第31期鳳凰位決定戦観戦記三日目 前原 雄大

鳳凰位決定戦観戦記三日目:前原雄大

―――――――――先を見る人
それにしても瀬戸熊の2日目までのデキが悪い。
特別なミス、エラーをしているわけではない。それでもスコアが纏まらない。

2日目が終わり、
「どうする?独りで帰っても良いんだよ」
瀬戸熊と帰る方向が同じなので誘って見た。
「ご一緒します」
私が違和感を持ったのは、やはり、初日 東1局であった。

東家・瀬戸熊手牌

五万五万六万四索五索七索八索九索六筒七筒東発発  ツモ五筒  打五筒  ドラ二筒

西家・藤崎捨牌
八筒 上向き一索 上向き五筒 上向き一筒 上向き四筒 上向き六索 上向き中三筒 上向き二万 左向き

私の知っている瀬戸熊直樹という打ち手はここで、受けに入らない打ち手だった。
千の矢が頭上を襲って来た時、逃げ場所を探すのではなく、矢が放たれている場所を探し求め相手を倒す。
何処に逃げても矢が当たる時は当たるし、それならば戦いに臨む打ち手のように思っていた。

「最近、軽い放銃が結果として致命傷になることが多いんですよね」
しばらくの沈黙の時が流れた。

それは、私にも良く解る気がした。
数年前の十段戦の稽古の折り、やはり、私もそうだった。
「前原さん、パワースポットに行きましょう」
調子の悪さ、デキの悪さを心配した佐々木寿人の誘いに私は附いて行ったことがある。

私は元来、無神論者、というより不神論者である。
それでも、そうしたのは、彼の私への好意を受けたためである。
その時は結局、4連覇を逃した。
その時から、バイオリズムを意識するようになった。
丁度、今回の瀬戸熊とダブるように感じる。

しばらくの沈黙の後、瀬戸熊が口を開いた。
「たとえば、前原さんやほかの先輩達と戦う時はキチンと立ち向かうと思いますが、これからは、後輩達と戦う時が増えてくるようになると思います、ボク自身の戦い方が研究されているので、長所を伸ばすだけでなく、短所の矯正に入っていることも事実です。」
私は瀬戸熊の言葉を聞いた時得心した。

瀬戸熊にとっても今回の鳳凰戦は定説な戦いである。
それと同時にこれからの戦いも大切なことなのである。
瀬戸熊は、今を見ながら先を視ていると私には感じられた。

 

100

 

9回戦 (起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)

東1局
瀬戸熊、ヤミテンに構えるも勝又の仕掛けに合わせリーチを打ち、最後の七筒を手繰り寄せる。

一万二万三万六万七万八万五索六索七索七索七索六筒八筒  リーチ  ツモ七筒  ドラ七万

瀬戸熊にとっては初めてと言ってもいいほど先手を取れた開局である。
このアガリは瀬戸熊の時間帯に入る予感を感じさせた。

東3局1本場
勝又が鮮やかな手筋でメンホンを仕上げ、藤崎の一通リーチとぶつかるも、藤崎より8,000は8,300を出アガる。

東4局
100

ダブ東とはいえ、ここから仕掛ける藤崎も珍しい。
6巡目に前田よりリーチが入る。

一万二万三万九万九万二筒三筒四筒西西西北北  リーチ  ドラ二筒

このリーチは、結果は別として一筒四筒の振り替わりがある以上、また、手牌と捨牌のバランスを考えれば、いままでの前田らしくないリーチのように思えた。
勿論、この前田の方法論が間違えというわけではなく、前田らしくないというだけのことである。

結果は、前田からの藤崎への12,000点の放銃となった。
そして前田の持ち点が15,000点となっても、次局リーチで三万を引きアガる。

三万三万六万七万八万六索六索六索三筒四筒五筒西西  リーチ  ツモ三万  ドラ七万

この1,300・2,600は大きい。そして、前田の強さを物語っている。
これで持ち点を20,500点まで戻す。

東4局に関して前田はこう語っている。
「高目の一筒ツモなら勿論ヤミテンですが、安めの四筒引き…。ヤミでの3,200はあまりに弱すぎる。でも捨て牌があまりに派手になりすぎた!しかしまだ守る時ではない。ダブ東を藤崎プロが鳴いているが高い感じはしないし、あっても5,800であろう。結果は12,000の放銃であったが全く後悔は無い。」

前田にそれだけの覚悟があったということなのだろう。

東4局1本場
今局に関して前田はこう語っている。
西三万のシャンポンリーチをしたのだが、凄く迷った。3者から1シャンテン、もしくはヤミテン気配がとてつもなく出ていた。普段なら多分しないが、点棒状況も考え嫌々のリーチである。結果三万をツモる。これでかなり救われた気がしました。」

南3局
前田の親を、300・500は400・600で落とした瀬戸熊の親番。

100

今局は瀬戸熊にとっては良い感じで迎えた親番であるだけに、ブレークポイントだと私は見ていた。
ただ、今局は難しい局で、瀬戸熊はチャンタに的を絞ったが、メンホンのツモアガリもあったように思う。

一筒二筒二筒三筒三筒六筒七筒八筒九筒九筒北北北  ツモ四筒  ドラ七万

結果はチャンタの発タンキとなったが、アガリ逃しとなったため、残り1枚を争う、瀬戸熊、藤崎の争いは、藤崎のツモアガリで終わった。
瀬戸熊にとっては大きな逸機であったように思える。
ただ、今局のポイントは5巡目に八筒を手の内に残せるかどうかであるから、難しいと言わざるを得ない。

今局、瀬戸熊がメンホンをアガっていれば、この後、親番で、何本積み上げたか分からないほどの逸機だったように思えてならない。

南4局
瀬戸熊のチャンスを潰した以上、勢いを掴むのは藤崎である。
7巡目の早いテンパイからリーチを入れ、手詰まりの勝又より、11,600点を出アガる。

藤崎手牌
四万五万六万六万七万八万一索二索三索五索五索七筒八筒  リーチ  ロン九筒  ドラ六万

南4局1本場
勝又のドラタンキのリーチをしのぎ切り、前田が1,000点は1,300点をアガリ、ラス抜けを果たす。
前田のしぶとさが光るオーラスであった。

これで16.2ポイント差となった。

9回戦成績
藤崎+35.2P 瀬戸熊▲5.0P 前田▲11.8P 勝又▲18.4P

9回戦終了時
前田+66.9P 藤崎+50.7P 勝又▲53.1P 瀬戸熊▲64.5P

 

10回戦 (起家から、勝又、瀬戸熊、藤崎、前田)

東1局
親で勝又が親満を取るか親跳を取るかで選択があり、当然の如く高目を取るも流局。
勝又にとってはアガリたい1局だっただろう。

三筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒発発  ポン中中中  ドラ発

東1局1本場
100

瀬戸熊がメンチンの倍満に仕上げる。
待ち取りも間違えず、アガリ切るところは流石としか言いようがない。
徐々にではあるが、瀬戸熊の調子が上がってきたようである。

100

 

今局に関して前田はこう語っている。
東白をトイツで1枚目の東をスルー。その後白が暗刻になり四万をポン。結果テンパイするものの、瀬戸熊プロに4,000・8,000をツモられる。この局、牌譜解説でも、取り上げられていたが、私としては別に間違いだと思っていないし、後悔も無いです。」

東2局
迎えた親番で、瀬戸熊が一色手に走るも、勝又がリーチをし2000・3900をツモアガる。

四万五万五万六万六万七万九万九万六索七索九筒九筒九筒  リーチ  ツモ八索  ドラ九万

今局に関して前田はこう語っている。
「次の局、勝又プロにドラドラのテンパイが入る。私にも勝負手が入るが、先にリーチを打たれ目一杯にしてしまった為五索が出る形。しかし八筒が鳴け五索が出ない形になるがツモられる。この時感じたこと…振り込みにならない形になり悪くはない。しかし2局続けて鳴いて連続ツモられ。この半荘だけは鳴きは超要注意!!ってことである。」

東4局
100

藤崎が大三元をツモアガる。

100

 

四万四万一索二索発発発  ポン白白白  ポン中中中  ツモ三索

16巡目に一索をツモっているが、僅かな逡巡の後、打一索としているが受け間違えないところが流石である。
この瞬間、首位が前田から藤崎となる。

この局に関して勝又・前田はこう語っている。

勝又
「東1局1本場に、手組の悪さから倍満の親かぶりとなりましたが、東3局に藤崎さんのリーチに競り勝ってのピンフのアガリに手応えを感じここで勝負と思っていました。しかし、中を仕掛けられた以上、まっすぐに進むのではなく、対応すべきだったと思います。自身のポイントを伸ばしにいくべきなのに、2フーロされたときに一番苦しいのは親の前田さんと思ってしまったことは大きな反省材料と思います。」

前田
「そして事件が起きる。藤崎プロの大三元。しかも親かぶり、持ち点は10,000点を割る。必ずこういう局面は来ると思っていたがちょっと想定外である。もうこの半荘はとにかく我慢!そしてこの半荘を捨てない!」

南3局
瀬戸熊が見事な手筋で2,000・4,000をツモアガる。

7巡目
七万九万一索二索三索五索六索七索八索八索四筒五筒六筒  ドラ四筒

12巡目
九万九万一索二索三索六索七索七索八索八索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ六索

南4局
13巡目、瀬戸熊よりリーチが入る。

二万三万五万六万七万五索五索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ三万

前田は最終ツモの四万で、テンパイを入れる。

三万五万六万六万七万七万八万八万九万東南南南  ツモ四万  ドラ三万

この最後のツモ四万が線となり、前田の連荘の始まりとなった。

南4局1本場

二万三万四万六万七万四索五索六索七索七索八索五筒五筒  ツモ九索  ドラ六索

今局など、前田はツモ九索でテンパイながらもツモの弱さを感じ、最後までヤミテンで通すあたりが当然のことではあるが、前田流である。

強いツモとは ツモ五万八万五筒七索三索六索などである。
一番弱いツモである九索であるからこそ、前田はヤミテンに構えたのである。

南4局2本場

六万六万七万七万八万八万五索六索八索八索八索五筒五筒  リーチ  ドラ七筒

この時点で前田の待ち牌である四索七索は残り7枚である。
ツモアガリも確約されたとみていたが、結果はそうならなかった。

前田のリーチを受けて、次巡ツモ二索

三万三万五万六万一索三索四索五索六索四筒五筒七筒七筒  ツモ二索  ドラ七筒

藤崎がこの手牌から現物である二索をツモ切ったのである。
私ならばおそらく打三万と1シャンテンに構えたように思う。
このあたりに藤崎の麻雀に対する丁寧さが伺える。
2巡後、前田よりツモ切られた七筒の仕掛けも藤崎らしい。
そして藤崎はその後、前田のロン牌である四索七索を3枚食い上げ流局に持ち込んだのである。
これも藤崎ならではの麻雀である。

100

 

南4局3本場
前田は前田の目から見て3枚目である五万をツモアガった。

四万六万四索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒七筒  ツモ五万  ドラ六万

「ツモ2,000オール」

前田は「ツモ」の発声をするのに時間を要している。
このことからも解るように、今局はフリテンリーチもあったように思える。
ツモ五万にツモの力を感じ、待ちの良さを考えるならば、打二筒のフリテンリーチの敢行である。
4,000オールから6,000オールまでの可能性を秘めていたこと、トータルトップが入れ替わったことを考えれば、1つのチャンスのようにも私には思える。
もちろん10人いれば10人の価値観、100人いれば100人の麻雀観があるのだから、前田の取った方法論を否定するつもりはない。
ただフリテンリーチを打った場合、一観戦者としてその先を見てみたかったのは事実である。

南4局4本場
前田は残りツモ2回でテンパイが入った。

九万九万五索五索六索六索六索一筒西西  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ツモ西  ドラ西

ハイテイで8,000オールのツモアガリまで期待させたが、流局で終わった。
ただ、この八万をポンしなければ前田にテンパイが入ることは無かった。

これも打ち手の対局観である。
この時点で前田は7,000点しかなかった持ち点を25,400点まで持ち起こしたのである。

100

 

前田
「半荘を捨てない、その気持ちが届いてかオーラスの親で25,000点まで戻すことが出来たのは、気持ちの上でも大きかったです。」

確かに、前田の言う通り、オーラスを迎えた親番の時点でわずか、7,000点持ちから、5本場まで積み上げ、持ち点を24,200点で終えたのは、前田の麻雀力以外の何物でもない。

 

100

 

10回戦成績
藤崎+22.9P 瀬戸熊+8.8P 前田▲9.8P 勝又▲21.9P

10回戦終了時
藤崎+73.6P 前田+57.1P 瀬戸熊▲55.7P 勝又▲75.0P

 

11回戦 (起家から、瀬戸熊、藤崎、前田、勝又)

遂に首位が入れ替わった。

東2局
前田の一色に染める感覚が今シリーズ素晴らしいものがある。
藤崎の親番と言うこともあり、この2,000・4,000のアガリは追う側に立った前田にとって感触の良いアガリである。

三索四索五索六索六索七索八索  チー二索 左向き三索 上向き四索 上向き  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ツモ三索  ドラ五筒

今局に関して前田はこう語っている。
「1回戦、2回戦とかなりの我慢が続いた。どうしても浮きの欲しい半荘。 配牌はソーズが目立つ。ここは一気に染めにいこうと決める。藤崎プロの五索八索は仕掛けずに九索から仕掛けに行く。藤崎プロも珍しく被せにくる。五索八索を鳴かなかった為、手の進行が遅いと睨んだのか?それともここが勝負と思ったのか?途中藤崎プロが西をポン!高く見えない。勿論全部勝負である。結果2,000・4,000のツモアガリ。これでかなり気持ち的に楽になり、その後も落ち着いて打てたように思います。」

東3局
親番を迎えて前田はリーチを打ち、一発で引きアガり2,600オール。

七万七万八万八万九万一筒二筒三筒五筒六筒七筒九筒九筒  リーチ  ツモ六万  ドラ二筒

この前田の親番をキッチリと藤崎が落とす。

東4局
藤崎が柔らかいうちスジで、700・1,300をツモアがる。

南1局
瀬戸熊が難解な局をまとめ切り、ドラ暗刻のリーチを一発でツモアガる。

南1局2本場
100

 

藤崎が鋭い反応で瀬戸熊の六筒を仕掛け、同巡前田のツモアガるべき五索を喰い流し、跳満のツモアガリを阻止する。

六万七万一索六索七索八索三筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒  チー六筒  打一索  ドラ六索

この藤崎の仕掛けには驚かされた。
瀬戸熊も5本場まで積み上げるも、前田にドラ暗刻をツモられてしまう。

三万四万一索一索一索四索五索六索二筒二筒二筒九筒九筒  リーチ  ツモ二万  ドラ一索

南3局2本場
勝又がリーチ高目イーペーコーを一発でツモアガる。
本当に一発ツモの回数が多い半荘である。(注・連盟Aルールは一発、裏ドラなし)
それだけ打ち手のエネルギーが集約されているのだろう。
痛いのは親かぶりさせられた前田ではなく、ラスを押し付けられた藤崎の方だろう。

四万五万五万六万六万二索三索四索五索六索七索六筒六筒  リーチ  ツモ四万  ドラ八筒

オーラスは勝又の1人テンパイでトップは前田、1人沈みの藤崎。
これで前田の再逆転で11回戦が終了。

100

 

11回戦成績
前田+25.2P 勝又+5.4P 瀬戸熊▲4.6P 藤崎▲26.0P

11回戦終了時
前田+82.3P 藤崎+47.6P 瀬戸熊▲60.3P 勝又▲69.6P

 

12回戦 (起家から、勝又、瀬戸熊、藤崎、前田)

本日の最終戦である。

東1局

前田手牌
四万五万六万四索五索二筒二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒  ロン三索  ドラ五筒

瀬戸熊からの出アガリ。
前田にとっては幸先の良いスタートであった。

東2局
勝又の11巡目の打四万は好手であった。

100

 

三万三万三万四万四万七万八万八万七索七索七索五筒五筒  ツモ七万  打四万

次巡、当然の如く四万を並び打つことも大事である。

三万三万三万七万七万八万八万七索七索七索  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ロン八万  ドラ五筒

四暗刻にこそならなかったが、勝又会心のアガリである。
今局に関して瀬戸熊はかなりを後悔していた。

瀬戸熊
「藤崎さんドラ五筒リリース、勝又ポンのところで引くことが出来ない自分が情けなかったです。我慢する戦いを選んだのだから、まだまだ我慢すべきでした。」

南3局
これぞ勝利者とも思わせる前田のアガリである。
ラス牌の三索を7巡目、テンパイするや次巡跳満をツモアガった。
これは点数も大きいが、価値のあるアガリである。

一索一索二索二索三索四索五索六索七索八索九索発発  ツモ三索  ドラ九筒

南4局

100

 

勝又
八筒を切らずに九筒を切った以上、メンゼンで進めるべきでした。前田さんからリーチが入ったことにより直撃でトップとなれるという目先のことしか見えていない浅い仕掛けでした。」

9巡目
二万二万五万六万五索六索五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ二万  打九筒  ドラ二万

勝又はこうコメントしているが、好調者の前田の親リーチが入った以上、終局させる一局として私は悪くない応手に思ったのだが、見る側と対局者の心理は別のところにあるということだ。

12回戦成績
前田+28.9P 勝又+13.5P 藤崎▲9.3P 瀬戸熊▲33.1P

12回戦終了時
前田+111.2P 藤崎+38.3P 勝又▲56.1P 瀬戸熊▲93.4P

全対局終了後
「瀬戸熊さんの優勝の可能性は5,000分の1、そしてぼくの可能性は3,000分の1」
勝又がそう語っていたが、何が起こるのか、分からないのが麻雀である。
最終日が楽しみである。

プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記/第31期鳳凰位決定戦観戦記三日目 前原 雄大

鳳凰位決定戦観戦記三日目:前原雄大
―――――――――先を見る人
それにしても瀬戸熊の2日目までのデキが悪い。
特別なミス、エラーをしているわけではない。それでもスコアが纏まらない。
2日目が終わり、
「どうする?独りで帰っても良いんだよ」
瀬戸熊と帰る方向が同じなので誘って見た。
「ご一緒します」
私が違和感を持ったのは、やはり、初日 東1局であった。
東家・瀬戸熊手牌
五万五万六万四索五索七索八索九索六筒七筒東発発  ツモ五筒  打五筒  ドラ二筒
西家・藤崎捨牌
八筒 上向き一索 上向き五筒 上向き一筒 上向き四筒 上向き六索 上向き中三筒 上向き二万 左向き
私の知っている瀬戸熊直樹という打ち手はここで、受けに入らない打ち手だった。
千の矢が頭上を襲って来た時、逃げ場所を探すのではなく、矢が放たれている場所を探し求め相手を倒す。
何処に逃げても矢が当たる時は当たるし、それならば戦いに臨む打ち手のように思っていた。
「最近、軽い放銃が結果として致命傷になることが多いんですよね」
しばらくの沈黙の時が流れた。
それは、私にも良く解る気がした。
数年前の十段戦の稽古の折り、やはり、私もそうだった。
「前原さん、パワースポットに行きましょう」
調子の悪さ、デキの悪さを心配した佐々木寿人の誘いに私は附いて行ったことがある。
私は元来、無神論者、というより不神論者である。
それでも、そうしたのは、彼の私への好意を受けたためである。
その時は結局、4連覇を逃した。
その時から、バイオリズムを意識するようになった。
丁度、今回の瀬戸熊とダブるように感じる。
しばらくの沈黙の後、瀬戸熊が口を開いた。
「たとえば、前原さんやほかの先輩達と戦う時はキチンと立ち向かうと思いますが、これからは、後輩達と戦う時が増えてくるようになると思います、ボク自身の戦い方が研究されているので、長所を伸ばすだけでなく、短所の矯正に入っていることも事実です。」
私は瀬戸熊の言葉を聞いた時得心した。
瀬戸熊にとっても今回の鳳凰戦は定説な戦いである。
それと同時にこれからの戦いも大切なことなのである。
瀬戸熊は、今を見ながら先を視ていると私には感じられた。
 

100

 
9回戦 (起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)
東1局
瀬戸熊、ヤミテンに構えるも勝又の仕掛けに合わせリーチを打ち、最後の七筒を手繰り寄せる。
一万二万三万六万七万八万五索六索七索七索七索六筒八筒  リーチ  ツモ七筒  ドラ七万
瀬戸熊にとっては初めてと言ってもいいほど先手を取れた開局である。
このアガリは瀬戸熊の時間帯に入る予感を感じさせた。
東3局1本場
勝又が鮮やかな手筋でメンホンを仕上げ、藤崎の一通リーチとぶつかるも、藤崎より8,000は8,300を出アガる。
東4局
100
ダブ東とはいえ、ここから仕掛ける藤崎も珍しい。
6巡目に前田よりリーチが入る。
一万二万三万九万九万二筒三筒四筒西西西北北  リーチ  ドラ二筒
このリーチは、結果は別として一筒四筒の振り替わりがある以上、また、手牌と捨牌のバランスを考えれば、いままでの前田らしくないリーチのように思えた。
勿論、この前田の方法論が間違えというわけではなく、前田らしくないというだけのことである。
結果は、前田からの藤崎への12,000点の放銃となった。
そして前田の持ち点が15,000点となっても、次局リーチで三万を引きアガる。
三万三万六万七万八万六索六索六索三筒四筒五筒西西  リーチ  ツモ三万  ドラ七万
この1,300・2,600は大きい。そして、前田の強さを物語っている。
これで持ち点を20,500点まで戻す。
東4局に関して前田はこう語っている。
「高目の一筒ツモなら勿論ヤミテンですが、安めの四筒引き…。ヤミでの3,200はあまりに弱すぎる。でも捨て牌があまりに派手になりすぎた!しかしまだ守る時ではない。ダブ東を藤崎プロが鳴いているが高い感じはしないし、あっても5,800であろう。結果は12,000の放銃であったが全く後悔は無い。」
前田にそれだけの覚悟があったということなのだろう。
東4局1本場
今局に関して前田はこう語っている。
西三万のシャンポンリーチをしたのだが、凄く迷った。3者から1シャンテン、もしくはヤミテン気配がとてつもなく出ていた。普段なら多分しないが、点棒状況も考え嫌々のリーチである。結果三万をツモる。これでかなり救われた気がしました。」
南3局
前田の親を、300・500は400・600で落とした瀬戸熊の親番。
100
今局は瀬戸熊にとっては良い感じで迎えた親番であるだけに、ブレークポイントだと私は見ていた。
ただ、今局は難しい局で、瀬戸熊はチャンタに的を絞ったが、メンホンのツモアガリもあったように思う。
一筒二筒二筒三筒三筒六筒七筒八筒九筒九筒北北北  ツモ四筒  ドラ七万
結果はチャンタの発タンキとなったが、アガリ逃しとなったため、残り1枚を争う、瀬戸熊、藤崎の争いは、藤崎のツモアガリで終わった。
瀬戸熊にとっては大きな逸機であったように思える。
ただ、今局のポイントは5巡目に八筒を手の内に残せるかどうかであるから、難しいと言わざるを得ない。
今局、瀬戸熊がメンホンをアガっていれば、この後、親番で、何本積み上げたか分からないほどの逸機だったように思えてならない。
南4局
瀬戸熊のチャンスを潰した以上、勢いを掴むのは藤崎である。
7巡目の早いテンパイからリーチを入れ、手詰まりの勝又より、11,600点を出アガる。
藤崎手牌
四万五万六万六万七万八万一索二索三索五索五索七筒八筒  リーチ  ロン九筒  ドラ六万
南4局1本場
勝又のドラタンキのリーチをしのぎ切り、前田が1,000点は1,300点をアガリ、ラス抜けを果たす。
前田のしぶとさが光るオーラスであった。
これで16.2ポイント差となった。
9回戦成績
藤崎+35.2P 瀬戸熊▲5.0P 前田▲11.8P 勝又▲18.4P
9回戦終了時
前田+66.9P 藤崎+50.7P 勝又▲53.1P 瀬戸熊▲64.5P
 
10回戦 (起家から、勝又、瀬戸熊、藤崎、前田)
東1局
親で勝又が親満を取るか親跳を取るかで選択があり、当然の如く高目を取るも流局。
勝又にとってはアガリたい1局だっただろう。
三筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒発発  ポン中中中  ドラ発
東1局1本場
100
瀬戸熊がメンチンの倍満に仕上げる。
待ち取りも間違えず、アガリ切るところは流石としか言いようがない。
徐々にではあるが、瀬戸熊の調子が上がってきたようである。
100
 
今局に関して前田はこう語っている。
東白をトイツで1枚目の東をスルー。その後白が暗刻になり四万をポン。結果テンパイするものの、瀬戸熊プロに4,000・8,000をツモられる。この局、牌譜解説でも、取り上げられていたが、私としては別に間違いだと思っていないし、後悔も無いです。」
東2局
迎えた親番で、瀬戸熊が一色手に走るも、勝又がリーチをし2000・3900をツモアガる。
四万五万五万六万六万七万九万九万六索七索九筒九筒九筒  リーチ  ツモ八索  ドラ九万
今局に関して前田はこう語っている。
「次の局、勝又プロにドラドラのテンパイが入る。私にも勝負手が入るが、先にリーチを打たれ目一杯にしてしまった為五索が出る形。しかし八筒が鳴け五索が出ない形になるがツモられる。この時感じたこと…振り込みにならない形になり悪くはない。しかし2局続けて鳴いて連続ツモられ。この半荘だけは鳴きは超要注意!!ってことである。」
東4局
100
藤崎が大三元をツモアガる。
100
 
四万四万一索二索発発発  ポン白白白  ポン中中中  ツモ三索
16巡目に一索をツモっているが、僅かな逡巡の後、打一索としているが受け間違えないところが流石である。
この瞬間、首位が前田から藤崎となる。
この局に関して勝又・前田はこう語っている。
勝又
「東1局1本場に、手組の悪さから倍満の親かぶりとなりましたが、東3局に藤崎さんのリーチに競り勝ってのピンフのアガリに手応えを感じここで勝負と思っていました。しかし、中を仕掛けられた以上、まっすぐに進むのではなく、対応すべきだったと思います。自身のポイントを伸ばしにいくべきなのに、2フーロされたときに一番苦しいのは親の前田さんと思ってしまったことは大きな反省材料と思います。」
前田
「そして事件が起きる。藤崎プロの大三元。しかも親かぶり、持ち点は10,000点を割る。必ずこういう局面は来ると思っていたがちょっと想定外である。もうこの半荘はとにかく我慢!そしてこの半荘を捨てない!」
南3局
瀬戸熊が見事な手筋で2,000・4,000をツモアガる。
7巡目
七万九万一索二索三索五索六索七索八索八索四筒五筒六筒  ドラ四筒
12巡目
九万九万一索二索三索六索七索七索八索八索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ六索
南4局
13巡目、瀬戸熊よりリーチが入る。
二万三万五万六万七万五索五索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ三万
前田は最終ツモの四万で、テンパイを入れる。
三万五万六万六万七万七万八万八万九万東南南南  ツモ四万  ドラ三万
この最後のツモ四万が線となり、前田の連荘の始まりとなった。
南4局1本場
二万三万四万六万七万四索五索六索七索七索八索五筒五筒  ツモ九索  ドラ六索
今局など、前田はツモ九索でテンパイながらもツモの弱さを感じ、最後までヤミテンで通すあたりが当然のことではあるが、前田流である。
強いツモとは ツモ五万八万五筒七索三索六索などである。
一番弱いツモである九索であるからこそ、前田はヤミテンに構えたのである。
南4局2本場
六万六万七万七万八万八万五索六索八索八索八索五筒五筒  リーチ  ドラ七筒
この時点で前田の待ち牌である四索七索は残り7枚である。
ツモアガリも確約されたとみていたが、結果はそうならなかった。
前田のリーチを受けて、次巡ツモ二索
三万三万五万六万一索三索四索五索六索四筒五筒七筒七筒  ツモ二索  ドラ七筒
藤崎がこの手牌から現物である二索をツモ切ったのである。
私ならばおそらく打三万と1シャンテンに構えたように思う。
このあたりに藤崎の麻雀に対する丁寧さが伺える。
2巡後、前田よりツモ切られた七筒の仕掛けも藤崎らしい。
そして藤崎はその後、前田のロン牌である四索七索を3枚食い上げ流局に持ち込んだのである。
これも藤崎ならではの麻雀である。
100
 
南4局3本場
前田は前田の目から見て3枚目である五万をツモアガった。
四万六万四索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒七筒  ツモ五万  ドラ六万
「ツモ2,000オール」
前田は「ツモ」の発声をするのに時間を要している。
このことからも解るように、今局はフリテンリーチもあったように思える。
ツモ五万にツモの力を感じ、待ちの良さを考えるならば、打二筒のフリテンリーチの敢行である。
4,000オールから6,000オールまでの可能性を秘めていたこと、トータルトップが入れ替わったことを考えれば、1つのチャンスのようにも私には思える。
もちろん10人いれば10人の価値観、100人いれば100人の麻雀観があるのだから、前田の取った方法論を否定するつもりはない。
ただフリテンリーチを打った場合、一観戦者としてその先を見てみたかったのは事実である。
南4局4本場
前田は残りツモ2回でテンパイが入った。
九万九万五索五索六索六索六索一筒西西  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ツモ西  ドラ西
ハイテイで8,000オールのツモアガリまで期待させたが、流局で終わった。
ただ、この八万をポンしなければ前田にテンパイが入ることは無かった。
これも打ち手の対局観である。
この時点で前田は7,000点しかなかった持ち点を25,400点まで持ち起こしたのである。
100
 
前田
「半荘を捨てない、その気持ちが届いてかオーラスの親で25,000点まで戻すことが出来たのは、気持ちの上でも大きかったです。」
確かに、前田の言う通り、オーラスを迎えた親番の時点でわずか、7,000点持ちから、5本場まで積み上げ、持ち点を24,200点で終えたのは、前田の麻雀力以外の何物でもない。
 
100
 
10回戦成績
藤崎+22.9P 瀬戸熊+8.8P 前田▲9.8P 勝又▲21.9P
10回戦終了時
藤崎+73.6P 前田+57.1P 瀬戸熊▲55.7P 勝又▲75.0P
 
11回戦 (起家から、瀬戸熊、藤崎、前田、勝又)
遂に首位が入れ替わった。
東2局
前田の一色に染める感覚が今シリーズ素晴らしいものがある。
藤崎の親番と言うこともあり、この2,000・4,000のアガリは追う側に立った前田にとって感触の良いアガリである。
三索四索五索六索六索七索八索  チー二索 左向き三索 上向き四索 上向き  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ツモ三索  ドラ五筒
今局に関して前田はこう語っている。
「1回戦、2回戦とかなりの我慢が続いた。どうしても浮きの欲しい半荘。 配牌はソーズが目立つ。ここは一気に染めにいこうと決める。藤崎プロの五索八索は仕掛けずに九索から仕掛けに行く。藤崎プロも珍しく被せにくる。五索八索を鳴かなかった為、手の進行が遅いと睨んだのか?それともここが勝負と思ったのか?途中藤崎プロが西をポン!高く見えない。勿論全部勝負である。結果2,000・4,000のツモアガリ。これでかなり気持ち的に楽になり、その後も落ち着いて打てたように思います。」
東3局
親番を迎えて前田はリーチを打ち、一発で引きアガり2,600オール。
七万七万八万八万九万一筒二筒三筒五筒六筒七筒九筒九筒  リーチ  ツモ六万  ドラ二筒
この前田の親番をキッチリと藤崎が落とす。
東4局
藤崎が柔らかいうちスジで、700・1,300をツモアがる。
南1局
瀬戸熊が難解な局をまとめ切り、ドラ暗刻のリーチを一発でツモアガる。
南1局2本場
100
 
藤崎が鋭い反応で瀬戸熊の六筒を仕掛け、同巡前田のツモアガるべき五索を喰い流し、跳満のツモアガリを阻止する。
六万七万一索六索七索八索三筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒  チー六筒  打一索  ドラ六索
この藤崎の仕掛けには驚かされた。
瀬戸熊も5本場まで積み上げるも、前田にドラ暗刻をツモられてしまう。
三万四万一索一索一索四索五索六索二筒二筒二筒九筒九筒  リーチ  ツモ二万  ドラ一索
南3局2本場
勝又がリーチ高目イーペーコーを一発でツモアガる。
本当に一発ツモの回数が多い半荘である。(注・連盟Aルールは一発、裏ドラなし)
それだけ打ち手のエネルギーが集約されているのだろう。
痛いのは親かぶりさせられた前田ではなく、ラスを押し付けられた藤崎の方だろう。
四万五万五万六万六万二索三索四索五索六索七索六筒六筒  リーチ  ツモ四万  ドラ八筒
オーラスは勝又の1人テンパイでトップは前田、1人沈みの藤崎。
これで前田の再逆転で11回戦が終了。
100
 
11回戦成績
前田+25.2P 勝又+5.4P 瀬戸熊▲4.6P 藤崎▲26.0P
11回戦終了時
前田+82.3P 藤崎+47.6P 瀬戸熊▲60.3P 勝又▲69.6P
 
12回戦 (起家から、勝又、瀬戸熊、藤崎、前田)
本日の最終戦である。
東1局
前田手牌
四万五万六万四索五索二筒二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒  ロン三索  ドラ五筒
瀬戸熊からの出アガリ。
前田にとっては幸先の良いスタートであった。
東2局
勝又の11巡目の打四万は好手であった。
100
 
三万三万三万四万四万七万八万八万七索七索七索五筒五筒  ツモ七万  打四万
次巡、当然の如く四万を並び打つことも大事である。
三万三万三万七万七万八万八万七索七索七索  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ロン八万  ドラ五筒
四暗刻にこそならなかったが、勝又会心のアガリである。
今局に関して瀬戸熊はかなりを後悔していた。
瀬戸熊
「藤崎さんドラ五筒リリース、勝又ポンのところで引くことが出来ない自分が情けなかったです。我慢する戦いを選んだのだから、まだまだ我慢すべきでした。」
南3局
これぞ勝利者とも思わせる前田のアガリである。
ラス牌の三索を7巡目、テンパイするや次巡跳満をツモアガった。
これは点数も大きいが、価値のあるアガリである。
一索一索二索二索三索四索五索六索七索八索九索発発  ツモ三索  ドラ九筒
南4局
100
 
勝又
八筒を切らずに九筒を切った以上、メンゼンで進めるべきでした。前田さんからリーチが入ったことにより直撃でトップとなれるという目先のことしか見えていない浅い仕掛けでした。」
9巡目
二万二万五万六万五索六索五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ二万  打九筒  ドラ二万
勝又はこうコメントしているが、好調者の前田の親リーチが入った以上、終局させる一局として私は悪くない応手に思ったのだが、見る側と対局者の心理は別のところにあるということだ。
12回戦成績
前田+28.9P 勝又+13.5P 藤崎▲9.3P 瀬戸熊▲33.1P
12回戦終了時
前田+111.2P 藤崎+38.3P 勝又▲56.1P 瀬戸熊▲93.4P
全対局終了後
「瀬戸熊さんの優勝の可能性は5,000分の1、そしてぼくの可能性は3,000分の1」
勝又がそう語っていたが、何が起こるのか、分からないのが麻雀である。
最終日が楽しみである。

第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  プロ雀士予選A卓レポート ケネス徳田

日本プロ麻雀連盟チャンネルでの放送は、基本的に一発・裏ドラなしのAルールでの対局が主である。
しかしマスターズや、その他随時行われる特別対局では一発・裏ドラありのBルールで行われる。
そしてこの『麻雀トライアスロン』はさらに、Bルールベースの東風戦、Bルールよりもさらに順位点を大きくした半荘戦、そして三人麻雀と、通常の放送とは全く趣が異なる対局が見られることとなる。

 

ゲスト雀豪予選は、上位1名のみが準決勝に進出。しかしプロ予選は各卓上位2名が準々決勝に進出するシステムとなっている。
そのため、いかに脱落しないように打つか、そういった得点状況に応じた守備力も重要になってくる。

2月15日に行われた「プロA卓」の出場者は次の4名。

・森山茂和(日本プロ麻雀連盟会長)
・小島武夫(最高顧問)
・山井弘(世界チャンピオン)
・櫻井秀樹(現・十段位)

100

 

数十年も麻雀界のトップを走るレジェンド2人に対し、今期昇り調子だった2人が挑む構図となる。

 

★東風戦(順位点5-15)
東風戦はスピード重視という印象もあるが、実は打点を高めることも重要。
なぜなら、親番が1回ずつしかこないため、1つのアガリが決定打になりやすいからである。

 

100

 

例えば東1局6巡目、南家・森山が中を重ねてテンパイ。

一万一万三万三万七索七索三筒三筒七筒七筒北白中??ツモ中??ドラ七万

1枚切れの白タンキではなく、生牌の北タンキでリーチにいった。
3.200の出アガリではなく、最低1,600・3,200あわよくば跳満のツモアガリを狙いにいったのである。

結果は7巡目に、北家・櫻井から同じ七対子の追っかけリーチ、そしてその同巡に、東家・山井が北をツモ切って山井からの出アガリ。
裏ドラ三筒が乗って満貫となり、開局早々トップを決めるアガリとなった。

東風戦成績
森山+23.9P 小島+4.1P 櫻井▲8.3P 山井▲19.7P

 

★半荘戦(順位点10-30)

東風戦ラススタートの山井が挽回を狙う。東4局6巡目の親番。

 

100

 

ドラが1枚でもあるなら三色にこだわらないで2,600オールのピンフが本線だが、ドラが無いなら456の三色狙い。
七筒を端に置いているのがその決意の表れである。

すると7巡目、待望の五筒を引き入れてのリーチ。12巡目に高目の六万をツモ。

四万五万四索五索六索七索八索九索一筒一筒四筒五筒六筒??ツモ六万??ドラ白??裏五索

裏ドラが1枚乗って6,000オール。同1本場でも2,900をアガリ5万点目前までいくが、同2本場に櫻井に満貫放銃。

六万七万七万八万九万一索一索七索八索九索七筒八筒九筒??ロン八万??ドラ四万??裏七筒

 

100

 

南1局も小島に満貫放銃で一気に原点付近まで戻されてしまう。

七索八索一筒一筒一筒五筒六筒七筒西西西発発??ロン九索??ドラ発??裏八索

 

100

 

終盤まで3者の大接戦ながら、南3局で1,600・3,200をツモった山井がなんとかトップ。

半荘戦成績
山井+34.8P 小島+10.8P 櫻井▲10.6P 森山▲35.0P

半荘戦終了時
山井+15.1P 小島+14.9P 森山▲11.1P 櫻井▲18.9P

 

100

 

★三麻戦(順位点10-20、5万点持ちスタート)
ほとんどトータルポイントに差のないまま三麻戦をむかえる。ほぼ三麻戦の順位で決着が決まると言える。
半荘戦ラスだった森山が、三麻戦序盤を走る。東1局は櫻井からヤミテン満貫。

四索赤五索赤五筒六筒七筒七筒八筒九筒東東東白白??ロン六索??ドラ白

東2局の親番で3,900オール。

 

100

 

この三麻戦は4人で行う3人麻雀、つまり必ず誰が1人は抜け番になる。
そして、基本的には通常の北家に位置する人が抜け番、要は親番が落ちたら抜け番になるのである。

親が大きく連荘し、その強い親が落ちた時が他3人の勝負所となる。
その森山が抜け番の東3局を制したのは…南家の山井である。

一索二索三索六索七索七索八索八索九索八筒八筒白白??リーチ??ツモ八筒??ドラ三索??裏三索

このツモアガリでいいムードで親番を迎えると、そこから怒涛の4連荘!
特に東4局3本場ではハイテイで12,000オール(親倍ツモ)をアガる。

 

100

 

この連荘で山井の持ち点は9万点を大きく超えほぼ勝ち上がり当確。
こうなると焦点はトータル2位争いになるが、西場に入り13,900点しかなかった小島が、西1局の親番で山井同様怒涛の連荘を見せる。
2連続親満ツモでわずかながら2着に浮上した西1局3本場。
この親番で勝負を決めるかのごとく、以下の手牌で2枚の西のポンテン(西場)を取らず。

 

100

 

この選択が功を奏す。自力でドラの二索を引き入れリーチ。
すると一発で六筒ツモ。さらに雀頭の西が裏ドラになって9,000オール(親っパネツモ)。
大きく下位を突き放すアガリを見せて勝ち上がりを決めた。

三麻戦成績
山井+61.3P 小島+10.8P 森山▲23.6P 櫻井▲49.5P

最終成績
山井+76.4P 小島+25.7P 森山▲34.7P 櫻井▲68.4P

プロ予選A卓勝ち上がり 山井弘 小島武夫

次回プロ予選B卓のメンバーは・・・

100

荒 正義
(第2回優勝)

100

前原 雄大

100

滝沢 和典
(第1回優勝)

100

二階堂 亜樹

 

以上の豪華プロ雀士たちによって争われます!
3月7日(土)18:00対局スタート!!

ぉ楽しみにねぇーーー♪♪♪

プロ雀士コラム/第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  プロ雀士予選A卓レポート ケネス徳田

日本プロ麻雀連盟チャンネルでの放送は、基本的に一発・裏ドラなしのAルールでの対局が主である。
しかしマスターズや、その他随時行われる特別対局では一発・裏ドラありのBルールで行われる。
そしてこの『麻雀トライアスロン』はさらに、Bルールベースの東風戦、Bルールよりもさらに順位点を大きくした半荘戦、そして三人麻雀と、通常の放送とは全く趣が異なる対局が見られることとなる。
 
ゲスト雀豪予選は、上位1名のみが準決勝に進出。しかしプロ予選は各卓上位2名が準々決勝に進出するシステムとなっている。
そのため、いかに脱落しないように打つか、そういった得点状況に応じた守備力も重要になってくる。
2月15日に行われた「プロA卓」の出場者は次の4名。
・森山茂和(日本プロ麻雀連盟会長)
・小島武夫(最高顧問)
・山井弘(世界チャンピオン)
・櫻井秀樹(現・十段位)

100

 
数十年も麻雀界のトップを走るレジェンド2人に対し、今期昇り調子だった2人が挑む構図となる。
 
★東風戦(順位点5-15)
東風戦はスピード重視という印象もあるが、実は打点を高めることも重要。
なぜなら、親番が1回ずつしかこないため、1つのアガリが決定打になりやすいからである。
 

100

 
例えば東1局6巡目、南家・森山が中を重ねてテンパイ。
一万一万三万三万七索七索三筒三筒七筒七筒北白中??ツモ中??ドラ七万
1枚切れの白タンキではなく、生牌の北タンキでリーチにいった。
3.200の出アガリではなく、最低1,600・3,200あわよくば跳満のツモアガリを狙いにいったのである。
結果は7巡目に、北家・櫻井から同じ七対子の追っかけリーチ、そしてその同巡に、東家・山井が北をツモ切って山井からの出アガリ。
裏ドラ三筒が乗って満貫となり、開局早々トップを決めるアガリとなった。
東風戦成績
森山+23.9P 小島+4.1P 櫻井▲8.3P 山井▲19.7P
 
★半荘戦(順位点10-30)
東風戦ラススタートの山井が挽回を狙う。東4局6巡目の親番。
 

100

 
ドラが1枚でもあるなら三色にこだわらないで2,600オールのピンフが本線だが、ドラが無いなら456の三色狙い。
七筒を端に置いているのがその決意の表れである。
すると7巡目、待望の五筒を引き入れてのリーチ。12巡目に高目の六万をツモ。
四万五万四索五索六索七索八索九索一筒一筒四筒五筒六筒??ツモ六万??ドラ白??裏五索
裏ドラが1枚乗って6,000オール。同1本場でも2,900をアガリ5万点目前までいくが、同2本場に櫻井に満貫放銃。
六万七万七万八万九万一索一索七索八索九索七筒八筒九筒??ロン八万??ドラ四万??裏七筒
 

100

 
南1局も小島に満貫放銃で一気に原点付近まで戻されてしまう。
七索八索一筒一筒一筒五筒六筒七筒西西西発発??ロン九索??ドラ発??裏八索
 

100

 
終盤まで3者の大接戦ながら、南3局で1,600・3,200をツモった山井がなんとかトップ。
半荘戦成績
山井+34.8P 小島+10.8P 櫻井▲10.6P 森山▲35.0P
半荘戦終了時
山井+15.1P 小島+14.9P 森山▲11.1P 櫻井▲18.9P
 

100

 
★三麻戦(順位点10-20、5万点持ちスタート)
ほとんどトータルポイントに差のないまま三麻戦をむかえる。ほぼ三麻戦の順位で決着が決まると言える。
半荘戦ラスだった森山が、三麻戦序盤を走る。東1局は櫻井からヤミテン満貫。
四索赤五索赤五筒六筒七筒七筒八筒九筒東東東白白??ロン六索??ドラ白
東2局の親番で3,900オール。
 

100

 
この三麻戦は4人で行う3人麻雀、つまり必ず誰が1人は抜け番になる。
そして、基本的には通常の北家に位置する人が抜け番、要は親番が落ちたら抜け番になるのである。
親が大きく連荘し、その強い親が落ちた時が他3人の勝負所となる。
その森山が抜け番の東3局を制したのは…南家の山井である。
一索二索三索六索七索七索八索八索九索八筒八筒白白??リーチ??ツモ八筒??ドラ三索??裏三索
このツモアガリでいいムードで親番を迎えると、そこから怒涛の4連荘!
特に東4局3本場ではハイテイで12,000オール(親倍ツモ)をアガる。
 

100

 
この連荘で山井の持ち点は9万点を大きく超えほぼ勝ち上がり当確。
こうなると焦点はトータル2位争いになるが、西場に入り13,900点しかなかった小島が、西1局の親番で山井同様怒涛の連荘を見せる。
2連続親満ツモでわずかながら2着に浮上した西1局3本場。
この親番で勝負を決めるかのごとく、以下の手牌で2枚の西のポンテン(西場)を取らず。
 

100

 
この選択が功を奏す。自力でドラの二索を引き入れリーチ。
すると一発で六筒ツモ。さらに雀頭の西が裏ドラになって9,000オール(親っパネツモ)。
大きく下位を突き放すアガリを見せて勝ち上がりを決めた。
三麻戦成績
山井+61.3P 小島+10.8P 森山▲23.6P 櫻井▲49.5P
最終成績
山井+76.4P 小島+25.7P 森山▲34.7P 櫻井▲68.4P
プロ予選A卓勝ち上がり 山井弘 小島武夫
次回プロ予選B卓のメンバーは・・・

100

荒 正義
(第2回優勝)

100

前原 雄大

100

滝沢 和典
(第1回優勝)

100

二階堂 亜樹

 
以上の豪華プロ雀士たちによって争われます!
3月7日(土)18:00対局スタート!!
ぉ楽しみにねぇーーー♪♪♪

何を切る?fromロン2 2015年3月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし) 東1局東家

プロ

東切り・・・31人
七筒切り・・・20人
一筒切り・・・3人
二万切り・・・1人

 

ロン2ユーザー

七筒切り・・・54.9%
東切り・・・25.4%
一筒切り・・・7.6%
二万切り・・・3.8%
三筒切り・・・3.8%
五索切り・・・2.2%
四万切り・・・1.9%
六索切り・・・0.3%

 

プロ解答(50音順)

東切り

鮎川卓
「ダブ東を重ねるより、メンゼンで仕上がる確率を高めたいです。」

安秉参
「先手リーチに一番近い牌を選ぶ。」

井出康平
「横のロスは一切作りたくない。ドラもなくダブ東の2,900では寒いので。」

魚谷侑未
「他に切る牌がないので。」

内川幸太郎
「東1局、親ということでこの手牌。リャンメン2つに順子メンツが完成しているので、自然にピンフ系の手作りとします。一発、裏有りですから、先手を取れて良形が残ったらリーチと行きたいですね。」

太田昌樹
「まとまった形なのでピンフ、ツモ次第で三色を見て。」

勝又健志
「一発、裏有りならば、横に広く構え、好形リーチを狙っていく。」

木戸僚之
東のトイツ、暗刻を期待するよりも、ピンズのターツを逃がすのが怖いので東を切ります。」

紺野真太郎
「特に色濃い手役もないので素直に。ダブ東ではあるが、ターツは足りているので。」

佐々木寿人
「ピンフの受けを目一杯広げるため。」

佐山竜介
「実戦では理牌する前に浮いている東を切っていそうだから。」

柴田弘幸
「良形ピンフを目指す。ツモが効けば、123、234も見る。」

白鳥翔
「開局、親の初手。一番ロスの少ない東を打ちます。」

滝沢和典
「素直に手広さを重視。」

ダンプ大橋
「ピンフ系の配牌なので東はいらない。」

童瞳
「123 or 789 or 純チャンを見て、手をパンパンにするため。」

中村毅
「開局なので目一杯に構える。下の三色や、ツモ次第で純チャンを見る。」

奈良圭純
「ダブ東からの切り出しは目立つのであまり切りたくはないが、この牌姿では東以外に手をかけられません。」

西川淳
「開局、親番なので、手広く目一杯に。ダブ東の重なりのみ痛いが、他のロスの方が怖い。まだ1巡目、満貫以上のアガリだって十分望める!」

浜上文吾
「ダブ東がトイツになっても2,900なので、手広くピンフ系で手を進めます。理想は三色ですが、普通のピンフにしかならなさそうです。」

藤島健二郎
「開局の親番、4メンツ1雀頭を真っ直ぐ組みにいく。」

古橋崇志
「開局の親番、まずは自然に手を進める。」

本田朋広
「裏ドラがあるので、真っ直ぐ進めたい。」

前原雄大
「これは一択でしょう!」

三戸亮祐
「234の三色を念頭に置きつつも、親なので目一杯に構える。」

宮内こずえ
「ダブ東ではありますが、変化を考え打東です。」

森山茂和
「ただストレートに打ちます。自然に!」

山井弘
「ピンフ手なので、ダブ東が重なってもそれほどうれしくはない。狙いは下の三色で、五索六索の好形を外してまで、チャンタなどは見ない。開局の親、自然に手を進めます。」

山田浩之
「東1局なので目一杯にする。234が理想形。」

 

七筒切り

會津卓哉
「無理に三色や手役を追うよりも、開局の親を大事にするために打七筒。ソーズの横を広く伸ばした方が良いと思うため。」

荒正義
東切りもある。ピンフと123の三色狙いか。」

伊藤優孝
東は切りたくないな。素直に七筒を切っておこう。」

老月貴紀
「下の三色や、ダブ東の重なりも見て。」

小車祥
五索切りも面白いが、東1局の親番なので、自然に手を進めたい。しかし東を切るとほぼ安手になってしまうので、123、234の三色を意識しながら、東もギリギリまで引っ張って打つ。」

ガース
「浮いている牌から切る。ダブ東残したいね。234三色も見ながら。」

櫻井秀樹
三筒七筒東何を切っても良いと思う。三筒でも良いが、東を重ねた時に、一筒一筒三筒の形がほしいので。」

須浦正裕
「後のツモ次第で123、234の三色になるか、東を重ねるか。アガって連荘狙い。」

菅原千瑛
東三筒七筒が打牌候補。ダブ東は重なると嬉しいが、ロスになるのが東だけ。三筒七筒の比較は6ブロックのためどちらも出ていきそうだが、二筒の受け入れを考えて打七筒。」

鈴木秀幸
「下の三色(234)が本線でのんびりと。」

鈴木雄介
「手なりで進める。ダブ東の重なりに期待。」

瀬戸熊直樹
「下の三色とダブ東を見ながら、メンピンでも良しとする。」

武田裕希
「123の三色、ダブ東などの可能性を消さない七筒切り。」

永井卓也
「開局の親なので、ダブ東の重なりを期待しつつ七筒を切ります。あわよくば下の三色になればいいと思います。」

平尾昌邦
「ダブ東はあまり使わなそうだが、重なれば二万四万を払っていく。子方の第一打を打ちやすくしたくないので、七筒のくっつきを見切る。」

松崎良文
「234三色目を残しつつ、ダブ東を温存。」

森下剛任
「234の三色とダブ東を見る。」

柚木正仁
七筒に手役が絡めば東からだが、絡まないので七筒から。」

四柳弘樹
「123か234の三色を見て打七筒東が重なった場合はチャンタかダブ東が活かせるようにしたい。」

 

一筒切り

河井保国
「開局から東を切りたくないので、123の三色を見ながら手を進める。」

羽山真生
「何を切ってもロスの出る形。一発、裏有りなら東切りでも良さそうではあるが、雀頭は後から作るつもりで、打一筒。」

福光聖雄
「123、234の三色になればいいな、程度で進めます。結果、単なるピンフのみになりそうですが、それで良しとします。」

 

二万切り

井出一寛
「裏目は三万引きのみ。ダブ東が裏目になるよりはまだまし。打七筒はツモ六筒八筒九筒が裏目となり、ロスが多い。」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2015年3月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし) 東1局東家
プロ

東切り・・・31人
七筒切り・・・20人
一筒切り・・・3人
二万切り・・・1人
 
ロン2ユーザー

七筒切り・・・54.9%
東切り・・・25.4%
一筒切り・・・7.6%
二万切り・・・3.8%
三筒切り・・・3.8%
五索切り・・・2.2%
四万切り・・・1.9%
六索切り・・・0.3%
 
プロ解答(50音順)
東切り
鮎川卓
「ダブ東を重ねるより、メンゼンで仕上がる確率を高めたいです。」
安秉参
「先手リーチに一番近い牌を選ぶ。」
井出康平
「横のロスは一切作りたくない。ドラもなくダブ東の2,900では寒いので。」
魚谷侑未
「他に切る牌がないので。」
内川幸太郎
「東1局、親ということでこの手牌。リャンメン2つに順子メンツが完成しているので、自然にピンフ系の手作りとします。一発、裏有りですから、先手を取れて良形が残ったらリーチと行きたいですね。」
太田昌樹
「まとまった形なのでピンフ、ツモ次第で三色を見て。」
勝又健志
「一発、裏有りならば、横に広く構え、好形リーチを狙っていく。」
木戸僚之
東のトイツ、暗刻を期待するよりも、ピンズのターツを逃がすのが怖いので東を切ります。」
紺野真太郎
「特に色濃い手役もないので素直に。ダブ東ではあるが、ターツは足りているので。」
佐々木寿人
「ピンフの受けを目一杯広げるため。」
佐山竜介
「実戦では理牌する前に浮いている東を切っていそうだから。」
柴田弘幸
「良形ピンフを目指す。ツモが効けば、123、234も見る。」
白鳥翔
「開局、親の初手。一番ロスの少ない東を打ちます。」
滝沢和典
「素直に手広さを重視。」
ダンプ大橋
「ピンフ系の配牌なので東はいらない。」
童瞳
「123 or 789 or 純チャンを見て、手をパンパンにするため。」
中村毅
「開局なので目一杯に構える。下の三色や、ツモ次第で純チャンを見る。」
奈良圭純
「ダブ東からの切り出しは目立つのであまり切りたくはないが、この牌姿では東以外に手をかけられません。」
西川淳
「開局、親番なので、手広く目一杯に。ダブ東の重なりのみ痛いが、他のロスの方が怖い。まだ1巡目、満貫以上のアガリだって十分望める!」
浜上文吾
「ダブ東がトイツになっても2,900なので、手広くピンフ系で手を進めます。理想は三色ですが、普通のピンフにしかならなさそうです。」
藤島健二郎
「開局の親番、4メンツ1雀頭を真っ直ぐ組みにいく。」
古橋崇志
「開局の親番、まずは自然に手を進める。」
本田朋広
「裏ドラがあるので、真っ直ぐ進めたい。」
前原雄大
「これは一択でしょう!」
三戸亮祐
「234の三色を念頭に置きつつも、親なので目一杯に構える。」
宮内こずえ
「ダブ東ではありますが、変化を考え打東です。」
森山茂和
「ただストレートに打ちます。自然に!」
山井弘
「ピンフ手なので、ダブ東が重なってもそれほどうれしくはない。狙いは下の三色で、五索六索の好形を外してまで、チャンタなどは見ない。開局の親、自然に手を進めます。」
山田浩之
「東1局なので目一杯にする。234が理想形。」
 
七筒切り
會津卓哉
「無理に三色や手役を追うよりも、開局の親を大事にするために打七筒。ソーズの横を広く伸ばした方が良いと思うため。」
荒正義
東切りもある。ピンフと123の三色狙いか。」
伊藤優孝
東は切りたくないな。素直に七筒を切っておこう。」
老月貴紀
「下の三色や、ダブ東の重なりも見て。」
小車祥
五索切りも面白いが、東1局の親番なので、自然に手を進めたい。しかし東を切るとほぼ安手になってしまうので、123、234の三色を意識しながら、東もギリギリまで引っ張って打つ。」
ガース
「浮いている牌から切る。ダブ東残したいね。234三色も見ながら。」
櫻井秀樹
三筒七筒東何を切っても良いと思う。三筒でも良いが、東を重ねた時に、一筒一筒三筒の形がほしいので。」
須浦正裕
「後のツモ次第で123、234の三色になるか、東を重ねるか。アガって連荘狙い。」
菅原千瑛
東三筒七筒が打牌候補。ダブ東は重なると嬉しいが、ロスになるのが東だけ。三筒七筒の比較は6ブロックのためどちらも出ていきそうだが、二筒の受け入れを考えて打七筒。」
鈴木秀幸
「下の三色(234)が本線でのんびりと。」
鈴木雄介
「手なりで進める。ダブ東の重なりに期待。」
瀬戸熊直樹
「下の三色とダブ東を見ながら、メンピンでも良しとする。」
武田裕希
「123の三色、ダブ東などの可能性を消さない七筒切り。」
永井卓也
「開局の親なので、ダブ東の重なりを期待しつつ七筒を切ります。あわよくば下の三色になればいいと思います。」
平尾昌邦
「ダブ東はあまり使わなそうだが、重なれば二万四万を払っていく。子方の第一打を打ちやすくしたくないので、七筒のくっつきを見切る。」
松崎良文
「234三色目を残しつつ、ダブ東を温存。」
森下剛任
「234の三色とダブ東を見る。」
柚木正仁
七筒に手役が絡めば東からだが、絡まないので七筒から。」
四柳弘樹
「123か234の三色を見て打七筒東が重なった場合はチャンタかダブ東が活かせるようにしたい。」
 
一筒切り
河井保国
「開局から東を切りたくないので、123の三色を見ながら手を進める。」
羽山真生
「何を切ってもロスの出る形。一発、裏有りなら東切りでも良さそうではあるが、雀頭は後から作るつもりで、打一筒。」
福光聖雄
「123、234の三色になればいいな、程度で進めます。結果、単なるピンフのみになりそうですが、それで良しとします。」
 
二万切り
井出一寛
「裏目は三万引きのみ。ダブ東が裏目になるよりはまだまし。打七筒はツモ六筒八筒九筒が裏目となり、ロスが多い。」

第25期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグレポート:牛尾信之

Aリーグのレポートを書くことになりました、27期生の牛尾です。
これから半年間のお付き合いを、よろしくお願いします。

さて、私は前期Bリーグを2位で通過し、今期から初めてAリーグで戦えることとなりました。
嬉しさ半分、不安半分の面持ちで対局に挑んだ訳でありますが、せっかくAリーグに来られたのだからまずは決勝戦に残ろうという気持ちで対局に入りました。

私の卓は、三戸・日下・櫛田・私の組み合わせ。
三戸と日下は、過去に何度も中部プロAリーグ優勝をされていて、更に日下は前期優勝者でもあります。
櫛田は私と同期なのですが、既にAリーグを何度も経験しており、以前Bリーグで戦った時はかなり手ひどい目に会わされた強敵です。

いきなり大変な組み合わせになったものだと思いながらも、しかしここで大負けするようでは所詮決勝戦に行くことなんて無理なのだから、むしろこれが決勝戦だという気持ちで挑みました。

1、2半荘目は、日下と櫛田が1回ずつトップを取ったものの、トップを取れなかった半荘でそれぞれマイナスをしており、双方浮きの2着だった私がなんとこの時点で卓内トップ。
このまま行ければ最良のスタートが切れるのではないかと思ったのだが、3半荘目でマイナスの3着を取ってしまい失速。
櫛田が2勝目をあげて卓内トップに躍り出ます。

この日の櫛田は早い手が次々と決まり、また無駄な放銃も無く終始安定していました。
逆に三戸は、勝負手が決まらずテンパイ打牌がよく掴まる展開で、最後まで苦しそうにしていました。

そして最終戦、またもや櫛田の4,000オールから始まり苦しい展開だと思っていた矢先、迎えた私の親でなんとか流局テンパイを入れた1本場、日下が中張牌のバラ切りで何やら不穏な捨て牌。
そこに櫛田が本日何度目かの早いリーチ。そしてリーチ後の櫛田がツモ切ったドラの二万を三戸がポンをして参戦!と思ったら、ドラをポンして打ち出した一万に対して日下からロンの声。
なんと一1枚もヤオチュウ牌が余らずの国士無双でした。

この国士無双で日下も大きくポイントを伸ばし、トータルでは日下と櫛田の一騎打ち。
私はなんとか浮きのままで終わろうとしましたが、上位陣の猛攻と三戸の粘りに、あっけなくマイナスに転落してしまいました。
特に後半は集中力が切れており、失敗した局面も多かったなと反省をしました。

ひどかったのが、南場で下家の親の三戸がソーズの一色模様の捨て牌をしていた時の事。
もう中盤に差し掛かっていたが、親にはまだ仕掛けも入っておらず今のうちにと思いソーズを切ってしまったのだが、これは完全に誤った打牌だと思います。
結果、親にペンチャンを鳴かれてしまい、数巡後に

四索五索六索八索九索南南白白白  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ツモ七索

この形で4,000オールをアガられてしまいました。
その後、なんとか気持ちを立て直しましたがウマく事は運ばす、またもやマイナスの3着で4戦目を終えることとなってしまいました。

最終的に、トータルでは日下が+40.2P、櫛田が+38.7Pと両者共に大きくプラスし、三戸は▲72.9と国士無双の放銃も響き大きなマイナスとなってしまいました。
そして私は▲6.0Pと、可も無く不可は・・・まあ多少なりともあったにしてもなんとか大きく失点せずに済みました。
まだまだ1節目が終わったばかりであり立て直しは効くとは思いますので、次節以降は、まずは最後まで集中力を切らさないで戦って行きたいと思います。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 日下 健司 40.2 40.2
2 櫛田 利太 38.7 38.7
3 伊藤 鉄也 22.3 22.3
4 寺戸 孝志 20.2 20.2
5 杉浦 貴紀 17.9 17.9
6 杉村 泰治 15.1 15.1
7 土岐 雄太 4.6 4.6
8 佐藤 あいり 1.4 1.4
9 山神 達也 ▲ 3.8 ▲ 3.8
10 太田 充 ▲ 4.0 ▲ 4.0
11 牛尾 信之 ▲ 6.0 ▲ 6.0
12 森下 剛任 ▲ 7.6 ▲ 7.6
13 掛水 洋徳 ▲ 11.7 ▲ 11.7
14 村瀬 寛光 ▲ 21.0 ▲ 21.0
15 樋口 新 ▲ 33.4 ▲ 33.4
16 三戸 亮祐 ▲ 72.9 ▲ 72.9

 

Bリーグ:小野雅峻

29期の小野雅峻です。今期、Bリーグのレポートを書かせて頂くことになりました。
拙い文章になることと思いますが、皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

前期激しい昇級争いを勝ち抜き2位通過でBリーグに上がってきた私ですが、ここで少し最終節を振り返ってみたいと思う。
個人的にはかなり悔いの残る最終節となってしまった。
とても手ごたえのある納得のいく内容で4半荘のうち3半荘を消化しむかえた最終半荘、小場での始まりからの東3局での会心の3,000・6,000ツモ、「これは勝った。」確かにそう思ったのを今でも覚えている。

しかし、結果はオーラスで大町に粘られ逆転を許してしまった。
東3局以降もはっきりとした手順ミスがあったとは思っていない。
オーラスまで集中できていたはずなのだが、やはり自分でもわからないところで集中力が切れてしまっていたのだろう。

周りからは「あまり気にすることはないよ。」「昇級できたからよかったじゃないか。」と声をかけていただいたのだが、勝ち負けを争い、結果を残さなければいけない勝負の世界で闘っている以上、ここは勝たなければいけない、という局面で結果をだすことのできる勝負強さというのは持っていなければいけないと思う。そ

ういう意味では、前期最終半荘はまさに勝ちきらなければいけない局面であったはずである。
まだまだ実力不足だなと実感するとともに、いい勉強になった最終節であったためこれからさらなる精進をしていきたいと思う。

さて、Bリーグ第1節の結果だが、原田が+74.3Pと頭ひとつ抜け出しその後に+40P前後が5人並ぶというスタートとなった。
比較的上位組と下位組で差が開いてしまった印象となった。

もちろんまだ第1節が終わったばかりである。
これからどんな展開をむかえる事になるのか、最終節で是非昇級争いに絡めるよう1節1節集中して対局に臨みたいと思う。
これから半年間ではありますが、お付き合いよろしくお願いいたします。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 原田 知彦 74.3 74.3
2 大滝 聡 45.3 45.3
3 安藤 大貴 42.8 42.8
4 河合 慎悟 38.7 38.7
5 菅野 直 38.6 38.6
6 小野 雅峻 38.5 38.5
7 越川 清一 23.2 23.2
8 山本 拓哉 7.7 7.7
9 朝岡 祐 5.6 5.6
10 葛山 英樹 2.7 2.7
11 大町 篤志 ▲ 34.5 ▲ 34.5
12 長谷川 弘 ▲ 42.6 ▲ 42.6
13 木村 東平 ▲ 42.8 ▲ 42.8
14 中谷 彰吾 ▲ 47.0 ▲ 47.0
15 古川 孝次 ▲ 54.7 ▲ 54.7
16 中西 栄二 ▲ 95.8 ▲ 95.8

 

Cリーグ:浅野文雅

今期Cリーグのレポートを担当させて頂きます、浅野文雅と申します。
初めてのレポートで拙い文章ですが、半年間お付き合いいただければ幸いです。

今期Cリーグは復帰した金平・三谷、移籍した山本(美)、新人の堤・島崎の5名を加え、
計22名で行わることになった。

誰もが昇級を目指すリーグ戦において第1節は重要である。
結果から見ると太田(峻)が+92.5、山本(美)が;81.9と頭一つ抜け出すことになった。
私はその1人、太田(峻)と同卓であった。

私は最近の成績不信から守備型から攻撃型への転向を計り、放銃回避よりアガリ重視の気持ちで第1節を臨んだ。

そして1回戦目。
太田(峻)が本手を着実にアガりトップスタート。
逆に私は、攻めっ気が空回りしラススタートとなった。

2回戦目抜け番で、気持ちを落ち着かせ挑んだ3回戦目であったが、今節での敗着と思われる1局が生まれる。

3回戦オーラス親番35,500点持ち8巡目、初戦ラススタートの焦りからか十分伸ばせる形を愚形リーチ。
その後、太田(峻)に追いつかれリーチされる。
結果、アガリ逃しとなる牌で7,700の放銃となる。

これが致命傷となり5回戦目少し盛り返すも▲24.7Pのスタートとなった。

全体に目をやると1位から22位まで180P以上とはやくも縦長の展開。
だが、まだ第1節が終わったばかりで誰もが昇級・降級の可能性があり、第2節以降も目が離せない対局となるであろう。
来月の戦いも楽しみである。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 太田 峻也 92.5 92.5
2 山本 美文 81.9 81.9
3 池沢 麻奈美 48.0 48.0
4 斎藤 寛生 42.1 42.1
5 加藤 泰史 37.0 37.0
6 鈴木 淳 30.1 30.1
7 三谷 卓也 28.8 28.8
8 鈴木 雄介 28.2 28.2
9 清水 哲也 ▲ 1.0 ▲ 1.0
10 堤 文吾 ▲ 3.9 ▲ 3.9
11 角谷 和幸 ▲ 12.1 ▲ 12.1
12 金平 裕樹 ▲ 14.7 ▲ 14.7
13 岡本 丈司 ▲ 16.0 ▲ 16.0
14 若松 正和 ▲ 24.0 ▲ 24.0
15 大高坂 松城 ▲ 24.1 ▲ 24.1
16 浅野 文雅 ▲ 24.7 ▲ 24.7
17 島崎 涼 ▲ 29.0 ▲ 29.0
18 大西 義則 ▲ 33.8 ▲ 33.8
19 鈴木 基芳 ▲ 34.9 ▲ 34.9
20 上田 利華 ▲ 34.9 ▲ 34.9
21 家田 みゆき ▲ 45.3 ▲ 45.3
22 都築 友和 ▲ 90.2 ▲ 90.2

中部プロリーグ レポート/第25期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグレポート:牛尾信之
Aリーグのレポートを書くことになりました、27期生の牛尾です。
これから半年間のお付き合いを、よろしくお願いします。
さて、私は前期Bリーグを2位で通過し、今期から初めてAリーグで戦えることとなりました。
嬉しさ半分、不安半分の面持ちで対局に挑んだ訳でありますが、せっかくAリーグに来られたのだからまずは決勝戦に残ろうという気持ちで対局に入りました。
私の卓は、三戸・日下・櫛田・私の組み合わせ。
三戸と日下は、過去に何度も中部プロAリーグ優勝をされていて、更に日下は前期優勝者でもあります。
櫛田は私と同期なのですが、既にAリーグを何度も経験しており、以前Bリーグで戦った時はかなり手ひどい目に会わされた強敵です。
いきなり大変な組み合わせになったものだと思いながらも、しかしここで大負けするようでは所詮決勝戦に行くことなんて無理なのだから、むしろこれが決勝戦だという気持ちで挑みました。
1、2半荘目は、日下と櫛田が1回ずつトップを取ったものの、トップを取れなかった半荘でそれぞれマイナスをしており、双方浮きの2着だった私がなんとこの時点で卓内トップ。
このまま行ければ最良のスタートが切れるのではないかと思ったのだが、3半荘目でマイナスの3着を取ってしまい失速。
櫛田が2勝目をあげて卓内トップに躍り出ます。
この日の櫛田は早い手が次々と決まり、また無駄な放銃も無く終始安定していました。
逆に三戸は、勝負手が決まらずテンパイ打牌がよく掴まる展開で、最後まで苦しそうにしていました。
そして最終戦、またもや櫛田の4,000オールから始まり苦しい展開だと思っていた矢先、迎えた私の親でなんとか流局テンパイを入れた1本場、日下が中張牌のバラ切りで何やら不穏な捨て牌。
そこに櫛田が本日何度目かの早いリーチ。そしてリーチ後の櫛田がツモ切ったドラの二万を三戸がポンをして参戦!と思ったら、ドラをポンして打ち出した一万に対して日下からロンの声。
なんと一1枚もヤオチュウ牌が余らずの国士無双でした。
この国士無双で日下も大きくポイントを伸ばし、トータルでは日下と櫛田の一騎打ち。
私はなんとか浮きのままで終わろうとしましたが、上位陣の猛攻と三戸の粘りに、あっけなくマイナスに転落してしまいました。
特に後半は集中力が切れており、失敗した局面も多かったなと反省をしました。
ひどかったのが、南場で下家の親の三戸がソーズの一色模様の捨て牌をしていた時の事。
もう中盤に差し掛かっていたが、親にはまだ仕掛けも入っておらず今のうちにと思いソーズを切ってしまったのだが、これは完全に誤った打牌だと思います。
結果、親にペンチャンを鳴かれてしまい、数巡後に
四索五索六索八索九索南南白白白  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ツモ七索
この形で4,000オールをアガられてしまいました。
その後、なんとか気持ちを立て直しましたがウマく事は運ばす、またもやマイナスの3着で4戦目を終えることとなってしまいました。
最終的に、トータルでは日下が+40.2P、櫛田が+38.7Pと両者共に大きくプラスし、三戸は▲72.9と国士無双の放銃も響き大きなマイナスとなってしまいました。
そして私は▲6.0Pと、可も無く不可は・・・まあ多少なりともあったにしてもなんとか大きく失点せずに済みました。
まだまだ1節目が終わったばかりであり立て直しは効くとは思いますので、次節以降は、まずは最後まで集中力を切らさないで戦って行きたいと思います。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 日下 健司 40.2 40.2
2 櫛田 利太 38.7 38.7
3 伊藤 鉄也 22.3 22.3
4 寺戸 孝志 20.2 20.2
5 杉浦 貴紀 17.9 17.9
6 杉村 泰治 15.1 15.1
7 土岐 雄太 4.6 4.6
8 佐藤 あいり 1.4 1.4
9 山神 達也 ▲ 3.8 ▲ 3.8
10 太田 充 ▲ 4.0 ▲ 4.0
11 牛尾 信之 ▲ 6.0 ▲ 6.0
12 森下 剛任 ▲ 7.6 ▲ 7.6
13 掛水 洋徳 ▲ 11.7 ▲ 11.7
14 村瀬 寛光 ▲ 21.0 ▲ 21.0
15 樋口 新 ▲ 33.4 ▲ 33.4
16 三戸 亮祐 ▲ 72.9 ▲ 72.9

 
Bリーグ:小野雅峻
29期の小野雅峻です。今期、Bリーグのレポートを書かせて頂くことになりました。
拙い文章になることと思いますが、皆さんに楽しんでいただければ幸いです。
前期激しい昇級争いを勝ち抜き2位通過でBリーグに上がってきた私ですが、ここで少し最終節を振り返ってみたいと思う。
個人的にはかなり悔いの残る最終節となってしまった。
とても手ごたえのある納得のいく内容で4半荘のうち3半荘を消化しむかえた最終半荘、小場での始まりからの東3局での会心の3,000・6,000ツモ、「これは勝った。」確かにそう思ったのを今でも覚えている。
しかし、結果はオーラスで大町に粘られ逆転を許してしまった。
東3局以降もはっきりとした手順ミスがあったとは思っていない。
オーラスまで集中できていたはずなのだが、やはり自分でもわからないところで集中力が切れてしまっていたのだろう。
周りからは「あまり気にすることはないよ。」「昇級できたからよかったじゃないか。」と声をかけていただいたのだが、勝ち負けを争い、結果を残さなければいけない勝負の世界で闘っている以上、ここは勝たなければいけない、という局面で結果をだすことのできる勝負強さというのは持っていなければいけないと思う。そ
ういう意味では、前期最終半荘はまさに勝ちきらなければいけない局面であったはずである。
まだまだ実力不足だなと実感するとともに、いい勉強になった最終節であったためこれからさらなる精進をしていきたいと思う。
さて、Bリーグ第1節の結果だが、原田が+74.3Pと頭ひとつ抜け出しその後に+40P前後が5人並ぶというスタートとなった。
比較的上位組と下位組で差が開いてしまった印象となった。
もちろんまだ第1節が終わったばかりである。
これからどんな展開をむかえる事になるのか、最終節で是非昇級争いに絡めるよう1節1節集中して対局に臨みたいと思う。
これから半年間ではありますが、お付き合いよろしくお願いいたします。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 原田 知彦 74.3 74.3
2 大滝 聡 45.3 45.3
3 安藤 大貴 42.8 42.8
4 河合 慎悟 38.7 38.7
5 菅野 直 38.6 38.6
6 小野 雅峻 38.5 38.5
7 越川 清一 23.2 23.2
8 山本 拓哉 7.7 7.7
9 朝岡 祐 5.6 5.6
10 葛山 英樹 2.7 2.7
11 大町 篤志 ▲ 34.5 ▲ 34.5
12 長谷川 弘 ▲ 42.6 ▲ 42.6
13 木村 東平 ▲ 42.8 ▲ 42.8
14 中谷 彰吾 ▲ 47.0 ▲ 47.0
15 古川 孝次 ▲ 54.7 ▲ 54.7
16 中西 栄二 ▲ 95.8 ▲ 95.8

 
Cリーグ:浅野文雅
今期Cリーグのレポートを担当させて頂きます、浅野文雅と申します。
初めてのレポートで拙い文章ですが、半年間お付き合いいただければ幸いです。
今期Cリーグは復帰した金平・三谷、移籍した山本(美)、新人の堤・島崎の5名を加え、
計22名で行わることになった。
誰もが昇級を目指すリーグ戦において第1節は重要である。
結果から見ると太田(峻)が+92.5、山本(美)が;81.9と頭一つ抜け出すことになった。
私はその1人、太田(峻)と同卓であった。
私は最近の成績不信から守備型から攻撃型への転向を計り、放銃回避よりアガリ重視の気持ちで第1節を臨んだ。
そして1回戦目。
太田(峻)が本手を着実にアガりトップスタート。
逆に私は、攻めっ気が空回りしラススタートとなった。
2回戦目抜け番で、気持ちを落ち着かせ挑んだ3回戦目であったが、今節での敗着と思われる1局が生まれる。
3回戦オーラス親番35,500点持ち8巡目、初戦ラススタートの焦りからか十分伸ばせる形を愚形リーチ。
その後、太田(峻)に追いつかれリーチされる。
結果、アガリ逃しとなる牌で7,700の放銃となる。
これが致命傷となり5回戦目少し盛り返すも▲24.7Pのスタートとなった。
全体に目をやると1位から22位まで180P以上とはやくも縦長の展開。
だが、まだ第1節が終わったばかりで誰もが昇級・降級の可能性があり、第2節以降も目が離せない対局となるであろう。
来月の戦いも楽しみである。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 太田 峻也 92.5 92.5
2 山本 美文 81.9 81.9
3 池沢 麻奈美 48.0 48.0
4 斎藤 寛生 42.1 42.1
5 加藤 泰史 37.0 37.0
6 鈴木 淳 30.1 30.1
7 三谷 卓也 28.8 28.8
8 鈴木 雄介 28.2 28.2
9 清水 哲也 ▲ 1.0 ▲ 1.0
10 堤 文吾 ▲ 3.9 ▲ 3.9
11 角谷 和幸 ▲ 12.1 ▲ 12.1
12 金平 裕樹 ▲ 14.7 ▲ 14.7
13 岡本 丈司 ▲ 16.0 ▲ 16.0
14 若松 正和 ▲ 24.0 ▲ 24.0
15 大高坂 松城 ▲ 24.1 ▲ 24.1
16 浅野 文雅 ▲ 24.7 ▲ 24.7
17 島崎 涼 ▲ 29.0 ▲ 29.0
18 大西 義則 ▲ 33.8 ▲ 33.8
19 鈴木 基芳 ▲ 34.9 ▲ 34.9
20 上田 利華 ▲ 34.9 ▲ 34.9
21 家田 みゆき ▲ 45.3 ▲ 45.3
22 都築 友和 ▲ 90.2 ▲ 90.2

第34期関西リーグ(プロアマリーグ) 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 勝間 伸生 プロ 75.8 ▲ 17.3 122.3 69.2 17.8 267.8
2 段谷 昭夫 一般 ▲ 2.3 81.5 79.8 0.3 62.1 221.4
3 辰巳 晴基 プロ ▲ 17.4 84.9 39.5 47.8 53.9 191.5
4 原田 保正 プロ 105.7 ▲ 39.0 ▲ 4.4 75.3 56.9 185.0
5 岡崎 興二 一般 58.8 32.2 0.0 41.7 4.6 137.2
6 花嶋 浩司 一般 13.6 96.2 22.8 0.0 ▲ 0.5 132.2
7 髙橋 悟志 テスト 152.6 ▲ 28.5 26.9 ▲ 22.9 ▲ 38.9 115.9
8 松岡 寿美絵 一般 36.6 33.3 41.7 16.1 30.1 111.9
9 柴田 秀昭 一般 50.8 11.2 34.1 24.7 22.2 102.8
10 押谷 勇輝 一般 51.1 14.1 15.0 17.9 78.9 100.2
11 吉田 雄二 一般 11.7 ▲ 8.0 26.3 67.4 1.7 99.1
12 見野 マリ子 一般 95.6 ▲ 79.4 97.5 ▲ 31.9 ▲ 40.1 87.6
13 清水 隆市 一般 ▲ 29.5 63.9 0.0 46.2 ▲ 34.5 86.3
14 水島 勉 一般 11.3 ▲ 68.7 120.8 14.7 22.3 85.9
15 大久保 朋美 プロ 4.4 ▲ 62.4 87.6 46.9 41.7 80.5
16 平川 輝明 一般 39.6 19.2 16.4 0.0 43.3 79.1
17 横山 毅 プロ 0.0 44.3 ▲ 0.6 30.2 0.0 78.1
18 三谷 諒 テスト 43.5 7.9 ▲ 12.9 32.1 0.0 75.2
19 小西 隆之 一般 11.1 ▲ 38.4 61.1 32.7 0.0 73.9
20 原田 安博 一般 64.5 0.0 0.0 ▲ 0.9 4.6 71.1
21 筒井 宏晶 プロ 64.7 12.9 5.1 ▲ 28.0 ▲ 28.6 69.5
22 貫上 洋志 プロ ▲ 50.5 96.9 ▲ 9.3 14.7 7.5 62.2
23 高谷 圭一 プロ 0.0 51.0 ▲ 6.5 ▲ 1.4 ▲ 19.5 57.0
24 稲森 英子 プロ ▲ 38.7 96.1 ▲ 59.6 44.5 ▲ 11.2 31.9
25 大川 照子 一般 ▲ 21.2 66.1 0.0 ▲ 6.1 ▲ 23.0 28.8
26 稲岡 ミカ プロ 40.4 ▲ 24.3 ▲ 1.5 21.2 ▲ 43.7 26.9
27 佐藤 智一 一般 ▲ 23.8 ▲ 22.8 0.0 74.1 ▲ 16.3 26.0
28 筒井 玲奈 一般 23.3 0.0 0.0 0.0 0.0 23.3
29 上村 宜久 プロ ▲ 35.7 35.8 3.1 18.1 17.5 18.0
30 後藤 俊孝 プロ 11.4 0.0 ▲ 8.8 14.4 0.0 17.0
31 山地 義昌 一般 ▲ 26.1 66.3 24.0 ▲ 52.7 0.0 11.5
32 駒井 康夫 一般 0.0 69.6 ▲ 9.6 ▲ 53.0 27.8 9.7
33 江口 昭子 一般 0.0 0.0 0.0 5.2 0.0 7.0
34 早瀬 遼平 一般 ▲ 36.4 33.1 ▲ 59.1 62.9 0.0 5.2
35 岡田 俊介 テスト ▲ 13.6 ▲ 38.4 51.1 ▲ 4.1 0.0 ▲ 5.0
36 吉田 拓也 テスト 90.0 29.0 ▲ 16.3 ▲ 111.8 40.0 ▲ 8.4
37 五月女 義彦 一般 ▲ 49.9 49.1 ▲ 9.1 0.0 37.6 ▲ 9.6
38 金田 裕文 一般 ▲ 14.5 0.0 0.0 0.0 0.0 ▲ 14.5
39 小川 稔貴 テスト 11.2 0.0 ▲ 0.1 ▲ 29.2 4.6 ▲ 21.1
40 光山 潤 一般 82.5 ▲ 37.8 ▲ 46.2 ▲ 19.9 0.0 ▲ 22.7
41 鐘ヶ江 史郎 一般 0.0 0.0 ▲ 83.2 60.5 ▲ 56.4 ▲ 28.9
42 山口 昇子 一般 ▲ 5.0 ▲ 47.6 26.9 0.0 54.9 ▲ 31.4
43 只野 真理子 プロ ▲ 5.7 3.7 ▲ 50.7 5.5 15.1 ▲ 43.6
44 前川 憲一 プロ 12.5 ▲ 95.8 44.1 ▲ 9.1 10.5 ▲ 50.2
45 高橋 正人 プロ ▲ 14.7 15.8 ▲ 9.9 ▲ 39.6 10.9 ▲ 55.1
46 元木 涼 一般 ▲ 62.9 0.0 0.0 11.1 0.0 ▲ 56.6
47 川上 直也 プロ ▲ 70.2 100.5 0.0 ▲ 86.7 ▲ 9.2 ▲ 61.0
48 重枝 登志雄 一般 0.0 0.0 ▲ 56.6 0.0 ▲ 54.4 ▲ 63.5
49 山下 加代子 一般 ▲ 13.7 9.0 ▲ 95.8 41.8 0.0 ▲ 70.4
50 南田 明宏 テスト 8.7 2.2 11.9 ▲ 83.5 ▲ 49.3 ▲ 70.7
51 佐藤 昌子 一般 ▲ 68.0 ▲ 69.1 63.6 8.2 ▲ 46.0 ▲ 75.9
52 倉本 恭子 一般 ▲ 63.2 26.6 ▲ 25.6 ▲ 3.8 ▲ 17.9 ▲ 83.2
53 堀 昭義 プロ 0.0 ▲ 55.3 0.0 ▲ 15.1 ▲ 42.0 ▲ 90.3
54 倉本 信平 一般 15.1 0.2 31.4 ▲ 131.6 ▲ 35.5 ▲ 91.9
55 吉本 卓矢 プロ ▲ 63.8 ▲ 11.3 ▲ 54.6 43.4 12.2 ▲ 97.2
56 岸辺 恵里 一般 ▲ 27.4 ▲ 68.9 30.6 ▲ 43.7 ▲ 22.0 ▲ 106.9
57 松永 侑己 プロ ▲ 59.1 52.1 ▲ 85.5 ▲ 29.1 ▲ 4.5 ▲ 134.3
58 大川 定子 一般 ▲ 12.5 ▲ 32.0 0.2 ▲ 85.5 ▲ 18.8 ▲ 140.4
59 大川 道子 一般 ▲ 91.8 ▲ 71.1 ▲ 52.7 67.4 50.6 ▲ 152.8
60 池田 源右衛門 一般 ▲ 4.1 ▲ 71.7 ▲ 79.1 0.0 0.0 ▲ 154.9
61 坂本 誠裕 プロ ▲ 37.9 ▲ 25.3 ▲ 64.2 ▲ 40.5 39.4 ▲ 176.2
62 小田 雅之 一般 ▲ 40.8 ▲ 79.7 19.2 ▲ 102.1 ▲ 46.3 ▲ 194.5
63 延原 明美 プロ ▲ 78.1 ▲ 79.1 ▲ 81.4 26.7 ▲ 38.3 ▲ 206.2
64 掛樋 忠雄 プロ 4.0 ▲ 125.6 ▲ 44.2 ▲ 49.8 ▲ 48.3 ▲ 260.2
65 濱口 美枝子 一般 ▲ 142.0 ▲ 26.2 ▲ 100.5 ▲ 55.9 ▲ 53.5 ▲ 378.1

関西プロリーグ 成績表/第34期関西リーグ(プロアマリーグ) 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 勝間 伸生 プロ 75.8 ▲ 17.3 122.3 69.2 17.8 267.8
2 段谷 昭夫 一般 ▲ 2.3 81.5 79.8 0.3 62.1 221.4
3 辰巳 晴基 プロ ▲ 17.4 84.9 39.5 47.8 53.9 191.5
4 原田 保正 プロ 105.7 ▲ 39.0 ▲ 4.4 75.3 56.9 185.0
5 岡崎 興二 一般 58.8 32.2 0.0 41.7 4.6 137.2
6 花嶋 浩司 一般 13.6 96.2 22.8 0.0 ▲ 0.5 132.2
7 髙橋 悟志 テスト 152.6 ▲ 28.5 26.9 ▲ 22.9 ▲ 38.9 115.9
8 松岡 寿美絵 一般 36.6 33.3 41.7 16.1 30.1 111.9
9 柴田 秀昭 一般 50.8 11.2 34.1 24.7 22.2 102.8
10 押谷 勇輝 一般 51.1 14.1 15.0 17.9 78.9 100.2
11 吉田 雄二 一般 11.7 ▲ 8.0 26.3 67.4 1.7 99.1
12 見野 マリ子 一般 95.6 ▲ 79.4 97.5 ▲ 31.9 ▲ 40.1 87.6
13 清水 隆市 一般 ▲ 29.5 63.9 0.0 46.2 ▲ 34.5 86.3
14 水島 勉 一般 11.3 ▲ 68.7 120.8 14.7 22.3 85.9
15 大久保 朋美 プロ 4.4 ▲ 62.4 87.6 46.9 41.7 80.5
16 平川 輝明 一般 39.6 19.2 16.4 0.0 43.3 79.1
17 横山 毅 プロ 0.0 44.3 ▲ 0.6 30.2 0.0 78.1
18 三谷 諒 テスト 43.5 7.9 ▲ 12.9 32.1 0.0 75.2
19 小西 隆之 一般 11.1 ▲ 38.4 61.1 32.7 0.0 73.9
20 原田 安博 一般 64.5 0.0 0.0 ▲ 0.9 4.6 71.1
21 筒井 宏晶 プロ 64.7 12.9 5.1 ▲ 28.0 ▲ 28.6 69.5
22 貫上 洋志 プロ ▲ 50.5 96.9 ▲ 9.3 14.7 7.5 62.2
23 高谷 圭一 プロ 0.0 51.0 ▲ 6.5 ▲ 1.4 ▲ 19.5 57.0
24 稲森 英子 プロ ▲ 38.7 96.1 ▲ 59.6 44.5 ▲ 11.2 31.9
25 大川 照子 一般 ▲ 21.2 66.1 0.0 ▲ 6.1 ▲ 23.0 28.8
26 稲岡 ミカ プロ 40.4 ▲ 24.3 ▲ 1.5 21.2 ▲ 43.7 26.9
27 佐藤 智一 一般 ▲ 23.8 ▲ 22.8 0.0 74.1 ▲ 16.3 26.0
28 筒井 玲奈 一般 23.3 0.0 0.0 0.0 0.0 23.3
29 上村 宜久 プロ ▲ 35.7 35.8 3.1 18.1 17.5 18.0
30 後藤 俊孝 プロ 11.4 0.0 ▲ 8.8 14.4 0.0 17.0
31 山地 義昌 一般 ▲ 26.1 66.3 24.0 ▲ 52.7 0.0 11.5
32 駒井 康夫 一般 0.0 69.6 ▲ 9.6 ▲ 53.0 27.8 9.7
33 江口 昭子 一般 0.0 0.0 0.0 5.2 0.0 7.0
34 早瀬 遼平 一般 ▲ 36.4 33.1 ▲ 59.1 62.9 0.0 5.2
35 岡田 俊介 テスト ▲ 13.6 ▲ 38.4 51.1 ▲ 4.1 0.0 ▲ 5.0
36 吉田 拓也 テスト 90.0 29.0 ▲ 16.3 ▲ 111.8 40.0 ▲ 8.4
37 五月女 義彦 一般 ▲ 49.9 49.1 ▲ 9.1 0.0 37.6 ▲ 9.6
38 金田 裕文 一般 ▲ 14.5 0.0 0.0 0.0 0.0 ▲ 14.5
39 小川 稔貴 テスト 11.2 0.0 ▲ 0.1 ▲ 29.2 4.6 ▲ 21.1
40 光山 潤 一般 82.5 ▲ 37.8 ▲ 46.2 ▲ 19.9 0.0 ▲ 22.7
41 鐘ヶ江 史郎 一般 0.0 0.0 ▲ 83.2 60.5 ▲ 56.4 ▲ 28.9
42 山口 昇子 一般 ▲ 5.0 ▲ 47.6 26.9 0.0 54.9 ▲ 31.4
43 只野 真理子 プロ ▲ 5.7 3.7 ▲ 50.7 5.5 15.1 ▲ 43.6
44 前川 憲一 プロ 12.5 ▲ 95.8 44.1 ▲ 9.1 10.5 ▲ 50.2
45 高橋 正人 プロ ▲ 14.7 15.8 ▲ 9.9 ▲ 39.6 10.9 ▲ 55.1
46 元木 涼 一般 ▲ 62.9 0.0 0.0 11.1 0.0 ▲ 56.6
47 川上 直也 プロ ▲ 70.2 100.5 0.0 ▲ 86.7 ▲ 9.2 ▲ 61.0
48 重枝 登志雄 一般 0.0 0.0 ▲ 56.6 0.0 ▲ 54.4 ▲ 63.5
49 山下 加代子 一般 ▲ 13.7 9.0 ▲ 95.8 41.8 0.0 ▲ 70.4
50 南田 明宏 テスト 8.7 2.2 11.9 ▲ 83.5 ▲ 49.3 ▲ 70.7
51 佐藤 昌子 一般 ▲ 68.0 ▲ 69.1 63.6 8.2 ▲ 46.0 ▲ 75.9
52 倉本 恭子 一般 ▲ 63.2 26.6 ▲ 25.6 ▲ 3.8 ▲ 17.9 ▲ 83.2
53 堀 昭義 プロ 0.0 ▲ 55.3 0.0 ▲ 15.1 ▲ 42.0 ▲ 90.3
54 倉本 信平 一般 15.1 0.2 31.4 ▲ 131.6 ▲ 35.5 ▲ 91.9
55 吉本 卓矢 プロ ▲ 63.8 ▲ 11.3 ▲ 54.6 43.4 12.2 ▲ 97.2
56 岸辺 恵里 一般 ▲ 27.4 ▲ 68.9 30.6 ▲ 43.7 ▲ 22.0 ▲ 106.9
57 松永 侑己 プロ ▲ 59.1 52.1 ▲ 85.5 ▲ 29.1 ▲ 4.5 ▲ 134.3
58 大川 定子 一般 ▲ 12.5 ▲ 32.0 0.2 ▲ 85.5 ▲ 18.8 ▲ 140.4
59 大川 道子 一般 ▲ 91.8 ▲ 71.1 ▲ 52.7 67.4 50.6 ▲ 152.8
60 池田 源右衛門 一般 ▲ 4.1 ▲ 71.7 ▲ 79.1 0.0 0.0 ▲ 154.9
61 坂本 誠裕 プロ ▲ 37.9 ▲ 25.3 ▲ 64.2 ▲ 40.5 39.4 ▲ 176.2
62 小田 雅之 一般 ▲ 40.8 ▲ 79.7 19.2 ▲ 102.1 ▲ 46.3 ▲ 194.5
63 延原 明美 プロ ▲ 78.1 ▲ 79.1 ▲ 81.4 26.7 ▲ 38.3 ▲ 206.2
64 掛樋 忠雄 プロ 4.0 ▲ 125.6 ▲ 44.2 ▲ 49.8 ▲ 48.3 ▲ 260.2
65 濱口 美枝子 一般 ▲ 142.0 ▲ 26.2 ▲ 100.5 ▲ 55.9 ▲ 53.5 ▲ 378.1

第120回:プロ雀士インタビュー 吾妻 さおり インタビュアー:山脇 千文美

2015年1月31日第9期女流桜花決勝最終日。
私は連盟スタジオに12時半入りし、アタリメを食べていた。
黒木さんやケネ徳さんに、緊張感がなさすぎると笑われながら、決勝戦の始まるときを待った。

あたかも自分が選手であるかのように書いてみたが、勿論私は出場選手ではなく・・・サブコントロール室での採譜係。
女流桜花の最終日は生で対局が見たい!と、自ら志願した。

結果は見事な逆転で吾妻さおりプロの優勝。
女流桜花2連覇が決まり、吾妻プロ格好良かったなぁー、皆素敵だったなぁー、私もいつかあの決勝の舞台に立ちたいなぁー、と心躍らせ、モチベーションあげあげ状態で帰宅。

翌日。連盟ホームページの運営から一通のメールが届いた。
「女流桜花を優勝されました、吾妻プロのインタビューを山脇プロにお願いしたいのですがいかがでしょうか?」

え?私?

不思議な気持ちのままインタビュアーのお仕事を引き受け、吾妻プロと日程を調整し、会える日が決定。
その日はお昼にちーぼーこと松岡千晶プロと会う約束をしていたので、ちーぼーも連れて行くことに!

『女流桜花優勝インタビュー』という名の、
桜花様とちーちゃんずのコラボレーションが実現したのです!!^^

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◎吾妻プロ・プチ情報
・お酒がまったく飲めない
・海鮮料理が苦手

と、言うわけで・・・
都内某中華料理店にて。

松岡「何飲みますか?」

吾妻「お酒飲めないのでピンクグレープフルーツジュースでお願いします。あ、氷抜きで!2人は確かお酒大好きなんだよね?飲んでも良いよ^^」

山脇「ちーぼーは?ビール?」

松岡「うん、ビール。」

山脇「私は酔っぱらうと困るから・・・」

吾妻「酔っぱらうの?じゃあ2杯までね!^^」

山脇「と・・とりあえずウーロンハイにします。笑」
(インタビューしっかりやり終えたら、ビール飲もう!!)

山脇・松岡「改めまして!女流桜花2連覇おめでとうございまーす!!」(かんぱーい!)

山脇「インタビュー初めてで何聞けば良いかあんまり分からないんです・・・。とりあえず1回戦から12回戦までの吾妻プロの手牌の最終形と点棒の移動状況とか全部メモしてきました!!」
(持ち前の真面目さをとりあえずアピール笑)

吾妻「山脇プロの目線で聞きたいこと自由に聞いてくれれば、足りないところは補足するから大丈夫だよ。」
(うぅ・・・優しい・・・涙)

山脇「それでは・・・昨年は挑戦者として、今年は現女流桜花として決勝に臨んだわけですが、気持ちの面などで違いはありましたか?」

吾妻「うん、全く違うね。」(即答)

吾妻「昨年は、大きいタイトル戦の決勝が初めてで、自分だけ優勝経験が無かった。だから、優勝する可能性を少しでも上げることを考えてシュミレーションをしたの。それが、4人の中で、先攻をとること。Aルールだから、打点も作って。和久津さんが、3人の中で一番攻撃に比重を置いた麻雀で来るだろうと分析して、彼女よりさらに攻める。そう決めて行ったの。」

山脇「今年はどうだったんですか?」

吾妻「今年も全く同じメンバーが勝ち上がりだったから、絶対にもう1回勝たないと。これは第8期女流桜花の優勝に本当の価値があるのかを証明する戦いなんだって思ったの。そして、もう1年リーグ戦をやっても、またこの3人がくるんだ。本当に力のあるメンバーなんだって嬉しい気持ちと同時に、昨年一番細かく研究した相手だったから、対策にすぐに入ることが出来たよ。とはいえ分析の結果、自分が優勝出来る勝算は2割程度だと思ったから、当日までに足りないものを補ってどれだけ勝算を上げられるかの戦いだったね。そして初日最初の2半荘は、3人の麻雀がどう変わっているかを確認するためにも全部しっかり対応すると決めたの。例え丁寧に慎重に入った事で自分がマイナスになってしまったとしてもね。」

シュミレーションとか、対策とか。
なんだか・・・とっても・・・すごい!!!!!!!!
上に行くには、私たちが今考えていることの何10倍も何100倍も、色んなことを考えなくちゃいけないんだ・・・。

さあ、ここで、こちらのコーナーに移ります!

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女流桜花Cリーグを抜け出し、来期からBリーグデビューをするちーちゃんず。
しかし、桜花の仕組みも、Bリーグの人数も、何も知らなかったのです!!ひぇー!!!

吾妻「仕組みはちゃんと覚えておいた方が良いよ!女流桜花はねー・・・・」

ちーちゃんず、吾妻プロからの説明を受け、女流桜花の仕組みを学ぶ。

吾妻「もう昇級が決まって結構経つのに、Bリーグの全人数も昇級人数もボーダーも知らないのー?はい、今調べて調べて!」

ちーちゃんず、ちーぼーの携帯検索で、Bリーグの人数とボーダーを調べる。

吾妻「昇級ラインのボーダーと今までの自分が叩けたポイントを比較して、今から何を補足しなきゃいけないか考えるんだよ。」

吾妻プロは、対戦した相手の名前などは必ずメモを取っていて、牌姿も端から端まで、しっかり覚えている。
情報量や研究量の圧倒的な差に、驚愕しっぱなしだった。

女流桜花への道のりは、遠く険しいね。ね、ちーぼー・・・。
(巻き添えにしてごめん。笑)

ミニコーナー終わり!

 

インタビューに戻ります。

山脇「決勝期間はどんなことを考えていたんですか?」

吾妻「昨年は常に牌姿とか場況を想像して頭の中をぐるぐるしていたよ。それも今思い返すと苦しい場面ばかり。リーチを受けて安全牌が無いとか、何を切れば良いのか迷っちゃう場面とか。でも今年は準備の質が良かったから、自分の目指している麻雀を打てれば良いって言う前向きな気持ちで卓に向かえたよ。」

山脇「優勝者予想とかって見たりしますか?今回は魚谷さんと和久津さんに票が偏ってましたが・・・」

吾妻「見るよー!予想する側の立場から見ても、タイトル戦に住む魔物というか、打ち手にかかるプレッシャーみたいのを感じ取るから、場数を踏んでいる人に多く票が集まるのは当たり前のことだよね。あんまり気にしないけど、皆の予想をはずしてやるー!とは思ったかな^^」

必死でメモを取り続けていた私。ふと顔を上げると、対面には・・・黙々とビールを飲んでいるちーぼーの姿が。笑

吾妻「ちーぼー暇だよね。ごめんね。何か聞きたいことある?」

松岡「えーっと、じゃあ、連盟の女流プロの皆さんへ。みたいなのお願いします^^」

山脇「なんか良いね!手紙風にしよう!」

吾妻「ちょっと待って、考える・・・笑」

吾妻「プロ連盟を選んでくれてありがとうございます。若くて綺麗で・・・、そんな、人生の一番大事な時期に麻雀で頑張っていくってことはとっても勇気のいることだと思います。色々な選択肢の中から麻雀を選んでくれた事がとても嬉しくて、私に出来る事なら何でも力になりたいと思います。時には普段優しい先輩プロから厳しい指導をいただいたり、つらい敗退を経験したりもするでしょう。楽しいことばかりではないかもしれないけれど、麻雀を好きって気持ちを忘れないでいてほしいです。そして、壁にぶつかった時には、一生懸命、自分がどうなりたいかとか、どうやったら勝てるのかを考えてみて下さい。これからも、麻雀で活躍したり、麻雀講師を目指す女流プロがたくさん増えて、一緒に麻雀界を盛り上げて行けたら良いなと思います^^」

何かにつまずいてしまった時は、この言葉を思い出そう。
吾妻プロが「これは秘密のノートだから見せないよー!」と言って隠した小さなノートには、きっと麻雀の戦略のほかにも、こういった自分のあり方なんかが記されているのかもしれないな・・・(予想だけど。笑)

吾妻「ところで、なんかすごい硬いインタビューの記事になっちゃいそうだけど大丈夫?!」

山脇「いや、私も実は思ってました。ちょっとプライベートとかも聞いておいて良いですか?」

吾妻「いいよー^^じゃあ、真面目な質問も終わったし、千文美ちゃんもそろそろビール頼もうか♪」
(やっとビールにありつけた・・・。幸せだ!!!笑)

吾妻「まず休みの日は、にゃんこに起こされて1日が始まりまーす。」

山脇「趣味とかありますか?」

吾妻「昔はスポーツしたり、ドライブしたり、アウトドア派だったんだけどー、最近はご飯作るのとかが一番楽しいかな!」

山脇「得意料理は何ですか?」

吾妻「評判が良いのはクリームシチューとチキン南蛮とビビン麺。調味料も作ったりするよ!」

松岡「あ!料理上手なひとは麻雀上手ってこないだ聞きました!!」

吾妻「友達とのウィンドーショッピングも好きだけど、服は必ず1人で買いに行くよ!2人は?誰かと一緒にお買い物に行ったりする?」

松岡「こないだー、ちゃんちーぬと2人でマルキュー行ったんですけど、はぐれてー、もういっかってなってメールで『もう解散ねー。』ってやってそのままバイバイしました。笑」

吾妻「えー、すごい!!何それ!!え?仲悪いの?!笑」

山脇「いや、多分私が自分勝手なんです。」

松岡「なんか現地解散してもこの子なら怒らなさそうだからいっかー、ってなったー。笑」

吾妻「それと同じ事態になったことないから全然よくわかんないけど、そんな風になったら、この人はそう言う人だって対応するしかないよね。笑」

山脇・松岡「対応!!!!wwwwwwwwwwww」

吾妻「最強の対応型目指してるから!笑」

この時点で、合間合間にちーぼーの「あ、ビール2つ下さーい!」が×3回ぐらい録音されていた私のボイスレコーダー。
この後も、趣味トークや恋愛トーク、麻雀トークが続くのですが・・・

吾妻プロの「ねえ!そろそろこれ消さない!?」の一言でボイスレコーダーの電源をプッツンしたので・・・
あとのことはご想像にお任せします。笑

ちーぼー、インタビュー付き合ってくれてありがとう^^
頑張って一緒にAリーグ上がろうね!!
吾妻プロにも、「はやく、おいでおいで!」って言ってもらえました!

研究・反省を重ね、女流桜花2連覇を成し遂げても尚進化し続ける吾妻プロに、追いつける日はやってくるのだろうか・・・。

吾妻「道場での放銃も、プロクイーンでの反省も、特別昇級リーグで一半荘で120ポイントを叩いた経験も・・・。意味のない麻雀は1つもなかった。1年間のすべての対局が、女流桜花の優勝に繋がっていた。最終半荘の12回戦は無心で戦った。最後まで諦めずに、丁寧に、親番を大切に・・・本当にドラマチックだよね、麻雀って。」

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プロ雀士インタビュー/第120回:プロ雀士インタビュー 吾妻 さおり インタビュアー:山脇 千文美

2015年1月31日第9期女流桜花決勝最終日。
私は連盟スタジオに12時半入りし、アタリメを食べていた。
黒木さんやケネ徳さんに、緊張感がなさすぎると笑われながら、決勝戦の始まるときを待った。
あたかも自分が選手であるかのように書いてみたが、勿論私は出場選手ではなく・・・サブコントロール室での採譜係。
女流桜花の最終日は生で対局が見たい!と、自ら志願した。
結果は見事な逆転で吾妻さおりプロの優勝。
女流桜花2連覇が決まり、吾妻プロ格好良かったなぁー、皆素敵だったなぁー、私もいつかあの決勝の舞台に立ちたいなぁー、と心躍らせ、モチベーションあげあげ状態で帰宅。
翌日。連盟ホームページの運営から一通のメールが届いた。
「女流桜花を優勝されました、吾妻プロのインタビューを山脇プロにお願いしたいのですがいかがでしょうか?」
え?私?
不思議な気持ちのままインタビュアーのお仕事を引き受け、吾妻プロと日程を調整し、会える日が決定。
その日はお昼にちーぼーこと松岡千晶プロと会う約束をしていたので、ちーぼーも連れて行くことに!
『女流桜花優勝インタビュー』という名の、
桜花様とちーちゃんずのコラボレーションが実現したのです!!^^

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◎吾妻プロ・プチ情報
・お酒がまったく飲めない
・海鮮料理が苦手
と、言うわけで・・・
都内某中華料理店にて。
松岡「何飲みますか?」
吾妻「お酒飲めないのでピンクグレープフルーツジュースでお願いします。あ、氷抜きで!2人は確かお酒大好きなんだよね?飲んでも良いよ^^」
山脇「ちーぼーは?ビール?」
松岡「うん、ビール。」
山脇「私は酔っぱらうと困るから・・・」
吾妻「酔っぱらうの?じゃあ2杯までね!^^」
山脇「と・・とりあえずウーロンハイにします。笑」
(インタビューしっかりやり終えたら、ビール飲もう!!)
山脇・松岡「改めまして!女流桜花2連覇おめでとうございまーす!!」(かんぱーい!)
山脇「インタビュー初めてで何聞けば良いかあんまり分からないんです・・・。とりあえず1回戦から12回戦までの吾妻プロの手牌の最終形と点棒の移動状況とか全部メモしてきました!!」
(持ち前の真面目さをとりあえずアピール笑)
吾妻「山脇プロの目線で聞きたいこと自由に聞いてくれれば、足りないところは補足するから大丈夫だよ。」
(うぅ・・・優しい・・・涙)
山脇「それでは・・・昨年は挑戦者として、今年は現女流桜花として決勝に臨んだわけですが、気持ちの面などで違いはありましたか?」
吾妻「うん、全く違うね。」(即答)
吾妻「昨年は、大きいタイトル戦の決勝が初めてで、自分だけ優勝経験が無かった。だから、優勝する可能性を少しでも上げることを考えてシュミレーションをしたの。それが、4人の中で、先攻をとること。Aルールだから、打点も作って。和久津さんが、3人の中で一番攻撃に比重を置いた麻雀で来るだろうと分析して、彼女よりさらに攻める。そう決めて行ったの。」
山脇「今年はどうだったんですか?」
吾妻「今年も全く同じメンバーが勝ち上がりだったから、絶対にもう1回勝たないと。これは第8期女流桜花の優勝に本当の価値があるのかを証明する戦いなんだって思ったの。そして、もう1年リーグ戦をやっても、またこの3人がくるんだ。本当に力のあるメンバーなんだって嬉しい気持ちと同時に、昨年一番細かく研究した相手だったから、対策にすぐに入ることが出来たよ。とはいえ分析の結果、自分が優勝出来る勝算は2割程度だと思ったから、当日までに足りないものを補ってどれだけ勝算を上げられるかの戦いだったね。そして初日最初の2半荘は、3人の麻雀がどう変わっているかを確認するためにも全部しっかり対応すると決めたの。例え丁寧に慎重に入った事で自分がマイナスになってしまったとしてもね。」
シュミレーションとか、対策とか。
なんだか・・・とっても・・・すごい!!!!!!!!
上に行くには、私たちが今考えていることの何10倍も何100倍も、色んなことを考えなくちゃいけないんだ・・・。
さあ、ここで、こちらのコーナーに移ります!

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女流桜花Cリーグを抜け出し、来期からBリーグデビューをするちーちゃんず。
しかし、桜花の仕組みも、Bリーグの人数も、何も知らなかったのです!!ひぇー!!!
吾妻「仕組みはちゃんと覚えておいた方が良いよ!女流桜花はねー・・・・」
ちーちゃんず、吾妻プロからの説明を受け、女流桜花の仕組みを学ぶ。
吾妻「もう昇級が決まって結構経つのに、Bリーグの全人数も昇級人数もボーダーも知らないのー?はい、今調べて調べて!」
ちーちゃんず、ちーぼーの携帯検索で、Bリーグの人数とボーダーを調べる。
吾妻「昇級ラインのボーダーと今までの自分が叩けたポイントを比較して、今から何を補足しなきゃいけないか考えるんだよ。」
吾妻プロは、対戦した相手の名前などは必ずメモを取っていて、牌姿も端から端まで、しっかり覚えている。
情報量や研究量の圧倒的な差に、驚愕しっぱなしだった。
女流桜花への道のりは、遠く険しいね。ね、ちーぼー・・・。
(巻き添えにしてごめん。笑)
ミニコーナー終わり!
 
インタビューに戻ります。
山脇「決勝期間はどんなことを考えていたんですか?」
吾妻「昨年は常に牌姿とか場況を想像して頭の中をぐるぐるしていたよ。それも今思い返すと苦しい場面ばかり。リーチを受けて安全牌が無いとか、何を切れば良いのか迷っちゃう場面とか。でも今年は準備の質が良かったから、自分の目指している麻雀を打てれば良いって言う前向きな気持ちで卓に向かえたよ。」
山脇「優勝者予想とかって見たりしますか?今回は魚谷さんと和久津さんに票が偏ってましたが・・・」
吾妻「見るよー!予想する側の立場から見ても、タイトル戦に住む魔物というか、打ち手にかかるプレッシャーみたいのを感じ取るから、場数を踏んでいる人に多く票が集まるのは当たり前のことだよね。あんまり気にしないけど、皆の予想をはずしてやるー!とは思ったかな^^」
必死でメモを取り続けていた私。ふと顔を上げると、対面には・・・黙々とビールを飲んでいるちーぼーの姿が。笑
吾妻「ちーぼー暇だよね。ごめんね。何か聞きたいことある?」
松岡「えーっと、じゃあ、連盟の女流プロの皆さんへ。みたいなのお願いします^^」
山脇「なんか良いね!手紙風にしよう!」
吾妻「ちょっと待って、考える・・・笑」
吾妻「プロ連盟を選んでくれてありがとうございます。若くて綺麗で・・・、そんな、人生の一番大事な時期に麻雀で頑張っていくってことはとっても勇気のいることだと思います。色々な選択肢の中から麻雀を選んでくれた事がとても嬉しくて、私に出来る事なら何でも力になりたいと思います。時には普段優しい先輩プロから厳しい指導をいただいたり、つらい敗退を経験したりもするでしょう。楽しいことばかりではないかもしれないけれど、麻雀を好きって気持ちを忘れないでいてほしいです。そして、壁にぶつかった時には、一生懸命、自分がどうなりたいかとか、どうやったら勝てるのかを考えてみて下さい。これからも、麻雀で活躍したり、麻雀講師を目指す女流プロがたくさん増えて、一緒に麻雀界を盛り上げて行けたら良いなと思います^^」
何かにつまずいてしまった時は、この言葉を思い出そう。
吾妻プロが「これは秘密のノートだから見せないよー!」と言って隠した小さなノートには、きっと麻雀の戦略のほかにも、こういった自分のあり方なんかが記されているのかもしれないな・・・(予想だけど。笑)
吾妻「ところで、なんかすごい硬いインタビューの記事になっちゃいそうだけど大丈夫?!」
山脇「いや、私も実は思ってました。ちょっとプライベートとかも聞いておいて良いですか?」
吾妻「いいよー^^じゃあ、真面目な質問も終わったし、千文美ちゃんもそろそろビール頼もうか♪」
(やっとビールにありつけた・・・。幸せだ!!!笑)
吾妻「まず休みの日は、にゃんこに起こされて1日が始まりまーす。」
山脇「趣味とかありますか?」
吾妻「昔はスポーツしたり、ドライブしたり、アウトドア派だったんだけどー、最近はご飯作るのとかが一番楽しいかな!」
山脇「得意料理は何ですか?」
吾妻「評判が良いのはクリームシチューとチキン南蛮とビビン麺。調味料も作ったりするよ!」
松岡「あ!料理上手なひとは麻雀上手ってこないだ聞きました!!」
吾妻「友達とのウィンドーショッピングも好きだけど、服は必ず1人で買いに行くよ!2人は?誰かと一緒にお買い物に行ったりする?」
松岡「こないだー、ちゃんちーぬと2人でマルキュー行ったんですけど、はぐれてー、もういっかってなってメールで『もう解散ねー。』ってやってそのままバイバイしました。笑」
吾妻「えー、すごい!!何それ!!え?仲悪いの?!笑」
山脇「いや、多分私が自分勝手なんです。」
松岡「なんか現地解散してもこの子なら怒らなさそうだからいっかー、ってなったー。笑」
吾妻「それと同じ事態になったことないから全然よくわかんないけど、そんな風になったら、この人はそう言う人だって対応するしかないよね。笑」
山脇・松岡「対応!!!!wwwwwwwwwwww」
吾妻「最強の対応型目指してるから!笑」
この時点で、合間合間にちーぼーの「あ、ビール2つ下さーい!」が×3回ぐらい録音されていた私のボイスレコーダー。
この後も、趣味トークや恋愛トーク、麻雀トークが続くのですが・・・
吾妻プロの「ねえ!そろそろこれ消さない!?」の一言でボイスレコーダーの電源をプッツンしたので・・・
あとのことはご想像にお任せします。笑
ちーぼー、インタビュー付き合ってくれてありがとう^^
頑張って一緒にAリーグ上がろうね!!
吾妻プロにも、「はやく、おいでおいで!」って言ってもらえました!
研究・反省を重ね、女流桜花2連覇を成し遂げても尚進化し続ける吾妻プロに、追いつける日はやってくるのだろうか・・・。
吾妻「道場での放銃も、プロクイーンでの反省も、特別昇級リーグで一半荘で120ポイントを叩いた経験も・・・。意味のない麻雀は1つもなかった。1年間のすべての対局が、女流桜花の優勝に繋がっていた。最終半荘の12回戦は無心で戦った。最後まで諦めずに、丁寧に、親番を大切に・・・本当にドラマチックだよね、麻雀って。」

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第31期鳳凰位決定戦観戦記二日目 前原 雄大

 

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5回戦(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)

まず、いつものように黙想する勝又、首をやや斜めに構え宙を見つめる前田。
目をしっかり見開く藤崎、右手を肩にあて軽く首を振る瀬戸熊、それぞれに異なった姿で対局開始の合図を待つ。

東1局
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終盤、瀬戸熊の仕掛けに合わせ、形式テンパイをとる親の勝又。
この局、注目すべきは、瀬戸熊が前田から打ち出された13巡目の六索を仕掛けなかった腰の重さだろう。
流石である。

瀬戸熊

三万三万四万八万九万二索三索四索七索八索中中中  ドラ九万

上澄みを掬うようなテンパイには意味がないと考えたのだろう。
そして1本場。

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勝又の11,600対、前田の7,700の戦いは、前田に軍配が上がる。
残り枚数5枚対5枚の戦いは、今後の戦いを占うには意味のあるリーチ対決であったように思える。

「ヤミテンに構え前田さんのリーチを受け、五万との振り替えがあった分だけ、即リーチを打たない手段もあったように思います。」

勝又はそう語っていたが、やはりここは5,800を拾いに行くのではなく、リーチを打つべき局面のように思える。
鳳凰位は拾いに行くモノではなく、勝ち取る姿勢が必要だと私は思うからである。

東2局

西家・藤崎手牌

一万二万三万七索九索一筒二筒三筒南南  ポン発発発  ツモ八索  ドラ二索

北家・勝又手牌
一万一万三索四索五索六索七索北北北  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ドラ二索

やはりこの局の藤崎のアガリは、勝又にとっては、藤崎のアガリ形が見えている分だけ嫌なアガリであり、藤崎にとっては好感触のアガリである。
前局の放銃と言い、こういう時こそ勝又にとって、忍耐が求められる時間帯であることが間違いないように思う。

藤崎はこう語っている
「東1局1人ノーテンから始まり昨日の今日で不安だらけのスタート。東2局、発の2鳴きでドラなしのカンチャンの2,000点テンパイ。瀬戸熊プロと勝又プロにも仕掛けが入っているので撤退準備万全。撤退の手順を確認しながらツモりにいくとテンパイ即で自分のアガリ牌がそこに。正直『ん?』って感じでした。」

東4局4本場
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勝又の仕掛けが2フーロ入る。

一索一索五索六索七索東白発  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き  チー五索 左向き六索 上向き七索 上向き  打発  ドラ三万

この仕掛けもトータルトップを競っている勝又には似合わないように思っていた。
また、本来の勝又はこういう仕掛けの少ない打ち手だと思っている。、
この時の藤崎の手牌の伸びが素晴らしい。

藤崎配牌
二万三万六万六万八万一索四索六索七索八筒九筒南北中  ドラ三万

この配牌が、
二万三万六万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  ドラ三万

この形まで持っていくのはやはり藤崎の構想力であり麻雀力である。
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「ロン11,600は12,800。」
藤崎には珍しく声高の発声だった。

このアガリは藤崎が入れたテンパイではなく、勝又が入れさせたテンパイと考えるのは酷だろうか。
瀬戸熊にとっては、勝又の仕掛けに注視していただけ、エアポケットに入ったような放銃である。

藤崎の8巡目の打八索、その後の打四索をどう捉えるかが今局のキーポイントだろう。
それだけ仕掛けるということは先を読み込んでいくと難しい行為なのである。

続く次局も、藤崎は2,600は3,100オールを軽々と引きアガる。
次局も勝又が精力的に1枚目の東から仕掛ける。

二万二万六万六万七万二筒七筒七筒七筒発発  ポン東東東  打二筒  ドラ二筒

1局面における最善手を選ぶ能力は勝又は連盟の中でも間違いなくトップレベルである。
しかし、全体から1局面を捉えるならば、今局に至るまでの勝又の一連の仕掛けは微妙に映る。
これを記している今、瀬戸熊からリーチが入り、ラス牌の四筒で勝又が放銃に至った。

瀬戸熊
五万五万五万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒  ドラ二筒

勝又
二万二万六万七万八万七筒七筒七筒発発  ポン東東東  ツモ切り四筒  ドラ二筒

ここは歯を食い縛り打七万としてほしかった。
ただ勝又の立場に立って考えてみれば、東を仕掛けた以上、全て立ち向かうだけの覚悟があったということなのだろう。
「かっちゃん、早く気持ちを立て直してくれ」
私は心の中で呟いていた。

次局も、藤崎の勝又に対する仕掛けに完全に対応しきった見事なツモアガリである。

南1局
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アガリ点としては低いのだが、この対応力は藤崎の真骨頂である。

そう願った南2局、今半荘トップをひた走る藤崎が2フーロした瞬間に勝又のツモアガリ。
このアガリは勝又にとってうれしいアガリだろう。
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七万八万二索三索四索八索八索一筒二筒三筒南南南  ツモ六万  ドラ八索

価値あるアガリのように私には思えた。

南3局
軌道修正を図るべく、藤崎がリーチを打つ。

四万五万六万四索五索五索六索七索二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ東

トップ目の今の藤崎には誰も立ち向かえないことを知ってのリーチである。
アガれてもアガれなくてもどちらでもいいリーチなのである。
大事なのは瀬戸熊の親を速やかに終わらせ、次局の藤崎自身への親番につなげる為の布石のリーチなのである。

そして迎えた親番でリーチを打つ。
一発目で七索を引きアガる。

三万四万五万六万六万五索六索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ二筒

藤崎の描いたストーリー通りに全ての事が運ぶ。
このために藤崎は耐え忍んでいたのである。

前田
「東1局1本場で勝又プロとのドラドラピンフ対決を制し、今日も好調かと思ったが、そこから藤崎プロの怒涛の攻撃が始まる。しかし焦りはなく、ついに来たか・・といった感じであった。藤崎プロがダントツで迎えたオーラス2本場、瀬戸熊プロからのリーチが入る。藤崎プロがかなり押している。自分の手もタンピン三色のテンパイを果たすが、2人に危ない無筋の三筒…高目でアガれば浮きにまわるが、普段の自分ならオリを選択していたと思う。しかし形で押し出されるように三筒を切る。たまたま通ったから問題無いが、当たれば敗着になりかねない一打だと思う。危なっかしい麻雀に、こんなんじゃダメだと反省する一打でした。5回戦目で印象に残ったのはこの局でした。」

前田はこの半荘をこのように振り返っていた。

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藤崎
「東3局1本場の瀬戸熊プロの親リーチ。自分は手詰まり。掴めば即放銃の九索タンキを掴まず。これも好感触でした。こうなれば次の親番は全力勝負と思っていたので、あの11,600点は大きかったです。東場の親が落ちて南場はゼロからの再出発のつもりでいたのですが、南1局の400・700のツモアガリと南2局で八筒六筒と立て続けに鳴けたおかげで、勝又プロへの放銃回避で更に好感触を得たので、南4局2本場も2シャンテンから攻撃あるのみでいけました。この半荘がもしかしたら18年のプロ活動の中で一番の内容かもしれません。」

たしかに、藤崎の言う通り、素晴らしい半荘だったように思う。
私などもタイトル戦、普段の稽古を含め、1年間のうちで、今日は良かったナと思える日、思える半荘は幾つかしかない。
それが、普段謙虚で、尚且つ、多数のタイトルを獲得している藤崎が18年のプロ活動の中でのベストと言える半荘に、この鳳凰戦という大舞台で巡り合えたことは藤崎は幸せ者と言える。

勿論、藤崎の力あってのものなのだが。
麻雀ファンの方には連盟チャンネルで、是非ご覧いただきたい。

5回戦成績
藤崎+43.0P 前田▲6.6P 瀬戸熊▲10.3P 勝又▲26.1P

5回戦終了時
前田+43.7P 勝又+23.2P 藤崎▲5.0P 瀬戸熊▲61.9P

 

6回戦(起家から、勝又、藤崎、前田、瀬戸熊)

対局開始前、藤崎の会話が滑らかになった。
「1回トップを取る人が2連勝することになっているんでしょ?今回の鳳凰戦は!」
だまって微笑んでいる瀬戸熊の表情が印象的に思った。

東2局1本場
藤崎が宣言通り今局速いテンパイから残りツモ1回を確認し、リーチを打った。

四万五万三索三索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  暗カン牌の背六索 上向き六索 上向き牌の背  ドラ三索

【リーチ、ツモ、ハイテイ、タンヤオ、ドラ2】の6,000オールを狙ったものである。
6,000オールの為ならば、リーチ棒の1本2本惜しまない、鳳凰位を勝ち取る姿勢が打たせたリーチである。

ヤミテンの時点から前田がツモ三万で手止まり、ドラトイツを持ちながらも頭を下げ続けている。
これも前田らしい我慢強さである。この瞬間に今局を捨てられる打ち手が何人いるのだろうか。
それだけ前田が局面が見えているということなのだろう。

六万三索三索四索五索七索七索東西西北白中  ツモ三万  打白  ドラ三索

東3局1本場
その前田が親番で、渾身のリーチを打つ。

四万四万三索四索五索二筒三筒四筒四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ドラ二筒

これを流局間際に引きアガる。
3,900オールは4,000オールの大きなツモアガリである。

藤崎
「初日の約100ポイントの差と5回戦目があまりに好感触だったために、結果大きなラスになる事になったとしても、この半荘は全力でトップを取りに行くつもりでいました。今決定戦で一番の勝負所と思っていました。東3局1本場。親であるトータルトップの前田プロの10巡目リーチが掛った時、自分はさほど好形ではないドラもない1シャンテン。フラットな状態ならほぼ戦わない手牌。しかし、前述した通りの気持ちだったので真っすぐ戦うつもりでした。でも前田プロの下家の瀬戸熊プロの打四索をみて、安全牌は四索の1枚しかなかったのですが、瀬戸熊プロと前田プロの勝負に水を差す結果になるのを嫌って四索を抜きました。瀬戸熊プロのまわった気配を感じた時『まずい!』と思い、自分のアガリ逃しを見て『しまった!』と思いました。せめて流局してくれという願いもむなしく、前田プロに最後のツモで3,900オール。初日のマイナスをほぼ取り返してポイント的には2日目は大きくプラス。しかしこの局の失着のせいで’勢い値’でいえばすでにマイナスに転じたと思いました。なので、今日の残りの2半荘と半分は全力で我慢して、3日目以降に勝負権を残そうと考えました。この局を境に前田プロの’勢い値’は増すばかり。手も足もでませんでしたが、我ながらよくまとめたと思っています。」

そして東3局2本場
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勝又十八番の七対子に前田が藤崎から打ち出された三筒に見向きもせず、面前で仕上げ追いかけリーチを打つ。
前田に理があるように映ったが、アガったのは捌きに入った藤崎である。
さすが自ら忍者と名乗るだけのことはある。勝又のアガリ牌である二索をツモアガった。

仮に前田が三筒を仕掛けたら、前田の勝又への放銃で終わっていた。
仮の話をしても仕方がない。
なぜならば、こういう局面において前田が捌きにかけることが無いからである。

そしてこの半荘を締めくくったのは、藤崎の12,000点のツモアガリであった。
見事と言うしかないが、藤崎の2連勝とは叶わず、前田が3勝目をあげた。

藤崎配牌
二万三万八万九万二筒八筒東西西北北発中  ドラ六筒

藤崎最終形
二万二万二万北北中中  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン西西西  ツモ中  ドラ六筒

6回戦成績
前田+26.4P 藤崎+7.0P 瀬戸熊▲10.0P 勝又▲23.4P

6回戦終了時
前田+70.1P 藤崎+2.0P 勝又▲0.2P 瀬戸熊▲71.9P

 

7回戦(起家から、瀬戸熊、勝又、前田、藤崎)

休憩時間に、瀬戸熊がスタジオの中にある手洗いで歯を磨いている光景が印象的だった。
藤原隆弘に尋ねたところ、
「セトちゃんは窮地に追い込まれるといつも歯磨きをしているんだよ。」
たしかに。歯磨きに関わらず瀬戸熊は休憩時間を利用し、あらゆる準備をして対局に臨んでいる。
例えば対局の折り瀬戸熊は、必ず自前の運動靴を用意してくる。
この事に限らず、あらゆる工夫をして対局に臨む姿勢は、誰より群を抜いていることは間違いがない事実である。

南1局
親の瀬戸熊の1オクターブ高いリーチの発声が4巡目に入る。

一万二万三万二索三索四索五索六索一筒二筒三筒西西  ドラ四索

「ツモ、6,000オール。」
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今回のシリーズ始まって以来の瀬戸熊の咆哮である。
ここから瀬戸熊の時間帯が始まるのかと思わせたが、次局勝又が手堅くまとめきり、藤崎より8,000点を出アガる。

勝又配牌
八万八索一筒一筒一筒四筒七筒七筒八筒西西北発  ドラ西

勝又最終形
一万三万七索八索九索七筒八筒九筒西西  暗カン牌の背一筒 上向き一筒 上向き牌の背  ロン二万  ドラ西

配牌からこの形にまとめアガリ切るのは流石は勝又である。

南2局
前田に13巡目にリーチが入り、瀬戸熊がノータイムで六筒を放銃。
この時の瀬戸熊の表情、表現しづらいのだが、固く閉ざされた口元が窄まり、目が異様に輝きを放っていた。

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100
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―――――なぜここでロン牌を掴むのだ!
私には瀬戸熊の眼光がそう叫んでいるように映った。

前田
四万五万六万八万八万二索三索四索一筒二筒三筒七筒八筒  リーチ  ドラ八万

瀬戸熊
一万一万二万二万三万三万五万六万八万八万六索八索八索  ツモ切り六筒

南4局
親の藤崎から絶好のドラの五索を暗刻にしたリーチが入る。

一索二索三索五索五索五索二筒二筒四筒四筒五筒五筒六筒  ドラ五索

そのリーチに今まで鉄壁のガードを誇っていた前田が飛び込む。
追う側にとっては、このアガリが実質順位点を入れると、32,000点、この役満分の価値あるアガリである。

前田
「藤崎プロの親番で藤崎プロからリーチが入る。安全牌が尽き手詰まりではあるのだが、結局三筒で12,000の放銃となってしまう。リーチ前の一筒手だしがあるので三筒切りはやはり甘かったように思う。この流れだと、最後は勝又プロにまくられてラスだろうなと思っていたが、最後は瀬戸熊プロのツモアガリでなんとか3着で切り抜けられた。ラスでなかったことで、まだ大丈夫!と強く思えた局でした。」

藤崎
「前田プロから12,000。いやーびっくりしました。」
短いコメントである。その短いコメントの中に前田に対する敬意の気持ちが込められているのである。

そして1本場は瀬戸熊が自力でツモアガリ、今シリーズ1勝目をあげる。
そして勝又は本日3連続ラスである。
技術力、目に見える部分が全てであるならば、勝又は間違いなく屈指の打ち手である。
その勝又にして3連続ラスを取るということは、それほど鳳凰戦と言うステージが高いということの証左である。

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7回戦成績
瀬戸熊+31.9P 藤崎+9.0P 前田▲17.3P 勝又▲23.6P

7回戦終了時
前田+52.8P 藤崎+11.0P 勝又▲23.8P 瀬戸熊▲40.0P

 

8回戦(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)

にこやかに談笑する3人の中に、緊張感を漂わせた表情で卓に着く瀬戸熊が印象的だった。
瀬戸熊が卓に着くと皆もその緊張感が移ったかのように戦う姿勢に入っていった。
人それぞれ休憩の間に気持ちの作り方は違うということである。

東1局
藤崎、勝又の仕掛けが飛び交う中、ラス牌のドラを引きアガる前田。

五万五万六万六万七万七万六索六索七索七索八筒八筒北  ツモ北  ドラ北

前田と言う男は、休憩時間を利用し気持ちの切り替えを計るのが本当に上手いのである。
これも大切なひとつの能力なのである。
前半荘、藤崎に放銃した12,000点の傷は癒えているようだ。
もしくは、前田がそんな放銃もあることも織り込み済みだったのかもしれない。

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藤崎
「2フーロから三筒六筒九筒ではなく北のドラタンキに受けたのですが、誰も強く来ている雰囲気ではなかったので、みんなで1枚ずつ掴んでいるようなドラを切って周りを楽にすることを嫌った結果なので、前田プロにドラタンキの2,000・4,000をツモられるという最悪の結果でしたが『しょうがないかな』という感じです。」

東3局
藤崎が仕掛ける。
本人に尋ねてみないと解らないが、藤崎の仕掛けのほとんどの時が瀬戸熊が親の時である。
瀬戸熊のスコアが纏まらない要因の1つに、藤崎による瀬戸熊の親番つぶしがあることだと思う。
藤崎ほど瀬戸熊の連荘力を味わった打ち手はこのメンバーの中にはいない。
藤崎が連覇を考えた時、瀬戸熊の親には連荘させないことが第一条件に入っていたのかも知れない。
そう考えていくと藤崎の仕掛けは得心が行く。

東4局
100

前田
一万一万一万三索四索一筒一筒三筒五筒五筒七筒東発  ツモ発 打七筒  ドラ五索

前田
「下家の瀬戸熊プロがホンイツ模様の仕掛けを入れている。捨て牌にはマンズと一索が切られており、ピンズのホンイツに見える。が、少し違和感も感じていた。リーグ戦でもたまにやることがあるが、5巡目に探りの七筒切りをしてみた。ピンズのホンイツなら急所であるであろうし、鳴かれて手が進んでも藤崎プロが親なのでツモられるのもOKという気持ちである。そして七筒を切ってみての反応、動作、目線等を確認し、ピンズのホンイツでない可能性が高いと確信する。こうなれば何も鳴かせはしない。鳴かせていれば結果はどうなっていたかわからないが、自分のアンテナと感覚が間違っていないと確信出来た1局でした。」

南2局
前田、価値のある1,000オールのツモアガリ。

五万六万七万三索四索七索七索四筒五筒六筒  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  ツモ五索  ドラ五万

そして1本場、前田3巡目にリーチを入れる。
11巡目に軽々と七索をツモアガる。

三万四万五万六万七万八万五索六索一筒一筒西西西  リーチ  ツモ七索  ドラ八万

静かに、そして確実に前田のメーターが上がっていく。
持ち点が45,300をマークしている。
現時点での2着目に位置する藤崎との差が70ポイントまで広がった。

そして南2局3本場。
11巡目に前田がリーチ。
下位のリーグを観戦していると、リードしている者が守り、失点を犯した者が攻めるおかしな光景を目にすることがあるが、逆なのである。
ベースはリードしている者は点差を広げることを意識すべきであり、失点をしたものは静かに深く潜行すべきものなのである。
今局は流局。みな何をすべきか分かっているのである。

続く4本場。
今局前田は、2枚目の白も動いていない。
仮に動いていたら、結果として2,600オールをツモっていたが、ここまでメーターを伸ばした以上、動かないのも前田流なのだろう。

三索三索三索五索七索一筒一筒五筒六筒七筒  ポン白白白  ドラ一筒  ツモ六索

100

 

打ち手が自分のカタチで打てなくなった時を前田は恐れているのだろう。
オーラスも前田が締めくくる。

六万七万八万九万九万四筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ロン六筒  ドラ九万

前田、これで価値ある4勝目をあげる。

100

 

藤崎
「2日目は4回とも浮きでトータルをプラスまで戻したのですが、とにかく’ツキ’は誰よりもあったのに自分の失着のせいで’勢い’をうしなってしまったことが何よりも悔やまれます。自分にとってはここから1週間空くという幸運を活かして前田プロに食らいついていきたいと思います。」

勝又
「5回戦、東3局
100

藤崎さんの手牌を完全に読み間違い、七対子をアガリ逃ししてしまいました。河が変則になっていることもあり、1シャンテンで南を切るべきであったと思います。この局以降、局面を打開しようと仕掛けを多用しましたが、状況が悪くなりつつあるからこそ我慢すべきだったと思います。そして6回戦以降、あきらかに状況が悪くなった後に、勝負局を作ることができなかったことが自分の力のなさであると思います。1局単位でこれというより、全体的に戦い方が悪かったと思いこのようになってしまいました。」

瀬戸熊
「7回戦でトップを取ったものの、あとが続かないのが、今回の決定戦を象徴しているようでした。特に、調子が上がってきたと錯覚して、ラス前に前田さんに放銃した六筒などは、反省しかありません。苦戦の原因は、我慢の欠如と勝負勘のズレだと思います。8回戦の親番の三索六索リーチなどを空ぶった時に、ひどい疲労を覚えた時点が、今回の決定戦を物語ってるように思います。後半戦はリミットに押し潰されないよう何処まで我慢出来るかの勝負になると思ってます。」

8回戦成績
前田+25.9P 藤崎+4.5P 勝又▲10.9P 瀬戸熊▲19.5P

8回戦終了時
前田+78.7P 藤崎+15.5P 勝又▲34.7P 瀬戸熊▲59.5P

プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記/第31期鳳凰位決定戦観戦記二日目 前原 雄大

 

100

 
5回戦(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)
まず、いつものように黙想する勝又、首をやや斜めに構え宙を見つめる前田。
目をしっかり見開く藤崎、右手を肩にあて軽く首を振る瀬戸熊、それぞれに異なった姿で対局開始の合図を待つ。
東1局
100
 
終盤、瀬戸熊の仕掛けに合わせ、形式テンパイをとる親の勝又。
この局、注目すべきは、瀬戸熊が前田から打ち出された13巡目の六索を仕掛けなかった腰の重さだろう。
流石である。
瀬戸熊
三万三万四万八万九万二索三索四索七索八索中中中  ドラ九万
上澄みを掬うようなテンパイには意味がないと考えたのだろう。
そして1本場。
100
 
勝又の11,600対、前田の7,700の戦いは、前田に軍配が上がる。
残り枚数5枚対5枚の戦いは、今後の戦いを占うには意味のあるリーチ対決であったように思える。
「ヤミテンに構え前田さんのリーチを受け、五万との振り替えがあった分だけ、即リーチを打たない手段もあったように思います。」
勝又はそう語っていたが、やはりここは5,800を拾いに行くのではなく、リーチを打つべき局面のように思える。
鳳凰位は拾いに行くモノではなく、勝ち取る姿勢が必要だと私は思うからである。
東2局
西家・藤崎手牌
一万二万三万七索九索一筒二筒三筒南南  ポン発発発  ツモ八索  ドラ二索
北家・勝又手牌
一万一万三索四索五索六索七索北北北  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ドラ二索
やはりこの局の藤崎のアガリは、勝又にとっては、藤崎のアガリ形が見えている分だけ嫌なアガリであり、藤崎にとっては好感触のアガリである。
前局の放銃と言い、こういう時こそ勝又にとって、忍耐が求められる時間帯であることが間違いないように思う。
藤崎はこう語っている
「東1局1人ノーテンから始まり昨日の今日で不安だらけのスタート。東2局、発の2鳴きでドラなしのカンチャンの2,000点テンパイ。瀬戸熊プロと勝又プロにも仕掛けが入っているので撤退準備万全。撤退の手順を確認しながらツモりにいくとテンパイ即で自分のアガリ牌がそこに。正直『ん?』って感じでした。」
東4局4本場
100
勝又の仕掛けが2フーロ入る。
一索一索五索六索七索東白発  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き  チー五索 左向き六索 上向き七索 上向き  打発  ドラ三万
この仕掛けもトータルトップを競っている勝又には似合わないように思っていた。
また、本来の勝又はこういう仕掛けの少ない打ち手だと思っている。、
この時の藤崎の手牌の伸びが素晴らしい。
藤崎配牌
二万三万六万六万八万一索四索六索七索八筒九筒南北中  ドラ三万
この配牌が、
二万三万六万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  ドラ三万
この形まで持っていくのはやはり藤崎の構想力であり麻雀力である。
100
「ロン11,600は12,800。」
藤崎には珍しく声高の発声だった。
このアガリは藤崎が入れたテンパイではなく、勝又が入れさせたテンパイと考えるのは酷だろうか。
瀬戸熊にとっては、勝又の仕掛けに注視していただけ、エアポケットに入ったような放銃である。
藤崎の8巡目の打八索、その後の打四索をどう捉えるかが今局のキーポイントだろう。
それだけ仕掛けるということは先を読み込んでいくと難しい行為なのである。
続く次局も、藤崎は2,600は3,100オールを軽々と引きアガる。
次局も勝又が精力的に1枚目の東から仕掛ける。
二万二万六万六万七万二筒七筒七筒七筒発発  ポン東東東  打二筒  ドラ二筒
1局面における最善手を選ぶ能力は勝又は連盟の中でも間違いなくトップレベルである。
しかし、全体から1局面を捉えるならば、今局に至るまでの勝又の一連の仕掛けは微妙に映る。
これを記している今、瀬戸熊からリーチが入り、ラス牌の四筒で勝又が放銃に至った。
瀬戸熊
五万五万五万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒  ドラ二筒
勝又
二万二万六万七万八万七筒七筒七筒発発  ポン東東東  ツモ切り四筒  ドラ二筒
ここは歯を食い縛り打七万としてほしかった。
ただ勝又の立場に立って考えてみれば、東を仕掛けた以上、全て立ち向かうだけの覚悟があったということなのだろう。
「かっちゃん、早く気持ちを立て直してくれ」
私は心の中で呟いていた。
次局も、藤崎の勝又に対する仕掛けに完全に対応しきった見事なツモアガリである。
南1局
100
アガリ点としては低いのだが、この対応力は藤崎の真骨頂である。
そう願った南2局、今半荘トップをひた走る藤崎が2フーロした瞬間に勝又のツモアガリ。
このアガリは勝又にとってうれしいアガリだろう。
100
 
七万八万二索三索四索八索八索一筒二筒三筒南南南  ツモ六万  ドラ八索
価値あるアガリのように私には思えた。
南3局
軌道修正を図るべく、藤崎がリーチを打つ。
四万五万六万四索五索五索六索七索二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ東
トップ目の今の藤崎には誰も立ち向かえないことを知ってのリーチである。
アガれてもアガれなくてもどちらでもいいリーチなのである。
大事なのは瀬戸熊の親を速やかに終わらせ、次局の藤崎自身への親番につなげる為の布石のリーチなのである。
そして迎えた親番でリーチを打つ。
一発目で七索を引きアガる。
三万四万五万六万六万五索六索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ二筒
藤崎の描いたストーリー通りに全ての事が運ぶ。
このために藤崎は耐え忍んでいたのである。
前田
「東1局1本場で勝又プロとのドラドラピンフ対決を制し、今日も好調かと思ったが、そこから藤崎プロの怒涛の攻撃が始まる。しかし焦りはなく、ついに来たか・・といった感じであった。藤崎プロがダントツで迎えたオーラス2本場、瀬戸熊プロからのリーチが入る。藤崎プロがかなり押している。自分の手もタンピン三色のテンパイを果たすが、2人に危ない無筋の三筒…高目でアガれば浮きにまわるが、普段の自分ならオリを選択していたと思う。しかし形で押し出されるように三筒を切る。たまたま通ったから問題無いが、当たれば敗着になりかねない一打だと思う。危なっかしい麻雀に、こんなんじゃダメだと反省する一打でした。5回戦目で印象に残ったのはこの局でした。」
前田はこの半荘をこのように振り返っていた。
100
 
藤崎
「東3局1本場の瀬戸熊プロの親リーチ。自分は手詰まり。掴めば即放銃の九索タンキを掴まず。これも好感触でした。こうなれば次の親番は全力勝負と思っていたので、あの11,600点は大きかったです。東場の親が落ちて南場はゼロからの再出発のつもりでいたのですが、南1局の400・700のツモアガリと南2局で八筒六筒と立て続けに鳴けたおかげで、勝又プロへの放銃回避で更に好感触を得たので、南4局2本場も2シャンテンから攻撃あるのみでいけました。この半荘がもしかしたら18年のプロ活動の中で一番の内容かもしれません。」
たしかに、藤崎の言う通り、素晴らしい半荘だったように思う。
私などもタイトル戦、普段の稽古を含め、1年間のうちで、今日は良かったナと思える日、思える半荘は幾つかしかない。
それが、普段謙虚で、尚且つ、多数のタイトルを獲得している藤崎が18年のプロ活動の中でのベストと言える半荘に、この鳳凰戦という大舞台で巡り合えたことは藤崎は幸せ者と言える。
勿論、藤崎の力あってのものなのだが。
麻雀ファンの方には連盟チャンネルで、是非ご覧いただきたい。
5回戦成績
藤崎+43.0P 前田▲6.6P 瀬戸熊▲10.3P 勝又▲26.1P
5回戦終了時
前田+43.7P 勝又+23.2P 藤崎▲5.0P 瀬戸熊▲61.9P
 
6回戦(起家から、勝又、藤崎、前田、瀬戸熊)
対局開始前、藤崎の会話が滑らかになった。
「1回トップを取る人が2連勝することになっているんでしょ?今回の鳳凰戦は!」
だまって微笑んでいる瀬戸熊の表情が印象的に思った。
東2局1本場
藤崎が宣言通り今局速いテンパイから残りツモ1回を確認し、リーチを打った。
四万五万三索三索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  暗カン牌の背六索 上向き六索 上向き牌の背  ドラ三索
【リーチ、ツモ、ハイテイ、タンヤオ、ドラ2】の6,000オールを狙ったものである。
6,000オールの為ならば、リーチ棒の1本2本惜しまない、鳳凰位を勝ち取る姿勢が打たせたリーチである。
ヤミテンの時点から前田がツモ三万で手止まり、ドラトイツを持ちながらも頭を下げ続けている。
これも前田らしい我慢強さである。この瞬間に今局を捨てられる打ち手が何人いるのだろうか。
それだけ前田が局面が見えているということなのだろう。
六万三索三索四索五索七索七索東西西北白中  ツモ三万  打白  ドラ三索
東3局1本場
その前田が親番で、渾身のリーチを打つ。
四万四万三索四索五索二筒三筒四筒四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ドラ二筒
これを流局間際に引きアガる。
3,900オールは4,000オールの大きなツモアガリである。
藤崎
「初日の約100ポイントの差と5回戦目があまりに好感触だったために、結果大きなラスになる事になったとしても、この半荘は全力でトップを取りに行くつもりでいました。今決定戦で一番の勝負所と思っていました。東3局1本場。親であるトータルトップの前田プロの10巡目リーチが掛った時、自分はさほど好形ではないドラもない1シャンテン。フラットな状態ならほぼ戦わない手牌。しかし、前述した通りの気持ちだったので真っすぐ戦うつもりでした。でも前田プロの下家の瀬戸熊プロの打四索をみて、安全牌は四索の1枚しかなかったのですが、瀬戸熊プロと前田プロの勝負に水を差す結果になるのを嫌って四索を抜きました。瀬戸熊プロのまわった気配を感じた時『まずい!』と思い、自分のアガリ逃しを見て『しまった!』と思いました。せめて流局してくれという願いもむなしく、前田プロに最後のツモで3,900オール。初日のマイナスをほぼ取り返してポイント的には2日目は大きくプラス。しかしこの局の失着のせいで’勢い値’でいえばすでにマイナスに転じたと思いました。なので、今日の残りの2半荘と半分は全力で我慢して、3日目以降に勝負権を残そうと考えました。この局を境に前田プロの’勢い値’は増すばかり。手も足もでませんでしたが、我ながらよくまとめたと思っています。」
そして東3局2本場
100
勝又十八番の七対子に前田が藤崎から打ち出された三筒に見向きもせず、面前で仕上げ追いかけリーチを打つ。
前田に理があるように映ったが、アガったのは捌きに入った藤崎である。
さすが自ら忍者と名乗るだけのことはある。勝又のアガリ牌である二索をツモアガった。
仮に前田が三筒を仕掛けたら、前田の勝又への放銃で終わっていた。
仮の話をしても仕方がない。
なぜならば、こういう局面において前田が捌きにかけることが無いからである。
そしてこの半荘を締めくくったのは、藤崎の12,000点のツモアガリであった。
見事と言うしかないが、藤崎の2連勝とは叶わず、前田が3勝目をあげた。
藤崎配牌
二万三万八万九万二筒八筒東西西北北発中  ドラ六筒
藤崎最終形
二万二万二万北北中中  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン西西西  ツモ中  ドラ六筒
6回戦成績
前田+26.4P 藤崎+7.0P 瀬戸熊▲10.0P 勝又▲23.4P
6回戦終了時
前田+70.1P 藤崎+2.0P 勝又▲0.2P 瀬戸熊▲71.9P
 
7回戦(起家から、瀬戸熊、勝又、前田、藤崎)
休憩時間に、瀬戸熊がスタジオの中にある手洗いで歯を磨いている光景が印象的だった。
藤原隆弘に尋ねたところ、
「セトちゃんは窮地に追い込まれるといつも歯磨きをしているんだよ。」
たしかに。歯磨きに関わらず瀬戸熊は休憩時間を利用し、あらゆる準備をして対局に臨んでいる。
例えば対局の折り瀬戸熊は、必ず自前の運動靴を用意してくる。
この事に限らず、あらゆる工夫をして対局に臨む姿勢は、誰より群を抜いていることは間違いがない事実である。
南1局
親の瀬戸熊の1オクターブ高いリーチの発声が4巡目に入る。
一万二万三万二索三索四索五索六索一筒二筒三筒西西  ドラ四索
「ツモ、6,000オール。」
100
今回のシリーズ始まって以来の瀬戸熊の咆哮である。
ここから瀬戸熊の時間帯が始まるのかと思わせたが、次局勝又が手堅くまとめきり、藤崎より8,000点を出アガる。
勝又配牌
八万八索一筒一筒一筒四筒七筒七筒八筒西西北発  ドラ西
勝又最終形
一万三万七索八索九索七筒八筒九筒西西  暗カン牌の背一筒 上向き一筒 上向き牌の背  ロン二万  ドラ西
配牌からこの形にまとめアガリ切るのは流石は勝又である。
南2局
前田に13巡目にリーチが入り、瀬戸熊がノータイムで六筒を放銃。
この時の瀬戸熊の表情、表現しづらいのだが、固く閉ざされた口元が窄まり、目が異様に輝きを放っていた。

100
100
100
100

―――――なぜここでロン牌を掴むのだ!
私には瀬戸熊の眼光がそう叫んでいるように映った。
前田
四万五万六万八万八万二索三索四索一筒二筒三筒七筒八筒  リーチ  ドラ八万
瀬戸熊
一万一万二万二万三万三万五万六万八万八万六索八索八索  ツモ切り六筒
南4局
親の藤崎から絶好のドラの五索を暗刻にしたリーチが入る。
一索二索三索五索五索五索二筒二筒四筒四筒五筒五筒六筒  ドラ五索
そのリーチに今まで鉄壁のガードを誇っていた前田が飛び込む。
追う側にとっては、このアガリが実質順位点を入れると、32,000点、この役満分の価値あるアガリである。
前田
「藤崎プロの親番で藤崎プロからリーチが入る。安全牌が尽き手詰まりではあるのだが、結局三筒で12,000の放銃となってしまう。リーチ前の一筒手だしがあるので三筒切りはやはり甘かったように思う。この流れだと、最後は勝又プロにまくられてラスだろうなと思っていたが、最後は瀬戸熊プロのツモアガリでなんとか3着で切り抜けられた。ラスでなかったことで、まだ大丈夫!と強く思えた局でした。」
藤崎
「前田プロから12,000。いやーびっくりしました。」
短いコメントである。その短いコメントの中に前田に対する敬意の気持ちが込められているのである。
そして1本場は瀬戸熊が自力でツモアガリ、今シリーズ1勝目をあげる。
そして勝又は本日3連続ラスである。
技術力、目に見える部分が全てであるならば、勝又は間違いなく屈指の打ち手である。
その勝又にして3連続ラスを取るということは、それほど鳳凰戦と言うステージが高いということの証左である。
100
7回戦成績
瀬戸熊+31.9P 藤崎+9.0P 前田▲17.3P 勝又▲23.6P
7回戦終了時
前田+52.8P 藤崎+11.0P 勝又▲23.8P 瀬戸熊▲40.0P
 
8回戦(起家から、勝又、前田、瀬戸熊、藤崎)
にこやかに談笑する3人の中に、緊張感を漂わせた表情で卓に着く瀬戸熊が印象的だった。
瀬戸熊が卓に着くと皆もその緊張感が移ったかのように戦う姿勢に入っていった。
人それぞれ休憩の間に気持ちの作り方は違うということである。
東1局
藤崎、勝又の仕掛けが飛び交う中、ラス牌のドラを引きアガる前田。
五万五万六万六万七万七万六索六索七索七索八筒八筒北  ツモ北  ドラ北
前田と言う男は、休憩時間を利用し気持ちの切り替えを計るのが本当に上手いのである。
これも大切なひとつの能力なのである。
前半荘、藤崎に放銃した12,000点の傷は癒えているようだ。
もしくは、前田がそんな放銃もあることも織り込み済みだったのかもしれない。
100
藤崎
「2フーロから三筒六筒九筒ではなく北のドラタンキに受けたのですが、誰も強く来ている雰囲気ではなかったので、みんなで1枚ずつ掴んでいるようなドラを切って周りを楽にすることを嫌った結果なので、前田プロにドラタンキの2,000・4,000をツモられるという最悪の結果でしたが『しょうがないかな』という感じです。」
東3局
藤崎が仕掛ける。
本人に尋ねてみないと解らないが、藤崎の仕掛けのほとんどの時が瀬戸熊が親の時である。
瀬戸熊のスコアが纏まらない要因の1つに、藤崎による瀬戸熊の親番つぶしがあることだと思う。
藤崎ほど瀬戸熊の連荘力を味わった打ち手はこのメンバーの中にはいない。
藤崎が連覇を考えた時、瀬戸熊の親には連荘させないことが第一条件に入っていたのかも知れない。
そう考えていくと藤崎の仕掛けは得心が行く。
東4局
100
前田
一万一万一万三索四索一筒一筒三筒五筒五筒七筒東発  ツモ発 打七筒  ドラ五索
前田
「下家の瀬戸熊プロがホンイツ模様の仕掛けを入れている。捨て牌にはマンズと一索が切られており、ピンズのホンイツに見える。が、少し違和感も感じていた。リーグ戦でもたまにやることがあるが、5巡目に探りの七筒切りをしてみた。ピンズのホンイツなら急所であるであろうし、鳴かれて手が進んでも藤崎プロが親なのでツモられるのもOKという気持ちである。そして七筒を切ってみての反応、動作、目線等を確認し、ピンズのホンイツでない可能性が高いと確信する。こうなれば何も鳴かせはしない。鳴かせていれば結果はどうなっていたかわからないが、自分のアンテナと感覚が間違っていないと確信出来た1局でした。」
南2局
前田、価値のある1,000オールのツモアガリ。
五万六万七万三索四索七索七索四筒五筒六筒  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  ツモ五索  ドラ五万
そして1本場、前田3巡目にリーチを入れる。
11巡目に軽々と七索をツモアガる。
三万四万五万六万七万八万五索六索一筒一筒西西西  リーチ  ツモ七索  ドラ八万
静かに、そして確実に前田のメーターが上がっていく。
持ち点が45,300をマークしている。
現時点での2着目に位置する藤崎との差が70ポイントまで広がった。
そして南2局3本場。
11巡目に前田がリーチ。
下位のリーグを観戦していると、リードしている者が守り、失点を犯した者が攻めるおかしな光景を目にすることがあるが、逆なのである。
ベースはリードしている者は点差を広げることを意識すべきであり、失点をしたものは静かに深く潜行すべきものなのである。
今局は流局。みな何をすべきか分かっているのである。
続く4本場。
今局前田は、2枚目の白も動いていない。
仮に動いていたら、結果として2,600オールをツモっていたが、ここまでメーターを伸ばした以上、動かないのも前田流なのだろう。
三索三索三索五索七索一筒一筒五筒六筒七筒  ポン白白白  ドラ一筒  ツモ六索
100
 
打ち手が自分のカタチで打てなくなった時を前田は恐れているのだろう。
オーラスも前田が締めくくる。
六万七万八万九万九万四筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ロン六筒  ドラ九万
前田、これで価値ある4勝目をあげる。
100
 
藤崎
「2日目は4回とも浮きでトータルをプラスまで戻したのですが、とにかく’ツキ’は誰よりもあったのに自分の失着のせいで’勢い’をうしなってしまったことが何よりも悔やまれます。自分にとってはここから1週間空くという幸運を活かして前田プロに食らいついていきたいと思います。」
勝又
「5回戦、東3局
100
藤崎さんの手牌を完全に読み間違い、七対子をアガリ逃ししてしまいました。河が変則になっていることもあり、1シャンテンで南を切るべきであったと思います。この局以降、局面を打開しようと仕掛けを多用しましたが、状況が悪くなりつつあるからこそ我慢すべきだったと思います。そして6回戦以降、あきらかに状況が悪くなった後に、勝負局を作ることができなかったことが自分の力のなさであると思います。1局単位でこれというより、全体的に戦い方が悪かったと思いこのようになってしまいました。」
瀬戸熊
「7回戦でトップを取ったものの、あとが続かないのが、今回の決定戦を象徴しているようでした。特に、調子が上がってきたと錯覚して、ラス前に前田さんに放銃した六筒などは、反省しかありません。苦戦の原因は、我慢の欠如と勝負勘のズレだと思います。8回戦の親番の三索六索リーチなどを空ぶった時に、ひどい疲労を覚えた時点が、今回の決定戦を物語ってるように思います。後半戦はリミットに押し潰されないよう何処まで我慢出来るかの勝負になると思ってます。」
8回戦成績
前田+25.9P 藤崎+4.5P 勝又▲10.9P 瀬戸熊▲19.5P
8回戦終了時
前田+78.7P 藤崎+15.5P 勝又▲34.7P 瀬戸熊▲59.5P

第27期チャンピオンズリーグ 決勝観戦記 柴田 弘幸

今回で27期目となるチャンピオンズリーグ。
リーグの境を越えて、上位&下位リーグ者が戦うタイトルである。

前期より映像配信での対局となったため、若手プロ達は多くのベテラン勢に打ち勝ち、自分の実力をアピールするには絶好の場である。
そして優勝者には、年度末に行われるタイトル戦、麻雀グランプリMAXの出場権も与えられる。

今回観戦記を努めるのは、チャンピオンズリーグ決勝経験は2回あるが、優勝経験は未だにない柴田弘幸が担当させて頂きます。

メンバーは以下の4名
100
客野直(きゃくのなおき)
B型
23期生
四段
B2リーグ所属
「初のタイトル戦決勝ですが普段どうり打てるように頑張ります!」

 

100
ケネス徳田(ケネスとくだ)
B型
29期生
初段
D1リーグ所属
「先のグランプリMAX優勝までの通過点として挑みます!」

 

100
安達紘文(あだちひろふみ)
AB型
27期生
2段
D2リーグ所属
「獲らなきゃ意味が無いので獲ります!」

 

100
吉野敦志(よしのあつし)
A型
26期生
2段
D3リーグ所属
「お世話になった先輩達に優勝という形で恩返しがしたいです!」

 

タイトル戦の決勝はみな初挑戦となる映像対局の経験などではケネス・吉野は経験豊富な分有利か?
今メンバーでは格上となる客野の経験が生きるか?それとも安達が意地で勝ちきるかといったところ。

100

 

1回戦
起家から、ケネス 客野 安達 吉野
開局の東1局ドラ一索

全体的に字牌が重い局となる。
13巡目に客野がテンパイ。南家ではあるが落ち着いて白狙いのヤミテン選択。

100

続いて14巡目、吉野にこのテンパイが入る。選択は色々あるがドラ一索も見越しての打七筒のリーチ。

100

客野はこのリーチ後すぐに高めの二索を掴み、西白共に1枚きれではあるが、ケアしての現物白のトイツ落とし。
これが最善の結果となり、

二万三万四万五万六万七万二索三筒四筒五筒西西西

これで再びテンパイ。

「印象付け」僕はこの言葉が好きである。
解説ではないのであえて自分ならばとして書くが、吉野の手牌であれば、打牌選択はどちらになるかわからないが、どちらにしてもヤミテンの構えであろう。

一索,四索のアガリに価値を感じなく、二索でアガるならリーチがいらないというのが一点と、この手牌をリーチをせずに例えアガれず流局して見せることで「甘い牌は咎めますよ」と、いずれ訪れる苦しいときの駆け引きで、ヤミテンの印象を与えておくことが長い戦いで有利に働くことが多いからだ。
逆に、吉野のこの手がもしドラが八筒で、倍満を引きにいくリーチならたいしたもので、相手に与える印象は大きくなる。

結果は客野の嫌なテンパイ形を見せられる。
ただ吉野が開局だからという理由で打ったリーチであるなら、この客野のテンパイを見て今後の対応をしっかり調整しなくてはと思う。

東2局1本場、親の客野へのケアか、皆がオリ気配。
客野もそれを感じとったのか、ハイテイでドラの中を打ち1人テンパイ。

一万二万三万四索五索二筒二筒四筒五筒六筒  暗カン牌の背白白牌の背  ドラ中

客野の場を見る対局観も優秀だが、子方にも問題アリと記す。

東2局2本場、客野の序盤の手牌だが、

四万四万六万一索一索二索五索七索七索三筒六筒東発中  ドラ六索

二筒の1枚切れを見たのと、七対子などを見て打三筒としている。
これはまだ進行が不安残りで、目一杯は保留しているというのが理解できるが、次ツモのドラ六索で解説の内川プロも言っていたが、広げての字牌を切り飛ばして欲しかった。
さきほどのドラ中切りの意味を考えて欲しく、客野に敗因があるとすればここと記した。
ケネスと安達の猛攻に阻まれケネスから安達に6,400は7,000。

100

南1局2本場、供託2,000。
我慢が続いた吉野。ここで今半荘勝負と見たのであろう、北家で積極的にトイトイ含みで白をポンして最高形まできてツモに力が入る。

五万五万九万九万九万四索四索四索六索六索  ポン白白白  ドラ八万

100

結果は、ケネス気合の2,000は2,200オール

一万一万三万四万五万六万八万五索六索七索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ七万

100

南1局3本場、安達の気持ち負けが見れる。

二万三万四万二索四索六索三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒白  ドラ八筒

11巡目に率先して打七筒として白を絞りつつソーズで決めようとする。
白で間を測ろうとしているのであろう。

別にこれがどうとは思わないが、3巡目に自身が切っている三を持ってきて四筒の中抜きをしている。
七筒を率先して打っている以上、意地を張ってでもこの三万をツモ切ってほしい。

南2局4本場、親の客野ひとアガリ欲しいと見てうまいヤミテン。

四万五万六万六万七万九万九万三索四索四索五索五索六索  ツモ五万  ドラ五索

2,600は3,000オールとする。

南2局5本場、親の客野に大物手が入る。

一万一万二万二万三万三万三万四万五万四索四索五索六索  ドラ三万

ヤミテンの18,000が入るも、ここはケネスが阻止。

三万四万五万一索一索三索四索五索七索八索九索六筒七筒

客野からケネスに2,000は3,500。
南4局、安達に苦しい満貫のテンパイが入るが、

三万四万四万五万五万六万七万七万南南  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ドラ七万

客野がアガリきり1人浮き。

100

1回戦成績
客野+25.8P ケネス▲3.4P 安達▲8.2P 吉野▲14.2P

 

2回戦
起家から、客野 吉野 ケネス 安達

東1局ドラ一、吉野が見事な手順で一通テンパイ。

100

しょうがないことだが、南家なので南の保険をかけた九索残しが若干傷になるが、これを安達から5,200のアガリ。

東2局、放銃した安達も、自身を奮い起こすようにポンの声を出す。
打点は劣るが、

四万五万六万六万八万五索六索七索八筒八筒  ポン西西西  ツモ七万  ドラ四万

東4局、西家・吉野のこのリーチ。

100

しかし、吉野が自身の手牌と合わせれば、最後の牌となる五筒を客野へ1,300の放銃。

100

南1局1本場、親の客野は、直前に4枚目の二筒を打たれたので迷うことなく打二筒でのカン三筒リーチ。

一万二万三万四索四索四索七索八索九索一筒一筒二筒四筒  ツモ三筒  ドラ九索

これをツモアガる。
カンチャンとシャンポンの選択に迷いがないよう、場に正解がでているので間違えようがなく、先ほどのアガリといい良い状態であるとみる。

南2局、2回戦もトップを走る客野に、筆者は逃げの意識に隙が見えた気がする。
今まで役牌を丁寧に打っていた客野が、特にまとまってもいない形からオタ風を残しての発の打ち出し。
親の吉野にチャンス手が入る

二索三索四索三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ドラ五筒

ヤミテンで狙いたかったが、巡目が間に合わずチーしてのテンパイ。
一歩間違えれば客野は放銃だったことに気付く。
このテンパイ形をみて早い段階で油断が消えそうだなと思った。

南3局、ケネス渾身のリーチ。

100

吉野はヤミテンで構える。

100

客野も勝負所とみて押し切りここを制す。

100

南4局は、客野1人テンパイで、なんとそれにより2人が沈み連続1人浮きとなる。

2回戦終了時トータル
客野+50.7P ケネス▲6.0 吉野▲16.8P 安達▲27.9P

 

3回戦
起家から、客野 ケネス 吉野 安達

東1局、連勝の客野の親を牽制する意味で、ケネスが客野の親落としで執拗に仕掛ける。

ケネス
一万二万五万五万  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン白白白  ドラ六筒

そして吉野・安達もリーチ

吉野
一万二万三万四索四索四索三筒四筒六筒六筒八筒八筒八筒  リーチ

安達
三万四万六万七万八万九万九万一索二索三索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ二万

安達の1.300・2,600のアガリとなる
客野に麻雀をさせないという3者の意識が見える1局となった。

東3局、客野も自分のペースを掴もうとこのアガリがきまる。

100

打点こそないものの場況をよくみて正解を引く。
選択を間違わせる打牌を3者ができればと思ったが?難しいところか。

3回戦は客野のプラスを減らせることに成功する。

3回戦終了時のトータル
客野+39.0P ケネス+0.4P 安達▲6.5P 吉野▲33.9P

 

4回戦
起家から、吉野 客野 ケネス 安達

東2局2本場、客野が2連続テンパイからの1,300は1,500オールで加点する。

六万七万八万七索九索三筒三筒  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン東東東  ツモ八索

東3局、客野さらに突き放しに行きリーチ。

100

親のケネスもここは直撃のチャンスとみてのタンヤオの追いかけリーチ。

100

結果は、非常に痛い六筒での放銃となってしまったが、これを責めることはできない。
正直、選手としてここに自分が座って冷静に判断できるか?直撃すればチャンス、放銃すれば遠のく、そんな計算よりも、ケネスはリーチと客野に襲いかかろうと体で打ったのであろう。

4回戦目は本日3度目の客野1人浮き。

4回戦終了時トータル
客野+73.6P ケネス▲10.1P 安達▲13.1P 吉野▲51.4P

 

5回戦
起家から、ケネス 安達 吉野 客野

5回戦は、ケネスが5万点まで点数を伸ばすが失速し、オーラスは役満をツモられても大丈夫な位置を客野が維持し終局。
1回戦から終始安定感があった客野。
また、アガれるとみるや勝負どころはしっかり押してアガリきる優勝にふさわしい麻雀であった。
おめでとうございます客野プロ!

100

JPML WRCリーグ 決勝観戦記/第27期チャンピオンズリーグ 決勝観戦記 柴田 弘幸

今回で27期目となるチャンピオンズリーグ。
リーグの境を越えて、上位&下位リーグ者が戦うタイトルである。
前期より映像配信での対局となったため、若手プロ達は多くのベテラン勢に打ち勝ち、自分の実力をアピールするには絶好の場である。
そして優勝者には、年度末に行われるタイトル戦、麻雀グランプリMAXの出場権も与えられる。
今回観戦記を努めるのは、チャンピオンズリーグ決勝経験は2回あるが、優勝経験は未だにない柴田弘幸が担当させて頂きます。
メンバーは以下の4名
100
客野直(きゃくのなおき)
B型
23期生
四段
B2リーグ所属
「初のタイトル戦決勝ですが普段どうり打てるように頑張ります!」
 
100
ケネス徳田(ケネスとくだ)
B型
29期生
初段
D1リーグ所属
「先のグランプリMAX優勝までの通過点として挑みます!」
 
100
安達紘文(あだちひろふみ)
AB型
27期生
2段
D2リーグ所属
「獲らなきゃ意味が無いので獲ります!」
 
100
吉野敦志(よしのあつし)
A型
26期生
2段
D3リーグ所属
「お世話になった先輩達に優勝という形で恩返しがしたいです!」
 
タイトル戦の決勝はみな初挑戦となる映像対局の経験などではケネス・吉野は経験豊富な分有利か?
今メンバーでは格上となる客野の経験が生きるか?それとも安達が意地で勝ちきるかといったところ。
100
 
1回戦
起家から、ケネス 客野 安達 吉野
開局の東1局ドラ一索
全体的に字牌が重い局となる。
13巡目に客野がテンパイ。南家ではあるが落ち着いて白狙いのヤミテン選択。
100
続いて14巡目、吉野にこのテンパイが入る。選択は色々あるがドラ一索も見越しての打七筒のリーチ。
100
客野はこのリーチ後すぐに高めの二索を掴み、西白共に1枚きれではあるが、ケアしての現物白のトイツ落とし。
これが最善の結果となり、
二万三万四万五万六万七万二索三筒四筒五筒西西西
これで再びテンパイ。
「印象付け」僕はこの言葉が好きである。
解説ではないのであえて自分ならばとして書くが、吉野の手牌であれば、打牌選択はどちらになるかわからないが、どちらにしてもヤミテンの構えであろう。
一索,四索のアガリに価値を感じなく、二索でアガるならリーチがいらないというのが一点と、この手牌をリーチをせずに例えアガれず流局して見せることで「甘い牌は咎めますよ」と、いずれ訪れる苦しいときの駆け引きで、ヤミテンの印象を与えておくことが長い戦いで有利に働くことが多いからだ。
逆に、吉野のこの手がもしドラが八筒で、倍満を引きにいくリーチならたいしたもので、相手に与える印象は大きくなる。
結果は客野の嫌なテンパイ形を見せられる。
ただ吉野が開局だからという理由で打ったリーチであるなら、この客野のテンパイを見て今後の対応をしっかり調整しなくてはと思う。
東2局1本場、親の客野へのケアか、皆がオリ気配。
客野もそれを感じとったのか、ハイテイでドラの中を打ち1人テンパイ。
一万二万三万四索五索二筒二筒四筒五筒六筒  暗カン牌の背白白牌の背  ドラ中
客野の場を見る対局観も優秀だが、子方にも問題アリと記す。
東2局2本場、客野の序盤の手牌だが、
四万四万六万一索一索二索五索七索七索三筒六筒東発中  ドラ六索
二筒の1枚切れを見たのと、七対子などを見て打三筒としている。
これはまだ進行が不安残りで、目一杯は保留しているというのが理解できるが、次ツモのドラ六索で解説の内川プロも言っていたが、広げての字牌を切り飛ばして欲しかった。
さきほどのドラ中切りの意味を考えて欲しく、客野に敗因があるとすればここと記した。
ケネスと安達の猛攻に阻まれケネスから安達に6,400は7,000。
100
南1局2本場、供託2,000。
我慢が続いた吉野。ここで今半荘勝負と見たのであろう、北家で積極的にトイトイ含みで白をポンして最高形まできてツモに力が入る。
五万五万九万九万九万四索四索四索六索六索  ポン白白白  ドラ八万
100
結果は、ケネス気合の2,000は2,200オール
一万一万三万四万五万六万八万五索六索七索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ七万
100
南1局3本場、安達の気持ち負けが見れる。
二万三万四万二索四索六索三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒白  ドラ八筒
11巡目に率先して打七筒として白を絞りつつソーズで決めようとする。
白で間を測ろうとしているのであろう。
別にこれがどうとは思わないが、3巡目に自身が切っている三を持ってきて四筒の中抜きをしている。
七筒を率先して打っている以上、意地を張ってでもこの三万をツモ切ってほしい。
南2局4本場、親の客野ひとアガリ欲しいと見てうまいヤミテン。
四万五万六万六万七万九万九万三索四索四索五索五索六索  ツモ五万  ドラ五索
2,600は3,000オールとする。
南2局5本場、親の客野に大物手が入る。
一万一万二万二万三万三万三万四万五万四索四索五索六索  ドラ三万
ヤミテンの18,000が入るも、ここはケネスが阻止。
三万四万五万一索一索三索四索五索七索八索九索六筒七筒
客野からケネスに2,000は3,500。
南4局、安達に苦しい満貫のテンパイが入るが、
三万四万四万五万五万六万七万七万南南  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ドラ七万
客野がアガリきり1人浮き。
100
1回戦成績
客野+25.8P ケネス▲3.4P 安達▲8.2P 吉野▲14.2P
 
2回戦
起家から、客野 吉野 ケネス 安達
東1局ドラ一、吉野が見事な手順で一通テンパイ。
100
しょうがないことだが、南家なので南の保険をかけた九索残しが若干傷になるが、これを安達から5,200のアガリ。
東2局、放銃した安達も、自身を奮い起こすようにポンの声を出す。
打点は劣るが、
四万五万六万六万八万五索六索七索八筒八筒  ポン西西西  ツモ七万  ドラ四万
東4局、西家・吉野のこのリーチ。
100
しかし、吉野が自身の手牌と合わせれば、最後の牌となる五筒を客野へ1,300の放銃。
100
南1局1本場、親の客野は、直前に4枚目の二筒を打たれたので迷うことなく打二筒でのカン三筒リーチ。
一万二万三万四索四索四索七索八索九索一筒一筒二筒四筒  ツモ三筒  ドラ九索
これをツモアガる。
カンチャンとシャンポンの選択に迷いがないよう、場に正解がでているので間違えようがなく、先ほどのアガリといい良い状態であるとみる。
南2局、2回戦もトップを走る客野に、筆者は逃げの意識に隙が見えた気がする。
今まで役牌を丁寧に打っていた客野が、特にまとまってもいない形からオタ風を残しての発の打ち出し。
親の吉野にチャンス手が入る
二索三索四索三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ドラ五筒
ヤミテンで狙いたかったが、巡目が間に合わずチーしてのテンパイ。
一歩間違えれば客野は放銃だったことに気付く。
このテンパイ形をみて早い段階で油断が消えそうだなと思った。
南3局、ケネス渾身のリーチ。
100
吉野はヤミテンで構える。
100
客野も勝負所とみて押し切りここを制す。
100
南4局は、客野1人テンパイで、なんとそれにより2人が沈み連続1人浮きとなる。
2回戦終了時トータル
客野+50.7P ケネス▲6.0 吉野▲16.8P 安達▲27.9P
 
3回戦
起家から、客野 ケネス 吉野 安達
東1局、連勝の客野の親を牽制する意味で、ケネスが客野の親落としで執拗に仕掛ける。
ケネス
一万二万五万五万  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン白白白  ドラ六筒
そして吉野・安達もリーチ
吉野
一万二万三万四索四索四索三筒四筒六筒六筒八筒八筒八筒  リーチ
安達
三万四万六万七万八万九万九万一索二索三索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ二万
安達の1.300・2,600のアガリとなる
客野に麻雀をさせないという3者の意識が見える1局となった。
東3局、客野も自分のペースを掴もうとこのアガリがきまる。
100
打点こそないものの場況をよくみて正解を引く。
選択を間違わせる打牌を3者ができればと思ったが?難しいところか。
3回戦は客野のプラスを減らせることに成功する。
3回戦終了時のトータル
客野+39.0P ケネス+0.4P 安達▲6.5P 吉野▲33.9P
 
4回戦
起家から、吉野 客野 ケネス 安達
東2局2本場、客野が2連続テンパイからの1,300は1,500オールで加点する。
六万七万八万七索九索三筒三筒  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン東東東  ツモ八索
東3局、客野さらに突き放しに行きリーチ。
100
親のケネスもここは直撃のチャンスとみてのタンヤオの追いかけリーチ。
100
結果は、非常に痛い六筒での放銃となってしまったが、これを責めることはできない。
正直、選手としてここに自分が座って冷静に判断できるか?直撃すればチャンス、放銃すれば遠のく、そんな計算よりも、ケネスはリーチと客野に襲いかかろうと体で打ったのであろう。
4回戦目は本日3度目の客野1人浮き。
4回戦終了時トータル
客野+73.6P ケネス▲10.1P 安達▲13.1P 吉野▲51.4P
 
5回戦
起家から、ケネス 安達 吉野 客野
5回戦は、ケネスが5万点まで点数を伸ばすが失速し、オーラスは役満をツモられても大丈夫な位置を客野が維持し終局。
1回戦から終始安定感があった客野。
また、アガれるとみるや勝負どころはしっかり押してアガリきる優勝にふさわしい麻雀であった。
おめでとうございます客野プロ!
100

第9期女流桜花決定戦 最終日観戦記 櫻井秀樹

2日目終了時成績

安田麻里菜 +79.8P
吾妻さおり +21.0P
和久津晶  ▲23.0P
魚谷侑未  ▲77.8P

5回戦から8回戦までを5連勝でトータルトップを独走する安田。
解説の藤崎鳳凰位も言っていたが、タイトル戦の決勝で5連勝は聞いた事がない。
これが新しい安田の麻雀なのか?

しかし、追う3人も簡単には逃がしてくれないだろう。最終局が近づくごとにプレッシャーが増して行くのか?
それとも最終局を待たずして勝負を決めてしまうのか?

4人にとって最終戦の初戦は大きな意味を持つ。

100

 

9回戦 (起家から、和久津・安田・魚谷・吾妻)
東1局 オヤの安田は2局連続でテンパイを入れるも、和久津がうまく立ち回りアガリを阻止。

3者からすれば安田の加点だけはなるべく阻止したい。
しかし最終日も安田のバランスは変わらず、受ける局はしっかり受け、先手を取れば間違わず加点する。
余程の事がなければここから点棒を引き出すのは困難か。
ところが3人の執念が通じたか、東4局に事件を起こす。

東4局 東家・吾妻

一万二万三万九万九万九万一索二索三索一筒二筒北北  ロン三筒  ドラ北

放銃は安田、三筒は絶テンとはいえ、すでに16巡目。
自分もシャンテンだが、下家の魚谷の仕掛けに受けてフリテン含みの愚形。
ここは七万を中抜きでもよかったか。

しかし状況はオーラスでさらに激変する。

オーラス1本場 東家・吾妻 10巡目

四万五万六万七万八万五索五索五索一筒一筒六筒七筒八筒  ドラ七筒

45,200持ちからこのリーチ。しかし三万はフリテン宣言牌は七索とかなり微妙。
2,000オールは悪くは無いが、九万は3枚切れという事も加味すると少し危険な気がするが。

結果は、安田のドラ単騎七対子リーチに放銃。原点復帰させてしまうという3者にとって最悪の結果に。

100

9回戦成績
魚谷侑未+19.1P 吾妻さおり+8.9P 安田麻里菜+2.8P 和久津晶▲30.8P

9回戦終了時
安田麻里奈+82.6P 吾妻さおり+29.9P 和久津晶▲53.8P 魚谷侑未▲58.7P

 

10回戦 (起家から、和久津・吾妻・魚谷・安田)
和久津、魚谷としてはもう3連勝が条件。1局たりとも落とせないし、特にオヤ番が重要となってくる。
逆に安田は、9回戦の道中で縮まった点差を思い出せば、やはり残り2回となった時点で80ポイントは差をつけておきたい。
ここでトップをとればほぼ当確か。

一番フラットな状況で打てるのは吾妻であろう。
だが、9回戦のオーラスがあまりに痛い。引きずっていなければよいが・・・

東場の安田は、先程のオーラスのアガリが相当気分良かったのか、もしくは勝利を確信できたのか序盤から積極的に加点、後のない和久津、魚谷も利用し、吾妻をラスを押しつけようとする。

しかし、平常心を取り戻していた吾妻は勝負手をオヤの魚谷から出アガる。
東3局 北家・吾妻

三索四索五索六索七索八索九索  ポン東東東  ポン中中中  ロン三索  ドラ一筒

魚谷もこれをツモアガればまだわからないという勝負リーチであった。

五万五万三索三索五索五索一筒一筒三筒三筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ一筒

仕掛けている吾妻に対して牽制の意味もあったかもしれないが、さすがに枚数的に分が悪すぎた。
本来ならダマテンの選択肢もある手牌だが、点数状況を考えるといたしかたないだろう。

これで吾妻は原点復帰で少しほっとでき、あとは安田の点棒をいかに削るか、であったが。
南1局1本場 北家・安田

一万二万三万七万七万八万八万九万九万一索二索七筒七筒  ロン三索  ドラ七筒

魚谷から5,200の出アガリ。これがわずか6巡目である。
痛いのは魚谷だけではなく追いかける吾妻もだろう。

10回戦は目論見通りか、再度安田がトップ。
吾妻も浮いてはいるものの、安田の押し引きの秀逸さ、安定感を見せつけられ、正直点差以上の差を感じた9、10回戦では無かっただろうか。

10回戦成績
安田麻里菜+24.2P 吾妻さおり+9.9P 魚谷侑未▲14.0P 和久津晶▲20.1P

10回戦終了時
安田麻里奈+106.8P 吾妻さおり+39.8P 魚谷侑未▲72.7P 和久津晶▲73.9P

 

11回戦 (起家から、魚谷・和久津・安田・吾妻)
2半荘を残してポイント的にはおおよそ安田、吾妻の一騎打ち。
しかし、別室で観ていた私は、吾妻には申し訳ないが優勝はほぼ安田で決まりだと思っていた。
まだまだ私自身が麻雀をわかっていない事の再認識でもあり、全く情けないのだが、それだけ安田の出来が良すぎたのだ。

2半荘で60ポイント差はありえない事ではない。が、今日安田が大きなラスを引く事は想像できなかった。

事実11回戦も何事もなく進んでいく。なんせ吾妻はテンパイを全てと言っていいくらいリーチしなければならない。
1回空振るごとに安田の優勝が近づいていく。

しかし、3人にも意地がある。
魚谷、和久津も満貫のツモアガリをみせ

東3局 西家・魚谷
100

一万二万三万三万四万五万三索四索五索八索八索七筒八筒  ツモ九筒  ドラ八索

南1局 和久津
100

二万二万二万三万四万五索六索七索八筒八筒  暗カン牌の背三筒 上向き三筒 上向き牌の背  リンシャンツモ二万  ドラ八筒

小さいながらもようやく安田にラスを押しつける事ができた。
しかし、ラスを引いたものの、安田に失着は無かったように見える。

このまま逃げ切るか?
長い最終戦が始まる。

11回戦成績
魚谷侑未+13.8P 吾妻さおり+6.6P 和久津晶▲7.7P 安田麻里菜▲12.7P

11回戦終了時
安田麻里奈+94.1P 吾妻さおり+46.4P 魚谷侑未▲58.9P 和久津晶▲81.6P

 

最終12回戦 (起家から、吾妻・魚谷・和久津・安田)
魚谷、和久津は積極的に局を潰しに来ないと考えると、キーはもちろん吾妻の2回のオヤ番。
これをどう安田が流すかというところが最終戦のポイントであろう。

規定により起家は吾妻。
早いテンパイが続けて入り、打点は無いものの流局とツモアガリで加点。
当然3者は後手を踏むと前に出てこない。

2本場、安田が仕掛けてアガりきり、桜花へ向けまずは山をひとつ越える。

二万三万七万七万六索七索八索五筒六筒七筒  ポン中中中  ロン一万  ドラ一索

そして最後の山、南1局吾妻のオヤ。ここを越えれば安田は初の女流桜花戴冠のカウントダウンだ。
吾妻36,000点持ちトップ目  安田26,300点の3着
現段階でのトータル 吾妻60.4P  安田86.4P
並びには6,000オールか12,000の直撃。

南1局 東家・吾妻

四万五万六万四索五索三筒三筒三筒五筒五筒  暗カン牌の背西西牌の背  リンシャンツモ六索  ドラ五索

3,900オール

南1局1本場

六万六万二索三索四索七索八索九索六筒六筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き

1人テンパイ

南1局2本場

二万三万四万五万七万三索三索一筒一筒二筒二筒三筒三筒  ツモ六万  ドラ一筒

3,900は4,100オール

100

これが現女流桜花の力か。
あまりにも高い最後の山を、ついに安田は登りきることができなかった。

結局5本場まで続いた吾妻のオヤ、積み上げた点棒は7万点オーバー。
まさにストロングスタイル(王道)のゲーム展開。最終半荘だけで勝負を決めてしまった。

12回戦成績
吾妻さおり+40.9P 和久津晶+22.2P 安田麻里菜▲21.5P 魚谷侑未▲41.6P

最終成績
吾妻さおり+87.3P 安田麻里奈+72.6P 和久津晶▲59.4P 魚谷侑未▲100.5P

 

【対局を終えて】
魚谷は最終日の前に、すでに優勝の可能性は厳しいものだった。
しかし応援してくれるファンがいる以上、諦める事は許されなかった。
苦しかっただろうし、長い1日だっただろう。
しかし本当に最後まで諦めず、かつ試合を壊さないように打っている姿には本物のプロとしての力を感じた。
来年こそは優勝争いの中でその力をみせてほしい。

今期の和久津はプロクイーンの激戦後という事もあり、少し前へ出る気迫というものが薄れていないか心配であった。
最終戦になってやっと和久津らしい麻雀をみせてもらい、ファンの方も少しは安心したところもあったのではないだろうか?
来年、まずはプロクイーンの連覇、そしてまた桜花にも挑んでほしい。

今回、私は最終日のみ何度も動画や牌譜を見返した。
どうしても安田の敗因が見つけられなかったからだ。
本人にもいろいろ聞いてみたが、しっくりとした答えは出ていない。
麻雀だから、と言ってしまえばそれまでなのだが、こんな悔しい負け方はなかなか無いだろう。

最終戦の役無しテンパイのヤミテンも、いつも通りの安田で、あれをヤミテンにしてきたからこそこの位置にいる。
が、それでももしかしたら、あれをリーチに行き、オーラスをヤミテンにするのが決勝戦なのかもしれない。
結果論のみ議論するのは愚かである。ただ、結果しか意味の無い世界であり、結果のみを欲するのがこの決勝戦であることもまた事実。
安田にはこの難問をクリアして、また挑戦してほしい。

最終戦の吾妻はまさに圧巻であった。
挑戦者の攻撃を受けるだけ受けて、最後に逆転勝ち。
これが王道、と思わせるスタイルで、まさに桜花の名にふさわしい美しく力強い麻雀であった。
道中かなり心揺れるような放銃もあったが、吾妻の表情は変わる事はなかった。
最後まで自身の勝利を疑わず、牌に真摯であったからであろう。
2連覇は本当に素晴らしい。来年も一層女流のトップとして活躍してもらいたい。

最後に。
初日観戦記の冒頭で、各選手の鳳凰戦リーグの成績を記しておいた。
彼女達に「もっとも欲しいタイトルは?」と尋ねると間違いなく「鳳凰位」と返ってくるだろう。
昨今女性の麻雀プロのレベルは格段にあがっている。人数比の関係もあるが、もはや必ずしも男性優位な競技ではない。
彼女達の中からいつか鳳凰位にチャレンジする選手が必ず現れるだろうと確信している。

また、今回2年連続同じ面子での決勝であったが、近年はこの4人の誰かが決勝に顔を並べているといった状況だ。
他の女流プロはこの現実をもっと真摯に受け止めてほしい。
プロとしての価値観は人それぞれと書いた。
そう思っていてもやはりプロにはプロであってもらいたいというのが本音だ。

来期は女流桜花Aリーグも全卓配信が決まっている。

誰が吾妻に挑戦するのか?
熱い戦いを期待したい。

100

女流プロリーグ(女流桜花) 決勝観戦記/第9期女流桜花決定戦 最終日観戦記 櫻井秀樹

2日目終了時成績
安田麻里菜 +79.8P
吾妻さおり +21.0P
和久津晶  ▲23.0P
魚谷侑未  ▲77.8P
5回戦から8回戦までを5連勝でトータルトップを独走する安田。
解説の藤崎鳳凰位も言っていたが、タイトル戦の決勝で5連勝は聞いた事がない。
これが新しい安田の麻雀なのか?
しかし、追う3人も簡単には逃がしてくれないだろう。最終局が近づくごとにプレッシャーが増して行くのか?
それとも最終局を待たずして勝負を決めてしまうのか?
4人にとって最終戦の初戦は大きな意味を持つ。

100

 
9回戦 (起家から、和久津・安田・魚谷・吾妻)
東1局 オヤの安田は2局連続でテンパイを入れるも、和久津がうまく立ち回りアガリを阻止。
3者からすれば安田の加点だけはなるべく阻止したい。
しかし最終日も安田のバランスは変わらず、受ける局はしっかり受け、先手を取れば間違わず加点する。
余程の事がなければここから点棒を引き出すのは困難か。
ところが3人の執念が通じたか、東4局に事件を起こす。
東4局 東家・吾妻
一万二万三万九万九万九万一索二索三索一筒二筒北北  ロン三筒  ドラ北
放銃は安田、三筒は絶テンとはいえ、すでに16巡目。
自分もシャンテンだが、下家の魚谷の仕掛けに受けてフリテン含みの愚形。
ここは七万を中抜きでもよかったか。
しかし状況はオーラスでさらに激変する。
オーラス1本場 東家・吾妻 10巡目
四万五万六万七万八万五索五索五索一筒一筒六筒七筒八筒  ドラ七筒
45,200持ちからこのリーチ。しかし三万はフリテン宣言牌は七索とかなり微妙。
2,000オールは悪くは無いが、九万は3枚切れという事も加味すると少し危険な気がするが。
結果は、安田のドラ単騎七対子リーチに放銃。原点復帰させてしまうという3者にとって最悪の結果に。
100
9回戦成績
魚谷侑未+19.1P 吾妻さおり+8.9P 安田麻里菜+2.8P 和久津晶▲30.8P
9回戦終了時
安田麻里奈+82.6P 吾妻さおり+29.9P 和久津晶▲53.8P 魚谷侑未▲58.7P
 
10回戦 (起家から、和久津・吾妻・魚谷・安田)
和久津、魚谷としてはもう3連勝が条件。1局たりとも落とせないし、特にオヤ番が重要となってくる。
逆に安田は、9回戦の道中で縮まった点差を思い出せば、やはり残り2回となった時点で80ポイントは差をつけておきたい。
ここでトップをとればほぼ当確か。
一番フラットな状況で打てるのは吾妻であろう。
だが、9回戦のオーラスがあまりに痛い。引きずっていなければよいが・・・
東場の安田は、先程のオーラスのアガリが相当気分良かったのか、もしくは勝利を確信できたのか序盤から積極的に加点、後のない和久津、魚谷も利用し、吾妻をラスを押しつけようとする。
しかし、平常心を取り戻していた吾妻は勝負手をオヤの魚谷から出アガる。
東3局 北家・吾妻
三索四索五索六索七索八索九索  ポン東東東  ポン中中中  ロン三索  ドラ一筒
魚谷もこれをツモアガればまだわからないという勝負リーチであった。
五万五万三索三索五索五索一筒一筒三筒三筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ一筒
仕掛けている吾妻に対して牽制の意味もあったかもしれないが、さすがに枚数的に分が悪すぎた。
本来ならダマテンの選択肢もある手牌だが、点数状況を考えるといたしかたないだろう。
これで吾妻は原点復帰で少しほっとでき、あとは安田の点棒をいかに削るか、であったが。
南1局1本場 北家・安田
一万二万三万七万七万八万八万九万九万一索二索七筒七筒  ロン三索  ドラ七筒
魚谷から5,200の出アガリ。これがわずか6巡目である。
痛いのは魚谷だけではなく追いかける吾妻もだろう。
10回戦は目論見通りか、再度安田がトップ。
吾妻も浮いてはいるものの、安田の押し引きの秀逸さ、安定感を見せつけられ、正直点差以上の差を感じた9、10回戦では無かっただろうか。
10回戦成績
安田麻里菜+24.2P 吾妻さおり+9.9P 魚谷侑未▲14.0P 和久津晶▲20.1P
10回戦終了時
安田麻里奈+106.8P 吾妻さおり+39.8P 魚谷侑未▲72.7P 和久津晶▲73.9P
 
11回戦 (起家から、魚谷・和久津・安田・吾妻)
2半荘を残してポイント的にはおおよそ安田、吾妻の一騎打ち。
しかし、別室で観ていた私は、吾妻には申し訳ないが優勝はほぼ安田で決まりだと思っていた。
まだまだ私自身が麻雀をわかっていない事の再認識でもあり、全く情けないのだが、それだけ安田の出来が良すぎたのだ。
2半荘で60ポイント差はありえない事ではない。が、今日安田が大きなラスを引く事は想像できなかった。
事実11回戦も何事もなく進んでいく。なんせ吾妻はテンパイを全てと言っていいくらいリーチしなければならない。
1回空振るごとに安田の優勝が近づいていく。
しかし、3人にも意地がある。
魚谷、和久津も満貫のツモアガリをみせ
東3局 西家・魚谷
100
一万二万三万三万四万五万三索四索五索八索八索七筒八筒  ツモ九筒  ドラ八索
南1局 和久津
100
二万二万二万三万四万五索六索七索八筒八筒  暗カン牌の背三筒 上向き三筒 上向き牌の背  リンシャンツモ二万  ドラ八筒
小さいながらもようやく安田にラスを押しつける事ができた。
しかし、ラスを引いたものの、安田に失着は無かったように見える。
このまま逃げ切るか?
長い最終戦が始まる。
11回戦成績
魚谷侑未+13.8P 吾妻さおり+6.6P 和久津晶▲7.7P 安田麻里菜▲12.7P
11回戦終了時
安田麻里奈+94.1P 吾妻さおり+46.4P 魚谷侑未▲58.9P 和久津晶▲81.6P
 
最終12回戦 (起家から、吾妻・魚谷・和久津・安田)
魚谷、和久津は積極的に局を潰しに来ないと考えると、キーはもちろん吾妻の2回のオヤ番。
これをどう安田が流すかというところが最終戦のポイントであろう。
規定により起家は吾妻。
早いテンパイが続けて入り、打点は無いものの流局とツモアガリで加点。
当然3者は後手を踏むと前に出てこない。
2本場、安田が仕掛けてアガりきり、桜花へ向けまずは山をひとつ越える。
二万三万七万七万六索七索八索五筒六筒七筒  ポン中中中  ロン一万  ドラ一索
そして最後の山、南1局吾妻のオヤ。ここを越えれば安田は初の女流桜花戴冠のカウントダウンだ。
吾妻36,000点持ちトップ目  安田26,300点の3着
現段階でのトータル 吾妻60.4P  安田86.4P
並びには6,000オールか12,000の直撃。
南1局 東家・吾妻
四万五万六万四索五索三筒三筒三筒五筒五筒  暗カン牌の背西西牌の背  リンシャンツモ六索  ドラ五索
3,900オール
南1局1本場
六万六万二索三索四索七索八索九索六筒六筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き
1人テンパイ
南1局2本場
二万三万四万五万七万三索三索一筒一筒二筒二筒三筒三筒  ツモ六万  ドラ一筒
3,900は4,100オール
100
これが現女流桜花の力か。
あまりにも高い最後の山を、ついに安田は登りきることができなかった。
結局5本場まで続いた吾妻のオヤ、積み上げた点棒は7万点オーバー。
まさにストロングスタイル(王道)のゲーム展開。最終半荘だけで勝負を決めてしまった。
12回戦成績
吾妻さおり+40.9P 和久津晶+22.2P 安田麻里菜▲21.5P 魚谷侑未▲41.6P
最終成績
吾妻さおり+87.3P 安田麻里奈+72.6P 和久津晶▲59.4P 魚谷侑未▲100.5P
 
【対局を終えて】
魚谷は最終日の前に、すでに優勝の可能性は厳しいものだった。
しかし応援してくれるファンがいる以上、諦める事は許されなかった。
苦しかっただろうし、長い1日だっただろう。
しかし本当に最後まで諦めず、かつ試合を壊さないように打っている姿には本物のプロとしての力を感じた。
来年こそは優勝争いの中でその力をみせてほしい。
今期の和久津はプロクイーンの激戦後という事もあり、少し前へ出る気迫というものが薄れていないか心配であった。
最終戦になってやっと和久津らしい麻雀をみせてもらい、ファンの方も少しは安心したところもあったのではないだろうか?
来年、まずはプロクイーンの連覇、そしてまた桜花にも挑んでほしい。
今回、私は最終日のみ何度も動画や牌譜を見返した。
どうしても安田の敗因が見つけられなかったからだ。
本人にもいろいろ聞いてみたが、しっくりとした答えは出ていない。
麻雀だから、と言ってしまえばそれまでなのだが、こんな悔しい負け方はなかなか無いだろう。
最終戦の役無しテンパイのヤミテンも、いつも通りの安田で、あれをヤミテンにしてきたからこそこの位置にいる。
が、それでももしかしたら、あれをリーチに行き、オーラスをヤミテンにするのが決勝戦なのかもしれない。
結果論のみ議論するのは愚かである。ただ、結果しか意味の無い世界であり、結果のみを欲するのがこの決勝戦であることもまた事実。
安田にはこの難問をクリアして、また挑戦してほしい。
最終戦の吾妻はまさに圧巻であった。
挑戦者の攻撃を受けるだけ受けて、最後に逆転勝ち。
これが王道、と思わせるスタイルで、まさに桜花の名にふさわしい美しく力強い麻雀であった。
道中かなり心揺れるような放銃もあったが、吾妻の表情は変わる事はなかった。
最後まで自身の勝利を疑わず、牌に真摯であったからであろう。
2連覇は本当に素晴らしい。来年も一層女流のトップとして活躍してもらいたい。
最後に。
初日観戦記の冒頭で、各選手の鳳凰戦リーグの成績を記しておいた。
彼女達に「もっとも欲しいタイトルは?」と尋ねると間違いなく「鳳凰位」と返ってくるだろう。
昨今女性の麻雀プロのレベルは格段にあがっている。人数比の関係もあるが、もはや必ずしも男性優位な競技ではない。
彼女達の中からいつか鳳凰位にチャレンジする選手が必ず現れるだろうと確信している。
また、今回2年連続同じ面子での決勝であったが、近年はこの4人の誰かが決勝に顔を並べているといった状況だ。
他の女流プロはこの現実をもっと真摯に受け止めてほしい。
プロとしての価値観は人それぞれと書いた。
そう思っていてもやはりプロにはプロであってもらいたいというのが本音だ。
来期は女流桜花Aリーグも全卓配信が決まっている。
誰が吾妻に挑戦するのか?
熱い戦いを期待したい。

100

第24期中部プロリーグ 決勝レポート 三戸 亮祐

年が明けたのは、つい昨日のように感じてしまうが、もう1月も半分以上過ぎてしまっている。
自分は、日々に追われ時間だけが過ぎて何も成長していないな。とふと思う。

だが、第24期中部プロリーグの決勝には着実に成長していると感じられるメンバーがそろった。
決勝に向けての意気込みを通過順に紹介していこう。

寺戸孝志(四段)
第17期中部プロリーグ優勝
『観戦者に楽しんでもらえるような決勝のメンバーになったので、その中で優勝できると良いなと思います。』
鳳凰戦にも参加している寺戸は、やや目立たないが樋口・森下よりもキャリアは長い。
ここで優勝してアピールしたいところだ。

樋口新(四段)
第19期麻雀マスターズ優勝
『平常心で臨みます。中部プロリーグの決勝は初めてとなりますが、マスターズも初決勝で優勝できたので、今回も優勝できると思います。』
かつてシンデレラボーイと言われた樋口も、久々の決勝である。
もう一度、輝きを見たいと思う。

森下剛任(四段)
第39期王位優勝
『自然体で臨みます。いつも通り力強い麻雀をします。』
破竹の勢いとはこのような状態なのだなと思う。
今現在中部本部で最も強いと断言できる。

日下健司(二段)
第21期中部プロリーグ優勝
『自分も含め、皆麻雀店で働いてる選手との対戦になったので、楽しみにしています。』
シンプルな麻雀を打つ。重い手組みをする他の打ち手が牽制しあえば、勝つ可能性もあると対局前に私と杉村プロとで話していたが、どうなるだろうか。

今決勝は、連盟のタイトルホルダー2名VS中部プロリーグ優勝者2名による構図となった。

1回戦(起家から寺戸・森下・日下・樋口)

東1局
起親の寺戸のホンツ仕掛けに対して、押す樋口に受ける森下。
真逆の反応を見せる2人。
樋口は生牌を2枚押すも、放銃牌だけは打たず寺戸の1人テンパイ。

東1局1本場
初アガリを決めたのは日下。
リーチ・ツモ・ドラ1の1,000・2,000だが、手役を意識せずに両面ならリーチ。
これが日下の持ち味である。

東2局
日下とは対照的に手役を追う、親の森下の456の三色リーチ。

四万五万六万七万七万四索六索一筒一筒一筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九索

七対子のテンパイを入れた寺戸に、こちらもテンパイを入れた樋口が森下の現物のドラで放銃。皆闘う意思が感じられる。

東3局
樋口、三色が見えたが手替わり前にカンチャンをツモ。500・1,000。

南2局
ようやく森下がアガリ、全員にアガリが生まれた。
これで、皆緊張がほぐれるだろう。

南2局1本場
連荘で弾みを付けたい森下であったが、好配牌に恵まれた樋口の2,000・4,000ツモ。

初戦は南3局4局と加点した寺戸のトップとなった。

1回戦成績
寺戸+22.4P 樋口+8.5P 森下▲22.7P 日下▲8.2P

 

2回戦(起家から日下・寺戸・森下・樋口)

1回戦の結果を受けて、各々自分の状態がどの程度か掴めたであろうか。

日下起親で1,300オール、1,000オールをアガるもその後の東場は静かに流れていく。
南場も誰も決定打の出ないまま、軽い手の応酬で、終わってみれば日下のトップ。
1回戦でプラスだった2人がマイナス、マイナスだった2人がプラスと未だ勝負の行方は見えてこない。

2回戦成績
寺戸▲10.0P 樋口▲15.9P 森下+4.9P 日下+21.0P

2回戦終了時
寺戸+12.4P 樋口▲7.4P 森下▲17.8P 日下+12.8P

 

3回戦(起家から日下・樋口・森下・寺戸)

東1局
暫定最下位となっている森下

五万六万一索二索三索四索六索二筒三筒三筒四筒五筒発  ドラ二筒

この好配牌から、五索二筒と引き込み4巡目でリーチを打ち即ツモの2,000・4,000。
ようやく森下の出番かと思われた。

東2局
その森下3巡目に自風の南をポンしてこの形。

一万一万四索五索五索五索七索九索西西  ポン南南南  ドラ三万

ようやく9巡目に一万を鳴いてテンパイを入れるもその瞬間、寺戸にも大物手のテンパイが入った。

四万四万四万五万五万六索六索四筒四筒四筒六筒六筒六筒  リーチ

森下も七索を引き込みトイトイのテンパイ。

五索五索五索七索七索西西  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン南南南

河にはどちらの待ちも出ておらず、両者ツモに力が入るが引きアガったのは寺戸。
短期戦での役満ツモアガリはもちろん優勝に大きく近づく。しかし、逆に安堵感か押し引きを狂わす可能性も否めない。

東3局
大物手が全く出なかった2回戦とは打って変わり、今度は日下が樋口から12,000。
樋口は早くも持ち点が0に。

東4局
高め一気通貫の先制リーチを打つ森下に日下がドラ暗刻のリーチで追いかけ8,000。
続いて南1局では2,600オールと一時は寺戸・日下とも5万点オーバーとなり両者とも大きなプラスとなった。

3回戦成績
寺戸+45.1P 樋口▲45.5P 森下▲21.2P 日下+21.6P

3回戦終了時
寺戸+57.5P 樋口▲52.9P 森下▲39.0P 日下+34.4P

 

4回戦(起家から寺戸・日下・樋口・森下)

あと残り2回。樋口・森下は大きな2連勝が必要となってくる。
だが南1局では
寺戸31,600点
日下29,800点
樋口30,000点
森下28,600点

それぞれが牽制しあってほぼフラットで南入り。

それでも南3局の親番で樋口がドラ単騎をツモり意地の初トップ。

八万三索四索五索五索六索七索九索九索九索二筒三筒四筒  ドラ八万

ここでも浮き2着となった日下がトップに躍り出た。

4回戦成績
寺戸▲19.5P 樋口+18.7P 森下▲7.2P 日下+8.0P

4回戦終了時
寺戸+38.0P 樋口▲34.2P 森下▲46.2P 日下+42.4P

 

5回戦(起家から寺戸・森下・日下・樋口)
この点差からの逆転は現実的には難しいかもしれないが、最終戦は何が起こるかわからない。
俄然タイトルホルダー2人に注目が集まる。

東1局1本場
樋口2枚目の中をポンテン。

五索五索五索二筒三筒四筒五筒六筒白白  ポン中中中

前局、1人ノーテンの森下がドラ待ちでリーチ。

二万二万二万三万四万五万五万六万七万一筒一筒一筒西  リーチ  ドラ西

次いで親の寺戸が八索を切って跳満のテンパイ。

一索二索三索三索三索四索六索七索八索九索  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き

森下の現物待ちとなった。

ドラをつかんだ樋口だが、躊躇いもなくツモ切り。
ポンテン3面張を入れた以上は、責められない。

ドラトイツ以上の両面待ちかと思ったとのことだが、これを止めると森下の現物で、寺戸にとっても四索のワンチャンスかつ中スジの五索を打って決定打になっていたかもしれない。

東4局
27,400点とはいえ最下位になっている日下。

一索一索三索四索五索六索八索八索九索九索二筒白中  ドラ二万

ここから積極的に八索をポン。九索も鳴き七索を引き込んで

一索一索三索四索五索六索七索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き

このテンパイ。

あっさり二索を引きアガリトップ目へ。

さて残り1周。
今度は寺戸の番。

東発発発  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン西西西  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ドラ五万

この7,700を森下からアガリ寺戸36,400点、日下35,400点と再逆転。

南1局1本場
寺戸7巡目に先制リーチ。

二万二万二万三万三万四万四万五万七索八索九索東東  ドラ一筒

ここはなんとしてもアガリたかったが、2枚目の中をポンした樋口にツモられ、2位に転落。

一索二索三索六索七索一筒一筒四筒五筒六筒  ポン中中中  ツモ八索

残り3局わずかな差であったが縮まることなく日下の優勝となった。

5回戦成績
寺戸+2.7P 樋口+14.1P 森下▲22.0P 日下+5.2P

5回戦終了時
寺戸+40.7P 樋口▲20.1P 森下▲68.2P 日下+47.6P

闘いの終わった後のコメントを紹介しよう。

4位:森下剛任
『次、もう一度決勝に乗れるように頑張ります。』
特に目立ったミスも見当たらず、この敗戦は致し方ない印象を受けた。

3位:樋口新
『負けはしましたが、次回は優勝します。』
とこちらも言葉少なであった。どのような状況でもブレない打ち方をする樋口も、追い詰められてからはミスが垣間見えた。

準優勝:寺戸孝志
『役満をツモって優勝出来なかったのは情けないです。ただ、見ている人には楽しんでもらえたのではないかと思います。』
全体的に淡泊に見えた今回の決勝で、大いに見せ場を作ってくれたのは素晴らしい。
勢いに乗ることも大事だが、若干最後に詰めの甘さが出たかも知れない。

優勝:日下健司
『今までで一番疲れた決勝でした。いつ出ても決勝は楽しいです。』
対局姿勢・摸打ともまだまだ未熟な面があり、課題は多い。
中部プロリーグの優勝者として、タイトル戦に出る機会も増えるので、アドバイスを真摯に受け止め改善して行って欲しい。
しかし、この相手に勝ち切ったのは見事だと言いたい。

100

前列左より:日下健司、木村本部長
後列左より:樋口新、寺戸孝志、森下剛任

中部プロリーグ レポート/第24期中部プロリーグ 決勝レポート 三戸 亮祐

年が明けたのは、つい昨日のように感じてしまうが、もう1月も半分以上過ぎてしまっている。
自分は、日々に追われ時間だけが過ぎて何も成長していないな。とふと思う。
だが、第24期中部プロリーグの決勝には着実に成長していると感じられるメンバーがそろった。
決勝に向けての意気込みを通過順に紹介していこう。
寺戸孝志(四段)
第17期中部プロリーグ優勝
『観戦者に楽しんでもらえるような決勝のメンバーになったので、その中で優勝できると良いなと思います。』
鳳凰戦にも参加している寺戸は、やや目立たないが樋口・森下よりもキャリアは長い。
ここで優勝してアピールしたいところだ。
樋口新(四段)
第19期麻雀マスターズ優勝
『平常心で臨みます。中部プロリーグの決勝は初めてとなりますが、マスターズも初決勝で優勝できたので、今回も優勝できると思います。』
かつてシンデレラボーイと言われた樋口も、久々の決勝である。
もう一度、輝きを見たいと思う。
森下剛任(四段)
第39期王位優勝
『自然体で臨みます。いつも通り力強い麻雀をします。』
破竹の勢いとはこのような状態なのだなと思う。
今現在中部本部で最も強いと断言できる。
日下健司(二段)
第21期中部プロリーグ優勝
『自分も含め、皆麻雀店で働いてる選手との対戦になったので、楽しみにしています。』
シンプルな麻雀を打つ。重い手組みをする他の打ち手が牽制しあえば、勝つ可能性もあると対局前に私と杉村プロとで話していたが、どうなるだろうか。
今決勝は、連盟のタイトルホルダー2名VS中部プロリーグ優勝者2名による構図となった。
1回戦(起家から寺戸・森下・日下・樋口)
東1局
起親の寺戸のホンツ仕掛けに対して、押す樋口に受ける森下。
真逆の反応を見せる2人。
樋口は生牌を2枚押すも、放銃牌だけは打たず寺戸の1人テンパイ。
東1局1本場
初アガリを決めたのは日下。
リーチ・ツモ・ドラ1の1,000・2,000だが、手役を意識せずに両面ならリーチ。
これが日下の持ち味である。
東2局
日下とは対照的に手役を追う、親の森下の456の三色リーチ。
四万五万六万七万七万四索六索一筒一筒一筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九索
七対子のテンパイを入れた寺戸に、こちらもテンパイを入れた樋口が森下の現物のドラで放銃。皆闘う意思が感じられる。
東3局
樋口、三色が見えたが手替わり前にカンチャンをツモ。500・1,000。
南2局
ようやく森下がアガリ、全員にアガリが生まれた。
これで、皆緊張がほぐれるだろう。
南2局1本場
連荘で弾みを付けたい森下であったが、好配牌に恵まれた樋口の2,000・4,000ツモ。
初戦は南3局4局と加点した寺戸のトップとなった。
1回戦成績
寺戸+22.4P 樋口+8.5P 森下▲22.7P 日下▲8.2P
 
2回戦(起家から日下・寺戸・森下・樋口)
1回戦の結果を受けて、各々自分の状態がどの程度か掴めたであろうか。
日下起親で1,300オール、1,000オールをアガるもその後の東場は静かに流れていく。
南場も誰も決定打の出ないまま、軽い手の応酬で、終わってみれば日下のトップ。
1回戦でプラスだった2人がマイナス、マイナスだった2人がプラスと未だ勝負の行方は見えてこない。
2回戦成績
寺戸▲10.0P 樋口▲15.9P 森下+4.9P 日下+21.0P
2回戦終了時
寺戸+12.4P 樋口▲7.4P 森下▲17.8P 日下+12.8P
 
3回戦(起家から日下・樋口・森下・寺戸)
東1局
暫定最下位となっている森下
五万六万一索二索三索四索六索二筒三筒三筒四筒五筒発  ドラ二筒
この好配牌から、五索二筒と引き込み4巡目でリーチを打ち即ツモの2,000・4,000。
ようやく森下の出番かと思われた。
東2局
その森下3巡目に自風の南をポンしてこの形。
一万一万四索五索五索五索七索九索西西  ポン南南南  ドラ三万
ようやく9巡目に一万を鳴いてテンパイを入れるもその瞬間、寺戸にも大物手のテンパイが入った。
四万四万四万五万五万六索六索四筒四筒四筒六筒六筒六筒  リーチ
森下も七索を引き込みトイトイのテンパイ。
五索五索五索七索七索西西  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン南南南
河にはどちらの待ちも出ておらず、両者ツモに力が入るが引きアガったのは寺戸。
短期戦での役満ツモアガリはもちろん優勝に大きく近づく。しかし、逆に安堵感か押し引きを狂わす可能性も否めない。
東3局
大物手が全く出なかった2回戦とは打って変わり、今度は日下が樋口から12,000。
樋口は早くも持ち点が0に。
東4局
高め一気通貫の先制リーチを打つ森下に日下がドラ暗刻のリーチで追いかけ8,000。
続いて南1局では2,600オールと一時は寺戸・日下とも5万点オーバーとなり両者とも大きなプラスとなった。
3回戦成績
寺戸+45.1P 樋口▲45.5P 森下▲21.2P 日下+21.6P
3回戦終了時
寺戸+57.5P 樋口▲52.9P 森下▲39.0P 日下+34.4P
 
4回戦(起家から寺戸・日下・樋口・森下)
あと残り2回。樋口・森下は大きな2連勝が必要となってくる。
だが南1局では
寺戸31,600点
日下29,800点
樋口30,000点
森下28,600点
それぞれが牽制しあってほぼフラットで南入り。
それでも南3局の親番で樋口がドラ単騎をツモり意地の初トップ。
八万三索四索五索五索六索七索九索九索九索二筒三筒四筒  ドラ八万
ここでも浮き2着となった日下がトップに躍り出た。
4回戦成績
寺戸▲19.5P 樋口+18.7P 森下▲7.2P 日下+8.0P
4回戦終了時
寺戸+38.0P 樋口▲34.2P 森下▲46.2P 日下+42.4P
 
5回戦(起家から寺戸・森下・日下・樋口)
この点差からの逆転は現実的には難しいかもしれないが、最終戦は何が起こるかわからない。
俄然タイトルホルダー2人に注目が集まる。
東1局1本場
樋口2枚目の中をポンテン。
五索五索五索二筒三筒四筒五筒六筒白白  ポン中中中
前局、1人ノーテンの森下がドラ待ちでリーチ。
二万二万二万三万四万五万五万六万七万一筒一筒一筒西  リーチ  ドラ西
次いで親の寺戸が八索を切って跳満のテンパイ。
一索二索三索三索三索四索六索七索八索九索  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き
森下の現物待ちとなった。
ドラをつかんだ樋口だが、躊躇いもなくツモ切り。
ポンテン3面張を入れた以上は、責められない。
ドラトイツ以上の両面待ちかと思ったとのことだが、これを止めると森下の現物で、寺戸にとっても四索のワンチャンスかつ中スジの五索を打って決定打になっていたかもしれない。
東4局
27,400点とはいえ最下位になっている日下。
一索一索三索四索五索六索八索八索九索九索二筒白中  ドラ二万
ここから積極的に八索をポン。九索も鳴き七索を引き込んで
一索一索三索四索五索六索七索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き
このテンパイ。
あっさり二索を引きアガリトップ目へ。
さて残り1周。
今度は寺戸の番。
東発発発  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン西西西  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ドラ五万
この7,700を森下からアガリ寺戸36,400点、日下35,400点と再逆転。
南1局1本場
寺戸7巡目に先制リーチ。
二万二万二万三万三万四万四万五万七索八索九索東東  ドラ一筒
ここはなんとしてもアガリたかったが、2枚目の中をポンした樋口にツモられ、2位に転落。
一索二索三索六索七索一筒一筒四筒五筒六筒  ポン中中中  ツモ八索
残り3局わずかな差であったが縮まることなく日下の優勝となった。
5回戦成績
寺戸+2.7P 樋口+14.1P 森下▲22.0P 日下+5.2P
5回戦終了時
寺戸+40.7P 樋口▲20.1P 森下▲68.2P 日下+47.6P
闘いの終わった後のコメントを紹介しよう。
4位:森下剛任
『次、もう一度決勝に乗れるように頑張ります。』
特に目立ったミスも見当たらず、この敗戦は致し方ない印象を受けた。
3位:樋口新
『負けはしましたが、次回は優勝します。』
とこちらも言葉少なであった。どのような状況でもブレない打ち方をする樋口も、追い詰められてからはミスが垣間見えた。
準優勝:寺戸孝志
『役満をツモって優勝出来なかったのは情けないです。ただ、見ている人には楽しんでもらえたのではないかと思います。』
全体的に淡泊に見えた今回の決勝で、大いに見せ場を作ってくれたのは素晴らしい。
勢いに乗ることも大事だが、若干最後に詰めの甘さが出たかも知れない。
優勝:日下健司
『今までで一番疲れた決勝でした。いつ出ても決勝は楽しいです。』
対局姿勢・摸打ともまだまだ未熟な面があり、課題は多い。
中部プロリーグの優勝者として、タイトル戦に出る機会も増えるので、アドバイスを真摯に受け止め改善して行って欲しい。
しかし、この相手に勝ち切ったのは見事だと言いたい。
100
前列左より:日下健司、木村本部長
後列左より:樋口新、寺戸孝志、森下剛任