「プロテストを受験する若者たちへ」 望月雅継

人は平等にチャンスがやってくる。
しかし、そのチャンスをモノにすることが出来るかどうかは…自分自身だ。

19歳の初秋、私はプロ連盟の門を叩いた。
結果は残念ながら不合格。それでもプロになりたい気持ちが強かった私は、研修生として1年間勉強を重ねた後、晴れてプロ連盟の一員となることが出来た。

そこに至る経緯に関しては以前のコラムにも記したのでそちらをご覧頂くとして…。

あれから約20年、私は無我夢中で走り続けてきた。
全力で走り続けた故に、失ったものは計り知れない。
しかし、チャンスを掴もうともがき続けた事で、得たものも限りなく多いのだ。

あの頃の私に、今のような時代が想像出来ただろうか?

答えは否だ。
頭に思い描く時代の移り変わりのスピードより、圧倒的に実際のスピードの方が速い。

学生時代の私の楽しみといえば、『近代麻雀』を隅から隅まで読み尽くすこと。
当時、別冊、オリジナル、ゴールドと3種類の近代麻雀を読むことだけが、麻雀界との関わりだったように思う。

「麻雀プロなんて、雑誌の中の存在さ。」

そう思っていたのも事実。
しかし、強烈な憧れを抱いていたこともまた、事実だ。

そんな折、その『近代麻雀』の記事の片隅で見つけた【麻雀プロ募集】の記事。
近代麻雀を何度も何度も繰り返し読んでいたからこそ気がついたとも言えるような、今のプロ連盟の隆盛とは全くかけ離れた小さな記事だっただけに、今思い返すと何故プロ連盟を受験したのかさえ不思議に感じてしまう。

兎に角、縁あってお世話になることになったプロ連盟。
しかし、麻雀プロになったとはいえ、私にとっての麻雀プロはまだまだ遠い存在だった。

当時私が所属していたのは中部本部。
リーグ戦の度に名古屋に向かい対局をしていたものの、遠く離れた東京で行われている鳳凰位戦プロリーグや各種タイトル戦など全くの無縁。
唯一の楽しみは、当時発行されていた『プロ麻雀』でのプロ連盟に関する記事を読むことくらい。

プロになってから数年は、今では考えられないような状況でプロ活動をしていたのだ。

あの頃の自分を振り返ってみると、本当に若かったなと思う。
大学在籍中にプロテストを受けたということもあり、世の中もプロ業界も全くと言っていいくらいわかっていなかった。

それだけではない。
世の中に対し斜に構えていたこともあってか、周りの大人の言うことにさえ、素直に耳を傾けていなかった気がする。

「30歳までは夢を追いかけてもいいんだよ。」

なんて言われても、

「夢ってなんだよ…。叶うわけないだろ…。」

とか、

「今頑張っておけば、きっと将来役に立つから!」

なんて言われた日には、

「今やるのが面倒くさいんだろ…。」

といった始末。

麻雀プロになったとはいえ、何をやれば強くなるのか全くわからなかった。
強くなったところで、どうやって活動していいのかすらわからなかったのだから。

それでも、親の反対を押し切り飛び込んだ世界だっただけに逃げることは許されなかった。
いや、許されないというよりは、ほんの小さな自分のプライドが、周りの大人たちや世間に対する反骨心がそうさせただけなのかもしれない。

そんな事を考えながら始めたプロ活動。
周りのアドバイスすら、聞き入れる耳さえ持ち合わせていなかったはずだ。
それくらい私は小さく未熟な男だった。
自分で見たもの、感じたものだけしか信じることが出来なかったのだから。

それは時代がそうさせたのかもしれない。
地方在住というコンプレックスがそうさせたのかもしれない。
とにかく、情報がまるでない中で歩みはじめた私の第一歩は、今考えるだけで恥ずかしく、そして陳腐で幼い思考の塊だったのだ。

しかし今は時代が違う。
世の中は情報に溢れ、インターネットやSNS等の発達による伝達スピードの速さから、麻雀界における地方格差など全く感じることのない素晴らしい時代に突入した。

麻雀の知識や技術についてもそう。
雑誌や戦術書を読むことからしか学ぶことが出来なかった時代から、今は実際にトッププロの対局を目にすることにより、成長のスピードが上がり、より効率的に成長を遂げることが出来るようになったのだ。

時代が進むことにより、麻雀界の、プロ業界の成熟度が格段にアップしたことは間違いのない事実なのである。

話が大幅に脱線して申し訳ない。
今話した内容は、麻雀プロを志す過程と、麻雀の技術向上についての進歩の話である。
これらは、プロ連盟だけではなくどの団体に対しても言えることであり、麻雀プロを志す若者に対して、より多くの選択肢を与えることとなった重要な事柄と言い換えることも出来る。

つまりは、麻雀プロになることだけが全てではないとも言えるし、プロ連盟以外の団体を受験することの善し悪しに関しても、プロ志望の皆様の視点で選ぶことが出来る時代になってきたと言えるだろう。

何を求め、何を選択するかが、周りのファンの方々によりクリアに見えて来ているということだ。
多種多様化する選択肢は、何になりたいか、どうしたいか、その人の考え方や意思によって選択する時代に突入してきたとも言える。
プロ連盟を受験するメリットを、入会してからのメリットを伝えることにより、より多くの皆様にプロ連盟の門を叩いて欲しいと願っている。

プロ連盟の中で活動していて、一番のメリットだと感じることはズバリ【チャンスの多さ】だ。
昔の自分と比較して、正直今の自分が今の若手に嫉妬するくらいだと言ったら分かりやすいのかもしれない。

映像時代に突入した今、自分を売り出すのに一番手っ取り早い方法はメディアに出ることだろう。
私が若手の頃は、映像に出ることなど夢のまた夢だった。
『近代麻雀』に出ることすら考えられなかったし、『プロ麻雀』や『連盟新聞』の片隅に名前が掲載されるだけでも本当に嬉しかった。

しかし今は違う。
ある一定の基準を満たせば、プロ連盟が参加している麻雀ゲーム『ロン2』に麻雀プロとして参加することが出来る。
さらには、こちらも基準さえ満たせば、プロ連盟が運営している『日本プロ麻雀連盟チャンネル』内の番組に選手として出場することが出来るのだ。

考えて欲しい。
これらは全て、プロ連盟が麻雀番組を放送するスタジオを所有しているからこそ出来ることであり、ロン2と協力体制があるからこそ出来ることなのである。

このような時代になったことは本当に嬉しいことである。
自分たちが麻雀ゲームに出るなんて考えもしなかった。
一部のゲームに麻雀プロが出演していたし、そのゲームを実際にプレイしたりもした。

しかし、それは十数人の話。希望して基準を満たせばゲーム内に参加できるなんて考えもしなかった。

映像対局に出演できるなど絶対にありえないと思っていた。
私が初めて映像対局に出演させてもらったのは8年前。鳳凰位を獲得してようやく初めて掴んだチャンスだった。

それが今は違う。
最速ならプロ入り後たった数ヶ月で、ファンの皆様に自分をアピールするチャンスを掴むことが出来るのだから、本当に羨ましく感じるのだ。

私が地方だけで活動していた頃、タイトル獲得など夢のまた夢だった。
しかし、今は色々な予選が各地で開催されている。トーナメントの大会であればプロ入り後1年でのタイトル獲得も夢ではない。

リーグ戦に関してもそうだ。
プロ連盟は現在11のカテゴリーでリーグ戦が形成されているが、特別昇級リーグに参加する権利を得れば、最短4年で鳳凰位に挑戦することが可能である。

女流に関してはもっと早い。
最短2年で女流桜花のAリーグに昇級することが出来、3年でプロ連盟の女流プロの頂点に立つことが出来るのだ。

来期から、女流桜花Aリーグ、鳳凰位戦A1リーグ、A2リーグの全ての対局が『日本プロ麻雀連盟チャンネル』内で放送されることが決定している。
また、各種タイトル戦の決勝戦の放送も決定している。

つまり、今まではプロ同士での戦いによる結果のみで争っていたプロの世界が、これからは結果だけでなく視聴者の皆様の目で判断される時代に突入したということだ。

それはどういったことなのか?
プロ連盟は、新たなスターを発掘したいと考えているということなのだ。
もちろん、今プロとして活躍している人材がダメだと言っているのではない。新たな風を受け入れ、その力によって更なる活性化を求めているのだ。

プロテスト実行委員会を率いる前原雄大プロが毎回冒頭で話す言葉がある。

「新陳代謝のない世界は必ず滅びる」

私も正しくそう思う。
新たな人材を受け入れ、より多くのチャンスを提供し、そのチャンスを掴み取った者たちによる風の入れ替え、つまりは新陳代謝を起こし続けることによってプロ連盟が、業界全体が活性化し続けると思うのだ。

そういった意味では、プロ連盟は恵まれた団体であるとつくづく思う。
それは何故なら、『チャンスをもらえる団体』であるからだ。

そのチャンスを生かすも殺すも自分次第。チャンスを掴む可能性のある人材は、チャンスを掴むためにアクションを起こし続ける人材だということだ。

何度でも語ろう。
プロ連盟はチャンスを与え続ける組織である。
チャンスを掴んだ人間が生き残り、チャンスを掴むことが出来なかった人間が去る。

勝負の世界で生きるということはそういうことだ。
決して勝ち負けだけの話なのではない。

アクションを起こすのか、起こさないのか。
失敗してもまた立ち上がるのか、諦めるのか。

全ては自分の意思の元に決める事柄であることは間違いない。

プロテストを受験すること。それはきっかけに過ぎない。
受験しなければ未来は開かないし、合格したとしても、歩みを止めてしまえばやらないのと同じ。

しかしプロ連盟には、多くのチャンスが転がっている。
それを手にしようとするかしないかは、皆さん次第。

チャンスを自分の手元に引き寄せたいと考えているあなた、是非挑戦して欲しいと私は願っている。
詳細については昨年度の大庭プロのコラムをご覧下さい。

第31期後期プロテスト詳細はこちら

プロ雀士コラム/「プロテストを受験する若者たちへ」 望月雅継

人は平等にチャンスがやってくる。
しかし、そのチャンスをモノにすることが出来るかどうかは…自分自身だ。
19歳の初秋、私はプロ連盟の門を叩いた。
結果は残念ながら不合格。それでもプロになりたい気持ちが強かった私は、研修生として1年間勉強を重ねた後、晴れてプロ連盟の一員となることが出来た。
そこに至る経緯に関しては以前のコラムにも記したのでそちらをご覧頂くとして…。
あれから約20年、私は無我夢中で走り続けてきた。
全力で走り続けた故に、失ったものは計り知れない。
しかし、チャンスを掴もうともがき続けた事で、得たものも限りなく多いのだ。
あの頃の私に、今のような時代が想像出来ただろうか?
答えは否だ。
頭に思い描く時代の移り変わりのスピードより、圧倒的に実際のスピードの方が速い。
学生時代の私の楽しみといえば、『近代麻雀』を隅から隅まで読み尽くすこと。
当時、別冊、オリジナル、ゴールドと3種類の近代麻雀を読むことだけが、麻雀界との関わりだったように思う。
「麻雀プロなんて、雑誌の中の存在さ。」
そう思っていたのも事実。
しかし、強烈な憧れを抱いていたこともまた、事実だ。
そんな折、その『近代麻雀』の記事の片隅で見つけた【麻雀プロ募集】の記事。
近代麻雀を何度も何度も繰り返し読んでいたからこそ気がついたとも言えるような、今のプロ連盟の隆盛とは全くかけ離れた小さな記事だっただけに、今思い返すと何故プロ連盟を受験したのかさえ不思議に感じてしまう。
兎に角、縁あってお世話になることになったプロ連盟。
しかし、麻雀プロになったとはいえ、私にとっての麻雀プロはまだまだ遠い存在だった。
当時私が所属していたのは中部本部。
リーグ戦の度に名古屋に向かい対局をしていたものの、遠く離れた東京で行われている鳳凰位戦プロリーグや各種タイトル戦など全くの無縁。
唯一の楽しみは、当時発行されていた『プロ麻雀』でのプロ連盟に関する記事を読むことくらい。
プロになってから数年は、今では考えられないような状況でプロ活動をしていたのだ。
あの頃の自分を振り返ってみると、本当に若かったなと思う。
大学在籍中にプロテストを受けたということもあり、世の中もプロ業界も全くと言っていいくらいわかっていなかった。
それだけではない。
世の中に対し斜に構えていたこともあってか、周りの大人の言うことにさえ、素直に耳を傾けていなかった気がする。
「30歳までは夢を追いかけてもいいんだよ。」
なんて言われても、
「夢ってなんだよ…。叶うわけないだろ…。」
とか、
「今頑張っておけば、きっと将来役に立つから!」
なんて言われた日には、
「今やるのが面倒くさいんだろ…。」
といった始末。
麻雀プロになったとはいえ、何をやれば強くなるのか全くわからなかった。
強くなったところで、どうやって活動していいのかすらわからなかったのだから。
それでも、親の反対を押し切り飛び込んだ世界だっただけに逃げることは許されなかった。
いや、許されないというよりは、ほんの小さな自分のプライドが、周りの大人たちや世間に対する反骨心がそうさせただけなのかもしれない。
そんな事を考えながら始めたプロ活動。
周りのアドバイスすら、聞き入れる耳さえ持ち合わせていなかったはずだ。
それくらい私は小さく未熟な男だった。
自分で見たもの、感じたものだけしか信じることが出来なかったのだから。
それは時代がそうさせたのかもしれない。
地方在住というコンプレックスがそうさせたのかもしれない。
とにかく、情報がまるでない中で歩みはじめた私の第一歩は、今考えるだけで恥ずかしく、そして陳腐で幼い思考の塊だったのだ。
しかし今は時代が違う。
世の中は情報に溢れ、インターネットやSNS等の発達による伝達スピードの速さから、麻雀界における地方格差など全く感じることのない素晴らしい時代に突入した。
麻雀の知識や技術についてもそう。
雑誌や戦術書を読むことからしか学ぶことが出来なかった時代から、今は実際にトッププロの対局を目にすることにより、成長のスピードが上がり、より効率的に成長を遂げることが出来るようになったのだ。
時代が進むことにより、麻雀界の、プロ業界の成熟度が格段にアップしたことは間違いのない事実なのである。
話が大幅に脱線して申し訳ない。
今話した内容は、麻雀プロを志す過程と、麻雀の技術向上についての進歩の話である。
これらは、プロ連盟だけではなくどの団体に対しても言えることであり、麻雀プロを志す若者に対して、より多くの選択肢を与えることとなった重要な事柄と言い換えることも出来る。
つまりは、麻雀プロになることだけが全てではないとも言えるし、プロ連盟以外の団体を受験することの善し悪しに関しても、プロ志望の皆様の視点で選ぶことが出来る時代になってきたと言えるだろう。
何を求め、何を選択するかが、周りのファンの方々によりクリアに見えて来ているということだ。
多種多様化する選択肢は、何になりたいか、どうしたいか、その人の考え方や意思によって選択する時代に突入してきたとも言える。
プロ連盟を受験するメリットを、入会してからのメリットを伝えることにより、より多くの皆様にプロ連盟の門を叩いて欲しいと願っている。
プロ連盟の中で活動していて、一番のメリットだと感じることはズバリ【チャンスの多さ】だ。
昔の自分と比較して、正直今の自分が今の若手に嫉妬するくらいだと言ったら分かりやすいのかもしれない。
映像時代に突入した今、自分を売り出すのに一番手っ取り早い方法はメディアに出ることだろう。
私が若手の頃は、映像に出ることなど夢のまた夢だった。
『近代麻雀』に出ることすら考えられなかったし、『プロ麻雀』や『連盟新聞』の片隅に名前が掲載されるだけでも本当に嬉しかった。
しかし今は違う。
ある一定の基準を満たせば、プロ連盟が参加している麻雀ゲーム『ロン2』に麻雀プロとして参加することが出来る。
さらには、こちらも基準さえ満たせば、プロ連盟が運営している『日本プロ麻雀連盟チャンネル』内の番組に選手として出場することが出来るのだ。
考えて欲しい。
これらは全て、プロ連盟が麻雀番組を放送するスタジオを所有しているからこそ出来ることであり、ロン2と協力体制があるからこそ出来ることなのである。
このような時代になったことは本当に嬉しいことである。
自分たちが麻雀ゲームに出るなんて考えもしなかった。
一部のゲームに麻雀プロが出演していたし、そのゲームを実際にプレイしたりもした。
しかし、それは十数人の話。希望して基準を満たせばゲーム内に参加できるなんて考えもしなかった。
映像対局に出演できるなど絶対にありえないと思っていた。
私が初めて映像対局に出演させてもらったのは8年前。鳳凰位を獲得してようやく初めて掴んだチャンスだった。
それが今は違う。
最速ならプロ入り後たった数ヶ月で、ファンの皆様に自分をアピールするチャンスを掴むことが出来るのだから、本当に羨ましく感じるのだ。
私が地方だけで活動していた頃、タイトル獲得など夢のまた夢だった。
しかし、今は色々な予選が各地で開催されている。トーナメントの大会であればプロ入り後1年でのタイトル獲得も夢ではない。
リーグ戦に関してもそうだ。
プロ連盟は現在11のカテゴリーでリーグ戦が形成されているが、特別昇級リーグに参加する権利を得れば、最短4年で鳳凰位に挑戦することが可能である。
女流に関してはもっと早い。
最短2年で女流桜花のAリーグに昇級することが出来、3年でプロ連盟の女流プロの頂点に立つことが出来るのだ。
来期から、女流桜花Aリーグ、鳳凰位戦A1リーグ、A2リーグの全ての対局が『日本プロ麻雀連盟チャンネル』内で放送されることが決定している。
また、各種タイトル戦の決勝戦の放送も決定している。
つまり、今まではプロ同士での戦いによる結果のみで争っていたプロの世界が、これからは結果だけでなく視聴者の皆様の目で判断される時代に突入したということだ。
それはどういったことなのか?
プロ連盟は、新たなスターを発掘したいと考えているということなのだ。
もちろん、今プロとして活躍している人材がダメだと言っているのではない。新たな風を受け入れ、その力によって更なる活性化を求めているのだ。
プロテスト実行委員会を率いる前原雄大プロが毎回冒頭で話す言葉がある。
「新陳代謝のない世界は必ず滅びる」
私も正しくそう思う。
新たな人材を受け入れ、より多くのチャンスを提供し、そのチャンスを掴み取った者たちによる風の入れ替え、つまりは新陳代謝を起こし続けることによってプロ連盟が、業界全体が活性化し続けると思うのだ。
そういった意味では、プロ連盟は恵まれた団体であるとつくづく思う。
それは何故なら、『チャンスをもらえる団体』であるからだ。
そのチャンスを生かすも殺すも自分次第。チャンスを掴む可能性のある人材は、チャンスを掴むためにアクションを起こし続ける人材だということだ。
何度でも語ろう。
プロ連盟はチャンスを与え続ける組織である。
チャンスを掴んだ人間が生き残り、チャンスを掴むことが出来なかった人間が去る。
勝負の世界で生きるということはそういうことだ。
決して勝ち負けだけの話なのではない。
アクションを起こすのか、起こさないのか。
失敗してもまた立ち上がるのか、諦めるのか。
全ては自分の意思の元に決める事柄であることは間違いない。
プロテストを受験すること。それはきっかけに過ぎない。
受験しなければ未来は開かないし、合格したとしても、歩みを止めてしまえばやらないのと同じ。
しかしプロ連盟には、多くのチャンスが転がっている。
それを手にしようとするかしないかは、皆さん次第。
チャンスを自分の手元に引き寄せたいと考えているあなた、是非挑戦して欲しいと私は願っている。
詳細については昨年度の大庭プロのコラムをご覧下さい。
第31期後期プロテスト詳細はこちら

第13期関西太閤位決定戦

名前 中田 横山 藤川 花岡
1回戦 持ち点 △ 38.6 20.8 △ 33.3 51.1
順位点 △ 8.0 4.0 △ 4.0 8.0
1回戦計 △ 46.6 24.8 △ 37.3 59.1
2回戦 持ち点 8.7 △ 7.0 1.3 △ 3.0
順位点 8.0 △ 8.0 4.0 △ 4.0
2回戦計 16.7 △ 15.0 5.3 △ 7.0
小計 △ 29.9 9.8 △ 32.0 52.1
3回戦 持ち点 18.8 20.8 △ 19.4 △ 20.2
順位点 4.0 8.0 △ 4.0 △ 8.0
3回戦計 22.8 28.8 △ 23.4 △ 28.2
小計 △ 7.1 38.6 △ 55.4 23.9
4回戦 持ち点 7.6 24.8 △ 13.2 △ 19.2
順位点 4.0 8.0 △ 4.0 △ 8.0
4回戦計 11.6 32.8 △ 17.2 △ 27.2
小計 4.5 71.4 △ 72.6 △ 3.3
5回戦 持ち点 8.9 5.8 △ 15.2 0.5
順位点 8.0 3.0 △ 12.0 1.0
5回戦計 16.9 8.8 △ 27.2 1.5
小計 21.4 80.2 △ 99.8 △ 1.8
6回戦 持ち点 13.3 10.2 △ 9.6 △ 13.9
順位点 8.0 4.0 △ 4.0 △ 8.0
6回戦計 21.3 14.2 △ 13.6 △ 21.9
合計 42.7 94.4 △ 113.4 △ 23.7
名前 中田 横山 藤川 花岡
1日目 合計 42.7 94.4 △ 113.4 △ 23.7
7回戦 持ち点 △ 7.0 △ 0.2 △ 1.2 8.4
順位点 △ 8.0 △ 1.0 △ 3.0 12.0
7回戦計 △ 15.0 △ 1.2 △ 4.2 20.4
小計 27.7 93.2 △ 117.6 △ 3.3
8回戦 持ち点 0.7 11.3 △ 25.8 13.8
順位点 1.0 3.0 △ 12.0 8.0
2回戦計 1.7 14.3 △ 37.8 21.8
小計 29.4 107.5 △ 155.4 18.5
9回戦 持ち点 △ 11.3 2.2 23.9 △ 15.8
順位点 △ 4.0 4.0 8.0 △ 8.0
3回戦計 △ 15.3 6.2 31.9 △ 23.8
小計 14.1 113.7 △ 123.5 △ 5.3
10回戦 持ち点 43.1 2.1 △ 24.1 △ 21.1
順位点 8.0 4.0 △ 8.0 △ 4.0
4回戦計 51.1 6.1 △ 32.1 △ 25.1
小計 65.2 119.8 △ 155.6 △ 30.4
11回戦 持ち点 28.1 △ 5.7 △ 6.8 △ 15.6
順位点 12.0 △ 1.0 △ 3.0 △ 8.0
5回戦計 40.1 △ 6.7 △ 9.8 △ 23.6
小計 105.3 113.1 △ 165.4 △ 54.0
12回戦 持ち点 4.5 6.4 △ 7.5 △ 4.4
順位点 4.0 8.0 △ 8.0 △ 4.0
6回戦計 8.5 14.4 △ 15.5 △ 8.4
合計 113.8 127.5 △ 180.9 △ 62.4


関西プロリーグ 成績表/第13期関西太閤位決定戦

名前 中田 横山 藤川 花岡
1回戦 持ち点 △ 38.6 20.8 △ 33.3 51.1
順位点 △ 8.0 4.0 △ 4.0 8.0
1回戦計 △ 46.6 24.8 △ 37.3 59.1
2回戦 持ち点 8.7 △ 7.0 1.3 △ 3.0
順位点 8.0 △ 8.0 4.0 △ 4.0
2回戦計 16.7 △ 15.0 5.3 △ 7.0
小計 △ 29.9 9.8 △ 32.0 52.1
3回戦 持ち点 18.8 20.8 △ 19.4 △ 20.2
順位点 4.0 8.0 △ 4.0 △ 8.0
3回戦計 22.8 28.8 △ 23.4 △ 28.2
小計 △ 7.1 38.6 △ 55.4 23.9
4回戦 持ち点 7.6 24.8 △ 13.2 △ 19.2
順位点 4.0 8.0 △ 4.0 △ 8.0
4回戦計 11.6 32.8 △ 17.2 △ 27.2
小計 4.5 71.4 △ 72.6 △ 3.3
5回戦 持ち点 8.9 5.8 △ 15.2 0.5
順位点 8.0 3.0 △ 12.0 1.0
5回戦計 16.9 8.8 △ 27.2 1.5
小計 21.4 80.2 △ 99.8 △ 1.8
6回戦 持ち点 13.3 10.2 △ 9.6 △ 13.9
順位点 8.0 4.0 △ 4.0 △ 8.0
6回戦計 21.3 14.2 △ 13.6 △ 21.9
合計 42.7 94.4 △ 113.4 △ 23.7
名前 中田 横山 藤川 花岡
1日目 合計 42.7 94.4 △ 113.4 △ 23.7
7回戦 持ち点 △ 7.0 △ 0.2 △ 1.2 8.4
順位点 △ 8.0 △ 1.0 △ 3.0 12.0
7回戦計 △ 15.0 △ 1.2 △ 4.2 20.4
小計 27.7 93.2 △ 117.6 △ 3.3
8回戦 持ち点 0.7 11.3 △ 25.8 13.8
順位点 1.0 3.0 △ 12.0 8.0
2回戦計 1.7 14.3 △ 37.8 21.8
小計 29.4 107.5 △ 155.4 18.5
9回戦 持ち点 △ 11.3 2.2 23.9 △ 15.8
順位点 △ 4.0 4.0 8.0 △ 8.0
3回戦計 △ 15.3 6.2 31.9 △ 23.8
小計 14.1 113.7 △ 123.5 △ 5.3
10回戦 持ち点 43.1 2.1 △ 24.1 △ 21.1
順位点 8.0 4.0 △ 8.0 △ 4.0
4回戦計 51.1 6.1 △ 32.1 △ 25.1
小計 65.2 119.8 △ 155.6 △ 30.4
11回戦 持ち点 28.1 △ 5.7 △ 6.8 △ 15.6
順位点 12.0 △ 1.0 △ 3.0 △ 8.0
5回戦計 40.1 △ 6.7 △ 9.8 △ 23.6
小計 105.3 113.1 △ 165.4 △ 54.0
12回戦 持ち点 4.5 6.4 △ 7.5 △ 4.4
順位点 4.0 8.0 △ 8.0 △ 4.0
6回戦計 8.5 14.4 △ 15.5 △ 8.4
合計 113.8 127.5 △ 180.9 △ 62.4


第11期北陸リーグ 決勝レポート

平成27年1月18日、第11期北陸リーグの総決算として準決勝~決勝戦が金沢にて開催された。
今期の北陸リーグは通過者8名の上位3位までに対してそれぞれ30P、20P、10Pがアドバンテージとして付与され、準決勝3回戦の対局。上位の4名までがポイントを持ち越して決勝を2回戦行うという仕組み。そのため、リーグ戦終盤でも予選上位陣のポイント争いは白熱したものであったし、準決勝におけるポイント差の有る立ち回りにもそれぞれの個性が見て取れ、観戦する者を飽きさせない盛り上がりを見せたのではないだろうか。

決勝進出者は以下の4名
平澤さん(53.7P)、光岡さん(39.7P)、窪田さん(29.2P)、木下さん(18.7P)
2期続けてオールアマによる決勝戦。光岡さんは9,10期に続いて3連覇という偉業に向かっての視界良好。
前期惜しくも優勝を逃した窪田さんも、雪辱を期しての決勝進出となり、北陸のアマチュアのレベルの高さとプロの不甲斐なさを内在する、ドラマ性充分な組み合わせである。

縦長の様相を呈してはるが、最下位からでもトップラスで逆転が可能。逆に平澤さんは緒戦を奪取できれば優勝の確率は一気に跳ね上がる。
各々が条件を再確認し、決勝戦の火蓋は切って落とされた。

1回戦 起家 木下さん-平澤さん-窪田さん-光岡さん

先制リーチは4巡目の窪田さん

東1局ドラ一索
五万五万五万一筒二筒三筒四筒五筒六筒八筒九筒北北

ツモれば開局早々総合トップに並べるリーチ。観戦する側から見ても、決勝2回戦の方向性を決めかねない窪田さんのリーチだったが、この時点で⑦は全て河と他者の手の内。
これを跳ね返したのが起家の木下さん

二万二万八万八万八万一索三索五索六索七索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ二索

最終形を間違えず2,000オール。
優勝の目は十分あるとはいえ、木下さんはほぼ連勝が条件。その気迫が奏功した先制の一撃

しかしながら、決勝に掛ける想いの強さは他の面々も決して劣っていない。東場は他の3者も確実にアガリをモノにする一進一退の攻防

東2局1本場ドラ八万
三万四万五万六万七万八万四筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン九筒 5,800は6,100

平澤さんが索子のターツ払いからの最高形にて、安目ながら木下さんを討ち取る。

東2局2本場ドラ四筒
九万九万一索二索三索七索八索  ポン白白白  チー三万 左向き四万 上向き五万 上向き  ロン九索 1,000は1,600

光岡さんが平澤さんを走らせない。

東4局ドラ六筒
五万六万七万八万八万四筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ三筒

窪田さんも他者に追いつく1,300-2,600

安目の決着が多い展開だったが、南場に入って勝負は大きく動く。
南1局、発ポンから仕掛ける窪田さんとリーチで被せる光岡さんの争いに対し、静かに前に出ていた木下さんが徐ろに手を開く。

南1局ドラ四索
四万五万四索四索四索六索七索八索三筒三筒  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き

ドラ暗刻の11,600。振り込んだ光岡さんは3連覇に暗雲か。
木下さんは準決勝~決勝と、手役・打点を伴うアガリをキチンと作り、仕上げていたように感じられる。競技麻雀の経験は浅いが、しっかりと腰の入った麻雀を打つ方である。

これで1回戦の趨勢は決したかに見えたが、これに待ったをかけたのが総合トップの平澤さん。
次局、勢いに乗る木下さんの親リーをダブ南のポンで上手く捌き、次の親で本手をツモりあげてトップを奪い返す。

南2局ドラ二万
三万四万五万七万七万三索四索五索五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ ツモ四筒 2,600オール

平澤さんは手作りも勿論だが、綺麗な手を丁寧に仕上げていた。勝負手というよりは、「ここでアガリが欲しい」場面をしっかりと制しており、態勢の良さと雀風が噛み合った強さをこの日は遺憾なく発揮していたと思う。

平澤さん、木下さん。更なる加点を狙う二者に対しては、王者の意地か、光岡さんが待ったをかける。

南2局1本場ドラ一索
二万三万四万一索一索一筒二筒三筒八筒八筒  暗カン牌の背六筒 上向き六筒 上向き牌の背  リーチ  ツモ八筒

ドラの無い手牌からターツを落として強引にドラを重ね、それでいてアガリ逃しの無い選択で満貫を引きアガる。

だが、二の矢を放つ事は出来ず反撃もここまで。結局として、1回戦は平澤さん、木下さんが浮き、窪田さん、光岡さんが沈む決着となった。

1回戦スコア
平澤さん(+20.0P)、木下さん(+14.7P)、窪田さん(△14.6P)、光岡さん(△21.1P)

総合スコア
平澤さん(+73.7P)、木下さん(+33.4P)、光岡さん(+18.6P)、窪田さん(+14.6P)

平澤さんが自身のトップ&他者の並びも理想的な展開となり、最終戦を前に優勝を大きくその手に引き寄せた。他の3者はある意味わかりやすい。「平澤さんを沈めて大トップ条件」
この半年間の総決算として、各人の思惑を乗せて、決勝最終戦はスタートされた。

2回戦 起家 木下さん-窪田さん-光岡さん-平澤さん

東1局ドラ三筒
無理をする必要の無い平澤さんに対し、他の3名が打点を付けて手を争う。
満貫級の意地をぶつけ合い、反撃の1番手となったのは1回戦なかなか手をモノに出来なかった窪田さん

三万四万六万七万八万八万八万白白白  ポン中中中  ツモ五万

自身のトップは最低条件であり「平澤さんを沈める」というノルマもある以上、このツモは大きい

そして場が俄にヒートアップしたのが東2局1本場。本手同士が火花を散らしてせめぎ合う。

東2局1本場ドラ中

木下さん 二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒七筒発発
窪田さん 三万四万五万一筒  ポン東東東  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ポン中中中

一筒を掴んだ木下さん。痛恨の、そして窪田さんにとっては先程の満貫と合わせて、一気に詰め寄る18,000
60P弱という大差のあったこの半荘。たった2局にして独走状態が崩れ去った。

その後も一気呵成の窪田さん。1回戦目と打って変わって仕掛けを多用して攻めにかかるが他者の警戒が強く、流局を重ねつつ、だがじわりと点棒を増やしてゆく。
4本場まで親権を維持するも、平澤さんの軽い和了が出てようやく親流れ。この時点で二人の点差は満貫直撃で逆転する程度まで縮まっていた。

窪田さんは、手役や仕掛け、攻守においてバランスが良く、失策も無く当たり前の手を当たり前に仕上げる。「名人に名手無し」。アマチュアながら北陸においては上位の常連であり、前期に続き今期もその存在感を見せつけていたように感じられる。

その後、木下さん、光岡さんも意地を見せつつも親を維持できず、窪田さんは南場の親で再度点数を詰めにかかる。

南2局ドラ三索
六万七万八万三索四索六索七索八索七筒八筒九筒南南  リーチ  ツモ五索 2,000オール

順位点を含め、二人の点差は7P。もう一度の2,000オールで大逆転というドラマが現実味を帯びてきた。
そして1本場、窪田さんがついにアガれば逆転のリーチを打つ

五万五万五万七万一索二索三索一筒一筒一筒四筒五筒六筒  リーチ

しかし、満を持してと言うべきか。ドラマの引き立て役に甘んじるつもりはない平澤さんが、点数こそ小さいが、大きな2回の上りで勝負所の2局を制した。

南2局1本場ドラ五筒
二万三万四万七万七万四索六索一筒二筒二筒三筒三筒四筒  ツモ五索

南3局ドラ九索
五万六万三索四索五索六筒六筒八筒八筒八筒  チー二索 左向き三索 上向き四索 上向き  ロン四万

僅かながらの加点も地味に大きく、肉薄した点差もオーラスにおける逆転条件は跳満条件にまで広がっていた。
最終局、窪田さんは七対ドラ2に最後の望みを賭けるも叶わず。最後は平澤さんが静かに牌を伏せて決着した。

仮定の話となるが、前述のアガリがなければ、窪田さんは立直ツモ七対で条件を満たしていただけに、ドラに固執すること無く辿りつけていたのかもしれない。それだけに、平澤さんの最後の2度の捌きは大きく、地力と意地の相俟った和了として見る者を嘆息させるに充分だったように思う。

初優勝の平澤さん。出来や展開に恵まれたと謙遜していましたが、北陸リーグの優勝者として何ら恥じることのない雀力を発揮していたと思います。本当におめでとうございます。
3連覇ならずの光岡さん、前期に続いての準優勝の窪田さん、決勝初参戦の木下さんも来期こその思いも強いかと思います。リベンジの機会を得るために頑張って下さい。
そして私を含めてのプロの面々は、一層の稽古にて来期の奮起を目指さなければです。アマチュアのレベルが高いからこそ、私達の研鑽が一層求められるのではないでしょうか。

最後になりますが、半年間ではありますが、拙い観戦記にお付き合い戴き有難うございます。またいつかお目にかかる事があれば、宜しくお願い致します。

北陸リーグ レポート/第11期北陸リーグ 決勝レポート

平成27年1月18日、第11期北陸リーグの総決算として準決勝~決勝戦が金沢にて開催された。
今期の北陸リーグは通過者8名の上位3位までに対してそれぞれ30P、20P、10Pがアドバンテージとして付与され、準決勝3回戦の対局。上位の4名までがポイントを持ち越して決勝を2回戦行うという仕組み。そのため、リーグ戦終盤でも予選上位陣のポイント争いは白熱したものであったし、準決勝におけるポイント差の有る立ち回りにもそれぞれの個性が見て取れ、観戦する者を飽きさせない盛り上がりを見せたのではないだろうか。
決勝進出者は以下の4名
平澤さん(53.7P)、光岡さん(39.7P)、窪田さん(29.2P)、木下さん(18.7P)
2期続けてオールアマによる決勝戦。光岡さんは9,10期に続いて3連覇という偉業に向かっての視界良好。
前期惜しくも優勝を逃した窪田さんも、雪辱を期しての決勝進出となり、北陸のアマチュアのレベルの高さとプロの不甲斐なさを内在する、ドラマ性充分な組み合わせである。
縦長の様相を呈してはるが、最下位からでもトップラスで逆転が可能。逆に平澤さんは緒戦を奪取できれば優勝の確率は一気に跳ね上がる。
各々が条件を再確認し、決勝戦の火蓋は切って落とされた。
1回戦 起家 木下さん-平澤さん-窪田さん-光岡さん
先制リーチは4巡目の窪田さん
東1局ドラ一索
五万五万五万一筒二筒三筒四筒五筒六筒八筒九筒北北
ツモれば開局早々総合トップに並べるリーチ。観戦する側から見ても、決勝2回戦の方向性を決めかねない窪田さんのリーチだったが、この時点で⑦は全て河と他者の手の内。
これを跳ね返したのが起家の木下さん
二万二万八万八万八万一索三索五索六索七索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ二索
最終形を間違えず2,000オール。
優勝の目は十分あるとはいえ、木下さんはほぼ連勝が条件。その気迫が奏功した先制の一撃
しかしながら、決勝に掛ける想いの強さは他の面々も決して劣っていない。東場は他の3者も確実にアガリをモノにする一進一退の攻防
東2局1本場ドラ八万
三万四万五万六万七万八万四筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン九筒 5,800は6,100
平澤さんが索子のターツ払いからの最高形にて、安目ながら木下さんを討ち取る。
東2局2本場ドラ四筒
九万九万一索二索三索七索八索  ポン白白白  チー三万 左向き四万 上向き五万 上向き  ロン九索 1,000は1,600
光岡さんが平澤さんを走らせない。
東4局ドラ六筒
五万六万七万八万八万四筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ三筒
窪田さんも他者に追いつく1,300-2,600
安目の決着が多い展開だったが、南場に入って勝負は大きく動く。
南1局、発ポンから仕掛ける窪田さんとリーチで被せる光岡さんの争いに対し、静かに前に出ていた木下さんが徐ろに手を開く。
南1局ドラ四索
四万五万四索四索四索六索七索八索三筒三筒  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き
ドラ暗刻の11,600。振り込んだ光岡さんは3連覇に暗雲か。
木下さんは準決勝~決勝と、手役・打点を伴うアガリをキチンと作り、仕上げていたように感じられる。競技麻雀の経験は浅いが、しっかりと腰の入った麻雀を打つ方である。
これで1回戦の趨勢は決したかに見えたが、これに待ったをかけたのが総合トップの平澤さん。
次局、勢いに乗る木下さんの親リーをダブ南のポンで上手く捌き、次の親で本手をツモりあげてトップを奪い返す。
南2局ドラ二万
三万四万五万七万七万三索四索五索五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ ツモ四筒 2,600オール
平澤さんは手作りも勿論だが、綺麗な手を丁寧に仕上げていた。勝負手というよりは、「ここでアガリが欲しい」場面をしっかりと制しており、態勢の良さと雀風が噛み合った強さをこの日は遺憾なく発揮していたと思う。
平澤さん、木下さん。更なる加点を狙う二者に対しては、王者の意地か、光岡さんが待ったをかける。
南2局1本場ドラ一索
二万三万四万一索一索一筒二筒三筒八筒八筒  暗カン牌の背六筒 上向き六筒 上向き牌の背  リーチ  ツモ八筒
ドラの無い手牌からターツを落として強引にドラを重ね、それでいてアガリ逃しの無い選択で満貫を引きアガる。
だが、二の矢を放つ事は出来ず反撃もここまで。結局として、1回戦は平澤さん、木下さんが浮き、窪田さん、光岡さんが沈む決着となった。
1回戦スコア
平澤さん(+20.0P)、木下さん(+14.7P)、窪田さん(△14.6P)、光岡さん(△21.1P)
総合スコア
平澤さん(+73.7P)、木下さん(+33.4P)、光岡さん(+18.6P)、窪田さん(+14.6P)
平澤さんが自身のトップ&他者の並びも理想的な展開となり、最終戦を前に優勝を大きくその手に引き寄せた。他の3者はある意味わかりやすい。「平澤さんを沈めて大トップ条件」
この半年間の総決算として、各人の思惑を乗せて、決勝最終戦はスタートされた。
2回戦 起家 木下さん-窪田さん-光岡さん-平澤さん
東1局ドラ三筒
無理をする必要の無い平澤さんに対し、他の3名が打点を付けて手を争う。
満貫級の意地をぶつけ合い、反撃の1番手となったのは1回戦なかなか手をモノに出来なかった窪田さん
三万四万六万七万八万八万八万白白白  ポン中中中  ツモ五万
自身のトップは最低条件であり「平澤さんを沈める」というノルマもある以上、このツモは大きい
そして場が俄にヒートアップしたのが東2局1本場。本手同士が火花を散らしてせめぎ合う。
東2局1本場ドラ中
木下さん 二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒七筒発発
窪田さん 三万四万五万一筒  ポン東東東  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ポン中中中
一筒を掴んだ木下さん。痛恨の、そして窪田さんにとっては先程の満貫と合わせて、一気に詰め寄る18,000
60P弱という大差のあったこの半荘。たった2局にして独走状態が崩れ去った。
その後も一気呵成の窪田さん。1回戦目と打って変わって仕掛けを多用して攻めにかかるが他者の警戒が強く、流局を重ねつつ、だがじわりと点棒を増やしてゆく。
4本場まで親権を維持するも、平澤さんの軽い和了が出てようやく親流れ。この時点で二人の点差は満貫直撃で逆転する程度まで縮まっていた。
窪田さんは、手役や仕掛け、攻守においてバランスが良く、失策も無く当たり前の手を当たり前に仕上げる。「名人に名手無し」。アマチュアながら北陸においては上位の常連であり、前期に続き今期もその存在感を見せつけていたように感じられる。
その後、木下さん、光岡さんも意地を見せつつも親を維持できず、窪田さんは南場の親で再度点数を詰めにかかる。
南2局ドラ三索
六万七万八万三索四索六索七索八索七筒八筒九筒南南  リーチ  ツモ五索 2,000オール
順位点を含め、二人の点差は7P。もう一度の2,000オールで大逆転というドラマが現実味を帯びてきた。
そして1本場、窪田さんがついにアガれば逆転のリーチを打つ
五万五万五万七万一索二索三索一筒一筒一筒四筒五筒六筒  リーチ
しかし、満を持してと言うべきか。ドラマの引き立て役に甘んじるつもりはない平澤さんが、点数こそ小さいが、大きな2回の上りで勝負所の2局を制した。
南2局1本場ドラ五筒
二万三万四万七万七万四索六索一筒二筒二筒三筒三筒四筒  ツモ五索
南3局ドラ九索
五万六万三索四索五索六筒六筒八筒八筒八筒  チー二索 左向き三索 上向き四索 上向き  ロン四万
僅かながらの加点も地味に大きく、肉薄した点差もオーラスにおける逆転条件は跳満条件にまで広がっていた。
最終局、窪田さんは七対ドラ2に最後の望みを賭けるも叶わず。最後は平澤さんが静かに牌を伏せて決着した。
仮定の話となるが、前述のアガリがなければ、窪田さんは立直ツモ七対で条件を満たしていただけに、ドラに固執すること無く辿りつけていたのかもしれない。それだけに、平澤さんの最後の2度の捌きは大きく、地力と意地の相俟った和了として見る者を嘆息させるに充分だったように思う。
初優勝の平澤さん。出来や展開に恵まれたと謙遜していましたが、北陸リーグの優勝者として何ら恥じることのない雀力を発揮していたと思います。本当におめでとうございます。
3連覇ならずの光岡さん、前期に続いての準優勝の窪田さん、決勝初参戦の木下さんも来期こその思いも強いかと思います。リベンジの機会を得るために頑張って下さい。
そして私を含めてのプロの面々は、一層の稽古にて来期の奮起を目指さなければです。アマチュアのレベルが高いからこそ、私達の研鑽が一層求められるのではないでしょうか。
最後になりますが、半年間ではありますが、拙い観戦記にお付き合い戴き有難うございます。またいつかお目にかかる事があれば、宜しくお願い致します。

第11期 北陸リーグ 決勝戦成績表

順位 名前 プロ/ 一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 光岡 大幸 一般 34.5 ▲ 10.8 45.5 103.8 173.0
2 志多木 健 一般 74.0 ▲ 6.7 105.4 ▲ 1.0 171.7
3 木下 玄基 一般 0.9 35.3 18.1 70.2 124.5
4 平澤 憲一 一般 ▲ 14.0 38.3 52.3 31.8 108.4
5 木戸 僚之 プロ 33.7 78.7 ▲ 52.8 21.7 81.3
6 栗野 健翔 一般 42.2 0.4 6.9 26.6 76.1
7 窪田 一彦 一般 ▲ 8.4 15.6 26.7 23.2 57.1
8 久保 智央 一般 24.8 ▲ 49.8 33.6 45.0 53.6
9 荒谷 誠 プロ 27.3 73.7 ▲ 43.8 ▲ 12.7 44.5
10 中西 正行 一般 15.5 7.3 26.6 ▲ 6.9 42.5
11 森田 繁基 一般 25.4 ▲ 13.9 42.4 ▲ 17.7 36.2
12 後藤 正博 プロ 42.4 ▲ 21.8 10.3 ▲ 21.9 9.0
13 小泉 陽平 一般 ▲ 6.5 ▲ 39.7 40.5 10.3 4.6
14 小川 洋輔 一般 9.9 3.2 ▲ 83.5 56.5 ▲ 13.9
15 浦田 豊人 プロ 26.7 ▲ 25.2 ▲ 33.2 ▲ 2.5 ▲ 34.2
16 北川 光 一般 ▲ 45.0 13.5 24.2 ▲ 34.5 ▲ 41.8
17 山川 眞一郎 一般 ▲ 18.6 32.1 ▲ 53.8 ▲ 16.2 ▲ 56.5
18 森田 有一 一般 ▲ 8.3 ▲ 37.6 ▲ 7.4 ▲ 3.9 ▲ 57.2
19 押川 憲一 一般 ▲ 24.5 ▲ 25.5 54.7 ▲ 65.3 ▲ 60.6
20 安城 るい プロ ▲ 82.1 ▲ 4.4 37.7 ▲ 29.4 ▲ 78.2
21 飯田 輝雄 一般 ▲ 40.8 ▲ 5.9 ▲ 12.4 ▲ 34.8 ▲ 93.9
22 吉田 葵 一般 ▲ 28.6 ▲ 9.0 ▲ 85.8 ▲ 3.0 ▲ 126.4
23 濱平 光朗 プロ ▲ 23.4 ▲ 55.8 ▲ 43.3 ▲ 43.7 ▲ 166.2
24 恵比須 均 一般 ▲ 60.1 5.0 ▲ 139.9 ▲ 95.6 ▲ 290.6

準決勝

順位 名前 プロ/ 一般 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 合計
1 平澤 憲一 一般   16.6 4.4 32.7 53.7
2 光岡 大幸 一般 30 16.6 ▲ 16.7 9.8 39.7
3 窪田 一彦 一般   -7.4 14.7 21.9 29.2
4 木下 玄基 一般 10 28.1 ▲ 5.6 ▲ 13.8 18.7
5 志多木 健 一般 20 -26.1 30.7 ▲ 20.8 3.8
6 栗野 健翔 一般   5.4 7.7 ▲ 25.1 ▲ 12.0
7 木戸 僚之 プロ   ▲ 19.7 ▲ 21.7 6.2 ▲ 35.2
8 久保 智央 一般   ▲ 13.5 ▲ 13.3 ▲ 10.9 ▲ 37.7

決勝戦

順位 名前 プロ/ 一般 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
1 平澤 憲一 一般 53.7 20.0 ▲ 5.4 68.3
2 窪田 一彦 一般 29.2 ▲ 14.6 41.8 56.4
3 光岡 大幸 一般 39.7 ▲ 21.1 5.5 24.1
4 木下 玄基 一般 18.7 14.7 ▲ 41.9 ▲ 8.5

北陸リーグ 成績表/第11期 北陸リーグ 決勝戦成績表

順位 名前 プロ/ 一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 光岡 大幸 一般 34.5 ▲ 10.8 45.5 103.8 173.0
2 志多木 健 一般 74.0 ▲ 6.7 105.4 ▲ 1.0 171.7
3 木下 玄基 一般 0.9 35.3 18.1 70.2 124.5
4 平澤 憲一 一般 ▲ 14.0 38.3 52.3 31.8 108.4
5 木戸 僚之 プロ 33.7 78.7 ▲ 52.8 21.7 81.3
6 栗野 健翔 一般 42.2 0.4 6.9 26.6 76.1
7 窪田 一彦 一般 ▲ 8.4 15.6 26.7 23.2 57.1
8 久保 智央 一般 24.8 ▲ 49.8 33.6 45.0 53.6
9 荒谷 誠 プロ 27.3 73.7 ▲ 43.8 ▲ 12.7 44.5
10 中西 正行 一般 15.5 7.3 26.6 ▲ 6.9 42.5
11 森田 繁基 一般 25.4 ▲ 13.9 42.4 ▲ 17.7 36.2
12 後藤 正博 プロ 42.4 ▲ 21.8 10.3 ▲ 21.9 9.0
13 小泉 陽平 一般 ▲ 6.5 ▲ 39.7 40.5 10.3 4.6
14 小川 洋輔 一般 9.9 3.2 ▲ 83.5 56.5 ▲ 13.9
15 浦田 豊人 プロ 26.7 ▲ 25.2 ▲ 33.2 ▲ 2.5 ▲ 34.2
16 北川 光 一般 ▲ 45.0 13.5 24.2 ▲ 34.5 ▲ 41.8
17 山川 眞一郎 一般 ▲ 18.6 32.1 ▲ 53.8 ▲ 16.2 ▲ 56.5
18 森田 有一 一般 ▲ 8.3 ▲ 37.6 ▲ 7.4 ▲ 3.9 ▲ 57.2
19 押川 憲一 一般 ▲ 24.5 ▲ 25.5 54.7 ▲ 65.3 ▲ 60.6
20 安城 るい プロ ▲ 82.1 ▲ 4.4 37.7 ▲ 29.4 ▲ 78.2
21 飯田 輝雄 一般 ▲ 40.8 ▲ 5.9 ▲ 12.4 ▲ 34.8 ▲ 93.9
22 吉田 葵 一般 ▲ 28.6 ▲ 9.0 ▲ 85.8 ▲ 3.0 ▲ 126.4
23 濱平 光朗 プロ ▲ 23.4 ▲ 55.8 ▲ 43.3 ▲ 43.7 ▲ 166.2
24 恵比須 均 一般 ▲ 60.1 5.0 ▲ 139.9 ▲ 95.6 ▲ 290.6

準決勝

順位 名前 プロ/ 一般 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 合計
1 平澤 憲一 一般   16.6 4.4 32.7 53.7
2 光岡 大幸 一般 30 16.6 ▲ 16.7 9.8 39.7
3 窪田 一彦 一般   -7.4 14.7 21.9 29.2
4 木下 玄基 一般 10 28.1 ▲ 5.6 ▲ 13.8 18.7
5 志多木 健 一般 20 -26.1 30.7 ▲ 20.8 3.8
6 栗野 健翔 一般   5.4 7.7 ▲ 25.1 ▲ 12.0
7 木戸 僚之 プロ   ▲ 19.7 ▲ 21.7 6.2 ▲ 35.2
8 久保 智央 一般   ▲ 13.5 ▲ 13.3 ▲ 10.9 ▲ 37.7

決勝戦

順位 名前 プロ/ 一般 持越点 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
1 平澤 憲一 一般 53.7 20.0 ▲ 5.4 68.3
2 窪田 一彦 一般 29.2 ▲ 14.6 41.8 56.4
3 光岡 大幸 一般 39.7 ▲ 21.1 5.5 24.1
4 木下 玄基 一般 18.7 14.7 ▲ 41.9 ▲ 8.5

第31期A2リーグ最終節レポートC卓 山田 浩之

C卓の組み合わせは

5位滝沢 +66.6P
8位石渡 +41.0P
9位刀川 +24.8P
10位櫻井 +1.3P

昇級ボーダーは現状+154.0P降級ボーダーは▲126.6Pとなっている。
よほどのことがない限り降級はないだろう。

そしてD卓(1位2位3位4位)は来週行われるためボーダーに追いつくだけでは厳しい。
大トップを含めた4連勝が最低条件といったところか。

1回戦東3局

三万四万五万一索一索四索五索七索八索九索三筒四筒五筒  ドラ三索

カン三索からの待ち変えでリーチ。高めのドラをツモって3,000・6,000。
南1局

四万五万一索一索一索三索四索五索西西  ポン発発発  ドラ一索

すぐに三万をツモって4,000オール。
この2つの大きなアガリを決めた石渡の1人浮きのトップとなった。

2回戦南1局

ここまで手は入るもののなかなかアガリに結びつかなかった刀川にチャンス手。

一万二万三万三万四万五万五万六万七万三索五索七索七筒七筒  ドラ五万

ここから七索を切ってヤミテン。次巡二索を引きリーチ。
これをピンフ一通テンパイの滝沢からアガリ7,700。

南2局

二万二万三万四万五万二索三索四索四索五索二筒二筒七筒  ツモ二万  ドラ二万

7巡目、親の刀川の手牌。絶対にものにしたいこの手。
リーチかヤミテンか難しいが刀川は迷わずリーチ。すぐに六索をツモって6,000オール。

1本場、今度は滝沢の反撃。刀川の親リーチを受けるも、

三万五万六万七万二索四索五索六索三筒三筒五筒六筒七筒  ツモ三索  ドラ四万

三万を切りヤミテン。高めの七索をツモリ2,000・4,000。
相手は絶好調の親、そして自分はラス目ということをふまえた滝沢らしい冷静な判断。
今回は裏目となったが、ほとんど追っかけリーチを打ってきた自分には改めて考えさせられる1局だった。
だが反撃もここまで、刀川トップで2回戦は終了した。

3回戦は丁寧な手順でアガリを重ねた石渡のトップ。

4回戦東1局1本場

五万六万四索五索六索七索八索四筒五筒六筒七筒中中  ドラ五筒

五筒八索六索五万
中中八索 上向き六万 上向き

まずツモ五筒
三色の天秤にかける八索切りもある。ドラ2あるのでスピード重視の五万六万切りもあるだろう。
だが親の滝沢が選んだのは2シャンテン戻しの打中

瞬間スピードは落ちるが裏目が少なく打点アップも見込める。
そしてツモ六索。ここではスピードも意識した八索切り。結果は正解。

長引いたものの四万七万を引く前に三筒をツモリ4,000オール。
何が正解ということはないだろうが、一般の方や若手プロには是非参考にしてもらいたい。
このまま逃げ切った滝沢が1人浮きのトップでC卓の最終節は終了となった。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A2リーグ最終節レポートC卓 山田 浩之

C卓の組み合わせは
5位滝沢 +66.6P
8位石渡 +41.0P
9位刀川 +24.8P
10位櫻井 +1.3P
昇級ボーダーは現状+154.0P降級ボーダーは▲126.6Pとなっている。
よほどのことがない限り降級はないだろう。
そしてD卓(1位2位3位4位)は来週行われるためボーダーに追いつくだけでは厳しい。
大トップを含めた4連勝が最低条件といったところか。
1回戦東3局
三万四万五万一索一索四索五索七索八索九索三筒四筒五筒  ドラ三索
カン三索からの待ち変えでリーチ。高めのドラをツモって3,000・6,000。
南1局
四万五万一索一索一索三索四索五索西西  ポン発発発  ドラ一索
すぐに三万をツモって4,000オール。
この2つの大きなアガリを決めた石渡の1人浮きのトップとなった。
2回戦南1局
ここまで手は入るもののなかなかアガリに結びつかなかった刀川にチャンス手。
一万二万三万三万四万五万五万六万七万三索五索七索七筒七筒  ドラ五万
ここから七索を切ってヤミテン。次巡二索を引きリーチ。
これをピンフ一通テンパイの滝沢からアガリ7,700。
南2局
二万二万三万四万五万二索三索四索四索五索二筒二筒七筒  ツモ二万  ドラ二万
7巡目、親の刀川の手牌。絶対にものにしたいこの手。
リーチかヤミテンか難しいが刀川は迷わずリーチ。すぐに六索をツモって6,000オール。
1本場、今度は滝沢の反撃。刀川の親リーチを受けるも、
三万五万六万七万二索四索五索六索三筒三筒五筒六筒七筒  ツモ三索  ドラ四万
三万を切りヤミテン。高めの七索をツモリ2,000・4,000。
相手は絶好調の親、そして自分はラス目ということをふまえた滝沢らしい冷静な判断。
今回は裏目となったが、ほとんど追っかけリーチを打ってきた自分には改めて考えさせられる1局だった。
だが反撃もここまで、刀川トップで2回戦は終了した。
3回戦は丁寧な手順でアガリを重ねた石渡のトップ。
4回戦東1局1本場
五万六万四索五索六索七索八索四筒五筒六筒七筒中中  ドラ五筒
五筒八索六索五万
中中八索 上向き六万 上向き
まずツモ五筒
三色の天秤にかける八索切りもある。ドラ2あるのでスピード重視の五万六万切りもあるだろう。
だが親の滝沢が選んだのは2シャンテン戻しの打中
瞬間スピードは落ちるが裏目が少なく打点アップも見込める。
そしてツモ六索。ここではスピードも意識した八索切り。結果は正解。
長引いたものの四万七万を引く前に三筒をツモリ4,000オール。
何が正解ということはないだろうが、一般の方や若手プロには是非参考にしてもらいたい。
このまま逃げ切った滝沢が1人浮きのトップでC卓の最終節は終了となった。

第15期九州プロリーグ A・B・Cリーグ 最終節成績表

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 宮崎 皓之介 21.8 37.0 13.9 44.4 ▲ 32.9 55.9 23.7 0.0 ▲ 13.8 ▲ 16.0 134.0
2 浜上 文吾 30.2 ▲ 14.8 7.6 ▲ 30.0 ▲ 32.2 23.8 51.3 26.1 8.3 48.2 118.5
3 福田 正道 ▲ 39.2 ▲ 29.6 4.4 25.2 54.6 67.8 ▲ 4.1 32.0 34.7 ▲ 28.2 117.6
4 中尾 多門 28.6 6.2 70.5 ▲ 1.4 ▲ 1.8 18.9 20.2 21.9 ▲ 42.7 ▲ 64.0 56.4
5 柴田 祐一朗 ▲ 10.3 ▲ 11.2 ▲ 28.6 ▲ 35.6 71.7 ▲ 38.7 40.5 ▲ 49.9 26.9 65.1 29.9
6 西原 亨 63.5 ▲ 14.8 ▲ 101.1 127.3 3.3 14.2 ▲ 7.5 27.4 ▲ 1.2 ▲ 82.5 28.6
7 藤原 英司 43.0 ▲ 7.9 41.9 ▲ 53.6 ▲ 9.7 15.6 10.0 ▲ 33.6 5.7 ▲ 3.9 7.5
8 塚本 将之 ▲ 33.9 14.6 ▲ 0.5 33.6 44.9 ▲ 30.2 10.5 ▲ 26.5 ▲ 34.7 ▲ 3.8 ▲ 26.0
9 弘中 栄司 ▲ 23.1 ▲ 14.3 ▲ 21.3 ▲ 2.4 ▲ 53.9 ▲ 4.9 ▲ 31.4 4.8 12.6 89.8 ▲ 44.1
10 安東 裕允 22.8 14.3 20.3 ▲ 76.3 43.4 ▲ 9.2 ▲ 68.6 12.2 42.7 ▲ 59.4 ▲ 57.8
11 名倉 徹 ▲ 59.8 ▲ 23.3 29.6 44.0 ▲ 63.7 19.1 ▲ 40.1 30.7 ▲ 16.6 ▲ 68.9 ▲ 149.0
12 青木 胤道 ▲ 55.3 19.7 ▲ 11.3 ▲ 2.7 ▲ 25.7 ▲ 33.1 ▲ 57.5 ▲ 46.1 ▲ 22.9 11.6 ▲ 223.3
13 藤原 琢 ▲ 9.3 4.1 ▲ 26.4 ▲ 93.5 ▲ 100.0 ▲ 43.3 ▲ 3.9 0.0 0.0 0.0 ▲ 272.3

決勝進出者 4名   降級者 2名
決勝進出&降級ライン:順位枠内に表示

Bリーグ

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 藤井 崇勝 一般 88.7 33.4 4.4 39.6 39.1 205.2
2 藤岡 治之 プロ 88.0 43.4 39.4 ▲ 30.2 ▲ 41.7 98.9
3 相本 長武 一般 85.2 4.1 65.0 ▲ 100.0 18.4 72.7
4 服部 学 プロ ▲ 90.1 ▲ 33.2 17.9 117.3 50.1 62.0
5 下山 哲也 プロ ▲ 86.0 45.7 13.5 20.2 24.6 18.0
6 吉田 彩乃 プロ 13.6 ▲ 63.0 38.1 ▲ 35.5 64.6 17.8
7 菊池 豪 プロ ▲ 10.8 ▲ 19.8 ▲ 6.8 11.1 19.2 ▲ 7.1
8 藤井 建一郎 テスト生 64.5 ▲ 35.8 ▲ 35.3 47.5 ▲ 57.2 ▲ 16.3
9 進 栄二 プロ ▲ 51.0 55.6 ▲ 24.6 ▲ 12.1 11.4 ▲ 20.7
10 石原 忠道 一般 12.9 ▲ 17.2 ▲ 58.3 48.0 ▲ 14.4 ▲ 29.0
11 藤瀬 恒介 一般 ▲ 25.7 46.3 ▲ 29.9 ▲ 37.0 15.4 ▲ 30.9
12 氷室 哀華 プロ ▲ 48.8 ▲ 29.4 89.2 ▲ 4.3 ▲ 56.1 ▲ 49.4
13 小川 善章 プロ 23.0 10.4 ▲ 47.6 15.4 ▲ 55.0 ▲ 53.8
14 水町 慎一 プロ ▲ 21.6 ▲ 63.2 8.4 ▲ 44.8 4.7 ▲ 116.5
15 松本 路也 一般 ▲ 15.9 38.8 ▲ 65.3 ▲ 38.0 ▲ 44.1 ▲ 124.5
16 福嶋 千春 プロ ▲ 28.0 ▲ 17.1 ▲ 8.1 ▲ 100.2 ▲ 100.0 ▲ 253.4

昇級者 2名   降級者 5名
昇級&降級ライン:順位枠内に表示

Cリーグ

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 江利香 プロ 19.5 ▲ 10.4 47.8 50.1 66.7 173.7
2 福田 譲二 プロ ▲ 71.3 30.1 60.9 7.9 78.4 106.0
3 安永 敏郎 一般 6.5 12.7 36.0 18.3 29.7 103.2
4 濱田 貴幸 一般 ▲ 21.0 ▲ 40.6 14.8 81.9 54.7 89.8
5 伊東 宏倫 プロ 74.7 ▲ 36.9 2.2 66.4 ▲ 19.5 86.9
6 矢野 拓郎 プロ 40.0 ▲ 8.3 53.1 ▲ 1.1 ▲ 7.3 76.4
7 塚本 翔太 テスト生 53.4 27.9 ▲ 1.3 ▲ 29.8 13.1 63.3
8 松尾 樹宏 プロ ▲ 25.8 51.2 ▲ 15.9 22.1 18.5 50.1
9 佐藤 健治 プロ 1.5 103.2 ▲ 9.7 ▲ 14.0 ▲ 39.9 41.1
10 高村 翔 プロ ▲ 47.0 ▲ 29.0 23.3 23.0 36.0 6.3
11 友保 美香里 プロ 21.3 ▲ 42.9 ▲ 24.3 ▲ 36.3 76.8 ▲ 5.4
12 須藤 正明 テスト生 41.2 ▲ 10.6 ▲ 19.4 ▲ 3.0 ▲ 29.0 ▲ 20.8
13 久保 真輝 一般 35.8 5.1 45.7 ▲ 100.0 ▲ 10.1 ▲ 23.5
14 流水 聖人 プロ ▲ 11.2 ▲ 8.3 6.2 ▲ 29.0 17.6 ▲ 24.7
15 田崎 翔 テスト生 67.5 ▲ 26.9 ▲ 14.6 ▲ 12.8 ▲ 57.8 ▲ 44.6
16 柴田 まや プロ 20.6 41.7 ▲ 12.4 1.9 ▲ 97.5 ▲ 45.7
17 山本 秋桜里 プロ ▲ 63.6 ▲ 30.2 ▲ 4.2 ▲ 14.3 41.3 ▲ 71.0
18 榎田 賢二郎 プロ ▲ 42.5 0.6 ▲ 0.6 ▲ 29.8 ▲ 1.7 ▲ 74.0
19 河野 みのり プロ ▲ 14.7 17.4 ▲ 41.1 ▲ 1.0 ▲ 36.2 ▲ 75.6
20 北島 勇輝 プロ 22.9 8.9 ▲ 50.5 ▲ 39.3 ▲ 17.7 ▲ 75.7
21 法銭 広志 一般 ▲ 64.4 ▲ 52.3 ▲ 56.9 19.8 ▲ 27.0 ▲ 180.8
22 松岡 克輝 一般 ▲ 31.5 39.3 ▲ 40.1 ▲ 81.0 ▲ 88.4 ▲ 201.7
23 大渕 俊介 プロ 28.6 ▲ 55.3 ▲ 100.0 ▲ 100.0 ▲ 3.7 ▲ 230.4
24 斉藤 勝巳 一般 ▲ 26.0 ▲ 67.9 ▲ 100.0 ▲ 100.0 ▲ 100.0 ▲ 393.9

九州プロリーグ 成績表/第15期九州プロリーグ A・B・Cリーグ 最終節成績表

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 宮崎 皓之介 21.8 37.0 13.9 44.4 ▲ 32.9 55.9 23.7 0.0 ▲ 13.8 ▲ 16.0 134.0
2 浜上 文吾 30.2 ▲ 14.8 7.6 ▲ 30.0 ▲ 32.2 23.8 51.3 26.1 8.3 48.2 118.5
3 福田 正道 ▲ 39.2 ▲ 29.6 4.4 25.2 54.6 67.8 ▲ 4.1 32.0 34.7 ▲ 28.2 117.6
4 中尾 多門 28.6 6.2 70.5 ▲ 1.4 ▲ 1.8 18.9 20.2 21.9 ▲ 42.7 ▲ 64.0 56.4
5 柴田 祐一朗 ▲ 10.3 ▲ 11.2 ▲ 28.6 ▲ 35.6 71.7 ▲ 38.7 40.5 ▲ 49.9 26.9 65.1 29.9
6 西原 亨 63.5 ▲ 14.8 ▲ 101.1 127.3 3.3 14.2 ▲ 7.5 27.4 ▲ 1.2 ▲ 82.5 28.6
7 藤原 英司 43.0 ▲ 7.9 41.9 ▲ 53.6 ▲ 9.7 15.6 10.0 ▲ 33.6 5.7 ▲ 3.9 7.5
8 塚本 将之 ▲ 33.9 14.6 ▲ 0.5 33.6 44.9 ▲ 30.2 10.5 ▲ 26.5 ▲ 34.7 ▲ 3.8 ▲ 26.0
9 弘中 栄司 ▲ 23.1 ▲ 14.3 ▲ 21.3 ▲ 2.4 ▲ 53.9 ▲ 4.9 ▲ 31.4 4.8 12.6 89.8 ▲ 44.1
10 安東 裕允 22.8 14.3 20.3 ▲ 76.3 43.4 ▲ 9.2 ▲ 68.6 12.2 42.7 ▲ 59.4 ▲ 57.8
11 名倉 徹 ▲ 59.8 ▲ 23.3 29.6 44.0 ▲ 63.7 19.1 ▲ 40.1 30.7 ▲ 16.6 ▲ 68.9 ▲ 149.0
12 青木 胤道 ▲ 55.3 19.7 ▲ 11.3 ▲ 2.7 ▲ 25.7 ▲ 33.1 ▲ 57.5 ▲ 46.1 ▲ 22.9 11.6 ▲ 223.3
13 藤原 琢 ▲ 9.3 4.1 ▲ 26.4 ▲ 93.5 ▲ 100.0 ▲ 43.3 ▲ 3.9 0.0 0.0 0.0 ▲ 272.3

決勝進出者 4名   降級者 2名
決勝進出&降級ライン:順位枠内に表示
Bリーグ

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 藤井 崇勝 一般 88.7 33.4 4.4 39.6 39.1 205.2
2 藤岡 治之 プロ 88.0 43.4 39.4 ▲ 30.2 ▲ 41.7 98.9
3 相本 長武 一般 85.2 4.1 65.0 ▲ 100.0 18.4 72.7
4 服部 学 プロ ▲ 90.1 ▲ 33.2 17.9 117.3 50.1 62.0
5 下山 哲也 プロ ▲ 86.0 45.7 13.5 20.2 24.6 18.0
6 吉田 彩乃 プロ 13.6 ▲ 63.0 38.1 ▲ 35.5 64.6 17.8
7 菊池 豪 プロ ▲ 10.8 ▲ 19.8 ▲ 6.8 11.1 19.2 ▲ 7.1
8 藤井 建一郎 テスト生 64.5 ▲ 35.8 ▲ 35.3 47.5 ▲ 57.2 ▲ 16.3
9 進 栄二 プロ ▲ 51.0 55.6 ▲ 24.6 ▲ 12.1 11.4 ▲ 20.7
10 石原 忠道 一般 12.9 ▲ 17.2 ▲ 58.3 48.0 ▲ 14.4 ▲ 29.0
11 藤瀬 恒介 一般 ▲ 25.7 46.3 ▲ 29.9 ▲ 37.0 15.4 ▲ 30.9
12 氷室 哀華 プロ ▲ 48.8 ▲ 29.4 89.2 ▲ 4.3 ▲ 56.1 ▲ 49.4
13 小川 善章 プロ 23.0 10.4 ▲ 47.6 15.4 ▲ 55.0 ▲ 53.8
14 水町 慎一 プロ ▲ 21.6 ▲ 63.2 8.4 ▲ 44.8 4.7 ▲ 116.5
15 松本 路也 一般 ▲ 15.9 38.8 ▲ 65.3 ▲ 38.0 ▲ 44.1 ▲ 124.5
16 福嶋 千春 プロ ▲ 28.0 ▲ 17.1 ▲ 8.1 ▲ 100.2 ▲ 100.0 ▲ 253.4

昇級者 2名   降級者 5名
昇級&降級ライン:順位枠内に表示
Cリーグ

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 江利香 プロ 19.5 ▲ 10.4 47.8 50.1 66.7 173.7
2 福田 譲二 プロ ▲ 71.3 30.1 60.9 7.9 78.4 106.0
3 安永 敏郎 一般 6.5 12.7 36.0 18.3 29.7 103.2
4 濱田 貴幸 一般 ▲ 21.0 ▲ 40.6 14.8 81.9 54.7 89.8
5 伊東 宏倫 プロ 74.7 ▲ 36.9 2.2 66.4 ▲ 19.5 86.9
6 矢野 拓郎 プロ 40.0 ▲ 8.3 53.1 ▲ 1.1 ▲ 7.3 76.4
7 塚本 翔太 テスト生 53.4 27.9 ▲ 1.3 ▲ 29.8 13.1 63.3
8 松尾 樹宏 プロ ▲ 25.8 51.2 ▲ 15.9 22.1 18.5 50.1
9 佐藤 健治 プロ 1.5 103.2 ▲ 9.7 ▲ 14.0 ▲ 39.9 41.1
10 高村 翔 プロ ▲ 47.0 ▲ 29.0 23.3 23.0 36.0 6.3
11 友保 美香里 プロ 21.3 ▲ 42.9 ▲ 24.3 ▲ 36.3 76.8 ▲ 5.4
12 須藤 正明 テスト生 41.2 ▲ 10.6 ▲ 19.4 ▲ 3.0 ▲ 29.0 ▲ 20.8
13 久保 真輝 一般 35.8 5.1 45.7 ▲ 100.0 ▲ 10.1 ▲ 23.5
14 流水 聖人 プロ ▲ 11.2 ▲ 8.3 6.2 ▲ 29.0 17.6 ▲ 24.7
15 田崎 翔 テスト生 67.5 ▲ 26.9 ▲ 14.6 ▲ 12.8 ▲ 57.8 ▲ 44.6
16 柴田 まや プロ 20.6 41.7 ▲ 12.4 1.9 ▲ 97.5 ▲ 45.7
17 山本 秋桜里 プロ ▲ 63.6 ▲ 30.2 ▲ 4.2 ▲ 14.3 41.3 ▲ 71.0
18 榎田 賢二郎 プロ ▲ 42.5 0.6 ▲ 0.6 ▲ 29.8 ▲ 1.7 ▲ 74.0
19 河野 みのり プロ ▲ 14.7 17.4 ▲ 41.1 ▲ 1.0 ▲ 36.2 ▲ 75.6
20 北島 勇輝 プロ 22.9 8.9 ▲ 50.5 ▲ 39.3 ▲ 17.7 ▲ 75.7
21 法銭 広志 一般 ▲ 64.4 ▲ 52.3 ▲ 56.9 19.8 ▲ 27.0 ▲ 180.8
22 松岡 克輝 一般 ▲ 31.5 39.3 ▲ 40.1 ▲ 81.0 ▲ 88.4 ▲ 201.7
23 大渕 俊介 プロ 28.6 ▲ 55.3 ▲ 100.0 ▲ 100.0 ▲ 3.7 ▲ 230.4
24 斉藤 勝巳 一般 ▲ 26.0 ▲ 67.9 ▲ 100.0 ▲ 100.0 ▲ 100.0 ▲ 393.9

第18期九州リーグ(プロアマ混合)最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 安東 裕允 プロ ▲ 11.7 26.3 33.3 42.1 90.0
2 吉田 彩乃 プロ 6.0 ▲ 51.8 52.2 51.8 58.2
3 柴田 祐一朗 プロ ▲ 0.3 ▲ 9.0 ▲ 0.4 54.2 44.5
4 鶴 浩昭 プロ 19.7 ▲ 36.8 26.9 30.1 39.9
5 水町 慎一 プロ ▲ 3.2 ▲ 0.8 5.7 16.1 17.8
6 服部 学 プロ ▲ 38.7 15.4 ▲ 1.9 41.9 16.7
7 首藤 昌恭 一般 ▲ 35.5 23.6 42.1 ▲ 15.1 15.1
8 石原 忠道 一般 ▲ 0.2 42.7 29.8 ▲ 59.0 13.3
9 安永 敏郎 一般 ▲ 4.8 ▲ 5.6 54.5 ▲ 33.5 10.6
10 佐藤 健治 プロ 46.0 ▲ 30.1 ▲ 24.7 18.9 10.1
11 中島 行泰 一般 ▲ 57.2 86.8 ▲ 75.3 41.2 ▲ 4.5
12 阿部 紀彦 一般 3.1 ▲ 49.5 15.7 8.8 ▲ 21.9
13 浜上 文吾 プロ ▲ 5.7 ▲ 58.2 ▲ 5.5 0.0 ▲ 69.4
14 濱田 貴幸 一般 ▲ 2.5 ▲ 93.0 18.3 ▲ 13.6 ▲ 90.8
15 矢野 拓郎 プロ ▲ 7.2 41.2 ▲ 64.5 ▲ 94.0 ▲ 124.5
16 氏家 義成 一般 0.2 ▲ 14.5 ▲ 74.8 ▲ 42.0 ▲ 131.1

九州プロリーグ 成績表/第18期九州リーグ(プロアマ混合)最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 安東 裕允 プロ ▲ 11.7 26.3 33.3 42.1 90.0
2 吉田 彩乃 プロ 6.0 ▲ 51.8 52.2 51.8 58.2
3 柴田 祐一朗 プロ ▲ 0.3 ▲ 9.0 ▲ 0.4 54.2 44.5
4 鶴 浩昭 プロ 19.7 ▲ 36.8 26.9 30.1 39.9
5 水町 慎一 プロ ▲ 3.2 ▲ 0.8 5.7 16.1 17.8
6 服部 学 プロ ▲ 38.7 15.4 ▲ 1.9 41.9 16.7
7 首藤 昌恭 一般 ▲ 35.5 23.6 42.1 ▲ 15.1 15.1
8 石原 忠道 一般 ▲ 0.2 42.7 29.8 ▲ 59.0 13.3
9 安永 敏郎 一般 ▲ 4.8 ▲ 5.6 54.5 ▲ 33.5 10.6
10 佐藤 健治 プロ 46.0 ▲ 30.1 ▲ 24.7 18.9 10.1
11 中島 行泰 一般 ▲ 57.2 86.8 ▲ 75.3 41.2 ▲ 4.5
12 阿部 紀彦 一般 3.1 ▲ 49.5 15.7 8.8 ▲ 21.9
13 浜上 文吾 プロ ▲ 5.7 ▲ 58.2 ▲ 5.5 0.0 ▲ 69.4
14 濱田 貴幸 一般 ▲ 2.5 ▲ 93.0 18.3 ▲ 13.6 ▲ 90.8
15 矢野 拓郎 プロ ▲ 7.2 41.2 ▲ 64.5 ▲ 94.0 ▲ 124.5
16 氏家 義成 一般 0.2 ▲ 14.5 ▲ 74.8 ▲ 42.0 ▲ 131.1

何を切る?fromロン2 2015年2月

今月の『何を切る?』コーナーでは、バレンタイン特別企画in女流桜花といたしまして、第9期女流桜花決定戦初日の実戦譜からプレゼントクイズを実施させていただきます。

事前に第9期女流桜花決勝戦進出者4名のプロより、自身の打牌の解説をいただきました。
さらに、自分ならこう切る!というご意見もうかがいましたので、こちらの内容からクイズ(全2問)を出題させていただきます。
※指定のプロの解答をお答え下さい。

2問とも正解された方の中から抽選で3名の方に、第9期女流桜花決勝戦進出プロ寄せ書き色紙をプレゼントいたします。
また、応募された方の中から抽選で5名の方に、「日本プロ麻雀連盟2015カレンダー」をプレゼントいたします。

《プレゼントの色紙はこちら 写真は第8・9期女流桜花、吾妻さおりプロ》

応募方法:第1問、第2問の解答をご記入の上、こちらからご応募ください。

※1メールアドレスに対し、1応募とさせていただきます。
※当選された方には解答掲載の後、事務局よりご連絡いたします。

応募締め切り:2月13日(金)到着分
解答掲載:2月16日(月)予定

1回戦 東3局1本場 1巡目 東家 和久津晶プロの手牌

実戦での打牌:八索切り
「ダイレクト七索引きの裏目よりもマンズの伸びを見て。五索を引いたら567の三色を見て、その時の状況に応じて八万七筒切り、あるいは二索三索のターツ落としも視野に入れる。」

安田麻里菜プロ:八索切り
「トップ目の親で1本場なので、1シャンテンに受けたいところではありますが、嵌七索待ちになるのが嫌なのと、逆に何を切っても早いテンパイを取れそうなので、好形変化を重視して八索を切ります。マンズの変化やピンフ形など良形での先制リーチを考えます。三色も見えるのですが、無理に三色を狙うよりも柔軟に受けて変化させたいと思います。」

吾妻さおりプロ:七筒切り
七筒切りでマンズが下に伸びたピンフドラ1や678の三色を見ます。トップ目なので、六索八索がタテに重なって雀頭が出来たら素直にピンフ形に構え、役無しテンパイは取らずもあります。」

【第1問】魚谷侑未プロの選択は? ※打牌で解答してください

4回戦 東1局8巡目 北家 安田麻里菜プロの手牌

実戦での打牌:三索切り
「第一打の一索切りのフリテン拒否と、456の三色の1シャンテンなので。中雀頭で高目三色の形になれば即リーチ。その前に二索が重なれば中を落としてタンピン形に向かいます。開局ということでなるべく前に出るつもりだったので、フリテン受けを拒否してリーチを打ちたい気持ちが強かったです。」

魚谷侑未プロ:五万切り
「悩みましたが、ここは素直に456と567の三色1シャンテンに受けます。」

【第2問】吾妻さおりプロ 和久津晶プロの選択は? ※同一打牌です

※各問、ルールは連盟Aルール(一発・裏ドラ・カンドラ無し)です。
※色の濃くなっている捨牌はツモ切りです。
※問題としましたプロの解説は解答編に掲載いたします。

何を切る?/何を切る?fromロン2 2015年2月

今月の『何を切る?』コーナーでは、バレンタイン特別企画in女流桜花といたしまして、第9期女流桜花決定戦初日の実戦譜からプレゼントクイズを実施させていただきます。
事前に第9期女流桜花決勝戦進出者4名のプロより、自身の打牌の解説をいただきました。
さらに、自分ならこう切る!というご意見もうかがいましたので、こちらの内容からクイズ(全2問)を出題させていただきます。
※指定のプロの解答をお答え下さい。
2問とも正解された方の中から抽選で3名の方に、第9期女流桜花決勝戦進出プロ寄せ書き色紙をプレゼントいたします。
また、応募された方の中から抽選で5名の方に、「日本プロ麻雀連盟2015カレンダー」をプレゼントいたします。

《プレゼントの色紙はこちら 写真は第8・9期女流桜花、吾妻さおりプロ》
応募方法:第1問、第2問の解答をご記入の上、こちらからご応募ください。
※1メールアドレスに対し、1応募とさせていただきます。
※当選された方には解答掲載の後、事務局よりご連絡いたします。
応募締め切り:2月13日(金)到着分
解答掲載:2月16日(月)予定

1回戦 東3局1本場 1巡目 東家 和久津晶プロの手牌
実戦での打牌:八索切り
「ダイレクト七索引きの裏目よりもマンズの伸びを見て。五索を引いたら567の三色を見て、その時の状況に応じて八万七筒切り、あるいは二索三索のターツ落としも視野に入れる。」
安田麻里菜プロ:八索切り
「トップ目の親で1本場なので、1シャンテンに受けたいところではありますが、嵌七索待ちになるのが嫌なのと、逆に何を切っても早いテンパイを取れそうなので、好形変化を重視して八索を切ります。マンズの変化やピンフ形など良形での先制リーチを考えます。三色も見えるのですが、無理に三色を狙うよりも柔軟に受けて変化させたいと思います。」
吾妻さおりプロ:七筒切り
七筒切りでマンズが下に伸びたピンフドラ1や678の三色を見ます。トップ目なので、六索八索がタテに重なって雀頭が出来たら素直にピンフ形に構え、役無しテンパイは取らずもあります。」
【第1問】魚谷侑未プロの選択は? ※打牌で解答してください

4回戦 東1局8巡目 北家 安田麻里菜プロの手牌
実戦での打牌:三索切り
「第一打の一索切りのフリテン拒否と、456の三色の1シャンテンなので。中雀頭で高目三色の形になれば即リーチ。その前に二索が重なれば中を落としてタンピン形に向かいます。開局ということでなるべく前に出るつもりだったので、フリテン受けを拒否してリーチを打ちたい気持ちが強かったです。」
魚谷侑未プロ:五万切り
「悩みましたが、ここは素直に456と567の三色1シャンテンに受けます。」
【第2問】吾妻さおりプロ 和久津晶プロの選択は? ※同一打牌です
※各問、ルールは連盟Aルール(一発・裏ドラ・カンドラ無し)です。
※色の濃くなっている捨牌はツモ切りです。
※問題としましたプロの解説は解答編に掲載いたします。

第31期A1リーグ最終節レポートC卓 白鳥 翔

中位卓であるB卓が終わって、順位は以下の通り。

1位 瀬戸熊 +144.1P
2位 前田  +66.5P
3位 勝又  +63.4P
4位 ともたけ+44.7P
5位 沢崎  +35.8P
6位 荒   +27.9P

B卓が終わり前田が2位まで浮上してきた。
C卓の対戦カードは、瀬戸熊、勝又、ともたけ、荒の4名。
瀬戸熊はほぼ当確。残りの3名はそれぞれのポイント差はもちろん意識するが、順位の確定している2位の前田のポイントを抜いてしまえばほぼ確定といったところか。
鳳凰位決定戦進出を賭けた最後の一戦が始まった。

1回戦、まずは東1局、勝又が自然な形で速いポンテンの3,900を荒からアガると、次局の勝又の親番は瀬戸熊が役なしドラなしをツモって300・500のアガリ。ここからあまり点数が動くことはなく、この2人のペースで場が進行していくが大きく点数が動いたのが南2局1本場、勝又の親番。勝又が5巡目にこのテンパイ。

二万三万四万六万七万八万六索六索二筒三筒四筒五筒七筒  ドラ二万

この手牌をヤミテンに構えると、10巡目二筒をツモって小考の後、空切りリーチと出た。
そこに既にテンパイが入っていた南家の瀬戸熊。

一索二索三索三索四索一筒二筒三筒南南南白白

ここに一発で六筒を引かされるも、全く迷うことなく六筒を打ち抜き、勝又7,700は8,000の大きなアガリ。
勝又は10巡目までの情報から山に六筒が濃いと見ての判断だったか、序盤に1枚切れのこの六筒は勝又の読みどおり山に3枚生きていた。

続く南3局はラス目の荒も意地を見せ、リンシャンから満貫のツモアガリ。

一万三万四万五万三索四索五索四筒四筒四筒  暗カン牌の背中中牌の背  ツモ一万  ドラ一万

オーラスには、沈んでいるともたけが、らしさを魅せつける。5巡目、

四万五万六万二索三索四索四索七索九索四筒五筒発発  ツモ西  ドラ四索

ここから打七索と、絶対にドラは2枚使いきろうという意志ある一打。
理想の形にはならなかったものの、残した西がうまく重なり

四万五万六万二索三索四索三筒四筒五筒西西発発

この高目3,900オールの形でリーチ。安目ながら西をツモり2,600オールと一気に2着目まで浮上。
1本場は荒がアガって何とか浮きをキープして終了。勝又のトップ、瀬戸熊の1人沈みで終了となった。

ここまでの戦い、私見だが勝又、ともたけ、荒、この3人が各々卓に入り込んでそれぞれの持ち味を発揮しているように見えた。そして瀬戸熊。守れば確実に決定戦だと思うがそれをしようとはせず、いつも通りの己のフォームを貫いているなという印象だ。

2回戦は完全にともたけの時間。
南1局4巡目、

二万三万四万五万六万一索二索二索三筒四筒六筒九筒九筒  ツモ三筒  ドラ西

ここから大きく打九筒とすると、最終形はこの形でリーチ、そしてツモ。

二万三万四万五万六万七万二索二索三筒三筒四筒四筒五筒  ツモ五筒

力強く高目の五筒をツモって2,000・4,000。

そしてトップ目で迎えたオーラス。ドラが暗刻の親・ともたけ。
上家の勝又に仕掛けが入っているにも関わらず、この形から勝又から打たれた五筒をスルー。

三万四索五索六索六索八索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒  ドラ八索

すぐさま七索を引き入れると、テンパイが入った瀬戸熊から八筒を捕えて12,000のアガリとなった。
次局は、ハイテイ間際に勝又がなんとかテンパイをいれて浮きの2着をキープした。
瀬戸熊は連続ラスで少し雲行きが怪しくなってきた。

3回戦は勝又のトップ、そして荒が執念の2着。
瀬戸熊はまさかの3ラスで決定戦が危ぶまれる位置まで落ちてしまった。
残り1半荘を残してのポイントが以下。

勝又   +100.3P
瀬戸熊  +75.3P
ともたけ +68.2P
前田   +66.5P(ポイント確定)
沢崎   +35.8P(ポイント確定)
荒    +32.3P

荒は前田のポイントを超えるトップが獲れれば決定戦進出。
瀬戸熊、ともたけは前田より下にはいけない為、ともたけは浮き条件か。最終戦が始まった。

開局、起親の荒が3本場まで積んでなんとか粘るが、思うように得点が伸びない。
東2局4本場では、ラス目に追いやられた勝又が、700は1,100オール。
続く5本場では、ヤミテンで荒から5,800は7,300、そして6本場で700は1,300オールと盛り返す。

7本場は、荒がリーチといくが、ともたけがドラ2七対子を荒からアガリ6,400は8,500のアガリ。
この時点でともたけは38,000点持ちで、決定戦ボーダーを争っているのがなんと瀬戸熊と前田という状況にまでなってしまっていた。

しかし追い込まれた瀬戸熊、今までの経験からこのままではダメだと分かっているのか、強引にホンイツで2フーロして他家に対応させ1人テンパイに持ち込むと、次局の親番でまたも仕掛けて2,000オールのツモアガリ。

四万四万二索三索四索四索六索六索七索八索  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ツモ五索  ドラ四万

そして南2局3本場、ここまで苦しんできた西家・瀬戸熊に遂に手が入る。
配牌でトイツのドラの西を暗刻にし、

五万六万七万四索五索六索四筒四筒東東西西西  ドラ西

このテンパイ。これに飛び込んでしまったのがともたけ。
このアガリで瀬戸熊は、事実上決定戦進出を決めた。

残すはこの放銃で原点を割ってしまったともたけが、原点復帰できるかどうか。
南3局のともたけの親番。荒が終盤に手詰まりでともたけに3,900の放銃。

これでともたけは27,800点持ち。あと2,200点。
そして1本場、持ち点14,400点の荒の手牌進行。

三万四万六万七万八万五索三筒四筒五筒八筒八筒中中  ツモ四万  ドラ六索

ここから打中。そして最後はこの形でリーチを打った。

三万四万五万六万七万八万五索七索三筒四筒五筒八筒八筒  リーチ

ここからともたけも執念のテンパイ。

三索三索四索六索七索七索二筒四筒四筒六筒六筒南南  ツモ六索

普段はどんな牌もそっと置くともたけだがこの時ばかりは流石に力が入っていた。
荒に無スジの四索打ち。
しかし同巡、荒が六索をツモ。2,100・4,000のアガリ。

そして迎えたオーラス。ともたけの持ち点は23,800点。
条件をクリアしているオーラスの親・瀬戸熊は、ノーテン宣言することが予想されるので実質1局勝負。
6,400点以上のアガリがともたけの決定戦出場条件となった。

ともたけ必死にチャンタ系に寄せるも手牌がなかなか追いつかない。
そこに荒からリーチが入り、程なくして荒のツモアガリ。

一万二万二万三万三万六万七万八万五筒五筒白白白  ツモ一万  ドラ五万

こうして鳳凰位決定戦出場の4名が出揃った。
勝又、瀬戸熊、前田、そして現鳳凰位の藤崎である。

この最終節最終戦であるC卓。毎節日本プロ麻雀連盟チャンネルにて放映、その実況をさせていただいたが、今期のベスト対局と言い切れるくらい素晴らしい内容であった。

終始安定感もあり勝負所ではきっちりと攻めきった勝又。
自分のスタイルを崩さずそのままのスタイルで戦い抜いた瀬戸熊。
あと一歩届かなかったものの、らしさを十分発揮し大きく構えていたともたけ。

最後に荒。正直、最終節の荒の牌勢は厳しかった。しかし我慢を重ね勝負所を決して急がないスタイルには脱帽である。
そして、最終戦の南3局、南4局の連続の満貫ツモについてだ。

プロ連盟には年度末にその年活躍した選手だけに出場資格のあるグランプリというものがある。
そのグランプリは年間のタイトル戦での成績や、リーグ戦の順位によってシードなどが変動する。
荒は南3局、南4局と満貫以上を連続でツモアガった場合のみ、沢崎をかわして5位に浮上するのである。
これを荒は瞬時に計算しやってのけた。とすれば、南3局1本場に打中とした手組みも頷ける。
荒からすれば当然、必然の満貫に向かっての手牌進行だったのである。

ともたけにとっては苦しいこの荒の選択。しかし私は、ここに荒正義のプロとしての矜持を見た。
これがプロの世界なんだと教えられる様な、厳しくも美しい2連続の満貫で今期の長いリーグ戦が幕を閉じた。

第31期鳳凰位決定戦初日は2月7日、14時から日本プロ麻雀連盟チャンネルで放映されます!
お見逃しなく!

1年間、拙い実況でしたがお付き合いいただきありがとうございました!

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A1リーグ最終節レポートC卓 白鳥 翔

中位卓であるB卓が終わって、順位は以下の通り。
1位 瀬戸熊 +144.1P
2位 前田  +66.5P
3位 勝又  +63.4P
4位 ともたけ+44.7P
5位 沢崎  +35.8P
6位 荒   +27.9P
B卓が終わり前田が2位まで浮上してきた。
C卓の対戦カードは、瀬戸熊、勝又、ともたけ、荒の4名。
瀬戸熊はほぼ当確。残りの3名はそれぞれのポイント差はもちろん意識するが、順位の確定している2位の前田のポイントを抜いてしまえばほぼ確定といったところか。
鳳凰位決定戦進出を賭けた最後の一戦が始まった。
1回戦、まずは東1局、勝又が自然な形で速いポンテンの3,900を荒からアガると、次局の勝又の親番は瀬戸熊が役なしドラなしをツモって300・500のアガリ。ここからあまり点数が動くことはなく、この2人のペースで場が進行していくが大きく点数が動いたのが南2局1本場、勝又の親番。勝又が5巡目にこのテンパイ。
二万三万四万六万七万八万六索六索二筒三筒四筒五筒七筒  ドラ二万
この手牌をヤミテンに構えると、10巡目二筒をツモって小考の後、空切りリーチと出た。
そこに既にテンパイが入っていた南家の瀬戸熊。
一索二索三索三索四索一筒二筒三筒南南南白白
ここに一発で六筒を引かされるも、全く迷うことなく六筒を打ち抜き、勝又7,700は8,000の大きなアガリ。
勝又は10巡目までの情報から山に六筒が濃いと見ての判断だったか、序盤に1枚切れのこの六筒は勝又の読みどおり山に3枚生きていた。
続く南3局はラス目の荒も意地を見せ、リンシャンから満貫のツモアガリ。
一万三万四万五万三索四索五索四筒四筒四筒  暗カン牌の背中中牌の背  ツモ一万  ドラ一万
オーラスには、沈んでいるともたけが、らしさを魅せつける。5巡目、
四万五万六万二索三索四索四索七索九索四筒五筒発発  ツモ西  ドラ四索
ここから打七索と、絶対にドラは2枚使いきろうという意志ある一打。
理想の形にはならなかったものの、残した西がうまく重なり
四万五万六万二索三索四索三筒四筒五筒西西発発
この高目3,900オールの形でリーチ。安目ながら西をツモり2,600オールと一気に2着目まで浮上。
1本場は荒がアガって何とか浮きをキープして終了。勝又のトップ、瀬戸熊の1人沈みで終了となった。
ここまでの戦い、私見だが勝又、ともたけ、荒、この3人が各々卓に入り込んでそれぞれの持ち味を発揮しているように見えた。そして瀬戸熊。守れば確実に決定戦だと思うがそれをしようとはせず、いつも通りの己のフォームを貫いているなという印象だ。
2回戦は完全にともたけの時間。
南1局4巡目、
二万三万四万五万六万一索二索二索三筒四筒六筒九筒九筒  ツモ三筒  ドラ西
ここから大きく打九筒とすると、最終形はこの形でリーチ、そしてツモ。
二万三万四万五万六万七万二索二索三筒三筒四筒四筒五筒  ツモ五筒
力強く高目の五筒をツモって2,000・4,000。
そしてトップ目で迎えたオーラス。ドラが暗刻の親・ともたけ。
上家の勝又に仕掛けが入っているにも関わらず、この形から勝又から打たれた五筒をスルー。
三万四索五索六索六索八索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒  ドラ八索
すぐさま七索を引き入れると、テンパイが入った瀬戸熊から八筒を捕えて12,000のアガリとなった。
次局は、ハイテイ間際に勝又がなんとかテンパイをいれて浮きの2着をキープした。
瀬戸熊は連続ラスで少し雲行きが怪しくなってきた。
3回戦は勝又のトップ、そして荒が執念の2着。
瀬戸熊はまさかの3ラスで決定戦が危ぶまれる位置まで落ちてしまった。
残り1半荘を残してのポイントが以下。
勝又   +100.3P
瀬戸熊  +75.3P
ともたけ +68.2P
前田   +66.5P(ポイント確定)
沢崎   +35.8P(ポイント確定)
荒    +32.3P
荒は前田のポイントを超えるトップが獲れれば決定戦進出。
瀬戸熊、ともたけは前田より下にはいけない為、ともたけは浮き条件か。最終戦が始まった。
開局、起親の荒が3本場まで積んでなんとか粘るが、思うように得点が伸びない。
東2局4本場では、ラス目に追いやられた勝又が、700は1,100オール。
続く5本場では、ヤミテンで荒から5,800は7,300、そして6本場で700は1,300オールと盛り返す。
7本場は、荒がリーチといくが、ともたけがドラ2七対子を荒からアガリ6,400は8,500のアガリ。
この時点でともたけは38,000点持ちで、決定戦ボーダーを争っているのがなんと瀬戸熊と前田という状況にまでなってしまっていた。
しかし追い込まれた瀬戸熊、今までの経験からこのままではダメだと分かっているのか、強引にホンイツで2フーロして他家に対応させ1人テンパイに持ち込むと、次局の親番でまたも仕掛けて2,000オールのツモアガリ。
四万四万二索三索四索四索六索六索七索八索  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ツモ五索  ドラ四万
そして南2局3本場、ここまで苦しんできた西家・瀬戸熊に遂に手が入る。
配牌でトイツのドラの西を暗刻にし、
五万六万七万四索五索六索四筒四筒東東西西西  ドラ西
このテンパイ。これに飛び込んでしまったのがともたけ。
このアガリで瀬戸熊は、事実上決定戦進出を決めた。
残すはこの放銃で原点を割ってしまったともたけが、原点復帰できるかどうか。
南3局のともたけの親番。荒が終盤に手詰まりでともたけに3,900の放銃。
これでともたけは27,800点持ち。あと2,200点。
そして1本場、持ち点14,400点の荒の手牌進行。
三万四万六万七万八万五索三筒四筒五筒八筒八筒中中  ツモ四万  ドラ六索
ここから打中。そして最後はこの形でリーチを打った。
三万四万五万六万七万八万五索七索三筒四筒五筒八筒八筒  リーチ
ここからともたけも執念のテンパイ。
三索三索四索六索七索七索二筒四筒四筒六筒六筒南南  ツモ六索
普段はどんな牌もそっと置くともたけだがこの時ばかりは流石に力が入っていた。
荒に無スジの四索打ち。
しかし同巡、荒が六索をツモ。2,100・4,000のアガリ。
そして迎えたオーラス。ともたけの持ち点は23,800点。
条件をクリアしているオーラスの親・瀬戸熊は、ノーテン宣言することが予想されるので実質1局勝負。
6,400点以上のアガリがともたけの決定戦出場条件となった。
ともたけ必死にチャンタ系に寄せるも手牌がなかなか追いつかない。
そこに荒からリーチが入り、程なくして荒のツモアガリ。
一万二万二万三万三万六万七万八万五筒五筒白白白  ツモ一万  ドラ五万
こうして鳳凰位決定戦出場の4名が出揃った。
勝又、瀬戸熊、前田、そして現鳳凰位の藤崎である。
この最終節最終戦であるC卓。毎節日本プロ麻雀連盟チャンネルにて放映、その実況をさせていただいたが、今期のベスト対局と言い切れるくらい素晴らしい内容であった。
終始安定感もあり勝負所ではきっちりと攻めきった勝又。
自分のスタイルを崩さずそのままのスタイルで戦い抜いた瀬戸熊。
あと一歩届かなかったものの、らしさを十分発揮し大きく構えていたともたけ。
最後に荒。正直、最終節の荒の牌勢は厳しかった。しかし我慢を重ね勝負所を決して急がないスタイルには脱帽である。
そして、最終戦の南3局、南4局の連続の満貫ツモについてだ。
プロ連盟には年度末にその年活躍した選手だけに出場資格のあるグランプリというものがある。
そのグランプリは年間のタイトル戦での成績や、リーグ戦の順位によってシードなどが変動する。
荒は南3局、南4局と満貫以上を連続でツモアガった場合のみ、沢崎をかわして5位に浮上するのである。
これを荒は瞬時に計算しやってのけた。とすれば、南3局1本場に打中とした手組みも頷ける。
荒からすれば当然、必然の満貫に向かっての手牌進行だったのである。
ともたけにとっては苦しいこの荒の選択。しかし私は、ここに荒正義のプロとしての矜持を見た。
これがプロの世界なんだと教えられる様な、厳しくも美しい2連続の満貫で今期の長いリーグ戦が幕を閉じた。
第31期鳳凰位決定戦初日は2月7日、14時から日本プロ麻雀連盟チャンネルで放映されます!
お見逃しなく!
1年間、拙い実況でしたがお付き合いいただきありがとうございました!

第118回:和久津 晶 インタビュアー:藤島 健二郎

1月10日、B1リーグ最終節――

私は別卓3番手の吉田直に対し18.0P程リードして最終半荘を迎えていた。

”浮けば何とかなるかな”

そんな想いを胸に卓についていた。

オーラス29,500点持ち3着目

二万二万三万五万六万七万五索六索七索三筒四筒五筒中中  ドラ三筒

トップ目32,200点

一万四万が2枚ずつ切られ二万生牌、中1枚切れ。

B1リーグは他が全卓終了していたため、私の卓には選手を含めた観戦者がつどっていた。
必然的に私の結果に注目が集まった。

私はシャンポンのリーチを選択。
しかし一発目のツモが四万
そして2人テンパイで流局。

それでもテンパイ料で30,000点ジャストの浮きを確保。
恐る恐るうしろを振り返り、まわりの反応を伺う…

一万四万なら……」

結果を見守っていた、運営の瀬戸熊の一言で全てを察した。
別卓の吉田はしっかりと大トップをものにしていたのである。

私は今期もAリーグへの昇級を逃した。

ギャラリーを背負いながら明確な受け間違い…。恥ずかしさと悔しさが相混り、その場にはいられなかった。
交代時でごった返す選手の人ごみを掻き分け、階段の踊り場でやっとの思いでタバコに火をつけた。

下手な麻雀を打った――
この日1日を通してその認識はあったが、どうにもやり切れないものが込み上げてくる。
”この気持ちどうやって割りきろう?”

そこには今起きたことを受け入れられない自分がいた。

まさにそんな時、一本のメールが舞い込んだ。

『インタビュアーどうでしょうか?』

”こんな時になぜ……!

しかも対象者が今をときめく和久津晶である。

”荷が重い…というか今は引き受ける気になれない…

ああでも和久津はたぶん来期一緒か…”
そんな打ちひしがれていた私の脳裏に、ふとマスターズ決勝オーラスの和久津の牌姿が浮かんだ。

四万四万五万一索一索二索二索三索三索五索六索七索東東

(六万4枚三万1枚とび、四万生牌、東1枚とび)

”そう言えば彼女はここから四万切って4,000オールにしてたっけ…

それでも次局まくり返されちゃうんだよな…”

唐突にこの牌姿を思い出したことで、自分の弱さを受け入れる気持ちが芽生え出していた。
そして徐々に気持ちの整理がついていった。

私はその日のうちに、編集部に快諾のメールをとばした。

麻雀道はいばらの道――

和久津は決勝の舞台でたくさんの負けを味わっている。初優勝のプロクイーン以降今回制するまでの間、5回もの決勝に乗っているが全て準優勝…。惜しくない敗北など1つもないのである。
それらの悔しさは今の自分の比ではない。

「負けを噛み締める者は強い」

彼女は前回のインタビューでこう言っていた。
やはり今の彼女は間違いなく強い。

今期は天空麻雀を勝ち、プロクイーンで見事リベンジを果たした。まさに悔しさをバネに結果を出した。
さらには、現在女流桜花にて女流二冠に挑んでいる。
結局はインタビュアーとしてではなく、一麻雀打ちとして話を聞いてみたいと素直に思った次第である。

仕事・対局・収録など超多忙な彼女に無理を言って、週末の深夜に何とか時間を割いてもらった。

 

――池袋某所にて

100

 

藤島 「まずは改めてプロクイーンおめでとう。」

和久津「ありがとうございます!」

 

100

 

藤島 「早速だけど勝負のポイントになった最終戦の東パツについてだけど。」

和久津「普段なら嬉しい配牌なんだけど状況が特殊だから、アガリは正直厳しいかなとは思ってた。」

藤島 「普通は七対子かトイトイになってる。」

和久津「ああゆう局面だからダブ東は出ないとか、他も鳴けないだとかの決めつけは良くないと思っていて、手牌に素直に打ったつもり。」

藤島 「白ポンはまあ有りとしても、カン七索の最終形にはなかなかできない。」

和久津「分岐点のときに面子手も見て、3枚切れの八索を残したから、そこに意味を持たせたの。」

実際にはどう受けても待ち枚数は厳しかったが、見事にラス牌を手繰り寄せた。
この話1つからも彼女はイメージに反してかなり繊細で、過程や打牌理由には相当なこだわりを持っていることが伺えた。

藤島 「残り2回で54.2P差、最終戦を残して40.9P差。2日目にだいぶ差を詰めたとはいえ茅森プロの内容からも逃げ切り濃厚のムードが漂っていた。」

和久津「いつものように1回諦めたから…」

藤島 「その感じは珍しいね。どんな負け試合でも諦めモードにはなるけど、一応最後まで諦めはしないもの。」

和久津「あの局もなんて不幸な配牌だって思ったくらい。」

藤島 「まあ局の展開は向いたね。」

和久津「優勝する人って色んな要素が噛み合うでしょ。実際、宮内さんに役満手が入らなければ、ドラも東も出てこない牌だしね。あの局はそうゆう優勝者特有の流れを感じたかな。」

藤島 「あの局で捉え方が一転したと。」

和久津「2日間通して”これなら行ける”と初めて思えた瞬間だった。」

この後再び6,100オールとアガリ、たった2局で逆転に成功する。
さらに南1局の親番でも、この半荘3度目の親ッパネを決め、逆に大きなリードを得るのだが、オーラスに茅森プロの逆襲に遭う。

藤島 「オーラスの一連の立ち回りについて聞かせて。」

和久津「あの半荘はリードした後もほぼオリなかった。オーラスも直撃を許したり自分の打牌でテンパイとられたりと賛否両論あると思うけど、攻め続けたのは良かったと思ってる。」

藤島 「観てる方としては肝を冷やしたけどね。あのオーラスがあったからこそ名勝負として麻雀史に刻まれる。」

和久津「きれいに落とせる手が来るまで待つのが普通なのだろうけど。ただ自分らしくありたかった。」

 

100

 

藤島 「強引な3フーロからのカン四万で決着がついた。」

和久津「最後のアガリは私らしい泥臭さが出てて気に入ってます。」

和久津に一番良かった局を聞くと、真っ先にこの最後の局を挙げた。
牌譜レベルで見た場合には決して誉めることはできないアガリではあるが、この瞬間、全国の観戦者が画面の前で心動かされたことだけは間違いない。

藤島 「11回戦では見逃しから直撃を決めた局面があったね。」

和久津「他家の立ち回りが上手く作用したのは事実。でも楽はさせたくなかった。」

 

100

 

藤島 「どうしてもアタマを獲りたいという想いが、そうさせたのだろうけど見事に嵌まったね。」

和久津「11回戦の東場あたりからは、もうさやか(茅森プロ)との直対だと強く意識しだしていたので、自分でなんとかするしかないかなって。」

11回戦オーラスの5,200は脇からの出アガリで約65P差、直撃で約40P差となる状況。
親の倍満ほどの意味がある立ち回りだったが、最終戦に向けて精神面でも追い風となる数字以上の価値のあるアガリとなった。

藤島 「5回連続の準優勝。相当悔しかった?」

和久津「去年のプロクイーン以外は全部泣いてます。」

藤島 「去年はどんな…」

和久津「前回のは準備不足の意識が少しあったのと、瑠美さんが強すぎたからね。負けて納得だった。」

藤島 「敗戦を糧に戦ってるとは思うけど、今回特に意識したことは?」

和久津「前のインタビューとかでも触れたけど、点棒的に有利な状況でも攻めの意識は忘れないようにはしたよ。」

藤島 「攻撃型のイメージが強いけど、要所ではヤミテンも使い、戦略的な鳴きもけっこうあった。行くばかりではなくかなり引き出しが多いと感じた。」

和久津「引き出しの数は涙の数(笑)。でも基本的にはクレバーな戦い方はできない。というか敢えてしない感じかな。」

藤島 「それはなぜ?」

和久津「私には麻雀しかないなんてことはない。もし麻雀ダメでも助けてくれる人はたくさんいる。でも…だからこそ背負ってるものがたくさんある。守るべき人、期待してくれる人がたくさんいる。それらの人達に対して和久津らしく闘う義務があるから。」

藤島 「”和久津らしく”か…。そのルーツを少し聞かせて。麻雀覚えたのは?」

和久津「一番最初は10歳より前に完先ルールを。当時はトランプやボードゲームの延長だったと思う。学校の勉強はやらなかったけど、頭使うのは好きだったから。18くらいでアリアリルールを覚えてからはおもしろくて仕方なかった。ほら、麻雀て上手くいかないから。」

藤島 「あ、俺と過程や動機が似てる。でもプロ入りは意外と遅いよね。」

和久津「ホントは歌手になりたかったの。もともとが情感的なタイプではあるんだけど、多感な若い頃は自分が音楽や映画などの影響をかなり受けた。だから自分も人に何かを与えられる存在に憧れるようにはなった。」

藤島 「麻雀プロでも人の心を動かせる…!」

和久津「何の土台もないこんな私でも…泥臭く一生懸命やっていれば何とかなるという事をわかってもらえたら。」

和久津と会話をすることはよくあったが、いつも大事な部分をはぐらかして、面白おかしくされてしまうのが常である。
故に、彼女が真面目な話を真剣な眼差しで話す姿は、それだけで引き込まれるものがあった。

藤島 「最後に聞いておきたいこと。どうやったらあんなに危険牌を踏み込んで行けるのかな?」

和久津「親リーに無スジ切るときはみんなが背中を押すの。あれはみんなが通してくれてるって思う。いつかそれを共感できればいいな。」

今回、彼女を取材させてもらったことで、自分が昇級を逃したことなどあまりにもちっぽけなことに思えた。
普段は明るく楽しく振る舞う彼女ではあるが、麻雀プロとしての意識が相当高いことも充分に認識できた。
今後も唯一無二のキャラクターとして、より一層活躍していくはずである。

蛇足ではあるが。冒頭の和久津の牌姿の局。
実は、マスターズでは敗因にあげられた1局でもある。

やはり麻雀道は長く険しい。

100

プロ雀士インタビュー/第118回:和久津 晶 インタビュアー:藤島 健二郎

1月10日、B1リーグ最終節――
私は別卓3番手の吉田直に対し18.0P程リードして最終半荘を迎えていた。
”浮けば何とかなるかな”
そんな想いを胸に卓についていた。
オーラス29,500点持ち3着目
二万二万三万五万六万七万五索六索七索三筒四筒五筒中中  ドラ三筒
トップ目32,200点
一万四万が2枚ずつ切られ二万生牌、中1枚切れ。
B1リーグは他が全卓終了していたため、私の卓には選手を含めた観戦者がつどっていた。
必然的に私の結果に注目が集まった。
私はシャンポンのリーチを選択。
しかし一発目のツモが四万
そして2人テンパイで流局。
それでもテンパイ料で30,000点ジャストの浮きを確保。
恐る恐るうしろを振り返り、まわりの反応を伺う…
一万四万なら……」
結果を見守っていた、運営の瀬戸熊の一言で全てを察した。
別卓の吉田はしっかりと大トップをものにしていたのである。
私は今期もAリーグへの昇級を逃した。
ギャラリーを背負いながら明確な受け間違い…。恥ずかしさと悔しさが相混り、その場にはいられなかった。
交代時でごった返す選手の人ごみを掻き分け、階段の踊り場でやっとの思いでタバコに火をつけた。
下手な麻雀を打った――
この日1日を通してその認識はあったが、どうにもやり切れないものが込み上げてくる。
”この気持ちどうやって割りきろう?”
そこには今起きたことを受け入れられない自分がいた。
まさにそんな時、一本のメールが舞い込んだ。
『インタビュアーどうでしょうか?』
”こんな時になぜ……!
しかも対象者が今をときめく和久津晶である。
”荷が重い…というか今は引き受ける気になれない…
ああでも和久津はたぶん来期一緒か…”
そんな打ちひしがれていた私の脳裏に、ふとマスターズ決勝オーラスの和久津の牌姿が浮かんだ。
四万四万五万一索一索二索二索三索三索五索六索七索東東
(六万4枚三万1枚とび、四万生牌、東1枚とび)
”そう言えば彼女はここから四万切って4,000オールにしてたっけ…
それでも次局まくり返されちゃうんだよな…”
唐突にこの牌姿を思い出したことで、自分の弱さを受け入れる気持ちが芽生え出していた。
そして徐々に気持ちの整理がついていった。
私はその日のうちに、編集部に快諾のメールをとばした。
麻雀道はいばらの道――
和久津は決勝の舞台でたくさんの負けを味わっている。初優勝のプロクイーン以降今回制するまでの間、5回もの決勝に乗っているが全て準優勝…。惜しくない敗北など1つもないのである。
それらの悔しさは今の自分の比ではない。
「負けを噛み締める者は強い」
彼女は前回のインタビューでこう言っていた。
やはり今の彼女は間違いなく強い。
今期は天空麻雀を勝ち、プロクイーンで見事リベンジを果たした。まさに悔しさをバネに結果を出した。
さらには、現在女流桜花にて女流二冠に挑んでいる。
結局はインタビュアーとしてではなく、一麻雀打ちとして話を聞いてみたいと素直に思った次第である。
仕事・対局・収録など超多忙な彼女に無理を言って、週末の深夜に何とか時間を割いてもらった。
 
――池袋某所にて
100
 
藤島 「まずは改めてプロクイーンおめでとう。」
和久津「ありがとうございます!」
 
100
 
藤島 「早速だけど勝負のポイントになった最終戦の東パツについてだけど。」
和久津「普段なら嬉しい配牌なんだけど状況が特殊だから、アガリは正直厳しいかなとは思ってた。」
藤島 「普通は七対子かトイトイになってる。」
和久津「ああゆう局面だからダブ東は出ないとか、他も鳴けないだとかの決めつけは良くないと思っていて、手牌に素直に打ったつもり。」
藤島 「白ポンはまあ有りとしても、カン七索の最終形にはなかなかできない。」
和久津「分岐点のときに面子手も見て、3枚切れの八索を残したから、そこに意味を持たせたの。」
実際にはどう受けても待ち枚数は厳しかったが、見事にラス牌を手繰り寄せた。
この話1つからも彼女はイメージに反してかなり繊細で、過程や打牌理由には相当なこだわりを持っていることが伺えた。
藤島 「残り2回で54.2P差、最終戦を残して40.9P差。2日目にだいぶ差を詰めたとはいえ茅森プロの内容からも逃げ切り濃厚のムードが漂っていた。」
和久津「いつものように1回諦めたから…」
藤島 「その感じは珍しいね。どんな負け試合でも諦めモードにはなるけど、一応最後まで諦めはしないもの。」
和久津「あの局もなんて不幸な配牌だって思ったくらい。」
藤島 「まあ局の展開は向いたね。」
和久津「優勝する人って色んな要素が噛み合うでしょ。実際、宮内さんに役満手が入らなければ、ドラも東も出てこない牌だしね。あの局はそうゆう優勝者特有の流れを感じたかな。」
藤島 「あの局で捉え方が一転したと。」
和久津「2日間通して”これなら行ける”と初めて思えた瞬間だった。」
この後再び6,100オールとアガリ、たった2局で逆転に成功する。
さらに南1局の親番でも、この半荘3度目の親ッパネを決め、逆に大きなリードを得るのだが、オーラスに茅森プロの逆襲に遭う。
藤島 「オーラスの一連の立ち回りについて聞かせて。」
和久津「あの半荘はリードした後もほぼオリなかった。オーラスも直撃を許したり自分の打牌でテンパイとられたりと賛否両論あると思うけど、攻め続けたのは良かったと思ってる。」
藤島 「観てる方としては肝を冷やしたけどね。あのオーラスがあったからこそ名勝負として麻雀史に刻まれる。」
和久津「きれいに落とせる手が来るまで待つのが普通なのだろうけど。ただ自分らしくありたかった。」
 
100
 
藤島 「強引な3フーロからのカン四万で決着がついた。」
和久津「最後のアガリは私らしい泥臭さが出てて気に入ってます。」
和久津に一番良かった局を聞くと、真っ先にこの最後の局を挙げた。
牌譜レベルで見た場合には決して誉めることはできないアガリではあるが、この瞬間、全国の観戦者が画面の前で心動かされたことだけは間違いない。
藤島 「11回戦では見逃しから直撃を決めた局面があったね。」
和久津「他家の立ち回りが上手く作用したのは事実。でも楽はさせたくなかった。」
 
100
 
藤島 「どうしてもアタマを獲りたいという想いが、そうさせたのだろうけど見事に嵌まったね。」
和久津「11回戦の東場あたりからは、もうさやか(茅森プロ)との直対だと強く意識しだしていたので、自分でなんとかするしかないかなって。」
11回戦オーラスの5,200は脇からの出アガリで約65P差、直撃で約40P差となる状況。
親の倍満ほどの意味がある立ち回りだったが、最終戦に向けて精神面でも追い風となる数字以上の価値のあるアガリとなった。
藤島 「5回連続の準優勝。相当悔しかった?」
和久津「去年のプロクイーン以外は全部泣いてます。」
藤島 「去年はどんな…」
和久津「前回のは準備不足の意識が少しあったのと、瑠美さんが強すぎたからね。負けて納得だった。」
藤島 「敗戦を糧に戦ってるとは思うけど、今回特に意識したことは?」
和久津「前のインタビューとかでも触れたけど、点棒的に有利な状況でも攻めの意識は忘れないようにはしたよ。」
藤島 「攻撃型のイメージが強いけど、要所ではヤミテンも使い、戦略的な鳴きもけっこうあった。行くばかりではなくかなり引き出しが多いと感じた。」
和久津「引き出しの数は涙の数(笑)。でも基本的にはクレバーな戦い方はできない。というか敢えてしない感じかな。」
藤島 「それはなぜ?」
和久津「私には麻雀しかないなんてことはない。もし麻雀ダメでも助けてくれる人はたくさんいる。でも…だからこそ背負ってるものがたくさんある。守るべき人、期待してくれる人がたくさんいる。それらの人達に対して和久津らしく闘う義務があるから。」
藤島 「”和久津らしく”か…。そのルーツを少し聞かせて。麻雀覚えたのは?」
和久津「一番最初は10歳より前に完先ルールを。当時はトランプやボードゲームの延長だったと思う。学校の勉強はやらなかったけど、頭使うのは好きだったから。18くらいでアリアリルールを覚えてからはおもしろくて仕方なかった。ほら、麻雀て上手くいかないから。」
藤島 「あ、俺と過程や動機が似てる。でもプロ入りは意外と遅いよね。」
和久津「ホントは歌手になりたかったの。もともとが情感的なタイプではあるんだけど、多感な若い頃は自分が音楽や映画などの影響をかなり受けた。だから自分も人に何かを与えられる存在に憧れるようにはなった。」
藤島 「麻雀プロでも人の心を動かせる…!」
和久津「何の土台もないこんな私でも…泥臭く一生懸命やっていれば何とかなるという事をわかってもらえたら。」
和久津と会話をすることはよくあったが、いつも大事な部分をはぐらかして、面白おかしくされてしまうのが常である。
故に、彼女が真面目な話を真剣な眼差しで話す姿は、それだけで引き込まれるものがあった。
藤島 「最後に聞いておきたいこと。どうやったらあんなに危険牌を踏み込んで行けるのかな?」
和久津「親リーに無スジ切るときはみんなが背中を押すの。あれはみんなが通してくれてるって思う。いつかそれを共感できればいいな。」
今回、彼女を取材させてもらったことで、自分が昇級を逃したことなどあまりにもちっぽけなことに思えた。
普段は明るく楽しく振る舞う彼女ではあるが、麻雀プロとしての意識が相当高いことも充分に認識できた。
今後も唯一無二のキャラクターとして、より一層活躍していくはずである。
蛇足ではあるが。冒頭の和久津の牌姿の局。
実は、マスターズでは敗因にあげられた1局でもある。
やはり麻雀道は長く険しい。
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