第12期プロクイーン決定戦観戦記~後編~ 黒木 真生

『勝利への飢餓感』

今回も事前に各選手にインタビューをさせていただいた。
当日その場で意気込みを聞くのもありなのだが、それだと、言葉と一緒に気合が抜けてしまう人がいるのではないかと心配になってしまうからだ。

麻雀を気合や気持ちで打つ選手ばかりではないが、中にはそういう人もいる。
カメラを向けられて司会者の言うことに愛想笑いをしてしまうと、1回作った気持ちがヘナヘナになる。
そういう人が確実にいると思う。

それも含めてプロの仕事だろ。
そういう意見もあるし、私もそうやって器用になんでもやってくれる選手が楽で良い。

ただ、私たち裏方の仕事は、選手たちにできるだけ良い環境で打ってもらい、最大限の力を出し切ってぶつかり合ってもらうことだと思っている。

視聴者からいただいくお金がなければ生放送は続けていけないのだから、観ているファンの方に少しでも面白い、「スゲー!」と驚いてもらえるような試合をお届けしたい。
だから試合直前のインタビューは極力やめるようにして、前もって撮るようにしたのだ。

もちろん、演出その他の都合により、直前に聞くケースもあるが、年末年始の大きな試合については、できるだけ事前インタビューができるようにスケジュールを作ってもらっている。

マジメなタイトル戦だからあまりフザけたことはできないのだが、ギリギリ怒られない範囲で何とか少しだけ変なことをやろうとする習性が私にはある。
ただ、あまり仕込んだり、こちらの思惑通りしゃべらせたりするとサムい結果になるので、そういうことはしないように心がけているつもりだ。

言ってもらいたいことがあったら質問を工夫するしかないと思っている。
こういう言葉が欲しいなぁと思って頑張って言葉を投げかけるのだが、思うようにいかない場合もある。
思いがけない面白い言葉がもらえることもある。また、カメラが回っていない時の方が良い言葉が飛び出したりもする。

二階堂瑠美からは、カメラを回す前に面白い話を聞いてしまった。

「一番勝ちたいと心の底から本気で思っているのは和久津さん。次が優木さん。和久津(晶)さんはそれが良い方に出ると思うけど、優木(美智)さんはもしかしたら悪い方に転ぶかもしれない」

和久津は2013年から2014年にかけて、あと一歩で優勝という、本当に惜敗すぎる準優勝を幾度となく経験している。
2013年1月の女流桜花はオーラスにペン*七をツモれば優勝だった。翌年の桜花はオーラスの親を流局させれば優勝だったが、吾妻さおりがリャンペーコーをアガって逆転された。

麻雀マスターズ決勝では、オーラスにいったん逆転しながらも、西島一彦にチンイツの跳満をアガられて再逆転され準優勝。
昨年のプロクイーンは瑠美が圧勝したので惜敗ではないが、準優勝は和久津だった。

「和久津さんは何回も悔しい思いをしているから、当然のごとくハングリーだと思うんです。でも優木さんは、タイトル戦のチャンスが久しぶりなので、気合がカラ回りしちゃうかもしれない。彼女は力はあるけど、久しぶりの決勝ということで、変にリキんじゃうかもって思うんです」

2日目の最初の半荘、7回戦の東2局、優木の親番で2件リーチが入った。
12巡目に優木は八索をツモって2シャンテン。

100

この時点でのトータルポイントは以下。
1位 茅森早香プロ +110.6P
2位 和久津晶   + 43.2P
3位 優木美智   + 4.5P
4位 二階堂瑠美  ▲ 16.6P
5位 宮内こずえ  ▲142.7P

首位の茅森が抜け番で、優木は現状プラスの3位。
親とはいえこの手牌で、無理をする必要はなさそうである。
ほとんどの人が、瑠美が切ったドラの九筒を合わせるのではないだろうか。

だが、優木は一索を勝負して宮内に放銃してしまった。三色の高目である。

「いま、冷静な状態でこの局面を見たら、たぶん九筒を切るか八索を切ったと思います。でも、プラスとはいえ、優勝以外意味がないタイトル戦で100ポイントの差ばかりに気をとられたのだと思います。3連勝ぐらいしないと追いつかないと考えて、焦りが出てしまいました。ダブ東ドラ1で真っ直ぐに行くと言ったって、形は苦しいし八筒も勝負しなければならないし。2件リーチに向かって行くのはおかしいですよね」

優木は電話取材に応えてくれたが、振り返ると本人でも「おかしい」と感じるようなプレーが出てしまうのがタイトル戦の決勝なのだろう。
瑠美が戦前に語った「力み」が出てしまったのかもしれない。
そしてそのワリを食った形になったのは瑠美であり、恩恵を受けたのは宮内こずえだった。

このアガリが契機になったとは言わないが、この半荘宮内は66,000点、次は50,100点、その次も53,800点のトップと、大トップの3連勝。
初日を終えたところで途中敗退確定と思われていた宮内は、第10回戦が抜け番で余裕の観戦となった。

一方、瑠美は7回戦でハコラスを引いて、その後も精彩を欠き、途中敗退となった。

 

『執念の見逃し』

前女王の瑠美がいなくなった決勝戦は残すところ2回。
第11回戦も天才すぎるオンナ雀士こと茅森早香プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会所属)が好調を維持し、オーラスを迎えた時点でトップ目。

追いかけるのはトータルでも2位で、茅森プロから約50ポイント離された和久津。
2着目で茅森プロとは8,500点差で、11巡目にテンパイを入れた。

100

タンヤオイーペーコードラ1の5,200点のテンパイなので、茅森プロから出るかツモればトップ逆転。
リーチを掛けても他家から出たら逆転しないので、ここはヤミテンがセオリーだ。
が、直後、下家の宮内から三万がツモ切られる。和久津はこれを平然と見逃した。

アガっておけば、とりあえず素点が5.2P増える。
順位点は5,000点・15,000点で1位との差は10,000点しかない。
待ちもカンチャンで厳しいし、とりあえずアガるという選択肢もある。否、アガってしまう人の方が多いだろう。

だが、和久津はここが勝負と見極めて見逃した。
この和久津の執念に牌が呼応したように、和久津にとって有利な条件が訪れる。

まずは和久津が六万ツモ切りでスジ待ちになった。さらに三万を捨てた宮内がリーチを掛けてきた。
当然、茅森プロは三万が捨てられた後、和久津がすべてツモ切りしているのを見ている。

まだ最終戦ではない。茅森プロにとっては、和久津を警戒して、宮内にとって中スジの六万を打つよりも、手堅く現物で和久津のスジの三万を切るべきという判断だったのだろう。

直撃の10,400点差と順位点の上下20,000点差。
合計約30ポイントの逆転だったが、このアガリはポイント差以上のインパクトを観る者に与えたと思う。

観客だけでなく、敵にも強い衝撃を与えたのは間違いない。
メンタル面が弱い相手なら、この一撃だけで参ってしまったかもしれない。

引きのカメラの角度が悪くて、茅森プロの顔は和久津の頭で隠れてしまったが、恐らく天才の表情は何ひとつ変わっていなかっただろう。

だがそれでも、心の中までは分からない。
少なくとも和久津にとっては「いける」という逆転の手応を感じた一戦だったはずだ。

 

『オンナとオンナの殴り合い』

最終戦が始まった時点での茅森プロと和久津のポイント差は40.9P。
トップラスで順位点が30ポイントつくので、素点で1万点差をつければいいのだが、普通、上位2名の一騎打ちになると下の2人が無理な戦い方になるので、まずトップラスという展開にはならない。

だいたいは上位2名がトップと2着になるので、順位点の差は10ポイントと考えるべきだ。
そうすると、和久津は茅森プロと3万点差以上をつけなければならない。

普通はかなり無理なのだが、和久津はアッサリとやってのけてしまう。
東1局8巡目。

宮内から出された白を和久津はポンした。
マシンルームで見ていたある若手プロは「鳴かない」と言った。

宮内と優木が字牌を絞るので七対子でしかアガれないからだと言う。
確かに理屈の上ではそうだろう。

4巡、和久津のツモ切りが続く。若手は「ほらやっぱり」と言う。
だが、不思議なことが起こった。12巡目、宮内の手が四暗刻の1シャンテンになったのだ。

少し考えた後、意を決してドラの八万を切る宮内。これを和久津がポンして、それでもまだ1シャンテン。
しかも、和久津の手に必要な五索七索は宮内が両方とも暗刻にしている。

「無理ですよやっぱり」

他人ごとのように言う若手。まぁ本当に他人ごとだからしょうがない。
だが、2巡後、宮内に四暗刻のテンパイが入って、東が打ち出された。

「これでも結局、待ちが苦しいですよ」

往生際の悪い若手。まぁ私も実はそう思っていた。さすがに無理だろう。
五索は優木に入る。とりあえずカン五索に受けなくて良かった。
ツモはあと1回。さすがに無理だろう。

と思ったら、気持よさそうにスパーンと七索をツモる和久津。
私を含めマシンルームにいた全員が後ろにひっくり返りそうになった。

これじゃまるで、小学生の時に見ていたアントニオ猪木のプロレスじゃないか。
何だこの面白い麻雀は!?
オイオイ、これは本当に逆転があるんじゃないか?
興奮気味に言った私に対し、

「いやでもこの鳴きはおかしい」

若手はまだ言っていた。
自分も絶対ひっくり返りそうになったクセに。

和久津の凄いのはこれだけじゃなくて、すぐに二の矢が放てるところだ。

東1局1本場では5巡目に三色のリーチを掛けた。
ペン三万でドラドラだからヤミテンにする人も多いかもしれないが、和久津は迷わずリーチ。
戦士が組み合いになって馬乗りになったらお上品なヤミテンなどせず、情け容赦ないリーチを掛けて相手をブッ殺しにいくのである。

100

そして三万をツモり、たった2局で「マクったら奇跡」の点差をひっくり返してしまったのであった。
これがあるから和久津の試合はいつも楽しみなのである。

瀬戸熊直樹プロもそうだが、一打一打に迫力があって、技が決まった時の衝撃度が強い人のゲームは面白い。
ただ、それは敵にも恵まれなければならない。
強い人が一方的に相手を殴っているようなのはつまらなくて、同じぐらい凄い奴がいて、死闘を繰り広げるから手に汗握るのである。

今回は茅森プロがそうだった。序盤の和久津の勢いに負けず、オーラスの親で5本場まで積み、再逆転まで僅か3ポイントというところまで迫った。
最後は、和久津が3フーロのタンヤオのみ。待ちはカンチャンという、ある意味「らしい」アガリで優勝を決めたが、2人の戦いは素晴らしかった。

和久津と魚谷の女流桜花が面白いと思っていたが、和久津と茅森プロの戦いも、今後が楽しみになってきた。

100

 

『終わった後のこと』

試合がすべて終了し、表彰式の準備をしようとして驚いた。
控室に瑠美がいたからである。

麻雀の試合は長いし、途中敗退した者が最後まで居残る必要はあまりないので、帰っても良いと指示をしている。
表彰式には対象者全員が来てしかるべきではあるが、途中敗退は表彰の対象外という考え方だ。
麻雀プロのタイトル戦の表彰対象はあくまでも優勝者なのである。だから大抵の場合、途中敗退者は帰る。

悔しくて仕方がないのが普通で、残った人たちの勝負を見ているのも辛いだろう。
特に瑠美のように多忙な人は、すぐに帰るだろうという先入観があった。
麻雀プロ同士お友達で、打ち上げや飲み会が大好き、という軟派系の女流雀士でもない。
その瑠美が最後まで観戦していたので驚いたのである。

試合の前のインタビューで瑠美は言っていた。

「ハングリーさでは和久津さんや優木さんに負けてると思います。それって無理やり作れる感情じゃないし、そこが負けているのは認めます。でも、前回優勝した時、たくさんのファンの方が驚くほど喜んでくれたんです。だから、応援してくれる皆さんのために勝ちたいと思います。今回も勝ちにこだわります」

そうやって宣言したのに負けてしまったから、ファンの皆さんに申し訳なくて最後まで残って、エンディングに出てコメントを残したかったのだと思う。

優木は試合途中から、しんどい思いをしていたと思う。
点差は開く一方で、でも戦わねばならず、試合を壊すこともしたくない。
可能性が少しでもある以上は最大限の努力をしなければならないが、ツキの偏りは残酷で、手の中がすくすく育つどころか、危ない方へとどんどん進んでいく。
できることなら途中で投げ出したかっただろうが、そんなことができるわけもない。
試合終了後は憔悴しきっていた。

宮内は、もしかしたら試合後のインタビューで泣きだしてしまうのではないかと思った。
初日はさんざんな成績で、悔しかったと思う。
彼女はタレントからプロ麻雀界に転向してきた人で、最初は麻雀も並みの打ち手だった。
だが、麻雀界をナメてはいなかったし、麻雀が心底好きで、この世界で生きていくという覚悟があったのだと思う。
だから一生懸命努力をし、先輩方から厳しいことを言われながら、どんどん強くなっていったのだろう。

彼女の持っている才能のおかげで人気が出て、テレビ対局に出演する機会が多く、優勝回数も多い。
だが、なぜか連盟のタイトル戦には縁がなく、今回が初の決勝戦だった。

私は、メディアで活躍することこそがプロの仕事だと思うが、プロ雀士たちにとって、タイトル戦というのは重みがあるようだ。
特に最近はニコ生で放送できるようになったため、タイトル戦の重みは何倍にもなっている。

世間から見れば「宮内さんは別に勝たなくてもいいじゃないの」と思われるかもしれないが、本人がそうやって割り切れるわけがない。
そう思っていたら予選に参加などしないし、ここまで勝ち残ってくることはできない。

2日目に3連勝して、奇跡の大逆転があるかも? と思わせただけで凄いことなのだが、やはり負けは負けである。

放送終了後、私は宮内に「放送中に泣いとけば好感度上がったのに、案外、姑息じゃないんだね」と優しく声を掛けたら、いつものような気の利いた返しはなかった。
本気で悔しくて、感情を抑えようと我慢している人に対して悪いことをしたと反省した。
宮内さんごめんなさい。

プロクイーン決定戦 決勝観戦記/第12期プロクイーン決定戦観戦記~後編~ 黒木 真生

『勝利への飢餓感』
今回も事前に各選手にインタビューをさせていただいた。
当日その場で意気込みを聞くのもありなのだが、それだと、言葉と一緒に気合が抜けてしまう人がいるのではないかと心配になってしまうからだ。
麻雀を気合や気持ちで打つ選手ばかりではないが、中にはそういう人もいる。
カメラを向けられて司会者の言うことに愛想笑いをしてしまうと、1回作った気持ちがヘナヘナになる。
そういう人が確実にいると思う。
それも含めてプロの仕事だろ。
そういう意見もあるし、私もそうやって器用になんでもやってくれる選手が楽で良い。
ただ、私たち裏方の仕事は、選手たちにできるだけ良い環境で打ってもらい、最大限の力を出し切ってぶつかり合ってもらうことだと思っている。
視聴者からいただいくお金がなければ生放送は続けていけないのだから、観ているファンの方に少しでも面白い、「スゲー!」と驚いてもらえるような試合をお届けしたい。
だから試合直前のインタビューは極力やめるようにして、前もって撮るようにしたのだ。
もちろん、演出その他の都合により、直前に聞くケースもあるが、年末年始の大きな試合については、できるだけ事前インタビューができるようにスケジュールを作ってもらっている。
マジメなタイトル戦だからあまりフザけたことはできないのだが、ギリギリ怒られない範囲で何とか少しだけ変なことをやろうとする習性が私にはある。
ただ、あまり仕込んだり、こちらの思惑通りしゃべらせたりするとサムい結果になるので、そういうことはしないように心がけているつもりだ。
言ってもらいたいことがあったら質問を工夫するしかないと思っている。
こういう言葉が欲しいなぁと思って頑張って言葉を投げかけるのだが、思うようにいかない場合もある。
思いがけない面白い言葉がもらえることもある。また、カメラが回っていない時の方が良い言葉が飛び出したりもする。
二階堂瑠美からは、カメラを回す前に面白い話を聞いてしまった。
「一番勝ちたいと心の底から本気で思っているのは和久津さん。次が優木さん。和久津(晶)さんはそれが良い方に出ると思うけど、優木(美智)さんはもしかしたら悪い方に転ぶかもしれない」
和久津は2013年から2014年にかけて、あと一歩で優勝という、本当に惜敗すぎる準優勝を幾度となく経験している。
2013年1月の女流桜花はオーラスにペン*七をツモれば優勝だった。翌年の桜花はオーラスの親を流局させれば優勝だったが、吾妻さおりがリャンペーコーをアガって逆転された。
麻雀マスターズ決勝では、オーラスにいったん逆転しながらも、西島一彦にチンイツの跳満をアガられて再逆転され準優勝。
昨年のプロクイーンは瑠美が圧勝したので惜敗ではないが、準優勝は和久津だった。
「和久津さんは何回も悔しい思いをしているから、当然のごとくハングリーだと思うんです。でも優木さんは、タイトル戦のチャンスが久しぶりなので、気合がカラ回りしちゃうかもしれない。彼女は力はあるけど、久しぶりの決勝ということで、変にリキんじゃうかもって思うんです」
2日目の最初の半荘、7回戦の東2局、優木の親番で2件リーチが入った。
12巡目に優木は八索をツモって2シャンテン。
100
この時点でのトータルポイントは以下。
1位 茅森早香プロ +110.6P
2位 和久津晶   + 43.2P
3位 優木美智   + 4.5P
4位 二階堂瑠美  ▲ 16.6P
5位 宮内こずえ  ▲142.7P
首位の茅森が抜け番で、優木は現状プラスの3位。
親とはいえこの手牌で、無理をする必要はなさそうである。
ほとんどの人が、瑠美が切ったドラの九筒を合わせるのではないだろうか。
だが、優木は一索を勝負して宮内に放銃してしまった。三色の高目である。
「いま、冷静な状態でこの局面を見たら、たぶん九筒を切るか八索を切ったと思います。でも、プラスとはいえ、優勝以外意味がないタイトル戦で100ポイントの差ばかりに気をとられたのだと思います。3連勝ぐらいしないと追いつかないと考えて、焦りが出てしまいました。ダブ東ドラ1で真っ直ぐに行くと言ったって、形は苦しいし八筒も勝負しなければならないし。2件リーチに向かって行くのはおかしいですよね」
優木は電話取材に応えてくれたが、振り返ると本人でも「おかしい」と感じるようなプレーが出てしまうのがタイトル戦の決勝なのだろう。
瑠美が戦前に語った「力み」が出てしまったのかもしれない。
そしてそのワリを食った形になったのは瑠美であり、恩恵を受けたのは宮内こずえだった。
このアガリが契機になったとは言わないが、この半荘宮内は66,000点、次は50,100点、その次も53,800点のトップと、大トップの3連勝。
初日を終えたところで途中敗退確定と思われていた宮内は、第10回戦が抜け番で余裕の観戦となった。
一方、瑠美は7回戦でハコラスを引いて、その後も精彩を欠き、途中敗退となった。
 
『執念の見逃し』
前女王の瑠美がいなくなった決勝戦は残すところ2回。
第11回戦も天才すぎるオンナ雀士こと茅森早香プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会所属)が好調を維持し、オーラスを迎えた時点でトップ目。
追いかけるのはトータルでも2位で、茅森プロから約50ポイント離された和久津。
2着目で茅森プロとは8,500点差で、11巡目にテンパイを入れた。
100
タンヤオイーペーコードラ1の5,200点のテンパイなので、茅森プロから出るかツモればトップ逆転。
リーチを掛けても他家から出たら逆転しないので、ここはヤミテンがセオリーだ。
が、直後、下家の宮内から三万がツモ切られる。和久津はこれを平然と見逃した。
アガっておけば、とりあえず素点が5.2P増える。
順位点は5,000点・15,000点で1位との差は10,000点しかない。
待ちもカンチャンで厳しいし、とりあえずアガるという選択肢もある。否、アガってしまう人の方が多いだろう。
だが、和久津はここが勝負と見極めて見逃した。
この和久津の執念に牌が呼応したように、和久津にとって有利な条件が訪れる。
まずは和久津が六万ツモ切りでスジ待ちになった。さらに三万を捨てた宮内がリーチを掛けてきた。
当然、茅森プロは三万が捨てられた後、和久津がすべてツモ切りしているのを見ている。
まだ最終戦ではない。茅森プロにとっては、和久津を警戒して、宮内にとって中スジの六万を打つよりも、手堅く現物で和久津のスジの三万を切るべきという判断だったのだろう。
直撃の10,400点差と順位点の上下20,000点差。
合計約30ポイントの逆転だったが、このアガリはポイント差以上のインパクトを観る者に与えたと思う。
観客だけでなく、敵にも強い衝撃を与えたのは間違いない。
メンタル面が弱い相手なら、この一撃だけで参ってしまったかもしれない。
引きのカメラの角度が悪くて、茅森プロの顔は和久津の頭で隠れてしまったが、恐らく天才の表情は何ひとつ変わっていなかっただろう。
だがそれでも、心の中までは分からない。
少なくとも和久津にとっては「いける」という逆転の手応を感じた一戦だったはずだ。
 
『オンナとオンナの殴り合い』
最終戦が始まった時点での茅森プロと和久津のポイント差は40.9P。
トップラスで順位点が30ポイントつくので、素点で1万点差をつければいいのだが、普通、上位2名の一騎打ちになると下の2人が無理な戦い方になるので、まずトップラスという展開にはならない。
だいたいは上位2名がトップと2着になるので、順位点の差は10ポイントと考えるべきだ。
そうすると、和久津は茅森プロと3万点差以上をつけなければならない。
普通はかなり無理なのだが、和久津はアッサリとやってのけてしまう。
東1局8巡目。

宮内から出された白を和久津はポンした。
マシンルームで見ていたある若手プロは「鳴かない」と言った。
宮内と優木が字牌を絞るので七対子でしかアガれないからだと言う。
確かに理屈の上ではそうだろう。
4巡、和久津のツモ切りが続く。若手は「ほらやっぱり」と言う。
だが、不思議なことが起こった。12巡目、宮内の手が四暗刻の1シャンテンになったのだ。
少し考えた後、意を決してドラの八万を切る宮内。これを和久津がポンして、それでもまだ1シャンテン。
しかも、和久津の手に必要な五索七索は宮内が両方とも暗刻にしている。
「無理ですよやっぱり」
他人ごとのように言う若手。まぁ本当に他人ごとだからしょうがない。
だが、2巡後、宮内に四暗刻のテンパイが入って、東が打ち出された。
「これでも結局、待ちが苦しいですよ」
往生際の悪い若手。まぁ私も実はそう思っていた。さすがに無理だろう。
五索は優木に入る。とりあえずカン五索に受けなくて良かった。
ツモはあと1回。さすがに無理だろう。
と思ったら、気持よさそうにスパーンと七索をツモる和久津。
私を含めマシンルームにいた全員が後ろにひっくり返りそうになった。
これじゃまるで、小学生の時に見ていたアントニオ猪木のプロレスじゃないか。
何だこの面白い麻雀は!?
オイオイ、これは本当に逆転があるんじゃないか?
興奮気味に言った私に対し、
「いやでもこの鳴きはおかしい」
若手はまだ言っていた。
自分も絶対ひっくり返りそうになったクセに。
和久津の凄いのはこれだけじゃなくて、すぐに二の矢が放てるところだ。
東1局1本場では5巡目に三色のリーチを掛けた。
ペン三万でドラドラだからヤミテンにする人も多いかもしれないが、和久津は迷わずリーチ。
戦士が組み合いになって馬乗りになったらお上品なヤミテンなどせず、情け容赦ないリーチを掛けて相手をブッ殺しにいくのである。
100
そして三万をツモり、たった2局で「マクったら奇跡」の点差をひっくり返してしまったのであった。
これがあるから和久津の試合はいつも楽しみなのである。
瀬戸熊直樹プロもそうだが、一打一打に迫力があって、技が決まった時の衝撃度が強い人のゲームは面白い。
ただ、それは敵にも恵まれなければならない。
強い人が一方的に相手を殴っているようなのはつまらなくて、同じぐらい凄い奴がいて、死闘を繰り広げるから手に汗握るのである。
今回は茅森プロがそうだった。序盤の和久津の勢いに負けず、オーラスの親で5本場まで積み、再逆転まで僅か3ポイントというところまで迫った。
最後は、和久津が3フーロのタンヤオのみ。待ちはカンチャンという、ある意味「らしい」アガリで優勝を決めたが、2人の戦いは素晴らしかった。
和久津と魚谷の女流桜花が面白いと思っていたが、和久津と茅森プロの戦いも、今後が楽しみになってきた。
100
 
『終わった後のこと』
試合がすべて終了し、表彰式の準備をしようとして驚いた。
控室に瑠美がいたからである。
麻雀の試合は長いし、途中敗退した者が最後まで居残る必要はあまりないので、帰っても良いと指示をしている。
表彰式には対象者全員が来てしかるべきではあるが、途中敗退は表彰の対象外という考え方だ。
麻雀プロのタイトル戦の表彰対象はあくまでも優勝者なのである。だから大抵の場合、途中敗退者は帰る。
悔しくて仕方がないのが普通で、残った人たちの勝負を見ているのも辛いだろう。
特に瑠美のように多忙な人は、すぐに帰るだろうという先入観があった。
麻雀プロ同士お友達で、打ち上げや飲み会が大好き、という軟派系の女流雀士でもない。
その瑠美が最後まで観戦していたので驚いたのである。
試合の前のインタビューで瑠美は言っていた。
「ハングリーさでは和久津さんや優木さんに負けてると思います。それって無理やり作れる感情じゃないし、そこが負けているのは認めます。でも、前回優勝した時、たくさんのファンの方が驚くほど喜んでくれたんです。だから、応援してくれる皆さんのために勝ちたいと思います。今回も勝ちにこだわります」
そうやって宣言したのに負けてしまったから、ファンの皆さんに申し訳なくて最後まで残って、エンディングに出てコメントを残したかったのだと思う。
優木は試合途中から、しんどい思いをしていたと思う。
点差は開く一方で、でも戦わねばならず、試合を壊すこともしたくない。
可能性が少しでもある以上は最大限の努力をしなければならないが、ツキの偏りは残酷で、手の中がすくすく育つどころか、危ない方へとどんどん進んでいく。
できることなら途中で投げ出したかっただろうが、そんなことができるわけもない。
試合終了後は憔悴しきっていた。
宮内は、もしかしたら試合後のインタビューで泣きだしてしまうのではないかと思った。
初日はさんざんな成績で、悔しかったと思う。
彼女はタレントからプロ麻雀界に転向してきた人で、最初は麻雀も並みの打ち手だった。
だが、麻雀界をナメてはいなかったし、麻雀が心底好きで、この世界で生きていくという覚悟があったのだと思う。
だから一生懸命努力をし、先輩方から厳しいことを言われながら、どんどん強くなっていったのだろう。
彼女の持っている才能のおかげで人気が出て、テレビ対局に出演する機会が多く、優勝回数も多い。
だが、なぜか連盟のタイトル戦には縁がなく、今回が初の決勝戦だった。
私は、メディアで活躍することこそがプロの仕事だと思うが、プロ雀士たちにとって、タイトル戦というのは重みがあるようだ。
特に最近はニコ生で放送できるようになったため、タイトル戦の重みは何倍にもなっている。
世間から見れば「宮内さんは別に勝たなくてもいいじゃないの」と思われるかもしれないが、本人がそうやって割り切れるわけがない。
そう思っていたら予選に参加などしないし、ここまで勝ち残ってくることはできない。
2日目に3連勝して、奇跡の大逆転があるかも? と思わせただけで凄いことなのだが、やはり負けは負けである。
放送終了後、私は宮内に「放送中に泣いとけば好感度上がったのに、案外、姑息じゃないんだね」と優しく声を掛けたら、いつものような気の利いた返しはなかった。
本気で悔しくて、感情を抑えようと我慢している人に対して悪いことをしたと反省した。
宮内さんごめんなさい。

第98回『サバキの神髄④流れの認識―NO2』 荒 正義

場面は東2局で4人の持ち点がこうだ。

沢崎38.3P
瀬戸熊30.0P
ともたけ26.1P
望月25.6P

ここで次のアガリを予測するなら、望月の絶テンの親の跳満を蹴ってラス牌の六索で仕留めた沢崎が本命。
次が無傷の瀬戸熊と見るのが妥当。
もちろん麻雀はまだ始まったばかりで、その流れも絶対ではない。

しかし、勝負手を蹴られた望月と、六索がラス牌と知っていたともたけの注意は沢崎に向いていたはずである。
だとしたならば、沢崎が先手を取って攻めたとき2人は受けの構えを取るはずだ。

勝負に出るときは自分も満貫に相当する手で、マチも好形のときに限る。
どちらか一方が欠けたら勝負はしない。

これが流れの対応で、受けのサバキである。
ただし、沢崎は六索がラス牌だったとは知らない。

東2局は、7巡目の瀬戸熊の手が面白かった。

二万四万五万六万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒??ツモ五索??ドラ三索

瀬戸熊の河にはマンズもソーズも振りテンになる牌は切られておらず、そこに引いて来たのが五索だったのである。
ドラは三索である。

ソーズの関連牌は四索が1枚出ているだけだ。
ならば誰しもドラの受け入れを考え、二万八万に手をかけるのが普通である。

だが瀬戸熊は一寸の間があって五索切りを選択。
この一打も解説の滝沢と司会進行の白鳥を唸らせた。

確かにドラを引いてテンパイしても瀬戸熊の手からはマチの四索七索が4枚見えているのだ。
ドラそばで出づらい受けだし、相手の手の内に使われている公算が高くツモ山にいるかどうかも分らない。
しかし、この形の継続なら二万八万の重なりでも、何を引いても三色になるのだ。

二万四万五万六万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒

これが瀬戸熊の感性で、光る一打だった。

だがこの2巡後、先にテンパイを果たしたのは沢崎である。
その1シャンテンの形はこれだった。

三万四万一索二索三索四索五索七索八索九索五筒六筒七筒

三索六索を引いても二万五万を引いても受けに困る手だが、ツモが好調の四万だったのである。
ここで沢崎は迷わずヤミテンを選択。
リーチなら安目で7,700、高めで満貫。高めツモなら跳満が狙えるのだ。

ヤミテンの理由は何か―。
直前に望月が六索を切っていたからか、それとも別の理由があるのか。
あるとするなら、安めのドラでも3,900あるから十分だしドラより6の方が出やすい、と考えたかである。

この後、12巡目に瀬戸熊が追いついた。
入り目に手応えが感じるし、受けも絶好の3面チャンである。当然、リーチの一手だ。

四万五万六万七万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒??リーチ

(瀬戸熊の河)
九筒 上向き北西一索 上向き東九索 上向き
五索 上向き発二索 上向き南五索 上向き二万 左向き

ここで沢崎は、なんの躊躇もなく追いかける。

一万 上向き一筒 上向き八筒 上向き白二筒 上向き東
白三万 上向き南五筒 上向き六万 上向き二筒 左向き

勝負は7対3で瀬戸熊有利に見えた。滝沢も白鳥もそう見たはずである。
だが2巡後、瀬戸熊の河に六索が打たれた。
これで沢崎が、リーチ棒付きで満貫の追加点。

沢崎の手牌には、ともたけと望月の冷ややかな視線が注いだはずだ。
さらに瀬戸熊は自分の手牌を見つめ、こう思ったはずだ。
(このツモと受けでも負けるのか―)

さっきはラス牌の勝利で、今度は不利なめくり勝負でも勝ちを収める。
これが流れの1つ、アガリの連動である。
そして、望月も瀬戸熊も避けられない放銃であったことも確かである。
3人の思いもまた同じだ。(今日の要注意人物は、沢崎だ―)

流れを認識したら、後は対応である。
沢崎の親番や攻めは、早めのかわしが必要である。
ただし、かわしはいいが勝負は無用。勢いの差があるから、正面からの戦いは不利になるのだ。
これも受けのサバキ1つで、戦いの要領である。

東3局は瀬戸熊の親番。
まず先手を取ったのはともたけだった。
10巡目にリーチをかける。

白中四万 上向き二筒 上向き一万 上向き八筒 上向き
一索 上向き八筒 上向き東七索 左向き

この河で手牌がこうだ。
三万四万五万六万七万二索三索四索六索六索二筒三筒四筒??ドラ五筒

しかも入り目が、カンチャンすっぽりの三索だから笑いが止まらない。
手が詰まれば、高め三色の二万のオリ打ちだって狙える河だ。
安めのツモでも5,200だし、高めなら跳満で一気に浮上である。

ところが5巡後、ともたけに勝負を挑んだのが親の瀬戸熊である。
彼の手はこうだ。

一万二万三万七万八万九万一索三索一筒一筒一筒五筒五筒

受けは悪いが入り目がドラの五筒で打点は十分。
この時点で二索は、相手の手の内に使われて残り2枚。
圧倒的にともたけ有利に見えたが、先に二索を掴んだのがともたけだった。

リーチ棒付きで8,700の献上。

瀬戸熊は原点近くに戻り、ともたけは2万点を割ってラス目に落ちた。
もし、私がともたけの立場なら心の中でこう叫んだはずだ。

「オレの二万は、どこだ―」

東3局1本場、この局、先にテンパイを入れたのは沢崎だった。
9巡目にして仕上がりがこうだ。

一万二万三万四万五万七万八万九万二索二索三筒四筒西??ツモ二筒??ドラ六万

入り目は二筒。マチの高めは一通の六万で、しかもドラ。
問題はここでリーチかヤミテンかの選択。
沢崎は迷うことなく前者を選択し西を横にしてリーチ。

西八索 上向き白発九索 上向き五索 上向き
七万 上向き南八筒 上向き西

沢崎の状況判断に狂いはない。
三万のアガリなど論外。ヤミテンでも六万の出は、期待はしない。ならば引いてしまえ、の判断だ。
リーチで相手の手を曲げさせ、悠々と引きにかけるのだ。
そして彼はこう信じたはずだ。
(自分には二度の満貫のアガリの「運」がある。牌運も流れも良好、だからこの六万は引ける―)

さくらは七分咲きだが、麻雀の花は満開がベスト。
これが沢崎の攻めのサバキである。

確かにここで跳満を引けば持ち点は6万点の大台に乗る。となれば、後は1人旅である。
次の半荘はもとより、今日一日、すべてが彼を中心に回ることだろう。

このようにサバキは「受け」だけではない。
受けと流れの連動から、攻めに転じることも可能なのである。

この沢崎の遠大な構想に、待ったをかけたのがともたけである。
13巡目にともたけに絶好のテンパイが入る。

一万二万三万五万六万七万八万九万六索六索七索三筒四筒??ツモ四万

ともたけは無筋の七索をそろりと置く。
ともたけはポーカフェイスであんまり目立たない。
目立つからテンパイ叩きはいけないのだ。

こちらも同じマンズの一通だが、ともたけは確定。沢崎はマチである。
確定の分だけともたけ有利か。いや、有利なのはそれだけではない。
この間に瀬戸熊が沢崎に無筋の五筒を強打していた。
つまり、その五筒は沢崎の河にあるのと同じで現物なのだ。

瀬戸熊がすぐに二筒を掴む。
自分が通した筋だからツモ切りでもおかしくはなかった。
だが切らない。これに白鳥が感嘆の声を上げる。

(ともたけ先輩、その七索はどうしたの?)
(えっ、何が?)

2人の心の会話が聞こえてきそうだ。

結果はこの後、意外にも五筒で沢崎の放銃。
ともたけはリーチ棒と積場で9.000点の回収である。
まだ東3局である。なのに、高打点の応手。

「この麻雀は、面白すぎる!」

こう感じたのは、私だけではあるまい。

次号につづく。

上級/第98回『サバキの神髄④流れの認識―NO2』 荒 正義

場面は東2局で4人の持ち点がこうだ。
沢崎38.3P
瀬戸熊30.0P
ともたけ26.1P
望月25.6P
ここで次のアガリを予測するなら、望月の絶テンの親の跳満を蹴ってラス牌の六索で仕留めた沢崎が本命。
次が無傷の瀬戸熊と見るのが妥当。
もちろん麻雀はまだ始まったばかりで、その流れも絶対ではない。
しかし、勝負手を蹴られた望月と、六索がラス牌と知っていたともたけの注意は沢崎に向いていたはずである。
だとしたならば、沢崎が先手を取って攻めたとき2人は受けの構えを取るはずだ。
勝負に出るときは自分も満貫に相当する手で、マチも好形のときに限る。
どちらか一方が欠けたら勝負はしない。
これが流れの対応で、受けのサバキである。
ただし、沢崎は六索がラス牌だったとは知らない。
東2局は、7巡目の瀬戸熊の手が面白かった。
二万四万五万六万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒??ツモ五索??ドラ三索
瀬戸熊の河にはマンズもソーズも振りテンになる牌は切られておらず、そこに引いて来たのが五索だったのである。
ドラは三索である。
ソーズの関連牌は四索が1枚出ているだけだ。
ならば誰しもドラの受け入れを考え、二万八万に手をかけるのが普通である。
だが瀬戸熊は一寸の間があって五索切りを選択。
この一打も解説の滝沢と司会進行の白鳥を唸らせた。
確かにドラを引いてテンパイしても瀬戸熊の手からはマチの四索七索が4枚見えているのだ。
ドラそばで出づらい受けだし、相手の手の内に使われている公算が高くツモ山にいるかどうかも分らない。
しかし、この形の継続なら二万八万の重なりでも、何を引いても三色になるのだ。
二万四万五万六万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒
これが瀬戸熊の感性で、光る一打だった。
だがこの2巡後、先にテンパイを果たしたのは沢崎である。
その1シャンテンの形はこれだった。
三万四万一索二索三索四索五索七索八索九索五筒六筒七筒
三索六索を引いても二万五万を引いても受けに困る手だが、ツモが好調の四万だったのである。
ここで沢崎は迷わずヤミテンを選択。
リーチなら安目で7,700、高めで満貫。高めツモなら跳満が狙えるのだ。
ヤミテンの理由は何か―。
直前に望月が六索を切っていたからか、それとも別の理由があるのか。
あるとするなら、安めのドラでも3,900あるから十分だしドラより6の方が出やすい、と考えたかである。
この後、12巡目に瀬戸熊が追いついた。
入り目に手応えが感じるし、受けも絶好の3面チャンである。当然、リーチの一手だ。
四万五万六万七万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒??リーチ
(瀬戸熊の河)
九筒 上向き北西一索 上向き東九索 上向き
五索 上向き発二索 上向き南五索 上向き二万 左向き
ここで沢崎は、なんの躊躇もなく追いかける。
一万 上向き一筒 上向き八筒 上向き白二筒 上向き東
白三万 上向き南五筒 上向き六万 上向き二筒 左向き
勝負は7対3で瀬戸熊有利に見えた。滝沢も白鳥もそう見たはずである。
だが2巡後、瀬戸熊の河に六索が打たれた。
これで沢崎が、リーチ棒付きで満貫の追加点。
沢崎の手牌には、ともたけと望月の冷ややかな視線が注いだはずだ。
さらに瀬戸熊は自分の手牌を見つめ、こう思ったはずだ。
(このツモと受けでも負けるのか―)
さっきはラス牌の勝利で、今度は不利なめくり勝負でも勝ちを収める。
これが流れの1つ、アガリの連動である。
そして、望月も瀬戸熊も避けられない放銃であったことも確かである。
3人の思いもまた同じだ。(今日の要注意人物は、沢崎だ―)
流れを認識したら、後は対応である。
沢崎の親番や攻めは、早めのかわしが必要である。
ただし、かわしはいいが勝負は無用。勢いの差があるから、正面からの戦いは不利になるのだ。
これも受けのサバキ1つで、戦いの要領である。
東3局は瀬戸熊の親番。
まず先手を取ったのはともたけだった。
10巡目にリーチをかける。
白中四万 上向き二筒 上向き一万 上向き八筒 上向き
一索 上向き八筒 上向き東七索 左向き
この河で手牌がこうだ。
三万四万五万六万七万二索三索四索六索六索二筒三筒四筒??ドラ五筒
しかも入り目が、カンチャンすっぽりの三索だから笑いが止まらない。
手が詰まれば、高め三色の二万のオリ打ちだって狙える河だ。
安めのツモでも5,200だし、高めなら跳満で一気に浮上である。
ところが5巡後、ともたけに勝負を挑んだのが親の瀬戸熊である。
彼の手はこうだ。
一万二万三万七万八万九万一索三索一筒一筒一筒五筒五筒
受けは悪いが入り目がドラの五筒で打点は十分。
この時点で二索は、相手の手の内に使われて残り2枚。
圧倒的にともたけ有利に見えたが、先に二索を掴んだのがともたけだった。
リーチ棒付きで8,700の献上。
瀬戸熊は原点近くに戻り、ともたけは2万点を割ってラス目に落ちた。
もし、私がともたけの立場なら心の中でこう叫んだはずだ。
「オレの二万は、どこだ―」
東3局1本場、この局、先にテンパイを入れたのは沢崎だった。
9巡目にして仕上がりがこうだ。
一万二万三万四万五万七万八万九万二索二索三筒四筒西??ツモ二筒??ドラ六万
入り目は二筒。マチの高めは一通の六万で、しかもドラ。
問題はここでリーチかヤミテンかの選択。
沢崎は迷うことなく前者を選択し西を横にしてリーチ。
西八索 上向き白発九索 上向き五索 上向き
七万 上向き南八筒 上向き西
沢崎の状況判断に狂いはない。
三万のアガリなど論外。ヤミテンでも六万の出は、期待はしない。ならば引いてしまえ、の判断だ。
リーチで相手の手を曲げさせ、悠々と引きにかけるのだ。
そして彼はこう信じたはずだ。
(自分には二度の満貫のアガリの「運」がある。牌運も流れも良好、だからこの六万は引ける―)
さくらは七分咲きだが、麻雀の花は満開がベスト。
これが沢崎の攻めのサバキである。
確かにここで跳満を引けば持ち点は6万点の大台に乗る。となれば、後は1人旅である。
次の半荘はもとより、今日一日、すべてが彼を中心に回ることだろう。
このようにサバキは「受け」だけではない。
受けと流れの連動から、攻めに転じることも可能なのである。
この沢崎の遠大な構想に、待ったをかけたのがともたけである。
13巡目にともたけに絶好のテンパイが入る。
一万二万三万五万六万七万八万九万六索六索七索三筒四筒??ツモ四万
ともたけは無筋の七索をそろりと置く。
ともたけはポーカフェイスであんまり目立たない。
目立つからテンパイ叩きはいけないのだ。
こちらも同じマンズの一通だが、ともたけは確定。沢崎はマチである。
確定の分だけともたけ有利か。いや、有利なのはそれだけではない。
この間に瀬戸熊が沢崎に無筋の五筒を強打していた。
つまり、その五筒は沢崎の河にあるのと同じで現物なのだ。
瀬戸熊がすぐに二筒を掴む。
自分が通した筋だからツモ切りでもおかしくはなかった。
だが切らない。これに白鳥が感嘆の声を上げる。
(ともたけ先輩、その七索はどうしたの?)
(えっ、何が?)
2人の心の会話が聞こえてきそうだ。
結果はこの後、意外にも五筒で沢崎の放銃。
ともたけはリーチ棒と積場で9.000点の回収である。
まだ東3局である。なのに、高打点の応手。
「この麻雀は、面白すぎる!」
こう感じたのは、私だけではあるまい。
次号につづく。

ロン2カップ2015winterレポート 菅原 千瑛

年が明けて早1ヶ月。
2015年の12分の1が終わり、迎えた2月1日、今年初のロン2カップの日である。
ロン2カップとは…春夏秋冬、年に4回シーズン毎に行われる、熾烈な予選を勝ち抜いてきたロン2ユーザーさんと実力を認められたプロ雀士にて繰り広げられる夢の競合マッチ。

そんなロン2カップ、今回の2015winterの出場選手はこちら。

A卓
藤崎智プロ、瀬戸熊直樹プロ、櫻井秀樹プロ、160r28さん

(2015年2月1日時点)現鳳凰位の麻雀忍者こと藤崎智プロ、現十段位の不眠不休のサラリーマン雀士こと櫻井秀樹プロ、この2人とは因縁深い卓上の暴君こと瀬戸熊直樹プロ、そんな3名のプロに立ち向かうは「緊張していますがここまで来れたので精一杯戦おうと思います」という今回滋賀県からお越しの160r28さんである。

100

藤崎智プロ

100

瀬戸熊直樹プロ

100

櫻井秀樹プロ

 

B卓
滝沢和典プロ、佐々木寿人プロ、ごんぎつねさん、ランディ556さん

ハンサムでもおなじみだろうか、麻雀バカボンドこと滝沢和典プロ、滝沢プロとはライバル同士と称される麻雀攻めダルマこと佐々木寿人プロ、この両名に挑むは、なんとロン2カップ2度目の出場、九州からお越しのごんぎつねさん、「ランディは愛犬の名前から取りました。(犬種は)ダルメシアンです」という千葉県柏市からお越しのランディ556さんである。

100

滝沢和典プロ

100

佐々木寿人プロ

 

C卓
小島武夫プロ、灘麻太郎プロ、荒正義プロ、森山茂和プロ

こちらの卓はもう説明不要であろうが念の為。
ミスター麻雀こと小島武夫プロ、カミソリ灘こと灘麻太郎プロ、精密機械こと荒正義プロ、手役アーティストこと森山茂和プロ。
皆様御存知、麻雀界の歴史から切っても切り離せない、重鎮の面々である。

100

小島武夫プロ

100

灘麻太郎プロ

100

荒正義プロ

100

森山茂和プロ

 

A卓B卓からは1位が決勝に勝ち上がり。C卓からは2位までが決勝に勝ち上がりとなる。

さらに今回はエキシビジョンマッチとして女流4名の戦いも放送された。

エキシビジョンマッチ
宮内こずえプロ、和久津晶プロ、高宮まりプロ、吾妻さおりプロ

こちらも説明不要ではあると思うが念の為。
昨年のKONAMI麻雀格闘倶楽部人気選抜総選挙1位となった高宮まりプロ、2度目のプロクイーン優勝を手にしたことが記憶に新しい現プロクイーン和久津晶プロ、今回のロン2カップの前日に連覇を決めた現女流桜花吾妻さおりプロ、連盟女流四天王の1人とも称され、テレビ等でもめざましい活躍と麻雀を魅せ続ける純白の牌奏者こと宮内こずえプロ。

ルールはロン2東南戦リーチバトルルール(赤ドラが各1枚、テンパイ連荘、オーラスのアガリやめあり)を採用。
ただしロン2カップはハコテン終了なしとなっている。

そして解説陣は選手のプロの方々が出番でない時に交代交代に、実況とMCは私菅原が、アシスタントとロン2の牌譜再生システムを活用した牌譜検証にはダンプ大橋プロ、といった布陣。
なんという不意をついた起用だろうか。

本番の数日前、送られてきた台本に目を通すとダンプの文字が全てダソプになっているではないか。

それはさておき、
本番当日、こっそりと「これを本番にダンプに……」そういって手渡されたメガネとカーディガン。

2度程投げ捨てられるメガネとカーディガン。

森山会長からダンププロに直接手渡されるメガネとカーディガン。

100
100
100
100
100

細やかな、シュールなといった方が良いだろうか、とにもかくにも要所要所にお茶目でイタズラ心満載の運営の面々。
(全員先輩のプロ雀士たちである。)もう、面白すぎる。
本番前、本番中、緊張も忘れて笑いころげそうになるのを必死に我慢していた。

これだけは誤解なきようお願いしたいのは、ただふざけている、不真面目、という訳ではないのである。
現場にいると、麻雀ファンの皆様を唸らせる、質の高い良い内容をお見せしようという選手の真剣な気持ちと、日頃の感謝を込めて、どうか皆様に楽しんで観ていただけるようにという運営の渾身の思いが満ち溢れていることが分かる。

そういった現場の楽しさが、ご視聴下さった皆様、そしてこの文章を読んでいる皆様にも伝われば幸いである。
おそらく特筆すべきではない点に焦点を当ててしまったが、そんな空間に自身がいられたことに喜びと誇りを持ち、これからロン2カップに出場される皆様にもぜひ体験していただけたらなと思う次第である。

ロン2カップの他にもファン感謝祭やリアル大会などプロとの交流イベントが盛り沢山のロン2。
ロン2カップの予選は年に4回。

今回出場選手としていらしていたユーザーの皆様と同じように、次回はこれを読んでいるユーザーの皆様がプロと戦う出場選手となっている可能性もあるのである。

”あのロン2の子”と呼ばれ続けて早4年(笑)。

お蔭様でリアル大会やファン感謝祭での楽しい思い出が山ほどある。

そしてまた今回1つ、ロン2カップ2015winterのMCと実況という大役を仰せつかり、もっとああすればこうすれば等、反省点も沢山あるが、普段出来ない素晴らしい経験を得たという自負もある。

”あのロン2の子”で良かったなぁと今となってはしみじみ思う。

100
100

遠くからお越し下さったユーザーの皆様、MCとしても実況としても未熟な私を本番中支えて下さった運営、そして解説の皆様、そして長時間ご視聴下さった皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。

今回、麻雀の内容については各卓それぞれが個性溢れる素晴らしい闘牌であったが、ひとつだけ特に印象深い1局を挙げるとするならば、

決勝戦の東3局
南家の灘プロが3巡目に以下の手牌でリーチ

七万八万九万三索四索赤五索六索七索八索二筒二筒東東  リーチ

それに追いつき、リーチを打った荒プロの手牌がこちら

五万六万七万七万八万九万四索六索五筒赤五筒五筒発発  リーチ

結果は灘プロが荒プロの待ちの五索を掴んで放銃。なんとドラ表示牌は表も裏も四筒

一発裏ドラのないAルールでは滅多にお目にかかれないリーチドラ7のアガリ。
リーチとドラで24,000点。

100

しかしこの後、藤崎プロがじわりじわりと荒プロの背後に忍び寄る。
これを荒プロがしっかりと逃げ切り、勝利を手にする。

100

エキシビジョンマッチにしてもそうであったが、一発逆転のチャンスが多いこのルールであるからこそ、面白い展開が生まれるのだなと。
見応えのある、素晴らしい対局の数々。面白い対局を観ていると、時間が経つのはあっという間である。

ロン2カップの優勝は荒正義プロ、エキシビジョンマッチの優勝は吾妻さおりプロ、という結果で幕を閉じたロン2カップ2015winter。

100
100
100
100
100
100
100
100

吾妻さおりプロと!

100

自分自身の至らない点も多々あったかとは思うが課題も見えたし、こうして文章で振り返ると麻雀は面白かったし麻雀以外も面白かったし…

今から春が待ち遠しいな♪

次回、ロン2カップ2015springも皆様どうぞお楽しみに!!

その他イベント/ロン2カップ2015winterレポート 菅原 千瑛

年が明けて早1ヶ月。
2015年の12分の1が終わり、迎えた2月1日、今年初のロン2カップの日である。
ロン2カップとは…春夏秋冬、年に4回シーズン毎に行われる、熾烈な予選を勝ち抜いてきたロン2ユーザーさんと実力を認められたプロ雀士にて繰り広げられる夢の競合マッチ。
そんなロン2カップ、今回の2015winterの出場選手はこちら。
A卓
藤崎智プロ、瀬戸熊直樹プロ、櫻井秀樹プロ、160r28さん
(2015年2月1日時点)現鳳凰位の麻雀忍者こと藤崎智プロ、現十段位の不眠不休のサラリーマン雀士こと櫻井秀樹プロ、この2人とは因縁深い卓上の暴君こと瀬戸熊直樹プロ、そんな3名のプロに立ち向かうは「緊張していますがここまで来れたので精一杯戦おうと思います」という今回滋賀県からお越しの160r28さんである。

100

藤崎智プロ

100

瀬戸熊直樹プロ

100

櫻井秀樹プロ

 
B卓
滝沢和典プロ、佐々木寿人プロ、ごんぎつねさん、ランディ556さん
ハンサムでもおなじみだろうか、麻雀バカボンドこと滝沢和典プロ、滝沢プロとはライバル同士と称される麻雀攻めダルマこと佐々木寿人プロ、この両名に挑むは、なんとロン2カップ2度目の出場、九州からお越しのごんぎつねさん、「ランディは愛犬の名前から取りました。(犬種は)ダルメシアンです」という千葉県柏市からお越しのランディ556さんである。

100

滝沢和典プロ

100

佐々木寿人プロ

 
C卓
小島武夫プロ、灘麻太郎プロ、荒正義プロ、森山茂和プロ
こちらの卓はもう説明不要であろうが念の為。
ミスター麻雀こと小島武夫プロ、カミソリ灘こと灘麻太郎プロ、精密機械こと荒正義プロ、手役アーティストこと森山茂和プロ。
皆様御存知、麻雀界の歴史から切っても切り離せない、重鎮の面々である。

100

小島武夫プロ

100

灘麻太郎プロ

100

荒正義プロ

100

森山茂和プロ

 
A卓B卓からは1位が決勝に勝ち上がり。C卓からは2位までが決勝に勝ち上がりとなる。
さらに今回はエキシビジョンマッチとして女流4名の戦いも放送された。
エキシビジョンマッチ
宮内こずえプロ、和久津晶プロ、高宮まりプロ、吾妻さおりプロ
こちらも説明不要ではあると思うが念の為。
昨年のKONAMI麻雀格闘倶楽部人気選抜総選挙1位となった高宮まりプロ、2度目のプロクイーン優勝を手にしたことが記憶に新しい現プロクイーン和久津晶プロ、今回のロン2カップの前日に連覇を決めた現女流桜花吾妻さおりプロ、連盟女流四天王の1人とも称され、テレビ等でもめざましい活躍と麻雀を魅せ続ける純白の牌奏者こと宮内こずえプロ。
ルールはロン2東南戦リーチバトルルール(赤ドラが各1枚、テンパイ連荘、オーラスのアガリやめあり)を採用。
ただしロン2カップはハコテン終了なしとなっている。
そして解説陣は選手のプロの方々が出番でない時に交代交代に、実況とMCは私菅原が、アシスタントとロン2の牌譜再生システムを活用した牌譜検証にはダンプ大橋プロ、といった布陣。
なんという不意をついた起用だろうか。
本番の数日前、送られてきた台本に目を通すとダンプの文字が全てダソプになっているではないか。
それはさておき、
本番当日、こっそりと「これを本番にダンプに……」そういって手渡されたメガネとカーディガン。
2度程投げ捨てられるメガネとカーディガン。
森山会長からダンププロに直接手渡されるメガネとカーディガン。

100
100
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100

細やかな、シュールなといった方が良いだろうか、とにもかくにも要所要所にお茶目でイタズラ心満載の運営の面々。
(全員先輩のプロ雀士たちである。)もう、面白すぎる。
本番前、本番中、緊張も忘れて笑いころげそうになるのを必死に我慢していた。
これだけは誤解なきようお願いしたいのは、ただふざけている、不真面目、という訳ではないのである。
現場にいると、麻雀ファンの皆様を唸らせる、質の高い良い内容をお見せしようという選手の真剣な気持ちと、日頃の感謝を込めて、どうか皆様に楽しんで観ていただけるようにという運営の渾身の思いが満ち溢れていることが分かる。
そういった現場の楽しさが、ご視聴下さった皆様、そしてこの文章を読んでいる皆様にも伝われば幸いである。
おそらく特筆すべきではない点に焦点を当ててしまったが、そんな空間に自身がいられたことに喜びと誇りを持ち、これからロン2カップに出場される皆様にもぜひ体験していただけたらなと思う次第である。
ロン2カップの他にもファン感謝祭やリアル大会などプロとの交流イベントが盛り沢山のロン2。
ロン2カップの予選は年に4回。
今回出場選手としていらしていたユーザーの皆様と同じように、次回はこれを読んでいるユーザーの皆様がプロと戦う出場選手となっている可能性もあるのである。
”あのロン2の子”と呼ばれ続けて早4年(笑)。
お蔭様でリアル大会やファン感謝祭での楽しい思い出が山ほどある。
そしてまた今回1つ、ロン2カップ2015winterのMCと実況という大役を仰せつかり、もっとああすればこうすれば等、反省点も沢山あるが、普段出来ない素晴らしい経験を得たという自負もある。
”あのロン2の子”で良かったなぁと今となってはしみじみ思う。

100
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遠くからお越し下さったユーザーの皆様、MCとしても実況としても未熟な私を本番中支えて下さった運営、そして解説の皆様、そして長時間ご視聴下さった皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。
今回、麻雀の内容については各卓それぞれが個性溢れる素晴らしい闘牌であったが、ひとつだけ特に印象深い1局を挙げるとするならば、
決勝戦の東3局
南家の灘プロが3巡目に以下の手牌でリーチ
七万八万九万三索四索赤五索六索七索八索二筒二筒東東  リーチ
それに追いつき、リーチを打った荒プロの手牌がこちら
五万六万七万七万八万九万四索六索五筒赤五筒五筒発発  リーチ
結果は灘プロが荒プロの待ちの五索を掴んで放銃。なんとドラ表示牌は表も裏も四筒
一発裏ドラのないAルールでは滅多にお目にかかれないリーチドラ7のアガリ。
リーチとドラで24,000点。

100

しかしこの後、藤崎プロがじわりじわりと荒プロの背後に忍び寄る。
これを荒プロがしっかりと逃げ切り、勝利を手にする。

100

エキシビジョンマッチにしてもそうであったが、一発逆転のチャンスが多いこのルールであるからこそ、面白い展開が生まれるのだなと。
見応えのある、素晴らしい対局の数々。面白い対局を観ていると、時間が経つのはあっという間である。
ロン2カップの優勝は荒正義プロ、エキシビジョンマッチの優勝は吾妻さおりプロ、という結果で幕を閉じたロン2カップ2015winter。

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吾妻さおりプロと!

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自分自身の至らない点も多々あったかとは思うが課題も見えたし、こうして文章で振り返ると麻雀は面白かったし麻雀以外も面白かったし…
今から春が待ち遠しいな♪
次回、ロン2カップ2015springも皆様どうぞお楽しみに!!

何を切る?fromロン2 2015年2月 解答

プレゼントクイズに多数のご応募ありがとうございます。
クイズの正解と各プロよりいただきました打牌解説はこちらです。

第9期女流桜花1回戦 東3局1本場 1巡目 東家 和久津晶プロの手牌

【第1問】魚谷侑未プロは何を切る?

解答:五万切り
魚谷プロ「1シャンテンに受けつつ、678三色などへの手替わりを見ます。七索が入ったら素直にテンパイに取り、また、六索八索ツモで七筒を打ちます。」

第9期女流桜花4回戦 東1局8巡目 北家 安田麻里菜プロの手牌

 

【第2問】吾妻さおりプロ 和久津晶プロの選択は? ※同一打牌です

 

解答:中切り
吾妻プロ「一索フリテンとなっている牌姿ですが、ソーズに雀頭をもとめて567の三色を本線、456を第二候補としたタンピン形を目指します。」

和久津プロ「456、567の三色がどちらも確定しない上にフリテン有り。ドラ八万の受け入れも考慮すれば、メンタンピンの方が期待値が高い。」

正解は【第1問】五万 【第2問】中 でした。
プレゼントに当選された方々には後日事務局よりご連絡いたします。

何を切る?/何を切る?fromロン2 2015年2月 解答

プレゼントクイズに多数のご応募ありがとうございます。
クイズの正解と各プロよりいただきました打牌解説はこちらです。

第9期女流桜花1回戦 東3局1本場 1巡目 東家 和久津晶プロの手牌
【第1問】魚谷侑未プロは何を切る?
解答:五万切り
魚谷プロ「1シャンテンに受けつつ、678三色などへの手替わりを見ます。七索が入ったら素直にテンパイに取り、また、六索八索ツモで七筒を打ちます。」

第9期女流桜花4回戦 東1局8巡目 北家 安田麻里菜プロの手牌
 
【第2問】吾妻さおりプロ 和久津晶プロの選択は? ※同一打牌です
 
解答:中切り
吾妻プロ「一索フリテンとなっている牌姿ですが、ソーズに雀頭をもとめて567の三色を本線、456を第二候補としたタンピン形を目指します。」
和久津プロ「456、567の三色がどちらも確定しない上にフリテン有り。ドラ八万の受け入れも考慮すれば、メンタンピンの方が期待値が高い。」
正解は【第1問】五万 【第2問】中 でした。
プレゼントに当選された方々には後日事務局よりご連絡いたします。

第24回静岡リーグ(プロアマ混合) 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 竹内 仁 一般 ▲ 18.5 ▲ 24.4 9.8 79.4 117.2 163.5
2 越川 清一 プロ 24.7 47.0 27.9 74.1 ▲ 36.2 137.5
3 中澤 諒 一般 ▲ 25.5 63.6 40.3 30.3 28.6 137.3
4 太田 昌樹 プロ 89.4 ▲ 14.7 23.1 6.4 25.6 129.8
5 岡本 和也 プロ 11.6 67.7 20.8 ▲ 19.8 42.4 122.7
6 土屋 幸弘 プロ 71.1 27.3 ▲ 85.2 71.0 ▲ 3.9 80.3
7 鷲見 隼人 プロ ▲ 25.3 67.7 6.9 ▲ 7.3 33.2 75.2
8 杉村 泰治 プロ ▲ 25.0 78.5 ▲ 39.8 24.6 32.2 70.5
9 松井 和志 一般 ▲ 13.1 8.2 25.5 35.7 10.1 66.4
10 中 寿文 プロ 63.5 ▲ 12.4 8.8 46.3 ▲ 47.5 58.7
11 平野 敬悟 プロ ▲ 6.9 46.9 10.4 30.5 ▲ 26.9 54.0
12 京平 遥 プロ 55.9 ▲ 13.3 ▲ 14.2 ▲ 4.4 29.6 53.6
13 小塚 旭 一般 ▲ 27.6 17.3 42.8 ▲ 46.4 61.1 47.2
14 北島 武浩 一般 47.9 43.2 ▲ 18.7 37.7 ▲ 63.0 47.1
15 森田 皓太 一般 ▲ 16.9 47.0 ▲ 2.0 30.3 ▲ 15.9 42.5
16 鈴木 郁孝 プロ ▲ 12.3 68.0 ▲ 3.2 41.1 ▲ 51.4 42.2
17 伊藤 真 一般 17.0 ▲ 55.1 91.2 5.1 ▲ 20.6 37.6
18 土本 伸之 一般 ▲ 38.2 23.5 ▲ 2.5 60.7 ▲ 8.0 35.5
19 坪井 哲也 プロ ▲ 33.6 ▲ 28.7 63.1 ▲ 29.6 47.9 19.1
20 渡辺 洋巳 プロ ▲ 58.3 12.5 15.2 26.1 12.5 8.0
21 大須賀隆秀 一般 ▲ 3.6 ▲ 45.5 35.6 13.7 5.3 5.5
22 本田 真之 一般 ▲ 0.5 ▲ 34.2 70.1 ▲ 36.1 0.1 ▲ 0.6
23 石津 寿人 一般 ▲ 8.2 87.9 ▲ 37.8 ▲ 40.7 ▲ 9.5 ▲ 8.3
24 徳永 翔 プロ ▲ 13.4 ▲ 8.2 30.1 ▲ 3.7 ▲ 13.1 ▲ 8.3
25 山本 拓哉 プロ ▲ 18.8 ▲ 62.5 39.8 ▲ 15.0 47.3 ▲ 9.2
26 江島 直毅 一般 10.3 3.0 ▲ 59.6 ▲ 2.9 36.1 ▲ 13.1
27 浜 正彦 一般 21.4 3.9 ▲ 22.4 ▲ 64.5 47.1 ▲ 14.5
28 春田 篤志 一般 54.0 32.2 ▲ 8.7 ▲ 44.2 ▲ 48.8 ▲ 15.5
29 浜田 修 一般 19.4 ▲ 1.7 15.5 ▲ 33.4 ▲ 15.7 ▲ 15.9
30 望月 雅継 プロ ▲ 0.6 59.4 ▲ 20.1 ▲ 67.9 2.0 ▲ 27.2
31 白井 健夫 一般 ▲ 27.3 ▲ 46.9 ▲ 2.7 37.4 10.5 ▲ 29.0
32 村瀬 光佳 一般 13.3 ▲ 22.4 ▲ 2.9 15.5 ▲ 42.5 ▲ 39.0
33 石原 将樹 プロ 20.6 ▲ 26.0 ▲ 50.9 ▲ 6.9 19.4 ▲ 43.8
34 福井 弘人 一般 54.7 ▲ 27.7 ▲ 76.5 39.2 ▲ 33.7 ▲ 44.0
35 大橋 義一 一般 13.5 ▲ 0.8 11.1 ▲ 64.2 ▲ 8.0 ▲ 48.4
36 鈴木 雅人 プロ ▲ 86.4 57.7 9.7 ▲ 37.0 2.2 ▲ 53.8
37 源馬 健太 一般 30.1 ▲ 27.6 ▲ 35.1 8.6 ▲ 33.6 ▲ 57.6
38 遠藤 秀勝 一般 ▲ 67.7 15.0 16.0 23.3 ▲ 48.1 ▲ 61.5
39 新谷 洸士 一般 ▲ 15.0 ▲ 30.2 ▲ 20.2 ▲ 52.4 50.1 ▲ 67.7
40 田中 良典 一般 ▲ 32.1 28.5 ▲ 42.5 ▲ 8.3 ▲ 20.0 ▲ 74.4
41 平田 拓也 一般 42.9 ▲ 28.1 ▲ 14.8 ▲ 23.7 ▲ 54.0 ▲ 77.7
42 佐藤 あいり プロ ▲ 36.6 44.4 ▲ 26.2 ▲ 34.2 ▲ 28.3 ▲ 80.9
43 小森 義中 一般 66.3 ▲ 15.2 ▲ 23.4 ▲ 89.8 ▲ 25.5 ▲ 87.6
44 相山 滉太 一般 ▲ 64.4 6.6 34.6 ▲ 43.7 ▲ 23.6 ▲ 90.5
45 鈴木 秀幸 プロ ▲ 33.1 ▲ 73.2 ▲ 17.8 28.3 ▲ 10.5 ▲ 106.3
46 櫻井 竜一郎 一般 29.1 3.4 ▲ 35.2 ▲ 65.5 ▲ 39.0 ▲ 107.2
47 堀 孔明 一般 ▲ 25.0 ▲ 47.7 ▲ 36.7 ▲ 51.6 44.9 ▲ 116.1
48 舟橋 晃 一般 ▲ 61.7 ▲ 46.1 9.9 38.9 ▲ 57.4 ▲ 116.4
49 冨永 直弘 一般 ▲ 115.4 ▲ 83.1 34.8 ▲ 19.9 ▲ 12.7 ▲ 196.3

静岡プロリーグ 成績表/第24回静岡リーグ(プロアマ混合) 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 竹内 仁 一般 ▲ 18.5 ▲ 24.4 9.8 79.4 117.2 163.5
2 越川 清一 プロ 24.7 47.0 27.9 74.1 ▲ 36.2 137.5
3 中澤 諒 一般 ▲ 25.5 63.6 40.3 30.3 28.6 137.3
4 太田 昌樹 プロ 89.4 ▲ 14.7 23.1 6.4 25.6 129.8
5 岡本 和也 プロ 11.6 67.7 20.8 ▲ 19.8 42.4 122.7
6 土屋 幸弘 プロ 71.1 27.3 ▲ 85.2 71.0 ▲ 3.9 80.3
7 鷲見 隼人 プロ ▲ 25.3 67.7 6.9 ▲ 7.3 33.2 75.2
8 杉村 泰治 プロ ▲ 25.0 78.5 ▲ 39.8 24.6 32.2 70.5
9 松井 和志 一般 ▲ 13.1 8.2 25.5 35.7 10.1 66.4
10 中 寿文 プロ 63.5 ▲ 12.4 8.8 46.3 ▲ 47.5 58.7
11 平野 敬悟 プロ ▲ 6.9 46.9 10.4 30.5 ▲ 26.9 54.0
12 京平 遥 プロ 55.9 ▲ 13.3 ▲ 14.2 ▲ 4.4 29.6 53.6
13 小塚 旭 一般 ▲ 27.6 17.3 42.8 ▲ 46.4 61.1 47.2
14 北島 武浩 一般 47.9 43.2 ▲ 18.7 37.7 ▲ 63.0 47.1
15 森田 皓太 一般 ▲ 16.9 47.0 ▲ 2.0 30.3 ▲ 15.9 42.5
16 鈴木 郁孝 プロ ▲ 12.3 68.0 ▲ 3.2 41.1 ▲ 51.4 42.2
17 伊藤 真 一般 17.0 ▲ 55.1 91.2 5.1 ▲ 20.6 37.6
18 土本 伸之 一般 ▲ 38.2 23.5 ▲ 2.5 60.7 ▲ 8.0 35.5
19 坪井 哲也 プロ ▲ 33.6 ▲ 28.7 63.1 ▲ 29.6 47.9 19.1
20 渡辺 洋巳 プロ ▲ 58.3 12.5 15.2 26.1 12.5 8.0
21 大須賀隆秀 一般 ▲ 3.6 ▲ 45.5 35.6 13.7 5.3 5.5
22 本田 真之 一般 ▲ 0.5 ▲ 34.2 70.1 ▲ 36.1 0.1 ▲ 0.6
23 石津 寿人 一般 ▲ 8.2 87.9 ▲ 37.8 ▲ 40.7 ▲ 9.5 ▲ 8.3
24 徳永 翔 プロ ▲ 13.4 ▲ 8.2 30.1 ▲ 3.7 ▲ 13.1 ▲ 8.3
25 山本 拓哉 プロ ▲ 18.8 ▲ 62.5 39.8 ▲ 15.0 47.3 ▲ 9.2
26 江島 直毅 一般 10.3 3.0 ▲ 59.6 ▲ 2.9 36.1 ▲ 13.1
27 浜 正彦 一般 21.4 3.9 ▲ 22.4 ▲ 64.5 47.1 ▲ 14.5
28 春田 篤志 一般 54.0 32.2 ▲ 8.7 ▲ 44.2 ▲ 48.8 ▲ 15.5
29 浜田 修 一般 19.4 ▲ 1.7 15.5 ▲ 33.4 ▲ 15.7 ▲ 15.9
30 望月 雅継 プロ ▲ 0.6 59.4 ▲ 20.1 ▲ 67.9 2.0 ▲ 27.2
31 白井 健夫 一般 ▲ 27.3 ▲ 46.9 ▲ 2.7 37.4 10.5 ▲ 29.0
32 村瀬 光佳 一般 13.3 ▲ 22.4 ▲ 2.9 15.5 ▲ 42.5 ▲ 39.0
33 石原 将樹 プロ 20.6 ▲ 26.0 ▲ 50.9 ▲ 6.9 19.4 ▲ 43.8
34 福井 弘人 一般 54.7 ▲ 27.7 ▲ 76.5 39.2 ▲ 33.7 ▲ 44.0
35 大橋 義一 一般 13.5 ▲ 0.8 11.1 ▲ 64.2 ▲ 8.0 ▲ 48.4
36 鈴木 雅人 プロ ▲ 86.4 57.7 9.7 ▲ 37.0 2.2 ▲ 53.8
37 源馬 健太 一般 30.1 ▲ 27.6 ▲ 35.1 8.6 ▲ 33.6 ▲ 57.6
38 遠藤 秀勝 一般 ▲ 67.7 15.0 16.0 23.3 ▲ 48.1 ▲ 61.5
39 新谷 洸士 一般 ▲ 15.0 ▲ 30.2 ▲ 20.2 ▲ 52.4 50.1 ▲ 67.7
40 田中 良典 一般 ▲ 32.1 28.5 ▲ 42.5 ▲ 8.3 ▲ 20.0 ▲ 74.4
41 平田 拓也 一般 42.9 ▲ 28.1 ▲ 14.8 ▲ 23.7 ▲ 54.0 ▲ 77.7
42 佐藤 あいり プロ ▲ 36.6 44.4 ▲ 26.2 ▲ 34.2 ▲ 28.3 ▲ 80.9
43 小森 義中 一般 66.3 ▲ 15.2 ▲ 23.4 ▲ 89.8 ▲ 25.5 ▲ 87.6
44 相山 滉太 一般 ▲ 64.4 6.6 34.6 ▲ 43.7 ▲ 23.6 ▲ 90.5
45 鈴木 秀幸 プロ ▲ 33.1 ▲ 73.2 ▲ 17.8 28.3 ▲ 10.5 ▲ 106.3
46 櫻井 竜一郎 一般 29.1 3.4 ▲ 35.2 ▲ 65.5 ▲ 39.0 ▲ 107.2
47 堀 孔明 一般 ▲ 25.0 ▲ 47.7 ▲ 36.7 ▲ 51.6 44.9 ▲ 116.1
48 舟橋 晃 一般 ▲ 61.7 ▲ 46.1 9.9 38.9 ▲ 57.4 ▲ 116.4
49 冨永 直弘 一般 ▲ 115.4 ▲ 83.1 34.8 ▲ 19.9 ▲ 12.7 ▲ 196.3

第10期 静岡プロリーグ 最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 岡本 和也 8.6 44.9 ▲ 1.4 13.8 ▲ 1.7 45.1 57.7 35.7 ▲ 3.2 199.5
2 長内 真実 19.9 72.5 ▲ 11.4 ▲ 49.8 29.2 44.5 3.7 ▲ 2.9 17.9 123.6
3 鷲見 隼人 31.2 ▲ 38.5 58.1 33.2 ▲ 10.6 ▲ 3.2 23.8 17.0 ▲ 8.8 102.2
4 越川 清一 ▲ 2.2 61.2 44.3 8.0 ▲ 44.5 ▲ 2.3 ▲ 26.9 ▲ 5.2 39.0 71.4
5 京平 遥 ▲ 5.9 29.7 ▲ 12.5 4.8 ▲ 26.0 ▲ 57.6 ▲ 21.8 53.6 96.7 61.0
6 土屋 幸弘 19.6 ▲ 8.1 2.7 ▲ 20.4 26.3 21.4 ▲ 41.3 28.0 7.6 35.8
7 鈴木 郁孝 5.6 ▲ 6.8 21.1 ▲ 23.8 66.8 43.7 42.7 ▲ 76.6 ▲ 57.2 15.5
8 望月 雅継 83.6 ▲ 32.1 ▲ 71.4 ▲ 2.5 2.3 38.4 ▲ 10.2 0.6 ▲ 28.9 ▲ 20.2
9 太田 昌樹 ▲ 26.4 0.9 8.4 20.2 13.1 ▲ 49.0 ▲ 37.0 81.2 ▲ 36.9 ▲ 25.5
10 鈴木 秀幸 12.4 ▲ 3.4 ▲ 6.5 6.5 ▲ 29.2 6.5 ▲ 33.5 ▲ 29.8 47.5 ▲ 29.5
11 徳永 翔 2.5 10.6 56.9 ▲ 26.6 13.6 ▲ 39.0 ▲ 67.6 ▲ 1.7 12.5 ▲ 38.8
12 杉村 泰治 ▲ 44.3 8.7 ▲ 48.4 6.1 ▲ 19.5 35.7 ▲ 10.8 30.0 ▲ 1.3 ▲ 43.8
13 平野 敬悟 ▲ 47.9 24.0 58.2 ▲ 16.3 35.1 ▲ 25.9 ▲ 20.1 ▲ 3.6 ▲ 57.4 ▲ 53.9
14 坪井 哲也 26.7 ▲ 53.5 ▲ 17.4 ▲ 7.2 36.9 ▲ 22.9 ▲ 27.9 ▲ 23.7 1.4 ▲ 87.6
15 渡辺 洋巳 ▲ 44.2 59.4 ▲ 35.2 ▲ 17.5 ▲ 37.7 30.3 7.1 ▲ 77.9 ▲ 2.7 ▲ 118.4
16 石原 将樹 ▲ 63.2 ▲ 17.0 ▲ 64.0 ▲ 5.6 ▲ 0.1 29.9 19.8 ▲ 2.3 ▲ 27.3 ▲ 129.8
17 鈴木 雅人 42.9 ▲ 29.3 ▲ 53.9 27.3 ▲ 39.9 ▲ 62.3 20.4 ▲ 41.8 ▲ 18.9 ▲ 155.5

静岡プロリーグ 成績表/第10期 静岡プロリーグ 最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 岡本 和也 8.6 44.9 ▲ 1.4 13.8 ▲ 1.7 45.1 57.7 35.7 ▲ 3.2 199.5
2 長内 真実 19.9 72.5 ▲ 11.4 ▲ 49.8 29.2 44.5 3.7 ▲ 2.9 17.9 123.6
3 鷲見 隼人 31.2 ▲ 38.5 58.1 33.2 ▲ 10.6 ▲ 3.2 23.8 17.0 ▲ 8.8 102.2
4 越川 清一 ▲ 2.2 61.2 44.3 8.0 ▲ 44.5 ▲ 2.3 ▲ 26.9 ▲ 5.2 39.0 71.4
5 京平 遥 ▲ 5.9 29.7 ▲ 12.5 4.8 ▲ 26.0 ▲ 57.6 ▲ 21.8 53.6 96.7 61.0
6 土屋 幸弘 19.6 ▲ 8.1 2.7 ▲ 20.4 26.3 21.4 ▲ 41.3 28.0 7.6 35.8
7 鈴木 郁孝 5.6 ▲ 6.8 21.1 ▲ 23.8 66.8 43.7 42.7 ▲ 76.6 ▲ 57.2 15.5
8 望月 雅継 83.6 ▲ 32.1 ▲ 71.4 ▲ 2.5 2.3 38.4 ▲ 10.2 0.6 ▲ 28.9 ▲ 20.2
9 太田 昌樹 ▲ 26.4 0.9 8.4 20.2 13.1 ▲ 49.0 ▲ 37.0 81.2 ▲ 36.9 ▲ 25.5
10 鈴木 秀幸 12.4 ▲ 3.4 ▲ 6.5 6.5 ▲ 29.2 6.5 ▲ 33.5 ▲ 29.8 47.5 ▲ 29.5
11 徳永 翔 2.5 10.6 56.9 ▲ 26.6 13.6 ▲ 39.0 ▲ 67.6 ▲ 1.7 12.5 ▲ 38.8
12 杉村 泰治 ▲ 44.3 8.7 ▲ 48.4 6.1 ▲ 19.5 35.7 ▲ 10.8 30.0 ▲ 1.3 ▲ 43.8
13 平野 敬悟 ▲ 47.9 24.0 58.2 ▲ 16.3 35.1 ▲ 25.9 ▲ 20.1 ▲ 3.6 ▲ 57.4 ▲ 53.9
14 坪井 哲也 26.7 ▲ 53.5 ▲ 17.4 ▲ 7.2 36.9 ▲ 22.9 ▲ 27.9 ▲ 23.7 1.4 ▲ 87.6
15 渡辺 洋巳 ▲ 44.2 59.4 ▲ 35.2 ▲ 17.5 ▲ 37.7 30.3 7.1 ▲ 77.9 ▲ 2.7 ▲ 118.4
16 石原 将樹 ▲ 63.2 ▲ 17.0 ▲ 64.0 ▲ 5.6 ▲ 0.1 29.9 19.8 ▲ 2.3 ▲ 27.3 ▲ 129.8
17 鈴木 雅人 42.9 ▲ 29.3 ▲ 53.9 27.3 ▲ 39.9 ▲ 62.3 20.4 ▲ 41.8 ▲ 18.9 ▲ 155.5

第31期A2リーグ最終節レポートD卓 山田 浩之

注目の最終卓は1位、2位、3位、4位の直接対決である。
9節終了時の成績は

1位・佐々木寿人+205.3P
2位・仁平宣明 +154.0P
3位・内川幸太郎+149.4P
4位・前原雄大 +145.3P

上位2人が昇級であるため、佐々木はポイントを伸ばせれば下位の3つ巴の戦い。
沈むようであれば、4人で2つの椅子をめぐっての大混戦となるであろう。

 

1回戦(起家から内川、前原、佐々木、仁平)

東1局1本場、前局、前原との2軒リーチを制した内川。
前原のリーチを受け、

五万五万七万八万九万四索五索六索白白白発発  リーチ  ドラ五万

15巡目で、残りツモも少ないのでヤミテンもあるが、積極的に追っかけてRをツモリ6,000オール

東1局2本場、8巡目、親の内川にテンパイが入る。

一索一索一索三筒四筒五筒六筒六筒六筒白発発発  ドラ白

ツモればまた6,000オールの大チャンス。しかも3枚山。
これに追いついたのが仁平。

三万七万二索二索三索三索四索四索一筒一筒二筒三筒四筒  ツモ七万

前巡の九万をツモ切っているため、ここもテンパイとらずもあるかと思われたが、テンパイをとりすぐに七万をツモリ500・1,000。
内川の手を知らない仁平自身はどう思ったか分からないが、点数以上に価値のあるアガリとなった。

東3局1本場、親の佐々木が2枚目の八筒から仕掛ける。

四万五万六万三索四索四筒四筒  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ドラ一万

前原にもここでテンパイが入りリーチ。

一万二万三万三万五万五万二索二索四索五索三筒四筒五筒  ツモ四万

そして、佐々木が三索をつかみ8,000点の放銃。

東4局、このまま一気に浮きまでいきたい前原だったが、リーチ宣言牌が仁平に捕まる。

仁平
二万三万四万二索二索六索七索二筒二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ四万

前原
四万五万六万七万七万七万三索三索五索五索六索五筒六筒  ツモ七索

このまま浮きをキープした仁平が2着。ラス前に佐々木からホンイツをアガった前原3着。
一方、放銃した佐々木は手痛いラス。内川はトップでトータル首位に躍り出た。

1回戦終了時成績
内川+183.6P 佐々木+168.5P 仁平+164.9P 前原+137.5P

 

2回戦(起家から仁平、佐々木、内川、前原)

東1局ドラ六筒、親の仁平がカン六筒で先制リーチ。
佐々木も東ポンテン三筒六筒で応戦するが、仁平がツモリ2,000オール。
続く1本場は、前原がさばき仁平から1,000は1,300。

東2局、前原が仕掛ける。

九筒九筒九筒東東東白  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ドラ五索

親の佐々木も仕掛け返す。

三万四万六万六万六万六索六索六筒七筒八筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き

佐々木が白をつかみ6,400の放銃。

東3局、佐々木がまたも仕掛ける。

二索三索三索四索五索六索八索九索九索西  ポン発発発  ドラ五筒

一索を引きテンパイ。前原に追いつかれるも七索をひき勝ち1,000。2,000。待望の初アガリ。

東4局2本場、500オール、2人テンパイと小刻みに加点した親の前原が仕掛ける。

二筒二筒二筒六筒六筒六筒七筒八筒東白  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ドラ六索

内川も応戦。

二索二索二索五索六索七索北発発発  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き

2人の勝負かと思われたが佐々木も追いつく。

六万六万六万八万八万四索四索四索八筒八筒  ポン東東東

これをテンパイの入った前原からアガリ5,200。

南場に入ると、仁平、前原のペース。高いアガリこそないものの着実に局を進めていく。

南4局1本場、点棒状況は、

仁平38,200
前原37,600
佐々木26,100
0内川18,100

こうとなっていた。

現状トータル1位の仁平は、ドラドラのチャンス手。
1枚目の発をふかし、ドラを暗刻にし発ポン九索ポンと仕掛け六筒九筒テンパイ。

二万二万五筒五筒五筒七筒八筒  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ポン発発発  ドラ五筒

一方、3位となってしまった佐々木もテンパイ。

三万三万四万五索五索六索六索四筒四筒南南南北  ツモ四万

ツモれれば浮きとなるため南切り即リーチ。これに対して仁平も1歩もひかず押し返す。
2人のめくりあいとなったが、決着はつかず流局。
仁平は最後のツモでおりたため佐々木の1人テンパイで流局となった。

2回戦終了時成績
仁平+180.1P 佐々木+162.6P 内川+162.2P 前原+148.1P

 

3回戦(起家から前原、仁平、内川、佐々木)

トップからラスまで32P。2着と3着との差はわずか400点。さらに大接戦となった。
ここまでなかなか調子のあがらなかった前原が本領発揮。

東1局、配牌ドラ暗刻の前原が、丁寧に三色にまとめテンパイ。

一万二万三万二索三索一筒二筒三筒七筒七筒七筒八筒九筒  ドラ七筒

だが、佐々木に六索で5,200放銃。

一索一索一索三索四索四索五索五索七索八索九索東東

2メンツ河に並んだが手順上しょうがない。これは不発に終わる。

東2局1本場、前原4トイツの平凡な配牌が6巡目に1シャンテン。

七万七万四索四索八索八索二筒二筒二筒東東東西

この時点で七万四索八索はなんと6枚山。八索をツモりリーチ。4枚全て山に生きている。
七万をツモり8,000・16,000。これで一気にトータルトップに。

東3局、2着争いの3人の手がぶつかる。
まず北家・仁平がリーチ。

八万九万一索二索三索一筒一筒七筒八筒九筒西西西  ドラ六索

捨て牌
四万 上向き白一万 上向き東八索 上向き九索 左向き

7巡目、親の内川。

一万二万三万八万九万四索四索四索七索八索九索四筒五筒  ツモ六索

長考して現物の九索。牌効率なら九索しかも現物。
最終形の強さなら八万九万こちらは打点も見込めるが八万九万は危険牌。結果は裏目に。
ツモ三筒で仁平に九索をツモ切られる。

7巡目、南家・佐々木。

三万五万三索五索六索六索六索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ツモ三万

五万を勝負。手変わりもあるのでヤミテンを選択。
これを仁平が引き勝ち2,000・4,000。

南2局6本場、

一索二索三索六索八索八索九索北北発発中中  ツモ六索

親の仁平の手牌。内川、佐々木がマンズのホンイツ模様のため、場に字牌が極端に高く、ソウズが安い。
仁平の選択は七対子決め打ちの2枚切れの打一索
構想通り七索を重ね、テンパイの入っていた内川からアガリ12,000。
これでトータルトップに。

このまま9本場まで積んだ仁平は、前原をまくりこの半荘でもトップ目にたつ。

一筒二筒三筒三筒四筒八筒八筒八筒白白  ポン東東東  ドラ一筒

南4局、前原が仕掛け二筒を引き1,300・2,600。この半荘のトップをとった。

3回戦終了時成績
仁平+208.3P 前原+178.1P 佐々木+147.8P 内川+123.3P

 

4回戦(起家から内川、前原、佐々木、仁平)

いよいよ最終戦。
仁平、前原は局を進めることをテーマに打つであろうから、ポイント差以上に逆転は難しいだろう。
佐々木、内川は、前原を沈めることができればチャンスが出てくるといったところか。

東1局、開局早々佐々木にとっての正念場。

佐々木
二万二万三万三万四万四索四索四筒五筒六筒  ポン東東東  ドラ二万

前原リーチ
二万二万二索二索三索三索七索七索一筒一筒二筒三筒三筒  リーチ

仁平はヤミテン
三万四万五万五万六万七万四索五索六索二筒二筒六筒七筒

佐々木が二筒をつかみ前原に8,000の放銃。
佐々木は東4局に2,000・3,900をツモり追い上げる。

南1局1本場

佐々木
五索五索六索七索七索東東  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ポン北北北  ドラ七索

内川
四万四万七万八万八万九万九万南南西西白白

このめくりあいは内川に軍配。だが内川の追撃もここまで。
トップをとるも前原を捕えることはできなかった。

最終成績
仁平+210.8P
前原+182.7P
内川+138.1P
佐々木+121.4P

仁平、前原のA1経験者両名が昇級となりA2リーグ最終節は幕を閉じた。
仁平の的確な読み、押し引きのバランス、前原の戦う姿勢、強さが際立った最終節となった。

内川、佐々木にとっては忘れられない悔しい敗戦となっただろうが、これを糧にまた活躍していくであろう。
そして来期は自分もこの舞台に戻ることができた。
開幕まであと2ヶ月。しっかり準備をして対局に臨んでいこうと思う。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A2リーグ最終節レポートD卓 山田 浩之

注目の最終卓は1位、2位、3位、4位の直接対決である。
9節終了時の成績は
1位・佐々木寿人+205.3P
2位・仁平宣明 +154.0P
3位・内川幸太郎+149.4P
4位・前原雄大 +145.3P
上位2人が昇級であるため、佐々木はポイントを伸ばせれば下位の3つ巴の戦い。
沈むようであれば、4人で2つの椅子をめぐっての大混戦となるであろう。
 
1回戦(起家から内川、前原、佐々木、仁平)
東1局1本場、前局、前原との2軒リーチを制した内川。
前原のリーチを受け、
五万五万七万八万九万四索五索六索白白白発発  リーチ  ドラ五万
15巡目で、残りツモも少ないのでヤミテンもあるが、積極的に追っかけてRをツモリ6,000オール
東1局2本場、8巡目、親の内川にテンパイが入る。
一索一索一索三筒四筒五筒六筒六筒六筒白発発発  ドラ白
ツモればまた6,000オールの大チャンス。しかも3枚山。
これに追いついたのが仁平。
三万七万二索二索三索三索四索四索一筒一筒二筒三筒四筒  ツモ七万
前巡の九万をツモ切っているため、ここもテンパイとらずもあるかと思われたが、テンパイをとりすぐに七万をツモリ500・1,000。
内川の手を知らない仁平自身はどう思ったか分からないが、点数以上に価値のあるアガリとなった。
東3局1本場、親の佐々木が2枚目の八筒から仕掛ける。
四万五万六万三索四索四筒四筒  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ドラ一万
前原にもここでテンパイが入りリーチ。
一万二万三万三万五万五万二索二索四索五索三筒四筒五筒  ツモ四万
そして、佐々木が三索をつかみ8,000点の放銃。
東4局、このまま一気に浮きまでいきたい前原だったが、リーチ宣言牌が仁平に捕まる。
仁平
二万三万四万二索二索六索七索二筒二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ四万
前原
四万五万六万七万七万七万三索三索五索五索六索五筒六筒  ツモ七索
このまま浮きをキープした仁平が2着。ラス前に佐々木からホンイツをアガった前原3着。
一方、放銃した佐々木は手痛いラス。内川はトップでトータル首位に躍り出た。
1回戦終了時成績
内川+183.6P 佐々木+168.5P 仁平+164.9P 前原+137.5P
 
2回戦(起家から仁平、佐々木、内川、前原)
東1局ドラ六筒、親の仁平がカン六筒で先制リーチ。
佐々木も東ポンテン三筒六筒で応戦するが、仁平がツモリ2,000オール。
続く1本場は、前原がさばき仁平から1,000は1,300。
東2局、前原が仕掛ける。
九筒九筒九筒東東東白  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ドラ五索
親の佐々木も仕掛け返す。
三万四万六万六万六万六索六索六筒七筒八筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き
佐々木が白をつかみ6,400の放銃。
東3局、佐々木がまたも仕掛ける。
二索三索三索四索五索六索八索九索九索西  ポン発発発  ドラ五筒
一索を引きテンパイ。前原に追いつかれるも七索をひき勝ち1,000。2,000。待望の初アガリ。
東4局2本場、500オール、2人テンパイと小刻みに加点した親の前原が仕掛ける。
二筒二筒二筒六筒六筒六筒七筒八筒東白  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ドラ六索
内川も応戦。
二索二索二索五索六索七索北発発発  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き
2人の勝負かと思われたが佐々木も追いつく。
六万六万六万八万八万四索四索四索八筒八筒  ポン東東東
これをテンパイの入った前原からアガリ5,200。
南場に入ると、仁平、前原のペース。高いアガリこそないものの着実に局を進めていく。
南4局1本場、点棒状況は、
仁平38,200
前原37,600
佐々木26,100
0内川18,100
こうとなっていた。
現状トータル1位の仁平は、ドラドラのチャンス手。
1枚目の発をふかし、ドラを暗刻にし発ポン九索ポンと仕掛け六筒九筒テンパイ。
二万二万五筒五筒五筒七筒八筒  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ポン発発発  ドラ五筒
一方、3位となってしまった佐々木もテンパイ。
三万三万四万五索五索六索六索四筒四筒南南南北  ツモ四万
ツモれれば浮きとなるため南切り即リーチ。これに対して仁平も1歩もひかず押し返す。
2人のめくりあいとなったが、決着はつかず流局。
仁平は最後のツモでおりたため佐々木の1人テンパイで流局となった。
2回戦終了時成績
仁平+180.1P 佐々木+162.6P 内川+162.2P 前原+148.1P
 
3回戦(起家から前原、仁平、内川、佐々木)
トップからラスまで32P。2着と3着との差はわずか400点。さらに大接戦となった。
ここまでなかなか調子のあがらなかった前原が本領発揮。
東1局、配牌ドラ暗刻の前原が、丁寧に三色にまとめテンパイ。
一万二万三万二索三索一筒二筒三筒七筒七筒七筒八筒九筒  ドラ七筒
だが、佐々木に六索で5,200放銃。
一索一索一索三索四索四索五索五索七索八索九索東東
2メンツ河に並んだが手順上しょうがない。これは不発に終わる。
東2局1本場、前原4トイツの平凡な配牌が6巡目に1シャンテン。
七万七万四索四索八索八索二筒二筒二筒東東東西
この時点で七万四索八索はなんと6枚山。八索をツモりリーチ。4枚全て山に生きている。
七万をツモり8,000・16,000。これで一気にトータルトップに。
東3局、2着争いの3人の手がぶつかる。
まず北家・仁平がリーチ。
八万九万一索二索三索一筒一筒七筒八筒九筒西西西  ドラ六索
捨て牌
四万 上向き白一万 上向き東八索 上向き九索 左向き
7巡目、親の内川。
一万二万三万八万九万四索四索四索七索八索九索四筒五筒  ツモ六索
長考して現物の九索。牌効率なら九索しかも現物。
最終形の強さなら八万九万こちらは打点も見込めるが八万九万は危険牌。結果は裏目に。
ツモ三筒で仁平に九索をツモ切られる。
7巡目、南家・佐々木。
三万五万三索五索六索六索六索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ツモ三万
五万を勝負。手変わりもあるのでヤミテンを選択。
これを仁平が引き勝ち2,000・4,000。
南2局6本場、
一索二索三索六索八索八索九索北北発発中中  ツモ六索
親の仁平の手牌。内川、佐々木がマンズのホンイツ模様のため、場に字牌が極端に高く、ソウズが安い。
仁平の選択は七対子決め打ちの2枚切れの打一索
構想通り七索を重ね、テンパイの入っていた内川からアガリ12,000。
これでトータルトップに。
このまま9本場まで積んだ仁平は、前原をまくりこの半荘でもトップ目にたつ。
一筒二筒三筒三筒四筒八筒八筒八筒白白  ポン東東東  ドラ一筒
南4局、前原が仕掛け二筒を引き1,300・2,600。この半荘のトップをとった。
3回戦終了時成績
仁平+208.3P 前原+178.1P 佐々木+147.8P 内川+123.3P
 
4回戦(起家から内川、前原、佐々木、仁平)
いよいよ最終戦。
仁平、前原は局を進めることをテーマに打つであろうから、ポイント差以上に逆転は難しいだろう。
佐々木、内川は、前原を沈めることができればチャンスが出てくるといったところか。
東1局、開局早々佐々木にとっての正念場。
佐々木
二万二万三万三万四万四索四索四筒五筒六筒  ポン東東東  ドラ二万
前原リーチ
二万二万二索二索三索三索七索七索一筒一筒二筒三筒三筒  リーチ
仁平はヤミテン
三万四万五万五万六万七万四索五索六索二筒二筒六筒七筒
佐々木が二筒をつかみ前原に8,000の放銃。
佐々木は東4局に2,000・3,900をツモり追い上げる。
南1局1本場
佐々木
五索五索六索七索七索東東  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ポン北北北  ドラ七索
内川
四万四万七万八万八万九万九万南南西西白白
このめくりあいは内川に軍配。だが内川の追撃もここまで。
トップをとるも前原を捕えることはできなかった。
最終成績
仁平+210.8P
前原+182.7P
内川+138.1P
佐々木+121.4P
仁平、前原のA1経験者両名が昇級となりA2リーグ最終節は幕を閉じた。
仁平の的確な読み、押し引きのバランス、前原の戦う姿勢、強さが際立った最終節となった。
内川、佐々木にとっては忘れられない悔しい敗戦となっただろうが、これを糧にまた活躍していくであろう。
そして来期は自分もこの舞台に戻ることができた。
開幕まであと2ヶ月。しっかり準備をして対局に臨んでいこうと思う。

第98回『勝てる!リーチ麻雀講座⑧仕掛け編その1』 魚谷 侑未

皆さんこんにちは、魚谷侑未です。

今回の中級講座から仕掛けについて勉強していきましょう。
麻雀において鳴くという事は、その人の個性が一番出やすいところです。
そして、自分にあった鳴き判断をしていく事が大切になってきます。
今回の講座では、「中級者に向けた基本の仕掛け」について書いていこうと思います。
中級者の方でも当たり前の事を書いてるなぁと、感じてしまう人もいるかもしれませんが、麻雀において基礎というのはとても大切な事になってくるのでおさらいするつもりで読んでいってくださいね。

 

【1章~仕掛けの基本~】
まずは、仕掛けの基本について学んでいきましょう。

〔やっていい仕掛け・やってはいけない仕掛け〕

○やっていい仕掛け。
1.早い
2.高い

○やってはいけない仕掛け。
1.遅い
2.安い

はい、実にシンプルです。
(「高い」の基準はルールにもよりますが、5,200~くらいからになります)
やっていい鳴きの1・2の両方を満たしている場合は積極的に仕掛けていきましょう。

逆にやってはいけない鳴きの1・2の両方を満たしている場合は仕掛けてはいけません。
早いけど安い。遅いけど高い。という、複合形の場合は状況に応じての判断とはなりますが、基本は仕掛けていっていいと思います。

そして、この仕掛け編で一番学んで欲しい事が
〔「早くて安い」時、「遅くて高い」時の仕掛け方〕
となっています。

早くて高い時は、他家の動向を気にする必要はほとんどありませんが、上記した2つの仕掛けの時は、自分の事だけを考えて手を進める事は極力ないようにしましょう。

〔仕掛けのポイント〕
◯一度仕掛けたからと言って、全ての牌を仕掛けなくても良い。

例1)
南2局38,000点持ちトップ目、西家、7巡目

二万三万三索四索三筒五筒六筒六筒北北  ポン南南南  ドラ八筒

ドラなしの手ですが、局を回すために役牌の南を仕掛けました。
ここに場に2枚目の北が打たれました。仕掛けますか?

私は、基本的に「仕掛けない事」を推奨します。
それは何故か?
もちろんどれだけ必死にアガリに行くのか、という判断にもよりますし、状況によって答えは変わります。
しかし、この手は打点も安く防御力は皆無の手です。そして、7巡目にして良形とはいえ、2フーロ1シャンテンです。
相手から反撃を受けた時の受け駒は出来る事なら残しておきたいですね。
それに、北をスルーしたとしてもアガリがもの凄く遅くなるわけではありません。
この手の場合は両面の鳴ける牌や六筒は仕掛けて、北は反撃を受けた時の受け駒としてなるべく手牌に置いておきましょう。

例2)
南2局28,000点持ち3着目、西家、7巡目

一万三万三索四索五索六索七索五筒七筒九筒  ポン南南南  ドラ南

役牌のドラをポンしたところに五索が上家から打たれました。仕掛けますか?

この五索は、基本的に「仕掛けない事」を推奨します。
確かに仕掛ける事によって1シャンテンになります。
しかし、この手の一番の良形を仕掛けて、残った愚形の選択を強いられます。
3面張は仕掛けなくとも入る可能性は高いですが、愚形のフォローは出来るだけ利かせておきたいです。
「愚形を捌いて、良形を残す(作る)」を、基本に考えていきましょう。

一度仕掛けたからといって、シャンテン数が進む牌・鳴ける牌を全て鳴く必要はありません。
仕掛ける時に「鳴く牌・鳴かない牌」を頭の中でまとめておくとスムーズに仕掛けられるようになると思いますので、頭の中で整理しつつ仕掛けていきましょう。

◯守備の意識を強く持つ。
仕掛けはテンパイまでのスピードを上げる代わりに手牌を短くして守備力を下げ、打点も安くしてしまう事が多いです。
スピード以外のモノを失っているわけですから、メンゼンの時よりも守備の意識を強く持ちましょう。

三万四万七万七万七索八索二筒四筒四筒西西  ポン白白白  ドラ四万

例えば、このような打点の安い仕掛けをしたとします。
アガリまでの効率だけを考えるなら、トイツの比較で七万は周りに牌がくっつけば受け入れが広くなる可能性が高いです。
しかし、西のトイツ落としをしてしまうと守備力がゼロに近くなってしまいます。
なので、こういう時は七万のトイツ落としをしましょう。

これは、ターツ選択でも言える事です。
同じペンチャンターツの払い方でも、全体的に後半通りそうな方を残したり、親の現物の方を残したりと、自分の手牌の事だけでなく守備を強く意識して手を進めましょう。

◯メンゼンでテンパイしてもさほど価値のない手をきちんと仕掛ける。
この手はメンゼンでテンパイしたら高くなるから仕掛けない。という選択をする事はもちろん良い選択です。
しかし、メンゼンでテンパイしたとしてもさほど価値があると思えない手は、きちんと仕掛けて安手でもアガリに向かいましょう。

例)
東1局南家

一万三万四万五万六万三索三索六筒七筒八筒八筒東東  ドラ南

この手で1枚目の東が出ました。
はい、1枚目だからとスルーせずに仕掛けましょう。
例えば、この手がメンゼンテンパイしたとします。
二万が入ったとして、既に一枚切られている東三索待ちです。
すぐにテンパイしてリーチを打って、たまたま一発で東をツモって満貫・・・なんていうのは少し夢を見すぎです。

もしくは東が暗刻になったとしても、この形のこの待ちではリーチは打ちづらいので1,300点にしかなりません。
鳴いて1,000点でもほとんど変わりありませんね。
きちんと現実を見て、仕掛けてテンパイを取りましょう。
また、東を鳴いてカン二万でのテンパイですが、食い延ばしの出来る牌が上家から打たれたら積極的に仕掛けて待ち変えをした方がいいですね。

このような、メンゼンテンパイしても仕掛けても価値がほとんど変わらない手は、しっかり仕掛けてアガリを取りにいきましょう。
アガれる手をアガらないという事は、それだけ他家にチャンスを与えてしまうことになってしまいます。
メンゼン高打点で勝負する事も大切ですが、局を回せる時の仕掛け判断はしっかりとやっていきましょう。

さて、今回の中級講座はここまでです。
次回は・・・なんと!
『さよなら勝てる!リーチ麻雀講座⑨仕掛け編その2』をお届けします。

ん?さよなら?
はい、皆さんにご愛好頂きました勝てるリーチ麻雀講座も次回で最終回となりました。
最後まで精一杯書かせて頂きますので、宜しくお願いします。
それでは、最終回もお楽しみに!

中級/第98回『勝てる!リーチ麻雀講座⑧仕掛け編その1』 魚谷 侑未

皆さんこんにちは、魚谷侑未です。
今回の中級講座から仕掛けについて勉強していきましょう。
麻雀において鳴くという事は、その人の個性が一番出やすいところです。
そして、自分にあった鳴き判断をしていく事が大切になってきます。
今回の講座では、「中級者に向けた基本の仕掛け」について書いていこうと思います。
中級者の方でも当たり前の事を書いてるなぁと、感じてしまう人もいるかもしれませんが、麻雀において基礎というのはとても大切な事になってくるのでおさらいするつもりで読んでいってくださいね。
 
【1章~仕掛けの基本~】
まずは、仕掛けの基本について学んでいきましょう。
〔やっていい仕掛け・やってはいけない仕掛け〕
○やっていい仕掛け。
1.早い
2.高い
○やってはいけない仕掛け。
1.遅い
2.安い
はい、実にシンプルです。
(「高い」の基準はルールにもよりますが、5,200~くらいからになります)
やっていい鳴きの1・2の両方を満たしている場合は積極的に仕掛けていきましょう。
逆にやってはいけない鳴きの1・2の両方を満たしている場合は仕掛けてはいけません。
早いけど安い。遅いけど高い。という、複合形の場合は状況に応じての判断とはなりますが、基本は仕掛けていっていいと思います。
そして、この仕掛け編で一番学んで欲しい事が
〔「早くて安い」時、「遅くて高い」時の仕掛け方〕
となっています。
早くて高い時は、他家の動向を気にする必要はほとんどありませんが、上記した2つの仕掛けの時は、自分の事だけを考えて手を進める事は極力ないようにしましょう。
〔仕掛けのポイント〕
◯一度仕掛けたからと言って、全ての牌を仕掛けなくても良い。
例1)
南2局38,000点持ちトップ目、西家、7巡目
二万三万三索四索三筒五筒六筒六筒北北  ポン南南南  ドラ八筒
ドラなしの手ですが、局を回すために役牌の南を仕掛けました。
ここに場に2枚目の北が打たれました。仕掛けますか?
私は、基本的に「仕掛けない事」を推奨します。
それは何故か?
もちろんどれだけ必死にアガリに行くのか、という判断にもよりますし、状況によって答えは変わります。
しかし、この手は打点も安く防御力は皆無の手です。そして、7巡目にして良形とはいえ、2フーロ1シャンテンです。
相手から反撃を受けた時の受け駒は出来る事なら残しておきたいですね。
それに、北をスルーしたとしてもアガリがもの凄く遅くなるわけではありません。
この手の場合は両面の鳴ける牌や六筒は仕掛けて、北は反撃を受けた時の受け駒としてなるべく手牌に置いておきましょう。
例2)
南2局28,000点持ち3着目、西家、7巡目
一万三万三索四索五索六索七索五筒七筒九筒  ポン南南南  ドラ南
役牌のドラをポンしたところに五索が上家から打たれました。仕掛けますか?
この五索は、基本的に「仕掛けない事」を推奨します。
確かに仕掛ける事によって1シャンテンになります。
しかし、この手の一番の良形を仕掛けて、残った愚形の選択を強いられます。
3面張は仕掛けなくとも入る可能性は高いですが、愚形のフォローは出来るだけ利かせておきたいです。
「愚形を捌いて、良形を残す(作る)」を、基本に考えていきましょう。
一度仕掛けたからといって、シャンテン数が進む牌・鳴ける牌を全て鳴く必要はありません。
仕掛ける時に「鳴く牌・鳴かない牌」を頭の中でまとめておくとスムーズに仕掛けられるようになると思いますので、頭の中で整理しつつ仕掛けていきましょう。
◯守備の意識を強く持つ。
仕掛けはテンパイまでのスピードを上げる代わりに手牌を短くして守備力を下げ、打点も安くしてしまう事が多いです。
スピード以外のモノを失っているわけですから、メンゼンの時よりも守備の意識を強く持ちましょう。
三万四万七万七万七索八索二筒四筒四筒西西  ポン白白白  ドラ四万
例えば、このような打点の安い仕掛けをしたとします。
アガリまでの効率だけを考えるなら、トイツの比較で七万は周りに牌がくっつけば受け入れが広くなる可能性が高いです。
しかし、西のトイツ落としをしてしまうと守備力がゼロに近くなってしまいます。
なので、こういう時は七万のトイツ落としをしましょう。
これは、ターツ選択でも言える事です。
同じペンチャンターツの払い方でも、全体的に後半通りそうな方を残したり、親の現物の方を残したりと、自分の手牌の事だけでなく守備を強く意識して手を進めましょう。
◯メンゼンでテンパイしてもさほど価値のない手をきちんと仕掛ける。
この手はメンゼンでテンパイしたら高くなるから仕掛けない。という選択をする事はもちろん良い選択です。
しかし、メンゼンでテンパイしたとしてもさほど価値があると思えない手は、きちんと仕掛けて安手でもアガリに向かいましょう。
例)
東1局南家
一万三万四万五万六万三索三索六筒七筒八筒八筒東東  ドラ南
この手で1枚目の東が出ました。
はい、1枚目だからとスルーせずに仕掛けましょう。
例えば、この手がメンゼンテンパイしたとします。
二万が入ったとして、既に一枚切られている東三索待ちです。
すぐにテンパイしてリーチを打って、たまたま一発で東をツモって満貫・・・なんていうのは少し夢を見すぎです。
もしくは東が暗刻になったとしても、この形のこの待ちではリーチは打ちづらいので1,300点にしかなりません。
鳴いて1,000点でもほとんど変わりありませんね。
きちんと現実を見て、仕掛けてテンパイを取りましょう。
また、東を鳴いてカン二万でのテンパイですが、食い延ばしの出来る牌が上家から打たれたら積極的に仕掛けて待ち変えをした方がいいですね。
このような、メンゼンテンパイしても仕掛けても価値がほとんど変わらない手は、しっかり仕掛けてアガリを取りにいきましょう。
アガれる手をアガらないという事は、それだけ他家にチャンスを与えてしまうことになってしまいます。
メンゼン高打点で勝負する事も大切ですが、局を回せる時の仕掛け判断はしっかりとやっていきましょう。
さて、今回の中級講座はここまでです。
次回は・・・なんと!
『さよなら勝てる!リーチ麻雀講座⑨仕掛け編その2』をお届けします。
ん?さよなら?
はい、皆さんにご愛好頂きました勝てるリーチ麻雀講座も次回で最終回となりました。
最後まで精一杯書かせて頂きますので、宜しくお願いします。
それでは、最終回もお楽しみに!

第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  ゲスト雀豪予選A卓レポート ケネス徳田

 『麻雀トライアスロン』…東風戦・半荘戦・三麻戦の3つ1セットの争い。
知力・体力・時の運、3つを兼ね備えた者だけが頂点に立つことのできる、過酷なサバイバルマッチである。

昨年までの『麻雀トライアスロン』は、各界を代表する雀豪16名と日本プロ麻雀連盟のトッププロ16名の計32名が、一同に会して開催される大会でした。
けれど今年からはシステムを一新し、半年をかけて予選が行われ、すべての対局がニコ生『日本プロ麻雀連盟チャンネル』で生放送されることになったのです。

昨年まではプロ2名・ゲスト雀豪2名での対局でしたが、今回からはゲスト雀豪同士・プロ雀士同士という卓組で予選が行われます。
プロ同士でも普段と異なるルール、そして普段では見られないようなゲスト雀豪の麻雀、さらにそのゲスト雀豪同士の勝負となると、「持っている」人たちなだけに、どんな麻雀になるのが想像もつきません。

さて、その麻雀トライアスロンの第一弾として「ゲスト雀豪A卓」が2月15日に開催されました。

100

最初の登場は元プロボクシング世界チャンピオン・ガッツ石松さん。
ガッツ「麻雀の調子? こないだ以来だね。たしか…1年前のこの麻雀トライアスロンでやったきり。打っていれば思い出すでしょ」
ブランクはありますが、ボクシング同様身体で覚えるタイプなのでしょう。

 

100

続いては漫画家・蛭子能収さんです。
蛭子「三人麻雀が自信ないから、東風戦・半荘戦で大きく勝って三麻戦は4着でも勝ち上がれるようにしたいです」
このトライアスロンは三麻戦が肝なのですが…大丈夫でしょうか?

 

100

三番手はお笑いコンビ「トータルテンボス」・大村朋宏さん。
大村「週2・3で麻雀やって調整してきましたよ」
さすが自宅に麻雀ルーム(本棚の裏の隠し部屋構造)があるくらい大好きな大村さん。ちなみにこの日、このトライアスロンが終わってからも麻雀の予定があったそうです。

 

100

そして作家・白川道さん。
白川「昨日麻雀やってきたけど…四暗刻単騎放銃してきたよ。ガッハッハッ!」
勝つ時も負ける時もスケールが大きいのが白川さん。厄祓いになっていれば良いのですが…。

 

100

個性的な4名が出揃いました。さて一体どんな麻雀になるのでしょうか?

 

★東風戦(順位点5-15)

半荘戦、三麻戦に比べると順位点が比較的小さい東風戦ですが、やはり後の戦いにつながる大事な初戦とも言えます。

起家・大村さんが小刻みにアガリを重ね、4本場まで連荘に成功します。
3本場では蛭子さんとのリーチ合戦を制したり、オーラスではガッツさんの逆転リーチをかいくぐって単騎待ちをツモアガるなど、随所に勝負強さを見せてのトップとなりました。

東風戦成績
大村+23.0P 白川+5.5P ガッツ▲7.4P 蛭子▲21.1P

100

 

★半荘戦(順位点10-30)

オーソドックスな半荘戦。10-30という大きい順位点なので、ここでラスを取ってしまうとトップ争いから後退してしまいます。
逆に東風戦で3・4位でも、この半荘戦次第ではトップ目で三麻戦をむかえることができます。

100

ですがこの半荘戦も大村さんが持ってってしまいました。
東1局でドラ暗刻のチャンス手。

一万一万六万六万六万二索三索四索六索七索八索四筒五筒 ロン六筒 ドラ六万 ドラ五筒

これを白川さんからアガって満貫スタート。
その後も3人リーチに競り勝つなど最終的に5万点を超える大トップとなり2連勝!
蛭子さんが大村さんにあと一歩まで詰め寄るも2着で終わります。

半荘戦成績
大村+51.6P 蛭子+27.7P 白川▲23.7P ガッツ▲55.8P

半荘戦終了時
大村+74.6P 蛭子+6.8P 白川▲18.2P ガッツ▲63.2P

 

100

 

★三麻戦(順位点10-20)

順位点が半荘戦より若干少なくなっていますが、むしろ三麻戦は素点が大事になってきます。
大物手がバンバン決まりやすいので、2、3万点差なら簡単にひっくり返ります。
この三麻戦こそが麻雀トライアスロンの醍醐味と言っても過言ではありません。

4人で行う三人麻雀、つまり毎局誰かが抜け番(前局の東家が抜ける。親が連荘中はその局の北家→西家→南家の順)。
ツモの親カブリは存在せず均等払いで、逆に親のアガリは子の1.5倍。

つまり親番で跳満をツモれば9,000オール(抜け番の支払いは無い。ツモられた2人が9,000点ずつ計18,000点)、27,000点差がひっくり返る計算になるのです。

相手が大物手をアガった時に抜け番でいられるかどうかも重要になります、まさにこれこそ時の運というやつです(笑)

さて、東2局1本場、大村さんの抜け番の時になんと3人リーチが発生しました。まず8巡目に蛭子さんが。

九万九万二索三索四索四筒赤五筒六筒東東東中中 ドラ一万

続いて10巡目にガッツさん。

一索二索三索八索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒白白 ドラ一万

そして11巡目に親番の白川さんが、ガッツさんの欲しい白を重ねてリーチ。

一万一万八索八索二筒二筒七筒七筒九筒九筒白白発 ドラ一万

すると一発でガッツさんが発を掴んで放銃。白川さんが18,000のアガリとなりました。
一度アガると四人麻雀以上にアガリがつながります。次局もあっさり親満ツモ(6,000オール=12,000点)

三筒三筒四筒五筒六筒八筒八筒発発発 ポン白白白 ツモ八筒 ドラ五筒

今度はガッツさんが抜けていたので、大村さんの点数を削ることに成功。
さらに同3本場もガッツさんから12,000をアガりこれで持ち点98,500。
なんと大村さんとトータルポイントほぼ並びとなりました。

100

白川さんに触発されたのか、蛭子さんもアガリを重ねていきます。
南3局では一発で跳満ツモ。

二索三索四索五索六索七索八索八索四筒五筒六筒七筒八筒 リーチ 一発ツモ六筒 ドラ四筒 裏中

西1局の親番で白川さんから18,000。

九万九万七索七索八索八索四筒四筒西西白発発 リーチ 一発ロン白 ドラ一万 裏七索

この瞬間、蛭子さんが白川さんをかわしてトップ目。
そしてわずかですがトータルポイントも大村さんをかわしてトップに立ちました。

ですがその差わずか5.8P差。
しかも2着目の白川さんとも4,000点差でしかないので、どちらかの1アガリで簡単にひっくり返ってしまいます。

100

なので、すぐに白川さんに逆転され、そして大村さんもようやく加点に成功。

最終局はトータルトップが大村さん、白川さんも蛭子さんも倍満ツモか跳満直撃という条件戦です。

100

ここで両極端の選択をする2人。白川さんは国士無双に。

そして蛭子さんは…跳満直撃狙いで仕掛けてホンイツトイトイにむかいます

八索八索九索九索九索西西 ポン南南南 ポン六索 上向き六索 上向き六索 左向き ドラ九索

西は白川さんが2枚すでに持っているため、八索が大村さんに行くかどうかですが…

五索六索七索七索七索一筒二筒三筒四筒五筒六筒八筒九筒 ツモ八索

大村さんが八索を掴んだ! と思いきや、ここは冷静に蛭子さんの現物の五索と入れ替えて事なきを得ます。

結果、山に2枚残っていた七筒を白川さんが切って大村さんのアガリ。
一時は逆転を許してしまいましたが、何とか大村さんが逃げ切っての予選勝ち上がりとなりました。

大村「正直、半荘戦終わった段階でよっぽどのことがないと大丈夫だろうと思ってたんですが…三麻戦の序盤からよっぽどのことが起こりましたね(笑)」

三麻戦成績
白川+60.4P 蛭子+25.2P 大村▲7.0P ガッツ▲78.6P

最終成績
大村+67.6P 白川+42.2P 蛭子+32.0P ガッツ▲141.8P

ゲスト雀豪予選A卓勝ち上がり 大村朋宏

次回プロ予選A卓のメンバーは・・・

100

ミスター麻雀
小島 武夫

100

日本プロ麻雀連盟会長
森山 茂和

100

初代世界チャンピオン
山井 弘

100

現十段位
櫻井 秀樹

以上の豪華プロ雀士たちによって争われます!
2月15日(日)18:00対局スタート!!

お楽しみに♪

プロ雀士コラム/第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  ゲスト雀豪予選A卓レポート ケネス徳田

 『麻雀トライアスロン』…東風戦・半荘戦・三麻戦の3つ1セットの争い。
知力・体力・時の運、3つを兼ね備えた者だけが頂点に立つことのできる、過酷なサバイバルマッチである。
昨年までの『麻雀トライアスロン』は、各界を代表する雀豪16名と日本プロ麻雀連盟のトッププロ16名の計32名が、一同に会して開催される大会でした。
けれど今年からはシステムを一新し、半年をかけて予選が行われ、すべての対局がニコ生『日本プロ麻雀連盟チャンネル』で生放送されることになったのです。
昨年まではプロ2名・ゲスト雀豪2名での対局でしたが、今回からはゲスト雀豪同士・プロ雀士同士という卓組で予選が行われます。
プロ同士でも普段と異なるルール、そして普段では見られないようなゲスト雀豪の麻雀、さらにそのゲスト雀豪同士の勝負となると、「持っている」人たちなだけに、どんな麻雀になるのが想像もつきません。
さて、その麻雀トライアスロンの第一弾として「ゲスト雀豪A卓」が2月15日に開催されました。

100

最初の登場は元プロボクシング世界チャンピオン・ガッツ石松さん。
ガッツ「麻雀の調子? こないだ以来だね。たしか…1年前のこの麻雀トライアスロンでやったきり。打っていれば思い出すでしょ」
ブランクはありますが、ボクシング同様身体で覚えるタイプなのでしょう。
 

100

続いては漫画家・蛭子能収さんです。
蛭子「三人麻雀が自信ないから、東風戦・半荘戦で大きく勝って三麻戦は4着でも勝ち上がれるようにしたいです」
このトライアスロンは三麻戦が肝なのですが…大丈夫でしょうか?
 

100

三番手はお笑いコンビ「トータルテンボス」・大村朋宏さん。
大村「週2・3で麻雀やって調整してきましたよ」
さすが自宅に麻雀ルーム(本棚の裏の隠し部屋構造)があるくらい大好きな大村さん。ちなみにこの日、このトライアスロンが終わってからも麻雀の予定があったそうです。
 

100

そして作家・白川道さん。
白川「昨日麻雀やってきたけど…四暗刻単騎放銃してきたよ。ガッハッハッ!」
勝つ時も負ける時もスケールが大きいのが白川さん。厄祓いになっていれば良いのですが…。
 

100

個性的な4名が出揃いました。さて一体どんな麻雀になるのでしょうか?
 
★東風戦(順位点5-15)
半荘戦、三麻戦に比べると順位点が比較的小さい東風戦ですが、やはり後の戦いにつながる大事な初戦とも言えます。
起家・大村さんが小刻みにアガリを重ね、4本場まで連荘に成功します。
3本場では蛭子さんとのリーチ合戦を制したり、オーラスではガッツさんの逆転リーチをかいくぐって単騎待ちをツモアガるなど、随所に勝負強さを見せてのトップとなりました。
東風戦成績
大村+23.0P 白川+5.5P ガッツ▲7.4P 蛭子▲21.1P

100

 
★半荘戦(順位点10-30)
オーソドックスな半荘戦。10-30という大きい順位点なので、ここでラスを取ってしまうとトップ争いから後退してしまいます。
逆に東風戦で3・4位でも、この半荘戦次第ではトップ目で三麻戦をむかえることができます。

100

ですがこの半荘戦も大村さんが持ってってしまいました。
東1局でドラ暗刻のチャンス手。
一万一万六万六万六万二索三索四索六索七索八索四筒五筒 ロン六筒 ドラ六万 ドラ五筒
これを白川さんからアガって満貫スタート。
その後も3人リーチに競り勝つなど最終的に5万点を超える大トップとなり2連勝!
蛭子さんが大村さんにあと一歩まで詰め寄るも2着で終わります。
半荘戦成績
大村+51.6P 蛭子+27.7P 白川▲23.7P ガッツ▲55.8P
半荘戦終了時
大村+74.6P 蛭子+6.8P 白川▲18.2P ガッツ▲63.2P
 

100

 
★三麻戦(順位点10-20)
順位点が半荘戦より若干少なくなっていますが、むしろ三麻戦は素点が大事になってきます。
大物手がバンバン決まりやすいので、2、3万点差なら簡単にひっくり返ります。
この三麻戦こそが麻雀トライアスロンの醍醐味と言っても過言ではありません。
4人で行う三人麻雀、つまり毎局誰かが抜け番(前局の東家が抜ける。親が連荘中はその局の北家→西家→南家の順)。
ツモの親カブリは存在せず均等払いで、逆に親のアガリは子の1.5倍。
つまり親番で跳満をツモれば9,000オール(抜け番の支払いは無い。ツモられた2人が9,000点ずつ計18,000点)、27,000点差がひっくり返る計算になるのです。
相手が大物手をアガった時に抜け番でいられるかどうかも重要になります、まさにこれこそ時の運というやつです(笑)
さて、東2局1本場、大村さんの抜け番の時になんと3人リーチが発生しました。まず8巡目に蛭子さんが。
九万九万二索三索四索四筒赤五筒六筒東東東中中 ドラ一万
続いて10巡目にガッツさん。
一索二索三索八索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒白白 ドラ一万
そして11巡目に親番の白川さんが、ガッツさんの欲しい白を重ねてリーチ。
一万一万八索八索二筒二筒七筒七筒九筒九筒白白発 ドラ一万
すると一発でガッツさんが発を掴んで放銃。白川さんが18,000のアガリとなりました。
一度アガると四人麻雀以上にアガリがつながります。次局もあっさり親満ツモ(6,000オール=12,000点)
三筒三筒四筒五筒六筒八筒八筒発発発 ポン白白白 ツモ八筒 ドラ五筒
今度はガッツさんが抜けていたので、大村さんの点数を削ることに成功。
さらに同3本場もガッツさんから12,000をアガりこれで持ち点98,500。
なんと大村さんとトータルポイントほぼ並びとなりました。

100

白川さんに触発されたのか、蛭子さんもアガリを重ねていきます。
南3局では一発で跳満ツモ。
二索三索四索五索六索七索八索八索四筒五筒六筒七筒八筒 リーチ 一発ツモ六筒 ドラ四筒 裏中
西1局の親番で白川さんから18,000。
九万九万七索七索八索八索四筒四筒西西白発発 リーチ 一発ロン白 ドラ一万 裏七索
この瞬間、蛭子さんが白川さんをかわしてトップ目。
そしてわずかですがトータルポイントも大村さんをかわしてトップに立ちました。
ですがその差わずか5.8P差。
しかも2着目の白川さんとも4,000点差でしかないので、どちらかの1アガリで簡単にひっくり返ってしまいます。

100

なので、すぐに白川さんに逆転され、そして大村さんもようやく加点に成功。
最終局はトータルトップが大村さん、白川さんも蛭子さんも倍満ツモか跳満直撃という条件戦です。

100

ここで両極端の選択をする2人。白川さんは国士無双に。
そして蛭子さんは…跳満直撃狙いで仕掛けてホンイツトイトイにむかいます
八索八索九索九索九索西西 ポン南南南 ポン六索 上向き六索 上向き六索 左向き ドラ九索
西は白川さんが2枚すでに持っているため、八索が大村さんに行くかどうかですが…
五索六索七索七索七索一筒二筒三筒四筒五筒六筒八筒九筒 ツモ八索
大村さんが八索を掴んだ! と思いきや、ここは冷静に蛭子さんの現物の五索と入れ替えて事なきを得ます。
結果、山に2枚残っていた七筒を白川さんが切って大村さんのアガリ。
一時は逆転を許してしまいましたが、何とか大村さんが逃げ切っての予選勝ち上がりとなりました。
大村「正直、半荘戦終わった段階でよっぽどのことがないと大丈夫だろうと思ってたんですが…三麻戦の序盤からよっぽどのことが起こりましたね(笑)」
三麻戦成績
白川+60.4P 蛭子+25.2P 大村▲7.0P ガッツ▲78.6P
最終成績
大村+67.6P 白川+42.2P 蛭子+32.0P ガッツ▲141.8P
ゲスト雀豪予選A卓勝ち上がり 大村朋宏
次回プロ予選A卓のメンバーは・・・

100

ミスター麻雀
小島 武夫

100

日本プロ麻雀連盟会長
森山 茂和

100

初代世界チャンピオン
山井 弘

100

現十段位
櫻井 秀樹

以上の豪華プロ雀士たちによって争われます!
2月15日(日)18:00対局スタート!!
お楽しみに♪

第27期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート 安村 浩司

第27期チャンピオンズリーグ。
日本プロ麻雀連盟員が参加できるタイトル戦で、予選は半年間で各自20半荘を行い、上位29名がトーナメント進出。
トーナメントは同一メンバーで半荘3回行い、ポイント上位2名が勝ち上がり。
ベスト28 ベスト16 ベスト8と3回勝てばニコニコ生放送日本プロ麻雀チャンネルで生放送される決勝である。

若手にとって非常にチャンスとなるタイトル戦。
決勝へ向けたトーナメントの熱い対局模様をお伝えします。

 

【ベスト28】
1卓:客野直vs藤原隆弘vs末松隆文vs小笠原奈央

A2復帰を果たした藤原に3人がどう挑むか。

1回戦、受け主体の選手が揃い、大きなアガりが生まれず、小場で進んでいく。
南4局、藤原らしい役なしヤミテン400・700をツモりトップスタート。

2回戦は客野の独壇場。
リーチとヤミテンを上手く使い分け、順調に得点を伸ばす。
ダメ押しは南4局

二万三万四万二索三索三索三索四索四索五索五索一筒一筒  リーチ  ロン一索

これをチンイツ仕掛けの末松から5,800は6,100。
末松は仕掛けを駆使して戦うが、連続ラスで大きめのトップが必要になった。

2回戦終了時
客野+33.8P 藤原▲3.3P 小笠原▲3.4P 末松▲33.7P

最終戦、小笠原が素直な押し引きを見せ、トップで藤原を交わし勝ち上がり。
藤原は、終始手が入らず、苦しそうに対局していたのが印象的だった。

1位通過:客野直 2位通過:小笠原奈央

 

2卓:吉田直vs瀬戸熊直樹vs小車祥vs本田朋広
ベスト28の好カード。
1回戦、Aリーガー2人が主導権を握っていくかと見ていたが、アガるのは小車と本田。
南4局、親・瀬戸熊。

五索五索四筒四筒五筒五筒五筒  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン東東東  ドラ四万

吉田
三万四万五万三索四索二筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ

この2人の戦いも流局。小車、本田の並びのまま終了。
2回戦、本田がややスピードよりの手牌進行でリーチ攻撃。

東3局、親・本田

本田
三万四万八万八万一索二索三索四索四索四索六索七索八索  リーチ  ドラ五万

終盤、形を崩さず粘っていた瀬戸熊。

二万二万五万五万七万七万七万九索九索九索七筒白白

本田の当たり牌である五万を引き入れ、ツモり四暗刻でリーチ!
しかし、直後に本田が最後の五万をツモり、点数以上に大きい2,000オール。
瀬戸熊、何度もテンパイを入れるがアガリが遠い。

2回戦終了時
本田+38.2P 小車+16.7P 吉田▲28.1P 瀬戸熊▲30.4P

最終戦、吉田・瀬戸熊のターゲットは小車。
東2局に吉田がリーチをかけ、高め7,700の三筒六筒九筒のテンパイが入っていた小車から、

四万五万六万七万八万九万一索一索一索四索四索五索五索  ロン五索  ドラ一索

8,000を直撃するが、小車が次局アガリ返し、そのままフィニッシュ。
Aリーガー2人が敗れる波乱となった。

1位通過:本田朋広 2位通過:小車祥

 

3卓:小町拓也vs安達紘文vs一井慎也vs小川拓麻
一井以外は攻撃型が揃った印象。
1回戦、一井が受けを意識しながらも、アガリを重ね1人浮きで抜け出す。
2回戦は小川と安達が逆襲、小町は苦しくなる。

2回戦終了時
一井+25.2P 小川+6.9P 安達+5.2P 小町▲37.3P

最終戦、一井の雀風からも、逃げ切る可能性が高いと思われたが…
東3局、終盤に一井が七筒ピンを切ると、

一筒二筒三筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒八筒

安達の24,000!この後にも4,000オールを決め安達が当確。
残り1枠は我慢して浮きをキープした小川の勝ち上がり。

1位通過:安達紘文 2位通過:小川拓麻

 

4卓:新谷翔平vs冨田久志vs西川舞vs水越京子
全員がテンポよく打牌し、前に出る打撃戦となる。
新谷がドラ暗刻の8,000を冨田からアガリ好スタート。
冨田は西川のチンイツドラ1にも放銃し、後が無くなる。

2回戦は水越がトップ。冨田も浮き最終戦に望みをつなぐ。

2回戦終了時
水越+26.0P 西川+8.9P 新谷▲13.4P 冨田▲21.5P

最終戦、新谷が南場に

一万一万七万八万九万四索五索六索三筒三筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ三筒  ドラ七万

二索二索六索七索二筒三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  リーチ  ロン八索  ドラ二万

これをアガリ、水越とわずかの差まで詰め寄る。
オーラス。親で伏せれば勝ちの西川が

七万九万七索八索九索七筒八筒九筒東東南南南  ロン八万  ドラ八筒

冨田から18,000の決定打。
順位点の関係で条件が厳しくなった新谷が、次局条件を満たせず、水越の勝ち上がりとなった。

1位通過:西川舞 2位通過:水越京子

 

5卓:西田修vs西川淳vs中寿文vs山中翼
1回戦、チャンピオンズリーグ優勝経験のある西川が場をリードし、トップの好発進。
2回戦、ベテラン西田が

一万二万三万五万六万七万三筒三筒四筒四筒五筒八筒八筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ八筒

三万五万五万六万七万四索四索六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ハイテイツモ四万  ドラ六筒

この2度の3,000・6,000をアガリ、6万点オーバーまで吹き上がる。
初戦ラスだった山中も親番で加点し、浮きにまわる。

2回戦終了時
西田+41.4P 西川▲19.7P 中▲1.1P 山中▲20.6

最終戦、3者の争いとなったが、西川が競り合いを制して勝ち上がり。

1位通過:西田修 2位通過:西川淳

 

6卓:内川幸太郎vs藤島健二郎vsケネス・徳田vs安田麻里菜
ここも好カードだが、開始早々事件が起こる。

東2局、内川の手がドラドラでいいなと見ていると、終盤藤島のきった2枚切れの一筒にロンの声がかかる。

一万九万九万一索九索九筒東南西北白発中  ロン一筒

アガッたのはケネス。道中、暗刻の西のトイツ落としを見せた技ありの国士無双。
安田も負けていない。次局の親番で

三万三万三万六万六万七万七万七万三索四索五索七筒七筒  リーチ  ツモ七筒  ドラ五索

この6,000オール。
対する内川も確実にアガリを決め、高打点の応酬となる。

2回戦終了時
ケネス+37.3P 安田+31.4P 内川▲6.3P 藤島▲62.4P

藤島は最終戦意地のトップをとるが、3回戦のトーナメントではあまりに大きい失点が重くのしかかり、選択肢の少ない状態で戦うことを余儀なくされ敗退。
同様に上位2人と40ポイント離れた内川も勝負をかけるが届かず、安田・ケネスの勝ち上がりとなる。

1位通過:安田麻里菜 2位通過:ケネス徳田

 

7卓:白鳥翔vs山田学武vs石川正明vs吉野敦志
アガリ率重視のメンバーが揃った印象。
1回戦、2回戦と白鳥が白鳥らしい正確な手順でアガリを重ねる。
石川は勝負手がことごとく負け、2回戦を終え厳しい位置となる。

2回戦終了時
白鳥+37.4P 山田+16.1P 吉野+8.6P 石川▲62.1P

最終戦、吉野の親リーチ。

二万三万四万六万七万八万九万九万二索三索四索九筒九筒  リーチ  ロン九筒  ドラ九万

7,700放銃は白鳥。早いリーチで現物がなく、後スジで放銃。
その後オーラスまで白鳥の1人沈みで進み、その時点での通過者は吉野、山田。
また、この時点で、ベスト28の他の対局が全て終了しており、Aリーガーが全滅。
最後の砦となった白鳥だが、本人は知る由もない。

最終局、白鳥が一歩一歩確認するように手を進め、条件を満たしたテンパイを入れるが、無念の流局。

1位通過:吉野敦志 2位通過:山田学武

 

全卓終了し、Aリーガーが全滅という大波乱。
その中でも7卓グルグルと観戦していて1つ気が付いたことがあるので記しておきたい。

Aリーガーは敗れはしたが、下位リーグの選手と比べて、圧倒的に麻雀の間合いがいいと感じた。
間合いとは本人の思考の量やキズ、相手との駆け引きなど抽象的で曖昧な要素の事を言っているので、上手く伝わるかわからないが、見ている側が間合いに共感出来るか出来ないかということだ。
伝わってきやすいのか、麻雀を見ていて心地良くなった。
訓練と経験が成せるものだと思うが、対局者はどう感じたのか非常に興味深い。

 

【ベスト16】
ここから前回チャンピオンの松崎と予選1位の岡田が加わり、ベスト8とかけた戦いとなる。

1卓:松崎良文vs安田麻里菜vs小笠原奈央vs吉野敦志

東1局、まず松崎の立ち上がりに注目。
終盤にテンパイ打牌でドラを強打し、そのまま1人テンパイ。気合い十分といったところか。
しかし松崎はこの後苦しい展開が続き、吉野が1人浮きトップ。

2回戦、南4局 親・吉野(45,500)

吉野
二万三万四万五万六万六万七万七万五索六索七索八索八索  リーチ  ドラ三筒

安田(16,300)もドラ暗刻で追いかけ。
そこに小笠原(35,300)が

二万二万五万六万八万八万八万二筒三筒四筒七筒八筒九筒

このリーチドラ1で追いかけリーチ。
並び的にもいかない選択肢もあるが、小笠原の勝ちたい気持ちが出ているリーチ。
見事ハイテイでツモり、2,000・3,900でトップまで突き抜ける。

2回戦終了時
小笠原+33.9P 吉野+20.1P 安田▲25.7P 松崎▲30.3P

最終戦、安田がフーロしながらも受けつつ手を進めるといった、絶妙なバランスで連荘を続け、上位2人とほぼ並びまで持っていく。
しかし、小笠原と吉野が粘りをみせ、安田に最後の一発を許さず、勝ち上がりを決めた。

1位通過:小笠原奈央 2位通過:吉野敦志

 

2卓:岡田茂vs西田修vs山田学武vs小車祥

予選1位の岡田。1回戦から持ち前の打点力を如何なく発揮。

東4局2本場 親・岡田

山田
一万二万三万四万五万六万一索二索三索一筒二筒発発  リーチ

これに対し岡田、

四万五万六万七万八万八万四索五索六索七索七索五筒六筒

ここに四筒をツモり山田の河に三万九万が切られているが、ノータイムでリーチ宣言。
一発で九万をツモり4,200オール。山田はどう捉えたか。

次局、山田が8巡目テンパイ

一万一万五万六万七索八索九索一筒二筒三筒三筒四筒五筒  ドラ五万

前局の岡田の押し・アガリを見れば、ヤミテンで親を蹴る選択もあるが、山田はリーチを選択。
今局にも表れているが、山田は自力で決着させるような強い選択をする打ち手である。
かわし手の鳴きを多用するのも同様であるが、上手くいけば、相手の手を潰すことの多いスタイル。
逆にリスクも高いので場面を見極める力が必要になる。
今局は岡田がテンパイ連荘となり、リーチの選択が結果としては裏目となったが、この局以降も山田は自身のスタイルを曲げず、積極的にリーチや仕掛けを放ち、アガリを取っていく。山田の良さが光る。

1回戦は岡田、山田の並びで終了。
2回戦、南入り時点で1人沈みの岡田が西田のリーチ宣言牌を捕える。

一筒一筒二筒三筒三筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒九筒  ロン二筒

16,000。1人沈みからの会心のアガリ。
2回戦は小車がトップでしっかりついていく。

2回戦終了時
岡田+46.3P 山田+15.7P 小車+2.0P 西田▲64.0P

最終戦、
東1局 岡田が6巡目にテンパイ。

四万四万四万三索四索五索二筒二筒四筒四筒五筒五筒六筒  ドラ五索

3着目の小車の親なのでヤミテンの選択もあるが、岡田も強いリーチ選択。

小車
五万六万二索三索五索六索六索七索八索三筒四筒四筒六筒

ツモ1で真っ直ぐ打六筒で8,000。厳しい放銃となった。
その後、小車も岡田から8,000をアガリ返すなど粘り強く戦うが、届かず。
山田・岡田の勝ち上がり。

1位通過:山田学武 2位通過:岡田茂

 

3卓:客野直vs西川舞vsケネス・徳田vs小川拓麻

東1局 親・客野

三万五万七万八万八万九万六索七索八索二筒二筒三筒三筒四筒  ドラ八万

ここから打三万八万を持ってきてヤミテン。ケネスから一筒が出て11,600。
難しい選択だったが、正解を選び好調を持続。
ケネスは点棒の出入りが激しく、小川も攻めの意識が強く打撃戦となる。
西川だけは様子見といった印象。1回戦は客野、小川の並びで終了。

2回戦、東1局

ケネス
三万四万五万四索五索三筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒  ツモ六索  ドラ五索

1,300・2,600。三色の手がわりを待ち、初戦ラスの焦りを感じさせない。
しかし、終わってみればまたも客野、小川の並びで終了。

2回戦終了時
客野+50.0P 小川+15.3P 西川▲22.0P ケネス▲43.3P

最終戦、我慢していた西川の大物手が決まる。

八索八索八索東東西西  ポン北北北  ポン白白白  ツモ東  ドラ西

4,000・8,000。親被りは小川。この時点で西川とほぼ並びになる。
南1局 南家 小川が渋いヤミテン。

四万五万三索四索五索六索七索八索三筒四筒五筒六筒六筒  ロン三万  ドラ二筒

西川から7,700の直撃で再び突き放す。一進一退の攻防。
南3局、西川の最後の親番で逆転を狙う。
中盤、力のこもった発声でケネスがリーチ。
西川も押し返しテンパイを果たすが、次の瞬間、ケネスが手牌を倒す。

一万一万一万二万二万二万六万六万六万七万七万七筒七筒  リーチ  ツモ七万

本日2度目の役満。
このアガリで逆転したケネスがベスト8へと駒を進めた。

1位通過:客野直 2位通過:ケネス・徳田

 

4卓:本田朋広vs安達紘文vs西川淳vs水越京子

1回戦、本田が親番で積みトップ目に立つ。
道中に、西川

二万三万四万二索三索四索五索六索六索六索七索二筒三筒  ドラ六索

このテンパイも本田がかわしトップで終了。
2回戦は西川が水越から11,600をアガリ先制。
安達も積極的に攻めオーラスの親番で加点し、トータルトップとなる。

2回戦終了時
安達+22.2P 西川+11.5P 本田+8.4P 水越▲42.1P

最終戦、水越が中盤派手な捨て牌に手出し南
不穏な空気が流れるのも束の間、次巡九筒を手牌の横に置く。

一万九万一索九索一筒東東南西北白発中  ツモ九筒

水越、執念の国士無双をアガリ、一気に横一線の展開に。
南3局、西川が役牌ドラ3をツモり1人抜け出す。
オーラス、西川以外の3人が8ポイント差以内の大接戦。
西家の安達が8巡目に

四万四万六万六万六万五索六索七索七索五筒六筒六筒七筒  ドラ三筒

七索をチーして打六筒。苦しい形だがテンパイ。
その六筒を西川が仕掛け、きったのは…七索
安達が1,000点のアガリで勝ち上がりを決めた。

1位通過:西川淳 2位通過:安達紘文

決勝まであと1つ。準決勝を勝つことの意味合いは非常に大きい。
ここからは体力と共に、決勝のかかったプレッシャーとの勝負となる。
各自、疲れを感じさせない表情で卓につく。

 

【ベスト8】

1卓:小笠原奈央vs岡田茂vs客野直vs安達紘文

開局から手がぶつかる。
安達が先制リーチをかけるが、親の岡田が一歩も引かず、

五索六索八索八索四筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒

この1シャンテンからツモ四筒六筒を勝負するが

安達
六万七万八万二索三索四索六索七索八索七筒八筒北北  リーチ  ロン六筒  ドラ八万

三色の高めで8,000。安達が立て続けにアガリ45,000を超える。

東4局 親・安達
岡田が先制リーチ。親の安達の手牌に目を移すと、

一万三万四索五索五索六索六索七索八索九索一筒一筒五筒

このドラドラ1シャンテン。ここに八筒を持ってくる。
安達の立場だとほぼオリないなと考えていると、安達はノータイムの打三万でオリ。
気になったので対局後に聞いてみたところ、安達は流れというよりも先手や後手を踏まえ、手牌で押し引きするタイプだという。
今局は点数のある親番であっても徹底的に受けるという打三万ということか。
岡田が500・1,000をツモる。

1回戦は安達の大トップで終わるが、客野も要所で確実にアガリ浮きをキープ。
2回戦、客野の2,000オールでスタート。
同1本場にもチャンタドラドラのテンパイを入れるが、小笠原がピンフをツモり簡単にはブレイクさせない。

南2局、4巡目に親の小笠原が南をポンして以下のテンパイを入れる。

一筒二筒三筒三筒四筒五筒五筒六筒九筒九筒  ポン南南南  ドラ二索

直後に岡田がドラの二索待ちの七対子でリーチ。お互い勝負所。
小笠原が二筒をツモり、小考。二筒は現物、五筒六筒は無筋。
小笠原は無筋の打五筒一筒四筒七筒待ちにとると、岡田が持ってきたのは四筒。大きな5,800。
結果は現物をきる打二筒と同じだが、過程が違う。小笠原の攻めの意志がこもったアガリであった。

南2局、親 岡田 1回戦大きなラスで落とせない親番。

三万四万四万六索七索三筒三筒四筒五筒北北白白  ドラ三筒

7巡目に出た白を鳴かず。焦りを微塵も感じさせないどっしりとした岡田らしい麻雀を打つ。
15巡目に出た白をポンして1シャンテン。良くてテンパイ止まりだと思ったが、そこから僅か2巡でツモアガリ。

六索七索一筒二筒三筒三筒四筒五筒北北  ポン白白白  ツモ八索  ドラ三筒

このアガリを見て逆転も十分あるなと感じたが、客野がしっかりリーチでぶつけ、岡田の親が落ちる。
オーラス、大人しかった安達がドラドラ七対子をツモり6,000オール。決勝へ大きく前進。

2回戦終了時
安達+60.4P 客野+15.0P 小笠原▲17.2P 岡田▲58.2P

最終戦、小笠原が積極的に攻めるが、小笠原に立ち向かう理由のある人がいないため、重苦しい場が続き、アガらせてもらえない。
南1局に客野が1,300・2,600をツモり40,000点を超える。
苦しくなった小笠原だが、最後の親番で怒涛のリーチ攻勢をみせる。

南2局

五万五万五万四索五索六索二筒二筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ

南3局1本場

三万四万五万四索五索六索五筒六筒七筒九筒九筒発発  リーチ

どちらもツモれば満貫の手だが、最後の1枚がやってこない。客野もしっかり受け流局。連続の1人テンパイ。
南3局2本場

四万五万七万七万二索三索四索五索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ二索

小笠原3局連続のリーチ。今度こそ決まるか見ていると、客野がスッと八索を押す。
結果はすぐに出た。

三万四万五万七万八万九万四筒五筒七筒八筒九筒北北  ツモ三筒

客野が自力でアガりきり、決勝への切符を手にした。

1位通過:安達紘文 2位通過:客野直

小笠原「悔しいですが、勝ちたいという気持ちを表現できたことは良かったと思います。また出場して頑張ります!」
岡田 「力不足でした。特に精神面の弱さが敗因となったかなと思います。以前に比べ、かかる事はなくなったのですが、勝ちたいという気持ちが上手くコントロール出来ず、押し引き、選択ミスをしたと思います。またしっかり稽古して、チカラをつけたいと思います。」

 

2卓:吉野敦志vs山田学武vs西川淳vsケネス徳田

東2局、山田・吉野両者が5,200~8,000まで見える1シャンテンからポンテンにとり、捌き手にする。
山田・吉野共にアガリの回数の多いタイプであり、その流れにケネス、西川も加わって非常に仕掛けが多い対局となった。
東場は本手を捌き手が交わす展開が続いた。

南1局 親・西川 6巡目テンパイ

西川
四索五索五索六索六索七索八索九索東東東発発  ドラ二索

このヤミテンに構える。西家の吉野が追いつき

四万四万二索三索四索二筒三筒四筒五筒六筒七筒西西  リーチ

西川はヤミテンで押し続けるが四万をつかみ吉野2,600のアガリ。

南3局、トイトイドラドラのテンパイを入れた西川だったが、山田のメンホン七対子に放銃し、1回戦は1人沈みのラスとなる。

2回戦、初戦に続き東場は小場でまわるが、ケネスが、打点のあるように見える捨て牌を上手く使い、遠い鳴きも混ぜながら場を支配し始める。
南2局、親・ケネス

山田
五万六万七万五索二筒二筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒九筒九筒  ドラ五筒

ここから打九筒でテンパイ外し。打点を追った一打だが、そこに西川からリーチが入る。
ケネスが宣言牌の五筒をチーして七万を勝負。次巡、カン三万をツモり1,000オールのアガリ。
点数以上に西川・山田の手を潰す大きなアガリ。
連荘のケネスが加点し、私が準決勝の分岐点だと感じた3本場へ。

親のケネスがチャンタ仕掛けで2フーロ、西川と吉野も仕掛け返し局の終盤へ。
山田が残り4、5巡でピンフドラドラの1シャンテンから、形式テンパイの仕掛けを入れる。
3人が仕掛けている状態で、最高がテンパイの手牌を、リスクを負って残り4、5巡維持出来るのか。
難しい判断かもしれないが、点数を取りに行くとしたら、アガりの可能性を残した戦いを見たかった。
結果は、次巡ケネスが2,000は2,300オールをツモり一歩抜け出す。

南3局 親・山田
西川
二万三万三万四万四万五万三索四索五索二筒二筒三筒五筒  リーチ  ドラ六索

ケネス
五万六万七万六索六索三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ

親の山田も追いつきリーチといくが宣言牌が四筒。西川が勝負どころを制し原点を超える。
2回戦はケネス、西川が浮いて最終戦へ。

2回戦終了時
ケネス+32.2P 吉野▲2.3P 山田▲6.4P 西川▲23.5P

東2局、山田のホンイツテンパイに、西川が押しきり3,900オールをアガリ、トータル2着へ浮上。
同1本場、ケネスが中ポン、九筒ポン。ブラフなのだが、捨て牌とテンポで戦い、西川が1シャンテンからドラの中をツモリ後退させられる。
北家の吉野は仕掛けをみて七対子に的を絞り、終盤ドラを重ね、ケネスに危険に見える七筒を勝負!最終手番でアガリ牌の一万を力強くツモリあげ再逆転。

さらに東4局

一索一索四索五索五索六索七索七索八索九索白白白  ツモ三索

2,000・4,000でリードを広げ、勝負あり。
吉野は良さであるそつのない麻雀に加えて、勝負勘が冴えていた。
ケネスは手役へのこだわりと、対人戦略を織り交ぜた麻雀で勝ち上がり。

1位通過:吉野敦志 2位通過:ケネス・徳田

西川「吉野さんいい麻雀でした。悪いときの生命線である七対子の精度がいまいちでしたが、精一杯打てました。」
山田「気持ちのいい戦いでした。」

ニコニコ生放送で放映される決勝のメンバーが決定した。
連盟のタイトル戦では全員が初決勝となった。

正直展開は全く読めないが、初タイトルのプレッシャーの中で変化する精神状態とどう立ち向かっていくか、私も含めて若手にとって、参考になる面白い対局になりそうで、今から楽しみである。
最後に決勝進出を決めた4名の選手のコメントで締めさせていただく。

安達「リーグ戦と特昇リーグで負けているので、鬱憤を晴らしたい。優勝します!」
客野「今日は押し引きが良かったです。決勝は初めてなので、はずかしい打牌をしないように頑張ります。」
吉野「決勝で勝って今までお世話になった人達に恩返ししたいです。」
徳田「棺桶に入ったところから四暗刻をツモってよみがえった!」

2/11(水祝) 13:00

決勝放送はこちら

JPML WRCリーグ レポート/第27期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート 安村 浩司

第27期チャンピオンズリーグ。
日本プロ麻雀連盟員が参加できるタイトル戦で、予選は半年間で各自20半荘を行い、上位29名がトーナメント進出。
トーナメントは同一メンバーで半荘3回行い、ポイント上位2名が勝ち上がり。
ベスト28 ベスト16 ベスト8と3回勝てばニコニコ生放送日本プロ麻雀チャンネルで生放送される決勝である。
若手にとって非常にチャンスとなるタイトル戦。
決勝へ向けたトーナメントの熱い対局模様をお伝えします。
 
【ベスト28】
1卓:客野直vs藤原隆弘vs末松隆文vs小笠原奈央
A2復帰を果たした藤原に3人がどう挑むか。
1回戦、受け主体の選手が揃い、大きなアガりが生まれず、小場で進んでいく。
南4局、藤原らしい役なしヤミテン400・700をツモりトップスタート。
2回戦は客野の独壇場。
リーチとヤミテンを上手く使い分け、順調に得点を伸ばす。
ダメ押しは南4局
二万三万四万二索三索三索三索四索四索五索五索一筒一筒  リーチ  ロン一索
これをチンイツ仕掛けの末松から5,800は6,100。
末松は仕掛けを駆使して戦うが、連続ラスで大きめのトップが必要になった。
2回戦終了時
客野+33.8P 藤原▲3.3P 小笠原▲3.4P 末松▲33.7P
最終戦、小笠原が素直な押し引きを見せ、トップで藤原を交わし勝ち上がり。
藤原は、終始手が入らず、苦しそうに対局していたのが印象的だった。
1位通過:客野直 2位通過:小笠原奈央
 
2卓:吉田直vs瀬戸熊直樹vs小車祥vs本田朋広
ベスト28の好カード。
1回戦、Aリーガー2人が主導権を握っていくかと見ていたが、アガるのは小車と本田。
南4局、親・瀬戸熊。
五索五索四筒四筒五筒五筒五筒  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン東東東  ドラ四万
吉田
三万四万五万三索四索二筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ
この2人の戦いも流局。小車、本田の並びのまま終了。
2回戦、本田がややスピードよりの手牌進行でリーチ攻撃。
東3局、親・本田
本田
三万四万八万八万一索二索三索四索四索四索六索七索八索  リーチ  ドラ五万
終盤、形を崩さず粘っていた瀬戸熊。
二万二万五万五万七万七万七万九索九索九索七筒白白
本田の当たり牌である五万を引き入れ、ツモり四暗刻でリーチ!
しかし、直後に本田が最後の五万をツモり、点数以上に大きい2,000オール。
瀬戸熊、何度もテンパイを入れるがアガリが遠い。
2回戦終了時
本田+38.2P 小車+16.7P 吉田▲28.1P 瀬戸熊▲30.4P
最終戦、吉田・瀬戸熊のターゲットは小車。
東2局に吉田がリーチをかけ、高め7,700の三筒六筒九筒のテンパイが入っていた小車から、
四万五万六万七万八万九万一索一索一索四索四索五索五索  ロン五索  ドラ一索
8,000を直撃するが、小車が次局アガリ返し、そのままフィニッシュ。
Aリーガー2人が敗れる波乱となった。
1位通過:本田朋広 2位通過:小車祥
 
3卓:小町拓也vs安達紘文vs一井慎也vs小川拓麻
一井以外は攻撃型が揃った印象。
1回戦、一井が受けを意識しながらも、アガリを重ね1人浮きで抜け出す。
2回戦は小川と安達が逆襲、小町は苦しくなる。
2回戦終了時
一井+25.2P 小川+6.9P 安達+5.2P 小町▲37.3P
最終戦、一井の雀風からも、逃げ切る可能性が高いと思われたが…
東3局、終盤に一井が七筒ピンを切ると、
一筒二筒三筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒八筒
安達の24,000!この後にも4,000オールを決め安達が当確。
残り1枠は我慢して浮きをキープした小川の勝ち上がり。
1位通過:安達紘文 2位通過:小川拓麻
 
4卓:新谷翔平vs冨田久志vs西川舞vs水越京子
全員がテンポよく打牌し、前に出る打撃戦となる。
新谷がドラ暗刻の8,000を冨田からアガリ好スタート。
冨田は西川のチンイツドラ1にも放銃し、後が無くなる。
2回戦は水越がトップ。冨田も浮き最終戦に望みをつなぐ。
2回戦終了時
水越+26.0P 西川+8.9P 新谷▲13.4P 冨田▲21.5P
最終戦、新谷が南場に
一万一万七万八万九万四索五索六索三筒三筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ三筒  ドラ七万
二索二索六索七索二筒三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  リーチ  ロン八索  ドラ二万
これをアガリ、水越とわずかの差まで詰め寄る。
オーラス。親で伏せれば勝ちの西川が
七万九万七索八索九索七筒八筒九筒東東南南南  ロン八万  ドラ八筒
冨田から18,000の決定打。
順位点の関係で条件が厳しくなった新谷が、次局条件を満たせず、水越の勝ち上がりとなった。
1位通過:西川舞 2位通過:水越京子
 
5卓:西田修vs西川淳vs中寿文vs山中翼
1回戦、チャンピオンズリーグ優勝経験のある西川が場をリードし、トップの好発進。
2回戦、ベテラン西田が
一万二万三万五万六万七万三筒三筒四筒四筒五筒八筒八筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ八筒
三万五万五万六万七万四索四索六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ハイテイツモ四万  ドラ六筒
この2度の3,000・6,000をアガリ、6万点オーバーまで吹き上がる。
初戦ラスだった山中も親番で加点し、浮きにまわる。
2回戦終了時
西田+41.4P 西川▲19.7P 中▲1.1P 山中▲20.6
最終戦、3者の争いとなったが、西川が競り合いを制して勝ち上がり。
1位通過:西田修 2位通過:西川淳
 
6卓:内川幸太郎vs藤島健二郎vsケネス・徳田vs安田麻里菜
ここも好カードだが、開始早々事件が起こる。
東2局、内川の手がドラドラでいいなと見ていると、終盤藤島のきった2枚切れの一筒にロンの声がかかる。
一万九万九万一索九索九筒東南西北白発中  ロン一筒
アガッたのはケネス。道中、暗刻の西のトイツ落としを見せた技ありの国士無双。
安田も負けていない。次局の親番で
三万三万三万六万六万七万七万七万三索四索五索七筒七筒  リーチ  ツモ七筒  ドラ五索
この6,000オール。
対する内川も確実にアガリを決め、高打点の応酬となる。
2回戦終了時
ケネス+37.3P 安田+31.4P 内川▲6.3P 藤島▲62.4P
藤島は最終戦意地のトップをとるが、3回戦のトーナメントではあまりに大きい失点が重くのしかかり、選択肢の少ない状態で戦うことを余儀なくされ敗退。
同様に上位2人と40ポイント離れた内川も勝負をかけるが届かず、安田・ケネスの勝ち上がりとなる。
1位通過:安田麻里菜 2位通過:ケネス徳田
 
7卓:白鳥翔vs山田学武vs石川正明vs吉野敦志
アガリ率重視のメンバーが揃った印象。
1回戦、2回戦と白鳥が白鳥らしい正確な手順でアガリを重ねる。
石川は勝負手がことごとく負け、2回戦を終え厳しい位置となる。
2回戦終了時
白鳥+37.4P 山田+16.1P 吉野+8.6P 石川▲62.1P
最終戦、吉野の親リーチ。
二万三万四万六万七万八万九万九万二索三索四索九筒九筒  リーチ  ロン九筒  ドラ九万
7,700放銃は白鳥。早いリーチで現物がなく、後スジで放銃。
その後オーラスまで白鳥の1人沈みで進み、その時点での通過者は吉野、山田。
また、この時点で、ベスト28の他の対局が全て終了しており、Aリーガーが全滅。
最後の砦となった白鳥だが、本人は知る由もない。
最終局、白鳥が一歩一歩確認するように手を進め、条件を満たしたテンパイを入れるが、無念の流局。
1位通過:吉野敦志 2位通過:山田学武
 
全卓終了し、Aリーガーが全滅という大波乱。
その中でも7卓グルグルと観戦していて1つ気が付いたことがあるので記しておきたい。
Aリーガーは敗れはしたが、下位リーグの選手と比べて、圧倒的に麻雀の間合いがいいと感じた。
間合いとは本人の思考の量やキズ、相手との駆け引きなど抽象的で曖昧な要素の事を言っているので、上手く伝わるかわからないが、見ている側が間合いに共感出来るか出来ないかということだ。
伝わってきやすいのか、麻雀を見ていて心地良くなった。
訓練と経験が成せるものだと思うが、対局者はどう感じたのか非常に興味深い。
 
【ベスト16】
ここから前回チャンピオンの松崎と予選1位の岡田が加わり、ベスト8とかけた戦いとなる。
1卓:松崎良文vs安田麻里菜vs小笠原奈央vs吉野敦志
東1局、まず松崎の立ち上がりに注目。
終盤にテンパイ打牌でドラを強打し、そのまま1人テンパイ。気合い十分といったところか。
しかし松崎はこの後苦しい展開が続き、吉野が1人浮きトップ。
2回戦、南4局 親・吉野(45,500)
吉野
二万三万四万五万六万六万七万七万五索六索七索八索八索  リーチ  ドラ三筒
安田(16,300)もドラ暗刻で追いかけ。
そこに小笠原(35,300)が
二万二万五万六万八万八万八万二筒三筒四筒七筒八筒九筒
このリーチドラ1で追いかけリーチ。
並び的にもいかない選択肢もあるが、小笠原の勝ちたい気持ちが出ているリーチ。
見事ハイテイでツモり、2,000・3,900でトップまで突き抜ける。
2回戦終了時
小笠原+33.9P 吉野+20.1P 安田▲25.7P 松崎▲30.3P
最終戦、安田がフーロしながらも受けつつ手を進めるといった、絶妙なバランスで連荘を続け、上位2人とほぼ並びまで持っていく。
しかし、小笠原と吉野が粘りをみせ、安田に最後の一発を許さず、勝ち上がりを決めた。
1位通過:小笠原奈央 2位通過:吉野敦志
 
2卓:岡田茂vs西田修vs山田学武vs小車祥
予選1位の岡田。1回戦から持ち前の打点力を如何なく発揮。
東4局2本場 親・岡田
山田
一万二万三万四万五万六万一索二索三索一筒二筒発発  リーチ
これに対し岡田、
四万五万六万七万八万八万四索五索六索七索七索五筒六筒
ここに四筒をツモり山田の河に三万九万が切られているが、ノータイムでリーチ宣言。
一発で九万をツモり4,200オール。山田はどう捉えたか。
次局、山田が8巡目テンパイ
一万一万五万六万七索八索九索一筒二筒三筒三筒四筒五筒  ドラ五万
前局の岡田の押し・アガリを見れば、ヤミテンで親を蹴る選択もあるが、山田はリーチを選択。
今局にも表れているが、山田は自力で決着させるような強い選択をする打ち手である。
かわし手の鳴きを多用するのも同様であるが、上手くいけば、相手の手を潰すことの多いスタイル。
逆にリスクも高いので場面を見極める力が必要になる。
今局は岡田がテンパイ連荘となり、リーチの選択が結果としては裏目となったが、この局以降も山田は自身のスタイルを曲げず、積極的にリーチや仕掛けを放ち、アガリを取っていく。山田の良さが光る。
1回戦は岡田、山田の並びで終了。
2回戦、南入り時点で1人沈みの岡田が西田のリーチ宣言牌を捕える。
一筒一筒二筒三筒三筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒九筒  ロン二筒
16,000。1人沈みからの会心のアガリ。
2回戦は小車がトップでしっかりついていく。
2回戦終了時
岡田+46.3P 山田+15.7P 小車+2.0P 西田▲64.0P
最終戦、
東1局 岡田が6巡目にテンパイ。
四万四万四万三索四索五索二筒二筒四筒四筒五筒五筒六筒  ドラ五索
3着目の小車の親なのでヤミテンの選択もあるが、岡田も強いリーチ選択。
小車
五万六万二索三索五索六索六索七索八索三筒四筒四筒六筒
ツモ1で真っ直ぐ打六筒で8,000。厳しい放銃となった。
その後、小車も岡田から8,000をアガリ返すなど粘り強く戦うが、届かず。
山田・岡田の勝ち上がり。
1位通過:山田学武 2位通過:岡田茂
 
3卓:客野直vs西川舞vsケネス・徳田vs小川拓麻
東1局 親・客野
三万五万七万八万八万九万六索七索八索二筒二筒三筒三筒四筒  ドラ八万
ここから打三万八万を持ってきてヤミテン。ケネスから一筒が出て11,600。
難しい選択だったが、正解を選び好調を持続。
ケネスは点棒の出入りが激しく、小川も攻めの意識が強く打撃戦となる。
西川だけは様子見といった印象。1回戦は客野、小川の並びで終了。
2回戦、東1局
ケネス
三万四万五万四索五索三筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒  ツモ六索  ドラ五索
1,300・2,600。三色の手がわりを待ち、初戦ラスの焦りを感じさせない。
しかし、終わってみればまたも客野、小川の並びで終了。
2回戦終了時
客野+50.0P 小川+15.3P 西川▲22.0P ケネス▲43.3P
最終戦、我慢していた西川の大物手が決まる。
八索八索八索東東西西  ポン北北北  ポン白白白  ツモ東  ドラ西
4,000・8,000。親被りは小川。この時点で西川とほぼ並びになる。
南1局 南家 小川が渋いヤミテン。
四万五万三索四索五索六索七索八索三筒四筒五筒六筒六筒  ロン三万  ドラ二筒
西川から7,700の直撃で再び突き放す。一進一退の攻防。
南3局、西川の最後の親番で逆転を狙う。
中盤、力のこもった発声でケネスがリーチ。
西川も押し返しテンパイを果たすが、次の瞬間、ケネスが手牌を倒す。
一万一万一万二万二万二万六万六万六万七万七万七筒七筒  リーチ  ツモ七万
本日2度目の役満。
このアガリで逆転したケネスがベスト8へと駒を進めた。
1位通過:客野直 2位通過:ケネス・徳田
 
4卓:本田朋広vs安達紘文vs西川淳vs水越京子
1回戦、本田が親番で積みトップ目に立つ。
道中に、西川
二万三万四万二索三索四索五索六索六索六索七索二筒三筒  ドラ六索
このテンパイも本田がかわしトップで終了。
2回戦は西川が水越から11,600をアガリ先制。
安達も積極的に攻めオーラスの親番で加点し、トータルトップとなる。
2回戦終了時
安達+22.2P 西川+11.5P 本田+8.4P 水越▲42.1P
最終戦、水越が中盤派手な捨て牌に手出し南
不穏な空気が流れるのも束の間、次巡九筒を手牌の横に置く。
一万九万一索九索一筒東東南西北白発中  ツモ九筒
水越、執念の国士無双をアガリ、一気に横一線の展開に。
南3局、西川が役牌ドラ3をツモり1人抜け出す。
オーラス、西川以外の3人が8ポイント差以内の大接戦。
西家の安達が8巡目に
四万四万六万六万六万五索六索七索七索五筒六筒六筒七筒  ドラ三筒
七索をチーして打六筒。苦しい形だがテンパイ。
その六筒を西川が仕掛け、きったのは…七索
安達が1,000点のアガリで勝ち上がりを決めた。
1位通過:西川淳 2位通過:安達紘文
決勝まであと1つ。準決勝を勝つことの意味合いは非常に大きい。
ここからは体力と共に、決勝のかかったプレッシャーとの勝負となる。
各自、疲れを感じさせない表情で卓につく。
 
【ベスト8】
1卓:小笠原奈央vs岡田茂vs客野直vs安達紘文
開局から手がぶつかる。
安達が先制リーチをかけるが、親の岡田が一歩も引かず、
五索六索八索八索四筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒
この1シャンテンからツモ四筒六筒を勝負するが
安達
六万七万八万二索三索四索六索七索八索七筒八筒北北  リーチ  ロン六筒  ドラ八万
三色の高めで8,000。安達が立て続けにアガリ45,000を超える。
東4局 親・安達
岡田が先制リーチ。親の安達の手牌に目を移すと、
一万三万四索五索五索六索六索七索八索九索一筒一筒五筒
このドラドラ1シャンテン。ここに八筒を持ってくる。
安達の立場だとほぼオリないなと考えていると、安達はノータイムの打三万でオリ。
気になったので対局後に聞いてみたところ、安達は流れというよりも先手や後手を踏まえ、手牌で押し引きするタイプだという。
今局は点数のある親番であっても徹底的に受けるという打三万ということか。
岡田が500・1,000をツモる。
1回戦は安達の大トップで終わるが、客野も要所で確実にアガリ浮きをキープ。
2回戦、客野の2,000オールでスタート。
同1本場にもチャンタドラドラのテンパイを入れるが、小笠原がピンフをツモり簡単にはブレイクさせない。
南2局、4巡目に親の小笠原が南をポンして以下のテンパイを入れる。
一筒二筒三筒三筒四筒五筒五筒六筒九筒九筒  ポン南南南  ドラ二索
直後に岡田がドラの二索待ちの七対子でリーチ。お互い勝負所。
小笠原が二筒をツモり、小考。二筒は現物、五筒六筒は無筋。
小笠原は無筋の打五筒一筒四筒七筒待ちにとると、岡田が持ってきたのは四筒。大きな5,800。
結果は現物をきる打二筒と同じだが、過程が違う。小笠原の攻めの意志がこもったアガリであった。
南2局、親 岡田 1回戦大きなラスで落とせない親番。
三万四万四万六索七索三筒三筒四筒五筒北北白白  ドラ三筒
7巡目に出た白を鳴かず。焦りを微塵も感じさせないどっしりとした岡田らしい麻雀を打つ。
15巡目に出た白をポンして1シャンテン。良くてテンパイ止まりだと思ったが、そこから僅か2巡でツモアガリ。
六索七索一筒二筒三筒三筒四筒五筒北北  ポン白白白  ツモ八索  ドラ三筒
このアガリを見て逆転も十分あるなと感じたが、客野がしっかりリーチでぶつけ、岡田の親が落ちる。
オーラス、大人しかった安達がドラドラ七対子をツモり6,000オール。決勝へ大きく前進。
2回戦終了時
安達+60.4P 客野+15.0P 小笠原▲17.2P 岡田▲58.2P
最終戦、小笠原が積極的に攻めるが、小笠原に立ち向かう理由のある人がいないため、重苦しい場が続き、アガらせてもらえない。
南1局に客野が1,300・2,600をツモり40,000点を超える。
苦しくなった小笠原だが、最後の親番で怒涛のリーチ攻勢をみせる。
南2局
五万五万五万四索五索六索二筒二筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ
南3局1本場
三万四万五万四索五索六索五筒六筒七筒九筒九筒発発  リーチ
どちらもツモれば満貫の手だが、最後の1枚がやってこない。客野もしっかり受け流局。連続の1人テンパイ。
南3局2本場
四万五万七万七万二索三索四索五索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ二索
小笠原3局連続のリーチ。今度こそ決まるか見ていると、客野がスッと八索を押す。
結果はすぐに出た。
三万四万五万七万八万九万四筒五筒七筒八筒九筒北北  ツモ三筒
客野が自力でアガりきり、決勝への切符を手にした。
1位通過:安達紘文 2位通過:客野直
小笠原「悔しいですが、勝ちたいという気持ちを表現できたことは良かったと思います。また出場して頑張ります!」
岡田 「力不足でした。特に精神面の弱さが敗因となったかなと思います。以前に比べ、かかる事はなくなったのですが、勝ちたいという気持ちが上手くコントロール出来ず、押し引き、選択ミスをしたと思います。またしっかり稽古して、チカラをつけたいと思います。」
 
2卓:吉野敦志vs山田学武vs西川淳vsケネス徳田
東2局、山田・吉野両者が5,200~8,000まで見える1シャンテンからポンテンにとり、捌き手にする。
山田・吉野共にアガリの回数の多いタイプであり、その流れにケネス、西川も加わって非常に仕掛けが多い対局となった。
東場は本手を捌き手が交わす展開が続いた。
南1局 親・西川 6巡目テンパイ
西川
四索五索五索六索六索七索八索九索東東東発発  ドラ二索
このヤミテンに構える。西家の吉野が追いつき
四万四万二索三索四索二筒三筒四筒五筒六筒七筒西西  リーチ
西川はヤミテンで押し続けるが四万をつかみ吉野2,600のアガリ。
南3局、トイトイドラドラのテンパイを入れた西川だったが、山田のメンホン七対子に放銃し、1回戦は1人沈みのラスとなる。
2回戦、初戦に続き東場は小場でまわるが、ケネスが、打点のあるように見える捨て牌を上手く使い、遠い鳴きも混ぜながら場を支配し始める。
南2局、親・ケネス
山田
五万六万七万五索二筒二筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒九筒九筒  ドラ五筒
ここから打九筒でテンパイ外し。打点を追った一打だが、そこに西川からリーチが入る。
ケネスが宣言牌の五筒をチーして七万を勝負。次巡、カン三万をツモり1,000オールのアガリ。
点数以上に西川・山田の手を潰す大きなアガリ。
連荘のケネスが加点し、私が準決勝の分岐点だと感じた3本場へ。
親のケネスがチャンタ仕掛けで2フーロ、西川と吉野も仕掛け返し局の終盤へ。
山田が残り4、5巡でピンフドラドラの1シャンテンから、形式テンパイの仕掛けを入れる。
3人が仕掛けている状態で、最高がテンパイの手牌を、リスクを負って残り4、5巡維持出来るのか。
難しい判断かもしれないが、点数を取りに行くとしたら、アガりの可能性を残した戦いを見たかった。
結果は、次巡ケネスが2,000は2,300オールをツモり一歩抜け出す。
南3局 親・山田
西川
二万三万三万四万四万五万三索四索五索二筒二筒三筒五筒  リーチ  ドラ六索
ケネス
五万六万七万六索六索三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ
親の山田も追いつきリーチといくが宣言牌が四筒。西川が勝負どころを制し原点を超える。
2回戦はケネス、西川が浮いて最終戦へ。
2回戦終了時
ケネス+32.2P 吉野▲2.3P 山田▲6.4P 西川▲23.5P
東2局、山田のホンイツテンパイに、西川が押しきり3,900オールをアガリ、トータル2着へ浮上。
同1本場、ケネスが中ポン、九筒ポン。ブラフなのだが、捨て牌とテンポで戦い、西川が1シャンテンからドラの中をツモリ後退させられる。
北家の吉野は仕掛けをみて七対子に的を絞り、終盤ドラを重ね、ケネスに危険に見える七筒を勝負!最終手番でアガリ牌の一万を力強くツモリあげ再逆転。
さらに東4局
一索一索四索五索五索六索七索七索八索九索白白白  ツモ三索
2,000・4,000でリードを広げ、勝負あり。
吉野は良さであるそつのない麻雀に加えて、勝負勘が冴えていた。
ケネスは手役へのこだわりと、対人戦略を織り交ぜた麻雀で勝ち上がり。
1位通過:吉野敦志 2位通過:ケネス・徳田
西川「吉野さんいい麻雀でした。悪いときの生命線である七対子の精度がいまいちでしたが、精一杯打てました。」
山田「気持ちのいい戦いでした。」
ニコニコ生放送で放映される決勝のメンバーが決定した。
連盟のタイトル戦では全員が初決勝となった。
正直展開は全く読めないが、初タイトルのプレッシャーの中で変化する精神状態とどう立ち向かっていくか、私も含めて若手にとって、参考になる面白い対局になりそうで、今から楽しみである。
最後に決勝進出を決めた4名の選手のコメントで締めさせていただく。
安達「リーグ戦と特昇リーグで負けているので、鬱憤を晴らしたい。優勝します!」
客野「今日は押し引きが良かったです。決勝は初めてなので、はずかしい打牌をしないように頑張ります。」
吉野「決勝で勝って今までお世話になった人達に恩返ししたいです。」
徳田「棺桶に入ったところから四暗刻をツモってよみがえった!」
2/11(水祝) 13:00
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