう言えない内容であったと思う。
15年前に日本プロ麻雀連盟の門を叩き、ずっとここを目標にやってきた。
鳳凰位…なってみてわかったことは、この言葉の重みと責任であった。
そしてここがゴールでは無いことを認識した。

次回予告
「出陣」

追伸
いよいよリーグ戦も残り1節となりました!これが掲載される頃には終わっているかもしれませんが…とても楽しみです!
そして重要なお知らせがあります!
この鳳凰の部屋を書いていたら何故かポイントが合っていません(笑)前回の終わった時のポイントと今回の始まりのポイントが違うんです!
どこかで足し算間違えました(汗)お正月休みに算数のドリルやってから来年の鳳凰戦にのぞみます!すんません!
※編集部で修正しました

鳳凰の部屋/「終焉」 前田 直哉

最終日も残り2戦となった。藤崎プロとのポイント差は45.9P…残り2戦となるとこの程度の差なんて有ってないようなものだ。
ただ焦って普段の麻雀が打てなくなることだけはしたくない。ここまで来たらあとは精神力だ。
14回戦終了時
前田直哉+90.9P 藤崎智+45.0P 勝又健志▲36.0P 瀬戸熊直樹▲99.9P
15回戦(起家から前田、藤崎、瀬戸熊、勝又)
東1局いきなりの化け物配牌!!
一万九万一索三索四索五索五索四筒四筒四筒五筒八筒東発  ドラ四筒
配牌ドラ3♪キターーーーー!!って気持ちを顔に出さずに進めると、4巡目には更にドラの四筒を持ってきて超ご機嫌!
しかし、6巡目に瀬戸熊プロからリーチが入り後手をふむ…
もちろんオリる気も無いのでまっすぐ行くが、テンパイすらすることなく、瀬戸熊プロのアガリとなった。
その後は、勝又プロが2,000・3,900をツモり局面をリードしていく。
そして迎えた東4局7巡目に手牌はこうなった。
一万一万一万二万三万四万五万五万七万八万九万一筒二筒九筒  ドラ西
一旦九筒を切ってテンパイとするが、もちろん目指すはチンイツだ。
次巡、上家から出た三万をチーして、2巡後に出てきた一万をポンしてテンパイにこぎつける。
マチの二万五万はこの時点で山に4枚!
誰も向ってこないだろうと思っていると、瀬戸熊プロに三万を押される…
もちろんテンパイなのだろうが、こうなれば二万も止まらないだろうと思っていたら次巡四筒をツモられてしまう。
三索三索三筒五筒五筒六筒七筒八筒八筒八筒北北北  ツモ四筒  ドラ西
私にとってはかなり痛かったが、ここを押し切れる瀬戸熊プロもやはり凄いと思った。
それでもまだ藤崎プロのほうが持ち点は下であったし、かなり苦しんでいるように見えたので焦りは無かった。
が、しかーし!南2局、藤崎プロの親番で10巡目にツモ!その時ツモる手つきはいつもと違っていた…
開けられた手は漢数字ばかりの手。
目をそらしたくなるようなアガリなのであまり憶えていない(笑)牌譜見たらこんな感じでした!
一万一万一万三万三万三万四万五万五万五万六万六万八万  ツモ七万  ドラ四筒
四暗刻まであるかという、いきなりの6,000オール!!そんな流れでしたっけ?(汗)
これで一気にトップ目まで持ち点を伸ばし、私がラス目になってしまう…
見ているほうはこれで面白くなったと思っただろうが、こっちのダメージは計り知れなかった。
そして南3局13巡目に、親の瀬戸熊プロから先制リーチが入り、それを受けて私の手牌がこうなる。
二万三万六万七万七万二索三索四索七索八索九索二筒四筒  ツモ四万  ドラ一筒
三色のテンパイだが、マチの三筒はすでに2枚切れており、捨て牌からして瀬戸熊プロも使っていそうな三筒である。
テンパイを取れば無筋の六万を切らなければならない。自分に問いかける…山にあっても1枚だろう、行くべきか引くべきか。
高打点にして相手にぶつけていくのが自分のスタイル!この半荘はラスを受け入れよう。そう決めて六万を切りリーチとした。
とりあえずは通った。そして残りも少なくなってきたところで、私の切った一索を藤崎プロがポンしてホンイツのテンパイを入れる…
この鳳凰戦、今まで何度私のアガリ牌を食い取られたであろう?しかし、たまには良いことをしてくれることもあった!
瀬戸熊プロへ放銃となる四万を食い下げてくれたのである。
もちろんこの時の私は知るはずも無いのだが、テンパイで開けられた2人の手を見て藤崎プロは何を思っただろうか?
そして1本場、また瀬戸熊プロからリーチが入る。12巡目に私もテンパイが入り、タンヤオだけなのでヤミテンにしていると、すぐさま勝又プロからも追いかけリーチ。
そして15巡目に五万を持ってきて高目三色のテンパイになった。
だが切らなければならないのは、ドラそばの八万…でもさっきラスは受け入れたはずだ!そう自分に言い聞かせて追いかけリーチをし、結果はすぐに出た。
四万四万五万六万七万五索六索七索八索八索八索六筒七筒  リーチ  ロン五筒  ドラ九万
高目が出て供託リーチ棒も込みで13,300の大きなアガリとなった。
後で牌譜を見ると、私のマチは山に1枚だけで、瀬戸熊プロのマチは3枚、勝又プロのマチは跳満になる高目が3枚も残っていた。
この鳳凰戦、2人が不調であったことを物語るシーンであったように思う。
このアガリで私もなんとか浮きにまわり、オーラスには7,700をアガって奇跡的にもトップでこの半荘を終えることが出来た。
15回戦成績
前田直哉+20.4P 藤崎智+11.1P 勝又健志▲10.0P 瀬戸熊直樹▲21.5P
15回戦終了時
前田直哉+111.3P 藤崎智+56.1P 勝又健志▲46.0P 瀬戸熊直樹▲121.4P
ついにここまで辿り着いた。
残り1戦…ただそう簡単には勝たせてはくれないであろう。55.2P差がとても少なく感じた。
最終戦(起家から藤崎、勝又、瀬戸熊、、前田)

100

日本プロ麻雀連盟 決勝戦オーラス座順規定

知っている人も多いとは思うが、日本プロ麻雀連盟のルールでは最終戦はポイントによって座り順が決まっており私がラス親となる。
東2局までは想定内で局は進むが、東3局で藤崎プロの7,700が飛び出す。
四索五索六索七索七索南南  ポン東東東  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ロン七索  ドラ四索
これでもまだ優位は変わらないが、顔には出さずともやはり焦るものである。
私の親も流れ南1局、この藤崎プロの親番だけはなんとしてでも流したいところである。
5巡目に役牌を仕掛けて早くもテンパイ。しかし…なかなか出てこない。
8巡目には藤崎プロからリーチが入り、ツモ切りリーチだったためマチは良くないと思ったが結局流局。
そして次局では、藤崎プロがピンフのみではあるが、供託も合わせて6,100点を加点する。
長い…とにかく長く感じた。もちろんまだリードはしているが、とてもそんな気にはなれなかった。
なんとか3本場は自力で局を進めることは出来たが、ラス前の瀬戸熊プロの親が終わらない。
もう何時間この半荘をやっているのだろう…そんな気持ちになっていた。
そして迎えた南3局4本場、私もなんとかテンパイを入れ流局かと思っていると、ハイテイで藤崎プロが止まる!
手つきですぐにツモったとわかった。アガるかどうか…その選択であろう。そして迷った末に手牌は開けられた。
三万三万三万四万五万六万一索一索二索三索三索白白  ツモ二索  ドラ北
既に2枚切れだったのでさすがにリーチにはいけなかったのだろう。しかしこれで8,200を加点していよいよ長かった戦いもオーラスを迎えた。
藤崎プロが46,600点、私が23,700点、トータルを合わせると藤崎プロは跳満ツモ条件である。
競技ルールでは、なかなか跳満を作るのは難しいのはご存じの通りであろう。
しかし藤崎プロの手から3巡目にドラの四索が打ち出される。
この時私も正直目を疑った!えっ?どういうこと?私も普通に手を進めながら、藤崎プロの一挙手一投足に目を配る。
捨て牌を見てもどんな形になっているのか全く分からないまま局は進み、15巡目についに藤崎プロからリーチが入った!!!
私もテンパイを入れていたが、現物以外を持ってきたところでオリを選択。
後はただ藤崎プロのツモるその手に注目するしかなかった…
残り3回。初めての鳳凰戦、ここまで自分なりに良く戦ったと思う…後は天に全てを託した。
1回…2回…そしてハイテイ…藤崎プロは最後のツモを河に置いた。生きた心地がしなかった。
今までで1番長く感じた3巡であったであろう。流局し、開かれた手はこうであった。
七万八万九万一索二索三索七索九索七筒八筒九筒九筒九筒  リーチ  ドラ四索
流石だと思った。こうして長い戦いはついに幕を閉じた。
最終戦成績
藤崎智+26.6P 瀬戸熊直樹+5.1P 前田直哉▲11.3P 勝又健志▲21.4P +1.0P
最終戦終了時
前田直哉100.0P 藤崎智+82.7P 勝又健志▲67.4P 瀬戸熊直樹▲116.3P +1.0P
終わっても喜びは湧いてこなかった。ただただ疲れた。これでゆっくりと休めることが嬉しかったしホッとした。
終わってみればポイントはちょうど100.0。100点満点であったかと言えば決してそう言えない内容であったと思う。
15年前に日本プロ麻雀連盟の門を叩き、ずっとここを目標にやってきた。
鳳凰位…なってみてわかったことは、この言葉の重みと責任であった。
そしてここがゴールでは無いことを認識した。
次回予告
「出陣」
追伸
いよいよリーグ戦も残り1節となりました!これが掲載される頃には終わっているかもしれませんが…とても楽しみです!
そして重要なお知らせがあります!
この鳳凰の部屋を書いていたら何故かポイントが合っていません(笑)前回の終わった時のポイントと今回の始まりのポイントが違うんです!
どこかで足し算間違えました(汗)お正月休みに算数のドリルやってから来年の鳳凰戦にのぞみます!すんません!
※編集部で修正しました

第26期中部プロリーグ 最終節成績表

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 森下 剛任 55.7 48.6 ▲ 54.5 18.6 55.7 124.1
2 小野 雅峻 ▲ 7.9 38.2 63.3 33.4 ▲ 22.3 104.7
3 樋口 新 ▲ 15.2 37.6 86.7 ▲ 35.2 ▲ 17.4 56.5
4 佐藤 あいり 16.8 ▲ 22.6 ▲ 2.2 49.5 6.2 47.7
5 杉浦 貴紀 ▲ 30.4 77.0 ▲ 2.0 24.8 ▲ 31.3 38.1
6 村瀬 寛光 39.4 ▲ 6.5 11.9 ▲ 11.0 ▲ 12.1 21.7
7 朝岡 祐 8.9 ▲ 8.9 19.2 ▲ 4.6 ▲ 12.5 2.1
8 土岐 雄太 44.3 1.1 ▲ 80.0 17.5 8.7 ▲ 8.4
9 寺戸 孝志 ▲ 18.2 ▲ 29.0 ▲ 6.5 7.4 28.3 ▲ 18.0
10 三戸 亮祐 ▲ 11.8 ▲ 34.6 ▲ 4.4 50.4 ▲ 20.9 ▲ 21.3
11 山神 達也 ▲ 7.0 ▲ 13.4 ▲ 73.5 38.4 16.3 ▲ 39.2
12 杉村 泰治 ▲ 77.5 70.6 ▲ 51.6 15.0 ▲ 6.5 ▲ 50.0
13 伊藤 鉄也 60.7 ▲ 69.3 38.6 ▲ 71.9 ▲ 30.5 ▲ 72.4
14 日下 健司 ▲ 17.6 ▲ 46.8 ▲ 35.3 ▲ 30.8 44.9 ▲ 85.6
15 牛尾 信之 ▲ 33.7 14.3 ▲ 3.1 ▲ 64.4 ▲ 19.8 ▲ 106.7
16 掛水 洋徳 ▲ 97.5 ▲ 57.3 ▲ 9.6 ▲ 37.1 13.2 ▲ 188.3

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 大滝 聡 18.1 56.7 97.8 1.6 9.7 183.9
2 菅野 直 ▲ 32.8 40.0 ▲ 4.6 12.3 72.5 87.4
3 中谷 彰吾 34.5 ▲ 28.1 65.3 12.2 ▲ 34.7 49.2
4 木村 東平 ▲ 3.2 0.6 ▲ 42.6 37.7 15.9 8.4
5 金平 裕樹 ▲ 100.0 20.4 18.4 ▲ 20.7 86.3 4.4
6 越川 清一 ▲ 56.0 47.1 ▲ 18.9 2.3 23.1 ▲ 2.4
7 葛山 英樹 30.3 ▲ 38.6 1.3 69.3 ▲ 80.2 ▲ 17.9
8 大町 篤志 17.1 2.9 ▲ 62.8 35.5 ▲ 10.6 ▲ 17.9
9 鈴木 雄介 51.1 28.4 ▲ 30.4 ▲ 8.7 ▲ 67.5 ▲ 27.1
10 古川 孝次 4.0 ▲ 29.3 ▲ 18.7 ▲ 17.1 29.3 ▲ 31.8
11 安藤 大貴 ▲ 4.6 ▲ 0.2 ▲ 37.7 ▲ 37.5 41.2 ▲ 38.8
12 太田 峻也 ▲ 8.6 ▲ 21.8 ▲ 15.2 8.5 ▲ 19.8 ▲ 56.9
13 山本 拓哉 5.6 ▲ 105.4 53.2 0.5 ▲ 19.0 ▲ 65.1
14 太田 充 ▲ 11.3 ▲ 54.6 76.5 ▲ 62.1 ▲ 28.1 ▲ 79.6
15 大高坂 松城 ▲ 7.4 ▲ 69.5 ▲ 47.7 ▲ 12.5 49.4 ▲ 87.7
16 河合 慎悟 ▲ 38.8 70.4 ▲ 33.9 ▲ 24.3 ▲ 67.5 ▲ 94.1

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 加藤 泰史 33.2 57.0 16.5 42.5 35.0 184.2
2 林 俊宏 ▲ 4.4 13.6 ▲ 24.7 23.8 143.3 151.6
3 浅野 文雅 ▲ 48.1 78.8 13.3 8.9 63.7 116.6
4 富村 つぐみ 26.4 ▲ 57.1 56.5 ▲ 2.0 57.3 81.1
5 清水 哲也 49.6 ▲ 5.0 ▲ 16.9 15.1 29.8 72.6
6 鈴木 淳 ▲ 19.5 51.3 0.6 ▲ 27.0 29.2 34.6
7 大西 義則 ▲ 10.6 52.4 ▲ 25.8 52.0 ▲ 59.8 8.2
8 斎藤 寛生 ▲ 15.8 ▲ 26.8 32.6 ▲ 39.3 50.7 1.4
9 岡本 丈司 ▲ 31.2 17.7 ▲ 46.2 73.3 ▲ 13.1 0.5
10 山本 美文 80.7 46.8 ▲ 59.5 ▲ 9.6 ▲ 60.6 ▲ 2.2
11 池沢 麻奈美 41.3 8.8 ▲ 10.8 ▲ 72.1 29.7 ▲ 3.1
12 鈴木 基芳 ▲ 4.1 5.1 1.4 27.7 ▲ 36.1 ▲ 6.0
13 堤 文吾 ▲ 39.9 11.1 10.4 3.4 0.6 ▲ 14.4
14 都築 友和 43.7 ▲ 8.8 91.4 ▲ 50.0 ▲ 94.8 ▲ 18.5
15 原田 知彦 ▲ 39.8 ▲ 51.6 ▲ 3.0 48.3 21.2 ▲ 24.9
16 若松 正和 28.0 ▲ 26.0 ▲ 47.7 4.9 5.8 ▲ 35.0
17 島﨑 涼 ▲ 46.7 17.0 13.8 ▲ 6.0 ▲ 27.2 ▲ 49.1
18 中西 栄二 38.0 ▲ 16.5 ▲ 46.0 30.2 ▲ 67.6 ▲ 61.9
19 上田 利華 ▲ 8.4 ▲ 103.3 ▲ 15.1 ▲ 26.0 38.8 ▲ 114.0
20 長谷川 弘 16.4 ▲ 28.8 26.3 ▲ 22.9 ▲ 108.3 ▲ 117.3
21 三谷 卓也 ▲ 25.6 ▲ 15.1 ▲ 2.4 ▲ 41.4 ▲ 100.0 ▲ 184.5
22 家田 みゆき ▲ 64.2 ▲ 40.6 14.3 ▲ 54.8 ▲ 39.6 ▲ 184.9

中部プロリーグ 成績表/第26期中部プロリーグ 最終節成績表

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 森下 剛任 55.7 48.6 ▲ 54.5 18.6 55.7 124.1
2 小野 雅峻 ▲ 7.9 38.2 63.3 33.4 ▲ 22.3 104.7
3 樋口 新 ▲ 15.2 37.6 86.7 ▲ 35.2 ▲ 17.4 56.5
4 佐藤 あいり 16.8 ▲ 22.6 ▲ 2.2 49.5 6.2 47.7
5 杉浦 貴紀 ▲ 30.4 77.0 ▲ 2.0 24.8 ▲ 31.3 38.1
6 村瀬 寛光 39.4 ▲ 6.5 11.9 ▲ 11.0 ▲ 12.1 21.7
7 朝岡 祐 8.9 ▲ 8.9 19.2 ▲ 4.6 ▲ 12.5 2.1
8 土岐 雄太 44.3 1.1 ▲ 80.0 17.5 8.7 ▲ 8.4
9 寺戸 孝志 ▲ 18.2 ▲ 29.0 ▲ 6.5 7.4 28.3 ▲ 18.0
10 三戸 亮祐 ▲ 11.8 ▲ 34.6 ▲ 4.4 50.4 ▲ 20.9 ▲ 21.3
11 山神 達也 ▲ 7.0 ▲ 13.4 ▲ 73.5 38.4 16.3 ▲ 39.2
12 杉村 泰治 ▲ 77.5 70.6 ▲ 51.6 15.0 ▲ 6.5 ▲ 50.0
13 伊藤 鉄也 60.7 ▲ 69.3 38.6 ▲ 71.9 ▲ 30.5 ▲ 72.4
14 日下 健司 ▲ 17.6 ▲ 46.8 ▲ 35.3 ▲ 30.8 44.9 ▲ 85.6
15 牛尾 信之 ▲ 33.7 14.3 ▲ 3.1 ▲ 64.4 ▲ 19.8 ▲ 106.7
16 掛水 洋徳 ▲ 97.5 ▲ 57.3 ▲ 9.6 ▲ 37.1 13.2 ▲ 188.3

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 大滝 聡 18.1 56.7 97.8 1.6 9.7 183.9
2 菅野 直 ▲ 32.8 40.0 ▲ 4.6 12.3 72.5 87.4
3 中谷 彰吾 34.5 ▲ 28.1 65.3 12.2 ▲ 34.7 49.2
4 木村 東平 ▲ 3.2 0.6 ▲ 42.6 37.7 15.9 8.4
5 金平 裕樹 ▲ 100.0 20.4 18.4 ▲ 20.7 86.3 4.4
6 越川 清一 ▲ 56.0 47.1 ▲ 18.9 2.3 23.1 ▲ 2.4
7 葛山 英樹 30.3 ▲ 38.6 1.3 69.3 ▲ 80.2 ▲ 17.9
8 大町 篤志 17.1 2.9 ▲ 62.8 35.5 ▲ 10.6 ▲ 17.9
9 鈴木 雄介 51.1 28.4 ▲ 30.4 ▲ 8.7 ▲ 67.5 ▲ 27.1
10 古川 孝次 4.0 ▲ 29.3 ▲ 18.7 ▲ 17.1 29.3 ▲ 31.8
11 安藤 大貴 ▲ 4.6 ▲ 0.2 ▲ 37.7 ▲ 37.5 41.2 ▲ 38.8
12 太田 峻也 ▲ 8.6 ▲ 21.8 ▲ 15.2 8.5 ▲ 19.8 ▲ 56.9
13 山本 拓哉 5.6 ▲ 105.4 53.2 0.5 ▲ 19.0 ▲ 65.1
14 太田 充 ▲ 11.3 ▲ 54.6 76.5 ▲ 62.1 ▲ 28.1 ▲ 79.6
15 大高坂 松城 ▲ 7.4 ▲ 69.5 ▲ 47.7 ▲ 12.5 49.4 ▲ 87.7
16 河合 慎悟 ▲ 38.8 70.4 ▲ 33.9 ▲ 24.3 ▲ 67.5 ▲ 94.1

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 加藤 泰史 33.2 57.0 16.5 42.5 35.0 184.2
2 林 俊宏 ▲ 4.4 13.6 ▲ 24.7 23.8 143.3 151.6
3 浅野 文雅 ▲ 48.1 78.8 13.3 8.9 63.7 116.6
4 富村 つぐみ 26.4 ▲ 57.1 56.5 ▲ 2.0 57.3 81.1
5 清水 哲也 49.6 ▲ 5.0 ▲ 16.9 15.1 29.8 72.6
6 鈴木 淳 ▲ 19.5 51.3 0.6 ▲ 27.0 29.2 34.6
7 大西 義則 ▲ 10.6 52.4 ▲ 25.8 52.0 ▲ 59.8 8.2
8 斎藤 寛生 ▲ 15.8 ▲ 26.8 32.6 ▲ 39.3 50.7 1.4
9 岡本 丈司 ▲ 31.2 17.7 ▲ 46.2 73.3 ▲ 13.1 0.5
10 山本 美文 80.7 46.8 ▲ 59.5 ▲ 9.6 ▲ 60.6 ▲ 2.2
11 池沢 麻奈美 41.3 8.8 ▲ 10.8 ▲ 72.1 29.7 ▲ 3.1
12 鈴木 基芳 ▲ 4.1 5.1 1.4 27.7 ▲ 36.1 ▲ 6.0
13 堤 文吾 ▲ 39.9 11.1 10.4 3.4 0.6 ▲ 14.4
14 都築 友和 43.7 ▲ 8.8 91.4 ▲ 50.0 ▲ 94.8 ▲ 18.5
15 原田 知彦 ▲ 39.8 ▲ 51.6 ▲ 3.0 48.3 21.2 ▲ 24.9
16 若松 正和 28.0 ▲ 26.0 ▲ 47.7 4.9 5.8 ▲ 35.0
17 島﨑 涼 ▲ 46.7 17.0 13.8 ▲ 6.0 ▲ 27.2 ▲ 49.1
18 中西 栄二 38.0 ▲ 16.5 ▲ 46.0 30.2 ▲ 67.6 ▲ 61.9
19 上田 利華 ▲ 8.4 ▲ 103.3 ▲ 15.1 ▲ 26.0 38.8 ▲ 114.0
20 長谷川 弘 16.4 ▲ 28.8 26.3 ▲ 22.9 ▲ 108.3 ▲ 117.3
21 三谷 卓也 ▲ 25.6 ▲ 15.1 ▲ 2.4 ▲ 41.4 ▲ 100.0 ▲ 184.5
22 家田 みゆき ▲ 64.2 ▲ 40.6 14.3 ▲ 54.8 ▲ 39.6 ▲ 184.9

第13期北陸リーグ 第4節レポート

第4節組み合わせ (敬称略)

1卓安城プロ×森田×志多木×宮内
2卓平澤×北川×久保×吉田
3卓後藤プロ×木下×高出×土田
4卓栗野×小泉×窪田×中野
5卓木戸プロ×山川×西田×大門
6卓濱平プロ×本田プロ×押川×久々湊

師走に入り、冬の訪れを感じさせる寒さになり、今年も残すところあと僅かとなりました。
第13期北陸リーグも第4節となり後半戦を迎え、各自順位やポイントを意識した、競技麻雀ならではの対局が繰り広げられた。

決勝進出となる上位4名とのポイント差を見ると、この4節でポイントを伸ばせないと最終戦での戦いの幅が狭くなる。
前回のレポートでも記述した通り、私も親の戦い方を意識しながら対局に臨んだ。

1回戦 東2局 親番

東1局に先制リーチを打ち、5,200をアガってむかえた親番。
3巡目にツモ五筒、4巡目にツモ七筒でこ のような形となる。

二索三索二筒三筒四筒五筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒  ドラ七索

親でリーチを打てば5,800、ツモれば2,600オールとそこそこの打点であり、普段ではリーチを打つことが多いのだが、1回戦という事もありどこまで手が伸びるか様子を見てみることにした。
次巡ツモ六筒で打三索。7巡目でツモ一筒五筒待ち24,000テンパイ。
更にツモ一筒一筒四筒七筒に変化。

その後

一筒一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒  ツモ一筒

この12,000オールという最高の形でのアガリとなった。

一索四索待ちでリーチを打っていれば、一索の出アガリかテンパイ連荘といったところで、正直このアガリで、今節自分はどこまでポイントを伸ばせるのかと、勝負はまだ始まったばかりなのに思っていた。

1回戦はこのアガリもありデカトップで終了。

2回戦 東1局 親

終盤国士のテンパイ北待ち。場に3枚切れ。

一万九万一索九索九索一筒九筒東南西白発中  ドラ九索

しかし王牌に阻まれて4人テンパイで流局。

南1局、親で高め11,600の三筒六筒九筒リーチを打つも、大門さんの追っかけリーチに競り負け1,300・2,600の親かぶり。

そしてラス前にテンパイ料で削られ、オーラスも点棒横移動で、22,700の1人沈みをなり暗雲が立ち込める。

その予感は当たり3回戦・4回戦でアガリ0。それだけでなく、
一段目での8,000を2回放銃や、6,000オールでの失点等でプラスどころか1444で、1人沈みを喰らい続け▲32.3Pというふがいない結果で対局は終了となった。

1節を引き継いでからの、自分の麻雀のふがいなさには嫌気が差す。
1節目に、素晴らしい対局を見せてくれたダンプ大橋プロには合わせる顔もない。
残るは最終戦、ポイント的には厳しい戦いになるだろうが、上位陣を崩せれば+80オーバーでなんとか滑り込めるといったところだろう。

他の卓に目を向けて見ると、押川さん・久保さんがポイントを伸ばし100ポイントオーバー。
押川さんに至っては、+180.5Pとほぼ決勝進出濃厚といったところ。
木下さんもポイントを伸ばし上位4名に名を連ねた。

全体的に今節は上位陣が崩れず、ポイ ントを伸ばしたり、ほぼ現状維持と、後を追う立場としては苦しい展開ではある。
現状プロでも決勝進出に近いのは濱平プロの+31.4Pと、プロは厳しい順位ではあるが、各自テーマを持って対局に臨みたい。

北陸リーグでも過去最終戦でポイントを稼ぎ、見事決勝進出を果たした例もあり、どの順位からでももちろんチャンスはある。
それが麻雀の楽しさでもあり怖さでもある。

最終戦は、独特の緊張感の中での対局となることは、火を見るよりも明らかでありどのような結果になるのか楽しみである。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 押川 憲一 一般 9.0 31.3 73.5 66.7   180.5
2 久保 智央 一般 73.0 ▲ 23.2 13.3 56.3   119.4
3 宮内 俊貴 一般 69.6 ▲ 8.0 27.7 ▲ 10.1   79.2
4 木下 玄基 一般 ▲ 4.4 29.4 ▲ 15.6 66.5   75.9
5 窪田 一彦 一般 0.7 ▲ 0.2 60.1 0.4   61.0
6 栗野 健翔 一般 57.1 38.5 2.7 ▲ 37.5   60.8
7 中野 空青 一般 52.4 ▲ 33.2 28.3 2.4   49.9
8 小泉 陽平 一般 ▲ 26.1 ▲ 38.0 79.1 34.7   49.7
9 平澤 憲一 一般 ▲ 6.4 ▲ 8.5 40.4 20.4   45.9
10 高出 智宏 一般 65.2 ▲ 8.3 17.0 ▲ 38.3   35.6
11 濱平 光朗 プロ 37.3 ▲ 18.7 3.7 9.1   31.4
12 久々湊 康雄 一般 ▲ 10.5 66.5 ▲ 45.7 8.7   19.0
13 山川 眞一郎 一般 ▲ 19.0 16.7 9.7 10.8   18.2
14 木戸 僚之 プロ 75.7 ▲ 56.3 6.2 ▲ 32.3   ▲ 6.7
15 志多木 健 一般 ▲ 53.4 26.8 35.0 ▲ 30.4   ▲ 22.0
16 西田 有佑 一般 ▲ 23.6 ▲ 27.8 10.5 ▲ 3.1   ▲ 44.0
17 北川 光 一般 ▲ 14.5 69.4 ▲ 50.9 ▲ 68.0   ▲ 64.0
18 森田 有一 一般 ▲ 33.3 ▲ 11.9 ▲ 39.7 17.5   ▲ 67.4
19 大門 久輝 一般 ▲ 46.4 12.5 ▲ 74.3 24.6   ▲ 83.6
20 吉田 健彦 一般 ▲ 69.7 18.5 ▲ 24.1 ▲ 10.7   ▲ 86.0
21 後藤 正博 プロ ▲ 57.6 ▲ 8.4 ▲ 34.2 ▲ 8.5   ▲ 108.7
22 土田 江一郎 一般 ▲ 1.4 ▲ 20.8 ▲ 66.9 ▲ 19.7   ▲ 108.8
23 本田 朋広 プロ 4.0 ▲ 5.8 ▲ 53.1 ▲ 85.5   ▲ 140.4
24 安城 るい プロ ▲ 78.7 ▲ 61.5 ▲ 32.7 23.0   ▲ 149.9

北陸リーグ レポート/第13期北陸リーグ 第4節レポート

第4節組み合わせ (敬称略)
1卓安城プロ×森田×志多木×宮内
2卓平澤×北川×久保×吉田
3卓後藤プロ×木下×高出×土田
4卓栗野×小泉×窪田×中野
5卓木戸プロ×山川×西田×大門
6卓濱平プロ×本田プロ×押川×久々湊
師走に入り、冬の訪れを感じさせる寒さになり、今年も残すところあと僅かとなりました。
第13期北陸リーグも第4節となり後半戦を迎え、各自順位やポイントを意識した、競技麻雀ならではの対局が繰り広げられた。
決勝進出となる上位4名とのポイント差を見ると、この4節でポイントを伸ばせないと最終戦での戦いの幅が狭くなる。
前回のレポートでも記述した通り、私も親の戦い方を意識しながら対局に臨んだ。
1回戦 東2局 親番
東1局に先制リーチを打ち、5,200をアガってむかえた親番。
3巡目にツモ五筒、4巡目にツモ七筒でこ のような形となる。
二索三索二筒三筒四筒五筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒  ドラ七索
親でリーチを打てば5,800、ツモれば2,600オールとそこそこの打点であり、普段ではリーチを打つことが多いのだが、1回戦という事もありどこまで手が伸びるか様子を見てみることにした。
次巡ツモ六筒で打三索。7巡目でツモ一筒五筒待ち24,000テンパイ。
更にツモ一筒一筒四筒七筒に変化。
その後
一筒一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒  ツモ一筒
この12,000オールという最高の形でのアガリとなった。
一索四索待ちでリーチを打っていれば、一索の出アガリかテンパイ連荘といったところで、正直このアガリで、今節自分はどこまでポイントを伸ばせるのかと、勝負はまだ始まったばかりなのに思っていた。
1回戦はこのアガリもありデカトップで終了。
2回戦 東1局 親
終盤国士のテンパイ北待ち。場に3枚切れ。
一万九万一索九索九索一筒九筒東南西白発中  ドラ九索
しかし王牌に阻まれて4人テンパイで流局。
南1局、親で高め11,600の三筒六筒九筒リーチを打つも、大門さんの追っかけリーチに競り負け1,300・2,600の親かぶり。
そしてラス前にテンパイ料で削られ、オーラスも点棒横移動で、22,700の1人沈みをなり暗雲が立ち込める。
その予感は当たり3回戦・4回戦でアガリ0。それだけでなく、
一段目での8,000を2回放銃や、6,000オールでの失点等でプラスどころか1444で、1人沈みを喰らい続け▲32.3Pというふがいない結果で対局は終了となった。
1節を引き継いでからの、自分の麻雀のふがいなさには嫌気が差す。
1節目に、素晴らしい対局を見せてくれたダンプ大橋プロには合わせる顔もない。
残るは最終戦、ポイント的には厳しい戦いになるだろうが、上位陣を崩せれば+80オーバーでなんとか滑り込めるといったところだろう。
他の卓に目を向けて見ると、押川さん・久保さんがポイントを伸ばし100ポイントオーバー。
押川さんに至っては、+180.5Pとほぼ決勝進出濃厚といったところ。
木下さんもポイントを伸ばし上位4名に名を連ねた。
全体的に今節は上位陣が崩れず、ポイ ントを伸ばしたり、ほぼ現状維持と、後を追う立場としては苦しい展開ではある。
現状プロでも決勝進出に近いのは濱平プロの+31.4Pと、プロは厳しい順位ではあるが、各自テーマを持って対局に臨みたい。
北陸リーグでも過去最終戦でポイントを稼ぎ、見事決勝進出を果たした例もあり、どの順位からでももちろんチャンスはある。
それが麻雀の楽しさでもあり怖さでもある。
最終戦は、独特の緊張感の中での対局となることは、火を見るよりも明らかでありどのような結果になるのか楽しみである。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 押川 憲一 一般 9.0 31.3 73.5 66.7   180.5
2 久保 智央 一般 73.0 ▲ 23.2 13.3 56.3   119.4
3 宮内 俊貴 一般 69.6 ▲ 8.0 27.7 ▲ 10.1   79.2
4 木下 玄基 一般 ▲ 4.4 29.4 ▲ 15.6 66.5   75.9
5 窪田 一彦 一般 0.7 ▲ 0.2 60.1 0.4   61.0
6 栗野 健翔 一般 57.1 38.5 2.7 ▲ 37.5   60.8
7 中野 空青 一般 52.4 ▲ 33.2 28.3 2.4   49.9
8 小泉 陽平 一般 ▲ 26.1 ▲ 38.0 79.1 34.7   49.7
9 平澤 憲一 一般 ▲ 6.4 ▲ 8.5 40.4 20.4   45.9
10 高出 智宏 一般 65.2 ▲ 8.3 17.0 ▲ 38.3   35.6
11 濱平 光朗 プロ 37.3 ▲ 18.7 3.7 9.1   31.4
12 久々湊 康雄 一般 ▲ 10.5 66.5 ▲ 45.7 8.7   19.0
13 山川 眞一郎 一般 ▲ 19.0 16.7 9.7 10.8   18.2
14 木戸 僚之 プロ 75.7 ▲ 56.3 6.2 ▲ 32.3   ▲ 6.7
15 志多木 健 一般 ▲ 53.4 26.8 35.0 ▲ 30.4   ▲ 22.0
16 西田 有佑 一般 ▲ 23.6 ▲ 27.8 10.5 ▲ 3.1   ▲ 44.0
17 北川 光 一般 ▲ 14.5 69.4 ▲ 50.9 ▲ 68.0   ▲ 64.0
18 森田 有一 一般 ▲ 33.3 ▲ 11.9 ▲ 39.7 17.5   ▲ 67.4
19 大門 久輝 一般 ▲ 46.4 12.5 ▲ 74.3 24.6   ▲ 83.6
20 吉田 健彦 一般 ▲ 69.7 18.5 ▲ 24.1 ▲ 10.7   ▲ 86.0
21 後藤 正博 プロ ▲ 57.6 ▲ 8.4 ▲ 34.2 ▲ 8.5   ▲ 108.7
22 土田 江一郎 一般 ▲ 1.4 ▲ 20.8 ▲ 66.9 ▲ 19.7   ▲ 108.8
23 本田 朋広 プロ 4.0 ▲ 5.8 ▲ 53.1 ▲ 85.5   ▲ 140.4
24 安城 るい プロ ▲ 78.7 ▲ 61.5 ▲ 32.7 23.0   ▲ 149.9

第32期A2リーグ第9節レポート 刀川 昌浩

1年のリーグ戦もあと2節を残すところとなった。
今期の自分は6、7、8節と40以上のマイナスを重ねて、現在最下位の16位。 残留争いに踏みとどまるためにも、今節は大きくプラスせねばならない。
高くなりうる手を成就させること、勝負のポイントでブレーキをかける余裕はもうないということ。この二点を胸に対局に臨んだ。

開局から手が順調に伸びる。この3節はずっと手が入らないと感じてたので、今日こそはという気持ちが胸を占めていく。
親番では国士に向かうも、あっさりと佐々木プロのリーチを受けて撤退。その後も四暗刻の1シャンテンなど、自分の中では勝負となるような手が入るが、テンパイに至らず。
そして、南場の親番で佐々木プロが6巡目に一発ツモで3,900オール(競技ルールは一発役はなし)

七索七索七索八索六筒六筒七筒七筒八筒八筒発発発  リーチ  ツモ六索  ドラ三万

「今日も厳しそうだ」という気持ちが少しずつ胸に去来する。
南3局に3,900をアガリ、あと一アガリで原点復帰と意気込むも、オーラスの佐々木プロのツモアガリ。
プラスにできない苦しさが、淀んだ空気となってまとわりついてるように感じた。

2回戦目、東1局にメンタンピンドラをアガリ、幸先のよいスタートを決めることができた。

二万三万四万四万五万六万二索三索五索五索五筒六筒七筒  リーチ  ロン四索  ドラ七筒

これをきっかけに、なんとか淀んだ空気を払拭したいが、二の矢が続かない。
ここからさらに加点して、大きなトップにすることが今節のテーマだったが、親の時に勝負をさせてもらえない。
なんとかトップで終局を迎えるも、稼いだ点数としては物足りないものであった。

3回戦目も東2局にリーチジュンチャンをアガることできた。

一万三万七万八万九万一索一索七索八索九索一筒二筒三筒  リーチ  ロン二万  ドラ六万

しかし、この後がやはり続かない。それどころか、南場では親番で本手を決められ、貯金を維持するのに精一杯。
親番でのブレイクに繋げられない自分と、親番でしっかり加点してくる3人。
今節では特に、親番で麻雀をさせてもらえなかった、という印象が強く残った節となった。

そして4回戦目は、石渡プロが台風のごとくアガリ続ける。
決して石渡プロを逃してもいいと考えてたわけはなかったが、勢い的にもまるで歯が立たなかった。
力及ばず石渡プロを独走させ、それまでの貯金をなんとか守るということに専心することしかできなかった。

4回戦を終えて+7.9P。ここでマイナスならば終戦とは感じていたので、残留に向けて、なんとか可能性だけは残したというところだろうか。
蜘蛛の糸は切れず、か細くともなんとか残ってはいる。
しかし、その蜘蛛の糸への順番待ち4番手であるということは真摯に受け止めたい。

現時点ではまだ最終節の卓組は決まってないが、自分のやるべきテーマに変わりはないだろう。
4人抜けるほど大きく叩くということだけ。残留の可能性は限りなく低いが、精一杯闘うだけだ。
仮に今期で降級したとしても、それですべてが終わるわけではない。今後につながるような戦いをしたい。

さて、今期1年を通して戦って、敗因を自分なりに分析してみた。
大きく沈んでいる節には毎回、同じ共通点がある。

解説が藤崎プロの時・・・もしかして敵は 卓の外にいるのでは?(笑)
と言いたいところですが、そんなことあるはずもなく、むしろお手本としています。
負けたのは自分が弱すぎたからである。

もし次に藤崎プロに解説してもらう機会があればそこで結果を残したい。

 

編集部:最終節の対戦カード決定しました!

1/5(火)17:00~

滝沢和典 vs 紺野真太郎 vs 佐々木寿人 vs 刀川昌浩     実況:古橋崇志  解説:藤崎智

1/6(水)17:00~

櫻井秀樹 vs ダンプ大橋 vs 白鳥翔 vs 二階堂亜樹     実況:古橋崇志  解説:瀬戸熊直樹

1/12(火)17:00~

猿川真寿 vs 吉田直 vs 藤原隆弘 vs 西岡慎秦     実況:古橋崇志  解説:藤崎智

1/13(水)17:00~

石渡正志 vs 内川幸太郎 vs 柴田弘幸 vs 山田浩之     実況:古橋崇志  解説:瀬戸熊直樹

 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 対局消化数 合計
1 石渡 正志(神奈川) 97.5 19.0 14.1 ▲ 35.3 17.0 5.2 43.9 ▲ 22.2 55.0 36/40 194.2
2 内川 幸太郎(長野) ▲ 44.9 0.4 ▲ 26.4 12.7 8.6 75.0 9.9 48.2 28.9 36/40 112.4
3 柴田 弘幸(神奈川) 30.7 ▲ 2.5 ▲ 39.8 28.9 24.5 ▲ 31.2 40.1 84.3 ▲ 58.2 36/40 76.8
4 山田 浩之(兵庫) 44.4 35.5 ▲ 16.8 9.1 ▲ 1.7 26.9 20.2 1.4 ▲ 53.4 36/40 65.6
5 猿川 真寿(静岡) 44.0 ▲ 8.3 ▲ 0.6 30.5 3.9 ▲ 60.6 14.4 15.7 10.6 36/40 49.6
6 吉田 直(東京) ▲ 19.6 40.8 ▲ 14.5 ▲ 42.5 ▲ 4.8 43.3 ▲ 35.1 27.0 40.8 36/40 35.4
7 藤原 隆弘(福岡) 75.6 ▲ 15.8 40.2 ▲ 3.4 ▲ 25.9 ▲ 36.0 5.3 ▲ 9.6 ▲ 11.5 36/40 18.9
8 西岡 慎秦(岐阜) ▲ 67.4 ▲ 1.0 ▲ 8.1 9.4 33.8 21.0 ▲ 9.2 9.3 30.2 36/40 18.0
9 櫻井 秀樹(山口) ▲ 34.8 ▲ 6.6 9.1 21.0 ▲ 21.5 75.6 ▲ 40.1 ▲ 17.6 14.7 36/40 ▲ 0.2
10 滝沢 和典(新潟) ▲ 9.7 ▲ 14.3 60.0 57.4 35.1 32.4 ▲ 98.1 ▲ 38.5 ▲ 42.8 36/40 ▲ 18.5
11 ダンプ 大橋(神奈川) 12.8 ▲ 32.3 24.9 44.2 ▲ 37.6 ▲ 29.6 20.3 ▲ 35.3 9.4 36/40 ▲ 23.2
12 紺野 真太郎(静岡) ▲ 29.9 11.8 19.0 15.4 6.2 ▲ 40.7 10.0 3.6 ▲ 53.3 36/40 ▲ 57.9
13 白鳥 翔(東京) ▲ 11.2 6.3 ▲ 24.0 ▲ 50.7 ▲ 13.1 ▲ 49.6 29.7 6.9 11.6 36/40 ▲ 94.1
14 佐々木 寿人(宮城) ▲ 0.8 ▲ 40.5 ▲ 35.1 ▲ 39.4 ▲ 26.9 ▲ 40.6 67.2 11.5 ▲ 9.6 36/40 ▲ 114.2
15 二階堂 亜樹(神奈川) ▲ 69.8 ▲ 5.1 ▲ 19.9 ▲ 28.0 0.7 53.7 ▲ 24.2 ▲ 43.5 18.7 36/40 ▲ 117.4
16 刀川 昌浩(東京) ▲ 18.9 12.6 15.9 ▲ 30.3 1.7 ▲ 46.8 ▲ 55.3 ▲ 42.2 7.9 36/40 ▲ 155.4

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A2リーグ第9節レポート 刀川 昌浩

1年のリーグ戦もあと2節を残すところとなった。
今期の自分は6、7、8節と40以上のマイナスを重ねて、現在最下位の16位。 残留争いに踏みとどまるためにも、今節は大きくプラスせねばならない。
高くなりうる手を成就させること、勝負のポイントでブレーキをかける余裕はもうないということ。この二点を胸に対局に臨んだ。
開局から手が順調に伸びる。この3節はずっと手が入らないと感じてたので、今日こそはという気持ちが胸を占めていく。
親番では国士に向かうも、あっさりと佐々木プロのリーチを受けて撤退。その後も四暗刻の1シャンテンなど、自分の中では勝負となるような手が入るが、テンパイに至らず。
そして、南場の親番で佐々木プロが6巡目に一発ツモで3,900オール(競技ルールは一発役はなし)
七索七索七索八索六筒六筒七筒七筒八筒八筒発発発  リーチ  ツモ六索  ドラ三万
「今日も厳しそうだ」という気持ちが少しずつ胸に去来する。
南3局に3,900をアガリ、あと一アガリで原点復帰と意気込むも、オーラスの佐々木プロのツモアガリ。
プラスにできない苦しさが、淀んだ空気となってまとわりついてるように感じた。
2回戦目、東1局にメンタンピンドラをアガリ、幸先のよいスタートを決めることができた。
二万三万四万四万五万六万二索三索五索五索五筒六筒七筒  リーチ  ロン四索  ドラ七筒
これをきっかけに、なんとか淀んだ空気を払拭したいが、二の矢が続かない。
ここからさらに加点して、大きなトップにすることが今節のテーマだったが、親の時に勝負をさせてもらえない。
なんとかトップで終局を迎えるも、稼いだ点数としては物足りないものであった。
3回戦目も東2局にリーチジュンチャンをアガることできた。
一万三万七万八万九万一索一索七索八索九索一筒二筒三筒  リーチ  ロン二万  ドラ六万
しかし、この後がやはり続かない。それどころか、南場では親番で本手を決められ、貯金を維持するのに精一杯。
親番でのブレイクに繋げられない自分と、親番でしっかり加点してくる3人。
今節では特に、親番で麻雀をさせてもらえなかった、という印象が強く残った節となった。
そして4回戦目は、石渡プロが台風のごとくアガリ続ける。
決して石渡プロを逃してもいいと考えてたわけはなかったが、勢い的にもまるで歯が立たなかった。
力及ばず石渡プロを独走させ、それまでの貯金をなんとか守るということに専心することしかできなかった。
4回戦を終えて+7.9P。ここでマイナスならば終戦とは感じていたので、残留に向けて、なんとか可能性だけは残したというところだろうか。
蜘蛛の糸は切れず、か細くともなんとか残ってはいる。
しかし、その蜘蛛の糸への順番待ち4番手であるということは真摯に受け止めたい。
現時点ではまだ最終節の卓組は決まってないが、自分のやるべきテーマに変わりはないだろう。
4人抜けるほど大きく叩くということだけ。残留の可能性は限りなく低いが、精一杯闘うだけだ。
仮に今期で降級したとしても、それですべてが終わるわけではない。今後につながるような戦いをしたい。
さて、今期1年を通して戦って、敗因を自分なりに分析してみた。
大きく沈んでいる節には毎回、同じ共通点がある。
解説が藤崎プロの時・・・もしかして敵は 卓の外にいるのでは?(笑)
と言いたいところですが、そんなことあるはずもなく、むしろお手本としています。
負けたのは自分が弱すぎたからである。
もし次に藤崎プロに解説してもらう機会があればそこで結果を残したい。
 
編集部:最終節の対戦カード決定しました!
1/5(火)17:00~
滝沢和典 vs 紺野真太郎 vs 佐々木寿人 vs 刀川昌浩     実況:古橋崇志  解説:藤崎智
1/6(水)17:00~
櫻井秀樹 vs ダンプ大橋 vs 白鳥翔 vs 二階堂亜樹     実況:古橋崇志  解説:瀬戸熊直樹
1/12(火)17:00~
猿川真寿 vs 吉田直 vs 藤原隆弘 vs 西岡慎秦     実況:古橋崇志  解説:藤崎智
1/13(水)17:00~
石渡正志 vs 内川幸太郎 vs 柴田弘幸 vs 山田浩之     実況:古橋崇志  解説:瀬戸熊直樹
 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 対局消化数 合計
1 石渡 正志(神奈川) 97.5 19.0 14.1 ▲ 35.3 17.0 5.2 43.9 ▲ 22.2 55.0 36/40 194.2
2 内川 幸太郎(長野) ▲ 44.9 0.4 ▲ 26.4 12.7 8.6 75.0 9.9 48.2 28.9 36/40 112.4
3 柴田 弘幸(神奈川) 30.7 ▲ 2.5 ▲ 39.8 28.9 24.5 ▲ 31.2 40.1 84.3 ▲ 58.2 36/40 76.8
4 山田 浩之(兵庫) 44.4 35.5 ▲ 16.8 9.1 ▲ 1.7 26.9 20.2 1.4 ▲ 53.4 36/40 65.6
5 猿川 真寿(静岡) 44.0 ▲ 8.3 ▲ 0.6 30.5 3.9 ▲ 60.6 14.4 15.7 10.6 36/40 49.6
6 吉田 直(東京) ▲ 19.6 40.8 ▲ 14.5 ▲ 42.5 ▲ 4.8 43.3 ▲ 35.1 27.0 40.8 36/40 35.4
7 藤原 隆弘(福岡) 75.6 ▲ 15.8 40.2 ▲ 3.4 ▲ 25.9 ▲ 36.0 5.3 ▲ 9.6 ▲ 11.5 36/40 18.9
8 西岡 慎秦(岐阜) ▲ 67.4 ▲ 1.0 ▲ 8.1 9.4 33.8 21.0 ▲ 9.2 9.3 30.2 36/40 18.0
9 櫻井 秀樹(山口) ▲ 34.8 ▲ 6.6 9.1 21.0 ▲ 21.5 75.6 ▲ 40.1 ▲ 17.6 14.7 36/40 ▲ 0.2
10 滝沢 和典(新潟) ▲ 9.7 ▲ 14.3 60.0 57.4 35.1 32.4 ▲ 98.1 ▲ 38.5 ▲ 42.8 36/40 ▲ 18.5
11 ダンプ 大橋(神奈川) 12.8 ▲ 32.3 24.9 44.2 ▲ 37.6 ▲ 29.6 20.3 ▲ 35.3 9.4 36/40 ▲ 23.2
12 紺野 真太郎(静岡) ▲ 29.9 11.8 19.0 15.4 6.2 ▲ 40.7 10.0 3.6 ▲ 53.3 36/40 ▲ 57.9
13 白鳥 翔(東京) ▲ 11.2 6.3 ▲ 24.0 ▲ 50.7 ▲ 13.1 ▲ 49.6 29.7 6.9 11.6 36/40 ▲ 94.1
14 佐々木 寿人(宮城) ▲ 0.8 ▲ 40.5 ▲ 35.1 ▲ 39.4 ▲ 26.9 ▲ 40.6 67.2 11.5 ▲ 9.6 36/40 ▲ 114.2
15 二階堂 亜樹(神奈川) ▲ 69.8 ▲ 5.1 ▲ 19.9 ▲ 28.0 0.7 53.7 ▲ 24.2 ▲ 43.5 18.7 36/40 ▲ 117.4
16 刀川 昌浩(東京) ▲ 18.9 12.6 15.9 ▲ 30.3 1.7 ▲ 46.8 ▲ 55.3 ▲ 42.2 7.9 36/40 ▲ 155.4

第32期A1リーグ第9節レポート 望月 雅継

数年間の大不調を経て、数年ぶりに鳳凰位決定戦進出が狙えるかもしれないポジションで戦えることとなった第9節。
狙えるというのは少し言い過ぎで、今節の結果如何では鳳凰位決定戦を狙う権利が発生するといった方が適切な表現なのかもしれない。

それくらい厳しい状況に置かれているという認識でこの日を迎えたのは確かだ。

ここまでのポイント状況は、

古川+128.0P
前原+107.8P
望月+29.0P
伊藤▲33.5P

開始前の決定戦ボーダーが前原の+107.8P。
先に対局を終えている藤崎が、今節ポイントを大きく伸ばして+91.2Pで最終節を迎える為、上位卓で最終節を戦うためには、古川、前原を沈めた上で、藤崎とのポイント差、62.2P差を捲らなければならないという厳しい勝負になるのだ。

しかし、こんな考え方もある。
他力にはなってしまうが、今節で上位卓に入らなくても、最終節までの残り半荘8回で上位3名に入ることを意識してポイントを伸ばすことに主眼を置くという考え方だ。
どちらにしても、残り2節半荘8回で100Pを叩き出さなければならないことは間違いなく、それ相当の覚悟でこの日の対局に臨んだことは間違いない。

A1リーグの組み合わせは開幕時に発表される。
開幕時にこのような状況下となることは想像出来なかったが、どちらにしても厳しい戦いになることは容易に想定出来た。

『鳳凰位決定戦に進出出来なければ、4位も10位も同じ』

A1リーグに昇級した時から、そう思ってリーグ戦に臨んできた私。
この組み合わせが発表された時から、この第9節で決定戦に進出できる可能性のある位置で戦うことを第一目標として、今期のリーグ戦を戦ってきたつもりだ。

ここまでの成績は、それが叶うギリギリのポイントとポジション。
1年間のリーグ戦でのパフォーマンスとアクションは、全て今節の為の布石だと考えて戦ってきたし、3者の戦いを全てチェックし、この戦いだけに備えた準備をしてきたつもりだった。

1回戦、僥倖な部分も多かったがそんな想いが凝縮された内容と結果となった。

苦しい展開で局は進行していったが、東4局、待望の初アガリは前原からの2,000。ピンフドラ1のヤミテン。
続いて迎えた南1局の親番でも、古川の先制リーチを受けての古川からの1,500。今回はピンフのヤミテン。

そして1つ目の岐路が訪れた。

南1局1本場、古川から8巡目リーチが放たれる。

二万三万四万六万七万八万三索四索五索五筒六筒白白  リーチ  ドラ白

このリーチを受けての9巡目の私。

一万一万二万三万一筒一筒二筒二筒三筒七筒八筒北北  ツモ九筒  打一万  ドラ白

ここもヤミテンに構える。
A1リーグに昇級したばかりの私なら、ここは無邪気にリーチを宣言していたかもしれない。
しかしこのヤミテンにはいくつもの理由があった。

1つ目はドラの所在。
トータルでも数字を持っている古川がリーチを打つくらいであるから、古川にドラが入っている可能性が極めて高いと考えるのが普通の思考。
ドラが入っていない場合は、それ以上にアガリに自信がある形であると考えられるだろう。役アリの好形ならヤミテンを選択するはずだからだ。

さらに重要なのは、この古川のリーチを受けての前原と伊藤の動向。
特に危険なのは伊藤の方で、リーチを受ける前にソウズのリャンメンターツを払っているからだ。

伊藤と前原の手を見極めた上で、自分の動向を決める。
この構え方が本日のテーマの1つ。

手数や仕掛けの多い古川と前原。そして伊藤はA1随一のヤミテン巧者。
どこの仕掛けが本物で、どのヤミテンが高いかは、普通に座っているだけではなかなか判別がつかないケースが多い。
そうなると、自分の手格好に理由をつけての押し引きとなってしまう。その構えでは、A1リーグではなかなか勝ち越せない。
相手の得意な土俵での勝負となることも不利だろうし、何より押し引きに丁半博打的な打牌を打つのは最も拙いと考えているのだ。

それを見極める為の策。
それは今節に限り序盤はヤミテンを多用し、局面を見極めてからギリギリで押し引きや打牌を判断するということだったのだ。

事実、伊藤は10巡目、ドラの白を打ち出す。

三筒四筒五筒六筒九筒九筒南南南白発発発  ツモ四筒  打白 

ドラを打つのに相応しい跳満のヤミテン。
古川のリーチも正しいし、伊藤の押しももちろん正着。

それに比べて私の手は?
手だけなら十分勝負手だと考えても良さそうだ。しかも2連続のアガリで迎えた連荘中の勝負手だけに、リーチをしても自然だろう。

しかし、私がリーチといった場合の伊藤のアクションは恐らく違っていただろう。
2件リーチにドラを勝負するか?
私なら勝負するだろう。前原でも勝負しそうだし、瀬戸熊でも勝負するかも知れない。

だが、伊藤の打ち筋や置かれているポジションを考えたなら、ここは引く可能性も十分に考えられる。
藤崎でも引くだろうし、藤原なら絶対に勝負しない。

私のアクションで他家のアクションが変わることを嫌ったというのが正直なところ。
この勝負の行く末を見守ろうじゃないか。これ位の気持ちで局面を見つめていた。

結果は僥倖の伊藤→望月への7,700。
私が押したら伊藤は引くだろうし、そうしたら古川が勝っていた勝負かも知れない。

とにかく、局面を見極めることに一番の主眼を置いてこの日の序盤は戦っていた。
役無しシャンポンをヤミテンにしていたのも、片アガリのイーペーコーをヤミテンにして、アガれない方を先に打たれたのも全て承知の上。
それくらい、慎重に局面を見極めたかったのだ。

だから1回戦オーラス、

二索二索二索五索六索七索七索八索中中  ポン南南南  ドラ中

この跳満を引けたのはここまでの戦い方のご褒美だと思っていたし、ここからは大きく加点出来ると踏んで、2回戦以降に挑んだつもりだった。
しかし、そんなに簡単にいかないのがA1リーグ。

2回戦は我慢の展開で3着に終わると、勝負を賭けた3回戦、2,600オールスタートも、前原への12,000放銃で勝負あり。
この放銃は瀬戸熊プロが書いてくれた上級講座をご覧いただくことにして、

この放銃も、ソウズのホンイツが見えている所での勝負だっただけにダメージは残った。
常識的に考えると、役無しドラ無しでトップ目とはいえ、親の前原に勝負を挑む場面ではなかったと対局後反省した。

だが、対局中の思考は違ったのだ。

「前原さんに勝負出来るのは自分しかいない。」
「自分が引いた後に前原さんにアガリをつけられると取り返しがつかなくなる。」

どちらも素直な気持ちだし、鳳凰位決定戦を見据えた上で選んだアクションであるから後悔はしていない。
受けに受けた局面だったが、テンパイがついた一瞬だけは勝負しようと、局面判断よりも自己都合の気持ちが勝ってしまっただけに、もし時間を戻すことが出来るのならこの後の展開を見てみたいという気持ちになっているのも事実だ。

しかし、たった1回の親番の連荘で、丁寧に築き上げたものがいとも簡単に崩れ去ってしまうというA1リーグの恐ろしさを肌で感じた1日となった。

A1リーグは1年間のトータルスコアで勝敗を決める戦いだ。
毎回毎回、細かいミスで取りこぼしたポイントが多くある今期の私に、最終節良い風が吹くとは到底考えられない。
それでも、諦めの悪いのが私の取柄。ここまで苦しいながらもプラスでまとめることが出来ている事も事実だし、最終節は第9節とは打って変わって思い切り良く腕を振ってこようと思っている。
最後まで鳳凰位決定戦進出を目指して、一打一打に思いを込めた戦いを見せたいものだ。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A1リーグ第9節レポート 望月 雅継

数年間の大不調を経て、数年ぶりに鳳凰位決定戦進出が狙えるかもしれないポジションで戦えることとなった第9節。
狙えるというのは少し言い過ぎで、今節の結果如何では鳳凰位決定戦を狙う権利が発生するといった方が適切な表現なのかもしれない。
それくらい厳しい状況に置かれているという認識でこの日を迎えたのは確かだ。
ここまでのポイント状況は、
古川+128.0P
前原+107.8P
望月+29.0P
伊藤▲33.5P
開始前の決定戦ボーダーが前原の+107.8P。
先に対局を終えている藤崎が、今節ポイントを大きく伸ばして+91.2Pで最終節を迎える為、上位卓で最終節を戦うためには、古川、前原を沈めた上で、藤崎とのポイント差、62.2P差を捲らなければならないという厳しい勝負になるのだ。
しかし、こんな考え方もある。
他力にはなってしまうが、今節で上位卓に入らなくても、最終節までの残り半荘8回で上位3名に入ることを意識してポイントを伸ばすことに主眼を置くという考え方だ。
どちらにしても、残り2節半荘8回で100Pを叩き出さなければならないことは間違いなく、それ相当の覚悟でこの日の対局に臨んだことは間違いない。
A1リーグの組み合わせは開幕時に発表される。
開幕時にこのような状況下となることは想像出来なかったが、どちらにしても厳しい戦いになることは容易に想定出来た。
『鳳凰位決定戦に進出出来なければ、4位も10位も同じ』
A1リーグに昇級した時から、そう思ってリーグ戦に臨んできた私。
この組み合わせが発表された時から、この第9節で決定戦に進出できる可能性のある位置で戦うことを第一目標として、今期のリーグ戦を戦ってきたつもりだ。
ここまでの成績は、それが叶うギリギリのポイントとポジション。
1年間のリーグ戦でのパフォーマンスとアクションは、全て今節の為の布石だと考えて戦ってきたし、3者の戦いを全てチェックし、この戦いだけに備えた準備をしてきたつもりだった。
1回戦、僥倖な部分も多かったがそんな想いが凝縮された内容と結果となった。
苦しい展開で局は進行していったが、東4局、待望の初アガリは前原からの2,000。ピンフドラ1のヤミテン。
続いて迎えた南1局の親番でも、古川の先制リーチを受けての古川からの1,500。今回はピンフのヤミテン。
そして1つ目の岐路が訪れた。
南1局1本場、古川から8巡目リーチが放たれる。
二万三万四万六万七万八万三索四索五索五筒六筒白白  リーチ  ドラ白
このリーチを受けての9巡目の私。
一万一万二万三万一筒一筒二筒二筒三筒七筒八筒北北  ツモ九筒  打一万  ドラ白
ここもヤミテンに構える。
A1リーグに昇級したばかりの私なら、ここは無邪気にリーチを宣言していたかもしれない。
しかしこのヤミテンにはいくつもの理由があった。
1つ目はドラの所在。
トータルでも数字を持っている古川がリーチを打つくらいであるから、古川にドラが入っている可能性が極めて高いと考えるのが普通の思考。
ドラが入っていない場合は、それ以上にアガリに自信がある形であると考えられるだろう。役アリの好形ならヤミテンを選択するはずだからだ。
さらに重要なのは、この古川のリーチを受けての前原と伊藤の動向。
特に危険なのは伊藤の方で、リーチを受ける前にソウズのリャンメンターツを払っているからだ。
伊藤と前原の手を見極めた上で、自分の動向を決める。
この構え方が本日のテーマの1つ。
手数や仕掛けの多い古川と前原。そして伊藤はA1随一のヤミテン巧者。
どこの仕掛けが本物で、どのヤミテンが高いかは、普通に座っているだけではなかなか判別がつかないケースが多い。
そうなると、自分の手格好に理由をつけての押し引きとなってしまう。その構えでは、A1リーグではなかなか勝ち越せない。
相手の得意な土俵での勝負となることも不利だろうし、何より押し引きに丁半博打的な打牌を打つのは最も拙いと考えているのだ。
それを見極める為の策。
それは今節に限り序盤はヤミテンを多用し、局面を見極めてからギリギリで押し引きや打牌を判断するということだったのだ。
事実、伊藤は10巡目、ドラの白を打ち出す。
三筒四筒五筒六筒九筒九筒南南南白発発発  ツモ四筒  打白 
ドラを打つのに相応しい跳満のヤミテン。
古川のリーチも正しいし、伊藤の押しももちろん正着。
それに比べて私の手は?
手だけなら十分勝負手だと考えても良さそうだ。しかも2連続のアガリで迎えた連荘中の勝負手だけに、リーチをしても自然だろう。
しかし、私がリーチといった場合の伊藤のアクションは恐らく違っていただろう。
2件リーチにドラを勝負するか?
私なら勝負するだろう。前原でも勝負しそうだし、瀬戸熊でも勝負するかも知れない。
だが、伊藤の打ち筋や置かれているポジションを考えたなら、ここは引く可能性も十分に考えられる。
藤崎でも引くだろうし、藤原なら絶対に勝負しない。
私のアクションで他家のアクションが変わることを嫌ったというのが正直なところ。
この勝負の行く末を見守ろうじゃないか。これ位の気持ちで局面を見つめていた。
結果は僥倖の伊藤→望月への7,700。
私が押したら伊藤は引くだろうし、そうしたら古川が勝っていた勝負かも知れない。
とにかく、局面を見極めることに一番の主眼を置いてこの日の序盤は戦っていた。
役無しシャンポンをヤミテンにしていたのも、片アガリのイーペーコーをヤミテンにして、アガれない方を先に打たれたのも全て承知の上。
それくらい、慎重に局面を見極めたかったのだ。
だから1回戦オーラス、
二索二索二索五索六索七索七索八索中中  ポン南南南  ドラ中
この跳満を引けたのはここまでの戦い方のご褒美だと思っていたし、ここからは大きく加点出来ると踏んで、2回戦以降に挑んだつもりだった。
しかし、そんなに簡単にいかないのがA1リーグ。
2回戦は我慢の展開で3着に終わると、勝負を賭けた3回戦、2,600オールスタートも、前原への12,000放銃で勝負あり。
この放銃は瀬戸熊プロが書いてくれた上級講座をご覧いただくことにして、
この放銃も、ソウズのホンイツが見えている所での勝負だっただけにダメージは残った。
常識的に考えると、役無しドラ無しでトップ目とはいえ、親の前原に勝負を挑む場面ではなかったと対局後反省した。
だが、対局中の思考は違ったのだ。
「前原さんに勝負出来るのは自分しかいない。」
「自分が引いた後に前原さんにアガリをつけられると取り返しがつかなくなる。」
どちらも素直な気持ちだし、鳳凰位決定戦を見据えた上で選んだアクションであるから後悔はしていない。
受けに受けた局面だったが、テンパイがついた一瞬だけは勝負しようと、局面判断よりも自己都合の気持ちが勝ってしまっただけに、もし時間を戻すことが出来るのならこの後の展開を見てみたいという気持ちになっているのも事実だ。
しかし、たった1回の親番の連荘で、丁寧に築き上げたものがいとも簡単に崩れ去ってしまうというA1リーグの恐ろしさを肌で感じた1日となった。
A1リーグは1年間のトータルスコアで勝敗を決める戦いだ。
毎回毎回、細かいミスで取りこぼしたポイントが多くある今期の私に、最終節良い風が吹くとは到底考えられない。
それでも、諦めの悪いのが私の取柄。ここまで苦しいながらもプラスでまとめることが出来ている事も事実だし、最終節は第9節とは打って変わって思い切り良く腕を振ってこようと思っている。
最後まで鳳凰位決定戦進出を目指して、一打一打に思いを込めた戦いを見せたいものだ。

第11期静岡プロリーグ 第4,5,6,7,8節レポート

第4節レポート

静岡リーグ第4節。
静岡リーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムになる。

第4節の組み合わせ(敬称略)

1卓
望月雅継・京平遥・長内真実・平岡理恵

長打力のある選手が多く、高打点のアガリが飛び交いポイントが大きく動くことも予想されたが、終わってみると卓内トップの長内が+11.1Pと大きな変動は無かった。
望月は、今節もマイナスとなりトータルポイントが▲115Pとなったが、まだまだ焦りは無いだろう。
毎年、夏になると調子を上げてくるだけに、次節以降の戦いが楽しみなところだ。

2卓
太田昌樹・杉村泰治・徳永翔・越川清一

首位の太田・2位の杉村・3位の徳永・前期の覇者 越川の組み合わせ。
1回戦は徳永、2回戦は越川、3回戦は太田、4回戦は杉村と、トップを分け合う結果となったが、3・2・2・1とラスを引かなかった杉村が+33.4Pで太田を捲くり首位となった。

3卓
鈴木秀幸×鈴木郁孝×山本拓哉×中寿文

この卓は、5位の山本が2・2・2・1と安定感のある戦い方を見せ、ポイントを上積みした。
また、鈴木秀幸が+25Pとして6位に浮上してきた。

4卓
岡本和也・平野敬悟・渡辺洋巳・土屋幸弘

平野が、浮きの3着の後3連勝として+65.1Pで4位に浮上した。
私も同卓だったが、平野は派手なアガリは無いが、放銃が少なく最速の手組みでアガリを積み上げていった。

5卓
鷲見隼人・坪井哲也・石原将樹・鈴木雅人

この卓は、鷲見が大暴れ。
2・1・1・1の+91.7Pで、一気に3位へとジャンプアップ。
試合後に鷲見にインタビューさせてもらったが、
「いやー、取りこぼしが沢山あった。今日は、+150Pいけたのになぁー!!」
と笑顔で話してくれた。

4節が終わり、上位がポイントを伸ばしたことで縦長の展開になり始めた。
まだ慌てる段階では無いが、各選手が残りあと5節をどうまとめていくか楽しみである。

 

第5節レポート

静岡リーグ第5節。
静岡リーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムになる。
まだ折り返し地点に差し掛かったところだが、4節を終えた時点で首位から最下位まで、270Pの差が開き縦長の状況となっている。
ポイントマイナス者は、早く借金を返済し後半戦に繋ぎたい。
また、上位陣は更なるポイントの上積みで、決勝進出を決定付けたいところである。

第5節の組み合わせ(敬称略)

1卓
太田昌樹・京平遥・石原将樹・土屋幸弘

現状2位の太田がリードして行く展開になると予想していたが、3回戦を終えた時点で2着1回、3着2回と苦しい展開となっていた。
逆に調子が良かったのは私で1着2回、2着1回と+50Pオーバーとしていた。
ここは上位者のポイントを削るチャンスと意気込んで4回戦目に挑んだのだが、太田が不調ながらも絶妙な卓廻しでトップを取り、今節をきっちりプラスで終了した。

2卓
鈴木秀幸・杉村泰治・長内真実・鈴木雅人

首位の杉村が、どこまでポイントを伸ばせるか注目される試合となった。
1回戦、その杉村がトップを取る。
そして、3回戦では6万点を超える大きなトップでポイントを上積みし、決勝へ向けて大きく前進した。
また、卓内トップは鈴木秀幸。
安定した試合運びで、4回戦すべてをプラスにまとめ、決勝ボーダーを越えることに成功した。

3卓
鷲見隼人・平野敬悟・山本拓哉・越川清一

この卓は、激しい打撃戦となった。
1回戦は、越川が+49.8Pのトップ。
2回戦は、平野が+33.5Pのトップ。
4回戦は、鷲見が+33.4Pのトップ。

3者の打撃戦となり、山本には苦しい展開となった。
しかし、我慢強く辛抱し失点を最小限に抑えたのが印象的だった。
打撃戦に打ち勝ったのは、鷲見と平野。
決勝戦の椅子を狙える好位置へと順位を上げてきた。

(別日対局)
望月雅継・坪井哲也・渡辺洋巳・中寿文
岡本和也・鈴木郁孝・徳永翔・平岡理恵

5節は、上位の杉村と太田がポイントを上積みし、決勝へ向けて前進する結果となった。
また、鈴木秀幸・徳永が大きくプラスして上位に食い込むことに成功した。

残るはあと4節。
まだ焦る段階では無いが、各選手ともにテーマが明確になってきた。
これから、さまざまな駆け引きが繰り広げられることになるだろう。
暦ではもう秋になるが、静岡リーグの熱い戦いはこれから過熱して行く。

 

第6節レポート

静岡プロリーグ第6節。
静岡プロリーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムとなる。

今節は、諸事情により別日対局が3卓となった。
結果は、上位陣がポイントを伸ばして、決勝戦へ向け歩みを進めることとなった。
大きくポイントを伸ばしたのは京平と私になるが、注目したいのは杉村の安定感だ。
我慢の時間帯が多かったが少ないチャンスをものにして、今節をきっちりとプラスにした。

第6節の組み合わせ(敬称略)

1卓
望月雅継(18位)・杉村泰治(1位)・山本拓哉8位)・土屋幸弘(5位)

首位の杉村に大きくポイントを上積みされてしまうと、決勝戦の椅子が1つ決まってしまう。また、下位の望月は最低限プラスが必要となるため、大きく腕を振って攻めてくる可能性が高い。
私は、杉村への放銃は出来るだけ避けることと、望月が好調な時は我慢して頭を下げることを心に留めて試合に挑んだ。

1回戦は、小さいながらも私がトップを取る。
2着は望月、杉村は浮きの3着となった。
そして、2回戦は杉村がトップを取り、今節も順調にポイントを伸ばしていく。
3回戦は、私が親番で6,000オールと4,000オールをアガリ、1人浮きのトップを取ることができた。
杉村は、苦しみながらも上手いゲーム回しで2着をキープした。
3回戦を終えた時点で私のポイントは+75P、このまま首位まで突き抜けようと気合を入れて4回戦に挑んだ。
しかし、4回戦はここまで苦しい展開だった望月の時間帯となる。
望月は親番で連チャンを重ね、66,000点まで点棒を掻き集めて今節をプラスで終えた。
ここでも杉村は、少ないチャンスをものにして浮きの2着をキープした。

第6節成績
土屋+64.3P 杉村+19.2P 望月+13.4P 山本▲96.9P

2卓
鷲見隼人(7位)・京平遥(9位)・徳永翔(3位)・中寿文(13位)

この卓は、攻撃力の高い選手が揃ったこともあり、高打点の飛び交う激しい打撃戦となった。
1・2回戦は京平が、55,900点と49,000点の連続トップでポイントを伸ばした。
3回戦もこの勢いでポイントを積み上げて行きたいところだったが、1・2回戦とラスを食わされた鷲見が京平に待ったをかける。
これ以上マイナスになると、残り3節の条件が非常に厳しくなってしまう鷲見は、京平の攻撃を交わし52,900点のトップを取り、息を吹き返した。
4回戦は、今節をどうしてもプラスにしたい中が意地を見せ、62,000点の大きなトップを取った。

第6節成績
京平+35.4P 中+11.0P 鷲見▲11.6P 徳永▲34.8P

(別日対局)
岡本和也・坪井哲也・長内真実・越川清一
太田昌樹・鈴木郁孝・渡辺洋巳・鈴木雅人
鈴木秀幸・平野敬悟・石原将樹・平岡理恵

第6節が終わり、首位の鈴木秀幸と杉村泰治がポイントを上積みして、+200Pを超えてきた。
安定感のあるこの二人が、大きく崩れるのは考えづらい。
そのため、下位の選手は厳しくなってきたが、まだ全選手に決勝戦進出の可能性は残されている。

泣いても笑っても、残すはあと3節。
静岡プロリーグは、いよいよ終盤戦へ突入していく。

 

第7節レポート

静岡プロリーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムとなる。

6節を終了した時点で、首位 鈴木秀幸203.5P、2位 杉村泰治 200.7P、3位 土屋幸弘157.6P、ボーダーラインの4位は太田昌樹 145.6P となっている。

第7節 組み合わせ(敬称略)

1卓
太田昌樹(4位)・平野敬悟(6位)・渡辺洋巳(17位)・土屋幸弘(3位)

この卓は、上位3名と17位 渡辺の組み合わせとなった。

1回戦は、少ないチャンスを確実にアガリに結び付けることができ、私がトップを取ることが出来た。
しかし、ポイントに余裕ができたことから、少し踏み込みを深くしたのが裏目となり、2・3回戦は連続ラスとなりポイントを吐き出してしまう。
2回戦 渡辺・3回戦 平野・4回戦 太田 と仲良く1回ずつトップを分け合ったが、放銃の少なかった太田と平野がポイントを伸ばす結果となった。

第7節成績
太田+17.2P 平野+12.1P 土屋▲5.8P 渡辺▲23.5P

2卓
鈴木秀幸(1位)・岡本和也(14位)・鷲見隼人(8位)・中寿文(15位)

この卓は、首位の鈴木秀幸が1・2回戦をトップ、3回戦を2着にまとめポイントを上積みすることに成功した。
これで決勝戦の椅子は、一つ決まったと考えても良いだろう。
試合後に鈴木秀幸に話を聞くことができたが、
「ポイントを持っているので、今節は大事にいこうと考えていた。
1. 2回戦とトップを取れたので、選択肢が増え余裕を持って戦うことができた。
次節も無理をしないで慎重にいこうと思う。」
と笑顔で話してくれた。

第6節成績
鈴木秀幸+50.7P 中+0.2P 岡本▲23.0P 鷲見▲47.9P

(別日対局)
望月雅継・越川清一・鈴木雅人・平岡理恵
鈴木郁孝・石原将樹・長内真実・徳永翔
坪井哲也・京平遥・杉村泰治・山本拓哉

まだ別日対局が残っているが、残すはあと2節となった。
最終節の組み合わせは、3卓のまわり順となるため次の第8節は大事な戦いとなる。
静岡プロリーグ戦は、いよいよ終盤戦へと突入する。

 

第8節レポート

静岡プロリーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムとなる。

7節を終了した時点で、首位:鈴木秀幸 +254.2P、2位:杉村泰治 +200.7P、3位:太田昌樹 +162.8P、ボーダーラインの4位は 土屋幸弘 +151.8P となっている。

第8節 組み合わせ(敬称略)

1卓
太田昌樹(3位)×平野敬悟(6位)×長内真実(12位)×中寿文(13位)

昨年のファイナリスト長内が、決勝進出に望みを繋ぐため序盤から攻め込み1回戦トップを取る。そして、2回戦も勢いそのままに6万点オーバーの1人浮きのトップ。

このまま長内がリードしていく展開になると予想されたが、太田と平野が待ったをかけ、
3回戦は太田、4回戦は平野がトップとなった。
太田は+22.6Pとなり、決勝進出に向け大きく前進した。
また、平野は最終節へ望みを繋いだ。

第7節成績
長内 +51.3P 太田 +22.8P 平野 ▲14.6P 中 ▲59.5P

2卓
鈴木秀幸(1位)×坪井哲也(8位)×徳永翔(7位)×土屋幸弘(4位)

この卓は全員に決勝進出の可能性があるが、鈴木秀はポイントに余裕があるため坪井・徳永・土屋の叩き合いになると予想していた。
私は、現状ボーダーラインの4位というポジションということから、今節はあまり無理をしないで最終節を迎えようと考えていた。
対局が始まると、徳永が3,900オールを含む親の連チャンで主導権を掴む。
東場は徳永の1人舞台となり他の3人は防戦一方となったが、南場の私の親番でチャンスが訪れる。
12000点のテンパイをヤミテンで構え、徳永からの直撃に成功する。
ここから私の連チャンが始まり1回戦は私がトップを取り、2回戦も勢いそのままに1人浮きのトップとなった。
3回戦は、徳永が四暗刻をツモリ決勝進出への望みを繋いだ。

第7節成績
土屋 +82.6P ・坪井 +6.9P 徳永 ▲46.3P 鈴木秀 ▲103.2P

3卓
岡本和也(14位)×京平遥(5位)×山本拓哉(9位)×鈴木雅人(16位)

3卓は、京平と山本がどこまでポイントを伸ばせるか注目された。
1回戦は京平、2回戦は山本がトップを取りポイントを伸ばしていく。
そして3回戦・4回戦と京平がトップを取り大きくポイントを伸ばしてトータル2位へ浮上した。

第7節成績
京平 +86.7P 山本 +33.0P 鈴木雅 ▲31.3P 岡本 ▲88.4P

4卓
鷲見隼人(11位)×杉村泰治(2位)×渡辺洋巳(19位)×平岡理恵(15位)

2位の杉村にとっては戦いやすい組み合わせかと思われたが、1・2回戦と連続ラスの苦しい展開になる。
しかし、ここから意地を見せ3回戦トップ・4回戦をプラスの2着にまとめて最小限のマイナスに抑え、ボーダーラインとなる4位に踏み止まった。

第6節成績
平岡 +33.8P 渡辺 +9.4P 鷲見 ▲19.8P 杉村 ▲24.4P

(別日対局)
望月雅継×鈴木郁孝×石原将樹×越川清一

第8節を終了した時点で、首位:土屋幸弘 +234.4P、2位:京平遥 +212.3P、3位:太田昌樹 +198.5P、ボーダーラインの4位は 杉村泰治 170.4P となった。
最終節の組み合わせは、上位3卓によるまわり順となる。
静岡プロリーグは、次節いよいよ最終節。

果たして、決勝戦の切符は誰の手に!

静岡プロリーグ レポート/第11期静岡プロリーグ 第4,5,6,7,8節レポート

第4節レポート
静岡リーグ第4節。
静岡リーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムになる。
第4節の組み合わせ(敬称略)
1卓
望月雅継・京平遥・長内真実・平岡理恵
長打力のある選手が多く、高打点のアガリが飛び交いポイントが大きく動くことも予想されたが、終わってみると卓内トップの長内が+11.1Pと大きな変動は無かった。
望月は、今節もマイナスとなりトータルポイントが▲115Pとなったが、まだまだ焦りは無いだろう。
毎年、夏になると調子を上げてくるだけに、次節以降の戦いが楽しみなところだ。
2卓
太田昌樹・杉村泰治・徳永翔・越川清一
首位の太田・2位の杉村・3位の徳永・前期の覇者 越川の組み合わせ。
1回戦は徳永、2回戦は越川、3回戦は太田、4回戦は杉村と、トップを分け合う結果となったが、3・2・2・1とラスを引かなかった杉村が+33.4Pで太田を捲くり首位となった。
3卓
鈴木秀幸×鈴木郁孝×山本拓哉×中寿文
この卓は、5位の山本が2・2・2・1と安定感のある戦い方を見せ、ポイントを上積みした。
また、鈴木秀幸が+25Pとして6位に浮上してきた。
4卓
岡本和也・平野敬悟・渡辺洋巳・土屋幸弘
平野が、浮きの3着の後3連勝として+65.1Pで4位に浮上した。
私も同卓だったが、平野は派手なアガリは無いが、放銃が少なく最速の手組みでアガリを積み上げていった。
5卓
鷲見隼人・坪井哲也・石原将樹・鈴木雅人
この卓は、鷲見が大暴れ。
2・1・1・1の+91.7Pで、一気に3位へとジャンプアップ。
試合後に鷲見にインタビューさせてもらったが、
「いやー、取りこぼしが沢山あった。今日は、+150Pいけたのになぁー!!」
と笑顔で話してくれた。
4節が終わり、上位がポイントを伸ばしたことで縦長の展開になり始めた。
まだ慌てる段階では無いが、各選手が残りあと5節をどうまとめていくか楽しみである。
 
第5節レポート
静岡リーグ第5節。
静岡リーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムになる。
まだ折り返し地点に差し掛かったところだが、4節を終えた時点で首位から最下位まで、270Pの差が開き縦長の状況となっている。
ポイントマイナス者は、早く借金を返済し後半戦に繋ぎたい。
また、上位陣は更なるポイントの上積みで、決勝進出を決定付けたいところである。
第5節の組み合わせ(敬称略)
1卓
太田昌樹・京平遥・石原将樹・土屋幸弘
現状2位の太田がリードして行く展開になると予想していたが、3回戦を終えた時点で2着1回、3着2回と苦しい展開となっていた。
逆に調子が良かったのは私で1着2回、2着1回と+50Pオーバーとしていた。
ここは上位者のポイントを削るチャンスと意気込んで4回戦目に挑んだのだが、太田が不調ながらも絶妙な卓廻しでトップを取り、今節をきっちりプラスで終了した。
2卓
鈴木秀幸・杉村泰治・長内真実・鈴木雅人
首位の杉村が、どこまでポイントを伸ばせるか注目される試合となった。
1回戦、その杉村がトップを取る。
そして、3回戦では6万点を超える大きなトップでポイントを上積みし、決勝へ向けて大きく前進した。
また、卓内トップは鈴木秀幸。
安定した試合運びで、4回戦すべてをプラスにまとめ、決勝ボーダーを越えることに成功した。
3卓
鷲見隼人・平野敬悟・山本拓哉・越川清一
この卓は、激しい打撃戦となった。
1回戦は、越川が+49.8Pのトップ。
2回戦は、平野が+33.5Pのトップ。
4回戦は、鷲見が+33.4Pのトップ。
3者の打撃戦となり、山本には苦しい展開となった。
しかし、我慢強く辛抱し失点を最小限に抑えたのが印象的だった。
打撃戦に打ち勝ったのは、鷲見と平野。
決勝戦の椅子を狙える好位置へと順位を上げてきた。
(別日対局)
望月雅継・坪井哲也・渡辺洋巳・中寿文
岡本和也・鈴木郁孝・徳永翔・平岡理恵
5節は、上位の杉村と太田がポイントを上積みし、決勝へ向けて前進する結果となった。
また、鈴木秀幸・徳永が大きくプラスして上位に食い込むことに成功した。
残るはあと4節。
まだ焦る段階では無いが、各選手ともにテーマが明確になってきた。
これから、さまざまな駆け引きが繰り広げられることになるだろう。
暦ではもう秋になるが、静岡リーグの熱い戦いはこれから過熱して行く。
 
第6節レポート
静岡プロリーグ第6節。
静岡プロリーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムとなる。
今節は、諸事情により別日対局が3卓となった。
結果は、上位陣がポイントを伸ばして、決勝戦へ向け歩みを進めることとなった。
大きくポイントを伸ばしたのは京平と私になるが、注目したいのは杉村の安定感だ。
我慢の時間帯が多かったが少ないチャンスをものにして、今節をきっちりとプラスにした。
第6節の組み合わせ(敬称略)
1卓
望月雅継(18位)・杉村泰治(1位)・山本拓哉8位)・土屋幸弘(5位)
首位の杉村に大きくポイントを上積みされてしまうと、決勝戦の椅子が1つ決まってしまう。また、下位の望月は最低限プラスが必要となるため、大きく腕を振って攻めてくる可能性が高い。
私は、杉村への放銃は出来るだけ避けることと、望月が好調な時は我慢して頭を下げることを心に留めて試合に挑んだ。
1回戦は、小さいながらも私がトップを取る。
2着は望月、杉村は浮きの3着となった。
そして、2回戦は杉村がトップを取り、今節も順調にポイントを伸ばしていく。
3回戦は、私が親番で6,000オールと4,000オールをアガリ、1人浮きのトップを取ることができた。
杉村は、苦しみながらも上手いゲーム回しで2着をキープした。
3回戦を終えた時点で私のポイントは+75P、このまま首位まで突き抜けようと気合を入れて4回戦に挑んだ。
しかし、4回戦はここまで苦しい展開だった望月の時間帯となる。
望月は親番で連チャンを重ね、66,000点まで点棒を掻き集めて今節をプラスで終えた。
ここでも杉村は、少ないチャンスをものにして浮きの2着をキープした。
第6節成績
土屋+64.3P 杉村+19.2P 望月+13.4P 山本▲96.9P
2卓
鷲見隼人(7位)・京平遥(9位)・徳永翔(3位)・中寿文(13位)
この卓は、攻撃力の高い選手が揃ったこともあり、高打点の飛び交う激しい打撃戦となった。
1・2回戦は京平が、55,900点と49,000点の連続トップでポイントを伸ばした。
3回戦もこの勢いでポイントを積み上げて行きたいところだったが、1・2回戦とラスを食わされた鷲見が京平に待ったをかける。
これ以上マイナスになると、残り3節の条件が非常に厳しくなってしまう鷲見は、京平の攻撃を交わし52,900点のトップを取り、息を吹き返した。
4回戦は、今節をどうしてもプラスにしたい中が意地を見せ、62,000点の大きなトップを取った。
第6節成績
京平+35.4P 中+11.0P 鷲見▲11.6P 徳永▲34.8P
(別日対局)
岡本和也・坪井哲也・長内真実・越川清一
太田昌樹・鈴木郁孝・渡辺洋巳・鈴木雅人
鈴木秀幸・平野敬悟・石原将樹・平岡理恵
第6節が終わり、首位の鈴木秀幸と杉村泰治がポイントを上積みして、+200Pを超えてきた。
安定感のあるこの二人が、大きく崩れるのは考えづらい。
そのため、下位の選手は厳しくなってきたが、まだ全選手に決勝戦進出の可能性は残されている。
泣いても笑っても、残すはあと3節。
静岡プロリーグは、いよいよ終盤戦へ突入していく。
 
第7節レポート
静岡プロリーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムとなる。
6節を終了した時点で、首位 鈴木秀幸203.5P、2位 杉村泰治 200.7P、3位 土屋幸弘157.6P、ボーダーラインの4位は太田昌樹 145.6P となっている。
第7節 組み合わせ(敬称略)
1卓
太田昌樹(4位)・平野敬悟(6位)・渡辺洋巳(17位)・土屋幸弘(3位)
この卓は、上位3名と17位 渡辺の組み合わせとなった。
1回戦は、少ないチャンスを確実にアガリに結び付けることができ、私がトップを取ることが出来た。
しかし、ポイントに余裕ができたことから、少し踏み込みを深くしたのが裏目となり、2・3回戦は連続ラスとなりポイントを吐き出してしまう。
2回戦 渡辺・3回戦 平野・4回戦 太田 と仲良く1回ずつトップを分け合ったが、放銃の少なかった太田と平野がポイントを伸ばす結果となった。
第7節成績
太田+17.2P 平野+12.1P 土屋▲5.8P 渡辺▲23.5P
2卓
鈴木秀幸(1位)・岡本和也(14位)・鷲見隼人(8位)・中寿文(15位)
この卓は、首位の鈴木秀幸が1・2回戦をトップ、3回戦を2着にまとめポイントを上積みすることに成功した。
これで決勝戦の椅子は、一つ決まったと考えても良いだろう。
試合後に鈴木秀幸に話を聞くことができたが、
「ポイントを持っているので、今節は大事にいこうと考えていた。
1. 2回戦とトップを取れたので、選択肢が増え余裕を持って戦うことができた。
次節も無理をしないで慎重にいこうと思う。」
と笑顔で話してくれた。
第6節成績
鈴木秀幸+50.7P 中+0.2P 岡本▲23.0P 鷲見▲47.9P
(別日対局)
望月雅継・越川清一・鈴木雅人・平岡理恵
鈴木郁孝・石原将樹・長内真実・徳永翔
坪井哲也・京平遥・杉村泰治・山本拓哉
まだ別日対局が残っているが、残すはあと2節となった。
最終節の組み合わせは、3卓のまわり順となるため次の第8節は大事な戦いとなる。
静岡プロリーグ戦は、いよいよ終盤戦へと突入する。
 
第8節レポート
静岡プロリーグは全9節を戦い、上位4名が決勝戦へ進出するシステムとなる。
7節を終了した時点で、首位:鈴木秀幸 +254.2P、2位:杉村泰治 +200.7P、3位:太田昌樹 +162.8P、ボーダーラインの4位は 土屋幸弘 +151.8P となっている。
第8節 組み合わせ(敬称略)
1卓
太田昌樹(3位)×平野敬悟(6位)×長内真実(12位)×中寿文(13位)
昨年のファイナリスト長内が、決勝進出に望みを繋ぐため序盤から攻め込み1回戦トップを取る。そして、2回戦も勢いそのままに6万点オーバーの1人浮きのトップ。
このまま長内がリードしていく展開になると予想されたが、太田と平野が待ったをかけ、
3回戦は太田、4回戦は平野がトップとなった。
太田は+22.6Pとなり、決勝進出に向け大きく前進した。
また、平野は最終節へ望みを繋いだ。
第7節成績
長内 +51.3P 太田 +22.8P 平野 ▲14.6P 中 ▲59.5P
2卓
鈴木秀幸(1位)×坪井哲也(8位)×徳永翔(7位)×土屋幸弘(4位)
この卓は全員に決勝進出の可能性があるが、鈴木秀はポイントに余裕があるため坪井・徳永・土屋の叩き合いになると予想していた。
私は、現状ボーダーラインの4位というポジションということから、今節はあまり無理をしないで最終節を迎えようと考えていた。
対局が始まると、徳永が3,900オールを含む親の連チャンで主導権を掴む。
東場は徳永の1人舞台となり他の3人は防戦一方となったが、南場の私の親番でチャンスが訪れる。
12000点のテンパイをヤミテンで構え、徳永からの直撃に成功する。
ここから私の連チャンが始まり1回戦は私がトップを取り、2回戦も勢いそのままに1人浮きのトップとなった。
3回戦は、徳永が四暗刻をツモリ決勝進出への望みを繋いだ。
第7節成績
土屋 +82.6P ・坪井 +6.9P 徳永 ▲46.3P 鈴木秀 ▲103.2P
3卓
岡本和也(14位)×京平遥(5位)×山本拓哉(9位)×鈴木雅人(16位)
3卓は、京平と山本がどこまでポイントを伸ばせるか注目された。
1回戦は京平、2回戦は山本がトップを取りポイントを伸ばしていく。
そして3回戦・4回戦と京平がトップを取り大きくポイントを伸ばしてトータル2位へ浮上した。
第7節成績
京平 +86.7P 山本 +33.0P 鈴木雅 ▲31.3P 岡本 ▲88.4P
4卓
鷲見隼人(11位)×杉村泰治(2位)×渡辺洋巳(19位)×平岡理恵(15位)
2位の杉村にとっては戦いやすい組み合わせかと思われたが、1・2回戦と連続ラスの苦しい展開になる。
しかし、ここから意地を見せ3回戦トップ・4回戦をプラスの2着にまとめて最小限のマイナスに抑え、ボーダーラインとなる4位に踏み止まった。
第6節成績
平岡 +33.8P 渡辺 +9.4P 鷲見 ▲19.8P 杉村 ▲24.4P
(別日対局)
望月雅継×鈴木郁孝×石原将樹×越川清一
第8節を終了した時点で、首位:土屋幸弘 +234.4P、2位:京平遥 +212.3P、3位:太田昌樹 +198.5P、ボーダーラインの4位は 杉村泰治 170.4P となった。
最終節の組み合わせは、上位3卓によるまわり順となる。
静岡プロリーグは、次節いよいよ最終節。
果たして、決勝戦の切符は誰の手に!

第10期女流桜花決定戦 初日観戦記 魚谷 侑未

100

今年もまた冬がやって来た。
クリスマス、お正月、スキー。冬には様々なイベントがあるが、麻雀プロとして生きる私は、「決勝戦シーズン」の到来をまず一番に感じるのである。

女流桜花優勝は、麻雀の女流プロなら誰もが目指すタイトルだ。皆が頂にあるその称号へ近づこうと、魂を賭けて戦い合う。私もまたその一人である。
運と実力を兼ね備えたものだけが、女流桜花決勝という舞台に立つことを許されるのだ。

私は今年、思い叶わず打ち手として決勝戦の場に立つことは出来なかった。
しかしそれでも観戦記者として、打ち手が紡ぎあげるストーリーを伝えることはできると考えている。
私は自分が観戦記者として、記念すべき第10回目の女流桜花の一部始終を、心を込めて記していきたいと思う。

 

100
吾妻さおり
現女流桜花、2連覇中。
B2リーグ所属、21期生。
初の決勝の舞台である第8期女流桜花で優勝し、翌年には連覇を果たす。
今年は、女流桜花史上初の3連覇を賭けた戦いである。

「ニコニコ生放送で女流桜花の試合は全て見て、どなたが勝ち上がっても万全で戦えるように準備してきました。史上初の女流桜花3連覇がかかった決勝で、今出来る精一杯をお見せしたいと思います」

吾妻は女流桜花2連覇という実績はありながらも、他の3人に比べると、知名度はまだそれほど高くはない。

一万二万三万一索二索三索七索八索一筒二筒三筒南南  ツモ九索  ドラ八万

吾妻はいつでも高みを目指して麻雀を打っている。
史上初の3連覇。
それは彼女が女流トップへの階段を駆け上がるために、絶対に必要なのだ。

 

100
宮内こずえ
女流桜花リーグ戦1位通過。
C1リーグ所属、18期生。
テレビ対局での獲得タイトルはかなり多いが、プロ連盟のタイトル戦の優勝経験はない。

「連盟初タイトルがどうしても欲しいです。なんとしても今年とりたいです!」

天真爛漫。
宮内にピッタリ合うとてもいいキャッチフレーズだ。

五万五万七万七万四索四索六索六索七索七索二筒二筒南  ロン南  ドラ四索

素直で純真無垢。少女の頃の気持ちをいつまで経っても忘れない。
彼女の麻雀に迷いや淀みは一切見られない。

 

100
二階堂亜樹
女流桜花リーグ戦2位通過。
A2リーグ所属、15期生。
第3期プロクイーン、第2・3期女流桜花。
女流プロでは最も高いリーグのA2リーグに所属、獲得タイトル数も女流プロの中で最多となる。
今回は久しぶりの決勝戦進出となる。

「女流桜花は、初めて連覇達成できた大切なタイトル戦です。久しぶりの決勝なのでやや緊張感はありますが、できるだけ悔いの無い麻雀を打てるよう努力します」

少女の頃から麻雀の道に身を置き、10年以上トップを走り続けてきた二階堂。

四万五万二索三索四索六索七索八索三筒三筒六筒七筒八筒  ツモ三万  ドラ八索

いつまでも謙虚さを忘れない彼女は、トップを走り続けるために日々麻雀に励む。
久しぶりのタイトル獲得となるのか。

 

100
和泉由希子
女流桜花リーグ戦3位通過。
C1リーグ所属、19期生。
テレビ対局での獲得タイトルは宮内と同じくかなり多いが、プロ連盟のタイトル戦の優勝経験はない。

「連盟タイトルにはほとんど縁が無かったので、もちろん勝ちたいですが。〔勝てる〕とは一ミリも思ってないので、負けてもともとだと思っています。腹をくくって、行くだけです」

今年は和泉にとって、いいバイオリズムなのではないか、と親友でありライバルである宮内は語る。
女流桜花決勝進出、リーグ戦でも現在は昇級ラインにいる、そして最強戦菊の陣での優勝。
前日に行われた最強戦ファイナルでは、不運にもダブリーの24,000に放銃し敗退となったが、負けを経て女流桜花に懸ける想いも更に強くなったのではないか。

四万五万五万六万六万五索六索七索九索九索六筒七筒八筒  ツモ四万  ドラ五万

弱い気持ちを捨て、腹をくくった彼女はただただ、強い。

 

100

1回戦

〔迷いのない一途な強さ〕
「ツモ。3,000・6,000」
和泉の跳満ツモから始まった女流桜花決定戦。

東1局

四万五万五万六万六万五索六索七索九索九索六筒七筒八筒  ツモ四万  ドラ五万

この手をテンパイした時、彼女に迷いはなかった。
「リーチ」
と、力強く牌を横に曲げる。

決定戦の1回戦の東1局である。
ドラ跨ぎの打たれにくい筋だとか、ヤミテンにしても高め7,700あるとか、上家の吾妻が明らかなピンズのホンイツをやっているとか・・・
ヤミテンにするための材料はいくらでもある。だが、和泉は迷わなかった。

その和泉の強さが最善の結果となった。
そしてそれは、今日1日の和泉の良い運気を象徴するかのようなアガリだった。

〔今日は和泉の日になりそうだ〕
南2局
和泉は失点もほとんどないまま親番を迎える。
9巡目に和泉は親リーチをかける。

100

その時の3者の捨て牌はこうなっている。
吾妻は捨て牌からはあまり手を育てているようには見えない。
亜樹は最初に捨てた四万が暗刻になってしまい、捨て牌のトーンだけ見ると遅くはなさそうではあるが、どうしても最初の四万の暗刻が痛く見える。
唯一、普通の捨て牌のトーンで戦えそうな捨て牌に見えるのは、宮内。
ただし、ここも親リーチを受けてまで戦えるような手になっているかはわからない。
つまり、和泉のリーチに誰も歯向かえそうな人がいない。
親リーチに全員がベタオリしてくれるというのは、親としては最高の展開なのだ。

100

和泉にとって、良い展開のリーチになりそうだ・・・と思った瞬間に一発ツモ。
しかし、プロ連盟Aルールでは一発裏ドラはないので、2,600オールだ。
他3人に反撃の猶予すら与えない和泉の一方的な攻勢が続く。

「今日は和泉の日になりそうだ」
そんな予感を感じたのは、きっと私だけではないはずだ。

1回戦の成績
和泉由希子+25.0P 二階堂亜樹▲2.0P 吾妻さおり▲6.6P 宮内こずえ▲16.4P

 

2回戦

〔昨日の負けを知って、明日また強くなれる〕

「リーチ」

2回戦東1局、和泉のダブリーから始まった。

100

和泉は前日の最強戦でダブリー七対子の24,000に放銃して敗退していた。
その鬱憤を晴らすかのような、ダブリーチートイ6,400のアガリとなった。
これに飛び込んだのは吾妻。手痛い放銃となってしまった。
吾妻は自分の手の形を崩さない牌で放銃となったが、今日の和泉の出来を考えたらここはまだ勝負所ではないと考えて、現物の二索のトイツ落としで我慢も出来たはずだ。
吾妻にとって、1回戦の東場に続き、2回戦も苦しいスタートとなった。

〔2度目の南場の底力〕

オーラスの点数状況は、
和泉45,500点
宮内32,600点
亜樹27,900点
吾妻14,000点
と、なっていた。

和泉は2連勝、ラス親の宮内はなんとか和泉を交わしたい、亜樹は浮きたい。そして、吾妻はこの点数状況ならラスを受け入れて、これ以上傷を広げない事を考えるはずだ。
・・・と、考える私の思慮が浅いのだろうか。吾妻はこの時に、もっと高いところを目指していた。

100

さて、皆さんはここから何を切るだろうか?

一気通貫を見るなら五筒切り、567の三色を見るなら一索切りだろうか。
そろそろ自分の手の方向性を決めようか・・・と考えても良い手牌だろう。

しかし、吾妻はここから九万を切った。
よくよく考えてみると、567の可能性も一気通貫の可能性もどちらもまだ追う事の出来る深い一打だと感心した。
これは自分の手牌の可能性を1つに絞らない、上を見るための一打だった。
満貫ツモでは3着には届かないが、満貫を亜樹から直撃する事が出来れば、3着まで浮上出来る。
吾妻は現在の4着を受け入れるのではなく、いつも1つでも上の順位を目指して戦っていた。

そして、吾妻の想いに応えるかのように手牌は最高の形へと変化した。

100

吾妻にしか出来ない素晴らしい手順のアガリ、最高の結果だった。

2回戦の成績
和泉由希子+23.5P 宮内こずえ+6.6P 吾妻さおり▲12.0P 二階堂亜樹▲18.1P

2回戦終了時
和泉由希子+48.5P 宮内こずえ▲9.8P 吾妻さおり▲18.6P 二階堂亜樹▲20.1P

 

3回戦

〔まだまだ和泉の勢いは止まらない〕

「リーチ」

3回戦もまた最初にリーチを打ったのは、和泉だった。

三万三万四万三索四索四索五索七筒南南南中中  ツモ七筒  ドラ八筒

6巡目のこの手牌。トイツ手とメンツ手の両天秤にかけるなら、四万切りだろうか。
しかし、和泉はメンツ手一本にする四索切りを選択。
ここまでの自分の良い状態を信じ、メンゼンでリーチをかけることにこだわった手順とした。

100

今日何度目かわからない和泉の「ツモ」の声。
2,000・4,000のツモアガリ。与えられた手牌の中で最高の結果を作り上げた。
それは和泉が、自分自身を信じて、手牌に真っ直ぐに打った結果だった。

南1局
〔麻雀とは?麻雀プロとは?〕
麻雀は持ち点を競い合うゲームである。点数の大小が勝敗を左右し、そこに美しさや芸術性が介入してくることはない。
しかしその戦いが、感情も一切なく全員が正着打を繰り返す機械のような勝負であるなら、観ている者は麻雀プロに魅了されるのだろうか?

決勝戦にはドラマがあり、物語がある。そして、それを紡いでいく選手達がいる。
その戦う姿の美しさ、観る者の目を奪うような技術、選手たちの紡ぎあげるストーリーに心惹かれていくのではないだろうか。

一万四万五万六万六万九索東東東南発中中  ツモ三万  ドラ九索

5巡目にして和泉の手牌は大物手に仕上がる予感を感じさせる。
この手なら手なりでホンイツに向かえるドラの九索を切る人が多いのではないだろうか?
しかし、和泉の選択は1枚切れの南
ドラは重ならない限り使いづらい牌だ。七索八索引きはあまり嬉しいとは言えない。
それならば、後の安全度も高い南を手に残した方が良いのではないだろうか。そんな事を解説席から見ながらぼんやりと考えていると、7巡目に親の宮内からリーチが入る。

100

宮内は三暗刻出来上がりの形のドラ単騎のリーチ。ツモれば6,000オールだ。
ヤミテンに構える人が多いであろう形だが、迷いなくリーチと踏み切れるのは宮内の天真爛漫な強さである。
このリーチを受けた時、和泉の手には切り遅れたドラが一枚浮いていた。

そして、親リーチを受け和泉の手は更に進む。

三万四万五万六万六万九索東東東発発中中

いつドラの九索が切り出されてもおかしくない形・・・だった。

和泉の次のツモは・・・九索。次のツモも・・・九索

三万四万五万六万六万九索九索九索東東東発発

いつ溢れ出るかと思われた宮内の当たり牌は、和泉によって使い切られた上に、追いかけリーチまで打たれてしまった。
こうなると、もう和泉がアガりまで持っていってしまう予感しか感じない。
持ってきた東をカン。嶺上牌に眠っていたのは・・・

100

そう。観ている人全員がその予感を感じていただろう。
嶺上牌は和泉のアガリ牌、発だった・・・。

観ている者の心を揺れ動かすような、素晴らしい倍満アガリ。
麻雀という競技に芸術点が加点されるとするのなら、和泉のこのアガリは間違いなく32,000点の価値があっただろう。
観る者の心に響く麻雀が打てるからこそ、麻雀プロの存在意義があり、麻雀プロがテレビ対局の舞台で輝き続ける事が出来るのだろう。

ーー感情も一切なく全員が正着打を繰り返す機械のような勝負は、果たして観ている者を魅了するのだろうか?--
その問いに対する答えが、ここにあると感じた。

3回戦の成績
和泉由希子+23.3P 宮内こずえ+4.0P 吾妻さおり▲10.1P 二階堂亜樹▲17.2P

3回戦終了時
和泉由希子+71.8P 宮内こずえ▲5.8P 吾妻さおり▲28.7P 二階堂亜樹▲37.3P

 

4回戦

和泉は3回戦を終えて3連勝。和泉のポイントは71.8P。最終戦も浮きで終える事が出来れば、かなり大きな貯金を作って初日を終了する事が出来る。
和泉にとっては最善であるが、他の3人はそれだけは避けたいところだった。

東4局
〔陥落の予感?和泉を突き落としたのはやはり・・・〕
決勝戦に残った4人には各々長所がある。宮内の長所の1つにモウタのスピードの速さが挙げられる。
いつでも同じ打牌スピードで打つ麻雀は、観ていてとても気持ちがいい。
しかし、対戦相手としては驚異である。
どんなリーチであろうと、どんな選択であろうと、宮内は迷いを一切見せる事がない。
宮内と対戦するにあたっては、相手の挙動による読みが一切入れられないのだ。

「リーチ」
いつもの迷いのない速さで宮内は決断する。
それは、2巡目の出来事だった。

100

南単騎の12,000点に放銃したのは、今までただひたすら駆け抜けてきた和泉。
もし、宮内が南北の選択やリーチ判断に一瞬躊躇して決断が遅かったりしたら?
たらればの話にはなるが、宮内がリーチ判断に迷いを見せていたら、和泉が何かしらの危険を察知して現物の一筒から切っていたかもしれない。
1枚切れの南を選ぶか、生牌の北を選ぶか。普通の人は迷いを見せるかもしれない。
でも、そこに迷いは見せない。宮内の強さが輝いた瞬間だった。

和泉が親友の手によって狂わされた歯車は、簡単には噛み合わない。
和泉は南2局、南3局と連続で5,200を放銃してしまう。
失った点数を必死に取り戻そうと足掻くが、足掻けば足掻くほど悪いように展開は運ぶ。
4回戦は和泉が大きなマイナスを背負って終了した。

4回戦の成績
宮内こずえ+29.6P 二階堂亜樹+10.6P 吾妻さおり▲8.1P 和泉由希子▲32.1P

4回戦終了時
和泉由希子+39.7P 宮内こずえ+23.8P 二階堂亜樹▲26.7P 吾妻さおり▲36.8P

和泉の大トップで終わるかと思われた決勝戦初日も、4回戦が終わってみると、上にも下にも大きく突き出す者はいないまま幕を閉じた。

良くも悪くも、初日の主役は完全に和泉だった。しかし、他の3人もそれぞれ良いところを要所に見せていた。
1日目を終えてこのポイントなら、2日目もほぼ並びの熱い勝負が観られるはずだ。
プロ連盟の女流No.1を決める戦い、女流桜花2日目もお楽しみに。

女流プロリーグ(女流桜花) 決勝観戦記/第10期女流桜花決定戦 初日観戦記 魚谷 侑未

100
今年もまた冬がやって来た。
クリスマス、お正月、スキー。冬には様々なイベントがあるが、麻雀プロとして生きる私は、「決勝戦シーズン」の到来をまず一番に感じるのである。
女流桜花優勝は、麻雀の女流プロなら誰もが目指すタイトルだ。皆が頂にあるその称号へ近づこうと、魂を賭けて戦い合う。私もまたその一人である。
運と実力を兼ね備えたものだけが、女流桜花決勝という舞台に立つことを許されるのだ。
私は今年、思い叶わず打ち手として決勝戦の場に立つことは出来なかった。
しかしそれでも観戦記者として、打ち手が紡ぎあげるストーリーを伝えることはできると考えている。
私は自分が観戦記者として、記念すべき第10回目の女流桜花の一部始終を、心を込めて記していきたいと思う。
 
100
吾妻さおり
現女流桜花、2連覇中。
B2リーグ所属、21期生。
初の決勝の舞台である第8期女流桜花で優勝し、翌年には連覇を果たす。
今年は、女流桜花史上初の3連覇を賭けた戦いである。
「ニコニコ生放送で女流桜花の試合は全て見て、どなたが勝ち上がっても万全で戦えるように準備してきました。史上初の女流桜花3連覇がかかった決勝で、今出来る精一杯をお見せしたいと思います」
吾妻は女流桜花2連覇という実績はありながらも、他の3人に比べると、知名度はまだそれほど高くはない。
一万二万三万一索二索三索七索八索一筒二筒三筒南南  ツモ九索  ドラ八万
吾妻はいつでも高みを目指して麻雀を打っている。
史上初の3連覇。
それは彼女が女流トップへの階段を駆け上がるために、絶対に必要なのだ。
 
100
宮内こずえ
女流桜花リーグ戦1位通過。
C1リーグ所属、18期生。
テレビ対局での獲得タイトルはかなり多いが、プロ連盟のタイトル戦の優勝経験はない。
「連盟初タイトルがどうしても欲しいです。なんとしても今年とりたいです!」
天真爛漫。
宮内にピッタリ合うとてもいいキャッチフレーズだ。
五万五万七万七万四索四索六索六索七索七索二筒二筒南  ロン南  ドラ四索
素直で純真無垢。少女の頃の気持ちをいつまで経っても忘れない。
彼女の麻雀に迷いや淀みは一切見られない。
 
100
二階堂亜樹
女流桜花リーグ戦2位通過。
A2リーグ所属、15期生。
第3期プロクイーン、第2・3期女流桜花。
女流プロでは最も高いリーグのA2リーグに所属、獲得タイトル数も女流プロの中で最多となる。
今回は久しぶりの決勝戦進出となる。
「女流桜花は、初めて連覇達成できた大切なタイトル戦です。久しぶりの決勝なのでやや緊張感はありますが、できるだけ悔いの無い麻雀を打てるよう努力します」
少女の頃から麻雀の道に身を置き、10年以上トップを走り続けてきた二階堂。
四万五万二索三索四索六索七索八索三筒三筒六筒七筒八筒  ツモ三万  ドラ八索
いつまでも謙虚さを忘れない彼女は、トップを走り続けるために日々麻雀に励む。
久しぶりのタイトル獲得となるのか。
 
100
和泉由希子
女流桜花リーグ戦3位通過。
C1リーグ所属、19期生。
テレビ対局での獲得タイトルは宮内と同じくかなり多いが、プロ連盟のタイトル戦の優勝経験はない。
「連盟タイトルにはほとんど縁が無かったので、もちろん勝ちたいですが。〔勝てる〕とは一ミリも思ってないので、負けてもともとだと思っています。腹をくくって、行くだけです」
今年は和泉にとって、いいバイオリズムなのではないか、と親友でありライバルである宮内は語る。
女流桜花決勝進出、リーグ戦でも現在は昇級ラインにいる、そして最強戦菊の陣での優勝。
前日に行われた最強戦ファイナルでは、不運にもダブリーの24,000に放銃し敗退となったが、負けを経て女流桜花に懸ける想いも更に強くなったのではないか。
四万五万五万六万六万五索六索七索九索九索六筒七筒八筒  ツモ四万  ドラ五万
弱い気持ちを捨て、腹をくくった彼女はただただ、強い。
 
100
1回戦
〔迷いのない一途な強さ〕
「ツモ。3,000・6,000」
和泉の跳満ツモから始まった女流桜花決定戦。
東1局
四万五万五万六万六万五索六索七索九索九索六筒七筒八筒  ツモ四万  ドラ五万
この手をテンパイした時、彼女に迷いはなかった。
「リーチ」
と、力強く牌を横に曲げる。
決定戦の1回戦の東1局である。
ドラ跨ぎの打たれにくい筋だとか、ヤミテンにしても高め7,700あるとか、上家の吾妻が明らかなピンズのホンイツをやっているとか・・・
ヤミテンにするための材料はいくらでもある。だが、和泉は迷わなかった。
その和泉の強さが最善の結果となった。
そしてそれは、今日1日の和泉の良い運気を象徴するかのようなアガリだった。
〔今日は和泉の日になりそうだ〕
南2局
和泉は失点もほとんどないまま親番を迎える。
9巡目に和泉は親リーチをかける。
100
その時の3者の捨て牌はこうなっている。
吾妻は捨て牌からはあまり手を育てているようには見えない。
亜樹は最初に捨てた四万が暗刻になってしまい、捨て牌のトーンだけ見ると遅くはなさそうではあるが、どうしても最初の四万の暗刻が痛く見える。
唯一、普通の捨て牌のトーンで戦えそうな捨て牌に見えるのは、宮内。
ただし、ここも親リーチを受けてまで戦えるような手になっているかはわからない。
つまり、和泉のリーチに誰も歯向かえそうな人がいない。
親リーチに全員がベタオリしてくれるというのは、親としては最高の展開なのだ。
100
和泉にとって、良い展開のリーチになりそうだ・・・と思った瞬間に一発ツモ。
しかし、プロ連盟Aルールでは一発裏ドラはないので、2,600オールだ。
他3人に反撃の猶予すら与えない和泉の一方的な攻勢が続く。
「今日は和泉の日になりそうだ」
そんな予感を感じたのは、きっと私だけではないはずだ。
1回戦の成績
和泉由希子+25.0P 二階堂亜樹▲2.0P 吾妻さおり▲6.6P 宮内こずえ▲16.4P
 
2回戦
〔昨日の負けを知って、明日また強くなれる〕
「リーチ」
2回戦東1局、和泉のダブリーから始まった。
100
和泉は前日の最強戦でダブリー七対子の24,000に放銃して敗退していた。
その鬱憤を晴らすかのような、ダブリーチートイ6,400のアガリとなった。
これに飛び込んだのは吾妻。手痛い放銃となってしまった。
吾妻は自分の手の形を崩さない牌で放銃となったが、今日の和泉の出来を考えたらここはまだ勝負所ではないと考えて、現物の二索のトイツ落としで我慢も出来たはずだ。
吾妻にとって、1回戦の東場に続き、2回戦も苦しいスタートとなった。
〔2度目の南場の底力〕
オーラスの点数状況は、
和泉45,500点
宮内32,600点
亜樹27,900点
吾妻14,000点
と、なっていた。
和泉は2連勝、ラス親の宮内はなんとか和泉を交わしたい、亜樹は浮きたい。そして、吾妻はこの点数状況ならラスを受け入れて、これ以上傷を広げない事を考えるはずだ。
・・・と、考える私の思慮が浅いのだろうか。吾妻はこの時に、もっと高いところを目指していた。
100
さて、皆さんはここから何を切るだろうか?
一気通貫を見るなら五筒切り、567の三色を見るなら一索切りだろうか。
そろそろ自分の手の方向性を決めようか・・・と考えても良い手牌だろう。
しかし、吾妻はここから九万を切った。
よくよく考えてみると、567の可能性も一気通貫の可能性もどちらもまだ追う事の出来る深い一打だと感心した。
これは自分の手牌の可能性を1つに絞らない、上を見るための一打だった。
満貫ツモでは3着には届かないが、満貫を亜樹から直撃する事が出来れば、3着まで浮上出来る。
吾妻は現在の4着を受け入れるのではなく、いつも1つでも上の順位を目指して戦っていた。
そして、吾妻の想いに応えるかのように手牌は最高の形へと変化した。
100
吾妻にしか出来ない素晴らしい手順のアガリ、最高の結果だった。
2回戦の成績
和泉由希子+23.5P 宮内こずえ+6.6P 吾妻さおり▲12.0P 二階堂亜樹▲18.1P
2回戦終了時
和泉由希子+48.5P 宮内こずえ▲9.8P 吾妻さおり▲18.6P 二階堂亜樹▲20.1P
 
3回戦
〔まだまだ和泉の勢いは止まらない〕
「リーチ」
3回戦もまた最初にリーチを打ったのは、和泉だった。
三万三万四万三索四索四索五索七筒南南南中中  ツモ七筒  ドラ八筒
6巡目のこの手牌。トイツ手とメンツ手の両天秤にかけるなら、四万切りだろうか。
しかし、和泉はメンツ手一本にする四索切りを選択。
ここまでの自分の良い状態を信じ、メンゼンでリーチをかけることにこだわった手順とした。
100
今日何度目かわからない和泉の「ツモ」の声。
2,000・4,000のツモアガリ。与えられた手牌の中で最高の結果を作り上げた。
それは和泉が、自分自身を信じて、手牌に真っ直ぐに打った結果だった。
南1局
〔麻雀とは?麻雀プロとは?〕
麻雀は持ち点を競い合うゲームである。点数の大小が勝敗を左右し、そこに美しさや芸術性が介入してくることはない。
しかしその戦いが、感情も一切なく全員が正着打を繰り返す機械のような勝負であるなら、観ている者は麻雀プロに魅了されるのだろうか?
決勝戦にはドラマがあり、物語がある。そして、それを紡いでいく選手達がいる。
その戦う姿の美しさ、観る者の目を奪うような技術、選手たちの紡ぎあげるストーリーに心惹かれていくのではないだろうか。
一万四万五万六万六万九索東東東南発中中  ツモ三万  ドラ九索
5巡目にして和泉の手牌は大物手に仕上がる予感を感じさせる。
この手なら手なりでホンイツに向かえるドラの九索を切る人が多いのではないだろうか?
しかし、和泉の選択は1枚切れの南
ドラは重ならない限り使いづらい牌だ。七索八索引きはあまり嬉しいとは言えない。
それならば、後の安全度も高い南を手に残した方が良いのではないだろうか。そんな事を解説席から見ながらぼんやりと考えていると、7巡目に親の宮内からリーチが入る。
100
宮内は三暗刻出来上がりの形のドラ単騎のリーチ。ツモれば6,000オールだ。
ヤミテンに構える人が多いであろう形だが、迷いなくリーチと踏み切れるのは宮内の天真爛漫な強さである。
このリーチを受けた時、和泉の手には切り遅れたドラが一枚浮いていた。
そして、親リーチを受け和泉の手は更に進む。
三万四万五万六万六万九索東東東発発中中
いつドラの九索が切り出されてもおかしくない形・・・だった。
和泉の次のツモは・・・九索。次のツモも・・・九索
三万四万五万六万六万九索九索九索東東東発発
いつ溢れ出るかと思われた宮内の当たり牌は、和泉によって使い切られた上に、追いかけリーチまで打たれてしまった。
こうなると、もう和泉がアガりまで持っていってしまう予感しか感じない。
持ってきた東をカン。嶺上牌に眠っていたのは・・・
100
そう。観ている人全員がその予感を感じていただろう。
嶺上牌は和泉のアガリ牌、発だった・・・。
観ている者の心を揺れ動かすような、素晴らしい倍満アガリ。
麻雀という競技に芸術点が加点されるとするのなら、和泉のこのアガリは間違いなく32,000点の価値があっただろう。
観る者の心に響く麻雀が打てるからこそ、麻雀プロの存在意義があり、麻雀プロがテレビ対局の舞台で輝き続ける事が出来るのだろう。
ーー感情も一切なく全員が正着打を繰り返す機械のような勝負は、果たして観ている者を魅了するのだろうか?--
その問いに対する答えが、ここにあると感じた。
3回戦の成績
和泉由希子+23.3P 宮内こずえ+4.0P 吾妻さおり▲10.1P 二階堂亜樹▲17.2P
3回戦終了時
和泉由希子+71.8P 宮内こずえ▲5.8P 吾妻さおり▲28.7P 二階堂亜樹▲37.3P
 
4回戦
和泉は3回戦を終えて3連勝。和泉のポイントは71.8P。最終戦も浮きで終える事が出来れば、かなり大きな貯金を作って初日を終了する事が出来る。
和泉にとっては最善であるが、他の3人はそれだけは避けたいところだった。
東4局
〔陥落の予感?和泉を突き落としたのはやはり・・・〕
決勝戦に残った4人には各々長所がある。宮内の長所の1つにモウタのスピードの速さが挙げられる。
いつでも同じ打牌スピードで打つ麻雀は、観ていてとても気持ちがいい。
しかし、対戦相手としては驚異である。
どんなリーチであろうと、どんな選択であろうと、宮内は迷いを一切見せる事がない。
宮内と対戦するにあたっては、相手の挙動による読みが一切入れられないのだ。
「リーチ」
いつもの迷いのない速さで宮内は決断する。
それは、2巡目の出来事だった。
100
南単騎の12,000点に放銃したのは、今までただひたすら駆け抜けてきた和泉。
もし、宮内が南北の選択やリーチ判断に一瞬躊躇して決断が遅かったりしたら?
たらればの話にはなるが、宮内がリーチ判断に迷いを見せていたら、和泉が何かしらの危険を察知して現物の一筒から切っていたかもしれない。
1枚切れの南を選ぶか、生牌の北を選ぶか。普通の人は迷いを見せるかもしれない。
でも、そこに迷いは見せない。宮内の強さが輝いた瞬間だった。
和泉が親友の手によって狂わされた歯車は、簡単には噛み合わない。
和泉は南2局、南3局と連続で5,200を放銃してしまう。
失った点数を必死に取り戻そうと足掻くが、足掻けば足掻くほど悪いように展開は運ぶ。
4回戦は和泉が大きなマイナスを背負って終了した。
4回戦の成績
宮内こずえ+29.6P 二階堂亜樹+10.6P 吾妻さおり▲8.1P 和泉由希子▲32.1P
4回戦終了時
和泉由希子+39.7P 宮内こずえ+23.8P 二階堂亜樹▲26.7P 吾妻さおり▲36.8P
和泉の大トップで終わるかと思われた決勝戦初日も、4回戦が終わってみると、上にも下にも大きく突き出す者はいないまま幕を閉じた。
良くも悪くも、初日の主役は完全に和泉だった。しかし、他の3人もそれぞれ良いところを要所に見せていた。
1日目を終えてこのポイントなら、2日目もほぼ並びの熱い勝負が観られるはずだ。
プロ連盟の女流No.1を決める戦い、女流桜花2日目もお楽しみに。

第32期A1リーグ第9節レポート 仁平 宣明

いよいよ今期のリーグ戦も大詰め。僕の成績は現状11位と完全に後がない土俵際。
今節は是が非でもプラスしなくてはいけない闘いとなった。

自分がプラスしても、現状10位のともたけが同じくらいプラスするとかなり厳しいので、とにかく自分がプラスする事は絶対だが、出来ればともたけとの50差を詰めたいという思いの中始まった。
そして対局を終えた今、なかなかこのレポートの筆が進まない。
今節はチャンスがあったのに、自らのミスでそのチャンスを逃してしまったからだ。

開局、気持ちはかなり強かったと思う。それに応えるように牌も寄ってきて、5本積んで点棒は五万点を超えた。
この時点で目標であったともたけを交わしたという事を、早くも少し意識してしまった。
まだ始まりの東1局にである。

その瞬間に親はともたけに流され、東2局、瀬戸熊のリーチに手が詰まりおりうち放銃。
だがここまではまだ良かった。
この次の局が今日の流れを決めてしまったのではないかと思う。

手牌は相変わらずいい。
東3局 西家 配牌でドラ暗刻の勝負手牌。
ツモも効いて順調に手牌が伸びている中、上家の近藤が切った八筒に、

四万四万四万六万七万五索六索五筒五筒六筒七筒東中  ドラ四万

この手牌からチーの声をかけてしまった。
確かに手牌はこれでリャンメンリャンメンのドラ暗刻1シャンテンであるが、こんなリャンメンをチーしたら、よっぽど手牌が良くない限り近藤は何もおろしてくれなくなるのが必然。
何より自分の好感触のツモを流してしまう。案の定、すぐに下家のともたけに八筒が下がってしまった。

当然、この局はともたけにさばかれ終局。
こうなると、本当に苦戦していたともたけが、オーラスに跳満ツモで浮きにまわってしまうのも納得出来る。

2回戦目はともたけを沈めて浮きの2着をとってこの時点で差を20弱とした。

3回戦
東1局、手組みはすごく良かったと思う。
第一打に九索を切ってそこからうまくソウズに寄せてメンホンテンパイ。
しかし、ここでの打牌選択がこの局の行く末を決めてしまう。

東1局 北家

一索一索六索六索七索八索八索西北北白白白  ドラ西

ここに七索ツモで上家のピンズのホンイツ模様の近藤の仕掛けが遠そうなので、今なら確実に通る西を切って誰もがツモ切りそうな北一索のシャンポン待ちを選択する。
1枚切れの北なら跳満あるし、点数的には大差ないがこの打牌が他の3人を楽にさせてしまう。

ともたけに西を合わされテンパイを入れられその後、ともたけのリーチ宣言牌を近藤に鳴かれてその鳴きで下がってきたツモが西だった。
倍満のアガリ逃しになったかどうかは微妙ではあるが、少なくともともたけのアガリは無かったように感じる。
親の瀬戸熊の不調を考えれば、ここは高め取りの方が良かったように思う。

この半荘はなかなか手が入らずやっと入った三色ドラ1の手も、近藤と手牌がぶつかって七索を掴まされ手痛い5,200の放銃となる。
ともたけはうまく局を進めプラスでこの半荘を終える。これで差は一桁になってしまった。
1回がものすごく大事な闘い。ともたけに浮かれ自分が沈んでしまうのはタブーである。

4回戦 
東4局、南家・瀬戸熊の先制リーチを受けて手牌は

一万一万五万五万一索三索三索四索四索五筒五筒東南  ドラ五筒

ここに一索を引いてテンパイ。
僕の相手はともたけであるが、今日の瀬戸熊の不調を考えるとこの瀬戸熊の親の局は自分に手が入るような気がしていた。
そしてぶつけるならこの局だとも思っていた。しかし、ここで選択をミスする。

東南の選択なのだが、東は親の瀬戸熊に打ちにくい分、2人に持たれている可能性がある。
たとえ山だとしても脇の2人からの出は期待出来ない。ここは東を勝負するべきだった。
待ち牌に南を選択していればおそらくリーチ宣言をしていたであろう。
しかしもっとも消極的な東待ちのヤミテンを選択してしまった。

実際は東南も山に3枚残っていたのだが、東は脇の2人に流れ南ならばツモっていた。
これでこの半荘は瀬戸熊モードになるであろうが、すぐに親は落ち今節最後の南場の自分の親を迎える。

この親は是が非でも落としたくない。
小さく連荘してリーチが流局した次の局、アガリよりも打点を選択してアガリ逃しをした後、親を絶対に落としたくない気持ちから、瀬戸熊のホンイツ仕掛けと近藤のドラポンに5割以上は当たる高いピンズの五筒で満貫放銃。
これは自分のスタイルでは絶対にあり得ないが、この追い込まれた状況なら他の判断が出来たかというと微妙である。

これでともたけと点棒が並び、オーラスともたけの仕掛けを見て仕掛け返してテンパイを入れてめくり合いに持ち込むが、ここで引き負けてこの日のスコアはお互い同じくらいのマイナスで、ともたけとのポイント差はふりだしに戻ってしまった。

最終節、A1に残留する為には残り4回でともたけとの50差をまくって、且つポイントが並びになった荒よりもポイントを上回らなくてはならないという厳しい条件になってしまった。

A1でここまで闘ってみて本当に別次元の凄さを経験している。
このリーグに1年でも長くいる事が自分の実力向上になる事は間違いない。
その為にも絶対にここで踏み止まらなくてはならないと思う。

今月末には最後の闘いが始まる。
それまでに自分が今出来る精一杯の準備をして、出来る全てを出し尽くして望みたいといと思う。
最高の相手と戦えるのだから。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A1リーグ第9節レポート 仁平 宣明

いよいよ今期のリーグ戦も大詰め。僕の成績は現状11位と完全に後がない土俵際。
今節は是が非でもプラスしなくてはいけない闘いとなった。
自分がプラスしても、現状10位のともたけが同じくらいプラスするとかなり厳しいので、とにかく自分がプラスする事は絶対だが、出来ればともたけとの50差を詰めたいという思いの中始まった。
そして対局を終えた今、なかなかこのレポートの筆が進まない。
今節はチャンスがあったのに、自らのミスでそのチャンスを逃してしまったからだ。
開局、気持ちはかなり強かったと思う。それに応えるように牌も寄ってきて、5本積んで点棒は五万点を超えた。
この時点で目標であったともたけを交わしたという事を、早くも少し意識してしまった。
まだ始まりの東1局にである。
その瞬間に親はともたけに流され、東2局、瀬戸熊のリーチに手が詰まりおりうち放銃。
だがここまではまだ良かった。
この次の局が今日の流れを決めてしまったのではないかと思う。
手牌は相変わらずいい。
東3局 西家 配牌でドラ暗刻の勝負手牌。
ツモも効いて順調に手牌が伸びている中、上家の近藤が切った八筒に、
四万四万四万六万七万五索六索五筒五筒六筒七筒東中  ドラ四万
この手牌からチーの声をかけてしまった。
確かに手牌はこれでリャンメンリャンメンのドラ暗刻1シャンテンであるが、こんなリャンメンをチーしたら、よっぽど手牌が良くない限り近藤は何もおろしてくれなくなるのが必然。
何より自分の好感触のツモを流してしまう。案の定、すぐに下家のともたけに八筒が下がってしまった。
当然、この局はともたけにさばかれ終局。
こうなると、本当に苦戦していたともたけが、オーラスに跳満ツモで浮きにまわってしまうのも納得出来る。
2回戦目はともたけを沈めて浮きの2着をとってこの時点で差を20弱とした。
3回戦
東1局、手組みはすごく良かったと思う。
第一打に九索を切ってそこからうまくソウズに寄せてメンホンテンパイ。
しかし、ここでの打牌選択がこの局の行く末を決めてしまう。
東1局 北家
一索一索六索六索七索八索八索西北北白白白  ドラ西
ここに七索ツモで上家のピンズのホンイツ模様の近藤の仕掛けが遠そうなので、今なら確実に通る西を切って誰もがツモ切りそうな北一索のシャンポン待ちを選択する。
1枚切れの北なら跳満あるし、点数的には大差ないがこの打牌が他の3人を楽にさせてしまう。
ともたけに西を合わされテンパイを入れられその後、ともたけのリーチ宣言牌を近藤に鳴かれてその鳴きで下がってきたツモが西だった。
倍満のアガリ逃しになったかどうかは微妙ではあるが、少なくともともたけのアガリは無かったように感じる。
親の瀬戸熊の不調を考えれば、ここは高め取りの方が良かったように思う。
この半荘はなかなか手が入らずやっと入った三色ドラ1の手も、近藤と手牌がぶつかって七索を掴まされ手痛い5,200の放銃となる。
ともたけはうまく局を進めプラスでこの半荘を終える。これで差は一桁になってしまった。
1回がものすごく大事な闘い。ともたけに浮かれ自分が沈んでしまうのはタブーである。
4回戦 
東4局、南家・瀬戸熊の先制リーチを受けて手牌は
一万一万五万五万一索三索三索四索四索五筒五筒東南  ドラ五筒
ここに一索を引いてテンパイ。
僕の相手はともたけであるが、今日の瀬戸熊の不調を考えるとこの瀬戸熊の親の局は自分に手が入るような気がしていた。
そしてぶつけるならこの局だとも思っていた。しかし、ここで選択をミスする。
東南の選択なのだが、東は親の瀬戸熊に打ちにくい分、2人に持たれている可能性がある。
たとえ山だとしても脇の2人からの出は期待出来ない。ここは東を勝負するべきだった。
待ち牌に南を選択していればおそらくリーチ宣言をしていたであろう。
しかしもっとも消極的な東待ちのヤミテンを選択してしまった。
実際は東南も山に3枚残っていたのだが、東は脇の2人に流れ南ならばツモっていた。
これでこの半荘は瀬戸熊モードになるであろうが、すぐに親は落ち今節最後の南場の自分の親を迎える。
この親は是が非でも落としたくない。
小さく連荘してリーチが流局した次の局、アガリよりも打点を選択してアガリ逃しをした後、親を絶対に落としたくない気持ちから、瀬戸熊のホンイツ仕掛けと近藤のドラポンに5割以上は当たる高いピンズの五筒で満貫放銃。
これは自分のスタイルでは絶対にあり得ないが、この追い込まれた状況なら他の判断が出来たかというと微妙である。
これでともたけと点棒が並び、オーラスともたけの仕掛けを見て仕掛け返してテンパイを入れてめくり合いに持ち込むが、ここで引き負けてこの日のスコアはお互い同じくらいのマイナスで、ともたけとのポイント差はふりだしに戻ってしまった。
最終節、A1に残留する為には残り4回でともたけとの50差をまくって、且つポイントが並びになった荒よりもポイントを上回らなくてはならないという厳しい条件になってしまった。
A1でここまで闘ってみて本当に別次元の凄さを経験している。
このリーグに1年でも長くいる事が自分の実力向上になる事は間違いない。
その為にも絶対にここで踏み止まらなくてはならないと思う。
今月末には最後の闘いが始まる。
それまでに自分が今出来る精一杯の準備をして、出来る全てを出し尽くして望みたいといと思う。
最高の相手と戦えるのだから。

第134回:プロ雀士インタビュー 童瞳 インタビュアー:藤原 隆弘

第13期プロクイーン決勝戦は、既報の通りなんと!童瞳プロの優勝で幕を閉じた。
決勝戦に残った人の誰にも優勝の権利と可能性はあるのだから「なんと!」ってのは失礼かもしれないが、和久津晶(前回優勝)茅森早香(前回準優勝)二階堂瑠美(前々回優勝)の三強に優勝予想が集中する中でまさかの勝利。
やはり「なんと!」級の快挙でした(笑)

私はいつものように、決勝戦の最初から最後まで審判長として間近で全て見ていたのですが、その私に優勝者インタビューの仕事が回ってくるとは思っていませんでした。
編集部から「藤原さんはトンちゃんがプロテストを受験したときから見ているし、よく道場でも稽古しているから、トンちゃんの事をよく知っていて適任かと、、、もしどうしても忙しくて無理なようなら他を探しますが?」と依頼され、ホントは忙しくてちょっとできるか不安に思ったが、どうしても無理というほど忙しくはないし、何よりトンちゃんには2年ちょっと前に、私がチャンピオンズリーグの3度目の優勝をしたときのインタビュー記事を書いて貰ったので、そのお返しのつもりで引き受けることにした。

100

藤原「まずは月並みだけどトンちゃんのことをあまりよく知らない人も多いと思うので簡単に紹介しておくかな。」

皆に「トンちゃん」「トンちゃん」と呼ばれているが、プロ雀士としての登録名は「童瞳(トントン)。」
生まれは中国の上海で、れっきとした中国人である。
中国人としての本名は受験の時に提出した履歴書に書いてあった。
童○○の漢字三文字で、童の字以外は日本で見たこともない漢字で、ぜんぜん読めないしメンドくさいので割愛する。

17歳(高2)のときに青森山田高校に留学、そのまま日本に残り専修大学を卒業して鉄鋼原料を扱う商社に就職。
現在は営業本部の課長として、国内、海外を飛び回るキャリアウーマンとして多忙な毎日を送っている。
血液型はA型で身長156cmとやや小柄、中国語は勿論、日本語も英語も達者で、フランス語と韓国語も少しなら話せるというバイリンガル。
12月24日生まれ

藤原「誕生日がクリスマスイブじゃんイイね。」

童瞳「プレゼントが一諸にされてしまうから損してます(笑)」

26歳のときに「麻雀プロになって麻雀格闘倶楽部に出演したい」と一念発起し連盟を受験、見事合格し26期後期生としてデビューして6年目になる。

藤原「主な戦績としては、3年目に新人王戦と野口賞の決勝に残ったね」

童瞳「どちらも全然ダメでしたが」

藤原「でも決勝戦を経験した事は必ずプラスになってる筈だから、今回が初めての決勝だったら勝ててなかったかもよ。」

藤原「プロリーグは現在C3まで昇ってきているけど、最終節でもう少し勝てば昇級あるよね。でもプロクイーン優勝の特典で来期はC2リーグ付出しとなるし、女流桜花もAリーグ付出しが決まったよ。」

童瞳「それは嬉しいことですけど、特典を受けるのが相応しかったと思われるように頑張らないと、内容や結果が悪ければプロクイーンの優勝の価値が下がりますしね。プロリーグも最終節頑張って正規の昇級を狙います。」

藤原「それは大事、オマケのような昇級に甘えないで、プロならばどんな対局も真剣に一生懸命打つべきだからね。」

藤原「連盟入会の第一目標だった麻雀格闘倶楽部出演も2年目で果たしたし、有言実行の人だよね。」

童瞳「早く希望が叶ったのはラッキーでしたけど、選抜投票戦でランキング画面に名前が載ってこなくて・・」

藤原「森山会長が[パンダの着ぐるみ着て喋る言葉の最後に~アルヨって付ければ人気出るよ(笑)]なんて冗談もおっしゃったけど、真面目なアドバイスもして下さったよね、トンちゃんのエライのはその翌日から麻雀格闘倶楽部の対局数を増やし、ブログやTwitterで積極的に発信し、ユーザーさん達とのコミュニケーションを深めたりとアドバイスを聞いて即実行してるとこだね、タイトルを取ったことでいろんなとこで出番が増えるし、きっと人気も知名度もアップするから。」

藤原「話は変わるけど、トンちゃんはメチャ酒強いよね。飲み会で酔ってるところや乱れた様子は一度も見た事ないし、顔色も変わらないもんね。」

童瞳「生まれつき強いんです、おばあちゃんが毎日水のように老酒飲んでたから遺伝ですね。一番好きなお酒は老酒で好きな食べ物は勿論中華料理(笑)」

藤原「もう1つエライと思うのが、酒席で同席してる人への気配りが凄い、飲み物のお代わりや食べ物の取り分け、灰皿や空いた器の下げものとか、トンちゃんの隣にいると何も気にしないで飲み食いしてるだけでイイ。」

童瞳「営業の仕事だから取引先との接待での宴席も多く、年配のオジ様達とのお付き合いには慣れてますから(笑)」

藤原「麻雀でも、卓上の隅々まで目が効くとか、相手の思惑を悟ることは重要な要素だからね。」

藤原「ところで、タイトル取ってから何か変わった?」

童瞳「沢山の人からお祝いの言葉をいただいたり、プレゼントもいただいたりして感謝の気持ちで一杯です、段々と実感が湧いてきて勝てて良かったって思います。元々会社は私が競技麻雀プロとして活動していることは認めてくれていたし、取引先の方々からも良かったね、おめでとうと言ってもらえるし、仕事にもプラスになってますね。」

藤原「決勝戦の麻雀について詳しく知りたい方は、白鳥プロの決勝観戦記ロン2の牌譜データーサービスを見て頂くとして、少しだけ触れようか。僕の予想では9割方格上3人の誰かが勝ち、トンちゃんがかなりツイていて、最後まで強い気持ちで闘い切ったときだけ、展開に恵まれれば僅かに可能性あるかも知れない、くらいだったけど、そのパターンになったね。初日国士無双の1シャンテンになって、和久津プロの親リーチを受けてオリてしまった局があったけど、押し切っていればテンパイが入り、和久津のマチが純カラだったから、かなり激アツだった。プロの頂上決戦だから、そんな手に汗握るシーンを観せて欲しかったけど、オリたのはトンちゃんらしくないと思ったし、そんな弱腰じゃあ勝てないと思ったが、その他はかなり強い気持ちで戦えていたし、運気もよく終始手が入ってくれたよね。細かいことをあげればダメだしの部分は何箇所もあったけど、それを補うだけの運とハートがあったっていう事だな。」

童瞳「目標は勿論優勝なんだけど、こんな素晴らしい方達と生放送の決勝戦という大舞台で麻雀が打てることが嬉しくて、意外と無欲に近い落ち着いた気持ちで打てました。」

藤原「10回戦でトップを取りトータル首位になったが、11回戦で大きなラスを引き、最終回は茅森プロと和久津プロの着順勝負、また去年と同じ2人のマッチレースだ。トンちゃんもここまでよく頑張ったけど、もうないでしょうと思ったらいきなり満貫と親跳をツモって開始2局でマクリ返したのはビックリしたね。和久津プロが脱落し、最後は茅森プロとの差しの勝負のオーラスになり終わらせれば優勝。手順に疑問はあったけども、ドラの白が鳴けて二筒五筒八筒の3面張、勝ったか?と思ったが、勝負はそんなに甘く無い。栄冠を手にする前には最後の試練がやって来るものなのだ。茅森プロの親リーチが入り(こちらも3面張)互いに引けずなかなか決着がつかないままトンちゃんの最後のツモ牌はポンしている白、加カンしないでツモ切りしたのが最後のダメ出し。ハイテイで北家が安全牌を見つけられずにトンちゃんのアタリ牌を切ったから結果オーライだったけど、普通はオリている両脇からは出ないのだから自分で決着をつけるべく嶺上牌をツモリにいくべきだった。まあ褒めてやれるのは親リーチに弱気になること無く危険牌を数枚勝負して押し切ったことだね。最後は自力で決めに行かないと勝利は掴めない、オリてアガリを逃し連荘を許すと逆転に繋がるから、そこのところはよく出来ました◎だ。」

童瞳「私が一番尊敬するプロは瀬戸熊さん!熊さんのような麻雀が打てるようになりたいと思っているから、タイムシフトとか必ず観て勉強してます。熊さんが決勝で優勝を決めに行くときの押しっぷりを真似してみました(笑)」

藤原「瀬戸君には一番教えてもらってると思うけど、トンちゃんは道場とかリーグ戦の後とかに上の人達に臆せず遠慮なく納得行くまで麻雀の質問をするよね。普通はあまりレベルの低い質問したら馬鹿にされるとか、忙しそうだから迷惑かなとか考えたりして、なかなかトンちゃんのように積極的に厚かましい程に聞けないよね(笑)それはプロとして向上するために正しい姿勢で、上の人たちは多少メンドくさいと思ったとしても、真剣な質問には必ず優しく丁寧に答えてくれるから皆さんもトントンを見習ってみたらいいかも。ところでトンちゃんは、決勝進出が決まってから数回の調整対局を組んだらしいけど、瀬戸熊、藤崎、前田と、ここ数年の鳳凰位達を稽古相手に呼び出したって聞いてビックリ!そんな面子なら俺だって休日返上してもやりたいくらいだよ。彼らも忙しい筈なのに、嫌がらずによく付き合ってくれたね。トンちゃんの人徳かねぇ羨ましい(笑)

{トンちゃんは言いたい事をハッキリ言うし好き嫌いもハッキリしているから敵も作るかもしれないが、常に明るくパワフルで行動力があり裏表が無いから付き合いやすいし味方やファンになる人も多いと思う。
その証拠に、今回の優勝の数日後、トンちゃんには内緒で遠方のファンの方が発案し、道場のお客さんや連盟の親しい仲間達が集まっての祝勝パーティーが催された。セットの麻雀と称してトンちゃんを連れてくるエスコート役が前田鳳凰位(このときはまだ最強位になる前)他の参加者は着ぐるみやペイントをして店で待ち構えており、トンちゃんを驚かすというサプライズなオープニングの楽しいパーティーだった}

100
100

写真の特注ケーキの左上部に五索(麻雀牌)のデコレーションが見えますか?
10回戦でトータルトップに立ったトンちゃんが、2番手の茅森プロの親リーチに対して勇猛果敢にカン五索待ちのリーチドラ1で追っかけた!審判席で見ていた私も椅子からコケそうになったが(嘘)応援者の皆さんもよく解ってらっしゃるようで優勝を決めたアガリ牌では無く、この牌がデコレされてました。この局の結果は茅森さんが五索を掴んで運良くトンちゃんのアガリにはなりましたが「トンちゃん勇敢と無謀は違うからね~」
また話は変わるけど、トンちゃんは体力と集中力を養うために自宅近くのジムに通って筋トレをしているそうです。
力こぶを作ると上腕筋はカッチカチ!腹筋も割れているとか(驚)トンちゃんなら女子プロレスラーでもいけただろうね。

藤原「ところで僕には似合わない質問だけど、トンちゃんもお年頃だし恋愛とか結婚とかは?」

童瞳「今は仕事と麻雀が楽しくて両方で手一杯、彼氏を見つける暇があったら麻雀していたいくらいですね(笑)」

{これでは春はまだ先の先、噂によるとイケメン好みらしいが、自信と勇気のある男性は立候補してみては?無謀か?(笑)}

藤原「プロクイーンを獲ったことで、来期からはマスターズや王位戦は本戦シード、十段戦も特別シード、女流桜花は全配信、グランプリМAXや女流日本シリーズ出場など、さらに飛躍するチャンスが盛り沢山!逆に言えば大勢の人達に観られる訳だから、本物の実力が無いひとは恥をかくことになり天狗になって努力を怠ると、一発屋で消えていくことにもなりかねないから気をつけてね。」

童瞳「はい、今回は幸運にも勝てることができましたが、私の実力はまだまだで課題も多いのは自覚しています。これからも慢心しないで、もっともっと練習しタイトルホルダーとして恥ずかしく無い内容の麻雀が打てるように頑張ります。」

100

写真はタイトルを獲ったばかりのトンちゃんが書いた初々しいサイン色紙。
これからはサインを書くことも増えるだろう。
トンちゃんなら持ち前のバイタリティーの強さでこれからも今まで以上に頑張って麻雀プロとして成長していってくれると期待しています。

「恭喜」(コンシー、おめでとうの意)
「可油」(ジャァユー、がんばれの意)

*俗名 「童瞳」 食肉目 レッサーパンダ科
(注)やや気性が荒く、怒らせると噛み付かれることがありますのでご注意下さい。

100

プロ雀士インタビュー/第134回:プロ雀士インタビュー 童瞳 インタビュアー:藤原 隆弘

第13期プロクイーン決勝戦は、既報の通りなんと!童瞳プロの優勝で幕を閉じた。
決勝戦に残った人の誰にも優勝の権利と可能性はあるのだから「なんと!」ってのは失礼かもしれないが、和久津晶(前回優勝)茅森早香(前回準優勝)二階堂瑠美(前々回優勝)の三強に優勝予想が集中する中でまさかの勝利。
やはり「なんと!」級の快挙でした(笑)
私はいつものように、決勝戦の最初から最後まで審判長として間近で全て見ていたのですが、その私に優勝者インタビューの仕事が回ってくるとは思っていませんでした。
編集部から「藤原さんはトンちゃんがプロテストを受験したときから見ているし、よく道場でも稽古しているから、トンちゃんの事をよく知っていて適任かと、、、もしどうしても忙しくて無理なようなら他を探しますが?」と依頼され、ホントは忙しくてちょっとできるか不安に思ったが、どうしても無理というほど忙しくはないし、何よりトンちゃんには2年ちょっと前に、私がチャンピオンズリーグの3度目の優勝をしたときのインタビュー記事を書いて貰ったので、そのお返しのつもりで引き受けることにした。
100
藤原「まずは月並みだけどトンちゃんのことをあまりよく知らない人も多いと思うので簡単に紹介しておくかな。」
皆に「トンちゃん」「トンちゃん」と呼ばれているが、プロ雀士としての登録名は「童瞳(トントン)。」
生まれは中国の上海で、れっきとした中国人である。
中国人としての本名は受験の時に提出した履歴書に書いてあった。
童○○の漢字三文字で、童の字以外は日本で見たこともない漢字で、ぜんぜん読めないしメンドくさいので割愛する。
17歳(高2)のときに青森山田高校に留学、そのまま日本に残り専修大学を卒業して鉄鋼原料を扱う商社に就職。
現在は営業本部の課長として、国内、海外を飛び回るキャリアウーマンとして多忙な毎日を送っている。
血液型はA型で身長156cmとやや小柄、中国語は勿論、日本語も英語も達者で、フランス語と韓国語も少しなら話せるというバイリンガル。
12月24日生まれ
藤原「誕生日がクリスマスイブじゃんイイね。」
童瞳「プレゼントが一諸にされてしまうから損してます(笑)」
26歳のときに「麻雀プロになって麻雀格闘倶楽部に出演したい」と一念発起し連盟を受験、見事合格し26期後期生としてデビューして6年目になる。
藤原「主な戦績としては、3年目に新人王戦と野口賞の決勝に残ったね」
童瞳「どちらも全然ダメでしたが」
藤原「でも決勝戦を経験した事は必ずプラスになってる筈だから、今回が初めての決勝だったら勝ててなかったかもよ。」
藤原「プロリーグは現在C3まで昇ってきているけど、最終節でもう少し勝てば昇級あるよね。でもプロクイーン優勝の特典で来期はC2リーグ付出しとなるし、女流桜花もAリーグ付出しが決まったよ。」
童瞳「それは嬉しいことですけど、特典を受けるのが相応しかったと思われるように頑張らないと、内容や結果が悪ければプロクイーンの優勝の価値が下がりますしね。プロリーグも最終節頑張って正規の昇級を狙います。」
藤原「それは大事、オマケのような昇級に甘えないで、プロならばどんな対局も真剣に一生懸命打つべきだからね。」
藤原「連盟入会の第一目標だった麻雀格闘倶楽部出演も2年目で果たしたし、有言実行の人だよね。」
童瞳「早く希望が叶ったのはラッキーでしたけど、選抜投票戦でランキング画面に名前が載ってこなくて・・」
藤原「森山会長が[パンダの着ぐるみ着て喋る言葉の最後に~アルヨって付ければ人気出るよ(笑)]なんて冗談もおっしゃったけど、真面目なアドバイスもして下さったよね、トンちゃんのエライのはその翌日から麻雀格闘倶楽部の対局数を増やし、ブログやTwitterで積極的に発信し、ユーザーさん達とのコミュニケーションを深めたりとアドバイスを聞いて即実行してるとこだね、タイトルを取ったことでいろんなとこで出番が増えるし、きっと人気も知名度もアップするから。」
藤原「話は変わるけど、トンちゃんはメチャ酒強いよね。飲み会で酔ってるところや乱れた様子は一度も見た事ないし、顔色も変わらないもんね。」
童瞳「生まれつき強いんです、おばあちゃんが毎日水のように老酒飲んでたから遺伝ですね。一番好きなお酒は老酒で好きな食べ物は勿論中華料理(笑)」
藤原「もう1つエライと思うのが、酒席で同席してる人への気配りが凄い、飲み物のお代わりや食べ物の取り分け、灰皿や空いた器の下げものとか、トンちゃんの隣にいると何も気にしないで飲み食いしてるだけでイイ。」
童瞳「営業の仕事だから取引先との接待での宴席も多く、年配のオジ様達とのお付き合いには慣れてますから(笑)」
藤原「麻雀でも、卓上の隅々まで目が効くとか、相手の思惑を悟ることは重要な要素だからね。」
藤原「ところで、タイトル取ってから何か変わった?」
童瞳「沢山の人からお祝いの言葉をいただいたり、プレゼントもいただいたりして感謝の気持ちで一杯です、段々と実感が湧いてきて勝てて良かったって思います。元々会社は私が競技麻雀プロとして活動していることは認めてくれていたし、取引先の方々からも良かったね、おめでとうと言ってもらえるし、仕事にもプラスになってますね。」
藤原「決勝戦の麻雀について詳しく知りたい方は、白鳥プロの決勝観戦記ロン2の牌譜データーサービスを見て頂くとして、少しだけ触れようか。僕の予想では9割方格上3人の誰かが勝ち、トンちゃんがかなりツイていて、最後まで強い気持ちで闘い切ったときだけ、展開に恵まれれば僅かに可能性あるかも知れない、くらいだったけど、そのパターンになったね。初日国士無双の1シャンテンになって、和久津プロの親リーチを受けてオリてしまった局があったけど、押し切っていればテンパイが入り、和久津のマチが純カラだったから、かなり激アツだった。プロの頂上決戦だから、そんな手に汗握るシーンを観せて欲しかったけど、オリたのはトンちゃんらしくないと思ったし、そんな弱腰じゃあ勝てないと思ったが、その他はかなり強い気持ちで戦えていたし、運気もよく終始手が入ってくれたよね。細かいことをあげればダメだしの部分は何箇所もあったけど、それを補うだけの運とハートがあったっていう事だな。」
童瞳「目標は勿論優勝なんだけど、こんな素晴らしい方達と生放送の決勝戦という大舞台で麻雀が打てることが嬉しくて、意外と無欲に近い落ち着いた気持ちで打てました。」
藤原「10回戦でトップを取りトータル首位になったが、11回戦で大きなラスを引き、最終回は茅森プロと和久津プロの着順勝負、また去年と同じ2人のマッチレースだ。トンちゃんもここまでよく頑張ったけど、もうないでしょうと思ったらいきなり満貫と親跳をツモって開始2局でマクリ返したのはビックリしたね。和久津プロが脱落し、最後は茅森プロとの差しの勝負のオーラスになり終わらせれば優勝。手順に疑問はあったけども、ドラの白が鳴けて二筒五筒八筒の3面張、勝ったか?と思ったが、勝負はそんなに甘く無い。栄冠を手にする前には最後の試練がやって来るものなのだ。茅森プロの親リーチが入り(こちらも3面張)互いに引けずなかなか決着がつかないままトンちゃんの最後のツモ牌はポンしている白、加カンしないでツモ切りしたのが最後のダメ出し。ハイテイで北家が安全牌を見つけられずにトンちゃんのアタリ牌を切ったから結果オーライだったけど、普通はオリている両脇からは出ないのだから自分で決着をつけるべく嶺上牌をツモリにいくべきだった。まあ褒めてやれるのは親リーチに弱気になること無く危険牌を数枚勝負して押し切ったことだね。最後は自力で決めに行かないと勝利は掴めない、オリてアガリを逃し連荘を許すと逆転に繋がるから、そこのところはよく出来ました◎だ。」
童瞳「私が一番尊敬するプロは瀬戸熊さん!熊さんのような麻雀が打てるようになりたいと思っているから、タイムシフトとか必ず観て勉強してます。熊さんが決勝で優勝を決めに行くときの押しっぷりを真似してみました(笑)」
藤原「瀬戸君には一番教えてもらってると思うけど、トンちゃんは道場とかリーグ戦の後とかに上の人達に臆せず遠慮なく納得行くまで麻雀の質問をするよね。普通はあまりレベルの低い質問したら馬鹿にされるとか、忙しそうだから迷惑かなとか考えたりして、なかなかトンちゃんのように積極的に厚かましい程に聞けないよね(笑)それはプロとして向上するために正しい姿勢で、上の人たちは多少メンドくさいと思ったとしても、真剣な質問には必ず優しく丁寧に答えてくれるから皆さんもトントンを見習ってみたらいいかも。ところでトンちゃんは、決勝進出が決まってから数回の調整対局を組んだらしいけど、瀬戸熊、藤崎、前田と、ここ数年の鳳凰位達を稽古相手に呼び出したって聞いてビックリ!そんな面子なら俺だって休日返上してもやりたいくらいだよ。彼らも忙しい筈なのに、嫌がらずによく付き合ってくれたね。トンちゃんの人徳かねぇ羨ましい(笑)
{トンちゃんは言いたい事をハッキリ言うし好き嫌いもハッキリしているから敵も作るかもしれないが、常に明るくパワフルで行動力があり裏表が無いから付き合いやすいし味方やファンになる人も多いと思う。
その証拠に、今回の優勝の数日後、トンちゃんには内緒で遠方のファンの方が発案し、道場のお客さんや連盟の親しい仲間達が集まっての祝勝パーティーが催された。セットの麻雀と称してトンちゃんを連れてくるエスコート役が前田鳳凰位(このときはまだ最強位になる前)他の参加者は着ぐるみやペイントをして店で待ち構えており、トンちゃんを驚かすというサプライズなオープニングの楽しいパーティーだった}

100
100

写真の特注ケーキの左上部に五索(麻雀牌)のデコレーションが見えますか?
10回戦でトータルトップに立ったトンちゃんが、2番手の茅森プロの親リーチに対して勇猛果敢にカン五索待ちのリーチドラ1で追っかけた!審判席で見ていた私も椅子からコケそうになったが(嘘)応援者の皆さんもよく解ってらっしゃるようで優勝を決めたアガリ牌では無く、この牌がデコレされてました。この局の結果は茅森さんが五索を掴んで運良くトンちゃんのアガリにはなりましたが「トンちゃん勇敢と無謀は違うからね~」
また話は変わるけど、トンちゃんは体力と集中力を養うために自宅近くのジムに通って筋トレをしているそうです。
力こぶを作ると上腕筋はカッチカチ!腹筋も割れているとか(驚)トンちゃんなら女子プロレスラーでもいけただろうね。
藤原「ところで僕には似合わない質問だけど、トンちゃんもお年頃だし恋愛とか結婚とかは?」
童瞳「今は仕事と麻雀が楽しくて両方で手一杯、彼氏を見つける暇があったら麻雀していたいくらいですね(笑)」
{これでは春はまだ先の先、噂によるとイケメン好みらしいが、自信と勇気のある男性は立候補してみては?無謀か?(笑)}
藤原「プロクイーンを獲ったことで、来期からはマスターズや王位戦は本戦シード、十段戦も特別シード、女流桜花は全配信、グランプリМAXや女流日本シリーズ出場など、さらに飛躍するチャンスが盛り沢山!逆に言えば大勢の人達に観られる訳だから、本物の実力が無いひとは恥をかくことになり天狗になって努力を怠ると、一発屋で消えていくことにもなりかねないから気をつけてね。」
童瞳「はい、今回は幸運にも勝てることができましたが、私の実力はまだまだで課題も多いのは自覚しています。これからも慢心しないで、もっともっと練習しタイトルホルダーとして恥ずかしく無い内容の麻雀が打てるように頑張ります。」
100
写真はタイトルを獲ったばかりのトンちゃんが書いた初々しいサイン色紙。
これからはサインを書くことも増えるだろう。
トンちゃんなら持ち前のバイタリティーの強さでこれからも今まで以上に頑張って麻雀プロとして成長していってくれると期待しています。
「恭喜」(コンシー、おめでとうの意)
「可油」(ジャァユー、がんばれの意)
*俗名 「童瞳」 食肉目 レッサーパンダ科
(注)やや気性が荒く、怒らせると噛み付かれることがありますのでご注意下さい。
100

第41期王位戦 決勝観戦記 猿川 真寿

100

1回戦(起家から 山田 高谷 鈴木 石井)

東1局、鈴木が1巡目にドラを重ねたチャンス手。
7巡目にテンパイしてリーチ。これに七対子をテンパイした山田が捕まる。

七万八万九万三索三索六索七索八索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ロン二筒  ドラ三索

入り目が四筒だったことと一筒が3枚河に切れていることがリーチに踏み込みやすかった。
山田の放銃はしかたない。

鈴木秀幸
100
日本プロ麻雀連盟 23期生

「準決勝終了時のコメント」
第41期王位戦の決勝進出が決まったとき、私は東京駅にいた。
正直ホッとした安堵感と高揚感を覚えた。
今、リビングに置いてある盾を見ながらペンを走らせている。
第35期王位戦 第4位 平成21年11月29日(祝)6年前に私の残した財産である。
最終戦、私の切った三筒で第35期王位は決まった。
6年という歳月。この月日が長いのか短いのか私にはわからない。
くしくも同日。6年前のあの日と…

今の私は、6年前の私に勝てるだろうか?
準決勝はばたばたしてた自分。どこか逃げながら前のめりになっていた自分がいた。
決勝。この素晴らしい舞台に立てた喜びを素直に感じよう。
這い上がってきた人生。麻雀も泥臭く、這い上がれ!!
自分に期待。

100

東2局は石井の1人テンパイで流局。
ここから一万を仕掛ける。打四万ではなく八索なのが面白い。
賛否両論ありそうな仕掛けだが、石井は得だと判断したのだろう。
私はそのあとの結末がマイナスになったときに精神的に参ってしまいそうなのでできないが、石井はそうなったとしても気にしないのでできる。
人それぞれ勝ちパターンはあるので、そこに持っていくことのほうが大事。
いずれにせよ石井の個性が出た1局。

南1局1本場、親の山田が勝負手をテンパイ。

100

捨て牌も強く、アガリがつきそう。

山田は次巡ツモ東で、フリテンの3メンチャンに。どちらの選択もアガれそうだが、結果は裏目。
直後、高谷に二筒を切られると、石井にも合わせられる。流局となった。
これは胃にくるなと私は思ったが、次局飄々と打つ山田をみて、彼の精神力は強いなと感じた。

このあと、4者一歩も譲らない攻防で、大きな点数移動もなく流局も多かった。
接戦で迎えた南4局。

11巡目に石井にテンパイが入る。

100

八万は場に3枚切れ。アガリだけならシャンポンのほうが良さそうにみえる。
しかし、リーチ棒をだして瞬間沈みになるので難しいところ。

八万は3者が切っており、山に残っている可能性が高い。
石井の選択は九万切りのヤミテン。
これに鈴木が放銃して暫定1人浮きのトップになるが、1本場は高谷がアガリ2人浮き。

石井一馬
100
最高位戦日本プロ麻雀協会
第21期麻雀マスターズ 優勝
第10期最高位戦Classic 優勝

「準決勝終了時のコメント」
今期の王位戦ですが、ずっと1局麻雀の感覚でやっていました。
その局押した方がが得か引いた方が得か。
さすがにオーラスは浮き沈みも多少は意識しますけど。
決勝もそういう麻雀になると思います。最後2回ぐらい帳尻合わせる感じで。
今年は様々なタイトル戦の決勝に残れていい経験になっています。
また、一歩成長できたらなと思っています。

1回戦終了時
石井+20.1P 高谷+4.6P 山田▲6.0P 鈴木▲18.7P

2回戦(鈴木 石井 高谷 山田)

東2局、親の石井のリーチに高谷が追いつく。

100

勝負と踏み込むなら九万切りリーチか。
もしくは五筒が自身の目から5枚みえており、かなり切りづらいので四筒切りリーチもある。

しかし、高谷の選択は四筒切りヤミテン。次巡、八万ツモで五筒切りリーチ。
どちらも切りにくいなら、アガリやすそうなマンズにしたか、それとも石井のリーチにピンズが当たりにくい何かがあったかはわからないが、これが結果正解で1,300・2,600のツモアガリとなった。

石井は、トイツ手とシュンツ手の両天秤にかけなければ、6,000オールまであったので痛い局となった。

高谷圭一
100
日本プロ麻雀連盟30期生

「準決勝終了時のコメント」
マスターズベスト28、十段戦ベスト16と、肝心なところで勝ちきれない自分に歯がゆさを感じてました。
今回、決勝まで勝ちあがることができたのは、今まで誰よりも麻雀を愛した成果だと思っています。
決勝も絶対負けないっという気持ちで挑みたいと思います。

東3局は山田が安めながら、ハイテイで2,000・4,000のツモアガリ。

三万四万五万六万六万七万八万九万三索四索五索四筒五筒  ツモ六筒  ドラ九万

山田学武
100
日本プロ麻雀連盟 29期生

「準決勝終了時のコメント」
優勝するために全力を出し尽くします。
応援よろしくお願いします。

南3局、37,000点台で高谷と山田がトップ争い。石井と鈴木も競っている。
1回戦4着だった鈴木は、なんとしても今回は回避したいところだったが、この局は石井が1,300.2,600のツモアガリ。大きいアガリとなった。

一万二万二万二万三万五万六万七万三索四索七索八索九索  ツモ二索  ドラ七索

このアガリを生かし、またしても石井らしい局になった南4局。
10巡目に石井が白を仕掛けてテンパイ。
同巡、親の山田もタンヤオテンパイ。リーチの選択もありそうだが、ドラの振りかえがあるのでヤミテン。

四万五万六万五索六索七索二筒二筒二筒三筒四筒六筒六筒  ドラ七万

11巡目に高谷からアガリ牌の六万が打ち出されるが見逃し。
石井の持ち点は28,900でツモれば浮くという状況。またしても賛否両論ありそうな選択だ。

1回戦2着だった高谷に、トップを取られないためのアガリなので、アガる人のほうが多いと思われる。
石井はこの選択を仕掛ける前から決めていたのであろう。強い意志の持ち方のように私は思う。
ずっと1シャンテンだった鈴木が、リーチするも高谷が再度六万を掴み石井への放銃。
リーチ棒も含め石井浮きの鈴木の1人沈み。
2連続4着の鈴木はすでにかなり苦しい位置に置かれた。

100

2回戦成績
山田+13.7P 高谷+6.6P 石井+1.9P 鈴木▲22.2P

2回戦終了時
石井+22.0P 高谷+11.2P 山田+7.7P 鈴木▲40.9P

3回戦(石井 鈴木 山田 高谷)

東1局、石井が積極的に仕掛けて主導権をとりにいくが、鈴木からリーチが入る。
1シャンテンですべてかぶせる。

12巡目に石井9,600のテンパイ。山にはなんと残り牌6枚。
しかし、ここは鈴木の勝ち。内心、鈴木もホットしただろう。
調子の悪い日に被せられることほど、冷や冷やすることはない。

100

東2局、石井が5巡目にメンホンイーペーコーのテンパイ。

二索四索五索五索五索七索七索八索八索九索九索北北  ドラ九万

しかし、三索はこの時点で全員につかわれていてアガリ目なし。
2巡後にツモ切りリーチとするが流局。
もしリーチとしていなかったら、山田がまっすぐいった場合、三色のテンパイが入っていた可能性が高く、山田のアガリまであったことを考えると、アガれなかったがリーチの効果はあったか。

100

東3局2本場、供託3,000を石井がアガリトップ目に。
石井の圧勝ペースかと思われたが次局、高谷が勘違いの誤ロン。プロの対局でもたまにチョンボは発生する。

注意力不足と言われればそれまでだが、私たちは普段ほとんどチョンボを犯すことはない。
ただ、私も過去にリーグ戦で1度だけ犯したことがある。

普段の比較にならないぐらい労力を消耗する。麻雀は脳のスポーツなのである。
では普段は真剣に打っていないのかと反論がきそうだが、もし私が問われたならば、真剣に打ってないわけではないがモチベーションは違うと答えるだろう。
このあたりは人によって違うだろうが、プロにとって本場所はリーグ戦であって、次がタイトル戦だ。

少し話がずれたので戻ろう。
そういう固定観念があるから思うだけかも知れないが、対人ゲームには勝負のアヤというものが存在すると私は思う。
ここから、石井の手がガクッと落ち始めたのである。

東3局1本場、南2局に山田が満貫クラスのアガリをものにする。

南3局、高谷が12巡目にリーチ。

一万二万三万二索二索四索五索六索一筒一筒七筒八筒九筒  ドラ三筒

リーチ自体が悪いとは言わないが、高谷らしくない。
焦りしか感じない。やはりペナルティが精神的にきているだろう。
13巡目に鈴木がドラドラの5メンチャンで追っかけリーチするが高谷のアガリ。
鈴木の暗黒街道は深いようだ。

100

南4局は、高谷が2,000オールをアガる。
1本場は山田がアガリ2回戦と同じ並びに。

3回戦成績
山田+21.0P 高谷+6.2P 石井▲9.0P 鈴木▲18.2P

3回戦終了時
山田+28.7P 石井+13.0P 高谷▲2.6P 鈴木▲59.1P

4回戦(高谷、山田、鈴木、石井)

4回戦開始前、こんなことを考えていた。
波は変わったな。準決勝と同じ展開だ。後半調子のアガッてきた山田の逃げ切り。
あとは、山田が普通に打てれば優勝になりそうだ。

山田は東1局に鈴木から3,900アガると親番でテンパイ、2,900は3,200を石井からアガッてトップ目に。
2本場、配牌で七対子1シャンテンだったが、12巡目にドラ単騎でテンパイ。
リーチといくかと思ったがここはヤミテンを選択。

同巡、高谷がリーチ。ここで追っかけリーチといくかと思っていたがヤミテン継続。
鈴木の五索に石井が少し止まるが、そのままツモ山に手をのばした。
引いてきたのはドラの六筒。仕掛けていたら高谷の放銃だったなと思っていた矢先に山田のツモの声。
これで石井を大きく突き放した。

100

後日、山田にこの局のことを聞いてみたらこう返信がきた。

「全然自信がなかったのでヤミテンにしました。2件リーチなどになったらおりようと思っていました。とくに石井さんには放銃したくなかったので。」とのことだった。

東3局、石井が7巡目にリーチ。鈴木から安めが出るが見逃し。高めの一筒は山に3枚いたが安めツモ。

一万二万三万一索二索三索四索五索六索二筒二筒二筒三筒  ツモ四筒  ドラ五索

この見逃しを見せられたからか、この後の4回戦、山田の麻雀がかなり消極的に映った。
優勝を意識してのプレッシャーか。悪く言えば、点棒を減らさずなんたか逃げ切りたいと訴えてくるような打牌。
私は今までと同じように普通に打てばいいのになと思っていた。
放銃しても点数は減るが、局は進むのだから。

準決勝から彼の麻雀をみていて、武器は強い攻めだと思っている。手順はまだ微妙だが、勝負勘は悪くない。
この手のタイプは守備にまわったときに、相手の速度の読みが鈍ってくるものである。
当然、石井だけでなくそう簡単に他の面子も逃がしてくれなく、ここから山田が追い込まれていく。

南1局1本場に鈴木が2,000・4,000のツモアガリ。

六万七万八万七索七索二筒三筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒  ツモ四筒  ドラ七筒

南3局の親番で鈴木が2局連続テンパイで、気づけば山田は40,000点を割っており、差は4,000点差まで縮まった。
しかし2本場、石井が見事な手順で跳満を引きアガリついに山田をかわした。

100

オーラス、ここまで不完全燃焼だった鈴木が4,000・8,000のツモアガリで一気にトップになる。
石井はかぶって沈みに。山田にとっては得なアガリとなった。
アガッた鈴木もこれで、わずかだが優勝の可能性もでてきた。

100

4回戦成績
鈴木+24.0P 山田+6.5P 石井▲4.9P 高谷▲25.6P

4回戦終了時
山田+35.2P 石井+8.1P 高谷▲28.2P 鈴木▲35.1P

5回戦(石井 高谷 鈴木 山田)

確率的に不思議ではないが、絶不調だった鈴木が復活したのは山田の打ち方のおかげではないかとオカルトな私は思ってしまう。
復活したことが山田にとってマイナス要素になるかは別にしてだが。

山田と石井の差は約27ポイント差。ルール的に考えたら結構な差だが、追われている山田からしたらすぐ後ろにいる感覚だろう。
勢いというものがあるなら、山田が4回戦と同じ打ち方をしたら勝てないだろう。
勝負局をあまり増やさずに戦う打ち方が出来れば、2着ならほぼ優勝なので山田の勝ちになる。
鈴木が復活したことで、局の進み具合も早くなるだろうと予想できる。

東1局、石井の親で積極的に仕掛けていった。
テンパイが入るが直前に高谷からリーチが入っている。

100

ここは放銃してもおかしくない五索を勝負。石井から四万でアガる。
あくまで主観だが、4回戦の山田なら九索を切っていた気がする。
追い込まれたことで腹をくくったか。

東2局も山田がアガリ、東3局、腹をくくったことが裏目に出たか鈴木に痛恨の12,000の放銃となる。

100

役牌もドラ以外すべて見えており、鈴木のトータルポイントを考えるとドラは持っていそうである。
鈴木が2チーして六筒切り。それを山田がチー。食い取った四筒で放銃となってしまった。

やってしまったか。最終手出しが六筒なのに。
確かに自分から4枚見えている二筒五筒待ちかも知れないし、中の後づけかも知れない。
その可能性も否定はできないが、その四筒は打つべき牌ではない。

もっと言うと、この局面で鈴木に先手を取られて、押し返す必要がないのでチーするのもいらない。
鈴木が4,000オール引くときつくなるのは石井だから。

別に山田を応援していたわけではなかったが、なぜ…という気持ちが込み上げてきた。
ここでいくなら4回戦いくらでも押し返せる局があっただろうと。

これで鈴木も優勝まで30ポイント差まで詰まった。
南1局、石井が親でリーチと打つがこの局も鈴木のアガリ。

100

石井の最後の親が終わった。石井も残り3局で浮きにならない限りは、ほぼ優勝はないのでかなり苦しくなった。

南2局、高谷が2,000オールテンパイ料と粘る。
2本場は山田と石井のテンパイで流局。石井はハイテイでテンパイ。
南3局3本場、石井が11巡目に六筒をチー。
残った形は苦しい。

二万二万三万五万六万七万八万九万六索七索九索  チー六索 上向き七索 上向き八索 上向き  ドラ一筒

しかし、ここでノーテンだと、次局オーラスで山田が伏せても優勝になってしまうので、ここは仕掛けるほうが得。
また鈴木に連荘されるのも自身の浮きが遠くなるのできつくなる。
鈴木もチーテンを入れるが、石井はすぐに四万をひきドラドラの高谷から八索でアガる。

100

第41期王位戦もついにオーラスを迎えた。
現状、山田のほうが上だが、親で連荘になるのでアガリ優勝の石井が有利。

2人の配牌は。

山田
一万二万五万九万四索四索七索九索九索二筒六筒九筒西北

石井
一万六万四索七索九索一筒四筒七筒七筒八筒九筒発中

どちらもよくないが、1メンツある石井のほうがいい。
山田の手は伸びず、石井は8巡目で1シャンテンになる。

六万三索四索六索七索九索九索九索三筒四筒五筒七筒八筒九筒

この時点で二索五索八索は7枚山にいる。
石井の勝ちかと思われたが、その7枚がことごとく他者にツモ切られる。
タイトル戦などでよくみる光景だ。

神様はいたずら好きで試練を与えてるとともに、タイトルの重みを増やしてくれているように思える。

14巡目、山田は自身のテンパイを諦める。
石井が8巡目からツモ切りでノーテンだと読んだのだろう。
何を切るか?

100

石井の捨て牌はヤオチュウ牌からの切り出しでタンヤオが濃厚。
役牌もドラの南以外は見えている。山田の選択は九索

これを石井はポンで1シャンテンを広くする。

石井からみれば、このノーチャンスの九索はトイツ落とし以外ないので、すなわち山田はノーテンという読みになるので仕掛けやすい。
結果的には、この九索が山田の敗着ということになった。
敗因はほかにあったと思うが。

100

もし山田がまっすぐ進めていてもオリても、石井に鳴かれなければ2人ノーテンで山田の優勝だった。
一寸先は闇とはよく言ったものである。
オリを決断したときに石井の現物が多かったら、全く違う結末になっていた。

表彰式の前に石井と一言、言葉をかわしにいった。
無論、おめでとうというためだ。
控室から出てきた石井は、優勝したにも関わらず険しい表情を浮かべていた。

「おめでとう」
「なにか変な局ありましたか?」
「とくにはなかったけど」
「自分のなかでは3か所ぐらいあるんですけど」
「カン3は即リー打たなきゃだめだな」

といい残し表彰式に向かった。

石井の麻雀を初めて見たのはマスターズを獲ったときだ。
私の印象はいまいちだった。

それから時は流れ、上からの発言になるが一回り以上強くなっていた。
まだ20代、これからの麻雀界を盛り上げてくれる1人になるであろう。
次もさらに進化した石井一馬を見せて欲しい。

100

100

王位戦 決勝観戦記/第41期王位戦 決勝観戦記 猿川 真寿

100
1回戦(起家から 山田 高谷 鈴木 石井)
東1局、鈴木が1巡目にドラを重ねたチャンス手。
7巡目にテンパイしてリーチ。これに七対子をテンパイした山田が捕まる。
七万八万九万三索三索六索七索八索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ロン二筒  ドラ三索
入り目が四筒だったことと一筒が3枚河に切れていることがリーチに踏み込みやすかった。
山田の放銃はしかたない。
鈴木秀幸
100
日本プロ麻雀連盟 23期生
「準決勝終了時のコメント」
第41期王位戦の決勝進出が決まったとき、私は東京駅にいた。
正直ホッとした安堵感と高揚感を覚えた。
今、リビングに置いてある盾を見ながらペンを走らせている。
第35期王位戦 第4位 平成21年11月29日(祝)6年前に私の残した財産である。
最終戦、私の切った三筒で第35期王位は決まった。
6年という歳月。この月日が長いのか短いのか私にはわからない。
くしくも同日。6年前のあの日と…
今の私は、6年前の私に勝てるだろうか?
準決勝はばたばたしてた自分。どこか逃げながら前のめりになっていた自分がいた。
決勝。この素晴らしい舞台に立てた喜びを素直に感じよう。
這い上がってきた人生。麻雀も泥臭く、這い上がれ!!
自分に期待。
100
東2局は石井の1人テンパイで流局。
ここから一万を仕掛ける。打四万ではなく八索なのが面白い。
賛否両論ありそうな仕掛けだが、石井は得だと判断したのだろう。
私はそのあとの結末がマイナスになったときに精神的に参ってしまいそうなのでできないが、石井はそうなったとしても気にしないのでできる。
人それぞれ勝ちパターンはあるので、そこに持っていくことのほうが大事。
いずれにせよ石井の個性が出た1局。
南1局1本場、親の山田が勝負手をテンパイ。
100
捨て牌も強く、アガリがつきそう。
山田は次巡ツモ東で、フリテンの3メンチャンに。どちらの選択もアガれそうだが、結果は裏目。
直後、高谷に二筒を切られると、石井にも合わせられる。流局となった。
これは胃にくるなと私は思ったが、次局飄々と打つ山田をみて、彼の精神力は強いなと感じた。
このあと、4者一歩も譲らない攻防で、大きな点数移動もなく流局も多かった。
接戦で迎えた南4局。
11巡目に石井にテンパイが入る。
100
八万は場に3枚切れ。アガリだけならシャンポンのほうが良さそうにみえる。
しかし、リーチ棒をだして瞬間沈みになるので難しいところ。
八万は3者が切っており、山に残っている可能性が高い。
石井の選択は九万切りのヤミテン。
これに鈴木が放銃して暫定1人浮きのトップになるが、1本場は高谷がアガリ2人浮き。
石井一馬
100
最高位戦日本プロ麻雀協会
第21期麻雀マスターズ 優勝
第10期最高位戦Classic 優勝
「準決勝終了時のコメント」
今期の王位戦ですが、ずっと1局麻雀の感覚でやっていました。
その局押した方がが得か引いた方が得か。
さすがにオーラスは浮き沈みも多少は意識しますけど。
決勝もそういう麻雀になると思います。最後2回ぐらい帳尻合わせる感じで。
今年は様々なタイトル戦の決勝に残れていい経験になっています。
また、一歩成長できたらなと思っています。
1回戦終了時
石井+20.1P 高谷+4.6P 山田▲6.0P 鈴木▲18.7P
2回戦(鈴木 石井 高谷 山田)
東2局、親の石井のリーチに高谷が追いつく。
100
勝負と踏み込むなら九万切りリーチか。
もしくは五筒が自身の目から5枚みえており、かなり切りづらいので四筒切りリーチもある。
しかし、高谷の選択は四筒切りヤミテン。次巡、八万ツモで五筒切りリーチ。
どちらも切りにくいなら、アガリやすそうなマンズにしたか、それとも石井のリーチにピンズが当たりにくい何かがあったかはわからないが、これが結果正解で1,300・2,600のツモアガリとなった。
石井は、トイツ手とシュンツ手の両天秤にかけなければ、6,000オールまであったので痛い局となった。
高谷圭一
100
日本プロ麻雀連盟30期生
「準決勝終了時のコメント」
マスターズベスト28、十段戦ベスト16と、肝心なところで勝ちきれない自分に歯がゆさを感じてました。
今回、決勝まで勝ちあがることができたのは、今まで誰よりも麻雀を愛した成果だと思っています。
決勝も絶対負けないっという気持ちで挑みたいと思います。
東3局は山田が安めながら、ハイテイで2,000・4,000のツモアガリ。
三万四万五万六万六万七万八万九万三索四索五索四筒五筒  ツモ六筒  ドラ九万
山田学武
100
日本プロ麻雀連盟 29期生
「準決勝終了時のコメント」
優勝するために全力を出し尽くします。
応援よろしくお願いします。
南3局、37,000点台で高谷と山田がトップ争い。石井と鈴木も競っている。
1回戦4着だった鈴木は、なんとしても今回は回避したいところだったが、この局は石井が1,300.2,600のツモアガリ。大きいアガリとなった。
一万二万二万二万三万五万六万七万三索四索七索八索九索  ツモ二索  ドラ七索
このアガリを生かし、またしても石井らしい局になった南4局。
10巡目に石井が白を仕掛けてテンパイ。
同巡、親の山田もタンヤオテンパイ。リーチの選択もありそうだが、ドラの振りかえがあるのでヤミテン。
四万五万六万五索六索七索二筒二筒二筒三筒四筒六筒六筒  ドラ七万
11巡目に高谷からアガリ牌の六万が打ち出されるが見逃し。
石井の持ち点は28,900でツモれば浮くという状況。またしても賛否両論ありそうな選択だ。
1回戦2着だった高谷に、トップを取られないためのアガリなので、アガる人のほうが多いと思われる。
石井はこの選択を仕掛ける前から決めていたのであろう。強い意志の持ち方のように私は思う。
ずっと1シャンテンだった鈴木が、リーチするも高谷が再度六万を掴み石井への放銃。
リーチ棒も含め石井浮きの鈴木の1人沈み。
2連続4着の鈴木はすでにかなり苦しい位置に置かれた。
100
2回戦成績
山田+13.7P 高谷+6.6P 石井+1.9P 鈴木▲22.2P
2回戦終了時
石井+22.0P 高谷+11.2P 山田+7.7P 鈴木▲40.9P
3回戦(石井 鈴木 山田 高谷)
東1局、石井が積極的に仕掛けて主導権をとりにいくが、鈴木からリーチが入る。
1シャンテンですべてかぶせる。
12巡目に石井9,600のテンパイ。山にはなんと残り牌6枚。
しかし、ここは鈴木の勝ち。内心、鈴木もホットしただろう。
調子の悪い日に被せられることほど、冷や冷やすることはない。
100
東2局、石井が5巡目にメンホンイーペーコーのテンパイ。
二索四索五索五索五索七索七索八索八索九索九索北北  ドラ九万
しかし、三索はこの時点で全員につかわれていてアガリ目なし。
2巡後にツモ切りリーチとするが流局。
もしリーチとしていなかったら、山田がまっすぐいった場合、三色のテンパイが入っていた可能性が高く、山田のアガリまであったことを考えると、アガれなかったがリーチの効果はあったか。
100
東3局2本場、供託3,000を石井がアガリトップ目に。
石井の圧勝ペースかと思われたが次局、高谷が勘違いの誤ロン。プロの対局でもたまにチョンボは発生する。
注意力不足と言われればそれまでだが、私たちは普段ほとんどチョンボを犯すことはない。
ただ、私も過去にリーグ戦で1度だけ犯したことがある。
普段の比較にならないぐらい労力を消耗する。麻雀は脳のスポーツなのである。
では普段は真剣に打っていないのかと反論がきそうだが、もし私が問われたならば、真剣に打ってないわけではないがモチベーションは違うと答えるだろう。
このあたりは人によって違うだろうが、プロにとって本場所はリーグ戦であって、次がタイトル戦だ。
少し話がずれたので戻ろう。
そういう固定観念があるから思うだけかも知れないが、対人ゲームには勝負のアヤというものが存在すると私は思う。
ここから、石井の手がガクッと落ち始めたのである。
東3局1本場、南2局に山田が満貫クラスのアガリをものにする。
南3局、高谷が12巡目にリーチ。
一万二万三万二索二索四索五索六索一筒一筒七筒八筒九筒  ドラ三筒
リーチ自体が悪いとは言わないが、高谷らしくない。
焦りしか感じない。やはりペナルティが精神的にきているだろう。
13巡目に鈴木がドラドラの5メンチャンで追っかけリーチするが高谷のアガリ。
鈴木の暗黒街道は深いようだ。
100
南4局は、高谷が2,000オールをアガる。
1本場は山田がアガリ2回戦と同じ並びに。
3回戦成績
山田+21.0P 高谷+6.2P 石井▲9.0P 鈴木▲18.2P
3回戦終了時
山田+28.7P 石井+13.0P 高谷▲2.6P 鈴木▲59.1P
4回戦(高谷、山田、鈴木、石井)
4回戦開始前、こんなことを考えていた。
波は変わったな。準決勝と同じ展開だ。後半調子のアガッてきた山田の逃げ切り。
あとは、山田が普通に打てれば優勝になりそうだ。
山田は東1局に鈴木から3,900アガると親番でテンパイ、2,900は3,200を石井からアガッてトップ目に。
2本場、配牌で七対子1シャンテンだったが、12巡目にドラ単騎でテンパイ。
リーチといくかと思ったがここはヤミテンを選択。
同巡、高谷がリーチ。ここで追っかけリーチといくかと思っていたがヤミテン継続。
鈴木の五索に石井が少し止まるが、そのままツモ山に手をのばした。
引いてきたのはドラの六筒。仕掛けていたら高谷の放銃だったなと思っていた矢先に山田のツモの声。
これで石井を大きく突き放した。
100
後日、山田にこの局のことを聞いてみたらこう返信がきた。
「全然自信がなかったのでヤミテンにしました。2件リーチなどになったらおりようと思っていました。とくに石井さんには放銃したくなかったので。」とのことだった。
東3局、石井が7巡目にリーチ。鈴木から安めが出るが見逃し。高めの一筒は山に3枚いたが安めツモ。
一万二万三万一索二索三索四索五索六索二筒二筒二筒三筒  ツモ四筒  ドラ五索
この見逃しを見せられたからか、この後の4回戦、山田の麻雀がかなり消極的に映った。
優勝を意識してのプレッシャーか。悪く言えば、点棒を減らさずなんたか逃げ切りたいと訴えてくるような打牌。
私は今までと同じように普通に打てばいいのになと思っていた。
放銃しても点数は減るが、局は進むのだから。
準決勝から彼の麻雀をみていて、武器は強い攻めだと思っている。手順はまだ微妙だが、勝負勘は悪くない。
この手のタイプは守備にまわったときに、相手の速度の読みが鈍ってくるものである。
当然、石井だけでなくそう簡単に他の面子も逃がしてくれなく、ここから山田が追い込まれていく。
南1局1本場に鈴木が2,000・4,000のツモアガリ。
六万七万八万七索七索二筒三筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒  ツモ四筒  ドラ七筒
南3局の親番で鈴木が2局連続テンパイで、気づけば山田は40,000点を割っており、差は4,000点差まで縮まった。
しかし2本場、石井が見事な手順で跳満を引きアガリついに山田をかわした。
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オーラス、ここまで不完全燃焼だった鈴木が4,000・8,000のツモアガリで一気にトップになる。
石井はかぶって沈みに。山田にとっては得なアガリとなった。
アガッた鈴木もこれで、わずかだが優勝の可能性もでてきた。
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4回戦成績
鈴木+24.0P 山田+6.5P 石井▲4.9P 高谷▲25.6P
4回戦終了時
山田+35.2P 石井+8.1P 高谷▲28.2P 鈴木▲35.1P
5回戦(石井 高谷 鈴木 山田)
確率的に不思議ではないが、絶不調だった鈴木が復活したのは山田の打ち方のおかげではないかとオカルトな私は思ってしまう。
復活したことが山田にとってマイナス要素になるかは別にしてだが。
山田と石井の差は約27ポイント差。ルール的に考えたら結構な差だが、追われている山田からしたらすぐ後ろにいる感覚だろう。
勢いというものがあるなら、山田が4回戦と同じ打ち方をしたら勝てないだろう。
勝負局をあまり増やさずに戦う打ち方が出来れば、2着ならほぼ優勝なので山田の勝ちになる。
鈴木が復活したことで、局の進み具合も早くなるだろうと予想できる。
東1局、石井の親で積極的に仕掛けていった。
テンパイが入るが直前に高谷からリーチが入っている。
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ここは放銃してもおかしくない五索を勝負。石井から四万でアガる。
あくまで主観だが、4回戦の山田なら九索を切っていた気がする。
追い込まれたことで腹をくくったか。
東2局も山田がアガリ、東3局、腹をくくったことが裏目に出たか鈴木に痛恨の12,000の放銃となる。
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役牌もドラ以外すべて見えており、鈴木のトータルポイントを考えるとドラは持っていそうである。
鈴木が2チーして六筒切り。それを山田がチー。食い取った四筒で放銃となってしまった。
やってしまったか。最終手出しが六筒なのに。
確かに自分から4枚見えている二筒五筒待ちかも知れないし、中の後づけかも知れない。
その可能性も否定はできないが、その四筒は打つべき牌ではない。
もっと言うと、この局面で鈴木に先手を取られて、押し返す必要がないのでチーするのもいらない。
鈴木が4,000オール引くときつくなるのは石井だから。
別に山田を応援していたわけではなかったが、なぜ…という気持ちが込み上げてきた。
ここでいくなら4回戦いくらでも押し返せる局があっただろうと。
これで鈴木も優勝まで30ポイント差まで詰まった。
南1局、石井が親でリーチと打つがこの局も鈴木のアガリ。
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石井の最後の親が終わった。石井も残り3局で浮きにならない限りは、ほぼ優勝はないのでかなり苦しくなった。
南2局、高谷が2,000オールテンパイ料と粘る。
2本場は山田と石井のテンパイで流局。石井はハイテイでテンパイ。
南3局3本場、石井が11巡目に六筒をチー。
残った形は苦しい。
二万二万三万五万六万七万八万九万六索七索九索  チー六索 上向き七索 上向き八索 上向き  ドラ一筒
しかし、ここでノーテンだと、次局オーラスで山田が伏せても優勝になってしまうので、ここは仕掛けるほうが得。
また鈴木に連荘されるのも自身の浮きが遠くなるのできつくなる。
鈴木もチーテンを入れるが、石井はすぐに四万をひきドラドラの高谷から八索でアガる。
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第41期王位戦もついにオーラスを迎えた。
現状、山田のほうが上だが、親で連荘になるのでアガリ優勝の石井が有利。
2人の配牌は。
山田
一万二万五万九万四索四索七索九索九索二筒六筒九筒西北
石井
一万六万四索七索九索一筒四筒七筒七筒八筒九筒発中
どちらもよくないが、1メンツある石井のほうがいい。
山田の手は伸びず、石井は8巡目で1シャンテンになる。
六万三索四索六索七索九索九索九索三筒四筒五筒七筒八筒九筒
この時点で二索五索八索は7枚山にいる。
石井の勝ちかと思われたが、その7枚がことごとく他者にツモ切られる。
タイトル戦などでよくみる光景だ。
神様はいたずら好きで試練を与えてるとともに、タイトルの重みを増やしてくれているように思える。
14巡目、山田は自身のテンパイを諦める。
石井が8巡目からツモ切りでノーテンだと読んだのだろう。
何を切るか?
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石井の捨て牌はヤオチュウ牌からの切り出しでタンヤオが濃厚。
役牌もドラの南以外は見えている。山田の選択は九索
これを石井はポンで1シャンテンを広くする。
石井からみれば、このノーチャンスの九索はトイツ落とし以外ないので、すなわち山田はノーテンという読みになるので仕掛けやすい。
結果的には、この九索が山田の敗着ということになった。
敗因はほかにあったと思うが。
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もし山田がまっすぐ進めていてもオリても、石井に鳴かれなければ2人ノーテンで山田の優勝だった。
一寸先は闇とはよく言ったものである。
オリを決断したときに石井の現物が多かったら、全く違う結末になっていた。
表彰式の前に石井と一言、言葉をかわしにいった。
無論、おめでとうというためだ。
控室から出てきた石井は、優勝したにも関わらず険しい表情を浮かべていた。
「おめでとう」
「なにか変な局ありましたか?」
「とくにはなかったけど」
「自分のなかでは3か所ぐらいあるんですけど」
「カン3は即リー打たなきゃだめだな」
といい残し表彰式に向かった。
石井の麻雀を初めて見たのはマスターズを獲ったときだ。
私の印象はいまいちだった。
それから時は流れ、上からの発言になるが一回り以上強くなっていた。
まだ20代、これからの麻雀界を盛り上げてくれる1人になるであろう。
次もさらに進化した石井一馬を見せて欲しい。
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